JP6209012B2 - フランジ付骨埋入部材およびその組立方法 - Google Patents

フランジ付骨埋入部材およびその組立方法 Download PDF

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本発明は、フランジ付骨埋入部材およびその組立方法に関するものであって、特に、フランジ付骨埋入部材を持つ人工肘関節に関するものである。
リウマチ、変形性関節症、外傷などによって関節が損傷し、その機能が失われた場合に、関節機能の復活のため、人工関節置換術が行われる。多くの人工関節は人工の関節面を構成する部位と、これを骨(長骨または長管骨)に固定するための概略棒状のステム部位とを備えている。ステム部位は、骨の形状に合わせて成形され、長骨の骨髄部に設けられた孔に挿入埋植されるものであるが、固定力を高めるため、長管骨の皮質骨部分を挟み込む形状のフランジを備えるものがある。たとえば、人工肘関節は、上腕骨遠位部に固定される上腕骨コンポーネントと、尺骨近位部に固定される尺骨コンポーネントとを備え、それらの端部が協働して、関節部分を構成するものであり、上腕骨コンポーネントにフランジを備えるタイプのものが存在する。
また、人工肘関節は、関節部分の形態によって大きく2つのタイプに分類される。1つは、セミ−コンストレイン型または連結型と呼ばれるものであり、上腕骨コンポーネントと尺骨コンポーネントとを、ヒンジ機構などによって機械的に接続する人工肘関節である。
もう1つは、ノン−コンストレイン型または非連結型と呼ばれるものであり、使用時に上腕骨コンポーネントと尺骨コンポーネントとを接触させて嵌め合わせる人工肘関節である。ノン−コンストレイン型は、2つのコンポーネントの協動を、肘関節の靱帯によって支持する仕組みになっているため、高度に肘関節が破壊され靱帯が弱くなっている患者に使用すると、肘関節脱臼が起こりやすいという問題がある。このような患者には、セミ−コンストレイン型の人工肘関節が適していると考えられている。
また、一般的な人工肘関節の置換術では、骨髄腔内に骨セメントを注入してから、それぞれの骨に各コンポーネントのステムを挿入し、骨セメントを完全に固化させることによって、人工肘関節と骨との固定力を得ている。そのため、人工肘関節の各部材の位置決めと肘関節の形成とを、骨セメントの固化前に完了する必要がある。骨セメントの固化前という制限された時間内に、関節部の組立て作業を完了するには熟練した技術を必要とする。また人工肘関節の置換手術にかかる時間が長引けば、患者の負担が増大することから、手術時間の短縮化が望まれている。
特許文献1に、関節部分の組立てが容易であり、手術時間の短縮化に有効なセミ−コンストレイン型の人工肘関節が記載されている。図5〜図8に示すように、人工肘関節40は、上腕骨コンポーネント41と、尺骨コンポーネント50とを有する。上腕骨コンポーネント41は、図6に示すように、コンポーネント本体42と、上腕骨の皮質骨を挟むためのアンテリアフランジ44とから成る。コンポーネント本体42は、上腕骨の骨髄腔内へ挿入されるステム43と、コンポーネント本体42の遠位部に設けられる肘関節形成部45と、肘関節形成部45に両端部を固定されるシャフト部46とを含む。
アンテリアフランジ44は、コンポーネント本体42とは別体に製作され、図8に示すように、上腕骨の皮質骨を挟み込むためのフランジ部44aと、フランジ部44aをコンポーネント本体42に固定するため、フランジ部44aに対しほぼ垂直に連なって形成される基部44bとを有し、基部44bには、コンポーネント本体42を挿通させるための嵌合孔48が形成されている。
コンポーネント本体42にアンテリアフランジ44を固定するため、コンポーネント本体42には、ステム43と肘関節形成部45との間に、フランジ取付部47が設けられる。フランジ取付部47は、アンテリアフランジ44の嵌合孔48内へ嵌合可能である。フランジ取付部47の外周面47sとアンテリアフランジ44の嵌合孔48の内周面48sとに互いに同一のテーパ面を形成し、フランジ取付部47を嵌合孔48に嵌合させた状態で、両者に嵌合方向の押圧力を与える。これにより、フランジ取付部47の外周面47sとアンテリアフランジ44の嵌合孔48の内周面48sとが圧着され、アンテリアフランジ44が、コンポーネント本体42から容易には脱落しないように固定される。
尺骨コンポーネント50は、図7に示すように、尺骨に挿入される尺骨ステム51と、尺骨ステム51の近位部に形成されてシャフト部46を受容するためのスリーブ部52とを有する。尺骨コンポーネント50のスリーブ部52には、可撓性のスリーブインサート53が備えられ、シャフト部46を、スリーブインサート53に形成したスリット状のスリーブ開口54からスリーブ部52内へ、スナップイン嵌合が可能なように構成されている。スリーブ開口54は、関節部に荷重が掛かったときにシャフト部46が抜け落ちる、いわゆる脱臼が起きないように形成される。
特許文献1の人工肘関節40は、上腕骨コンポーネント41のシャフト部46と、尺骨コンポーネント50のスリーブ部52とを回動可能に嵌合させて構成される。関節部分を構成するシャフト部46とスリーブ部52とを、スナップインにより嵌め合わせることができるので、術中での肘関節の組立てが簡単であり、従来よりも人工肘関節の組立てに要していた時間が短縮できるから、手術がより容易かつ安全になる。
特許文献1では、上腕骨コンポーネント41のアンテリアフランジ44が、コンポーネント本体42とは別体に製作され、サイズの異なる複数のアンテリアフランジ44を準備することによって、患者の上腕骨の寸法形状に最適なアンテリアフランジ44を選択することが可能である。アンテリアフランジ44には、各部の寸法形状を変更したものを準備することができるが、特に、基部44bの寸法を変えたものを準備すれば、患者の皮質骨の厚さに合わせることができる点で有利である。それまでの人工肘関節は、コンポーネント本体42とアンテリアフランジ44との隙間が皮質骨を挟むには広すぎるので、隙間を埋めるために、骨移植していた。特許文献1では、コンポーネント本体42とアンテリアフランジ44との隙間の調節が可能になり、骨移植の量を減らせるか、または、骨移植不要にすることができる。
特開2007−75129号公報
特許文献1の人工肘関節40では、上腕骨コンポーネント41のアンテリアフランジ44を、コンポーネント本体42に固定するため、フランジ取付部47の外周面47sとアンテリアフランジ44の嵌合孔48の内周面48sとに互いに同一のテーパ面を形成し、両者を圧着することによって固定する構造を採用している。しかし、このようなテーパ嵌合による固定は、わずかな介在物がテーパ面に存在しただけで、期待される固定力が得られない場合がある。また、テーパ部分の断面が円形以外すなわち四角形や楕円形または不定形などの場合、フランジとコンポーネント本体のテーパ部分の形状やテーパ角度を正確に同一に加工するには、非常に高度な加工技術が必要である。すなわち、テーパ部分の形状やテーパ角度の少しの不整合により、期待される固定力が得られない、という課題があった。
本発明の目的は、上記課題に鑑み、加工が困難な円形以外の形状のテーパ嵌合を用いることなく、ステム部位の取り付け部に適切な嵌合状態で確実に装着できるフランジ付骨埋入部材およびその組立方法を提供することであり、特に、アンテリアフランジをフランジ取付部に適切な嵌合状態で確実に装着することができる上腕骨コンポーネントおよびその組立方法を提供することである。
本発明に係るフランジ付骨埋入部材は、
フランジ付骨埋入部材であって、
長管骨の骨髄腔内に挿入される長尺のステムと、該ステムの骨髄腔内に挿入される側とは反対側の端部に形成されたフランジ取付部と、を有するコンポーネント本体であって、前記フランジ取付部の外周面に、前記ステムの長軸方向に沿って延びる嵌合溝が形成されたコンポーネント本体と、
前記フランジ取付部に装着され、長管骨の皮質骨を挟むためのフランジであって、前記フランジ取付部が嵌合される嵌合孔を規定する環状の基部、前記基部から長管骨の側面側に突出する突出部、および前記突出部の前記基部とは反対側の端部に連なって前記ステムの骨髄腔内に挿入される側へ前記ステムに略平行に延びるフランジ部を有し、前記基部の前記嵌合孔に臨む内周部分に、前記嵌合孔の中心軸線に平行に延びる突条が設けられたフランジとを含み、
前記フランジ取付部の外周面および前記基部の内周面は、テーパ面のない同一形状であり、
前記フランジの前記嵌合孔に前記フランジ取付部が嵌合した状態で、前記突条が前記嵌合溝に嵌合していることを特徴とする。
また本発明は、前記嵌合溝が、前記ステムの骨髄腔内に挿入される側からその反対の側へ向かうにつれて、深さが浅くなっていることを特徴とする。
また本発明は、前記嵌合溝が、前記フランジ取付部の前記嵌合溝が形成された表面に垂直で、かつ前記ステムの長軸方向と平行な断面における底面の断面形状が、前記ステムの骨髄腔内に挿入される側とその反対の他端側とで異なる曲率半径の円弧を含んでおり、前記ステムの骨髄腔内に挿入される側の円弧の曲率半径よりも、前記他端側の円弧の曲率半径が大きいことを特徴とする。
また本発明は、前記フランジ取付部の外周面および前記基部の内周面は、前記嵌合孔の中心軸線に垂直な断面形状が、非円形であることを特徴とする。
また本発明は、前記フランジ付骨埋入部材が、人工肘関節用の上腕骨コンポーネントであることを特徴とする。
また本発明に係るフランジ付骨埋入用部材の組立方法は、長管骨の骨髄腔内に挿入される長尺のステムと、該ステムの骨髄腔内に挿入される側とは反対側の端部に形成されたフランジ取付部と、を有するコンポーネント本体であって、前記フランジ取付部の外周面に、前記ステムの長軸方向に沿って延びる嵌合溝が形成されたコンポーネント本体と、
前記フランジ取付部に装着され、長管骨の皮質骨を挟むためのフランジであって、前記フランジ取付部が嵌合される嵌合孔を規定する環状の基部、前記基部から長管骨の側面側に突出する突出部、および前記突出部の前記基部とは反対側の端部に連なって前記ステムの骨髄腔内に挿入される側へ前記ステムに略平行に延びるフランジ部を有し、前記基部の前記嵌合孔に臨む内周部分に、前記嵌合孔の中心軸線に平行に延びる突条が設けられ、前記基部の内周面の形状が前記フランジ取付部の外周面の形状と同一形状であり、テーパ面のない形状であるフランジとを準備し、
前記フランジ取付部に前記嵌合孔を嵌合させて前記フランジを装着することによって、前記突条を前記嵌合溝に嵌合させることを特徴とする。
本発明によれば、フランジの基部の嵌合孔に臨む内周部分に嵌合孔の中心軸線に平行に延びる突条を設け、フランジ取付部の外周部分に嵌合溝を設け、フランジをフランジ取付部に装着するときに突条を嵌合溝に嵌合させるので、フランジの嵌合孔とフランジ取付部との嵌合方向が、突条と嵌合溝とによって規定される。よって、フランジをフランジ取付部に適正な状態で確実に装着することができる。テーパ面を形成しないから、加工が容易であり、コストを抑えることができる。加工性が良いので、高精度の製品を容易に製作でき、フランジとフランジ取付部とをがたつき無く嵌合させることができ、安定した固定力を得られる。
また、フランジの嵌合孔にコンポーネント本体のフランジ取付部を嵌合させるとき、フランジの基部の内周部分に設けた突条が、フランジ取付部の外周面に設けた嵌合溝と嵌合した場合だけ、フランジのフランジ取付部への嵌合が可能となって、フランジとフランジ取付部との嵌合方向が規定され、このような高度な加工を要することなく、フランジをフランジ取付部に適正な嵌合状態で確実に装着することができる。
また本発明によれば、嵌合溝は、ステムの骨髄腔内に挿入される側からその反対の側へ向かうにつれて、深さが浅くなっている。突条は嵌合溝に、ステムの骨髄腔内に挿入される側から嵌合するので、フランジおよびフランジ取付部それぞれに圧着方向の押圧力を作用させることによって、突条を、嵌合溝内で、ステムの骨髄腔内に挿入される側から深さの浅い方へ摺動させ、嵌合溝内面に強く圧着させることができる。よってフランジを、フランジ取付部に強固に固定することができる。
また本発明によれば、嵌合溝は、底面の断面形状が異なる曲率半径の円弧を含み、ステムの骨髄腔内に挿入される側の円弧の曲率半径よりも、その反対の他端側の円弧の曲率半径を大きくすることによって、嵌合溝の深さを、ステムから肘関節形成部へ向かうにつれて浅くすることができる。よって、フランジおよびフランジ取付部それぞれに圧着方向の押圧力を作用させることによって、突条を嵌合溝内面に強く圧着させ、フランジをフランジ取付部に強固に固定することができる。
また本発明によれば、フランジ取付部および嵌合孔は、嵌合孔の中心軸線に対し垂直な断面形状が非円形であるから、フランジ取付部に対しフランジが、嵌合孔の中心軸線の回りに相対回転することがない。よって、フランジのフランジ取付部に対する位置決めが容易である。
また本発明に係るフランジ付骨埋入用部材の組立方法によれば、ステムと、ステムの端部に形成されたフランジ取付部とを有し、フランジ取付部の外周面に嵌合溝が形成されたコンポーネント本体と、フランジ取付部が嵌合される嵌合孔とフランジ部とを有し、嵌合孔に臨む内周部分に突条が設けられたフランジとを準備し、フランジ取付部に嵌合孔を嵌合させてフランジを装着することによって、突条を嵌合溝に嵌合させてフランジ付骨埋入用部材を組み立てるので、フランジをフランジ取付部に適正な嵌合状態で確実に装着することができる。
また、フランジの嵌合孔にコンポーネント本体のフランジ取付部を嵌合させるとき、フランジの基部の内周部分に設けた突条が、フランジ取付部の外周面に設けた嵌合溝と嵌合した場合だけ、フランジのフランジ取付部への嵌合が可能となって、フランジとフランジ取付部との嵌合方向が規定され、このような高度な加工を要することなく、フランジをフランジ取付部に適正な嵌合状態で確実に装着することができる。
本発明の一実施形態に係る上腕骨コンポーネントHを示すものであって、コンポーネント本体10と、アンテリアフランジ20とを分離して示す分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係るコンポーネント本体10を示すものであって、図2(A)は正面図、図2(B)は右側面図である。 図3(A)は、本発明の一実施形態に係るコンポーネント本体10の遠位部を一部断面にして示す右側面図、図3(B)は図3(A)の嵌合溝15の部分を拡大して示す断面図、図3(C)は図3(B)の切断面線c−cにおける断面図である。 本発明の一実施形態に係るアンテリアフランジ20を示す図であって、図4(A)はアンテリアフランジ20の平面図、図4(B)はアンテリアフランジ20の正面図、図4(C)は図4(A)の切断面線X−Xにおける断面図、図4(D)は図4(A)の突条25部分を拡大して示す平面図、図4(E)は図4(A)の切断面線Y―Yにおける断面図、図4(F)は図4(E)の突条25部分を拡大して示す断面図である。 従来技術の人工肘関節40の側面図である。 従来技術の上腕骨側コンポーネント本体42の斜視図である。 従来技術の尺骨コンポーネント50の側面図である。 従来技術のアンテリアフランジ44の斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を説明する。本実施形態は、フランジ付骨埋入部材を、人工肘関節形成用の上腕骨コンポーネントHに適用したものである。図1は、上腕骨コンポーネントHのコンポーネント本体10とアンテリアフランジ20とを分離して示す分解斜視図、図2(A)は、コンポーネント本体10の正面図、図2(B)は右側面図である。本実施形態において、上腕骨が長管骨である。また、アンテリアフランジ20がフランジである。
本発明に係る上腕骨コンポーネントHは、図示しない尺骨コンポーネントと協働して、人工肘関節を構成するものである。尺骨コンポーネントは、図5,図7に示す、特許文献1に記載のものを使用することができる。
上腕骨コンポーネントHは、コンポーネント本体10とアンテリアフランジ20とから成る。コンポーネント本体10は、近位側端部11aが上腕骨遠位部の骨髄に挿入されるステム11、ステム11の遠位側端部11bに形成されるフランジ取付部12と、フランジ取付部12に連なって形成された二股状の肘関節形成部13とを有する。二股の肘関節形成部13の間には、シャフト部14が固定される。シャフト部14は、中心が細くなった鼓型になっており、外周面は滑らかな曲面である。ステム11、フランジ取付部12、肘関節形成部13およびシャフト部14は、チタン合金、コバルトクロム合金などの生体安全性の高い金属で製作される。
フランジ取付部12の外周面12sには、ステム11の長軸方向である、ステム11から肘関節形成部13へ向かう方向に沿って延びる嵌合溝15が形成される。本実施形態では、コンポーネント本体10を上腕骨の骨髄腔内へ挿入した状態において、フランジ取付部12における上腕骨の背面に面する側の外周面に、嵌合溝15が形成されている。
図3(A)はコンポーネント本体10の遠位部を一部断面にして示す右側面図、図3(B)は図3(A)の嵌合溝15の部分を拡大して示す断面図、図3(C)は図3(B)の切断面線c−cにおける断面図である。図3(B)に示すように、嵌合溝15は、フランジ取付部12の嵌合溝15が形成された表面に垂直で、かつステム11の長軸方向である、ステム11から肘関節形成部13へ向かう方向と平行な断面における底面の断面形状が、ステム11から肘関節形成部13へ向かうにつれて、深さが浅くなっている。本実施形態では、上記断面における嵌合溝15の底面の断面形状が、ステム11側と肘関節形成部13側とで異なる曲率半径の円弧を含んでおり、ステム11側の円弧の曲率半径よりも、肘関節形成部13側の円弧の曲率半径が大きくなっている。具体的には、ステム11側の円弧の曲率半径R1=1mmに対し、肘関節形成部13側の円弧の曲率半径R2=15mmである。嵌合溝15の最大深さは1mmである。これらの数値は例示であり、状況に応じ変更可能である。
図4に、本発明の一実施形態に係るアンテリアフランジ20を示す。図4(A)はアンテリアフランジ20の平面図、図4(B)はアンテリアフランジ20の正面図、図4(C)は図4(A)の切断面線X−Xにおける断面図、図4(D)は図4(A)の突条25部分を拡大して示す平面図、図4(E)は図4(A)の切断面線Y―Yにおける断面図、図4(F)は図4(E)の突条25部分を拡大して示す断面図である。
アンテリアフランジ20は、フランジ取付部12に装着され、上腕骨の皮質骨を挟むためのものであって、フランジ取付部12が嵌合される嵌合孔22を規定する環状の基部21、基部21から上腕骨の前方側面側に突出する突出部23、および突出部23の基部21とは反対側の端部に連なって肘関節形成部13から離反する側へステム11にほぼ平行に延びるフランジ部24を有し、基部21の嵌合孔22に臨む内周部分に、嵌合孔22の中心軸線に平行に延びる突条25が設けられている。アンテリアフランジ20も、チタン合金、コバルトクロム合金などの生体安全性の高い金属で製作され、コンポーネント本体10と同一素材とすることが望ましい。
本実施形態の突条25は、アンテリアフランジ20をコンポーネント本体10に装着した状態において、基部21の内周部分における上腕骨の背面側に面する位置に設けられる。突条25は、中間部において嵌合孔22の中心軸線に垂直な断面が半径1mmの半円形であり、両端部25a,25bは、半径1mmの半球面に形成されている。したがって、突条25の、嵌合孔22の内周面21sからの突出高さは1mmであり、幅は2mmである。上記数値は例示であり、状況に応じ変更可能である。
コンポーネント本体10のフランジ取付部12とアンテリアフランジ20の嵌合孔22とを嵌合可能とするため、フランジ取付部の外周面12sの形状と、アンテリアフランジ20の基部21の内周面21sの形状とは、ほぼ同一形状とされる。また、フランジ取付部12の外周面12sおよびアンテリアフランジ20の基部21の内周面21sは、いずれもテーパ面がない形状とする。
フランジ取付部12の外周面12sおよび基部21の内周面21sは、嵌合孔22の中心軸線に垂直な断面形状が、長方形、楕円形などの非円形とすることが望ましい。フランジ取付部12の外周面12sおよび基部21の内周面21sの断面形状を非円形とすることによって、フランジ取付部12と、基部21の嵌合孔22との適正な嵌合位置を把握し易くなる。
アンテリアフランジ20は、基部21、突出部23およびフランジ部24の寸法形状を変更した複数種類を揃えることができる。特に、突出部23の寸法を変えたアンテリアフランジ20を準備すれば、患者の皮質骨の厚さに合わせることができる点で有利である。上腕骨コンポーネントHは、上腕骨に固定した状態において、コンポーネント本体10のステム11と、アンテリアフランジ20のフランジ部24との間で、患者の上腕骨の皮質骨を挟持する。本実施形態は、寸法の異なるアンテリアフランジ20を選択することにより、ステム11とフランジ部24との隙間の調節が可能であるから、人工肘関節施術に際し、上腕骨とフランジ部24との間に骨移植する量を減らしたり、骨移植を不要にしたりすることができる。
本実施形態の上腕骨コンポーネントHは次のように組み立てられる。前述のコンポーネント本体10と、患者に適したアンテリアフランジ20とを準備する。アンテリアフランジ20を、フランジ部24が上腕骨の前面側となるように位置させ、コンポーネント本体10のステム11を、アンテリアフランジ20の嵌合孔22に挿通させる。そしてアンテリアフランジ20の嵌合孔22に、コンポーネント本体10のフランジ取付部12を嵌合させる。このとき、アンテリアフランジ20の基部21の内周部分に設けた突条25が、フランジ取付部12の外周部に設けた嵌合溝15と嵌合して、嵌合方向が規定されるので、アンテリアフランジ20をフランジ取付部12に適正な嵌合状態で確実に装着できる。
嵌合溝15に突条25を嵌合させたのち、万力などの適宜の押圧手段によって、コンポーネント本体10とアンテリアフランジ20とを、嵌合方向に圧着する。本実施形態の嵌合溝15は、ステム11から肘関節形成部13へ向かうにつれて深さが浅くなっているので、アンテリアフランジ20およびフランジ取付部12それぞれに圧着方向の押圧力を作用させることによって、突条25が、嵌合溝15内で、ステム11側から肘関節形成部13側の深さの浅い方へ摺動して、嵌合溝15内面に強く圧着する。その結果、アンテリアフランジ20を、フランジ取付部12に強固に固定することができる。
本実施形態の上腕骨コンポーネントHは、特許文献1の尺骨コンポーネント50と組み合わせて人工肘関節を構成すれば、上腕骨コンポーネントHのシャフト部14と、スリーブ部52とを、スナップインにより嵌め合わせることができるので、術中での肘関節の組立てが簡単であり、従来よりも人工肘関節の組立てに要していた時間が短縮できるから、手術をより容易かつ安全にできる利点が得られる。
なお、嵌合溝15および突条25の位置は、図示する位置に対向する位置など、異なる位置に設けることも可能である。
本発明は、人工肘関節の上腕骨コンポーネントHだけではなく、ステムが長管骨の骨髄腔内に挿入され、フランジが長管骨の皮質骨を挟む構造の人工骨コンポーネントであれば、適用することができる。その他、本発明の実施の形態は、前述のものに限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。
10 コンポーネント本体
11 ステム
12 フランジ取付部
12s フランジ取付部の外周面
13 肘関節形成部
14 シャフト部
15 嵌合溝
20 アンテリアフランジ(フランジ)
21 基部
21s 基部の内周面
22 嵌合孔
23 突出部
24 フランジ部
25 突条
H 上腕骨コンポーネント

Claims (6)

  1. フランジ付骨埋入部材であって、
    長管骨の骨髄腔内に挿入される長尺のステムと、該ステムの骨髄腔内に挿入される側とは反対側の端部に形成されたフランジ取付部と、を有するコンポーネント本体であって、前記フランジ取付部の外周面に、前記ステムの長軸方向に沿って延びる嵌合溝が形成されたコンポーネント本体と、
    前記フランジ取付部に装着され、長管骨の皮質骨を挟むためのフランジであって、前記フランジ取付部が嵌合される嵌合孔を規定する環状の基部、前記基部から長管骨の側面側に突出する突出部、および前記突出部の前記基部とは反対側の端部に連なって前記ステムの骨髄腔内に挿入される側へ前記ステムに略平行に延びるフランジ部を有し、前記基部の前記嵌合孔に臨む内周部分に、前記嵌合孔の中心軸線に平行に延びる突条が設けられたフランジとを含み、
    前記フランジ取付部の外周面および前記基部の内周面は、テーパ面のない同一形状であり、
    前記フランジの前記嵌合孔に前記フランジ取付部が嵌合した状態で、前記突条が前記嵌合溝に嵌合していることを特徴とするフランジ付骨埋入部材。
  2. 前記嵌合溝は、前記ステムの骨髄腔内に挿入される側からその反対の側へ向かうにつれて、深さが浅くなっていることを特徴とする請求項1に記載のフランジ付骨埋入部材。
  3. 前記嵌合溝は、前記フランジ取付部の前記嵌合溝が形成された表面に垂直で、かつ前記ステムの長軸方向と平行な断面における底面の断面形状が、前記ステムの骨髄腔内に挿入される側とその他端側とで異なる曲率半径の円弧を含んでおり、前記ステムの骨髄腔内に挿入される側の円弧の曲率半径よりも、前記他端側の円弧の曲率半径が大きいことを特徴とする請求項1または2に記載のフランジ付骨埋入部材。
  4. 前記フランジ取付部の外周面および前記基部の内周面は、前記嵌合孔の中心軸線に垂直な断面形状が、非円形であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のフランジ付骨埋入部材。
  5. 前記フランジ付骨埋入部材が、人工肘関節用の上腕骨コンポーネントであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のフランジ付骨埋入部材。
  6. 長管骨の骨髄腔内に挿入される長尺のステムと、該ステムの骨髄腔内に挿入される側とは反対側の端部に形成されたフランジ取付部と、を有するコンポーネント本体であって、前記フランジ取付部の外周面に、前記ステムの長軸方向に沿って延びる嵌合溝が形成されたコンポーネント本体と、
    前記フランジ取付部に装着され、長管骨の皮質骨を挟むためのフランジであって、前記フランジ取付部が嵌合される嵌合孔を規定する環状の基部、前記基部から長管骨の側面側に突出する突出部、および前記突出部の前記基部とは反対側の端部に連なって前記ステムの骨髄腔内に挿入される側へ前記ステムに略平行に延びるフランジ部を有し、前記基部の前記嵌合孔に臨む内周部分に、前記嵌合孔の中心軸線に平行に延びる突条が設けられ、前記基部の内周面の形状が前記フランジ取付部の外周面の形状と同一形状であり、テーパ面のない形状であるフランジとを準備し、
    前記フランジ取付部に前記嵌合孔を嵌合させて前記フランジを装着することによって、前記突条を前記嵌合溝に嵌合させることを特徴とするフランジ付骨埋入部材の組立方法。
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