以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係るデジタル印刷システムについて図1を用いて説明する。この印刷システムでは、デジタル印刷機(印刷装置)102とコンピュータ101とが、ネットワーク100を介して接続されている。
デジタル印刷機102は、複数の異なる役割を持つ装置が相互に連結され、複雑なシート処理が可能なように構成されている。
このデジタル印刷機102は、プリンタ部1000を境界とし、大きく3つの部位に分けることができる。図1において、プリンタ部1000より右側に配置される機器は、給紙装置と呼ばれ、給紙装置の主な役割は内部に収納されているシートを適切なタイミングで連続的にプリンタ部1000に供給する。また、当該機器は、不図示のセンサによって内部に収納されているシート残量の検知なども行う。プリンタ部1000の内部にも給紙部231が存在し、機能的には給紙装置と同等のことを実行することができる。プリンタ部1000が備えるこれら給紙部についても説明の上では給紙装置と呼ぶこととする。以下、このデジタル印刷機102を構成する各部位に関して説明する。
プリンタ部1000は、画像データに基づいて、給紙部から給紙されたメディア(シート)にトナーを用いて画像を形成(印刷)する。このプリンタ部1000の構成及び動作原理は以下のとおりである。
画像データに応じて変調された、例えばレーザ光などの光線を回転多面鏡(ポリゴンミラー等)により反射して走査光として感光ドラムに照射する。このレーザ光により感光ドラム上に形成された静電潜像はトナーによって現像され、転写ドラムに押し付けられたシートに、そのトナー像を転写する。この一連の画像形成プロセスをイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーに対して順次実行することにより、シート上にフルカラー画像が形成される。また、これら4色に加え、特色と呼ぶ他の色のトナーや、透明トナーなどを転写可能とする構成としても良い。こうしてフルカラー画像が形成された転写ドラム上のシートは定着器へ搬送される。定着器は、ローラやベルト等を含み、ローラ内にハロゲンヒータなどの熱源を内蔵し、トナー像が転写されたシート上のトナーを、熱と圧力によって溶解してシートに定着させる。
尚、第1の実施形態に係るデジタル印刷機102のプリンタ部1000には、スキャナ224、及びプリンタ部1000の上面に配置された操作部204(図4)が備え付けられている。操作部204はプリンタ部1000の上面に配置されているため、図1では図示していない。操作部204は、第1の実施形態に係るプリンタ部1000の各種設定や操作などをユーザが行う場合の各種インタフェースを提供する。不図示のドキュメントフィーダ、及びスキャナ224は、本体上部に備えつけられている。
更にこのデジタル印刷機102は、プリンタ部1000に加え各種付随装置が装着可能なよう構成されている。
大容量給紙装置221、222、223は、プリンタ部1000に脱着可能な給紙装置である。これら給紙装置は、複数の給紙部233〜241を備える。複数の給紙部233〜241は、それぞれの給紙部に収納されているシート残量を検知するセンサを備えている。このような構成により、プリンタ部1000は、大容量のシートへの印刷処理を行うことができる。ここでは3台の大容量給紙装置221、222、223が接続されている例を示したが、これに限らない。
大容量スタッカ225、226は、印刷済みのシートをストックするための装置である。上述の大容量給紙装置を備えるシステムでは、生成された印刷物もまた大容量となるため、このような大容量スタッカが必要となる。尚、これら大容量スタッカや大容量給紙装置の数は、図1の構成に限定されるものではない。ここでは、2台の大容量スタッカ225、226が接続されている例を示したが、これに限らない。
大容量スタッカ225、226は、ユーザによる指示操作により、内部の積載トレイ上に積載されたシートを取り出すためのドアをオープンできる。それとともに、プリンタ部1000からの指示によって自動的にドアをオープンすることもできる。尚、ドアのオープン処理が実施される場合には、大容量スタッカ225、226への印刷済みのシートの積載処理は、事前に停止されるよう制御される。
更に、大容量スタッカ225、226は、印刷済のシートを積載する際に、任意のシートに対して、その積載位置をシフトするシフト排紙機能を有する。これにより、大量に積載されたシートを、ある一定の束の単位で仕分けることができる。
折り装置232は、シートに対して、中折り、Z折り、3つ折り、4つ折りなどの各種折り処理を実行するための装置である。
中綴じ製本機227は、プリンタ部1000で印刷されたシートに対して、ステイプル処理や製本出力物を作成する際のサドル綴じ、サドル折り、パンチ処理、シフト排紙処理等を実行可能にするための各種ユニットを備えている。尚、第1の実施形態で示したデジタル印刷機102では、中綴じ製本機227を用いて中綴じ製本出力物を作成する際には、折り装置232の折り機能を用いずに、中綴じ製本機が具備するサドル折り機能とサドル綴じ機能を組み合わせて出力物の形成を行う。
断裁装置230は、中綴じ製本機227によりサドル綴じされた製本出力物を搬送し、小口部に相当する箇所を断裁し、小口を平面上に形成するための装置である。
インサータ228は、プリンタ部1000から送られてくるシートに対して、設定に基づいて適切なタイミングで、インサータ228に保持されているシートを挿入する。このインサータ228により、印刷を要しないシートを印刷済みのシートの間に差し込むことができる。このインサータ228は、大容量給紙装置221、222、223と同様に、大容量の印刷処理にも耐えられるように大容量の給紙個所を複数備える。
くるみ製本機229は、プリンタ部1000で印刷された、もしくはインサータ228から排出された1束分のシートに対し、表紙を糊付け処理して、くるみ製本した出力物を形成するための装置である。又、表紙をつけずに糊付け製本する加工処理に該当する天糊製本処理も、このくるみ製本機229により実行可能である。
なお、折り装置232、中綴じ製本機227、断栽装置230、及び、インサータ228は、デジタル印刷機102の構成として有していても良いし、無くても構わない。
一方、図1において、プリンタ部1000よりも左側に配置される機器は、シートを積載する大容量スタッカ225、226なども含めて、ここではシート加工装置と呼ぶ。また、シート加工装置はシート処理装置、または後処理装置とも呼ばれる。シート加工装置は、印刷処理が完了したシートに各種加工処理を加える、または集積するなどの処理を行う。前述の給紙系装置及びシート加工装置を併せて以後の説明においてシート処理装置200と呼ぶ。
次に、第1の実施形態に係るデジタル印刷機102の構成について図2に示す機能ブロック図を用いて示す。前述の各種給紙装置、及びシート加工装置などのシート処理装置は、図2で示すように構成される。
デジタル印刷機102は、自装置内部に複数の処理対象となるジョブを記憶可能なハードディスク209(以下、HDD)等の不揮発性メモリを備える。尚、第1の実施形態ではハードディスクを用いたデジタル印刷機102の例を示したが、同様の大容量かつ不揮発性な記憶装置であれば、ハードディスクに限定されない。
また、デジタル印刷機102は、スキャナ224から受付けたデータをHDD209に記憶し、そのHDD209から読み出してプリンタユニット203で印刷するコピー機能を有する。また、外部装置から通信部の一例である外部I/F202を介して受信したジョブをHDD209に記憶し、HDD209から読み出してプリンタユニット203で印刷する印刷機能等を有する。デジタル印刷機102は、このような複数の機能を備えた多機能処理装置(MFP)(画像形成装置とも呼ぶ)である。尚、このデジタル印刷機102は、カラープリント可能、或いはモノクロプリント可能のいずれでも良い。
スキャナ224は、原稿画像を読み取り、その原稿を読み取って得られた画像データを画像処理して出力する。外部I/F202は、ファクシミリ、ネットワーク接続機器、外部専用装置と画像データなどを送受信する。HDD209には、このデジタル印刷機102によって永続的に記憶及び変更、管理される各種管理情報なども格納される。又、デジタル印刷機102は、HDD209に記憶された印刷対象のジョブの印刷処理を実行するプリンタユニット203を備える。デジタル印刷機102は、ユーザインタフェース部の一例に該当する、表示部を有する操作部204も備えている。デジタル印刷機102が備えるコントローラ部(制御部)205はCPU212を有し、このデジタル印刷機102が備える各種ユニットの処理や動作等を統括的に制御する。また、コントローラ部(制御部)はROM207及びRAM208を有し、ROM207及びRAM208には、CPU212により実行される、後述するフローチャートの各種処理等を実行するために必要な各種の制御プログラムが記憶されている。又、ROM207には、ユーザインタフェース画面(以下、UI画面)を含む、操作部204の表示部に各種のUI画面を表示させるための表示制御プログラムも記憶されている。
コントローラ部205のCPU212がROM207に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、第1の実施形態に係る各種動作をデジタル印刷機102により実行させる。またCPU212が、外部I/F202を介して外部装置から受信したページ記述言語(以下PDLと略す)データを解釈し、ラスタイメージデータ(ビットマップ画像データ)に展開する動作を実行するプログラム等もROM207に記憶されている。同様に、CPU212が、外部I/F202を介して外部装置から受信した印刷ジョブを解釈して処理するためのプログラム等もROM207に記憶されている。これらは、ソフトウェアによって処理される。ROM207は読み出し専用のメモリで、ブートシーケンスやフォント情報等のプログラムを予め記憶している。ROM207に格納される各種プログラムの詳細については後述する。RAM208は読み出し及び書き込み可能なメモリで、スキャナ224や外部I/F202より送られてきた画像データや、各種プログラムや設定情報等を記憶する。
またHDD209は、後述する各種プログラムを予め記憶しているほか、圧縮展開部210によって圧縮された画像データを記憶する。このHDD209は、処理対象となるジョブのプリントデータ等の複数のデータを保持可能に構成されている。コントローラ部205は、スキャナ224や外部I/F202等の各種入力ユニットを介して入力された処理対象となるジョブを、このHDD209に格納し、HDD209から読み出してプリンタユニット203に出力してプリントする。又、コントローラ部205は、HDD209から読み出したジョブを、外部I/F202を介して外部装置へ送信できるようにも制御する。このようにコントローラ部205は、HDD209に格納した処理対象ジョブの各種出力処理を実行する。圧縮展開部210は、JBIGやJPEG等といった各種圧縮方式によってRAM208、HDD209に記憶されている画像データ等を圧縮したり伸張したりする。
コントローラ部205のディスクコントローラ(DKC)215は、HDD209等へのアクセスを制御する。
またコントローラ部205は、シート処理装置200の動作も制御する。シート処理装置200は、図1で説明した給紙系装置及びシート加工装置に相当する。メディア管理部211は、デジタル印刷機102が処理可能なシートの種類等に関する情報を管理するためのモジュールである。デジタル印刷機102が処理可能なシートの種類等に関する情報はHDD209に記憶されている。尚、213は給紙段監視部、214はジョブ設定監視部であり、動作は後述する。
第1の実施形態に係る図1のコンピュータ(PC)101の構成を図3に示すブロック図を用いて説明する。
コンピュータ101は、ネットワーク100を介してデジタル印刷機102と接続された汎用コンピュータである。ここにおいては各種アプリケーションプログラムが実行可能となっており、このデジタル印刷機102に印刷ジョブを送信可能としている。
図3において、CPU301は、ROM303のプログラム用ROMに記憶された、或いはHDD311からRAM302にロードされたOSや一般アプリケーション、製本アプリケーション等のプログラムを実行する。ROM303はまたフォントROMやデータROMを有している。RAM302は、CPU301の主メモリ、ワークエリア等として機能する。キーボードコントローラ(KBC)305は、キーボード309やポインティングデバイス(不図示)からの入力を制御する。表示コントローラ306は、表示部310への表示を制御する。ディスクコントローラ(DKC)307は、ブートプログラム、種々のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル等を記憶するHDD311等とのアクセスを制御する。ネットワークコントローラ(NC)312は、ネットワーク100に接続されて、そのネットワーク100に接続された他の機器との通信制御処理を実行する。バス304は、CPU301とRAM302、ROM303及び各種コントローラ等を接続して、データ信号や制御信号を搬送している。
第1の実施形態に係るデジタル印刷機102の操作部204を図4に示す上面図を用いて説明する。操作部204において、キー入力部402はハードキーによるユーザの操作を受付け可能である。タッチパネル部401はソフトウェアキー(表示キー)によるユーザの操作を受付可能な表示ユニットであり、操作画面を表示する。操作部204は、コントローラ部205によって制御される。尚、図4に示すタッチパネル部401の表示部に表示される画面は、コントローラ部205の制御の下に表示される操作画面を示している。この画面へのユーザによる操作、或いはデジタル印刷機102の各種状態に応じて、この表示部に表示される、或いは表示部で操作可能な項目が変化する。たとえば、ユーザはタッチパネル部401を操作すると、後述するUI機能プログラムによって、タッチパネル部401から操作された内容を識別し、識別内容に応じた処理を実行する。
ここでは、キー入力部402とタッチパネル部401を有する操作部204について説明をしたが、これに限らない。操作部204はすべてタッチパネル部401で構成してもよい。
デジタル印刷機によって実行されるプログラムについて説明する。
これらプログラムはHDD209に格納され、デジタル印刷機102のコントローラ部205のCPU212により読み出されて実行される。
JDF機能プログラムは、JDFジョブが外部I/F202経由でデジタル印刷機102に受信された場合に、外部I/F202の指示でコントローラ部205によってプリント機能を実行するプログラムである。なお、JDFとは、Job Definition Formatのことである。
PDL機能プログラムは、PDLで記述されたデータが外部I/F202経由でデジタル印刷機102によって受信された場合に、コントローラ部205によってプリント機能を実行するプログラムである。なお、PDLとは、Page Description Languageのことである。
UI機能プログラムは、操作部204の制御用プログラムである。UI機能プログラムは、印刷デジタル印刷機102のユーザが操作部204から入力した内容を識別し、適切な画面遷移及びコントローラ部205に対する処理依頼指示を行う。なお、UIとは、User Interfaceのことである。
シート管理プログラムは、デジタル印刷機102が利用可能なシートに関連する管理機能を実行するためのプログラムである。このプログラムによって管理されるシート関連情報は、HDD209に格納される。シート管理プログラムによって管理されるシート関連情報として、本実施形態では、給紙段ごとに収納するシートのサイズ、メディア種、及びシートの残量に関するデータとする。なお、シート管理情報としてはこれに限らず、たとえば、シートの名称やシートの坪量等に関するデータをさらに管理していてもよい。
ジョブホールド機能プログラムは、デジタル印刷機102のユーザが操作部204からジョブホールド機能の実行を指示した際に、コントローラ部205によって実行されるプログラムである。ジョブホールド機能は、デジタル印刷機102のHDD209に印刷対象のデータをユーザから印刷指示受付があるまで記憶しておく。その後、ユーザが印刷を実行するデータを選択し、印刷指示を受け付けたデータを印刷する。ジョブホールド機能では、このプログラムに記述された処理順序、処理条件に基づいてコントローラ部205によって適切な順序でこれら各デバイスの動作を順次指示することによりジョブホールドによる印刷処理が実行される。これらデバイスには、プリンタユニット203、シート処理装置200、HDD209、圧縮伸張部210、RAM208等が含まれる。格納されたジョブに対して、格納時の設定を変更して実行することが可能である。
外部機器であるコンピュータ101からデジタル印刷機102のジョブホールド機能に対して、印刷ジョブを格納する際には、次のような手順に従って行われる。即ち、PDL機能プログラムもしくはJDF機能プログラム等がジョブの印刷処理をする代わりに、ジョブホールド機能による格納を指示する。これらPDL機能プログラムもしくはJDF機能プログラムによって、印刷指示をするか、ジョブホールド機能による格納処理をするかは、ジョブの投入先であるコンピュータ101において動作する印刷用アプリケーションの指定による。この指定は、PDL機能プログラムもしくはJDF機能プログラム等が処理する対象であるジョブの設定属性に反映され、PDL機能プログラムもしくはJDF機能プログラムがその設定属性に基づいて処理の切り替えを実施する。
メディアミスマッチ判定機能プログラムは、デジタル印刷機102のユーザが操作部204からメディアミスマッチ判定機能の実行を指示した際、コントローラ部205が以下の判定を行う機能である。なお、メディアミスマッチ判定とは、印刷ジョブで使用するシートの属性情報がいずれの給紙部にも登録されていないこと、及び、印刷ジョブで使用する予定のシートの残量がないことを判定することである。コントローラ部205が、シート管理プログラムによってデジタル印刷機102のHDD209に記憶された、デジタル印刷機102で利用可能なシートの属性情報を読み出す。そして、ジョブホールド機能プログラムによってホールドされたジョブで使用するシートの属性情報と比較することによって、印刷ジョブで使用するシートの属性情報がいずれの給紙部にも登録されていないか否かを判定する。また、コントローラ部205が、給紙部に備えられたセンサによってシート残量を検知し、印刷ジョブで使用する予定のシートの残量がないか否かを判定する。このメディアミスマッチ判定機能プログラムによって実行されたメディアミスマッチ判定の結果はフラグによって保持され、RAM208に記憶される。
なお、印刷ジョブで使用するシートの属性情報には、シートのサイズ、シートの坪量、シートの表面性、シートの形状、又はシートの色の少なくとも一つを含む。
給紙段監視プログラムは、給紙段監視部213によって、ジョブで使用する給紙段に設定されたシート属性情報の変更を監視する機能を実行するためプログラムである。このプログラムによって得られた監視結果の情報は、HDD209に格納される。たとえば、ジョブで使用する給紙段は給紙段1である場合、給紙段1に設定されたシート属性情報が「A4普通紙」から「A4厚紙」に変更されたことを給紙段監視部213によって監視し、その結果が得られる。
ジョブ設定監視プログラムは、ジョブ設定監視部214によって、ジョブに設定された印刷属性情報の変更を監視する機能を実行するためのプログラムである。このプログラムによって得られた監視結果の情報は、HDD209に格納される。たとえば、ジョブに設定された印刷属性情報が「B4普通紙」である場合に、「B4普通紙」から「B4厚紙」に変更されたことをジョブ設定監視部214によって監視結果の情報が得られる。
尚、機能プログラムの一部について詳細を前述したが、機能プログラムの全てを備える必要はなく、その一部或いは前述した以外の機能プログラムを備える構成であっても構わない。
第1の実施形態に係るデジタル印刷機102のジョブ、プリントキューデータ、及び、ホールドキューデータのデータ構造について図5を用いて説明する。
まず、ジョブのデータ構造について図5(A)を用いて説明する。デジタル印刷機102に投入されるジョブは、図5(A)に示すようなエントリ511の構造をしている。エントリ511は、デジタル印刷機102に投入されて処理されるジョブの数だけ存在する。エントリ511は、ジョブID511a、印刷属性511b、印刷データ511cなどから構成される。エントリ511内のジョブID511aはユニークなIDであり、デジタル印刷機102でジョブを識別し特定するために使われる。エントリ511内の印刷属性511bには、そのジョブで定義されている印刷属性が保存されている。印刷属性として、そのジョブを投入したユーザ名や、給紙するシートのサイズ、メディアタイプ、及びページ数等が記述されている。また、エントリ内の印刷データ511cには、印刷用紙に描画されるイメージを記述したデータである印刷データが保存されている。
次に、プリントキューデータのデータ構造について図5(B)を用いて説明する。プリントキューにジョブが投入されると、プリントキューバッファ521にそのジョブが管理される。プリントキューにジョブが無い状態においてジョブが投入されると、そのジョブはプリントキューバッファ521のキュー1に登録される。次にジョブが投入されればキュー2に登録されるというようにスタックされる。キュー1にスタックされているジョブから、基本的に順に印刷処理される。印刷が完了すれば、そのジョブはプリントキューバッファ521から削除されるので、プリントキューバッファ521内のジョブは順番が繰り上がる。そして次にキュー1にスタックされたジョブが印刷処理される。なお、図5(B)では5つのキューしか示していないが、デジタル印刷機102のメモリ容量や印刷処理速度などを考慮して適切な数のキューを用意する。
各プリントキューに登録されるジョブの属性は、プリントキュージョブ属性テーブルにより管理される。図5(B)では、キュー1にはジョブに対応するプリントキュージョブ属性テーブル522が登録されており、キュー5にはジョブに対応するプリントキュージョブ属性テーブル523が登録されている。実際はプリントキューバッファ521のキューの数だけ存在する。以下、プリントキュージョブ属性テーブル522について詳細を説明する。
プリントキュージョブ属性テーブル522は、ジョブを識別するためのIDであるジョブID522a、メディアミスマッチ判定結果を識別するためのフラグ522b、及び、サスペンド処理対象か否かを識別するためのフラグ522cなどから構成される。
なお、メディアミスマッチ判定についての詳細は後述する。このプリントキュージョブ属性テーブル522には、ジョブの実態は存在しない。なお、本実施形態では、プリントキュージョブ属性テーブル522には、ジョブの実態は存在しないものとして以降の説明を進めるが、コピー等によってジョブの実態が存在していても良い。このジョブID522aの値から、複数あるエントリ511の中を検索して同じジョブID522aを持つジョブを探し出す。そして、該当するエントリ511の印刷属性511bと印刷データ511cを取得する。
続いて、ホールドキューデータのデータ構造について図5(C)を用いて説明する。なお、ホールドキューバッファ531に管理されている印刷データに対して、印刷の実行指示が与えられると、当該印刷データはプリントキューバッファ521に印刷データが移行する。ホールドキューにジョブが投入されると、ホールドキューバッファ531にそのジョブが管理される。なお、ホールドキューバッファ531は、ジョブホールド機能プログラムによって管理される保存ジョブの格納領域である。外部装置から受信した保存対象となるジョブは、印刷設定と共に、このホールドキューバッファ531に格納される。ホールドキューバッファ531の構造はプリントキューバッファ521と同様であるため、詳細な説明は省略する。
各ホールドキューに登録されるジョブの属性は、ホールドキュージョブ属性テーブルにより管理される。図5(C)では、キュー1にはジョブに対応するホールドキュージョブ属性テーブル532が登録されており、キュー5にはジョブに対応するホールドキュージョブ属性テーブル533が登録されている。実際はホールドキューバッファ531のキューの数だけ存在する。以下、ホールドキュージョブ属性テーブル532について詳細を説明する。
ホールドキュージョブ属性テーブル532は、ジョブを識別するためのIDであるジョブID532a、及び、メディアミスマッチ判定結果を識別するためのフラグ532bなどから構成される。このホールドキュージョブ属性テーブル532には、ジョブの実態は存在しない。なお、本実施形態では、ホールドキュージョブ属性テーブル532には、ジョブの実態は存在しないものとして以降の説明を進めるが、コピー等によってジョブの実態が存在していても良い。このジョブID532aの値から、複数あるエントリ511の中を検索して同じジョブID532aを持つジョブを探し出す。そして、該当するエントリ511の印刷属性511bと印刷データ511cを取得する。
次にジョブの投入からプリントキューバッファ521、又は、ホールドキューバッファ531にそのジョブがスタックされるまでについて説明する。この処理は、コントローラ部205のCPU212が、ROM207またはHDD209から読み出され、RAM208に展開されたジョブホールド機能プログラムを実行することにより達成される。
まず、ユーザはデジタル印刷機102で印刷処理などを行うためにジョブを投入する。そして、プリントキューバッファ521への格納を指定したジョブか、又は、ホールドキューバッファ531への格納を指定したジョブかに係るキューの指定値はジョブの属性として記録される。ユーザによって投入されたジョブを受信後、ユニークなIDが生成されて、そのジョブに割り当てられる。そして、1つのジョブにつき1つのエントリ511がジョブ内に作成される。生成されたジョブIDはエントリ511内のジョブID511aに、受信したジョブの印刷属性はエントリ511内の印刷属性511bに、受信した印刷データはエントリ511内の印刷データ511cにそれぞれ入力される。
次に、前述したキューの指定値を読み取り、もし、キューの指定値がプリントキューならばプリントキューバッファ521のキューにスタックされる。一方、もし、キューの指定値がホールドキューならばホールドキューバッファ531のキューにスタックされる。
プリントキューバッファ521のキューにスタックする際は、図5(B)に示すプリントキュージョブ属性テーブル522を1つのジョブにつき1つ生成する。そして、ジョブIDはプリントキュージョブ属性テーブル522のジョブID522aに登録される。
一方、ホールドキューバッファ531のキューにスタックする際は、図5(C)に示すホールドキュージョブ属性テーブル532を1つのジョブにつき1つ生成する。そして、ジョブIDはホールドキュージョブ属性テーブル532のジョブID532aに登録される。
以上述べたような、ジョブの投入からプリントキューバッファ521、又は、ホールドキューバッファ531へのスタックはよく知られた処理方法である。そのため、フローチャートは省略する。
以上の本実施形態における構成の動作説明を以下に行う。
第1の実施形態で行われる監視処理を説明する上で用いる、監視ジョブ属性テーブル611、ジョブ属性詳細テーブル621、及び、シート管理テーブル631をそれぞれ図6に示す。
図6(A)に示した監視ジョブ属性テーブル611の詳細について説明する。この監視ジョブ属性テーブル611は、ジョブID612と、監視条件613、614、及び615から構成され、ホールドキューバッファ531内のジョブのうち、監視対象となっているジョブの属性値が記録される。ジョブID612は、エントリ511のジョブID511aに対応している。監視条件1(613)の列には、給紙段監視部213が監視する対象である給紙段設定が登録される。一方、監視条件2(614)の列には、ジョブ設定監視部214が監視する対象であるシートサイズとメディアタイプの組み合わせが登録される。なお、給紙段監視部213によって行われる監視処理、及び、ジョブ設定監視部214によって行われる監視処理についての詳細は後述する。
図6(B)に示したジョブ属性詳細テーブル621の詳細について説明する。
エントリ511の印刷属性511bは、ジョブ属性詳細テーブル621を含んでいる。ジョブ属性詳細テーブル621は、ジョブごとに存在するため、どのジョブであるかを識別するためにジョブID612を有している。なお、このジョブ属性詳細テーブルが印刷属性511bの一部分として存在している場合は、エントリ511にジョブID511aを有しているため、ジョブ属性詳細テーブル621にジョブID612は不要である。
ジョブ属性詳細テーブル621には、ジョブで指定されているシートごとに、そのシートに関する属性情報が記述されている。なお、シートに関する属性情報として、ジョブ属性詳細テーブル621に登録されているサイズ指定624、及び、メディアタイプ指定625は、図5(A)に示したエントリ511の印刷属性511bに相当する。
図6(B)に示したジョブ属性詳細テーブル621では、たとえば、ジョブID612の値が00001009であるジョブの詳細例を示している。このジョブには、シート1、シート2、及び、シート3の全部で3種類のシートを使うよう設定されている。シートID622は、シートごとのIDを示している。このシートID622は、1つのジョブにおいてシートを一意に特定できればよい。そのため、図6(B)に示した例では、単純に「シート1」、「シート2」、「シート3」というようにIDが振られている。メディアミスマッチ有無626の列は、メディアミスマッチ判定を行う前の段階では空欄になる。
たとえば、シート1に関しては、給紙段決定法623は「AUTO」(シート種指定)、サイズ指定624は「A4」、メディアタイプ指定625は「普通紙1」、メディアミスマッチ有無626は「マッチ」であることを示している。なお、シート種指定のジョブとは、ジョブで使用するシートが登録されている給紙段から給紙することを指定されたジョブのことを指す。また、シート2に関しては、給紙段決定法623は「AUTO」(シート種指定)、サイズ指定624は「A4」、メディアタイプ指定625は「コート紙3」、メディアミスマッチ有無626は「ミスマッチ」であることを示している。また、シート3に関しては、給紙段決定法623は「給紙段5(手差し)」(給紙段指定)、サイズ指定624は「A4」、メディアタイプ指定625は「タブ紙」であることを示している。なお、給紙段指定のジョブでは、ジョブで指定した給紙段にジョブで使用するシートが登録されているか否かの判定は行わないため、メディアミスマッチ有無626は空欄になる。
メディアミスマッチ判定処理は、操作部204の表示部に図15に示す画面が表示されている状態で開始される。なお、図15に示すジョブホールド機能の操作画面は、図14に示すようなメイン画面1401から、ジョブホールド機能選択ボタン1402が押下されることによって遷移する。図14に示すメイン画面1401には、各種機能に選択ボタンが列挙されており、ユーザは所望の機能選択ボタンを押下することによって当該機能を利用するための画面に遷移するよう構成されている。また、メインメニューの構成、およびそれによって提供される機能については一例を示したものであり、図14に示したものに限定される必要はない。
第1の実施形態に係るデジタル印刷機102において、操作部204に表示されるジョブホールド機能の操作画面の一例について図15を用いて説明する。この画面には、複数の表示領域及び複数の操作ボタン等が含まれている。以下、第1の実施形態を説明する上で重要な点について説明する。ジョブホールド機能は、デジタル印刷機102のHDD209に印刷対象のデータをユーザから印刷指示があるまで記憶しておき、その後、ユーザから印刷指示を受け付けたデータに従って印刷を実行する機能である。なお、ジョブホールド機能で、デジタル印刷機102は、複数のデータをHDD209に記憶することができる。このジョブホールド機能によって、ユーザは、HDD209に記憶した複数の印刷ジョブの中から印刷ジョブを選択して実行順序を指定できるので、HDD209に留め置いた順番と関係なく印刷を実行することができる。
ホールドジョブリスト1502は、デジタル印刷機102において、前述したホールドキューバッファ531に保存されている印刷ジョブをリスト表示する領域である。図15の例では、6つの印刷ジョブが表示されている。なお、デジタル印刷機102は、HDD209にホールドジョブリスト1502に同時に表示可能な数より多くの印刷ジョブを格納可能である。例えば、7以上の印刷ジョブが格納されている場合、ユーザは、スクロールボタン1505、1506を押下することにより、格納している全ての印刷ジョブをホールドジョブリスト1502に順次表示することができる。このホールドジョブリスト1502に表示される印刷ジョブには、ジョブ名1510、ユーザ名1511、及びこの印刷ジョブがデジタル印刷機102に保存された日時を示す日付/時刻フィールド1512がそれぞれ表示されている。
このジョブホールド画面を操作するユーザは、ユーザ名1511を見ることによってユーザ自身のジョブを識別し、印刷対象とするジョブを選択する。
ここで、ホールドジョブリスト1502に表示されている印刷ジョブの部分を、ユーザが指などで押下することにより、その印刷ジョブが選択された状態、即ち印刷対象の印刷ジョブとして選択された状態となる。
プリントジョブリスト1503は、デジタル印刷機102において、印刷処理が開始されている印刷ジョブ、または、印刷処理の開始を待機している印刷ジョブである。また、前述したプリントキューバッファ521に保存されている印刷ジョブをリスト表示する領域である。
図15の例では、印刷処理が開始されている印刷ジョブは存在しない。即ち、デジタル印刷機102のプリンタユニット203はアイドル状態であることを示している。
詳細/変更ボタン1507は、ホールドジョブリスト1502で選択状態にある印刷ジョブの詳細を確認し、或いは印刷仕様の変更を行う画面に遷移するためのボタンである。
プリント開始ボタン1508は、ホールドジョブリスト1502で選択された印刷ジョブの印刷処理の開始を指示するためのボタンである。ホールドジョブリスト1502に表示されている印刷ジョブの中から印刷ジョブが選択された状態でプリント開始ボタン1508が押下されると、選択された印刷ジョブはプリントジョブリスト1503に移動し表示される。中止ボタン1509は、プリント開始ボタン1508によって印刷処理が開始された状態の印刷ジョブの実行を中止させるためのボタンである。
メディアミスマッチ判定ボタン1504は、ホールドジョブリスト1502で選択された印刷ジョブについてメディアミスマッチ判定を実施するためのボタンである。
ホールドキューバッファ531にスタックされたジョブに対して、第1の実施形態におけるメディアミスマッチ判定に係る一連の処理の詳細について、図7に示したフローチャートを用いて説明する。この処理は、コントローラ部205のCPU212が、ROM207またはHDD209から読み出され、RAM208に展開されたUI機能プログラムを実行することにより達成される。
先ずS701で、CPU212は、ホールドキューバッファ531にスタックされたジョブが存在するか否かを判定する。S701での判定の結果、スタックされたジョブが存在すると判定された場合は、S702に進む。一方、S701での判定の結果、スタックされたジョブが存在しないと判定された場合は、S701に留まる。S702で、CPU212は、操作部204に表示される図15に示す画面上でユーザによる操作待ち状態に入る。ここで、ユーザにより何らかの操作が行われるまで、このS702に留まる。ユーザが操作部204上で何かしらの操作を実施するとS703に進み、CPU212は、その操作によりメディアミスマッチ判定ボタン1504が押下されたか否かを判定する。S703での判定の結果、メディアミスマッチ判定ボタン1504が押下されたと判定した場合は、S800に進む。S800で、CPU212は、メディアミスマッチ判定処理を実行する。尚、S800におけるメディアミスマッチ判定処理に係る詳細は後述する。
S800でメディアミスマッチ判定処理を実行した後、S1100に進む。S1100で、CPU212は、メディアミスマッチ判定結果を通知する処理を実行する。尚、S1100におけるメディアミスマッチ判定結果の通知処理に係る詳細は後述する。
S1100でメディアミスマッチ判定結果の通知処理を実行した後、S704に進む。S704で、CPU212は、監視ジョブ属性テーブル611に、S800でメディアミスマッチ判定を行ったジョブのうち、メディアミスマッチでないと判定されたジョブの属性を登録する処理を実行する。監視ジョブ属性テーブルに登録されるジョブの属性とは、当該ジョブで使用する給紙段やシートサイズとメディアタイプの組み合わせが算出されたものである。後述する給紙段監視部213やジョブ設定監視部214の監視対象である給紙段設定を監視ジョブ属性テーブル611の監視条件1(613)の列に、シートサイズとメディアタイプの組み合わせを監視条件2(614)の列に登録する。たとえば、図6に示すように監視ジョブ属性テーブル611の1行目のレコードは、ジョブID(=00001001)であるジョブで使用する給紙段は給紙段1と給紙段2である。また、使用するシートサイズと使用するメディアタイプの組み合わせは、A4の普通紙1とA4のコート紙1の2種類である。これらは監視条件1(613)と監視条件2(614)の列に登録されることで、「給紙段1,A4普通紙1」及び「給紙段2,A4コート紙1」が監視される。なお、監視ジョブ属性テーブル611には、監視条件を追加できるように監視条件3(615)の列が用意されている。このようにして、S704で、監視ジョブ属性テーブル611に該当ジョブの属性を登録する処理をした後は、S701に戻る。
一方、S703での判定の結果、メディアミスマッチ判定ボタン1504が押下されていないと判定した場合は、S705に進む。S705で、CPU212は、ユーザによる操作によって印刷開始ボタンが押下されたか否かを判定する。S705での判定の結果、印刷開始ボタンが押下されたと判定された場合は、S706に進み、CPU212は、印刷処理を実行する。
S706において、図15に示すホールドジョブリスト1502からユーザによって選択されて、印刷を開始されたジョブは、ホールドキューバッファ531から削除される。そして、プリントキューバッファ521に登録される。このとき、プリントキューバッファ521に登録されたジョブは、図15に示すプリントジョブリスト1503に表示される。
続いて、S707に進み、CPU212は、監視ジョブ属性テーブルから印刷を実行された当該ジョブの属性を削除する処理を実行した後、S701に戻る。
なお、S707において、監視ジョブ属性テーブルから当該ジョブの属性が削除されるのは、当該ジョブの属性が監視ジョブ属性テーブルに登録されていた場合に限られる。
一方、S705での判定の結果、印刷開始ボタンが押下されていないと判定された場合は、S708に進み、CPU212は、メディアミスマッチ判定処理及び印刷処理以外の処理であって、ユーザによる操作に従ったその他の処理を実行する。尚、S708の処理としては、たとえば、メディアミスマッチ判定が一度実施されたジョブを選択し、詳細/変更ボタン1507を押下することで、選択状態にある印刷ジョブの詳細を呼び出す画面への遷移等といった処理が考えられる。
第1の実施形態に係るメディアミスマッチ判定処理S800の詳細を説明するためのフローチャートを図8に示す。この処理は、コントローラ部205のCPU212が、ROM207またはHDD209から読み出され、RAM208に展開されたメディアミスマッチ判定機能プログラムを実行することにより達成される。S800における第1の実施形態に係るメディアミスマッチ判定処理は、メディアミスマッチ判定ボタン1504の押下に応じて実施される。また、メディアミスマッチ判定ボタン1504を再度押下したことに応じてメディアミスマッチ判定が再度実施され、判定結果が更新される。
第1の実施形態では、ホールドジョブリスト1502に表示されている印刷ジョブのうちで、ユーザによって選択された印刷ジョブを対象にして以降説明する処理を進める。尚、ここでは、ユーザによって選択された印刷ジョブを対象とするが、これに限らず、ホールドジョブリスト1502に表示されているすべての印刷ジョブを対象にして以降説明する処理を進めても構わない。
まずS801で、CPU212は、メディアミスマッチ判定対象とする印刷ジョブの個数が1以上であるかどうかを判定する。S801での判定の結果、メディアミスマッチ判定対象とする印刷ジョブの個数が1以上ある場合は、S802に進む。一方、S801での判定の結果、メディアミスマッチ判定対象とする印刷ジョブの個数がゼロである場合は、図8におけるメディアミスマッチ判定に係る処理を終了する。
そして、S802で、CPU212は、メディアミスマッチ判定対象とする印刷ジョブのすべてに対しメディアミスマッチ判定が完了したかどうかを判定する。S802での判定の結果、メディアミスマッチ判定対象とする印刷ジョブのすべてに対しメディアミスマッチ判定がまだ完了していない場合は、S803に進む。一方、S802での判定の結果、メディアミスマッチ判定対象とする印刷ジョブのすべてに対しメディアミスマッチ判定が完了した場合は、メディアミスマッチ判定に係る処理を完了する。
S803で、CPU212は、メディアミスマッチ判定対象とする印刷ジョブを1つ決定して、S804に進む。S804で、CPU212は、メディアミスマッチ判定対象としてS803で決定した印刷ジョブで使用する給紙部の決定法はシート種指定であるのか、それとも、給紙部指定であるのかに関する情報を取得して、S805に進む。
S805で、CPU212は、印刷ジョブで使用する給紙部の決定法はシート種指定であるか、それとも、給紙部指定であるかを判定する。尚、シート種指定の印刷ジョブとはCPU212がメディア管理部211に指示し、図16に示すようなシート管理テーブルを参照する。
デジタル印刷機102において各給紙部に収納されているシートの情報を管理するシート管理テーブルの一例について図16を用いて説明する。このシート管理テーブルは、HDD209内に格納され、CPU212によって参照される。図16に示した例においては、デジタル印刷機102が備える10の給紙部の各々について、給紙部ID1611をキーとし、サイズ1612、メディア種1613、残量1614の情報がそれぞれ管理されている。なお、シートの残量は、各給紙部で備えるセンサによって検知される。
例えば1601は、給紙部(ID=1)に収納されているシートのサイズがA4で、メディア種は普通紙1、その残量は3であることを示している。尚、この残量1614が示す数値は以下のような意味を持っている。3:フル(100%)、2:残量小(25%)、1:残量極めて小(5%未満)、0:残量なし(0%)となっている。尚、このシートの残量検知の精度は、残量センサの精度を上げる等すれば、もっと細かくできる。しかしながら、第1の実施形態に係るデジタル印刷機102では、上記のような仕様の残量検知を行う。例えば、フル(100%)とは、3000枚収納可能な給紙部に3000枚のシートが収納された状態である。残量小(25%)とは、3000枚収納可能な給紙部に750枚のシートが収納された状態である。残量極めて小(5%未満)とは、3000枚収納可能な給紙部に150枚未満のシートが収納された状態である。残量なし(0%)とは、3000枚収容可能な給紙部にシートが収納されていない状態、つまり、0枚を意味する。このように各給紙部が備えるセンサによって、各給紙部に収納されているシート残量を3段階で検知することができる。
例えば図16のシート管理テーブルを参照し、A4色紙(赤)を使う印刷ジョブはいずれかの給紙部にA4色紙(赤)が登録されているかどうかを判定する。そして、給紙部(ID=2)に収納されているシートのサイズがA4で、メディア種は色紙(赤)であると判定された結果、その給紙部(ID=2)が給紙先として決定される。一方、給紙部指定の印刷ジョブとは、例えば、図16に示したシート管理テーブルにおいて、給紙部(ID=3)を指定する印刷ジョブの場合、給紙部(ID=3)に収納されている「A3普通紙1」が給紙されることを意味する。
S805での判定の結果、印刷ジョブはシート種指定のジョブであると判定された場合はS900に進む。一方、印刷ジョブは給紙部指定のジョブであると判定された場合はS1000に進む。S900における処理、及び、S1000における処理の内容については、図9、図10を用いてそれぞれ後述する。S900又はS1000における処理が完了したら、S802に戻る。
メディアミスマッチ判定対象とする印刷ジョブがシート種指定のジョブである場合に行われるメディアミスマッチ判定処理S900を説明するためのフローチャートを図9に示す。この処理は、コントローラ部205のCPU212が、ROM207またはHDD209から読み出され、RAM208に展開されたメディアミスマッチ判定機能プログラムを実行することにより達成される。
S901で、CPU212は、このデジタル印刷機102が備える各給紙部に設定されているシートの種別及びシートの残量情報を取得する。このS901の処理は、CPU212がメディア管理部211に指示し、例えば前述した図16のシート管理テーブルを参照することによってなされる。S902に進み、CPU212は、メディアミスマッチ判定対象とする印刷ジョブに関して、ホールドキューバッファ531に保存されている印刷ジョブを読み出す。そして、図17で示すような印刷ジョブで使用するシート種の中で、シート種指定されているシート種の個数を取得する。
なお、図17は、図15で示すJobA、JobD、JobEの各ジョブが使用するシート情報を説明する図である。ここに示した情報は、ジョブホールド機能プログラムが印刷ジョブをホールドキューバッファ531に格納する際に、印刷設定も同時に格納することにより保持される。尚、印刷ジョブが使用するシート情報は、印刷設定に含まれる。図17(A)は、JobAが、サイズがA4でメディア種が「普通紙1」であるシートと、サイズがA4でメディア種が「両面コート紙1」であるシートの計2種類のシートを使用することを示している。また図17(B)は、JobDが、サイズがLTRでメディア種が「普通紙1」であるシートと、サイズが11X17でメディア種が「普通紙1」であるシートの計2種類のシートを使用することを示している。同様に図17(C)は、JobEが、サイズがA4でメディア種が「普通紙1」であるシートと、サイズがA4でメディア種が色紙(赤)であるシート、及びサイズがA3でメディア種が「両面コート紙2」の3種類のシートを使用することを示している。
次にS903に進み、CPU212は、S902で取得したシート種の個数分だけ、メディアミスマッチ判定の結果を保持するための2種類のフラグ(FlagA,FlagB)を各々設定して初期化処理を行う。なお、ここでFlagAとは、印刷ジョブで使用するシートの属性情報がいずれの給紙部にも登録されていないか否かを判定した結果を保持するためのフラグであり、RAM208に格納される。FlagBとは印刷ジョブで使用する予定のシートの残量がないか否かを判定した結果を保持するためのフラグであり、RAM208に格納される。FlagAがtrueである場合はメディアミスマッチ(シート種不一致)状態、即ち、いずれの給紙部にも設定されていないシート種を印刷ジョブが指定していることを示す。一方、FlagBがtrueである場合はメディアミスマッチ(シート残量なし)状態、即ち、印刷ジョブで利用するシート種のシート残量がゼロになっていることを示す。なお、FlagAの値をtrue(ミスマッチ)、FlagBの値をtrue(ミスマッチ)として、それぞれ初期化される。
次にS904に進み、CPU212は、このメディアミスマッチ判定処理が、メディアミスマッチ判定対象とする印刷ジョブで利用するすべてのシート種に対して完了したか否かを判定し、すべてのシート種に対して完了していないならばS905に進む。S905で、CPU212は、当該印刷ジョブにおいてメディアミスマッチ判定の対象とするシート種を1つ決定して、S906に進む。S906で、CPU212は、このデジタル印刷機102が備えるすべての給紙部に対してメディアミスマッチ判定処理が完了したか否かを判定する。このS906の判定の結果、まだメディアミスマッチ判定処理が行われていない給紙部が存在する場合はS907に進んで、CPU212は、次のメディアミスマッチ判定対象となる給紙部を決定してS908に進む。S908で、CPU212は、S905で決定された当該印刷ジョブにおいてメディアミスマッチ判定対象とするシート種が、S907で決定されたメディアミスマッチ判定対象となる給紙部に設定登録されているシート種と合致しているか否かを判定する。S908での判定の結果、これらが合致していないときはS906に戻って、次の給紙部に対するメディアミスマッチ判定処理を実行する。
一方、S908での判定の結果、シート管理プログラムによってHDD209に設定登録されているシート種が、S907で決定された給紙部に設定登録されているシート種と合致していると判定したときはS909に進む。S909で、CPU212は、FlagAの値を、給紙部に登録されているシート種を印刷ジョブが指定していることを表す「false(マッチ)」として、印刷ジョブと関連付けて保存する。S910に進み、CPU212は、S907で決定されたメディアミスマッチ判定対象となる給紙部におけるシートの残量があるか否かを判定する。S910での判定の結果、シートの残量があると判定されたならばS911に進む。S911で、CPU212は、FlagBの値を、印刷ジョブで利用するシート種のシート残量が有ることを表す「false(残量あり)」として印刷ジョブと関連付けて保存してS906に戻って、以降の処理を進める。一方、S910での判定の結果、シートの残量がない場合にはS906に戻って、以降の処理を進める。尚、S906での判定の結果、すべての給紙部に対してメディアミスマッチ判定処理が完了した場合はS904に戻って、以降の処理を進める。また、S904での判定の結果、メディアミスマッチ判定対象とする印刷ジョブで利用されるすべてのシート種に対してメディアミスマッチ判定が完了したときは、シート種指定である場合に行うメディアミスマッチ判定の一連の処理を完了する。以上が、図8のS900におけるシート種指定の場合のメディアミスマッチ判定処理の詳細説明である。
一方、S805での判定の結果、印刷ジョブは給紙部指定のジョブであると判定された場合は、S1000に進む。メディアミスマッチ判定対象とする印刷ジョブが給紙部指定のジョブである場合に行われるメディアミスマッチ判定処理S1000を説明するためのフローチャートを図10に示す。この処理は、コントローラ部205のCPU212が、ROM207またはHDD209から読み出され、RAM208に展開されたメディアミスマッチ判定機能プログラムを実行することにより達成される。
S1001で、CPU212は、メディアミスマッチ判定対象とする印刷ジョブに関して、図17で示すような印刷ジョブで利用するシートの情報として、印刷ジョブで使用するシート種の中で、給紙段が指定されているシート種の個数を取得する。次にS1002に進み、CPU212は、S1001で取得したシート種の個数分だけ、メディアミスマッチ判定(シート残量判定)の結果を保持するためのフラグ(Flag)を設定して初期化処理を行う。なお、ここでFlagとは、印刷ジョブで使用する予定のシートの残量が有るか否かを判定した結果を保持するためのフラグであり、RAM208に格納される。Flagの値がtrue(残量なし)である場合はメディアミスマッチ状態、即ち、印刷ジョブで利用するシート種のシート残量がゼロになっていることを示す。Flagの値はtrue(残量なし)として初期化される。なお、給紙段指定のジョブでは、ジョブで指定した給紙段にジョブで使用するシートが登録されているか否かの判定は行わない。そのため、シート種不一致判定用のフラグは保持しない。
次にS1003に進み、CPU212は、このメディアミスマッチ判定(シート残量判定)処理が、メディアミスマッチ判定(シート残量判定)対象とする印刷ジョブで利用するすべてのシート種に対して完了したか否かを判定する。S1003での判定の結果、すべてのシート種に対して完了していないならばS1004に進む。S1004で、CPU212は、当該印刷ジョブにおいてメディアミスマッチ判定(シート残量判定)の対象とするシート種を1つ決定して、S1005に進む。S1005で、CPU212は、当該印刷ジョブで利用するシート種のうち、S1004で決定されたシート残量判定対象となる当該シート種で指定された給紙部のシート残量情報を取得する。このS1005の処理は、CPU212がメディア管理部211に指示し、例えば図16に示すようなシート管理テーブルを参照することによってなされる。S1006に進み、CPU212は、S1005で取得した当該給紙部にシートの残量があるか否かを判定する。S1006での判定の結果、シートの残量があると判定されたならばS1007に進む。S1007で、CPU212は、Flagの値を印刷ジョブで使用する予定のシートの残量が有ることを表す「false(残量あり)」として印刷ジョブと関連付けて保存してS1003に戻って、以降の処理を進める。
尚、S1006での判定の結果、シートの残量がない場合にはS1003に戻って、以降の処理を進める。
また、S1003での判定の結果、メディアミスマッチ判定対象とする印刷ジョブで利用される全てのシート種に対してメディアミスマッチ判定(シート残量判定)が完了した場合、給紙部指定である場合に行うメディアミスマッチ判定の一連の処理を完了する。以上が、図8のS1000における給紙部指定の場合のメディアミスマッチ判定処理の詳細説明である。
メディアミスマッチ判定結果をホールドジョブリスト1502に通知する処理S1100のフローチャートを図11に示す。この処理は、コントローラ部205のCPU212が、ROM207またはHDD209から読み出され、RAM208に展開されたUI機能プログラムを実行することにより達成される。
S1101において、CPU212は、メディアミスマッチ判定を行った印刷ジョブはホールドジョブリスト1502に表示されているか否かを判定する。メディアミスマッチ判定を行った印刷ジョブはホールドジョブリスト1502に表示されていると判定した場合は、S1102に進む。
S1102では、CPU212は、メディアミスマッチ判定を行った印刷ジョブで使用するシートの属性情報がいずれの給紙部にも登録されていないか否かを判定したシート種不一致判定の結果を保持する為のフラグFlagAの値をRAM208から読み出す。そして、FlagAの値が「false(マッチ)」であるか否かを判定する。
S1102での判定の結果、少なくとも1つのシート種でFlagAの値がtrue(ミスマッチ)の場合はメディアミスマッチ(シート種不一致)状態、即ち、いずれの給紙部にも設定されていないシート種を印刷ジョブが指定している状態であることを示す。従って、その場合はS1103に進み、例えば図18に示すように、ホールドジョブリスト1502の当該印刷ジョブのエントリに、メディアミスマッチ状態であることを示すシート種不一致警告マーク1806を当該印刷ジョブに対応づけて表示する。なお、シート種不一致警告マーク1806は、印刷ジョブが使用するシート種(サイズ、及び、メディア種)のシートがいずれの給紙部にも設定されていないことを示している。そして、メディアミスマッチ判定結果を通知する一連の処理を完了する。
一方、S1102での判定の結果、すべてのシート種でFlagAの値がfalseである場合はS1104に進む。S1104で、CPU212は、FlagBの値をRAM208から読み出し、FlagBの値が「false(残量あり)」であるか否かを判定する。なお、FlagBとは、メディアミスマッチ判定を行った印刷ジョブで使用する予定のシートの残量がないか否かを判定したシート残量判定の結果を保持するためのフラグである。
S1104での判定の結果、少なくとも1つのシート種でFlagBの値がtrue(残量なし)の場合はメディアミスマッチ(シート残量なし)状態、即ち、印刷ジョブで利用するシート種のシート残量がゼロになっている状態であることを示す。従って、その場合はS1105に進み、例えば図18に示すように、ホールドジョブリスト1502の当該印刷ジョブのエントリに、メディアミスマッチ状態であることを示すシート残量なし警告マーク1805を当該印刷ジョブに対応づけて表示する。なお、シート残量なし警告マーク1805とは、印刷ジョブが使用するシートは給紙部に設定されているが、その残量がゼロであることを示す。そして、メディアミスマッチ判定結果を通知する一連の処理を完了する。一方、S1104での判定の結果、すべてのシート種でFlagBの値がfalse(残量あり)である場合は、印刷ジョブで利用するすべてのシート種でシート残量が有ることを意味し、メディアミスマッチ判定結果を通知する一連の処理を完了する。
第1の実施形態に係るデジタル印刷機102における、メディアミスマッチ判定結果をホールドジョブリスト1502に通知後の操作画面の一例について図18を用いて説明する。ここではオペレータAが、操作部204に表示されるジョブホールド機能の操作画面を操作し、印刷ジョブを選択した直後の表示例を示している。尚、図15と共通する部分は同じ記号で示している。ここではオペレータAが、JobA、JobD、JobEを順に選択し、3つのジョブが選択された状態になっている。ここで選択状態になっているジョブは、ジョブ名のフィールドの左の選択マーク(1801,1802,1803)で示され、更に選択された順番を示す数値が付与されている。また1804は、最後に選択されたJobEを示し、反転表示されている。これはホールドジョブリスト1502で現在選択された状態であることを示している。つまり、この状態で詳細/変更ボタン1507を押すと、JobEの詳細情報の確認及び設定の変更が可能となる。
図18において、ユーザが選択した3つのジョブ(JobA,JobD,JobE)の各々について、各印刷ジョブが使用予定であるシートとデジタル印刷機102の給紙段に設定されたシートとの整合をチェック(メディアミスマッチ判定)している。
例えば、JobAでは、その印刷ジョブが使用予定のシートは図16及び図17に示す通り、給紙段に設定されており、かつシートの残量もゼロではない。従って、JobAには、シート残量なし警告マーク1805、及びシート種不一致警告マーク1806のいずれも表示されていない。この場合、ユーザは、プリント開始ボタン1508を押下したときに、メディアミスマッチが発生する可能性が極めて低いことについて印刷開始を指示する前に知ることができる。
またJobDについては、その印刷ジョブが使用予定のシートは図16及び図17に示す通り、給紙段に設定されているが、シートの残量がゼロになっているものが存在する。具体的には「給紙段9」に設定されているサイズ「11X17」、メディア種が「普通紙1」のシートの残量が0である。従って、この状態でプリント開始ボタン1508を押すと、サイズ「11X17」のシートを給紙しようとした段階でメディアミスマッチ(シート残量なし)が発生して印刷処理が停止する。従って、JobDには、シート残量なし警告マーク1805で表示されている。シート残量なし警告マーク1805が表示されたことを認識したユーザは、適切な処置、即ち、給紙段9に、サイズ「11X17」、メディア種が「普通紙1」のシートの補給をすればよい。
またJobEの場合は、その印刷ジョブが使用予定のシートは図16及び図17で示す通り、いずれの給紙段にも設定されていないシートが存在する。具体的には、サイズA3、メディア種が「両面コート紙2」のシートがいずれの給紙段にも設定されていない。従って、JobEには、シート種不一致警告マーク1806で表示されている。尚、図18の状態で、ユーザが詳細/変更ボタン1507を押下すると、選択されているJobEが使用するシートサイズ及びメディア種(例えば図17(C))が表示される。ここで、いずれの給紙段にも設定されていないメディア情報(ここではA3,両面コート紙)を、例えば反転して表示することにより、ユーザに、いずれの給紙段にも設定されていないシートを提示することができる。従って、この状態でプリント開始ボタン1508を押すと、そのシートを給紙しようとした段階でメディアミスマッチ(シート種不一致)が発生して印刷ジョブが停止してしまうことを、ユーザは、印刷開始を指示する前に知ることができる。このマーク1806が表示されたことを確認したユーザは、適切な処置、即ち、別の給紙段(印刷ジョブで使用されることが決定していない給紙段が望ましい。)を特定し、その給紙段のシートの設定をサイズA3、メディア種が「両面コート紙2」に変更する。更に、ユーザは、その給紙段に、対応するシートを補給する。元々入っているシートがあれば、ユーザは、そのシートを、対応するシートに交換すればよい。
本実施形態ではシート残量なし警告マーク1805とシート種不一致警告マーク1806の形を変えている。これによって、ユーザは、ジョブのシートがいずれの給紙段にも設定されていないのか、ジョブのシートが設定されてはいるが残量がゼロであるのかを区別して認識することができる。このように、メディアミスマッチ判定を行うと、メディアミスマッチが発生する可能性のある印刷ジョブに対応付けて、それぞれ上記マーク1805、1806を表示することにより、ユーザに印刷ジョブの停止を回避させることが可能となる。
また図18の状態で、ユーザがJobDを選択して詳細/変更ボタン1507を押下すると、JobDが使用するシートサイズ及びメディア種(例えば図17(B))が表示される。ここで、CPU212は、残量がゼロであるシート情報を点滅させる。また、CPU212は、そのシートが設定されている給紙段の表示を点滅させる。これによりユーザは、JobDが使用するシートサイズ及びメディア種で残量がゼロのシート情報と、その給紙段を把握できる。このように、シートサイズ及びメディア種を表示する場合にも、シートがいずれの給紙段にも設定されていないときのシート情報の表示の仕方と、シートの残量がゼロのシート情報の表示の仕方とを変える。それによって、ユーザは、表示されたサイズ及び種類のシートが、いずれの給紙段にも設定されていないのか、シートの残量がゼロなのかを区別して知ることができる。なお、ここでは、いずれの給紙段にも設定されていないメディア情報を反転させて表示し、残量がゼロであるシート情報を点滅させて表示させた。これに限らず、それぞれのシート情報にシート残量なし警告マーク1805とシート種不一致警告マーク1806を対応付けて表示させてもよい。
以上説明したように、あるジョブに対するメディアミスマッチ判定処理は、ジョブ属性テーブル621に登録された1つのシートID622に対して、シート管理テーブル631に登録されたすべての給紙段ID1611の内容との比較処理を行う。そのため、あるジョブが複数のシート種を使用する場合は、ジョブ属性テーブル621に登録されたすべてのシートID622の個数分だけ繰り返す。すなわち、シート管理テーブル631に登録されたすべての給紙段ID1611の内容との比較処理を繰り返し行う必要がある。
一方、メディアミスマッチ判定ボタン1504が押下されて、メディアミスマッチ判定が一度行われてから実行指示が与えられるまでの間、メディアミスマッチ状態であるか否かをリアルタイムに監視することが本来望ましい。しかし、リアルタイムに状態を監視するためには、メディアミスマッチ判定による比較処理を定期的に繰り返し行う必要がある。したがって、CPUやメモリなどに制限があるような印刷装置においては、リアルタイム監視を行うことは尚更難しいといえる。
しかし、CPUやメモリなどに制限があるような印刷装置においても、メディアミスマッチ判定が一度行われてから実行指示が与えられるまでの間、メディアミスマッチ状態が変化したことをユーザに通知することが望ましい。そこで、本実施形態では、CPUやメモリなどに制限があるような印刷装置においても、メディアミスマッチ判定が一度行われてから実行指示が与えられるまでの間、メディアミスマッチ状態が変化したことをユーザに通知する技術について説明する。
給紙段監視部213によって行われるシート管理テーブル631の監視処理、及び、ジョブ設定監視部214によって行われるジョブ属性詳細テーブル621の監視処理の一連のフローについて、図12に示すフローチャートを用いて説明する。この処理は、コントローラ部205のCPU212が、ROM207またはHDD209から読み出され、RAM208に展開されたUI機能プログラムを実行することにより達成される。
まずS1201で、CPU212は、監視ジョブ属性テーブル611とシート管理テーブル631との登録値が異なるか否かを表すフラグ(FlagC)の値を初期化する。また、監視ジョブ属性テーブル611とジョブ属性詳細テーブル621との登録値が異なるか否かを表すフラグ(FlagD)の値を初期化する。FlagCの値は「false(異ならない)」とし、FlagDの値も「false(異ならない)」とする。そして、S1202に進む、CPU212は、監視ジョブ属性テーブル611にジョブが登録されているか否かを判定する。S1202での判定の結果、監視ジョブ属性テーブル611にジョブが登録されている場合は、S1310に進む。
給紙段監視部213によって行われるシート管理テーブル631の監視動作S1310の詳細を図13(A)に示すフローチャートを用いて説明する。この処理は、コントローラ部205のCPU212が、ROM207またはHDD209から読み出され、RAM208に展開された給紙段監視プログラムを実行することにより達成される。
図13(A)において、S1311で、CPU212は、給紙段監視部213によるシート管理テーブル631の監視を開始する。このとき、シート管理テーブル631の属性値が変化したか否かを表す変更フラグ(FlagC)の値をfalse(変化なし)に上書きする。そして、S1312に進み、CPU212は、監視ジョブ属性テーブル611の監視条件1(613)に登録されている給紙段の情報を取得する。そして、監視対象ジョブ属性テーブル1611に登録されているすべてのジョブに対して、監視条件1(613)に登録されている給紙段の情報を収集する。これによって、給紙段監視部213が監視対象とする給紙段が特定される。例えば、図6に示した監視ジョブ属性テーブル611では、登録されている3つのジョブに対して、監視条件1(613)に登録されている給紙段の情報のすべてを収集する。この結果、監視対象とすべき給紙段は、給紙段1、給紙段2、給紙段3、及び、給紙段5と特定される。
続いて、S1313に進み、CPU212は、S1312で特定された監視対象である給紙段に登録されている属性値(サイズ633、メディア種634等)をシート管理テーブル631から取得する。そして、S1314に進み、CPU212は、シート管理テーブル631において監視対象である給紙段に登録されている属性値が変化したか否かを判定する。S1314での判定の結果、属性値が変化したと判定された場合はS1315に進み、CPU212は、属性値が変化したことを表すため、FlagCの値をtrue(変化あり)に上書きする。そして、S1310における一連の処理から抜けて、図12におけるS1320に進む。一方、S1314での判定の結果、属性値が変化していないと判定された場合は、S1310における一連の処理から抜け、続いて図12におけるS1320に進む。
ジョブ設定監視部214によって行われるシート属性詳細テーブル621の監視動作S1320の詳細を図13(B)に示すフローチャートを用いて説明する。この処理は、コントローラ部205のCPU212が、ROM207またはHDD209から読み出され、RAM208に展開されたジョブ設定監視プログラムを実行することにより達成される。
図13(B)において、S1321で、CPU212は、ジョブ設定監視部214によるシート属性詳細テーブル621の監視を開始する。このとき、ジョブ属性詳細テーブル621の属性値が変化したか否かを表す変更フラグ(FlagD)の値をfalse(変化なし)に上書きする。そして、S1322に進み、CPU212は、監視ジョブ属性テーブル611の監視条件2(614)に登録されているシートサイズとメディアタイプの組み合わせの情報(シート種)を取得し、ジョブ設定監視部214が監視対象とするシート種が特定される。例えば、図6に示した監視ジョブ属性テーブル611では、登録されている3つのジョブに対して、監視対象とすべきシート種は、A4普通紙1、A4コート紙1、A3普通紙1、及び、A4タブ紙の4種類と特定される。
続いて、S1323に進み、CPU212は、ジョブ属性詳細テーブル621に登録されているジョブの属性値(サイズ指定624とメディア種指定625の組み合わせ)の設定情報を取得する。
そして、S1324に進み、CPU212は、監視対象であるジョブ属性詳細テーブル621に登録されているジョブの属性値が変化したか否かを判定する。S1324での判定の結果、属性値が変化したと判定された場合はS1325に進み、CPU212は、属性値が変化したことを表すため、FlagDの値をtrue(変化あり)に上書きする。そして、S1320における一連の処理から抜けて、S1203に進む。一方、S1324での判定の結果、属性値が変化していないと判定された場合は、S1320における一連の処理から抜けて、S1203に進む。
S1203で、CPU212は、FlagCの値がtrue(変化あり)であるか、又は、FlagDの値がtrue(変化あり)であるか否かを判定する。S1203での判定の結果、FlagC、FlagDの値のうち、少なくとも一方がtrue(変化あり)である場合は、S1204に進む。S1204で、CPU212は、ホールドキュー属性テーブル532のメディアミスマッチ判定識別フラグ532bの値を「メディアミスマッチ不明状態」に変更する。なお、メディアミスマッチ不明状態とはここでは、メディアミスマッチ処理の実行結果であるメディアミスマッチ無しの判定結果の有効性が切れた状態のことをいう。そして、S1205に進み、CPU212は、ホールドジョブリスト1502の当該印刷ジョブのエントリに、メディアミスマッチ不明状態であることを示すメディアミスマッチ不明マーク1901を当該印刷ジョブに対応づけて表示して、S1202に戻る。一方、S1203での判定の結果、FlagC、FlagDの値のいずれもfalseである場合は、S1202に戻る。
一方、S1202での判定の結果、監視ジョブ属性テーブル611にジョブが登録されていない場合は、S1206に進む。S1206で、CPU212は、給紙段監視部213によるシート管理テーブル631の監視動作を停止し、S1207に進む。S1207で、CPU212は、ジョブ設定監視部214によるジョブ属性詳細テーブル621の監視動作を停止する。そして、給紙段監視部213によって行われるシート管理テーブル631の監視処理、及び、ジョブ設定監視部214によって行われるジョブ属性詳細テーブル621の監視処理に係る一連の処理を完了する。
第1の実施形態に係るデジタル印刷機102において、メディアミスマッチ不明マーク1901をホールドジョブリストに表示後の操作画面の一例について図19を用いて説明する。尚、図15及び図18と共通する部分は同じ記号で示している。図18に示したホールドジョブリストと図19に示したホールドジョブリストとの差分は、図19にはJobAにおいてメディアミスマッチ不明マーク1901が表示されていることである。例えば、図17(A)で示すJobAで使用するシートが「A4普通紙1」から「A3普通紙1」に変化し、ジョブ属性の設定変更が行われることによって、JobAはメディアミスマッチ無し状態からメディアミスマッチ不明状態に変更される。
以上の処理フローにより、給紙段登録の設定変更やジョブ属性の設定変更によって、属性値に変更があった場合、当該ジョブをメディアミスマッチ無し状態からメディアミスマッチ不明状態に変更し表示する。これによって、ユーザは、メディアミスマッチ判定の結果、メディアミスマッチ状態でないと判定されたジョブが、メディアミスマッチ不明状態に変更されたことを知ることができる。このメディアミスマッチ不明状態のジョブに対して、ユーザは再度メディアミスマッチ判定を実行すればよいことになる。再度メディアミスマッチ判定を実行した結果、もし、メディアミスマッチが生じていたならば、ユーザはメディアミスマッチ状態を解消する作業を行えばよい。これにより、ユーザはメディアミスマッチ無しの状態で印刷を開始することができる。
また、前述したS704では、S800で行ったメディアミスマッチ判定の結果、メディアミスマッチでないと判定されたジョブだけを監視ジョブ属性テーブル611に登録する場合を考えたが、このような場合に限らない。S800でメディアミスマッチ判定を行ったすべてのジョブを監視ジョブ属性テーブル611に登録してもよい。
なお、前述した監視処理では、S1202における判定によって、監視ジョブ属性テーブル611にジョブの登録がある限り、監視処理を繰り返すようにしていたが、このような場合に限らない。たとえば、シート管理テーブル631、または、ジョブ属性詳細テーブル621の設定値が変更されたことに従って、S1310、S1320に係る監視動作を開始する仕様にしても構わない。これによって、前述した監視処理に係る判定回数がより少なくなり、CPUやメモリなどに制限があるような印刷装置においてはより実現しやすい機能となる。
[第2の実施形態]
前述した第1の実施形態では、メディアミスマッチ判定を実施後、メディアミスマッチ無し状態のジョブを監視ジョブ属性テーブル611に登録した。そして、監視ジョブ属性テーブル611に登録されたジョブについて、そのジョブで使用するすべてのシート種の属性値を監視条件2(614)に登録した上で監視処理を行う場合について説明した。
一方、第2の実施形態では、メディアミスマッチ判定によってメディアミスマッチ有りと判定されたジョブのうち、メディアミスマッチ状態であるシート種のみを監視ジョブ属性テーブルに登録する。これによって、メディアミスマッチ判定によってメディアミスマッチ有りと判定されたジョブが、その後、メディアミスマッチ状態が不明になったことをユーザに知らせる場合について説明する。
第2の実施形態である印刷システムの構成は、第1の実施形態と同様に、デジタル印刷機102とコンピュータ101とが、ネットワーク100を介して接続されている。また、第2の実施形態に係るデジタル印刷機102の機能構成を示す機能ブロック図、及び、第2の実施形態に係るコンピュータ(PC)101の構成を示すブロック図は第1の実施形態と同様であるため、それらの説明を省略する。第2の実施形態に係るデジタル印刷機102による処理を説明するための一連のフローチャートは第1の実施形態で説明した図7〜図13と同様であるため省略する。
第2の実施形態において図7のS704で監視ジョブ属性テーブルに登録されるジョブの属性について、図20で示す監視ジョブ属性テーブル2011を用いて説明する。尚、図6と共通する部分は同じ記号で示している。また、第2の実施形態で行われる監視処理で参照されるジョブ詳細テーブルは図6(B)と同様であり、かつ、シート管理テーブルは図6(C)と同様である。
図20に示す監視ジョブ属性テーブル2011には、図7のS800でメディアミスマッチ有りと判定されたジョブIDの値が00001009のジョブが、S704によって登録されている。なお、このジョブは、図6(B)のジョブ属性詳細テーブル621で示したように、ジョブで使用する「シート2」においてミスマッチ(メディアミスマッチ有り)と判定されている。そこで、監視ジョブ属性テーブル2011の監視条件3(615)の列には、メディアミスマッチ判定においてメディアミスマッチ有りと判定されたシートのIDである「シート2」が登録される。そして、監視条件1(613)の列には、ジョブで使用する「シート2」の給紙部決定法に関する属性値である「AUTO」(シート種指定)が登録される。また、監視条件2(614)の列には、ジョブで使用する「シート2」のサイズ指定とメディア指定の組み合わせ(シート種)に関する属性値である「A4コート紙3」が登録される。
第2の実施形態で行われる、給紙段監視部213によるシート管理テーブルの監視動作S1310について、図13(A)に示したフローチャートを用いて、第1の実施形態との差分を中心に説明する。この処理は、コントローラ部205のCPU212が、ROM207またはHDD209から読み出され、RAM208に展開されたジョブ設定監視プログラムを実行することにより達成される。
S1312では、CPU212は、監視ジョブ属性テーブル2011の監視条件1(613)に登録されている給紙段の情報を取得する。そして、監視ジョブ属性テーブル2011に登録されているすべてのジョブに対して、監視条件1(613)に登録されている給紙段の情報を収集する。これによって、給紙段監視部213が監視対象とする給紙段が特定される。例えば、図20に示した監視ジョブ属性テーブル2011では、登録されているジョブは全部で1つであり、監視条件1(613)に登録されている給紙段の情報を収集した結果、監視対象とすべき給紙段は「無し」と特定される。監視対象とすべき給紙段が「無し」と特定される理由は、監視条件1(613)に登録されている給紙段の情報はAUTO(シート種指定)のみだからである。S1311〜S1315の処理は第1の実施形態と同様の処理を行うため、それらの説明は省略する。
続いて、第2の実施形態で行われる、ジョブ設定監視部214によるジョブ属性詳細テーブルの監視動作S1320について、図13(B)に示したフローチャートを用いて、第1の実施形態との差分を中心に説明する。この処理は、コントローラ部205のCPU212が、ROM207またはHDD209から読み出され、RAM208に展開されたジョブ設定監視プログラムを実行することにより達成される。
S1322で、CPU212は、監視ジョブ属性テーブル2011の監視条件2(614)に登録されているシートサイズとメディアタイプの組み合わせの情報(シート種)を取得する。例えば、図20に示した監視ジョブ属性テーブル2011では、監視条件2(614)に登録されているシートサイズとメディア種の組み合わせ(シート種)の情報を収集する。この結果、監視対象とすべきシート種は、「A4コート紙3」の1種類のみと特定される。S1321〜S1325の処理は第1の実施形態と同様の処理を行うため、それらの説明は省略する。
以上説明したように、第2の実施形態では、メディアミスマッチ判定によってメディアミスマッチ有りと判定されたジョブが、その後、当該ジョブの設定が変更されたことによりメディアミスマッチ状態が不明になったことを判断するものである。
メディアミスマッチ状態が不明になったジョブの表示、メディアミスマッチ有りマーク1805、1806からメディアミスマッチ不明状態マーク1901に変更される。メディアミスマッチ不明状態とはここでは、メディアミスマッチ判定処理の実行結果であるメディアミスマッチ有りの状態の有効性が切れた状態のことをいう。これにより、ユーザは、メディアミスマッチ不明状態のジョブに対して、再度メディアミスマッチ判定を実行すればよいことになる。再度メディアミスマッチ判定を実行した結果、もし、メディアミスマッチが生じていたならば、ユーザはメディアミスマッチ状態を解消する作業を行えばよい。これにより、ユーザはメディアミスマッチ無しの状態で印刷を開始することができる。
なお、ここでは、メディアミスマッチ無し状態からメディアミスマッチ不明状態になったこと、及び、メディアミスマッチ有り状態からメディアミスマッチ不明状態になったことを、それぞれ同じマーク1901によって表示したが、このような場合に限らない。メディアミスマッチ無し状態からメディアミスマッチ不明状態になったこと、及び、メディアミスマッチ有り状態からメディアミスマッチ不明状態になったことを区別して認識するために、それぞれ異なるマークによって表示させてもよい。
[第3の実施形態]
メディアミスマッチ判定を実施した後、しばらく時間が経過していた場合、その間にオペレータが変わっていたり、給紙段に収納されていたシートの残量が減っていたり、シートそのものが抜き取られているといったことが起こりうる。
そこで、第3の実施形態では、メディアミスマッチ判定を実施済みのジョブに対するメディアミスマッチ判定結果の有効期限という概念を導入する。
第3の実施形態である印刷システムの構成は、第1の実施形態と同様に、デジタル印刷機102とコンピュータ101とが、ネットワーク100を介して接続されている。また、第3の実施形態に係るデジタル印刷機102の機能構成を示す機能ブロック図、及び、第3の実施形態に係るコンピュータ(PC)101の構成を示すブロック図は第1の実施形態と同様であるため、それらの説明を省略する。
なお、第3の実施形態では、デジタル印刷機102によって実行されるプログラムとして、後述する有効期限判定プログラムが追加されている。有効期限判定プログラムとは、後述する図26の有効期限設定画面2601によって受け付けた所定の条件にしたがって、メディアミスマッチ判定を実施済みのジョブに対するメディアミスマッチ判定結果の有効性を判定するために実行するプログラムである。このプログラムによって得られた判定結果の情報は、HDD209に格納される。
ホールドキューバッファ531にスタックされたジョブに対して、第3の実施形態におけるメディアミスマッチ判定に係る一連の処理の詳細について、図21に示したフローチャートを用いて説明する。この処理は、コントローラ部205のCPU212が、ROM207またはHDD209から読み出され、RAM208に展開された有効期限判定プログラムを実行することにより達成される。
尚、第1の実施形態におけるメディアミスマッチ判定に係る一連の処理である図7と共通する部分は同じ記号で示し、詳細な説明を省略する。
第3の実施形態では、S708で実行されるその他の処理として、たとえば、メディアミスマッチ機能設定変更ボタン2503が押下されることによって、メディアミスマッチ判定結果の有効期限設定画面2601への遷移等といった処理が考えられる。図26の有効期限設定画面2601上での処理の詳細は後述する。
図21のS2200で実行されるメディアミスマッチ判定処理の詳細について、図22に示すフローチャートを用いて説明する。尚、第1の実施形態におけるメディアミスマッチ判定処理である図8と共通する部分は同じ記号で示し、詳細な説明を省略する。
S2201で、CPU212は、メディアミスマッチ判定対象とする印刷ジョブの個数が1以上であるかどうかを判定する。なお、メディアミスマッチ判定対象とする印刷ジョブの範囲は、ユーザによって選択された印刷ジョブとしても良いし、図15のホールドジョブリスト1502に表示されているすべての印刷ジョブとしても良い。S2201での判定の結果、メディアミスマッチ判定対象とする印刷ジョブの個数が1以上ある場合は、図8のS802〜S805と同様の動作を行う。
又、S900、または、S1000において、CPU212は、給紙部の決定法がシート種指定の場合、または、給紙部指定の場合のいずれかにおけるメディアミスマッチ判定処理を実行する。尚、S900、または、S1000における処理の詳細は、第1の実施形態で図9、図10を用いて説明したフローと同様のため説明を省略する。S900、または、S1000の処理を実施後、S2202に進む。S2202で、CPU212は、メディアミスマッチ判定を実施した時刻として、HDD209にジョブと関連付けて現在時刻を記憶し、S802に戻る。
第3の実施形態におけるメディアミスマッチ判定結果の有効期限判定(有効期限経過時間設定、及び、有効期限時刻設定にしたがって行われる)に係る一連の処理について、図23に示すフローチャートを用いて詳細を説明する。この処理は、コントローラ部205のCPU212が、ROM207またはHDD209から読み出され、RAM208に展開された有効期限判定プログラムを実行することにより達成される。なお、図23における処理は、操作部204の表示部に図25に示す画面が表示されている状態で開始される。
なお、操作部204に表示される図25のジョブホールド機能の操作画面の詳細は後述する。
まず、S2301で、CPU212は、図5のホールドキューバッファ531にスタックされたジョブが図25のホールドジョブリスト1502に表示されているか否かを判定する。S2301での判定の結果、ホールドジョブリスト1502にジョブが表示されていると判定された場合は、S2302に進む。一方、S2301での判定の結果、ホールドジョブリスト1502にジョブが表示されていないと判定された場合は、メディアミスマッチ判定結果の有効期限判定に係る一連の処理を終了する。
S2302で、CPU212は、ホールドジョブリスト1502に表示されているすべてのジョブに対して、メディアミスマッチ判定結果の有効期限判定が完了したか否かを判定する。S2302での判定の結果、ホールドジョブリスト1502に表示されているすべてのジョブに対して、メディアミスマッチ判定結果の有効期限判定が完了した場合は、一連の処理を終了する。一方、S2302での判定の結果、ホールドジョブリスト1502に表示されているすべてのジョブに対して、メディアミスマッチ判定結果の有効期限判定が完了していない場合は、S2303に進む。S2303で、CPU212は、ホールドジョブリスト1502からメディアミスマッチ判定結果の有効期限判定対象とするジョブを1つ決定し、S2304に進む。S2304で、CPU212は、S2303で決定された当該ジョブは、メディアミスマッチ判定が既に実施されているか否かを判定する。S2304での判定の結果、当該ジョブはメディアミスマッチ判定が既に実施されている場合はS2305に進む。一方、S2304での判定の結果、メディアミスマッチ判定がまだ実施されていない場合はS2302に戻る。
S2305で、CPU212は、S2303で決定された当該ジョブは、メディアミスマッチ判定結果の有効期限判定によって既に有効期限切れであると判定されたジョブであるか否かを判定する。S2305での判定の結果、当該ジョブは既に有効期限切れでないと判定された場合はS2306に進む。一方、S2305での判定の結果、当該ジョブは既に有効期限切れであると判定された場合はS2302に戻る。
S2306で、CPU212は、有効期限経過時間設定画面2711によって、メディアミスマッチ判定を実施してからの経過時間によりメディアミスマッチ判定結果を有効期限切れとして区別するために有効期限経過時間の設定がなされているか否かを判定する。
なお、操作部204に表示される図27(A)のメディアミスマッチ判定結果の有効期限経過時間設定画面2711の詳細は後述する。S2306での判定の結果、有効期限経過時間の設定がされていると判定された場合は、S2307に進む。一方、S2306での判定の結果、有効期限経過時間の設定がされていないと判定された場合は、S2309に進む。S2309における処理の詳細は後述する。
S2307で、CPU212は、現在の時刻、前述のS2202によってHDD209に記憶された当該ジョブについてメディアミスマッチ判定の実施時刻、及び、後述の有効期限経過時間設定画面2711で設定された有効期限経過時間を取得して値を比較する。
そして、S2308に進み、CPU212は、S2307での比較の結果、当該ジョブはメディアミスマッチ判定を実施してからの経過時間が有効期限経過時間を超過しているか否かを判定する。S2308での判定の結果、メディアミスマッチ判定を実施してからの経過時間が有効期限経過時間を超過している場合は、S2312に進む。S2312における処理の詳細は後述する。
一方、S2308での判定の結果、メディアミスマッチ判定を実施してからの経過時間が有効期限経過時間をまだ経過していない場合は、S2309に進む。
S2309で、CPU212は、図27の有効期限時刻設定画面2721によって、メディアミスマッチ判定を実施後、特定の時刻になったら、メディアミスマッチ判定結果を有効期限切れとして区別する為に有効期限時刻が設定されているか否かを判定する。なお、操作部204に表示される図27(B)のメディアミスマッチ判定結果の有効期限時刻設定画面2721の詳細は後述する。
S2309での判定の結果、有効期限時刻の設定がされていると判定された場合は、S2310に進む。一方、S2306での判定の結果、有効期限時刻の設定がされていないと判定された場合は、S2302に戻る。
S2310で、CPU212は、現在の時刻、図22のS2202によってHDD209に記憶された当該ジョブのメディアミスマッチ判定の実施時刻、及び、後述の有効期限時刻設定画面2721で設定された有効期限時刻を取得して、これらの値を比較する。
そして、S2311に進み、CPU212は、S2310での比較の結果、当該ジョブはメディアミスマッチ判定を実施後、現在の時刻は有効期限時刻をすでに過ぎているか否かを判定する。S2311での判定の結果、現在の時刻は有効期限時刻をすでに過ぎている場合はS2312に進む。一方、S2311での判定の結果、現在の時刻は有効期限時刻をまだ過ぎていない場合は、S2302に戻る。
S2312で、CPU212は、当該ジョブのメディアミスマッチ判定結果は「メディアミスマッチ無し」であったか否かを判定する。メディアミスマッチ無し状態とは、具体的には、当該ジョブで使用する全シート種において、シート種不一致判定用のフラグの値がfalse(マッチ)であり、かつ、シート残量判定用のフラグの値がfalse(残量あり)であることを意味する。また、「メディアミスマッチ無し」のジョブについては、ホールドジョブリスト1502上で、シート種不一致警告マーク1806、シート残量なし警告マーク1805のいずれも表示されていない。
S2312での判定の結果、該ジョブのメディアミスマッチ判定結果は「メディアミスマッチ無し」であった場合は、S2313に進む。一方、S2312での判定の結果、該ジョブのメディアミスマッチ判定結果は「メディアミスマッチ有り」であった場合は、S2314に進む。なお、メディアミスマッチ有り状態のジョブには、ホールドジョブリスト1502上で、シート種不一致警告マーク1806、または、シート残量なし警告マーク1805のいずれかが表示されている。
S2313で、CPU212は、メディアミスマッチ判定結果を有効期限切れとみなし、ホールドジョブリスト1502上で、メディアミスマッチ無し状態有効期限切れマーク2501を図25のように当該ジョブに対応づけて表示して、S2302に戻る。なお、メディアミスマッチ無し状態有効切れマーク2501が付されたジョブは、メディアミスマッチ判定を実施した結果、メディアミスマッチ状態ではないと一旦判定されたジョブである。その後、後述する所定の条件を満たすことによって、メディアミスマッチ判定結果の有効期限が切れた信用性が低いジョブであることを表す。
一方、S2314では、CPU212は、当該ジョブのメディアミスマッチ判定結果を有効期限切れとみなす。そして、ホールドジョブリスト1502上で、シート種不一致警告マーク1806又はシート残量なし警告マーク1805に代えて、メディアミスマッチ有り状態有効期限切れマーク2502を図25のように当該ジョブに対応づけて表示して、S2302に戻る。なお、メディアミスマッチ有り状態有効切れマーク2502が付されたジョブは、メディアミスマッチ判定を実施した結果、メディアミスマッチ状態であると一旦判定されたジョブである。その後、後述する所定の条件を満たすことによって、メディアミスマッチ判定結果の有効期限が切れた信頼性が低いジョブであることを表す。
また、第3の実施形態におけるメディアミスマッチ判定結果の有効期限判定(有効期限電源オフ設定にしたがって行われる)に係る一連の処理について、図24に示すフローチャートを用いて詳細を説明する。この処理は、コントローラ部205のCPU212が、ROM207またはHDD209から読み出され、RAM208に展開された有効期限判定プログラムを実行することにより達成される。なお、図24における処理は、デジタル印刷機102の電源がOFF状態から電源をON状態にする要求を受け付けた状態で開始される。図23と共通する部分は同じ記号で示し、詳細な説明を省略する。
まず、S2401で、CPU212は、デジタル印刷機102の電源がオフの状態から電源をオンにする要求を受け付けたことに従って、デジタル印刷機102の起動処理を行い、S2402に進む。S2402で、CPU212は、図27の有効期限電源オフ設定画面2731において、メディアミスマッチ判定を実施後、電源がOFFになったら、メディアミスマッチ判定結果を有効期限切れとして区別する為の設定がONにされているか否かを判定する。なお、操作部204に表示される図27(C)のメディアミスマッチ判定結果の有効期限電源オフ設定画面2731の詳細は後述する。
S2402での判定の結果、有効期限電源オフ設定がオンに設定されている場合はS2301に進む。一方、S2402での判定の結果、有効期限電源オフ設定がオフに設定されている場合は、メディアミスマッチ判定結果の有効期限判定に係る一連の処理を終了する。S2301以降の処理は、図23のフローで説明した処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。S2305で、CPU212によって、メディアミスマッチ判定結果がまだ有効期限切れになっていないと判定されたジョブは、S2312以降の処理に進む。そのため、ホールドジョブリスト1502に表示されているメディアミスマッチ判定済みのジョブは、既に有効期限切れとなっているジョブと合わせて、結果的にすべてが有効期限切れとされる。
第3の実施形態に係るデジタル印刷機102において、操作部204に表示されるジョブホールド機能の操作画面の一例について図25を用いて説明する。尚、図15と共通する部分は同じ記号で示している。また、図25は、図14のメイン画面においてホールド機能選択ボタン1402を押下しジョブホールド機能の操作画面が表示された直後の状態の一例を示している。図25に示す通り、ジョブホールド機能に表示されているジョブリストの各エントリに対し、前述したシート残量なし警告マーク1805やシート種不一致警告マーク1806が最初から表示済の状態となっている。また、その他に、メディアミスマッチ無し状態有効切れマーク2501、及び、メディアミスマッチ有り状態有効切れマーク2502が最初から表示済の状態となっている。
図25において、メディアミスマッチ機能設定変更ボタン2503は、メディアミスマッチ機能に関する設定を行うための画面遷移を指示するためのボタンである。このボタンが指示を受け付けると、操作部I/F202を通してCPU212に伝送される。そして、図26で示すようなメディアミスマッチ判定結果の有効期限設定画面2601に遷移する。
有効期限設定画面2601は、一度実施したメディアミスマッチ判定の結果に対して、有効期限切れとして区別するための所定の条件を設定するための画面である。有効期限設定画面2601には、経過時間設定ボタン2602、時刻設定ボタン2603、及び、電源オフ設定ボタン2604を有している。
経過時間設定ボタン2602は、メディアミスマッチ判定を実施してからの経過時間によって、メディアミスマッチ判定結果を有効期限切れとして区別する設定を行うためのボタンである。有効期限設定画面2601において、ユーザによって、経過時間設定ボタン2602が指示を受け付けると、後述する図27(A)に示すような有効期限経過時間設定画面2711に遷移する。この経過時間設定ボタン2602の隣には、有効期限経過時間設定画面2711によって設定された時間が表示される。即ち、メディアミスマッチ判定を実施後、有効期限経過時間設定画面2711によって設定された時間が経過すると、図25のように、メディアミスマッチ無し状態有効切れマーク2501又はメディアミスマッチ有り状態有効切れマーク2502が表示される。これによって、メディアミスマッチ判定結果の有効期限が切れた信頼性が低いジョブを、通常のマークが付されたジョブと区別することができる。
一方、時刻設定ボタン2603は、メディアミスマッチ判定を実施後、特定の時刻になったら、メディアミスマッチ判定結果を有効期限切れとして区別する設定を行うためのボタンである。有効期限設定画面2601において、ユーザによって、時刻設定ボタン2603が指示を受け付けると、後述する図27(B)に示すような有効期限時刻設定画面2721に遷移する。この時刻設定ボタン2603の隣には、有効期限時刻設定画面2721によって設定された時刻が表示される。即ち、メディアミスマッチ判定を実施後、有効期限時刻設定画面2721によって設定された時刻を過ぎると、図25のように、メディアミスマッチ無し状態有効切れマーク2501又はメディアミスマッチ有り状態有効切れマーク2502が表示される。これによって、メディアミスマッチ判定結果の有効期限が切れた信頼性が低いジョブを、通常のマークが付されたジョブと区別することができる。
また、一方、電源オフ設定ボタン2604は、メディアミスマッチ判定を実施後、デジタル印刷機102の電源がオフになったら、メディアミスマッチ判定結果を有効期限切れとして区別する設定を行うためのボタンである。有効期限設定画面2601において、ユーザによって、電源オフ設定ボタン2604が指示を受け付けると、後述する図27(C)に示すような有効期限電源オフ設定画面2731に遷移する。この電源オフ設定ボタン2604の隣には、有効期限電源オフ設定画面2731によって設定された「ON」または「OFF」が表示される。即ち、ONと設定された場合でメディアミスマッチ判定を実施後、電源をOFF状態にしてからON状態に復帰した場合、図25のようにメディアミスマッチ無し状態有効切れマーク2501又はメディアミスマッチ有り状態有効切れマーク2502が表示される。これによって、メディアミスマッチ判定結果の有効期限が切れた信頼性が低いジョブを、通常のマークが付されたジョブと区別することができる。
キャンセルボタン2605は、メディアミスマッチ判定結果の有効期限設定によって一時的に保存された設定条件(経過時間設定、時刻設定、電源オフ設定)を破棄するためのボタンである。キャンセルボタン2605がユーザによって指示されると、有効期限設定条件を破棄し、遷移元のジョブホールド機能の操作画面1501に遷移する。
一方、OKボタン2606は、メディアミスマッチ判定結果の有効期限設定によって一時的に保存された設定条件(経過時間設定、時刻設定、電源オフ設定)を記録するためのボタンである。OKボタン2606がユーザによって指示されると、有効期限設定条件を記録し、遷移元のジョブホールド機能の操作画面1501に遷移する。
もし、前述したキャンセルボタン2605及びOKボタン2606のいずれのボタンも指示を受け付けることなく、有効期限設定画面2601から別の画面に遷移した場合、一時的に保存された設定条件(経過時間設定、時刻設定、電源オフ設定)は破棄される。ただし、スクリーンセイバ等の一時的、かつ、解除後に有効期限設定画面2601に復帰できる画面遷移の場合は、一時的に保存された設定値は破棄されない。
有効期限経過時間設定画面2711の詳細について図27(A)を用いて説明する。
経過時間設定の時間設定のマイナスボタン2712とプラスボタン2713が指示を受けると、経過時間設定の時間設定を行う。マイナスボタン2712への指示を受け付けると一時的に経過時間設定の時間値を減算し、表示している経過時間設定の時間値を更新する。プラスボタン2713への指示を受けつけると一時的に経過時間設定の時間値を加算し、表示している経過時間設定の時間値を更新する。また、図27(A)の画面が表示されている状態で、操作部204が持つ不図示のテンキーから入力を受け付けて経過時間設定の時間値と後述する経過時間設定の分値を設定してもよい。なお、設定できる最大値を23時間、最小値を0時間とする。経過時間設定の時間値が23の時は、プラスボタン2713は選択不可となる。一方、経過時間設定の時間値が0の時は、マイナスボタン2712は選択不可となる。
経過時間設定の分設定のマイナスボタン2714とプラスボタン2715が指示を受けると、経過時間設定の分設定を行う。マイナスボタン2714への指示を受け付けると一時的に経過時間設定の分値を減算し、表示している経過時間設定の分値を更新する。プラスボタン2715への指示を受けつけると一時的に経過時間設定の分値を加算し、表示している経過時間設定の分値を更新する。ここでは設定できる最大値を59分、最小値を0分とする。経過時間設定の時間値が59の時は、プラスボタン2715は選択不可となる。一方、経過時間設定の時間値が0の時は、マイナスボタン2714は選択不可となる。
設定を取り消すボタン2716は、経過時間設定を終了するものである。設定を取り消すボタン2716への指示を受けつけた場合は、一時的に保存された経過時間設定を破棄し、更に経過時間設定を設定なしとして一時的に保存する。経過時間設定が設定なしとなっている場合、経過時間によるメディアミスマッチ判定結果の有効期期限切れの区別は行わない。設定なしを一時的に保存したら、図26のメディアミスマッチ判定結果の有効期限設定画面2601に遷移する。同時に、経過時間設定ボタン2602の隣に表示されている設定値を“設定なし”表示に更新する。
OKボタン2717は、経過時間設定を終了するものである。OKボタン2717への指示を受けつけた場合は、一時的に保存された経過時間設定を保持したまま、図26のメディアミスマッチ判定結果の有効期限設定画面2601に遷移する。同時に、経過時間設定ボタン2602の隣に表示している設定値を一時的に保持した経過時間表示に更新する。
設定を取り消すボタン2716、及び、OKボタン2717のいずれのボタンも指示されることなく、有効期限経過時間設定画面2711から別の画面に遷移した場合、有効期限経過時間設定画面2711によって一時的に保存された経過時間設定は破棄される。ただし、スクリーンセイバ等の一時的、かつ、解除後に有効期限経過時間設定画面2711に復帰できる画面遷移の場合は、一時的に保存された設定値は破棄されない。
有効期限時刻設定画面2721の詳細について図27(B)を用いて説明する。
時刻設定の時間設定のマイナスボタン2722とプラスボタン2723が指示を受けると、時刻設定の時間設定を行う。マイナスボタン2722への指示を受け付けると一時的に時刻設定の時間値を減算し、表示している時刻設定の時間値を更新する。プラスボタン2723への指示を受けつけると一時的に時刻設定の時間値を加算し、表示している時刻設定の時間値を更新する。また図27(B)の画面が表示されている状態で、操作部204が持つ不図示のテンキーから入力を受け付けて時刻設定の時間値と後述する時刻設定の分値を設定してもよい。なお、設定できる最大値を23時間、最小値を0時間とする。時刻設定の時間値が23の時は、プラスボタン2723は選択不可となる。一方、時刻設定の時間値が0の時は、マイナスボタン2722は選択不可となる。
時刻設定の分設定のマイナスボタン2724とプラスボタン2725が指示を受けると、時刻設定の分設定を行う。マイナスボタン2724への指示を受け付けると一時的に時刻設定の分値を減算し、表示している時刻設定の分値を更新する。プラスボタン2725への指示を受けつけると一時的に時刻設定の分値を加算し、表示している時刻設定の分値を更新する。ここでは設定できる最大値を59分、最小値を0分とする。時刻設定の時間値が59の時は、プラスボタン2725は選択不可となる。一方、時刻設定の時間値が0の時は、マイナスボタン2724は選択不可となる。
設定を取り消すボタン2726は、時刻設定を終了するものである。設定を取り消すボタン2726への指示を受けつけた場合は、一時的に保存された時刻設定を破棄し、更に時刻設定を設定なしとして一時的に保存する。時刻設定が設定なしとなっている場合、時刻によるメディアミスマッチ判定結果の有効期限切れの区別は行わない。設定なしを一時的に保存したら、図26のメディアミスマッチ判定結果の有効期限設定画面2601に遷移する。同時に、時刻設定ボタン2603の隣に表示されている設定値を“設定なし”表示に更新する。
OKボタン2727は、時刻設定を終了するものである。OKボタン2727への指示を受けつけた場合は、一時的に保存された時刻設定を保持したまま、図26のメディアミスマッチ判定結果の有効期限設定画面2601に遷移する。同時に、時刻設定ボタン2603の隣に表示している設定値を一時的に保持した時刻表示に更新する。
設定を取り消すボタン2726、及び、OKボタン2727のいずれのボタンも指示されることなく、有効期限時刻設定画面2721から遷移した場合、一時的に保存された時刻設定は破棄する。ただし、スクリーンセイバ等の一時的であり、かつ、解除後に時刻設定画面2721に戻る画面遷移の場合は、一時的に保存された設定値を破棄しない。なお、本実施形態では、設定できる時刻は一つとしているが、同時に複数の時刻が設定できる画面構成であっても良い。
有効期限電源オフ設定画面2731の詳細について図27(C)を用いて説明する。
有効期限電源オフ設定のOFFボタン2732は、電源オフ設定をオフに設定すると共に、有効期限電源オフ設定画面2731の表示を終了するものである。OFFボタン2732への指示を受けつけた場合は、電源オフ設定はオフとして一時的に保存し、メディアミスマッチ判定結果の有効期限設定画面2601に遷移する。同時に、電源オフ設定ボタン2604の隣に表示している設定値を“オフ”表示に更新する。
ONボタン2717は、電源オフ設定をオンに設定すると共に、有効期限電源オフ設定画面2731の表示を終了するものである。ONボタン2717への指示を受けつけた場合は、電源オフ設定はオンとして一時的に保存し、図26のメディアミスマッチ判定結果の有効期限設定画面2601に遷移する。同時に、電源オフ設定ボタン2604の隣に表示している設定値を“オン”表示に更新する。
以上説明したように第3の実施形態では、メディアミスマッチ判定を実施済みのジョブに対するメディアミスマッチ判定結果の有効期限という概念を導入した。具体的には、有効期限経過時間、有効期限時刻、及び、有効期限電源オフの設定によって、メディアミスマッチ判定結果の有効期限判定を行う。これによって、メディアミスマッチ判定を実施後、暫く時間が経過していた場合、その間にオペレータが変わり、給紙段に収納されていたシートの残量が減っていたとしても、メディアミスマッチ判定結果の有効性が切れたジョブをユーザによって区別可能になる。メディアミスマッチ判定結果の有効性が切れた信用性が低いジョブに対しては、ユーザは再度メディアミスマッチ判定を実施すれば良い。再度、メディアミスマッチ判定を実行した結果、もしメディアミスマッチが生じていたならば、ユーザはメディアミスマッチ状態を解消する作業を行えばよい。これにより、ユーザはメディアミスマッチ無しの状態で印刷を開始することができる。
なお、第3の実施形態では、メディアミスマッチ判定の結果、シート残量なしジョブ及びシート種不一致ジョブのいずれも、メディアミスマッチ判定結果の有効期限切れの際、メディアミスマッチ有り状態有効期限切れマーク2502を表示する場合を考えた。しかし、これに限らず、シート残量なしと判断されたジョブの有効期限切れと、シート種不一致と判定されたジョブの有効期限切れとを区別するために、識別可能な別々のマークを表示しても構わない。また、有効期限経過時間及び有効期限時刻は、図26及び図27のように印刷装置の操作部204上でユーザによって受け付けた値を用いる場合を考えたが、このような場合に限らない。例えば、外部機器から取得した有効期限経過時間及び有効期限時刻の値を用いても構わない。同様に、有効期限電源オフの設定は、図26及び図27のように印刷装置の操作部204上で設定する場合に限らず、外部機器から設定可能にしても構わない。
[第4の実施形態]
前述した第3の実施形態では、ユーザによって設定された有効期限経過時間、有効期限時刻、及び、有効期限電源オフによって、事前に実行したメディアミスマッチ判定結果を有効期限切れとして区別できるように表示した。ユーザは、この有効期限切れの表示を見て、ジョブを実行する前に、メディアミスマッチ判定を再度実行する必要がある、しかし、ユーザはこの有効期限切れの表示を見落として、有効期限切れのジョブを実行することができてしまう。
そこで、第4の実施形態では、前述した第3の実施形態における処理に加えて、有効期限切れであると判定されたジョブに対してジョブの実行を指示した場合は、ユーザに対し確認が必要なジョブであることを操作部204に表示する機能を追加する。また、有効期限切れであると判定されたジョブだけに限定して、一括してメディアミスマッチ判定を実施する機能を追加する。
第4の実施形態である印刷システムの構成は、第1の実施形態と同様に、デジタル印刷機102とコンピュータ101とが、ネットワーク100を介して接続されている。また、第3の実施形態に係るデジタル印刷機102の機能構成を示す機能ブロック図、及び、第3の実施形態に係るコンピュータ(PC)101の構成を示すブロック図は第1の実施形態と同様であるため、それらの説明を省略する。
第4の実施形態において、図14のメイン画面においてホールド機能選択ボタン1402を押下し、ジョブホールド機能の操作画面が表示された直後の状態の一例を図28に示す。尚、図15及び図25と共通する部分は同じ記号で示している。図28に示す通り、ジョブホールド機能に表示されているジョブリストの各エントリに対し、前述したシート残量なし警告マーク1805やシート種不一致警告マーク1806が最初から表示済の状態となっている。また、その他に、メディアミスマッチ無し状態有効切れマーク2501、及び、メディアミスマッチ有り状態有効切れマーク2502が最初から表示済の状態となっている。
図28において、メディアミスマッチ再判定ボタン(再チェック)2801は、第4の実施形態においてメディアミスマッチ判定結果の有効期限切れと判定されたジョブに限定して、一括してメディアミスマッチ判定を実施するための機能である。メディアミスマッチ再判定ボタン2801の指示を受け付けると、CPU212は、ホールドキューバッファ531にスタックされたジョブから、判定結果が有効期限切れのジョブだけを抽出して、図29のような有効期限切れジョブリスト2902を作成する。作成された有効期限切れのジョブリストは、RAM208に保存される。そして、有効期限切れのジョブリスト中のジョブだけに限定して再度メディアミスマッチ判定を実施する。なお、CPUやメモリなどに制限があるような印刷装置においては、多くのジョブに対してメディアミスマッチ判定処理を実施すると、多くの時間がかかってしまう。そこで、再度メディアミスマッチ判定を実施する対象は、ホールドジョブリスト1502に表示されているジョブの中から、メディアミスマッチ判定結果が有効期限切れであるジョブだけを抽出して、有効期限切れジョブリストを作成してもよい。
ユーザはホールドジョブリスト1501の中からジョブを選択して、プリント開始ボタン1508を押下してジョブの実行を指示した際、選択されたジョブのなかに有効期限切れのジョブが含まれている場合がある。第4の実施形態では、そのような場合に図29に示すようなメディアミスマッチ判定結果の有効切れ警告画面2901を表示する。
たとえば、図28において、ユーザはホールドジョブリスト1501の中から「JobA」、「JobC」、及び、「JobE」を選択後、プリント開始ボタン1508を押下したとする。「JobE」にはメディアミスマッチ有り状態有効切れマーク2502が付されているため、メディアミスマッチ判定結果の有効期限が切れていることが分かる。そのような場合、図29に示すメディアミスマッチ判定結果の有効切れ警告画面2901が表示され、有効切れ警告画面2901の中には有効期限切れジョブリスト2902が表示される。有効期限切れジョブリスト2902には、メディアミスマッチ判定結果の有効期限が切れているジョブの名称、ジョブを登録したユーザの名称、ジョブを登録した日付、及び、メディアミスマッチ判定結果の状態を表すマークが表示される。ここでは、メディアミスマッチ有り状態有効切れマーク2502が付されたJobEが有効期限切れジョブリスト2902に表示されている。
有効期限切れジョブリスト矢印ボタン2903、2904は有効期限切れジョブリスト2902のスクロールを指示するためのボタンである。上矢印ボタン2903は、有効期限切れジョブリスト2902の最上部が表示されている場合は選択できない状態となる。一方、下矢印ボタン2904は、有効期限切れジョブリスト2902の最下部が表示されている場合は選択できない状態となる。選択可能状態の時に上矢印ボタン2903が選択されると、有効期限切れジョブリスト2902に表示されているページの1つ前のページが表示される。下矢印ボタン2904が選択されると、有効期限切れジョブリスト2902に表示されているページの1つ後のページが表示される。
キャンセルボタン2905は、プリント開始ボタン1508によって指示した印刷を中止するためのボタンである。キャンセルボタン2905の選択を受けつけた場合は、印刷処理を中止する。
メディアミスマッチ再判定ボタン(再チェック)2906は、有効期限切れジョブリスト2901に表示されている全てのジョブに対して再度メディアミスマッチ判定を行うためのボタンである。メディアミスマッチ再判定を実施後、有効期限切れジョブリスト2901のメディアミスマッチ判定結果を更新する。
印刷実行ボタン2907は、プリント開始ボタン1508によって指示された全ての印刷ジョブに対して印刷実行を指示するためのボタンである。印刷実行ボタン1508の指示を受け付けた場合は、メディアミスマッチ判定は再度実施されない。
以上説明したように第4の実施形態では、有効期限経過時間、有効期限時刻、及び、有効期限電源オフの設定によって、メディアミスマッチ判定結果の有効期限判定を行う。そして、図29のようなメディアミスマッチ判定結果の有効期限切れジョブリスト2902を作成する。有効期限切れであると判定されたジョブに対して実行指示が与えられた場合は、有効期限切れ警告画面2901を操作部204に表示することでユーザに注意を促すことができる。これによって、ユーザが仮に誤って、有効期限切れジョブに対してプリント開始ボタン1508を押下してしまったとしても、自動的に印刷が開始されることはなく、ユーザによる操作のミスを予防することができる。また、有効期限切れであると判定されたジョブだけに限定して、一括してメディアミスマッチ判定を再実施することができるので、ユーザによる操作の手間を軽減することができる。
[第5の実施形態]
前述の第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態、及び、第4の実施形態で、図18に示したように、シート種不一致警告マーク1806、シート残量なし警告マーク1805のいずれか一方を表示する仕様の場合の例を示した。しかしながら、シートは給紙部に設定されているが、その残量がゼロである状態(シート残量なし)と、印刷ジョブが使用するシートがいずれの給紙部にも設定されていない状態(シート種不一致)とは同時に発生し得る。例えば、印刷ジョブが複数のシートを使用することになっている場合を想定し、仮にここで、選択された印刷ジョブがシートA及びシートBを指定しているとする。
ここでシートAは、給紙部に設定されているが、その残量がゼロである。またシートBは、いずれの給紙部にも設定されていないとする。この場合、シートAは、図18に示すシート種不一致警告マーク1806を表示する条件に該当し、シートBはシート種不一致警告マーク1806を表示する条件に該当する。しかし、図18の例では、シートBがいずれの給紙部にもシートの残量が無いことまでは確認できない。
第5の実施形態である印刷システムの構成は、前述の第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態、及び、第4の実施形態と同様に、デジタル印刷機102とコンピュータ101とが、ネットワーク100を介して接続されている。また、第5の実施形態に係るデジタル印刷機102の機能構成を示す機能ブロック図、及び、第5の実施形態に係るコンピュータ(PC)101の構成を示すブロック図は第1の実施形態と同様であるため、それらの説明を省略する。
第5の実施形態に係るメディアミスマッチ判定の結果を通知する処理の詳細を説明するためのフローチャートを図30に示す。この処理は、コントローラ部205のCPU212が、ROM207またはHDD209から読み出され、RAM208に展開されたUI機能プログラムを実行することにより実現される。尚、前述の第1の実施形態に係るメディアミスマッチ判定の結果を通知する処理に関するフローチャートである図11と共通する部分は同じ記号で示している。図11との相違点は、図11では、S1103におけるシート種不一致警告マークの表示した後、メディアミスマッチ判定の結果を通知する処理を終了していた。これに対して後述の図30では、S1103の後にS1104に遷移させることにより、シート種不一致警告マーク1806を表示した後で、シート無しの場合には、シート残量なし警告マーク1805を表示するための処理へ遷移できる。これにより、図31に示すように複数のシート種を使用する印刷ジョブにおいて、シート種不一致警告マーク1806とシート残量なし警告マーク1805とを同時に表示することができる。
第5の実施形態に係るデジタル印刷機102において、操作部204に表示されるジョブホールド機能の操作画面の一例について図31を用いて説明する。尚、前述の図15と共通する部分は同じ記号で示している。また、図31ではメディアミスマッチ判定ボタン1504の押下によるメディアミスマッチ判定後、それ以外の挙動及び画面の構成要素は、前述の第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態、及び、第4の実施形態と同様の為、その詳細な説明を省略する。
図31に示したように、JobDの部分にシート種不一致警告マーク1806、シート残量なし警告マーク1805の双方が表示されている。これによってユーザは、1つの印刷ジョブで使用する複数のシート種について、そのシート種は給紙部に設定されているがシートの残量がゼロである状態と、その印刷ジョブで使用するシート種がいずれの給紙部にも設定されていない状態を確認できる。
図31において、例えばJobDを選択した状態で詳細/変更ボタン1507を押下すると、JobDが使用するシートサイズ及びメディア種(例えば図17(B))が表示される。ここで残量がゼロであるシートを識別可能に表示し、そのシートが設定されている給紙部の表示を点滅させる。またいずれの給紙部にも設定されていないシート種を反転表示する。これにより、JobDが使用するシート種で残量がゼロのシートと、その給紙部、及びいずれの給紙部にも設定されていないシート種を、ユーザに提示できる。
なお、ここでは、いずれの給紙部にも設定されていないメディア情報を反転させて表示し、残量がゼロであるシート情報を点滅させて表示させた。これに限らず、それぞれのシート情報にシート残量なし警告マーク1805とシート種不一致警告マーク1806を対応付けて表示させてもよい。
以上説明したように第5の実施形態によれば、メディアミスマッチ判定を行った結果、印刷ジョブのシートの設定がいずれの給紙部にも無いこと、及び、いずれの給紙部にも該当するシートが無いことの双方をユーザに通知することができる。そのため、ユーザにとって利便性が高い。
なお、第3の実施形態、及び、第4の実施形態で説明した、メディアミスマッチ有り状態有効切れマーク2502に対しても、第5の実施形態で説明したことを同様に適用してもよい。第3の実施形態、及び、第4の実施形態では、シート残量なしと判断されたジョブの有効期限切れと、シート種不一致と判定されたジョブの有効期限切れとを区別するために、識別可能な別々のマークを表示しても構わないとした。そこで、シート残量なしと判断されたジョブの有効期限切れマーク、及び、シート種不一致と判定されたジョブの有効期限切れの双方のマークを1つのジョブに対応付けて表示させてもよい。
[第6の実施形態]
前述の第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態、第4の実施形態に係るメディアミスマッチ判定処理の対象は、図15のホールドジョブリスト1502で選択され、メディアミスマッチ判定ボタン1504が押下された印刷ジョブのみであるとした。
また、前述の第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態、及び、第4の実施形態において、メディアミスマッチ判定ボタン1504の押下によるメディアミスマッチ判定結果の更新を行うのは、ユーザによって選択された印刷ジョブのみであるとした。
ここで図18に示すように、メディアミスマッチ判定が実施されて、シート種不一致警告マーク1806、シート残量なし警告マーク1805が表示された後に、その印刷ジョブを非選択状態にした場合を想定する。このような操作を実施した後であっても、シート種不一致警告マーク1806やシート残量なし警告マーク1805の表示状態を維持する実施形態が考えられる。
第6の実施形態である印刷システムの構成は、第1の実施形態と同様に、デジタル印刷機102とコンピュータ101とが、ネットワーク100を介して接続されている。また、第4の実施形態に係るデジタル印刷機102の機能構成を示す機能ブロック図、及び、第4の実施形態に係るコンピュータ(PC)101の構成を示すブロック図は第1の実施形態と同様であるため、それらの説明を省略する。
ユーザは、図15に示すようなジョブホールド機能の操作画面を用いて各種の作業を実施するが、その過程で各種試行錯誤的な操作も当然のことながら行われることが大いに想定される。即ち、一度、選択状態とした印刷ジョブを非選択状態にし、更に後のタイミングで再び、その印刷ジョブを選択状態とする等の操作である。このようなユーザの操作時の利便性を考慮すると、非選択状態にある印刷ジョブであっても、一度は、ユーザが選択してメディアミスマッチ判定を実施した印刷ジョブは、後のタイミングで再び選択される印刷ジョブの候補に相当する。そのような状況を考慮すると、選択状態にある印刷ジョブを非選択状態にした際に、シート種不一致警告マーク1806やシート残量なし警告マーク1805の表示をリセットしてしまうことは必ずしも得策ではない。むしろ、それらの警告マーク1805、1806の表示状態を維持することの方が好ましいと思われる。
従って、第6の実施形態では、図32に示すように、選択された印刷ジョブ(JobD)を非選択状態に変更した際であっても、メディアミスマッチ判定の結果を表示している警告マーク1805、1806の表示状態を維持するようにする。
なお、第3の実施形態、及び、第4の実施形態で説明した、メディアミスマッチ無し状態有効切れマーク2501、または、メディアミスマッチ有り状態有効切れマーク2502に対しても、第6の実施形態で説明したことを同様に適用してもよい。つまり、メディアミスマッチ無し状態有効切れマーク2501、または、メディアミスマッチ有り状態有効切れマーク2502が表示されているジョブを選択し、後から非選択状態に変更した場合を考える。この場合であっても、メディアミスマッチ無し状態有効切れマーク2501、または、メディアミスマッチ有り状態有効切れマーク2502の表示状態を維持するようにする。
[第7の実施形態]
第7の実施形態である印刷システムの構成は、第1の実施形態同様に、デジタル印刷機102とコンピュータ101とが、ネットワーク100を介して接続されている。また、第7の実施形態に係るデジタル印刷機102の機能構成を示す機能ブロック図、及び、第7の実施形態に係るコンピュータ(PC)101の構成を示すブロック図は第1の実施形態及び第2の実施形態と同様であるため、それらの説明を省略する。
前述の各実施形態では、メディアミスマッチ判定を行った結果、図18及び同等の図において、ホールドジョブリスト1502に表示される印刷ジョブの各々について、シート種不一致警告マーク1806又はシート残量なし警告マーク1805が表示される。これらの警告マークは表示された後、再びメディアミスマッチ判定ボタン1504を押下し、更新されるまでその表示状態が維持される。この表示状態をホールドキューバッファに格納されている印刷ジョブと印刷設定と共に不揮発に格納することによって、更なる効果を得ることが可能である。即ち、メディアミスマッチ判定の結果を永続的な形で保存できるようにする。これにより、例えばデジタル印刷機102の電源をオフして再度電源をオンした場合であっても、電源をオフする前に実施したメディアミスマッチ判定の結果を、次の電源オン時に保持することが可能である。これにより、電源がオンされたときに、電源がオフされる前に実施したメディアミスマッチ判定の結果を、再度、メディアミスマッチ判定ボタン1504を押下することなく、ホールドジョブリスト1502に表示させることができる。
これによって、例えば、ユーザが作業途中で業務を中断するためにデジタル印刷機の電源をオフした場合であって、作業を再開するために電源をオンした場合であっても、作業の継続を容易に確認できるようになる。
なお、第3の実施形態、及び、第4の実施形態で説明したように、図27(C)の有効期限電源オフ設定画面2731によって、有効期限電源オフの設定がオフに設定されていた場合は、第7の実施形態で説明したことを同様に適用してもよい。つまり、電源がオンされた時に、電源がオフされる前に実施したメディアミスマッチ判定結果の有効期限判定結果2501、2502を、再度メディアミスマッチ判定ボタン1504を押下することなく、ホールドジョブリスト1502に表示させることができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。例えば、上述した実施形態では、印刷ジョブで使用する予定のシートの残量がないか否かの判定における「シート残量なし」とは、給紙部に収容しているシートの残量が0枚であるとセンサによって検知されることについて述べたが、これに限らない。たとえば、給紙部に収容されているシートの枚数が所定の枚数以下になったら、現に給紙部に収容されているシートの枚数が0枚とならなくても、「シート残量なし」とみなしてもよい。
また、例えば、本実施形態では、デジタル印刷機102の制御部205のCPUが上記各種制御の主体となっていたが、デジタル印刷機102と別筐体の外付けコントローラ等の印刷制御装置によって、上記各種制御の一部又は全部を実行可能に構成しても良い。
以上、本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
(その他の実施形態)
本実施形態におけるフローチャートに示す機能は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウェア(プログラム)をコンピュータパソコン等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。