JP6208030B2 - 渦発生装置および渦発生方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は,渦発生装置および渦発生方法に関する。
流体力学において,動的失速渦(DSV(Dynamic stall vortex))が知られている。動的失速渦は,例えば,流体の流れに対する,翼の迎え角を,静的失速角を挟んで,振動させたときに発生する。この場合,迎え角が静的失速角を越えても,揚力は減少せず(失速せず),増大してゆく。このとき,動的失速渦が発生し,この渦の負圧により,大きな揚力が発生していると考えられる。
しかし,翼の迎え角を,静的失速角を越えて,ある程度以上に大きくすると,揚力が最大に達した後,急激に低下して完全失速に陥る。このとき,動的失速渦は発生せず,従って,動的失速渦による負圧も存在しない状態となる。
このように動的失速渦は,大きな揚力を発生させる一方,揚力の不安定の原因ともなる。このため,航空機(固定翼機,回転翼機等),風車等,翼への揚力を用いる技術分野においては,動的失速が発生しないように(言い換えれば,動的失速渦が発生しないように),翼の迎え角が失速角より十分小さくなるように,設計するのが一般的である(特許文献1参照)。
しかしながら,動的失速渦の発生を制御できれば,動的失速渦の特徴(高い非定常負圧力等)を利用して,種々の処理(例えば,物体への力の印加,気体の混合の促進)を行うことが可能となる。
米国特許公報第6267331号
本発明は,迎角を動的に変化させることなく,渦の発生が可能な,渦発生装置および渦発生方法を提供することを目的とする。
実施形態の渦発生装置は,流体の流れに接する部材であって,この流れに平行な断面の周上に,この流体が流入する,よどみ点と,第1,第2の剥離流域をそれぞれ伴う,第1,第2の剥離点と,を有する部材と,前記第1の剥離点の上流に擾乱を印加し,前記流れの境界層を部分的に付着させる擾乱印加部と,前記擾乱印加部による擾乱の印加を時間的に制御して,前記第1の剥離点の位置を変化させ,前記よどみ点から前記第1の剥離点までの付着距離を切り替え,前記境界層を搖動させることにより,前記剥離領域内に,前記部材の翼幅方向に軸をもつ動的失速渦を発生させる制御部と,を備える。
迎角θと揚力係数Kの関係を表すグラフである。 翼Wと境界層Lの関係の一例を表す模式図である。 翼Wと境界層Lの関係の一例を表す模式図である。 翼Wと境界層Lの関係の一例を表す模式図である。 第1の実施形態に係る渦発生装置10を表す模式図である。 擾乱印加部12の内部構成の一例を表す模式図である。 擾乱印加部12の内部構成の一例を表す模式図である。 擾乱印加部12の内部構成の一例を表す模式図である。 擾乱印加部12の駆動波形Vの一例を表すグラフである。 第2の実施形態に係る渦発生装置10aを表す模式図である。 第2の実施形態に係る渦発生装置10aを表す模式図である。 第2の実施形態の変形例に係る渦発生装置10bを表す模式図である。 第2の実施形態の変形例に係る渦発生装置10bを表す模式図である。 擾乱印加部12a,12bの駆動波形Va,Vbの一例を表すグラフである。 第3の実施形態に係る渦発生装置10cを表す模式図である。 第3の実施形態の変形例に係る渦発生装置10dを表す模式図である。 第4の実施形態に係る渦発生装置10eを表す模式図である。 変形例1に係る渦発生装置10fを表す模式図である。 変形例2に係る渦発生装置10gを表す模式図である。 変形例3に係る渦発生装置10hを表す模式図である。 翼部材11での渦の発生実験の結果を表す図である。 翼部材11での渦の発生実験の結果を表す図である。 翼部材11での渦の発生実験の結果を表す図である。 翼部材11での渦の発生実験の結果を表す図である。 翼部材11での渦の発生実験の結果を表す図である。 翼部材11での渦の発生実験の結果を表す図である。
以下,図面を参照して,実施形態を詳細に説明する。
(動的失速時の渦)
まず,動的失速時に発生する渦(動的失速渦(DSV(Dynamic stall vortex)))について,説明する。後述する本実施形態では,動的失速渦DSVに対応する渦VRの生成が可能となる。
図1は,翼Wの迎角(翼弦線と一様流のなす角)θと揚力係数Kの関係を表すグラフである。グラフG1,G2はそれぞれ,静的な翼W(迎角θが一定または比較的低速で変化する場合),動的な翼W(迎角θが比較的高速で変化する場合)に対応する。
翼Wが静的な場合(グラフG1),静的失速が起きる。迎角θが失速角αsより小さい領域では,揚力係数K(揚力)は迎角θにほぼ比例して増加する。このとき,図2Aのように,翼Wの背面(負圧面)に沿って,流れの境界層Lが配置される。迎角θをさらに増加させ,失速角αsになると,揚力係数Kは急激に低下する(失速)。このとき,図2Bのように,翼Wの背面から境界層Lが剥がれ(剥離せん断層),これが揚力係数Kの低下の原因となる。即ち,流れによる負圧が翼に印加されない状態となる。
一方,翼Wが動的な場合(グラフG2),動的失速が起きる。ここでは,静的な場合と同一形状の翼Wを用いて,失速角αsを中心にして,迎角θを±α0の範囲で正弦振動させている。
迎角θ=(αs−α0)から出発して,迎角θを増加させると,揚力係数Kは増加する。迎角θが失速角αsに達しても揚力係数Kは減少しない。逆に,静止場での最大揚力係数Kmaxに比べて,このときの揚力係数Kは大幅に増加し,最大点に達する(状態S1)。
しかし,さらに迎角θを増加させると,揚力係数Kは大幅に低下して,完全失速の状態に陥る(状態S2)。完全失速に達した後は,迎角θを減少させても揚力係数Kは低い状態で推移する。迎角θを十分に低下させることで,揚力係数Kは,静止場での揚力係数Kに近づく。
図2Cのように,状態S1では,翼Wの前縁付近において,剥離せん断層(境界層L)の渦度と同じ符号で,大きな渦度の動的失速渦DSVが発生する。発生した動的失速渦DSVは,主流方向に流れる。
動的失速渦DSVが大きな負圧を持つため,翼Wの背面が上方に引き上げられ,大きな揚力が発生すると考えられる。しかし,動的失速渦DSVが翼Wの背面上を過ぎて後方に流れ去ると,流れは図2Bのような状態となる。このとき,図1の状態S2に示すように,揚力は急激に低下する。
以上のように,動的失速渦DSVは,翼Wの迎角θを変化させたときに発生し,大きな揚力をもたらすと共に,揚力の不安定性の原因ともなる。以下の実施形態では,翼Wの迎角θを動的に変化させること無く,動的失速渦DSVに対応する渦VRを発生することが可能となる。
(第1の実施形態)
図3に示すように,第1の実施形態に係る渦発生装置10は,流体Fの流れ中に配置したときに,渦VRを発生する装置であり,翼部材11,擾乱印加部12,流速計測部13,制御部14を有する。
流体Fは,例えば,大気,不活性ガス(希ガス(例えば,アルゴンガス),窒素ガス),反応性ガス(可燃性ガス(例えば,燃料ガス),酸化性ガス(例えば,酸素ガス)),二酸化炭素ガス等の気体およびこれらの気体の混合物である。
渦VRは,流体Fが回転して発生する渦巻き状のパターンであり,動的失速渦DSVに対応する。後述のように,翼部材11を流体Fの流れ中に配置し,静的失速の状態としておき,擾乱印加部12で流体Fの流れを擾乱することで,渦VRが発生する。
翼部材11は,前縁111,後縁112,突起113を有する。ここでは,翼部材11の下部を省略している。即ち,ここでは,翼部材11の下部の形状を問わないものとする。なお,翼部材11は,紙面に垂直な方向の翼幅を有する。
前縁111,後縁112はそれぞれ,翼部材11の最上流,最下流に配置される部位である。即ち,流体Fは翼部材11上の前縁111から流入し,後縁112から流出する。
突起113は,前縁111,後縁112の間に配置され,突出する部位である。この実施形態では,突起113が鋭角の角部を有し,迎角を変更しても,後述の剥離点Pが突起113の角部に固定されている。ここでは,剥離点Pから流れの下流に沿って,突起113上に粗面Srが形成されている。即ち,突起113の表面が粗面化されている。これは,後述の擾乱印加部12による擾乱の効果を高め,境界層L(剥離せん断層)の乱流化を促進する。その結果,擾乱印加部12の動作中での境界層Lの付着距離Dの拡大が容易となる。なお,図3に示すように,流体Fが流入するよどみ点Oから剥離点Pまでの表面に沿った距離を付着距離Dと定義する。
流れが粗面Srの影響を受け,擾乱印加部12より印加される擾乱の効果が拡大されることで,擾乱印加の有無による付着距離Dの差が大きくなる。この結果,より強い渦VRを放出することができる。但し,粗面Srは剥離点Pからある程度の距離Xを取ることが好ましい。仮に,距離X=0とすると,擾乱印加部12がOFF状態のときでも,粗面Srが流れに影響を与え,付着距離Dを小さい状態に保つことが困難となる畏れがある。即ち,擾乱印加の有無による付着距離Dの差が小さくなり,強い渦VRを放出することが困難となる。
突起113から後縁112にかけて,翼部材11の迎角θは,失速角αより大きいものとする。即ち,翼部材11は,静的な失速状態にある。
このとき,翼部材11の近傍には,高速域A1,低速域A2を区分する境界層L(L1)が存在する。高速域A1は,比較的高速な,流体Fの主流が流れる領域である。低速域A2は,流体Fの主流が流れない剥離領域であり,主流に比べて,低速域A2での流体Fの流速は低い。
失速状態のとき,流体Fの境界層L1は,突起113に配置される剥離点Pにおいて,翼部材11の表面から剥離する。この境界層Lの剥離によって,流体Fによる翼部材11の上面への負圧が低減され,揚力係数Kが低下する。
剥離した境界層L1は,剥離せん断層となり,高速域A1から低速域A2に亘る速度分布を有する。この速度分布の結果,剥離せん断層(境界層L)にせん断力が発生する。このせん断力の結果,境界層L1の流体Fの流れは,渦度(回転成分)を有することになる。
擾乱印加部12は,翼部材11上の,剥離点Pの上流に配置され,境界層L1(剥離せん断層)に擾乱を印加する。この擾乱の印加により,剥離点Pで剥離した境界層Lの部分的な付着が可能となる。部分的な付着とは,剥離点から後縁112までにわたる付着ではなく,剥離点から一定の距離の間の付着で十分であることを意味する。擾乱の印加の効果で部分的に付着した後,再度剥離してもよい。このような場合でも,擾乱印加の有無により,付着距離Dの大小を変化させることで,渦VRを放出可能となる。
擾乱印加部12のOFF状態のときの境界層L1は,剥離点Pで翼部材11から剥離し,後縁112までの間で,翼部材11に付着していない。一方,擾乱印加部12のON状態のときの境界層L2は,剥離点Pから距離ΔD離れた箇所(剥離点P’)で翼部材11から剥離している。このように,擾乱印加部12のOFF,ONを切り替えることで,境界層L1,L2が切り替わり,渦VRが発生する。なお,この詳細は,後述する。
擾乱印加部12は,放電,振動,音波等,種々の手法で,擾乱を印加できる。
(1)放電による擾乱の印加
図4Aは,放電を用いた擾乱印加部12aの一例を表す。
擾乱印加部12aは,電極21,22,放電用電源23を有する。電極21,22は,翼部材11上またはその内部に配置される。
ここでは,電極21の表面(上面)が,翼部材11の表面と同一面となっている。即ち,電極21の表面が流体Fと接触している。但し,電極21は,その表面を露出しないように,翼部材11内に埋設されてもよい。
電極22は,電極21から流体Fの流れ方向にずらして配置され,翼部材11内に埋設される。電極22は,電極21よりも翼部材11の表面から深く埋設されている。
放電用電源23は,電極21,22との間に電圧(例えば,交流電圧(一例として,正弦波電圧))を印加する。電極21,22間に電圧が印加されることで,電極21,22間に放電(ここでは,誘電体バリア放電)が発生する。この放電により,剥離せん断層(境界層L)に擾乱が印加される。
ここでは,電極21,22が翼部材11上に備えられている。そのため,翼部材11は,誘電材料で構成される。誘電材料は,特に限定されるものではなく,公知な固体の誘電材料で構成される。この誘電材料は,例えば,アルミナやガラス,マイカなどの無機絶縁物,ポリイミド,ガラスエポキシ,ゴムなどの有機絶縁物を適宜に選択して使用できる。
放電用電源23によって,電極21,22の間に電圧を印加し,流体Fの放電(ここでは,誘電体バリア放電)を発生させる。即ち,流体Fの分子が,イオンと電子に分離し,プラズマとなる。このイオンが,電極21,22の間の電界で加速され,その力が流体に伝達されることで,表面に沿ったプラズマ誘起流が発生する。
電極21,22間に交流高電圧を印加すると,この交流の周期に対応する速度変動が流体に誘起され,流体Fの境界層Lに擾乱が印加される。
時間平均では,露出された(あるいは埋め込み深さが浅い)電極21から被覆された(あるいは埋め込み深さが深い)電極22へと向かうプラズマ誘起流が発生する。
電極21,22をそれぞれ,上流側,下流側に配置すると,流体Fの流れる方向と放電によって誘起される流れの方向は一致する。一方,電極21,22をそれぞれ,下流側,上流側に配置すると,流体の流れる方向と放電によって誘起される流れの方向は逆となる。
このいずれでも,剥離せん断層(境界層L1)に擾乱を印加することができる。
流体Fの流れる方向と垂直な方向のプラズマ誘起流により,流体Fの境界層Lに擾乱を印加することで,渦VRを発生させることができる。この場合,電極21,22間を結ぶ線分が,流体Fの流れる方向と垂直となる。
流体Fの流れる方向に対して,プラズマ誘起流の方向をいずれとしても(例えば,45°方向),渦VRの発生が可能である。
(2)振動による擾乱の印加
図4Bは,振動を用いた擾乱印加部12bの一例を表す。擾乱印加部12bは,振動子31,振動用電源32を有する。
振動子31は,翼部材11上またはその内部に配置される。ここでは,振動子31の表面(上面)が,翼部材11の表面と同一面となっている。但し,振動子31は,その表面を露出しないように,翼部材11内に埋設されてもよい。
振動用電源32は,振動子31に交流電圧(例えば,正弦波電圧)を印加する。振動子31に交流電圧が印加されることで,振動子31が振動する。この振動により,剥離せん断層(境界層L1)に擾乱が印加される。
(3)音波による擾乱の印加
図4Cは,音波を用いた擾乱印加部12cの一例を表す。擾乱印加部12cは,音波発生器41,音波発生用電源42を有する。
音波発生器41は,例えば,スピーカであり,翼部材11内部の空洞43内に配置される。
音波発生用電源42は,音波発生器41に交流電圧(例えば,正弦波電圧)を印加する。音波発生器41に交流電圧が印加されることで,音波発生器41から音波が発生し,空洞43の開口44から放出される。この音波により,剥離せん断層(境界層L1)に擾乱が印加される。
(擾乱による付着距離Dの拡大)
次に,境界層(剥離せん断層)への擾乱の印加による付着距離Dの変化につき説明する。
翼部材11の迎角θが大きいと,流体Fの流れが突起113を通過する際に横渦(翼長方向に軸をもつ渦)が発生し,この横渦が流れ方向に断続的に放出される。この状態の流れ場は,突起113の下流側において,付着した状態と,剥離した状態を交互に繰り返す,非定常な状態となっている。
この横渦が,下流に流れるにつれ,合体,成長し,境界層Lが厚くなり,剥離点Pにおいて大規模な剥離泡として放出され,境界層Lが剥離する(剥離せん断層の形成)。剥離点Pの位置は,翼部材11の形状や主流の速度などによって定まる。
このとき,擾乱印加部12により擾乱を印加することで,剥離せん断層(境界層L)内が乱流に遷移し,高速部分と低速部分の運動量の交換が進み,境界層の低速部分が加速される。剥離せん断層(境界層L)内での速度分布が改善されることで,大規模な剥離が抑えられ,気流の流れは翼表面に沿って付着するように流れる。剥離点Pで剥離していた境界層Lが剥離点Pから距離ΔDの剥離点P’まで付着するようになる(図3における境界層L1から境界層L2への遷移)。即ち,付着距離がDからD’(=D+ΔD)まで大きくなっている。
ここで,交流電圧での放電によりプラズマ誘起流を発生させることで,擾乱を印加する場合を考える。このとき,プラズマ誘起流が交流電圧の周波数に合わせて周期的に変動することで,渦が発生する。この渦と剥離せん断層から放出される渦が融合して横渦が次々に形成され,これら横渦間での干渉により,細かな縦渦が誘起される。このように形成された細かな縦渦が境界層L(剥離せん断層)内を乱流化し,その中での運動量の混合を促進することで,剥離が抑えられ,付着距離Dが増大すると考えられる。
なお,既述のように,突起113上に粗面Srが形成されている。粗面は,それが無いときの付着距離Dより上流側から開始され,距離Xにわたって形成されている。この粗面Srは,擾乱印加部12による擾乱の効果をより高め,境界層L(剥離せん断層)の乱流化を促進し,境界層Lの付着距離の拡大が容易となる。但し,突起113上に粗面Srが形成されていなくても,擾乱印加部12による擾乱による,境界層Lの付着距離の拡大は可能である。既述のように,この場合(粗面Srがない場合)の付着距離D0は,粗面Srがある場合の付着距離Dより,一般に小さい。
制御部14は,擾乱印加部12による擾乱の状態(強度や方向)を時間的に制御する。擾乱の強度や方向を変化させることで,付着距離Dを調整できる。制御部14は,例えば,放電用電源23に印加する電圧波形を制御することで,擾乱の強度を変化できる。
図5は,擾乱の強度を周期的に変化させるために,電極21,22間に印加される電圧波形(擾乱印加部12の駆動波形)Vの一例を表す。
この電圧波形Vは,パルス変調波形であり,時間T1のOFF状態,時間T2のON状態が周波数fの周期(間隔T(=T1+T2=1/f))で繰り返される。OFF状態では,電極21,22間に電圧が印加されない(電圧V1=0[V])。ON状態では,電極21,22間にピーク電圧Vp2,周波数f2の高電圧交流電圧が印加される。
ここでは,擾乱印加部12の駆動状態をOFF状態,ON状態の2状態(状態1,2)としている。しかし,状態1,2としては,付着距離Dの大小が異なれば足りる。大小の差を出すためには,状態1,2それぞれに,例えば,互いにピーク電圧が異なる交流電圧波形を用いても良い。また,状態1,2それぞれに,互いに周波数の異なる交流電圧波形を用いても良い。
このように,状態1,2において,付着距離Dの大小が異なるように,擾乱印加部12による擾乱の状態(強度や方向)が適宜に設定される。
次のように,擾乱印加部12が駆動されることで,渦VRが発生する。
まず,図5の時刻t1において,擾乱印加部12は状態1に保持され,その後に付着距離Dが小さい状態となる。時刻t2において,擾乱印加部12は状態2に切り替えられ,その後に境界層が乱流化して付着状態となり,付着距離Dが大きくなる。次に時刻t3において,擾乱印加部12を状態1に切り替わると,境界層が急激に層流化して剥離状態となり,付着距離Dが再び小さくなる。
なお,後述の実施例に示すように,擾乱印加部12の状態の変化時(時刻t1,t2,t3)から付着距離Dが変化するまで,ある程度(約数msec)のタイムラグがある。
我々は,付着距離Dが急激に変化するときに,動的失速渦DSVに対応する渦VRが放出されることを見出した。即ち,付着距離Dが大から小へ,または小から大へと変化する際に,渦VRが放出される。さらに,この大小の差が大きいほど強い渦VRが放出される。この渦VRは,主流とともに,下流に流れる。
この渦VRは,境界層Lの動的な揺動により発生するものであり,動的失速渦DSVに対応する。渦VRは,動的失速渦DSVと同様,流体Fの流れる方向と垂直な軸と,剥離せん断層の渦度と同じ符号の渦度を有する,2次元的な渦である。図3において,渦VRは,紙面に垂直な軸(翼部材11の翼幅方向の軸)を持ち,右巻きの渦である。特に,付着距離が大から小へ変化するときに,右巻きの渦が強くなる傾向があることが発明者らの実験により見出された。
図5のように,状態1,2を繰り返し,付着距離Dを段階的に変化させることで,付着距離Dの切り替わりに対応して,境界層内に連続的に渦VRを放出できる。ここでは,状態1,2を周期的に繰り返して連続的に渦VRを放出する例を示したが,用途によっては周期的である必要はない。渦を発生させるためには,周期的である必要は無く,付着距離Dを変化させることで,任意のタイミングで渦を放出できる。
このように,付着距離Dを段階的に変化させることで,翼の迎角θを動的に変化させたり,はばたいたりすることなしに,境界層内に動的失速渦DSVを任意のタイミングで放出することが可能になる。
この渦VRを翼部材11表面上に連続的に流下させることで,種々の処理が可能となる。例えば,翼部材11を上方に引き上げたり,翼部材11の表面に沿って流体を流したりすることができる。また,気体の混合を促進することで,燃焼や熱交換の効率を高めることができる。さらに,流体の組織構造を破壊することで,騒音や振動を低減できる。即ち,移動体,燃焼機関,熱交換器等,種々の流体機器の効率や,安全性・快適性を向上できる。
流速計測部13は,例えば,ピトー管であり,翼部材11に対する流体Fの相対速度vrを計測する。
制御部14は,計測された相対速度vrに応じて,状態1,2の切り替えの周波数f(図5参照)を制御する。
渦VRの効果は,翼部材11上に存在する渦VRの個数によって左右される。制御部14は,計測された相対速度vrから翼部材11上の渦VRの移流速度viを求め,翼部材11上での渦VRの個数が適切となるように,周波数fを制御する。
例えば,相対速度vrと移流速度viの関係を実験等により導出し,この関係を表すテーブルを制御部14に記憶させる。この結果,制御部14が相対速度vrから移流速度viを求めることが可能となる。
また,相対速度vrと適切な駆動周波数fの関係を表すテーブルを制御部14に記憶させても良い。この場合,このテーブルを利用して,相対速度vrから周波数fを直接決定することができる。
相対速度vrに替えて,翼部材11の背面での流体Fの圧力(動圧)やその他の状態量から周波数fを決定してもよい。また,渦VRの移流速度viを,相対速度vrからではなく,流体Fの圧力(動圧)等から算出しても良い。この場合,流速計測部13に替えて,例えば,圧力を計測する圧力計測部が用いられる。また,例えば,圧力と適切な駆動周波数fの関係を表すテーブルが制御部14に記憶される。
(第2の実施の形態)
図6A,図6Bは,第2の実施形態に係る渦発生装置10aを示す。渦発生装置10aは,翼部材11a,擾乱印加部12,流速計測部13,制御部14を有する。
翼部材11aは,前縁111,後縁112,突起113a,113bを有する。
流体Fの流れに平行な断面内に,2つの剥離点Pa,Pb(突起113a,113bに対応)が存在する。また,剥離点Pa,Pbを含む翼部材11aの形状が,流れに平行な平面Pfに対して略対称とする。
図6A,図6Bでは,第1の実施形態に係る渦発生装置10(図3参照)で示された粗面Srは,見易さのために,図示を省略している。渦発生装置10aでも,渦発生装置10と同様,翼部材11a上に粗面Srを形成し,付着を容易として良い。この場合,突起113a,113bの一方または双方に,粗面Srが形成される。後述の他の実施形態でも,同様に,渦発生装置が粗面Srを有することができる。
ここでは,擾乱印加部12は,剥離点Paの上流側の翼部材11の表面に設置され,剥離点Pb側には擾乱印加部12は設置されない。第1の実施形態で示したと同様,擾乱印加部12を駆動して,付着距離Dを段階的に切替えることで(境界層L1a,L2a間で境界層を変化させる),渦VRaを発生できる。このとき,渦VRaの発生に伴い,角運動量保存の法則に従い,剥離点Pb側の境界層L1bから,渦VRaと逆向きの渦度を持った渦VRbが発生する。
発生した渦VRa,VRbは,所定の移流速度viで,下流方向に流れる。剥離点Pa,Pb間の距離LLが十分大きい場合,図6Aに示すように,渦VRa,VRbは平行に並びながら流下する。剥離点Pa,Pb間の距離LLが小さい場合,図6Bに示すように,渦VRa,VRbは交互の渦列を作る。
なお,擾乱印加部12での切替の周波数fを制御することで,この渦列が安定に配列するようにして,渦VRa,VRbによる作用を強めたり,VRa,VRbを成長させたりすることができる。渦列が安定すると,渦が大きく成長することができ,より減圧が大きくなり,その作用が強まる。
ここで,擾乱印加部12が無い場合を考える。この場合でも,2つの剥離点Pa,Pbの下流に渦構造が形成される。そして,剥離点Pa,Pb間の距離LLが小さくなると,剥離点Pa,Pbの下流で干渉が生じ,剥離点Pa,Pbからの渦が交互に渦列を作るようになる。しかし,これらの渦の配置や強度は,流体の物性と流速および翼部材11の形状とで決まり,人為的に制御できるものではない。
(変形例)
図7A,図7Bは,第2の実施形態の変形例に係る渦発生装置10bを示す。渦発生装置10bは,翼部材11a,擾乱印加部12a,12b,流速計測部13,制御部14を有する。
ここでは,剥離点Pa,Pbそれぞれの上流側の翼部材11表面に,擾乱印加部12a,12bが配置される。擾乱印加部12a,12bそれぞれを駆動して,付着距離Da,Dbそれぞれを段階的に切り替えることで,剥離点Pa,Pbそれぞれから渦VRa,VRbを放出できる。
擾乱印加部12a,12bそれぞれの駆動電圧波形Va,Vbの例を図8に示す。駆動電圧波形Vaは,図5に示す駆動電圧波形Vと同様である。駆動電圧波形Vbは,駆動電圧波形Vaと時間差ΔTを有する電圧波形である。
図8に示すように,擾乱印加部12a,12bは,同一の周波数fで,付着距離Da,Dbそれぞれを切り替えることが好ましい。即ち,擾乱印加部12a,12bを同期して制御することで,渦VRa,VRbを同期して発生できる。
ここで,擾乱印加部12a,12bでの切替のタイミングを同時とし(時間差ΔT=0の場合),図7Aに示すように,並行に並んだ渦VRa,VRbを発生できる。なお,周波数fにおいて,時間差ΔTが「0.1/f」以内であれば,略同時の切り替えと考えて良い。
また,擾乱印加部12a,12bでの切替のタイミングをずらすことで(時間差ΔT≠0の場合),図7Bのように,渦VRa,VRbの渦列を形成できる。渦列がもっとも安定になるようにタイミングをずらずことで,渦VRa,VRbを成長させ,より減圧を強くすることができる。
(第3の実施の形態)
図9は,第3の実施形態に係る渦発生装置10cを示す図である。渦発生装置10cは,翼部材11b,擾乱印加部12,流速計測部13,制御部14を有する。
翼部材11bは,前縁111,後縁112,突起113a,113bを有する。
ここでは,流体Fの流れに平行な断面内に,2つの剥離点Pa,Pb(突起113a,113b)が存在する。但し,第2の実施形態とは異なり,剥離点Pa,Pbを含む翼部材11の形状が,流れに平行な平面Pfに対して略対称ではない。即ち,前縁111から剥離点Pa,Pbまでの距離(または剥離点Pa,Pbから後縁112までの距離)が異なる。ここでは,剥離点Pa,Pb(突起113a,113b)がそれぞれ,上流側,下流側に配置されている
擾乱印加部12は,剥離点Paの上流側の翼部材11の表面に設置され,剥離点Pb側に擾乱印加部12は設置されない。第2の実施形態で示したと同様,擾乱印加部12を駆動して,付着距離Dを段階的に切替えることで(境界層L1a,L2a間で境界層を変化させる),渦VRaを発生できる。このとき,角運動量保存の法則から,渦VRaの発生に伴い,剥離点Pb側に,渦VRaと逆向きの渦度を持った渦VRbが,境界層L1bから発生する。
発生した渦VRa,VRbは,所定の移流速度viで,下流方向に流れる。渦VRa,VRbは,それぞれの発生位置から後縁112までの距離が異なる。このため,渦VRa,VRbが,同じ移流速度viで流下した場合に,後流に規則的な渦列を作ることが容易となる。
なお,擾乱印加部12での切替の周波数fを制御することで,この渦列を安定に配列させることができる。
(変形例)
図10は,第3の実施形態の変形例に係る渦発生装置10dを示す。渦発生装置10dは,翼部材11b,擾乱印加部12a,12b,流速計測部13,制御部14を有する。
ここでは,剥離点Pa,Pbそれぞれの上流側の翼部材11表面に,擾乱印加部12a,12bが配置される。擾乱印加部12a,12bそれぞれを駆動波形Va,Vbで駆動し,付着距離Da,Dbそれぞれを段階的に切り替えることで,剥離点Pa,Pbそれぞれから渦VRa,VRbを放出できる。
ここで,2つの擾乱印加部12a,12bでの切替のタイミングを同時とした場合(時間差ΔT=0の場合)でも,渦VRa,VRbの発生位置から後縁112までの距離が異なるため,下流に規則的な渦列を作ることができる。
(第4の実施の形態)
図11は,第4の実施形態に係る渦発生装置10eを示す図である。渦発生装置10eは,翼部材11c,擾乱印加部12a,12b,流速計測部13,制御部14を有する。
翼部材11cは,前縁111,後縁112,突起113a,113bを有する。
翼部材11cは,曲線形状の突起113a,113bを有する略長方形の断面を備える。
流体Fの流れに平行な断面内に,2つの剥離点Pa,Pb(突起113a,113bに対応)が存在する。剥離点Pa,Pbを含む翼部材11の形状は,流れに平行な平面に対して略対称ではない。即ち,前縁111から剥離点Pa,Pbまでの距離(または剥離点Pa,Pbから後縁112までの距離)が異なる。ここでは,剥離点Pa,Pb(突起113a,113b)がそれぞれ,上流側,下流側に配置される
剥離点Pa,Pbに擾乱印加部12a,12bを設置し,付着距離Da,Dbそれぞれを段階的に切替えると,境界層内に渦VRa,VRbを放出できる。
なお,剥離点Pa,Pbの一方のみに擾乱印加部12を設置し,付着距離Da,Dbの一方を段階的に切替えることで,境界層内に渦VRa,VRbの一方を放出できる。このとき,渦VRa,VRbの一方の放出に伴い,角運動量保存の法則から,渦VRa,VRbの他方が発生する。
上流側の剥離点Paから発生する渦VRaは,翼部材11cを上方に引き上げる効果がある。一方,下流側の剥離点Pbから発生する渦VRbは,迎角θが小さい場合に翼部材11c周りの循環Cを強める効果がある。このため,迎角θが小さく,上流側の剥離点Paが存在しない場合において,擾乱印加部12bを駆動し,渦VRbを発生させる意義がある。
以上の実施形態では,擾乱の印加により流れの付着距離Dが増大することを示した。ここで,発明者らの知見によると,特に高いレイノルズ数域においては,擾乱を印加しても流れが部分的な付着に至らない場合がある。しかし,この場合でも,擾乱印加部12により発生する横渦の影響で,境界層付近の運動量交換を促進させ,時間平均でみた境界層を壁面により引き寄せることができる。この場合,これまでに記載した「付着距離」は,必ずしも付着している距離を表すわけではなく,流体を引き寄せる距離,すなわち「引き寄せ距離」のことを示す。擾乱印加部12により引き寄せ距離の大小を時間的に切り替えることにより,これまでに記載した実施形態と同様に任意のタイミングで渦を発生できる。
擾乱印加部12と同様の装置を用いて,剥離状態を付着状態に変化させ,揚力の向上等を実現することが考えられる。上記実施形態では,剥離状態を付着状態に変化させること自体を目的としておらず,剥離領域に動的失速渦を制御された状態で放出し,渦による効果を目的とする。たとえばレイノルズ数の低い条件において,航空機に用いられる翼型を,失速角直後の迎角に設定して,前縁で擾乱印加部12を作動させると,剥離状態であった流れを付着状態に変化させ,高い揚力を得ることができる。従来は,この付着状態をできるだけ継続させることが狙いとなっていた。上記実施形態では,そのような場合でも擾乱印加部12を断続的に駆動することで,剥離状態と付着状態を切り替えて制御し,その際に発生する動的失速渦の減圧を利用して,動的失速渦の方向に翼を引き上げることを目的とする。
(変形例1)
図12Aは,変形例1に係る渦発生装置10fを示す。渦発生装置10fは,翼部材11f,擾乱印加部12a,12bを有する。なお,制御部14は記載を省略している。
図12Aでは,翼部材11fの流体Fの流れに平行な断面形状が表される。翼部材11fは,比較的丸みを帯びた形状の前縁111,比較的尖った形状の後縁112,前縁と後縁を結ぶ曲線状の突起113a,113bを有する。断面の周上に,流体Fが流入する1つのよどみ点Oと,2つの剥離点Pa,Pbとを有し,剥離点Pa,Pbの下流側に剥離領域を伴っている。
よどみ点Oは,前縁111付近に配置される。但し,よどみ点Oの位置は,翼部材11fの流れに対する迎角によって変化し,必ずしも前縁111と一致するわけではない。剥離点Paは,翼部材11fの突起113a上の流れが剥離する箇所であり,突起113a上に配置される。剥離点Paの位置は,翼部材11fの流れに対する迎角によって変化する。剥離点Pbは,翼部材11fの突起113b上の流れが剥離する箇所である。剥離点Pbの位置は,翼部材11fの流れに対する迎角によらず,後縁112と一致する。
擾乱印加部12aは,剥離点Paの上流側に配置される。擾乱印加部12aを駆動すると,流れに擾乱を印加することで,境界層に乱れが導入される。その結果,流れの境界層が部分的に付着し,剥離点が点Paから下流側の点Pa’に変位する。これにより,よどみ点Oから剥離点までの付着距離OPaは,付着距離OPa’に伸長する。また,擾乱印加部12aの駆動を停止すると,剥離点がPa’からPaに変位する。これによりよどみ点から剥離点までの付着距離OPa’は,付着距離OPaに短縮する。
これら,付着距離Dの伸長または短縮に応じて,境界層が搖動し,これにより,前記流体の剥離領域内に,翼部材11fの翼幅方向に軸をもつ渦(動的失速渦)VRが発生する。
渦VRは周辺の流体に比べて減圧された状態のため,渦VRと翼部材11fの間に引き合う力が働く。この引力を利用すれば,渦VRが翼部材11fの近傍を流下する時間帯において,翼部材11fを渦VRの方向に引き寄せたり,流れを翼部材11fの方向に引き寄せたりすることができる。
擾乱印加部12aを断続的に繰り返して制御すれば,断続的に渦VRを発生させ続けることができる。断続的に渦VRを発生させ続けた状態を時間平均でみれば,時間平均的に渦VRと翼部材11fに引き合う力が働くことになる。その結果,時間平均的に,翼部材11fを渦VRの方向に引き寄せたり,流れを翼部材11fの方向に引き寄せたりすることができる。
これらの作用により,翼部材11fに働く揚力や抗力を時間的に変化させたり,モーメントを時間的に変化させたりすることができる。また,流れを偏向させたり,後流の剥離領域の大きさを変化させたりすることができる。
また,上記のように擾乱状態を断続的に変化させる場合に,断続制御の時間間隔を同じにし,周期的に変化させる制御方法と,時間間隔を時間的に変化させて制御する制御方法がある。前者の場合は,周期的な振動や騒音を発生させることができる。後者の場合は,周期的な振動や騒音を抑えながら,その時間平均的な効果を得たり,もともと存在する周期的な振動や騒音のスペクトルをブロード化したりすることができる。駆動と停止でなくとも,1,2の二つの状態を切り替えることで付着距離を変化させてもよい。
擾乱印加部12bは,剥離点Pbの上流側に配置される。擾乱印加部12bを駆動すると,流れに擾乱を印加することで,境界層に乱れが導入される。その結果,流れの境界層が部分的に付着し,剥離点が点Pbから下流側の点Pb’に変位する。これにより,よどみ点Oから剥離点までの付着距離OPbは,付着距離OPb’に伸長する。また,擾乱印加部12bの駆動を停止すると,剥離点がPb’からPbに変位する。これによりよどみ点Oから剥離点までの付着距離OPb’は,付着距離OPbに短縮する。
以上のように,後縁112側からも渦VRを放出させることができる。この渦VRの効用は前記の通りである。2つの剥離点から出る渦VRの間隔を,渦VRが最も安定に存在できるように調整することで,渦VRの成長を促進し,より大きな効果を得ることができることは,前述の通りである。
ここでは,渦発生装置10fが擾乱印加部12a,12bの双方を有する場合について説明したが,渦発生装置10fが擾乱印加部12a,12bの一方のみを有しても良い。
(変形例2)
図12Bは,変形例2に係る渦発生装置10gを示す。渦発生装置10gは,翼部材11g,擾乱印加部12a,12bを有する。なお,制御部14は記載を省略している。
図12Bでは,翼部材11gの流体Fの流れに平行な断面形状が表される。翼部材11gは,比較的丸みを帯びた形状の前縁111,比較的丸みを帯びた形状の後縁112,前縁と後縁を結ぶ曲線状の突起113a,113bを有する。断面の周上に,流体Fが流入する1つのよどみ点Oと,2つの剥離点Pa,Pbとを有し,剥離点Pa,Pbの下流側に剥離領域を伴っている。
よどみ点Oは,前縁111付近に配置される。但し,よどみ点Oの位置は,翼部材11gの流れに対する迎角によって変化し,必ずしも前縁111と一致するわけではない。剥離点Paは,翼部材11gの突起113a上の流れが剥離する箇所であり,突起113a上に配置される。剥離点Paの位置は,翼部材11gの流れに対する迎角によって変化する。剥離点Pbは,翼部材11gの突起113b上の流れが剥離する箇所であり,突起113b上に配置される。剥離点Pbの位置は,翼部材11gの流れに対する迎角によって変化する。
渦発生装置10gでは,剥離点Pbの位置が,翼部材11gの流れに対する迎角によって変化することを除き,渦発生装置10fと同様である。
(変形例3)
図12Cは,変形例3に係る渦発生装置10hを示す。渦発生装置10hは,翼部材11h,擾乱印加部12a,12bを有する。なお,制御部14は記載を省略している。
図12Cでは,翼部材11hの流体Fの流れに平行な断面形状が表される。翼部材11hでは,比較的丸みを帯びた形状の前縁111,比較的角張った形状の後縁112を有する。翼部材11hの突起113aは,前縁111と後縁112を結ぶ略曲線形状であるが,角部を有する(断面の周の一部が折れ線状)。翼部材11hの突起113bは,前縁111と後縁112を結ぶ曲線形状になっている。
剥離点Paの位置は,翼部材11fの流れに対する迎角によらず,突起113aの角部に固定される。剥離点Pbの位置は,翼部材11fの流れに対する迎角によらず,後縁112に固定される。
渦発生装置10hでは,剥離点Pa,Pbの位置が,翼部材11hの流れに対する迎角によらず固定されていることを除き,渦発生装置10gと同様である。剥離点Pa,Pbが固定されているため,擾乱印加部12a,12bや粗面の設置位置を剥離点Pa,Pbからの距離で決定することが可能となる。
以上の変形例では,よどみ点Oの位置が迎え角によって変化する例を示した。これに対して,よどみ点Oの位置が迎角によって変化しない場合でも,これらの変形例と同様の効果を発揮できる。例えば,鋭角な先頭を有する翼部材では,よどみ点Oの位置が迎角によって変化しない。
実施例を説明する。図13A〜図13Fは,翼部材11および放電を用いた擾乱印加部12を用いて,渦VRを発生させたときの状態を時系列的に表す図である。
翼部材11は,流速10mの空気(大気)の流れの中(空洞内)に配置される。このとき,仰角θ=25°,失速角α=18°である。
ここでは,電極21,22間に,継続時間T2(8msec)のON状態,継続時間T1(72msec)のOFF状態を間隔T(=T1+T2=80msec=1/f=1/12.5Hz)で繰り返した。
ON状態: 正弦波(電圧Vp2=4.5kV,周波数f2=15kHz)の印加
OFF状態: 電圧印加無し
粒子画像流速測定計(PIV: Particle Image Velocimetry)を用いて,翼部材11の周囲での流体の流れを計測した。
図13A〜図13Fはそれぞれ,ON状態の開始時に対して,時刻=−5,0,5,10,12,15msに対応する。
(1)ON状態の開始前,および開始した瞬間(t=−5ms,0ms)では,仰角θが失速角αより大きいことから,翼部材11から境界層Lが剥がれ,剥離せん断層が生じている(図13A,図13B参照)。
(2)ON状態の開始後5ms経過時(t=5ms)では,翼部材11に境界層Lが付着している(図13C参照)。即ち,付着距離Dの小から大への変化に伴い,渦VR1が発生している。
(3)ON状態の開始後10ms経過時(t=10ms)では,付着距離Dがより大きくなり,渦VR2が発生している(図13D参照)。渦VR1は流れ去ったものと考えられる。
(4)ON状態の開始後12ms経過時(t=12ms)では,付着距離Dがより大きくなり,渦VR2が成長している(図13E参照)。
(5)ON状態の開始後15ms経過時(t=15ms)には,渦VR2が下流に流れ見当たらない(図13F参照)。
以上のように,放電により,付着距離Dを変化させることで,渦VRを発生することができることが判った。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが,これらの実施形態は,例として提示したものであり,発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は,その他の様々な形態で実施されることが可能であり,発明の要旨を逸脱しない範囲で,種々の省略,置き換え,変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は,発明の範囲や要旨に含まれるとともに,特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 渦発生装置
11 翼部材
111 前縁
112 後縁
113 突起
12 擾乱印加部
13 流速計測部
14 制御部
21,22 電極
23 放電用電源
31 振動子
32 振動用電源
41 音波発生器
42 音波発生用電源
43 空洞
44 開口

Claims (20)

  1. 流体の流れに接する部材であって,この流れに平行な断面の周上に,この流体が流入する,よどみ点と,第1,第2の剥離域をそれぞれ伴う,第1,第2の剥離点と,を有する部材と,
    前記第1の剥離点の上流に擾乱を印加し,前記流れの境界層を部分的に付着させる擾乱印加部と,
    前記擾乱印加部による擾乱の印加を時間的に制御して,前記第1の剥離点の位置を変化させ,前記よどみ点から前記第1の剥離点までの付着距離を切り替え,前記境界層を搖動させることにより,前記剥離領域内に,前記部材の翼幅方向に軸をもつ動的失速渦を発生させる制御部と,
    を具備する渦発生装置。
  2. 前記擾乱印加部が,
    前記流体に接する第1の電極と,
    前記流体に誘電体を介して接する第2の電極と,
    前記第1,第2の電極間に電圧を印加し,これらの電極間に放電を発生させる電源と,を有する,
    請求項1記載の渦発生装置。
  3. 前記第1,第2の電極がそれぞれ,前記流体の流れの上流側および下流側または下流側および上流側に配置される
    請求項2記載の渦発生装置。
  4. 前記擾乱印加部が,
    前記流体に振動を印加する振動発生器と,
    前記振動発生器に振動を発生させる電源と,を有する,
    請求項1記載の渦発生装置。
  5. 前記擾乱印加部が,
    前記流体に音波を印加する音波発生器と,
    前記音波発生器に音波を発生させる電源と,を有する,
    請求項1記載の渦発生装置。
  6. 前記部材が,前記剥離点から前記流れの下流に沿って形成される粗面を有する
    請求項1記載の渦発生装置。
  7. 前記制御部が,互いに異なる第1,第2の付着距離が交互に切り替わるように,前記擾乱印加部を制御する,
    請求項1記載の渦発生装置。
  8. 前記部材に対する流体の相対速度を計測する計測部をさらに具備し,
    前記制御部が,前記計測された相対速度に基づき,前記切り替えの周波数を制御する,
    請求項7に記載の渦発生装置。
  9. 前記剥離点に対応する前記渦の発生に対応して,前記第2の剥離点に対応する第2の渦が発生する
    請求項1記載の渦発生装置。
  10. 前記第2の剥離点の上流に擾乱を印加し,前記流れの境界層を部分的に付着させる第2の擾乱印加部をさらに具備し
    前記制御部が,前記擾乱印加部および前記第2の擾乱印加部を同期して制御し,前記渦および前記第2の渦を同期して発生させる
    請求項9記載の渦発生装置。
  11. 前記制御部が,前記渦および前記第2の渦を略同時に発生させる
    請求項10記載の渦発生装置。
  12. 前記渦が,前記流れの方向に垂直な軸と,前記剥離した境界層での渦度と同一符号の渦度と,を有する
    請求項1記載の渦発生装置。
  13. 前記渦が前記部材の近傍を通過するときに,前記部材が前記渦に引き寄せられる
    請求項1記載の渦発生装置。
  14. 前記渦が前記部材の近傍を通過するときに,前記部材に前記流体が引き寄せられる
    請求項1記載の渦発生装置。
  15. 前記制御部が前記擾乱印加部による擾乱の印加を時間的に制御して,複数の渦を断続的に発生させることで,後流領域を小さくする
    請求項1記載の渦発生装置。
  16. 前記制御部が前記擾乱印加部による擾乱の印加を時間的に制御して,複数の渦を断続的に発生させることで,流体騒音を低減する
    請求項1記載の渦発生装置。
  17. 前記制御部が前記擾乱印加部による擾乱の印加を時間的に制御して,間隔が異なる複数の渦を断続的に発生させる
    請求項1記載の渦発生装置。
  18. 部材を流体の流れ中に配置して,前記流れに平行な前記物体の断面の周上に,前記流体が流入する,よどみ点と,第1,第2の剥離領域をそれぞれ伴う,第1,第2の剥離点とを形成する工程と,
    前記第1の剥離点の上流に擾乱を印加し,前記流れの境界層を部分的に付着させる工程と,
    前記擾乱の印加を時間的に制御して,前記第1の剥離点の位置を変化させ,前記よどみ点から前記第1の剥離点までの付着距離を切り替え,前記境界層を搖動させることにより,前記剥離領域内に,前記部材の翼幅方向に軸をもつ動的失速渦を発生させる工程と,
    を具備する渦発生方法。
  19. 前記流体に接する第1の電極と,前記流体に誘電体を介して接する第2の電極との間に電圧を印加し,これらの電極間に放電を発生させることで,前記擾乱が印加される,
    請求項18記載の渦発生方法。
  20. 前記流体に振動または音波を印加することで,前記擾乱が印加される,
    請求項18記載の渦発生方法。
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