JP6203507B2 - 多孔構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、多孔構造体、多孔構造体の製造方法およびガスセンサに関する。
近年、懸濁液を利用したウェットコーティング技術がその生産性の優位性のため、盛んに研究されている。
特許文献1(特開2006−332615号)には、ウェットコーティング技術を用いて、基板上に微細な幅のパターンを簡単に形成できるパターン形成方法が記載されている。
また、特許文献2(特開2010−28005号)には、ウェットコーティング技術を用いて、基板上に半導体複合膜を形成する方法が記載されている。
特許文献1、2に記載されているような電子デバイス向けの膜は、高周波数での動作も想定されるため、電子の移動度が高い方が好ましく連続したものが望まれる。
特開2006−332615号公報 特開2010−28005号公報 特開2006−250632号公報 特開平01−189554号公報
一方で、本発明者らの検討によると、例えば、特許文献3(特開2006−250632号)に記載されているような膜の内部に流体が侵入することにより、流体中の物質の量を計測するデバイスや、特許文献4(特開平01−189554号)に記載されているような膜の表面での化学物質の反応を利用するガスセンサなどのデバイスにおいては、上記のような連続した膜は流体の拡散性に劣るため好ましくないことが分かってきた。
なお、特許文献3(特開2006−250632号)では、基板上ではなく、基板の溝中に多孔体を形成している。このような多孔構造体は、基板に溝を形成する工程が増えるため、加工工程数の増加を招く。さらに基板の厚みが薄い場合、基板に溝を形成できない場合もあった。
そこで、本発明では、基板上に流体の拡散性に優れた多孔体を設けた多孔構造体を提供することを課題とする。
本発明者らは、基板上に形成した多孔体の流体拡散性を向上させることについて鋭意検討した。その結果、逆オパール型のハニカム構造が流体拡散性に優れることを見出し、本発明に到達した。
発明の多孔構造体の製造方法は、
基板と、上記基板上に設けられた多孔体と、を備えた多孔構造体であって、上記基板上に設けられた上記多孔体は、隔壁部と、上記隔壁部に囲まれた空隙部とを有する、逆オパール型のハニカム構造である多孔構造体を製造するための製造方法であって、
基板上に開口部が設けられた膜を形成する工程と、
上記空隙部を形成するための1次粒子を含有する懸濁液を、毛細管現象により上記膜の上記開口部に供給することにより、上記1次粒子を上記開口部に堆積する工程と、
上記隔壁部を形成するための隔壁部形成用材料を含有する懸濁液を、毛細管現象により上記膜の上記開口部に供給することにより、上記開口部に堆積した上記1次粒子の間隙に上記隔壁部形成用材料を充填する工程と、
加熱により上記隔壁部形成用材料同士を上記1次粒子の周囲で融着させて連続相とすることにより上記隔壁部を形成する工程と、
加熱、エネルギー線照射および溶媒からなる群から選択される1種または2種以上により上記1次粒子を消失させて上記空隙部を形成する工程と、を含む。
本発明の多孔構造体の製造方法によれば、基板に直接溝を形成する工程を省くことができるため、工数低減によりデバイスコストを低減することができる。
本発明によれば、基板上に流体の拡散性に優れた多孔体を設けた多孔構造体を提供することができる。
本発明に係る第1の実施形態の多孔構造体の構成の一例を示す断面図である。 本発明に係る第1の実施形態の多孔構造体の製造方法の工程手順を示す工程断面図である。 本発明に係る第1の実施形態の多孔構造体の製造方法の工程手順を示す工程断面図である。 本発明に係る第1の実施形態のガスセンサの構成の一例を示す断面図である。 本発明に係る第2の実施形態の多孔構造体の構成の一例を示す断面図である。 本発明に係る第2の実施形態の多孔構造体の製造方法の工程手順を示す工程断面図である。 本発明に係る第2の実施形態の多孔構造体の製造方法の工程手順を示す工程断面図である。 本発明に係る第2の実施形態のガスセンサの構成の一例を示す断面図である。 実施例1の構造体の電子顕微鏡写真を示す図面である。 図9に示す実施例1の構造体の電子顕微鏡写真の部分拡大図を示す図面である。 比較例1の構造体の電子顕微鏡写真を示す図面である。 実施例1および比較例1のガスセンサのセンサ感度を示す図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図において各構成要素は本発明が理解できる程度の形状、大きさおよび配置関係を概略的に示したものであり、実寸とは異なっている。また、「〜」はとくに断りがなければ、以上から以下を表す。
(第1の実施形態)
まず、本発明に係る第1の実施形態の多孔構造体について説明する。
図1は、本発明に係る実施形態の多孔構造体100の構成の一例を示す断面図である。
第1の実施形態に係る多孔構造体100は、基板101と、基板101上に設けられた多孔体107と、を備える。基板101上に設けられた多孔体107は、隔壁部103と、隔壁部103に囲まれた空隙部105とを有する、逆オパール型のハニカム構造である。空隙部105は図1に示すように互いに集積している。また、空隙部105は互いに連通していてもよい。
ここで、逆オパール型のハニカム構造とは、周期的に配列した微粒子(本実施形態では、後述する1次粒子に相当する)の隙間に構成材料(本実施形態では後述する隔壁部に相当する)の前駆体(本実施形態では後述する隔壁部形成用材料に相当する)などを充填して構成材料を形成した後、上記微粒子を除去することにより形成される構造であり、いわゆるオパール構造の反転した構造をいう。
ここで、微粒子の周期的な配列は、例えば、立方最密充填構造、六方最密充填構造などの最密充填構造が挙げられる。よって、逆オパール型のハニカム構造の一例としては、ほぼ均一な径を有する球状のセルが面方向に最密充填構造しているものが挙げられる。
なお、オパール構造とは、周期的に配列した微粒子を呼ぶ。
なお、図において、逆オパール型のハニカム構造は簡略化して記載している。
このような多孔体は流体の拡散性に優れる。そのため、流体を拡散させて利用するデバイスに好ましく用いることができる。
逆オパール型のハニカム構造を有する多孔体107の流体拡散性が優れる理由は必ずしも明らかではないが、逆オパール型のハニカム構造は規則的な構造であり、かつ、表面積が大きいからだと推察される。
空隙部105の孔径は、例えばマイクロマシンなどの微細加工分野への応用を考慮すると、好ましくは10nm以上1mm以下の範囲内であり、より好ましくはガス拡散性の低下が発生しない100nm以上1mm以下の範囲内である。なお、本実施形態において、空隙部および後述する微細孔の孔径は、電子顕微鏡により測定した値である。
空隙部105は、球形であることが好ましい。また、空隙部105の孔径分布は30%以下であることが好ましい。これにより、より均一な細孔を形成させることができる。
隔壁部103を形成する隔壁部形成用材料115は用途に応じて適宜選択され、多孔体形状を保持できるものであれば特に限定されないが、例えば、有機物、金属および金属酸化物からなる群から選択される1種または2種以上が挙げられる。
上記有機物としては、例えば、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などが挙げられる。
上記金属としては、例えば、錫、亜鉛、チタン、クロム、タングステン、コバルト、ニッケル、マグネシウム、鉄、銅、金、銀、白金、アルミニウム、パラジウム、ケイ素、マンガン、モリブデンなどが挙げられる。
上記金属酸化物としては、例えば、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化クロム、酸化タングステン、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化銅、酸化ケイ素、酸化マンガン、酸化モリブデンなどが挙げられる。
これらは単独でまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。
第1の実施形態に係る多孔構造体100をガスセンサとして用いる場合、隔壁部103は、金属酸化物により形成されていることが好ましく、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化クロム、酸化タングステン、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化マグネシウム、酸化鉄および酸化銅からなる群から選択される1種または2種以上から形成されていることがより好ましく、酸化錫が特に好ましい。
隔壁部103は、例えば、粒状物の連続相により構成されている。粒状物の連続相としては、例えば、粒状の上記金属や上記金属酸化物を焼結することにより形成できる。また、上記金属の金属錯体や金属アルコキシドなどを溶媒に溶解させて調製した溶液や、上記金属の金属コロイド溶液を加熱乾燥、焼成または化学気相成長することにより形成できる。
基板101は用途に応じて適宜選択され、特に限定されないが、例えば、シリコン基板、ガラス基板、アルミナ基板、酸化インジウムスズ(ITO)基板、プラスチック基板、ポリカーボネート基板などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性や高生産性である点から、シリコン基板が好ましい。
なお、シリコン基板のように、導電性を有する場合は、必要に応じて、表面を絶縁処理してもよい。例えば、シリコン基板の場合、表面を熱酸化処理して、表面のSiをSiOにして、絶縁処理する方法が挙げられる。
つづいて、第1の実施形態に係る多孔構造体100の製造方法について説明する。
図2および図3は、本発明に係る第1の実施形態の多孔構造体100の製造方法の工程手順を示す工程断面図である。
第1の実施形態に係る多孔構造体100の製造方法は、例えば、以下の(1)〜(5)の工程を含み、必要に応じて(6)の工程をさらに含んでいる。
(1)基板101上に、開口部110が設けられた膜111を形成する工程(図2(a))
(2)空隙部105を形成するための1次粒子113を含有する懸濁液117を、毛細管現象により膜111の開口部110に供給することにより、1次粒子113を開口部110に堆積する工程(図2(b))
(3)隔壁部103を形成するための隔壁部形成用材料115を含有する懸濁液117を、毛細管現象により膜111の開口部110に供給することにより、開口部110に堆積した1次粒子113の間隙に隔壁部形成用材料115を充填する工程(図2(b))
(4)加熱により隔壁部形成用材料115同士を1次粒子113の周囲で融着させて連続相とすることにより隔壁部103を形成する工程(図2(c))
(5)加熱、エネルギー線照射および溶媒からなる群から選択される1種または2種以上により、1次粒子113を消失させて空隙部105を形成する工程(図2(d))
(6)エネルギー線照射により、開口部110が設けられた膜111を除去する工程(図3(e))
第1の実施形態に係る多孔構造体100の製造方法によれば、基板101に直接溝を形成しなくとも、基板101上に多孔体107を形成できるため、基板101に直接溝を形成する工程を省くことができる。そのため、工数低減によりデバイスコストを低減することができる。
以下、各工程について説明する。
はじめに、(1)基板101上に、開口部110が設けられた膜111を形成する工程について説明する。
基板101上に、開口部110が設けられた膜111を形成する方法としては、例えば、感光性樹脂により形成された膜111を基板101上に積層し、次いで、光や電子線を部分的に照射して膜111の溶解性を変化させ、その後現像によって不要な部分を除去することにより開口部110を形成する方法が挙げられる。
基板101上に、感光性樹脂により形成された膜111を積層する方法としては特に限定はされないが、真空ラミネートによる方法、熱圧着による方法などが挙げられる。基板101と膜111の界面に気泡を巻き込むことを防止できる真空ラミネートによる方法が好ましい。
また、基板101上に、開口部110が設けられた膜111を形成する方法としては、例えば、感光性樹脂を溶媒に溶かした溶液を基板101上に塗布し、必要に応じて塗布膜を乾燥することより膜111を形成し、次いで、光や電子線を部分的に照射して膜111の溶解性を変化させ、その後現像によって不要な部分を除去することにより開口部110を形成する方法が挙げられる。基板101上に、塗布液を塗布する方法としては、例えば、スピンコーター、バーコーター、スクリーン印刷機など各種コーター装置を用いて、基板101上に塗布液を塗布する方法、噴霧ノズルなどの各種スプレー装置を用いて、塗布液を基板101上に塗布する方法、などが挙げられる。
これらの中でも、各種コーター装置を用いて、塗布液を基板101上に塗布する方法が好ましい。これにより、簡易な装置で厚み精度に優れた膜111を形成することができる。
また、膜111を形成する前に、基板101表面を親水化させておくのが好ましい。これにより、基板101表面の濡れ性が向上し、膜111を基板101上に安定的に形成させることができる。基板101表面を親水化させる方法としては、酸素プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、オゾン処理などが挙げられる。
膜111に使用する感光性樹脂としては特に限定されず、一般的に公知のものを使用することができるが、シャープなエッジ形状を持った開口部110を形成できるものが好ましい。すなわち垂直性に優れた感光性樹脂が好ましい。これにより、多孔体107を基板101上により安定的に形成することができる。
膜111は、例えば、光や電子線等によって溶解性などの物性が変化するレジスト膜である。これにより、フォトリソグラフィ技術を利用することにより、膜111に開口部110を容易に形成することができる。
開口部110の幅および深さとしては1次粒子113の粒子径以上であり、かつ、懸濁液117を、毛細管現象により供給できる大きさでれば特に限定されないが、リソグラフィーにより形成可能な幅5nm以上10mm以下、深さ10nm以上10mm以下が好ましく、集積化及び構造強度の観点から、幅100nm以上100μm以下、深さ100nm以上100μm以下がより好ましい。
つぎに、(2)空隙部105を形成するための1次粒子113を含有する懸濁液117を、毛細管現象により膜111の開口部110に供給することにより、1次粒子113を開口部110に堆積する工程および(3)隔壁部103を形成するための隔壁部形成用材料115を含有する懸濁液117を、毛細管現象により膜111の開口部110に供給することにより、開口部110に堆積した1次粒子113の間隙に隔壁部形成用材料115を充填する工程について説明する。
上記(2)工程および上記(3)工程は、同時におこなってもよいし、上記(2)工程後に上記(3)工程をおこなってもよい。生産性の観点から、上記(2)工程および上記(3)工程は、同時におこなうのが好ましい。以下、上記(2)工程および上記(3)工程を同時におこなう場合を中心に説明する。
まず、空隙部105を形成するための1次粒子113と隔壁部103を形成するための隔壁部形成用材料115とを含有する懸濁液117を調製する。上記(2)工程および上記(3)工程を別々におこなう場合は、1次粒子113を含有する懸濁液117と隔壁部形成用材料115を含有する懸濁液117を別々に調製する。
1次粒子113としては、後の工程で消失させることができれば特に限定されないが、簡単な操作で消失できる観点から、ポリスチレン粒子、ポリメタクリル酸メチル粒子などの樹脂粒子が好ましい。ポリスチレン粒子およびポリメタクリル酸メチル粒子としては、市販の懸濁液を用いることができる。
1次粒子113の平均粒径は、例えばマイクロマシンなどの微細加工分野への応用を考慮すると、好ましくは10nm以上1mm以下であり、より好ましくは100nm以上1mm以下である。なお、本実施形態において、粒子の平均粒径は、動的光散乱法で測定した値である。
なお、空隙部105の孔径は、1次粒子113の平均粒径を変化させることにより、制御することができる。
隔壁部形成用材料115としては、前述した材料が用いられる。ここでは説明は省略する。
隔壁部形成用材料115が粒状である場合、隔壁部形成用材料115の平均粒径は、1次粒子113の平均粒径の15%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。これにより、1次粒子113の間隙に隔壁部形成用材料115を十分に充填させることができるため、隔壁部103を容易に形成できる。
隔壁部形成用材料115が粒状である場合、隔壁部形成用材料115の平均粒径は、好ましくは1nm以上100μm以下であり、より好ましくは10nm以上100μmである。これにより、1次粒子113の間隙に隔壁部形成用材料115を十分に充填させることができるため、隔壁部103を容易に形成できる。
懸濁液117に用いる溶媒としては、1次粒子113と隔壁部形成用材料115を分散でき、かつ、これらの材料を溶解しないものであれば特に限定されず、1次粒子113と隔壁部形成用材料115の材料の種類によって適宜選択される。
1次粒子113として樹脂粒子を用いる場合、懸濁液117に用いる溶媒としては、例えば、水、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコールなどが挙げられる。
懸濁液117の調製方法としてはとくに限定されないが、例えば、1次粒子113と隔壁部形成用材料115を上記溶媒に添加し、各種混合機を用いて混合することにより調製する方法などが挙げられる。
また、懸濁液117には、1次粒子113と隔壁部形成用材料115の分散性を向上させるために界面活性剤を添加してもよい。
次いで、調製した懸濁液117に、開口部110の一端を浸積させ、毛細管現象により懸濁液117を開口部110に供給することにより、1次粒子113を開口部110に堆積するとともに、1次粒子113の間隙に隔壁部形成用材料115を充填する。
次いで、懸濁液117を乾燥させ、溶媒を蒸発させる。懸濁液117の乾燥方法は特に限定されず、自然乾燥でもよいし、溶媒の蒸発を促進させるために減圧下でおこなってもよい。
ここで、開口部110の他端は塞き止め部になっている。懸濁液117が上記塞き止め部で塞き止められ、溶媒が順次乾燥することにより、1次粒子113が開口部110の上記塞き止め部に堆積されるとともに、1次粒子113の間隙に隔壁部形成用材料115が充填される。
上記(2)工程および上記(3)工程を別々におこなう場合は、1次粒子113を含有する懸濁液117に、開口部110の一端を浸積させ、毛細管現象により懸濁液117を開口部110に供給することにより、1次粒子113を開口部110に堆積する。次いで、隔壁部形成用材料115を含有する懸濁液117に、開口部110の一端を浸積させ、毛細管現象により懸濁液117を開口部110に供給することにより、開口部110に堆積した1次粒子113の間隙に隔壁部形成用材料115を充填する。
また、開口部110に充填された1次粒子113の間隙体積以上に隔壁部形成用材料115を導入すると、逆オパール型のハニカム構造の周期性が崩れるため、周期性を維持する条件下では、開口部110に堆積した1次粒子113の間隙に供給される隔壁部形成用材料115の量の上限は、開口部110に充填された1次粒子113の間隙体積となる。
次いで、(4)加熱により隔壁部形成用材料115同士を1次粒子113の周囲で融着させて連続相とすることにより隔壁部103を形成する工程について説明する。
隔壁部形成用材料115を1次粒子113の周囲で融着させる加熱条件は、使用する材料により適宜設定される。例えば、隔壁部形成用材料115として粒状の酸化錫を用い、1次粒子113として、ポリスチレン粒子、ポリメタクリル酸メチル粒子などの樹脂粒子を用いた場合は、隔壁部形成用材料115を600℃で60分間焼成することにより、隔壁部形成用材料115を1次粒子113の周囲で融着させることができる。
なお、ポリスチレン粒子、ポリメタクリル酸メチル粒子などの樹脂粒子は、上記温度では熱分解するため、隔壁部103の形成とともに、1次粒子113は消失し、空隙部105が形成される。すなわち、加熱条件を適切に選択することにより(4)工程および(5)工程を同時におこなうことができる。
次いで、(5)加熱、エネルギー線照射および溶媒からなる群から選択される1種または2種以上より、1次粒子113を消失させて空隙部105を形成する工程について説明する。
1次粒子113を消失させる上記加熱の条件としては1次粒子113の種類により適宜選択され、1次粒子113を加熱分解できる条件であれば特に限定されない。例えば、1次粒子113にポリスチレン粒子を利用する場合、酸素雰囲気下で100℃〜200℃で加熱する条件が挙げられる。このような温度で加熱するとポリスチレン粒子は分解して消失し、空隙部105を形成することができる。
1次粒子113を消失させる上記エネルギー線照射としては1次粒子113の種類により適宜選択され、1次粒子113を分解できる条件であれば特に限定されない。例えば、1次粒子113にポリスチレン粒子を利用する場合、エネルギー線である酸素プラズマをポリスチレン粒子に照射することによりポリスチレン粒子は分解して消失し、空隙部105を形成することができる。
1次粒子113を消失させる上記溶媒としては1次粒子113の種類により適宜選択され、1次粒子113を溶解できる溶媒であれば特に限定されない。例えば、1次粒子113にポリスチレン粒子を利用する場合、アセトンなどの有機溶媒によりポリスチレン粒子は溶解して消失し、空隙部105を形成することができる。
なお、隔壁部形成用材料115を1次粒子113の周囲で融着しつつ、1次粒子113を消失できる加熱条件を選択することにより、上記(4)工程および上記(5)工程を同時におこなうことができる。生産性の観点から、上記(4)工程および上記(5)工程は同時におこなうのが好ましい。
例えば、隔壁部形成用材料115として粒状の酸化錫を用い、1次粒子113として、ポリスチレン粒子、ポリメタクリル酸メチル粒子などの樹脂粒子を用いた場合は、600℃で60分間焼成することにより、隔壁部形成用材料115を1次粒子113の周囲で融着させて連続相とすることにより隔壁部103を形成するとともに、1次粒子113を消失させて空隙部105を形成することができる。
次いで、(6)エネルギー線照射および溶媒から選択される少なくとも一方により、開口部110が設けられた膜111を除去する工程について説明する。
上記(6)工程は、少なくとも上記(3)工程の後におこなう。これにより、溝中ではなく、基板101上に多孔体107を形成することができる。
膜111を除去するための上記エネルギー線照射としては膜111の種類により適宜選択され、膜111を除去できるものであれば特に限定されない。例えば、酸素プラズマなどの反応ガスのプラズマが挙げられる。
膜111を除去するための上記溶媒としては膜111の種類により適宜選択され、膜111を溶解できる溶媒であれば特に限定されない。例えば、膜111がレジスト膜である場合、モノエタノールアミンやジメチルスルホキシドなどのレジスト剥離剤を用いることができる。
なお、開口部110が設けられた膜111を除去できるとともに、1次粒子113を消失できるエネルギー線照射条件を選択することにより、上記(5)工程および上記(6)工程を同時におこなうことができる。生産性の観点から、上記(5)工程および上記(6)工程は同時におこなうのが好ましい。
例えば、膜111としてレジスト膜を用い、1次粒子113として、ポリスチレン粒子、ポリメタクリル酸メチル粒子などの樹脂粒子を用いた場合は、酸素プラズマなどの反応ガスのプラズマにより、1次粒子113を消失させて空隙部105を形成するとともに、開口部110が設けられた膜111を除去することができる。
第1の実施形態に係る多孔構造体100は、表面積が大きく規則的な構造であるとともに、流体パスとなる流路を多く有するため、流体の拡散性に優れている。そのため、流体を拡散させて利用するデバイスに好ましく用いることができる。
流体を拡散させて利用するデバイスとしては、例えば、ガスセンサ、クロマトグラフィー用カラム、光応答性フォトニック結晶、光学フィルダー、などが挙げられる。
以下、ガスセンサに応用する場合について説明する。
図4は、本発明に係る第1の実施形態のガスセンサ150の構成の一例を示す断面図である。
本発明に係る第1の実施形態のガスセンサ150は、例えば、基板101と多孔体107との間に、さらにヒーター151と、一対の電極153が設けられている。そして、一対の電極153に接するように多孔体107が設けられている。ヒーター151は、通常は絶縁膜155で覆われている。
本発明に係る第1の実施形態のガスセンサ150は、多孔体107がガスを感知するガス感知部である。多孔体107の隔壁部103は、前述したような特定の金属酸化物からなると、多孔体107内に拡散流通するガス中の成分が隔壁部103を構成する金属酸化物と反応して一対の電極153の抵抗値が変化する。このときの抵抗値を測定することで、ガス中の反応成分の有無や量を検出することができる。
一対の電極153の材質としては、導電性を有するものであれば特に限定されず、例えば、銅、金、銀、白金およびこれらの合金などが挙げられる。
一対の電極153の形成方法としては、特に限定されず、スパッタリング、CVD、真空蒸着などの従来公知の方法で形成できる。
ヒーター151はガス感知部を温める役割を有する。ヒーター151は多孔体107を加温できるものであれば特に限定されないが、例えば、Pt−W膜であり、スパッタリング法によって成膜することができる。絶縁膜155は、例えば、SiO層であって、スパッタリング法によって形成される。絶縁膜155は、ヒーター151を覆うように設けられる。絶縁膜155は、ヒーター151と一対の電極153との間に電気的な絶縁を確保するとともに、多孔体107との密着性を向上させる役割を有する。
また、基板101に貫通孔を設け、ヒーター151を貫通孔とガス感知部との間に設けるのが好ましく、さらに上面視において貫通孔、ヒーター151およびガス感知部が重なるようにそれぞれ設けられているのがより好ましい。
貫通孔は断熱効果があるため、上記のような構成であると、ヒーター151の熱の拡散を抑制することができ、効率的にガス感知部を加温することができる。
貫通孔は、例えば、基板101がシリコン基板の場合、シリコン基板の裏面からエッチングを行い、シリコンを除去することによって形成される。また、この場合、シリコン基板の両面又は片面には、熱酸化膜を備えるのが好ましい。熱酸化膜は、シリコン基板の有する貫通孔を塞ぐように形成される。熱酸化膜としては、例えば、熱酸化法によりシリコン基板に形成されるSiO膜である。この熱酸化膜は、ヒーター151で発生する熱をシリコン基板側へ熱伝導しないようにし、熱容量を小さくする機能を有する。また、熱酸化膜は、上述のエッチングに対して高い抵抗力を示す。
また、断熱効果を向上させる観点から、貫通孔に断熱材を設けてもよい。
基板101とヒーター151との間に熱絶縁支持層(図示しない)が設けられていてもよい。
熱絶縁支持層は、例えば、基板101側からSi層、SiO層の二層構造となっている。Si層、SiO層は、例えば、前述した熱酸化膜上に、順次プラズマCVD法により形成される。SiO層は、ヒーター151との密着性を向上させるとともに、電気絶縁性を確保する。また、プラズマCVD法によって形成されるSiO層は、内部応力が小さいため好ましい。
熱絶縁支持層が設けられる場合、ヒーター151は、熱絶縁支持層のほぼ中央の上面に設けられるのが好ましい。
基板101上に、それぞれ異なる種類のガスを感知できる複数のガス感知部が設けてもよい。
具体的には、複数の一対の電極153と、複数の一対の電極153にそれぞれ接するように設けられた複数のガス感知部とが設けられており、複数のガス感知部は、それぞれ異なる材料により構成され、かつ、それぞれ異なるガスを検知するものであってもよい。
これにより、一つのガスセンサ150で複数のガスを同時に分析することができる。
基板101上に、複数のガス感知部を設ける場合、一つのヒーター151により複数のガス感知部を一括して温度制御してもよいし、それぞれのガス感知部に、別々にヒーター151を設けて別々に温度制御してもよい。装置の簡略化の観点から、一つのヒーター151により複数のガス感知部を一括して温度制御することが好ましい。
ガス感知部である多孔体107は、表面積が大きく規則的な構造であるとともに、流体パスとなる流路を多く有するため、ガスの拡散性に優れる。さらに表面積が大きいため対象のガスとの反応場が大きくなる。そのため、本発明に係る第1の実施形態のガスセンサ150はガス感度に優れており、微量成分を感度良く検出することができる。
(第2の実施形態)
つづいて、本発明に係る第2の実施形態の多孔構造体について説明する。第2の実施形態は、隔壁部に微細孔が設けられている点を除いて、第1の実施形態と同様である。そのため、第2の実施形態では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図5は、本発明に係る第2の実施形態の多孔構造体200の構成の一例を示す断面図である。
第2の実施形態に係る多孔構造体200は、基板201と、基板201上に設けられた多孔体207と、を備える。基板201上に設けられた多孔体207は、隔壁部203と、隔壁部203に囲まれた空隙部205とを有する、逆オパール型のハニカム構造である。空隙部205は図5に示すように互いに集積している。また、空隙部205は互いに連通していてもよい。さらに、隔壁部203には微細孔208が設けられている。
第2の実施形態に係る多孔構造体200は、微細孔208が設けられているので、第1の実施形態に係る多孔構造体100よりも表面積がさらに大きい。また、隔壁部203にも流体の拡散パスが形成されているため、流体の拡散性により一層優れる。そのため、流体を拡散させて利用するデバイスにより好ましく用いることができる。
微細孔208の孔径は、空隙部205の孔径の15%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。これにより、流体の拡散性をより一層向上できる。また、微細孔208の孔径が上記上限値以下であれば、隔壁部203に微細孔208を容易に形成できる。
空隙部205の孔径は、例えばマイクロマシンなどの微細加工分野への応用を考慮すると、好ましくは10nm以上1mm以下の範囲内であり、より好ましくは100nm以上1mm以下の範囲内である。
また、微細孔208の孔径は、例えばマイクロマシンなどの微細加工分野への応用を考慮すると、好ましくは1nm以上100μmの範囲内であり、より好ましくは10nm以上100μm以下の範囲内である。
また、第2の実施形態に係る多孔構造体200は、微細孔208の周囲に微細孔208よりも孔径が小さい2次微細孔がさらに形成されていてもよい。これにより、流体の拡散性をより一層向上できる。
つづいて、第2の実施形態に係る多孔構造体200の製造方法について説明する。
図6および図7は、本発明に係る第2の実施形態の多孔構造体200の製造方法の工程手順を示す工程断面図である。
第2の実施形態に係る多孔構造体200の製造方法は、例えば、以下の(1)〜(7)の工程を含み、必要に応じて(8)の工程をさらに含んでいる。
(1)基板201上に開口部210が設けられた膜211を形成する工程(図6(a))
(2)空隙部205を形成するための1次粒子213を含有する懸濁液217を、毛細管現象により膜211の開口部210に供給することにより、1次粒子213を開口部210に堆積する工程(図6(b))
(3)隔壁部203を形成するための隔壁部形成用材料215を含有する懸濁液217を、毛細管現象により膜211の開口部210に供給することにより、開口部210に堆積した1次粒子213の間隙に隔壁部形成用材料215を充填する工程(図6(b))
(4)1次粒子213よりも動的光散乱法により測定される平均粒径が小さい2次粒子218を含有する懸濁液217を、毛細管現象により膜211の開口部210に供給することにより、開口部210に堆積した1次粒子213の間隙に2次粒子218を充填する工程(図6(b))
(5)加熱により隔壁部形成用材料215同士を1次粒子213の周囲で融着させて連続相とすることにより隔壁部203を形成する工程(図6(c))
(6)加熱、エネルギー線照射および溶媒からなる群から選択される1種または2種以上により、1次粒子213を消失させて空隙部205を形成する工程(図6(d))
(7)加熱、エネルギー線照射および溶媒からなる群から選択される1種または2種以上により2次粒子218を消失させて隔壁部203に微細孔208を形成する工程(図6(d))
(8)エネルギー線照射により、開口部210が設けられた膜211を除去する工程(図7(e))
第2の実施形態に係る多孔構造体200の製造方法によれば、基板201に直接溝を形成しなくとも、基板201上に多孔体207を形成できるため、基板201に直接溝を形成する工程を省くことができる。そのため、工数低減によりデバイスコストを低減することができる。
第2の実施形態に係る多孔構造体200の製造方法は、上記(4)開口部210に堆積した1次粒子213の間隙に2次粒子218を充填する工程および上記(7)微細孔208を形成する工程をさらにおこなう点を除いて、第1の実施形態と同様である。そのため、第2の実施形態では、上記(4)工程および上記(7)工程を中心に説明し、他の工程については、その説明を省略する。
以下、各工程について説明する。
はじめに、(4)1次粒子213よりも動的光散乱法により測定される平均粒径が小さい2次粒子218を含有する懸濁液217を、毛細管現象により膜211の開口部210に供給することにより、開口部210に堆積した1次粒子213の間隙に2次粒子218を充填する工程について説明する。
上記(2)工程、上記(3)工程および上記(4)工程は、同時におこなってもよいし、上記(2)工程後に、上記(3)工程および上記(4)工程を同時におこなってもよいし、上記(2)工程、上記(3)工程および上記(4)工程をそれぞれ別々におこなってもよい。生産性の観点から、上記(2)工程、上記(3)工程および上記(4)工程は、同時におこなうのが好ましい。以下、上記(2)工程、上記(3)工程および上記(4)工程を同時におこなう場合を中心に説明する。
まず、空隙部205を形成するための1次粒子213と隔壁部203を形成するための隔壁部形成用材料215と微細孔208を形成するための2次粒子218を含有する懸濁液217を調製する。
上記(2)工程後に、上記(3)工程および上記(4)工程を同時におこなう場合は、1次粒子213を含有する懸濁液217と、隔壁部形成用材料215および2次粒子218を含有する懸濁液217をそれぞれ別々に調製する。
上記(2)工程、上記(3)工程および上記(4)工程をそれぞれ別々におこなう場合は、1次粒子213を含有する懸濁液217と、隔壁部形成用材料215を含有する懸濁液217と、2次粒子218を含有する懸濁液217とをそれぞれ別々に調製する。
1次粒子213および2次粒子218としては、後の工程で消失させることができれば特に限定されないが、簡単な操作で消失できる観点から、ポリスチレン粒子、ポリメタクリル酸メチル粒子などの樹脂粒子が好ましい。ポリスチレン粒子およびポリメタクリル酸メチル粒子としては、市販の懸濁液を用いることができる。
2次粒子218の平均粒径は、1次粒子213の平均粒径の15%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。これにより、1次粒子213の間隙に十分に充填させることができるため、隔壁部203に微細孔208を容易に形成できる。
1次粒子213の平均粒径は、例えばマイクロマシンなどの微細加工分野への応用を考慮すると、好ましくは10nm以上1mm以下であり、より好ましくは100nm以上1mm以下である。
2次粒子218の平均粒径は、好ましくは1nm以上100μm以下であり、より好ましくは10nm以上100μm以下である。これにより、1次粒子213の間隙に2次粒子218を効率良く充填させることができるため、隔壁部203に微細孔208を効率良く形成できる。
なお、空隙部205の孔径および微細孔208の孔径は、1次粒子213の平均粒径および2次粒子218の平均粒径をそれぞれ変化させることにより、それぞれ制御することができる。
隔壁部形成用材料215が粒状である場合、隔壁部形成用材料215の平均粒径は、好ましくは1nm以上100μm以下であり、より好ましくは10nm以上100μm以下である。これにより、1次粒子213の間隙に隔壁部形成用材料215を十分に充填させることができるため、隔壁部203を容易に形成できる。
懸濁液217に用いる溶媒としては、1次粒子213と隔壁部形成用材料215と2次粒子218を分散でき、かつ、これらの材料を溶解しないものであれば特に限定されず、1次粒子213と隔壁部形成用材料215と2次粒子218の材料の種類によって適宜選択される。
1次粒子213および2次粒子218として樹脂粒子を用いる場合、懸濁液217に用いる溶媒としては、例えば、水、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコールなどが挙げられる。
懸濁液217の調製方法としてはとくに限定されないが、例えば、1次粒子213と隔壁部形成用材料215と2次粒子218を上記溶媒に添加し、各種混合機を用いて混合することにより調製する方法などが挙げられる。
また、懸濁液217には、1次粒子213と隔壁部形成用材料215と2次粒子218の分散性を向上させるために界面活性剤を添加してもよい。
次いで、調製した懸濁液217に、開口部210の一端を浸積させ、毛細管現象により懸濁液217を開口部210に供給することにより、1次粒子213を開口部210に堆積するとともに、1次粒子213の間隙に隔壁部形成用材料215および2次粒子218を充填する。
次いで、懸濁液217を乾燥させ、溶媒を蒸発させる。懸濁液217の乾燥方法は特に限定されず、自然乾燥でもよいし、溶媒の蒸発を促進させるために減圧下でおこなってもよい。
ここで、開口部210の他端は塞き止め部になっている。懸濁液217が上記塞き止め部で塞き止められ、溶媒が順次乾燥することにより、1次粒子213が開口部210の上記塞き止め部に堆積されるとともに、1次粒子213の間隙に隔壁部形成用材料215および2次粒子218が充填される。
上記(2)工程後に、上記(3)工程および上記(4)工程を同時におこなう場合は、1次粒子213を含有する懸濁液217に、開口部210の一端を浸積させ、毛細管現象により懸濁液217を開口部210に供給することにより、1次粒子213を開口部210に堆積する。次いで、隔壁部形成用材料215および2次粒子218を含有する懸濁液217に、開口部210の一端を浸積させ、毛細管現象により懸濁液217を開口部210に供給することにより、開口部210に堆積した1次粒子213の間隙に隔壁部形成用材料215および2次粒子218を充填する。
上記(2)工程、上記(3)工程および上記(4)工程をそれぞれ別々におこなう場合は、1次粒子213を含有する懸濁液217に、開口部210の一端を浸積させ、毛細管現象により懸濁液217を開口部210に供給することにより、1次粒子213を開口部210に堆積する。次いで、隔壁部形成用材料215を含有する懸濁液217に、開口部210の一端を浸積させ、毛細管現象により懸濁液217を開口部210に供給することにより、開口部210に堆積した1次粒子213の間隙に隔壁部形成用材料215を充填する。次いで、2次粒子218を含有する懸濁液217に、開口部210の一端を浸積させ、毛細管現象により懸濁液217を開口部210に供給することにより、開口部210に堆積した1次粒子213の間隙に2次粒子218を充填する。なお、この場合は、隔壁部形成用材料215の充填と、2次粒子218の充填の順番は入れ替えても良い。
ここで、開口部210に充填された1次粒子213の間隙体積の範囲において、隔壁部形成用材料215と2次粒子218の体積比率を変えることで多孔体207に形成される微細孔208の細孔数を容易に制御することができる。
また、開口部210に充填された1次粒子213の間隙体積以上に隔壁部形成用材料215および2次粒子218を導入すると、逆オパール型のハニカム構造の周期性が崩れるため、周期性を維持する条件下では、開口部210に堆積した1次粒子213の間隙に供給される隔壁部形成用材料215および2次粒子218の合計量の上限は、開口部210に充填された1次粒子213の間隙体積となる。
好ましくは、1次粒子213の間隙に、2次粒子218を、1次粒子213の間隙の容積の0%を超えて80%以下充填し、隔壁部形成用材料215をその固結状態での合計容積が、1次粒子213の間隙に充填される2次粒子218を含む他の材料を除いた容積となるように充填する。例えば、隔壁部形成用材料215が1次粒子213の間隙体積の30%の場合、2次粒子218を1次粒子213の間隙体積の50〜67%充填すると、相似構造に近い形状が得られる。
次いで、(5)加熱により隔壁部形成用材料215同士を1次粒子213の周囲で融着させて連続相とすることにより隔壁部203を形成する。
次いで、(6)加熱、エネルギー線照射および溶媒からなる群から選択される1種または2種以上により、1次粒子213を消失させて空隙部205を形成する。
次いで、(7)加熱、エネルギー線照射および溶媒からなる群から選択される1種または2種以上により2次粒子218を消失させて隔壁部203に微細孔208を形成する工程について説明する。
2次粒子218を消失させる上記加熱の条件としては2次粒子218の種類により適宜選択され、2次粒子218を加熱分解できる条件であれば特に限定されない。例えば、2次粒子218にポリスチレン粒子を利用する場合、酸素雰囲気下で100℃〜200℃で加熱する条件が挙げられる。このような温度で加熱するとポリスチレン粒子は分解して消失し、微細孔208を形成することができる。
2次粒子218を消失させる上記エネルギー線照射としては2次粒子218の種類により適宜選択され、2次粒子218を分解できる条件であれば特に限定されない。例えば、2次粒子218にポリスチレン粒子を利用する場合、エネルギー線である酸素プラズマをポリスチレン粒子に照射することによりポリスチレン粒子は分解して消失し、微細孔208を形成することができる。
2次粒子218を消失させる上記溶媒としては2次粒子218の種類により適宜選択され、2次粒子218を溶解できる溶媒であれば特に限定されない。例えば、2次粒子218にポリスチレン粒子を利用する場合、アセトンなどの有機溶媒によりポリスチレン粒子は溶解して消失し、微細孔208を形成することができる。
なお、隔壁部形成用材料215を1次粒子213の周囲で融着しつつ、1次粒子213および2次粒子218を消失できる加熱条件を選択することにより、上記(5)工程、上記(6)工程および上記(7)工程を同時におこなうことができる。生産性の観点から、上記(5)工程、上記(6)工程および上記(7)工程を同時におこなうのが好ましい。
例えば、隔壁部形成用材料215として粒状の酸化錫を用い、1次粒子213および2次粒子218として、ポリスチレン粒子、ポリメタクリル酸メチル粒子などの樹脂粒子を用いた場合は、600℃で60分間焼成することにより、隔壁部形成用材料215を1次粒子213の周囲で融着させて連続相とすることにより隔壁部203を形成するとともに、1次粒子213および2次粒子218を消失させて空隙部205および微細孔208を形成することができる。
次いで、(8)エネルギー線照射および溶媒から選択される少なくとも一方により、開口部210が設けられた膜211を除去する。
なお、開口部210が設けられた膜211を除去できるとともに、1次粒子213および2次粒子218を消失できるエネルギー線照射条件を選択することにより、上記(6)工程、上記(7)工程および上記(8)工程を同時におこなうことができる。生産性の観点から、上記(6)工程、上記(7)工程および上記(8)工程は同時におこなうのが好ましい。
例えば、膜211としてレジスト膜を用い、1次粒子213および2次粒子218として、ポリスチレン粒子、ポリメタクリル酸メチル粒子などの樹脂粒子を用いた場合は、酸素プラズマなどの反応ガスのプラズマにより、1次粒子213および2次粒子218を消失させて空隙部205および微細孔208を形成するとともに、開口部210が設けられた膜211を除去することができる。
第2の実施形態に係る多孔構造体200は、微細孔208が設けられているので、第1の実施形態に係る多孔構造体100よりも表面積がさらに大きい。また、隔壁部203にも流体の拡散パスが形成されているため、流体の拡散性により一層優れている。そのため、流体を拡散させて利用するデバイスにより好ましく用いることができる。
流体を拡散させて利用するデバイスとしては、第1の実施形態と同様に、例えば、ガスセンサ、クロマトグラフィー用カラム、光応答性フォトニック結晶、光学フィルダー、などが挙げられる。
以下、ガスセンサに応用する場合について説明する。
図8は、本発明に係る第2の実施形態のガスセンサ250の構成の一例を示す断面図である。第2の実施形態のガスセンサ250は、隔壁部203に微細孔208が設けられている点を除いて、第1の実施形態と同様である。そのため、第2の実施形態では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明に係る第2の実施形態のガスセンサ250は、例えば、基板201と多孔体207との間に、さらにヒーター251と、一対の電極253が設けられている。そして、一対の電極253に接するように多孔体207が設けられている。ヒーター251は、通常は絶縁膜255で覆われている。
本発明に係る第2の実施形態のガスセンサ250は、多孔体207がガスを感知するガス感知部である。多孔体207の隔壁部203は、前述したような特定の金属酸化物からなると、多孔体207内に拡散流通するガス中の成分が隔壁部203を構成する金属酸化物と反応して一対の電極253の抵抗値が変化する。このときの抵抗値を測定することで、ガス中の反応成分の有無や量を検出することができる。
ガス感知部である多孔体207は、微細孔208が設けられているので、第1の実施形態に係る多孔構造体100よりも表面積がさらに大きいため対象のガスとの反応場がより大きい。また、隔壁部203にもガスの拡散パスが形成されているため、ガスの拡散性により一層優れている。
そのため、第2の実施形態のガスセンサ250は、ガス感度により一層優れている。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
例えば、隔壁部には、微細孔の周囲に、微細孔よりも孔径の小さい2次微細孔が形成されていてもよい。すなわち、多孔体に、3段階以上の多段階で孔径が小さくされた空孔部が形成されていてもよい。
隔壁部に2次微細孔を形成することで、流体の流路パスがより多くなり、流体の拡散性がより向上する。さらには表面積が大きくなり、例えば、ガスセンサとして用いる場合においては、対象物質との反応場が大きくなり、センサ感度がより向上する。
隔壁部に2次微細孔を形成するには、例えば、1次粒子の間隙に、2次粒子よりも平均粒径が小さい3次粒子をさらに充填させる。これにより、隔壁部の微細孔の周囲に、微細孔よりも孔径の小さい2次微細孔を形成できる。
3次粒子の材質は、1次粒子、2次粒子と同様のものを用いることができる。また、3次粒子の平均粒径は、充填性を考慮すると、2次粒子の平均粒径の10%以下が好ましい。
3次粒子の充填は、1次粒子の間隙に2次粒子および隔壁部形成用材料を充填する際に、同時におこなってもよく、順次おこなってもよい。生産性の観点から、1次粒子の集積と、2次粒子の充填と、隔壁部形成用材料の充填と、3次粒子の充填とを同時におこなうのが好ましい。
次に、隔壁部形成用材料を、1次粒子、2次粒子、および3次粒子の周囲で融着させて連続相とするとともに、1次粒子、2次粒子、および3次粒子を消失させて、空隙部、微細孔および2次微細孔を形成できる。
また、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
両面に熱酸化膜を備えたシリコン基板上に、Si膜とSiO膜を順次プラズマCVD法により形成した。次に、ヒーターとしてPt−W膜を、電気絶縁層としてSiO膜を順にスパッタリング法により形成した。次に、その上に電極としてPtを、スパッタリング法により形成した。
次いで、シリコン基板の裏面からエッチングによりシリコンの一部を除去し貫通孔を形成した。
得られたシリコン基板の表面にレジスト膜(東京応化工業社製)を形成した。次いで、上記電極が露出するように、幅10μm×深さ5μm×長さ1mmのトレンチ状の開口部をレジスト膜上に形成した。
次いで、ビーカーを載せることができる支持台と、基板を保持して垂直方向に上下移動できるアームとを備えた基板保持移動装置を恒温室に設置した。
1次粒子として平均粒径1μm、濃度1体積%のポリスチレン粒子の懸濁液(Thermo Fisher Scientific社製)を2mL、2次粒子として平均粒径100nm、濃度0.65体積%のポリスチレン粒子の懸濁液(Thermo Fisher Scientific社製)を0.4mL、隔壁部形成用材料として平均粒径30nm、濃度0.13体積%の酸化錫の懸濁液を2mLの量で混合し、上記微粒子を合計でおよそ0.5体積%含有する懸濁液を調製した。なお、上記微粒子の添加量を表す体積は、懸濁液中の微粒子材料の体積である。
この懸濁液をレジスト膜の開口部の一部に滴下し、レジスト開口部が懸濁液に接触するように懸濁液を供給した。
この状態で30分間大気中で静置し、懸濁液の溶媒である水を乾燥除去した。溶媒の乾燥除去後に、酸素プラズマにより基板上に形成したレジスト膜を除去した。次いで、高温焼成炉に基板を設置し、大気雰囲気下において温度600℃、1時間加熱をおこない、ガスセンサを得た。
なお、各微粒子の平均粒径は、動的光散乱法により測定した値である。
得られたガスセンサの電子顕微鏡写真を図9および図10に示す。図10は、図9のガスセンサの多孔体部分の拡大図である。図9および図10に示すように、このガスセンサの多孔体部分には、孔径が約1μmの空隙部が集積されて形成されており、その空隙部の周囲に酸化錫で構成される隔壁部が形成されていた。そして、隔壁部には、孔径がおよそ0.1μmの微細孔が形成されていた。なお、空隙部および微細孔の孔径は、電子顕微鏡により測定した。
(比較例1)
懸濁液に1次粒子および2次粒子を添加しない以外は、実施例1と同様にしてガスセンサを作製した。得られたガスセンサのガス感知部の電子顕微鏡写真を図11に示す。図11に示すように、このガスセンサのガス感知部には、空隙部および微細孔は観察されなかった。
(ガス感度の評価)
実施例1および比較例1の構造体をガスセンサとして評価した。検出対象物質としてエタノールを用いて、各ガスセンサのガス感度を評価した。
具体的には、エタノールを入れた容器と、ガスセンサとを、それぞれ温度調整可能なヒーター上に設置し、密封容器に入れた。
エタノールを所定量気化させてターゲットガスを調製し、285℃でのガスセンサの抵抗値の変化を測定して、センサ感度を求めた。なお、センサ感度は、以下の式(1)から求めた。
センサ感度=R/R (1)
式(1)において、Rは、清浄雰囲気中(エタノール不在下)の抵抗値であり、Rはターゲットガス雰囲気下(エタノール存在下)の抵抗値である。
得られた結果を図12に示す。
図12に示すように、実施例1のガスセンサは、比較例1のガスセンサよりもセンサ感度が良好であった。つまり、実施例1の多孔構造体は、基板上に流体の拡散性に優れた多孔体が作製できていることが確認できた。
以下、参考形態の例を付記する。
1.
基板と、前記基板上に設けられた多孔体と、を備えた多孔構造体であって、
前記基板上に設けられた前記多孔体は、隔壁部と、前記隔壁部に囲まれた空隙部とを有する、逆オパール型のハニカム構造である、多孔構造体。
2.
1.に記載の多孔構造体において、
前記隔壁部には微細孔が設けられている、多孔構造体。
3.
2.に記載の多孔構造体において、
前記微細孔の孔径が、前記空隙部の孔径の15%以下である、多孔構造体。
4.
2.または3.に記載の多孔構造体において、
前記空隙部の孔径が10nm以上1mm以下の範囲内であり、
前記微細孔の孔径が1nm以上100μm以下の範囲内である、多孔構造体。
5.
1.乃至4.いずれか一つに記載の多孔構造体において、
前記隔壁部は、粒状物の連続相により構成されている、多孔構造体。
6.
1.乃至5.いずれか一つに記載の多孔構造体において、
前記隔壁部が、有機物、金属および金属酸化物からなる群から選択される1種または2種以上の材料により構成されている、多孔構造体。
7.
6.に記載の多孔構造体において、
前記隔壁部が、金属酸化物により構成されており、
前記金属酸化物が、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化クロム、酸化タングステン、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化マグネシウム、酸化鉄および酸化銅からなる群から選択される1種または2種以上である、多孔構造体。
8.
1.に記載の多孔構造体を製造するための製造方法であって、
基板上に開口部が設けられた膜を形成する工程と、
前記空隙部を形成するための1次粒子を含有する懸濁液を、毛細管現象により前記膜の前記開口部に供給することにより、前記1次粒子を前記開口部に堆積する工程と、
前記隔壁部を形成するための隔壁部形成用材料を含有する懸濁液を、毛細管現象により前記膜の前記開口部に供給することにより、前記開口部に堆積した前記1次粒子の間隙に前記隔壁部形成用材料を充填する工程と、
加熱により前記隔壁部形成用材料同士を前記1次粒子の周囲で融着させて連続相とすることにより前記隔壁部を形成する工程と、
加熱、エネルギー線照射および溶媒からなる群から選択される1種または2種以上により前記1次粒子を消失させて前記空隙部を形成する工程と、
を含む、多孔構造体の製造方法。
9.
8.に記載の多孔構造体の製造方法において、
加熱により、前記隔壁部を形成する前記工程および前記空隙部を形成する前記工程を同時におこなう、多孔構造体の製造方法。
10.
8.または9.に記載の多孔構造体の製造方法において、
前記懸濁液を前記開口部に供給する前記工程の少なくとも後に、
エネルギー線照射および溶媒から選択される少なくとも一方を用いて、前記開口部が設けられた前記膜を除去する工程をおこなう、多孔構造体の製造方法。
11.
10.に記載の多孔構造体の製造方法において、
エネルギー線照射により、前記空隙部を形成する前記工程および前記開口部が設けられた前記膜を除去する工程を同時におこなう、多孔構造体の製造方法。
12.
8.乃至11.いずれか一つに記載の多孔構造体の製造方法において、
1次粒子よりも動的光散乱法により測定される平均粒径が小さい2次粒子を含有する懸濁液を、毛細管現象により前記膜の前記開口部に供給することにより、前記開口部に堆積した前記1次粒子の間隙に前記2次粒子を充填する工程と、
加熱、エネルギー線照射および溶媒からなる群から選択される1種または2種以上により前記2次粒子を消失させて前記隔壁部に微細孔を形成する工程と、
をさらに含む、多孔構造体の製造方法。
13.
12.に記載の多孔構造体の製造方法において、
前記1次粒子および前記2次粒子は、樹脂粒子である、多孔構造体の製造方法。
14.
13.に記載の多孔構造体の製造方法において、
前記2次粒子の平均粒径が、前記1次粒子の平均粒径の15%以下である、多孔構造体の製造方法。
15.
13.または14.に記載の多孔構造体の製造方法において、
前記1次粒子の平均粒径が10nm以上1mm以下であり、
前記2次粒子の平均粒径が1nm以上100μm以下である、多孔構造体の製造方法。
16.
8.乃至15.いずれか一つに記載の多孔構造体の製造方法において、
前記隔壁部形成用材料が、有機物、金属および金属酸化物からなる群から選択される1種または2種以上の材料により構成されている、多孔構造体の製造方法。
17.
16.に記載の多孔構造体の製造方法において、
前記隔壁部形成用材料が、金属酸化物により構成されており、
前記金属酸化物が、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化クロム、酸化タングステン、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化マグネシウム、酸化鉄および酸化銅からなる群から選択される1種または2種以上である、多孔構造体の製造方法。
18.
8.乃至17.いずれか一つに記載の多孔構造体の製造方法において、
前記開口部が設けられた前記膜は、レジスト膜である、多孔構造体の製造方法。
19.
1.乃至7.いずれか一つに記載の多孔構造体を含む、ガスセンサ。
100 多孔構造体
101 基板
103 隔壁部
105 空隙部
107 多孔体
110 開口部
111 膜
113 1次粒子
115 隔壁部形成用材料
117 懸濁液
150 ガスセンサ
151 ヒーター
153 電極
155 絶縁膜
200 多孔構造体
201 基板
203 隔壁部
205 空隙部
207 多孔体
208 微細孔
210 開口部
211 膜
213 1次粒子
215 隔壁部形成用材料
217 懸濁液
218 2次粒子
250 ガスセンサ
251 ヒーター
253 電極
255 絶縁膜

Claims (11)

  1. 基板と、前記基板上に設けられた多孔体と、を備えた多孔構造体であって、前記基板上に設けられた前記多孔体は、隔壁部と、前記隔壁部に囲まれた空隙部とを有する、逆オパール型のハニカム構造である多孔構造体を製造するための製造方法であって、
    基板上に開口部が設けられた膜を形成する工程と、
    前記空隙部を形成するための1次粒子を含有する懸濁液を、毛細管現象により前記膜の前記開口部に供給することにより、前記1次粒子を前記開口部に堆積する工程と、
    前記隔壁部を形成するための隔壁部形成用材料を含有する懸濁液を、毛細管現象により前記膜の前記開口部に供給することにより、前記開口部に堆積した前記1次粒子の間隙に前記隔壁部形成用材料を充填する工程と、
    加熱により前記隔壁部形成用材料同士を前記1次粒子の周囲で融着させて連続相とすることにより前記隔壁部を形成する工程と、
    加熱、エネルギー線照射および溶媒からなる群から選択される1種または2種以上により前記1次粒子を消失させて前記空隙部を形成する工程と、
    を含む、多孔構造体の製造方法。
  2. 請求項に記載の多孔構造体の製造方法において、
    加熱により、前記隔壁部を形成する前記工程および前記空隙部を形成する前記工程を同時におこなう、多孔構造体の製造方法。
  3. 請求項またはに記載の多孔構造体の製造方法において、
    前記懸濁液を前記開口部に供給する前記工程の少なくとも後に、
    エネルギー線照射および溶媒から選択される少なくとも一方を用いて、前記開口部が設けられた前記膜を除去する工程をおこなう、多孔構造体の製造方法。
  4. 請求項に記載の多孔構造体の製造方法において、
    エネルギー線照射により、前記空隙部を形成する前記工程および前記開口部が設けられた前記膜を除去する工程を同時におこなう、多孔構造体の製造方法。
  5. 請求項乃至いずれか一項に記載の多孔構造体の製造方法において、
    1次粒子よりも動的光散乱法により測定される平均粒径が小さい2次粒子を含有する懸濁液を、毛細管現象により前記膜の前記開口部に供給することにより、前記開口部に堆積した前記1次粒子の間隙に前記2次粒子を充填する工程と、
    加熱、エネルギー線照射および溶媒からなる群から選択される1種または2種以上により前記2次粒子を消失させて前記隔壁部に微細孔を形成する工程と、
    をさらに含む、多孔構造体の製造方法。
  6. 請求項に記載の多孔構造体の製造方法において、
    前記1次粒子および前記2次粒子は、樹脂粒子である、多孔構造体の製造方法。
  7. 請求項に記載の多孔構造体の製造方法において、
    前記2次粒子の平均粒径が、前記1次粒子の平均粒径の15%以下である、多孔構造体の製造方法。
  8. 請求項またはに記載の多孔構造体の製造方法において、
    前記1次粒子の平均粒径が10nm以上1mm以下であり、
    前記2次粒子の平均粒径が1nm以上100μm以下である、多孔構造体の製造方法。
  9. 請求項乃至いずれか一項に記載の多孔構造体の製造方法において、
    前記隔壁部形成用材料が、有機物、金属および金属酸化物からなる群から選択される1種または2種以上の材料により構成されている、多孔構造体の製造方法。
  10. 請求項に記載の多孔構造体の製造方法において、
    前記隔壁部形成用材料が、金属酸化物により構成されており、
    前記金属酸化物が、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化クロム、酸化タングステン、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化マグネシウム、酸化鉄および酸化銅からなる群から選択される1種または2種以上である、多孔構造体の製造方法。
  11. 請求項乃至10いずれか一項に記載の多孔構造体の製造方法において、
    前記開口部が設けられた前記膜は、レジスト膜である、多孔構造体の製造方法。
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