以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、一実施形態における現金払出システム5の利用環境の一例を概略的に示す。現金払出システム5は、サーバ110と、サーバ112と、データベースサーバ120と、それぞれ現金自動払出機であるCD100a、CD100b及びCD100cと、ビーコン発信機30と、銀行ネットワーク160と、ユーザ端末180とを備える。
ユーザ端末180は、携帯機器である。ユーザ端末180は、例えば、スマートフォン等の移動電話機、携帯情報端末、タブレット型コンピューティングデバイス等の、通信機能を持つ携帯型の電子機器である。ユーザ端末180には、ネットバンキング用のアプリケーションソフトウェアがインストールされている。なお、当該アプリケーションソフトウェアを、「ネットバンキングアプリ」と略称する。ユーザ端末180は、インターネット回線等の公衆ネットワーク、移動体通信網等を含む通信ネットワーク170を通じて、ネットバンキング機能を提供するサーバ110と通信する。例えば、ユーザ端末180は、通信ネットワーク170を通じてサーバ110と通信して、サーバ110が提供するネットバンキング機能を利用して、振り込み等をサーバ110に指示する。
サーバ110は、銀行ネットワーク160を通じてデータベースサーバ120にアクセスして、ネットバンキングの機能を含む、銀行業務に関連する様々な情報処理を行う。データベースサーバ120は、元帳データベース121、払出予約データベース122、ユーザ情報データベース123、及び、銀行業務に関連する他の各種の情報を格納する。元帳データベース121には、口座毎の入出金履歴を含む口座関連情報が格納される。例えば、元帳データベース121は、入出金の種別、入出金が行われた日付、入出金の金額等の入出金履歴を口座毎に格納する。なお、サーバ110の機能は、1つ又は複数のサーバによって実現されてよい。また、データベースサーバ120の機能は、1つ又は複数のデータベースサーバによって実現されてよい。また、サーバ110及びデータベースサーバ120の機能は、1つのサーバによって実現されてもよい。なお、サーバ112は、サーバ110を管理する金融機関とは異なる金融機関のサーバである。本実施形態において、サーバ112は、キャッシングに関する機能を担う。他の実施形態において、サーバ112は、他の銀行のサーバであってよい。なお、サーバ110、サーバ112及びデータベースサーバ120は、現金払出制御システムとして機能する。
CD100a、CD100b及びCD100cのそれぞれは、銀行ネットワーク160を通じてサーバ110と通信して、ユーザ190に現金の払い出しを行う。なお、CD100a、CD100b及びCD100cは、銀行の店舗20aに設けられる。また、CD100a、CD100b及びCD100cは、それぞれ互いに同様の機能を有する。そのため、本実施形態の説明では、CD100a、CD100b及びCD100cの符号の末尾を省略して、「CD100」と総称する場合がある。なお、店舗20b及び店舗20cにも、CD100と同様の構成の現金自動払出機(CD)が設けられる。本実施形態の説明では、主として店舗20aに設けられるCD100の機能及び動作について説明し、店舗20b及び店舗20cの機能及び動作については説明を省略する。
CD100は、現金払出口104及びNFCインタフェース面102を備える。CD100は、NFC(Near Field Communication)機能を有し、NFCインタフェース面102の近傍に、NFCに基づく近距離無線通信に用いる電磁波を提供する。CD100は、NFC機能を持つ機器がNFCインタフェース面102の近傍に存在する場合に、当該機器を検出して、当該機器と近距離無線通信によって通信することができる。
ビーコン発信機30は、店舗20aに設けられる。ビーコン発信機30は、銀行の識別情報及び店舗20aの識別情報を含むビーコンを発信する。
ユーザ端末180は、通信ネットワーク170を通じた無線通信に加えて、NFC機能を有する。ユーザ190は、ユーザ端末180のユーザである。ユーザ190は、ユーザ端末180を用いてサーバ110及びCD100と通信して、CD100から現金の払い出しを受ける。ユーザ190がCD100aから現金を払い出す場合を取り上げて、各構成要素の動作を概略的に説明する。
ユーザ190は、ユーザ端末180を操作してネットバンキングアプリを起動させて、ネットバンキングのログイン画面をユーザ端末180に表示させる。ユーザ190は口座番号及びログインパスワード等のログイン情報を入力して、サーバ110にログインする。ユーザ情報データベース123は、ユーザの認証情報を格納する。サーバ110は、ユーザ情報データベース123に格納されている情報とログイン情報を照合して、ログインの可否を決定する。なお、ユーザ情報データベース123は、認証情報の他に、他の金融機関サーバ112の口座ユーザに関する各種の情報を格納する。例えば、ユーザ情報データベース123は、ユーザが所有する他の金融機関の口座に関する情報を格納する。
ユーザ190は、サーバ110にログインした後、ユーザ端末180に表示される操作画面を通じて、現金の払い出しを予約する操作を行う。このとき、ユーザ190は、ユーザ端末180の画面操作を通じて、払出金額を指定することができる。ユーザ端末180は、ユーザ190によって払い出しを予約するよう指示されると、払出金額を含む予約要求情報をサーバ110に送信する。なお、予約要求情報には、払出金額の他に現金の払い出しに利用するCD100を特定のCD100に限定する限定条件や、CD100を利用する日時を特定の日時に限定する限定条件を含むことができる。また、予約要求情報には、払出を行うことができる複数回の払出回数の上限値を含むことができる。サーバ110に送信された予約要求情報に含まれる払出金額、限定条件及び払出回数の上限値の情報は、予約IDに対応づけて払出予約データベース122に格納される。そして、サーバ110からユーザ端末180に予約IDを含む予約情報が返信され、ユーザ端末180内に保持される。
ユーザ端末180は、ビーコン発信機30からのビーコンを受信すると、ビーコンに含まれる情報に基づいて、ユーザ端末180内に保持されている予約IDを発行した銀行の店舗が存在することを検出する。ユーザ端末180は、店舗20aへの案内画面をディスプレイに表示して、現金の払い出しを予約した銀行の店舗があることをユーザ190に通知する。
ユーザ190は、ユーザ端末180aを持って店舗20aに入り、CD100aのNFCインタフェース面102にユーザ端末180を近接させて、CD100aにユーザ端末180を検出させる。CD100aは、ユーザ端末180を検出すると、近距離無線通信によってユーザ端末180から予約情報を受信する。CD100aは、ユーザ端末180から受信した予約情報で示される払出金額に基づいて、現金を現金払出口104から払い出す。このとき、CD100aは、受信した予約情報に対応付けられた上記の限定条件が満たされることを条件として、現金を現金払出口104から払い出す。また、CD100aは、過去の払出し回数が、受信した予約情報に対応付けられた払出し回数の上限値を超えないことを条件として、現金を現金払出口104から払い出してよい。
現金払出システム5によれば、ユーザ190はユーザ端末180を用いた簡単な操作で、払出予約をしてCD100から現金を引き出すことができる。ユーザ190はユーザ端末180を用いて認証情報や払出金額等を入力するので、CD100に払出操作をするための画面等を表示する必要がない。また、CD100にタッチパネル機能を組み込む必要もない。これにより、ディスプレイ等の表示デバイスやタッチパネル等のユーザインタフェースデバイスをCD100に組み込む必要がない。したがって、CD100のコストを削減できる。また、店舗20に設けたビーコン発信機30からのビーコンによって、ユーザ端末180で現金を引き出すことができるCD100の存在をユーザ190に通知することができる。また、現金払出システム5によれば、現金の払い出しに利用するCD100を特定のCD100に限定したり、CD100を利用する日時を特定の日時に限定したりすることができる。そのため、ユーザ端末180が不正使用されて現金が引き出されてしまう可能性が小さくなる。また、現金払出システム5によれば、ユーザ190は、1回の予約要求で、払出を行うことができる複数回の払出回数の上限値を指定することができる。そのため、ユーザ190は払い出しをする度にサーバ110にアクセスする必要がない。
図2は、CD100、ユーザ端末180及びサーバ110が備える機能構成を示すブロック図である。CD100は、処理部200と、NFC部210と、サーバ通信部220と、現金払出部230とを備える。処理部200は、MPU等のプロセッサで実現される。NFC部210は、NFCを実現するICチップ等で実現される。サーバ通信部220は、ネットワークIC等で実現される。CD100は、2次元の画面を表示する表示デバイスを備えていない。
ユーザ端末180は、処理部250と、NFC部260と、通信部270と、表示部280と、操作受付部282と、ビーコン受信部262と、格納部290とを有する。処理部250は、MPU等のプロセッサで実現される。NFC部260は、NFCを実現するICチップ等で実現される。通信部270は、移動体通信用プロセッサ、ネットワークIC等で実現される。通信部270は、WiFi等の通信規格や、移動体通信の通信規格等、1つ又は複数の通信規格に従って通信する機能を有する。表示部280は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスで実現される。格納部290は、半導体メモリ等の記憶媒体によって実現される。操作受付部282は、タッチパネル、操作キー等で実現される。ビーコン受信部262は、無線受信機で実現される。なお、ビーコン発信機30は、例えば、Bluetooth(登録商標) Low Energyのブロードキャスト通信を利用してビーコンを発信してよい。
CD100のNFC部210は、近距離無線通信を担う。NFC部210は、近距離無線通信によって、ユーザ端末180のNFC部260と通信する。具体的には、NFC部210は、ポーリング信号を定期的に発信する。ユーザ端末180のNFC部260は、NFC部210からのポーリング信号の電磁波を検出すると、ポーリング信号に応答する。これにより、CD100のNFC部210は、近接するユーザ端末180の存在を検出する。NFC部210は、近接するユーザ端末180の存在を検出した後、近距離無線通信によってユーザ端末180のNFC部260から予約情報等の各種の情報を受信することができる。
処理部200は、NFC部210が近距離無線通信によって予約情報を受信したことに応じて、予約情報に基づいて現金の払い出し処理を制御する。例えば、処理部200は、予約情報によって示される現金の払い出し金額の現金を、現金払出部230から払い出させる。現金払出部230は、CD100内に格納されている紙幣等の中から、払い出すべき金額の現金を選択して、選択した現金を現金払出口104に移動させる。このように、CD100の処理部200は、ユーザ端末180から予約情報を受信した後に、払い出し金額の指定をユーザ190から受け付けることなく、予約情報によって示される払出金額の現金を払い出す。
ユーザ端末180において、操作受付部282は、ユーザの操作を受け付ける。例えば、操作受付部282は、ユーザが現金の払出金額を入力する操作、CD100からの現金の払い出しを金融機関に対して予約する旨の指示等を受け付ける。通信部270は、CD100からの現金の払い出しを金融機関に対して予約する旨の予約要求情報を、サーバ110に送信する。また、通信部270は、金融機関に対して予約された現金の払出内容を特定する予約情報を、サーバ110から受信する。NFC部260は、サーバから受信した予約情報を格納する格納領域を有する。NFC部260は、NFC部260が格納している予約情報に基づいてCD100と通信して、当該予約情報によって特定される予約内容に基づく現金の払い出しを、当該CD100に指示する。例えば、予約情報は、現金を払い出す払出金額を示す情報を含む。そして、NFC部260は、NFC部260が格納している予約情報によって示される払出金額をCD100に送信することによって、当該予約情報によって示される金額の現金の払い出しを、当該CD100に指示する。
なお、予約情報は、予め定められた暗号化方式で暗号化された状態でサーバ110から送信される。処理部250は、予め定められた復号方式で予約情報を復号することによって、予約情報で示される情報を取得する。特に断らない限り、「予約情報」とは、サーバ110から受信した予約情報を復号することによって取得された情報であってよい。なお、予約情報は、格納部290に格納されてもよい。予約情報は、セキュアな格納領域に格納することが望ましい。
ビーコン受信部262は、CD100の存在と、当該CD100から現金を払い出すことができる金融機関とを示すビーコンを受信する。表示部280は、ビーコン受信部262がビーコンを受信した場合に、受信したビーコンによって示される金融機関に対して予約された現金の払出内容を特定する予約情報をNFC部260が格納している場合に、予約した現金の払い出しが可能なCD100の存在を、ユーザ190に通知する。例えば、表示部280は、ビーコン受信部262が受信したビーコンによって存在が示されるCD100にユーザ190を案内する案内情報を、ユーザ190に通知する。そのため、予約した現金の払い出しが可能なCD100の存在をユーザに分かり易く通知することができる。
なお、ビーコン発信機30が発信するビーコンは、ビーコンによって存在が示されるCD100の場所を示す。予約情報は、ユーザ190によって指定された、ユーザ190が払い出しに利用するCD100の場所を示す。CD100の場所を示す情報とは、CD100が設けられた支店を示す情報であってよい。この場合、表示部280は、ビーコンによって示されるCD100の場所と、予約情報によって示される払い出しに利用するCD100の場所とが一致することを条件として、予約した現金の払い出しが可能なCD100の存在をユーザ190に通知する。
また、予約情報は、ユーザ190によって指定された、ユーザ190がCD100を利用する時間帯を示す。この場合、表示部280は、ビーコン受信部262がビーコンを受信した時刻が、予約情報によって示される時間帯内であることを条件として、予約した現金の払い出しが可能なCD100の存在をユーザ190に通知する。
また、ユーザ190が利用するCD100を選択する場合、表示部280は、CD100の場所と、当該CD100に対応する特典の内容とを提示する。操作受付部282は、表示部280によって提示されたCD100の場所のうち、ユーザ190が現金の払い出しに利用するCD100の場所を選択する選択指示を、ユーザ190から受け付ける。通信部270は、操作受付部282が受け付けた選択指示で選択された場所のCD100からの現金の払い出しを予約する旨の予約要求情報を、サーバ110に送信する。そして、処理部250は、操作受付部282が受け付けた選択指示で選択された場所に対応づけられた特典を、ユーザ190に付与する。例えば、処理部250は、特典内容を示す情報をNFC部260に格納する。
通信部270は、金融機関におけるユーザ190の口座の残高が、予約情報が示す払出金額より少ない場合に、金融機関に対して、ユーザ190の金融口座の残高を上限とする第1の払出金額の現金の払い出しを予約する旨の第1の予約要求情報をサーバ110に送信する。また、通信部270は、予約情報が示す現金の払出金額から第1の払出金額を減じた第2の払出金額の現金の払い出しを他の金融機関に対して予約する旨の第2の予約要求情報を、他の金融機関のサーバ112に送信する。
なお、NFCに基づく無線通信は、近距離無線通信の一例である。近距離無線通信としては、NFC及びFelica(登録商標)等の近接場型無線通信、Bluetooth(登録商標)等に基づく無線通信、並びにIrDA等に基づく赤外線通信等を例示できる。
次に、サーバ110の構成及び動作について説明する。サーバ110は、通信部70と、CD通信部80と、処理部40とを備える。処理部40は、MPU等のプロセッサで実現される。通信部70及びCD通信部80は、移動体通信用プロセッサ、ネットワークIC等で実現される。通信部270は、WiFi等の通信規格や、移動体通信の通信規格等、1つ又は複数の通信規格に従って通信する機能を有する。
通信部70は、現金の払い出しを予約する旨の予約要求情報をユーザ端末180から受信する。通信部70は、現金の払い出しに利用するCD100及びCD100を利用する時刻の少なくとも一方を限定する限定条件を含む予約要求情報を、ユーザ端末から受信してよい。なお、限定条件は、現金の払い出しに利用するCD100の場所を限定してよい。CD100の場所とは、地域であってよいし、CD100が設けられた支店であってよいし、店舗20内のCD100の設置位置であってよい。また、限定条件は、現金の払い出しに利用するCD100及び当該CD100を利用する時刻を限定してよい。
払出予約データベース122は、限定条件を含む現金の払出内容を格納する。具体的には、払出予約データベース122は、限定条件を含む現金の払出内容を、予約IDに対応づけて格納する。通信部70は、限定条件を含む現金の払出内容を特定する予約情報を、ユーザ端末180に送信してよい。処理部40は、ユーザ端末180が予約情報をCD100に送信することによってCD100に現金の払い出しが要求された場合に、当該CD100が受信した予約情報に基づいて限定条件が満たされることを条件として、当該CD100からの現金の払い出しを許可してよい。
なお、ユーザ端末180に送信される予約情報は、限定条件を示す情報を含まなくてよい。例えば、ユーザ端末180には、予約IDのみを予約情報として送信してよい。この場合、CD100は、ユーザ端末180から予約IDを受信することにより、現金の払い出しの要求を取得する。そして、CD通信部80は、CD100から予約IDを受信する。そして、処理部40は、予約IDに対応付けて払出予約データベース122が格納している現金の払出内容に含まれる限定条件が満たされることを条件として、現金の払い出しを許可する。そして、CD通信部80は、処理部40が現金の払い出しを許可すると判断した場合に、予約IDに対応付けて払出予約データベース122が格納している現金の払出内容に基づいて現金の払出を許可する旨を、予約IDを送信したCD100に送信する。例えば、CD通信部80は、予約IDに対応付けて払出予約データベース122が格納している現金の払出内容に含まれる払出金額を、予約IDを送信したCD100に送信して、当該払出金額の現金の払い出しを、予約IDを送信したCD100に許可する。
これにより、現金の払い出しに利用するCD100を特定のCD100に限定したり、CD100を利用する日時を特定の日時に限定したりすることができる。そのため、ユーザ端末180を紛失してしまった場合でも、現金が引き出されてしまう可能性を低減することができる。
また、ユーザ端末180は、複数回の払出を行うことを要求してもよい。例えば、予約要求情報は、CD100を利用することができる複数回の払出回数の上限値を含んでよい。この場合、予約情報は、払出回数の上限値を含む現金の払出内容を特定できる情報を含んでよい。払出予約データベース122には、過去の払い出し回数の計数値を示す情報として、現金の払出可能回数を予約IDに対応づけて格納している。処理部40は、CD100から予約IDを受信して払い出しが要求され、現金の払い出しを許可した場合に、当該予約IDに対応づけて払出予約データベース122に格納されている払出可能回数をデクリメントする。このようにして、処理部40は、予約ID毎に、許可した現金の払出回数を計数することができる。
そして、処理部40は、新たな要求を受け取った場合に、予約IDに対応付けて払出予約データベース122が格納している払出可能回数が1以上であることを条件として、現金の払い出しを許可する。すなわち、処理部40は、新たな要求を受け取った場合に、計数された払出回数が、予約IDに対応付けて払出予約データベース122が格納している現金の払出内容に含まれる払出回数の上限値を超えていないことを条件として、現金の払い出しを許可する。これにより、ユーザ190は、1回の払出予約によって複数回の払い出しを行うすることができる。また、払出予約データベース122においては、1つの予約情報で複数回の払い出しを管理することができるため、管理するデータ量を削減することができる。なお、払出回数の上限値は、予め定められた期間内にCD100を利用することができる払出回数の上限値であってよい。例えば、払出回数の上限値として、1月あたりの払い出し回数の上限値を適用してよい。
図3は、払出予約をする場合のユーザ端末180及びサーバ110の処理シーケンスの一例を示す。S312において、ユーザ190の指示に応じてネットバンキングンソフトウェアが起動されると、サーバ110へのログイン画面が表示部280に表示する。ユーザ190は、ログイン画面内の店番号、口座番号及び暗証番号の入力ボックスに店番号、口座番号及び暗証番号を入力して、ログイン画面内のログインボタンをタッチすると、通信部270は店番号、口座番号及び暗証番号を含むログイン情報を、サーバ110に送信する(S314)。
S316において、サーバ110は、受信したログイン情報を用いて、ユーザを認証する。例えば、サーバ110は、ログイン情報に適合する情報がユーザ情報データベース123に格納されているかを判断する。サーバ110は、ログイン情報に適合する情報がユーザ情報データベース123に格納されている場合にログインを許可し、ログイン情報に適合する情報がユーザ情報データベース123に格納されていない場合にログインを拒否する。サーバ110は、ログインの可否を示す情報をユーザ端末180に送信する(S318)。
S320において、メニュー画面を通じて払出予約画面の表示がユーザ190から指示されると、払出予約画面を表示部280に表示する(S320)。メニュー画面及び払出予約画面については、それぞれ図4及び図5に関連してより詳細に説明する。ユーザ190は、払出予約画面において、払出金額等の払出内容を指定することができる。ユーザ190から払出内容が指定されて払出予約が指示されると、通信部270は、払出金額等を含む予約要求情報をサーバ110に送信する(S322)。
サーバ110がS322で送信された情報を受信すると、サーバ110は、予約要求情報に基づいて事前に払出金額の引き落としをする場合、データベースサーバ120の元帳データベース121にアクセスして、ユーザの口座の残高を確認して、払出金額の現金を引き出すことが可能であるか否かを判断する(S324)。具体的には、サーバ110は、口座の残高が、払出金額以上であるか否かを判断する。なお、サーバ110は、口座の残高が、払出金額と払出手数料との合計額以上であるか否かを判断してもよい。サーバ110は、払出金額の現金を引き出すことが可能である場合、元帳データベース121を更新して引き落としを行い、払出金額等の払出内容を、予約IDに対応づけてデータベースサーバ120の払出予約データベース122に格納する(S326)。払出予約データベース122に格納する情報については、図9等に関連してより詳細に説明する。そして、サーバ110は、予約IDを含む予約情報を、ユーザ端末180に送信する(S328)。
ユーザ端末180において、サーバ110から予約情報を受信すると、予約情報をNFC部260に格納する(S330)。
図4は、サーバ110へのログインが完了した後に表示部280に表示されるメニュー画面400の一例を概略的に示す。メニュー画面400は、払出予約画面の選択ボタン410を、構成オブジェクトの一部として含む。選択ボタン410は、現金の払い出しを予約する旨の予約要求情報を送信するための画面を表示させるためのオブジェクトである。ユーザ190が選択ボタン410の位置をタッチすると、表示部280は、図5に示す金額設定画面を表示する。
図5は、金額設定画面500を概略的に示す。金額設定画面500は、払出金額の入力ボックス510と、利用回数の入力ボックス520と、1ヶ月あたりの利用回数の入力ボックス530と、設定ボタン590とを含む。ユーザ190は、入力ボックス510に1回あたりの払出金額を入力することができる。入力ボックス520には、期間の限定なしにCD100を利用できる回数を入力することができる。入力ボックス530には、1ヶ月あたりにCD100を利用できる回数を入力することができる。なお、ユーザ190は、入力ボックス520及び入力ボックス530のうち、いずれか一方に利用回数を入力することができる。ユーザ190が設定ボタン590の位置をタッチすると、表示部280は図6に示す利用日時設定画面を表示する。
図6は、利用日時設定画面600を概略的に示す。利用日時設定画面600は、利用日の設定オブジェクト610と、利用時間帯の入力ボックス620と、設定ボタン690とを含む。ユーザ190は、設定オブジェクト610内の利用日の位置をタッチすることで、利用日を設定することができる。入力ボックス620には、利用時間帯の開始時刻及び終了時刻を入力することができる。ユーザ190が設定ボタン690の位置をタッチすると、表示部280は図7に示す利用支店設定画面を表示する。
図7は、利用支店設定画面700を概略的に示す。利用支店設定画面700は、利用する支店を指定しない旨の設定オブジェクト710と、利用支店指定用のオブジェクト720と、他地域の選択ボタン780と、設定ボタン790とを含む。ユーザ190は、設定オブジェクト710をタッチすることで、利用支店を指定しない旨を設定することができる。
オブジェクト720は、支店、及び支店に対応付けられた特典を示す表示オブジェクト730a〜cと、表示オブジェクト730a〜cに対応する選択ボタン740a〜cとを含む。特典を示す情報は、サーバ110から提供される。ユーザ190は、選択ボタン740a〜cをタッチによって選択することで、対応する支店を利用することを指定することができる。例えば、選択ボタン740aを選択することで、「△町支店」のCD100を利用することを指定することができる。また、当該CD100を利用することで、ユーザ190には「△町商店街100円引クーポン」の特典が付与される。なお、利用支店設定画面700を最初に表示する場合、オブジェクト720内には、ユーザ190が予め定めた地域内にある支店の表示オブジェクトを表示してよい。その他、オブジェクト720内には、予め定められた頻度より高い頻度でユーザ190が利用する支店や、前回に利用した支店と同じ地域内にある支店の一覧を表す表示オブジェクトを表示してもよい。
他地域の選択ボタン780をタッチすることで、表示部280には、他の地域の支店を選択するための選択画面が表示される。当該選択画面については説明を省略する。ユーザ190が設定ボタン790の位置をタッチすると、表示部280は図8に示す利用ATM設定画面を表示する。
図8は、利用ATM設定画面800を概略的に示す。利用ATM設定画面800は、利用するCD100を選択するオブジェクト810と、払出予約実行ボタン890とを含む。オブジェクト810は、オブジェクト820a、オブジェクト820b及びオブジェクト820cを含む。なお、オブジェクト820a、オブジェクト820b及びオブジェクト820cの位置は、それぞれ店舗20a内における、CD100a、CD100b及びCD100cの設置位置を示すものとする。
オブジェクト820a及びオブジェクト820bは、選択可能なオブジェクトである。オブジェクト820a及びオブジェクト820bは、CD100a及びCD100b内に現金が十分にあり、ユーザ190が指定した払出金額の現金をCD100a及びCD100cのいずれからも引き出すことができることを示す。オブジェクト820cは、選択不可能なオブジェクトである。オブジェクト820cは、CD100c内の現金が不足しており、ユーザ190が指定した払出金額の現金をCD100cから引き出すことができないことを示す。ユーザ190は、例えば、設定オブジェクト820aの位置をタッチすることで、CD100aを利用して現金引き出しをすることを選択でできる。
ユーザ190が払出予約実行ボタン890の位置をタッチすると、通信部270は、図4から図8に関連して説明した画面等を通じて設定された情報を含む予約要求情報を、サーバ110に送信する。
なお、図8の利用ATM設定画面800において、利用するCD100を複数選択させてもよい。例えば、CD100a〜cのいずれのCD100も、指定された時間帯において、払出金額に対して単独ではCD100内の現金が不足している場合に、複数のCD100内の現金の合計額が払出金額以上であるときは、それらのCD100をユーザ190に選択させてもよい。この場合に、複数のCD100内に最低限確保できる金額を上限として、複数のCD100のそれぞれから払い出す金額をユーザ190に指定させてもよい。
このように、現金払出システム5によれば、ユーザ190が利用するCD及び利用時間帯を予め指定する。そのため、払出予約データベース122に格納された複数の予約情報に基づいて、各時間帯に各CD100から払い出される現金を管理することができる。そのため、CD100内に装填する現金と、払出予約データベース122に格納された複数の予約情報とに基づいて、各時間帯において最低限CD100内に確保できている現金の額を算出することができる。したがって、ユーザ190は、指定した時間帯において、指定した払出金額の払い出しを指定したCD100から確実に受けることができるようにすることができる。例えば、ユーザ190がCD100aを利用する前に他のユーザがCD100aを利用しようとした場合に、当該他のユーザに現金を払い出すことを拒否してよい。例えば、当該他のユーザがCD100aを利用すること及びCD100aの利用時間帯を予め指定していない場合において、当該他のユーザがCD100aを利用することによって、CD100a内の現金残高が、ユーザ190によって予約された利用時間帯においてユーザ190によって予約された払出金額以下になる場合に、当該他のユーザに現金を払い出すことを拒否してよい。このように、処理部40は、予約要求情報において現金の払い出しに利用するCD100及び当該CD100を利用する時刻の少なくとも一方を限定していない第1のユーザ端末からの払い出し要求より、予約要求情報において現金の払い出しに利用するCD100及び当該CD100を利用する時刻が限定された第2のユーザ端末からの払い出し要求に対して、より優先して現金の払い出しを許可する現金払出システム5によれば、ユーザ190によって予約されたCD及び利用時間帯に基づいて、現金の輸送計画を立てることができるので、現金を効率的に各ATMに分配することが可能になる。
図9は、サーバ110が生成する予約情報の一例をテーブル形式で示す。予約情報は、予約IDと、口座識別情報と、利用場所情報と、利用日時情報と、払出金額情報と、事前引落情報と、利用可能回数情報と、予約要求情報の受付日時とを含む。予約情報において、予約ID以外の情報は、現金の払い出しの内容を示す払出内容を表す。
予約IDは、予約された払出内容を識別する識別子の一例である。予約IDは、処理部40によって一意に割り振られる、払出内容の識別情報として機能する。口座識別情報は、ユーザ190の銀行口座を識別する情報である。口座識別情報は、支店コード及び口座番号を含んでよい。なお、口座識別情報は、金融機関を識別する金融機関コード、支店コード及び口座番号を含んでよい。口座識別情報に金融機関コードを含めることで、CD100を管理する金融機関とは異なる金融機関の口座に対して、残高の問い合わせや引き落とし処理をすることができる。
「利用場所」の情報は、図7、図8で設定した情報に基づいて生成され、利用場所を限定する限定条件の1つである。「利用場所」の情報は、銀行の特定の支店を識別する支店識別情報、特定のATMを識別するATM識別情報等であってよい。
「利用日時」の情報は、図6で設定した情報に基づいて生成され、利用時刻を限定する限定条件の1つである。「利用日時」の情報は、利用する月日及び利用する時間帯の少なくとも一方であってよい。
「払出金額」の情報は、図5で設定した情報に基づいて生成される。払出金額の情報は、1回あたりの払出金額と、払い出すことができる払出回数又は1月あたりに払い出すことができる払出回数とを含む。例えば、払出金額「50,000」及び「1回」という情報の払出内容によれば、1回に5万円が払い出されて、予約情報が破棄される。また、払出金額「20,000」及び「5回」という情報は、1回につき2万円の払い出しを5回行うことができることを表し、最大10万円の払い出しが可能である。当該予約情報は、5回の払い出しが行われた後に破棄することができる。また、払出金額「10,000」及び「5回/月」という情報は、1回につき1万円の払い出しを1月に5回行うことができることを表し、最大5万円の払い出しが可能である。一月の間に5回利用するとその月には利用できなくなるが、月が替わると再び利用することが可能になる。
「事前引落」の情報は、払出金額が事前に引き落とされるか否かを示す。「事前引落」が「Y」の場合は、払出金額がユーザの口座から事前に引き落とされていることを示す。事前引落が「N」の場合は、払出金額がユーザの口座から事前に引き落とされていないことを示す。例えば、「払出金額」の払出回数として「1回」の払出回数が設定されている場合、払出金額は口座から事前に引き落とされ、「事前引落」は「Y」に設定されてよい。一方、複数回の払出回数が設定されている場合又は1月あたりの払出回数が設定されている場合は、「事前引落」は「N」に設定されてよい。これに限られず、「事前引落」は、ユーザ190が設定してよい。また、「事前引落」は、払出金額に応じて設定されてよい。例えば、払出金額が所定の閾値より低い場合に、「事前引落」を「N」に設定し、払出金額が所定の閾値以上である場合に、「事前引落」を「Y」に設定してよい。
「利用可能回数」の値は、あと何回払出すことができるかを示す。「利用可能回数」の情報は、払い出しが行われる度に1回減算される。1月あたりの払出回数が設定されている場合を除き、「利用可能回数」の値が0になった場合に、予約情報は破棄される。1月あたりの回数が設定されている場合は、0になっても予約情報は破棄されない。「利用可能回数」の値は、新しい月に替わったときに、予約時に設定された1月あたりの払出回数に再設定される。
「受付日時」は、予約要求情報をサーバ110が受信した日時を示す。なお、サーバ110は、予約要求情報の受付日時と現在時刻とに基づいて、予約情報が有効な有効日時を決定する。サーバ110は、有効日時を過ぎた予約情報を、払出予約データベース122から破棄してよい。例えば、1月あたりの払出回数が設定されている場合を除いて、受付日から1ヶ月後の日の最終時刻を有効日時として採用してよい。1月あたりの払出回数が設定されている場合は、受付日から6ヶ月後の日の最終時刻を有効日時として採用してよい。有効期間は1ヶ月や6ヶ月に限られず、受付日時から予め定められた時間が経過した日時を有効日時として採用してよい。なお、払出予約データベース122から予約情報を破棄する場合に、破棄する予約情報の「事前引落」の情報が「Y」のときは、元帳データベース121にアクセスして、「払出金額」で示される金額を元帳データベース121に格納される残高に払出金額を加えてよい。なお、一実施形態において、予約情報は、サーバ110及びユーザ端末180の双方が保持してよい。
図10は、ユーザ端末180を用いてCD100から払い出しをする場合のユーザ端末180及びサーバ110の処理シーケンスの一例を示す。CD100において、NFC部210は、ポーリング信号を定期的に発信している。
ユーザ端末180をNFCインタフェース面102に近接させると、S1010において、ユーザ端末180のNFC部260は、CD100のNFC部210からのポーリング信号を受信して、ポーリング信号に応答する。具体的には、NFC部260は、NFC部210からの電磁波を負荷変調することにより、ポーリング信号に対する応答を送信する。続いて、S1012において、NFC部260は、NFC部260に格納されている予約情報を、NFC部210に送信する。
CD100において、NFC部210が予約情報を受信すると、処理部200は、利用場所及び利用日時の限定条件を満たすか判断する(S1020)。具体的には、処理部200は、予約情報の「利用場所」において利用場所を限定する限定条件が設定されている場合には、CD100が利用場所の限定条件を満たすかを判断する。また、予約情報の「利用日時」において利用日時を限定する限定条件が設定されている場合には、現在の日時が利用日時の限定条件を満たすかを判断する。なお、CD100が少なくともいずれかの限定条件が満たされないと判断した場合は、店舗20a内の警告ランプを駆動する等して処理を終了してよい。利用場所及び利用日時の限定条件を満たす場合は、サーバ110に予約IDを送信する(S1022)。
サーバ110において、CD100から予約IDを受信すると、サーバ110は、データベースサーバ120のデータベースを更新する(S1024)。具体的には、払出予約データベース122において、予約IDに対応する予約情報の「利用可能回数」をデクリメントする。また、予約IDに対応する予約情報の「事前引落」が「N」の場合は、元帳データベース121を参照して、「口座識別情報」で識別される口座の残高を確認して、払出金額を引き落とすことが可能であれば、残高から払出金額を引き落とす。サーバ110は、予約IDに対応する予約情報の「事前引落」が「N」の場合であって、口座の残高から払出金額を引き落とすことができない場合には、データベースの更新処理をエラーとする。
サーバ110は、S1024においてエラーが発生しなかった場合は、払出許可をCD100に送信し、エラーが発生した場合は、払出不許可をCD100に送信する(S1026)。
CD100において、NFC部210は、S1026で払出許可を受信した場合は、ユーザ端末180のNFC部260に払出許可を送信し、S1026で払出不許可を受信した場合は、ユーザ端末180のNFC部260に払出不許可を送信する(S1028)。そして、CD100の処理部200は、S1026で払出許可を受信した場合は、予約情報で示される払出金額の現金を現金払出口104に移動させて、現金を払い出す(S1030)。
なお、S1028において、払出許可を受信した場合に、処理部250は、利用したCD100が図7で選択した支店内のCDであることを条件として、図7で選択したCD100に対応する特典情報をNFC部260に格納する。
なお、S1022、S1024及びS1026の処理は、リアルタイムで実行する必要がない場合がある。例えば、予約情報の「事前引落」が「Y」であり、要求された払出回数が1回のみの場合は、S1022、S1024及びS1026の処理を行わずに、S1028で払出許可を送信してもよい。そして、後のバッチ処理によって、払出が行われたことをサーバ110に通知してもよい。
図11は、ユーザ端末180におけるビーコンの受信に関する動作フローの一例を示す。S1100において、処理部250は、ビーコン受信部262からビーコンが受信した旨が通知されるのを待つ。ビーコンを受信すると、処理部250は、ネットバンキングアプリの動作に従って、ビーコンに含まれる情報を復号し、復号して得られた識別情報で識別される金融機関の予約情報をNFC部260が格納しているか否かを判断する(S1102)。ビーコンで送られた情報を復号できなかった場合、又は、ビーコンで送られた識別情報で識別される金融機関の予約情報をNFC部260が格納していない場合は、S1100に処理を戻す。ビーコンで送られた情報を復号でき、かつ、ビーコンで送られた識別情報で識別される金融機関の予約情報をNFC部260が格納している場合は、S1104に処理を移行する。
S1104において、処理部250は、ビーコンに含まれる店舗識別情報で識別される店舗が、NFC部260に格納された予約情報の利用場所の限定条件を満たすか否かを判断する。また、処理部250は、現在の日時が利用日時の限定条件を満たすか否かを判断する。利用場所の限定条件及び利用日時の限定条件の少なくとも一方が満たされない場合は、S1100に処理を戻す。利用場所の限定条件及び利用日時の限定条件のいずれも満たされる場合は、CD100への案内情報を表示する(S1106)。案内情報については、図12に関連して説明する。
続いて、CD100を利用するか否かのユーザ指示を待つ(S1108)。CD100を利用する旨のユーザ指示が得られなかった場合は、S1100に処理を戻す。CD100を利用する旨のユーザ指示が得られた場合は、NFC部260に格納された対応する予約情報の「事前引落」を参照して、既に引き落とし済みであるか否かを判断する(S1110)。既に引き落とし済みである場合は、本フローの処理を終了する。
未引き落としである場合は、サーバ110にアクセスして、ユーザ190の口座の残高を取得して(S1112)、残高が払出金額に対して不足する否かを判断する(S1114)。残高が払出金額に対して不足しない場合は、本フローの処理を終了する。残高が払出金額に対して不足する場合は、キャッシング利用画面を表示する(S1116)。キャッシング利用画面については、図13に関連して説明する。
図12は、案内情報画面1200を概略的に示す。案内情報画面1200は、図11のS1106において表示される画面である。案内情報画面1200は、地図オブジェクト1210と、CD100を利用することを選択するボタン1290及びCD100を利用しないことを選択するボタン1280とを含む。
地図オブジェクト1210は、地図オブジェクトに加えて、店舗の位置を強調表示したオブジェクトと、店舗内のCD100aの位置を強調表示したオブジェクトと、現在地を占めるオブジェクトと、現在地から店舗までのルートを示すオブジェクトとを含む。なお、店舗の位置を強調表示した地図オブジェクトの画像データ及び店舗内のCD100の位置を強調表示した画像データは、ユーザ端末180で払出予約をした時に、予めダウンロードされていてよい。
ユーザ190がボタン1290の位置をタッチすると、図11のS1108の判断において、CD100を利用すると判断される。ユーザ190が設定ボタン1280の位置をタッチすると、図11のS1108の判断において、CD100を利用しないと判断される。
図13は、キャッシング利用画面1300を概略的に示す。キャッシング利用画面1300は、図11のS1116において表示される。キャッシング利用画面1300は、金額の入力ボックス1310及び入力ボックス1320と、CD100の利用をキャンセルすることを選択するボタン1380と、キャッシングも利用することを選択するボタン1380とを含む。
入力ボックス1310には、銀行の口座から払い戻す金額を入力することができる。入力ボックス1320には、キャッシングで借りる金額を入力することができる。なお、キャッシング利用画面1300が表示された場合、入力ボックス1310には、口座の残高を上限として処理部250が自動的に決定した金額が入力済みとなっており、入力ボックス1320には、入力ボックス1310に入力された金額を予約した払出金額から減じた額が入力済みとなっている。ユーザ190がボタン1390の位置をタッチすると、図12の動作フローが完了した後に、サーバ112に予約要求情報を送信する処理が開始される。この処理シーケンスについては、図14に関連して説明する。ユーザ190がボタン1380の位置をタッチすると、図12の動作フローが完了した後に、サーバ112に予約要求情報を送信する処理は開始されない。
図14は、キャッシングを利用した払出予約をする場合のユーザ端末180、サーバ110及びサーバ112の処理シーケンスの一例を示す。図13のキャッシング利用画面1300のボタン1390がタッチされると、通信部270は、図13の入力ボックス1320に入力された金額の払出を予約する予約要求情報を、サーバ112に送信する(S1402)。
サーバ112において、予約要求に基づいて、払出金額をキャッシングしてもユーザ190に対するキャッシング枠を超えないことを確認する(S1404)。キャッシング枠を超えないことが確認されると、サーバ112は、予約情報をユーザ端末180に送信する(S1406)。
通信部270は、サーバ112から予約情報を受信すると、残高不足となった予約情報の予約IDを指定して、対応する予約をキャンセルする旨をサーバ110に送信する(S1408)。また、図13の入力ボックス1310に入力された金額の払出を予約する代替の予約要求情報を、サーバ110に送信する(S1410)。
サーバ110は、予約をキャンセルする旨及び代替の予約要求情報をユーザ端末180から受信すると、データベースサーバ120の各データベースを更新する(S1412)。具体的には、例えば、キャンセル対象となった予約情報が、1回のみ払出を行う予約情報であった場合、当該予約情報を破棄する。また、元帳データベース121を更新して代替の予約要求情報に基づく引き落としを行い、払出予約データベース122に、新たな予約IDを含む新たな予約情報を格納する。
続いて、サーバ110は、代替の予約情報を、ユーザ端末180に送信する(S1414)。ユーザ端末180において、サーバ110から代替の予約情報を受信すると、残高不足となった予約情報の予約をNFC部260から削除して、S1414で受信したサーバ110から受信した代替の予約情報と、S1406でサーバ112から受信した予約情報とを、NFC部260に格納する(S1420)。これにより、払出金額の合計が元の払出金額と同じ2つの予約情報が、NFC部260に格納される。
その後に、ユーザ端末180をCD100のNFCインタフェース面102に近接させると、NFC部260は、上述した代替の予約情報及びキャッシングの予約情報をNFC部210に送信する。CD100においては、代替の予約情報に含まれる払出金額及びキャッシングの予約情報に含まれる払出金額の合計金額の現金を払い出す。このように、現金払出システム5によれば、ユーザ190の銀行口座の残高が不足している場合でも、所定の払出金額の現金を得ることができる。しかも、ユーザ190は煩雑な操作をする必要がない。
特に、ユーザ端末180によれば、店舗20からのビーコンを受信した後、口座の残高が不足するか否かを自動的に判断して、口座の残高が不足する場合はその旨をユーザ190に通知することができる。そのため、ユーザ190は、CD100まで足を運んで払い出し操作をしなくても、残高が不足することを事前に知ることができる。また、キャッシングも組み合わせて払出をするかを選択するだけで、所定の払出金額を払い出すことができる複数の予約情報を自動的に生成することができる。例えば、ユーザ190は、店舗20内のCD100に歩いて行くまでの間に、残高不足であることに気付くとともに、簡単な操作で必要な複数の予約情報を生成させておくことができる。
なお、図11〜図14に関連して説明したように、複数の予約情報を生成する処理は、ビーコンを受信した後に行われる。しかし、この処理は、他のタイミングで行われてもよい。例えば、図3のS322の後において、ユーザ190によって指定された払出金額が残高を超える場合に、行ってもよい。
なお、上述した現金払出システム5において、現金自動払出機であるCD100を取り上げて説明した。しかし、現金払出システムとは、現金自動預払機(ATM)やATMを利用するシステムを含む概念である。上述したCD100に関連する機能の少なくとも一部を現金自動預け払い機(ATM)に適用して、上述した現金払出システム5に関連する機能の少なくとも一部をATMシステムに適用できる。また、現金払出システムの適用対象は、銀行口座からの現金引き出しやキャッシングに限られない。現金払出システムは、銀行口座以外の各種の金融口座からの現金引き出にも適用できる。
以上の説明では、払出予約データベース122が格納する予約情報を、ユーザ端末180に送信するとして説明した。CD100は、ユーザ端末180から受信した予約情報に含まれる予約ID以外の情報を用いて、制御に用いることができる。しかし、払出予約データベース122に格納されている払出内容は、予約IDによって特定することができる。そのため、CD100とサーバ110とが常に通信可能な場合は、予約情報として予約IDのみがユーザ端末180に送信されてよい。この場合、ユーザ端末180のNFC部260は、CD100に予約IDを送信することによって、現金の払い出しをCD100に指示してよい。そして、CD100は、予約IDをサーバ110に送信して、サーバ110から予約IDを含む予約情報を受信することによって、払い出しをするか否かを判断してよい。また、CD100は、予約ID及びCD100の識別情報をサーバ110に送信して、CD100からの現金の払い出しを許可するか否かをサーバ110に判断させ、サーバ110から判断結果を受信してもよい。
なお、ユーザ端末180に送信される情報からは、現金の払い出しに利用するCD100の限定条件及びCD100を利用できる日又は時刻に関する限定条件を含めなくてよい。この場合、ユーザ端末180には、利用することができるCD100及び日時に関する情報が記憶されないので、不正使用される可能性を低減することができる。
上記の説明において、ユーザ端末180の動作として説明した処理の少なくとも一部は、プロセッサがプログラムに従ってコンピュータが有する各ハードウェア(例えば、ハードディスク、メモリ等)を制御することにより実現できる。このように、ユーザ端末180の処理の少なくとも一部は、プロセッサがプログラムに従って動作して各ハードウェアを制御することにより、プロセッサ、ハードディスク、メモリ等を含む各ハードウェアとプログラムとが協働して動作することにより実現できる。すなわち、プログラムが、ユーザ端末180の各部としてコンピュータを機能させることができる。コンピュータは、上述した処理の実行を制御するプログラムを読み込み、読み込んだプログラムに従って動作して、当該処理を実行してよい。コンピュータは、当該プログラムを記憶しているコンピュータ読取可能な記録媒体から当該プログラムを読み込むことができる。また、当該プログラムは通信回線を通じてコンピュータに供給され、コンピュータは、通信回線を通じて供給されたプログラムを読み込んでよい。
同様に、サーバ110の動作として説明した処理の少なくとも一部は、プロセッサがプログラムに従ってコンピュータが有する各ハードウェアを制御することにより実現でき、プログラムがサーバ110としてコンピュータを機能させることができる。なお、サーバ110の動作として説明した処理のうち、各種の情報を送受信する動作はネットワークプロセッサが行い、情報の送受信以外の他の動作、例えば判断や許可等の動作は、処理部40が行うことができる。
また、同様に、CD100の動作として説明した処理の少なくとも一部は、プロセッサがプログラムに従ってコンピュータが有する各ハードウェアを制御することにより実現できる。プログラムが、CD100の各部としてコンピュータを機能させることができる。これらのプログラムも、当該プログラムを記憶しているコンピュータ読取可能な記録媒体としてコンピュータに供給できる。また、これらのプログラムも、通信回線を通じてコンピュータに供給され、コンピュータは、通信回線を通じて供給されたプログラムを読み込んでよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。