JP6200852B2 - 光線路切替装置及び方法 - Google Patents

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Description

この発明は、二重化された光ファイバ線路の切替えを行う光線路切替装置及び方法に関する。
光ファイバ線路を二重化し、一方の光ファイバ線路の通信に異常が起きた場合に、当該光ファイバ線路を他方の光ファイバ線路に切替えることで通信サービスを維持する技術が知られている(例えば特許文献1を参照)。この技術は、例えば、二重化された光ファイバ線路のうち、一方の光ファイバ線路の信号光の波長を他方の光ファイバ線路とは異なる波長に変換し、試験パルス光により各光ファイバ経路の光路長差を測定して、その測定結果に基づいて光路長が互いに一致するように光路長を制御する。そして、試験パルス光による各光ファイバ線路の光パワーレベル差を測定して、その光パワーレベル差が許容範囲となるように、光ファイバ線路の光パワーレベルを調整することにより実現される。
ところで、上記二重化光伝送システムを実現するには、通信サービスに影響を及ぼさないように線路を切り替える必要がある。この要求に応えるために本発明者等は短瞬断切替方式を提案している。短瞬断切替方式は、光ファイバを破断する限界近くまで曲げることで放射光の結合効率を向上させ、その状態を機械的に瞬時に形成する仕組みを構成することで、光ファイバを切断することなく通信路の切替えを行うものである(例えば非特許文献1を参照)。
特開2012−253418号公報
東裕司、「光ファイバ技術研究最前線」、NTT技術ジャーナル、2013年2月号42頁
ところが、上記短瞬断切替えを行った場合、切替器の不具合や保守員の操作上の不具合等により通信線路を適切に切り替えることができない場合がある。このような場合、通信線路の切替えが要求された時間内に完了せず、その結果通信が長時間に亘り遮断され、通信サービスに深刻な影響が及ぶ。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、通信線路の切替えに失敗しても通信サービスに影響が及ばないようにした光線路切替装置及び方法を提供することにある。
上記目的を達成するためにこの発明の1つの観点は、以下のような態様を備える。
(1)通信光の流通線路を、第1の光ファイバ線路から第2の光ファイバ線路に切り替える光線路切替装置であって、前記第1の光ファイバ線路と第2の光ファイバ線路との切替地点に配置され、通信光の流通経路を前記第1の光ファイバ線路と第2の光ファイバ線路との間で切り替える光線路切替器と、前記第2の光ファイバ線路を流通する上りおよび下りの各通信光の強度を測定する光強度測定部と、前記光線路切替器及び前記光強度測定部に接続された制御部とを具備する。前記光線路切替器は、前記第1の光ファイバ線路に対し所定の曲率以上の曲げを与えて通信光を漏洩させ、この曲げ部の側面に前記第2の光ファイバ線路のプローブを当接させることで、前記曲げ部から漏洩した通信光を前記第2の光ファイバ線路に入射させると共に、前記第2の光ファイバ線路のプローブから出射した通信光を前記第1の光ファイバ線路の曲げ部に入射させる側方光入出力機構を備える。そして前記制御部、前記光線路切替器を制御して、通信光の流通経路を前記第1の光ファイバ線路から前記第2の光ファイバ線路に切り替えたのち、前記通信経路の切替えが行われた時点を起点として監視時間を設定し、前記光強度測定部により得られる前記第2の光ファイバ線路を流通する通信光の強度の測定値が、前記監視時間内にしきい値以上になったか否かを判定し、前記通信光の強度の測定値が前記監視時間内にしきい値以上にならなかった場合に、前記光線路切替器を制御して、前記通信光の流通経路を前記第2の光ファイバ線路から前記第1の光ファイバ線路に切り戻すようにし、さらに前記上りおよび下りの各通信光の測定値のいずれかが前記監視時間内にしきい値以上にならなかった場合に、前記切替えが失敗した旨の情報と、前記上りおよび下りの各通信光のいずれが前記しきい値未満であるのかを示す情報を報知するようにしたものである。
)通信光の流通線路を、第1の光ファイバ線路から第2の光ファイバ線路に切り替える光線路切替装置であって、前記第1の光ファイバ線路と第2の光ファイバ線路との切替地点に配置され、通信光の流通経路を前記第1の光ファイバ線路と第2の光ファイバ線路との間で切り替える光線路切替器と、前記第2の光ファイバ線路を流通する上りおよび下りの各通信光の強度を測定する光強度測定部と、前記光強度測定部に接続された制御部とを具備する。前記光線路切替器は、前記第1の光ファイバ線路に対し所定の曲率以上の曲げを与えて通信光を漏洩させ、この曲げ部の側面に前記第2の光ファイバ線路のプローブを当接させることで、前記曲げ部から漏洩した通信光を前記第2の光ファイバ線路に入射させると共に、前記第2の光ファイバ線路のプローブから出射した通信光を前記第1の光ファイバ線路の曲げ部に入射させる側方光入出力機構を備える。そして前記制御部、前記光線路切替器により前記通信光の流通経路が前記第1の光ファイバ線路から前記第2の光ファイバ線路に切り替えられた場合に、当該切替えが行われた時点を起点として監視時間を設定し、前記光強度測定部により得られる、前記第2の光ファイバ線路を流通する前記上りおよび下りの各通信光の強度の測定値がいずれも前記監視時間内にしきい値以上になったか否かを判定し、前記上りおよび下りの各通信光の強度の測定値のいずれかが前記監視時間内にしきい値以上にならなかった場合に、前記切替えが失敗した旨の情報と、前記上りおよび下りの各通信光のいずれが前記しきい値未満であるのかを示す情報を報知するようにしたものである。
)(1)または)のいずれかにおいて、前記制御部により、前記上りおよび下りの各通信光の強度の測定値がいずれも前記監視時間内にしきい値以上になった場合に、切替えが成功した旨の情報を、さらに報知するようにしたものである。
)通信光の流通経路を、切替地点に配置された側方光入出力機構からなる光線路切替器により第1の光ファイバ線路から第2の光ファイバ線路に切り替える動作を、制御部を備えた光線路切替装置により実行する光線路切替方法にあって、先ず前記光線路切替器を制御して、前記第1の光ファイバ線路に対し所定の曲率以上の曲げを与えて通信光を漏洩させ、当該通信光を前記第2の光ファイバ線路のプローブに入射させると共に、前記第2の光ファイバ線路のプローブから出射した通信光を前記第1の光ファイバ線路の曲げ部に入射させることにより、前記通信光の流通経路を前記第1の光ファイバ線路から前記第2の光ファイバ線路に切り替え、前記流通経路の切替えが行われた時点を起点として監視時間を設定し、前記第2の光ファイバ線路を流通する上りおよび下りの各通信光の強度を測定して、その測定値がいずれも前記監視時間内にしきい値以上になったか否かを判定し、前記測定値のいずれかが前記監視時間内にしきい値以上にならなかった場合に、前記光線路切替器を制御して、前記第1の光ファイバ線路の曲げを直線状態に復帰させることにより、前記通信光の流通経路を前記第2の光ファイバ線路から前記第1の光ファイバ線路に切り戻すと共に、前記上りおよび下りの各通信光の測定値のいずれかが前記監視時間内にしきい値以上にならなかった場合に、前記切替えが失敗した旨の情報と、前記上りおよび下りの各通信光のいずれが前記しきい値未満であるのかを示す情報を報知するようにしたものである。
)通信光の流通経路を、切替地点に配置された側方光入出力機構からなる光線路切替器により第1の光ファイバ線路から第2の光ファイバ線路に切り替える動作を、制御部を備えた光線路切替装置により実行する光線路切替方法にあって、前記光線路切替器により前記第1の光ファイバ線路に対し所定の曲率以上の曲げを与えて通信光を漏洩させ、当該通信光を前記第2の光ファイバ線路のプローブに入射させると共に、前記第2の光ファイバ線路のプローブから出射した通信光を前記第1の光ファイバ線路の曲げ部に入射させることにより、前記通信光の流通経路を前記第1の光ファイバ線路から前記第2の光ファイバ線路に切り替え、前記通信光の流通経路が前記第1の光ファイバ線路から前記第2の光ファイバ線路に切り替えられた場合に、当該流通経路の切替えが行われた時点を起点として監視時間を設定し、前記第2の光ファイバ線路を流通する上りおよび下りの各通信光の強度を測定して、その測定値が前記監視時間内にしきい値以上になったか否かを判定する。そして、前記上りおよび下りの各通信光の強度の測定値のいずれかが前記監視時間内にしきい値以上にならなかった場合に、前記切替えが失敗した旨の情報と、前記上りおよび下りの各通信光のいずれが前記しきい値未満であるのかを示す情報を報知するようにしたものである。
)(または)のいずれかにおいて、前記上りおよび下りの各通信光の強度の測定値がいずれも前記監視時間内にしきい値以上になった場合に、切替えが成功した旨の情報を、さらに報知するようにしたものである。
(1)及び()によれば、通信光の流通経路が第1の光ファイバ線路から第2の光ファイバ線路に切り替えられると、その時点から上記第2の光ファイバ線路を流通する通信光の強度の監視が行われ、その測定値が予め設定した監視時間内にしきい値以上にならなかった場合に、通信光の流通経路が上記第2の光ファイバ線路から上記第1の光ファイバ線路に切り戻される。このため、何らかの事情により第1の光ファイバ線路から第2の光ファイバ線路への切替えが失敗した場合には、通信経路が自動的に第1の光ファイバ線路に切り戻される。したがって、通信経路の切替失敗による通信サービスへの影響が生じないようにするか又は最小限度に抑えることができる。
さらに、第2の光ファイバ線路を流通する上りおよび下りの各通信光の強度の測定値のいずれかが監視時間内にしきい値以上にならなかった場合には、切替えが失敗した旨の情報と、上記上りおよび下りの各通信光のいずれがしきい値未満であるのかを示す情報が報知される。このため、保守員は切替えが失敗したことを確認することができ、しかもそれと同時に上りおよび下りの各通信光のいずれがしきい値未満なのかを確認することができる。このため、保守員は切替失敗の原因を迅速かつ確実に突き止めることが可能となる。
)及び()によれば、第2の光ファイバ線路を流通する上りおよび下りの各通信光強度の測定値のいずれかが予め設定した監視時間内にしきい値以上にならなかった場合に、切替えが失敗した旨の情報と、上りおよび下りの各通信光のいずれが前記しきい値未満であるのかを示す情報が報知される。このため、保守員は切替えの失敗をその原因と共に迅速に認識することができ、この報知を受けて通信光の流通経路を手動にて第2の光ファイバ線路から第1の光ファイバ線路に切り戻すことができる。
)及び()によれば、第2の光ファイバ通信路を流通する上りおよび下りの各通信光の強度がいずれも監視時間内にしきい値以上になった場合に、切替えが成功した旨の情報が報知される。このため、保守員は通信経路の切替えが成功したことを迅速かつ確実に認識することが可能となる。
すなわちこの発明の一観点によれば、線路切替が失敗した場合にできる限り早く切替え前の状態に復旧することを可能にした光線路切替装置及び方法を提供することができる。
この発明の第1の実施形態に係る光線路切替装置の構成を示すブロック図。 図1に示した光線路切替装置の具体的な設置例を示す図。 図1に示した光線路切替装置で使用される光線路切替器の構成を示す側面図。 図1に示した光線路切替装置で使用される光線路切替器の内部構造を示す側断面図。 図1に示した光線路切替装置の制御ユニットによる制御手順と制御内容を示すフローチャート。 この発明の第2の実施形態に係る光線路切替装置の制御ユニットによる制御手順と制御内容を示すフローチャート。 この発明の第3の実施形態に係る光線路切替装置の具体的な設置例を示す図。 この発明の第4の実施形態に係る光線路切替装置の具体的な設置例を示す図。
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
(構成)
二重化光伝送システムは、局舎内に設けられた局側伝送装置(OLT;Optical Line Terminal)と、加入者宅内に設けられた加入者側伝送装置(ONU;Optical Network Unit)との間に現用光ファイバ線路を敷設すると共に、当該現用光ファイバ線路と並行して迂回光ファイバ線路を敷設する。そして、現用光ファイバ線路と迂回光ファイバ線路とを、光線路切替装置により切り替えるように構成される。
図1はこの発明の第1の実施形態に係る光線路切替装置の構成を示すブロック図であり、図中3は現用光ファイバ線路、4は迂回光ファイバ線路、5aは光線路切替装置をそれぞれ示している。局内装置にはOLT11と光カプラ12が設けられる。光カプラ12は、現用光ファイバ線路3と迂回光ファイバ線路4とを分岐結合する。
これに対し、現用光ファイバ線路1のONU2側の任意の位置には光線路切替器6aが配置される。光線路切替器6aは側方光入出力機構を用いたもので、現用光ファイバ線路3に対し所定の曲率以上の曲げを与えて通信光を漏洩させ、この曲げ部の側面に迂回光ファイバ線路4のプローブを当接させることで上記漏洩光を入出力させる。この側方光入出力機構の詳細は後述する。
また、迂回光ファイバ線路4には光中継装置7aが介在配置される。光中継装置7aは、光送受信モジュール72,73と、これらの光送受信モジュール72,73間に配置された光中継器71と、制御ユニット74を有する。光中継器71は、迂回光ファイバ線路4を流通する上り通信光Lup及び下り通信光Ldownを、例えばEDFA(erbium doped fiber amplifier)を用いて増幅する。光送受信モジュール72,73はそれぞれ迂回光ファイバ線路4を流通する上り通信光Lup及び下り通信光Ldownの光強度を検出し、その検出値を表す情報を制御ユニット74に入力する。
図2は第1の実施形態に係る光線路切替装置5aの具体例を示したもので、架空光クロージャ51に設けられる場合を示している。同図において、現用光ファイバ線路3は光ファイバ31と当該光ファイバ31を支持する支持線32とからなり、この支持線32には支持線把持部52,53が取着される。そして、この支持線把持部52,53には吊り下げワイヤ54,55を介して搭載盤50が固定されている。
搭載盤50上には、光中継装置7aと光線路切替器6aが個別に設置される。光中継装置7aは、先に述べたように光中継器71と、2台の光送受信モジュール72,73と、制御ユニット74を備え、このうち光送受信モジュール73は迂回光ファイバ線路4を介してONU2に、光送受信ユニット73は迂回光ファイバ線路4の光ファイバを介して光線路切替器6aにそれぞれ接続される。制御ユニット74は、制御信号線を介して光線路切替器6aに接続される。
一方、光線路切替器6aには、異なる色で点灯する2個の表示器61、62が設けられている。これらの表示器61,62はそれぞれ「切替成功」及び「切替失敗」を表示するために用いられる。また光線路切替器6aには、自動切替に加えて手動切替を可能にするための切替スイッチ63及び切り戻しスイッチ64が設けられている。
図3は上記光線路切替器6aの構成を示すもので、101はサーボホーン、2は迂回光ファイバ線路のプローブ、100は円柱ブロック、31は現用光ファイバ、102は円筒状の凹部を有する光学ブロック、104はサーボモータ、105は一対のスライドガイド、106はシャフトをそれぞれ示している。
一対のスライドガイド15は、円柱ブロック100の中心と光学ブロック102の凹部中心点とを一直線上に揃えるために用いられる。シャフト106の一方は円柱ブロック100の中心部に固定され、他方はサーボホーン101の先端部に接続されている。サーボホーン101の基端部はサーボモータ104の駆動軸に接続される。すなわち、サーボモータ104、サーボホーン101及びシャフト106によりクランク機構が構成される。
したがって、現用光ファイバ31を図3(a)に示すように上記円柱ブロック100と光学ブロック102の凹部との間に載置し、この状態でサーボモータ104を一方向に回転させると、この回転がサーボホーン101を介してシャフト106に伝えられ、これにより円柱ブロック100が図中下方に移動する。その結果、現用光ファイバ31が円柱ブロック100と光学ブロック102の凹部との間で押圧されて図中(b)に示すように曲げ部が形成される。一方、この状態でサーボモータ104を反対方向に回転させると、円柱ブロック100が図中上方に移動する。その結果、現用光ファイバ31に対する押圧力は開放され、これにより現用光ファイバ31は直線状態に復帰する。
図4は上記光線路切替器6aの内部構成を示す側断面図であり、(a)は現用光ファイバ31を押圧する前の状態を、また(b)は現用光ファイバ31を押圧して曲げ部を形成した状態をそれぞれ示している。同図に示すように、光学ブロック102内には空隙部が形成され、この空隙部に迂回光ファイバ線路4のプローブ部が挿入される。このプローブ部には集光レンズ21が取着されており、現用光ファイバ312の曲げ部から漏洩する通信光は上記集光レンズ21により集光されて迂回光ファイバ線路4に入射する。また、迂回光ファイバ線路4から出射された通信光は、上記集光レンズ21で集光されて現用光ファイバ31の曲げ部に入射する。なお、集光レンズ21としては屈折率分散型レンズが用いられる。
(動作)
次に、以上のように構成された光線路切替装置の動作を説明する。図5は、その動作手順と動作内容を示すフローチャートである。
切替の準備として、先ず局舎装置1内において、現用光ファイバ線路3に対し光カプラ12を介して迂回光ファイバ線路4を分岐接続し、当該迂回光ファイバ線路4を現用光ファイバ線路3と並行して加入者宅内装置まで敷設する。次に、光線路切替装置5aを現用光ファイバ線路3の切替位置に設置する。設置の仕方は、例えば図2に示したように架空光クロージャ51を使用する。
この状態で、先ずステップST1において、保守員が現用光ファイバ31を光線路切替器6aにセットする。具体的には、図3(a)及び図4(a)に示すように円柱ブロック100と光学ブロック102の凹部との間に載置する。
次に保守員は、例えば光中継装置7aに対し切替コマンドを入力する。この切替コマンドの入力は、例えば保守員が携帯する保守用端末を操作して光中継装置7aに制御信号を送信するか、又は光中継装置7aに設けられた制御スイッチを操作することによりなされる。
上記切替コマンドが入力されると、光中継装置7aの制御ユニット74は、ステップST2において以下のように切替制御を実行する。すなわち、先ずステップST21により光線路切替器6aに対し切替制御信号CSを出力する。この切替制御信号CSを受信すると光線路切替器6aは、図3に示したようにサーボモータ104が回転し、これにより円柱ブロック100が下方に移動して現用光ファイバ31を光学ブロック102の凹部との間に挟み込み、現用光ファイバ31に曲げ部を形成する。この曲げ部の形成動作は、通信サービスに影響を及ぼさない時間でかつ現用光ファイバ31に破断等を生じさせない時間、例えば10μsより短い時間内に行われる。
この曲げ部の形成により、現用光ファイバ31を流通する通信光が上記曲げ部から漏洩して迂回光ファイバ線路2に入射されて伝播される。また同時に現用光ファイバ31を流通していた上記通信光は、上記曲げ部の位置で遮断される。すなわち、通信経路が現用光ファイバ線路3から迂回光ファイバ線路2に切り替えられる。
制御ユニット74は、上記切替えと同時にタイマをスタートさせ、切替作業時間Tの測定を開始する。そして、ステップST22により光送受信モジュール72,73から、迂回光ファイバ線路2を流通する上り通信光Lup及び下り通信光Ldownの光強度の測定値をそれぞれ取り込み、上記タイマにより計時されている切替作業時間Tが予め設定した監視時間TE 内に達するまでの間に、上記各測定値がしきい値以上になったか否かを判定する。ここで、上記監視時間TE は通信サービスに深刻な影響を与えない最長の時間に設定される。
上記ステップST22の判定の結果、監視時間TE 内に上り通信光Lup及び下り通信光Ldownの光強度の各測定値がいずれもしきい値以上になれば、制御ユニット74はステップST23に移行し、光線路切替器6aに対し「切替成功」を表す表示制御信号を出力する。この結果、光線路切替器6aでは表示器61が青色に点灯して「切替成功」が表示される。
これに対し、上記監視時間TE 内に上り通信光Lup及び下り通信光Ldownの光強度の各測定値のうちの少なくとも一方がしきい値以上にならなかったとする。この場合、制御ユニット74はステップST24に移行し、光線路切替器6aに対し切り戻し制御信号を出力する。この結果、光線路切替器6aでは図3に示したようにサーボモータ104が切替時とは逆方向に回転し、これにより円柱ブロック100が上方に移動して現用光ファイバ31の挟み込みを開放する。この開放動作の時間も、通信サービスに影響を及ぼさない時間より短い時間に設定される。かくして、現用光ファイバ31の曲げ部は直線状態に復帰し、現用光ファイバ31における通信光の流通が再開され、迂回光ファイバ線路2への流通光の入射は停止する。
またそれと共に制御ユニット74は、ステップST24において光線路切替器6aに対し「切替失敗」を表す表示制御信号を出力する。この結果、光線路切替器6aでは表示器62が赤色に点灯して「切替失敗」が表示される。この場合、保守員は現用光ファイバ31を光線路切替器6aにセットし直して、再度光ファイバ線路の切替えを試行する。
(効果)
以上詳述したように第1の実施形態では、光線路切替装置5aの光中継装置7aに設けられた制御ユニット74の制御の下で、光線路切替器6aにより切替制御信号を出力して現用光ファイバ31に曲げ部を形成することで信号光の流通経路を現用光ファイバ線路3から迂回光ファイバ線路4に切り替え、この切替時点から短瞬断の許容時間に設定された監視時間TE 内に上り通信光Lup及び下り通信光Ldownの光強度の各測定値がいずれもしきい値以上になったか否かを判定する。そして、各測定値のうちの少なくとも一方がしきい値以上にならなかった場合には、光線路切替器6aに対し切り戻し制御信号を出力して現用光ファイバ31に形成された曲げ部を開放し、現用光ファイバ線路3における通信光の流通を再開するようにしている。
したがって、線路の切替時に何らかの不具合で迂回光ファイバ線路4に通信光が流通しないか、又はその光強度が小さい場合には、通信経路が短瞬断の許容時間内に自動的に切替前の状態に切り戻すことができる。このため、通信線路の切替えが失敗した場合でも通信サービスの低下を発生させずに済む。
また、通信線路の切替えが失敗した場合には光線路切替器6aの表示器62が赤色で点灯し、一方切替えが成功した場合には光線路切替器6aの表示器61が青色で点灯する。このため保守員は切替えの成否を瞬時に確認することができる。
[第2の実施形態]
前記第1の実施形態では、制御ユニット74の制御により光線路切替器6aの切替え及び切り戻しを行った。これに対し第2の実施形態は、光線路切替器の切替え及び切り戻し操作は保守員が行うようにし、この保守員による切替え及び切り戻しの操作を光中継装置の制御ユニットが支援するようにしたものである。
図6は、この発明の第2の実施形態における光線路切替装置が備える光中継装置の動作手順と動作内容を示すフローチャートである。なお、光線路切替装置の構成については第1の実施形態と同一なので、ここでも図1乃至図4を用いて説明を行う。
先ずステップST4において、保守員は現用光ファイバ31を光線路切替器6aにセットする。具体的には、図3(a)及び図4(a)に示すように円柱ブロック100と光学ブロック102の凹部との間に載置する。
次に保守員は、光線路切替器6aの切替スイッチ63を押下する。そうすると、光線路切替器6aは、図3に示したようにサーボモータ104が回転し、これにより円柱ブロック100が下方に移動して現用光ファイバ31を光学ブロック102の凹部との間に挟み込み、現用光ファイバ31に曲げ部を形成する。この曲げ部の形成動作は、通信サービスに影響を及ぼさない時間でかつ現用光ファイバ31に破断等を生じさせない時間、例えば10μsより短い時間内に行われる。この曲げ部の形成により、現用光ファイバ31を流通する通信光が上記曲げ部から漏洩して迂回光ファイバ線路2に入射されて伝播される。また同時に現用光ファイバ31を流通していた上記通信光は、上記曲げ部の位置で遮断される。すなわち、通信経路が現用光ファイバ線路3から迂回光ファイバ線路2に切り替えられる。
さて、上記切替操作が行われると光中継装置7aの制御ユニット74は、当該切替操作を光線路切替器6aからの通知信号により検出し、ステップST5において以下のように切替支援制御を実行する。なお、光線路切替器6aが切替操作通知信号を出力する機能を持たない場合には、保守員が上記切替操作通知信号に変わる信号を手操作により光中継装置7aに入力する。
すなわち、先ずステップST51により、上記切替えと同時にタイマをスタートさせ、切替作業時間Tの測定を開始する。そして、ステップST52により光送受信モジュール72,73から、迂回光ファイバ線路2を流通する上り通信光Lup及び下り通信光Ldownの光強度の測定値をそれぞれ取り込み、上記タイマにより計時されている切替作業時間Tが予め設定した監視時間TE 内に達するまでの間に、上記各測定値がしきい値以上になったか否かを判定する。ここで、上記監視時間TE は通信サービスに深刻な影響を与えない最長の時間に設定される。
上記ステップST52の判定の結果、監視時間TE 内に上り通信光Lup及び下り通信光Ldownの光強度の各測定値がいずれもしきい値以上になれば、制御ユニット74はステップST53に移行し、光線路切替器6aに対し「切替成功」を表す表示制御信号を出力する。この結果、光線路切替器6aでは表示器61が青色に点灯して「切替成功」が表示される。なお、光中継装置7aに表示器が設けられている場合には、当該表示器を点灯させるか、又は「切替成功」を表す表示メッセージを上記表示器に表示させるようにしてもよい。
これに対し、上記監視時間TE 内に上り通信光Lup及び下り通信光Ldownの光強度の各測定値のうちの少なくとも一方がしきい値以上にならなかったとする。この場合、制御ユニット74はステップST54に移行し、光線路切替器6aに対し「切替失敗」を表す表示制御信号(エラーアラーム)を出力する。この結果、光線路切替器6aでは表示器62が赤色に点灯して「切替失敗」が表示される。なお、この場合も光中継器7に設けられた表示器を点灯させるか、又は「切替失敗」を表す表示メッセージを上記表示器に表示させるようにしてもよい。また、同時に鳴音を発生させるようにしてもよい。
上記「切替失敗」を表す表示を確認すると、保守員は光線路切替器6aの切り戻しスイッチ64を押下する。この結果、光線路切替器6aでは図3に示したようにサーボモータ104が切替時とは逆方向に回転し、これにより円柱ブロック100が上方に移動して現用光ファイバ31の挟み込みを開放する。この開放動作の時間も、通信サービスに影響を及ぼさない時間より短い時間に設定される。かくして、現用光ファイバ31の曲げ部は直線状態に復帰し、現用光ファイバ31における通信光の流通が再開され、迂回光ファイバ線路2への流通光の入射は停止する。
したがって第2の実施形態によれば、線路の切替えに失敗した場合にその旨が保守員に報知され、保守員が光線路切替器6aを速やかに操作して光線路切替器6aを切り戻すことができる。このため、通信線路の切替えが失敗した場合でも通信サービスの低下をできる限り小さく抑えることができる。
[第3の実施形態]
この発明の第3の実施形態は、光線路切替器を光中継装置に一体的に設け、光線路切替器による通信線路の切替動作を含む一連の動作を制御ユニットが統括的に制御するようにしたものである。
図7は、この発明の第3の実施形態に係る光線路切替装置の構成を示すものである。なお、同図において前記図2と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。第3の実施形態の光線路切替装置5bも、前記第1の実施形態と同様に架空光クロージャ51に設けられる。
現用光ファイバ線路3の支持線32には支持線把持部52,53が取着され、この支持線把持部52,53には吊り下げワイヤ54,55を介して搭載盤50が固定されている。そして、搭載盤50上の線路切替地点の直下となる位置に、光線路切替器6bを一体的に設けた光中継装置7bが配置される。光中継装置7bは、光中継器71と、1台の光送受信モジュール73と、制御ユニット74とを備える。このうち光送受信モジュール73は、迂回光ファイバ線路4を介してONU2に接続される。制御ユニット74は、光中継装置7b内で制御信号線を介して光線路切替器6bに接続される。
また、光中継装置7bには、異なる色で点灯する2個の表示器61、62が設けられている。これらの表示器61,62はそれぞれ「切替成功」及び「切替失敗」を表示するために用いられる。また光中継装置7bには、自動切替に加えて手動切替を可能にするための切替スイッチ63及び切り戻しスイッチ64が設けられている。
このような構成であるから、通信線路の切替えを行う場合、保守員は光中継装置7bの光線路切替器6bに現用光ファイバ31をセットした後、光中継装置7bに対し切替制御コマンドを入力する。そうすると、光中継装置7の制御ユニット74の制御の下、光線路切替器6bが動作して円柱ブロック100と光学ブロック102の凹部との間に現用光ファイバ31を挟み込み、これにより現用光ファイバ31に曲げ部を形成する。この曲げ部の形成動作は、通信サービスに影響を及ぼさない時間でかつ現用光ファイバ31に破断等を生じさせない時間、例えば10μsより短い時間内に行われる。
この曲げ部の形成により、現用光ファイバ31を流通する通信光が上記曲げ部から漏洩して迂回光ファイバ線路2に入射されて伝播される。また同時に現用光ファイバ31を流通していた上記通信光は、上記曲げ部の位置で遮断される。すなわち、通信経路が現用光ファイバ線路3から迂回光ファイバ線路2に切り替えられる。
次に制御ユニット74は、上記切替えと同時にタイマをスタートさせ、切替作業時間Tの測定を開始する。そして、光送受信モジュール73から、迂回光ファイバ線路2を流通する上り通信光Lup及び下り通信光Ldownの光強度の測定値を取り込み、上記タイマにより計時されている切替作業時間Tが予め設定した監視時間TE 内に達するまでの間に、上記各測定値がしきい値以上になったか否かを判定する。そして、この判定の結果、監視時間TE 内に上り通信光Lup及び下り通信光Ldownの光強度の各測定値がいずれもしきい値以上になれば、制御ユニット74は表示器61を点灯させて「切替成功」を保守員に報知する。
これに対し、上記監視時間TE 内に上り通信光Lup及び下り通信光Ldownの光強度の各測定値のうちの少なくとも一方がしきい値以上にならなかったとする。この場合、制御ユニット74は光線路切替器6bを制御して現用光ファイバ31の挟み込みを開放する。かくして、現用光ファイバ31の曲げ部は直線状態に復帰し、現用光ファイバ31における通信光の流通が再開され、迂回光ファイバ線路2への流通光の入射は停止する。
またそれと共に制御ユニット74は、表示器62を点灯させて「切替失敗」を保守員に報知する。この場合保守員は、現用光ファイバ31を光線路切替器6bにセットし直して、再度光ファイバ線路の切替えを試行する。
したがって第3の実施形態によれば、保守員は光線路切替器6aが一体化された光中継装置7bを現場に持参し設置するだけで、切替作業を行うことが可能となる。このため、第1の実施形態のように光中継装置7aと光線路切替器6aとを別々に設置し、両者間を接続する作業は不要となるので、その分作業性を高めることができる。なお、通信線路の切替えが失敗した場合でも、通信経路を短瞬断の許容時間内に自動的に切替前の状態に切り戻すことができ、これにより通信サービスの低下を発生させずに済む効果は、本実施形態においても第1の実施形態と同様に得ることができる。
[第4の実施形態]
この発明の第4の実施形態は、光中継装置をバケット車で用いる場合を例示したもので、光中継装置をバケット壁に固定するようにしたものである。
図8はこの発明の第4の実施形態に係る光線路切替装置の構成を示すものである。同図において、光中継装置7cは、筐体81内に光中継器71、線路切替のための制御ユニット74及び光中継器としてのEDFA(erbium doped fiber amplifier)を内蔵している。また、筐体81の上面部には、OLT側コネクタ87と、ONU側コネクタ88と、中継器外部出力端子89が設けられ、OLT側コネクタ87には迂回光ファイバ線路4が接続され、またONU側コネクタ88及び中継器外部出力端子89には信号ケーブルを介して光線路切替器6cが接続される。
光線路切替器6cは、第1乃至第3の実施形態と同様に側方光入出力機構からなり、サーボモータ104を動力源として慣用光ファイバの挟み込み動作を行う機能を有している。また光線路切替器6cは、切替スイッチ61、切り戻しスイッチ62及び表示器63,64も備えている。
また光中継装置7cの筐体81には、その下面両端部に一対の伸縮支柱82,83が取り付けられ、上面両端部には一対に固定取手84,85が固定されている。これらの伸縮支柱82,83及び固定取手84,85は、光中継装置7cをバケット壁90に沿わせて設置するために用いられる。
なお、86は電源スイッチの表示器、91はEDFA制御端子、92は中継器表示器を示している。
このような構成であるから、光線路切替器6cを現用光ファイバ線路3の所望の位置に取り付け、当該光線路切替器6cを光中継装置7cに接続することで、光中継装置7cをバケット車内に設置した状態で、当該光中継装置7cの制御ユニットの制御のもと光ファイバ線路の切替えを行うことが可能となる。なお、通信線路の切替えが失敗した場合でも、通信経路を短瞬断の許容時間内に自動的に切替前の状態に切り戻すことができ、これにより通信サービスの低下を発生させずに済む効果は、本実施形態においても同様に得ることができる。
[その他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、前記各実施形態では、切替えの成功及び失敗を表示器61,62の点灯により保守員に報知するようにした。これに加え、光送受信モジュールにより得られる、迂回光ファイバ線路2を流通する上り及び下りの各通信光の光強度の測定結果に基づいて、上り及び下りの各通信光のいずれがしきい値未満であるのかを表示するようにしてもよく、さらにはその光強度の測定値を併せて表示するようにしてもよい。このようにすると、保守員は切替失敗の原因を迅速かつ確実に突き止めることが可能となる。
また、第2の実施形態で述べた光線路切替器の手動切替方式は、第3及び第4の実施形態にも適用することができる。その他、光線路切替装置の構成、制御ユニットによる切替動作の制御手順と制御内容、同時に切り替える光ファイバの心線数等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
要するにこの発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
1…局内装置、2…ONU、3…現用光ファイバ線路、4…迂回光ファイバ線路、5a,5b,5c…光線路切替装置、6a,6b,6c…光線路切替器、7a,7b,7c…光中継装置、11…OLT、12…光カプラ、21…集光レンズ、31…現用光ファイバ、32…支持線、50…搭載盤、51…架空光クロージャ、52,53…支持線把持部、54,55…吊り下げワイヤ、61,62…表示器、63…切替スイッチ、64…切り戻しスイッチ、71…光中継器、72,73…光送受信モジュール、74…制御ユニット、100…円柱ブロック、101…サーボホーン、102…光学ブロック、104…サーボモータ、105…スライドガイド、106…シャフト。

Claims (6)

  1. 通信光の流通線路を、第1の光ファイバ線路から第2の光ファイバ線路に切り替える光線路切替装置であって、
    前記第1の光ファイバ線路と第2の光ファイバ線路との切替地点に配置され、通信光の流通経路を前記第1の光ファイバ線路と第2の光ファイバ線路との間で切り替える光線路切替器と、
    前記第2の光ファイバ線路を流通する上りおよび下りの各通信光の強度を測定する光強度測定部と、
    前記光線路切替器及び前記光強度測定部に接続された制御部と
    を具備し、
    前記光線路切替器は、前記第1の光ファイバ線路に対し所定の曲率以上の曲げを与えて通信光を漏洩させ、この曲げ部の側面に前記第2の光ファイバ線路のプローブを当接させることで、前記曲げ部から漏洩した通信光を前記第2の光ファイバ線路に入射させると共に、前記第2の光ファイバ線路のプローブから出射した通信光を前記第1の光ファイバ線路の曲げ部に入射させる側方光入出力機構を備え、
    前記制御部は、
    前記光線路切替器を制御して、通信光の流通経路を前記第1の光ファイバ線路から前記第2の光ファイバ線路に切り替える手段と、
    前記通信経路の切替えが行われた時点を起点として監視時間を設定し、前記光強度測定部により得られる、前記第2の光ファイバ線路を流通する前記上りおよび下りの各通信光の強度の測定値が、前記監視時間内にしきい値以上になったか否かを判定する手段と、
    前記上りおよび下りの各通信光の強度の測定値のいずれかが前記監視時間内にしきい値以上にならなかった場合に、前記光線路切替器を制御して、前記通信光の流通経路を前記第2の光ファイバ線路から前記第1の光ファイバ線路に切り戻す手段と
    前記上りおよび下りの各通信光の強度の測定値のいずれかが前記監視時間内にしきい値以上にならなかった場合に、前記切替えが失敗した旨の情報と、前記上りおよび下りの各通信光のいずれが前記しきい値未満であるのかを示す情報を報知する手段と
    を備えることを特徴とする光線路切替装置。
  2. 通信光の流通線路を、第1の光ファイバ線路から第2の光ファイバ線路に切り替える光線路切替装置であって、
    前記第1の光ファイバ線路と第2の光ファイバ線路との切替地点に配置され、通信光の流通経路を前記第1の光ファイバ線路と第2の光ファイバ線路との間で切り替える光線路切替器と、
    前記第2の光ファイバ線路を流通する上りおよび下りの各通信光の強度を測定する光強度測定部と、
    前記光強度測定部に接続された制御部と
    を具備し、
    前記光線路切替器は、前記第1の光ファイバ線路に対し所定の曲率以上の曲げを与えて通信光を漏洩させ、この曲げ部の側面に前記第2の光ファイバ線路のプローブを当接させることで、前記曲げ部から漏洩した通信光を前記第2の光ファイバ線路に入射させると共に、前記第2の光ファイバ線路のプローブから出射した通信光を前記第1の光ファイバ線路の曲げ部に入射させる側方光入出力機構を備え、
    前記制御部は、
    前記光線路切替器により、前記通信光の流通経路が前記第1の光ファイバ線路から前記第2の光ファイバ線路に切り替えられた場合に、当該切替えが行われた時点を起点として監視時間を設定し、前記光強度測定部により得られる、前記第2の光ファイバ線路を流通する前記上りおよび下りの各通信光の強度の測定値が、前記監視時間内にしきい値以上になったか否かを判定する手段と、
    前記上りおよび下りの各通信光の強度の測定値のいずれかが前記監視時間内にしきい値以上にならなかった場合に、前記切替えが失敗した旨の情報と、前記上りおよび下りの各通信光のいずれが前記しきい値未満であるのかを示す情報を報知する手段と
    を備えることを特徴とする光線路切替装置。
  3. 前記制御部は、
    前記上りおよび下りの各通信光の強度の測定値がいずれも前記監視時間内にしきい値以上になった場合に、切替えが成功した旨の情報を報知する手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の光線路切替装置。
  4. 通信光の流通経路を、切替地点に配置された側方光入出力機構からなる光線路切替器により第1の光ファイバ線路から第2の光ファイバ線路に切り替える動作を、制御部を備えた光線路切替装置により実行する光線路切替方法であって、
    前記光線路切替器を制御して、前記第1の光ファイバ線路に対し所定の曲率以上の曲げを与えて通信光を漏洩させ、当該通信光を前記第2の光ファイバ線路のプローブに入射させると共に、前記第2の光ファイバ線路のプローブから出射した通信光を前記第1の光ファイバ線路の曲げ部に入射させることにより、前記通信光の流通経路を前記第1の光ファイバ線路から前記第2の光ファイバ線路に切り替える工程と、
    前記流通経路の切替えが行われた時点を起点として監視時間を設定し、前記第2の光ファイバ線路を流通する上りおよび下りの各通信光の強度を測定して、その測定値が前記監視時間内にしきい値以上になったか否かを判定する工程と、
    前記測定値のいずれかが前記監視時間内にしきい値以上にならなかった場合に、前記光線路切替器を制御して、前記第1の光ファイバ線路の曲げを直線状態に復帰させることにより、前記通信光の流通経路を前記第2の光ファイバ線路から前記第1の光ファイバ線路に切り戻す工程と
    前記上りおよび下りの各通信光の強度の測定値のいずれかが前記監視時間内にしきい値以上にならなかった場合に、前記切替えが失敗した旨の情報と、前記上りおよび下りの各通信光のいずれが前記しきい値未満であるのかを示す情報を報知する工程と
    を具備することを特徴とする光線路切替方法。
  5. 通信光の流通経路を、切替地点に配置された側方光入出力機構からなる光線路切替器により第1の光ファイバ線路から第2の光ファイバ線路に切り替える動作を、制御部を備えた光線路切替装置により実行する光線路切替方法であって、
    前記光線路切替器により、前記第1の光ファイバ線路に対し所定の曲率以上の曲げを与えて通信光を漏洩させ、当該通信光を前記第2の光ファイバ線路のプローブに入射させると共に、前記第2の光ファイバ線路のプローブから出射した通信光を前記第1の光ファイバ線路の曲げ部に入射させることにより、前記通信光の流通経路を前記第1の光ファイバ線路から前記第2の光ファイバ線路に切り替える工程と、
    前記通信光の流通経路が前記第1の光ファイバ線路から前記第2の光ファイバ線路に切り替えられた場合に、当該流通経路の切替えが行われた時点を起点として監視時間を設定し、前記第2の光ファイバ線路を流通する上りおよび下りの各通信光の強度を測定して、その測定値のいずれかがが前記監視時間内にしきい値以上になったか否かを判定する工程と、
    前記上りおよび下りの各通信光の強度の測定値のいずれかが前記監視時間内にしきい値以上にならなかった場合に、前記切替えが失敗した旨の情報と、前記上りおよび下りの各通信光のいずれが前記しきい値未満であるのかを示す情報を報知する工程と
    を具備することを特徴とする光線路切替方法。
  6. 前記上りおよび下りの各通信光の強度の測定値がいずれも前記監視時間内にしきい値以上になった場合に、前記切替えが成功した旨の情報を報知する工程を、さらに具備することを特徴とする請求項4または5に記載の光線路切替方法。
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