JP6175371B2 - 電子計算機システム及び仮想マシン配置方法 - Google Patents

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Description

この発明は、電子計算機システム及び仮想マシン配置方法に関する。
従来、同時に運転する機種及び台数が異なるケースごとに消費エネルギーの最小値を混合整数計画法で算出し、消費エネルギーが最も小さくなるケースを最終的に選択することで、複数のエネルギー供給手段を稼働させて負荷を分担させる方法がある(例えば、特許文献1参照)。また、生成する仮想サーバのプロセッサの数やメモリ量及びリソースの割り当てポリシーを含む生成要求を受け付け、受け付けた生成要求に基づいて割り当てポリシーを満たすようにプロセッサとメモリを仮想サーバに割り当てる方法がある(例えば、特許文献2参照)。また、プロセッサがソフトウェア処理を実行する際に使用されるリソース量に基づいてソフトウェア処理ごとに消費電力を算出し、算出された消費電力に応じて、一部のソフトウェア処理を第1プロセッサから第2プロセッサに移行する方法がある(例えば、特許文献3参照)。また、複数のサーバの電力消費量と空調機の電力消費量を最小化するための物理サーバリソースと論理サーバの各組み合わせにおける論理サーバに割り当てるリソース量を算出して、物理サーバのリソースの論理サーバへの割り当てを変更する方法がある(例えば、特許文献4参照)。また、情報処理装置の位置と稼働情報、並びに給電設備及び冷却設備の位置と環境情報を用いて、情報処理装置群の消費電力と給電設備の給電損失と冷却設備の冷却電力の総和を低減するように情報処理装置群へ作業負荷を割り当てる方法がある(例えば、特許文献5参照)。
特開平6−141468号公報 特開2009−151745号公報 特開2010−205200号公報 特開2011−39889号公報 特開2009−252056号公報
しかしながら、複数台のラックのそれぞれに無停電電源装置(UPS:Uninterruptible Power Supply)と複数のサーバを備えた電子計算機システムにおいて、従来の方法では、複数のサーバに複数の仮想マシン(仮想マシン:Virtual Machine)を割り当てることができないという問題点がある。また、従来の方法で複数のサーバに複数の仮想マシンを割り当てても、省電力化を図ることができない場合があるという問題点がある。
複数のサーバに複数の仮想マシンを割り当てる際に省電力化を図ることができる電子計算機システム及び仮想マシン配置方法を提供することを目的とする。
電子計算機システムは、複数のサーバ、複数の電源装置及び制御装置を備えている。各サーバには、仮想マシンが配置される。各電源装置は、サーバに電力を供給する。制御装置は、サーバに対する仮想マシンの配置を制御する。制御装置は、仮想マシンの配置の関数として記述された、サーバでの消費電力と電源装置での消費電力との合計消費電力を目的関数とする整数計画問題を解き、整数計画問題の解に基づいて仮想マシンを配置する。
電子計算機システム及び仮想マシン配置方法によれば、複数のサーバに複数の仮想マシンを割り当てる際に省電力化を図ることができるという効果を奏する。
図1は、実施例1にかかる電子計算機システムを示すブロック図である。 図2は、実施例2にかかる電子計算機システムの制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 図3は、実施例2にかかる電子計算機システムの制御装置の機能的構成を示すブロック図である。 図4は、実施例2にかかる電子計算機システムにおけるデータセンタの構成を規定するデータを示す図である。 図5は、実施例2にかかる電子計算機システムにおける仮想マシンの数を規定するデータを示す図である。 図6は、実施例2にかかる電子計算機システムにおけるスケーリングファクターを規定するデータを示す図である。 図7は、実施例2にかかる電子計算機システムにおける実行可能な最大仮想マシン数を規定するデータを示す図である。 図8は、実施例2にかかる電子計算機システムにおける仮想マシンの消費電力を規定するデータを示す図である。 図9は、実施例2にかかる電子計算機システムにおけるベース消費電力を規定するデータを示す図である。 図10は、実施例2にかかる電子計算機システムにおける仮想マシンの移動元の消費電力を規定するデータを示す図である。 図11は、実施例2にかかる電子計算機システムにおける仮想マシンの移動先の消費電力を規定するデータを示す図である。 図12は、実施例2にかかる電子計算機システムにおける仮想マシンの初期配置データを示す図である。 図13は、実施例2にかかる電子計算機システムにおける電源装置のベース消費電力及び比例係数を規定するデータを示す図である。 図14は、実施例2にかかる仮想マシン配置方法を示すフローチャートである。 図15は、実施例3にかかる電子計算機システムを示すブロック図である。 図16は、実施例3にかかる電子計算機システムの制御装置の機能的構成を示すブロック図である。 図17は、実施例3にかかる電子計算機システムにおける仮想マシンのサイズを規定するデータを示す図である。 図18は、実施例3にかかる電子計算機システムにおける仮想マシンの初期配置データを示す図である。 図19は、実施例3にかかる電子計算機システムにおける空気調和装置の数を規定するデータを示す図である。 図20は、実施例3にかかる電子計算機システムにおける空調室内機のベース消費電力及び比例係数を規定するデータを示す図である。 図21は、実施例3にかかる電子計算機システムにおける空調室外機の比例係数を規定するデータを示す図である。 図22は、実施例3にかかる電子計算機システムにおけるラックと空気調和装置との間の熱流量関係を規定するデータを示す図である。 図23は、実施例3にかかる電子計算機システムにおけるラックと空気調和装置との供給熱流量を規定するデータを示す図である。 図24は、実施例3にかかる仮想マシン配置方法を示すフローチャートである。 図25は、実施例4にかかる電子計算機システムにおけるペナルティを規定するデータを示す図である。 図26は、実施例5にかかる電子計算機システムにおけるサービス個数を規定するデータを示す図である。 図27は、実施例5にかかる電子計算機システムにおけるサービスごとの仮想マシンの個数を規定するデータを示す図である。 図28は、実施例5にかかる電子計算機システムにおける仮想マシンのサイズを規定するデータを示す図である。 図29は、実施例5にかかる仮想マシン配置方法を示すフローチャートである。 図30は、実施例6にかかる電子計算機システムにおける使用ラック数ペナルティ係数を規定するデータを示す図である。 図31は、実施例6にかかる仮想マシン配置方法を示すフローチャートである。 図32は、マイグレーション待ち時間の説明図である。 図33は、実施例7にかかる電子計算機システムにおける起動待ち時間ペナルティ係数を規定するデータを示す図である。 図34は、起動待ち時間ペナルティ係数bijの値を決定するテーブルの一例を示す説明図である。 図35は、仮想マシン停止時間ペナルティ係数を規定するデータを示す図である。 図36は、マイグレーション待ちの仮想マシンの待機個数の閾値を規定するデータを示す図である。 図37は、閾値lを超えた分の仮想マシンの待機個数に対するペナルティ係数を示す図である。 図38は、実施例7にかかる仮想マシン配置方法を示すフローチャートである。 図39は、初期配置を示すx0 m,n,i,jの一覧を示す図である。
以下に、この発明にかかる電子計算機システム及び仮想マシン配置方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
(実施例1)
図1は、実施例1にかかる電子計算機システムを示すブロック図である。図1に示すように、電子計算機システム1は、複数のサーバ2、複数の電源装置3及び制御装置4を備えている。各サーバ2には、仮想マシンが配置される。各電源装置3は、サーバ2に電力を供給する。
制御装置4は、サーバ2に対する仮想マシンの配置を制御する。制御装置4は、仮想マシンの配置の関数として記述された、サーバ2での消費電力と電源装置3での消費電力との合計消費電力を目的関数とする整数計画問題を解く。制御装置4は、整数計画問題の解に基づいて各サーバ2に仮想マシンを配置する。
実施例1によれば、サーバ2での消費電力と電源装置3での消費電力との合計消費電力を目的関数とする整数計画問題を解くことによって、合計消費電力を最小とし得る仮想マシンの配置を求めることができる。従って、電子計算機システム1の省電力化を図ることができる。
(実施例2)
実施例2では、実施例1にかかる電子計算機システム1の一例について説明する。電子計算機システム1の一例として、例えばデータセンタが挙げられる。データセンタでは、多数のコンピュータやデータ通信などの装置が運用される。
・データセンタの説明
図1に示す電子計算機システム1において、データセンタには、複数のラック5が設置されている。各ラック5には、一台または複数のサーバ2と電源装置3として例えば一台の無停電電源装置とが収容されている。電源装置3は、ラック5ごとに、同じラック5に収容されている複数のサーバ2に電力を供給する。各ラック5と制御装置4とは、例えばLAN(Local Area Network)ケーブルなどの通信ケーブルや、無線通信などによって、相互に接続されていてもよい。
・制御装置のハードウェア構成
図2は、実施例2にかかる電子計算機システムの制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、制御装置4は、CPU11、ROM12、RAM13、ハードディスクドライブ(HDD)14、ハードディスク(HD)20、フレキシブルディスクドライブ(FDD)15、着脱可能な記録媒体の一例としてのフレキシブルディスク(FD)21を備えている。制御装置4は、ディスプレイ16、キーボード17、マウス18及びインターフェース19を備えている。これらの構成部11〜19は、バス25によってそれぞれ接続されている。
CPU11は、制御装置4の全体の制御を司る。CPU11は、後述する仮想マシン配置方法を実現するプログラムを実行することにより、整数計画問題の求解及び仮想マシンの配置を行う。ROM12は、ブートプログラムや仮想マシン配置方法を実現するプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM13は、CPU11のワークエリアとして使用される。
ハードディスクドライブ14は、ハードディスク20に対するデータのリード/ライトを制御する。ハードディスク20は、ハードディスクドライブ14の制御で書き込まれたデータを記憶する。フレキシブルディスクドライブ15は、フレキシブルディスク21に対するデータのリード/ライトを制御する。フレキシブルディスク21は、フレキシブルディスクドライブ15の制御で書き込まれたデータを記憶する。
着脱可能な記録媒体として、フレキシブルディスク21のほか、CD−ROM(CD−R、CD−RW)、MO、DVD(Digital Versatile Disk)またはメモリーカードなどであってもよい。ディスプレイ16は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ16には、例えば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
インターフェース19は、図示しないネットワークを介してデータセンタの各ラック5に接続される。インターフェース19は、各ラック5に対するデータの入出力を制御する。インターフェース19には、例えばLANアダプタなどを採用することができる。
キーボード17は、文字、数字または各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力を行う。キーボード17は、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス18は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などを行う。ポインティングデバイスとして同様に機能を備えるものであれば、トラックボールやジョイスティックなどであってもよい。
また、制御装置4に、画像を取り込むスキャナが接続されていてもよい。制御装置4に、出力装置の一例としてプリンタが接続されていてもよい。制御装置4は、パーソナルコンピュータやワークステーションのような電子計算機であってもよいし、携帯電話機や携帯型の情報処理装置などであってもよい。
・制御装置の機能的構成
図3は、実施例2にかかる電子計算機システムの制御装置の機能的構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御装置4は、判定部31、記憶部32、管理部33、求解部34及び配置部35を備えている。これらの構成部31〜35は、CPU11が、仮想マシン配置方法を実現するプログラムを実行することによって、実現されてもよい。
管理部33は、サーバ2に配置されている仮想マシンの情報に基づいて、仮想マシンの初期配置データを書き換える。初期配置データには、サーバ2ごとに、配置されている仮想マシンの数が格納されている。初期配置データは、例えば記憶部32に記憶されていてもよい。
記憶部32は、データ(定数)、変数、目的関数及び制約条件を記憶している。記憶部32は、求解部34にデータ(定数)、変数、目的関数及び制約条件を入力する。記憶部32は、記憶媒体として例えばROM12やRAM13などのメモリを用いてもよい。なお、動的に変化しないデータ(定数)、変数、目的関数及び制約条件については、仮想マシン配置方法を実現するプログラムに記述されていてもよい。
判定部31は、仮想マシンの初期配置、仮想マシンの追加配置及び仮想マシンの再配置のいずれに対応した整数計画問題を解くべきかを判定する。判定部31は、判定結果に基づいて、求解部34に指示を出す。
仮想マシンの初期配置に対応した整数計画問題を解くことによって、全てのサーバ2が停止している状態で、1個以上のサーバ2に1個以上の仮想マシンを配置することができる。このときの仮想マシンの初期配置状態は、いずれのサーバ2にも1個も仮想マシンが配置されていない状態である。
仮想マシンの追加配置に対応した整数計画問題を解くことによって、1個以上のサーバ2に1個以上の仮想マシンが既に配置されている初期配置状態に、1個以上のサーバ2にさらに1個以上の仮想マシンを追加で配置することができる。ただし、初期配置状態で配置されている仮想マシンは、他のサーバ2へ移動することはない。
仮想マシンの再配置に対応した整数計画問題を解くことによって、1個以上のサーバ2に1個以上の仮想マシンが既に配置されている初期配置状態に対して、ライブマイグレーションを利用して仮想マシンの配置をし直すことができる。ライブマイグレーションを利用することによって、あるサーバ2に配置された仮想マシンの動作を止めることなく、別のサーバ2にこの仮想マシンを配置させることができる。制御装置4は、内蔵するタイマなどによってデータセンタの稼働時間を監視し、一定時間ごとに仮想マシンの再配置を行うようにしてもよい。
求解部34は、記憶部32から渡されるデータ(定数)、変数、目的関数及び制約条件と、判定部31からの指示とに基づいて、整数計画問題を解く。求解部34は、仮想マシンの初期配置を行う際には、例えば後述する(8)式〜(12)式で定式化された整数計画問題を解いてもよい。求解部34は、仮想マシンの追加配置を行う際には、例えば後述する(14)式〜(18)式で定式化された整数計画問題を解いてもよい。求解部34は、仮想マシンの再配置を行う際には、例えば後述する(36)式〜(50)式で定式化された整数計画問題を解いてもよい。
求解部34の一例として、例えば整数計画問題を解くためのソフトウェア(ソルバー)が挙げられる。ソルバーの一例として、例えばGLPKやSYMPHONYやGurobi Optimizerが挙げられる。配置部35は、求解部34が導出する整数計画問題の解に基づいて、サーバ2に仮想マシンを配置する。
・データ構造の説明
図4は、実施例2にかかる電子計算機システムにおけるデータセンタの構成を規定するデータを示す図である。図4に示すように、データセンタに設定されているラックの数はN個であり、一ラックあたりのサーバの数はS個である。N及びSは正の整数である。
図5は、実施例2にかかる電子計算機システムにおける仮想マシンの数を規定するデータを示す図である。図5に示すように、配置すべき仮想マシンの数はM個である。Mは正の整数である。
図6は、実施例2にかかる電子計算機システムにおけるスケーリングファクターを規定するデータを示す図である。スケーリングファクターは、仮想マシンの再配置を行う際に、再配置後の消費電力とライブマイグレーションによる消費電力とのいずれの削減を重視するかを規定する定数である。図6に示すように、スケーリングファクターはcである。cは正の実数である。
例えば、cは、ライブマイグレーションの平均動作時間を再配置後の仮想マシンの平均動作時間で除した値であってもよい。このときのcは1未満の値となる。このようにcを選択することによって、サーバ2での消費電力と電源装置3での消費電力との合計消費電力を最小にすることができる。
図7は、実施例2にかかる電子計算機システムにおける実行可能な最大仮想マシン数を規定するデータを示す図である。図7に示すように、i番目のラックのj番目のサーバで実行できる最大仮想マシン数はLij個である。Lijは正の整数である。iは1〜Nの整数であり、jは1〜Sの整数である。
図8は、実施例2にかかる電子計算機システムにおける仮想マシンの消費電力を規定するデータを示す図である。図8に示すように、i番目のラックのj番目のサーバで動作する仮想マシン1個あたりで消費される電力はαijワットである。αijは正の実数である。
図9は、実施例2にかかる電子計算機システムにおけるベース消費電力を規定するデータを示す図である。図9に示すように、i番目のラックのj番目のサーバの電源がオンになることで消費される電力はβijワットである。βijは正の実数である。
図10は、実施例2にかかる電子計算機システムにおける仮想マシンの移動元の消費電力を規定するデータを示す図である。ライブマイグレーションによって仮想マシンを移動させると、移動元のサーバで電力が消費される。図10に示すように、i番目のラックのj番目のサーバから1個の仮想マシンが別のサーバへ移動していくときに消費される電力はγ- ijワットである。γ- ijは正の実数である。
図11は、実施例2にかかる電子計算機システムにおける仮想マシンの移動先の消費電力を規定するデータを示す図である。ライブマイグレーションによって仮想マシンを移動させると、移動先のサーバで電力が消費される。図11に示すように、i番目のラックのj番目のサーバに別のサーバから1個の仮想マシンが移動してくるときに消費される電力はγ+ ijワットである。γ+ ijは正の実数である。
図12は、実施例2にかかる電子計算機システムにおける仮想マシンの初期配置データを示す図である。図12に示すように、i番目のラックのj番目のサーバに配置済みの仮想マシンの数はwij[0]個である。wij[0]は0以上Lij以下の整数である。
図13は、実施例2にかかる電子計算機システムにおける電源装置のベース消費電力及び比例係数を規定するデータを示す図である。図13に示すように、i番目のラックの電源装置で常に消費されるベース消費電力はηiワットである。ηiは正の実数である。また、i番目のラック内のサーバの合計消費電力に対して、その何倍の電力が電源装置3で消費されるかということを表す比例係数はεiである。εiは正の実数である。一例として、一般的な電源装置のカタログによると、εiは0.01〜0.04程度である。
上述したN及びSの各値は、データセンタの構成によって予め決まる。c、Lij、αij、βij、γ- ij及びγ+ ijの各値は、サーバによって予め決まる。ηi及びεiの各値は、電源装置によって予め決まる。wij[0]は、データセンタの運用中に管理部33によって動的に書き換えられる。Mは、起動されるアプリケーションの数などによって決まる。
・仮想マシン配置方法の説明
図14は、実施例2にかかる仮想マシン配置方法を示すフローチャートである。図14に示すように、仮想マシンの配置が開始されると、まず、制御装置4の判定部31は、仮想マシンの配置の種類が、初期配置、追加配置及び再配置のいずれであるかを判定する(ステップS1)。そして、判定部31は、判定結果に基づいて、求解部34に配置の種類を指示する。
次いで、記憶部32は、求解部34にデータ(定数)、変数、目的関数及び制約条件を入力する(ステップS2)。求解部34は、入力されたデータ(定数)、変数、目的関数及び制約条件と、判定部31からの指示とに基づいて、例えばソルバーによって整数計画問題を解き、解を求める(ステップS3)。整数計画問題としての定式化については、配置の種類ごとに後述する。配置部35は、求解部34が求めた解に基づいて、仮想マシンを配置する(ステップS4)。このようにして、一連の仮想マシン配置処理が終了する。
・整数計画問題としての定式化について
・消費電力のモデリング
まず、サーバの消費電力、電源装置の消費電力、ラック内のサーバ及び電源装置の合計消費電力、並びにデータセンタ内のサーバ及び電源装置の合計消費電力のそれぞれのモデリングについて説明する。
・サーバの消費電力のモデリング
サーバは、消費電力に関して次の(S−1)〜(S−3)の性質を有する。
(S−1)仮想マシンが1個でも実行されると、サーバの電源がオンになる。仮想マシンの実行数が0であるときには、サーバの電源はオフとなる。
(S−2)電源がオンになると一定の電力が消費される。
(S−3)実行される仮想マシンの数が増えると、それに応じて消費電力が増える。
ここで、i番目のラックのj番目のサーバで実行される仮想マシンの数を表す変数をwijとする。wijは、0以上Lij以下の整数変数である。また、i番目のラックのj番目のサーバについて、vijを0または1のいずれかの値をとる変数とする。このvijに対して次の制約条件を課す。
Figure 0006175371
上記(1)式において、wijが1以上であるとき、vijが0であると、(1)式の右側の不等式が成立しないので、vijは1である。一方、wijが0であるとき、vijが1であると、(1)式の左側の不等式が成立しないので、vijは0である。
従って、vijの値は、サーバの電源のオン/オフを表していることになる。vijの値が0であればサーバの電源がオフであり、1であればサーバの電源がオンであることを表す。これを表したものが、次の(2)式及び(3)式である。
Figure 0006175371
Figure 0006175371
以上の定数及び変数を用いて、i番目のラックのj番目のサーバの消費電力は、次の(4)式で表される。この(4)式は、上述した(S−1)〜(S−3)の性質を変数wij及びvijの1次式で表したものである。
Figure 0006175371
上記(4)式において、αijijは、[仮想マシン一つあたり消費される電力×仮想マシン数]であるので、仮想マシン数に応じて消費される電力を表している。また、βijijは、サーバの電源がオンのときにβijとなり、サーバの電源がオフのときに0となるので、サーバの電源がオンになることによって消費される電力を表している。
・電源装置の消費電力のモデリング
電源装置は、消費電力に関して次の(U−1)及び(U−2)の性質を有する。
(U−1)ラック内のサーバの動作状態にかかわらず、常に一定の電力が消費される。
(U−2)ラック内のサーバの合計消費電力が増えると、それに応じて消費電力が増える。
(U−1)及び(U−2)の性質に基づいて、i番目のラックに備え付けられた電源装置の消費電力は、次の(5)式で表される。この(5)式は、(U−1)及び(U−2)の性質を変数wij及びvijの1次式で表したものである。
Figure 0006175371
上記(5)式において、[Σ(βijij+αijij)](ただし、Σのインデックスjは省略)は、i番目のラック内のサーバの合計消費電力を表している。このi番目のラック内のサーバの合計消費電力にεiをかけた(5)式の第2項は、i番目のラック内のサーバの合計消費電力に応じて電源装置で消費される電力を表している。ηiは、i番目のラックの電源装置で常に消費される電力である。
・ラック内のサーバ及び電源装置の合計消費電力のモデリング
電源装置の消費電力のモデリングの項で述べたように、i番目のラック内のサーバの合計消費電力は、[Σ(βijij+αijij)](ただし、Σのインデックスjは省略)である。また、i番目のラックに備え付けられた電源装置の消費電力は、上記(5)式で表される。これらを足したものが、i番目のラックの合計消費電力となる。従って、i番目のラックの合計消費電力は、次の(6)式で表される。
Figure 0006175371
ここで、ラック内のサーバの台数は可変であってもよい。ラック内のサーバの台数が可変であることは、i番目のラック内のサーバの台数を、Sより小さい整数sを用いてs個とすると、整数計画問題を解くにあたって、[wij=0,j≧s]という制約条件で表現することができる。
・データセンタ内のサーバ及び電源装置の合計消費電力のモデリング
上記(6)式を1番目〜N番目の全てのラック分、足したものが、データセンタ内の合計消費電力となる。従って、データセンタ内の合計消費電力は、次の(7)式で表される。
Figure 0006175371
次に、仮想マシンの初期配置、追加配置及び再配置のそれぞれについて、整数計画問題としての定式化について説明する。
・仮想マシンの初期配置
仮想マシンの初期配置を行う際には、いずれのサーバにも仮想マシンは配置されていない。従って、全てのサーバの電源はオフとなっている。
仮想マシンの初期配置を行うときのサーバ及び電源装置の省電力化問題は、以下の(8)式〜(12)式で表される整数計画問題として定式化することができる。(8)式は目的関数を表し、(9)式〜(12)式は制約条件を表す。(11)式は、配置される仮想マシン数の合計が、配置すべき仮想マシン数に一致するための制約条件である。決定変数は、wij,vij,i=1,・・・,N,j=1,・・・,Sである。
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
・仮想マシンの追加配置
仮想マシンの追加配置を行う際の前提として、i番目のラックのj番目のサーバにwij[0]個の仮想マシンが既に配置されているとする。また、現在、配置されている仮想マシンは移動しないとする。従って、初期配置状態として既にwij[0]個の仮想マシンが配置されているサーバに、さらに仮想マシンが追加で配置されることになるので、wijはwij[0]以上の値になる。これを制約条件として表すと、次の(13)式となる。
Figure 0006175371
また、追加で配置される仮想マシン数をΔMとする。初期配置状態で配置されている仮想マシン数が[ΣΣwij[0]](ただし、前のΣのインデックスi及び後のΣのインデックスjは省略)であるので、追加配置後の仮想マシン数は[ΣΣwij[0]+ΔM](ただし、前のΣのインデックスi及び後のΣのインデックスjは省略)となる。
従って、仮想マシンの追加配置を行うときのサーバ及び電源装置の省電力化問題は、以下の(14)式〜(18)式で表される整数計画問題として定式化することができる。(14)式は目的関数を表し、(15)式〜(18)式は制約条件を表す。(17)式は、追加配置後の仮想マシン数の合計が、初期配置状態での仮想マシン数と追加配置される仮想マシン数とを足した値に一致するための制約条件である。決定変数は、wij,vij,i=1,・・・,N,j=1,・・・,Sである。
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
・仮想マシンの再配置
仮想マシンの再配置を行う際の前提として、i番目のラックのj番目のサーバにwij[0]個の仮想マシンが既に配置されているとする。仮想マシンの再配置では、仮想マシンは、ライブマイグレーションを使って移動させられる。ライブマイグレーションを使って仮想マシンを移動させると、移動元のサーバ及び移動先のサーバの両方で電力が消費される。
i番目のラックのj番目のサーバについて、δ- ijを0または1のいずれかの値をとる変数とする。このδ- ijに対して次の制約条件を課す。ただし、dは1未満の正の実数である。
Figure 0006175371
上記(19)式において、[wij−wij[0]]が0以下であるとき、δ- ijが0であると、(19)式の左側の不等式が成立しないので、δ- ijは1である。一方、[wij−wij[0]]が1以上であるとき、δ- ijが1であると、(19)式の右側の不等式が成立しないので、δ- ijは0である。これを表したものが、次の(20)式及び(21)式である。
Figure 0006175371
Figure 0006175371
また、i番目のラックのj番目のサーバについて、z- ijを0〜Lijのいずれかの値をとる整数変数とする。このz- ijに対して次の制約条件を課す。
Figure 0006175371
Figure 0006175371
[wij−wij[0]]が1以上であるとき、上記(21)式より、δ- ijは0である。従って、上記(22)式は、[0≦z- ij≦0]となるので、z- ijは0である。[wij−wij[0]≧1,δ- ij=0,z- ij=0]であるとき、上記(23)式において、[−(wij−wij[0])+Lij≧0≧−(wij−wij[0])−Lij]である。従って、上記(23)式は成立する。これを表したものが、次の(24)式である。
Figure 0006175371
一方、[wij−wij[0]]が0以下であるとき、上記(20)式より、δ- ijは1である。従って、上記(23)式は、[−(wij−wij[0])≦z- ij≦−(wij−wij[0])]となるので、z- ijは、[−(wij−wij[0])]に等しくなる。
[wij−wij[0]≦0,δ- ij=1,z- ij=−(wij−wij[0])]であるとき、上記(22)式において、[−Lij≦−(wij−wij[0])≦Lij]である。従って、上記(22)式は成立する。これを表したものが、次の(25)式である。
Figure 0006175371
[wij−wij[0]]が0以下であるということは、i番目のラックのj番目のサーバから仮想マシンが別のサーバへ移動していくということである。また、[wij−wij[0]]が1以上であるということは、i番目のラックのj番目のサーバに別のサーバから仮想マシンが移動してくるということである。つまり、z- ijは、i番目のラックのj番目のサーバから別のサーバへ移動していく仮想マシンの数を表している。
従って、i番目のラックのj番目のサーバから別のサーバへz- ij個の仮想マシンが移動していく場合の消費電力は、次の(26)式で表される。
Figure 0006175371
また、i番目のラックのj番目のサーバについて、δ+ ijを0または1のいずれかの値をとる変数とする。このδ+ ijに対して以下の制約条件を課す。
Figure 0006175371
上記(27)式の制約条件、上記(20)式及び(21)式より、次の(28)式及び(29)式が得られる。
Figure 0006175371
Figure 0006175371
また、i番目のラックのj番目のサーバについて、z+ ijを0〜Lijのいずれかの値をとる整数変数とする。このz+ ijに対して次の制約条件を課す。
Figure 0006175371
Figure 0006175371
[wij−wij[0]]が1以上であるとき、上記(29)式より、δ+ ijは1である。従って、上記(31)式は、[wij−wij[0]≦z+ ij≦wij−wij[0]]となるので、z+ ijは、[wij−wij[0]]に等しくなる。
[wij−wij[0]≧1,δ+ ij=1,z+ ij=wij−wij[0]]であるとき、上記(30)式において、[−Lij≦wij−wij[0]≦Lij]である。従って、上記(30)式は成立する。これを表したものが、次の(32)式である。
Figure 0006175371
一方、[wij−wij[0]]が0以下であるとき、上記(28)式より、δ+ ijは0である。従って、上記(30)式は、[0≦z+ ij≦0]となるので、z+ ijは0である。[wij−wij[0]≦0,δ+ ij=0,z+ ij=0]であるとき、上記(31)式において、[(wij−wij[0])−Lij≦0≦(wij−wij[0])+Lij]である。従って、上記(31)式は成立する。これを表したものが、次の(33)式である。
Figure 0006175371
+ ijは、i番目のラックのj番目のサーバに別のサーバから移動してくる仮想マシンの数を表している。従って、i番目のラックのj番目のサーバに別のサーバからz+ ij個の仮想マシンが移動してくる場合の消費電力は、次の(34)式で表される。
Figure 0006175371
ライブマイグレーションによって消費される電力は、i番目のラックのj番目のサーバについて、別のサーバへz- ij個の仮想マシンが移動していく場合の消費電力と、別のサーバからz+ ij個の仮想マシンが移動してくる場合の消費電力との合計を、全サーバ分、足したものとなる。従って、ライブマイグレーションによって消費される電力は、次の(35)式で表される。
Figure 0006175371
従って、仮想マシンの再配置を行うときのサーバ及び電源装置の省電力化問題は、以下の(36)式〜(50)式で表される整数計画問題として定式化することができる。(36)式は目的関数を表し、(37)式〜(50)式は制約条件を表す。決定変数は、wij,vij,δ- ij,δ+ ij,z- ij,z+ ij,i=1,・・・,N,j=1,・・・,Sである。
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
実施例2によれば、仮想マシンの初期配置、追加配置及び再配置のそれぞれについて、実施例1と同様の効果が得られる。
(実施例3)
実施例3では、実施例1にかかる電子計算機システム1の一例として、例えば実施例2のデータセンタに空気調和装置が設置されており、この空気調和装置の消費電力を含めて、データセンタ全体の省電力化を図る場合について説明する。また、実施例3では、仮想マシンのサイズが仮想マシンごとに異なっていてもよい。実施例2と同様の構成には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
・データセンタの説明
図15は、実施例3にかかる電子計算機システムを示すブロック図である。図15に示すように、ラック5を収容する空間を含むデータセンタ6には、空調室内機(CRAC Unit:Computer Room Air Conditioning Unit、クラック・ユニット)7及び空調室外機(Chiller Plant、チラー・プラント)8を含む空気調和装置が設置されている。図15には現れていないが、ラック5にはサーバ及び電源装置が収容されている。
図示例では、空調室内機7及び空調室外機8が2台ずつ示されているが、空調室内機7及び空調室外機8の数は1台ずつでもよいし、3台ずつ以上でもよい。また、複数の空調室内機7が1台の空調室外機8に接続されていてもよい。ここでは、空調室内機7と空調室外機8とが1台ずつ対になっているとして説明する。
・制御装置の機能的構成
図16は、実施例3にかかる電子計算機システムの制御装置の機能的構成を示すブロック図である。図16に示すように、実施例3にかかる制御装置4では、仮想マシンの初期配置、追加配置及び再配置のいずれに対応した混合整数計画問題を解くべきかを判定する必要がないので、実施例2における判定部31が設けられていなくてもよい。
求解部34は、記憶部32から渡されるデータ(定数)、変数、目的関数及び制約条件に基づいて、後述する混合整数計画問題を解く。 求解部34の一例として、例えば混合整数計画問題を解くためのソフトウェア(ソルバー)が挙げられる。ソルバーの一例として、例えばGLPKやSYMPHONYやGurobi Optimizerが挙げられる。なお、実施例2と同様に、仮想マシンの初期配置、追加配置及び再配置のいずれにも対応する場合には、制御装置4は、図3に示すように、判定部31を有する構成としてもよい。
・データ構造の説明
電子計算機システム1は、データセンタの構成を規定するデータN,S(図4)、仮想マシンの数を規定するデータM(図5)及び最大仮想マシン数を規定するデータLij(図7)を有していてもよい。また、電子計算機システム1は、仮想マシンの消費電力を規定するデータαij(図8)、ベース消費電力を規定するデータβij(図9)、並びに電源装置のベース消費電力ηi及び比例係数を規定するデータεi(図13)を有していてもよい。ただし、実施例3では、αijは、i番目のラックのj番目のサーバにおいて仮想マシンが動作する際の単位サイズ(例えば、1コアまたは1スレッド)あたり消費される電力である。それ以外に、電子計算機システム1は、以下に挙げるデータを有していてもよい。
図17は、実施例3にかかる電子計算機システムにおける仮想マシンのサイズを規定するデータを示す図である。図17に示すように、配置すべきM個の仮想マシンに1〜Mの番号を付したときのn番目の仮想マシンのサイズは、τnである。nは1〜Mの整数である。仮想マシンのサイズの一例として、サーバに配置された仮想マシンによって使用されるコア数が挙げられる。あるいは、仮想マシンのサイズの一例として、サーバに配置された仮想マシンによって実行されるスレッドの数が挙げられる。
図18は、実施例3にかかる電子計算機システムにおける仮想マシンの初期配置データを示す図である。図18に示すように、i番目のラックのj番目のサーバに初期配置として既に配置されている仮想マシンの合計サイズは、w0 ijである。
図19は、実施例3にかかる電子計算機システムにおける空気調和装置の数を規定するデータを示す図である。図19に示すように、空調室内機7と空調室外機8とが1台ずつ対になった空気調和装置の数はC台である。Cは正の整数である。
図20は、実施例3にかかる電子計算機システムにおける空調室内機のベース消費電力及び比例係数を規定するデータを示す図である。図20に示すように、k番目の空調室内機で常に消費されるベース消費電力はλkワットである。kは1〜Cの整数である。λkは正の実数である。また、k番目の空調室内機に流入する熱流量に対して、その何倍の電力が空調室内機で消費されるかということを表す比例係数はμkである。μkは正の実数である。実施例3では、熱流量は、例えばその熱流量を消費するのに要する電力に換算されている。
図21は、実施例3にかかる電子計算機システムにおける空調室外機の比例係数を規定するデータを示す図である。図21に示すように、k番目の空調室外機に流入する熱流量に対して、その何倍の電力が空調室外機で消費されるかということを表す比例係数はκkである。κkは正の実数である。なお、空調室外機が常に電力を消費する場合には、空調室内機と同様に、空調室外機に関するデータにも、空調室外機のベース消費電力のデータが含まれる。
図22は、実施例3にかかる電子計算機システムにおけるラックと空気調和装置との間の熱流量関係を規定するデータを示す図である。図22に示すように、i番目のラックから排出された熱流量の何倍がk番目の空調室内機に流入するかということを表す比例係数はψkiである。ψkiは、0以上1以下の実数である。
図23は、実施例3にかかる電子計算機システムにおけるラックと空気調和装置との供給熱流量を規定するデータを示す図である。図23に示すように、i番目のラックに対して空調室内機から供給される熱流量はqsup,iワットである。qsup,iは実数である。
上述したC、λk、μk及びκkの各値は、空気調和装置の構成によって予め決まる。ψki及びqsup,iの各値は、ラックと空気調和装置の構成によって予め決まる。w0 ijは、データセンタの運用中に管理部33によって動的に書き換えられる。
・仮想マシン配置方法の説明
図24は、実施例3にかかる仮想マシン配置方法を示すフローチャートである。図24に示すように、仮想マシンの配置が開始されると、まず、記憶部32は、求解部34にデータ(定数)、変数、目的関数及び制約条件を入力する(ステップS11)。求解部34は、入力されたデータ(定数)、変数、目的関数及び制約条件と、判定部31からの指示とに基づいて、例えばソルバーによって混合整数計画問題を解き、解を求める(ステップS12)。混合整数計画問題としての定式化については後述する。配置部35は、求解部34が求めた解に基づいて、仮想マシンを配置する(ステップS13)。このようにして、一連の仮想マシン配置処理が終了する。
・混合整数計画問題としての定式化について
・仮想マシン及び仮想マシンの配置のモデリング
図17に示すように、配置されるn番目の仮想マシンのサイズをτnとする。また、xn,i,jを0または1のいずれかの値をとる変数とする。xn,i,jの値は、i番目のラックのj番目のサーバでn番目の仮想マシンが実行されるときに1であり、そうでないとき、すなわち仮想マシンが実行されないときに0である。従って、xn,i,jによって、仮想マシンの配置を表すことができる。
・消費電力のモデリング
サーバの消費電力、電源装置の消費電力、空調室内機の消費電力、空調室外機の消費電力及びデータセンタ全体の消費電力のそれぞれのモデリングについて説明する。
・サーバの消費電力のモデリング
サーバの消費電力については、実施例2と同様にしてモデリングすることができる。実施例3では、サーバは、実施例2において説明した(S−1)及び(S−2)の性質と、次の(S−4)の性質とを有する。
(S−4)実行される仮想マシンの合計サイズが増えると負荷が高くなり、それに応じて消費電力が増える。
i番目のラックのj番目のサーバにおいて、合計サイズがw0 ijである仮想マシンが初期配置されており、このサーバにさらにサイズがτnの仮想マシンを配置する場合の消費電力は、次の(51)式で表される。この(51)式は、上述した(S−1)、(S−2)及び(S−4)の性質を変数xn,i,j及びvijの1次式で表したものである。vijは実施例2において説明した通りである。
Figure 0006175371
・電源装置の消費電力のモデリング
電源装置の消費電力については、実施例2と同様にしてモデリングすることができる。実施例3では、電源装置は、実施例2において説明した(U−1)及び(U−2)の性質を有する。サーバの消費電力が上記(51)式で表されるので、電源装置の消費電力は、次の(52)式で表される。この(52)式は、(U−1)及び(U−2)の性質を変数xn,i,j及びvijの1次式で表したものである。
Figure 0006175371
・空調室内機の消費電力のモデリング
空調室内機は、消費電力に関して次の(C−1)及び(C−2)の性質を有する。
(C−1)常に一定の電力が消費される。
(C−2)k番目の空調室内機に流入する熱流量が増えると、k番目の空調室内機の消費電力が増える。
(C−1)及び(C−2)の性質に基づいて、k番目の空調室内機の消費電力は、次の(53)式で表される。(53)式において、qin,CRAC,kは、k番目の空調室内機に流入する熱流量(単位:ワット)である。
Figure 0006175371
・空調室外機の消費電力のモデリング
空調室外機は、消費電力に関して次の(C−3)及び(C−4)の性質を有する。
(C−3)k番目の空調室外機に流入する熱流量は、k番目の空調室内機から排出される熱流量に等しい。
(C−4)k番目の空調室外機から排出される熱流量が増えると、k番目の空調室外機の消費電力が増える。
(C−3)及び(C−4)の性質に基づいて、k番目の空調室外機の消費電力は、次の(54)式で表される。(54)式において、qout,CRAC,kは、k番目の空調室内機から流出する熱流量(単位:ワット)である。なお、空調室外機が常に電力を消費する場合には、空調室内機と同様に、(54)式に空調室外機のベース消費電力の項が加えられる。
Figure 0006175371
・データセンタ全体の消費電力のモデリング
上記(51)式を1番目〜S番目の全てのサーバ分、足したものに、上記(52)式を足し合わせたものを1番目〜N番目の全てのラック分、足したものが、データセンタ内のサーバ及び電源装置の合計消費電力である。このサーバ及び電源装置の合計消費電力に、上記(53)式を1番目〜C番目の全ての空調室内機分と、上記(54)式を1番目〜C番目の全ての空調室外機分、足したものが、データセンタ全体の消費電力となる。従って、データセンタ全体の消費電力は、次の(55)式で表される。
Figure 0006175371
・熱流量のモデリング
次に、熱流量のモデリングについて説明する。熱流量に関して、ラック及び空気調和装置の間に次の(Q−1)〜(Q−3)の関係が成り立つ。
(Q−1)各空調室内機から排出される熱流量は、各空調室内機に流入する熱流量にその空調室内機で発生した熱流量(すなわち、消費電力)を足したものである。
(Q−2)各空調室内機に流入する熱流量は、各ラックから排出される熱流量である。
(Q−3)各ラックから排出される熱流量は、各ラックに流入する熱流量にそのラックで発生した熱流量(すなわち、消費電力)を足したものである。
(Q−1)の関係に基づいて、k番目の空調室内機から排出される熱流量は、次の(56)式で表される。
Figure 0006175371
(Q−2)の関係に基づいて、k番目の空調室内機に流入する熱流量は、次の(57)式で表される。(57)式において、qout,RACK,iは、i番目のラックから流出する熱流量(単位:ワット)を表す変数である。
Figure 0006175371
(Q−3)の関係に基づいて、i番目のラックから排出される熱流量は、次の(58)式で表される。
Figure 0006175371
(58)式より、i番目のラックから排出される熱流量qout,RACK,iは、変数xn,i,j及びvijの関数である。従って、上記(57)式より、k番目の空調室内機に流入する熱流量qin,CRAC,kも、変数xn,i,j及びvijの関数である。また、上記(56)式より、k番目の空調室内機から排出される熱流量qout,CRAC,kも、変数xn,i,j及びvijの関数である。
・空気調和装置を考慮した省電力化問題の混合整数計画問題としての定式化
以上より、仮想マシンを配置するときのサーバ、電源装置、空調室内機及び空調室外機の合計消費電力の省電力化問題は、以下の(59)式〜(66)式で表される混合整数計画問題として定式化することができる。(59)式は目的関数を表し、(60)式〜(66)式は制約条件を表す。決定変数は、xn,i,j,vij,qin,CRAC,k,out,CRAC,k,out,RACK,i,n=1,・・・,M,i=1,・・・,N,j=1,・・・,S,k=1,・・・,Cである。
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
実施例3によれば、サーバ2での消費電力、電源装置3での消費電力、空調室内機7での消費電力及び空調室外機8での消費電力の合計消費電力を目的関数とする混合整数計画問題を解くことによって、合計消費電力を最小とし得る仮想マシンの配置を求めることができる。従って、電子計算機システム1の省電力化を図ることができる。また、仮想マシンのサイズが異なる場合でも、合計消費電力を最小とし得る仮想マシンの配置を求めて、電子計算機システム1の省電力化を図ることができる。
また、実施例3によれば、空調室内機7の消費電力や空調室外機8の消費電力を1次関数で表して混合整数計画問題を解くので、空気調和装置の消費電力を熱流体シミュレーションや熱交換シミュレーションによって求める場合よりも高速に解を求めることができる。従って、データセンタ6を円滑に運用することができる。
また、実施例3によれば、サーバ2の数に合わせて仮想的に空気調和設備を分解してデータセンタ6の消費電力を最小化し得る解を求める場合に比べて、より一層、データセンタ6の運用の実態に即した解を求めることができる。
なお、配置すべき全ての仮想マシンについてサイズτnを同じ値にしてもよい。そうすれば、実施例2と同様に、配置すべき全ての仮想マシンのサイズが同じになるので、実施例3によれば、配置すべき全ての仮想マシンのサイズが同じ場合でも省電力化の効果を得ることができる。
また、全てのサーバ2について初期配置されている仮想マシンの合計サイズw0 ijを0にしてもよい。そうすれば、実施例2の「仮想マシンの初期配置」と同様に、いずれのサーバ2にも仮想マシンが配置されていない状況で各サーバ2に仮想マシンを初期配置することになるので、実施例3によれば、仮想マシンを初期配置する場合でも省電力化の効果を得ることができる。
さらに、上記(59)式の目的関数及び上記(64)式〜(66)式の制約条件において、空気調和装置の熱流量に関する項や式を除いて整数計画問題を解いてもよい。そうすれば、空気調和装置の消費電力を考慮しないで、サイズが異なる仮想マシンを配置する場合の省電力化を図ることができる。
(実施例4)
実施例4では、実施例3にかかる電子計算機システム1において、配置すべきM個の仮想マシンをできるだけ同一のラック5に配置するようにする場合の例である。同一のラック5に配置することによって、例えばM個の仮想マシンが1つのサービスに含まれる場合、そのサービスが例えば通信を行う際に通信速度が上がることがある。実施例3と同様の構成には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
・データ構造の説明
図25は、実施例4にかかる電子計算機システムにおけるペナルティを規定するデータを示す図である。図25に示すように、同一のラック5に配置されるのが好ましい仮想マシンが複数のラック5に分散されて配置される場合のラック一つあたりのペナルティはaワットである。aの値が大きくなるほど、同一のラック5に配置されるのが好ましい仮想マシンが同一のラック5に配置されやすくなり、aの値が小さくなるほど、省電力化の効果が大きくなる。その他のデータ構造については、実施例3と同様である。
・補助変数の導入
実施例4では、(67)式で表されるように、i番目のラックについて、σiを0または1のいずれかの値をとる補助変数とする。
Figure 0006175371
このσiに対して(68)式で表される制約条件を課す。
Figure 0006175371
上記(68)式において、Σxn,i,j(ただし、Σのインデックスn,jは省略)が1以上であるとき、σiが0であると、(68)式の右側の不等式が成立しないので、σiは1である。一方、Σxn,i,j(ただし、Σのインデックスn,jは省略)が0であるとき、σiが1であると、(68)式の左側の不等式が成立しないので、σiは0である。
従って、σiの値は、i番目のラックで仮想マシンが実行されるか否かを表していることになる。つまり、σiの値は、i番目のラックで仮想マシンが実行されたら1であり、そうでないとき、すなわち仮想マシンが実行されなければ0である。これを表したものが、次の(69)式及び(70)式である。σiを1番目〜N番目の全てのラック分、足したものが、新たに配置された仮想マシンが実行されるラックの数となる。
Figure 0006175371
Figure 0006175371
・同一ラックへの優先配置を考慮した省電力化問題の混合整数計画問題としての定式化
以上より、同一ラックに仮想マシンを優先配置する場合の省電力化問題は、以下の(71)式〜(80)式で表される混合整数計画問題として定式化することができる。(71)式は目的関数を表し、(72)式〜(80)式は制約条件を表す。決定変数は、xn,i,j,vij,σi,in,CRAC,k,out,CRAC,k,out,RACK,i,n=1,・・・,M,i=1,・・・,N,j=1,・・・,S,k=1,・・・,Cである。
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
実施例4によれば、実施例3と同様の効果が得られるとともに、複数の仮想マシンを同一のラックに配置することで通信速度の向上と省電力化を期待できるようになる。
(実施例5)
実施例5は、仮想マシンのサイズが異なる場合に仮想マシンを再配置する例である。具体的には、実施例5は、サーバと無停電電源装置および空調機により消費される電力を、サイズの異なる仮想マシンの配置の関数としてモデリングした例である。そして、実施例5にかかる電子計算機システムは、仮想マシンマイグレーションを使った仮想マシン再配置による省電力化問題を混合整数計画問題として定式化、求解することにより、省電力化を達成する仮想マシン配置を算出する。
これにより、仮想マシンのサイズが異なる場合でも、省電力化に最適な仮想マシンの再配置をおこなうことができる。なお、実施例5では、実施例1にかかる電子計算機システム1の一例として、図15に示した電子計算機システムおよび図16に示した電子計算機システムの制御装置での省電力化について説明する。実施例1〜4と同様の構成には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
・データ構造の説明
実施例5では、電子計算機システム1は、データセンタの構成を規定するデータN,S(図4)、仮想マシンの数を規定するデータM(図5)及び最大仮想マシン数を規定するデータLij(図7)を有していてもよい。ただし、実施例5では、仮想マシンの数を規定するデータMは、1サービスに含まれる仮想マシンの最大個数を示す。また、電子計算機システム1は、仮想マシンの消費電力を規定するデータαij(図8)、ベース消費電力を規定するデータβij(図9)、並びに電源装置のベース消費電力ηi及び比例係数を規定するデータεi(図13)を有していてもよい。ただし、実施例5では、αijは、i番目のラックのj番目のサーバにおいて仮想マシンが動作する際の単位サイズ(例えば、1コアまたは1スレッド)あたり消費される電力である。
また、実施例5では、電子計算機システム1は、空気調和装置の数を規定するデータ(図19)、空調室内機のベース消費電力及び比例係数を規定するデータ(図20)を有していてもよい。また、実施例5では、電子計算機システム1は、空調室外機の比例係数を規定するデータ(図21)、ラックと空気調和装置との間の熱流量関係を規定するデータ(図22)、及びラックと空気調和装置との供給熱流量を規定するデータ(図23)を有していてもよい。それ以外に、電子計算機システム1は、以下に挙げるデータを有する。
図26は、実施例5にかかる電子計算機システムにおけるサービス個数を規定するデータを示す図である。サービス個数Vとは、電子計算機システムで提供されるサービスの数である。サービスは、1以上の仮想マシンにより実行される。Vは、1以上の整数である。
図27は、実施例5にかかる電子計算機システムにおけるサービスごとの仮想マシンの個数を規定するデータを示す図である。図27において、番号とは、サービスを一意に特定する識別情報であり、個数とは、サービスごとの仮想マシンの個数である。たとえば、サービス番号「1」のサービスに用いられる仮想マシンの個数は「M1」であり、サービス番号「V」のサービスに用いられる仮想マシンの個数は「MV」である。
図28は、実施例5にかかる電子計算機システムにおける仮想マシンのサイズを規定するデータを示す図である。図28は、提供すべきサービスに1〜Vの番号を付し、各サービスにおいて配置すべき仮想マシンに1〜Mの番号を付したときの仮想マシンのサイズを示す。例えば、サービス番号「V」において起動される「M」番目の仮想マシンのサイズは、「τVM」である。仮想マシンのサイズの一例として、サーバに配置された仮想マシンによって使用されるコア数が挙げられる。あるいは、仮想マシンのサイズの一例として、サーバに配置された仮想マシンによって実行されるスレッドの数が挙げられる。
・仮想マシン配置方法の説明
図29は、実施例5にかかる仮想マシン配置方法を示すフローチャートである。図29に示すように、仮想マシンの配置が開始されると、まず、記憶部32は、求解部34にデータ(定数)、変数、目的関数及び制約条件を入力する(ステップS51)。求解部34は、入力されたデータ(定数)、変数、目的関数及び制約条件と、判定部31からの指示とに基づいて、例えばソルバーによって混合整数計画問題を解き、解を求める(ステップS52)。混合整数計画問題としての定式化については後述する。配置部35は、求解部34が求めた解に基づいて、仮想マシンを配置する(ステップS53)。このようにして、一連の仮想マシン配置処理が終了する。
・混合整数計画問題としての定式化について
つぎに、実施例5にかかる混合整数計画問題の定式化について説明する。実施例5では、実施例3と同様、空調室内機の消費電力および空調室外機の消費電力もモデリングされるが、空調室内機の消費電力のモデリング及び空調室外機の消費電力のモデリングについては、実施例3と同一内容であるため、説明を省略する。
・仮想マシン及び仮想マシン配置のモデリング
図26に示したように、サービス個数は「V」であり、図27に示したように、1つのサービスに含まれる仮想マシンの最大個数は「M」である。したがって、m番目のサービスのn番目の仮想マシンのサイズを「τmn」とする。ただし、m番目のサービスに含まれる仮想マシンの個数Mmが、Mm<Mのときは、τmn=0、n=Mm+1,…,Mとして表現される。
また、xm,n,i,jを、i番目のラックのj番目のサーバで、m番目のサービスのn番目の仮想マシンが実行されるときは「1」、そうでないときは「0」をとる変数とする。また、wijを、i番目のラックのj番目のサーバで実行される仮想マシンの合計サイズを表す変数とする。この場合、xm,n,i,jとwijとは、下記(81)式に示す関係にある。
Figure 0006175371
・サーバの消費電力のモデリング
i番目のラックのj番目のサーバで1つでも仮想マシンが実行されるということは、サーバの電源がすでにONになっているということなので、電源ONにより電力が消費される。また、i番目のラックのj番目のサーバで実行される仮想マシンの合計サイズが増えると負荷が高くなり、より多くの電力が消費される。したがって、i番目のラックのj番目のサーバの消費電力は、以下のようにモデリングされる。
Figure 0006175371
(82)式において、vijは、i番目のラックのj番目のサーバのON/OFFを示す変数である。ONの場合が「1」、OFFの場合が「0」とする。βijは、i番目のラックのj番目のサーバがONのとき、それだけで消費されるベース消費電力である。βijは定数であり、単位はW(ワット)である。αijは、i番目のラックのj番目のサーバにおいて単位サイズ(1コアや1スレッド)あたり消費される電力である。αijも定数であり、単位はW(ワット)である。
・無停電電源装置(UPS)の消費電力のモデリング
UPSでは、常時一定の電力が消費されている。それに加えて、そのUPSが備え付けられているラックに搭載されるサーバ台数の消費電力に応じた電力が消費される。したがって、i番目のラックでのUPSの消費電力は、以下のようにモデリングされる。
Figure 0006175371
(83)式において、Sは、1ラックあたりのサーバ台数であり、定数である。ηiは、i番目のラックについてUPSで常に消費されるベース消費電力である。ηiは定数であり、単位はW(ワット)である(図13を参照)。εiは、i番目のラック内のサーバの消費電力に対して、その何倍の電力がUPSで消費されるかを表す比例係数である。εiは、定数である(図13を参照)。なお、i番目のラックのサーバ台数がs(<S)という状況は、xm,n,i,j=0、j≧sという制約条件で表現することが可能である。すなわち、ラック内のサーバ台数は、可変である。
・データセンタ全体の消費電力のモデリング
データセンタ全体の、サーバ、無停電電源装置、空調室内機、及び空調室外機で消費される電力は以下のようにモデリングされる。
Figure 0006175371
(84)式において、Nはデータセンタ内のラック数であり、Cはデータセンタ内の空調室内機及び空調室外機のそれぞれの台数である。
・熱流量のモデリング
実施例3で説明した(Q−1)の関係に基づいて、k番目の空調室内機から排出される熱流量は、上記(56)式に示したとおりである。また、実施例3で説明した(Q−2)の関係に基づいて、k番目の空調室内機に流入する熱流量は、上記(57)式に示したとおりである。実施例3で説明した(Q−3)の関係に基づいて、i番目のラックから排出される熱流量は、下記(85)式で表される。
Figure 0006175371
(85)式において、qsup,iは、i番目のラックに対して空調室内機から供給される熱流量である。qsup,iは定数であり、単位はW(ワット)である。
・マイグレーションコストのモデリング
仮想マシンのマイグレーションが実行されると、仮想マシンの移行元と移行先とで電力が消費される。したがって、仮想マシンのマイグレーションの消費電力は、以下のようにモデリングされる。
Figure 0006175371
・省電力化問題の混合整数計画問題としての定式化
以上により、仮想マシンの再配置によるサーバ、無停電電源装置、空調室内機、空調室外機の電力最小化問題は、以下の混合整数計画問題として定式化できる。
Figure 0006175371
すなわち、(87)式が最小となるように混合整数計画問題を解けばよい。なお、スケーリングファクターc(>0)の妥当な決め方として、c=仮想マシンのマイグレーションの平均時間/再配置後の仮想マシンの平均動作時間が挙げられる。また、(87)式は、以下の(88)式〜(107)式に示した条件にしたがう。
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
Figure 0006175371
(88)式において、xm,n,i,jは、0または1のいずれかの値をとる変数とする。xm,n,i,jの値は,m番目のサービスのn番目の仮想マシンがi番目のラックのj番目のサーバで実行される(配置される)ときは「1」、そうでないときは「0」となる。すなわち、xm,n,i,jは、仮想マシンの配置を示す。
(93)式において、δ- ijは、0または1のいずれかの値をとる変数とする。δ- ijに対しては、(99)式に示した制約条件が課される。ただし,dは1未満の正の実数である。(99)式に示した制約条件により、δ- ijは、以下の関係を満たす。
Figure 0006175371
ここではδ- ijについて以上のような順序で説明したが,逆に言うと,「0または1のいずれかの値をとり,上記(108)式、(109)式をみたす変数」が必要であるために,変数δ- ijに制約条件として(99)式を課してそのような性質をもたせている。
(110)式および(111)式において、δ+ ijは、(94)式に示したように、0または1のいずれかの値をとる変数とする。δ+ ijに対しては、(102)式に示した制約条件が課される。(102)式に示した制約条件により、δ+ ijは、以下の関係を満たす。
Figure 0006175371
(112)式および(113)式において、vijは、(90)式に示したように、0または1のいずれかの値をとる変数とする。vijに対して(98)式に示した制約条件が課される。(98)式に示した制約条件により、vijは、以下の関係を満たす。
Figure 0006175371
なお、Σm,nτmnm,n,i,jはi番目のラックのj番目のサーバに配置される仮想マシンの合計サイズを表すため、Σm,nτmnm,n,i,j=0は、i番目のラックのj番目のサーバに仮想マシンが配置されないことを示す。すなわち,i番目のラックのj番目のサーバに仮想マシンが配置されないこととvijが「0」となることは等価であり、i番目のラックのj番目のサーバに仮想マシンが配置されることとvijが「1」となることが等価である。実施例5では、サーバに仮想マシンが配置されないときには消費電力削減のためにサーバの電源をオフにすることを想定する。したがって、vij=1はi番目のラックのj番目のサーバの電源がオンであることを示し、vij= 0 はi番目のラックのj番目のサーバの電源がオフであることを示す。
このように、実施例5において定式化された混合整数計画問題は、例えばGLPKやSYMPHONYやGurobi Optimizerなどのソルバーにより求解される。そして、電子計算機システムの制御装置は、仮想マシンのサイズが異なる場合であっても、ソルバーによって求められた解に従って、仮想マシンのマイグレーションを実行することにより、データセンタの省電力化を図ることができる。
(実施例6)
実施例6は、同一サービスの仮想マシン同士を同一ラック内のサーバに優先的に配置させる例である。電子計算機システムでは、各サーバは、ネットワークスイッチに接続され、ネットワークスイッチを経由して他のサーバと通信を行う。そのため、同一のネットワークスイッチに接続されているサーバ間の通信の遅延が、異なるネットワークスイッチに接続されているサーバ間の通信よりも少ない。同じように、仮想マシン間の通信も、その仮想マシンが配置されているサーバが同一のネットワークスイッチに接続されている場合、異なるネットワークスイッチに接続されているサーバに配置された仮想マシンとの通信よりも遅延が少ない。
したがって、1つのサービスを構成している仮想マシン同士の通信遅延を少なくするためには、同一のネットワークスイッチに接続されているサーバに仮想マシンを配置することが望ましい。実施例6では、各ラックに1つのネットワークスイッチが備え付けられ、ラック内のサーバはそのネットワークスイッチに接続される状況を想定する。そのため、同一のネットワークスイッチに接続されているサーバに仮想マシンを配置することと同一のラックのサーバに仮想マシンを配置することは等価となる。以下、補助変数を導入し、目的関数を変更することで省電力化とともに同じサービスに含まれる仮想マシンをできる限り1つのラックに配置する例について説明する。
なお、実施例6では、実施例1にかかる電子計算機システム1の一例として、図15に示した電子計算機システムおよび図16に示した電子計算機システムの制御装置での省電力化について説明する。なお、図15に示した電子計算機システムの各ラックは、ラック内のサーバに接続されるネットワークスイッチを有するものとする。また、実施例1〜5と同様の構成には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
・データ構造の説明
実施例6では、電子計算機システム1は、データセンタの構成を規定するデータN,S(図4)、仮想マシンの数を規定するデータM(図5)及び最大仮想マシン数を規定するデータLij(図7)を有する。ただし、実施例5に追加される場合は、仮想マシンの数を規定するデータMは、1サービスに含まれる仮想マシンの最大個数を示す。また、電子計算機システム1は、仮想マシンの消費電力を規定するデータαij(図8)、ベース消費電力を規定するデータβij(図9)、並びに電源装置のベース消費電力ηi及び比例係数を規定するデータεi(図13)を有する。ただし、実施例5に追加される場合は、αijは、i番目のラックのj番目のサーバにおいて仮想マシンが動作する際の単位サイズ(例えば、1コアまたは1スレッド)あたり消費される電力である。
また、実施例6では、電子計算機システム1は、仮想マシンのサイズを規定するデータ(図17)、仮想マシンの初期配置データ(図18)、空気調和装置の数を規定するデータ(図19)、空調室内機のベース消費電力及び比例係数を規定するデータ(図20)を有していてもよい。また、実施例6では、電子計算機システム1は、空調室外機の比例係数を規定するデータ(図21)、ラックと空気調和装置との間の熱流量関係を規定するデータ(図22)、及びラックと空気調和装置との供給熱流量を規定するデータ(図23)を有していてもよい。
また、実施例6の電子計算機システム1は、実施例5に追加される場合は、サービス個数を規定するデータ(図26)、サービスごとの仮想マシンの個数を規定するデータ(図27)、及び仮想マシンのサイズを規定するデータ(図28)を有していてもよい。それ以外に、電子計算機システム1は、以下に挙げるデータを有する。
図30は、実施例6にかかる電子計算機システムにおける使用ラック数ペナルティ係数を規定するデータを示す図である。使用ラック数ペナルティとは、同じサービスに含まれる仮想マシンをなるべく1つのラックに配置させるため、同じサービスに含まれる仮想マシンが複数のラックにまたがった場合に与えられるペナルティである。使用ラック数ペナルティ係数とは、使用ラック数ペナルティに与えられる定数である。使用ラック数ペナルティは、混合整数計画問題で使用される。
・仮想マシン配置方法の説明
図31は、実施例6にかかる仮想マシン配置方法を示すフローチャートである。図31に示すように、仮想マシンの配置が開始されると、まず、記憶部32は、求解部34にデータ(定数)、変数、目的関数及び制約条件を入力する(ステップS61)。求解部34は、入力されたデータ(定数)、変数、目的関数及び制約条件と、判定部31からの指示とに基づいて、例えばソルバーによって混合整数計画問題を解き、解を求める(ステップS62)。混合整数計画問題としての定式化については後述する。配置部35は、求解部34が求めた解に基づいて、仮想マシンを配置する(ステップS63)。このようにして、一連の仮想マシン配置処理が終了する。
・混合整数計画問題としての定式化について
つぎに、実施例6にかかる混合整数計画問題の定式化について説明する。実施例1〜5で説明したモデリングと同一内容については説明を省略する。
・同一ラックへの優先配置のモデリング
上述した使用ラック数ペナルティは、(114)式によって表される。
Figure 0006175371
(115)式は、m番目のサービスの仮想マシンが、i番目のラックでは1つも配置されていないことを示す。(116)式は、m番目のサービスの仮想マシンが、i番目のラックに配置されていることを示す。また、(114)式のΣσm,iは、m番目のサービスに含まれる仮想マシンが実行されるラック数を表す。また、aは、使用ラック数ペナルティ係数である。使用ラック数ペナルティ係数aは、ラック1つあたりのペナルティ係数である。使用ラック数ペナルティ係数aは定数であり、単位はW(ワット)である。
・省電力化問題の混合整数計画問題としての定式化
以上により、仮想マシンの再配置によるサーバ、無停電電源装置、空調室内機、空調室外機の電力最小化問題は、以下の混合整数計画問題として定式化できる。(117)式は、上記(88)式〜(107)式に示した条件のほか、(108)式に示した条件にしたがう。
Figure 0006175371
すなわち、(117)式が最小となるように混合整数計画問題を解けばよい。(117)式は、実施例5に示した(87)式に、(114)式が追加された式である。同一サービスを構成する仮想マシンが複数のラックにまたがると、(117)式の最終項の値が大きくなる。一方、同一ラックに集約されると小さくなる。なお、ラック使用ペナルティは、実施例2の(36)式、実施例3の(59)式、実施例4の(71)式に適用してもよい。
このように、実施例6において定式化された混合整数計画問題は、例えばGLPKやSYMPHONYやGurobi Optimizerなどのソルバーにより求解される。そして、電子計算機システムの制御装置は、ソルバーによって求められた解に従って仮想マシンのマイグレーションを行い、仮想マシンを再配置することで、同一サービスに含まれる仮想マシンがなるべく同一ラックに配置されるよう考慮しつつデータセンタの省電力化を図ることができる。
(実施例7)
実施例7は、起動待ち時間、仮想マシン停止時間、およびマイグレーション待ち時間を考慮した省電力化の例である。起動待ち時間とは、サーバの起動により生じる待ち時間である。サーバの電源をONにしてから仮想マシンを配置できるようになるまでには一定の時間がかかる。起動待ち時間とは、そのために発生する待ち時間である。仮想マシン停止時間とは、仮想マシンの停止により生じる時間である。仮想マシンのマイグレーションを行うと、仮想マシンのサイズに比例した時間分、仮想マシンが停止する。仮想マシン停止時間とは、そのために発生する時間である。
マイグレーション待ち時間とは、仮想マシンのマイグレーションにより生じる待ち時間である。サーバごとの仮想マシンの受け入れは1つずつ行われる。マイグレーション待ち時間とは、その受け入れのため、1つのサーバに多くの仮想マシンが再配置されると発生する待ち時間である。
図32は、マイグレーション待ち時間の説明図である。仮想マシンが複数移行されてくる場合、仮想マシンはリスト化されて1つずつ順番に移行処理される。図32では、待機する仮想マシンの待機個数の閾値を4とし、4以上になるとペナルティを課すことにする。(A)では、リスト化された仮想マシンの待機個数は3個であるため、閾値未満となり、ペナルティは課されない。一方、(B)では、リスト化された仮想マシンの待機個数は6個であるため、閾値以上となり、ペナルティが課される。以下、補助変数を導入し、目的関数を変更することで、省電力化とともになるべく待ち時間、停止時間を少なくする方法について説明する。
・データ構造の説明
実施例7では、電子計算機システム1は、データセンタの構成を規定するデータN,S(図4)、仮想マシンの数を規定するデータM(図5)及び最大仮想マシン数を規定するデータLij(図7)を有する。ただし、実施例5に追加される場合は、仮想マシンの数を規定するデータMは、1サービスに含まれる仮想マシンの最大個数を示す。また、電子計算機システム1は、仮想マシンの消費電力を規定するデータαij(図8)、ベース消費電力を規定するデータβij(図9)、並びに電源装置のベース消費電力ηi及び比例係数を規定するデータεi(図13)を有する。ただし、実施例5に追加される場合は、αijは、i番目のラックのj番目のサーバにおいて仮想マシンが動作する際の単位サイズ(例えば、1コアまたは1スレッド)あたり消費される電力である。
また、実施例7では、電子計算機システム1は、仮想マシンのサイズを規定するデータ(図17)、仮想マシンの初期配置データ(図18)、空気調和装置の数を規定するデータ(図19)、空調室内機のベース消費電力及び比例係数を規定するデータ(図20)を有していてもよい。また、実施例6では、電子計算機システム1は、空調室外機の比例係数を規定するデータ(図21)、ラックと空気調和装置との間の熱流量関係を規定するデータ(図22)、及びラックと空気調和装置との供給熱流量を規定するデータ(図23)を有していてもよい。
また、実施例7の電子計算機システム1は、実施例5に追加される場合は、サービス個数を規定するデータ(図26)、サービスごとの仮想マシンの個数を規定するデータ(図27)、及び仮想マシンのサイズを規定するデータ(図28)を有していてもよい。それ以外に、電子計算機システム1は、以下に挙げるデータを有する。
図33は、実施例7にかかる電子計算機システムにおける起動待ち時間ペナルティ係数を規定するデータを示す図である。起動待ち時間ペナルティとは、起動待ち時間に応じて割当てられるペナルティであり、起動待ち時間ペナルティ係数とは、起動待ち時間ペナルティに与えられる値である。単位はワット(W)である。起動待ち時間ペナルティは、混合整数計画問題で使用される。図33において、起動待ち時間ペナルティ係数bijは、i番目のラックのj番目のサーバごとに規定される。たとえば、N番目のラックのS番目のサーバについての起動待ち時間ペナルティ係数は、bNSである。また、起動待ち時間ペナルティ係数bijは、サーバがONになってから混合整数計画問題の求解を開始する時点までの経過時間により決定される。
図34は、起動待ち時間ペナルティ係数bijの値を決定するテーブルの一例を示す説明図である。図34において、経過時間が短いほど、起動待ち時間ペナルティ係数bijの値が大きくなるため、ペナルティが増加する。すなわち、経過時間が短いほど、経過後の起動待ち時間が長くなるためである。
図35は、仮想マシン停止時間ペナルティ係数を規定するデータを示す図である。仮想マシン停止時間ペナルティとは、仮想マシン停止時間に応じて割当てられるペナルティであり、仮想マシン停止時間ペナルティ係数bとは、仮想マシン停止時間ペナルティに与えられる定数である。単位はワット(W)である。
図36は、マイグレーション待ちの仮想マシンの待機個数の閾値を規定するデータを示す図である。図32の例では、仮想マシンの待機個数の閾値lは、l=4となる。
図37は、閾値lを超えた分の仮想マシンの待機個数に対するペナルティ係数を示す図である。図32の(B)の例は、待機個数が「6」、閾値lが「4」であるため、閾値lを超えた分の待機個数は、2(=6−4)である。したがって、ペナルティ係数eは、閾値lを超えた分の待機個数「2」に対して与えられるペナルティである。ペナルティ係数eの単位は、ワット(W)である。
・仮想マシン配置方法の説明
図38は、実施例7にかかる仮想マシン配置方法を示すフローチャートである。図38に示すように、仮想マシンの配置が開始されると、まず、記憶部32は、求解部34にデータ(定数)、変数、目的関数及び制約条件を入力する(ステップS71)。求解部34は、入力されたデータ(定数)、変数、目的関数及び制約条件と、判定部31からの指示とに基づいて、例えばソルバーによって混合整数計画問題を解き、解を求める(ステップS72)。混合整数計画問題としての定式化については後述する。配置部35は、求解部34が求めた解に基づいて、仮想マシンを配置する(ステップS73)。このようにして、一連の仮想マシン配置処理が終了する。
・混合整数計画問題としての定式化について
つぎに、実施例7にかかる混合整数計画問題の定式化について説明する。実施例1〜5で説明したモデリングと同一内容については説明を省略する。
・起動待ち時間のモデリング
上述した起動待ち時間に対するペナルティは、(119)式によって表される。
Figure 0006175371
・仮想マシン停止時間のモデリング
上述した仮想マシン停止時間に対するペナルティは、(120)式によって表される。
Figure 0006175371
ここで、ym,n,i,jは、下記の(121)式を満たすバイナリ変数である。
Figure 0006175371
すなわち、ym,n,i,jは、m番目のサービスのn番目の仮想マシンがライブマイグレーションによってi番目のラックのj番目のサーバへ移動するときは「1」、それ以外のときは「0」をとる。
また、(120)式のΣym,n,i,jは、m番目のサービスのn番目の仮想マシンがライブマイグレーションされれば「1」、そうでなければ「0」となる。
したがって、(120)式は、m番目のサービスのn番目の仮想マシンがライブマイグレーションで移動されることよって生じる停止時間に対するペナルティの総和を表す。すなわち、停止時間は、サイズτmnに比例することになる。
また、仮想マシンの初期配置を示すx0 m,n,i,jを定数とする。ただし、n≧Mm+1に対しては、x0 m,n,i,j=1とする。Mmはm番目のサービスでの仮想マシンの個数である。この場合、以下の関係がある。
Figure 0006175371
図39は、仮想マシンの初期配置を示すx0 m,n,i,jの一覧を示す図である。x0 m,n,i,jは、サービスを一意に特定するサービス番号と、仮想マシンを一意に特定するVM番号と、ラックを一意に特定するラック番号と、サーバを一意に特定するサーバ番号とによって決まる定数である。図39では、サービス番号1において起動される1番目の仮想マシンの1番目のラックの1番目のサーバに関するx0 1,1,1,1から、サービス番号Vにおいて起動されるM番目の仮想マシンのN番目のラックのS番目のサーバに関するx0 V,M,N,Sまでを定義する。
・マイグレーション待ち時間のモデリング
上述したマイグレーション待ち時間に対するペナルティは、(124)式によって表される。
Figure 0006175371
ここで、uijは、下記の(125)式及び(126)式を満たす、0以上Lij以下の整数変数である。
Figure 0006175371
(125)式および(126)式の左側の不等式の左辺は、i番目のラックのj番目のサーバへ移動してくる仮想マシンの個数を表す。すなわち、(125)式において、i番目のラックのj番目のサーバへ移動してくる仮想マシンの個数がl以上のときに、uijは、(125)式の左側の不等式の左辺の値をとる。一方、(126)式において、i番目のラックのj番目のサーバへ移動してくる仮想マシンの個数がl−1以下のときに、uijは、0となる。したがって、e×uijは、はi番目のラックのj番目のサーバへ移動してくる仮想マシンのうち、閾値l以上になった分の待ち時間に対するペナルティを表す。このため、(124)式は、それらの総和を表す。
また、ρijは、下記の(127)式を満たすバイナリ変数である。ρijは、uijを定義するために使用される。
Figure 0006175371
・省電力化問題の混合整数計画問題としての定式化
以上により、仮想マシンの再配置によるサーバ、無停電電源装置、空調室内機、空調室外機の電力最小化問題は、以下の混合整数計画問題として定式化できる。
Figure 0006175371
また、(128)式は、上記(88)式〜(107)式に示した条件のほか、下記の(129)式〜(135)式に示した条件にしたがう。
Figure 0006175371
すなわち、(128)式が最小となるように混合整数計画問題を解けばよい。(128)式は、実施例5に示した(87)式に、(119)式、(120)式、及び(124)式が追加された式である。なお、(119)式、(120)式、及び(124)式は、実施例2の(36)式、実施例3の(59)式、実施例4の(71)式、実施例6の(117)式に適用してもよい。(119)式、(120)式、及び(124)式をすべて用いる必要はなく、いずれか1つ採用してもよい。
このように、実施例7において定式化された混合整数計画問題は、例えばGLPKやSYMPHONYやGurobi Optimizerなどのソルバーにより求解される。そして、電子計算機システムの制御装置は、ソルバーによって求められた解に従って仮想マシンのマイグレーションを行い、仮想マシンを再配置することで、軌道待ち時間、仮想マシン停止時間、マイグレーション待ち時間が少なくなるよう考慮しつつ、データセンタの省電力化を図ることができる。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)仮想マシンが配置される複数のサーバと、
複数の前記サーバに電力を供給する複数の電源装置と、
前記サーバに対する前記仮想マシンの配置を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記仮想マシンの配置の関数として記述された、前記サーバでの消費電力と前記電源装置での消費電力との合計消費電力を目的関数とする整数計画問題を解き、前記整数計画問題の解に基づいて前記仮想マシンを配置することを特徴とする電子計算機システム。
(付記2)前記制御装置は、全ての前記サーバが停止中であることを制約条件の一つとして前記整数計画問題を解くことを特徴とする付記1に記載の電子計算機システム。
(付記3)前記制御装置は、一つ以上の前記仮想マシンが配置されていることを制約条件の一つとして前記整数計画問題を解くことで、配置済みの前記仮想マシンがある状態に他の前記仮想マシンを追加で配置することを特徴とする付記1に記載の電子計算機システム。
(付記4)前記制御装置は、一つ以上の前記仮想マシンが配置されていることを制約条件の一つとし、前記合計消費電力に、配置済みの前記仮想マシンを別のサーバに移動させることにより消費される電力を加えて前記整数計画問題を解くことで、配置済みの前記仮想マシンを再配置することを特徴とする付記1に記載の電子計算機システム。
(付記5)前記目的関数は、前記サーバでの消費電力を、前記仮想マシンのサイズが前記仮想マシンごとに異なるとして表した関数であることを特徴とする付記2または3に記載の電子計算機システム。
(付記6)前記サーバ及び前記電源装置を収容する空間に対して空気調和を行う空気調和装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記仮想マシンの配置の関数として記述された、前記空気調和装置での消費電力をさらに合算した合計消費電力を目的関数とする混合整数計画問題を解き、前記混合整数計画問題の解に基づいて前記仮想マシンを配置することを特徴とする付記2、3または5に記載の電子計算機システム。
(付記7)前記サーバは、複数のラックに分散されて収容されており、
前記目的関数は、前記仮想マシンが配置されるラック数に応じたペナルティを課す項を含むことを特徴とする付記2、3、5または6に記載の電子計算機システム。
(付記8)前記目的関数は、前記サーバでの消費電力を、前記仮想マシンのサイズが前記仮想マシンごとに異なるとして表した関数であり、
前記制御装置は、一つ以上の前記仮想マシンが配置されていることを制約条件の一つとし、前記合計消費電力に、配置済みの前記仮想マシンを別のサーバに移動させることにより消費される電力を加えて前記整数計画問題を解くことで、配置済みの前記仮想マシンを再配置することを特徴とする付記1に記載の電子計算機システム。
(付記9)前記目的関数は、前記サーバでの消費電力を、前記仮想マシンのサイズが前記仮想マシンごとに異なるとして表した関数であり、
前記サーバは、複数のラックに分散されて収容されており、
前記目的関数は、前記仮想マシンが配置されるラック数に応じたペナルティを課す項を含むことを特徴とする付記1または8に記載の電子計算機システム。
(付記10)前記目的関数は、前記サーバの電源がONになってから前記サーバに前記仮想マシンが配置可能となるまでの起動待ち時間に応じたペナルティを課す項を含むことを特徴とする付記1または8に記載の電子計算機システム。
(付記11)前記目的関数は、配置済みの前記仮想マシンを前記別のサーバに移動させる場合に前記仮想マシンのサイズに従って前記仮想マシンによる処理が停止する停止時間に応じたペナルティを課す項を含むことを特徴とする付記4または8に記載の電子計算機システム。
(付記12)前記目的関数は、前記別のサーバに移動させる仮想マシン群の個数に基づいて前記別のサーバでの前記仮想マシン群の再配置が完了するまでの待ち時間に応じたペナルティを課す項を含むことを特徴とする付記4または8に記載の電子計算機システム。
(付記13)複数の電源装置から供給される電力で稼働する複数のサーバに対して仮想マシンを配置するにあたって、
前記仮想マシンの配置の関数として記述された、前記サーバでの消費電力と前記電源装置での消費電力との合計消費電力を目的関数とする整数計画問題を解き、前記整数計画問題の解に基づいて前記仮想マシンを配置することを特徴とする仮想マシン配置方法。
(付記14)全ての前記サーバが停止中であることを制約条件の一つとして前記整数計画問題を解くことを特徴とする付記13に記載の仮想マシン配置方法。
(付記15)一つ以上の前記仮想マシンが配置されていることを制約条件の一つとして前記整数計画問題を解くことで、配置済みの前記仮想マシンがある状態に他の前記仮想マシンを追加で配置することを特徴とする付記13に記載の仮想マシン配置方法。
(付記16)一つ以上の前記仮想マシンが配置されていることを制約条件の一つとし、前記合計消費電力に、配置済みの前記仮想マシンを別のサーバに移動させることにより消費される電力を加えて前記整数計画問題を解くことで、配置済みの前記仮想マシンを再配置することを特徴とする付記13に記載の仮想マシン配置方法。
(付記17)前記目的関数は、前記サーバでの消費電力を、前記仮想マシンのサイズが前記仮想マシンごとに異なるとして表した関数であることを特徴とする付記14または15に記載の仮想マシン配置方法。
(付記18)前記仮想マシンの配置の関数として記述された、前記サーバ及び前記電源装置を収容する空間に対して空気調和を行う空気調和装置での消費電力をさらに合算した合計消費電力を目的関数とする混合整数計画問題を解き、前記混合整数計画問題の解に基づいて前記仮想マシンを配置することを特徴とする付記14、15または17に記載の仮想マシン配置方法。
(付記19)前記サーバは、複数のラックに分散されて収容されており、
前記目的関数は、前記仮想マシンが配置されるラック数に応じたペナルティを課す項を含むことを特徴とする付記14、15、17または18に記載の仮想マシン配置方法。
(付記20)前記目的関数は、前記サーバでの消費電力を、前記仮想マシンのサイズが前記仮想マシンごとに異なるとして表した関数であり、
一つ以上の前記仮想マシンが配置されていることを制約条件の一つとし、前記合計消費電力に、配置済みの前記仮想マシンを別のサーバに移動させることにより消費される電力を加えて前記整数計画問題を解くことで、配置済みの前記仮想マシンを再配置することを特徴とする付記13に記載の仮想マシン配置方法。
(付記21)前記目的関数は、前記サーバでの消費電力を、前記仮想マシンのサイズが前記仮想マシンごとに異なるとして表した関数であり、
前記サーバは、複数のラックに分散されて収容されており、
前記目的関数は、前記仮想マシンが配置されるラック数に応じたペナルティを課す項を含むことを特徴とする付記13または20に記載の仮想マシン配置方法。
(付記22)前記目的関数は、前記サーバの電源がONになってから前記サーバに前記仮想マシンが配置可能となるまでの起動待ち時間に応じたペナルティを課す項を含むことを特徴とする付記13または20に記載の仮想マシン配置方法。
(付記23)前記目的関数は、配置済みの前記仮想マシンを前記別のサーバに移動させる場合に前記仮想マシンのサイズに従って前記仮想マシンによる処理が停止する停止時間に応じたペナルティを課す項を含むことを特徴とする付記16または20に記載の仮想マシン配置方法。
(付記24)前記目的関数は、前記別のサーバに移動させる仮想マシン群の個数に基づいて前記別のサーバでの前記仮想マシン群の再配置が完了するまでの待ち時間に応じたペナルティを課す項を含むことを特徴とする付記16または20に記載の仮想マシン配置方法。
1 電子計算機システム
2 サーバ
3 電源装置
4 制御装置
5 ラック
6 データセンタ
7,8 空気調和装置

Claims (10)

  1. 動作する際の単位サイズが設定される複数の仮想マシンが配置されることによる消費電力と、実行可能な最大仮想マシン数がそれぞれ設定される複数のサーバと、
    複数の前記サーバに電力を供給する複数の電源装置であって、前記電源装置自身が定常的に消費する電力と、複数の前記サーバに供給する電力に応じて消費電力が設定される複数の前記電源装置と、
    複数の前記サーバに対する複数の前記仮想マシンの配置を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記サーバの電源状態のオンまたはオフを表す変数と前記サーバに配置された仮想マシン数を表す変数に関する論理式を、
    前記サーバに配置された仮想マシン数が1以上であれば前記電源状態は前記オンであること、ならびに、
    前記サーバに配置された前記仮想マシン数が前記最大仮想マシン数を超えないという条件を利用して
    線形不等式に変換することで、
    前記サーバと前記電源装置と前記制御装置を含むデータセンタの省電力化問題を前記仮想マシンの配置の関数として記述された、前記サーバでの前記消費電力と前記電源装置での前記消費電力との合計消費電力を目的関数とする、少なくとも各サーバに配置すべき前記仮想マシン数を解として有する整数計画問題として定式化し、前記整数計画問題を解き、前記整数計画問題の解に基づいて前記仮想マシンを配置することを特徴とする電子計算機システム。
  2. 前記制御装置は、全ての前記サーバが停止中であることを制約条件の一つとして前記整数計画問題を解くことを特徴とする請求項1に記載の電子計算機システム。
  3. 前記制御装置は、一つ以上の前記仮想マシンが配置されていることを制約条件の一つとして前記整数計画問題を解くことで、配置済みの前記仮想マシンがある状態に他の前記仮想マシンを追加で配置することを特徴とする請求項1に記載の電子計算機システム。
  4. 前記制御装置は、一つ以上の前記仮想マシンが配置されていることを制約条件の一つとし、前記合計消費電力に、配置済みの前記仮想マシンを別のサーバに移動させることにより消費される電力を加えて前記整数計画問題を解くことで、配置済みの前記仮想マシンを再配置することを特徴とする請求項1に記載の電子計算機システム。
  5. 前記目的関数は、前記サーバでの消費電力を、前記仮想マシンのサイズが前記仮想マシンごとに異なるとして表した関数であることを特徴とする請求項2または3に記載の電子計算機システム。
  6. 複数の前記サーバ及び複数の前記電源装置を収容する空間に対して空気調和を行う空気調和装置をさらに備え、
    前記制御装置は、前記仮想マシンの配置の関数として記述された、前記サーバでの前記消費電力と前記電源装置での前記消費電力とに、前記空気調和装置での消費電力をさらに合算した合計消費電力を目的関数とする、少なくとも各サーバに配置すべき前記仮想マシン数を解として有する整数計画問題として定式化し、前記混合整数計画問題を解き、前記混合整数計画問題の解に基づいて前記仮想マシンを配置することを特徴とする請求項2、3または5に記載の電子計算機システム。
  7. 前記サーバは、複数のラックに分散されて収容されており、
    前記目的関数は、前記仮想マシンが配置されるラック数に応じたペナルティを課す項を含むことを特徴とする請求項2、3、5または6に記載の電子計算機システム。
  8. 動作する際の単位サイズが設定される複数の仮想マシンが配置されることによる消費電力と、実行可能な最大仮想マシン数がそれぞれ設定される複数のサーバに電力を供給する複数の電源装置であって、前記電源装置自身が定常的に消費する電力と、複数の前記サーバに供給する電力に応じて消費電力が設定される複数の前記電源装置から供給される電力で稼働する複数の前記サーバに対して複数の前記仮想マシンを配置するコンピュータが、
    前記サーバの電源状態のオンまたはオフを表す変数と前記サーバに配置された仮想マシン数を表す変数に関する論理式を、
    前記サーバに配置された仮想マシン数が1以上であれば前記電源状態は前記オンであること、ならびに、
    前記サーバに配置された前記仮想マシン数が前記最大仮想マシン数を超えないという条件を利用して
    線形不等式に変換することで、
    前記サーバと前記電源装置と前記制御装置を含むデータセンタの省電力化問題を前記仮想マシンの配置の関数として記述された、前記サーバでの前記消費電力と前記電源装置での前記消費電力との合計消費電力を目的関数とする、少なくとも各サーバに配置すべき前記仮想マシン数を解として有する整数計画問題として定式化し、前記整数計画問題を解き、前記整数計画問題の解に基づいて前記仮想マシンを配置する、
    処理を実行することを特徴とする仮想マシン配置方法。
  9. 前記配置する処理は、全ての前記サーバが停止中であることを制約条件の一つとして前記整数計画問題を解くことを特徴とする請求項8に記載の仮想マシン配置方法。
  10. 前記配置する処理は、一つ以上の前記仮想マシンが配置されていることを制約条件の一つとして前記整数計画問題を解くことで、配置済みの前記仮想マシンがある状態に他の前記仮想マシンを追加で配置することを特徴とする請求項8に記載の仮想マシン配置方法。
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