以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。図1に示すように、遊技機Yは、遊技盤取付枠Y1と、遊技盤取付枠Y1に対して回動可能に支持されるガラス扉Y2、遊技球が流下する遊技領域2Aが形成されている遊技盤2とを有する。
遊技盤取付枠Y1は、遊技店の島設備に固定される外枠(図示なし)に回動可能に支持され、脱着可能に取り付けられている。
ガラス扉Y2は、水平方向の一端側においてヒンジ機構部Hを介して遊技盤取付枠Y1に脱着自在に連結されており、ヒンジ機構部Hを支点として回動可能に支持されている。よって、ガラス扉Y2を、ヒンジ機構部Hを支点として扉のように回動することによって、遊技領域2Aおよび遊技盤取付枠Y1の前面部分を開閉することができる。ガラス扉Y2は、遊技盤2を閉鎖した状態で、遊技領域2Aを視認可能に覆っている。
また、ガラス扉Y2の他端側には、ガラス扉Y2を遊技盤取付枠Y1に固定するロック機構Rが設けられている。ロック機構Rによる固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。
ガラス扉Y2には、複数の遊技球を貯留する受け皿50と、遊技球を発射させるための操作が可能な遊技球発射操作装置3とが設けられている。遊技球発射操作装置3は遊技球を遊技領域2Aに向けて発射可能な遊技球発射装置(図示なし)に接続されている。なお、遊技球発射装置は、遊技盤取付枠Y1の前面に設けられている。受け皿50に貯留されている遊技球が遊技球発射装置に供給される。
遊技球発射操作装置3は、ガラス扉Y2に固定されている基体31、基体31に回動可能に設けられている発射ハンドル32を有する。遊技球発射装置は、発射ハンドル32の回動角度に応じた強さ(以下、「遊技球発射強度」という)で、遊技球を発射する。
遊技盤2の遊技領域2Aは、遊技盤2の表面から突出した状態で取り付けられた区画部材29によって区画されている。区画部材29は、枠状の飾り枠29A、湾曲形状を呈した内側レール部材29B、外側レール部材29C及び後述する第2大入賞口9の直下に配置され、上面で遊技球を第2始動口7に誘導可能な誘導経路を構成する誘導部材29Dで構成されている。
飾り枠29Aの内側には、液晶表示ディスプレイからなる画像表示装置14が嵌め込まれ、後述する演出用役物装置17が設けられてこれらが一体化された演出装置のユニットを構成するセンター役物が遊技盤2の中央部に嵌め込まれている。また、飾り枠29Aの外側には内側レール部材29Bが配置され、内側レール部材29Bのさらに外側には外側レール部材29Cが配置されている。有効に(所定の遊技球発射強度で正常に)発射された遊技球は、内側レール部材29Bと外側レール部材29Cとの間を上昇して遊技領域2Aに進入し、遊技領域2A内を流下する。このとき、遊技球は遊技領域2Aに設けられた複数の釘や風車との衝突によって、様々な方向に流下する。
遊技領域2Aには、複数(本実施の形態では3つ)の一般入賞口11が設けられている。各一般入賞口11には、一般入賞口検出センサ11aが設けられており、この一般入賞口検出センサ11aが遊技球の入賞を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
また、遊技領域2Aの右斜下部分には、遊技球の通過が可能な入賞ゲート10が設けられている。入賞ゲート10には、遊技球を検出する入賞ゲート検出センサ10aが設けられている。入賞ゲート検出センサ10aが遊技球を検出することを条件に、普通図柄の抽選が行われる。
遊技領域2Aの下部で、画像表示装置14の下方に、不変であり、且つ、常時入球可能である第1始動口6が設けられている。飾り枠29Aの左側には釘や風車等によって遊技球を第1始動口6へ誘導する一連の遊技球経路が形成されている。第1始動口6には、遊技球を検出する第1始動口検出センサ6aが設けられており、この検出センサ6aが遊技球を検出することを条件に、第1特別図柄の抽選が行われる。また、第1始動口検出センサ6aが遊技球を検出すると、所定個数(例えば、3個)の賞球が払い出される。
第1始動口6の直下に、可変の第2始動口7が設けられている。第2始動口7は、第2始動口制御装置70によって入賞不可能な第1の基本態様又は入賞可能な第1の特別態様のいずれかに制御される。第2始動口7にも、遊技球を検出する第2始動口検出センサ7aが設けられており、この検出センサ7aが遊技球を検出することを条件に、第2特別図柄の抽選が行われる。また、第2始動口検出センサ7aが遊技球を検出すると、所定個数(例えば、3個)の賞球が払い出される。
第2始動口制御装置70は、下辺部分に回転軸が設けられ、回動可能な普通可動片70A及び普通可動片70Aを回動させる駆動部としての第2始動口開閉ソレノイド70Bを具備しており、所定条件が成立することを条件として第2始動口開閉ソレノイド70Bが駆動し、普通可動片70Aが回動する。普通可動片70Aは、矩形状の扉部材で構成されており、通常は(所定条件が成立する以外は)、表面が遊技領域2Aと面一になる状態で停止し、第2始動口7を封鎖している。この停止状態の(未作動の)普通可動片70Aによって第2始動口7が封鎖されることで、第2始動口7が入賞不可能な第1の基本態様に制御されている。
一方、所定条件が成立すると、普通可動片70Aが回転軸を中心に前方側に回動して第2始動口7が開放されることで、第2始動口7が入賞可能な第1の特別態様に制御される。このとき、第2始動口7が開放されると共に、普通可動片70Aが遊技領域2Aから突出した状態になるため、流下する遊技球を受けて第2始動口7へ誘導することが可能となる。なお、第2始動口制御装置70についての所定条件とは、上述した普通図柄の抽選(以下において、「普通図柄抽選」という)において、当たりに当選することである。
入賞ゲート10の下流側に、可変の第1大入賞口8が設けられている。第1大入賞口8は、第1大入賞口制御装置80によって入賞不可能な第2の基本態様又は入賞可能な第2の特別態様のいずれかに制御される。第1大入賞口8には、遊技球を検出する第1大入賞口検出センサ8aが設けられており、この検出センサ8aが遊技球を検出すると、所定個数(例えば、15個)の賞球が払い出される。
第1大入賞口制御装置80は下辺部分に回転軸が設けられた矩形状の扉部材で構成される第1特別可動片80Aを具備しており、第1特別可動片80Aは所定条件が成立する場合にのみ作動する。すなわち、第1特別可動片80Aは、通常は(所定条件が成立する以外は)、表面が遊技領域2Aと面一になる状態で停止し、第1大入賞口8を封鎖している。この停止状態の(未作動の)第1特別可動片80Aによって第1大入賞口8が封鎖されることで、第1大入賞口8が入賞不可能な第2の基本態様に制御されている。
一方、所定条件が成立すると、第1特別可動片80Aが回転軸を中心に前方側に回動して第1大入賞口8が開放されることで、第1大入賞口8が入賞可能な第2の特別態様に制御される。このとき、第1大入賞口8が開放されると共に、第1特別可動片80Aが遊技領域2Aから突出した状態になるため、流下する遊技球を受けて第1大入賞口8へ誘導することが可能となる。なお、第1大入賞口制御装置80についての所定条件とは、上述した第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選(以下において、第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選の双方を指す場合、総称して「特別図柄抽選」という)において、特賞(大当たり)に当選することである。
第1大入賞口8の左斜下方に、可変の第2大入賞口9が設けられている。第2大入賞口9は、第2大入賞口制御装置90によって入賞不可能な第3の基本態様又は入賞可能な第3の特別態様のいずれかに制御される。第2大入賞口9には、遊技球を検出する第2大入賞口検出センサ9aが設けられており、この検出センサ9aが遊技球を検出すると、所定個数(例えば、15個)の賞球が払い出される。
第2大入賞口制御装置90は下辺部分に回転軸が設けられた矩形状の扉部材で構成される第2特別可動片90Aを具備しており、第2特別可動片90Aは所定条件が成立する場合にのみ作動する。すなわち、第2特別可動片90Aは、通常は(所定条件が成立する以外は)、表面が遊技領域2Aと面一になる状態で停止し、第2大入賞口9を封鎖している。この停止状態の(未作動の)第2特別可動片90Aによって第2大入賞口9が封鎖されることで、第2大入賞口9が入賞不可能な第3の基本態様に制御されている。
一方、所定条件が成立すると、第2特別可動片90Aが回転軸を中心に前方側に回動して第2大入賞口9が開放されることで、第2大入賞口9が入賞可能な第3の特別態様に制御される。このとき、第2大入賞口9が開放されると共に、第2特別可動片90Aが遊技領域2Aから突出した状態になるため、流下する遊技球を受けて第2大入賞口9へ誘導することが可能となる。なお、第2大入賞口制御装置90についての所定条件とは、特別図柄抽選において、特賞(大当たり)に当選することである。
第2大入賞口9の内部には、遊技球が通過可能な特定領域12が設けられている。第2大入賞口9に入球した遊技球は必ず特定領域12を通過する。特定領域12には遊技球を検出可能な特定領域検出センサ12aが設けられている。
また、遊技領域2Aの下方には、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21並びに普通図柄表示装置22からなる図柄表示装置、及び、第1特別図柄保留表示装置23、第2特別図柄保留表示装置24並びに普通図柄保留表示装置25からなる保留表示装置が設けられている。
第1特別図柄表示装置20は、第1始動口6に遊技球が入賞することを条件に行われる第1特別図柄の抽選の結果を表示する可変表示装置、第2特別図柄表示装置21は、第2始動口7に遊技球が入賞することを条件に行われる第2特別図柄の抽選の結果を表示する可変表示装置である。各特別図柄の抽選の結果には1又は複数の特別図柄が予め設定されており、特別図柄の抽選が行われると、当該抽選の結果に応じた特別図柄が特別図柄表示装置20、21に停止状態で表示される。つまり、特別図柄表示装置20、21における特別図柄の停止表示は、当該特別図柄抽選の結果の報知となる。
特別図柄表示装置20、21は、例えばそれぞれ複数のLEDを具備しており、大当たりに当選した場合には大当たりに対応する特定のLEDが点灯し、ハズレであった場合にはハズレに対応する特定のLEDが点灯する。このようにして特別図柄表示装置20、21が具備するLEDが点灯することによって現される文字、図形及び模様等の外観形象が特別図柄を構成する。そして、このように、特別図柄の停止表示が行われる前には必ず所定時間変動する。すなわち、1回の特別図柄の抽選に対して、特別図柄表示が行われ、1回の特別図柄表示においては、特別図柄の変動表示及び特別図柄の停止表示が行われる。
普通図柄表示装置22は、遊技球が入賞ゲート10を通過することを条件に行われる普通図柄抽選の結果を表示する可変表示装置である。普通図柄抽選の結果には普通図柄が設定されており、普通図柄の抽選が行われると、当該抽選の結果に応じた普通図柄が普通図柄表示装置22に停止状態で表示される。つまり、普通図柄表示装置22における普通図柄の停止表示は、当該普通図柄の抽選の結果の報知となる。
普通図柄表示装置22は、例えば複数のLEDを具備しており、当たりに当選した場合には当たりに対応する特定のLEDが点灯し、ハズレであった場合にはハズレに対応する特定のLEDが点灯する。このようにして普通図柄表示装置22が具備するLEDが点灯することによって現される文字、図形及び模様等の外観形象が普通図柄を構成するが、このような普通図柄の停止表示が行われる前には必ず所定時間変動する。すなわち、1回の普通図柄の抽選に対して、普通図柄表示が行われ、1回の普通図柄表示においては、普通図柄の変動表示及び普通図柄の停止表示が行われる。
ところで、特別図柄の変動表示中や大入賞口制御装置80、90が作動する大当たり遊技中に、始動口6、7に遊技球が入賞しても、即座に特別図柄の変動表示が行われて特別図柄の抽選の結果が報知される訳ではない。一定条件下で特別図柄の変動表示(特別図柄の抽選の結果の確定的な報知)が保留されることがある。一定条件として、特別図柄の変動表示を保留できる個数に上限値が設けられている。本実施の形態では、その上限値は各始動口6、7に対して「4」に設定されている。すなわち、各始動口6、7に対して特別図柄の変動表示、すなわち、特別図柄の抽選の権利を4個まで保留することができる。そして、第1特別図柄保留表示装置23は第1始動口6に対応し、第2特別図柄保留表示装置24は第2始動口7に対応しており、それぞれの特別図柄保留表示装置23、24には現時点の保留数(U1、U2)が所定の態様で表示される。普通図柄の変動表示についても同様に、上限保留数が4個に設定されており、その保留数が、普通図柄保留表示装置25において表示される。
また、遊技機Yには、さまざまな演出を実行する演出装置が設けられている。本実施の形態では、演出装置は、画像表示装置14、音声出力装置15、演出用照明装置16、及び、演出用役物装置17で構成されている。画像表示装置14と演出用役物装置17とが遊技盤2に設けられ、音声出力装置15と演出用照明装置16とがガラス扉Y2に設けられている。
画像表示装置14は、様々な静止画や動画を表示することで画像による演出を行う。なお、本実施形態においては、画像表示装置14として液晶ディスプレイが用いられているが、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等他の方式の表示装置を用いこともできる。
上記演出用役物装置17は、可動部17Aを具備し、可動部17Aを作動させることで、動作による演出を行う。
また、音声出力装置15は、BGM(バックグランドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)等を出力することでサウンドによる演出を行い、演出用照明装置16は、各ランプの光の照射方向や発光色を変更することで照明による演出を行う。
また、受け皿50には、演出に係る入力装置として、演出ボタン装置18及び選択ボタン装置19が設けられている。
演出ボタン装置18は、操作可能な演出ボタン18A及び演出ボタン18Aに接続されて、演出ボタン18Aの被操作を検出する演出ボタン検出スイッチ18aを具備する(図3参照)。
選択ボタン装置19は、操作可能な選択ボタン19A及び選択ボタン19Aに接続されて、選択ボタン19Aの被操作を検出する選択ボタン検出スイッチ19aを具備する(図3参照)。
選択ボタン19Aは、上ボタン191A、左ボタン192A、下ボタン193A及び右ボタン194Aからなる。各ボタン191A〜194Aは、受け皿50から突出した状態で押圧可能に設けられている。
演出装置は、遊技の進行(状態)に応じて様々な演出を実行する。遊技中に高い頻度で行われる演出は、遊技球の第1始動口6または第2始動口7への有効な入賞に基づく特別図柄の抽選に対して行われる抽選演出である。画像表示装置14による抽選演出では、基本的には、まず演出図柄が所定の態様で所定時間変動する演出図柄の変動表示が行われ、次いで、演出図柄が停止し、当該抽選演出が終了することを意味する演出図柄の停止表示が行われる。
演出図柄は、複数の装飾図柄で構成されており、全ての装飾図柄が停止表示されることをもって演出図柄の停止表示という。例えば、画像表示装置14等の表示領域の左側領域、中央領域及び右側領域において、装飾図柄の変動表示及び装飾図柄の停止表示が行われる。この場合、全ての装飾図柄の停止表示が終了した際の所定の有効ライン上に配置された装飾図柄の配列が当該特別図柄の抽選の結果に対応し得る。ただし、抽選演出は特別図柄の抽選に対応して行われるが、あくまで特別図柄の抽選に対する「演出」であるので、演出図柄が停止表示されたときの有効ライン上の装飾図柄の配列が、必ずしも当該特別図柄の抽選の結果(停止表示された特別図柄)を表しているとは限らない。このように装飾図柄が左側領域、中央領域、及び、右側領域で表示される場合、左側領域に表示される装飾図柄を左図柄、右側領域に表示される装飾図柄を右図柄、中央領域に表示される装飾図柄を中図柄という。
各装飾図柄の変動表示では、当該変動表示が開始されてから停止表示が行われるまでの所定時間、複数の装飾図柄が次から次に規則的に縦方向(例えば、上から下)に移動(スクロール)する。このスクロール表示によって、あたかも現在抽選が行われているような印象を遊技者に与える。
演出図柄の変動表示態様は様々であるが、例えば、装飾図柄が最初は高速で移動し、最後に徐々に減速しながら停止する場合や、減速せずに急に停止する場合がある。また、例えば、左図柄、右図柄、中図柄の順番で停止する態様、左図柄と右図柄とが同時に停止し、最後に中図柄が停止する態様、3つの演出図柄が同時に停止する態様等がある。なお、特別図柄の抽選が所定期間行われない内部的な待機状態(所謂、客待ち状態)になると、デモ演出が行われる。
遊技機Yの裏面には、主制御基板101、演出制御基板102、払出制御基板103、電源基板107、遊技情報出力端子板108などが設けられている。また、電源基板107には遊技機Yに電力を給電するための電源プラグや、図示しない電源スイッチが設けられている。
(制御手段の内部構成)
次に、図3を用いて、遊技の進行を制御する制御手段100について説明する。
電源基板107は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機Yに電源電圧を供給するとともに、遊技機Yに供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板101に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU101aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU101aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
主制御基板101は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板101は、メインCPU101a、メインROM101b、及び、メインRAM101cを備えている。メインCPU101aは、各検出センサやタイマ(水晶振動子)等からの入力信号に基づいて、メインROM101bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示装置を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板に所定のコマンドを送信したりする。メインRAM101cは、メインCPU101aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
上記主制御基板101の入力側には、第1始動口検出センサ6a、第2始動口検出センサ7a、第1大入賞口検出センサ8a、第2大入賞口検出センサ9a、入賞ゲート検出センサ10a、一般入賞口検出センサ11a、及び、特定領域検出センサ12aが接続されており、入力ポート(図示せず)を介して各センサに対応した検出信号が主制御基板101に入力する。
主制御基板101の出力側には、第2始動口制御装置70の普通可動片70Aを作動させる第2始動口開閉ソレノイド70B、及び、第1大入賞口制御装置80の第1特別可動片80Aを作動させる第1大入賞口開閉ソレノイド80B、及び、第2大入賞口制御装置90の第2特別可動片90Aを作動させる第2大入賞口開閉ソレノイド90Bが接続されており、出力ポート(図示せず)を介して各ソレノイドを制御する信号が出力される。
また、主制御基板101の出力側には、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21、普通図柄表示装置22、第1特別図柄保留表示装置23、第2特別図柄保留表示装置24及び普通図柄保留表示装置25が接続されており、出力ポート(図示せず)を介して各表示装置を制御する信号が出力される。
さらに、主制御基板101の出力側には遊技情報出力端子板108が接続されており、出力ポート(図示せず)を介して、所定の遊技に関する情報(以下、遊技情報という)が変換された外部信号として出力される。遊技情報出力端子板108には遊技情報表示装置700及び遊技店のホールコンピュータが接続されており、上記の所定の遊技情報(外部信号)が遊技情報出力端子板108から遊技情報表示装置700及びホールコンピュータに送信される。所定の遊技情報が遊技情報表示装置700で出力(表示)されることで、遊技者は遊技店に設置された遊技機(台)選びの判断材料が提供されることになる。一方、所定の遊技情報がホールコンピュータに接続された表示装置やプリンターで出力(表示・印刷)されることで、遊技店は各遊技機の稼働状況を把握することができる。
なお、本実施の形態では、遊技情報出力端子板108と遊技情報表示装置700とが接続され、遊技情報表示装置700とホールコンピュータとが接続されているが、接続態様はこれに限られるものでなく、遊技情報出力端子板108とホールコンピュータとが接続され、ホールコンピュータと遊技情報表示装置700とが接続される態様でも、遊技情報出力端子板108から遊技情報表示装置700及びホールコンピュータの双方に直接接続される態様でもよい。
演出制御基板102は、主に遊技状況に応じた遊技演出や客待ち状態に応じたデモ演出等の各種演出を制御する。すなわち、演出を実行する画像表示装置14、音声出力装置15、演出用照明装置16及び演出用役物装置17に演出を実行させる。
演出制御基板102は、サブCPU102a、サブROM102b、及び、サブRAM102cを備えており、主制御基板101に、当該主制御基板101から演出制御基板102への一方向に通信可能に接続されている。主制御基板101は、後述する特別図柄判定(大当たり判定を含む)の結果に基づく所定のコマンドを演出制御基板102に送信するので、所定のコマンドは演出制御基板102に入力信号として入力する。また、演出制御基板102の入力側には、ランプ制御基板104を中継して演出ボタン検出スイッチ18a及び選択ボタン検出スイッチ19aが接続されている。
演出ボタン検出スイッチ18aは、演出ボタン18Aが操作されると、ランプ制御基板104を介して、演出ボタン18Aの操作が行われたことを示す演出ボタン検出信号を演出制御基板102に出力する。選択ボタン検出スイッチ19aは、選択ボタン19Aが操作されると、ランプ制御基板104を介して、選択ボタン19Aの操作が行われたことを示す選択ボタン検出信号を演出制御基板102に出力する。
選択ボタン検出スイッチ19aは、上ボタン191Aに接続されて上ボタン191Aの被操作を検出する上ボタン検出スイッチ191a、左ボタン192Aに接続されて左ボタン192Aの被操作を検出する左ボタン検出スイッチ192a、下ボタン193Aに接続されて下ボタン193Aの被操作を検出する下ボタン検出スイッチ193a、及び、右ボタン194Aに接続されて右ボタン194Aの被操作を検出する右ボタン検出スイッチ194aからなる。なお、各ボタン検出スイッチ191a、192a、193a、194aは、被操作を検出すると、それぞれ、上ボタン検出信号、左ボタン検出信号、下ボタン検出信号、右ボタン検出信号を、ランプ制御基板104に出力する。なお、上ボタン検出信号、左ボタン検出信号、下ボタン検出信号、及び、右ボタン検出信号を総称して「選択ボタン検出信号」という。
サブCPU102aは、主制御基板101から出力されたコマンド、演出ボタン装置18から出力された演出ボタン検出信号、選択ボタン装置19から出力された選択ボタン検出信号、タイマ(水晶振動子)からの入力信号等に基づいて、サブROM102bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、ランプ制御基板104及び画像制御基板105に演出制御コマンドを送信する。サブRAM102cは、サブCPU102aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
払出制御基板103は、遊技球の発射制御と遊技球の払い出し制御とを行う。この払出制御基板103は、払出CPU103a、払出ROM103b、払出RAM103cを備えており、主制御基板101及び発射制御基板106に対して、双方向に通信可能に接続されている。
払出CPU103aの入力側には、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数スイッチ51aが接続されており、これらからの払出球検知信号とタイマからの入力信号とに基づいて、払出ROM103bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板101に送信する。
払出制御基板103の出力側には、貯留タンク(図示なし)から所定数の遊技球を遊技者に払い出すための払出装置5の払出駆動部51が接続されている。払出CPU103aは、主制御基板101から送信された賞球要求信号に基づいて、払出ROM103bから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、払出装置5を制御して所定の遊技球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAM103cは、払出CPU103aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
発射制御基板106は、発射CPU106a、発射ROM106b、及び、発射RAM106cを備えており、払出制御基板103に双方向に通信可能に接続されている。
発射制御基板106は、入力側でタッチセンサ32aと発射ボリュームのつまみ32bに接続されている。タッチセンサ32aは発射ハンドル32内に取り付けられている。タッチセンサ32aは、遊技者が発射ハンドル32に触れると、発射ハンドル32に人間が接触したことを検知し、発射制御基板106に発射ハンドル検出信号を送信する。発射ボリュームのつまみ32bは発射ハンドル32に接続されている。発射ボリュームのつまみ32bは、発射ハンドル32に連動して回動し、回動角度を検出する。
発射制御基板106は、出力側で遊技球発射装置の発射ソレノイド41に接続されている。発射制御基板106は、タッチセンサ32aから発射ハンドル検出信号を受信すると、発射ソレノイド41の通電を許可する。
そして、発射ハンドル32が操作されて、発射ハンドル32の回転角度が変化すると、発射ハンドル32に連結されているギアが回転すると共に、ギアに連結した発射ボリュームのつまみ32bが回転する。この発射ボリュームのつまみ32bが検出する発射ハンドル32の回動角度に応じた電圧が、発射ソレノイド41に印加される。
そして、発射ソレノイド41に電圧が印加されると、発射ソレノイド41が印加電圧に応じて作動する。このように、発射制御基板106は、タッチセンサ32aからの発射ハンドル検出信号及び発射ボリュームのつまみ32bからの入力信号が有する情報に基づいて、発射ソレノイド41を通電制御し、遊技球を発射させる。
なお、本実施の形態では、発射ソレノイド41の往復速度は、発射制御基板106に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。発射ソレノイド41が1往復する毎に1個の遊技球が発射されるため、1分間における発射される遊技球の個数は、約99.9(個/分)となる。
ランプ制御基板104は、上記各基板と同様に、ランプCPU104a、ランプROM104b、ランプRAM104cを備えており、出力側で演出用照明装置16及び演出用役物装置17に接続されている。ランプCPU104aは、演出制御基板102から送信される演出制御に係るコマンド(以下、「演出制御コマンド」という)に基づいて演出用照明装置16の発光制御、および、演出用照明装置16の光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御を行う。また、ランプCPU104aは、演出制御コマンドに基づいて演出用役物装置17を作動させるソレノイドやモータに対する駆動制御を行う。また、ランプ制御基板104は、入力側で演出ボタン装置18の演出ボタン検出スイッチ18a及び選択ボタン装置19の選択ボタン検出スイッチ19aに接続されており、演出ボタン検出信号及び選択ボタン検出信号を入力させると共に、演出制御基板102に出力し、演出制御基板102との間で演出ボタン検出信号及び選択ボタン検出信号を中継する。
画像制御基板105は、少なくとも画像表示装置14に表示させる動画や静止画等の画像に係る映像信号を生成し、画像表示装置14に出力する画像生成部105Bと、音声出力装置15に出力させる音声に係る音声信号を生成し、音声出力装置15に出力する音声生成部105Cと、画像生成部105B及び音声生成部105Cを統括して制御する統括部105Aとを有する。
画像制御基板105の統括部105Aは、画像表示装置14による画像表示制御を行うため統括CPU105Aa、統括ROM105Ab、及び、統括RAM105Acを備えている。
統括CPU105Aaは、制御プログラム等が記憶されている統括ROM105Abに接続されており、統括CPU105Aaの動作に必要な制御プログラムが読み出されるようになっている。統括CPU105Aaは、演出制御基板102から送信される演出制御コマンド等の演出制御に係るコマンドを受信すると、コマンドに基づいて画像生成部105Bに画像表示装置14に表示させる画像の指示を出すと共に、音声生成部105Cに音声出力装置15から出力させる音の指示を出す。
統括RAM105Acは、統括CPU105Aaの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、統括ROM105Abから読み出されたデータを一時的に記憶するものである。
また、統括ROM105Abは、マスクROMで構成されており、統括ROM105Abの制御処理のプログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、演出パターンのアニメーションを表示するためのアニメパターン、アニメシーン情報等が記憶されている。
このアニメパターンは、画像による演出の具体的な内容を構成するアニメーションを表示するにあたり参照され、アニメパターンにはアニメシーン情報や各アニメシーンの表示順序等に関連付けられている。なお、アニメシーン情報には、ウェイトフレーム(表示時間)、対象データ(スプライトの識別番号、転送元アドレス等)、描画のためのパラメータ(スプライトの表示位置、表示倍率、透過率等)、描画方法、画像表示装置14の輝度のパラメータとなるデューティー比等などの各種情報が含まれている。
画像生成部105Bは、画像プロセッサであるVDP(Video Display Processor)105Baと、画像データが格納されたCGROM105Bb、及び、画像データから生成された描画データを一時的に記憶するフレームバッファ等を有するVRAM105Bcを備えている。
VDP105Baは、画像データが記憶されているCGROM105Bbに接続されており、統括CPU105Aaからの指示に基づいて、画像データに基づいて映像信号(RGB信号等)の元となる描画データを生成する。画像データは、画像表示装置14に表示させる画像(フレーム)、例えば、装飾図柄画像や装飾図柄の背景を構成する、景色、キャラクター、及び台詞等の背景画像等の個々の画像を表す素材的なデータである。一方、描画データは個々の画像が複合されて(重ね合わされて)構成されるフレーム全体の画像を表す合成的なデータである。
CGROM105Bbは、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば、32×32ピクセル)における画素情報の集まりからなる画像データ(スプライト、ムービー)等を圧縮して記憶している。画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。また、CGROM105Bbは、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータを圧縮せずに記憶している。なお、CGROM105Bbは、全ての画像データを圧縮せずとも、一部のみ圧縮している構成でもよい。また、ムービーの圧縮方式としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
また、画像生成部105Bは、水晶発振器を有している。水晶発振器は、VDP105Baにパルス信号を出力する。VDP105Baは、このパルス信号を分周することで、画像表示装置14と同期を図るための同期信号(水平同期信号・垂直同期信号)を生成し、画像表示装置14に出力する。
次に、図4〜図11を参照して、メインROM110bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
図4(a−1)(a−2)は、大当たり判定テーブルの一例を示す図である。大当たり判定とは、始動口6、7への入賞に基づき取得した大当たり判定用乱数に基づいて、少なくとも特別遊技を実行する権利獲得の成否(特賞の当否)を決定することである。図4(a−1)は、第1始動口6への入賞を契機に行われる第1特別図柄の抽選における大当たり判定において参照されるテーブル(以下、「第1特別図柄用の大当たり判定テーブル」という)である。一方、図4(a−2)は、第2始動口7への入賞を契機に行われる第2特別図柄の抽選における大当たり判定において参照されるテーブル(以下、「第2特別図柄用の大当たり判定テーブル」という)である。
いずれの大当たり判定テーブルも、後述する大当たりの当選確率が、相対的に低い(標準値に設定された)状態のときに参照される大当たり判定テーブル(以下、「低確率用大当たり判定テーブル」という)と、相対的に高い(標準値より高く設定された)状態のときに参照される大当たり判定テーブル(以下、「高確率用大当たり判定テーブル」という)とで構成されている。取得された大当たり判定用乱数を大当たり判定テーブルに照合することで、「大当たり」又は「ハズレ」のいずれかが決定される。
各大当たり判定テーブルには、大当たり判定値と判定結果とが一義的に対応付けられて格納されている。すなわち、取得された大当たり判定用乱数を大当たり判定テーブルに照合することで、「大当たり」又は「ハズレ」のいずれかが決定される。「大当たり」に当選すると、第1大入賞口8又は第2大入賞口9の開放を伴う大当たり遊技が実行される。
大当たり判定の結果が「ハズレ」である場合は、さらに、図4(b)のリーチ判定テーブルに基づいてリーチ判定が行われる。リーチ判定テーブルには、リーチ判定値とリーチ演出の有無とが一義的に対応付けられて格納されている。取得されたリーチ判定用乱数をリーチ判定テーブルに照合することで、リーチ演出の当否が判定される。リーチ判定の結果、リーチに当選する(リーチ演出有りと判定される)と、当該抽選演出中に遊技者の大当たり当選への期待感を高めるためのリーチ演出が行われる。
リーチ演出の態様としては、例えば、演出図柄の変動表示中に画像表示装置14の左側領域、中央領域、及び、右側領域のうちの2つの領域で装飾図柄が擬似停止し(演出図柄の一部が擬似的な停止表示を行い)、残り1つの領域における所定の有効ライン上で所定の装飾図柄が停止すれば大当たりの当選を表す装飾図柄の配列となる状態(所謂「リーチ状態」)が発生する態様がある。大当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、このリーチ状態という演出的な特定状態になっても、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることに変わりはない。しかし、遊技中に画像表示装置14等で頻繁に行われる主要な抽選演出において、大当たり当選を表す3つの装飾図柄の配列のうち2つの装飾図柄が揃い、途中まで「大当たり」当選と同一の状況を創出することで遊技者の大当たり当選に対する期待感を高めることができる。
なお、リーチ状態が発生するリーチ演出では、このようなリーチ状態の成立後に、他に特別な演出が行われることなく、最後の演出図柄として大当たりを示さない装飾図柄が有効ライン上で停止して、当該抽選演出が終了する場合や、リーチ状態成立後に発展演出(所謂「スーパーリーチ演出」)に展開していく場合がある。また、リーチ演出において、必ずリーチ状態が発生するとは限らない。すなわち、リーチ状態が発生しなくても、遊技者の大当たり当選への期待感を高めることができるリーチ演出もある。
図5(a)〜図5(b)は、特別図柄判定テーブルの一例を示す図である。特別図柄判定とは、取得した特別図柄判定用乱数に基づいて特別図柄表示装置20、21において停止表示される特別図柄の態様(特別図柄の種類:特図停止図柄データ・特別演出図柄指定コマンド)を決定することである。
特別図柄判定用テーブルは、大当たり判定の結果(大当たり及びハズレ)によって大きく分類されている。すなわち、図5(a)は、当該大当たり判定の結果が「大当たり」である場合の特別図柄判定において参照されるテーブル、図5(b)は、当該大当たり判定の結果が「ハズレ」である場合の特別図柄判定において参照されるテーブルである。
さらに、これらの各テーブルは当該特別図柄の抽選の契機となる始動口の種類によっても分類されている。当該大当たり判定の結果が「ハズレ」である場合には、特別図柄判定テーブルはリーチ演出の有無によっても分類されている。各特別図柄判定テーブルには、特別図柄用判定値と、特別図柄の種類とが一義的に対応付けられて格納されている。特別図柄の種類の識別情報として、特図停止図柄データ及び特別演出図柄指定コマンドが設定されている。特図停止図柄データは、主制御基板101における処理において用いられ、特別演出図柄指定コマンドは当該特別図柄判定時に演出制御基板102に送信される。
図5(a)〜図5(b)に示すように、特別演出図柄指定コマンドは、コマンドの分類を識別するための1バイトのMODEデータと、コマンドの内容(機能)を示すための1バイトのDATAデータとから構成されている。特別演出図柄指定コマンドについては、MODEデータが「E1H」であれば、第1始動口6に遊技球が入賞したこと(第1特別図柄表示装置20)を表し、MODEデータが「E2H」であれば、第2始動口7に遊技球が入賞したこと(第2特別図柄表示装置21)を表す。
図6は、大当たり遊技を制御する際に用いられる大当たり遊技制御テーブルの一例を示す図である。
大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技を制御するための条件が格納されている。大当たり遊技を制御するための条件として、大当たり遊技が開始されてから、大入賞口8、9の最初の開放が行われるまでの期間であるオープニングの時間と、オープニング開始時に演出制御基板102に送信するオープニングコマンド、大入賞口8、9の開閉を制御する際に用いるテーブルの種類、大入賞口8の最後の開放が終了してから、大当たり遊技が終了するまでの期間であるエンディングの時間、及び、エンディング開始時に演出制御基板102に送信するエンディングコマンドが設定されている。これらの大当たりを制御するための条件は、大当たりの種類、すなわち、特別図柄の種類(特図停止図柄データ)に関連付けられている。すなわち、大当たり遊技の際に、いずれの制御条件を用いるかは特別図柄の種類に基づいて選択される。
図7(a)〜図7(c)は、大入賞口8、9の開閉を制御する際に用いる大当たり遊技用の大入賞口開閉制御テーブルの一例を示す図である。図7(a)は大当たり遊技を構成する第1長当たり遊技において参照されるテーブル、図7(b)は大当たり遊技を構成する第2長当たり遊技において参照されるテーブル、図7(c)は大当たり遊技を構成する短当たり遊技において参照されるテーブルである。
大当たり遊技用の大入賞口開閉制御テーブルには、大当たり遊技時の大入賞口8、9の開閉を制御するための条件が格納されている。大入賞口8、9の開閉を制御するための条件として、ラウンド遊技の番号であるラウンド番号(R)、各ラウンド遊技における大入賞口制御装置の作動(大入賞口8、9の開放)番号である特電作動番号(K)、及び、開閉させる大入賞口の種類、開放時間・閉鎖時間(作動時間・未作動時間)が設定されている。
図8(a)は、遊技条件データを決定する際に参照する参照データ判定テーブルの一例を示す図である。遊技条件データとは、大当たり当選の際に、当該大当たり遊技後に新たに設定(変動)する遊技条件の状態を表す識別情報である。遊技条件データは、当該特別図柄抽選の際の大当たりの当選確率の状態及び当該特別図柄抽選の結果(特図停止図柄データ)に対応付けられている。すなわち、当該テーブルは、大当たりの当選確率の状態(低確率状態/高確率状態)によって分けられており、分けられた各テーブルにおいて、特別図柄の種類(特図停止図柄データ)と遊技条件データとが一義的に対応付けられて格納されている。
遊技条件データは、1バイトのデータで構成されている。遊技条件データは、当該大当たり当選により新たに設定される始動口入賞容易性の状態を表す。「01H」であれば、当該大当たり遊技後に始動口入賞容易性が容易状態に設定され、「00H」であれば、当該大当たり遊技後に始動口入賞容易性が困難状態に設定される。
図8(b)は、遊技条件判定テーブルの一例を示す図である。遊技条件判定とは、大当たり遊技が終了する際に(大当たり遊技終了処理の際に)新たに設定される遊技条件の状態を決定することである。上述したように、本実施の形態においては、遊技条件として、始動口入賞容易性が設定されている。当該テーブルは、遊技条件データと、各遊技条件の状態、すなわち、後述するその遊技条件の状態を示すフラグ(時短フラグ)のON/OFF及び当該遊技条件の状態によって実行可能な特別図柄表示の回数(Ja:以下、「実行可能回数」という)とが一義的に関連付けられて格納されている。すなわち、この特別図柄表示の実行可能回数とは、特別図柄抽選、換言すれば、その結果の報知に係る特別図柄表示の規定回数を意味する。
(特別図柄の変動パターン判定テーブル)
図9〜図10は、後述するように特別図柄の変動表示の態様(以下、「特図変動パターン」という)を決定する際に参照される特図変動パターン判定テーブルの一例を示す図である。特図変動パターンには、特別図柄の変動表示に要する時間(以下、「特図変動時間」という)や演出の種別が関連付けられている。なお、特図変動パターンは、第1特別図柄表示装置20において表示される第1特別図柄の変動表示の態様である第1特図変動パターンと、第2特別図柄表示装置21において表示される第2特別図柄の変動表示態様である第2特図変動パターンとで区別される。
特図変動パターン判定テーブルは、後述する遊技状態によって大きく分けられている。なお、図9は、後述する低確率状態且つ非時短状態において特別図柄の変動パターンを決定する際に参照される特図変動パターン判定テーブルの一例を示す図、図10は、後述する高確率状態且つ時短状態、及び、低確率状態且つ時短状態において特図変動パターンを決定する際に参照される特図変動パターン判定テーブルの一例を示す図である。
そして、特図変動パターン判定テーブルは、さらに、特別図柄抽選の結果及び特別図柄表示において作動する特別図柄表示装置(当該特別図柄表示に係る始動口)の種別などが反映された特図停止図柄データ及び特別図柄保留数(U1またはU2)によって分けられている。
各テーブルにおいて、特図変動パターン用判定値と、一又は複数の特図変動パターンとが一義的に関連付けられて格納されている。特図変動パターンは、予め設定された所定の確率で割り振られているため、特図変動パターンには大当たり当選の期待度が設定されていることになる。
なお、各特図変動パターンに対応して始動口入賞指定コマンド及び特別図柄の変動パターン指定コマンドが設定されている。始動口入賞指定コマンドは、始動口6、7の入賞時に(ステップS200の入力制御処理時に)生成されて演出制御基板102に送信され、特図変動パターン指定コマンドは、当該特別図柄の変動表示開始時に(ステップS300の特別図柄記憶判定処理時に)生成されて演出制御基板102に送信される。いずれのコマンドも、始動口の種別を識別するための1バイトのMODEデータと、特図変動パターンを識別するための1バイトのDATAデータとから構成されている。
図11(a)〜図11(f)は、入賞ゲート10への入賞に基づく普通図柄系遊技を制御する際に用いられるテーブルの一例を示す。
図11(a)は、普通図柄用の当たり判定テーブルの一例を示す図である。当たり判定とは、入賞ゲート10への入賞に基づき取得した当たり判定用乱数に基づいて、少なくとも第2始動口7の開放を伴う補助遊技を実行する権利獲得の成否(当たりの当否)を決定することである。
当たり判定テーブルは、後述する始動口入賞容易性の状態によって分けられている。具体的には、当たり判定テーブルは、非時短状態のときに参照される当たり判定テーブルと、時短状態のときに参照される当たり判定テーブルとで分けられており、メインROM101bに格納されている。取得された当たり判定用乱数を当たり判定テーブルに照合することで、「当たり」又は「ハズレ」のいずれかが決定される。すなわち、各当たり判定テーブルには、当たり判定値と判定結果とが一義的に対応付けられて格納されており、取得された当たり判定用乱数を当たり判定テーブルに照合することで、「当たり」又は「ハズレ」のいずれかが決定される。「当たり」に当選すると、第2始動口7が開放する補助遊技が実行される。
図11(b)は、普通図柄判定テーブルの一例を示す図である。普通図柄判定とは、入賞ゲート10への入賞に基づいて取得された普通図柄判定用乱数に基づいて普通図柄表示装置22において停止表示される普通図柄の態様(普通図柄の種類:普図停止図柄データ・普通演出図柄指定データ)を決定することである。普通図柄判定用テーブルは、当たり判定の結果(当たり及びハズレ)によって分けられており、いずれもメインROM101bに格納されている。
図11(c)は、普通図柄の変動表示に要する時間(以下、「普図変動時間」という)に対応付けられた普通図柄の変動パターン(以下、「普図変動パターン」という)を判定するための普図変動パターン判定テーブルを示す図である。普図変動パターン判定テーブルは、時短状態のときに参照される普図変動パターン判定テーブルと、非時短状態のときに参照される普図変動パターン判定テーブルとで構成されている。いずれのテーブルもメインROM101bに格納されている。
取得された普図変動パターン判定用乱数を普図変動パターン判定テーブルに照合することで、普図変動パターンが決定される。本実施の形態では、各テーブルにおいて1つの普図変動パターンのみが設定されている。すなわち、時短状態における普図変動時間の期待値は3.0秒、一方、非時短状態における普図変動時間の期待値は15.0秒となっている(図11(c)参照)。
図11(d)は、補助遊技参照データ判定テーブルの一例を示す図である。このテーブルには、補助遊技を行う際に参照されるデータ(補助遊技参照データ)が格納されている。図11(d)に示す様に、補助遊技参照データ判定テーブルには、現在の第2始動口7への入賞容易性状態と普図停止図柄データとの組み合わせと、補助遊技参照データとが対応付けられている。すなわち、補助遊技参照データは、当該普通図柄抽選が行われた際の始動口入賞容易性状態及び当該普通図柄抽選の結果に関する情報を有する。
図11(e)は、補助遊技制御テーブルの一例を示す図である。このテーブルには、補助遊技を制御するための条件が上記の補助遊技参照データに関連付けられて格納されている。補助遊技を制御するための条件として、補助遊技が開始してから、第2始動口7の最初の開放が行われるまでの期間であるオープニングの時間と、第2始動口7の最後の開放が終了してから、補助遊技が終了するまでの期間であるエンディングの時間とが設定されている。なお、補助遊技制御テーブルもメインROM101bに格納されている。
図11(f)は、当たり用の第2始動口開閉制御テーブルの一例を示す図である。このテーブルは、始動口入賞容易性が非時短状態のときに参照される第2始動口開閉制御テーブル(非時短用第2始動口開閉制御テーブル)と、時短状態のときに参照される第2始動口開閉制御テーブル(時短用第2始動口開閉制御テーブル)とで構成されている。いずれのテーブルもメインROM101bに格納されている。
各テーブルには、補助遊技時の第2始動口7の開閉を制御するための条件が上記の補助遊技参照データに関連付けられて格納されている。第2始動口7の開閉を制御するための条件として、第2始動口制御装置70の作動(第2始動口7の開放)順番である普電作動番号(D)、及び、各開放時間・閉鎖時間(作動時間・未作動時間)が設定されている。本実施の形態では、各テーブルにおいて1種類の条件パターンのみが設定されている。すなわち、時短用第2始動口開閉制御テーブルにおける開放時間の期待値は5.0秒、一方、非時短用第2始動口開閉制御テーブルにおける開放時間の期待値は0.2秒となっている。
(大当たり遊技の種類の説明)
大当たり遊技について説明する。本実施の形態においては、大入賞口8、9の開放を伴う(大入賞口制御装置80、90が作動する)大当たり遊技は、「大当たり」に当選した際に実行され、大入賞口8、9が開閉する「大当たり遊技」で構成されている。大当たり遊技は、主に大入賞口8、9の開閉態様の相違によって「第1長当たり遊技」と「第2長当たり遊技」と「短当たり遊技」とに分けられる。以下、「第1長当たり遊技」を伴う「大当たり」を「第1長当たり」と、「第2長当たり遊技」を伴う「大当たり」を「第2長当たり」と、「短当たり遊技」を伴う「大当たり」を「短当たり」とする。
大当たり遊技では、大入賞口8、9が1回以上は開放するラウンド遊技が所定回数実行される。各ラウンド遊技において、開放し得る回数(以下、最大開放回数という)と、開放し得る時間の合計(以下、最大開放時間という)とが予め設定されている。「開放し得る」となっているのは、1回のラウンド遊技中に大入賞口8に入賞できる遊技球の個数が制限されているからである(例えば9個)。したがって、大入賞口8、9が最大開放回数開放していなくても大入賞口8、9が閉鎖し、そのラウンド遊技が終了することがある。また、最大開放時間が経過していなくても大入賞口8、9が閉鎖し、そのラウンド遊技が終了することもある。なお、各ラウンド遊技における大入賞口8、9の最大開放回数及び最大開放時間は、各大当たり遊技で統一されていても統一されていなくてもよい。
(遊技条件の説明)
次に、遊技が進行する際の条件となる遊技条件について説明する。本実施形態において、大当たりの当選確率については「低確率」状態又は「高確率」状態のもとで遊技が進行し、遊技球の第2始動口7への入賞容易性については「時短」状態又は「非時短」状態のもとで遊技が進行する。初期(電源投入時)の遊技条件は、「低確率」状態且つ「非時短」状態に設定されており、この「低確率」状態且つ「非時短」状態を基準として「通常遊技状態」と称する。
本実施形態において大当たりの当選確率についての「低確率」状態とは、遊技球が第1始動口6または第2始動口7に入賞したことを条件として行われる特別図柄抽選の大当たり判定における大当たりの当選確率が、1/380と相対的に遊技者に不利に設定されていることをいう。ここでいう「大当たり」の当選とは、特別図柄抽選において「第1長当たり遊技」、「第2長当たり遊技」又は「短当たり遊技」のいずれかを実行する権利を獲得することである。これに対して「高確率」状態とは、大当たりの当選確率が「低確率」状態より高く、すなわち、相対的に遊技者に有利な1/40に設定されていることである。したがって、大当たりの当選確率が「高確率」状態のときは、「低確率」状態のときよりも大当たりの当選が容易となり、単位時間当たりの大当たりの当選可能回数が相対的に多くなるので、遊技者に有利な状態と言える。
なお、「高確率」状態は、大当たり遊技において遊技球が特定領域12を有効に通過することによって、当該大当たり遊技の終了する際に発生する。すなわち、大当たりに当選して、当該大当たり遊技中に第2大入賞口9が開放している間に第2大入賞口9に入球し、特定領域12を通過すると、当該大当たり遊技後に「高確率」状態となり、当該大当たり遊技中に特定領域12を通過することができないと「高確率」状態は発生せず、「低確率」状態となる。
ここで、第1長当たり遊技では、8回目のラウンド遊技において第2大入賞口9が1回、29.5秒間開放するため、当該大当たり遊技中に遊技球に特定領域12を通過させることは容易である。よって、第1長当たりは、「高確率」状態を発生させ易い大当たりということができる。一方、第2長当たり遊技及び第2短当たり遊技でも、8回目のラウンド遊技において第2大入賞口9が1回開放するが、その開放時間は0.1秒であるため、当該大当たり遊技中に遊技球に特定領域12を通過させることは困難である。よって、第2長当たり及び第2短当たり遊技は、「高確率」状態を発生させ難い大当たりということができる。
「非時短」状態とは、第2始動口7への入賞容易性が通常の状態である。具体的には、「非時短」状態では、遊技球が入賞ゲート10に入賞したことを条件として行われる普通図柄の抽選に対応する普通図柄の変動表示に要する時間(以下、普図変動時間という)が、15秒に設定され、普通図柄の抽選において「当たり」に当選したときに作動する第2始動口制御装置70の作動時間(第2始動口7の開放時間)の合計が0.2秒に設定され、普通図柄用の当たり判定において当たりに当選する確率が1/50に設定されていることをいう。なお、「開放時間の合計」となっているのは、1回の当たりに対して第2始動口7が複数回開放することがあり、又、1回の当たりに対して遊技球が入賞できる個数が制限されており、遊技球がその個数入賞すると当該開放時間の経過を待たず閉鎖するからである。
これに対して「時短」状態とは、「非時短」状態に比べて、単位時間当たりにおける第2始動口制御装置70の作動時間(第2始動口7の開放時間)が長く、第2始動口7への入賞容易性が「非時短」状態に比べて高い状態、すなわち、「非時短」状態に比べて第2始動口7へ入賞させ易い状態のことをいう。第2始動口7への入賞容易性が相対的に高いことによって、単位時間当たりにおける第2特別図柄抽選の実行可能回数が多くなる。同一の大当たりの当選確率のもとでは、単位時間当たりにおける第2特別図柄抽選の実行回数が多い方が、必然的に単位時間当たりにおける大当たりの当選回数も多くなることから、「時短」状態は「非時短」状態に比して遊技者に有利な状態といえる。
上述したように、本実施の形態では、「時短」状態では、普図変動時間が3.0秒に設定され、第2始動口7の最大開放時間の合計が5.0秒に設定され、当たりに当選する確率が1/5に設定される。すなわち、第2始動口7への入賞容易性の構成要素全てについて「非時短」状態より遊技者に有利に設定されている。なお、「時短」状態では、第2始動口7は1.0秒間の閉鎖(インターバル)を介して2回開放しているが、当該閉鎖がなく、1回開放するだけでも良い。また、閉鎖が複数回設けられていても良い。
なお、本実施の形態では、始動口6、7に遊技球が入賞すると、3球の賞球を得ることができるものの、遊技者が適切な発射ハンドル32の操作で遊技球の発射を行っても、遊技者が所持する遊技球の個数が減少し易い。しかしながら、「時短」状態のときは、「非時短」状態に比して第2始動口7への入賞が容易になるので、遊技者が所持する遊技球の個数の減少を抑えることができる。つまり、遊技者が所持する遊技球の個数の観点からも「時短」状態は「非時短」状態に比べて遊技者に有利に設定されている。
このように、大当たりの当選によって、大当たり遊技の種類(第1長当たり遊技/第2長当たり遊技/短当たり遊技)と、大当たり遊技後に新たに設定される遊技条件の状態(非時短状態/時短状態との組み合わせ)とが決定される。このことを鑑みると、実質的な大当たりの種類(遊技者が享受する利益度に基づく大当たりの種類)は、実行される大当たり遊技の種類と、当該大当たり遊技終了後に新たに設定される遊技条件の状態との組合せと言える。そこで、以下、特図停止図柄データに基づく大当たりの種類とは別に、大当たりによって導かれた大当たり遊技の種類と大当たり遊技後の遊技条件との組合せ、すなわち、遊技者が享受する利益の種類に基づいて、大当たりの種類を分類することができる。
大当たりの当選により第1長当たり遊技を実行させ、その後に遊技条件の状態を「時短」状態に設定させる大当たりを「時短有第1長当たり」、大当たりの当選により第2長当たり遊技を実行させ、その後に遊技条件の状態を「時短」状態に設定させる大当たりを「時短有第2長当たり」、当選により短当たり遊技を実行させ、その後に遊技条件の状態を「時短」状態に設定させる大当たりを「時短有短当たり」と称する。
なお、大当たり当選すると、当該大当たり遊技前の状態に関わらず当該大当たり遊技が開始する際に通常状態に設定される。すなわち、大当たりの当選確率は低確率状態になり、第2始動口7の入賞容易性は大当たり遊技中には必ず非時短状態になる。
(主制御基板のメイン処理)
図13を用いて、主制御基板101のメイン処理を説明する。
電源基板107からメインCPU101aに電力が供給されると、メインCPU101aにシステムリセットが発生し、メインCPU101aは、以下のメイン処理を行う。
まず、ステップS10において、メインCPU101aは、初期化処理を行う。この処理において、メインCPU101aは、電源投入に応じて、メインROM101bから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM101cの各記憶領域を初期化する処理を行う。
ステップS20において、メインCPU101aは、リーチ判定用乱数値、特図変動パターン判定用乱数値等で構成される特別図柄の変動表示における特図変動パターンを決定するための演出乱数の更新を行う。
ステップS30において、メインCPU101aは、大当たり判定用初期値乱数、特別図柄判定用初期値乱数、当たり判定用初期値乱数等で構成される初期値乱数の更新を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS20とステップS30との処理を繰り返し行う。
(主制御基板のタイマ割込処理)
図14を用いて、主制御基板101のタイマ割込処理を説明する。主制御基板101に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下のタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS100において、メインCPU101aは、メインCPU101aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS110において、メインCPU101aは、特別図柄の変動時間の更新処理、特別図柄の停止時間の更新処理、オープニング時間の更新処理、大入賞口8の開閉時間の更新処理等を行う特別遊技タイマカウンタ、及び、普通図柄の変動時間の更新処理、普通図柄の停止時間の更新処理、並びに、第2始動口7の開閉時間の更新処理等を行う補助遊技タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。
ステップS120において、メインCPU101aは、大当たり判定用乱数値、特別図柄判定用乱数値、当たり判定用乱数値の乱数更新処理を行う。具体的には、それぞれの乱数カウンタを+1加算して、乱数カウンタを更新する。なお、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の初期値乱数の値から乱数を更新する。
ステップS130において、メインCPU101aは、大当たり判定用初期値乱数カウンタ、特別図柄用初期値乱数カウンタ、当たり判定用初期値乱数カウンタを+1加算して乱数カウンタを更新する初期値乱数更新処理を行う。
ステップS200において、メインCPU101aは、入力制御処理を行う。この処理において、メインCPU101aは、所定の検出センサから新たに有効な信号が送信されたか否か判定する入力制御処理を行う。詳しくは、図15〜図18を用いて後述する。
ステップS300において、メインCPU101aは、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21、第1特別図柄保留表示装置23、第2特別図柄保留表示装置24、第1大入賞口制御装置80、及び、第2大入賞口制御装置90の制御(特別図柄系装置の制御)を行うための特図特電制御処理(特別図柄系処理)を行う。詳しくは、図19〜図27を用いて後述する。
ステップS400において、メインCPU101aは、普通図柄表示装置22、普通図柄保留表示装置25、第2始動口制御装置70の制御(普通図柄系装置の制御)を行うための普図普電制御処理(普通図柄系処理)を行う。詳しくは、図28〜図32を用いて後述する。
ステップS500において、メインCPU101aは、払出制御処理を行う。この処理において、メインCPU101aは、始動口(第1始動口6、第2始動口7)、第1大入賞口8、第2大入賞口9、及び、一般入賞口11に対応する賞球カウンタが「0」を超えているか否かのチェックを行い、「0」を超えている場合、それぞれの入賞口に対応する賞球個数を示す賞球要求信号を払出制御基板103に送信する。そして賞球信号を送信するとき、その信号に係る賞球カウンタを「1」減算する更新処理を行う。
ステップS600において、メインCPU101aは、遊技に関する情報を外部信号として遊技情報表示装置700等の外部装置に出力するための外部信号出力制御データ、第2始動口開閉ソレノイド70B、第1大入賞口開閉ソレノイド80B、及び、第2大入賞口開閉ソレノイド90Bを駆動させるための駆動制御データ(始動口開閉ソレノイド駆動データ及び大入賞口開閉ソレノイド駆動データ)、及び、図柄表示装置20、21、22や保留表示装置23、24、25に所定の図柄を表示させるための表示制御データ(特別図柄表示データ、普通図柄表示データ、特別図柄保留表示データ、普通図柄保留表示データ)のデータ作成処理を行う。
ステップS700において、メインCPU101aは、出力制御処理を行う。この処理において、まず上記S600で作成した外部信号出力制御データ、駆動制御データに基づいて信号を出力させるポート出力処理が行われる。次いで、図柄表示装置20、21、22及び保留表示装置23、24、25の各LEDを点灯させるために、上記ステップS600で作成した表示制御データに基づいて信号を出力させる表示装置出力処理を行う。最後に、メインRAM101cの送信バッファにセットされているコマンドを他の基板に送信するコマンド送信処理も行う。
ステップS800において、メインCPU101aは、ステップS100で退避した情報をメインCPU101aのレジスタに復帰させる。
図15を用いて、入力制御処理を説明する。まず、ステップS210において、メインCPU101aは、第1大入賞口検出センサ8aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第1大入賞口8に入賞したか否かを判定する。メインCPU101aは、第1大入賞口検出センサ8aから検出信号を入力していない場合には、ステップS220に処理を移す。メインCPU101aは、第1大入賞口検出センサ8aから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる大入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、第1大入賞口8又は第2大入賞口9に入賞した遊技球を計数するためのラウンド入賞カウンタ(C)のカウンタ値を加算して更新する。
ステップS220において、メインCPU101aは、第2大入賞口検出センサ9aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第2大入賞口9に入賞したか否かを判定する。メインCPU101aは、第2大入賞口検出センサ9aから検出信号を入力していない場合には、ステップS230に処理を移す。メインCPU101aは、第2大入賞口検出センサ9aから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる大入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、第1大入賞口8又は第2大入賞口9に入賞した遊技球を計数するためのラウンド入賞カウンタ(C)のカウンタ値を加算して更新する。
ステップS230において、メインCPU101aは、第1始動口検出センサ6aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第1始動口6に入賞したか否かを判定する。詳細は、図16(a)を用いて後述する。
ステップS240において、メインCPU101aは、第2始動口検出センサ7aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第2始動口7に入賞したか否かを判定する。詳細は、図16(b)を用いて後述する。
ステップS250において、メインCPU101aは、入賞ゲート検出センサ10aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が入賞ゲート10に入賞したか否かを判定する。詳細は、図17を用いて後述する。
ステップS260において、メインCPU101aは、特定領域検出センサ12aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が特定領域12に入賞したか否かを判定する。詳細は、図18を用いて後述する。
ステップS270において、メインCPU101aは、一般入賞口検出センサ11aから検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が一般入賞口11に入賞したか否かを判定する。メインCPU101aは、一般入賞口検出センサ11aから検出信号を入力していない場合には、当該入力制御処理を終了する。メインCPU101aは、一般入賞口検出センサ11aから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる一般入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
次に、図16(a)を用いて第1始動口検出信号入力処理について説明する。ステップS231において、メインCPU101aは、第1始動口検出センサ6aから有効な検出信号かあったか否か、すなわち、所定の実行条件が成立したか否かを判定する。有効な検出信号がなければ当該処理を終了し、有効な検出信号があれば、ステップS232において、始動口賞球カウンタを「1」加算して更新すると共に、メインRAM101cの第1始動口入賞フラグ記憶領域に第1始動口入賞フラグをONする。
メインCPU101aは、ステップS233において、第1特別図柄保留数カウンタのカウンタ値(U1、「第1特図保留数」ともいう)が4(上限値)より小さいか否かを判定する。カウンタ値(U1)が4より小さくない、すなわち、該カウンタ値(U1)が4であれば当該処理を終了し、第1特図保留数(U1)が4より小さければ、特別図柄表示を実行する権利が得られることを意味するので、メインCPU101aは、ステップS234において第1特別図柄保留数カウンタのカウンタ値(U1)を「1」加算して更新する。そして、ステップS234においては、第1特別図柄保留表示装置23に表示される第1特図保留数(U1)を更新するために、その保留数を示す特別図柄保留表示データをメインRAM101cの所定領域にセットする。
メインCPU101aは、ステップS235において、大当たり判定用乱数、特別図柄判定用乱数、リーチ判定用乱数及び特図変動パターン判定用乱数からなる判定情報を取得する。具体的には、各乱数カウンタが示す乱数値を第1特別図柄保留記憶領域に記憶する。なお、第1特別図柄記憶保留領域は第1記憶部〜第4記憶部に分けられており(図12(a)参照)、判定情報は判定情報が記憶されていない記憶部の中で番号の小さい記憶部から順に記憶されていく。
そして、メインCPU101aは、ステップS236において第1始動口6への入賞に基づく第1事前判定処理を行う。ここで、第1事前判定処理について説明する。第1事前判定処理は、ステップS300の特図特電制御処理において決定される所定事項を、当該第1始動口6への入賞に基づく確定的な特別図柄の変動表示(特別図柄の抽選の結果の報知)の前に事前に判定する処理である。
具体的には、ステップS235で取得した特別図柄抽選に係る判定情報(大当たり判定用乱数、特別図柄判定用乱数、リーチ判定用乱数、及び、特図変動パターン判定用乱数)に基づいて、大当たり判定、特別図柄判定、リーチ判定及び特図変動パターン判定を行う。すなわち、メインCPU101aは、第1事前判定において、大当たり判定処理、特別図柄判定処理、及び、特図変動パターン判定処理を行う。ここでは、第1事前判定の判定結果として、第1始動口入賞指定コマンドが決定される。第1始動口入賞指定コマンドには第1事前判定の判定結果に関する情報(大当たりの当否、特別図柄の種類、リーチの有無及び特図変動パターン)が含まれている。
そして、メインCPU101aは、ステップS237において、第1始動口入賞指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域(送信バッファ)にセットする。
次いで、図16(b)を用いて、第2始動口検出信号入力処理について説明する。ステップS241において、メインCPU101aは、第2始動口検出センサ7aから有効な検出信号かあったか否か、すなわち、所定の実行条件が成立したか否かを判定する。有効な検出信号がなければ当該処理を終了し、有効な検出信号があれば、ステップS242において、始動口賞球カウンタを「1」加算して更新し、第2始動口入賞規定カウンタを「1」加算して更新すると共に、メインRAM101cの第2始動口入賞フラグ記憶領域に第2始動口入賞フラグをONする。第2始動口入賞規定カウンタとは、1回の補助遊技における第2始動口7への入賞個数を計数する装置である。これは、本実施の形態では、1回の補助遊技に対する第2始動口7への入賞個数が制限されているからである。
メインCPU101aは、ステップS243において、第2特別図柄保留数カウンタのカウンタ値(U2、「第2特図保留数」ともいう)が4(上限値)より小さいか否かを判定する。カウンタ値(U2)が4より小さくない、すなわち、該カウンタ値(U2)が4であれば当該処理を終了し、第2特図保留数(U2)が4より小さければ、特別図柄表示を実行する権利が得られることを意味するので、メインCPU101aは、ステップS244において第2特別図柄保留数カウンタのカウンタ値(U2)を「1」加算して更新する。そして、ステップS244においては、第2特別図柄保留表示装置24に表示される第2特図保留数(U2)を更新するために、その保留数を示す特別図柄保留表示データをメインRAM101cの所定領域にセットする。
メインCPU101aは、ステップS245において、大当たり判定用乱数、特別図柄判定用乱数、リーチ判定用乱数及び特図変動パターン判定用乱数からなる判定情報を取得する。具体的には、各乱数カウンタが示す乱数値を第2特別図柄保留記憶領域に記憶する。なお、第2特別図柄記憶保留領域は第1記憶部〜第4記憶部に分けられており(図12(b)参照)、判定情報は判定情報が記憶されていない記憶部の中で番号の小さい記憶部から順に記憶されていく。
そして、メインCPU101aは、ステップS246において第2始動口7への入賞に基づく第2事前判定処理を行う。ここで、第2事前判定処理について説明する。第2事前判定処理は、ステップS300の特図特電制御処理において決定される所定事項を、当該第2始動口7への入賞に基づく確定的な特別図柄の変動表示(特別図柄の抽選の結果の報知)の前に事前に判定する処理である。
具体的には、ステップS245で取得した特別図柄抽選に係る判定情報(大当たり判定用乱数、特別図柄判定用乱数、リーチ判定用乱数、及び、特図変動パターン判定用乱数)に基づいて、大当たり判定、特別図柄判定、リーチ判定及び特図変動パターン判定を行う。すなわち、メインCPU101aは、第2事前判定において、大当たり判定処理、特別図柄判定処理、及び、特図変動パターン判定処理を行う。ここでは、第2事前判定の判定結果として、第2始動口入賞指定コマンドが決定される。第2始動口入賞指定コマンドには第2事前判定の判定結果に関する情報(大当たりの当否、特別図柄の種類、リーチの有無及び特図変動パターン)が含まれている。
そして、メインCPU101aは、ステップS247において、第2始動口入賞指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域(送信バッファ)にセットする。
次に、図17を用いて入賞ゲート検出信号入力処理について説明する。ステップS251において、入賞ゲート検出センサ10aから有効な検出信号かあったか否か、すなわち、所定の実行条件が成立したか否かを判定する。有効な検出信号がなければ当該処理を終了し、有効な検出信号があれば、ステップS252において、普通図柄保留数カウンタのカウンタ値(G、「普図保留数」ともいう)が4(上限値)より小さいか否かを判定する。カウンタ値(G)が4より小さくない、すなわち、該カウンタ値(G)が4であれば当該処理を終了し、カウンタ値(G)が4より小さければ、普通図柄表示を実行する権利が得られることを意味するので、メインCPU101aは、ステップS253において普通図柄保留数カウンタのカウンタ値(G)を「1」加算して更新する。なお、メインCPU101aは、ステップS253において、普通図柄保留表示装置25に表示される普図保留数(G)を更新するために、その保留数を示す普通図柄保留表示データをメインRAM101cの所定領域にセットする。
メインCPU101aは、ステップS254において当たり判定用乱数、普通図柄判定用乱数等からなる判定情報を取得し、当該入賞ゲート検出信号入力処理を終了する。具体的に、メインCPU101aは、普通図柄抽選に係るカウンタが示す乱数値をメインRAM101cの普通図柄保留記憶領域に記憶する。
次に、図18を用いて特定領域検出信号入力処理について説明する。ステップS261において、特定領域検出センサ12aから有効な検出信号かあったか否かを判定する。有効な検出信号がなければ当該処理を終了し、有効な検出信号があれば、ステップS262に処理を移し、現在大当たり遊技中であるか否か、すなわち、後述する特図特電処理データ=3であるか否かを判定する。
メインCPU101aは、現在大当たり遊技中ではないと判定するとステップS265に処理を移し、現在大当たり遊技中であると判定すると、ステップS263においてメインRAM101cの高確率状態指定フラグに高確率状態指定フラグをONし、ステップS264においてメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域に大当たり遊技中特定領域入賞指定コマンドをセットし、当該特定領域検出信号入力処理を終了する。
高確率状態指定フラグがONされていることは、大当たり遊技中に遊技球が特定領域12を通過したことを意味する。後述するように、高確率状態指定フラグがONされていることに基づいて、当該大当たり遊技の際に高確率状態が設定される。
サブCPU102aは、ステップS265において、メインRAM101cの演出用伝送データ格納領域に有効期間外特定領域入賞指定コマンドをセットし、当該特定領域検出信号入力処理を終了する。
図19を用いて、特図特電制御処理を説明する。ステップS301において特図特電処理データの値をロードし、ステップS302においてロードした特図特電処理データから分岐アドレスを参照し、特図特電処理データ=0であれば特別図柄記憶判定処理(ステップS310)に処理を移し、特図特電処理データ=1であれば特別図柄変動処理(ステップS320)に処理を移し、特図特電処理データ=2であれば特別図柄停止処理(ステップS330)に処理を移し、特図特電処理データ=3であれば大当たり遊技処理(ステップS340)に処理を移し、特図特電処理データ=4であれば大当たり遊技終了処理(ステップS350)に処理を移す。詳しくは、図20〜図27を用いて後述する。
図20を用いて、特別図柄記憶判定処理を説明する。まず、ステップS310−1において、メインCPU101aは、特別図柄の変動表示中であるか否かを判断する。ここで、特別図柄の変動表示中であれば、当該処理を終了し、特別図柄の変動表示中でなければ、ステップ310−2に処理を移す。
ステップS310−2において、メインCPU101aは、第2特図保留数(U2)が1以上であるか否かを判断する。第2特図保留数(U2)が1以上でない場合には、ステップS310−4に処理を移し、第2特図保留数(U2)が1以上であると判断した場合にはステップS310−3に処理を移す。
メインCPU101aは、ステップS310−3において、第2特別図柄保留数カウンタのカウンタ値を「1」減算して更新し、ステップS310−6において、第2特別図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行い、第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。
例えば、第2特別図柄保留記憶領域の第4記憶部に記憶されているデータは、第2特別図柄保留記憶領域の第3記憶部にシフトされる。また、第2特別図柄保留記憶領域の第1記憶部に記憶されているデータは、第1特別図柄及び第2特別図柄に共通の当該変動用記憶部(第0記憶部)にシフトされ、第0記憶部に記憶されていたデータは、消去される。これにより、前回の遊技で用いられた大当たり判定用乱数値、特別図柄判定用乱数値、リーチ判定用乱数、及び、特図変動パターン判定用乱数が消去される。さらに、前回の遊技で用いた停止図柄データ及び遊技条件データも各々に対応する記憶領域から消去される。
一方、ステップS310−4において、メインCPU101aは、第1特図保留数(U1)が1以上であるか否かを判断する。メインCPU101aは、ステップS310−4において、第1特図保留数(U1)が1以上であると判断した場合にはステップS310−5において第1特別図柄保留数カウンタのカウンタ値を「1」減算して更新し、ステップS310−6において、第1特別図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。
例えば、第1特別図柄保留記憶領域の第4記憶部に記憶されているデータは、第1特別図柄保留記憶領域の第3記憶部にシフトされる。また、第1特別図柄保留記憶領域の第1記憶部に記憶されているデータは、当該変動用記憶部(第0記憶部)にシフトされ、第0記憶部に記憶されていたデータは、消去される。これにより、前回の遊技で用いた大当たり判定用乱数値、特別図柄判定用乱数値、リーチ判定用乱数、及び、特図変動パターン判定用乱数が消去される。さらに、前回の遊技で用いた停止図柄データ及び遊技条件データも各々に対応する記憶領域から消去される。
なお、ステップS310−6におけるデータのシフト処理(当該保留の消化処理)にともなって、第1特図保留数(U1)又は第2特図保留数(U2)を更新するために、具体的には、そのデータに係る始動口の種類に対応する特別図柄保留表示装置23、24の表示内容を変更するために、第1、第2特別図柄保留表示データをメインRAM101cの所定領域にセットする。この保留表示データには、特別図柄保留表示装置の種類に関する情報及び特別図柄保留数(U1又はU2)に関する情報が含まれている。
また、本実施形態では、ステップS310−2〜S310−6において第2特別図柄保留記憶領域を第1特別図柄保留記憶領域よりも優先させてシフトさせることとしたが、始動口に入賞した順序で、第1特別図柄保留記憶領域または第2特別図柄保留記憶領域をシフトさせてもよいし、第1特別図柄保留記憶領域を第2特別図柄保留記憶領域よりも優先させてシフトさせてもよい。
ステップS310−4において、第1特別図柄保留数(U1)が1以上でないと判定された場合には、ステップS319−1〜ステップS319−3の客待ち状態設定処理に処理を移す。メインCPU101aは、最初に、ステップS319−1において、デモ判定フラグ記憶領域にデモ判定フラグ「01H」がセットされているか否かを判定する。デモ判定フラグ記憶領域にデモ判定フラグ「01H」がセットされている場合には当該特別図柄記憶判定処理を終了し、デモ判定フラグ記憶領域にデモ判定フラグ「01H」がセットされていない場合にはステップS319−2に処理を移す。
ステップS319−2において、メインCPU101aは、後述するステップS319−3でデモ指定コマンドを何度もセットすることがないように、デモ判定フラグ記憶領域にデモ判定フラグ「01H」をセットする。
ステップS319−3において、メインCPU101aは、デモ指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットし、特別図柄記憶判定処理を終了する。
ステップS311において、メインCPU101aは、上記ステップS310−6においてシフトされて新しく第0記憶部に記憶されたデータに基づいて、大当たり判定処理を実行する。
ここで、図21を用いて、大当たり判定処理を説明する。まず、メインCPU101aは、ステップS311−1において、当該大当たり判定処理がいずれの始動口への入賞によるものであるかを判定する。具体的には、当該大当たり判定に係る大当たり判定用乱数(判定情報)が第1始動口6への入賞によって取得されたものであるか否かを判定する。
メインCPU101a、ステップS311−1において第1始動口6と判断した場合、ステップS311−2において、第1特別図柄用の大当たり判定テーブルを選択する。一方、ステップS311−1において第1始動口6ではない(第2始動口7である)と判断した場合、ステップS311−3において、メインCPU101aは、第2特別図柄用の大当たり判定テーブルを選択する。
次に、ステップS311−4において、メインCPU101aは、高確率フラグ記憶領域にフラグがONされているか否かを判断する。ここで、高確率フラグ記憶領域にフラグがONされているということは、現在の大当たりの当選確率が高確率であるということである。
ステップS311−4において、高確率フラグ記憶領域にフラグがONされていると判断した場合には、ステップS311−5において、メインCPU101aは、ステップS311−2又はステップS311−3で選択したテーブルの中からさらに「第1高確率用大当たり判定テーブル」又は「第2高確率用大当たり判定テーブル」を選択する。一方、高確率フラグ記憶領域にフラグがONされていないと判断した場合には、ステップS311−6において、メインCPU101aは、ステップS311−2又はステップS311−3で選択したテーブルの中からさらに「第1低確率用大当たり判定テーブル」又は「第2低確率用大当たり判定テーブル」を選択する。
ステップS311−7において、メインCPU101aは、上記ステップS310−6においてシフトされて第0記憶部にある大当たり判定用乱数値を、上記ステップS311−5またはステップS311−6で選択された「高確率用大当たり判定テーブル」または「低確率用大当たり判定テーブル」に基づいて判定し、当該大当たり判定処理を終了する。
大当たり判定処理が終了したら、メインCPU101aは、図20に示す特別図柄記憶判定処理に戻り、ステップS312において、特別図柄判定処理を行う。特別図柄判定処理では、大当たり判定処理の結果に基づいて、特別図柄表示装置20、21において停止表示される特別図柄の態様が決定される。ここで、図22を用いて特別図柄判定処理を説明する。
まず、メインCPU101aは、ステップS312−1において、当該大当たり判定の結果が「大当たり」であるか否かを判定する。ここで「大当たり」と判定された場合には、メインCPU101aは、ステップS312−4において、大当たり当選用の特別図柄判定テーブルを選択し、「大当たり」と判定されなかった場合には、ステップS312−2に処理を移す。
ステップS312−2において、メインCPU101aは、リーチ判定を行う。具体的には、上記ステップS310−6でシフトされて第0記憶部にあるリーチ判定用乱数値をリーチ判定テーブルに照合する。
ステップS312−3においてメインCPU101aは、上記ステップS312−2におけるリーチ判定の結果、「リーチ有り」と判定されたか否かを判定する。「リーチ有り」と判定された場合には、ステップS312−5に処理を移し、リーチ有りハズレ用の特別図柄判定テーブルを選択する。一方、「リーチ有り」ではない、すなわち、「リーチなし」と判定された場合には、ステップS312−6に処理を移し、リーチ無しハズレ用の特別図柄判定テーブルを選択する。
メインCPU101aは、ステップS312−7において、始動口入賞フラグ記憶領域にONされているフラグに基づいて当該処理に係る始動口を確認し(第1始動口6 or 第2始動口7)、ステップS312−8において始動口の種類に基づいて、第1始動口用の特別図柄判定テーブル、又は、第2始動口用の特別図柄判定テーブルのいずれか一方を選択する。
ステップS312−9において、メインCPU101aは、上記ステップS310−6においてシフトされて第0記憶部にある特別図柄判定用乱数値を、選択された特別図柄判定テーブルに照合する特別図柄判定を行う。そして、ステップS312−10において、ステップS312−9における特別図柄判定の結果に基づいて演出図柄指定コマンドを決定し、決定した演出図柄指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
次いで、メインCPU101aは、ステップS312−11において、ステップS312−9における特別図柄判定の結果に基づいて特別図柄に係る停止図柄データ(以下、「特図停止図柄データ」という)、すなわち、特別図柄の種類を決定し、決定した特図停止図柄データをメインRAM101cの所定領域にセットする。
決定された特図停止図柄データは、後述するように図23の特図変動パターン決定処理において特図変動パターンを決定する際、図25の特別図柄停止処理において「大当たり特別図柄」を判断する際、図26の大当たり遊技処理において大入賞口8、9の開閉態様を決定する際にも用いられる。
ステップS312−12において、メインCPU101aは、参照データ判定テーブルに特図停止図柄データを照合して参照データをセットし、当該特別図柄判定処理を終了する。具体的には、メインCPU101aは、高確率フラグ記憶領域を確認して、現在の大当たりの当選確率の状態に応じた参照データ判定テーブルを選択する。次いで、選択された参照データ判定テーブルに特図停止図柄データを照合して参照データを決定し、メインRAM101cの参照データ記憶領域にセットする。
上記のようにして特別図柄判定処理が終了したら、メインCPU101aは、図20に示す特別図柄記憶判定処理に戻り、ステップS313において、特図変動パターン決定処理を行う。特図変動パターン決定処理では、大当たり判定の結果、特別図柄判定の結果及びリーチ判定の結果に基づいて、当該(これから行う)特別図柄の変動表示に要する時間(以下、特図変動時間という)等に関する情報が含まれる特図変動パターンを決定する。
図23を用いて、特図変動パターン決定処理を説明する。まず、メインCPU101aは、ステップS313−1において、後述する高確率フラグのON/OFFと、時短フラグのON/OFFを参照して、現在の遊技状態(高確率状態/低確率状態、且つ、時短状態/非時短状態)を確認して、遊技状態に対応付けられた特図変動パターン判定テーブルを選択する。
メインCPU101aは、ステップS313−2において、メインRAM101cに記憶されている特図停止図柄データを確認し、特図停止図柄データに基づいて特図変動パターン判定テーブルを決定する。これは、本実施の形態では、遊技状態によって分けられた特図変動パターン判定テーブルは、さらに特図停止図柄データによって分けられているからである。
なお、特図停止図柄データが「19」又は「29」の場合、すなわち、特別図柄抽選の結果がリーチ無しハズレである場合は、さらに当該特図変動パターン決定処理に係る特図保留数(U1orU2)にも基づいて特図変動パターン判定テーブルを決定する。これは、本実施の形態では、リーチ無しハズレに係る特図変動パターン判定テーブルが特図保留数によっても分けられているからである。
特図変動パターン判定テーブルが決定されれば、メインCPU101aは、ステップS313−3において、特図変動パターン判定を行う。具体的には、決定した特図変動パターン判定テーブルに特図変動パターン判定用乱数を照合し、特図変動パターンを決定する。
メインCPU101aは、特図変動パターンを決定すると、図20に示す特別図柄記憶判定処理に戻り、ステップS310−7において、特図変動パターンに対応する特図変動パターン指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットする。特図変動パターン指定コマンドは演出制御基板102に送信され、演出制御基板102はこのコマンドを受信することによって、特別図柄の変動表示が開始することを認識し、最終的には特図変動パターン指定コマンドに基づいて変動演出の内容に関連付けられた変動演出パターンを決定する。
メインCPU101aは、ステップS310−8において、当該特別図柄の変動表示開始時における遊技条件の状態を確認し、その状態が反映された遊技状態指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットする。
そして、メインCPU101aは、ステップS310−9において、当該特図変動パターンに対応付けられた特図変動時間(図9、10参照)を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは上記ステップS110において4ms毎に減算処理されていく。
メインCPU101aは、ステップS310−10において、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21で特別図柄の変動表示を行うために特別図柄変動表示用データをセットする。特別図柄変動表示用データには、作動させる特別図柄表示装置の種類、変動表示の態様、変動時間等の情報が含まれる。
メインCPU101aは、ステップS310−11において、デモ判定フラグ記憶領域にフラグ「00H」をセットする、すなわち、デモ判定フラグ記憶領域をクリアし、ステップS310−12において、特図特電処理データ=1をセットし、当該特別図柄記憶判定処理を終了する。
次に、図24を用いて、特別図柄変動処理を説明する。メインCPU101aは、最初に、ステップS320−1において、ステップS310−9においてセットされた特図変動時間が経過したか否か(特別遊技タイマカウンタ=0か?)、すなわち、特別図柄の変動表示が終了するか否かを判定する。その結果、セットされた時間が経過していないと判定した場合には、特別図柄変動処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
メインCPU101aは、セットされた特図変動時間が経過したと判定した場合には、ステップS320−2において、演出制御基板102に特別図柄の変動表示が終了することを伝えるために演出図柄停止指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
メインCPU101aは、ステップS320−3において、特別図柄表示装置20、21に特別図柄を停止表示するために、上記ステップS312−13でセットされた特図停止図柄データに基づいて特図停止表示用データをセットする。これにより、遊技者に当該特別図柄抽選の結果が報知される。ステップS320−4において、メインCPU101aは、特別図柄の停止表示に要する時間(以下、「特図停止時間」という。例えば、0.8秒)を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは、ステップS110において、4ms毎に減算処理されていく。
そして、メインCPU101aは、ステップS320−5において、特図特電処理データに2をセットし、ステップS320−6において第1始動口入賞フラグ又は第2始動口入賞フラグをOFFし、当該特別図柄変動処理を終了する。
図25をいて、特別図柄停止処理を説明する。メインCPU101aは、まず、最初に、ステップS330−1において、ステップS320−4で特別遊技タイマカウンタにセットされた特図停止時間が経過したか否か(特別遊技タイマカウンタ=0?)、すなわち、特別図柄の停止表示が終了するか否かを判定する。その結果、特図停止時間が経過していないと判定した場合には、当該特別図柄停止処理を終了し、特図停止時間が経過したと判定した場合には、ステップS330−2に処理を移す。
メインCPU101aは、ステップS330−2において、時短フラグ記憶領域にフラグがONされているか否かを判断する。時短フラグ記憶領域にフラグがONされているということは、現在、時短状態であることを意味する。時短フラグ記憶領域にフラグがONされている場合には、ステップS330−3に処理を移し、時短フラグ記憶領域にフラグがOFFされている場合には、ステップS330−6に処理を移す。
ステップS330−3において、メインCPU101aは、時短状態による特別図柄の変動表示の残り回数(J:以下「時短状態残り回数」という)を示す時短状態の残り回数カウンタのカウンタ値から「1」を減算した演算値(J−1)を、時短状態残り回数(J)として記憶する。
ステップS330−4において、メインCPU101aは、時短状態残り回数(J)=0か否かを判定する。時短状態残り回数(J)=0であれば、ステップS330−5に処理を移し、時短状態残り回数(J)=0でなければ、ステップS330−6に処理を移す。
ステップS330−5において、メインCPU101aは、時短フラグ記憶領域に記憶されているフラグをOFFする。なお、上記時短状態残り回数(J)が「0」になるということは、時短状態において特別図柄の変動表示が実行可能回数(Ja)行われ、「時短」状態による特別図柄の変動表示が終了することを意味する。
ステップS330−6において、メインCPU101aは、高確率フラグ記憶領域にフラグがONされているか否かを判断する。高確率フラグ記憶領域にフラグがONされているということは、現在、高確率状態であることを意味する。高確率フラグ記憶領域にフラグがONされている場合には、ステップS330−7に処理を移し、高確率フラグ記憶領域にフラグがOFFされている場合には、ステップS330−10に処理を移す。
ステップS330−7において、メインCPU101aは、高確率状態による特別図柄の変動表示の残り回数(X:以下、「高確率状態残り回数」という)を示す高確率状態残り回数カウンタのカウンタ値から「1」を減算した演算値(X−1)を、新たな高確率状態残り回数(X)として記憶する。
ステップS330−8において、メインCPU101aは、高確率状態残り回数(X)=0か否かを判定する。高確率状態残り回数(X)=0であれば、ステップS330−9に処理を移し、高確率状態残り回数(X)=0でなければ、ステップS330−10に処理を移す。
ステップS330−9において、メインCPU101aは、高確率フラグ記憶領域に記憶されているフラグをOFFする。なお、上記高確率状態残り回数(X)が「0」になるということは、高確率状態において特別図柄の変動表示が実行可能回数(Xa)行われ、「高確率」状態による特別図柄の変動表示が終了することを意味する。
ステップS330−10において、メインCPU101aは、現在の遊技条件の状態を確認し、該遊技状態を示す遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS330−11において、メインCPU101aは、当該特別図柄停止処理に係る大当たり判定の判定結果が「大当たり」であるか否かを判定する。具体的には特図停止図柄データ記憶領域に記憶されている特図停止図柄データが大当たり特別図柄(停止図柄データ=10〜15、20〜25)に係るものであるか否かを判定する。ここで、大当たり特別図柄と判定された場合には、ステップS330−13に処理を移し、大当たり特別図柄と判定されなかった場合には、ステップS330−12に処理を移す。
ステップS330−12において、メインCPU101aは、特図特電処理データに0をセットし、図20に示す特別図柄記憶判定処理に処理を移す。
メインCPU101aは、ステップS330−13において、特図特電処理データに3をセットし、ステップS330−14において、遊技条件フラグ記憶領域(時短フラグ記憶領域及び高確率フラグ記憶領域)、高確率状態の残り変動回数カウンタ、及び、時短状態の残り変動回数カウンタをリセットする。
メインCPU101aは、ステップS330−15において、特図停止図柄データに応じたオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。次いで、メインCPU101a、特図停止図柄データに応じたオープニング時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。
図26を用いて、大当たり遊技処理を説明する。まず、メインCPU101aは、ステップS340−1において、現在オープニング中であるか否かを判定する。ここでいうオープニングとは、大当たり遊技が開始されてから第1ラウンド遊技(大入賞口8、9の最初の開放)が開始するまでの期間のことをいう。現在オープニング中であると判定した場合には、ステップS340−2に処理を移し、現在オープニング中でないと判定した場合には、S340−6に処理を移す。
ステップS340−2において、メインCPU101aは、予め設定されたオープニング時間を経過したか否かを判定する。すなわち、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かを判定し、特別遊技タイマカウンタ=0であると、オープニング時間を経過したと判定する。その結果、設定されたオープニング時間を経過していない場合には、当該大当たり遊技処理を終了し、次のサブルーチンを実行し、オープニング時間を経過している場合にはステップS340−3に処理を移す。
ステップS340−3において、メインCPU101aは、大当たり遊技開始処理を行う。具体的には、特図停止図柄データに応じて、いずれの大当たりであるかを確認し、大当たりの種類に応じた大入賞口開閉制御テーブルを選択すると共に、メインRAM101cの所定領域にセットする。具体的には、特図停止図柄データに応じて、第1長当たり遊技用大入賞口開閉制御テーブル、第2長当たり遊技用大入賞口開閉制御テーブル、又は、短当たり遊技用大入賞口開閉制御テーブルをメインRAM101cの所定領域にセットする。次に、メインCPU101aは、ラウンド遊技回数記憶領域に記憶されている値(ラウンド番号(R))に「1」を加算して記憶する。なお、ステップS340−3の時点ではラウンド遊技が1回も実行されていないので、メインCPU101aは、ラウンド遊技回数記憶領域には「1」を記憶することとなる。
ステップS340−4において、メインCPU101aは、大入賞口開放処理を行う。具体的には、特電作動番号記憶領域に記憶されている値(特電作動番号(K))に「1」を加算して記憶する。そして、メインCPU101aは、第1大入賞口開閉ソレノイド80Bを通電して第1大入賞口8を開放するために、又は、第2大入賞口開閉ソレノイド90Bを通電して第2大入賞口9を開放するために、大入賞口開閉ソレノイド通電開始データをメインRAM101cの所定領域にセットする。ここで、メインCPU101aは、ステップ340−3において決定された大入賞口開閉制御テーブルを参照して、ラウンド番号(R)及び特電作動番号(K)に基づいて、大入賞口8、9の開放時間(大入賞口制御装置80、90の作動時間)を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。
ステップS340−5において、メインCPU101aは、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。具体的には、K=1であるか否かを判定し、K=1であった場合には、ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。これは、ラウンド遊技が開始する旨の情報を演出制御基板102に送信するためである。例えば、第1長当たり遊技の1回目のラウンド遊技の1回目の開放時においては、ラウンド遊技回数記憶領域に「1」がセットされ、特電作動番号記憶領域に「1」がセットされているので、第1ラウンド遊技を示すラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。一方、特電作動番号記憶領域に「1」がセットされていない場合には、ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットせずに、当該大当たり遊技処理を終了する。すなわち、K=1である場合というのはラウンド遊技の開始を意味するので、メインCPU101aは、ラウンドの開始時にのみ、ラウンド指定コマンドを送信する。なお、演出制御基板102がラウンド指定コマンドを受信すると、例えば「ROUND1」といった具合に演出用の表示が画像表示装置14にて行われる。
ステップS340−6において、メインCPU101aは、現在エンディング中であるか否かを判定する。ここでいうエンディングとは、予め設定されたラウンド遊技を全て終了した後(大入賞口8、9の最後の開放が終了して)から当該大当たり遊技が終了するまでの期間のことをいう。したがって、現在エンディング中であると判断した場合には、ステップS340−17に処理を移し、エンディング時間を経過したか否かが判断され、現在エンディング中でないと判断した場合には、ステップS340−7に処理を移す。
ステップS340−7において、メインCPU101aは、大入賞口8、9が開放中であるか否か、すなわち、大入賞口制御装置80、90が作動中であるか否かを判定する。メインCPU101aは、大入賞口8、9が開放中であると判定した場合には、ステップS340−8において、大入賞口8、9の開放を終了させるための「開放終了条件」が成立したか否かを判定する。この「開放終了条件」として、ラウンド入賞カウンタのカウンタ値がラウンド遊技における規定個数(例えば9個)に達したこと、又は、最大開放時間が経過したこと(特別遊技タイマカウンタ=0となったこと)が採用されている。そして、「開放終了条件」が成立したと判定した場合にはステップS340−9に処理を移し、「開放終了条件」が成立しないと判定した場合には当該大当たり遊技処理を終了する。
ステップS340−9において、メインCPU101aは、大入賞口閉鎖処理を行う。大入賞口閉鎖処理は、第1大入賞口8を閉鎖するために第1大入賞口開閉ソレノイド80Bの通電停止データを、又は、第2大入賞口9を閉鎖するために第2大入賞口開閉ソレノイド90Bの通電停止データをサブRAM102cの所定領域にセットするとともに、上記ステップ340−3において決定された大入賞口開閉制御テーブルを参照して、現在のラウンド番号(R)および特電作動番号(K)に基づいて、大入賞口8、9の閉鎖時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。これにより、大入賞口8、9が閉鎖することになる。
ステップS340−10において、メインCPU101aは、1回のラウンド遊技が終了したか否かを判定する。具体的には、1回のラウンド遊技は、特電作動番号(K)が当該ラウンド遊技において設定された開放回数となること、又は、ラウンド入賞カウンタのカウンタ値(C)が規定個数(例えば9個)に達したことを条件に終了するので、かかる条件が成立したか否かを判定する。そして、1回のラウンド遊技が終了したと判定した場合にはステップS340−12に処理を移し、1回のラウンドが終了していないと判定した場合には、当該大当たり遊技処理を終了する。
メインCPU101aは、ステップS340−7において、大入賞口8、9が開放中ではないと判定した場合には、ステップS340−11において、予め設定された閉鎖時間が経過したか否かを判断する。その結果、閉鎖時間が経過していない場合には、当該大当たり遊技処理を終了し、閉鎖時間が経過している場合にはステップS340−4に処理を移す。
ステップS340−12において、メインCPU101aは、リセット処理を行う。具体的には、特電作動番号記憶領域をクリアすると共に、ラウンド入賞カウンタのカウンタ値をクリアする。
ステップS340−13において、メインCPU101aは、ラウンド遊技回数記憶領域に記憶された値(ラウンド番号(R))が当該大当たり遊技で実行されるラウンド遊技回数であるか否かを判定する。メインCPU101aは「Yes」と判定する場合には、ステップS340−15に処理を移し、「No」と判定する場合には、ステップS340−14に処理を移す。
ステップS340−14において、メインCPU101aは、ラウンド遊技回数記憶領域に記憶されている現在のラウンド番号(R)に「1」を加算して記憶する。
ステップS340−15において、メインCPU101aは、大当たり遊技終了処理を行う。具体的には、ラウンド遊技回数記憶領域に記憶されたラウンド番号(R)をリセットする。
ステップS340−16において、メインCPU101aは、エンディング処理を行う。具体的には、特図停止図柄データに応じて、大当たりの種類を確認し、演出制御基板102に送信する大当たりの種類に対応付けられたエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。次に、メインCPU101aは、大当たりの種類に応じたエンディング時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
ステップS340−17において、メインCPU101aは、設定されたエンディング時間を経過したか否かを判定し、エンディング時間を経過したと判定した場合にはステップS340−18に処理を移し、エンディング時間を経過していないと判定した場合には、そのまま当該大当たり遊技処理を終了する。
ステップS340−18において、メインCPU101aは、特図特電処理データに4をセットし、図27に示す大当たり遊技終了処理に処理を移す。
図27を用いて、大当たり遊技終了処理を説明する。まず、ステップS350−1において、メインCPU101aは、遊技条件データをロードする。
ステップS350−2において、メインCPU101aは、高確率状態指定フラグ記憶領域に高確率状態指定フラグがONされているか否かの判定を行う。メインCPU101aは、高確率状態指定フラグがONされていないと判定すると、ステップS350−5に処理を移し、高確率状態指定フラグがONされていると判定すると、ステップS350−3において、メインRAM101cの高確率フラグ記憶領域に高確率フラグ(例えば、「01H」)をONすると共に、高確率状態残り回数カウンタに実行可能回数(Xa)(本実施の形態では、120回)をセットし、ステップS350−4において、高確率状態指定フラグをOFFする。
ステップS350−5において、メインCPU101aは、ロードした遊技条件データを遊技条件決定テーブルに照合し、時短フラグ記憶領域に時短フラグをONするか否かの判定を行う。メインCPU101aは、時短フラグをONしないと判定すると、ステップS350−7に処理を移し、時短フラグがONすると判定すると、ステップS350−6において、メインRAM101cの時短フラグ記憶領域に時短フラグ(01H)をONすると共に、時短状態残り回数カウンタに実行可能回数(Ja)(本実施の形態では、120回)をセットする。
メインCPU101aは、ステップS350−7において、現在の遊技条件の状態を確認し、現在の遊技条件の状態を示す遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットし、ステップS350−8において、特図特電処理データに0をセットし、図20に示す特別図柄記憶判定処理に処理を移す。
図28を用いて、普図普電制御処理を説明する。メインCPU101aは、まず、ステップS401において普図普電処理データの値をロードし、ステップS402においてロードした普図普電処理データから分岐アドレスを参照し、普図普電処理データ=0であれば、入賞ゲート10への入賞に基づいて取得された判定情報に基づいて第2始動口7が開放するか否かの普通図柄判定等を含む普通図柄記憶判定処理(ステップS410)に処理を移し、普図普電処理データ=1であれば、普通図柄判定に基づいて普通図柄表示装置22が変動しているときの普通図柄変動処理(ステップS420)に処理を移し、普図普電処理データ=2であれば、普通図柄表示装置22が停止しているときの普通図柄停止処理(ステップS430)に処理を移し、普図普電処理データ=3であれば第2始動口7の開閉制御を行う(第2始動口制御装置70を作動させる)補助遊技処理(ステップS440)に処理を移す。
図29を用いて、普通図柄記憶判定処理を説明する。まず、ステップS410−1において、メインCPU101aは、普通図柄の変動表示中であるか否かを判定し、変動表示中であると判定すれば当該普通図柄記憶判定処理を終了し、変動表示中ではないと判定すればステップS410−2に処理を移す。
ステップS410−2において、メインCPU101aは、普通図柄保留数カウンタのカウンタ値(普通図柄の保留数(G)、以下「普図保留数(G)」という)が1以上であるかを判定する。普図保留数(G)が「0」の場合には普通図柄の変動表示は行われないため、普通図柄変動処理を終了する。
メインCPU101aは、ステップS410−2において、普図保留数(G)が「1」以上であると判定した場合には、ステップS410−3において、普通図柄保留数カウンタのカウンタ値(G)から「1」を減算して更新し、新たな普図保留数(G)を設定する。
ステップS410−4において、メインCPU101aは、普通図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。具体的には、第0記憶部〜第4記憶部に記憶された各データを1つ前の番号の記憶部にシフトさせる。このとき、1つ前の記憶部に記憶されているデータは、所定の処理領域に書き込まれるとともに、普通図柄保留記憶領域からは消去されることとなる。ここで、データのシフト(当該保留の消化)にともなって普通図柄保留表示装置25の表示内容を変更するために、具体的には現時点の普図保留数(G)を表示するために普通図柄保留表示データをメインRAM101cの所定領域にセットする。
ステップS410−5において、メインCPU101aは、当たり判定、すなわち、普通図柄保留記憶領域に記憶された当たり判定用乱数の判定を行う。具体的には、メインCPU101aは、上記ステップS410−4でシフトされて第0記憶部にある当たり判定用乱数をメインROM101bに格納された普通図柄用の当たり判定テーブルに照合して当たりか否かの判定を行う。なお、本実施の形態では、当たり判定テーブルは、始動口入賞容易性の状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられているので(図11(a)参照)、時短フラグ記憶領域を確認して、現在の始動口入賞容易性の状態に係る普通図柄用の当たり判定テーブルを選択する。
ステップS410−6において、メインCPU101aは、普通図柄判定処理を行う。具体的には、メインCPU101aは、上記ステップS410−4でシフトされて第0記憶部にある普通図柄判定用乱数をメインROM101bに格納された普通図柄判定テーブルに照合して普通図柄の判定を行う。上述したようにこの普通図柄判定テーブルは、当たり判定の結果(当たり/ハズレ)に対応付けられているので、当該当たり判定の結果を確認して、当該当たり判定の結果に係る普通図柄判定テーブルを選択する。
そして、メインCPU101aは、ステップS410−7において、普通図柄判定の結果に基づいて普通演出図柄指定コマンドを決定し、決定した普通演出図柄指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。メインCPU101aは、ステップS410−8において、普通図柄判定の結果に基づいて普通図柄に係る停止図柄データ(以下、「普図停止図柄データ」という)、すなわち、普通図柄の種類を決定し、決定した普図停止図柄データをメインRAM101cの所定領域にセットする。
決定された普図停止図柄データは普図変動パターン決定処理において普図変動パターンを決定する際、図31の普通図柄停止処理において、当たり普通図柄か否かを判断する際、図32の補助遊技処理において第2始動口7の開閉態様を決定する際にも用いられる。
ここでいう当たり普通図柄とは、上記普通図柄表示装置22を構成する左端のLEDによる一定時間の点灯により表現される図柄のことであり、ハズレ普通図柄とは右端のLEDによる一定時間の点灯により表現される図柄のことである。
ステップS410−9において、メインCPU101aは、普図変動パターン判定処理を行う。具体的には、普図変動パターン判定テーブルは、始動口入賞容易性の状態によって分類されているので、メインCPU101aは、まず、時短フラグ記憶領域を確認して、現在の始動口入賞容易性の状態に係る普図変動パターン判定テーブルを選択する。そして、メインCPU101aは、上記ステップS410−4でシフトされて第0記憶部にある普図変動パターン判定用乱数を、選択された普図変動パターン判定テーブルに照合して普図変動パターン(普図変動時間)を決定する。
メインCPU101aは、ステップS410−10おいて、普図変動パターン判定処理において決定された普図変動時間を補助遊技タイマカウンタにセットする。このステップの処理によって、普通図柄の変動表示の時間が決定されることとなる。なお、補助遊技タイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。
メインCPU101aは、ステップS410−11において、普通図柄表示装置22において普通図柄の変動表示を行うために普通図柄変動表示用データをセットし、ステップS410−12において普図停止図柄データを補助遊技参照データ判定テーブルに照合して補助遊技参照データを決定し、メインRAM101cの補助遊技参照データ記憶領域にセットする。
メインCPU101aは、ステップS410−13において、普図普電処理データに「1」をセットし、当該普通図柄変動処理を終了する。なお、普通図柄変動表示用データには、作動させる普通図柄表示装置22の種類、変動表示の態様、変動時間等の情報が含まれる。
次に、図30を用いて、普通図柄変動処理を説明する。メインCPU101aは、最初に、ステップS420−1において、ステップS410−10でセットされた普図変動時間が経過したか否か(補助遊技タイマカウンタ=0か?))、すなわち、普通図柄の変動表示が終了するか否かを判定する。その結果、セットされた時間を経過していないと判断した場合には、普通図柄変動処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
メインCPU101aは、ステップS420−2において、普図変動終了コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットし、ステップS420−3において、上記ステップS410−8でセットされた普図停止図柄データに基づき普通図柄表示装置22に停止表示するための普図停止表示用データをセットする。これにより、遊技者に当該普通図柄の抽選の結果が報知されることになる。ステップS420−4において、メインCPU101aは、普通遊技カウンタに普通図柄停止時間(例えば、0.8秒)をセットする。なお、補助遊技タイマカウンタは、ステップS110において、4ms毎に減算処理されていく。
そして、メインCPU101aは、ステップS420−5において、普図普電処理データに2をセットし、当該普通図柄変動処理を終了する。
次に、図31を用いて普通図柄停止処理を説明する。メインCPU101aは、最初に、ステップS430−1において、ステップS420−4で補助遊技タイマカウンタにセットされた普通図柄停止時間が経過したか否か(補助遊技タイマカウンタ=0?)、すなわち、普通図柄の停止表示が終了するか否かを判定する。その結果、普図停止時間が経過していないと判定した場合には、当該普通図柄停止処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
メインCPU101aは、ステップS420−3でセットされた時間が経過したと判定した場合には、ステップS430−2において、当該普通図柄停止処理に係る当たり判定の判果が「当たり」であるか否かを判定する。具体的には、普図停止図柄データ記憶領域に記憶されている普図停止図柄データが当たり普通別図柄に係るものであるか否かを判定する。ここで、当たり普通図柄と判定された場合には、ステップS430−4に処理を移し、当たり普通図柄と判定されなかった場合には、ステップS430−3に処理を移す。
メインCPU101aは、ステップS430−4において、普図普電処理データに3をセットする。そして、メインCPU101aは、ステップS430−5において、普図停止図柄データに応じたオープニングコマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットし、補助遊技制御テーブルに基づいて普図停止図柄に応じたオープニング時間を補助遊技タイマカウンタにセットする。なお、補助遊技タイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。本処理が終了されることで、普通図柄停止処理を終了する。
メインCPU101aは、ステップS430−3において、普図普電処理データに0をセットし、当該普通図柄停止処理を終了する。
図32を用いて、補助遊技処理を説明する。メインCPU101a、まず、ステップS440−1において、現在オープニング中であるか否かを判断する。現在オープニング中であると判断した場合には、ステップS440−2に処理を移し、現在オープニング中でないと判断した場合には、ステップS440−5に処理を移す。
ステップS440−2において、メインCPU101aは、予め設定されたオープニング時間を経過したか否かを判定する。すなわち、補助遊技タイマカウンタ=0であるか否かを判定し、補助遊技タイマカウンタ=0となったら、オープニング時間を経過したと判定する。その結果、オープニング時間を経過していない場合には、当該補助遊技処理を終了し、オープニング時間を経過している場合にはステップS440−3に処理を移す。
ステップS440−3において、メインCPU101aは、補助遊技開始処理を行う。補助遊技開始処理では、メインCPU101aは、まず、メインRAM101cの補助遊技参照データ記憶領域に記憶されている補助遊技参照データに基づいて第2始動口開閉制御テーブルを選択し、メインRAM101cの所定領域にセットする。
ステップS440−4において、メインCPU101aは、第2始動口開放処理を行う。第2始動口開放処理では、まず普電作動番号記憶領域に記憶されている値(普電作動番号(D))に「1」を加算して記憶する。そして、普通可動片70Aを作動させるために第2始動口開閉ソレノイド70Bの通電開始データをセットするとともに、上記ステップS440−3でセットされた第2始動口開閉制御テーブルを参照して、現在の普電作動番号(D)に基づいた第2始動口7の開放時間を補助遊技タイマカウンタにセットする。
ステップS440−5において、メインCPU101aは、現在エンディング中であるか否かを判定する。ここでいうエンディングとは、第2始動口7の最後の開放が終了してから補助遊技が終了するまでの期間のこという。したがって、メインCPU101aは、現在エンディング中であると判定した場合には、ステップS440−12に処理を移し、現在エンディング中でないと判定した場合には、ステップS440−6に処理が移す。
ステップS440−6において、メインCPU101aは、第2始動口7が開放中であるか否かを判定する。メインCPU101aは、第2始動口7が開放中であると判定した場合には、ステップS440−7において、第2始動口7の開放を終了させるための「開放終了条件」が成立したか否かを判定する。この「開放終了条件」として、始動口規定入賞カウンタのカウンタ値が規定(最大)個数(例えば10個)に達したこと、又は、第2始動口7の1回の開放時間が経過したこと(補助遊技タイマカウンタ=0となったこと)が採用される。そして、メインCPU101aは、「開放終了条件」が成立したと判定した場合にはステップS440−8に処理を移し、「開放終了条件」が成立しないと判定した場合には当該補助遊技処理を終了する。
ステップS440−8において、メインCPU101aは、第2始動口閉鎖処理を行う。第2始動口閉鎖処理では、第2始動口7を閉鎖するために第2始動口開閉ソレノイド70Bの通電停止データをセットするとともに、上記ステップS440−3でセットされた第2始動口開閉制御テーブルを参照して、現在の普電作動番号(D)に基づいて、第2始動口7の閉鎖時間を補助遊技タイマカウンタにセットする。これにより、第2始動口7が閉鎖することになる。
ステップS440−9において、メインCPU101aは、補助遊技終了条件が成立したか否かを判定する。補助遊技終了条件とは、普電作動番号(D)が予め設定された第2始動口7の開放回数になること、又は、始動口規定入賞カウンタのカウンタ値が最大個数(例えば10個)に達したことである。そして、メインCPU101aは、補助遊技終了条件が成立したと判定した場合にはステップS440−10に処理を移し、補助遊技終了条件が成立していないと判定した場合には当該補助遊技処理を終了する。
ステップS440−10において、メインCPU101aは、普電作動番号記憶領域に「0」をセットするとともに、第2始動口入賞規定カウンタに「0」をセットする。すなわち、普電作動番号記憶領域および第2始動口規定入賞カウンタをクリアする。
ステップS440−11において、メインCPU101aは、普図停止図柄データに応じたエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットすると共に、補助遊技制御テーブルに基づいて普図停止図柄データに応じたエンディング時間を補助遊技タイマカウンタにセットする。
メインCPU101aは、ステップS440−6において第2始動口7が開放中ではないと判定した場合には、ステップS440−13において、ステップS440−8で設定された閉鎖時間が経過したか否かを判定する。なお、閉鎖時間も、オープニング時間と同様に補助遊技タイマカウンタ=0であるか否かで判定される。その結果、メインCPU101aは、閉鎖時間を経過していないと判定した場合には、当該補助遊技処理を終了し、閉鎖時間を経過したと判定した場合には、ステップS440−4に処理を移す。
メインCPU101aは、ステップS440−12において、設定されたエンディング時間を経過したか否かを判定し、エンディング時間を経過したと判定した場合には、ステップS440−14に処理を移し、エンディング時間を経過していないと判定した場合には、当該補助遊技処理を終了する。
ステップS440−14において、メインCPU101aは、普図普電処理データ=0をセットし、当該補助遊技処理を終了する。
(演出制御基板のメイン処理)
次に、演出制御基板102におけるサブCPU102aにより実行される処理について説明する。
最初に、図33を用いて、演出制御基板102のメイン処理を説明する。電源基板107からサブCPU102aに電力が供給されると、サブCPU102aにシステムリセットが発生し、サブCPU102aは、以下のメイン処理を行う。
まず、ステップS1001において、サブCPU102aは、初期化処理を行う。この処理において、サブROM102bからメイン処理プログラムを読み込むとともに、フラグやコマンドなどが記憶されるサブRAM102cを初期化する処理を行う。
ステップS1002において、サブCPU102aは、演出用乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU102aは、サブRAM102cに記憶される演出用の乱数(先読み演出パターン判定用乱数、演出図柄パターン判定用乱数、変動演出パターン判定用乱数等)を更新する処理を行う。サブCPU102aは、ステップS1002の処理を繰り返し行いながら、所定の割込処理を待つ。
(演出制御基板のタイマ割込処理)
演出制御基板102に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(例えば、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、図34に示すタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS1100において、サブCPU102aは、サブCPU102aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS1200において、サブCPU102aは、各種の演出に係る時間管理を行うための各タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。
ステップS1300において、サブCPU102aは、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU102aは、サブRAM102cの受信バッファに格納されているコマンドを解析する処理を行う。詳しくは、図35〜図41を用いて後述する。なお、演出制御基板102は、主制御基板101から送信されたコマンドを受信すると、図示しない演出制御基板102の受信割込処理を行い、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、本ステップS1300において受信したコマンドを解析する処理が行われる。
ステップS1400において、サブCPU102aは、演出ボタン装置18の操作に基づく演出(演出ボタン演出)に係る演出ボタン演出制御処理を行う。
ステップS1500において、サブCPU102aは、特定の演出モードBにおいて選択ボタン装置19の操作に基づいて演出モードを選択(変更)するための演出モード選択制御処理を行う。詳しくは、図42を用いて後述する。
ステップS1600において、サブCPU102aは、特図保留演出制御処理を行う。この処理において、メインCPU101aは、特別図柄の変動表示の権利、換言すれば、メインRAM101cの特別図柄保留記憶領域に記憶された判定情報を示唆するための特図保留演出を制御するための特図保留演出制御処理を行う。
ステップS1700において、サブCPU102aは、所定時間以上、特別図柄系の遊技が行われていない客待ち状態において行われるデモ演出を制御するデモ演出制御処理を行う。
ステップS1800において、サブCPU102aは、サブRAM102cの送信バッファにセットされている各種の演出制御コマンドをランプ制御基板104及び画像制御基板105へ送信するデータ出力処理を行う。
ステップS1900において、サブCPU102aは、ステップS1100で退避した情報をサブCPU102aのレジスタに復帰させる。
(演出制御基板のコマンド解析処理)
図35及び図36を用いて、演出制御基板102によるコマンド解析処理を説明する。
ステップS1301において、サブCPU102aは、受信バッファに新たに送信されてきたコマンドが記憶されているか否かを判定する。サブCPU102aは、コマンドがなければ当該コマンド解析処理を終了し、受信バッファにコマンドがあればステップS1302に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1302において、受信バッファに格納されているコマンドが、始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが始動口入賞指定コマンドであれば、ステップS1303及びステップS1304に処理を移し、始動口入賞指定コマンドでなければステップS1305に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1303において、始動口入賞指定コマンド記憶処理を行う。詳細には、始動口入賞指定コマンドを解析して、当該始動口入賞指定コマンドに係る始動口の種類を確認して、サブRAM102cにおいて始動口の種類ごとに設けられている演出情報記憶領域(第1演出情報記憶領域及び第2演出情報記憶領域)に記憶する。
なお、各演出情報記憶領域は、メインRAM101cの特別図柄保留記憶領域に準じた構成であり、始動口の種類毎に第1記憶部〜第4記憶部に分けられている。始動口入賞指定コマンドは始動口入賞指定コマンドが記憶されていない記憶部の中で番号の小さい記憶部から順に記憶されていく。
サブCPU102aは、ステップS1304において、後述する先読み演出を実行するか否かを判定する先読み演出判定を行う先読み演出判定処理を行う。詳しくは、図37を用いて後述する。
サブCPU102aは、ステップS1305において、受信バッファに格納されているコマンドが、特別演出図柄指定コマンドであるか否かを判定する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが特別演出図柄指定コマンドであれば、ステップS1306及びステップS1307に処理を移し、特別演出図柄指定コマンドでなければステップS1308に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1306において、始動口入賞指定コマンドシフト処理を行う。詳細には、当該特別演出図柄指定コマンドに係る始動口の種類を確認して、その始動口に対応する演出情報記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。データのシフト処理では、第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。例えば、第1演出情報記憶領域の第4記憶部に記憶されているデータは、第1演出情報記憶領域の第3記憶部にシフトされる。また、第1演出情報記憶領域の第1記憶部に記憶されているデータは、第1演出情報記憶領域及び第2演出情報記憶領域に共通の当該変動用記憶部(第0記憶部)にシフトされ、第0記憶部に記憶されていたデータは、消去される。
サブCPU102aは、ステップS1307において、演出図柄パターン決定処理を行う。詳細には、特別演出図柄指定コマンドを解析して、受信した特別演出図柄指定コマンドが有する情報に基づいて、画像表示装置14に停止表示させる演出図柄、すなわち、演出図柄の停止表示において所定の有効ライン上に配置された装飾図柄の配列(組み合わせ)を決定する。詳しくは、図38を用いて後述する。
サブCPU102aは、ステップS1308において、受信バッファに格納されているコマンドが、特図変動パターン指定コマンドであるか否かを判定する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが特図変動パターン指定コマンドであれば、ステップS1309に処理を移し、特図変動パターン指定コマンドでなければステップS1310に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1309において、当該抽選演出を構成する変動演出の態様である変動演出パターンを決定する変動演出パターン決定処理を行い、当該コマンド解析処理を終了する。詳しくは、図39を用いて後述する。
サブCPU102aは、ステップS1310において、受信バッファに格納されているコマンドが、演出図柄停止指定コマンドであるか否かを判定する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが演出図柄停止指定コマンドであれば、ステップS1311及びステップS1312に処理を移し、演出図柄停止指定コマンドでなければステップS1313に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1311において、演出図柄を停止表示させることを示す演出図柄停止制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットする。演出図柄停止制御コマンドは、ステップS1800のデータ出力処理によってランプ制御基板104及び画像制御基板105に送信される。ランプ制御基板104及び画像制御基板105は、演出図柄停止制御コマンドを受信することにより、当該変動演出が終了することを認識し、当該変動演出を終了させると共に、演出図柄の停止表示を行う。
サブCPU102aは、ステップS1312において、特別図柄の変動表示の終了を契機に演出モードを設定するための第1演出モード設定処理を行い、当該コマンド解析処理を終了する。詳しくは、図40を用いて後述する。
なお、演出モードとは、本実施の形態では、特別図柄の抽選(あるいは、特別図柄の変動表示)に対応して画像表示装置14等からなる演出装置で行われる変動演出の分類態様(カテゴリー)であり、遊技条件の状態等に関連付けられている。
サブCPU102aは、ステップS1313において、受信バッファに格納されているコマンドが、遊技状態指定コマンドであるか否かを判定する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが遊技状態指定コマンドであればステップS1314に処理を移し、遊技状態指定コマンドでなければステップS1315に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1314において、受信した遊技状態指定コマンドに基づいた遊技状態を示すデータをサブRAM102cの遊技状態記憶領域にセットし、当該コマンド解析処理を終了する。
サブCPU102aは、ステップS1315において、受信バッファに格納されているコマンドが、オープニング指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドがオープニング指定コマンドであればステップS1316に処理を移し、オープニング指定コマンドでなければステップS1317に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1316において、大当たり遊技に係る演出である大当たり遊技演出の態様である大当たり遊技演出パターンを決定する大当たり遊技演出パターン決定処理を行い、当該コマンド解析処理を終了する。
サブCPU102aは、ステップS1317において、受信バッファに格納されているコマンドが、ラウンド指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドがラウンド指定コマンドであればステップS1318に処理を移し、ラウンド指定コマンドでなければステップS1319に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1318において、ラウンド演出の態様であるラウンド演出パターンを決定するラウンド演出パターン決定処理を行い、当該コマンド解析処理を終了する。具体的には、サブCPU102aは、ラウンド指定コマンドに基づいてラウンド演出パターンを決定すると共に、決定したラウンド演出パターンを示すラウンド演出データをラウンド演出パターン記憶領域にセットし、決定したラウンド演出パターンを示すラウンド演出制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットする。
サブCPU102aは、ステップS1319において、受信バッファに格納されているコマンドが、大当たり中特定領域入賞指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが大当たり中特定領域入賞指定コマンドであればステップS1320に処理を移し、大当たり中特定領域入賞指定コマンドでなければステップS1321に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1320において、サブRAM102cの特定領域入賞指定コマンド記憶領域に特定領域入賞指定コマンドをONし、当該コマンド解析処理を終了する。
サブCPU102aは、ステップS1321において、受信バッファに格納されているコマンドが、エンディング指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドがエンディング指定コマンドであればステップS1322及びステップS1323に処理を移して当該、エンディング指定コマンドでなければ、ステップS1324に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1322において、エンディング演出の態様であるエンディング演出パターンを決定するエンディング演出パターン決定処理を行う。
サブCPU102aは、ステップS1323において、大当たり遊技が終了することを契機に演出モードを設定するための第2演出モード設定処理を行い、当該コマンド解析処理を終了する。第2演出モード設定処理については図41を用いて後述する。
ステップS1324において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、デモ指定コマンドであるか否かを判定する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドがデモ指定コマンドであれば、ステップS1325に処理を移し、デモ指定コマンドでなければ当該コマンド解析処理を終了する。
サブCPU102aは、ステップS1325において、デモ演出を実行するための事前処理として、サブRAM102cのデモ演出待機フラグにデモ演出待機フラグをONすると共に、デモ演出を開始するまでの時間(デモ演出待機時間)をデモ演出タイマカウンタにセットする。
(演出制御基板の先読み演出判定処理)
図37を用いて、演出制御基板102による先読み演出判定処理を説明する。サブCPU102aは、ステップS1304−1において、サブRAM102cの演出モードフラグ記憶領域を参照して、現在、後述する演出モードB1又は演出モードB2であるか否かを判定する。
サブCPU102aは、現在演出モードB1又は演出モードB2ではないと判定すると、当該先読み演出判定処理を終了し、現在演出モードB1又は演出モードB2であると判定すると、ステップS1304−2に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1304−2において、当該先読み演出判定処理に係る始動口入賞指定コマンドを解析して、該コマンドに係る事前判定結果を確認する。
サブCPU102aは、ステップS1304−3において、ステップS1304−2で確認した事前判定結果が大当たりであるか否かを判定する。サブCPU102aは、大当たりではないと判定すると当該先読み演出判定処理を終了し、大当たりであると判定するとステップS1304−4に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1304−4において、サブRAM102cの演出情報記憶領域に記憶された当該始動口入賞指定コマンドを参照し、始動口入賞指定コマンドに対応付けられている先読み演出判定テーブルを選択する。これは、先読み演出判定テーブルが始動口入賞指定コマンドによって分けられているからである。
本実施の形態においては、先読み演出判定テーブルに、後述する先読み演出用判定値と先読み演出の実行の可否、先読み演出の実行に対応する先読み演出制御コマンド、先読み演出の種別である先読み演出パターン、及び、先読み演出パターンに対応する先読み演出データとが対応付けられて格納されている(図43参照)。先読み演出パターンとは、後述する先読み演出に基づいて発生し得る演出モードの種別を表す。
サブCPU102aは、ステップS1304−5において、先読み演出パターン判定用乱数に係る乱数カウンタ示す乱数値を取得し、ステップS1304−6において、当該取得した先読み演出パターン判定用乱数を、ステップS1304−4で選択した先読み演出判定テーブルに照合して、先読み演出の実行の有無及び先読み演出パターン等を決定する先読み演出判定を行う。
サブCPU102aは、ステップS1304−7において、ステップS1304−6での先読み演出判定の結果が先読み演出の実行であるか否かを判定する。サブCPU102aは、先読み演出の実行であると判定するとステップS1304−8に処理を移し、先読み演出の実行ではないと判定すると当該先読み演出判定処理を終了する。
サブCPU102aは、ステップS1304−6での先読み演出判定の結果に基づいて、ステップS1304−8において先読み演出制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットし、ステップS1304−9において先読み演出データをサブRAM102cの先読み演出データ記憶領域にセットし、当該先読み演出判定処理を終了する。
なお、先読み演出制御コマンドは、ステップS1800のデータ出力処理により、ランプ制御基板104及び画像制御基板105に送信される。画像制御基板105は、先読み演出制御コマンドを受信すると、先読み演出として、「大当たり」という文字の画像(以下、「先読み画像」という)を所定領域144に表示する(図51参照)。先読み演出についての詳細は後述する。
(演出制御基板の演出図柄パターン決定処理)
図38を用いて、演出制御基板102による演出図柄パターン決定処理を説明する。サブCPU102aは、ステップS1307−1において、サブRAM102cの演出モードフラグ記憶領域に記憶されている演出モードフラグを参照することで現在の演出モードを確認して、現在の演出モードに対応付けられている演出図柄パターン判定テーブルを選択する。これは、演出図柄の停止表示における所定の有効ライン上に配置された装飾図柄の配列、すなわち、演出図柄の停止表示態様を決定するための演出図柄パターン判定テーブルが演出モードによって分類されているからである。
なお、本実施の形態においては、演出モードは、大きく演出モードA、演出モードB、演出モードCの3つに分けられている。また、演出モードBは、大きく演出モードB1〜演出モードB4の4つに分けられている。演出モードについての詳細は後述する。
サブCPU102aは、ステップS1307−2において、サブRAM102cの受信バッファに格納されている特別演出図柄指定コマンドを参照し、特別演出図柄指定コマンドに対応付けられている演出図柄パターン判定テーブルを選択する。これは、演出モードによって分けられた演出図柄パターン判定テーブルが特別演出図柄指定コマンドによっても分けられているからである(図44参照)。
本実施の形態においては、演出モード毎の演出図柄パターン判定テーブルに1つ又は複数の装飾図柄の組み合わせが演出図柄パターン判定値に対応付けられて格納されている(図44参照)。
サブCPU102aは、ステップS1307−3において、演出図柄パターン判定用乱数に係る乱数カウンタ示す乱数値をサブRAM102cの演出図柄パターン判定用乱数記憶領域に記憶し、ステップS1307−4において、記憶した演出図柄パターン判定用乱数を、選択した演出図柄パターン判定テーブルに照合して演出図柄パターンを決定する演出図柄パターン判定を行う。
サブCPU102aは、ステップS1307−5において、当該演出図柄パターンに対応する演出図柄制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットし、ステップS1307−6において当該演出図柄制御コマンドをサブRAM102cの演出図柄データ記憶領域にセットする。
なお、送信バッファにセットされた演出図柄制御コマンドは、ステップS1800のデータ出力処理によってランプ制御基板104及び画像制御基板105に送信される。そして、例えば、画像制御基板105は、演出図柄制御コマンドを受信すると、そのコマンドが示す演出図柄パターンに基づく演出図柄の停止表示を画像表示装置14に行わせる。
(演出制御基板の変動演出パターン決定処理)
図39を用いて、演出制御基板102による変動演出パターン決定処理を説明する。サブCPU102aは、ステップS1309−1において、サブRAM102cの演出モードフラグ記憶領域に記憶されている演出モードフラグを参照することで現在の演出モードを確認して、現在の演出モードに対応付けられている変動演出パターン判定テーブルを選択する。これは、変動演出の内容を決定するための変動演出パターン判定テーブルが演出モードによって分類されているからである(図45(a)参照)。
なお、本実施の形態においては、演出モードは、大きく演出モードA、演出モードB、演出モードCの3つに分けられている。また、演出モードBは、大きく演出モードB1〜演出モードB4の4つに分けられている。
なお、演出モードAは、基本的には電源投入後の低確率状態且つ非時短状態に対応して設定される通常の演出モードである。演出モードBは、高確率状態且つ時短状態に対応して設定されており、遊技者に最も有利な遊技状態であることを示す演出モードであり、演出モードCは、低確率状態且つ時短状態に対応して設定されており、遊技者にとって中間的な遊技状態であることを示唆する演出モードである。演出モードBについての詳細は後述する。
サブCPU102aは、ステップS1309−2において、サブRAM102cの受信バッファに格納されている特図変動パターン指定コマンドを参照し、特図変動パターン指定コマンドに対応付けられている変動演出パターン判定テーブルを選択し、変動演出パターン判定に用いる変動演出パターン判定テーブルを決定する。これは、演出モードによって分けられた変動演出パターン判定テーブルが特図変動パターン指定コマンドによっても分けられているからである。
本実施の形態においては、各演出モードにおいて特図変動パターン指定コマンド毎に1つ又は複数の変動演出パターンが変動演出パターン判定値に対応付けられて格納されている(図45(b)、図45(c)、図46(a)、図46(b)参照)。変動演出パターンとは、変動演出の態様(具体的な内容)を表す識別情報のことであり、画像表示装置14、音声出力装置15、演出用照明装置16、演出用役物装置17、及び、演出ボタン装置18によって行われる変動演出の態様が対応付けられている。
変動演出パターンには、変動演出の時間、演出図柄の変動表示の態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、演出ボタン演出の有無、演出ボタン演出の内容、演出展開構成(シナリオ)等の変動演出の構成及び変動演出の演出態様が対応付けられている。すなわち、各変動演出パターン判定テーブルは、変動演出に関する情報を格納するテーブルである。なお、画像表示装置14における変動演出の変動演出パターンには、演出図柄の変動表示に係る表示態様や情景やキャラクターからオブジェクト画像や背景画像に係る表示態様が設定されている。
サブCPU102aは、ステップS1309−3において、変動演出パターン判定用乱数に係る乱数カウンタ示す乱数値をサブRAM102cの変動演出パターン判定用乱数記憶領域に記憶し、ステップS1309−4において、記憶した変動演出パターン判定用乱数を、決定した変動演出パターン判定テーブルに照合して変動演出パターンを決定する変動演出パターン判定を行う。
サブCPU102aは、ステップS1309−5において、当該変動演出パターンに対応する変動演出制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットし、ステップS1309−6において当該変動演出制御コマンドをサブRAM102cの変動演出データ記憶領域にセットする。
なお、送信バッファにセットされた変動演出制御コマンドは、ステップS1800のデータ出力処理によってランプ制御基板104及び画像制御基板105に送信される。そして、例えば、画像制御基板105は、変動演出制御コマンドを受信すると、そのコマンドが示す変動演出パターンに基づく演出図柄の変動表示を画像表示装置14に行わせると共に、そのコマンドに対応する変動演出パターンに基づく背景画像等を画像表示装置14に表示させる。
(演出制御基板の第1演出モード設定処理)
次に、図40を用いて第1演出モード設定処理について説明する。まず、サブCPU102aは、ステップS1312−1において、サブRAM102cの受信バッファに記憶されている特別演出図柄指定コマンドを解析し、ステップS1312−2において、当該大当たり判定の結果がハズレであるか否かを判定する。
サブCPU102aは、ハズレではないと判定するとステップS1312−7において、サブRAM102cの演出モード設定フラグ記憶領域に演出モード設定フラグをONする。
サブCPU102aは、ステップS1312−8において、先読み演出データが記憶されているか否か、すなわち、先読み演出が実行されているか否かを判定する。サブCPU102aは、先読み演出データが記憶されていないと判定すると当該第1演出モード設定処理を終了する。サブCPU102aは、先読み演出データが記憶されていると判定するとステップS1312−9に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1312−9において、先読み演出データをクリアし、当該第1演出モード設定処理を終了する。
一方、サブCPU102aは、ステップS1312−2においてハズレであると判定すると、ステップS1312−3において現在、演出モード「A」であるか否か、すなわち、演出モードフラグ「00H」がONされているか否かを判定する。
サブCPU102aは、演出モード「A」であると判定すると、当該第1演出モード設定処理を終了する。サブCPU102aは、演出モード「A」ではないと判定すると、ステップS1312−4において、演出モード残り回数カウンタのカウンタ値を「1」減算して演出モードの残り回数(M)を更新し、ステップ1312−5において、演出モード残り回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判定する。この演出モード残り回数カウンタは、変動演出の実行回数が設定されている演出モードによる変動演出の実行回数の残り回数(M:演出モードの残り回数)を計数する。
そして、サブCPU102aは、演出モード残り回数カウンタのカウンタ値が「0」ではないと判定すると当該第1演出モード設定処理を終了し、カウンタ値が「0」あると判定すると、ステップS1312−6において、演出モードフラグ「00H」を演出モードフラグ記憶領域にセット(演出モードAを設定)し、当該第1演出モード設定処理を終了する。
(演出制御基板の第2演出モード設定処理)
次に、図41を用いて第2演出モード設定処理について説明する。サブCPU102aは、ステップS1323−1において、演出モード設定フラグがONされているか否かを判定する。サブCPU102aは、演出モード設定フラグがONされていないと判定すると、当該第2演出モード設定処理を終了し、演出モード設定フラグがONされていると判定すると、ステップS1323−2において、特定領域入賞指定フラグのON/OFFを確認する。これは、演出モードは、大当たり遊技の実行を契機に新たに設定され、新たな演出モードは当該大当たり遊技中の遊技球の特定領域12の通過の有無(特定領域入賞指定フラグのON/OFF)、すなわち、当該大当たり遊技後に高確率状態になるのか低確率状態になるのかに起因するからである。
新たな演出モードを設定するための演出モード設定判定テーブルはサブROM102bに記憶されている(図47(a)参照)。図47(a)に示すように、演出モード設定判定テーブルは、特定領域入賞指定フラグのON/OFFと新たに設定される演出モード及び当該演出モードによる変動演出の実行可能回数(Ma:以下、「演出モード実行回数」という)とが対応付けられて格納されている。
サブCPU102aは、ステップS1323−3において、ステップS1323−2で確認した特定領域入賞指定フラグのON/OFFを演出モード判定テーブルに照合して、新たに設定する演出モード及び演出モードによる変動演出の実行可能回数を決定する。
サブCPU102aは、ステップS1323−4において、ステップS1323−3で決定された演出モードを示す演出モードフラグをサブRAM102cの演出モードフラグ記憶領域にセットし、ステップS1323−5において演出モードの実行可能回数を演出モードカウンタにセットして、当該第2演出モード設定処理を終了する。
(演出制御基板の演出モード選択制御処理)
次に、図42を用いて演出モード選択制御処理について説明する。サブCPU102aは、ステップS1401において、サブRAM102cの演出モードフラグ記憶領域に記憶されている演出モードフラグを参照することで現在の演出モードを確認して、演出モードB1又は演出モードB2であるか否かを判定する。サブCPU102aは、演出モードB1又は演出モードB2であると判定するとステップS1402に処理を移し、演出モードB1又は演出モードB2ではないと判定すると当該演出モード選択制御処理を終了する。
サブCPU102aは、ステップS1402において、サブRAM102cの演出モード残り回数カウンタのカウンタ値(M)を確認して、演出モードの残り回数が20回以上であるか否かを判定する。サブCPU102aは、20回以上であると判定するとステップS1403に処理を移し、20回以上ではないと判定すると当該演出モード選択制御処理を終了する。
サブCPU102aは、ステップS1403において、左ボタン検出信号又は右ボタン検出信号の入力があるか否かを判定する。サブCPU102aは、いずれのボタン検出信号の入力もないと判定すると、当該演出モード選択制御処理を終了し、いずれかのボタン検出信号の入力があると判定すると、ステップS1404に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1404において、現在、先読み演出を実行しているか否か、すなわち、上述した先読み演出画像が表示されているか否かを判定する。具体的には、先読み演出データが記憶されているか否かを判定する。サブCPU102aは、先読み演出の実行中ではないと判定するとステップS1405に処理を移し、先読み演出の実行中であると判定するとステップS1406に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1405において、当該ボタン検出信号(左ボタン検出信号又は右ボタン検出信号)の入力に基づいて通常演出モード変更判定を行う。一方、サブCPU102aは、ステップS1406において、当該ボタン検出信号(左ボタン検出信号又は右ボタン検出信号)の入力に基づいて特定演出モード変更判定を行う。通常演出モード変更判定及び特定演出モード変更判定については後述する。
サブCPU102aは、ステップS1407において、ステップS1405又はステップS1406の演出モード変更判定による判定結果に基づいて、新たな演出モードを設定する。具体的には、サブCPU102aは、新たに設定する演出モードに対応する演出モードフラグを設定する。
サブCPU102aは、ステップS1408において、ステップS1405又はステップS1406の演出モード変更判定による判定結果に基づいて、後述するカーソル画像Cを移動させるための選択演出制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットする。
なお、送信バッファにセットされた選択演出制御コマンドは、ステップS1800のデータ出力処理によってランプ制御基板104及び画像制御基板105に送信される。そして、例えば、画像制御基板105は、選択演出制御コマンドを受信すると、そのコマンドが示す移動先に、カーソル画像Cを移動させる。
次に、図47、図49〜図52を用いて、演出モードBにおける演出モード選択について説明する。大当たりに当選して、大当たり遊技中に遊技球が特定領域12を通過すると、大当たり遊技後に高確率状態且つ時短状態となり、演出モードが演出モードBに設定される。演出モードBは、演出モードB1〜演出モードB3で構成されており、以下に説明するように、選択ボタン装置19の左ボタン192A又は右ボタン194Aの操作で演出モードB1〜演出モードB3の中から選択することができる。なお、大当たり遊技後に高確率状態且つ時短状態に設定されると、最初は演出モードBとして演出モードB1が設定される(図41及び図47参照)。
図49(a)に示すように、演出モードB1(昼モード)による変動演出が開始されると共に、画像表示装置14の表示領域の通常演出モード選択対象表示領域143に、演出モードBに設定された当初から左ボタン192A等の操作により選択可能な演出モードを示す画像が表示される。ここでは、演出モードB1を示す画像(図において「昼モード」、以下、「B1画像」という)と演出モードB2を示す画像(図において「夜モード」、以下、「B2画像」という)とが水平方向に並んで表示される。すなわち、この段階では、演出モードB1と演出モードB2とが選択可能である。
このとき、選択対象であることを特定するためのカーソル画像Cも表示される。なお、演出モードBに設定された当初は演出モードB1に設定されているので、カーソル画像CはB1画像の位置に表示され、演出モードB1が選択されていることが示唆されている。そして、カーソル画像Cは、左ボタン192A等の操作に応じて移動する。このように、選択可能な演出モードとして、演出モードB1と演出モードB2の2つの演出モードに係る画像(B1画像・B2画像)が表示されており、左ボタン192A又は右ボタン194Aの操作があると、カーソル画像Cは他方の演出モードに係る画像に移動し、該他方の演出モードが選択されたこととなる。
よって、図49(a)に示すように、カーソル画像CがB1画像の位置に表示されているときに、例えば、右ボタン194Aの操作があると、図49(b)に示すように、カーソル画像Cは、B2画像に移動し、演出モードB2が選択されることとなる。
そして、この状態のまま、当該変動演出が終了し、演出図柄の停止表示が行われ(図49(c)参照)、次の変動演出が開始されると、図49(d)に示すように、当該次の変動演出から演出モードB2による変動演出が行われる。
また、このように、演出モードB1から演出モードB2に変更され、演出モードB2による変動演出が行われているときに(図50(a)参照)、例えば右ボタン194Aの操作があると、図50(b)に示すように、カーソル画像Cは、B1画像に移動し、再度演出モードB1が選択される。
そして、この状態のまま、当該変動演出が終了し、演出図柄の停止表示が行われ(図50(c)参照)、次の変動演出が開始されると、図50(d)に示すように、当該次の変動演出から演出モードB1による変動演出が行われる。
このように、遊技者の操作により演出モードを変更させることができるので、遊技の単調化を抑えることができる。また、本実施の形態では、遊技者の操作による演出モードの変更は、高確率状態且つ時短状態で行われる。高確率状態且つ時短状態では、低確率状態且つ非時短状態より、特図変動時間の短い変動パターンが選択され易く(図9、図10参照)、遊技が単調になり易い。よって、遊技者の操作による演出モードの変更による演出効果は一層効果的になる。
また、変動演出中に演出モードの変更に係る操作があると、次の変動演出から演出モードが変更される。これにより、変動演出の途中で演出内容を変更することによる処理の負担を軽減すると共に、演出内容が煩雑となって変動演出の演出効果が低下することを防ぐことができる。本実施の形態では、高確率状態且つ時短状態では、低確率状態且つ非時短状態より、特図変動時間の長い変動パターンが選択され難いので(図9、図10参照)、この効果は一層顕著になる。
なお、演出モードB1と演出モードB2とを切り替える操作は、1回の変動演出中において何回も可能となっている。すなわち、例えば、1回の変動演出中に、一度、左ボタン192A等の操作があり、カーソル画像Cが他方の演出モードに係る画像に移動しても、再度、左ボタン192A等の操作があると、カーソル画像Cは元の演出モードに係る画像に戻る。
また、演出モードB1と演出モードB2とを切り替える操作は、変動演出中に限らず、演出図柄の停止表示中、又は、演出図柄の停止表示終了後から次の変動演出が開始されるまでの間でも可能となっている。すなわち、演出モードB1と演出モードB2とを切り替える操作があると、次に開始される新たな変動演出から演出モードが変更される。
また、本実施の形態では、演出モードB1と演出モードB2とを切り替える操作は、演出モードBによる変動演出の残り回数が20回以上のときに可能となっている。しかしながら、このような演出モードを切り替える操作の時期的制限はこれに限られず、又は、設けなくてもよい。
次に、演出モードB1又は演出モードB2において行われる先読み演出について説明する。例えば、図51(a)に示すように、演出モードB1による変動演出が行われているときに、第2始動口7に遊技球が有効に入賞したとする。
このとき、図37に示す先読み演出判定処理のステップS1304−6において先読み演出判定が実行される。
ここで、当該入賞に基づく第2事前判定の結果が大当たりであり、先読み演出判定の結果が先読み演出の実行であったとする。この場合、先読み演出制御コマンドが画像制御基板105に送信される。そして、画像制御基板105は、図51(b)に示すように、画像表示装置14の表示領域の特別演出モード選択対象表示領域144に、先読み演出として、「大当たり」という文字画像(以下、「先読み演出画像」という)を表示する。
ここで、特別演出モード選択対象表示領域144は、通常演出モード選択対象表示領域143の左横に区画されている。そして、この先読み演出画像も、左ボタン192A又は右ボタン194Aの操作により選択可能となる。すなわち、先読み演出画像が表示されている間は、カーソル画像Cは、特別演出モード選択対象表示領域144の先読み演出画像にも移動可能となる。
ここで、カーソル画像Cの移動制御について説明する。図42及び図47(b)に示すように、先読み演出が実行されているとき(S1404で「YES」)と、先読み演出が実行されていないとき(S1404で「NO」)とで、カーソル画像Cを移動させる制御が異なる。具体的には、カーソル画像Cを移動制御するためのテーブルである演出モード変更判定テーブルが、先読み演出の実行の有無で異なる(図47(b)参照)。
先読み演出が実行されていないときは、通常演出モード変更判定テーブルに現在の演出モードフラグ及びボタン検出信号(操作されたボタン)の種別(左ボタン検出信号or右ボタン検出信号)を照合し、カーソル画像Cの移動先の画像(B1画像orB2画像)及び設定する演出モードフラグ(01Hor02H)を決定する。
一方、先読み演出が実行されているときは、特別演出モード変更判定テーブルに現在の演出モードフラグ及びボタン検出信号(操作されたボタン)の種別(左ボタン検出信号or右ボタン検出信号)を照合し、カーソル画像Cの移動先の画像(B1画像orB2画像or先読み演出画像)及び設定する演出モードフラグ(01Hor02Hor03H/04H)を決定する。
このように、先読み演出として先読み演出画像が表示されていると、先読み演出画像も左ボタン192A又は右ボタン194Aの操作により、カーソル画像Cで選択可能となる。そして、例えば、変動演出中に先読み演出画像を選択する操作が行われ(図51(c)参照)、次の変動演出の開始時に先読み演出画像が選択されていれば(図51(d)参照)、当該次の変動演出から、演出モードB1及び演出モードB2とは異なる特別な演出モードB3による変動演出が行われる(図52(a)参照))。なお、本実施の形態では、演出モードB3による変動演出では、画像表示装置14の表示領域において、宇宙の背景画像が表示される。
このように、演出モードB(演出モードB1又は演出モードB2)において、第2事前判定の結果が大当たりであり、先読み演出を実行すると判定されると、先読み演出が実行されると共に、特別な演出モードが設定される権利が発生する(特別な演出モードが選択可能となる)。そして、この特別な演出モードB3への変更は遊技者の操作により行われるので、遊技者の意志が介在し、遊技の興趣が向上する。
また、図42の演出モード選択制御処理に示すように、本実施の形態では、演出モードB3においては、左ボタン192A又は右ボタン194Aの操作は無効となる(S1401で「NO」)。よって、一度、特別な演出モードB3に設定されると、演出モードB1又は演出モードB2に戻すことができず、演出モード3は、当該演出モードB3に係る大当たり当選に基づく変動演出が終了するまで継続する。これにより、せっかく特別な演出モードB3に変更したにも関わらず、誤操作等によって演出モードB1又は演出モードB2に戻り、演出効果が低下することを防止することができる。なお、遊技者の意志等を優先させる場合、特別な演出モードB3に移行した後に、演出モードB1又は演出モードB2に移行させることができるようにすることも可能である。また、先読み演出は、先読み演出に係る大当たり遊技演出が開始される前、詳細には、演出図柄の停止表示時に終了する。
また、本実施の形態では、演出モードB3は、演出モードB31と演出モードB32とで構成されている。演出モードB3として、いずれが採用されるかは、図37に示す先読み演出判定処理のステップS1304−6において決定される。図42に示すように、先読み演出が実行されると決定されると共に、先読み演出パターンが決定され、この先読み演出パターンに対応付けられて演出モードB31か演出モードB32かが決定される。
本実施の形態では、先読み演出に係る大当たりの遊技者に対する利益度合いが高いほど、演出モードB31(先読み演出パターン1)に決定され易い。よって、先読み演出画像が表示されて、先読み演出画像が選択されて、次の変動演出において演出モードB31になると、遊技者はさらに喜ぶこととなる。なお、演出モードB31による変動演出と演出モードB32による変動演出における演出態様の相違は適宜に設定される。例えば、本実施の形態の例でいえば宇宙の背景画像の星の数や、色が異なるようにすることができる。また、BGM等を異ならせるようにすることもできる。
また、先読み演出パターンの種類に関係なく、先読み演出画像は共通となっている。よって、先読み演出画像が表示されただけでは、遊技者は大当たりの種類を推測することは困難であるので、遊技の興趣が向上する。
なお、本実施の形態では、演出モードBにおいて演出モードを変更させる操作は、左ボタン192A及び右ボタン194Aに設定されているが、当該操作をするための手段はこれに限られない。選択ボタン装置19の他のボタンを用いることも可能である。さらに、演出ボタン装置18を用いることも可能である。さらには、例えば、受け皿50にタッチパネルを設け、タッチパネル上の操作で行うことも可能である。
また、本実施の形態では、演出モードB1〜演出モードB3で、画像表示装置14の表示領域における背景画像が相違しているが、例えば、演出モードB2では、演出用役物装置17が他の演出モードより頻繁に作動し、演出モードB3では、演出用照明装置16による照明態様及びBGMが特別な態様となるようにすることもできる。このように、演出装置単位で演出態様を変更させると、更に遊技の単調化を防ぐことができる。
次に、演出モードB1又は演出モードB2において行われる特定演出について説明する。
上述したように、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21において特別図柄の変動表示が行われているときに、画像表示装置14の表示領域において、演出図柄の変動表示が行われる。特定演出は、演出図柄の変動表示において行われる。なお、本実施の形態では、演出図柄を構成する装飾図柄は9種類あり、装飾図柄1〜装飾図柄9からなる。すなわち、画像表示装置14の表示領域における各領域(左側領域、中央領域、右側領域)において、所定の順序で縦に配列された装飾図柄1〜装飾図柄9が縦方向にスクロール表示される。
ここで、特定演出の前提として、演出図柄の停止表示について説明する。上述したように、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21において、特別図柄抽選の結果を示す特別図柄の停止表示が行われるときに、画像表示装置14の表示領域において、当該抽選結果を示唆する演出図柄の停止表示が行われる。演出図柄の停止表示の演出パターン(演出態様)は、図38に示す演出図柄パターン決定処理で決定される。
演出図柄パターン決定処理では、図44に示す演出図柄パターン判定テーブルに基づいて、演出図柄の停止表示の演出パターンが決定される。図44に示す演出図柄パターン判定テーブルの演出図柄の停止表示態様は演出パターンの具体的な演出内容であり、演出図柄の停止表示を構成する「所定の有効ライン(例えば、水平線)上に配置される装飾図柄の配列」を表す。演出図柄の停止表示態様に示された数字は装飾図柄に係る数字を表しており、左側の数字が左図柄、真ん中の数字が中央図柄、右側の数字が右図柄を表す。
図38及び図44に示すように、特別演出図柄指定コマンドが演出図柄パターン(演出図柄の停止表示態様)を決定するためのパラメータとなっている。大当たり(第1長当たり、第2長当たり、短当たり)を示す特別演出図柄指定コマンドが演出制御基板102に送信されると、すなわち、特別図柄抽選の結果が大当たりであると、演出図柄の停止表示において、所定の有効ライン上には、同一の3つの装飾図柄が揃うこととなる。
ここで、特別図柄抽選の結果が、大当たりの中で遊技利益の最も高い「第1長当たり」であると、装飾図柄3、装飾図柄7、装飾図柄1、又は、装飾図柄5のいずれかが揃う。また、特別図柄抽選の結果が、大当たりの中で遊技利益の最も低い「短当たり」であると、装飾図柄2、装飾図柄4、装飾図柄6、又は、装飾図柄8のいずれかが揃う。さらに、特別図柄抽選の結果が、大当たりの中で遊技利益の度合いが中間的な「第2長当たり」であると、装飾図柄3、装飾図柄1、装飾図柄5、装飾図柄9、装飾図柄2、装飾図柄4、装飾図柄6、又は、装飾図柄8のいずれかが揃う。
ここで、装飾図柄7(特定図柄B)は、第1長当たりのときにしか揃わない。よって、演出図柄の停止表示で、装飾図柄7が揃うと遊技者は第1長当たり当選に対して大きな期待を持つことができる。
一方、装飾図柄3(特定図柄A)は、第1長当たりのとき又は第2長当たりのときに揃う。しかし、第1長当たりのときの方が装飾図柄3で揃い易い。よって、演出図柄の停止表示で、装飾図柄3が揃うと、遊技者は、装飾図柄7ほどではないが、第1長当たり当選に対して期待を持つことができる。
また、装飾図柄1、装飾図柄5(非特定図柄A)も、第1長当たりのとき又は第2長当たりのときに揃う。しかし、第2長当たりのときの方が装飾図柄1、装飾図柄5で揃い易い。よって、演出図柄の停止表示で、装飾図柄1、装飾図柄5が揃うと、遊技者は、第2長当たり当選を推測することができる。
また、装飾図柄9(非特定図柄B)は、第2長当たりのときにしか揃わない。よって、演出図柄の停止表示で、装飾図柄9が揃うと遊技者は第2長当たり当選に大きな期待を持つことができる。
また、装飾図柄2、装飾図柄4、装飾図柄6、装飾図柄8(非特定図柄C)は、第2長当たりのとき又は短当たりのときに揃う。しかし、短当たりのときの方が装飾図柄2、装飾図柄4、装飾図柄6、装飾図柄8で揃い易い。よって、演出図柄の停止表示で、装飾図柄2、装飾図柄4、装飾図柄6、装飾図柄8が揃うと、遊技者は、短当たり当選を推測することができる。
このように、演出図柄の停止表示において揃う装飾図柄の種類には、遊技者が享受する遊技利益が関連づけられている。本実施の形態では、装飾図柄7(特定図柄B)>装飾図柄3(特定図柄A)>装飾図柄1、5(非特定図柄A)>装飾図柄9(非特定図柄B)>装飾図柄2、4、6、8(非特定図柄C)の順番で、遊技利益の度合いが大きくなっている。
次に、特定演出の態様について説明する。本実施の形態では、特定演出は、特図変動時間が「40秒」である特定の特図変動パターン(特図変動パターン24(リーチ有りハズレ)、特図変動パターン27(第1長当たり)、特図変動パターン30(第2長当たり)、特図変動パターン33(短当たり))に係る特定の変動演出においてのみ行われる。そして、特定演出の種類として、特定演出1〜特定演出8の計8種類がある。
特定演出1では、最初に、通常態様で変動表示している2つの装飾図柄(一部の演出図柄)が減速し、非特定図柄A(例えば、装飾図柄5)でリーチ状態が成立(2つの非特定図柄Aが擬似停止)するか否かの状態となる(非特定図柄Aによるリーチ煽り演出が実行される、図53(a)参照)。次に、非特定図柄Aでリーチ状態が成立(2つの非特定図柄Aが擬似停止)すると共に(図53(b)、図53(c)参照)、該リーチ状態が解除され、再び、通常態様で演出図柄が変動表示する。そして、通常態様で変動表示している2つの装飾図柄(一部の演出図柄)が減速し、特定図柄B(装飾図柄7)でリーチ状態が成立(2つの特定図柄Bが擬似停止)するか否かの状態となる(特定図柄Bによるリーチ煽り演出が実行される、図54(a)参照)。最後に、特定図柄Bでリーチ状態が成立する(図54(b)、図54(c)参照)。
特定演出2では、特定演出1と同様に、最初は、通常態様で変動表示している2つの装飾図柄(一部の演出図柄)が減速し、非特定図柄Aでリーチ状態になるか否かの状態となり、非特定図柄Aでリーチ状態になった後、再び、通常態様の演出図柄の変動表示が行われ、特定図柄Bでリーチ状態になるか否かの状態となる(図55(a)参照)。しかしながら、ここから、特定図柄Bでリーチ状態にならない。すなわち、リーチ状態になるか否かの状態から、これらの特定図柄Bが滑ってリーチ状態成立位置(所定の擬似停止位置)を越える(図55(b)参照)と共に、最初の非特定図柄Aとは異なる(同等の遊技利益を示唆する)他の非特定図柄A(例えば、装飾図柄1)に入れ替わり(図55(c)参照)、非特定図柄Aでリーチ状態が成立する(図55(d)、図55(e)参照)。
特定演出3では、特定演出1、2と同様に、非特定図柄Aでリーチ状態になるか否かの状態となる(図56(a)参照)。しかし、この後、非特定図柄Aでリーチ状態にならずに、これらの非特定図柄Aが滑ってリーチ状態成立位置を越える(図56(b)参照)と共に、非特定図柄Cに入れ替わり(図56(c)参照)、再度、通常態様で演出図柄の変動表示が行われる。そして、非特定図柄Cでリーチ状態になるか否かの状態となり(図56(d)参照)、非特定図柄Cでリーチ状態が成立する(図56(e)参照)。
特定演出4では、特定演出3と同様に、非特定図柄Aでリーチ状態になるか否かの状態となり(図56(a)参照)、非特定図柄Aでのリーチ状態にならずに滑ってリーチ状態成立位置を越える(図56(b)参照)と共に、非特定図柄Cに入れ替わり(図56(c)参照)、再度、通常態様の演出図柄の変動表示が行われる。そして、非特定図柄Cでリーチ状態になるか否かの状態となる(図56(d)参照)。しかし、この後、非特定図柄Cでリーチ状態にならずに滑ってリーチ状態成立位置を越えると共に、再度、通常態様の演出図柄の変動表示が行われる。
特定演出5では、通常態様で変動表示している2つの装飾図柄(一部の演出図柄)が減速し、特定図柄A(装飾図柄3)でリーチ状態が成立するか否かの状態となる。そして、特定図柄Aでリーチ状態が成立すると共に、該リーチ状態が解除され、再び、通常態様の演出図柄の変動表示が行われる。次に、通常態様で変動表示している2つの装飾図柄(一部の演出図柄)が減速し、特定図柄B(装飾図柄7)でリーチ状態になるか否かの状態となる(図54(a)参照)。そして、特定図柄Bでリーチ状態が成立する(図54(b)、図54(c)参照)。
特定演出6では、特定演出5と同様に、特定図柄Aでリーチ状態になるか否かの状態となり、特定図柄Aでリーチ状態になった後、再び、演出図柄の変動表示が行われ、特定図柄Bでリーチ状態になるか否かの状態となる(図55(a)参照)。しかしながら、ここから、特定図柄Bでリーチ状態にならずに滑ってリーチ状態成立位置を越える(図55(b)参照)と共に、特定図柄Aに入れ替わり、特定図柄Aでリーチ状態が成立する。
特定演出7では、特定演出5、6と同様に、最初に、特定図柄Aでリーチ状態になるか否かの状態となる。しかし、この後、特定図柄Aでリーチ状態とならず、これらの特定図柄Aが滑ってリーチ状態成立位置を越えると共に、再度、通常態様で演出図柄の変動表示が行われる。そして、特定図柄Aでリーチ状態になるか否かの状態となった後、特定図柄Aでリーチ状態が成立する。
特定演出8では、特定演出7と同様に、特定図柄Aでリーチ状態になるか否かの状態となるが、特定図柄Aでリーチ状態にならず、これらの特定図柄Aが滑ってリーチ状態成立位置を越えると共に、再度、通常態様の演出図柄の変動表示が行われる。そして、特定図柄Aでリーチ状態になるか否かの状態になる。しかし、この後、特定図柄Aでリーチ状態にならずに、これらの特定図柄Aが滑ってリーチ状態成立位置を越えると共に、非特定図柄A(例えば、装飾図柄1)に入れ替わり、非特定図柄Aでリーチ状態が成立する。
以上、演出モードB1又は演出モードB2で行われる特定演出1、2、5、6に示すように、通常態様で変動表示している演出図柄の一部が所定の演出図柄で擬似停止(リーチ状態成立)すると、その演出図柄より、遊技者にとって遊技利益の度合いが高いことを示唆する演出図柄で擬似停止(リーチ状態成立)するか否かの状態となる。一方、特定演出3、4、7、8に示すように、通常態様で変動表示している演出図柄の一部が所定の演出図柄で擬似停止(リーチ状態成立)しないと、その演出図柄より、遊技者にとって遊技利益の度合いが低いことを示唆する演出図柄、又は、遊技利益の度合いが同等若しくは同一の演出図柄で擬似停止(リーチ状態成立)するか否かの状態となる。このように、リーチ状態の成立/不成立に基づいて、次のリーチ煽り演出に用いる演出図柄が変化することで遊技の興趣が向上する。さらに、そのリーチ状態に係る演出図柄が示唆する遊技利益より高い演出図柄でリーチ状態を煽り、リーチ状態不成立後には、そのリーチ状態に係る演出図柄が示唆する遊技利益よりは高くない演出図柄でリーチ状態を煽ることで、演出内容の矛盾やいわゆる成り下がり等による演出効果の低下を防ぐことができる。
また、同一の特図変動パターンに係る変動演出において、特定演出として、同一回数のリーチ煽り演出(リーチ状態になるか否かの状態)を行うことで、画像制御基板105による処理負担を軽減させながら、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、演出図柄を構成する装飾図柄の種類・個数、演出図柄の変動表示態様(変動する方向、装飾図柄の位置等)、演出図柄の停止表示態様(有効ラインの方向等)は上記の態様に限られず、適宜に設定できる。また、特定演出に係る特図変動パターンの種類・時間も上記の態様に限られず、適宜に設定することができる。さらに、特定演出に係るリーチ状態になるか否かの状態となる回数(擬似連回数)も上記の態様に限定されず、適宜に設定することができる。また、特定演出に係る演出図柄の種類も上記の態様に限定されず、適宜に設定することができる。