一般的な慣例に従い、諸図面に示す様々な特徴は、原寸に比例して示されない場合がある。したがって、様々な特徴の寸法は、説明を明確にするために、任意に増減可能である。加えて、図面のうちのいくつかは、説明を明確にするために簡易化される場合がある。したがって、諸図面が、所与の装置(たとえば、デバイス)または方法の、構成要素のすべてを示さないかもしれない。最後に、同じ参照番号は、本明細書および諸図面を通して、同様の特徴を示すために使用されてよい。
基地局は、ベースユニットおよび複数の遠隔アンテナユニット(RAU)を含み、そのため、RAUの各々は物理層回路(PHY)を含む。PHYは、それぞれが同一の物理層識別子を使用するように構成される。したがって、基地局は、単一の物理層識別子に基づく、比較的大きいカバレッジエリアを提供する。各PHYは、また、そのPHYのカバレッジエリアでユーザをサポートするための、それ自体のハードウェアを備える。その結果として、基地局は、ネットワークでの物理層識別子の衝突および/または混同の可能性を低減させながら、比較的大きい容量を提供することができる。PHYの相対的な近接性および基地局のカバレッジ内のユーザの位置に応じて、リソースがPHY間で動的に再利用または分離されて、基地局の容量を増大させ、またはPHY間の干渉を低減させるように、ベースユニットは、RAUに対するリソースの割振りを制御する。
本開示の様々な態様を、以下に述べる。本明細書での教示が多種多様な形態で実施されてもよいこと、および本明細書で開示される任意の特定の構造、機能、またはそれらの両方が単に代表であることは、明らかであるべきである。本明細書での教示に基づき、当業者は、本明細書で開示する態様は、任意の他の態様とは独立して実施されてよく、これらの態様の2つ以上が様々な方法で組み合わされてもよいことを、理解するはずである。たとえば、本明細書で述べられる任意の数の態様を使用して装置が実施されてよく、または方法が実施されてもよい。加えて、他の構造、機能性、もしくは構造、および本明細書で述べられる態様のうちの1つまたは複数に追加の、もしくはそれら以外の機能性を使用して、そのような装置が実施されてよく、またはそのような方法が実施されてもよい。さらに、本明細書で開示する任意の態様は、特許請求の範囲の1つまたは複数の要素により実施されてもよい。
例示のために、本開示の様々な態様は、1つまたは複数のアクセス端末、基地局、およびネットワークエンティティが、互いと通信するシステムに照らして述べられてよい。しかしながら、本明細書での教示は、他の専門用語を使用して参照される他のタイプの装置または他の類似の装置に、適用されてもよいことが理解されるべきである。たとえば、様々な実施態様では、基地局は、アクセスポイント、NodeB、eNodeB、フェムトセル、スモールセルなどとして呼ばれても、または実現されてもよく、アクセス端末は、ユーザ機器(UE)、移動局などとして呼ばれても、または実現されてもよい。
システムの基地局は、1つまたは複数のサービス(たとえば、ネットワークの接続性)へのアクセスを、システムのカバレッジエリア内に取り付けられてもよい、またはシステムのカバレッジエリアを通って移動してもよい、1つまたは複数のアクセス端末に提供する。これらの基地局の各々は、ワイドエリアネットワークの接続性を促進するために、1つまたは複数のネットワークエンティティと通信してもよい。
これらのネットワークエンティティは、たとえば、1つまたは複数の無線および/またはコアネットワークエンティティなどの、様々な形態をなすことができる。したがって、様々な実施態様では、ネットワークエンティティは、ネットワーク管理(たとえば、運用、運営、管理、およびエンティティの供給による)、呼制御、セッション管理、モビリティ管理、ゲートウェイ機能、網間接続機能、またはいくつかの他の適当なネットワーク機能性のうちの少なくとも1つなどの、機能性を示すことができる。いくつかの態様では、モビリティ管理は、トラッキングエリア(tracking area)、ロケーションエリア(location area)、ルーティングエリア(routing area)、またはいくつかの他の適当な技法を用いてアクセス端末の現在の位置を把握すること、アクセス端末に対するページングを制御すること、およびアクセス制御をアクセス端末へ提供することに関する。同様に、これらのネットワークエンティティのうちの2つ以上が、同じ場所に配置されてよく、かつ/または、これらのネットワークエンティティのうちの2つ以上が、ネットワークを通じて分散されてもよい。
図3は、分散アンテナアーキテクチャ300の例を示す。この例示において、分散アンテナアーキテクチャ300は、UMTSベースの無線アクセス技術に照らして述べられる。しかしながら、開示されるアーキテクチャは、他の無線アクセス技術およびフレームワークに適用されてもよいことが、理解されるべきである。詳細には、スモールセルの分散アンテナフレームワークに照らして本明細書で例示される技法は、物理セル識別子の衝突を管理するための他のフレームワークに適用されてもよく、これは、同一の物理セル識別子が、多数のアンテナにわたって潜在的に異なる出力電力を使用してブロードキャストされる、マクロセル配置を含むことが理解されよう。
分散アンテナアーキテクチャ300では、HNBの機能性は、2つの異なるタイプのエンティティ間で、分離される。HNB UMTSスタック302の機能性は拡張ユニット304で実施され、HNBレイヤ1の機能性は第1のRAU306Aおよび第2のRAU306Bで実施される。第1のRAU306Aは第1のPHY308Aを含み、第2のRAU306Bは第2のPHY308Bを含む。
HNB UMTSスタック302は、PHY308Aおよび308Bに対してリソースを割り振ることに関する機能性を提供する。たとえば、HNB UMTSスタック302は、無線リソース管理(RRM: Radio Resource Management)、スケジューリング、シグナリング、および制御機能(レイヤ2およびそれ以上)を提供してもよい。いくつかの態様では、HNB UMTSスタック302においてなされるRRMは、衝突およびモビリティを処理することを伴う。
PHY308Aおよび308Bは、レイヤ1の機能性、およびPHY308Aと308Bとの間の自律的なモビリティ管理を提供する。本明細書で述べるように、PHY308Aおよび308Bの各々は、同一のPSCを使用する。したがって、アーキテクチャ300は、本明細書では、共有PSC分離PHY(shared PSC - split PHY)アーキテクチャと呼ばれる場合がある。
各RAUは、1つまたは複数のアンテナ(円Aで示す)を含む。図3の例では、RAU306Aは単一のアンテナを備え、RAU306Bは2つのアンテナを備える。
第1のRAU306Aおよび第2のRAU306BのRF信号のカバレッジは、第1の破線の楕円310Aおよび第2の破線の楕円310Bによって、簡易化した方式で示される。以下でより詳細に説明するように、共有PSC分離PHY方式では、所与のRAU(PHY)によって取り扱われるカバレッジ領域は、仮想セル(VC)と呼ばれる。したがって、各RAUは、仮想セルに関連付けられる。図3の例では、RAU306Aは仮想セル1に対応し、RAU306Bは仮想セル2に対応する。
図示されるように、各仮想セルは、同一のPSC、すなわち指定されたPSC Xに関連付けられる。したがって、これらの仮想セルのうちのいずれかのカバレッジ内のUEは、事実上、仮想セル1および仮想セル2の組み合わされたカバレッジを有する単一のセルを「見ている」。
本明細書で教示されるような共有PSC分離PHY方式は、多数の物理層エンティティ(PHY)が、協調された方式で単一の(共有される)PSCで動作できるようにすることによって、限定されたユーザ容量およびPSCの立案と関連した問題に対処する。図3の例では、HNB UMTSスタックのPHY層は、効果的に分離され、各RAUへ分配される。UMTSスタックの残りは、集中化された場所(拡張ユニット304)に収容される。PHY層を遠隔アンテナの位置へ押しやることによって、共有PSC分離PHYアーキテクチャは、チップセットの容量を、UMTSエアインターフェースのユーザ容量に、さらに良く適合させることができる。
様々な態様では、開示される共有PSC分離PHY方式は、物理層リソースをPHY間で共有すること、物理層リソースを再利用すること、物理リソースの割振りおよび使用法を協調させること、自律的なモビリティ管理、またはこれらの機能の任意の組合せを伴ってもよい。
物理層リソースを共有することは、たとえば、多数のエンティティ間で、ダウンリンクの直交可変拡散率(DL-OVSF)符号を共有すること、DLの送信時間間隔(TTI)を共有すること、またはアップリンク(UL)のロングコードを共有することを伴ってもよい。これらの物理層リソースの割振りの動作に加えて、各RAUにとっての送信電力は、システム性能を改善する(たとえば、容量を増大させ、かつ干渉を減少させる)ために管理されてもよい。したがって、いくつかの態様では、分散アンテナシステムを管理することは、物理層リソースの割振りおよび/または送信電力制御を伴ってもよい。
物理層リソースは、たとえば、相異なる仮想セルからの送信が互いに(たとえば、近くのアクセス端末で)干渉しない配置で、再利用されてもよい。そのような場合、同一の物理層リソースは、2つの異なる仮想セルに割り振られてよい。したがって、物理層識別子の衝突を依然として回避しながら、容量の著しい増大を実現することができる。
具体例として、DL-OVSF符号などの物理層リソースは、それらが互いへ多くの干渉を引き起こさない場合に限り、相異なる仮想セルのカバレッジに属するアクセス端末間で再利用されてもよい。2つのPHYの間に十分に大きい経路損失がある場合、同時になされるDL-OVSFコードツリーの再利用が、PHYに関連付けられた仮想セルのために使用されてもよい。
物理リソースの割振りおよびPHYによる使用法は、中央ユニットを通じて協調されてもよい。便宜上、この中央ユニットは、単にUMTSスタックと呼ばれる場合がある。しかしながら、この協調が、異なるエンティティまたは異なる技術の機能により実現されてもよいことが理解されるべきである。
自律的なモビリティ管理により、相異なるPHYの間を移動するアクセス端末(たとえば、UE)の、シームレスな移管が促進される。以下でより詳細に述べるように、いくつかの実施態様では、このことは、UL上でのUEと仮想セルとの関連付けを感知するアルゴリズムの使用を伴う。
様々な利点および/または利益は、本明細書で教示されるような共有PSC分離PHY方式を用いて得ることができる。たとえば、スモールセルのフットプリントが事実上増大するので、PSCの立案の労力を低減することができる。有利なことに、このフットプリントの増大は、ユーザ容量で不利をこうむることなく実現することができる。同様に、スモールセルのフットプリントが事実上増大するので、ユーザのスモールセル配置のシナリオでの物理層識別子の衝突(または、混同)を、軽減することができる。分離されたPHYを使用すると、エアインターフェース容量をさらにうまく利用することによって、ULおよびDLのユーザ容量を増大させる結果となり得る。ダイバーシチの利得および容量の増大に由来する利点は、また、他のユーザ干渉の低減(たとえば、さらに大きいエリアにわたって直交符号を使用することによる)の結果として得ることができる。さらなる容量の利益は、OVSF符号空間をさらに大きいエリアにわたって共有することによって、セル間の干渉が低減される結果として得ることができる。マクロダイバーシチの利益は、PHYを分散させることの結果として、DL上で得ることができる(たとえば、結果としてEc/Ioがさらに良くなる)。UL上での選択ダイバーシチの利益は、また、PHYを分散させることによって、得ることができる。通話の途切れが低減される事象は、干渉の低減(たとえば、上述の)によって、感じることができる。その上、この方式は、アクセス端末にとって透過的であってもよく、したがって、従来型のアクセス端末(たとえば、より古い3GPP UMTSリリースのUE)と下位互換性があってもよい。
上述のことを考えると、共通のPSCは、さらに大きいエリアをカバーするために、多数のセル(PHY)の間で使用されてもよい。有利なことに、従来の限定された容量のHNB(たとえば、最大15人の同時ユーザ)が、さらに大きい容量(たとえば、15×PHYの個数だけの容量)を有するHNBに似せて機能させるように、各PHYに配置されてもよい。したがって、HNBチップセット容量は、さらに良くエアインターフェース容量と適合させることができる。
共有PSC分離PHYを使用するシステムは、スタックを異なる場所に配置するシステムを越える利点を提供することができる。たとえば、共有PSC分離PHYの実施態様(たとえば、HNBスタックおよびPHYが、EUとRAUとの間で分離される)は、スモールセルDASの実施態様(たとえば、HNBスタック(UMTSスタックおよびPHY)全体がEUにある)よりも、はるかに良好な容量を提供することができる。同様に、個別のスモールセルの無線の実施態様(たとえば、HNBスタック、PHY、およびアンテナが、単一のハウジング内にある)は、共有PSC分離PHYの実施態様よりも、さらに大きい容量を理論的には提供できるが(ゼロ衝突を前提として)、さらに大きいこの容量は、高い密度のシナリオでの衝突の可能性のため、実際には達成できないはずである。
後に続く説明では、図3の拡張ユニット304、RAU306Aおよび306Bは、マスタユニット312と共に基地局と呼ばれる場合がある。というのも、全体として、これらの構成要素が基地局の機能性を提供するからである。マスタユニット312は、基地局に関係する他の機能性を提供し、この機能性は、たとえば、インターネット接続性316またはいくつかの他の適当な接続を介して、ネットワークエンティティ314と通信することを含む。インターネット接続性316は、たとえば、デジタル加入者回線(DSL)モデム、ケーブルモデム、またはいくつかの他のタイプのモデムを含んでもよい。
異なる実施態様では、本明細書で教示されるような基地局は、図3に示す構成要素の、異なる組合せを含んでもよい。図4は、多数の拡張ユニットを含む実施態様を示し、拡張ユニットの各々は、1つまたは複数のRAUに結合されてもよい。
マスタユニット402は、第1の拡張ユニット404Aおよび第2の拡張ユニット404Bに、通信可能に結合されている。第1の拡張ユニット404AはUMTSスタックの第1の部分406Aを含み、第2の拡張ユニット404BはUMTSスタックの第2の部分406Bを含む。
図4に示すように、1つまたは複数のPHYは、単一のUMTSスタックに通信可能に結合されてもよい。第1の拡張ユニット404Aは、第1のRAU408Aおよび第2のRAU408Bに、通信可能に結合されている。第2の拡張ユニット404Bは、第3のRAU408Cに、通信可能に結合されている。第1のRAU408Aは第1のPHY410Aを含み、第2のRAU408Bは第2のPHY408Bを含み、第3のRAU408Cは第3のPHY410Cを含む。
UMTSスタックとPHYとの間のインターフェースは、たとえば、ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(UTRAN)のIubインターフェースと同種であってもよい。したがって、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)チャネルに対して、PHYは、たとえば、いくつかのメディアアクセス制御(MAC)処理(たとえば、MAC-e/hs)を扱うことができる。
図5は、本明細書での教示による共有PSC分離PHYアーキテクチャの別の例を示す。この場合、拡張ユニット502は、第1のHNB UMTSスタック504Aおよび第2のHNB UMTSスタック504Bを含む。その上、第1のHNB UMTSスタック504Aは、あるPSC(PSC X)を使用し、第2のHNB UMTSスタック504Bは、別のPSC(PSC Y)を使用する。この図は、共有PSC分離PHY方式を基地局のセットの中で使用することによって、カバレッジが、極めて広いエリアにわたって、大きい容量を伴って、提供され得ることを示す。
図5は、また、所与の基地局(たとえば、HNB)が、基地局によって取り扱われる仮想セルのグループを含む、仮想セル(VC)クラスタに関連付けられてもよいことを示す。この例では、各UMTSスタックは、いくつかのRAU(したがって、PHY)に関連付けられる。先に述べたように、仮想セルは、各RAU(または、PHY)に関連付けられる。
したがって、図5では、UMTSスタック504Aは、3つのPHY508A〜508Cを含む3つのRAU506A〜506Cに接続されている。UMTSスタック504Aは、それによって、カバレッジエリア510A〜510Cに対応する3つの仮想セルVC1〜VC3に関連付けられ、ここで、これらの仮想セルの各々は、同一のPSC Xを使用する。
同様に、図5では、UMTSスタック504Bは、2つのPHY508D〜508Eを含む2つのRAU506D〜506Eに接続されている。UMTSスタック504Bは、それによって、カバレッジエリア510D〜510Eに対応する2つの仮想セルVC1〜VC2に関連付けられ、ここで、これらの仮想セルの各々は、同一のPSC Yを使用する。
したがって、PHYは、仮想セルクラスタ内の仮想セルに、効果的に分配され得る。加えて、同一のPSCは、1つの仮想セルクラスタ(たとえば、単一のHNBにより制御される)内のPHY間で共有されてもよい。HNB UMTSスタックの残り(共通のUMTSスタック)は、この時、集中化された場所において実施される。したがって、この手法は、UMTSスタックが拡張ユニットなどの集中化された場所に配置され得るスモールセルの分散アンテナの設定に、容易に組み込むことができる。
さらに、クラスタのクラスタが形成されてもよく、それによって、異なる仮想セルクラスタが異なるPSCを使用できる。たとえば、図5に示すように、第1のHNBに属する仮想セルの第1のセットが、あるPSC(PSC X)を使用してもよく、第2のHNBに属する仮想セルの別のセットが、別のPSC(PSC Y)を使用してもよい。
いくつかの態様では、共有PSC分離PHY方式は、物理リソースを仮想セル間で区分化(たとえば、直交化)しながら、同一のPSCを多数の仮想セル間で共有することを伴う。図6は、共有PSC分離PHYアーキテクチャのための、(たとえば、所与のPSCに対する)OVSFコードツリー600の例を示す。この例では、Cx,yは、OVSFコードツリー600に由来する特定の拡散符号シーケンスを示し、xは常に2の累乗である拡散率を示し、yはその拡散率での符号インデックスを示す。符号シーケンスの個別の要素(1および-1)は、情報/データビットを、(たとえば、CDMA技術でなされるように)拡散するために使用されるビット/チップである。
いくつかの実施態様では、符号の第1のサブセットは共有され、符号の第2のサブセットは共有されない。たとえば、コードツリー600の第1の区分は、多数のユーザへ相異なる情報を送信するための符号(たとえば、DL-OVSF符号)の、仮想セルにわたる共有プールを形成することができ、コードツリーの小さい方の第2の区分(たとえば、ブロードキャストチャネル(BCH)または共通チャネル(CCH)に対して使用される符号)は、同一のブロードキャストおよび/または制御情報を送信するために、セルにわたって再利用される。したがって、符号の第2のサブセットは、共有されることのない、共通チャネル(CCH)のOVSF符号および順方向アクセスチャネル(FACH)のOVSF符号を含んでもよい。反対に、符号の第1のサブセットは、DLに対して定義された直交符号の、共有プールを含んでもよい。
そのようなDLの直交なリソースの手法を使用すると、クラスタ内の仮想セルの「境界」において、UEへの同一のPSCの干渉を有利に回避することができる。いくつかの実施態様では、PHYチャネルに対する仮想セルの間のリソース(たとえば、DL OVSF)の分離は、専用の方式で使用されてもよい。
上述したことを考えると、いくつかのシナリオでは、隣接する仮想セルが、ユーザのOVSF符号または他のリソースの完全に直交な色づけ(coloring)を使用する場合に、増大されたネットワーク性能が得られる。
しかしながら、実際には、OVSF符号空間の共有のために、ユーザごとのピークおよび/または平均のダウンリンクスループットは、低減されるかもしれない。この場合、PSCの衝突の軽減とダウンリンクスループットの低減との間のトレードオフは、いくつかの態様では、配置される仮想セルおよびHNBの数に依存する場合がある。
本明細書での教示によれば、完全な直交化がすべてのケースで必要とされるわけではない。単一のPSCの配置にとって、完全な直交化の必要性がないことにより、セル容量を増強できる。たとえば、たとえ、能率が悪く、静的で、均等な、5方向(five-way)の直交化がすべての近隣の状態をカバーするために使用されても、10個の仮想セルに比べて2倍の容量が得られるかもしれない。
したがって、いくつかのシナリオでは、リソースは、仮想セル間で直交化されるよりも、むしろ再利用されてよい。たとえば、PSCに属するOVSF符号空間は、ユーザの幾何学的配列の推定(たとえば、ULの感知から)に基づいて、さらなる容量利得を得るために完全に再利用されてもよい。たとえば、ユーザの幾何学配列が、ユーザが彼らのそれぞれのセル中心の近く、または互いからより遠く離れたセル縁部にいるような場合、PHYの送信電力はそれに応じて調整することができ、OVSF符号空間全体が同一のPSCと共に再利用される。より多くの符号を(たとえば、送信電力の調整および符号空間の区分化を使用して、容量と干渉とのトレードオフを管理することによって)使用することに由来する、レートの利益があるかもしれない。リソースの一部分は、多数の仮想セルの共通部分の境界でのUEに対して、ハンドイン(hand-in)を目的として、「共有されて」割り振られてもよい。
完全なリソース直交化(たとえば、DL-OVSFの区分化)が、仮想セルクラスタ内ですべてのケースで求められるわけではないので、この直交化は、いくつかの事情のもとで、選択的に(たとえば、動的に)引き起こされてもよい。たとえば、直交化は、アクセス端末がクラスタ内の2つの仮想セルの境界にいるときのみ、引き起こされてもよい。別の例では、いくつかのエリア、仮想セル、または境界領域がさらに多くのUEを有する場合、より直交したリソースがそれらに割り振られてもよい。直交化のための様々なトリガが、使用されてよい。
場合によっては、直交化のトリガは、ULの感知に基づく。たとえば、トリガは、仮想クラスタのメンバでの絶対的または相対的なしきい値比較に基づいてもよい。異なる仮想セルが異なる送信電力を有する場合は、UEに、厳密に経路損失を克服することよりも、ULにおける大きい方の対熱雑音比(RoT:rise-over-thermal)を目標とさせればよい(たとえば、同一のVCクラスタ内の隣接するセルにおける検出を楽にするため)。
場合によっては、直交化のトリガは、チャネル品質指標(CQI:channel quality indicator)のフィードバックに基づく。たとえば、CQIが劣化した場合、直交化がトリガされてもよい。
場合によっては、直交化のトリガは、共通パイロットチャネルの受信信号符号電力(CPICH RSCP)のフィードバックに基づく。この情報は、たとえば、測定報告メッセージから取得されてもよい。
場合によっては、直交化のトリガは、CPICHのEc/Ioのフィードバックに基づく。この情報は、たとえば、測定報告メッセージから取得されてもよい。
同様に、他のUEベースのメカニズムが使用されてもよく、それによって、UEは、セルに固有のビーコンを検出するとともに、ビーコンの測定値を報告するか、または制御している仮想セル内での切換えを要求することができる。そのようなビーコンは、レイヤ1ビーコンまたはさらに上位層のビーコンであってもよい。
様々なタイプの直交化メカニズムが使用されてもよい。たとえば、直交化は、RRCコマンド(たとえば、PCR、ASU)またはHS-PDSCH符号へのHS-SCCH割当てを介して要求されてもよい。
ここで図7を参照すると、自律的なモビリティ管理は、共有PSC分離PHY方式と一緒に、有利に使用され得る。そのようなモビリティ管理方式は、たとえば、UMTSスタックに接続された相異なるPHY内のRRMを簡易化するために、使用されてもよい。この場合、同一のRRMが、すべてのPHYにUMTSスタックによって提供される。
上述した基地局と同様に、図7では、第1のRAU702Aおよび第2のRAU702Bが、拡張ユニット704に結合されている。第1のRAU702Aは第1のPHY706Aを備え、第2のRAU702Bは第2のPHY706Bを備える。第1のRAU702Aは第1の仮想セル(VC1)に関連付けられ、第2のRAU702Bは第2の仮想セル(VC2)に関連付けられる。本明細書で述べるように、UMTSスタックの物理層部分はPHY706Aおよび706Bに存在し、UMTSスタック708の残りは拡張ユニット704に存在する。
各PHYは、同期中(in-sync)および同期外(out-sync)の状態に基づいて、受信したアップリンク信号(たとえば、UE710からのロングコード)を復調するために、その復調器のうちの1つを割り当てる。いくつかの態様では、同期中および同期外の状態は、UE710が特定の仮想セルと同期しているかどうかに関係する場合がある。各仮想セル(たとえば、各PHY)は、そのカバレッジ領域内のUEに対して、ロングコード(LC)の固定セット(たとえば、15個のLC)を使用する。UEは、ULの感知を通じて監視される同期中または同期外の応答に基づいて、ULの復調器(およびDLの変調器)に割り当てられる。いくつかの実施態様では、単一のサーチャは、DPCCHチャネル上のパイロットエネルギーを感知する(たとえば、サーチャがロングコードの補集合を感知する)ために、すべての同期外のユーザの間で時間共有されてもよい。言い換えれば、周期的にホッピングするロングコードのサーチャは、UEによって使用されるロングコードを仮想セルクラスタ内の他のPHYで探索するために(たとえば、他のVCに属するUEを探索するために)、UL上で使用されてもよい。図7の例では、第1のLCサーチャ712Aは第1の仮想セルVC1で使用され、第2のLCサーチャ712Bは第2の仮想セルVC2で使用される。加えて、UE710は、第1の仮想セルVC1の中で、LC1を使用する。
感知されたパイロットエネルギーが、(たとえば、UE710のモビリティにより)規定のしきい値を横切ると、専用の復調器が、同期外のユーザに割り当てられる。そのようなしきい値の例を、図8に示す。この場合、グラフ802は、第2の仮想セルVC2において(LC1で動作している)相関器によって実行されるように、経時的なUEのエネルギーをULチャネル上で感知することを示す。水平の線804は、仮想的なソフトハンドオーバー(SHO)のしきい値を示す。したがって、感知されたエネルギーがしきい値を越えると、UE710は、第2の仮想セルVC2へ、第1の仮想セルVC1から第2の仮想セルVC2へのUE710のハンドオーバーを引き起こすのに十分近く移動したとみなされる。
このハンドオーバーを促進するため、UE710がハンドオーバーされるとすぐに第2の仮想セルVC2がUE710を取り扱えるように、ハンドオーバーを制御するエンティティは、第2の仮想セルVC2にUE710の構成を準備してもよい。そのようなエンティティは、たとえば、NodeB、HNB、RAU、またはいくつかの他の適当なエンティティを含んでよい。
ここで、図7を参照して、そのようなモビリティ動作の例を、より詳細に述べる。最初に、第2の仮想セルVC2は、LC1〜15(たとえば、第1の仮想セルVC1内のUEにより使用されるLC)を傍受する。たとえば、第2の仮想セルVC2は、ソフトハンドオーバーのしきい値が横切られたかどうかを、決定することができる(たとえば、図8に示すように)。図7の破線の矢印714で示されるように、ある時点で、LC1を使用するUE710は、第1の仮想セルVC1から第2の仮想セルVC2へ移動する。その結果、LC1を傍受すると、第2の仮想セルVC2は、首尾よくLC1を復調する。加えて、第1の仮想セルVC1は、LC1を解放する(たとえば、LC1がもはや首尾よく復調されないことを決定すると)。第2の仮想セルVC2は、その固定セット(LC16〜30)の中で利用可能な任意のロングコードに、LC1を使用するUEを(PCRを通して)再構成する。
別の例(図示せず)では、各仮想セルに対するロングコードのセットが、UEのモビリティで変化してもよい。たとえば、UE710は、第2の仮想セルVC2へのモビリティの後、LC1を使用し続けてもよく、この場合、第2の仮想セルVC2は、復調するロングコードのそのリストにLC1を追加し、第1の仮想セルVC1は、監視する符号のリストへLC1を移動する。加えて、第2の仮想セルVC2は、同期外れ(out-of-sync)ユーザとして、もはやLC1を傍受しない。
上述したことを考えると、いくつかの態様では、モビリティ動作は、ULの感知に基づいてUEを仮想セルに関連付けることを伴ってもよい。このことは、たとえば、ロングコードのサーチャの周期的なホッピング、および物理チャネル再構成(PCR:Physical Channel Reconfiguration)を実行することによって、クラスタ内でのモビリティを管理することを、伴ってもよい。
同様に、DL OVSF符号は、ULの同期中または同期外のステータスに基づいて、切り換えられてもよい。たとえば、電力および他のユーザの干渉(たとえば、チャネル直交性の損率による)を最小限に抑えるために、これがなされてもよい。このようにして、仮想セル内でのモビリティは、より効果的に管理され得る。
加えて、DPCCHチャネルのパイロットエネルギー、アンテナユニットからの復号された特定のチャネル(たとえば、アップリンク専用物理チャネル(UL-DPCH)、高速専用物理制御チャネル(HS-DPCCH)、拡張専用チャネル(E-DCH)、拡張専用物理データチャネル(E-DPDCH)、または拡張専用物理制御チャネル(E-DPCCH))の復号レート、またはこれらの要因の組合せに基づいて、各PHYは、DLまたはULリソース(たとえば、OVSF符号)をアンテナユニットに割り当ててもよい。
この例示において、モビリティ管理がUMTSシステムでどのように実施され得るかに関するいくつかの例が、後に続く。
最初に、アイドルモードのモビリティについて論じる。RRC_IDLEおよび関連するシグナリング(LAU、RAU)に対して、いくつかの態様では、セル再選択は、仮想セル間で求められない。加えて、従来のセル再選択プロシージャが、異なるPSCを使用するVCクラスタ間で使用されてもよい。
次に、接続済みモードのモビリティについて論じる。CELL_DCHでのVC内モビリティに対して、仮想アクティブセット更新(ASU:Virtual Active Set Update)は、同期中および同期外の応答をULが感知することに基づいてトリガされてもよく、これらの応答は仮想的なハードハンドオーバー/ソフトハンドオーバー(HHO/SHO)を引き起こす場合があり、これらのハンドオーバーはLCの再構成を引き起こす場合がある。
CELL_DCHでのVCクラスタ間モビリティに対して、(チャネル符号、LCを)割り振ることは、すべてのVCでのサイマルキャスト(simulcast)を引き起こし(仮想的なSHO)、このことが、同期中および同期外の応答を引き起こし、LCの再構成で終結する場合がある(VCクラスタ間での従来のスモールセル間のHHO)。いくつかの実施態様では、サイマルキャストは、専用の電力制御コマンド(たとえば、HSDPA構成のための)に限定されてもよい。
ここでCELL_FACH、CELL_PCH、およびURA_PCHを参照すると、いくつかの態様では、仮想セル間でセル再選択は求められない。同様に、従来のセル再選択および関連するプロシージャ(CU、URAUなど)は、異なるPSCを使用するVCクラスタ間で使用されてもよい。
様々な態様では、本明細書での教示によるモビリティ管理は、同期中および同期外の指示に基づいて同一のクラスタの仮想セルとの間で切り換えること、サイマルキャストおよび仮想的なSHOに基づいて他のクラスタの仮想セルとの間で切り換えること、非CELL-DCH状態にとって必要なサイマルキャストをする(かつ、直交化をしない)こと、または、これらの動作のいくつかの組合せを実行することを伴ってもよい。
様々な他の問題は、分散アンテナシステムを本明細書での教示によって配置することと一緒に考慮されてもよい。
いくつかの態様では、ULの動作とDLの動作との間に差があるかもしれない。DLのトラフィックについては、現時点でUEを(UL上で)取り扱っているPHYは、DL専用トラフィックを送信する。加えて、取り扱っていないPHYは、(たとえば、HSPAユーザがいない場合、)専用DLトラフィックチャネルを、任意選択で送信することができる。したがって、マクロダイバーシチ利得(たとえば、さらに良好なEc/Io)を得ることができる。
ULのトラフィックについては、そのVCでUEを感知するPHYは、UL上のUEトラフィックを復調する(少なくとも1つのPHYがUEを取り扱っていることを確認する)。協働しない場合、複数のPHYがUEのデータを復調するかもしれない。HNBは、チャネル要素を解放するように指示することができる。協働する場合、他のPHYは、任意選択でULを復調することができる(たとえば、未使用のチャネル要素がある場合)。したがって、UL上に選択ダイバーシチ利得があり得る。
先に述べたように、無線経由(OTA:over the air)時間の同期が、仮想セル間で使用されてよい。たとえば、OTA時間の遅延差ΔTOTA<≒80マイクロ秒が、マルチパスとして現れる場合がある。したがって、時間同期は、複数の仮想セルが比較的近いタイミングを有することを確実にするために、使用されてもよい。
共通のDLチャネル(たとえば、BCH、PCH、FACH)は、様々な方法で処理されてよい。BCH、PCH、およびFACHは、すべてのVC内でサイマルキャストされてもよい。固定のチャネライゼーションコードは、共通の制御チャネル(たとえば、BCH、PCH)に対して使用される。FACHは、MAC層でスケジュールされ、S-CCPCH上で多重化されてもよい。
Home UEの(HUEの)仮想セルの位置は、様々な方法で識別されてもよい。LCの区分化、およびHUEの関連付けしきい値に対する補足的な感知に基づく、効率のよいULの感知アルゴリズムが使用されてもよい。同様に、取り扱っているPHYをUL上に伴わないUEがないように、緻密なしきい値が定められてもよい。
高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)のスケジューリングは、様々な方法で処理されてもよい。スケジューリングは、UMTSエンティティにおいてなされてもよいが、PHYのRoTしきい値に基づく。スケジューラが、PHYにおいて測定される個別のRoTでなく、最大のRoTに対して反応するかもしれないので、このことは最適以下のスケジューリングを引き起こす場合がある。あるいは、RoTは、HSUPAの動作のために、各拡張PHY(PHY+MAC-e/hs)で保持されてもよい。
いくつかの実施態様では、VCでの2次スクランブル符号(SSC:secondary scrambling code)の便宜主義的な使用が、さらなる容量を得るために使用されてもよい。たとえば、セル(または、VCクラスタ)を識別する各PSCは、15個の2次スクランブル符号のセットを有してもよい。互いに隣接する仮想セルは、トラフィックチャネルに対して異なるスクランブル符号(たとえば、PSCおよび多数のSSC)を使用してよいが、ブロードキャスト情報は、常にPSCを使用してスクランブルされる。その結果、DL-OVSFコードツリーの1つが再利用され、このことは、異なるスクランブル符号を使用するVCからの干渉が理知的に管理される場合に限り、システム容量を増大させる。
SSCモードへの切換えは、便宜主義的であってもよい(たとえば、必要かつ可能な場合のみ引き起こされる)。これにより、単純なOVSFの区分化よりも、さらに大きい容量が可能となる。たとえば、SSCモードは、VCクラスタのピーク容量に達し、かつ容量の必要性がある場合に、引き起こされてもよい。このようにして、単一のPSC容量が使い切られるまで、干渉は回避され得る。別の例として、ユーザの幾何学的配列に、それほど多くの干渉なくSSCを使用する余地がある場合、SSCモードが引き起こされてもよい。
PHYの送信電力は、干渉を容量と引き換えるために調整されてもよい。
単一のスモールセルの同一性は、本明細書で述べるように維持され、それによって、モビリティをさらに簡単にする。処理(handle)、受付制御(admission control)、負荷平衡(load balancing)、VC内モビリティおよびVC間モビリティは、また、本明細書で述べるように実行されてもよい。
様々なアーキテクチャが、本明細書での教示を実施するために使用されてもよい。たとえば、NodeBの機能は、多数の仮想セルにわたってオーバーラップされてもよい。RRMの責務は、NodeB間でハンドオーバーされてもよい。このことは、たとえば、Node Bアプリケーションプロトコル(NBAP)スタイルのシグナリング(RRMの責務を引き継ぐNodeBを伝える(tip)ため)、NodeB間での共通のCQI/ULの感知/RSCPしきい値の構成、または無線リンク障害(RLF:radio link failure)メカニズムへの依存(+その微調整)を通して、実現することができる。
いくつかの実施態様では、NodeBの機能性は、無線ネットワークコントローラ(RNC)と同じ場所に配置されてもよい。この場合、RRMの責務の処理は必要でなくてもよい。
いくつかの実施態様では、NodeBは、オーバーラップしない仮想セルに割り当てられてもよい。この場合、RRMの責務は、NodeB間の通信(たとえば、NBAPによる)またはRLFベースのハンドオーバーへの依存を求めるかもしれない。
先に述べたように、共有PSC分離PHY方式は、様々な方法で実施されてもよい。図9および図10は、分散されたベースユニット(たとえば、UMTSスタック)の機能性を使用する2つの実施態様を示す。
図9では、いくつかのベースユニット902〜904は、いくつかのアンテナユニット906〜908と通信可能に結合(たとえば、信号バス910を介して)されている。場合によっては、各ベースユニットは、アンテナユニットのうちの単一のアンテナユニットに対するリソースの割振りを制御する。場合によっては、ベースユニットが協働(たとえば、通信)して、多数のアンテナユニットに対するリソースの割振りを制御する。
図10では、ベースユニットの機能性およびアンテナユニットの機能性は、同じ場所に配置される。場合によっては、各ベースおよびアンテナユニットは、それ自体のリソースの割振りを制御する。場合によっては、ベースおよびアンテナユニット1002〜1004は、協働(たとえば、信号バス1006を介して通信)して、互いのためのリソースの割振りを制御する。
図11は、共有PSC分離PHY方式をサポートする基地局により実行可能な、動作の例を示す。この例示において、これらの動作は、本明細書での教示により実現される、基地局(たとえば、スモールセルのeNodeB)などの装置によって実行されるものとして述べられてもよい。しかしながら、これらの動作の一部は、他のタイプの構成要素により実行されてよく、異なる数の構成要素を使用して実行されてもよいことが理解されるべきである。本明細書で説明される動作のうちの1つまたは複数は、所与の実施態様で使用されなくてよいことも、理解されるべきである。
本明細書で述べるように、装置は、少なくとも1つのベースユニットに通信可能に結合された複数のアンテナユニットを含む。加えて、アンテナユニットは、物理的に分離されている。いくつかの態様では、少なくとも1つのベースユニットはUMTSスタックを含んでよく、アンテナユニットの各々は物理層エンティティを含んでもよい。
いくつかの態様では、少なくとも1つのベースユニットは、第1のベースユニットおよび第2のベースユニットを含んでよく、第1のベースユニットおよび第2のベースユニットは、アンテナユニットのうちの少なくとも1つの物理リソースの制御を共有する。
いくつかの態様では、少なくとも1つのベースユニットは、アンテナユニットのうちの少なくとも1つと同じ場所に配置されてもよい。たとえば、少なくとも1つのベースユニットおよび少なくとも1つのアンテナユニットは、同一のハウジング内に配置されたり、同一の部屋に配置されたり、共通の装置(たとえば、回路基板)に配置されたり、またはいくつかの他の方式で同じ場所に配置されたりしてもよい。
いくつかの態様では、少なくとも1つのベースユニットは、第1のベースユニットおよび第2のベースユニットを含んでよく、複数のアンテナユニットは、第1のアンテナユニットおよび第2のアンテナユニットを含み、第1のベースユニットは第1のアンテナユニットと並べて置かれ、第2のベースユニットは第2のアンテナユニットと並べて置かれる。いくつかの態様では、第1のベースユニットは、第1のアンテナユニットに対する物理層リソースの割振りを制御してもよく、第2のベースユニットは、第2のアンテナユニットに対する物理層リソースの割振りを制御してもよい。いくつかの態様では、第1のベースユニットおよび第2のベースユニットは、物理層リソースを第1のアンテナユニットと第2のアンテナユニットとの間で共有するために、通信してもよい。
いくつかの態様では、少なくとも1つのベースユニットは、複数のベースユニットを含んでもよく、複数のベースユニットのうちの少なくとも1つの第1のベースユニットは、物理層リソースのうちの少なくとも1つの制御を、複数のベースユニットのうちの少なくとも1つの第2のベースユニットと共有するように構成されてもよい。いくつかの態様では、少なくとも1つの第1のベースユニットおよび少なくとも1つの第2のベースユニットは、複数のアンテナユニットのうちの少なくとも1つの第1のアンテナユニットと、複数のアンテナユニットのうちの少なくとも1つの第2のアンテナユニットとの間での、物理層リソースのうちの少なくとも1つの共有を制御するために、通信するように構成されてもよい。いくつかの態様では、少なくとも1つの第1のベースユニットは、少なくとも1つの第1のアンテナユニットのための物理層リソースの割振りを制御してもよく、少なくとも1つの第2のベースユニットは、少なくとも1つの第2のアンテナユニットのための物理層リソースの割振りを制御してもよい。いくつかの態様では、少なくとも1つの第1のアンテナユニットおよび少なくとも1つの第2のアンテナユニットは、共通の物理層識別子を共通のキャリア周波数で使用してもよい。いくつかの態様では、少なくとも1つの第1のベースユニットおよび少なくとも1つの第2のベースユニットは、アンテナユニットのうちの少なくとも1つの物理層リソースの制御を共有してもよい。いくつかの態様では、少なくとも1つの第1のベースユニットおよび少なくとも1つの第2のベースユニットは、アンテナユニットのうちの少なくとも2つの間での物理層リソースの共有を制御するために、通信してもよい。
ブロック1102で示されるように、装置(たとえば、少なくとも1つのベースユニット)は、アンテナユニットのうちの少なくとも2つを、共通の物理層識別子を共通のキャリア周波数で使用するように構成する。ここでは、「共通の」という用語は「同一の」を意味する。すなわち、各アンテナユニットは同一のキャリア周波数を使用する。
物理層識別子は、異なる実施態様では、異なる形態をなしてもよい。たとえば、物理層識別子は、1次スクランブル符号(PSC)または物理セルアイデンティティ(PCI)を含んでもよい。
いくつかの実施態様では、少なくとも1つのベースユニットは、無線アクセスネットワーク(RAN)スタックを含んでもよく、アンテナユニットの各々は、物理層エンティティを含んでもよい。いくつかの態様では、RANスタックは、UMTSスタックを含んでもよい。いくつかの態様では、アンテナユニットの各々は、無線周波数信号を送信かつ受信するための、変調器および復調器のバンク、ならびに少なくとも1つのアンテナを備えてもよい。
いくつかの実施態様では、アンテナユニットの各々は、物理層としての機能性を実施するように構成されてもよく、少なくとも1つのベースユニットは、物理層とは別の層としての機能性を実施するように構成される。
いくつかの実施態様では、アンテナユニットの各々は、装置のカバレッジ内で動作するアクセス端末のためのモビリティ管理を提供するように、構成されてもよい。いくつかの態様では、モビリティ管理は、アンテナユニットの各々において、アンテナユニットのうちの別の1つのカバレッジ内の、アクセス端末のうちの任意のものによって使用されるアップリンクスクランブル符号を探索することを含んでもよい。
いくつかの態様では、モビリティ管理は、アクセス端末のうちの第1のアクセス端末が、アンテナユニットのうちの第1のアンテナユニットのカバレッジから、アンテナユニットのうちの第2のアンテナユニットへ移動したことを決定することと、アクセス端末のうちの第1のアクセス端末が移動したことの決定に基づいて、アンテナユニットのうちの少なくとも1つのカバレッジ内の、アクセス端末のうちの少なくとも1つの他のアクセス端末に対する、アップリンクまたはダウンリンクリソースのうちの少なくとも1つの割振りを、変化させることとを含んでもよい。いくつかの態様では、この変化は、アンテナユニットのうちの第1のアンテナユニットにより使用されるアップリンクスクランブル符号の第1のセット、およびアンテナユニットのうちの第2のアンテナユニットにより使用されるアップリンクスクランブル符号の第2のセットのうちの、少なくとも1つを変化させることから構成されてもよい。いくつかの態様では、この変化は、アンテナユニットのうちの少なくとも1つの、ダウンリンクリソースのうちの少なくとも1つを変化させることから構成されてもよい。いくつかの態様では、アクセス端末が移動したことの決定は、アンテナユニットのうちの第2のアンテナユニットにおいて、アクセス端末のスクランブル符号でデスクランブルされた、アクセス端末のアップリンク送信を感知することに基づいてもよい。いくつかの態様では、感知することは、アクセス端末のアップリンクパイロットが絶対的または相対的なしきい値を越えることを決定することに依存してもよい。いくつかの態様では、感知することは、アクセス端末の特定のチャネルでのアップリンク送信を復号するための、絶対的または相対的な能力を決定することに依存してもよい。いくつかの態様では、特定のチャネルは、UL-DPCH、HS-DPCCH、E-DCH、E-DPDCH、またはE-DPCCHのうちの少なくとも1つを含む。
ブロック1104で示されるように、装置(たとえば、少なくとも1つのベースユニット)は、物理層リソースを割り振る。本明細書で述べるように、いくつかの態様では、物理層リソースの割振りは、物理層リソースをアンテナユニット間で分割することを含む。
物理層リソースは、地理的エリア内で、アンテナユニットからの信号と関連した潜在的な干渉を軽減するために、アンテナユニット間で分割されてもよい。たとえば、2つのアンテナユニットが互いに比較的近い場合、物理層リソースのセットのうちの第1の部分が、あるアンテナユニットに割り振られてよく、物理層リソースのセットのうちの第2の部分が、別のアンテナユニットに割り振られてもよい。このようにして、アクセス端末が両方のアンテナユニットからの送信を受信できる場合、アクセス端末は、1つのアンテナユニットからの送信を、他のアンテナユニットからの送信から過度の干渉を受けることなく、受信できる場合がある。場合によっては、リソースの分割は直交(たとえば、互いに排他的)である。他の場合、リソースの分割の間にいくつかのオーバーラップがあってよい。
物理層リソースは、異なる実施態様では、異なる形態をなしてもよい。いくつかの態様では、物理層リソースは、ダウンリンク(DL)物理リソース、アップリンク(UL)物理リソース、DLリソースの経時的な割当て、またはULリソースの経時的な割当てのうちの、少なくとも1つを含んでもよい。いくつかの態様では、物理層リソースは、ダウンリンク直交可変拡散率(DL-OVSF)符号、アップリンクスクランブル符号、または送信時間間隔(TTI)のうちの少なくとも1つを含んでもよい。いくつかの態様では、DL物理層リソースは、UMTSのためのDL-OVSF符号、LTEのためのリソースブロック(RB)、またはGSM(登録商標)のための周波数および時間スロットを含んでもよい。いくつかの態様では、UL物理層リソースは、UMTSのためのロングスクランブル符号、LTEのためのRB、またはGSM(登録商標)のための周波数および時間スロットを含んでもよい。
いくつかの態様では、物理層リソースは、ダウンリンク(DL)物理リソースを含んでもよく、DL物理リソースの少なくとも一部分は、共通の物理層識別子を装置で共有する少なくとも2つのアンテナユニットにわたって再利用される。いくつかの態様では、DL物理リソースは、ページングおよびブロードキャストチャネル、2次共通制御物理チャネル(S-CCPCH)、または他の物理層識別子を使用する他の装置もしくはアンテナユニットからのアクセス端末のハンドオーバーのために使用されるOVSF符号に対応するDL OVSF符号を、含んでもよい。
物理層リソースの割振り(たとえば、割当て)は、異なる実施態様では、異なる形態をなしてもよい。いくつかの態様では、DLリソースおよび/またはULリソースの割振りは、アクセス端末の位置で、アンテナユニットのうちの相異なるアンテナユニットによる同時使用を受ける送信時間間隔(TTI)に、衝突していないDLリソースおよび/またはULリソースを割り当てることを含んでもよい。いくつかの態様では、物理層リソースの割振りは、アンテナユニットのうちの少なくとも1つのカバレッジ内の第1のアクセス端末を検出することと、識別される物理層リソースの第1のアクセス端末への割当てが、識別される物理層リソースの第2のアクセス端末による使用と干渉するかどうかに基づいて、第1のアクセス端末への割当てのために物理層リソースのうちの1つを識別することとを含んでもよい。いくつかの態様では、物理層リソースの割振りは、物理層リソースの使用法をアンテナユニットのうちの2つ以上の間で直交化させるどうかを、動的に決定することを含んでもよい。
先に述べたように、物理層リソースの割振り(たとえば、割当て)は、物理層リソースをアンテナユニット間で分割することを含んでもよい。いくつかの態様では、物理層リソースを分割することは、ダウンリンク直交可変拡散率(DL-OVSF)符号のセットの第1のサブセットを、アンテナユニットのうちの第1のアンテナユニットに割り振ることと、DL-OVSF符号のセットの第2のサブセット(たとえば、第1のサブセットと異なる)を、アンテナユニットのうちの第2のアンテナユニットに割り振ることとを含んでよい。いくつかの態様では、物理層リソースを分割することは、DL-OVSF符号の共通である第3の共有サブセットを、アンテナユニットのうちの2つ以上に割り振ることを含んでもよい。いくつかの態様では、物理層リソースを分割することは、構成を通じて実行されてもよい。いくつかの態様では、物理層リソースを分割することは、アンテナユニットの少なくとも1つのカバレッジ領域でのアクセス端末の存在に従って、変化してもよい。いくつかの態様では、より多くの物理層リソースは、生成されるトラフィックの量によって見積もられる、ダウンリンクの需要がより大きいアンテナユニットの部分に割り振られてもよい。いくつかの態様では、より多くの物理層リソースは、アクセス端末の数量によって見積もられる、ダウンリンクの需要がより大きいアンテナユニットの部分に割り振られてもよい。いくつかの態様では、物理層リソースを分割することは、アップリンクのロングスクランブル符号のセットの第1のサブセットを、アンテナユニットのうちの第1のアンテナユニットに割り振ることと、アップリンクのロングスクランブル符号のセットの(たとえば、第1のサブセットと異なる)第2のサブセットを、アンテナユニットのうちの第2のアンテナユニットに割り振ることとを含んでよい。いくつかの態様では、物理層リソースを分割することは、送信時間間隔のオーバーラップしている時間で、アンテナユニットのうちの相異なるものにわたって利用される物理リソースの調整を含んでもよい。いくつかの態様では、物理層リソースを分割することは、トラフィックの需要に基づいて、異なる2次スクランブル符号を2つ以上のアンテナユニットに割り振ることを含む。
いくつかの実施態様では、物理層リソースの割振り(たとえば、割当て)は、物理層リソースの共有を制御することを含む。いくつかの態様では、物理層リソースの共有を制御することは、物理層リソースの使用法をアンテナユニットのうちの2つ以上の間で直交化させるかどうかを、動的に決定することを含んでもよい。いくつかの態様では、物理層リソースの使用法を直交化させるかどうかの決定は、装置のカバレッジ内の少なくとも1つのアクセス端末と関連した干渉に基づいてもよい。いくつかの態様では、物理層リソースの使用法を直交化させるかどうかの決定は、装置のカバレッジ内のアクセス端末の近接性に基づいてもよい。いくつかの態様では、物理層リソースの使用法を直交化させるかどうかの決定は、アクセス端末が、アンテナユニットのうちの少なくとも1つのセル縁部の近くにあるかどうかに基づいてもよい。いくつかの態様では、物理層リソースの使用法を直交化させるかどうかの決定は、アンテナユニットのうちの少なくとも1つの、少なくとも1つのセルのカバレッジ内のアクセス端末の数量に基づいてもよい。
いくつかの態様では、物理層リソースの共有を制御することは、物理層リソースをアンテナユニット間で再利用することを含んでもよい。いくつかの態様では、少なくとも1つのベースユニットは、物理層リソースをアンテナユニット間で再利用することの決定に応じて、アンテナユニットの少なくとも1つの送信電力を調整するように、さらに構成されてもよい。いくつかの態様では、再利用は、装置のカバレッジ内のアクセス端末の近接性に基づいて、トリガされてもよい。
いくつかの態様では、物理層リソースの共有を制御することは、相異なる2次スクランブル符号を、アンテナユニットのうちの2つ以上に(たとえば、トラフィックの需要に基づいて)割り振ることを含んでもよい。いくつかの態様では、相異なる2次スクランブル符号の割振りは、装置の利用可能な容量に基づいてトリガされてもよい。いくつかの態様では、相異なる2次スクランブル符号の割振りは、装置のカバレッジ内のアクセス端末の位置に基づいてトリガされてもよい。
いくつかの態様では、タイミングは、基地局および/または関連するアクセス端末により制御されてもよい。たとえば、アクセス端末により観測される特定のチャネルの、多数のアンテナを介する送信のタイミングの差は、規定の限度内に保たれてもよい。いくつかの態様では、規定の限度によって、多数の到達通路から受信される単一のアンテナからの信号と同じやり方で、アクセス端末が信号を組み合わせることができるようになる。いくつかの態様では、規定の限度は、100マイクロ秒であってもよい。
任意選択のブロック1106で示されるように、装置(たとえば、少なくとも1つのベースユニット)は、少なくとも1つのアクセス端末と関連した干渉を決定してもよい。本明細書で述べるように、この決定は、物理層パラメータの使用法を直交化させるかどうかの決定と一緒になされてもよい。たとえば、アクセス端末が別のアンテナユニットから信号を受信しようとしているときに、アクセス端末が、あるアンテナユニットから干渉を受けているという決定がなされた場合、装置は、この干渉を低減させようと試みて、アンテナユニットのリソースを再割振りすることを選択してもよい。反対に、アクセス端末が別のアンテナユニットから信号を受信しているときに、アクセス端末が、あるアンテナユニットから干渉を受けていないという決定がなされた場合、装置は、基地局の容量を処理するトラフィックを増大させるために、リソースをアンテナユニット間で再利用することを選択してもよい。
いくつかの態様では、干渉の決定は、アップリンク信号を感知することに基づく。いくつかの態様では、感知することは、少なくとも1つのアクセス端末のアップリンクパイロットが、絶対的または相対的なしきい値を越えることの決定に依存してもよい。いくつかの態様では、感知することは、特定のチャネルでの少なくとも1つのアクセス端末のアップリンク送信を復号するための、絶対的または相対的な能力を決定することに依存してもよい。いくつかの態様では、感知することは、少なくとも1つのアクセス端末で受信されたダウンリンクチャネルの、絶対的もしくは相対的な品質および/または電力の指示に依存してもよく、その場合、ダウンリンクチャネルは、アンテナユニットから送信される。いくつかの態様では、アクセス端末により感知される、アンテナユニットからのダウンリンクチャネルは、直交または擬似直交であってよい。いくつかの態様では、直交なダウンリンクチャネルは、OVSF符号に関連付けられてもよく、擬似直交なダウンリンクチャネルは、ゴールド符号に関連付けられてもよい。
いくつかの態様では、干渉の決定は、チャネル品質のフィードバックに基づく。
いくつかの態様では、干渉の決定は、受信信号符号電力のフィードバックに基づく。いくつかの態様では、受信信号符号電力は、CPICHのRSCPを含んでもよい。
いくつかの態様では、干渉の決定は、受信信号符号品質(received signal code quality)のフィードバックに基づく。いくつかの態様では、受信信号符号品質は、CPICHのEc/Ioを含んでもよい。
図12は、本明細書での教示による装置1202(たとえば、eNodeB、Home eNodeBなどの基地局)へ組み込まれてもよい、いくつかのサンプル構成要素(対応するブロックで示す)を示す。これらの構成要素は、異なる実施態様では(たとえば、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)などでは)、異なるタイプの装置で実施されてもよいことが理解されるべきである。述べられる構成要素は、また、通信システムの他の装置に組み込まれてもよい。たとえば、システムの他の装置は、類似の機能性を提供するために、装置1202について述べられるものと類似の構成要素を含んでもよい。同様に、所与の装置は、述べられる構成要素のうちの1つまたは複数を含んでもよい。たとえば、装置は、装置が多数のキャリアで動作し、かつ/または異なる技術を介して通信することを可能にする、多数のトランシーバ構成要素を含んでもよい。
装置1202は、ベースユニット1204および遠隔アンテナユニット1206を含むように示される。実際には、装置1202は、本明細書での教示による他の遠隔アンテナユニット(図12に図示せず)を含むことが理解されるべきである。
装置1202は、少なくとも1つの指定された無線アクセス技術を介して他のノードと通信するための、少なくとも1つのワイヤレス通信デバイス(通信デバイス1208で示す)を含む。ワイヤレス通信デバイス1208は、信号(たとえば、メッセージ、指示、情報など)を送信するための少なくとも1つの送信機(送信機1210で示す)、および信号(たとえば、メッセージ、指示、情報など)を受信するための少なくとも1つの受信機(受信機1212で示す)を含む。
送信機および受信機は、いくつかの実施態様では、一体化されたデバイス(たとえば、単一の通信デバイスの送信機回路および受信機回路として実施される)を含んでもよく、いくつかの実施態様では、別個の送信機デバイスおよび別個の受信機デバイスを含んでもよく、または、他の実施態様では、他の方法で実施されてもよい。いくつかの実施形態では、装置1202のワイヤレス通信デバイス(たとえば、多数のワイヤレス通信デバイスのうちの1つ)は、ネットワークリッスンモジュール(network listen module)を含む。
装置1202は、他のノードと通信するための、少なくとも1つの通信デバイス(通信デバイス1214で示す)を含む。たとえば、通信デバイス1214は、1つまたは複数のネットワークエンティティと、有線ベースまたはワイヤレスのバックホールを介して通信するように構成された、ネットワークインターフェースを含んでもよい。いくつかの態様では、通信デバイス1214は、有線ベースまたはワイヤレスの信号の通信をサポートするように構成された、トランシーバとして実施されてもよい。この通信は、たとえば、メッセージ、パラメータ、他のタイプの情報などを、送信かつ受信することを伴ってもよい。したがって、図12の例では、通信デバイス1214は、送信機1216および受信機1218を含むように図示される。
装置1202は、また、本明細書で教示されるような動作と一緒に使用されてもよい、他の構成要素を含む。たとえば、ベースユニット1204およびアンテナユニット1206は、それぞれ、処理システム1220および1222を、共有PSC分離PHYの動作に関する機能性を提供するため、かつ他の処理機能性を提供するために、含む。ベースユニット1204およびアンテナユニット1206は、それぞれ、メモリ構成要素1224および1226(たとえば、それぞれがメモリデバイスを含む)を、情報(たとえば、情報、しきい値、パラメータなど)を保持するために含む。加えて、装置1202は、指示(たとえば、可聴および/または視覚の指示)をユーザに提供するため、かつ/または、(たとえば、キーパッド、タッチスクリーン、マイクロフォンなどのような感知デバイスのユーザ操作時の)ユーザ入力を受け取るための、ユーザインターフェースデバイス1228を含む。
図12の構成要素は、様々な方法で実施されてよい。いくつかの実施態様では、図12の構成要素は、たとえば、1つまたは複数のプロセッサおよび/または1つまたは複数のASIC(1つまたは複数のプロセッサを含んでもよい)などの、1つまたは複数の回路で実施されてもよい。この場合、各回路は、この機能性を提供するための回路によって使用される情報または実行可能なコードを記憶するための、少なくとも1つのメモリ構成要素を使用し、かつ/または組み込んでもよい。たとえば、ブロックで示された機能性の一部または全部は、装置のプロセッサおよびメモリ構成要素により(たとえば、適切なコードの実行および/またはプロセッサ構成要素の適切な構成により)、実施されてもよい。
先に述べたように、本明細書で参照されるアクセスポイントの一部は、低電力アクセスポイントを含んでもよい。本明細書において、低電力アクセスポイントという用語は、カバレッジエリア内のいかなるマクロアクセスポイントの送信電力(たとえば、上で定義した)よりも、小さい送信電力(たとえば、最大送信電力、瞬間送信電力、公称送信電力、平均送信電力、または送信電力のいくつかの他の形態のうちの1つまたは複数)を有するアクセスポイントを指す。いくつかの実施態様では、各低電力アクセスポイントは、マクロアクセスポイントの送信電力(たとえば、上で定義した)よりも相対的なマージンだけ(たとえば、10dBmまたはそれ以上)小さい送信電力(たとえば、上で定義した)を有する。いくつかの実施態様では、フェムトセルなどの低電力アクセスポイントは、最大送信電力が20dBmまたはそれ以下かもしれない。いくつかの実施態様では、ピコセルなどの低電力アクセスポイントは、最大送信電力が24dBmまたはそれ以下かもしれない。しかしながら、これらまたは他のタイプの低電力アクセスポイントは、他の実施態様では、さらに大きいまたはさらに小さい最大送信電力(たとえば、場合によっては1ワットに及び、場合によっては10ワットに及ぶなど)を有してもよいことが理解されるべきである。
通常、低電力アクセスポイントは、バックホールリンクをモバイルオペレータのネットワークに提供する広帯域接続(たとえば、デジタル加入者回線(DSL)ルータ、ケーブルモデム、またはいくつかの他のタイプのモデム)を介して、インターネットに接続される。したがって、ユーザの住宅または会社に配置された低電力アクセスポイントは、モバイルネットワークアクセスを1つまたは複数のデバイスに、広帯域接続を介して提供する。
スモールセルは、異なるタイプのアクセスモードをサポートするように構成されてもよい。たとえば、オープンなアクセスモードでは、スモールセルは、任意のアクセス端末が、スモールセルを介して任意のタイプのサービスを取得できるようにしてもよい。制限された(すなわち、クローズされた)アクセスモードでは、スモールセルは、許可されたアクセス端末だけが、スモールセルを介してサービスを取得するできるようにしてもよい。たとえば、スモールセルは、いくつかの加入者グループ(たとえば、クローズド加入者グループ(CSG: closed subscriber group))に所属するアクセス端末(たとえば、いわゆるホームアクセス端末)だけが、スモールセルを介してサービスを取得できるようにしてもよい。ハイブリッドのアクセスモードでは、エイリアン(alien)アクセス端末(たとえば、非ホームアクセス端末、非CSGアクセス端末)は、スモールセルへの限定されたアクセスが与えられてもよい。たとえば、スモールセルのCSGに所属しないマクロアクセス端末は、現時点でスモールセルによって取り扱われているすべてのホームアクセス端末にとって十分なリソースが利用可能な場合のみ、スモールセルへアクセスできるようにされてもよい。
したがって、これらのアクセスモードのうちの1つまたは複数で動作しているスモールセルは、屋内のカバレッジおよび/または拡張された屋外のカバレッジを提供するために使用されてもよい。所望のアクセス動作モードの採用を通じてユーザがアクセスできるようにすることによって、スモールセルは、改善されたサービスをカバレッジエリア内に提供し、マクロネットワークのユーザのためにサービスカバレッジエリアを潜在的に拡張することができる。
したがって、いくつかの態様では、本明細書での教示は、マクロ規模のカバレッジ(たとえば、通常、マクロセルネットワークまたはWANと呼ばれる3Gネットワークなど、大きいエリアのセルラーネットワーク)、およびより小さい規模のカバレッジ(たとえば、通常、LANと呼ばれる、住宅ベースまたは建物ベースのネットワーク環境)を含む、ネットワークで使用されてもよい。アクセス端末(AT)がそのようなネットワークを通って移動するとき、アクセス端末は、いくつかの位置で、マクロカバレッジを提供するアクセスポイントにより取り扱われてよく、アクセス端末は、他の位置で、より小さい規模のカバレッジを提供するアクセスポイントにより取り扱われてもよい。いくつかの態様では、より小さいカバレッジのノードは、徐々に増える容量の拡張、建物内のカバレッジ、および異なるサービス(たとえば、より頑強なユーザエクスペリエンスのため)を提供するために使用されてもよい。
本明細書での説明では、比較的大きいエリアにわたってカバレッジを提供するノード(たとえば、アクセスポイント)は、マクロセルと呼ばれる場合があり、比較的小さいエリア(たとえば、住宅)にわたってカバレッジを提供するノードは、スモールセルと呼ばれる場合がある。本明細書での教示は、様々なタイプのカバレッジエリアと関連したノードに適用されてもよいことが、理解されるべきである。たとえば、ピコアクセスポイントは、マクロエリアよりも小さく、フェムトエリアよりも大きいエリアにわたるカバレッジ(たとえば、商業的な建物内のカバレッジ)を提供することができる。様々な応用例では、他の専門用語が、マクロセル、スモールセル、または他のアクセスポイントタイプのノードを参照するために使用されてもよい。たとえば、マクロセルは、アクセスノード、基地局、アクセスポイント、eNodeB、マクロなどとして、構成または参照されてもよい。同様に、スモールセルは、Home NodeB、Home eNodeB、アクセスポイント基地局、フェムトセルなどとして、構成または参照されてもよい。いくつかの実施態様では、ノードは、1つまたは複数のセルまたはセクタに関連付けられても(たとえば、そのように呼ばれても、それへ分割されても)よい。マクロアクセスポイント、フェムトアクセスポイント、またはピコアクセスポイントに関連付けられたセルまたはセクタは、それぞれ、マクロセル、フェムトセル、またはピコセルと呼ばれてもよい。
図13は、本明細書での教示が実施されてもよい、いくつかのユーザをサポートするように構成されたワイヤレス通信システム1300を示す。システム1300は、たとえば、マクロセル1302A〜1302Gなどの多数のセル1302に通信を提供し、各セルは、対応するアクセスポイント1304(たとえば、アクセスポイント1304A〜1304G)によってサービスを提供されている。図13に示すように、アクセス端末1306(たとえば、アクセス端末1306A〜1306L)は、システム全体にわたって様々な位置に、経時的に分散されてもよい。各アクセス端末1306は、たとえば、アクセス端末1306が活性であるかどうか、かつソフトハンドオフにあるかどうかに応じて、所与の時点において、順方向リンク(FL)および/または逆方向リンク(RL)上で、1つまたは複数のアクセスポイント1304と通信することができる。ワイヤレス通信システム1300は、大きい地理的な領域にわたってサービスを提供してもよい。たとえば、マクロセル1302A〜1302Gは、農村環境での近隣または数マイルの中の、数ブロックをカバーしてもよい。
図14は、1つまたは複数のスモールセルがネットワーク環境内に配置される、例示的な通信システム1400を示す。詳細には、システム1400は、比較的小さい規模のネットワーク環境(たとえば、1つまたは複数のユーザの住宅または企業の場所1430)に取り付けられる、多数のスモールセル1410(たとえば、スモールセル1410Aおよび1410B)を含む。各スモールセル1410は、DSLルータ、ケーブルモデム、ワイヤレスリンク、または他の接続性手段(図示せず)を介して、ワイドエリアネットワーク1440(たとえば、インターネット)およびモバイルオペレータのコアネットワーク1450に結合されてもよい。後述するように、各スモールセル1410は、関連するアクセス端末1420(たとえば、アクセス端末1420A)、および任意選択で、他の(たとえば、ハイブリッドまたはエイリアン)アクセス端末1420(たとえば、アクセス端末1420B)を取り扱うように構成されてもよい。言い換えれば、スモールセル1410へのアクセスは制限されてもよく、それによって、所与のアクセス端末1420は、指定された(たとえば、ホーム)スモールセル1410のセットにより取り扱われてもよいが、指定されていないいかなるスモールセル1410(たとえば、近隣のスモールセル1410)によっても、取り扱われてはならない。
図15は、いくつかのトラッキングエリア1502(または、ルーティングエリアもしくはロケーションエリア)が定義され、その各々がいくつかのマクロカバレッジエリア1504を含む、カバレッジマップ1500の例を示す。この場合、トラッキングエリア1502A、1502B、および1502Cに関連付けられたカバレッジのエリアは太線で描かれ、マクロカバレッジエリア1504は大きい方の六角形で示される。トラッキングエリア1502は、また、スモールセルのカバレッジエリア1506を含む。この例では、スモールセルのカバレッジエリア1506の各々(たとえば、スモールセルのカバレッジエリア1506Bおよび1506C)は、1つまたは複数のマクロカバレッジエリア1504(たとえば、マクロカバレッジエリア1504Aおよび1504B)内に示される。しかしながら、一部または全部のスモールセルのカバレッジエリア1506は、マクロカバレッジエリア1504内にあるとは限らないことが理解されるべきである。実際には、多数のスモールセルのカバレッジエリア1506(たとえば、スモールセルのカバレッジエリア1506Aおよび1506D)は、所与のトラッキングエリア1502内またはマクロカバレッジエリア1504内に定義されてもよい。
再び図14を参照すると、スモールセル1410の所有者は、たとえば、3Gモバイルサービスなどのモバイルサービスに、モバイルオペレータのコアネットワーク1450を通じて申し込んで、加入してもよい。加えて、アクセス端末1420は、マクロ環境およびさらに小さい規模の(たとえば、住宅の)ネットワーク環境の両方で動作できる場合がある。言い換えれば、アクセス端末1420の現在の位置に応じて、アクセス端末1420は、モバイルオペレータのコアネットワーク1450に関連付けられたマクロセルのアクセスポイント1460、または、スモールセル1410のセットのうちの任意の1つ(たとえば、対応するユーザの住宅1430内に存在するスモールセル1410Aおよび1410B)によって、取り扱われてもよい。たとえば、加入者が自分の家の外にいるとき、加入者は標準的なマクロアクセスポイント(たとえば、アクセスポイント1460)によって取り扱われ、加入者が家にいるとき、加入者はスモールセル(たとえば、アクセスポイント1410A)によって取り扱われる。この場合、スモールセル1410は、従来型のアクセス端末1420と下位互換性があってもよい。
スモールセル1410は、単一の周波数または、代わりに、多数の周波数に配置されてもよい。特定の構成に応じて、単一の周波数、または多数の周波数のうちの1つもしくは複数は、マクロアクセスポイント(たとえば、アクセスポイント1460)により使用される1つまたは複数の周波数とオーバーラップしてよい。
いくつかの態様では、アクセス端末1420は、そのような接続性が可能なときはいつでも、好ましいスモールセル(たとえば、アクセス端末1420のホームスモールセル)に接続するように構成されてもよい。たとえば、アクセス端末1420Aがユーザの住宅1430内にあるときはいつでも、アクセス端末1420Aがホームスモールセル1410Aまたは1410Bとのみ通信することが望ましい。
いくつかの態様では、アクセス端末1420がマクロセルラーネットワーク1450内で動作するが、その最も好ましいネットワーク(たとえば、好ましいローミングリスト(roaming list)で定義される)に存在しない場合、アクセス端末1420は、ベターシステム再選択(BSR: better system reselection)プロシージャを使用して、最も好ましいネットワーク(たとえば、好ましいスモールセル1410)を探索し続けてもよく、これにより、さらに良いシステムが現時点で利用可能であるかどうかを決定し、その後、そのような好ましいシステムを獲得するための、利用可能なシステムの周期的なスキャニングを伴ってもよい。アクセス端末1420は、特定のバンドおよびチャネルの探索を限定してもよい。たとえば、1つまたは複数のフェムトチャネルが定義されてよく、それによって、領域内のすべてのスモールセル(すなわち、すべての制限されたスモールセル)が、フェムトチャネルで動作する。最も好ましいシステムの探索は、周期的に反復されてもよい。好ましいスモールセル1410を発見すると、アクセス端末1420は、スモールセル1410を選択し、そのカバレッジエリア内にいるときに使用するために、スモールセル1410に登録する。
いくつかの態様では、スモールセルへのアクセスは、制限されてもよい。たとえば、所与のスモールセルは、いくつかのサービスをいくつかのアクセス端末にのみ提供してもよい。いわゆる制限された(すなわち、クローズされた)アクセスを伴う配置では、所与のアクセス端末は、マクロセルのモバイルネットワーク、およびスモールセルの定義されたセット(たとえば、対応するユーザの住宅1430内に存在するスモールセル1410)のみによって取り扱われてもよい。いくつかの実施態様では、アクセスポイントは、少なくとも1つのノード(たとえば、アクセス端末)に、シグナリング、データアクセス、登録、ページング、またはサービスのうちの少なくとも1つを提供しないように制限されてもよい。
いくつかの態様では、制限されたスモールセル(クローズド加入者グループのHome NodeBとも呼ばれる)は、制限され供給されるアクセス端末のセットにサービスを提供するものである。このセットは、必要に応じて、一時的または永続的に拡張されてもよい。いくつかの態様では、クローズド加入者グループ(CSG)は、アクセス端末の共通のアクセス制御リストを共有するアクセスポイント(たとえば、スモールセル)のセットとして、定義されてもよい。
したがって、様々な関係が、所与のスモールセルと所与のアクセス端末との間に存在してもよい。たとえば、アクセス端末の観点からは、オープンなスモールセルとは、制限されないアクセスを伴うスモールセルを指してもよい(たとえば、スモールセルは、任意のアクセス端末にアクセスを許す)。制限されたスモールセルとは、いくつかの方式で制限された(たとえば、アクセスおよび/または登録について制限された)、スモールセルを指してもよい。ホームスモールセルとは、アクセス端末がアクセスし動作することを許可されたスモールセルを指してもよい(たとえば、永続的なアクセスは、1つまたは複数のアクセス端末の定義されたセットに提供される)。ハイブリッド(または、ゲスト)スモールセルとは、異なるアクセス端末が異なるレベルのサービスを提供されるスモールセルを指してもよい(たとえば、一部のアクセス端末は、部分的かつ/または一時的なアクセスができるようにされてよく、他のアクセス端末は、完全なアクセスができるようにされてもよい)。エイリアンスモールセルとは、おそらくは非常事態(たとえば、911の通話)を除き、アクセス端末がアクセスし動作することを許可されていないスモールセルを指してもよい。
制限されたスモールセルの観点からは、ホームアクセス端末とは、そのアクセス端末の所有者の住宅に取り付けられた、制限されたスモールセルへアクセスすることを許可されたアクセス端末を指してもよい(通常、ホームアクセス端末は、そのスモールセルへの永続的なアクセスを有する)。ゲストアクセス端末とは、制限されたスモールセルへの一時的なアクセスを伴う(たとえば、期限、使用回数、バイト数、接続回数、または何らかの他の基準(criterion or criteria)に基づいて限定される)、アクセス端末を指してもよい。エイリアンアクセス端末とは、おそらくは、たとえば911通話などの非常事態を除き、制限されたスモールセルへアクセスする承認を有していないアクセス端末(たとえば、制限されたスモールセルに登録するための資格または承認を有していないアクセス端末)を指してもよい。
本明細書での教示は、多数のワイヤレスアクセス端末のために通信を同時にサポートする、ワイヤレス多元接続通信システムで使用されてもよい。この場合、各端末は、順方向リンクおよび逆方向リンクでの伝送を介して、1つまたは複数のアクセスポイントと通信することができる。順方向リンク(または、ダウンリンク)とは、アクセスポイントから端末への通信リンクを指し、逆方向リンク(または、アップリンク)とは、端末からアクセスポイントへの通信リンクを指す。この通信リンクは、単入力単出力システム、多入力多出力(MIMO)システム、またはいくつかの他のタイプのシステムによって確立されてもよい。
MIMOシステムは、データ伝送のために、多数(NT個)の送信アンテナおよび多数(NR個)の受信アンテナを使用する。NT個の送信アンテナおよびNR個の受信アンテナにより形成されるMIMOチャネルは、NS個の独立したチャネルに分解することが可能であり、これらは空間チャネルとも呼ばれ、ここでNS≦min{NT, NR}である。NS個の独立したチャネルの各々は、次元に相当する。多数の送信アンテナおよび受信アンテナによりさらなる次元の数が創出される場合、MIMOシステムは、改善された性能(たとえば、さらに高いスループットおよび/またはさらに高い信頼性)をもたらすことができる。
MIMOシステムは、時分割二重(TDD)および周波数分割二重(FDD)をサポートすることができる。TDDシステムでは、相反の原理により、逆方向リンクチャネルから順方向リンクチャネルを推定できるように、順方向リンクおよび逆方向リンクの伝送は同一の周波数領域で行われる。このことにより、多数のアンテナがアクセスポイントにおいて利用可能な場合、アクセスポイントは、順方向リンクでの送信ビームフォーミング利得を得られるようになる。
図16は、サンプルのMIMOシステム1600の、ワイヤレスデバイス1610(たとえば、アクセスポイント)およびワイヤレスデバイス1650(たとえば、アクセス端末)を示す。デバイス1610において、いくつかのデータストリームのためのトラフィックデータは、データソース1612から送信(TX)データプロセッサ1614へ供給される。各データストリームは、次いで、それぞれの送信アンテナを介して送信され得る。
図16は、また、無線構成要素(たとえば、変調器、復調器、送信機、および受信機)ならびにワイヤレスデバイスの他の構成要素が、本明細書での教示によるRAU/PHYで使用され得ることを示す。図16の複雑さを減じるため、単一のRAU/PHYのみを示す。しかしながら、本明細書での教示によって構築されたワイヤレスデバイスは、一般に、多数のRAU/PHYを含むことが理解されるべきである。
TXデータプロセッサ1614は、符号化データを形成するためにそのデータストリームに対して選択された特定の符号化方式に基づいて、各データストリームに対して、トラフィックデータをフォーマット、符号化、かつインターリーブしてもよい。各データストリームに対する符号化データは、OFDM技法を使用して、パイロットデータと多重化されてもよい。パイロットデータは、通常、知られている方式で処理される、既知のデータパターンであり、チャネル応答を推定するために、受信機システムにおいて使用されてもよい。多重化されたパイロット、および各データストリームに対する符号化データは、次いで、変調シンボルを形成するためにそのデータストリームに対して選択された特定の変調方式(たとえば、BPSK、QSPK、M-PSK、またはM-QAM)に基づいて、変調(すなわち、シンボルマップ)されてもよい。各データストリームに対するデータレート、符号化、および変調は、プロセッサ1630により実行される命令によって決定されてもよい。データメモリ1632は、プロセッサ1630またはデバイス1610の他の構成要素によって使用されるプログラムコード、データ、および他の情報を記憶してもよい。
すべてのデータストリームに対する変調シンボルは、次いで、TX MIMOプロセッサ1620に供給され、TX MIMOプロセッサ162は、変調シンボル(たとえば、OFDM向けの)をさらに処理してもよい。TX MIMOプロセッサ1620は、次いで、NT個の変調シンボルストリームを、NT個のトランシーバ(XCVR)1622A〜1622Tに供給する。いくつかの態様では、TX MIMOプロセッサ1620は、データストリームのシンボル、およびシンボルがそこから送信されるアンテナに、ビームフォーミングウェイトを適用する。図16に示すように、変調器の機能性は、RAU/PHYで(たとえば、TXデータプロセッサ1614における機能性に加えて、またはその代わりに)実施されてもよい。
各トランシーバ1622は、それぞれのシンボルストリームを受け取り、かつ処理して、1つまたは複数のアナログ信号を形成し、さらにアナログ信号を適応(たとえば、増幅、フィルタ、かつアップコンバート)させて、MIMOチャネルを介する伝送に適した変調信号を形成する。トランシーバ1622A〜1622TからのNT個の変調信号は、次いで、NT個のアンテナ1624A〜1624Tから、それぞれ送信される。
デバイス1650において、送信された変調信号は、NR個のアンテナ1652A〜1652Rにより受信され、各アンテナ1652からの受信信号は、それぞれのトランシーバ(XCVR)1654A〜1654Rに供給される。各トランシーバ1654は、それぞれの受信信号を適応(たとえば、フィルタ、増幅、ダウンコンバート)させ、適応された信号をデジタル化してサンプルを形成し、さらに、サンプルを処理して対応する「受信された」シンボルストリームを形成する。
受信(RX)データプロセッサ1660は、次いで、NT個の「検出された」シンボルストリームを形成するための受信機の特定の処理技法に基づいて、NR個の受信されたシンボルストリームを、NR個のトランシーバ1654から受け取り、かつ処理する。RXデータプロセッサ1660は、次いで、検出された各シンボルストリームを、復調、デインターリーブ(deinterleave)、かつ復号して、データストリームに対するトラフィックデータを再生する。RXデータプロセッサ1660による処理は、デバイス1610におけるTX MIMOプロセッサ1620およびTXデータプロセッサ1614により実行された処理に対して相補的である。
プロセッサ1670は、どのプリコーディング行列(pre-coding matrix)を使用するかを、周期的に決定する(後述する)。プロセッサ1670は、行列インデックス部およびランク値部を含む逆方向リンクメッセージを作り出す。データメモリ1672は、プロセッサ1670またはデバイス1650の他の構成要素によって使用されるプログラムコード、データ、および他の情報を記憶してもよい。
逆方向リンクメッセージは、通信リンクおよび/または受信されたデータストリームに関する、様々なタイプの情報を含んでもよい。逆方向リンクメッセージは、次いで、同様にいくつかのデータストリームに対するトラフィックデータをデータソース1636から受け取るTXデータプロセッサ1638により処理され、変調器1680により変調され、トランシーバ1654A〜1654Rにより適応され、デバイス1610へ逆戻りに送信される。
デバイス1610において、デバイス1650からの変調信号は、アンテナ1624により受信され、トランシーバ1622により適応され、復調器(DEMOD)1640により復調され、RXデータプロセッサ1642により処理されて、デバイス1650によって送信された逆方向リンクメッセージを抽出する。プロセッサ1630は、次いで、ビームフォーミングウェイトを決定するために、どのプリコーディング行列を使用するかを決定し、次いで、抽出されたメッセージを処理する。
図16は、また、通信構成要素が、本明細書で教示されるようなリソース制御動作を実行する、1つまたは複数の構成要素を含んでもよいことを示す。たとえば、リソース制御構成要素1690は、プロセッサ1630および/またはデバイス1610の他の構成要素と協働して、本明細書で教示されるようなデバイス1610のリソースを制御することができる。各デバイス1610および1650に対して、述べられる構成要素のうちの2つ以上の機能性が、単一の構成要素により提供され得ることが、理解されるべきである。たとえば、単一の処理構成要素は、リソース制御構成要素1690およびプロセッサ1630の機能性を提供してもよい。
本明細書での教示は、様々なタイプの通信システムおよび/またはシステム構成要素に組み込まれてもよい。いくつかの態様では、本明細書での教示は、利用可能なシステムリソースを共有することによって(たとえば、帯域幅、送信電力、符号化、インターリーブなどのうちの1つまたは複数を規定することによって)、多数のユーザとの通信をサポートできる多元接続システムで使用されてもよい。たとえば、本明細書での教示は、以下の技術、すなわち符号分割多元接続(CDMA)システム、マルチキャリアCDMA(MCCDMA)、ワイドバンドCDMA(WCDMA(登録商標))、高速パケットアクセス(HSPA、HSPA+)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、シングルキャリアFDMA(SC-FDMA)システム、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、または他の多元接続技法のうちの、任意の1つまたはそれらの組合せに適用されてもよい。本明細書での教示を使用するワイヤレス通信システムは、IS-95、cdma2000、IS-856、WCDMA(登録商標)、TDSCDMA、および他の規格などの、1つまたは複数の規格を実施するように設計されてもよい。CDMAネットワークは、ユニバーサル地上無線アクセス(UTRA)、cdma2000、またはいくつかの他の技術などの、無線技術を実施してもよい。UTRAは、WCDMA(登録商標)およびローチップレート(LCR)を含む。cdma2000技術は、IS-2000、IS-95およびIS-856規格を包含する。TDMAネットワークは、移動通信用グローバルシステム(GSM(登録商標))などの無線技術を実施してもよい。OFDMAネットワークは、進化型UTRA(E-UTRA)、IEEE802.11、IEEE802.16、IEEE802.20、フラッシュOFDM(登録商標)などの無線技術を実施してもよい。UTRA、E-UTRA、およびGSM(登録商標)は、ユニバーサル移動電気通信システム(UMTS)の一部である。本明細書での教示は、3GPPロングタームエボリューション(LTE)システム、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)システム、および他のタイプのシステムで実施されてもよい。LTEは、E-UTRAを使用するUMTSのリリースである。UTRA、E-UTRA、GSM(登録商標)、UMTSおよびLTEは、「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)と命名された組織からの文書に記述され、cdma2000は、「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)と命名された組織からの文書に記述されている。本開示のいくつかの態様は、3GPPの専門用語を使用して記述される場合があるけれども、本明細書での教示は、3GPP(たとえば、Rel99、Rel5、Rel6、Rel7)技術、および3GPP2(たとえば、1xRTT、1xEV-DO Rel0、RevA、RevB)技術、ならびに他の技術に適用できることを理解されたい。
本明細書での教示は、様々な装置(たとえば、ノード)に組み込まれても(たとえば、それらの中で実施されたり、またはそれらによって実行されたりしても)よい。いくつかの態様では、本明細書での教示により実施されるノード(たとえば、ワイヤレスノード)は、アクセスポイントまたはアクセス端末を含んでもよい。
たとえば、アクセス端末は、ユーザ機器、加入者ステーション、加入者ユニット、移動局、モバイル、モバイルノード、遠隔ステーション、遠隔端末、ユーザ端末、ユーザエージェント、ユーザデバイス、またはいくつかの他の専門用語を含んでよく、それらとして実施されてもよく、または、それらとして呼ばれてもよい。いくつかの実施態様では、アクセス端末は、携帯電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(SIP)電話、ワイヤレスローカルループ(WLL)ステーション、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス接続機能を有するハンドヘルドデバイス、または、ワイヤレスモデムに接続されるいくつかの他の適当な処理デバイスを、含んでもよい。したがって、本明細書で教示される1つまたは複数の態様は、電話(たとえば、セルラー電話もしくはスマートホン)、コンピュータ(たとえば、ラップトップ型)、タブレット、携帯用通信デバイス、携帯用コンピューティングデバイス(たとえば、携帯情報端末)、エンターテイメントデバイス(たとえば、音楽デバイス、ビデオデバイス、もしくは衛星無線)、全地球測位システムデバイス、または、ワイヤレス媒体を介して通信するように構成された任意の他の適当なデバイスに組み込まれてもよい。
アクセスポイントは、NodeB、eNodeB、無線ネットワークコントローラ(RNC)、基地局(BS)、無線基地局(RBS)、基地局コントローラ(BSC)、ベーストランシーバステーション(BTS)、トランシーバ機能(TF)、無線トランシーバ、無線ルータ、基本サービスセット(BSS)、拡張サービスセット(ESS)、マクロセル、マクロノード、Home eNB(HeNB)、フェムトセル、フェムトノード、ピコノード、またはいくつかの他の類似の専門用語を含んでよく、それらとして実施されてもよく、またはそれらとして呼ばれてもよい。
いくつかの態様では、ノード(たとえば、アクセスポイント)は、通信システムのためのアクセスノードを含んでもよい。そのようなアクセスノードは、たとえば、ネットワーク(たとえば、インターネットもしくはセルラーネットワークなどのワイドエリアネットワーク)のための、またはそれへの接続性を、そのネットワークへの有線またはワイヤレスの通信リンクを介して提供してもよい。したがって、アクセスノードは、別のノード(たとえば、アクセス端末)が、ネットワークまたはいくつかの他の機能性にアクセスできるようにしてもよい。加えて、ノードのうちの1つまたは両方は、携帯用、または、場合によっては、比較的に非携帯用であってもよいことが理解されるべきである。
同様に、ワイヤレスノードは、非ワイヤレス方式で(たとえば、有線接続を介して)情報を送信かつ/または受信することができてもよいことが理解されるべきである。したがって、本明細書で述べる受信機および送信機は、非ワイヤレス媒体を介して通信するための、適切な通信インターフェース構成要素(たとえば、電気または光学インターフェース構成要素)を含んでもよい。
ワイヤレスノードは、任意の適当なワイヤレス通信技術に基づいた、またはそれを別の方法でサポートする、1つまたは複数のワイヤレス通信リンクを介して通信してもよい。たとえば、いくつかの態様では、ワイヤレスノードはネットワークに関連付けられてもよい。いくつかの態様では、ネットワークは、ローカルエリアネットワークまたはワイドエリアネットワークを含んでもよい。ワイヤレスデバイスは、本明細書で述べたものなど(たとえば、CDMA、TDMA、OFDM、OFDMA、WiMAX、Wi-Fiなど)の、様々なワイヤレス通信技術、プロトコル、または規格のうちの1つまたは複数を、サポートまたは別の方法で使用してもよい。同様に、ワイヤレスノードは、様々な対応する変調方式または多重化方式のうちの1つまたは複数を、サポートまたは別の方法で使用してもよい。したがって、ワイヤレスノードは、上述の、または他のワイヤレス通信技術を使用して、1つまたは複数のワイヤレス通信リンクを確立し、それを介して通信するために、適切な構成要素(たとえば、エアインターフェース)を含んでもよい。たとえば、ワイヤレスノードは、ワイヤレス媒体を介する通信を促進する様々な構成要素(たとえば、信号発生器およびシグナルプロセッサ)を含むことができる、付随する送信機および受信機の構成要素を有するワイヤレストランシーバを含んでもよい。
本明細書で説明される(たとえば、添付図面のうちの1つまたは複数に関して)機能性は、いくつかの態様では、添付の特許請求の範囲で指定された機能性「のための手段」に、同じように相当してもよい。
図17を参照すると、装置1700は、相互に関係のある一連の機能モジュールとして示される。この場合、少なくとも2つのアンテナユニットを、共通の物理層識別子1702を使用するように構成するためのモジュールは、少なくともいくつかの態様では、たとえば、本明細書で述べる処理システムに相当してよい。物理層リソース1704を割り振るためのモジュールは、少なくともいくつかの態様では、たとえば、本明細書で述べる処理システムに相当してよい。干渉を決定するためのモジュール1706は、少なくともいくつかの態様では、たとえば、本明細書で述べる処理システムに相当してよい。
図17のモジュールの機能性は、本明細書での教示と一致する様々な方法で実施されてもよい。いくつかの態様では、これらのモジュールの機能性は、1つまたは複数の電気の構成要素として実施されてもよい。いくつかの態様では、これらのブロックの機能性は、1つまたは複数のプロセッサ構成要素を含む処理システムとして実施されてもよい。いくつかの態様では、これらのモジュールの機能性は、たとえば、1つまたは複数の集積回路(たとえば、ASIC)の、少なくとも一部を使用して、実施されてもよい。本明細書で述べるように、集積回路は、プロセッサ、ソフトウェア、他の関係する構成要素、またはそれらのいくつかの組合せを含んでもよい。したがって、異なるモジュールの機能性は、たとえば、集積回路の異なるサブセット、ソフトウェアモジュールのセットの異なるサブセット、またはそれらの組合せとして、実施されてもよい。同様に、所与のサブセット(たとえば、集積回路および/またはソフトウェアモジュールのセットの)は、機能性の少なくとも一部を、1つを越えるモジュールに提供してもよいことが理解されるべきである。1つの具体例として、装置1700は、単一のデバイスを含んでもよい(たとえば、構成要素1702〜1706は、1つのASICの異なる部分を含む)。別の具体例として、装置1700は、いくつかのデバイスを含んでもよい(たとえば、構成要素1702は1つのASICを含み、構成要素1704は別のASICを含み、構成要素1706は別のASICを含む)。これらのモジュールの機能性は、また、本明細書で教示されるようないくつかの他の方式で実施されてもよい。いくつかの態様では、図17(または、本明細書での他の任意の図)の破線のブロックは任意選択である。
加えて、図17で示される構成要素および機能、ならびに本明細書で説明される他の構成要素および機能は、任意の適当な手段を使用して実施されてもよい。そのような手段は、また、少なくとも部分的には、本明細書で教示されるような対応する構造を使用して実施されてもよい。たとえば、図17の構成要素「のためのモジュール」と一緒に上述された構成要素は、指定された機能性「のための手段」にも同じように相当してよい。したがって、いくつかの態様では、そのような手段のうちの1つまたは複数は、プロセッサ構成要素、集積回路、または本明細書で教示されるような他の適当な構造のうちの1つまたは複数を使用して、実施されてもよい。
図18は、分散アンテナアーキテクチャをサポートするように構成されてもよい、コンピュータ可読媒体1804に結合された処理回路1802のいくつかのサンプル態様の、簡易化したブロック図である。処理回路1802は、少なくとも1つの実施態様では、一般に、データを取得し、処理しかつ/または送り、データのアクセスおよび記憶を制御し、コマンドを発行し、ならびに他の所望の動作を制御するように配置されるとともに、コンピュータ可読媒体1804などの適切な媒体により提供される所望のプログラミングを実施するように構成される回路を含んでもよい。
コンピュータ可読媒体1804は、プロセッサで実行可能なコードもしくは命令(たとえば、ソフトウェア、ファームウェア)、電子的なデータ、データベース、または他のデジタル情報などの、プログラミングおよび/もしくはデータを記憶するための、媒体を表してもよい。処理回路1802が、コンピュータ可読媒体1804から情報を読み取り、かつコンピュータ可読媒体1804へ情報を書き込むことができるように、コンピュータ可読媒体1804は、処理回路1802に結合されてもよい。代わりに、コンピュータ可読媒体1804は、処理回路1802に一体化されてもよい。コンピュータ可読媒体1804は、少なくとも2つのアンテナユニットを、共通の物理層識別子1806を使用するように構成するためのコード、および、物理層リソース1808を割り振るためのコードを、含むことができる。加えて、コンピュータ可読媒体1804は、干渉を決定するためのコード1810を含むことができる。
いくつかの態様では、装置または装置の任意の構成要素は、本明細書で教示されるような機能性を提供するように構成されても(または、動作可能であっても、もしくは適合されても)よい。このことは、たとえば、それらが機能性を提供するように装置または構成要素を製造すること(たとえば、製作すること)、それらが機能性を提供するように装置または構成要素をプログラムすること、または、いくつかの他の適当な実装技法を用いることによって、実現することができる。1つの例として、集積回路は、必須の機能性を提供するように製作されてもよい。別の例として、集積回路は、必須の機能性をサポートするように製作され、次いで、必須の機能性を提供するように構成(たとえば、プログラミングによって)されてもよい。さらに別の例として、プロセッサ回路は、必須の機能性を提供するためのコードを実行してもよい。
本明細書の要素への、「第1の」、「第2の」などの指定を使用するいかなる参照も、それらの要素の数量または順序を一般的に限定するものではないことが理解されるべきである。むしろ、これらの指定は、2つ以上の要素または要素の事例の間を区別する便宜的な方法として、本明細書では使用される場合がある。したがって、第1および第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで使用されてよいこと、または第1の要素が第2の要素よりも何らかの形で先行しなければならないことを、意味するものではない。同様に、別段の記述がない限り、要素のセットは1つまたは複数の要素を含んでもよい。加えて、発明を実施するための形態または特許請求の範囲で使用される「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」または「A、B、またはCのうちの1つまたは複数」または「A、B、およびCからなるグループのうちの少なくとも1つ」という形態の用語は、「AまたはBまたはCまたはこれらの要素の任意の組合せ」を意味する。たとえば、この用語は、A、またはB、またはC、またはAおよびB、またはAおよびC、またはAおよびBおよびC、または2つのA、または2つのB、または2つのC、などを含むことができる。
当業者であれば、情報および信号は、様々な相異なる技術および技法のうちの任意のものを使用して表現できることを理解するはずである。たとえば、上述の説明を通して参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁気の場もしくは粒子、光学の場もしくは粒子、またはそれらの任意の組合せにより表現することができる。
当業者であれば、本明細書で開示される態様に関連して述べられる、様々な例示的な論理ブロック、モジュール、プロセッサ、手段、回路、およびアルゴリズム動作のうちの任意のものは、電子的なハードウェア(たとえば、ソースのコーディングまたはいくつかの他の技法を使用して設計され得るデジタルの実施態様、アナログの実施態様、またはそれら2つの組合せ)、命令を組み込んだプログラムもしくは設計コードの様々な形態(本明細書では、便宜上、「ソフトウェア」または「ソフトウェアモジュール」と呼ばれる)、またはそれら両方の組合せとして実施されてもよいことを、理解するはずである。ハードウェアおよびソフトウェアのこの交換可能性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、および動作が、それらの機能性の観点から一般的に上述された。そのような機能性がハードウェア、それともソフトウェアとして実現されるかどうかは、システム全体に課された特定の応用例および設計制約に依存する。当業者は、述べられた機能性を、各特定の応用例に対して様々な方法で実現できるが、そのような実施態様を決定することが、本開示の範囲からの逸脱をもたらすと解釈されるべきではない。
本明細書で開示される態様に関連して述べられる、様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、処理システム、集積回路(「IC」)、アクセス端末、またはアクセスポイント内で実施されたり、またはそれらによって実行されたりしてもよい。処理システムは、1つまたは複数のICを使用して実施されてもよく、または、IC内で(たとえば、チップ上のシステムの一部として)実施されてもよい。ICは、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラム可能な論理デバイス、個別のゲートもしくはトランジスタ論理、個別のハードウェア構成要素、電気的な構成要素、光学的な構成要素、機械的な構成要素、または、本明細書で述べられる機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを含んでもよく、IC内、ICの外、またはそれら両方に存在するコードまたは命令を実行してもよい。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいが、代わりに、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであってもよい。プロセッサは、また、たとえば、DSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサの組合せ、1つまたは複数のマイクロプロセッサのDSPコアと一緒の組合せ、またはそのような任意の他の構成など、コンピューティングデバイスの組合せとして実装されてもよい。
開示されたいかなるプロセスの動作の、いかなる特定の順序または階層も、サンプルの手法の例であることが理解される。設計の選択に応じて、プロセスにおける動作の特定の順序または階層は、依然として本開示の範囲内のままでありながら、再配置されてもよいことが理解される。添付の方法の特許請求の範囲は、様々な動作の要素をサンプルの順序で示しており、示された特定の順序または階層に限定されることを意味しない。
本明細書で開示された態様に関して述べた方法またはアルゴリズムの動作は、ハードウェアの中、プロセッサにより実行されるソフトウェアモジュールの中、またはそれら2つの組合せの中で、直接具体化されてもよい。ソフトウェアモジュール(たとえば、実行可能な命令および関連するデータを含む)ならびに他のデータは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROMなどのメモリ、または当技術分野で知られているコンピュータ可読記憶媒体の任意の他の形態に存在してもよい。サンプルの記憶媒体は、たとえば、コンピュータ/プロセッサ(本明細書では、便宜上、「プロセッサ」と呼ばれる場合がある)などの機械に結合されてもよく、そのようなプロセッサは、記憶媒体から情報(たとえば、コード)を読み取り、記憶媒体へ情報を書き込むことができる。サンプルの記憶媒体は、プロセッサと一体化されてもよい。プロセッサおよび記憶媒体は、ASICの中に存在してもよい。ASICは、ユーザ機器の中に存在してもよい。代わりに、プロセッサおよび記憶媒体は、個別の構成要素としてユーザ機器の中に存在してもよい。その上、いくつかの態様では、任意の適当なコンピュータプログラム製品は、本開示の態様のうちの1つまたは複数に関する機能性を提供するように実行可能な(たとえば、少なくとも1つのコンピュータによって実行可能な)コードを含む、コンピュータ可読媒体を含んでもよい。いくつかの態様では、コンピュータプログラム製品は、包装材料を含んでもよい。
1つまたは複数の実施態様では、述べられた機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで、実施されてもよい。ソフトウェアで実施される場合、諸機能は、1つまたは複数の命令またはコードとして、コンピュータ可読媒体を介して記憶または伝送することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体、およびコンピュータプログラムの1つの場所から別の場所への転送を促進する任意の媒体を含む通信媒体の、両方を含む。コンピュータ可読媒体は、コンピュータによってアクセスできる、任意の利用可能な媒体であってもよい。例として、それに限定されず、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMもしくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶デバイス、または命令もしくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを搬送または記憶するために使用可能であり、コンピュータによってアクセス可能な他の任意の媒体を含むことができる。同様に、いかなる接続も、コンピュータ可読媒体と当然のことながら呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、ウェブサイト、サーバ、または他の遠隔ソースから、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して伝送される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、マイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書において、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスクおよびブルーレイディスクを含み、この場合、ディスク(disk)は、通常、磁気的にデータを再生し、ディスク(disc)は、レーザを用いてデータを光学的に再生する。したがって、いくつかの態様では、コンピュータ可読媒体は、非一時的なコンピュータ可読媒体(たとえば、有形の媒体、コンピュータ可読記憶媒体、コンピュータ可読記憶デバイスなど)を含んでもよい。そのような非一時的なコンピュータ可読媒体(たとえば、コンピュータ可読記憶デバイス)は、本明細書で説明される、またはその他の方法で知られている媒体の、有形の形態のうちの任意のもの(たとえば、メモリデバイス、媒体ディスクなど)を含んでもよい。加えて、いくつかの態様では、コンピュータ可読媒体は、一時的なコンピュータ可読媒体(たとえば、信号を含む)を含んでもよい。上述したものの組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲の中に含められるべきである。コンピュータ可読媒体は、任意の適当なコンピュータプログラム製品で実施されてもよいことが理解されるべきである。
本明細書において、「determining」という用語は、多種多様な動作を包含する。たとえば、「determining」は、計算すること、コンピューティングすること、処理すること、導出すること、調査すること、検索すること(たとえば、表、データベースまたは別のデータ構造で検索すること)、確認すること、などを含んでもよい。同様に、「determining」は、受け取ること(たとえば、情報を受け取ること)、アクセスすること(たとえば、メモリ内のデータにアクセスすること)、などを含んでもよい。同様に、「determining」は、解決すること、選択すること、選ぶこと、確立すること、などを含んでもよい。
開示した態様の先の説明は、任意の当業者が本開示を製造または使用することを可能にするために提供される。これらの態様に対する様々な修正は、当業者には容易に理解され、本明細書で定義された包括的な原理は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の態様に適用することができる。したがって、本開示は、本明細書で示す態様に限定されることを意図せず、本明細書で開示する原理および新規の特徴と一致する最も広い範囲が付与されることを意図する。