本発明の発泡シートは、平均セル径が10〜200μmであり、厚みを50%圧縮した際の反発力が6.0N/cm2以下であり、下記式で定義される厚み回復率が90%以上である。なお、本明細書では、上記で定義される厚み回復率を、単に「0.5秒後の厚み回復率」と称する場合がある。
厚み回復率(%)=(圧縮状態を解除してから0.5秒後の厚み)/(初期厚み)×100
初期厚み:荷重を加える前の発泡シートの厚み
圧縮状態を解除してから0.5秒後の厚み:発泡シートに100g/cm2の荷重を加えた状態で120秒間維持し、圧縮を解除し、解除してから0.5秒後の発泡シートの厚み
本発明の発泡シートの平均セル径は、上述のように10〜200μmである。その下限は、好ましくは15μm、より好ましくは20μmであり、上限は、好ましくは180μm、より好ましくは150μm、さらに好ましくは100μmである。平均セル径が10μm以上であることにより、より優れた衝撃吸収性が発揮される。また、平均セル径が200μm以下であることにより、圧縮回復性にも優れ、また、衝撃を受けてから短時間で元の厚み近くまで戻ることができるため、繰り返し衝撃に対する耐性に優れる。なお、上記発泡シートの最大セル径は、例えば、40〜400μmであり、その下限は、好ましくは60μm、より好ましくは80μm、上限は、好ましくは300μm、より好ましくは220μmである。また、上記発泡シートの最小セル径は、例えば、5〜70μmであり、その下限は、好ましくは8μm、より好ましくは10μm、上限は、好ましくは60μm、より好ましくは50μmである。
本発明の発泡シートの厚みを50%圧縮した際の反発力は、上述のように6.0N/cm2以下であり、好ましくは4.0N/cm2以下、より好ましくは2.9N/cm2以下、さらに好ましくは2.5N/cm2以下である。上記反発力が6.0N/cm2以下であることにより、本発明の発泡シートは衝撃吸収性により優れる。上記反発力の下限は、特に限定されないが、0.1N/cm2が好ましい。なお、上記50%圧縮した際の反発力は、JIS K 6767に記載されている圧縮硬さ測定法に準じて測定することができる。
本発明の発泡シートの0.5秒後の厚み回復率は、上述のように90%以上であり、好ましくは90.5%以上、より好ましくは91%以上である。本発明の発泡シートは、上記厚み回復率が90%以上であることにより、衝撃を受けてから短時間で元の厚み近くまで戻ることができるため、繰り返し衝撃に対する耐性に優れる。また、防塵性やシール性にも優れる。上記0.5秒後の厚み回復率は、ある程度の面積をもって発泡シートに荷重をかけて圧縮して測定される回復率であり、局所的に荷重をかけて一部分のみを凹ませて測定するいわゆる凹み回復率とは異なる。
本発明の発泡シートの厚みは、特に限定されないが、30〜1000μmであることが好ましい。その下限は、好ましくは40μm、より好ましくは50μmであり、上限は、好ましくは700μm、より好ましくは500μm、さらに好ましくは300μmである。発泡シートの厚みが30μm以上であると、気泡を均一に含有することができ、より優れた衝撃吸収性を発揮できる。また、発泡シートの厚みが1000μm以下であると、微小クリアランスに対しても容易に追従できる。発泡シートの厚みが上記範囲内である場合、厚みが薄いにもかかわらず、衝撃吸収性に優れる。
本発明の発泡シートの密度は、特に限定されないが、0.2〜0.7g/cm3であることが好ましい。その下限は、好ましくは0.21g/cm3、より好ましくは0.22g/cm3、上限は、好ましくは0.50g/cm3、より好ましくは0.40g/cm3、さらに好ましくは0.35g/cm3である。上記密度が0.2g/cm3以上であると、発泡シートの強度を維持しやすい。上記密度が0.7g/cm3以下であると、より高い衝撃吸収性が発揮される。また、上記密度が0.2〜0.7g/cm3の範囲内であると、さらにより高い衝撃吸収性が発揮される。なお、本明細書において、発泡シート(発泡体)の密度とは「見掛け密度」を意味する。
本発明では、衝撃吸収性の観点から、平均セル径(μm)と発泡シートの厚み(μm)の比(前者/後者)は、0.1〜0.8の範囲内にあるのが好ましい。上記平均セル径(μm)と発泡シートの厚み(μm)の比の下限は、好ましくは0.15、より好ましくは0.2であり、上限は、好ましくは0.75、より好ましくは0.6である。
本発明の発泡シートの、動的粘弾性測定における角振動数1rad/sでの貯蔵弾性率と損失弾性率の比率である損失正接(tanδ)のピークトップは、特に限定されないが、−60℃以上20℃以下の範囲内にあることが好ましい。上記損失正接のピークトップが存在する温度範囲の下限は、好ましくは−50℃、より好ましくは−40℃、さらに好ましくは−30℃であり、上限は、好ましくは10℃、より好ましくは0℃である。損失正接のピークトップを2個以上持つ材料の場合は、そのうちの少なくとも1つが上記範囲内に入ることが望ましい。ピーク温度が上記範囲内であると、発泡シートの温度依存性が低く、高温環境下でもより優れた圧縮回復性が発揮され、また、高い柔軟性を示し、優れた衝撃吸収性が発揮される。
−60℃以上20℃以下の範囲内における損失正接(tanδ)のピークトップ強度(最大値)は衝撃吸収性の観点から高い方が好ましく、例えば0.2以上、好ましくは0.3以上である。上記ピークトップ強度(最大値)の上限値は、例えば2.0である。
本発明の発泡シートは、上記損失正接(tanδ)のピークトップ強度と上記密度の比(前者/後者)は、1〜5の範囲内にあるのが好ましい。上記損失正接(tanδ)のピークトップ強度と上記密度の比の下限は、好ましくは1.5、より好ましくは2であり、上限は、好ましくは4.5、より好ましくは4である。上記損失正接(tanδ)のピークトップ強度と上記密度の比が上記範囲内であると、より優れた衝撃吸収性が発揮される。
本発明の発泡シートの初期弾性率は、衝撃吸収性の観点から低い方が望ましい。該初期弾性率(23℃環境下、引張速度300mm/minでの引張試験における10%歪み時の傾きから算出した値)は、好ましくは5N/mm2以下であり、より好ましくは3N/mm2以下、さらに好ましくは1N/mm2以下である。なお、上記初期弾性率の下限値は、例えば、0.1N/mm2である。
本発明の発泡シートは、上述の特性を有していれば、その組成や気泡構造等は特に制限されない。気泡構造としては、連続気泡構造、独立気泡構造、半連続半独立気泡構造のいずれであってもよい。衝撃吸収性の観点からは、連続気泡構造、半連続半独立気泡構造が好ましい。
本発明の発泡シートは、優れた衝撃吸収性を有する。また、非常に弱い衝撃に対しても高い衝撃吸収性を有し、衝撃の大きさによらず優れた衝撃吸収性を発揮する。例えば、振り子型衝撃試験機を用いた衝撃吸収性試験において、下記式で定義される衝撃吸収率(%)を発泡シートの厚み(μm)で割り、単位厚み当たりの衝撃吸収率Rを求める。
衝撃吸収率(%)={(F0−F1)/F0}×100
(上記式において、F0は支持板のみに衝撃子を衝突させた時の衝撃力のことであり、F1は支持板と発泡シートとからなる構造体の支持板上に衝撃子を衝突させた時の衝撃力のことである)
振り子型衝撃試験機(衝撃試験装置)の概略構成について、図1及び図2により説明する。図1及び図2に示すように、衝撃試験装置1(振り子試験機1)は、試験片2(発泡シート2)を任意の保持力で保持する保持手段としての保持部材3と、試験片2に衝撃応力を負荷する衝撃負荷部材4と、衝撃負荷部材4による試験片2に対する衝撃力を検出する衝撃力検出手段としての圧力センサー5等により構成されている。また、試験片2を任意の保持力で保持する保持部材3は、固定治具11と、固定治具11に対向して試験片2を挟み込んで保持できるようスライド可能な押さえ治具12とで構成されている。さらに、押さえ治具12には押さえ圧力調整手段16が設けられている。さらに、保持部材3によって保持された試験片2に衝撃力を負荷する衝撃負荷部材4は、一端22が支柱20に対して回動可能に軸支され、他端側に衝撃子24を有する支持棒23(シャフト23)と、衝撃子24を所定角度に持ち上げて保持するアーム21とで構成されている。ここで衝撃子24として鋼球を使用しているので、アームの一端に電磁石25を設けることによって衝撃子24を一体に所定角度持ち上げることが可能となっている。さらにまた、衝撃負荷部材4による試験片2に作用する衝撃力を検出する圧力センサー5は、固定治具11の試験片が接する面の反対面側に設けられている。
衝撃子24は、鋼球(鉄球)である。また、衝撃子24がアーム21により持ち上げられる角度(図1中の振り上げ角度a)は、40°である。鋼球(鉄球)の重さは、66gである。
図2に示すように、試験片2(発泡シート2)は、固定治具11と押さえ治具12間に樹脂性板材(アクリル板、ポリカーボネート板等)や金属製板材等の高弾性な板材で構成される支持板28を介して挟持される。
衝撃吸収率は、上記の衝撃試験装置を使用して、固定治具11と支持板28とを密着固定させてから衝撃子24を支持板28に衝突させることにより測定される衝撃力F0、及び固定治具11と支持板28と間に試験片2を挿入し密着固定させてから衝撃子24を支持板28に衝突させることにより測定される衝撃力F1を求め、上記式により算出される。なお、衝撃試験装置は、特開2006−47277号公報の実施例1と同様の装置である。
上記衝撃子の重さ66g、振り上げ角度40°の場合のF1、すなわち、振り子型衝撃試験機を用いた衝撃吸収性試験において、支持板と発泡シートとからなる構造体の支持板上に衝撃子を衝突させた時の衝撃力は、1000N以下が好ましく、より好ましくは900N以下、さらに好ましくは800N以下、特に好ましくは750N以下である。上記衝撃力が1000N以下であると、発泡シートの衝撃吸収力により優れる。上記衝撃力の下限は、0N以上であり、100N以上、300N以上、又は500N以上であってもよい。なお、上記衝撃力は、大きな衝撃を受けていない初期の発泡シートの衝撃力である。
振り子型衝撃試験機を用いた衝撃吸収性試験における、支持板と発泡シートとからなる構造体の支持板上に、1秒間隔で、5回連続で衝撃子を衝突させたときの、衝撃回数をx軸、衝撃力(N)をy軸として5点プロットし、該5点から最小二乗法によって得られた線形近似直線の傾きは、特に限定されないが、10以下が好ましく、より好ましくは5以下、さらに好ましくは1以下、特に好ましくは0.5以下である。上記傾きが10以下であると、繰り返し衝撃に対する耐性により優れる。上記傾きの下限は例えば−5である。
振り子型衝撃試験機を用いた衝撃吸収性試験における、支持板と発泡シートとからなる構造体の支持板上に、1秒間隔で、5回連続で衝撃子を衝突させたときの、初回の衝突時の衝撃力に対する5回目の衝突時の衝撃力の上昇率(%)[(5回目の衝突時の衝撃力−初回の衝突時の衝撃力)/初回の衝突時の衝撃力×100]は、5%以下が好ましく、より好ましくは3.5%以下、さらに好ましくは2%以下である。上記上昇率が5%以下であると、繰り返し衝撃に対する耐性により優れる。上記上昇率の下限は例えば−10%である。
本発明の発泡シートは、下記で定義される高温時での厚み回復率が、50%以上であることが好ましく、より好ましくは70%、さらに好ましくは80%、特に好ましくは90%以上である。なお、本明細書では、下記で定義される高温時での厚み回復率を、単に「高温時での厚み回復率」と称する場合がある。
高温時での厚み回復率:発泡シートを、80℃雰囲気下、初期厚みに対して50%の厚みになるように厚み方向に圧縮して22時間経過後、23℃雰囲気下で2時間放置し、その後圧縮状態を解除し、圧縮状解除後から24時間後における厚みの初期厚みに対する割合
本発明の発泡シートの、高温時での厚み回復率が50%以上であると、常温環境下に加えて、高温環境下(例えば40〜120℃の温度環境下)であっても、衝撃が加わった後の厚みの回復速度が速く、高温環境下での繰り返し衝撃に対する耐性により優れる。
本発明の発泡シートは、樹脂材料(ポリマー)を含む樹脂組成物により構成することができる。なお、未発泡状態の該樹脂組成物[発泡させない場合の樹脂組成物(固形物)]の動的粘弾性測定における角振動数1rad/sでの貯蔵弾性率と損失弾性率の比率である損失正接(tanδ)のピークトップは−60℃以上20℃以下の範囲内にあるのが好ましい。上記損失正接のピークトップが存在する温度範囲の下限は、好ましくは−50℃、より好ましくは−40℃、さらに好ましくは−30℃であり、上限は、好ましくは10℃、より好ましくは0℃である。損失正接のピークトップを2個以上持つ材料の場合は、そのうちの少なくとも1つが上記範囲内に入ることが望ましい。該樹脂組成物(固形物)の−60℃以上20℃以下の範囲内での損失正接(tanδ)のピークトップ強度(この値は、上記発泡シートにおける−60℃以上20℃以下の範囲内における損失正接(tanδ)のピークトップ強度を発泡シートの密度(g/cm3)で割った値に相当する)は衝撃吸収性の観点から高い方が好ましい。例えば、上記樹脂組成物(固形物)の−60℃以上20℃以下の範囲内での損失正接(tanδ)のピークトップ強度は、好ましくは0.9(g/cm3)-1以上であり、上限は、例えば、3程度である。
また、未発泡状態の該樹脂組成物(固形物)の初期弾性率(23℃、引張速度300mm/min)は、低い方が望ましく、好ましくは50N/mm2以下、より好ましくは30N/mm2以下である。なお、上記初期弾性率の下限値は、例えば、0.3N/mm2である。
本発明の発泡シートの、メチルエチルケトンに対する溶剤不溶分(ゲル分率)は、特に限定されないが、80重量%以上であることが好ましく、より好ましくは90重量%以上である。なお、上記メチルエチルケトンに対する溶剤不溶分は、通常、100重量%以下である。
上記メチルエチルケトンに対する溶剤不溶分(ゲル分率)は、以下のようにして求められる。発泡シートから約0.2gのサンプルを得て、このサンプルを精秤し、精秤により得られた重さを「保存前重量(g)」とする。次に、このサンプルを、50gのメチルエチルケトン(MEK)に投入し、室温条件で、5日間保存する。その後、サンプルをメチルエチルケトンから取り出し、取り出したサンプルを130℃で1時間乾燥させる。乾燥後、室温条件で30分間放置してから、サンプルを精秤する。この精秤により得られた重さを「保存後重量(g)」とする。そして、下記式より、メチルエチルケトンに対する溶剤不溶分を算出する。
メチルエチルケトンに対する溶剤不溶分(重量%)=(保存後重量)/(保存前重量)×100
本発明の発泡シートを構成する樹脂材料(ポリマー)としては、特に限定されず、発泡体を構成する公知乃至周知の樹脂材料を使用できる。該樹脂材料として、例えば、アクリル系ポリマー、ゴム、ウレタン系ポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。これらの中でも、永久歪みを小さく、耐熱性(変形歪みに対する耐性)に優れ、圧縮荷重を小さくすることが容易にでき、衝撃吸収性により優れる観点から、アクリル系ポリマーが好ましい。発泡シートを構成する樹脂材料(ポリマー)は1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。
なお、発泡シートの動的粘弾性測定における角振動数1rad/sでの貯蔵弾性率と損失弾性率の比率である損失正接(tanδ)のピークトップを−60℃以上20℃以下の範囲内にするためには、上記樹脂材料(ポリマー)のTgを指標あるいは目安とすることができる。例えば、上記樹脂材料(ポリマー)として、Tgが−60℃以上20℃以下(下限は、好ましくは−50℃、より好ましくは−30℃、上限は、好ましくは10℃、より好ましくは0℃)の範囲内にある樹脂材料(ポリマー)の中から選択することができる。
上記アクリル系ポリマーとしては、ホモポリマーのTgが−10℃以上のモノマーと、ホモポリマーのTgが−10℃未満のモノマーを必須のモノマー成分として形成されたアクリル系ポリマーが好ましい。このようなアクリル系ポリマーを用い、前者のモノマーと後者のモノマーの量比を調整することにより、動的粘弾性測定における角振動数1rad/sでの貯蔵弾性率と損失弾性率の比率である損失正接(tanδ)のピークトップが−60℃以上20℃以下の発泡シートを比較的容易に得ることができる。
なお、本発明における「ホモポリマーを形成した際のガラス転移温度(Tg)」(単に「ホモポリマーのTg」と称する場合がある)とは、「当該モノマーの単独重合体のガラス転移温度(Tg)」を意味し、具体的には、「Polymer Handbook」(第3版、John Wiley&Sons,Inc、1987年)に数値が挙げられている。なお、上記文献に記載されていないモノマーのホモポリマーのTgは、例えば、以下の測定方法により得られる値(特開2007−51271号公報参照)をいう。すなわち、温度計、撹拌機、窒素導入管及び還流冷却管を備えた反応器に、モノマー100重量部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部及び重合溶媒として酢酸エチル200重量部を投入し、窒素ガスを導入しながら1時間撹拌する。このようにして重合系内の酸素を除去した後、63℃に昇温し10時間反応させる。次いで、室温まで冷却し、固形分濃度33重量%のホモポリマー溶液を得る。次いで、このホモポリマー溶液をセパレータ上に流延塗布し、乾燥して厚み約2mmの試験サンプル(シート状のホモポリマー)を作製する。そして、この試験サンプルを直径7.9mmの円盤状に打ち抜き、パラレルプレートで挟み込み、粘弾性試験機(ARES、レオメトリックス社製)を用いて周波数1Hzの剪断歪を与えながら、温度領域−70〜150℃、5℃/分の昇温速度で剪断モードにより粘弾性を測定し、tanδのピークトップ温度をホモポリマーのTgとする。なお、上記樹脂材料(ポリマー)のTgもこの方法により測定できる。
ホモポリマーのTgが−10℃以上のモノマーにおいて、該Tgは、例えば、−10℃〜250℃、好ましくは10〜230℃、さらに好ましくは50〜200℃である。
上記のホモポリマーのTgが−10℃以上のモノマーとして、例えば、(メタ)アクリロニトリル;(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー;(メタ)アクリル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のホモポリマーのTgが−10℃以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸イソボルニル;N−ビニル−2−ピロリドン等の複素環含有ビニルモノマー;2−ヒドロキシエチルメタクリレート等のヒドロキシル基含有モノマー等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。中でも、特に、(メタ)アクリロニトリル(特に、アクリロニトリル)が好ましい。ホモポリマーのTgが−10℃以上のモノマーとして(メタ)アクリロニトリル(特に、アクリロニトリル)を用いると、分子間相互作用が強いためか、発泡シートの上記損失正接(tanδ)のピークトップ強度を大きくすることができる。
ホモポリマーのTgが−10℃未満のモノマーにおいて、該Tgは、例えば、−70℃以上−10℃未満、好ましくは−70℃〜−12℃、より好ましくは−65℃〜−15℃である。
上記のホモポリマーのTgが−10℃未満のモノマーとして、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のホモポリマーのTgが−10℃未満の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。これらの中でも、特に、アクリル酸C2-8アルキルエステルが好ましい。
上記アクリル系ポリマーを形成する全モノマー成分(モノマー成分全量)に対する、ホモポリマーのTgが−10℃以上のモノマーの含有量は、例えば、2〜30重量%であり、下限は、好ましくは3重量%、より好ましくは4重量%であり、上限は、好ましくは25重量%、より好ましくは20重量%である。また、上記アクリル系ポリマーを形成する全モノマー成分(モノマー成分全量)に対する、ホモポリマーのTgが−10℃未満のモノマーの含有量は、例えば、70〜98重量%であり、下限は、好ましくは75重量%、より好ましくは80重量%であり、上限は、好ましくは97重量%、より好ましくは96重量%である。
上記ゴムとしては、天然ゴム、合成ゴムのいずれであってもよい。上記ゴムとして、例えば、ニトリルゴム(NBR)、メチルメタクリレート−ブタジエンゴム(MBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリルゴム(ACM、ANM)、ウレタンゴム(AU)、シリコーンゴム等が挙げられる。これらの中でも、ニトリルゴム(NBR)、メチルメタクリレート−ブタジエンゴム(MBR)、シリコーンゴムが好ましい。
上記ウレタン系ポリマーとしては、例えば、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン等が挙げられる。
エチレン−酢酸ビニル共重合体としては、公知乃至周知のエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用できる。
本発明の発泡シートは、樹脂材料(ポリマー)のほか、必要に応じて、界面活性剤、架橋剤、増粘剤、防錆剤、シリコーン系化合物、その他の添加物を含んでいてもよい。中でも、上記厚みを50%圧縮した際の反発力が6.0N/cm2以下であり、上記0.5秒後の厚み回復率が90%以上である発泡シートを容易に得ることができる観点から、架橋剤、シリコーン系化合物を含むことが好ましい。
例えば、気泡径の微細化、起泡した泡の安定性のために、任意の界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤としては特に制限されず、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等のいずれを用いてもよいが、気泡径の微細化、起泡した泡の安定性の観点から、アニオン系界面活性剤が好ましく、特にステアリン酸アンモニウム等の脂肪酸アンモニウム系界面活性剤がより好ましい。界面活性剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、異種の界面活性剤を併用してもよく、例えば、アニオン系界面活性剤とノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤と両性界面活性剤を併用してもよい。
界面活性剤を含む場合、界面活性剤の添加量[固形分(不揮発分)]は、例えば、樹脂材料(ポリマー)[固形分(不揮発分)]100重量部に対して、0重量部を超えて10重量部以下であり、下限は好ましくは0.5重量部、上限は好ましくは8重量部である。
本発明の発泡シートは、上記厚みを50%圧縮した際の反発力が6.0N/cm2以下であり、上記0.5秒後の厚み回復率が90%以上である発泡シートを容易に得るため、また、発泡シートの強度、耐熱性、耐湿性を向上させるために、任意の架橋剤を含んでいてもよい。架橋剤は特に制限されず、油溶性、水溶性のいずれを用いてもよい。架橋剤として、例えば、エポキシ系、オキサゾリン系、イソシアネート系、カルボジイミド系、メラミン系、シリコーン系(例えば、シランカップリング剤等)、金属酸化物系等が挙げられる。上記架橋剤としては、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。中でも、少なくともオキサゾリン系架橋剤を含むことが好ましい。
架橋剤を含む場合、架橋剤の添加量[固形分(不揮発分)]は、例えば、樹脂材料(ポリマー)[固形分(不揮発分)]100重量部に対して、0重量部を超えて10重量部以下であり、下限は好ましくは0.01重量部、上限は好ましくは9重量部である。
さらに、起泡した泡の安定性、成膜性の向上のために、任意の増粘剤を含んでいてもよい。増粘剤としては特に制限されず、アクリル酸系、ウレタン系、ポリビニルアルコール系等が挙げられる。中でも、ポリアクリル酸系増粘剤、ウレタン系増粘剤が好ましい。
増粘剤を含む場合、増粘剤の添加量[固形分(不揮発分)]は、例えば、樹脂材料(ポリマー)[固形分(不揮発分)]100重量部に対して、0重量部を超えて10重量部以下であり、下限は好ましくは0.1重量部、上限は好ましくは5重量部である。
また、発泡シートに隣接する金属部材の腐食防止のため、任意の防錆剤を含んでいてもよい。該防錆剤として、アゾール環含有化合物が好ましい。アゾール環含有化合物を用いると、金属に対する腐食防止性と被着体に対する密着性とを高いレベルで両立できる。
上記アゾール環含有化合物としては、環内に窒素原子を1個以上含む5員環を有する化合物であればよく、例えば、ジアゾール(イミダゾール、ピラゾール)環、トリアゾール環、テトラゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、又はイソチアゾール環を有する化合物等が挙げられる。これらの環はベンゼン環等の芳香環と縮合して縮合環を形成していてもよい。このような縮合環を有する化合物として、例えば、ベンゾイミダゾール環、ベンゾピラゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、又はベンゾイソチアゾール環を有する化合物等が挙げられる。
上記アゾール環、上記縮合環(ベンゾトリアゾール環、ベンゾチアゾール環等)は、それぞれ、置換基を有していてもよい。該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6(好ましくは炭素数1〜3)のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜12(好ましくは炭素数1〜3)のアルコキシ基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基;アミノ基;メチルアミノ基、ジメチルアミノ基等の(モノ又はジ)C1-10アルキルアミノ基;アミノメチル基、2-アミノエチル基等のアミノ−C1-6アルキル基;N,N−ジエチルアミノメチル基、N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル基等のモノ又はジ(C1-10アルキル)アミノ−C1-6アルキル基;メルカプト基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基;カルボキシル基;カルボキシメチル基等のカルボキシ−C1-6アルキル基;2−カルボキシエチルチオ基等のカルボキシ−C1-6アルキルチオ基;N,N−ビス(ヒドロキシメチル)アミノメチル基等のN,N−ビス(ヒドロキシ−C1-4アルキル)アミノ−C1-4アルキル基;スルホ基等が挙げられる。また、上記アゾール環含有化合物は、ナトリウム塩、カリウム塩等の塩を形成していてもよい。
金属に対する防錆作用の点から、アゾール環がベンゼン環等の芳香環と縮合環を形成している化合物が好ましく、中でも、ベンゾトリアゾール系化合物(ベンゾトリアゾール環を有する化合物)、ベンゾチアゾール系化合物(ベンゾチアアゾール環を有する化合物)が特に好ましい。
上記ベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば、1,2,3−ベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、カルボキシメチルベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール、2,2′−[[(メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ]ビスエタノール、又はこれらのナトリウム塩等が挙げられる。
上記ベンゾチアゾール系化合物としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、3−(2−(ベンゾチアゾリル)チオ)プロピオン酸、又はこれらのナトリウム塩等が挙げられる。
アゾール環含有化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
防錆剤を含む場合、防錆剤(例えば、上記アゾール環含有化合物)[固形分(不揮発分)]の添加量[固形分(不揮発分)]は、発泡体本来の特性を損なわない範囲内であればよく、例えば、樹脂材料(ポリマー)[固形分(不揮発分)]100重量部に対して、例えば、0.2〜5重量部が好ましい。その下限は、より好ましくは0.3重量部、さらに好ましくは0.4重量部であり、その上限は、より好ましくは3重量部、さらに好ましくは2重量部である。
また、圧縮された後の発泡シートの厚みの回復性、回復速度を向上させるため(特に、上記0.5秒後の厚み回復率を90%以上とするため)、シリコーン系化合物を添加することが好ましい。また、同様の目的で、上記樹脂材料(ポリマー)の少なくとも一部として、シリコーン変性ポリマー(例えば、シリコーン変性アクリル系ポリマー、シリコーン変性ウレタン系ポリマー等)を用いてもよい。これらは1種を使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記シリコーン系化合物としては、シロキサン結合が2000以下のシリコーン系化合物が好ましい。シリコーン系化合物として、例えば、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、シリコーンレジン等が挙げられる。
シリコーンオイル(ストレートシリコーンオイル)として、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等が挙げられる。
変性シリコーンオイルとして、例えば、ポリエーテル変性シリコーンオイル(ポリエーテル変性ジメチルシリコーンオイル等)、アルキル変性シリコーンオイル(アルキル変性ジメチルシリコーンオイル等)、アラルキル変性シリコーンオイル(アラルキル変性ジメチルシリコーンオイル等)、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル(高級脂肪酸エステル変性ジメチルシリコーンオイル等)、フルオロアルキル変性シリコーンオイル(フルオロアルキル変性ジメチルシリコーンオイル等)等が挙げられる。
これらの中でもポリエーテル変性シリコーンが好ましい。ポリエーテル変性シリコーンオイルの市販品として、例えば、「PEG11メチルエーテルジメチコン」、「PEG/PPG−20/22ブチルエーテルジメチコン」、「PEG−9メチルエーテルジメチコン」、「PEG−32メチルエーテルジメチコン」、「PEG−9ジメチコン」、「PEG−3ジメチコン」、「PEG−10ジメチコン」等の直鎖タイプ;「PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン」、「ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン」等の分岐タイプ(以上、信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
シリコーンレジンには、ストレートシリコーンレジン、変性シリコーンレジンが含まれる。ストレートシリコーンレジンとしては、例えば、メチルシリコーンレジン、メチルフェニルシリコーンレジン等が挙げられる。また、変性シリコーンレジンとしては、例えば、アルキッド変性シリコーンレジン、エポキシ変性シリコーンレジン、アクリル変性シリコーンレジン、ポリエステル変性シリコーンレジン等が挙げられる。
本発明の発泡シートにおける、上記シリコーン系化合物と、上記シリコーン変性ポリマー中に存在するシリコーン鎖部の総含有量は、本発明の発泡シート中の樹脂材料(ポリマー)100重量部に対して、不揮発分換算(固形分換算)で、例えば、0.01〜5重量部である。上記総含有量の下限は、好ましくは0.05重量部、さらに好ましくは0.1重量部であり、上限は、好ましくは4重量部、さらに好ましくは3重量部である。本発明の発泡シートにおけるシリコーン成分及びシリコーン鎖部の総含有量が上記の範囲内である場合は、発泡シートとしての特性を損なうことなく、圧縮後の回復性及び回復速度を向上させやすい。
また、本発明の発泡シートにおける、上記シリコーン系化合物と、上記シリコーン変性ポリマー中に存在するシリコーン鎖部の総含有量は、不揮発分換算(固形分換算)で、例えば、0.01〜5重量%である。上記総含有量の下限は、好ましくは0.05重量%、さらに好ましくは0.1重量%であり、上限は、好ましくは4重量%、さらに好ましくは3重量%である。本発明の発泡シートにおけるシリコーン成分及びシリコーン鎖部の総含有量が上記の範囲内である場合は、発泡シートとしての特性を損なうことなく、圧縮後の回復性及び回復速度をより向上させやすい。
また、衝撃吸収性を損なわない範囲内で、任意の適切な他の成分を含んでいてもよい。このような他の成分は、1種のみを含んでいてもよいし、2種以上を含んでいてもよい。該他の成分としては、例えば、上記以外のポリマー成分、軟化剤、酸化防止剤、老化防止剤、ゲル化剤、硬化剤、可塑剤、充填剤、補強剤、発泡剤、難燃剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤(顔料や染料等)、pH調整剤、溶剤(有機溶剤)、熱重合開始剤、光重合開始剤等が挙げられる。
上記充填剤としては、例えば、シリカ、クレー(マイカ、タルク、スメクタイト等)、アルミナ、チタニア、酸化亜鉛、酸化スズ、ゼオライト、グラファイト、カーボンナノチューブ、無機繊維(炭素繊維、ガラス繊維等)、有機繊維、金属粉(銀、銅等)等が挙げられる。また、充填剤として、圧電粒子(酸化チタン等)、導電性粒子、熱伝導性粒子(窒化ホウ素等)、有機フィラー(シリコーンパウダー等)等を添加することもできる。
本発明の発泡シートは、構成する樹脂材料(ポリマー)を含む樹脂組成物を発泡成形に付すことにより製造できる。発泡方法(気泡の形成方法)としては、物理的方法、化学的方法等、発泡成形に通常用いられる方法が採用できる。すなわち、本発明の発泡シートは、物理的方法により発泡して形成された発泡体(物理発泡体)であってもよいし、化学的方法により発泡して形成された発泡体(化学発泡体)であってもよい。一般的に物理的方法は、空気や窒素等のガス成分をポリマー溶液に分散させて、機械的混合により気泡を形成させるもの(機械発泡体)である。また、化学的方法は、ポリマーベースに添加された発泡剤の熱分解により生じたガスによりセルを形成し、発泡体を得る方法である。環境問題等の観点から、物理的方法が好ましい。物理的方法により形成される気泡は、連続気泡であることが多い。
発泡成形に付す樹脂材料(ポリマー)を含む樹脂組成物としては、樹脂材料を溶剤に溶解させた樹脂溶液を用いてもよいが、気泡性の観点から、樹脂材料を含むエマルションを用いるのが好ましい。すなわち、本発明の発泡シートは、エマルション樹脂組成物の発泡体であることが好ましい。エマルションとしては、2種以上のエマルションをブレンドして用いてもよい。また、上記樹脂組成物は、架橋剤を含まない樹脂組成物として保存しておき、発泡成形に付す直前に架橋剤を混合してもよい。
エマルションの固形分濃度は成膜性の観点から高い方が好ましい。エマルションの固形分濃度は、好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上である。
本発明では、エマルション樹脂組成物を機械的に発泡させて起泡化させる工程(工程A)を経て発泡体を作製する方法が好ましい。すなわち、本発明の発泡シートは、エマルション樹脂組成物の機械発泡体であることが好ましい。起泡装置としては、特に限定されず、例えば、高速せん断方式、振動方式、加圧ガスの吐出方式等の装置が挙げられる。これらの中でも、気泡径の微細化、大容量作製の観点から、高速せん断方式が好ましい。
機械的撹拌により起泡した際の気泡は、気体(ガス)がエマルション中に取り込まれたものである。ガスとしては、エマルションに対して不活性であれば特に制限されず、空気、窒素、二酸化炭素等が挙げられる。中でも、経済性の観点から、空気が好ましい。
上記方法により起泡化したエマルション樹脂組成物を基材上に塗工して乾燥する工程(工程B)を経ることで、本発明の発泡シートを得ることができる。上記基材としては、特に限定されないが、例えば、剥離処理したプラスチックフィルム(剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム等)、プラスチックフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム等)、熱伝導層(後述の熱伝導層)等が挙げられる。熱伝導層を基材として塗工した場合には、発泡シートと熱伝導層の密着性を向上でき、また、発泡シート作製時の乾燥工程の効率も向上できる。
上記工程Bにおいて、塗工方法、乾燥方法としては、一般的な方法を採用できる。工程Bは、基材上に塗布した気泡含有エマルション樹脂組成物を50℃以上125℃未満で乾燥する予備乾燥工程B1と、その後さらに125℃以上200℃以下で乾燥する本乾燥工程B2を含んでいることが好ましい。
予備乾燥工程B1と本乾燥工程B2を設けることにより、急激な温度上昇による気泡の合一化、気泡の破裂を防止できる。特に厚みの小さい発泡シートでは温度の急激な上昇により気泡が合一化、破裂するので、予備乾燥工程B1を設ける意義は大きい。予備乾燥工程B1における温度は、好ましくは50℃以上100℃以下である。予備乾燥工程B1の時間は、例えば、0.5分〜30分、好ましくは1分〜15分である。また、本乾燥工程B2における温度は、好ましくは130℃以上180℃以下、より好ましくは130℃以上160℃以下である。本乾燥工程B2の時間は、例えば、0.5分〜30分、好ましくは1分〜15分である。
10〜200μmの範囲の平均セル径の発泡シートは、界面活性剤の種類や量を調整することや、機械的撹拌時の撹拌速度や撹拌時間を調整することで得ることができる。
0.2〜0.7g/cm3の密度の発泡シートは、機械的撹拌時のエマルション樹脂組成物中に取り込む気体(ガス)成分量を調整することで得ることができる。
本発明の発泡シートは、発泡シートの片面又は両面に粘着剤層(粘着層)を有していてもよい。粘着剤層を構成する粘着剤としては、特に限定されず、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等のいずれであってもよい。また、粘着剤層を設ける場合は、その表面に、使用時まで粘着剤層を保護する剥離ライナーを積層してもよい。なお、本発明の発泡シートを構成する発泡シートが微タック性を有する場合は、粘着剤層を設けなくても部材等を固定できる。
本発明の発泡シートにおいて、発泡シートの少なくとも一方の面のSUS304BA板に対する剪断接着力(測定条件:23℃、引張速度50mm/min)が0.5N/100mm2以上であるものは、当該発泡シートと他部材(例えば、熱伝導層等)とを積層して用いる場合、発泡シートに粘接着層を設けなくても上記他部材が剥がれることがなく、位置ズレを防止できるという効果が得られる。また、粘接着層を設けなくてもよいので、発泡シートと他部材との積層体の厚みを小さくでき、取り付けの対象となる電気電子機器等のさらなる薄型化に寄与できる。さらに、該積層体の製造効率を向上でき、コストも低減できる。なお、本発明の発泡シートと他部材(例えば、熱伝導層等)との積層体の層構成の例として、例えば、他部材/発泡シート、他部材/粘着剤層/発泡シート、発泡シート/他部材/発泡シート、発泡シート/粘着剤層/他部材/粘着剤層/発泡シート等が挙げられる。
本発明の発泡シートがタック性を有する場合、本発明の発泡シートのSUS304BA板に対する剪断接着力は、例えば、本発明の発泡シートを構成する樹脂材料(ポリマー)を構成するモノマーの種類及びその組成比を選択することにより調整できる。例えば、本発明の発泡シートを構成する樹脂材料(アクリル系ポリマー等のポリマー)を構成するモノマーとして、ホモポリマーのTgが−10℃未満(例えば−70℃以上−10℃未満、好ましくは−70℃〜−12℃、さらに好ましくは−65℃〜−15℃)のモノマーを、上記樹脂材料(アクリル系ポリマー等のポリマー)を構成する全モノマー成分(モノマー成分全量)に対して、例えば、70〜98重量%(下限は、好ましくは75重量%、上限は、好ましくは97重量%)用い、他のモノマーの種類及び量を適宜選択することにより、発泡シートのSUS304BA板に対する剪断接着力を0.5N/100mm2以上にすることができる。
本発明の発泡シートのSUS304BA板に対する剪断接着力の下限は、好ましくは0.5N/100mm2、さらに好ましくは0.7N/100mm2である。また、上記剪断接着力の上限は、特に制限はないが、例えば、100N/100mm2である。
本発明の発泡シートは、ロール状に巻回した巻回体(ロール状物)として市場に流通させてもよい。
本発明の発泡シートは、衝撃吸収性に優れながら、繰り返し衝撃に対する耐性に優れる。このため、例えば、電気電子機器において、各種部材又は部品(例えば、光学部材等)を、所定の部位(例えば、筐体等)に取り付ける(装着する)際に用いられる電気電子機器用部材、特に、衝撃吸収シートとして有用である。本発明の電気電子機器は、本発明の発泡シートが用いられているため、落下時の衝撃により破損しにくく、また、繰り返し衝撃を受けた際にも破損しにくい。また、本発明の発泡シートは、厚みが非常に薄い場合であっても衝撃吸収性に優れ且つ繰り返し衝撃に対する耐性に優れるため、本発明の電気電子機器は、小型化、薄型化されていても、落下時の衝撃により破損しにくく、また、繰り返し衝撃を受けた際にも破損しにくい。なお、「電気電子機器」とは、電気機器又は電子機器の少なくともいずれかに該当する機器をいう。
本発明の発泡シートを利用して取付(装着)可能な光学部材としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ等の画像表示装置に装着される画像表示部材(特に、小型の画像表示部材)や、いわゆる「携帯電話」、「スマートフォン」や「携帯情報端末」等の移動体通信の装置に装着されるタッチパネル等の表示部材、カメラやレンズ(特に、小型のカメラやレンズ)等が挙げられる。
本発明の電気電子機器は、本発明の発泡シートが用いられている。このような電気電子機器には、例えば、表示部材を備えた電気電子機器であって、上記の発泡シートが該電気電子機器の筐体と上記表示部材との間に挟持された構造を有している電気電子機器が含まれる。該電気電子機器として、例えば、いわゆる「携帯電話」、「スマートフォン」、「携帯情報端末」等の移動体通信の装置等が挙げられる。
また、本発明の発泡シートは、タッチパネル搭載機器に用いられた際に、使用者のタッチ操作に伴い、表示パネルやタッチパネルがたわみ、変形したとしても、この変形に伴い生じた力を効果的に分散・吸収できる。従って、本発明の発泡シートは、表示パネルに応力がかかることによって生じることがある表示部における表示ムラ(波紋状のにじみ模様)の発生を高度に抑制できる。このため、本発明の発泡シートは、タッチパネル搭載機器に好ましく用いることができる。
上記タッチパネル搭載機器とは、表示パネルを有し、タッチパネルを搭載した機器のことをいう。タッチパネル搭載機器としては、特に限定されないが、例えば、携帯電話;スマートフォン;携帯情報端末(PDA);タブレットコンピューター;デスクトップ型、ノートブック型、タブレット型等の各種パーソナルコンピュータ(パソコン);プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(有機ELディスプレイ)等の各種ディスプレイ(モニター);携帯型ゲーム機;デジタルオーディオプレーヤー;電子ブックリーダー(電子書籍閲覧用のデバイス、電子書籍専用端末);ウェアラブルコンピュータ(ウェアラブルデバイス);デジタルサイネージ(電子看板);現金自動預け払い機(ATM);切符、各種金券、飲料、食品、たばこ、雑誌、新聞等の販売に用いられる自動券売機・自動販売機;テレビ受像機(テレビ);電子黒板(インタラクティブ・ホワイトボード)等が挙げられる。
本発明のタッチパネル搭載機器は、本発明の発泡シートが用いられている。このようなタッチパネル搭載機器として、例えば、上記発泡シート、表示パネル、及び、タッチパネルを有し、上記表示パネルの背面側のスペースに上記発泡シートが配置されているものが挙げられる。本発明のタッチパネル搭載機器は、本発明の発泡シートが用いられているため、落下時の衝撃により破損しにくく、また、繰り返し衝撃を受けた際にも破損しにくい。また、本発明の発泡シートは、厚みが非常に薄い場合であっても衝撃吸収性に優れ且つ繰り返し衝撃に対する耐性に優れるため、本発明のタッチパネル搭載機器は、小型化、薄型化されていても、落下時の衝撃により破損しにくく、また、繰り返し衝撃を受けた際にも破損しにくい。さらに、本発明のタッチパネル搭載機器は、使用者のタッチ操作に伴う表示部における表示ムラの発生が高度に抑制されている。
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。なお、特に言及しない限り、含有量を表す「%」は重量%を意味する。なお、配合部数(重量部)は、全て固形分(不揮発分)換算の値である。
実施例1
アクリルエマルション溶液(固形分量57%、アクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル−アクリロニトリル−アクリル酸共重合体(重量比91:4:3:2))100重量部、脂肪酸アンモニウム系界面活性剤(ステアリン酸アンモニウムの水分散液、固形分量33%)(界面活性剤A)1.5重量部、カルボキシベタイン型両性界面活性剤(「アモーゲンCB−H」、第一工業製薬(株)製)(界面活性剤B)1.0重量部、オキサゾリン系架橋剤(「エポクロスWS−500」、(株)日本触媒製、固形分量39%)0.35重量部、ポリアクリル酸系増粘剤(アクリル酸エチル−アクリル酸共重合体(アクリル酸20%)、固形分量28.7%)0.78重量部、滑剤(変性シリコーンオイル、「X−22−163C」、信越化学工業(株)製)1.0重量部をディスパー(「ロボミックス」、プライミクス(株)製)で撹拌混合して起泡化した。この発泡組成物を、剥離処理をしたPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(厚み:38μm、商品名「MRF♯38」、三菱樹脂(株)製)上に塗布し、80℃で5分、140℃で5分乾燥させ、厚み150μm、密度0.31g/cm3、最大セル径110μm、最小セル径20μm、平均セル径45μmの連続気泡構造の発泡体(発泡シート)を得た。
比較例1
アクリルエマルション溶液(固形分量55%、アクリル酸エチル−アクリル酸ブチル−アクリロニトリル共重合体(重量比45:48:7))100重量部、脂肪酸アンモニウム系界面活性剤(ステアリン酸アンモニウムの水分散液、固形分量33%)(界面活性剤A)1.5重量部、カルボキシベタイン型両性界面活性剤(「アモーゲンCB−H」、第一工業製薬(株)製)(界面活性剤B)1.0重量部、オキサゾリン系架橋剤(「エポクロスWS−500」、(株)日本触媒製、固形分量39%)0.35重量部、ポリアクリル酸系増粘剤(アクリル酸エチル−アクリル酸共重合体(アクリル酸20%)、固形分量28.7%)0.78重量部をディスパー(「ロボミックス」、プライミクス(株)製)で撹拌混合して起泡化した。この発泡組成物を、剥離処理をしたPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(厚み:38μm、商品名「MRF♯38」、三菱樹脂(株)製)上に塗布し、80℃で5分、140℃で5分乾燥させ、厚み150μm、密度0.32g/cm3、最大セル径110μm、最小セル径20μm、平均セル径45μmの連続気泡構造の発泡体(発泡シート)を得た。
比較例2
アクリルエマルション溶液(固形分量55%、アクリル酸エチル−アクリル酸ブチル−アクリロニトリル共重合体(重量比45:48:7))100重量部、脂肪酸アンモニウム系界面活性剤(ステアリン酸アンモニウムの水分散液、固形分量33%)(界面活性剤A)1.5重量部、カルボキシベタイン型両性界面活性剤(「アモーゲンCB−H」、第一工業製薬(株)製)(界面活性剤B)1.0重量部、オキサゾリン系架橋剤(「エポクロスWS−500」、(株)日本触媒製、固形分量39%)0.35重量部、充填剤(シリカ粒子、平均粒子径:5μm)25重量部をディスパー(「ロボミックス」、プライミクス(株)製)で撹拌混合して起泡化した。この発泡組成物を、剥離処理をしたPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(厚み:38μm、商品名「MRF♯38」、三菱樹脂(株)製)上に塗布し、80℃で5分、140℃で5分乾燥させ、厚み150μm、密度0.31g/cm3、最大セル径110μm、最小セル径20μm、平均セル径45μmの連続気泡構造の発泡体(発泡シート)を得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られた発泡体(発泡シート)について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。なお、表1に、各実施例、比較例における各成分の配合部数(重量部)[固形分(不揮発分)換算]を示す。
(平均セル径)
低真空走査電子顕微鏡(「S−3400N型走査電子顕微鏡」、(株)日立ハイテクサイエンスシステムズ製)により、発泡体断面の拡大画像を取り込み、画像解析することにより平均セル径(μm)を求めた。なお解析した気泡数は10〜20個程度である。また、平均セル径と同様の方法で、発泡シートの最小セル径(μm)及び最大セル径(μm)を求めた。
(密度)
100mm×100mmの打抜き刃型にて発泡体(発泡シート)を打抜き、打抜いた試料の寸法を測定する。また、測定端子の直径(φ)20mmである1/100ダイヤルゲージにて厚みを測定する。これらの値から発泡体の体積を算出した。
次に、発泡体の重量を最小目盛り0.01g以上の上皿天秤にて測定する。これらの値より発泡体の密度(g/cm3)を算出した。
(動的粘弾性)
粘弾性測定装置(「ARES2KFRTN1−FCO」、TA Instruments Japan社製)のフィルム引張り測定モードにて、角振動数1rad/sで温度分散性試験を行った。その際の貯蔵弾性率E’と損失弾性率E’’の比率である損失正接(tanδ)のピークトップの温度(℃)と強度(最大値)を測定した。
表1の「tanδ温度」の欄に、発泡体の損失正接(tanδ)のピークトップの温度(℃)を記載し、「tanδ最大値」の欄に、該ピークトップの強度(最大値)を記載し、「tanδ最大値/密度」の欄に、上記ピークトップの強度(最大値)を発泡体の密度で割った値[発泡体を構成する材料自体(気泡を除外する)のtanδのピークトップ強度(最大値)に相当する]を記載した。
(厚み回復率)
発泡体を幅:25mm、長さ:40mmに切り出し、シート状の試験片とした。この試験片を電磁力式微小試験機(マイクロサーボ)(商品名「MMT−250」、(株)島津製作所社製)を用いて、23℃雰囲気下、厚み方向に、1kg(1cm2あたり100g)の荷重を加え、120秒間圧縮状態を維持した。23℃雰囲気下、圧縮状態を解除し、発泡体の厚みの回復挙動(厚み変化、厚み回復)を高速度カメラ(ハイスピードカメラ)により撮影し、撮影した映像から、圧縮状態を解除後から0.5秒後の発泡体の厚みを求めた。そして、下記式より、回復率を求めた。評価結果を、表1の「厚み回復率」の欄に記載した。
厚み回復率(%)=(圧縮状態を解除してから0.5秒後の厚み)/(初期厚み)×100
(50%圧縮時の反発力(50%圧縮時の対反発荷重、50%圧縮荷重))
JIS K 6767に記載されている圧縮硬さ測定法に準じて測定した。
発泡体を幅:30mm、長さ:30mmに切り出し、シート状の試験片とした。次に該試験片を、圧縮速度:10mm/minで、厚み方向に、圧縮率が50%になるまで圧縮したときの応力(N)を単位面積(1cm2)当たりに換算して反発力(N/cm2)とした。評価結果を、表1の「50%圧縮荷重」の欄に記載した。
(衝撃吸収性試験)
上述の振り子型衝撃試験機(衝撃試験装置)(図1及び図2参照)を用いて衝撃吸収性試験を行った。実施例及び比較例で得られた発泡シート(サンプルサイズ:20mm×20mm)について、66gの鉄球を40°傾けた条件で、1秒間隔で5回連続鉄球を衝突させて衝撃試験を行い、各衝突時における衝撃力(N)を測定した。評価結果を、表1の「衝撃吸収試験」の欄に記載した。
また、各衝突時における衝撃力(N)を、衝撃回数をx軸、衝撃力(N)をy軸として5点プロットし、該5点から最小二乗法によって得られた線形近似直線を得、その傾きを求めた。評価結果を表1の「繰り返し衝撃力の傾き」の欄に記載した。
表1に示されるように、実施例の発泡シートでは、平均セル径が10〜200μm、厚みを50%圧縮した際の反発力が6.0N/cm2以下、上記0.5秒後の厚み回復率が90%以上となり、高い衝撃吸収性を示すとともに、5回目の衝突時において1回目の衝突時と同程度の衝撃吸収性を示した。これに対し、比較例1及び2の発泡シートでは上記0.5秒後の厚み回復率が90%以上とはならず、5回目の衝突時では1回目の衝突時よりも衝撃吸収性が大きく低下していた。
参考例1
ハードセグメントとしてのポリブチレンテレフタレートとソフトセグメントとしてのポリエーテルとのブロック共重合体(商品名「ペルプレン P−90BD」、東洋紡(株)製、230℃のメルトフローレート:3.0g/10min、融点:204℃):100重量部、アクリル系滑剤(商品名「メタブレンL−1000」、三菱レイヨン(株)製):5重量部、シランカップリング剤で表面処理加工されているハードクレイ(商品名「ST−301」、白石カルシウム(株)製):1重量部、カーボンブラック(商品名「旭♯35」、旭カーボン(株)製):5重量部及びエポキシ系改質剤(エポキシ変性アクリル系ポリマー、重量平均分子量(Mw):50000、エポキシ当量:1200g/eq、粘度:2850mPa・s):2重量部を、二軸混練機により、220℃の温度で混練した後、ストランド状に押出し、水冷後ペレット状に切断して成形した。このペレットを単軸押出機に投入し、240℃の雰囲気中、17(注入後13)MPaの圧力で二酸化炭素ガスを注入した。二酸化炭素ガスを十分飽和させた後、発泡に適した温度まで冷却後、ダイから押出して、厚みが2.0mmのシート状のポリエステル系エラストマー発泡体を得た。得られた発泡体をスライスして0.2mmの厚さに調整した。
(高温時での厚み回復率)
実施例1及び参考例1で得られた発泡体を幅:30mm、長さ:30mmに切り出し、シート状の試験片とした。この試験片の厚みを正確に測定し、厚みaとした。次に、試験片を、治具により、2枚の圧縮板(アルミ板)で、試験片の両面から厚み方向に、初期の厚みに対して50%の厚みとなるようにスペーサー(スペーサーの厚みc)を用いて圧縮し(すなわち、50%圧縮状態)、この圧縮状態を維持して、湿度50%、温度80℃の条件下で、22時間保管した。22時間経過後、23℃雰囲気下で2時間保管し、その後試験片の圧縮状態を解き、24時間放置した。放置後、試験片の厚みを正確に測定し、厚みbとした。
厚みa、厚みb、及び厚みcから、下記式より、高温時での厚み回復率(%)を算出した。
高温時での厚み回復率(%)=(1−(厚みa−厚みb)/(厚みa−厚みc))×100
なお、厚みa及び厚みbは、温度が23±2℃、相対湿度が50±5%の環境下で測定した。実施例1で得られた発泡体の高温時での厚み回復率は96%であり、参考例1で得られた発泡体の高温時での厚み回復率は60%であった。