以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本実施の形態は本発明を限定するものではない。以下では、基準画像中の基準となる注目点に対応する評価画像中の点を「対応点」という。本実施の形態の対応点検出装置は、基準となる基準画像中の注目点に対応する評価画像中の対応点を検出し、当該対応点の座標を出力する機能を有する画像処理装置である。なお、基準画像及び評価画像を総称する場合は、単に「画像」という場合がある。
まず、本実施の形態の対応点検出装置との比較のため、比較例として従来の対応点検出装置について説明する。図21及び図22には、従来の対応点検出装置の概略構成の一例を表す構成図を示す。図21は、対応点検出装置の処理対象となる基準画像及び評価画像が白黒画像(1チャンネル画像)の場合を示しており、図22は、基準画像及び評価画像がカラー画像(RGB画像・3チャンネル画像)の場合を示している。
従来の対応点検出装置100は、いずれも、基準画像が入力される画像入力部120A、評価画像が入力される画像入力部120B、画像間類似度評価関数生成処理部124、及び対応点検出部134を備えている。さらに、基準画像及び評価画像がカラー画像の場合の従来の対応点検出装置110は、カラー画像である基準画像及び評価画像から白黒画像を生成する白黒画像生成部121を備えている。
また、対応点検出装置100及び対応点検出装置110の画像間類似度評価関数生成処理部124は、画像変換部126、画像変換部128、及び画像間類似度評価関数生成部130を備えている。
対応点検出装置100では、画像入力部120Aに入力された基準画像は、画像変換部126に引き渡される。また、画像入力部120Bに入力された評価画像は、画像変換部128に引き渡される。一方、対応点検出装置110では、白黒画像生成部121で基準画像及び評価画像をカラー画像から白黒画像に変換した後、基準画像は、画像変換部126に引き渡され、評価画像は、画像変換部128に引き渡される。
画像変換部126では、入力された基準画像の特徴を表す成分の画像を生成する、または特徴量等を計算して、基準画像の特徴量を、画像間類似度評価関数生成部130へ出力する。画像変換部128では、入力された評価画像の特徴を表す成分の画像を生成する、もしくは特徴量等を計算して、評価画像の特徴量を、画像間類似度評価関数生成部130へ出力する。画像変換部126及び画像変換部128の具体的一例としては、位相画像を生成する位相画像生成部が挙げられる。
画像間類似度評価関数生成部130は、基準画像の特徴を表す成分の画像と評価画像の特徴を表す成分の画像とを比較した比較結果、または基準画像の特徴量と評価画像の特徴量とを比較した比較結果を表す類似度評価関数を出力する。例えば、基準画像の特徴量及び評価画像の特徴量同士の演算を行うことにより得られた、基準画像と評価画像との類似度を評価した類似度評価関数を対応点検出部134へ出力する。画像間類似度評価関数生成部130の具体的一例としては、位相限定相関関数を生成する位相限定相関関数生成部が挙げられる。
対応点検出部134は、画像間類似度評価関数生成部130から入力された類似度評価関数に基づいて、評価画像中の対応点の検出を行い、対応点が検出された場合はその座標を出力し、対応点が検出されなかった場合は、その旨を示す情報を出力する。
このように、従来の対応点検出装置100及び対応点検出装置110では、処理対象とする画像は、白黒画像または、RGBの3チャンネルのカラー画像であり、また、対応点検出装置110では、入力されたカラー画像を一端、白黒画像に変換しており、RGBの色情報が活用されていなかったため、対応点検出精度が不十分である場合があった。
これに対して本実施の形態の対応点検出装置では、入力される画像が任意のチャンネル数の画像であっても適用でき、対応点検出精度を向上することができる。本実施の形態の対応点検出装置では、以下の第1の手法及び第2の手法により、対応点の検出を行っている。第1の手法では、図1に示すように、基準画像2全体と評価画像4全体とを照合することにより、対応点の検出を行う。そのため、対応点検出装置には、基準画像2及び評価画像4が入力される。第2の手法では、図10に示すように、全体基準画像5内の注目点を中心とした小領域画像6を基準画像とし、全体評価画像7内の小領域画像8を評価画像として、両画像を照合(比較)することにより、対応点の検出を行う処理を、小領域画像8の位置を全体評価画像7内で移動させながら繰り返し行う。そのため、対応点検出装置には、基準画像である小領域画像6及び評価画像である小領域画像8が入力される。以下では、第1の手法を第1の実施の形態、第2の手法を第2の実施の形態、及びこれらの手法を組み合わせた例を第3の実施の形態及び第4の実施の形態として詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態の対応点検出装置10は、上述したように図1に示すように、基準画像2中の注目点に対応する評価画像4中の対応点を検出し、対応点の座標を求める機能を有する。以下、本実施の形態の各実施例について図面を参照して説明する。
(実施例1−1)
まず、本実施例の対応点検出装置10の構成について説明する。図2には、本実施例の対応点検出装置10の概略構成の一例の構成図を示す。なお、本実施例において、基準画像のカラーチャンネルと評価画像のカラーチャンネルとが同一であり、基準画像のカラーチャンネル数(Nチャンネル)と評価画像のカラーチャンネル数(Nチャンネル)とが、同一である。例えば、基準画像及び評価画像がRGB画像の場合は、チャンネル数(N)=3である。また、本実施例において、基準画像及び評価画像のチャンネル数は、任意である。例えば、画像が白黒画像であれば、チャンネル数は、1であり、RGB画像であれば、チャンネル数は3である。また例えば、チャンネル数は、可視光の白黒画像と赤外画像とを組み合わせた2チャンネルであってもよいし、マルチバンド画像であれば4チャンネル以上であってもよく、特に限定されない。
本実施例の対応点検出装置10は、画像入力部20(20A及び20B)、カラーチャンネル分解部22(22A及び22B)、画像間類似度評価関数生成処理部24(241〜24N)、画像間類似度評価関数統合部32、及び対応点検出部34を備えている。以下では、画像入力部20A及び画像入力部20Bを総称する場合は、画像入力部20といい、画像間類似度評価関数生成処理部241〜画像間類似度評価関数生成処理部24Nを総称する場合は、個々を示す符号(1〜N)を付さずに、画像間類似度評価関数生成処理部24という。
なお、対応点検出装置10におけるこれら各処理部は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を備えたコンピュータにより実現されており、CPUが、ROMに記憶されているプログラムを実行することにより、各処理部における詳細を後述する処理が実行される。
画像入力部20及びカラーチャンネル分解部22は、基準画像及び評価画像の各々に対応して設けられている。画像入力部20Aには、チャンネル数がNの基準画像が入力され、入力された基準画像は、カラーチャンネル分解部22Aに引き渡される。画像入力部20Bには、チャンネル数がNの評価画像が入力され、入力された評価画像は、カラーチャンネル分解部22Bに引き渡される。
カラーチャンネル分解部22には、チャンネル数がNの画像(基準画像または評価画像)が入力される。カラーチャンネル分解部22は、入力された画像(基準画像または評価画像)を予め定められた各カラーチャンネルに対応したN枚の単色画像に分解する機能を有する。すなわち、カラーチャンネル分解部22AではN枚の単色の基準画像が生成され、カラーチャンネル分解部22BではN枚の単色の評価画像が生成される。例えば、基準画像及び評価画像がRGB画像の場合は、基準画像及び評価画像の各々について、R色の画像、G色の画像、及びB色の画像が生成される。カラーチャンネルに対応した単色画像に分解する方法については、特に限定されるものではなく、既存の手法を用いればよい。分解により生成された基準画像の各カラーチャンネルの画像(単色画像)と、評価画像の各カラーチャンネルの画像(単色画像)とをセットにして、カラーチャンネル毎に、当該カラーチャンネルに対応する画像間類似度評価関数生成処理部24に出力する。
画像間類似度評価関数生成処理部24は、カラーチャンネル毎に設けられている。本実施例では、予め定められたチャンネル数がNであるため、N個の画像間類似度評価関数生成処理部24が設けられている。各画像間類似度評価関数生成処理部24は、画像変換部26、画像変換部28、及び画像間類似度評価関数生成部30を備えている。画像変換部26、画像変換部28、及び画像間類似度評価関数生成部30は、画像間類似度評価関数生成処理部24と同様に、総称する場合は、個々を示す符号(1〜N)を付さずにいう。
画像変換部26には、カラーチャンネル分解部22Aで生成された単色画像が入力される。一方、画像変換部28には、カラーチャンネル分解部22Bで生成された単色画像が入力される。画像変換部26は、入力された単色画像を、当該単色画像の特徴量を表すデータ形式に変換して出力する機能を有する。画像変換部26及び画像変換部28は、入力される画像が基準画像であるか評価画像であるかが異なるのみであり、その機能及び動作は同一である。本実施例の画像変換部26及び画像変換部28は、例えば、入力された単色画像の特徴を表す成分の画像を、フーリエ変換等することにより生成する。フーリエ変換等の方法は、特に限定されるものではなく、既存の手法を用いればよい。この場合は、単色画像の変換結果を画像間類似度評価関数生成部30に出力する。画像変換部26及び画像変換部28でフーリエ変換等を行った場合は、入力された単色画像(基準画像及び評価画像)についてフーリエ変換等を行った結果を表わす画像(以下、「結果画像」という)が画像間類似度評価関数生成部30に出力される。
または、本実施例の画像変換部26及び画像変換部28は、例えば、入力された単色画像の特徴量として、画像の輝度の分布の特徴を表す輝度ヒストグラムや輝度ヒストグラムの分散等を計算する。この場合は、計算された輝度ヒストグラムや輝度ヒストグラムの分散等を表すデータ配列を画像間類似度評価関数生成部30に出力する。画像変換部26及び画像変換部28で輝度ヒストグラムや輝度ヒストグラムの分散等を計算した場合は、入力された単色画像(基準画像及び評価画像)の輝度ヒストグラムや輝度ヒストグラムの分散等が画像間類似度評価関数生成部30に出力される。
画像間類似度評価関数生成部30には、画像変換部26及び画像変換部28から、単色画像の変換結果として、単色画像の結果画像(例えば、フーリエ変換の結果画像等)または、特徴量を表すデータ配列(例えば、輝度ヒストグラムや輝度ヒストグラムの分散等)が入力される。画像間類似度評価関数生成部30は、基準画像及び評価画像から得られた結果画像同士、または特徴量同士の演算を行い、演算結果を画像間類似度評価関数(以下、「類似度評価関数」という。)として出力する機能を有する。なお、画像間類似度評価関数生成部30に輝度ヒストグラムの分散が入力された場合は、輝度ヒストグラムの分散が小さいほどコントラストが低く、階調が乏しい、特徴量が比較的少ない画像が多いため、重み値が小さくなり、輝度ヒストグラムの分散が大きいほどコントラストが高く、階調が豊かな、特徴量が比較的多き画像が多いため、重み値が大きくなるように作用する。
画像間類似度評価関数生成部30で行う演算は、基準画像及び評価画像間の類似度を表すことができる手法を用いればよく、特に限定されるものではない。画像間類似度評価関数生成部30で行う演算は、画像変換部26及び画像変換部28から入力される特徴を表すデータに応じて定めることができる。例えば、画像間の類似度に基づく演算手法としては、位相限定相関法(POC:Phase Only Correlation)や正規化相互相関法(NCC:Normalized Cross Correlation)等を用いることができる。
一例として、POC法を用いた場合について具体的に説明する。具体的一例として、画像サイズが各々、N1xN2pixelの、基準画像f(n1,n2)、及び評価画像g(n1,n2)の場合について考える。ここで二次元画像信号の離散空間インデックス(整数)を便宜上、n1=−M1,・・・,M1、n2=−M2,・・・,M2とする。M1及びM2は正の整数であり、N1=2M1+1、N2=2M2+1となる。
基準画像f(n1,n2)、及び評価画像g(n1,n2)の二次元離散フーリエ変換を下記(1)式及び下記(2)式で定義する。
ここで、k1=−M1,・・・,M1、及びk2=−M2,・・・,M2は、離散周波数インデックス(整数)であり、回転因子を下記(3)式及び(4)式と定義する。
ここで、AF(k1,k2)及びAG(k1,k2)は振幅スペクトルであり、θF(k1,k2)及びθG(k1,k2)は位相スペクトルを表す。また、下記(5)式は、インデックス全域にわたる下記(6)式で表される、加算を表す。
・・・(6)
このとき、F(k
1,k
2)及びG(k
1,k
2)の正規化相互パワースペクトルを下記(7)式で与える。なお、下記(7)式において、 ̄G(k
1,k
2)は、G(k
1,k
2)の共役複素数を表す。
位相限定相関関数(POC関数)r(n1,n2)を、正規化相互パワースペクトルの二次元逆フーリエ変換として下記(8)式のように定義する。
ここで、下記(9)式は、下記、(10)式を表す。
さらに、上記(8)式により得られたPOC関数r(n1,n2)を正規化することにより、対応点の存在確率分布とする(具体例の詳細については、上記の非特許文献3の第2章を参照)。この場合は、対応点の存在確率分布を表すデータ配列が類似度評価関数として、画像間類似度評価関数統合部32に出力される。
画像間類似度評価関数統合部32には、各カラーチャンネルの画像間類似度評価関数生成処理部24(画像間類似度評価関数生成部30)から、類似度評価関数として、当該類似度評価関数を表現した画像、または当該類似度評価関数を表すデータ配列(例えば上述のPOC関数や輝度ヒストグラム等から得られた対応点の存在確率分布を表すデータ配列)が入力される。画像間類似度評価関数統合部32は、入力された各カラーチャンネルの類似度評価関数を統合し、統合した結果を出力する機能を有する。本実施例の画像間類似度評価関数統合部32は、具体的一例として、各カラーチャンネルに応じた対応点の存在確率分布を乗算もしくは加算することにより、類似度評価関数の統合を行っている。類似度評価関数を乗算する場合は、類似度評価関数のピークがより鋭くなるという長所を有している一方、1つのカラーチャンネルに誤差が含まれる場合に、当該誤差の影響を受けやすいという短所を有する。また、類似度評価関数を加算する場合は、適切に重み付けが行われれば一部のカラーチャンネルで誤差が生じても当該誤差の影響を抑制することができるという長所を有している一方、類似度評価関数のピークが鋭くない場合には、各カラーチャンネルの類似度評価関数を加算することにより、ピークがなまってしまう場合があるという短所を有する。そのため、乗算及び加算のいずれを用いるかは、予め実験等により決定しておけばよい。
画像間類似度評価関数統合部32からは、統合された類似度評価関数を表現した画像、または統合された類似度評価関数を表すデータ配列が対応点検出部34に出力される。上述のように対応点の存在確率分布を統合した場合は、統合された対応点の存在確率分布を表すデータ配列が出力される。
対応点検出部34には、画像間類似度評価関数統合部32により統合された類似度評価関数として、類似度評価関数を表現した画像またはデータ配列が入力される。対応点検出部34は、入力された統合された類似度評価関数に基づいて、対応点を検出し、検出結果を出力する機能を有する。本実施例の対応点検出部34は、具体的一例として、ある閾値以上のピーク値をもつ座標を、対応点の座標として検出する。上述したように、対応点の存在確率分布関数にPOC関数を用いた場合では、POC関数は、デルタ関数に近い極めて鋭いピーク(相関ピーク)を有しており、相関ピークの高さは二つの位相差スペクトルの線形性を表している。位相差スペクトルが周波数スペクトルに対して線形であれば、相関ピークの高さは1となる。一般に、当該相関ピークの高さは、画像の類似度の尺度として有用であり、画像照合の用途で用いられる。一方で相関ピークの座標は二つの画像の相対的な位置ずれに対応する。さらに相関ピークのモデルに基づく関数フィッティングにより、画像の類似度とサブピクセル精度での移動量を求めることができる(具体例の詳細については、上記の非特許文献3の第2〜3章を参照)。そのため、本実施例では、予め閾値を設定しておき、ピーク値が閾値以上の場合は、評価画像中に対応点が存在すると判断し、POC関数のピークの座標を対応点の座標として検出して出力する。一方、POC関数のピーク値が、設定した閾値未満の場合は、評価画像中に対応点が存在しないことを表す情報を出力する。
このように、本実施例の対応点検出部34は、上述したように、評価画像中に対応点が検出された場合は、当該対応点の座標を対応点検出装置10の外部に出力し、また、対応点が検出されなかった場合は、対応点が存在しないことを表す情報を対応点検出装置10の外部に出力する。
次に、本実施例の対応点検出装置10における対応点検出処理の流れの概略について図3を参照して説明する。図3には、本実施例の対応点検出装置10における対応点検出処理の流れの一例を表すフローチャートを示す。
ステップS100では、基準画像及び評価画像が入力されたか否か判断し、各々の画像が画像入力部20A及び画像入力部20Bに入力されるまで待機状態となる。一方、基準画像及び評価画像の両画像が入力された場合は、ステップS102へ進む。画像入力部20Aに入力された基準画像は、カラーチャンネル分解部22Aに引き渡される。画像入力部20Bに入力された評価画像は、カラーチャンネル分解部22Bに引き渡される。
ステップS102では、基準画像及び評価画像の各々がカラーチャンネル分解部22A及びカラーチャンネル分解部22Bで各チャンネルの画像、すなわち単色画像に分解される。次のステップS104では、カラーチャンネル毎に当該カラーチャンネルの基準画像及び評価画像をセットにして、当該カラーチャンネルに対応する画像間類似度評価関数生成処理部24に出力する。具体的には、上述したように、カラーチャンネル毎に設けられた画像間類似度評価関数生成処理部24の、画像変換部26に、基準画像の単色画像が入力され、画像変換部28に評価画像の単色画像が入力される。
次のステップS106では、画像変換部26及び画像変換部28が、入力された基準画像の単色画像及び評価画像の単色画像をそれぞれの特徴を表すデータ形式に変換し、画像間類似度評価関数生成部30に出力する。本実施例の画像変換部26及び画像変換部28では、上述したように、単色画像の変換結果として、単色画像の結果画像(例えば、フーリエ変換の結果画像等)や、特徴量を表すデータ配列(例えば、輝度ヒストグラムや前述のPOC関数等)、またはその両方(結果画像及び特徴量を表すデータ配列)を出力する。
次のステップS108では、画像間類似度評価関数生成部30が、カラーチャンネル毎に、画像変換部26及び画像変換部28から出力された単色画像の変換結果に基づいて類似度評価関数を生成する。本実施例の画像間類似度評価関数生成部30では、上述したように、基準画像及び評価画像から得られた結果画像同士、または特徴量同士の演算を行うことにより類似度評価関数を生成し、生成した類似度評価関数を出力する。
次のステップS110では、画像間類似度評価関数統合部32が、画像間類似度評価関数生成部30の各々から出力された各カラーチャンネルの類似度評価関数を統合する。本実施例の画像間類似度評価関数統合部32では、上述したように、入力された各カラーチャンネルの類似度評価関数を統合し、統合した結果を対応点検出部34に出力する。
次のステップS112では、対応点の有無を判断する。本実施例では、上述したように、対応点検出部34が、入力された類似度評価関数を統合した結果に基づいて、評価画像における対応点の有無を検出する。対応点が検出された場合は、さらに対応点の座標を検出し、次のステップS114で、対応点の座標を出力した後、本処理を終了する。一方、対応点が検出されない場合は、ステップS112からステップS116へ進み、対応点が存在しないことを表す情報を出力した後、本処理を終了する。
このように本実施例の対応点検出装置10では、カラーチャンネル分解部22を備えており、入力された基準画像及び評価画像を予め定められた各カラーチャンネルの単色画像に分解しているため、入力される基準画像及び評価画像のカラーチャンネル数が限定されず、任意の数とすることができる。また、本実施例の対応点検出装置10では、各カラーチャンネルで算出された類似度評価関数を対応点の存在確率分布としてそれぞれ掛け合わせる等して、画像間の類似性をより鮮明に表せるようにしている。そのため、本実施例の対応点検出装置10は、入力される画像が任意のチャンネル数の画像であっても適用でき、対応点の検出精度を向上することができる。
(実施例1−2)
本実施例は、上述した実施例1−1と同様の構成及び動作を含むため、同様の構成及び動作についてはその旨を記し詳細な説明を省略する。
図4には、本実施例の対応点検出装置10の概略構成の一例の構成図を示す。なお、本実施例において、対応点検出装置10に入力される基準画像のカラーチャンネル数(Nチャンネル)と評価画像のカラーチャンネル数(N’チャンネル)とは、実施例1−1と同様に任意であるが、同一であってもよいし、例えば、撮影条件の違いにより異なるカラーチャンネル数を有している等、同一でなくてもよい。
本実施例の対応点検出装置10は、図4に示すように、実施例1−1で説明した対応点検出装置10の画像入力部20とカラーチャンネル分解部22との間に、さらに、色空間変換部40を備えている。
色空間変換部40には、画像入力部20から、任意のチャンネル数のカラー画像が入力される。色空間変換部40は、入力されたカラー画像の色空間を予め定められた色空間に変換することにより、色を表現する基底軸を変換して、チャンネル数が所定の数(本実施例ではM)の画像を出力する機能を有する。なお、色空間変換部40A、40Bは、入力された基準画像及び評価画像の色空間を、同じ色空間に変換する。
本実施例の色空間変換部40における色空間の変換方法としては、例えば、カラーチャンネル方向の主成分画像を事前に算出(KL変換、コサイン変換、及びウェーブレット変換の各基底画像の算出でもよい)し、寄与率の高い順にM本の基底を選出し、選出したM本の基底に対応するM個の基底画像を事前に求めておき、色空間変換部40は、入力された基準画像及び評価画像の各々を、M個の基底画像に各々変換するようにしてもよい。またマルチチャンネルデータからウィナー推定法等に基づき推定した分光反射率画像(チャンネル数がM)を求めてもよい。
また、色空間の変換方法としては、例えば、画像撮影時の照明光スペクトル(または照明光色の測色値)、基準画像及び評価画像の撮影で使用した画像入力装置(図示省略)の分光感度、及び被写体の統計情報等を用いてウィナー推定法等に基づき分光反射率を推定し、さらに基準画像または評価画像のいずれかの撮影条件下での照明光スペクトルを用いて基準画像または評価画像のいずれかの撮影条件に統一したチャンネル数がMの画像に変換してもよい。または、共通の撮影条件下(事前に決められた観察環境における照明光スペクトルを用いて)での画像に変換してもよい。変換される画像の具体的一例としては、RGB画像及びLab画像等の3バンド画像(M=3)や、スペクトル画像等が挙げられる。
色空間変換部40からは、色空間が変換されたチャンネル数がMの基準画像及び評価画像がカラーチャンネル分解部22に出力される。なお、本実施例では、上述したように、色空間変換部40A及び色空間変換部40Bは、入力される画像が基準画像であるか評価画像であるかが異なる。そのため、入力される画像のチャンネル数が異なる場合(N≠N’)があるが、カラーチャンネル分解部22A及びカラーチャンネル分解部22Bから出力される画像のカラーチャンネルは同一であり、カラーチャンネル分解部22A及びカラーチャンネル分解部22Bから出力される画像のチャンネル数は、いずれもMチャンネルであり、同一となっている。
以降の、カラーチャンネル分解部22、画像間類似度評価関数生成処理部24、画像間類似度評価関数統合部32、及び対応点検出部34は、実施例1−1と画像のチャンネル数が異なる(本実施例では、チャンネル数=M)のみであり、その他は同様であるため、詳細な説明を省略する。
また、本実施例の対応点検出装置10における対応点検出処理の流れの概略について図5を参照して説明する。図5には、本実施例の対応点検出装置10における対応点検出処理の流れの一例を表すフローチャートを示す。図5に示すように、本実施例の対応点検出装置10における対応点検出処理では、実施例1−1の対応点検出処理(図3参照)のステップS100とステップS102との間に、ステップS101が設けられている。
ステップS100において、画像入力部20に、基準画像及び評価画像が入力されると、画像入力部20から基準画像及び評価画像が色空間変換部40に引き渡される。次のステップS101では、上述したように、色空間変換部40が入力された基準画像及び評価画像の色空間を変換して、チャンネル数がMの基準画像及び評価画像をカラーチャンネル分解部22に出力する。具体的には、色空間変換部40Aは、チャンネル数がNの基準画像の色空間を変換し、チャンネル数がMの基準画像をカラーチャンネル分解部22Aに出力する。また、色空間変換部40Bは、チャンネル数がN’の評価画像の色空間を変換し、チャンネル数がMの評価画像をカラーチャンネル分解部22Bに出力する。
以降、実施例1−1と同様に、ステップS102〜ステップS116の処理を行うことにより、評価画像中に対応点が検出された場合は、当該対応点の座標が対応点検出部34から出力され、また、対応点が検出されなかった場合は、対応点が存在しないことを表す情報が対応点検出部34から出力される。
このように、本実施例の対応点検出装置10では、さらに、色空間変換部40を備えており、色空間変換部40により、入力された基準画像及び評価画像の色を表現する基底軸が変換されることにより、チャンネル数を予め定められたチャンネル数(本実施例では「M」)に変更する。本実施例では、画像の主成分分解した結果等を用いているため、より画像の特徴を表した情報を対応点の検出に利用することができる。これにより、入力される基準画像及び評価画像のチャンネル数が異なっている場合でも、精度良く、対応点の検出を行うことができる。
(実施例1−3)
本実施例は、上述した各実施例と同様の構成及び動作を含むため、同様の構成及び動作についてはその旨を記し詳細な説明を省略する。
図6には、本実施例の対応点検出装置10の概略構成の一例の構成図を示す。なお、本実施例において、対応点検出装置10に入力される、基準画像のカラーチャンネル数(Nチャンネル)と評価画像のカラーチャンネル数(N’チャンネル)とは、実施例1−2と同様である。
本実施例の対応点検出装置10は、図6に示すように、上記実施例1−2で説明した対応点検出装置10のカラーチャンネル分解部22と画像間類似度評価関数生成処理部24との間に、さらに、カラーチャンネル選択部44を備えている。
カラーチャンネル選択部44には、カラーチャンネル分解部22から各カラーチャンネルに対応したM枚の単色画像が入力される。カラーチャンネル選択部44は、入力されたM個のカラーチャンネルに対応したM枚の単色画像から、予め定められたL個(L<M)のチャンネルに対応したL枚の単色画像を選択し、画像間類似度評価関数生成処理部24に出力する機能を有している。なお本実施例のカラーチャンネル選択部44では、予め定められたLチャンネル(L≧1)の単色画像を選択し、残りのカラーチャンネルの単色画像を、廃棄している。なお、カラーチャンネル選択部44A、44Bは、同じL個のカラーチャンネルを選択する。
本実施例のカラーチャンネル選択部44における選択方法としては、例えば、予め波長特性(画像撮影時のカラーフィルタの中心波長)等に応じて指定されたL枚の単色画像を選択する方法が挙げられる。選択方法としては、また例えば、入力された基準画像の輝度分布の分散を求め、分散が大きい上位L枚の単色画像を選択する方法が挙げられる。選択方法としては、また例えば、各主成分(基底関数)の寄与率を求め、寄与率が高い上位L個のチャンネルに対応する単色画像を選択する(KL変換、コサイン変換、及びウェーブレット変換の各基底の寄与率でもよい)方法が挙げられる。このように、選択方法は、特に限定されないが、特徴量が大きい画像を選択することが好ましく、対応点検出装置10に求められる特性等に応じて予め定めておけばよい。
カラーチャンネル選択部44からは、チャンネル数がL、すなわちL枚の基準画像の単色画像及びL枚の評価画像の単色画像が画像間類似度評価関数生成処理部24に出力される。
以降の、画像間類似度評価関数生成処理部24、画像間類似度評価関数統合部32、及び対応点検出部34は、上記各実施例と画像のチャンネル数が異なる(本実施例では、チャンネル数=L)のみであり、その他は同様であるため、詳細な説明を省略する。
また、本実施例の対応点検出装置10における対応点検出処理の流れの概略について図7を参照して説明する。図7には、本実施例の対応点検出装置10における対応点検出処理の流れの一例を表すフローチャートを示す。図7に示すように、本実施例の対応点検出装置10における対応点検出処理では、実施例1−2の対応点検出処理(図5参照)のステップS102とステップS104との間に、ステップS103が設けられている。
ステップS102において、色空間が変換されたチャンネル数がMの基準画像及び評価画像の各々がカラーチャンネル分解部22A及びカラーチャンネル分解部22Bで各チャンネルの画像、すなわち単色画像に分解されると、基準画像及び評価画像それぞれについて、M枚の単色画像がカラーチャンネル選択部44に出力される。
次のステップS103では、基準画像及び評価画像それぞれについて、上述したように、カラーチャンネル選択部44が、入力されたM個のカラーチャンネルに対応するM枚の単色画像から、予め定められたL個のカラーチャンネルに対応するL枚の単色画像を選択し、残りのカラーチャンネルの単色画像を廃棄する。
以降、実施例1−2と同様に、ステップS104〜ステップS116の処理を行うことにより、評価画像中に対応点が検出された場合は、当該対応点の座標が対応点検出部34から出力され、また、対応点が検出されなかった場合は、対応点が存在しないことを表す情報が対応点検出部34から出力される。
このように本実施例の対応点検出装置10は、さらにカラーチャンネル選択部44を備えており、カラーチャンネル選択部44により、予め定められたチャンネルに対応するカラーチャンネルの画像を選択しているため、特徴が少ないチャンネルの画像を使用しないようにすることができるため、対応点の検出精度を向上させることができる。
(実施例1−4)
本実施例は、上述した各実施例と同様の構成及び動作を含むため、同様の構成及び動作についてはその旨を記し詳細な説明を省略する。
本実施例の対応点検出装置10は、画像間類似度評価関数生成処理部24の構成及び動作が上記各実施例と異なるため、本実施例の画像間類似度評価関数生成処理部24について説明する。なお、本実施例の画像間類似度評価関数生成処理部24は、上記実施例1−1〜実施例1−3の全てに適用することができる。
図8には、本実施例の対応点検出装置10における画像間類似度評価関数生成処理部24の概略構成の一例の構成図を示す。なお、図8は、入力された画像のチャンネル数に応じて設けられた画像間類似度評価関数生成処理部24のうち、任意の第Kチャンネルに対応する画像間類似度評価関数生成処理部24Kを示している。
図8に示すように、本実施例の画像間類似度評価関数生成処理部24Kは、さらに、重み係数算出部50Kを備えている点で、上記各実施例で説明した画像間類似度評価関数生成処理部24と異なっている。
重み係数算出部50Kには、色分解された基準画像の第Kチャンネルの単色画像が入力される。具体的には、実施例1−1及び実施例1−2に本実施例の画像間類似度評価関数生成処理部24Kを適用した場合は、重み係数算出部50Kには、カラーチャンネル分解部22Aで生成された基準画像の第Kチャンネルの単色画像が入力される。また、実施例1−3に本実施例の画像間類似度評価関数生成処理部24Kを適用した場合は、重み係数算出部50Kには、カラーチャンネル選択部44Aで選択された基準画像の第Kチャンネルの単色画像が入力される。重み係数算出部50Kは、入力された基準画像の第Kチャンネルの単色画像に基づいて、第Kチャンネルに対する特徴量の重み付けを行うための係数(以下、「重み係数」という。)を算出し、画像間類似度評価関数生成部30に出力する機能を有する。
具体的一例として本実施例の重み係数算出部50Kは、基準画像から色分解された単色画像の特徴量を算出している。例えば、基準画像から色分解された単色画像の輝度の分散値を算出し、重み係数とする。なお、重み係数算出部50Kにおける、重み係数の算出方法は、これに限らず、例えば、単色画像の特徴量(輝度の分散値等)が、予め指定した閾値以上の場合には重み係数を「1」、閾値以下の場合には重み係数を「0」としてもよい。重み係数の算出方法を、予め基準画像及び評価画像の特徴等に応じて、実験等により定めるようにしてもよい。
本実施例の画像間類似度評価関数生成部30Kには、画像変換部26K及び画像変換部28Kから、単色画像の変換結果として、単色画像の結果画像(例えば、フーリエ変換の結果画像等)または、特徴量を表すデータ配列(例えば、輝度ヒストグラム等)が入力される。また、本実施例の画像間類似度評価関数生成部30Kには、重み係数算出部50Kから第Kチャンネルに対する重み係数が入力される。
画像間類似度評価関数生成部30Kでは、上述の各実施例と同様にして生成された類似度評価関数と、重み係数算出部50Kから入力された重み係数とを用いて、重み付けされた類似度評価関数を生成する。具体的一例として本実施例の画像間類似度評価関数生成部30Kでは、単色画像のPOC関数等を求めた後に対応点の存在確率分布を算出し、得られた結果に重み係数算出部50Kから入力された重み係数(例えば、「1」または「0」)を乗算する。画像間類似度評価関数生成部30Kは、第Kチャンネルに応じた単色画像の、重み係数を乗算した対応点の存在確率分布を、重み付けされた存在確率分布として、画像間類似度評価関数統合部32へ出力する。
これにより、画像間類似度評価関数統合部32及び対応点検出部34では、重み付けされた存在確率分布(重み付けされた類似度評価関数)を用いて対応点の検出を行う。
また、本実施例の対応点検出装置10における対応点検出処理の流れの概略について図9を参照して説明する。図9には、本実施例の対応点検出装置10における対応点検出処理の流れの一例を表すフローチャートを示す。なお、図9では、本実施例の画像間類似度評価関数生成処理部24を実施例1−1に適用した場合を示している。図9に示すように、本実施例の対応点検出装置10における対応点検出処理では、実施例1−1の対応点検出処理(図3参照)のステップS104の後に、ステップS106と共に、ステップS107が設けられている。また、ステップS106及びステップS107の次のステップとして、ステップS108に代わり、ステップS109が設けられている。
ステップS107では、上述したように、各カラーチャンネルについて、重み係数算出部50が、基準画像が分解された当該カラーチャンネルの単色画像の特徴量を算出し、算出した特徴量に応じて、当該カラーチャンネルの重み係数を算出する。
次のステップS109では、上述したように、画像間類似度評価関数生成部30が、カラーチャンネル毎に、類似度評価関数を生成する。本実施例では、実施例1−1の対応点検出処理のステップS108と同様にして得られたカラーチャンネル毎の類似度評価関数と、重み係数算出部50から入力されたカラーチャンネル毎の重み係数とを用いて、カラーチャンネル毎に、重み付けされた類似度評価関数を生成する。
以降、実施例1−1と同様に、ステップS110〜ステップS116の処理を行うことにより、評価画像中に対応点が検出された場合は、当該対応点の座標が対応点検出部34から出力され、また、対応点が検出されなかった場合は、対応点が存在しないことを表す情報が対応点検出部34から出力される。
このように本実施例の対応点検出装置10では、さらに重み係数算出部50を備えており、各カラーチャンネルについて、単色画像の特徴量に応じた重み係数を算出し、算出した重み係数による重み付けされた類似度評価関数を生成している。このようにテクスチャ等の特徴がはっきり表れているカラーチャンネルの画像に対して大きな重み係数を算出して重み付けを行うことで、画像間の対応点の検出精度を向上させることができる。また同様の理由で、対応点の座標の検出精度を向上させることができる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態の対応点検出装置11では、上述したように図10に示すように、全体基準画像5の注目点を中心とした小領域画像6を基準画像とし、全体評価画像7の小領域画像8を評価画像として、両画像を照合(比較)することにより、対応点の検出を行う処理を、小領域画像8の位置を全体評価画像7内で移動させながら繰り返し行う。小領域画像6とは、注目点を含む全体基準画像5中の画像であり、小領域画像6の大きさは、全体基準画像5より小さい。なお、具体的な小領域画像6の大きさは、実験等により予め定めておけばよい。また、小領域画像6は、注目点を含んでいればよく、必ずしも注目点が中心になくてもよい。小領域画像8は、小領域画像6と同じ大きさ(面積)を有する全体評価画像7から切り出された画像である。本実施の形態では、基準画像中の基準点に対応する対応点が、全体評価画像7から切り出された小領域画像8に含まれない場合でも、全体評価画像7から切り出した小領域画像8を、その切り出し位置を変えながら更新する事で(全体評価画像7中に対応点が存在する場合には)対応点の検出が実現できる。
なお、本実施の形態では、全体基準画像のカラーチャンネル数(Nチャンネル)と全体評価画像のカラーチャンネル数(N’チャンネル)とは、任意である。また、全体基準画像のカラーチャンネル数(Nチャンネル)と全体評価画像のカラーチャンネル数(N’チャンネル)とは、同一であってもよいし、同一でなくてもよい。
以下、本実施の形態の各実施例について図面を参照して説明する。なお、第1の実施の形態の各実施例と、同様の構成及び動作を含む点については、その旨を記し詳細な説明を省略する。
(実施例2−1)
まず、本実施例の対応点検出装置11の構成について説明する。図11には、本実施例の対応点検出装置11の概略構成の一例の構成図を示す。
図11に示すように、本実施例の対応点検出装置11は、画像入力部20、色空間変換部40、カラーチャンネル分解部22、画像間類似度評価値算出処理部60、画像間類似度評価関数生成部70、及び対応点検出部34を備えている。
画像入力部20は、第1の実施の形態の画像入力部20と入力される画像(画像の大きさ)が異なるのみであり、その他は同様である。画像入力部20Aは、入力された基準画像である小領域画像6(以下、単に「基準画像」という。)を、色空間変換部40Aに引き渡す。また、画像入力部20Bは、入力された評価画像である小領域画像8(以下、単に「評価画像」という。)を、色空間変換部40Bに引き渡す。色空間変換部40は、第1の実施の形態の実施例1−2と同様である。色空間変換部40は、画像入力部20から入力された任意のチャンネル数のカラー画像の色空間を予め定められた色空間に変換することにより、色を表現する基底軸を変換して、チャンネル数が所定の数(本実施例ではM)の画像を出力する。カラーチャンネル分解部22は、第1の実施の形態の実施例1−1と同様である。カラーチャンネル分解部22は、入力されたチャンネル数がMの画像(基準画像または評価画像)を各カラーチャンネルに対応したM枚の単色画像に分解する。カラーチャンネル分解部22により分解された基準画像及び評価画像それぞれのM枚の単色画像は、基準画像及び評価画像それぞれについて、画像間類似度評価値算出処理部60に出力される。具体的には、基準画像のM枚の単色画像はカラーチャンネル毎に、画像間類似度評価値算出処理部60Aに出力され、評価画像のM枚の単色画像はカラーチャンネル毎に、画像間類似度評価値算出処理部60Bに出力される。以下では、画像間類似度評価値算出処理部60A及び画像間類似度評価値算出処理部60Bを総称する場合は、個々の符号を付さずに、画像間類似度評価値算出処理部60という。
本実施例の画像間類似度評価値算出処理部60は、基準画像及び評価画像の各々に対して設けられている。画像間類似度評価値算出処理部60は、画像評価値算出部62(62A1〜62AM、62B1〜62BM)及び統合画像評価値算出部66(66A、66B)を備えている。以下では、上記と同様に、画像評価値算出部62及び統合画像評価値算出部66を総称する場合は、個々の符号を付さずにいう。
画像評価値算出部62は、カラーチャンネル毎に設けられており、カラーチャンネル分解部22から単色画像が入力される。画像評価値算出部62は、入力された単色画像のデータ形式を変換して、画像の特徴を表す特徴量を計算する機能を有している。本実施例の画像評価値算出部62は、具体的一例として、単色画像の輝度のヒストグラムを計算し、画像の特徴を表わすデータ配列(単色画像の輝度ヒストグラム)を単色画像の評価値として出力する。
統合画像評価値算出部66には、各画像評価値算出部62から、単色画像の特徴量を表す計算結果が入力される。上述のように単色画像の輝度ヒストグラムを画像評価値算出部62で計算した場合は、統合画像評価値算出部66には、M個の輝度ヒストグラムを表すデータ配列が入力される。統合画像評価値算出部66は、入力されたM個のデータ配列から、統合画像評価値としてM次元のデータ配列(本実施例では、M次元の輝度ヒストグラム)を生成する機能を有する。
画像間類似度評価関数生成部70には、基準画像の統合画像評価値及び評価画像の統合画像評価値として、各々M次元のデータ配列(本実施例では、M次元の輝度ヒストグラム)が入力される。画像間類似度評価関数生成部70は、基準画像の統合画像評価値と評価画像の統合画像評価値とを比較して、基準画像及び評価画像間の類似度を算出し、画像間類似度評価関数として算出結果を出力する機能を有する。本実施例の画像間類似度評価関数生成部70では、統合画像評価値同士の演算を行った結果の値を画像間類似度評価関数(以下、「類似度評価関数」という)として、評価画像(小領域画像8)の切り出し座標(切り出した位置を示す座標)と共に、データベース(図示省略)等に出力し、記憶させている。
画像間類似度評価関数生成部70による画間像類似度評価関数の生成方法は、特に限定されるものではないが、例えば、基準画像及び評価画像から得られたM次元の輝度ヒストグラム同士の類似度計算(相関演算等)を行い、計算された各値を格納し、かつ、評価画像(小領域画像8)の切出し座標を変数とした配列を、データベース等に出力し、記憶させる方法が挙げられる。
本実施例の対応点検出装置11では、基準画像(小領域画像6)と、評価画像(小領域画像8)とを比較し、画像間類似度評価関数生成部70で生成した類似度評価関数をデータベースに記憶させる処理を、評価画像(小領域画像8)の切り出し位置を変更し、評価画像(小領域画像89)を更新しながら繰り返すことにより、全体評価画像7の全領域に対して行う。
対応点検出部34は、第1の実施の形態の対応点検出部34と同様である。対応点検出部34には、画像間類似度評価関数生成部70で生成された類似度評価関数(データ配列)が入力される。本実施例の対応点検出部34は、データベースに記憶されている類似度評価関数を読み出し、予め定められた閾値以上のピーク値をもつ座標を検出し、対応点の座標とする。なお、予め定められた関数を内挿することでサブピクセルレベルでのピーク値を算出してもよい。対応点の有無の検出、及び座標の検出の仕方については、第1の実施の形態の対応点検出部34と同様にすればよい。対応点検出部34からは、評価画像(小領域画像8)中に対応点が検出された場合は、当該対応点の座標を出力し、また、対応点が検出されなかった場合は、対応点が存在しないことを表す情報を外部に出力する。
次に、本実施例の対応点検出装置11における対応点検出処理の流れの概略について図12を参照して説明する。図12には、本実施例の対応点検出装置11における対応点検出処理の流れの一例を表すフローチャートを示す。
ステップS200では、基準画像(小領域画像6)及び評価画像(小領域画像8)が入力されたか否か判断し、各々の画像が画像入力部20A及び画像入力部20Bに入力されるまで待機状態となる。一方、基準画像及び評価画像の両画像が入力された場合は、ステップS202へ進む。画像入力部20Aに入力された基準画像は、色空間変換部40Aに引き渡される。画像入力部20Bに入力された評価画像は、色空間変換部40Bに引き渡される。
次のステップS202では、上述したように、色空間変換部40が入力された基準画像及び評価画像の色空間を変換して、色空間が変換されたチャンネル数がMの基準画像及び評価画像をカラーチャンネル分解部22に出力する。具体的には、色空間変換部40Aは、チャンネル数がNの基準画像の色空間を変換し、色空間が変換されたチャンネル数がMの基準画像をカラーチャンネル分解部22Aに出力する。また、色空間変換部40Bは、チャンネル数がN’の評価画像の色空間を変換し、色空間が変換されたチャンネル数がMの評価画像をカラーチャンネル分解部22Bに出力する。
次のステップS204では、基準画像及び評価画像の各々がカラーチャンネル分解部22A及びカラーチャンネル分解部22Bで各チャンネルの画像、すなわち単色画像に分解される。次のステップS206では、基準画像及び評価画像毎に各カラーチャンネルの画像(単色画像)をセットにして、画像間類似度評価値算出処理部60に出力する。具体的には、上述したように、基準画像及び評価画像毎に設けられた画像間類似度評価値算出処理部60の、各カラーチャンネルに対する画像評価値算出部62に各カラーチャンネルの単色画像が入力される。
次のステップS208では、各カラーチャンネルについて、画像評価値算出部62が、入力された単色画像を、特徴を表すデータ形式に変換して特徴量を算出し、統合画像評価値算出部66に出力する。本実施例の画像評価値算出部62では、上述したように、特徴量を表すデータ配列(例えば、輝度ヒストグラム等)を出力する。
次のステップS210では、統合画像評価値算出部66が、基準画像についての各カラーチャンネルの単色画像の特徴量を統合して、統合画像評価値を生成すると共に、評価画像についての各カラーチャンネルの単色画像の特徴量を統合して、統合画像評価値を生成する。本実施例の統合画像評価値算出部66では、上述したように、M次元のデータ配列を生成して出力する。
次のステップS212では、画像間類似度評価関数生成部70が、基準画像の統合画像評価値及び評価画像の統合画像評価値を比較した比較結果に基づいて、画像間類似度評価関数(類似度評価関数)を生成する。本実施例の画像間類似度評価関数生成部70は、上述したように、統合画像評価値同士の演算を行って基準画像及び評価画像間の類似度を算出した値を、類似度評価関数の各値として格納し、評価画像(小領域画像8)の切出し座標を変数とした配列を、データベース等に出力し、記憶させる。
次のステップS214では、全体評価画像7の全領域から切り出された各評価画像を基準画像(小領域画像6)と比較したか否か判断する。すなわち、全体評価画像7の全領域から評価画像(小領域画像8)を各々切り出して、対応点検出装置11において基準画像(小領域画像6)と比較する処理を行ったか否か判断する。全体評価画像7の全領域から切り出された各評価画像を基準画像(小領域画像6)と比較していない場合は、ステップS200に戻り、位置(座標)を移動(更新)させて切り出した小領域画像8と基準画像(小領域画像6)と比較する処理(ステップS200〜ステップS212)を繰り返す。なお、全体評価画像7における小領域画像8の切り出し位置の移動方法は特に限定されない。上述した図10に示した具体的一例では、小領域画像8の一部がオーバーラップするように切り出しているがこれに限らず、全体評価画像7の全領域を切り出すことが可能であればよい。
一方、全体評価画像7の全領域から切り出された各評価画像を基準画像(小領域画像6)と比較した場合は、ステップS214からステップS216へ進む。
ステップS216では、対応点検出部34が、データベースに記憶されている類似度評価関数の各値を読み出して、対応点の有無を判断する。本実施例では、上述したように、対応点検出部34が、入力された類似度評価関数の各値に基づいて、評価画像における対応点の有無及び座標を検出し、次のステップS218で、対応点の座標を出力した後、本処理を終了する。一方、対応点が検出されない場合は、ステップS216からステップS220へ進み、対応点が存在しないことを表す情報を出力した後、本処理を終了する。
(実施例2−2)
本実施例は、上述した実施例2−1と同様の構成及び動作を含むため、同様の構成及び動作についてはその旨を記し詳細な説明を省略する。
図13には、本実施例の対応点検出装置11の概略構成の一例の構成図を示す。本実施例の対応点検出装置11は、図13に示すように、上記実施例2−1で説明した対応点検出装置11のカラーチャンネル分解部22と画像間類似度評価値算出処理部60との間に、さらに、カラーチャンネル選択部44を備えている。
カラーチャンネル選択部44は、第1の実施の形態の実施例1−3と同様である。カラーチャンネル選択部44には、カラーチャンネル分解部22から各カラーチャンネルに対応したM枚の単色画像が入力される。カラーチャンネル選択部44は、入力されたM個のカラーチャンネルに対応するM枚の単色画像から、予め定められたL個(L<M)チャンネルに対応するL個の単色画像を選択し、画像間類似度評価値算出処理部60に出力する機能を有している。なお本実施例のカラーチャンネル選択部44では、予め定められたLチャンネル(L≧1)の単色画像を選択し、残りのカラーチャンネルの単色画像を廃棄している。
本実施例の対応点検出装置11における対応点検出処理の流れの概略について図14を参照して説明する。図14には、本実施例の対応点検出装置11における対応点検出処理の流れの一例を表すフローチャートを示す。図14に示すように、本実施例の対応点検出装置11における対応点検出処理では、実施例2−1の対応点検出処理(図12参照)のステップS204とステップS206との間に、ステップS205が設けられている。
ステップS204において、チャンネル数がMの基準画像及び評価画像の各々がカラーチャンネル分解部22A及びカラーチャンネル分解部22Bで各チャンネルの画像、すなわち単色画像に分解されると、基準画像及び評価画像それぞれについて、M枚の単色画像がカラーチャンネル選択部44に出力される。
次のステップS205では、上述したように、基準画像及び評価画像それぞれについて、カラーチャンネル選択部44が、入力されたM個のカラーチャンネルに対応するM枚の単色画像から、予め定められたL個のカラーチャンネルに対応するL枚の単色画像を選択し、残りのカラーチャンネルの単色画像を廃棄する。
以降、実施例2−1と同様に、ステップS206〜ステップS220の処理を行うことにより、評価画像中に対応点が検出された場合は、当該対応点の座標が対応点検出部34から出力され、また、対応点が検出されなかった場合は、対応点が存在しないことを表す情報が対応点検出部34から出力される。
このように本実施例の対応点検出装置11は、さらにカラーチャンネル選択部44を備えており、カラーチャンネル選択部44により、予め定められたチャンネルに対応するカラーチャンネルの画像を選択しているため、特徴が少ないチャンネルの画像を使用しないようにすることができるため、対応点の検出精度を向上させることができる。
(実施例2−3)
本実施例は、上述した各実施例と同様の構成及び動作を含むため、同様の構成及び動作についてはその旨を記し詳細な説明を省略する。
本実施例の、対応点検出装置11は、画像間類似度評価値算出処理部60Aの構成及び動作が上記各実施例と異なるため、本実施例の画像間類似度評価値算出処理部60Aについて説明する。なお、本実施例の画像間類似度評価値算出処理部60Aは、上記実施例2−1及び実施例2−2のいずれにも適用することができる。
図15には、本実施例の対応点検出装置11における画像間類似度評価値算出処理部60Aの概略構成の一例の構成図を示す。なお、画像間類似度評価値算出処理部60Bの構成は、上記各実施例と同様であるため、図15では、省略して記載している。また、図15は、画像間類似度評価値算出処理部60Aを実施例2−1に適用した場合を示している。
図15に示すように、本実施例の画像間類似度評価値算出処理部60Aは、さらに、重み係数算出部56(561〜56M)を備えている点で、上記各実施例で説明した画像間類似度評価値算出処理部60Aと異なっている。重み係数算出部56について総称する場合は、個々を示す符号(1〜M)を付さずに、重み係数算出部56という。重み係数算出部56は、第1の実施の形態の実施例1−4の重み係数算出部50と同様であってもよい。
重み係数算出部56には、カラーチャンネル毎に、色分解された基準画像の単色画像が入力される。具体的には、実施例2−1に画像間類似度評価値算出処理部60Aを適用した場合は、重み係数算出部56Mには、カラーチャンネル分解部22Aで分解された基準画像の第Mチャンネルの単色画像が入力される。また、実施例2−2に画像間類似度評価値算出処理部60Aを適用した場合は、重み係数算出部56Mには、カラーチャンネル選択部44Aで選択された基準画像の第Mチャンネルの単色画像が入力される。重み係数算出部56Mは、入力された基準画像の第Mチャンネルの単色画像に基づいて、第Mチャンネルに対する特徴量の重み付けを行うための係数(以下、「重み係数」という。)を算出し、画像間類似度評価関数生成部70に出力する機能を有する。
具体的一例として本実施例の重み係数算出部56は、第1の実施の形態の実施例1−4の重み係数算出部50と同様に、基準画像が色分解された単色画像の特徴量を算出している。例えば、基準画像が色分解された単色画像の輝度の分散値を算出し、重み係数とする。なお、重み係数算出部56における重み係数の算出方法は、これに限らず、例えば、単色画像の特徴量(輝度の分散値等)が、予め定められた閾値以上の場合には重み係数を「1」とし、閾値未満の場合には重み係数を「0」としてもよい。重み係数の算出方法は、予め基準画像及び評価画像の特徴等に応じて、実験等により定めるようにしておいてもよい。
本実施例の統合画像評価値算出部66には、各カラーチャンネル毎に、画像評価値算出部62から、特徴を表すデータとして、特徴量を表すデータ配列(例えば、輝度ヒストグラム等)が入力される。また、本実施例の統合画像評価値算出部66には、各カラーチャンネル毎に、重み係数算出部56から重み係数が入力される。
統合画像評価値算出部66では、画像評価値算出部62から各カラーチャンネル毎に入力された単色画像の特徴量を表す計算結果(評価値)を、各単色画像に応じた重み係数で重み付けして用いる。例えば、重み係数(例えば、「1」または「0」)を乗算することにより重み付けが行われる。
上述のように単色画像の輝度ヒストグラムを画像評価値算出部62で計算した場合は、統合画像評価値算出部66は、M個の輝度ヒストグラム各々を、対応する重み係数で重み付けして、統合画像評価値としてM次元のデータ配列(本実施例では、M次元の輝度ヒストグラム)を生成し、画像間類似度評価関数生成部70へ出力する。
本実施例の対応点検出装置11における対応点検出処理の流れの概略について図16を参照して説明する。図16には、本実施例の対応点検出装置11における対応点検出処理の流れの一例を表すフローチャートを示す。なお、図16では、本実施例の画像間類似度評価値算出処理部60Aを実施例2−1に適用した場合を示しているが、ステップS200〜ステップS206までの処理と、ステップS212〜ステップS220までの処理は、実施例2−1と同様であるため、記載を省略している。図16に示すように、本実施例の対応点検出装置11における対応点検出処理では、評価画像に対しては、ステップS208B及びステップS210Bにおいて、実施例2−1の対応点検出処理のステップS208及びステップS210と同様の処理を行っている。
一方、基準画像に関しては、上述のように、重み係数算出部56を備えているため、処理が異なる。ステップS208Aでは、各カラーチャンネル毎に、画像評価値算出部62が、実施例2−1の対応点検出処理のS208と同様に、入力された単色画像を、特徴を表すデータ形式に変換し、特徴量を算出して統合画像評価値算出部66Aに出力する。一方、ステップS209では、上述したように、各カラーチャンネル毎に、重み係数算出部56が、基準画像が分解された当該カラーチャンネルの単色画像の特徴量を算出し、算出した特徴量に応じて、重み係数を算出し、統合画像評価値算出部66Aに出力する。
次のステップS210Aでは、上述したように、統合画像評価値算出部66Aが、各カラーチャンネル毎に、単色画像の基準画像の特徴量を表す評価値を、当該カラーチャンネルの重み係数で重み付けした後、統合して統合画像評価値としてM次元のデータ配列(本実施例では、M次元の輝度ヒストグラム)を生成し、画像間類似度評価関数生成部70へ出力する。
以降、実施例2−1と同様に、ステップS212〜ステップS220の処理を行うことにより、評価画像中に対応点が検出された場合は、当該対応点の座標が対応点検出部34から出力され、また、対応点が検出されなかった場合は、対応点が存在しないことを表す情報が対応点検出部34から出力される。
このように本実施例の対応点検出装置11では、さらに重み係数算出部56を備えており、各カラーチャンネル毎に、基準画像の単色画像の特徴量に応じた重み係数を算出し、各カラーチャンネル毎に重み付けされた統合画像評価値を生成している。このようにテクスチャ等の特徴が明確に表れているカラーチャンネルの画像に重み付けを行うことで、画像間の対応点の検出精度を向上させることができる。また同様の理由で、対応点の座標の検出精度を向上させることができる。
(実施例2−4)
本実施例は、上述した各実施例と同様の構成及び動作を含むため、同様の構成及び動作についてはその旨を記し詳細な説明を省略する。
本実施例の、対応点検出装置11は、画像間類似度評価値算出処理部60の構成及び動作が上記各実施例と異なるため、本実施例の画像間類似度評価値算出処理部60について説明する。なお、本実施例の画像間類似度評価値算出処理部60は、上記実施例2−1及び実施例2−2のいずれにも適用することができる。
図17には、本実施例の対応点検出装置11における画像間類似度評価値算出処理部60の概略構成の一例の構成図を示す。本実施例の画像間類似度評価値算出処理部60は、上記各実施例の画像間類似度評価値算出処理部60と異なり、カラーチャンネル毎に設けられている。そのため、本実施例の対応点検出装置11は、カラーチャンネルのチャンネル数に応じた数の画像間類似度評価値算出処理部60を備えている。なお、図17は、画像間類似度評価値算出処理部60を実施例2−1に適用した場合を示している。
本実施例の画像間類似度評価値算出処理部60Kは、画像評価値算出部62K(62AK、62BK)、重み係数算出部56K、及び画像類似度評価値算出部68Kを備えている。画像評価値算出部62Kは、上記各実施例の画像評価値算出部62と同様であり、第Kチャンネルの基準画像の単色画像及び評価画像の単色画像の各々について、特徴量を表すデータ形式に変換し、各画像の特徴量を算出する。また、重み係数算出部56Kは、実施例2−3の重み係数算出部56と同様であり、第Kチャンネルについて、基準画像の単色画像の特徴量に基づいて重み係数を算出する。
画像類似度評価値算出部68Kには、第Kチャンネルについて、評価画像及び評価画像各々の単色画像から算出した特徴量(例えば、各画像から得られた輝度ヒストグラム)及び、重み係数算出部56Kで算出された重み係数が入力される。画像類似度評価値算出部68Kは、第Kチャンネルについて、単色の基準画像の特徴量と単色の評価画像の特徴量との類似度の計算を行い、得られた類似度の値を、第Kチャンネルについての重み係数で重み付けすることにより、特徴量の類似度に重み付けを行う機能を有する。例えば、画像類似度評価値算出部68Kは、第Kチャンネルについての特徴量を表す輝度ヒストグラム同士で相関演算等の類似度の計算を行い、輝度ヒストグラム類似度に重み付けを行い、重み付けされた特徴量類似度(例えば、重み付けされたヒストグラム類似度)を出力する。
本実施例の画像間類似度評価関数生成部70は、上記各実施例の画像間類似度評価関数生成部70と機能が異なる。画像間類似度評価関数生成部70には、各カラーチャンネルに対する各画像間類似度評価値算出処理部60から、重み付けされた特徴量類似度(例えば、M個の重み付けされたヒストグラム類似度)が入力される。画像間類似度評価関数生成部70は、M個の重み付けされた特徴量類似度からM次元の特徴量類似度を生成し、類似度評価関数の値として、M次元の特徴量類似度の値を評価画像の位置(切り出し)座標と共にデータベース等に記憶させる。本実施例の画像間類似度評価関数生成部70は、例えば、基準画像及び評価画像の各チャンネルから得られたM個の重み付けされたヒストグラム類似度をM次元のヒストグラム類似度として生成し、その値を評価画像の切出し座標と共にデータベース等へ出力し記憶させる。
本実施例の対応点検出装置11における対応点検出処理の流れの概略について図18を参照して説明する。図18には、本実施例の対応点検出装置11における対応点検出処理の流れの一例を表すフローチャートを示す。なお、図18では、本実施例の画像間類似度評価値算出処理部60を実施例2−1に適用した場合を示しているが、ステップS200〜ステップS204までの処理と、ステップS214〜ステップS220までの処理は、実施例2−1と同様であるため、記載を省略している。図18に示すように、本実施例の対応点検出装置11における対応点検出処理では、ステップS204の後のステップS207では、カラーチャンネル毎に、カラーチャンネル分解部22で分解した当該カラーチャンネルの基準画像の単色画像及び評価画像の単色画像をセットにして、当該カラーチャンネルに対応する画像間類似度評価値算出処理部60に出力する。
次のステップS208では、カラーチャンネル毎に、上述したように、画像評価値算出部62が、入力された基準画像の単色画像及び評価画像の単色画像を、特徴を表すデータ形式に変換し、特徴量を算出して画像類似度評価値算出部68に出力する。
一方、ステップS209では、カラーチャンネル毎に、上述したように、重み係数算出部56が、基準画像から分解された当該カラーチャンネルの単色画像の特徴量を算出し、算出した特徴量に応じて、当該カラーチャンネルの重み係数を算出し、画像類似度評価値算出部68に出力する。
次のステップS211では、カラーチャンネル毎に、上述したように、画像類似度評価値算出部68が、当該カラーチャンネルの重み係数により重み付けした特徴量類似度を算出し、次のステップS213では、上述したように、カラーチャンネル毎に重み付けされた特徴量類似度に基づいて、類似度評価関数を生成し、画像間類似度評価関数生成部70に出力する。
以降、実施例2−1と同様に、ステップS214〜ステップS220の処理を行うことにより、評価画像中に対応点が検出された場合は、当該対応点の座標が対応点検出部34から出力され、また、対応点が検出されなかった場合は、対応点が存在しないことを表す情報が対応点検出部34から出力される。
このように本実施例の対応点検出装置11においても、さらに重み係数算出部56を備えており、カラーチャンネル毎に、基準画像の単色画像の特徴量に応じた重み係数を算出し、重み付けされた特徴量類似度を算出しているため、画像間の対応点の検出精度を向上させることができる。また、対応点の座標の検出精度を向上させることができる。
(第3の実施の形態)
本実施の形態は、第1の実施の対応点検出装置10を組み合わせて、対応点の検出を行う画像処理装置について説明する。本実施の形態の画像処理装置は、対応点検出装置10を用いて、画像全体で大まかな位置合わせを行い、さらに対応点検出装置10を用いて、小領域画像間で詳細な対応点の検出を行う。なお、本実施の形態は、上記各実施の形態と同様の構成及び動作を含むため、同様の構成及び動作についてはその旨を記し詳細な説明を省略する。
図19には、本実施例の画像処理装置13の概略構成の一例の構成図を示す。本実施例の画像処理装置13は、図19に示すように、上記第1の実施の形態で説明した対応点検出装置10と、画像変形処理部80と、小領域画像生成部82と、を備えている。
対応点検出装置101には、任意のチャンネル数の基準画像及び評価画像が入力される。なお、対応点検出装置101が第1の実施の形態の実施例1−1で説明した対応点検出装置10である場合は、基準画像及び評価画像のチャンネル数は同一となり、その他の実施例で説明した対応点検出装置10である場合は、基準画像及び評価画像のチャンネル数は同一であってもよいし、同一でなくてもよい。
対応点検出装置101は、上述したように、基準画像のある注目点に対応する評価画像の対応点を検出し、対応点が存在する場合は、対応点の座標を出力する。なお、対応点検出装置101により対応点が検出されなかった場合は、以降の処理は行われない。対応点検出装置101から出力される対応点の座標は、基準画像と評価画像との位置ずれ量を表している。
画像変形処理部80には、対応点検出装置101から、対応点の座標が入力されると共に、評価画像が入力される。画像変形処理部80は、入力された当該対応点の座標に基づいて、評価画像を変形、または位置ずれ量の補正を行い、基準画像及び評価画像を画像全体で大まかに位置を合わせる。画像変形処理部80からは、変形(位置ずれが補正)された評価画像が出力される。
小領域画像生成部82は、基準画像と、画像変形処理部80により変形(位置ずれが補正)された評価画像とが入力される。小領域画像生成部82は、基準画像から、小領域画像を各々切り出し、変形された評価画像から、基準画像から切り出された小領域画像の各々に対応して、同じサイズの小領域画像を各々切り出す。基準画像及び評価画像から切り出した位置が対応する小領域画像をセットにして、各対応点検出装置102に出力する。
対応点検出装置102では、入力された基準画像の小領域画像中の注目点に対し、入力された評価画像の小領域画像中の対応点の有無を検出し、対応点が存在する場合は、対応点の座標を出力する。対応点が存在しない場合は、その旨を表す情報を出力する。
このように本実施の形態の画像処理装置13では、対応点検出装置101で基準画像及び評価画像の画像間のずれを、画像全体で大まかに補正した後に、対応点検出装置102で詳細な対応点の検索を行うため、対応点の検出精度に加えて計算量の削減を実現することができる。
(第4の実施の形態)
本実施の形態は、第1の実施の対応点検出装置10と第2の実施の形態の対応点検出装置11を組み合わせて、対応点の検出を行う画像処理装置について説明する。本実施の形態の画像処理装置は、対応点検出装置10を用いて、画像全体で大まかな位置合わせを行い、さらに対応点検出装置11を用いて小領域画像間で詳細な対応点の検出を行う。なお、本実施の形態は、上記各実施の形態と同様の構成及び動作を含むため、同様の構成及び動作についてはその旨を記し詳細な説明を省略する。
図20には、本実施例の画像処理装置14の概略構成の一例の構成図を示す。本実施例の画像処理装置14は、図20に示すように、上記第1の実施の形態で説明した対応点検出装置10と、上記第2の実施の形態で説明した対応点検出装置11と、画像変形処理部80と、小領域画像生成部83と、を備えている。
対応点検出装置10には、任意のチャンネル数の基準画像及び評価画像が入力される。なお、対応点検出装置10が第1の実施の形態の実施例1−1で説明した対応点検出装置10である場合は、基準画像及び評価画像のチャンネル数は同一となり、その他の実施例で説明した対応点検出装置10である場合は、基準画像及び評価画像のチャンネル数は同一であってもよいし、同一でなくてもよい。
対応点検出装置10は、上述したように、基準画像のある注目点に対応する評価画像の対応点を検出し、対応点が存在する場合は、その座標を出力する。なお、対応点検出装置10により対応点が検出されなかった場合は、以降の処理は行われない。対応点検出装置10から出力される対応点の座標は、基準画像と評価画像との位置ずれ量を表している。
本実施の形態の画像変形処理部80は、第3の実施の形態の画像変形処理部80と同様の機能を有する。画像変形処理部80には、対応点検出装置10から、対応点の座標が入力されると共に、評価画像が入力される。画像変形処理部80は、入力された当該対応点の座標に基づいて、評価画像を変形、または位置ずれ量の補正を行い、基準画像及び評価画像を画像全体で大まかに位置を合わせる。画像変形処理部80からは、変形(位置ずれが補正)された評価画像が出力される。
小領域画像生成部83には、基準画像が入力される。小領域画像生成部83は、基準画像中から第2の実施の形態で説明した小領域画像6を切り出して出力する機能を有している。
対応点検出装置11には、小領域画像生成部83により切り出された小領域画像6と、画像変形処理部80で変形(位置ずれが補正)された評価画像と、が入力される。
対応点検出装置11では、上述したように、基準画像の小領域画像6と、評価画像の小領域画像8とを比較することにより対応点の有無を検出し、対応点が存在する場合は、その座標を出力する。対応点が存在しない場合は、その旨を表す情報を出力する。
本実施の形態の画像処理装置14では、小領域画像生成部83で基準画像における切り出し位置(座標)を移動させて小領域画像を切り出して、基準画像の小領域画像6を更新し、基準画像の小領域画像6が更新される毎に、対応点検出装置11による、対応点の検出を繰り返し行い、対応点の有無を検出し、対応点が存在する場合は、その座標を出力する。対応点が存在しない場合は、その旨を表す情報を出力する。
このように本実施の形態の画像処理装置14では、対応点検出装置10で基準画像及び評価画像の画像間のずれを、画像全体で大まかに補正した後に、対応点検出装置11で詳細な対応点の検索を行うため、対応点の検出精度に加えて計算量の削減を実現することができる。
以上説明したように上記各実施の形態の対応点検出装置(画像処理装置)では、入力された基準画像及び評価画像をカラーチャンネル分解部22により分解した単色の画像について特徴量の算出を行っているため、入力画像のカラーチャンネル数を1(白黒)、3(RGB画像)だけではなく、任意のチャンネル数にも対応することが可能となった。また、マルチバンド画像の入力に対応させたことにより、画像を主成分分解した結果等、より画像の特徴を表した情報を対応点の検出に利用することができるため、対応点の検出精度が向上する。また、各カラーチャンネルで算出された評価値(類似度評価関数)の取捨選択や加重加算、また類似度評価関数を対応点の存在確率分布としてそれぞれ掛け合わせる等して、画像間の類似性をより鮮明に表した類似度を用いているため、応点の検出精度が向上する。
従って、上記各実施の形態の対応点検出装置(画像処理装置)では、入力される画像が任意のチャンネル数の画像であっても適用でき、対応点の検出精度を向上することができる。
なお、本実施の形態は一例であり、具体的な構成は本実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれ、状況に応じて変更可能であることは言うまでもない。
例えば、第1の実施の形態の画像間類似度評価関数生成処理部24及び画像間類似度評価関数統合部32を第2の実施の形態に適用してもよいし、第2の実施の形態の画像間類似度評価値算出処理部60及び画像変形処理部70を第1の実施の形態に適用してもよい。
また例えば、上記各実施の形態では、基準画像及び評価画像が1つの場合を示したがこれに限らず、基準画像及び評価画像の数は特に限定されるものではない。例えば、1つの基準画像の注目点に対して、複数の評価画像各々における対応点を検出するように構成してもよい。また、複数の基準画像各々の注目点に対して、1つの評価画像の対応点を検出するように構成してもよい。また、基準画像及び複数画像の両者が複数であってもよい。