JP6216521B2 - 移動局及び通信制御方法 - Google Patents

Description

本発明は、移動局、基地局及び通信制御方法に関する。

電子マネーを利用した自動販売機の商品購入、ガスメータや電気メータの遠隔検針、トラックやタクシーの位置情報管理等のように、機械とのデータ通信を実現するマシンコミュニケーション（マシンコム）の需要が高まっている。自動販売機、ガスメータ、電気メータ等のマシンコミュニケーションにおける移動局を、以下ではマシンコム端末と呼ぶ。

３ＧＰＰ（3rd Generation Partnership Project）においても、マシンコム端末を想定した規格の検討が行われている。マシンコム端末は、ネットワーク遅延に対する要求が厳しくないと想定されるため、３ＧＰＰでは、接続要求メッセージ（RRC Connection Request message）の接続理由（establishment cause）に遅延を許容する旨の情報（delay tolerant）を使用することが検討されている（非特許文献１参照）。

3GPP TS 36.331, V11.2.0 (2012-12)

典型的には、マシンコム端末は、送受信するデータは間欠的であり、かつ一度に送受信されるデータ量は少ない一方で、通信に関する端末数は非常に多いという特徴を持つ。特に、ガスメータや電気メータの遠隔検針、自動販売機の販売データの収集等に使用されるマシンコム端末では、データが定期的に発生し、一回のデータ量が比較的少量である。

企業ユーザがこのようなマシンコム端末を大量に導入する場合、マシンコム端末の数に相当するＳＩＭ（Subscriber Identity Module）カードが必要になり、企業ユーザのサーバから各マシンコム端末を呼び出してデータを取得する必要がある。例えば、マシンコム端末が定期的なデータ報告を一斉に行うと、ネットワークにおいて接続確立のためのシグナリングが増加し、ネットワークが輻輳する可能性がある。また、一斉のデータ報告により、サーバ負荷も増加する可能性がある。

本発明は、マシンコム端末の通信開始時間を端末によって変えることにより、ネットワーク負荷を軽減することを目的とする。

本発明の一形態に係る移動局は、
同じ契約番号を有する複数の移動局と、基地局とを有する通信システムにおける移動局であって、
前記基地局から契約番号を含むページングメッセージを受信する受信部と、
前記ページングメッセージ内の契約番号が自局の契約番号と一致する場合、自局の端末識別子を、同じ契約番号を有する移動局の数でモジュロ演算し、モジュロ演算結果に、１回のデータ送信に要する時間から求められた期間を乗算することにより、通信開始時間を計算する通信開始時間計算部と、
計算された通信開始時間に接続状態に遷移する状態遷移部と、
を有する。

本発明の一形態に係る通信制御方法は、
同じ契約番号を有する複数の移動局と、基地局とを有する通信システム内の移動局における通信制御方法であって、
前記基地局から契約番号を含むページングメッセージを受信するステップと、
前記ページングメッセージ内の契約番号が自局の契約番号と一致する場合、自局の端末識別子を、同じ契約番号を有する移動局の数でモジュロ演算し、モジュロ演算結果に、１回のデータ送信に要する時間から求められた期間を乗算することにより、通信開始時間を計算するステップと、
計算された通信開始時間に接続状態に遷移するステップと、
を有する。

本発明によれば、マシンコム端末の通信開始時間を端末によって変えることにより、ネットワーク負荷を軽減することが可能になる。

本発明の実施例に係る通信システムの概略図 本発明の実施例に係る移動局の構成図 本発明の実施例に係る移動局の動作を示すフローチャート 本発明の実施例に係る基地局の構成図 本発明の実施例に係る基地局の動作を示すフローチャート

以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。

本発明の実施例では、複数の移動局（ＵＥ：User Equipment）と基地局（ｅＮＢ：evolved Node B）とを有する通信システムについて説明する。

図１に、本発明の実施例に係る通信システムの概略図を示す。本発明の実施例では、１つの加入者契約で複数の移動局をネットワークに収容する。すなわち、複数の移動局が同じＩＭＳＩ（International Mobile Subscriber Identity）を用いる。ＩＭＳＩは、移動局の契約番号を表す。ただし、端末識別子を表すＩＭＥＩ（International Mobile Equipment Number）は、移動局毎に異なる。

基地局は、契約番号（この例では、１２３４）を用いて移動局にページングメッセージを送信する。移動局は、基地局から自局宛のページングメッセージを受信すると、ＩＭＥＩに基づいて通信開始時間を計算し、計算された通信開始時間にアイドル（idle）状態から接続（connected）状態に遷移する。通信開始時間は、自局のＩＭＥＩを、同じ契約番号を有する移動局の数でモジュロ演算することによって、すなわち、（ＩＭＥＩ ｍｏｄ 端末数）＊通信間隔によって求められてもよい。例えば、移動局の数が１０台であり、通信間隔が１０分である場合、ＩＭＥＩが１であるＵＥ１は、１０分後に通信を開始する。またＩＭＥＩが２であるＵＥ２は、２０分後に通信を開始する。このように、ＩＭＥＩは、移動局毎に異なるため、移動局によって通信開始時間を変えることができる。この移動局をマシンコム端末に適用することにより、マシンコム端末によるネットワーク負荷を軽減することができる。

また、基地局は、移動局がアイドル状態から接続状態に遷移するための接続要求メッセージ（RRC Connection Request message）を受信した場合、接続要求メッセージの接続理由（establishment cause）に基づいて、所定の期間（例えば、１０分）後に接続状態を解放するためのタイマを起動する。そして、タイマの満了時に、接続状態を解放する。このように接続理由によってマシンコム端末からの接続であるか否かを判定し、マシンコム端末からの接続である場合には所定の期間後に接続状態を解放する。

本発明の実施例に係る移動局及び基地局について、以下に詳細に説明する。

＜移動局の構成及び動作＞
図２に、本発明の実施例に係る移動局の構成図を示す。

本発明の実施例に係る移動局は、受信部１０１と、通信開始時間計算部１０３と、状態遷移部１０５と、送信部１０７とを有する。

受信部１０１は、基地局からデータ及び制御情報を受信する。受信部１０１は、基地局からのページングメッセージ内の契約番号（ＩＭＳＩ）を確認することにより、自局宛の着信であるか否かを判断することができる。

通信開始時間計算部１０３は、自局宛のページングメッセージの受信に応じて、自局の端末識別子（ＩＭＥＩ）に基づいて通信開始時間を計算する。ＩＭＥＩは移動局毎に異なるため、ＩＭＥＩを用いることにより、同じ契約番号の端末間で通信開始時間を変えることができる。例えば、通信開始時間は、自局のＩＭＥＩを、同じＩＭＳＩを有する移動局の数でモジュロ演算することによって、すなわち、（ＩＭＥＩ ｍｏｄ 端末数）＊通信間隔によって求められてもよい。端末数とは、同じ契約番号を有する移動局の数である。端末数は予め移動局内に埋め込まれてもよく、ＯＭＡ−ＤＭ（open mobile alliance-device management）等を使って基地局から移動局に通知されてもよい。

状態遷移部１０５は、計算された通信開始時間にアイドル状態から接続状態に遷移するための処理を行う。なお、通信が終了した後にアイドル状態に遷移するために、状態遷移部１０５は、接続要求メッセージに、所定の期間後に接続状態を解放することを要求する情報を付与する。例えば、状態遷移部１０５は、接続要求メッセージの接続理由（establishment cause）に、遅延を許容する旨の情報（delay tolerant）を付与してもよい。一方、状態遷移部１０５は、基地局から接続解放メッセージ（RRC Connection Release message）を受信した場合、接続状態からアイドル状態に遷移する。

送信部１０７は、基地局に対してデータ及び制御情報を送信する。送信部１０７は、基地局との接続状態の間に、データを送信する。

図３に、本発明の実施例に係る移動局の動作を示す。

ステップＳ１０１において、受信部１０１は、基地局からページングメッセージを受信する。ステップＳ１０３において、受信部１０１は、ページングメッセージ内のＩＭＳＩが自局のＩＭＳＩと一致するか否かを確認する。一致しない場合は、自局宛の着信ではないため、着信動作は行わない。ページングメッセージ内のＩＭＳＩが自局のＩＭＳＩと一致する場合、自局宛の着信であるため、以下の処理を実施する。

ステップＳ１０５において、通信開始時間計算部１０３は、通信開始時間Ｘ＝（ＩＭＥＩ ｍｏｄ ｎ）＊Ｔを求める。ここで、ｎは同じ契約番号を有する移動局の数であり、Ｔは１回のデータ送信に要する時間から予め求められた所定の期間である。

ステップＳ１０７において、状態遷移部１０５は、ページングメッセージを受信してＸ分後に、アイドル状態から接続状態に遷移する。接続状態に遷移した後に、移動局と基地局との間で通信が行われ、状態遷移部１０５は、基地局から接続解放メッセージを受信した場合、接続状態からアイドル状態に遷移する。

なお、上記の実施例では、通信開始時間は、ＩＭＥＩに基づいて計算されているが、予め計算された値が移動局内に埋め込まれてもよく、ＯＭＡ−ＤＭ等を使って基地局から移動局に通知されてもよい。また、端末識別子として、ＩＭＥＩを用いているが、顧客と端末とが紐付けられている顧客番号のような顧客の識別子が使用されてもよい。

＜基地局の構成及び動作＞
図４に、本発明の実施例に係る基地局の構成図を示す。

本発明の実施例に係る基地局は、受信部２０１と、タイマ２０３と、状態遷移制御部２０５と、送信部２０７とを有する。

受信部２０１は、移動局からデータ及び制御情報を受信する。受信部２０１で受信した接続要求メッセージには、接続理由（establishment cause）が含まれる。マシンコム端末からの接続要求メッセージには、所定の期間後に接続状態を解放することを要求する情報（delay tolerant）が付与される。

タイマ設定部２０３は、移動局との接続状態を解放するためのタイマを設定する。タイマ設定部２０３は、接続要求メッセージの所定の情報項目に基づいて、所定の期間後に接続状態からアイドル状態に遷移するためのタイマを設定する。例えば、接続要求メッセージの接続理由に、遅延を許容する旨の情報（delay tolerant）が付与されている場合、タイマ２０３は、所定の期間後に接続状態を解放するためのタイマを設定する。

状態遷移制御部２０５は、移動局の接続状態を制御する。移動局から接続要求メッセージを受信した場合、状態遷移制御部２０５は、移動局との接続を確立し、移動局をアイドル状態から接続状態に遷移させる。また、タイマ設定部２０３で設定したタイマが満了した場合、状態遷移制御部２０５は、移動局との接続状態を解放し、移動局を接続状態からアイドル状態に遷移させる。

送信部２０７は、移動局に対してデータ及び制御情報を送信する。

図５に、本発明の実施例に係る基地局の動作を示す。

ステップ２０１において、受信部２０１は、移動局から接続要求メッセージを受信する。ステップＳ２０３において、タイマ設定部２０３は、受信した接続要求メッセージの接続理由（establishment cause）に遅延を許容する旨の情報（delay tolerant）が付与されているか否かを確認する。遅延を許容する旨の情報が付与されていない場合、通常の移動局からの接続要求メッセージであると判断し、所定の期間後に接続状態を解放するためのタイマは設定する必要がない。遅延を許容する旨の情報が付与されている場合、マシンコム端末からの接続要求メッセージであると判断し、以下の処理を実施する。

ステップＳ２０５において、状態遷移制御部２０５は、移動局からの接続要求メッセージを受け付け、移動局との接続を確立する。ステップＳ２０７において、タイマ設定部２０３は、所定の期間後に接続状態を解放するためのタイマを設定する。なお、タイマの期間は、（Ｔ−δ）に設定されてもよい。上記のように、Ｔは１回のデータ送信に要する時間から予め求められた所定の期間であり、δは接続の確立及び解放に要する時間を考慮して設定されたマージンである。

ステップＳ２０９においてタイマが満了した場合、ステップＳ２１１において、状態遷移制御部２０５は、移動局との接続状態を解放するため、送信部２０７を介して接続解放メッセージを送信する。

＜本発明の実施例の効果＞
本発明の実施例によれば、マシンコム端末の通信開始時間を端末によって変えることにより、ネットワーク負荷を軽減することが可能になる。

また、マシンコム端末の用途によって同じＩＭＳＩを使用することができ、１つの加入者契約で複数のマシンコム端末をネットワークに収容できる。基地局からは１つのＩＭＳＩ宛のページングメッセージを送信すればよく、また、移動局は順に接続状態になりデータを送信するため、シグナリングを減少させることができる。例えば、ガスメータ、電気メータ等の使用量を一斉に報告することによるバースト的なネットワークの輻輳を防ぐことができる。

更に、本発明の実施例に係る移動局及び基地局は、既存のＬＴＥ（Long Term Evolution）又はＵＭＴＳ（Universal Mobile Telecommunications System）に従った無線インタフェースを利用できるため、容易に実装可能である。

説明の便宜上、本発明の実施例に係る移動局及び基地局は機能的なブロック図を用いて説明しているが、本発明の実施例に係る移動局及び基地局は、ハードウェア、ソフトウェア又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。また、各機能部が必要に応じて組み合わせて使用されてもよい。また、本発明の実施例に係る通信制御方法は処理の流れを示すフローチャートを用いて説明しているが、本発明の実施例に係る通信制御方法は、実施例に示す順序と異なる順序で実施されてもよい。

以上、マシンコム端末の通信開始時間を端末によって変えることにより、ネットワーク負荷を軽減するための手法について説明したが、本発明は、上記の実施例に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々の変更・応用が可能である。

１０１ 受信部
１０３ 通信開始時間計算部
１０５ 状態遷移部
１０７ 送信部
２０１ 受信部
２０３ タイマ設定部
２０５ 状態遷移制御部
２０７ 送信部

Claims (3)

1. 同じ契約番号を有する複数の移動局と、基地局とを有する通信システムにおける移動局であって、
   前記基地局から契約番号を含むページングメッセージを受信する受信部と、
   前記ページングメッセージ内の契約番号が自局の契約番号と一致する場合、自局の端末識別子を、同じ契約番号を有する移動局の数でモジュロ演算し、モジュロ演算結果に、１回のデータ送信に要する時間から求められた期間を乗算することにより、通信開始時間を計算する通信開始時間計算部と、
   計算された通信開始時間に接続状態に遷移する状態遷移部と、
   を有する移動局。
2. 前記状態遷移部は、接続状態に遷移するための接続要求メッセージに、遅延を許容する旨の情報を付与する、請求項１に記載の移動局。
3. 同じ契約番号を有する複数の移動局と、基地局とを有する通信システム内の移動局における通信制御方法であって、
   前記基地局から契約番号を含むページングメッセージを受信するステップと、
   前記ページングメッセージ内の契約番号が自局の契約番号と一致する場合、自局の端末識別子を、同じ契約番号を有する移動局の数でモジュロ演算し、モジュロ演算結果に、１回のデータ送信に要する時間から求められた期間を乗算することにより、通信開始時間を計算するステップと、
   計算された通信開始時間に接続状態に遷移するステップと、
   を有する通信制御方法。

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