JP6212344B2 - ネットワーク監視装置、ネットワーク監視システム、ネットワーク監視方法およびネットワーク監視プログラム - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1で提案されているネットワーク品質監視装置およびネットワーク品質監視方法は、SIPネットワークに限られず、LTE(Long Term Evolution)のネットワークにも適用が可能であると考えられる。特に、大規模なLTEネットワークを構築および運用する通信キャリアにおいて、上述したような従来技術を適用する場合に、上記のような問題があった。
<本実施形態に係る通信システムの概要>
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システムの概略的な構成を示す図である。
本実施形態に係る通信システムは、LTEのネットワークの通信システムに、ネットワーク監視装置(本実施形態では、キャプチャ装置21)を備えた構成を有する。
本実施形態に係る通信システムは、複数(本実施形態では、N個)の基地局装置(eNodeB)1−1〜1−Nと、MME(Mobility Management Entity)装置2と、HSS(Home Subscriber System)装置3と、SGW(Serving Gateway)装置4と、複数(本実施形態では、M個)のPGW(Packet data network Gateway)装置5−1〜5−Mと、DNS(Domain Name System)サーバ装置6と、認証サーバ装置7と、他の通信装置8〜10(本実施形態では、3個を例示した)と、キャプチャ装置21を備える。
通信装置8〜10としては、様々な装置が用いられてもよい。
eUTRANは、基地局装置1−1〜1−Nのみで構成される。
EPCは、MME装置2、HSS装置3、SGW装置4、PGW装置5−1〜5−Mなどの、複数の装置群により構成される。
本実施形態に係る通信システムでは、一の装置(本実施形態では、例として、MME装置2)が、所定の要求(リクエスト)を行うメッセージであるリクエストメッセージを送信し、他の装置(本実施形態では、例として、SGW装置4)が、リクエストメッセージの要求に応じた処理(自装置における処理や別の装置に要求を発する処理を含む。)を行って、リクエストメッセージに応答するメッセージである応答メッセージを送信する。
なお、図1に示される通信システムの構成は一例であり、通信システムにおける各装置の配置や数などとしては、様々な構成が用いられてもよい。
図2は、本発明の一実施形態に係るキャプチャ装置21の構成を示すブロック図である。
本実施形態に係るキャプチャ装置21は、受信部101と、メッセージ処理部102を備える。
受信部101は、リクエストメッセージ受信部111と、応答メッセージ受信部112を備える。
メッセージ処理部102は、メッセージ解析部121と、リクエストメッセージマッピング部122と、メッセージデータベース123と、応答時間測定部124と、障害判定部125を備える。
なお、例えば、受信部101はエクスポーターと呼ばれ、メッセージ処理部102はコレクターと呼ばれる。
本実施形態では、メッセージとして、3GPP TS 29.274 V11.7.0の規格に応じたメッセージであり、さらにGPRS(General Packet Radio Service)に関するGTPv2(GPRS Tunneling Protocol version 2)に応じたメッセージ(例えば、シグナリングメッセージ)を用いる場合を例とする(非特許文献1参照。)。
また、メッセージの通信としては、例えば、パケット通信が用いられる。
本実施形態では、メッセージ201の構成は、リクエストメッセージの構成および応答メッセージの構成として用いられる。
本実施形態に係るメッセージ201のフレームでは、フレームの先頭から、L2(Layer 2)ヘッダ211、IP(Internet Protocol)ヘッダ212、UDP(User Datagram Protocol)ヘッダ213、GTPv2ヘッダ214が配置され、それに続いて、1または複数であるn個の組について、タイプT(Type)とレングス(Length)Lとバリュー(Value)Vの組み合わせが配置される。
リクエストメッセージのシーケンス番号と、当該リクエストメッセージに対する応答メッセージのシーケンス番号とは、一致する。つまり、応答メッセージには、応答する対象となるリクエストメッセージに含まれるシーケンス番号と同じシーケンス番号が含められる。1つのリクエストメッセージに対しては、例えば、応答が必要である場合には、1つの応答メッセージがあり、また、応答が不要である場合(通知のみが必要である場合)には、応答メッセージがない。
タイプTは、複数のタイプのうちの1つを特定し、例えば、150種類以上のタイプがある。具体例として、IEのタイプとしては、1番目のIEのタイプはIMSI(International Mobile Subscriber Identity)番号に関するものであることが定義されており、71番目のIEのタイプはAccess Point Name番号に関するものであることが定義されており、75番目のIEのタイプはMobile Equipment Identity番号に関するものであることが定義されており、他の番号のIEのタイプについても定義されている(非特許文献1参照。)。
レングスLは、バリューVの長さを特定し、例えば、固定の長さ、または、可変の長さがある。
バリューVは、情報列(例えば、文字列)である。
1つのメッセージ201の中に含まれる1つのIEまたは複数のIEの組み合わせ毎に、メッセージの種類が決まり特定される。メッセージの種類毎に、リクエストメッセージの要求を処理する装置や処理の内容(例えば、処理の負荷)などが異なり得ることから、リクエストメッセージに対する応答メッセージの応答時間が異なり得る。
また、LTEにおいては、リクエストメッセージを受信した装置が、その要求の内容に応じて他の装置へ要求を発し、その要求に対する応答を受信して、応答メッセージを送信する、というように、多段で通信する場合がある。この点は、LTEの独特なネットワーク構成である。
本実施形態では、MME装置2とSGW装置4との間の区間にキャプチャ装置21を備え、キャプチャ装置21が、MME装置2とSGW装置4との間で送受信されるリクエストメッセージと応答メッセージを取得(キャプチャ)することにより、応答時間を取得(例えば、計算)することができる。
図4の例では、MME装置2が、リクエストメッセージをSGW装置4へ送信する(処理ST1)。SGW装置4が、当該リクエストメッセージを受信して、その要求に応じた処理(自装置における処理や別の装置に要求を発する処理を含む。)を行って、応答メッセージをMME装置2へ送信する(処理ST2)。MME装置2が、当該応答メッセージを受信する。
この場合、例えば、MME装置2がリクエストメッセージを送信したタイミングから、それに対する応答メッセージをMME装置2が受信したタイミングまでの時間が、応答時間T1になる。
なお、応答時間の開始タイミングとしては、例えば、MME装置2がリクエストメッセージを送信したタイミングではなく、SGW装置4がリクエストメッセージを受信したタイミング、あるいは、これらの送信と受信の間のタイミングなどが用いられてもよい。同様に、応答時間の終了タイミングとしては、例えば、MME装置2が応答メッセージを受信したタイミングではなく、SGW装置4が応答メッセージを送信したタイミング、あるいは、これらの送信と受信の間のタイミングなどが用いられてもよい。
この理由は、MME装置2が送信するセッション確立要求のリクエストメッセージに対してSGW装置4がセッション確立応答の応答メッセージを返答するまでに、例えば、SGW装置4が自装置のみで処理を行う場合や、あるいは、SGW装置4と他の装置Xとの間の区間でリクエストメッセージおよび応答メッセージ(元々のメッセージと同じであってもよく、または、異なってもよい。)の送受信が行われる場合や、あるいは、SGW装置4と他の装置Y(装置Xとは異なる装置)との間の区間でリクエストメッセージおよび応答メッセージ(元々のメッセージと同じであってもよく、または、異なってもよい。)の送受信が行われる場合があるためである。SGW装置4と他の装置X、Yとの間の区間でリクエストメッセージおよび応答メッセージの送受信が行われる場合には、SGW装置4は、MME装置2へ応答メッセージを返答する前に、他の装置X、Yとの送受信に要する時間を待機する必要がある。
実ネットワークにおける応答時間は、例えば、SGW装置4が応答するまでに関わる他の装置の台数や、その処理内容によって大きく異なり得る。
図5における一例では、MME装置2が、リクエストメッセージをSGW装置4へ送信する(処理ST11)。SGW装置4が、当該リクエストメッセージを受信して、その要求に応じた処理として、リクエストメッセージ(受信したものと同じであってもよく、または、異なってもよい。)をPGW装置5−1へ送信する(処理ST12)。PGW装置5−1が、当該リクエストメッセージを受信して、その要求に応じた処理を自装置で行って、応答メッセージをSGW装置4へ送信する(処理ST13)。SGW装置4が、当該応答メッセージを受信して、応答メッセージ(受信したものと同じであってもよく、または、異なってもよい。)をMME装置2へ送信する(処理ST14)。
この場合、例えば、MME装置2がリクエストメッセージを送信したタイミングから、それに対する応答メッセージをMME装置2が受信したタイミングまでの時間が、応答時間T11になる。
この場合、例えば、MME装置2がリクエストメッセージを送信したタイミングから、それに対する応答メッセージをMME装置2が受信したタイミングまでの時間が、応答時間T12になる。
また、図5の例では、MME装置2からリクエストメッセージを受信したSGW装置4に直接接続される他の装置(PGW装置5−1や、認証サーバ装置7)において要求に応じた処理を行う構成を示したが、他の構成例として、リクエストメッセージを受信したSGW装置4に別の装置を介して接続される装置において要求に応じた処理を行う構成が用いられてもよく、また、例えば、複数の装置において要求に応じた処理を行う構成が用いられてもよい。
本実施形態では、メッセージの種類は、GTPv2で運ばれるIEの個数やタイプによって変わる。そこで、本実施形態では、リクエストメッセージが運ぶ各IEのタイプを分析し、IEのタイプの組み合わせが同じであるリクエストメッセージの群をクラスタリング(分類)し、このような群(IEのタイプの組み合わせ)毎に、応答時間を集計して統計処理することや、あるいは、応答時間に関して個別の閾値を設けること、などを行う。
なお、通常、IEのタイプの組み合わせの数は、有限個である。
図6の例では、異なるIEのタイプの組み合わせを運ぶ3種類のメッセージ(リクエストメッセージおよび応答メッセージのペア)の例を示してある。
1番目(1種類目)のメッセージは、1番目のIEのタイプおよび77番目のIEのタイプを運ぶものであり、応答時間は1msである。
2番目(2種類目)のメッセージは、1番目のIEのタイプおよび78番目のIEのタイプを運ぶものであり、応答時間は10msである。
3番目(3種類目)のメッセージは、1番目のIEのタイプおよび80番目のIEのタイプを運ぶものであり、応答時間は100msである。
他の例として、メッセージの種類(本実施形態では、IEのタイプの組み合わせ)毎に、応答時間に応じた閾値を設定することができる。例えば、1番目のIEのタイプおよび77番目のIEのタイプを運ぶ1番目(1種類目)のメッセージについては応答時間に関して10msの閾値を設定し、1番目のIEのタイプおよび78番目のIEのタイプを運ぶ2番目(2種類目)のメッセージについては応答時間に関して60msの閾値を設定し、1番目のIEのタイプおよび80番目のIEのタイプを運ぶ3番目(3種類目)のメッセージについては応答時間に関して150msの閾値を設定する。
一例として、リクエストメッセージの要求を処理した装置を識別する情報(本実施形態では、IPアドレスの情報)が、当該リクエストメッセージに対する応答メッセージの中の該当するIEのバリューVに含められるため、その識別情報に基づいて、当該装置を判断(特定)することができる。
他の例として、あらかじめ、メッセージの種類(本実施形態では、IEのタイプの組み合わせ)毎に、メッセージの要求を処理する装置との対応付け(紐付け)を記憶しておくことで、他の装置とメッセージを送受信する場合には、当該他の装置やその装置に至るまでの区間を判断(特定)することができる。
本実施形態では、キャプチャ装置21を備える区間に対して、他の区間における障害の判定を行うことが可能となり、結果として、MME装置2とSGW装置4との間の区間を監視するだけで、より広域に関して障害の監視が可能となる。
図7では、図6に示されるものと同様な3種類のメッセージについて示してある。
1番目(1種類目)のメッセージは、1番目のIEのタイプおよび77番目のIEのタイプを運ぶものであり、リクエストメッセージの要求に応じた処理を装置Xが行うものとして、装置Xと対応付けられている。なお、応答時間に関して閾値を越えたか否かの判定の結果が「無し(越えていない)」という判定結果(この判定やこの結果は一つの例)であることが格納されている。
2番目(2種類目)のメッセージは、1番目のIEのタイプおよび78番目のIEのタイプを運ぶものであり、リクエストメッセージの要求に応じた処理を装置Y(装置Xとは異なる装置。)が行うものとして、装置Yと対応付けられている。なお、応答時間に関して閾値を越えたか否かの判定の結果が「有り(越えた)」という判定結果(この判定やこの結果は一つの例)であることが格納されている。
3番目(3種類目)のメッセージは、1番目のIEのタイプおよび80番目のIEのタイプを運ぶものであり、リクエストメッセージの要求に応じた処理を装置Z(装置X、Yとは異なる装置)が行うものとして、装置Zと対応付けられている。なお、応答時間に関して閾値を越えたか否かの判定の結果が「無し(越えていない)」という判定結果(この判定やこの結果は一つの例)であることが格納されている。
他の例として、同じメッセージの種類毎に、応答時間に関して閾値を設定して、メッセージの応答処理に要する時間(本実施形態では、応答時間)が閾値を越えた場合に障害があると判定することができる。応答時間に関する閾値としては、例えば、メッセージの種類毎に、あらかじめ固定的に設定しておくことや、あるいは、メッセージの種類毎に、所定の時間範囲における応答時間の平均値を求め、その平均値に所定の値(例えば、正の値)を加えた結果の値を閾値として用いることができる。
具体例として、図7の例では、それぞれのメッセージの種類(IEのタイプの組み合わせ)によって紐付けられる装置を、装置X、装置Y、装置Zとしたときに、装置Yに関わるメッセージの応答時間について障害を判定した場合には、該当する装置Y(または、その装置Yに至るまでの区間)を障害の箇所として絞り込むことが可能である。
本実施形態に係るキャプチャ装置21において行われる処理の概要を示す。
リクエストメッセージ受信部111は、リクエストメッセージを受信する。本実施形態では、リクエストメッセージ受信部111は、MME装置2からSGW装置4へ伝送されるリクエストメッセージを受信する。
応答メッセージ受信部112は、応答メッセージを受信する。本実施形態では、応答メッセージ受信部112は、SGW装置4からMME装置2へ伝送される応答メッセージを受信する。
スイッチは、MME装置2とSGW装置4との間を伝送されるメッセージ(本実施形態では、リクエストメッセージや応答メッセージ)を中継する。このときに、i(iは任意の整数)番ポートの信号をj(jは任意の整数であり、例えば、i−1またはi+1)番ポートにミラーリング(同じ信号を生成)し、ミラーリングされた信号をキャプチャ部により取得する。このミラーリングは、取得するだけの一方向である。
このようなミラーリングによりリクエストメッセージを取得する機能部がリクエストメッセージ受信部111に相当し、このようなミラーリングにより応答メッセージを取得する機能部が応答メッセージ受信部112に相当する。
なお、メッセージがリクエストメッセージであるかまたは応答メッセージであるかは、例えば、メッセージのヘッダに含まれる情報に基づいて、リクエストメッセージ受信部111や応答メッセージ受信部112により、判定することが可能である。
また、一例として、リクエストメッセージマッピング部122は、応答メッセージに対応するリクエストメッセージに関する情報がメッセージデータベース123に記憶されていない場合には、当該応答メッセージに関する情報をメッセージデータベース123に記憶しない。他の例として、リクエストメッセージマッピング部122は、応答メッセージに対応するリクエストメッセージに関する情報がメッセージデータベース123に記憶されていない場合には、リクエストメッセージとは無関係に、当該応答メッセージに関する情報をメッセージデータベース123に記憶する。
ここで、本実施形態では、MME装置2がリクエストメッセージを送信したタイミングから、それに対する応答メッセージをMME装置2が受信したタイミングまでの時間を応答時間の一例としているが、ここでは、キャプチャ装置21において、MME装置2が送信したリクエストメッセージを受信したタイミング(リクエストメッセージの受信時刻)から、それに対するMME装置2への応答メッセージを受信したタイミング(応答メッセージの受信時刻)までの時間を近似的に応答時間とみなしている。なお、応答時間を取得する他の手法が用いられてもよい。
また、障害判定部125は、障害が発生したと判定したメッセージの種類に紐付けられた装置を特定することにより、当該装置(または、その装置に至るまでの区間)を障害の箇所として特定することができる。
図8は、本発明の一実施形態に係るキャプチャ装置21においてリクエストメッセージを受信した場合に行われる処理の手順の一例を示すフローチャート図である。
リクエストメッセージ受信部111がリクエストメッセージを受信すると(ステップS1)、メッセージ解析部121が受信されたリクエストメッセージを解析し、IEのタイプなどを分析する(ステップS2)。そして、メッセージ解析部121が、必要な情報をメッセージデータベース123に記憶する(ステップS3)。これにより、本処理が終了する。
応答メッセージ受信部112が応答メッセージを受信すると(ステップS11)、リクエストメッセージマッピング部122が受信された応答メッセージに対応するリクエストメッセージ(本実施形態では、同じシーケンス番号のリクエストメッセージ)に関する情報がメッセージデータベース123に記憶されているか否か(存在の有無)を判定して確認する(ステップS12)。
この確認の結果(ステップS12)、応答メッセージ受信部112は、受信された応答メッセージに対応するリクエストメッセージに関する情報がメッセージデータベース123に記憶されていないと判定した場合には、例えば、本処理を終了する。
応答時間測定部124が、各メッセージ(本実施形態では、リクエストメッセージと応答メッセージとの組)について応答時間を測定する(ステップS21)。
そして、障害判定部125が当該測定の結果に基づいて障害の判定を行う(ステップS22)。これにより、本処理が終了する。
なお、他の構成例として、図10に示される障害判定時の処理は、図8に示されるリクエストメッセージ受信時の処理や図9に示される応答メッセージ受信時の処理に対して、同期して行われる構成が用いられてもよい。一例として、図10に示されるステップS21〜ステップS22の処理が、図9に示されるステップS13の処理の直後に配置される(つまり、図9に示される処理フローとともにリアルタイムに行われる)処理フローを用いることも可能である。
また、メッセージに関するIEのタイプなどの各種の情報は、例えば、リクエストメッセージに含まれる情報に基づいて取得されてもよく、または、応答メッセージに含まれる情報に基づいて取得されてもよく、または、リクエストメッセージおよび応答メッセージの両方に含まれる情報に基づいて取得されてもよい。
また、本実施形態に係る通信システムにおけるキャプチャ装置21では、IEのタイプの組み合わせ(メッセージの種類)毎にクラスタリングされたリクエストメッセージと応答メッセージの群について、応答時間を測定し、統計処理することで、障害の判定を行う。ここで、統計処理は、例えば、定期的なタイミングなどの様々なタイミングで、行うことができる。
また、本実施形態に係る通信システムにおけるキャプチャ装置21では、IEのタイプの組み合わせ(メッセージの種類)毎に、メッセージに関係する装置(例えば、リクエストメッセージの要求に応じた処理を行う装置)を紐付けし、応答時間の閾値越えなどが発生した場合に、障害の箇所を絞り込む。
このように、本実施形態に係る通信システムにおけるキャプチャ装置21によると、効率的にネットワークを監視することができる。
また、本実施形態では、LTEのネットワークを示したが、他の様々なネットワークに適用されてもよい。
なお、本実施形態との比較例に対する本実施形態の効果の例を示す。
本実施形態との比較例として、監視対象の区間毎に、リクエストメッセージの送信から応答メッセージの受信までの応答時間(または、リクエストメッセージの再送回数)を測定して、これを統計処理した上で、障害が発生しているか否かを判定するために、MME装置とSGW装置との間の区間を流れる全てのリクエストメッセージおよび全ての応答メッセージを用いて一律に応答時間(または、再送回数)を測定する技術(比較例に係る技術)を考える。
比較例に係る技術では、MME装置とSGW装置との間の区間に設置したキャプチャ装置において、該当する区間を流れる全てのメッセージに影響するような障害、すなわち、MME装置とSGW装置との間の区間で発生する障害しか検出することができない。具体例として、比較例に係る技術では、IEのタイプの組み合わせが異なる3種類のメッセージ(例えば、リクエストメッセージや応答メッセージ)がキャプチャされ、それぞれの種類のメッセージの応答時間の基準値が1ms、10ms、100msである場合には、これらの統計処理により、これらの平均値である37(=111/3)msを基準として例えば50msなどといった閾値(応答時間の閾値)を設定してしまい、メッセージの種類毎に適した障害の判定を実行することが難しく、他の区間の障害の判定を実行することが難しい。
これに対して、本実施形態では、メッセージの種類毎に適した障害の判定を実行することができ、他の区間の障害の判定を実行することができ、このように、精度よくネットワークを監視することができる。
図11は、本発明の他の構成例に係るキャプチャ装置501の構成を示すブロック図である。なお、図11では、図2に示されるキャプチャ装置21の場合と同様な構成部については、同一の符号を付してある。
本構成例に係るキャプチャ装置501は、受信部601と、メッセージ処理部602を備える。
受信部601は、第1のメッセージ受信部611と、第2のメッセージ受信部612を備える。
メッセージ処理部602は、メッセージ解析部621と、メッセージマッピング部622と、メッセージデータベース123と、応答時間測定部124と、障害判定部125を備える。
第1のメッセージ受信部611は、メッセージ(リクエストメッセージまたは応答メッセージ)を受信する。そして、第1のメッセージ受信部611は、受信したメッセージをメッセージ解析部621へ出力する。
第2のメッセージ受信部612は、メッセージ(リクエストメッセージまたは応答メッセージ)を受信する。そして、第2のメッセージ受信部612は、受信したメッセージをメッセージマッピング部622へ出力する。
メッセージ解析部621は、第1のメッセージ受信部611により受信されたメッセージを解析する。本構成例では、メッセージ解析部621は、リクエストメッセージを解析するための処理機能と、応答メッセージを解析するための処理機能を有する。
メッセージマッピング部622は、第2のメッセージ受信部612により受信されたメッセージを、第1のメッセージ受信部611で受信したメッセージと対応付ける(マッピングする)。
なお、リクエストメッセージと応答メッセージとの対応付けは、図2に示されるキャプチャ装置21の場合と同様に、シーケンス番号に基づいて行われる。
一構成例として、ネットワーク(本実施形態では、LTEのネットワーク)を構成する2個の通信装置(本実施形態では、MME装置2とSGW装置4)の間の区間を伝送するリクエストメッセージおよび応答メッセージに関する情報に基づいて、メッセージの種類毎に、障害の判定を行う障害判定部(本実施形態では、障害判定部125)を備える、ネットワーク監視装置(本実施形態では、図2に示されるキャプチャ装置21)である。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disk)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
Claims (8)
- 2個の通信装置の間の区間を伝送するリクエストメッセージの種類に応じて応答メッセージが発生しかつ少なくとも1つの前記種類に応じて他の区間に関わる前記応答メッセージが発生するネットワークを構成する前記2個の通信装置の間の区間を伝送する前記リクエストメッセージおよび前記応答メッセージに関する情報に基づいて、メッセージの種類毎に、前記2個の通信装置の間の区間あるいは前記他の区間における障害の判定を行う障害判定部を備える、
ネットワーク監視装置。 - 前記メッセージには、1または複数のタイプの情報が含まれ、
前記メッセージの種類は、前記タイプの情報の組み合わせにより決まり、
前記ネットワーク監視装置は、受信されたメッセージに含まれるタイプの情報の組み合わせを特定するメッセージ解析部を備え、
前記障害判定部は、前記メッセージ解析部により特定されたタイプの情報の組み合わせに対応するメッセージの種類毎に、障害の判定を行う、
請求項1に記載のネットワーク監視装置。 - 前記ネットワーク監視装置は、前記リクエストメッセージに含まれるシーケンス番号および前記応答メッセージに含まれるシーケンス番号に基づいて、前記リクエストメッセージと前記応答メッセージとを対応付けるマッピング部を備え、
前記障害判定部は、前記マッピング部により対応付けられた前記リクエストメッセージおよび前記応答メッセージに関する情報に基づいて、メッセージの種類毎に、障害の判定を行う、
請求項1または請求項2のいずれか1項に記載のネットワーク監視装置。 - 前記ネットワーク監視装置は、前記マッピング部により対応付けられた前記リクエストメッセージおよび前記応答メッセージに関する応答時間を測定する応答時間測定部を備え、
前記障害判定部は、前記応答時間測定部により測定された応答時間に基づいて、メッセージの種類毎に、障害の判定を行う、
請求項3に記載のネットワーク監視装置。 - 前記障害判定部は、メッセージの種類毎に、前記リクエストメッセージの要求を処理する装置を特定して、特定した装置またはその装置に至るまでの区間が障害の箇所であると特定する、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のネットワーク監視装置。 - 第1の通信装置と第2の通信装置との間の区間を伝送するリクエストメッセージの種類に応じて応答メッセージが発生しかつ少なくとも1つの前記種類に応じて他の区間に関わる前記応答メッセージが発生するネットワークを構成する前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間の区間を伝送する第1のメッセージおよび第2のメッセージを受信する受信部と、
前記受信部により受信された第1のメッセージに含まれるタイプの情報の組み合わせを特定するメッセージ解析部と、
前記第1のメッセージに含まれるシーケンス番号および前記第2のメッセージに含まれるシーケンス番号に基づいて、前記第1のメッセージと前記第2のメッセージとを対応付けるマッピング部と、
前記第1のメッセージおよび前記第2のメッセージに関する情報を記憶するデータベースと、
前記第1のメッセージおよび前記第2のメッセージに関する情報に基づいて、前記メッセージ解析部により特定されるタイプの情報の組み合わせに対応するメッセージの種類毎に、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間の区間あるいは前記他の区間における障害の判定を行う障害判定部と、
を備え、
前記第1のメッセージと前記第2のメッセージは、それぞれ、前記リクエストメッセージと前記応答メッセージ、または、前記応答メッセージと前記リクエストメッセージである、
ネットワーク監視システム。 - 受信部が、2個の通信装置の間の区間を伝送するリクエストメッセージの種類に応じて応答メッセージが発生しかつ少なくとも1つの前記種類に応じて他の区間に関わる前記応答メッセージが発生するネットワークを構成する前記2個の通信装置の間の区間を伝送する前記リクエストメッセージおよび前記応答メッセージを受信し、
障害判定部が、前記受信部により受信されたリクエストメッセージおよび応答メッセージに関する情報に基づいて、メッセージの種類毎に、前記2個の通信装置の間の区間あるいは前記他の区間における障害の判定を行う、
ネットワーク監視方法。 - 障害判定部が、2個の通信装置の間の区間を伝送するリクエストメッセージの種類に応じて応答メッセージが発生しかつ少なくとも1つの前記種類に応じて他の区間に関わる前記応答メッセージが発生するネットワークを構成する前記2個の通信装置の間の区間を伝送する前記リクエストメッセージおよび前記応答メッセージに関する情報に基づいて、メッセージの種類毎に、前記2個の通信装置の間の区間あるいは前記他の区間における障害の判定を行うステップを、
コンピュータに実行させるためのネットワーク監視プログラム。
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