JP6175371B2 - 電子計算機システム及び仮想マシン配置方法 - Google Patents
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Description
図1は、実施例1にかかる電子計算機システムを示すブロック図である。図1に示すように、電子計算機システム1は、複数のサーバ2、複数の電源装置3及び制御装置4を備えている。各サーバ2には、仮想マシンが配置される。各電源装置3は、サーバ2に電力を供給する。
実施例2では、実施例1にかかる電子計算機システム1の一例について説明する。電子計算機システム1の一例として、例えばデータセンタが挙げられる。データセンタでは、多数のコンピュータやデータ通信などの装置が運用される。
図1に示す電子計算機システム1において、データセンタには、複数のラック5が設置されている。各ラック5には、一台または複数のサーバ2と電源装置3として例えば一台の無停電電源装置とが収容されている。電源装置3は、ラック5ごとに、同じラック5に収容されている複数のサーバ2に電力を供給する。各ラック5と制御装置4とは、例えばLAN(Local Area Network)ケーブルなどの通信ケーブルや、無線通信などによって、相互に接続されていてもよい。
図2は、実施例2にかかる電子計算機システムの制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、制御装置4は、CPU11、ROM12、RAM13、ハードディスクドライブ(HDD)14、ハードディスク(HD)20、フレキシブルディスクドライブ(FDD)15、着脱可能な記録媒体の一例としてのフレキシブルディスク(FD)21を備えている。制御装置4は、ディスプレイ16、キーボード17、マウス18及びインターフェース19を備えている。これらの構成部11〜19は、バス25によってそれぞれ接続されている。
図3は、実施例2にかかる電子計算機システムの制御装置の機能的構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御装置4は、判定部31、記憶部32、管理部33、求解部34及び配置部35を備えている。これらの構成部31〜35は、CPU11が、仮想マシン配置方法を実現するプログラムを実行することによって、実現されてもよい。
図4は、実施例2にかかる電子計算機システムにおけるデータセンタの構成を規定するデータを示す図である。図4に示すように、データセンタに設定されているラックの数はN個であり、一ラックあたりのサーバの数はS個である。N及びSは正の整数である。
図14は、実施例2にかかる仮想マシン配置方法を示すフローチャートである。図14に示すように、仮想マシンの配置が開始されると、まず、制御装置4の判定部31は、仮想マシンの配置の種類が、初期配置、追加配置及び再配置のいずれであるかを判定する(ステップS1)。そして、判定部31は、判定結果に基づいて、求解部34に配置の種類を指示する。
・消費電力のモデリング
まず、サーバの消費電力、電源装置の消費電力、ラック内のサーバ及び電源装置の合計消費電力、並びにデータセンタ内のサーバ及び電源装置の合計消費電力のそれぞれのモデリングについて説明する。
サーバは、消費電力に関して次の(S−1)〜(S−3)の性質を有する。
(S−1)仮想マシンが1個でも実行されると、サーバの電源がオンになる。仮想マシンの実行数が0であるときには、サーバの電源はオフとなる。
(S−2)電源がオンになると一定の電力が消費される。
(S−3)実行される仮想マシンの数が増えると、それに応じて消費電力が増える。
電源装置は、消費電力に関して次の(U−1)及び(U−2)の性質を有する。
(U−1)ラック内のサーバの動作状態にかかわらず、常に一定の電力が消費される。
(U−2)ラック内のサーバの合計消費電力が増えると、それに応じて消費電力が増える。
電源装置の消費電力のモデリングの項で述べたように、i番目のラック内のサーバの合計消費電力は、[Σ(βijvij+αijwij)](ただし、Σのインデックスjは省略)である。また、i番目のラックに備え付けられた電源装置の消費電力は、上記(5)式で表される。これらを足したものが、i番目のラックの合計消費電力となる。従って、i番目のラックの合計消費電力は、次の(6)式で表される。
上記(6)式を1番目〜N番目の全てのラック分、足したものが、データセンタ内の合計消費電力となる。従って、データセンタ内の合計消費電力は、次の(7)式で表される。
仮想マシンの初期配置を行う際には、いずれのサーバにも仮想マシンは配置されていない。従って、全てのサーバの電源はオフとなっている。
仮想マシンの追加配置を行う際の前提として、i番目のラックのj番目のサーバにwij[0]個の仮想マシンが既に配置されているとする。また、現在、配置されている仮想マシンは移動しないとする。従って、初期配置状態として既にwij[0]個の仮想マシンが配置されているサーバに、さらに仮想マシンが追加で配置されることになるので、wijはwij[0]以上の値になる。これを制約条件として表すと、次の(13)式となる。
仮想マシンの再配置を行う際の前提として、i番目のラックのj番目のサーバにwij[0]個の仮想マシンが既に配置されているとする。仮想マシンの再配置では、仮想マシンは、ライブマイグレーションを使って移動させられる。ライブマイグレーションを使って仮想マシンを移動させると、移動元のサーバ及び移動先のサーバの両方で電力が消費される。
実施例3では、実施例1にかかる電子計算機システム1の一例として、例えば実施例2のデータセンタに空気調和装置が設置されており、この空気調和装置の消費電力を含めて、データセンタ全体の省電力化を図る場合について説明する。また、実施例3では、仮想マシンのサイズが仮想マシンごとに異なっていてもよい。実施例2と同様の構成には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図15は、実施例3にかかる電子計算機システムを示すブロック図である。図15に示すように、ラック5を収容する空間を含むデータセンタ6には、空調室内機(CRAC Unit:Computer Room Air Conditioning Unit、クラック・ユニット)7及び空調室外機(Chiller Plant、チラー・プラント)8を含む空気調和装置が設置されている。図15には現れていないが、ラック5にはサーバ及び電源装置が収容されている。
図16は、実施例3にかかる電子計算機システムの制御装置の機能的構成を示すブロック図である。図16に示すように、実施例3にかかる制御装置4では、仮想マシンの初期配置、追加配置及び再配置のいずれに対応した混合整数計画問題を解くべきかを判定する必要がないので、実施例2における判定部31が設けられていなくてもよい。
電子計算機システム1は、データセンタの構成を規定するデータN,S(図4)、仮想マシンの数を規定するデータM(図5)及び最大仮想マシン数を規定するデータLij(図7)を有していてもよい。また、電子計算機システム1は、仮想マシンの消費電力を規定するデータαij(図8)、ベース消費電力を規定するデータβij(図9)、並びに電源装置のベース消費電力ηi及び比例係数を規定するデータεi(図13)を有していてもよい。ただし、実施例3では、αijは、i番目のラックのj番目のサーバにおいて仮想マシンが動作する際の単位サイズ(例えば、1コアまたは1スレッド)あたり消費される電力である。それ以外に、電子計算機システム1は、以下に挙げるデータを有していてもよい。
図24は、実施例3にかかる仮想マシン配置方法を示すフローチャートである。図24に示すように、仮想マシンの配置が開始されると、まず、記憶部32は、求解部34にデータ(定数)、変数、目的関数及び制約条件を入力する(ステップS11)。求解部34は、入力されたデータ(定数)、変数、目的関数及び制約条件と、判定部31からの指示とに基づいて、例えばソルバーによって混合整数計画問題を解き、解を求める(ステップS12)。混合整数計画問題としての定式化については後述する。配置部35は、求解部34が求めた解に基づいて、仮想マシンを配置する(ステップS13)。このようにして、一連の仮想マシン配置処理が終了する。
・仮想マシン及び仮想マシンの配置のモデリング
図17に示すように、配置されるn番目の仮想マシンのサイズをτnとする。また、xn,i,jを0または1のいずれかの値をとる変数とする。xn,i,jの値は、i番目のラックのj番目のサーバでn番目の仮想マシンが実行されるときに1であり、そうでないとき、すなわち仮想マシンが実行されないときに0である。従って、xn,i,jによって、仮想マシンの配置を表すことができる。
サーバの消費電力、電源装置の消費電力、空調室内機の消費電力、空調室外機の消費電力及びデータセンタ全体の消費電力のそれぞれのモデリングについて説明する。
サーバの消費電力については、実施例2と同様にしてモデリングすることができる。実施例3では、サーバは、実施例2において説明した(S−1)及び(S−2)の性質と、次の(S−4)の性質とを有する。
(S−4)実行される仮想マシンの合計サイズが増えると負荷が高くなり、それに応じて消費電力が増える。
電源装置の消費電力については、実施例2と同様にしてモデリングすることができる。実施例3では、電源装置は、実施例2において説明した(U−1)及び(U−2)の性質を有する。サーバの消費電力が上記(51)式で表されるので、電源装置の消費電力は、次の(52)式で表される。この(52)式は、(U−1)及び(U−2)の性質を変数xn,i,j及びvijの1次式で表したものである。
空調室内機は、消費電力に関して次の(C−1)及び(C−2)の性質を有する。
(C−1)常に一定の電力が消費される。
(C−2)k番目の空調室内機に流入する熱流量が増えると、k番目の空調室内機の消費電力が増える。
空調室外機は、消費電力に関して次の(C−3)及び(C−4)の性質を有する。
(C−3)k番目の空調室外機に流入する熱流量は、k番目の空調室内機から排出される熱流量に等しい。
(C−4)k番目の空調室外機から排出される熱流量が増えると、k番目の空調室外機の消費電力が増える。
上記(51)式を1番目〜S番目の全てのサーバ分、足したものに、上記(52)式を足し合わせたものを1番目〜N番目の全てのラック分、足したものが、データセンタ内のサーバ及び電源装置の合計消費電力である。このサーバ及び電源装置の合計消費電力に、上記(53)式を1番目〜C番目の全ての空調室内機分と、上記(54)式を1番目〜C番目の全ての空調室外機分、足したものが、データセンタ全体の消費電力となる。従って、データセンタ全体の消費電力は、次の(55)式で表される。
次に、熱流量のモデリングについて説明する。熱流量に関して、ラック及び空気調和装置の間に次の(Q−1)〜(Q−3)の関係が成り立つ。
(Q−1)各空調室内機から排出される熱流量は、各空調室内機に流入する熱流量にその空調室内機で発生した熱流量(すなわち、消費電力)を足したものである。
(Q−2)各空調室内機に流入する熱流量は、各ラックから排出される熱流量である。
(Q−3)各ラックから排出される熱流量は、各ラックに流入する熱流量にそのラックで発生した熱流量(すなわち、消費電力)を足したものである。
以上より、仮想マシンを配置するときのサーバ、電源装置、空調室内機及び空調室外機の合計消費電力の省電力化問題は、以下の(59)式〜(66)式で表される混合整数計画問題として定式化することができる。(59)式は目的関数を表し、(60)式〜(66)式は制約条件を表す。決定変数は、xn,i,j,vij,qin,CRAC,k,qout,CRAC,k,qout,RACK,i,n=1,・・・,M,i=1,・・・,N,j=1,・・・,S,k=1,・・・,Cである。
実施例4では、実施例3にかかる電子計算機システム1において、配置すべきM個の仮想マシンをできるだけ同一のラック5に配置するようにする場合の例である。同一のラック5に配置することによって、例えばM個の仮想マシンが1つのサービスに含まれる場合、そのサービスが例えば通信を行う際に通信速度が上がることがある。実施例3と同様の構成には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図25は、実施例4にかかる電子計算機システムにおけるペナルティを規定するデータを示す図である。図25に示すように、同一のラック5に配置されるのが好ましい仮想マシンが複数のラック5に分散されて配置される場合のラック一つあたりのペナルティはaワットである。aの値が大きくなるほど、同一のラック5に配置されるのが好ましい仮想マシンが同一のラック5に配置されやすくなり、aの値が小さくなるほど、省電力化の効果が大きくなる。その他のデータ構造については、実施例3と同様である。
実施例4では、(67)式で表されるように、i番目のラックについて、σiを0または1のいずれかの値をとる補助変数とする。
以上より、同一ラックに仮想マシンを優先配置する場合の省電力化問題は、以下の(71)式〜(80)式で表される混合整数計画問題として定式化することができる。(71)式は目的関数を表し、(72)式〜(80)式は制約条件を表す。決定変数は、xn,i,j,vij,σi,qin,CRAC,k,qout,CRAC,k,qout,RACK,i,n=1,・・・,M,i=1,・・・,N,j=1,・・・,S,k=1,・・・,Cである。
実施例5は、仮想マシンのサイズが異なる場合に仮想マシンを再配置する例である。具体的には、実施例5は、サーバと無停電電源装置および空調機により消費される電力を、サイズの異なる仮想マシンの配置の関数としてモデリングした例である。そして、実施例5にかかる電子計算機システムは、仮想マシンマイグレーションを使った仮想マシン再配置による省電力化問題を混合整数計画問題として定式化、求解することにより、省電力化を達成する仮想マシン配置を算出する。
実施例5では、電子計算機システム1は、データセンタの構成を規定するデータN,S(図4)、仮想マシンの数を規定するデータM(図5)及び最大仮想マシン数を規定するデータLij(図7)を有していてもよい。ただし、実施例5では、仮想マシンの数を規定するデータMは、1サービスに含まれる仮想マシンの最大個数を示す。また、電子計算機システム1は、仮想マシンの消費電力を規定するデータαij(図8)、ベース消費電力を規定するデータβij(図9)、並びに電源装置のベース消費電力ηi及び比例係数を規定するデータεi(図13)を有していてもよい。ただし、実施例5では、αijは、i番目のラックのj番目のサーバにおいて仮想マシンが動作する際の単位サイズ(例えば、1コアまたは1スレッド)あたり消費される電力である。
図29は、実施例5にかかる仮想マシン配置方法を示すフローチャートである。図29に示すように、仮想マシンの配置が開始されると、まず、記憶部32は、求解部34にデータ(定数)、変数、目的関数及び制約条件を入力する(ステップS51)。求解部34は、入力されたデータ(定数)、変数、目的関数及び制約条件と、判定部31からの指示とに基づいて、例えばソルバーによって混合整数計画問題を解き、解を求める(ステップS52)。混合整数計画問題としての定式化については後述する。配置部35は、求解部34が求めた解に基づいて、仮想マシンを配置する(ステップS53)。このようにして、一連の仮想マシン配置処理が終了する。
つぎに、実施例5にかかる混合整数計画問題の定式化について説明する。実施例5では、実施例3と同様、空調室内機の消費電力および空調室外機の消費電力もモデリングされるが、空調室内機の消費電力のモデリング及び空調室外機の消費電力のモデリングについては、実施例3と同一内容であるため、説明を省略する。
図26に示したように、サービス個数は「V」であり、図27に示したように、1つのサービスに含まれる仮想マシンの最大個数は「M」である。したがって、m番目のサービスのn番目の仮想マシンのサイズを「τmn」とする。ただし、m番目のサービスに含まれる仮想マシンの個数Mmが、Mm<Mのときは、τmn=0、n=Mm+1,…,Mとして表現される。
i番目のラックのj番目のサーバで1つでも仮想マシンが実行されるということは、サーバの電源がすでにONになっているということなので、電源ONにより電力が消費される。また、i番目のラックのj番目のサーバで実行される仮想マシンの合計サイズが増えると負荷が高くなり、より多くの電力が消費される。したがって、i番目のラックのj番目のサーバの消費電力は、以下のようにモデリングされる。
UPSでは、常時一定の電力が消費されている。それに加えて、そのUPSが備え付けられているラックに搭載されるサーバ台数の消費電力に応じた電力が消費される。したがって、i番目のラックでのUPSの消費電力は、以下のようにモデリングされる。
データセンタ全体の、サーバ、無停電電源装置、空調室内機、及び空調室外機で消費される電力は以下のようにモデリングされる。
実施例3で説明した(Q−1)の関係に基づいて、k番目の空調室内機から排出される熱流量は、上記(56)式に示したとおりである。また、実施例3で説明した(Q−2)の関係に基づいて、k番目の空調室内機に流入する熱流量は、上記(57)式に示したとおりである。実施例3で説明した(Q−3)の関係に基づいて、i番目のラックから排出される熱流量は、下記(85)式で表される。
仮想マシンのマイグレーションが実行されると、仮想マシンの移行元と移行先とで電力が消費される。したがって、仮想マシンのマイグレーションの消費電力は、以下のようにモデリングされる。
以上により、仮想マシンの再配置によるサーバ、無停電電源装置、空調室内機、空調室外機の電力最小化問題は、以下の混合整数計画問題として定式化できる。
実施例6は、同一サービスの仮想マシン同士を同一ラック内のサーバに優先的に配置させる例である。電子計算機システムでは、各サーバは、ネットワークスイッチに接続され、ネットワークスイッチを経由して他のサーバと通信を行う。そのため、同一のネットワークスイッチに接続されているサーバ間の通信の遅延が、異なるネットワークスイッチに接続されているサーバ間の通信よりも少ない。同じように、仮想マシン間の通信も、その仮想マシンが配置されているサーバが同一のネットワークスイッチに接続されている場合、異なるネットワークスイッチに接続されているサーバに配置された仮想マシンとの通信よりも遅延が少ない。
実施例6では、電子計算機システム1は、データセンタの構成を規定するデータN,S(図4)、仮想マシンの数を規定するデータM(図5)及び最大仮想マシン数を規定するデータLij(図7)を有する。ただし、実施例5に追加される場合は、仮想マシンの数を規定するデータMは、1サービスに含まれる仮想マシンの最大個数を示す。また、電子計算機システム1は、仮想マシンの消費電力を規定するデータαij(図8)、ベース消費電力を規定するデータβij(図9)、並びに電源装置のベース消費電力ηi及び比例係数を規定するデータεi(図13)を有する。ただし、実施例5に追加される場合は、αijは、i番目のラックのj番目のサーバにおいて仮想マシンが動作する際の単位サイズ(例えば、1コアまたは1スレッド)あたり消費される電力である。
図31は、実施例6にかかる仮想マシン配置方法を示すフローチャートである。図31に示すように、仮想マシンの配置が開始されると、まず、記憶部32は、求解部34にデータ(定数)、変数、目的関数及び制約条件を入力する(ステップS61)。求解部34は、入力されたデータ(定数)、変数、目的関数及び制約条件と、判定部31からの指示とに基づいて、例えばソルバーによって混合整数計画問題を解き、解を求める(ステップS62)。混合整数計画問題としての定式化については後述する。配置部35は、求解部34が求めた解に基づいて、仮想マシンを配置する(ステップS63)。このようにして、一連の仮想マシン配置処理が終了する。
つぎに、実施例6にかかる混合整数計画問題の定式化について説明する。実施例1〜5で説明したモデリングと同一内容については説明を省略する。
上述した使用ラック数ペナルティは、(114)式によって表される。
以上により、仮想マシンの再配置によるサーバ、無停電電源装置、空調室内機、空調室外機の電力最小化問題は、以下の混合整数計画問題として定式化できる。(117)式は、上記(88)式〜(107)式に示した条件のほか、(108)式に示した条件にしたがう。
実施例7は、起動待ち時間、仮想マシン停止時間、およびマイグレーション待ち時間を考慮した省電力化の例である。起動待ち時間とは、サーバの起動により生じる待ち時間である。サーバの電源をONにしてから仮想マシンを配置できるようになるまでには一定の時間がかかる。起動待ち時間とは、そのために発生する待ち時間である。仮想マシン停止時間とは、仮想マシンの停止により生じる時間である。仮想マシンのマイグレーションを行うと、仮想マシンのサイズに比例した時間分、仮想マシンが停止する。仮想マシン停止時間とは、そのために発生する時間である。
実施例7では、電子計算機システム1は、データセンタの構成を規定するデータN,S(図4)、仮想マシンの数を規定するデータM(図5)及び最大仮想マシン数を規定するデータLij(図7)を有する。ただし、実施例5に追加される場合は、仮想マシンの数を規定するデータMは、1サービスに含まれる仮想マシンの最大個数を示す。また、電子計算機システム1は、仮想マシンの消費電力を規定するデータαij(図8)、ベース消費電力を規定するデータβij(図9)、並びに電源装置のベース消費電力ηi及び比例係数を規定するデータεi(図13)を有する。ただし、実施例5に追加される場合は、αijは、i番目のラックのj番目のサーバにおいて仮想マシンが動作する際の単位サイズ(例えば、1コアまたは1スレッド)あたり消費される電力である。
図38は、実施例7にかかる仮想マシン配置方法を示すフローチャートである。図38に示すように、仮想マシンの配置が開始されると、まず、記憶部32は、求解部34にデータ(定数)、変数、目的関数及び制約条件を入力する(ステップS71)。求解部34は、入力されたデータ(定数)、変数、目的関数及び制約条件と、判定部31からの指示とに基づいて、例えばソルバーによって混合整数計画問題を解き、解を求める(ステップS72)。混合整数計画問題としての定式化については後述する。配置部35は、求解部34が求めた解に基づいて、仮想マシンを配置する(ステップS73)。このようにして、一連の仮想マシン配置処理が終了する。
つぎに、実施例7にかかる混合整数計画問題の定式化について説明する。実施例1〜5で説明したモデリングと同一内容については説明を省略する。
上述した起動待ち時間に対するペナルティは、(119)式によって表される。
上述した仮想マシン停止時間に対するペナルティは、(120)式によって表される。
上述したマイグレーション待ち時間に対するペナルティは、(124)式によって表される。
以上により、仮想マシンの再配置によるサーバ、無停電電源装置、空調室内機、空調室外機の電力最小化問題は、以下の混合整数計画問題として定式化できる。
複数の前記サーバに電力を供給する複数の電源装置と、
前記サーバに対する前記仮想マシンの配置を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記仮想マシンの配置の関数として記述された、前記サーバでの消費電力と前記電源装置での消費電力との合計消費電力を目的関数とする整数計画問題を解き、前記整数計画問題の解に基づいて前記仮想マシンを配置することを特徴とする電子計算機システム。
前記制御装置は、前記仮想マシンの配置の関数として記述された、前記空気調和装置での消費電力をさらに合算した合計消費電力を目的関数とする混合整数計画問題を解き、前記混合整数計画問題の解に基づいて前記仮想マシンを配置することを特徴とする付記2、3または5に記載の電子計算機システム。
前記目的関数は、前記仮想マシンが配置されるラック数に応じたペナルティを課す項を含むことを特徴とする付記2、3、5または6に記載の電子計算機システム。
前記制御装置は、一つ以上の前記仮想マシンが配置されていることを制約条件の一つとし、前記合計消費電力に、配置済みの前記仮想マシンを別のサーバに移動させることにより消費される電力を加えて前記整数計画問題を解くことで、配置済みの前記仮想マシンを再配置することを特徴とする付記1に記載の電子計算機システム。
前記サーバは、複数のラックに分散されて収容されており、
前記目的関数は、前記仮想マシンが配置されるラック数に応じたペナルティを課す項を含むことを特徴とする付記1または8に記載の電子計算機システム。
前記仮想マシンの配置の関数として記述された、前記サーバでの消費電力と前記電源装置での消費電力との合計消費電力を目的関数とする整数計画問題を解き、前記整数計画問題の解に基づいて前記仮想マシンを配置することを特徴とする仮想マシン配置方法。
前記目的関数は、前記仮想マシンが配置されるラック数に応じたペナルティを課す項を含むことを特徴とする付記14、15、17または18に記載の仮想マシン配置方法。
一つ以上の前記仮想マシンが配置されていることを制約条件の一つとし、前記合計消費電力に、配置済みの前記仮想マシンを別のサーバに移動させることにより消費される電力を加えて前記整数計画問題を解くことで、配置済みの前記仮想マシンを再配置することを特徴とする付記13に記載の仮想マシン配置方法。
前記サーバは、複数のラックに分散されて収容されており、
前記目的関数は、前記仮想マシンが配置されるラック数に応じたペナルティを課す項を含むことを特徴とする付記13または20に記載の仮想マシン配置方法。
2 サーバ
3 電源装置
4 制御装置
5 ラック
6 データセンタ
7,8 空気調和装置
Claims (10)
- 動作する際の単位サイズが設定される複数の仮想マシンが配置されることによる消費電力と、実行可能な最大仮想マシン数がそれぞれ設定される複数のサーバと、
複数の前記サーバに電力を供給する複数の電源装置であって、前記電源装置自身が定常的に消費する電力と、複数の前記サーバに供給する電力に応じて消費電力が設定される複数の前記電源装置と、
複数の前記サーバに対する複数の前記仮想マシンの配置を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記サーバの電源状態のオンまたはオフを表す変数と前記サーバに配置された仮想マシン数を表す変数に関する論理式を、
前記サーバに配置された仮想マシン数が1以上であれば前記電源状態は前記オンであること、ならびに、
前記サーバに配置された前記仮想マシン数が前記最大仮想マシン数を超えないという条件を利用して
線形不等式に変換することで、
前記サーバと前記電源装置と前記制御装置を含むデータセンタの省電力化問題を前記仮想マシンの配置の関数として記述された、前記サーバでの前記消費電力と前記電源装置での前記消費電力との合計消費電力を目的関数とする、少なくとも各サーバに配置すべき前記仮想マシン数を解として有する整数計画問題として定式化し、前記整数計画問題を解き、前記整数計画問題の解に基づいて前記仮想マシンを配置することを特徴とする電子計算機システム。 - 前記制御装置は、全ての前記サーバが停止中であることを制約条件の一つとして前記整数計画問題を解くことを特徴とする請求項1に記載の電子計算機システム。
- 前記制御装置は、一つ以上の前記仮想マシンが配置されていることを制約条件の一つとして前記整数計画問題を解くことで、配置済みの前記仮想マシンがある状態に他の前記仮想マシンを追加で配置することを特徴とする請求項1に記載の電子計算機システム。
- 前記制御装置は、一つ以上の前記仮想マシンが配置されていることを制約条件の一つとし、前記合計消費電力に、配置済みの前記仮想マシンを別のサーバに移動させることにより消費される電力を加えて前記整数計画問題を解くことで、配置済みの前記仮想マシンを再配置することを特徴とする請求項1に記載の電子計算機システム。
- 前記目的関数は、前記サーバでの消費電力を、前記仮想マシンのサイズが前記仮想マシンごとに異なるとして表した関数であることを特徴とする請求項2または3に記載の電子計算機システム。
- 複数の前記サーバ及び複数の前記電源装置を収容する空間に対して空気調和を行う空気調和装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記仮想マシンの配置の関数として記述された、前記サーバでの前記消費電力と前記電源装置での前記消費電力とに、前記空気調和装置での消費電力をさらに合算した合計消費電力を目的関数とする、少なくとも各サーバに配置すべき前記仮想マシン数を解として有する整数計画問題として定式化し、前記混合整数計画問題を解き、前記混合整数計画問題の解に基づいて前記仮想マシンを配置することを特徴とする請求項2、3または5に記載の電子計算機システム。 - 前記サーバは、複数のラックに分散されて収容されており、
前記目的関数は、前記仮想マシンが配置されるラック数に応じたペナルティを課す項を含むことを特徴とする請求項2、3、5または6に記載の電子計算機システム。 - 動作する際の単位サイズが設定される複数の仮想マシンが配置されることによる消費電力と、実行可能な最大仮想マシン数がそれぞれ設定される複数のサーバに電力を供給する複数の電源装置であって、前記電源装置自身が定常的に消費する電力と、複数の前記サーバに供給する電力に応じて消費電力が設定される複数の前記電源装置から供給される電力で稼働する複数の前記サーバに対して複数の前記仮想マシンを配置するコンピュータが、
前記サーバの電源状態のオンまたはオフを表す変数と前記サーバに配置された仮想マシン数を表す変数に関する論理式を、
前記サーバに配置された仮想マシン数が1以上であれば前記電源状態は前記オンであること、ならびに、
前記サーバに配置された前記仮想マシン数が前記最大仮想マシン数を超えないという条件を利用して
線形不等式に変換することで、
前記サーバと前記電源装置と前記制御装置を含むデータセンタの省電力化問題を前記仮想マシンの配置の関数として記述された、前記サーバでの前記消費電力と前記電源装置での前記消費電力との合計消費電力を目的関数とする、少なくとも各サーバに配置すべき前記仮想マシン数を解として有する整数計画問題として定式化し、前記整数計画問題を解き、前記整数計画問題の解に基づいて前記仮想マシンを配置する、
処理を実行することを特徴とする仮想マシン配置方法。 - 前記配置する処理は、全ての前記サーバが停止中であることを制約条件の一つとして前記整数計画問題を解くことを特徴とする請求項8に記載の仮想マシン配置方法。
- 前記配置する処理は、一つ以上の前記仮想マシンが配置されていることを制約条件の一つとして前記整数計画問題を解くことで、配置済みの前記仮想マシンがある状態に他の前記仮想マシンを追加で配置することを特徴とする請求項8に記載の仮想マシン配置方法。
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