JP6218796B2 - 喫煙品及び他の流れ送給物品 - Google Patents

Description

本開示は喫煙品等の流れ送給物品に関する。特に、本開示は、パルス状の送給を伴う流れ送給物品に関するが、これに限定されるものではない。

周知のフィルター付き紙巻きタバコは、タバコロッド要素と、チッピング紙として知られる巻紙によってタバコロッドと連結された１つ以上のフィルターエレメントを含む。このような紙巻きタバコは、喫煙者よって付与される吸引力に比例する連続流として煙を送給する。紙巻きタバコのフィルターの外周に設けられた通気用流入口を介して空気が煙流に引き込まれて煙流と混合されることもある。

本開示は、例えば喫煙品、加熱するが燃焼させない製品、電子タバコまたはエアロゾル／霧／蒸気送給物品等の流れ送給物品を提供する。流れ送給物品は、紙巻きタバコまたは電子タバコ等のタバコ産業製品を含んでもよい。

流れ送給物品によって供給される流れは、気体流を含む。流れ送給物品は、煙、エアロゾル、空気、蒸気、霧またはこれらの混合物の形態の気体流を送給してもよい。気体流は、流れ中に混入された粒子状物質を含んでもよい。

実施態様では、本開示は、使用者の口に気体流を送給する流れ送給物品であって、複数の流れ経路と、これらの経路を通る流れの相対量を繰り返し変化させる流れ制御要素を備えた流れ送給物品を提供する。

実施態様では、本開示は、使用者の口に気体流を送給する流れ送給物品であって、この
流れ送給物品が吸引されている間少なくとも１つの流れを供給する流れ制御要素を備え、
前記少なくとも１つの流れは個別の複数の流れ極大期を有する流れ送給物品を提供する。
この少なくとも１つの流れは複数の異なる流れを含み、各流れが個別の複数の流れ極大期
を有してもよい。

１つの実施態様では、本開示は、使用者の口に気体流を送給する流れ送給物品であって、少なくとも１つの流れの流路を制御して複数の流れ極大期を生じさせる流れ制御要素を備える流れ送給物品を提供する。この少なくとも１つの流れは、煙流、空気流、風味付き流れ及び混合された煙／空気／風味付き流れの少なくとも１つを含んでもよい。

１つの実施態様では、本開示は、使用者の口に気体流を送給する流れ送給物品であって、複数の流れの変化を生じさせることによって経時的に変化する流れを供給するように構成された流れ制御要素を備える流れ送給物品を提供する。各流れの変化は、異なる流れ経路を通る流れの相対量を変化させることを含んでもよい。

１つの実施形態では、本開示は、使用者の口に気体流を送給する流れ送給物品であって、少なくとも３つの連続した流れパルスを供給するように構成された流れ制御要素を備える流れ送給物品を提供する。

実施態様では、本開示は、使用者の口に気体流を送給する流れ送給物品であって、流路を制御することによって少なくとも３つの連続した流れパルスを供給する流れ制御要素を備える流れ送給物品を提供する。これら３つの連続した流れパルスはそれぞれ異なるものであってもよい。

本開示で用いられる用語「流れ送給物品」は、気体流を送給する製品、例えば喫煙品、加熱するが燃焼させない製品、電子タバコ及びエアロゾル／霧／蒸気送給機器を含む。好ましくは、流れ送給物品は、紙巻きタバコまたは電子タバコ等のタバコ工業製品を含む。流れ送給物品によってもたらされる流れは、気体流を含む。

流れ送給物品は、煙、エアロゾル、空気、蒸気または霧の１つ以上の形態の流れを送給
してもよい。いくつかの実施態様では、複数の流れ供給源は、第１の風味を有する煙の供
給源と、第２の風味を有する煙の供給源を含んでもよい。

種々の実施態様では、流れ制御要素は可動部材を備え、この可動部材の動きは、異なる流れ経路を通る流れの相対量を変化させる。可動部材は、流れを受けて動くように構成されてもよい。

可動部材は、回転することによって前記流れ経路を通る流れの相対量を変化させるように構成された回転部材を備えてもよい。

回転部材は、流れを受けることによってこの回転部材の回転を引き起こすように構成された１つ以上の流れ受け部を有する流れ駆動回転部材を備えてもよい。

１つの実施態様では、流れ制御要素は、前進空洞装置を備える。

１つの実施態様では、可動部材は、第１の流れを受けることによって回転部材の回転を引き起こす第１の流れ受け部と、第２の流れを受けることによって回転部材の回転を引き起こす第２の流れ受け部を備える。

第１の流れ受け部は螺旋状要素を備えてもよく、第２の流れ受け部は螺旋状要素を備えてもよい。

第１の流れ受け部は１つ以上の羽根を備えてもよく、第２の流れ受け部は１つ以上の羽根を備えてもよい。

種々の実施態様では、流れ送給物品は喫煙品を含む。

喫煙品は、タバコロッド及びフィルターを備え、フィルターが流れ制御要素を備えたものであってもよい。

流れ制御要素はフィルターとタバコロッドの間に配置されてもよい。あるいは、流れ制御要素はフィルター内に配置されてもよい。

種々の実施態様では、流れ制御要素は喫煙品の吸い口端部に配置される。

実施態様では、可動部材は、流れを受けて回転するように構成された羽根車を備える。喫煙品は、さらに、流れの中に可動部材を支持する支持部材を備えてもよい。

可動部材は、第１の回転位置では第１の流れ経路を通る流れを許容し、第２の回転位置では第２の流れ経路を通る流れを許容するように構成された回転可能な開口部を備えてもよい。

可動部材はバルブを備えてもよい。

流れ制御要素は、連続したパルスを含む流れを供給するように構成されてもよい。

流れ送給物品は、少なくともいくつかの前記パルスに風味を付ける風味付け要素を備えてもよい。

流れ制御要素は、振動を発生させて使用者に触覚刺激を与えるように構成されてもよい。

種々の実施態様では、本開示の種々の流れ制御要素のいずれかを備える喫煙品の形態の流れ送給物品が提供される。

本開示で用いられる用語「喫煙品」は、タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替品のいずれを基礎材料としているかにかかわらず、紙巻きタバコ、葉巻タバコ、シガリロ及びパイプ等の喫煙することができる製品、並びに非燃焼加熱製品を含む。

いくつかの実施態様では、喫煙品は、紙巻きタバコ等の燃焼させることを前提とした喫煙品を含む。また、別の実施態様では、喫煙品は、電子タバコ等の燃焼させないことを前提とした物品、あるいは他の燃焼させないことを前提とした使用時に喫煙される機器を含む。

１つの実施態様では、本開示は、吸引されている間少なくとも１つの流れを供給する流れ制御要素を備え、前記少なくとも１つの流れは個別の複数の流れ極大期を有する喫煙品を提供する。この少なくとも１つの流れは複数の異なる流れを含み、各流れが個別の複数の流れ極大期を有してもよい。

１つの実施態様では、本開示は、少なくとも１つの流れの流路を制御して複数の流れ極大期を生じさせる流れ制御要素を備える喫煙品を提供する。この少なくとも１つの流れは、煙流、空気流、風味付き流れ及び混合された煙／空気／風味付き流れの少なくとも１つを含んでもよい。

１つの実施態様では、本開示は、吸引されている間複数の流れの変化を生じさせることによって経時的に変化する流れを供給するように構成された流れ制御要素を備える喫煙品を提供する。

各流れの変化は、異なる流れ経路を通る流れの相対量を変化させることを含んでもよい。

１つの実施態様では、本開示は、吸引されている間少なくとも３つの連続した流れパルスを供給するように構成された流れ制御要素を備える喫煙品を提供する。

本開示は、流路を制御することによって少なくとも３つの連続した流れパルスを供給する流れ制御要素を備える喫煙品も提供する。これら３つの連続した流れパルスはそれぞれ異なるものであってもよい。

流れ制御要素は、前記３つの連続した流れパルスを複数回繰り返し供給するように構成されてもよい。

本開示で用いられる用語「風味」及び「風味物質」とは、法令で許される場合に、製品において所望の味または香りを作り出すために使用することができる材料を言う。これらは、抽出物（例えばカンゾウ、アジサイ、ホオバ、カモミール、コロハ、チョウジ、メントール、ハッカ、アニス果、シナモン、薬草、ヒメコウジ、サクランボ、ベリー類、モモ、リンゴ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、ハチミツエキス、バラ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カッシア、ヒメウイキョウ、コニャック、ジャスミン、イランイランノキ、薬用サルビア、ウイキョウ、オールスパイス、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、またはハッカ属の如何なる種に由来するハッカ油）、風味マスキング剤、苦味受容体部位遮断剤、受容体部位増強剤、甘味料（例えばスクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、乳糖、ショ糖、ブドウ糖、果糖、ソルビトール、またはマンニトール）、及び木炭、葉緑素、無機質、植物性薬品、または口臭消臭剤等の他の添加物を含んでもよい。これらは、模造、合成または天然成分であってもよく、これらの混合物であってもよい。これらは、例えば油、液体または粉体等の如何なる適切な形態であってもよい。

本開示は、本開示の種々の流れ制御要素のいずれかを備える喫煙品用フィルターも提供する。

種々の実施態様では、流れ制御要素は、５０Ｈｚ〜１５０Ｈｚのパルス周波数、例えば６０Ｈｚ〜１００Ｈｚ、または約７０Ｈｚ、または約８０Ｈｚのパルス周波数が生成されるように構成されてもよい。実施態様では、３０Ｈｚ〜１０００Ｈｚのパルス周波数、例えば５０Ｈｚ〜２００Ｈｚ、または例えば６０Ｈｚ〜７０Ｈｚのパルス周波数が生成されてもよい。

本発明の理解を助けるために、以下に、単なる例示として、添付の図面を参照して本発明の実施態様について説明する。
本開示による例示的な喫煙品の軸方向断面図である。 例示的な喫煙品の流れ制御要素をより詳細に示す軸方向断面図である。 例示的な流れ制御要素を示す、一部が取り除かれた喫煙品の斜視図である。 第１の位置における回転子機構を示す、ハウジングが取り除かれた例示的な流れ制御要素の斜視図である。 流れ制御要素の固定子部を示す。 第２の位置における回転子機構を示す、ハウジングが取り除かれた例示的な流れ制御要素の斜視図である。 パルス状流れの一例を概略的に示す。 回転子機構の回転盤の例示的な変形例を示す。 回転子機構の回転盤の例示的な変形例を示す。 回転子機構の回転盤の例示的な変形例を示す。 タバコロッドとフィルタープラグの間に配置された流れ制御要素を備える紙巻きタバコの斜視図である。 流れ制御要素の煙流路部を示す。 流れ制御要素の空気流路部を示す。 流れ制御要素の羽根輪を示す。 フィルタープラグに隣接して吸い口端部に配置された流れ制御要素を備える紙巻きタバコの斜視図である。 図１１ａの流れ制御要素をより詳細に示す。 内部螺旋状スクリューを示す、一部が取り除かれた回転要素を示す。 支持要素を示す。 流れ制御要素内の異なる位置にある回転要素を示す。 流れ制御要素内の異なる位置にある回転要素を示す。 流れ制御要素内の異なる位置にある回転要素を示す。 フィルタープラグに隣接して吸い口端部に配置された流れ制御要素を備える紙巻きタバコの斜視図である。 図１４ａの流れ制御要素をより詳細に示す。 流れ制御要素の部分を示す。 流れ制御要素の螺旋状回転子の斜視図である。 流れ制御要素の吸い口端部を示す。 流れ制御要素の流路ハウジングを示す。 流れ制御要素内の異なる位置にある回転子を示す図である。 流れ制御要素内の異なる位置にある回転子を示す図である。 流れ制御要素内の異なる位置にある回転子を示す図である。 流れ制御要素の異なる配置を示す図である。 流れ制御要素の異なる配置を示す図である。 流れ制御要素の異なる配置を示す図である。 流れ制御要素の異なる配置を示す図である。 本開示による別の例示的な流れ送給物品を示す。 例示的なパルス状流れの煙流成分及び空気流成分を別々に示す。 本開示による別の例示的な流れ送給物品を示す。 例示的なパルス状流れの煙流成分及び空気流成分を別々に示す。 本開示による別の例示的な流れ送給物品を示す。 本開示による別の例示的な流れ制御要素を示す。 図１３の例示的な流れ制御要素の変形例を示す。

例示のために、図１に紙巻きタバコ１の形態の流れ送給物品の断面図を示すが、これに限定されるものではない。図示の通り、紙巻きタバコ１は、タバコロッド２の形態の発煙要素と、第１及び第２のフィルタープラグ要素３、４を備える。紙巻きタバコ１は、さらに、２個のフィルタープラグ要素３、４の間に配置された流れ制御要素５を備える。図示の通り、タバコロッド２、フィルターエレメント３、４及び流れ制御要素５は、長手方向に一直線状に配列され、チッピング紙６で巻かれることによって互いに連結される。

図２〜４を参照すると、流れ制御要素５は、第１及び第２の固定子部８、９の間に回転可能に設置された回転子機構７の形態の可動部材を含む。図示の通り、回転子機構７は、第２の固定子部９に形成された空気流路１１及び煙流路１２から喫煙者によって吸引される空気及び煙の流れによって回転駆動される羽根車１０を含む。回転子機構は、空気パルスと煙パルスが交互に生じるパルス状流れが発生するように、回転中に空気流路１１及び煙流路１２と交互に重なり合う開口部１３を含む。

次に流れ制御要素５をより詳細に説明すると、図２、３に示す通り、回転子機構７は、固定子部８、９に回転可能に取り付けられた軸１４を含む。回転子機構７及び固定子部８、９は、図２、３に示す硬質な円筒形のスリーブ１５を有する任意のハウジングに収容されてもよい。図４は、スリーブ１５を取り除いた斜視図を示す。図４ａは固定子部９を単独で示す。

図４に示す通り、軸１４に羽根１６が取り付けられ、この羽根１６が軸１４から延出して羽根車１０を形成している。軸１４には、羽根車１０から長手方向に離隔した位置に回転盤１７が取り付けられている。回転盤１７は、使用時に回転子機構７の他の部分と共に回転する開口部１３を含む。

図３に示す通り、軸１４の一方の端部は、第１の固定子部８のハブ部１８に回転可能に取り付けられている。軸１４の反対側の端部は、第２の固定子部９のハブ部１９に回転可能に取り付けられている。回転子機構７の回転を円滑にするために、ハブ部１８、１９にさらにベアリングが設けられてもよい。

図４に示す通り、第１の固定子部８は円盤形であり、且つ、流れがこの固定子部８を通り抜けることを許容する２個の開口部２０、２１を含む。再度図３を参照すると、第２の固定子部９は、空気用及び煙用の別々の流路１１、１２を画定するように形成されている。図示の通り、空気流路１１と煙流路１２は、Ｌ字形隔壁２２によって隔てられている。

図２、３に示す通り、空気が空気流路１１に入り込むことを可能にするために、紙巻きタバコ１の外周に空気流入口２３が形成されている。空気流入口は、ハウジング１５の一方の側面を貫通する複数の孔を有する。空気流入口は、さらに、ハウジング１５の複数の孔と重なり合うようにチッピング紙６に形成された複数の孔を有する。いくつかの実施例では、ハウジング１５は設けられなくてもよい。いくつかの実施例では、空気がチッピング紙を透過するように、チッピング紙が通気性材料から形成されてもよい。

回転盤１７の開口部１３が図４に示す位置で空気流路１１と重なった場合、フィルターの外周の空気流入口２３から空気流路１１に入り、この空気流路１１及び開口部１３を経て羽根車１０に達するように空気流の経路が画定される。これにより、空気が喫煙者によって空気流経路に吸い込まれ、羽根車１０に接触して羽根車１０を回転駆動することができる。羽根車１０を通過した空気は、第１の固定子部の開口部２０、２１を通り抜けた後、吸い口端部フィルターエレメント４を通り抜けて喫煙者の口に流入する。

開口部１３が図４の位置にある場合、煙が煙流路１２を通り抜けることは回転盤１７によって妨げられる。また、煙が空気流路１１に入り込むことは隔壁２２によって妨げられる。その結果、この位置では、紙巻きタバコ１から吸引される流れは実質的にまたは完全に空気である。いくつかの実施態様では、空気流に一定量の煙を混合することが望まれることが考えられ、この場合、回転盤１７と第２の固定子部９の間に長手方向の隙間を設け、いくらかの煙が煙流路１２から迂回路に沿って開口部１３に流れることができるようにしてもよい。ただし、別の実施態様においては、図４の位置では空気のみが紙巻きタバコから吸引されるように、この回転盤１７と第２の固定子部の間の長手方向の隙間を十分に小さくすることができる。

開口部１３が図５に示すように煙流路１２と重なった場合、タバコロッド２からフィルターエレメント３、煙流路１２、さらに開口部１３を通る煙の流れ経路が画定される。これにより、煙が喫煙者によってタバコロッド２から煙流経路に吸い込まれ、羽根車１０に接触して羽根車１０を回転駆動することができる。羽根車１０を通過した煙は、第１の固定子部の開口部２０、２１を通り抜けた後、吸い口端部フィルターエレメント４を通り抜けて喫煙者の口に流入する。

開口部１３が図５の位置にある場合、空気が空気流路１１を通り抜けることは回転盤１７によって妨げられる。また、空気が煙流路１２に入り込むことは隔壁２２によって妨げられる。その結果、この位置では、紙巻きタバコ１から吸引される流れは実質的にまたは完全に煙である。いくつかの実施態様では、一定量の空気が回転盤１７と第２の固定子部９の間の長手方向の隙間を介して空気流路１１から迂回路に沿って開口部１３に流れ、煙流路１２から吸引される煙流と混ざり合ってもよい。別の実施態様においては、図５の位置では煙のみが紙巻きタバコから吸引されるように、この回転盤１７と第２の固定子部の間の長手方向の隙間を十分に小さくすることができる。

使用時には、喫煙者が紙巻きタバコを吸い、これにより生じる流れが羽根車１０を駆動して開口部１３の回転を生じさせる。開口部１３が図４のように空気流路１１に重なっているか図５のように煙流路１２に重なっているかにかかわらず、煙または空気の形態の流れが羽根車に到達して回転駆動する。開口部１３が隔壁２２の端部領域２２ａに跨る中間位置では、開口部１３は、一部が空気流路に重なり、一部が煙流路に重なる。この位置では、開口部１３を通る煙の流れ経路と空気の流れ経路の双方が存在するため、空気及び煙の双方が羽根車１０に到達し、喫煙者の口に流入する前に羽根車１０を回転させる。

従って、喫煙者が紙巻きタバコを吸うと、回転する開口部が空気流路１１及び煙流路１２に交互に重なり合う。この方法では、流れ制御要素は、煙経路と空気経路の間で流れを繰り返し切り替えるバルブとして機能する。これにより、喫煙者には、煙パルスと空気パルスが交互に生じるパルス状の流れが供給される。

図６は、実施態様による吸引されている間のパルス状流れの一例を概略的に示す。図示の通り、全体の流れは、複数の煙パルス２４ａを含む煙流成分と、複数の空気パルス２４ｂを含む空気流成分を含む。各煙パルス２４ａの後に１つの空気パルス２４ｂが生じるため、パルス状流れには煙パルス２４ａと空気パルス２４ｂが交互に生じる。これにより、
交互に生じる空気パルスと煙パルスの連続パルスが供給される。

いくつかの実施態様では、図６に示す通り、例えば煙流量は特定の時期に０まで減少するが、これは、パルス状煙流の限定的な機能を意図するものではない。いくつかの実施態様では、各空気パルス２４ｂは実質的に空気によって占められてもよいが、例えば図４を参照して上述したように煙流路１２から迂回路に沿って引き込まれた一定量の煙を含んでもよい。同様に、いくつかの実施態様では、各煙パルス２４ａは、図５を参照して上述したように空気流路１１から迂回路に沿って引き込まれたいくらかの空気を含んでもよい。

図６に示す通り、煙パルスが上昇するにつれて、先行する空気パルスが下降し、その逆
もまた同様となるため、いくつかの実施態様では、総流量（即ち合成された煙パルス及び
空気パルス）を、開口部１３が回転している間一定または実質的に一定に維持することが
できる。図４に示す通り、回転中に総流量が減少した後再び増大するように、いくつかの
回転位置で開口部１３が隔壁の端部領域２２ａによって部分的に塞がれてもよい。隔壁の
端部領域２２ａの幅は、望ましい総流量の変化の度合いを得るように選択してもよい。

図６に示す通り、各煙パルス２４ａは煙流の流れ極大期２５ａを画定する。同様に、各
空気パルス２４ｂは空気流の流れ極大期２５ｂを画定する。これらの空気流極大期２５ｂ
は互いに時間をずらして形成される。同様に、パルス状煙流を供給するために、煙流極大
期２５ａも互いに時間をずらして形成される。

流れ制御要素５には多くの変更例が考えられる。例えば、図４に示す開口部１３は円形
であるが、開口部を異なる大きさまたは形状とすることも可能である。また、単一の開口
部ではなく、複数の開口部を設けることも可能である。開口部の大きさ、形状及び／また
は数を変更することにより、図６の空気パルス及び煙パルスの特性を変化させることがで
きる。例えば、パルス振幅、パルス持続時間及び／またはパルス波形が変化するように開
口部１３を変更してもよい。図７ａ、７ｂ及び７ｃは、開口部１３の３つの例示的な変更
例を示す。

いくつかの例では、図７ａに示す開口形状を幅が十分に狭いものとし、いくつかの回転位置において開口部１３の全断面積が隔壁２２の端部領域によって封鎖されるようにしてもよい。この特定の開口形状によれば、短時間の間、羽根車１０に全くまたは殆ど流れが到達しなくなる可能性があるが、それでもなお、動いている羽根車１０の惰性は、開口部１３がもう一度流路１１、１２に重なって羽根車が再び駆動されるまで、開口部１３に回転を続けさせるのに貢献する。従って、いくつかの実施態様では、この図７ａの開口形状は、紙巻きタバコの出口で各煙パルス及び空気パルスの後に流れが供給されない期間を導入する効果を有してもよい。このような隣り合う煙パルスと空気パルスとの間の「流れのない」期間は、喫煙体験に、消費者にとって好ましいさらなる変化をもたらす。

図８は、タバコロッド２とフィルタープラグ３の間の適切な位置に流れ制御要素２６を
備える紙巻きタバコ１の断面図を示す。図示の通り、タバコロッド２、フィルタープラグ
３及び流れ制御要素２６は、長手方向に一直線状に配列され、チッピング紙６で巻かれる
ことによって互いに連結される。

要素２６は第１の部分２７と第２の部分２８を有し、この第１の部分２７は煙流路部２
７であり、第２の部分２８は空気流路部２８である。要素２６は、部分２７、２８に対し
て回転するように構成された円筒形のタービン翼車または羽根輪２９の形態の回転部材２
９も有する。羽根輪２９は２つの流路部２７、２８内に回転可能に設置されている。

図９ａは、羽根輪２９が本来の場所に配置された状態の煙流路部２７の斜視図である。
図９ｂは、羽根輪２９が本来の場所に配置された状態の煙流路部２８の斜視図である。図
１０は、羽根輪２９を単独で示す。

図９ａ及び９ｂに示す通り、２つの流路部２７、２８のそれぞれの外面は半円筒形状と
なっており、これら２つの流路部２７、２８は、組み合わされると、円筒形の流れ制御要
素２６を形成する。いくつかの実施態様では、２つの流路部２７、２８は、硬質な円筒形
のスリーブを有するハウジングに収容されてもよい。少なくとも１つの流路部（この実施
態様では第２の流路部２８）は隔壁３０を有する。図８に示す通り、第１及び第２の流路
部２７、２８が組み合わされて要素２６を形成した場合、第１及び第２の流路部２７、２
８は煙流用及び空気流用の別々の流路を画定し、これらの煙流路と空気流路は隔壁３０に
よって隔てられる。隔壁３０は、羽根輪２９に対応した形状とされる。実質的に、一方の
流路部から他方の流路部に流れが漏れることはない。

２つの流路部２７、２８のそれぞれは、タバコロッド側端部２７ａ、２８ａと吸い口側
端部２７ｂ、２８ｂを有する。要素２６に流れを受け入れる空洞を有する入口部３１、３
２が流路部２７ａ、２８ａのタバコロッド側端部と羽根輪２９の間に配置されている。出
口部３３、３４が羽根輪２９と流路部２７、２８の吸い口側端部の間に配置されている。

空気流及び煙流によって羽根輪２９に加えられる回転力を増大させるために、２つの流
路部２７、２８の内面３５、３６は、空気または煙を実質的に羽根輪２９の外周面及びこの外周面の周囲に向かわせる形状とされている。流路部２７、２８と羽根輪２９の間に、
空気または煙が羽根輪２９の周囲に引き込まれることを許容する隙間が存在してもよい。
流路部２７、２８の内面３５、３６は、ベンチュリー効果をもたらして空気流または煙流
の流速を高めることができる狭窄部３７、３８も有してもよい。

羽根輪２９を図１０に詳細に示す。羽根輪２９は、概して円筒形状であり、互いに固定
された第１の端部３９と第２の端部４０を有する。羽根輪３９は、この羽根輪２９の第１
の端部３９が煙流路部２７内に配置され、この羽根輪２９の第２の端部４０が空気流路部
２８内に配置されるように、２つの流路部２７、２８内に回転可能に設置されている。

羽根輪２９の第１の端部３９と第２の端部４０は、軸方向に一直線状に配列され、且つ
図示の実施態様では、互いに１８０°回転されて形成されていること以外は同一のもので
ある。

第１の端部３９及び第２の端部４０は、それぞれ、複数の羽根４１、４２を有する個別
の羽根領域を含む。図９ａ、９ｂ及び１０に示す通り、第１の端部の羽根領域は、第２の
端部の羽根領域に対して１８０°回転されて形成されている。

図示の通り、端部３９は、羽根４１に形成されていない硬質な半円筒形部分４３も有す
る。部分４３の半径は、羽根４１の先端同士によって画定される弧の半径にほぼ合致する
。

同様に、端部４０は、羽根４２に形成されていない硬質な半円筒形部分も有する。部分
４４の半径は、羽根４２の先端同士によって画定される弧の半径にほぼ合致する。

以下により詳細に述べる通り、部分４３、４４は、羽根輪２９が回転するのに伴って、
各流路を通る流れを周期的に遮断する流れ遮断部として機能する。第１の端部３９の流れ
遮断部４３が煙流路を遮断した場合には、空気流路内の空気流が第２の端部４０の羽根領
域を回転駆動して羽根輪２９を回転させる。同様に、第２の端部４０の流れ遮断部４４が
空気流路を遮断した場合には、煙流路内の煙流が第１の端部３９の羽根領域を回転駆動し
て羽根輪２９を回転させる。この方法では、羽根輪２９は、煙流路及び空気流路を通して
吸引される流れによって持続的に回転駆動される。

図８、９ａ、９ｂ及び１０は、領域４３、４４がそれぞれ滑らかに湾曲した外周面を有
することを示しているが、いくつかの実施態様では、各領域４３、４４は、その外周面に
、周方向に間隔をあけて形成された複数のなだらかな尾根状隆起部を有してもよい。

煙流路部２７が図９ａに詳細に示されている。羽根輪２９の羽根４１が煙流路部２７の
狭窄部３７に重なった場合、タバコロッド２から煙流路入口部３１に入り、羽根輪２９の
第１の端部３９の羽根４１に達するように煙の流れ経路が画定される。これにより、使用
時には、煙が喫煙者によって煙流経路に吸い込まれ、羽根４１に接触して羽根輪２９を回
転駆動することができる。この方法では、羽根輪２９は、使用者によって吸引される煙流
によって回転駆動される。羽根輪２９を通過した煙は、煙流路出口部３３を通り抜けて喫
煙者の口に流入する。

羽根輪２９の流れ遮断部４３が煙流路部２７の狭窄部３７に重なった場合、煙流が羽根
輪２９を通過することが妨げられる。この場合、煙が使用者の口に吸い込まれない。

空気流路部２８を図９ｂに詳細に示す。空気流路部２８のタバコロッド側端部２８ａは
隔壁３０によって封鎖されているため、使用時にタバコロッド２からの煙が空気流路部２
８に吸い込まれない。使用時に空気が空気流路入口３２に吸い込まれるように、喫煙品１
の外周に空気流入口４５が形成されている。空気流入口４５は、空気流路部２８の側面を
貫通する複数の孔を有する。空気流入口は、さらに、空気流路部２８の複数の孔と重なり
合うようにチッピング紙６に形成された複数の孔を有する。いくつかの実施態様では、空
気がチッピング紙６を透過するように、孔があけられていない通気性材料からチッピング
紙６が形成されてもよい。

羽根輪２９の羽根４２が空気流路部２８の狭窄部３８に重なった場合、空気流入口４５
から空気流路入口３２に入り、羽根輪２９の第２の端部４０に達するように空気の流れ経
路が画定される。これにより、空気が喫煙者によって空気流経路に吸い込まれ、羽根４２
に接触して羽根輪２９を回転駆動することができる。この方法では、羽根輪２９は、使用
者によって吸引される空気流によって回転駆動される。羽根輪２９を通過した空気は、空
気流路出口部３４を通り抜けて喫煙者の口に流入する。

羽根輪２９の流れ遮断部４４が空気流路部２８の狭窄部３８に重なった場合、空気流が
羽根輪２９を通過することが妨げられるため、空気が使用者の口に吸い込まれない。

如何なる瞬間においても、羽根輪２９の第１の端部３９または第２の端部４０のいくつ
かまたは全ての羽根４１、４２が対応する狭窄部３７、３８に臨んでおり、使用者によって吸引される流れを受けることができる。そのため、使用時には、使用者が紙巻きタバコ
を吸うと、これにより生じる空気または煙の形態の流れが羽根輪２９を回転駆動する。

羽根４１が煙流路部２７の狭窄部３７に臨んでいる場合、流れ遮断部４４は空気流路部
２８の狭窄部３８に重なっている。これにより、空気が空気流路部２８を通り抜けること
が妨げられる。また、空気が煙流路部２７に入り込むことは隔壁３０によって妨げられる
。その結果、この位置では、紙巻きタバコ１から吸引される流れは実質的にまたは完全に
煙である。この煙流によって羽根輪２９が回転駆動され、流れ遮断部４３が煙流路部２７
の狭窄部３７に重なってさらなる煙流が妨げられるようになる。煙が空気流路部２８に入
り込むことも隔壁３０によって妨げられる。その結果、この位置では、紙巻きタバコ１か
ら実質的に全く煙が吸引されない。

羽根輪２９の回転によって羽根４２が空気流路部２８の狭窄部３８と一致するようになる。そのため、空気を空気流路部２８に吸い込むことができる。この空気流は羽根輪２９
をさらに回転駆動する。

従って、喫煙者が紙巻きタバコを吸うと、これにより生じる羽根輪２９の回転が羽根４
１、４２を交互に煙流路２７及び空気流路２８に一致させる。この方法では、流れ制御要
素は、煙経路と空気経路の間で流れを繰り返し切り替える弁として機能する。これにより
、喫煙者には、煙パルスと空気パルスが交互に生じるパルス状流れが供給される。

流れ制御要素２６には多くの変更例が考えられる。いくつかの実施態様では、羽根輪２
９と流路部２７、２８の一方または双方との間に隙間が存在してもよい。また、流れ遮断
部４３、４４は複数のなだらかな尾根状隆起部を有してもよい。これらの実施態様では、
羽根４１、４２が対応する煙流路２７または空気流路２８に臨んでいないときにも、空気
流または煙流がいくらか通過することができる。この流れの漏出は、羽根輪２９の回転特
性を向上させることができる。

図示の実施態様では、隔壁３０は、流れが出口部３３、３４から流出するまで、空気流
と煙流の如何なる混ざり合いも防止する。ただし、他の実施態様では、出口部３３、３４
は、パルス状空気流及び煙流を変化さ-せるように構成されてもよい。例えば、出口部は
、流れ制御要素２６内で空気流と煙流が組み合わされて単一のパルス状流れを形成するよ
うに構成されてもよい。他の実施態様では、出口部３３、３４は、パルス状空気流及び煙
流に風味物質を送給するように構成されてもよい。

いくつかの実施態様では、流れ制御要素は、例えば煙、空気及び風味物質をパルス状に
送給するための３つの流路を備えてもよい。これらの実施態様では、前記要素は、別々の
煙流路部、空気流路部及び風味物質流路部を備えてもよい。さらに、羽根輪は、その長手
方向に沿って３分割され、各３分の１は、その外周面の３分の１が羽根を有し、その外周
面の３分の２が流れ遮断部を有する形状とされてもよい。使用時には、使用者によって吸
引される煙流、空気流及び風味物質流が羽根輪を回転駆動してパルス状の煙流、空気流及
び風味物質流を生じさせる。

流れ制御要素２６には多くの変更例が考えられる。図８〜１０に示す実施態様では、羽
根輪２９の回転軸は、喫煙品１の長手方向軸に対し直交方向に配向されている。ただし、
別の実施態様では、羽根輪２９は、喫煙品１の長手方向軸に対し斜交する角度に配向され
てもよい。これらの実施態様では、煙流によって羽根輪２９に加えられる回転力を増大さ
せるために、羽根４１、４２は、羽根輪２９の外周面を取り巻く螺旋形状を有してもよい
。これらの実施態様では、羽根輪は、円管形状のハブによって回転可能に取り付けられて
もよい。このハブは、パルス流れを送給するように構成されるさらなる流れ経路を備えて
もよい。

いくつかの実施態様では、円筒形の羽根輪の代わりに、可動部材は、ほぼ球形または卵
形の形状を有してもよい。球形は、特に煙と可動部材の間の相互作用を最大限利用するように実質的に円筒形の流路と組み合わせて用いる場合に、回転駆動に用いられる流量を最大限利用するのに有利に用いることができる。

図１１ａは、喫煙品１の吸い口端部の適切な位置に配置された別の流れ制御要素５０を
示す。紙巻きタバコ１は、さらに、タバコロッド２及びフィルタープラグ３を備える。図
示の通り、タバコロッド２、フィルタープラグ３及び流れ制御要素５０は、長手方向に一
直線状に配列され、チッピング紙６で巻かれることによって互いに連結される。

図１１ｂに流れ制御要素５０がより詳細に示されている。要素５０は、図１２ａに単独
で示す回転可能要素５１を備えた軸タービンの形態を有する。回転可能要素５１は、煙流
路５２及び空気流路５３を備える。使用時には、回転可能要素５１は、使用者によって吸
引される空気流または煙流によって回転駆動される。回転可能要素５１は、図１２ｂに単
独で示す支持要素５４に対して回転する。支持要素５４は複数の開口部６２、６３、６４
を備える。回転可能要素５１が回転するのに伴い、煙流路５２及び空気流路５３がこれら
の開口に順次に重なることにより、空気パルス及び煙パルスを含むパルス状流れが発生す
る。

図１２ａは回転可能要素５１を示す。回転可能要素５１は、円筒状管５６を備える。管
５６の芯は、管５６内に螺旋状の煙流路５２を画定する螺旋状スクリュー５７を備える。
使用時には、煙流をタバコロッド２からフィルタープラグ３及び煙流路５２を経て吸引することができる。煙流は、螺旋状スクリュー５７を回転駆動して回転可能要素５１を回転
させる。

回転可能要素５１は、さらに、その外周面に沿って螺旋状に延在する１つ以上の螺旋状
翼５８を備える。図１１ｂに示す通り、回転可能要素５１は、硬質な円筒形のスリーブ５
９を有するハウジングに収容され、このハウジングに対して回転する。空気流路は回転可
能要素５１とスリーブ５９の間に形成される。

使用時に空気を空気流路５３に吸い込むことができるように、喫煙品１の外周に空気流
入口６０が形成されている。空気流入口６０は、スリーブ５９の側面を貫通する複数の孔
を有する。空気流入口６０は、さらに、スリーブ５９の複数の孔と重なり合うようにチッ
ピング紙６に形成された複数の孔を有する。いくつかの実施態様では、空気がチッピング
紙を透過するように、チッピング紙が通気性材料から形成されてもよい。

使用時には、空気は、空気流入口６０を経て、回転可能要素５１とスリーブ５９の間に
形成された空洞に沿って吸引される。そのため、煙流は、回転可能要素５１を回転させる
ように螺旋状翼５８に作用する。

図１２ａに示す通り、回転可能要素の吸い口端部は、中心角２４０°の部分円形の平坦
な円盤の形態の端部蓋６１を備える。図１１ｂに示す通り回転可能要素５１がスリーブ５
９内の適切な位置にあるときには、煙流路５２の表面積の３分の２及び空気流路５３の表
面積の３分の２が端部蓋６１によって閉鎖される。

図１１ｂに示す通り、要素５０は、さらに、吸い口端部に支持要素５４を備える。図１
２ｂは支持要素５４を単独で示す。回転可能要素５１の吸い口端部は支持要素５４によって回転可能に支持される。

固定された支持要素５４は第１、第２及び第３の開口部６２、６３、６４を備える。第
１の開口部６２は、煙流開口部を有し、煙を煙流路５２から使用者の口に吸い込むことが
できる流路をもたらす。従って、図１３ａに示す通り、端部蓋６１が第１の開口部６２を
塞がない位置に回転可能要素５１が配置されているときには、煙を使用者の口に吸い込む
ことができる。これにより、煙流は、回転可能要素５１を回転駆動するように螺旋状スク
リュー５７に作用する。回転可能要素５１の回転により、端部蓋６１が第１の開口部６２
に重なって第１の開口部６２を塞ぎ、煙流がこの開口部を通ることを阻止するようになる
。同時に、回転可能要素５１が回転するのに伴い、図１３ｂに示す通り、端部蓋６１が第
２の開口部６３と重なる位置から移動する。その結果、空気流路５３から第２の開口部６
３を経て空気を使用者の口に吸い込むことができる。この空気流は、回転可能要素５１を
さらに回転駆動するように螺旋状翼５８に作用する。回転可能要素５１の回転により、端
部蓋６１は、図１３ｃに示す通り、第１の開口部６２と第２の開口部６３が塞がれ且つ第
３の開口部６４を通る流れ経路が画定される位置に回転する。第３の開口部６４は、煙流
路５２からの煙と空気流路５３からの空気が同時に使用者の口に流入する流路を提供する
。第３の開口部６４を通る煙流及び空気流は、回転可能要素をさらに回転駆動する。その
ため、使用者が紙巻きタバコを吸うと、その結果生じる回転可能要素の回転によって煙流
路５２及び／または空気流路５３が交互に開口部６２、６３、６４に重なる。この方法で
は、流れ制御要素は、煙経路と空気経路と煙及び空気経路の間で流れを繰り返し切り替え
る弁として機能する。

他の実施態様では、流れ制御要素は、例えば風味物質を含む第３の流れ経路を備えても
よい。これは、例えば、円筒状管５６の芯を、第１の螺旋状スクリューを備える内側芯と
、第２の螺旋状スクリューを備える外側芯とに分割することによって達成することができ
る。支持要素５４の開口部６２、６３、６４を変更することにより、各流れ経路から流れ
パルスを順次に送給することができる。

他の実施態様では、パルス状流れは他の方法によって提供されてもよい。例えば、流れ
制御要素は、空気流入口を有し、回転可能要素に取り付けられており第１の円筒形のスリ
ーブ内で回転する第２の円筒形のスリーブを備えてもよい。この実施態様では、２つの円
筒形のスリーブの空気流入口同士が重なったときに空気を空気流路に吸い込むことができ
る。空気流入口同士が重なっていないときには、空気は流れない。この実施態様では、煙
流を常に吸うことができてもよい。さらに、支持要素５４の開口部を如何なる適切な形状
としてもよい。

いくつかの実施態様では、回転可能要素５１に偏心した重さを加えて、パルス状流れと
共に要素の振動を発生するようにしてもよい。例えば、螺旋状翼５８内等に平衡を崩す質
量を組み込むことにより、回転可能要素５１に偏心した重さを加えてもよい。また、回転
可能要素５１が偏心して回転するように、回転可能要素５１の回転軸を中心からずれた位
置に配置してもよい。一般的に、このような実施態様では、回転可能要素５１の重心が回
転軸上に位置しないように、回転可能要素５１を構成してもよい。

図１４ａは、喫煙品１の吸い口端部のフィルタープラグ部３に隣接する適切な位置に配
置された別の流れ制御要素７０を示す。タバコロッド２、フィルタープラグ３及び流れ制
御要素７０は、長手方向に一直線状に配列され、チッピング紙６で巻かれることによって
互いに連結される。流れ制御要素７０は前進空洞装置を備える。

前進空洞装置（例えばキャビティポンプやモーノポンプとしても知られる偏心ねじポン
プ等）自体は周知であり、本開示では詳しくは説明しない。簡単に説明すると、前進空洞
装置は、回転することによって装置内で１つ以上の空洞を移動させ、これにより流れを移
送するように構成された回転要素を備える。

例えば油田での用途のように、流体を移送するポンプ装置または動力装置として前進空
洞装置を用いること自体は周知である。これに対し、図１４ａの前進空洞装置７０は、喫
煙品１から吸引される流れによって駆動されるタービンである。

流れ制御要素７０をより詳細に説明すると、図１４ｂに示す通り、前進空洞機構は螺旋
状回転子７１及び固定子ハウジング７２を備える。固定子ハウジング７２は、煙流路を画
成する内面７３を有する。

図１４ｃは前進空洞機構の一部の図である。図示の実施態様では、回転子７１は、断面
が円形である。固定子ハウジング７２の内面７３は、その長手方向に沿って二葉螺旋状突
出部を形成した形状となっている。これにより、回転子が如何なる特定の回転位置にあっ
ても、回転子７１とハウジングの内面７３との間のハウジング７２内にいくつかの一定の
大きさの空洞７４が形成される。

図１４ｄ及び１４ｅに詳細に示す通り、流れ制御要素７０は、さらに、固定子ハウジン
グ７２及び流路ハウジング７８に関連する位置に固定された支持要素７５ａ、７５ｂを備
える。図示の通り、回転子７１は、支持要素７５ｂに形成された長溝穴７６ｂ及び吸い口
支持要素７５ａに形成されたベアリング要素条片７６ａによって回転可能に取り付けられ
ている。図１４ｄに示す通り、回転子７１の端部は、長溝穴７６ｂ内に移動可能に配置さ
れた突出要素７７を備える。使用時には、回転子７１が回転するのに伴い、回転子の端部
の突出要素７７が往復振動して長溝穴７６ｂの一部を遮蔽する。突出要素は、回転子７１
の回転を円滑にするベアリングを備えてもよい。回転子７１の他方の端部は、回転子の回
転に伴って、ベアリング要素条片７６ａに沿って往復移動する。

図１４ｅに吸い口支持要素７５ａを詳細に示す。ベアリング要素条片７６ａの周囲の固
定子ハウジング７２の内側空間から吸い口支持要素７５ａ内を通る気体流経路が画定され
る。

流れ制御要素７０は、さらに、図１４ｆに単独で示す流路ハウジング７８を備える。流
路ハウジング７８は、煙用及び空気用の別々の流路７９、８０を画定するように形成され
ている。図示の通り、煙流路７９と空気流路８０は、Ｌ字形隔壁８１によって隔てられて
いる。このＬ字形隔壁８１によって、タバコの燃焼により生じた煙は、煙流路７９には吸
引されるが、空気流路８０には吸引されないようになっている。

空気が空気流路８０に入り込むことを可能にするために、紙巻きタバコ１の外周に空気
流入口８２が形成されている。空気流入口は、流路ハウジング７８の一方の側面を貫通す
る複数の孔を有する。空気流入口は、さらに、流路部７８の複数の孔と重なり合うように
チッピング紙６に形成された複数の孔を有する。いくつかの実施態様では、空気がチッピ
ング紙を透過するように、チッピング紙が通気性材料から形成されてもよい。

流路ハウジング７８は、さらに、支持要素７５ａの長溝穴７６ａと一直線状に配列され
た第１及び第２の開口部８３、８４を有する。第１の開口部８３は煙流入口７９の端部に
配置され、第２の開口部８４は空気流路８０の端部に配置されている。

使用時には、喫煙者が紙巻きタバコ１を吸うと、回転子７１と固定子ハウジング７２の
内面７３の間に形成された空洞７４が流れ制御要素７０の吸い口支持要素７５ａに向かっ
て吸引されて回転子７１を回転させる。回転子７１が回転するのに伴い、回転子の端部が
長溝穴７６ａに沿って往復移動して流路ハウジング７８の第１及び第２の開口部８３、８
４に交互に重なり、これらの開口部８３、８４を交互に塞ぐ。

図１５ａ、１５ｂ及び１５ｃは、流路ハウジング７８に対する回転子７１の位置を図示
する。図１５ａに示す通り回転子７１が第１の開口部８３に重なった場合、空気流入口８
２から空気流路８０及び第２の開口部８４を経て前進空洞機構の固定子ハウジング７２に
入る空気流経路が画定される。これにより、空気が使用者によって空気流経路に吸い込ま
れ、回転子７１に接触して回転子７１を回転駆動することができる。固定子ハウジング７
２に沿って吸引された煙は、ベアリング要素条片７６ａの周囲及び吸い口支持要素７５ａ
内を通って使用者の口に流入する。

回転子７１が図１５ａの位置にある場合、第１の開口部８３が回転子７１によって塞が
れるため、煙は固定子ハウジング７２に入り込むことができない。また、煙が空気流路８
０に入り込むことは隔壁８１によって妨げられる。その結果、この位置では、紙巻きタバ
コ１から吸引される流れは実質的にまたは完全に空気である。

図１５ｂに示す通り回転子７１が流路ハウジング７８の第２の開口部８４に重なった場
合、煙流路７９から第１の開口部８３を経て前進空洞機構の固定子ハウジング７２に入る
煙流経路が画定される。これにより、煙が使用者によって煙流経路に吸い込まれ、回転子
７１に接触して回転子７１を回転駆動することができる。固定子ハウジング７２に沿って
吸引された煙は、ベアリング要素条片７６ａの周囲及び吸い口支持要素７５ａ内を通って
使用者の口に流入する。

回転子７１が図１５ｂの位置にある場合、第２の開口部８４は開口部７１によって塞が
れているため、空気は固定子ハウジング７２に入り込むことができない。また、空気が煙
流路８０に入り込むことは隔壁８１によって妨げられる。その結果、この位置では、紙巻
きタバコ１から吸引される流れは実質にまたは完全に煙である。

使用時には、使用者が紙巻きタバコ１を吸い、これにより生じる流れが回転子７１を回
転駆動する。回転子７１が図１５ａのように第１の開口部８３に重なっているか図１５ｂ
のように第２の開口部８４に重なっているかにかかわらず、煙または空気の形態の流れが
回転子７１に到達して回転駆動する。中間位置では、図１５ｃに示す通り、第１の開口部
８３を通る煙流経路と、第２の開口部８４を通る空気流経路の双方が存在する。回転子が
この位置にあるときには、空気及び煙の双方が回転子７１に到達し、喫煙者の口に流入す
る前に回転子７１を回転させる。

従って、使用者が紙巻きタバコを吸うと、回転子７１が煙流路７９及び空気流路８０に
交互に重なり合う。この方法では、流れ制御要素は、煙経路と空気経路の間で流れを繰り
返し切り替える弁として機能する。これにより、喫煙者には、煙パルスと空気パルスが交
互にまた重複して生じるパルス状流れが供給される。

流れ制御要素７０には多くの変更例が考えられる。例えば、開口部８３、８４の大きさ
及び／または形状を変更することにより、空気パルス及び煙パルスの特性を変化させるこ
とができる。

図１４及び１５に示す実施態様では、回転子７１は断面が円形であり、固定子ハウジン
グ７２の内面７３は二葉の螺旋状突出部を備える。一般的に、ハウジング７２の内面７３
が回転子７１よりも１つ多く突出部を備えた如何なる前進空洞構造を用いてもよい。例え
ば、流れ制御要素は、三葉の突出部が形成された空洞内に配置された、二葉の突出部が形
成された回転子を備えてもよく、四葉の突出部が形成された空洞内に配置された、三葉の
突出部が形成された回転子を備えてもよく、五葉の突出部が形成された空洞内に配置され
た、四葉の突出部が形成された回転子を備えてもよい。これらの変形構造は、追加の流れ
経路を設けるのに役立つ。例えば、三葉の突出部が形成された空洞内に配置された、二葉
の突出部が形成された回転子を用いることにより、空気流経路及び煙流経路に加えて、風
味物質を含む第３の流れ経路を設けてもよい。二葉、三葉または四葉の突出部が形成され
た回転子を用いる場合、流路ハウジングと特に開口部８３、８４の数及び位置を、回転子
の回転によってこれらの開口が順番に閉鎖及び解放されるように変更する必要がある。図
１６ａは、図１４及び１５に示す単一の突出部が形成された回転子を用いた場合の回転子
７１、固定子ハウジング７２及び開口部８３、８４の構成を示す。図１６ｂ、１６ｃ及び
１６ｄは、それぞれ、二葉、三葉及び四葉の突出部が形成された回転子を用いた場合の回
転子８５、固定子ハウジング８６及び開口部８７の構成を示す。

前進空洞機構を備える実施態様は容積型装置である。これは、装置が回転していないと
きには、実質的に装置を通して流れが吸引されないことを意味する。その結果、喫煙者の
吸引の開始とその結果生じるパルス状流れの知覚との間の時間のずれが最小限になる。

さらに、前進空洞機構を備える実施態様は、その回転に伴って振動を発生させることが
知られている。この装置の振動は、必要に応じて増強されてもよい。例えば、回転子７１
に偏心した重さを加えてもよく、回転子の直径及び／または螺旋ピッチを変更することに
よってさらに不均衡な力が加わるように調整してもよい。

流れ制御要素５、２６、５０、７０には他の多くの変更例が考えられる。例えば、上記
の説明では、回転可能要素７、２９、５１、７１は、喫煙者によって吸引される空気流及
び／または煙流によって駆動されるが、代わりに他の手段によって駆動されてもよい。例
えば、小型の電気モーターと電池を設けて回転可能要素７、２９、５１、７１を回転させ
てもよい。回転可能要素を能動的に駆動するのに適したモーター、電池及び構成は、当業
者には明らかであろう。

さらに、上では回転可能要素の形態の可動部材について説明したが、代わりに、１つ以
上の流れの経路を選択的に制御する流れ制御要素も考えられる。例えば、いくつかの実施
態様では、流れ制御要素は、ソレノイドを流れる電流によって制御される１つ以上のソレ
ノイド弁を備えてもよい。この弁は、単一の流れのオン・オフを繰り返し切り替えるよう
に駆動されてもよい。従って、いくつかの実施態様では、流れ送給物品は単一の流れ（例
えば煙、空気またはこれらの混合物の一つ）のみを供給してもよく、この流れのオン・オ
フを繰り返し切り替える弁を含んで間欠的なパルス状流れを供給するようにしてもよい。
他の流れ送給物品では、バルブを設けて、異なる流れ同士を繰り返し切り替える（例えば
煙と空気を繰り返し切り替える）ようにしてもよい。

従って、種々の実施態様によれば、パルス状流れに煙を供給する喫煙品が提供される。
このパルス状の煙流は、消費者にとって好ましい異なる喫煙体験をもたらす。

供給源から温度、風味または香等の連続した刺激が供給されている間に、身体が刺激に
鈍感になる傾向がある。例えば、リンゴを最初にかじったとき、またはワインを最初にす
すったときには、４度目よりも強い風味を得ることができる。温度等に対する感覚の変化
も、例えばサウナに足を踏み入れたり、飛行機から非常に異なる気候の地域に降り立った
りして、この変化が急に生じたときには、より敏感に感じられるかもしれない。

喫煙品１からの煙パルスが当たった面（例えば主に口／喉の裏側の口腔及び上部呼吸器
官）は、煙パルス同士の間に生じる空気パルスによって繰り返し感覚を回復することがで
きると考えられる。この方法では、煙パルスが当たった面の煙に対する感覚の鈍化が抑制
され、喫煙の感覚的体験が改善される。

上記の流れ制御要素にはさらに多くの変更例が考えられる。例えば、図示した流れ制御
要素は一般的にタバコロッド２とフィルターロッド３の間に配置されるが、代わりに、流
れ制御要素はフィルターロッド内に形成されてもよく、例えば２つのフィルターロッド要
素の間に配置されてもよい。いくつかの実施態様では、流れ制御要素は、喫煙品の吸い口
端部の末端に、例えばフィルターロッド要素に隣接して配置されてもよい。

流れ制御要素は、例えばポリエチレン（ＰＥ）、ポリヒドロキシアルカン酸（ＰＨＡ）
、ポリラクチド（ＰＬＡ）、ポリビニルアルコール（ＰＶＯＨ）または澱粉系材料等の適
切な生分解性材料から形成してもよい。ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥ
ＥＫ）、ポリウレタン（ＰＵ）、ポリオキシメチレン（ＰＯＭ）、セルロース系材料また
は他の適切な材料等の上記以外の材料も用いてもよい。いくつかの実施態様では、この要
素は炭素を含んでもよい。

本発明の種々の実施態様によれば、例示的な流れ制御要素は、３Ｈｚ〜１０００Ｈｚの
パルス周波数のパルス状流れを発生してもよい。実施態様では、５０Ｈｚ〜１５０Ｈｚの
パルス周波数、例えば６０Ｈｚ〜１００Ｈｚ、または約７０Ｈｚ、または約８０Ｈｚのパ
ルス周波数が生成されてもよい。実施態様では、３０Ｈｚ〜１０００Ｈｚのパルス周波数
、例えば５０Ｈｚ〜２００Ｈｚ、または例えば６０Ｈｚ〜７０Ｈｚのパルス周波数が生成
されてもよい。いくつかの実施態様では、振動は±０．１ｍｍの変位を生じてもよい。

図１７は、喫煙品９０の形態の流れ送給物品の別の例を概略的に示す。図示の通り、こ
の喫煙品９０はタバコロッド要素９１及び単一のフィルタープラグ要素９２を備える。喫
煙品９０は、流れ切替装置９３を備える流れ制御要素を含む。流れ切替装置９３は、空気
流と煙流を繰り返し切り替えるように駆動される１つ以上の弁（例えばソレノイド弁）を
備える。例えば電気信号等によって流れ切替装置を能動的に駆動して煙流と空気流を繰り
返し切り替える適切な方法は、当業者には明らかであろう。図示の通り、流れ切替装置９
３は、空気流路９４から供給される流れと煙流路９５から供給される流れを繰り返し切り
替えるように構成されている。図１の喫煙品１の空気流路及び煙流路と同様に、空気流路
９４は喫煙品９０の外周の空気流入口９６から空気を受け入れ、煙流路９５はタバコロッ
ド９１から煙を受け入れる。空気流路９４と煙流路９５を隔てる隔壁を設けてもよい。

喫煙品９０が吸引されている間、流れ切替装置９３が空気流と煙流を繰り返し切り替えることによって流れ切替装置９３の出口でパルス状流れが供給され、このパルス状流れがフィルターエレメント９２を通り抜けて喫煙者の口に流入する。図１８に示す通り、このパルス状流れ９７は交互に生じる煙パルス及び空気パルスを含む。

図１８は、期間Ｐの間のパルス状流れ９７の煙流成分と空気流成分を別々に示す。図示
の通り、煙流は複数の煙流極大期９７ａを含み、空気流は複数の空気流極大期９７ｂを含
む。

図１９は別の喫煙品１００を示す。喫煙品１００は、以下に説明する相違点を除いて図
１７の喫煙品９０と同様である。対応する機構には、引き続き同一の参照番号が付されて
いる。

図１９を参照すると、喫煙品１００の流れ切替装置１０４は、２つではなく３つの流れ
の流入を切り替える。喫煙品１００は、この喫煙品１００の外周に空気流入口９６、１０
２を有する第１及び第２の空気流路９４、１０１を備える。第２の空気流路１０１は、こ
の流路１０２に引き込まれた空気に風味（例えばメントール風味）を付与する空気風味付
け要素（例えば１つ以上の風味粒）を含む。図示の通り、喫煙品１００は、タバコロッド
９１から煙を受け入れる煙流路９５も含む。

流れ切替装置１０４は、図１９に示す通り、喫煙品１００が吸引されている間、３連パ
ルスが繰り返し生じるパルス状流れ１０３が供給されるように制御される。図示の通り、
各３連パルスは、タバコロッド９１から吸引される煙パルス、空気流入口９６から吸引さ
れる空気パルス、及び流入口１０２から吸引されて流路１０１内で風味付けされる風味パ
ルスを含む。

図２０は、パルス状流れ１０３の煙成分、空気成分及び風味成分を別々に示す。図示の
通り、煙流は複数の煙流極大期１０３ａを含み、空気流は複数の空気流極大期１０３ｂを
含み、風味流は複数の風味流極大期１０３ｃを含む。

図２１はさらなる喫煙品１１０を示す。喫煙品１１０は、流れ切替装置９３とフィルターエレメント９２の間に配置された、流れ切替装置９３の出口で供給されるパルスに風味を加える風味供給部１１１を含むこと以外は、図１７の喫煙品９０と実質的に同様である。風味供給部は、流入口及び流出口を有する容器内に収容されたメントール等の風味物質を含んでもよい。この方法では、流れ切替装置９３の出口で吸引された流れは、風味供給部１１１に流入して風味付けされた後、フィルターエレメント１１１を通り抜けて喫煙者の口に流入する。これにより、喫煙品１１０の出口で供給されるパルス状流れは、交互に生じる風味付き煙パルス及び風味付き空気パルスを含む。

図２２は、別の例に係る制御要素１２０を示す。図示の通り、流れ制御要素１２０は、
この流れ制御要素１２０内を吸引される煙流及び／または空気流の経路内に配置された可
動部材１２１を備える。可動部材１２１は、煙流／空気流がこの可動部材１２１を駆動し
て動作させるように構成されている。その結果生じる動作は、流体の流れを、煙流路１２
２または空気流路１２３から交互に流れるように選択的に案内する。

図示の通り、図２２の可動部材は、支持部材１２４に移動可能に片持ち支持された円筒形
要素を備える。この支持部材は、柔軟な弾性材料から形成され、流出口１２５に対する可
動部材の移動を許容するようになっている。実施態様では、図４ａの部分９のような部分
を可動部材１２１の上流側に設けてそれぞれ独立した空気流路と煙流路を画成してもよく
、支持部材１２４の端部をこの部分９の末端領域２２ａの中央部に固着してもよい。

実施態様では、可動部材は、円筒形要素ではなく球形の玉を備えてもよい。支持部材１
２４は、煙流路１２２と空気流路１２３を隔てる隔壁を提供するように設定された幅を有
してもよい。

可動部材１２１及び支持部材１２４を適宜軽量な材料から形成し、これらが煙流／空気
流によって敏速に動くことができるようにしてもよい。これにより、使用時には、煙流路
１２２及び空気流路１２３から吸引された煙及び空気が可動部材１２１を周囲から押し動
かす。実施態様では、支持部材はばねを備えてもよい。

可動部材１２１は、図２２の紙面の上端に向かう方向へ移動し、空気流路１２３からの
空気流を規制して煙流路から出口１２５内に選択的に流れを案内する位置につくことがで
きる。また、要素１２４は、図２２の紙面の下端に向かう方向へ移動し、煙流路１２２か
らの煙流を規制して空気流路から出口１２５内に選択的に流れを案内する位置につくこと
もできる。

使用時には、煙流及び空気流が可動部材１２１を駆動してこれら２つの位置の間を移動
させることにより、出口１２５からパルス状流れが供給される。図２２に示す通り、可動
部材１２１は、その領域において流速を高めるベンチュリー効果をもたらす狭窄領域１３
０内を移動する。

いくつかの実施態様では、可動部材１２１は、渦を発生させるか、振動するか、あるい
は動的な流れの不安定性を生じさせるように構成された空力要素を含んでもよい。この方
法では、煙流／空気流が可動部材を駆動し、煙流路／空気流路から選択的に流れを案内す
る動作を連続して行わせる。支持部材１２４及び空力要素１２１の変数（例えば空力要素
１２１の質量及び／または支持部材１２４の弾性度）は、共振システム（例えば単調和共
振システム）を得るように選択してもよい。

いくつかの実施態様では、煙流が特定の流速で流れているときに、流れの中に係留され
た玉または円筒は、その表面の互いに反対側に位置する領域にそれぞれ渦を発生させる。
これらの渦は、流速に比例する予測可能な周波数で発生する。各渦が発生すると、これに
対応して気圧が変化し、これにより流体の流れに垂直に作用する揚力効果が生じる。渦の
発生は玉／円筒の両側で交互に連続して起こるので、これに対応して生じる力はほぼ正弦
波状であり、規則的な摂動力を付与する。この摂動力の周波数を球状部材及び支持部材の
共振周波数と合致させてより強い共振を生じさせることができる。

また、渦発生現象は、例えば下記特許文献１、特許文献２および特許文献３に記載の通り、周知の釣りのルアーが水中を引かれたときのこれらの「泳動」動作の模擬実験に基づくものであってもよいと考えられる。いくつかの実施態様では、流れ制御要素１２０の部材１２１及び支持部材１２４は、このような釣りのルアーと同様の材料（例えば適切な軟質プラスチック材料）から形成してもよく、同様の形状に形成して煙流及び空気流中で「泳動する」ようにしてもよい。いくつかの実施態様では、部材１２１と支持部材１２４は互いに一体であってもよい。いくつかの実施態様では、支持部材は、軟質で柔軟な材料から形成され、可動部材１２１を緩く係留する。

図２３は、煙流及び空気流中で増強された動きをもたらすように構成された表面を有す
る玉１２５を可動部材１２１が備える変更例を示す。図示の通り、玉１２５は、その直径
周りに周方向に延在する一段高くなった尾根状隆起部１２６を有する。尾根状隆起部１２
６は、この玉を２つの半玉部１２６ａ、１２６ｂに分割する。一方の半玉部１２６ａは滑
らかな（例えば磨かれた）表面を有し、他方の半玉部１２６ｂはより荒く、より凹凸のあ
る表面を有する。その結果、玉の両側は異なる空力特性を有する。図示の通り、玉１２５
は、尾根状隆起部１２６が支持部材１２４と角度α（例えば４５°）をなすように係留さ
れている。玉の両側の異なる表面性状は、増強された動きを生じさせることができる。い
くつかの実施態様では、不均一で乱れた気流を生じさせ、玉の表面領域の周囲の様々な位
置で渦を発生させる異なる表面性状により、増強された動きを生じさせることができる。
玉が周囲から押し動かされることによってさらなる不安定性が生じ、この作用が継続する
と共に強化される。いくつかの実施態様では、渦発生の特性及び周期性は、温度、湿度及
び煙流の流速によって変化してもよい。

いくつかの実施態様では、可動部材は、領域１１０の壁面に繰り返し衝撃を加え、この
方法によって流れ制御要素の振動を発生させてもよい。この振動を喫煙品のフィルター及
び／またはタバコロッドに伝達し、喫煙者の唇または指に触覚によって知覚されるように
してもよい。
陳述

（本明細書のこの部分は説明の一部であって、特許請求の範囲ではない）
１．吸引されている間少なくとも１つの流れを供給する流れ制御要素を備え、前記少な
くとも１つの流れは個別の複数の流れ極大期を有する喫煙品。
２．前記流れ制御要素は複数の異なる流れを供給するように構成され、各流れが個別の
複数の流れ極大期を有する、段落１に記載の喫煙品。
３．少なくとも１つの流れの流路を制御して複数の流れ極大期を生じさせる流れ制御要
素を備える喫煙品。
４．前記流れ制御要素は煙流、空気流、風味付き流れ及び混合された煙／空気／風味付
き流れの少なくとも１つを供給するように構成される、段落１〜３のいずれか１つに記載
の喫煙品。
５．吸引されている間複数の流れの変化を生じさせることによって経時的に変化する流
れを供給するように構成された流れ制御要素を備える喫煙品。
６．複数の流れ経路を備え、各流れの変化は、前記流れ経路を通る流れの相対量を変化
させることを含む、段落５に記載の喫煙品。
７．吸引されている間少なくとも３つの連続した流れパルスを供給するように構成され
た流れ制御要素を備える喫煙品。
８．流路を制御することによって少なくとも３つの連続した流れパルスを供給する流れ
制御要素を備える喫煙品。
９．前記３つの連続した流れパルスはそれぞれ異なるものである、段落７または８に記
載の喫煙品。
１０．流れ制御要素は、前記３つの連続した流れパルスを複数回繰り返し供給するよう
に構成される、段落７〜１０のいずれか１つに記載の喫煙品。
１１．第１及び第２の流れ経路を備える、段落１〜１０いずれか１つに記載の喫煙品で
あって、流れ制御要素は可動部材を備え、この可動部材の動きは、前記流れ経路を通る流
れの相対量を変化させる喫煙品。
１２．可動部材は流れを受けて動くように構成される、段落１１に記載の喫煙品。
１３．可動部材は、流れを受けて回転するように構成された羽根車を備える、段落１２
に記載の喫煙品。
１４．さらに、流れの中に可動部材を支持する支持部材を備える、段落１２に記載の喫
煙品。
１５．可動部材は、第１の回転位置では第１の流れ経路を通る流れを許容し、第２の回
転位置では第２の流れ経路を通る流れを許容するように構成された回転可能な開口を備え
る、段落１１〜１４のいずれか１つに記載の喫煙品。
１６．可動部材は弁を備える、段落１〜１５のいずれか１つに記載の喫煙品。
１７．流れ制御要素は、連続したパルスを含む流れを供給するように構成される、段落
１〜１６のいずれか１つに記載の喫煙品。
１８．少なくともいくつかの前記パルスに風味を付ける風味付け要素を備える、段落１
７に記載の喫煙品。
１９．流れ制御要素は、振動を発生させて使用者に触覚刺激を与えるように構成される
、段落１〜１９のいずれか１つに記載の喫煙品。
２０．使用者の口に気体流を送給する流れ送給物品であって、複数の流れ経路と、これ
らの経路を通る流れの相対量を繰り返し変化させる流れ制御要素を備える流れ送給物品。
２１．使用者の口に気体流を送給する流れ送給物品であって、この流れ送給物品が吸引
されている間少なくとも１つの流れを供給する流れ制御要素を備え、前記少なくとも１つ
の流れは個別の複数の流れ極大期を有する流れ送給物品。
２２．使用者の口に気体流を送給する流れ送給物品であって、少なくとも１つの流れの
流路を制御して複数の流れ極大期を生じさせる流れ制御要素を備える流れ送給物品。
２３．使用者の口に気体流を送給する流れ送給物品であって、複数の流れの変化を生じ
させることによって経時的に変化する流れを供給するように構成された流れ制御要素を備
える流れ送給物品。
２４．使用者の口に気体流を送給する流れ送給物品であって、この流れ送給物品が吸引
されている間少なくとも３つの連続した流れパルスを供給するように構成された流れ制御
要素を備える流れ送給物品。
２５．使用者の口に気体流を送給する流れ送給物品であって、流路を制御することによ
って少なくとも３つの連続した流れパルスを供給する流れ制御要素を備える流れ送給物品
。
２６．前記気体流はエアロゾルを含む、段落２０〜２５のいずれか１つに記載の流れ送
給物品。
２７．エアロゾルは煙を含む、段落２６に記載の流れ送給物品。
２８．前記気体流は風味付き流れを含む、段落２０〜２７のいずれか１つに記載の流れ
送給物品。
２９．喫煙品を含む、段落２０〜２８のいずれか１つに記載の流れ送給物品。
３０．実質的に図４及び５を参照して本開示に記載された流れ送給物品用流れ制御要素
。

以下の特許請求の範囲内でさらに多くの変形及び修正が可能であることは、当業者には
明らかである。

米国特許出願第２００２／０１９４７７０号明細書 米国特許出願第２００５／０１９３６２０号明細書 米国特許出願第２００９／０１２６２５５号明細書

Claims (24)

1. 使用者の口に気体流を送給する流れ送給物品であって、該流れ送給物品の吸引の間に、流れ送給物品の出口で少なくとも１つの流れの流路を制御して複数の流れ極大期を生じさせる流れ制御要素と、喫煙品とを備え、前記流れ制御要素は、３Ｈｚ〜１０００Ｈｚのパルス周波数のパルス状流れを発生するように構成されている流れ送給物品。
2. 前記流れ制御要素は、煙流、空気流、風味付き流れ及び混合された煙／空気／風味付き流れの少なくとも１つを供給するように構成されていることを特徴とする請求項１に記載の流れ送給物品。
3. 前記流れ制御要素は、この流れ送給物品が吸引されている間複数の流れの変化を生じさせることによって経時的に変化する流れを供給するように構成されていることを特徴とする請求項１または２に記載の流れ送給物品。
4. 複数の流れ経路を備え、各流れの変化は、前記流れ経路を通る流れの相対量を変化させることを含むことを特徴とする請求項３に記載の流れ送給物品。
5. 前記流れ制御要素は、少なくとも３つの連続した流れパルスを供給することを特徴とする請求項１乃至４のいずれか１項に記載の流れ送給物品。
6. 前記３つの連続した流れパルスはそれぞれ異なるものであることを特徴とする請求項５に記載の流れ送給物品。
7. 流れ制御要素は、前記３つの連続した流れパルスを複数回繰り返し供給するように構成されていることを特徴とする請求項５または６に記載の流れ送給物品。
8. 第１及び第２の流れ経路を備え、前記流れ制御要素は可動部材を備え、この可動部材は流れを受けて動くように構成され、この可動部材の動きは、前記流れ経路を通る流れの相対量を変化させることを特徴とする請求項１乃至７のいずれか１項に記載の流れ送給物品。
9. 前記可動部材は、回転することによって前記流れ経路を通る流れの相対量を変化させるように構成された回転部材を備えることを特徴とする請求項８に記載の流れ送給物品。
10. 前記回転部材は、流れを受けることによってこの回転部材の回転を引き起こすように構成された１つ以上の流れ受け部を有する流れ駆動回転部材を備えることを特徴とする請求項９に記載の流れ送給物品。
11. 前記流れ制御要素は前進空洞装置を備え、該装置は、回転することによって装置内で１つ以上の空洞を移動させて、それにより流れを移送させるための回転要素を含むことを特徴とする請求項８乃至１０のいずれか１項に記載の流れ送給物品。
12. 前記可動部材は、第１の流れを受けることによって回転部材の回転を引き起こす第１の流れ受け部と、第２の流れを受けることによって回転部材の回転を引き起こす第２の流れ受け部を備え、前記第１の流れ経路は前記第１の流れの流れ経路であり、前記第２の流れ経路は前記第２の流れの流れ経路であることを特徴とする請求項８乃至１１のいずれか１項に記載の流れ送給物品。
13. 前記第１の流れ受け部は螺旋状要素を備え、前記第２の流れ受け部は螺旋状要素を備える、または前記第１の流れ受け部は１つ以上の羽根を備え、第２の流れ受け部は１つ以上の羽根を備えることを特徴とする請求項１２に記載の流れ送給物品。
14. 前記可動部材は、流れを受けて回転するように構成された羽根車を備えることを特徴とする請求項８に記載の流れ送給物品。
15. さらに、流れの中に可動部材を支持する支持部材を備えることを特徴とする請求項１４に記載の流れ送給物品。
16. 前記可動部材は、第１の回転位置では第１の流れ経路を通る流れを許容し、第２の回転位置では第２の流れ経路を通る流れを許容するように構成された回転可能な開口を備えることを特徴とする請求項８、１４または１５に記載の流れ送給物品。
17. 前記可動部材は弁を備えることを特徴とする請求項１乃至１６のいずれか１項に記載の流れ送給物品。
18. 前記流れ制御要素は、連続したパルスを含む流れを供給するように構成され、少なくともいくつかの前記パルスに風味を付ける風味付け要素を備えていることを特徴とする請求項１乃至１７のいずれか１項に記載の流れ送給物品。
19. 前記流れ制御要素は、振動を発生させて使用者に触覚刺激を与えるように構成されていることを特徴とする請求項１乃至１８のいずれか１項に記載の流れ送給物品。
20. 前記流れ送給物品は、吸入可能物質の供給源と流れ制御要素を備え、前記流れ制御要素は前記吸入可能物質の供給源に対して長手方向に隣接しているかまたは長手方向に間隔をあけて配置されていることを特徴とする請求項１乃至１９のいずれか１項に記載の流れ送給物品。
21. 前記喫煙品はタバコロッド及びフィルターを備え、このフィルターが前記流れ制御要素を備えることを特徴とする請求項１乃至２０のいずれか１項に記載の流れ送給物品。
22. 前記流れ制御要素は前記フィルターとタバコロッドの間に配置されることを特徴とする請求項２１に記載の流れ送給物品。
23. 前記流れ制御要素は前記フィルター内に配置されることを特徴とする請求項２１に記載の流れ送給物品。
24. 前記流れ制御要素は前記喫煙品の吸い口端部に配置される、請求項１乃至２３のいずれか１項に記載の流れ送給物品。

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