JP6213273B2 - 導電膜の製造方法、並びに、導電膜、タッチパネル、色素増感型太陽電池用電極および色素増感型太陽電池 - Google Patents

導電膜の製造方法、並びに、導電膜、タッチパネル、色素増感型太陽電池用電極および色素増感型太陽電池 Download PDF

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本発明は、導電膜の製造方法に関し、特には、カーボンナノチューブを含有する導電膜の製造方法に関するものである。また、本発明は、当該導電膜の製造方法を用いて製造した導電膜、並びに、当該導電膜を用いたタッチパネル、色素増感型太陽電池用電極および色素増感型太陽電池に関するものである。
近年、導電性や機械的特性に優れるカーボン材料として、カーボンナノチューブ(以下、「CNT」と称することがある。)が注目されている。そして、CNTを配合することによりフィルムなどの各種製品の導電性や機械的特性を向上させる技術が提案されている。具体的には、例えば太陽電池やタッチパネルなどに使用される導電膜に関し、CNTを配合することで導電膜の導電性および機械的特性を向上させる技術が提案されている。
ここで、CNTを含有する導電膜は、一般に、分散媒とCNTとを含むカーボンナノチューブ分散液(以下、「CNT分散液」と称することがある。)を基材上に塗布し、塗布したCNT分散液を乾燥させることにより製造される。従って、導電膜の導電性および機械的特性を良好に向上させるためには、CNTが分散媒中に良好に分散したCNT分散液を使用する必要がある。しかし、CNTは凝集性が非常に高い。そこで、導電膜の形成に用いられるCNT分散液の製造においては、通常、高分子分散剤などの分散剤を用いてCNTを分散媒中に分散させている。
しかしながら、分散剤を含有するCNT分散液を用いて導電膜を形成した場合、形成された導電膜中には多量の分散剤が残存することとなる。そのため、分散剤を含有するCNT分散液を用いて形成した導電膜には、分散剤の存在に起因して導電性を十分に向上することができないという問題があった。
このような問題に対し、CNTおよび分散剤を含むCNT分散液を基材に塗布し、乾燥させてカーボンナノチューブ含有膜(以下、「CNT含有膜」と称することがある。)を形成した後、CNT含有膜を洗浄してCNT含有膜から分散剤を除去することにより、導電性に優れる導電膜を製造する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2011−236066号公報 特開2013−199419号公報 特開2010−214837号公報
ここで、上記従来の技術では、分散剤を溶解可能な溶媒をCNT含有膜に接触させ、CNT含有膜中の分散剤を溶媒中に溶出させることによりCNT含有膜から分散剤を除去しているが、未だ十分に分散剤を除去することができなかった。従って、上記従来の導電膜の製造方法には、分散剤を十分に除去して導電膜の導電性を更に向上するという点において未だに改善の余地があった。
そこで、本発明は、カーボンナノチューブおよび分散剤を含有するカーボンナノチューブ含有膜から分散剤を十分に除去して導電性に優れる導電膜を製造することが可能な導電膜の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、導電性に優れる導電膜、並びに、当該導電膜を用いたタッチパネル、色素増感型太陽電池用電極および色素増感型太陽電池などの各種製品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った。そして、本発明者らは、分散剤を溶解可能な溶媒を用いた洗浄と、特定の分散剤分解処理とを特定の順序で組み合わせて用いることにより、カーボンナノチューブ含有膜から分散剤を十分に除去して導電性に優れる導電膜を製造することができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の導電膜の製造方法は、カーボンナノチューブと分散剤とを含むカーボンナノチューブ含有膜を溶媒で洗浄し、前記分散剤の一部を前記カーボンナノチューブ含有膜から除去する洗浄工程と、前記洗浄工程を経たカーボンナノチューブ含有膜に対し、プラズマ処理、UV処理およびオゾン処理からなる群より選択される少なくとも1つの処理を行って前記カーボンナノチューブ含有膜中に残存している分散剤の少なくとも一部を分解する分解工程とを含むことを特徴とする。このように、洗浄工程の後に分解工程を実施すれば、カーボンナノチューブ含有膜から分散剤を十分に除去して導電性に優れる導電膜を製造することができる。
ここで、本発明の導電膜の製造方法では、前記カーボンナノチューブは、平均直径(Av)と、直径の標準偏差(σ)とが、関係式:0.60>3σ/Av>0.20を満たすことが好ましい。洗浄工程および分解工程を実施して導電膜を製造する際に、3σ/Avが0.20超0.60未満のカーボンナノチューブを含むカーボンナノチューブ含有膜を使用すれば、導電性および機械的特性に優れる導電膜を得ることができるからである。
なお、本発明において、「カーボンナノチューブの平均直径(Av)」および「カーボンナノチューブの直径の標準偏差(σ:標本標準偏差)」は、それぞれ、透過型電子顕微鏡を用いて無作為に選択したカーボンナノチューブ100本の直径(外径)を測定して求めることができる。
また、本発明の導電膜の製造方法では、前記カーボンナノチューブ含有膜が、前記カーボンナノチューブ100質量部に対し、前記分散剤を10質量部以上2000質量部以下の割合で含有することが好ましい。カーボンナノチューブ100質量部当たりの分散剤の含有量を10質量部以上2000質量部以下とすれば、導電性および機械的特性に優れる導電膜を得ることができるからである。
そして、本発明の導電膜は、上述した導電膜の製造方法の何れかを用いて得ることを特徴とし、導電性に優れている。
更に、本発明のタッチパネルおよび色素増感型太陽電池用電極は、本発明の導電膜を用いて形成することを特徴とし、また、本発明の色素増感型太陽電池は、本発明の色素増感型太陽電池用電極を備えることを特徴とする。
本発明の導電膜の製造方法によれば、カーボンナノチューブおよび分散剤を含有するカーボンナノチューブ含有膜から分散剤を十分に除去して導電性に優れる導電膜を製造することができる。
また、本発明によれば、導電性に優れる導電膜、並びに、当該導電膜を用いたタッチパネル、色素増感型太陽電池用電極および色素増感型太陽電池などの各種製品を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
ここで、本発明の導電膜の製造方法は、カーボンナノチューブを含有した、導電性に優れる導電膜を製造する際に用いることができる。そして、本発明の導電膜の製造方法を用いて製造した導電膜は、特に限定されることなく、タッチパネル、色素増感型太陽電池用電極および色素増感型太陽電池などの各種製品に用いることができる。
(導電膜の製造方法)
本発明の導電膜の製造方法は、カーボンナノチューブ(CNT)と分散剤とを含むCNT含有膜を溶媒で洗浄する洗浄工程と、洗浄工程を経たCNT含有膜に対し、プラズマ処理、UV処理およびオゾン処理からなる群より選択される少なくとも1つの処理を行う分解工程とを含むことを大きな特徴の一つとする。そして、本発明の導電膜の製造方法では、洗浄工程において分散剤の一部がCNT含有膜から除去され、分解工程においてCNT含有膜中に残存している分散剤の少なくとも一部が分解されるので、分散剤を十分に除去して導電性に優れる導電膜を製造することができる。
<洗浄工程>
洗浄工程では、CNT含有膜と、分散剤を溶解可能な溶媒とを接触させ、CNT含有膜中の分散剤を溶媒中に溶出させることにより、CNT含有膜中の分散剤の一部をCNT含有膜から除去する。
[カーボンナノチューブ含有膜]
洗浄工程において洗浄するCNT含有膜は、CNTと、分散剤と、分散媒と、任意の添加剤とを含むCNT分散液を基材上に塗布し、塗布したCNT分散液から分散媒を除去する製膜工程を経て調製することができる。そして、製膜工程を経て調製されたCNT含有膜は、通常、CNTと、分散剤と、任意の添加剤とをCNT分散液と同様の比率で含有している。
なお、本発明の導電膜の製造方法では、基材上に形成したCNT含有膜に対して洗浄工程および分解工程を実施してもよいし、基材から剥離したCNT含有膜に対して洗浄工程および分解工程を実施してもよい。
[[カーボンナノチューブ]]
CNT分散液およびCNT含有膜の調製に使用するカーボンナノチューブとしては、特に限定されることなく、単層カーボンナノチューブおよび/または多層カーボンナノチューブを用いることができるが、CNTは、単層から5層までのカーボンナノチューブであることが好ましく、単層カーボンナノチューブであることがより好ましい。単層カーボンナノチューブを使用すれば、多層カーボンナノチューブを使用した場合と比較し、導電膜の導電性および機械的特性を向上させることができる。
ここで、CNTとしては、平均直径(Av)に対する、直径の標準偏差(σ)に3を乗じた値(3σ)の比(3σ/Av)が0.20超0.60未満のCNTを用いることが好ましく、3σ/Avが0.25超のCNTを用いることがより好ましく、3σ/Avが0.50超のCNTを用いることが更に好ましい。3σ/Avが0.20超0.60未満のCNTを使用すれば、CNTの分散性が高まり、CNTの配合量が少量であっても、導電膜の導電性および機械的特性を十分に高めることができる。従って、所望の導電性および機械的特性を有する導電膜を得るために必要なCNTの配合量を低減して、導電性、機械的特性および透明性に優れる透明導電膜を得ることができる。
なお、CNTの平均直径(Av)および標準偏差(σ)は、CNTの製造方法や製造条件を変更することにより調整してもよいし、異なる製法で得られたCNTを複数種類組み合わせることにより調整してもよい。
そして、本発明において、CNTとしては、前述のようにして測定した直径を横軸に、その頻度を縦軸に取ってプロットし、ガウシアンで近似した際に、正規分布を取るものが通常使用される。
更に、CNTは、ラマン分光法を用いて評価した際に、Radial Breathing Mode(RBM)のピークを有することが好ましい。なお、三層以上の多層カーボンナノチューブのラマンスペクトルには、RBMが存在しない。
また、CNTは、ラマンスペクトルにおけるDバンドピーク強度に対するGバンドピーク強度の比(G/D比)が1以上20以下であることが好ましい。G/D比が1以上20以下であれば、CNTの配合量が少量であっても、導電膜の導電性および機械的特性を十分に高めることができる。従って、所望の導電性および機械的特性を有する導電膜を得るために必要なCNTの配合量を低減して、導電性、機械的特性および透明性に優れる透明導電膜を得ることができる。
更に、CNTの平均直径(Av)は、0.5nm以上であることが好ましく、1nm以上であることが更に好ましく、15nm以下であることが好ましく、10nm以下であることが更に好ましい。CNTの平均直径(Av)が0.5nm以上であれば、CNTの凝集を抑制してCNT含有膜中でのCNTの分散性を高め、導電性および機械的特性に優れる導電膜を得ることができる。また、CNTの平均直径(Av)が15nm以下であれば、導電性および機械的特性に優れる導電膜を得ることができる。
また、CNTは、平均長さが0.1μm以上1cm以下であることが好ましい。なお、CNTの平均長さは、透過型電子顕微鏡を用いて無作為に選択したカーボンナノチューブ100本の長さを測定して求めることができる。
また、CNTの比表面積は、100m/g以上であることが好ましく、2500m/g以下であることが好ましい。CNTが主として未開口のものにあっては、比表面積が600m/g以上であることが好ましく、800m/g以上であることがより好ましく、1200m/g以下であることが好ましい。また、CNTが主として開口したものにあっては、比表面積が1300m/g以上であることが好ましい。CNTの比表面積が100m/g以上であれば、導電膜の導電性および機械的特性を十分に向上させることができる。また、CNTの比表面積が2500m/g以下であれば、CNTの凝集を抑制してCNT含有膜中でのCNTの分散性を高め、導電性および機械的特性に優れる導電膜を得ることができる。
なお、本発明において、「比表面積」とは、BET法を用いて測定した窒素吸着比表面積を指す。
更に、CNTの質量密度は、0.002g/cm以上0.2g/cm以下であることが好ましい。質量密度が0.2g/cm以下であれば、CNT同士の結びつきが弱くなるので、CNTを均質に分散させ、導電性および機械的特性に優れる導電膜を得ることができる。また、質量密度が0.002g/cm以上であれば、CNTの一体性を向上させ、バラけることを抑制できるため取り扱いが容易になる。
また、CNTは、複数の微小孔を有することが好ましい。CNTは、中でも、孔径が2nmよりも小さいマイクロ孔を有するのが好ましく、その存在量としては、マイクロ孔容積で、好ましくは0.40mL/g以上、より好ましくは0.43mL/g以上、更に好ましくは0.45mL/g以上であり、上限としては、通常、0.65mL/g程度である。CNTが上記のようなマイクロ孔を有することで、CNTの凝集が抑制され、CNT含有膜中でのCNTの分散性が高まり、導電性および機械的特性に優れる導電膜を効率的に得ることができる。なお、マイクロ孔容積は、例えば、CNTの調製方法および調製条件を適宜変更することで調整することができる。
ここで、「マイクロ孔容積(Vp)」は、CNTの液体窒素温度(77K)での窒素吸着等温線を測定し、相対圧P/P0=0.19における窒素吸着量をVとして、式(I):Vp=(V/22414)×(M/ρ)より算出することができる。なお、Pは吸着平衡時の測定圧力、P0は測定時の液体窒素の飽和蒸気圧であり、式(I)中、Mは吸着質(窒素)の分子量28.010、ρは吸着質(窒素)の77Kにおける密度0.808g/cmである。マイクロ孔容積は、例えば、「BELSORP(登録商標)−mini」〔日本ベル(株)製〕を使用して容易に求めることができる。
なお、上述した性状を有するCNTは、例えば、表面にCNT製造用触媒層を有する基材(以下、「CNT製造用基材」ということがある。)上に、原料化合物およびキャリアガスを供給して、化学的気相成長法(CVD法)によりCNTを合成する際に、系内に微量の酸化剤(触媒賦活物質)を存在させることで、CNT製造用触媒層の触媒活性を飛躍的に向上させるという方法(スーパーグロース法;国際公開第2006/011655号参照)において、基材表面への触媒層の形成をウェットプロセスにより行い、アセチレンを主成分とする原料ガス(例えば、アセチレンを50体積%以上含むガス)を用いることにより、効率的に製造することができる。なお、以下では、スーパーグロース法により得られるカーボンナノチューブを「SGCNT」と称することがある。
[[分散剤]]
CNT分散液およびCNT含有膜の調製に使用する分散剤は、CNTを分散可能であり、後述する溶媒に溶解可能で、且つ、プラズマ処理、UV処理およびオゾン処理の何れかを用いて分解可能であれば、特に限定されない。本発明に用いられる分散剤としては、例えば、界面活性剤、合成高分子および天然高分子などが挙げられる。
なお、後述する分解工程における分散剤の分解性の観点からは、分散剤は、架橋性の官能基、特に紫外線の照射などにより架橋する官能基を有さないことが好ましい。
ここで、界面活性剤としては、任意の、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤を用いることができる。具体的には、界面活性剤としては、例えば、ドデシルスルホン酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルジフェニルオキシドジスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
また、合成高分子としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリスチレンスルホン酸、スルホン酸基含有単量体単位とカルボキシ基含有単量体単位とを含む合成高分子、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合樹脂、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ系樹脂、フェノキシ樹脂、変性フェノキシ系樹脂、フェノキシエーテル樹脂、フェノキシエステル樹脂、フッ素系樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸などが挙げられる。
また、天然高分子としては、例えば、多糖類であるデンプン、プルラン、デキストラン、デキストリン、グアーガム、キサンタンガム、アミロース、アミロペクチン、アルギン酸、アラビアガム、カラギーナン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、カードラン、キチン、キトサン、セルロース、並びに、その塩または誘導体が挙げられる。誘導体とはエステルやエーテルなどの従来公知の化合物を意味する。
これらの分散剤は、1種または2種以上を混合して用いることができる。中でも、CNTの分散性に優れ、洗浄工程および分解工程により容易に除去可能であることから、分散剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルジフェニルオキシドジスルホン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースが好ましい。
なお、分散剤の配合量は、CNT100質量部当たり、10質量部以上であることが好ましく、50質量部以上であることがより好ましく、100質量部以上であることが更に好ましく、2000質量部以下であることが好ましく、1800質量部以下であることがより好ましく、1500質量部以下であることが更に好ましい。CNT100質量部当たりの分散剤量が10質量部以上であれば、CNT分散液およびCNT含有膜中でCNTを良好に分散させて導電膜の導電性および機械的特性を向上させることができるからである。また、CNT100質量部当たりの分散剤量が2000質量部以下であれば、洗浄工程および分解工程により分散剤を効率的に除去して導電膜の導電性および機械的特性を向上させることができるからである。
[[分散媒]]
CNT分散液の分散媒としては、特に限定されることなく、例えば、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、アミルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系極性有機溶媒、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、パラジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類などが挙げられる。これらは1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
[[任意の添加剤]]
CNT分散液およびCNT含有膜の調製に使用する任意の添加剤としては、製造する導電膜の用途に応じて、充填材、安定化剤、着色剤、電荷調整剤、滑剤、金属ナノ粒子などの既知の添加剤を用いることができる。
なお、後述する分解工程における分散剤の分解性の観点からは、CNT分散液は、分散剤を架橋し得る架橋剤、特に紫外線の照射などにより架橋する架橋剤を含有しないことが好ましい。
[[CNT分散液の調製]]
なお、CNT分散液は、上述したCNT、分散剤、分散媒および任意の添加剤を既知の混合分散機(例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、ロールミル、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、超音波装置、アトライター、デゾルバー、ペイントシェーカー等)を用いて混合することにより、製造することができる。
[[基材]]
CNT含有膜を形成する際にCNT分散液を塗布する基材としては、特に限定されることなく、製造する導電膜の用途に応じて既知の基材を用いることができる。具体的には、例えば得られた導電膜を透明導電膜として使用する場合には、基材としては、樹脂基材、ガラス基材などを挙げることができる。樹脂基材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、脂環式アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロースなどよりなる基材を挙げることができる。ガラス基材としては、通常のソーダガラスよりなる基材を挙げることができる。
[[塗布]]
CNT分散液を基材上に塗布する方法としては、公知の塗布方法を採用できる。具体的には、塗布方法としては、ディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、ロールナイフコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、グラビアオフセット法等を用いることができる。
[[分散媒の除去]]
基材上に塗布したCNT分散液から分散媒を除去する方法としては、公知の乾燥方法を採用できる。乾燥方法としては、熱風乾燥法、真空乾燥法、熱ロール乾燥法、赤外線照射法等が挙げられる。乾燥温度は、特に限定されないが、通常、室温〜200℃、乾燥時間は、特に限定されないが、通常、0.1〜150分である。
[溶媒]
CNT含有膜中の分散剤を溶解可能な溶媒としては、特に限定されることなく、CNT含有膜の調製に使用したCNT分散液の分散媒と同じものを使用することができる。中でも、取り扱いの容易性などの観点からは、溶媒としては、水、アルコール類、アセトンやメチルイソブチルケトン等のケトン類、N−メチルピロリドン等のアミド系極性有機溶媒などが好ましい。
[CNT含有膜の洗浄]
そして、上述した溶媒を用いたCNT含有膜の洗浄は、例えば、CNT含有膜の溶媒中への浸漬、または、溶媒のCNT含有膜への塗布により行なうことができる。なお、CNT含有膜の洗浄は複数回に分けて行なってもよい。また、洗浄後のCNT含有膜は、既知の方法を用いて乾燥させることができる。
また、溶媒中への浸漬によりCNT含有膜中の分散剤の除去を行なう場合には、CNT含有膜の溶媒中への浸漬時間は、1分間以上とするのが好ましく、1時間以上とするのがより好ましく、6時間以下とするのが好ましく、3時間以下とするのがより好ましい。浸漬時間を1分間以上とすれば、十分に分散剤を除去して導電性および機械的特性に優れる導電膜を得ることができるからである。また、浸漬時間を6時間以下とすれば、分散剤を効率的に除去することができると共に、過度の洗浄によりCNT含有膜からCNTが脱落するのを防止することができるからである。
<分解工程>
洗浄工程の後に行う分解工程では、洗浄後のCNT含有膜に対し、プラズマ処理、UV処理およびオゾン処理からなる群より選択される少なくとも1つの処理を行うことにより、CNT含有膜中に残存している分散剤の少なくとも一部を分解する。
[プラズマ処理]
ここで、CNT含有膜のプラズマ処理では、分散剤を含有するCNT含有膜をプラズマに曝すことにより、CNT含有膜中に残存している分散剤を分解する。具体的には、CNT含有膜のプラズマ処理は、アルゴン、ネオン、ヘリウム、窒素、二酸化窒素、酸素、空気等を含む容器内にCNT含有膜を配置し、グロー放電により生ずるプラズマにCNT含有膜を曝すことにより行なうことができる。なお、プラズマ発生の放電形式としては、(1)直流放電および低周波放電、(2)ラジオ波放電、(3)マイクロ波放電などを用いることができる。
プラズマ処理の条件は、特に限定されるものではないが、処理強度は、プラズマ照射面の単位面積当たりのエネルギー出力が0.05〜2.0W/cmであることが好ましく、ガス圧力は、5〜150Paが好ましい。処理時間は、適時選択すればよいが、通常、1〜300分間、好ましくは10〜180分間、より好ましくは15〜60分間である。
[UV処理]
CNT含有膜のUV処理では、分散剤を含有するCNT含有膜に紫外線(UV)を照射することにより、CNT含有膜中に残存している分散剤を分解する。具体的には、CNT含有膜のUV処理では、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、カーボンアークランプ、紫外線レーザー発生装置等の紫外線光源から放射された紫外線を空気中でCNT含有膜に照射する。なお、紫外線の照射前に紫外線吸収剤でCNT含有膜の表面を処理してもよい。
ここで、CNT含有膜に照射する紫外線の波長は適宜選択できるが、紫外線の波長は、300nm以上が好ましく、500nm以下が好ましく、360nm以下がより好ましい。
また、紫外線照射は、CNT含有膜中に残存している分散剤の量および目的とする分散剤の除去率を考慮して照射時間と紫外線の強度を適宜設定することにより行われる。なお、紫外線の照射時間は、通常、30秒間から6時間、より好ましくは1分間から2時間、さらに好ましくは1時間以下である。
[オゾン処理]
CNT含有膜のオゾン処理では、分散剤を含有するCNT含有膜とオゾン分子とを接触させることにより、CNT含有膜中に残存している分散剤を分解する。具体的には、CNT含有膜のオゾン処理は、CNT含有膜をオゾンに曝露することによって行われる。曝露方法は、オゾンが存在する雰囲気にCNT含有膜を所定時間保持する方法、CNT含有膜にオゾン気流を所定時間接触させる方法など、適宜の方法で行うことができる。
ここで、CNT含有膜に接触させるオゾンは、空気、酸素ガス、または酸素添加空気等の酸素含有気体をオゾン発生装置に供給することによって発生させることができる。得られたオゾン含有気体を、CNT含有膜を保持してある容器、処理槽等に導入して、オゾン処理を行う。オゾン含有気体中のオゾン濃度、曝露時間、曝露温度などの諸条件は、CNT含有膜中に残存している分散剤の量および目的とする分散剤の除去率を考慮して適宜定めることができる。具体的には、オゾン処理は、例えば、酸素または空気の気流を使用し、濃度1〜200mg/Lのオゾン含有気体を発生させ、流量20〜2000mL/分、温度0〜80℃で、1分間〜24時間行うことができる。
なお、分解工程では、処理の容易性の観点からは、少なくともUV処理を用いてCNT含有膜を処理することが好ましい。
そして、分解工程では、洗浄工程において大部分の分散剤を除去した後にCNT含有膜中に残存している分散剤を分解することができるので、プラズマ処理、UV処理およびオゾン処理からなる群より選択される少なくとも1つの処理のみを用いてCNT含有膜中の分散剤を分解除去する場合と比較し、十分に分散剤を分解して除去することができる。また、分散剤の分解により生成する分解物の量を低減することができる。
なお、本発明の導電膜の製造方法では、分解工程を行なった後のCNT含有膜をそのまま導電膜としてもよいが、分解工程を行なった後のCNT含有膜を再び洗浄し、分解工程で生成した分解物を除去したCNT含有膜を導電膜としてもよい。
(導電膜)
本発明の導電膜は、上述した導電膜の製造方法を用いて製造することを大きな特徴の一つとする。そして、本発明の導電膜は、良好に分散したCNTを含有し、且つ、分散剤量が低減されているので、優れた導電性および機械的特性を有している。
なお、CNT含有膜中ではCNT同士が互いに絡み合って網目構造を形成しているので、分散剤を除去した後でも、CNT含有膜は膜形状を維持することができる。
(導電膜を用いた製品)
ここで、本発明の導電膜は、分散剤を用いて調製したので導電膜中でCNTが良好に分散しており、且つ、洗浄工程および分解工程を経て調製されているので分散剤の含有量が低減されている。従って、本発明の導電膜は、CNTの含有量が少なくても所望の導電性および機械的特性を得ることができるので、透明性にも優れている。即ち、本発明の導電膜は、太陽電池やタッチパネルなどの透明導電膜として特に好適に用いることができる。
なお、本発明の導電膜は、任意にオーバーコート層等の既知の機能層を積層してから各種製品に使用することもできる。ここで、オーバーコート層等の機能層の導電膜上への積層は、既知の手法を用いて行なうことができる。
[タッチパネル]
具体的には、本発明の導電膜は、透明基板上に形成されて静電容量式タッチパネルなどのタッチパネルのタッチセンサーを構成する導電層として好適に用いることができる。
[太陽電池]
また、本発明の導電膜は、色素増感型太陽電池などの太陽電池の電極を構成する導電層や触媒層として用いることができる。より具体的には、本発明の導電膜は、色素増感型太陽電池の光電極を構成する導電層や、色素増感型太陽電池の対向電極(触媒電極)を構成する導電層および/または触媒層として用いることができる。
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例において作製した色素増感型太陽電池素子の電池性能は、以下の方法を使用して評価した。
<電池性能>
光源として、150Wキセノンランプ光源にAM1.5Gフィルタを装着した擬似太陽光照射装置(PEC−L11型、ペクセル・テクノロジーズ社製)を用いた。光量は、1sun(AM1.5G、100mW/cm(JIS C8912のクラスA))に調整した。作製した色素増感型太陽電池素子をソースメータ(2400型ソースメータ、Keithley社製)に接続し、以下の電流電圧特性の測定を行なった。
1sunの光照射下、バイアス電圧を0Vから0.8Vまで0.01V単位で変化させながら出力電流を測定した。出力電流の測定は、各電圧ステップにおいて、電圧を変化させた後、0.05秒後から0.15秒後までの値を積算することで行った。バイアス電圧を、逆方向に0.8Vから0Vまで変化させる測定も行い、順方向と逆方向の測定の平均値を光電流とした。
なお、測定に際しては、色素増感型太陽電池素子の有効面積を規定するため、直径5.5mmの円形状のくり抜き部分を有する黒色遮光マスクを使用した。作製した色素増感型太陽電池素子の光電極の上にマスクを置くことにより、有効面積を0.2376cmとした。
上記の電流電圧特性の測定結果より、開放電圧(V)、曲線因子およびエネルギー変換効率(%)を算出した。また、短絡電流密度(mA/cm)を測定した。
(実施例1)
<カーボンナノチューブの合成>
国際公開第2006/011655号の記載に従って、スーパーグロース法によってSGCNTを得た。
得られたSGCNTは、BET比表面積が800m/g、質量密度が0.03g/cm、マイクロ孔容積が0.44mL/gであった。また、透過型電子顕微鏡を用い、無作為に100本のSGCNTの直径を測定した結果、平均直径(Av)が3.3nm、直径の標本標準偏差(σ)に3を乗じた値(3σ)が1.9nm、(3σ/Av)が0.58、平均長さが100μmであった。また、得られたSGCNTは、主に単層CNTにより構成されていた。
<色素増感型太陽電池用触媒電極の作製>
容量50mLのサンプル瓶にカーボンナノチューブ(SGCNT)0.005gと、分散剤としてカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(CMC−Na;ダイセル化学社製、製品名「CMCダイセル(品番1130)」)0.015gとを量りとり、純水10gを加えたのち硝酸を用いてpHを2に調整した。これをバス型超音波分散機で30分間処理することでカーボンナノチューブ分散液を得た。
2cm×1.2cmにカットしたFTOガラス基板上にカーボンナノチューブ分散液を500μL滴下し、60℃で乾燥してFTOガラス基板上にCNT含有膜を形成した。
CNT含有膜を形成したFTOガラス基板を純水中に1分間浸漬し(洗浄工程)、その後、CNT含有膜を乾燥させた。更に、乾燥後のCNT含有膜に対し、低圧水銀灯を用いたUV処理を15分間行って(分解工程)、CNT含有膜よりなる導電膜を触媒層として表面に有するFTOガラス基板(触媒電極)を得た。
<色素増感型太陽電池用光電極の作製>
[色素溶液の調製]
ルテニウム錯体色素(N719、ソラロニクス社製)7.2mgを20mLのメスフラスコに入れた。tert−ブタノール10mLをメスフラスコに添加し、攪拌した。その後、アセトニトリル8mLを加え、メスフラスコに栓をした後、超音波洗浄器による振動により、60分間攪拌した。溶液を常温に保ちながら、アセトニトリルを加え、全量を20mLとした。
[光電極の調製]
ITO−PENフィルムよりなる基板上に、低温成膜酸化チタンペースト(ペクセル・テクノロジーズ社製)を塗布し、塗膜を乾燥後、ホットプレートを用いて温度150℃で10分間加熱することにより多孔質酸化チタン電極を作製した。この酸化チタン電極を上記N719色素溶液(0.3mM)に浸漬した。このとき、充分な色素吸着を行うため、色素溶液は、電極一枚当たり、2mL以上を目安とした。
色素溶液を40℃に保ちながら色素を吸着させた。2時間後、シャーレから色素吸着済み酸化チタン電極を取り出し、アセトニトリル溶液にて洗浄して乾燥させ、光電極とした。
<色素増感型太陽電池素子の作製>
厚さ25μmの熱融着フィルム(SOLARONIX社製)の内側を直径9mmの円形状にくりぬき、このフィルムを触媒電極上にセットした。電解液を滴下し、光電極を上から重ね合わせ、みの虫クリップで両側を挟むことで色素増感型太陽電池素子を作製した。そして、電池性能を評価した。結果を表1に示す。
(実施例2)
色素増感型太陽電池用触媒電極を作製する際に、分解工程においてCNT含有膜に対するUV処理を60分間行った以外は実施例1と同様にして、色素増感型太陽電池用触媒電極、色素増感型太陽電池用光電極および色素増感型太陽電池素子を作製した。そして、電池性能を評価した。結果を表1に示す。
(実施例3)
色素増感型太陽電池用触媒電極を作製する際に、洗浄工程においてCNT含有膜を純水中に2時間浸漬させた以外は実施例1と同様にして、色素増感型太陽電池用触媒電極、色素増感型太陽電池用光電極および色素増感型太陽電池素子を作製した。そして、電池性能を評価した。結果を表1に示す。
(実施例4)
色素増感型太陽電池用触媒電極を作製する際に、洗浄工程においてCNT含有膜を純水中に2時間浸漬させ、分解工程として、乾燥後のCNT含有膜に対し、オゾン発生装置で発生させたオゾンと空気との混合ガス(オゾン濃度:5g/Nm)を、室温・常圧下において流量300mL/分にて15分間接触させてオゾン処理を行った以外は実施例1と同様にして、色素増感型太陽電池用触媒電極、色素増感型太陽電池用光電極および色素増感型太陽電池素子を作製した。そして、電池性能を評価した。結果を表1に示す。
(実施例5)
色素増感型太陽電池用触媒電極を作製する際に、洗浄工程においてCNT含有膜を純水中に2時間浸漬させ、分解工程として、乾燥後のCNT含有膜に対し、プラズマ処理装置(魁半導体社製、製品名「YHS−G」)を用いたプラズマ処理(電力:100W(単位面積当たりのエネルギー出力:1.28W/cm)、窒素ガス圧力:50Pa)を5分間行った以外は実施例1と同様にして、色素増感型太陽電池用触媒電極、色素増感型太陽電池用光電極および色素増感型太陽電池素子を作製した。そして、電池性能を評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
色素増感型太陽電池用触媒電極を作製する際に、洗浄工程および分解工程を実施せず、FTOガラス基板上に形成したCNT含有膜をそのまま触媒層とした以外は実施例1と同様にして、色素増感型太陽電池用触媒電極、色素増感型太陽電池用光電極および色素増感型太陽電池素子を作製した。そして、電池性能を評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
色素増感型太陽電池用触媒電極を作製する際に、洗浄工程においてCNT含有膜を純水中に2時間浸漬させ、分解工程を実施しなかった以外は実施例1と同様にして、色素増感型太陽電池用触媒電極、色素増感型太陽電池用光電極および色素増感型太陽電池素子を作製した。そして、電池性能を評価した。結果を表1に示す。
(比較例3)
色素増感型太陽電池用触媒電極を作製する際に、洗浄工程においてCNT含有膜を純水中に24時間浸漬させ、分解工程を実施しなかった以外は実施例1と同様にして、色素増感型太陽電池用触媒電極、色素増感型太陽電池用光電極および色素増感型太陽電池素子を作製した。そして、電池性能を評価した。結果を表1に示す。
(比較例4)
色素増感型太陽電池用触媒電極を作製する際に、洗浄工程を実施せず、分解工程においてCNT含有膜に対するUV処理を24時間行った以外は実施例1と同様にして、色素増感型太陽電池用触媒電極、色素増感型太陽電池用光電極および色素増感型太陽電池素子を作製した。そして、電池性能を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0006213273
表1より、実施例1〜5では、比較例1〜4と比較し、短絡電流密度、開放電圧、曲線因子およびエネルギー変換効率の全てが高いレベルにある色素増感型太陽電池素子が得られることが分かる。これより、実施例1〜5において形成した導電膜(触媒層)は、導電性および機械的特性に優れていることが分かる。
中でも、実施例3〜5では、短絡電流密度、開放電圧、曲線因子およびエネルギー変換効率の全てが特に優れる色素増感型太陽電池素子が得られた。なお、比較例3では、CNT含有膜の純水への浸漬時間が24時間と長かったため、製造効率が非常に低下した。同様に、比較例4でも、UV処理の時間が24時間と長かったため、製造効率が非常に低下した。
本発明の導電膜の製造方法によれば、カーボンナノチューブおよび分散剤を含有するカーボンナノチューブ含有膜から分散剤を十分に除去して導電性に優れる導電膜を製造することができる。
また、本発明によれば、導電性に優れる導電膜、並びに、当該導電膜を用いたタッチパネル、色素増感型太陽電池用電極および色素増感型太陽電池などの各種製品を提供することができる。

Claims (6)

  1. カーボンナノチューブと分散剤とを含むカーボンナノチューブ含有膜を溶媒で洗浄し、前記分散剤の一部を前記カーボンナノチューブ含有膜から除去する洗浄工程と、
    前記洗浄工程を経たカーボンナノチューブ含有膜に対し、プラズマ処理、UV処理およびオゾン処理からなる群より選択される少なくとも1つの処理を行って前記カーボンナノチューブ含有膜中に残存している分散剤の少なくとも一部を分解する分解工程と、
    を含む、導電膜の製造方法。
  2. 前記カーボンナノチューブは、平均直径(Av)と、直径の標準偏差(σ)とが、関係式:
    0.60>3σ/Av>0.20
    を満たす、請求項1に記載の導電膜の製造方法。
  3. 前記カーボンナノチューブ含有膜が、前記カーボンナノチューブ100質量部に対し、前記分散剤を10質量部以上2000質量部以下の割合で含有する、請求項1または2に記載の導電膜の製造方法。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の導電膜の製造方法により得られる導電膜を用いた、タッチパネルの製造方法
  5. 請求項1〜3の何れかに記載の導電膜の製造方法により得られる導電膜を用いた、色素増感型太陽電池用電極の製造方法
  6. 請求項に記載の色素増感型太陽電池用電極の製造方法により得られる色素増感型太陽電池用電極を用いた、色素増感型太陽電池の製造方法
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