以下に、本発明の実施形態を図面に沿って詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
[実施形態]
最初に、本発明の実施形態(探索結果生成システム)について、図1から図9を参照して以下に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための探索結果生成システムを例示するものであって、本発明をこの探索結果生成システムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の探索結果生成システムにも等しく適用し得るものである。例えば、本発明の実施形態で例示する探索結果生成システムにおけるサーバ側と端末側の機能分散の形態は以下に限られず、同様の効果や機能を奏し得る範囲において、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
図1は、本発明における探索結果生成システムにおいて、特に探索結果情報を生成するための機能ブロック図を主として示しており、本発明の各種態様を実施することができるようにした機能ブロック図を示している。なお、同図において、各機能を行う機能部は、それぞれ各機能を行う手段ということができる。
図1に示すように、このシステムは、概略的に、サーバ装置100と端末装置200を通信可能に接続して構成される。ここで、図1に示すように、通信には、一例として、ネットワーク300を介した有線・無線通信等の遠隔通信等を含む。また、これら情報処理システムの各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
ここで、図1において、ネットワーク300は、例えば、インターネット、電話回線網(携帯端末回線網および一般電話回線網等)、イントラネット、または、電力線通信(PLC)等である。
サーバ装置100は、端末装置200から送信される、起点位置条件を含む探索条件を受信し、受信した探索条件に基づき、起点位置から複数の終点位置までの各経路を探索するとともに、探索された各経路に関する計算値を算出し、算出された計算値に基づいて探索結果情報を生成し、生成した探索結果情報を端末装置200に送信する等の機能を有する。
また、サーバ装置100は、通信制御インターフェース部102を介してネットワーク300を経由し、端末装置200と相互に通信可能に接続されており、サーバ記憶部104とサーバ制御部106とを少なくとも備える。例えば、サーバ装置100は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置や、該情報処理装置に本発明の方法を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)である。
通信制御インターフェース部102は、通信回線や電話回線等に接続されるアンテナやルータ等の通信装置(図示せず)に接続されるインターフェースであり、サーバ装置100とネットワーク300との間における通信制御を行う機能を有する。すなわち、通信制御インターフェース部102は、端末装置100等と通信回線を介してデータを通信する機能を有している。
サーバ記憶部104は、HDD(Hard
Disk Drive)等の固定ディスク装置やSSD(Solid State Drive)等のストレージ手段であり、各種のデータベースやテーブル(ネットワーク情報データベース104a、地図情報データベース104b、POI情報データベース104c、および、交通情報データベース104d等)を格納する。
これらサーバ記憶部104の各構成要素のうち、ネットワーク情報データベース104aは、交通網を規定するネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段である。ここで、ネットワーク情報データベース104aに記憶されるネットワークデータは、道路ネットワークデータの他、路線網ネットワークデータ等の交通機関の交通ネットワークデータであってもよい。これらネットワークデータは、ネットワーク情報データベース104aに予め記憶されており、サーバ装置100のサーバ制御部106は、定期的に、および/または、サーバ制御部106による処理に応じて(例えば、サーバ制御部106においてデータが必要となる契機等)、ネットワーク300を介して最新のデータを外部機器(例えば、ネットワークデータを提供するネットワークデータサーバなど)等からダウンロードしてネットワーク情報データベース104aに記憶されたネットワークデータをアップデートしてもよい。
ここで、ネットワーク情報データベース104aに記憶される道路ネットワークデータは、道路網を規定するネットワークデータであり、例えば、交差点や分岐点等の道路網表現上の結節点であるノードのノードデータと、ノード間の道路区間であるリンクのリンクデータとの組み合わせによって表現されるネットワークデータである。ノードデータには、ノード番号、緯度経度等の位置座標、ノード種別、接続するリンク本数、接続ノード番号、信号機や一時停止標識等の車両停止位置、および、交差点名称等を含んでいる。また、リンクデータには、リンク番号、接続する道路の種別、国道や県道や市道等の路線番号、重用する路線情報、リンクの存在する行政区域の属性情報、リンク長、道路供用状況、異常気象時通行規制区間、車重制限、車両高さ制限、幅員、道路幅員区分、車線数、制限速度など交通規制、一時停止標識や踏切直前等の車両停止位置、高架やトンネルや橋等のリンク内属性、所要時間、および、名称等を含んでいる。特に、リンクデータは、当該リンクのリンクコストを含んでおり、例えば、当該道路リンクを通過するのに必要な時間や、距離や、利用料金データ等の料金に関するデータを含んでいる。また、道路ネットワークデータは、交通規制データや利用運賃料金データ等を含んでいてもよい。ここで、交通規制データは、各種の交通規制を定義するデータであり、例えば、道路の損壊や道路工事等による車両通行止、交通の安全を確保するために設置されるコミュニティ・ゾーン等による一般車の進入禁止、および、私有地への接続路であることによる一般車の進入禁止等の情報などを含んでいる。なお、雨天時等の天候等の変動要因によって、平均通過速度や制限速度に変動がある場合や通行止めとなる場合、それらの速度データ等もリンクデータに格納される。また、利用料金データは、自動車、オートバイ等で移動する場合に消費する燃料料金、高速自動車国道や自動車専用道路等の有料道路の通行料金等を表す情報等である。なお、有料道路の料金が休日割引やETC割引、高速無料化等に伴って変動する場合、利用運賃料金データは、それら変動する料金データも含む。また、道路ネットワークデータは、自動車、オートバイ、自転車、徒歩等で移動する場合の経路上に存在する施設等の地点の緯度経度情報などの位置情報等を記憶してもよい。なお、ネットワークデータには、ノードとリンクで構成される各案内経路についての評価を行うために、ノード番号やリンク番号等に対応付けて評価用情報が格納されてもよい。一例として、評価用情報として交通規制データは、各種の交通規制を定義するデータであり、例えば、道路の損壊や道路工事等による車両通行止、交通の安全を確保するために設置されるコミュニティ・ゾーン等による一般車の進入禁止、私有地への接続路であることによる一般車の進入禁止等の情報などを含む。なお、道路ネットワークデータは移動手段毎に記憶するようにしてもよい。すなわち、ネットワーク情報データベース104aは道路ネットワークデータとして、自動車用の道路ネットワーク、徒歩用の道路ネットワーク、自転車用の道路ネットワークを記憶する。
ネットワーク情報データベース104aに記憶される交通ネットワークデータは、電車、飛行機、バス、路面電車、ロープウェイ、モノレール、ケーブルカー、および、船(フェリーなど)等の各交通機関の路線網を規定するネットワークデータであり、例えば、駅、空港、港、および、停留所(バス停)等の路線網表現上の結節点であるノードのノードデータと、ノード間を接続する鉄道路線、航空路線、航路、および、バス路線等のリンクのリンクデータとの組み合わせによって表現されるネットワークデータである。なお、ノードデータには、ノード番号、緯度経度等の位置座標、ノード種別、接続するリンク本数、接続ノード番号、および、名称(駅名、バス停名)を含んでいてもよい。また、リンクデータには、リンク番号、接続する駅等の種別、列車等の路線番号、重用する路線情報、リンクの存在する行政区域の属性情報、リンク長、異常気象時通行規制区間、名称等を含んでいる。なお、雨天時等の天候等の変動要因によって、平均通過速度や制限速度に変動がある場合、それらの速度データもリンクデータに格納される。また、交通ネットワークデータは、交通機関の時刻表データ、利用運賃料金データ、および乗車位置データ等を含んでいてもよい。ここで、時刻表データは、例えば、電車、飛行機、バス、路面電車、ロープウェイ、モノレール、ケーブルカー、および、船等の各公共交通機関の時刻表を表す情報等である。ここで、利用運賃料金データは、例えば、電車、飛行機、バス、路面電車、ロープウェイ、モノレール、ケーブルカー、および、船等の各交通機関を利用した場合に生じる利用運賃料金等を表す情報等である。
地図情報データベース104bは、地図データを記憶する地図データ記憶手段である。一例として、地図情報データベース104bに記憶される地図データは、全国および各地方の道路地図等の地図データであってもよい。例えば、地図情報データベース104bに記憶される地図データは、地図上に表示される地図オブジェクト情報を記憶している。ここで、地図オブジェクト情報は、地図上に表示される地物(例えば、ビルや住宅や駅等の建造物、道路、線路、海、行政界等)の形状についての形状情報(例えば、ポリゴン等)、地図上に表示される注記(例えば、地名、地点情報、施設名称等)の注記情報、および、地図上に表示される記号(例えば、山、交番、コンビニエンスストア等)の記号情報(例えば、アイコン等)などのデータを含んでいる。なお、地図データは、道路地図等の地図データに限らず、公共交通機関の路線図に関する路線図情報であってもよい。これら地図データは、地図情報データベース104bに予め記憶されており、サーバ装置100のサーバ制御部106は、定期的に、および/または、サーバ制御部106による処理に応じて(例えば、サーバ制御部106においてデータが必要となる契機等)、ネットワーク300を介して最新のデータを、外部機器(地図データを提供する地図提供サーバ等の外部機器等)からダウンロードして地図情報データベース104bに記憶された地図データをアップデートしてもよい。
POI情報データベース104cは、POI(point of interest)の位置情報等を含むPOI情報を記憶するPOI情報記憶手段である。ここで、POIの位置(座標)情報は、POIの緯度経度高度、POIの電話番号、POIの住所、ならびに、POIの存在する地点の立地(都市部、郊外、港湾部、および、駅周辺等)を含んでいる。また、POI情報は、POIの名称、種別(カテゴリ)、URL、営業時間、取扱商品、平均価格(例えば、平均使用料金など)、評判、ランキング、立ち寄りやすさ、レコメンドスコア、写真データ、クーポン情報、口コミ(例えば、口コミ評価およびユーザコメントなど)、使用条件、使用可能性、施設規模、用途制限、POI ID、当該POI情報へのアクセス回数またはアクセス頻度等の参照率、および、当該POI情報の更新日時等の情報を含んでいる。ここで、POIとは、便利な場所や興味のある場所などとして人が知覚する特定の地点および施設等であって、店舗(例えば、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、飲食店等)、会社、事務所、公共施設(例えば、官庁、学校、駅)、娯楽施設(例えば、映画館、劇場、遊園地等)、および、屋外施設(例えば、公園、バスターミナル、屋外駐車場等)等である。また、POIは、一時的に行われるイベント(例えば、祭り、コンサート、フリーマーケット等)の会場であってもよい。
交通情報データベース104dは、渋滞情報等の交通情報を記憶する交通情報記憶手段である。ここで、渋滞情報は、時刻毎や地点毎に予想される渋滞発生を示す情報である。ここで、渋滞情報は、渋滞発生地点や渋滞距離や道路上の二地点間の通過時間(すなわち、旅行時間など)や通過速度等の情報を含んでいる。一例として、渋滞情報は、道路上のリンクID等に対応づけて、渋滞が発生すると予測される時刻や通過時間等を含んでいる。また、渋滞情報は、収集された位置や時刻等の履歴に基づいた、過去の渋滞統計データ(過去の時間帯や曜日、日付などに応じた道路の混雑状況を表すデータ)等であってもよい。さらに、渋滞情報は、交通障害情報や交通規制情報、鉄道等の交通機関の運行情報を含んでもよい。ここで、交通規制情報は、各種の交通規制を定義するデータであり、例えば、降水量規制、積雪・凍結規制、超波規制、風速規制、および視程規制等の異常気象時通行規制、高さ規制および重量規制等の車両通行規制、道路工事や作業、道路周辺の工事に伴う工事時規制、時間帯や車種により通行できる通行帯を規制している通行帯規制および道路の損壊等による車両通行止、交通の安全を確保するために設置されるコミュニティ・ゾーン等による一般車の進入禁止、ならびに、私有地への接続路であることによる一般車の進入禁止等の情報などを含んでいる。また、交通規制情報は、工事、事故、または、車両故障等により車両通行帯等が走行不能または走行困難となる通行規制情報であってもよい。これら渋滞情報等の交通情報は、交通情報データベース104dに予め記憶されており、サーバ装置100のサーバ制御部106は、定期的(例えば、5分毎等)にネットワーク300を介して最新のデータを外部機器(例えば、警察庁、VICS(Vehicle
Information and Communication System)(登録商標)、および、ATiS(Advanced Traffic Information
Service)(登録商標)、日本道路交通情報センター(JARTIC)(登録商標)、鉄道会社、および、渋滞情報配信サーバ(サービス)など)等からダウンロードして交通情報データベース104dに記憶された交通情報をアップデートしてもよい。
サーバ制御部106は、OS(Operating
System)等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、サーバ制御部106は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。サーバ制御部106は、機能概念的に、探索条件受信部106a、経路探索部106b、計算値算出部106c、探索結果生成部106d、探索結果送信部106e、および、POI検索部106fを備える。
このうち、探索条件受信部106aは、端末装置200から送信される、少なくとも到達圏探索の起点位置を含む探索条件を受信する探索条件受信手段である。ここで、探索条件は、起点位置を示す起点位置条件のほか、移動手段条件、終了位置、探索範囲、到達時間や距離、料金などの条件、POI検索条件(利用者の嗜好や施設カテゴリなど)、加味する変動要因や許容する影響度合い等を含む。ここで、移動手段条件は、移動手段に関する条件である。例えば、使用する移動手段、使用する道路や路線、および、使用予定の移動手段に関するチケット種別などに関する条件である。ここで、移動手段は、自動車、徒歩、自転車、オートバイ、公共交通機関(電車、バス、飛行機、フェリーなど)等であり、それぞれの組合せであってもよい。なお、探索条件の起点位置は、端末装置200の入力部208によって入力された位置情報であってもよく、端末装置200の利用者の現在位置情報であってもよい。例えば、探索条件受信部106aは、位置情報取得部210により受信される端末装置200の現在位置情報による現在位置を、探索条件の起点位置として取得する。なお、端末装置200より送信される起点位置が更新された場合等には、探索条件受信部106aは、最新の起点位置を、探索条件の起点位置として再設定してもよい。
経路探索部106bは、ネットワーク情報データベース104aに記憶されたネットワークデータを用いて、起点位置を含む探索条件に基づき、起点位置から終点位置までの経路を探索する経路探索手段である。ここで、経路探索部106bは、起点位置を含む探索条件に基づいて到達圏を探索して、起点位置から到達圏内の所定位置(ノード、リンク、POI等。以下、「目的地候補」と呼ぶことがある。)を終点位置とした経路を算出するようにしてもよい。一例として、経路探索部106bは、ネットワークデータに基づいて、探索条件の起点位置から、リンクコストを算出しながら探索経路を拡散させていくことにより、リンクコストが等しくなるようなノード群を結んだ閉曲線や多角形を到達圏として探索する。なお、ダイクストラ法やA*(エースター)探索アルゴリズム等の公知の経路探索手法を用いて探索を行ってもよく、そのほか公知の到達圏探索手法を用いることができる。
なお、経路探索部106bによる到達圏探索の終了条件は、予め定めた又は探索条件の探索範囲や、起点位置からの到達時間や距離、料金等に到達した場合であってもよく、POI情報データベース104cに記憶された全てのPOI(POI検索条件が指定された場合は条件を満たす全てのPOI)に到達した場合であってもよい。すなわち、本実施形態において、到達圏の探索とは、条件に合致するエリアや範囲を探索することに限らず、条件に合致する地点を探索することをも含む。したがって、経路探索部106bは、到達圏探索として、公知の到達圏探索手法のほか、公知の多目的地探索手法を用いてもよい。
なお、経路探索部106bは、交通情報データベース104dに基づいて、交通情報(例えば、渋滞情報)を考慮して到達時間を算出してもよい。
計算値算出部106cは、経路探索部106bによって探索された起点位置から所定位置までの経路に基づいて、経路に関する計算値を算出する計算値算出手段である。ここで、計算値は、経路の所要時間、所要料金、快適度などである。なお、計算値は、経路の終点位置(ノード、リンク、POI等)に関連付けるようにする。
なお、計算値算出部106cは、計算値に基づいて、データ加工し易いようポリゴン(等計算値ポリゴン)で到達圏に関する情報を生成してもよい。
探索結果生成部106dは、経路探索部106bにより算出された第1計算値と第2計算値とに基づいて探索結果情報を生成する探索結果生成手段である。例えば、第1計算値と第2計算値とを比較した結果を数値化した値を算出し、算出した値である比較結果値基づいて探索結果情報を生成する。ここで、比較結果値は、差、比、割合、および順位等である。本実施形態では、比較結果値として、第1計算値と第2計算値の差である差分値を用いて説明する。
ここで、探索結果生成部106dは、差分値に基づいて、差分値が同等のノード、リンク等で構成されるエリア(等比較結果値エリア。本実施形態においては、等差分値に基づくので「等差分値エリア」と呼ぶ。)を他のエリアと区別し得る態様で、地図情報データベース104bの地図データに重畳させた探索結果情報を生成する。一例として、探索結果生成部106dは、差分値に基づいて、等差分値ポリゴンを生成する。等差分値ポリゴンは、例えば、差分値が同等であるような点を結んだ閉曲線や多角形で囲まれたポリゴンである。なお、ここで同等とは、第1計算値と第2計算値が等しいこと、および/または、第1計算値と第2計算値が共に所定の範囲内の値であることを意味する。すなわち、到達時間を例にとると、値が30分である差分値を持つもののみで等差分値エリアを形成してもよいし、値が10分から30分である差分値を持つもので等差分値エリアを形成してもよい。
また、等差分値エリアの算出方法の他の例として、探索結果生成部106dは、経路探索部106bにより算出された第1計算値が同等の範囲のエリアと、第2計算値が同等の範囲のエリアと、を比較することにより、等差分値エリアを抽出してもよい。より具体的には、探索結果生成部106dは、第1計算値が同等のエリアと、第2計算値が同等のエリアを重ね合わせることによって、差分値が同等の等差分値エリアを抽出する。すなわち、探索結果生成部106dは、第1計算値から第2計算値を減算することにより差分値を求めるのではなく、エリア同士の重ねあわせによって、その差分領域である等差分値エリアを直接求める。
また、探索結果生成部106dは、地図情報データベース104bに記憶された地図データに、POI検索部106fにより検索されたPOI等の目的地候補を重畳させた表示画面を含む探索結果情報を生成してもよい。その際、探索結果生成部106dは、目的地候補に対応付けて差分値等を示してもよく、起点位置や、目的地候補、起点位置から目的地候補までの経路(最短経路や最短時間経路等)を地図データ上に重畳させてもよい。
また、探索結果生成部106dは、等差分値エリアによる探索結果情報を生成することに限られず、差分値に基づいて、リスト形式で探索結果情報を生成してもよい。より具体的には、探索結果生成部106dは、POI等の目的地候補に、差分値を対応付けた一覧表等を生成してもよく、差分値に基づいて起点位置条件の違いによる影響度合いが多いものから順にソートしたリストを探索結果情報として生成してもよい。なお、目的地候補の数が所定数以上の場合に、探索結果生成部106dは、差分値に従って上位のものだけフィルタリングしてリスト化した探索結果情報を生成してもよい。
探索結果送信部106eは、探索結果生成部106dにより生成された探索結果情報を、端末装置200に送信する探索結果情報送信手段である。
POI検索部106fは、POI情報データベース104cに記憶されたPOIの地点情報(POI情報)から、POIを目的地候補として検索するPOI探索手段である。ここで、POI検索部106fは、経路探索部106bにより到達圏が探索された後に到達圏内のPOIを検索することに限られず、経路探索部106bにより起点位置からの探索経路が拡散されると同時に、POI検索部106fは、拡散される探索経路に基づいて、POI情報データベース104cから探索経路のリンク付近のPOIを、目的地候補として検索してもよい。すなわち、経路探索部106bが探索経路を拡散させる際に、POI検索部106fは、POI情報データベース104cに記憶されたPOIの地点情報に基づいて、当該拡散中の探索経路のリンク上または探索経路のリンク付近に存在するPOIを目的地候補として取得してもよい。なお、POI検索部106fは、探索条件受信部106aにより受信された探索条件にPOI検索条件が含まれる場合に、当該POI検索条件(施設カテゴリ等)に合致するPOIに絞込み検索を行ってもよい。
次に、端末装置200の説明にうつる。端末装置200は、探索条件をサーバ装置100に送信し、サーバ装置100から送信される探索結果情報を受信し、受信した探索結果情報を出力部206に出力する等の機能を有する。
端末装置200は、サーバ装置100とネットワーク300を介して接続され、ユーザが使用する装置である。例えば、一般に市販されるパーソナルコンピュータ等の情報処理装置、携帯電話、スマートフォン等の携帯端末装置、および走行経路案内等を行なうナビゲーション端末(例えば、カーナビゲーション装置)等である。端末装置200は、インターネットブラウザや、経路案内アプリケーション等を搭載している。
また、端末装置200は、本実施形態において、通信制御インターフェース部202、入出力制御インターフェース部204、出力部206、入力部208、位置情報取得部210、端末記憶部212、および端末制御部214を備える。
このうち、通信制御インターフェース部202は、通信回線や電話回線等に接続されるアンテナやルータ等の通信装置(図示せず)に接続されるインターフェースであり、端末装置200とネットワーク300との間における通信制御を行う機能を有する。すなわち、通信制御インターフェース部202は、サーバ装置100等と通信回線を介してデータを通信する機能を有している。
入出力制御インターフェース部204は、出力部206、入力部208、および位置情報取得部210等の制御を行う。
出力部206は、表示案内データ等の表示画面を表示する表示手段(例えば、液晶や有機EL等から構成されるディスプレイ等)のほか、サーバ装置100から受信した探索結果情報を音声として出力する音声出力手段(例えば、スピーカ等)である。入力部208は、例えば、キー入力部、タッチパネル、キーボード、マイク等である。
位置情報取得部210は、例えば、位置情報発信装置500から発信される位置情報信号を受信する位置取得手段である。ここで、位置情報発信装置500は、位置情報信号(GPS信号)を発信するGPS装置、IMES(Indoor
Message System)技術を実現するIMES装置、無線LANのアクセスポイント等である。また、本実施形態において、端末制御部214は、位置情報取得部210にて取得された位置情報信号から、緯度、経度、および、高さ情報を含む位置情報を算出する。ここで、位置情報は、緯度および経度により特定される絶対位置の他、基準となる位置からの相対位置を示すものであってもよい。
また、位置情報取得部210は、例えば、加速度センサにて検出した端末装置200の加速度情報、方位センサにて検出した端末装置200の進行方向等の方位情報、距離センサにて検出した距離情報、および、地図データに基づいて端末装置200の利用者の現在位置を示す位置情報を取得してもよい。
端末記憶部212は、HDDやSSD等の大容量のストレージ手段、および/または、SRAM(Static
Random Access Memory)等を用いて構成される小容量高速メモリ(例えば、キャッシュメモリ)等のストレージ手段であり、各種のデータベースやファイルやテーブルを格納する。ここで、端末記憶部212は、外部機器等から受信した地図データや、サーバ装置100から受信した探索結果情報などの各種のファイル等を一時的に記憶するものであってもよい。
案内データファイル212aは、案内データを記憶する案内データ記憶手段である。案内データファイル212aに記憶される案内データは、案内経路上において出力される音声案内データや表示案内データ等のデータである。案内データファイル212aは、端末装置200の端末制御部214によって、定期的に、および/または、端末制御部214による処理に応じて(例えば、端末制御部214においてデータが必要となる契機等)、ネットワーク300を介して最新の案内データを外部機器(例えば、案内データを提供する案内データ提供サーバなど)等からダウンロードして案内データファイル212aに記憶された案内データをアップデートしてもよい。
端末制御部214は、OS等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、端末制御部214は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。端末制御部214は、機能概念的に、現在位置情報取得部214a、探索条件設定部214b、探索条件送信部214c、探索結果受信部214d、および、探索結果出力部214eを備える。
このうち、現在位置情報取得部214aは、端末装置200の利用者の現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段である。ここで、現在位置情報取得部214aは、端末装置200の利用者の現在位置情報を所定周期ごと(例えば、1秒ごと等)に取得する。また、現在位置情報取得部214aは、位置情報取得部210にて位置情報発信装置500から受信した位置情報信号に基づいて算出した位置情報を、端末装置200の利用者の現在位置情報として取得してもよい。さらに、現在位置情報取得部214aは、端末装置200の進行方向等の方位情報や加速度情報を、端末装置200の利用者の現在位置情報として取得してもよい。また、現在位置情報取得部214aは、利用者により入力部208を介して入力された現在位置についての位置座標等を端末装置200の利用者の現在位置情報として取得してもよい。ここで、利用者により入力部208を介して入力された現在位置は、利用者が現実に存在する位置であってもよく、利用者により任意に選択された仮想の現在位置(一例として、東京にいる利用者により選択された大阪の駅や空港等の任意の地点)であってもよい。なお、現在位置情報取得部214aは、利用者の現在位置情報とともに、当該現在位置情報を取得した日時情報を取得してもよい。
探索条件設定部214bは、起点位置を少なくとも含む探索条件を設定する探索条件設定手段である。例えば、探索条件設定部214bは、現在位置情報取得部214aにより取得された現在位置情報に基づく現在位置を起点位置として設定してもよく、予め端末記憶部212に記憶された起点位置を設定してもよい。起点位置を示す起点位置条件のほか、探索条件は、終点位置、探索範囲、到達時間や距離、料金などの計算値の条件、POI検索条件(利用者の嗜好や施設カテゴリなど)、移動手段条件、加味する変動要因や許容する影響度合い等を含んでもよい。探索条件設定部214bは、これらの探索条件を、入力部208を介して利用者に入力させるよう制御してもよく、モニタ等の出力部206の画面に出力中の地図領域を検索範囲として探索条件に設定してもよい。また、探索条件設定部214bは、利用者にキーワードを入力させてPOI検索条件に設定してもよい。なお、起点位置は、出力部206に表示された地図上の位置をタッチパネル等の入力部208を介して利用者に入力させることにより設定させてもよく、現在位置情報取得部214aにより取得される現在位置情報に基づく端末装置200の利用者の現在位置であってもよい。また、起点位置は、利用者が検索したPOIの位置であってもよい。また、起点位置は、ネットワーク300を介して外部から取得した他の利用者の現在位置や、他の利用者が指定した位置であってもよい。なお、探索条件設定部214bは、現在位置情報取得部214aにより現在位置情報が更新される毎に起点位置を再設定してもよいし、外部から取得した他の利用者の現在位置が更新される毎に起点位置を再設定してもよい。なお、探索条件は、更に、出発時刻を含んでいてもよい。ここで、出発時刻は、現在時刻であってもよく、現在位置情報が取得された日時であってもよく、利用者により入力された日時であってもよい。
探索条件送信部214cは、探索条件設定部214bにより設定された探索条件をサーバ装置100に送信する探索条件送信手段である。探索条件送信部214cは、探索条件設定部214bにより探索条件が設定される毎に(例えば、起点位置が再設定される毎に)当該探索条件を送信してもよい。なお、2回目以降の送信においては、探索条件送信部214cは、追加の条件のみ(例えば、起点位置、POIの絞り込み条件など)を探索条件として送信してもよい。
探索結果受信部214dは、サーバ装置100から送信される、探索結果情報を受信する探索結果受信手段である。
また、探索結果出力部214eは、探索結果受信部214dにより受信された探索結果情報を、出力部206に出力する探索結果出力手段である。例えば、探索結果出力部214eは、探索結果情報をモニタ等の出力部206に表示させてもよく、探索結果情報に従ってスピーカ等に音声出力してもよい。なお、探索結果出力部214eは、探索結果情報に含まれる経路において、現在位置情報取得部214aにより取得される現在位置情報の更新に従って、案内データファイル212aに記憶された案内データ等を参照して、音声案内や表示案内等の経路案内を行ってもよい。
以上で、本実施形態における探索結果生成システムの構成の一例の説明を終える。
次に、このように構成された本実施形態における探索結果生成システムの基本処理の一例について、以下に図2から図4を参照して詳細に説明する。図2は、第1の実施形態における探索結果生成システムの基本処理の一例を示すフローチャートである。
図2に示すように、まず、端末装置200の探索条件設定部214bは、少なくとも第1起点位置条件を含む第1探索条件と、第2起点位置条件を含む第2探索条件と、を設定する(ステップSA−1)。例えば、第1起点位置条件にはH空港が設定され、第2起点位置条件にはH空港以外の起点位置が設定される。一例として、第2起点位置条件のN空港が設定される。
そして、端末装置200の探索条件送信部214cは、探索条件設定部214bにより設定された第1探索条件と第2探索条件とを、サーバ装置100に送信する(ステップSA−2)。
そして、サーバ装置100の探索条件受信部106aは、端末装置200から送信された第1探索条件と第2探索条件とを受信する(ステップSA−3)。
そして、サーバ装置100の経路探索部106bは、ネットワーク情報データベース104aに記憶されたネットワークデータに基づいて、探索条件受信部106aにより受信された、第1探索条件に基づいて第1到達圏を探索し、計算値算出部106cは、起点位置から第1到達圏内の目的地候補までの計算値である第1計算値を算出する(ステップSA−4)。例えば、経路探索部106bは、起点位置がH空港である第1探索条件に基づいて、ネットワーク情報データベース104aに記憶された交通ネットワークデータを用いて、起点位置から到達圏探索を実施して第1到達圏を探索するとともに、第1到達圏内の所定位置までの経路を探索する。その後、計算値算出部106cは、起点位置がH空港である場合の到達時間(以下、「H空港からの到達時間」と呼ぶことがある)を第1計算値として算出する。
そして、サーバ装置100の経路探索部106bは、第2の探索条件に基づいて第2到達圏を探索し、計算値算出部106cは、起点位置から第2到達圏内の目的地候補までの計算値である第2計算値を算出する(ステップSA−5)。例えば、経路探索部106bは、起点位置がN空港である第2探索条件に基づいて、ネットワーク情報データベース104aに記憶された交通ネットワークデータを用いて、起点位置から到達圏探索を実施して第2到達圏を探索するとともに、到達圏内の所定位置までの経路を探索する。その後、計算値算出部106cは、起点位置がN空港である場合の到達時間(以下、「N空港からの到達時間」と呼ぶことがある)を第2計算値として算出する。
そして、サーバ装置100の探索結果生成部106dは、第1計算値と第2計算値との差分値を算出し、差分値に基づく情報である探索結果情報を生成する(ステップSA−6)。例えば、探索結果生成部106dは、第1計算値と第2計算値との差や比や割合等を差分値として算出する。また、探索結果生成部106dは、差分値に基づいて、等差分値エリアを他のエリアと区別し得る態様で、地図情報データベース104bの地図データに重畳させた探索結果情報を生成する。ここで、等差分値エリアの算出方法の例を、図3および図4を参照して以下に説明する。図3は、ノードにおける起点位置の違いによる到達時間の差分である差分到達時間に基づいて等差分値エリアを求める一例を示す図である。図3において、円は、ノードを表し、円を結ぶ線は、リンクを表しており、円内の数字は、起点位置からの当該ノードまでの差分到達時間を示している。
探索結果生成部106dは、経路探索部106bによって算出された、対象日時におけるH空港からの到達時間と、経路探索部106bによって算出された、対象日時におけるN空港からの到達時間との差分を求めることによって、図3に示すように、各ノードまでの差分到達時間を求めることができる。ここで、各ノード間のリンク上の任意の地点までの差分到達時間は未知であるが、探索結果生成部106dは、当該リンクの両端のノードの差分到達時間を線形補完する等により、当該地点における差分到達時間を算出する。図3の太線は、そのようにリンク上に求めた差分到達時間について、所定の値のもの同士を結んだものである。例えば、図中の六角形は、差分到達時間が20分の6地点を結んだものであり、この六角形の内側は、差分到達時間が20〜25分の領域を表すことになる。このように、探索結果生成部106dは、ノードないしリンク上の地点における差分値が等しい地点同士を結んだ等差分値ポリゴン等を等差分値エリアとして生成する。なお、図中には、差分到達時間が15分の6地点を結んだものも表されているが、この図の範囲においては、閉じた多角形になっていない。このような閉じた多角形になっていない場合や、生成したポリゴンが、面積や幅が所定値より小さい場合等には、探索結果生成部106dは、これらを省略してもよく、また、複雑な形状の場合には、可視性向上のため簡略化するといった処理を行ってもよい。
つづいて、等差分値エリアの算出方法の他の例を、図4を参照して説明する。図4は、図形演算によって等差分値エリアを求める一例を示す図である。図4において、S1はH空港を示し、S2はN空港を示す。実線の円は、経路探索部106bによって算出された、対象日時におけるH空港からの到達時間が所定の値(この例では、1,2,3,4時間)である範囲を示している。また、破線の円は、経路探索部106bによって算出された、対象日時におけるN空港からの到達時間が所定の値(この例では、1,2,3,4時間)である範囲を示している。
図4に示すように、探索結果生成部106dは、経路探索部106bにより算出された、H空港からの到達時間が同等のエリアと、N空港からの到達時間が同等のエリアを重ね合わせることによって、差分値が同等の等差分値エリアを抽出する。例えば、図中の最も濃い色で示した2つの領域のうちS1に近い領域(右側の領域)は、N空港からの到達時間が2〜3時間の範囲内であって、かつ、H空港からの到達時間が0〜1時間の範囲内であるので、その差の最小値(0−3)から最大値(1−2)である−3〜−1時間が差分到達時間である領域として等差分値エリアを求めることができる。このように、探索結果生成部106dは、エリア同士の重ねあわせによって図形演算を行って、その差分領域である等差分値エリアを求めてもよい。すなわち、探索結果生成部106dは、第1計算値が同等の範囲のエリアと、第2計算値が同等の範囲のエリアと、を比較することにより、等差分値エリアを抽出してもよい。なお、探索結果生成部106dは、このように求めた等差分値エリアも、加工しやすいようポリゴン(等差分値ポリゴン)として生成する。なお、探索結果生成部106dは、ポリゴン等の省略化や形状の簡略化を行ってもよい。
再び図2に戻り、サーバ装置100の探索結果送信部106eは、探索結果生成部106dにより生成された探索結果情報を、端末装置200に送信する(ステップSA−7)。
そして、端末装置200の探索結果受信部214dは、サーバ装置100から送信された探索結果情報を受信する(ステップSA−8)。
そして、端末装置200の探索結果出力部214eは、探索結果受信部214dにより受信された探索結果情報を、出力部206に出力する(ステップSA−9)。例えば、探索結果出力部214eは、探索結果情報に従ってモニタ等の出力部206に表示させる。また、利用者により目的地候補の一つが入力部208を介して選択された場合、探索結果出力部214eは、探索結果情報に含まれる起点位置から当該目的地までの経路において、現在位置情報取得部214aにより取得される現在位置情報の更新に従って、案内データファイル212aに記憶された案内データ等を参照して、音声案内や表示案内等の経路案内を行う。なお、端末装置200は、探索結果情報に当該目的地までの経路を示す情報が格納されていない場合、探索条件送信部214cにより、当該経路を示す情報の要求(選択された目的地を含む探索条件等)をサーバ装置100に送信して、サーバ装置100から当該経路を示す情報を含む探索結果情報を受信する。
以上が、本発明の実施形態における探索結果生成システムの基本処理の一例である。ここで、前述したステップSA−1〜ステップSA−9の処理が繰り返されるよう制御してもよい。例えば、端末装置200の探索条件送信部214cが、現在位置情報取得部214aにより現在位置情報が更新される毎に、探索条件設定部214bにより再設定された起点位置を含む探索条件をサーバ装置100に送信することにより、前述したステップSA−1〜ステップSA−9の処理が繰り返されるよう制御する。また、POI等の目的地候補が多すぎる場合に、利用者が入力部208を介して絞込み条件を入力することによって探索条件を再設定してもよい。この場合、前述したステップSA−1〜ステップSA−9の処理を全て繰り返す必要はなく、サーバ装置100のPOI検索部106fが、既に検索したPOI群に対して、絞り込み条件に合致するものを選んでもよく、あるいは、サーバ200に絞り込み条件を送信することなく端末装置200の探索結果出力部214eが同様の絞込み処理を行ってもよい。
つづいて、本実施形態における探索結果生成システムの探索結果情報の他の例について図5から図8を参照して説明する。
図5は、差分到達時間毎の等差分値ポリゴンと、第1到達圏に関する等計算値ポリゴン、すなわち、H空港からの到達時間毎の等計算値ポリゴンとが、地図上に重畳された例を示す図である。図5において、「S1」は、第1起点位置条件の起点位置であるH空港の位置を示し、「1h」の文字が付された一点鎖線は、H空港からの到達時間が1時間までの範囲を示し、「2h」の文字が付された破線は、H空港からの到達時間が2時間までの範囲を示し、「3h」の文字が付された太い実線はH空港からの到達時間が3時間までの範囲を示している。なお、「S2」は、第2起点位置条件であるN空港の位置を示している。
図5に示すように一例として、探索結果生成部106dは、H空港からの到達時間(1,2,3時間)毎のポリゴンの外延を地図上に明示した探索結果情報を生成する。なお、探索結果生成部106dは、重ね合わせたポリゴンの表示と非表示が切り替えられるように探索結果情報を生成してもよい。この例では、H空港からの到達時間毎のポリゴンと、差分到達時間毎のポリゴンとが重ね合わされた結果、その一部の差分領域が、網目の領域と縦縞の領域として表示されている。すなわち、図5において、網目の領域は、差分到達時間(H空港からの到達時間−N空港からの到達時間)が−30分以下であって、かつ、H空港からの到達時間が90〜180分の領域を示している。この網目の領域(例えば「H空港優位エリア」)によって、H空港からの移動がN空港からの移動に比して優位な領域を利用者に分かり易く提示することができる。なお、この例では、起点位置付近のエリアが入らないように到達時間の条件を加味しているが、これに限られず到達時間の条件を加味しなくともよい。また、図5において、縦縞の領域は、差分到達時間が30分以上であって、かつ、H空港からの到達時間が90分〜180分の領域を示している。この縦縞の領域(例えば「N空港優位エリア」)によって、N空港からの移動がH空港からの移動に比して優位な領域であることを、利用者に分かり易く提示することができる。なお、この場合も到達時間の条件を加味しなくともよい。このように、探索結果生成部106dは、エリア同士の重ねあわせによって図形演算を行って、その差分領域である等差分値エリアを求めることで、利用者に必要な情報(起点位置の違いの影響度合い)を分かり易く提示することができる。なお、さらに、N空港からの到達時間毎のポリゴンも合わせて表示してもよく、N空港からの到達時間毎のポリゴンについても表示非表示を切り替えられるように探索結果情報を生成してもよい。
また、図5に示すように、探索結果生成部106dは、POI検索部106fにより検索されたPOIの目的地候補(図中のN,K,F,H,Y温泉)を、地図上の地点に重畳的に表示させる探索結果情報を生成してもよい。その場合、探索結果生成部106dは、図5に示すように、各目的地候補のPOI名だけでなく、その地点までのH空港からの到達時間(図中括弧外の数値)と差分到達時間(図中括弧内の数値)を合わせて付加してもよい。また、図5に示すように、探索結果生成部106dは、探索条件に関する表記を加えてもよい。例えば、第1起点位置条件を示す「H空港」との表記を加えてもよい。
また、図6に示すように、探索結果生成部106dは、目的地候補の地点が含まれるエリアに応じた表記を加えてもよい。例えば、目的地候補の地点が前述した「N空港優位エリア」に含まれる場合、当該エリア内にあることを示す「N空港」との表記を加えてもよく、同様に「H空港優位エリア」に含まれる場合、当該エリア内にあることを示す「H空港」との表記を加えてもよい。その場合、優位な起点位置からの到達時間(図中括弧外)を表記してもよい。また、差分到達時間の代わりに、優位な起点位置からの到達時間から他方の起点位置からの到達時間を引いた時間(図中括弧内の数値)を表記してもよい。
なお、探索結果生成部106dは、地図上に目的地候補の地点を重畳表示させる探索結果情報を生成することに限られず、目的地候補をリスト形式で表記させる探索結果情報を生成してもよい。ここで、図7は、探索結果生成部106dにより生成される、POIの目的地候補のリストの一例を示す図である。
図7に示すように、探索結果生成部106dは、前述したPOIの目的地候補(F,Y,K,H,N温泉)を、リスト形式で表す探索結果情報を生成してもよい。その際、探索結果生成部106dは、図7に示すように、各目的地候補のPOI名(地名)に対応付けて、POI情報データベース104cに記憶された温泉や紅葉に関する評判データや、経路探索部106bにより算出されたH空港からの到達時間や、探索結果生成部106dにより算出された差分到達時間、等差分値エリア内にあることを示す情報(「H空港」または「N空港」)等を、リストに付加する。なお、図中の黒逆三角形は、ソートボタンを示しており、利用者が端末装置200の入力部208を介して当該ソートボタンを押下すると、各項目について昇順または降順に並べ替えできるよう構成されている。ここで、端末装置200の探索結果出力部214eは、項目毎のソートを実行するのではなく、複数の項目について利用者に優先度を入力させてもよい。ここで、図8は、探索結果出力部214eにより制御される、複数の項目について優先度を入力させるためのレーダーチャート形式のユーザーインターフェースの一例を示す図である。
図8に示すように、一例として、探索結果出力部214eは、温泉の評判を優先するか、紅葉の評判を優先するか、H空港からの移動が優位であることを優先するか、近いこと(到達時間が短いこと)を優先するか、の4つの項目について優先度を入力させる。具体的には、探索結果出力部214eは、図中のレーダーチャートの黒丸印を利用者に、ポインタ等の入力部208を用いてドラッグアンドドロップさせることにより、各項目の優先度を変更させてもよい。探索結果出力部214eは、複数の項目間の優先度に基づいて目的地候補のソートを実行する。また、端末装置200の端末制御部214は、POIの再検索要求をサーバ装置100に送信して、利用者の嗜好に沿ったPOI情報を受信して表示させてもよい。ここで、図9は、ポインタの動きに合わせて地図上に重畳表示されるPOIの目的地候補の一例を示す図である。なお、図9の「S」は、第1起点位置条件の起点位置または第2起点位置条件の起点位置のいずれかのうち利用者に指定されたものを示し、手のマークは、マウスやタッチパネル等の入力部208を介して制御可能なポインタ位置を示し、星印は、目的地候補を示し、起点位置からポインタ位置までの太線は、経路を示している。
図9に示すように、探索結果出力部214eにより表示された地図上で、利用者が入力部208を用いてポインタ位置を動かした場合、探索条件設定部214bは、当該ポインタ位置に対応する地図上の地点情報(緯度経度等)を含むPOI再探索要求を設定し、探索条件送信部214cは、設定されたPOI再探索要求をサーバ装置100に送信する。サーバ装置100は、POI検索部106fの処理により、地点情報の周辺のPOIをPOI情報データベース104cから再検索して、探索結果送信部106eの処理により、端末装置200に送信される。そして、端末装置200は、探索結果受信部214dの処理により受信されたPOI情報を、探索結果出力部214eの処理により、図9の各POI目的地候補に示すように、出力部206に表示中の地図上に重畳表示させる。なお、このように端末装置200がPOIの再探索要求を行うのではなく、予め探索結果情報にPOI情報が格納されていてもよい。すなわち、サーバ装置100の探索結果生成部106dは、到達圏内でPOI検索条件に合致するPOI情報を表示/非表示が切り替えられるように探索結果情報に格納して生成してもよい。また、探索結果出力部214eは、当該探索結果情報に基づいて、はじめはPOI情報を地図上で非表示にしておき、利用者が入力部208を介してポインタを動かすと、当該ポインタ位置に対応する地図上の地点付近のPOI情報を表示してもよい。なお、POIに限らず、ポインタ位置に連動させて、その地点までのルートや到達時間や差分到達時間等が、再計算および/または表示されるように構成してもよい。
以上のように、本実施形態によれば、利用者は、起点位置の違いによる影響を直感的に把握することができるので、利用者の起点位置に適したお得な旅行をプランニングすることができる。例えば、利用者がN空港を利用することが決まっている場合、「せっかく○○地方に行くのにN空港を利用するのだから、N空港だからこそ行きやすいところに行きたい」という利用者の要望に対応することができる。すなわち、H空港から移動すると時間がかかり行きづらいが、N空港から移動すると時間がかからず行きやすい場所を、目的地候補として提示することができる。
また、本実施形態によれば、利用者が事業者(例えば、空港、コンビニ、アミューズメントパーク)である場合に、利用者は他の同カテゴリの事業者に対して、自事業所からアクセスが便利なスポットやエリアを直感的に把握できるので、それらのスポットやエリアを踏まえた広報活動をおこなえる。例えば、事業者が空港運営会社である場合、自空港の利用が便利なエリアに対するキャッチコピーを作成することができる(例えば、「A温泉に行くなら、H空港を。」)。
以上で、本発明の実施形態の説明を終える。
[他の実施の形態]
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、前述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
特に、前述した実施の形態においては、経路探索部106bは、到達圏探索を用いて起点位置から到達圏内の所定位置までの経路を求める例を用いて説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、経路探索部106bは、起点位置から各所定位置までの1対1探索を所定位置の数だけ繰り返すことで、起点位置から各所定位置までの経路を求めてもよい。
また、前述した実施の形態においては、計算値として経路の到達時間を算出し、到達時間の差分値を数値化して利用者に提示する例を主として説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、計算値として所要料金や移動距離を算出し、それぞれの差分値を数値化して利用者に提示するようにしてもよい。
また、前述の実施の形態においては、経路探索部106bによる到達圏探索の終了条件は、予め定めた又は探索条件の、探索範囲や、起点からの到達時間や距離、料金等に到達した場合であってもよく、POI情報データベース104cに記憶された全てのPOI(POI検索条件が指定された場合は条件を満たす全てのPOI)に到達した場合であってもよいとして説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、第1到達圏または第2到達圏の一方に基づいて、他方の到達圏探索の終了条件を設定してもよい。具体的には、第1到達圏が算出された後、第1到達圏の圏線を、第2到達圏を探索する際の終了条件に設定してもよい。
また、前述の実施の形態においては、第1探索条件および第2探索条件は端末装置200において設定される例を用いて説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、第1探索条件と第2探索条件は、サーバ記憶部104に予め記憶されているものでもよい。この場合、サーバ装置100は、端末装置200から起点位置のみを受信して、探索結果を生成し、計算値および差分値を算出する。
また、経路探索部106bは、第1探索条件に基づいて、第2探索条件を決定するようにしてもよい。例えば、第1探索条件と第2探索条件の対応表(図示しない)を予めサーバ記憶部104に記憶しておき、受信した第1探索条件に応じて第2探索条件を対応表から決定するようにしてもよい。この場合、サーバ装置100は、端末装置200から第2探索条件のみを受信して、到達圏探索結果を生成し、計算値および差分値を算出する。
なお、前述した実施の形態においては、起点位置が2つの場合を例にして説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、起点位置が3つの場合、探索結果生成部106dは、第1計算値、第2計算値、第3計算値に基づいて、3つの到達圏の重なり部分の表現を決定するようにしてもよい。例えば、基準となる計算値に基づいて、基準となる計算値の順位に基づいて重なり部分の表現を決定する。具体的には、第1起点位置を基準にした場合は、第1計算値が第2計算値および第3計算値に比べて優れている場合と、第1計算値が一方に比べて優れているがもう一方に比べて劣っている場合と、第1計算値が双方どちらにも劣っている場合とで色の濃淡を切り替える様にしてもよい。
また、探索結果生成部106dは、所定位置における計算値に基づいた棒グラフを生成して、複数の起点位置の優位性を表現してもよい。具体的には、第1計算値、第2計算値、第3計算値を下から積み上げた合計値で棒グラフの長さを決定し、第1計算値、第2計算値、第3計算値の割合が識別できるように棒グラフを生成してもよい。さらに、タッチパネルなどの入力部208を介して、利用者から当該棒グラフの第1計算値に対する入力を受け付けると、第2計算値、第3計算値のエリアに第1計算値との差分値を出力するようにしてもよい。
なお、前述した実施の形態においては、起点位置を出発地として、起点位置から到達圏探索を行うことにより、等差分値エリアおよび/または目的地候補を抽出する例について説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、起点位置を目的地として、起点位置から到達圏探索を行うことにより、等差分値エリアおよび/または出発地候補を抽出するようにしてもよい。その場合、計算値は前述の実施例と同様に算出する。これにより、起点位置までの等差分値エリアや出発地候補ごとにアクセスしやすい起点位置が異なることを把握でき、起点位置が空港や観光エリア等の事業者であれば、広告の出稿先(例えば、ライバル空港より自空港の方がアクセスしやすいエリア)や宣伝文句の検討が容易になるという効果が得られる。
また、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
このほか、前記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメタを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、端末装置200およびサーバ装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
例えば、端末装置200およびサーバ装置100の各装置が備える処理機能、特にサーバ制御部106および202にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて端末装置200およびサーバ装置100に機械的に読み取られる。
また、このプログラムは、端末装置200およびサーバ装置100に対して任意のネットワーク300を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
また、プログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、SDカード、CD−ROM、等の任意の「可搬用の物理媒体」を含む。
また、プログラムは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、プログラムは必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OS(Operating
System)に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷等に応じて、または、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、前述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。