以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場の島設備に設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
この外枠11によって遊技機主部12が開閉可能な状態で支持されている。具体的には、図1に示すように、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている。
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15(図3参照)とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。
前扉枠14は、パチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側として前方へ回動可能となるようにして内枠13に取り付けられており、裏パックユニット15は、パチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側として後方へ回動可能となるようにして内枠13に取り付けられている。
ここで、前扉枠14について説明する。なお、以下の説明では、図1及び図2を参照するとともに、前扉枠14の背面の構成については図3を参照する。図3は前扉枠14の背面図である。
図2に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面側のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット30によって同前扉枠14の背面側から覆われている(図3参照)。
図3に示すように、枠体20には窓部21を囲むようにしてガラスユニット設置部22が形成されている。詳しくは、ガラスユニット設置部22は、枠体20の背面側に配されているとともにパチンコ機10の前方に向けて凹んでおり、その底部に上記窓部21が形成されている。ガラスユニット30は、ガラスユニット設置部22に嵌まることで上下方向及び左右方向への変位が規制されている。
ガラスユニット30は、透明性を有するガラスパネル31,32と、それらガラスパネル31,32を保持するガラスホルダ33とを備えている。ガラスホルダ33は、窓部21に沿って形成された環状の枠部を有しており、同枠部によって囲まれた領域にガラスパネル31,32が収容され、それらガラスパネル31,32によって遊技領域PEがパチンコ機10の正面側から2重に覆われる構成となっている。
枠部には、ガラスパネル31,32を収容している側とは反対側に突出するようにして枠体20に対する取付部が複数形成されている。これら取付部は枠体20の背面に対向する板状をなしており、枠体20には、それら取付部を同枠体20との間に挟んで挟持するレバー部材23が設けられている。レバー部材23は、取付部を挟持する挟持位置と挟持しない解除位置とに回動可能な状態で取り付けられている。レバー部材23において取付部と対向している部分には同取付部側に突出する凸部が形成されており、同凸部が取付部に形成された凹部に嵌まることにより、上記挟持位置から解除位置への移動が規制された状態、すなわち挟持位置にて保持された状態となっている。
再び図1を参照して説明すれば、窓部21の周囲には各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部24が設けられている。環状電飾部24では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部24の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部25が設けられ、窓部21の左右両側には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部26が設けられている。また、中央のエラー表示ランプ部25に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部27が設けられている。
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部28と下側膨出部29とが上下に並設されている。上側膨出部28内側には上方に開口した上皿28aが設けられており、下側膨出部29内側には同じく上方に開口した下皿29aが設けられている。上皿28aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導く機能を有している。また、下皿29aは、上皿28a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有している。
下側膨出部29並びとなる位置には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2及び図3に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿28aに通じる前扉側上皿通路51と、下皿29aに通じる前扉側下皿通路52とが形成されてなる。通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54(図2参照)によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路51と前扉側下皿通路52の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路51及び前扉側下皿通路52は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路51に入った遊技球は上皿28aに導かれ、前扉側下皿通路52に入った遊技球は下皿29aに導かれる。
次に、図4に基づき内枠13について詳細に説明する。図4は内枠13の正面図である。なお、図4においては、図2と同様にパチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース70を主体に構成されている。樹脂ベース70の前面における回動基端側(図4の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。また、前扉枠14の背面における回動基端側(図3の右側)には、それら支持金具71,72に対応させて突起軸61,62が設けられている。図示は省略するが、支持金具71,72には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸61,62が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。つまり、これら支持金具71,72及び突起軸61,62は内枠13に対する組付機構を構成している。
内枠13の前面には施錠装置75が設けられている。施錠装置75は、前扉枠14に向けて延びる複数の前扉用鉤部材76を有している。これら前扉用鉤部材76に対応させて、前扉枠14の背面には内枠13側に延びる鉤受け部材63が複数設けられている。前扉用鉤部材76が鉤受け部材63に引っ掛かることにより前扉枠14が閉じた状態で施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11の鉤受け部材19(図2参照)に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
樹脂ベース70の右下隅部には、施錠装置の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置に一体化されており、その先端部分(鍵穴部分)が上記前扉枠14に設けられた孔部を通じてパチンコ機10の前方に露出している。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右に回すことで内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、同キーを左に回すことで外枠11に対する内枠13の施錠が解除される。
樹脂ベース70前面の略中央部分には、遊技盤ユニット80を収容する遊技盤収容部73が形成されている。遊技盤収容部73は、パチンコ機10の後方に凹み、遊技盤ユニット80を収容する収容空間を区画しており、樹脂ベース70に取り付けられた遊技盤ユニット80がその収容空間に嵌まった状態となっている。本実施の形態においては特に、遊技盤ユニット80が樹脂ベース70に対して着脱可能に取り付けられており、メンテナンス作業等の容易化が図られている。
遊技盤ユニット80は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とによって構成された遊技盤80aを有してなり、その前面が遊技盤収容部73の開放部分を通じて樹脂ベース70の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤80aの前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスパネル32によって覆われている。ガラスパネル32は、遊技盤80aの前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤80aは木製に限定されるものではなく、合成樹脂材料を用いて形成することも可能である。
以下、図5に基づき遊技盤ユニット80(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図5は遊技盤ユニット80の正面図である。
遊技盤ユニット80(詳しくは遊技盤80a)には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82,83、作動口84,85、スルーゲート86、主表示ユニット87及び可変表示ユニット88等がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、可変入賞装置82,83及び作動口84,85に遊技球が入ると、それら遊技球が後述する検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技盤ユニット80の最下部にはアウト口89が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入賞装置82,83、作動口84,85、スルーゲート86への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
また、遊技盤ユニット80(詳しくは遊技盤80a)には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘90が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘90や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
上記可変表示ユニット88は遊技盤ユニット80の中央に配されており、同可変表示ユニット88の周辺に作動口84,85等が配設されている。作動口84,85は、可変表示ユニット88の下方に配設された下側の作動口84(以下便宜上、下作動口84と称する)と、同可変表示ユニット88の右方に配設された右側の作動口85(以下便宜上、右作動口85と称する)とによって構成されており、特に右作動口(抽選契機入球部)85には、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物91が設けられている。電動役物91は、左右一対の可動片91aと同可動片91aを駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、右作動口85への入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。
右作動口85の上方には、上記スルーゲート86が配置されており、遊技球のスルーゲート86の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物91が所定時間だけ開状態となる。
なお、下作動口84への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、右作動口85への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行されるが、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、下作動口84に対する右作動口85の有利性を高める上では、下作動口84に係る払出個数よりも右作動口85に係る払出個数を多く設定することが好ましい。
可変入賞装置(特別入球装置又は特別入球手段)82,83についても、下作動口84及び右作動口85と同様に、可変表示ユニット88の下方及び右方に個別に配置されている。以下便宜上、可変表示ユニット88の下方(詳しくは下作動口84の下方)に配置された可変入賞装置82を「下側可変入賞装置82」と称し、可変表示ユニット88の右方(詳しくは右作動口85の下方)に配置された可変入賞装置83を「右側可変入賞装置83」と称する。
下側可変入賞装置82は、遊技盤ユニット80の背面側へと通じる大入賞口82aを備えているとともに、当該大入賞口82aを開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉82bを備えている。開閉扉82bは、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉82bは、遊技盤ユニット80の背面側に設けられた可変入賞駆動部82c(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉82bは閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置82の開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限とした開閉扉82bの開放が繰り返されるように設定されているものがある。
右側可変入賞装置83は、下側可変入賞装置82と同様に、遊技盤ユニット80の背面側へと通じる右側大入賞口と、当該右側大入賞口を開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉とを備えている。開閉扉は、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉は、遊技盤ユニット80の背面側に設けられた可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては、開閉扉は閉状態のまま維持され、右作動口85への入球に基づく内部抽選において後述する特別当たりに当選した場合に抽選結果確定モードに切り替えられるようになっている。
ここで、抽選結果確定モードとは、右作動口85における抽選結果(特別当たり)が有効となって下側可変入賞装置82が開閉実行モードへ移行されるか、つまり開閉実行モードへの移行が確定されるか、それとも抽選結果が無効となり開閉実行モードへの移行が回避されるかを抽選するモードである。抽選結果確定モードにおける右側可変入賞装置83の開放態様としては、後述する右作動口用表示部に特別当たりを示す絵柄が表示されたタイミングから所定期間(例えば3sec)が経過するまで開閉扉が開放されるように設定されている。
次に、可変表示ユニット88について説明する。可変表示ユニット88には、作動口84,85への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置96が設けられている。また、可変表示ユニット88には、図柄表示装置96を囲むようにしてセンターフレーム97が配設されている。センターフレーム97の下部には、下作動口84に対応する下作動口用保留ランプ部98と、右作動口85に対応する右作動口用保留ランプ部99とが設けられている。本実施の形態においては、遊技球が各作動口84,85を通過した回数はそれぞれ最大4回まで保留される構成となっているが、保留ランプ部98,99の点灯によって各作動口84,85に対応する保留個数が個別に表示されるようになっている。
図柄表示装置96は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置96には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
作動口84,85は、可変表示ユニット88寄りとなる位置に配置されている。作動口84,85への入賞をトリガとして、大当たりが発生し得るため、遊技者は作動口84,85に入賞するか否かに注目するとともに、大当たりが発生するか否かを把握するため図柄表示装置96に注目するものと考えられる。作動口84,85を可変表示ユニット88寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット88周辺に集中させるための工夫である。
可変表示ユニット88を挟んで右側可変入賞装置83とは反対側には、上記主表示ユニット87が配されている。主表示ユニット87は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配置されており、遊技盤80aの前面からパチンコ機10前方に突出している。主表示ユ
ニット87の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とする上記ガラスユニット30(詳しくは後側のガラスパネル32)と対向しており、さらに後側のガラスパネル32との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、主表示ユニット87の前面の前方を遊技球が落下することが回避されている。
ここで、主表示ユニット87について補足説明する。
主表示ユニット87においてガラスユニット30と対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部Dが設けられている。主表示部Dは、下作動口84への入賞に基づいた抽選結果を表示する下作動口用表示部と、右作動口85への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する右作動口用表示部とを有してなる。
下作動口用表示部では、下作動口84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下作動口84への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部DLにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
右作動口用表示部では、右作動口85への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、右作動口85への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。右作動口85への入賞に基づく内部抽選の結果が大当たり又は特別当たりに対応した当選結果であった場合には、右作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モード又は抽選結果確定モードに移行される。
ここで、いずれかの作動口84,85への入賞に基づいて、対応する表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口84,85への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
また、主表示ユニット87の主表示部Dには両表示部以外に、スルーゲート86への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部が併設されている。スルーゲート用表示部では、スルーゲート86への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート86への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート86への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、右作動口85に設けられた上記電動役物91が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート86を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット87の主表示部Dにはその保留個数を表示する保留数用表示部が設けられている。
これら各表示部については、前扉枠14のガラスユニット30を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら表示部の前方を遊技球が移動することが回避されることで視認性が担保されている。
<右側可変入賞装置83>
ここで、図5及び図6に基づき右側可変入賞装置83について詳しく説明する。図6は図5を部分的に拡大して示す右側可変入賞装置83の正面図である。
図5に示すように、遊技盤80aにおいて可変表示ユニット88の右側となる部位には開口部92が形成されている。開口部92は遊技盤80aの厚さ方向に貫通しており、この開口部92に対して遊技機前方から右側可変入賞装置83が嵌まっている。このようにして右側可変入賞装置83が配置された状態では、当該右側可変入賞装置83によって同開口部92が覆われている。
右側可変入賞装置83には上記右側大入賞口181が形成されており、同右側大入賞口181を遊技機前方から覆うようにして上記開閉扉182が開閉可能な状態で取り付けられている。また、右側可変入賞装置83には、開閉扉182を駆動させる動力源としての可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド)が搭載されている。
図6に示すように、右側大入賞口181は、左右に延びる横長状をなしており、その一端部(詳しくは遊技領域PEの中央側となる端部)の奥側(詳しくは右側大入賞口181の出口部分)には同右側大入賞口181へ流入した遊技球を検知する検知センサ183(詳しくは磁気センサ)が配設されている。
検知センサ183は後述する主制御装置に対して電気的に接続されており、当該検知センサ183からの検知信号(検知情報)が同主制御装置に出力される。主制御装置においては、その検知信号に基づいて右側大入賞口181への入賞の有無等を把握可能となっている。
また、右側可変入賞装置83には、右側大入賞口181へ流入した遊技球であって上記検知センサ183による検知領域を通過した遊技球を内枠13の背面側に設けられた回収通路へと案内する案内通路185が設けられている。
案内通路185は、上記右側大入賞口181に連通する上流側通路186を有している。上流側通路186は、横長状をなしており、その一端部には上方に開放された入口部が形成されている。右側大入賞口181を通じて遊技盤ユニット80の背面側に到達し、同右側大入賞口181の出口部分から流出した遊技球は、上記入口部を通じて案内通路185へ流入することとなる。
上流側通路186は、当該上流側通路186の入口部から反対側の端部へ向けて(詳しくは遊技領域PEの中央側へ向けて)下り傾斜している。同入口部から上流側通路186に流入した遊技球は、上流側通路186の底部を形成している部位(以下便宜上、底部186aと称する)に沿って流下する。
上流側通路186における下流側の端部には、遊技球の流下方向を変化させるようにして第1下流側通路187が連なっている。第1下流側通路187は鉛直方向に延びており、上流側通路186を経由して当該第1下流側通路187に達した遊技球は、自重により同第1下流側通路187に沿って落下することとなる。
第1下流側通路187の出口部分には、当該第1下流側通路187へ流入した遊技球を検知する(詳しくは同第1下流側通路187における第1検知領域DE1を通過する遊技球を検知可能な)第1検知センサ191が設けられている。第1検知センサ191には、第1検知領域DE1を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握可能な磁気センサが採用されている。また、第1検知センサ191は主制御装置162に対して電気的に接続されており、当該第1検知センサ191からの検知信号(検知情報)が主制御装置162に入力される。これにより、第1検知領域DE1における遊技球通過の有無、すなわち第1下流側通路187への入球の有無を主制御装置162にて把握することが可能となっている。
また、案内通路185は第1下流側通路187の途中位置から分岐する第2下流側通路188を有している。つまり、案内通路185は、その途中位置にて2条に分岐している。右側大入賞口181へ流入した遊技球はその流入タイミング等に応じてその移動先(振り分け先)が変化する構成となっている。
第1下流側通路187を形成する壁部には、第2下流側通路188への入口部としての開口189が形成されている。この開口189は、第1下流側通路187及び第2下流側通路188の両者に連通しており、同開口189を通じた第1下流側通路187から第2下流側通路188への遊技球の流入が許容されている。
なお、第1下流側通路187と分岐部分との関係について補足すれば、第1下流側通路187において分岐部分よりも上流側となる部位は鉛直方向に延びており、同上流部位の出口部分が下方に開放されている。当該出口部分の下流側への延長上には一方の分岐通路としての下流部(第1分岐通路)の入口部分が位置しており、同入口部分は上記上流部位の出口部分側(上方)に開放されている。一方、他方の分岐通路としての第2下流側通路188(第2分岐通路)の入口部分(開口189)は、上流部位の延長上から外れた位置に配されているとともにその延長方向とは異なる方向、具体的には両下流側通路187,188の並設方向(詳しくは横方向)に開放されている。このため、上流部位に沿って落下した遊技球は通常、第1下流側通路187の下流部へと流入し、第2下流側通路188への流入が回避されることとなる。
第2下流側通路188の途中位置には、当該第2下流側通路188へ流入した遊技球を検知する(詳しくは同第2下流側通路188における第2検知領域DE2を通過する遊技球を検知可能な)第2検知センサ192が設けられている。第2検知センサ192には、第2検知領域DE2を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握可能な磁気センサが採用されている。また、第2検知センサ192は、主制御装置162に対して電気的に接続されており、当該第2検知センサ192からの検知信号(検知情報)が主制御装置162に入力される。これにより、第2検知領域DE2における遊技球通過の有無、すなわち第2下流側通路188への遊技球流入の有無を主制御装置162にて把握することが可能となっている。
右側大入賞口181に流入した遊技球は先ず上流側の検知センサ183によって検知され、その後、下流側の第1検知センサ191又は第2検知センサ192によって検知される。上流側の検知センサ183によって右側大入賞口181への入球が検知されると、同入球に応じて予め定められた数の遊技球が払い出される。このように、上流/下流の各検知センサ183,191,192のうち上流側の検知センサ183による検知結果にもとづいて遊技球の払出しを行う構成とすることにより、下流側の検知センサ191,192による検知結果に基づいて遊技球の払出しを行う構成と比較して、払出しの迅速化に貢献している。
右側大入賞口181へ流入した遊技球の数は上流側の検知センサ183及び下流側の検知センサ191,192によって検知され、それら各検知センサ183,191,192によって検知された遊技球の数を比較することにより案内通路185内に遊技球が残存しているか否かを確認することが可能となっている。但し、このようにして上流・下流にそれぞれ検知センサを設ける必要は必ずしもなく、上流側の検知センサ183については省略することも可能である。
また、上述した分岐位置(第1下流側通路187の中間部)には、上流側通路186から第1下流側通路187に流入した遊技球を第2下流側通路188へと誘導する誘導状態と同誘導を行わない非誘導状態とに切替可能な切替部材195が設けられている。切替部材195は、非誘導状態においては案内通路185(詳しくは第1下流側通路187)への突出が抑えられており、誘導状態に切り替わることで、同第1下流側通路187を塞ぎ上記第1検知領域DE1への遊技球の到達を不可とする位置へと突出する。
右側可変入賞装置83に流入した遊技球は、何れかの下流側通路187,188を流下し、上記検知センサ191,192によって検知された後は、右側可変入賞装置83から排出されることとなる。このようにして排出された遊技球は、一般入賞口81等を通じて遊技領域PEから排出された遊技球と同様に、内枠13の背面側に設けられた排出通路によって流入した後、遊技ホールの島設備等に返却されることとなる。
再び図4を用いて説明すれば、樹脂ベース70における遊技盤収容部73(遊技盤ユニット80)の下方には、遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース70に対してネジ止めされることで内枠13に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤ユニット80側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパ115が配されている。球ストッパ115よりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤ユニット80側、詳しくは遊技盤ユニット80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域区画部材108と共に遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤ユニット80において出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。
同図4に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤ユニット80の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤ユニット80の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤ユニット80の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路55(図2参照)が配設されている。ファール球通路55は前扉枠14の通路形成ユニット50に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路55内に入ることとなる。ファール球通路55は前扉側下皿通路52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は図1に示した下皿29aに排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
また、樹脂ベース70には、遊技盤収容部73からの遊技盤ユニット80の取り外しを不可とするロック状態と、同遊技盤ユニット80の取り外しを許容するアンロック状態とに切替可能(手動操作可能)なロック装置79が複数設けられている。具体的には、ロック装置79は遊技盤ユニット80の右上部及び右下部に配置されている。
ここで、図7を参照してロック装置79について説明する。図7はロック装置の縦断面図(図4のA−A線断面図)であり、図7(a)はロック状態を示し、図7(b)はアンロック状態を示している。
<ロック装置79>
ロック装置79は、遊技盤ユニット80の背面に当接する当接部が形成された受け部材121と、当該受け部材121と対をなし遊技盤ユニット80を遊技機前方から押さえる押え部が形成された押え部材122と、それら受け部材121及び押え部材122をそれぞれ動作可能に保持するベース部材123とを有し、ベース部材123が樹脂ベース70に固定されることで内枠13に一体化されている。受け部材121及び押え部材122によって遊技盤ユニット80を前後から挟み込むことで、遊技盤ユニット80の前後位置が既定される構成となっている。
受け部材121は回動可能となっており、受け部材121に取り付けられたコイルバネ124によって遊技盤ユニット80の背面側(押え部材122側)へ付勢されている。本実施の形態においては、受け部材121の回動中心が変位する構成となっており、コイルバネ124を受け部材121に取り付けることにより、回動中心が変位した場合あっても上記付勢力を安定して発揮させることが可能となっている。
また、ロック装置79は、受け部材121に連動するロック部材125を有している。ロック部材125は、受け部材121及び押え部材122の各動作を規制するロック位置と、当該動作規制を行わないロック解除位置とに移動可能となるようにしてベース部材123に取り付けられている。ベース部材123には、ロック部材125用のコイルバネ126が配設されており、このコイルバネ126によってロック部材125がロック解除位置に向けて付勢されている。
ロック部材125は、その上端部127がベース部材123に固定されたピン部材128に下側から当接しており、その当接状態がロック部材125の動作範囲全域にて維持される構成となっている。つまり、ピン部材128によって、ロック部材125の動きが規定されている。
ロック部材125(詳しくはその上端部127)には、ロック部材125がロック解除位置に到達した場合にピン部材128と係合する凹状の解除時用係合部127aと、ロック位置に到達した場合にピン部材128と係合する凹状のロック時用係合部127bとが形成されている。解除時用係合部127aとピン部材128とが係合することによりロック部材125がアンロック状態に維持され、ロック時用係合部127bとピン部材128とが係合することによりロック部材125がロック状態に維持されることとなる。
また、上端部127には解除時用係合部127aとロック時用係合部127bとの間でのピン部材128の摺動を許容するようして凸部127cが形成されている。凸部127cは、上方に滑らかに隆起しており、ピン部材128が係合部127a,127bから離脱した場合に同ピン部材128に対して強干渉する構成となっている。この凸部127cによって、各係合部127a,127bからのピン部材128の移動を妨げる抗力が発生する構成となっている。ロック部材125の回動時に上端部127及びピン部材128の間で発生する抗力(ロック部材125の回動を妨げる力)は、上記凸部127cの頂部にピン部材128が到達する直前に最大となる。
詳細については後述するが、遊技盤ユニット80を内枠13に装着する場合には、遊技盤ユニット80を装着完了位置へと押し込むことで、遊技盤ユニット80の背面が受け部材121(詳しくは当接部)に当たり、同遊技盤ユニット80が装着完了位置に向けて更に押し込まれることで、受け部材121が回動することとなる。これに連動して押え部材122及びロック部材125が動作し、ロック装置79がロック状態に切り替わることとなる。この際、ピン部材128がロック部材125の解除時用係合部127aからロック時用係合部127bへと移動する過程で凸部127cを乗り越えるため、遊技盤ユニット80の装着完了位置への移動に対して抗力が発生することとなる。
ロック部材125の前面部分には、指等を引っ掛けることができる指掛け部としての操作部129が形成されており、この操作部129に指を引っ掛けたり掴んだりしてロック部材125を回動させることで、ロック部材125がロック位置からロック解除位置へと移動して受け部材121及び押え部材122の動作規制が解除される。このようにしてロック解除操作が行われることで、遊技盤ユニット80が受け部材121によって後方から押され、遊技機前方へ押し出されることとなる。
再び図4の説明に戻り、樹脂ベース70において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には、樹脂ベース70を前後方向に貫通する貫通孔に通路形成部材131が配設されている。通路形成部材131は、樹脂ベース70に対してネジ止めされており、本体側上皿通路132と本体側下皿通路133とを有している。それら本体側上皿通路132及び本体側下皿通路133の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材131の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53が入り込んでおり、本体側上皿通路132の下方には前扉側上皿通路51が配置され、本体側下皿通路133の下方には前扉側上皿通路51が配置されている(図2参照)。
樹脂ベース70において通路形成部材131の下方には、本体側上皿通路132及び本体側下皿通路133からの遊技球の流出を規制するシャッタ134が設けられている。シャッタ134は、両通路の出口部分を狭め遊技球の流出を阻止する阻止位置と、遊技球の流出を許容する許容位置との両位置に切り替え可能な状態で樹脂ベース70によって支持されている。また、樹脂ベース70にはシャッタ134を阻止位置に向けて付勢する付勢部材が取り付けられており、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では付勢部材の付勢力によってシャッタ134が阻止位置に留まる構成となっている。これにより、本体側上皿通路132又は本体側下皿通路133に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合に、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が回避されている。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により上記付勢力に抗してシャッタ134が許容位置に押し戻される。この状態では、本体側上皿通路132及び前扉側上皿通路51と、本体側下皿通路133及び前扉側下皿通路52とがそれぞれ連通し、遊技球の移動が許容されることとなる。
次に、図8に基づき内枠13(樹脂ベース70及び遊技盤ユニット80)の背面構成について説明する。図8は内枠13の背面図である。
樹脂ベース70の背面における回動基端側(図8の右側)には、軸受け金具136が取り付けられている。軸受け金具136には、上下に離間させて軸受け部137が形成されており、これら軸受け部137により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。
樹脂ベース70における遊技盤収容部73の底部分(後述する対向板部251)には樹脂ベース70の厚さ方向に貫通し同樹脂ベース70の背面側に開放された中央開口74が形成されており、その中央開口74が遊技盤収容部73に収容された遊技盤ユニット80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤ユニット80の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は中央開口74を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。
遊技盤ユニット80の背面には、可変表示ユニット88を遊技盤ユニット80に対して搭載する合成樹脂製の台座部材141が固定されている。台座部材141は、遊技盤ユニット80側に開放された略箱状をなしており遊技盤ユニット80の背面のほぼ全域を覆っている。台座部材141の一部は樹脂ベース70の中央開口74を通じて同樹脂ベース70の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置96と、その図柄表示装置96を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置96及び表示制御装置は前後方向(樹脂ベース70の厚さ方向)に図柄表示装置が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、遊技盤ユニット80には、表示制御装置の後方に位置するようにして音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
音声ランプ制御装置ユニット142の下方には、台座部材141を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤ユニット80の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
台座部材141において遊技盤ユニット80の背面と対向している部分には、前記一般入賞口81、可変入賞装置82,83、下作動口84、右作動口85の遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤ユニット80の下方に集合する構成となっている。つまり、台座部材141には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤ユニット80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤ユニット80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口89についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口89を介して排出通路内に導出される。
また、上記回収通路には、遊技盤ユニット80表側の一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する入賞口スイッチと、可変入賞装置82に入賞した遊技球を検知するカウントスイッチと、作動口83a,83bに入った遊技球を検知する作動口スイッチとが装着されており、それら各種スイッチによって入賞検知機構が構成されている。更に、台座部材141において可変表示ユニット88の左右両側には、スルーゲート86を通過する遊技球を検知するゲートスイッチが設けられている。これら各種スイッチは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各スイッチによる検知情報が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図9及び図10に基づき裏パックユニット15について説明する。図9はパチンコ機10の背面図、図10は裏パックユニット15の正面図である。
図9に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、図10に示すように払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット88を囲むのに十分な大きさを有する(図9参照)。
ベース部211には、その右上部に外部端子板が設けられている。外部端子板には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部137に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバーが挿通される複数の挿通部215が形成されており、固定レバーが挿通部215に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に固定された遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿28a、下皿29aの何れかに振り分けるための機能を有している。
<排出通路と払出装置との関係>
本実施の形態においては特に、ケースレール223にかかる構成を工夫し、当該ケースレール223を薄型化(左右幅を減縮)することで、遊技盤ユニット80の大型化(詳しくは横幅の拡張)に貢献している。以下、図10及び図11を参照して、ケースレール223にかかる構成について補足説明する。図11は図10のB−B線部分断面図である。
図11に示すように、ケースレール223の内部にはタンクレール222から流入した遊技球を払出装置224へと案内する案内通路231が形成されている。案内通路231は、タンクレール222に設けられた払出用の案内通路と同様に前後2列となっている。つまり、タンクレール222からケースレール223に流入した遊技球は、前後2列に整列された状態で払出装置224へ案内される構成となっている。
払出装置224は、前後2列の案内通路221に1対1で対応させて、2つのスプロケット(図示略)を有してなる。スプロケットは払出装置に固定された回転体(軸部材)により回動可能に軸支されており、当該スプロケットが回動することで案内通路221内に停留している遊技球が各案内通路221から交互に上記遊技球分配部225へ送られる構成となっている。
ここで、軸部材については、軸方向が前後方向を向いており、当該軸部材には当該軸体を駆動させる駆動手段としてのモータ(図示略)が遊技機前方から取り付けられている。これらの事情から、払出装置224については前後方向での幅寸法が左右方向での幅寸法よりも大きくなっており、払出装置224の一部は案内通路231に対して遊技機前方に張り出した状態となっている。
ケースレール223には、上記2条の案内通路231の他に、払出装置224を経由させずに、タンクレール222からの遊技球をパチンコ機10から排出する排出通路232が設けられている。排出通路232は、案内通路231の途中部分(詳しくは払出装置224よりも上流となる部分)から分岐しており、その分岐位置には、遊技球をそのまま案内通路231を流下させる状態と、排出通路232へ流入させる状態とに切替可能な切替部材が配設されている。
例えば、払出装置224のメンテナンス等を行う場合には、切替部材を操作してタンクレール222から案内通路231への遊技球の流入を不可とすることで、タンクレール222からの遊技球が作業の邪魔になることを抑制し、作業効率の向上に貢献することができる。
排出通路232は案内通路231の前方に位置するようにしてそれら案内通路231と並設されている。案内通路231と排出通路232とを前後に並べて配置することで、それら各通路を左右に並べて配置する場合と比較して、ケースレール223の左右幅が大きくなることを抑えることができる。これにより、上述した払出装置224の配置と併せて払出機構部202全体の左右幅を抑えることが可能となり、上述した遊技盤ユニット80の大型に貢献している。
なお、排出通路232については特に、払出装置224の前方への張り出し部分を遊技機前方へ迂回するようにして折れ曲っている。これにより、遊技球が排出通路223内を流下する際にその勢いが過度に大きくなることを回避している。
再び図10の説明に戻り、ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
基板ボックス244,246については、内蔵された各基板を当該基板ボックス244,246の外部から視認可能となるように透明性を有する合成樹脂によって形成されている。そして、払出制御基板及び電源・発射制御基板は、一方の板面が各種素子等の搭載面となっており、他方の板面が半田面となっている。そして、搭載面が遊技機後方を向くように(半田面が内枠13側(遊技機前方)を向くように)して配置されることで、メンテナンス等の際に、各制御基板に異常が発生していないか等を目視で容易に確認できる構成となっている。
<遊技盤ユニット80の取付構造>
ここで、図4、12及び図13に基づき遊技盤ユニット80の取付構造について説明する。図12は内枠13から遊技盤ユニット80を取り外した状態を示す斜視図、図13は図4のC−C線部分断面図である。
遊技盤ユニット80は、既に説明したように内枠13の遊技盤収容部73に対して同内枠13の正面側から嵌まっている(図4参照)。図12に示すように、遊技盤収容部73は、遊技盤ユニット80の背面に対向する平板状の対向板部251と、同対向板部251から起立し遊技盤ユニット80の周縁に沿って延びる周壁部261とによって構成されている。対向板部251は、その略中央に上述した中央開口74が形成されており、内枠13の正面視において略矩形枠状をなしている。周壁部261は、遊技盤ユニット80における上下左右の各端面に対して個々に対向する上側壁部262,下側壁部263,左側壁部264,右側壁部265が連なってなり、全体として遊技盤ユニット80を囲む環状をなしている。なお、周壁部261は中央開口74を囲むようにして形成されているとも言える。
内枠13の左側壁部264、すなわち前扉枠14を支持している側の壁部264には、遊技盤ユニット80の前方への変位を抑える複数のストッパ部271が設けられている。各ストッパ部271は、左側壁部264の内壁面から遊技盤収容部73側へ張り出しており、遊技盤ユニット80(詳しくは後述する第2レールカバー400)に対してパチンコ機10の前方から当接している。また、各ストッパ部271は、遊技盤収容部73内に収められており、前扉枠14側への突出が抑えられている。
それらストッパ部271は、遊技盤ユニット80の上端寄り及び下端寄りとなる位置に配置されており、遊技盤ユニット80の変位をバランスよく抑えることが可能となっている。ストッパ部271の配置に関して補足すれば、上端寄りのストッパ部271Uは、上記誘導レール100において遊技盤ユニット80の回動基端側に凸となっている部分よりも上側に配置されており、下端寄りのストッパ部271Lは同凸となっている部分よりも下側に配置されている。これにより、ストッパ部271及び誘導レール100を遊技盤ユニット80の前面側にて好適に共存させ、ストッパ部271の採用に起因した遊技領域PEの圧迫を抑制している。
内枠13には、左側壁部264の先端縁に沿うようにして金属製のプレート部材281が配設されている。プレート部材281は、内枠13の上側枠部13a及び下側枠部13bの両枠部に跨って延びる長尺状をなしており、同プレート部材281の両端部分が内枠13の左側枠部13cに対して固定(ネジ止め)されているとともに、同プレート部材281の中間部分が上述したストッパ部271に対して固定(ネジ止め)されている。これにより、内枠13において外枠11や前扉枠14に連結されている部分を補強し、更にはストッパ部271の変形を抑制している。
以上詳述したストッパ部271と対向板部251とによって、遊技盤ユニット80の一側部を挿入可能な挿入部290が構成されている(図13参照)。挿入部290は、前扉枠14の回動基端側に位置し、内枠13において同前扉枠14を支持している側とは反対側からの遊技盤ユニット80の挿入を許容すべく同内枠13の回動先端側(右側壁部265側)に開放されている。特にストッパ部271と対向板部251(詳しくは後述するリブを除いた部分)との隙間寸法は、遊技盤ユニット80の厚さ寸法よりも大きく設定されている。これにより、遊技盤ユニット80を挿入部290に対して斜め前方から挿入可能とするとともに、同挿入部290に挿入された遊技盤ユニット80を当該挿入部290を中心として回動可能としている。また、挿入部290の挿入口を斜め前方に向けることにより、遊技盤挿入時に遊技盤ユニット80が前扉枠14の後方への張出部分や内枠13の右側枠部13d(図12参照)等に干渉することを抑制している。
なお、ストッパ部271の先端部において遊技盤ユニット80と対向している部位には面取りが施されており、挿入部290の入口部分が拡張されている。これにより、上記隙間寸法を大きくし、遊技盤ユニット80を斜めに挿入する際のストッパ部271と遊技盤ユニット80との引っ掛かりを抑制している。
挿入部290(ストッパ部271群)の下方、詳しくは内枠13において左側壁部264と下側壁部263とが交わる位置には(図12参照)、挿入部290に挿入された遊技盤ユニット80を仮置き可能な仮置き部135が設けられている。仮置き部135は、上記通路形成部材131に形成され、挿入部290側(上方)を向く面状をなしている。なお、仮置き部135は、必ずしも通路形成部材131に形成する必要はなく、樹脂ベース70に形成することも可能である。
仮置き部135は、遊技盤収容部73の下側壁部263よりも上側に位置しているとともに、遊技盤ユニット80の下端部に対して対向している。一方、遊技盤ユニット80における回動基端側の下隅部にはこの仮置き部135に対応した切欠き部95が形成されている(図5参照)。遊技盤ユニット80を挿入部290に挿入し回動させる場合には、この仮置き部135に対して遊技盤ユニット80の切欠き部95が仮置き(一時的に載置)されることで同遊技盤ユニット80の重量の少なくとも一部が内枠13の樹脂ベース70によって支えられることとなる。これにより、遊技盤ユニット80を装着する際の作業負担を減らし、遊技盤ユニット80の回動操作の容易化を図っている。
また、仮置き部135は、挿入部290よりも同挿入部290の開放先側に延びている。これにより、挿入部290に挿入する前に遊技盤ユニット80を仮置き可能となっており、更なる作業の容易化に貢献している。
遊技盤ユニット80を着脱する際には、内枠13の正面側から作業が行われる。この際、言うまでも無く前扉枠14が開放された状態で作業が行われる。ここで、開放された前扉枠14と遊技盤ユニット80及び挿入部290との位置関係について図14に基づき補足説明する。図14は、開放された前扉枠14と遊技盤ユニット80及び挿入部290との位置関係を示す概略図である。
図14に示すように、前扉枠14は内枠13に設けられた上記支持金具71,72によって回動可能に軸支されており、この軸支された部分(回動中心軸線CL)を中心として開閉される構成となっている。支持金具72には前扉枠14の最大開放位置を規定する規定部72aが形成されている。前扉枠14が開放され、規定部72aに対して当たった場合には、それ以上の開放が不可となる。本実施の形態においては、前扉枠14の最大開放量が凡そ100°に設定されている。これは、パチンコ機10がホール等の島設備に設置された状態にて前扉枠14が開放された場合に、隣接して設けられた他の遊技機等に対して同前扉枠14が干渉しないように、また隣接する遊技機での遊技を妨げないようにするための工夫である。なお、前扉枠14の最大開放量は100°に限定されるものではない。少なくとも遊技盤ユニット80の着脱が許容される範囲であれば任意に設定してよい。
前扉枠14の回動中心軸線CLは同前扉枠14の前面寄りに位置しており、前扉枠14を閉じた状態にて内枠13の内側に当該前扉枠14の回動基端部分が嵌まり込む構成となっている。これにより、前扉枠14と内枠13との境界部位(特に前扉枠14の回動基端側の境界部位)を介して不正具が挿入されるといった不都合を生じにくくし、防犯機能の強化を図っている。
この回動中心軸線CLの後方に上記挿入部290が配置されている。前扉枠14は所定の厚さを有しているため、上述の如く最大開放位置まで開放された場合であってもその背面の一部が挿入部290よりも右側(前扉枠14を支持している側とは反対側)に張り出した状態となる。挿入部290は、その張出部分よりも奥まった位置に存在しているものの、遊技盤ユニット80を出し入れする際に当該遊技盤ユニット80の通過する軌道PLと前扉枠14との干渉が回避されるようにしてその挿入口の向きが定められている。これにより、遊技盤ユニット80を装着する際の前扉枠14の張り出し部分と遊技盤ユニット80との干渉が抑えられている。
<遊技盤ユニット80の支持機構>
本実施の形態においては特に、遊技盤ユニット80を着脱する際の同遊技盤ユニット80の姿勢を安定させて着脱軌道のばらつきを抑える工夫が施されている。以下、図12及び図15を参照して、当該工夫にかかる構成について説明する。図15は遊技盤ユニット80の部分拡大図である。なお、図15においては、内枠13にかかる構成を2点鎖線によって表示している。
遊技盤80aの前面側には、外レール102の一部を遊技領域PEとは反対側から覆うようにしてレールカバー300が設けられている。レールカバー300は、遊技盤80aの前面に面当たりするようにして形成された平板状のベース部301と、ベース部301から正面側へ起立し外レール102に沿って延びる起立部302とを有してなり、ベース部301が遊技盤80aにネジ止めされることで、当該遊技盤80aと一体化されている
。レールカバー300のベース部301については、遊技盤ユニット80が内枠13に装着された状態にて、遊技盤80aの端部とともに上記挿入部290内に入り込んでおり、同ベース部301の前面がストッパ部271に当接している。
なお、本実施の形態においては、挿入部290の前後幅寸法が、遊技盤80aにおいて
挿入部290に挿入されている部分の厚さ寸法とレールカバー300(詳しくはベース部301)の厚さ寸法との和よりも僅かに小さく設定されている。このため、遊技盤ユニット80が装着完了位置に配置した状態では、遊技盤ユニット80が挿入部290に対して強干渉した状態となる。このように、挿入部290に対して遊技盤ユニット80を強干渉させることにより、回動基端側での遊技盤ユニット80の前後位置のばらつきを抑えている。
レールカバー300(起立部302)の上端部は上側のストッパ部271Uよりも僅かに上方に位置しており、当該上端部には遊技機前方に延びるアーム部303が形成されている。アーム部303は上記ストッパ部271の上面272と若干の隙間を挟んで対向しており、その対向している部分にはストッパ部271側に凸となる突起304が形成されている。この突起304に対応させてストッパ部271の上面272には下方に凹んだ受け部275が形成されている。受け部275と突起304とが係合することで、遊技盤ユニット80が突起304(受け部275)を中心として回動可能となる。かかる構成とすることにより、遊技盤ユニット80を着脱する際の姿勢が安定し、着脱軌道のばらつきが抑えられている。
なお、突起304において挿入部290側を向いている部分にはアーム部303の先端部分から根元部分に向けて下り傾斜する傾斜面305が形成されており、遊技盤ユニット80を挿入部290に挿入する際には傾斜面305がストッパ部271の上面272及び側面273の境界部位に当たる。これにより、アーム部303がその根元部分(起立部302と繋がっている部分)を基端として撓み変形し、突起304がストッパ部271の上面272へと導かれる。この後、アーム部303が弾性力によって変形前の状態に復帰することにより、突起304が受け部275に係合することとなる(引っ掛かることとなる)。このようにして突起304が受け部275に引っ掛かることにより、挿入部290からの遊技盤ユニット80の脱落が阻止される。
既に説明したように、突起304が受け部275に対して引っ掛かっている状態では、遊技盤ユニット80がそれら突起304及び受け部275の引っ掛かり位置よりも回動先端側にて仮置き部135に載っている。つまり、遊技盤ユニット80が仮置き部135によって支えられた状態にて、遊技盤ユニット80の脱落が阻止されている。これにより、遊技盤ユニット80の重さ等による負荷が突起304や受け部275に集中することを好適に回避している。
以上詳述したように、遊技盤ユニット80を遊技機前方から装着可能とすることで、メンテナンス等の際の遊技盤ユニット80の着脱作業の容易化が図られている。そして、本実施の形態においては、更なる作業性の向上を図るべく遊技盤ユニット80を内枠13に対して着脱することで遊技盤ユニット80と内枠13とが電気的に接続/分離される構成が採用されている。以下、図16を参照して、遊技盤ユニット80と内枠13とを電気的に接続するための接続機構について説明する。図16は接続機構及びそれに関連する構成を示す水平断面図(図4のD−D線部分断面図)である。
<コネクタ接続機構>
図16に示すように、接続機構は、内枠13側に設けられた内枠側コネクタ401,402と、遊技盤ユニット80側に設けられた遊技盤側コネクタ451,452とを有し、遊技盤ユニット80が装着完了位置に配置されることで遊技盤側コネクタ451,452と内枠側コネクタ401,402とが接続され、遊技盤ユニット80が取り外されることで遊技盤側コネクタ451,452と内枠側コネクタ401,402との接続が解除される構成となっている。
先ず、図17及び図18を参照して、内枠側コネクタ401,402にかかる構成について説明する。図17は内枠13から接続機構にかかる構成を取り外した状態を示す分解斜視図、図18は図4のE−E線部分断面図である。なお、図18においては説明の便宜上、遊技盤ユニット80にかかる構成を省略している。
図17に示すように、内枠側コネクタ401,402は、それら各内枠側コネクタ401,402に1対1で対応させて設けられたコネクタ用基板411,412に個別に取り付けられている。コネクタ用基板411,412は、一方の板面が内枠側コネクタ401,402の搭載面411a,412a、他方の板面が半田面となっており、搭載面411a,412aが遊技機正面側を向くようにして配設されている。
コネクタ用基板411,412の取付構造について説明すると、樹脂ベース70において遊技盤ユニット80の回動先端部に対応する部分(詳しくは下側壁部263と右側壁部265との境界付近)に、コネクタ用基板411,412を収容可能な基板取付ベース415が配設されている。
基板取付ベース415は、遊技機後方に開放された略箱状をなしており、その下側半分が樹脂ベース70の背面に後方から対向し、上側半分が周壁部261を越えて中央開口74側へ突出するようにして樹脂ベース70に固定されている。基板取付ベース415の前面部(底部416)において中央開口74側に突出している部分には、前後に開放された開放部417,418が左右横並びとなるようにして形成されている。これら各開放部417,418は内枠側コネクタ401,402に1対1で対応しており、コネクタ用基板411,412が底部416に対して遊技機背面側から取り付けられることで、内枠側コネクタ401,402がそれら開放部417,418を通じて遊技機前方に露出した状態となっている(図18参照)。
より詳しくは、底部416にはコネクタ用基板411を取り付けるための取付部421と、コネクタ用基板412を取り付けるための取付部422とが夫々設けられており、各コネクタ用基板411,412を個別に取り付け可能となっている。取付部422は、遊技機斜め前方(前扉枠14の回動先端側)を向くようにして傾斜する面状をなしており、これら取付部422に対してコネクタ用基板412が面当たりすることで、それら各コネクタ用基板411,412の向きが僅かに異なる構成となっている。かかる構成についての詳細は後述する。なお、各コネクタ用基板412については、遊技機斜め前方を向いているものの、その前後位置(詳しくは内枠側コネクタ401,402の前後位置)についてはほぼ同じになっている。これにより、遊技機におけるコネクタの占有領域が上下/左右に拡がることを抑制している。
上述したように、内枠側コネクタ401,402を斜め前方を向くように傾けつつ前後位置を揃えることで、詳細については後述するがそれら内枠側コネクタ401,402と対を成す遊技盤側コネクタ451,452についても同様の配置が実現できる。遊技盤ユニット80の背面には、遊技盤側コネクタ451,452以外にも可変表示ユニット88や制御装置143,162等の各種構成が搭載される。遊技盤80aの左右/上下の大きさに限りがある点を考慮すれば、上述したように遊技盤ユニット80の背面側にてコネクタの占有領域をできるだけ小さくすることができ、周辺構成とコネクタとを好適に共存させることができる。
コネクタ用基板411,412には、内枠側コネクタ401,402の下方に位置するようにして中継コネクタ403,404が併設されている。コネクタ用基板411,412が基板取付ベース415に取り付けられた状態では、内枠側コネクタ401,402が開放部417,418を通じて遊技機正面側に露出している一方で、中継コネクタ403,404は基板取付ベース415とコネクタ用基板411,412とによって囲まれることで同基板取付ベース415の外部への露出が抑えられている。中継コネクタ403,404については、遊技球発射機構110等から延びる配線に設けられたコネクタ(例えば発射機構側コネクタ)に接続されており、その接続箇所については、外部からのアクセスが妨げられている。これにより、防犯性の向上が図られている。
ここで、内枠側コネクタ401,402については、中継コネクタ403,404と比較して、露出している部分が多い。しかしながら、このような露出については、遊技盤ユニット80を装着完了位置に配置することで回避されるように工夫が施されている。
具体的には、図16に示すように、遊技盤ユニット80が装着完了位置に配置されて内枠側コネクタ401,402と遊技盤側コネクタ451,452が接続された状態では、遊技盤ユニット80(詳しくは後述する台座等)によって内枠側コネクタ401,402の露出部分が覆われることとなる。つまり、遊技盤ユニット80を装着することで、コネクタに対する防犯機能が飛躍的に向上することとなる。これにより、内枠側コネクタ401,402の露出を許容して遊技盤側コネクタ451,452との接続を許容したとしても、それに起因して防犯機能が低下することを抑制することができる。
内枠側コネクタ401,402は、全体として横長となるように形成された合成樹脂製のコネクタ本体406,407と、コネクタ本体406,407の長手方向(水平方向)に並べて設けられた複数の接続端子408,409とによって構成されている。ここで、図16、図19及び図20を参照して、内枠側コネクタ401,402(接続端子408,409)の向きについて補足説明する。図19は各コネクタの接続態様を示す概略図、図20は遊技盤ユニット80の着脱時のコネクタの移動経路を示す概略図である。
なお、以下の説明においては、両内枠側コネクタ401,402のうち遊技盤ユニット80が装着された状態にて同遊技盤ユニット80の回動先端部側(右側)に位置する一方を「第1内枠側コネクタ401」、回動基端部側(左側)となる他方を「第2内枠側コネクタ402」と称し、上記両遊技盤側コネクタ451,452のうち第1内枠側コネクタ401に対応するものを「第1遊技盤側コネクタ451」、第2内枠側コネクタ402に対応するものを「第2遊技盤側コネクタ452」と称する。
図19に示すように、第1内枠側コネクタ401は、遊技盤ユニット80の回動中心部を構成する受け部275よりも後方に配置されている。遊技盤ユニット80の回動中心部(受け部275)を中心として第1内枠側コネクタ401及び第1遊技盤側コネクタ451の接続箇所(以下、第1接続箇所CP1という)を通過する第1仮想円FC1を想定した場合には、当該第1接続箇所CP1の中央部分を通過する第1仮想円FC1の接線(以下、第1接線TL1という)が遊技機の斜め前方(右斜め前方)を向いている。これに合せて、コネクタ本体406の挿入口406aの向きと、第1内枠側コネクタ401の接続端子408の向きとが第1接線TL1と同じ方向となるように上記取付部421(図16等参照)が形成されている。
このように、第1内枠側コネクタ401が斜め前方を向くように配置したことに合せて、第1遊技盤側コネクタ451を斜め後方を向くように配置している。具体的には、第1遊技盤側コネクタ451のコネクタ本体456の挿入部456aの向きと、接続端子458の向きとが第1接線TL1と同じ方向となるようにして第1遊技盤側コネクタ451が配置されている。
第2内枠側コネクタ402についても第1内枠側コネクタ401と同様に、遊技盤ユニット80の回動中心部を構成する受け部275よりも後方に配置されている。遊技盤ユニット80の回動中心部(受け部275)を中心として第2内枠側コネクタ402及び第2遊技盤側コネクタ452の接続箇所(以下、第2接続箇所CP2という)を通過する第2仮想円FC2を想定した場合には、当該第2接続箇所CP2の中央部分を通過する第2仮想円FC2の接線(以下、第2接線TL2という)が遊技機の斜め前方(右斜め前方)を向いている。これに合せて、コネクタ本体407の挿入口407aの向きと、接続端子409の向きとが第2接線TL2と同じ方向となるように上記取付部422が形成されている。
このように、第2内枠側コネクタ402を斜め前方を向くように配置したことに合せて、第2遊技盤側コネクタ452を斜め後方を向くように配置している。具体的には、第2遊技盤側コネクタ452のコネクタ本体457の挿入部457aと接続端子459の向きとが第2接線TL2と同じ方向となるように上記取付部422(図16等参照)が形成されている。
つまり、両第1コネクタ401,451が接続され、両第2コネクタ402,452が接続された状況下にて、第1内枠側コネクタ401のコネクタ本体406と第1遊技盤側コネクタ451のコネクタ本体456との結合面が第1接線TL1と同じ方向を向き、第2内枠側コネクタ402と第2遊技盤側コネクタ452との結合面が第2接線TL2と同じ方向を向くように構成されている。
本実施の形態においては、遊技盤ユニット80を回動させて内枠13に対して着脱する構成となっている。このため、遊技盤ユニット80の回動時に遊技盤側コネクタ451,452が通過する軌道は円弧状をなす(図20参照)。上述したように、内枠側コネクタ401,402及び遊技盤側コネクタ451,452の向きを設定することにより、接続の円滑化を実現するだけでなく、接続時及び接続完了状態にて各コネクタ401,402,451,452に歪等が生じることを抑制している。
コネクタを横に並べて配置しているため、遊技盤ユニット80の回動中心部から各接続箇所CP1,CP2までの距離寸法に差が生じている。つまり、第1仮想円FC1の半径寸法R1と第2仮想円FC2の半径寸法R2とが相違している。このため、第1接線TL1と、第2接線TL2とは平行とならず、前後方向に対する傾きは第1接線TL1よりも第2接線TL2のほうが大きくなっている。これに合せて、第2内枠側コネクタ402の遊技機側方への傾きも第1内枠側コネクタ401の遊技機側方への傾きよりも大きくなっている。つまり、遊技盤ユニット80の回動中心部寄りに配置されている第2内枠側コネクタ402のほうが、より遊技機側方へ向いた状態となっている。
接続にかかる構成(コネクタ)を複数の組合せに分けて、各コネクタの向きを個々に設定することで、コネクタ接続時にコネクタ同士の強干渉が生じて同コネクタに歪等の不都合が生じることを回避している。特に、コネクタがある程度の横幅を有している場合には、接線からコネクタの端部までの距離が大きくなることで、理想的な接線の傾きと現実の接線の傾きとの差が大きくなる。このため、大型のコネクタを採用した場合には、上記干渉の発生を抑えることが困難になると想定される。この点、本実施の形態においては、コネクタを複数に分けてコネクタの大型化を抑えることで、そのような不都合の発生を抑制している。
また、第2内枠側コネクタ402の横幅W2が第1内枠側コネクタ401の横幅W1よりも小さく設定されている。上述したコネクタ同士の干渉度合いは、回動中心部に近づくにしたがって大きくなりやすい。そして、上述したようなコネクタの向きの調整を行った場合には、コネクタの左右の端部に生じる誤差が大きくなりやすい。そこで、横幅が相対的に小さい一方を回動中心部側、横幅が相対的に大きい他方を回動先端部側となるように配置することで、上記誤差の影響が強くなることを回避している。
<遊技盤側コネクタ451,452の取付構造>
次に、図21及び図22を参照して遊技盤側コネクタ451,452の取付構造について説明する。図21は遊技盤ユニット80から接続機構にかかる構成を取り外した状態を示す分解斜視図、図22(a)は遊技盤ユニット80の背面図、図22(b)は図22(a)のF−F線部分断面図である。
図21に示すように、遊技盤ユニット80の背面には、遊技盤側コネクタ451,452を遊技盤ユニット80に取り付けるための中間部材として台座461が設けられている。台座461は、遊技盤ユニット80の下側隅部、詳しくは遊技盤ユニット80の回動先端側の端部であって上述した右側可変入賞装置83の下方に位置し、上記回収通路151が形成された回収板150と横並びとなるようにして配設されている。
台座461は、遊技盤ユニット80の背面に隙間を隔てて対向する対向部462を有している。対向部462は、遊技盤ユニット80の幅方向に延びる長板状をなしており、同幅方向における一方の端部(回収板150とは反対側の端部)には、遊技盤ユニット80の背面側に延びる脚部463が形成さている。一方、対向部462の他方の端部(回収板150側の端部)には、回収板150から後方に突出した突出部152が挿入される挿入部464が形成されている。脚部463が遊技盤ユニット80にネジ止めされ、挿入部464と突出部152とが係合することで、台座461が遊技盤ユニット80に一体化されている。
対向部462には、第1遊技盤側コネクタ451が挿通される開口部466と、第2遊技盤側コネクタ452が挿通される開口部467とが夫々形成されており、対向部462に対して遊技盤ユニット80側(遊技機前方)から両遊技盤側コネクタ451,452が挿通されている。これにより、遊技盤側コネクタ451,452の接続部分が、遊技盤ユニット80の後方に露出した状態となっている。
図22(c1),(c2)の概略図に示すように、対向部462、脚部463、突出部152は撓み変形(弾性変形)可能に形成されており、それら各部位成が弾性変形することで、遊技盤側コネクタ451,452の位置や姿勢(向き)を変化させることが可能なっている。
このため、遊技盤ユニット80を着脱する際に、遊技盤側コネクタ451,452と内枠側コネクタ401,402とが衝突した場合には、同衝突によって発生する衝撃が上記弾性変形によって緩和される。
また、遊技盤ユニット80が回動式となっているため、遊技盤側コネクタ451,452及び内枠側コネクタ401,402の接続が開始された初期(コネクタ本体同士の結合初期段階)と接続が完了する終期(コネクタ本体同士の結合完了段階)とでは理想となる接続方向と現実の接続方向との間にズレが生じる。より具体的には、上述したように遊技盤側コネクタ451,452と内枠側コネクタ401,402との向きを遊技機斜め前方に傾けて、各接線TL1,TL2と一致させたとしても、それは接続が完了した状態でのことであり、接続が完了する前は遊技盤側コネクタ451,452の向きと、内枠側コネクタ401,402の向きとが完全に一致するものではない。つまり、遊技盤側コネクタ451,452と内枠側コネクタ401,402とが接続を開始した初期は、それら各コネクタの向きに若干のズレが生じていることとなる。
この点、本実施の形態においては、図22(c3)の概略図に示すように対向部462等の弾性変形によって遊技盤側コネクタ451,452の姿勢(向き)を変化させることができる。故に、接続開始時に遊技盤側コネクタ451,452や内枠側コネクタ401,402に歪が発生することを回避可能となっている。これにより、利便性の向上を図りつつ、それに起因してコネクタ本来の接続機能が損なわれることを抑制することができる。
また、本実施の形態においては、遊技盤側コネクタ451,452が上述した接続方向と直交する方向、すなわち遊技盤側コネクタ451,452の接続端子458,459が向いている方向と直交する方向へ変位可能な状態で保持されている。つまり、遊技盤ユニット80に対して上下・左右への相対変位が許容された状態で遊技盤側コネクタ451,452が保持されている。
更に、遊技盤側コネクタ451,452において内枠側コネクタ401,402に挿入される先端部分(挿入部456a,457a)及び内枠側コネクタ401,402の挿入口406a,407aには、遊技盤ユニット80の装着完了位置への移動に伴って遊技盤
側コネクタ451,452を適正な接続位置に向けて誘導する誘導傾斜部が形成されている。遊技盤ユニット80については回動可能となっているため、その回動先端側では、上下方向や左右方向での位置ばらつきが大きくなると想定される。そこで、遊技盤側コネクタ451,452を可変式とし、遊技盤ユニット80の移動に併せてコネクタ同士の位置調整を行う構成とすることで、そのような位置ばらつきを許容しやすくなっている。
遊技盤ユニット80が装着完了位置に配置され、遊技盤側コネクタ451,452と内枠側コネクタ401,402との接続が完了した後、すなわちコネクタ本体406,407とコネクタ本体456,457の結合が完了した後は、各コネクタの向きと接続方向とが一致する。これにより、仮に接続(結合)初期にコネクタ間に歪等が発生している場合であっても接続(結合)完了位置への到達に伴い、両コネクタの向きが一致することで当該歪が解消されることとなる。このような歪を許容すべく上述した台座461の変形が生じている場合であっても、当該変形が不要となり、対向部462等に蓄えられた弾性力によって台座461等が元の状態に復帰することとなる。故に、対向部462と遊技盤ユニット80との隙間が元の大きさに戻ることとなる。
遊技盤側コネクタ451,452が可変式であるのに対して、内枠側コネクタ401,402については固定式となっている。つまり、少なくともコネクタ接続時に内枠側コネクタ401,402の位置や姿勢が変化することはない。コネクタ接続が完了した場合には、内枠側コネクタ401,402によって遊技盤側コネクタ451,452の位置や姿勢が規制されることとなるため、都度の接続時の遊技盤側コネクタ451,452の姿勢等にばらつきが生じることを抑制することができる。これにより、過度に大きな変形を許容する構造が不要となり、更には台座461にかかる負担を軽減することが可能となる。
本実施の形態においては、遊技盤側コネクタ451,452の上方には、上述した右側可変入賞装置83が位置しており、当該右側可変入賞装置83から排出された遊技球が対向部462と遊技盤ユニット80との間を通るようにして落下する構成となっている。つまり、上記隙間は遊技中には遊技球用の通路として機能し、遊技中以外(詳しくは遊技盤ユニット80の着脱時)には緩衝用の変形領域として機能する。これのように状況に応じて同じ隙間が異なる機能を発揮する構成とすることで、球通路とコネクタとを遊技盤ユニット80の背面という限られた領域内にて共存させることが可能となっている。
特に、上記隙間を過度に大きくして遊技球の通過領域を常に確保する必要がないため、遊技盤側コネクタ451,452にかかる構成(特に台座461)が無駄に大型化することを抑えることができる。
以上詳述したように、遊技盤ユニット80を着脱することで遊技盤ユニット80と内枠13とが電気的に接続される構成とすれば、作業者が遊技盤ユニット80を着脱する際に別途コネクタの接続/解除作業を行う必要がなくなる。これにより、作業性の向上が図られている。
しかしながら、遊技盤ユニット80の変位に基づいて遊技盤側コネクタ451,452と内枠側コネクタ401,402とが接続される構成においては、遊技盤ユニット80が勢いよく装着完了位置に向けて移動した場合に、コネクタ同士が接触すると、当該コネクタに加わる衝撃が大きくなると想定される。遊技盤ユニット80がある程度の重量があることを考慮すれば、このような衝撃については、無視できない大きさになり得る。そして、このような衝撃に耐えることができるようにコネクタの構造やその取付構造等を工夫しようとすれば、コネクタの小型化や配置領域の減縮等が難しくなると想定される。
そして、如何に上述した各種構成により、遊技盤側コネクタ451,452と内枠側コネクタ401,402とを円滑に接続させようとしても、コネクタ401,402,451,452やそれに付随する構成に変形や破損等が生じることで、当該円滑化機能が上手く発揮されなくなると想定される。そこで、本実施の形態においては、そのような不都合の発生を抑えるために幾つかの工夫が施されている。具体的には、(1)遊技盤ユニット80の装着時の姿勢を更に安定させることでコネクタ同士の相対位置のずれを抑える構成、(2)コネクタの接続が開始される前に遊技盤ユニット80の装着完了位置に向けた変位を抑えて遊技盤ユニット80の勢いを弱める構成が採用されている。以下、これらの構成について説明する。
<遊技盤用の姿勢制御>
先ず、図23を参照して工夫(1)にかかる構成について説明する。図23は、遊技盤ユニット80装着時の様子を示す概略図である。
樹脂ベース70において中央開口74の下端縁に沿う部分には、既に説明したように左右に延びる平面状の下側壁部263が形成されている。下側壁部263は上方を向いており、遊技盤ユニット80が装着完了位置に配置された状態では当該下側壁部263上に遊技盤ユニット80が載ている。つまり、下側壁部263には遊技盤ユニット80が載置される載置部としての機能が付与されている。
遊技盤ユニット80の一端部を上記挿入部290へ挿入した状態では、遊技盤ユニット80が上記仮置き部135に載った状態となっており、下側壁部263と遊技盤ユニット80との接触が回避されている。遊技盤ユニット80の下面と切欠き部95の下面との高低差は、仮置き部135の上面と下側壁部263との高低差よりも大きく設定されている。このため、遊技盤ユニット80を装着完了位置に向けて回動させると、遊技盤ユニット80の下端部が下側壁部263に乗り上げた状態となり、これに併せて遊技盤ユニット80が仮置き部135から離間することとなる。
遊技盤ユニット80の装着完了位置に向けた回動を継続すると、遊技盤ユニット80の下面と下側壁部263との接触範囲が大きくなる。そして、内枠側コネクタ401,402の前方にて遊技盤ユニット80の下面と下側壁部263との接触が確保された後に遊技盤側コネクタ451,452と内枠側コネクタ401,402との接続が開始されることとなる。つまり、コネクタの接続が開始される時点では、少なくとも遊技盤ユニット80(詳しくは回動先端部)の上下位置のばらつきが抑えられた状態となり、コネクタ同士の接続が円滑に行われやすくなる。
<遊技盤用の減勢機構>
次に、同じく図23を参照して工夫(2)にかかる構成について説明する。
既に説明したように、樹脂ベース70には遊技盤ユニット80の取り外しを規制する規制手段としてロック装置79が設けられており、ロック装置79は遊技盤ユニット80の背面に当接する上記受け部材121を有している。遊技盤ユニット80を装着完了位置に向けて移動させる場合には、遊技盤ユニット80が受け部材121に当たる。受け部材121はコイルバネ124によって遊技機前方に付勢されており、更には当該受け部材121に連動するロック部材125が解除位置に存在している。このため、受け部材121に当たった遊技盤ユニット80に対してコイルバネ124の付勢力及びピン部材128と解除側係合部127aとの係合力が遊技盤ユニット80の移動を妨げる抗力として作用する
こととなる。つまり、遊技盤ユニット80の勢いがロック装置79によって低減される。
特に、同抗力が十分に大きく設定されており、過度に大きな操作力が加わった場合を除き遊技盤ユニット80を受け部材121に当接した位置で一旦停止させることが可能となっている。なお、本実施の形態においてはロック装置79が「減勢機構」に相当する。
遊技盤ユニット80の勢いが弱められた後は、再び遊技盤ユニット80を上記抗力に逆らうようにして装着完了位置に向けて押すことで、徐々に当該抗力が大きくなる。そして、上記ピン部材128が凸部127cの頂部を乗り越える瞬間に抗力が最大となり、頂部を乗り越えることで、ピン部材128とロック時用係合部127bとが係合することとなる。
ここで、遊技盤側コネクタ451,452と内枠側コネクタ401,402とは、遊技盤ユニット80と受け部材121とが当たって遊技盤ユニット80の勢いが弱められた後に接続を開始することとなる。つまり、遊技盤ユニット80が装着完了位置へ向けて押し込まれる等した場合には、その勢いを保ったまま遊技盤側コネクタ451,452と内枠側コネクタ401,402とが当たることが回避され、少なくとも装着完了位置へ向けた遊技盤ユニット80の勢いを弱めた状態でコネクタ同士の接続が開始される。これにより、コネクタ同士が勢いよく衝突するといった不都合を生じにくくしている。
また、ロック装置79は遊技機正面視にてコネクタ401,402,451,452を挟んだ上下に配置されている。このため、遊技盤ユニット80の動きを妨げるたとしても、遊技盤ユニット80の姿勢が変化することを抑制可能となっている。このため、遊技盤側コネクタ451,452が上下に傾く等して、コネクタの接続方向にずれが生じることを抑制することができる。故に、減勢機能を発揮させることに起因して、コネクタの接続が難しくなることを抑えることができる。
<接続解除時の負荷低減>
本実施の形態に示したロック装置79については、遊技盤ユニット80の取り付け時だけでなく、遊技盤ユニット80の取り外し時にもコネクタの保護を発揮することができる。具体的には、遊技盤ユニット80を取り外す際には、ロック装置79をアンロック状態に切り替える必要がある。そして、ロック装置79の操作部129を操作して同ロック装置79をアンロック状態に切り替えることにより、遊技盤ユニット80が遊技機前方に押し出されることとなる。これにより、内枠側コネクタ401,402と遊技盤側コネクタ451,452との接続が解除されることとなる。
このように、作業者が操作すべき箇所を特定しておくことで、遊技盤ユニット80が取り外される際の姿勢を安定させることができる。特に、ロック装置79の数は2つに限定されており、作業者が2つのロック装置79を同時に操作できるように設定しているため、当該姿勢安定化機能を発揮させやくなっている。
ここで、アンロック状態への切替操作を行った場合のロック装置79の動作及び当該動作にかかる構成について補足説明する。ロック状態への切替操作を行った場合には受け部材121と押え部材122とが遊技盤80aが挿入される隙間を維持しながら一定の位置関係を保ったまま動作する構成であったのに対して、アンロック状態への切替操作を行った場合には受け部材121と押え部材122とが上記隙間の広がりを許容すべく受け部材121の動作を遅延させる遅延構造が採用されている。
かかる遅延構造を採用することにより、ロック装置79の操作部129を素早く操作したとしても、当該操作に追従してロック部材125及び押え部材122は素早く動作するものの、受け部材121についてはコイルバネ124の付勢力によってアンロック状態へと復帰しようとする。つまり、遊技盤ユニット80は作業者が操作を行った際の操作力によって遊技機前方へ引っ張られるのではなく、コイルバネ124の付勢力によって遊技機前方へ押し出されることとなる。このため、遊技盤ユニット80が急に動き出すことが回避される。
内枠側コネクタ401,402と遊技盤側コネクタ451,452との間に生じる負荷については、接続時のみならず分離時においても発生し得る。そこで、上述の如く、遊技盤ユニット80の動きを規制して、過度に素早い動きを回避することで、上記負荷が大きくなることを抑制することが可能となっている。
仮に、作業者が遊技盤ユニット80を把持して遊技機前方に引っ張ることでコネクタの接続を解除しようとした場合には、作業者が遊技盤ユニット80のどの位置を把持するかによって遊技盤ユニット80の姿勢が変化し、更にはどのくらいの力で遊技盤ユニット80を引っ張るかが不確定となる。これらの不確定要素は、コネクタに生じる負荷を低減する上での障害になり得る。
そこで、上述したように、遊技盤ユニット80の取り外し時の不確定要素を減らすことで、コネクタの保護機能を好適に発揮させることができる。
<遊技球の排出にかかる構成>
本実施の形態においては、遊技に使用された遊技球のパチンコ機10からの排出にかかる構成が特徴的なものとなっている。そこで以下、図21及び図24を参照して遊技球の排出にかかる構成について説明する。図24(a)は回収通路を示す図4の部分拡大図、図24(b)は回収通路とそれにかかる構成との関係を示す概略図である。
既に説明したように、遊技盤ユニット80が内枠13に装着された状態では、遊技領域PEへと到達した遊技球は、一般入賞口81等の入賞口又はアウト口89を通じて遊技領域PEから排出される。詳しくは、遊技盤ユニット80の背面側へ案内される。
遊技盤ユニット80の背面側に案内された遊技球は、遊技盤ユニット80の背面に固定された上記回収板150の回収通路151内を流下し、又は上記台座461と遊技盤ユニット80との隙間を通って落下し、内枠13の背面側に設けられた(詳しくは遊技盤ユニット80の下方に配置された)上記排出通路盤500の排出通路501へ流入する(例えば図22参照)。
図24に示すように、排出通路盤500は、樹脂ベース70にその背面側から隙間を隔てて対向する対向板部505を有している。対向板部505において樹脂ベース70と対向している面(前面)には、回収板150の出口部分153から落下した遊技球が衝突するように形成された球受け部506が形成されている。球受け部506は、対向板部505から起立しており一方の板面が上方を向くようにして形成された突条をなしている。球受け部506は、遊技盤ユニット80の幅方向に延びており、回収板150の何れの出口部分153(排出口)から排出された遊技球であっても当該球受け部506上に落下するようにして形成されている。
球受け部506は、内枠13の回動先端側から回動基端側へ下り傾斜しており、当該球受け部506、樹脂ベース70の背面、対向板部505によって囲まれた領域、詳しくは上方に開放された領域が排出通路501における上流通路511を構成している。
上流通路511における上流側の端部には、上記基板取付ベース415によって形成された球通路431(図24(b)参照)が連なっており、これら上流通路511及び球通路431によって遊技球を集合させる一連の集合通路が構成されている。
上流通路511の下流側には、当該上流通路511を折り返すようにして形成された下流通路512と、鉛直方向に延びるとともに上流通路511の出口部分及び下流通路512の入口部分を繋ぐ中間通路513とが設けられている。これら中間通路513及び下流通路512は、同一箇所を複数の遊技球が同時に通過できないように形成された規制通路となっている。より具体的には、中間通路513及び下流通路512においては、通路幅が遊技球の直径寸法よりも僅かに大きい程度に設定されている。
上流通路511は上方に開放されており、複数の遊技球が上下に積み重なること(例えば上下に複数列となること)が許容されているが、中間通路513及び下流通路512については4方が通路壁部によって囲まれており遊技球が複数の列を形成することが許容されていない。つまり、排出通路501に流入した遊技球は、少なくとも中間通路513及び下流通路512にて一列に整列されることとなる。このように、遊技球を整列させる機能に着目すれば、これら中間通路513及び下流通路512を整列通路と称することも可能である。
中間通路513の途中位置には、当該中間通路513を通過する遊技球を検知可能な検知センサ530が設けられている。検知センサ530は主制御装置162に対して電気的に接続されており、主制御装置162においては検知センサ530からの検知情報に基づいてどれだけの数の遊技球が排出されたかを確認可能となっている。
例えば、遊技球発射機構110により発射された遊技球の数と排出された遊技球の数とを比較して、遊技球が正常に供給/排出されているかを判断することで、遊技領域PEにて球詰まり等の不都合が発生していないか等を監視することができる。
遊技盤ユニット80の幅方向において中間通路513の入口部分521を挟んで上流通路511とは反対側には、通路壁部522が上流通路511の延長上に位置するようにして延設されている。つまり、対向板部505から起立して設けられ中間通路513を形成する一対の通路壁部522,523のうち上記入口部分521を挟んで球受け部506と対峙している一方には、遊技球を跳ね返す返し部が形成されているもいえる。上流通路511に沿って流下した遊技球は、通路壁部522に衝突して勢いが弱められた状態で中間通路513の入口部分521に流入することとなる。
また、中間通路513の入口部分521を挟んで上流通路511と反対側には、上流通路511と左右略対象となるようにして退避通路515が形成されている。退避通路515は、上流通路511に一気に多量の遊技球が流入する等して、中間通路513への流入が困難な余剰球が発生した場合に、それら余剰球が後続の遊技球に押される等して上記通路壁部522を乗り越えることで流入する通路である。
より詳しくは、通路壁部522の上端部522aに連続し、当該上端部522aから入口部分521とは反対側へ(入口部分521から遠ざかるようにして)延びる底面部525が形成されている。底面部525は、球受け部506と同様に、入口部分521に向けて下り傾斜している。このため、退避通路515へ流入し、一時的に流下経路から外れた遊技球については、それら遊技球の自重によって入口部分521に向けて流下して当該流下経路へ復帰する。
このように、退避通路515を設けることで、多量の遊技球が流れ込んだ直後に入口部分521の周辺(詳しくは上流通路511と中間通路513との境界部分)にて球詰まりが発生することを抑制している。
ここで、図25を参照して排出通路における球詰まりの発生と当該球詰まりの解消の流れについて説明する。図25は排出通路における遊技球の流れを示す概略図である。
排出通路501へ流入した遊技球は、球受け部506等に衝突して落下の勢いを弱められた後、同球受け部506の傾斜に沿って中間通路513の入口部分521へ向けて流下する。その後、中間通路513に設けられた検知領域を通過して下流通路512へと流入し、下流通路512を通じて遊技ホールの島設備へと返却される。
遊技領域PEを流下する遊技球については、遊技領域PEから排出されるタイミングに偏りが生じる。つまり、一定の間隔で発射された遊技球が必ずしも一定の間隔で遊技領域PEから排出されるとは限らず、場合によっては遊技球が全く排出されない期間や多量の遊技球が一気に排出される期間が生じ得る。
ここで、排出通路501に多量の遊技球が一気に流入した場合には、図25(a)に示すように、球受け部506上にて列を形成した遊技球群の上に、新たに流入した遊技球が載る可能性がある。
この場合、上方に載った遊技球の数が多くなると、それら遊技球は、通路壁部522を乗り越えて退避通路515へと流入する(図25(b)参照)。このようにして、排出通路501に流入した遊技球の一部を一時的に退避通路515へ退避させることで、過度に多くの遊技球が上流通路511に同時に存在して、当該上流通路511における遊技球の流れが悪くなることを抑制することができる。
また、多くの遊技球が上流通路511と中間通路513との境界位置に存在することは遊技球同士の噛み込みを招来する要因になり得るが、上述したように遊技球群(特に縦に積み上がった遊技球)を退避通路515へ退避させることで、そのような噛み込みの発生を抑えることができ、遊技球の排出機能が損なわれることを抑制できる。
遊技球の排出が進み、上流通路511に存在している遊技球数が減ると、球受け部506に沿って列をなす遊技球群から上記境界位置に存在する遊技球へと伝わる球圧が、退避通路515の底面部525に沿って列をなす遊技球群から上記境界位置に存在する遊技球へと伝わる球圧と拮抗しやすくなる。このため、図25(c)に示すように、一時的に球圧がつりあって、上流通路511からの遊技球と退避通路515からの遊技球の両者が境界位置にて対峙し、中間通路513の入口部分521へ流入しない球詰まり状態となる可能性がある。
しかしながら、このような球詰まりについては、遊技球同士の微妙な位置関係や球圧の微妙なバランスの上に成り立っているため、上流通路511に新たに流入した遊技球が球受け部506に沿って形成された遊技球群に加わることで、上記バランス等が容易に崩れることとなる。このため、図25(d)に示すように、後続の遊技球の球圧や衝突時の衝撃によって球詰まりが解消され、上記入口部分521への遊技球の流入が促されることとなる。
ここで、本実施の形態においては、上記球詰まりの発生を抑えるために幾つかの工夫が施されている。そこで、再び図24を参照して当該工夫にかかる構成について説明する。
上述したように、上流通路511と中間通路513との境界位置における球詰まりについては、上流通路511に存在する遊技球(例えば球受け部506に沿って列を形成した遊技球群)からの球圧と、退避通路515に存在する遊技球(例えば底面部525に沿って列を形成した遊技球群)からの球圧とが要因の1つとなっている。そこで、上流通路511の全長、より具体的には上記集合通路の全長L1が、退避通路515の全長L2よりも長く設定している。つまり、集合通路に存在し得る遊技球の数が退避通路515に存在し得る遊技球の数よりも多く設定されている。これにより、上記球圧に差を生じさせやすくして、球詰まりの発生を抑えることが可能となっている。
また、水平面に対する上流通路511の傾斜角度ANG1は、水平面に対する退避通路515の傾斜角度ANG2よりも大きく設定されている。このため、両通路511,515に遊技球が存在している場合には、上流通路511に存在する遊技球の方が優先して上記入口部分521に流入しやすくなっている。そして、各通路511,515に遊技球が存在している場合であっても、上流通路511にて発生する上記球圧が退避通路515にて発生する上記球圧よりも大きくなりやすいため、最終的同数の遊技球が各通路511,515に残った場合であっても、球圧が拮抗して球詰まりが生じやすくなることを回避することができる。
更には、退避通路515側の通路壁部522の上端と、上流通路511側の通路壁部523の上端との高さに高低差(詳しくは遊技球の半径寸法と同等の高低差)が存在している。このため、一方の通路の最下流位置に存在する遊技球が他方の通路最下流位置に存在する遊技球を上方から上記入口部分521に向けて押すこととなる。このように、各通路に優劣を設定することで、球詰まりの発生が抑えられている。
特に、上流通路511のほうが低く設定されているため、当該上流通路511に存在する遊技球が優先的に入口部分521へ流入することとなる。これにより、上流通路511に過度に多くの遊技球が溜まることを回避することが可能となっている。
本実施の形態においては遊技機主部12(内枠13)が水平に回動可能となっている。そして、上述した上流通路511や退避通路515については、回動中心部と直交する方向に、すなわち回動基端側から回動先端側に延びている。このため、仮に球詰まりが発生し、それが自動的に解消されない場合には、遊技機主部12(内枠13)を回動させることで、遠心力によって、各通路511,515に存在する遊技球が回動先端側へ向けて誘導される又は変位することとなる。これにより、上述した球詰まりの要因となっている遊技球同士の微妙なバランスが崩れ、同球詰まりを解消することができる。
球詰まりが発生している場合には、遊技機主部12を回動させて球詰まりが解消されると、遊技球が遊技ホールの島設備に返却されずホール内に零れ落ちる可能性がある。この点、本実施の形態においては、遊技盤ユニット80が回動可能であるため、当該遊技盤ユニット80を回動させれば、上流通路511にアクセスすることができる。つまり、球詰まりが発生している箇所に直接アクセスすることができる。遊技機主部12を閉位置に待機させたまま球詰まりの解消作業を行うことで、球詰まりの解消に伴って遊技球のこぼれが発生することを好適に回避することができる。
なお、本実施の形態に示す通路構成によれば、微妙なバランスの上に球詰まりが発生することとなる。このため、実際には、遊技機主部12を大きく開放させる必要はなく、排出通路501が外枠11よりも遊技機前方へ突出しない範囲、つまり、内枠13と外枠11との上下の重なりが担保されている範囲で、当該遊技機主部12を回動させることで、遊技機前方への遊技球のこぼれを回避しつつ、球詰まりを回避させることが可能である。
このような球詰まりが発生した場合には、それを放置することで遊技者や遊技ホールに損害が生じる可能性がある。そこで、このような球詰まりについては早期に発見し、これを解消する必要がある。
そこで、本実施の形態においては、排出経路上での球詰まりの確認を容易とし、その球詰まりがどの箇所で発生しているかを特定可能とするための構成が採用されている。具体的には、樹脂ベース70において上流通路511と中間通路513との境界位置と対向している部分には透明な樹脂材料によって形成された透視部149が配設さており、前扉枠14を開放した状態では当該透視部149を通じて上記境界位置を遊技機正面側から視認可能となっている。つまり、遊技機主部12、裏パックユニット15、遊技盤ユニット80を開放することなく、球詰まりの有無が確認可能をなっている。
上述したように、排出経路上にて球詰まりが発生しやすい箇所としては、排出通路501における上流通路511と中間通路513との境界位置が挙げられる。そこで、透視部149によって当該境界位置を視認可能とすることで、球詰まりの発生箇所を特定しやすくなっている。仮に、透視部149を通じて球詰まりの発生を確認できた場合には、遊技盤80aを回動させる又は揺することにより、当該球詰まりが解消されることとなる。
パチンコ機10の背面側には、各種制御装置や遊技球の払出に掛かる構成が存在している。このため、無闇にパチンコ機10の背面側が露出するようして球詰まりの確認や解消作業が行われることは防犯上の観点から好ましくない。この点、上述したように透視部149を通じた球詰まりの確認を許容し、球詰まりの解消作業時にパチンコ機10の背面が露出する機会を減らすことで、防犯機能の低下を抑えることができる。
<遊技球の分配にかかる構成>
本実施の形態においては、上述した遊技球の排出にかかる構成の他に、遊技球の払出にかかる構成についても特徴的なものとなっている。そこで以下、遊技球の払出にかかる構成について説明する。
既に説明したように、ケースレール223の下部には遊技球を払い出す払出装置224が登載されており、払出装置224の下流側には遊技球を分配する遊技球分配部225が設けられている。先ず、図11を参照して払出装置224について補足説明する。
払出装置224は、複数の部材が組み合わされてなるハウジング551を備えており、ハウジング551内にはケースレール223を流下した遊技球を遊技球分配部225へと案内する遊技球通路552が形成されている。遊技球通路552は、2つの入口側通路部553と、1の出口側通路部554とを備え、その途中位置にて通路の統合が図られている。
払出装置224には、入口側通路部553から出口側通路部554へ流れる遊技球を入口側通路部553にて一旦停止させるための球止め手段として、回転体が設けられている。回転体は、各入口側通路部553に対応させて2枚の球誘導板(スプロケット)を備えており、各球誘導板が対応する入口側通路部553の下流部に収容されるようにして回転体が配置されている。回転体はその中心が払出モータの出力軸に固定されている。
払出モータは、ステッピングモータにより構成されており、出力軸は所定方向に回転駆動される。これにより、回転体は、その所定方向に回転し、それに伴って各球誘導板が各入口側通路部553内にて回転する。出力軸は、1パルスの駆動信号を与えることにより1step進み、360パルスの駆動信号を与えることにより1回転するように設定されている。払出モータについては、払出制御装置242に電気的に接続されており、当該払出制御装置242から払出信号が入力されることで、遊技球の払出を行う構成となっている。より具体的には、払出信号のパルス数によって遊技球の払出個数が調整される構成となっている。なお、遊技球の払出速度については、60msecに1個の遊技球が払出装置224から払い出されるように設定されている。
各球誘導板の周縁には、180°間隔で2箇所に、凹部が形成されている。但し、一対の入口側通路部553間では、凹部の位置が相互に90°ずらして形成されている。回転体が回転していない場合には、2つの入口側通路部553の両方において遊技球の流下が一旦停止される。また、回転体が回転している場合には、凹部に入り込んだ遊技球のみが出口側通路部に導出される。
遊技球の払出しが停止し、払出装置224内に遊技球が待機している状態では、入口側通路部553内にて最下流に位置する遊技球が、球誘導板の外周部、詳しくは凹部を除いた部位に当接した状態となる。
出口側通路部554は、その上流側部分では両球誘導板からの遊技球の流入を許容するように、且つその下流側部分では各球誘導板によって誘導された遊技球を合流させるように通路幅が徐々に減縮されている。そして、出口側通路部554の出口部分555を含んだ部分(後述する傾斜通路部)においては、当該出口側通路部554の通路幅が遊技球の直径よりも僅かに大きい程度に抑えられている。
<各皿28a,29aへの遊技球の振り分けに関する構成>
次に、図26を参照して、払出装置224から流出した遊技球が流入する遊技球分配部225(遊技球分配通路)について説明する。図26は遊技球分配部225の内部構造を示す部分断面図である。
遊技球分配部225は、複数のケース体が組み合わされてなる通路形成体601を有している。通路形成体601は上下に延びる中空の箱状をなしており、その上端部には払出装置224の出口側通路部554が挿入される挿入口602が形成されている。払出装置224から払い出された遊技球は同挿入口602を通じて通路形成体601内に流入することとなる。
通路形成体601の内部には、出口側通路部554から流出した遊技球が通過する払出通路603が形成されている。払出通路603の途中位置から下流側にかけては、当該払出通路603を左右2列に分岐させる仕切壁部621が設けられている。当該仕切壁部621によって分岐された2列の通路のうち、一方(以下便宜上、上皿用払出通路部605と称する)により遊技球が上皿28aへ誘導され、他方(以下便宜上、下皿用払出通路部606と称する)により遊技球が下皿29aへ誘導される。
なお、以下の説明においては、払出通路603における両払出通路部605,606(仕切壁部621)よりも上流側となる領域であって、払出装置224の出口部分555よりも下流側となる領域を分岐領域604と称する。
払出装置224から払い出された遊技球は、遊技球分配部225の払出通路部605,606→内枠13(詳しくは通路形成部材131)の本体側通路132,133→前扉側通路51,52の順に流下し、各皿28a,29aに誘導される。
遊技球分配部225を構成する通路形成体601は、透明性を有する合成樹脂材料を用いて形成されており、上記各通路部内の様子、例えば遊技球の存在等を通路外部から確認可能となっている。また、通路形成体601は、導電性を有する合成樹脂材料、例えば導電性ポリカーボネート樹脂材料を用いて成形され、同遊技球分配部225の一部がアースされている(上記軸受け金具136に接続されている)。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
本実施の形態においては、上皿28aが満杯になり上皿用の案内通路部に遊技球が積み上がっている状態にて更に遊技球が払い出された場合等に、それら余剰となった遊技球が下皿29aへ導かれる構成となっている。ここで、上皿28a及び下皿29aへの遊技球の振り分けに関する構成について詳しく説明する。
上皿用払出通路部605及び下皿用払出通路部606は、鉛直方向に延びているとともに左右に並配されており、それら各通路部605,606の入口部分607,608が上方に開口し且つ横並びとなるように形成されている。上記払出装置224の出口側通路部554は、これら入口部分607,608(分岐領域604)の上方に位置しており、上記仕切壁部621の上端部に対して当該上端部と出口部分555との間を遊技球が通過し得る隙間が確保されるようにして配置されている。より具体的には、出口側通路部554の出口部分555は、上皿用払出通路部605の入口部分607の直上から外れた位置、詳しくは下皿用払出通路部606の入口部分608の直上に位置している。
出口側通路部554において出口部分555を含んだ下流部は上皿用払出通路部605の入口部分607に向けて斜めに傾斜しており、当該下流部の延長上に入口部分607が位置している。払出装置224の回転体から離脱して出口側通路部554に流入した遊技球は、当該出口側通路部554に沿って流下する過程で徐々に加速し、出口部分555から飛び出した後は上皿用払出通路部605の入口部分607に向けて落下することとなる。
つまり、出口部分555の直下に位置する下皿用払出通路部606の入口部分608に向けて垂直に落下するのではなく、仕切壁部621の上方を横切って上皿用払出通路部605に飛び込むこととなる。
上皿用払出通路部605の最下流部には、遊技機前方に向けて開口し、上記通路形成部材131の本体側上皿通路132に連通する連通口611が形成されている。上皿用払出通路部605を流下した遊技球はこの連通口611を通じて本体側上皿通路132に流入することとなる。
上皿28aが満タンとなり、余剰となった遊技球が通路内に溜まった場合には、上皿28aを先頭として本体側上皿通路132→上皿用払出通路部605に続く遊技球列が形成されることとなる。
ここで、図27を参照して遊技球の振分態様について説明する。図27は遊技球の振分の様子を示す概略図である。
図27(a)に示すように、上皿用払出通路部605に遊技球が停留していない場合、すなわち、上皿用払出通路部605への遊技球の流入が許容されている場合には、払出装置224の出口側通路部554から流出した遊技球は、上皿用払出通路部605の入口部分607へ向けて落下する。このようにして落下した遊技球は仕切壁部621に当たる。
仕切壁部621の上端部には当該上端部に対して払出通路603の上流側から当たった遊技球を上皿用払出通路部605及び下皿用払出通路部606の何れかに案内する案内部622が形成されている。より詳しくは、案内部622は、上皿用払出通路部605に向けて下り傾斜する第1傾斜部623と、下皿用払出通路部6060に向けて下り傾斜する第2傾斜部624とを有してなり、全体として上方に凸となる三角形山状をなしている。
上述したように出口側通路部554から流出した遊技球は、案内部622の上皿用払出通路部605に衝突し、下皿用払出通路部606の入口部分608から遠ざかる側へ反射することとなる。そして、反射した遊技球は、仕切壁部621と遊技球の流下領域を挟んで対向し、当該仕切壁部621とともに上皿用払出通路部605を区画形成する対向壁部631側へ向けて移動しながら、当該上皿用払出通路部605内を落下する。そして、上皿用払出通路部605の最下流位置に到達した後は、上記連通口611を通じて、本体側上皿通路132へと流入することとなる。
以上詳述したように、上皿用払出通路部605への遊技球の流入が許容されている状況下においては、遊技球が下皿用払出通路部606への遊技球の流入が不可となる。
次に、図27(b)を参照して、上皿用払出通路部605に遊技球が積み上がり、それ以上の遊技球の流入が不可となっている場合について説明する。
上皿28aを先頭として上皿用払出通路部605の入口部分607に到達するまで遊技球が積み上がった場合には、当該上皿用払出通路部605へのそれ以上の遊技球の流入が困難になる。ここで、本実施の形態においては、上記対向壁部631において入口部分607よりも上方に位置する部分が仕切壁部621側へ張り出している。このため、対向壁部631に沿うようにして積み上がった遊技球群は、その最上流部分に位置する遊技球が下皿用払出通路部606側へずれるようにして斜めに傾くこととなる。
このようにして遊技球が積み上がった状態では、遊技球によって上記案内部622のうち第1傾斜部623が覆われることとなる。より詳しくは、積み上がった遊技球と第2傾斜部624によって擬似的に遊技球用の反射部が形成される。
払出装置224の出口側通路部554から流出した遊技球は、第1傾斜部623に到達する前に、積み上がった遊技球に衝突し、下皿用払出通路部606の入口部分608へ向けて反射することとなる。そして、このように反射した遊技球は、上記遊技球群の上流側へ積み上がることがなく、そのまま下皿用払出通路部606の入口部分608へ流入する。
ここで、上述の如く反射した遊技球は上記擬似反射部に沿って流下し、仕切壁部621と遊技球の流下領域を挟んで対向し、当該仕切壁部621とともに下皿用払出通路部606を区画形成する対向壁部641側へ移動しながら、当該下皿用払出通路部606内を落下する。
ここで、再び図26を参照して下皿用払出通路部606にかかる構成について補足説明する。
下皿用払出通路部606における最下流位置には、遊技機前方に向けて開口し、上記通路形成部材131の本体側下皿通路133に連通する連通口612が形成されている。下皿用払出通路部606を流下した遊技球はこの連通口612を通じて本体側下皿通路133に流入することとなる。
連通口612と上記入口部分608との間には、満タン検知センサ645による検知領域が設定されている。具体的には、対向壁部641には満タン検知センサ645において遊技球に当接する突出片646に対応して開放部642が形成されている。この開放部642を通じて突出片646が遊技球の流下領域へと突出している。
突出片646はコイルバネによって突出位置に付勢されており、下皿29aを先頭として下皿用払出通路部606の所定位置まで遊技球が積み上がった場合に、それら遊技球によって突出片646が押される。突出片646がコイルバネの付勢力に抗して最小突出位置へ移動すると、満タン検知センサ645から下皿用払出通路部606が満タンになった旨の信号(詳しくは積み上がった遊技球が上記検知位置に達した旨を示す情報)が払出制御装置242に出力されることとなる。
対向壁部641において、満タン検知センサ645よりも上流側に位置する部位、すなわち下皿用払出通路部606の入口部分608と満タン検知センサ645との間となる部位には、上皿用払出通路部605に流入できなかった遊技球が衝突し、仕切壁部621に向けて跳ね返るように形成された反射部643が形成されている。
反射部643は、上記案内部622の第2傾斜部624の延長上に位置しており、第2傾斜部624に沿って移動した遊技球は反射部643に案内される構成となっている。再び図27(b)を参照して説明すれば、反射部643に当たった遊技球は、仕切壁部621側に向けて反射し、満タン検知センサ645(詳しくは突出片646)から遠ざかるようにして移動する。これにより、下皿用払出通路部606に流入した遊技球が突出片646に衝突する機会を減らし、突出片646の保護や誤検知の抑制が図られている。
以上詳述したように、払出通路603における遊技球の積み上がりを許容すいることにより、擬似的に上皿28a及び下皿29aの貯留量が拡大されている。払い出された遊技球の貯留量を多く確保することで、遊技進行の円滑化を図ることができる。
従来の遊技機においては、満タン検知センサ645が下皿29aの直上流に配置されており、下皿29aが満タンになった場合には直ちに遊技球の払出が停止される構成となっていた。しかしながら、このような構成では遊技球の貯留量の下皿29aへの依存が強くなり、貯留量の拡大が下皿の拡大に繋がっていた。しかしながら、下皿29aは遊技機前面に設けられており、大型化を図ることで遊技者に対する圧迫感が強くなる等の不都合が生じていた。更には、近年の遊技領域PEの拡張の流れから、満タン検知センサ645を下皿29aの直上流(詳しくは前扉枠14における前扉側下皿通路52)に設けることが周辺構成の圧迫を招来していた。
そこで、本実施の形態においては、満タン検知センサ645の位置を工夫することで、満タン検知センサ645に付与された払出装置224の保護機能を担保しつつ、上記各種不都合を解消することが可能となっている。
以下、図28を参照して、満タン検知センサ645の配置にかかる構成について説明する。図28は、下皿用払出通路部606が満タンになった場合の遊技球のたまり具合を示す概略図である。
図28(a)に示すように、上皿用払出通路部605への遊技球の流入が不可となると、それら余剰となった遊技球は下皿用払出通路部606へと流入する。これら遊技球が下皿29aへと流入して下皿29aが満タンになると、当該下皿29aを先頭として遊技球が積み上がる。積み上がった遊技球が所定の検知位置、詳しくは満タン検知センサ645の突出片646の上端部に当接する位置に達すると、複数の遊技球の球圧によって突出片646が非検知位置(突出位置)から検知位置(非突出位置)へと回動する。
これにより、満タン検知センサ645から払出制御装置242に上記信号が出力され、払出制御装置においては当該信号に基づいて払出装置224を停止させる。しかしながら、払出装置224と検知位置とは離れているため、払出装置224を停止させたとしても直ちに下皿用払出通路部606への遊技球の流入が止まるわけではない。更には、満タン検知の精度向上(誤検知防止)のため、所定の期間に亘って上記信号が継続して出力されていることに基づいて、満タンの可否が判定される構成となっている。このため、満タンになったからといって、直ちに払出装置224の動作が止まるのではなく、払出装置224の停止には若干のタイムラグが発生する。
既に説明したように、払出装置224における遊技球の払出速度については、60msecに1個の遊技球が払出装置224から払い出されるように設定されている。このため、払出装置224を停止した時点では、払出装置224の出口側通路部554と遊技球分配部225の払出通路603には最大で8個の遊技球が流下していることとなる。
払出装置224が停止した後は、これら遊技球が順次下皿用払出通路部606に流入し、当該下皿用払出通路部606内に既に停留中の遊技球(満タン検知の契機となった遊技球)に対して積み重なることとなる。
ここで、本実施の形態においては、図28(b)に示すように、満タン検知位置から下皿用払出通路部606の入口部分608までの通路長が、上述の如く払出装置224の停止時に払出済みの遊技球が積み上がった際に、停留した遊技球が上記入口部分608よりも上方に位置しないようにして、すなわち上記分岐領域604にかからないようにして設定されている。
これにより、満タン検知センサ645による払出装置の保護機能を担保しつつ、以下の効果を発揮することが可能となっている。すなわち、満タン検知センサ645をできるだけ払出装置224に近づけて配置することが可能となり、更には下皿29aにおける貯留量を擬似的に増大させることが可能となっている。
特に、下皿用払出通路部606の最上流に位置する遊技球が上記分岐領域内に停留しないことで、上皿用払出通路部605の最上流位置に存在する遊技球と噛み込む等して、払出通路603内で球詰まりが発生することを抑制することが可能となっている。
更には、下皿用払出通路部606に流入した遊技球群は、当該下皿用払出通路部606が拡がっていない部分に留まることとなり、通路幅が拡張されている領域(入口部分608)に達しない構成となっている。このように、通路幅の規制レベルが緩くなっている領域での遊技球の滞留を回避することで、下皿用払出通路部606における球詰まりの発生を抑制することが可能となっている。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記実施の形態では、「遊技ユニット」としての遊技盤ユニット80を「支持対象」としての樹脂ベース70に対して遊技機前方から取り付ける構成としたが、これを変更し遊技機後方から取り付ける構成とすることも可能である。
また、遊技盤ユニット80を樹脂ベース70に対して回動させることで着脱させる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば遊技盤ユニット80をスライド移動させることで樹脂ベース70に対して着脱させる構成とすることも可能である。
これらの変更を行った場合であっても、「ユニット側コネクタ」としての遊技盤側コネクタ451,452と「支持対象側コネクタ」としての内枠側コネクタ401,402とを遊技盤ユニット80の着脱に基づいて接続/分離させる構成とすることが好ましい。
(2)上記実施の形態では、内枠側コネクタ401,402を固定コネクタとし、遊技盤側コネクタ451,452を可動コネクタとしたが、これ逆にすることも可能である。つまり、遊技盤側コネクタ451,452を台座461に対して相対変位が不可となるように固定する一方で、内枠側コネクタ401,402(又はコネクタ用基板411,412)を接続端子458,459の向きと直交する方向に変位可能となるように構成してもよい。
但し、可変式のコネクタを採用した場合には、それらコネクタの初期位置のばらつきが生じることで、接続が上手く行われない可能性が生じやすく、このような不都合を解消すべくコネクタの変位範囲を大きくすることはコネクタの占有領域を無駄に拡げる要因となるため好ましくない。上記実施の形態に示すように、回動式の遊技盤ユニット80の回動先端部においては、遊技盤ユニット80を回動させた際の遠心力によって、可変式のコネクタの初期位置のばらつきが抑えられやすくなる。故に、上記実施の形態に示したように遊技盤ユニット80側のコネクタを可変式とすることが望ましい。
(3)上記実施の形態では、横長状をなす内枠側コネクタ401,402を左右に並べて配置したが、これを変更し、それら内枠側コネクタ401,402を縦に並べて配置してもよい。但し、遊技盤ユニット80の上下位置が、内枠13の下側壁部263によって規定される構成においては、下側壁部263からの距離が離れれば離れるほど、遊技盤ユニット80の姿勢のばらつきに起因した内枠側コネクタ401,402と遊技盤側コネクタ451,452との上下位置のずれが生じやすくなると想定される。この点、上記実施の形態に示したように横長状のコネクタを左右に並べて配置すれば、遊技盤ユニット80の上下位置を規定する下側壁部263と内枠側コネクタ401,402との離れを小さくすることができ、遊技盤ユニット80の姿勢のばらつきによる影響をうけにくくすることができる。
また、例えばコネクタの接続端子の配列方向については水平方向ではなく、鉛直方向となるように構成することも可能である。つまり、縦長状のコネクタを採用することも可能である。
更には、各コネクタ401,402,451,452を遊技盤ユニット80が内枠13に装着された状態にて当該遊技盤ユニット80の回動先端部寄りとなるように配置したが、これに限定されるものではなく、例えば遊技盤ユニット80の回動基端部寄りに配置することも可能である。
(4)上記実施の形態では、「遊技ユニット」として遊技盤ユニット80を採用し、「支持対象」として内枠13を採用したが、これに限定されるものではない。例えば「遊技ユニット」として裏パックユニット15を採用し、「支持対象」として内枠13を採用してもよい。かかる構成においては、裏パックユニット15を着脱することで内枠13に設けられたコネクタと裏パックユニット15に設けられたコネクタとが結合し、それら裏パックユニット15及び内枠13が電気的に接続される構成とするとよい。
(5)上記実施の形態では、遊技盤ユニット80の回動時の姿勢を安定させる手段として、遊技盤ユニット80の突起304と内枠13の受け部275とを有する構成としたが、これら突起304及び受け部275に代えて軸部及び軸受け部を採用することも可能である。
また、上記安定させる手段に相当する構成を省略することも可能である。但し、当該手段を省略した場合には、遊技盤ユニット80の回動中心部が作業者の操作の仕方によってはばらつきやすくなると想定される。このようなばらつきは内枠側コネクタ401,402と遊技盤側コネクタ451,452との接続を難しくする要因になる。故に、上記実施の形態に示したように、突起304及び受け部275に相当する構成を採用することが好ましい。
(6)上記実施の形態では、遊技盤側コネクタ451,452を台座461に対して相対変位可能とし、その相対変位方向を各コネクタ451,452の接続端子458,459の向きと直交する全方向としたが、これに限定されるものではなく、上下方向又は左右方向の何れかに相対変位可能とすることも可能である。
ここで、上記実施の形態に示したように、遊技盤ユニット80が回動可能に設けられている構成においては、遊技盤側コネクタ451,452の移動経路が円弧状になる。このため上述の如く変位方向を限定する場合には、当該変位方向を左右方向とすることが好ましい。
(7)上記実施の形態では、内枠側コネクタ401,402が挿入口406a,407aを有し、遊技盤側コネクタ451,452が挿入部456a,457aを有する構成としたが、これを逆にすることも可能である。
また、内枠側コネクタ401,402及び遊技盤側コネクタ451,452の両者にコネクタ同士の位置合せ用の誘導部を形成したが、これに限定されるものではない。誘導部については、内枠側コネクタ401,402及び遊技盤側コネクタ451,452の少なくとも一方に設けられていればよい。
(8)上記実施の形態では、遊技盤ユニット80が「載置部」としての下側壁部263に載って内枠側コネクタ401,402及び遊技盤側コネクタ451,452の接続箇所の前方にて遊技盤ユニット80と下側壁部263との当接が担保された状態にて、それら内枠側コネクタ401,402及び遊技盤側コネクタ451,452の接続が開始される構成としたが、これに限定されるものではない。下側壁部263については省略することも可能である。
(9)上記実施の形態では、「減勢機構」としてロック装置79を採用したが、これに代えて、コイルバネやゴムクッション等の緩衝材や摩擦等を利用して遊技盤ユニット80の減勢を行う構成とすることも可能である。
(10)上記実施の形態では、遊技盤ユニット80を内枠13に装着する際には、遊技盤ユニット80が装着完了位置に向けて回動する過程で同遊技盤ユニット80の装着完了位置に向けた勢いを弱める構成としたが、これに限定されるものではない。遊技盤ユニット80を装着完了位置に向けて回動する過程で必ず一旦停止させる構成としてもよい。
かかる構成を採用する場合には、例えば遊技盤ユニット80が所定の回動位置に到達した場合に一旦停止させるストッパ機構と、ストッパ機構による移動規制を解除する解除機構とを採用し、遊技盤ユニット80がストッパ機構によって一旦停止した後は解除機構を操作して移動規制を解除することで、遊技盤ユニット80の装着完了位置に向けた更なる移動が許容される構成とすればよい。
(11)上記実施の形態では、遊技盤ユニット80が内枠13に対する装着完了位置に到達した後は、遊技盤ユニット80の装着完了位置への移動を妨げる抗力が発生しない構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、上記変形例(9)に示したように「減勢機構」としてバネやゴムクッション等を採用している場合には、遊技盤ユニット80が装着完了位置に到達した後も抗力が作用し続けることとなるが、このような構成であっても、遊技盤ユニット80を装着完了位置から動かないようにする移動規制手を併用することで「減勢機構」が遊技盤ユニット80の位置の安定化の妨げになることを回避できる。
(12)上記実施の形態では、ロック装置79をロック状態からアンロック状態に切り替えることで、遊技盤ユニット80が遊技機前方に押し出される構成とし、これにより内枠側コネクタ401,402と遊技盤側コネクタ451,452の接続が解除される構成としたが、これに限定されるものではない。
ロック装置79をアンロック状態に切り替えたとしても遊技盤ユニット80が遊技機前方に押し出されることなく装着完了位置にて待機する構成としてもよい。また、ロック装置79をアンロック状態に切り替えて遊技盤ユニット80が遊技機前方に押し出されたとしても内枠側コネクタ401,402と遊技盤側コネクタ451,452の接続が維持される構成とすることも可能である。
(13)上記実施の形態では、遊技盤側コネクタ451,452用の台座461及び回収板150の両者が「脚部」に相当する構成を有していたが、「脚部」については弾性変形可能であって遊技盤側コネクタ451,452の位置や姿勢を変化させることができれば足り、その配設対象は台座461および回収板150の何れであってもよい。
(14)上記実施の形態では、内枠側コネクタ401,402と遊技盤側コネクタ451,452との向きを接続完了状態での接続箇所の中央を通過する接線TL1,TL2に合せたが、接線TL1,TL2が通過する位置は接続箇所の中央に限定されるものではない。但し、各コネクタ401,402,451,452がある程度の横幅を有していることを考慮すれば接線TL1,TL2を想定する場合にそれら各接線TL1,TL2が通過する位置は接続箇所の中央とすることが好ましい。
(15)上記実施の形態では、前扉枠14を開放することで内枠13に設けられた透視部149を通じて球詰まりの目視による確認が可能となる構成としたが、これを変更し、前扉枠14を閉じた状態のまま上記球詰まりの確認が可能となる構成を採用してもよい。
具体的には、前扉枠14に透視部149を通じて球詰まりの確認を行うことができるように、同透視部149を視認可能とする前扉枠側透視部を形成するとよい。
なお、各透視部については、透明な合成樹脂材料を用いて形成してもよいし、開口等の窓部によって形成してもよい。但し、防犯機能の低下を抑える上では、開口等の窓部ではなく透明な合成樹脂材料からなる透視パネル等を採用することが好ましい。なお、開口を設ける場合には、その大きさを遊技球が通過できない程度に設定することで、ピン部材等を用いて遊技球へのアクセスを可能とすることができる。かかる構成においては、球詰まりの発生時には、ピン部材を開口部から挿入して遊技球を押す等することで、当該球詰まりの解消を図ることができる。これにより、球詰まりの解消作業を容易化することができる。
(16)上記実施の形態では、透視部149を通じて、排出通路501における上流通路511と中間通路513との境界部分を視認可能とした。球詰まりの発生しやすい箇所については上記境界部分であるため、透視部149を通じて視認可能となる範囲に当該境界部分を含めることが好ましいが、少なくとも当該境界部分を含んでいるのであれば視認可能とする範囲(例えば透視部149の大きさ)については任意である。
(17)上記実施の形態では、排出通路501における上流通路511と中間通路513との境界部分の後方に電源・発射制御板が位置する構成とした必ずしもこれに限定されるもではない。遊技球のコントラストが際立つ等して、球詰まりの目視による確認が容易になるのであれば、制御基板以外の構成を配置することも可能である。
(18)上記実施の形態では、払出通路603を構成する下皿用払出通路部606の入口部分608の上方に払出装置224の出口側通路部554の出口部分555を配置したが、当該出口部分については上皿用払出通路部605の入口部分607の上方から外れた位置であれば足り、必ずしも下皿用払出通路部606の入口部分608の上方である必要はない。
(19)上記実施の形態では、払出装置224の出口側通路部554から流出した遊技球が仕切壁部621に形成された案内部622に衝突して勢いを弱められた状態で上皿用払出通路部605に流入する構成としたが、払出装置224の出口側通路部554から流出した遊技球が案内部622に衝突することなく直接上皿用払出通路部605に流入する構成としてもよい。
(20)上記実施の形態では、払出通路603が上皿用払出通路部605と下皿用払出通路部606とに分岐する構成としたが、例えば「貯留部」として皿が1つだけ設けられている遊技機においては、払出通路603を分岐させることなく1条の通路となるように構成してもよい。この場合、払出装置224の出口側通路部554から落下する遊技球の落下経路と交差するようにして反射部を設け、当該反射部に衝突した遊技球が満タン検知センサから遠ざかるようにして移動する構成とすることで、当該落下する遊技球が直接センサに衝突する機会を減らすことができる。
(21)上記実施の形態では、払出装置224が停止した後に既に払出済みの遊技球が溜まると、下皿用払出通路部606が満タンになる構成とした。つまり、「限界位置」として下皿用払出通路部606の上限位置を設定したが、これに限定されない。例えば「限界位置」を分岐位置としてもよいし、払出装置224ので出口側通路部554における出口部分の直下流位置としてもよい。
(22)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.電気部品(図柄表示装置96や主制御装置162)が搭載されてなる遊技ユニット(遊技盤ユニット80)が支持対象(内枠13の樹脂ベース70)によって回動可能に支持されている遊技機であって、
前記遊技ユニットに設けられたユニット側コネクタ(遊技盤側コネクタ451,452)と、
前記支持対象に設けられ、前記遊技ユニットの閉位置への変位に基づいて前記ユニット側コネクタと接続され、前記遊技ユニットの閉位置から開側への変位に基づいて前記ユニット側コネクタと分離される支持対象側コネクタ(内枠側コネクタ401,402)と
を備え、
前記ユニット側コネクタ及び前記支持対象側コネクタは、当該ユニット側コネクタの接続端子(接続端子458,459)及び支持対象側コネクタの接続端子(接続端子408,409)が、前記遊技ユニットの回動中心部を中心として前記ユニット側コネクタと前記支持対象側コネクタとの接続箇所を通過する仮想円(仮想円FC1,FC2)の接線方向に向くようにして構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、遊技ユニットを支持対象に対して開閉させる際には、遊技ユニットの変位に基づいてユニット側コネクタと支持対象側コネクタとが接続/分離されることとなる。これにより、両コネクタの接続/分離作業を別途行う必要がなくなったり、接続/分離時の作業用スペースの確保が不要となったりする等の優れた効果が期待できる。
しかしながら、遊技ユニットの開閉操作によってコネクタが自動的に接続される構成においては、上述した作業性の向上等の効果を発揮させることができる反面、遊技ユニットを開閉させる場合にコネクタに操作力等が直接伝わることとなる。特に、遊技ユニットを回動させることで着脱する構成においては、回動中心部からの距離が小さくなればなるほど仮想円の半径が小さくなるためコネクタ同士の干渉度合いが強くなり、開閉操作時にコネクタに対する上記操作力の影響が大きくなる。そして、接続後も歪等が残存することとなる。これらの理由から、回動式の遊技ユニットにコネクタの自動接続にかかる技術的思想を単に適用しただけでは、コネクタ本来の機能に支障をきたしやすくなると懸念される。
この点、本特徴においては、各コネクタの接続方向が遊技ユニットの回動中心部を中心として両コネクタの接続箇所を通過する仮想円の接線方向を向くように構成されている。これにより、コネクタを接続する際の上記干渉の度合いを小さくすることができ、遊技ユニットを開閉した際にコネクタ同士を円滑に接続/分離させることが可能となっている。故に、コネクタ同士が支える等して接続が上手く行われなくなったり、接続に要する力が大きくなる等してコネクタに生じる負荷が大きくなったりすることを抑えることができ、上述した各種効果を享受しつつそれに起因してコネクタの機能低下を抑制可能となっている。
なお、コネクタが接続端子と当該接続端子が取り付けられたコネクタ本体とを有する構成においては、「前記ユニット側コネクタ及び前記支持対象側コネクタは、それら各コネクタのコネクタ本体の結合面が前記遊技ユニットの回動中心部を中心として前記ユニット側コネクタと前記支持対象側コネクタとの接続箇所を通過する仮想円の接線方向を向くようにして(接線と直交するようにして)構成」することも可能である。
特徴A2.前記遊技ユニット及び前記支持対象の一方に設けられた軸部(レールカバー300の突起304)と、
前記遊技ユニット及び前記支持対象の他方に設けられ、前記軸部と係合する軸受け部(ストッパ部271の受け部275)と
を備え、
前記遊技ユニットは、前記軸部と前記軸受け部とが係合することで、当該係合部分を中心として回動可能となることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2に示したように遊技ユニットが回動可能に支持されている構成においては、仮にその回動中心部が回動中心と交差する方向に変位してしまうと、コネクタ接続時のユニット側コネクタ(詳しくは接続端子)の向きと支持対象側コネクタ(詳しくは接続端子)の向きとが一致しない可能性が高くなる。これでは特徴A1に示した効果が上手く発揮されなくなると懸念される。そこで、本特徴に示すように軸部と軸受け部とを係合させる構成とすれば、回動中心部のずれを抑えて、特徴A1に示した効果を上手く発揮させることができる。
なお、「遊技ユニット」としての遊技盤を「軸部」及び「軸受け部」によって回動可能とする構成においては、遊技ユニットの着脱時に、これら軸部及び軸受け部が見えづらくなることで作業性が低下すると懸念される。そこで、軸部及び軸受け部については、遊技盤の前面側に位置するようにして配置することが好ましい。この場合、コネクタの配置と回動中心部とには必然的に遊技盤の厚さ方向(前後方向)でのずれが生じることとなる。このような事情を考慮した場合にも、特徴A2に示したように、コネクタの向きを工夫しておくことが好ましい。かかる工夫によって、遊技盤を回動式とした場合であっても、コネクタの接続/分離を円滑に行うことが可能となる。
特徴A3.前記支持対象側コネクタは、前記回動中心部からの距離が異なるようにして複数設けられ、それら支持対象側コネクタに各々対応させて複数の前記ユニット側コネクタが設けられており、
前記各支持対象側コネクタは前記支持対象に個別に取り付けられており、前記各ユニット側コネクタは前記遊技ユニットに個別に取り付けられていることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
コネクタがある程度の大きさを有することを考慮すると、コネクタにおける回動中心部に近い側の端部と遠い側の端部とでは、当該回動中心部を中心としてそれら各端部を通過する仮想円での上記接線の向きの違いが大きくなると想定される。
この点、本特徴に示すように回動中心部からの距離が異なるようにして配置された複数のコネクタを併用して電気的接続を行う構成とすれば、1の大きなコネクタを用いて電気的接続を行う場合と比較して、上記差を低減することができる。
この場合、各コネクタの向きを個々に設定することが好ましく、それら各コネクタを支持対象に個別に取り付ける構成とすることで、各コネクタの向きを個々に設定することが可能となる。故に、特徴A1に示した効果を好適に発揮させる上で、好ましい構成が実現できる。
特徴A4.前記ユニット側コネクタと前記支持対象側コネクタとのうち少なくとも一方は、取付対象に前記接線と直交する方向に変位可能となるようにして取り付けられていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A4によれば、コネクタ同士の位置関係のばらつきを許容しやすくなり、支持対象側コネクタとユニット側コネクタとの位置関係を目視で確認しながら遊技ユニットの取り付けを行う必要がなくなる。このようにして目視確認の必要性を抑えることで、作業性の低下を好適に回避することができる。
特徴A5.前記ユニット側コネクタと前記支持対象側コネクタとのうち少なくとも一方は、前記遊技ユニットの回動中心部に近づく側と遠ざかる側とに変位可能となっていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
ユニット側コネクタと支持対象側コネクタとを接続させる場合には、接続開始から接続完了まである程度のストロークが必要になる。このため、接続初期と接続完了時とでは、コネクタの向きが相違し、コネクタが直線移動する場合と比較して上記回動中心部の放射方向へ着脱軌道の拡がりが生じる。ここで、本特徴に示すように、ユニット側コネクタと支持対象側コネクタとのうち少なくとも一方を回動中心部に近づく側と遠ざかる側とに変位可能とすれば、そのような着脱軌道の拡がりを許容することができる。
特徴A6.前記ユニット側コネクタと前記支持対象側コネクタとのうち少なくとも前記ユニット側コネクタが変位可能となっていることを特徴とする特徴A4又は特徴A5に記載の技機。
遊技ユニットを回動式とした場合には、ユニット側コネクタは遊技ユニットを回動させた際の遠心力で所定の位置に留まりやすくなる。これにより、支持対象側コネクタとのコンタクトを円滑なものとすることができる。
特徴A7.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成され、電気部品(図柄表示装置96や主制御装置162)が搭載されてなる遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
前記遊技盤を着脱可能に支持する支持枠(内枠13の樹脂ベース70)と
を備え、
前記支持枠に対して前記遊技盤が遊技機前方から回動可能となるようにして取り付けられている遊技機において、
前記遊技盤の背面に設けられた遊技盤側コネクタ(遊技盤側コネクタ451,452)と、
前記支持枠に設けられ、前記遊技盤の取り付けに伴う当該遊技盤の変位により前記遊技盤側コネクタと接続され、前記遊技盤の取り外しに伴う当該遊技盤の変位により前記遊技盤側コネクタと分離される支持枠側コネクタ(内枠側コネクタ401,402)と
を備え、
前記遊技盤側コネクタ及び前記支持枠側コネクタは、前記遊技盤の回動中心部よりも遊技機後側に位置し、前記遊技盤の回動中心軸部を中心として前記支持枠側コネクタ及び前記支持枠側コネクタの接続箇所を通過する仮想円の接線方向に接続端子が向くようにして配置されていることを特徴とする遊技機。
特徴A7によれば、特徴A1と同様の効果に加え以下の効果が期待できる。すなわち、遊技盤が支持枠によって回動可能に支持されており、各コネクタの接続方向が接続箇所を通過する仮想円の接線方向を向くように構成されている。これにより、遊技盤を開閉した際に、コネクタ同士を円滑に接続/分離させることが可能となっている。故に、コネクタ同士が支える等して接続が上手く行われなくなったり、接続に要する力が大きくなる等してコネクタに生じる負荷が大きくなったりすることを抑えることができ、上述した各種効果を享受しつつそれに起因してコネクタの機能低下を抑制可能となっている。
また、遊技機においては左右の幅にかかる制約が大きい構成となっている。ここで、コネクタを斜めに傾けて配置することにより、左右方向でのコネクタの占有領域を小さくすることができる。これにより、遊技機の設計自由度の向上に貢献することができる。
特徴A8.前記遊技盤及び前記支持枠の一方に設けられた軸部(レールカバー300の突起304)と、
前記遊技盤及び前記支持枠の他方に設けられ、前記軸部と係合する軸受け部(ストッパ部271の受け部275)と
を備え、
前記遊技盤は、前記軸部と前記軸受け部とが係合することで、当該係合部分を中心として回動可能となることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A7に示したように、遊技盤が回動可能に支持されている構成においては、仮にその回動中心部がぶれてしまうと、遊技盤側コネクタの向きと支持枠側コネクタの向きとが相違することになる。これでは特徴A2に示した効果が上手く発揮されなくなると懸念される。そこで、本特徴に示すように軸部と軸受け部とを係合させる構成とすれば、回動中心部のぶれを抑えて、特徴A2に示した効果を上手く発揮させることができる。
なお、遊技盤を軸部及び軸受け部によって回動可能とする構成においては、遊技盤の着脱時に、これら軸部及び軸受け部が見えづらくなることで作業性が低下すると懸念される。そこで、軸部及び軸受け部については、遊技盤の前面側に位置するようにして配置することが好ましい。この場合、コネクタの配置と回動中心部とには必然的に遊技盤の厚さ方向(前後方向)でのずれが生じることとなる。このような事情を鑑みた場合にも、特徴A2に示したように、コネクタの向きを工夫しておくことで、回動式の遊技盤であっても、コネクタの接続/分離を円滑に行うことができる。
特徴A9.前記支持枠側コネクタは、前記回動中心部からの距離が異なるようにして複数設けられ、それら支持枠側コネクタに各々対応させて複数の前記遊技盤側コネクタが設けられており、
前記各支持枠側コネクタは前記支持枠に個別に取り付けられており、前記各遊技盤側コネクタは前記遊技盤に個別に取り付けられていることを特徴とする特徴A7又は特徴A8に記載の遊技機。
コネクタにもある程度の大きさがあることを考慮すると、回動中心部に近い側の端部と遠い側の端部とでは、各端部を通過する上記仮想円での上記接線の向きの差が大きくなると想定される。
この点、本特徴に示すように回動中心部からの距離が異なるようにして配置された複数のコネクタを併用すれば、1の大きなコネクタを用いる場合と比較して、上記差の低減を実現することができる。この場合、各コネクタの向きを個々に設定することが好ましく、それら各コネクタを支持枠に個別に取り付ける構成とすることで、各コネクタの向きを個々に設定することが可能となる。故に、特徴A2に示した効果を好適に発揮させる上で、好ましい構成が実現できる。
特徴A10.前記遊技盤側コネクタと前記支持枠側コネクタとのうち少なくとも一方は、取付対象に前記接線と直交する方向に移動可能となるようにして取り付けられていることを特徴とする特徴A7乃至特徴A9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A10によれば、コネクタ同士の位置関係のばらつきを許容しやすくなり、支持枠側コネクタと遊技盤側コネクタとの位置関係を目視で確認しながら遊技盤の取り付けを行う必要がなくなる。これにより、作業性の低下を好適に回避することができる。
特徴A11.前記遊技盤側コネクタと前記支持枠側コネクタとのうち少なくとも一方は、前記遊技盤の回動中心部に近づく側と遠ざかる側とに変位可能となっていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
遊技盤側コネクタと支持枠側コネクタとを接続させる場合には、接続開始から接続完了まである程度のストロークが必要になる。このため、接続初期と接続完了時とでは、コネクタの向きが相違し、着脱軌道の拡がりが生じる。ここで、本特徴に示すように、遊技盤側コネクタと支持枠側コネクタとのうち少なくとも一方を回動中心部に近づく側と遠ざかる側とに変位可能とすれば、そのような着脱軌道の拡がりを許容することができる。
特徴A12.前記遊技盤側コネクタが可動式であることを特徴とする特徴A10又は特徴A11に記載の技機。
遊技盤を回動式とした場合には、遊技盤側コネクタは遊技盤を回動させた際の遠心力で所定の位置に留まりやすくなる。これにより、支持枠側コネクタとのコンタクトを円滑なものとすることができる。
特徴A13.前記遊技盤は、前記支持枠に対して前方から取り付けられており、
前記支持枠側コネクタは、前記遊技盤が閉位置に配置されている状態にて、前記遊技盤の正面側且つ、当該遊技盤の回動先端側を向くようにして配置されていることを特徴とする特徴A7乃至特徴A12のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A13によれば、遊技盤を回動させた場合に、当該遊技盤を大きく開放しなくても
支持枠側コネクタ(詳しくは接続端子等)の目視での確認作業が可能となる。これにより、確認作業の容易化を図ることができ、更には確認作業時に遊技盤を大きく開放させる必要がなくなることで遊技盤の背面側が露出する機会を減らして防犯性の向上に貢献することができる。
特徴A14.前記支持枠には、前記遊技盤の下端部と対向して設けられ、前記遊技盤が載置されることにより同遊技盤の上下位置を規定する載置部(下側壁部263)が形成されており、
前記支持枠側コネクタ及び前記遊技盤側コネクタは、少なくともそれらコネクタの前方にて前記載置部に前記遊技盤が載った状態にて接続又は分離されるように構成されていることを特徴とする特徴A7乃至特徴A13のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A13によれば、遊技盤の姿勢が安定した状態にてコネクタ同士を接続/解除させることができる。これにより、コネクタ同士が衝突する等してコネクタに大きな負荷が加わることを抑制することができる。
上記特徴A群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、電気部品が搭載されてなる遊技盤等の遊技ユニットと、その遊技ユニットを着脱可能に支持する支持枠等の支持対象とを備えているものがある。遊技ユニットには電気部品に接続されたコネクタが取り付けられており、このコネクタを支持対象側のコネクタと接続することで、遊技ユニットと支持対象とが電気的に接続された状態となる。
近年では、遊技ユニットを支持対象に着脱する際の遊技ユニットの変位によって両コネクタが電気的に接続/分離されるものが提案されている(例えば特許文献1:特開2004−267695号公報参照)。かかる遊技機においては、例えば遊技ユニット装着後に手作業でコネクタの接続作業を行う必要が無く、作業性の向上等が実現される。
ここで、上述したタイプの遊技機においては、遊技ユニットの取り付けに伴ってコネクタ同士が当たる可能性がある。このようにコネクタ同士が当たった際に、遊技ユニットの自重や取り付け操作の勢いがコネクタへと伝わると、同コネクタに大きな衝撃(負荷)が発生すると懸念される。また、コネクタが移動する経路と予め設定された接続経路とがずれることにより、コネクタ接続時の負荷が大きくなったり、従来のように手動で接続していた場合には生じない応力等が発生したりすると想定される。これは、コネクタ本来の接続機能を低下させる要因となり得るため好ましくない。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、接続作業の容易化を図りつつコネクタ本来の接続機能の低下を抑えることができる遊技機を提供することを目的とする。
<特徴B群>
特徴B1.電気部品(図柄表示装置96や主制御装置162)が搭載されてなる遊技ユニット(遊技盤ユニット80)が支持対象(内枠13の樹脂ベース70)によって支持されている遊技機であって、
前記遊技ユニットに設けられたユニット側コネクタ(遊技盤側コネクタ451,452)と、
前記支持対象に設けられ、当該支持対象への前記遊技ユニットの取り付けに伴う当該遊技ユニットの変位により前記ユニット側コネクタと接続され、前記遊技ユニットの取り外し操作に伴う当該遊技ユニットの変位により前記ユニット側コネクタと分離される支持対象側コネクタ(内枠側コネクタ401,402)と、
前記遊技ユニットが前記支持対象への取付完了位置へ配置されて前記ユニット側コネクタと前記支持対象側コネクタとが接続される場合に、それら両コネクタの結合が開始される前に移動中の前記遊技ユニットを減勢させる減勢機構(ロック装置79)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、遊技ユニットを支持対象へ取り付けることにより(詳しくは取付完了位置へ配置することにより)、ユニット側コネクタと支持対象側コネクタとが接続される。遊技ユニットの取付完了後に両コネクタを結合するための別途作業が必要なくなることで、作業性の向上に貢献することができる。
しかしながら、支持対象に遊技ユニットを取り付けることにより両コネクタが結合される構成においては、上述した作業性の向上等の効果を発揮させることができる反面、コネクタ同士が接触等した際に、遊技ユニットの重量や勢いがコネクタに伝わりやすくなると想定される。コネクタに衝突等に起因した大きな応力が発生することは、コネクタの変形や破損等を招いてコネクタ本来の機能に支障をきたす要因となり得る。
この点、本特徴においては、両コネクタの結合が開始される前に遊技ユニットの勢いを弱めることで、コネクタ同士が接触した場合に生じる応力を軽減することができる。これにより、勢いよく遊技ユニットが取付完了位置へ向けて押し込まれる等した場合であっても、それにより、コネクタに大きな負荷が加わるといった不都合を生じにくくすることができる。
なお、例えば遊技ユニットが取付完了位置へ配置される際に当該遊技ユニットが通過する全区間に、遊技ユニットの変位が容易な第1区間と、第1区間よりも変位が難しい第2区間(減勢区間)とを設け、遊技ユニットが第2区間に到達した後にユニット側コネクタと支持対象側コネクタとが結合される構成とするとよい。
特徴B2.前記減勢機構は、前記遊技ユニットが前記取付完了位置に配置される場合に、当該遊技ユニットの取付方向における先側から当該遊技ユニットにおいて前記ユニット側コネクタ以外の部分に当接することで同遊技ユニットの変位を妨げるものであることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、遊技ユニットが取付完了位置に配置される場合に、ユニット側コネクタに対して遊技ユニットの自重や取付完了位置へ向けた勢い等が伝わることを回避することができ、特徴B1に示し効果を好適に発揮させることができる。
特徴B3.前記減勢機構は、前記支持対象側コネクタを挟んだ両側にて前記減勢を行うものであることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
特徴B1に示したように、遊技ユニットの減勢を行う構成においては、減勢時に遊技ユニットの姿勢が乱れることで、コネクタ同士が上手く結合されなくなるといった不都合が生じると想定される。つまり、減勢の態様には工夫の余地がある。
ここで、本特徴においては、支持対象側コネクタを挟んだ両側にて減勢を行うことで、少なくとも減勢時に支持対象側コネクタ付近での姿勢の乱れ等を抑えることができる。これにより、コネクタの結合が上手く行われなくなるといった不都合を生じにくくすることができる。
また、減勢後に遊技ユニットを取付完了位置へと押し込まれる等した場合であっても、当該操作によって遊技ユニットの姿勢が乱れることを抑制することができる。これにより、コネクタの結合に際して、過度に大きな負荷が生じることを抑制することができる。
なお、例えば減勢機構を構成する減勢部を上記支持対象側コネクタを挟んだ両側に配置するとよい。
特徴B4.前記減勢機構は、前記支持対象に設けられていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B3のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す減勢機構を遊技ユニット側に設けた場合には、遊技ユニットの重量が嵩む等して遊技ユニットの持ち運びが難しくなると懸念される。そこで、本特徴に示すように減勢機構を支持対象に設ける構成とすれば、上記不都合の発生を回避し、作業性の向上等に貢献することができる。
特徴B5.前記減勢機構は、前記コネクタ同士が接続される前に前記遊技ユニットの変位を規制することで同遊技ユニットの取付完了位置への変位を一旦停止させるものであることを特徴とする特徴B1乃至特徴B4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B5によれば、遊技ユニットを一旦停止させることで、勢いよく押されてもその衝撃がコネクタに伝わることを抑制できる。一旦停止された位置から新たに押し込みを行う場合であっても、操作ストロークの残り代が小さくなっているため、遊技ユニットが過度に勢いよく押し込まれることを回避し、上記コネクタの保護機能を好適に発揮させることができる。
特徴B6.前記遊技ユニットを前記支持対象から取外可能とするアンロック状態と、当該遊技ユニットを当該支持対象から取外不可とするロック状態とに切替可能に設けられたロック装置(ロック装置79)を備え、
前記ロック装置は、前記遊技ユニットが前記取付完了位置へ向けて変位することにより前記アンロック状態から前記ロック状態に切り替わり、
前記減勢機構は、前記ロック装置の前記アンロック状態から前記ロック状態への切り替えを妨げる抗力を発生させることにより、上記減勢を行うものであることを特徴とする特徴B1乃至特徴B5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B6によれば、遊技ユニットを取り付ける場合には、当該遊技ユニットの取付位置へ向けた変位によりロック装置がアンロック状態からロック状態に切り替わる。この際、ロック装置のロック状態への切替えが減勢機構によって妨げられるため、作業者は、勢いよく又は勢いを保ったまま遊技ユニットを取付位置へと変位させることが困難になる。そもそも、ロック装置については、遊技ユニットの取り外しを妨げるものであり、ある程度の強度が要求される。このように、強度が担保されやすい構成によって、遊技ユニットの勢いを弱めることで、上述したコネクタの保護機能を好適に発揮させることができる。
なお、例えば「前記ロック装置は、前記遊技ユニットが取付方向とは反対側から当接する受け部(受け部材121)を有してなり、前記受け部が前記遊技ユニットによって押されることで前記ロック装置が前記アンロック状態からロック状態に切り替わる」構成とするとよい。
特徴B7.前記ロック装置は、
ロック解除操作に際して作業者により操作される操作部(操作部129)と、
前記操作部が操作されることで、前記遊技ユニットを取り外し方向へと変位させる作用部(受け部材121)と
を有し、
前記遊技ユニットが前記作用部によって取り外し方向へと押されることで、前記ユニット側コネクタと前記支持対象側コネクタとの接続が解除されることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
特徴B6に示したように、抗力によって減勢を行う構成においては、遊技ユニットを取り外す際に必要となる操作力が大きくなる可能性がある。仮に、遊技ユニットの何れかの箇所を持って遊技ユニットを取り外し方向へと引っ張る等した場合には、遊技ユニットが傾く等して、コネクタに過剰な応力が生じる可能性がある。
ここで、本特徴においては、ロック装置の解除操作を行うことで、コネクタの結合が解除される構成とすることで、作業者が任意で遊技ユニットを引っ張る箇所を選ぶ機会を減らすことができ、上記不都合の発生を抑えることができる。
特徴B8.前記ユニット側コネクタと前記支持対象側コネクタとのうち一方は、それら両コネクタの接続方向と直交する方向に変位可能となるようにして取り付けられ、前記ユニット側コネクタ及び前記支持対象側コネクタの他方に当接することで、前記遊技ユニットの前記取付完了位置へ向けた変位に伴って所定の接続位置へと誘導される構成となっており、
前記減勢機構は、前記ユニット側コネクタ及び前記支持対象側コネクタのうち一方が他方に誘導されている期間中は、前記遊技ユニットの前記取付完了位置への移動を妨げる抗力を発生する抗力発生状態に維持することを特徴とする特徴B1乃至特徴B7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B8によれば、ユニット側コネクタ及び支持対象側コネクタのうち一方を可変式とすることで、両コネクタの位置ばらつきを許容することが可能となっている。しかしながら、このような構成においては作業性や利便性の向上を図ることができる反面、コネクタの耐久性が低下しやすい。
この点、本特徴によれば、コネクタの誘導期間中は負荷が増大したままとなるように構成することで、勢いよくコネクタ同士がぶつかったり押し付けられたりすることを回避し、コネクタの保護を図ることができる。
特徴B9.前記減勢機構は、少なくとも前記遊技ユニットの前記取付完了位置への移動を妨げる抗力を発生する抗力発生状態となった後は、その状態が前記遊技ユニットが取付完了位置に到達するまで維持されるように構成されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B8のいずれか1つに記載の遊技機。
減勢機構が抗力を生じさせた場合には、作業者は増大した負荷を考慮して遊技ユニットに加える力(操作力)を大きくすると想定される。この際、コネクタの接続が完了する前に、増大状態が解除されてしまうと、遊技ユニットが急に加速するようにして取付完了位置に到達することとなり、コネクタに大きな力が加わりやすくなると想定される。
この点、本特徴においては、少なくとも負荷増大状態となった後は遊技ユニットが取付完了位置に到達するまでその状態で維持されるため、上記不都合の発生を抑制することができる。これにより、コネクタの保護機能を一層好適に発揮させることができる。
上記特徴B群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、電気部品が搭載されてなる遊技盤等の遊技ユニットと、その遊技ユニットを着脱可能に支持する支持枠等の支持対象とを備えているものがある。遊技ユニットには電気部品に接続されたコネクタが取り付けられており、このコネクタを支持対象側のコネクタと接続することで、遊技ユニットと支持対象とが電気的に接続された状態となる。
近年では、遊技ユニットを支持対象に着脱する際の遊技ユニットの変位によって両コネクタが電気的に接続/分離されるものが提案されている(例えば特許文献1:特開2004−267695号公報参照)。かかる遊技機においては、例えば遊技ユニット装着後に手作業でコネクタの接続を行う必要が無く、作業性の向上等が実現される。
ここで、上述したタイプの遊技機においては、遊技ユニットの取り付けに伴ってコネクタ同士が当たる可能性がある。このようにコネクタ同士が当たった際に、遊技ユニットの自重や取り付け操作の勢いがコネクタへと伝わると、同コネクタに大きな衝撃(負荷)が発生すると懸念される。また、コネクタが移動する経路と予め設定された接続経路とがずれることにより、コネクタ接続時の負荷が大きくなる等して、従来のように手動で接続していた場合には生じない応力等が発生したりすると想定される。これは、コネクタ本来の接続機能を低下させる要因となり得るため好ましくない。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、接続作業の容易化を図りつつコネクタ本来の接続機能の低下を抑えることができる遊技機を提供することを目的とする。
<特徴C群>
特徴C1.電気部品(図柄表示装置96や主制御装置162)がユニット本体(遊技盤80a)に搭載されてなる遊技ユニット(遊技盤ユニット80)を備え、当該遊技ユニットが支持対象(内枠13の樹脂ベース70)によって支持されている遊技機であって、
前記遊技ユニットにおいて前記支持対象と対峙している部分に設けられ、台座(台座461)を介して前記遊技ユニットに取り付けられたユニット側コネクタ(遊技盤側コネクタ451,452)と、
前記支持対象に設けられ、当該支持対象における取付完了位置への前記遊技ユニットの変位により前記ユニット側コネクタと接続され、前記取付完了位置からの前記遊技ユニットの変位により前記ユニット側コネクタとの接続が解除される支持対象側コネクタ(内枠側コネクタ401,402)と
を備え、
前記台座は、前記ユニット本体と前記ユニット側コネクタとの間に遊技球の通過が可能となる隙間(球通路FS)が生じるようにして形成されており、少なくとも当該隙間が小さくなる側へ変形可能となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、遊技ユニットを支持対象への取付完了位置へ配置することにより、ユニット側コネクタと支持対象側コネクタとが接続される。遊技ユニットの取付完了後に両コネクタを結合するといった別途作業が必要なくなることで、作業性の向上に貢献することができる。
しかしながら、支持対象に遊技ユニットを取り付けることにより両コネクタが結合される構成においては、上述した作業性の向上等の効果を発揮させることができる反面、コネクタ同士が接触等した際に、遊技ユニットの重量や勢いがコネクタに伝わりやすくなると想定される。コネクタに衝突等に起因した大きな応力が発生することは、コネクタの変形や破損等を招いてコネクタ本来の機能に支障をきたす要因となり得る。
この点、本特徴によれば、ユニット本体とユニット側コネクタとの間に遊技球の通過が可能となる隙間が形成されており、この隙間を利用して台座が変形可能となっている。このため、例えば遊技ユニット取付時にコネクタ同士の位置が上手く合わない等して衝突したとしても、台座が変形することにより衝突に起因する衝撃を吸収したりコネクタ同士の位置ばらつきを吸収したりすることができる。これにより、コネクタの保護を図ることができる。
つまり、遊技球用の通り道を確保しつつ、当該通り道を利用してコネクタの保護を実現することが可能となっている。これにより、限られた領域にて、各種通路部やコネクタを配置する上での制約を抑えることができる。
特徴C2.前記遊技ユニットは、前記支持対象に対する取付完了位置に配置されることで位置決めがなされる構成となっており、
前記台座は、前記遊技ユニットの位置決めがなされた場合には、蓄えられた弾性力により変形が発生していない初期の状態に復帰するように構成されていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、遊技ユニットの位置決めがなされることで、仮に台座に弾性変形が生じている場合であっても、当該台座は変形前の状態(初期状態)に復帰することとなる。かかる構成によれば、上記隙間を過度に大きくしなくても遊技球用の通路としての機能を担保することができる。
特徴C3.前記遊技ユニットは、前記支持対象に対する取付完了位置に配置されることで位置決めがなされる構成となっており、
前記ユニット側コネクタ及び前記支持対象側コネクタの少なくとも一方は、少なくとも前記遊技ユニットの位置決めがなされた状態では接続方向と交差する方向への変位が許容されており、
前記台座は、前記一方の前記交差する方向への変位が許容された場合に、前記遊技ユニットを前記取付完了位置に配置される過程で蓄えられた弾性力によって変形が発生していない初期の状態に復帰するように構成されていることを特徴C1に記載の遊技機。
特徴C3によれば、遊技ユニットが取付完了位置に配置されることで、ユニット側コネクタ及び支持対象側コネクタの少なくとも一方の上記交差する方向への変位が許容される。この際、台座が遊技ユニットを取付完了位置に配置される過程で蓄えられた弾性力によって変形が発生していない初期の状態に復帰する。仮に遊技ユニットの配置過程にて台座に弾性変形が生じている場合であっても、当該台座はコネクタの接続が完了することで変形前の状態(初期状態)に復帰することとなる。かかる構成によれば、上記隙間を過度に大きくしなくても遊技球用の通路としての機能を担保することができる。
特徴C4.前記隙間は、前記遊技ユニットが前記支持対象に取り付けられている場合に遊技球用の通路として機能することを特徴とする特徴C1乃至特徴C3のいずれか1つに記載の遊技機。
台座とユニット本体との隙間が遊技球用の通路として機能している場合に上記弾性変形が生じた場合には、その隙間における遊技球の通過が妨げられやすくなると想定される。
ここで、本特徴によれば、遊技ユニットを支持対象にとりつけることで初めて上記隙間が遊技球用の通路として機能することとなる。ここで、上記隙間が通路として機能していない場合に、当該隙間をコネクタ保護に利用する構成とすることで、それら両機能を好適に併存させることができる。
特徴C5.前記支持対象側コネクタは、前記支持対象に対して変位不可となるようにして固定されており、
前記支持対象側コネクタと前記ユニット側コネクタとが結合されることで、それら両コネクタの結合方向と交差する方向への前記ユニット側コネクタの変位が規制されることを特徴とする特徴C1乃至特徴C4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C4によれば、前記ユニット側コネクタと前記支持対象側コネクタとが結合されることで、ユニット側コネクタの変位が規制されることとなる。これにより、都度のコネクタ結合時に上記隙間が大きくなったり小さくなったりすることを回避することができる。これにより、同隙間に付与された球通路としての機能を好適に担保することができる。
特に、台座については、衝撃吸収等の機能を考慮した場合、ある程度強度を低く設定することが好ましい。しかしながら、単に強度を低下させた場合には、上記通路としての機能を担保することが難しくなる。そこで、コネクタ同士が結合された後は、支持対象側コネクタによって強度を補うことで、実用上好ましい構成が実現される。
特徴C6.前記遊技ユニットは、前記支持対象によって回動可能に支持されており、
前記台座は、
前記ユニット本体と前記隙間を隔てて対峙するように形成されたコネクタ取付部(対向部462)と、
前記コネクタ取付部から前記ユニット本体へ延びる脚部(脚部463)と
を有し、
前記脚部は、第1脚部と当該第1脚部よりも前記遊技ユニットにおける回動基端側に位置する第2脚部とを有し、
それら第1脚部及び第2脚部によって挟まれた部分が、前記隙間となっていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C6によれば、遊技ユニットが回動式となっている。かかる構成においては、回動中心部がずれる等することでコネクタ同士の位置関係にずれが生じやすくなる。ここで、脚部を回動中心の放射方向に離間させて設けることで、両脚部が同じ側に倒れるようにして変形可能となり、コネクタの姿勢の変化を抑えつつ上記ずれを吸収することができる。
特徴C7.前記ユニット本体は前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤ユニット80)、前記支持対象は当該遊技盤を着脱可能に支持する枠体(内枠13の樹脂ベース70)であり、
発射操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射装置(遊技球発射機構110)と、
前記遊技盤に設けられ、遊技領域を流下する遊技球を当該遊技盤の背面側に案内する複数の案内通路部(一般入賞口81等)と、
前記遊技盤の背面に設けられ、前記案内通路部を通じて当該遊技盤の背面側に案内された遊技球を回収して遊技機外部へと排出するための排出通路部(回収板150の回収通路151)と
を備え、
前記ユニット側コネクタは前記台座を介して前記遊技盤の背面に取り付けられており、
前記隙間は、前記排出通路部の一部を構成していることを特徴とする特徴C1乃至特徴C6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C7によれば、遊技者が遊技球の発射操作を行うことで、遊技領域へと遊技球が発射される。遊技領域へ到達した遊技球は案内通路部を通じて遊技盤の背面側へと案内され、排出通路部を経由して遊技機外部へと排出される。メンテナンス等を目的として遊技ユニットの着脱を行っている際には、遊技球が上記隙間に到達する機会がない。そこで、通路としての機能が不要である場合に、その隙間をコネクタ結合時の衝撃緩和に利用することで、通路部とコネクタとを遊技盤の背面側にて併設した場合であっても、配置にかかる空間的な制約を抑えることができる。
上記特徴C群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、電気部品が搭載されてなる遊技盤等の遊技ユニットと、その遊技ユニットを着脱可能に支持する支持枠等の支持対象とを備えているものがある。遊技ユニットには電気部品に接続されたコネクタが取り付けられており、このコネクタを支持対象側のコネクタと接続することで、遊技ユニットと支持対象とが電気的に接続された状態となる。
近年では、遊技ユニットを支持対象に着脱する際の遊技ユニットの変位によって両コネクタが電気的に接続/分離されるものが提案されている(例えば特許文献1:特開2004−267695号公報参照)。かかる遊技機においては、例えば遊技ユニット装着後に手作業でコネクタの接続作業を行う必要が無く、作業性の向上等が実現される。
ここで、上述したタイプの遊技機においては、遊技ユニットの取り付けに伴ってコネクタ同士が当たる可能性がある。このようにコネクタ同士が当たった際に、遊技ユニットの自重や取り付け操作の勢いがコネクタへと伝わると、同コネクタに大きな衝撃(負荷)が発生すると懸念される。また、コネクタが移動する経路と予め設定された接続経路とがずれることにより、コネクタ接続時の負荷が大きくなったり、従来のように手動で接続していた場合には生じない応力等が発生したりすると想定される。これは、コネクタ本来の接続機能を低下させる要因となり得るため好ましくない。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、接続作業の容易化を図りつつコネクタ本来の接続機能の低下を抑えることができる遊技機を提供することを目的とする。
<特徴D群>
特徴D1.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成され、当該遊技領域を流下する遊技球が流入可能な複数の開口部(例えば一般入賞口81やアウト口89)を有する遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
前記遊技盤を保持する枠体(内枠13の樹脂ベース70)と、
前記枠体の背面側であって前記遊技盤の下方に設けられ、前記開口部を通じて前記遊技盤の背面側に到達した遊技球を回収する枠体側回収通路(排出通路501)と
を備え、
前記枠体側回収通路は、遊技球1個が通過可能であって複数の遊技球が同一箇所を同時に通過不可となるように規制する規制領域(下流通路512及び中間通路513)と、当該規制領域の上流側に位置し同規制が行われない非規制領域とを有し、当該回収通路に到達した遊技球は前記規制領域を通過した後に遊技機外へ排出される構成となっており、
前記規制領域を通過する遊技球を検知可能な球検知手段(検知センサ530)を備え、
前記枠体には、前記規制領域と前記非規制領域との境界部分を当該枠体の正面側から視認可能とする視認部(透視部149)が設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、遊技領域を流下した遊技球は開口部を通じて遊技盤の背面側へ移動し、回収通路(非規制領域→規制領域)を通じて遊技機外へ排出される。規制領域を通過する遊技球は球検知手段によって検知されるため、例えばこの球検知手段による検知情報に基づいてどれだけの遊技球が遊技機から排出されたかを把握することが可能となる。
規制領域にて遊技球の流下規制を行う構成については、排出される遊技球の数を正確に把握する上では好ましいものの、非規制領域と規制領域との境界部分にて球詰まり等が発生しやすくなると想定される。ここで、球詰まりが遊技中に発生することに鑑みれば、その確認作業に遊技機背面部の露出が必須となることは、例えば制御装置等が遊技者等の目にとまり易くする要因となり得るため好ましくない。
この点、本特徴に示すように枠体に同枠体の正面側から規制領域と非規制領域との境界部分を視認可能とする視認部を設けておくことにより、枠体を開放することなく当該枠体の正面側から球詰まりの有無を確認可能となる。これにより、球詰まりの確認作業によって遊技機の防犯性が低下することを抑えることができる。また、球詰まりの確認箇所が明らかとなることで、確認作業にかかる手間も少なくすることができる。これにより、作業性の向上と防犯機能の向上とに貢献することができる。
特徴D2.前記遊技盤側に設けられた遊技盤側回収通路(回収通路151)を有し、
前記非規制領域は前記枠体側回収通路の入口部分(上流通路511)を構成しており、
前記遊技盤側回収通路の出口部分(出口部分153)から流出した遊技球が前記枠体側回収通路の前記規制領域へ流入する構成となっており、
前記遊技盤側回収通路の出口部分は前記遊技盤の幅方向に複数設けられており、
前記枠体側回収通路の入口部分には、前記出口部分よりも下方に設けられ、前記遊技球が落下した際に当たる球受け部(球受け部506)が形成されており、
前記球受け部は、前記遊技盤の幅方向に延び、前記境界部分に向けて下り傾斜していることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
遊技盤にはその幅方向に複数の開口部が形成されていることが多い。この種の遊技機においては、本特徴に示すに遊技盤側の回収通路にて遊技球を一箇所に集めるのではなく、枠体側の回収通路に流入した後に遊技球を一箇所に集めることにより、遊技盤側回収通路の取り回しが複雑になることを抑えることができる。遊技盤の背面側には、表示装置や制御装置等の各種構成が配設されることが多いため、上述の如く遊技盤側回収通路の簡素化を図ることができることは遊技盤側回収通路と上記各種構成とを共存させる上で好ましい。
しかしながら、遊技盤側回収通路の出口部分から流出した遊技球を球受け部を介して規制領域へと流入させる構成においては、上記効果が期待できる反面、多量の遊技球が一気に枠体側回収通路に流入した場合等に規制領域への入口部分(上記境界部分)にて球詰まりが発生しやすくなると懸念される。そこで、このような球詰まりの可能性がある構成に、特徴D1に示した技術的思想を適用して球詰まりの確認を容易とすれば、球詰まりの発生により遊技ホールや遊技者が不利益を被ることを抑制することができる。
特徴D3.前記遊技盤の幅方向において前記規制領域の入口部分(入口部分521)を挟んで前記球受け部とは反対側には、前記規制領域へ流入しなかった遊技球が流入可能となるようにして流入部(退避通路515)が形成されており、
前記流入部は、その底部(底面部525)が前記規制領域の入口部分に向けて下り傾斜しており、
前記流入部及び前記球受け部において少なくとも前記規制領域の入口部分周辺においては、上方への遊技球の重なりを許容するようにして形成されていることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、多量の遊技球が一気に流れ込んだ場合には、遊技球が流入部へ流入することで球詰まりの発生を回避することができる。しかしながら、溜っている遊技球の数が減る等して、流入部に存在する遊技球が回収通路側へ復帰しようとした場合には、球受け部に沿って流下する遊技球と、流入部に沿って流下する遊技球とが規制領域の入口付近にて噛み込む等することで球詰まりが発生し得る。
このようにして発生した球詰まり時の遊技球同士の位置関係は微妙なバランスの上に成り立っており、更には、遊技球が上方へ逃げることが可能となっている。このため、枠体を揺すったり叩いたりして振動を加えることで、上記バランスが崩れて球詰まりが解消されることとなる。つまり、球詰まりが発生した場合であっても、それを軽度に抑えることで、遊技盤を取り外したり、枠体を開放したりすることなく、目視で球詰まりを確認した後にそのまま球詰まりを解消させることが可能となる。
特徴D4.前記球受け部は、当該球受け部における下流側の端部が、前記流入部における下流側の端部よりも下位となるように形成されており、
前記規制領域の入口部分には、前記球受け部の下流側への延長上に位置し、前記流入部に繋がる通路壁部(通路壁部522)が形成されており、
前記球受け部に沿って流下した遊技球は前記通路壁部に当たることで流下方向が変わり前記規制領域へ流入することを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
特徴D4によれば、球受け部に沿って流下した遊技球は上記通路壁部に当たって流下方向が変わり規制領域へと流入することとなる。ここで、一気に大量の遊技球が回収通路へと流入し、高さ方向に積み上がる等した場合には、それら遊技球の一部が通路壁部を越えて流入部へと流入することとなる。かかる構成とすれば、遊技球の円滑な排出を可能としつつ、一気に多量の遊技球が流入することを許容しやすくなっている。
なお、例えば前記球受け部の下流側端部と前記流入部の下流側端部との段差を、遊技球の半径寸法よりも大きくなるように設定するとよい。
特徴D5.前記流入部は、前記規制領域の入口部分を挟んで前記球受け部とは反対側へ延びており、
前記流入部及び前記球受け部は、前記規制領域の入口部分へ向けた傾斜の傾きが相違するようにして形成されていることを特徴とする特徴D3又は特徴D4に記載の遊技機。
特徴D5によれば、球受け部から規制領域へ流入する遊技球と、流入部から規制領域へ流入する遊技球とが、同規制領域の入口部分にて当たった場合であっても、両者の球圧に差が生じることで、当該入口部分付近にて球詰まりが発生することを抑制することができる。
特徴D6.前記流入部は、前記規制領域の入口部分を挟んで前記球受け部とは反対側へ延びており、
前記流入部の全長と、前記球受け部の全長とが相違していることを特徴とする特徴D3乃至特徴D5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D6によれば、球受け部から規制領域へ流入する遊技球と、流入部から規制領域へ流入する遊技球とが、同規制領域の入口部分にてぶつかった場合であっても、両者の球圧に差が生じることで、当該入口部分付近にて球詰まりが発生することを抑制することができる。
特徴D7.前記枠体はその一側部にて回動可能に支持されており、
前記球受け部は、前記枠体の回動先端側から回動基端側へ傾斜していることを特徴とする特徴D2乃至特徴D6のいずれか1つに記載の遊技機。
仮に規制領域の入口部分にて球詰まりが発生した場合には、球詰まりの解消を図る必要が生じる。本特徴においては、球受け部が回動先端側から回動基端側へ延びている。このため、枠体を回動させることにより球受け部内の遊技球に球受け部の傾斜に逆らうようにして外力が伝わる。これにより、球詰まりの解消を促すことができる。かかる構成によれば、枠体を開放させた状態のままで球詰まりの解消作業を別途行う必要がなくなり、防犯機能の向上に貢献することができる。
また、球詰まりを解消する際には、直接遊技球に触れる必要がなくなり、球詰まりの解消に際して、遊技球が零れ落ちるといった不都合を生じにくくすることができる。
特に、遊技機から排出される遊技球の数を球検知手段によって把握する構成においては、遊技球が検知前に零れる等することで、検知結果の正確さが損なわれやすくなる。この点、本特徴に示すように、遊技球に直接触れる必要がない構成とすれば、上述したような遊技球の零れが発生することを抑え、検知結果に対する信頼度向上に貢献することができる。
特徴D8.前記回収通路の後方には、遊技に関する制御を実行する制御装置(電源・発射制御装置243)が配置されており、
前記制御装置は、制御基板(例えば電源・発射制御基板)と、当該制御基板を収容する基板ケース(基板ボックス246)とを有してなり、当該基板ケースを通じて制御基板が視認可能となっており、
前記制御基板は、同制御基板と前記視認部との間に前記境界部分が位置するようにして配置されていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D8によれば、枠体の正面側から視認部を通じて遊技球の有無(球詰まりの有無)を確認しようとした場合には、回収通路(詳しくは上記境界部分)の背後に制御基板が存在することで、遊技球の視認が妨げられず、更には背景として制御基板が存在することで遊技球が目立ちにくくなることを抑制することができる。これにより、目視での遊技球の確認を容易なものとすることができる。
例えば、制御基板の一方が各種素子等の実装面、他方が非実装面(例えば半田面)となっている構成においては、非実装面が視認部側を向くようにして制御基板を配置するとよい。
特徴D9.前記球検知手段からの検知情報に基づいて前記回収通路を通じて遊技機外に排出される遊技球の数を把握可能となっており、
前記枠体に開閉可能に取り付けられ、当該枠体及び前記遊技盤を遊技機正面側から覆う扉体(前扉枠14)を備え、
前記扉体には、同扉体が同枠体に対して閉じた状態のまま、当該視認部を通じて前記境界部分を視認可能とする扉体側視認部が設けられていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D1に示したように、遊技盤の前面に遊技領域が設けられた遊技機においては、規制領域と非規制領域との境界部分等を先頭とする球詰まりが発生した場合には、以下の不都合が生じる。すなわち、球詰まりの確認や解消に扉体の開放が必要となれば、扉体を開放した際に遊技球が零れる等して、排出される遊技球の数を正確に把握することが困難になると想定される。
この点、本特徴においては少なくとも扉体を閉じた状態のまま球詰まりの確認作業を行うことができるので、確認作業時に遊技球がこぼれる可能性を減らすことができる。これにより、上記正確さの向上に貢献することができる。
例えば、扉体おいて枠体の視認部と対向する部分に上記扉体側視認部を配設するとよい。
上記特徴D群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、前面に遊技領域が形成された遊技盤と、遊技盤を着脱可能に支持する枠体とを備えているものがある。遊技者の発射操作に基づいて発射された遊技球が遊技領域に到達し遊技領域に設けられた入賞口等に流入した場合には、遊技者に遊技球の払い出し等の特典が付与される。このようにして入賞口に流入した遊技球は遊技盤に形成された開口部を通じて遊技盤の背面側へ案内される。一方、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球は、遊技領域の下部に設けられた開口部(所謂、アウト口)を通じて遊技盤の背面側に移動する。
遊技盤及び枠体の背後には、上記開口部を通じて遊技盤の後方へと案内された遊技球を回収する回収通路が設けられている。回収通路により回収された遊技球は、遊技機から排出されることで例えば遊技ホール等の島設備へと返却される(例えば特許文献1参照)。
この種の遊技機においては、回収通路の途中位置等で球詰まりが発生することで遊技の進行に支障をきたすことがある。これは、遊技者や遊技ホールの管理者に不利を与える要因になる。故に、球詰まりの発生については早期発見及びその原因の特定を迅速に行う必要がある。
ここで、遊技盤や枠体の背面には制御装置等が配設されていることが一般的であり、球詰まりの確認作業を行う場合に遊技盤や枠体の背面部分を露出させる必要があるとすれば、制御装置等が作業者(例えばホール管理者)以外の目に晒される機会が増える。これは、遊技機の防犯機能の向上を妨げる要因となるため好ましくない。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、防犯機能の低下を抑えつつ、球詰まりの確認作業を行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
<特徴E群>
特徴E1.遊技球を貯留する第1貯留部(下皿29a)と、
払出装置(払出装置224)から払い出された遊技球を前記第1貯留部に案内する第1案内通路(下皿用払出通路部606等)と、
前記払出装置を駆動制御する制御装置(払出制御装置242)と、
前記第1貯留部を先頭として前記第1案内通路における所定位置にまで遊技球が積み上がった場合に、所定の検知情報を前記制御装置に伝える検知手段(満タン検知センサ645)と
を備え、
前記第1案内通路は、相対向する1組の通路壁部(仕切壁部621及び対向壁部641)によって区画形成されてなり、
前記検知手段は、前記通路壁部のうち一方(対向壁部641)に配設され、その一部が前記第1案内通路内へ露出するように構成されており、前記所定位置まで積み上がった遊技球が接触する又は同所定位置まで積み上がった遊技球によって前記露出している部分が押されることで遊技球を検知する接触式の検知センサであり、
前記第1案内通路において前記検知手段の上流側に位置する部分には、当該第1案内通路に流入する遊技球を、前記1組の通路壁部のうち前記検知手段が配設されていない他方に向けて案内する案内部(反射部643)が設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、第1案内通路を流下する遊技球は、検知手段の上流側に到達した場
合に案内部によって検知手段が設けられた通路壁部とは反対側の通路壁部へと案内される。これにより、流下する遊技球が勢いよく検知手段に衝突することを回避し、誤検知の抑制や検知手段の保護に貢献することができる。
特徴E2.前記案内部は、前記一方の通路壁部において前記検知手段の上流側に位置する部分に設けられていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E1に示した技術的思想を具現化する場合には、本特徴に示すように案内部を検知手段が配設されている通路壁部と同じ通路壁部に配置することで、上記一方の通路壁部に沿って流下する遊技球は、案内部によって検知手段から離れるようにして案内されることとなり、そのまま検知手段へ向けて移動することを回避することができる。
特徴E3.前記第1貯留部とは別に遊技球を貯留可能な第2貯留部(上皿28a)と、
前記払出装置から払い出された遊技球を前記第2貯留部へ案内する第2案内通路(上皿用払出通路部605)と
を備え、
前記第1案内通路及び前記第2案内通路は、それら各案内通路の入口部分の夫々が上側を向くようにして並設され、前記第2案内通路にて遊技球が積み上がり、それ以上の第2案内通路への遊技球の流入が不可となった場合に、前記第1案内通路へ遊技球が流入するように構成されており、
前記両案内通路の分岐位置には、前記第2案内通路側から前記第1案内通路へ遊技球を案内するように形成された傾斜部(第2傾斜部624)が設けられており、
前記案内部は前記傾斜部の延長上に位置しており、当該傾斜部によって案内された遊技球が前記案内部に衝突することで前記他方の通路壁部側へと案内されることを特徴とする特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機。
特徴E3によれば、第2貯留部を先頭として遊技球が積み上がり第2案内通路がいっぱいになった場合には、第2案内通路から溢れた遊技球が傾斜部に沿うようにして第1案内通路へと流入することとなる。
ここで、本特徴においては特に、傾斜部の延長上に案内部が存在しており、傾斜部に沿って移動した遊技球が案内部に衝突することとなる。これにより、案内部に付与された案内機能が上手く活用されなくなるといった不都合を生じにくくすることができる。
なお、遊技球を上記他方の通路壁部側へと跳ね返す点に着目すれば「遊技球を案内する案内部」を「遊技球を跳ね返す返し部」とすることも可能である。
特徴E4.前記分岐位置よりも上流側に設けられ、前記払出装置から払い出された遊技球を前記案内通路へと案内する払出通路(出口側通路部554)を備え、
前記払出通路は、当該払出通路の出口部分が前記第1案内通路の入口部分の上方に位置しており、当該払出通路から流出した遊技球が前記第2案内通路の入口部分へ向けて流下するように構成されていることを特徴とする特徴E3に記載の遊技機。
特徴E4によれば、第2案内通路の出口部分の直上から外れた位置に払出通路の出口部分が位置している。このため、仮に第2案内通路が払い出された遊技球でいっぱいになったにも関わらず更に遊技球が積み上がった場合であっても、それら積み上がった遊技球が払出通路の出口部分に到達することを回避することができる。つまり、余剰となった遊技球が第1案内通路へ上手く流入せずに積み上がり続けて、検知手段による検知機能が発揮されず、積み上がった遊技球が払出装置に到達することを好適に回避することができる。
特徴E5.前記払出通路は、当該払出通路の出口部分を含んだ一部が同第2案内通路の入口部分へ向けて下り傾斜していることを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
特徴E5によれば、払出装置から流出した遊技球は、払出通路から流出するにあたり、第2案内通路の入口部分に向けて斜めに移動することとなる。第2貯留部から積み上がった遊技球が第2案内通路の入口部分に到達した場合には、払出通路から飛び出した遊技球が第2案内通路の入口部分に存在する遊技球に第1案内通路側から衝突するため、第2案内通路側へと跳ね返りやすくなる。これにより、第2案内通路に過剰な遊技球の積み上がりが発生することを抑制することができる。
また、跳ね返った遊技球は、上記案内部が設けられた通路壁部へ向けて移動することとなり、案内部の案内機能を上手く発揮させることができる。これにより、上述した誤検知の回避機能と検知手段の保護機能とを好適に発揮させることができる。
特徴E6.前記制御装置は、遊技球の払出情報に基づいて遊技球が連続して払い出されるように駆動制御し、払い出された遊技球の数が予め設定された数に達した場合又は前記検知手段から前記所定の検知情報が入力された場合に前記払出装置の払出動作を停止させるものであり、
前記検知手段からの前記所定の検知情報に基づいて前記払出装置の払出動作が停止するまでに払出済みの遊技球であって前記払出装置と前記所定位置との間を流下中の遊技球が前記所定位置よりも上流側へ積み上がった場合に、同遊技球が前記第1案内通路における積み上がり限界位置に達し且つ同限界位置を越えないように前記所定位置が設定されていることを特徴とする特徴E1乃至特徴E5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E6によれば、払い出された遊技球が所定位置に到達すると、払出装置が停止してそれ以上の遊技球の払い出しが回避される。払出装置を停止したとしても案内通路内を既に払い出し済みの遊技球が流下しているが、これら払い出し済みの遊技球が所定位置から積み上がったとしても案内通路における限界位置に達するものの同限界位置を越えることはない。故に、払出装置への影響等を抑えつつできるだけ多くの遊技球を案内通路に蓄えることができる。これにより、案内通路における貯留量を増大させることができる。
特徴E7.前記第1貯留部とは別に遊技球を貯留可能な第2貯留部(上皿28a)と、
前記払出装置から払い出された遊技球を前記第2貯留部へ案内する第2案内通路(上皿用払出通路部605)と
を備え、
前記第1案内通路及び前記第2案内通路は、前記第1案内通路の入口部分と前記第2案内通路の入口部分とは夫々が上側を向くようにして並設され、前記第2案内通路にて遊技球が積み上がり、それ以上の第2案内通路への遊技球の流入が不可となった場合に、前記第1案内通路へ遊技球が流入するように構成されており、
前記所定位置は、前記第1案内通路と前記第2案内通路との分岐位置であることを特徴とする特徴E6に記載の遊技機。
特徴E7によれば、分岐位置を越えて遊技球が溜ることが回避されることとなる。分岐位置を越えて遊技球が積み上がった場合には、球詰まりが発生しやすくなったり払出装置に影響がおよんだりするといった各種不都合が生じやすくなると想定される。そこで、この分岐位置を上限位置とすれば、そのような不都合の発生を抑えることができる。
特徴E8.遊技球を貯留する第1貯留部(下皿29a)と、
前記第1貯留部とは別に遊技球を貯留可能な第2貯留部(上皿28a)と、
払出装置(払出装置224)から払い出された遊技球を前記第1貯留部に案内する第1案内通路(下皿用払出通路部606等)と、
前記払出装置から払い出された遊技球を前記第2貯留部へ案内する第2案内通路(上皿用払出通路部605)と、
前記払出装置を駆動制御する制御装置(払出制御装置242)と、
前記第1貯留部を先頭として前記第1案内通路における所定位置にまで遊技球が積み上がった場合に、所定の検知情報を前記制御装置に伝える検知手段(満タン検知センサ645)と
を備え、
前記第1案内通路及び前記第2案内通路は、それら各案内通路の入口部分の夫々が上側を向くようにして並設され、前記第2案内通路にて遊技球が積み上がり、それ以上の第2案内通路への遊技球の流入が不可となった場合に、前記第1案内通路へ遊技球が流入するように構成されており、
前記両案内通路よりも上流側に設けられ、前記払出装置から払い出された遊技球を同案内通路へと案内する払出通路(出口側通路部554)を備え、
前記払出通路は、当該払出通路の出口部分が前記第1案内通路の入口部分の上方に位置しており、当該払出通路から流出した遊技球が前記第2案内通路の入口部分へ向けて流下するように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴E8によれば、第2案内通路の出口部分の直上から外れた位置に払出通路の出口部分が位置している。このため、仮に第2案内通路が払い出された遊技球でいっぱいになったにも関わらず更に遊技球が積み上がった場合であっても、それら積み上がった遊技球が払出通路の出口部分に到達することを回避することができる。つまり、余剰となった遊技球が第1案内通路へ上手く流入せずに積み上がり続けて、検知手段による検知機能が発揮されず、積み上がった遊技球が払出装置に到達することを好適に回避することができる。
特徴E9.前記払出通路は、当該払出通路の出口部分を含んだ一部が同第2案内通路の入口部分へ向けて下り傾斜していることを特徴とする特徴E8に記載の遊技機。
特徴E9によれば、払出装置から流出した遊技球は、払出通路から流出するにあたり、第2案内通路の入口部分に向けて斜めに移動することとなる。第2貯留部から積み上がった遊技球が第2案内通路の入口部分に到達した場合には、払出通路から飛び出した遊技球が第2案内通路の入口部分に存在する遊技球に第1案内通路側から衝突するため、第2案内通路側へと跳ね返りやすくなる。これにより、第2案内通路に過剰な遊技球の積み上がりが発生することを抑制することができる。
また、跳ね返った遊技球は、上記案内部が設けられた通路壁部へ向けて移動することとなり、案内部の案内機能を上手く発揮させることができる。これにより、上述した誤検知の回避機能と検知手段の保護機能とを好適に発揮させることができる。
特徴E10.遊技球を貯留する第1貯留部(下皿29a)と、
払出装置(払出装置224)から払い出された遊技球を前記貯留部に案内する第1案内通路(下皿用払出通路部606)と、
前記払出装置を駆動制御する制御装置(払出制御装置242)と、
前記第1貯留部を先頭として前記案内通路における所定位置にまで遊技球が積み上がった場合に、所定の検知情報を前記制御装置に伝える検知手段(満タン検知センサ645)と
を備え、
前記制御装置は、遊技球の払出情報に基づいて遊技球が連続して払い出されるように駆動制御し、払い出された遊技球の数が予め設定された数に達した場合又は前記検知手段から前記所定の検知情報が入力された場合に前記払出装置の払出動作を停止させるものであり、
前記検知手段からの前記所定の検知情報に基づいて前記払出装置の払出動作が停止するまでに払出済みの遊技球であって前記払出装置と前記所定位置との間を流下中の遊技球が前記所定位置よりも上流側へ積み上がった場合に、同遊技球が前記案内通路における積み上がり限界位置に達し且つ同限界位置を越えないように前記所定位置が設定されていることを特徴とする遊技機。
特徴E10によれば、払い出された遊技球が所定位置に到達すると、払出装置が停止してそれ以上の遊技球の払い出しが回避される。払出装置を停止したとしても第1案内通路内を既に払い出し済みの遊技球が流下しているが、これら払い出し済みの遊技球が所定位置から積み上がったとしても第1案内通路における限界位置に達するものの同限界位置を越えることはない。故に、払出装置への影響等を抑えつつできるだけ多くの遊技球を第1案内通路に蓄えることができる。これにより、案内通路における貯留量を増大させることができる。
上記特徴E群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、前扉枠の上皿(貯留部)に貯留された遊技球が、発射操作に基づいて遊技球発射装置へ案内され、遊技盤の遊技領域へ向けて打ち出されるものがある。そして、例えば遊技領域に配設された入賞口や可変入賞装置等に遊技球が入球した場合には、払出装置から所定数の遊技球が払い出される。払出装置から払い出された遊技球は遊技機内部に設けられた払出通路を通じて、上記上皿に導かれる。
また、前扉枠には、上皿の下方に下皿(貯留部)が設けられており、当該上皿に遊技球が満杯になっている状態にて遊技球の払い出しが行われる場合にはその余剰球が上記払出通路を通じて同下皿へ払い出されることとなる。
払出通路の途中位置には検知手段としての満杯検知センサが設けられており、制御装置において満杯検知センサの検知結果に基づき下皿が満杯状態になっていると判断される。より詳細には、下皿が満杯状態になっていると、払出通路を通じて流れる遊技球が下皿内に流入することができず払出通路内にて滞留し、この滞留した遊技球を検知することで、満杯検知センサから制御装置に検知信号が出力される。そして、制御装置において同検知信号に基づき下皿が満杯状態になっていると判断された場合には、同制御装置によりそれ以上の遊技球の払い出しが行われないように満杯状態処理が実行される(例えば、特許文献1:特開2002−224362号公報参照)。これにより、払出装置の故障等が防止される。
しかしながら、かかる構成においては、実際に下皿が満杯状態になっていないにも関わらず制御装置にて下皿が満杯状態になっていると判断されるおそれがある。例えば大当たり中などといった多量の遊技球が払い出される場合には払出通路を遊技球が連続して通過し、それら遊技球の一部が満杯検知センサによって検知されることで、検知信号が出力され得る。特に、遊技球の払い出しに要する時間を短縮化すべく遊技球の払出周期が速められた構成においては、払出通路内にて遊技球の流下経路がばらつきやすくなり上記不都合が生じやすくなると想定される。
なお、以上の問題は、パチンコ機に限って発生するものではなく、貯留部及び同貯留部に遊技球を導く通路を有する他のタイプの遊技機においても同様に発生し得る。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、満杯検知の検知精度を好適に向上することができる遊技機を提供することを目的とするものである。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110のソレノイド111)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘90等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(作動口84,85等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。