JP6185767B2 - フェーズドアレー給電装置及びフェーズドアレーアンテナ装置 - Google Patents

フェーズドアレー給電装置及びフェーズドアレーアンテナ装置 Download PDF

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Description

本発明は、衛星搭載型のアンテナ装置に関し、特に、サービスエリア内の放射電力パターンを可変とするフェーズドアレー給電装置及びフェーズドアレーアンテナ装置に関する。
従来の衛星搭載用アレーアンテナ装置には、以下のようなものが知られている。
給電回路損失の増大、及び、複数の放射素子の配置に関する自由度の減少による可変指向性機能の低下を解決するべく、それぞれの放射素子のために励振振幅を可変に給電する可変電力分配器の各々に対して、トーナメント形式で配置した低損失の固定電力分配器により給電する給電回路を用いて構成したアレーアンテナ装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、複数の放射素子に電力を給電するにあたり、給電回路の規模の小型化を実現するべく、複数の放射素子をグループ化して、放射素子の数より少ない増幅器を設けるとともに、この増幅器の出力電力をグループ内の各アンテナ素子に対して分配比変更可能に分配する可変電力分配器を設けるように構成したアレーアンテナ装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、放射ビームのサイドローブを効果的に低減させ、広いサービスエリアに対応可能とするべく、複数の放射素子をアレー構成で配置し、配置した最外接の放射素子における互いに軸対称位置にある放射素子同士の高周波信号について互いに同一の振幅を設定しながら放射ビームのサイドローブが低くなるように、各放射素子に対して増幅器を一対一で接続し、抵抗減衰器又は給電系の線路長の変更により当該高周波信号の振幅を制御する給電回路を用いて構成したアレーアンテナ装置が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
また、給電回路の故障に対処するために、複数の放射素子のそれぞれに励振電力を給電するための複数の給電回路について現用系とは別に冗長系を設け、1つの放射素子と1つの給電回路の一対一の接続を切り替えることにより現用系を冗長系に転用可能とするスイッチ手段を設けるように構成したアレーアンテナ装置が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
また、放射素子や増幅器等が故障した場合に迅速に対処するべく、各放射素子に増幅器を一対一で接続しておき、故障の有無を判定するとともに励振係数の再計算を行って励振する放射素子を選択することにより、放射電力パターンを再形成するように構成したアレーアンテナ装置が開示されている(例えば、特許文献5参照)。
一方、近年では、静止衛星におけるアレーアンテナ装置による放射電力パターンに関して、他の衛星サービスへの干渉を防ぐことを目的としてサイドローブを低減するために、各放射素子に対応する移相器及び増幅器を一対一で接続しておき、アレーアンテナ装置の出力振幅分布にテーパを付けることが有効であることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
また、サービスエリアには放射ビームを均一に照射しつつ、降雨域のみ放射電力を増力する放射ビームを形成するために、各放射素子に対応する移相器を一対一で配置しておき、各放射素子に供給する信号の振幅値を固定とし位相値を変化させることで、放射電力パターンを変化させる技法が知られている(例えば、非特許文献2参照)。
特開昭63−6906号公報 特開2004−363801号公報 特許第2614189号明細書 特許第4060763号明細書 特許第4133876号明細書
中澤他,"21GHz帯アレー給電鏡面修整反射鏡アンテナの励振電力の均一化",映像情報メディア学会技術報告, 2013年2月7日,ITE Technical Report Vol.37 No.6, pp.13-16 長坂他,"21GHz帯放送衛星アレー給電イメージングリフレクタアンテナ実験モデル",映像情報メディア学会技術報告, 2012年9月21日,ITE Technical Report Vol.36, No.37, pp.17-20
前述したように、近年における多数の静止衛星が存在する状況下では、放射電力パターンに関して他の衛星サービスへの干渉を防ぎつつ、降雨域も考慮したサービス向上を図るために、出力振幅分布にテーパを付け放射電力パターンを可変にすることが有効であり、なおかつ、給電回路の複雑化及び故障率の増加を防ぐことが重要な課題となっている。
しかしながら、特許文献1の技法では、トーナメント形式で配置した低損失の固定電力分配器により各可変電力分配器への電力を等分配するため、出力振幅分布にテーパを付けることができない。
また、特許文献1,2の技法では、可変電力分配器を用いるため、給電回路の複雑化、故障率の増加という問題がある。
また、特許文献3〜5に開示される技法のように、各放射素子に増幅器(又は給電回路)を一対一で接続したアレーアンテナ装置は、出力振幅分布にテーパを付けるように構成すると複数種類(複数の定格出力)の増幅器が必要となり、さらに、放射素子の本数分の増幅器が必要になる。尚、衛星は太陽電池パネルで発電していることから、限られた電力を最大限活用する必要がある。よって、増幅器には、一般に、電力効率が高い進行波管増幅器(TWTA:Traveling Wave Tube Amplifier)が用いられる。
そして、特許文献1〜5に開示される技法を適宜用いて非特許文献1,2の技法に応用すると、例えば、図8に示すようなフェーズドアレー給電装置60が想定される。図8に示す例は、例えば0dB,−3dB,−6dBの出力電力比により各放射素子を励振して、所定のフェーズドアレー給電部の出力振幅分布にテーパを付けるように構成した例である。図8において、フェーズドアレー給電装置60は、伝送する高周波信号(RF信号)の位相を可変して、所定のフェーズドアレー給電部に給電する給電回路(固定電力分配器21、各給電系統61a,62b,62cにおける可変電力減衰器21a,21b,21c、移相器22a,22b,22c、及び、増幅器23a,23b,23c)と、フェーズドアレー給電部を構成するアレー構成の放射素子(各給電系統61a,62b,62cにおけるホーンアンテナ素子31a,31b,31c)からなる。固定電力分配器21は、RF信号を各給電系統61a,62b,62cに分配する。各給電系統61a,62b,62cにおいて、フェーズドアレー給電部の出力振幅分布にテーパを付けるべく、例えば0dB,−3dB,−6dBの出力電力比がそれぞれ得られるように、供給電力を可変する可変電力減衰器21a,21b,21c、増幅器23a,23b,23c及びホーンアンテナ素子31a,31b,31cは、個別に出力振幅性能やバックオフ量を選定して調整される。移相器22a,22b,22cは、各給電系統61a,62b,62cにおける位相を可変にするよう構成される。
しかしながら、このように特許文献1〜5に開示される技法を適宜用いて非特許文献1,2の技法に応用し、出力振幅分布にテーパを付け放射電力パターンを可変にするように構成しても、増幅器数又は給電回路数を低減できず、小型化及び低コスト化の問題や、給電回路の複雑化及び故障率の増加の問題が依然として残る。
本発明は、上述の問題を鑑みて為されたものであり、小型化、低コスト化及び高信頼性を実現し、サービスエリア内の放射電力パターンを可変とするフェーズドアレー給電装置及びフェーズドアレーアンテナ装置を提供することを目的とする。
本発明は、所望の放射電力パターンが得られるよう複数の放射素子によりフェーズドアレー給電部を構成するとともに、当該複数の放射素子のうち同一の位相変化制御量で出力する所定数の放射素子の組み合わせにより複数種の給電系統を定め、第1の固定電力分配器により各給電系統における電力分配を行い、各給電系統にて1つの移相器及び1つの増幅器、並びに当該所定数の放射素子が複数のときに更に電力分配する第2の固定電力分配器を構成し、全ての給電系統にて同一種類(同一定格出力、同一位相遅延)の増幅器とした給電回路により、フェーズドアレー給電部の出力振幅分布にテーパを付けるようにする。
即ち、本発明のフェーズドアレー給電装置は、放射電力パターンを可変とするフェーズドアレー給電装置であって、伝送する高周波信号の位相を可変にしてフェーズドアレー給電部に給電する給電回路と、前記フェーズドアレー給電部を構成する、出力振幅分布にテーパを付けるようにアレー構成された複数の放射素子とを備え、前記給電回路は、当該複数の放射素子のうち同一の位相変化制御量で出力する所定数の放射素子の組み合わせにより定められた複数種の給電系統と、当該高周波信号の伝送に係る電力を各給電系統に固定分配する第1の固定電力分配器とを備え、前記複数種の給電系統は、前記第1の固定電力分配器から分配された電力を4つの放射素子に向けて分配給電する第1の給電系統、前記第1の固定電力分配器から分配された電力を2つの放射素子に向けて分配給電する第2の給電系統、及び前記第1の固定電力分配器から分配された電力を1つの放射素子に向けて給電する第3の給電系統を少なくとも含み、前記複数種の給電系統の各々は、前記第1の固定電力分配器から分配された電力で当該伝送する高周波信号の位相を可変に調整する1つの移相器及び前記移相器の出力振幅を増幅し全ての給電系統にて同一定格出力及び同一位相遅延を持ち飽和出力で動作する1つの増幅器、並びに当該所定数の放射素子が複数のときに更に当該複数の放射素子に対し給電する給電系統内で、該増幅器の出力を前記所定数の放射素子の個数(2 :nは1以上の整数)に応じて、1/2 ずつ当該電力を固定分配する第2の固定電力分配器及び1つの放射素子の位相値を基準にして他の放射素子に対し該電力分配された当該伝送する高周波信号の位相を固定の位相補正量で補正して出力する位相補正器を備え、前記第1給電系統、前記第2給電系統、及び前記第3給電系統をそれぞれ複数用いて中央から周囲に向かって出力電力比が1/2ずつ低下する3段階の利得となる前記複数の放射素子の所定配置によって出力振幅分布にテーパを付け、前記移相器により、前記複数の放射素子の各給電位相について、前記中央の放射素子の出力位相値を基準値として変化させ、少なくとも3つの地域向けに増力ビームを可変形成するようにしたことを特徴とする。
更に、本発明のフェーズドアレーアンテナ装置は、本発明のフェーズドアレー給電装置と、前記フェーズドアレー給電装置から出力される放射電力パターンを反射して放射するイメージングリフレクタと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、同一種類(同一定格出力、同一位相遅延)の増幅器を用いることで、給電系統によらず、増幅器の入出力位相特性を揃えることができるとともに、増幅器の本数を低減できるため、スペース、コスト、衛星搭載機器重量を低減できることから、出力振幅分布にテーパを付け放射電力パターンを可変にするように構成しても、小型化、低コスト化、給電回路の簡素化及び故障率の減少が可能となる。
本発明による一実施形態のフェーズドアレーアンテナ装置の構成の一例を示す図である。 本発明による一実施形態のフェーズドアレー給電装置の構成の一例を示すブロック図である。 本発明による一実施形態のフェーズドアレー給電装置における放射素子の組み合わせ例を示す図である。 本発明による一実施形態のフェーズドアレーアンテナ装置において、全国均一パターンの放射電力パターン例を示す図である。 本発明による一実施形態のフェーズドアレーアンテナ装置において、一部地域(札幌)向けに増力ビームを形成した放射電力パターン例を示す図である。 本発明による一実施形態のフェーズドアレーアンテナ装置において、一部地域(大阪)向けに増力ビームを形成した放射電力パターン例を示す図である。 本発明による一実施形態のフェーズドアレーアンテナ装置において、一部地域(福岡)向けに増力ビームを形成した放射電力パターン例を示す図である。 従来技術から想定されるフェーズドアレー給電装置の構成の一例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明による一実施形態のフェーズドアレーアンテナ装置、及び、フェーズドアレー給電装置について説明する。
〔装置構成〕
図1は、本発明による一実施形態のフェーズドアレーアンテナ装置1の構成の一例を示す図である。フェーズドアレーアンテナ装置1は、放射電力パターンを可変とするアレーアンテナ装置であり、フェーズドアレー給電装置10と、イメージングリフレクタ(主反射鏡50及び副反射鏡40)から構成される。また、フェーズドアレー給電装置10は、給電回路20と、フェーズドアレー給電部30から構成される。尚、図1に示されるフェーズドアレー給電部30、副反射鏡40及び主反射鏡50における実寸寸法は、本実施形態の一例を示すものにすぎない。図1に示すフェーズドアレーアンテナ装置1は、従来から想定されるアレーアンテナ装置と比較して、フェーズドアレー給電装置10の構成が異なる。
図2は、本発明による一実施形態のフェーズドアレー給電装置10の構成の一例を示す図である。フェーズドアレー給電装置10は、伝送する高周波信号(RF信号)の位相を可変して、フェーズドアレー給電部30に給電する給電回路20(固定電力分配器21、第1給電系統11における移相器22、増幅器23、4分配器24a及び位相補正器25、第2給電系統12における移相器22、増幅器23、2分配器24b及び位相補正器25、並びに第3給電系統13における移相器22及び増幅器23)と、フェーズドアレー給電部30を構成する、出力振幅分布にテーパを付けるようにアレー構成された複数の放射素子31(例えば、ホーンアンテナ素子)からなる。
固定電力分配器21は、当該高周波信号の伝送に係る電力を各給電系統に固定分配する機能を有する。
フェーズドアレー給電装置10は、フェーズドアレー給電部30を構成する複数の放射素子31のうち同一の位相変化制御量で出力する所定数の放射素子31の組み合わせにより定められた複数種の給電系統を有し、本例では、3種類の給電系統11,12,13を基に、それぞれ複数用いて構成される。即ち、第1給電系統11は、固定電力分配器21から分配された電力を4つの放射素子31に向けて分配給電する、当該基準出力に対して1/4の出力の給電系統からなる。第2給電系統12は、固定電力分配器21から分配された電力を2つの放射素子31に向けて分配給電する、当該基準出力に対して1/2の出力の給電系統からなる。第3給電系統13は、固定電力分配器21から分配された電力を1つの放射素子31に向けて給電する基準出力の給電系統からなる。
より具体的には、当該複数種の給電系統の各々は、当該伝送する高周波信号の位相を可変に調整する移相器22と、固定の出力及び位相遅延を有する増幅器23と、各給電系統における所定数の放射素子の個数に応じて、当該固定分配された高周波信号の伝送に係る電力を更に固定分配する固定電力分配器(給電系統における放射素子の個数が1つのときは分配器が不要となり、給電系統における放射素子の個数が2つのときは2分配器24bを、給電系統における放射素子の個数が4つのときは4分配器24aを用いる)とを備える。
4分配器24a及び2分配器24bのように、各給電系統内で更に電力分配する固定電力分配器は、nを1以上の整数としたとき、当該所定数の放射素子の個数(2)に応じて、1/2ずつ当該電力を固定分配するように構成する。
更に、複数種の給電系統のうち、4分配器24a及び2分配器24bなどの固定分配器を備える第1給電系統11及び第2給電系統12は、当該複数の放射素子31のうち1つ以上の放射素子31に対して、固定電力分配器21によって電力分配された当該伝送する高周波信号の位相を固定の位相補正量で補正して出力する位相補正器25を備える。
位相補正器25は、放射電力パターンを変化させることを加味した上で、所望の放射電力パターンが得られるように予め選定した放射素子31に固定の位相補正量を与える。位相補正器25は、導波管で実現することができ、大電力にも耐えうる。導波管の構造又は長さを調整することにより、固定の位相補正量を定めることができる。
特に、全ての給電系統にて用いられる増幅器23は、同一種類(同一定格出力、同一位相遅延)の増幅器とする。このため、増幅器23を飽和出力で動作するように構成するのが好適である。即ち、増幅器23を最も電力効率が高い動作点(飽和点)で使用できる。このとき、増幅器23の出力は定格出力とみなすことができる。また、同一種類の増幅器23であれば、入出力位相特性も同一に設計することができる。これは、電力(振幅)は固定とし、複数の放射素子31の配置を基に、位相制御で放射電力パターンの可変制御を行うのに有効である。尚、この増幅器23は、電力効率が高い進行波管増幅器(TWTA)を用いることができる。
各給電系統における移相器22は、増幅器23に供給する信号の位相値を変化させることで、放射電力パターンを変化させることができる。その際、振幅値は固定とする。
フェーズドアレー給電部30は、中央に近づくほど強くなる振幅値となるように、各給電系統における複数の放射素子31を配置することにより、テーパを付けることができる。
図3に、フェーズドアレー給電装置10におけるフェーズドアレー給電部30を構成する放射素子31の組み合わせ例を示す。図3は、出力振幅分布にはテーパを付け、中央から0dB、−3dB、−6dBとする例である。図2に示す第1給電系統11は、給電系統A〜Cとして複数構成され、第2給電系統12は、給電系統D〜Iとして複数構成され、第3給電系統13は、給電系統J〜Pとして複数構成される。これらの給電系統A〜Pは、図3に図示するA〜Pの配置に対応している。例えば、Aと記載された4個の放射素子31は、4分配器24aを介して1つの増幅器23の出力と接続している。
したがって、本実施形態のフェーズドアレー給電装置10では、同一種類の増幅器23を用いてフェーズドアレー給電部30の出力振幅分布を実現するため、4分配器24a及び2分配器24bのように、各給電系統内で更に電力分配する固定電力分配器を用いるように構成している。−3dBは2分配器24b、−6dBは4分配器24aで実現することができる。
ここで、0dB、−3dB、−6dBのテーパを実現するにあたり、例えば従来技術のように、増幅器の出力を下げて使用する方法(例えば、バックオフを取る方法)もあるが、増幅器の電力効率が低下するという問題がある。
また、従来技術によれば、0dB、−3dB、−6dBの3種類の増幅器(例えば、100W、50W、25W)を用いるという方法もあるが、各増幅器の構成が異なることとなり、入出力位相特性を同一にできない上、増幅器の本数が放射素子と同数必要になり、重量、コスト、スペースの点で問題がある。
そこで、本実施形態のフェーズドアレー給電装置10では、この出力振幅分布を同一種類の増幅器23で実現するため、電力効率の低下の問題や、重量、コスト、スペースの問題も効果的に改善することができる。
〔動作例〕
各放射素子31に対する給電位相は、増幅器23の入力に接続した移相器22によって制御することができる。増幅器23の出力は大電力になるので、移相器22は、増幅器23の前段に設けるのが好適である。一方で、位相補正器25は、導波管で実現することができ大電力にも耐えうる。よって、本実施形態のフェーズドアレー給電装置10では、同一給電系統の放射素子31は、同一の位相変化制御量になる。そこで、所望の放射電力パターンが得られるよう定めた放射素子31の組み合わせ例として、図3のように構成することができる。
具体的に、図3に示すアレー構成の放射素子31によるフェーズドアレー給電部30を備えるフェーズドアレー給電装置10により、図1に示すフェーズドアレーアンテナ装置1を構成した際の動作例を説明する。
図4は、フェーズドアレーアンテナ装置1において、全国均一パターンの放射電力パターン例を示す図である。図4に示すように、日本全国を均一利得でカバーする放射電力パターンを形成し、この位相値を基準値とする。このとき、日本の主要部を36dBi程度でカバーすることができる。
特に、位相補正器25を用いるように構成しているため、各放射素子31の位相値を基準値とすることができる。
次に、図3に示すアレー構成の放射素子31の各給電位相を基準値から表1に示した位相値だけ変化させ、放射電力パターンを変化させると、日本各地に42dBi程度の増力ビームを形成することができる。
図5は、フェーズドアレーアンテナ装置1において、一部地域(札幌)向けに増力ビームを形成した放射電力パターン例を示す図である。図6は、フェーズドアレーアンテナ装置1において、一部地域(大阪)向けに増力ビームを形成した放射電力パターン例を示す図である。図7は、フェーズドアレーアンテナ装置1において、一部地域(福岡)向けに増力ビームを形成した放射電力パターン例を示す図である。
以上のように、本発明によれば、出力振幅分布にテーパを付け、位相により放射電力パターン制御が可能なアレーアンテナ装置を、同一種類の増幅器を飽和動作させた状態で実現することができる。また、従来技術から想定されるアレーアンテナ装置よりも、増幅器23の本数を低減させることができ、例えば図2及び図3に示す構成では16本となる。
また、例えば、本実施形態のフェーズドアレーアンテナ装置1又はフェーズドアレー給電装置10を衛星搭載用アンテナに適用すれば、同一種類(同一定格出力)の進行波管増幅器(TWTA)のみで、フェーズドアレー給電部30の出力振幅分布に3dBステップのテーパを付けることができ、放射電力パターンのサイドローブを低減することができる。また、位相制御により所望の放射電力パターンを形成することができる。
また、本実施形態のフェーズドアレーアンテナ装置1又はフェーズドアレー給電装置10を、将来のスーパーハイビジョン放送や立体放送に有望な21GHz帯(21.4GHz〜22.0GHz)衛星放送システムに適用すれば、増力ビーム形成により降雨減衰を補償して、降雨による遮断時間を効果的に低減することができる。
特に、進行波管増幅器(TWTA)の単一化により、衛星システムの複雑化を回避することができる。また、進行波管増幅器(TWTA)の本数を低減することができるので、衛星搭載機器の重量を低減でき、姿勢制御用の燃料の搭載量を増大させることができ、衛星寿命を延ばすことが可能となる。
上述の実施形態では特定の例を基に説明したが、様々な応用が可能である。例えば、上述した実施形態では、31個の放射素子31の構成について述べたが、その他の素子数についても同様の方法で実現することができる。また、上述した実施形態では、0dB、−3dB、−6dBの3種類の給電系統について説明したが、4種類以上の給電系統(例えば、8分配器などを用いて、−9dBの給電系統を設ける等)とすることができる。
本発明によれば、同一種類(同一定格出力、同一位相遅延)の増幅器を用いることで、給電系統によらず、増幅器の入出力位相特性を揃えることができるとともに、増幅器の本数を低減できるため、小型化、低コスト化、給電回路の簡素化及び故障率の減少が要求される衛星搭載型のアレーアンテナ装置に有用である。
1 フェーズドアレーアンテナ装置
10 フェーズドアレー給電装置
11 第1給電系統
12 第2給電系統
13 第3給電系統
20 給電回路
21 固定電力分配器
21a,21b,21c 可変電力減衰器
22 移相器
22a,22b,22c 移相器
23 増幅器
23a,23b,23c 増幅器
24a 4分配器
24b 2分配器
25 位相補正器
30 フェーズドアレー給電部
31 放射素子
31a,31b,31c 放射素子(ホーンアンテナ素子)
40 イメージングリフレクタを構成する副反射鏡
50 イメージングリフレクタを構成する主反射鏡
60 従来技術から想定されるフェーズドアレー給電装置
61a,62b,62c 従来技術から想定される給電系統

Claims (2)

  1. 放射電力パターンを可変とするフェーズドアレー給電装置であって、
    伝送する高周波信号の位相を可変にしてフェーズドアレー給電部に給電する給電回路と、
    前記フェーズドアレー給電部を構成する、出力振幅分布にテーパを付けるようにアレー構成された複数の放射素子とを備え、
    前記給電回路は、
    当該複数の放射素子のうち同一の位相変化制御量で出力する所定数の放射素子の組み合わせにより定められた複数種の給電系統と、
    当該高周波信号の伝送に係る電力を各給電系統に固定分配する第1の固定電力分配器とを備え、
    前記複数種の給電系統は、前記第1の固定電力分配器から分配された電力を4つの放射素子に向けて分配給電する第1の給電系統、前記第1の固定電力分配器から分配された電力を2つの放射素子に向けて分配給電する第2の給電系統、及び前記第1の固定電力分配器から分配された電力を1つの放射素子に向けて給電する第3の給電系統を少なくとも含み、
    前記複数種の給電系統の各々は、前記第1の固定電力分配器から分配された電力で当該伝送する高周波信号の位相を可変に調整する1つの移相器及び前記移相器の出力振幅を増幅し全ての給電系統にて同一定格出力及び同一位相遅延を持ち飽和出力で動作する1つの増幅器、並びに当該所定数の放射素子が複数のときに更に当該複数の放射素子に対し給電する給電系統内で、該増幅器の出力を前記所定数の放射素子の個数(2 :nは1以上の整数)に応じて、1/2 ずつ当該電力を固定分配する第2の固定電力分配器及び1つの放射素子の位相値を基準にして他の放射素子に対し該電力分配された当該伝送する高周波信号の位相を固定の位相補正量で補正して出力する位相補正器を備え
    前記第1給電系統、前記第2給電系統、及び前記第3給電系統をそれぞれ複数用いて中央から周囲に向かって出力電力比が1/2ずつ低下する3段階の利得となる前記複数の放射素子の所定配置によって出力振幅分布にテーパを付け、前記移相器により、前記複数の放射素子の各給電位相について、前記中央の放射素子の出力位相値を基準値として変化させ、少なくとも3つの地域向けに増力ビームを可変形成するようにしたことを特徴とするフェーズドアレー給電装置。
  2. 請求項に記載のフェーズドアレー給電装置と、
    前記フェーズドアレー給電装置から出力される放射電力パターンを反射して放射するイメージングリフレクタと、
    を備えることを特徴とするフェーズドアレーアンテナ装置。
JP2013130610A 2013-06-21 2013-06-21 フェーズドアレー給電装置及びフェーズドアレーアンテナ装置 Active JP6185767B2 (ja)

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