以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、略円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄が、変動可能に表示される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組み合わせを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bは共に、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じであってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、又は第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮等を生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮等も生じさせず、所定時間よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示すること等が含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字に対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組み合わせやハズレとなる組み合わせ等適当な数の組み合わせを構成可能であれば、何種類であってもよい。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つにおいて、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生する。即ち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態(遊技者にとって有利な有利状態の1つ)に制御されていること等により、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
また、画像表示装置5の表示領域には、累積オーバー入賞球数表示エリア5Aが配置されている。累積オーバー入賞球数表示エリア5Aには、累積オーバー入賞球数(後述)や累積オーバー入賞球数に応じた画像等が表示される。また、画像表示装置5の表示領域には、累積賞球数表示エリア5Bが配置されていてもよい。累積賞球数表示エリア5Bには、累積賞球数(後述)や累積賞球数に応じた画像等が表示される。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hと共に、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、第1始動領域とは異なる始動領域としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過し難い通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過し易い拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖すること等により、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過し易い拡大開放状態と、遊技球が通過し難い、又は通過できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7Aが設けられている。普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの右方には、特別可変入賞球装置7Bが設けられている。特別可変入賞球装置7A,7Bは、それぞれ、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82A,82Bによって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。以下、特別可変入賞球装置7A,7Bの大入賞口を、それぞれ、第1大入賞口および第2大入賞口ともいう場合がある。第1大入賞口および第2大入賞口を総称する場合は単に大入賞口という。
一例として、特別可変入賞球装置7A,7Bでは、それぞれ、大入賞口扉用のソレノイド82A,82Bがオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7A,7Bでは、それぞれ、大入賞口扉用のソレノイド82A,82Bがオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過し易くする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過し難い一部開放状態を設けてもよい。
特別可変入賞球装置7A,7Bのそれぞれの大入賞口を通過した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23A,23Bによって検出される。カウントスイッチ23A,23Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7A,7Bにおいて開放状態となった大入賞口を遊技球が通過したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7A,7Bにおいて大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7A,7Bにおいて大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過させて賞球を得ることが不可能又は困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
右方の特別可変入賞球装置7Bは、後述する大当り遊技状態の所定回目(本実施の形態では5回目)のラウンド遊技において開放状態とされる。特別可変入賞球装置7Bの大入賞口を通過した遊技球は、図2に示すようにカウントスイッチ23Bの直下の特別領域(いわゆる「V領域」)に設けられた特別領域スイッチ24によって検出される。特別領域スイッチ24によって遊技球が検出されたことに基づき、当該大当り遊技状態の終了時に確変状態に制御される。
遊技盤2の所定位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄を変動可能に表示する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームと称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車、及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一又は複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、更に遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドルが設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリングが設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持する上皿が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球等を、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置等に、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手で把持した状態において、所定の操作指で押引操作すること等により所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサと、この遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサとを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン31Bに対して成された操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される始動入賞の発生等により第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される始動入賞の発生等により第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンドを所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」又は「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7Aまたは特別可変入賞球装置7Bの大入賞口扉が開放されて、所定の上限時間が経過するまでの期間、あるいは所定個数の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口が開放状態とされる。これにより、特別可変入賞球装置7A,7Bを遊技者にとって有利な第1状態とするラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)が実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7A,7Bを遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
なお、本実施形態では、ラウンドの実行回数が「16」となる大当り遊技状態を16R(ラウンド)大当り状態ともいう一方、ラウンドの実行回数が「6」となる大当り遊技状態を6R(ラウンド)大当り状態ともいう。
また、本実施の形態においては、特別可変入賞球装置7Bの大入賞口扉が5ラウンド目で開放され、5ラウンド目以外では特別可変入賞球装置7Aの大入賞口扉が開放される。特別可変入賞球装置7Bに設けられた特別領域の特別領域スイッチ24によって遊技球の通過が検出されると、大当り遊技状態の終了後に、確変状態に制御される。
大当り図柄となる「3」又は「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄は16R大当り図柄となり、「3」の数字を示す特別図柄は6R大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として16R大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が導出された後には、16R大当り状態に制御される。一方、特図ゲームにおける確定特別図柄として6R大当り図柄である「3」の数字を示す特別図柄が導出された後には、6R大当り状態に制御される。
特図ゲームにおける可変表示結果としての確定特別図柄が16R大当り図柄となったことに基づく16R大当り状態では、大入賞口が開放状態となるラウンドの上限回数として比較的に多い「16」が設定されることから、大当り遊技状態が開始されてから終了するまでに大入賞口が開放状態となる実質的な期間が比較的に長期なものとなる。そのため、16R大当り状態では、大入賞口を多くの遊技球が通過し易い。これに対して、特図ゲームにおける可変表示結果としての確定特別図柄が6R大当り図柄となったことに基づく6R大当り状態では、大入賞口が開放状態となるラウンドの上限回数として比較的に少ない「6」が設定されることから、大当り遊技状態が開始されてから終了するまでに大入賞口が開放状態となる実質的な期間が比較的に短期なものとなる。そのため、6R大当り状態では、16R大当り状態よりも少ない遊技球しか大入賞口を通過させることができない。こうして、16R大当り状態であるときには、大入賞口を遊技球が通過し易い第1変化態様で、第1状態と第2状態とに変化させる制御が行われる。一方、6R大当り状態であるときには、大入賞口を遊技球が通過し難い第2変化態様で、第1状態と第2状態とに変化させる制御が行われる。
大入賞口を第1状態とするラウンドの実行回数に応じて遊技球の通過し易さを異ならせるものに限定されず、例えば大入賞口を第1状態とする期間に応じて遊技球の通過し易さを異ならせるようにしてもよい。一例として、特別可変入賞球装置7A,7Bの大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間が経過するまでの期間、あるいは第1個数の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、大入賞口を遊技球が通過し易い第1変化態様で開放状態に変化させる制御を行う。一方、特別可変入賞球装置7A,7Bの大入賞口扉は、第1期間よりも短い第2期間となる所定の上限時間が経過するまでの期間、あるいは第2個数の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、大入賞口を遊技球が通過し難い第2変化態様で開放状態に変化させる制御を行う。
大当り遊技状態であるときに実行される全部のラウンドにて大入賞口を第1変化態様で変化させる第1大当り状態と、大当り遊技状態であるときに実行される一部のラウンドにて大入賞口を第2変化態様で変化させる第2大当り状態とを設けてもよい。一例として、第1大当り状態と第2大当り状態は、いずれもラウンドの上限回数が「16」であるものの、第1大当り状態では16回のラウンドの全部にて大入賞口を第1変化態様で開放状態に変化させる一方、第2大当り状態では16回のラウンドのうち6回のラウンドにて大入賞口を第1変化態様で開放状態に変化させた後、残り10回のラウンドでは大入賞口を第2変化態様で開放状態に変化させてもよい。このように、第1大当り状態であるときには、大入賞口を遊技球が通過し易い第1変化態様で、第1状態と第2状態とに変化させる制御が行われる一方、第2大当り状態であるときには、所定期間にて大入賞口を遊技球が通過し難い第2変化態様で、第1状態と第2状態とに変化させる制御が行われてもよい。
例えば16R大当り状態における遊技のように、多数の遊技球が大入賞口を通過し易い遊技状態における遊技は、6R大当り状態における所定遊技よりも遊技者にとって有利な有利遊技となる。本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、大当り遊技状態として6R大当り状態と16R大当り状態のいずれに制御されるかに応じて、所定遊技と、所定遊技よりも遊技者にとって有利な有利遊技とを実行可能である。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組み合わせの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については変動が継続している表示状態、あるいは全部又は一部の飾り図柄が大当り組み合わせの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部では予め定められた大当り組み合わせを構成する飾り図柄が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリアでは飾り図柄が変動している表示状態、あるいは「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組み合わせの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作のいずれか、あるいはこれらの一部又は全部の組み合わせといった演出動作を、リーチ演出表示という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9等の発光体における点灯動作等を、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様が異なる複数種類の演出パターンが、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性が異なる。即ち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
本実施形態では、一例として、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があること等を、飾り図柄の可変表示態様等により遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。本実施形態では、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されること等に対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の可変表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」等の可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯等のように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があること等を、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前に実行されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいはリーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいはリーチ演出が実行されずに、所定の大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、大当り組み合わせとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が同一である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。
確定特別図柄として導出される特別図柄が16R大当り図柄と6R大当り図柄のいずれであるかに応じて、大当り組み合わせとして停止表示される飾り図柄を異ならせてもよい。一例として、16R大当り図柄が確定特別図柄として導出される場合には、「1」〜「8」の飾り図柄の全部を対象として、大当り組み合わせで停止表示する飾り図柄が選択される一方、6R大当り図柄が確定特別図柄として導出される場合には、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」の飾り図柄を対象として、大当り組み合わせで停止表示する飾り図柄が選択されてもよい。この場合、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」の飾り図柄のいずれかが大当り組み合わせで停止表示されることにより、16R大当り状態となることが確定的に報知される。一方、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」の飾り図柄のいずれかが大当り組み合わせで停止表示されたときには、16R大当り状態となるか6R大当り状態となるかを遊技者が認識不可能又は認識困難となる。
特図ゲームにおける確定特別図柄が6R大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいはリーチ演出が実行されずに、大当り組み合わせの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、「第1大当り」の可変表示態様と称される。一方、特図ゲームにおける確定特別図柄が16R大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいはリーチ演出が実行されずに、大当り組み合わせの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、「第2大当り」の可変表示態様と称される。
本実施形態では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、所定回目のラウンド遊技で特別可変入賞球装置7Bの大入賞口の特別領域を遊技球が通過していれば、確変制御が行われる確変状態に制御される。確変制御とは、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り遊技状態に制御される確率)を通常状態(通常遊技状態、低確低ベース状態とも称する)よりも向上させる制御である。即ち、確変制御が行われることにより、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高められ、大当り遊技状態に制御される確率が高くなる。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態(パチンコ遊技機1の初期設定状態と同一の制御が行われる遊技状態)である。また、時短状態とは、高開放制御(後述)や時短制御(後述)が行われる遊技状態である。以下、高開放制御又は時短制御のうち少なくとも一方が行われる遊技状態を時短状態と称する。
また、本実施形態では、大当り遊技状態が終了した後、確変状態に制御される場合には、高開放制御及び時短制御の両方が共に行われる時短状態に制御される。高開放制御とは、普通入賞球装置6Aが拡大開放状態となる頻度を通常状態よりも向上させる制御である。即ち、高開放制御が行われることにより、通常状態よりも普通入賞球装置6Aが拡大開放状態となる頻度が高められ、第2始動条件が成立する可能性が高くなる。具体的には例えば、高開放制御では、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間を通常状態のときよりも短くする制御、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御のうち、いずれか1つの制御が行われるようにしてもよいし、2つ以上の制御が行われるようにしてもよい。また、時短制御とは、特図ゲームにおける特別図柄の変動時間を通常状態に比べて短縮させる制御である。即ち、時短制御が行われることにより、通常状態よりも特図ゲームにおける特別図柄の変動時間が短くなり、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を導出表示するまでの時間が早くなる。高開放制御及び時短制御の両方が共に行われた場合には、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立し易くなると共に第2特図を用いた特図ゲームの変動図時間が短縮されるため、次に可変表示結果が「大当り」となるまでに減少する遊技球数と、次に可変表示結果が「大当り」となるまでに要する時間とを節約(圧縮、低減)することができる。
つまり、本実施形態では、特別可変入賞球装置7Bの大入賞口の特別領域を遊技球が通過していれば、大当り遊技状態が終了した後には、確変状態に制御されると共に、時短状態に制御される。換言すれば、特別領域の遊技球の通過を条件に、大当り遊技状態が終了した後には、確変制御と共に、時短制御や高開放制御が行われる。
また、本実施形態では、確変制御が行われる確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が再び「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了する。但し、可変表示結果が再び「大当り」となった場合には、上述したように、特別領域の遊技球の通過を条件に、大当り遊技状態が終了した後に、再び確変状態に制御される。
また、本実施形態では、高開放制御及び時短制御の両方が共に行われる時短状態は、確変制御が終了するときに終了する。即ち、高開放制御や時短制御は、確変制御と共に終了する。
なお、確変状態でもあり時短状態でもある遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変状態であって時短状態ではない遊技状態は、高確低ベース状態とも称される。時短状態であって確変状態ではない遊技状態は、低確高ベース状態とも称される。時短状態でも確変状態でもない遊技状態は、低確低ベース状態(通常状態)とも称される。遊技状態が高確高ベース状態や高確低ベース状態であるときには、各特図ゲームに対応して可変表示結果が「大当り」となる確率が通常よりも高くなることにより、低確低ベース状態(通常状態)に比べて大当り遊技状態となり易くなる。また、遊技状態が高確高ベース状態や低確高ベース状態であるときには、各特図ゲームにおける特図変動時間が短縮されると共に第2開始条件が成立し易くなることにより、低確低ベース状態(通常状態)に比べて大当り遊技状態となり易くなる。このように、高確高ベース状態や高確低ベース状態や低確高ベース状態は、遊技者にとって有利な有利状態である。また、高開放制御又は時短制御のうち少なくとも一方が行われる遊技状態を時短状態と称すると説明したが、有利状態には、高開放制御又は時短制御のうちいずれかの制御のみが行われる遊技状態も含まれる。また、確変状態(高確高ベース状態、高確低ベース状態)は、特別遊技状態とも称される。なお、本実施形態では、パチンコ遊技機1は、低確低ベース状態又は高確高ベース状態のいずれかの遊技状態になるものとする。
また、本実施形態では、高開放制御や時短制御は、確変制御と共に終了すると説明したが、これに限定されない。例えば、高開放制御(時短制御も同様)は、確変制御が終了するより後に(遅く)、又は、確変制御が終了するよりも前に(早く)、終了するものであってもよい。例えば、確変状態については、所定回数(例えば、100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が再び「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了することとし、高開放制御(時短制御も同様)については、確変制御の上記所定回数(例えば、100回)よりも多い所定回数(例えば、120回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が再び「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了するようにしてもよいし、確変制御の上記所定回数(例えば、100回)よりも少ない所定回数(例えば、80回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が再び「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了するようにしてもよい。なお、例えば、大当り図柄等の種類に応じて大当り遊技状態が終了した後の確変制御に係る上記所定回数、高開放制御に係る上記所定回数、時短制御に係る上記所定回数を決定してもよい。つまり、例えば、ある大当り図柄による大当り遊技状態が終了した後には、高開放制御や時短制御が確変制御と共に終了し、他の大当り図柄による大当り遊技状態が終了した後には、高開放制御や時短制御が確変制御とよりも後(又は前)に終了するようにしてもよい。なお、高開放制御は、時短制御と共に終了するものでなくてもよい。即ち、高開放制御は、時短制御が終了するより後に、又は、時短制御が終了するよりも前に、終了するものであってもよい。
また、本実施形態では、大当り遊技状態が終了した後には、確変制御と共に時短制御や高開放制御が行われると説明したが、これに限定されない。例えば、大当り遊技状態が終了した後には、確変制御、時短制御、高開放制御のうちの1つ又は2つの制御が行われてもよい。例えば、大当り図柄等の種類に応じて、大当り遊技状態が終了した後に確変制御を行うか否か、高開放制御を行うか否か、時短制御を行うか否かを決定してもよい。
なお、大当り遊技状態、高確高ベース状態、高確低ベース状態、低確高ベース状態は、遊技者にとって有利な有利状態であると説明したが、遊技者にとって有利な有利状態はこれに限定されない。例えば、本実施形態において、突確(突然確変)、小当りなどを設ける場合には、突確、小当りなども、遊技者にとって有利な有利状態に含まれる。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15等も搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2等の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板等といった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12等から成るサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能等を備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED等の点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御等を行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82A,82Bに伝送するソレノイド回路111等が搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9等における点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路等が搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、遊技効果ランプ9等における点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路等が搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23A,23Bからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23A,23Bは、例えばセンサと称されるもの等のように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25C等の表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作等を制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図3(A)は、本実施形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODEを示し、2バイト目はEXTを表す。MODEデータの先頭ビットは必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンドは一例であって、他のコマンドを用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。上記「8001H」の「H」は「8001」が16進数であることを示している。他のコマンドについても同様である。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄等の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。上記「81XXH」におけるEXTデータの「XX」は、不特定の値であることを示し、コマンドの内容に応じて任意に設定される値である。例えば、変動パターン指定コマンドでは、当該変動パターン指定コマンドにおいて指定する変動パターン等に応じて異なるEXTデータが設定される。他のコマンドにおけるEXTデータの「XX」についても同様である。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄等の可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第1大当り」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第2大当り」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3可変表示結果通知コマンドである。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄の変動停止を指定する図柄確定指定コマンドである。コマンド95XXHは、第1始動入賞や第2始動入賞といった始動入賞の発生時における所定の判定結果を指定する入賞時判定結果指定コマンドである。本実施形態では、始動入賞の発生時に抽出した所定の乱数値について、予め設定した複数の数値範囲のいずれに含まれるかを判定し、その判定結果に応じて異なるデータが、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして設定される。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンドである。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されること等により、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば6R大当り状態や16R大当り状態におけるラウンドの実行回数に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB0XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンドB000Hを低確低ベース状態に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンドB001Hを低確高ベース状態に対応した第2遊技状態指定コマンドとし、コマンドB002Hを高確低ベース状態に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンドB003Hを高確高ベース状態に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。なお、本実施形態では、パチンコ遊技機1は、低確低ベース状態又は高確高ベース状態のいずれかの遊技状態になるものとしているため、低確高ベース状態に対応した第2遊技状態指定コマンドや高確低ベース状態に対応した第3遊技状態指定コマンドは使用しない。
コマンドC1XXHは、始動入賞記憶表示エリア5H等にて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、始動入賞記憶表示エリア5H等にて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。
コマンドD0XXHは、大入賞口への遊技球の入賞があったことを通知する大入賞口入賞通知コマンドである。大入賞口入賞通知コマンドは、例えば、大入賞口を遊技球が通過したときに、主基板11から演出制御基板12へと送信される。
コマンドD1XXHは、特別可変入賞球装置7Bの大入賞口の特別領域を遊技球が通過したことを通知する特別領域通過通知コマンドである。特別領域通過通知コマンドは、特別可変入賞球装置7Bの大入賞口の特別領域を遊技球が通過したときに、主基板11から演出制御基板12へと送信される。
本実施形態では、第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過することにより第1始動入賞が発生したときに、第1始動条件が成立したことに基づいて、第1特図保留記憶数の増加を通知するものとして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過することにより第2始動入賞が発生したときに、第2始動条件が成立したことに基づいて、第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。
なお、第1保留記憶数通知コマンドを、第1特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信することに加えて、第1特図保留記憶数の減少を通知するものとして送信してもよい。即ち、第1始動条件に加えて第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特図保留記憶数の減少を通知するものとして、第1保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。また、第2保留記憶数通知コマンドを、第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信することに加えて、第2特図保留記憶数の減少を通知するものとして送信してもよい。即ち、第2始動条件に加えて第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特図保留記憶数の減少を通知するものとして、第2保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、第1始動条件が成立したことに基づいて第1保留記憶数通知コマンドに加えて第2保留記憶数通知コマンドを送信し、第2始動条件が成立したことに基づいて第2保留記憶数通知コマンドに加えて第1保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。即ち、第1始動条件又は第2始動条件のいずれかが成立したことに基づいて、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして、第1保留記憶数通知コマンド及び第2保留記憶数通知コマンドの両方を送信するようにしてもよい。同様に、第1開始条件又は第2開始条件のいずれかが成立したことに基づいて、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数の減少を通知するものとして、第1保留記憶数通知コマンド及び第2保留記憶数通知コマンドの両方を送信するようにしてもよい。
また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、又は、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに加えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。即ち、合計保留記憶数の増加又は減少を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて合計保留記憶数通知コマンドを送信する場合には、第1始動条件又は第2始動条件のいずれが成立したか(第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したか)を指定する始動口入賞指定コマンドを送信するようにしてもよい。なお、第1開始条件の成立や第2開始条件の成立は、上述の第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドによって指定される。
本実施形態では、始動入賞判定処理において、始動入賞の発生に基づき抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1がいずれの数値範囲に含まれるかを判定する。そして、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに、乱数値MR1の判定結果を指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに基づいて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かを認識できる。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、本実施形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部又は全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図11に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄等の可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「65535」の範囲の値を取る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別を「第1大当り」又は「第2大当り」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「99」の範囲の値を取る。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「251」の範囲の値を取る。変動パターン決定用の乱数値MR4は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「997」の範囲の値を取る。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするか等の決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値を取る。
図5は、本実施形態における変動パターンを示している。本実施形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合等に対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターンと称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターンと称される。
非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα又はスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。
図6は、本実施形態における変動パターン種別を示している。図5に示す各変動パターンは、図6に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。即ち、各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作の態様等に基づいて分類された単一又は複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。
一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類で分類して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。また、スーパーリーチを伴う変動パターンについては、リーチ演出の内容に応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。あるいは、所定の可変表示演出が実行されるか否か等に応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。他の一例として、複数の変動パターンを飾り図柄の可変表示時間等に応じて、分類してもよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。
図6に示すように、各変動パターン種別には、可変表示態様や可変表示の内容に応じて、1つ又は複数の変動パターンが分類される。図5に示す変動パターンの具体的な分類については、例えば図10に示すような変動パターン決定テーブル133の設定から、特定することができる。即ち、変動パターン決定テーブル133において、各変動パターン種別に応じて決定値が割り当てられた変動パターンは、その変動パターン種別に含まれるように分類されている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータ等が格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブル等を構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータ等が、記憶されている。
図7は、ROM101に記憶される特図表示結果決定テーブル130の構成例を示している。特図表示結果決定テーブル130は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
特図表示結果決定テーブル130では、パチンコ遊技機1において確変制御が行われない遊技状態(例えば、低確低ベース状態又は低確高ベース状態。本実施形態では低確高ベース状態とはならないので低確低ベース状態)であるか、確変制御が行われる遊技状態(例えば、高確低ベース状態又は高確高ベース状態。本実施形態では高確低ベース状態とはならないので高確高ベース状態)であるかという確変制御の有無に応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。特図表示結果決定テーブル130において、複数種類の特図表示結果に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に対応した決定用データとなっている。
図7に示す特図表示結果決定テーブル130の設定例では、確変制御が行われる遊技状態(図7中の「確変制御あり」)には、確変制御が行われない遊技状態(図中の「確変制御なし」)よりも多くの決定値が「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、確変状態であるときには、確変状態でないときに比べて、特図表示結果が「大当り」と決定される確率が高くなる。
本実施形態では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、特図表示結果決定テーブル130において同一のテーブルデータを参照して特図表示結果が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかに応じて、所定の特図表示結果に対する決定値の割り当てを異ならせた夫々のテーブルデータを参照して特図表示結果が決定してもよい。これにより、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの場合とで、特図表示結果の決定割合を異ならせることができる。
図8は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、特図ゲームにおいて可変表示が行われた特別図柄が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値が、「第1大当り」又は「第2大当り」といった大当り種別に割り当てられている。なお、図8に示すように、大当り種別決定テーブル131は、遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの値を、決定された大当り種別に対応する値に設定するためのテーブルデータを含んでもよい。
図8に示す大当り種別決定テーブル131の設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「第1大当り」又は「第2大当り」の大当り種別に対する決定値の割り当てが異なっている。これにより、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「第1大当り」又は「第2大当り」に決定する割合を、異ならせることができる。
なお、本実施形態では、上述したように、複数種類の大当り種別に対する決定値の割り当てが異なるテーブルデータを2種類用意し、第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特図を用いた特図ゲームであるかに応じて2種類のテーブルデータのうちのいずれかを参照して大当り種別を決定するが、大当り種別の決定方法はこれに限定されない。例えば、複数種類の大当り種別に対する決定値の割り当てが同一のテーブルデータを1種類用意し、第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、当該同一のテーブルデータを参照して大当り種別を決定してもよい。
図9は、ROM101に記憶される変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。本実施形態では、変動パターン種別決定テーブルとして、図9(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル132Aと、図9(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bと、図9(C)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cとが、予め用意されている。
大当り変動パターン種別決定テーブル132Aは、特図表示結果を「大当り」にすると決定されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別の決定結果が「第1大当り」又は「第2大当り」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値が、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3のいずれかに割り当てられている。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「第1大当り」である場合と「第2大当り」である場合とでは、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別3−3に対する決定値の割り当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
なお、本実施形態では、図9(A)に示したように、夫々の変動パターン種別は、大当り種別が「第1大当り」である場合にも「第2大当り」である場合にも決定され得るが、ある変動パターン種別について、特定の大当り種別である場合に限って決定されるようにしてもよい。つまり、「第1大当り」又は「第2大当り」のいずれか一方に決定値が割り当てられている変動パターン種別を設けるようにしてもよい。これにより、ある大当り種別に決定された場合に、他の大当り種別に決定された場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、本実施形態では、変動パターン種別の決定割合は大当り種別に応じて異ならせているが、変動パターン種別の決定割合はこれに限定されない。例えば、大当り種別と遊技状態とに応じて変動パターン種別の決定割合を異ならせてもよい。また、大当り種別とは無関係に、遊技状態に応じて変動パターン種別の決定割合を異ならせてもよい。また、大当り種別や遊技状態に関係しない共通の決定割合により変動パターン種別を決定してもよい。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bと、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ここで、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bは、例えば遊技状態が、低確低ベース状態又は低確高ベース状態(本実施形態では低確高ベース状態とはならないので低確低ベース状態)であるときに使用テーブルとして選択される。これに対して、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cは、例えば遊技状態が高確低ベース状態又は高確高ベース状態(本実施形態では高確低ベース状態とはならないので高確高ベース状態)であるときに使用テーブルとして選択される。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bとハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cとでは、決定値が割り当てられている変動パターン種別の種類や、同一の変動パターン種別に割り当てられている決定値の数を異ならせている。これにより、ある遊技状態であるときに他の遊技状態であるときとは異なる変動パターン種別に決定することができる。また、遊技状態に応じた決定割合で変動パターン種別を決定することができる。
図10は、ROM101に記憶される変動パターン決定テーブル133の構成例を示している。変動パターン決定テーブル133は、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。変動パターン決定テーブル133では、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値が、単一又は複数の変動パターンに割り当てられている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。即ち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM102の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態即ち遊技制御手段の制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図11に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図11に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過して始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特図ゲームの保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データ等を保留データとして、その記憶数が所定の上限値に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果に基づき所定の遊技価値が付与されるか否か等を判定可能にする保留記憶情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過して始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特図ゲームの保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データ等を保留データとして、その数が所定の上限値に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果に基づき所定の遊技価値が付与されるか否か等を判定可能にする保留記憶情報となる。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データ等を保留データとして、その数が所定の上限値に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部又は全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR1〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理等を実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線等が接続されている。更に、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124等により、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブル等が格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータ等が記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出等における演出表示操作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
図12(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。特図変動時演出制御パターンや各種演出制御パターンといった、それぞれの演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部又は外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データ等が、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用CPU120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値であって、各演出動作の実行期間に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されることといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。即ち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。即ち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。即ち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えばスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bといった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。即ち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図12(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させると共に、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うと共に、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータが設定されてもよい。
図12(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するとき等に、変動パターン指定コマンドに示された変動パターン等に基づいて演出制御パターンをセットする。また、演出制御用CPU120は、例えば予告演出又は大当り中演出といった所定演出の実行を開始するとき等に、対応する演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新される毎に、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#nの内容に従って、演出装置の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜演出制御プロセスタイマ判定値#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13等に対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させること等により展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13等では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させること等により展開させる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図13(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図13(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態等といった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作等といった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施形態では、図13(B1)に示す第1始動入賞時コマンドバッファ194Aと、図13(B2)に示す第2始動入賞時コマンドバッファ194Bとを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。第1始動入賞時コマンドバッファ194Aには、第1特図保留記憶数の最大値に対応した格納領域が設けられている。第2始動入賞時コマンドバッファ194Bには、第2特図保留記憶数の最大値に対応した格納領域が設けられている。
第1始動入賞口への始動入賞があったときには、第1保留記憶数通知コマンドや入賞時判定結果指定コマンドといった複数のコマンドが1セットとなり、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第2始動入賞口への始動入賞があったときには、第2保留記憶数通知コマンドや入賞時判定結果指定コマンドといった複数のコマンドが1セットとなり、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第1始動入賞時コマンドバッファ194Aには、第1始動入賞の発生に対応して送信された1セットのコマンドを対応付けて記憶できるように格納領域が確保されている。第2始動入賞時コマンドバッファ194Bには、第2始動入賞の発生に対応して送信された1セットのコマンドを対応付けて記憶できるように格納領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時に受信したコマンドを、その受信順序に従って第1始動入賞時コマンドバッファ194A又は第2始動入賞時コマンドバッファ194Bの空き領域に格納していく。例えば、第1始動入賞に基づく第1始動入賞時コマンドバッファ194Aのバッファ番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭に、第1保留記憶数通知コマンド、入賞時判定結果指定コマンドの順番で格納していく。一方、第2始動入賞に基づく第2保留記憶数通知コマンド及び入賞時判定結果指定コマンドを受信したときには、第2始動入賞時コマンドバッファ194Bのバッファ番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭に、第2保留記憶数通知コマンド、入賞時判定結果指定コマンドの順番で格納していく。
第1始動入賞や第2始動入賞の発生時には、保留記憶数通知コマンド、入賞時判定結果指定コマンドの順にコマンド送信が行われる。したがって、コマンド受信が正常に行われれば、図13(B1)及び(B2)に示すようなバッファ番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、保留記憶数通知コマンド、入賞時判定結果指定コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図13(B1)ではバッファ番号「1」及び「2」に対応する格納領域にてコマンドが格納され、図13(B2)ではバッファ番号「1」〜「3」に対応する格納領域にてコマンドが格納されている。
第1始動入賞時コマンドバッファ194Aや第2始動入賞時コマンドバッファ194Bに格納されているコマンドは、飾り図柄の可変表示を開始する毎に、1つ目の格納領域に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば図13(B1)に示す格納状態において第1特図を用いた特図ゲームの開始に対応して新たな飾り図柄の可変表示が開始された場合には、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域に格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされると共に、バッファ番号「3」や「4」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」や「3」のそれぞれに対応した領域にシフトされる。
図13(B2)に示す第2始動入賞時コマンドバッファ194Bのうち、バッファ番号「3」に対応した領域については、第2保留記憶数通知コマンドにより通知された第2特図保留記憶数が「1」となり不整合が生じた場合の例が示されている。即ち、第2保留記憶数通知コマンドで通知された第2特図保留記憶数よりもバッファ番号の方が大きな値になっており、主基板11から通知された第2特図保留記憶数が第2始動入賞時コマンドバッファ194Bの記憶内容から特定される第2特図保留記憶数と矛盾している。なお、飾り図柄の可変表示が開始されるときには各コマンドのシフトが行われることから、保留記憶数通知コマンドで通知された特図保留記憶数よりもバッファ番号が小さな値になっても直ちに矛盾とはならない。但し、コマンドの受信時点における相違は矛盾となり得る。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTCのレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間毎にCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図14のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図14に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23A,23Bといった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7A,7Bにおける大入賞口の開閉動作設定等を、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定等を可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12等のサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすること等により、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図15は、図14に示すステップS15にて実行される特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図16は、図15のステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
図16に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;YES)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;NO)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;NO)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;YES)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;YES)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;NO)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS208)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否か、更には可変表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を決定するために用いられる。変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが属する変動パターン種別を決定するために用いられる。CPU103は、ステップS209の処理を実行することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果や可変表示時間を含む可変表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部又は全部を示す数値データを抽出する。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた保留記憶数通知コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納すること等により、演出制御基板12に対して第1保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納すること等により、演出制御基板12に対して第2保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図14に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されること等により、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS211の処理に続いて、ステップS209の処理により抽出した数値データに示される特図表示結果決定用の乱数値MR1が、予め設定した複数の数値範囲のいずれに含まれるかを判定する(ステップS212)。本実施形態では、複数の数値範囲として、「8001〜8437」の範囲、「8438」〜「11277」の範囲、及びこれら以外の範囲が予め設定されている。一例として、ステップS212の処理では、それぞれの数値範囲における最小値と最大値とを設定して、ステップS209の処理により抽出した乱数値MR1との比較により、いずれの数値範囲内に含まれるかを判定できればよい。
ステップS212の処理を実行した後には、入賞時判定結果指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS213)。図17は、ステップS213の処理にて送信設定が行われる入賞時判定結果指定コマンドの構成例を示している。図17に示す入賞時判定結果指定コマンドでは、ステップS209の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1が複数の数値範囲のいずれに含まれるかの判定結果に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド9500Hは、乱数値MR1が「8001」〜「8437」の範囲内に含まれることを示す入賞時判定結果第1指定コマンドである。コマンド9501Hは、乱数値MR1が「8438」〜「11277」の範囲内にあることを示す入賞時判定結果第2指定コマンドである。コマンド9502Hは、乱数値MR1が上記以外の範囲内に含まれることを示す入賞時判定結果第3指定コマンドである。
本実施形態では、図7に示すように、パチンコ遊技機1において確変制御が行われているか否かにかかわらず、乱数値MR1が「8001」〜「8437」の値のいずれかであれば、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、入賞時判定結果第1指定コマンドは、遊技状態が確変状態であるか否かにかかわらず可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御すると決定されることを、演出制御基板12の側において特定可能となるように指定する。乱数値MR1が「8438」〜「11277」の値のいずれかであれば、パチンコ遊技機1において確変制御が行われている場合に限り、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、入賞時判定結果第2指定コマンドは、遊技状態が確変状態であるときに可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御すると決定されることを、演出制御基板12の側において特定可能となるように指定する。入賞時判定結果第3指定コマンドは、可変表示結果が「ハズレ」となり大当り遊技状態には制御しないと決定されることを、演出制御基板12の側において特定可能となるように指定する。
ステップS213の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS214)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS214;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS216)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
こうした始動入賞判定処理では、ステップS211の処理を実行した後に、ステップS213の処理を実行する。これらの処理が実行されてから、図14に示すステップS17のコマンド制御処理を実行することにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、保留記憶数通知コマンド及び入賞時判定結果指定コマンドという2つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込み内に一括して送信される。なお、1タイマ割込み内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込み毎にステップS17のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
図15のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無等に基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定する。更に、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に基づき、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理等が含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や特別図柄及び飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが決定される。即ち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理等が含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行される毎に、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動時間タイマの格納値である特図変動時間タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定等が行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、演出制御基板12の側において実行されるファンファーレ演出(大当り遊技状態の開始を報知する演出、大当り開始時演出ともいう)の実行時間の終了までの待ち時間(大当り開始時演出待ち時間)が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理等が含まれている。大入賞口を開放状態とするための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23A,23Bによって検出された遊技球の個数等に基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理等が含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82A,82Bに対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理等を実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に当り終了コマンドを送信するための設定を行う処理等が含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出制御基板12の側において実行されるエンディング演出(大当り遊技状態の終了を報知する演出、大当り終了時演出ともいう。)の実行時間の終了までの待ち時間(大当り終了時演出待ち時間)が経過するまで待機する処理や、確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理等が含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図18は、図15のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS213の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;NO)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新すると共に、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリに記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;YES)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;NO)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新すると共に、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリに記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、特図表示結果決定テーブル130を選択してセットする(ステップS239)。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」又は「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。このときには、例えば遊技制御フラグ設定部152等に設けられた確変フラグ(後述)の状態を確認すること等により、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態であるか否かを特定すればよい。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;YES)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データが「第1大当り」又は「第2大当り」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種類のいずれとするかを決定する(ステップS244)。
ステップS244の処理にて決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの値を設定すること等により(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「第1大当り」であれば大当り種別バッファ値を「1」とし、「第2大当り」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合や(ステップS241;NO)、ステップS245の処理を実行した後には、大当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、更には、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」又は「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。即ち、大当り種別を「第1大当り」とする決定結果に応じて、6R大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「第2大当り」とする決定結果に応じて、16R大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS246にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;YES)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示すること等によるデモンストレーション表示を指定する演出制御コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図19は、図15のステップS111にて実行される変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;YES)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを選択してセットする(ステップS262)。また、例えば遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み取ること等により、大当り種別が「第1大当り」又は「第2大当り」のいずれであるかを特定する(ステップS263)。
ステップS261で大当りフラグがオフであるときには(ステップS261;NO)、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグ(後述)がオンであるか否かを判定すること等により、時短制御中であるか否かを判定する(ステップS264)。時短制御中ではないときには(ステップS264;NO)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bを選択してセットする(ステップS265)。ステップS264にて時短制御中である場合には(ステップS264;YES)、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cを選択し、変動パターン種別を決定するための使用テーブルにセットする(ステップS266)。なお、ステップS265、S266の処理のいずれかを実行したときには、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値を読み取ること等により、合計保留記憶数を特定するとよい。
ステップS263、S265、S266の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファ等に格納されている変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データ等に基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン種別決定テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS267)。
即ち、大当りフラグがオンであるときには、ステップS262にて選択された大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを構成するテーブルデータのうちから、ステップS263の処理により特定された大当り種別に対応するテーブルデータを選択し、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターン種別を決定する。
大当りフラグがオフであるときには、ステップS265にて選択されたハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132B、又は、ステップS265にて選択されたハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cのうちから、合計保留記憶数に対応するテーブルデータを選択し、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターン種別を決定する。
ステップS267にて変動パターン種別を決定した後には、変動パターン決定テーブル133を選択し、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS268)。続いて、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データに基づき、ステップS268でセットした変動パターン決定テーブル133を参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS269)。
変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データは、ステップS269の処理が実行されるときに乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタ等から抽出されてもよいし、第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過した遊技球が検出された始動入賞時に抽出されたものを、乱数値MR1〜MR3と共に、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bにおける保留情報として記憶しておいてもよい。
ステップS269にて変動パターンを決定した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS270)。具体的には、CPU103は、特図変動時間タイマのタイマ初期値として、ステップS269にて決定された変動パターンに応じた特図変動時間をセットすればよい。なお、特図変動時間タイマのタイマ値は、タイマ割込み毎に1減算するようにしているため、タイマ初期値としてセットする値は、割込周期Tに基づく値となる。例えば、割込周期がTmsであれば、1秒間の割込みの発生回数は1000/T(回)であるため、1秒間のタイマ初期値は1000/Tとなる。例えば、割込周期Tが4msであれば、1秒間のタイマ初期値は「250」となる。なお、主基板11側の他の各タイマ(例えば、特図確定表示時間タイマ等)のタイマ初期値や演出制御基板12の各タイマ(例えば、報知制限時間タイマ等)のタイマ初期値についても同様である。
ステップS270の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS271)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS271の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS272)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS273)、変動パターン設定処理を終了する。
図20は、図15のステップ113にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152等に設けられた特図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。ここで、特図確定表示中フラグは、特図ゲームにおける可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されたことに対応して、ステップS295の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS291にて特図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS291;NO)、CPU103は、確定特別図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS292)。続いて、CPU103は、図柄確定指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS293)。続いて、CPU103は、確定特別図柄の停止表示時間である特図確定表示時間を設定する(ステップS294)。具体的には、CPU103は、遊技制御タイマ設定部153に設けられている特図確定表示時間タイマの格納値である特図確定表示時間タイマ値のタイマ初期値として、所定の特図確定表示時間をセットすればよい。なお、本実施形態では、変動パターンに関係する時間が特図変動時間であり、特図確定表示時間は変動パターンに関係しない時間(例えば、一定時間)としているが、特図変動時間に加えて特図確定表示時間も変動パターンに関係する時間としてもよい。例えば、特図変動時間と特図確定表示時間との合計時間が変動パターンに応じた時間とし、変動パターンに応じて特図変動時間タイマのタイマ初期値と特図確定表示時間タイマのタイマ初期値をセットしてもよい。
ステップS294の処理に続いて、CPU103は、特図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS295)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS291にて特図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS291;YES)、特図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS296)。ステップS296の処理では、例えば、ステップS294にてタイマ初期値がセットされた特図変動時間タイマがタイムアウトしたか否か(特図変動時間タイマ値が0となったか否か)を判定すればよい。ステップS296にて特図確定表示時間が経過していなければ(ステップS296;NO)、特別図柄停止処理を終了することで、特図確定表示時間が経過するまで待機する。
ステップS296にて特図確定表示時間が経過したときには(ステップS296;YES)、特図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS297)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(S298)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS298;YES)、大当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS299)。具体的には、遊技制御タイマ設定部153に設けられている大当り開始時演出待ち時間タイマの格納値である大当り開始時演出待ち時間タイマ値のタイマ初期値として、所定の大当り開始時演出待ち時間をセットすればよい。
ステップS299の処理に続いて、CPU103は、当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS300)。例えば、ステップS300の処理では、大当り種別バッファ値に応じた当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された当り開始指定コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。
ステップS300の処理に続いて、CPU103は、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS301)。続いて、CPU103は、例えば遊技制御フラグ設定部152等に設けられた大当り開始時フラグをオン状態にセットする(ステップS302)。続いて、CPU103は、時短状態や確変状態を終了するための設定を行う(ステップS303)。ステップS303の処理では、例えば、遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグや確変フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた時短回数カウンタをクリアして時短回数カウント値を「0」に初期化する処理や、確変回数カウンタをクリアして確変回数カウント値を「0」に初期化する処理等が実行されればよい。
本実施形態では、時短フラグは、高開放制御及び時短制御が行われる時短状態に制御されるときにオン状態にセットされ、時短状態が終了するときにクリアされてオフ状態となる。即ち、時短フラグがオン状態であることは遊技状態が時短状態であることを示し、高開放制御と時短制御が行われる。また、確変フラグは、確変制御が行われる確変状態に制御されるときにオン状態にセットされ、確変状態が終了するときにクリアされてオフ状態となる。即ち、確変フラグがオン状態であることは遊技状態が確変状態であることを示し、確変制御が行われる。また、時短回数カウンタは、時短制御や高開放制御が行われる特図ゲームの残り回数をカウントするためのカウンタである。確変回数カウンタは、確変制御が行われる特図ゲームの残り回数をカウントするためのカウンタである。
ステップS303の処理に続いて、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS304)。これにより、パチンコ遊技機1における遊技状態の変化(遷移)を演出制御基板12の側に通知することができる。なお、本実施形態では遊技状態が変化した場合でも変化しなかった場合でも遊技状態指定コマンドを送信するようにしているが、遊技状態が変化した場合(例えば、時短状態や確変状態から通常状態に変化した場合等)に限って遊技状態指定コマンドを送信するようにしてもよい。なお、演出制御基板12の側では、主基板11から送信された遊技状態指定コマンドの内容から現在の遊技状態を特定(遊技状態が変化したことの特定も含む)するが、遊技状態指定コマンドに代えて当り開始指定コマンドを受信したことにより現在の遊技状態を特定してもよい。この場合には、ステップS304の処理等により遊技状態指定コマンドが送信されなくてもよい。
次に、CPU103は、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の回数をカウントするためのラウンド数の値を1に初期化する(ステップS304A)。その後、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS305)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS298にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS298;NO)、時短状態や確変状態を終了させるか否かの判定を行う(ステップS306)。例えば、ステップS306の処理では、時短フラグがオンであるときに、時短回数カウンタの格納値である時短回数カウント値を、例えば1減算して更新する。更新後の時短回数カウント値が時短終了判定値(例えば「0」)と合致するか否かの判定を行う。更新後の時短回数カウント値が時短終了判定値と合致しない場合には時短状態を終了させないと判定し、合致した場合には時短状態を終了させると判定してもよい。また、ステップS306の処理では、確変フラグがオンであるときに、確変回数カウンタの格納値である確変回数カウント値を、例えば1減算して更新する。更新後の確変回数カウント値が確変終了判定値(例えば「0」)と合致するか否かの判定を行う。更新後の確変回数カウント値が確変終了判定値と合致しない場合には確変状態を終了させないと判定し、合致した場合には確変状態を終了させると判定してもよい。なお、時短状態を終了させると判定した場合には、時短フラグをクリアしてオフ状態とし、時短状態(時短制御、高開放制御)を終了させる。また、確変状態を終了させると判定した場合には、確変フラグをクリアしてオフ状態とし、確変状態(確変制御)を終了させる。なお、本実施形態では、パチンコ遊技機1は、低確低ベース状態又は高確高ベース状態のいずれかの遊技状態になるものとしているため、時短フラグがオンであるときには確変フラグがオンとなり、時短フラグがオフであるときには確変フラグがオフとなり、確変フラグがオンであるときには時短フラグがオンとなり、確変フラグがオフであるときには時短フラグがオフとなるように、確変回数カウンタに設定する初期値と時短回数カウンタに設定する初期値とを同じ値(例えば、100回)にしている(大当り終了処理のステップS322、S323)。
ステップS306の処理に続いて、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS307)。これにより、パチンコ遊技機1における遊技状態の変化(遷移)を演出制御基板12の側に通知することができる。なお、本実施形態では遊技状態が変化した場合でも変化しなかった場合でも遊技状態指定コマンドを送信するようにしているが、遊技状態が変化した場合(例えば、時短状態や確変状態から通常状態に変化した場合等)に限って遊技状態指定コマンドを送信するようにしてもよい。なお、演出制御基板12の側では、主基板11から送信された遊技状態指定コマンドの内容から現在の遊技状態を特定(遊技状態が変化したことの特定も含む)するが、これに代えて主基板11の側とは独立して演出制御基板12の側で可変表示の実行回数をカウントすること等により現在の遊技状態を特定できるようにしてもよい。この場合には、ステップS307の処理等により遊技状態指定コマンドが送信されなくてもよい。その後、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS308)、特別図柄停止処理を終了する。
図21は、図15のステップS114にて実行される大当り開放前処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す大当り開放前処理において、CPU103は、まず、大当り開始時フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS131)。ここで、大当り開始時フラグは、図15に示すステップS113の特別図柄停止処理にて、大当りフラグがオンであることに対応してオン状態にセットされる。
ステップS131にて大当り開始時フラグがオンでなければ(ステップS131;NO)、大入賞口判定処理(図24参照)を実行し(ステップS220)、ステップS138に進む。このように、ステップS115の大当り開放中処理に加え、ステップS114の大当り開放後処理においても大入賞口判定処理を実行することにより、入賞上限判定値を超える入賞(オーバー入賞)を好適に検出することができる。例えば、次回開放待機中(ステップS138(YES)である間)においてオーバー入賞を好適に検出することができる。なお、大入賞口判定処理については後述する。
ステップS131にて大当り開始時フラグがオンであれば(ステップS131;YES)、大当り開始時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS132)。ステップS132の処理では、例えば、特別図柄停止処理のステップS299にてタイマ初期値がセットされた大当り開始時演出待ち時間タイマがタイムアウトしたか否か(大当り開始時演出待ち時間タイマ値が0となったか否か)を判定すればよい。
大当り開始時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS132;NO)、大当り開放前処理を終了する。大当り開始時演出待ち時間が経過していれば(ステップS132;YES)、CPU103は、大当り開始時フラグをクリアする(ステップS134)。続いて、CPU103は、大入賞口開放回数カウンタをクリアする(ステップS135)。具体的には、大入賞口開放回数カウント値を「1」に初期化する。続いて、CPU103は、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出す(ステップS136)。
ステップS136の処理に続いて、ステップS136にて読み出した大当り種別バッファ値に対応した開放制御パターンを設定する(ステップS137)。このときには、例えば図22(A)に示すように、大当り種別バッファ値が「1」であれば、開放KP1の開放制御パターンを設定する。これに対して、大当り種別バッファ値が「2」であれば、開放KP2の開放制御パターンを設定する。
ステップS137の処理又はステップS220の処理に続いて、CPU103は、次回開放待機中であるか否かを判定する(ステップS138)。即ち、次回ラウンドとして大入賞口を開放するまでのインターバル期間中であるか否かを判定する。このようなインターバル期間は、各回のラウンド遊技を明確に区切るために必要不可欠である。ステップS138の処理では、例えば、大当り開放後処理のステップS366にてタイマ初期値がセットされたラウンド開始待ち時間タイマがタイムアウトしたか否か(ラウンド開始待ち時間タイマ値が0となったか否か)を判定すればよい。次回開放待機中であれば(ステップS138;YES)、即ちインターバル期間が終了していない場合には、大当り開放前処理を終了する。
一方、次回開放待機中でなければ(ステップS138;NO)、即ちインターバル期間が終了した場合には、CPU103は、ラウンド数が5であるか否かを判断し(ステップS139A)、ラウンド数が5でなければ特別可変入賞球装置7Aの第1大入賞口の開放の開始を制御し(ステップS139B)、ラウンド数が5であれば特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口の開放の開始を制御する(ステップS139C)。例えば、CPU103は、ステップS137にて設定した開放制御パターンと大入賞口開放回数カウンタにおけるカウント値に基づいて大入賞口を開放状態とする開放時間を設定するとともに、大入賞口が開放状態になるように設定する。具体的には、ステップS139BおよびステップS139Cの処理では、CPU103は、遊技制御タイマ設定部153に設けられている開放時間タイマの格納値である開放時間タイマ値のタイマ初期値としてステップS137にて設定した開放制御パターンの大入賞口開放時間(開放状態とする上限時間)をセットすればよい。例えば図22(B)に示した開放KP1の開放制御パターンが設定された場合には、大入賞口開放回数カウンタのカウント値が「1」〜「6」のときにおいてのみ、タイマ初期値として29.5秒をセットし、また例えば図22(B)に示した開放KP2の開放制御パターンが設定された場合には、大入賞口開放回数カウンタのカウント値が「1」〜「16」のいずれのときにおいても、タイマ初期値として29.5秒をセットすればよい。また、ステップS139BおよびステップS139Cの処理では、それぞれ、例えば所定のソレノイド回路を介して所定の大入賞口扉用のソレノイド82A,82Bに対するソレノイド駆動信号が出力開始とされること等により、大入賞口を開放状態とするための大入賞口扉用のソレノイド82A,82Bをオン状態に設定すればよい。
ステップS139BおよびステップS139Cの処理に続いて、CPU103は、演出制御基板12に対して大入賞口開放中通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS140)。続いて、CPU103は、特図プロセスフラグの値を大当り開放中処理に対応した値である“5”に更新してから(ステップS141)、大当り開放前処理を終了する。
図23は、図15のステップS115にて実行される大当り開放中処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す大当り開放中処理において、CPU103は、まず、大入賞口開放上限時間が経過したか否かを判定する(ステップS121)。大入賞口開放上限時間が経過していなければ(ステップS121;NO)、大入賞口判定処理を実行する(ステップS220)。図24は、図21の大当り開放前処理(ステップS114)、図23の大当り開放中処理(ステップS115)、図25の大当り開放後処理(ステップS116)、図26の大当り終了処理(ステップS117)にて実行される大入賞口判定処理の一例を示すフローチャートである。
図24に示す大入賞口判定処理において、CPU103は、まず、カウントスイッチ23A,23Bから伝送された検出信号がオン状態となったか否かを判定する(ステップS221)。カウントスイッチ23A,23Bがオンでない場合(ステップS221;NO)には、CPU103は、実行する処理をステップS225に進める。
カウントスイッチ23A,23Bがオンである場合には(ステップS221;YES)、演出制御基板12に対して大入賞口への遊技球の入賞を通知するための大入賞口入賞通知コマンドの送信設定が行われる(ステップS222)。続いて、特図プロセスフラグの値が大当り開放中処理に対応した値である“5”であるか否かを判定する(ステップS223)。特図プロセスフラグの値が大当り開放中処理に対応した値である“5”でなければ(ステップS223;NO)、CPU103は、実行する処理をステップS225に進める。
特図プロセスフラグの値が大当り開放中処理に対応した値である“5”であれば(ステップS223;YES)、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた入賞個数カウンタの格納値である入賞個数カウント値を1加算するように更新する(ステップS224)。そして、CPU103は、実行する処理をステップS225に進める。なお、入賞個数カウント値は、1回のラウンド遊技が実行される間にカウントスイッチ23A,23Bにより検出された遊技球の個数を示すものであればよい。
ステップS225においては、CPU103は、特別領域スイッチ24がオン状態となったか否かを判定する。特別領域スイッチ24がオン状態でない(ステップS225でNO)と判定した場合、CPU103は、大入賞口判定処理を終了する。
一方、特別領域スイッチ24がオン状態である(ステップS225でYES)と判定した場合、CPU103は、大当り遊技状態に確変状態を継続させることを示す確変継続フラグをオン状態にする(ステップS226)。そして、CPU103は、演出制御基板12に対して特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口の特別領域を遊技球が通過したことを通知するための特別領域通過通知コマンドの送信設定を行う(ステップS227)。その後、CPU103は、大入賞口判定処理を終了する。
図23に戻る。図24に示した大入賞口判定処理に続いて、入賞個数カウント値が予め定められた入賞上限判定値(本実施形態では「10」)に達したか否かを判定する(ステップS126)。入賞上限判定値に達していなければ(ステップS126;NO)、大当り開放中処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの値が更新されないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放中処理が再び実行される。
一方、ステップS121にて大入賞口開放上限時間が経過した場合や(ステップS121;YES)、ステップS126にて入賞上限判定値に達したと判定された場合には(ステップS126;YES)、今回のラウンド遊技を終了すると判断して、開放状態となっている大入賞口を閉鎖状態に戻すための開放終了制御が行われる(ステップS127)。このときには、ソレノイド82A,82Bに対する駆動信号の送信を停止するための設定が行われればよい。
ステップS127の処理に続いて、入賞個数カウンタをクリアして入賞個数カウント値を「0」に初期化する(ステップ128)。そして、特図プロセスフラグの値を大当り開放後処理に対応した“6”に更新してから(ステップS129)、大当り開放中処理を終了する。
図25は、図15のステップS116にて実行される大当り開放後処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す大当り開放後処理において、CPU103は、まず、図24に示した大入賞口判定処理を実行する(ステップS220)。このように、ステップS115の大当り開放中処理に加え、ステップS116の大当り開放後処理においても大入賞口判定処理を実行することにより、入賞上限判定値を超える入賞(オーバー入賞)を好適に検出することができる。
図24に示した大入賞口判定処理を実行した後には、CPU103は、大入賞口開放回数カウント値が1加算されるように更新する(ステップS364)。続いて、更新後の大入賞口開放回数カウント値が最大値となったか否かを判定する(ステップS365)。
なお、ステップS365の上記「最大値」は更新後の大入賞口開放回数カウント値と比較されるものであり、また大入賞口開放回数カウント値の初期値は「1」であるため、上記「最大値」は、ラウンドの上限回数に1を加算した数である。例えば、ラウンドの上限回数が6回である第1大当りの場合には上記「最大値」は「7」、ラウンドの上限回数が16回である第2大当りの場合には上記「最大値」は「17」である。なお、更新後の大入賞口開放回数カウント値ではなく更新前の大入賞口開放回数カウント値と「最大値」とを比較してもよく、更新前の大入賞口開放回数カウント値と比較する場合には「最大値」をラウンドの上限回数とすればよい。
大入賞口開放回数カウント値が最大値以外であれば(ステップS365;NO)、ラウンド開始待ち時間(インターバル時間)を設定する(ステップS366)。具体的には、CPU103は、遊技制御タイマ設定部153に設けられているラウンド開始待ち時間タイマの格納値であるラウンド開始待ち時間タイマ値のタイマ初期値として、所定のラウンド開始待ち時間をセットすればよい。続いて、CPU103は、演出制御基板12に対して大入賞口開放後通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS367)。次に、CPU103は、ラウンド数の値を1加算する(ステップS367A)。ステップS367Aの処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS368)、大当り開放後処理を終了する。こうして、ステップS365の処理により更新後の大入賞口開放回数カウント値が最大値であると判定されるまでは、図15に示すステップS114〜S116の処理を繰り返し実行することにより、大当り遊技状態にて大入賞口を開放状態とする複数回のラウンドを実行させることができる。また、ステップS366の処理にてラウンド開始待ち時間を設定することにより、当該ラウンド開始待ち時間が経過するまで図15に示すステップS114の処理にて次回開放待機中となるため(ステップS138;YES)、所望のインターバル期間を置いて次のラウンドを開始させることができる。
ステップS365にて大入賞口開放回数カウント値が最大値であるときには(ステップS365;YES)、大当り終了時演出待ち時間を設定する(ステップS369)。具体的には、遊技制御タイマ設定部153に設けられている大当り終了時演出待ち時間タイマの格納値である大当り終了時演出待ち時間タイマ値のタイマ初期値として、所定の大当り終了時演出待ち時間をセットすればよい。続いて、演出制御基板12に対して当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS370)。その後、特図プロセスフラグの値を大当り終了処理に対応した値である“7”に更新してから(ステップS371)、大当り開放後処理を終了する。このように、ステップS369の処理にて大当り終了時演出待ち時間を設定することにより、図15に示すステップS117の処理にて、演出制御基板12の側において実行されるエンディング演出の終了に応じて、図15に示すステップS110の特別図柄通常処理を実行させることができる。
図26は、図15のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(S321)。ステップS321の処理では、例えば、大当り開放後処理のステップS369にてタイマ初期値がセットされた大当り終了時演出待ち時間タイマがタイムアウトしたか否か(大当り終了時演出待ち時間タイマ値が0となったか否か)を判定すればよい。ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS321;NO)、図24に示した大入賞口判定処理を実行し(ステップS220)、大当り終了処理を終了する。このように、ステップS115の大当り開放中処理に加え、ステップS117の大当り終了処理においても大入賞口判定処理を実行することにより、入賞上限判定値を超える入賞(オーバー入賞)について好適に検出することができる。
ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS321;YES)、CPU103は、確変継続フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS321A)。確変継続フラグがオン状態でない(ステップS321AでNO)と判定された場合、CPU103は、大当り終了処理を終了する。一方、確変継続フラグがオン状態である(ステップS321AでYES)と判定された場合、CPU103は、確変制御を開始するための設定を行う(ステップS322)。具体的には、ステップS322の処理では、確変フラグをオン状態にセットし、確変制御を実行可能な特図ゲームの上限値に相当する初期値(例えば、100回)を確変回数カウンタに設定する。
ステップS322の処理に続いて、時短制御や高開放制御を開始するための設定を行う(ステップS323)。具体的には、ステップS323の処理では、時短フラグをオン状態にセットし、時短制御や高開放制御を実行可能な特図ゲームの上限値に相当する初期値(例えば、100回)を時短回数カウンタに設定する。
ステップS322の処理に続いて、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS324)。これにより、パチンコ遊技機1において大当り遊技状態が終了した後の遊技状態を、演出制御基板12の側に対して通知することができる。その後、特図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS325)、大当り終了処理の実行を終了する。
なお、大当り終了処理により高開放制御を開始するための設定が行われた場合、図14に示すステップS16の普通図柄プロセス処理では、高開放制御を行うための処理が実行される。例えば、時短フラグがオンである場合には時短フラグがオンでない場合よりも普図表示結果を「普図当り」とする決定が成される割合が高くなるようにしてもよい。一例として、時短フラグがオンである場合に参照する「普図当り」に割り当てられている決定値(普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データと比較される値)の数が、時短フラグがオンでない場合に参照する「普図当り」に割り当てられている決定値(普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データと比較される値)の個数よりも多い、普図表示結果決定テーブルを用いることにより、時短フラグがオンである場合には時短フラグがオンでない場合よりも普図表示結果を「普図当り」とする決定が成される割合が高くなるようにしてもよい。また例えば、時短フラグがオンである場合には時短フラグがオンでない場合よりも普通図柄の可変表示時間が短くなるようにしてもよい。また、時短フラグがオンである場合には時短フラグがオンでない場合よりも傾動制御時間や傾動制御回数が増加するようにしてもよい。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図27のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図27に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTCのレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間が経過する毎にオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;NO)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過する毎に発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目と2バイト目を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;YES)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にすると共に(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御等が行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定等が行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図28及び図29は、図27のステップS74にて実行されるコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。図28に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認すること等により、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS501)。受信コマンドがなければ(ステップS501;NO)、コマンド解析処理を終了する。
受信コマンドがある場合には(ステップS501;YES)、演出制御用CPU120は、例えば受信コマンドのMODEデータを確認すること等により、その受信コマンドが大入賞口入賞通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS502)。大入賞口入賞通知コマンドであるときには(ステップS502;YES)、演出制御用CPU120は、演出制御カウンタ設定部193に設けられている大入賞口入賞回数カウンタの格納値である大入賞口入賞回数カウント値を1加算するように更新する(ステップS504)。大入賞口入賞回数カウント値は、ラウンドが実行されてから、次のラウンドが実行されるまでの間に、大入賞口に遊技球が入賞した回数を示すものである。
ステップS504に続いて、演出制御用CPU120は、オーバー入賞であるか否かを判定する(ステップS505)。例えば、更新後の大入賞口入賞回数カウント値が予め定められたオーバー入賞判定値(図23に示した大当り開放中処理のステップS123の処理にて用いる入賞上限判定値よりも1大きい値。本実施形態では入賞上限判定値は「10」であるためオーバー入賞判定値は「11」)となったか否かを判定すればよい。オーバー入賞でなければ(ステップS505;NO)、コマンド解析処理を終了する。オーバー入賞であれば(ステップS505;YES)、演出制御用CPU120は、演出制御カウンタ設定部193に設けられている累積オーバー入賞球数カウンタの格納値である累積オーバー入賞球数カウント値を1加算するように更新し(ステップS506)、コマンド解析処理を終了する。累積オーバー入賞球数カウント値は、最初の大当り(初当り)のラウンドが実行されてから、大当りの終了後に低確低ベース状態になるまでの間におけるオーバー入賞の累積球数を示すものであればよい。即ち、連荘中にオーバー入賞した累積球数を示すものであればよい。
ステップS502にて受信コマンドが大入賞口入賞通知コマンドでないときには(ステップS502;NO)、演出制御用CPU120は、その受信コマンドが大入賞口開放中通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS508)。大入賞口開放中通知コマンドであるときには(ステップS508;YES)、大入賞口開放中フラグをセットし(ステップS509)、大入賞口入賞回数カウンタをクリアして大入賞口入賞回数カウント値を「0」に初期化する(ステップS510)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS508にて受信コマンドが大入賞口開放中通知コマンドでないときには(ステップS508;NO)、演出制御用CPU120は、その受信コマンドが大入賞口開放後通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS511)。大入賞口開放後通知コマンドであるときには(ステップS511;YES)、大入賞口開放後フラグをセットし(ステップS512)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS511にて受信コマンドが大入賞口開放後通知コマンドでないときには(ステップS511;NO)、図29に示すように、演出制御用CPU120は、その受信コマンドが当り開始指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS515)。当り開始指定コマンドであるときには(ステップS515;YES)、当り開始指定コマンド受信フラグをセットし(ステップS516)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS515にて受信コマンドが当り開始指定コマンドでないときには(ステップS515;NO)、演出制御用CPU120は、その受信コマンドが当り終了指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS517)。当り終了指定コマンドであるときには(ステップS517;YES)、当り終了指定コマンド受信フラグをセットし(ステップS518)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS517にて受信コマンドが当り終了指定コマンドでないときには(ステップS517;NO)、演出制御用CPU120は、その受信コマンドが遊技状態指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS519)。遊技状態指定コマンドであるときには(ステップS519;YES)、受信した遊技状態指定コマンドの内容に基づいて、高確フラグ及び高ベースフラグのオン状態・オフ状態を切り替える(ステップS520)。高確フラグは、例えば演出制御フラグ設定部191に設けられ、確変状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の確変フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。高ベースフラグは、例えば演出制御フラグ設定部191に設けられ、時短状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の時短フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。具体的には、演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドが高確高ベース状態を指定するものである場合、高確フラグ及び高ベースフラグの両者をオン状態にする。遊技状態指定コマンドが高確低ベース状態を指定するものである場合、高確フラグをオン状態とし、高ベースフラグをオフ状態にする。遊技状態指定コマンドが低確高ベース状態を指定するものである場合、高確フラグをオフ状態とし、高ベースフラグをオン状態にする。遊技状態指定コマンドが低確低ベース状態を指定するものである場合、高確フラグ及び高ベースフラグを共にオフ状態にする。なお、本実施形態では、パチンコ遊技機1は、低確低ベース状態又は高確高ベース状態のいずれかの遊技状態になるため、受信する遊技状態指定コマンドは、低確低ベース状態を指定する遊技状態指定コマンドか高確高ベース状態を指定する遊技状態指定コマンドのいずれかである。
ステップS520の処理に続いて、演出制御用CPU120は、高確フラグ及び高ベースフラグが両方共にオフ状態になったか否かを判定する(ステップS521)。即ち、高確フラグも高ベースフラグもいずれもオフ状態であるか否かを判定する。両方共にオフ状態になっていなければ(ステップS521;NO)、即ち少なくとも一方がオン状態であれば、コマンド解析処理を終了する。両方共にオフ状態になっていれば(ステップS521;YES)、累積オーバー入賞球数カウンタをクリアして累積オーバー入賞球数カウント値を「0」に初期化し(ステップS522)、高確高ベース状態において大当り遊技状態が継続した回数(いわゆる連チャン回数)の値を0に初期化し(ステップS522A)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS519にて受信コマンドが遊技状態指定コマンドではないと判定された場合には(ステップS519;NO)、演出制御用CPU120は、受信コマンドが特別領域通過通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS531)。受信コマンドが特別領域通過通知コマンドである(ステップS531でYES)と判定した場合、演出制御用CPU120は、特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口の特別領域を遊技球が通過したことを示す特別領域通過フラグをセットし(ステップS532)、コマンド解析処理を終了する。受信コマンドが特別領域通過通知コマンドでない(ステップS531でNO)と判定した場合、演出制御用CPU120は、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(ステップS523)、コマンド解析処理を終了する。
図30は、図27のステップS75にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、オーバー入賞報知処理を実行し(ステップS150)、累積オーバー入賞球数報知処理を実行する(ステップS151)。その後、演出制御フラグ設定部に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、ステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS150のオーバー入賞報知処理では、大入賞口入賞回数カウント値が10となる入賞(10個目の入賞)があったときに報知制限時間を設定する。そして、大入賞口入賞回数カウント値が11となる入賞(11個目の入賞)があったときに、報知制限時間が経過していればオーバー入賞を報知し、報知制限時間が経過していなければオーバー入賞を報知しない。
ステップS151の累積オーバー入賞球数報知処理では、大当り開始処理(ステップS174)〜大当り終了後処理(ステップS177)において、累積オーバー入賞球数を報知する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。例えば、可変表示開始待ち処理においては、所定の演出制御コマンド(例えば、変動パターン指定コマンド、第1変動開始コマンド、又は、第2変動開始コマンド)を受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理が行われる。上述の処理を行った後に、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。例えば、可変表示開始設定処理においては、特図ゲームが開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、変動パターンに応じた演出制御パターン等を決定する処理が行われる。上述の処理を行った後に、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。例えば、可変表示中演出処理においては、ステップS171の可変表示開始設定処理において決定された演出制御パターンに基づいて飾り図柄の可変表示等の各種の演出を実行する処理が行われる。上述の処理を行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。例えば、特図当り待ち処理においては、確定飾り図柄を停止する処理が行われる。大当りとなるときには、ファンファーレ演出を設定する処理が行われ、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される。ハズレとなるときには、遊技状態を制御する処理が行われ、演出プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS174の大当り開始処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。例えば、大当り開始処理においては、ファンファーレ演出を実行する処理や、大入賞口が開放状態であるときに実行される開放中演出を設定する処理を行われる。上述の処理を行った後に、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175のラウンド中処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。例えば、ラウンド中処理においては、開放中演出を実行する処理や、大入賞口が閉鎖状態であるときに実行される閉鎖中演出を設定する処理が行われる。上述の処理を行った後に、演出プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS176のラウンド後処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。例えば、ラウンド後処理においては、閉鎖中演出を実行する処理や、最終ラウンドでないときは、開放中演出を設定する処理を行われ、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。最終ラウンドであるときには、エンディング演出を設定する処理を行われ、演出プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS177の大当り終了後処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。例えば、大当り終了後処理においては、エンディング演出を実行する処理や、遊技状態を制御する処理が行われ、演出プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図31は、図30のステップS171にて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図31に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、最終停止図柄(確定飾り図柄)を決定する(ステップS701)。続いて、演出制御用CPU120は、変動パターンに基づいて演出制御パターンを設定する(ステップS702)。即ち、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンに対応する、演出制御パターンを使用パターンとしてセットする。続いて、演出制御用CPU120は、保留消化処理を実行する(ステップS703)。続いて、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた飾り図柄変動時間タイマの格納値である飾り図柄変動時間タイマ値の初期値として、上記変動パターンに応じた飾り図柄変動時間をセットし(ステップS704)、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理(ステップS172)に対応する“2”に更新し(ステップS705)、可変表示開始設定処理を終了する。
図32は、図30のステップS172にて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。図32に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄変動時間タイマ値を1減算し(ステップS710)、飾り図柄変動時間タイマ値が0になったか否かを判定する(ステップS711)。即ち、飾り図柄変動時間タイマがタイムアウトしたか否か(飾り図柄変動時間が経過したか否か)を判定する。飾り図柄変動時間タイマ値が0になっていないときは(ステップS711;NO)、可変表示開始設定処理において使用パターンとしてセットされた演出制御パターンに応じて可変表示の実行を制御し(ステップS712)、可変表示中演出処理を終了する。飾り図柄変動時間タイマ値が0になったときは(ステップS711;YES)、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理(ステップS173)に対応する“3”に更新し(ステップS713)、可変表示中演出処理を終了する。
図33は、図30のステップS173にて実行される特図当り待ち処理の一例を示すフローチャートである。図33に示す特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、まず、図柄確定指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS720)。図柄確定指定コマンド受信フラグがセットされていないときは(ステップS720;NO)、特図当り待ち処理を終了する。
図柄確定指定コマンド受信フラグがセットされているときは(ステップS720;YES)、演出制御用CPU120は、図柄確定指定コマンド受信フラグをクリアし(ステップS721)、確定飾り図柄を停止表示する(ステップS722)。続いて、演出制御用CPU120は、確定飾り図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(ステップS723)。確定飾り図柄が大当り図柄でないときは(ステップS723:NO)、演出プロセスフラグの値を可変表示開始待ち処理(ステップS170)に対応する“0”に更新し(ステップS726)、特図当り待ち処理を終了する。
確定飾り図柄が大当り図柄であるときは(ステップS723:YES)、演出制御用CPU120は、当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS730)。即ち、演出制御用CPU120は、当り開始指定コマンドを受信したか否かを判定する。当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていないときは(ステップS730;NO)、特図当り待ち処理を終了する。
当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているときは(ステップS730;YES)、演出制御用CPU120は、当り開始指定コマンド受信フラグをクリアする(ステップS731)。続いて、演出制御用CPU120は、ファンファーレ演出を設定し(ステップS733)、連チャン回数の値を1加算し(ステップS733A)、演出プロセスフラグの値を大当り開始処理(ステップS174)に対応する“4”に更新し(ステップS734)、特図当り待ち処理を終了する。
図34は、図30のステップS174にて実行される大当り開始処理の一例を示すフローチャートである。図34に示す大当り開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS741)。即ち、演出制御用CPU120は、大入賞口開放中通知コマンドを受信したか否かを判定する。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS741;NO)、特図当り待ち処理において設定したファンファーレ演出の実行を制御し(ステップS742)、大当り開始処理を終了する。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS741;YES)、演出制御用CPU120は、大入賞口開放中フラグをクリアし(ステップS743)、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の回数をカウントするためのラウンド数の値を1に初期化し(ステップS743A)、図35で示す開放中演出設定処理を実行し(ステップS744)、演出プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS175)に対応する“5”に更新し(ステップS745)、大当り開始処理を終了する。
図35は、図34のステップS744にて実行される開放中演出設定処理の一例を示すフローチャートである。図35に示す開放中演出設定処理において、まず、演出制御用CPU120は、連チャン回数が10回であるか否かを判定する(ステップS801)。本実施の形態においては、連チャン回数が10回になった場合、大当り遊技状態における開放中演出としてプレミアム演出を実行することとしているので、プレミアム演出を実行する大当り遊技状態であるか否かを判定するためである。
連チャン回数が10回である(ステップS801でYES)と判定した場合、演出制御用CPU120は、ラウンド数が2,3,6のいずれかであるか否かを判定する(ステップS802)。本実施の形態においては、プレミアム演出は、2ラウンドから6ラウンドで実行されるようにする。このうちの4ラウンドでは、開放中演出としてプレミアム演出に加えて告知演出を実行し、5ラウンドでは、開放中演出としてプレミアム演出に加えて促進演出を実行する。このため、ステップS802において、プレミアム演出のみを実行する2ラウンド,3ラウンド,6ラウンドであるか否かを判定するようにしている。
本実施の形態においては、大当り遊技状態の5ラウンド目で特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口の特別領域に遊技球を通過させることによって確変状態が継続する。この特別領域に遊技球を通過させるラウンド遊技を特定ラウンド遊技ともいい、その他のラウンド遊技を通常ラウンド遊技ともいう。このため、特別領域に遊技球が通過しないと確変状態が継続しないため、特別領域に遊技球を通過させることを遊技者に強めに報知する必要がある。そのため、促進演出および告知演出が実行される。
促進演出は、特定ラウンド遊技が開始されるときに特別領域への遊技球の通過を促す演出(後述の図43(D)参照)である。告知演出は、特定ラウンド遊技の前の通常ラウンド遊技の期間において、後に開始される特定ラウンド遊技を告知する演出(後述の図43(C)参照)である。
ラウンド数が2,3,6のいずれかである(ステップS802でYES)と判定した場合、演出制御用CPU120は、開放中演出として、ラウンドごとのプレミアム演出を設定し(ステップS803)、開放中演出設定処理を終了する。
ラウンド数が2,3,6のいずれでもない(ステップS802でNO)と判定した場合、演出制御用CPU120は、ラウンド数が4であるか否かを判定する(ステップS804)。ラウンド数が4である(ステップS804でYES)と判定した場合、演出制御用CPU120は、開放中演出として、プレミアム演出に加えて告知演出を実行するように設定し(ステップS805)、開放中演出設定処理を終了する。この場合の開放中演出においては、画面の右下部で図43(C)で示すような告知演出を小窓表示として実行し、右下部以外でプレミアム演出を実行する。このように、プレミアム演出と告知演出とを遊技者が個別に認識可能なように実行する。
ラウンド数が4でない(ステップS804でNO)と判定した場合、演出制御用CPU120は、ラウンド数が5であるか否かを判定する(ステップS806)。ラウンド数が5である(ステップS806でYES)と判定した場合、演出制御用CPU120は、開放中演出として、プレミアム演出に加えて促進演出を実行するように設定し(ステップS807)、開放中演出設定処理を終了する。この場合の開放中演出においては、画面の右下部で図43(D)で示すような促進演出を小窓表示として実行し、右下部以外でプレミアム演出を実行する。このように、プレミアム演出と促進演出とを遊技者が個別に認識可能なように実行する。
ラウンド数が5でない(ステップS806でNO)と判定した場合、演出制御用CPU120は、開放中演出として、ラウンドごとの通常の演出を設定し(ステップS818)、開放中演出設定処理を終了する。この通常の演出は、プレミアム演出、促進演出および告知演出とは異なる、大当り遊技状態中であることを示す演出である。
連チャン回数が10回でない(ステップS801でNO)と判定した場合、つまり、プレミアム演出を実行しない大当り遊技状態である場合、演出制御用CPU120は、ラウンド数が4であるか否かを判定する(ステップS814)。ラウンド数が4である(ステップS814でYES)と判定した場合、演出制御用CPU120は、開放中演出として、告知演出を実行するように設定し(ステップS815)、開放中演出設定処理を終了する。告知演出は、次のラウンドが開始されるまで実行される。
ラウンド数が4でない(ステップS814でNO)と判定した場合、演出制御用CPU120は、ラウンド数が5であるか否かを判定する(ステップS816)。ラウンド数が5である(ステップS816でYES)と判定した場合、演出制御用CPU120は、開放中演出として、促進演出を実行するように設定し(ステップS817)、開放中演出設定処理を終了する。
ラウンド数が5でない(ステップS816でNO)と判定した場合、演出制御用CPU120は、前述したステップS818の処理を実行し、開放中演出設定処理を終了する。
図36は、図30のステップS175にて実行されるラウンド中処理の一例を示すフローチャートである。図36に示すラウンド中処理において、演出制御用CPU120は、まず、大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS751)。即ち、演出制御用CPU120は、大入賞口開放後通知コマンドを受信したか否かを判定する。大入賞口開放後フラグがセットされていないときは(ステップS751;NO)、大当り開始処理の開放中演出設定処理において設定した開放中演出の実行を制御する(ステップS752)。
次に、演出制御用CPU120は、特別領域通過フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS756)。セットされていない(ステップS756でNO)と判定した場合、演出制御用CPU120は、ラウンド中処理を終了する。
一方、特別領域通過フラグがセットされている(ステップS756でYES)と判定した場合、演出制御用CPU120は、特別領域通過フラグをクリアし(ステップS757)、特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口の特別領域を遊技球が通過したことを遊技者に報知する特別領域通過演出(後述の図43(E),図43(F)参照)の実行を制御する(ステップS758)。特別領域通過演出は、次のラウンド遊技の開始まで実行される。10連チャン目の大当り遊技状態でプレミアム演出が実行されているときは、画面の右下部で小窓表示として図43(E),図43(F)で示すような特別領域通過演出を実行し、右下部以外でプレミアム演出を実行する。このように、プレミアム演出と特別領域通過演出とを遊技者が個別に認識可能なように実行する。ステップS758の後、および、特別領域通過フラグがセットされていない(ステップS756でNO)と判定した場合、演出制御用CPU120は、ラウンド中処理を終了する。
大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS751;YES)、演出制御用CPU120は、大入賞口開放後フラグをクリアし(ステップS753)、閉鎖中演出を設定し(ステップS754)、演出プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS176)に対応する“6”に更新し(ステップS755)、ラウンド中処理を終了する。
図37は、図30のステップS176にて実行されるラウンド後処理の一例を示すフローチャートである。図37に示すラウンド後処理において、演出制御用CPU120は、まず、当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS760)。即ち、演出制御用CPU120は、当り終了指定コマンドを受信したか否かを判定する。当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていないときは(ステップS760;NO)、演出制御用CPU120は、大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS761)。即ち、演出制御用CPU120は、大入賞口開放中通知コマンドを受信したか否かを判定する。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS761;NO)、ラウンド中処理において設定した閉鎖中演出の実行を制御し(ステップS762)、ラウンド後処理を終了する。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS761;YES)、演出制御用CPU120は、大入賞口開放中フラグをクリアし(ステップS763)、ラウンド数の値を1加算し(ステップS763A)、図35で示した開放中演出設定処理を実行し(ステップS764)、演出プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS175)に対応する“5”に更新し(ステップS765)、ラウンド後処理を終了する。
一方、当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているときは(ステップS760;YES)、演出制御用CPU120は、当り終了指定コマンド受信フラグをクリアし(ステップS766)、エンディング演出を設定する(ステップS767)。続いて、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられたエンディング演出時間タイマの格納値であるエンディング演出時間タイマ値の初期値として、所定のエンディング演出時間をセットし(ステップS768)、演出プロセスフラグの値を大当り終了後処理(ステップS177)に対応する“7”に更新し(ステップS769)、ラウンド後処理を終了する。
図38は、図30のステップS177にて実行される大当り終了後処理の一例を示すフローチャートである。図38に示す大当り終了後処理において、演出制御用CPU120は、まず、エンディング演出時間タイマ値を1減算し(ステップS770)、エンディング演出時間タイマ値が0になったか否かを判定する(ステップS771)。即ち、エンディング演出時間タイマがタイムアウトしたか否か(エンディング演出時間が経過したか否か)を判定する。エンディング演出時間タイマ値が0になっていないときは(ステップS771;NO)、ラウンド中処理において設定したエンディング演出の実行を制御し(ステップS772)、大当り終了後処理を終了する。エンディング演出時間タイマ値が0になったときは(ステップS771;YES)、演出プロセスフラグの値を可変表示開始待ち処理(ステップS170)に対応する“0”に更新し(ステップS773)、大当り終了後処理を終了する。
図39は、図30のステップS150にて実行されるオーバー入賞報知処理の一例を示すフローチャートである。図39に示すオーバー入賞報知処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御タイマ設定部192に設けられた報知制限時間タイマのタイマ値である報知制限時間タイマ値が0であるか否かを判定する(ステップS900)。即ち、報知制限時間タイマがタイムアウトしたか否か(報知制限時間が経過したか否か)を判定する。報知制限時間タイマ値が0でないときは(ステップS900;NO)、演出制御用CPU120は、報知制限時間タイマ値を1減算する(ステップS901)。
ステップS901の処理を実行した後、又は、報知制限時間タイマ値が0であるときには(ステップS900;YES)、演出制御用CPU120は、大入賞口入賞回数カウント値が10であるか否かを判定する(ステップS902a)。大入賞口入賞回数カウント値が10であるときは(ステップS902a;YES)、演出制御用CPU120は、報知制限時間タイマに、所定の報知制限時間(例えば、約0.4秒)をセットし(ステップS903)、オーバー入賞報知処理を終了する。
大入賞口入賞回数カウント値が10でないときは(ステップS902a;NO)、演出制御用CPU120は、大入賞口入賞回数カウント値が11であるか否かを判定する(ステップS904a)。大入賞口入賞回数カウント値が11でないときは(ステップS904a;NO)、オーバー入賞報知処理を終了する。大入賞口入賞回数カウント値が11であるときは(ステップS904a;YES)、演出制御用CPU120は、報知制限時間タイマ値が0であるか否かを判定する(ステップS905)。即ち、報知制限時間タイマがタイムアウトしたか否か(報知制限時間が経過したか否か)を判定する。
報知制限時間タイマ値が0であるときは(ステップS905;YES)、演出制御用CPU120は、後述の図40で示すオーバー入賞報知サブ処理を実行し(ステップS906)、オーバー入賞報知処理を終了する。一方、報知制限時間タイマ値が0でないときは(ステップS905;NO)、演出制御用CPU120は、ステップS906の処理を実行せずに、オーバー入賞報知処理を終了する。
なお、ステップS906のオーバー入賞の報知は、例えば、スピーカ8L、8Rからの音声出力よるオーバー入賞演出を実行するものであってもよい。また、ステップS906のオーバー入賞の報知は、遊技効果ランプ9の発光や、画像表示装置5による表示などによるオーバー入賞演出を実行するものであってもよい。即ち、ステップS906のオーバー入賞の報知は、音声、発光、表示などの複数の演出手段のうち少なくとも1つの演出手段を用いて遊技者にオーバー入賞を報知するものであればよい。
また、ステップS903にてセットされる所定の報知制限時間は、オーバー入賞の報知時間(オーバー入賞演出の実行時間)に応じた時間である。例えば、報知制限時間はオーバー入賞の報知時間以上の時間であってもよい。ここでは、報知制限時間を約0.4秒、オーバー入賞の報知時間を約0.3秒と例示したように、報知制限時間は、オーバー入賞の報知時間よりも長い時間としている。
なお、オーバー入賞の報知時間(オーバー入賞演出の実行時間)は、報知制限時間と同様に制御すればよい。即ち、例えば、演出制御タイマ設定部192に設けられたオーバー入賞演出実行時間タイマのタイマ値であるオーバー入賞演出実行時間タイマ値に、所定のオーバー入賞演出実行時間(例えば、約0.3秒)をセットし、当該オーバー入賞演出実行時間タイマがタイムアウトするまで、オーバー入賞を報知(オーバー入賞演出を実行)すればよい。
以上のように、図39に示したオーバー入賞報知処理では、10個目の入賞時に報知制限時間を設定し、11個目の入賞(1個目のオーバー入賞)があった場合に、当該11個目の入賞が報知制限時間を経過した後の入賞であればオーバー入賞を報知する一方、当該11個目の入賞が報知制限時間を経過する前の入賞であればオーバー入賞を報知しないようにしている。換言すれば、10個目の入賞後の報知制限時間内に11個目の入賞があったときには当該11個目の入賞についてはオーバー入賞を報知しないようにしている。
図40は、図39のステップS906にて実行されるオーバー入賞報知サブ処理の一例を示すフローチャートである。図40に示すオーバー入賞報知サブ処理において、まず、演出制御用CPU120は、図35のステップS801で示した理由で、連チャン回数が10回であるか否かを判定する(ステップS911)。
連チャン回数が10回である(ステップS911でYES)と判定した場合、演出制御用CPU120は、ラウンド数がプレミアム演出が実行される2〜6回目のいずれかであるか否かを判定する(ステップS912)。
ラウンド数が2〜6のいずれかである(ステップS912でYES)と判定した場合、演出制御用CPU120は、プレミアム演出を阻害しないようにオーバー入賞の報知を制限するために、音量0でオーバー入賞を報知し(ステップS913)、オーバー入賞報知サブ処理を終了する。なお、プレミアム演出の実行が終了するまでは、プレミアム演出が実行されていない期間(ここでは1ラウンド目)も、オーバー入賞の報知を制限するようにしてもよい。具体的には、ラウンド数が1〜6のいずれかである場合に音量0でオーバー入賞を報知するようにしてもよい。
ラウンド数が2〜6のいずれでもない(ステップS912でNO)と判定した場合、演出制御用CPU120は、通常と異なる態様(たとえば、犬の鳴き声)および通常の音量でオーバー入賞を報知し(ステップS919)、オーバー入賞報知サブ処理を終了する。なお、ステップS919では、通常と同じ態様(猫の鳴き声)でオーバー入賞を報知してもよい。
連チャン回数が10回でない(ステップS911でNO)と判定した場合、つまり、プレミアム演出を実行しない大当り遊技状態である場合、演出制御用CPU120は、ラウンド数が告知演出の実行される4回目であるか否かを判定する(ステップS914)。ラウンド数が4である(ステップS914でYES)と判定した場合、演出制御用CPU120は、告知演出を阻害しないようにオーバー入賞の報知を制限するために、音量0でオーバー入賞を報知し(ステップS915)、オーバー入賞報知サブ処理を終了する。
ラウンド数が4でない(ステップS914でNO)と判定した場合、演出制御用CPU120は、ラウンド数が促進演出の実行される5回目(特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口の特別領域に遊技球を通過させるラウンド)であるか否かを判定する(ステップS916)。ラウンド数が5である(ステップS916でYES)と判定した場合、演出制御用CPU120は、促進演出を阻害しないようにオーバー入賞の報知を制限するために、音量0でオーバー入賞を報知し(ステップS917)、オーバー入賞報知サブ処理を終了する。
ラウンド数が5でない(ステップS916でNO)と判定した場合、演出制御用CPU120は、通常の音量でオーバー入賞を報知し(ステップS918)、オーバー入賞報知サブ処理を終了する。
図41は、図30のステップS151にて実行される累積オーバー入賞球数報知処理の一例を示すフローチャートである。図41に示す累積オーバー入賞球数報知処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出プロセスフラグの値が4以上であるか否かを判定する(ステップS920)。即ち、演出制御用CPU120は、現在の演出プロセスフラグの値が、大当り開始処理(ステップS174)に対応する“4”、ラウンド中処理(ステップS175)に対応する“5”、”ラウンド後処理(ステップS176)に対応する“6”、大当り終了後処理(ステップS177)に対応する“7”のいずれかに該当するか否かを判定する。演出プロセスフラグの値が4以上でなければ(ステップS920;NO)、累積オーバー入賞球数報知処理を終了する。
演出プロセスフラグの値が4以上であれば(ステップS920;YES)、演出制御用CPU120は、累積オーバー入賞球数カウント値を読み出す(ステップS921)。即ち、演出制御用CPU120は、連荘中にオーバー入賞した累積球数を読み出す。ステップS921の処理に続いて、演出制御用CPU120は、ステップS921にて読み出した累積オーバー入賞球数カウント値に応じて累積オーバー入賞球数を報知し(ステップS922)、累積オーバー入賞球数報知処理を終了する。
なお、ステップS922の累積オーバー入賞球数の報知は、累積オーバー入賞球数を遊技者が認識できるものであればよい。例えば、画像表示装置5の所定の表示領域(具体的には累積オーバー入賞球数表示エリア5A)に、ステップS921にて読み出した累積オーバー入賞球数カウント値に応じた数(累積オーバー入賞球数)や、ステップS921にて読み出した累積オーバー入賞球数カウント値に応じた画像等を表示するものであってもよい。
図42は、オーバー入賞演出の実行有無等を説明する説明図である。図42(A)は、ある場面として、大当り遊技状態における大入賞口の状態(開放状態、閉鎖状態)を表している。図46(A)、図47(A)、図48(A)についても同様である。なお、図42(A)において左側から右側へと時間が流れている。図42(B)〜図42(E)、図46(A)〜図46(E)、図47(A)〜図47(C)、図48(A)〜図48(C)についても同様である。
図42(B)の上段は、図42(A)の場面における、カウントスイッチ23A,23Bのオン状態(遊技球の検出)/オフ(遊技球の非検出)を表している。つまり、図42(B)の上段は、図42(A)の場面における大入賞口への遊技球の入賞の様子を表している。夫々のオン状態に付した数字は、大入賞口入賞回数カウント値(当該ラウンドの何個目の入賞であるか)を表している。図42(C)〜図42(E)の上段、図46(B)〜図46(E)の上段についても同様である。
図42(B)の下段は、図42(A)の場面における、オーバー入賞の報知の有無、即ち、オーバー入賞演出の実行の有無を表している。図42(C)〜図42(E)の下段、図46(B)〜図46(E)の下段についても同様である。
なお、図42(B)において10個目の入賞の上部に矢印にて図示した期間は、図42(F)に示したように報知制限時間を表している。図42(C)〜図42(E)、図46(B)〜図46(E)についても同様である。
図39に示したオーバー入賞報知処理によれば、10個目の入賞時に報知制限時間タイマのタイマ初期値がセットされ(図39のステップS903)、当該報知制限時間タイマがタイムアウトした後に11個目の入賞があった場合には(即ち、10個目の入賞時を基準とした報知制限時間を経過した後に11個目の入賞があった場合には)、図42(B)の下段に符号aを付して実線にて示したように、当該11個目の入賞に基づくオーバー入賞演出が実行される(図39のステップS905(YES)、ステップS906)。
また、図39に示したオーバー入賞報知処理によれば、10個目の入賞時に報知制限時間タイマのタイマ初期値がセットされ(図39のステップS903)、当該報知制限時間タイマがタイムアウトする前に11個目の入賞があった場合には(即ち、10個目の入賞時を基準とした報知制限時間を経過する前に11個目の入賞があった場合には)、図42(C)の下段に符号bを付して破線にて示したように、当該11個目の入賞に基づくオーバー入賞演出は実行されない(図39のステップS905(NO))。
なお、図39に示したフローチャートによれば、11個目の入賞(1個目のオーバー入賞)以降の入賞(12個目の入賞(2個目のオーバー入賞)、13個目の入賞(3個目のオーバー入賞)等)があった場合、11個目以降の各入賞に基づくオーバー入賞演出は常に実行されないが(ステップS904a(NO))、11個目以降の各入賞に基づくオーバー入賞演出が実行され得るようにしてもよい。一例として、ステップS904aでは、大入賞口入賞回数カウント値が11以上であるか否かを判定してもよい。即ち、12個目、13個目等の入賞に基づくオーバー入賞演出が実行されるか否かを、11個目の入賞と同様、10個目の入賞時を基準とする報知制限時間の経過前であるか経過後であるかに応じて決定してもよい。
また他の例として、12個目、13個目等の入賞に基づくオーバー入賞演出が実行されるか否かを、夫々の入賞の1つ前の入賞に基づくオーバー入賞演出が実行されたか否かを考慮して決定してもよい。
例えば、11個目以降の各入賞について、夫々の入賞の1つ前の入賞に基づくオーバー入賞演出が実行された場合には、当該入賞の1つ前の入賞を基準として当該入賞のオーバー入賞演出の実行の有無を決定してもよい。例えば、11個目の入賞に基づくオーバー入賞演出が実行される場合に当該11個目の入賞時を基準とする報知制限時間を設定するとともに、12個目の入賞が当該報知制限時間の経過後の入賞であれば当該12個目の入賞に基づくオーバー入賞演出を実行し、12個目の入賞が当該報知制限時間の経過前の入賞であれば当該12個目の入賞に基づくオーバー入賞演出を実行しないようにしてもよい。また例えば、12個目の入賞に基づくオーバー入賞演出が実行される場合に当該12個目の入賞時を基準とする報知制限時間を設定するとともに、13個目の入賞が当該報知制限時間の経過後の入賞であれば当該13個目の入賞に基づくオーバー入賞演出を実行し、13個目の入賞が当該報知制限時間の経過前の入賞であれば当該13個目の入賞に基づくオーバー入賞演出を実行しないようにしてもよい。
一方、11個目以降の各入賞について、夫々の入賞の1つ前の入賞に基づくオーバー入賞演出が実行されなかった場合には、当該入賞の1つ前の入賞を基準として当該入賞のオーバー入賞演出の実行の有無を決定してもよい。例えば、図42(D)の下段に符号cを付して破線にて示したように11個目の入賞に基づくオーバー入賞演出が実行されなかった場合において、12個目の入賞が11個目の入賞を基準とした報知制限時間の経過前の入賞であれば、図42(D)の下段に符号dを付して破線にて示したように当該12個目の入賞に基づくオーバー入賞演出も実行しないようにしてもよい。
また、11個目以降の各入賞について、夫々の入賞の1つ前の入賞に基づくオーバー入賞演出が実行されなかった場合には、当該入賞の2つ以上前の入賞を基準として当該入賞のオーバー入賞演出の実行の有無を決定してもよい。例えば、図42(E)の下段に符号eを付して破線にて示したように11個目の入賞に基づくオーバー入賞演出が実行されなかった場合において、12個目の入賞が10個目の入賞を基準とした報知制限時間の経過後の入賞であれば、図42(E)の下段に符号fを付して実線にて示したように当該12個目の入賞に基づくオーバー入賞演出を実行するようにしてもよい。
以上のように、図42(D)の例も図42(E)の例も、10個目、11個目、12個目の入賞のタイミングは同一である。図42(D)の例の場合には報知制限時間が11個目の入賞を基準としたものであるため12個目の入賞に基づくオーバー入賞演出の実行が制限される。一方、図42(E)の例の場合には報知制限時間が10個目の入賞を基準としたものであるため12個目の入賞に基づくオーバー入賞演出の実行は制限されない。
また、図39に示したフローチャートは、オーバー入賞に該当しない入賞(具体的には、10個目の入賞)と、オーバー入賞に該当する入賞(具体的には、11個目の入賞)との関係において、報知制限時間を設定してオーバー入賞演出の実行の有無を決定しているが、オーバー入賞に該当する入賞同士の関係において、報知制限時間を設定してオーバー入賞演出の実行の有無を決定してもよい。なお、図42(D)の例も、オーバー入賞に該当する入賞同士(11個目の入賞、12個目の入賞)の関係において、報知制限時間を設定してオーバー入賞演出の実行の有無を決定している。
図43は、大当り遊技状態におけるオーバー入賞の報知の制限を示す表示画面図である。図43を参照して、ここで示す大当り遊技状態は、連チャン回数が10回でない、つまり、プレミアム演出が実行されない大当り遊技状態である。
図43(A)は、大当り遊技状態の1ラウンド目を示す表示画面図である。この画面では、ラウンド数が1ラウンド目であることが報知されるとともに、大当り遊技状態が開始されたことを示す演出が実行される。このラウンドでオーバー入賞が発生した場合、図40のステップS918が実行されることで、通常の音量で猫の鳴き声でオーバー入賞が報知される。
図43(B)は、大当り遊技状態の2ラウンド目を示す表示画面図である。この画面では、ラウンド数が2ラウンド目であることが報知される。このラウンドでも、オーバー入賞が発生した場合、図40のステップS918が実行されることで、通常の音量で猫の鳴き声でオーバー入賞が報知される。
図43(C)は、大当り遊技状態の4ラウンド目を示す表示画面図である。この画面では、ラウンド数が4ラウンド目であることが報知されるとともに、告知演出が実行される。このラウンドでは、オーバー入賞が発生した場合、図40のステップS915が実行されることで、音量0でオーバー入賞が報知される。つまり、実質的に、オーバー入賞の音は出力されない。このように、オーバー入賞の報知によって告知演出が阻害されない。
図43(D)は、大当り遊技状態の5ラウンド目を示す第1の表示画面図である。この画面では、ラウンド数が5ラウンド目であることが報知されるとともに、促進演出が実行される。このラウンドの前のラウンドで、オーバー入賞が発生した場合、図40のステップS915が実行されることで、音量0でオーバー入賞が報知される。つまり、実質的に、オーバー入賞の音は出力されない。このように、オーバー入賞の報知によって促進演出が阻害されない。
図43(E)は、大当り遊技状態の5ラウンド目を示す第2の表示画面図である。この画面では、ラウンド数が5ラウンド目であることが報知されるとともに、特別領域通過演出の最初の部分が実行される。図43(F)は、大当り遊技状態の5ラウンド目を示す第3の表示画面図である。この画面では、ラウンド数が5ラウンド目であることが報知されるとともに、特別領域通過演出の残りの部分が実行される。このラウンドでオーバー入賞が発生した場合、図40のステップS918が実行されることで、音量0でオーバー入賞が報知される。つまり、実質的に、オーバー入賞の音は出力されない。このように、オーバー入賞の報知によって特別領域通過演出が阻害されない。
図43(G)は、大当り遊技状態の6ラウンド目を示す表示画面図である。大当り遊技状態が6ラウンドで終了する場合は、最終ラウンドである。この画面では、ラウンド数が6ラウンド目であることが報知される。このラウンドでも、オーバー入賞が発生した場合、図40のステップS918が実行されることで、通常の音量で猫の鳴き声でオーバー入賞が報知される。
図43(H)は、大当り遊技状態の最終ラウンドである16ラウンド目を示す表示画面図である。この画面では、ラウンド数が16ラウンド目であることが報知されるとともに、大当り遊技状態が終了することを示す演出が実行される。このラウンドでオーバー入賞が発生した場合、図40のステップS918が実行されることで、通常の音量で猫の鳴き声でオーバー入賞が報知される。
また、プレミアム演出が実行される大当り遊技状態においては、プレミアム演出が実行されている期間(2ラウンド目から6ラウンド目)は、音量0でオーバー入賞が報知される。つまり、実質的に、オーバー入賞の音は出力されない。このように、オーバー入賞の報知によってプレミアム演出が阻害されない。
図44は、大当り遊技状態におけるオーバー入賞の報知の制限を示すタイミングチャートである。図44を参照して、図44(A)は、連チャン回数が10回でない、つまり、プレミアム演出が実行されない大当り遊技状態におけるタイミングチャートを示す。
通常は、オーバー入賞が発生すると、たとえば、3ラウンドおよび6ラウンドで示すように、オーバー入賞の報知が実行される。しかし、オーバー入賞が発生した場合であっても、告知演出および促進演出を阻害しないために、特別可変入賞球装置7Bの大入賞口の特別領域に遊技球を通過させるラウンドの前の4ラウンドのオーバー入賞の報知は実行されず、特別領域通過演出を阻害しないために、特別領域に遊技球を通過させるラウンドである5ラウンドのオーバー入賞の報知は実行されない。
図44(B)は、連チャン回数が10回である、つまり、プレミアム演出が実行される大当り遊技状態におけるタイミングチャートを示す。プレミアム演出が実行される期間でないラウンドでは、オーバー入賞が発生すると、たとえば、7ラウンドで示すように、オーバー入賞の報知が実行される。しかし、プレミアム演出が実行される期間は、オーバー入賞が発生した場合であっても、プレミアム演出を阻害しないために、オーバー入賞の報知は実行されない。
図45は、図30のステップS150にて実行されるオーバー入賞報知処理の他の例を示すフローチャートである。図45のフローチャートは、図39のフローチャートと、ステップS900、ステップS901、ステップS903、ステップS905、ステップS906が共通する。図39のフローチャートのステップS902aでは大入賞口入賞回数カウント値が10であるか否かを判定するのに対し、図45のフローチャートのステップS902bでは大入賞口入賞回数カウント値が11であるか否かを判定する点が異なる。また、図39のフローチャートのステップS904aでは大入賞口入賞回数カウント値が11であるか否かを判定するのに対し、図45のフローチャートのステップS904bでは大入賞口入賞回数カウント値が12であるか否かを判定する点が異なる。
以上のように、図45に示したオーバー入賞報知処理では、11個目の入賞時(1個目のオーバー入賞)に報知制限時間を設定し、12個目の入賞(2個目のオーバー入賞)があった場合に、当該12個目の入賞が報知制限時間を経過した後の入賞であればオーバー入賞を報知する一方、当該12個目の入賞が報知制限時間を経過する前の入賞であればオーバー入賞を報知しないようにしている。換言すれば、11個目の入賞後の報知制限時間内に12個目の入賞があったときには当該12個目の入賞についてはオーバー入賞を報知しないようにしている。
つまり、図39に示したオーバー入賞報知処理は、オーバー入賞に該当しない入賞(具体的には、10個目の入賞)と、オーバー入賞に該当する入賞(具体的には、11個目の入賞)との関係において、報知制限時間を設定してオーバー入賞演出の実行の有無を決定しているが、図45に示したオーバー入賞報知処理は、オーバー入賞に該当する入賞同士(具体的には、11個目の入賞、12個目の入賞)の関係において、報知制限時間を設定してオーバー入賞演出の実行の有無を決定している。
図46は、オーバー入賞演出の実行有無等を説明する説明図である。図45に示したオーバー入賞報知処理によれば、11個目の入賞時に報知制限時間タイマのタイマ初期値がセットされ(図45のステップS903)、当該報知制限時間タイマがタイムアウトした後に12個目の入賞があった場合には(即ち、11個目の入賞時を基準とした報知制限時間を経過した後に12個目の入賞があった場合には)、図46(B)の下段に符号bを付して実線にて示したように、当該12個目の入賞に基づくオーバー入賞演出が実行される(図45のステップS905(YES)、ステップS906)。なお、図46(B)の符号aを付した実線は、11個目の入賞に基づくオーバー入賞演出を表している。
また、図45に示したオーバー入賞報知処理によれば、11個目の入賞時に報知制限時間タイマのタイマ初期値がセットされ(図45のステップS903)、当該報知制限時間タイマがタイムアウトする前に12個目の入賞があった場合には(即ち、11個目の入賞時を基準とした報知制限時間を経過する前に12個目の入賞があった場合には)、図46(C)の下段に符号dを付して破線にて示したように、当該12個目の入賞に基づくオーバー入賞演出は実行されない(図45のステップS905(NO))。なお、図46(C)の符号cを付した実線は、11個目の入賞に基づくオーバー入賞演出を表している。
なお、図45に示したフローチャートによれば、12個目の入賞(2個目のオーバー入賞)以降の入賞(13個目の入賞(3個目のオーバー入賞)、14個目の入賞(4個目のオーバー入賞)等)があった場合、12個目以降の各入賞に基づくオーバー入賞演出は常に実行されないが(ステップS904b(NO))、12個目以降の各入賞に基づくオーバー入賞演出が実行され得るようにしてもよい。一例として、ステップS904bでは、大入賞口入賞回数カウント値が12以上であるか否かを判定してもよい。即ち、13個目、14個目等の入賞に基づくオーバー入賞演出が実行されるか否かを、12個目の入賞と同様、11個目の入賞時を基準とする報知制限時間の経過前であるか経過後であるかに応じて決定してもよい。
また他の例として、13個目、14個目等の入賞に基づくオーバー入賞演出が実行されるか否かを、夫々の入賞の1つ前の入賞に基づくオーバー入賞演出が実行されたか否かを考慮して決定してもよい。
例えば、12個目以降の各入賞について、夫々の入賞の1つ前の入賞に基づくオーバー入賞演出が実行された場合には、当該入賞の1つ前の入賞を基準として当該入賞のオーバー入賞演出の実行の有無を決定してもよい。例えば、12個目の入賞に基づくオーバー入賞演出が実行される場合に当該12個目の入賞時を基準とする報知制限時間を設定するとともに、13個目の入賞が当該報知制限時間の経過後の入賞であれば当該13個目の入賞に基づくオーバー入賞演出を実行し、13個目の入賞が当該報知制限時間の経過前の入賞であれば当該13個目の入賞に基づくオーバー入賞演出を実行しないようにしてもよい。また例えば、13個目の入賞に基づくオーバー入賞演出が実行される場合に当該13個目の入賞時を基準とする報知制限時間を設定するとともに、14個目の入賞が当該報知制限時間の経過後の入賞であれば当該14個目の入賞に基づくオーバー入賞演出を実行し、14個目の入賞が当該報知制限時間の経過前の入賞であれば当該14個目の入賞に基づくオーバー入賞演出を実行しないようにしてもよい。
一方、12個目以降の各入賞について、夫々の入賞の1つ前の入賞に基づくオーバー入賞演出が実行されなかった場合には、当該入賞の1つ前の入賞を基準として当該入賞のオーバー入賞演出の実行の有無を決定してもよい。例えば、図46(D)の下段に符号fを付して破線にて示したように12個目の入賞に基づくオーバー入賞演出が実行されなかった場合において、13個目の入賞が12個目の入賞を基準とした報知制限時間の経過前の入賞であれば、図46(D)の下段に符号gを付して破線にて示したように当該13個目の入賞に基づくオーバー入賞演出も実行しないようにしてもよい。なお、図46(D)の符号eを付した実線は、11個目の入賞に基づくオーバー入賞演出を表している。
また、12個目以降の各入賞について、夫々の入賞の1つ前の入賞に基づくオーバー入賞演出が実行されなかった場合には、当該入賞の2つ以上前の入賞を基準として当該入賞のオーバー入賞演出の実行の有無を決定してもよい。例えば、図46(E)の下段に符号iを付して破線にて示したように12個目の入賞に基づくオーバー入賞演出が実行されなかった場合において、13個目の入賞が11個目の入賞を基準とした報知制限時間の経過後の入賞であれば、図46(E)の下段に符号jを付して実線にて示したように当該13個目の入賞に基づくオーバー入賞演出を実行するようにしてもよい。なお、図46(E)の符号hを付した実線は、11個目の入賞に基づくオーバー入賞演出を表している。
以上のように、図46(D)の例も図46(E)の例も、10個目、11個目、12個目の入賞のタイミングは同一である。図46(D)の例の場合には報知制限時間が12個目の入賞を基準としたものであるため13個目の入賞に基づくオーバー入賞演出の実行が制限される。一方、図46(E)の例の場合には報知制限時間が11個目の入賞を基準としたものであるため13個目の入賞に基づくオーバー入賞演出の実行は制限されない。
なお、オーバー入賞演出は、音声、発光、表示などの複数の演出手段のうち少なくとも1つの演出手段を用いるものであればよいと説明したが、2つ以上の演出手段を用いるオーバー入賞演出を実行する場合には、夫々の演出手段毎に報知制限時間を設定してもよい。なお、2つの演出手段を用いるオーバー入賞演出には、ある1つの演出手段(例えば、音声)による報知と他の1つの演出手段(例えば、発光)による報知とが重畳して行われる態様のオーバー入賞演出の他に、ある1つの演出手段(例えば、音声)による報知が行われた後に他の1つの演出手段(例えば、発光)による報知が行われる態様のオーバー入賞演出も含まれる。3つ以上の演出手段を用いるオーバー入賞演出についても同様である。
図47は、オーバー入賞演出の実行有無等を説明する説明図である。具体的には、図47は、2つの演出手段を用いるオーバー入賞演出(ある1つの演出手段(音声)による報知と他の1つの演出手段(発光)による報知とが重畳して行われる態様のオーバー入賞演出)の実行有無等を説明する説明図である。
図47(B)の上段は、図47(A)の場面における大入賞口への遊技球の入賞の様子を表している。図47(C)の上段、図48(B)〜図48(C)の上段についても同様である。図47(B)の中段は、図47(A)の場面における、音声によるオーバー入賞演出の実行の有無を表している。図47(C)の中段、図48(B)〜図48(C)の中段についても同様である。図47(B)の下段は、図47(A)の場面における、発光によるオーバー入賞演出の実行の有無を表している。図47(C)の下段、図48(B)〜図48(C)の下段についても同様である。
なお、図47(B)において11個目の入賞の上部に長い矢印にて図示した期間は、図47(D)に示したように演出手段(音声)に関する報知制限時間を表している。図47(C)、図48(B)、図48(C)についても同様である。また、便宜上説明を省略していたが、図42(F)や図46(F)の期間も同様である。図47(B)において11個目の入賞の上部に短い矢印にて図示した期間は、図47(D)に示したように演出手段(発光)に関する報知制限時間を表している。図47(C)、図48(B)、図48(C)についても同様である。
図47(B)の中段の符号a1を付した実線は、11個目の入賞に基づく音声によるオーバー入賞演出を表している。図47(B)の下段の符号b1を付した実線は、11個目の入賞に基づく発光によるオーバー入賞演出を表している。当該11個目の入賞時には音声に関する報知制限時間と発光に関する報知制限時間が設定される。具体的には、音声用の報知制限時間タイマのタイマ初期値(図47(D)の長い矢印の期間に相当する値)と、発光用の報知制限時間タイマのタイマ初期値(図47(D)の短い矢印の期間に相当する値)がセットされる。ここで、図47(B)の上段に示すように発光用の報知制限時間タイマも音声用の報知制限時間タイマもタイムアウトした後に12個目の入賞があった場合には、図47(B)の中段に符号a2を付して実線にて示したように当該12個目の入賞に基づく音声によるオーバー入賞演出が実行されるとともに、図47(B)の下段に符号b2を付して実線にて示したように当該12個目の入賞に基づく発光によるオーバー入賞演出が実行される。
図47(C)の中段の符号c1を付した実線は、図47(B)にて符号a1を付した実線と同様、11個目の入賞に基づく音声によるオーバー入賞演出を表している。図47(C)の下段の符号d1を付した実線は、図47(B)にて符号b1を付した実線と同様、11個目の入賞に基づく発光によるオーバー入賞演出を表している。当該11個目の入賞時には、図47(B)の場合と同様、音声用の報知制限時間タイマのタイマ初期値(図47(D)の長い矢印の期間に相当する値)と、発光用の報知制限時間タイマのタイマ初期値(図47(D)の短い矢印の期間に相当する値)がセットされる。ここで、図47(C)の上段に示すように発光用の報知制限時間タイマがタイムアウトした後であって音声用の報知制限時間タイマがタイムアウトする前に12個目の入賞があった場合には、図47(C)の下段に符号d2を付して実線にて示したように当該12個目の入賞に基づく発光によるオーバー入賞演出は実行されるが、図47(C)の中段に符号c2を付して破線にて示したように当該12個目の入賞に基づく音声によるオーバー入賞演出は実行されない。なお、図示はしていないが、音声用の報知制限時間タイマも発光用の報知制限時間タイマもタイムアウトする前に12個目の入賞があった場合には、当該12個目の入賞に基づく発光によるオーバー入賞演出も当該12個目の入賞に基づく音声によるオーバー入賞演出も両方とも実行されない。
図48は、オーバー入賞演出の実行有無等を説明する説明図である。具体的には、図48は、2つの演出手段を用いるオーバー入賞演出(ある1つの演出手段(音声)による報知が行われた後に他の1つの演出手段(発光)による報知が行われる態様のオーバー入賞演出)の実行有無等を説明する説明図である。
図48(B)の中段の符号a1を付した実線は、11個目の入賞に基づく音声によるオーバー入賞演出を表している。図47(B)の下段の符号b1を付した実線は、11個目の入賞に基づく発光によるオーバー入賞演出を表している。当該11個目の入賞時には、図47の場合と同様、音声用の報知制限時間タイマのタイマ初期値(図48(D)の長い矢印の期間に相当する値)と、発光用の報知制限時間タイマのタイマ初期値(図48(D)の短い矢印の期間に相当する値)がセットされる。ここで、図48(B)の上段に示すように発光用の報知制限時間タイマも音声用の報知制限時間タイマもタイムアウトした後に12個目の入賞があった場合には、図48(B)の中段に符号a2を付して実線にて示したように当該12個目の入賞に基づく音声によるオーバー入賞演出が実行されるとともに、図48(B)の下段に符号b2を付して実線にて示したように当該12個目の入賞に基づく発光によるオーバー入賞演出が実行される。
図48(C)の中段の符号c1を付した実線は、図48(B)にて符号a1を付した実線と同様、11個目の入賞に基づく音声によるオーバー入賞演出を表している。図48(C)の下段の符号d1を付した実線は、図48(B)にて符号b1を付した実線と同様、11個目の入賞に基づく発光によるオーバー入賞演出を表している。当該11個目の入賞時には、図47の場合と同様、音声用の報知制限時間タイマのタイマ初期値(図48(D)の長い矢印の期間に相当する値)と、発光用の報知制限時間タイマのタイマ初期値(図48(D)の短い矢印の期間に相当する値)がセットされる。ここで、図48(C)の上段に示すように発光用の報知制限時間タイマがタイムアウトした後であって音声用の報知制限時間タイマがタイムアウトする前に12個目の入賞があった場合には、図48(C)の下段に符号d2を付して実線にて示したように当該12個目の入賞に基づく発光によるオーバー入賞演出は実行されるが、図48(C)の中段に符号c2を付して破線にて示したように当該12個目の入賞に基づく音声によるオーバー入賞演出は実行されない。なお、図示はしていないが、音声用の報知制限時間タイマも発光用の報知制限時間タイマもタイムアウトする前に12個目の入賞があった場合には、当該12個目の入賞に基づく発光によるオーバー入賞演出も当該12個目の入賞に基づく音声によるオーバー入賞演出も両方とも実行されない。
図49は、大当り遊技状態中における演出動作例等を示す図である。図49(A)は、大当り遊技状態中のある場面における演出動作例である。図49(A)の(a)の場面は初当り(1回目の大当り)の10ラウンド目の表示例である。図49(A)の(b)は(a)の場面から続く2連荘目(1回目から連続する2回目の大当り)の5ラウンド目の表示例である。図49(B)は、累積オーバー入賞球数表示エリア5Aにおける他の表示例である。
図49(A)の(a)の累積オーバー入賞球数表示エリア5Aには、累積オーバー入賞球数に応じた画像として、累積オーバー入賞球数5個分を示す星(大)1つと、累積オーバー入賞球数1個分を示す星(小)1つとが表示されている。即ち、当該場面に至るまでの間の累積オーバー入賞球数が6個であることを遊技者に報知している。また、図49(A)の(b)の累積オーバー入賞球数表示エリア5Aには、累積オーバー入賞球数に応じた画像として、累積オーバー入賞球数10個分を示す王冠1つと、累積オーバー入賞球数1個分を示す星(小)3つとが表示されている。即ち、当該場面に至るまでの間の累積オーバー入賞球数が13個であることを遊技者に報知している。
なお、図49(A)に示すような表示態様に代えて図49(B)に示すような表示態様により累積オーバー入賞球数を表示してもよい。即ち、夫々の各単位個数の画像(王冠、星(大)、星(小)等)と各画像に対応する数値とによって、累積オーバー入賞球数を報知してもよい。なお、図49(B)は、図49(A)の(b)と同数(13個)の累積オーバー入賞球数を表している。
また、累積オーバー入賞球数に応じて、図49(A)に示すような表示態様とするか図49(B)に示すような表示態様とするかを変化させてもよい。例えば、所定個数(例えば30個等)未満であるときは図49(A)に示すような表示態様とし当該所定個数以上であるときは図49(B)に示すような表示態様としてもよい。また、連荘数に応じて図49(A)に示すような表示態様とするか図49(B)に示すような表示態様とするかを変化させてもよい。例えば、所定連荘目(例えば5連荘目)未満であるときは図49(A)に示すような表示態様とし当該所定連荘目以上であるときは図49(B)に示すような表示態様としてもよい。
なお、累積オーバー入賞球数を単に数値によって報知してもよい。例えば、図49(A)の(a)の場合には累積オーバー入賞球数表示エリア5Aに「6(個)」と表示し、図49(A)の(b)の場合には累積オーバー入賞球数表示エリア5Aに「13(個)」と表示してもよい。
なお、図41に示した累積オーバー入賞球数報知処理(ステップS151)では、累積オーバー入賞球数(累積オーバー入賞球数カウント値)が「0」であっても累積オーバー入賞球数カウント値に応じた数等を表示するが、累積オーバー入賞球数が「0」であるときには表示せずに「1」以上であるときに表示してもよい。また、図41に示した累積オーバー入賞球数報知処理では、累積オーバー入賞球数が変化(増加)しない場合であっても累積オーバー入賞球数カウント値に応じた数等を表示するが、累積オーバー入賞球数が変化しない場合には表示せずに変化した場合に例えば所定時間表示してもよい。また、遊技者の操作(例えば、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bによる操作)に応じて、累積オーバー入賞球数カウント値に応じた数等の表示の有無を切り替えるようにしてもよい。
また、累積オーバー入賞球数の報知は、上述の如く、累積オーバー入賞球数を遊技者が認識できるものであればよく、表示によるものに限定されない。例えば、累積オーバー入賞球数カウント値に応じた数を音声出力してもよい。具体的には、遊技者の操作(例えば、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bによる操作)に応じて累積オーバー入賞球数カウント値に応じた数をスピーカ8L、8Rから音声出力してもよいし、累積オーバー入賞球数カウント値が増加した場合に累積オーバー入賞球数カウント値に応じた数をスピーカ8L、8Rから音声出力してもよい。
また、図49(A)に示すように、累積賞球数表示エリア5Bに累積賞球数を表示してもよい。累積賞球数とは、最初の大当り(初当り)のラウンドが実行されてから、大当りの終了後に低確低ベース状態になるまでの間における累積の賞球数(オーバー入賞による賞球数分も含む)である。例えば、図28及び図29に示したコマンド解析処理(ステップS74)において、大入賞口入賞通知コマンドを受信したときに(ステップS502;YES)、演出制御カウンタ設定部193に設けられている累積賞球数表示カウンタの格納値である累積賞球数表示カウント値を15加算するように更新し、高確フラグ及び高ベースフラグが両方共にオフ状態になったときに(ステップS521;YES)、累積賞球数表示カウンタをクリアして累積賞球数表示カウント値を「0」に初期化する。また、例えば、ステップS151の累積オーバー入賞球数報知処理(又は累積オーバー入賞球数報知処理が実行されるときに実行される処理)において、累積賞球数表示カウント値を読み出して、累積賞球数表示カウント値に応じた数等を累積賞球数表示エリア5Bに表示すればよい。
なお、図49(A)の(a)の累積賞球数は、例えば、初当りの10ラウンド目の10個目入賞時の累積賞球数(15個×10C×10R+15個+6C=1590個)を表している。図49(A)の(b)の累積賞球数は、例えば、2連荘目の5ラウンド目の最初(1個目入賞前)の累積賞球数(15個×10C×(16+4)R+15個+13C=3195個)を表している。また、図49(A)では累積賞球数を単に数値(1590個や3195個)によって報知しているが、累積賞球数に応じた画像等を表示してもよい。
なお、本実施形態では、第1大当りであっても第2大当りであっても大当り遊技状態の終了後には所定回数(例えば100回等)の高確高ベース状態に制御されるが、大当り遊技状態の終了後に所定回数の高確高ベース状態に制御されない大当り(低確高ベース状態、高確低ベース状態、低確低ベース状態等に制御される大当り)を設けるようにしてもよい。また、大当り遊技状態の終了後には次回大当りとなるまで高確状態(又は高ベース状態)に制御される大当りを設けるようにしてもよい。そして、上述のような大当りの場合にも、大当り遊技状態の終了後に所定回数の高確高ベース状態に制御される大当りの場合と同様、上述したオーバー入賞演出の実行や、上述したオーバー入賞演出の制限を適用してもよい。
また、本実施形態では、夫々のラウンド遊技において大入賞口を1回開放状態とする第1大当りや第2大当りを設けたが、全部又は一部のラウンド遊技において大入賞口を2回以上開放状態とする大当りを設けるようにしてもよい。(1)一例として、初めの方は短期開放を複数回実行し以降は閉鎖状態となるラウンドを設けるようにしてもよい。例えば、短期(例えば0.1秒等)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→短期(例えば0.1秒等)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→短期(例えば0.1秒等)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→短期(例えば0.1秒等)の開放→長期の閉鎖(例えば23.1秒等)というようなラウンドを設けてもよい。(2)他の例として、初めの方は短期開放を複数回実行し以降は長期開放状態となるラウンドを設けるようにしてもよい。例えば、短期(例えば0.1秒等)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→短期(例えば0.1秒等)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→短期(例えば0.1秒等)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→短期(例えば0.1秒等)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→長期(例えば21.1秒)の開放というようなラウンドを設けてもよい。(3)他の例として、初めの方は長期開放状態、以降は短期開放を複数回実行するラウンドを設けるようにしてもよい。例えば、長期(例えば21.1秒)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→短期(例えば0.1秒等)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→短期(例えば0.1秒等)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→短期(例えば0.1秒等)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→短期(例えば0.1秒等)の開放というようなラウンドを設けてもよい。(4)他の例として、初めの方と終わりの方で短期開放を複数回実行し、他は、長期開放状態となるラウンドを設けるようにしてもよい。例えば、短期(例えば0.1秒等)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→短期(例えば0.1秒等)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→長期(例えば21.1秒)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→短期(例えば0.1秒等)の開放→閉鎖(例えば2秒等)→短期(例えば0.1秒等)の開放というようなラウンドを設けてもよい。
なお、上記(1)〜(4)は、ラウンド遊技において大入賞口を2回以上開放状態とする態様を例示したものであって、ラウンド遊技において大入賞口を2回以上開放状態とする態様は上記(1)〜(4)に限定されない。例えば、上記(1)〜(4)の例では、短期の開放時間を同一の時間(例えば0.1秒)としているが、一のラウンドに複数の短期の開放時間(例えば0.1秒、0.2秒等)を設けてもよい。また、上記(1)〜(4)の例では、短期の開放時間の間の閉鎖時間を同一の時間(例えば、2.0秒)としているが、当該閉鎖時間についても同様である。また、開放回数なども上記(1)〜(4)とは異なる回数であってもよい。
そして、上述のような、大入賞口を2回以上開放状態とするラウンド遊技の場合にも、大入賞口を1回開放状態とするラウンド遊技の場合と同様、上述したオーバー入賞演出の実行や、上述したオーバー入賞演出の制限を適用してもよい。
また、本実施形態では、大当り図柄が導出表示された場合に大当り遊技状態に制御され特別可変入賞球装置7Aまたは特別可変入賞球装置7Bは開放状態となる。つまり、大当り図柄が導出表示は、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態)を導く有利条件である。また、本実施形態では、大当り図柄が導出表示された場合に大当り遊技状態に制御され、特別可変入賞球装置7A,7Bを開放状態とする例を説明したが、他の場合にも特別可変入賞球装置7A,7Bを開放状態としてもよい。例えば、突確図柄が導出表示された場合などにおいて制御される突確(突然確変)を設けることにより、特別可変入賞球装置7A,7Bを開放状態としてもよい。また、小当り図柄が導出表示された場合などにおいて制御される小当りを設けることにより、特別可変入賞球装置7A,7Bを開放状態としてもよい。そして、突確や小当りの場合にも、大当り遊技状態の場合と同様、上述したオーバー入賞演出の実行や、上述したオーバー入賞演出の制限を適用してもよい。
また、本実施形態では、オーバー入賞演出の制限として、オーバー入賞演出の全部を不実行(例えば、図42(C)では11個目の入賞に基づくオーバー入賞演出を不実行)とする例、オーバー入賞演出の一部を不実行(例えば、図47(C)や図48(C)では12個目の入賞に基づくオーバー入賞演出(音声)を不実行)とする例を説明したが、オーバー入賞演出の制限として出力の程度を抑えて(音を小さく、光を弱く、画像を小さく等)オーバー入賞演出を実行してもよい。
[まとめ]
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1−0) 従来、パチンコ遊技機において、遊技媒体(たとえば、遊技球)が入賞容易な第1状態と、遊技媒体が入賞困難または入賞不能な第2状態とに変化可能な可変入賞手段(可変入賞口)に所定の上限数の遊技球が入賞すると可変入賞手段が第2状態とされる。しかし、所定の上限数の遊技球を検出してから第2状態とされるまでの間に所定の上限数を超えて遊技球が入賞(いわゆるオーバー入賞)する場合がある。このような所定の上限数を超えて遊技球が入賞したことに基づいて、音声を鳴らすような報知演出を行なうものがあった(たとえば、先行技術文献の欄で示した特許文献1参照)。
従来から、大当り状態が所定回数、連続した場合のような通常の大当り状態に加えて付加的な条件が成立した場合における大当り状態において、他の大当り状態においては実行されない演出が実行されるパチンコ遊技機がある。
しかし、特許文献1のようなパチンコ遊技機においては、いわゆるオーバー入賞の報知演出によって、付加的な条件の成立が不要な有利状態(大当り状態)では実行されない演出が阻害されてしまうといった問題があった。このような課題を解決するために、前述した実施の形態で示したように、遊技機は以下のように構成される。
(1−1−1) 遊技者にとって有利な有利状態(たとえば、大当り状態)に制御可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1)であって、
遊技媒体(たとえば、遊技球)が入賞容易な第1状態(たとえば、開放状態)と、遊技媒体が入賞困難または入賞不能な第2状態(たとえば、閉鎖状態)とに変化可能な可変入賞手段(たとえば、特別可変入賞球装置7A,7B)と、
前記有利状態として、所定期間(たとえば、大入賞口開放上限時間)が経過することまたは所定の上限数(たとえば、入賞上限判定値=10個)の遊技媒体が入賞することの少なくともいずれか一方が成立するまで前記可変入賞手段を前記第1状態に変化させることが可能な特定遊技(たとえば、ラウンド遊技)を所定回(たとえば、16ラウンド,6ラウンド)、実行する可変入賞制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ100)と、
前記有利状態において、前記可変入賞手段に設けられた特別領域に遊技媒体が入賞したことに基づいて、遊技者にとって有利な特別状態(たとえば、確変状態)に制御する特別状態制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ100)と、
前記特定遊技において前記所定の上限数を超える遊技媒体が前記特定領域に入賞したこと(たとえば、いわゆるオーバー入賞したこと)にもとづいて報知演出(たとえば、インターバル期間から次のラウンド遊技の期間に亘って行なわれる猫の鳴き声の演出音の出力。図43参照。)を実行する報知演出実行手段(たとえば、演出制御用CPU120、図40のステップS918)とを備える。
(1−1−2) 上述の(1−1−1)の構成に加えて、遊技機は、さらに、
第1条件(たとえば、大当り表示結果となること)の成立に基づいて複数種類の前記有利状態のうちの第1有利状態(たとえば、プレミアム演出を実行しない大当り状態)に制御し、前記第1条件と第2条件(たとえば、所定回数、連続して大当り状態となること、確変状態中に特定のリーチで大当りとなること)との成立に基づいて複数種類の前記有利状態のうちの第2有利状態(たとえば、プレミアム演出を実行する大当り状態)に制御する有利状態制御手段と、
前記第2有利状態の所定期間(たとえば、2〜6ラウンドの期間)、前記第1有利状態では実行しない所定演出(たとえば、プレミアム演出)を実行する所定演出実行手段(たとえば、演出制御用CPU120、図35のステップS803,図36のステップS752)と、
前記所定期間においては前記報知演出の実行を制限する報知演出制限手段(たとえば、演出制御用CPU120、図40のステップS913。プレミアム演出は連チャン回数=10かつラウンド数=2〜6のラウンド遊技で実行されるので、このときに制限する。)とを備える。
このような構成によれば、第1条件の成立で制御される第1有利状態では実行されない所定演出が実行され、第1条件に加えて第2条件の成立で制御される第2遊技状態の所定期間においては、所定の上限数を超えた可変入賞手段への入賞の報知演出の実行が制限される。その結果、付加的な条件の成立が不要な第1有利状態では実行されない演出が、可変入賞手段への所定の上限数を超えた入賞の報知演出によって阻害されることを防止することが可能な遊技機を提供することができる。
特に、プレミアム演出のような所定演出は、感動的な映像が流れるような演出が多く、報知演出の猫の鳴き声などにより、プレミアム演出の雰囲気を台無しにしてしまうことを防止することができる。
(1−2) 上述の(1−1−2)の遊技機において、
前記報知演出制限手段は、前記所定期間の経過後は、前記報知演出の実行の制限を解除する(たとえば、図40のステップS913のオーバー入賞の報知を制限する処理に進まない。)。
このような構成によれば、報知演出による所定演出の阻害を防止する必要がある所定期間の経過後は、報知演出が実行され得る。その結果、報知演出が実行されないことによる興趣の低下を最小限とすることができる。
(1−3) 上述の(1−1−2)または(1−2)の遊技機において、
前記特定遊技のうちの特定回目の特定遊技(たとえば、5ラウンド目。通常ラウンド遊技では、特別可変入賞球装置7Aが開放され、特定ラウンド遊技では、特別可変入賞球装置7Bが開放される。)が開始されるときに前記特別領域への遊技媒体の入賞を促す促進演出を実行する促進演出実行手段(たとえば、演出制御用CPU120、図35のステップS817,ステップS807,図36のステップS752)をさらに備え、
前記可変入賞制御手段は、前記第2有利状態においては、前記所定期間に前記特定回目の特定遊技を実行し、
前記促進演出実行手段は、前記所定期間においては、他の期間とは異なる態様で前記促進演出を実行する(たとえば、図35のステップS807,図36のステップS752。たとえば、画面の右下部で小窓表示として図43(D)で示すような促進演出を実行し、右下部以外でプレミアム演出を実行する。)。
このような構成によれば、所定演出が実行される所定期間においては、他の期間とは異なる態様で促進演出が実行される。その結果、所定演出の興趣を低下させないような態様で促進演出を実行することができる。
(2−0) 近年、大当り状態におけるラウンド遊技において、可変入賞手段に設けられた特別領域(たとえば、V領域)に遊技媒体が入賞したことに基づいて、遊技者にとって有利な特別状態(たとえば、確率変動状態)に制御されるパチンコ遊技機がある。このようなパチンコ遊技機においては、特別領域に遊技媒体が入賞しないと、確率変動状態に制御されない。このため、特別領域に遊技媒体が入賞したことを遊技者に報知する演出を分かり易く行なう必要がある。
しかし、上述の(1−0)で示した特許文献1のようなパチンコ遊技機においては、いわゆるオーバー入賞の報知演出によって、特別領域に遊技媒体が入賞したことを遊技者に報知する演出が阻害されてしまうといった問題があった。このような課題を解決するために、前述した実施の形態で示したように、遊技機は以下のように構成される。
(2−1) 上述の(1−1−1)〜(1−3)の構成に加えて、遊技機は、さらに、
前記特定遊技のうちの特定回目の特定遊技(たとえば、通常ラウンド遊技では、特別可変入賞球装置7Aが開放され、特定ラウンド遊技では、特別可変入賞球装置7Bが開放される。)において前記特別領域に遊技媒体が入賞したことに基づいて、特別演出(たとえば、特別領域へ入賞したことを遊技者に報知する特別領域通過演出。図43(E),図43(F)参照。)を実行する特別演出実行手段(たとえば、演出制御用CPU120、図36のステップS758)と、
前記特定回目の特定遊技の前記報知演出の実行を制限する報知演出制限手段(たとえば、演出制御用CPU120、図40のステップS917。特別領域通過演出はラウンド数=5の特定ラウンド遊技で実行されるので、ラウンド数=5のときに制限する。)とを備える。
このような構成によれば、可変入賞手段に設けられた特別領域へ遊技媒体が入賞したことに基づいて実行される特別演出が実行される特定回目の特定遊技の、所定の上限数を超えた可変入賞手段への入賞の報知演出の実行が制限される。その結果、可変入賞手段に設けられた特別領域へ遊技媒体が入賞したことを遊技者に報知する演出が、可変入賞手段への所定の上限数を超えた入賞の報知演出によって阻害されることを防止することが可能な遊技機を提供することができる。
(2−2) 上述の(2−1)の遊技機において、
前記特別演出実行手段は、次の特定遊技が開始されるときまで前記特別演出を実行する(たとえば、図36のステップS758。インターバル期間を跨いでV入賞報知演出を実行する。)。
このような構成によれば、特定遊技と特定遊技との間の可変入賞手段が第2状態である期間においても特別演出が実行される。その結果、そのような期間の興趣の低下を防止することができる。
(2−3) 上述の(2−1)または(2−2)の遊技機において、
前記可変入賞手段は、第1可変入賞手段(たとえば、特別可変入賞球装置7A)と第2可変入賞手段(たとえば、特別可変入賞球装置7B)とを含み、
前記可変入賞制御手段は、前記特定回目の特定遊技において前記第2可変入賞手段を前記第1状態に変化させる(たとえば、図21のステップS139C)一方、前記特定回目以外の特定遊技において前記第1可変入賞手段を前記第1状態に変化させ(たとえば、図21のステップS139B)、
前記報知演出実行手段は、前記第1可変入賞手段と前記第2可変入賞手段とのいずれにおいて前記特定領域に前記所定の上限数を超える遊技媒体が入賞したかに応じて異なる態様の前記報知演出を実行する(たとえば、図40のステップS917,ステップS918)。
このような構成によれば、第1可変入賞手段および第2可変入賞手段のいずれの入賞であるかに応じて報知演出の態様が異なる。その結果、報知演出の興趣を向上させることができる。
(2−4) 上述の(2−1)または(2−2)の遊技機において、
前記可変入賞手段は、第1可変入賞手段と第2可変入賞手段とを含み、
前記可変入賞制御手段は、前記特定回目の特定遊技において前記第2可変入賞手段を前記第1状態に変化させる(たとえば、図21のステップS139C)一方、前記特定回目以外の特定遊技において前記第1可変入賞手段を前記第1状態に変化させ(たとえば、図21のステップS139B)、
上述した実施の形態と異なり、前記報知演出制限手段は、前記特定回目の特定遊技の前記報知演出の実行を禁止する(たとえば、図40のステップS917の処理を無しにすることにより、報知演出が実行されない。)ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定回目の特定遊技における第2可変入賞手段への入賞の報知演出は実行されない。その結果、特別演出が報知演出によって阻害されることを完全に防止することができる。
(3−0) 近年、大当り状態におけるラウンド遊技において、可変入賞手段に設けられた特別領域(たとえば、V領域)に遊技媒体が入賞したことに基づいて、遊技者にとって有利な特別状態(たとえば、確率変動状態。確変状態ともいう。)に制御されるパチンコ遊技機がある。このようなパチンコ遊技機においては、特別領域に遊技媒体が入賞しないと、確率変動状態に制御されない。このため、特別領域に遊技媒体が入賞可能なラウンド遊技またはその前のラウンド遊技において、特別領域へ遊技媒体を入賞させることを遊技者に促す演出を分かり易く行なう必要がある。
しかし、上述の(1−0)で示した特許文献1のようなパチンコ遊技機においては、いわゆるオーバー入賞の報知演出によって、特別領域への遊技媒体の入賞を遊技者に促す演出が阻害されてしまうといった問題があった。このような課題を解決するために、前述した実施の形態で示したように、遊技機は以下のように構成される。
(3−1) 上述の(1−1−1)〜(1−3),(2−1)〜(2−4)の構成に加えて、遊技機は、さらに、
前記特定遊技のうちの特定回目の特定遊技(たとえば、5ラウンド目。通常ラウンド遊技では、特別可変入賞球装置7Aが開放され、特定ラウンド遊技では、特別可変入賞球装置7Bが開放される。)が開始されるときに前記特別領域への遊技媒体の入賞を促す促進演出(たとえば、遊技者に特別領域への入賞を強く促す演出であって、ボイスおよび画像表示装置5での表示によって「V領域を狙え」と報知する促進演出。図43(D)参照。)を実行する促進演出実行手段(たとえば、演出制御用CPU120、図35のステップS817,図36のステップS752)と、
前記特定回の1回前の特定遊技の前記報知演出の実行を制限する報知演出制限手段(たとえば、演出制御用CPU120、図40のステップS917。促進演出はラウンド数=5の特定ラウンド遊技で実行されるので、ラウンド数=5のときに制限する。)とを備える。
このような構成によれば、可変入賞手段に設けられた特別領域への遊技媒体の入賞を促す促進演出が実行される特定回目の特定遊技の1回前の特定遊技の、所定の上限数を超えた可変入賞手段への入賞の報知演出の実行が制限される。その結果、可変入賞手段に設けられた特別領域への遊技媒体の入賞を遊技者に促す演出が、可変入賞手段への所定の上限数を超えた入賞の報知演出によって阻害されることを防止することが可能な遊技機を提供することができる。
(3−2) 上述の(3−1)の遊技機において、
前記特定回の前(たとえば、直前であってもよいし、数ラウンド前であってもよい。)の特定遊技の期間において、後に開始される前記特定回目の特定遊技を告知する告知演出(たとえば、遊技者に次のラウンド遊技が特定ラウンド遊技であることを告知する演出であって、ボイスおよび画像表示装置5での表示によって「次のラウンドでV領域を狙え」と報知する告知演出。図43(C)参照。)を実行する告知演出実行手段(たとえば、演出制御用CPU120、図35のステップS815,図36のステップS752)をさらに備える。
このような構成によれば、可変入賞手段に設けられた特別領域へ遊技媒体を入賞させるべき特定回の前に特定回目の特定遊技が告知される。その結果、特別領域の遊技媒体の入賞を遊技者が逃してしまうことを防止できる。
(3−3) 上述の(3−2)の遊技機において、
前記報知演出制限手段は、さらに、前記告知演出が実行される特定遊技の前記報知演出の実行を制限する(たとえば、図40のステップS915。告知演出はラウンド数=4の特定ラウンド遊技で実行されるので、ラウンド数=4のときに制限する。)。
このような構成によれば、告知演出が報知演出によって阻害されることを防止することができる。
(3−4) 上述の(3−1)〜(3−3)のいずれかの遊技機において、
前述の実施の形態と異なり、前記報知演出が実行される期間(たとえば、2.0秒としてもよい。)は、前記特定遊技と前記特定遊技との間の前記可変入賞手段が前記第2状態である閉鎖期間(たとえば、インターバル期間。たとえば、1.5秒)より長いこととしてもよい。
このような構成によれば、閉鎖期間となった直後に実行され得る報知演出によって閉鎖期間の興趣の低下を防止することができる。
(3−5) 上述の(3−1)〜(3−4)のいずれかの遊技機において、
前述した実施の形態と異なり、前記報知演出制限手段は、前記報知演出の実行を禁止する(たとえば、図40のステップS917,ステップS915の処理を無しにすることにより、報知演出が実行されない。)ようにしてもよい。
このような構成によれば、促進演出が報知演出によって阻害されることを完全に防止することができる。
(3−6) 上述の(3−1)〜(3−5)のいずれかの遊技機において、
前記報知演出制限手段は、前記所定の上限数番目の入賞(たとえば、10個目の入賞)と当該入賞の後の入賞(たとえば、11個目以降の入賞)とが特定期間(たとえば、図39のステップS903においてタイマ初期値としてセットされる報知制限時間タイマ値に対応する期間。0.4秒。)内において連続したとき(たとえば、図39のステップS905に示すように報知制限時間タイマ値がタイムアウトする前に11個目の入賞があったとき)に、前記報知演出の実行を制限する(たとえば、全部を実行しない。一部を実行する。出力の程度を抑えて実行する。)。
このような構成によれば、所定の上限数を超えた入賞が特定期間において連続することで報知演出が煩雑となり却って興趣が低下してしまうことを防止することができる。
(3−7) 上述の(3−1)〜(3−6)のいずれかの遊技機において、
前記報知演出制限手段は、前記所定の上限数番目の入賞の後の複数の入賞(たとえば、11個目以降の複数の入賞)が特定期間(例えば、図45のステップS903においてタイマ初期値としてセットされる報知制限時間タイマ値に対応する期間。約0.4秒。)内において連続したとき(例えば、図45のステップS905に示すように報知制限時間タイマ値がタイムアウトする前に12個目の入賞があったとき)に、前記報知演出の実行を制限する(たとえば、全部を実行しない。一部を実行する。出力の程度を抑えて実行する。)。
このような構成によれば、所定の上限数を超えた入賞が特定期間において連続することで報知演出が煩雑となり却って興趣が低下してしまうことを防止することができる。
(4−1) 有利条件(例えば、大当り図柄、突確図柄、小当り図柄等の導出表示等)が成立したときに遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態、突確、小当り等)に制御可能な遊技機であって、遊技媒体(例えば、遊技球等)が入賞容易な第1状態(例えば、開放状態等)と、遊技媒体が入賞困難な第2状態(例えば、閉鎖状態等)とに変化可能な可変入賞手段(例えば、特別可変入賞球装置7A,7B等)と、前記有利状態において、前記可変入賞手段を所定期間(例えば、図22(B)に示した29.5秒等)が経過すること、又は遊技媒体が上限入賞数(図23の大当り開放中処理のステップS126に示した入賞上限判定値に対応する数。例えば10個等)入賞することの少なくともいずれか一方が成立するまで前記第1状態に変化させることが可能な開放遊技(例えば、大当り遊技状態におけるラウンド遊技、突確や小当りにおいて開放状態となる制御等)を所定回(例えば、第1大当りの場合は6回、第2大当りの場合は16回等)実行する可変入賞制御手段(例えば、図21の大当り開放前処理のステップS139の処理や図25の大当り開放後処理のステップS365、ステップS368の処理等)と、一の開放遊技(例えば、全部又は一部のラウンド遊技)において、遊技媒体が前記上限入賞数を超えて前記可変入賞手段に入賞(例えば、オーバー入賞等)したことに基づいて、特定演出(例えば、図39のステップS906において実行される、オーバー入賞を報知するオーバー入賞演出等)を実行可能な特定演出実行手段(例えば、図39に示したオーバー入賞報知処理等)とを備え、前記特定演出実行手段は、前記上限入賞数目の入賞(例えば、入賞上限判定値に対応する10個目の入賞)と前記上限入賞数目の入賞の後の入賞(例えば、11個目の入賞や12個目の入賞や13個目の入賞等)とが特定期間(例えば、図39のステップS903においてタイマ初期値としてセットされる報知制限時間タイマ値に対応する期間(例えば約0.4秒等)等)内において連続したときに(例えば、図39のステップS905に示すように報知制限時間タイマ値がタイムアウトする前に11個目の入賞があったときは)、前記特定演出の実行を制限する(例えば、全部を実行しない。一部を実行する。出力の程度を抑えて実行する等)。
このような構成によれば、興趣の低下を防止できる。
(4−2) 有利条件(例えば、大当り図柄、突確図柄、小当り図柄等の導出表示等)が成立したときに遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態、突確、小当り等)に制御可能な遊技機であって、遊技媒体(例えば、遊技球等)が入賞容易な第1状態(例えば、開放状態等)と、遊技媒体が入賞困難な第2状態(例えば、閉鎖状態等)とに変化可能な可変入賞手段(例えば、特別可変入賞球装置7A,7B等)と、前記有利状態において、前記可変入賞手段を所定期間(例えば、図22(B)に示した29.5秒等)が経過すること、又は遊技媒体が上限入賞数(図23の大当り開放中処理のステップS126に示した入賞上限判定値に対応する数。例えば10個等)入賞することの少なくともいずれか一方が成立するまで前記第1状態に変化させることが可能な開放遊技(例えば、大当り遊技状態におけるラウンド遊技、突確や小当りにおいて開放状態となる制御等)を所定回(例えば、第1大当りの場合は6回、第2大当りの場合は16回等)実行する可変入賞制御手段(例えば、図21の大当り開放前処理のステップS139の処理や図25の大当り開放後処理のステップS365、ステップS368の処理等)と、一の開放遊技(例えば、全部又は一部のラウンド遊技)において、遊技媒体が前記上限入賞数を超えて前記可変入賞手段に入賞(例えば、オーバー入賞等)したことに基づいて、特定演出(例えば、図45のステップS906において実行される、オーバー入賞を報知するオーバー入賞演出等)を実行可能な特定演出実行手段(例えば、図45に示したオーバー入賞報知処理等)とを備え、前記特定演出実行手段は、前記上限入賞数目の入賞の後の複数の入賞(例えば、11個目の入賞や12個目の入賞や13個目の入賞等)が特定期間(例えば、図45のステップS903においてタイマ初期値としてセットされる報知制限時間タイマ値に対応する期間(例えば約0.4秒等)等)内において連続したときに(例えば、図45のステップS905に示すように報知制限時間タイマ値がタイムアウトする前に12個目の入賞があったときは)、前記特定演出の実行を制限する(例えば、全部を実行しない。一部を実行する。出力の程度を抑えて実行する等)。
このような構成によれば、興趣の低下を防止できる。
(4−3) 上記実施形態によるパチンコ遊技機1において、前記特定演出は、例えば、図42、図46などに示すように、音による演出であってもよい。
このような構成によれば、音による演出であるため処理負担を低減できる。例えば、表示による演出に比べて処理負担を低減できる。
(4−4) 上記実施形態によるパチンコ遊技機1は、前記可変入賞手段に入賞したことに基づいて遊技者が獲得した遊技価値の大きさ(例えば、累積賞球数等)に関する表示(例えば、累積賞球数表示エリア5Bへの表示等)を実行する獲得価値表示手段(図49(A)に示したように累積賞球数を表示等する手段)を更に含む。
このような構成によれば、満足感を高められる。
なお、上記実施形態では、累積賞球数として、最初の大当りのラウンドが実行されてから大当りの終了後に低確低ベース状態になるまでの間における累積の賞球数を表示している。即ち、図49(A)にも示したように連荘中における累積の賞球数を累積賞球数として表示している。上記に代えて又は加えて、大当り毎の累積の賞球数を表示してもよいし、ラウンド毎の賞球数を表示してもよい。
なお、上述の獲得価値表示手段は、例えば、図28及び図29に示したコマンド解析処理(ステップS74)において、大入賞口入賞通知コマンドを受信したときに(ステップS502;YES)、演出制御カウンタ設定部193に設けられている累積賞球数表示カウンタの格納値である累積賞球数表示カウント値を15加算するように更新し、高確フラグ及び高ベースフラグが両方共にオフ状態になったときに(ステップS521;YES)、累積賞球数表示カウンタをクリアして累積賞球数表示カウント値を「0」に初期化する処理や、例えば、ステップS151の累積オーバー入賞球数報知処理(又は累積オーバー入賞球数報知処理が実行されるときに実行される処理)において、累積賞球数表示カウント値を読み出して、累積賞球数表示カウント値に応じた数等を累積賞球数表示エリア5Bに表示する処理などである。なお、図49(A)では累積賞球数を単に数値によって報知しているが、累積賞球数に応じた画像等を表示してもよい。
(4−5) 上記実施形態によるパチンコ遊技機1において、前記特定期間(例えば、図45のステップS903に示すように約0.4秒)は、前記特定演出の実行期間(例えば、図45のステップS906に示すように約0.3秒)以上の期間である。
このような構成によれば、演出効果の低減を防止できる。
なお、上記実施形態では、図45(オーバー入賞に該当する入賞同士の関係における例)では、特定期間(報知制限時間)を約0.4秒とし、特定演出の実行期間(オーバー入賞演出の実行時間)を0.3秒としているが、夫々の期間は図45に示したものに限定されない。具体的には、図45の態様における特定期間(オーバー入賞に該当する入賞同士の関係における報知制限時間)が特定演出の実行期間以上の期間であれば、夫々の期間は、図45に例示した期間以外の期間であってもよい。また、図39(オーバー入賞に該当しない入賞とオーバー入賞に該当する入賞との関係における例)と、図45(オーバー入賞に該当する入賞同士の関係にける例)とで、特定期間(報知制限時間)を共通(同一)の時間としているが、異なる時間としてもよい。但し、共通の時間を用いることにより処理が複雑になるのを防止することができる。
また、上記実施形態では、図39の態様における特定期間(オーバー入賞に該当しない入賞とオーバー入賞に該当する入賞との関係における報知制限時間)についても、図45の態様における特定期間(オーバー入賞に該当する入賞同士の関係における報知制限時間)と同様に、特定演出の実行期間(オーバー入賞演出の実行時間)以上の期間としているが、図39の態様における特定期間は、特定演出の実行期間未満であってもよい。
(4−6) 上記実施形態では、累積賞球数として、オーバー入賞ではない入賞(例えば、1個目〜10個目の入賞)による賞球数分とオーバー入賞(例えば、11個目〜の入賞)による賞球数分とを纏めて表示しているため、オーバー入賞による賞球数を含む全体の累積賞球数は容易に把握できるが、オーバー入賞による賞球数分の把握には計算を要する。従って、オーバー入賞による賞球数分を容易に把握すべくオーバー入賞による賞球数分を表示してもよい。
つまり、上記実施形態によるパチンコ遊技機1において、前記獲得価値表示手段は、遊技媒体が前記上限入賞数を超えて前記可変入賞手段に入賞(例えば、オーバー入賞等)したことに基づいて遊技者が獲得した遊技価値(例えば、オーバー入賞による累積賞球数等)の大きさに関する表示を実行してもよい。
このような構成によれば、満足感を高められる。
(4−7) 上記実施形態によるパチンコ遊技機1は、遊技媒体が前記上限入賞数を超えて前記可変入賞手段に入賞した数(例えば、累積オーバー入賞球数等)に関する表示(例えば、累積オーバー入賞球数表示エリア5Aへの表示等)を実行する特別獲得価値表示手段(図41に示したステップS151の累積オーバー入賞球数報知処理等)を更に含む。
このような構成によれば、満足感を高められる。
[変形例]
次に、前述した実施の形態の変形例を説明する。以上、本発明の実施形態等について説明したが、装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5や第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bや普通図柄表示器20や普図保留表示器25Cの表示動作を含めた各種の演出動作などについても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
(1) 前述した実施の形態においては、図40のステップS913,ステップS915,ステップS917で示したように、オーバー入賞の報知を音量0で実行することによって、オーバー入賞の報知(報知演出)を制限するようにした。しかし、これに限定されず、報知演出を制限するのであれば、他の方法であってもよい。(a)たとえば、これらの処理(ステップS913,ステップS915,ステップS917)自体を実行しないようにしてもよい。(b)これらの処理において、音量を通常よりも下げて実行するようにしてもよい。(c)これらの処理において報知演出の音の出力期間を通常よりも短くするようにしてもよい。(d)促進演出、告知演出、特定領域通過演出およびプレミアム演出の音が出力されるときだけ報知演出の音量を下げるまたは0にするダッキング処理を行なうようにしてもよい。(e)通常と異なる短い報知演出を実行するようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態においては、2つの特別可変入賞球装置7A,7Bが備えられ、そのうちの1つの特別可変入賞球装置7Bに特別領域(いわゆるV領域)が設けられるようにした。しかし、これに限定されず、特別可変入賞球装置が1つ備えられ、その特別可変入賞球装置に特別領域が設けられるようにしてもよい。また、特別可変入賞球装置が複数設けられ、大当り遊技状態の種類によって開放される特別可変入賞球装置が異なり、すべてまたは一部の特別可変入賞球装置に特別領域が設けられるようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態においては、特別可変入賞球装置7A,7Bが大入賞口を開閉するタイプであることとした。しかし、遊技媒体(たとえば、遊技球)が入賞容易な第1状態(たとえば、開放状態)と、遊技媒体が入賞困難または入賞不能な第2状態(たとえば、閉鎖状態)とに変化可能な可変入賞手段であれば、このタイプに限定されず、大入賞口は常に開放された状態であるとともに、大入賞口に遊技媒体を導く経路が、遊技媒体を導き易い状態と、遊技媒体を導き難い状態または遊技媒体を導けない状態とに変化可能なタイプであってもよい。
(4) 前述した(3−4)で示したように、報知演出の長さをインターバル期間よりも長くした場合、報知演出が次のラウンド遊技まで実行されることとなる。これにより、報知演出によってインターバル期間の興趣の低下を防止することができるが、次のラウンドでの演出を阻害してしまう可能性がある。このため、阻害されると好ましくない促進演出、告知演出、特別領域通過演出およびプレミアム演出などの演出を阻害してしまう可能性がある場合は、報知演出の実行を制限する意味合いがより強くなる。
しかし、報知演出の長さがインターバル期間よりも短い場合であっても、報知演出によって次のラウンドでの演出を阻害してしまう可能性があるので、報知演出の実行を制限する意義がある。
(5) 前述した実施の形態においては、オーバー入賞の報知演出が音で実行されることとした。しかし、これに限定されず、報知演出が、音とともに、または、音に替えて、他の手段で実行されるようにしてもよい。たとえば、他の手段は、画像表示装置5などの映像を表示可能な表示手段であってもよいし、LEDランプのような光を発することが可能な発光手段であってもよいし、移動可能な可動役物のような手段であってもよいし、打球操作ハンドルを振動させるような手段であってもよい。
たとえば、報知演出が特に映像で実行されるような場合は、促進演出、告知演出、特別領域通過演出およびプレミアム演出などの演出の映像と重なって煩雑となってしまうが、報知演出の実行が制限されることで、そのように煩雑にならないようにすることができる。
(6) 促進演出、告知演出、特別領域通過演出およびプレミアム演出などの演出が報知演出によって阻害される態様は、報知演出の期間と阻害される演出の期間とが重なる場合に限定されない。重ならない場合であっても、阻害される演出の直前や直後に報知演出が実行されると、阻害される演出の遊技者に対する印象が悪くなったり、阻害される演出の余韻が阻害されてしまったりする。このため、報知演出の期間と阻害される演出の期間とが重ならない場合であっても、報知演出の実行が制限されるようにすることが好ましい。
(7) 前述した(2−3)で示したように、特別可変入賞球装置7Aの第1大入賞口へのオーバー入賞に対しては、図40のステップS918で示したように通常音量でオーバー入賞の報知を行ない、特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口へのオーバー入賞に対しては、図40のステップS917で示したように音量0でオーバー入賞の報知を行なうようにした。
しかし、これに限定されず、第1大入賞口のオーバー入賞と第2大入賞口のオーバー入賞とで報知演出の態様が異なるのであれば、他の態様であってもよい。たとえば、第1大入賞口のオーバー入賞の報知演出は、通常の音量の音声で報知を行なうとともに所定ランプを発光させ、第2大入賞口のオーバー入賞の報知演出は、音量0の音声で報知を行なうとともに第1大入賞口と同様に所定ランプを発光させるようにしてもよい。また、第1大入賞口のオーバー入賞の報知演出は、通常の音量の音声で報知を行ない、第2大入賞口のオーバー入賞の報知演出は、音声での報知ではなく所定ランプを発光させるようにしてもよい。また、第1大入賞口のオーバー入賞の報知演出は、猫の鳴き声で報知を行ない、第2大入賞口のオーバー入賞の報知演出は、犬の鳴き声で報知を行なうようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態においては、前述の(1−1−2)で示したプレミアム演出を実行する第2有利状態は、大当り表示結果となることといった第1条件に加えて、所定回数、連続して大当り状態となること(たとえば、10連チャンすること)といった第2条件が成立することに基づいて制御されることとした。
しかし、第2条件は、他の条件であってもよく、たとえば、確変状態中に特定のリーチ(プレミアムリーチ)で大当りとなることという条件であってもよいし、複数の大当り遊技状態のうち最も当たる確率の低い大当り遊技状態となるという条件であってもよいし、複数の大当り遊技状態のうち最も獲得可能な出玉数が最も多い大当り遊技状態となるという条件であってもよい。
(9) 前述した実施の形態においては、前述した(1−1−2)で示した第1有利状態と第2有利状態とが所定演出(たとえば、プレミアム演出)が実行されるか否かだけが異なる同種(同じ開放パターン)の大当り遊技状態であることとした。しかし、これに限定されず、第1有利状態と第2有利状態とが所定演出が実行されるか否かだけが異なるのではなく、異なる種類(異なる開放パターン、たとえば、6R大当りと16R大当り)の大当り遊技状態であってもよい。
(10) 前述した実施の形態においては、図35のステップS805,ステップS807で示したように、プレミアム演出が実行されているときは、それぞれ、告知演出および促進演出が画面の右下部で小窓表示として実行されるようにすることで、告知演出および促進演出が、他の期間とは異なる態様で実行されるようにした。
また、図36のステップS758で示したように、プレミアム演出が実行されているときは、特別領域通過演出が画面の右下部で小窓表示として実行されるようにすることで、特別領域通過演出が、他の期間とは異なる態様で実行されるようにした。
しかし、告知演出、促進演出および特別領域通過演出が、他の期間とは異なる態様で実行されるのであれば、これらの演出が画面の右下部で小窓表示として実行されることに限定されず、他の態様であってもよい。たとえば、これらの演出が画面の他の一部で実行される態様であってもよい。また、小窓表示としてではなく、これらの演出がプレミアム演出の一部に重畳する態様、つまり、これらの演出の背景としてプレミアム演出が透過して見える態様で実行されるようにしてもよい。また、メイン表示手段に加えてサブ表示手段を備えるような場合は、これらの演出がサブ表示手段で実行される様態であってもよい。いずれの場合であっても、プレミアム演出などの所定演出の興趣を低下させないような態様で告知演出、促進演出および特別領域通過演出を実行することが好ましい。
(11) 上記実施形態では大入賞口の賞球数を「15」、カウント数(入賞上限判定値に対応する数)を「10」としているが、一例であって他の数としてもよい。
(12) 上記実施形態では、遊技領域の左右中央に特別可変入賞球装置7Aを設け、遊技領域の右側に特別可変入賞球装置7Bを設けたが、遊技領域のいずれの位置に特別可変入賞球装置7A,7Bを設けるようにしてもよい。なお、遊技領域のいずれの位置に配置する場合であっても、オーバー入賞が生じ易い形態の特別可変入賞球装置7A,7Bを配置するようにしてもよい。例えば、最大サイズ(例えば、135mm等)の横幅(左右方向の長さ)を有する特別可変入賞球装置7A,7Bを配置してもよい。また、オーバー入賞が生じ難い形態でなければ、特別可変入賞球装置7A,7Bは入賞口扉を有するものでなくてもよい。例えば、特別可変入賞球装置7A,7Bは可動翼片を有するものであってもよいし、遊技球が上部を流下する可動底面部材を有するものであってもよい。
(13) 上記実施形態では、大当り種別決定用の乱数値MR2の値に基づいて大当りの種類(第1大当り、第2大当り)を確定させる態様としているが、大当りの種類を確定させる条件はこれに限定されない。例えば、大入賞口の近傍に、又は、大入賞口の内部に、特定領域を設け、該特定領域に遊技球が進入(通過)することに基づいて、大当りの種類が確定する態様としてもよい。例えば、確変大当りと通常大当りとを設けた場合に、上記特定領域に遊技球が進入することに基づいて確変大当りが確定する態様としてもよい。
(14) 上記実施形態では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて大当り図柄が表示されたことに基づいて大当り遊技状態に制御するようにしているが、大当り遊技状態に制御する態様はこれに限定されない。例えば、第2始動入賞口の近傍に、または、第2始動入賞口の内部に、特定領域を設け、該特定領域に遊技球が進入(通過)したことに基づいて大当り遊技状態に制御するようにしてもよい。
(15) 上記実施形態では、0〜9の数字または記号等の複数種類の特別図柄を可変表示させ表示結果を導出表示させる態様を示したが、可変表示は、そのような態様に限定されない。例えば、可変表示させる特別図柄と、可変表示結果として導出表示される特別図柄とが異なっていてもよい。換言すれば、変動する複数種類の特別図柄に含まれない特別図柄が可変表示結果として導出表示されてもよいし、変動する複数種類の特別図柄の中には可変表示結果として特別導出表示されないものが含まれていてもよい。また、必ずしも複数種類の特別図柄を可変表示させる必要はなく、1種類の特別図柄のみを用いて可変表示を実行する態様であってもよい。1種類の特別図柄を用いた可変表示として、例えば、当該1種類の特別図柄を点滅させてもよい(交互に点灯/消灯を繰返してもよい)。即ち、点灯、消灯の繰返しを可変表示としてもよい。そして、この場合であっても、当該1種類の特別図柄が最後に導出表示(点灯)されるものであってもよいし、当該1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。また、他の図柄(例えば、普通図柄、飾り図柄等)の可変表示についても同様である。
(16) 上記において、「割合」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係にかぎらず、A:B=100%:0%のような関係も含む概念である(即ち、一方が100%、他方が0%となるような割り振りも含む概念である)。また、AはBよりも割合が高いと言うときには、Aが100%であってBが100%未満である場合や、Bが0%であってAが0%よりも大きい場合も含む概念である。
(17) 上記実施形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御基板12側では2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(18) プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点又は遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
(19) 上記では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
(20) 本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。