JP6216733B2 - 有機酸の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機酸の製造方法に関する。
現在、化学製品の原料として主に用いられている石油は、価格の高騰や枯渇が懸念されている。そのため、石油に代わる炭素化合物を原料とする化学製品の製造方法が、鋭意研究されている。石油代替の化学品の原料として、安価で比較的容易に入手することができる二酸化炭素が注目されている。
二酸化炭素を原料とし、高い原子効率で製造できる化学品として、カルボン酸などの有機酸が挙げられる。
二酸化炭素を直接原料に用いる、炭素数が2以上の炭素化合物を合成する方法として、炭化水素と二酸化炭素とを原料とする、カルボン酸の合成が挙げられる。例えば、炭化水素としてメタンを用いた、二酸化炭素との反応による酢酸合成(式1)が知られている。この反応は、ΔG=71kJ/molの吸熱反応である。
CH + CO → CHCOOH (式1)
式1に示されるような、炭化水素と二酸化炭素からの有機酸の合成は、大きな吸熱反応であり、かつ、標準生成エントロピー差が負であることが多い。このため、熱力学的制約が大きく、高い収率を得るためには、非平衡な条件での反応方法が有力となる。
ここで、非平衡な条件での反応の例として、メタンと二酸化炭素のみからなる混合ガスをプラズマ化し反応させる、酢酸の合成方法が報告されている(非特許文献1)。具体的には、少なくとも一方が誘電体で覆われた、一対の電極間の空間に、前記混合ガスを流通させ、10kVの交流電圧を印加することで、誘電体バリア放電によりプラズマ化して反応させる方法である。このとき、流通させたメタンと二酸化炭素との混合ガスのモル比率について、(メタン/二酸化炭素)=2 が、酢酸生成に最も有利であると述べている。
Y.Zhang et al., Fuel Processwring Technology (2003), 83, 101−109.
しかし、非特許文献1に記載されている方法では、プラズマ発生時の印加電圧が10kVと高く、プラズマを発生させるための高周波の発生に大きな電力が必要なため、より低い印加電圧での反応が求められている。
また、有機酸の収率を上げるために投入電力を大きくすると、プラズマ化する原料分子は増加するが、生成した有機酸がプラズマ化して2次反応や分解反応が進行すること、あるいは、他のプラズマ化した原料分子と反応して他の生成物となることで、収率が下がることが推測されるため、有機酸収率の向上は容易ではなかった。
以上より、本発明の目的は、誘電体バリア放電を利用した、炭化水素と二酸化炭素とを原料とする有機酸の製造方法において、プラズマ発生時の印加電圧が低く、有機酸を高収率で製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究し実験を重ねた結果、炭化水素と二酸化炭素とを原料とした有機酸の合成反応において、誘電体バリア放電によってプラズマ化する原料気体の組成を特定の条件にすることで、プラズマ発生時の印加電圧が低く、収率が向上する有機酸の製造方法を見出し、これに基づき、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は下記の通りのものである。
[1]
炭素数が1以上、8以下である炭化水素と、二酸化炭素とを原料とした、炭素数が1以上、10以下の有機酸の製造方法であって、
前記炭化水素と、前記二酸化炭素と、希ガスとを含む混合ガスを、誘電体バリア放電を発生させた放電空間内に通過させる工程を有し、
前記混合ガスにおいて、前記炭化水素のモル分率が、0.005以上、0.994以下であり、
前記二酸化炭素のモル分率が、0.005以上、0.994以下であり、
前記希ガスのモル分率が、0.001以上、0.990以下であり、
前記混合ガスにおいて、前記炭化水素と前記二酸化炭素とのモル比率(炭化水素/二酸化炭素)が、0.01以上、0.7以下であることを特徴とする、有機酸の製造方法。
[2]
前記混合ガス中において、前記希ガスのモル分率が、0.15以上、0.98以下である、[1]に記載の有機酸の製造方法。
[3]
前記希ガスがアルゴンを含む、[1]または[2]に記載の有機酸の製造方法。
[4]
前記希ガスがヘリウムを含む、[1]〜[]のいずれかに記載の有機酸の製造方法。
[5]
前記炭化水素の炭素数が1以上、5以下である、[1]〜[]のいずれかに記載の有機酸の製造方法。
[6]
前記炭化水素が飽和炭化水素である、[1]〜[]のいずれかに記載の有機酸の製造方法。
[7]
前記飽和炭化水素がメタン、エタン、又はプロパンの何れかである、[]に記載の有機酸の製造方法。
[8]
前記炭化水素がアルケンである、[1]〜[]のいずれかに記載の有機酸の製造方法。
[9]
前記炭化水素がエチレンである、[]に記載の有機酸の製造方法。
[10]
前記誘電体バリア放電を発生させるための印加電圧が、0.1kV以上、kV以下である、[1]〜[]のいずれかに記載の有機酸の製造方法。
[11]
前記有機酸が、炭素数が2以上、8以下のカルボン酸である、[1]〜[10]のいずれか一項に記載の有機酸の製造方法。
[12]
前記有機酸が、炭素間の結合がすべて飽和結合であり、炭素数が2以上、5以下のモノカルボン酸である、[1]〜[11]のいずれかに記載の有機酸の製造方法。
本発明に係る有機酸の製造方法によれば、誘電体バリア放電を利用した、炭化水素と二酸化炭素とを原料とした有機酸の製造方法において、プラズマ発生時の印加電圧が低く、有機酸を高収率で製造する方法を提供することができる。
13CH12COとを原料として生成した酢酸の、GC−MSによる質量スペクトルである。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に述べる。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態は、
炭素数が1以上、8以下である炭化水素と、二酸化炭素とを原料とした、炭素数が1以上、10以下の有機酸の製造方法であって、
前記炭化水素と、前記二酸化炭素と、希ガスとを含む混合ガスを、誘電体バリア放電を発生させた放電空間内に通過させる工程を有し、
前記混合ガスにおいて、前記炭化水素のモル分率が、0.005以上、0.994以下であり、
前記二酸化炭素のモル分率が、0.005以上、0.994以下であり、
前記希ガスのモル分率が、0.001以上、0.990以下であることを特徴とする、有機酸の製造方法である。
(誘電体バリア放電を発生させた放電空間内に、原料ガスを通過させる工程)
本実施形態の製造方法は、誘電体バリア放電を発生させた放電空間内に、原料である混合ガスを通過させる工程を有する。この工程は、原料である混合ガスを、誘電体バリア放電によりプラズマ化して反応させるプラズマ反応などを指す。
前記プラズマ反応とは、原料分子に電子を照射して励起し、励起された分子同士が衝突して反応が進む反応などを指す。また、誘電体バリア放電とは、プラズマの発生方法の一つであり、間欠的に電子を照射することにより電子温度のみが上昇し、原子あるいは分子が常温に近い温度で存在する、非平衡プラズマ発生方法である。
本実施形態のように、誘電体バリア放電によって電子を照射された分子は、解離エネルギーの低い結合から選択的に順次切断される。このため、電子を二酸化炭素や炭化水素に適度に照射し、単原子ラジカル状態まで分解される前の時点で電子照射が終了する条件で反応させれば、原料分子の構造を一部保持したまま反応させることが可能であると考えられる。一方、アーク放電のような平衡プラズマは、原料分子を瞬時に単原子ラジカルまで解離する。そのため、プラズマ反応により、原料分子の構造を一部保持したまままで反応させ、カルボン酸などの有機酸を例とする有用物を生成するためには、誘電体バリア放電によるプラズマの発生が好ましい。
前記放電空間とは、具体的には、少なくとも一対の電極を有し前記電極の片方もしくは両方を誘電体で覆った空間など、が挙げられる。
(プラズマ発生領域に気体が滞在する時間)
前記工程における、混合ガスを放電空間内に通過させる時間とは、プラズマ発生領域に、原料である混合ガスが滞在する時間のことを指す。この滞在させる時間は、滞留時間が短いことで反応選択性に有利である観点、および、滞在する時間が長いことで転化率向上に有利である観点から、0.01秒以上、20秒以下が好ましい。生成した有機酸の2次反応や、副反応による選択率低下を抑制するためには、プラズマ発生領域に原料が滞留する時間は短い方が望ましい観点から、より好ましくは10秒以下、さらに好ましくは、5秒以下である。一方、滞留時間が短すぎると、プラズマ化される原料ガス中の分子の割合が低下し、生産効率が低下する観点から、0.1秒以上がより好ましく、0.5秒以上がさらに好ましい。
(プラズマ反応における希ガスの効果)
プラズマ反応において、印加電圧を低下させると、照射される電子が減少する。このため、原料のプラズマ化効率が少なくなり、有機酸収率が低下することが予測された。しかしながら、驚くべきことに、本発明者らは、二酸化炭素と炭化水素との原料ガスに希ガスを混合して、誘電体バリア放電によるプラズマ反応を行った結果、希ガスを含有しない混合ガスに比べ、生成する有機酸の収率が向上することを、見出した。
二酸化炭素と炭化水素との原料ガスに希ガスを混合させることで、低い印加電圧で安定したプラズマを発生させることができたと推測される。この安定したプラズマを発生させることができたのは、希ガスが、絶縁破壊電圧が低く、プラズマ状態の寿命が長いために、プラズマの安定化に効果的であったことが考えられる。また、印加電圧を低く、安定したプラズマを発生させたことによって、原料分子への過剰な電子照射を無くすことができた。その結果、単原子ラジカルへの分解や、コーキングの抑制、および生成物への電子照射による2次反応や分解反応の低減、を達成することができたために、有機酸の収率が向上したと推測される。
有機酸の生成には、二酸化炭素からカルボキシル基(COOH)を生成することが重要である。一般的に、二酸化炭素からのカルボキシル基の生成(式2)には、二酸化炭素を過剰に活性化することにより生じる脱酸素(例えば式3)が阻害要因となることが推測される。本実施形態では、希ガスを導入したことにより、原料分子への過剰な電子照射が低減し、二酸化炭素の過剰な活性化を抑えることができたと考えられる。その結果、カルボキシル基の生成収率が向上し、カルボン酸収率が向上したと推測される。
CO + H → COOH (式2)
CO → CO + O (式3)
なお、上記H、O、およびCOOHは、水素活性種、酸素活性種、およびカルボキシル基活性種を意味する。
また、希ガスの導入による効果は、プラズマ発生のための印加電圧の低下や、プラズマの安定化に加えて、原料である混合気体中に不活性ガスとしても作用する希ガスが存在することで、炭化水素由来の活性種同士、および/または二酸化炭素の活性種同士の衝突頻度が低下することで、これらの縮合反応の選択率が減少したために、カルボン酸収率が向上したとも推測される。
さらに、炭化水素活性種、および複数の炭化水素が縮合した活性種が、二酸化炭素由来の酸素活性種と反応してカルボン酸を生成したメカニズムも推測される。例えば、炭化水素をメタンとしたときの、メタンやメタン活性種(例えばCH )と酸素活性種からのギ酸の生成反応(例えば式4)、およびメタン2分子が縮合した活性種と酸素活性種からの酢酸生成反応(例えば式5)などが挙げられる。この反応に寄与する酸素活性種は、例えば式3の機構で生成することが考えられる。このとき、酸素活性種量が少なすぎると、炭化水素や炭化水素活性種からのカルボン酸生成量は少なくなり、酸素活性種量が多すぎると、炭化水素や炭化水素活性種の過剰な酸化による副反応(例えば式6)が促進される。本実施形態では、希ガスを導入したことにより、二酸化炭素から生成する酸素活性種量が適切となったために、有機酸収率が向上した効果も推測される。
CH + 2O → HCOOH (式4)
+ 2O → CHCOOH (式5)
CH + 4O → CO + 2HO (式6)
前記したような、二酸化炭素と炭化水素由来の活性水素との反応によるカルボキシル基の生成反応と、炭化水素と二酸化炭素由来の活性酸素との反応による有機酸生成反応とは、協奏反応となっており、協奏することでそれぞれの反応が促進していることが推測される。例えば、炭化水素から生じる水素活性種により、二酸化炭素によるカルボキシル基の生成(例えば式2)は促進されるため、二酸化炭素からの酸素活性種の生成(例えば式3)は抑制される。その結果、炭化水素および炭化水素活性種と酸素活性種との反応による有機酸生成に適切な酸素活性種量となったために、有機酸の収率が向上した機構などが考えられる。
(誘電体バリア放電の発生方法)
本実施形態での誘電体バリア放電の発生方法とは、一対の電極の対向する面の少なくとも一方を誘電体で遮った状態で、電極間に断続的な電圧を印加する方法を指す。前記断続的な電圧の印加とは、交流電圧や、パルスで同位相または逆位相電位に印加する電圧などを示す。
誘電体バリア放電を発生させるための電極間距離は、0.01mm以上、20mm以下が好ましい。装置の簡便さや、原料反応物による電極間の短絡の可能性を少なくする観点から、0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましく、0.8mm以上が最も好ましい。また、誘電体バリア放電の発生場を均一にするために有利である観点から、10mm以下が好ましく、5mm以下が好ましく、3mm以下がさらに好ましい。
ここでいう電極間距離とは、一方の電極のみが誘電体に遮られている場合は、誘電体と誘電体に遮られていない電極との距離を意味する。また、両方の電極が誘電体に遮られている場合は、電極を遮っている誘電体間の距離を意味する。
前記誘電体は、誘電率が高い材料が、プラズマ効率向上の観点から好ましく、強誘電体がより好ましい。誘電体の具体例として、石英ガラス、ソーダガラス、酸化アルミ、チタン酸バリウム、チタン酸鉛などが挙げられる。豊富さの観点から石英ガラスやソーダガラスが好ましく、誘電率が高い材料がプラズマ効率に有利である観点から、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムや、チタン酸鉛などの強誘電体が好ましい。この強誘電体は、結晶性が高いことが、誘電率が高くなる観点から好ましい。
前記誘電体バリア放電を生じさせるために、交流電圧を利用するときは、正弦波、矩形波、または鋸波であることが好ましい。
また、電極間に印加する電圧の周波数は、1kHz以上、1MHz以下であることが好ましい。
誘電体バリア放電の発生のために投与する電力は、1W以上、200W以下が好ましい。原料分子に照射される電子の数が多すぎると、原料分子の構造を過剰に分解してしまう。誘電体バリア放電は、プラズマ発生場に投入する電力を調整することによって、照射する電子の数を制御できる。よって、投入電力を下げることにより、プラズマ発生場で絶縁破壊の頻度が下がるため、放電回数が減少する。以上より、原料分子に照射される電子の数が少なくなる観点、また、投入エネルギーの利用効率の観点から、120W以下がより好ましく、80W以下がさらに好ましく、65W以下が最も好ましい。また、投入電力を下げて放電回数を減らすと、プラズマが不安定となる観点や、原料との反応性も向上する観点から、5W以上がより好ましく、20W以上がさらに好ましく、40W以上が最も好ましい。
電極間に印加する電圧は、0.1kV以上、30kV以下が好ましい。ここで、電極間に印加する電圧とは、誘電体バリア放電を発生させるための印加電圧のことを指す。原料分子に照射される電子の数が多すぎると、原料分子の構造を過剰に分解してしまう。誘電体バリア放電は、プラズマ発生場に投入する印加電圧および電力を制御することによって、照射する電子の数を制御できる。よって、印加電圧または投入電力を下げることにより、プラズマ発生場で絶縁破壊の頻度が下がるため、放電回数が減少する。以上より、原料分子に照射される電子の数が少なくなる観点、また、印加電圧が少ないほど、消費エネルギーが少ない観点から、19kV以下が好ましく、8kV以下がより好ましく、4kV以下が最も好ましい。また、印加電圧または投入電力を下げて放電回数を減らすと、プラズマが不安定となる観点や、原料との反応性も向上する観点から、0.5kV以上が好ましく、1kV以上がより好ましく、2kV以上がさらに好ましい。
誘電体バリア放電を発生させる放電空間内の圧力は、0.0001MPa以上、1MPa以下が好ましい。減圧のためのエネルギーは少ない方が好ましい観点から、0.001MPa以上が好ましく、0.01MPa以上がより好ましく、0.05MPa以上がさらに好ましい。導入する原料分子の平均自由工程が長い方が、プラズマ発生に有利である観点から、0.6MPa以下が好ましく、0.3MPa以下が好ましく、0.2MPa以下が好ましい。減圧、および加圧にエネルギーを必要としない観点から、大気圧が最も好ましい。
誘電体バリア放電を発生させる放電空間内の温度は、30℃以上、300℃以下が好ましい。低温な反応条件であると、発生するプラズマにより反応器の温度が上昇するために冷却が必要となる観点、および生成カルボン酸などの低沸成分の反応器への蓄積を抑制する観点から、50℃以上がより好ましく、80℃以上がさらに好ましい。また、加熱にエネルギーを要する観点や、高温にすることで、プラズマを利用することで進行した吸熱反応の、逆反応の反応速度を向上させる観点から、230℃以下がより好ましく、140℃以下がさらに好ましい。
(混合ガス)
原料として導入する混合ガスは、炭素数が1以上、8以下である炭化水素と、二酸化炭素と、希ガスとを含む。混合ガスは、炭化水素と二酸化炭素と希ガス以外の気体を含んでも良い。
炭化水素と二酸化炭素と希ガス以外の気体とは、例えば、水素、酸素、窒素などの不活性ガス、等が挙げられる。大気中気体からの精製コストの観点や、炭化水素や二酸化炭素由来のラジカル同士の衝突確率が減少することで副反応が抑制される観点から、窒素を含むことが好ましい。また、炭化水素の酸化を促進する観点から、酸素などの酸化性気体を含むことが好ましい。気体に酸化性気体を含む場合は、爆発限界以下の濃度とすることが好ましい。
(炭素数が1以上、8以下である炭化水素)
原料として導入する炭化水素の炭素数は、1以上、8以下である。炭化水素は、飽和炭化水素、またはアルケン、アルキン、芳香族などの不飽和炭化水素が好ましい。プラズマを利用する反応は、触媒反応などの他の反応と比較し、炭素‐炭素間の不飽和結合を生成することが容易であり、生成物を、原料に対しより高エネルギー化する観点から、飽和炭化水素、アルケン、アルキンがより好ましく、飽和炭化水素、アルケンがさらに好ましく、飽和炭化水素が最も好ましい。
前記炭化水素の炭素数は、プラズマを利用する反応において炭素‐炭素結合が解離し易いため、原料の飽和炭化水素が長鎖であるほど、炭素鎖がより解離させる過程を経て、有機酸を生成することが考えられる。そのため、原料は炭素鎖の短い炭化水素であるほど、伴う炭素鎖の解離がより少なくなるため、原料の炭素鎖の構造をそのまま生成物の炭素鎖として利用することに有利である。この観点から、炭素数は、5以下が好ましく、4以下がより好ましく、3以下がさらに好ましく、2以下が最も好ましい。
本実施形態において用いられる炭化水素としては、具体的には、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン、ペンテン、ヘキセン、アセチレン、ベンゼン、トルエン及びこれらの異性体などが挙げられる。前記の観点から、炭化水素は、メタン、エタン、プロパン、ブタン、エチレン、プロピレン、ブテン、及びこれらの異性体であることが好ましく、より好ましくは、メタン、エタン、プロパン、エチレンであり、加えてシェールガスや天然ガスに多く含まれる成分である観点から、最も好ましくはメタン、エタンである。
前記炭化水素は、同一種類のものが単独で用いられてもよいし、または、異なる複数種類のものを混合して用いられてもよい。炭化水素が、異なる複数種類のものを混合して用いられる場合、例えば、天然ガスやシェールガスを原料ガスとして利用する際には、この主な成分を原料とすることが好ましい観点から、炭化水素をメタンおよびエタンとすることが好ましい。また、本発明の原料である炭化水素は、反応器の簡便さの観点から、気体で導入されることが好ましい。
導入する気体(混合ガス)に含まれる炭化水素のモル分率は、0.005以上、0.994以下である。炭化水素の反応確率を向上させる観点から、0.01以上がより好ましく、0.02以上がさらに好ましい。また、二酸化炭素や希ガスのモル分率を増加させる観点から、0.7以下がより好ましく、0.5以下がさらに好ましく、0.3以下がさらに好ましい。
(二酸化炭素)
導入する気体(混合ガス)に含まれる二酸化炭素のモル分率は、0.005以上、0.994以下である。二酸化炭素の反応確率を向上させ、カルボキシル基の生成量を増加させる観点から、0.02以上がより好ましく、0.05以上がさらに好ましい。また、炭化水素および/または希ガスのモル分率を増加させる観点から、0.7以下がより好ましく、0.5以下がさらに好ましく、0.3以下がさらに好ましい。
(炭化水素と二酸化炭素とのモル比)
炭化水素と二酸化炭素とのモル比(炭化水素/二酸化炭素)は、0.01以上、1.8以下が好ましい。炭素と水素との一重結合は、炭素と酸素との二重結合に比べ結合エネルギーが小さいため、プラズマにより比較的解離し易い。すなわち、炭化水素量が多いことで、プラズマによって炭素―水素結合が解離した活性種が、炭素―炭素結合を形成する反応が進行し易くなり、化学品としてより有用な、炭素数の大きな有機酸の生成に有利である。この観点から、導入する気体に含まれる炭化水素と二酸化炭素とのモル比(炭化水素/二酸化炭素)は、0.02以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.1以上がさらに好ましく、0.2以上が最も好ましい。一方、カルボキシル基の生成には二酸化炭素が必要であり、二酸化炭素の比率を向上させることで、カルボン酸の生成に必要なカルボキシル基の生成を増加させる必要がある。したがって、導入する気体に含まれる炭化水素と二酸化炭素とのモル比(炭化水素/二酸化炭素)は、1.6以下がより好ましく、1.1以下がさらに好ましく、0.7以下が最も好ましい。
(希ガス)
導入する希ガスとは、新IUPAC周期表で示される、18族の元素などであり、具体的には、He、Ne、Ar、Kr、Xe、Rnなどが挙げられる。希ガスの汎用性の観点から、ArやNeが好ましく、イオン化エネルギーが比較的小さい観点からは、Heが好ましい。
導入する気体(混合ガス)に含まれる希ガスのモル分率は、0.001以上、0.990以下である。プラズマを安定化させる観点や、プラズマ発生の開始印加電圧を小さくする観点から、プラズマ寿命の長い希ガスを、モル分率で0.001以上、導入することが重要である。前記したような、希ガス導入による効果を高める観点から、希ガスのモル分率は、0.15以上が好ましく、0.45以上がより好ましく、0.60以上がさらに好ましい。炭化水素や二酸化炭素のモル分率を高める観点から、0.98以下が好ましく、0.93以下がさらに好ましく、0.88以下がより好ましい。
(希ガスのモル比)
導入する気体(混合ガス)に含まれる希ガスと、炭化水素と二酸化炭素の和、とのモル比(希ガス/(炭化水素+二酸化炭素))は、0.1以上、4.4以下が好ましい。印加電圧を低減し、過剰な電子照射を低減することで、目的とする生成物の選択率を向上させつつ、安定なプラズマを発生させるためには、混合する希ガスの濃度が高い方が望ましい。この観点から、より好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.8以上、最も好ましくは1.6以上である。一方、希ガス濃度が低くなることで、炭化水素および二酸化炭素の濃度が高くなり、炭化水素と二酸化炭素との衝突、炭化水素同士の衝突、二酸化炭素同士の衝突頻度が向上する観点から、3.8以下がより好ましく、2.8以下がさらに好ましく、2.2以下が最も好ましい。
(炭素数が1以上、10以下の有機酸)
本実施形態の方法によって製造される有機酸は、分子を構成する炭素数が1以上、10以下の有機酸である。好ましくは炭素数が2以上、8以下、より好ましくは炭素数が2以上、6以下、さらに好ましくは2以上、5以下、最も好ましくは2以上、4以下の有機酸である。
前記有機酸は、カルボキシル基を有する有機酸が好ましい。前記有機酸は、直鎖または分岐鎖を有するカルボン酸、炭素間の結合が飽和結合のみのカルボン酸、不飽和結合を有するカルボン酸などが挙げられる。プラズマとの反応では炭化水素末端の水素が解離し易い観点から、直鎖のカルボン酸がより好ましい。また、誘電体バリア放電では、過剰な炭化水素の解離を生じにくい観点から、炭素間の結合がすべて飽和結合であるカルボン酸が好ましい。
有機酸の具体例としては、例えば、カルボキシル基を一つまたは複数有する、炭素数が1以上、10以下のカルボン酸が挙げられる。具体的にはモノカルボン酸、またはジカルボン酸が挙げられる。モノカルボン酸の具体例として、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、乳酸、ピルビン酸、リンゴ酸、アクリル酸、安息香酸、サリチル酸、およびこれらの異性体が挙げられる。より具体的には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、乳酸、アクリル酸、さらに具体的には酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、最も具体的には、酢酸、プロピオン酸、が挙げられる。ジカルボン酸の具体例として、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フタル酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸が挙げられ、より具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、さらに具体的にはシュウ酸、コハク酸が挙げられる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に示すような条件で反応を行い、有機酸の生成量について評価した。
なお、各成分のモル分率、有機酸の収率は、つぎのようにして測定した。
(液体クロマトグラフィー)
[装置]
システムコントローラー:CBM−20A(島津製作所製)
送液ポンプ:LC−20AD(島津製作所製)
電気伝導度検出器:CDD−10Avp(島津製作所製)
[カラム]
Shim−pack SCR−102H(島津製作所製)
[移動相]
5mmol/L p−トルエンスルホン酸
[反応液] 5mmol/L p−トルエンスルホン酸
+ 100μmol/L EDTA + 20mmol/L Bis−Tris
[測定条件]
カラム温度40℃、送液速度0.8mL/min
(GC−MS)
[装置]
HP−6890/5973N(Agilent社製)
[カラム]
TC−FFAP(30m×0.25mm、膜厚:0.25μm)
[測定条件]
イオン化条件:70eV、カラム温度:50℃定常。
上記GC−MSは、同位体原料を用いた生成物の評価に用いた。
(モル分率)
本明細書に記載の希ガス、二酸化炭素、炭化水素、およびその他成分のモル分率は、以下の式で示すものである。
[気体のモル分率総量]=[炭化水素のモル分率]+[二酸化炭素のモル分率]+[希ガスのモル分率]+[他成分のモル分率]=1
また、モル分率をガスクロマトグラフィーで評価する際には、炭化水素/二酸化炭素比については、アルゴンまたはヘリウムをキャリアガスとし、熱伝導度検出器を用いた。希ガスについては、評価する希ガスとは異なる希ガスをキャリアガスとし、熱伝導度検出器のガスクロマトグラフィーを用いた。カラムは、炭化水素/二酸化炭素比については、好ましくは極性型のカラム(例えば、TC−BONDQ、ジーエルサイエンス社製)を用い、希ガスについては、適宜対象希ガスを分離できるものを用いた。
(生成有機酸量)
本実施例、および比較例において、各有機酸の生成量は、反応器下流に設置した水トラップ液、および反応管下流を蒸留水で洗浄した洗浄液を前記液クロマトグラフィーで評価し、水トラップ液中と洗浄液中の有機酸の和を生成量とした。
(有機酸収率)
有機酸収率は、以下の式から算出した。
[有機酸収率(%)]=[生成有機酸量(mol)]/[導入炭化水素量(mol)]×100
(反応装置)
反応装置は、石英管の内部と外部とに電極を備え、同心円状にプラズマを発生させる装置を用いた。内径10mm、厚さ1.5mmの石英管の外部に、幅2cmのアルミ箔を巻き付け、これを外部電極とした。また、前記石英管の内部の中心に外径6mmインチのSUS316管を設置し、これを内部電極とした。このときの電極間距離は2mmであった。
内部電極と外部電極に40kHzの交流電圧を印加させることでプラズマを発生させ、プラズマを発生する電極と垂直に、原料気体を上から下に流通させることで、反応を行った。
実施例1〜実施例10では、炭化水素と二酸化炭素と希ガスとを含む混合気体をプラズマと反応させて、有機酸を製造し、有機酸の収率について評価した。
<実施例1>
原料気体を、CH:20mL/min、CO:7mL/min、Ar:49mL/min(モル分率は、CH:CO:Ar= 0.27:0.09:0.64)とし、プラズマの印加電圧を3.6kVとして、反応を行った。プラズマ発生開始電圧は3.0kV以下であり、ギ酸収率:0.001%、酢酸収率:0.003%、プロピオン酸収率:0.0002%であった。
<実施例2〜10、比較例1〜3
実施例2〜10、比較例1〜3は、表1に記載の条件で実施例1と同様に行った。導入総気体の流速は、同じになるように各原料の流量を調整した。
実施例1〜10および比較例1〜3について、反応条件を表1に示し、カルボン酸収率の結果を表2に示す。
Figure 0006216733
Figure 0006216733
表2に示されるように、希ガスを導入しない比較例1では、希ガスを導入し、かつ、導入気体の総流量、および炭化水素と二酸化炭素とのモル比が等しい、実施例と比較して、プラズマ発生開始電圧は、実施例に比べ大きく、有機酸の収率は大幅に小さかった。これに対し、本発明の反応条件とした実施例では、プラズマを発生するために必要な印加電圧が小さくなり、収率が高く有機酸を製造できることが示された。
また、実施例1〜10の結果から、本発明の反応条件を満たすことで、有機酸が生成することが確認された。
さらに、実施例1、比較例2、3の結果から、有機酸の収率は、原料気体の炭化水素と二酸化炭素とのモル比に依存することがわかった。特に、炭化水素/二酸化炭素のモル比は、2.9から0.4にすることで有機酸の収率は向上した。これは、カルボキシル基の生成が有機酸の収率向上に重要であり、二酸化炭素比率が多いほどカルボキシル基の生成に有利であったために、炭化水素/二酸化炭素のモル比を減少するほど、有機酸収率が向上したと推測される。
実施例では希ガスとしてHeを用いたが、Arを用いた実施例と同様に、良好な結果が得られており、種々の希ガスが、本願の実施形態に適用可能であることが示された。
実施例1、3、4の結果から、有機酸の収率は、原料気体の希ガスのモル分率に依存することがわかった。特に、希ガスのモル分率を26%から86%まで増加させることで、有機酸収率は向上した。これは、プラズマ場での希ガスの濃度が高くなることによって、プラズマが安定に生じるようになりエネルギー分布の差が小さくなった、あるいは、プラズマと炭化水素および/または二酸化炭素との反応確率が向上したためであったと推測される。
実施例4〜6の結果から、印加電圧を1.8kVから3.6kVに増加させることによって、有機酸収率は向上する傾向にあったが、3.6kVから4.5kVに向上させても、有機酸収率に大きな違いは見られなかった。適切な電圧までは、印加電圧を向上させることで、プラズマ発生効率およびプラズマと原料分子との反応確率が向上するために、有機酸収率が向上した。しかし、ある一定値以上の電圧を印加しても、プラズマ発生効率は飽和し、有機酸収率は向上しなかったことが推測される。
種々の炭化水素を用いた実施例7〜10でも良好な結果が得られており、CH以外の炭化水素でも、本発明における原料ガスとして適用可能であることが示された。
<実施例13>
実施例のCHに代えて、安定同位体である炭素の質量数が13であるメタン(13CH)を用いた以外は、実施例と同様に行った。生成した酢酸をGC−MSで評価した。図1は、13CH12COとを原料として生成した酢酸のGC−MSによる質量スペクトルである。この質量スペクトルの、質量数60−62の強度比から、12Cのみからなる酢酸が約7%、12Cと13Cからなる酢酸が約34%、13Cのみからなる酢酸が約59%存在することがわかった。また、質量数45と46の強度比から、13COOH/12COOH比は、約55%であることがわかった。以上から、炭化水素および二酸化炭素が有機酸の原料となっていることが確認された。また、酢酸のメチル基のほぼ全てがメタン由来であることや、二酸化炭素は有機酸の構成炭素および炭化水素の酸化剤として作用していることがわかる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明に係る、プラズマを利用した、炭化水素と二酸化炭素とを原料とする有機酸の製造方法は、本明細書に示したような、適した反応条件とすることで、プラズマ発生のための電圧を小さく、有機酸の高収率化を発現することができるものとなり、工業的に有機酸を製造する方法において、好適に利用可能である。

Claims (12)

  1. 炭素数が1以上、8以下である炭化水素と、二酸化炭素とを原料とした、炭素数が1以上、10以下の有機酸の製造方法であって、
    前記炭化水素と、前記二酸化炭素と、希ガスとを含む混合ガスを、誘電体バリア放電を発生させた放電空間内に通過させる工程を有し、
    前記混合ガスにおいて、前記炭化水素のモル分率が、0.005以上、0.994以下であり、
    前記二酸化炭素のモル分率が、0.005以上、0.994以下であり、
    前記希ガスのモル分率が、0.001以上、0.990以下であり、
    前記混合ガスにおいて、前記炭化水素と前記二酸化炭素とのモル比率(炭化水素/二酸化炭素)が、0.01以上、0.7以下であることを特徴とする、有機酸の製造方法。
  2. 前記混合ガス中において、前記希ガスのモル分率が、0.15以上、0.98以下である、請求項1に記載の有機酸の製造方法。
  3. 前記希ガスがアルゴンを含む、請求項1または2に記載の有機酸の製造方法。
  4. 前記希ガスがヘリウムを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の有機酸の製造方法。
  5. 前記炭化水素の炭素数が1以上、5以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載の有機酸の製造方法。
  6. 前記炭化水素が飽和炭化水素である、請求項1〜のいずれか一項に記載の有機酸の製造方法。
  7. 前記飽和炭化水素がメタン、エタン、又はプロパンの何れかである、請求項に記載の有機酸の製造方法。
  8. 前記炭化水素がアルケンである、請求項1〜のいずれか一項に記載の有機酸の製造方法。
  9. 前記炭化水素がエチレンである、請求項に記載の有機酸の製造方法。
  10. 前記誘電体バリア放電を発生させるための印加電圧が、0.1kV以上、kV以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載の有機酸の製造方法。
  11. 前記有機酸が、炭素数が2以上、8以下のカルボン酸である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の有機酸の製造方法。
  12. 前記有機酸が、炭素間の結合がすべて飽和結合であり、炭素数が2以上、5以下のモノカルボン酸である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の有機酸の製造方法。
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