JP6215100B2 - セラミックス多孔質体、セラミックス多孔質連結体、及びセラミックス多孔質体の製造方法 - Google Patents

セラミックス多孔質体、セラミックス多孔質連結体、及びセラミックス多孔質体の製造方法 Download PDF

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本発明は、セラミックス多孔質体、セラミックス多孔質連結体、及びセラミックス多孔質体の製造方法に関し、特に、被処理流体から被処理流体に含まれる特定成分を分離し、或いは被処理流体を濃縮する膜エレメント等に用いられるセラミックス多孔質体、セラミックス多孔質連結体、及びセラミックス多孔質体の製造方法に関する。
水の浄化装置、排ガスの浄化装置、化学反応用触媒の担体等、各種の流体を処理する装置にセラミックス等の多孔質体フィルタが用いられている。
ビルや工場内で使用する循環水の浄化設備や、生物処理された汚水の浄化設備に中空糸膜や平膜等の有機性のろ過膜が多用されているが、寿命が短いという問題があり、必要に応じてこれらに比較して十分に寿命が長いセラミックス等の多孔質体フィルタを用いた膜エレメントが用いられる場合がある。また各種の流体に対して特定成分を除去し、或いは濃縮するために多孔質体フィルタを用いた膜エレメントが用いられる場合もある。
特許文献1には、両端部に配置された管板に多数の長尺円筒型ゼオライト膜でなるセラミックス製の管状フィルタが互いに一定の間隔を隔てて支持された膜モジュールが開示されている。そして、被処理流体である蒸気が多数のゼオライト膜と接触するように、ゼオライト膜の長手方向に所定間隔で複数のバッフルが配置されている。
特開平6−99039号公報 特開平9−313831号公報 特開平8−12460号公報
しかし、従来の多孔質体フィルタを用いた膜エレメントは、混練されたセラミックス材料を押出成形することにより製造されるものであったため、大型で長尺の膜エレメントを成形できるという良さがあるものの、歩留まりが悪く生産性が上がらないという問題があった。
押出成形された成形品は、含水率が比較的高いために、保形性の観点等から押出成形後に乾燥工程を経なければ焼成工程を実行することができず、最終の多孔質体フィルタを得るまでの成形工程、乾燥工程、焼成工程の各段階で変形や割れが生じても焼成後でないと不良品であるか否かの判別ができないためである。さらに、大型の多孔質体フィルタを製造するための専用の押出成形装置に対する設備投資額が嵩むという問題もあった。
上述した特許文献1に記載された膜エレメントは、複数の管状フィルタを束ねて構成されており、管状フィルタ同士の間隔を保持するために、管状フィルタの長手方向に所定間隔で管板やスペーサ、或いはバッフルを配置して、それらに各管状フィルタを装着する必要があり、管状フィルタの数が多くなるほど、また管状フィルタが長くなるほどその作業が困難になるという問題があった。
また、長尺の管状フィルタを押出成形法で製造する場合にも、上述した変形等が生じるため、管板やスペーサ等に等間隔で管状フィルタを装着するのは非常に困難であり、十分な強度及び寸法精度を確保できないという問題もあった。
本発明の目的は、製品歩留まりを向上させるとともに製造工程を簡素化して、生産性がよく、且つ、十分な強度及び寸法精度を確保可能なセラミックス多孔質体、セラミックス多孔質連結体、及びセラミックス多孔質体の製造方法を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明によるセラミックス多孔質体の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、複数の貫通孔が形成されているセラミックス製の管板部と、前記管板部から一方向に延出するとともに互いに分断されたセラミックス製の複数の柱状部とが一体に形成され、前記柱状部に前記貫通孔が延出形成されており、前記管板部は前記複数の柱状部の一端にのみ形成されている点にある。
柱状部と柱状部に形成された貫通孔とで一つの多孔質体の管状フィルタが構成され、管板部によって複数の管状フィルタの一端が位置決め支持されるので、十分な強度及び寸法精度を確保可能なセラミックス多孔質体が実現できる。例えば、管板部に形成された貫通孔に流入した流体が管板部と一体に形成された柱状部の貫通孔に流入し、貫通孔内壁からセラミックの細孔を経て柱状部の周壁面から流出することにより、流体に含まれる特定成分が除去される。管板部に形成された複数の貫通孔が、各柱状部に分散して延出形成されるので、各貫通孔に流入した流体は、ほぼ均等に周壁面から浸み出すようになり、ろ過或いは濃縮効率が極めて優れた膜エレメントに用いることができる。
発明によるセラミックス多孔質連結体の特徴構成は、同請求項に記載した通り、上述の第一の特徴構成を備えたセラミックス多孔質体の複数が、貫通孔が連通するように、且つ、一方のセラミックス多孔質体の管板部に他方のセラミックス多孔質体の柱状部を対向配置して接合することで、管板部と柱状部が交互に配置されて一方向に接合されている点にある。
各貫通孔が連通するように複数のセラミックス多孔質体を一方向に接合することによって、個々のセラミックス多孔質体の柱状部の長さが短くても、長尺の貫通孔を備えたセラミックス多孔質連結体が構成でき、十分な強度及び寸法精度を備えた大型の膜エレメントに用いることができるようになる。さらに、貫通孔の軸心に沿って配置される複数の柱状部が管板部を介して接合されるので、長尺のセラミックス多孔質連結体であっても十分な強度及び寸法精度を備えた大型の膜エレメントに用いることができるようになる。
本発明によるセラミック膜エレメントの特徴構成は、同請求項に記載した通り、上述した特徴構成を備えたセラミックス多孔質連結体に形成されている各貫通孔の内周面に、前記セラミックス多孔質体の孔径よりも小さな孔径を備える微細多孔質層が形成されている点にある。
貫通孔の内周面に形成された微細多孔質層によって、流体に混入した径の小さな特定成分も効率的に除去することができるようになる。しかも各貫通孔に流入した流体は、微細多孔質層を通過した後は圧損が小さくなりほぼ均等に周壁面から浸み出すため、ろ過或いは濃縮効率が極めて優れた膜エレメントが得られるようになる。
本発明によるセラミックス多孔質体の製造方法の特徴構成は、同請求項に記載した通り、セラミックス粉末を含む粉末材料を用いて、複数の貫通孔を備える一つの管板部と、前記管板部から一方向に延出するとともに互いに分断された複数の柱状部とが一体に、且つ、前記柱状部に前記貫通孔が延出するようにプレス成形する点にある。
従来の押出成形法で成形される場合には、比較的含水率が高い多孔質体となるため、乾燥工程が必要になり、多孔質体を得るまでの工程が複雑であり、そのような複雑な工程を経ても最終的に歪が発生する虞もあった。しかし、プレス成形法で成形された多孔質体は、含水率を低く抑えることができるため、乾燥工程等を経ずに直ちに焼成工程を実行することができ、製造工程を簡素化できるようになる。
また、押出成形法により大型の多孔質フィルタを成形する場合、成形後に仮焼成等により保形性を向上させた多孔質体に機械加工して複数の柱状部を形成する必要があるが、プレス成形法によれば成形時に管板部と柱状部とを同時に形成できるため、製造工程を一層簡素化することができる。
以上説明した通り、本発明によれば、製品歩留まりを向上させるとともに製造工程を簡素化して、生産性がよく、且つ、十分な強度及び寸法精度を確保可能なセラミックス多孔質体、セラミックス多孔質連結体、及びセラミックス多孔質体の製造方法を提供することができるようになった。
(a)は本発明によるセラミックス多孔質体が収容された膜モジュールの説明図、(b)は本発明によるセラミックス多孔質体が収容された膜コンポーネントを一部切欠いた状態の説明図 本発明によるセラミックス多孔質連結体で構成される膜エレメントの説明図 膜エレメントの構成要素であるセラミックス多孔質体の説明図で、(a)は正面、平面及び右側面を表す斜視図、(b)は背面、底面及び左側面を表す斜視図 (a)はセラミックス多孔質体の平面図、(b)は同正面図、(c)は同底面図 (a),(b)は、それぞれ本発明によるセラミックス多孔質体の位置決め機構の別実施形態を示す説明図 本発明によるセラミックス多孔質体の別実施形態を示し、(a)は正面、平面及び右側面を表す斜視図、(b)は背面、底面及び左側面を表す斜視図 本発明によるセラミックス多孔質体の別実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図 本発明によるセラミックス多孔質体の別実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は底面図 本発明によるセラミックス多孔質体の別実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は底面図
以下に本発明によるセラミックス多孔質体、セラミックス多孔質連結体、及びセラミックス多孔質体の製造方法を説明する。
図1(a)には、水処理装置に用いられる膜モジュール1が示されている。膜モジュール1は、4台の膜コンポーネント20と、各膜コンポーネント20に原水を供給する原水ヘッダー管22と、各膜コンポーネント20に洗浄用空気または水や薬液を供給する洗浄ヘッダー管24と、各膜コンポーネント20のろ過水を集水するろ過水ヘッダー管26を備えている。
図1(b)に示すように、各膜コンポーネント20は、膜ケーシング100及び膜ケーシング100に収容された膜エレメント2で構成され、膜ケーシング100は、基台30と、ケーシング本体40と、上部蓋体50と、ケーシング本体40に支持される支持部60と、ケーシング本体40の軸方向に沿って支持部40と上部蓋体50との相対位置を調整可能に保持する保持部70等を備えて構成されている。
洗浄ヘッダー管24と連通するように縦軸心方向に接続管路が形成された筒状の保持部70の外周が、支持部60に備えた環状部61の内周に螺合するように、両者にネジ部が形成されている。環状部61の周囲に四本のアーチ状の梁部62が連接され、梁部62の端部がケーシング本体40の端部に固定されている。保持部70を回転させることによって、保持部70と接合した上部蓋体50がケーシング本体40の縦軸方向に上下動するように構成されている。
ケーシング本体40に収容された膜エレメント2は、上下端にシール部材80が配置され、ケーシング本体40の上端から嵌入された上部蓋体50でシール部材80とともに押圧されることにより、原水ヘッダー管22及び洗浄ヘッダー管24と連通する膜エレメント2の上下面と、ろ過水ヘッダー管26と連通する膜エレメント2の側面との間が縁切りされるように水密に収容されている。
ろ過工程では、原水ヘッダー管22から供給された原水が膜エレメント2でろ過され、ろ過水は上部蓋体50に形成されたろ過水流出管からろ過水ヘッダー管26に集水される。洗浄工程では、ろ過水ヘッダー管26から洗浄水が供給されて、膜エレメント2が洗浄された後に原水ヘッダー管22から排水される。さらにその後、洗浄ヘッダー管24から洗浄用空気等が供給されてフラッシングされる。
図2には膜ケーシング100に収容された膜エレメント2が示され、図3(a),(b)には膜エレメント2を構成するセラミックス多孔質体6が示され、図4(a),(b),(c)にはセラミックス多孔質体6の平面形状、正面形状、底面形状が示されている。
図2に示すように、膜エレメント2は、ブロック状のセラミックス多孔質体6が複数段接合されたセラミックス多孔質連結体によって構成されている。以下の説明では、便宜上、セラミックス多孔質連結体及び膜エレメントの双方を符号2で表す。
図3及び図4に示すように、各セラミックス多孔質体6は、複数の貫通孔3が形成された管板部6Aと、管板部6Aから一方向に延出する複数の柱状部6Bとが一体に形成され、柱状部6Bに当該複数の貫通孔3がそれぞれ延出形成されている。
柱状部6Bは、管板部6Aに形成された複数の貫通孔3を均等に分散して一方向に延出形成するように、所定間隔で規則的に延出形成され、その結果として隣接する複数の柱状部6Bの間にスリット状の空間5が形成されている。
管板部6Aは方形の板状体で、一対の対向側面間に5列の貫通孔群3A,3B,3C,3D,3Eが形成され、各貫通孔群には貫通孔3が15×2列の30本形成されている。
各貫通孔群3A,3B,3C,3D,3Eが形成された領域に対応するように、管板部6Aの一方の表面から直角方向に5本の柱状部6Bが所定の幅を隔てて延出形成され、各柱状部6Bには各貫通孔群3A,3B,3C,3D,3Eが延出形成されている。つまり、セラミックス多孔質体6には、貫通孔3が150本形成されている。
さらに、セラミックス多孔質体6同士を接合する際に、互いの貫通孔3が位置ずれすることなく適切に連通するように、管板部6aの他方の表面6aには貫通孔群3A,3B,3D,3Eの近傍に合計8個の突起6dが形成され、柱状部6Bの端面6bには突起6dに対応する位置に凹溝6eが形成されている。
一方のセラミックス多孔質体6の管板部6Aに他方のセラミックス多孔質体6の柱状部6Bを対向配置し、各突起6dと凹溝6eを係合させることにより、接合面上で縦横方向の正確な位置決めが可能になる。
即ち、図2に示したように、膜エレメントとなるセラミックス多孔質連結体2は、各セラミックス多孔質体6に形成された貫通孔3同士が連通するように、複数のセラミックス多孔質体6が接合されて構成され、各貫通孔3が原水の流体通流孔となる。
本実施形態では、管板部6Aが非処理流体の流入口側を向くように、全てのセラミックス多孔質体6が同じ配列姿勢で貫通孔3の軸心方向に沿って7段接合され、最下段のセラミックス多孔質体6の底面には上部の管板部6Aとの間に柱状部6Bを挟むように平坦な一枚の管板部6Cのみが接合されている。
さらに、各貫通孔3の内周面にはセラミックス多孔質体6の孔径よりも小さな約0.1μm程度の平均孔径を備える微細多孔質層、つまりろ過膜層4が約20〜80μm程度の層厚に形成されている。
図1(b)に示すように、原水ヘッダー管22から供給された所定圧の原水が膜エレメント2の各貫通孔3に流入し、ろ過膜層4でろ過されたろ過水がセラミックス多孔質体6を構成する柱状部6Bの表面6cから滲み出してケーシング本体40と膜エレメント2との間に溜まり、さらに上部蓋体50に形成されたろ過水流出管を経由してろ過水ヘッダー管26に流出する。尚、膜エレメント2の上下端面6aは、表面から原水が浸入しないようにガラスや樹脂等で被覆されている。
各貫通孔3の内周の近傍に柱状部6Bの表面6cが位置して、ろ過水が表面6cからスリット状の空間5に流出するように構成されているので、ろ過膜層4でろ過され多孔質体6の内部の微小流路を流れるろ過水に大きな流動抵抗が掛かるようなことがなく、全ての貫通孔3でほぼ均等にろ過処理が行なわれるので、長期間安定して効率的なろ過処理が可能になる。
また、各柱状部6Bの表面6cが対向して形成されるスリット状の空間5が表面6cの延出方向の両側に開放されているので、柱状部6Bの表面6cから滲み出したろ過水は通水抵抗が低いため速やかにケーシング本体40との間のろ過水貯留空間に流出する。
上述した多孔質体6はスプレードライ法を用いて所定の粒径に造粒したムライト系のセラミック粒状体をプレス成形することにより得られ、ろ過膜層4はアルミナを主材としたスラリーを貫通孔3の内面にコーティングした後に焼成して形成されている。
以下、膜エレメント2の製造方法の一例を詳述する。
上述の膜エレメント2は、造粒工程と、成形工程と、接合工程と、膜形成工程を経て製造される。以下の説明では便宜上、成形工程で形成されたセラミックス成形体を多孔質体と表記するが、正確には接合工程で焼成されることによって多孔質体となる。
造粒工程では、ムライト(3Al2O3・2SiO2)系セラミックスに水と有機バインダ等を添加してスラリー状のセラミックスを生成し、当該スラリー状のセラミックスをスプレーで噴霧しながら乾燥させるスプレードライ法を用いて、セラミック粒状体に造粒する。
成形工程では、柱状部6B間に形成される空間5に対応した複数本の突起が形成された金型に、貫通孔3を形成するためのピンを立設し、セラミック造粒体を金型に投入した後に、図3(a),(b)に示した多孔質体6のベースを形成するプレス成形が実行される。
接合工程では、成形工程で得られた多孔質体6の対向面6a,6b間に、接合材となるシリカシート等を介在させて、各多孔質体6に形成された流体通流孔3同士が連通するように複数段積層した後に焼成処理する。当該焼成処理によって各多孔質体6の対向面6a,6b同士がシリカを介して焼結接合される。尚、シリカシートは、焼成時に貫通孔3を閉塞させないように、予め貫通孔3に対応する部位が開口されている。
多孔質体6の原材料としてムライト(3Al2O3・2SiO2)系セラミックスを採用した例を示したが、これに限るものではなく、アルミナ(Al2O3)やコージュライト等、多孔質体が形成可能なセラミックスであれば適宜用いることができる。
接合材としてシリカ(酸化ケイ素)以外に、母材であるセラミックスと焼結可能な材料であれば適当な種類のものを用いることも可能である。但し、母材であるセラミックスの焼結温度以下で焼結する材料が望ましい。さらに母材であるセラミックスの収縮率に近い収縮率の材料であればなお望ましい。
プレス成形法で成形された多孔質体6は、比較的含水率を低く抑えることができるため、押出成形法で成形され、含水率が数%と高い多孔質体6で必要な乾燥工程等を行なわずに、直ちに接合工程を実行することができるため、製造工程を簡素化できるようになる。
また、押出成形法を採用する場合には、少なくとも一対の対向面6a,6bの一方の面6aで閉塞され側面6cで開口するようなスリット状の空間5を形成するために、成形後に仮焼成等で保形性を向上させた多孔質体6に機械加工してスリット状の空間5を形成する必要があるが、プレス成形法によれば、このようなスリット状の空間5であっても、成形時に同時に形成できるため、製造工程を一層簡素化することができる。
また、柱状部6Bによって形成されるスリット状の空間5が多孔質体の両側面間で略直線状に延出しているため、当該空間5に対応して金型に形成される複数本の突起が金型の側壁に連結構成でき、十分な強度を確保することができるので、プレス成型後の型抜きの工程で異常な力がかかって突起が破損するというようなことが無い。
尚、膜エレメント2の両端面6aから原水が浸入しないように、ガラスや樹脂でコーティングする以外に、釉薬を塗布してもよい。
このようにして得られた膜エレメント2を膜ケーシング100に収容することにより4台の膜コンポーネントを備えた膜モジュール1が製造される。
以下に、本発明による膜エレメント2を構成する多孔質体6の別実施形態について説明する。
上述した実施形態では、セラミックス多孔質体6同士を接合する際に、互いの貫通孔3が位置ずれすることなく適切に連通するように、管板部6aの端面6aに貫通孔群3A,3B,3D,3Eの近傍に合計8個の突起6dを形成し、柱状部6Bの端面6bに凹溝6eを形成し、各突起6dがそれぞれ対応する1本の柱状部6Bに形成された凹溝6eの周面と係合させることによって、接合面上で縦横方向に位置決めする例を説明したが、位置決め用の突起6dと凹部6eの構成はこのような態様に限るものではなく、適宜構成することができる。
例えば、図5(a)に示すように、管板部6aの対角線方向に少なくとも二対の位置決め用の突起6dと凹部6eを構成すればよい。また、図5(b)に示すように、平面視で隣接する2本の柱状部6Bの中央部に一つの突起6dを形成し、その突起6dの周部と係合する凹部6dをその2本の柱状部6Bの双方に形成してもよい。このような突起と凹部は少なくとも一対構成すればよいが、管板部6aの対角線方向に少なくとも二対設けると精度よく位置決めできるようになる。
図6(a),(b)には、他の態様の多孔質体6が示されている。図3(a),(b)で説明した多孔質体6は、管板部6Aに一体に形成された5本の柱状体6Bの側壁6cによって、略直線状のスリット状の4本の空間5が平行に形成されているが、略直線状のスリット状の4本の空間5を平面視長手方向中央部で分離するように、10本の柱状体6Bを形成してもよい。
図7(a),(b),(c)に示すように、平面視円形となる円盤状の管板部6Aに同じく平面視円形の複数本の柱状部6Bを一体に形成してもよい。この例では、各柱状部6Bに1本の貫通孔3が形成されている。つまり、本発明による多孔質体6の各柱状部6Bは、少なくとも1本の貫通孔3が延出形成されていればよい。
また、管板部6Aが複数の柱状部6Bの一端側のみに形成されている態様に限らず、複数の柱状部6Bの両端に形成されていてもよい。
少なくとも管板部6Aが複数の柱状部6Bの一端に設けられていれば十分な強度及び寸法精度で柱状部6Bを支持することができ、複数の柱状部6Bの両端に設けられていればさらに強固に且つ精度よく支持できるようになる。
また、柱状部6Bが管板部6Aの片面から一方向に延出して形成されている態様に限らず、管板部6Bの両側からそれぞれ一方向に延出して形成されていてもよい。この場合、多孔質体6を複数段接合して膜エレメントとするには、最上段の上面と最下段の下面に平坦な管板部6Cを接合すればよい。
図8(a),(b),(c),(d)には、さらに他の態様の多孔質体6が示されている。平面視矩形の管板部6Aに、平面視長円形の複数本の柱状部6Bが一体に形成されている。この例では、各柱状部6Bに2本の貫通孔3が形成されている。各貫通孔3の周部に少なくとも柱状部6Bの側壁が対向する領域が形成されていれば、ろ過水が速やかに側壁6cから滲み出すので圧損を低く抑えることができる。
図7及び図8に示すように、各柱状部6Bが管板部6Aの外周壁より内側から延出するように構成されていると、管板部6Aが他の配管との連結用の鍔部として機能させることができる。
図9(a),(b),(c),(d)には、さらに他の態様の多孔質体6が示されている。平面視矩形の管板部6Aに、平面視「H」字形の複数本の柱状部6Bが一体に形成されている。この例でも、各貫通孔3の周部に少なくとも柱状部6Bの側壁が対向する領域が形成されているので、ろ過水が速やかに側壁6cから滲み出すようになる。尚、図7から9には、位置決め突起及び凹部が描かれていないが、図3から6に示した位置決め突起及び凹部を備えていることは言うまでもない。
また、上述の何れの実施形態も貫通孔3の内周面にろ過膜層4が形成されている構成について説明したが、ろ過膜層の孔径や層厚は、被処理流体に含まれる固体の大きさに応じて適宜設定されるものである。また、流体通流孔の内周面にろ過膜層を形成せずに多孔質体を構成してもよい。
また、上述の何れの実施形態でも、スプレードライ法を用いて所定の粒径に造粒したセラミック粒状体をプレス成形して多孔質体6を得る構成について説明したが、本発明によるセラミックス多孔質体は、スプレードライ法を用いたセラミック粒状体を用いるものに制限されるものではない。
本発明による膜エレメント2は、上水、下水、産業廃水等の水処理、食品工業等の固液分離処理、濃縮処理、さらには有用物の回収処理等広範囲に使用できる。
本発明による膜エレメント2が収容される膜コンポーネント20及び膜モジュール1は、上述した構成に限るものではなく、用途に応じて適宜構成することができる。
また、セラミックス多孔質体のサイズや形状、及び膜エレメントを構成するセラミックス多孔質連結体の連結数等の具体的構成は上述した実施形態で説明した内容に限定されるものではなく、本発明による作用効果を奏する範囲において適宜変更設計可能であることはいうまでもない。
1:膜モジュール
2:膜エレメント
3:貫通孔(流体通流孔)
4:微細多孔質層(ろ過膜層)
5:スリット状の空間
6:セラミックス多孔質体
6A:管板部
6B:柱状部
6a,6b:一対の端面
6c:側面
6d:位置決め用の突起
6e:位置決め用の凹部
20:膜コンポーネント

Claims (4)

  1. 複数の貫通孔が形成されているセラミックス製の管板部と、前記管板部から一方向に延出するとともに互いに分断されたセラミックス製の複数の柱状部とが一体に形成され、前記柱状部に前記貫通孔が延出形成されており、前記管板部は前記複数の柱状部の一端にのみ形成されていることを特徴とするセラミックス多孔質体。
  2. 請求項1記載のセラミックス多孔質体の複数が、貫通孔が連通するように、且つ、一方のセラミックス多孔質体の管板部に他方のセラミックス多孔質体の柱状部を対向配置して接合することで、管板部と柱状部が交互に配置されて一方向に接合されていることを特徴とするセラミックス多孔質連結体。
  3. 請求項記載のセラミックス多孔質連結体に形成されている各貫通孔の内周面に、前記セラミックス多孔質体の孔径よりも小さな孔径を備える微細多孔質層が形成されていることを特徴とするセラミック膜エレメント。
  4. セラミックス粉末を含む粉末材料を用いて、複数の貫通孔を備える一つの管板部と、前記管板部から一方向に延出するとともに互いに分断された複数の柱状部とが一体に、且つ、前記柱状部に前記貫通孔が延出するようにプレス成形することを特徴とするセラミックス多孔質体の製造方法。
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