JP6188514B2 - 蛇腹状管腔構造体 - Google Patents

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本発明は、蛇腹状管腔構造体に関する。
事故、災害、疾患等により、ヒトの神経、腱などの組織または器官が損傷し、自己の回復力により損傷部を治癒できない場合には、知覚、感覚、運動能力等に障害が発生する。このような患者に対して、近年の顕微鏡下で損傷部位を接続する技術の発展に伴い、切断された部位を接続する外科縫合手術や、自己の神経・腱などを他の部位から採取し、移植することにより失われた機能を回復する自家神経移植などの治療等が行われている。
しかしながら、欠損した領域が大きすぎる場合は、上記のような接続による修復は不可能であり、ある程度の障害が発生してもその損傷部分の障害よりも重要度が低いと思われる他の部分から神経を採取し、損傷部位へ移植することが必要となる。このような場合、最初に発生した部位の障害よりも重要度が低いとはいえ、損傷を受けていない健常な他の部分の神経を採取するので、その部位には知覚、感覚、運動能力などの障害を発生させることになる。そこで、他の部分に支障を来すことなく、損傷部分の修復が可能な治療方法が切望されている。
例えば、自家神経移植の弊害を克服するために、損傷部位を人工の器具で置き換えることにより、元の機能を回復させる種々の研究がなされている。
特許文献1では、複数本の生分解性ポリマーからなる極細繊維で編んだ管状体の外部表面をコラーゲン溶液で複数回塗布することにより被覆し、さらに管状体の内部にコラーゲンを充填することによって製造される神経再生誘導管が開示されている。
特許文献2および3では、ポリグリコール酸(PGA)繊維を用い組紐作製機を使用して得たPGAの管にコラーゲン溶液を塗布し、内部にコラーゲン溶液を充填し、それを凍結乾燥、熱架橋することにより製造される、コラーゲンを内部に含む管状の組織再生用部材が開示されている。
特許文献4では、脂肪族エステル系樹脂からなり、管軸方向に沿って山部と谷部とが連続した蛇腹構造を有する管状体を備え、前記管状体の管壁には、管外面から管内面に通じる複数の貫通孔が形成されており、前記複数の貫通孔は、レーザー加工によって形成された孔である、神経再生チューブが開示されている。
特開2010−269185号公報 特開2013−031730号公報 国際公開第08/001952号 特開2011−206203号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載の神経再生誘導管および組織再生用部材は、キンク耐性が低く、強度が低いという問題があった。
また、特許文献4では、蛇腹状構造体ではあるもののレーザー等により穴を開けなければ、神経再生に必要とされる水、電解質、成長因子等の物質透過性がないという問題があった。
そこで、本発明は、キンク耐性および強度が向上した管腔構造体を提供することを目的とする。
また、本発明は、組紐を利用することにより、穴あけ加工をせずに構造全体に物質透過性の隙間を有する、蛇腹状管腔構造体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、種々の研究を行った。その結果、複数本の有機高分子繊維から形成される糸条を編組した組紐から成形される蛇腹状の管腔構造体により、上記課題が解決することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、複数本の有機高分子繊維から成形される糸条を編組した組紐から形成されてなる蛇腹状管腔構造体である。
本発明によれば、キンク耐性および強度が向上した蛇腹状管腔構造体が提供される。また、本発明によれば、組紐を利用することにより、穴あけ加工をせずに構造全体に物質透過性の隙間を有する、蛇腹状管腔構造体が提供される。
組角度の定義を示す模式図である。 蛇腹の山の高さ、外径、および山5つ分の長軸方向の距離の測定方法を示す模式図である。 本発明の蛇腹状管腔構造体を構成する組紐を製造するために好適に用いられる組紐機の一例を示す模式図である。 組紐機に備えられる糸条巻取ボビンおよびキャリヤーの一例を示す拡大模式図である。 通常の組紐から作製した蛇腹状でない神経再生チューブを用いたイヌ腓骨神経埋め込み実験の結果を示す図である。 蛇腹状に成形した組紐から作製した蛇腹状神経再生チューブを用いたイヌ腓骨神経埋め込み実験の結果を示す図である。
本発明は、糸条を編組した組紐から成形されてなる蛇腹状管腔構造体である。このような構成とすることにより、キンク耐性および強度が向上した管腔構造体となる。
以下、本発明の蛇腹状管腔構造体を詳細に説明する。
〔蛇腹状管腔構造体〕
本発明において管腔構造体とは、外部に貫通する内腔を有する構造体であり、例えば、円筒状、角筒状、円錐台状、角錐台状などの形状を有するものである。このうち円筒状が好ましい。また、断面形状としては、例えば、円形、楕円形、卵形、扇形、弓形、または多角形(三角形、四角形、五角形、六角形、八角形など)などが挙げられる。これらのうち、好ましくは円形である。以下、本明細書では、管腔構造体を単に「チューブ」とも称する。
また、本発明において「蛇腹状」とは、山部と谷部とが交互に連続して形成された状態であることを意味し、「組紐からなる蛇腹状管腔構造体」とは、蛇腹状管腔構造体が組紐からなることを意味する。
さらに、本発明において、上記の「糸条」とは、繊維を束ねたものであり、繊維の本数は、特に制限されないが、通常、1〜50本である。ここでいう繊維とは、複数本の繊維が撚りを掛けられずに引きそろえられた繊維束、組紐状に編まれた糸、または撚りを掛けられた糸を意味し、本発明においては、いずれの形態であっても使用することができる。
糸条を形成する繊維としては、有機高分子繊維が好ましい。該有機高分子繊維の例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、液晶ポリエステル樹脂等のポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレン等のポリオレフィン樹脂、ナイロン6樹脂、ナイロン66樹脂、ナイロン12樹脂、ナイロン610樹脂等のポリアミド樹脂、スチレン樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメチレンメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリイソプレン系、もしくはフッ素系等の熱可塑性エラストマー、またはこれらの共重合体樹脂、変性体樹脂などの有機高分子から形成される繊維が挙げられる。
また、有機高分子繊維として、生分解性ポリマーから形成される繊維も好ましく用いられる。生分解性ポリマーを用いることにより、後述するような神経組織の再生用部材、すなわち神経再生チューブや、皮下組織、粘膜下組織、生体膜組織、脂肪組織、筋肉組織、皮膚組織、歯肉組織等の再生、置換、または移植のための部材として好適に用いられる。
生分解性ポリマーの具体的な例としては、例えば、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(D、L、DL体)、ポリε−カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、セルロース、ポリヒドロキシブチレイト吉草酸、もしくはポリオルソエステル、またはこれらの共重合体、混合物、もしくは複合物等が挙げられる。これらの中でも、ポリグリコール酸、ポリ乳酸とポリグリコール酸の共重合体、ポリε−カプロラクトンとポリグリコール酸との共重合体が好ましい。
なお、上記有機高分子繊維は単独でもまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。また、該有機高分子繊維や該有機高分子繊維から形成される糸条は、市販品を用いてもよいし合成品を用いてもよい。さらに、本発明の蛇腹状管腔構造体を構成する組紐は、単層構造であってもよいし、2層以上の多層構造であってもよい。多層構造の場合、それぞれの層の材料(有機高分子繊維)の種類は、同じでもよいし異なっていてもよい。
本発明の蛇腹状管腔構造体を構成する組紐の蛇腹成形前の組角度は特に制限されず、如何なる組角度であってもよい。ここで、組角度とは軸方向に対する組糸(糸条)のなす鋭角を指し(図1のθ)、組角度が小さいとは、組糸(糸条)が軸方向と平行に近い角度(0°に近い)であることをいい、組角度が大きいとは、組糸(糸条)が軸方向と直交する方向に近い角度であることをいう。なお、該組角度は、後述の実施例に記載のCCDカメラを用いた方法により測定することができ、本発明の蛇腹状管腔構造体を構成する組紐の蛇腹成形前の組角度は、任意の1箇所の測定値を採用するものとする。
また、該組角度の制御は、組紐機(編組機)により組紐を製造する際の組紐の編み速度や引き取り速度等を制御して、編み位置(キャリヤーの糸の出口から糸条が集まり組紐が生成する位置までの高さの差、図3のh)を制御することにより行うことができる。
本発明の蛇腹状管腔構造体の内径は0.5〜20mmの範囲が好ましく、全長は5〜100mmの範囲が好ましい。
上記内径は、最も細い神経束が0.5mm未満であること、また前立腺癌全摘除術後の神経再建術において、前立腺周囲の網目状神経の断端を束ね神経再生チューブに挿入する場合、最大で20mm程度の内径であれば十分であること等により、上記の範囲が好ましい。
本発明の蛇腹状管腔構造体の外径は、1〜30mmであることが好ましい。本発明の蛇腹状管腔構造体の外径は、本発明の蛇腹状管腔構造体の内径の101〜210%であることが好ましい。
上記外径は、蛇腹構造の好適な内径、壁厚、山の高さなどを考慮した場合、上記の範囲が好ましい。
本発明の蛇腹状管腔構造体の蛇腹部の山の高さ(蛇腹高さ)は、0.1〜4mmであることが好ましい。本発明の蛇腹状管腔構造体の蛇腹部の山の高さ(蛇腹高さ)は、蛇腹状管腔構造体の内径の1〜40%であることが好ましい。
上記山の高さは、上記の範囲で構造的に最も安定な状態となる。チューブが湾曲する際は、編まれている糸それぞれがずれることでストレスを吸収するのに有利であると考えられる。
本発明の蛇腹状管腔構造体の蛇腹部において、山5つ分の長軸方向の距離は、1〜40mmであることが好ましい。本発明の蛇腹状管腔構造体の蛇腹部において、山5つ分の長軸方向の距離は、蛇腹状管腔構造体の内径の10〜350%であることが好ましい。
なお、本明細書において、蛇腹状管腔構造体の山の高さは、図2のAに示すように、山の両側で測定した高さ(図2のA中のa、b)の平均値をその山の高さとし、これを管腔構造体の両端付近と中央付近との計3箇所で測定した値の平均値を、蛇腹部の山の高さ(蛇腹高さ)と定義する。
また、外径については、図2のBに示すように、蛇腹部の山の頂点を測定した値をその箇所での外径とし、これを管腔構造体の両端付近と中央付近との計3箇所で測定した値の平均値を、蛇腹状管腔構造体の外径と定義する。
内径については、組紐の製造時に用いた芯材の外径をそのまま蛇腹状管腔構造体の内径と定義する。
さらに、蛇腹部の山5つ分の長軸方向の距離は、図2のCに示すように、管腔構造体の中央付近の山5つ分の距離を測定した値を、山5つ分の長軸方向の距離と定義する。
〔蛇腹状管腔構造体の製造方法〕
本発明の蛇腹状管腔構造体の製造方法は、特に制限されないが、ポリテトラフルオロエチレンなどから形成される芯材を用いて組紐を作製し、その後、前記組紐を蛇腹状に成形する方法が好ましい。
組紐の作製方法は特に制限されず、例えば、4〜48本の糸条を用いて組紐機(編組機)にかけ、芯材の外周部に組み上げる方法が挙げられる。例としては、4本組紐、8本組紐、16本組紐、32本組紐、48本組紐などが挙げられ、組上方法(編組方法)としては、丸打ち、角打ち、平打ちなどが挙げられ、これらを組み合わせて製紐してもよい。また、他の組み上げ方法としては、レギュラーブレイド(1wire2over2under)、ダイヤモンドパターンフルロード(2wire2over2under)、ダイヤモンドパターンハーフロード(1wire1over1under)等が挙げられる。
本発明においては、組紐機(編組機)の形態やその組上方法(編組方法)は何ら限定されるものではない。
以下、図を参照しながら、本発明に係る組紐の製造方法の一例を詳細に説明する。
図3は、本発明の管腔構造体を構成する組紐を製造するために好適に用いられる組紐機の一例を示す模式図である。また、図4は、組紐機に備えられる糸条巻取ボビンおよびキャリヤーの一例を示す拡大模式図である。
図3に示す組紐機において、1は送出装置、2は芯材巻取ドラム、3は芯材、4は送出ガイドプーリー、5はギヤーボックス、6はフライヤー駆動モーター、7はフライヤー、8は糸条巻取ボビン、9は糸条、10は芯材入り組紐、11は巻取ガイドプーリー、12は芯材入り組紐巻取ドラム、13は巻取装置、14は巻取装置駆動モーター、15はキャリヤー、16はキャリヤーの糸の出口である。
図3に示す組紐機は、送出機構と、編組機構と、巻取機構とから成っている。
送出機構は、送出装置1と送出ガイドプーリー4とからなっている。そして送出装置1には芯材巻取ドラム2が装着される。すなわち、送出機構は、送出装置1に芯材巻取ドラム2を装着し、それからその芯材巻取ドラム2から送出ガイドプーリー4を介して芯材3を送り出すようになっている。
次に、編組機構は、フライヤー駆動モーターとそのフライヤー駆動モーターで駆動するフライヤーと、そのフライヤー上に設置された複数個のシールドワイヤ巻取ボビン送出装置(キャリヤー)とから成る。
送出機構から送り出された芯材3は、編組機構のフライヤー7の中心部の開口部の下側より上方へ送り出されるようになっている。
ここにおいてフライヤー7は、フライヤー駆動モーター6により周方向に回転するようになっている。そしてこのフライヤー7の上部には複数個の糸条巻取ボビン8が送り出し装置(図示せず)に回転自在で、かつジグザクに移動できるように装着されている。そしてフライヤー7の周方向回転と、複数個の糸条巻取ボビン8の回転および移動によりそれら複数個の糸条巻取ボビン8からキャリヤー15を通り、糸の出口16からそれぞれ糸条9を送り出しながら芯材3上へ編組するようになっている(図4も参照)。
また、巻取機構は、巻取ガイドプーリー11、巻取装置13、その巻取装置13を駆動する巻取装置駆動モーター14とから成っている。すなわち、芯材入り組紐10は、巻取ガイドプーリー11を介して、巻取装置駆動モーター14で駆動する巻取装置13により芯材入り組紐巻取ドラム12へ巻き取られるようになっている。
なお、本発明で用いられる編組機においては、センサーとして騒音センサーや温度センサー等を取り付けることもできる。
組角度の制御は、組紐の編み速度、すなわちフライヤー駆動モーターの周波数や、組紐の巻き取り速度、すなわち巻き取り装置駆動モーターの周波数等を制御して、編み位置(キャリヤーの糸の出口から糸条が集まり組紐が生成する位置までの高さの差)を制御することにより行うことができる。
蛇腹状に成形する前の組紐の壁厚は、0.01〜2mmであることが好ましい。
組紐を蛇腹状に成形する方法は、特に制限されないが、組紐を芯材が入ったままの状態で長軸方向に圧縮と伸長とを繰り返しながら、少なくとも1つの環状の山部を形成する。その後、その部位より少しずつ同じ操作を繰り返しながら、両端に向かって環状の山部を盛り上がる部位を整え山状に成形する。このとき盛り上がる部位は、一定数の編み目の間隔で自然に規則的に盛り上がる。その後、再度組紐を長軸方向にできるだけ圧縮した後、目的とする圧縮量まで戻し、蛇腹状の管腔構造体とする方法が好ましい。このとき、蛇腹状管腔構造体は長軸方向に伸びようとするため、蛇腹状管腔構造体の端部において、管腔構造体と芯材とをクリップで留めるなどして管腔構造体の伸びを防止しておくことが好ましい。
上記の圧縮量とは、圧縮前の管腔構造体の全長に対する圧縮後の全長を百分率で表したものであり、例えば圧縮前の全長が100mmで圧縮後の全長が30mmとなった場合、圧縮量は30%となる。該圧縮量は、キンク耐性および強度向上の観点から、70%未満が好ましく、50%以下がより好ましい。また、圧縮量の下限値は特に制限されないが、10%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましい。
蛇腹成形後は、蛇腹形状を固定するため、50〜200℃の温度で、30分〜48時間アニーリング処理を行うことが好ましく、90〜150℃の温度で、30分〜24時間アニーリング処理を行うことがより好ましい。
上記のような製造方法は、組紐の組角度に関わらず(例えば30〜85°)適用されうる製造方法であるが、組紐の組角度が大きい(例えば40〜85°)場合は、蛇腹を成形する前に、外径が小さい芯材に交換して組紐を一旦長軸方向に伸長し、組角度を小さくしておくことが好ましい。この操作を行うことにより、蛇腹をより成形しやすくなる。
その後、芯材を抜き取ることにより、本発明の蛇腹状管腔構造体が得られる。
すなわち、本発明での蛇腹成形の原理は、組角度の小さい組紐を長軸方向に圧縮すると、組角度は大きくなるが、その時糸条の長さは芯材の外周よりも長くなり、その余剰分が径の外側方向に一定の間隔で押し出され山となり蛇腹を形成するというものである。
〔用途〕
本発明の蛇腹状管腔構造体の用途は、特に制限されないが、例えば、人、ラット、犬、猫、猿、馬、牛、羊等の動物の体の組織を再生、移植、または置換するための部材として用いることができる。より好ましくは、人の体の組織を再生、移植、または置換するための部材である。
本発明の蛇腹状管腔構造体は、組紐特有の隙間があることから、気体や液体を通すことはできるのに対して細胞を通さないため、神経再生に有利な場を提供できる。また、蛇腹構造を有することから、生体組織との接触面積が減少し、生体組織との癒着を低減することができる。さらに、蛇腹構造を有することから、本発明の蛇腹状管腔構造体の直径方向に力がかかったとしても、内腔を完全に塞ぐことはなく空間を確保でき、組織再生の足場となる。また、蛇腹構造とすることにより、経時的に直径方向に潰され内腔が完全に塞がった場合でも、蛇腹が管腔構造体の分解消失直前までカプセル化組織を内側から支え、空間を確保することができ、完全消失後には腔(トンネル)ができる。
上記の動物の組織として、例えば、神経組織、皮下組織、粘膜下組織、生体膜組織、脂肪組織、筋肉組織、皮膚組織、歯肉組織等を例示することができるが、特に、神経組織に好適に用いることができる。さらに詳細には、組織として、下記のものを例示することができる。
神経組織(例えば、中枢神経、末梢神経;座骨神経、正中神経、顔面神経、脳神経、腕神経叢、尺骨神経、撓骨神経、大腿神経、坐骨神経、腓骨神経、腓腹神経、勃起神経、腋窩神経);皮下組織;粘膜下組織、口腔粘膜下組織、消化管粘膜下組織、生殖器粘膜下組織;生体膜組織(例えば、脳硬膜、腹膜、胸膜、筋膜、臓器の皮膜);脂肪組織(例えば、いわゆる脂肪);筋肉組織(例えば、いわゆる筋肉);皮膚組織(例えば、いわゆる皮膚);歯肉組織(例えば、歯周組織、歯槽骨、歯槽組織);実質臓器(例えば、肝臓、腎臓、肺臓、膵臓、甲状腺);その他(例えば、血管、腱、靭帯、軟骨、骨)等。
本発明の蛇腹状管腔構造体は、神経組織の再生用部材、すなわち神経再生チューブに好適に用いられるが、本発明の蛇腹状管腔構造体を神経再生チューブや、皮下組織、粘膜下組織、生体膜組織、脂肪組織、筋肉組織、皮膚組織、歯肉組織等の再生用部材に用いる場合、蛇腹状管腔構造体の外部表面はコラーゲンで被覆されてもよく、蛇腹状管腔構造体の内部(内腔)はコラーゲンにより満たされていてもよい。前記コラーゲンとしては、従来、例えば神経再生の足場として使用されるコラーゲンを用いればよく、例えばI型コラーゲン、III型コラーゲン、IV型コラーゲンなどが挙げられ、これらを単独で用いてもよいし2種以上を混合して用いてもよい。また、コラーゲンはラミニン、ヘパラン硫酸プロテオグリカン、エンタクティン及び成長因子を含んでいてもよい。成長因子としては、EGF(上皮増殖因子)、βFGF(線維芽細胞増殖因子)、NGF(神経成長因子)、PDGF(血小板由来増殖因子)、IGF−1(インスリン様増殖因子)、TGF−β(トランスフォーミング成長因子)などが挙げられる。
コラーゲンを被覆および充填した蛇腹状管腔構造体は、凍結、凍結乾燥、架橋処理を施してコラーゲンを架橋することが好ましい。凍結は、好ましくは−196℃〜−10℃の温度で3〜48時間行うことが好ましい。凍結することによって、コラーゲン分子の間に微細な氷が形成され、コラーゲン溶液が相分離を起こし、スポンジ化する。次に、前記凍結させたコラーゲン溶液を、真空下、好ましくは−80〜30℃で、好ましくは12〜48時間凍結乾燥する。凍結乾燥することによって、コラーゲン分子間の微細な氷が気化するとともに、コラーゲンスポンジが微細化する。架橋方法としては、γ線架橋、紫外線架橋、電子線架橋、熱脱水架橋、グルタルアルデヒド架橋、エポキシ架橋、および水溶性カルボジイミド架橋が挙げられるが、架橋の程度をコントロールしやすく、架橋処理を行っても生体に影響を及ぼさない熱脱水架橋が好ましい。熱脱水架橋処理は、真空下、例えば105〜150℃、好ましくは120〜150℃の温度で、例えば6〜24時間、好ましくは10〜15時間行う。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.蛇腹状チューブの作製
(1)組紐機
株式会社コクブンリミデッド製、中型48本キャリヤーブレーダーを備えた組紐機(型番:101−K)に対して、編み用と引き取り用とに別々のモーターを設置し、それぞれ独立して速度を変更できるように改造されたものを使用した。
(2)ポリグリコール酸(PGA)糸
samyang社(韓国)製の品名:Trisorb、サイズ:USP7−0を用いた。
(3)組紐作製
下記のようにして、内径が2mm、4mm、および6mmの3種類で、それぞれ組角度が大きいものと小さいものとの計6種類の組紐を作製した。
(3−1)内径2mmの組紐
上記PGA糸2本を合糸して糸条としボビンに巻き取った。このボビンを48個準備し、上記組紐機に取り付け、外径2mmのポリテトラフルオロエチレンチューブを芯材として、組紐を作製した。その後、芯材を抜き取り、チューブを得た。
このとき、組紐の引き取り速度を調整することで、編み位置(キャリヤーの糸の出口から糸条が集まり組紐が生成する位置までの高さの差)を調整して組角度を変更した。
実施例1の組角度の大きい組紐を作製する場合は、引き取り速度を遅くした(編み速度:モーター周波数41.99〜50.12Hz、引き取り速度:モーター周波数1.04〜1.40Hz)。
実施例2の組角度の小さい組紐を作製する場合は、引き取り速度を速くした(編み速度:モーター周波数50.02〜55.00Hz、引き取り速度:モーター周波数2.30〜2.56Hz)。
(3−2)内径4mmの組紐
上記PGA糸4本を合糸して糸条としボビンに巻き取った。このボビンを48個準備し、上記組紐機に取り付け、外径4mmのポリテトラフルオロエチレンチューブを芯材として、組紐を作製した。その後、芯材を抜き取り、チューブを得た。このとき、組紐の引き取り速度を調整することで、編み位置(キャリヤーの糸の出口から糸条が集まり組紐が生成する位置までの高さの差)を調整して組角度を変更した。
実施例3の組角度の大きい組紐を作製する場合は、引き取り速度を遅くした(編み速度:モーター周波数42.00Hz、引き取り速度:モーター周波数1.68〜1.78Hz)。
実施例4の組角度の小さい組紐を作製する場合は、引き取り速度を速くした(編み速度:モーター周波数42.00Hz、引き取り速度:モーター周波数2.94〜3.12Hz)。
(3−3)内径6mmの組紐
上記PGA糸6本を合糸して糸条としボビンに巻き取った。このボビンを48個準備し、上記組紐機に取り付け、外径6mmのポリテトラフルオロエチレンチューブを芯材として、組紐を作製した。その後、芯材を抜き取り、チューブを得た。
このとき、組紐の引き取り速度を調整することで、編み位置(キャリヤーの糸の出口から糸条が集まり組紐が生成する位置までの高さの差)を調整して組角度を変更した。
実施例5の組角度の大きい組紐を作製する場合は、引き取り速度を遅くした(編み速度:モーター周波数50.00Hz、引き取り速度:モーター周波数2.57〜2.66Hz)。
実施例6の組角度の小さい組紐を作製する場合は、引き取り速度を速くした(編み速度:モーター周波数50.00〜50.06Hz、引き取り速度:モーター周波数4.79〜4.92Hz)。
(3−4)内径4mmの組紐
上記PGA糸7本を合糸して糸条としボビンに巻き取った。このボビンを48個準備し、上記組紐機に取り付け、外径4mmのポリテトラフルオロエチレンチューブを芯材として、組紐を作製した。その後、芯材を抜き取り、チューブを得た。
このとき、組紐の引き取り速度を調製することで、編み位置(キャリヤーの糸の出口から糸条が集まり組紐が生成する位置までの高さの差)を調整して組角度を変更した。
実施例7の組角度の小さい組紐を作製する場合は、引き取り速度を速くした(編み速度:モーター周波数42.00Hz、引き取り速度:モーター周波数3.06〜3.29Hz)。
2.組角度の測定
組紐を長軸方向に3.5cmの長さで輪切りにし検体とした。
糸の解れを防止するため、組紐両端をヒートカッターで溶かした。組紐の円周の1ヶ所にハサミを入れ、長軸方向に切り開き、スライドグラス2枚の間に挟んだ。チューブ内面をCCDカメラ(株式会社キーエンス製、VH−6300)で撮影し、付属のソフトウェアで組角度を測定した。1本の検体に対して任意の1ヶ所の組角度を上記のように測定し、その組紐の組角度とした。
3.組紐の壁厚の測定
組紐を5cmの長さで輪切りにし検体とした。
検体をカミソリまたはヒートカッターで円周の1ヶ所を長軸方向に切り開き、両端付近の2ヶ所、および中央付近1ヶ所の合計3ヶ所の厚さをシックネスゲージ(株式会社テクロック製、SM−112)で測定し、その平均値を組紐の壁厚とした。
得られた組紐の構成を下記表1に示す。
4.山(蛇腹)の成形
山(蛇腹)の成形方法は二通りである。
(4−1)組角度が小さい組紐の場合(チューブ番号2、4、6、7)
組角度が小さい組紐を用いた場合、上表のチューブを芯材(蛇腹成形時)が入ったままの状態で長軸方向に圧縮と伸長とを繰り返しながら、少なくとも1つの環状の山部を形成した。その後、その部位より少しずつ同じ操作を繰り返しながら、両端に向かって環状の山部を盛り上がる部位を手指で整え山状に成形した。このとき盛り上がる部位は、一定数の編み目の間隔で自然に規則的に盛り上がる。
その後、長軸方向にできるだけ圧縮した後、目標とする圧縮量まで戻し蛇腹状のチューブとした。このとき蛇腹状チューブは長軸方向に伸びようとするため、チューブ両端部分の芯材に金属製のクリップを取り付けるか、テープを巻くなどして、チューブの伸びを防止した。
上表のチューブ番号2〜7の組紐を用い、それぞれ圧縮量30%、50%、70%、および90%で圧縮をした蛇腹状チューブと、圧縮しなかった蛇腹状チューブ(圧縮量100%)とを準備した(全長70mm)。
(4−2)組角度の大きい組紐の場合(チューブ番号1、3、5)
組角度が大きい組紐の場合、そのままでは蛇腹状に成形できないため、まず、芯材の外径を小さいものに交換し、組紐を長軸方向に伸ばすことで、組角度を小さくした。この時、組角度が小さくなることに伴いチューブ内径は、芯材外径まで小さくなるため、チューブ内径は組紐作製時よりも小さくなる。その後、上記(4−1)と同様の方法により、蛇腹状に成形した。ただし、チューブ番号1については、内腔が保持された蛇腹構造にならなかった。
5.アニーリング
蛇腹状チューブの形状を固定するため、140℃の温度で、減圧下で24時間静置し、アニーリングした。
6.寸法測定
投影機(株式会社ニコン製、Nikon V−12、製造番号348155)の50倍レンズにて、蛇腹状チューブの山の高さおよび外径を測定した。
測定方法は、山の高さについては、図2のAに示すように、山の両側で測定した高さ(図2のA中のa、b)の平均値をその山の高さとし、これを蛇腹状チューブの両端付近と中央付近との計3箇所で測定した値の平均値を、蛇腹部の山の高さ(蛇腹高さ)とした。
内径については、組紐の製造時に用いた芯材の外径をそのまま蛇腹状チューブの内径とした。
外径については、図2のBに示すように、山の頂点を測定した値をその箇所での外径とし、これを蛇腹状チューブの両端付近と中央付近との計3箇所で測定した値の平均値を、蛇腹状チューブの外径とした。
さらに、蛇腹部の山5つ分の長軸方向の距離は、図2のCに示すように、管腔構造体の中央付近の山5つ分の距離を測定した値を、山5つ分の長軸方向の距離とした。
測定結果を下記表2に示す。なお、表2中の「−」は、蛇腹部の山を判別できなかったため、測定ができなかったことを示す。
7.キンク耐性試験
アニーリング後の蛇腹状チューブから芯材を抜き取り、長軸中央付近の山部外径1および谷部外径1を測定後、半径の異なるマンドレル(半径13、10、7、4、2mm)を準備し、蛇腹状チューブをマンドレル円周の180°以上に沿わせ、湾曲した時の蛇腹状チューブの長軸中央付近の山部外径2および谷部外径2を測定した。山部外径1に対する山部外径2の百分率を山部のキンク率(%)、および谷部外径1に対する谷部外径2の百分率を谷部のキンク率(%)とした。
具体的には、次のような手順でキンク耐性試験を実施した。
1)CCDカメラ(株式会社キーエンス製、VH−6300)に5〜40倍のレンズを取り付け、ステンレス製スケール(シンワ直尺シルバー15cm、品番13005、JIS1級)を撮影し、キャリブレーションを行った。
2)アニーリング後の蛇腹状チューブから芯材を抜き取り、長軸中央付近の山部にフェルトペンで印をつけた。
3)CCDカメラで蛇腹状チューブを撮影し、印位置の山部外径およびその右側の谷部外径を測定し、それぞれ山部外径1および谷部外径1とした。
4)半径の異なる5種類のマンドレル(半径13mm、10mm、7mm、4mm、2mm)を準備し、蛇腹状チューブをマンドレル円周の180°以上に沿わせ湾曲させながらCCDカメラで撮影し、印位置の山部外径およびその右側の谷部外径を測定し、それぞれ山部外径2および谷部外径2とした。マンドレルについては、半径13mm、10mm、7mm、4mm、2mmの順に使用し、それぞれについて撮影と測定を実施し記録した。
5)山部外径1に対する山部外径2の百分率を山部のキンク率(%)とし、谷部外径1に対する谷部外径2の百分率を谷部のキンク率(%)とした。
試験結果を下記表3および表4に示す。なお、表3および表4中の「−」は、谷部の判別ができなかったため、測定ができなかったことを示す。
上記表3および表4から明らかなように、本発明の蛇腹状管腔構造体は、キンク耐性に優れることが分かった。特に、圧縮量が70%未満の場合、キンク耐性にさらに優れることが分かった。
8.圧縮試験
チューブを長軸方向に3.5cmの長さで輪切りにし検体とした。
レオメーターにアダプタ(直径10mm)を取り付け、検体をレオメーターのテーブルへ置き、アダプタを2mm/分の速度で下降させ、チューブ外径の75%の距離まで圧縮後、2mm/分の速度で上昇させ、下降時および上昇時の応力(単位N)を記録した。
縦軸に応力(N)、横軸にアダプタの移動距離(mm)をとり、記録した結果をプロットし、チューブ内径表示値の50%までの圧縮時エネルギーを計算した。
例えば、芯材外径4mmのチューブの内径表示値は4mmであるので、その50%の2mmまでの圧縮時エネルギーを計算した。
圧縮試験の評価結果を下記表5に示す。
上記表5から明らかなように、本発明の蛇腹状管腔構造体は、圧縮時エネルギーが大きくなり、強度が高くなることが分かった。特に、圧縮量が70%未満の場合、強度がより高くなることが分かった。
〔埋め込み実験〕
<イヌ腓骨神経埋め込み実験>
PGA糸を用いて作製した内径4mmの組紐を用いて、下記2種類の神経再生チューブを作製した。
(1)通常の組紐から作製した蛇腹状でない神経再生チューブ
(2)蛇腹状に成形した組紐から作製した蛇腹状神経再生チューブ(実施例7−2の蛇腹状チューブ、圧縮量50%)
神経再生チューブを次のようにして作製した。コラーゲンに水を投入し、攪拌しながら塩酸を添加して溶解させ、pHを3に調整し、終濃度1w/v%のコラーゲン溶液を調製した。このコラーゲン溶液を、通常の組紐及び蛇腹状に成形した組紐の外表面に筆を用いて塗布し、風乾した。この操作を20回繰り返した。塗布済の通常の組紐及び蛇腹状に成形した組紐の内腔に、上記1w/v%コラーゲン溶液を充填し、フリーザー内で凍結した(凍結条件:−80℃、3〜5時間)。フリーザー内で凍結した通常の組紐および蛇腹状に成形した組紐を凍結乾燥機容器に移し、速やかに減圧乾燥を開始し、室温で16〜20時間程度乾燥させた。その後、凍結乾燥した通常の組紐および蛇腹状に成形した組紐をオーブン内に移し、140℃、減圧下で24時間加熱し、熱脱水架橋を行った。次いで、EOG(エチレンオキシドガス)滅菌した。滅菌終了後、オーブンに移し50℃、減圧下で3日間程度乾燥し、蛇腹状でない神経再生チューブ及び蛇腹状神経再生チューブとした。
(1)については、チューブ全長を70mmに切断し、右後肢腓骨神経に60mmの欠損を作製し、神経断端に接続して埋め込んだ。(2)については、チューブ全長を45mmに切断し、右後肢腓骨神経に35mmの欠損を作製し、神経断端に接続して埋め込んだ。
その後、経時的に超音波エコー検査を行いチューブの存在状態を確認した。(1)を埋め込んだ結果を図5に、および(2)を埋め込んだ結果を図6に示す。
その結果、埋め込み後4週間において、(1)は完全に潰れ内腔が閉塞したが、(2)は少しの潰れはあるものの内腔は閉塞しておらず、さらに5週間においても内腔は閉塞せず開存していた。
これらの結果から、組紐を蛇腹状に成形しキンク耐性と圧縮強度とを向上させたことで、PGAの強度が最低となる4週間時点でも内腔を開存させることができ、本発明の蛇腹状管腔構造体の優位性が示された。さらに、(2)については、6週間で内腔がほぼ閉塞した状態でも蛇腹状チューブの壁が、カプセル化組織を内側から支え、空間を確保していることから、PGAの分解吸収後には腔(トンネル)ができ、神経再生に効果的な場を提供できると考えられる。
1 送出装置、
2 芯材巻取ドラム、
3 芯材、
4 送出ガイドプーリー、
5 ギヤーボックス、
6 フライヤー駆動モーター、
7 フライヤー、
8 糸条巻取ボビン、
9 糸条、
10 芯材入り組紐、
11 巻取ガイドプーリー、
12 芯材入り組紐巻取ドラム、
13 巻取装置、
14 巻取装置駆動モーター。
15 キャリヤー、
16 キャリヤーの糸の出口。

Claims (6)

  1. 糸条を編組した組紐から成形されてなる蛇腹状神経再生チューブ
  2. 前記蛇腹状神経再生チューブの蛇腹部の山の高さは、前記蛇腹状神経再生チューブの内径に対して1〜40%である、請求項に記載の蛇腹状神経再生チューブ
  3. 前記糸条を形成する繊維が生分解性ポリマーから形成される繊維である、請求項1または2に記載の蛇腹状神経再生チューブ
  4. 糸条を編組して組角度が30〜85°である組紐を作製した後、外径が2mm以上の芯材を用いて前記組紐を長軸方向への圧縮と伸長とを繰り返して蛇腹状に成形し、前記組紐を長軸方向に再度圧縮することを含む、蛇腹状神経再生チューブの製造方法。
  5. 前記組紐を長軸方向に再度圧縮する際の圧縮量は、前記蛇腹状に成形する前の前記組紐の全長の70%未満である、請求項4に記載の蛇腹状神経再生チューブの製造方法。
  6. 請求項4または5に記載の製造方法により蛇腹状神経再生チューブを得た後、前記蛇腹状神経再生チューブの外部表面をコラーゲンで被覆し、さらに内部にコラーゲンを充填し、それを凍結乾燥し、熱脱水架橋することを含む、コラーゲン被覆蛇腹状神経再生チューブの製造方法
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