JP6199119B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、磁気共鳴イメージング装置に関する。
従来、磁気共鳴イメージングには、MTC(Magnetization Transfer Contrast:MTC)効果やCEST(Chemical Exchange Saturation Transfer:CEST)と呼ばれる手法がある。生体組織内のプロトンには、自由水プロトン、及び、高分子と結合することで運動を制限される制限的プロトンが存在する。MTC効果では、自由水プロトンと制限的プロトンとの間の磁化移動が利用される。その原理は次の通りである。まず、自由水プロトンの共鳴周波数とは異なる共鳴周波数のMTパルスが印加され、制限的プロトンの信号が抑制される。制限的プロトンは、周囲の自由水プロトンと交換されているため、信号を抑制された制限的プロトンの磁化が自由水プロトンに移動する結果、自由水プロトンの信号が減少する。なお、CESTでは、特定の周波数を有する制限的プロトン(例えば、アミド、ヒドロキシ基)と自由水プロトンとの間での磁化移動が対象とされる。
本発明が解決しようとする課題は、磁化移動を利用して、生体組織内の高分子の特性を検出することができる磁気共鳴イメージング装置を提供することである。
実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置は、シーケンス制御部を備える。前記シーケンス制御部は、自由水プロトンの共鳴周波数とは異なる周波数のMT(Magnetization Transfer)パルスを印加した後、撮像対象の磁気共鳴信号を収集する。また、前記シーケンス制御部は、前記MTパルスの周波数を、前記撮像対象に含まれる制限的プロトンのT2緩和時間に基づく周波数帯域内で変化させながら、複数の周波数それぞれに関して前記磁気共鳴信号を収集する。
図1は、MTC効果を利用して生体組織内の高分子の特性を磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging:MRI)により自動検出するように構成された例示的実施形態に係るMRIシステムの高度に図式化したブロック図。 図2は、非制限的な核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance:NMR)核(即ち、水プロトン)について、信号強度とラーモア(Larmor)周波数からの周波数偏差との関係を表したグラフであって、半値全幅(Full Width Half Magnitude:FWHM)が、結合高分子のT2パラメータと逆比例の関係にあることを実例で示したグラフ。 図3は、2つのカーブフィッティングモデルであり、「長」FWHM及び「短」FWHM(例えば、T2/T2に対応するもの、又は、より一般的には、MTC交換に寄与する高分子プロトンのT2値を表すT2e)の成分を表すグラフ。 図4は、FWHMを求めるためのスペクトル応答カーブフィッティング解析を表す別のグラフ。 図5は、若いボランティア及び年配のボランティアにおける、長T2/T2プールの相対振幅を示す画像。 図6は、若いボランティア及び年配のボランティアにおける、超短T2/T2プールの相対振幅を示す画像。 図7は、生体組織内の高分子のT2/T2特性をZ−スペクトルを利用して自動的に検出する例示的実施形態を実現するためのコンピュータプログラムコード構造を表すフローチャート。 図8Aは、灰白質のZ−スペクトル、並びに、短T2esの交換可能プロトン及び長T2elの交換可能プロトンにおけるカーブフィッティングを示す図。 図8Bは、白質のZ−スペクトル、並びに、短T2esの交換可能プロトン及び長T2elの交換可能プロトンにおけるカーブフィッティングを示す図。 図9Aは、9人の健康なボランティアについて示したT2elのカラーマップ。 図9Bは、9人の健康なボランティアについて示したT2esのカラーマップ。 図9Cは、9人の健康なボランティアについて示したT2el 半値全幅(Full Width at Half Maximum:FWHM)のカラーマップ。 図9Dは、9人の健康なボランティアについて示したT2es 半値全幅のカラーマップ。 図10は、T2es強調コントラスト画像(a)と灰白質及び白質の画像化セグメント(b)との比較を示す図。 図11は、脳幹神経節領域のカーブフィッティング後のT2el(左上)、T2es(左下)、T2elのFWHM(右上)、及びT2esのFWHM(右下)を示し、更に中央にリファレンスイメージを示した図(5つの異なる脳組織には、尾状核、尾状核被殻、淡蒼球、視床、及び海馬の標示が付されている)。 図12は、小脳領域のカーブフィッティング後のT2el(左上)、T2es(左下)、T2elのFWHM(右上)、及びT2esのFWHM(右下)を示し、更に中央にリファレンスイメージを示した図。 図13は、例示的実施形態において実行されるパルスシーケンスを説明するための図。
以下、図面を参照しながら、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置(以下、適宜「MRI(Magnetic Resonance Imaging:MRI)システム」)を説明する。なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、ある実施形態において説明する内容は、原則として他の実施形態においても同様に適用することができる。また、「T2」及び「T2」は、いずれもスピン−スピン緩和を意味する。また、真のT2緩和時間を「T2e」と表記するのに対し、TR(Repetition Time:TR)の制限等により必ずしも真のT2緩和時間とは言えない場合に、「T2/T2」と表記する等して区別するが、この区別も厳密なものではなく、本実施形態は、そのいずれにおいても適用可能なものである。
図1は、MTC(Magnetization Transfer Contrast:MTC)効果を利用して、生体組織内の高分子の特性を磁気共鳴イメージングにより自動検出するように構成された、例示的実施形態に係るMRIシステムの高度に図式化したブロック図である。図1に示すMRIシステムは、ガントリ10(概略的に断面図で示す)、及び、ガントリ10と連結される種々の関連システムコンポーネント20を備える。通常、少なくともガントリ10は、シールドされた部屋に設置される。図1に示すMRIシステムの結合構造には、静磁場B磁石12と、Gx、Gy、Gz傾斜磁場コイルセット14と、RF(Radio Frequency)コイルアセンブリ16とから成る、1つの実質的に同軸で筒形の構造体が含まれている。諸エレメントから成るこの筒形の配列体の水平軸沿いに、被検体寝台又はテーブル11に支持された、被検体9(例えば頭部)の対象とする解剖学的組織(即ち、関心領域(Region Of Interest:ROI))を実質的に包囲するものとして示される、イメージング領域18がある。
MRIシステム制御部22は、入/出力ポートが、表示部24、キーボード/マウス26、及びプリンタ28に接続されている。自明であるが、表示部24は、制御信号を入力する機能も果たすように、タッチスクリーンの類であってもかまわない。
MRIシステム制御部22は、MRIシーケンス制御部30に接続されている。そのMRIシーケンス制御部30は、Gx、Gy、Gz傾斜磁場コイルドライバ32を制御し、更にはRF送信部34及び(送信及び受信のどちらにも同じRFコイルが使用される場合に)送/受信スイッチ36も制御する。当業者には自明であるが、RF信号を、イメージングボリューム内のROIに送信し、及び/又は、そこから受信するのに、様々な多くのタイプのRFコイル(例えば、全身用コイル、表面コイル、バードケージ型コイル、コイルアレイ等)を用いることができる。これも自明であるが、心電図(Electrocardiogram:ECG)同期信号、呼吸同期信号、及び/又は脈波同期信号をMRIシーケンス制御部30に提供するために、1つ又は複数のしかるべき生理学的トランスデューサ8を被検体の体に貼着することができる。MRIシーケンス制御部30は、更に、MRIシーケンス制御部30の能力範囲の中で既に利用可能になっている、MRIデータ収集シーケンスを遂行するためのしかるべきプログラムコード構造38へのアクセスも有している。例えば、特定のMRIデータ収集シーケンスパラメータを規定する操作者入力、及び/又は、システム入力を用いて、MTC効果を含むMR画像を生成する。
MRIシステム20は、RF受信部40を搭載しているが、これは、表示部24に(又は後で見ることができる他の所に)送る処理済み画像データを生成するために、MRIデータプロセッサ42に入力を提供するものである。MRIデータプロセッサ42は更に、画像再構成プログラムコード構造44、及びMR画像メモリ46(例えば、本例示的実施形態及び画像再構成プログラムコード構造44に従った処理から導かれるMR画像データを格納するための)にもアクセスできるように構成されている。
MRIシステムプログラム/データ格納部50も、一般化した形で図1に示している。そこでは、格納済みのプログラムコード構造(例えば、MTC効果を使って生体組織高分子特性のMRI検出を行うためのもの、関連のグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)、そこへの操作者入力等)は、MRIシステムの種々のデータ処理コンポーネントにとってアクセス可能なコンピュータ可読記録媒体に格納される。当業者には自明であるが、MRIシステムプログラム/データ格納部50を細分化し、少なくともその一部分を、関連システムコンポーネント20の諸々の処理コンピュータのうちの異なる処理コンピュータであって、通常の動作においてかかる格納プログラムコード構造を最も早急に必要とするものに、直接接続することができる(即ち、共有した形で格納し、MRIシステム制御部22に直接接続するのではない)。
実際に、当業者には自明であるが、図1は、簡易化して表示した典型的MRIシステムの非常に高度な線図であり、後述する例示的実施形態を実施するために、若干の変更が加えられている。システムのコンポーネントは、「箱」の形をした様々な論理処理の取り合わせに分割することができる。典型的には、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor:DSP)、マイクロプロセッサ、特定用途処理回路(例えば、高速A/D変換、高速フーリエ変換、アレイ処理等のための)を数多く備えている。これらのプロセッサの各々は、典型的にはクロック制御式の「ステートマシーン」であり、それらの物理的データ処理回路は、各クロックサイクル(又は予め定められた数のクロックサイクル)が起こると直ぐに、ある物理的状態から別の物理的状態に進行する。
処理回路(例えば、CPU(Central Processing Unit:CPU)、レジスタ、バッファ、演算ユニット等)の物理的状態が、動作中に、1つのクロックサイクルから別のクロックサイクルに前進的に変化するだけでなく、関連のデータ記録媒体(例えば、磁気記録媒体のビット格納部位)の物理的状態も、かかるシステムの動作中に、1つの状態から別の状態に転換される。例えば、MRイメージング再構成プロセスの終了時に、物理的記録媒体内のアレイ状のコンピュータ可読アクセス可能データ値格納部位(例えば、画素値の多数桁バイナリ表現)は、何らかの前の状態(例えば、全てが一様に「0」値又は全てが「1」値)から新しい状態に転換されることになるであろう。この場合、かかるアレイの物理的部位の(例えば画素値の)物理的状態は、現実の物理的事象及び状態(例えば、画像化された領域空間全体にわたる被検体の諸組織)を反映して、最小値と最大値の間のまちまちの値になっている。当業者には自明であるが、かかるアレイ状の格納データ値は物理的構造を表すものであり、更にはそれを構成する。これは、命令レジスタへの書き込みとMRIシステムの1つ又は複数のCPUによる実行が逐次的に行われたときに、特定の動作状態のシーケンスが起こり、それがMRIシステム内部で遷移させられるように作用する、特定の構造のコンピュータ制御プログラムコードの場合と同様である。
下記の例示的実施形態は、改良が施された、MRIデータを収集し、及び/又は、MRIデータ収集を処理する手段、及び/又は、MR画像を生成し、表示する手段を提供するものである。
上述してきたMRIシステムにおいて、例えば、MRIシーケンス制御部30が、自由水プロトンの共鳴周波数(例えば、中心周波数)とは異なる周波数のMT(Magnetization Transfer:MT)パルスを印加した後、撮像対象のMR信号を収集する。また、例えば、MRIシーケンス制御部30は、MTパルスの周波数を、撮像対象に含まれる制限的プロトンのT2緩和時間に基づく周波数帯域内で変化させながら、複数の周波数それぞれに関してMR信号を収集する。このとき、MRIシーケンス制御部30は、撮像対象に、T2緩和時間が異なる少なくとも2つの制限的プロトンが含まれるとした場合に、相対的に短いT2緩和時間に基づく広範囲の周波数帯域内で、MTパルスの周波数を変化させる。
また、例えば、MRIシステム制御部22(「解析部」とも称される)が、複数の周波数それぞれに関して収集されたMR信号を、信号強度と周波数との関係に基づき解析することで、解析の範囲毎にZ−スペクトルを得る。また、MRIシステム制御部22は、Z−スペクトルから、T2緩和時間が異なる少なくとも2つの制限的プロトンに関する値を導出する。例えば、少なくとも2つの制限的プロトンの割合、及び、少なくとも2つの制限的プロトンそれぞれのT2緩和時間のうち、少なくとも一方を導出する。更に、MRIシステム制御部22は、Z−スペクトルから得られた制限的プロトンに関する値に基づくカラーを、再構成されたMR画像上にマッピングした画像を生成し、生成した画像を表示部24に表示する。これらの点について、以下に詳細に説明する。
高分子中の比較的自由な水プロトンと制限的プロトンとの間にプロトン交換が存在するものと仮定する。交換可能プロトンを評価するために、磁気共鳴イメージング(Resonance Imaging:RI)によって測定された「Z−スペクトル」が使用されてきた。脳において、灰白質(Gray Matter:GM)及び白質(White Matter:WM)は、ニューロンのミエリン鞘を備えた細胞体及び軸索を含有しており、様々な交換可能環境で、その役目を果たすことができる。以下の例示的実施形態においては、灰白質及び白質には、超短スピン−スピン緩和(T2)に起因して、少なくとも2つの交換可能環境が存在することを提唱する。この研究において、我々は、物理的ローレンツモデルをMRIのZ−スペクトルに適用し、人間の脳の2つの交換可能環境にカーブフィッティングを行った。我々は、その結果から、健康なボランティアにおいて、2つの交換可能コンパートメントが、短T2交換可能プロトン(T2e〜50μs)、及び、長T2交換可能プロトン(T2e〜2500μs)の集団を表していることを見出した。短T2e及び長T2eを解析することで、MRIコントラストの、まだ報告されていない新たな局面を提供することができる。
MTC効果により、様々な高分子組成を有する組織及び/又は臓器の高分子における、バルク「自由」水プロトンと「制限的」プロトンとの、相互作用を観察することが可能になる。したがって、様々な人間の組織において、高分子の性質によっては、MTC効果を用いてMRIコントラストを生成することができ、MRIコントラストを変化させることができる。よく知られたMTCのコントラスト効果は、脳、腎臓、心筋の形態評価、及び、頭蓋内のMR血管造影法(MR Angiography:MRA)における、血液と脳実質との間のコントラスト向上において、実証されてきた。
MTC効果については、更に、バルク水プロトンとは異なる周波数で共鳴する交換可能プロトンの化学交換飽和移動(Chemical Exchange Saturation Transfer:CEST)を研究するために、RFパルスを用いてNMR(Nuclear Magnetic Resonance:NMR)核を選択的に飽和させる手法により、更なる調査が行なわれてきた。CESTの主因となるプロトンは、一般的に、アミド、アミン、及びヒドロキシ基のプロトンである。これらは、バルク水プロトンを含む、MTC交換可能プロトンである。CESTスペクトル(「Z−スペクトル」と呼ばれる場合もある)は、自由水プロトンのMR信号強度(これは、オフレゾナンスRF励起パルスとともに低下する)をプロットすることによって実現される、MTC効果のスペクトルである。MTC効果の初期の概念は、スペクトロスコピーでは観察不能であったT2の短い高分子プロトンの成分を、自由水プロトンからの信号が(短T2成分を有するプロトンとの磁化の交換によって誘発される結果)低下するのを検出することによって、観察可能になるというものであった。
脳MRIにおける灰白質と白質との間のコントラストは、数多くの研究者によって調査されてきた。T1強調画像における成人の白質の相対輝度は、ミエリンから発生することが分かっている。しかしながら、それを支配するメカニズムについては、まだ分かっていない。ミエリンのコレステロールが原因であると推測した人もいる。
ニューロンでは、細胞体は主に灰白質内に、軸索は主に白質内に位置している。それらの軸索は、ミエリン鞘によって包囲されている。軸索内の水プロトンは、比較的自由な動きを有しているはずであるが、ミエリン鞘内の水プロトンは、ミエリン鞘の多数の層によって動きが制限されることになる。
我々は、例示的実施形態において、少なくとも2つの交換可能プロトン成分が存在するという仮説を立てた(且つ、実例により示している)。1つは、通常のZ−スペクトルで観察する、T2の長い「長T2成分(T2el)」であり、もう1つは、T2が相当程度に短い「超短T2成分(T2es)」である。
MTC効果は、自由水プロトンのNMR応答信号の低下として観察することができる。この低下は、オフレゾナンス(即ち、自由水プロトンのラーモア周波数からずれた)RF励起パルスを印加することによって誘発された、高分子プロトンとの交換の結果である。CESTスペクトル(特に、水(HO)プロトンが関与する場合に、Z−スペクトルと呼ばれる場合がある)は、+/−5ppm(又は、3Tにおいて、+/−650Hz)の周波数範囲にわたるMTC効果から得られるスペクトルである。短いT2/T2成分(又は他のNMR効果)を示すZ−スペクトルを得るためには、MTCの影響を受けたプロトンの信号を、比較的広い周波数範囲で収集する必要がある。特に、高分子のNMR磁化交換可能プロトンは、複数の環境を有している可能性がある。対応する複数の周波数成分を見つけ出すために、例えば、カーブフィッティングによるZ−スペクトル画像上にあるように、短T2/T2成分及び長T2/T2成分(又は他のNMR効果)を含む、少なくとも2つの成分が視覚化される。
例示的実施形態では、「短」FWHM(Full Width at Half Maximum:FWHM)は、交換可能プロトンを約70%有する長T2/T2成分を意味する。逆に、「長」FWHMは、交換可能プロトンを約20%占有する「短」T2/T2成分を意味する。そのFWHM値は、マイクロ秒領域に変換されたものであり、100μsは極めて短いと考えられる。200μsT2/T2は、比較的長い。短T2/T2成分は、現在のところ、軸索のミエリン鞘内部の交換可能プロトンを表していると思われる。ミエリン鞘は、白質内に位置している。長T2/T2成分は、ニューロンの細胞体内に位置しているが、この細胞体は、主に、脳の灰白質内に位置している。したがって、それらは正常でもなければ、病んでいるのでもない。
従来のMTCスペクトル法では、MTCパルス(「MTパルス」とも称される)に対して様々なオフセット周波数を使うことによって画像データの各セットを収集し、次に、関心領域(Region Of Interest:ROI)の信号強度を測定することによって、スペクトルをプロットする必要があった。そのスペクトルから、アミド、アミン、及びヒドロキシ基のプロトンとの、自由水の相互作用を観察することができる。加えて、制限的プロトンと自由水プロトンとがNMR磁化を交換する様子を調査し、オフレゾナンス周波数を使った照射によってより良好なコントラスト(又は自由水ROIの信号低下)を観察するのに、MTC効果を使用することができる。しかしながら、制限的プロトンと自由水プロトンとの間の関係を調査して、高分子の制限的プロトンの状態を見つけ出すことは、試みられなかった。
MTC関連スペクトルの半値全幅(Full Width at Half Magnitude:FWHM)パラメータを用いれば、異なる高分子の関連相対値を評価することが可能になると考えられる。異常組織(例えば、癌細胞)から成る区域は、正常組織のものと比較して、異なるスペクトルを有している。スペクトルのFWHMを測定することによって、異常環境の値(例えば、T1、T2、T2/T2等)を推定することができる。
かかる目的でMTC関連スペクトルを得るためには、所望の周波数領域、オフセット周波数のインクリメント、及びMRIデータ収集シーケンスのタイプを設定できるように、MTC関連スペクトル用の適切なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)が必要とされる。
データを収集した後、関心領域のMTC関連スペクトルがプロットされ、それらのスペクトルのFWHMパラメータ(例えば、1/FWHMは、例えば高分子のT2/T2値に比例する)が推定される。例えば図2を参照のこと。図2は、非制限的な核磁気共鳴核(即ち、水プロトン)について、信号強度とラーモア(Larmor)周波数からの周波数偏差との関係を表したグラフであって、半値全幅が、結合高分子のT2パラメータと逆比例の関係にあることを実例で示したグラフである。同図において、スペクトルプロットのFWHMパラメータは、制限的環境又は高分子環境の1/T2を表している。
図3は、2つのカーブフィッティングモデルであり、「長」FWHM及び「短」FWHM(例えば、T2/T2に対応するもの、又は、より一般的には、MTC交換に寄与する高分子プロトンのT2値を表すT2e)の成分を表すグラフである。図3に示すように、MTC関連スペクトルの信号をモデル化したものは、2成分カーブフィッティングモデル及びFWHMを、即ちそれぞれ同時に「長」成分及び「短」成分(例えば、T1、T2、T2/T2、等)の両方をフィットさせるように、含むことができる。
例示的実施形態は、所望の周波数範囲、オフセット周波数のインクリメント、及びMTC関連スペクトルの出力が適切な状態で、MTC関連スペクトルを自動的に収集することを可能にするものである。全画像データを集めた後、収集後の全画像から、関心領域(Region Of Interest:ROI)のボクセルのスペクトルが計算される。正常組織環境対異常組織環境の識別及びコントラストは、収集され処理された画像から、視覚的に明らかになる。
オフセット周波数が−6〜+6ppmの間に分布する従来のZ−スペクトル収集とは異なり、例示的実施形態においては、−30kHz〜+30kHzの範囲に拡張されたオフレゾナンス周波数範囲を用いる、MT飽和を伴うプロトコルを選択した。53ステップのオフセット周波数(3T)が適用された。[30000,28000:−3000:1000,750:−50:−750,−1000:−3000:−28000,−30000]Hz。MTCパルスの形状を改善するために、我々のシーケンスでは、時間帯域幅積が8の、10個のシンクパルスを実現した。RFパルス継続時間は、それぞれ40msであった。プリパレーションパルスとして、MTCパルスが、TR/TE=8553/60msにして、FASE 2D基本イメージングシーケンスに挿入された。フリップ角及びフロップ角は、それぞれ90°及び90°であった。面内分解能は1.0mm×1.1mmであり、スライス厚は5mmである。被験者毎に、1つの単一イメージングスライスが収集された。したがって、各被験者に対する総収集時間は、約10分であった。9人の被験者全員に対し、脳梁本体の直下アキシャル方向にイメージングスライスを配置した。9人の被験者のうちの1人に対し、2つの異なるイメージング位置において、収集を2回多く実施した。1つはアキシャル方向に設置し、第3心室を通過させた(脳幹神経節のレベルに)。他方は斜めに配置し、小脳を通過させた。これら2つの実験の目的は、我々の研究で提唱している方法が、イメージングロケーションに対して耐性が高かったことを確認することである。
例示的実施形態は、Z−スペクトルを収集するためのGUIを提供するものであり、Z−スペクトル画像の収集、Z−スペクトルの収集、及びそのZ−スペクトルの半値全幅(Full Width at Half Maximum:FWHM)パラメータの計算を含んでいる。本収集は、選択可能スペクトル幅、オフレゾナンス周波数の選択可能インクリメント(例えば、−30,000Hzから+30,000Hzまで500Hz刻み、又はF付近では小さく、周波数>±5,000Hzでは大きな刻み)によって制御することができる。例えば、一実施形態では、下記の周波数オフセットを使って収集された53のデータポイントが存在するであろう。これらの周波数オフセットは、それら相互間に種々のインクリメント差を有している(例えば、2kHz、3kHz,50Hzのインクリメントを使って)。−30kHz〜+30kHz範囲全体の中心に向かってインクリメントは小さくなっており、したがって、収集されたデータポイントは、スペクトルのピークが予期される中央領域付近でより密集している。即ち、本例示的実施形態において、MRIシーケンス制御部30は、周波数帯域内で変化させるMTパルスの周波数の間隔を、周波数帯域内で不均一にする。例えば、MRIシーケンス制御部30は、周波数帯域内で変化させるMTパルスの周波数の間隔を、自由水プロトンの共鳴周波数付近の周波数帯域では短く(密に)し、自由水プロトンの共鳴周波数から離れた周波数帯域では長く(粗く)する。
−30KHz;−28KHz;−25KHz;−22KHz;−19KHz;−16KHz;−13KHz;−10KHz;−7KHz;−4KHz;−1KHz;−750Hz;−700Hz;−650Hz;−600Hz;−550Hz;−500Hz;−450Hz;−400Hz;−350Hz;−300Hz;−250Hz;−200Hz;−150Hz;−100Hz;−50Hz;0Hz;+50Hz;+100Hz;+150Hz;+200Hz;+250Hz;+300Hz;+350Hz;+400Hz;+450Hz;+500Hz;+550Hz;+600Hz;+650Hz;+700Hz;+750Hz;+1KHz;+4KHz;+7KHz;+10KHz;+13KHz;+16KHz;+19KHz;+22KHz;+25KHz;+28KHz;及び+30KHz。
MTCパルスに対する様々なオフセット周波数の所定の帯域は、ここでは従来の化学交換飽和移動(Chemical Exchange Saturation Transfer:CEST)解析のものより遥かに大きくなっている。特に、我々の例示的実施形態に必要なMTC関連スペクトルの収集は、予期される高分子スペクトルに対応する比較的大きな範囲全域で、MRIデータを複数セット収集する。このようにして、超短T2値を測定し、解析に備えて、それらの値にカーブフィッティングを行うことができる。例えば、T2=50μsに対し、20kHzの帯域幅(即ち±10kHz)が適切であろう。一方、T2=10μsでは、100kHzの帯域幅(即ち±50kHz)の方がより適切であろう。
MRIデータ収集シーケンス自体は、2Dシーケンス及び3Dシーケンスを含め、事実上任意の所望のシーケンスとすることができる(例えば、FASE、EPI、bSSFP、FFE、FE、FSE、SE等)。選択されたROIに対する画像データの各セットは、MTCに関連したスペクトル及びFWHMを与える。スペクトルを収集した後、例えば高分子環境に対する2つのT2/T2値(例えば、長い範囲及び短い範囲)を与えるように、ROIのうちの任意の指定区域についてFWHMを計算することができる。全画像データを集めた後、収集画像から、関心領域(Region Of Interest:ROI)のFWHM値又は組織値(例えばT2/T2)が計算される。指定のスペクトル幅にわたり、実質的に一定のRF信号受信利得を維持しながら、同じシーケンス又は連結されたシーケンスから、MRIデータのセットとしてk空間データが収集されることが好ましい。
MTC関連スペクトルの少なくとも2つの成分(例えば、長及び短)についてカーブフィッティングを行えば、得られた画像上にT2量を重ね合わせた状態で、短T2成分及び長T2成分が得られる。正常な変動範囲の各臓器における典型的な予期される正常値(短及び長)のFWHM(又は例えばT2/T2)を参照基準として使用することができる。一方、病んだ区域を表すのに、異なるFWHM(又は例えばT2/T2)値を使用することができる。
図4は、FWHMを求めるためのスペクトル応答カーブフィッティング解析を表す別のグラフである。他の人たちによって示唆されてきた1つの可能なカーブフィッティングモデルは、(図4に示すような)ローレンツ型の線形状を使用している。少なくとも2つの交換可能プロトンプールが存在するという仮説を立てているため、我々の2成分モデルは、(1)式によって、次のように表現することができる。
y:(規格化)実測Z−スペクトル
x:MTCパルスのオフセット周波数(−30〜30kHz)
1/2:長/短T2交換可能成分の振幅
LW1/2:長/短T2成分のFWHM(T2値に逆比例する)
2つの交換可能プロトン成分に関する情報を抽出するために、即ちA1/2及びLW1/2を推定するために、収集されたMR画像は、非線形最小二乗問題を解くMATLAB(マサチューセッツ州、ネイティック、MathWorks,Inc.)のlsqnonline関数を使って、(1)式の信号モデルにカーブフィッティングさせられる。そのデータを、我々は2つの異なる態様で処理した。第1の手法では、3つの関心領域(Regions Of Interest:ROI)、即ち灰白質、白質、及び髄液(Cerebrospinal Fluid:CSF)は、SPM8(統計的パラメトリックマッピング、www.fil.ion.ucl.ac.uk/spm/)に細分化された。各ROIの平均信号が計算され、次いで、(1)式において入力として供された。第2の手法では、ローレンツ型線形状を使って、ボクセル単位で、信号にカーブフィッティングが行われた。
若いボランティア及び年配のボランティアに対する「長」T2/T2プールの振幅を図5に示す。図5は、若いボランティア及び年配のボランティアにおける、長T2/T2プールの相対振幅を示す画像である。
若いボランティア及び年配のボランティアに対する超「短」T2/T2プールの振幅を図6に示す。図6は、若いボランティア及び年配のボランティアにおける、超短T2/T2プールの相対振幅を示す画像である。
カーブフィッティング及びパラメータ抽出の結果例を下記の表1に示す(表中、GM=灰白質であり、WM=白質である)。
カーブフィッティング例の結果から、上位の(約70%)成分として長T2が得られ、下位の(例えば約10〜20%)成分として短T2が得られる。高分子の長T2成分は、灰白質において比較的高い百分率を示し、短T2成分は、白質において比較的高い割合を示している。一実施形態では、「短」T2/T2FWHM範囲は、100μs未満の値で構成することができ、「長」T2/T2FWHM範囲は、100μsを超える値で構成することができる。
上述してきた内容をまとめると以下の通りである。本例示的実施形態は、MTC効果を利用した磁気共鳴イメージングにより生体組織内の高分子の特性を検出し、この検出結果を視覚的に出力することで、従来にはない、臨床的に有用に活用され得る情報を提供するものである。
まず、本例示的実施形態においては、自由水プロトンと交換可能な高分子プロトンとして、少なくとも2つの高分子プロトンが存在するとの仮説に立つ。特に灰白質及び白質の場合、T2緩和時間が短い高分子プロトン(短T2/T2成分)と、T2緩和時間が長い高分子プロトン(長T2/T2成分)とが存在すると仮定する。T2緩和時間が短いとは、例えば50μs以下であり、T2緩和時間が長いとは、例えば2500μs以下である。このように、本例示的実施形態においては、T2緩和時間が「非常に」短い高分子プロトンが存在すると仮定する。
このような短T2/T2成分を検出するために、本例示的実施形態においては、従来とは全く異なる広範囲の周波数帯においてMTパルスの印加を行い、広範囲の周波数帯についてZ−スペクトルを得る。即ち、せいぜい−5ppm〜+5ppm程度(3Tにおいて−650Hz〜+650Hz程度)の周波数帯を対象としてZ−スペクトルを得るのではなく、本例示的実施形態においては、−30kHz〜+30kHzや、−50kHz〜+50kHzといった、従来とは全く異なるオーダーの周波数帯について、Zスペクトルを得る。なお、Z−スペクトルとは、一般に、MTパルスの周波数を変化させながら収集されたMR信号について、縦軸を信号強度とし、横軸を周波数とした場合に描かれる曲線のことである。
本例示的実施形態において、MTパルスの周波数帯は、概ね、想定する短T2/T2成分に応じて決定される。即ち、T2緩和時間とZスペクトルとの間には、Zスペクトルの曲線のFWHM(Full Width at Half Maximum:FWHM)の逆数が、T2緩和時間であるという関係がある。このため、想定する短T2/T2成分からZスペクトルの曲線のFWHMを求め、求めたFWHMに応じてMTパルスの周波数帯を決定することができる。
こうして、本例示的実施形態において、MRIシステムは、MTパルスの周波数を広範囲に変化させながらMR信号の収集を行い、広範囲の周波数帯についてZ−スペクトルを得る。なお、Z−スペクトルは、画素単位(ピクセル単位、ボクセル単位)で解析されてもよいし、別途設定されたROI(Region Of Interest:ROI)の単位で解析されてもよい。あるいは、Z−スペクトルは、灰白質と白質とに分類されて解析されてもよい。
続いて、本例示的実施形態において、MRIシステムは、得られたZ−スペクトルを、長T2/T2成分と短T2/T2成分とに分離する。即ち、短T2/T2成分の存在を仮定して広範囲に収集されたZ−スペクトルは、あくまで1つの曲線である。そこで、MRIシステムは、この1つの曲線に2つの成分が含まれているとの仮定に基づき、得られたZ−スペクトルを2つの成分に分離する。
分離の手法は限られるものではないが、本例示的実施形態においては、ローレンツ型のカーブフィッティングモデルを利用する。ローレンツ型のカーブフィッティングモデルでは、(1)式に示したように、2つの成分の存在を想定した場合には、長T2/T2成分と短T2/T2成分との割合を表すパラメータ「A1」及び「A2」、それぞれのFWHMを表すパラメータ「LW1」及び「LW2」の4つのパラメータが、未知の変数である。実測されたZ−スペクトル「y」と、MTパルスの周波数「x」とが既知であるので、(1)式を解くことで、4つのパラメータ「A1」、「A2」、「LW1」、「LW2」を求めることができる。
こうして、本例示的実施形態において、MRIシステムは、所定のスライスについて、例えば画素単位で、その画素における長T2/T2成分と短T2/T2成分との割合や、長T2/T2成分及び短T2/T2成分それぞれのFWHM(即ちT2緩和時間)の情報を得ることができる。後は、この得られた情報を、有用な形で提供すればよい。その提供の手法として、本例示的実施形態においては、表形式による手法や、得られたMR画像自体に、得られた情報をカラーマッピングする手法等を提案している。
今後、本例示的実施形態で示されたような収集方法で撮像が行われ、収集されたMRIデータに関する解析や考察が進むことで、本例示的実施形態において得られた各種情報に基づき、どのような場合が正常組織でどのような場合が異常組織であるかといった臨床的な見解が示されることも、可能になる。
図7は、生体組織内の高分子のT2/T2特性をZ−スペクトルを利用して自動的に検出する例示的実施形態を実現するためのコンピュータプログラムコード構造を表すフローチャートである。通常、MRIシステムによる検査には、各種診断用の画像(例えば、T1強調画像、T2強調画像、シネ画像等)を収集するためのイメージングシーケンス群と、イメージングシーケンス群に先行して行われるプレシーケンス群とが含まれ、これらの一連のシーケンス群が、操作者の操作等を間に挿入しながら連続的に順次実行される。図7に示す「高分子T2/T2イメージング」は、例えば、イメージングシーケンスの1つとして一連のシーケンス群の中で実行される。もっとも、以下に説明する画像再構成処理や、その後の解析処理(Z−スペクトルの算出、カーブフィッティング、スペクトル成分の算出、カラーマップの生成等)は、必ずしも1つのイメージングシーケンスの中で行われなければならないものではない。例えば、全てのイメージングシーケンス群が実行された後の後処理の1つとして行われてもよい。なお、プレシーケンス群には、例えば、位置決め画像を収集するためのシーケンスや、磁場の不均一性を調整するためのシーケンス、コイルの感度マップを収集するためのシーケンス等が含まれる。
図7に示すように、MRIシステムは、S700において、高分子T2/T2イメージングルーチンを開始する。慣習的に、S702において、所望のROIが設定される。例えば、MRIシステムは、プレシーケンスにおいて頭部の位置決め画像(例えば、頭部のサジタル像、コロナル像、アキシャル像)を収集し、その位置決め画像を表示部24に表示して、位置決め画像に対するROIの設定を操作者から受け付ける。なお、MRIシステムは、プレシーケンスにおいて収集した位置決め画像に替えて、「高分子T2/T2イメージング」よりも前に実行された他のイメージングシーケンスで得られた頭部の画像を位置決め画像として表示部24に表示してもよい。
その後、S704において、初期設定の一組のZ−スペクトル収集パラメータが表示部24に表示される。即ち、MRIシステムは、高分子T2/T2イメージングの実行に必要な収集パラメータの設定を操作者から受け付けるために、例えば、S708のボックスに示すようなGUIを表示部24に表示する。なお、本例示的実施形態において、MRIシステムは、これらの収集パラメータの初期値をプリセット情報として予め記憶している。このため、S704において表示されるGUIにおいて、各収集パラメータには、何等かの初期値が設定されているものとする。また、この初期値としては、比吸収率(Specific Absorption Rate:SAR)の制限内に抑えられた値が設定されている。当然、その初期設定は、所望される場合は、操作者入力を義務付けるために、形式的な値又はゼロ値に設定することができる。
いずれにせよ、S706において、表示部24に表示された収集パラメータに変更が望まれるかどうかを知らせる機会が、操作者に与えられる。変更が望まれる場合、S708において、MRIシステムは、スペクトル幅、周波数オフセットのインクリメント(均一なもの又は周波数スペクトルの異なる点又は範囲に応じて本例示的実施形態のように不均一にしたもの)を、操作者に提示する。本例示的実施形態では、どのタイプのMRIデータ収集シーケンスを用いるのか、及び、2D又は3Dのいずれの収集方法を用いるのかを設定する機会も、操作者に与えられる。
即ち、MRIシステムは、GUI上に、例えば、MTパルスの周波数として何Hzから(起点)何Hzまで(終点)のスペクトル幅でMRIデータを収集するのか、その初期値を表示するとともに、設定の変更を受け付ける。また、MRIシステムは、GUI上に、MTパルスの周波数のオフセット(MTパルスの周波数をインクリメントする間隔)を、何Hzに設定するのか、その初期値を表示するとともに、設定の変更を受け付ける。ここで、本例示的実施形態において、MRIシステムは、このインクリメントとして、スペクトル幅全体で均一な設定を受け付けることも、あるいは、不均一な設定を受け付けることもできる。例えば、MRIシステムは、2つのスペクトル成分のカーブに応じて、スペクトル幅全体の中心に近い範囲ではインクリメントを小さくし、中心から離れた範囲ではインクリメントを大きくする等、不均一な設定を受け付けることができる。
また、MRIシステムは、MRIデータの収集に、どのタイプのパルスシーケンスを用いるのか、その選択肢を表示し、設定やその変更を受け付ける。図7に示す例では、MRIシステムは、選択肢として、FASE(Fast Asymmetric Spin Echo:FASE)、EPI(Echo Planar Imaging:EPI)、bSSFP(balanced Steady-State Free Precession:bSSFP)、FFE(Fast Field Echo:FFE)、FE(Field Echo:FE)、FSE(Fast Spin Echo:FSE)、SE(Spin Echo:SE)を表示する。
S708において、操作者が最低限必要とされる入力をひとたび設定すれば、S704において再度それらが表示され、S706において、所望すれば、もう一度パラメータを変更するチャンスが操作者に与えられる。
収集パラメータは、最終的に操作者が満足するように設定される。ここで、収集パラメータには、図7に例示した収集パラメータの他に、MTパルスのフリップ角、MTパルスの数、TR(Repetition Time)、スライス数、MRIデータ収集時に印加されるRFパルスのフリップ角、フロップ角等も含まれる。例えば、操作者は、スライス数を増やすといった設定変更を、この段階で行うことがある。上述したように、初期値自体はSARの制限を超えないように設定されていても、例えば、スライス数を増加した結果、SARの制限を超えてしまう場合もある。このような場合、本例示的実施形態におけるMRIシステムは、所望のZ−スペクトルを得ることができるように、MTパルスのFAや数についてはこれを維持し、例えば、TRや、スライス数、MRIデータ収集時に印加されるRFパルスのフリップ角やフロップ角の設定を、SARの制限を超えない方向に変更してもよい。なお、TR、スライス数、RFパルスのフリップ角やフロップ角の設定を変更する場合、MRIシステムは、スペクトル幅全体における全ての周波数の収集においてこれらの設定が共通となるように、設定を変更する。MRIデータ収集時の条件を統一しなければ、周波数間の正しい比較が難しくなるからである。
次いで制御はS710に移され、そこで、MRIシステムは、データ収集シーケンスのタイプ、及び、2Dなのか3Dなのか等の設定を用いて、選択されたスペクトル帯域幅にわたり、インクリメントされたオフセット周波数毎に、k空間MRIデータを収集する。なお、このMRIデータの収集については、後に図13を用いて詳述する。
各周波数でMRIデータがひとたび収集されれば、処理はS712に移り、そこで、当該技術分野で公知の2DFT(Fourier Transform)法又は3DFT法を使って、収集されたk空間MRIデータが再構成される。なお、MRIシステムは、この再構成処理を、ある周波数よりも後で収集されるいくつかのデータの収集と同時進行的に開始してもよい。
その後、MRIシステムは、ROIボクセルに対するスペクトルデータを計算するように、S714において、収集された画像データを処理する。好適な例示的実施形態では、MTC磁化交換プロセスに寄与している高分子に対し、少なくとも2つのスペクトル成分を識別するように、MRIシステムは、S716でカーブフィッティング法を適用する。例えば、MRIシステムは、CESTプロセスに寄与している様々な高分子構造を反映して、「長」値及び「短」値といったFWHMスペクトル曲線の異なる範囲を設定することができる。好適な実施形態では、MRIシステムは、S718において、ROIに対し、これら2つの異なるスペクトル成分の相対量を計算する(例えば、可能性としては、画素単位で。次いで、それらは、設計されたROIの画素/ボクセル内により短い、又はより長い値の成分が見受けられるかどうかを確認するために、比較される)。
図7のS720において、短T2/T2成分及び長T2/T2成分の画像が、ROIの元のMR画像に融合される。次いで、S722において、結果として得られる複合画像が表示される(若しくは後で表示するために格納され、及び/又は、同様の表示/格納用にどこか他の場所に送られる)。最終的に、MRIシステムは、S724でサブルーチンから退出する。制御は、高レベルのオペレーティングシステム等の呼び出しに戻される。
上記例示的実施形態では、T2/T2は、MTCの影響を受けた交換可能プロトンに関連した、MTC関連NMRパラメータの一例として使用されてきた。しかし、MTCの影響を受けた他のパラメータ(例えば、T1、T2等)も測定することができる。例えば、MTCに寄与している交換可能プロトンのT2値は、「T2e」又は他の所望の学術用語を使って識別することができるであろう。
上記の内容から、異常組織(例えば、癌細胞)は、正常組織のものとは異なるCESTスペクトル(又はZ−スペクトル)を有することを理解されたい。
しかし、予期されるT2e値の範囲(したがって、データ収集に使用されるオフセット周波数の帯域幅)も、目標とする解剖学的構造(例えば、腎臓、肝臓等)の関数として変化する可能性があるのであり、このことも理解されたい。
9人のボランティア(7人は男性、2人は女性、年齢範囲は33〜71歳、平均年齢は47歳)が、脳に関する広範囲のZ−スペクトル実験を受けた。MR実験は、3Tシステム(東芝、Titan 3T)で、標準的ボディコイル送信、及び、12チャネル(又は8チャネル)のヘッドアレイ受信コイルを使用して、治験審査委員会によって承認された実験計画案に従って実施された。被験者頭部を安定化するとともに動きを抑制するために、パッドが使用された。
図8Aは、灰白質のZ−スペクトル、並びに、短T2esの交換可能プロトン及び長T2elの交換可能プロトンにおけるカーブフィッティングを示す図であり、図8Bは、白質のZ−スペクトル、並びに、短T2esの交換可能プロトン及び長T2elの交換可能プロトンにおけるカーブフィッティングを示す図である。
9人の被験者全員について、灰白質及び白質を細分化することに成功した。図8A〜8Bは、T2el成分及びT2es成分について行ったカーブフィッティングの結果例を示している。一人のボランティアの灰白質(図8A)及び白質(図8B)の両方について行ったものである。一方の曲線は、収集されたZ−スペクトルを表しており、他方はローレンツモデルを用いたフィッティング後のZ−スペクトルである。長T2成分及び短T2成分が別々に示されている。9人のボランティア全員について、実測した灰白質及び白質の平均信号について、フィッティングがうまく行われている。図8A〜8Bでは、Z−スペクトルの実測データ点が、正方形を使ってプロットされている。一方、カーブフィッティングさせた結果のデータ点は、塗りつぶした星印を使ってプロットされている。灰白質及び白質は、2つの交換可能プロトン成分、短T2es(図8A〜8Bに点線で示す)及び長T2el(図8A〜8Bに破線で示す)を含んでいる。
図9Aは、9人の健康なボランティアについて示したT2elのカラーマップであり、図9Bは、9人の健康なボランティアについて示したT2esのカラーマップであり、図9Cは、9人の健康なボランティアについて示したT2el 半値全幅のカラーマップであり、図9Dは、9人の健康なボランティアについて示したT2es 半値全幅のカラーマップである。なお、図9A〜9Dにおいては、説明の便宜上、「カラー」を白黒の濃淡で表す。
図9A〜9Dは、9人のボランティアの各ボクセルにおけるT2elの比率(図9A)及びT2esの比率(図9B)、並びにFWHM(図9C及び図9D)値を表している。各被験者の年齢は、各画像の下に表示されている。9人のボランティア全員の灰白質及び白質について、T2el及びT2esの平均値、並びにT2el及びT2esのFWHMを計算し、表2及び表3に一覧形式で示している。灰白質は、約83%のT2elと約17%のT2esで構成されている。一方、白質は、約72%がT2elであり、約28%がT2esであることを示している。灰白質における長T2環境及び短T2環境の百分率は、全年齢で類似しているが、白質における短T2es成分の百分率は、年齢と伴に減少している。
図10は、T2es強調コントラスト画像(a)と灰白質及び白質の画像化セグメント(b)との比較を示す図であり、図11は、脳幹神経節領域のカーブフィッティング後のT2el(左上)、T2es(左下)、T2elのFWHM(右上)、及びT2esのFWHM(右下)を示し、更に中央にリファレンスイメージを示した図である(5つの異なる脳組織には、尾状核、尾状核被殻、淡蒼球、視床、及び海馬の標示が付されている)。また、図12は、小脳領域のカーブフィッティング後のT2el(左上)、T2es(左下)、T2elのFWHM(右上)、及びT2esのFWHM(右下)を示し、更に中央にリファレンスイメージを示した図である。
図10の(a)及び(b)は、T2el強調画像における灰白質と白質との間のコントラストを実例で示している。これは、GM細分化画像及びWM細分化画像とよく一致している。図11及び図12は、それぞれ脳幹神経節レベル及び小脳曲線レベルにおけるカーブフィッティングの結果、即ちA1/2マップ及びLW1/2マップを示している。図11及び図12に、脳の異なる5つの領域、即ち尾状核、尾状核被殻、淡蒼球、視床、及び海馬を表示している。これら2つの部位においても、卓越したコントラスト及び画質が得られた。
人間の脳の交換可能プロトンの短T2es値及び長T2el値は、灰白質セグメント及び白質セグメントと整合性があることを、我々は実例で示した。灰白質及び白質は、T2esよりもT2elの方が、含有量が多いことを示している。短T2esの含有量は、灰白質よりも白質の方が高かった。我々は、白質の方が、短T2esが多いことを観察したが、その1つの理由として、鞘の層によって分子の動きを制限するミエリン鞘を挙げることができるであろう。脳幹神経節は、灰白質及び白質のT2e成分が同様であることを示唆している。小脳は、灰白質及び白質の複雑な層を示している。
図13は、例示的実施形態において実行されるパルスシーケンスを説明するための図である。図7において、MRIシステムが、S710でMRIデータを収集することを説明した。以下では、図13を用いて、この点を詳細に説明する。
上述したように、MRIシステムは、あるスペクトル幅において均一又は不均一に設定されたオフセットに応じた各周波数で、所望のROI(2D又は3D)のMRIデータを収集する。MRIによる検査には、プレシーケンス群及びイメージングシーケンス群から成る一連のシーケンス群が含まれると述べたが、あるスペクトル幅内における複数の周波数のMRIデータの収集は、例えば、1つのイメージングシーケンスとして実行される。
例えば、図13では、スペクトル幅−F10〜+F10を対象に、−F10、−F9、−F8、−F7、−F6、−F5、−F4、−F3、−F2、−F1、F0、+F1、+F2、+F3、+F4、+F5、+F6、+F7、+F8、+F9、+F10の21の周波数に関してMRIデータを収集する例を説明する。もっとも、この例は、あくまで説明の便宜上、比較的簡易な例を示すものに過ぎない。上述したように、インクリメントは不均一でもよいし、収集対象の周波数は、21に限らず、53等、他の数であってもよい。即ち、スペクトル幅や周波数の数、インクリメント等は、対象部位や対象とする被検体に応じて、適宜変更することができる。
図13に示すパルスシーケンスは、ある1つの周波数におけるMRIデータを収集するためのパルスシーケンスである。ある1つの周波数におけるMRIデータを収集するためのパルスシーケンスは、図13に示すように、MTパルスを印加するための「MTパルスシーケンス部分」と、MRIデータを収集するための「収集シーケンス部分」とに分けられる。図13は、MRIシステムが、「MTパルスシーケンス部分」として、ある周波数に関してMTC効果を生じさせるフリップ角α°のMTパルスを複数個連続して印加した後に、「収集シーケンス部分」のRFパルスを印加してMRIデータを収集する例を示している。
1つのMTパルスのフリップ角は、複数個連続で印加されるMTパルス列全体で所望のMTC効果を生じさせるように、所望のMTC効果に必要なフリップ角を、MTパルス列全体に含まれるMTパルスの数で分割した値に設定される。また、MTパルスの個数も、MTパルス列全体で生じさせるMTC効果や撮像時間等との兼ね合いにより適宜設定される。なお、図13では、MTパルスを複数個連続して印加する手法を説明したが、実施形態はこれに限られるものではなく、大きなフリップ角のMTパルスを1個印加する手法を適用することもできる。また、MTパルスは、スライス選択で印加されてもよいし、非選択で印加されてもよい。
さて、MRIシステムは、ある1つの周波数におけるMRIデータを収集するためのパルスシーケンスを、複数の周波数について繰り返し実行することで、後段の解析に必要なMRIデータを収集する。ここで、MTパルスの周波数を変化させながら複数の周波数についてパルスシーケンスを実行する、その実行順序について説明する。
例えば、MRIシステムは、一方の周波数からシーケンシャルに、周波数の順に沿ってMTパルスの周波数を変化させながらパルスシーケンスを繰り返し実行することができる。例えば、MRIシステムは、図13の(a)に示すように、「−F10」から「+F10」まで、21の周波数についてシーケンシャルにパルスシーケンスを実行する。なお、例えば、MRIシステムは、その逆順の「+F10」から「−F10」まで、シーケンシャルにパルスシーケンスを実行してもよい。
また、例えば、MRIシステムは、負の周波数側の信号のカーブと正の周波数側の信号のカーブとが対称であるとの仮定の下、負の周波数あるいは正の周波数のいずれか一方についてのみ、パルスシーケンスを実行してもよい。例えば、MRIシステムは、図13の(b)に示すように、「−F10」から「F0」まで、11の周波数についてシーケンシャルにパルスシーケンスを実行する。その後、後段の解析において、MRIシステムは、負の周波数側について収集した信号から得られたカーブを、正の周波数側に対称に適用すればよい。このような収集によれば、撮像時間を短縮することができ、またSARの観点からも望ましい。なお、例えば、MRIシステムは、正の周波数側の「F0」から「+F10」まで、シーケンシャルにパルスシーケンスを実行してもよい。
また、例えば、MRIシステムは、高い周波数から低い周波数の順にMTパルスの周波数を変化させながらパルスシーケンスを繰り返し実行するのではなく、低い周波数から高い周波数の順にMTパルスの周波数を変化させながらパルスシーケンスを繰り返し実行してもよい。例えば、MRIシステムは、図13の(c)に示すように、「F0」から「−F10」の順で、シーケンシャルにパルスシーケンスを実行してもよい。なお、例えば、MRIシステムは、正の周波数側について、「F0」から「+F10」の順で、シーケンシャルにパルスシーケンスを実行してもよい。
また、例えば、MRIシステムは、シーケンシャルに周波数を変化させながら収集するだけでなく、隣り合う周波数や、近い値の周波数での収集が連続して実行されないように、例えば図13の(d)に示すように周波数を正負で振りながら収集してもよい。また、例えば、負の周波数あるいは正の周波数のいずれか一方についてのみ収集する場合は、MRIシステムは、図13の(e)に示すような順序でパルスシーケンスを実行してもよい。あるいは、図示を省略するが、周波数の順序は、「F0」から開始して正負で振る順序であってもよいし、若しくはランダムであってもよい。
隣り合う周波数や、近い値の周波数での収集が連続して実行された場合、TRを十分に長くしない限り、前段の周波数で印加されたMTパルスの影響が、次段の周波数におけるMRIデータの収集に及ぶ場合があり得る。そこで、TRを短くすることが望まれる場合には、上述したように、隣り合う周波数や近い値の周波数での収集が連続して実行されないような順序でパルスシーケンスを実行することが望ましい。TRを短くすることができれば、撮像時間の短縮にも貢献することができる。
なお、図13の順序は一例に過ぎず、その他、ここで例示した順序以外の順序であっても、同様に適用することができる。また、「収集シーケンス部分」についても、図13の例に限られず、各種パルスシーケンスを適用することができる。
磁気共鳴イメージング装置及び磁気共鳴イメージング方法は、
(a)被検体の関心領域(Region Of Interest:ROI)に対して、RF周波数の所定の帯域にわたり、自由水プロトンのラーモア周波数から加算式にずらされたRF周波数にそれぞれ対応するRF周波数であって、目標とする高分子の応答が予期される様々なオフセット周波数のRF励起パルスを使って、k空間データを収集するとともに、かかる収集データをROI内のボクセルに対するスペクトルデータに加工し、
(b)そのスペクトルデータを解析して、MTC効果に寄与している高分子のそのROIにおけるスペクトルピーク幅を提供し、且つ(c)ROIの組織値であって異なる組織に対して値が異なる組織値を表すデータを格納し及び/又は表示する。
(1)
静磁場磁石及び傾斜磁場磁石のアセンブリ、並びに被検体の関心領域(Region of Interest:ROI)を中に静置可能な画像ボリュームを形成する少なくとも1つのRF(Radio Frequency:RF)コイルを有する磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging:MRI)ガントリと、前記MRIガントリ内部の制御コンポーネントに接続され、ROIがその中に静置されているときに被検体組織からMRI信号を取り出すRFパルス及び傾斜磁場パルスから成るMRIデータ収集シーケンスを実行するとともに取り出されたMRI信号を収集して、MR画像データに加工するように構成されたMRI制御回路と、
を備えたMRIシステムであって、
前記MRI制御回路は、
(a)被検体の関心領域(Region Of Interest:ROI)に対して、RF周波数の所定の帯域にわたり、自由水プロトンのラーモア周波数から加算式にずらされたRF周波数にそれぞれ対応するRF周波数であって、目標とする高分子の応答が予期される様々なオフセット周波数のRF励起パルスを使って、k空間データを収集するように、(b)収集したk空間収集データを解析して、MTC効果に寄与している高分子のROIにおけるスペクトルピーク幅データを提供するように、且つ(c)MTC効果に寄与している高分子を有するROI組織を表すデータを格納し及び/又は表示するように、構成されている、MRIシステム。
(2)
前記スペクトルピーク幅データは、半値全幅(Full Width at Half Maximum:FWHM)値の計算に基づくものである、(1)に記載のMRIシステム。
(3)
前記MRI制御回路は、正常組織に関連するFWHM値としての前記FWHM値と、病んだ組織に関連するFWHM値としての前記FWHM値とを識別するように構成されている、(2)に記載のMRIシステム。
(4)
前記MRI制御回路は、FWHM値の第2の範囲よりも大きなFWHM値の第1の範囲を含んだ少なくとも2つのFWHM値範囲を規定しており、
一方の前記範囲は病んだ組織に関連するものであり、他方の前記範囲は正常組織に関連するものである、
(3)記載のMRIシステム。
(5)
前記MRI制御回路は、(a)±1,000Hzの周波数範囲に対応する500マイクロ秒未満の短FWHM値、及び(b)±10,000Hzの周波数範囲に対応する50マイクロ秒未満の短FWHM値を検出するように構成されている、(4)に記載のMRIシステム。
(6)
前記MRI制御回路は、実質的に一定の受信利得を維持しながら、同じシーケンス又は連結されたシーケンスから、データのセットとして前記被検体ROIに対するk空間データを収集するのに使用されるスペクトル帯域幅及びその中の周波数オフセットのインクリメントを、操作者が選択できるようにするグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)を提供するように構成されている、(1)に記載のMRIシステム。
(7)
前記GUIは、刻みが不均一な周波数オフセットのインクリメントを操作者が選択できるようにするものである、(6)に記載のMRIシステム。
(8)
前記MRI制御回路は、収集データポイントにカーブフィッティングを実施することによって前記データを解析するように構成されている、(1)に記載のMRIシステム。
(9)
前記MRI制御回路は、前記MTC効果を表す画素データを、再構成されたMR画像の対応する画素それぞれの上に重ね合わせるように構成されている、(1)に記載のMRIシステム。
(10)
前記MRI制御回路は、ROIに対して(a)スペクトルピーク幅データの第1の範囲の相対量、及び(b)スペクトルピーク幅データの第2の範囲の相対量を計算し、視覚的に認識可能な、前記算出された相対量に対応する特性を有する前記ROIの画像を生成するように構成されている、(1)に記載のMRIシステム。
(11)
前記MRI制御回路は、前記相対量が所定閾値値を上回るか、又は下回るかに基づいて、2つの視覚的に認識可能な特性のうちの一方を有する前記ROIの画像を生成するように構成されている、(10)に記載のMRIシステム。
(12)
FWHM値の前記第1の範囲は100μsよりも大きく、前記第2の範囲は100μsよりも小さい、(4)に記載のMRIシステム。
なお、上述した例示的実施形態においては、MRIシステムが、MRIデータの収集と、収集されたデータを用いた解析とを行う例を説明したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、MRIシステム以外の画像処理装置においても、上述した解析処理を行うことが可能である。即ち、画像処理装置が、上述した解析部と同様の機能を備え、MRIシステムによって収集されたデータを用いて、Z−スペクトルの算出、カーブフィッティング、スペクトル成分の算出、カラーマップの生成等を行ってもよい。画像処理装置とは、例えば、ワークステーション、PACS(Picture Archiving and Communication System)の画像保管装置(画像サーバ)やビューワ、電子カルテシステムの各種装置等である。
以上述べた少なくとも1つの実施形態の磁気共鳴イメージング装置によれば、磁化移動を利用して、生体組織内の高分子の特性を検出することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
22 MRIシステム制御部
30 MRIシーケンス制御部

Claims (10)

  1. 自由水プロトンの共鳴周波数とは異なる周波数のMT(Magnetization Transfer)パルスを印加した後、撮像対象の磁気共鳴信号を収集するシーケンス制御部を備え、
    前記シーケンス制御部は、前記MTパルスの周波数を、前記撮像対象に含まれる制限的プロトンのT2緩和時間に基づく周波数帯域内で変化させながら、複数の周波数それぞれに関して前記磁気共鳴信号を収集することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記シーケンス制御部は、前記撮像対象に、前記T2緩和時間が異なる少なくとも2つの制限的プロトンが含まれるとした場合に、相対的に短いT2緩和時間に基づく広範囲の周波数帯域内で、前記MTパルスの周波数を変化させることを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 複数の周波数それぞれに関して収集された前記磁気共鳴信号を、信号強度と周波数との関係に基づき解析することで、解析の範囲毎にZ−スペクトルを得る解析部を更に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記解析部は、前記Z−スペクトルから、前記T2緩和時間が異なる少なくとも2つの制限的プロトンに関する値を導出することを特徴とする請求項3に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 前記解析部は、前記Z−スペクトルに対してカーブフィッティングを適用することで、前記T2緩和時間が異なる少なくとも2つの制限的プロトンそれぞれに対応する曲線を得ることを特徴とする請求項3又は4に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  6. 前記解析部は、前記制限的プロトンに関する値として、少なくとも2つの制限的プロトンの割合、及び、少なくとも2つの制限的プロトンそれぞれのT2緩和時間のうち、少なくとも一方を導出することを特徴とする請求項4に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  7. 前記解析部は、前記Z−スペクトルから得られた前記制限的プロトンに関する値に基づくカラーを、前記磁気共鳴信号から再構成された磁気共鳴画像上にマッピングした画像を生成し、生成した画像を表示部に表示することを特徴とする請求項4に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  8. 前記シーケンス制御部は、前記周波数帯域内で変化させる前記MTパルスの周波数の間隔を、前記周波数帯域内で不均一にすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
  9. 前記シーケンス制御部は、前記周波数帯域内で変化させる前記MTパルスの周波数の間隔を、前記自由水プロトンの共鳴周波数付近の周波数帯域では短くし、前記自由水プロトンの共鳴周波数から離れた周波数帯域では長くすることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
  10. 前記シーケンス制御部は、前記周波数帯域として、正の周波数帯域又は負の周波数帯域のいずれか一方において前記MTパルスの周波数を変化させながら、前記磁気共鳴信号を収集することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
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