JP6201507B2 - 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム Download PDF

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Description

本発明は、画像処理技術に関し、特に、高所から地表を観測することによって得られる画像において、大気雑音成分を推定する技術に関する。
衛星や航空機など高所から観測装置によって地表を観測する技術は、一般に、リモートセンシングと呼ばれる。リモートセンシングでは、地表の所定の範囲の領域から放射される、光などの電磁波の強さが観測されることが多い。リモートセンシングによって得られる観測結果は、一つの観測値が、その観測値が得られた領域の地表における配置に従った位置にある画素の画素値である画像として保存されることが多い。特に、観測装置がイメージセンサである場合、観測結果は画像として得られる。その画像に含まれる画素の画素値は、イメージセンサの受光素子に入射する方向から放射される観測光の強さが、受光素子によって観測された観測値である。なお、画素値が、観測された波長帯域毎の、少なくとも一つの明るさを表す値で構成される場合、その明るさを表す値は、輝度値とも表記される。画素値が一つの明るさを表す値で構成される場合、画素値は輝度値とも表記される。観測は、特定の範囲の波長帯域に含まれる波長の光が選択的に透過するフィルタを使用して行われることも多い。透過光の波長帯域が異なる複数のフィルタを使用することにより、波長帯域毎の観測光の強さが観測結果として得られる。
そのような画像の応用として期待されるアプリケーションに、営農支援や資源探査がある。的確な営農支援や資源探査を実現するためには、農作物や鉱石などの地表物の正確な情報を得る必要がある。しかし、上述の画像として得られる観測値は、観測対象による表面反射に加えて、太陽光による照明の明るさ、大気による吸収、そして大気による散乱に影響される。そのため、観測値は、観測対象物体が持つ表面反射率に加えて、太陽光による照明や大気の透過率に依存する成分、大気で散乱されセンサに入射する光の成分を含む式によって表される。しかし、太陽光による照明、大気の透過率、および大気による散乱光は、太陽高度の変化や大気状態の揺らぎ等の環境変化によって変動する。そのため、地表物の正確な情報を得るためには、地表物に依存しない環境変動成分を推定し、除去する必要がある。数1は、これらの環境変動が観測光に及ぼす影響を表す式である。L(λ)は、波長λごとの観測光の輝度値である。R(λ)は、地表物の表面反射率R(λ)である。数1によって表される関係は、任意の波長帯域で観測された観測値に対しても成り立つ。数1に示されるように、環境変動は、地表物の表面反射率R(λ)に対して、係数項として表される成分α(λ)と、加算項として表される成分β(λ)に大別できる。このうち係数項として表される係数成分は、照明と大気透過率を表す成分であり、加算項として表される加算成分は、大気で散乱された太陽光のように、地表物を経由せずにセンサに到達した光である、パスラジアンスを表す成分である。図1は、観測光と、係数成分及び加算成分として表される環境雑音との関係を表す図である。
Figure 0006201507
特許文献1には、パスラジアンスを含む画像に基づきパスラジアンスを推定し、その画像から推定されたパスラジアンスを除去する画像情報処理装置が記載されている。特許文献1では、観測波長帯域γにおける水域の暗い部分の表面反射率R(γ)が0であると仮定されている。特許文献1の画像情報処理装置は、波長帯域γにおける水域部の最小画素値L(γ)をパスラジアンスの推定値にするという特徴を持つ。なお、水域は、地表のうち、海、湖、及び池などの、表面が水面である範囲を表す。また、水域部は、地表が撮影された画像において、水域が観測された観測値が輝度値として格納されている画素の範囲を表す。
図2は、特許文献1に記載されている第一の画像情報処理装置である画像情報処理装置101の構成を表すブロック図である。画像情報処理装置101は、画像読込部111、水域情報推定部112、画像補正部113を備える。画像読込部111は、外部装置200から画像を読み込む。水域情報推定部112は、読み込まれた画像から水域部を抽出する。水域情報推定部112は、抽出された水域部において波長帯域γごとに最も小さい値を抽出する。そして、水域情報推定部112は、それぞれの波長帯域γに対して、抽出された値をパスラジアンスの推定値βW(γ)とする。画像補正部113は、水域情報推定部112が推定した、各波長帯域γにおけるパスラジアンスの推定値βW (γ)を、画像全体の輝度値L(γ)から差し引くことによって、大気雑音が除かれた画像を生成する。画像補正部113は、生成された画像を出力装置300に出力する。
また、複数の画像が、同一の対象がそれぞれ異なる波長帯域で観測された結果から生成される場合、それらの波長帯域の中に、水域の表面反射率が0と見なせない波長帯域γ2が含まれていることがある。特許文献1には、そのような場合に、画像からパスラジアンスを推定する第二の画像情報処理装置である画像情報処理装置102が記載されている。数2は、異なる2つの波長帯域における観測光の輝度値の関係を表す式の例である。L(γ1)は、ある波長帯域γ1における観測光の輝度値である。L(γ2)は、別の波長帯域γ2における観測光の輝度値である。画像情報処理装置102では、任意の画素のL(γ1)と、同画素のL(γ2)との間に、式2に示す関係が成り立つことが仮定される。画像情報処理装置102は、画像情報処理装置101と同様に、水域の表面反射率が0と見なせる波長帯域γ1におけるパスラジアンス推定値βW1)を推定する。画像情報処理装置102は、算出されたβW1)を数2の式のL(γ1)に代入して算出されるL(γ2)を、波長帯域γ2におけるパスラジアンスの推定値βW2)にする。ただし、式2におけるcと、dは観測光の輝度値における波長帯域間の関係を表す定数である。cと、dの値は、画像情報をもとに推定される。
Figure 0006201507
図3は、特許文献1に記載されている第二の画像情報処理装置である画像情報処理装置102の構成を表すブロック図である。画像情報処理装置102は、画読込部111、水域情報推定部112、画像補正部113、波長帯域選択部124、相関関係推定部125、大気情報推定部126を備える。画像読込部111、水域情報推定部112、画像補正部113は、図2に示された第一の画像情報処理装置である画像情報処理装置101に含まれる、同じ名称の部と同じ動作を行う。波長帯域選択部124は、水域の反射率が無視できる波長帯域γ1を選択し、選択した波長帯域γ1において観測された画像を水域情報推定部112に供給する。相関関係推定部125は、画像読み込み部111が読み込んだ画像を用いて、波長帯域γ1における観測値と、他の波長帯域γ2における観測値との間の関係を表す定数c、dの値を推定する。このことにより、相関関係推定部125は、水域の反射率が無視できる波長帯域γ1における観測値L(γ1)と、水域の反射率が無視できない波長帯域γ2における観測値L(γ2)との関係を表す式を特定する。大気情報推定部126は、相関関係推定部125が特定した式と水域情報推定部112で推定されたパスラジアンス推定値βW1)とを用いて、波長帯域選択部124により選択されなかった波長帯域γ2のパスラジアンスの推定値βW2)を推定する。
特開平6-300845号公報
特許文献1の第一の画像情報処理装置は、水域において反射率が0と見なせることを仮定のもとでパスラジアンスを推定する。また、特許文献1の第二の画像情報処理装置は、異なる2つの波長帯域で観測された観測光の輝度値の間の相関関係が、観測対象によらず波長帯域の組み合わせ毎に同一であるという仮定のもとでパスラジアンスを推定する。しかし、実際にはそれらの仮定が成立しない場合がある。その場合、第一の画像情報処理装置と第二の画像情報処理装置はパスラジアンスを正しく推定できない。
例えば短波長域においては、水域における照明光の反射を0と見なすことはできない。そのため、特許文献1の第一の画像情報処理装置、短波長域においてはパスラジアンスを正しく推定できない。
また、波長帯域γ1における観測光の輝度値Lp1)と、別の波長帯域γ2における観測光の輝度値Lp2)との関係を表す上述の係数であるcとdは、必ずしも全ての観測対象物に対して同じではない。従って、特許文献1の第二の画像情報処理装置は、上述の係数の少なくとも一方が異なる複数の対象が観測範囲に含まれる画像に対して、正確なパスラジアンスを推定できない。
本発明の目的の一つは、観測を行う波長帯域に水域の反射が大きい波長帯域が含まれ、波長帯域毎の観測光の特性が異なる複数の対象が観測対象に含まれる場合であっても、パスラジアンスを安定に推定する画像処理装置を提供することにある。
本発明の画像処理装置は、異なる複数の波長帯域に対して、当該波長帯域で観測された地表の画像である測定画像を、前記波長帯域に関連付けて記憶する画像記憶手段と、地表に含まれる水域の反射率が所定値以下である所定の前記波長帯域である低反射波長帯域に関連付けられた前記測定画像から、前記水域の観測結果に相当する画像領域である水域部を抽出する水域抽出手段と、抽出された前記水域部に含まれる画素の輝度値に基づき、前記低反射波長帯域におけるパスラジアンスの値を推定する第1の推定手段と、前記複数の波長帯域に対してあらかじめ得られているパスラジアンスの値であるパスラジアンス記録値から導出された特性値を記憶する大気特性情報記憶手段と、推定された前記パスラジアンスの値と前記特性値に基づき、前記測定画像に関連付けられた前記波長帯域におけるパスラジアンスの値を推定する第2の推定手段と、を備える。
本発明の画像処理方法は、異なる複数の波長帯域に対して、当該波長帯域で観測された地表の画像である測定画像を、前記波長帯域に関連付けて画像記憶手段記憶し、地表に含まれる水域の反射率が所定値以下である所定の前記波長帯域である低反射波長帯域に関連付けられた前記測定画像から、前記水域の観測結果に相当する画像領域である水域部を抽出し、抽出された前記水域部に含まれる画素の輝度値に基づき、前記低反射波長帯域におけるパスラジアンスの値を推定し、前記複数の波長帯域に対してあらかじめ得られているパスラジアンスの値であるパスラジアンス記録値から導出された特性値を大気特性情報記憶手段に記憶し、推定された前記パスラジアンスの値と前記特性値に基づき、前記測定画像に関連付けられた前記波長帯域におけるパスラジアンスの値を推定する。
本発明の画像処理プログラムは、コンピュータを、異なる複数の波長帯域に対して、当該波長帯域で観測された地表の画像である測定画像を、前記波長帯域に関連付けて記憶する画像記憶手段と、地表に含まれる水域の反射率が所定値以下である所定の前記波長帯域である低反射波長帯域に関連付けられた前記測定画像から、前記水域の観測結果に相当する画像領域である水域部を抽出する水域抽出手段と、抽出された前記水域部に含まれる画素の輝度値に基づき、前記低反射波長帯域におけるパスラジアンスの値を推定する第1の推定手段と、前記複数の波長帯域に対してあらかじめ得られているパスラジアンスの値であるパスラジアンス記録値から導出された特性値を記憶する大気特性情報記憶手段と、推定された前記パスラジアンスの値と前記特性値に基づき、前記測定画像に関連付けられた前記波長帯域におけるパスラジアンスの値を推定する第2の推定手段と、として動作させる。
本発明によれば、観測を行う波長帯域に水域の反射が大きい波長帯域が含まれ、波長帯域毎の観測光の特性が異なる複数の対象が観測対象に含まれる場合であっても、パスラジアンスを安定に推定できるという効果がある。
図1は、観測光と、係数成分及び加算成分として表される環境雑音との関係を表す図である。 図2は、特許文献1に記載された第一の画像情報処理装置の構成を表すブロック図である。 図3は、特許文献1に記載された第一の画像情報処理装置の構成を表すブロック図である。 図4は、第1の実施形態の画像処理装置1の構成を表すブロック図である 図5は、パスラジアンスの平均および第一、第二主成分の例を表す図である。 図6は、第1の実施形態の画像処理装置1の動作を表すフローチャートである。 図7は、第2の実施形態の画像処理装置1Aの構成を表すブロック図である。 図8は、画像処理装置1または画像処理装置1Aを実現するために使用できるコンピュータ1000の構成の一例を表すブロック図である。
本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図4は、本発明の第1の実施の形態の画像処理システム100の構成を示すブロック図である。図4を参照すると、画像処理システム100は、画像処理装置1と、画像供給装置2と、出力装置3を含む。エラー! 参照元が見つかりません。を参照すると、画像処理装置1は、画像読込部17、画像記憶部11、波長帯域選択部18、水域抽出部12、第1の推定部13、大気特性情報記憶部14、第2の推定部15、画像補正部16、出力部19を備える。本発明に因る実施の形態を構成する各ブロックの概要を説明する。
画像処理装置1は、画像供給装置2に接続されている。画像処理装置1は、画像供給装置2と通信することができる。また、画像処理装置1には、出力装置3が接続されている。
画像供給装置2は、例えば、互いに異なる複数の波長帯域で対象の明るさを観測し、観測の結果を画像として出力する撮影装置である。あるいは、画像供給装置2は、そのような撮影装置による観測の結果である画像を記憶する、ハードディスクなどの記憶装置や、サーバであってもよい。以下の説明において、Nは、撮影装置が対象を観測する波長帯域の数である。Nは2以上の整数である。画像供給装置2は、観測された波長帯域に関連付けられたN個の画像を、画像処理装置1に供給する。画像供給装置2は、N個の画像と、それぞれの画像に関連付けられた波長帯域の上限と下限を、画像処理装置1に供給してもよい。
撮影装置は、観測の対象から、大気やチリなどの媒質を通して観測装置に届く光の強さの分布を観測する。本発明の各実施形態では、光は、可視光、赤外線、及び紫外線を含む。撮影装置は、可視光、赤外線、及び紫外線に含まれない電磁波の強さの分布を観測してもよい。後述されるように、観測装置に届く光には、観測の対象から届く光に加えて、媒質から届く光が含まれる。撮影装置による観測の対象は、例えば、水域を含む、地球の表面である地表である。前述のように水域は、地表のうち、海、湖、あるいは池などの、表面が水面である範囲である。本発明の各実施形態の説明において、撮影装置による観測の対象は、地表である。撮影装置は、例えば飛行機や人工衛星に搭載され、互いに異なる複数の波長帯域で、上空から地表の明るさの観測を行う。撮影装置は、例えば、帯域通過フィルタを通して撮影を行うカメラである。撮影装置は、互いに異なる波長帯域の光を選択的に透過するN個の帯域通過フィルタを使用して観測を行えばよい。なお、撮影装置は、上空から地表を観測するのではなく、地表あるいは地表の近くから遠方の地表を観測してもよい。波長帯域の幅は、均一でなくてもよい。観測装置は、観測の結果を、N個の画像として出力する。
そのN個の画像のそれぞれは、互いに異なるN個の波長帯域のいずれかで観測された対象の明るさの分布を表す画像である。それぞれの画像において、それぞれの画素の輝度値は、その画素に応じた方向から届いた光の強さを表す。これらのN個の画像は、例えば、同一の対象を観測して得られた画像である。その場合、N個の画像は、例えば、撮影装置が対象をN個の波長帯域で観測する一連の観測によって得られたN個の画像であればよい。また、これらのN個の画像は、パスラジアンスの値が各画像の全観測領域で同一あるいはほぼ同一である画像であれば、異なる対象を観測して得られた画像であってもよい。その場合、例えば画像供給装置2あるいは画像処理装置1の管理者が、N個の画像を選択すればよい。
出力装置3は、例えば、ディスプレイ装置である。また、出力装置3は、例えば、画像から撮影物体の材質や状態に関する情報を抽出する、物体同定装置であってもよい。
画像読込部17は、画像供給装置2から、それぞれ観測された波長帯域に関連付けられた、上述のN個の画像を読み込む。画像読込部17は、読み込んだN個の画像のそれぞれ画像を、その画像が観測された波長帯域に関連付けて、画像記憶部11に格納する。画像に関連付けられる波長帯域は、その波長帯域に含まれる波長の上限及び加減の組み合わせであればよい。画像に関連付けられる波長帯域は、その波長帯域に含まれる波長の上限及び下限の組み合わせに付与された識別子であってもよい。
画像記憶部11は、異なるN個の波長帯域に対して、その波長帯域で観測された地表の画像を、その波長帯域に関連付けて記憶する。本発明の各実施形態の説明では、画像読込部17によって読み込まれ、画像記憶部11に格納されるこれらの画像は、測定画像とも表記される。
波長帯域選択部18は、画像記憶部11が記憶する画像に関連付けられている波長帯域から、水域の表面反射率が既定値より小さい波長帯域である低反射波長帯域を選択する。以下の説明において、選択された波長帯域を、波長帯域γi(ここで、i=k1,...,kQ)と表記する。なお、γiは画像に関連付けられているN個の波長帯域γi (ここで、i=1,...,N)のうちi番目の波長帯域を表す、例えば識別子である。また、kq(ここで、q=1,...,Q)は、画像に関連付けられている全ての波長帯域γi (ここで、i=1,...,N)のうち、水域の表面反射率が既定値より小さくなる波長帯域の番号である。ただし、Qは、水域の表面反射率が既定値より小さい波長帯域の個数を表す。
波長帯域選択部18は、例えば、あらかじめ与えられた、水域の表面反射率が既定値より小さい波長の範囲に、波長の上限及び下限が含まれる波長帯域を、上述の低反射波長帯域として選択すればよい。あるいは、波長と水域の反射率の関係を表すデータが与えられていてもよい。そして、例えば画像処理装置1のオペレータが、図示されない入力装置を使用して、反射率に対するしきい値を画像処理装置1に入力してもよい。波長帯域選択部18は、波長と水域の反射率の関係を表すデータと、入力されたしきい値に基づき、水域の反射率が規定値より小さい波長の範囲を特定してもよい。そして、波長帯域選択部18は、特定された波長の範囲に波長の上限及び下限が含まれる波長帯域を、上述の低反射波長帯域として選択してもよい。
例えば、波長が600nm(nanometer)より長いとき、水域の反射率は波長が長いほど小さな値をとる傾向を持つ。この事実に基づき、しきい値は、例えば600nmより長い、ある波長に設定されていればよい。そして、波長帯域選択部18は、含まれる波長がこのしきい値よりも長い波長帯域を選択すればよい。例えば、含まれる波長が600nmより長い波長帯域が、赤と、レッドエッジと、近赤外帯域である場合、波長帯域選択部18は、しきい値に基づき、例えば以下のように波長帯域を選択する。ここで、赤は、630nmから690nmまでの波長を含む波長帯域を表す。レッドエッジは、690nmから730nmまでの波長を含む波長帯域を表す。近赤外帯域は、750nmから1400nmまでの波長を含む波長域を表す。例えば、設定されているしきい値が630nmである場合、波長帯域選択部18は、赤と、レッドエッジと、近赤外帯域を選択する。含まれる波長が600nmより長い波長帯域は、赤と、レッドエッジと、近赤外帯域に加えて、近赤外帯域より長い波長域を含んでいてもよい。その場合、例えば、設定されているしきい値が、690nmであれば、波長帯域選択部18は、レッドエッジと、近赤外帯域と、近赤外帯域より長い波長域を選択する。また、例えば、設定されているしきい値が750nmであれば、波長帯域選択部18は、近赤外帯域および近赤外帯域より長い波長域を選択する。
また、N個の画像に関連付けられている波長帯域が固定されており、水域の表面反射率に対する前述の規定値が固定されている場合、水域の表面反射率がその既定値より小さい波長帯域γi(i=k1,...,kQ)も固定される。この場合、波長帯域γi(i=k1,...,kQ)があらかじめ与えられていれば、波長帯域選択部18は存在しなくてもよい。
水域抽出部12は、上述の水域の表面反射率が既定値より小さい波長帯域γi (ここで、i=k1,...,kQ)に関連付けられているそれぞれの画像から、水域部を抽出する。前述のように、水域部は、地表が撮影された画像において、水域が観測された観測値が輝度値として格納されている画素の範囲を表す。すなわち、水域部は、水域の観測結果に相当する画像の領域である。水域抽出部12が水域部を抽出する方法は、既存の任意の方法でよい。水域抽出部12は、例えば下記のいずれかの方法によって、水域部を抽出すればよい。
水域抽出部12は、例えば、観測の結果が画像として得られている地表の範囲の、あらかじめ測定された高度の分布に基づき、画像から水域部を抽出してもよい。水域抽出部12は、例えば、測定された高度が、あらかじめ得られている水域における高度の範囲に含まれる領域を、水域部として抽出すればよい。この場合、例えば、画像供給装置2が、地表のうち、少なくとも、観測結果が画像として得られている範囲の、あらかじめ測定された高度の分布を保持していればよい。高度の測定は、例えば、撮影装置による観測と前後して、高度を測定する、図示されない高度測定装置によって行われてもよい。あるいは、観測の結果が画像として得られている範囲を含む地表の高度の分布が、あらかじめ測定され、画像供給装置2によって保持されていてもよい。そして、例えば画像供給装置2が、撮影装置によって観測が行われた位置及び方向に基づき、観測の結果が画像として得られている地表の範囲を特定してもよい。画像供給装置2は、特定された範囲における高度の分布を、測定された対象の高度の分布として、画像処理装置1に送信すればよい。画像読込部17は、画像供給装置2から、観測の結果を表す画像に加えて、観測の結果がその画像として得られている地表の範囲における高度の分布を、画像供給装置2から受信すればよい。地表の高度の分布は、例えば画像記憶部11に格納されていてもよい。そして、水域抽出部12が、観測の結果が画像として得られている地表の範囲を特定してもよい。
水域抽出部12は、水域とそれ以外の領域を判別可能な、予め記録された地図情報に基づき、画像から水域部を抽出してもよい。その場合、例えば画像供給装置2が、観測結果を表す画像に加えて、その観測結果が得られた地表の範囲を表す情報を供給すればよい。そして、画像読込部17が、観測結果を表す画像に加えて、その観測結果が得られた地表の範囲を表す情報を、画像供給装置2から受信すればよい。そして、水域抽出部12は、観測結果が得られた地表の範囲と地図情報とを照合することにより、画像における水域部を特定すればよい。
また、水域抽出部12は、例えば、複数の波長帯域のそれぞれにおいて、波長帯域に関連付けられている画像の各画素の輝度値として表される撮影対象の明るさと、あらかじめ測定された一般的な水域の明るさに相当する値の範囲と比較してもよい。そして、水域抽出部12は、所定の基準に基づいて、一般的な水域の明るさに相当する値の範囲に含まれると判定された輝度値を持つ画素からなる領域を抽出してもよい。そして、水域抽出部12は、抽出された領域を水域部にしてもよい。
第1の推定部13は、抽出された水域部に含まれる画素の輝度値に基づき、前述の低反射波長帯域におけるパスラジアンスの値を推定する。第1の推定部13は、例えば、低反射波長帯域毎に、その低反射波長帯域に関連付けられた画像から抽出された水域部に含まれる画素の輝度値のうち、最も小さい値を、その低反射波長帯域におけるパスラジアンスの推定値として選択する。以下の説明において、パスラジアンスの推定値は、βWi)(ここで、i=k1,...,kQ)と表記される。例えば、低反射波長帯域が近赤外帯域および赤外帯域である場合、第1の推定部13は、近赤外帯域および赤外帯域のそれぞれに関連付けられた画像から抽出された水域部における輝度値の最小値を、それぞれの波長帯域におけるパスラジアンスの推定値として選択する。
大気特性情報記憶部14は、波長帯域毎に複数のパスラジアンスの値を含むデータから導出された、パスラジアンスの波長帯域毎の特性値を記憶する。パスラジアンスの特性値は、波長帯域毎に1個以上であればよい。大気特性情報記憶部14が記憶する特性値は、パスラジアンスの値が各画像の全観測領域で同一である環境で観測された、任意の波長帯域におけるパスラジアンスの値が、その波長帯域の特性値と、全ての波長帯域で共通のパラメータとによって表されるという特徴を備える。
これらの特性値を、例えば、第i要素が第iの波長帯域における特性値である、N次元のベクトルによって表すことができる。また、N個の波長帯域におけるパスラジアンスの値を、第i要素が第iの波長帯域におけるパスラジアンスの値であるベクトルによって表すことができる。このようなパスラジアンスの値を表すベクトルは、上述された特徴を備える特性値を表すベクトルと、そのベクトルに対する重みとの積の和によって表される。言い換えると、パスラジアンスの値を表すベクトルは、上述された特徴を備える特性値を表すベクトルの線形結合によって表される。すなわち、上述された特性値を表すベクトルは、上述のパスラジアンスの値を表すベクトルの基底ベクトルである。大気特性情報記憶部14は、上述されたベクトルの形で、特性値を記憶していてもよい。
このような特性値は、例えば、複数のパスラジアンスの記録値をもとに算出される平均と、その記録データを用いて主成分分析を行うことによって算出された主成分である。この場合、パスラジアンスの記録値は、第i成分が第iの波長帯域におけるパスラジアンスの値である、N次元ベクトルである。以下の説明において、パスラジアンスの記録値であるN次元ベクトルを、パスラジアンスベクトルと表記する。大気特性情報記憶部14に格納される平均は、複数のパスラジアンスベクトルの平均ベクトルである。大気特性情報記憶部14に格納される主成分は、主成分分析を行う方法によって複数のパスラジアンスベクトルから導出されたN次元ベクトルである。
大気特性情報記憶部14に特性値として平均値及び主成分が格納される場合、複数のパスラジアンスの記録データからその主成分を算出する主成分分析の方法は、既存の任意の方法でよい。波長帯域の数がNである場合、パスラジアンスの記録データは、例えば、パスラジアンスの値が各画像の全観測領域で同一である環境における、第i番目の波長帯域におけるパスラジアンスの値が、第i成分であるN次元のベクトルによって表される。算出された主成分は、1個以上のN次ベクトルによって表される。例えば第1から第Mまでの主成分が算出された場合、算出された主成分は、それぞれ第1から第Mまでの主成分を表すM個のN次ベクトルによって表される。第j主成分を表すベクトルの第i要素は、i番目の波長帯域におけるパスラジアンスの値の第j主成分である。また、算出された平均は、第i要素がi番目の波長帯域におけるパスラジアンスの平均値であるN次のベクトルによって表される。パスラジアンスの値が各画像の全観測領域で同一である環境におけるN個の波長帯域で観測されたパスラジアンスの値を表すN次元ベクトルは、近似的に、平均を表すベクトルと主成分を表すM個のベクトルの線形結合によって表される。
画像記憶部11に格納されている画像に関連付けられている波長帯域の数がNであり、i番目(ここで、i=1,...,N)の波長帯域が波長帯域γiと表記される場合、上述のパスラジアンスの特性値を以下のように表記する。まず、波長帯域ごとの、パスラジアンスの値の平均値を、それぞれ、β01),...,β0N)と表記する。そして、導出された主成分の数がMである場合、波長帯域ごとの、第1から第M主成分の値を、それぞれ、βj1),...,βjN)(ここで、j=1,...,M)と表記する。また、0からMまでのそれぞれのjに対して、第i要素が第iの波長帯域における値であるベクトルを、βjと表記する。すなわち、0からMまでのそれぞれのjに対して、βjはベクトル[βj1) ... βjM)]Tである。これらのM+1個のベクトルβjは、上述の基底ベクトルである。大気特性情報記憶部14は、これらのM+1個のベクトルβjを、特性値として記憶していてもよい。
図5は、パスラジアンスの特性値の一例を表す図である。図5に示すパスラジアンスの特性値は、パスラジアンスの平均と、第1及び第2の主成分である。
図5において、横軸は波長帯域を表し、縦軸は輝度値を表し、実線は平均を表し、破線は第一主成分を表し、一点鎖線は第二主成分を表す。これらの値が導出されたパスラジアンスの値が観測された波長帯域は、青、緑、赤、レッドエッジ、近赤外帯域である。青、緑、赤、レッドエッジ、近赤外帯域は順に B、G、R、RE、NIRと記述される。なお、B、G、R、RE、NIRの波長帯域はそれぞれ、440nmから510nm近辺、520nmから590nm近辺、630nmから680nm近辺、690nmから730nm近辺、760nmから850nm近辺を表す。
大気特性情報記憶部14が記憶する特性値が導出された複数のパスラジアンスの値は、実際に計測された様々な環境条件におけるパスラジアンスの値であってもよい。また、これらのパスラジアンスの値は、シミュレータを用いて生成された、様々な状況下でのパスラジアンスの値であってもよい。本発明の各実施形態において、大気特性情報記憶部14が記憶する特性値が導出された複数のパスラジアンスの値は、パスラジアンス記録値とも表記される。
第2の推定部15は、大気特性情報記憶部14に格納されている特性値と、第1の推定部13が推定したパスラジアンスの値を用いて、前述の低反射波長帯域以外の波長帯域におけるパスラジアンスの値を推定する。前述のように、第1の推定部13が推定したパスラジアンスの値は、βWi)(ここで、i=k1,...,kQ)である。以下では、第2の推定部15によって推定される推定値を、βEi)と表記する。第2の推定部15が前述の低反射波長帯域以外の波長帯域におけるパスラジアンスの値を推定する場合、第2の推定部15によって、k1からkQまでのQ個の整数を除く、1からNまでの整数であるiに対して、βEi)が導出される。この場合、第2の推定部15は、k1からkQまでのQ個の整数に対して、第1の推定部が推定したβWi)を、推定値βEi)にすればよい。
第2の推定部15によるパスラジアンスの値の推定において、パスラジアンスの値は、例えば、以下のようなモデルにより表される。そのモデルでは、パスラジアンスの値は、大気特性情報記憶部14に格納されている特性値と、特性値と同じ個数の、波長帯域に依存しないパラメータを使用した式によって表される。第2の推定部15は、第1の推定部13によって推定されたQ個のパスラジアンスの値に、モデルを表す式によって計算される値が最もよく合致するような各パラメータの値を導出する。そして、第2の推定部15は、低反射波長帯域以外のそれぞれの波長帯域に対して、大気特性情報記憶部14に格納されている特性値と、導出したパラメータに基づき、モデルを表す式を使用してパスラジアンスの値を導出する。第2の推定部15は、画像記憶部11に格納されている画像に関連付けられている全ての波長帯域に対して、モデルを表す式を使用して、同様にパスラジアンスの値を導出してもよい。すなわち、第2の推定部15は、1からNまでの全ての整数に対して、モデルを表す式を使用してβEi)を導出してもよい。
以下に、大気特性情報記憶部14に、複数のパスラジアンスの値の平均と主成分が格納されている場合の、第2の推定部15によるパスラジアンスの値の推定の例を示す。
数3は、パスラジアンスのモデルの一例を表す式である。大気特性情報記憶部14に格納されているパスラジアンスの特性値が、パスラジアンスの平均値と主成分である場合、数3において、β01),...,β0N)は、大気特性情報記憶部14に格納されたパスラジアンスの値の平均である。また、βj1),...,βjN)(ここで、j=1,...,M)は、第1から第M主成分である。係数ai(i=0,...,M)は、前述のパラメータである、未知の重み係数である。ベクトルaは、重み係数ai(i=0,...,M)を各成分に持つベクトル[a0 ... aM]Tを表す。
Figure 0006201507
第2の推定部15は、大気特性情報記憶部14に格納されている特性値を読み出す。本実施形態における例では、前述のように、大気特性情報記憶部14に格納されている特性値は、複数のパスラジアンスの値の平均値と、それらの値を用いて主成分分析を行うことによって得られる主成分である。そして、第2の推定部15は、読み出した特性値を用いて、数3によって表されるβS(a,γi)の値と、第1の推定部13によって推定されたパスラジアンスの値βWi)(ここで、i=k1,...,kQ)との二乗誤差を最小化する重み係数を導出する。第2の推定部15は、導出した重み係数を、重み係数の推定値にする。
Figure 0006201507
数4は、上述された最小化問題の例を表す式である。数4において、ベクトルaWは、重み係数ai(i=0,...,M)の推定値であるaW i (ここで、i=0,...,M)を各成分に持つベクトル[aW 0 ... aW M]Tを表す。ベクトルaWは、第2の推定部15によって導出された重み係数の推定値である。
第2の推定部15は、既存の任意の方法によって、重み係数の推定値を表すベクトルaWを算出すればよい。第2の推定部15は、例えば、数5によって表される正規方程式を用いた解法によって、ベクトルaWを算出してもよい。すなわち、第2の推定部15は、数5に従ってベクトルaWを算出してもよい。また、第2の推定部15は、数5によって表される正規方程式の解法として、QR分解や特異値分解を用いてもよい。
Figure 0006201507
数5において、βWkは、第1の推定部13によって推定された、水域部におけるパスラジアンスの値を表すベクトルである。ベクトルβWkは、数6によって表される。
Figure 0006201507
数5において、βk basisは、大気特性情報記憶部14が記憶する特性値によって構成される行列である。行列βk basisは、数7によって表される。
Figure 0006201507
次に、第2の推定部15は、算出された重み係数の推定値aWを、モデルに基づくパスラジアンスの値であるβS(a,γi)を表す数3の式における重み係数aに代入することによって、パスラジアンスの値を導出する。第2の推定部15は、導出したパスラジアンスの値であるβS(aWi)を、パスラジアンスの推定値であるβEi)(ここで、i=1,...,N)にする。
数8は、パスラジアンスの推定値の算出方法を表す式である。
Figure 0006201507
画像補正部16は、画像記憶部11から、波長帯域γiに関連付けられている画像を読み出す。画像補正部16は、第2の推定部15によって推定された、波長帯域γiにおけるパスラジアンスの推定値βEi)を、読み出された画像に含まれる全画素の輝度値L(γi)から差し引く補正を行う。補正後の画像は、画像記憶部11が記憶する画像から、推定されたパスラジアンスの成分が除かれた画像である。画像補正部16は、画像記憶部11が記憶する画像に関連付けられている全ての波長帯域γiに対して、以上の補正を行えばよい。
図6は、本実施の形態における画像処理装置1の動作を示すフローチャートである。
まず、画像読込部17が、観測が行われた波長帯域に関連付けられた複数の測定画像を、画像供給装置2から読み込む(ステップS101)。前述のように、測定画像の数はNである。そして、N個の測定画像は、例えば、それぞれ異なる波長帯域で観測された地表の画像である。
画像読込部17は、読み込まれた測定画像を、その画像が観測された波長帯域に関連付けて、画像記憶部11に格納する(ステップS102)。
波長帯域選択部18は、測定画像に関連付けられた波長帯域から、水域の反射率が既定値より小さい波長帯域である低反射波長帯域を選択する(ステップS103)。前述のように、水域の反射率が既定値より小さい波長帯域があらかじめ特定されているなら、画像処理装置1は、ステップS103の動作を行わなくてもよい。
水域抽出部12は、選択された低反射波長帯域に関連付けられている測定画像のそれぞれから、水域部を抽出する(ステップS104)。
第1の推定部13は、選択された低反射波長帯域毎に、抽出された水域部に含まれる画素の輝度値に基づき、低反射波長帯域におけるパスラジアンスの値を推定する(ステップS105)。前述のように、第1の推定部13は、抽出された水域部における最も小さい輝度値を抽出すればよい。そして、第1の推定部13は、その水域部が抽出された測定画像に関連付けられている低反射波長帯域におけるパスラジアンスの推定値にすればよい。
次に、第2の推定部15は、パスラジアンスの特性値を大気特性情報記憶部14から読み出す(ステップS106)。
第2の推定部15は、読み出された特性値と、低反射波長帯域におけるパスラジアンスの推定値に基づき、測定画像に関連付けられた波長帯域におけるパスラジアンスの値を推定する(ステップS107)。
第2の推定部15は、測定画像に関連付けられている、低反射波長帯域以外の、波長帯域におけるパスラジアンスの値を推定すればよい。上述の例では、第2の推定部15は、低反射波長帯域におけるパスラジアンスの推定値βWi)(ここで、i=k1,...,kQ)を用いて、測定画像に関連付けられている低反射波長帯域以外の波長帯域におけるパスラジアンスの推定値βEi)(ここで、i は、k1からkQを除く、1からNまでの整数)を推定する。ステップS107で、測定画像に関連付けられている全ての波長帯域におけるパスラジアンスの推定値βEi)(ここで、i =1,...,N)が得られる。なお、第2の推定部15は、画像記憶部11に格納されている画像に関連付けられている全ての波長帯域に対して、モデルを表す式を使用して、同様にパスラジアンスの値を導出してもよい。
画像補正部16は、測定画像の各画素の輝度値から、その測定画像に関連付けられている波長帯域におけるパスラジアンスの推定値を差し引くことによって、補正画像を生成する(ステップS108)。
画像補正部16は、ステップS108の動作を、画像記憶部11に格納されている全ての測定画像に対して行ってもよい。画像補正部16は、例えば、画像処理装置1のオペレータによって、図示されない入力部を介して指定された測定画像に対して、ステップS108の動作を行ってもよい。
そして、出力部19は、生成された補正画像を出力装置3に出力する(ステップS109)。
なお、画像処理装置1は、ステップS108の動作を行わなくてもよい。そして、ステップS109において、出力部19は、パスラジアンスの推定値を、出力装置3に出力してもよい。
以上で説明した本実施形態には、観測を行う波長帯域に水域の反射が大きい波長帯域が含まれ、波長帯域毎の観測光の特性が異なる複数の対象が観測対象に含まれる場合であっても、パスラジアンスを安定に推定できるという第1の効果がある。
その理由は、第2の推定部15が、大気特性情報記憶部14に格納されているパスラジアンスの特性値と、第1の推定部13によって推定された低反射波長帯域におけるパスラジアンスの推定値とに基づき、パスラジアンスの値を導出するからである。第1の推定部13は、低反射波長帯域において観測された水域部における観測値から、その波長領域におけるパスラジアンスの値を推定する。大気特性情報記憶部14に格納されているパスラジアンスの特性値は、各波長帯域における、あらかじめ得られているパスラジアンスの値から導出された値である。パスラジアンスの特性値は、観測対象が備える反射率などの特性に影響されない。第2の推定部15は、低反射波長帯域以外の波長帯域におけるパスラジアンスの値を、観測対象が備える反射率などの特性に影響されない値に基づき、推定する。従って、第2の推定部15は、観測を行う波長帯域に水域の反射が大きい波長帯域が含まれ、波長帯域毎の観測光の特性が異なる複数の対象が観測対象に含まれる場合であっても、パスラジアンスを安定に推定できる。
また、本実施形態には、低反射波長帯域ではない波長帯域を含む全ての波長帯域において、観測画像に対するパスラジアンスの影響を軽減できるという第2の効果がある。
その理由は、出力部19が、画像記憶部11に格納されている測定画像の全画素の輝度値から、第2の推定部15が推定したパスラジアンスの値を引くことによって、補正画像を生成するからである。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図7は、本実施形態の画像処理装置1Aの構成を表す図である。
図7を参照すると、本実施形態の画像処理装置1Aは、異なる複数の波長帯域に対して、当該波長帯域で観測された地表の画像である測定画像を、前記波長帯域に関連付けて記憶する画像記憶部11と、地表に含まれる水域の反射率が所定値以下である所定の前記波長帯域である低反射波長帯域に関連付けられた前記測定画像から、前記水域の観測結果に相当する画像領域である水域部を抽出する水域抽出部12と、抽出された前記水域部に含まれる画素の輝度値に基づき、前記低反射波長帯域におけるパスラジアンスの値を推定する第1の推定部13と、前記複数の波長帯域に対してあらかじめ得られているパスラジアンスの値であるパスラジアンス記録値から導出された特性値を記憶する大気特性情報記憶部14と、推定された前記パスラジアンスの値と前記特性値に基づき、前記測定画像に関連付けられた前記波長帯域におけるパスラジアンスの値を推定する第2の推定部15と、を備える。
本実施形態には、第1の実施形態の第1の効果と同じ効果がある。その理由は、第1の実施形態の第1の効果と同じである。
画像処理装置1と画像処理装置1Aは、それぞれ、コンピュータ及びコンピュータを制御するプログラム、専用のハードウェア、又は、コンピュータ及びコンピュータを制御するプログラムと専用のハードウェアの組合せにより実現することができる。
以上で説明した本実施形態には、第1の実施形態の第1の効果と同じ効果がある。
その理由は、第1の実施形態の第1の効果の理由と同じである。
図8は、画像処理装置1と画像処理装置1Aを実現するために使用される、コンピュータ1000の構成の一例を表す図である。図8を参照すると、コンピュータ1000は、プロセッサ1001と、メモリ1002と、記憶装置1003と、I/O(Input/Output)インタフェース1004とを含む。また、コンピュータ1000は、記録媒体1005にアクセスすることができる。メモリ1002と記憶装置1003は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクなどの記憶装置である。記録媒体1005は、例えば、RAM、ハードディスクなどの記憶装置、ROM(Read Only Memory)、可搬記録媒体である。記憶装置1003が記録媒体1005であってもよい。プロセッサ1001は、メモリ1002と、記憶装置1003に対して、データやプログラムの読み出しと書き込みを行うことができる。プロセッサ1001は、I/Oインタフェース1004を介して、例えば、画像供給装置2と通信することができる。プロセッサ1001は、記録媒体1005にアクセスすることができる。記録媒体1005には、コンピュータ1000を画像処理装置1または画像処理装置1Aとして動作させるプログラムが格納されている。
プロセッサ1001は、記録媒体1005に格納されている、コンピュータ1000を画像処理装置1または画像処理装置1Aとして動作させるプログラムを、メモリ1002にロードする。そして、プロセッサ1001が、メモリ1002にロードされたプログラムを実行することにより、コンピュータ1000は画像処理装置1または画像処理装置1Aとして動作する。
水域抽出部12、第1の推定部13、第2の推定部15、画像補正部16、画像読込部17、波長帯域選択部18、出力部19は、例えば、プログラムを記憶する記録媒体1005からメモリ1002に読み込まれた、各部の機能を実現するための専用のプログラムと、そのプログラムを実行するプロセッサ1001により実現することができる。また、画像記憶部11、大気特性情報記憶部14は、コンピュータが含むメモリ1002やハードディスク装置等の記憶装置1003により実現することができる。あるいは、画像記憶部11、水域抽出部12、第1の推定部13、大気特性情報記憶部14、第2の推定部15、画像補正部16、画像読込部17、波長帯域選択部18、出力部19の一部又は全部を、各部の機能を実現する専用の回路によって実現することもできる。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
本発明は、高所から地表を測定した結果に基づく、営農支援や資源探査に利用可能である。
1、1A 画像処理装置
2 画像供給装置
3、300 出力装置
11 画像記憶部
12 水域抽出部
13 第1の推定部
14 大気特性情報記憶部
15 第2の推定部
16、113 画像補正部
17、111 画像読込部
18、124 波長帯域選択部
100 画像処理システム
101、102 画像情報処理装置
112 水域情報推定部
125 相関関係推定部
126 大気情報推定部
200 外部装置
1000 コンピュータ
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 記憶装置
1004 I/Oインタフェース
1005 記録媒体

Claims (10)

  1. 異なる複数の波長帯域に対して、当該波長帯域で観測された地表の画像である測定画像を、前記波長帯域に関連付けて記憶する画像記憶手段と、
    地表に含まれる水域の反射率が所定値以下である所定の前記波長帯域である低反射波長帯域に関連付けられた前記測定画像から、前記水域の観測結果に相当する画像領域である水域部を抽出する水域抽出手段と、
    抽出された前記水域部に含まれる画素の輝度値に基づき、前記低反射波長帯域におけるパスラジアンスの値を推定する第1の推定手段と、
    前記複数の波長帯域に対してあらかじめ得られているパスラジアンスの値であるパスラジアンス記録値から導出された特性値を記憶する大気特性情報記憶手段と、
    推定された前記パスラジアンスの値と前記特性値に基づき、前記測定画像に関連付けられた前記波長帯域におけるパスラジアンスの値を推定する第2の推定手段と、
    を備える画像処理装置。
  2. 前記特性値は、前記パスラジアンス記録値の前記複数の波長帯域の各々における平均値と、前記パスラジアンス記録値に対して主成分分析を行うことによって導出された主成分である
    請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 少なくとも1つの前記測定画像に対して、当該測定画像に含まれる各画素の輝度値から、前記測定画像に関連付けられた前記波長帯域における、推定された前記パスラジアンスの値を引くことにより、パスラジアンスの影響が軽減された補正画像を生成する画像補正手段
    をさらに備える請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 前記測定画像を、当該測定画像が観測された波長帯域に関連付けて供給する画像供給装置と、
    前記画像供給装置と通信できる請求項1乃至3のいずれかに記載の画像処理装置とを備え、
    前記画像処理装置は、前記画像供給装置から、観測された前記波長帯域に関連付けられた前記測定画像を取得し、取得した当該測定画像を前記画像記憶手段に格納する画像読込手段を含む、
    画像処理システム。
  5. 異なる複数の波長帯域に対して、当該波長帯域で観測された地表の画像である測定画像を、前記波長帯域に関連付けて画像記憶手段に記憶し
    地表に含まれる水域の反射率が所定値以下である所定の前記波長帯域である低反射波長帯域に関連付けられた前記測定画像から、前記水域の観測結果に相当する画像領域である水域部を抽出し、
    抽出された前記水域部に含まれる画素の輝度値に基づき、前記低反射波長帯域におけるパスラジアンスの値を推定し、
    前記複数の波長帯域に対してあらかじめ得られているパスラジアンスの値であるパスラジアンス記録値から導出された特性値を大気特性情報記憶手段に記憶し、
    推定された前記パスラジアンスの値と前記特性値に基づき、前記測定画像に関連付けられた前記波長帯域におけるパスラジアンスの値を推定する、
    画像処理方法。
  6. 前記特性値は、前記パスラジアンス記録値の前記複数の波長帯域の各々における平均値と、前記パスラジアンス記録値に対して主成分分析を行うことによって導出された主成分である
    請求項5に記載の画像処理方法。
  7. 少なくとも1つの前記測定画像に対して、当該測定画像に含まれる各画素の輝度値から、前記測定画像に関連付けられた前記波長帯域における、推定された前記パスラジアンスの値を引くことにより、パスラジアンスの影響が軽減された補正画像を生成する
    請求項5又は6に記載の画像処理方法。
  8. コンピュータを、
    異なる複数の波長帯域に対して、当該波長帯域で観測された地表の画像である測定画像を、前記波長帯域に関連付けて記憶する画像記憶手段と、
    地表に含まれる水域の反射率が所定値以下である所定の前記波長帯域である低反射波長帯域に関連付けられた前記測定画像から、前記水域の観測結果に相当する画像領域である水域部を抽出する水域抽出手段と、
    抽出された前記水域部に含まれる画素の輝度値に基づき、前記低反射波長帯域におけるパスラジアンスの値を推定する第1の推定手段と、
    前記複数の波長帯域に対してあらかじめ得られているパスラジアンスの値であるパスラジアンス記録値から導出された特性値を記憶する大気特性情報記憶手段と、
    推定された前記パスラジアンスの値と前記特性値に基づき、前記測定画像に関連付けられた前記波長帯域におけるパスラジアンスの値を推定する第2の推定手段と、
    として動作させる画像処理プログラム。
  9. 前記特性値は、前記パスラジアンス記録値の前記複数の波長帯域の各々における平均値と、前記パスラジアンス記録値に対して主成分分析を行うことによって導出された主成分である
    請求項8に記載の画像処理プログラム。
  10. コンピュータを、
    少なくとも1つの前記測定画像に対して、当該測定画像に含まれる各画素の輝度値から、前記測定画像に関連付けられた前記波長帯域における、推定された前記パスラジアンスの値を引くことにより、パスラジアンスの影響が軽減された補正画像を生成する画像補正手段
    として動作させる請求項8又は9に記載の画像処理プログラム。
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