JP6186079B2 - 感染におけるベータノダウイルスの相互作用 - Google Patents

感染におけるベータノダウイルスの相互作用 Download PDF

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Description

本発明は、一般的には、キジハタ神経壊死症ウイルス(RGNNV)感染に関連した疾患に対する魚類の保護における使用のためのシマアジ神経壊死症ウイルス(SJNNV)に関する。別の態様において、本発明は、RGNNV感染に関連した疾患に対して魚類を保護する方法であって、魚類へSJNNVを投与することを含み、その場合、続いてRGNNVに曝露された魚類が、SJNNVの事前投与をせずにRGNNVに曝露された魚類と比較して、より少ないおよび/または低減した疾患の症状を有する、方法に関する。
ノダウイルス科、ベータノダウイルス属のウイルス(すなわちベータノダウイルス)は、世界中の様々な海生魚類および淡水魚類の種に感染し、魚類におけるウイルス性脳網膜症(VER)の病原体である。この疾患(ウイルス性神経壊死症(VNN)とも呼ばれる)は、著しい魚類死亡を引き起こし得る。
疾患を引き起こすベータノダウイルスはエンベロープに包まれておらず、それらのゲノムは2つの一本鎖のプラス鎖RNA分子(RNA1およびRNA2と示される)を含有する。感染細胞は3つのssRNA(RNA1、RNA2、およびRNA1に由来したサブゲノムのRNA3)を含有する。RNA2セグメント内のT4可変領域を使用してベータノダウイルスを4つの異なる遺伝子型(シマアジ神経壊死症ウイルス(SJNNV)、トラフグ神経壊死症ウイルス(TPNNV)、マツカワ神経壊死症ウイルスおよびキジハタ神経壊死症ウイルス(RGNNV))へと分類した(Nishizawa et al.1997)。名称のうちのNNV部分は神経壊死症ウイルスを指し、名称のうちのイニシャル部分はそれが単離された魚類を指す。これらは、タイプ種として公知のシマアジ種によるSJNag93単離体の特徴づけに基づき、認められた種となった(Iwamoto et al,2001)。他のもの(それはベータノダウイルス属のメンバーであり得るが、分離した種としてまだ承認されておらず、上でリストされた4つの認められた種のいずれかの変種であるかまたはそうでないだろう)には、大西洋タラ神経壊死症ウイルス、大西洋オヒョウノダウイルス、ヨーロピアンシーバス(Dicentrarchus labrax)脳炎ウイルス、ドラゴングルーパー(Dragon grouper)神経壊死症ウイルス、ヒトミハタ神経壊死症ウイルス、ヒラメ神経壊死症ウイルス、バラマンディ(Lates calcarifer)脳炎ウイルス、ヤイトハタ神経壊死症ウイルス、シーバス神経壊死症ウイルス、セネガルシタビラメ(Solea senegalensis)神経壊死症ウイルス、およびイシビラメノダウイルスが含まれる(Virus Taxonomy,2012)。
ベータノダウイルスの異なる遺伝子型は恐らく魚類の異なる宿主範囲に感染する。しかしながら、野外における単一の魚類内のSJNNVおよびRGNNVの共存は、野生のオオニベ(Argyrosomus regius)中で示された。RNA1およびRNA2の両方に基づいた遺伝子分析から、感染した魚類中での再集合体ウイルス(RGNNV/SJNNVおよびSJNNV/RGNNV)の存在も実証された。SJNNVからの1ゲノムRNA分子およびRGNNVからの1ゲノムRNA分子を含有するかかる再集合体ウイルス株または単離体は、セネガルシタビラメおよびヨーロッパヘダイから単離された。再集合体株は、疾患の臨床的なアウトブレイクに関連した。再集合体は、SJNNVおよびRGNNVによる同じ細胞の共感染をもたらし得る。SJNNVおよびRGNNV RNAの両方が同じ感染細胞中で共存し得ることをこの証拠は指摘するが、これがどのように複製および/もしくは子孫ウイルス産生に影響するか、またはこれがどのように疾患の症状を引き起こす能力に影響するか、何も知られてない。
SJNNVおよびRGNNVは、イベリア半島に生息する魚類種(ヨーロピアンシーバス(Dicentrarchus labrax)、セネガルシタビラメ(Solea senegalensis)、ヨーロッパヘダイ(Sparus aurata)、レッドバンディッドシーブリーム(Pagrus auriga)、ヨーロッパマダイ(Pagrus pagrus)、シャイドラム(Umbrina cirrosa)およびホワイトシーブリーム(Diploidus sargus)等)中で分離して検出された。
RGNNV遺伝子型は、地中海の領域において最も一般的なものであるように思われ、水産業(特にギリシャにおける)の破壊的な損失についての原因であった。ヨーロピアンシーバスの当分野における損失は最大60%であると報告されている。したがって、RGNNV感染の効果から魚類(特にタイ類(シーブリーム))を保護する手法についての緊急の必要性がある。
第1の態様において、本発明は、キジハタ神経壊死症ウイルス(RGNNV)感染に関連した疾患に対する魚類の保護における使用のためのシマアジ神経壊死症ウイルス(SJNNV)に関する。
好ましい実施形態において、SJNNVは、
i)SJNNV単離体SJNag93のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列と好ましくは少なくとも90%同一、より好ましくは少なくとも95%同一、特に好ましくは少なくとも97%同一、より特に好ましくは少なくとも99%同一である、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を備えたSJNNV、
またはii)単離体SJNag93に対する抗血清と血清学的に反応するSJNNV、
またはiii)SJNNV単離体SJNag93のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列と好ましくは少なくとも90%同一、より好ましくは少なくとも95%同一、特に好ましくは少なくとも97%同一、より特に好ましくは少なくとも99%同一である、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を備え、単離体SJNag93に対する抗血清と血清学的に反応するSJNNV
である。
さらに好ましい実施形態において、SJNNVのヌクレオチド配列またはアミノ酸配列のパーセンテージ同一性は、SJNNV単離体SJNag93のRNA2セグメント内のT4可変領域に対するものである。
より好ましい実施形態において、SJNNVのヌクレオチド配列のパーセンテージ同一性は、SJNag93 SJNNVのRNA2のヌクレオチド604〜1030の配列に対するものであるか、または、SJNNVのアミノ酸配列のパーセンテージ同一性は、SJNag93 SJNNVのRNA2によってコードされたタンパク質のアミノ酸204〜331、好ましくはSJNag93 SJNNVのRNA2によってコードされたタンパク質のアミノ酸223〜331、より好ましくはSJNag93 SJNNVのRNA2によってコードされたタンパク質のアミノ酸235〜315に対するものである。
好ましくは、SJNNVは、SJNag93、Jp/06/SJ、SJOri、SJ91Nag、SJ92Nag、SJ94NagおよびRS95Hir 3(好ましくはSJNag93)からなる群から選択される。
好ましい実施形態において、SJNNVは、少なくとも約1×10TCID50/魚類の量で魚類へ投与される。
同様に好ましくは、疾患に対する魚類の保護は、魚類の集団におけるRGNNV感染に起因する死亡の低減を伴う。
さらに好ましくは、魚類は、ヨーロピアンシーバス、セネガルシタビラメ、ヨーロッパヘダイおよびレッドバンディッドシーブリーム、ヨーロッパマダイ、ホワイトシーブリームおよび野生のオオニベ(好ましくはヨーロピアンシーバス)からなる群から選択される。
さらに好ましい実施形態において、RGNNVは、
i)RGNNV単離体ERV378/102−5/04と好ましくは少なくとも90%同一、より好ましくは少なくとも95%同一、特に好ましくは少なくとも97%同一、より特に好ましくは少なくとも99%同一である、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を備えたRGNNV、
またはii)単離体ERV378/102−5/04に対する抗血清と血清学的に反応するRGNNV、
またはiii)RGNNV単離ERV378/102−5/04のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列と好ましくは少なくとも90%同一、より好ましくは少なくとも95%同一、特に好ましくは少なくとも97%同一、より特に好ましくは少なくとも99%同一である、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を備え、単離体ERV378/102−5/04に対する抗血清と血清学的に反応するRGNNV
である。
好ましい実施形態において、RGNNVのヌクレオチド配列またはアミノ酸配列のパーセンテージ同一性は、RGNNV単離体ERV378/102−5/04のRNA2セグメント内のT4可変領域に対するものである。
さらに別の好ましい実施形態において、本発明は、魚類へSJNNVを投与することを含み、その場合、続いてRGNNVに曝露された魚類が、SJNNVの事前投与をせずにRGNNVに曝露された魚類と比較して、より少ないおよび/または低減した疾患の症状を有する、使用のためのSJNNVに関する。
別の態様において、本発明は、RGNNV感染によって引き起こされる魚類におけるウイルス性神経壊死症またはウイルス性脳網膜症に対する使用のためのSJNNVに関する。
さらに別の態様において、本発明は、RGNNV感染に関連した疾患に対して魚類を保護する方法であって、魚類へSJNNVを投与することを含み、その場合、続いてRGNNVに曝露された魚類が、SJNNVの事前投与をせずにRGNNVに曝露された魚類と比較して、より少ないおよび/または低減した疾患の症状を有する、方法に関する。
好ましい実施形態において、SJNNVを使用して、後にRGNNVに曝露された魚類(好ましくはシーバス)の死亡を、SJNNV、またはSJNNV単離体SJNag93と好ましくは少なくとも90%同一、より好ましくは少なくとも95%同一、特に好ましくは少なくとも97%同一、より特に好ましくは少なくとも99%同一であるウイルスを投与されていない魚類(好ましくはシーバス)と比較して、減少させる。
本発明の別の好ましい態様において、魚類(好ましくはシーバス)におけるRGNNV感染に関連した死亡率を低減する方法であって、魚類(好ましくはシーバス)にSJNNVを接種することを含み、その場合、続いて死亡を引き起こし得るRGNNVの株(複数可)に曝露された魚類(好ましくはシーバス)が、SJNNVを接種されずにRGNNVのその株(複数可)に曝露されたシーバスと比較して、低減した死亡率を有する、方法が提供される。
好ましくは、本発明に記載の方法において、RGNNVは魚類における死亡を引き起こし得る。好ましくは、SJNNVを投与し、続いてRGNNVに曝露された魚類は、SJNNVの事前投与をせずにRGNNVに曝露された魚類と比較して、より低い死亡も有する。
本発明の方法の好ましい実施形態において、魚類はSJNNVの投与後約6週間以内にRGNNVに曝露される。より好ましくは、魚類はSJNNVの投与後約3週間以内にRGNNVに曝露される。特に好ましくは、魚類はSJNNVの投与後約72時間以内にRGNNVに曝露される。より特に好ましくは、魚類はSJNNVの投与後約24時間以内にRGNNVに曝露される。別の好ましい実施形態において、SJNNVには単離体SJ93Nagが含まれる。さらに別の好ましい実施形態において、SJNNVおよびRGNNVは同じ種の魚類に感染することができ、好ましくはヨーロピアンシーバス、セネガルシタビラメ、ヨーロッパヘダイ、レッドバンディッドシーブリーム、ヨーロッパマダイ、ホワイトシーブリームおよび野生のオオニベが含まれる。本発明の方法の別の好ましい実施形態において、SJNNVの投与は、ウイルスを魚類に筋肉内注射もしくは腹膜注射すること、またはウイルスを含有する浴槽中に魚類を浸漬することによって行われる。本発明の方法のさらに別の好ましい実施形態において、魚類へ投与されるSJNNVの量は少なくとも約1×10TCID50/魚類である。より好ましくは、魚類へ投与されるSJNNVの量は、約1×10〜約1.5×10TCID50/魚類である。本発明の方法の好ましい実施形態において、SJNNVの投与は少なくとも1つのインターフェロン誘導遺伝子の転写発現の増加をもたらし、好ましくはインターフェロン誘導遺伝子にはMxが含まれる。好ましくは、本発明に記載の方法において、SJNNVを接種され、続いてRGNNVに曝露されたシーバスは、SJNNVの接種後約72時間以内において、低減された死亡率を有する。
本発明に記載の方法の好ましい実施形態において、SJNNVは、
i)SJNNV単離体SJNag93のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列と好ましくは少なくとも90%同一、より好ましくは少なくとも95%同一、特に好ましくは少なくとも97%同一、より特に好ましくは少なくとも99%同一である、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を備えたSJNNV、
またはii)単離体SJNag93に対する抗血清と血清学的に反応するSJNNV、
またはiii)SJNNV単離体SJNag93 SJNNVのヌクレオチド配列またはアミノ酸配列と好ましくは少なくとも90%同一、より好ましくは少なくとも95%同一、特に好ましくは少なくとも97%同一、より特に好ましくは少なくとも99%同一である、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を備え、単離体SJNag93に対する抗血清と血清学的に反応するSJNNV
である。
本発明に記載の方法の好ましい実施形態において、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列のパーセンテージ同一性は、SJNNV単離体SJNag93のRNA2セグメント内のT4可変領域に対するものである。
本発明に記載の方法のさらに好ましい実施形態において、RGNNVは、RGNNV単離体ERV378/102−5/04と好ましくは少なくとも90%同一、より好ましくは少なくとも95%同一、特に好ましくは少なくとも97%同一、より特に好ましくは少なくとも99%同一である、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列、
またはii)単離体ERV378/102−5/04に対する抗血清と血清学的に反応するRGNNV、
またはiii)RGNNV単離ERV378/102−5/04のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列と好ましくは少なくとも90%同一、より好ましくは少なくとも95%同一、特に好ましくは少なくとも97%同一、より特に好ましくは少なくとも99%同一である、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を備え、単離体ERV378/102−5/04に対する抗血清と血清学的に反応するRGNNV
を有する。
本発明に記載の方法の好ましい実施形態において、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列のパーセンテージ同一性は、RGNNV単離体ERV378/102−5/04のRNA2セグメント内のT4可変領域に対するものである。
本発明のさらに別の好ましい実施形態において、RGNNVは、RGNNV RNA1およびRNA2と好ましくは少なくとも90%同一、より好ましくは少なくとも95%同一、特に好ましくは少なくとも97%同一、より特に好ましくは少なくとも99%同一である、ヌクレオチド配列を有する。RGNNV RNA1の代表的な実施例は、アクセッション番号NC_008040.1下でGenbank中で見出せる。RGNNV RNA2の代表的な実施例は、アクセッション番号NC_008041.1下でGenbank中で見出せる。
好ましい実施形態において、ヌクレオチド配列のパーセンテージ同一性は、RGNNVのRNA2セグメント内のT4可変領域に対するものである。RGNNV RNA2の代表的な実施例は、アクセッション番号NC_008041.1下でGenbank中で見出せる。
別の態様において、本発明は、魚類におけるRGNNV感染の予防または治療における使用のためのSJNNVを含むワクチンに関する。さらに別の態様において、本発明は、RGNNV感染によって引き起こされる魚類におけるウイルス性神経壊死症またはウイルス性脳網膜症に対する魚類の保護における使用のためのワクチンであって、SJNNVを含むワクチンに関する。
好ましくは、前記ワクチンにおいて、SJNNVは、
i)SJNNV単離体SJNag93のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列と好ましくは少なくとも90%同一、より好ましくは少なくとも95%同一、特に好ましくは少なくとも97%同一、より特に好ましくは少なくとも99%同一である、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を備えたSJNNV、
またはii)単離体SJNag93に対する抗血清と血清学的に反応するSJNNV、
またはiii)SJNNV単離体SJNag93のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列と好ましくは少なくとも90%同一、より好ましくは少なくとも95%同一、特に好ましくは少なくとも97%同一、より特に好ましくは少なくとも99%同一である、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を備え、単離体SJNag93に対する抗血清と血清学的に反応するSJNNVである。より好ましくは、SJNNVのヌクレオチド配列またはアミノ酸配列のパーセンテージ同一性は、SJNNV単離体SJNag93のRNA2セグメント内のT4可変領域に対するものである。ワクチンの好ましい実施形態において、SJNNVは、少なくとも約1×10TCID50/魚類の量で魚類へ投与される。ワクチンの別の好ましい実施形態において、SJNNV RNA2は魚類へ投与される。好ましくは、さらに、SJNNVは、SJNNV RNA1およびSJNNV RNA2からなる。代替の実施形態において、SJNNVは、SJNNV RNA2であり、SJNNV RNA1を含まない。ワクチンの好ましい実施形態において、SJNNVは、熱殺菌されたかまたは化学的に不活性化されたSJNNVの形態である。典型的には、化学的に不活性化されたSJNNVは、アジリジン化合物(好ましくはバイナリーエチレンイミン)を使用して不活性化されたものである。好ましくは、SJNNVは、DNAワクチンまたはRNAワクチン(好ましくはRNAワクチン)の形態で投与される。本発明に記載のワクチンの別の好ましい実施形態において、魚類は、ヨーロピアンシーバス、セネガルシタビラメ、ヨーロッパヘダイおよびレッドバンディッドシーブリーム、ヨーロッパマダイ、ホワイトシーブリームおよび野生のオオニベ(好ましくはヨーロピアンシーバス)からなる群から選択される。好ましくは、さらに本発明に記載のワクチンにおいて、SJNNVは、SJNag93、Jp/06/SJ、SJOri、SJ91Nag、SJ92Nag、SJ94NagおよびRS95Hir 3(好ましくはSJNag93)からなる群から選択される。
別の態様において、本発明は、RGNNV感染に起因する魚類の死亡量を低減させるための組成物の製造におけるSJNNVの使用に関する。
さらに別の態様において、本発明は、細胞をSJNNVに感染させる前またはそれと同時に、細胞をRGNNVに感染させることを含む、細胞中のSJNNVの複製を阻害する方法に関する。
本発明のさらなる態様は、魚類をウイルスに感染させる方法であって、
a)魚類にSJNNVを投与する工程と;
b)RGNNVに魚類を曝露する工程と;
を含み、
前記魚類が、SJNNVを投与されずにRGNNVに曝露された魚類よりも、より少ないおよび/または低減したRGNNV感染に関連した症状を有する、方法に関する。
なおさらなる態様において、本発明は、細胞をRGNNVに感染させる前またはそれと同時に、細胞をSJNNVに感染させることを含む、細胞中のRGNNVの複製を刺激する方法に関する。
明細書中で援用され、明細書の一部を構成する添付の図面において、方法および組成物の実施形態またはそれらに関する実施形態が図示され、以下に与えられた詳細な記述と共に、実施例を記述する役目を果たす。図面中で図示された実施形態が限定のためではなく図示の目的のために示されることを認識されたい。以下に開示されるような図面中で図示された実施形態からの変化、修飾および偏向が本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに行なわれてもよいことを認識されたい。
異なるベータノダウイルス遺伝子型を5gの稚シーバスへ投与し、後続して魚類の死亡が起こる研究からの実施例データを図示する。 RGNNVの異なる株および接種物をシーバスへ投与し、後続して魚類の死亡が起こる研究からの実施例データを図示する。陽性対照はRGNNV単離体ERV378/102−5/04である。 RGNNV株を異なる重量のシーバスへ投与し、後続して魚類の死亡が起こる研究からの実施例データを図示する。 SJNNVを既に投与されたシーバスへRGNNV株を投与した研究(例えばSJNNVにより感染した魚類のRGNNV重複感染)からの実施例データを図示する。後続して魚類の死亡が起こった。 SJNNVにより感染した魚類がRGNNVにより重複感染した後に、RGNNVゲノムRNAを様々な時間で定量化する研究からの実施例データを図示する。各々のタイムポイントでの第1のカラムはRG対照群(群3)であり、各々のタイムポイントでの第2のカラムはSJ/RG群(群4)である。 SJNNVにより感染した魚類がRGNNVにより重複感染した後に、SJNNVゲノムRNAを様々な時間で定量化する研究からの実施例データを図示する。各々のタイムポイントでの第1のカラムはSJ対照群(群2)であり、各々のタイムポイントでの第2のカラムはSJ/RG群(群4)である。 SJNNVゲノムRNAを、(A)細胞をSJNNVおよびRGNNVにより共感染した後、(B)SJNNVにより感染した細胞をRGNNVにより重複感染した後、および(C)RGNNVにより感染した細胞をSJNNVにより重複感染した後に、様々な時間で定量化する研究からの実施例データを図示する。 RGNNVゲノムRNAを、(A)細胞をSJNNVおよびRGNNVにより共感染した後、(B)SJNNVにより感染した細胞をRGNNVにより重複感染した後、および(C)RGNNVにより感染した細胞をSJNNVにより重複感染した後に、様々な時間で定量化する研究からの実施例データを図示する。 SJNNV RNA1(配列番号:1)。タンパク質Aおよびタンパク質Bについてのシマアジ神経壊死症ウイルス遺伝子、完全なcds、ヌクレオチド配列。 SJNNV RNA1(配列番号:1)。タンパク質Aおよびタンパク質Bについてのシマアジ神経壊死症ウイルス遺伝子、完全なcds、ヌクレオチド配列。 SJNNV RNA1(配列番号:1)。タンパク質Aおよびタンパク質Bについてのシマアジ神経壊死症ウイルス遺伝子、完全なcds、ヌクレオチド配列。 SJNNV RNA1(配列番号:2)。タンパク質Aのアミノ酸配列 SJNNV RNA1(配列番号:3)タンパク質Bのアミノ酸配列。 SJNNV RNA2(配列番号:4)。外殻タンパク質についてのシマアジ神経壊死症ウイルス遺伝子、完全なcds、ヌクレオチド配列。 SJNNV RNA2(配列番号:5)。外殻タンパク質のアミノ酸配列。
本明細書において、「SJNNV」は、シマアジ神経壊死症ウイルス種または遺伝子型のベータノダウイルスを意味する。本明細書において開示されるSJNNVウイルスは、一般的には、RGNNV種または遺伝子型のいくつかのウイルスと同じ細胞の少なくともいくつかに、感染または少なくとも吸着することができる。SJNNV単離体の実施例には、SJ93Nag、Jp/06/SJ、SJOri、SJ91Nag、SJ92Nag、SJ94NagおよびRS95Hirが含まれるが、これらに限定されない。SJNNVの好ましい実施例は、単離体SJ93Nagである(Genbank配列AB056571を参照、図9:配列番号:1(RNA1:タンパク質A、タンパク質Bについてのウイルス遺伝子)、図10a:配列番号:2:タンパク質Aのアミノ酸配列[シマアジ神経壊死症ウイルス]GenBank:BAB64329、図10b:配列番号:3:タンパク質Bのアミノ酸配列[シマアジ神経壊死症ウイルス]GenBank:BAB64330、図11:配列番号:4:外殻タンパク質についてのシマアジ神経壊死症ウイルス遺伝子、完全なcds、GenBank:AB056572、図12:配列番号:5:外殻タンパク質についてのシマアジ神経壊死症ウイルス遺伝子のアミノ酸配列、完全なcds、GenBank:BAB64331)。
本明細書において、「RGNNV」は、キジハタ神経壊死症ウイルス種または遺伝子型のベータノダウイルスを意味する。本明細書において開示されるRGNNVウイルスは、一般的には、SJNNV遺伝子型のいくつかのウイルスと同じ細胞の少なくともいくつかに感染または少なくとも吸着することができる。RGNNV単離体の実施例には、ERV378/102−5/04、SpDI−IAusc1688.08、Mt/01/Sba、Gr/02/Sba、Gr/12/Sba、Pt/08/Sba、It/23/Sba、It/24/Sdr、It/19/Sba、Jp/15/Rp、Th/07/Bgr、Sg/14/Bar、Sp/20/Sba、Gr/16/Sba、SGWak97、SGMie95、RGOka94、JSOit98、KGOit97、HG0001、BGThA99、SBGre96、WSBUS99A、WSBUS99B、BAus94、JFHir92、JFHir96、JF93Hir、MR94Tha、RG94Oka、JF94Wak、JF95Oit、RG91Tok、SB95Ita、SG94Oit、JF95Tok、JS95Shi、JF95Sag、PA94OitおよびKG95OItが含まれるが、これらに限定されない。RGNNV単離体の好ましい実施例は、ERV378/102−5/04またはSpDI−IAusc1688.08(特に好ましくはERV378/102−5/04)である。
本明細書において、「魚類」は、一般的には、SJNNVおよびRGNNVに感染し得る魚類の種を指す。これらの種には、ヨーロピアンシーバス、セネガルシタビラメ、ヨーロッパヘダイ、レッドバンディッドシーブリーム、ヨーロッパマダイ、ホワイトシーブリーム、シャイドラムおよび野生のオオニベが含まれ得るが、これらに限定されない。
本明細書において、「引き起こし得る」は、一般的にウイルスを指す時に、少なくとも特定の病態または状況下でウイルスが規定された効果(例えば症状および/または疾患および/または死亡)をもたらし得ることを意味する。
本明細書において、「症状」は、一般的には健全な動物にとっては正常でないと考えられる動物のまたは動物において観察可能なおよび/または測定可能な特徴を指す。症状は疾患を暗示し得る。本明細書において、動物は一般的には魚類であり、症状は、正常または健全な特徴であると考えられるものとは異なる魚類の特徴の変化(例えば物理的変化、行動変化など)であり得る。本明細書において、症状は、ウイルス感染に起因すると考えられるか、またはウイルス感染によって引き起こされると判断することができる。例えば、ベータノダウイルスは魚類におけるウイルス性神経壊死症(VNN)の原因であり得る。VNNの症状には、中枢神経系(CNS)における網膜の細胞中の空胞形成および中枢神経系ニューロン変性、食欲不振症、ならびに色素形成、視力、膀胱制御および遊泳挙動の異常が含まれ得る。ベータノダウイルスによって引き起こされたVNNは、感染した魚類の死をもたらし得る。したがって死亡はVNNの結果として参照することができるが、死亡をVNNの症状であると判断することができる。症状は、他の用語(臨床的徴候、疾患の現われおよび同種のもの等)の使用を参照することができる。
本明細書において、「症状の低減」、「死亡の低減」、「死亡率の低減」、および同種のものは、一般的には、異なる魚類または異なる魚類の群における特性の比較を指し、魚類の1つの群中で観察された特性の程度は、別の群中で減少または低減される。一般的に、減少は作用または特徴に帰着することができる。本明細書において、例えば、RGNNVにより感染した魚類の集団は、一般的にはRGNNV感染に起因する症状を示すだろう。測定可能な数の感染した魚類が死亡するだろう。比較可能な集団において、症状を示すかまたは死亡する魚類の数は、魚類がRGNNV感染の前にSJNNVを投与された場合、SJNNVを投与されなかった群よりも低いだろう。この状況において、SJNNVの事前投与は、RGNNVによって引き起こされる症状またはRGNNVに関連した症状および/もしくは死亡を低減させたと言える。症状および死亡のような特性の低減は、SJNNV投与に起因して、RGNNVに関連した疾患またはRGNNVによって引き起こされる疾患からの保護を指摘することができる。
本明細書において、「投与すること」または「接種すること」は、一般的にはウイルスならびに魚類および/または細胞とのそれらの相互作用を指す時に、ウイルスが魚類中の細胞またはインビトロで培養された細胞に感染または少なくとも吸着できるように、ウイルスが魚類または細胞へ意図的に与えられるか、適用されるか、または導入されることを意味する。ウイルスを投与するまたは接種する1つの方法は、魚類の体の中へのウイルスの注射による。
本明細書において、「〜への曝露」または「〜へ曝露される」は、一般的には、ウイルスが動物の細胞を感染する可能性または機会があるように、動物(例えば魚類)が病原菌(例えばウイルス)へ近接している状況を指す。
本明細書において、「続いて投与すること」または「続いて接種すること」は、一般的にはウイルスが他のいくつかの事象が起こった後の時点で魚類へ投与される状況を指す。一実施例において、1つのウイルス(例えばRGNNV)は、異なるウイルス(例えばSJNNV)が魚類へ投与された後の時点で、魚類へ投与される。この状況において、RGNNVは、SJNNVのより早い投与に関連して「続いて投与される」と言える。
本明細書において、「感染」は、ウイルスが宿主細胞と相互作用し増倍するか、または追加のウイルスが産生されるように宿主細胞内で少なくとも増倍する機会を有するプロセスを指す。感染プロセスは、様々なステージで中断またはブロックすることが可能である。感染プロセスが中断またはブロックされる場合に、追加のウイルスの産生は阻害または低減され得る。
本明細書において、「共感染」は、一般的には、異なるウイルス(例えばSJNNVおよびRGNNV)が、およそ同じ時間または同時に同じ宿主細胞と相互作用するプロセスを指す。一実施例において、2つの異なるウイルスによる細胞の共感染は、宿主細胞の内部で両方のウイルスからのゲノムの共存をもたらす。
本明細書において、「重複感染」は、2つのウイルスがおよそ異なる時間で同じ宿主細胞と相互作用する状況を指す。例えば、SJNNVによる細胞の感染が開始できるように細胞がSJNNVに曝露され、ある程度の後の時間で、RGNNV感染が開始できるように細胞はRGNNVに曝露される例において、SJNNVは「感染」ウイルスであると言え、RGNNVは「重複感染」ウイルスであると言える。重複感染は一般的にはしたがって、ウイルスによる細胞の感染を指し、そこで細胞は以前にウイルスに感染している。感染ウイルスは重複感染ウイルスの前に細胞に感染したと言える。重複感染ウイルスは感染ウイルスに続いて細胞に感染したと言える。
本明細書において、「複製」は、一般的にはウイルスゲノムが宿主細胞の内部において再産生されるプロセスを指す。一般的に、複製は感染の間に起こる事象のサブセットを含む。
本明細書において、「再集合体」は、一般的には、少なくとも2つのゲノムセグメントの起源が同じでないウイルスに帰着することができる多分割ゲノム(例えば複数のセグメント中のゲノム)を備えたウイルスを指す。例えば、SJNNVを起源とした1つのゲノムRNA分子およびRGNNVを起源とした第2のゲノムRNA分子を有すると思われるベータノダウイルスが公知である。
本明細書において、「転写発現」は、遺伝子のDNAコピーからのRNAの合成を指す。一実施例において、細胞内の特異的遺伝子によってコードされたRNAの定常状態レベルを測定し、転写のレベルでの遺伝子の発現の調節の推測に使用することができる。一実施例において、遺伝子によってコードされたRNAのレベルは細胞の異なる集団において測定され、RNAレベル中の差異はその遺伝子の転写率の変化に起因する。
本明細書において開示されるものは、魚類またはインビトロの細胞の感染におけるベータノダウイルス間の相互作用、およびその相互作用の効果である。記述されたベータノダウイルスは、一般的にはSJNNV種のウイルスおよびRGNNV種のウイルスである。一実施例において、SJNNVによる魚類の感染は、事前のSJNNV感染がない場合のRGNNVの疾患/症状/効果と比較して、重複感染RGNNVの疾患、疾患の症状、疾患の効果、および同種のものを低減または減退させることができる。
RGNNVの重複感染に対するSJNNV感染の効果は、魚類の多様な種において観察され得る。一般的に、魚類は、SJNNVおよびRGNNVによって感染することができる任意の種を含む。いくつかの実施例には、ヨーロピアンシーバス(Dicentrarchus labrax)、セネガルシタビラメ(Solea senegalensis)、ヨーロッパヘダイ(Sparus aurata)、レッドバンディッドシーブリーム(Pagrus auriga)、ヨーロッパマダイ(Pagrus pagrus)およびホワイトシーブリーム(Diploidus sargus)が含まれる。
一般的に、SJNNVは、RGNNVも感染することができる魚類種に感染することができるSJNNVであり得る。一実施例において、感染SJNNVは、重複感染RGNNVよりも少ないかまたは重度でない症状を引き起こし得る。一実施例において、SJNNVはSJ93Nag株または単離体であり得る(Iwamoto et al,2001)。他のSJNNV単離体には、SJOri、SJ91Nag、SJ92Nag、SJ94NagおよびRS95Hirが含まれ得る。
「抗血清との血清学的な反応」は、当技術分野において周知の方法によって試験することができる。血清学的交差反応の検出のための試験の実施例は、ELISA、血球凝集抑制(HI)、血清中和(SN)アッセイ、交差中和試験およびウイルス中和試験である。好ましい実施例は交差中和試験である。ノダウイルス単離体についての抗血清との血清学的な交差反応の試験に使用される方法論については、Mori et al.,2003、p21を参照されたい。
SJNNVはシマアジ魚類の疾患のある仔魚から精製され、例えばRNAは、Nishizawa et al 1995,p1564によって記述されるような当該技術分野において周知の方法によって抽出することができる。
本発明に記載のSJNNV遺伝子型内に属するようなRNAウイルスの同一性は、Nishizawa et al.,1997、特に1635ページ、ならびにNishizawa et al.,1995およびSkiliris et al.、64ページによって記述されるように、RNA2のヌクレオチド604〜1030、またはアミノ酸レベルaa204〜331、好ましくは223〜331、より好ましくは235〜315での外殻タンパク質遺伝子配列の可変領域との比較によって確立することができる。
SJNNVについての感染性RNA転写は、SJNNVの公知の配列に基づいて、当技術分野において周知の方法によって代わりに行うことができる(配列番号:1〜5を参照)。これは、Iwamoto et al.2001、p2654〜2656中で詳細に記述される。
一般的に、RGNNVは、SJNNVにも感染し得る魚類種に感染し得る。一実施例において、RGNNVは、感染した魚類において症状および/または疾患を引き起こす。一実施例において、RGNNVは、感染した魚類において死亡を引き起こし得る。実施例RGNNV株または単離体は、ERV378/102−5/04(Lopez−Jimena et al.,2011)である。
ベータノダウイルスは多様な方法によって繁殖させることができる。例えば、ウイルスは培養細胞中で増殖することができる。多様な培養細胞を使用することができる。いくつかの実施例細胞株には、E−11細胞株(ECACC、ナンバー01110916;Iwamoto et al.,2000)、SAF−1細胞(ECACC、ナンバー00122301;Aquaculture 150:143−153,1997)およびSSN−1細胞(J.Gen.Virol.77,2067−2071,1996)が含まれる。ウイルスを繁殖させるための技法は当分野において周知である。
SJNNVを含むウイルスの投与は、多様な技法を使用して魚類に対して行うことができる。例えば、SJNNVを魚類種の仔魚および/または稚魚へ投与することができる。SJNNVを成魚または成熟魚へ投与することができる。一実施例において、魚類は重さ約2.5g〜10gである。SJNNVの投与の経路は変動し得る。実施例には、筋肉内注射、腹腔内投与、飼料中で経口的に投与すること、ウイルスを含有する浴槽中での魚類の浸漬、および他が含まれる。
一般的に、魚類へ投与されるSJNNVの量は、RGNNVによって引き起こされ得る症状(死亡が含まれる)を低減する量である。ウイルスの「量」は多様な技法によって決定することができる。一般的に、ウイルスの感染活性を測定するアッセイを使用することができる。一実施例において、感染性ウイルスはTCID50の決定によって測定することができる。追加の方法を使用することができる。投与されたSJNNVの量は、10、10、10、10、10またはそれ以上のTCID50/魚類であり得る。一実施例において、魚類へ投与されるSJNNVの量は少なくとも約1×10TCID50/魚類である。一実施例において、魚類へ投与されるSJNNVの量は、約1×10〜1.5×10TCID50/魚類である。魚類へ感染させた実施例体積は、10、20、50、100、150、200、250または500μlであり得る。一実施例において、体積は約10〜200μlである。別の実施例において、50または100μlが注射される。
魚類への投与のためのウイルスの製剤化は、多様な方法を使用して行うことができる。一般的に、製剤は、ウイルスが魚類へ投与される時間までウイルスの感染性を持ち続けるだろう。一実施例において、ウイルスは生物学的緩衝液中で製剤化することができる。
RGNNVによって引き起こされる魚類における症状の低減に対するSJNNVが有する効果は、一般的には持続的であり得る。例えば、SJNNVを投与された魚類は、SJNNVの投与後の様々な時間で続いて起こるRGNNV感染に起因する症状の低減を示し得る。様々な実施例において、SJNNVを投与された魚類は、SJNNVを投与されない魚類と比較して、SJNNVの投与後の6、5、4、3、2または1週間の間、続いて起こるRGNNV感染に起因する症状を低減し得る。低減された症状は、SJNNV投与後に6、5、4、3、2または1日後の継続期間を有することができる。低減された症状は、SJNNVの投与後に96、72、48、24、12または6時間の継続期間を有することができる。
RGNNVに関連した疾患および/または死亡に対するSJNNVの効果についての作用メカニズムは信頼されないかまたは提供されていない。魚類および/または魚類の細胞もしくは魚類からの細胞の感染が、インターフェロンによって調節されることが公知である1つまたは複数の遺伝子の発現の変化をもたらし得るか、または変化に関連し得ることを、実施例の結果が指摘することが単に開示される。一実施例において、SJNNVによる魚類の感染は、1つまたは複数のインターフェロン誘導遺伝子からの定常状態RNAのレベルの増加に関連する。一実施例において、インターフェロン誘導遺伝子はMxであり得る。一実施例において、SJNNVは、インターフェロン誘導遺伝子からの転写の増加に関連する。
一実施例において、SJVVN前のまたは同時のRGNNVによる細胞の感染は、細胞中のSJNNVの複製の阻害をもたらし得る。RGNNVにより感染した細胞のSJNNV重複感染は、SJNNVのゲノム複製の阻害を引き起こし得る。細胞のRGNNVおよびSJNNV共感染は、SJNNVのゲノム複製の阻害を引き起こし得る。
一実施例において、RGNNV前または同時のSJNNVによる細胞の感染は、細胞中のRGNNVの複製の刺激をもたらし得る。SJNNVにより感染した細胞のRGNNV重複感染は、RGNNVのゲノム複製の刺激を引き起こし得る。細胞のSJNNVおよびRGNNV共感染は、RGNNVのゲノム複製の刺激を引き起こし得る。
実施例は実施例の例証の目的のためであり、限定の例証として解釈するべきできない。
実施例1−ベータノダウイルス、細胞株およびウイルス増殖
ウイルス単離体のERV378/102−5/04(RGNNV遺伝子型;Lopez−Jimena et al,2011)、SpDI−IAusc1688.08(RGNNV遺伝子型;Olveira et al,2009)、SJ93Nag(SJNNV遺伝子型、Iwamoto et al,2001)およびSpSs−IAusc160.03(RGNNVタイプRNA1およびSJNNVタイプRNA2による再集合体;Olveira et al,2009)を、Lopez−Jimena et al.,2011に従って、E−11細胞株(European Collection of Cell Cultures、イギリス、カタログ番号01110916)(Iwamoto et al.,2000)上で25℃で増殖させた。細胞は、ウイルス接種の前にセミコンフルエントになるまで、1%ペニシリン−ストレプトマイシン(Invitrogen)および5%ウシ胎仔血清を補足したLeibovitz(L−15)培地(Invitrogen)中で25℃で増殖させた。ウイルス力価は、記述されるように(Tissue Culture:Methods and Applications;Kruse and Patterson編;527〜532ページ、Academic Press、New York、1973年)、接種した培養の50%において細胞変性効果を引き起こす最も高い希釈(TCID50)の使用によって決定された。
実施例2−シーバス
ヨーロピアンシーバス(Dicentrarchus labrax)を21〜25℃で維持した。示された重量のシーバスに、筋肉内(i.m.)注射によってウイルスを接種した(0.1mlのL−15培地を対照接種物として対照のために使用した)。他の研究において、シーバスをウイルスを含有する浴槽中での魚類の浸漬によって接種した(L−15培地を接種物として対照のために使用した)。
実施例3−いくつかのRGNNV株によって引き起こされるシーバスの死亡
2.5gの平均重量のヨーロピアンシーバスを、1.0×10、2.5×10、1.0×10または1.0×10TCID50/魚類のウイルス単離体SpDI−IAusc1688.08(RGNNV遺伝子型)によりi.m.注射した。魚類を、2.5×10TCID50/魚類のウイルス単離体ERV378/102−5/04 RGNNV遺伝子型により同様に注射した(図2中で陽性対照としてリストされた)。ERV378/102−5/04単離体は、この研究において69%の累積死亡率を引き起こした。
別の実験において(Lopez−Jimena et al.,2011)、i.m.注射によって10TCID50のERV378/102−5/04 RGNNV単離体により攻撃接種された稚ヨーロピアンシーバス(平均重量10±0.3g;n=100)において、累積魚類死亡が37%であったことが示された。細胞培養接種によって死んだ魚類からの組織ホモジネート(脳および眼)の分析から、分析されたすべてのサンプル中でRGNNVの存在が実証された。ウイルスの同一性はRT−PCRを使用して続いて確認された。
実施例4−異なるベータノダウイルス遺伝子型および魚類死亡
5gの重量のシーバスは、以下のVNN単離体、SJ93Nag(SJNNV遺伝子型)、単離体ERV378/102−5/04(RGNNV)およびSpSs−IAusc160.03(RGNNV RNA1およびSJNNV RNA2の再集合体)によりi.m.攻撃接種された。0.1mlの体積のL−15培地を対照群中に注射したが、2.5×10TCID50/魚類の異なるウイルスの用量を使用した。温度は毎日測定し、およそ22〜25℃で維持した。VNNの典型的な症状および死亡は、RGNNV(47%の累積死亡)および再集合体(33%の累積死亡)を接種された魚類においてのみ記録された。死亡はSJ93Nagまたは対照群からは記録されなかった(図1)。
実施例5−生存魚類中の抗VNNV抗体の決定
実施例4からの5匹の生存魚類の血清をプールし、3プールを特異的抗ベータノダウイルス抗体を検出するためにELISAによってスクリーニングした。ELISAプレートを、SJ93Nag(SJNNV遺伝子型)、SpSs−IAusc160.03(RGNNV RNA1/SJNNV RNA2の再集合体)またはRGNNV(Lopez−Jimena et al.,2011)のいずれかによりコーティングし、プールした血清(1/32希釈)を三重分析した。光学的密度(OD)を450nmで決定した。陰性対照ウェル(魚類血清の代わりにPBS)のOD平均(3回の反復)を、カットオフ閾値として考慮した。
表1は3つの重複測定の平均OD値および標準偏差(SD)を示す。カットオフ閾値は0.305であった。
高レベルのウイルスゲノムおよび感染性ウイルス粒子は、SJNNV単離体を接種された生存魚類の脳において記録されたが、死亡または臨床的徴候はなかった。間接的ELISAによって測定された特異的抗体反応は、それぞれRGNNV、SJNNVおよび再集合体を接種した魚類について1/1024、1/4096および1/8192の力価で、VNN接種群においてのみ観察された。
実施例6−死亡に対するシーバスサイズの効果
2.5gの平均重量のヨーロピアンシーバスを、2.5×10TCID50/魚類のウイルス単離体ERV378/102−5/04(RGNNV遺伝子型)によりi.m.注射した。魚類の死亡を毎日記録した。RGNNVのERV378/102−5/04単離体は、69%の累積死亡率を引き起こした。実施例4において言及されるように、平均重量5gのシーバスへの同じ接種は、47%の累積死亡をもたらした。2.5および5gの魚類についてのデータを図3中で示す。第3のトライアルにおいて、平均重量10gのシーバスへの10TCID50の同じウイルスの接種は、37%の死亡をもたらした。したがって、魚類サイズはRGNNV遺伝子型による感染についての死亡率と逆相関する。
実施例7−魚類における重複感染実験
シーバスが以前にSJNNVにより感染されている場合にRGNNVにより感染したシーバスにおける疾患の経過をモニターするために、研究が行われた。
稚ヨーロピアンシーバス(平均重量10〜15g)を、以下の600Lの4つの分離したタンクの中へ分配した。無感染の対照群(n=150):時間0および再び24時間後にL−15培地(0.1ml)によりi.m.注射した;
1)無感染の対照群(n=150):時間0および25時間後に0.1mlのL−15培地によりi.m.注射した;
2)SJNNV感染対照群(n=150):時間0に1.5×10TCID50のSJNNV(単離体SJ93Nag)および24時間後にL−15培地(0.1ml)によりi.m.注射した;
3)RGNNV感染対照群(n=150):時間0にL−15培地(0.1ml)および24時間後に1.5×10TCID50のRGNNV(単離体ERV378/102−5/04)によりi.m.注射した;
4)重複感染した群(n=150):時間0に1.5×10TCID50のSJNNV(単離体SJ93Nag)、次いで24時間後に1.5×10TCID50のRGNNV(単離体ERV378/102−5/04)によりi.m.注射した。
各々の実験群から、50匹の魚類を、累積死亡を決定する使用のために分離して飼育した。残りの100匹の魚類をサンプリングのために使用した(実施例8〜10におけるデータを参照)。水温はトライアルの経過にわたって22〜24℃で維持した。死亡は毎日記録し、死んだ魚類は後のウイルス試験における使用のために−80℃で凍結した。
無感染対照群(群1)に加えてSJNNV感染対照群(群2)については、死亡は観察されなかった(図4)。
RGNNV接種対照群(群3)については、死亡は感染後約6日で最初に検出された。死亡は感染後15日に約76%で安定化した。
重複感染した群(群4)において、魚類は黒ずんだ色彩および異常な遊泳行動を示したが、2匹の動物のみが死亡した(4%の累積死亡)。この群において、SJNNV感染は、RGNNVが事前のSNJJV感染のない魚類に感染した場合(群3)に観察された死亡を劇的に低減させた。
実施例8−重複感染実験において死んだRGNNV感染魚類からのウイルス
実施例7中で記述された実験からのRGNNV感染対照群(群3)の死んだ魚類を、ウイルスの存在についてアッセイした。感染後6日目および12日目に死んでいることが見出された魚類からの脳および眼の組織をプールし、1%ペニシリン−ストレプトマイシンおよび2%ウシ胎仔血清を補足した20%(w/v)L−15培地中でホモジナイズした。ホモジネートは、4℃で10%ペニシリン−ストレプトマイシンにより一晩処理した。次いでホモジネートを7,500×gで4℃で15分間2回遠心分離し、100μlの上清をE−11細胞に対するウイルス力価測定のために使用してTCID50を決定した。データを表2中で示す。
これらのデータから、ウイルスが死んだ魚類から単離できたことが指摘される。
実施例9−重複感染実験におけるSJNNV感染RGNNV重複感染魚類からのウイルスゲノムの定量化
実施例7中で記述された実験からの重複感染した群(群4)の魚類におけるウイルスゲノムの定量化を行った。9匹の生きている魚類を、RGNNV重複感染の12時間、3日、および7日後に群4からランダムに集めた。魚類を麻酔薬(MS−222、Sigma)の過剰用量によって屠殺し、各々のタイムポイントで3匹の魚類からの脳および眼を一緒にプールし、液体窒素中で直ちに凍結し、使用するまで−80℃で貯蔵した。
プールした器官は、1%ペニシリン−ストレプトマイシンおよび2%FBSを補足したL−15培地(20%w/v)中でホモジナイズした。ホモジネートを7,500×gで4℃で15分間2回遠心分離した。体積200μlの3つの清澄にしたホモジネートを、すべてのサンプリング時間で、全RNA抽出のために使用した。
RNA抽出はトリゾール(登録商標)(Invitrogen)を使用して行った。得られたRNA濃度は、ND−1000システム(NanoDrop Thermo Scientific)を使用して、260nmで決定した。RNAは使用するまで−80℃で保存した。
RNAからのcDNAの合成はTranscriptor First−Strand cDNA Synthesisキット(Roche)を使用して行った。cDNA濃度はND−1000システムを使用して260nmで決定した。cDNAは使用するまで−20℃で保存した。
ウイルスゲノムは、RGNNVのRNA2セグメントおよびSJNNV遺伝子型を分離して検出する、SYBR Green Iベースの絶対リアルタイムPCR(qPCR)プロトコルを使用して定量化した。具体的には、RGNNV RNA2は、既に記述された手順を使用して定量化した(Lopez−Jimena et al.,2011)。SJNNV RNA2セグメントは、既に記述されたPCR条件(Lopez−Jimena et al.,2011)を使用してT4領域内の75bp断片(GenBankアクセッション番号D30814)を増幅するプライマー、SJ−RNA2−F(5’−GACACCACCGCTCCAATTACTAC−3’、ヌクレオチド665〜687)(配列番号:6)およびSJ−RNA2−R(5’−ACGAAATCCAGTGTAACCGTTGT−3’、ヌクレオチド739〜717)(配列番号:7)を使用して定量化した。
接種後の異なる時間での各々のウイルスゲノムセグメントのコピー数の間の有意な差は、一元配置ANOVA、後続してFisherの最小有意差(LSD)検定によって計算した。統計的分析はIBM SPSS統計ソフトウェアを使用して行った。p<0.05の値が有意であると判断された。
RGNNVゲノムの定量化については、データ(図5)から、RGNNV接種対照群(群3)と比較して、RGNNVによる重複感染(SJNNV感染の8日後)の7日後に、重複感染した群(群4)中でRGNNV複製が有意に減少することが示された(図5)。
これとは対照的に、重複感染した群(群4)中のSJNNV複製を、SJNNV感染対照群(群2)に比較した場合には、有意な差は観察されなかった(図6)。
実施例10−重複感染実験におけるインターフェロン(IFN)誘導遺伝子の発現
実施例7中で記述された実験からの魚類を、リアルタイムRT−qPCRを使用して、IFN誘導遺伝子Mxの転写発現について試験した。データから、感染後0〜48時間のRGNNV感染対照群(群3)からの魚類においてMxの転写発現がないことが示された。これとは対照的に、Mx転写発現は、SJNNV感染対照群(群2)および重複感染した群(群4)からの魚類において増加した。これらのデータから、SJNNVによる魚類の感染がIFN誘導遺伝子(Mx)を誘導するが、RGNNVは誘導しないことが指摘される。これらの結果から、SJNNVによる以前の感染によってIFN媒介性システムを誘導することが、RGNNVによる後の感染の効果からシーバスを保護して、重複感染した群において記録された死亡の減少についての原因であり得ることが示唆される。
実施例11−培養細胞における重複感染実験
各々のウイルスの複製および増倍に対するSJNNVおよびRGNNVの共存の効果を調査する研究を行った。感染した細胞中のウイルスゲノムコピー数、および感染した細胞によって産生された感染性ウイルス粒子の産生を決定した。E−11細胞を24ウェルプレート中で増殖させた。2代目の継代の細胞単層は、二重で、25℃(SJNNVおよびRGNNVの両方の増倍にとって至適温度)で0.1の感染多重度で感染させた。実験群は以下の表3中で示される通りであった。各々の実験群において、非接種E−11細胞は対照として含まれた。
表3中で示された時間で、細胞および上清の両方を各々の実験群の2つのウェルから集めた。陰性対照は実験の終了時に収集した。全RNAは、実施例9中で記述されたように、トリゾール(登録商標)を使用して細胞から抽出した。cDNAは、製造者の使用説明書に従って、SuperScript(商標)II First−Strand Synthesis System(Invitrogen)をRT−PCRのために使用し、各々の反応中にランダムヘキサマー(50ng)および1μgの全RNAを添加して合成された。ウイルスゲノムをSYBR Green Iベースの絶対リアルタイムPCR(qPCR)を使用して定量化し、実施例9中でも記述されたようにデータを分析した。
ウイルス力価を決定するために、複数の無細胞上清を力価測定してTCID50を決定した(実施例1)。群3〜5において、中和アッセイは、以下のポリクローナル抗体(1%ペニシリン−ストレプトマイシンを補足したL−15培地中で1/100希釈)、(i)RGNNV遺伝子型を中和する抗NNVab26812(Abcam)、および(ii)SJNNVを中和するウサギで作製した抗SJNNV抗体(T.Nakai博士、University of Hiroshima、日本)を使用して、ウイルス力価測定の前に行った。
図7は、感染した細胞中のSJNNV RNA2のコピー数の測定を示す。図7Aは、SJNNV感染対照群(群1)中のSJNNVコピー数と比較した、SJNNV+RGNNV共感染群(群3)中のSJNNVコピー数を示す。図7Bは、SJNNV感染対照群(群1)中のコピー数と比較した、SJNNVを感染して24時間後にRGNNVを共感染した群(群4)中のSJNNVコピー数を示す。図7Cは、SJNNV感染対照群(群1)中のコピー数と比較した、RGNNVを感染して24時間後にSJNNVを共感染した群(群5)中のSJNNVコピー数を示す。バーは2つの異なるサンプルの標準偏差を示す。統計的に有意な変化(p<0.01)は星印によって表わされる。
図8は、感染した細胞中のRGNNV RNA2のコピー数の測定を示す。図8Aは、RGNNV感染対照群(群2)中のRGNNVコピー数と比較した、SJNNV+RGNNV共感染群(群3)中のRGNNVコピー数を示す。図8Bは、RGNNV感染対照群(群2)中のコピー数と比較した、SJNNVを感染して24時間後にRGNNVを共感染した群(群4)中のRGNNVコピー数を示す。図8Cは、RGNNV感染対照群(群2)中のコピー数と比較した、RGNNVを感染して24時間後にSJNNVを共感染した群(群5)中のRGNNVコピー数を示す。バーは2つの異なるサンプルの標準偏差を示す。統計的に有意な変化(p<0.01)は星印によって表わされる。
これらの実験からのデータにより、SJNNVおよびRGNNVにより感染した細胞において、i)SJNNVゲノム複製はRGNNVの存在下において部分的に阻害された;ii)RGNNVゲノム複製はSJNNVの存在において刺激された、およびiii)ゲノム複製に対するこれらの効果は感染性ウイルスの産生と相関しなかったことが示された。
RGNNVによるSJNNV複製の阻害を示すデータは、以下の通り記述される。共感染群(群3)において、データ(図7A)から、対照群(群1)と比較して、12および48時間のタイムポイントでSJNNVゲノムコピー数が減少することが示された。このことは、RGNNV感染細胞をSJNNVにより24時間後に重複感染させた(群5)実験においてより明らかであった。その実験において、データ(図7C)から、対照群(群1)と比較して、0、12、48、72および96時間のタイムポイントでSJNNVゲノムコピー数が減少することが示された。SJNNVゲノムコピー数のこれらの減少は、細胞によって産生されたSJNNVウイルスの力価と明確に相関していなかった。
SJNNVによるRGNNV複製の刺激を示すデータは、以下の通り記述される。共感染群(群3)において、データ(図8A)から、対照群(群2)と比較して、24、48および72時間のタイムポイントでRGNNVゲノムコピー数が増加することが示された。このことは、SJNNV感染細胞をRGNNVにより24時間後に重複感染させた(群4)実験においてより明らかであった。その実験において、データ(図8B)から、対照群(群2)と比較して、0、12、24および48時間のタイムポイントでRGNNVゲノムコピー数が増加することが示された。しかしながら、96時間で、対照群と比較して、RGNNVゲノムコピー数は減少した。RGNNVゲノムコピー数の増加は、細胞によって産生されたRGNNVウイルスの力価と明確に相関していなかった。
RGNNV感染の前またはそれとおよそ同時のSJNNVによる細胞の感染は、SJNNVを含有しない細胞中のRGNNVの複製と比較して、細胞中のRGNNV RNAの複製を少なくとも最初は刺激することも見出された。複製に対するこの効果は感染した細胞によって産生された感染性ウイルスと相関しないだろう。
SJNNV感染の前またはそれとおよそ同時のRGNNVによる細胞の感染は、RGNNVを含有しない細胞中のSJNNVの複製と比較して、細胞中のSJNNV RNAの複製を部分的に阻害することも見出された。複製に対するこの効果は感染した細胞によって産生された感染性ウイルスと相関しないだろう。
実施例の組成物および方法などが記述によって例証されているが、そして記述はかなりに詳細であるが、出願の範囲を制限または多少なりとも限定することは本出願人の意図ではない。本明細書において記述された組成物および方法などを記述する目的のための構成要素または方法論のすべての考えられる組み合わせを記述することは、もちろん可能ではない。追加の利点および修飾は、当業者に容易に思いつくだろう。したがって、本開示は、示され、記述された具体的な詳細、代表的な機器および例示的な実施例へ限定されない。したがって、本出願は、出願の範囲内にある変更、修飾および変動を包含することが意図される。さらに、先行する記述は、本発明の範囲を限定することを意味しない。むしろ、本発明の範囲は添付の請求項およびそれらの均等物によって決定されるべきである。

以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] RGNNV感染に関連した疾患に対する魚類の保護における使用のためのSJNNV。
[2] 前記SJNNVが、
i)SJNNV単離体SJNag93のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列と好ましくは少なくとも90%同一、より好ましくは少なくとも95%同一、特に好ましくは少なくとも97%同一、より特に好ましくは少なくとも99%同一である、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を備えたSJNNV、
またはii)単離体SJNag93に対する抗血清と血清学的に反応するSJNNV、
またはiii)SJNNV単離体SJNag93のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列と好ましくは少なくとも90%同一、より好ましくは少なくとも95%同一、特に好ましくは少なくとも97%同一、より特に好ましくは少なくとも99%同一である、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を備え、単離体SJNag93に対する抗血清と血清学的に反応するSJNNV
である、
[1]に記載の使用のためのSJNNV。
[3] 前記SJNNVのヌクレオチド配列またはアミノ酸配列のパーセンテージ同一性が、SJNNV単離体SJNag93のRNA2セグメント内のT4可変領域に対するものである、[2]に記載の使用のためのSJNNV。
[4] 前記SJNNVが、少なくとも約1×10 TCID 50 /魚類の量で魚類へ投与される、[2]または[3]に記載の使用のためのSJNNV。
[5] 前記SJNNVのヌクレオチド配列のパーセンテージ同一性が、SJNNV単離体SJNag93のRNA2のヌクレオチド604〜1030の配列に対するものである、[2]〜[4]のいずれかに記載の使用のためのSJNNV。
[6] 前記SJNNVのアミノ酸配列のパーセンテージ同一性が、SJNNV単離体SJNag93のRNA2によってコードされるタンパク質配列のアミノ酸204〜331の配列に対するものである、[2]〜[5]のいずれかに記載の使用のためのSJNNV。
[7] 前記アミノ酸配列のパーセンテージ同一性が、SJNNV単離体SJNag93のRNA2によってコードされるタンパク質配列のアミノ酸223〜331に対するものである、[6]に記載の使用のためのSJNNV。
[8] 前記アミノ酸配列のパーセンテージ同一性が、SJNNV単離体SJNag93のRNA2によってコードされるタンパク質配列のアミノ酸235〜315に対するものである、[7]に記載の使用のためのSJNNV。
[9] 前記疾患に対する魚類の保護が、魚類の集団におけるRGNNV感染に起因する死亡の低減を伴う、[1]〜[8]のいずれかに記載の使用のためのSJNNV。
[10] 前記魚類が、ヨーロピアンシーバス、セネガルシタビラメ、ヨーロッパヘダイ、レッドバンディッドシーブリーム、ヨーロッパマダイ、ホワイトシーブリームおよび野生のオオニベ、好ましくはヨーロピアンシーバスからなる群から選択される、[1]〜[9]のいずれかに記載の使用のためのSJNNV。
[11] 前記SJNNVが、SJNag93、Jp/06/SJ、SJOri、SJ91Nag、SJ92Nag、SJ94NagおよびRS95Hir 3、好ましくはSJNag93からなる群から選択される、[1]〜[10]のいずれかに記載の使用のためのSJNNV。
[12] 前記魚類へSJNNVを投与することを含み、続いてRGNNVに曝露された前記魚類が、SJNNVの事前投与をせずにRGNNVに曝露された魚類と比較して、より少ないおよび/または減少した疾患の症状を有する、[1]〜[11]のいずれかに記載の使用のためのSJNNV。
[13] RGNNV感染によって引き起こされる魚類におけるウイルス性神経壊死症またはウイルス性脳網膜症に対する使用のためのSJNNV。
[14] RGNNV感染によって引き起こされる魚類におけるウイルス性神経壊死症またはウイルス性脳網膜症に対する魚類の保護における使用のためのワクチンであって、SJNNVを含むワクチン。
[15] 魚類におけるRGNNV感染の予防または治療における使用のためのSJNNVを含むワクチン。
[16] 前記SJNNVが、
i)SJNNV単離体SJNag93のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列と好ましくは少なくとも90%同一、より好ましくは少なくとも95%同一、特に好ましくは少なくとも97%同一、より特に好ましくは少なくとも99%同一である、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を備えたSJNNV、
またはii)単離体SJNag93に対する抗血清と血清学的に反応するSJNNV、
またはiii)SJNNV単離体SJNag93のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列と好ましくは少なくとも90%同一、より好ましくは少なくとも95%同一、特に好ましくは少なくとも97%同一、より特に好ましくは少なくとも99%同一である、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を備え、単離体SJNag93に対する抗血清と血清学的に反応するSJNNV
である、[15]に記載のワクチン。
[17] 前記SJNNVのヌクレオチド配列またはアミノ酸配列のパーセンテージ同一性が、SJNNV単離体SJNag93のRNA2セグメント内のT4可変領域に対するものである、[16]に記載のワクチン。
[18] 前記SJNNVが、少なくとも約1×10 TCID 50 /魚類の量で魚類へ投与される、[14]〜[17]のいずれかに記載のワクチン。
[19] SJNNV RNA2が魚類へ投与される、[14]〜[18]のいずれかに記載のワクチン。
[20] 前記SJNNVがSJNNV RNA1およびSJNNV RNA2からなる、[19]に記載のワクチン。
[21] 前記SJNNVがSJNNV RNA2であり、SJNNV RNA1を含まない、[19]に記載のワクチン。
[22] 前記SJNNVが、熱殺菌されたかまたは化学的に不活性化されたSJNNVの形態である、[14]〜[21]のいずれかに記載のワクチン。
[23] 前記化学的に不活性化されたSJNNVが、アジリジン化合物、好ましくはバイナリーエチレンイミンを使用して不活性化されたものである、[22]に記載のワクチン。
[24] 前記SJNNVが、DNAワクチンまたはRNAワクチン、好ましくはRNAワクチンの形態で投与される、[14]〜[22]のいずれかに記載のワクチン。
[25] 前記魚類が、ヨーロピアンシーバス、セネガルシタビラメ、ヨーロッパヘダイ、レッドバンディッドシーブリーム、ヨーロッパマダイ、ホワイトシーブリームおよび野生のオオニベ、好ましくはヨーロピアンシーバスからなる群から選択される、[14]〜[24]のいずれかに記載のワクチン。
[26] 前記SJNNVが、SJNag93、Jp/06/SJ、SJOri、SJ91Nag、SJ92Nag、SJ94NagおよびRS95Hir 3、好ましくはSJNag93からなる群から選択される、[14]〜[25]のいずれかに記載のワクチン。
[27] RGNNV感染に関連した疾患に対して魚類を保護する方法であって、該魚類へSJNNVを投与することを含み、続いてRGNNVに曝露された該魚類が、SJNNVの事前投与をせずにRGNNVに曝露された魚類と比較して、より少ないおよび/または減少した疾患の症状を有する、方法。
[28] 前記RGNNVが魚類における死亡を引き起こし得る、[27]に記載の方法。
[29] SJNNVを投与し、続いてRGNNVに曝露された前記魚類が、SJNNVの事前投与をせずにRGNNVに曝露された魚類と比較して、より低い死亡率を有する、[28]に記載の方法。
[30] 前記魚類がSJNNVの投与後約6週間以内にRGNNVに曝露される、[27]に記載の方法。
[31] 前記魚類がSJNNVの投与後約3週間以内にRGNNVに曝露される、[27]に記載の方法。
[32] 前記魚類がSJNNVの投与後約72時間以内にRGNNVに曝露される、[27]に記載の方法。
[33] 前記魚類がSJNNVの投与後約24時間以内にRGNNVに曝露される、[27]に記載の方法。
[34] 前記SJNNVが単離体SJ93Nagを含む、[27]に記載の方法。
[35] 前記SJNNVおよび前記RGNNVが同じ種の魚類に感染し得るものである、[27]に記載の方法。
[36] 前記魚類が、ヨーロピアンシーバス、セネガルシタビラメ、ヨーロッパヘダイ、レッドバンディッドシーブリーム、ヨーロッパマダイ、ホワイトシーブリームおよび野生のオオニベを含む、[35]に記載の方法。
[37] 前記SJNNVの投与が、ウイルスを魚類に筋肉内注射もしくは腹膜注射すること、またはウイルスを含有する浴槽中に魚類を浸漬することによって行われる、[27]に記載の方法。
[38] 前記魚類へ投与されるSJNNVの量が少なくとも約1×10 TCID 50 /魚類である、[27]に記載の方法。
[39] 前記魚類へ投与されるSJNNVの量が約1×10 〜約1.5×10 TCID 50 /魚類である、[27]に記載の方法。
[40] 前記SJNNVの投与が、少なくとも1つのインターフェロン誘導遺伝子の転写発現の増加をもたらす、[27]に記載の方法。
[41] 前記インターフェロン誘導遺伝子がMxを含む、[40]に記載の方法。
[42] シーバスにおけるRGNNV感染に関連した死亡率を低減する方法であって、シーバスにSJNNVを接種することを含み、続いて死亡を引き起こし得るRGNNVに曝露されたシーバスが、SJNNVを接種せずにRGNNVに曝露されたシーバスと比較して、低減された死亡率を有する、方法。
[43] SJNNVを接種され、続いてRGNNVに曝露された前記シーバスが、SJNNVの接種後約72時間以内において、低減された死亡率を有する、[42]に記載の方法。
[44] 魚類をウイルスに感染させる方法であって、
a)前記魚類にSJNNVを投与する工程と;
b)RGNNVに前記魚類を曝露する工程と;
を含み、
前記魚類が、SJNNVを投与されずにRGNNVに曝露された魚類よりも、より少ないおよび/または低減したRGNNV感染に関連した症状を有する、方法。
[45] 細胞をSJNNVに感染させる前またはそれと同時に、細胞をRGNNVに感染させることを含む、細胞中のSJNNVの複製を阻害する方法。
[46] 細胞をRGNNVに感染させる前またはそれと同時に、細胞をSJNNVに感染させることを含む、細胞中のRGNNVの複製を刺激する方法。
[47] RGNNV感染に起因する魚類の死亡量を低減させるための組成物の製造におけるSJNNVの使用。
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Claims (22)

  1. 魚類におけるRGNNV感染の治療における使用のためのSJNNVを含む組成物
  2. 前記SJNNVが、SJNNV単離体SJNag93のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列と好ましくは少なくとも90%同一、より好ましくは少なくとも95%同一、特に好ましくは少なくとも97%同一、より特に好ましくは少なくとも99%同一である、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を備えたSJNNVである、請求項1に記載の組成物
  3. 前記SJNNVが、少なくとも約1×10TCID50/魚類の量で魚類へ投与される、請求項2に記載の組成物
  4. 前記魚類が、ヨーロピアンシーバス、セネガルシタビラメ、ヨーロッパヘダイ、レッドバンディッドシーブリーム、ヨーロッパマダイ、ホワイトシーブリームおよび野生のオオニベ、好ましくはヨーロピアンシーバスからなる群から選択される、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物
  5. 前記SJNNVが、SJNag93、Jp/06/SJ、SJOri、SJ91Nag、SJ92Nag、SJ94NagおよびRS95Hir 3、好ましくはSJNag93からなる群から選択される、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物
  6. 前記魚類へSJNNVを投与することを含み、続いてRGNNVに曝露された前記魚類が、SJNNVの事前投与をせずにRGNNVに曝露された魚類と比較して、より少ないおよび/または減少した疾患の症状を有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物
  7. RGNNV感染によって引き起こされる魚類におけるウイルス性神経壊死症またはウイルス性脳網膜症の治療における使用のためのSJNNVを含む組成物
  8. RGNNV感染によって引き起こされる魚類におけるウイルス性神経壊死症またはウイルス性脳網膜症に対する魚類の保護における使用のためのワクチンであって、SJNNVを含むワクチン。
  9. 魚類におけるRGNNV感染の治療における使用のためのSJNNVを含むワクチン。
  10. 前記SJNNVが、SJNNV単離体SJNag93のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列と好ましくは少なくとも90%同一、より好ましくは少なくとも95%同一、特に好ましくは少なくとも97%同一、より特に好ましくは少なくとも99%同一である、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を備えたSJNNVである、請求項8または9に記載のワクチン。
  11. 前記SJNNVが、少なくとも約1×10TCID50/魚類の量で魚類へ投与される、請求項8〜10のいずれか一項に記載のワクチン。
  12. 前記SJNNVがSJNNV RNA1およびSJNNV RNA2を含む、請求項8〜11のいずれか一項に記載のワクチン。
  13. 前記SJNNVがSJNNV RNA2を含み、SJNNV RNA1を含まない、請求項8〜11のいずれか一項に記載のワクチン。
  14. 前記SJNNVが、熱殺菌されたかまたは化学的に不活性化されたSJNNVの形態である、請求項8〜13のいずれか一項に記載のワクチン。
  15. 前記化学的に不活性化されたSJNNVが、アジリジン化合物、好ましくはバイナリーエチレンイミンを使用して不活性化されたものである、請求項14に記載のワクチン。
  16. 前記魚類が、ヨーロピアンシーバス、セネガルシタビラメ、ヨーロッパヘダイ、レッドバンディッドシーブリーム、ヨーロッパマダイ、ホワイトシーブリームおよび野生のオオニベ、好ましくはヨーロピアンシーバスからなる群から選択される、請求項8〜15のいずれか一項に記載のワクチン。
  17. 前記SJNNVが、SJNag93、Jp/06/SJ、SJOri、SJ91Nag、SJ92Nag、SJ94NagおよびRS95Hir 3、好ましくはSJNag93からなる群から選択される、請求項8〜16のいずれか一項に記載のワクチン。
  18. 前記SJNNVが、ウイルスを魚類に筋肉内注射もしくは腹膜注射すること、またはウイルスを含有する浴槽中に魚類を浸漬することによって投与される、請求項2に記載の組成物、または請求項8〜10のいずれか一項に記載のワクチン。
  19. 前記魚類へ投与されるSJNNVの量が、約1×10〜約1.5×10TCID50/魚類である、請求項2に記載の組成物、または請求項8〜10のいずれか一項に記載のワクチン。
  20. 前記SJNNVの魚類への投与が、該魚類において少なくとも1つのインターフェロン誘導遺伝子の転写発現の増加をもたらす、請求項2に記載の組成物、または請求項8〜10のいずれか一項に記載のワクチン。
  21. 前記インターフェロン誘導遺伝子がMxを含む、請求項20に記載の組成物またはワクチン。
  22. RGNNV感染に起因する魚類の死亡量を低減させるための組成物の製造におけるSJNNVの使用。
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