〔第1実施形態〕
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、所定の遊技を行なう遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機であり、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。パチンコ遊技機1を正面から見ると、ガラス扉枠2、前面枠、機構板の順に配置されている。
ガラス扉枠の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技媒体としての遊技球を貯留する余剰球受皿4、および遊技媒体としての遊技球を打球として発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、前面枠に対して着脱可能に取付けられた遊技盤6が配置されている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。遊技領域7には、多数の遊技釘が植設されている。
遊技領域7の中央部に設けられる演出表示装置9の天辺から見て、左側の遊技領域7を左側遊技領域または第1遊技領域と称し、右側の遊技領域7を右側遊技領域または第2遊技領域と称する。左遊技領域と右遊技領域とは、たとえば、遊技領域7内における演出表示装置9の端面や遊技釘の配列等により区分けされていればよい。打球操作ハンドル5の操作に応じて打球発射装置(図2参照)から発射されて遊技領域7に打込まれた遊技球は、左遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って第1経路を誘導されることにより、右遊技領域へと誘導不可能または誘導困難となる。また、遊技球は、右遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って第2経路を誘導されることにより、左遊技領域へと誘導不可能または誘導困難となる。
なお、左側遊技領域の遊技球が誘導されやすい第1経路と右側遊技領域の遊技球が誘導されやすい第2経路とで誘導された遊技球は、演出表示装置9の下方で中央付近に集まるようになっている。そして、入賞等しなかった遊技球は遊技領域7の中央下部に設けられたアウト口26に取込まれる。
遊技領域7のうちの左遊技領域に打分けられた遊技球のみが進入可能な構造物として、第1始動入賞口13、および第2始動入賞口14が設けられている。具体的に説明すると、演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。また、演出表示装置9の左方には、ゲート32が設けられている。ゲート32の内部にはゲートスイッチ32aが設けられている。
第1始動入賞口13および第2始動入賞口14は、変動表示手段としての特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示を開始するための始動入賞球として、遊技球が進入(入賞)可能な入賞口構造物である。ゲート32は、遊技球が進入(通過)可能なゲート構造物である。遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄が変動表示する。普通図柄については後述する。このような、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、およびゲート32については、左遊技領域から遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、これら第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、およびゲート32に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を左打ちすればよい。
なお、右遊技領域に打分けられた遊技球も第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、およびゲート32のいずれかに進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は左遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。
遊技領域7のうちの右遊技領域に打分けられた遊技球のみが進入可能な構造物として、小当り可変入賞球装置87が設けられている。また、小当り可変入賞球装置87に進入した遊技球を検出するためのスイッチとして、小当り可変入賞球装置87の内部にはV入賞スイッチ87aおよび小当りカウントスイッチ87bが設けられている。また、小当り可変入賞球装置87の上部には、遊技釘29が植設されており、右側遊技領域に打込まれた遊技球が第2経路を通り、小当り可変入賞球装置87へと導かれやすい構造となっている。
小当り可変入賞球装置87の入賞口の内部は、特定領域としてのV入賞領域が設けられており、小当り可変入賞球装置87へ進入した遊技球は必ずV入賞領域に進入するように誘導される。V入賞領域に進入した遊技球はV入賞スイッチ87aによって検出される。また、V入賞スイッチ87aの下方側に小当りカウントスイッチ87bが設けられている。V入賞領域に進入した遊技球は、小当りカウントスイッチ87bによって検出される。つまり、小当り可変入賞球装置87の入賞口に進入したすべての遊技球はV入賞スイッチ87aおよび小当りカウントスイッチ87bによって検出される。
なお、小当り可変入賞球装置87の入賞口の内部にV入賞領域とそれ以外の領域とを設け、小当り可変入賞球装置87へ進入した遊技球が、V入賞領域とそれ以外の領域とのどちらかに誘導されるように構成してもよい。その場合に、V入賞領域に進入した遊技球とそれ以外の領域に進入した遊技球とはいずれも小当りカウントスイッチ87bによって検出されるようにすればよい。
また、小当り可変入賞球装置87の入賞口の近傍には、磁気を検出可能な磁気センサ61が設けられている。磁気センサ61は、磁石等を用いて小当り可変入賞球装置87に不正に遊技球を入賞させ、不正にV入賞させようとしたとき等に磁気の異常を検出するためのセンサである。磁気センサ61で検出されたことによって出力される磁気センサ信号は、後述する入力ドライバ回路58を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信される。
小当り可変入賞球装置87は、前面が長方形の扉で覆われた入賞口を備えている。第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことに基づいて小当りに当選すると、ソレノイド22の働きによって、底辺を軸として板状の開閉扉が前方に傾動し、入賞口(小当り入賞口)が現れる。小当り可変入賞球装置87は、小当り遊技状態となると、一定期間(たとえば、1.5秒間)開成することによって、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
ここで、小当りとは、開放扉の開放回数および開放時間の少なくともいずれか一方が、大当りよりも短い当りのことをいう。小当り可変入賞球装置87は、小当りの発生を以て開放扉が開放状態となる。これを「小当り遊技状態」と称する。
小当り可変入賞球装置87については、右遊技領域から遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、小当り可変入賞球装置87に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
なお、左遊技領域に打分けられた遊技球も小当り可変入賞球装置87に進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は右遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。
遊技領域7の中央付近には、特別図柄の変動表示に対応した演出等の各種の演出表示をすることが可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する変動表示手段として、第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されている。演出表示装置9の表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期して、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられている。このような表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄(飾り図柄とも呼ばれる)を変動表示する図柄表示領域(図柄表示エリア)が形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示を実行し、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示を実行すれば、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。特別図柄表示器を1つのみ備える場合には、始動入賞口を1つのみ設ければよい。また、特別図柄表示器を1つのみ備える場合であっても、始動入賞口を2つ(複数)設け、いずれの始動入賞口に遊技球が入賞したときにも、1つの特別図柄表示器を変動表示させる制御をしてもよい。また、特別図柄表示器を2つ(複数)備える場合に、始動入賞口を1つ設け、所定の順番で2つの特別図柄表示器を変動表示させる(たとえば1回の始動入賞ごとに変動表示させる特別図柄表示器を切替える等)制御をしてもよい。
遊技領域7の下方には、大当り可変入賞球装置20が設けられている。大当り可変入賞球装置20は、前面が長方形の扉で覆われた大入賞口を備えており、大当りが発生すると、ソレノイド21の働きによって、底辺を軸として扉が前方に傾動し、大入賞口が現れる。大当り可変入賞球装置20の内部には、進入した遊技球を検出するためのカウントスイッチ23が設けられている。大当り可変入賞球装置20へは、左遊技領域および右遊技領域のいずれに遊技球を打込んだ場合であっても、大入賞口へ入賞させることが可能である。なお、左遊技領域および右遊技領域のいずれか一方に遊技球を打込んだ場合にのみ、大入賞口への入賞が可能となるように、障害釘やその他の構造物によって大入賞口への入賞ルートを制限してもよい。
第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大当り可変入賞球装置20、および小当り可変入賞球装置87のいずれかに遊技球が入賞すると、それぞれに応じて予め定められた数の賞球が払出される。なお、ゲート32を遊技球が通過した場合にも賞球を払出すようにしてもよい。また、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14のうちの少なくともいずれかについては、遊技球が入賞しても賞球が払出されないようにしてもよい。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、パチンコ遊技機1は、額縁状の外枠に対して、前面枠とガラス扉枠2とがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。さらに、前面枠に対して、ガラス扉枠2がその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。
前面枠における揺動中心とは反対側の端縁付近には、上下1対の係合突起が設けられている。この係合突起は、ばねによって下方向に押圧されている。一方、外枠の係合突起に対向する位置に、係合受け片が設けられている。開放状態の前面枠を外枠に押付けることにより係合突起が係合受け片を乗越え、乗越えた状態でばねの付勢力により係合突起が下方に移動し、ロック状態となる。
そして、遊技場の係員がパチンコ遊技機1に設けられた鍵穴に鍵を挿入して解錠操作(たとえば時計回り回転)することにより、ばねの付勢力に抗して上下1対の係合突起が上方に押上げられ、その結果係合受け片に対する係合突起の係合が解除されてロック解除状態となり、前面枠が開放される。
さらに、前面枠にはガラス扉枠2用の係合突起も設けられており、その係合突起に対向するガラス扉枠2部分には、係合穴が設けられている。係合突起は、ばねによって下方に押圧されており、開放状態のガラス扉枠2を前枠に押付けることにより係合穴の下縁部分によって係合突起が押上げられて乗越えることにより、ばねの付勢力により係合突起が押下げられ、係合突起と係合穴とが係合されてロック状態となる。この状態で、遊技場の係員が鍵穴に鍵を挿入して解錠操作(たとえば反時計回り回転)することにより、ばねの付勢力に抗して係合突起が引上げられ、係合突起と係合穴との係合が解除されてロック解除状態となり、ガラス扉枠が開放される。
前面枠における揺動中心とは反対側の端縁付近の所定位置における前面枠とガラス扉枠2との接触部分にガラス扉枠2用の扉開放スイッチ12が設けられており、ガラス扉枠2が開放されたことがこの扉開放スイッチ12により検出される。扉開放スイッチ12で扉開放が検出されたことに応じて、扉開放信号が、遊技制御用マイクロコンピュータ560へ向けて送信される。なお、ガラス扉枠2用の扉開放スイッチ12とは別に、前面枠と外枠とが接触する箇所に前面枠開放検出スイッチを設け、前面枠が開放されたことが検出されるようにしてもよい。
小当りは、第1特別図柄表示器8aに小当り図柄(小当り表示結果)が導出表示されたとき、および、第2特別図柄表示器8bに小当り図柄(小当り表示結果)が導出表示されたときのそれぞれで発生する。第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことに基づく抽選により小当りとする決定がされたときに、第1特別図柄表示器8aに大当り図柄が導出表示される。第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことに基づく抽選により小当りとする決定がされたときに、第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が導出表示される。第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大当り可変入賞球装置20、および小当り可変入賞球装置87のいずれかに遊技球が入賞すると、それぞれに応じて予め定められた数の賞球が払出される。なお、ゲート32を遊技球が通過した場合にも賞球を払出すようにしてもよい。
また、大当りは、小当り遊技状態となることによって小当り可変入賞球装置87の入賞口が開放しているときに入賞した遊技球が、V入賞領域に進入した場合に発生する。大当りとなると、大当り遊技状態(大当り状態ともいう)が発生する。大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な特定遊技状態(有利状態)であり、大当り可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを所定回数繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、大当り可変入賞球装置20が開放(大入賞口が開放)されている状態が、ラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。
大当り遊技状態では、大当り可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、大当り可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示(確定表示)させることである。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報を示す(特定する)場合にも用いられる。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に当りとなり、可変入賞球装置15が遊技者にとって不利な閉状態から所定時間に限って遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
パチンコ遊技機1には、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図2参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図2参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図2参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図2参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図2参照)が設けられている。
パチンコ遊技機1においては、遊技状況に応じて、遊技者が左遊技領域を狙う「左打ち」と右遊技領域を狙う「右打ち」とを使い分けるように遊技球を発射することにより、変化に富んだ遊技を楽しむことができるように遊技状態および演出状態が制御される。
特に、パチンコ遊技機1は、左右の打分け遊技を経て大当りを発生可能とする遊技性を備えている。すなわち、まず、左打ちによって第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を狙い遊技球をいずれかの始動口に入賞させるように遊技を行なう。そして、表示結果が小当りとなれば、左打ちから右打ちに切替えて小当り可変入賞球装置87を狙い遊技を行なう。
小当りに当選すると小当り可変入賞球装置87が短い時間開放する小当り遊技状態となる。そして、短い開放時間の間に小当り可変入賞球装置87の入賞口に遊技球が進入し、さらに、小当り可変入賞球装置87のV入賞領域へ遊技球が進入してV入賞スイッチ87aで検出されると、大当りとなって、下方の大当り可変入賞球装置20が開放し、大当り遊技状態に制御される。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2は、主基板(遊技制御基板)31等における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ、異常状態を示すフラグ、遊技停止状態を示すフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、様々な判定に用いられる乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a(ゲート32に対応)、第1始動口スイッチ13a(第1始動入賞口13に対応)、第2始動口スイッチ14a(第2始動入賞口14に対応)、カウントスイッチ23(大当り可変入賞球装置20に対応)、V入賞スイッチ87a、小当りカウントスイッチ87b、扉開放スイッチ12、および磁気センサ61のそれぞれからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。
また、パチンコ遊技機1裏面側には、前述した機構板に対して、基板ケースに覆われた主基板31や演出制御基板80、各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板910を収容した電源ボックス等が設けられている。電源基板910には、パチンコ遊技機1における主基板31(遊技制御基板)および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ911が設けられている。電源スイッチ911は、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠を開放した際に、パチンコ遊技機1裏面において操作可能となる位置に設けられている。また、電源基板910には、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。さらに、電源スイッチ911の内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
パチンコ遊技機1において、特定の異常状態が発生した場合には、異常報知がされる。その異常報知を止めるためには、パチンコ遊技機1への電力供給を停止させ、その後パチンコ遊技機1への電力供給を再開させる場合がある(電源再投入)。このような場合には、遊技枠を開放し、電源スイッチ911をオフした後にオンすればよい。なお、後述する遊技停止状態では、その他の異常状態の解除と区別するために、単に電源再投入しただけでは遊技停止状態が解除されず、電源を再投入する際にガラス扉枠2が開放されている必要がある。
また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、大当り可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および小当り可変入賞球装置87を開閉するソレノイド22を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101を含む演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
CPU560は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および、小当りカウントスイッチ87b等のスイッチのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を払出制御基板37へ出力する。払出制御基板37は、払出制御用マイクロコンピュータが搭載され、払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動し、賞球を払出させる制御をする。
また、払出制御基板37には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置550が接続されている。
図3は、当り種別表を示す図である。当り種別表には、当りの種別ごとに、当り発生条件、当り後の変動時間(特別図柄の変動時間)、当りにおける開放回数(ラウンド数)、および当りにおける各ラウンドの開放時間が示されている。この実施の形態では、当り種別として、第1小当り、第2小当り、および大当りが設けられている。
第1小当りまたは第2小当りは、特別図柄の表示結果が小当り図柄になった場合に発生する。特別図柄の表示結果を小当り図柄にするか否かの判定は、乱数抽選によって事前に行なわれる(特別図柄当り判定)。第1小当りまたは第2小当りが発生すると、小当り遊技状態となり、小当り可変入賞球装置87が開放する。第1小当りの場合、小当り可変入賞球装置87の開放回数は1回、開放時間は1.5秒である。第2小当りの場合、小当り可変入賞球装置87の開放回数は1回、開放時間は0.1秒である。
第1小当り当選時は、演出表示装置9において、第1小当りに当選されたことが表示される。その後、直ちに右打ちにより小当り可変入賞球装置87に遊技球を入賞させることを画面上で表示することにより遊技者に示唆する報知(右打ち報知)が行なわれる。その報知後、小当り可変入賞球装置87が1.5秒の間開放される。これにより、右打ち報知を認識した遊技者が事前に右打ちをすると小当り可変入賞球装置87が開放前に既に遊技球が発射されているので、開放時間が比較的短い(1.5秒)第1小当りにおいて開放中の小当り可変入賞球装置87に遊技球を入賞させることが可能となる。
しかし、第2小当りの場合には、第1小当りと異なり、右打ちにより小当り可変入賞球装置87に遊技球を入賞させることが画面上で表示されない。よって、第2小当りの場合は、遊技者が右打ちが必要なことを事前に右打ち報知によって認識できないので、小当り可変入賞球装置87が開放したことを視認して右打ちをしても、開放時間が前述のように極めて短い(0.1秒)第2小当りにおいて小当り可変入賞球装置87が閉鎖されるまでに遊技球を入賞させることが不可能となる。また、これらの小当り終了後の当り後の変動時間は、変化しない。
第1小当りが発生後に、首尾よく小当り可変入賞球装置87内のV入賞領域へ遊技球を通過させることができれば、大当りとなる。このように、大当りは、小当り開放時のV入賞によって発生する。なお、特別図柄の表示結果が大当り図柄となった場合に発生する大当りが設けられていてもよい。大当りが発生すると、大当り可変入賞球装置20が開放し、大当り遊技状態となる。大当り可変入賞球装置20の開放回数は15回であり、1回のラウンドの開放時間は29秒である。大当り遊技状態が終了すると、特別図柄の変動表示時間が通常時の変動表示時間よりも短くされた時短状態となる。時短状態は、大当り遊技状態が終了してから特別図柄の変動回数が100回に達するまで継続する。
ここで、時短状態を説明する。時短状態は、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一例である。時短状態は、特別図柄(演出図柄)の変動時間(変動表示期間)が非時短状態(通常状態)よりも短縮される制御状態である。このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
なお、時短状態では、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する高ベース状態に制御される。
ここで、「ベース」とは、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である。この割合を高める積極的な制御が行なわれる状態が「高ベース状態」である。一方、このような制御が行なわれない状態が「低ベース状態」である。このような制御は、たとえば、特別図柄の変動開始の契機となる始動入賞の発生を高める制御として実現される。このため、本実施の形態でいえば、可変入賞球装置15(いわゆる電動チューリップ)の開放頻度や開放回数を増加させ、あるいは1回の開放時間を長くすることによって、その可変入賞球装置への入賞を容易化する制御として実現できる。このような制御は、「電チューサポート制御」とも呼ばれる。つまり、高ベース状態とは、特別図柄の変動契機となる可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより、その可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞が容易化(高進入化、高頻度化)される制御状態である。
さらに、高ベース制御(電チューサポート制御)について詳述する。高ベース制御(電チューサポート制御)としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15(普通電動役物)の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、特別図柄の変動契機となる可変入賞球装置の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、特別図柄の変動契機となる可変入賞球装置が開状態となっている時間比率が高くなるので、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(ランダム1):小当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダム1は、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(ランダム2):特別図柄(装飾用(演出用)の演出図柄)の変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(ランダム3):特別図柄(装飾用(演出用)の演出図柄)の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(ランダム4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(ランダム5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、非時短状態で選択される変動パターン種別に含まれる変動パターンよりも変動時間が短く設定された変動パターン種別に含まれる変動パターンから変動パターンが選択される制御が行なわれたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする特別図柄の保留記憶数(第1特別図柄と第2特別図柄との合算保留記憶数)が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御が実行される。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常状態(非保留数短縮制御状態)で選択される変動パターン種別に含まれる変動パターンよりも変動時間が短く設定された変動パターン種別に含まれる変動パターンから変動パターンが選択される制御が行なわれたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
また、変動パターン種別と変動パターンとを別々に設定し、2段階の抽選処理によって変動パターンを決定するのではなく、変動パターン種別を設けずに変動パターン判定用乱数のみを用いて、1段段階で変動パターンを決定するようにしてもよい。
図5は、小当り判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、第1小当り判定テーブルを示し、図5(B)は、第2小当り判定テーブルを示している。これらの小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダム1と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。第1始動入賞口13または第2始動入賞口14において遊技球の入賞(進入)が検出されたタイミングで抽出されたランダム1の抽出値が、第1小当り判定テーブルに設けられた第1小当り判定値と一致したときに、第1小当りとすることが決定される。また、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14において遊技球の入賞(進入)が検出されたタイミングで抽出されたランダム1の抽出値が、第2小当り判定テーブルに設けられた第2小当り判定値と一致したときに、第2小当りとすることが決定される。第1小当り判定テーブルおよび第2小当り判定テーブルでは、第1小当りまたは第2小当りとすることが決定される確率が1/300の割合に設定されている。
図6は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図6に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図6のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)は、特別図柄の表示結果がはずれに決定されていることを示す表示結果指定コマンドである。コマンド8C02(H)は、大当り(小当り開放時V入賞)に決定されていることを示す表示結果指定コマンドである。コマンド8C03(H)は、特別図柄の表示結果が第1小当りに決定されていることを示す表示結果指定コマンドである。コマンド8C04(H)は、特別図柄の表示結果が第2小当りに決定されていることを示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。これらのコマンド8C01(H)、8C03(H)、8C04(H)、8D01(H)、および8D02(H)は、特別図柄を変動開始させるタイミングで送信される。また、コマンド8C02(H)は、小当り時に小当り可変入賞球装置87の内部のV入賞領域を遊技球が通過したタイミング(V入賞スイッチ87aにおいて遊技球が検出されたタイミング)で送信される。
コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定する図柄確定指定コマンドである。コマンド9000(H)は、遊技機に関する電力供給が開始されたときに送信される初期化を指定(電源投入時の初期画面を表示することを指定)するコマンドである。コマンド9200(H)は、遊技機に関する電力供給が再開されたときに送信される停電の復旧を指定(停電復旧画面を表示することを指定)するコマンドである。コマンド9F00(H)は、客待ちのデモンストレーションを指定するコマンドである。
コマンドA001(H)は、大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンドである。コマンドA002(H)は、第1小当りの開始を指定する第1小当り開始指定コマンドである。コマンドA003(H)は、第2小当りの開始を指定する第2小当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301(H)は、大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。コマンドA302(H)は、第1小当りの終了を指定する第1小当り終了指定コマンドである。コマンドA303(H)は、第2小当りの終了を指定する第2小当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を指定する合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における小当り判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、小当りとなるか否かの判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図15参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、小当りとなるか否か、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、小当りとなることを指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。また、変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、表示結果が小当りとなるか否かを認識できるとともに、変動種別コマンドに基づいて、変動パターン種別を認識できる。
コマンドD000(H)は、V入賞があったことを指定するV入賞指定コマンドである。V入賞指定コマンドは、開放中の小当り可変入賞球装置87に進入した遊技球がV入賞スイッチ87aで検出されたタイミングで送信される。コマンドD001(H)は、不正なV入賞があったことを指定する不正V入賞指定コマンドである。
コマンドD200(H)は、磁気異常があったことを指定する磁気異常指定コマンドである。コマンドD300(H)は、遊技停止が解除されたことを指定する遊技停止解除指定コマンドである。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図7(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。保留特定領域は、RAM55に形成(RAM55内の領域である)され、図7(A)に示すように、合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図7(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。
図7(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を特定可能なデータが記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
図7(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図7(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である小当り判定用乱数(ランダム1)、および、ソフトウェア乱数である変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。なお、保留特定領域および保存領域に記憶されたデータを始動入賞時に読出して、可変表示結果が「小当り」となる可能性などが予告される対象となる可変表示を開始するより前に、特別図柄の変動表示の保留情報などに基づいて実行可能となる先読み予告演出に用いてもよい。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、合算保留記憶数指定コマンド等のコマンドが主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に遊技機の動作について説明する。図8は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単に「S」と示す)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう(S1〜S5)。
次いで、CPU56は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(S6)。S6でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行なわれている。そのような電力供給停止時処理が行なわれていたことを確認した場合には、CPU56は、電力供給停止時処理が行なわれた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行なわれていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行なわれていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(たとえば2)になっているか否かによって確認される。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう(S8)。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。S8では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(S10〜S13の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S42の処理)を行なう。たとえば、電力供給停止時の状態に戻すために、バックアップRAMにバックアップしていた特別図柄プロセスフラグ、異常状態を示すフラグ、遊技停止状態を示すフラグ等のデータを読み出す。このように、バックアップしていた各種データが読み出されると、そのデータを用いて電力供給停止時の状態からパチンコ遊技機1の遊技制御が開始される。また、CPU56は、電力供給復旧時に停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。また、CPU56は、後述する異常処理で発生する遊技停止状態である場合には、遊技停止を解除するための遊技停止解除処理を実行する(S44)。遊技停止解除処理についての詳細は、図9で説明する。そして、S14に移行する。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。そして、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(S15)。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU56は、まず、割込禁止状態にして(S16)、初期値用乱数更新処理(S18)と、表示用乱数更新処理(S18)とを実行して、再び割込許可状態にする(S19)。すなわち、CPU56は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
なお、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、変動パターン種別を決定するための判定用乱数を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。表示用乱数とは、特別図柄表示器の表示を決定するための乱数である。この実施の形態では、表示用乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数等が用いられる。
また、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のS24,S25でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、S17,S18の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で初期値用乱数や表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、S17,S18の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
このパチンコ遊技機1では、後述するように、所定の異常状態が発生したときに、遊技球を発射できない遊技停止状態にされる場合がある。遊技停止状態とは、打球発射装置550を不能動化し、遊技球を発射できない状態とすることである。遊技停止状態になったときに、遊技停止状態を解除しても不都合がないと遊技場側で判断したときは、遊技場の係員により遊技停止状態を解除するために電源再投入(扉開放を伴う電源投入)が行なわれる。遊技停止以外の異常報知を終了させるときは、単に電源再投入により終了させることができる。しかし、遊技停止状態を解除するときには、遊技場の係員が、一旦電源スイッチ911をオフ状態にした後、ガラス扉枠2を前面枠から開放した状態で電源スイッチ911をオン状態にする電源再投入を行なわなければならない。このような扉開放を伴う電源再投入が行なわれたときのパチンコ遊技機1においては、遊技停止状態であったことが特定可能なバックアップデータ(後述する遊技停止フラグのデータ)が、バックアップ記憶されており、かつ、遊技停止状態を解除するためにガラス扉枠2を前面枠から開放した状態であることが検出されたことを条件として、遊技停止状態を解除するための処理が行なわれる。
図9は、メイン処理のS44における遊技停止解除処理を示すフローチャートである。遊技停止解除処理とは、前述のような扉開放を伴う電源再投入時において、異常状態の発生によって電源再投入前の遊技状態中に遊技停止状態にされたパチンコ遊技機1の遊技停止状態を解除し、遊技を可能とするための処理である。
S41〜S42において読み出されたデータには、遊技停止フラグが含まれている場合がある。遊技停止フラグは、所定の異常状態の検出に応じて遊技を停止するために、後述する図13の遊技停止処理におけるS433でセットされるフラグである。遊技停止状態において前述のような電源再投入をするために電源を遮断したときに、遊技停止フラグがセットされているときには、その遊技停止フラグを示すデータがバックアップRAMに記憶される。
遊技停止解除処理では、電源遮断前に遊技停止状態であったか否かを確認するために、CPU56が、まず、遊技停止状態の解除の条件の1つとして遊技停止フラグがオンされているか否かを判定する(S440)。遊技停止フラグがセットされていれば、さらに、遊技停止状態の解除の条件の1つとして扉開放信号の受信に基づいて扉開放が検出されているか否かを判定する(S441)。扉開放信号は、前面枠からガラス扉枠が開放されたときに、扉開放スイッチ12から遊技制御用マイクロコンピュータ560へ送信される。
扉開放が検出されていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100へ遊技停止が解除されたことを示す遊技停止解除指定コマンドを送信する(S442)。そして、打球発射装置550を能動化することによって遊技停止を解除する(S443)。これにより、遊技球が発射できる状態となる。次いで、不正V入賞フラグ、磁気異常フラグ、遊技停止フラグをリセットし(S444)、処理を終了する。ここで、不正V入賞フラグは、図19のS647に示すように、不正なV入賞があったときにセットされるフラグである。また、磁気異常フラグは、図12のS423に示すように、磁気センサ61により磁気が検出されたときにセットされるフラグである。
S440において、遊技停止フラグオンしていない(遊技停止フラグオフ)と判定されたときは、不正V入賞フラグ、磁気異常フラグがオンされていれば、これらのフラグをリセットし(S446)、処理を終了する。また、S441において、扉開放が検出されていなければ(ガラス扉が閉鎖状態であれば)、遊技停止状態(遊技球の発射不能)を継続する(S445)。そして、処理を終了する。
遊技停止解除処理は、図8のメイン処理のS43において実行される処理である。この処理は、パチンコ遊技機1への電力供給が停止した後に、パチンコ遊技機1への電力供給が再開したときに実行される処理である。このように電源再投入の際に、図9のS446に示すように、不正V入賞による異常報知に用いられる不正V入賞フラグと磁気異常による異常報知に用いられる異常フラグとは、リセットされる。また、遊技停止状態を伴う異常報知に用いられる遊技停止フラグは、ガラス扉の扉開放が検出された状態で電源再投入がされなければリセットされない(S440〜S444)。つまり、通常の電源再投入でリセットされる異常処理と電源再投入およびガラス扉枠2が開放されなければ終了しない異常処理とが設けられている。
このように、不正V入賞による異常報知または磁気異常による異常報知は、電源が再投入された場合に解除され、遊技停止による異常報知は、扉開放が検出されている状態で電源が再投入された場合に解除される。よって、異常報知の種類により、異常報知の解除の条件(終了条件)が異なるので、状況に応じた異常処理を実行することができる。
また、扉開放が検出されている状態で電源が再投入された場合に解除される遊技停止の異常報知の終了条件とは、図9に示すように遊技停止状態となる磁気異常とV入賞異常とが重複して発生したときの遊技停止異常報知が終了するための条件である。よって、遊技停止を伴う異常報知は、扉開放を伴わないと異常報知が終了せず、不正V入賞報知や磁気異常報知に比べ解除処理が複雑に設定されている。つまり、遊技停止を伴うような重大な異常については、複雑な終了条件が設定されている。このようにすれば、状況に応じた異常処理を実行することができる。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図10は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図10に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、V入賞スイッチ87a、小当りカウントスイッチ87b等の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。次いで、CPU56は、パチンコ遊技機1において発生する各種エラー(異常)の判定を実行する処理であるエラー処理を実行する(S29A)。エラー処理については、図11〜図13において詳細に説明する。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報や後述するセキュリティ情報タイマが設定した異常情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および小当りカウントスイッチ87bの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図11は、図10のS29Aにおけるエラー処理の一部処理である、特定入賞異常報知処理を示すフローチャートである。特定入賞異常報知処理は、小当り可変入賞球装置87の内部に設けられた特定入賞領域としてのV入賞領域に不正が行なわれたときに実行されるエラー処理である。特定入賞異常報知処理について、CPU56は、まず、遊技停止フラグがセットされているか否かを判定する(S410)。遊技停止フラグがセットされている場合は、特定入賞異常報知(V入賞異常報知)が実行されないので、そのまま処理を終了する。
遊技停止フラグがセットされていない場合には、不正V入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S411)。不正V入賞フラグがセットされていない場合には、処理を終了する。S411において、不正V入賞フラグがセットされている場合には、セキュリティ信号情報タイマを−1する(S412)。セキュリティ情報タイマは、図19のS649においてセットされるタイマであり、不正V入賞が生じたときに初期値として300秒がセットされる。次いで、CPU56は、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(S413)。セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしていなければ処理を終了する。セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしていれば、不正V入賞フラグをリセットし(S414)、処理を終了する。このような特定入賞異常(V入賞異常)報知処理により、セキュリティ信号情報タイマの設定期間である300秒の間、特定入賞異常(V入賞異常)を特定する信号が外部出力(異常報知)される。
図12は、図10のS29Aにおけるエラー処理の一部処理である、磁気異常報知処理を示すフローチャートである。磁気異常報知処理は、パチンコ遊技機1において磁気センサ61により磁気が検出されたときに実行されるエラー処理である。磁気異常報知処理について、CPU56は、まず、遊技停止フラグがセットされているか否かを判定する(S420)。遊技停止フラグがセットされている場合は、特定入賞異常報知(V入賞異常報知)が実行されないので、そのまま処理を終了する。
遊技停止フラグがセットされていない場合には、磁気異常フラグがセットされているか否かを判定する(S421)。磁気異常フラグがセットされていない場合には、磁気センサ信号が入力されている状態か否かを判定する(S422)。パチンコ遊技機1で磁気センサ61により磁気が検出されている場合には、磁気センサ61から磁気センサ信号が遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信される。S422では、この磁気センサ信号が入力されているか否かが判定される。S421において、磁気センサ信号が入力されていない場合には、処理を終了する。
S422において、磁気センサ信号が入力されている場合には、磁気異常状態であることを示す磁気異常フラグをセットする(S423)。次いで、CPU56磁気異常状態であることを示す磁気異常指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する(S424)。さらに、CPU56は、異常センサ信号が入力されたタイミングに初期値としてセキュリティ信号情報タイマに300秒をセットし(S425)、処理を終了する。
S421において、磁気異常フラグがセットされている場合には、セキュリティ信号情報タイマを−1する(S426)。次いで、CPU56は、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(S427)。セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしていなければ処理を終了する。セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしていれば、磁気異常フラグをリセットし(S428)、処理を終了する。このように磁気異常報知処理により、セキュリティ信号情報タイマの設定期間である300秒の間、磁気異常を特定する信号が外部出力(異常報知)される。
図13は、図10のS29Aにおけるエラー処理の一部処理である、遊技停止処理を示すフローチャートである。遊技停止処理は、パチンコ遊技機1において遊技を不能動化する処理である。遊技停止処理について、CPU56は、まず、磁気異常フラグがセットされているか否かを判定する(S430)。磁気異常フラグがセットされていなければ、処理を終了する。S430において、磁気異常フラグがセットされていれば、不正V入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S431)。不正V入賞フラグがセットされていなければ、処理を終了する。
不正V入賞フラグがセットされていれば、遊技を停止(遊技球を発射不能に制御)する(S432)。具体的に遊技を停止する処理は、CPU56により、打球発射装置550に発射を不能にする信号が送信されることにより、打球発射装置550を不能動化される。次いで、遊技停止状態であることを示す遊技停止フラグをセットし(S433)、処理を終了する。
このように、不正V入賞フラグと磁気異常フラグとが両方セットされている場合には、重複時異常処理として、遊技を停止(遊技球を発射不能に制御)する処理が実行される。よって、不正V入賞異常と磁気異常とのうちいずれか一方が異常となっている場合と、異常が重複している場合とで、遊技停止が行なわれるか否かが異なる。よって、状況に応じた異常処理を実行することができる。
図14は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。始動口スイッチ通過処理においては、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、始動入賞時の各種判定処理が行なわれる。そして、パチンコ遊技機1の内部制御状態を示す特別図柄プロセスフラグに応じて、S300〜S310のうちいずれかの処理が行なわれる。
S300〜S310の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を第1小当りまたは第2小当りとするか否かの決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定および変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの場合に、大当り可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
小当り開放前処理(S308)は、小当りに応じて、大当り可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。小当り開放中処理(S307)は、小当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、小当り終了処理に移行する。小当り終了処理(S310)は、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
大当り終了処理においては、大当りの後に遊技状態が時短状態に変更される。一方、本実施の形態において、小当り終了処理においては、遊技状態は変更されない。
図15は、S311の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、図7で説明した第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU56は、図7に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図7(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞順番が記憶される。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図7(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。S1216の処理では、小当り判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1221)。
S1218,S1219の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1218〜S1221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図7(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、小当り判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1228)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1230)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1232)。
S1229,S1230の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態にかかわらず、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1229〜S1232の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図16は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、保留特定領域(図7(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認することにより、第1保留記憶バッファに保留記憶データがあるか否かを確認する(S52)。第1保留記憶バッファに保留記憶データがある場合(S52のY)、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである、つまり第2保留記憶バッファに保留記憶データがある)場合(S52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
次いで、RAM55に形成され合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S59)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファからランダム1(第1小当り判定用乱数)を読出し、第1小当り判定を実行する(S61)。第1小当り判定は、予め決められている第1小当り判定値(図5(A)参照)と第1小当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら第1小当りとすることに決定する処理である。CPU56は、S61において第1小当りと判定された場合には、第1小当りフラグをセットする(S62)。次いで、S65の処理へ移行する。
CPU56は、S61において第1小当りと判定されなかった場合には、保留記憶バッファからランダム1(第2小当り判定用乱数)を読出し、第2小当り判定を実行する(S63)。第2小当り判定は、予め決められている第2小当り判定値(図5(B)参照)と第2小当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら第2小当りとすることに決定する処理である。CPU56は、S63において第2小当りと判定された場合には、第2小当りフラグをセットする(S64)。次いで、S65の処理へ移行する。S63において第2小当りと判定されなかった場合には、S65の処理へ移行する。
S65において、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S65)。具体的には、小当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。小当りフラグがセットされている場合には、第1小当りまたは第2小当りに対応する図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。たとえば、第1小当りに決定されたときには「7」を特別図柄の停止図柄に設定する。第2小当りに決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S66)。
図17は、小当り開放前処理(S308)を示すフローチャートである。小当り開放前処理において、CPU56は、以下のような処理をする。
まず、第1小当りフラグがセットされているか否かを判定する(S610)。第1小当りフラグがセットされている場合には、第1小当りにおける小当り可変入賞球装置87の入賞口扉の開放時間(1.5秒)に相当するデータを、小当り遊技状態での開放時間を計測するための小当り開放時間タイマにセットする(S611)。次に、ソレノイド22を制御することにより入賞口扉を開放して、小当り可変入賞球装置87を開放状態に制御する(S612)。次に、第1小当り開放開始コマンドを送信する(S613)。次いでS614の処理へ移行する。
また、S610において、第1小当りフラグがセットされていないと判定された場合(第2小当りフラグがセットされている場合)には、第2小当りにおける小当り可変入賞球装置87の入賞口扉の開放時間(0.1秒)に相当するデータを、小当り遊技状態での開放時間を計測するための小当り開放時間タイマにセットする(S615)。次に、ソレノイド22を制御することにより入賞口扉を開放して、小当り可変入賞球装置87を開放状態に制御する(S616)。次に、第2小当り開放開始コマンドを送信する(S617)。次いでS614の処理へ移行する。CPU56は、S614の処理において、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り開放中処理(S309)に対応した値に更新する。そして、処理を終了する。
図18は、小当り開放中処理(S309)を示すフローチャートである。小当り開放中処理において、CPU56は、以下のような処理を行なう。
まず、第1小当りフラグがセットされているか否かを判定する(S630)。第1小当りフラグがセットされている場合には、S611でセットされた第1小当り開放時間タイマを1減算し(S631)、第1小当り開放時間タイマがタイムアウト(タイマ値=0)したか否かを判定する(S632)。第1小当り開放時間タイマがタイムアウトしていなければ、S636の処理へ移行する。一方、第1小当り開放時間時間タイマがタイムアウトしていれば、小当り可変入賞球装置87の入賞口扉を閉鎖状態に制御することにより小当り入賞口を閉鎖し(S633)、第1小当り終了指定コマンドを送信する(S634)。次いで、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り終了処理(S310)に対応した値に更新し(S635)、処理を終了する。
S632において、第1小当り開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、小当りカウントスイッチがオンしているか否かを判定する(S636)。小当りカウントスイッチがオンしている場合には、入賞個数カウンタを+1し(S637)、S638の処理へ移行する。小当りカウントスイッチがオンしていない場合には、S638の処理へ移行する。
S638において、CPU56は、V入賞スイッチがオンされているか否かを判定する。V入賞スイッチがオンされていなければ処理を終了する。S638において、V入賞スイッチがオンされていれば、V入賞があったことを示すV入賞フラグをセットする(S639)。次いで、V入賞があったことを示すV入賞指定コマンドを送信し(S640)、S633の処理へ移行する。
図19は、小当り開放中処理(S309)を示すフローチャートである。図18のS630において、第1小当りフラグがセットされていないと判定された場合に、CPU56は、第2小当りフラグがセットされていると判定し、小当り開放中処理において、以下のような処理を行なう。
まず、S615でセットされた第2小当り開放時間タイマを1減算し(S641)、第2小当り開放時間タイマがタイムアウト(タイマ値=0)したか否かを判定する(S642)。第2小当り開放時間タイマがタイムアウトしていなければ、S646の処理へ移行する。一方、第2小当り開放時間時間タイマがタイムアウトしていれば、小当り可変入賞球装置87の入賞口扉を閉鎖状態に制御することにより小当り入賞口を閉鎖し(S643)、第2小当り終了指定コマンドを送信する(S644)。次いで、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り終了処理(S310)に対応した値に更新し(S645)、処理を終了する。
S642において、第2小当り開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、S646において、CPU56は、V入賞スイッチがオンされているか否かを判定する。V入賞スイッチがオンされていなければ処理を終了する。S646において、V入賞スイッチがオンされていれば、不正にV入賞があったことを示す不正V入賞フラグをセットする(S647)。次いで、不正にV入賞があったことを示す不正V入賞指定コマンドを送信し(S648)、セキュリティ信号情報タイマに初期値として300秒をセットし(S649)、S643の処理へ移行する。
図18に示すように、開放時間の比較的長い第1小当りによる小当り可変入賞球装置87の開放中に遊技球がV入賞スイッチ87aにより検出された場合には、正常にV入賞が実行されたとみなされる。しかし、開放時間の短い第2小当りによる小当り可変入賞球装置87の開放中に遊技球がV入賞スイッチ87aにより検出された場合には、その検出が不正なものであると判断される。このように判断されるのは、開放時間が0.1秒と短く右打ち報知もされない第2小当りでは、V入賞することが実質的に無いと考えられるので、その開放時間の間のV入賞の検出を不正なV入賞であると判断するためである。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図20は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定、各種の異常報知を終了させるための処理等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、パチンコ遊技機1で発生した各種のエラー(異常)を報知するためのエラー報知処理を実行する(S706)。エラー報知処理については後述する図21において説明する。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3を含む各種乱数)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S707)。このような乱数SR1−1〜SR1−3のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。また、合算保留記憶表示部の表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S708)。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、受信した変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させる。変動パターンコマンドは、変動表示時間の長さ、および、変動表示結果(小当り、はずれの種別)等の変動表示態様を指定するために必要な情報が特定なデータよりなるコマンドである。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動表示時間で実行されるように制御される。また、演出図柄の停止図柄は、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか、第1小当りとなるか、第2小当りとなるかの判別を行なうことに基づいて決定する。
図21は、図20のS701における初期化処理の一部処理である、異常報知停止処理を示すフローチャートである。異常報知停止処理は、パチンコ遊技機1において何らかの異常報知が実行されている場合に、異常報知を終了させるための処理である。異常報知停止処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、停電復旧指定コマンドを受信したか否かを判定する(S720)。停電復旧指定コマンドは、図8のS43においてパチンコ遊技機1への電力供給が停止した後に、パチンコ遊技機1への電力供給が再開した電源再投入によって遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信されるコマンドである。停電復旧指定コマンドを受信していなければ、処理を終了する。
停電復旧指定コマンドを受信していれば、遊技停止解除指定コマンドを受信しているか否かを判定する(S721)。遊技停止解除指定コマンドは、図9のS442において、遊技停止を解除するときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信されるコマンドである。遊技停止解除指定コマンドを受信していれば、後述する遊技停止状態の報知を終了する(S722)。次いで、各種の異常報知を実行するためのフラグである、不正V入賞報知フラグ、磁気異常報知フラグ、遊技停止報知フラグをリセットする(S723)。そして、処理を終了する。
S721において、遊技停止解除指定コマンドを受信していなければ、S724の処理へ移行する。S724の処理では、不正V入賞報知または磁気異常報知を実行していればいずれかの異常報知を終了する。次いで、不正V入賞フラグまたは磁気異常フラグのいずれかセットされているフラグをリセットする(S725)。そして、処理を終了する。
このように、不正V入賞報知または磁気異常報知は、電源投入されたときに電源投入されたときに、無条件で終了する。しかし、遊技停止状態の報知は、電源投入されたときに遊技停止解除指定コマンドを受信したことを条件として終了する。
なお、停電復旧指定コマンドを受信したか否か、および、遊技停止解除指定コマンドを受信したか否かを判定する処理は、S704のコマンド解析処理でコマンドを解析する処理に相当するが、異常報知停止処理では、これらのコマンドを解析する処理が実行可能となっている。また、異常報知停止処理は、S701の初期化処理の一部として実行されるのではなく、S702以降のタイマ割込み処理内において実行されるようにしてもよい。
また、不正V入賞報知フラグ、磁気異常報知フラグ、および遊技停止報知フラグは、演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103の領域で保存されている。そして、RAM103の不正V入賞報知フラグ、磁気異常報知フラグ、および遊技停止報知フラグは、電源が落ちてもバックアップされる領域に保存されている。しかしながら、演出制御用マイクロコンピュータ100側では、バックアップが実行されないようにしてもよい。たとえば、電源が落ちた場合は、各フラグは消去される(リセットされる)ようにしてもよい。このような場合には、電源が再投入された場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560から電源再投入後も報知される遊技停止の異常報知を示すコマンドを再度送信し、そのコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100側で受信したことにより、遊技停止の異常報知を行なわれるようにしてもよい。
また、電源再投入時(電源復旧時)には、不正V入賞異常報知または磁気異常報知など単独で発生した異常報知は終了する。しかし、後述するS794で実行される不正V入賞と磁気異常とが重複して発生したときの遊技停止を伴う異常報知は、電源が再投入された際もS701の処理において継続して報知されるように制御される。なお、電源復旧時の遊技停止を伴う異常報知は、たとえば、図21のS725において、不正V入賞報知フラグや磁気異常報知フラグをリセットした際に遊技停止フラグが未だセットされていることを条件に開始されるようにしてもよい。また、電源復旧時の遊技停止を伴う異常報知は、S701の初期化処理の一部処理として実行されるのではなく、S702以降のタイマ割込み処理内の所定のタイミングにおいて実行されるようにしてもよい。
また、磁気異常報知または不正V入賞報知はS724において消去されるが、S722の処理において、遊技停止報知とともに磁気異常報知または不正V入賞報知が消去されるようにしてもよい。具体的には、異常が単独で発生しているときに、もう1つの異常が重複して発生した場合は、単独の異常報知とともに遊技停止報知を行なうようにしてもよい。そして、このように、単独の異常報知と重複の異常報知(遊技停止報知)が同時に表示されている場合には、両方の異常報知がS722において消去されるようにしてもよい。
図22は、図20のS706におけるエラー報知処理の一部処理である、不正V入賞報知処理を示すフローチャートである。不正V入賞報知処理は、不正なV入賞があった際に異常を報知する処理である。不正V入賞報知処理において、CPU56は、まず、遊技停止報知フラグがセットされているか否かを判定する(S750)。遊技停止報知フラグがセットされている場合は、処理を終了する。遊技停止報知フラグは、後述する図24のS795において、遊技を停止するときにセットされるフラグである。遊技停止報知フラグがセットされていなければ、不正V入賞報知フラグがセットされているか否かを判定する(S751)。
不正V入賞報知フラグがセットされていれば、不正V入賞報知時間タイマを−1する(S752)。不正V入賞報知時間タイマは、図19のS448において送信された不正V入賞指定コマンドを受信した際に、S757で設定されるタイマである。次いで、不正V入賞報知時間タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(S753)。不正V入賞報知時間タイマがタイムアウトしていなければ、処理を終了する。不正V入賞報知時間タイマがタイムアウトしていれば、不正V入賞報知を終了する(S754)。次いで、不正V入賞報知フラグをリセットし(S755)、処理を終了する。
S751において、不正V入賞報知フラグがセットされていなければ、不正V入賞指定コマンドを受信したか否かを判定する(S756)。不正V入賞指定コマンドは、図19のS448で不正V入賞があったときに送信されるコマンドである。不正V入賞指定コマンドを受信していなければ、処理を終了する。不正V入賞指定コマンドを受信していれば、不正V入賞報知時間タイマをセットする(S757)。次いで、不正V入賞を演出表示装置9の画面とスピーカ27とを用いて報知する(S758)。たとえば、「不正V入賞あり」の文字を演出表示装置9の画面上に表示するとともに、異常音をスピーカ27から流すようにすればよい。次いで、不正V入賞報知フラグをセットし(S759)、処理を終了する。
図23は、図20のS706におけるエラー報知処理の一部処理である、磁気異常報知処理を示すフローチャートである。磁気異常報知処理は、磁気異常があった際に異常を報知する処理である。磁気異常報知処理において、CPU56は、まず、遊技停止報知フラグがセットされているか否かを判定する(S770)。遊技停止報知フラグがセットされている場合は、処理を終了する。遊技停止報知フラグは、後述する図24のS795において、遊技を停止するときにセットされるフラグである。遊技停止報知フラグがセットされていなければ、磁気異常報知フラグがセットされているか否かを判定する(S771)。
磁気異常報知フラグがセットされていれば、磁気異常報知時間タイマを−1する(S772)。磁気異常報知時間タイマは、図12のS424において送信された磁気異常指定コマンドを受信した際に、S778で設定されるタイマである。次いで、磁気異常報知時間タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(S773)。磁気異常報知時間タイマがタイムアウトしていなければ、処理を終了する。磁気異常報知時間タイマがタイムアウトしていれば、磁気異常報知を終了する(S774)。次いで、磁気異常報知フラグをリセットし(S775)、処理を終了する。
S771において、磁気異常報知フラグがセットされていなければ、磁気異常指定コマンドを受信したか否かを判定する(S776)。磁気異常指定コマンドは、図12のS424で磁気異常があったときに送信されるコマンドである。磁気異常指定コマンドを受信していなければ、処理を終了する。磁気異常指定コマンドを受信していれば、磁気異常報知時間タイマをセットする(S777)。次いで、磁気異常を演出表示装置9の画面とスピーカ27とを用いて報知する(S778)。たとえば、「磁気異常あり」の文字を演出表示装置9の画面上に表示するとともに、異常音をスピーカ27から流すようにすればよい。次いで、磁気異常報知フラグをセットし(S779)、処理を終了する。
図24は、図20のS706におけるエラー報知処理の一部処理である、遊技停止報知処理を示すフローチャートである。遊技停止報知処理は、遊技停止状態にあることを報知する処理である。遊技停止処理において、CPU56は、まず、遊技停止報知フラグがセットされているか否かを判定する(S791)。遊技停止報知フラグがセットされている場合は、処理を終了する。遊技停止報知フラグは、S795において、遊技を停止するときにセットされるフラグである。遊技停止報知フラグがセットされていなければ、磁気異常報知フラグがセットされているか否かを判定する(S792)。
S792において、磁気異常報知フラグがセットされていなければ、処理を終了する。磁気異常報知フラグがセットされていれば、不正V入賞報知フラグがセットされているか否かを判定する(S793)。不正V入賞報知フラグがセットされていなければ、処理を終了する。不正V入賞報知フラグがセットされていれば、遊技停止状態を演出表示装置9の画面とスピーカ27とを用いて報知する(S794)。たとえば、「遊技停止中」の文字を演出表示装置9の画面上に表示するとともに、異常音をスピーカ27から流すようにすればよい。次いで、遊技停止報知フラグをセットし(S795)、処理を終了する。このように遊技停止報知は、磁気異常と不正V入賞とが重複したときに実行される重複異常時処理である。
ここで、磁気異常報知または不正V入賞報知が単独で発生しているときは、それらの異常報知が単独で演出表示装置9の画面上で表示されている。そのような場合に、重複して異常が発生すると、単独での異常報知の画面がS794で示す「遊技停止中」の文字を演出表示装置9に変更される。しかしながら、遊技停止の異常報知は、単独での異常報知の画面に加えて別の場所に表示されるようにしてもよい。
なお、図19に示すように、遊技停止状態であることを演出制御用マイクロコンピュータ100により判定し遊技停止報知を行なうのではなく、遊技停止状態であることを示すコマンドが遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信され、そのコマンドを受信したことに基づいて遊技停止状態となるようにしてもよい。
[異常報知と遊技停止との関係]
前述した実施の形態において、不正V入賞については、図19のS646〜S649において、一度検出されることで、不正V入賞指定コマンドが遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信され、不正V入賞異常報知が行なわれていた。しかしながら、不正V入賞の検出された回数を計数し、不正V入賞が複数回検出されなければ、不正V入賞異常報知が行なわれないようにしてもよい。このようにすれば、第2小当りが発生したタイミングでたまたまV入賞した場合であってもそのV入賞は、不正とみなされない。そして、そのような通常は発生しないV入賞(不正V入賞)が、所定回としてたとえば、3回発生したときに不正V入賞異常が発生するようにしてもよい。
また、遊技停止については、図13に示すように磁気異常が検出されている状態で、不正V入賞が発生した場合に遊技停止状態となっていた。つまり、磁気異常が発生している場合には、特定回である1回の不正V入賞が発生した場合に遊技が不能動化されていた。第2事象としての不正V入賞(通常は入賞し得ないタイミングで発生するV入賞)が単独で発生した場合と第1事象としての磁気異常および第2事象としての不正V入賞が重複して発生した場合とで、異常報知を実行するための回数が異なるようにしてもよい。このようにすれば、状況に応じた異常処理を実行することができる。なお、所定回≧特定回という関係であれば、回数はどのように設定してもよい。
[異常報知の閾値について]
前述した実施の形態において、磁気異常およびV入賞異常は、いずれも1回の検出で異常報知が行なわれていた。しかし、これらのうち少なくとも一方に特定の閾値を設けてもよい。異常報知に閾値が設けられるとは、その値になるまで異常報知が行なわれないように設定するということである。そして、特定の閾値に達したことを条件に異常報知を実行した後は、特定の閾値よりも厳しい閾値に達したことを条件に異常報知を実行してもよい。なお、厳しい閾値とは、一度目の閾値よりも早く異常報知を実行するための閾値に達する値のことである。
たとえば、最初に磁気異常やV入賞異常が3回発生したことを条件に異常報知を実行し、その異常報知の後は、磁気異常やV入賞異常が1回発生したことを条件に異常報知を実行してもよい。このようにすれば、2回目の異常報知は、1回目の異常報知よりも早く実行されるので、不正行為の抑止力として働くので、連続して不正行為が行なわれることを抑制することができる。
[振動異常について]
前述した実機の形態における磁気異常を、振動異常としてもよい。たとえば、振動異常を検知するための振動センサをV入賞領域の近傍に設けるようにしてもよい。そして、小当り可変入賞球装置87の上部に植設された遊技釘29に落下してきた遊技球に振動を与え、通常は入賞しないタイミングで不正にV入賞が発生した場合に異常報知を実行してもよい。
また、振動異常が単独で発生した場合は、振動異常を報知し、振動異常と不正V入賞異常とが重複して発生した場合には、遊技を停止するようにしてもよい。このようにすれば、状況に応じた異常処理を実行することができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 磁気に基づいて磁気異常を発生させ、不正なV入賞にもとづいて不正V入賞異常を単独で発生させるパチンコ遊技機1において、図13のS430〜S432に示すように、磁気異常フラグと不正V入賞フラグとが両方セットされている場合に、遊技を停止(遊技球を発射不能に制御)する。つまり、磁気異常と不正V入賞異常とが重複して発生したときに遊技を不能動化する。よって、2つの異常が重複して発生するような重要な異常に関しては、異常報知のみならず、遊技が停止される状態となるので、状況に応じた異常処理を実行することができる。
(2) 第1異常としてパチンコ遊技機1に設けられた磁気センサ61が検出する磁気異常があり、第2異常としてパチンコ遊技機1のV入賞領域に設けられたV入賞スイッチ87aが入賞し得ないタイミングで遊技球を検出したときのV入賞異常とがある。このような2つの異常が重複して発生したときに、遊技が停止される。よって、磁気を発生させて不正に特定領域に遊技媒体を通過させることにより、利益が付与されてしまうことを防止できる。
(3) 第1異常としてパチンコ遊技機1に設けられた振動センサが検出する振動異常があり、第2異常としてパチンコ遊技機1のV入賞領域に設けられたV入賞スイッチ87aが通常入賞し得ないタイミングで遊技球を検出したときのV入賞異常とが設けられていてもよい。このような2つの異常が重複して発生したときに、遊技が停止されるようにしてもよい。このようにすれば、振動を発生させて不正に特定領域に遊技媒体を通過させることにより、利益が付与されてしまうことを防止できる。
(4) 磁気異常報知やV入賞異常報知は300秒で終了するが、遊技停止は扉開放が検出されている状態で電源が再投入された場合にしか解除されない。このようにすれば、磁気を発生させて不正にV入賞領域に遊技球を通過させることやV入賞領域を振動させて不正にV入賞領域に遊技球を通過して利益を付与してしまうことを防止できる。
(5) 不正V入賞報知または磁気異常報知は、扉開放の検出とは関係なく電源が再投入された場合に解除され、遊技停止異常報知は、扉開放が検出されている状態で電源が再投入された場合に解除される。このように、異常の種類によって、異常報知の終了条件が異なるので、状況に応じた異常処理を実行することができる。
(6) 扉開放が検出されている状態で電源が再投入された場合に解除される異常報知の終了条件は、図9に示すように遊技停止状態となる磁気異常とV入賞異常とが重複して発生したときの遊技停止異常報知が終了するための条件である。よって、遊技停止の異常報知は、終了条件に複雑な設定(扉開放の検出)が課されているので、状況に応じた異常処理を実行することができる。
(7) 第2事象としての不正なタイミングでのV入賞領域通過が単独で発生した場合と、第1事象としての磁気の発生および第2事象としての不正なタイミングでのV入賞領域通過が重複して発生した場合とで、異常報知を実行するための発生回数が異なる。よって、各事象に対応して異常報知の発生回数を異ならせることができ、状況に応じた異常処理を実行することができる。
(8) 磁気異常やV入賞異常が3回発生したことを条件に異常報知を実行し、1度異常報知を実行した後は、磁気異常やV入賞異常が1回発生したことを条件に異常報知を実行する。よって、2回目の異常報知の発生条件は、最初に設定されて閾値よりも厳しい閾値に達したことが条件とされる。よって、連続して不正行為が行なわれることを抑制することができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態においては、図13に示すように磁気異常フラグおよび不正V入賞フラグのいずれもがセットされている場合に遊技を停止させるようになっていた。また、このときセットされるフラグは、セキュリティ信号情報タイマに初期値としてセットされた300秒が経過するまでセットされていた。しかし、磁気異常フラグまたは不正V入賞フラグは、300秒よりも短いたとえば、10秒後にリセットされるようにしてもよい。このようにすれば、一方のフラグがセットされてから、他方のフラグが10秒以内にセットされなければ、遊技を停止しないようにすることができる。
(2) 前述した実施の形態においては、不正V入賞報知および磁気異常報知は、300秒という所定時間の経過か電源の再投入という処理により終了していた。しかしながら、不正V入賞報知および磁気異常報知は、電源が再投入されたとしても、300秒という所定時間の経過するまでは終了しないようにしてもよい。また、電源が再投入されたとしても一定の時間(たとえば、10秒間)は、異常報知が継続されるようにしてもよい。このようにすれが、不正に電源を遮断し異常報知を解除しようとしても、電源復旧後にも異常が継続されるので、電源に対する不正を抑制することができる。
(3) 前述した実施の形態においては、電源スイッチ911を操作することで、電源のオン、オフを切り替えることができた。しかし、電源スイッチではなく、たとえば、遊技機の島毎に電源を管理するスイッチ等を設け、そのスイッチのオン、オフにより異常報知の解除処理が実行できるようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態においては、第1事象(磁気)に基づく第1異常として磁気異常、第2事象(通常入らないタイミングのV入賞)に基づく第2異常として不正V入賞異常が設定されていた。さらに、第3事象(振動)に基づく第3異常として振動異常を設けてもよい。そして、第1事象と第2事象とが発生することで遊技を停止するパターンの他に、第2事象と第3事象とが発生することで遊技を停止するパターンを設けてもよい。また、第1事象と第2事象と第3事象とが重複して発生することで遊技が停止するパターンを設けてもよい。また、事象の種類は、他に容易されていてもよく、それらの事象のうち、1つの事象が単独で発生するときは異常報知のみとし、2つの事象が重複して発生するときは遊技を停止するようにすればよい。また、3つ以上の事象が重複して発生した場合は、遊技停止の解除の方法が2つの事象の発生のときよりも困難となるようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態においては、遊技球の払出しより獲得される出玉が通常獲得できる量よりも多いことにより、払出し異常を報知するようにしてもよい。この払出し異常が単独で発生しているときは、払出しに関する異常報知を実行し、払出し異常と他の異常が重複して発生しているときは遊技を停止してもよい。
(6) 前述した実施の形態においては、特別図柄の表示結果が特定の表示結果となることで、大当りとなる場合を設けてもよい。また、第1小当りは確実にV入賞を発生させるために、開放回数やラウンド開放時間を増加させてもよい。
(7) 前述した実施の形態においては、遊技機としてパチンコ遊技機を例にしたが、前述した実施の形態に示した異常処理は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。たとえば、スロットマシンに振動センサ、磁気センサ、V入賞スイッチ等を設け、2つ以上の異常が重なったときに、遊技を停止するようにしてもよい。具体的には、スロットマシンにおいてV入賞領域を有する役物等を設け、V入賞領域を通過することで、内部抽選結果を報知する演出を実行するAT(アシストタイム)に当選する場合に、振動を発生させ不正にV入賞領域を通過させることに基づいて、遊技を停止するようにすればよい。遊技停止では、たとえば、レバー操作を無効としたり、メダル投入を無効としたり、ストップボタンの停止を無効としたりすることで、遊技を不能動化すればよい。なお、V入賞領域を通過することで、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)といったボーナス、また、通常遊技状態と比較して再遊技役の当選確率が異なるRT(リプレイタイム)に当選するようにした場合に同様の異常処理が実行されるようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態においては、磁気センサ61は、小当り可変入賞球装置87の入賞口の近傍ではなく、V入賞領域の近傍に設けるようにしてもよい。また、小当り可変入賞球装置87の入賞口の近傍とV入賞領域の近傍との2か所の位置に磁気センサ61を設けるようにしてもよい。また、一方を振動センサとしてもよい。このようにすれば、より正確に不正V入賞を検出することができる。
(9) 前述した実施の形態においては、小当り可変入賞球装置87の入賞口の近傍に磁気センサや振動センサが設けられる場合を示したが、これらのセンサは、大入賞口や他の始動入賞口の近傍に設置されるようにしてもよく、不正が行なわるおそれのある場所に複数個所設置するようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態においては、遊技停止状態として打球発射装置550を不能動化する場合を示したが、遊技停止を別の方法で行なってもよい。たとえば、異常が重複して発生した場合には、電源を遮断することで遊技停止状態としてもよい。また、遊技球を払い出さないことで遊技停止状態としてもよい。また、始動入賞を検出しないように制御することで遊技停止状態としてもよい。
(11) 前述した実施の形態においては、特定領域異常(V入賞異常)は、大当りとなるV入賞スイッチ87aを対象としたが、確変スイッチ(大入賞口内に設けられた大当り中に通過すると大当り後に確変状態となるスイッチ)や始動口を対象としてもよい。
(12) 前述した実施の形態においては、遊技停止状態の解除の条件として、扉の開放の有無の対象をガラス扉枠とした。しかし、遊技機の島毎に一斉に電源をオン(電源立上げ)等、扉開放なしに電源投入が可能なものであれば、ガラス扉枠を対象とせず、前面枠そのものを対象とし、前面枠が開放されているか否かを判定するようにしてもよい。
(13) 前述した実施の形態においては、第1事象と第2事象とが重複したときは、エラー報知(異常報知)とともに遊技を停止するようにしたが、第1事象と第2事象とが重複したときは、第1事象や第2事象が単独で発生したことに基づくエラー報知とは異なるエラー時処理(異常時処理)であれば、別の態様であってもよい。たとえば、単独で発生したエラー報知とは異なるエラー報知のみを実行してもよいし、遊技停止のみでもよい。また、同様の報知態様であっても、報知の期間が異なる等であってもよい。また、単独で発生したエラーは、ランプのみの報知とし、重複して発生したエラーは、液晶表示装置での報知(ランプと液晶とでの報知等でもよい)など、報知する手段を異ならせてもよい。
(14) 前述した実施の形態においては、第1小当りにおいて1.5秒の開放の前に0.1秒の開放を設けてもよい。また、0.1秒の開放の後に、1.5秒開放までの間、第1小当りであるか第2小当りであるかを煽る演出を実行してもよい。このようにすれば、小当り可変入賞球装置87が最初に0.1秒間開放されるので、その状態では、第1小当りか第2小当りかいずれの小当りが実行されているのかを分かり難くすることができる。また、0.1秒開放後の煽り演出により、遊技の興趣を向上させることができる。
(15) 前述した実施の形態においては、第2小当りでない場合(小当り可変入賞球装置87の閉鎖時)にもV入賞異常を監視するようにしてもよい。たとえば、小当り可変入賞球装置87の閉鎖時は遊技球がV入賞領域を通過することはないが、電波等を浴びせて、センサをオンさせる不正を行なうことも考えられる。このような電波による異常を本実施の形態に適用してもよく、磁気異常や振動異常の他に電波異常が検出されるようにしてもよい。
(16) 前述した実施の形態においては、遊技者にとって有利な状態として、前述した大当り遊技状態の他に、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(17) 前述した実施の形態においては、小当りの表示結果を小当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)としてもよい。そして、演出表示装置に3つの図柄を変動させ、その表示結果が小当り図柄となったときに小当り遊技状態に移行するようにすればよい。そのような場合に、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、小当り図柄と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で小当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出としてもよい。
(18) 前述した実施の形態では、変動表示において実行する演出として、擬似連の演出を実行するようにしてもよい。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。また、変動表示において実行する演出としては、滑り演出を実行するようにしてもよい。滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
(19) 前述した実施の形態では、変動表示時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動表示時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動表示時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動表示時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動表示時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。なお、先読み予告演出とは、変動表示結果が「小当り」となる可能性などが予告される対象となる変動表示を開始するより前に、特別図柄の変動表示の保留情報などに基づいて実行可能となる演出のことである。
(20) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(21) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(22) 前述した実施の形態では、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。また、遊技機は、発射装置および玉払出装置を備えた遊技枠に遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を取付けた構成としたが、これに限らず、発射装置は玉払出装置などの基本的な機能を共通化し、遊技の特長的構成である遊技盤のみを流通させるようにしてもよい。この場合、遊技の特長的構成であるところの遊技盤を遊技機と称する。
(23) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(24) 前述した実施の形態では、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号、あるいは数字や記号に限定されない各セグメントの点灯パターン等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示(変動表示)する例を示した。しかし、第1特別図柄表示器8a第2特別図柄表示器8bにおいて表示される可変表示結果(変動表示結果)や可変表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されない。たとえば、特別図柄の可変表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(たとえば、ハズレ図柄)とを交互に繰返すものも特別図柄の可変表示に含まれる(この場合、前記1つのパターン(たとえばハズレ図柄)が点滅して見える)。また、可変表示中に表示される特別図柄と、可変表示結果として表示される特別図柄とは、異なるものであってもよい。特別図柄の可変表示として、たとえば「−」を点滅させる表示を行ない、可変表示結果として、それ以外の特別図柄(「小当り」であれば「7」、「ハズレ」であれば「1」等)を表示することも特別図柄の可変表示に含まれる。また、一種類の飾り図柄を点滅表示又はスクロール表示すること等も飾り図柄の可変表示に含まれる。普通図柄の可変表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(たとえば、ハズレ図柄)とを交互に繰返すこと等も普通図柄の可変表示に含まれる。また、可変表示中に表示される飾り図柄や普通図柄と、可変表示結果として表示される飾り図柄や普通図柄とは、異なるものであってもよい。
(25) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(26) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。