JP6190408B2 - スロットマシン - Google Patents

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Description

本発明は、複数の図柄を変動表示可能な複数の変動表示部と、変動表示を伴うゲームの実行毎に役の内部抽選を行う抽選手段と、を備え、変動表示の停止操作に基づき内部抽選の結果に応じた図柄組合せ態様が導出され得るように複数の変動表示部の停止制御を行うスロットマシンに関する。
従来の遊技機、例えばスロットマシンにおいては、賭数の設定後のスタート操作に基づき複数の図柄が表示された複数のリールを変動表示させてゲームを開始し、該複数のリールの停止操作により停止させたゲームの停止結果が入賞に対応する停止結果となった基づき遊技価値を付与するものが一般的である。このようなスロットマシンにおいては、特定導入遊技(BBゲーム)、特定遊技(RBゲーム)およびアシストタイム遊技(ATゲーム)といった遊技者に有利な遊技状態を発生可能な遊技機が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開2011−56077号公報 特開2011−19856号公報
ところで、上記特許文献に開示されたようなスロットマシンでは、遊技者に有利な遊技状態が発生するまでに前兆演出が実行されないため、遊技の興趣を高めることができなかった。
本発明の目的は、遊技者の期待感を効果的に煽ることで、遊技の興趣を高めることである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、複数の図柄を変動表示可能な複数の変動表示部と、前記変動表示を伴うゲームの実行毎に役の内部抽選を行う抽選手段と、を備え、
前記変動表示の停止操作に基づき前記内部抽選の結果に応じた図柄組合せ態様が導出され得るように前記複数の変動表示部の停止制御を行うスロットマシンにおいて、
予め定めた特定役の入賞が連続して成立した回数を示す連続カウント数を更新することが可能な連続カウント手段と、
前記連続カウント数に応じて、遊技者にとって有利な第1特定遊技状態を発生させるための実行権利を付与することが可能な実行権利付与手段と、
前記実行権利を記憶することが可能な実行権利記憶手段と、
前記実行権利が記憶された可能性のあるゲーム又はその後のゲームから複数のゲームに亘って前記実行権利記憶手段に前記実行権利が記憶された可能性があることを報知する特定演出を実行することが可能な特定演出実行手段と、を備え、
前記特定演出実行手段は、
前記実行権利記憶手段に前記実行権利が記憶されている場合でも、前記連続カウント手段による連続カウント数の更新が継続している場合には、前記特定演出を開始せず、
前記実行権利記憶手段に前記実行権利が記憶されていない場合にも、前記特定演出を実行可能であり、
前記特定演出のうちの前記実行権利記憶手段に前記実行権利が記憶された場合に実行可能であって当該特定演出を実行するゲーム数が所定値となる確定演出を、所定条件が成立したことによって終了した前記第1特定遊技状態の後の特定状態において実行可能であることを特徴とする。
本発明によれば、遊技者の期待感を効果的に煽ることができるため、遊技の興趣を高めることが可能となる。
本発明の一実施形態に係るスロットマシンの外観を示す正面図である。 スロットマシンの前面枠を省略した正面図である。 変動表示装置の正面図である。 スロットマシンの制御系の概略構成を示すブロック図である。 リールの外周面に配されるシートにおける図柄の配列図である。 入賞の種類と図柄組合せ態様及び入賞内容を説明する図である。 リーチ目の一例を示す図である。 レア役の出目の一例を示す図である。 内部抽選役を示す図である。 遊技状態の遷移を説明する状態遷移図である。 遊技制御装置での遊技状態の遷移を説明する状態遷移図である。 演出制御装置での遊技状態の遷移を説明する状態遷移図である。 特別遊技状態におけるAT権利の獲得態様を説明する図である。 遊技制御処理を説明するフローチャートである。 タイマ割込み処理を説明するフローチャートである。 内部抽選処理を説明するフローチャートである。 入賞当選判定テーブルの種類とレア役とボーナスの重複当選期待度を説明する図である。 フリーズ演出設定処理を説明するフローチャートである。 フリーズ実行判定テーブルを説明する図である。 リール回転開始処理を説明するフローチャートである。 操作介在フリーズ処理を説明するフローチャートである。 リール回転停止処理を説明するフローチャートである。 連続変則操作カウンタ値と無効時間を説明する図である。 入賞判定処理を説明するフローチャートである。 遊技状態更新処理を説明するフローチャートである。 演出制御処理を説明するフローチャートである。 タイマ割込み処理を説明するフローチャートである。 フリーズ演出処理を説明するフローチャートである。 操作介在フリーズ演出処理を説明するフローチャートである。 ゲーム演出決定処理を説明するフローチャートである。 当選演出決定テーブルを説明する図である。 演出の実行態様を説明する図である。 ゲーム進行制御処理を説明するフローチャートである。 ボーナス内部中処理を説明するフローチャートである。 通常/前兆中処理を説明するフローチャートである。 通常/前兆中処理を説明するフローチャートである。 罰則フリーズの実行態様を説明する図である。 罰則フリーズの実行態様を説明する図である。 AT待機中処理を説明するフローチャートである。 昇格/突入AT中処理を説明するフローチャートである。 操作アシスト画像を説明する図である。 上乗せAT中処理を説明するフローチャートである。 特化ゾーン中処理を説明するフローチャートである。 上乗せ数決定テーブルを説明する図である。 救済AT中処理を説明するフローチャートである。 移行チャンス中処理を説明するフローチャートである。 ストック獲得判定処理を説明するフローチャートである。 ATストック期待度、特化ゾーン移行期待度を説明する図である。 ストック抽選処理を説明するフローチャートである。 抽選確率状態別ストック判定テーブルを説明する図である。 ボーナス中ストック処理を説明するフローチャートである。 BB1ストック処理を説明するフローチャートである。 特化ゾーン移行抽選処理を説明するフローチャートである。 役別ゾーン移行判定テーブルを説明する図である。 ストック抽選モード移行処理を説明するフローチャートである。 モード昇格期待度を説明する図である。 連続予告設定処理を説明するフローチャートである。 連続予告の実行パターンを説明する図である。 AT前兆設定処理を説明するフローチャートである。 前兆演出の実行パターンを説明する図である。 セキュリティ監視処理を説明するフローチャートである。 扉開放対応処理を説明するフローチャートである。 手動図柄揃えアシストの実行態様を説明する図である。 扉開放監視処理の変形例を説明するフローチャートである。 第1変形例でのリール回転開始処理を説明するフローチャートである。 第1変形例でのフリーズ時間における区切りを説明する図である。 第1変形例でのロングフリーズ処理を説明するフローチャートである。 第1変形例でのリール回転停止処理を説明するフローチャートである。 第1変形例でのフリーズ演出の分割態様を説明する図である。 第1変形例でのフリーズ演出処理を説明するフローチャートである。 第1変形例でのロングフリーズ処理を説明するフローチャートである。 第1変形例でのフリーズ演出の実行パターンを説明する図である。 第1変形例でのフリーズ演出Cの実行パターンを説明する図である。 第1変形例でのAT待機中処理を説明するフローチャートである。 第1変形例での分散フリーズ演出の実行態様を説明する図である。 第2変形例でのリール回転停止処理を説明するフローチャートである。 第2変形例での自動停止制御処理を説明するフローチャートである。 第3変形例での自動停止制御処理を説明するフローチャートである。 第3変形例でのRT中自動停止処理を説明するフローチャートである。
図1に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、前面が開放した箱形の筐体の内部に各種の機器が設けられるとともに、この筐体の前面に、ヒンジ2a(図2参照)を介して前面枠2が片開き形式に開閉可能に設けられている。この前面枠2の上部には、遊技に応じて表示による演出や情報表示を行う画像表示装置3、音による演出を行うスピーカ4等が設けられている。画像表示装置3は、例えば液晶表示パネルで構成され、遊技に関する演出表示のほか、様々な情報を表示する。そして、画像表示装置3における各種演出表示や履歴情報表示は、演出制御装置70(図4参照)によって制御される。すなわち、画像表示装置3が、ゲームの進行に応じた演出を表示することが可能な演出表示手段をなし、演出制御装置70が、演出表示手段の表示制御を行うことが可能な表示制御手段をなす。
また、画像表示装置3の上方には可動演出装置8が設けられている。この可動演出装置8は、画像表示装置3の上方に退避した状態と、画像表示装置3の前方に重なる状態とに変換可能となっており、動作によって遊技の演出を行うものである。可動演出装置8は、画像表示装置3の上方に退避した状態では、隠蔽部材8aの後方に位置して遊技者からは視認不能な状態となり、画像表示装置3の前方に重なる状態となることで遊技者から視認可能となる。
前面枠2の中央部には、後方を視認できないようにするとともに装飾のための絵柄等が描かれた前面パネル9が配され、前面パネル9の中央部には後方を視認可能な(例えば、透明の)図柄表示窓5が形成されている。なお、前面パネル9を表示装置で構成しても良く、図柄表示窓5の部分に画像を表示しない状態ではリール6を視認可能とし、主に図柄表示窓5の周囲において遊技を演出する画像を表示する。この場合、図柄表示窓5の部分に遊技を演出する画像を表示することも可能である。
この図柄表示窓5(窓部)を透して、筐体内に配設されたリール6の回転により変動表示される図柄を視認可能となっている。リール6は、円筒形の左リール6a、中リール6b、右リール6cが水平方向に並設されて構成されている。これらのリール6a,6b,6cの外周面には、長手方向に沿って複数の図柄が描画された短冊状のシート6dが巻き付けられることで、所定の配列に従って複数の図柄が配されている(図5参照)。また、各リール6a,6b,6cにはそれぞれ、ステッピングモータであるリール用モータ64a,64b,64c(図4参照)が設けられており、各リール6a,6b,6cを独立して回転駆動ならびに回転停止することが可能となっている。すなわち、リール用モータ64a,64b,64cが各リール6a,6b,6cを駆動する電気的駆動源をなす。
リール用モータ64によりリール6を回転させることによって、図柄表示窓5から視認される複数種類の図柄を、例えば上から下へと循環するように変動させる(変動表示)。一方、リール6が停止している状態では、各リール6a,6b,6cについて、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄、つまり3×3の計9つの図柄が図柄表示窓5を介して視認可能となっている。すなわち、図柄表示窓5を透して、ゲームの停止結果を導出表示するためのリール6a,6b,6cの有効表示部を視認可能となっている。すなわち、リール6a,6b,6cが複数の図柄を変動表示可能な複数の変動表示部をなす。
図柄表示窓5から視認される3×3の図柄行列に対しては、所定の有効化可能ラインが設定される。本実施形態では各リール6a,6b,6c中段の図柄を横切るライン(中段ライン)、左リール6a下段−中リール6b中段−右リール6c上段にかけて各リール6a,6b,6cを斜めに横切るライン(右上がりライン)、左リール6a上段−中リール6b中段−右リール6c下段にかけて各リール6a,6b,6cを斜めに横切るライン(右下がりライン)が有効化可能ラインとなっている。そして、遊技者によるメダルの投入又はクレジットからの入力(以下「賭操作」という。)によって賭数(ベット数)が所定数(例えば3)となることで有効化可能ラインが有効化され(いわゆる3枚がけ専用)、この有効ライン上に形成された図柄組合せ態様(出目)に基づいて入賞(役)の成立/不成立が判断される。
入賞が成立する場合には、有効ライン上に所定の図柄が3つ並ぶ場合の他、見た目上で他のラインで所定の図柄が3つ並ぶ場合もある。このようなラインとしては、各リール6a,6b,6c上段の図柄を横切るライン(上段ライン)がある。なお、各リール6a,6b,6c下段の図柄を横切るライン(下段ライン)や、上記以外の各リール6a,6b,6cの図柄表示窓5に臨む前面部(視認可能な部分)を横切るように位置する仮想的なラインに見た目上図柄が並ぶようにしても良い。以下、有効化可能ライン(中段、右上がり、右下がりライン)や、入賞時に見た目上図柄が整列可能なライン(上段ライン)、その他のライン(下段ライン等)をまとめて図柄停止ライン(図柄整列ライン)と称する。
なお、上段、中段、下段、右上がり及び右下がりラインを有効化可能ラインとして、賭数に応じて所定の有効化可能ラインを有効化し、この有効ライン上に形成された図柄組合せ態様に基づいて入賞(役)の成立/不成立を判断するようにしても良い。例えば、賭数1では中段ラインを有効ラインとし、賭数2では中段ラインに加え、上下段ラインを有効ラインとし、賭数3では上中下段ラインに加え、右上がり、右下がりラインを有効ラインとする。また、賭数には無関係に(賭数が1または2であっても)すべてのラインを有効としてもよい。また、3枚がけ専用ではなく1〜3枚の範囲で任意に賭数を設定可能としてもよい。ただし、その場合には通常遊技状態において賭数が3枚である場合に遊技者に最も有利となる内部当選確率となるように後述する内部抽選を行うものとする。
また、リール6の裏面側であって、図柄表示窓5から視認される3×3の図柄行列における各々の図柄停止位置の後方となる位置には、リールの後方から光を照射するバックライト111(図4参照)が設けられている。リール6は光を透過可能であって、バックライト111による光の照射態様を変化させることで光による演出を行うことが可能となっている。
図柄表示窓5の下方には、クレジット数表示部11と、遊技進行表示部12と、払出数表示部13とが設けられている。クレジット数表示部11は、メダル払出装置63(図4参照)により払い出さずにクレジットとして記憶されているメダル数を表示する。また、遊技進行表示部12は、遊技進行状態を表示する。また、払出数表示部13は、入賞成立時の払出枚数を表示する。これらの表示部11,12,13は、例えば7セグメントのLEDで構成され、その点灯状態によって各種情報を表示する。
図柄表示窓5の下方右側には、リプレイ状態やウェイト状態、遊技可能な待機状態などの状態表示を行う遊技状態表示部18が設けられており、ランプの点灯により遊技状態を表示する。また、図柄表示窓5の下方左側には、賭数の表示を行うベット数表示部19が設けられている。
遊技状態表示部18は、再遊技入賞(リプレイ入賞)が成立してリプレイゲームが付与されたことを示すリプレイ表示部と、遊技者がスタートレバー21を操作してからリール6が回転するまでに待ち時間があること(前回のゲーム開始から一定時間経過していないためにリール6の回転開始を待機している状態であること)を示すウェイト表示部と、当該スロットマシン1が遊技可能な待機状態であることを示し賭操作を促すインサートメダル表示部とで構成される。
図柄表示窓5の下方には、前側に突出する段部が形成されており、この段部の上面は前面側下方に向かって傾斜する傾斜台部14となっている。この傾斜台部14には、メダル投入口15と、ゲームを進行させるための進行操作部としてのマックスベットボタン17と、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した操作手段をなす演出ボタン10が設けられている。
メダル投入口15は、傾斜台部14における当該スロットマシン1の前面側から見て右側(前面枠2の開放端側)に配設されている。遊技者がこのメダル投入口15にメダルを投入して賭操作を行うことにより、ゲームが実行可能となる。このメダル投入口15から投入されたメダルが通過する経路には、メダルの通過を検出するメダル投入検出スイッチ51(図4参照)が設けられており、このメダル投入検出スイッチ51による検出情報をもとにメダルの投入枚数がカウントされる。
マックスベットボタン17は、傾斜台部14における当該スロットマシン1の前面側から見て左側に配設されている。マックスベットボタン17は、押圧操作を一度行うことでクレジットから賭数の上限数(例えば、3枚)まで入力できるが、クレジット数が上限数に満たない場合にはクレジット数を賭数として入力するようになっている。演出ボタン10は、傾斜台部14における中央に配設されており、遊技者が操作することによって、画像表示装置3における演出表示において遊技者の操作を介入させた演出が行われたり、遊技の履歴情報が表示されたりするようになっている。
傾斜台部14の下方には、払戻ボタン20、スタートレバー21、返却ボタン22、リールストップボタン24、鍵穴23等が設けられている。払戻ボタン20は、メダル投入口15から投入されたメダルやマックスベットボタン17により賭数として入力されたメダル(賭メダル)又は入賞が成立することにより払い出されクレジットとして記憶されているメダル(貯留メダル)を受け皿27に返却させる指令を与える際に用いられる。なお、再遊技入賞(リプレイ入賞)の成立に基づく自動賭操作の後にメダル投入口15からメダルが投入された場合や、クレジットとして記憶可能な所定数を超えるメダルも流路切替ソレノイド(メダルセレクタ)68を介して受け皿27に返却される。
スタートレバー21は、ゲームを進行させるための進行操作部をなし、一区切りのゲームを開始させるための操作レバーである。鍵穴23は、前面枠2を開く際、或いは当該スロットマシン1のエラー(例えば、ホッパーエラー)状態をリセットする際に鍵を差し込むためのものである。返却ボタン22は、メダル投入口15から投入されて流路切替ソレノイド(メダルセレクタ)68で詰まったメダルを受け皿27に返却させる際に用いられる。
リールストップボタン24は、ゲームを進行させるための進行操作部をなし、左リール6a、中リール6b及び右リール6cとそれぞれ1対1で対応付けられて設けられた、左リールストップボタン24a、中リールストップボタン24b及び右リールストップボタン24cで構成され、停止操作に応じて対応するリール6a,6b,6cの回転をそれぞれ停止させるためのものである。これらのリールストップボタン24a,24b,24cは、例えば、有色半透明の樹脂部材等で形成されている。リールストップボタン24a,24b,24cの内部には、このリールストップボタン24a,24b,24cの操作により対応するリール6を停止可能な状態であるか否かを、発光態様により報知するためのストップボタンLED66(図4参照)がそれぞれ設けられている。すなわち、リールストップボタン24a,24b,24cが、各変動表示部に対応して設けられた停止操作を行うため複数の停止操作部をなし、ストップボタンLED66が停止操作部を発光させることが可能な操作部発光手段をなす。
また、これらの操作ボタン類が設けられた部分の下方には、前面枠2の下部領域を構成する装飾板(化粧パネル)25が設けられている。さらに、装飾板25の下方であって前面枠2の最下部には、灰皿26、メダルを貯留するための受け皿27、メダル払出口28、音声を出力するためのスピーカ4等が設けられている。
図2に示すように、筐体内部の上部には、当該スロットマシン1全体を制御する遊技制御装置50が配設されている。また、筐体内部のほぼ中央には、リール載置部29が設けられ、このリール載置部29の上に、回転可能なリール6a,6b,6cを有する変動表示装置100が載置されている。また、当該スロットマシン1の前面側から見て変動表示装置100の右方には遊技制御装置50から外部の装置へ信号を出力するための外部信号出力端子33が設けられている。
また、遊技制御装置50の右方には、前面枠2の開閉状態を検出する扉開閉検出スイッチ62と、上部ロック機構34が設けられ、遊技制御装置50の左方には、前面枠2の回動軸としてのヒンジ2aが設けられている。また、リール載置部29の両側部直下には、筐体の両側壁にそれぞれ設けられている把持開口を覆う開口カバー部材37a,37bが設けられ、開口カバー部材37bの近傍には前面枠2の閉鎖時の重量を受ける重量支持部38が設けられている。
さらに、筐体内部の下部には、メダル払出装置(ホッパー)63が配設されている。メダル払出装置63は、メダル投入口15から投入されて流路切替ソレノイド(メダルセレクタ)68により誘導されたメダルを受け入れて貯留するとともに、有効ライン上に所定の図柄組合せ態様が形成され入賞が成立した場合に、この入賞に対応する枚数のメダル(払出メダル)又は入賞成立に伴う加算によりクレジットの上限を超えた分のメダルを受け皿27に払い出す装置である。クレジット分のメダルは払戻ボタン20を操作することによりメダル払出装置63によって受け皿27に払い出される。また、メダル払出装置63の右方には、このメダル払出装置63からオーバーフローして流入してくるメダルを貯留したり、流入してきたメダルを当該スロットマシン1が設置される設置島のメダル回収機構へ誘導したりするためのオーバーフロータンク30が設けられている。
また、メダル払出装置63の左方には、制御装置やモータ、ランプなどの電子部品に電力を供給する電源装置40及び当該スロットマシン1の当選確率を例えば6段階の何れかに設定するための設定装置60が設けられている。この設定装置60とリール6a,6b,6cとの間の部位には、電源スイッチ31等が設けられている。
図3には変動表示装置100を示した。この変動表示装置100は、筐体やリール載置部29に固定されるリールベース部材101と、該リールベース部材101に取り付けられる発光ベース部材110と、該発光ベース部材110に取り付けられるリールユニット103と、を備える。リールベース部材101は、前面が開口した凹室状の空間102を有する矩形箱状をしており、凹室状の空間102内には発光ベース部材110と、リール6やリール用モータ64等からなるリールユニット103が配されている。
発光ベース部材110は、リールベース部材101の凹室状の空間102内に左右に延在するように配され、リールベース部材101の内側面に固定されている。この発光ベース部材110の前面には、リール6を後方(内周側)から照らすバックライト111、成立した入賞を示す入賞ライン発光部112、リール6の図柄を手動で整列させるための位置決め部113が設けられている。なお、図3(a)は、バックライト111及び入賞ライン発光部112を全て消灯した状態を示しており、図3(b)はバックライト111及び入賞ライン発光部112を全て点灯した状態を示している。
リールユニット103は左リールユニット103a、中リールユニット103b、右リールユニット103cの3つが左右に並んで配されている。各リールユニット103のリール用モータ64等の駆動機構は発光ベース部材110により支持されており、リール6が発光ベース部材110に対して回転するようになっている。
発光ベース部材110の前面に設けられたバックライト111は、円筒形のリール6の内周面と対向して前後に重なる位置であって、変動(回転)を停止したリール6における図柄表示窓5から視認可能となる図柄(有効表示部)と前後に対応する位置に配されている。すなわち、各リール6に対し、当該リール6で視認可能となる3つの図柄に対応して上下に3つ配され、合計9つのバックライト111が配されている。
各バックライト111は、前方が開口した凹室状の空間を有する矩形箱状の囲繞部111aを備え、該囲繞部111aの凹室状の空間の内部に発光体111b(LEDやランプ)が配されている。囲繞部111aの前方の開口はリール6の図柄1つ(1コマ)に対応する大きさであって、この開口が変動停止したリール6の図柄と前後に重なるように配されている。また、発光体111bからの光は囲繞部111aにより周囲に拡散しないようにされている。これにより、図3(b)に示すように各バックライト111が対応する図柄を独立して照らすことができるようになっている。このバックライト111により、入賞に対応する図柄を照らしたり、発光態様により内部抽選の結果を示唆したりするなどの演出を行うようになっている。
入賞ライン発光部112は線状の発光部であり、図柄停止ライン(図柄整列ライン)のうち有効化可能ライン(中段、右上がり及び右下がりライン)に沿って、リール6と前後に重なる部分を除き、左右のリール6a,6cとリールベース部材101との間及び隣接するリール6の間に設けられている。この入賞ライン発光部112は図柄表示窓5から視認可能であり、成立した入賞に対応する図柄が整列した図柄停止ラインに沿った入賞ライン発光部112を発光させることで入賞を報知するものである。すなわち、入賞ライン発光部112が、複数のリール6の窓部(図柄表示窓5)に臨む前面部を横切るように設定される図柄停止ラインに沿うように設けられるライン発光部をなす。
また、後述するように前面枠2を開放した際には、所定の図柄停止ラインに沿った入賞ライン発光部112やバックライト111を発光させて、遊技店の店員がリール6を手動で回転させて図柄を整列させるための補助表示を行う機能も有する。この所定の図柄停止ラインは発光ライン設定スイッチ112aの切替により変更できるようになっている。
位置決め部113は、例えば遊技店の店員がリール6を手動で回転させ、図柄停止ライン上に特定の図柄(ここでは「7」)を揃えた状態にしてから開店を迎えるようにする際に、図柄の整列を容易にするためのものである。そして、リール6に設けられた基準部6e(図5参照)をこの位置決め部113に合わせることで、特定の図柄が図柄停止ライン(ここでは中段ライン)に整列するようになっている。
この位置決め部113は、発光ベース部材110の前面に表示された位置決めライン113aと、リールベース部材101における左側部に表示された位置決め表示部113bとを備える。位置決めライン113aは左右のリール6a,6cとリールベース部材101との間に表示されている。このように位置決めライン113aを左右のリール6a,6cに近接した位置に表示することで、左右のリール6a,6cの基準部6eを容易に合わせることができるようにされている。また、中リール6bについては、近接した位置に位置決めライン113aが表示されていないが、左右の位置決めライン113aを参考に基準部6eを合わせるか、すでに位置決め部113に合わせた左右のリール6a,6cの基準部6eに中リール6bの基準部6eを合わせることで容易に位置合わせができる。
また、位置決め表示部113bは、位置決めライン113aと同様に基準部6eを合わせる位置を示す表示であり、ここでは三角形の頂点により位置を示している。この位置決め表示部113bに基準部6eを合わせることでもリール6の位置決めをすることが可能である。また、位置決めライン113aと併用することで、位置決めライン113aと入賞ライン発光部112とを容易に区別できるようにする機能も有する。また、この位置決め表示部113bには基準部6eを合わせる位置を示す表示として「継ぎ目合わせ部」の表示がなされている。
この位置決め表示部113bは、前面枠2を開放した状態では前方から視認可能となるが、前面枠2を閉鎖した状態では前面パネル9により遮蔽されて前方からは視認できない状態となる。すなわち前面パネル9(詳しくは図柄表示窓5の周囲の装飾領域)が後方の視認を規制する遮蔽部をなす。これにより、表示が遊技者から見えてしまうことを防止することができ、図柄表示窓5の周辺の美観を損ねることがない。
本実施形態では、リール6の基準部6eを、リール6の外周面に巻き付けられた図柄が描画されたシート6dの継ぎ目としている。このようにシート6dの継ぎ目を基準部6eとして利用することで、新たに別途の基準部6eを設ける必要がない。シートの継ぎ目の直上となるコマには、特定の図柄として「7」が配されており(図5参照)、リール6に設けられた基準部6eをこの位置決め部113に合わせることで、特定の図柄(ここでは「7」)が図柄停止ライン(ここでは中段ライン)に整列するようになっている。
すなわち、位置決め部113及び基準部6eが、複数のリール6を回転させて特定の図柄を図柄停止ライン上に並べた状態とするための手動操作を補助(手動図柄揃えアシスト)する手動操作補助手段をなす。これにより、簡単な構造で特定の図柄を図柄停止ライン上に並べた状態とするための手動操作を補助することが可能となる。なお、位置決め部113は、基準部6eを合わせる目安となるものであれば上述のような表示に限らず何でも良い。また、基準部6eはシート6dの継ぎ目の他、リール6の前面に描かれた目印やリール6自体に形成した突起やくぼみなど、位置合わせの基準となるものであれば何でも良い。
また、リール6の基準部6eの位置と位置決め部113の位置は任意に設定可能である。基準部6eと特定の図柄は、前面枠2を開放した状態でリール6の視認可能となる部分に配されていれば良い。すなわち基準部6eが特定の図柄から所定のコマ数の範囲内にあれば良い。そして、この基準部6eに合わせて位置決め部113を設定することが可能である。また、特定の図柄を整列させる図柄停止ラインを中段ライン以外のラインとなるようにしても良い。また特定の図柄は任意に設定可能である。
また、発光ライン設定スイッチ112aの切り替えにより選択可能な図柄停止ラインのそれぞれに応じた位置決め部113を設けるようにしても良い。すなわち、ここでは中段ラインに対応する位置のみに位置決め部113を設けたが、右下がりライン及び左下がりラインに対応する位置にも位置決め部113を設けるようにしても良い。例えば、右下がりラインに対応する位置とは、左リール6aの特定の図柄が上段の位置に合うように基準部6eを合わせる位置及び右リール6cの特定の図柄が下段の位置に合うように基準部6eを合わせる位置である。
以上のことから、複数の図柄を変動表示可能な複数のリール6を有する変動表示装置100と、該変動表示装置100を収容する前面開放凹室状の筐体と、該筐体の前面に開閉可能に支持され、複数のリール6の前面部を視認可能とする窓部(図柄表示窓5)を設けた前面扉(前面枠2)とを備えたスロットマシンにおいて、複数のリール6には、特定の図柄がそれぞれ配されてなり、複数のリール6の前面部を横切るように位置する図柄停止ラインと、複数のリール6を回転させて特定の図柄を図柄停止ライン上に並べた状態とするための手動操作を補助する手動操作補助手段(位置決め部113、基準部6e)と、を備えていることとなる。
ここで、図柄停止ライン(図柄整列ライン)とは、変動表示を停止した各リール6の図柄のうち図柄表示窓5から視認可能となる図柄を結ぶ仮想的なラインである。役の成立を判定するための有効ラインと一致するものであっても良いし、一致しないものであっても良い。
また、手動操作補助手段は、特定の図柄から所定コマ数の範囲内となるようにリールに設けられる基準部6eと、特定の図柄が図柄停止ライン上に位置するように基準部6eの位置決めを行うための位置決め部113と、を備えていることとなる。
ここで、基準部6eは、リール6の前面に描かれた目印やリール6の継ぎ目、リール6自体に形成した突起やくぼみなど、位置合わせの基準となるものであればなんでも良い。また、位置決め部113は、基準部6eをあわせる目安となるものであればなんでも良い。
また、リール6は、長手方向に沿って複数の図柄が描画される短冊状のシート6dを回転体の外周に巻き付けることで構成され、基準部6eは、回転体にシート6dを巻き付けた際に形成されるシート6dの継ぎ目であることとなる。
また、位置決め部113をリール6の周方向に沿って動作可能とする移動機構を設けても良い。移動機構は、リール6の周方向に沿うように上下に延在するレールと該レールに沿って移動可能な移動体とから構成し、移動体に位置決め部113を設ける。これにより特定の図柄を揃える図柄停止ラインを変化させることが可能となる。また、移動体を上段、中段及び下段の各図柄位置に対応するようにコマ幅に合わせて段階的に移動可能とすれば、特定の図柄を揃える図柄停止ラインの変更が容易になる。さらに、位置決め部113を設けた移動体の移動は手動でも良いが、発光ライン設定スイッチ112aの切り替えに応じて自動で移動するようにしても良い。
なお、移動機構は上述のものに限られず、例えば、位置決めライン113aを発光体により構成して予め上段、中段及び下段の各図柄位置に対応するように設け、発光させる位置決めライン113aを変更することで位置決め部113が移動するように制御する機構としても良い。発光させる位置決めライン113aは、発光ライン設定スイッチ112aの設定に応じて選択するようにする。
すなわち、図柄停止ラインは、窓部(図柄表示窓5)に臨む複数のリール6の前面部を横切るように複数設定されてなり、特定の図柄を揃える図柄停止ラインを変化させることが可能なように、位置決め部113を図柄の移動方向に沿って移動可能とする移動機構を備えるようにしても良い。
また、移動機構は、位置決め部113をリール6の周方向に沿って移動可能とするとともに、図柄のコマ幅に対応して段階的に移動させるようにしても良い。
また、位置決め部113のうち、位置決め表示部113bのみが前面パネル9(図柄表示窓5の周囲の装飾領域)により遮蔽されるようにしたが、位置決めライン113aも前面パネル9により遮蔽される位置に配して位置決め部113の全てが前面パネル9により遮蔽されるようにしても良い。これにより、より図柄表示窓5の周辺の美観を高めることができる。
すなわち、前面扉(前面枠2)には、窓部(図柄表示窓5)の周囲に後方の視認を規制する遮蔽部(前面パネル9)を設け、位置決め部113は、前面扉を開いた状態では視認可能である一方、前面扉を閉じた状態では遮蔽部により遮蔽されるようにしても良い。
図4は、スロットマシン1の制御系の概略構成を示すブロック図である。なお、図1で説明した構成要素と同一もしくは相当する構成要素には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図4に示すように、当該スロットマシン1の制御系は、遊技を統括的に制御する遊技制御装置(メイン制御装置)50と、この遊技制御装置50の制御下で遊技の演出に関する制御を統括的に行う演出制御装置(サブ制御装置)70と、これらの制御装置に電力を供給する電源装置40とを備えている。この制御系の構成要素は、それぞれ当該スロットマシン1の筐体内部に配設されている。また、電源装置40は、停電時にRAM50c及びRAM70c(後述)に記憶されたデータが保持されるようにバックアップ電源を供給するよう構成されている。
遊技制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)50a、ROM(Read Only Memory)50b、RAM(Random Access Memory)50c、入出力インタフェース(以下「I/F」という。)50d、内部抽選に用いられる入賞判定用乱数などの各種乱数値を生成する乱数発生器50e等を備えて構成されている。
CPU50aは、制御部や演算部を備え、遊技制御装置50の演算処理装置として各種演算処理やデータの入出力、制御信号の生成などを行う。
ROM50bには、各種処理を実行するための制御プログラムや制御データのほか、内部抽選用の判定値(判定テーブル)等が格納されている。また、ROM50bには、各ゲームにおいてリール6の停止制御を行う際に参照される停止制御テーブルが格納されている。例えば、内部当選した各種入賞に対応する停止制御テーブルや、はずれに対応する停止制御テーブルなどである。停止制御テーブルには、内部当選状態(セットされている当選フラグの状態)に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に最大限に形成させるリール6の引き込み停止制御や内部当選していない各種入賞に対応する図柄組合せを有効ラインから外すリールの蹴飛ばし停止制御を行うためのデータ(最大4コマの滑りコマ数等)が格納されており、リール6の操作停止順、操作タイミングに応じて停止位置が予め設定されている。
RAM50cは、スタート操作に基づきCPU50aがサンプリングした内部抽選用の乱数の記憶領域、各種データ(例えば、クレジット数のデータ、賭数のデータ、内部当選状態のデータ、所定の図柄組合せ態様が導出されることに基づく払い出しに係るデータ、内部抽選の当選確率値を示すデータ等)を一時的に記憶する記憶領域、並びにCPU50aの作業領域を提供する。
I/F50dは、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、メダル投入検出スイッチ51、スタートレバースイッチ52、リール停止スイッチ53(第1リール(左)停止スイッチ53a、第2リール(中)停止スイッチ53b、第3リール(右)停止スイッチ53c)、リール位置検出スイッチ54(左リール位置検出スイッチ54a、中リール位置検出スイッチ54b、右リール位置検出スイッチ54c)、マックスベットスイッチ57、払戻ボタンスイッチ58、払出メダル検出スイッチ59、設定装置60、リセットスイッチ61、扉開閉検出スイッチ62、電波検出スイッチ81、メダル満杯スイッチ82等から出力された各種信号を、CPU50aに対して供給する。
ここで、メダル投入検出スイッチ51は、流路切替ソレノイド(メダルセレクタ)68に設けられてメダル投入口15から投入されたメダルの通過を検出するものであり、この検出情報に基づいてメダルの投入枚数がカウントされる。スタートレバースイッチ52は、スタートレバー21が操作されたことを検出するためのスイッチである。
リール停止スイッチ53の第1リール(左)停止スイッチ53a、第2リール(中)停止スイッチ53b、第3リール(右)停止スイッチ53cは、それぞれに対応するリールストップボタン24a,24b,24cが操作されたことを検出するためのスイッチである。リール位置検出スイッチ54の左リール位置検出スイッチ54a、中リール位置検出スイッチ54b、右リール位置検出スイッチ54cは、それぞれに対応するリール6a,6b,6cの回動位相を検出するためのスイッチである。
マックスベットスイッチ57は、マックスベットボタン17が操作されたことを検出するためのスイッチである。払戻ボタンスイッチ58は、払戻ボタン20が操作されたことを検出するためのスイッチである。払出メダル検出スイッチ59は、メダル払出装置63から払い出されたメダルを検出するものであり、このスイッチからの検出信号を計数することでメダルの払出枚数がカウントされる。
設定装置60は、設定変更操作に基づき、当該スロットマシン1の設定を切り換えるためのものである。この設定装置60により、例えば、1ゲーム毎の内部抽選における各種入賞(役)の当選確率(内部当選確率)が異なる複数の設定(例えば、設定1〜6)の何れかに設定される。
リセットスイッチ61は、例えば、鍵穴23に差し込まれた鍵が前面枠2を開放する時とは逆に回動されたことを検出し、この検出に基づき当該スロットマシン1をリセットするためのスイッチである。なお、遊技制御装置50は、リセットスイッチ61からの検出信号に基づき、例えば、当該スロットマシン1のエラー状態を解除する。また、扉開閉検出スイッチ62は前面枠2の開放状態を検出するためのスイッチである。
電波検出スイッチ81は、異常な電波を検出するためのもので、不正行為を防止するためのものである。メダル満杯スイッチ82は、メダル払出装置63のホッパー内のメダルが満杯であることを検出するものである。
また、I/F50dは、CPU50aから出力された制御信号を、図示しない出力ポート及びドライバを介して、演出制御装置70、クレジット数表示部11、遊技進行表示部12、払出数表示部13、遊技状態表示部18、ベット数表示部19、メダル払出装置63、リール用モータ64(左リール用モータ64a、中リール用モータ64b、右リール用モータ64c)、外部信号出力端子(当該スロットマシン1とは別体で設けられた管理装置等と接続する端子)33、流路切替ソレノイド68等に出力する。これによって、遊技制御装置50による各種構成要素の制御を可能としている。
なお、外部信号出力端子33に出力される制御信号としては、例えば、スタートレバー21の操作時に出力される賭数を示す信号(遊技メダル投入信号)、メダルの払い出し時に出力される払い出されたメダル数を示す信号(遊技メダル払出信号)、プレミアムボーナス状態中であることを示す信号(PB信号)、ビッグボーナス状態中であることを示す信号(BB信号)、レギュラーボーナス状態中であることを示す信号(RB信号)、リプレイタイム状態中であることを示す信号(RT信号)、前面枠2が開放された時又は設定変更時に出力される信号(セキュリティ信号)等がある。
遊技制御装置50は、例えば、CPU50aが所定サイクル時間毎に乱数を更新(例えば、+1)し、スタートレバースイッチ52による検出タイミングで、その時点の乱数をサンプリングする制御を行い、サンプリングされた乱数を内部抽選用の乱数として内部抽選を行う。また、遊技制御装置50は、内部抽選結果と、リールストップボタン24a,24b,24cの停止操作タイミングとに基づいて、対応する停止制御テーブルを参照し、リール用モータ64a,64b,64cの動作を制御することにより、図柄表示窓5に所定の図柄が停止表示されるようにリール6a,6b,6cを停止させる。なお、乱数発生器50eにより発生された乱数をサンプリングするようにしても良い。
さらに、遊技制御装置50は、内部当選した入賞(役)に対応する図柄組合せ態様を構成する図柄が、有効ラインに到達する前に停止操作が行われた場合には、リール6a,6b,6cを停止させるタイミングを遅らせて当該図柄が有効ライン上に停止表示されるようにする、いわゆる引き込み停止制御を行う。また、内部当選していない入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に形成されるタイミングで停止操作が行われた場合に、リール6a,6b,6cを停止させるタイミングを遅らせて、有効ライン上に形成されうる図柄組合せ態様を構成する図柄が有効ラインを通り過ぎるようにする、いわゆる蹴飛ばし停止制御を行う。なお、遊技制御装置50による引き込み停止制御、蹴飛ばし停止制御において、停止タイミングを変化可能とする(遅延させる)時間値は予め定められており、通常(1リールにつき21コマの場合)は停止操作が行われた位置から所定の図柄数(例えば、4コマ)の範囲内で引き込んだり蹴飛ばしたりすることが可能な時間値となっている。
一方、演出制御装置70は、CPU70a、ROM70b、RAM70c、I/F70d等を備えて構成されている。この演出制御装置70は、遊技制御装置50から供給される遊技に関する情報に基づいて、画像表示装置(液晶表示装置)3における演出表示の制御、バックライト111や枠発光装置7やスピーカ4による演出の制御等を行う。すなわち、演出制御装置70が、バックライト111の発光制御を行うことが可能なバックライト制御手段をなす。また、スピーカ4による演出等を行う際の音量の設定は、演出制御装置70に接続された音量ボリュームスイッチ69によって行うことができるようになっている。
また、演出制御装置70は、遊技制御装置50から供給される遊技に関する情報に基づいて、ストップボタンLED66や入賞ライン発光部112や可動演出装置8の制御を行う。さらに、発光ライン設定スイッチ112aからの入力情報に基づき、前面枠2を開放した際に所定の入賞ライン発光部112を点灯させる制御や、演出ボタン10からの入力情報に基づき、演出態様を変化させる制御等を行う。すなわち、演出制御装置70が、操作部発光手段(ストップボタンLED66)の発光制御を行うことが可能な操作部発光制御手段をなす。なお、ストップボタンLED66は、停止有効コマンドの受信に基づき有効報知点灯状態となり、停止コマンドの受信に基づき無効報知点灯状態となる。なお、無効報知点灯状態を消灯状態としても良い。
ここで、遊技制御装置50から供給される遊技に関する情報には、スタートレバー21が操作されてゲームが開始された時点で出力される賭数情報(例えば、賭数に応じたパルス数を出力し、賭数とゲーム数とを伝達する情報)、内部抽選による抽選結果を示す内部当選情報、現在の遊技状態(通常状態、特別遊技状態、RT状態1,2等)を示す遊技状態情報、変動表示中のリール6に対応するリールストップボタン24が操作されたことを示すリール停止情報等が含まれる。
I/F70dは、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、遊技制御装置50から入力された各種信号や、発光ライン設定スイッチ112a、演出ボタンスイッチ10aからの入力信号をCPU70aに対して出力する。また、I/F70dは、CPU70aから入力された制御信号を、図示しない出力ポート及びドライバを介して、画像表示装置3、スピーカ4、可動演出装置8、ランプやLEDなどからなる枠発光装置7、ストップボタンLED66、LEDなどからなるバックライト111、入賞ライン発光部112等に出力する。これによって、演出制御装置70による画像表示装置3やスピーカ4などの制御を可能としている。
これにより、例えば演出制御装置70は、画像表示装置3に小役入賞の予告表示や、特別入賞の告知表示、演出表示(1ゲームで完結するものや複数ゲームにわたるもの)などを表示する制御を行う。また、演出制御装置70は、前面枠2に設けられている枠発光装置7での発光による装飾や、スピーカ4での音声による演出を行う。なお、上述した遊技制御装置50と演出制御装置70との間の通信は、遊技制御装置50から演出制御装置70へ向かう一方向にのみ制御信号の送信が可能な形態になっており、これによって遊技制御装置50に不正な信号が入力されるのを防止している。
ここで、本実施形態のスロットマシン1における遊技の進行について簡単に説明する。スロットマシン1においてゲームを行う場合、遊技者は、まずメダルをメダル投入口15から投入するか、或いはマックスベットボタン17を操作して、賭数を入力する(賭入力)。賭入力が行われると、有効ラインが設定され、スタートレバー21の操作が有効な状態、すなわちゲームを開始可能な状態となる。そして、スタートレバー21を操作すると、遊技制御装置50において内部抽選処理がなされて入賞(役)の当選/非当選が決定されるとともに、リール6a,6b,6cの変動が開始される。
所定時間経過後、停止操作が有効となったリールストップボタン24a,24b,24cの操作に基づいて、リール6a,6b,6cの回転が停止され、図柄表示窓5に所定の図柄が表示される。そして、内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に入賞が成立し、この入賞に対応するメダルが払い出される。以上で一区切りのゲームが終了し、以降、この操作を繰り返すことによってゲームを進行させるようになっている。
図5には、スロットマシン1が備えるリール6a,6b,6cの外周面に巻きつけられるシート6dにおける図柄の配列の一例を示した。図5に示されているように、シート6dには、「7」、「BAR」、「ベル」、「白スイカ」、「黒スイカ」、「白チェリー」、「黒チェリー」、「白リプレイ」、「黒リプレイ」、「REP」の識別可能な10種類の図柄が所定の順序で配置されている。各シート6dの上下端部は、リール6に巻きつけた際に継ぎ目となる部分である。この部分が上述した位置合わせのための基準部6eをなし、この基準部6eの直上のコマに特定の図柄として「7」が配されている。
図6には、本実施形態のスロットマシン1における入賞(役)の種類、各入賞に対応する図柄組合せ態様及び入賞内容が示されている。本実施形態のスロットマシン1では、特別入賞としてプレミアムボーナス入賞(PB入賞)、ビッグボーナス1入賞(BB1入賞)、ビッグボーナス2入賞(BB2入賞)、レギュラーボーナス入賞(RB入賞)が定められている。各特別入賞の当選フラグ(内部抽選に当選したときにセットされるフラグ)は区別して扱われる。なお、特別入賞に内部当選した場合は、内部当選したゲームで当該特別入賞を成立できなくても、当選フラグは次ゲームに持ち越され、以降のゲームにおいて特別入賞を成立させることができる。
特別入賞の成立に伴うメダルの払い出しは0枚であるが、PB入賞、BB1入賞、BB2入賞又はRB入賞が成立した場合は、それぞれに対応した特別遊技状態であるPB状態、BB1状態、BB2状態又はRB状態が発生する。この特別遊技状態では、通常遊技状態よりも小役入賞の内部当選確率が高確率となる判定テーブルを使用したゲームが実行され、当該特別遊技状態での払い出し枚数が所定数を超えることや、所定回数のゲームを実行することにより当該特別遊技状態が終了するようになっている。なお、特別遊技状態においては、メダルの総払出数が規定数となるまでJACゲーム(JACイン入賞が成立すると所定の入賞役の内部当選確率が高確率となるゲーム)を繰り返し実行するようにしてもよく、また、JACゲームと小役入賞の内部当選確率が高確率となるゲームとを組み合わせて実行するようにしてもよい。
また、本実施形態のスロットマシン1では、小役入賞としてシングルボーナス入賞(SIN入賞)、ベル入賞、リプベル入賞、1枚役入賞、通常リプレイ入賞、特殊リプレイ1(昇格)入賞、特殊リプレイ2(突入)入賞、特殊リプレイ3(降格)入賞、10枚役入賞、3枚役入賞が定められている。なお、リプベル入賞は、RB入賞の成立に基づき開始されるRB状態でのみ成立可能であり、10枚役はPB入賞成立に基づき開始されるPB状態でのみ成立可能である。これらの小役入賞のうちリプレイ入賞以外の役は、成立することで役に応じた枚数のメダルが払いだされる。またリプレイ入賞が成立した場合はメダルの払い出しは0枚であるが、改めて賭操作することなくゲームを実行できる再遊技(リプレイゲーム)が付与される。
また、上記の小役入賞には、導出される有効ライン(ここでは中段ラインと、ナナメライン(右上がり又は右下がりライン))によってさらに区別される(別フラグとされる)ものもある。また、所定のリールストップボタン24の操作順(押し順)でなければ成立しないものもある。例えば、ベル入賞は、中段ラインに導出されるものと、ナナメライン(右上がり又は右下がりライン)に導出されるもので区別されている。さらに、ナナメラインに導出されるベル入賞は、所定の押し順でなければ成立しないものがある。以下の説明では中段ラインに導出されるベル入賞を中段ベル入賞と称し、ナナメラインに導出されるものをナナメベル入賞と称して区別することがある。
また、3枚役の図柄組合せのうち、左リール6aがチェリーで右リール6cが黒リプレイ以外とされた図柄組合せや、白又は黒スイカで構成される図柄組合せも、中段ラインに導出されるものと、ナナメライン(右上がり又は右下がりライン)に導出されるもので区別されている。また、3枚役で図柄組合せの左リール6aがベルであるものは、右下がりラインにのみ導出可能であり、この場合は上段ラインに見た目上ベルが並ぶようになっており、以下の説明ではこの入賞を上段ベル入賞と称することがある。
また、リプレイ入賞にも所定の押し順でなければ成立しないものがあり、中段ラインに導出されるものと、ナナメライン(右上がり又は右下がりライン)に導出されるもので区別されているものがある。例えば、特殊リプレイ入賞1から3は所定の押し順でなければ成立しない。さらに、特殊リプレイ入賞2は、中段ラインに導出されるものと、ナナメラインに導出されるもので区別されている。
小役入賞に内部当選した場合は、内部当選したゲームでのみ当該小役入賞を成立させることができる。すなわち、停止操作のタイミングにより、小役入賞の種類によっては図柄配列の関係上4コマの引き込み停止制御を行ったとしても当該小役入賞を成立させることができない場合や、押し順があっていないことによって当該小役入賞を成立させることができない場合がある小役入賞があり、このような小役入賞に内部当選して当該小役入賞を成立させることができなかった場合(いわゆる取りこぼし)、この小役入賞の当選フラグはクリアされ、次ゲームには持ち越されない。また、小役入賞が複合して成立することもあるが、1ゲームでの最大払出枚数は15枚とされている。
本実施形態のスロットマシン1では、同一ゲームにおいて、特別入賞と所定の小役入賞(図8参照)とが重複して内部当選可能となっている。また、特別入賞に内部当選したゲーム以降のゲームであって当選フラグが持ち越されているゲームで小役入賞に当選した場合に、有効ライン上に導出される入賞の優先順位は、リプレイ入賞>リプレイ入賞以外の小役入賞>特別入賞とされている。すなわち、特別入賞の当選フラグが持ち越されていても、小役入賞に内部当選している場合は当該小役入賞の成立が優先され、当該小役入賞が成立するように引き込み停止制御がなされる。
遊技制御装置50における内部抽選により、上記何れかの入賞に内部当選すると、この内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様が所定の有効ライン上に導出可能とされる。一方、何れの入賞にも内部当選しない場合にははずれとなり、入賞に対応する図柄組合せ態様は有効ライン上に形成されない。
図7には、特別入賞に内部当選した場合に導出可能となる出目であるリーチ目の一例を示した。図7(a)、(b)に示す1確目は、左リール6aのみの変動を停止した時点で成立するリーチ目であり、図7(c)に示す2確目は、左リール6a及び右リール6cのみの変動を停止した時点で成立するリーチ目である。また、図7(d)から(h)に示す3確目は、全てのリール6a,6b,6cの変動を停止した時点で成立するリーチ目である。
図8には、レア小役(レア役)の停止型の一例を示した。これらのレア小役はBB1入賞、BB2入賞又はRB入賞と重複して内部当選する可能性がある小役入賞である。なお、図中「ANY」とは当該リール6の停止型を問わないという意味である。また、図8(a)、(c)における左リール6a、右リール6cのスイカは黒スイカであっても良い。また、図8(d)における右リール6cの中段は、黒リプレイ以外の図柄という意味である。
図9には、本実施形態のスロットマシン1において発生し得る内部抽選役の一覧を示した。小役入賞には、小役入賞が単独で当選する単独当選の他、他の小役入賞や特別入賞と重複して当選する重複当選がある。なお、3枚役AからEやベルG,1枚役A,Bのように「重複当選あり」と記載しているものは単独当選を含むことを意味している。また、3枚役C(中段チェリー)は、BB入賞と重複して当選しない場合には、成立した小役の導出をアシストするAT状態への移行権利であるAT権利が発生してストックされる。
ここに示されている内部抽選役には、押し順によって成立の可否が決定されるものがある。例えば、昇格リプレイAからFは何れも特殊リプレイ1入賞であるが、それぞれ所定の押し順でなければ成立しない(取りこぼす)ものである。また、突入リプレイAからFは何れも特殊リプレイ2入賞であるが、それぞれ所定の押し順でなければ成立しないものである。なお、突入リプレイAからFはさらに中段ラインに導出されるものと、ナナメライン(右上がり又は右下がりライン)に導出されるもので区別されている(別フラグとされている)。
また、上乗せナナメリプレイ、上乗せ中段リプレイは何れも特殊リプレイ2入賞である。これらの上乗せナナメリプレイと上乗せ中段リプレイも所定の押し順でなければ成立しないものであり、それぞれ押し順の異なる6種類が含まれている。なお、特殊リプレイ入賞2は、成立した小役の導出をアシストするAT状態への突入の契機となることから基本的には突入リプレイ入賞と称するが、成立時の遊技状態によってはAT権利の獲得やAT状態とするゲーム数の上乗せの契機となることがあり、この場合は上乗せリプレイ入賞と称することがある。
また、転落リプレイAからFは何れも特殊リプレイ3入賞であるが、それぞれ所定の押し順でなければ成立しないものである。また、ベルAからF(ナナメベル)は何れもベル入賞であるが、それぞれ所定の押し順でなければ成立しないものである。
特別入賞役のうち、PB入賞は単独当選のみであり、BB1入賞、BB2入賞及びRB入賞は単独当選の他、レア小役との重複当選がある。レア小役とは3枚役AからE(弱、強、中段チェリー、弱、強スイカ)、ベルG(中段ベル)、1枚役(チャンス目A,B)である。なお、レア小役として、何れの入賞にも内部当選しない純ハズレを含んでも良い。
図10は、本実施形態のスロットマシン1における遊技状態を説明するための状態遷移図である。本実施形態のスロットマシン1における遊技状態には、大きく分けて通常遊技状態ST10と、特別入賞が成立することにより移行する特別遊技状態ST20と、特別遊技状態ST20で特定条件が成立して当該特別遊技状態が終了した後又は通常遊技状態ST10で特定条件が成立することにより移行する特定遊技状態ST30とがある。特定遊技状態ST30は通常遊技状態ST10よりも遊技者にとって有利な状態である。
通常遊技状態ST10には、AT権利の獲得抽選における当選確率(AT権利獲得の確率)が低確率の低確状態ST11と、低確状態ST11よりも確率が高い高確状態ST12と、高確状態ST12よりも確率が高い超高確状態ST13とがある。この内部状態の移行は抽選により行われる。
通常遊技状態ST10で、特別入賞であるPB入賞、BB1入賞、BB2入賞又はRB入賞に内部当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立すると、特別遊技状態ST20に移行する。具体的には、PB入賞に内部当選して対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立すると、PB状態ST21に移行する。BB1入賞に内部当選して対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立すると、BB1状態ST22に移行する。BB2入賞に内部当選して対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立すると、BB2状態ST23に移行する。RB入賞に内部当選して対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立すると、RB状態ST24に移行する。
また、通常遊技状態ST10で、AT権利のストックがあり(ATストックあり)、ATを発動させるまで実行される前兆ゲームの消化が終了した移行条件を充足した場合は、特定遊技状態ST30の準備AT状態ST34に移行する。また、通常遊技状態ST10で、昇格リプレイ(特殊リプレイ1)に内部当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立することで移行条件が成立した場合は、特定遊技状態ST30の移行チャンス状態ST31に移行する。
また、特別遊技状態ST20が終了した場合は、AT権利のストックがあれば特定遊技状態ST30の準備AT状態ST34に移行し、AT権利のストックがなければ通常遊技状態ST10に移行する。なお、特別遊技状態ST20ではAT権利を獲得するための抽選が行わるようになっている。
特定遊技状態ST30の移行チャンス状態ST31では、通常遊技状態ST10よりもリプレイ入賞の内部当選確率が高確率となる(RT状態)。これにより、メダルの消費量を抑えてゲームを重ねることが可能となる。したがって、小役入賞の成立により得られる遊技価値を増加させながら特別入賞への当選を期待できる。移行チャンス状態ST31で移行条件が成立すると、ART(アシストリプレイタイム)状態ST35に移行する。なお、移行条件が成立した場合とは、新たなAT権利の獲得、かつ、突入リプレイ(特殊リプレイ2)に内部当選して対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立した場合である。ここで、新たなAT権利を獲得した場合にART待機状態ST33に移行するようにしてもよい。
一方、移行チャンス状態ST31で違反の発生による転落条件が成立すると通常遊技状態ST10に移行する。なお、違反の発生による転落条件の成立とは、転落リプレイ(特殊リプレイ3)入賞又はSIN入賞が成立した場合や、所定の押し順でなければ成立しないベル入賞を取りこぼした場合(押し順ベルこぼし)である。また、特定遊技状態ST30の何れの状態であっても、特別入賞に内部当選して対応する図柄組合せ態様が導出されると特別遊技状態ST20に移行する。
ART状態ST35では、規定ゲーム数の範囲内で通常遊技状態ST10よりもリプレイ入賞(通常リプレイ入賞)の内部当選確率が高確率となる(RT状態)とともに、成立小役の導出がアシスト(SIN入賞の場合は成立の回避がアシスト)される(AT状態)。なお、1ゲームあたりのメダル増加期待値は、約1.5枚である。ART状態ST35にはART状態1ST35aとART状態2ST35bがあり、AT権利の種類により何れか一方が選択されるようになっている。
ART状態1ST35aでは、1つのAT権利に対して1セット(30ゲーム)のART状態が実行される。また、ART状態の継続はセット数の上乗せのみとなっている。すなわち新たなAT権利を獲得すればこれに応じたセット数が上乗せされる。ART状態2ST35bでは、1つのAT権利に対して1セット(30ゲーム)のART状態が実行可能であり、さらに、このART状態で実行可能なゲーム数を上乗せすることが可能である。
ゲーム数が上乗せされる期間としては上乗せゾーン1ST35b1と上乗せゾーン2ST35b2がある。上乗せゾーン1は可変ゲーム数上乗せであって、毎ゲームで上乗せ抽選を行い、抽選結果に応じて5〜100ゲームの上乗せが行われる。この上乗せゾーン1は2〜25ゲーム継続するようになっている。上乗せゾーン2は固定ゲーム数上乗せであって、毎ゲームで上乗せ抽選と上乗せゾーン2の継続抽選を行い、上乗せ抽選に当選した場合には100ゲームの上乗せが行われ、継続抽選に当選した場合に上乗せゾーン2が継続する。
このART状態ST35で規定ゲーム数が消化され、AT権利のストックもない状態となる降格条件が成立した場合は、移行チャンス状態ST31に移行する。一方、ART状態ST35で、規定ゲーム数が消化されたがAT権利のストックがある状態となる移行条件が成立した場合は、ART待機状態ST33に移行する。また、ART状態ST35で、違反の発生による降格条件が成立すると救済AT状態ST32に移行する。なお、違反の発生による降格条件の成立とは、転落リプレイ(特殊リプレイ3)入賞又はSIN入賞が成立した場合や、所定の押し順でなければ成立しないベル入賞を取りこぼした場合(押し順ベルこぼし)である。
救済AT状態ST32では、ART状態ST35で未消化となったゲーム数の範囲内で成立小役の導出がアシストされるが、リプレイ入賞の内部当選確率は通常遊技状態ST10と同等とされる。したがって、小役入賞の成立により得られる遊技価値を増加させながら特別入賞への当選を期待できるが、1ゲームあたりのメダル増加期待値はART状態ST35よりも低い期待値となっている。
この救済AT状態ST32で昇格条件が成立した場合は、ART待機状態ST33に移行する。なお、昇格条件が成立した場合とは、昇格リプレイ(特殊リプレイ1)に内部当選して対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立した場合である。一方、救済AT状態ST32で転落条件が成立した場合は通常遊技状態ST10に移行する。ここでの転落条件の成立とは、違反(転落リプレイ(特殊リプレイ3)入賞又はSIN入賞の成立、所定の押し順でなければ成立しないベル入賞の取りこぼし(押し順ベルこぼし))の発生又はART状態35で設定されたゲーム数を消化した場合である。
ART待機状態ST33では、ART状態ST35と同様に、通常遊技状態ST10よりもリプレイ入賞の内部当選確率が高確率となるゲームが実行されるとともに、成立小役の導出をアシストするゲームが実行される。なお、1ゲームあたりのメダル増加期待値は、約1.5枚であり、ART状態ST35と同じ期待値となっている。
このART待機状態ST33で、突入リプレイ(特殊リプレイ2)に内部当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立した移行条件が成立した場合は、ART状態35に移行する。一方、ART待機状態ST33で、違反(転落リプレイ(特殊リプレイ3)入賞又はSIN入賞の成立、所定の押し順でなければ成立しないベル入賞の取りこぼし(押し順ベルこぼし))の発生による転落条件が成立した場合は、通常遊技状態ST10に移行する。
準備AT状態ST34では、成立小役の導出をアシストするゲームが実行されるが、リプレイ入賞の内部当選確率は通常遊技状態ST10と同等とされる。したがって、小役入賞の成立により得られる遊技価値を増加させながら特別入賞への当選を期待できるが、1ゲームあたりのメダル増加期待値はART状態ST35よりも低い期待値となっている。また、成立小役の導出のアシストは、所定の押し順でなければ成立しないベル入賞を取りこぼした(押し順ベルこぼし)ゲームの次ゲームから開始される。
この準備AT状態ST34で昇格条件が成立した場合は、ART待機状態ST33に移行する。なお、昇格条件が成立した場合とは、昇格リプレイ(特殊リプレイ1)に内部当選して対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立した場合である。一方、準備AT状態ST34で違反の発生による転落条件が成立した場合は通常遊技状態ST10に移行する。ここでの違反の発生による転落条件の成立とは、転落リプレイ(特殊リプレイ3)入賞又はSIN入賞の成立、所定の押し順でなければ成立しないベル入賞を取りこぼした(押し順ベルこぼし)である。ただし、アシスト開始前は押し順ベルこぼしが発生しても転落条件の成立とはらなない。
図11には、遊技制御装置50での遊技状態の遷移を説明するための状態遷移図を示した。通常状態ST40はRT状態ではない非RT状態であって、通常リプレイ、昇格リプレイ(特殊リプレイ1)、突入リプレイ(特殊リプレイ2)、転落リプレイ(特殊リプレイ3)の当選確率は低確率状態となっており、これらのリプレイ入賞を合算した当選確率は内部抽選における1/8となっている。なお、図10では対応する箇所に非RT状態と記載している。
詳細には、通常リプレイの当選確率は通常確率である。また、昇格リプレイと転落リプレイとの重複当選が所定の確率(例えば内部抽選における1/15)で発生し、押し順を当てられれば昇格リプレイや転落リプレイを成立させることが可能である。突入リプレイは、当選しない又は超低確率(例えば内部抽選における1/1000)で通常リプレイと重複当選するが突入リプレイの成立は第1停止が右リール6cである押し順の場合だけ可能とされている。上乗せリプレイと通常リプレイの重複当選は超低確率(例えば内部抽選における1/1000)で発生し、押し順を当てられれば上乗せリプレイや通常リプレイを成立させることが可能となっている。上乗せリプレイが成立した場合は、新たなAT権利の発生又はART状態のゲーム数の上乗せが行われる。
通常状態ST40で、昇格リプレイ(特殊リプレイ1)に内部当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立した昇格条件が成立するとRT状態1ST41に移行する。このRT状態1ST41はリプレイ入賞の当選確率が通常状態ST40よりも高いRT状態であって、昇格リプレイ(特殊リプレイ1)、突入リプレイ(特殊リプレイ2)、転落リプレイ(特殊リプレイ3)の当選確率は通常状態ST40よりも高い高確率状態とされ、通常リプレイの当選確率は通常状態ST40と同じ確率状態となっており、これらのリプレイ入賞を合算した当選確率は内部抽選における1/1.5となっている。なお、図10では対応する箇所にRT状態1と記載している。なお、通常リプレイの当選確率を通常状態ST40よりも高くしても良い。
詳細には、通常リプレイの当選確率は通常確率である。また、昇格リプレイと転落リプレイとの重複当選が超高確率(例えば内部抽選における1/2)で発生し、押し順を当てられれば昇格リプレイや転落リプレイを成立させることが可能である。また、突入リプレイと転落リプレイとの重複当選が高確率(例えば内部抽選における1/10)で発生し、押し順を当てられれば突入リプレイや転落リプレイを成立させることが可能である。上乗せリプレイと通常リプレイの重複当選は超低確率(例えば内部抽選における1/1000)で発生し、押し順を当てられれば上乗せリプレイや通常リプレイを成立させることが可能となっている。上乗せリプレイが成立した場合は、新たなAT権利の発生又はART状態のゲーム数の上乗せが行われる。
このRT状態1ST41で、転落条件が成立すると、通常状態ST40に移行する。この転落条件の成立とは、違反(転落リプレイ(特殊リプレイ3)入賞又はSIN入賞が成立した場合や、所定の押し順でなければ成立しないベル入賞を取りこぼした場合(押し順ベルこぼし))の発生や、ボーナス入賞(特別入賞)の当選である。なお、ボーナス入賞の当選と成立が同一ゲームで発生した場合は特別遊技状態ST43に移行する。
また、RT状態1ST41で、突入リプレイ(特殊リプレイ2)に内部当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立した移行条件が成立すると、RT状態2ST42に移行する。このRT状態2ST42はリプレイ入賞の当選確率が通常状態ST40よりも高いRT状態であって、通常リプレイの当選確率は通常状態ST40よりも高い高確率状態とされ、昇格リプレイ(特殊リプレイ1)、突入リプレイ(特殊リプレイ2)、転落リプレイ(特殊リプレイ3)の当選確率は通常状態ST40と同じ確率状態となっており、これらのリプレイ入賞を合算した当選確率は内部抽選における1/1.5となっている。なお、図10では対応する箇所にRT状態2と記載している。
詳細には、通常リプレイの当選確率は通常状態ST40やRT状態1ST41よりも高い超高確率である。昇格リプレイは、当選しない又は超低確率(例えば内部抽選における1/1000)で通常リプレイと重複当選するが昇格リプレイの成立は第1停止が右リール6cである押し順の場合だけ可能とされている。また、突入リプレイと通常リプレイとの重複当選が高確率(例えば内部抽選における1/10)で発生し、この場合は6通りの押し順から選択される1通りで突入リプレイが成立し、これ以外の押し順で通常リプレイが成立する。また、転落リプレイと通常リプレイとの重複当選が高確率(例えば内部抽選における1/10)で発生し、この場合は6通りの押し順から選択される5通りで転落リプレイが成立し、これ以外の押し順で通常リプレイが成立する。上乗せリプレイと通常リプレイの重複当選は低確率(例えば内部抽選における1/100)で発生し、押し順を当てられれば上乗せリプレイや通常リプレイを成立させることが可能となっている。上乗せリプレイが成立した場合は、新たなAT権利の発生又はART状態のゲーム数の上乗せが行われる。
このRT状態2ST42で、転落条件が成立すると、通常状態ST40に移行する。この転落条件の成立とは、違反(転落リプレイ(特殊リプレイ3)入賞又はSIN入賞が成立した場合や、所定の押し順でなければ成立しないベル入賞を取りこぼした場合(押し順ベルこぼし))の発生や、ボーナス入賞(特別入賞)の当選である。なお、ボーナス入賞の当選と成立が同一ゲームで発生した場合は特別遊技状態ST43に移行する。
通常状態ST40でボーナス入賞(特別入賞)が成立すると特別遊技状態ST43に移行する。なお、RT状態1ST41やRT状態2ST42でボーナス入賞の当選と成立が同一ゲームで発生した場合は、通常状態ST40を経ずに特別遊技状態ST43に移行する。この特別遊技状態ST43において、成立した特別入賞の種類に応じた終了条件が満たされてボーナスが終了した場合は、通常状態ST40に移行する。なお、特別遊技状態中を除き、リプレイ入賞以外の入賞(小役入賞、特別入賞)の当選確率は常に一定である。また、特別入賞が成立したらRT状態2ST42に移行させるようにしても良い。
図12には、演出制御装置70での遊技状態の遷移を説明するための状態遷移図を示した。成立小役の導出をアシストしない非アシスト状態ST50では、AT権利の獲得抽選におけるAT権利獲得の確率が低確率の低確状態と、低確状態よりも確率が高い高確状態と、高確状態よりも確率が高い超高確状態とがあり、モード移行条件が成立することで状態が移行するようになっている。モード移行条件は、例えばレア小役当選時に行われる抽選に当選することである。この非アシスト状態ST50は、図10での通常遊技状態に対応する。
非アシスト状態ST50で、昇格リプレイ(特殊リプレイ1)に内部当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立することで移行条件が成立した場合は、移行チャンス演出状態ST51に移行する。移行チャンス演出状態ST51では成立小役の導出のアシストは行われない。この移行チャンス演出状態ST51は、図10での移行チャンス状態ST31に対応する。
この移行チャンス演出状態ST51で移行条件が成立した場合は、特定アシスト状態ST55に移行する。この移行条件とは、新たなAT権利の獲得、かつ、突入リプレイ(特殊リプレイ2)に内部当選して対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立することである。また、移行チャンス演出状態ST51で違反の発生による転落条件が成立した場合は、非アシスト状態ST50に移行する。この違反の発生による転落条件の成立とは、転落リプレイ(特殊リプレイ3)入賞又はSIN入賞が成立した場合や、所定の押し順でなければ成立しないベル入賞を取りこぼした場合(押し順ベルこぼし)である。
また、非アシスト状態ST50においてAT権利を獲得した場合(天井への到達によりAT権利を獲得した場合も含む)は、前兆遊技状態ST52に移行する。この前兆遊技状態ST52は、図10での通常遊技状態に対応する。なお、前兆遊技状態ST52ではAT権利の獲得抽選における権利獲得の確率が低確率の低確状態となる。この前兆遊技状態ST52では、ART状態が発生することを示唆する本前兆演出が行われる。この本前兆演出の継続ゲーム数は11,13,15,17又は19ゲームのうちから選択可能となっている。
この前兆遊技状態ST52で前兆ゲーム数を消化した場合はアシスト待機状態ST53に移行する。このアシスト待機状態ST53は、図10での準備AT状態ST34におけるアシスト開始前の状態に対応する。なお、アシスト待機状態ST53ではAT権利の獲得抽選における権利獲得の確率が低確率の低確状態となる。このアシスト待機状態ST53では、ATが開始されることを報知する画面を表示する演出が行われる。このアシスト待機状態ST53において、所定の押し順でなければ成立しないベル入賞を取りこぼす押し順ベルこぼしが発生した場合は、移行アシスト状態ST54に移行する。
また、アシスト待機状態ST53において、転落条件が成立し、AT権利のストックがある場合は前兆遊技状態ST52に移行する。ここでの転落条件は、転落リプレイ(特殊リプレイ3)入賞又はSIN入賞の成立である。また、アシスト待機状態ST53において、転落条件が成立し、AT権利のストックがない場合は非アシスト状態ST50に移行する。ここでの転落条件は、転落リプレイ(特殊リプレイ3)入賞又はSIN入賞の成立である。なお、アシスト待機状態ST53では、SIN入賞の回避をアシストする情報は報知されるが、押し順ベルの成立をアシストする情報は報知されない。
移行アシスト状態ST54は、昇格リプレイ、突入リプレイ、押し順ベル入賞の成立及びSIN入賞の回避をアシストする情報が報知される状態である。なお、AT権利の獲得抽選における権利獲得の確率が低確率の低確状態となる。この移行アシスト状態ST54は、図10での救済AT状態ST32、ART待機状態ST33、準備AT状態ST34におけるアシスト開始後の状態に対応する。この移行アシスト状態ST54において移行条件が成立した場合は特定アシスト状態ST55に移行する。この移行条件とは、突入リプレイ(特殊リプレイ2)に内部当選して対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立することである。
特定アシスト状態ST55は成立小役の導出がアシストされる状態である。なお、SIN入賞の場合は成立の回避がアシストされる。また、特定アシスト状態では、ゲーム数固定アシスト状態ST55aとゲーム数可変アシスト状態ST55bの何れかの状態となる。この特定アシスト状態ST55は、図10でのART状態ST35に対応するものであり、ゲーム数固定アシスト状態ST55aはART状態1ST35aに対応し、ゲーム数可変アシスト状態ST55bはART状態2ST35bに対応する。
ゲーム数固定アシスト状態ST55aでは、AT権利の獲得抽選における権利獲得の確率が低確率の低確状態と、低確状態よりも確率が高い高確状態と、高確状態よりも確率が高い超高確状態とがあり、モード移行条件が成立することで状態が移行するようになっている。モード移行条件は、例えばレア小役当選時に行われる抽選に当選することである。そして、上記の抽選状態に応じた確率でAT権利の獲得抽選が行われ、新たなAT権利を獲得した場合はセット数が上乗せされ、1セットにつき30ゲームの特定アシスト状態ST55が実行可能となる。
ゲーム数可変アシスト状態ST55bでは、通常ゾーンST55b0と特化ゾーン1ST55b1、特化ゾーン2ST55b2の状態があり、ゾーン移行条件が成立することでゾーンが移行する。特化ゾーン1ST55b1は図10での上乗せゾーン1ST35b1に対応するものであり、特化ゾーン2ST55b2は図10での上乗せゾーン2ST35b2に対応するものである。
この特定アシスト状態ST55で、違反の発生による降格条件が成立すると移行アシスト状態ST54に移行する。なお、違反の発生による降格条件の成立とは、転落リプレイ(特殊リプレイ3)入賞又はSIN入賞が成立した場合や、所定の押し順でなければ成立しないベル入賞を取りこぼした場合(押し順ベルこぼし)である。また、特定アシスト状態ST55で、規定ゲーム数が消化されたがAT権利のストックがある場合も移行アシスト状態ST54に移行する。また、特定アシスト状態ST55で、規定ゲーム数が消化され、AT権利のストックもない状態となると、移行チャンス演出状態ST51に移行する。
以上の図12に示した演出制御装置70での遊技状態の遷移と、図11に示した遊技制御装置50での遊技状態の遷移とが複合することにより、図10に示した遊技状態の遷移が実現されるようになっている。すなわち、遊技制御装置50及び演出制御装置70が、予め定めた移行役の入賞が成立したことに基づき、遊技状態を通常遊技状態と該通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態とに切り替えることが可能な遊技状態切替手段をなす。また、移行役には、遊技状態を特定遊技状態に切り替えるための昇格役と、遊技状態を通常遊技状態に切り替えるための降格役とが含まれていることとなる。昇格役としては昇格リプレイ入賞が挙げられる。また、アシストのない移行チャンス状態ST31からアシストのあるART状態ST35への移行の契機となる突入リプレイ入賞も遊技者に有利な状態へ切り替えるための昇格役に含めることができる。降格役としては、転落リプレイ入賞、SIN入賞が挙げられる。また、取りこぼしによりRT状態が終了するなど遊技者に不利な状態となる押し順ベル入賞も降格役に含めることができる。
図13には、各特別入賞に基づく特別遊技状態でのAT権利の獲得態様について示した。図13(a)に示すように、PB入賞が成立した場合はART状態2ST35bに対応するAT権利がストックされる。また、PB入賞の成立に基づき開始されるPB状態ST21では、BARが揃う度にART状態2ST35bで実行可能なゲーム数として30ゲームが加算される。このPB状態は、BARが揃わずに10枚役が3回導出されることにより終了する。
図13(b)に示すように、BB1入賞の成立に基づき開始されるBB1状態では、特殊リプレイ2入賞(上乗せリプレイ入賞)が成立する度にART状態1ST35a又はART状態2に対応するAT権利がストックされる。黒リプレイが斜めに揃った場合(ナナメ上乗せリプレイ入賞の成立)はART状態1ST35aに対応するAT権利がストックされる。ナナメ上乗せリプレイ入賞の成立は1/80で発生する。また、黒リプレイが中段に揃った場合(中段上乗せリプレイ入賞の成立)はART状態2ST35bに対応するAT権利がストックされる。中段上乗せリプレイ入賞の成立は1/200で発生する。上乗せリプレイ入賞の成立後には、リール6が再始動して停止し、上乗せリプレイ入賞の出目を連続で最大8回導出可能な操作介在フリーズ演出(いわゆる0G連)を実行可能であり、ここで導出された上乗せリプレイ入賞の出目の回数に応じた数のAT権利(ART状態2ST35bに対応するAT権利)がストックされる。このBB1状態は、遊技者に払い出したメダルの総数が360枚を超えると終了する。
BB2入賞の成立に基づき開始されるBB2状態では、中段ベル入賞が発生する度に、ART状態1ST35a又はART状態2に対応するAT権利の獲得抽選が行われる。抽選に当選した場合は抽選結果に応じたAT権利がストックされる。AT権利の獲得結果に関する情報はBB2状態における最終ゲームで報知される。このBB2状態は、遊技者に払い出したメダルの総数が280枚を超えると終了する。
RB入賞の成立に基づき開始されるRB状態では、RB状態発生時の遊技状態と、6択押し順ベルの正解数(ナナメベル入賞の成立回数)に応じてART状態1ST35aに対応するAT権利の獲得抽選が行われる。6択押し順ベルの押し順を正解してナナメベル入賞の成立が4回発生すると、ART状態1ST35aに対応するAT権利の獲得が確定する。このRB状態は、遊技者に払い出したメダルの総数が60枚を超えると終了する。なお、これらの特別遊技状態中に所定のフリーズ演出が発生した場合には、ART状態2ST35bに対応するAT権利の獲得が確定する。
次に、遊技制御装置50による処理について説明する。遊技制御装置50による処理は、遊技を統括的に制御する遊技制御処理(図14参照)と、所定時間毎(例えば、約2msec毎)に行われるタイマ割込み処理(図15参照)とを含む。
〔遊技制御処理〕
まず、遊技制御処理について説明する。図14には遊技制御処理の一例を示すフローチャートを示した。この遊技制御処理は、スロットマシン1の電源が投入されることにより遊技制御装置50の電源が投入されることで、CPU50aがROM50bに記憶されている遊技制御処理の制御プログラムを読み出して実行することにより開始される。
遊技制御処理では、まず、遊技制御装置50のCPU50a内のレジスタの初期化やRAM50cに記憶されている遊技データの初期化などを行う電源投入時処理を実行する(ステップS1)。
次いで、賭操作(すなわち、メダル投入口15からのメダル投入又はクレジットからの入力)や、リプレイ入賞の成立に基づく自動賭操作により賭数を設定し、賭数コマンドを演出制御装置70に送信する賭数/クレジット数制御処理を実行する(ステップS2)。その後、払戻ボタン20が操作されたか否かを判定し、操作されたと判定した場合に、投入されたメダルの払い戻し及びクレジットとして記憶されているメダルの払い戻しを行うとともに、清算コマンドを演出制御装置70に送信するメダル清算処理を実行する(ステップS3)。
そして、ベット数が上限値(例えば3)であるかを判定し(ステップS4)、ベット数が上限値に達していない場合(ステップS4;N)は、ステップS2に戻る。また、ベット数が上限値に達ている場合(ステップS4;Y)は、スタートレバー21が操作されたか否かを判定する(ステップS5)。
スタートレバー21が操作されていない場合(ステップS5;N)は、ステップS2に戻る。また、スタートレバー21が操作された場合(ステップS5;Y)には、リプレイ入賞の成立に基づき設定される再遊技フラグをクリアし(ステップS6)、流路切替ソレノイド(セレクタ)68を動作してメダルの投入ができない投入規制状態に変換するメダル投入禁止動作を設定する(ステップS7)。
その後、遊技状態に応じた入賞役の内部抽選を行い、抽選結果に対応する抽選結果コマンドを演出制御装置70に送信する内部抽選処理(ステップS8)を行い、リールストップボタン24等の操作を所定時間に亘り無効にする演出であるフリーズ演出に関する設定として、内部抽選結果に基づきフリーズ演出の実行をセットしたり、フリーズ演出の実行までのゲーム数を管理したりするフリーズ演出設定処理を行う(ステップS9)。
次に、設定されたフリーズ演出を実行したり、リール6の変動開始(回転開始)を設定したりするリール回転開始処理(ステップS10)を行い、内部抽選の結果に基づき設定される入賞当選フラグと、リールストップボタン24の操作タイミングにより、各リール6の変動表示を停止(回転停止)に関する処理を行うリール回転停止処理(ステップS11)を行う。
そして、リール位置検出スイッチ54からのリール位置情報(具体的には、リール位置検出スイッチ54により検出されたリール6の回動位相等)に基づいて有効ライン上に停止表示された図柄組合せ態様が入賞当選フラグに対応するものであるかを判定することで入賞の成立を判定し、入賞が成立している場合に払出枚数情報をセットする入賞判定処理(ステップS12)を行う。
その後、払出枚数情報に基づきクレジットの加算又はメダル払出装置63によるメダルの払い出しを行う払出制御処理(ステップS13)を行い、成立した条件に応じて図11に示した遊技状態(通常状態、特別遊技状態(PB状態、BB1状態、BB2状態、RB状態)、RT状態1、RT状態2)の移行を制御する遊技状態更新処理(ステップS14)を行う。そして、流路切替ソレノイド(セレクタ)68を動作してメダルの投入が可能な投入許容状態に変換することによりメダル投入禁止動作を解除して(ステップS15)、ステップS2に戻る。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図15に示すように、タイマ割込み処理では、まず、所定のレジスタに保持されている値をRAM50cに移すレジスタ退避の処理(ステップS21)を行い、各種センサなどからの入力の取り込み、すなわち各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(ステップS22)。
この入力処理(ステップS22)で取り込まれる入力は、メダル投入検出スイッチ51、スタートレバースイッチ52、リール停止スイッチ53(第1リール(左)停止スイッチ53a、第2リール(中)停止スイッチ53b、第3リール(右)停止スイッチ53c)、リール位置検出スイッチ54(左リール位置検出スイッチ54a、中リール位置検出スイッチ54b、右リール位置検出スイッチ54c)、マックスベットスイッチ57、払戻ボタンスイッチ58、払出メダル検出スイッチ59、リセットスイッチ61、扉開閉検出スイッチ62、電波検出スイッチ81、メダル満杯スイッチ82等)や設定装置60等からの入力である。
次に、セキュリティに関する処理として、メダル投入検出スイッチ51からの入力が異常を示す入力であった場合にこれに応じた処理を行ったり、メダル投入エラーコマンドを演出制御装置70に送信したりするメダル投入エラー監視処理(ステップS23)を行う。さらに、セキュリティに関する処理として、電波検出スイッチ81からの入力に基づき異常な電波の照射を検出した場合に対応する処理を行ったり、電波不正コマンドを演出制御装置70に送信したりする電波エラー監視処理(ステップS24)を行い、セキュリティに関する処理として、扉開閉検出スイッチ62からの入力に基づき前面枠2の状態を監視するとともに、前面枠2の開閉に応じて扉開放コマンド又は扉閉止コマンドを演出制御装置70に送信する扉開放監視処理(ステップS25)を行う。すなわち、遊技制御装置50が、前面扉(前面枠2)の開放を検出することが可能な開放検出手段をなす。
次に、停電の発生を監視し、停電が発生した場合に停電発生時の処理を行う電源遮断処理(ステップS26)を行う。停電発生時の処理としては、例えば、メダルの払い出しの停止、RAM50cの情報のバックアップ、スタックポインタ、チェックサムの記憶等を行った後、RAMアクセスを禁止してスロットマシン1の電源が遮断されるのを待つ。なお、停電が発生していない場合は電源遮断処理(ステップS26)では処理を行わず、次のリール動作処理(ステップS27)を行う。
リール動作処理(ステップS27)では、フリーズ演出が行われる場合に設定されるフリーズ情報やリール更新情報に基づいてリール6の回転及び停止の出力設定を行う。その後、各種タイマの更新を行うタイマ更新処理(ステップS28)を行って、処理番号に応じた分岐処理を行う(ステップS29)。
ステップS29にて処理番号が「0」の場合は、メダル満杯スイッチ82からの入力に基づき、メダル払出装置63のホッパー内のメダルが満杯であるかを監視するメダル満杯スイッチ監視処理(ステップS30)を行う。ステップS29にて処理番号が「1」の場合は、払出メダル検出スイッチ59からの入力に基づきメダルの払い出しの異常を監視し、異常があった場合は演出制御装置70に払出スイッチエラーコマンドを送信する払出メダル検出スイッチエラー監視処理(ステップS31)を行う。
ステップS29にて処理番号が「2」の場合は、遊技進行表示部12、ベット数表示部19、クレジット数表示部11、払出数表示部13、遊技状態表示部18での表示を制御するLED/7セグ制御処理(ステップS32)を行う。ステップS29にて処理番号が「3」の場合は、ホールコンピュータ等の外部装置に出力する情報を編集する外部情報編集処理(ステップS33)を行う。
処理番号に応じた処理を行った後、各種処理でセットされた出力データに基づき、演出制御装置70、遊技進行表示部12、ベット数表示部19、クレジット数表示部11、払出数表示部13、遊技状態表示部18、メダル払出装置63、左リール用モータ64a、中リール用モータ64b、右リール用モータ64c、外部信号出力端子33等に対して制御信号を出力する出力処理を行う(ステップS34)。そして、割り込み要求をクリアして(ステップS35)、レジスタを復帰(ステップS36)し、割り込みを許可して(ステップS37)、タイマ割込み処理を終了する。
〔内部抽選処理〕
図16には、図14に示した遊技制御処理における内部抽選処理を示した。なお、当該内部抽選処理中は、賭操作やリール6の停止操作などの各種操作の入力を受け付けずに無効なものとするように構成されている。この内部抽選処理では、まず、乱数発生器50eから乱数値(入賞判定用乱数)を取得し(ステップS41)、現在の遊技状態に応じた入賞当選判定テーブル(図17参照)をセットする(ステップS42)。
次に、ステップS41で取得した乱数値と、ステップS42でセットした入賞当選判定テーブルとに基づいて、入賞に内部当選したか否かを判定する入賞当選判定処理(ステップS43)を行う。なお、本実施形態では、入賞に内部当選したか否かを、乱数発生器50eで生成される乱数値、すなわちハードウェアで生成されるハード乱数を用いて判定するように構成したが、これに限定されるものではない。例えば、入賞に内部当選したか否かを、ソフトウェアで生成されるソフト乱数に基づいて判定するように構成することも可能である。
そして、ハズレ当選フラグをセットし(ステップS44)、ステップS43の入選当選判定処理で得られた判定結果が入賞当選であるか否かを判定する(ステップS45)。入賞当選判定処理で得られた判定結果が入賞当選でない場合(ステップS45;N)、すなわち、はずれである場合にはステップS47に移行する。また、入賞当選判定処理で得られた判定結果が入賞当選である場合(ステップS45;Y)は、ステップS44でセットしたハズレ当選フラグに代えて、内部当選した入賞に対応する入賞当選フラグをセットし(ステップS46)、ステップS47に移行する。
ステップS47では、ステップS44又はステップS46でセットした当選フラグ(ハズレ当選フラグ又は入賞当選フラグ)に対応する抽選結果コマンドを演出制御装置70に送信する(ステップS47)。そして、有効ライン上に入賞当選フラグに対応する図柄を停止させるための停止情報を設定する停止情報設定処理(ステップS48)を行い、内部抽選処理を終了する。
なお、停止情報設定処理(ステップS48)では、例えば、特別入賞に対応する入賞当選フラグが持ち越されている場合に他の入賞に当選した場合のように、複数の入賞に対応する入賞当選フラグが設定されている場合に成立させる入賞の優先順位が設定される。この優先順位はリプレイ入賞が最も高く、リプレイ入賞以外の小役入賞、特別入賞の順に低くなっている(リプレイ入賞>リプレイ入賞以外の小役入賞>特別入賞)。すなわち、遊技制御装置50が、複数の変動表示部(リール6)の変動表示を伴うゲームの実行毎に入賞(役)に当選か否かを内部抽選する(内部)抽選手段をなす。
図17(a)には、遊技状態に応じた入賞当選判定テーブルの種類を示した。各入賞判定テーブルには遊技状態に応じた各入賞役の当選確率が設定されている。これにより、例えば、RT状態1中は通常状態中よりも転落リプレイ入賞、昇格リプレイ入賞及び突入リプレイ入賞の当選確率を高めたり、RT状態2中は通常状態中よりも通常リプレイ入賞の当選確率を高めたりすることが可能となる。また、特別遊技状態中は通常状態中よりも特定の小役入賞の当選確率を高めることが可能となる。また、図17(b)には、各レア小役における、ボーナス入賞(特別入賞)と重複して(同時に)当選する期待度(確率)の高さの順を示した。この期待度は、3枚役D(弱スイカ)が最も低く、3枚役C(中段チェリー)が最も高くなっている。
〔フリーズ演出設定処理〕
図18には、図14に示した遊技制御処理におけるフリーズ演出設定処理を示した。このフリーズ演出設定処理では、まず、フリーズ演出待機中であるかを判定する(ステップS51)。本実施形態のスロットマシンでは、フリーズ演出の実行が決定されたゲームでフリーズ演出を行う即時フリーズと、フリーズ演出の実行が決定されたゲームから数ゲーム後のゲームでフリーズ演出を行う待機フリーズとがあり、フリーズ演出の実行を決定する際に何れのフリーズ演出とするかが決定される。フリーズ演出待機中とは、待機フリーズの実行中である状態である。
フリーズ演出待機中でない場合(ステップS51;N)は、遊技状態と入賞当選フラグを取得し(ステップS52)、フリーズ実行判定テーブル(図18参照)に規定された確率に従いフリーズ演出を実行するかの抽選を行うフリーズ演出実行抽選処理(ステップS53)を行う。そして、抽選の結果、待機フリーズの実行が決定されたかを判定する(ステップS54)。
待機フリーズの実行が決定された場合(ステップS54;Y)は、フリーズ演出待機カウンタにフリーズ演出発生までのゲーム数(例えば1,2又は3)をセットし(ステップS60)、フリーズ演出設定処理を終了する。また、待機フリーズの実行が決定されなかった場合(ステップS54;N)は、抽選の結果、即時フリーズの実行が決定されたかを判定する(ステップS55)。
即時フリーズの実行が決定されなかった場合(ステップS55;N)は、フリーズ演出設定処理を終了する。この場合はフリーズ演出が実行されない。また、即時フリーズの実行が決定された場合(ステップS55;Y)は、決定されたフリーズの種類に対応するフリーズタイマを設定し(ステップS56)、決定されたフリーズの種類に対応するフリーズ演出コマンドを演出制御装置70に送信して(ステップS57)、フリーズ演出設定処理を終了する。
一方、フリーズ演出待機中である場合(ステップS51;Y)は、フリーズ演出待機カウンタを−1更新し(ステップS58)、待機カウンタの値が0であるかを判定する(ステップS59)。待機カウンタの値が0でない場合(ステップS59;N)、すなわち、今回のゲームで待機フリーズのフリーズ演出を実行しない場合は、フリーズ演出設定処理を終了する。また、待機カウンタの値が0である場合(ステップS59;Y)、すなわち、今回のゲームで待機フリーズのフリーズ演出を実行する場合は、ステップS56、S57の処理を行い、フリーズ演出設定処理を終了する。これにより待機フリーズの実行中である場合は新たなフリーズ演出の実行抽選が規制されるようになっている。すなわち、遊技制御装置50が、内部抽選の結果に基づき、所定の操作(停止操作)を所定期間に亘って無効とする(規制する)フリーズ状態を発生させることが可能なフリーズ状態発生手段をなす。
図19には、フリーズ実行判定テーブルの内容を示した。このフリーズ実行判定テーブルには、遊技状態に応じて選択可能なフリーズ演出の種類や発生条件が設定されている。即時フリーズの種類には、停止操作が無効とされるフリーズ時間が5秒の5秒フリーズ演出、フリーズ時間が10秒の10秒フリーズ演出、フリーズ時間が15秒の15秒フリーズ演出、フリーズ時間が60秒の60秒フリーズ演出がある。また、待機フリーズの種類には、フリーズ演出の実行を決定してから2又は3ゲーム後に60秒フリーズ演出を行う2ゲーム後60秒フリーズ演出、3ゲーム後60秒フリーズ演出と、フリーズ演出の実行を決定してから1ゲーム後に操作介在フリーズ(いわゆる0G連)を行う1ゲーム後操作介在フリーズ演出がある。なお、1ゲーム後操作介在フリーズ演出はBB1状態中のみ発生可能であるが、他の特別遊技状態(PB状態、BB2状態及びRB状態)でも発生可能としても良い。
フリーズ時間が5秒の5秒フリーズ演出では、ゲーム開始に伴い停止操作を無効とした状態で左リール6aを低速回転又は逆回転するとともに他のリール6b、6を停止した状態とするリール演出動作を行い、ゲーム開始から5秒経過後にリール演出動作を終了して全リール6を通常の変動速度で回転させて停止操作を可能とする。また、フリーズ時間が10秒の10秒フリーズ演出では、ゲーム開始から5秒フリーズ演出と同様のリール演出動作を行い、ゲーム開始から5秒経過後もフリーズ状態を継続し、ゲーム開始から6秒経過後に中リール6bを低速回転又は逆回転で回転させるリール演出動作を行う。そして、ゲーム開始から10秒経過後にリール演出動作を終了して全リール6を通常の変動速度で回転させて停止操作を可能とする。
また、フリーズ時間が15秒の15秒フリーズ演出では、ゲーム開始から10秒フリーズ演出と同様のリール演出動作を行い、ゲーム開始から10秒経過後もフリーズ状態を継続し、ゲーム開始から11秒経過後に右リール6cを低速回転又は逆回転で回転させるリール演出動作を行うとともに可動演出装置8を動作させる。そして、ゲーム開始から15秒経過後にリール演出動作を終了して全リール6を通常の変動速度で回転させて停止操作を可能とする。
また、フリーズ時間が60秒の60秒フリーズ演出では、ゲーム開始から15秒フリーズ演出と同様のリール演出動作を行い、ゲーム開始から15秒経過後もフリーズ状態を継続する。そして、ゲーム開始から60秒経過後にリール演出動作を終了して全リール6を通常の変動速度で回転させて停止操作を可能とする。
なお、60秒フリーズ演出、2ゲーム後60秒フリーズ演出及び3ゲーム後60秒フリーズ演出は、特別入賞に当選した場合にしか選択されないようになっている。また、以下の説明でこの60秒フリーズ演出、2ゲーム後60秒フリーズ演出及び3ゲーム後60秒フリーズ演出をロングフリーズと称することがある。また、2ゲーム後60秒フリーズ演出及び3ゲーム後60秒フリーズ演出の場合に、フリーズ演出が開始される前のゲームで特別入賞が成立した場合はフリーズ演出の実行がキャンセルされる。
〔リール回転開始処理〕
図20には、図14に示した遊技制御処理におけるリール回転開始処理を示した。このリール回転開始設定処理では、まず、ゲーム間ウェイトタイマ値を取得し(ステップS61)、ゲーム間ウェイトタイマ値が0となったか、すなわちタイムアップしたかを判定する(ステップS62)。ゲーム間ウェイトタイマはゲームの開始後、次ゲームの開始が可能となるまでの所定の時間(例えば4.1秒)を管理するタイマであり、ゲームの開始時に所定の時間に対応する値がセットされ、タイマ更新処理(ステップS28)にて−1更新されるようになっている。
このゲーム間ウェイトタイマ値が0となるまでは以降の処理を待機し、タイマ値が0となった場合(ステップS62;Y)、すなわち、前ゲームの開始から所定の時間が経過した場合は、今回のゲームでフリーズ演出を実行する旨の情報であるフリーズ実行設定があるかを判定する(ステップS63)。このフリーズ実行設定がない場合(ステップS63;N)は、リールの回転ステップ数を無限に設定(リールの回転開始を設定)する(ステップS67)。また、フリーズ実行設定がある場合(ステップS63;Y)は、操作介在フリーズであるかを判定する(ステップS64)。
操作介在フリーズでない場合(ステップS64;N)は、通常フリーズ処理(ステップS65)にてフリーズ時間が経過した後、リールの回転ステップ数を無限に設定(リールの回転開始を設定)する(ステップS67)。通常フリーズ処理(ステップS65)にはフリーズ時間が経過するまで滞在し、フリーズ演出の開始から1秒後に左リール6aの低速回転を開始し、フリーズ演出の開始から6秒後に中リール6bの低速回転を開始し、フリーズ演出の開始から11秒後に右リール6cの低速回転を開始する処理を行う。すなわち、遊技制御装置50が、フリーズ状態の発生中に変動表示部(リール6)に所定の演出変動表示(リール演出動作)を行わせることが可能な演出変動表示手段をなす。
また、操作介在フリーズである場合(ステップS64;Y)は、操作介在フリーズ処理(ステップS66)にてフリーズ時間が経過した後、リールの回転ステップ数を無限に設定(リールの回転開始を設定)する(ステップS67)。その後、全リールが等速回転となると(ステップS68;Y)、停止有効コマンドを演出制御装置70に送信し(ステップS69)、リール回転開始処理を終了する。なお、全リールが等速回転となったかの判定(ステップS68)に代えて等速回転となるまでに必要な時間が経過したかを監視するようにしても良い。
〔操作介在フリーズ処理〕
図21には、図20に示したリール回転開始処理における操作介在フリーズ処理を示した。この操作介在フリーズ処理では、まず、操作介在フリーズにおける所定の回転態様(低速回転や逆回転)でリール6を演出動作させるリール演出動作処理(ステップS71)を行う。すなわち、遊技制御装置50が、フリーズ状態の発生中に変動表示部に所定の演出変動表示(リール演出動作)を行わせることが可能な演出変動表示手段をなす。そして、遊技者の操作を受け付け可能な介在可能期間が開始したかを判定する(ステップS72)。リール6の演出動作は5秒間の動作を1セットとして最大で8回まで継続可能であり、介在可能期間は、1セットのリール6の演出動作において4秒間設定される。この介在可能期間では、スタートレバー21やマックスベットボタン17等の遊技制御装置50へ入力される操作部の操作が可能であり、操作することによりリール6が動作して上乗せリプレイ入賞の出目が導出される演出が行われる。
この介在可能期間でない場合(ステップS72;N)は、リール演出動作処理(ステップS71)に戻る。また、介在可能期間である場合(ステップS72;Y)は、操作催促コマンドを演出制御装置70に送信する(ステップS73)。演出制御装置70では操作催促コマンドの受信に基づき、画像表示装置3に操作を促す表示を行う等の演出を行う。
その後、介在可能期間が終了したかを判定し(ステップS74)、介在可能期間が終了していない場合(ステップS74;N)は、スタートレバー21やマックスベットボタン17等の遊技制御装置50へ入力される操作部の操作に基づく操作入力があるかを判定する(ステップS75)。操作入力がない場合(ステップS75;N)は、介在可能期間が終了したかの判定(ステップS74)に戻る。また、操作入力がある場合(ステップS75;Y)や介在可能期間が終了した場合(ステップS74;Y)は、継続カウンタを+1更新し(ステップS76)、継続カウンタが上限値(ここでは8)であるかを判定する(ステップS77)。
継続カウンタが上限値でない場合(ステップS77;N)は、リール演出動作を継続するかを抽選する継続抽選処理(ステップS78)を行い、抽選結果が継続であるかを判定する(ステップS79)。抽選結果が継続である場合(ステップS79;Y)は、継続コマンドを演出制御装置70に送信し(ステップS80)、リール演出動作処理(ステップS81)に戻る。演出制御装置70では、継続コマンドを受信する度にAT権利を1つストックする処理を行う。また、抽選結果が継続でない場合(ステップS79;N)や継続カウンタが上限値である場合(ステップS77;Y)は、終了コマンドを演出制御装置70に送信し(ステップS81)、リール演出動作停止処理を行う(ステップS82)。
その後、フリーズ期間の残り時間を計時する終了待機タイマをセットし(ステップS83)、終了待機タイマの値が0となったかを判定する(ステップS84)。終了待機タイマにはフリーズ期間の残り時間に対応する値がセットされ、タイマ更新処理(ステップS28)にて値が−1更新されるようになっている。この終了待機タイマの値が0となるまでは以降の処理を待機し、タイマ値が0となった場合(ステップS84;Y)、すなわち、フリーズ期間が終了した場合は、フリーズ終了コマンドを演出制御装置70に送信し(ステップS85)、操作介在フリーズ処理を終了する。
〔リール回転停止処理〕
図22には、図14に示した遊技制御処理におけるリール回転停止処理を示した。このリール回転停止処理では、まず、停止ボタン(リールストップボタン24)の操作があったかを判定する(ステップS91)。停止ボタンの操作があるまでステップS91の処理を繰り返し、停止ボタンの操作があった場合(ステップS91;Y)は、すでに停止しているリール6とその停止位置を示す情報であるリール停止情報に基づき回転中リールの停止ボタン操作かをチェックし(ステップS92)、回転中のリール6に対応したリールストップボタン24が操作された有効なボタン操作であるかを判定する(ステップS93)。
有効なボタン操作でない場合(ステップS93;N)は、ステップS91に戻る。また、有効なボタン操作である場合(ステップS93;Y)は、リール停止情報及び停止ボタンに対応する停止制御テーブルをセットし(ステップS94)、成立フラグとリール位置情報に基づいてステップ数を取得する(ステップS95)。そして、取得した残りステップ数をリール更新情報としてセットする(ステップS96)。これにより、リール6の停止位置が設定され、図柄の引き込みや蹴飛ばしが設定される。すなわち、複数の停止操作部(リールストップボタン24)の操作態様に基づき内部抽選の結果に応じた図柄組合せ態様が導出され得るように複数の変動表示部(リール6)の停止制御が行われることとなる。
その後、停止操作を行ったリールが停止したかを判定し(ステップS97)、停止した場合(ステップS97;Y)は、停止リールに対応するリール停止情報をセットし(ステップS98)、リール停止情報に対応するリール停止コマンドを演出制御装置70に送信する(ステップS99)。すなわち、遊技制御装置50が、ゲーム中の停止操作に基づき、複数のリール6を個別に停止表示させることが可能な停止制御手段をなす。
次に、遊技状態が通常状態中であるかを判定し(ステップS100)、通常状態中である場合(ステップS100;Y)は、ボーナス当選/持越し中であるか、すなわち今回のゲームで特別入賞に当選した又は特別入賞の当選フラグが持ち越されている状態であるかを判定する(ステップS101)。遊技状態が通常状態中でない場合(ステップS100;N)やボーナス当選/持越し中である場合(ステップS101;Y)は、全てのリールが停止したリール全停止済であるかを判定する(ステップS108)。
また、ボーナス当選/持越し中でない場合(ステップS101;N)は、変則停止フラグがあるかを判定する(ステップS102)。そして、変則停止フラグがある場合(ステップS102;Y)はステップS105に移行する。また、変則停止フラグがない場合(ステップS102;N)は、変則停止操作であったかを判定する(ステップS103)。ここでの変則停止操作とは、AT状態(ART状態を含む)の発生に関して遊技者が不利となるペナルティ状態(AT権利の獲得抽選が行われない状態)が発生する可能性のある操作であり、ゲームにおける最初の有効な停止操作である第1停止操作が左リール6aに対するものでない操作である。
なお、後述するようにペナルティ状態の設定は演出制御装置70にて行われるようになっている。ペナルティ状態が設定されるのは、変則停止操作があり、かつ、変則停止操作を行うことで成立可能となる入賞役であるペナルティ入賞役(第1停止が左リール6a以外の押し順ベル入賞や押し順が定められるリプレイ入賞)が成立した場合である。すなわち、演出制御装置70が、変則停止操作の発生に基づき、遊技者に不利となるペナルティ状態を複数回のゲームに亘って発生させることが可能なペナルティ状態発生手段をなす。
変則停止操作でない場合(ステップS103;N)は、全てのリールが停止したリール全停止済であるかを判定する(ステップS108)。また、変則停止操作であった場合(ステップS103;Y)は、変則操作フラグをセットして変則停止操作が行われたゲームの連続回数をカウントする連続変則操作カウンタを+1更新し(ステップS104)、連続変則操作カウンタ値に対応する操作無効タイマをセットする(ステップS105)。
図23には、連続変則操作カウンタ値と停止操作が無効とされる無効時間及び対応する操作無効コマンドを示した。連続変則操作カウンタ値が4となるまでは値の増加に伴い無効時間が増加し、4以上の場合は60秒とされている。すなわち、変則停止操作が行われたゲームの連続回数が増加するに従い無効時間が増加するようになっている。これにより、複数回のゲームに亘り連続して変則停止操作を行おうという気力を削ぐことができ、故意に変則押しをするような行為を抑制することができる。
図22に戻り、連続変則操作カウンタ値に対応する操作無効タイマをセット(ステップS105)した後、対応する操作無効コマンドを演出制御装置70に送信し(ステップS106)、操作無効タイマの値が0となったかを判定する(ステップS107)。演出制御装置70では操作無効コマンドの受信に基づき、変則停止操作があった旨の報知と、停止操作が所定期間無効となる罰則フリーズ状態となる旨の報知を行う。すなわち、演出制御装置70が、変則停止操作の発生に基づき、当該変則停止操作が行われたことを認識可能な所定の報知(音声や発光、表示などによる報知)を行うことが可能な報知手段をなす。
操作無効タイマには停止操作を無効とする時間に対応する値がセットされ、タイマ更新処理(ステップS28)にて値が−1更新されるようになっており、操作無効タイマの値が0となるまでは次の停止操作が無効とされる罰則フリーズ状態となる。このように、変則停止操作(変則押し)の発生に基づきフリーズ状態が発生することで、ゲームの終了に余計な時間がかかったり、周囲の遊技者の注目を集めたりすることなり、故意に変則押しをするような行為を抑制することができる。なお、フリーズ状態が発生することで、遊技者に有利となる抽選結果であったかのように感じさせることができるので、ゲームの継続を促すという効果もある。この場合にはペナルティ状態を発生させた遊技者にペナルティ状態を消化させることが可能となる。
すなわち、遊技制御装置50が、予め定められた変則操作順で停止操作部(リールストップボタン24)が操作される変則停止操作の発生を判定する変則停止操作判定手段をなす。また、遊技制御装置50が、変則停止操作の発生に基づき、ゲームの進行を所定期間に亘って停止させるフリーズ状態を発生させることが可能なフリーズ状態発生手段をなす。
操作無効タイマの値が0となった場合(ステップS107;Y)は、全てのリールが停止したリール全停止済であるかを判定する(ステップS108)。そして、リール全停止済でない場合(ステップS108;N)は、ステップS91に戻る。また、リール全停止済である場合(ステップS108;Y)は、変則操作フラグをクリアして(ステップS109)、今回のゲームで変則停止操作があったかを判定する(ステップS110)。なお、リール全停止済である場合(ステップS108;Y)に、リール全停止コマンドを演出制御装置70に送信するようにしても良い。
今回のゲームで変則停止操作があった場合(ステップS110;Y)は、リール回転停止処理を終了する。また、今回のゲームで変則停止操作がなかった場合(ステップS110;N)は、連続変則操作カウンタをクリアし(ステップS111)、リール回転停止処理を終了する。
変則操作フラグは、一のゲームにおいて変則停止操作があった際に設定され、当該ゲームの終了に基づきクリアされるようになっている。これにより、変則停止操作を行った時点ですぐに遊技者に対して注意を促すことができ、変則停止操作を抑制することができる。また、変則停止操作が第1又は第2停止操作であった場合は、当該停止操作の後に所定の無効時間が設定される罰則フリーズが実行されるほか、当該ゲームにおける後の停止操作の後にも所定の無効時間が設定される罰則フリーズが実行される。よって、一のゲームでフリーズ状態が複数回発生することになるため遊技者をうんざりさせることができ、変則停止操作を効果的に抑制することができる。
また、ペナルティ状態が設定されるのは、変則停止操作があり、かつ、変則停止操作を行うことで成立可能となる入賞役であるペナルティ入賞役(第1停止が左リール6a以外の押し順ベル入賞や押し順が定められるリプレイ入賞)が成立した場合であるが、罰則フリーズ状態は、ペナルティ状態の発生の有無にかかわらず変則停止操作があることのみに基づき設定される。このようにすることで、ペナルティ状態の有無にかかわらず変則停止操作を行った遊技者に対して必ず注意を喚起することが可能となる。
以上のことから、複数の図柄を変動表示可能な複数の変動表示部(リール6)と、各変動表示部に対応して設けられる複数の停止操作部(リールストップボタン24)と、複数の変動表示部の変動表示を伴うゲームの実行毎に役の内部抽選を行う抽選手段(遊技制御装置50)と、を備え、複数の停止操作部の操作態様に基づき内部抽選の結果に応じた図柄組合せ態様が導出され得るように複数の変動表示部の停止制御を行うスロットマシンにおいて、予め定められた変則操作順で停止操作部が操作される変則停止操作の発生を判定する変則停止操作判定手段(遊技制御装置50)と、変則停止操作の発生に基づき、遊技者に不利となるペナルティ状態を複数回のゲームに亘って発生させることが可能なペナルティ状態発生手段(演出制御装置70)と、変則停止操作の発生に基づき、ゲームの進行を所定期間に亘って停止させるフリーズ状態を発生させることが可能なフリーズ状態発生手段(遊技制御装置50)と、を備えていることとなる。
また、フリーズ状態発生手段(遊技制御装置50)は、ゲームにおいて最初に行われた変動表示部(リール6)の変動表示を停止させる停止操作が変則停止操作に該当する場合に、当該ゲームにおける停止操作部(リールストップボタン24)の操作を所定期間無効にすることでフリーズ状態を発生させるようにしていることとなる。
また、フリーズ状態発生手段(遊技制御装置50)は、当該ゲームにおける二回目以降の停止操作が行われる毎にフリーズ状態を発生させるようにしていることとなる。
また、ペナルティ状態発生手段(演出制御装置70)は、変則停止操作が発生したゲームの結果に基づきペナルティ状態を発生させるよう構成され、フリーズ状態発生手段(遊技制御装置50)は、ペナルティ状態発生手段がペナルティ状態を発生させるか否かに拘らずフリーズ状態を発生させるようにしていることとなる。
ここで、変則停止操作が発生したゲームの結果に基づきペナルティ状態を発生させるとは、例えば、変則停止操作により役を成立させることができた場合など、遊技者が有利となった場合にペナルティ状態とすることである。
また、フリーズ状態発生手段(遊技制御装置50)は、変則停止操作が発生したゲームの連続回数が多くなるほどフリーズ状態の期間を長くするようにしていることとなる。
なお、ペナルティ状態が発生した場合にのみ罰則フリーズ状態を設定するようにしても良い。すなわち、変則停止操作で無条件に罰則フリーズ状態を発生させるのではなく、実際にペナルティ状態が発生する場合にだけ罰則フリーズ状態を発生させても良い。
また、連続する複数回(2回以上の任意に設定可能な回数)のゲームにおいて変則停止操作があった場合に初めて罰則フリーズ状態を設定するようにしても良い。これにより、誤って変則停止操作を行ったと思われる遊技者に対しては報知により注意を促すのみとし、意図的に変則停止操作を行ったと思われる遊技者に対してはフリーズ状態を発生させることが可能となる。
すなわち、変則停止操作の発生に基づき、当該変則停止操作が行われたことを認識可能な所定の報知を行うことが可能な報知手段(演出制御装置70)を備え、フリーズ状態発生手段(遊技制御装置50)は、連続する複数回のゲームにおいて変則停止操作が発生したことに基づきフリーズ状態を発生させるようにしても良い。ここで、所定の報知とは、音声や発光、表示などにより行う報知である。また、複数回とは2回以上の任意に設定可能な回数である。
また、変則停止操作の発生回数又は変則停止操作が発生したゲームの連続回数に応じてペナルティ状態の発生ゲーム回数を増加させるようにしても良い。そして、ペナルティ状態の発生ゲーム回数の増加に伴い、罰則フリーズ状態における無効時間を増加させるようにしても良い。このようにすることでも再度変則停止操作を行おうという気力を削ぐことができ、故意に変則押しをするような行為を抑制することができる。
すなわち、ペナルティ状態発生手段(演出制御装置70)は、変則停止操作の発生毎にペナルティ状態の発生ゲーム回数を増加させるよう構成され、フリーズ状態発生手段(遊技制御装置50)は、変則停止操作が発生したゲームの連続回数が多くなるほどフリーズ状態の期間を長くするようにしても良い。
また、変則停止操作が発生し、かつ、入賞が成立した場合に払出速度を遅くするような処理を行っても良い。この処理は、罰則フリーズ状態の発生に代えて行うようにしても良いし、罰則フリーズと組み合わせて行うようにしても良い。すなわち、変則停止操作の発生に基づき、成立した入賞に対する遊技媒体の払出速度を通常の払出速度よりも遅くする遅延手段(遊技制御装置50)を備えるようにしても良い。
〔入賞判定処理〕
図24には、図14に示した遊技制御処理における入賞判定処理を示した。この入賞判定処理では、まず、停止しているリール6とその停止位置を示す情報であるリール停止情報を取得し(ステップS121)、遊技状態に応じた入賞成立判定情報をセットする(ステップS122)。次に、有効ライン数をセットし(ステップS123)、判定対象とする有効ラインをセットし(ステップS124)、入賞図柄があるかを判定する(ステップS125)。
入賞図柄がない場合(ステップS125;N)は、ステップS129に移行する。また、入賞図柄がある場合(ステップS125;Y)は、入賞図柄と入賞当選フラグが一致するかを判定する(ステップS126)。そして、一致しない場合(ステップS126;N)は、復帰不可能エラー処理(ステップS133)を行い、遊技制御処理を終了する。また、一致する場合(ステップS126;Y)は、リプレイ入賞の成立であるかを判定する(ステップS127)。
リプレイ入賞の成立である場合(ステップS127;Y)は、再遊技フラグをセットし(ステップS134)、ステップS135に移行する。また、リプレイ入賞の成立でない場合(ステップS127;N)は、払出カウンタに入賞図柄に対応する払出数を加算し(ステップS128)、入賞判定結果情報を記憶する(ステップS129)。その後、全有効ラインが判定済みであるかを判定し(ステップS130)、判定済みでない場合(ステップS130;N)は、ステップS124に戻り未判定の有効ラインについての判定を行う。また、全有効ラインが判定済みである場合(ステップS130;Y)は、設定された払出数が1ゲームにおける最大払出数(例えば15)を越えるかを判定する(ステップS131)。
最大払出数を超えない場合(ステップS131;N)は、ステップS135に移行する。また、最大払出数を超える場合(ステップS131;Y)は、払出カウンタに最大払出数をセットする(ステップS132)。そして、入賞判定結果情報に対応するゲーム結果コマンドを演出制御装置70に送信し(ステップS135)、入賞判定処理を終了する。
〔遊技状態更新処理〕
図25には、図14に示した遊技制御処理における遊技状態更新処理を示した。この遊技状態更新処理では、まず、何れかのボーナス中(PB状態、BB1状態、BB2状態又はRB状態)であるかを判定する(ステップS141)。
何れかのボーナス状態である場合(ステップS141;Y)は、ボーナス終了判定処理(ステップS152)を行い、ボーナス状態を終了するかを判定する(ステップS153)。ボーナス終了判定処理では、ボーナス状態の種類に応じた終了判定を行うようになっており、例えばPB状態である場合は、20枚を超える払い出しがあった場合にボーナスを終了すると判定する。そして、ボーナス状態を終了しない場合(ステップS153;N)は、ステップS161に移行する。また、ボーナス状態を終了する場合(ステップS153;Y)は、通常状態をセットし(ステップS154)、ステップS161に移行する。
一方、何れかのボーナス中でない場合(ステップS141;N)は、入賞判定結果情報を取得し(ステップS142)、ボーナス入賞(特別入賞)があるか(成立したか)を判定する(ステップS143)。ボーナス入賞がある場合(ステップS143;Y)は、成立した特別入賞に対応する特別遊技状態(PB状態、BB1状態、BB2状態、RB状態の何れか)をセットし(ステップS155)、ボーナス当選フラグ及び待機フリーズに関する情報をクリアして(ステップS156)、ステップS161に移行する。すなわち、遊技制御装置50が、内部抽選で特別役(特別入賞)に当選するとともに、当該特別役に対応する出目が導出されたことに基づいて、遊技者に有利な特別状態を発生させることが可能な特別状態発生手段をなす。
また、ボーナス入賞がない場合(ステップS143;N)は、ボーナス当選中(持ち越し中を含む)かを判定し(ステップS144)、ボーナス当選中である場合(ステップS144;Y)は、通常状態をセットして(ステップS154)、ステップS161に移行する。また、ボーナス当選中でない場合(ステップS144;N)は、通常状態中であるかを判定する(ステップS145)。
通常状態中でない場合(ステップS145;N)、すなわちRT状態1中又はRT状態2中である場合はステップS147に移行する。また、通常状態中である場合(ステップS145;Y)は、昇格条件が成立したかを判定する(ステップS146)。ここでの昇格条件の成立とは、昇格リプレイ(特殊リプレイ1)に内部当選して対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立したことである。すなわち、昇格リプレイ入賞が再遊技役の当選確率を通常状態よりも高めた特定状態を発生させる所定の開始出目をなす。この昇格条件が成立した場合(ステップS146;Y)は、RT状態1をセットし(ステップS157)、ステップS161に移行する。また、昇格条件が成立していない場合(ステップS146;N)は、RT状態1中であるかを判定する(ステップS147)。
RT状態1中でない場合(ステップS147;N)は、ステップS150に移行する。また、RT状態1中である場合(ステップS147;Y)は、転落条件が成立したかを判定する(ステップS148)。ここでの転落条件の成立とは、違反(転落リプレイ(特殊リプレイ3)入賞又はSIN入賞が成立した場合や、所定の押し順でなければ成立しないベル入賞を取りこぼした場合(押し順ベルこぼし))の発生である。すなわち、転落リプレイ入賞の出目、SIN入賞の出目及び押し順ベルこぼしの出目が再遊技役の当選確率を通常状態よりも高めた特定状態を終了させる所定の終了出目をなす。
この転落条件が成立した場合(ステップS148;Y)は、通常状態をセットし(ステップS158)、ステップS161に移行する。また、転落条件が成立していない場合(ステップS148;N)は、移行条件が成立したかを判定する(ステップS149)。ここでの移行条件の成立とは、突入リプレイ(特殊リプレイ2)に内部当選して対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立することである。
この移行条件が成立した場合(ステップS149;Y)は、RT状態2をセットし(ステップS159)、ステップS161に移行する。また、移行条件が成立していない場合(ステップS149;N)は、RT状態2中であるかを判定する(ステップS150)。そして、RT状態2中でない場合(ステップS150;N)は、ステップS161に移行する。また、RT状態2中である場合(ステップS150;Y)は、転落条件が成立したかを判定する(ステップS151)。
ここでの転落条件の成立とは、違反(転落リプレイ(特殊リプレイ3)入賞又はSIN入賞が成立した場合や、所定の押し順でなければ成立しないベル入賞を取りこぼした場合(押し順ベルこぼし))の発生である。すなわち、転落リプレイ入賞の出目、SIN入賞の出目及び押し順ベルこぼしの出目が再遊技役の当選確率を通常状態よりも高めた特定状態を終了させる所定の終了出目をなす。この転落条件が成立した場合(ステップS151;Y)は、通常状態をセットし(ステップS160)、ステップS161に移行する。また、転落条件が成立していない場合(ステップS151;N)は、ボーナス以外の当選フラグをクリアする(ステップS161)。
その後、上記の処理の前後で遊技状態に変化があるかを判定し(ステップS162)、変化がない場合(ステップS162;N)は、遊技状態更新処理を終了する。また、変化がある場合(ステップS162;Y)は、変化後の遊技状態に対応する遊技状態コマンドを演出制御装置70に送信し(ステップS163)、遊技状態更新処理を終了する。
以上の処理により図11に示したような遊技状態の遷移が実現される。すなわち、遊技制御装置50が、所定の開始出目が導出されてから所定の終了出目が導出されるまで再遊技役の当選確率を通常状態よりも高めた特定状態(RT状態)を発生させることが可能な特定状態発生手段をなす。なお、特別入賞に内部当選したことを条件としてRT状態1又は2に移行するようにしても良い。また、特別遊技状態の終了後にRT状態1又は2に移行するようにしても良い。
次に、演出制御装置70による処理について説明する。演出制御装置70による処理は、演出を統括的に制御する演出制御処理(図26参照)と、所定時間毎(例えば、約2msec毎)に行われるタイマ割込み処理(図27参照)とを含む。
〔演出制御処理〕
図26には演出制御処理を示した。この演出制御処理は、スロットマシン1の電源が投入されることにより演出制御装置70の電源が投入されることで、CPU70aがROM70bに記憶されている演出制御処理の制御プログラムを読み出して実行することにより開始される。
この演出制御処理では、まず、演出制御装置70のCPU70a内のレジスタの初期化やRAM70cに記憶されている遊技データの初期化処理や、遊技制御装置50からの電源投入/復旧コマンドに基づく電源投入/復旧の報知処理などを行う電源投入時処理を実行する(ステップS201)。次に、演出ボタン10やリールストップボタン24又はその他の専用のボタン操作などの閲覧操作に基づいて、特別入賞の発生履歴などのゲーム結果の履歴情報を画像表示装置3に表示する履歴情報閲覧処理(ステップS202)を行う。
その後、ゲームが所定期間実行されていないことに基づいて客待ち報知(客待ちデモ画面の表示やデモ発光など)に関する設定を行う客待ち制御処理(ステップS203)を行い、賭数の更新毎に送信される賭数コマンドに基づいて賭数の報知(音、表示、発光)を行う賭数報知処理(ステップS204)を行う。そして、精算コマンドに基づいて精算が行われたことの報知(音、表示、発光)を行う精算報知制御処理(ステップS205)を行い、ゲームが開始されたかを判定する(ステップS206)。なお、ゲームの開始は抽選結果コマンドの受信により判定する。
ゲームが開始されていない場合(ステップS206;N)は、履歴情報閲覧処理(ステップS202)に戻る。また、ゲームが開始された場合(ステップS206;Y)は、フリーズ演出を行う場合に当該フリーズ演出に対応する演出を実行するフリーズ演出処理(ステップS207)を行う。次に、特別入賞や小役入賞の当選、AT権利の獲得の有無及び遊技モードに応じて、当該ゲームのみで行う単発演出や複数のゲームに亘り連続して行う連続予告を行うゲーム演出決定処理(ステップS208)を行う。
その後、遊技モードに応じてゲームの演出を進行させるゲーム進行制御処理(ステップS209)を行い、ペナルティ状態やAT権利獲得の確率状態(AT抽選モード)及び当選役に基づき、AT権利の獲得抽選を行うストック獲得判定処理(ステップS210)を行う。そして、現在のAT抽選モード(低確、高確又は超高確)及び当選役に基づき、AT抽選モードの移行抽選を行うストック抽選モード移行処理(ステップS211)を行い、実行中の特化モード(特化ゾーン1又は2)の種類に基づき、AT状態を継続可能なゲーム数の上乗せ抽選を行うゲーム数上乗せ処理(ステップS212)を行う。
次に、複数のゲームに亘り連続して行う連続予告を設定する連続予告設定処理(ステップS213)を行い、AT(ART)状態が発生することを示唆する前兆演出を設定するAT前兆設定処理(ステップS214)を行う。さらに、ゲーム結果が払い出しを伴う場合に、1払い出し毎に送信される払出コマンドに基づいて払い出しを報知(音、表示、発光)する払出報知設定処理(ステップS215)を行い、遊技状態コマンド及びAT抽選モードに基づいて演出モードを変更する演出モード更新処理(ステップS216)を行う。そして、ゲーム結果を履歴情報として記憶する履歴情報記憶処理(ステップS217)を行い、履歴情報閲覧処理(ステップS202)に戻る。
なお、停電が発生した場合には停電発生時の処理を行う電源遮断処理を行うようになっている。停電発生時の処理としては、例えば、RAM70cの情報のバックアップ、スタックポインタ、チェックサムの記憶等を行った後、RAMアクセスを禁止してスロットマシン1の電源が遮断されるのを待つ。
〔タイマ割込み処理〕
図27には、タイマ割込み処理を示した。このタイマ割込み処理では、まず、所定のレジスタに保持されている値をRAM70cに移すレジスタ退避の処理(ステップS221)を行い、演出制御装置70に入力される信号を処理する入力処理(ステップS222)を行って、発生したエラーに対応する処理を行うセキュリティ監視処理(ステップS223)を行う。
次に、画像表示装置3での表示を制御する表示制御処理(ステップS224)、スピーカ4から出力する音声を制御する音声制御処理(ステップS225)、バックライト111の発光を制御するバックライト発光処理(ステップS226)を行う。そして、スタートレバー21に設けられた発光体の制御を行うスタートレバー発光処理(ステップS227)、停止ボタンであるリールストップボタン24a,24b,24cに設けられたストップボタンLED66を制御する停止ボタン発光処理(ステップS228)、入賞ライン発光部112の制御を行う入賞ライン発光処理(ステップS229)を行う。
その後、枠発光装置7を制御する枠ライト発光処理(ステップS230)、ゲームの演出内容を決定する際に用いられる演出乱数などの乱数を更新(例えば+1)する乱数更新処理(ステップS231)。そして、各種処理で設定された情報に基づく制御信号を出力する出力処理を行い(ステップS232)、割り込み要求をクリアして(ステップS233)、レジスタを復帰(ステップS234)し、割り込みを許可して(ステップS235)、タイマ割込み処理を終了する。
〔フリーズ演出処理〕
図28には、図26に示した演出制御処理におけるフリーズ演出処理を示した。このフリーズ演出処理では、まず、フリーズ演出コマンドを受信したかを判定し(ステップS241)、受信していない場合(ステップS241;N)は、フリーズ演出処理を終了する。また、受信した場合(ステップS241;Y)は、コマンドに対応するフリーズ演出パターンから実行パターンを決定する(ステップS242)。
各フリーズ演出には特別な表示演出として表示内容等が異なる複数の実行パターンがあり、5、10及び15秒フリーズ演出にはA,Bの二種類が用意され、60秒フリーズ演出にはA,B,C及びDの4種類が用意されている。5、10及び15秒フリーズ演出である場合は、内部当選の結果に応じて選択割合を異ならせており、特別入賞に当選していない場合はAパターンの選択割合が高く、特別入賞に当選している場合はBパターンの選択割合が高くなっている。すなわち、Bパターンのほうが期待度の高い演出となっている。
その後、決定したフリーズ演出パターンの実行をセットし(ステップS243)、フリーズ演出の種類が操作介在フリーズであるかを判定する(ステップS244)。操作介在フリーズ演出でない場合(ステップS244;N)は、決定したフリーズ演出パターンに従い通常のフリーズ演出に関する演出を行う通常フリーズ演出処理(ステップS245)を行い、フリーズ演出処理を終了する。また、操作介在フリーズ演出である場合(ステップS244;Y)は、操作介在フリーズ演出に関する演出を行う操作介在フリーズ演出処理(ステップS246)を行い、フリーズ演出処理を終了する。すなわち、演出制御装置70が、ゲームの実行中に所定の表示演出を行うことが可能であるとともに、フリーズ状態の発生中に特別な表示演出を行うことが可能な表示演出手段をなす。
〔操作介在フリーズ演出処理〕
図29には、図28に示したフリーズ演出処理における操作介在フリーズ演出処理を示した。この操作介在フリーズ演出処理では、まず、スタートレバー21やマックスベットボタン17等の遊技制御装置50へ入力される操作部の操作が可能な操作介在可能期間が開始されることで送信される操作催促コマンドを受信したかを判定する(ステップS251)。操作催促コマンドを受信していない場合(ステップS251;N)は、ステップS253に移行する。また、操作催促コマンドを受信した場合(ステップS251;Y)は、画像表示装置3に操作を促す表示(例えば「レバーをたたけ!」の表示)を行う等の演出を行う操作催促報知を実行し(ステップS252)、リールの演出動作の継続抽選に当選した場合に送信される継続コマンドを受信したかを判定する(ステップS253)。
継続コマンドを受信していない場合(ステップS253;N)は、ステップS255に移行する。また、継続コマンドを受信した場合(ステップS253;Y)は、AT権利を獲得した事を報知するストック獲得演出を実行し(ステップS254)、リールの演出動作の継続抽選に当選しなかった場合や継続数が上限に達した場合に送信される終了コマンドを受信したかを判定する(ステップS255)。
終了コマンドを受信していない場合(ステップS255;N)は、操作催促コマンドを受信したかの判定(ステップS251)に戻る。また、終了コマンドを受信した場合(ステップS255;Y)は、操作介在フリーズ演出でのリール演出動作が終了する旨の演出である終了演出を実行し(ステップS256)、フリーズ終了コマンドを受信したかを判定する(ステップS257)。そして、フリーズ終了コマンドを受信した場合(ステップS257;Y)は、操作介在フリーズ演出処理を終了する。
なお、終了コマンドの受信及び継続コマンドの受信回数は記憶され、当該ゲームにおいて後に行われるBB1ストック処理(図52参照)においてゲーム数上乗せATのAT権利(AT権利2)のストック数に、継続コマンドの受信回数+1を加算するようになっている。
〔ゲーム演出決定処理〕
図30には、図26に示した演出制御処理におけるゲーム演出決定処理を示した。このゲーム演出決定処理では、まず、ボーナス中(PB状態、BB1状態、BB2状態又はRB状態)であるかを判定する(ステップS261)。ボーナス中である場合(ステップS261;Y)は、ボーナスに対応する演出を決定するボーナス中演出決定処理(ステップS272)を行い、ゲーム演出決定処理を終了する。また、ボーナス中でない場合(ステップS261;N)は、ロングフリーズ(60秒フリーズ演出)があるかを判定する(ステップS262)。
ロングフリーズがある場合(ステップS262;Y)は、当該フリーズ演出の終了後におけるボーナス確定演出の実行をセットし(ステップS273)、ゲーム演出決定処理を終了する。また、ロングフリーズがない場合(ステップS262;N)は、ボーナス入賞当選フラグの持越中、すなわち特別入賞に内部当選したゲームの次以降のゲームであって当該特別入賞が成立していないゲーム中であるかを判定する(ステップS263)。
ボーナス入賞当選フラグの持越中である場合(ステップS263;Y)は、特別入賞に当選した場合に実行可能となる連続予告である当り連続予告の設定があるかを判定する(ステップS274)。当り連続予告の設定がある場合(ステップS274:Y)は、当り連続予告の実行をセットし(ステップS275)、ゲーム演出決定処理を終了する。また、当り連続予告の設定がない場合、つまり当り連続予告が終了している場合等(ステップS274;N)は、ボーナス確定演出の実行をセットし(ステップS276)、今回の内部抽選の結果がハズレ当選であるかを判定する(ステップS277)。
今回の内部抽選の結果がハズレ当選である場合(ステップS277;Y)は、持ち越されている入賞当選フラグの種類(成立可能な特別入賞の種類)を報知するボーナス種別告知演出をボーナス確定演出にプラスする処理を行い(ステップS278)、ゲーム演出決定処理を終了する。また、ハズレ当選でない場合(ステップS277;N)は、今回当選した小役入賞の種類を報知する当選小役報知演出をボーナス確定演出にプラスする処理(ステップS279)を行い、ゲーム演出決定処理を終了する。なお、当選小役報知演出では小役の種類までは報知せず、小役に当選したことのみを報知するようにしても良い。
一方、ボーナス入賞当選フラグの持越中でない場合(ステップS263;N)は、特別入賞に当選していない場合に実行可能であって、当り連続予告と類似した連続予告であるハズレ連続予告の設定があるかを判定する(ステップS264)。このハズレ連続予告の設定がある場合(ステップS264;Y)は、ハズレ連続予告の実行をセットし(ステップS265)、ステップS270に移行する。また、ハズレ連続予告の設定がない場合(ステップS264;N)は、ART状態が発生することを示唆する本前兆演出の実行中であるかを判定する(ステップS266)。なお、この処理(ステップS266)においては、ART状態においてAT権利を獲得した場合に実行可能な当り連続演出の実行中である場合は本前兆演出の実行中であると判定する。
本前兆演出の実行中である場合(ステップS266;Y)は、本前兆演出の実行をセットし(ステップS267)、ステップS270に移行する。また、本前兆演出の実行中でない場合(ステップS266;N)は、ART状態が発生しない場合に実行可能であって、本前兆演出と類似したガセ前兆演出中であるかを判定する(ステップS268)。なお、この処理(ステップS268)においては、ART状態においてAT権利を獲得できなかった場合に実行可能なハズレ連続演出の実行中である場合はガセ前兆演出の実行中であると判定する。
ガセ前兆演出の実行中でない場合(ステップS268;N)は、ステップS270に移行する。また、ガセ前兆演出の実行中である場合(ステップS268;Y)は、ガセ前兆演出の実行をセットし(ステップS269)、ステップS270に移行する。ステップS270では、当選演出決定テーブル(図31参照)から抽選結果に対応する演出態様を決定し(ステップS270)、決定された演出態様による当選演出の実行をセットして(ステップS271)、ゲーム演出決定処理を終了する。
図31には、当選演出決定テーブルの内容を示した。この当選演出決定テーブルにより、内部抽選の結果とゲーム状態に基づき実行する演出が決定される。なお、ハズレには、どの入賞役にも当選しなかった純ハズレの他、成立小役の導出がアシストされない状態(ATやARTではない状態)において第1停止が左リール6a以外の小役入賞に当選した場合を含む。
ここで、ゲーム状態(遊技モード)のうち、通常/前兆中とは演出制御装置70での遊技状態が非アシスト状態ST50又は前兆遊技状態ST52である状態である。また、継続演出とは連続予告、連続演出及び前兆演出の総称である。前兆演出には本前兆演出とガセ前兆演出を含む。また、後述するように前兆演出は、予兆演出や特殊演出を行った後に連続演出を行うようになっており、前兆中連続演出前とは前兆演出中で連続演出を行う前の段階であり、前兆中連続演出中とは前兆演出中で連続演出を行っている状態である。
また、AT待機中とは演出制御装置70での遊技状態がアシスト待機状態ST53である状態である。昇格AT中とは演出制御装置70での遊技状態が移行アシスト状態ST54である状態である。突入AT中とは演出制御装置70での遊技状態が移行アシスト状態ST54である状態である。また、上乗せAT中とは演出制御装置70での遊技状態が特定アシスト状態ST55である状態である。救済AT中とは演出制御装置70での遊技状態が移行アシスト状態ST54である状態である。さらに、移行チャンス中とは演出制御装置70での遊技状態が移行チャンス演出状態ST51である状態である。すなわち、ゲーム状態における通常/前兆中が図10での通常遊技状態ST10に対応し、これ以外は図10での特定遊技状態ST30に対応する。
また、結果がハズレの場合の当選演出態様におけるハズレ演出とは、ハズレであることを示唆、報知する演出である。また各結果における小役期待演出とは、図32(a)や(b)に示すように、何らかの小役に当選している可能性があること又はハズレである可能性があることを示唆、報知する演出である。
例えば、図32(a)では、画像表示装置3に「ハズレ」、「ベル」と表示することで、ハズレである可能性があることやベル入賞に当選している可能性があることを示唆している。さらに、「?」と表示することで、ハズレやベル入賞以外の可能性も示唆している。また、小役期待演出には、例えばボーナスやレア小役に当選した場合に、小役期待演出として「?」の表示を含まないで小役(取りこぼしのない小役)を示唆し、これらの何れも成立しないこと(いわゆる法則崩れ)でボーナスやレア小役の当選を示唆、報知する演出も含まれる。
また、各結果におけるレア役期待演出とは、図32(c)や(d)に示すように、何らかのレア小役に当選している可能性があること、レア小役以外の小役に当選している可能性があること又はハズレである可能性があることを示唆、報知する演出である。例えば、図32(c)では、画像表示装置3に「ベル」、「チェリー」、「スイカ」と表示することで、ベル入賞に当選している可能性やレア小役であるチェリー入賞又はスイカ入賞に当選している可能性があることを示唆している。
また、結果がレア小役の場合のレア役当選演出とは、図32(e)、(f)に示すように、何らかのレア小役に当選していることを報知する演出である。例えば、図32(e)では、レア小役の対応色(紫色)の表示を行うことでレア小役の当選を報知している。
また、結果が上乗せリプレイの場合の押し順当て演出とは、押し順を当てて成立させることができればAT権利の獲得又はAT状態で実行可能なゲーム数が上乗せされる上乗せリプレイに内部当選したことを報知する演出である。上乗せリプレイは押し順を当てなければ成立しないため、例えば、図32(g)に示すように、押し順を当てることを促す演出表示がなされる。すなわち、押し順当て演出が、アシスト情報の報知を行なわせるための実行権利が記憶される可能性のあるゲームにおいて実行される所定のチャンス演出をなし、演出制御装置70が所定のチャンス演出を実行することが可能なチャンス演出実行手段をなす。
この押し順当て演出は、連続予告中や前兆中連続演出中のように連続的な演出の実行中では実行が禁止されている。これにより、連続的な演出が途切れてしまい、特別入賞の当選に対する期待感が減衰してしまうことを防止するようにしている。
また、押し順当て演出は移行チャンス中でも実行が禁止されている。この移行チャンス中つまり移行チャンス状態ST31へは主にART状態ST35で規定ゲーム数が消化され、AT権利のストックもない状態となることで移行する。すなわち、遊技者にとって有利なART状態が終了してRT状態となった場合である。この状態で新たにAT権利を獲得できればART状態へ復帰することが可能であるが、AT権利の獲得の可能性はそれほど高くなく、ほとんどは通常遊技状態ST10に転落することとなる。
この移行チャンス中において押し順当て演出のような遊技者の期待感を過度に煽る演出を行うと通常状態に転落した場合に遊技者の落胆が大きくなってしまう。そこで、アシスト情報の報知が終了した後の特定状態(RT状態)である移行チャンス中では押し順当て演出のような所定のチャンス演出を行わないようにし、通常遊技に転落した際の遊技者の落胆や喪失感を軽減するようにしている。またこれによりゲームをスムーズに進行させることができるというメリットもある。また、移行チャンス中(移行チャンス状態ST31)でない場合は、元から通常遊技状態ST10である場合や通常遊技状態ST10への転落が近くはない場合であって、AT権利を獲得できなくても落胆や喪失感はそれほど大きくなく、所定のチャンス演出を実行することで遊技者の期待感を効果的に煽ることで遊技の興趣を高めることができる。
なお、移行チャンス中であってもAT権利の獲得が確定した場合は所定の確定演出を実行する。例えば、3枚役C(中段チェリー)に単独当選した場合(BB入賞と重複して当選しない場合)にはAT権利の獲得が確定し、この場合にはAT権利の獲得を確定的に報知する確定演出を当該ゲーム又はその後のゲームで行う。すなわち、演出制御装置70が、AT権利が記憶されることが確定したゲーム又はその後のゲームにおいて所定の確定演出を実行することが可能な確定演出実行手段をなす。これにより移行チャンス中(移行チャンス状態ST31)であっても所定の確定演出が実行されることを期待してゲームを行うことができる。なお、中段チェリーに当選した場合のフリーズ演出の実行を単独当選の場合のみとするようにしても良い。さらに、レア小役に単独当選した場合(BB入賞と重複して当選しない場合)であって、AT権利の獲得抽選に当選した場合にもAT権利の獲得を確定的に報知する所定の確定演出を行うようにしても良い。
また、後述するように移行チャンス中(移行チャンス状態ST31)では、AT権利が記憶された可能性があることを報知するために複数のゲームに亘って実行される前兆演出、すなわち、アシスト情報の報知を行なわせるための実行権利が記憶される可能性のあるゲームの後のゲームおいて実行される所定のチャンス演出も実行されない。これによっても通常遊技に転落した際の遊技者の落胆や喪失感を軽減するようにしている。また、移行チャンス中(移行チャンス状態ST31)では、AT権利が記憶される可能性があるレア小役に当選した場合であっても、当該当選を示唆、報知する演出を行わないようにしても良い。
なお、基本的に所定のチャンス演出は、移行チャンス中(移行チャンス状態ST31)を除く場合に実行可能であるとしたが、所定のチャンス演出を実行可能な遊技状態をより詳細に設定しても良い。例えば、AT状態、RT状態及びART状態の何れでもない状態である通常の状態及びART状態においては所定のチャンス演出を実行可能としても良いし、通常の状態又はART状態の何れか一方においては所定のチャンス演出を実行可能としても良い。
また、AT状態、RT状態及びART状態の何れでもない状態である通常の状態及びART状態における、連続予告や連続演出、前兆中連続演出のような連続的な演出の実行中には所定のチャンス演出の実行を禁止しても良いし、通常の状態又はART状態の何れか一方における連続予告や連続演出、前兆中連続演出のような連続的な演出の実行中には所定のチャンス演出の実行可能としても良く、これらの場合に、連続予告の場合のみ所定のチャンス演出の実行を禁止して連続演出や前兆中連続演出では所定のチャンス演出を実行可能としても良い。
以上のことから、複数の図柄を変動表示可能な複数の変動表示部(リール6)と、該変動表示を伴うゲームの実行毎に役の内部抽選を行う抽選手段(遊技制御装置50)と、を備え、変動表示の停止操作に基づき停止させたゲームの結果として内部抽選で当選した役に対応する出目が導出されると、当該役の入賞が成立するスロットマシンにおいて、所定の開始出目が導出されてから所定の終了出目が導出されるまで再遊技役の当選確率を通常状態よりも高めた特定状態を発生させることが可能な特定状態発生手段(遊技制御装置50)と、所定の開始条件が成立してから所定の終了条件が成立するまで遊技者に有利となる停止操作に関するアシスト情報を報知することが可能なアシスト情報報知手段(演出制御装置70)と、所定の獲得条件が成立したことに基づいて、アシスト情報報知手段にアシスト情報の報知を行わせるための実行権利を記憶することが可能な実行権利記憶手段(演出制御装置70)と、実行権利が記憶される可能性のあるゲーム又はその後のゲームにおいて所定のチャンス演出を実行することが可能なチャンス演出実行手段(演出制御装置70)と、を備え、アシスト情報報知手段は、少なくとも開始出目を導出するためのアシスト情報及び終了出目の導出を回避するためのアシスト情報を報知し、チャンス演出実行手段は、所定の終了条件が成立してアシスト情報報知手段によるアシスト情報の報知が終了した後の特定状態においては所定のチャンス演出を実行しないようにしていることとなる。
ここで、実行権利が記憶される可能性のあるゲームとは、例えば、特定の役に内部当選した場合に所定の確率で実行権利を獲得できるようにした場合における当該特定の役に内部当選したゲームである。所定の確率で実行権利を獲得できるとは、獲得が抽選の結果で決定される場合や、押し順を当てることで獲得できる場合を含む。また、所定のチャンス演出とは、アシスト情報の報知を行なわせる実行権利が記憶される可能性があることを報知する演出であって、例えば、所定の停止操作態様(押し順)で停止操作を行った場合に実行権利が獲得できる場合に、遊技者に対して押し順を考慮するように促す演出である。
また、チャンス演出実行手段(演出制御装置70)は、通常状態及び/又はアシスト情報報知手段(演出制御装置70)によるアシスト情報の報知が実行されている特定状態においては所定のチャンス演出を実行するようにしていることとなる。
また、内部抽選で特別役に当選するとともに、当該特別役に対応する出目が導出されたことに基づいて、遊技者に有利な特別状態を発生させることが可能な特別状態発生手段(遊技制御装置50)と、内部抽選で特別役又は当該特別役と重複して当選する可能性のある重複対象役に当選したことに基づいて、複数のゲームに跨って連続予告を行うことが可能な連続予告実行手段(演出制御装置70)と、を備え、チャンス演出実行手段(演出制御装置70)は、通常状態及び/又はアシスト情報報知手段(演出制御装置70)によるアシスト情報の報知が実行されている特定状態であっても、連続予告が実行されている場合には、所定のチャンス演出を実行しないようにしていることとなる。
また、実行権利が記憶されることが確定したゲーム又はその後のゲームにおいて所定の確定演出を実行することが可能な確定演出実行手段(演出制御装置70)を備え、確定演出実行手段は、アシスト情報報知手段(演出制御装置70)によるアシスト情報の報知が終了した後の特定状態においても所定の確定演出を実行するようにしていることとなる。
〔ゲーム進行制御処理〕
図33には、図26に示した演出制御処理におけるゲーム進行制御処理を示した。このゲーム進行制御処理では、まず、ボーナス当選(持越し)中であるか、すなわち特別入賞に当選した又は特別入賞の当選フラグが持ち越されている状態であるかを判定する(ステップS281)。ボーナス当選(持越し)中である場合(ステップS281;Y)は、ボーナス内部中処理(ステップS282)を行い、ゲーム進行制御処理を終了する。また、ボーナス当選(持越し)中でない場合(ステップS281;N)は、遊技モードによる分岐処理(ステップS283)で選択される処理を行い、ゲーム進行制御処理を終了する。
遊技モードが通常/前兆中(非アシスト状態ST50又は前兆遊技状態ST52)である場合は通常/前兆中処理(ステップS284)を行う。遊技モードがAT待機中(アシスト待機状態ST53)である場合はAT待機中処理(ステップS285)を行う。遊技モードが昇格AT/突入AT中(移行アシスト状態ST54)である場合は昇格/突入中処理(ステップS286)を行う。
遊技モードが上乗せAT中(特定アシスト状態ST55)である場合は上乗せAT中処理(ステップS287)を行う。遊技モードが救済AT中(救済AT状態ST32)である場合は救済AT中処理(ステップS288)を行う。遊技モードが移行チャンス中(移行チャンス演出状態ST51)である場合は移行チャンス中処理(ステップS289)を行う。
また、遊技モードがPB状態中である場合はPB中処理(ステップS290)を行う。遊技モードがBB1状態中である場合はBB1中処理(ステップS291)を行う。遊技モードがBB2状態中である場合はBB2中処理(ステップS292)を行う。遊技モードがRB状態中である場合はRB中処理(ステップS293)を行う。これらの特別遊技状態中の遊技モードである場合には、各特別遊技状態に応じた演出処理を行うようになっている。なお、変則停止操作に基づきペナルティ状態(AT権利の獲得抽選が行われない状態)が発生するのは、遊技モードが通常遊技状態ST10に対応する遊技モードである通常/前兆中である場合のみとなっている。
〔ボーナス内部中処理〕
図34には、図33に示したゲーム進行制御処理におけるボーナス内部中処理を示した。このボーナス内部中処理では、まず、今回のゲームが特別入賞に内部当選したゲームであるボーナス当選ゲームであるかを判定する(ステップS301)。ボーナス当選ゲームでない場合(ステップS301;N)は、ステップS303に移行する。また、ボーナス当選ゲームである場合(ステップS301;Y)は、AT前兆演出(本前兆演出及びガセ前兆演出)の実行情報をクリアする(ステップS302)。これにより、前兆演出の実行が中止される。
そして、決定済みの演出パターンによるゲーム演出(フリーズ演出やレア役期待演出、連続予告など)の実行を開始し(ステップS303)、リール6が停止した際に送信されるリール停止コマンドを受信したかを判定する(ステップS304)。リール停止コマンドを受信していない場合(ステップS304;N)は、ステップS307に移行する。また、リール停止コマンドを受信した場合(ステップS304;Y)は、停止したリールに対応するリール停止情報を更新し(ステップS305)、リール停止情報に基づきゲーム演出を更新して(ステップS306)、入賞の判定結果の情報を含むゲーム結果コマンドを受信したかを判定する(ステップS307)。
ゲーム結果コマンドを受信していない場合(ステップS307;N)は、ステップS304に戻る。また、ゲーム結果コマンドを受信した場合(ステップS307;Y)は、ボーナス入賞(特別入賞)が成立したかを判定する(ステップS308)。ボーナス入賞が成立していない場合(ステップS308;N)は、ボーナス内部中処理を終了する。また、ボーナス入賞が成立した場合(ステップS308;Y)は、入賞したボーナスの種類に対応するボーナス状態(PB状態、BB1状態、BB2状態又はRB状態)の開始をセットし(ステップS309)、ボーナス内部中処理を終了する。
〔通常/前兆中処理〕
図35、図36には、図33に示したゲーム進行制御処理における通常/前兆中処理を示した。この通常/前兆中処理では、まず、決定済みのゲーム演出(連続予告や本、ガセ前兆演出、小役期待演出など)の実行を開始し(ステップS311)、リール停止コマンドを受信したかを判定する(ステップS312)。
リール停止コマンドを受信した場合(ステップS312;Y)は、停止したリールに対応するリール停止情報を更新し(ステップS313)、リール停止情報に基づきゲーム演出を更新する(ステップS314)。すなわち、演出制御装置70が、内部抽選の結果に対応するゲーム演出を実行するとともに、当該ゲーム演出を停止操作に応じて進行させることが可能なゲーム演出手段をなす。
そして、今回の停止操作が変則停止操作であるかを判定する(ステップS315)。ここでの変則停止操作とは第1停止操作が左リール6aでない操作である。今回の停止操作が変則停止操作でない場合(ステップS315;N)は、ステップS319に移行する。また、変則停止操作である場合(ステップS315;Y)は、ペナルティフラグをセットし(ステップS316)、警告音の出力をセットする(ステップS317)。そして、演出表示の進行を停止し(ステップS318)、罰則フリーズ状態に関する情報を含む操作無効コマンドを受信したかを判定する(ステップS319)。上述したように、変則停止操作が発生した場合は罰則フリーズ状態が設定されるが、この場合にはゲーム演出の進行を中止するようにしている。これにより、罰則フリーズ状態を退屈なものとし、変則停止操作の抑制効果を高めるようにしている。
以上のことから、内部抽選の結果に対応するゲーム演出を実行するとともに、当該ゲーム演出を停止操作に応じて進行させることが可能なゲーム演出手段(演出制御装置70)を備え、ゲーム演出手段は、ゲームの途中でフリーズ状態(罰則フリーズ状態)が発生した場合には、ゲーム演出の進行を中止するようにしていることなる。
操作無効コマンドを受信していない場合(ステップS319;N)は、ステップS326に移行する。また、操作無効コマンドを受信した場合(ステップS319;Y)は、コマンドに対応する無効タイマをセットし(ステップS320)、無効タイマに対応する残り無効時間表示をセットする(ステップS321)。その後、警告報知(表示、発光)をセットし(ステップS322)、無効タイマに基づき残り無効時間表示を更新して(ステップS323)、無効タイマが0となったかを判定する(ステップS324)。
無効タイマには遊技制御装置50において停止操作を無効とする時間に対応する値がセットされ、タイマ割込み処理毎に値が−1更新されるようになっており、無効タイマの値が0となるまでは次の停止操作が無効とされる罰則フリーズ状態となっている。この罰則フリーズ状態においては、画像表示装置3に警告表示や残り無効時間表示を表示することによる報知や、枠発光装置7等を発光させることによる報知が行われる。なお、警告報知をセットする毎に警告表示や発光態様を異ならせても良い。また、操作無効コマンドの受信に基づきメイン演出(AT抽選の確率状態を示唆する演出など)や、予告演出(小役当選の示唆演出など)の一方又は両方を中止するようにしても良い。
そして、無効タイマが0となった場合(ステップS324;Y)は、残り無効時間表示及び警告報知をクリアし(ステップS325)、ゲーム結果コマンドを受信したかを判定する(ステップS326)。ゲーム結果コマンドを受信していない場合(ステップS326;N)は、ステップS312に戻る。また、ゲーム結果コマンドを受信した場合(ステップS326;Y)は、ペナルティフラグがあるかを判定する(ステップS327)。
ペナルティフラグがある場合(ステップS327;Y)は、ペナルティ対象役入賞が成立したかを判定する(ステップS328)。ペナルティ対象役入賞とは、変則停止操作を行うことで成立可能となる入賞役であり、例えば、第1停止が左リール6a以外の押し順ベル入賞や押し順が定められるリプレイ入賞である。このペナルティ対象役入賞が成立していない場合(ステップS328;N)は、ステップS332に移行する。また、ペナルティ対象役入賞が成立した場合(ステップS328;Y)は、ペナルティ状態を設定し(ステップS329)、入賞役に対応するペナルティゲーム数をセットする(ステップS330)。
すなわち、変則停止操作があり、かつ、入賞が成立した場合などの遊技者が有利となった場合にAT権利の獲得抽選を所定ゲームに亘り行わないペナルティ状態が設定されるようになっている。また、ペナルティ状態が設定されるゲーム数であるペナルティゲーム数は、入賞役に応じて設定されるようになっていて、例えば変則停止操作により遊技者が有利になった度合いに応じて設定され、押し順が定められたリプレイ入賞が成立した場合よりも押し順ベルが成立した場合の方が、ペナルティゲーム数が多くなるようにされている。
その後、各種連続当選/入賞カウンタをクリアし(ステップS331)、ペナルティフラグをクリアして(ステップS332)、移行条件が成立したかを判定する(ステップS337)。連続当選カウンタはレア小役の連続当選回数をカウントするものであり、この連続当選回数に応じてAT権利が付与されるようになっている。また、連続入賞カウンタはベル入賞の連続成立回数をカウントするものであり、この連続成立回数に応じてAT権利が付与されるようになっている。これらのカウンタをクリアすることで、遊技者に対する特典の付与を遅らせるというペナルティも課すようになっている。
すなわち、演出制御装置70が、予め定められた変則操作順で停止操作部(リールストップボタン24)が操作される変則停止操作の発生を判定する変則停止操作判定手段をなす。また、演出制御装置70が、変則停止操作の発生に基づき、遊技者に不利となるペナルティ状態を複数回のゲームに亘って発生させることが可能なペナルティ状態発生手段をなす。また、ペナルティ状態発生手段は、変則停止操作が発生したゲームの結果に基づきペナルティ状態を発生させるよう構成されている。
一方、ペナルティフラグがない場合(ステップS327;N)は、ペナルティ状態中であるかを判定し(ステップS333)、ペナルティ状態中でない場合(ステップS333;N)は、ステップS337に移行する。また、ペナルティ状態中である場合(ステップS333;Y)は、ペナルティゲーム数を1減算し(ステップS334)、ペナルティゲーム数が0となったかを判定する(ステップS335)。
ペナルティゲーム数が0となっていない場合(ステップS335;N)、すなわちペナルティ状態が次ゲームでも設定される場合は、ステップS337に移行する。また、ペナルティゲーム数が0となった場合(ステップS335;Y)は、ペナルティ状態を解除し、移行条件が成立したかを判定する(ステップS337)。
移行条件が成立したかの判定(ステップS337)では、移行条件の成立として昇格リプレイ入賞が成立したかを判定する。この移行条件が成立した場合(ステップS337;Y)は、移行チャンス状態の開始をセットし(ステップS344)、通常/前兆中処理を終了する。これにより、次ゲームから遊技制御装置50ではRT状態1ST41となり、演出制御装置70では移行チャンス演出状態ST51となって遊技状態が移行チャンス状態ST31となる。また演出表示は、当該次ゲームに対するベット操作に基づき、対応する演出表示に切り替える。
また、移行条件が成立していない場合(ステップS337;N)は、本前兆演出中であるかを判定する(ステップS338)。そして、本前兆演出中である場合(ステップS338;Y)は、前兆ゲーム数を−1更新し(ステップS339)、前兆ゲーム数が0となったかを判定する(ステップS340)。前兆ゲーム数が0となっていない場合(ステップS340;N)は、通常/前兆中処理を終了する。また、前兆ゲーム数が0となった場合(ステップS340;Y)は、アシスト待機状態の開始をセットし(ステップS341)、通常/前兆中処理を終了する。これにより、次ゲームからアシスト待機状態ST53となる。また演出表示は、当該次ゲームに対するベット操作に基づき、アシスト待機状態ST53に対応した演出表示に切り替える。
一方、本前兆演出中でない場合(ステップS338;N)は、ガセ前兆演出中であるかを判定する(ステップS342)。ガセ前兆中でない場合(ステップS342;N)は、通常/前兆中処理を終了する。また、ガセ前兆中である場合(ステップS342;Y)は、前兆ゲーム数を−1更新し(ステップS343)、通常/前兆中処理を終了する。
なお、ペナルティ対象役入賞の成立の有無にかかわらずペナルティ状態を設定するようにしても良い。また、ペナルティゲーム数は成立した入賞の種類によらず一定としても良い。また、ペナルティゲーム数の設定に際し、変則停止操作の発生回数を考慮するようにしても良く、例えば、変則停止操作の発生毎に所定数のペナルティゲーム数を加算するようにしても良い。また、ペナルティ状態であっても前兆ゲーム数の減算を行うようにして前兆ゲーム数は変化しないようにしたが、ペナルティ状態の設定に伴い前兆ゲーム数をより長いゲーム数に再設定するようにしても良い。
図37、図38には、遊技モードが通常/前兆中である場合に、変則停止操作態様でない通常操作を行った場合と、変則停止操作を行った場合の例を示した。図37(a)に示すように、ベット操作を行い、スタートレバー21を操作すると、ゲームが開始されてリールの回転が開始する。このゲームの開始に伴い画像表示装置3には演出表示が表示される。ここでは、リールの停止に伴い段階的に変化する演出が設定されており、第1段階の演出表示である演出画像表示STEP1が表示される。リール6が回転開始してから所定の回転速度で回転する等速回転となるまでは停止操作が無効とされる。この状態では、リールストップボタン24に設けられたストップボタンLED66が、停止操作が無効であることを示す無効報知点灯状態となる。
その後、全リールが等速回転となると、遊技制御装置50から演出制御装置70に停止操作が可能な状態となったことを示す停止有効コマンドが送信され、図37(b)に示すように、リールストップボタン24に設けられたストップボタンLED66が、停止操作が可能な状態であることを示す有効報知点灯状態となる。
そして、遊技者が第1停止操作として左リール6aに対応したリールストップボタン24aを操作すると、図37(c)に示すように左リール6aの回転が停止される。この停止操作は変則停止操作ではない通常操作である。また、このとき遊技制御装置50から演出制御装置70に当該停止操作に対応したリール停止コマンドが送信される。これに基づき、通常停止操作音(例えばボム!!)が出力され、左リール6aに対応したリールストップボタン24aに設けられたストップボタンLED66が無効報知点灯状態となる。さらに、画像表示装置3の演出表示が第2段階の演出表示である演出画像表示STEP2に変更される。
この後、図38(a)に示すように中、右リール6b、6cが回転した状態で、第2停止操作として中リール6bに対応したリールストップボタン24bを操作すると、図38(b)に示すように中リール6bの回転が停止される。この停止操作は変則停止操作ではない通常操作である。なお、本実施形態のスロットマシンでは、第1停止操作として左リール6aを停止させていれば、第2停止操作として右リール6cを停止させても通常操作となる。
また、停止操作に伴い遊技制御装置50から演出制御装置70に当該停止操作に対応したリール停止コマンドが送信される。これに基づき、通常停止操作音(例えばボム!!)が出力され、中リール6bに対応したリールストップボタン24bに設けられたストップボタンLED66が無効報知点灯状態となる。さらに、画像表示装置3の演出表示が第3段階の演出表示である演出画像表示STEP3に変更される。
この後、第3停止操作として右リール6cに対応したリールストップボタン24cを操作すると、右リール6cの回転が停止される。また、この停止操作に伴い遊技制御装置50から演出制御装置70に当該停止操作に対応したリール停止コマンドが送信され、これに基づき、通常停止操作音(例えばボム!!)が出力され、右リール6cに対応したリールストップボタン24cに設けられたストップボタンLED66が無効報知点灯状態となる。さらに、画像表示装置3の演出表示が第4段階の演出表示である演出画像表示STEP4に変更される。そして、入賞が成立した場合は対応する払い出しや遊技状態の移行が行われてゲームが終了する。
一方、第1停止操作として左リール6aに対応したリールストップボタン24a以外のリールストップボタン24b、24cを操作すると変則停止操作となる。図37(d)では遊技者が第1停止操作として右リール6cに対応したリールストップボタン24cを操作し、右リール6cの回転を停止した例を示した。この変則停止操作がなされることに基づき罰則フリーズ状態が開始され、所定の無効時間(ここでは20秒)に亘り次の停止操作が無効とされる。
停止操作に伴い遊技制御装置50から演出制御装置70に当該停止操作に対応したリール停止コマンドが送信され、演出制御装置70でも変則停止操作に対応した処理が行われる。この処理として、まず、停止操作に対応して警告停止操作音(例えばブブ〜!!)が出力される。また、各リール6に対応するリールストップボタン24に設けられたストップボタンLED66の全てが無効報知点灯状態とされる。また、画像表示装置3の演出表示は第1段階の演出表示のまま進行が停止するとともに明度を低下させた暗転状態となる。なお、暗転状態でなくとも色彩を薄く表示するなど演出表示を認識しにくくする表示であれば良い。また、暗転状態とせずに演出表示の進行を停止するのみとしても良い。さらに、演出表示よりも前側に重なるように警告表示91が行われる。この警告表示91では第1停止として左リール6aの停止操作を行わなければならなかった旨を報知する。
その後、図38(c)に示すように警告表示91に代えて残り無効時間表示92が行われる。また、罰則フリーズ状態とされている期間では警告音(例えばブブ〜!!)が継続して出力される。そして、罰則フリーズ状態の無効時間が終了すると、図38(d)に示すように第2停止操作が可能となり、回転中のリール6a、6bに対応するリールストップボタン24a、24bに設けられたストップボタンLED66が有効報知点灯状態となる。また、警告音(例えばブブ〜!!)出力が終了する。なお、警告音の出力を継続しても良い。この状態でも画像表示装置3の演出表示は変則停止操作を行った時点での第1段階の演出表示のまま進行が停止した状態とされるとともに明度を低下させた暗転状態のままとされる。
この後、図38(e)に示すように遊技者が第2停止操作として左リール6aに対応したリールストップボタン24aを操作すると、再度罰則フリーズ状態が開始され、所定の無効時間(ここでは20秒)に亘り次の停止操作が無効とされる。
また、停止操作に伴い遊技制御装置50から演出制御装置70に当該停止操作に対応したリール停止コマンドが送信され、演出制御装置70でも変則停止操作に対応した処理が再度行われる。この処理として、停止操作に対応して警告停止操作音(例えばブブ〜!!)が出力され、演出表示よりも前側に重なるように警告表示91が行われ、その後残り無効時間表示92が行われる。また、各リール6に対応するリールストップボタン24に設けられたストップボタンLED66の全てが無効報知点灯状態とされる。また、無効時間の終了まで警告音(例えばブブ〜!!)が継続して出力される。なお、画像表示装置3の演出表示は変則停止操作を行った時点での第1段階の演出表示のまま進行が停止した状態とされるとともに明度を低下させた暗転状態のままとされる。
この後、罰則フリーズ状態の無効時間が終了すると、第3停止操作が可能となり、回転中のリール6bに対応するリールストップボタン24bに設けられたストップボタンLED66が有効報知点灯状態となる。また、警告音の出力が終了する。この状態でも図38(d)に示した状態と同様に、画像表示装置3の演出表示は変則停止操作を行った時点での第1段階の演出表示のまま進行が停止した状態とされるとともに明度を低下させた暗転状態のままとされる。
そして、遊技者が第3停止操作として中リール6bに対応したリールストップボタン24bを操作すると、再度罰則フリーズ状態が開始され、所定の無効時間(ここでは20秒)に亘り次ゲーム開始のための操作(ベット操作やスタートレバー21の操作)が無効とされる。
また、第3停止操作に伴い遊技制御装置50から演出制御装置70に当該停止操作に対応したリール停止コマンドが送信され、演出制御装置70でも変則停止操作に対応した処理が再度行われる。この処理として、停止操作に対応して警告停止操作音(例えばブブ〜!!)が出力され、演出表示よりも前側に重なるように警告表示91が行われ、その後残り無効時間表示92が行われる。なお、各リール6に対応するリールストップボタン24に設けられたストップボタンLED66の全ては無効報知点灯状態とされる。また、無効時間の終了まで警告音(例えばブブ〜!!)が継続して出力される。なお、画像表示装置3の演出表示は変則停止操作を行った時点での第1段階の演出表示のまま進行が停止した状態とされるとともに明度を低下させた暗転状態のままとされる。
そして、無効時間が経過すると次ゲームの開始が可能な状態となる。なお、変則停止操作が発生したゲームの結果として、変則停止操作を行うことで成立可能となる入賞役であるペナルティ入賞役(第1停止が左リール6a以外の押し順ベル入賞や押し順が定められるリプレイ入賞)が成立した場合は、所定ゲーム数に亘りAT権利の獲得抽選が行われないペナルティ状態が設定される。
〔AT待機中処理〕
図39には、図33に示したゲーム進行制御処理におけるAT待機中処理を示した。このAT待機中処理では、まず、決定済みの演出パターンによるゲーム演出(フリーズ演出やレア役期待演出、連続予告など)の実行を開始し(ステップS351)、リール6が停止した際に送信されるリール停止コマンドを受信したかを判定する(ステップS352)。リール停止コマンドを受信していない場合(ステップS352;N)は、ステップS355に移行する。また、リール停止コマンドを受信した場合(ステップS352;Y)は、停止したリールに対応するリール停止情報を更新し(ステップS353)、リール停止情報に基づきゲーム演出を更新して(ステップS354)、入賞の判定結果の情報を含むゲーム結果コマンドを受信したかを判定する(ステップS355)。
ゲーム結果コマンドを受信していない場合(ステップS355;N)は、ステップS352に戻る。また、ゲーム結果コマンドを受信した場合(ステップS355;Y)は、押し順ベルの取りこぼしが発生したかを判定する(ステップS356)。押し順ベルを取りこぼした場合(ステップS356;Y)は、昇格/突入AT状態の開始をセットし(ステップS360)、AT待機中処理を終了する。これにより、次ゲームから移行アシスト状態ST54となり、当選した小役の成立をアシストする情報の提供(例えば押し順の報知)が開始される。また演出表示は、当該次ゲームに対するベット操作に基づき、移行アシスト状態ST54に対応した演出表示に切り替わる。すなわち、ここでの押し順ベルの取りこぼしの発生は、遊技者に有利となる停止操作に関するアシスト情報の報知を開始する開始条件の成立をなす。
また、押し順ベルを取りこぼしていない場合(ステップS356;N)は、転落条件が成立したかを判定する(ステップS357)。ここでの転落条件とは、転落リプレイ(特殊リプレイ3)入賞又はSIN入賞の成立である。転落条件が成立していない場合(ステップS357;N)は、AT待機中処理を終了する。また、転落条件が成立した場合(ステップS357;Y)は、AT権利のストックを−1更新し(ステップS358)、通常/前兆状態の開始をセットして(ステップS359)、AT待機中処理を終了する。
これにより、遊技制御装置50では通常状態ST40のまま変化はないが、次ゲームから演出制御装置70では非アシスト状態ST50又は前兆遊技状態ST52となり、遊技状態が通常遊技状態ST10に移行する。また演出表示は、当該次ゲームに対するベット操作に基づき対応する演出表示に切り替わる。なお、AT権利のストックを−1更新した後にAT権利のストックが0でなければ前兆遊技状態ST52に移行する。また、AT権利のストックを−1更新した後にAT権利のストックが0であれば非アシスト状態ST50に移行する。
ここでは、前兆ゲームの消化に伴いアシスト待機状態ST53に移行し、押し順ベルの取りこぼしに伴い昇格/突入AT状態(移行アシスト状態ST54)に移行するようにしたが、押し順ベルの取りこぼしに関係なく前兆ゲームを消化したら昇格/突入AT状態に直接移行するようにしても良い。
〔昇格/突入AT中処理〕
図40には、図33に示したゲーム進行制御処理における昇格/突入AT中処理を示した。この昇格/突入AT中処理では、まず、決定済みの演出パターンによるゲーム演出(フリーズ演出やレア役期待演出、連続予告など)の実行を開始し(ステップS371)、アシスト対象役に当選したかを判定する(ステップS372)。アシスト対象役に当選していない場合(ステップS372;N)は、ステップS374に移行する。また、アシスト対象役に当選した場合(ステップS372;Y)は、遊技者に有利となる操作アシスト画像の表示をセットする(ステップS373)。
アシスト対象役とは、押し順ベル入賞、昇格リプレイ入賞、突入リプレイ入賞、転落リプレイ入賞及びSIN入賞である。そして、遊技者に有利となる操作アシスト画像とは、押し順ベル入賞、昇格リプレイ入賞及び突入リプレイ入賞の成立、SIN入賞及び転落リプレイ入賞の成立の回避を可能とする押し順や狙う停止図柄を報知する画像である。なお、昇格リプレイ入賞と転落リプレイ入賞は重複当選するので、昇格リプレイ入賞の成立をアシストすることで転落リプレイ入賞の成立の回避をアシストできる。
その後、リール6が停止した際に送信されるリール停止コマンドを受信したかを判定する(ステップS374)。リール停止コマンドを受信していない場合(ステップS374;N)は、ステップS379に移行する。また、リール停止コマンドを受信した場合(ステップS374;Y)は、停止したリールに対応するリール停止情報を更新し(ステップS375)、アシスト違反があったかを判定する(ステップS376)。
アシスト違反とは、遊技者が操作アシスト画像で報知した押し順や狙う停止図柄を無視した操作を行ったことである。このアシスト違反があった場合(ステップS376;Y)は、警告音の出力及び警告画像の表示をセットし(ステップS377)、入賞の判定結果の情報を含むゲーム結果コマンドを受信したかを判定する(ステップS379)。警告音の出力や警告画像の表示は、例えば図37(d)に示したような態様で行う。さらに、ゲーム演出や操作アシスト画像の更新も停止する。また、アシスト違反がない場合(ステップS376;N)は、リール停止情報に基づき実行中の演出(ゲーム演出(G演出)や操作アシスト画像(AT画像))を更新して(ステップS378)、入賞の判定結果の情報を含むゲーム結果コマンドを受信したかを判定する(ステップS379)。
ゲーム結果コマンドを受信していない場合(ステップS379;N)は、ステップS374に戻る。また、ゲーム結果コマンドを受信した場合(ステップS379;Y)は、昇格条件が成立したかを判定する(ステップS380)。ここでの昇格条件の成立とは昇格リプレイ入賞の成立である。この昇格条件が成立した場合(ステップS380;Y)は、昇格/突入AT状態の開始をセットし(ステップS381)、昇格/突入中処理を終了する。これにより、演出制御装置70でのゲーム状態は変化しないが、遊技制御装置50においてRT状態1への移行が行われ、次ゲームからART待機状態ST33となる。また演出表示は、当該次ゲームに対するベット操作に基づき対応する演出表示に切り替える。
一方、昇格条件が成立していない場合(ステップS380;N)は、転落条件が成立したかを判定する(ステップS382)。ここでの転落条件の成立とは、違反の発生によるもので、転落リプレイ(特殊リプレイ3)入賞又はSIN入賞が成立した場合や、所定の押し順でなければ成立しないベル入賞を取りこぼした場合(押し順ベルこぼし)である。この転落条件が成立した場合(ステップS382;Y)は、AT権利のストックを−1更新し(ステップS386)、通常/前兆状態の開始をセットして(ステップS387)、昇格/突入AT中処理を終了する。
これにより、遊技制御装置50では通常状態ST40のまま変化はないが、次ゲームから演出制御装置70では非アシスト状態ST50又は前兆遊技状態ST52となって当選した小役の成立をアシストする情報の提供(例えば押し順の報知)が終了し、遊技状態が通常遊技状態ST10となる。また演出表示は、当該次ゲームに対するベット操作に基づき対応する演出表示に切り替わる。なお、AT権利のストックを−1更新した後にAT権利のストックが0でなければ前兆遊技状態ST52に移行する。また、AT権利のストックを−1更新した後にAT権利のストックが0であれば非アシスト状態ST50に移行する。すなわち、ここでの転落条件の成立は、遊技者に有利となる停止操作に関するアシスト情報の報知を終了する終了条件の成立をなす。
また、転落条件が成立していない場合(ステップS382;N)は、移行条件が成立したかを判定する(ステップS383)。ここでの移行条件の成立とは突入リプレイ入賞の成立である。この移行条件が成立していない場合(ステップS383;N)は、昇格/突入AT中処理を終了する。また、移行条件が成立した場合(ステップS383;Y)は、ART状態ST35で実行可能なゲーム数を管理するATゲーム数カウンタに初期値をセットし(ステップS384)、AT権利のストック内容に対応する上乗せAT状態の開始をセットして(ステップS385)、昇格/突入AT中処理を終了する。
これにより、次ゲームから遊技制御装置50ではRT状態2ST42となり、演出制御装置70では特定アシスト状態ST55となって遊技状態がART状態ST35となる。また演出表示は、当該次ゲームに対するベット操作に基づき、対応する演出表示に切り替える。なお、ストックされているAT権利のうちストックされた順が最先のAT権利の種類によりゲーム数固定アシスト状態ST55aすなわちART状態1ST35aと、ゲーム数可変アシスト状態ST55bすなわちART状態2ST35bの何れかの状態となる。なお、AT権利の種類ではなく、成立した突入リプレイ入賞の揃い方(中段又はナナメ)に応じて移行するゲーム状態を選択するようにしても良い。
図41には、操作アシスト画像の一例を示した。図41(a)から(c)には、昇格リプレイ入賞の成立をアシスト(転落リプレイ入賞の成立を回避)する操作アシスト画像を示した。ゲームを開始すると、図41(a)に示すように画像表示装置3に、数字により示される押し順と、図形により示される成立する入賞の種類が表示される。ここでは、押し順が左、中、右の順である場合を示しており、ひし形の図形により昇格リプレイ入賞が成立することを示している。さらに、音声(ここでは、きゅぴ〜ん!)によっても成立する入賞の種類が示されている。
遊技者が操作アシスト画像の指示に従い、第1停止操作として左リール6aを停止させる操作を行うと、図41(b)に示すように停止した左リール6aに対応する表示が暗転する。さらに、遊技者が操作アシスト画像の指示に従い、第2停止操作として中リール6bを停止させる操作を行うと、図41(c)に示すように停止した中リール6bに対応する表示が暗転する。なお、遊技者が操作アシスト画像の指示に従わない操作を行った場合(アシスト違反があった場合)は、警告音の出力や警告画像の表示がなされるとともに、ゲーム演出や操作アシスト画像の更新が停止される。
図41(d)から(f)には、突入リプレイ入賞の成立をアシストする操作アシスト画像を示した。この場合も図41(d)に示すように画像表示装置3に、数字により示される押し順と、図形により示される成立する入賞の種類が表示される。ここでは、押し順が左、中、右の順である場合を示しており、正方形の図形により突入リプレイ入賞が成立することを示している。さらに、音声(ここでは、じょわ〜ん!)によっても成立する入賞の種類が示されている。
遊技者が操作アシスト画像の指示に従った停止操作を行うことで、図41(e)、(f)に示すように昇格リプレイ入賞の場合と同様の操作アシスト画像の更新が行われる。また、アシスト違反があった場合も同様に、警告音の出力や警告画像の表示がなされるとともに、ゲーム演出や操作アシスト画像の更新が停止される。
図41(g)から(i)には、SIN入賞の成立の回避をアシストする操作アシスト画像を示した。この場合は、右、中、左の順に停止操作を行い、右リール6cには「7」を狙うように指示される。遊技者が操作アシスト画像の指示に従った停止操作を行うことで操作アシスト画像の更新が行われ、停止したリールに対応するアシスト表示が消去される。また、アシスト違反があった場合は、警告音の出力や警告画像の表示がなされるとともに、ゲーム演出や操作アシスト画像の更新が停止される。
図41(j)から(l)には、押し順ベル入賞の成立をアシストする操作アシスト画像を示した。この場合も昇格リプレイ入賞の場合と同じく、図41(j)に示すように画像表示装置3に、数字により示される押し順と、図形により示される成立する入賞の種類が表示される。ここでは、押し順が左、中、右の順である場合を示しており、円形の図形により押し順ベル入賞が成立することを示している。
遊技者が操作アシスト画像の指示に従った停止操作を行うことで、図41(k)、(l)に示すように昇格リプレイ入賞の場合と同様の操作アシスト画像の更新が行われる。また、アシスト違反があった場合も同様に、警告音の出力や警告画像の表示がなされるとともに、ゲーム演出や操作アシスト画像の更新が停止される。
なお、ART状態ST35中は、昇格リプレイ入賞及び突入リプレイ入賞の成立をアシストする場合であっても、操作アシスト画像は押し順ベル入賞の成立をアシストする操作アシスト画像と同じ画像とする。また、当選した入賞の成立をアシストする情報を報知しない状態(例えば通常遊技状態ST10)であっても、低確率で押し順ベル入賞の成立をアシストする操作アシスト画像を表示するようにしても良い。
〔上乗せAT中処理〕
図42には、図33に示したゲーム進行制御処理における上乗せAT中処理を示した。この上乗せAT中処理では、まず、特化ゾーン中であるかを判定する(ステップS391)。特化ゾーンとは、ゲーム数可変アシスト状態ST55bにおける特化ゾーン1ST55b1及び特化ゾーン2ST55b2である。特化ゾーンである場合(ステップS391;Y)は、特化ゾーン中処理(ステップS393)を行い、ステップS394に移行する。また、特化ゾーンでない場合(ステップS391;N)は、決定済みの演出パターンによるゲーム演出(フリーズ演出やレア役期待演出、連続予告など)の実行を開始し(ステップS392)、アシスト対象役に当選したかを判定する(ステップS394)。
アシスト対象役に当選していない場合(ステップS394;N)は、ステップS396に移行する。また、アシスト対象役に当選した場合(ステップS394;Y)は、遊技者に有利となる操作アシスト画像の表示をセットする(ステップS395)。なお、アシスト対象役及び遊技者に有利となる操作アシスト画像は、昇格/突入AT中処理と同じものの他、アシスト対象役として上乗せリプレイ入賞が加わり、これに対応する操作アシスト画像として押し順当て演出(図32(g)参照)が行われるようになっている。
その後、リール6が停止した際に送信されるリール停止コマンドを受信したかを判定する(ステップS396)。リール停止コマンドを受信していない場合(ステップS396;N)は、ステップS401に移行する。また、リール停止コマンドを受信した場合(ステップS396;Y)は、停止したリールに対応するリール停止情報を更新し(ステップS397)、アシスト違反があったかを判定する(ステップS398)。
アシスト違反とは、遊技者が操作アシスト画像で報知した押し順や狙う停止図柄を無視した操作を行ったことである。このアシスト違反があった場合(ステップS398;Y)は、警告音の出力及び警告画像の表示をセットし(ステップS399)、入賞の判定結果の情報を含むゲーム結果コマンドを受信したかを判定する(ステップS401)。警告音の出力や警告画像の表示は、例えば図37(d)に示したような態様で行う。さらに、ゲーム演出や操作アシスト画像の更新も停止する。また、アシスト違反がない場合(ステップS398;N)は、リール停止情報に基づき実行中の演出(ゲーム演出(G演出)や操作アシスト画像(AT画像))を更新して(ステップS400)、入賞の判定結果の情報を含むゲーム結果コマンドを受信したかを判定する(ステップS401)。
ゲーム結果コマンドを受信していない場合(ステップS401;N)は、ステップS396に戻る。また、ゲーム結果コマンドを受信した場合(ステップS401;Y)は、ATゲーム数カウンタを−1更新し(ステップS402)、転落条件が成立したかを判定する(ステップS403)。ここでの転落条件の成立とは、違反の発生によるもので、転落リプレイ(特殊リプレイ3)入賞又はSIN入賞が成立した場合や、所定の押し順でなければ成立しないベル入賞を取りこぼした場合(押し順ベルこぼし)である。
この転落条件が成立した場合(ステップS403;Y)は、ATゲーム数カウンタの値が0であるかを判定する(ステップS409)。ATゲーム数カウンタの値が0でない場合(ステップS409;N)は、救済AT状態の開始をセットし(ステップS410)、上乗せAT中処理を終了する。転落条件の成立により遊技制御装置50では通常状態ST40となり、演出制御装置70ではATゲーム数カウンタが0でないことから移行アシスト状態ST54となって、次ゲームから遊技状態が救済AT状態ST32となる。また演出表示は、当該次ゲームに対するベット操作に基づき、対応する演出表示に切り替わる。
一方、ATゲーム数カウンタの値が0である場合(ステップS409;Y)は、AT権利のストックを−1更新し(ステップS411)、通常/前兆状態の開始をセットして(ステップS412)、上乗せAT中処理を終了する。転落条件の成立により遊技制御装置50では通常状態ST40となり、演出制御装置70ではATゲーム数カウンタが0であることから非アシスト状態ST50又は前兆遊技状態ST52となって当選した小役の成立をアシストする情報の提供(例えば押し順の報知)が終了し、次ゲームから遊技状態が通常遊技状態ST10となる。また演出表示は、当該次ゲームに対するベット操作に基づき対応する演出表示に切り替わる。
なお、AT権利のストックを−1更新した後にAT権利のストックが0でなければ前兆遊技状態ST52に移行する。また、AT権利のストックを−1更新した後にAT権利のストックが0であれば非アシスト状態ST50に移行する。すなわち、ここでの転落条件の成立かつATゲーム数カウンタの値と0なることは、遊技者に有利となる停止操作に関するアシスト情報の報知を終了する終了条件の成立をなす。
また、転落条件が成立していない場合(ステップS403;N)は、ATゲーム数カウンタの値が0であるかを判定し(ステップS404)、0でない場合(ステップS404;N)は上乗せAT中処理を終了する。また、ATゲーム数カウンタの値が0である場合(ステップS404;Y)は、AT権利のストックを−1更新し(ステップS405)、AT権利のストックが0であるかを判定する(ステップS406)。
AT権利のストックが0でない場合(ステップS406;N)は、昇格/突入AT状態の開始をセットし(ステップS407)、上乗せAT中処理を終了する。これにより、遊技制御装置50ではRT状態2のまま変化はないが、演出制御装置70では移行アシスト状態ST54となって、次ゲームから遊技状態がART待機状態ST33となる。また演出表示は、当該次ゲームに対するベット操作に基づき対応する演出表示に切り替わる。
また、AT権利のストックが0である場合(ステップS406;Y)は、移行チャンス状態の開始をセットし(ステップS408)、上乗せAT中処理を終了する。これにより、遊技制御装置50ではRT状態2のまま変化はないが、演出制御装置70では移行チャンス演出状態ST51となって当選した小役の成立をアシストする情報の提供(例えば押し順の報知)が終了し、次ゲームから遊技状態が移行チャンス状態ST31となる。また演出表示は、当該次ゲームに対するベット操作に基づき対応する演出表示に切り替わる。すなわち、ここでのATゲーム数カウンタ値が0となることかつAT権利のストックが0となることは、遊技者に有利となる停止操作に関するアシスト情報の報知を終了する終了条件の成立をなす。
〔特化ゾーン中処理〕
図43には、図42に示した上乗せAT中処理における特化ゾーン中処理を示した。この特化ゾーン中処理では、まず、特化ゾーン1(ST55b1)中であるかを判定する(ステップS421)。特化ゾーン1である場合(ステップS421;Y)は、上乗せ数を決定する上乗せ数決定処理1(ステップS422)を行い、上乗せ数をATゲーム数カウンタに加算して上乗せ演出の実行をセットする(ステップS423)。
そして、ゾーンゲーム数を−1更新し(ステップS424)、ゾーンゲーム数が0であるかを判定する(ステップS425)。ゾーンゲーム数が0でない場合(ステップS425;N)は、特化ゾーン中処理を終了する。この場合は次ゲームでも特化ゾーン1ST55b1が継続する。また、ゾーンゲーム数が0である場合(ステップS425;Y)は、特化ゾーン終了演出の実行をセットし(ステップS426)、特化ゾーン中処理を終了する。この場合は次ゲームから通常ゾーンST55b0となる。
一方、特化ゾーン1中でない場合(ステップS421;N)は、特化ゾーン2(ST55b2)中であるかを判定する(ステップS427)。特化ゾーン2でない場合(ステップS427;N)は、特化ゾーン中処理を終了する。また、特化ゾーン2である場合(ステップS427;Y)は、上乗せ数を決定する上乗せ数決定処理2(ステップS428)を行い、上乗せ数をATゲーム数カウンタに加算して上乗せ演出の実行をセットする(ステップS429)。
そして、特化ゾーン継続抽選を行い(ステップS430)、抽選結果が特化ゾーンの非継続であるかを判定する(ステップS431)。抽選結果が特化ゾーンの非継続でない場合(ステップS431;N)は、特化ゾーン中処理を終了する。この場合は次ゲームでも特化ゾーン2ST55b2が継続する。また、抽選結果が特化ゾーンの非継続である場合(ステップS431;Y)は、特化ゾーン終了演出の実行をセットし(ステップS426)、特化ゾーン中処理を終了する。この場合は次ゲームから通常ゾーンST55b0となる。
上乗せ数決定処理1(ステップS422)では、図44(a)に示す選択率に従い上乗せ数を決定する。また、上乗せ数決定処理2(ステップS428)では、図44(b)に示す選択率に従い上乗せ数を決定する。この際に、上乗せ数決定用の乱数によって図44(a)又は(b)に示す選択率となるように上乗せ数を選択するようにしても良いし、内部当選した入賞役に対応して上乗せ数を決定することで図44(a)又は(b)に示す選択率となるようにしても良い。内部当選した入賞役に対応して上乗せ数を決定する場合は、一の入賞役に一の上乗せ数が対応するようにしても良いし、一の入賞役に複数の上乗せ数が対応し、乱数により選択されるようにしても良い。この場合に当選確率の低い入賞役ほど上乗せ数の期待値が大きくなるようにすることが好ましい。また、上乗せ数に0を設定しておいても良く、特化ゾーン2ST55b2中においては、継続抽選の代わりに上乗せ数に0が選択されたことを非継続の条件としても良い。
〔救済AT中処理〕
図45には、図33に示したゲーム進行制御処理における救済AT中処理を示した。この救済AT中処理では、まず、決定済みの演出パターンによるゲーム演出(フリーズ演出やレア役期待演出、連続予告など)の実行を開始し(ステップS441)、アシスト対象役に当選したかを判定する(ステップS442)。
アシスト対象役に当選していない場合(ステップS442;N)は、ステップS444に移行する。また、アシスト対象役に当選した場合(ステップS442;Y)は、遊技者に有利となる操作アシスト画像の表示をセットする(ステップS443)。なお、アシスト対象役及び遊技者に有利となる操作アシスト画像は、昇格/突入AT中処理と同じものである。
その後、リール6が停止した際に送信されるリール停止コマンドを受信したかを判定する(ステップS444)。リール停止コマンドを受信していない場合(ステップS444;N)は、ステップS449に移行する。また、リール停止コマンドを受信した場合(ステップS444;Y)は、停止したリールに対応するリール停止情報を更新し(ステップS445)、アシスト違反があったかを判定する(ステップS446)。
アシスト違反とは、遊技者が操作アシスト画像で報知した押し順や狙う停止図柄を無視した操作を行ったことである。このアシスト違反があった場合(ステップS446;Y)は、警告音の出力及び警告画像の表示をセットし(ステップS447)、入賞の判定結果の情報を含むゲーム結果コマンドを受信したかを判定する(ステップS449)。警告音の出力や警告画像の表示は、例えば図37(d)に示したような態様で行う。さらに、ゲーム演出や操作アシスト画像の更新も停止する。また、アシスト違反がない場合(ステップS446;N)は、リール停止情報に基づき実行中の演出(ゲーム演出(G演出)や操作アシスト画像(AT画像))を更新して(ステップS448)、入賞の判定結果の情報を含むゲーム結果コマンドを受信したかを判定する(ステップS449)。
ゲーム結果コマンドを受信していない場合(ステップS449;N)は、ステップS444に戻る。また、ゲーム結果コマンドを受信した場合(ステップS449;Y)は、ATゲーム数カウンタを−1更新し(ステップS450)、ATゲーム数カウンタの値が0であるかを判定する(ステップS451)。そして、ATゲーム数カウンタの値が0でない場合(ステップS451;N)は、転落条件が成立したかを判定する(ステップS452)。ここでの転落条件の成立とは、違反の発生によるもので、転落リプレイ(特殊リプレイ3)入賞又はSIN入賞が成立した場合や、所定の押し順でなければ成立しないベル入賞を取りこぼした場合(押し順ベルこぼし)である。
ATゲーム数カウンタの値が0である場合(ステップS451;Y)又は転落条件が成立した場合(ステップS452;Y)は、AT権利のストックを−1更新し(ステップS453)、通常/前兆状態の開始をセットして(ステップS454)、救済AT中処理を終了する。これにより、遊技制御装置50では通常状態ST40のまま変化はないが、演出制御装置70ではATゲーム数カウンタが0であることから非アシスト状態ST50又は前兆遊技状態ST52となって当選した小役の成立をアシストする情報の提供(例えば押し順の報知)が終了し、次ゲームから遊技状態が通常遊技状態ST10となる。また演出表示は、当該次ゲームに対するベット操作に基づき対応する演出表示に切り替わる。
なお、AT権利のストックを−1更新した後にAT権利のストックが0でなければ前兆遊技状態ST52に移行する。また、AT権利のストックを−1更新した後にAT権利のストックが0であれば非アシスト状態ST50に移行する。すなわち、ここでのATゲーム数カウンタ値が0となること又は転落条件の成立は、遊技者に有利となる停止操作に関するアシスト情報の報知を終了する終了条件の成立をなす。
一方、転落条件が成立していない場合(ステップS452;N)は、昇格条件が成立したかを判定する(ステップS455)。ここでの昇格条件の成立とは、昇格リプレイ入賞の成立である。この昇格条件が成立していない場合(ステップS455;N)は、救済AT中処理を終了する。
また、昇格条件が成立した場合(ステップS455;Y)は、昇格/突入AT状態の開始をセットし(ステップS456)、救済AT中処理を終了する。これにより、遊技制御装置50では通常状態ST40からRT状態1ST41に移行する。また、演出制御装置70では移行アシスト状態ST54のまま変化はない。これにより、次ゲームから遊技状態がART待機状態ST33となる。また演出表示は、当該次ゲームに対するベット操作に基づき対応する演出表示に切り替わる。
〔移行チャンス中処理〕
図46には、図33に示したゲーム進行制御処理における移行チャンス中処理を示した。この移行チャンス中処理では、まず、決定済みの演出パターンによるゲーム演出(フリーズ演出やレア役期待演出、連続予告など)の実行を開始し(ステップS461)、リール6が停止した際に送信されるリール停止コマンドを受信したかを判定する(ステップS462)。
リール停止コマンドを受信していない場合(ステップS462;N)は、ステップS465に移行する。また、リール停止コマンドを受信した場合(ステップS462;Y)は、停止したリールに対応するリール停止情報を更新し(ステップS463)、リール停止情報に基づき実行中の演出(ゲーム演出(G演出))を更新して(ステップS464)、入賞の判定結果の情報を含むゲーム結果コマンドを受信したかを判定する(ステップS465)。
ゲーム結果コマンドを受信していない場合(ステップS465;N)は、ステップS462に戻る。また、ゲーム結果コマンドを受信した場合(ステップS465;Y)は、転落条件が成立したかを判定する(ステップS466)。ここでの転落条件の成立とは、違反の発生によるもので、転落リプレイ(特殊リプレイ3)入賞又はSIN入賞が成立した場合や、所定の押し順でなければ成立しないベル入賞を取りこぼした場合(押し順ベルこぼし)である。
この転落条件が成立した場合(ステップS466;Y)は、通常/前兆状態の開始をセットし(ステップS470)、移行チャンス中処理を終了する。これにより、遊技制御装置50ではRT状態2ST42から通常状態ST40に移行し、演出制御装置70では移行チャンス演出状態ST51から非アシスト状態ST50に移行し、次ゲームから遊技状態が通常遊技状態ST10となる。また演出表示は、当該次ゲームに対するベット操作に基づき対応する演出表示に切り替わる。
また、転落条件が成立していない場合(ステップS466;N)は、移行条件が成立したかを判定する(ステップS467)。ここでの移行条件の成立とは、突入リプレイ入賞の成立である。なお、ここでは突入リプレイ入賞に内部当選したゲームで押し順当て演出(所定のチャンス演出)は行われない。この移行条件が成立していない場合(ステップS467;N)は、移行チャンス中処理を終了する。また、移行条件が成立した場合(ステップS467;Y)は、セット数上乗せAT状態の開始をセットし(ステップS468)、ATゲーム数カウンタに初期値をセットして(ステップS469)、移行チャンス中処理を終了する。
これにより、遊技制御装置50ではRT状態2ST42のまま変化はないが、演出制御装置70では移行チャンス演出状態ST51から特定アシスト状態ST55のゲーム数固定アシスト状態ST55aに移行して当選した小役の成立をアシストする情報の提供(例えば押し順の報知)が開始され、次ゲームから遊技状態がART状態35のART状態1ST35aとなる。また演出表示は、当該次ゲームに対するベット操作に基づき対応する演出表示に切り替わる。すなわち、ここでの突入リプレイ入賞の成立は、遊技者に有利となる停止操作に関するアシスト情報の報知を開始する開始条件の成立をなす。
すなわち、演出制御装置70が、所定の開始条件が成立してから所定の終了条件が成立するまで遊技者に有利となる停止操作に関するアシスト情報を報知することが可能なアシスト情報報知手段をなす。また、アシスト情報報知手段は、少なくとも開始出目(昇格リプレイ入賞)を導出するためのアシスト情報及び終了出目(押し順ベルこぼし、SIN入賞及び転落リプレイ入賞)の導出を回避するためのアシスト情報を報知することとなる。
〔ストック獲得判定処理〕
図47には、図26に示した演出制御処理におけるストック獲得判定処理を示した。このストック獲得判定処理では、まず、ボーナス中(特別遊技状態中)であるかを判定し(ステップS481)、ボーナス中である場合(ステップS481;Y)は、ボーナス中ストック処理(ステップS490)を行い、ストック獲得判定処理を終了する。また、ボーナス中でない場合(ステップS481;N)は、ペナルティ状態中であるかを判定する(ステップS482)。
ペナルティ状態中である場合(ステップS482;Y)は、ストック獲得判定処理を終了する。なお、ペナルティ状態である場合は、本前兆演出及びガセ前兆演出は開始されないが、AT権利のストックがある場合には本前兆演出を開始するようにしても良い。また、ペナルティ状態中でない場合(ステップS482;N)は、AT用乱数1〜3を取得し(ステップS483)、ゲーム数上乗せAT中であるかを判定する(ステップS484)。なお、ゲーム数上乗せAT中とは、演出制御装置70におけるゲーム状態がゲーム数可変アシスト状態ST55bであって、遊技状態がART状態2ST35bである状態である。
ゲーム数上乗せAT中でない場合(ステップS484;N)は、当選した入賞に応じてAT権利の獲得抽選を行うストック抽選処理(ステップS485)を行う。次に、レア小役に所定回数(例えば4回)連続して当選した場合にAT権利を1つストックし、さらに連続して当選する度にAT権利を1つストックする連続当選ストック処理(ステップS486)を行う。そして、ベル入賞が所定回数(例えば6回)連続して成立した場合にAT権利を1つストックし、さらに連続して当選する度にAT権利を1つストックする連続入賞ストック処理(ステップS487)を行う。なお、レア小役の連続当選やベル入賞の連続成立が継続している場合は、AT権利のストックがあっても本前兆演出は開始されず、AT権利が消化されないようになっている。
次に、特別遊技状態の終了と特定遊技状態の終了の何れか遅い方から1000回のゲームを実行したことに基づきAT権利を3又は5つストックする天井ストック処理(ステップS488)を行う。その後、遊技状態に応じて特殊リプレイ2入賞(上乗せリプレイ入賞)が成立することに基づきAT権利を1つストックする上乗せリプレイストック処理(ステップS489)を行い、ストック獲得判定処理を終了する。すなわち、演出制御装置70が、所定の獲得条件が成立したことに基づいて、アシスト情報報知手段(演出制御装置70)にアシスト情報の報知を行わせるための実行権利(AT権利)を記憶することが可能な実行権利記憶手段をなす。
一方、ゲーム数上乗せAT中である場合(ステップS484;Y)は、特化ゾーン中であるかを判定する(ステップS491)。特化ゾーンとは、ゲーム数可変アシスト状態ST55bにおける特化ゾーン1ST55b1及び特化ゾーン2ST55b2である。この特化ゾーンである場合(ステップS491;Y)は、ストック獲得判定処理を終了する。また、特化ゾーンでない場合(ステップS491;N)は、当選した入賞に応じて特化ゾーンへの移行の抽選を行う特化ゾーン移行抽選処理(ステップS492)を行い、抽選の結果、特化ゾーンへの移行が決定されたかを判定する(ステップS493)。
特化ゾーンへの移行が決定されなかった場合(ステップS493;N)は、ストック獲得判定処理を終了する。また、特化ゾーンへの移行が決定された場合(ステップS493;Y)は、対応する特化ゾーンへの移行をセットし(ステップS494)、特化ゾーン1への移行であるかを判定する(ステップS495)。
特化ゾーン1への移行である場合(ステップS495;Y)は、ゾーンゲーム数を決定してセットし(ステップS496)、ストック獲得判定処理を終了する。ゾーンゲーム数はAT用乱数2を用いて2〜25ゲームの何れかに決定する。また、特化ゾーン1への移行でない場合(ステップS495;N)は、ゾーン継続率を決定してセットし(ステップS497)、ストック獲得判定処理を終了する。ゾーン継続率はAT用乱数3を用いて50%、75%又は90%の何れかに決定される。
図48には、各レア小役に当選した場合にストック抽選処理(ステップS485)においてAT権利を獲得する期待度(確率)の高さと、各レア小役に当選した場合に特化ゾーン移行抽選処理(ステップS492)において特化ゾーンへの移行が選択される期待度(確率)の高さを示した。この期待度は、3枚役A(弱チェリー)が最も低く、純ハズレが最も高くなっている。なお、純ハズレとは、何れの入賞役にも当選しなかった場合であり、この純ハズレの場合はAT権利の獲得又は特化ゾーン2への移行が確定する。
〔ストック抽選処理〕
図49には、図47に示したストック獲得判定処理におけるストック抽選処理を示した。このストック抽選処理では、まず、抽選対象役(レア)役に当選したかを判定する(ステップS501)。抽選対象役(レア)役に当選していない場合(ステップS501;N)は、純ハズレに当選したかを判定する(ステップS513)。純ハズレに当選していない場合(ステップS513;N)は、ストック抽選処理を終了する。また、純ハズレに当選した場合(ステップS513;Y)は、ステップS510に移行する。
一方、抽選対象役(レア小役)に当選した場合(ステップS501;Y)は、レア役カウンタを+1更新し(ステップS502)、レア役カウンタが上限値(例えば9)に達したかを判定する(ステップS503)。レア役カウンタが上限値に達していない場合(ステップS503;N)は、抽選確率状態に対応するストック判定テーブルをセットし(ステップS504)、セット済みテーブルから当選役に応じた役別ストック判定テーブルをセットする(ステップS507)。
図50に示すようにストック判定テーブルには、AT権利の抽選確率状態に対応したテーブルが用意されている。抽選確率状態が低確状態である場合は低確中ストック判定テーブルがセットされる。このストック判定テーブルが選択された場合にAT権利を獲得する確率(ストック期待度)は2%となっている。また、抽選確率状態が高確状態である場合は高確中ストック判定テーブルがセットされ、抽選確率状態が超高確状態である場合は超高確中ストック判定テーブルがセットされ、それぞれのテーブルに応じたストック期待度でAT権利の獲得抽選が行われる。
また、レア役カウンタが上限値に達した場合(ステップS503;Y)は、レア役カウンタを0クリアし(ステップS505)、超高確中ストック判定テーブルをセットして(ステップS506)、セット済みテーブルから当選役に応じた役別ストック判定テーブルをセットする(ステップS507)。レア小役の当選回数が所定回数(例えば9回)になった場合は、特典として当該所定回数目の当選に基づくAT権利の獲得抽選をそのときの抽選確率状態によらずに超高確状態の確率で行うようにしている。
また、当選役に応じた役別ストック判定テーブルは、各ストック判定テーブルに対応して設定されているものであり、当選役毎のAT権利の当選確率が定められている。また、各当選役での当選確率は、図48に示したような順となるように定められている。なお、各ストック判定テーブルにおいて、対応する当選役に応じた役別ストック判定テーブルでのAT権利の当選確率を合成すると図50に示したストック期待度となるようにされている。
セット済みテーブルから当選役に応じた役別ストック判定テーブルをセットする(ステップS507)処理を行った後、AT用乱数1に基づきAT権利をストックするか否かを決定し(ステップS508)、AT権利のストック獲得が決定されたかを判定する(ステップS509)。AT権利のストック獲得が決定されなかった場合(ステップS509;N)は、ストック抽選処理を終了する。
また、AT権利のストック獲得が決定された場合(ステップS509;Y)は、ストック権利種別決定処理を行う(ステップS510)。AT権利の種別には、ゲーム数固定アシスト状態ST55aすなわちART状態1ST35aへの移行権利であるAT権利1と、ゲーム数可変アシスト状態ST55bすなわちART状態2ST35bへの移行権利であるAT権利2の2種類があり、いずれの権利とするかをAT用乱数2に基づき決定する。なお、AT権利1の方が高い確率で選択される。
そして、当選役とAT用乱数3に基づきストックするAT権利の数(例えば1〜5)を決定するストック数決定処理(ステップS511)を行い、決定結果に基づいてAT権利のストック情報を更新して(ステップS512)、ストック抽選処理を終了する。
〔ボーナス中ストック処理〕
図51には、図47に示したストック獲得判定処理におけるボーナス中ストック処理を示した。このボーナス中ストック処理では、まず、遊技モードによる分岐処理(ステップS521)を行い、対応する処理を行った後、ボーナス中ストック処理を終了する。
遊技モードがPB中(PB状態中に対応する)である場合は、PBストック処理を行う(ステップS522)。また、遊技モードがBB1中(BB1状態中に対応する)である場合は、BB1ストック処理を行う(ステップS523)。また、遊技モードがBB2中(BB2状態中に対応する)である場合は、BB2ストック処理を行う(ステップS524)。また、遊技モードがRB中(RB状態中に対応する)である場合は、RBストック処理を行う(ステップS525)。
〔BB1中ストック処理〕
図52には、図51に示したボーナス中ストック処理におけるBB1中ストック処理を示した。このBB1中ストック処理では、まず、ナナメ突入リプレイ入賞が成立したかを判定し(ステップS531)、成立していない場合(ステップS531;N)は、ステップS533に移行する。また、ナナメ突入リプレイ入賞が成立した場合(ステップS531;Y)は、セット数上乗せATのAT権利(AT権利1)のストック数を+1更新する(ステップS532)。
次に、中段突入リプレイ入賞が成立したかを判定し(ステップS533)、成立していない場合(ステップS533;N)は、ステップS535に移行する。また、中段突入リプレイ入賞が成立した場合(ステップS533;Y)は、ゲーム数上乗せATのAT権利(AT権利2)のストック数を+1更新する(ステップS534)。
そして、操作介在フリーズを終了する際に送信される終了コマンドの受信があったかを判定し(ステップS535)、受信がなかった場合(ステップS535;N)は、BB1ストック中処理を終了する。また、終了コマンドの受信があった場合(ステップS535;Y)は、ゲーム数上乗せATのAT権利(AT権利2)のストック数に、継続コマンドの受信回数+1を加算し(ステップS536)、BB1ストック中処理を終了する。
〔特化ゾーン移行抽選処理〕
図53には、図47に示したストック獲得判定処理における特化ゾーン移行抽選処理を示した。この特化ゾーン移行抽選処理では、まず、抽選対象役(レア)役に当選したかを判定する(ステップS541)。抽選対象役(レア)役に当選していない場合(ステップS541;N)は、純ハズレに当選したかを判定する(ステップS549)。そして、純ハズレに当選していない場合(ステップS549;N)は、特化ゾーン移行抽選処理を終了する。また、純ハズレに当選した場合(ステップS549;Y)は、特化ゾーン2への移行情報をセットし(ステップS550)、特化ゾーン移行抽選処理を終了する。
一方、抽選対象役(レア)役に当選した場合(ステップS541;Y)は、当選役に対応した役別ゾーン移行判定テーブルをセットする(ステップS542)。図54に示すように役別ゾーン移行判定テーブルでは、各当選役に当選した場合の特化ゾーン2への移行期待度(確率)が定められており、例えば3枚役A(弱チェリー)に当選した場合は3枚役A用テーブルが選択されて0.005%の確率で特化ゾーン1又は2への移行が選択されるようになっている。
当選役に対応した役別ゾーン移行判定テーブルをセット(ステップS542)した後、AT用乱数1に基づき特化ゾーンに移行させるか否かを決定し(ステップS543)、特化ゾーンへの移行が決定されたかを判定する(ステップS544)。そして、特化ゾーンへの移行が決定されなかった場合(ステップS544;N)は、特化ゾーン移行抽選処理を終了する。
また、特化ゾーンへの移行が決定された場合(ステップS544;Y)は、AT用乱数2に基づき何れの特化ゾーンに移行させるかを決定し(ステップS545)、特化ゾーン1への移行が決定されたかを判定する(ステップS546)。なお、特化ゾーン1への移行が高い確率(例えば、特化ゾーン1へは99%、特化ゾーン2へは1%)で選択されるようになっている。
そして、特化ゾーン1への移行が決定された場合(ステップS546;Y)は、特化ゾーン1への移行情報をセットし(ステップS547)、特化ゾーン移行抽選処理を終了する。また、特化ゾーン1への移行が決定されなかった場合(ステップS546;N)、すなわち特化ゾーン2への移行が決定された場合は、特化ゾーン2への移行情報をセットし(ステップS548)、特化ゾーン移行抽選処理を終了する。
〔ストック抽選モード移行処理〕
図55には、図26に示した演出制御処理におけるストック抽選モード移行処理を示した。このストック抽選モード移行処理では、まず、超高確率モード(超高確状態)であるかを判定する(ステップS561)。超高確率モード(超高確状態)でない場合(ステップS561;N)は、抽選モード昇格判定処理(ステップS562)を行い、昇格があるかを判定する(ステップS563)。
抽選モード昇格判定処理(ステップS562)では、現在の抽選モードと当選役の種類に基づき昇格の抽選を行う。昇格に当選する確率は当選したレア小役の種類により異なっており、図56には各レア小役に当選した場合における昇格の確率の高さであるモード昇格期待度の順を示した。このモード昇格期待度は1枚役A(チャンス目A)が最も低く、3枚役A(弱チェリー)が最も高くなっている。この順は図48に示したAT権利ストック期待度及び特化ゾーン移行期待度での順とは異なり、図48では期待度の順位が低かったレア小役の多くが図56では期待度の順位が高くなるようにされている。
そして、昇格がない場合(ステップS5563;N)は、ステップS567へ移行する。また、昇格がある場合(ステップS563;Y)は、超高確率モードへの昇格であるかを判定する(ステップS564)。なお、昇格前の抽選モードが低確率モード(低確状態)である場合は、高確率モード(高確状態)又は超高確率モードへの移行が可能である。また、昇格前の抽選モードが高確率モードである場合は超高確率モードへの移行のみが可能である。
超高確率モードへの昇格でない場合(ステップS564;N)は、高確率モードを設定し(ステップS565)、ストック抽選モード移行処理を終了する。また、超高確率モードへの昇格である場合(ステップS564;Y)は、超高確率モードを設定し(ステップS566)、ストック抽選モード移行処理を終了する。
一方、超高確率モード中である場合(ステップS561;Y)は、抽選モード降格判定処理(ステップS567)を行い、降格があるかを判定する(ステップS568)。抽選モード降格判定処理(ステップS567)では、現在の抽選モードに所定ゲーム数滞在したことに基づき降格を決定する。又は、現在の抽選モードに所定ゲーム数滞在したことに基づき降格の抽選を行い、抽選の結果に基づき降格を決定する。
抽選モードの降格がない場合(ステップS568;N)は、ストック抽選モード移行処理を終了する。また、降格がある場合(ステップS568;Y)は、低確率モード(低確状態)への降格であるかを判定する(ステップS569)。低確率モードへの降格である場合(ステップS569;Y)は、低確率モードを設定し(ステップS570)、ストック抽選モード移行処理を終了する。また、低確率モードへの降格でない場合(ステップS569;N)は、高確率モードを設定し(ステップS571)、ストック抽選モード移行処理を終了する。
〔連続予告設定処理〕
図57には、図26に示した演出制御処理における連続予告設定処理を示した。この連続予告設定処理では、まず、ボーナス中(特別遊技状態中)であるかを判定し(ステップS581)、ボーナス中である場合(ステップS581;Y)は、連続予告設定処理を終了する。また、ボーナス中でない場合(ステップS581;N)は、今回のゲームでボーナス入賞(特別入賞)が成立したかを判定する(ステップS582)。
今回のゲームでボーナス入賞が成立した場合(ステップS582;Y)は、連続予告設定処理を終了する。また、今回のゲームでボーナス入賞が成立していない場合(ステップS582;N)は、今回のゲームでボーナス入賞に当選したかを判定する(ステップS583)。今回のゲームでボーナス入賞に当選していない場合(ステップS583;N)は、本前兆演出又はガセ前兆演出の実行中であるかを判定する(ステップS584)。
本前兆演出又はガセ前兆演出の実行中である場合(ステップS584;Y)は、連続予告設定処理を終了する。また、本前兆演出又はガセ前兆演出の実行中でない場合(ステップS584;N)は、レア役(レア小役)に当選したかを判定する(ステップS585)。そして、レア役に当選していない場合(ステップS585;N)は、連続予告設定処理を終了する。また、レア役に当選した場合(ステップS585;Y)は、ハズレ連続予告実行決定処理を行い(ステップS586)、ハズレ連続予告の実行が決定されたかを判定する(ステップS587)。
ハズレ連続予告実行決定処理では、遊技状態や当選したレア小役の種類に応じた確率でハズレ連続予告の実行を決定する。レア小役は特別入賞と重複して当選する場合があるため、特別入賞と重複して当選しなかった場合にハズレ連続予告を実行可能とすることで、特別入賞の当選に対する期待感を高め、遊技の興趣を向上することができる。なお、遊技状態によってはハズレ連続予告の実行を決定しないようにしても良く、例えば特化ゾーン中である場合はハズレ連続予告の実行を決定しないようにする。また、特別入賞の当選フラグが持ち越されている場合にもハズレ連続予告の実行を決定しないようにする。ハズレ連続予告の実行が決定された場合(ステップS587;Y)は、ハズレ連続予告テーブルからハズレ連続予告パターンを決定し(ステップS588)、ハズレ連続予告を設定して(ステップS589)、連続予告設定処理を終了する。
一方、今回のゲームでボーナス入賞に当選した場合(ステップS583;Y)は、ハズレ連続予告の設定があるかを判定する(ステップS590)。ハズレ連続予告の設定がある場合(ステップS590;Y)は、ハズレ連続予告の設定を当り連続予告の設定に差替える処理(ステップS591)を行い、連続予告設定処理を終了する。ハズレ連続予告の設定を当り連続予告の設定に差替える処理(ステップS591)では、実行前又は実行中のハズレ連続予告について、当該連続予告を実行するゲーム数である連続予告ゲーム数や実行パターンは変更せずに、連続予告の最後に行われる結果報知演出をハズレ結果演出から当り結果演出に差替える。
また、ハズレ連続予告設定がない場合(ステップS590;N)は、当り連続予告テーブルから当り連続予告パターンを決定し(ステップS592)、当り連続予告を設定して(ステップS593)、連続予告設定処理を終了する。すなわち、演出制御装置70が、内部抽選で特別役又は当該特別役と重複して当選する可能性のある重複対象役(レア小役)に当選したことに基づいて、複数のゲームに跨って連続予告を行うことが可能な連続予告実行手段をなす。
なお、特別入賞と重複して当選する可能性があるレア小役に単独当選した場合(特別入賞に当選していない場合)のみハズレ連続予告を実行可能としているが、特別入賞及びレア小役に当選していない場合にもハズレ連続予告を実行するようにしても良い。また、本前兆演出又はガセ前兆演出の実行中である場合にはハズレ連続予告を実行しないようにしたが、当該前兆演出(特に前兆演出中の連続演出)に差し障りがなければ連続予告を実行するようにしても良い。
一方、ハズレ連続予告の実行が決定されなかった場合(ステップS587;N)は、ART状態中であるかを判定する(ステップS594)。ART状態中でない場合(ステップS594;N)は、連続予告設定処理を終了する。また、ART状態中の場合(ステップS594;Y)は、当り又はハズレ連続予告中であるかを判定する(ステップS595)。
当り又はハズレ連続予告中である場合(ステップS595;Y)は、連続予告設定処理を終了する。また、当り又はハズレ連続予告中でない場合(ステップS595;N)は、今回のゲームでAT権利を獲得したかを判定する(ステップS596)。今回のゲームでAT権利を獲得した場合(ステップS596;Y)は、最終的に当り結果演出が行われる当り連続演出B又はCを設定して(ステップS597)、連続予告設定処理を終了する。なお、連続演出については後述する(図60参照)。
今回のゲームでAT権利を獲得できなかった場合(ステップS596;N)は、ハズレ連続演出実行決定処理を行い(ステップS598)、ハズレ連続演出の実行が決定されたかを判定する(ステップS599)。ハズレ連続演出の実行が決定されなかった場合(ステップS599;N)は、連続予告設定処理を終了する。また、ハズレ連続演出の実行が決定された場合(ステップS599;Y)は、最終的にハズレ結果演出が行われるハズレ連続演出B又はCを設定して(ステップS600)、連続予告設定処理を終了する。すなわち、演出制御装置70が、遊技者に有利となる停止操作に関するアシスト情報の報知を行わせるための実行権利(AT権利)が記憶された可能性のあるゲーム又はその後のゲームから複数のゲームに亘って継続演出(連続演出:第2継続演出に相当)を実行することが可能な継続演出実行手段をなす。
また、当り連続演出はAT権利の獲得が確定していることを認識可能な確定演出である。よって、演出制御装置70が、AT権利が記憶されることが確定したゲーム又はその後のゲームにおいて所定の確定演出(当り連続演出)を実行することが可能な確定演出実行手段をなす。ここで、ART状態中以外は連続演出(第2継続演出)を実行しないようにしているが、この確定演出(当り連続演出)については行うようにしても良い。このようにすることで、例えば、アシスト情報の報知が終了した後の特定状態(移行チャンス状態ST31)であっても確定演出(当り連続演出)が実行されることを期待してゲームを行うことができる。
なお、本前兆演出又はガセ前兆演出の実行中(ステップS584;Y)として、ART状態中での当り又はハズレ連続演出の実行中を含んでも良い。また、ハズレ連続予告設定がある場合(ステップS590;Y)として、ART状態中でのハズレ連続演出の設定がある場合を含んでも良く、この場合はハズレ連続演出を、特別入賞の当選を報知する演出に差替えるようにする。また、当り又はハズレ連続予告中である場合であっても連続演出を実行可能としても良い。特に、ハズレ連続予告中である場合には当り連続演出を実行可能としても良い。
図58(a)には当り連続予告の実行パターンである当り連続予告パターンを、図58(b)にはハズレ連続予告の実行パターンであるハズレ連続予告パターンを示した。連続予告は前半の数ゲームで行う予兆演出と後半の数ゲームで行う連続演出とから構成されている。予兆演出は、ゲームを重ねる毎に音声(停止音等)や発光態様(バックライト111や枠発光装置7等)、画像表示装置3の表示態様等を段階的に変化させる演出となっている。
そして、連続演出は、複数ゲームに亘り連続したストーリーの演出となっており、最終的に行なわれる結果報知演出としてハズレ結果演出又は当り結果演出を行うようになっている。また、連続演出には演出内容(ストーリー等)が異なるA,B,Cの3系統がある。A系統は特別入賞についての専用の演出となっており、画像表示装置3のみで行う演出となっている。B系統は特別入賞とAT状態発生とで共通の演出となっており、画像表示装置3と可動演出装置8を用いた演出となっている。C系統はAT状態発生についての専用の演出となっており、画像表示装置3のみで行う演出となっている。なお、予兆演出を行わずに全て連続演出で構成するようにしても良い。
図58(a)に示すように当り連続予告パターンには、連続予告を実行するゲーム数である連続予告ゲーム数が4〜7ゲームであって、それぞれ含まれる連続演出の系統としてA系統とB系統の2種類がある合計8種類のパターンがある。また、図58(b)に示すようにハズレ連続予告パターンには、連続予告を実行するゲーム数である連続予告ゲーム数が4〜6ゲームであって、それぞれ含まれる連続演出の系統としてA系統とB系統の2種類がある合計6種類のパターンがある。
連続予告ゲーム数が4〜6ゲームの実行パターンは当り、ハズレで共通であり、最終的に行われる結果報知演出までは結果がわからない状態となる。ただし、連続予告の途中において結果を示唆する演出を行うようにしても良い。また、連続予告ゲーム数が7ゲームの実行パターンは当りの場合のみ選択可能であり、連続予告が6ゲームを超えた時点で当りであることが認識できる。
〔AT前兆設定処理〕
図59には、図26に示した演出制御処理におけるAT前兆設定処理を示した。このAT前兆処理では、まず、ボーナス当選/持越し中であるか、すなわち今回のゲームで特別入賞に当選した又は特別入賞の当選フラグが持ち越されている状態であるかを判定する(ステップS601)。ボーナス当選/持越し中である場合(ステップS601;Y)は、AT前兆設定処理を終了する。
また、ボーナス当選/持越し中でない場合(ステップS601;N)は、AT権利のストックがあるかを判定し(ステップS602)、AT権利のストックがある場合(ステップS602;Y)は、通常/前兆中であるかを判定する(ステップS603)。なお、通常/前兆中とは演出制御装置70での遊技状態が非アシスト状態ST50又は前兆遊技状態ST52である。そして、通常/前兆中でない場合(ステップS603;N)は、AT前兆設定処理を終了する。これにより、少なくともアシスト情報の報知が終了した後の特定状態(移行チャンス状態ST31)で前兆演出(所定の継続演出)が行われないようになり、ゲームがスムーズに進行するようになる。
また、通常/前兆中である場合(ステップS603;Y)は、本前兆演出中であるかを判定し(ステップS604)、本前兆演出中である場合(ステップS604;Y)は、AT前兆設定処理を終了する。また、本前兆演出中でない場合(ステップS604;N)は、ガセ前兆演出中であるかを判定する(ステップS605)。
ガセ前兆演出中でない場合(ステップS605;N)は、ステップS607に移行する。また、ガセ前兆演出中である場合(ステップS605;Y)は、ガセ前兆に関する設定をクリアする(ステップS606)。これによりガセ前兆演出から本前兆演出に変更されることとなる。その後、本前兆設定条件を充足しているかを判定する(ステップS607)。なお、本前兆設定条件とは、レア小役の連続当選やベル入賞の連続成立が継続していないこと及び連続予告が実行されていないことである。ここで連続予告が実行されていないことを条件としたことで、連続予告の実行中に前兆演出が実行されてしまうことで特別入賞の当選に対する期待感が減衰してしまうことを防止している。
この本前兆設定条件を充足していない場合(ステップS607;N)は、AT前兆設定処理を終了する。また、本前兆設定条件を充足している場合(ステップS607;Y)は、本前兆演出を実行するゲーム数である本前兆ゲーム数を決定し(ステップS608)、本前兆ゲームを消化するまでの本前兆演出パターンを決定する(ステップS609)。その後、本前兆演出の実行をセットし(ステップS610)、AT前兆設定処理を終了する。
一方、AT権利のストックがない場合(ステップS602;N)は、通常/前兆中であるかを判定する(ステップS611)。そして、通常/前兆中でない場合(ステップS611;N)は、AT前兆設定処理を終了する。これにより、少なくともアシスト情報の報知が終了した後の特定状態(移行チャンス状態ST31)においてガセ前兆演出を実行しないようになり、通常遊技状態ST10に転落した際の遊技者の落胆や喪失感を軽減することが可能となる。また、ゲームがスムーズに進行するというメリットもある。また、通常遊技状態ST10(非アシスト状態ST50)である場合は、AT権利を獲得できなくても落胆や喪失感はそれほど大きくなく、継続演出(前兆演出)を実行することで遊技者の期待感を効果的に煽ることで遊技の興趣を高めることができる。
また、通常/前兆中である場合(ステップS611;Y)は、本前兆演出中であるかを判定し(ステップS612)、本前兆演出中である場合(ステップS612;Y)は、AT前兆設定処理を終了する。また、本前兆演出中でない場合(ステップS612;N)は、ガセ前兆演出中であるかを判定する(ステップS613)。
ガセ前兆演出中である場合(ステップS613;Y)は、AT前兆設定処理を終了する。また、ガセ前兆演出中でない場合(ステップS613;N)は、ガセ前兆実行決定処理を行い(ステップS614)、ガセ前兆演出の実行が決定されたかを判定する(ステップS615)。
ガセ前兆実行決定処理(ステップS614)では、AT抽選モードや当選役などに基づきガセ前兆演出の実行を決定するようになっており、例えば、AT権利の獲得の可能性が低い低確中には、高確又は超高確中よりも高い確率でガセ前兆演出の実行を決定するようにし、AT権利の獲得に対する期待感を高め、遊技の興趣を向上するようにしている。さらに、AT権利の獲得の可能性(ATストック期待度)が高いレア小役の当選後ほど高い確率でガセ前兆演出の実行を決定するようにし、より遊技の興趣を向上するようにしている。また、連続予告の実行中である場合はガセ前兆演出の実行を決定しないようにし、連続予告の実行中に前兆演出が実行されてしまうことで特別入賞の当選に対する期待感が減衰してしまうことを防止している。
そして、ガセ前兆演出の実行が決定されなかった場合(ステップS615;N)は、AT前兆設定処理を終了する。また、ガセ前兆演出の実行が決定された場合(ステップS615;Y)は、ガセ前兆演出を実行するゲーム数であるガセ前兆ゲーム数を決定し(ステップS616)、ガセ前兆ゲームを消化するまでのガセ前兆演出パターンを決定する(ステップS617)。その後、ガセ前兆演出の実行をセットし(ステップS618)、AT前兆設定処理を終了する。すなわち、演出制御装置70が、遊技者に有利となる停止操作に関するアシスト情報の報知を行わせるための実行権利(AT権利)が記憶された可能性のあるゲーム又はその後のゲームから複数のゲームに亘って所定の継続演出(前兆演出:第1継続演出に相当)を実行することが可能な継続演出実行手段をなす。
図60(a)には本前兆演出の実行パターンである本前兆演出パターンを、図60(b)にはガセ前兆演出の実行パターンであるガセ前兆演出パターンを示した。前兆演出は予兆演出、特殊演出及び連続演出とから構成されている。なお、ガセ前兆演出では予兆演出のみの場合もある。予兆演出は、にぎやかしの演出であって、音声(停止音等)や発光態様(バックライト111や枠発光装置7等)、画像表示装置3の表示態様(キャラクタの出現等)を通常とは異なる態様とする演出である。
また、特殊演出は、通常とは異なる特殊ステージ(例えば背景が異なる)に移行して演出を行うものである。そして、連続演出は、複数ゲームに亘り連続したストーリーの演出となっており、最終的に行なわれる結果報知演出としてAT(ART)状態への移行の有無を報知する演出が行われる。前兆演出では、特別入賞とAT状態発生とで共通の演出であるB系統及びAT状態発生についての専用の演出であるC系統の連続演出を実行可能である。また、「なし」と表示されたゲームでは前兆演出に関する演出を行わない。
図60(a)に示すように本前兆演出パターンには、本前兆演出を実行するゲーム数である本前兆ゲーム数が11,13,15,17又は19ゲームであって、それぞれ演出の実行態様が異なる11種類のパターンがある。また、図60(b)に示すようにガセ前兆演出パターンには、ガセ前兆演出を実行するゲーム数であるガセ前兆ゲーム数が13,15又は17であって、それぞれ演出の実行態様が異なる9種類のパターンがある。
前兆ゲーム数が13,15及び17ゲームのパターンには、本前兆演出とガセ前兆演出の両方で同じ実行態様であるパターンがあり、これらのパターンでは最終的に行われる結果報知演出までは結果がわからない状態となる。ただし、前兆演出の途中において結果を示唆する演出を行うようにしても良い。
また、前兆ゲーム数が11及び19ゲームのパターンは本前兆演出の場合のみ選択可能であり、この場合は連続演出に移行するタイミングから本前兆演出であることを認識可能である。つまりこの本前兆演出はAT権利の獲得が確定していることを認識可能な確定演出である。よって、演出制御装置70が、AT権利が記憶されることが確定したゲーム又はその後のゲームにおいて所定の確定演出を実行することが可能な確定演出実行手段をなす。
なお、図57において説明したように、ART状態中においては、AT権利の獲得の有無により当り連続演出B又はC(ステップS597)や、ハズレ連続演出B又はC(ステップS600)が設定されるが、これらの連続演出は図60における連続演出と同じ演出である。この場合に予兆演出や特殊演出は行わないが、前兆演出パターンと同様に予兆演出や特殊演出を行うようにしても良い。
ここで、移行チャンス中(移行チャンス状態ST31)には前兆演出をしないようにしたが、この確定演出については行うようにしても良い。また、確定演出だけでなく本前兆演出は行うようにしても良い。すなわち、移行チャンス中であるかの判定(ステップS603)を行わないようにしても良い。このようにすることで、アシスト情報の報知が終了した後の特定状態(移行チャンス状態ST31)であっても確定演出が実行されることを期待してゲームを行うことができる。
なお、基本的に前兆演出は、通常/前兆中(非アシスト状態ST50)に実行可能であるとしたが、前兆演出を実行可能な遊技状態をより詳細に設定しても良い。例えば、AT状態、RT状態及びART状態の何れでもない状態である通常の状態における、連続予告の実行中には前兆演出の実行を禁止しても良いし、通常の状態における連続予告の実行中には前兆演出の実行可能としても良い。
以上のことから、複数の図柄を変動表示可能な複数の変動表示部(リール6)と、該変動表示を伴うゲームの実行毎に役の内部抽選を行う抽選手段(遊技制御装置50)と、を備え、変動表示の停止操作に基づき停止させたゲームの結果として内部抽選で当選した役に対応する出目が導出されると、当該役の入賞が成立するスロットマシンにおいて、所定の開始出目が導出されてから所定の終了出目が導出されるまで再遊技役の当選確率を通常状態よりも高めた特定状態を発生させることが可能な特定状態発生手段(遊技制御装置50)と、所定の開始条件が成立してから所定の終了条件が成立するまで遊技者に有利となる停止操作に関するアシスト情報を報知することが可能なアシスト情報報知手段(演出制御装置70)と、所定の獲得条件が成立したことに基づいて、アシスト情報報知手段に前記アシスト情報の報知を行わせるための実行権利を記憶することが可能な実行権利記憶手段(演出制御装置70)と、実行権利が記憶された可能性のあるゲーム又はその後のゲームから複数のゲームに亘って所定の継続演出(前兆演出、連続演出)を実行することが可能な継続演出実行手段(演出制御装置70)と、を備え、アシスト情報報知手段は、少なくとも開始出目を導出するためのアシスト情報及び終了出目の導出を回避するためのアシスト情報を報知し、継続演出実行手段は、所定の終了条件が成立してアシスト情報報知手段によるアシスト情報の報知が終了した後の特定状態においては所定の継続演出(前兆演出、連続演出)を実行しないようにしていることとなる。
ここで、実行権利が記憶された可能性のあるゲームとは、例えば、特定の役に内部当選した場合に所定の確率で実行権利を獲得できるようにした場合における当該特定の役に内部当選したゲームである。所定の確率で実行権利を獲得できるとは、獲得が抽選の結果で決定される場合や、押し順を当てることで獲得できる場合を含む。また、所定の継続演出とは、アシスト情報の報知を行なわせる実行権利が記憶された可能性があることを報知するために複数のゲームに亘って実行される演出であって、例えば前兆演出と呼ばれるものや連続演出と呼ばれるものである。この前兆演出には、実行権利が記憶された場合に実行される本前兆演出と実行権利が記憶されなかった場合に実行されるガセ前兆演出とを含む。また、この連続演出には、実行権利が記憶された場合に実行される当り連続演出と実行権利が記憶されなかった場合に実行されるハズレ連続演出とを含む。
また、所定の継続演出は、第1継続演出(前兆演出)と該第1継続演出とは演出態様が異なる第2継続演出(連続演出)を含み、継続演出実行手段(演出制御装置70)は、通常状態においては第1継続演出(前兆演出)を実行する一方、アシスト情報報知手段(演出制御装置70)によるアシスト情報の報知が実行されている特定状態においては第2継続演出(連続演出)を実行するようにしていることとなる。
また、内部抽選で特別役に当選するとともに、当該特別役に対応する出目が導出されたことに基づいて、遊技者に有利な特別状態を発生させることが可能な特別状態発生手段(遊技制御装置50)と、内部抽選で特別役又は当該特別役と重複して当選する可能性のある重複対象役に当選したことに基づいて、複数のゲームに跨って連続予告を行うことが可能な連続予告実行手段(演出制御装置70)と、を備え、継続演出実行手段は、通常状態及び/又はアシスト情報報知手段(演出制御装置70)によるアシスト情報の報知が実行されている特定状態であっても、連続予告が実行されている場合には、所定の継続演出(前兆演出、連続演出)を実行しないようにしていることとなる。
また、実行権利が記憶されることが確定したゲーム又はその後のゲームにおいて所定の確定演出を実行することが可能な確定演出実行手段(演出制御装置70)を備え、確定演出実行手段は、アシスト情報報知手段(演出制御装置70)によるアシスト情報の報知が終了した後の特定状態においても所定の確定演出を実行するようにしていることとなる。
ここで、所定の確定演出とは、実行権利の記憶が確定したことを報知する演出であって、例えば実行権利が記憶された場合に実行される本前兆演出や当り連続演出などである。
〔セキュリティ監視処理〕
図61には、図27に示したタイマ割込み処理におけるセキュリティ監視処理を示した。このセキュリティ監視処理では、まず、メダル投入エラーコマンドの受信に基づき対応するエラー報知を行うメダル投入不正対応処理(ステップS621)を行う。次に、電波不正コマンドの受信に基づき対応するエラー報知を行う電波不正対応処理(ステップS622)を行う。
そして、前面枠2の開閉に伴い送信される扉開放又は扉閉止コマンドの受信に基づき対応するエラー報知及び手動図柄揃えアシストを行う扉開放対応処理(ステップS623)を行い、メダル満杯エラーコマンドの受信に基づき対応するエラー報知を行うメダル満杯エラー対応処理(ステップS624)を行う。その後、払出スイッチエラーコマンドの受信に基づき対応するエラー報知を行うメダル払出エラー対応処理(ステップS625)を行って、セキュリティ監視処理を終了する。
〔扉開放対応処理〕
図62には、図61に示したセキュリティ監視処理における扉開放対応処理を示した。この扉開放対応処理では、まず、扉開放コマンドを受信したかを判定し(ステップS631)、受信していない場合(ステップS631;N)は、ステップS638に移行する。また、扉開放コマンドを受信した場合(ステップS631;Y)は、扉開放報知の開始をセットする(ステップS632)。扉開放報知は前面枠2が開放されていることを報知するもので、音声や表示、発光等により行う。
次に、電源投入から最初の扉開放であるかをチェックし(ステップS633)、最初の扉開放でない場合(ステップS634;N)は、扉開放対応処理を終了する。これにより、営業中における前面枠2の開放の度に入賞ライン発光部112が発光するような不必要な発光を防止できる。
また、電源投入から最初の扉開放である場合(ステップS634;Y)は、発光ライン設定スイッチの値を取得し(ステップS635)、設定値に対応する入賞ライン発光部の点灯をセットする(ステップS636)。その後、点灯した入賞ライン発光部に対応しない部分のバックライトを消灯し(ステップS637)、扉閉止コマンドを受信したかを判定する(ステップS638)。なお、点灯した入賞ライン発光部112に対応しない部分のバックライト111を消灯させるのではなく減光させるようにしても良い。
扉閉止コマンドを受信していない場合(ステップS638;N)は、扉開放対応処理を終了する。また、扉閉止コマンドを受信した場合(ステップS638;Y)は、扉開放報知の終了をセットし(ステップS639)、入賞ライン発光部の消灯をセットする(ステップS640)。そして、全バックライトの全点灯コマンドを送信して(ステップS641)、扉開放対応処理を終了する。このように前面枠2の閉鎖に基づき開放前の点灯状態に戻すことで、図柄停止ラインに図柄を揃える時にだけ入賞ライン発光部112が必要な発光することとなり、不必要な入賞ライン発光部112の発光を防止できる。
すなわち、演出制御装置70が、開放検出手段(遊技制御装置50)により前面扉(前面枠2)の開放が検出されたことに基づき、ライン発光部(入賞ライン発光部112)を発光させることが可能な発光制御手段をなす。また、発光ライン設定スイッチ112aが、発光制御手段によって発光させるライン発光部を設定するための発光設定手段をなす。
図63には、スロットマシン1の電源投入後、最初に前面枠2を開放した際に行われる手動図柄揃えアシストの実行態様を示した。図63(a)に示すように、前面枠2が閉じた状態では、図柄表示窓5を介してリール6の連続する所定数(例えば、3つ)の図柄、つまり3×3の計9つの図柄が視認可能となっている。なお、ここでは便宜上、特定の図柄をなす「7」と基準部6eとなる継ぎ目のみを表示している。また、図柄表示窓5を介して視認可能となる領域において、各リール6が位置する部分以外の領域では、発光ベース部材110の前面が視認可能となる。
また、図3において説明したように、発光ベース部材110の前面における図柄表示窓5を介して視認可能な部分には、成立した入賞に対応する有効ラインを示す入賞ライン発光部112が設けられている。また、発光ベース部材110の前面であって、リール6の後方となる位置には、リール6の有効ライン上に位置する各図柄を照らすことが可能なバックライト111が設けられている。
スロットマシン1の電源を投入してゲームを行っていない状態では、図63(a)に示すように、入賞ライン発光部112は消灯し、全てのバックライト111が点灯した状態となる。そして、前面枠2を開放すると手動図柄揃えアシストとして、図63(b)に示すように発光ライン設定スイッチ112aの設定に対応する入賞ライン発光部112が点灯する。また、この入賞ライン発光部112に対応しない部分のバックライト111が消灯する。ここでは、発光ライン設定スイッチ112aの設定が「中段」とされており、中段ラインに対応する入賞ライン発光部112及びバックライト111が点灯した状態となる。なお、前面枠2を開放することに伴い、扉開放報知として、「扉が開いています!」の音声が出力されるようになっている。
このような手動図柄揃えアシストが行われることで、手動で各リール6を回転させて所望の図柄を図柄停止ライン上に整列させる際に、図柄停止ラインの位置が分かり易くなり、図柄停止ライン上に所定の図柄を揃えて並べることが容易になる。また、図柄を整列させる入賞ライン発光部112及びバックライト111のみを点灯させることで、どの図柄停止ラインに所定の図柄を揃えれば良いのかが一目瞭然となる。また、図柄を整列される図柄停止ラインに対応しないバックライト111を減光又は消灯させることで、入賞ライン発光部112の発光を目立たせることが可能となり、図柄停止ラインの位置が分かり易くなる。なお、図柄を整列させる図柄停止ラインに対応した入賞ライン発光部112とバックライト111との何れか一方のみを発光させるようにしても良い。
また、発光ライン設定スイッチ112aを切り替えることで、右下がりライン又は左下がりラインに対応する入賞ライン発光部112及びバックライト111を点灯させることも可能である。このように、どの入賞ライン発光部112を発光させるかを設定することができるので、所定の図柄を揃えて並べる図柄停止ラインを容易に変更することができる。これにより、中段ラインの他、右下がりライン又は左下がりラインに所望の図柄を整列させる作業を補助することもできる。すなわち、演出制御装置70が、複数のリール6を回転させて所望の図柄を図柄停止ライン上に並べた状態とするための手動操作を補助する手動操作補助手段をなす。
なお、変動表示装置100には、特定の図柄を整列させる目安として、発光ベース部材110の前面に表示された位置決めライン113aと、リールベース部材101に表示された位置決め表示部113bとからなる位置決め部113が設けられている。そして、リール6の基準部6eを位置決めライン113aや位置決め表示部113bに合わせるように各リール6を手動で回転させることで、特定の図柄である「7」を容易に中段ラインに整列させることができるようになっている。
この位置決め部113を用いて特定の図柄を中段ラインに整列させる際にも、入賞ライン発光部112及びバックライト111を点灯させる手動図柄揃えアシストが行われることで、作業の効率を向上させることができる。なお、上述したように、中段ラインに対応する位置の他、右下がりライン及び左下がりラインに対応する位置にも位置決め部113を設けるようにしても良い。また、位置決め部113をリール6の周方向に沿って動作可能とする移動機構を設けても良く、発光ライン設定スイッチ112aの切り替えに応じて位置決め部113が自動的に移動するようにしても良い。
また、発光ライン設定スイッチ112aを設けずに、予め定められた入賞ライン発光部112(例えば中段ライン)を点灯させるようにしても良い。また、位置決め部113と基準部6eとから構成される手動操作補助手段と、入賞ライン発光部112とバックライト111とから構成される手動操作補助手段の両方を設けるようにしたが、何れか一方のみを備えるようにしても良い。また、リール6を手動操作で揃える作業を補助するようにしたが、例えば、店員がボタンを操作することで、予め設定した図柄停止ラインに設定した図柄が自動的に揃うようにリール6を動作する機構を備えるようにしても良い。
以上のことから、複数の図柄を変動表示可能な複数のリール6を有する変動表示装置100と、該変動表示装置100を収容する前面開放凹室状の筐体と、該筐体の前面に開閉可能に支持され、複数のリール6の前面部を視認可能とする窓部(図柄表示窓5)を設けた前面扉(前面枠2)とを備えたスロットマシン1において、複数のリール6の前面部を横切るように位置する図柄停止ラインに沿うように設けられるライン発光部(入賞ライン発光部112)と、前面扉の開放を検出することが可能な開放検出手段(遊技制御装置50)と、開放検出手段により前面扉の開放が検出されたことに基づき、ライン発光部を発光させることが可能な発光制御手段(演出制御装置70)と、を備えていることとなる。
ここで、図柄停止ライン(図柄整列ライン)とは、変動表示を停止した各リール6の図柄のうち窓部から視認可能となる図柄を結ぶ仮想的なラインである。役の成立を判定するための有効ラインと一致するものであっても良いし、一致しないものであっても良い。
また、ライン発光部(入賞ライン発光部112)は、複数の図柄停止ラインのそれぞれに沿うように複数設けられ、発光制御手段(演出制御装置70)は、複数の図柄停止ラインのうち特定の図柄停止ラインに対応するライン発光部を発光させるようにしていることとなる。
また、発光制御手段(演出制御装置70)によって発光させるライン発光部(入賞ライン発光部112)を設定するための発光設定手段(発光ライン設定スイッチ112a)を備えていることとなる。
また、リール6は光を透過可能であり、リール6の窓部に臨む前面部を当該リール6の内側から照射することが可能なバックライト111と、バックライト111の制御を行うことが可能なバックライト制御手段(演出制御装置70)と、を備え、バックライト制御手段は、発光制御手段(演出制御装置70)がライン発光部(入賞ライン発光部112)を発光させる場合には、少なくともバックライト111の一部を減光又は消灯させるようにしていることとなる。
また、バックライト制御手段(演出制御装置70)は、発光制御手段(演出制御装置70)が発光させるライン発光部(入賞ライン発光部112)に対応する図柄停止ラインに対応する部分のバックライト111の発光を維持する一方、当該図柄停止ラインに対応しない部分のバックライト111を減光又は消灯させるようにしていることとなる。
また、発光制御手段(演出制御装置70)は、当該スロットマシン1に電源が投入されてから最初に前面扉(前面枠2)の開放が検出された場合にライン発光部(入賞ライン発光部112)を発光させるようにしていることとなる。
また、発光制御手段(演出制御装置70)は、開放検出手段(遊技制御装置50)により前面扉(前面枠2)の開放が検出されなくなったことに基づき、ライン発光部(入賞ライン発光部112)の発光を終了させるようにしていることとなる。
〔扉開放対応処理〕
図64には、図62に示した扉開放対応処理の変形例を示した。なお、以下の説明では、同じ処理には同じ符号を付して説明を省略し、主に変更された箇所について説明する。この扉開放対応処理では、ステップS633からS636の処理に替えてステップS651及びS652の処理を行うようにしている。また、ステップS640の処理に替えてステップS653の処理を行うようにしている。
すなわち、電源投入から最初の扉開放でなくとも手動図柄揃えアシストが行われるようにしている。また、発光ライン設定スイッチ112aを備えず、予め設定された位置(中段)の入賞ライン発光部112の点灯をセットするようにしている(ステップS652)。また、前面枠2の開放時に現在の入賞ライン発光部112の発光状態を記憶し(ステップS651)、前面枠2を閉鎖した際には、記憶情報に基づいて入賞ライン発光部112の発光状態を復帰させるようにしている(ステップS653)。これにより、電源投入後にゲームを行った後の状態(例えば営業中)でも問題なく手動図柄揃えアシストを行うことができるようにしている。
ゲームを行い入賞が成立した場合は、当該入賞に対応する図柄組み合わせが整列した有効ラインに沿った入賞ライン発光部112が点灯し、入賞の成立を報知するようにしている。この状態で前面枠2を開放すると、入賞に対応する図柄組み合わせが整列した有効ラインに沿った入賞ライン発光部112の発光状態が記憶されて発光が終了するとともに、中段ラインに対応した入賞ライン発光部112が点灯する。そして、前面枠2を閉鎖すると、中段ラインに対応した入賞ライン発光部112が消灯するとともに、記憶された発光状態で入賞ライン発光部112が点灯する。なお、位置決め部113は、前面枠2の開放時に発光する入賞ライン発光部112に対応する図柄停止ラインに対応する位置のみに設けるようにしても良い。
すなわち、発光制御手段(演出制御装置70)は、前面扉(前面枠2)の開放前のライン発光部(入賞ライン発光部112)の発光状態を記憶する発光状態記憶手段(演出制御装置70)を備え、前面扉の開放時には、複数の図柄停止ラインのうち特定の図柄停止ラインに対応するライン発光部のみを発光させ、前面扉の閉鎖に伴い発光状態記憶手段に記憶されていた発光状態に復帰させるようにしていることとなる。
〔第1変形例〕
次に、上述した実施形態のスロットマシンの第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態のスロットマシンと同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例のスロットマシンは、フリーズ演出をゲーム内において分散して実行できるようにしている。
〔リール回転開始処理〕
本変形例のスロットマシンでは、図20に示したリール回転開始処理に替えて図65に示すリール回転開始処理を行う。このリール回転開始処理では、通常フリーズ処理(ステップS65)に替えてステップS661からS663の処理を行う。
操作介在フリーズでない場合(ステップS64;N)は、ショートフリーズであるかを判定(ステップS661)する。ここでのショートフリーズとはフリーズ時間が60秒未満のフリーズ演出である。このショートフリーズである場合(ステップS661;Y)は、ショートフリーズ処理を行い(ステップS662)、ショートフリーズが終了するとリールの回転ステップ数を無限に設定(リールの回転開始を設定)する(ステップS67)。なお、ショートフリーズ処理(ステップS662)は、通常フリーズ処理(ステップS65)と同じ処理である。
一方、ショートフリーズでない場合(ステップS661;N)は、ロングフリーズ処理を行い(ステップS663)、ロングフリーズが終了するとリールの回転ステップ数を無限に設定(リールの回転開始を設定)する(ステップS67)。ロングフリーズ処理(ステップS663)では、フリーズ演出の分散に関する処理を行う。このようにロングフリーズの場合のみフリーズ演出の分散を可能としたことで、遊技者が煩わしさを感じる長さ以上の期間に亘って実行されるフリーズ演出については煩わしさを軽減でき、これよりも短いフリーズ演出は遊技者にしっかりと体験させることが可能となる。
図66には、ロングフリーズ演出のフリーズ時間における区切りを示した。フリーズ時間の開始から所定の時間まで(t1からt4)は分散可能期間(前半フリーズ期間)とされている。この期間は、遊技者が所定の選択操作を行うことによりフリーズ演出をゲーム内で分散させる選択を行うことができる期間である。この分散可能期間には、第1期間(t1からt2)、第2期間(t2からt3)、第3期間(t3からt4)の3つの期間が定められており、遊技者が所定の選択操作を行った期間により、フリーズ演出の分散態様(分散フリーズ設定)が異なるようにされている。
なお、所定の選択操作とは、例えば、スタートレバー21やマックスベットボタン17、リールストップボタン24等の遊技制御装置50へ入力される操作部の操作であれば良いが、マックスベットボタン17の操作とすることが好ましい。すなわち、スタートレバー21やリールストップボタン24は、ゲームの進行のために連続操作されることがあるため、これらの入力を所定の選択操作とすると遊技者が意図しない場合にもフリーズ演出が分散されてしまう可能性がある。しかし、ゲーム中に操作されてもゲームが進行しないマックスベットボタン17の操作入力を所定の選択操作とすれば、意図せずにフリーズ演出が分散してしまうという不都合を回避することが可能となる。
また、分散可能期間の終了からフリーズ時間の終了まで(t4からt5)は、分散不能期間(後半フリーズ期間)とされ、この期間ではフリーズ演出の分散を選択できないようにされている。なお、本変形例では、フリーズ演出の実行が決定されたゲームでフリーズ演出を行う即時フリーズでフリーズ演出の分散が選択可能とされ、フリーズ演出の実行が決定されたゲームから数ゲーム後のゲームでフリーズ演出を行う待機フリーズ(ここでは操作介在フリーズ演出を除く)である場合のフリーズ演出では分散の選択ができない(全期間が分散不能期間)ようにされている。もちろん待機フリーズの場合もフリーズ演出の分散の選択を可能としても良い。
〔ロングフリーズ処理〕
図67には、図65に示したリール回転開始処理におけるロングフリーズ処理を示した。このロングフリーズ処理では、まず、選択されたフリーズ演出における所定の回転態様(低速回転や逆回転など)でリール6を演出動作させるリール演出動作処理(ステップS671)を行う。すなわち、遊技制御装置50が、フリーズ状態の発生中に変動表示部(リール6)に所定の演出変動表示を行わせることが可能な演出変動表示手段をなす。そして、フリーズ演出を分散させるための遊技者の所定の選択操作を受け付け可能な分散可能期間中であるかを判定する(ステップS672)。
この分散可能期間中でない場合(ステップS672;N)は、フリーズ時間を管理するフリーズタイマの値が0であるか、すなわちフリーズ時間が終了したかを判定する(ステップS689)。フリーズタイマの値が0でない場合(ステップS689;N)は、ステップS671に戻る。また、フリーズタイマの値が0である場合(ステップS689;Y)は、フリーズ終了コマンドを演出制御装置70に送信し(ステップS690)、ステップS684に移行する。
一方、分散可能期間中である場合(ステップS672;Y)は、操作指示コマンドを演出制御装置70に送信する(ステップS673)。演出制御装置70では操作指示コマンドの受信に基づき、画像表示装置3に所定の選択操作を促す表示を行う等の演出を行う。その後、分散可能期間が終了したかを判定し(ステップS674)、分散可能期間が終了した場合(ステップS674;Y)は、ステップS689に移行する。また、分散可能期間が終了していない場合(ステップS674;N)は、所定の選択操作に基づく操作入力があるかを判定する(ステップS675)。
所定の選択操作に基づく操作入力がない場合(ステップS675;N)は、ステップS671に戻る。また、所定の選択操作に基づく操作入力がある場合(ステップS675;Y)は、第1期間中であるかを判定する(ステップS676)。第1期間中である場合(ステップS676;Y)は、フリーズ演出の分散態様である分散フリーズ設定として第1分散フリーズを設定してフリーズ中断までの中断タイマをセットし(ステップS677)、ステップS681に移行する。また、第1期間中でない場合(ステップS676;N)は、第2期間中であるかを判定する(ステップS678)。
第2期間中である場合(ステップS678;Y)は、分散フリーズ設定として第2分散フリーズを設定してフリーズ中断までの中断タイマをセットし(ステップS679)、ステップS681に移行する。また、第2期間中でない場合(ステップS678;N)、すなわち第3期間中である場合は、分散フリーズ設定として第3分散フリーズを設定してフリーズ中断までの中断タイマをセットし(ステップS680)、選択されたフリーズ演出の分散態様における所定の回転態様でリール6を演出動作させるリール演出動作処理を行う(ステップS681)。
そして、中断タイマが0となったか、すなわちフリーズ中断のタイミングとなったかを判定する(ステップS682)。なお、中断タイマはタイマ更新処理(ステップS28)にて値が−1更新されるようになっている。中断タイマの値が0となっていない場合(ステップS682;N)は、リール演出動作処理(ステップS681)に戻る。また、中断タイマの値が0となった場合(ステップS682;Y)は、分散フリーズ設定に対応するフリーズ演出切替コマンドを演出制御装置70に送信する(ステップS683)。そして、リール演出動作を停止して(ステップS684)、ロングフリーズ処理を終了する。
これにより、リール6の演出変動表示が終了し、通常の変動表示が設定される(図65のS67)。その後、停止操作が有効となって停止有効コマンドが演出制御装置70に送信される(図65のS69)。このように、フリーズ状態が中断した場合に演出変動表示を終了させることで、停止操作が有効となったリール6の目押し操作を阻害することを防止できる。
〔リール回転停止処理〕
また、図22に示したリール回転停止処理に替えて図68に示すリール回転停止処理を行う。このリール回転停止処理では、フリーズ演出の分散に関する処理としてステップS691からS695を行う。なお、罰則フリーズに関するステップS100からS107及びS109からS111の処理を行わないが、これらの罰則フリーズに関する処理を行うようにしても良い。
リール停止情報に対応するリール停止コマンドを送信(ステップS99)した後、分散フリーズ設定があるかを判定する(ステップS691)。分散フリーズ設定がない場合(ステップS691;N)は、全てのリールが停止したリール全停止済であるかを判定する(ステップS108)。また、分散フリーズ設定がある場合(ステップS691;Y)は、フリーズ演出を再開する停止無効化タイミングであるかを判定する(ステップS692)。
停止無効化タイミングでない場合(ステップS692;N)は、全てのリールが停止したリール全停止済であるかを判定する(ステップS108)。また、停止無効化タイミングである場合(ステップS692;Y)は、分散フリーズ設定とリール停止情報に対応する無効タイマを設定し(ステップS693)、無効タイマが0となったかを判定する(ステップS694)。
これにより、停止操作に伴いフリーズ演出を再開することができ、このようにフリーズ演出を再開することでフリーズ状態を十分に体験させることが可能となる。また、再開されたフリーズ演出ではリール6の演出変動表示(低速回転や逆回転など)を行わないようにし、一度停止したリール6の再度の変動によって停止図柄の視認が困難となるようなことがないようにしている。また、その後のゲーム進行が遅れるような事態を防止することもできる。さらに、一度停止したリール6を停止した状態のままフリーズ状態とすることで、停止した図柄を確認する時間を確保することができる。ただし、停止操作により停止したリール6以外のリール6で演出変動表示を行うようにしても良い。
無効タイマには再開されたフリーズ演出のフリーズ時間に対応する値がセットされ、タイマ更新処理(ステップS28)にて値が−1更新されるようになっており、無効タイマの値が0となるまでは次の停止操作が無効とされる。その後、無効タイマが0となると(ステップS694;Y)、分散区切りコマンドを演出制御装置70に送信し(ステップS695)、全てのリールが停止したリール全停止済であるかを判定する(ステップS108)。そして、リール全停止済でない場合(ステップS108;N)は、ステップS91に戻る。また、リール全停止済である場合(ステップS108;Y)は、リール回転停止処理を終了する。
図69には、各分散フリーズ設定でのフリーズ演出の実行態様を示した。図69(a)には、フリーズ演出の分散が選択されなかった例を示した。ゲームの開始操作に伴いゲームが開始されるとフリーズ演出が開始され、フリーズ演出の分散を選択可能な分散可能期間が開始される(t11)。この分散可能期間(t11からt12)において、遊技者が所定の選択操作を行わなかった場合は、フリーズ演出の分散は設定されず、後半フリーズ期間の経過(t13)まで継続してフリーズ演出が実行される。そして、後半フリーズ期間の終了(t13)とともに停止操作が可能となり、第1停止操作(t14)、第2停止操作(t15)及び第3停止操作(t16)を行うことでゲームが終了する。
図69(b)には、第1期間中にフリーズ演出の分散を選択するための所定の選択操作に基づく操作入力があった場合を示した。ゲームの開始操作に伴いゲームが開始されるとフリーズ演出が開始され、フリーズ演出の分散を選択可能な分散可能期間が開始される(t21)。この分散可能期間のうち第1期間(t21からt23)において遊技者がフリーズ演出の分散を選択するための所定の選択操作を行い、これに基づく操作入力があると(t22)、分散フリーズ設定として第1分散フリーズが選択される。
この第1分散フリーズでは、第1期間の経過(t23)まではフリーズ演出が継続され、この第1期間が経過すると第1停止操作が有効となる(t23)。そして、遊技者が停止操作を行うと、所定時間のフリーズ演出である分散フリーズ演出期間1−1が開始される(t24)。この分散フリーズ演出期間1−1が経過すると第2停止操作が可能となる(t25)。
そして、遊技者が停止操作を行うと、所定時間のフリーズ演出である分散フリーズ演出期間1−2が開始される(t26)。その後、分散フリーズ演出期間1−2が経過すると第3停止操作が可能となり(t27)、遊技者が停止操作を行うと所定時間のフリーズ演出である分散フリーズ演出期間1−3が開始される(t28)。この分散フリーズ演出期間1−3が経過するとゲームが終了する(t29)。
なお、第1分散フリーズで設定されるフリーズ演出の時間の合計値、すなわち、第1期間(t21からt23)、分散フリーズ演出期間1−1(t24からt25)、分散フリーズ演出期間1−2(t26からt27)及び分散フリーズ演出期間1−3(t28からt29)の時間の合計値は、フリーズ演出が分散されなかった場合におけるフリーズ演出の時間(t11からt13)と同じである。これにより、フリーズ状態を中断させた場合の方がゲームの進行が早くなってしまうことを防止し、遊技者に公平な遊技を提供することができる。
図69(c)には、第2期間中にフリーズ演出の分散を選択するための所定の選択操作に基づく操作入力があった場合を示した。ゲームの開始操作に伴いゲームが開始されるとフリーズ演出が開始され、フリーズ演出の分散を選択可能な分散可能期間が開始される(t31)。この分散可能期間のうち第2期間(t32からt34)において遊技者がフリーズ演出の分散を選択するための所定の選択操作を行い、これに基づく操作入力があると(t33)、分散フリーズ設定として第2分散フリーズが選択される。
この第2分散フリーズでは、第2期間の経過(t34)まではフリーズ演出が継続され、この第2期間が経過すると第1停止操作が有効となる(t34)。そして、遊技者が停止操作を行うと、所定時間のフリーズ演出である分散フリーズ演出期間2−1が開始される(t35)。この分散フリーズ演出期間2−1が経過すると第2停止操作が可能となり(t36)、遊技者が停止操作を行うと、所定時間のフリーズ演出である分散フリーズ演出期間2−2が開始される(t37)。その後、分散フリーズ演出期間2−2が経過すると第3停止操作が可能となり(t38)、遊技者が停止操作を行うとゲームが終了する(t39)。
なお、第2分散フリーズで設定されるフリーズ演出の時間の合計値、すなわち、第1期間及び第2期間(t31からt34)、分散フリーズ演出期間2−1(t35からt36)及び分散フリーズ演出期間2−2(t37からt38)の時間の合計値は、フリーズ演出が分散されなかった場合におけるフリーズ演出の時間(t11からt13)と同じである。これにより、フリーズ状態を中断させた場合の方がゲームの進行が早くなってしまうことを防止し、遊技者に公平な遊技を提供することができる。
図69(d)には、第3期間中にフリーズ演出の分散を選択するための所定の選択操作に基づく操作入力があった場合を示した。ゲームの開始操作に伴いゲームが開始されるとフリーズ演出が開始され、フリーズ演出の分散を選択可能な分散可能期間が開始される(t41)。この分散可能期間のうち第3期間(t42からt44)において遊技者がフリーズ演出の分散を選択するための所定の選択操作を行い、これに基づく操作入力があると(t43)、分散フリーズ設定として第3分散フリーズが選択される。
この第3分散フリーズでは、第3期間の経過(t44)まではフリーズ演出が継続され、この第3期間が経過すると第1〜第3停止操作が有効となる(t44)。そして、遊技者が第1停止操作(t45)、第2停止操作(t46)及び第3停止操作(t47)を行うと、所定時間のフリーズ演出である分散フリーズ演出期間3が開始される(t47)、この分散フリーズ演出期間3が経過するとゲームが終了する(t48)。
なお、第3分散フリーズで設定されるフリーズ演出の時間の合計値、すなわち、第1期間、第2期間及び第3期間(t41からt44)及び分散フリーズ演出期間3(t47からt48)の時間の合計値は、フリーズ演出が分散されなかった場合におけるフリーズ演出の時間(t11からt13)と同じである。これにより、フリーズ状態を中断させた場合の方がゲームの進行が早くなってしまうことを防止し、遊技者に公平な遊技を提供することができる。
このように、所定の選択操作に基づく操作入力によりフリーズ状態を中断させて変動表示の停止操作を行うことを可能としたことで、フリーズ状態が発生することで遊技者が煩わしさを感じてしまうことを防止することが可能となる。また、所定の選択操作があった期間に応じてフリーズ演出の分散態様を設定することで、遊技者の好みに応じた分散態様を選択できるようになる。また、分散可能期間を第1から第3期間に区切っておき、所定の選択操作があった期間の終了を待ってから停止操作を可能とすることで、その後に設定される分散フリーズ演出期間の時間値や演出データを予め設定しておくことが可能となり、制御の負担を軽減することができる。フリーズ状態を中断可能な分散可能期間を定めておくことで、中断させることに対してもゲーム性が付与され、遊技の興趣を向上することができる。
なお、分散可能期間を第1〜第3期間に区切らずに、操作入力があった任意のタイミングでフリーズ演出を中断し、当該タイミングに応じた分散態様としても良い。例えば、フリーズ演出の残り時間を2又は3つに等分して停止操作毎に行うように設定したり、全停止操作が終了した後に残りのフリーズ演出を実行したりする。また、操作入力があった時点でフリーズ演出を終了するようにしても良い。
すなわち、遊技制御装置50が、フリーズ状態の発生中に所定の操作入力があったことに基づき、当該フリーズ状態を中断させることが可能なフリーズ状態中断手段をなす。また、遊技制御装置50が、フリーズ状態が中断されたことに基づき、停止操作を有効とする操作有効化手段をなす。
以上のことから、複数の図柄を変動表示可能な複数の変動表示部(リール6)と、変動表示を伴うゲームの実行毎に役の内部抽選を行う抽選手段(遊技制御装置50)と、を備え、変動表示の停止操作に基づき内部抽選の結果に応じた図柄組合せ態様が導出され得るように複数の変動表示部の停止制御を行うスロットマシンにおいて、内部抽選の結果に基づき、停止操作を所定期間に亘って無効とするフリーズ状態を発生させることが可能なフリーズ状態発生手段(遊技制御装置50)と、フリーズ状態の発生中に所定の操作入力があったことに基づき、当該フリーズ状態を中断させることが可能なフリーズ状態中断手段(遊技制御装置50)と、フリーズ状態が中断されたことに基づき、停止操作を有効とする操作有効化手段(遊技制御装置50)と、を備えていることとなる。
ここで、所定の操作入力とは、スタートレバー21やベットボタン(マックスベットボタン17)、停止ボタン(リールストップボタン24)等の操作である。
また、フリーズ状態発生手段(遊技制御装置50)は、操作有効化手段(遊技制御装置50)により有効となった停止操作が行われたことに基づき、中断されたフリーズ状態を再開させるようにしていることとなる。
また、フリーズ状態発生手段(遊技制御装置50)は、フリーズ状態中断手段(遊技制御装置50)によりフリーズ状態が中断された場合であっても、フリーズ状態となる期間が中断されなかった場合と同じ期間となるようにフリーズ状態を再開させるようにしていることとなる。
また、フリーズ状態中断手段(遊技制御装置50)は、フリーズ状態のうち予め設定された有効期間内に操作入力があった場合に、当該フリーズ状態を中断させるようにしていることとなる。
また、フリーズ状態の発生中に変動表示部(リール6)に所定の演出変動表示を行わせることが可能な演出変動表示手段(遊技制御装置50)を備え、演出変動表示手段は、フリーズ状態中断手段(遊技制御装置50)によりフリーズ状態が中断された場合には、演出変動表示を終了することで通常の変動表示に移行させるようにしていることとなる。
また、演出変動表示手段(遊技制御装置50)は、フリーズ状態が再開された場合であっても演出変動表示を再開させないようにしていることとなる。
また、フリーズ状態発生手段(遊技制御装置50)は、長さの異なる複数種のフリーズ状態を発生可能であり、フリーズ状態中断手段(遊技制御装置50)は、所定の長さ以上のフリーズ状態が発生している場合に、当該フリーズ状態を中断させることが可能であることとなる。
〔フリーズ演出処理〕
演出制御装置70では、図28に示したフリーズ演出処理に替えて図70に示すフリーズ演出処理を行う。このフリーズ演出処理では、操作介在フリーズでない場合(ステップS244)は、ショートフリーズであるかを判定する(ステップS701)。ここでのショートフリーズとはフリーズ時間が60秒未満のフリーズ演出である。
このショートフリーズである場合(ステップS701;Y)は、ショートフリーズ演出処理を行い(ステップS702)、フリーズ演出処理を終了する。なお、ショートフリーズ演出処理(ステップS702)は、通常フリーズ演出処理(ステップS245)と同じ処理である。一方、ショートフリーズでない場合(ステップS701;N)は、ロングフリーズ演出処理を行い(ステップS703)、フリーズ演出処理を終了する。ロングフリーズ演出処理(ステップS703)では、フリーズ演出の分散に伴う演出の設定に関する処理を行う。
〔ロングフリーズ演出処理〕
図71には、図70に示したフリーズ演出処理におけるロングフリーズ演出処理を示した。このロングフリーズ演出処理では、まず、分散可能期間中である場合に送信される操作示唆コマンドを受信したかを判定する(ステップS711)。この操作示唆コマンドを受信していない場合(ステップS711;N)は、ステップS713に移行する。
また、操作示唆コマンドを受信した場合(ステップS711;Y)は、操作示唆報知を実行する(ステップS712)。操作示唆報知は、例えば、画像表示装置3にフリーズ演出を分散させるための所定の選択操作を促す表示を行ったり、第1〜第3期間の何れであるかを報知する表示を行ったりするものである。
その後、設定された分散フリーズ設定に関する情報を含み、ゲーム開始からのフリーズ演出を中断するタイミングで送信されるフリーズ切替コマンドを受信したかを判定する(ステップS713)。このフリーズ切替コマンドを受信した場合(ステップS713;Y)は、設定された分散フリーズ設定に対応する分散フリーズ演出をセットし(ステップS714)、フリーズ演出を終了して(ステップS716)、ロングフリーズ演出処理を終了する。すなわち、フリーズ状態が中断されたことに基づきフリーズ演出で実行可能な表示演出である特別な表示演出を中断するようにしている。
一方、フリーズ切替コマンドを受信していない場合(ステップS713;N)は、フリーズ演出の終了時に送信されるフリーズ終了コマンドを受信したかを判定する(ステップS715)。このフリーズ終了コマンドを受信していない場合(ステップS715;N)は、ステップS711に戻る。また、フリーズ終了コマンドを受信した場合(ステップS715;Y)は、フリーズ演出を終了し(ステップS716)、ロングフリーズ演出処理を終了する。
図72には、本変形例のスロットマシンでの60秒フリーズ演出の実行パターンを示した。60秒フリーズ演出にはフリーズ演出A〜Dの4種類が用意されている。フリーズ演出A〜Cは、フリーズ演出の実行が決定されたゲームでフリーズ演出を行う即時フリーズで選択可能であり、フリーズ演出Dはフリーズ演出の実行が決定されたゲームから数ゲーム後のゲームでフリーズ演出を行う待機フリーズ(ここでは操作介在フリーズ演出を除く)でのみ選択可能なフリーズ演出である。
また、フリーズ演出Aは通常遊技状態中でのみ選択可能であり、フリーズ演出Bは特定遊技状態中でのみ選択可能である。これらは役物(可動演出装置8)の動作を伴わない演出となっている。そして、フリーズ演出C及びDは通常遊技状態、特定遊技状態の何れでも選択可能であり、役物(可動演出装置8)の動作を伴う演出となっている。
フリーズ演出A〜Cには、分散フリーズ設定に合わせて4種類のパターンが用意されている。なお、待機フリーズの場合はフリーズ演出の分散が選択できないので、フリーズ演出Dはパターンが1種類のみとなっている。パターン1は分散フリーズ設定が行われない場合の実行パターンであり、パターン2は第1分散フリーズが設定された場合の実行パターンである。また、パターン3は第2分散フリーズが設定された場合の実行パターンであり、パターン4は第3分散フリーズが設定された場合の実行パターンである。
図73にはフリーズ演出Cでの各実行パターンにおけるフリーズ演出の実行態様を示した。図73(a)に示すようにパターン1では、分散可能期間における第1期間においてキャラクタAが主体となった演出であるキャラA視点ムービーが表示され、第2期間においてキャラクタBが主体となった演出であるキャラB視点ムービーが表示され、第3期間においてキャラクタCが主体となった演出であるキャラC視点ムービーが表示される。その後、分散不能期間(後半フリーズ期間)では、キャラクタA〜Cが登場するキャラA,B,C混合ムービーが表示される。
フリーズ演出の開始時にはこのパターン1が設定される。そして、キャラA視点ムービーが表示される第1期間に遊技者が所定の選択操作を行うと、第1分散フリーズが設定され、設定された分散フリーズ設定に対応する分散フリーズ演出をセットする処理(ステップS714)において、パターン2の実行パターンへの移行が設定される。また、キャラB視点ムービーが表示される第2期間に遊技者が所定の選択操作を行うと、第2分散フリーズが設定されてパターン3の実行パターンへの移行が設定される。さらに、キャラC視点ムービーが表示される第3期間に遊技者が所定の選択操作を行うと、第3分散フリーズが設定されてパターン4の実行パターンへの移行が設定される。なお、フリーズ演出Cは役物(可動演出装置8)の動作を伴う演出となっているが、何れのパターンであっても最終となる演出期間において役物の動作が行われるようになっている。
図73(b)から(d)に示すようにパターン2から4では、所定の選択操作が行われた期間の経過後、停止有効期間を挟んで行われる演出期間において、遊技者が所定の選択操作を行った期間で主体となっていたキャラクタに応じた演出が行われるようになっている。すなわち、遊技者が分散可能期間における所定の選択操作を行う期間を選択することで、その後のフリーズ演出の演出内容を選ぶことができるようになっている。
これにより、フリーズ状態を中断しなかった場合と中断した場合とで異なる演出パターンの特別な表示演出を見せることが可能となり、ゲームの興趣を向上することができる。また、フリーズ状態の中断のタイミングに応じて特別演出パターンが変わるので、中断させることに対してもゲーム性が付与され、遊技の興趣が向上する。
つまり、パターン1での表示演出が、フリーズ状態が中断しない場合に実行される通常演出パターンをなし、パターン2〜4における各分散フリーズ演出期間で行われる表示演出が、フリーズ状態が中断されて再開した場合に実行される特別演出パターンをなす。また、特別演出パターンはそれぞれ演出内容が異なり、フリーズ状態が中断されたタイミングに応じて何れかが選択されるようになっている。
また、フリーズ演出A及びBも同様に、第1期間ではキャラA視点ムービーを表示し、第2期間ではキャラB視点ムービーを表示し、第3期間ではキャラC視点ムービーを表示する。そして、パターン1での分散不能期間(後半フリーズ期間)ではキャラA,B,C混合ムービーを表示する。また、パターン2から4では、所定の選択操作が行われた期間の経過後、停止有効期間を挟んで行われる演出期間において、遊技者が所定の選択操作を行った期間で主体となっていたキャラクタに応じた演出が行われる。このように、選択できるキャラクタの種類はフリーズ演出AからCで同じであるが、ストーリー等の演出内容はそれぞれ異なるものとなっている。もちろんフリーズ演出AからCでそれぞれ選択可能なキャラクタを異ならせるようにしても良い。
なお、上述したように、分散可能期間を第1から第3期間に区切っておき、所定の選択操作があった期間の終了を待ってから停止操作を可能とすることで、その後に設定される分散フリーズ演出期間の時間値を予め設定しておくことが可能となり、各演出期間のムービーとしてそれぞれ単一の映像データを用意すれば良く、制御の負担を軽減することができる。
〔AT待機中処理〕
また、図39に示したAT待機中処理に替えて図74に示すAT待機中処理を行う。このAT待機中処理では、リール停止情報を更新(ステップS353)した後、分散フリーズ演出設定があるかを判定し(ステップS721)、分散フリーズ演出設定がない場合(ステップS721;N)は、リール停止情報に基づきゲーム演出を更新する(ステップS354)。
また、分散フリーズ演出設定がある場合(ステップS721;Y)は、フリーズ演出を再開する停止無効化タイミングであるかを判定し(ステップS722)、停止無効化タイミングでない場合(ステップS722;N)は、リール停止情報に基づきゲーム演出を更新する(ステップS354)。また、停止無効化タイミングである場合(ステップS722;Y)は、対応する分散フリーズ演出をセットし(ステップS723)、分散フリーズ演出を更新して(ステップS724)、分散フリーズ演出期間が終了した際に送信される分散区切りコマンドを受信したかを判定する(ステップS725)。すなわち、フリーズ状態が再開されたことに基づきフリーズ演出で実行可能な表示演出である特別な表示演出を再開させるようにしている。これにより、再開されたフリーズ状態における演出効果が低下することを防止することができる。
分散区切りコマンドを受信していない場合(ステップS725;N)は、分散フリーズ演出を更新する処理(ステップS724)に戻る。また、分散区切りコマンドを受信した場合(ステップS725;Y)は、リール停止情報に基づきゲーム演出を更新する(ステップS354)。
なお、図35に示した通常/前兆中処理、図40に示した昇格/突入AT中処理、図42に示した上乗せAT中処理、図45に示した救済AT中処理及び図46に示した移行チャンス中処理においても、リール停止情報を更新した後にステップS721からS724に示す処理を行うようになっている。ここで、通常/前兆中処理で変則停止操作が発生した場合や、昇格/突入AT中処理、上乗せAT中処理及び救済AT中処理でアシスト違反があった場合は、分散フリーズ演出の進行を停止したり、警告音の出力や警告表示を行ったりするようにしても良い。
図75には、フリーズ演出Cが選択されたフリーズ演出における第2期間において所定の選択操作が行われ、第2分散フリーズが設定される場合の演出の例を示した。図75(a)に示すように前のゲームが終了して所定の背景画像が表示されている状態から開始操作を行うと、図75(b)に示すようにゲームが開始されてフリーズ演出が開始され、停止操作が無効の状態となる。
フリーズ演出が開始されると、まず、分散可能期間の第1期間が開始されてキャラA視点ムービーが表示される。このキャラA視点ムービーでは、キャラクタAが主体となった演出画像が表示されるとともに、所定の操作入力を行うことで分散フリーズ演出としてキャラクタAが主体となった演出を選択できることが報知される。
この第1期間が経過して第2期間となると、図75(c)に示すようにキャラB視点ムービーが表示される。このキャラB視点ムービーでは、キャラクタBが主体となった演出画像が表示されるとともに、所定の操作入力を行うことで分散フリーズ演出としてキャラクタBが主体となった演出を選択できることが報知される。ここでは、この第2期間において遊技者が所定に操作入力を行っており、これに基づき第2分散フリーズが設定され、第2期間の経過後に停止操作が有効となる。
図75(d)に示すように停止操作が有効とされる期間では、前後の演出をつなぐ演出として、対応するキャラBムービー分散つなぎ画像が表示される。そして、遊技者が第1停止操作を行うと、分散フリーズ演出期間2−1が開始され停止操作が無効となる。図75(e)、(f)に示すようにこの分散フリーズ演出期間2−1では、キャラクタBが主体となったキャラBメインムービー1が表示され、分散フリーズ演出期間2−1が経過すると停止操作が有効となる。
図75(g)に示すように、この停止操作が有効とされる期間でも前後の演出をつなぐ演出として、対応するキャラBムービー分散つなぎ画像が表示される。そして、遊技者が第2停止操作を行うと、分散フリーズ演出期間2−2が開始され停止操作が無効となる。図75(h)、(i)に示すようにこの分散フリーズ演出期間2−2では、キャラクタBが主体となったキャラBメインムービー2が表示される。また、分散フリーズ演出期間2−2は最終となる演出期間であるため、図75(i)に示すように可動演出装置8の動作による演出が行われるようになっている。
そして、分散フリーズ演出期間2−2が経過すると停止操作が有効となり、図75(j)に示すように最終演出としてキャラクタBが戦いに勝利したことを示すことによって特別入賞に当選したことが報知される。そして、遊技者が第3停止操作を行うと、ゲームが終了し、図75(k)に示すように特別入賞に当選していることが明確に報知される。
以上のことから、複数の図柄を変動表示可能な複数の変動表示部(リール6)と、変動表示を伴うゲームの実行毎に役の内部抽選を行う抽選手段(遊技制御装置50)と、を備え、変動表示の停止操作に基づき内部抽選の結果に応じた図柄組合せ態様が導出され得るように複数の変動表示部の停止制御を行うスロットマシンにおいて、内部抽選の結果に基づき、停止操作を所定期間に亘って無効とするフリーズ状態を発生させることが可能なフリーズ状態発生手段(遊技制御装置50)と、ゲームの実行中に所定の表示演出を行うことが可能であるとともに、フリーズ状態の発生中に特別な表示演出を行うことが可能な表示演出手段(演出制御装置70)と、フリーズ状態の発生中に所定の操作入力があったことに基づき、当該フリーズ状態を中断させることが可能なフリーズ状態中断手段(遊技制御装置50)と、フリーズ状態が中断されたことに基づき、停止操作を有効とする操作有効化手段(遊技制御装置50)と、を備えていることとなる。
ここで、所定の操作入力とは、スタートレバー21やベットボタン(マックスベットボタン17)、停止ボタン(リールストップボタン24)等の操作である。
また、表示演出手段(演出制御装置70)は、フリーズ状態が中断されたことに基づき特別な表示演出を中断するとともに、フリーズ状態が再開されたことに基づき特別な表示演出を再開させるようにしていることとなる。
また、表示演出手段(演出制御装置70)は、フリーズ状態が中断しない場合には通常演出パターンで特別な表示演出を実行する一方、フリーズ状態が中断されて再開した場合には特別演出パターンに切り替えて特別な表示演出を再開させるようにしていることとなる。
また、特別演出パターンは、演出内容が異なるように複数設定されてなり、表示演出手段(演出制御装置70)は、フリーズ状態が中断されたタイミングに応じて複数の特別演出パターンの何れかを選択し、該選択した特別演出パターンで特別な表示演出を再開させるようにしていることとなる。
また、ゲームを進行させるための進行操作部を備え、進行操作部は、ゲームへの賭数を設定するための賭数操作部(マックスベットボタン17)と、ゲームを開始するための開始操作部(スタートレバー21)と、停止操作を行うための停止操作部(リールストップボタン24)と、を含み、フリーズ状態中断手段(遊技制御装置50)は、進行操作部のうち賭数操作部の操作入力があったことに基づきフリーズ状態を中断させるようにしていることとなる。
〔第2変形例〕
次に、上述した実施形態のスロットマシンの第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態のスロットマシンと同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例のスロットマシンは、所定期間停止操作が行われなかった場合に自動的にリール6を停止することが可能となっている。
〔リール回転停止処理〕
本変形例のスロットマシン1では、図22に示したリール回転停止処理に替えて図76に示すリール回転停止処理を行う。このリール回転停止処理では、停止ボタンの操作がなかった場合(ステップS91;N)に、自動停止制御処理(ステップS731)を行う。なお、罰則フリーズに関するステップS100からS107及びS109からS111の処理を行わないが、これらの罰則フリーズに関する処理を行うようにしても良い。
〔自動停止制御処理〕
図77には、図76に示したリール回転停止処理における自動停止制御処理を示した。この自動停止制御処理では、まず、自動停止期間が経過したかを判定する。自動停止期間の経過とは、スタートレバー21又はリールストップボタン24についての前回の有効な操作から開始される所定時間(期間)が経過したことである。自動停止期間を経過していない場合(ステップS741;N)は、自動停止制御処理を終了する。また、自動停止期間を経過した場合(ステップS741;Y)は、RT状態(RT状態1又は2)中であるかを判定する(ステップS742)。
RT状態中である場合(ステップS742;Y)は、停止催促コマンドを演出制御装置70に送信し(ステップS748)、自動停止制御処理を終了する。この場合は、自動停止により、転落条件が成立して遊技者に不利になる可能性や、突入リプレイ入賞が成立して遊技者に有利になる可能性があるため、自動停止は行わない。演出制御装置70では、停止催促コマンドの受信に基づき、例えば画像表示装置3にリール6の停止を促す表示を行う。
一方、RT状態中でない場合(ステップS742;N)は、内部抽選の結果がハズレ(純ハズレ)であるかを判定する(ステップS743)。内部抽選の結果がハズレである場合(ステップS743;Y)は、リール停止情報に基づいてハズレ停止態様を設定し(ステップS750)、変動中のリール6を一つ停止する変動中リール停止処理(ステップS751)を行う。ハズレの場合はハズレとなるように自動停止させても遊技者にとって不利益となることはなく、自動停止によりゲームをスムーズに進行させることが可能となる。
また、内部抽選の結果がハズレでない場合(ステップS743;N)は、取りこぼし入賞役に当選したかを判定する(ステップS744)。取りこぼし入賞役とは、遊技者の停止操作態様に拘らず入賞が成立する確定入賞役である通常リプレイ入賞、中段ベル入賞(ベルG)及び上段ベル入賞(3枚役F)以外の入賞役であって、遊技者の停止操作態様によっては入賞が成立しない非確定入賞役を指す。この取りこぼし入賞役に当選している場合(ステップS744;Y)は、リール停止情報を取得し(ステップS745)、入賞確定停止状態であるかを判定する(ステップS746)。入賞確定停止状態とは、変動中のリール6の停止順や停止図柄によらず入賞が確定している状態であり、例えば、ANY、チェリー、ANYの図柄組合せで構成される1枚役A入賞に内部当選し、既に中リール6bがチェリーを導出した状態で停止している場合である。
この入賞確定停止状態でない場合(ステップS746;N)は、リール停止情報に基づいてハズレ停止態様を設定し(ステップS750)、変動中のリール6を一つ停止する変動中リール停止処理(ステップS751)を行う。リール停止情報に基づいてハズレ停止態様を設定する処理(ステップS750)では、リール6の停止順序と停止タイミング(停止図柄)を設定し、ゲーム結果がハズレとなるように設定する。すなわち、取りこぼす可能性のある非確定入賞役については、入賞しないように自動停止させても遊技者が過度に不満を感じることがないため成立しないようにすることで、意図的なカラ回しを防止してゲームをスムーズに進行させることが可能となる。
ここでは、左リール6aを最初に停止しない場合に変則停止操作となるので、全リール6が変動中である場合は、変則停止操作(変則順)とならないように停止順序を左、中、右の順(いわゆる順押し)とし、停止タイミングを入賞に対応する図柄組合せを形成できないタイミングとする。これにより、自動停止が行われたことによりペナルティ状態が発生してしまうという不都合を回避することが可能となる。ただし、順押しで成立する押し順ベル入賞に当選している場合は、停止順序を左、右、中(いわゆるはさみ押し)とし、ベル入賞が成立しないようにする。
また、左リール6aが既に停止している場合は、順押しとなるように停止順序を中、右とし、停止タイミングを入賞に対応する図柄組合せを形成できないタイミングとする。ただし、順押しで成立する押し順ベル入賞に当選している場合は、はさみ押しとなるように停止順序を右、中とする。また、中リール6bが既に停止している場合は、停止順序を左、右とし、停止タイミングを入賞に対応する図柄組合せを形成できないタイミングとする。ただし、この停止順序では押し順ベル入賞が成立してしまう場合は停止順序を右、左とする。また、右リール6cが既に停止している場合は、停止順序を左、中とし、停止タイミングを入賞に対応する図柄組合せを形成できないタイミングとする。ただし、この停止順序では押し順ベル入賞が成立してしまう場合は停止順序を中、左とする。なお、基本的にはさみ押しとなるように停止順序を設定しても良い。
一方、入賞確定停止状態である場合(ステップS746;Y)や取りこぼし入賞役に当選していない場合(ステップS744;N)は、状態移行リプレイに当選しているかを判定する(ステップS747)。状態移行リプレイとは、昇格リプレイ入賞、転落リプレイ入賞及び突入リプレイ入賞である。
この状態移行リプレイに当選している場合(ステップS747;Y)は、停止催促コマンドを演出制御装置70に送信し(ステップS748)、自動停止制御処理を終了する。この場合は、自動停止により、遊技者に不利又は有利になる可能性があるため、自動停止は行わない。これにより、自動停止が行なわれたことで昇格役が入賞せずに特定遊技状態に移行しなくなってしまうといった事態や、降格役が入賞して通常遊技状態に降格してしまうといった事態を防止することができる。
また、状態移行リプレイに当選していない場合(ステップS747;N)は、リール停止情報に基づいて当選役に対応する入賞停止態様を設定し(ステップS749)、変動中のリール6を一つ停止する変動中リール停止処理(ステップS751)を行う。すなわち、遊技者の意図しない遊技状態の移行が起こる可能性がない場合なので、自動停止をしてもゲームの興趣が減衰されることなく、さらに、確定入賞役が当選している場合には、当該確定入賞役が入賞するように自動停止を行うことで遊技者が不利益を被ることなくゲームをスムーズに進行させることが可能となる。
リール停止情報に基づいて当選役に対応する入賞停止態様を設定する処理(ステップS749)では、変則停止操作とならないようにリール6の停止順序を順押し(左、中、右)の順となるように設定する。これにより、自動停止が行われたことによりペナルティ状態が発生してしまうという不都合を回避することが可能となる。また、左リール6aが既に停止している場合は、順押しとなるように停止順序を中、右とし、中リール6bが既に停止している場合は、停止順序を左、右とし、右リール6cが既に停止している場合は、停止順序を左、中とする。なお、ここでは取りこぼしがない入賞役に当選しているか、入賞が確定している停止状態であるので、停止タイミング(停止図柄)については設定しなくても良い。また、停止順序がはさみ押し(左、右、中)となるようにしても良い。また、既に変則停止操作であることが決定している状態では、停止順序を任意に設定しても良い。
この後、リール自動停止コマンドを演出制御装置70に送信し(ステップS752)、変動中のリールがあるかを判定する(ステップS753)。変動中のリールがある場合(ステップS753;Y)は、変動中リール停止処理(ステップS751)に戻る。また、変動中のリールがない場合(ステップS753;N)は、自動停止制御処理を終了する。すなわち、遊技制御装置50が、ゲームの実行中に所定期間に亘って停止操作が行われないことに基づき、変動表示中の変動表示部(リール6)を自動停止させることが可能な自動停止手段をなす。このような自動停止を行うことで、遊技者が過度に不満を感じないように自動停止を行うことが可能となり、ゲームの進行がスムーズになる。また、自動停止が行われないことで内部抽選の結果を示唆することも可能となる。
なお、状態移行リプレイが当選している場合には自動停止を行わないようにしたが、成立しているリプレイ入賞の種類により自動停止の有無を決定するようにしても良い。例えば、遊技者に有利な遊技状態に切り替える昇格役に当選している場合には自動停止を行わないようにし、これ以外の場合は自動停止を行うようにしても良い。また逆に、遊技者に不利な遊技状態に切り替える降格役に当選している場合には自動停止を行わないようにし、これ以外の場合は自動停止を行うようにしても良い。
さらに、遊技状態が移行する移行役に当選している場合には、遊技者に有利になるように自動停止するようにしても良い。例えば、遊技者に有利な遊技状態に切り替える昇格役に当選している場合には当該昇格役が成立するように自動停止し、遊技者に不利な遊技状態に切り替える降格役に当選している場合には当該降格役が成立しない自動停止するようにしても良い。
以上のことから、複数の図柄を変動表示可能な複数の変動表示部(リール6)と、該変動表示を伴うゲームの実行毎に役の内部抽選を行う抽選手段(遊技制御装置50)とを備え、変動表示の停止操作に基づき停止させたゲームの結果が内部抽選で当選した役に対応する図柄組合せ態様になると、当該役の入賞が成立するスロットマシンにおいて、ゲームの実行中に所定期間に亘って停止操作が行われないことに基づき、変動表示中の変動表示部を自動停止させることが可能な自動停止手段(遊技制御装置50)と、予め定めた移行役の入賞が成立したことに基づき、遊技状態を通常遊技状態と該通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態とに切り替えることが可能な遊技状態切替手段(遊技制御装置50、演出制御装置70)と、を備え、自動停止手段は、内部抽選の結果及び遊技状態に基づいて自動停止を行うか否かを決定するようにしていることとなる。
ここで、通常遊技状態は、例えば小役成立のアシスト情報が提供されるAT状態、リプレイ入賞の当選確率が高められたRT状態又はこれらが複合したART状態の何れでもでない状態であり、特定遊技状態は、例えばAT状態、RT状態又はART状態の何れかの状態である。ただし、通常遊技状態よりも特定遊技状態の方が遊技者に有利な状態であればよく、AT状態、RT状態又はART状態の何れか一つの発生の有無のみを対象として通常遊技状態と特定遊技状態とを区別するようにしても良い。
また、移行役には、遊技状態を特定遊技状態に切り替えるための昇格役と、遊技状態を通常遊技状態に切り替えるための降格役とが含まれ、自動停止手段(遊技制御装置50)は、通常遊技状態であって昇格役が当選している場合には自動停止を行わないようにしていることとなる。
また、自動停止手段(遊技制御装置50)は、通常遊技状態であって移行役が当選していない場合には自動停止を行うようにしていることとなる。
また、自動停止手段(遊技制御装置50)は、通常遊技状態であって遊技者の停止操作態様に拘らず入賞が成立する確定入賞役が当選している場合には、当該確定入賞役が入賞するように自動停止を行うようにしていることとなる。
また、自動停止手段(遊技制御装置50)は、通常遊技状態であって遊技者の停止操作態様によっては入賞が成立しない非確定入賞役が当選している場合には、当該非確定入賞役が入賞しないように自動停止を行うようにしていることとなる。
また、移行役には、遊技状態を特定遊技状態に切り替えるための昇格役と、遊技状態を通常遊技状態に切り替えるための降格役とが含まれ、自動停止手段(遊技制御装置50)は、特定遊技状態であって降格役が当選している場合には自動停止を行わないようにしていることとなる。
また、自動停止手段(遊技制御装置50)は、通常遊技状態であるか特定遊技状態であるかに拘らずハズレに当選している場合には、ハズレ図柄組合せ態様となるように自動停止を行うようにしていることとなる。
また、予め定められた変則順で複数の変動表示部が停止する変則停止操作の発生を判定する変則停止操作判定手段(遊技制御装置50)と、変則停止操作の発生に基づき、遊技者に不利となるペナルティ状態を複数回のゲームに亘って発生させることが可能なペナルティ状態発生手段(演出制御装置70)と、を備え、自動停止手段(遊技制御装置50)は、変則順とならない順序で変動表示中の変動表示部を自動停止させるようにしていることとなる。
〔第3変形例〕
次に、上述した実施形態のスロットマシンの第3変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第2変形例のスロットマシンと同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例のスロットマシンは、RT状態中でも自動停止が可能となっている。
〔自動停止制御処理〕
本変形例のスロットマシン1では、図77に示した自動停止制御処理に替えて図78に示す自動停止制御処理を行う。この自動停止制御処理では、RT状態中でない場合(ステップS742;N)は、通常中自動停止処理を行い、自動停止制御処理を終了する。この通常中自動停止処理は、図77でのステップS743〜S753の処理である。すなわち、RT状態中でない場合は、図77の処理と同じ処理を行う。また、RT状態中である場合(ステップS742;Y)は、RT中自動停止処理(ステップS761)を行い、自動停止制御処理を終了する。
〔RT中自動停止処理〕
図79には、図78に示した自動停止制御処理におけるRT中自動停止処理を示した。このRT中自動停止処理では、まず、内部抽選の結果がハズレ(純ハズレ)であるかを判定する(ステップS771)。内部抽選の結果がハズレである場合(ステップS771;Y)は、リール停止情報に基づいてハズレの停止態様を設定し(ステップS772)、変動中のリール6を一つ停止する変動中リール停止処理(ステップS778)を行う。また、内部抽選の結果がハズレでない場合(ステップS771;N)は、ペナルティ対象役に当選中であるかを判定する(ステップS773)。
ペナルティ対象役とは、成立すること又は取りこぼすことでRT状態やAT状態が終了する転落条件が成立する入賞役であり、ここでは、入賞の成立により転落条件が成立する転落リプレイ入賞及びSIN入賞と、取りこぼしにより転落条件が成立する押し順ベル入賞入賞である。このペナルティ対象役に当選中である場合(ステップS773;Y)は、停止催促コマンドを演出制御装置70に送信し(ステップS781)、RT中自動停止処理を終了する。この場合は、自動停止により転落条件が成立して遊技者に不利になる可能性があるため、自動停止は行わない。これにより。遊技者の意図しない状態で遊技状態が移行してしまい、ゲームの興趣が減衰されることを防止することができる。演出制御装置70では、停止催促コマンドの受信に基づき、例えば画像表示装置3にリール6の停止を促す表示を行う。
一方、ペナルティ対象役に当選中でない場合(ステップS773;N)は、リール停止情報を取得し(ステップS774)、入賞確定停止状態であるかを判定する(ステップS775)。入賞確定停止状態とは、変動中のリール6の停止順や停止図柄によらず入賞が確定している状態であり、例えば、ANY、チェリー、ANYの図柄組合せで構成される1枚役A入賞に内部当選し、既に中リール6bがチェリーを導出した状態で停止している場合である。なお、通常リプレイ入賞、中段ベル入賞(ベルG)及び上段ベル入賞(3枚役F)に当選している場合は必ず入賞が成立するので、全てのリール6が変動中であっても入賞確定停止状態とする。
この入賞確定停止状態でない場合(ステップS775;N)は、リール停止情報に基づいてハズレ停止態様を設定し(ステップS777)、変動中のリール6を一つ停止する変動中リール停止処理(ステップS778)を行う。リール停止情報に基づいてハズレ停止態様を設定する処理(ステップS777)では、リール6の停止順序と停止タイミング(停止図柄)を設定し、ゲーム結果がハズレとなるように設定する。
ここでは変則停止操作はないのでどのような停止順序でも良いが、全リール6が変動中である場合は停止順序を左、中、右の順(いわゆる順押し)とし、停止タイミングを入賞に対応する図柄組合せを形成できないタイミングとする。また、左リール6aが既に停止している場合は、順押しとなるように停止順序を中、右とし、停止タイミングを入賞に対応する図柄組合せを形成できないタイミングとする。
また、中リール6bが既に停止している場合は、停止順序を左、右とし、停止タイミングを入賞に対応する図柄組合せを形成できないタイミングとする。また、右リール6cが既に停止している場合は、停止順序を左、中とし、停止タイミングを入賞に対応する図柄組合せを形成できないタイミングとする。
一方、入賞確定停止状態である場合(ステップS775;Y)は、リール停止情報に基づいて当選役に対応する入賞停止態様を設定し(ステップS776)、変動中のリール6を一つ停止する変動中リール停止処理(ステップS778)を行う。リール停止情報に基づいて当選役に対応する入賞停止態様を設定する処理(ステップS778)では、リール6の停止順序が順押し(左、中、右)の順となるように設定する。また、左リール6aが既に停止している場合は、順押しとなるように停止順序を中、右とし、中リール6bが既に停止している場合は、停止順序を左、右とし、右リール6cが既に停止している場合は、停止順序を左、中とする。なお、ここでは変則停止操作はないので、他の停止順序としても良い。
この後、リール自動停止コマンドを演出制御装置70に送信し(ステップS779)、変動中のリールがあるかを判定する(ステップS780)。変動中のリールがある場合(ステップS780;Y)は、変動中リール停止処理(ステップS778)に戻る。また、変動中のリールがない場合(ステップS780;N)は、RT中自動停止処理を終了する。なお、ペナルティ対象役として押し順ベル入賞に当選している場合でも、すでに押し順に従い2つのリールが停止され、入賞の成立が確定している場合には自動停止を行うようにしても良い。
以上のことから、自動停止手段(遊技制御装置50)は、通常遊技状態であるか特定遊技状態であるかに拘らず移行役が当選している場合には自動停止を行わないようにしていることとなる。
以上のようなスロットマシン1は、複数の図柄を変動表示可能な複数の変動表示部(リール6)と、変動表示を伴うゲームの実行毎に役の内部抽選を行う抽選手段(遊技制御装置50)と、を備え、変動表示の停止操作に基づき内部抽選の結果に応じた図柄組合せ態様が導出され得るように複数の変動表示部の停止制御を行うスロットマシンであって、内部抽選の結果に基づき、停止操作を所定期間に亘って無効とするフリーズ状態を発生させることが可能なフリーズ状態発生手段(遊技制御装置50)と、ゲームの実行中に所定の表示演出を行うことが可能であるとともに、フリーズ状態の発生中に特別な表示演出を行うことが可能な表示演出手段(演出制御装置70)と、フリーズ状態の発生中に所定の操作入力があったことに基づき、当該フリーズ状態を中断させることが可能なフリーズ状態中断手段(遊技制御装置50)と、フリーズ状態が中断されたことに基づき、停止操作を有効とする操作有効化手段(遊技制御装置50)と、を備えている。
ここで、所定の操作入力とは、スタートレバー21やベットボタン(マックスベットボタン17)、停止ボタン(リールストップボタン24)等の操作である。
したがって、所定の操作入力によりフリーズ状態を中断させて変動表示の停止操作を行うことが可能となるため、フリーズ状態が発生することで遊技者が煩わしさを感じてしまうことを防止することが可能となる。
また、フリーズ状態発生手段(遊技制御装置50)は、操作有効化手段(遊技制御装置50)により有効となった停止操作が行われたことに基づき、中断されたフリーズ状態を再開させるようにしている。
したがって、フリーズ状態を十分に体験させることが可能となる。また、停止した図柄を確認する時間を確保することができる。
また、表示演出手段(演出制御装置70)は、フリーズ状態が中断されたことに基づき特別な表示演出を中断するとともに、フリーズ状態が再開されたことに基づき特別な表示演出を再開させるようにしている。
したがって、フリーズ状態の再開により特別な表示演出も再開させることで、再開されたフリーズ状態における演出効果が低下することを防止することができる。
また、表示演出手段(演出制御装置70)は、フリーズ状態が中断しない場合には通常演出パターンで特別な表示演出を実行する一方、フリーズ状態が中断されて再開した場合には特別演出パターンに切り替えて特別な表示演出を再開させるようにしている。
したがって、フリーズ状態を中断しなかった場合と中断した場合とで異なる演出パターンの特別な表示演出を見せることが可能となり、ゲームの興趣が向上する。
また、特別演出パターンは、演出内容が異なるように複数設定されてなり、表示演出手段(演出制御装置70)は、フリーズ状態が中断されたタイミングに応じて複数の特別演出パターンの何れかを選択し、該選択した特別演出パターンで特別な表示演出を再開させるようにしている。
したがって、フリーズ状態の中断のタイミングに応じて特別演出パターンが変わるので、中断させることに対してもゲーム性が付与され、遊技の興趣が向上する。
また、ゲームを進行させるための進行操作部を備え、進行操作部は、ゲームへの賭数を設定するための賭数操作部(マックスベットボタン17)と、ゲームを開始するための開始操作部(スタートレバー21)と、停止操作を行うための停止操作部(リールストップボタン24)と、を含み、フリーズ状態中断手段(遊技制御装置50)は、進行操作部のうち賭数操作部の操作入力があったことに基づきフリーズ状態を中断させるようにしている。
したがって、意図せずにフリーズ状態が中断してしまうことを防止できる。すなわち、開始操作部や停止操作部は、ゲームの進行のために連続操作されることがあるため、これらの入力に基づきフリーズ状態を中断するようにすると遊技者が意図しない場合にもフリーズ状態を中断させてしまう可能性がある。しかし、ゲーム中に操作されてもゲームが進行しない賭数操作部の操作入力でフリーズ状態を中断するようにしたことで、意図せずにフリーズ状態が中断してしまうという不都合を回避することが可能となる。
また、フリーズ状態発生手段(遊技制御装置50)は、フリーズ状態中断手段(遊技制御装置50)によりフリーズ状態が中断された場合であっても、フリーズ状態となる期間が中断されなかった場合と同じ期間となるようにフリーズ状態を再開させるようにしている。
したがって、フリーズ状態を中断させた場合の方がゲームの進行が早くなってしまうことを防止でき、遊技者に公平な遊技を提供することが可能となる。
また、フリーズ状態発生手段(遊技制御装置50)は、長さの異なる複数種のフリーズ状態を発生可能であり、フリーズ状態中断手段(遊技制御装置50)は、所定の長さ以上のフリーズ状態が発生している場合に、当該フリーズ状態を中断させることが可能である。
したがって、遊技者が煩わしさを感じる長さ以上の期間に亘って実行されるフリーズ状態よりも短いフリーズ状態は遊技者にしっかりと体験させることが可能となる。
なお、本発明のスロットマシンは、スロットマシンとして、前記実施の形態に示されるようなメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンに適用可能である。また、上述の各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 スロットマシン
6 リール(変動表示部)
17 マックスベットボタン(進行操作部、賭数操作部)
21 スタートレバー(進行操作部、開始操作部)
24 リールストップボタン(進行操作部、停止操作部)
50 遊技制御装置(抽選手段、フリーズ状態発生手段、フリーズ状態中断手段、操作有効化手段)
70 演出制御装置(表示演出手段)

Claims (2)

  1. 複数の図柄を変動表示可能な複数の変動表示部と、前記変動表示を伴うゲームの実行毎に役の内部抽選を行う抽選手段と、を備え、
    前記変動表示の停止操作に基づき前記内部抽選の結果に応じた図柄組合せ態様が導出され得るように前記複数の変動表示部の停止制御を行うスロットマシンにおいて、
    予め定めた特定役の入賞が連続して成立した回数を示す連続カウント数を更新することが可能な連続カウント手段と、
    前記連続カウント数に応じて、遊技者にとって有利な第1特定遊技状態を発生させるための実行権利を付与することが可能な実行権利付与手段と、
    前記実行権利を記憶することが可能な実行権利記憶手段と、
    前記実行権利が記憶された可能性のあるゲーム又はその後のゲームから複数のゲームに亘って前記実行権利記憶手段に前記実行権利が記憶された可能性があることを報知する特定演出を実行することが可能な特定演出実行手段と、を備え、
    前記特定演出実行手段は、
    前記実行権利記憶手段に前記実行権利が記憶されている場合でも、前記連続カウント手段による連続カウント数の更新が継続している場合には、前記特定演出を開始せず、
    前記実行権利記憶手段に前記実行権利が記憶されていない場合にも、前記特定演出を実行可能であり、
    前記特定演出のうちの前記実行権利記憶手段に前記実行権利が記憶された場合に実行可能であって当該特定演出を実行するゲーム数が所定値となる確定演出を、所定条件が成立したことによって終了した前記第1特定遊技状態の後の特定状態において実行可能であることを特徴とするスロットマシン。
  2. 前記停止操作の順序を判定する判定手段と、
    前記判定手段によって判定された前記停止操作の順序が所定順序であったことに基づき、前記第1特定遊技状態とは異なる第2特定遊技状態を発生させることが可能な発生手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。
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