JP6164828B2 - 手術器の位置検出システムおよび送信アンテナ - Google Patents

手術器の位置検出システムおよび送信アンテナ Download PDF

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Description

本発明は、手術器の位置を検出するシステムに関し、より詳細には、ダイポール型の送信アンテナと、3本以上の受信アンテナを有する受信アンテナアレイと、受信信号から送信アンテナの位置座標を求める信号処理部とを備え、MRI装置の強磁場下においても患者の体内に挿入された手術器の位置検出が可能な、可搬型の位置検出システムおよび送信アンテナに関する。
近年、ロボットおよび通信装置を使用して、遠隔走査により手術を行うシステムの研究および開発がなされている。医師が遠隔操作により手術を行う場合、遠隔地にいる患者の体内に挿入された電気メス等の手術器の位置を、正確に検出して医師に提示する必要がある。このような遠隔操作による患者の手術は、例えばMRI(核磁気共鳴画像法)等の画像診断法と組み合わされて、リアルタイムに行われる。
下記特許文献1には、磁気共鳴撮像中に対象物の位置および向きを推定する方法および装置が開示されている。この装置または方法によると、MRI装置の高周波勾配磁場(64MHz)を利用して、3次元の磁場センサ20を通じて位置信号を抽出して演算処理を行い、手術器の3次元位置を計測することができる。3次元の磁場センサ20は、3つの直交コイル22,24,26を通じて検出される、XYZ3軸方向の磁場強度信号を検出して処理する。
特表2011−509109号公報
しかしながら、特許文献1に記載の装置は、超伝導磁石による強力な勾配磁場を利用することが前提となっており、MRI装置と共に利用することが必要不可欠であるという問題があった。さらに、MRIの走査範囲における磁場分布はMRI装置毎に異なっているので、特許文献1に記載の装置を用いるためには、MRIの走査範囲における磁場分布を事前に正確に把握したうえで、MRI装置の磁場特性との合わせ込み調整(マッチング)が必要となり、装置の取り扱いが煩雑であるという問題があった。
また、MRI装置が超伝導磁石による強力な勾配磁場を利用することから、MRI装置自体が比較的大型となり、特許文献1に記載の装置を構成として含む手術器の位置検出システムも全体として大型になるという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、MRI装置の強磁場下においても患者の体内に挿入された手術器の位置検出が可能な、可搬型の位置検出システムおよび送信アンテナを提供することにある。
上記目的を達成するための、本発明に係る送信アンテナは、ダイポールアンテナを構成する第1の放射素子および第2の放射素子と、略中心部を貫く孔を有し、前記孔により前記第1の放射素子および第2の放射素子を覆う強誘電体本体と、前記強誘電体本体の表面に配置された第1の被覆金属および第2の被覆金属と、を備え、高周波発振器に接続されたケーブルを介して、前記第1の放射素子および前記第2の放射素子に高周波が給電され、前記第1の放射素子および前記第2の放射素子が、ヘリカル形状またはメアンダ形状のダイポールアンテナである。
また、本発明に係る位置検出システムは、患者の体内に挿入された手術器の位置座標を特定するシステムであって、前記手術器に取り付けられた送信アンテナと、前記送信アンテナからの電波を受信する少なくとも3本の受信アンテナと、前記受信アンテナの各々が受信した電波から、前記送信アンテナの位置座標を求める信号処理部とを備え、前記送信アンテナが、ダイポールアンテナを構成する第1の放射素子および第2の放射素子と、略中心部を貫く孔を有し、前記孔により前記第1の放射素子および第2の放射素子を覆う強誘電体本体と、前記強誘電体本体の表面に配置された第1の被覆金属および第2の被覆金属と、を備え、高周波発振器に接続されたケーブルを介して、前記第1の放射素子および前記第2の放射素子に高周波が給電され、前記第1の放射素子および前記第2の放射素子が、ヘリカル形状またはメアンダ形状のダイポールアンテナである。
本発明によると、MRI装置の強磁場下においても、患者の体内に挿入された手術器の位置をリアルタイムで検出することができる。また、手術器の位置の測定に勾配磁場を利用しないので、必ずしもMRI装置と共に利用する必要がなく、MRI以外の種々の画像診断装置と組み合わせて利用することができる。仮にMRI装置と共に利用した場合であっても、MR画像に影響を与えることはない。利用前にMRI装置の磁場特性との合わせ込み調整を行う必要もない。また、MRI装置と共に利用する必要もないので、装置自体を比較的小型化することができ、容易に運搬することが可能となる。これらの特徴により、診療所(クリニック)等の比較的小規模な医療施設においても装置の導入が容易となる。また、装置の高い可搬性および小型化を実現できることにより、救急医療の現場においても装置を即座に使用することが可能となる。
また、本発明によると、手術器に取り付ける送信アンテナを小型化することができる。送信アンテナを球状の強誘電体で覆うことにより、送信アンテナから発信される電波の放射特性を球面状にすることができ、電波の発信源を点状とみなすことが可能となる。これにより、送信アンテナの座標位置の測定精度を向上させることができる。また、この球状の強誘電体の表面に、キャパシタとして機能する被覆金属を設けることにより、放射素子の共振周波数を低下させ、小型のアンテナであっても効果的に電力を供給することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る位置検出システムを概略的に説明する模式図である。 送信アンテナの位置を決定する際の測距方法を概略的に説明する模式図である。 送信アンテナと受信アンテナとの間の距離測定を可能にする回路構成を示す回路図である。 送信信号と受信信号との間の位相差φと、DBMの掛け算出力の出力電圧Doとの関係を示したグラフである。 受信アンテナアレイの一例を示す模式図である。 XYZ3次元空間における送信アンテナの位置座標Pの軌跡を示した模式図である。 XYZ3次元空間における送信アンテナの位置座標Pの軌跡を示した模式図である。 XYZ3次元空間における送信アンテナの位置座標Pの軌跡を示した模式図である。 信号処理回路の一例を示すブロック図である。 従来の半波長ダイポールアンテナの一例を示す概略断面図および側面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る送信アンテナ1を示す概略断面図および側面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る送信アンテナ1を示す概略断面図および側面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る送信アンテナ1を示す概略断面図および側面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る送信アンテナ1を示す概略断面図および側面図である。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明及び図面において、同じ符号は同じ又は類似の構成要素を示すこととし、よって、同じ又は類似の構成要素に関する説明を省略する。
1.位置検出システムの概要
本発明によると、手術器と共に患者の腹腔内に挿入可能な、電波発信源としての送信アンテナと、当該送信アンテナからの電波を受信する測距用の複数の受信アンテナと、を備える位置検出システムを提供する。本願発明では、手術器の3次元の位置検出に、磁場ではなく電波(HF帯〜VHF帯)を使用し、受信アンテナから受信した、患者の腹腔内における送信アンテナの位置に関する信号処理を、患者の腹腔外において行う。
図1は、本発明の実施の形態に係る位置検出システムを概略的に説明する模式図である。図1に示すように、本発明の実施の形態に係る位置検出システムでは、例えば電気メス等の手術器に取り付けられた送信アンテナ(TXANT)1が、患者99の体内、例えばCOガスで拡張された腹腔内に挿入される。送信アンテナ1は、極細の同軸ケーブル2を介してRF発振器3に接続され、患者99の体内において電波を発信する。送信アンテナ1からの電波は、患者99の腹腔の外側例えば手術台に取り付けられた受信アンテナアレイ4が受信する。受信アンテナアレイ4は複数の受信アンテナを備え、これら複数の受信アンテナの各々が受信した電波は信号処理回路5に入力され、所定の信号処理がなされた後、後述する座標の計算方法により、送信アンテナ1の三次元座標(位置)が決定される。
患者99の腹腔内を手術器と共に自由に移動させるために、手術器に取り付けられる送信アンテナ1の寸法は極力小型である必要がある。また、送信アンテナ1が小型化されることで、送信アンテナ1と受信アンテナアレイ4とが近接していても正確な距離測定を実現することが可能となる。送信アンテナ1の小型化については「6.送信アンテナ」欄にて後述する。
MRI装置と共に利用する場合の、MRI装置の高周波磁場(例えば、64MHzまたは120MHz)との干渉を避けるため、RF発振器3の発振周波数は、この周波数を外すことが好ましい。発振周波数がマイクロ波帯では、患者99の腹腔内での電波伝搬距離が短く、逆にあまりにも発振周波数が低いと距離分解能が低くなるので、使用する発振周波数は、VHF帯でかつ、MRI装置の高周波磁場の周波数の中間近辺である80MHzが好ましい。出力電力が0.2Wの電波を使用した場合、センシング距離は数10cm程度である。VHF帯を使用する場合、発信周波数は30MHzから0.3GHzの範囲である。
2.距離測定の原理
図2は、送信アンテナの位置を決定する際の測距方法を概略的に説明する模式図である。受信アンテナアレイ4を構成する3つの受信アンテナANT1,ANT2,ANT3間の距離は既知である。送信アンテナ1と各受信アンテナANT1,ANT2,ANT3との間の各々の距離r,r,rを測定し、これら測定値と、既知の3つの受信アンテナANT1〜ANT3間の距離とから、送信アンテナ1の位置座標P(x,y,z)を算出する。
図3は、送信アンテナと受信アンテナとの間の距離測定を可能にする回路構成を示す回路図である。説明の簡略化のために、1つの受信アンテナANT1について説明する。送信アンテナ1にはRF発振器3が接続され、受信アンテナANT1の後段には自動利得調整増幅器(AGC)6が接続される。RF発振器3の出力は遅延調整器(DLY)7に接続される。DLY7により遅延時間が補正された送信信号と、AGC6により信号の利得(gain)が調整された受信信号とが、平衡変調器(バランスド・ミキサDBM)8に入力される。DBM8の出力は、送信信号と受信信号との掛け算出力である。
送信アンテナ1と受信アンテナANT1との間の距離をRxとすると、Rxを0としたときの、DBM8の掛け算出力の直流成分が0となるように、DLY7を調整する。このような調整により、距離Rxが増加すると、受信信号の周波数と送信信号の周波数との間には位相差φが生じる。これにより、位相(距離Rx)と出力電圧Doとの関係は正弦波的に変化する。よって、送信アンテナ1を受信アンテナANT1から遠ざけて、距離Rxを0から次第に増加させてゆくと、DBM8の掛け算出力は、図4のグラフに示すように変化する。図4中に示す符号AおよびBは、図3中に示す符号AおよびBで示す信号にそれぞれ対応する。
送信信号と受信信号との掛け算を行うと、送信信号と受信信号との間の位相差φに応じて、出力電圧Doの周期は2倍で変化する。図4のグラフ中に示す波形のうち、符号Bで破線で示す波形は周期が2πであり、符号Doで示す波形は周期がπである。出力電圧Doは、位相差φが小さい範囲(±π/4:45°以下)では、略比例傾向が見られる。この範囲以上では、出力電圧Doは正弦波的に変化する。具体的には、位相差φが30°では4.5%以内、20°では2%以内、10°では0.5%以内の精度で、位相差φ(角度)と出力電圧Doとは比例関係にある。したがって、位相差φが電波の伝搬距離Rxに比例することから、出力電圧Doを測定することで、送受信アンテナ間の距離Rxを求めることができる。位相差φが小さい範囲では、出力電圧Doは、
Figure 0006164828
と表される。出力電圧Doは位相差φに比例する。距離Rxと位相差φとの関係は、電波の1波長λ=2πの関係から、
Figure 0006164828
と表される。ここで、λ:人体組織内での波長、c:光速度、f:使用する周波数、ε:人体組織の比誘電率である。
3.位置座標の計算方法
図5は、受信アンテナアレイの一例を示す模式図であり、図6〜図8は、XYZ3次元空間における送信アンテナの位置座標Pの軌跡を示した模式図である。図5では、受信アンテナアレイ4には4つの受信アンテナANT1〜ANT4が図示されているが、説明の簡略化のために、以下では、3つの受信アンテナANT1〜ANT3を使用し、これら3つの受信アンテナANT1〜ANT3が直角二等辺三角形を作るように配置されている場合について説明する。
図5に示すように、3つの受信アンテナANT1〜ANT3が一定の間隔Lで配置されている。各々の受信アンテナが受信する電波の位相は、送信アンテナ1からの距離に応じて異なっている。これら3つの受信アンテナANT1〜ANT3の各々で計測された距離r,r,rから、送信アンテナ1の3次元の位置座標P(x,y,z)が求まる。各受信アンテナの位置とそれぞれの受信アンテナからの距離r〜rが交わる点は一点のみであるから、その一点を求める。受信アンテナが設置される平面の一辺(例えばX軸)を線対称の基準として、大きさが一定値のベクトルrおよびrが作る点の軌跡は円を描くので、図6中に破線で示すこの円形の軌跡とベクトルrとが接する一点を求めればよい。ただし、考慮する円形の軌跡は、X−Y平面のZ軸が正の方向の半円(図6中に破線で示す)として、一点を求めることとする。その理由は、X−Y平面のZ軸が負の方向まで円形の軌跡を考慮すると、円形の軌跡とベクトルrとが接する点が2点になり、一点が決まらないからである。
以下、図7および図8を参照して、送信アンテナの位置座標P(x,y,z)を求め方を具体的に説明する。
図7を参照して、ベクトルrおよびrの交点が作る点のうち、X−Y平面内に作る2点をP’(x,y,0)およびP”(−x,y,0)とする。点P”を基点とした場合、点P”からX軸に引いた垂線hが三角形AP”Bの高さとなる。ベクトルrおよびrの交点が作る点は、この垂線hを半径とする円周(破線で示す)上を移動する。ベクトルrの長さがちょうどこの円に接する点が、求める位置座標P(x,y,z)である。
三角形ABCは、2辺の長さが等しい直角二等辺三角形である。2辺(線分ABおよび線分BC)の長さをLとし、X軸上において、線分ABと垂線hとの交点をmとしてmを求めると、
Figure 0006164828
から、
Figure 0006164828
となる。これより、三角形ABCの高さhは、
Figure 0006164828
と求まる。点mを中心として、Z−Y平面に平行に描いた半円上の点Pと、Y軸上の点Cからの距離がrとなる座標が、求める送信アンテナの位置座標である。なお、送信アンテナの位置座標とは、送信アンテナの中心の位置座標(中心座標)を意味する。
図8を参照して、点P(x,y,z)をX−Y平面に射影した点Qの座標は、Q(m,hcosθ,0)となる。ベクトルrは、水平成分の線分QCと垂直成分のhsinθとで構成されるので、点QからY軸に引いた垂線とY軸との交点を点Rとすると、線分RCの長さは(L−hcosθ)となる。三角形RCQについて
Figure 0006164828
が成立し、三角形PCQについて、
Figure 0006164828
となる。よって、
Figure 0006164828
が導かれる。先程の式(5)および式(6)である
Figure 0006164828
はどちらもLとrおよびrとだけで求めることができる。これらより、送信アンテナの位置座標P(x,y,z)は、
Figure 0006164828
と求まる。
4.信号処理回路
図9は、信号処理回路の一例を示すブロック図である。信号処理回路5は、信号処理前段回路部5aと、座標演算処理部5bと、表示部5cとを備えて構成される。送信アンテナ1、RF発振器3、および受信アンテナアレイ4については、図1および図3を参照して説明した通りである。図9に示す例では、受信アンテナアレイ4は4つの受信アンテナANT1〜ANT4を有している。信号処理前段回路部5aは、4つの受信アンテナANT1〜ANT4の各々に対応して、4つの処理前段回路5a−1〜5a−4を備える。
第1の受信アンテナANT1に着目して説明すると、処理前段回路5a−1は、受信アンテナANT1からの受信信号を受信して、所定の信号処理を施した後に、送信アンテナ1と受信アンテナANT1との間の距離に対応する距離信号rを、後段の座標演算処理部5bに出力する。距離信号rは、式(2)における距離Rxに相当する。
処理前段回路5a−1は、バンドパスフィルタ(BPF)9と、BPF9からの信号の利得を調整するAGC6と、RF発振器3の出力信号(送信アンテナ1への送信信号)が入力され、信号の遅延時間を補正するDLY7と、AGC6からの出力信号とDLYからの出力信号とを入力して、これら信号の掛け算出力を出力するDBM8と、ローパスフィルタ(LPF)10と、アナログ−デジタル変換器(ADC)11とを備える。
DLY7は、計測に先立って送信アンテナ1と受信アンテナANT1との間の距離を0としたうえで、受信アンテナANT1からの受信入力信号と、RF発振器3からの送信信号との位相差が90°(正確には、nを整数として、90°+n×180°)を保つように予め設定しておく。RF発振器3から供給される高周波の位相は、送信アンテナ(TXANT)1までの経路と、DBM8の入力端(図3中に符号Aで示す)までの経路とが異なる。すなわち、ケーブル長の違いにより、このままでは、距離Rxを0としても、DBM8の符号Aで示す側の入力端と符号Bで示す入力端との間の位相差が0にならない。したがって、DLY7の遅延時間を調整することで、距離Rx=0としたときの、RF発振器3からAGC6の出力までの信号Bの遅延時間(位相)と、RF発振器3からDLY7の出力までの信号Aの遅延時間とを調整し、DBM8の出力が0となるように予め調整しておく。これにより、距離Rx=0と位相差(DBM8の出力)=0の基準点を設定することができ、送信アンテナTXANT1を離して距離Rxを0から順次増大させてゆけば、位相差出力φから距離Rxを求めることができる。なお、距離Rxの増減(3次元の移動)に応じて、DBM8の出力信号は、0を基準点として正または負の方向へ増減する。
BPF9は、受信アンテナANT1からの受信信号を受信して、測定に使用する周波数(例えば、80MHz)以外のノイズ成分を除去して出力する。LPF10にはDBM8からの掛け算出力が入力され、送信周波数と受信周波数との間の位相差分(前述の位相差φ:距離信号を含む)のみが抽出される。ADC11は、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。DBM8からの掛け算出力には、位相差φすなわち距離信号が含まれているので、ADC11が出力するデジタル信号は、距離信号rのデジタル値となる。
第1の受信アンテナANT1に着目して処理前段回路5a−1を説明したが、処理前段回路5a−2も処理前段回路5a−1と同じ回路構成を有し、座標演算処理部5bに距離信号rを出力する。第3の受信アンテナANT3および処理前段回路5a−3の組、並びに第4の受信アンテナANT4および処理前段回路5a−4の組についても同様である。
座標演算処理部5bは、処理前段回路5a−1〜5a−4からの距離信号r〜rを受信して、前述した位置座標の計算方法により送信アンテナ1の位置座標P(x,y,z)を計算し、得られた位置座標Pを、送信アンテナ1の位置情報として、例えば3次元の座標軸と共に表示部5cに表示する。座標演算処理部5bには、例えば公知のパーソナルコンピュータを使用することができ、表示部5cには例えば公知の液晶モニタを使用することができる。
図9に示す例では4つの受信アンテナANT1〜ANT4を使用しているが、これら4つの受信アンテナのうち少なくとも3つを使用すれば、前述した位置座標の計算方法に基づいて、送信アンテナ1の位置座標Pを計算することができる。すなわち、4つの受信アンテナの組み合わせで測定点を増やし、これら測定値を平均化することで、位置座標Pの測定精度を向上させることができる。例えば受信アンテナが4本の場合には、4つの測定データを得ることができ、受信アンテナが5本の場合には、10の測定データを得ることができる。人体組織を構成する筋肉、脂肪、骨、水分などはそれぞれ誘電率が異なるので、測定の精度にはばらつきが生じるが、測定点を増やすことにより、誘電率のばらつきに起因する測定誤差を減少させることができる。
5.受信アンテナアレイ
図5は、本発明において使用する受信アンテナアレイの一例を示す模式図である。図5には、既知の間隔Lで略正方形状に配置された4つの受信アンテナANT1〜ANT4が図示されている。これら受信アンテナANT1〜ANT4の各々は、手術器に取り付けられた送信アンテナ1からの電波を受信する。各々の受信アンテナANT1〜ANT4が受信する電波の位相は、送信アンテナ1からの距離に応じて異なっている。送信アンテナ1からの距離が遠くなると、受信アンテナが受信する電波の位相は遅れる。3つの受信アンテナANT1〜ANT3を使用して送信アンテナ1の位置座標Pを求める方法の一例については、前述の「3.位置座標の計算方法」にて説明した通りである。位置座標Pを求めるには、少なくとも3つの受信アンテナを使用する。3つの受信アンテナを使用する場合、3つの受信アンテナANT1〜ANT3は直角二等辺三角形を成すように配置されるのが好ましい。
6.送信アンテナ
本発明において使用する送信アンテナ1は、手術器に取り付けられて患者の腹腔内に挿入される。したがって、送信アンテナ1の寸法は極力小型である必要がある。また、送信アンテナ1と受信アンテナアレイ4が近接して位置していても、送信アンテナ1の位置は正確に測定されなければならない。したがって、送信アンテナ1の電波発信源は、可能な限り点状である必要がある。
図10は、従来の半波長ダイポールアンテナの一例を示す概略断面図および側面図である。図10(a)は、全体を概略的に示す斜視図であり、図10(b)は、全体の概略断面図および側面図である。
従来のダイポールアンテナとしては、図10に示すようなスリーブアンテナが存在する。スリーブアンテナは、アンテナ素子101と金属スリーブ102とを備え、金属スリーブ102が、ダイポールアンテナの半分として、絶縁体を介して同軸給電線103の外側に配置された構造を有する。スリーブアンテナは、金属スリーブ102を同軸給電線103の一部と見なせば、実質的に1/4波長の長さと見なすことができるので、寸法を小型化することができる。しかしながら、使用する発信周波数がVHF帯の場合、1/4波長の長さは数10cmであるので、手術器の先端に取り付けるにはまだ寸法が大きい。
本発明では、従来の半波長ダイポールアンテナの放射素子をヘリカル(螺旋)状とすることで、送信アンテナ1のさらなる小型化を実現する。さらに、放射素子の周囲の電気的性質を変えることで、さらなる小型化に対処する。具体的には、高誘電率の媒体や高透磁率の媒体でアンテナ全体を覆えばよいが、高透磁率の媒体は、MRI磁場を乱しかつ媒体自体が磁気飽和を起こして実効透磁率が殆ど1となってしまう。このような理由により、仮に、MRI装置と共に送信アンテナを使用する場合に、送信アンテナをMRI装置と組み合わせて使用することができない。したがって、電気的性質の変更に高透磁率媒体の材料は使用せず、高誘電率媒体の材料を使用する。使用する材料の比誘電率εは、5000〜10000程度である。
位置測定に使用する送信アンテナの発信周波数を、MRI変調周波数の1.25倍(64MHz×1.25=80MHz)とすると、アンテナの周囲の媒体における波長λは、アンテナ全体を比誘電率ε=5000の材料で覆う場合、
λ= 3×1010m・s−1÷(80×10−1)÷50001/2
≒ 5.3cm
となる。送信アンテナ1を従来の半波長ダイポールアンテナで実現した場合、放射素子の長さはこの1/2の長さであるから、アンテナの素子長は、約2.65cmとなる。しかしながらこの寸法では、手術器の先端に取り付けるにはまだ大きい。したがって、本発明では、アンテナの放射素子をヘリカル(螺旋)状に形成することで、送信アンテナ1のさらなる小型化を実現している。
図11および図12は、本発明の第1の実施の形態に係る送信アンテナ1を示す概略断面図および側面図である。図11は、放射素子をヘリカル状に形成したスリーブアンテナを示す。図12(a)は、図11に示すアンテナをさらに強誘電体で覆った状態を示し、図12(b)は、(a)に示すアンテナをさらに被覆金属で覆った状態を示す。
本発明の第1の実施の形態に係る送信アンテナ1は、強誘電体棒21と、強誘電体スリーブ22と、ヘリカルコイル23a,23bと、強誘電体24と、被覆金属25a,25bとを備える。
図11を参照すると、強誘電体棒21は数mm程度の直径を有し、周囲にはヘリカルコイル23aが巻き付けられている。同軸ケーブル2は、芯線としての中心導体と、網組線としての外部導体と、中心導体および外部導体を電気的に絶縁する絶縁体とを備え、ヘリカルコイル23aは同軸ケーブル2の中心導体と接続する。強誘電体スリーブ22は数mm以下の直径を有する中空の筒状であり、周囲にはヘリカルコイル23bが巻き付けられている。ヘリカルコイル23bは同軸ケーブル2の外部導体と接続する。強誘電体スリーブ22の中空部分には同軸ケーブル2が挿入される。これら強誘電体棒21、強誘電体スリーブ22、ヘリカルコイル23a,23b、および同軸ケーブル2で構成される構造は、ダイポールアンテナを構成し、より詳細にはヘリカル式のスリーブアンテナを構成する。
図12を参照すると、送信アンテナ1のさらなる小型化を実現するために、ヘリカルコイル23a,23bは球状の強誘電体24で覆われる。球状の強誘電体24の中心部には孔26が形成され、球の左右の約半分ずつの領域と孔の出入口26a,26b付近の領域とには、被覆金属25a,25bが形成される。孔の出入口26a,26b付近の領域において、ヘリカルコイル23aは被覆金属25aと電気的に接続され、ヘリカルコイル23bは被覆金属25bと電気的に接続される。被覆金属25a,25bの形成には、真空蒸着法またはスパッタ法等の、金属薄膜を形成することが可能な公知のCVD法またはPVD法を使用することができる。強誘電体24の材料としては、例えばセラミックコンデンサに使用されるBTO(BaTiO:チタン酸バリウム)が望ましい。BTOの比誘電率εは数千〜約3万程度であり、使用する電波の波長を約2桁(すなわち10)程度短くすることが可能となる。
孔の左右の縁に設けられた被覆金属25aと被覆金属25bとは互いに電気的に接続されておらず、金属電極として機能するこれら被覆金属25a,25b間には、電気容量がもたらされる。すなわち、被覆金属25a,25bはキャパシタ(コンデンサ)として機能する。本発明では、この電気容量をヘリカルコイル23a,23bの先端に接続しているので、ヘリカルコイル23a,23bの共振周波数をさらに低下させている。これにより、小型のアンテナであっても効果的に電力を供給することが可能となり、送信アンテナ1をさらに小型化(全体で数mm程度の寸法)することが可能となる。
さらに、強誘電体24の形状が球状であると、発信される電波が球面から等方状に放射されるので、アンテナから少し離れて電波を観測すると、電波がアンテナの中心部(一点)から放射されているように見なすことができる。したがって、本発明では、電波発信源を可能な限り点状とみなすことができ、送信アンテナ1と受信アンテナアレイ4が近接して位置していても、送信アンテナ1の位置をより正確に測定することが可能となる。
図13は、本発明の第2の実施の形態に係る送信アンテナ1を示す概略断面図および側面図である。第1の実施の形態に係る送信アンテナ1では、強誘電体24を球状に形成している。一方、送信アンテナ1を手術器の先端に取り付けて患者の腹腔内に挿入する場合には、横方向(同軸ケーブル2に沿った方向)には取り回しの自由度が存在する。したがって、本発明の第2の実施の形態に係る送信アンテナ1は、腹腔内での送信アンテナ1の取り回しを向上させることを目的として、図13に示すように、強誘電体24の縦方向(同軸ケーブル2に直交する方向)の寸法を縮小して、電波放射の等方性を失わない程度に楕円体状に形成される。図13中に符号Welpで示す楕円体状の強誘電体24の縦方向の寸法は、図12(b)中に符号Wsprで示す球状の強誘電体24の寸法の約1/2〜1/3程度とすることが可能である。
強誘電体24を楕円体状に形成すること以外は、第2の実施の形態に係る送信アンテナ1の構成は、第1の実施の形態に係る送信アンテナ1の構成と同じである。
図14は、本発明の第3の実施の形態に係る送信アンテナ1を示す概略断面図および側面図である。図14(a)は、第3の実施の形態に係る送信アンテナの放射素子の側面図である。図14(b)は、第3の実施の形態に係る送信アンテナの平面断面図であり、放射素子の積層面のうちメアンダ導体が形成されている平面でスライスした際の平面断面図である。図14(c)は、第3の実施の形態に係る送信アンテナの側面図である。
第1の放射素子31は、3枚の強誘電体板が積層された構造を有する。放射素子として機能する金属箔(メアンダ導体)31−1が、蛇行したライン状で強誘電体板31−2上に形成される。このメアンダ導体31−1を有する強誘電体板31−2は、上蓋強誘電体板31−3と下蓋強誘電体板31−4との間に介装される。第2の放射素子32は、第1の放射素子31と同じ構成を有する。強誘電体板31−2上へのメアンダ導体の形成には、例えば電子回路基板上への金属配線の形成方法を使用することができる。
第1の放射素子の31のメアンダ導体31−1は、接続線37を介して同軸ケーブル33の中心導体34と電気的に接続され、第2の放射素子32のメアンダ導体32−1は、接続線37を介して同軸ケーブル33の外部導体36と電気的に接続される。同軸ケーブル33の絶縁体35は、中心導体34の周囲に配置されて、中心導体34外部導体とを電気的に絶縁する。
このように構成した第1の放射素子31、第2の放射素子32、および同軸ケーブル33を、第1の実施の形態と同様に、孔26が形成された球状の強誘電体24の孔26内に挿入し、第1の放射素子31と被覆金属25aとを電気的に接続し、第2の放射素子32と被覆金属25bとを電気的に接続する。アンテナの放射素子をメアンダラインで形成すること以外は、第3の実施の形態に係る送信アンテナ1の構成は、第1の実施の形態に係る送信アンテナ1の構成と基本的に同じである。
第1の実施の形態に係る送信アンテナ1では、放射素子をヘリカル状に形成しているが、第3の実施の形態に係る送信アンテナ1では、放射素子をメアンダ(蛇行)ラインで形成する。アンテナの放射素子をメアンダ(蛇行)ラインで形成すると、放射素子の横方向(同軸ケーブル2に沿った方向)の寸法をさらに短くすることができる。
以上、本発明を特定の実施の形態によって説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。
上記実施の形態では、3つの受信アンテナANT1〜ANT3が直角二等辺三角形を作るように配置されている場合について説明しているが、3つの受信アンテナANT1〜ANT3は、任意の三角形を作るように配置されていてもよい。
また、上記実施の形態では、三角形ABCの各辺のうち、X軸上の線分ABを線対象の基準として垂線hを考えたが、垂線の引き方はこれに限定されず、線分BCまたは線分CAを線対象の基準として垂線を引いてもよい。すなわち、3つの受信アンテナを使用する場合には、垂線の引き方には3つのパターンが存在し、三角形ABCの各辺から一定の位置にある点(上記実施の形態では点P”)の回転パターンにも、3つのパターンが存在する。パターンを変えて演算することにより、送信アンテナの位置座標Pについて3つの座標値を得ることができるので、これら3つの座標値の平均を取ると、演算による精度のばらつき(桁落や雑音など)を平均化することができ、演算処理の精度を増すことが可能になる。
演算における仮想的な回転軸の取り方には、X軸、Y軸、およびXY軸の3通りがあるので、送信アンテナの位置座標Pには、それぞれの回転軸についての3つの座標値が得られる。誤差が無い理想的な状況であればこれらの値は全て同じ筈であるが、演算誤差や雑音等により必ずしも一致しない。このような演算誤差や雑音等による影響を軽減するために、3つの座標値を平均する。
X軸を回転して求めた計算座標をP(x,y,z)、Y軸を回転して求めた計算座標をP(x,y,z)、XY軸を回転して求めた計算座標をP(x,y,z)とすると、3つの座標値は
Figure 0006164828
となる。これらP〜Pをさらに平均化して
Figure 0006164828
とすることで、演算処理の精度を増すことが可能になる。
また、上記実施の形態では、3本の受信アンテナANT1〜ANT3を使用しているが、受信アンテナの本数はこれに限定されず、さらに測定精度を向上させるために、受信アンテナアレイ4により多くの受信アンテナを配置してもよい。
例えば、第4の受信アンテナANT4を設けると、4本の受信アンテナの組み合わせから、4つの測定データを得ることができる。
Figure 0006164828
受信アンテナを5本設ける場合は、
Figure 0006164828
となり、10の測定データを得ることができる。よって、受信アンテナが3本の場合と比較して、4本の場合にはばらつきを半分(1/√4)に、5本の場合には約1/3程度(1/√10)に減少させることができ、測定の精度を増すことが可能になる。人体組織を構成する筋肉、脂肪、骨、水分などはそれぞれ誘電率が異なるので、送信アンテナ1から発せられる電波の伝搬距離(すなわちベクトルr〜r)も影響を受け、測定の精度にばらつきが生じる。このような場合であっても、受信アンテナの本数を増やすことで、測定の精度を向上させることが可能である。
4本の受信アンテナを使用する場合、4本の受信アンテナは正方形を成すように配置されるのが好ましいが、必ずしも正方形である必要はない。5本の受信アンテナを使用する場合は、5本の受信アンテナが例えば正五角形を成すように配置され、6本の受信アンテナを使用する場合は、6本の受信アンテナが例えば正六角形を成すように配置される。
また、上記実施の形態では、信号の遅延時間の調整に遅延調整器(DLY)を使用しているが、信号の遅延時間を調整できればよく、遅延調整器に代えて移相器(phase shifter)を使用してもよい。また、信号の利得(gain)の調整に自動利得調整増幅器(AGC)を使用しているが、これに代えてリミッタアンプを使用してもよい。
また、上記実施の形態では、座標演算処理部5bおよび表示部5cにパーソナルコンピュータおよび液晶モニタを使用しているが、CPU等の演算装置と表示装置としてのモニタとを備えていればよく、例えば座標演算処理部5bおよび表示部5cが一体化された、ノートブックコンピュータまたはスマートフォン等の携帯情報端末を使用してもよい。また、座標演算処理部5bは、CPU等の汎用の演算装置ではなく、特定の演算処理を行う半導体装置として、例えばASICとして実現されてもよい。
また、上記実施の形態では、球状の強誘電体24の中心部24に孔を形成したが、
強誘電体棒21、強誘電体スリーブ22、およびヘリカルコイル23a,23bで構成される構造を孔内に挿入することができ、かつ、ヘリカルコイル23aと被覆金属25aとを電気的に接続し、ヘリカルコイル23bと被覆金属25bとを電気的に接続することができればよく、孔の態様としては、孔はいわゆる貫通孔であっても、強誘電体24を貫通しない穴であってもどちらでもよい。
また、上記実施の形態では、強誘電体24を球状または楕円体状に形成しているが、強誘電体24の形状はこれらに限定されず、強誘電体24は円柱体状または直方体状の他の立体形状であってもよい。
また、上記実施の形態では、例えば第1の実施の形態では2つの放射素子を共にヘリカル状に形成し、第3の実施の形態では2つの放射素子を共にメアンダラインで形成していたが、2つの放射素子のタイプを一致させる必要はなく、例えば一方の放射素子をメアンダラインで形成し、他方(もう一方)の放射素子をヘリカル状に形成してもよい。いずれか一方の放射素子をヘリカル形状とすると、同軸ケーブル2,33の周囲にヘリカル形状の放射素子を配置することが可能となるので、横方向(同軸ケーブル2,33に沿った方向)の寸法をさらに短くすることが可能となる。
1 送信アンテナ
2 同軸ケーブル
3 RF発振器
4 受信アンテナアレイ
5 信号処理回路
5a 信号処理前段回路部
5b 座標演算処理部
5c 表示部
6 自動利得調整増幅器(AGC)
7 遅延調整器(DLY)
8 平衡変調器(バランスド・ミキサDBM)
9 バンドパスフィルタ(BPF)
10 ローパスフィルタ(LPF)
11 アナログ−デジタル変換器(ADC)
21 強誘電体棒
22 強誘電体スリーブ
23a,23b ヘリカルコイル
24 強誘電体
25a,25b 被覆金属
26 孔
31 第1の放射素子
31−1 金属箔(メアンダ導体)
31−2 強誘電体板
31−3 上蓋強誘電体板
31−4 下蓋強誘電体板
32 第2の放射素子
33 同軸ケーブル
34 同軸ケーブルの中心導体
35 同軸ケーブルの絶縁体
36 同軸ケーブルの外部導体
37 接続線
99 患者
101 アンテナ素子
102 金属スリーブ
103 同軸給電線
ANT1〜ANT4 受信アンテナ

Claims (14)

  1. 高周波発振器に接続されたケーブルを介して高周波が給電される第1の放射素子および第2の放射素子と、
    略中心部を貫く孔を有し、前記孔により前記第1の放射素子および第2の放射素子を覆う強誘電体本体と、
    前記強誘電体本体の表面に配置された第1の被覆金属および第2の被覆金属と、
    を備え、
    前記第1の被覆金属が、前記強誘電体本体の、前記第1の放射素子に対応する領域を覆い、
    前記第2の被覆金属が、前記強誘電体本体の、前記第2の放射素子に対応する領域を覆
    前記第1の放射素子と前記第1の被覆金属とが電気的に接続され、前記第2の放射素子と前記第2の被覆金属とが電気的に接続され、前記第1の被覆金属と前記第2の被覆金属とが対向して配置されてキャパシタを構成する、送信アンテナ。
  2. ダイポールアンテナを構成する第1の放射素子および第2の放射素子と、
    略中心部を貫く孔を有し、前記孔により前記第1の放射素子および第2の放射素子を覆う強誘電体本体と、
    前記強誘電体本体の表面に配置された第1の被覆金属および第2の被覆金属と、
    を備え、
    高周波発振器に接続されたケーブルを介して、前記第1の放射素子および前記第2の放射素子に高周波が給電され、
    前記第1の放射素子および前記第2の放射素子が、ヘリカル形状またはメアンダ形状のダイポールアンテナであり、
    前記第1の放射素子と前記第1の被覆金属とが電気的に接続され、前記第2の放射素子と前記第2の被覆金属とが電気的に接続され、前記第1の被覆金属と前記第2の被覆金属とが対向して配置されてキャパシタを構成する、送信アンテナ。
  3. 前記強誘電体本体の形状が、球状、楕円体状、円筒状、および直方体状から構成される群から選択されるいずれかの形状である、請求項1または2に記載の送信アンテナ。
  4. 前記第1の放射素子が、基層となる強誘電体の部材上にフォイル状に形成された金属であり、
    前記第2の放射素子が、強誘電体スリーブの表面に巻回された金属コイルである、請求項1からのいずれかに記載の送信アンテナ。
  5. 前記第1の放射素子が、強誘電体棒の表面に巻回された金属コイルであり、
    前記第2の放射素子が、強誘電体スリーブの表面に巻回された金属コイルである、請求項1からのいずれかに記載の送信アンテナ。
  6. 前記第1の放射素子および前記第2の放射素子の各々が、基層となる強誘電体の部材上にフォイル状に形成された金属である、請求項1からのいずれかに記載の送信アンテナ。
  7. 前記高周波発振器が出力する前記高周波の周波数が、30MHzから0.3GHzの範囲である、請求項1からのいずれかに記載の送信アンテナ。
  8. 前記強誘電体棒、前記強誘電体スリーブ、または前記強誘電体部材を形成する強誘電体がBaTiOである、請求項からのいずれかに記載の送信アンテナ。
  9. 前記強誘電体本体がBaTiOで形成されている、請求項1からのいずれかに記載の送信アンテナ。
  10. 患者の体内に挿入された手術器の位置座標を特定するシステムであって、
    前記手術器に取り付けられた送信アンテナと、
    前記送信アンテナからの電波を受信する少なくとも3本の受信アンテナと、
    前記受信アンテナの各々が受信した電波から、前記送信アンテナの位置座標を求める信号処理部とを備え、
    前記送信アンテナが、請求項1からのいずれかに記載の送信アンテナである、位置検出システム。
  11. 前記信号処理部が、前記送信アンテナが発信する電波と、前記受信アンテナが受信する電波との間の位相差から、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の距離を求める、請求項10に記載の位置検出システム。
  12. 前記受信アンテナの本数が3本であり、
    前記信号処理部が、
    3本の前記受信アンテナの位置座標がなす三角形の3辺の各々をそれぞれ回転基準軸として、前記送信アンテナの3つの前記位置座標を求め、
    当該3つの位置座標の平均値を、前記送信アンテナの前記位置座標とする、請求項10または11に記載の位置検出システム。
  13. 前記受信アンテナの本数がn(nは4以上の自然数)であり、n本の前記受信アンテナから3本の前記受信アンテナを選択するの組み合わせの各々に対して、
    前記信号処理部が、
    3本の前記受信アンテナの位置座標がなす三角形の3辺の各々をそれぞれ回転基準軸として、前記送信アンテナの個の前記位置座標を求め、
    当該個の位置座標の平均値を、前記送信アンテナの前記位置座標とする、請求項10または11に記載の位置検出システム。
  14. 前記受信アンテナが、前記患者の腹腔の外側に配置される、請求項10から13のいずれかに記載の位置検出システム。
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