JP6189604B2 - Photoelectric conversion device - Google Patents
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Description
本発明は、I−III−VI族化合物を含む光電変換装置に関する。 The present invention relates to a photoelectric conversion device including a I-III-VI group compound.
太陽光発電などに使用される光電変換装置として、光吸収係数が高いCIGSなどのI−III−VI族化合物を光吸収層として用いたものがある(例えば、特許文献1参照)。I
−III−VI族化合物は光吸収係数が高く、光電変換装置の薄膜化や大面積化や低コスト化
に適しており、これを用いた次世代太陽電池の研究開発が進められている。
As a photoelectric conversion device used for solar power generation or the like, there is one using an I-III-VI group compound such as CIGS having a high light absorption coefficient as a light absorption layer (for example, see Patent Document 1). I
-III-VI group compounds have a high light absorption coefficient, and are suitable for thinning, increasing the area and reducing the cost of photoelectric conversion devices, and research and development of next-generation solar cells using them are being promoted.
係るI−III−VI族化合物を含む光電変換装置は、ガラスなどの基板の上に、金属電極
などの下部電極層と、光吸収層と、バッファ層と、透明導電膜とを、この順に積層した光電変換セルを、平面的に複数並設した構成を有することによって構成される。複数の光電変換セルは、隣り合う一方の光電変換セルの透明導電膜と他方の下部電極層とを、接続導体で接続することで、電気的に直列接続されている。
The photoelectric conversion device including the I-III-VI group compound includes a lower electrode layer such as a metal electrode, a light absorption layer, a buffer layer, and a transparent conductive film in this order on a substrate such as glass. It is comprised by having the structure which arranged two or more photoelectric conversion cells arranged in a plane. The plurality of photoelectric conversion cells are electrically connected in series by connecting the transparent conductive film of one adjacent photoelectric conversion cell and the other lower electrode layer with a connection conductor.
I−III−VI族化合物を含む光電変換装置には、光電変換効率の向上が常に要求される
。この光電変換効率は、光電変換装置において太陽光のエネルギーが電気エネルギーに変換される割合を示し、例えば、光電変換装置から出力される電気エネルギーの値が、光電変換装置に入射される太陽光のエネルギーの値で除されて、100が乗じられることで導出される。本発明の一つの目的は、光電変換装置の光電変換効率を向上させることにある。
The photoelectric conversion device containing the I-III-VI group compound is always required to improve the photoelectric conversion efficiency. This photoelectric conversion efficiency indicates the rate at which sunlight energy is converted into electric energy in the photoelectric conversion device. For example, the value of the electric energy output from the photoelectric conversion device is the amount of sunlight incident on the photoelectric conversion device. Divided by the value of energy and derived by multiplying by 100. One object of the present invention is to improve the photoelectric conversion efficiency of a photoelectric conversion device.
本発明の一実施形態に係る光電変換装置は、電極層と、該電極層上に設けられた、I−III−VI族化合物およびナトリウム元素を含む第1の半導体層と、該第1の半導体層上に設けられた、該第1の半導体層とは異なる導電型の第2の半導体層とを具備しており、前記第1の半導体層は、内部に空孔を有しており、該空孔との界面から100nm以内の表面部において、前記空孔から0nmの地点のナトリウム元素の原子濃度が前記空孔から100nmの地点のナトリウム元素の原子濃度の1.2〜20倍となるように前記空孔に近づくほどナトリウム元素の原子濃度が高くなっているとともに、前記第2の半導体層との界面から500nm以内の表面部において、前記第2の半導体層から0nmの地点のナトリウム元素の原子濃度が前記第2の半導体層から500nmの地点のナトリウム元素の原子濃度の1.2〜20倍となるように前記第2の半導体層に近づくほどナトリウム元素の原子濃度が高くなっている。 A photoelectric conversion device according to an embodiment of the present invention includes an electrode layer, a first semiconductor layer including a I-III-VI group compound and a sodium element provided on the electrode layer, and the first semiconductor. A second semiconductor layer having a conductivity type different from that of the first semiconductor layer provided on the layer, the first semiconductor layer having pores therein, At the surface portion within 100 nm from the interface with the vacancies, the atomic concentration of sodium element at a point 0 nm from the vacancies is 1.2 to 20 times the atomic concentration of sodium element at a point 100 nm from the vacancies. The closer to the vacancy, the higher the atomic concentration of the sodium element, and in the surface portion within 500 nm from the interface with the second semiconductor layer, the sodium element at a point of 0 nm from the second semiconductor layer. Atomic concentration is the second Atomic concentration of sodium element closer to said to be a 1.2 to 20 times a second semiconductor layer of the atomic concentration of sodium element of 500nm points from the semiconductor layer is increased.
本発明によれば、光電変換装置における光電変換効率が向上する。 According to the present invention, the photoelectric conversion efficiency in the photoelectric conversion device is improved.
以下に本発明の一実施形態に係る光電変換装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。 Hereinafter, a photoelectric conversion device according to an embodiment of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
<光電変換装置の構造>
図1は、本発明の一実施形態に係る光電変換装置の一例を示す斜視図であり、図2はその断面図である。光電変換装置11は、基板1上に複数の光電変換セル10が並べられて互いに電気的に接続されている。なお、図1においては図示の都合上、2つの光電変換セル10のみを示しているが、実際の光電変換装置11においては、図面左右方向、あるいはさらにこれに垂直な方向に、多数の光電変換セル10が平面的に(二次元的に)配設されていてもよい。
<Structure of photoelectric conversion device>
FIG. 1 is a perspective view illustrating an example of a photoelectric conversion apparatus according to an embodiment of the present invention, and FIG. 2 is a cross-sectional view thereof. In the
図1、図2において、基板1上に複数の下部電極層2が平面配置されている。図1、図2において、複数の下部電極層2は、一方向に間隔をあけて並べられた下部電極層2a〜2cを具備している。この下部電極層2a上から基板1上を経て下部電極層2b上にかけて、第1の半導体層3が設けられている。また、第1の半導体層3上には、第1の半導体層3とは異なる導電型の第2の半導体層4が設けられている。さらに、下部電極層2b上において、接続導体7が、第1の半導体層3の表面(側面)に沿って、または第1の半導体層3を貫通して設けられている。この接続導体7は、第2の半導体層4と下部電極層2bとを電気的に接続している。これら下部電極層2、第1の半導体層3、第2の半導体層4および上部電極層5によって、1つの光電変換セル10が構成され、隣接する光電変換セル10同士が接続導体7を介して直列接続されることによって、高出力の光電変換装置11となる。なお、本実施形態における光電変換装置11は、第2の半導体層4側から光が入射されるものを想定しているが、これに限定されず、基板1側から光が入射されるものであってもよい。
1 and 2, a plurality of
基板1は、光電変換セル10を支持するためのものである。基板1に用いられる材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂および金属等が挙げられる。基板1としては、例えば、厚さ1〜3mm程度の青板ガラス(ソーダライムガラス)を用いることができる。
The substrate 1 is for supporting the
下部電極層2(下部電極層2a、2b、2c)は、基板1上に設けられた、Mo、Al、TiまたはAu等の導電体である。下部電極層2は、スパッタリング法または蒸着法などの公知の薄膜形成手法を用いて、0.2μm〜1μm程度の厚みに形成される。
The lower electrode layer 2 (
第1の半導体層3は、例えば1μm〜3μm程度の厚みを有し、I−III−VI族化合物
を主に有している。I−III−VI族化合物とは、I−B族元素(11族元素ともいう)とIII−B族元素(13族元素ともいう)とカルコゲン元素との化合物である。なお、カルコゲン元素とは、VI−B族元素のうち、S、Se、Teをいう。I−III−VI族化合物としては、例えば、CuInSe2(二セレン化銅インジウム、CISともいう)、Cu(In,Ga)Se2(二セレン化銅インジウム・ガリウム、CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)2(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSともいう)が挙げられる。あるいは、第1の半導体層3は、薄膜の二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム層を表面層として有する二セレン化銅インジウム・ガリウム等の多元化合物半導体薄膜にて構成されていてもよい。
The
また、第1の半導体層3は、図2に示すように、内部に複数の空孔3aを有している。このような空孔3aは、外部からの衝撃や熱膨張等によって第1の半導体層層3に生じる応力を緩和することができる。これにより、第1の半導体層3に生じるクラックが低減される。さらに、空孔3aは、第1の半導体層3内に入射される光を散乱させることができる。これにより、第1の半導体層3内に光を閉じ込めやすくなるため、光電変換効率が高なる。
Further, as shown in FIG. 2, the
このような空孔3aは、例えば、第1の半導体層3を断面視して、多角形、円形、楕円形等の形状を成している。また、第1の半導体層3における空孔3aの占有率(第1の半導体層3の空隙率)は、3〜25%であればよい。これにより、第1の半導体層3は、上述した応力等を緩和しつつ、第1の半導体層3自体の剛性を高くすることができる。なお、空孔3aの占有率は、第1の半導体層3を厚み方向に切断した断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して、空孔3aの面積比率を求めることにより測定することができる。
Such a
そして、第1の半導体層3は、ナトリウム元素を含んでおり、空孔3a側の表面部において、空孔3aに近づくほどナトリウム元素の原子濃度が高くなっている。さらに、第1の半導体層3は、第2の半導体層4側の表面部において、第2の半導体層4に近づくほどナトリウム元素の原子濃度が高くなっている。このような構成により、空孔3aに面している第1の半導体層3の表面に比較的多く存在する欠陥を効率良くナトリウム元素で埋めることができる。また、第2の半導体層4との接合部における欠陥もナトリウム元素で低減して、第1の半導体層3と第2の半導体層4との電気的な接合をより良好にすることができる。その結果、キャリアの再結合の発生を低減できるため、光電変換効率が向上する。なお、第1の半導体層3の空孔3a側の表面部とは、第1の半導体層3の空孔3aとの界面から100nm以内の領域をいう。また、第1の半導体層3の第2の半導体層4側の表面部とは、第1の半導体層3の第2の半導体層4との界面から500nm以内の領域をいう。
The
第1の半導体層3に含まれるナトリウム元素の原子濃度は、第1の半導体層3の層に垂直な断面の固体部分(空孔3a以外の部分)を、例えば、X線光電子分光法(XPS:X-ray
photoelectron spectroscopy)、オージェ電子分光(AES:Auger Electron Spectroscopy)、2次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectroscopy)またはエネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)等で分析することに
よって測定可能である。
The atomic concentration of sodium element contained in the
Analysis by photoelectron spectroscopy (AES), secondary ion mass spectrometry (SIMS) or energy dispersive X-ray spectroscopy (EDX) Can be measured.
第1の半導体層3と下部電極層2との密着性や第1の半導体層3の剛性を高く維持して安定した光電変換特性を有するという観点からは、第1の半導体層3の平均のナトリウム元素の原子濃度は、1×1019〜5×1020atoms/cm3であればよい。また、第1の半導体層3の空孔3a側の表面部、つまり第1の半導体層3の空孔3aとの界面から100nm以内の領域において、空孔3aからの距離が異なる複数地点のナトリウム元素の原子濃度を測定したときに、空孔3aに近い地点(例えば、空孔3aから0nmの地点)のナトリウム元素の濃度が、空孔3aから遠い地点(例えば、空孔3aから100nmの地点)のナトリウム元素の濃度の1.2〜20倍程度であればよい。
From the viewpoint of maintaining the adhesion between the
また、第1の半導体層3の第2の半導体層4側の表面部、つまり第1の半導体層3の第2の半導体層4との界面から500nm以内の領域において、第2の半導体層4に近い地点(例えば、第2の半導体層4から0nmの地点)のナトリウム元素の濃度が、第2の半導体層4から遠い地点(例えば、第2の半導体層4から500nmの地点)のナトリウム元素の濃度の1.2〜20倍程度であればよい。
Further, in the surface portion of the
以上のような原子濃度の範囲であれば、光電変換効率を高めることができる。すなわち、第1の半導体層3の空孔3aの近傍は化学量論組成が第1の半導体層3中の化学両論組成と異なり欠陥が多くできやすいが、第1の半導体層3の空孔3aの近傍においてナトリウム元素の原子濃度が高いことによって、空孔3aに面する第1の半導体層3の表面に存在する欠陥をナトリウム元素によって適度に埋めることができる。また、第1の半導体層3の第2の半導体層4との接合部における欠陥もナトリウム元素によって低減して、第1の半導体層3と第2の半導体層4との電気的な接合をより良好にすることができる。以上のことから、第1の半導体層3の光電変換効率が高くなる。
When the atomic concentration is within the above range, the photoelectric conversion efficiency can be increased. That is, the stoichiometric composition is different from the stoichiometric composition in the
第2の半導体層4は、第1の半導体層3とは異なる第2導電型を有する半導体層である。第1の半導体層3および第2の半導体層4が電気的に接合することにより、電荷を良好に取り出すことが可能な光電変換層が形成される。例えば、第1の半導体層3がp型であれば、第2の半導体層4はn型である。第1の半導体層3がn型で、第2の半導体層4がp型であってもよい。なお、第1の半導体層3と第2の半導体層4との間に高抵抗のバッファ層が介在していてもよい。
The
第2の半導体層4としては、CdS、ZnS、ZnO、In2S3、In2Se3、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)、および(Zn,Mg)O等が挙げられる。第2の半導体層4は、例えばケミカルバスデポジション(CBD)法等で10〜200nmの厚みで形成される。なお、In(OH,S)とは、Inが水酸化物および硫化物として含まれる混晶化合物をいう。(Zn,In)(Se,OH)は、ZnおよびInがセレン化物およぶ水酸化物として含まれる混晶化合物をいう。(Zn,Mg)Oは、ZnおよびMgが酸化物として含まれる化合物をいう。
The
図1、図2のように、第2の半導体層4上にさらに上部電極層5が設けられていてもよい。上部電極層5は、第2の半導体層4よりも抵抗率の低い層であり、第1の半導体層3および第2の半導体層4で生じた電荷を良好に取り出すことが可能となる。光電変換効率をより高めるという観点からは、上部電極層5の抵抗率が1Ω・cm未満でシート抵抗が50Ω/□以下であってもよい。
As shown in FIGS. 1 and 2, an
上部電極層5は、例えばITO、ZnO等の0.05〜3μmの透明導電膜である。透光性および導電性を高めるため、上部電極層5は第2の半導体層4と同じ導電型の半導体で構成されてもよい。上部電極層5は、スパッタリング法、蒸着法または化学的気相成長(CVD)法等で形成され得る。
The
また、図1、図2に示すように、上部電極層5上にさらに集電電極8が形成されていてもよい。集電電極8は、第1の半導体層3および第2の半導体層4で生じた電荷をさらに良好に取り出すためのものである。集電電極8は、例えば、図1に示すように、光電変換セル10の一端から接続導体7にかけて線状に形成されている。これにより、第1の半導体層3および第4の半導体層4で生じた電流が上部電極層5を介して集電電極8に集電され、接続導体7を介して隣接する光電変換セル10に良好に通電される。
Further, as shown in FIGS. 1 and 2, a collecting
集電電極8は、第1の半導体層3への光透過率を高めるとともに良好な導電性を有するという観点から、50〜400μmの幅を有していてもよい。また、集電電極8は、枝分かれした複数の分岐部を有していてもよい。
The
集電電極8は、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散させた金属ペーストがパターン状に印刷され、これが硬化されることによって形成される。
The
図1、図2において、接続導体7は、第1の半導体層3、第2の半導体層4および第2の電極層5を貫通する溝内に設けられた導体である。接続導体7は、金属や導電ペースト等が用いられ得る。図1、図2においては、集電電極8を延伸して接続導体7が形成されているが、これに限定されない。例えば、上部電極層5が延伸したものであってもよい。
1 and 2, the connection conductor 7 is a conductor provided in a groove that penetrates the
<光電変換装置の製造方法>
次に、上記構成を有する光電変換装置11の製造方法について説明する。まず、ガラス等から成る基板1の主面に、スパッタリング法等を用いて、Mo等から成る下部電極層2を所望のパターンに形成する。
<Method for Manufacturing Photoelectric Conversion Device>
Next, a method for manufacturing the
次に、I−III−VI族化合物を構成する金属元素を含む有機錯体等の金属原料を、溶媒
に溶解することによって原料溶液を調製する。そして、下部電極層2の上に、この原料溶液を塗布等によって膜状に成形し、乾燥して、皮膜を形成する。なお、原料溶液に溶解される金属原料としては、I−B族元素に有機配位子が配位した錯体、III−B族元素に有
機配位子が配位した錯体、またはI−B族元素およびIII−B族元素が有機配位子を介し
て結合した単一源錯体等が用いられる。
Next, a raw material solution is prepared by dissolving a metal raw material such as an organic complex containing a metal element constituting the I-III-VI group compound in a solvent. Then, this raw material solution is formed into a film shape on the
そして、この皮膜を、カルコゲン元素を含む雰囲気において、500〜600℃で加熱することにより、皮膜中の有機成分が熱分解されるとともに皮膜中の金属元素がカルコゲン化され、I−III−VI族化合物の多結晶体が生成する。なお、この加熱工程において、
昇温速度を速くしたり雰囲気中のカルコゲン元素濃度を加熱初期から高くすることによって、皮膜中の有機成分がまだ残存した状態でカルコゲン化反応が進行し、I−III−VI族
化合物の多結晶体中に空孔3aが形成されやすくなる。また、上記原料溶液中に、沸点または熱分解温度が比較的高い有機成分を含ませることによっても空孔3aが形成されやすくなる。
Then, by heating this film at 500 to 600 ° C. in an atmosphere containing a chalcogen element, the organic component in the film is pyrolyzed and the metal element in the film is chalcogenized, and the I-III-VI group A polycrystal of the compound is formed. In this heating step,
By increasing the rate of temperature rise or increasing the concentration of the chalcogen element in the atmosphere from the beginning of heating, the chalcogenation reaction proceeds with the organic component remaining in the film, and the polycrystal of the I-III-VI
次に、この空孔3aを有するI−III−VI族化合物の多結晶体を、ナトリウム化合物を
含む溶液中に20〜200℃で5〜60分間浸漬することによって、空孔3aの近傍および下部電極層2とは反対側の主面近傍におけるナトリウム元素の原子濃度が高い、第1の半導体層3となる。なお、ナトリウム化合物を含む溶液としては、例えば、1M以上のNaCl,NaNO3,NaClO4等の水溶液が挙げられる。
Next, the polycrystal of the I-III-VI group compound having the
第1の半導体層層3を形成した後、第1の半導体層3の上に、第2の半導体層4および上部電極層5を、CBD法やスパッタリング法等で順次形成する。そして、第1の半導体層3、第2の半導体層4および上部電極層5をメカニカルスクライブ加工等によって加工して、接続導体7用の溝を形成する。
After forming the
その後、上部電極層5上および溝内に、例えば、Agなどの金属粉を樹脂バインダーなどに分散させた導電ペーストをパターン状に印刷し、これを加熱硬化させることで集電電極8および接続導体7を形成する。
Thereafter, on the
最後に接続導体7からずれた位置で、第1の半導体層3〜集電電極8をメカニカルスクライブ加工により除去することで、複数の光電変換セル10に分割して、図1および図2で示された光電変換装置11となる。
Finally, the
<光電変換装置の他の例>
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良などが可能である。
<Other examples of photoelectric conversion device>
The present invention is not limited to the above-described embodiment, and various changes and improvements can be made without departing from the scope of the present invention.
例えば、上記光電変換装置11において、第1の半導体層3の空孔3aの近傍は、酸素元素をさらに含んでいてもよい。このような構成により、ナトリウム元素に加えて酸素元素も第1の半導体層3の空孔3aの近傍の欠陥を埋めることができ、キャリアの再結合をより低減して光電変換装置11の光電変換効率がより高くなる。
For example, in the
第1の半導体層3の空孔3aの近傍における酸素元素の原子濃度は、2×1020〜3×1021atoms/cm3であればよい。第1の半導体層3における酸素元素の原子濃度は、例えば、第1の半導体層3の断面を、XPS、AESまたはSIMS等で分析することにより、測定可能である。
The atomic concentration of the oxygen element in the vicinity of the
このような空孔3aの近傍に酸素元素を含む第1の半導体層3は、例えば、上記光電変換装置の製造方法において、皮膜を加熱して有機成分を熱分解させる際に、雰囲気中に酸素や水蒸気を含ませることによって形成することができる。もしくはNaClO4などの酸化剤を原料に混ぜて、上記光光電変換装置の製造方法において作製しても良い。
The
また、上記光電変換装置11において、第1の半導体層3は複数の層が積層されて成り、これらの層は、厚み方向の中央部におけるナトリウム元素の原子濃度よりも厚み方向の表面部におけるナトリウム元素の原子濃度の方が大きくてもよい。つまり、複数の層を積層して第1の半導体層3を厚くすることによって、第1の半導体層3の光吸収率を高めるためようとした場合、複数の層の界面部分に欠陥が多く生成されやすくなるが、上記のように各層の表面部におけるナトリウム元素の濃度を高めることによって、複数の層の界面部分の欠陥をナトリウム元素で埋めてキャリアの再結合を抑制することができる。よって、光電変換装置11の光電変換効率がさらに向上する。
In the
このような表面部でナトリウム元素濃度の高い層が積層された第1の半導体層3の作製方法は、例えば、上記光電変換装置の製造方法において、皮膜を以下のようにして複数の積層体として作製すればよい。まず、上記原料溶液を用いて皮膜(第1の皮膜という)を形成し、この表面にナトリウム化合物を含む溶液を塗布することにより、第1の皮膜の表面部分にナトリウム化合物を被着させる。その後、この第1の皮膜の上に原料溶液を用いて皮膜(第2の皮膜という)を形成し、この表面にナトリウム化合物を含む溶液を塗布することにより、第2の皮膜の表面部分にナトリウム化合物を被着させる。これを繰り返すことによって表面部にナトリウム元素濃度の高い皮膜の積層体を形成することができる。
A method for producing the
また、第1の半導体層3は、層に垂直な断面において、空孔3aの面積占有率が、第1の半導体層3の厚み方向の中央部よりも第2の半導体層4側の表面部の方で小さくなっていてもよい。このような構成であれば、第2の半導体層4側の表面部における欠陥を少なくすることができ、第1の半導体層3と第2の半導体層4との電気的な接続をより良好にすることができる。
Further, in the
1:基板
2、2a、2b、2c:下部電極層
3:第1の半導体層
3a:空孔
4:第2の半導体層
7:接続導体
10:光電変換セル
11:光電変換装置
1:
Claims (4)
該電極層上に設けられた、I−III−VI族化合物およびナトリウム元素を含む第1の半導体層と、
該第1の半導体層上に設けられた、該第1の半導体層とは異なる導電型の第2の半導体層とを具備しており、
前記第1の半導体層は、内部に空孔を有しており、該空孔との界面から100nm以内の表面部において、前記空孔から0nmの地点のナトリウム元素の原子濃度が前記空孔から100nmの地点のナトリウム元素の原子濃度の1.2〜20倍となるように前記空孔に近づくほどナトリウム元素の原子濃度が高くなっているとともに、前記第2の半導体層との界面から500nm以内の表面部において、前記第2の半導体層から0nmの地点のナトリウム元素の原子濃度が前記第2の半導体層から500nmの地点のナトリウム元素の原子濃度の1.2〜20倍となるように前記第2の半導体層に近づくほどナトリウム元素の原子濃度が高くなっている光電変換装置。 An electrode layer;
A first semiconductor layer comprising a group I-III-VI compound and a sodium element provided on the electrode layer;
A second semiconductor layer having a conductivity type different from that of the first semiconductor layer provided on the first semiconductor layer;
The first semiconductor layer has vacancies inside, and the atomic concentration of sodium element at a point of 0 nm from the vacancies in the surface portion within 100 nm from the interface with the vacancies is from the vacancies. The atomic concentration of the sodium element increases as it approaches the vacancies so as to be 1.2 to 20 times the atomic concentration of the sodium element at a point of 100 nm, and within 500 nm from the interface with the second semiconductor layer The atomic concentration of sodium element at a point of 0 nm from the second semiconductor layer is 1.2 to 20 times the atomic concentration of sodium element at a point of 500 nm from the second semiconductor layer. A photoelectric conversion device in which the atomic concentration of the sodium element is higher as the second semiconductor layer is approached.
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