JP6198030B1 - 発電素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

主基板K1、中基板K2及び台座基板K3を積層して発電素子10を製造する。未加工の中基板K2の表面側に対してエッチング又はダイシングを行い、第一台座部34及び重錘体22となる部分とその他の部分とを区切る溝42を形成する。さらに、重錘体22となる部分の表面側の一部及び前記その他の部分の表面側をエッチングにより掘り込んで凹ませる。主基板K1の裏面側に中基板K2の表面側を当接させ、周縁部12に第一台座部34を接合するとともに、重錘体取り付け部16に重錘体22を接合する。中基板K2の溝42の位置を裏面側から切断し、その他の部分を除去する。

Description

本発明は、機械的振動エネルギーを電気エネルギーに変換することによって発電を行う発電素子の製造方法に関する。
従来、シリコン基板を用いたマイクロデバイスの製造法方として、例えば特許文献1に開示されているように、圧力センサと機能デバイスとを有する複合センサデバイスを、複数の基板を組み立てて製造する複合センサデバイスの製造方法があった。複数の基板とは、機能素子が設けられた主基板、中基板及び台座基板であり、機能デバイスとは、例えば、複数の圧電素子を用いた発電素子、あるいは複数のピエゾ抵抗素子を用いた加速度センサ等である。
機能デバイスの部分の構造を簡単に説明すると、主基板により形成された層は、周縁部から内向きに、長手方向軸を有して可撓性を有する橋梁部が延設され、橋梁部の、周縁部から離れた位置に重錘体取り付け部が設けられ、橋梁部における伸縮変形が生じる部分に圧電素子が設けられ、周縁部の表面側に、圧電素子に発生した電荷を外部出力するための複数のパッドが設けられている。
中基板により形成された層は、主基板の周縁部の裏面側を支持する第一台座部と、主基板の重錘体取り付け部の裏面側に取り付けられた重錘体である。
台座基板により形成された部分は、前記第一台座部の裏面側を支持する第二台座部であり、第二台座部の表面側には、重錘体と接触しないようにするための第二凹部が設けられている。
この機能デバイスは、次のように製造される。まず、平坦な主基板と中基板を用意し、主基板の裏面側に中基板の表面側を接合した後、主基板の所定位置に圧電素子及び複数のパッドを形成し、圧電素子の電極と複数のパッドとを接続する配線作業を行う。次に、主基板及び中基板の特定の部分をエッチングして除去することにより、橋梁部、周縁部と一体になった第一台座部、及び重錘取り付け部と一体になった重錘体を形成する。その後、第二台座部及び第二凹部が形成された台座基板を用意し、中基板の第一台座部の裏面側に第二台座部の表面側を接合する。
特許第5843302号公報
一方、近年、各種マイクロデバイス用に、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を用いた圧電型発電素子が提案されている。この発電素子は、発電効率を高くするために、発電素子が有する振動系の共振周波数を、使用環境で想定される機械的な振動周波数と一致させることが好ましい。また、使用環境には複数の異なる振動周波数が存在するケースが多いので、1つの発電素子内に複数の振動系を設け、それぞれの共振周波数を各振動周波数に対応させて意図的にずらしておき、各振動系に設けた圧電素子の出力を合計することにより、発電効率を向上させる技術も提案されている。したがって、発電素子の共振周波数を適宜調節するため、重錘体の質量や形状を変更しやすい構造、あるいは製造方法が求められている。
特許文献1の製造方法の場合、発電素子の平面視のサイズを変えずに重錘体の質量を大きくしたいときは、重錘体を形成する中基板を厚くしなければならない。しかし、中基板のエッチング深さが深くなり、所定の加工精度が確保しにくくなるため、限界がある。また、複数の振動系が設けられる場合、中基板の平面方向に質量を変えた重錘体を形成しなければならず、中基板の平面方向の面積が大きくなり、素子自体の体積も大きくなってしまうという問題があった。
本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、重錘体の構造設計の自由度が高く、幅広い振動系の共振周波数を容易に設定することができる小型の発電素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、周縁部から内向きに、長手方向軸を有して可撓性を有する橋梁部が延設され、前記橋梁部の、前記周縁部から離れた位置に重錘体取り付け部が設けられた主基板と、前記主基板の前記周縁部の裏面側を支持する台座と、前記主基板の前記橋梁部における伸縮変形が生じる部分の表面側に設けられた圧電素子と、前記主基板の前記重錘体取り付け部の裏面側に取り付けられた重錘体とを備え、前記橋梁部に生じる機械的振動エネルギーを前記圧電素子で電気エネルギーに変換することによって発電を行う発電素子の製造方法であり、前記発電素子は、前記主基板と、前記重錘体及び前記台座の一部となる第一台座部を形成する中基板とが積層されて一体になったものである。
そして、前記主基板を形成する基材の内側の前記橋梁部となる部分に前記圧電素子を形成する作業、及びエッチングを行って前記周縁部、前記橋梁部及び前記重錘体取り付け部を形成する作業を行う主基板準備工程と、前記中基板を形成する基材の表面側に対してエッチング又はダイシングを行い、前記第一台座部及び前記重錘体となる部分とその他の部分とを区切る溝を形成するとともに、前記重錘体の表面側の一部及び前記その他の部分の表面側をエッチングにより掘り込んで凹ませる中基板準備工程と、前記主基板の裏面側に前記中基板の表面側を当接させ、前記周縁部に前記第一台座部を接合するとともに、前記重錘体取り付け部に前記重錘体を接合する中基板接合工程と、前記中基板の前記溝の位置を裏面側から切断し、前記その他の部分を除去する中基板不要部分除去工程とを備える発電素子の製造方法である。
前記中基板準備工程において、前記重錘体の表面側の一部及び前記その他の部分の表面側をエッチングにより掘り込み、前記溝よりも浅く凹ませることが好ましい。前記各工程を経て作製された前記主基板及び前記中基板で成る積層体は、複数の前記発電素子が多面付けされたものであり、前記積層体を分割して個々の発電素子を得る分割工程を備える。
また、前記発電素子は、前記主基板と、前記中基板と、前記台座の一部となる第二台座部を形成する台座基板とが積層されて一体になったものであり、さらに、前記台座基板を形成する基材の表面側に対してエッチングを行い、前記第二台座部以外の部分を掘り込む台座基板準備工程と、前記中基板の裏面側に前記台座基板の表面側を当接させ、前記第一台座部に前記第二台座部を接合する台座基板接合工程とを備える。
さらに、前記発電素子は、前記重錘体の厚み方向の変位量を制限するストッパとなる第一蓋部分を備え、前記主基板、前記中基板、前記台座基板及び蓋基板が積層されて一体になったものであり、前記蓋基板を形成する基材の裏面側に対してエッチングを行い、前記橋梁部及び前記重錘体取り付け部に対応する部分を掘り込んで前記第一蓋部分となる第一凹部を形成する蓋基板準備工程と、前記主基板の表面側に前記蓋基板の裏面側を当接させ、前記周縁部に前記蓋基板の前記第一凹部以外の部分を接合する蓋基板接合工程とを備えると良い。
前記台座基板準備工程において、前記台座基板を形成する基材の表面側に対してエッチングを行って前記重錘体に対応する部分を掘り込み、前記重錘体の厚み方向の変位量を制限するストッパとなる第二蓋部分となる凹部を形成するものでも良い。
前記各工程を経て作製された前記主基板、前記中基板、前記台座基板、及び必要に応じて前記蓋基板で成る積層体は、複数の前記発電素子が多面付けされたものであり、前記積層体を分割して個々の発電素子を得る分割工程を備える。
前記主基板の基材はSOI基材又はシリコン基材であり、前記主基板以外の基板の基材はガラス基材又はシリコン基材であることが好ましい。
本発明の発電素子の製造方法によれば、発電素子を小型化し、非常に効率よく製造することができ、しかも重錘体の構造設計の自由度が高くなる。例えば、従来の製造方法の場合、橋梁部と重なる位置に重錘体を設けるのが困難であるが、本発明の製造方法の場合、橋梁部と重なる位置に配置することができる。したがって、重錘体の質量や形状を、発電素子の平面視のサイズを変えずに大きくすることができ、振動系の共振周波数を容易に調節することができる。
本発明の製造方法の第一の実施形態によって製造される発電素子を示す正面図(a)、平面図(b)、A1−A1断面図(c)である。 図1の主基板及び圧電素子の構造を示す平面図(a)、A11−A11断面図(b)、A12−A12断面図(c)である。 図1の中基板の構造を示す平面図(a)、A21−A21断面図(b)、A22−A22断面図(c)である。 図1の台座基板の構造を示す平面図(a)、A31−A31断面図(b)、A32−A32断面図(c)である。 図1の蓋基板の構造を示す平面図(a)、A41−A41断面図(b)、A42−A42断面図(c)である。 製造工程に投入される多面付け状態の各基板を模式的に描いた図である。 第一の実施形態における主基板準備工程で製作された主基板の一部分を拡大した平面図(a)、B11−B11断面図(b)である。 第一の実施形態における中基板準備工程で製作された中基板の一部分を拡大した平面図(a)、B21−B21断面図(b)、B22−B22断面図(c)である。 第一の実施形態における台座基板準備工程で製作された台座基板の一部分を拡大した平面図(a)、B31−B31断面図(b)である。 第一の実施形態における蓋基板準備工程で製作された蓋基板の一部分を拡大した平面図(a)、B41−B41断面図(b)、B42−B42断面図(c)である。 第一の実施形態における中基板接合工程(主基板に中基板を接合する工程)を示す図(a)、中基板不要部分除去工程を示す図(b)である。 第一の実施形態における中基板不要部分除去工程後の状態を示す図(a)、台座基板接合工程及び蓋基板接合工程を示す図(b)である。 第一の実施形態における中基板不要部分除去工程の後、蓋基板の不要部分を除去する工程を示す図(a)、分割工程を示す図(b)である。 本発明の製造方法の第二の実施形態によって製造される発電素子を示す正面図(a)、平面図(b)、C1−C1断面図(c)である。 図14の主基板及び圧電素子等の構造を示す平面図(a)、C11−C11断面図(b)である。 図14の主基板及び圧電素子等の構造を示すC12−C12断面(a)、C13−C13断面図(b)、C14−C14断面図(c)である。 図14の中基板の構造を示す平面図(a)、C21−C21断面図(b)である。 図14の中基板の構造を示すC22−C22断面(a)、C23−C23断面図(b)、C24−C24断面図(c)である。 図14の台座基板の構造を示す平面図(a)、C31−C31断面図(b)、C32−C32断面図(c)である。 図14の蓋基板の構造を示す平面図(a)、C41−C41断面図(b)、C42−C42断面図(c)である。 製造工程に投入される多面付け状態の各基板を模式的に描いた図である。 第二の実施形態における主基板準備工程で製作された主基板の一部分を拡大した平面図(a)、D11−D11断面図(b)である。 第二の実施形態における中基板準備工程で製作された中基板の一部分を拡大した平面図(a)、D21−D21断面図(b)である。 第二の実施形態における台座基板準備工程で製作された台座基板の一部分を拡大した平面図(a)、D31−D31断面図(b)である。 第二の実施形態における蓋基板準備工程で製作された蓋基板の一部分を拡大した平面図(a)、D41−D41断面図(b)である。 第二の実施形態における中基板接合工程(主基板に中基板を接合する工程)を示す図(a)、中基板不要部分除去工程を示す図(b)である。 第二の実施形態における中基板不要部分除去工程後の状態を示す図(a)、台座基板接合工程及び蓋基板接合工程を示す図(b)である。 第二の実施形態における中基板不要部分除去工程の後、蓋基板の不要部分を除去する工程を示す図(a)、分割工程を示す図(b)である。 第一の実施形態における中基板準備工程された中基板の2つの変形例を示す平面図(a)、B21−B21断面図(b),(c)である。 本発明の製造方法の第一の実施形態の工程の一部を変更することによって製造された発電素子の2つの変形例を示すA1−A1断面図(a),(b)である。 本発明の製造方法の第二の実施形態によって製造可能な他の発電素子を示す正面図(a)、平面図(b)、E1−E1断面図(c)である。 図31の中基板の構造を示す平面図(a)、E21−E21断面図(b)である。 図31の中基板の構造を示すE22−E22断面(a)、E23−E23断面図(b)、E24−E24断面図(c)である。 図31の台座基板の構造を示す平面図(a)、E31−E31断面図(b)、E32−E32断面図(c)である。
以下、本発明の発電素子の製造方法の第一の実施形態について、図1〜図13に基づいて説明する。まず、この実施形態の製造方法によって組み立てられる発電素子10について説明する。発電素子10は、図1の正面図(a)、平面図(b)に示すように略直方体の外形を有し、内部は、A1−A1断面図(c)に示す構造になっている。
発電素子10は主基板k1を有し、主基板k1は、図1(c)に示すように、周縁部12から内向きに、長手方向軸を有して可撓性を有する橋梁部14が延設され、橋梁部14の先端部が重錘体取り付け部16になっている。主基板k1は、周縁部12の裏面側が、枠状の台座18によって支持されている。橋梁部12の伸縮変形が生じる部分の表面側には、複数の圧電素子20が設けられている。重錘体取り付け部16の裏面側には、橋梁部14を変形させるための重錘体22が取り付けられている。周縁部12の一辺の表面側には、圧電素子20に発生した電荷を外部出力するための複数のパッド24が設けられている。さらに、重錘体22の厚み方向の変位量を制限する保護用のストッパの働きをする第一蓋部分26及び第二蓋部分28が一対に設けられている。
発電素子10は、図1(a)〜(c)に示すように、主基板k1(圧電素子20及びパッド24を含む)の層、中基板k2の層、台座基板k3の層及び蓋基板k4の層が積層された構造になっている。
発電素子10の主基板k1及び圧電素子20の部分は、図2の平面図(a)、A11−A11断面図(b)、A12−A12断面図(c)に示すような構造になっている。主基板k1はシリコン等の基材で成り、内側がスリット状の貫通孔30によって区切られて、枠状の周縁部12と、周縁部12の一辺の内壁から片持ち梁状に延びる橋梁部14とが形成されている。そして、橋梁部14の先端部分に重錘体取り付け部16が設けられている。圧電素子20は、主基板k1の表面側を覆う下層電極20a、下層電極20aの表面側を覆う圧電材料層20b、及び橋梁部14を覆う圧電材料層20bの表面側に設けられた複数の上層電極20cにより構成される。電極20a,20cは、例えばチタン、クロム、金、白金等の積層体で、圧電材料層20bは、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、KNN(ニオブ酸カリウムナトリウム)、AlN(窒化アルミニウム)等の圧電性を有する材料の層である。圧電素子20の数と配置は、上層電極20cのレイアウトによって自由に設定することができる。
圧電素子20は主基板k1に対して非常に薄いので、橋梁部14の伸縮特性にほとんど影響しない。
複数のパッド24は、周縁部12の表面側(圧電材料層20bの表面側)に設けられ、圧電素子20の下層電極20a及び上層電極20cに配線されている。ただし、図面では配線は省略してある。
発電素子10の中基板k2の層は、図3の平面図(a)、A21−A21断面図(b)、A22−A22断面図(c)に示すような構造になっている。中基板k2の層はガラス又はシリコン等の基材で成り、内側がスリット状の貫通孔32によって区切られて、台座18の一部となる枠状の第一台座部34と、重錘体22とが形成されている。重錘体22は、平面視で主基板k1の橋梁部14及び重錘体取り付け部16に重なる大きさである。重錘体22の表面側は、一端部が主基板k1の重錘体取り付け部16に固定される接合部22aになっており、接合部22a以外の広い部分が、橋梁部14に接触しないように平坦に凹んでいる(凹部22b)。
発電素子10の台座基板k3の層は、図4の平面図(a)、A31−A31断面図(b)、A32−A32断面図(c)に示すような構造になっている。台座基板k3の層はガラス又はシリコン等の基材で成り、表面側に平坦な凹部36が設けられ、重錘体22が接触しないようになっている。凹部36の外側の部分は第二台座部38であり、第二台座部38は、第一台座部34に重なって台座18の一部となる。凹部36の内側は、重錘体22のストッパの働きをする第二の蓋部分28となる。
発電素子10の蓋基板k4の層は、図5の平面図(a)、A41−A41断面図(b)、A42−A42断面図(c)に示すような構造になっている。蓋基板k4の層はガラス又はシリコン板等の基材で成り、裏面側に平坦な第一凹部40が設けられ、第一凹部40の外側が主基板k1の周縁部12に接合される部分である。第一凹部40の内側は、重錘体22のストッパの働きをする第一蓋部分26となる。
次に、発電素子10の好ましい製造方法(本発明の第一の実施形態)を説明する。上記の主基板k1、中基板k2、台座基板k3及び蓋基板k4は、図6に示すように、それぞれ数百個〜数千個が多面付けされた大型の主基板K1、中基板K2、台座基板K3及び蓋基板K4として製造工程に投入される。2点鎖線で区切った中の1区画が、1つの発電素子10に使用される単位領域となる。以下、分割前の大型の基板をアルファベット大文字で表し、分割後の個々の基板と区別して説明する。
まず、4つの基板準備工程(主基板準備工程、中基板準備工程、台座基板準備工程及び蓋基板準備工程)を個別に行う。
主基板準備工程は、図7の平面図(a)、B11−B11断面図(b)に示す主基板K1を製作する工程である。まず、未加工の主基板K1を用意して、主基板K1の表面側に下層電極20a、圧電材料層20b及び上層電極20cを順に積層して複数の圧電素子20を形成する作業を行う。また、周縁部12の表面側(圧電材料層20bの上面)に、複数のパッド24を形成し、圧電素子20の電極20a,20cをパッド24に接続する配線作業を行う。ただし、図7では、配線は図示せずに省略してある。さらに、貫通孔30になる部分を除去するディープエッチングを行い、周縁部12、橋梁部14及び重錘体取り付け部16を形成する。これで、図7に示す主基板K1の状態になる。図の中の2点鎖線で囲んだ範囲は、1つの発電素子10に使用される単位領域である。
中基板準備工程は、図8の平面図(a)、B21−B21断面図(b)、B22−B22断面図(c)に示す中基板K2を製作する工程である。まず、未加工の中基板K2を用意して、表面側に対してエッチング又はダイシングを行い、第一台座部34及び重錘体22になる部分と貫通孔32になる部分とを区切る溝42を格子状に形成する。さらに表面側に対してエッチングを行い、重錘体22の一部(接合部22a以外の部分)を溝42よりも浅く掘り込んで凹部22bを形成するとともに、貫通孔32になる部分を溝42よりも浅く掘り込んで凹部32aを形成する。これで、図8に示す中基板K2の状態になる。図の中の2点鎖線で囲んだ範囲は、1つの発電素子10に使用される単位領域である。
台座基板準備工程は、図9の平面図(a)、B31−B31断面図(b)に示す台座基板K3を製作する工程である。まず、未加工の台座基板K3を用意して、表面側に対してエッチングを行い、第二台座部38以外の部分を掘り込んで凹部36及び第二蓋部分28を形成する。これで、図9に示す台座基板K3の状態になる。図の中の2点鎖線で囲んだ範囲は、1つの発電素子10に使用される単位領域である。
蓋基板準備工程は、図10の平面図(a)、B41−B41断面図(b)、B42−B42断面図(c)に示す蓋基板K4を製作する工程である。まず、未加工の蓋基板K4を用意して、裏面側に対してエッチングを行い、主基板K1の橋梁部14及び重錘体取り付け部16に対応する部分を掘り込んで第一凹部40及び第一蓋部分26を形成するとともに、主基板K1の複数のパッド24に対応する部分及び隣の蓋基板k1との境界の部分を掘り込んで第二凹部44を形成する。これで、図10に示す蓋基板K4の状態になる。図の中の2点鎖線で囲んだ範囲は、1つの発電素子10に使用される単位領域である。
各基板準備工程で基板K1〜K4を準備すると、図11〜図13に順に示すように、各基板を組み立てる工程を行う。なお、図11〜13に示す各基板の断面は、それぞれB11−B11断面、B21−B21断面、B31−B31断面、及びB41−B41断面である。
まず、図11(a)に示すように、主基板K1の裏面側に中基板K2の表面側を当接させ、周縁部12に第一台座部34を接合するとともに、重錘体取り付け部16に重錘部22の接合部22aを接合する(中基板接合工程)。シリコン対シリコンの接合の場合は直接接合技術を使用し、シリコン対ガラスの接合の場合は陽極接合技術を使用することが好ましい。その他、接着剤を使用して接合してもよい。
そして、図11(b)に示すように、中基板K2に格子状に配置された溝42の位置を裏面側からすべて切断し、不要な部分、つまり貫通孔32の部分を除去する(中基板不要部分除去工程)。これで、図12(a)に示す状態になる。
次に、図12(b)に示すように、中基板K2の裏面側に台座基板K3の表面側を当接させ、第一台座部34に第二台座部38を接合し(台座基板接合工程)、さらに、主基板K1の表面側に蓋基板K4の裏面側を当接させ、周縁部12の圧電材料層20bの表面側に蓋基板K4の第一及び第二凹部40,44以外の部分を接合する(蓋基板接合工程)。
次に、図13(a)に示すように、蓋基板K4の第二凹部44の位置を表面側から格子状に切断し、不要な部分、つまり第二凹部44の底板部分を除去する。これで、蓋基板K4が1つの発電素子10に使用される蓋基板k4の単位に切り離され、主基板K1の複数のパッド24が露出する。
そして、図13(b)に示すように、主基板K1、中基板K2及び台座基板K3の積層体を単位領域ごとに分割し、図1に示す個々の発電素子10を得る(分割工程)。その後、発電素子10は、例えば、樹脂製又は金属製の筐体内に個別にケーシングされ(パッド24がボンディングワイヤで外部接続端子に配線され)、発電デバイスとして販売される。
以上説明したように、本発明の第一の実施形態である発電素子10の製造方法によれば、発電素子10を効率よく製造することができ、しかも、重錘体22の構造設計の自由度が高くなる。特に、橋梁部14と重なる位置に重錘体22を配置することができるので、重錘体22の質量や形状を、発電素子10の平面視のサイズを変えずに大きくすることができ、橋梁部14及び重錘体22で構成される振動系の共振周波数を容易に調節することができる。
また、この製造方法は、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を使用し、大型の基板K1〜K4で発電素子10を多面付けの状態に製作し、最後の分割工程で個々の発電素子10に分割するので、非常に効率よく大量生産することができる。
次に、本発明の発電素子の製造方法の第二の実施形態について、図14〜図28に基づいて説明する。まず、この実施形態の製造方法によって組み立てられる発電素子50について説明する。発電素子50は、図14の正面図(a)、平面図(b)に示すように略直方体の外形を有し、内部は、C1−C1断面図(c)に示す構造になっている。
発電素子50は、主基板k11(周縁部52、橋梁部54(1),54(2)、重錘体取り付け部56(1),56(2)を備える)、主基板k11の周縁部52を支持する台座58、橋梁部54(1),54(2)に設けられた複数の圧電素子60(1),60(2)、重錘体取り付け部56(1),56(2)に取り付けられた重錘体62(1),62(2)、周縁部52に設けられた複数のパッド64、及び重錘体62の厚み方向の変位量を制限する第一蓋部分66及び第二蓋部分68を備えている。
また、図14(a)〜(c)に示すように、発電素子50は、主基板k11(圧電素子60(1),60(2)及びパッド64を含む)の層、中基板k12の層、台座基板k13の層及び蓋基板k14の層が積層された構造になっている。
このように、発電素子50の構造は上記の発電素子10と類似している点が多いが、発電素子10は共振系が1つなのに対し、発電素子50の場合、2つの共振系が設けられているという違いがある。
発電素子50の主基板k11及び圧電素子60の部分は、図15の平面図(a)及びC11−C11断面図(b)、図16のC12−C12断面図(a),C13−C13断面図(b)及びC14−C14断面図(c)に示すような構造になっている。主基板k11は、薄い上部シリコン層S1と厚い下部シリコン層S2との間にシリコン酸化膜S3が設けられたSOI基板(Silicon On Insulator基板)で成り、内側がスリット状の貫通孔70によって区切られて、枠状の周縁部52と、周縁部52の内壁から片持ち梁状に延びる橋梁部54(1)が形成され、橋梁部54(1)の先端部に、橋梁部54(1)とT字状に交差する重錘体取り付け部56(1)が設けられている。さらに、重錘体取り付け部56(1)の両端部に、互いに平行な一対の橋梁部54(2)が、橋梁部54(1)を間に挟むように延設され、橋梁部54(2)の各先端部が一対の重錘体取り付け部56(2)になっている。また、橋梁部54(1),54(2)に可撓性を付与するため、橋梁部54(1),54(2)の領域には厚い下部シリコン層S2が無く、薄い上部シリコン層S1及びシリコン酸化膜層S3だけ(又は上部シリコン層S1だけ)で構成されている。主基板k11の特定の部分を薄くして可撓性を有する橋梁部を設ける構造なので、単純なシリコン基板よりもSOI基板を使用した方が、後述する主基板準備工程を容易に行うことができる。
圧電素子60(1)は、橋梁部54(1)の伸縮変形が生じる部分の表面側に複数設けられ、圧電素子60(2)は、橋梁部54(2)の伸縮変形が生じる部分の表面側に複数設けられている。圧電素子60(1),60(2)は、主基板k11の表面側を覆う下層電極60a、下層電極60aの表面側を覆う圧電材料層60b、及び橋梁部54(1),54(2)を覆う圧電材料層20bの表面側に設けられた複数の上層電極60cによりそれぞれ構成されている。各部の材料は、上記圧電素子20と同様である。圧電素子60(1),60(2)は非常に薄いので、橋梁部54(1),54(2)の伸縮特性にほとんど影響しない。
複数のパッド64は、周縁部52の表面側(圧電材料層60bの表面側)に設けられ、圧電素子60(1),60(2)の下層電極60a及び上層電極60cに配線されている。ただし、図面では配線は省略してある。
発電素子50の中基板k12の層は、図17の平面図(a)及びC21−C21断面図(b)、図18のC22−C22断面図(a),C23−C23断面図(b)及びC24−C24断面図(c)に示すような構造になっている。中基板k12の層はガラス又はシリコン等の基材で成り、内側にスリット状の貫通孔72aと広い貫通孔72bが設けられ、台座58の一部となる枠状の第一台座部74と、重錘体62(1),62(2)とが形成されている。重錘体62(1)は、平面視で、主基板k11の重錘体取り付け部56(1)に重なる大きさである。重錘体62(2)は、重錘体62(1)とほぼ同じ大きさで、表面側の両端部が主基板k11の重錘体取り付け部56(2)に固定される1対の接合部62a(2)になっており、2つの接合部62a(2)に挟まれた部分が、周縁部52に接触しないように平坦に凹んでいる(凹部62b(2))。
発電素子50の台座基板k13の層は、図19の平面図(a)、C31−C31断面図(b)、及びC32−C32断面図(c)に示すような構造になっている。台座基板k13の層はガラス又はシリコン等の基材で成り、表面側に平坦な凹部76が設けられ、重錘体62(1),62(2)が接触しないようになっている。凹部76の外側の部分は第二台座部78であり、第二台座部78は、第一台座部74に重なって台座58の一部となる。凹部76の内側は、重錘体62(1),62(2)のストッパの働きをする第二の蓋部分68となる。
発電素子50の蓋基板k14の層は、図20の平面図(a)、C41−C41断面図(b)、及びC42−C42断面図(c)に示すような構造になっている。蓋基板k14の層はガラス又はシリコン板等の基材で成り、裏面側に平坦な第一凹部80が設けられ、第一凹部80の外側が主基板k11の周縁部52に接合される部分である。第一凹部80の内側は、重錘体62(1),62(2)のストッパの働きをする第一蓋部分66となる。
上記発電素子10の場合は、橋梁部24及び重錘体22等で構成される1つの振動系を備えるだけであるが、発電素子50の場合、橋梁部54(1)及び重錘体62(1)等で構成される第一の振動系と、橋梁部54(2)及び重錘体62(2)で構成される第二の振動系を備え、各共振周波数が互いに異なる値になるように設計されている。
また、発電素子10の場合は、図1に示すように、台座基板k4の層の外形が、主基板k1の層の外形の内側に入る大きさ(4辺が内側に収まる大きさ)であるが、発電素子50の場合、図14に示すように、蓋基板k14の層の外形が、主基板k11の層の外形とほぼ同じ大きさ(3辺が重なり、1辺だけが内側に収まる大きさ)になっているという違いがある。そのため、後述する多面付けされた蓋基板K14の構造(図25)が、蓋基板K4の構造(図10)と少し異なってくる。しかしながら、蓋基板k14の機能及び働きは、上記の蓋基板4と同様である。
次に、発電素子50の好ましい製造方法(本発明の第二の実施形態)を説明する。上記の主基板k11、中基板k12、台座基板k13及び蓋基板k14は、図21に示すように、それぞれ数百個〜数千個が多面付けされた大型の主基板K11、中基板K12、台座基板K13及び蓋基板K14として製造工程に投入される。2点鎖線で区切った中の1区画が、1つの発電素子10に使用される単位領域となる。以下、分割前の大型の基板をアルファベット大文字で表し、分割後の個々の基板と区別して説明する。
まず、4つの基板準備工程(主基板準備工程、中基板準備工程、台座基板準備工程及び蓋基板準備工程)を個別に行う。
主基板準備工程は、図22の平面図(a)、D11−D11断面図(b)に示す主基板K11を製作する工程である。まず、未加工の主基板K11を用意して、主基板K11の表面側に下層電極60a、圧電材料層60b及び上層電極60cを順に積層して複数の圧電素子60(1),60(2)を形成する作業を行う。また、周縁部52の表面側(圧電材料層60bの上面)に、複数のパッド64を形成し、圧電素子60(1),60(2)の電極20a,20cをパッド64に接続する配線作業を行う。ただし、図22では、配線は図示せずに省略してある。さらに、貫通孔70になる部分を除去するディープエッチングを行い、周縁部52、橋梁部54(1),54(2)及び重錘体取り付け部56(1),56(2)を形成する。これで、図22に示す主基板K1の状態になる。図の中の2点鎖線で囲んだ範囲は、1つの発電素子50に使用される単位領域である。
中基板準備工程は、図23の平面図(a)、D21−D21断面図(b)に示す中基板K12を製作する工程である。まず、未加工の中基板K12を用意して、表面側に対してエッチング又はダイシングを行い、第一台座部74及び重錘体62(1),62(2)になる部分と貫通孔72a,72bになる部分とを区切る溝82を格子状に形成する。さらに表面側に対してエッチングを行い、重錘体62(2)の一部(接合部62a(2)以外の部分)を溝82よりも浅く掘り込んで凹部62b(2)を形成するとともに、貫通孔72a,72bになる部分を溝82よりも浅く掘り込んで凹部72aa,72baを形成する。これで、図23に示す中基板K12の状態になる。図の中の2点鎖線で囲んだ範囲は、1つの発電素子50に使用される単位領域である。
台座基板準備工程は、図24の平面図(a)、D31−D31断面図(b)に示す台座基板K13を製作する工程である。まず、未加工の台座基板K13を用意して、表面側に対してエッチングを行い、第二台座部78以外の部分を掘り込んで凹部76及び第二蓋部分68を形成する。これで、図24に示す台座基板K13の状態になる。図の中の2点鎖線で囲んだ範囲は、1つの発電素子50に使用される単位領域である。
蓋基板準備工程は、図25の平面図(a)、D41−D41断面図(b)に示す蓋基板K14を製作する工程である。まず、未加工の蓋基板K14を用意して、裏面側に対してエッチングを行い、主基板K11の橋梁部54(1),54(2)及び重錘体取り付け部56(1),56(2)に対応する部分を掘り込んで第一凹部80及び第一蓋部分66を形成するとともに、主基板K11の複数のパッド64に対応する部分を掘り込んで第二凹部84を形成する。これで、図25に示す蓋基板K14の状態になる。図の中の2点鎖線で囲んだ範囲は、1つの発電素子50に使用される単位領域である。
各基板準備工程で基板K11〜K14を準備すると、図26〜図28に順に示すように、各基板を組み立てる工程を行う。なお、図26〜28に示す各基板の断面は、それぞれD11−D11断面、D21−D21断面、D31−D31断面、及びD41−D41断面である。
まず、図26(a)に示すように、主基板K11の裏面側に中基板K12の表面側を当接させ、周縁部52に第一台座部74を接合し、重錘体取り付け部56(1)に重錘体62(1)を接合し、重錘体取り付け部56(2)に重錘体62(2)の接合部62a(2)を接合する(中基板接合工程)。シリコン対シリコンの接合の場合は直接接合技術を使用し、シリコン対ガラスの接合の場合は陽極接合技術を使用することが好ましい。その他、接着剤を使用して接合してもよい。
そして、図26(b)に示すように、中基板K12に格子状に配置された溝82の位置を裏面側からすべて切断し、不要な部分、つまり貫通孔72a,72bの部分を除去する(中基板不要部分除去工程)。これで、図27(a)に示す状態になる。
次に、図27(b)に示すように、中基板K12の裏面側に台座基板K13の表面側を当接させ、第一台座部74に第二台座部78を接合し(台座基板接合工程)、さらに、主基板K11の表面側に蓋基板K14の裏面側を当接させ、周縁部52の圧電材料層60bの表面側に蓋基板K14の第一及び第二凹部80,84以外の部分を接合する(蓋基板接合工程)。
次に、図28(a)に示すように、蓋基板K14の第二凹部84の位置を表面側から切断し、不要な部分、つまり第二凹部84の底板部分を除去する。これで、主基板K11の複数のパッド64が露出する。
そして、図28(b)に示すように、主基板K11、中基板K12、台座基板K13及び蓋基板K14の積層体を単位領域ごとに分割し、図14に示す個々の発電素子50を得る(分割工程)。その後、発電素子50は、例えば、樹脂製又は金属製の筐体内に個別にケーシングされ(パッド64がボンディングワイヤで外部接続端子に配線され)、発電デバイスとして販売される。
以上説明したように、本発明の第二の実施形態である発電素子50の製造方法によれば、上記の発電素子10と同様の効果を得ることができる。また、発電素子50は、橋梁部54(1)及び重錘体62(1)等で構成される第一の振動系と、橋梁部54(2)及び重錘体62(2)で構成される第二の振動系を備えているが、この実施形態の製造方法を使用することによって、重錘体62(1)及び重錘体62(2)の平面視の形状や面積を適宜変更し、各振動系の共振周波数を個別に調節できるという利点がある。なお、発電素子50の場合、主基板k11の重錘体取り付け部56(1),56(2)が比較的厚いので、重錘体取り付け部56(1)の質量も考慮して重錘体62(1)を設計し、重錘体取り付け部56(2)の質量を考慮して重錘体62(2)を設計するとよい。
なお、本発明の発電素子の製造方法は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した第一の実施形態の製造方法(発電素子10の製造方法)では、図8に示す中基板準備工程において、中基板K2の貫通孔32になる部分(凹部32aを囲む部分)を幅狭な溝42で区切っているが、例えば図29(a),(b)に示す中基板K2(1)のように、貫通孔32になる部分の幅に相当する幅広の溝42fで区切ってもよい。これによって、凹部32aをエッチングする作業を省略することができる。なお、「溝を幅広にする」という考え方は、図23に示す中基板準備工程(中基板K12の準備工程)にも適用することができる。
また、図8に示す中基板準備工程では、重錘体22の一部(接合部22a以外の部分)を溝42よりも浅く掘り込んで凹部22bを形成しているが、図29(c)に示す中基板K2(2)のように、溝42fよりも深く掘り込んで凹部22bを形成してもよい。これによって、組み立て状態で重錘体22と橋梁部14とのクリアランスを大きくしたり、重錘体22の質量を調節したりすることができる。なお、溝と凹部の深さについて考え方は、図23に示す中基板準備工程(中基板K12の準備する工程)にも適用することができる。
また、上述した第一の実施形態の製造方法(発電素子10の製造方法)は、台座基板k3の表面側に凹部36を設けることによって重錘体22の裏面側に空間を設けているが、工程の一部を変更し、台座基板k3に凹部36を設ける以外の方法で重錘体22の裏面側に空間を設けてもよい。例えば、図30(a)に示す発電素子10(1)のように、台座基板接合工程において、平坦な台座基板k3の表面に、所定厚さのスペーサ18f(又は接着剤)を介して第一台座部34を接合することによって、重錘体22の裏面側に空間を設けてもよい。あるいは、図30(b)に示す発電素子10(2)のように、中基板準備工程において、重錘体22の裏面側をエッチングして凹ませることによって、重錘体22の裏面側に空間を設けてもよい。発電素子10(1),10(2)のような構造にすれば、台座基板準備工程において、台座基板k3の表面側をエッチングして凹部36を設ける作業を省略することができる。なお、「スペーサを設ける」や「重錘体の裏面を凹ませる」という考え方は、図14(c)に示す発電素子50にも適用することができる。
また、上述した第二の実施形態の製造方法(発電素子50の製造方法)を使用して、構造が少し異なる発電素子90を製造することができる。以下、発電素子90ついて、図31〜図34に基づいて説明する。ここで、上記の発電素子50と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。
発電素子90の外形は、図31の正面図(a)及び平面図(b)に示すよう、発電素子50と同じ大きさの略直方体で、内部は、E1−E1断面図(c)に示す構造になっている。
上記の発電素子50は、橋梁部54(1)及び重錘体62(1)等で構成される第一の振動系と、橋梁部54(2)及び重錘体62(2)等で構成される第二の振動系を備えている。発電素子90も同様であるが、各振動系の共振周波数を発電素子50より低くするため、中基板k12により形成される重錘体62(1),62(2)の形状を変更し、これに合わせて台座基板k13の形状の一部を変更しているという特徴がある。したがって、発電素子90の構成の中で発電素子50と異なるのは、中基板k12及び台座基板k13が中基板k22及び台座基板k23に変更されているという点であり、その他の主基板k11や蓋基板k14等の構成は同じである。
中基板k22の層は、図32の平面図(1)及びE21−E21断面図(b)と、図33のE22−E22断面図(a)、E23−E23断面図(b)及びE24−E24断面図(c)とに示すような構造になっている。すなわち、矩形板状の内側が、真っすぐなスリット状の貫通孔72a及び十字状の広い貫通孔72bで区切られ、台座58の一部となる一対の第一台座部92と、重錘体94(1),94(2)とが形成されている。
2つの第一台座部92はそれぞれ略直方体で、一方の第一台座部92は、主基板k11の周縁部52の、パッド64が設けられている一辺を支持するように配置され、他方の第一台座部92は、周縁部52の反対側の一辺を支持するように配置されている。
重錘体94(1)は、平面視で略U字形状で、主基板k11の重錘体取り付け部56(1)に重なり、さらに周縁部52の他の2辺(第一台座部92に支持されない2辺)の一部に重なるように大きく形成されている。上記の重錘体62(1)と比較すると、約3〜4倍の大きさである。重錘体94(1)の表面側は、重錘体取り付け部56(1)に固定される接合部94a(1)が中央部に設けられ、接合部94a(1)以外の部分は、周縁部52に接触しないように平坦に凹んでいる(凹部94b(1))。
重錘体94(2)も同様に、平面視で略U字形状で、主基板k11の一対の重錘体取り付け部56(2)に重なり、さらに周縁部52の他の2辺(第一台座部92に支持されない2辺)の一部に重なるように大きく形成されている。上記の重錘体62(2)と比較すると、約3倍の大きさである。重錘体94(2)の表面側は、重錘体94(2)の表面側は、重錘体取り付け部56(1)に固定される一対の接合部94a(2)が中央部に設けられ、接合部94a(2)以外の部分は、周縁部52に接触しないように平坦に凹んでいる(凹部94b(2))。
台座基板k23の層は、図34の平面図(a)、E31−E31断面図(b)及びE32−E32断面図(c)に示すような構造になっている。すなわち、矩形板状の表面側に平坦な凹部96が設けられ、重錘体94(1),94(2)が接触しないようになっている。凹部96の外側の部分は第二台座部98であり、第二台座部98は、第一台座部92に重なって台座58の一部となる。凹部96の内側は、重錘体94(1),94(2)のストッパの働きをする第二の蓋部分68となる。
発電素子90は、重錘体94(1),94(2)の形状を、平面視で主基板k11の周縁部52に重なる位置まで大きくすることによって、2つの振動系の共振周波数を発電素子50よりも低くしている。この発電素子90も、発電素子50と同様に、上述した第二の実施形態の製造方法によって容易に製造することができる。
その他本発明の製造方法で製造できる発電素子は、上記の発電素子10,10(1),10(2),50,90の形態に限定されず、主基板の周縁部の形状、橋梁部の形状や数、圧電素子の配置や数、台座の形状、第一及び第二蓋部分の形状は、本発明の製造方法の目的が達成できる範囲で自由に変更することができる。
また、第一及び第二蓋部分は、発電素子に過負荷が加わる心配がない場合、省略することができる。この場合、上述した第一及び第二の実施形態の製造方法の中の第一蓋部分に関連する工程(蓋基板準備工程、蓋基板接合工程及び蓋基板不要部分除去工程)を省略することができる。また、台座基板準備工程では、エッチングを行って凹部(第二蓋部分)を形成するのではなく、この部分を貫通させるようにしてもよい。
また、発電素子が筐体等にケーシングされるときは、台座基板を省略することができる。例えば、図30(b)に示す発電素子10(2)であれば、台座基板k3を省略し、第一台座部34の裏面側を筐体の平坦な内壁面に直接実装することができる。同様に、図1に示す発電素子10であれば、台座基板k3を省略し、第一台座部34の裏面側を筐体の内壁面(重錘体22と対向する部分に凹部が形成された内壁面)に実装することができる。このように、台座基板k3を有さない構造の場合、上述した第一及び第二の実施形態の製造方法の中の台座基板に関連する工程(台座基板準備工程及び台座基板接合工程)を省略することができる。
また、発電素子は、単位外形の主基板、中基板、台座基板及び蓋基板を用いて1個ずつ製造してもよい。この場合、積層体を分割する分割工程を省略することができる。
10,10(1),10(2),50,90 発電素子
12,52 周縁部
14,54(1),54(2) 橋梁部
16,56(1),56(2) 重錘体取り付け部
18,58 台座
20,60(1),60(2) 圧電素子
22,62(2),62(2),94(1),94(2) 重錘体
24,64 パッド
26,66 第一蓋部分
28,68 第二蓋部分
34,74,92 第一台座部
36,76,96 凹部(第二蓋部分)
38,78,98 第二台座部
40,80 第一凹部(第一蓋部分)
42,82 溝
44,84 第二凹部
k1(K1),k11(K11) 主基板
k2(K2),k12(K12),k22(K22) 中基板
k3(K3),k13(K13),k23(K23) 台座基板
k4(K4),k14(K14) 蓋基板

Claims (9)

  1. 周縁部から内向きに、長手方向軸を有して可撓性を有する橋梁部が延設され、前記橋梁部の、前記周縁部から離れた位置に重錘体取り付け部が設けられた主基板と、前記主基板の前記周縁部の裏面側を支持する台座と、前記主基板の前記橋梁部における伸縮変形が生じる部分の表面側に設けられた圧電素子と、前記主基板の前記重錘体取り付け部の裏面側に取り付けられた重錘体とを備え、前記橋梁部に生じる機械的振動エネルギーを前記圧電素子で電気エネルギーに変換することによって発電を行う発電素子の製造方法において、
    前記発電素子は、前記主基板と、前記重錘体及び前記台座の一部となる第一台座部を形成する中基板とが積層されて一体になったものであり、
    前記主基板を形成する基材の内側の前記橋梁部となる部分に前記圧電素子を形成する作業、及びエッチングを行って前記周縁部、前記橋梁部及び前記重錘体取り付け部を形成する作業を行う主基板準備工程と、
    前記中基板を形成する基材の表面側に対してエッチング又はダイシングを行い、前記第一台座部及び前記重錘体となる部分とその他の部分とを区切る溝を形成するとともに、前記重錘体の表面側の一部及び前記その他の部分の表面側をエッチングにより掘り込んで凹ませる中基板準備工程と、
    前記主基板の裏面側に前記中基板の表面側を当接させ、前記周縁部に前記第一台座部を接合するとともに、前記重錘体取り付け部に前記重錘体を接合する中基板接合工程と、
    前記中基板の前記溝の位置を裏面側から切断し、前記その他の部分を除去する中基板不要部分除去工程とを備えることを特徴とする発電素子の製造方法。
  2. 前記中基板準備工程において、前記重錘体の表面側の一部及び前記その他の部分の表面側をエッチングにより掘り込み、前記溝よりも浅く凹ませる請求項1記載の発電素子の製造方法。
  3. 前記各工程を経て作製された前記主基板及び前記中基板で成る積層体は、複数の前記発電素子が多面付けされたものであり、
    前記積層体を分割して個々の発電素子を得る分割工程を備える請求項1又は2記載の発電素子の製造方法。
  4. 前記発電素子は、前記主基板と、前記中基板と、前記台座の一部となる第二台座部を形成する台座基板とが積層されて一体になったものであり、
    前記台座基板を形成する基材の表面側に対してエッチングを行い、前記第二台座部以外の部分を掘り込む台座基板準備工程と
    前記中基板の裏面側に前記台座基板の表面側を当接させ、前記第一台座部に前記第二台座部を接合する台座基板接合工程とを備えることを特徴とする請求項1又は2記載の発電素子の製造方法
  5. 前記発電素子は、前記重錘体の厚み方向の変位量を制限するストッパとなる第一蓋部分を備え、前記主基板、前記中基板、前記台座基板及び蓋基板が積層されて一体になったものであり、
    前記蓋基板を形成する基材の裏面側に対してエッチングを行い、前記橋梁部及び前記重錘体取り付け部に対応する部分を掘り込んで、前記第一蓋部分となる第一凹部を形成する蓋基板準備工程と、
    前記主基板の表面側に前記蓋基板の裏面側を当接させ、前記周縁部に前記蓋基板の前記第一凹部以外の部分を接合する蓋基板接合工程とを備える請求項4記載の発電素子の製造方法。
  6. 前記台座基板準備工程において、前記台座基板を形成する基材の表面側に対してエッチングを行って前記重錘体に対応する部分を掘り込み、前記重錘体の厚み方向の変位量を制限するストッパとなる第二蓋部分となる凹部を形成する請求項4記載の発電素子の製造方法。
  7. 前記各工程を経て作製された前記主基板、前記中基板及び前記台座基板で成る積層体は、複数の前記発電素子が多面付けされたものであり、
    前記積層体を分割して個々の発電素子を得る分割工程を備える請求項4記載の発電素子の製造方法。
  8. 前記各工程を経て作製された前記主基板、前記中基板、前記台座基板、及び前記蓋基板で成る積層体は、複数の前記発電素子が多面付けされたものであり、
    前記積層体を分割して個々の発電素子を得る分割工程を備える請求項5又は6記載の発電素子の製造方法。
  9. 前記主基板の基材はSOI基材又はシリコン基材であり、前記主基板以外の基板の基材はガラス基材又はシリコン基材である請求項1乃至8のいずれか記載の発電素子の製造方法。
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