JP6200197B2 - 高速開放機構 - Google Patents
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Description
一方、処理対象となる廃金属類や収集されたゴミには、ガスボンベやスプレー缶および揮発性塗料などの可燃物が混入され、それらを破砕機に投入する前に完全に除去することは困難である。そのような可燃物が破砕機に入ると、容器が破砕されて可燃性ガスが放出され、衝撃火花により着火し爆発する。また、破砕時に発生した粉塵による爆発の危険もある。
また、石炭や小麦粉などを扱う施設には、それらの粉塵による爆発の危険も潜んでいる。従って、爆発の防止や抑制は極めて重要な課題である。
その一つは、爆発の危険のあるエリアに水蒸気などの不活性ガスを連続に注入し、該当エリアの酸素濃度を可燃性ガスの爆発下限界以下に抑える爆発防止対策である(非特許文献1参照)。
しかし、上述の爆発防止装置においては、つねに大量の水蒸気を注入しなければならないため、水蒸気を発生するための燃料費が高い。また、水蒸気が凝縮して水となるため、その水が破砕物に多く付着し、廃棄物の埋立工程または焼却工程において、処理費用または焼却費用を余計に発生させてしまうという問題がある。
現在使用される高速開放機構は、爆発の圧力上昇を早期に検知するシステムと、封板で密閉され、粉末消火剤が充填された窒素加圧の消火容器から構成されている。爆発初期の圧力上昇が検知されると、電気雷管で消火容器の封板を破壊し、粉末消火剤を瞬時に(数十msで)放出して爆発を抑制する。水蒸気注入式の爆発防止装置に比べ、高速開放機構を常時に作動する必要がないため、維持管理の手間が少ないという利点がある。
しかしながら、この高速開放機構は、粉末消火剤と高圧気体の封入には封板を用いたため、作動後封板が破壊され、消火容器を1式全部取り替え、専門の工場で再充填しなければならない。そのため、取り替え費用が高額で、期間もかかる。また、取り替え期間中に、プラントの運転が余儀なく中止される。
なお、特許文献2は、泡ヘッドを強制的に瞬時に開放する開放機構(消火装置)を開示している。
また、特許文献3は、爆発抑制剤散布ノズルを開示している。
高速開放機構は、爆発を検知してから消火剤を放出するため、数ms〜数十msという極めて短い時間内で、数MPaに加圧された圧力容器内の消火剤を直径数十mmまたはそれ以上の放出口から大量に放出しなければならない。そのため、待機の際、開放弁にかかった数百kgからトン単位の力に耐えられ、また、放出の際、その直径数十mmまたはそれ以上の弁を数十msの時間内で全開する必要がある。
しかしながら、従来では、圧力容器または配管を開放するには、モーターや空気シリンダーで動かすバルブまたは電磁弁を使用している。電磁弁は数ms〜数十msの応答速度を有するが、力が弱いため、通常直径数mmまでの弁体の開閉しか制御できない。一方、モーターや空気シリンダーで動かすバルブは、比較的に高い圧力で大きい口径の弁を動かすことができるが、応答速度が遅く、バルブの開閉は通常秒単位の時間がかかる。また、構造も複雑である。
同バルブは、シリンダーカバー1、ピストン2、アダプタ3、ピストンロッド4、ボディ5、パイロット電磁弁6、スプリング7、ロッドパッキン8、主弁体9から構成される。
弁が閉鎖するとき、スプリング7に加え、パイロット電磁弁6を使い、空気をピストン2の上部に注入し、下部から空気を抜くことで、主弁体9を弁座に押さえ付ける。
また、弁体を開放するとき、パイロット電磁弁6を反対に作動させて、ピストン2を上昇させることで、主弁体9を弁座から離し、通路を開放する。
この構造は、ピストン2を介して、低圧の空気で高圧に押さえられる弁体の開閉を制御できるが、弁体の開口直径に比べ、ピストン2などの制御部分のサイズが大きいため、開口直径の大きい弁体、つまり大流量の流体を放出する弁体を制御するには、制御部分のサイズがかなり大きくなり、製造コストが高くなる。また、パイロット電磁弁6の制御流量に比べ、シリンダーカバー1の容積が大きいため、パイロット電磁弁6の操作で弁体を高速に動かすことができない。さらに、弁体に接続する可動部分が多くの部品で組み合わせたものなので、高速作動時の衝撃に耐えられない。従って、現在の市販されている電磁弁やバルブ類は、高速開放機構のような高速かつ大流量という要求を満たしていない。
請求項2記載の本発明の高速開放機構は、圧力容器内に貯蔵された内容物を放出する高速開放機構であって、前記圧力容器の開口部に接続する弁押さえと、前記弁押さえに接続する可動弁室と、前記可動弁室内で可動する可動弁とを備え、前記可動弁室には、前記圧力容器内の前記内容物を放出する放出孔と、前記可動弁を可動させる気体孔とを有し、前記可動弁の一方の端面には、前記圧力容器内の圧力による第1の付勢力が加わり、前記可動弁の他方の端面には、前記気体孔から導入導出される気体の圧力による第2の付勢力が加わり、前記第2の付勢力を前記第1の付勢力より大きくすることで前記可動弁によって前記放出孔を閉塞し、前記第2の付勢力を前記第1の付勢力よりも小さくすることで、前記開口部と前記放出孔とを連通して前記内容物を前記放出孔から放出し、前記可動弁室は、一端を開口とし、他端に底板を有する円筒部材であって、前記円筒部材の前記開口に前記弁押さえを嵌合し、前記底板に前記気体孔を形成したことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の高速開放機構において、前記放出孔から放出する前記内容物を所定の空間に導く噴射管を備えたことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の高速開放機構において、前記放出孔の総面積を、前記圧力容器の前記開口部の面積以上としたことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の高速開放機構において、前記可動弁と前記弁押さえとの間に第1シール部材を設け、前記可動弁と前記可動弁室との摺動面に第2シール部材を設けたことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項5に記載の高速開放機構において、前記第2シール部材のシール面積を、前記第1シール部材のシール面積より大きくしたことを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項2に記載の高速開放機構において、前記可動弁の他方の前記端面の形状を、前記可動弁室の前記底板の内面側の形状と等しくしたことを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項1に記載の高速開放機構において、前記第1の高圧気体配管から供給される前記高圧気体の圧力と、前記第2の高圧気体配管から供給される前記高圧気体の圧力とを等しくしたことを特徴とする。
請求項9記載の本発明は、請求項1、請求項1を引用する請求項3から請求項6のいずれか、又は請求項8に記載の高速開放機構において、前記第1の高圧気体配管に第1の絞り手段を設け、前記第2の高圧気体配管に第2の絞り手段を設けたことを特徴とする。
請求項10記載の本発明は、請求項9に記載の高速開放機構において、前記第2の絞り手段の通過面積が、前記バルブの通過面積より小さいことを特徴とする。
請求項11記載の本発明は、請求項9又は請求項10に記載の高速開放機構において、前記第1の絞り手段の通過面積をs1、前記第2の絞り手段の通過面積をs2、前記圧力容器の容積をV1、前記可動弁室の気体容積をV2とすると、s1/V1<s2/V2の関係が成り立つことを特徴とする。
請求項12記載の本発明は、請求項1から請求項11のいずれかに記載の高速開放機構において、前記弁押さえが円筒形状であって、前記放出孔が前記可動弁室の円筒部材に形成され、前記弁押さえの内径が前記圧力容器の前記開口部に等しく、前記弁押さえの外径が前記可動弁室の内径に等しく、前記弁押さえの一端が前記圧力容器の前記開口部に気密性を保って接続され、前記弁押さえの他端を前記放出孔の縁部まで挿入し、前記弁押さえによって前記可動弁を止める段差を形成することを特徴とする。
請求項13記載の本発明は、請求項1に記載の高速開放機構において、前記バルブを大気に開放することを特徴とする。
請求項14記載の本発明は、請求項5又は請求項6に記載の高速開放機構において、前記第2シール部材として、Oリング、パッキン又はダイヤフラムのような弾性薄膜を用いたことを特徴とする。
請求項15記載の本発明は、請求項2に記載の高速開放機構において、前記可動弁室の前記底板に、ゴムシート、又は円錐コイルばねによる緩衝材を設けたことを特徴とする。
請求項16記載の本発明は、請求項5又は請求項6に記載の高速開放機構において、前記第1シール部材として、Oリング又はパッキンを用い、前記第1シール部材を、前記弁押さえの前記他端の面又は前記弁押さえの円筒形状の内周面に当接させたことを特徴とする。
請求項17記載の本発明は、請求項5又は請求項6に記載の高速開放機構において、前記可動弁の材質を利用して前記第1シール部材とし、前記可動弁を、前記弁押さえの前記他端の面、前記弁押さえの円筒形状の内周面、又は前記弁押さえの前記他端の前記面と前記内周面との境目の角部に当接させてシールすることを特徴とする。
図1は本実施例による高速開放機構の構成図である。
本実施例による高速開放機構は、圧力容器10内に貯蔵された内容物を極めて短時間で放出するものであり、加圧状態で内容物(気体、液体、固体)充填している圧力容器10と、圧力容器10の開口部11に接続する円筒状の弁押さえ20と、弁押さえ20、すなわち、圧力容器10の開口部11を封鎖する可動弁30と、その可動弁30を格納する可動弁室40とを備えている。
弁押さえ20は円筒形状で構成されている。
可動弁30は可動弁室40内で可動する。
可動弁室40は、一端を開口40aとし、他端に底板40bを有する円筒部材40cである。円筒部材40cの開口40aに弁押さえ20を嵌合し、底板40bに気体孔42を形成している。
可動弁室40の底板40bには、ゴムシート、又は円錐コイルばねによる緩衝材43を設けている。
放出孔41は可動弁室40の円筒部材40cに形成されている。
弁押さえ20の一端20aは、圧力容器10の開口部11に気密性を保って接続され、弁押さえ20の他端20bは放出孔41の縁部まで挿入している。
弁押さえ20の他端20bの面によって可動弁30を止める段差を形成している。
可動弁30の一方の端面30aには、圧力容器10内の圧力が加わり、可動弁30の他方の端面30bには、気体孔42から導入導出される気体の圧力が加わる。
可動弁30の他方の端面30bの形状は、可動弁室40の底板40bの内面側の形状と等しくしている。
可動弁30と弁押さえ20との間には第1シール部材(容器封鎖部材)31を設け、可動弁30と可動弁室40との摺動面には第2シール部材(外周シール部材)32を設けている。
第2シール部材32のシール面積は、第1シール部材31のシール面積より大きくしている。
第1シール部材31には、Oリング又はパッキンを用い、第1シール部材31を、弁押さえ20の他端20bの面に当接させている。
第2シール部材32には、Oリング、パッキン又はダイヤフラムのような弾性薄膜を用いる。
第1の高圧気体配管51には第1の絞り手段54を設け、第2の高圧気体配管52には第2の絞り手段55を設けている。
圧力容器10には、ガス入口12と消火剤注入口13を有している。第1の高圧気体配管51はガス入口12に接続され、消火剤供給配管53は消火剤注入口13に接続されている。
第1の絞り手段54及び第2の絞り手段55は、高圧気体の供給流量を調整する。
圧力容器10には、内容物の量を把握する液面計(センサー)14を備えている。
バルブ56を大気に開放することで、気体孔42から気体を導出する。
第2の絞り手段55の通過面積は、バルブ56の通過面積より小さくしている。
噴射管60は、その一端60aが可動弁室40の外周を覆い、放出孔41から放出する内容物を他端60bの開口から所定の空間に導く。
待機状態では、バルブ56は閉塞され、圧力容器10内に所定量の液体消火剤が充填され、所定の圧力に加圧されている。その状態では、圧力容器10に接続する第1の高圧気体配管51と、可動弁室40に接続する第2の高圧気体配管52とは、同じ高圧気体を供給しているため、同じ圧力を保っている。従って、可動弁30は、第1シール部材31と第2シール部材32とで区切られた、可動弁30の一方の端面30aと他方の端面30bとの面積差で生じる付勢力の違いにより弁押さえ20に押圧されて、圧力容器10を封鎖する。
可動弁30の一方の端面30aには、圧力容器10内の圧力による第1の付勢力が加わり、可動弁30の他方の端面30bには、気体孔42から導入導出される気体の圧力による第2の付勢力が加わる。
可動弁30の一方の端面30aよりも他方の端面30bの面積を大きくしているので、第2の付勢力が第1の付勢力より大きくなり、可動弁30によって放出孔41を閉塞する。
消火剤を放出する際には、電気信号によりバルブ56を開放する。バルブ56の大気への開放によって、可動弁室40内の高圧気体が放出される。圧力容器10と可動弁室40とには第1の高圧気体配管51と第2の高圧気体配管52とが接続されているが、第2の絞り手段55の通過面積をバルブ56の通過面積より小さく設定しているため、可動弁室40から気体は導出される。
よって、可動弁室40の圧力が瞬時に下がり、可動弁30が圧力容器10の圧力によってきわめて短時間で放出孔41を開放し、消火剤は放出孔41を通して噴射管60から放出する。すなわち、第2の付勢力が第1の付勢力よりも小さくなるため、開口部11と放出孔41とが連通する。
このように、バルブ56を開放して気体孔42から気体を導出することで、内容物が放出孔41から放出されて消火動作が行われる。
すなわち、指令によりバルブ56が閉まり、第2の高圧気体配管52を通して圧縮気体の注入が開始する。その際、可動弁30がまだ閉まっていないため、圧力容器10内の圧力が上昇せず、可動弁室40の圧力のみ上昇する。その圧力で可動弁30が元の位置に戻って圧力容器10を封鎖する。その後、圧力容器10の圧力も上昇しはじめるが、設定された第1の絞り手段54と第2の絞り手段55の流量の比例関係で、圧力容器10内の圧力上昇速度は可動弁室40より遅く、気体の加圧過程で可動弁30が開くことがない。
このような単純の構造を採用することで、製造コストを抑えることができる。
圧力容器10の出口方向の平面または円周面には、第1シール部材31を設ける。第1シール部材31により圧力容器10を封鎖できる。圧力容器10の平面をシールすることで、圧力容器10をすばやく開放できる。
また、可動弁30の外周方向に第2シール部材32を設ける。第2シール部材32によって、可動弁室40を軸方向において2つの空間に隔離し、加圧気体を制御することで、可動弁30が可動弁室40内を自由に移動できる。
可動弁30の質量を減らすために、可動弁30の上面に、半球状や円柱状の窪みを形成してもよい。
また、圧力容器10の封鎖に付加された可動弁30の力を圧力容器10の開口部11に作用させることにより、可動弁室40を減圧する際、圧力容器10の圧力を可動弁30の開放に最大に利用できる。
また、各空間の圧力上昇速度はそれぞれ、L1/V1及び、L2/V2に比例する。よってs1/V1<s2/V2の関係が成立すれば、可動弁室40の圧力上昇速度が圧力容器10より大きくなり、可動弁30が確実に閉塞する。
可動弁30が圧力容器10を封鎖する待機状態において、圧力容器10と可動弁室40が第1の絞り手段54と第2の絞り手段55を介して、1本の配管で接続されているため、同じ圧力p0を有する。その際、可動弁30の軸方向にかかっている圧力ΔPは式(1)で表される。
ΔP=(第2シール部材32のシール面積−第1シール部材31のシール面積)×p0・・・(1)
また、可動弁30の重さをWとして、相対位置は図1の状態、つまり可動弁30が下方から圧力容器10を閉鎖する状態において、圧力容器10の出口に対する可動弁30の押力Fは、式(2)で表される。
F=ΔP−W・・・(2)
圧力容器10内の内容物(消火剤)を放出するとき、電気信号によりバルブ56が開放される。それによって、可動弁室40内の気体が放出され、圧力pが低下する。第1シール部材31のシール面積/第2シール部材32のシール面積をシール面積比と定義すると、p<シール面積比×p0の状態になると、可動弁30が圧力容器10の圧力で開放し、容器10内の消火剤が放出される。
上述の計算結果によると、バルブ56のオリフィス直径は6mm以上の場合、可動弁30は概ね10msオーダーで全開できる。
図7に示すように、第1シール部材31が弁押さえ20の内周面をシールする構造を採用してもよい。また、可動弁30を中空状に加工する場合、慣性を減らし、より速く開放させることができる。
また、可動弁30の材質を利用して第1シール部材31とし、可動弁30を、弁押さえ20の他端20bの面、弁押さえ20の円筒形状の内周面、又は弁押さえ20の他端20bの面と内周面との境目の角部に当接させてシールしてもよい。
11 開口部
20 弁押さえ
20a 一端
20b 他端
30 可動弁
30a 一方の端面
30b 他方の端面
31 第1シール部材(容器封鎖部材)
32 第2シール部材(外周シール部材)
40 可動弁室
40a 開口
40b 底板
40c 円筒部材
41 放出孔
42 気体孔
43 緩衝材
51 第1の高圧気体配管
52 第2の高圧気体配管
53 消火剤供給配管
54 第1の絞り手段
55 第2の絞り手段
56 バルブ(誘導電磁弁)
60 噴射管
Claims (17)
- 圧力容器内に貯蔵された内容物を放出する高速開放機構であって、
前記圧力容器内に高圧気体を供給する第1の高圧気体配管と、
前記圧力容器に消火剤を供給する消火剤供給配管と、
気体孔に接続されて前記高圧気体を供給する第2の高圧気体配管と、
前記第2の高圧気体配管に接続されて前記気体孔から前記気体を導出するバルブと
を備え、
前記圧力容器の開口部に接続する弁押さえと、
前記弁押さえに接続する可動弁室と、
前記可動弁室内で可動する可動弁と
を備え、
前記可動弁室には、
前記圧力容器内の前記内容物を放出する放出孔と、
前記可動弁を可動させる前記気体孔と
を有し、
前記可動弁の一方の端面には、前記圧力容器内の圧力による第1の付勢力が加わり、
前記可動弁の他方の端面には、前記気体孔から導入導出される前記気体の圧力による第2の付勢力が加わり、
前記第2の付勢力を前記第1の付勢力より大きくすることで前記可動弁によって前記放出孔を閉塞し、
前記第2の付勢力を前記第1の付勢力よりも小さくすることで、前記開口部と前記放出孔とを連通して前記内容物を前記放出孔から放出し、
前記バルブを開放して前記気体孔から前記気体を導出することで、前記内容物が前記放出孔から放出されて消火動作が行われ、
前記バルブを閉塞して前記第2の高圧気体配管から前記高圧気体を供給することで、前記可動弁によって前記放出孔を閉塞し、前記第1の高圧気体配管から前記高圧気体を、前記消火剤供給配管から前記消火剤を供給することで待機状態に復帰
することを特徴とする高速開放機構。 - 圧力容器内に貯蔵された内容物を放出する高速開放機構であって、
前記圧力容器の開口部に接続する弁押さえと、
前記弁押さえに接続する可動弁室と、
前記可動弁室内で可動する可動弁と
を備え、
前記可動弁室には、
前記圧力容器内の前記内容物を放出する放出孔と、
前記可動弁を可動させる気体孔と
を有し、
前記可動弁の一方の端面には、前記圧力容器内の圧力による第1の付勢力が加わり、
前記可動弁の他方の端面には、前記気体孔から導入導出される気体の圧力による第2の付勢力が加わり、
前記第2の付勢力を前記第1の付勢力より大きくすることで前記可動弁によって前記放出孔を閉塞し、
前記第2の付勢力を前記第1の付勢力よりも小さくすることで、前記開口部と前記放出孔とを連通して前記内容物を前記放出孔から放出し、
前記可動弁室は、
一端を開口とし、他端に底板を有する円筒部材であって、
前記円筒部材の前記開口に前記弁押さえを嵌合し、
前記底板に前記気体孔を形成した
ことを特徴とする高速開放機構。 - 前記放出孔から放出する前記内容物を所定の空間に導く噴射管を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の高速開放機構。
- 前記放出孔の総面積を、前記圧力容器の前記開口部の面積以上としたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の高速開放機構。
- 前記可動弁と前記弁押さえとの間に第1シール部材を設け、
前記可動弁と前記可動弁室との摺動面に第2シール部材を設けたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の高速開放機構。 - 前記第2シール部材のシール面積を、前記第1シール部材のシール面積より大きくしたことを特徴とする請求項5に記載の高速開放機構。
- 前記可動弁の他方の前記端面の形状を、前記可動弁室の前記底板の内面側の形状と等しくしたことを特徴とする請求項2に記載の高速開放機構。
- 前記第1の高圧気体配管から供給される前記高圧気体の圧力と、前記第2の高圧気体配管から供給される前記高圧気体の圧力とを等しくしたことを特徴とする請求項1に記載の高速開放機構。
- 前記第1の高圧気体配管に第1の絞り手段を設け、前記第2の高圧気体配管に第2の絞り手段を設けたことを特徴とする請求項1、請求項1を引用する請求項3から請求項6のいずれか、又は請求項8に記載の高速開放機構。
- 前記第2の絞り手段の通過面積が、前記バルブの通過面積より小さいことを特徴とする請求項9に記載の高速開放機構。
- 前記第1の絞り手段の通過面積をs1、前記第2の絞り手段の通過面積をs2、前記圧力容器の容積をV1、前記可動弁室の気体容積をV2とすると、
s1/V1<s2/V2
の関係が成り立つことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の高速開放機構。 - 前記弁押さえが円筒形状であって、
前記放出孔が前記可動弁室の円筒部材に形成され、
前記弁押さえの内径が前記圧力容器の前記開口部に等しく、
前記弁押さえの外径が前記可動弁室の内径に等しく、
前記弁押さえの一端が前記圧力容器の前記開口部に気密性を保って接続され、
前記弁押さえの他端を前記放出孔の縁部まで挿入し、
前記弁押さえによって前記可動弁を止める段差を形成する
ことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の高速開放機構。 - 前記バルブを大気に開放することを特徴とする請求項1に記載の高速開放機構。
- 前記第2シール部材として、Oリング、パッキン又はダイヤフラムのような弾性薄膜を用いたことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の高速開放機構。
- 前記可動弁室の前記底板に、ゴムシート、又は円錐コイルばねによる緩衝材を設けたことを特徴とする請求項2に記載の高速開放機構。
- 前記第1シール部材として、Oリング又はパッキンを用い、
前記第1シール部材を、前記弁押さえの前記他端の面又は前記弁押さえの円筒形状の内周面に当接させたことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の高速開放機構。 - 前記可動弁の材質を利用して前記第1シール部材とし、
前記可動弁を、前記弁押さえの前記他端の面、前記弁押さえの円筒形状の内周面、又は前記弁押さえの前記他端の前記面と前記内周面との境目の角部に当接させてシールすることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の高速開放機構。
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