JP6158647B2 - 判定装置並びに判定方法、基地局装置、及びプログラム - Google Patents

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本発明は、無線通信システムにおける、複数の通信端末間の高さの差を推定する技術に関する。
現在、3GPPでは、高さ方向で異なる位置に存在する通信端末との間での同時通信のためのビームフォーミング(非特許文献1参照)を基地局装置が行うことを想定し、3次元MIMOチャネルのモデル化の検討が行われている(非特許文献2参照)。3次元のビームフォーミングを行うことにより、従来の2次元のビームフォーミングと比べて、ネットワークの周波数利用効率を大きく向上させることができると考えられている。
3次元のビームフォーミングを行うには、送信側の通信装置(例えば基地局装置)は、2つの受信側の通信装置(例えば携帯端末)が垂直方向において十分に離れた位置に存在していることを事前に知っている必要がある。すなわち、2つの受信側の通信装置が互いに垂直方向において十分に離れた位置に存在していない場合、2つの受信側の通信装置へ向けたビームが互いに干渉してしまうため、送信側の通信装置は、このような干渉が発生するか否かを事前に予測する必要がある。
米国特許第7640025号明細書 欧州特許第1317677号明細書
これに対して、特許文献1には、3次元での位置の判定技術が記載されている。特許文献1に記載の技術では、電波の到来時間に基づいて、移動体の通信装置の位置を判定する。しかしながら、特許文献1に記載の技術のような、電波の到来時間に基づく位置の判定は、精度を十分に確保することが容易ではないという課題があった。
また、GPSを用いて装置が存在する高度を特定することができる。しかしながら、GPSを用いる方法では、飛行機などのように、非常に高い位置に装置が存在する場合には、高精度にその装置の高度を特定することができるが、都市部など、特に室内環境においては、その精度が劣化するという課題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、2つの通信装置が垂直方向において十分な距離だけ離れているかを、所与の精度で判定する技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明による判定装置は、第1の通信装置の位置と第2の通信装置の位置との高さの差を判定する判定装置であって、基地局装置が前記第1の通信装置から受信した信号に関する又は前記第1の通信装置が前記基地局装置から受信した信号に関する、第1の値の情報と、前記基地局装置が前記第2の通信装置から受信した信号に関する又は前記第2の通信装置が前記基地局装置から受信した信号に関する、第2の値の情報とを取得する取得手段と、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との距離が、水平方向において所定の距離以内である場合に、前記第1の値と前記第2の値との差の絶対値と、前記第1の通信装置の位置と前記第2の通信装置の位置との高さの差に応じて定まる所定値とに基づいて、前記高さの差を判定する判定手段と、を有する。
本発明によれば、2つの通信装置が垂直方向において十分な距離だけ離れているかを、所与の精度で判定することができる。
無線通信システムの概要を示す図。 基地局装置の機能構成例を示すブロック図。 判定装置のハードウェア構成の例を示すブロック図。 第1の通信装置と第2の通信装置とからそれぞれ受信される信号の強度のシミュレーション結果を示す図。 第1の通信装置と第2の通信装置とからそれぞれ受信される信号の強度のシミュレーション結果を示す別の図。 判定装置が実行する処理の一例を示すフローチャート。 判定装置が実行する処理の別の一例を示すフローチャート。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(無線通信システム)
図1は、本実施形態に係る無線通信システムの概要を示す図である。本無線通信システムでは、1つの送信側通信装置(基地局装置101)と2つ以上の受信側通信装置(携帯端末102、103)とが通信を行う。なお、基地局装置101は、複数のアンテナを有する。また、本実施形態では、2つの受信側通信装置が共に携帯端末である例について説明するが、これらのうち、少なくとも1つは固定された端末であってもよい。
基地局装置101は、例えば第1の携帯端末102と第2の携帯端末103との距離が水平方向において所定の距離以内である場合に、第1の携帯端末102と第2の携帯端末103との高さの差を取得する。そして、基地局装置101は、高さの差が所定の大きさ以上である場合に、第1の携帯端末102との間の通信と第2の携帯端末103との間の通信とを、垂直方向において空間多重することにより同時に実行する。なお、基地局装置101は、第1の携帯端末102と第2の携帯端末103との距離が水平方向において所定の距離より離れている場合は、従来の2次元のビームフォーミングによる空間多重を用いてもよい。
(基地局装置の構成例)
図2は、基地局装置101の機能構成の例を示すブロック図である。基地局装置101は、例えば、判定装置201と通信部202と複数のアンテナ203とを有する。本実施形態においては、判定装置201が、第1の携帯端末102の位置と第2の携帯端末103の位置との高さの差を判定する。基地局装置101は、判定装置201において判定された高さの差に応じて、垂直方向のビームフォーミング(3次元ビームフォーミング)を実行するかを判定する。なお、本実施形態では、判定装置201が基地局装置101内に存在するが、例えば基地局装置101には含まれなくてもよく、基地局装置101以外のネットワークノードとして判定装置201が存在してもよい。
判定装置201は、一例において、図3に示すようなハードウェア構成を有し、例えば、CPU301、ROM302、RAM303、外部記憶装置304、及び入出力装置305を有する。判定装置201では、例えばROM302、RAM303及び外部記憶装置304のいずれかに記録された、以下に示す基地局装置及び移動通信装置の各機能を実現するプログラムがCPU301により実行される。そして、判定装置201は、入出力装置305を用いて、例えば、通信部202からの情報の取得と、通信部202への情報の出力とを行う。
なお、判定装置201は、以下に説明する各機能を実行する専用のハードウェアを備えてもよいし、一部をハードウェアで実行し、プログラムを動作させるコンピュータでその他の部分を実行してもよい。また、以下の全機能をコンピュータとプログラムにより実行させてもよい。
判定装置201は、通信部202において第1の携帯端末102と第2の携帯端末103とからそれぞれ受信した信号に関する第1の値と第2の値とを取得する情報取得部211と、取得した情報に基づいて高さの差を判定する高度差判定部210とを有する。
なお、第1の値は、第1の携帯端末102が基地局装置101から受信した信号に関する値であってもよく、第2の値は、第2の携帯端末103が基地局装置101から受信した信号に関する値であってもよい。この場合、情報取得部211は、通信部202を介して、第1の携帯端末102と第2の携帯端末103とから、これらの値に関するフィードバックを受け取ることとなる。以下では、第1の値及び第2の値は、それぞれ、基地局装置101が第1の携帯端末102と第2の携帯端末103とからそれぞれ受信した信号に関する値であるものとして説明する。
ここで、第1の値及び第2の値は、例えば、基地局装置101と第1の携帯端末102及び第2の携帯端末103のそれぞれとの間の伝送路における伝搬損失に関する値またはその値の平均値である。伝搬損失は、例えば、受信信号の受信電力と、送信アンテナゲイン、送信電力、受信アンテナゲイン、フェージングマージンなどの受信電力に影響を与える要素とに基づいて計算される。すなわち、送信アンテナゲイン、送信電力、受信アンテナゲイン、フェージングマージンなどの事前にその大きさが分かっている要因の、受信電力に対する減算又は加算を行うことにより、伝搬損失を推定することができる。
なお、第1の携帯端末102及び第2の携帯端末103が、共に、所定の周波数帯域で所定の電力で信号を送信し、さらに、これらの端末の送信アンテナゲイン等の要素が同等である場合は、信号の受信強度又はその平均値を第1の値及び第2の値としてもよい。第1の携帯端末102及び第2の携帯端末103からの受信信号について、伝搬損失以外の受信電力に寄与する要因の値が同等な場合は、受信電力の差の計算の過程で、これらの要因の値同士が減算されて0となり、受信電力の差には影響を与えないからである。
ここで、基地局装置と端末との間の伝送路に関する3次元の伝搬損失は、
PL(d,h)=PL(d,h=1.5m)−α(h−1.5m)
と表すことができる。なお、PL(d,h)は、3次元の伝搬損失の大きさを示し、dは基地局装置と端末との水平方向における距離を示す値であり、hは端末の位置の高さを示す値である。PL(d,h=1.5m)は、端末の高さが1.5mであると仮定したときの2次元の伝搬損失を表す。PL(d,h=1.5m)は、
PL(d,h=1.5m)=PL0+10γlog10(d/d0
と表すことができる。ここで、PL0は、基準距離d0における伝搬損失である。αは、端末の位置の高さが伝搬損失に与える影響を定めるパラメータである。αは、例えば、0.6dB/m、0.9dB/m、1.1dB/m、1.5dB/mなどである。なお、本実施形態では、αの値を特に定めないで説明するが、どのような値であっても、以下の議論を適用することができる。
以上から、
PL(d,h)=PL0+10γlog10(d/d0)−α(h−1.5m)
を得ることができる。
ここで、例えば、第1の携帯端末102と第2の携帯端末103とが、図1に示すように、同じ建物の中に存在する場合を検討する。このとき、例えば第1の携帯端末102が存在する位置の高さをh1とし、第2の携帯端末103が存在する位置の高さをh2とする。すると、基地局装置101と第1の携帯端末102及び第2の携帯端末103との間の距離d1及びd2はほぼ同じであるため、伝搬損失の差は、
PL(d1,h1)−PL(d2,h2)≒α(h2−h1
となる。なお、基地局装置101と第1の携帯端末102及び第2の携帯端末103との間の距離d1及びd2が異なっていたとしても、この距離の差が著しく大きくなければこれを無視することができる。これは、10γlog10(d1/d0)−10γlog10(d2/d0)=10γlog10(d1/d2)は対数関数であり、一般的に、線形的に作用する高さの差と比べると無視することができるほどに影響が小さいからである。なお、第1の携帯端末102及び第2の携帯端末103における送信アンテナゲイン及び送信電力が同じであれば、受信電力の差が、上述の伝搬損失の差α(h2−h1)となる。
このようにして、伝搬損失の差がα(h2−h1)によって定まるため、高度差判定部210は、例えば、この差をαで除算することにより、高さの差h2−h1を算出することができる。また、伝搬損失の差を、高さの差によって定まる所定値と比較することによって、第1の携帯端末102及び第2の携帯端末103が存在する位置の高さの差が、所定の高さ以上であるかを判定することができる。例えば、α=0.6dB/mであり、所定の高さが建物の6階分の高さ(例えば18m)とすると、所定値は、10.8dBとなる。したがって、この場合、高度差判定部210は、α(h2−h1)の絶対値が10.8dBを超えるか否かを判定することにより、高さの差が6階分の高さより大きい高さを確保しているかを判定することができる。
なお、この伝搬損失の差は、伝搬損失の平均値の差であってもよい。すなわち、1回の測定で得られた伝搬損失の値は、フェージング又は雑音などの影響を受けるため、これを平均化して、フェージング又は雑音などの環境要素による伝搬損失の値への影響を低減することができる。
高度差判定部210は、仮説検定によって、高さの差がどの程度の大きさであるかを判定してもよい。以下、この仮説検定について詳細に説明する。
ここで、一般的な議論として、互いに独立で同一の分布に従う、第1の母集団からのN1個のサンプル{X1,…,XN1}と、第2の母集団からのN2個のサンプル{Y1,…,YN2}とが与えられているものとする。また、これらのサンプルに関する分散がそれぞれσ1 2、σ2 2で与えられ、真の平均がμ1、μ2で与えられているものとする。一方、このとき、各サンプル平均は、
Figure 0006158647
で与えられる。
ここで、μ1>μ2であることは既知であるという条件のもと、μ1−μ2の大きさをどのように知るか、ということについて仮説検定を行う。すなわち、μ1−μ2がある値μ0より大きいか否かを判定するための仮説検定を行う。この場合、
0:μ1−μ2≦μ0
1:μ1−μ2>μ0
という仮説を用いてこの問題を定式化することができる。本仮説検定では、サンプル{X1,…,XN1}及び{Y1,…,YN2}に基づいて、所与の確率β(%)で帰無仮説H0を棄却することができるかを判定することが目標となる。
1とN2とが十分に大きい場合、中心極限定理により、サンプル平均の差X'−Y'は、平均値μ1−μ2で標準偏差が
Figure 0006158647
のガウスランダム変数として、
Figure 0006158647
のようにモデル化することができる。
ここで、本実施形態ではZ検定を用いるものとすると、検定に用いるZスコアは、
Figure 0006158647
となる。ここで、このZスコアは、平均がμ0で標準偏差が
Figure 0006158647
である正規分布において、上述のサンプル平均の差X'−Y'の値が、正規分布のどの位置に対応するかを示す。例えば、Zスコアが2.5とすると、サンプル平均の差X'−Y'の値は、この正規分布において、2.5σ(σは標準偏差)の位置に対応する値であることを示す。ここで、2.5σの位置に対応する値以上の値は、正規分布においては、2.5%より低い確率でしか生じない。これは、帰無仮説H0が正しいとすれば、得られたサンプル平均の差X'−Y'の値が2.5%より低い確率でしか生じない、稀な値であることを示す。したがって、この場合、有意水準97.5%で、帰無仮説H0を棄却することができる。
本実施形態における高さの差の判定に戻ると、第1の携帯端末102との間の伝送路に関する伝搬損失の測定値PL1と第2の携帯端末103との間の伝送路に関する伝搬損失の測定値PL2とをサンプルとして用いて仮説検定を行うことができる。なお、上述のように、伝搬損失ではなく、受信信号の強度をサンプルとして用いてもよい。このとき、第1の携帯端末102との間の伝送路に関する伝搬損失の測定値のサンプルを{PL1(1),…,PL1(N1)}とし、第2の携帯端末103との間の伝送路に関する伝搬損失の測定値のサンプルを{PL2(1),…,PL2(N2)}とする。このとき、これらのサンプル平均X'及びY'は、
Figure 0006158647
となる。また、このとき、これらのサンプルの不偏分散は、
Figure 0006158647
となる。
このとき、本実施形態においては、3次元ビームフォーミングにおいて、ビーム間の干渉を抑えることができる程度に、第1の携帯端末102及び第2の携帯端末103が存在する位置の高さの差があるかを判定することが要求される。すなわち、高度差判定部210は、例えば、高さの差が所定の大きさη0(m)より大きいかを判定することとなる。
ここで、第1の携帯端末102と第2の携帯端末103とのどちらがより高い位置に存在するかは、伝搬損失の大きさを比較することにより分かる。すなわち、上述の説明によれば、一般的に、より高い位置に存在するほど伝搬損失は少なくなる。したがって、例えば、受信電力が高い方の端末が、より高い位置に存在することを容易に知ることができる。図1の場合、第1の携帯端末102の方が高い位置に存在し、h1−h2が正の値となる。したがって、この場合、h1−h2がη0より大きいかを判定することとなる。ここで、伝搬損失の差は、α(h1−h2)であるため、本実施形態に係る仮説を、
0:|X'−Y'|≦αη0
1:|X'−Y'|>αη0
のように置くことができる。
高度差判定部210は、この仮説に従って、有意水準β(例えば5%)で、帰無仮説H0を棄却することができるかを判定する。具体的には、高度差判定部210は、まず、Zスコアを
Figure 0006158647
のように算出する。
その後、高度差判定部210は、帰無仮説H0が真であることを仮定した場合に、このようなZスコアを得られる確率(尤度)を判定する。ここで、帰無仮説H0が真である場合、このZスコア以上の値を得られる確率は、誤差関数を用いて、
Figure 0006158647
のように得ることができる。
その後、高度差判定部210は、p≦βであるかを判定し、これが真である場合は、帰無仮説H0を棄却する。この結果、対立仮説H1が真であると判定し、高さの差h1−h2が、η0より大きいと判定することができる。一方、p>βである場合は、帰無仮説H0を棄却することはできず、高さの差h1−h2がη0より大きいと判定することはできない。
この仮説検定の具体例について、以下のシミュレーションを用いて説明する。本シミュレーションでは、第1の携帯端末102及び第2の携帯端末103がそれぞれ同じ周波数において同じ電力で信号を送信するとした。また、基地局装置101と第1の携帯端末102との間の水平方向の距離は500mであり、基地局装置101と第2の携帯端末103との間の水平方向の距離は550mであるものとした。また、基準距離d0を100mとし、基準距離d0における伝搬損失PL0を80dBとした。また、伝搬損失係数γは2とした。そして、第1の携帯端末102が存在する位置は地上から22m(建物の7階程度)とし、第2の携帯端末103が存在する位置は地上から1.5mとした。また、パラメータαを0.6dB/mとした。
図4に、本シミュレーションで得られた、基地局装置101における受信信号の強度を示す。図4からは、第1の携帯端末102及び第2の携帯端末103がそれぞれ同じ電力で信号を送信しているにも関わらず、第1の携帯端末102からの信号の受信電力が第2の携帯端末103からの信号の受信電力を大きく上回っていることが分かる。
なお、垂直方向において第1の携帯端末102と第2の携帯端末103とが同じ高さに存在し、その他のパラメータは図4と同一の場合に得られた信号の受信電力を、図5に示す。図5からは、第1の携帯端末102及び第2の携帯端末103のそれぞれから得られた信号の強度は概ね同等であり、受信電力に大きな差が生じていないことが分かる。なお、この場合でも、第1の携帯端末102及び第2の携帯端末103は水平方向には50m離れている。
すなわち、図4及び図5から、水平方向に離れていることによって生じる受信電力差は小さく、垂直方向に離れることによって生じる受信電力差は大きいことが分かる。なお、図4及び図5に示すように、本シミュレーションでは、受信信号の強度のサンプルを20サンプル分収集して仮説検定を行った。
次に、図4の場合についての仮説検定結果について説明する。なお、ここでは、第1の携帯端末102と第2の携帯端末103とで送信電力及びアンテナゲイン等のパラメータは同一であるものとし、基地局装置101におけるそれぞれからの信号の受信電力PR1及びPR1に基づいて仮説検定を行った。まず、図4におけるサンプル平均は、
Figure 0006158647
のように計算される。また、サンプルの分散は、
Figure 0006158647
のように計算される。
この結果、Zスコアは、
Figure 0006158647
のようになる。
このとき、例えば、η0=15m(建物の5階分程度の高さの差)とすると、Zスコアは、13.2621となる。このとき、帰無仮説H0が真である場合、このZスコア以上の値を得られる確率は0(理論的には0ではないが、ほぼ0)である。したがって、この場合は帰無仮説H0を棄却することができる。すなわち、第1の携帯端末102と第2の携帯端末103とは、垂直方向において15m以上離れていると判定することができる。
また、η0=18m(建物の6階分程度の高さの差)とすると、Zスコアは、7.4919となる。このとき、帰無仮説H0が真である場合、このZスコア以上の値を得られる確率は3.3973×10-14である。すなわち、ほぼ0である。したがって、この場合も帰無仮説H0を棄却することができる。すなわち、第1の携帯端末102と第2の携帯端末103とは、垂直方向において18m以上離れていると判定することができる。
さらに、η0=21m(建物の7階分程度の高さの差)とすると、Zスコアは、1.7216となる。このとき、帰無仮説H0が真である場合、このZスコア以上の値を得られる確率は0.0426(約4%)である。したがって、この場合も、有意水準β=5%において、帰無仮説H0を棄却することができる。すなわち、第1の携帯端末102と第2の携帯端末103とは、垂直方向において21m以上離れていると判定することができる。
一方、η0=24m(建物の8階分程度の高さの差)とすると、Zスコアは、−4.0487となる。このとき、帰無仮説H0が真である場合、このZスコア以上の値を得られる確率は1(100%)である(理論的には1ではないが、ほぼ1である)。したがって、この場合は、帰無仮説H0を棄却することができない。したがって、第1の携帯端末102と第2の携帯端末103とは、垂直方向において24m以上離れていると判定することはできない。
このようにして、本シミュレーションでは、第1の携帯端末102と第2の携帯端末103とは、垂直方向において21m以上離れているが、24m以上は離れていないと判定することができる。なお、上述のシミュレーションでは、様々なη0について計算を行ったが、実際は1つの値の計算だけが行われてもよい。すなわち、例えば、3次元ビームフォーミングでビーム間の干渉が生じないと考えられる高さの差が18mであると考えられる場合は、η0=18mの場合についての計算のみが行われてもよい。また、上述のシミュレーションでは、Zスコアを算出後、帰無仮説H0が真である場合にそのZスコア以上の値を得られる確率を算出したが、例えば、有意水準βに応じて定まるZの閾値を算出しておき、Zスコアがその閾値以上であるか否かのみが判定されてもよい。
(判定装置の処理)
上述の判定装置201が実行する処理の一例について、図6にまとめた。まず、判定装置201は、情報取得部211において、第1の携帯端末102及び第2の携帯端末103のそれぞれから伝搬損失に関する情報を取得する(S601)。なお、この情報の取得に先立って、基地局装置101から、第1の携帯端末102及び第2の携帯端末103に対して、同一の周波数を使用して、同一の電力で信号を送信すべき旨の指示を送信してもよい。このような場合、伝搬損失に関する情報は、例えば、第1の携帯端末102及び第2の携帯端末103のそれぞれから受信した信号の受信強度であってもよい。そして、判定装置201は、例えば、高度差判定部210において、取得した情報により伝搬損失の差を算出する(S602)。その後、判定装置201は、高度差判定部210において、伝搬損失の差と、高さの差に基づいて定まる値(例えばα(h2−h1))とにより、第1の携帯端末102及び第2の携帯端末103が存在する位置の高さの差を判定する(S603)。
S603の処理は、例えば、伝搬損失の差の絶対値が、所定の高さη0に対する所定値αη0より大きいかを判定してもよいし、伝搬損失の差の絶対値をαで除算した結果が、η0より大きいかを判定してもよい。また、例えば、h1がh2より大きい確率(Pr{h1>h2})と、h2がh1より大きい確率(Pr{h1<h2})との差が所定値以上大きいか(|Pr{h1>h2}−Pr{h1<h2}|>δであるか)が判定されてもよい。この場合、所定値δが多き程、高さの差が大きいと予測することができる。
さらに、判定装置201は、上述の仮説検定により、高さの差が判定されてもよい。図7に、仮説検定を行う場合の処理の流れを示す。まず、判定装置201は、情報取得部211において、第1の携帯端末102及び第2の携帯端末103のそれぞれから伝搬損失に関する情報を取得する(S701)。なお、この情報の取得に先立って、基地局装置101から、第1の携帯端末102及び第2の携帯端末103に対して、同一の周波数を使用して、同一の電力で信号を送信すべき旨の指示を送信してもよい。このような場合、伝搬損失に関する情報は、例えば、第1の携帯端末102及び第2の携帯端末103のそれぞれから受信した信号の受信強度であってもよい。このとき、情報取得部211は、複数の伝搬損失(又は受信強度)に関する値のサンプルを取得する。
続いて、判定装置201は、例えば、高度差判定部210において、取得したサンプルの平均と分散とを算出し(S702)、その後、所定の高さの差に対するZスコアを算出する(S703)。そして、高度差判定部210は、算出したZスコアを、帰無仮説H0が真であると仮定した場合について評価する。高度差判定部210は、例えば、帰無仮説H0が真である場合、算出されたZスコア以上の値を得られる確率を算出する。又は、高度差判定部210は、帰無仮説H0が真である場合に所定の有意水準βに応じて定まるZの閾値を算出しておき、Zスコアがその閾値以上であるか否かのみが判定する。そして、高度差判定部210は、この評価により、帰無仮説H0を棄却できるかを判定する(S704)。
この結果、帰無仮説H0を棄却できる場合(S704でYES)は、第1の携帯端末102及び第2の携帯端末103がそれぞれ存在する位置の高さの差が、Zスコアを算出する際に使用した所定の高さの差以上であることを判定する(S705)。一方、帰無仮説H0を棄却できない場合(S704でNO)は、第1の携帯端末102及び第2の携帯端末103がそれぞれ存在する位置の高さの差が、Zスコアを算出する際に使用した所定の高さの差以上であると判定することはできない。すなわち、この場合は、第1の携帯端末102及び第2の携帯端末103がそれぞれ存在する位置の高さの差が、所定の高さ未満であると判定する(S706)。
このようにして、実際の伝搬環境に応じて、第1の携帯端末102及び第2の携帯端末103がそれぞれ存在する位置の高さの差を推定することができる。この結果、十分に高さの差がある場合に3次元ビームフォーミングを行うことにより、大幅に周波数利用効率を向上させることができる。また、高さの差が十分でない場合に、3次元ビームフォーミングを行わないことで、ビーム間の干渉を抑えることができ、結果として、周波数利用効率の劣化を防ぐことが可能となる。

Claims (10)

  1. 第1の通信装置の位置と第2の通信装置の位置との高さの差を判定する判定装置であって、
    基地局装置が前記第1の通信装置から受信した信号に関する又は前記第1の通信装置が前記基地局装置から受信した信号に関する、第1の値の情報と、前記基地局装置が前記第2の通信装置から受信した信号に関する又は前記第2の通信装置が前記基地局装置から受信した信号に関する、第2の値の情報とを取得する取得手段と、
    前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との距離が、水平方向において所定の距離以内である場合に、前記第1の値と前記第2の値との差の絶対値と、前記第1の通信装置の位置と前記第2の通信装置の位置との高さの差に応じて定まる所定値とに基づいて、前記高さの差を判定する判定手段と、
    を有することを特徴とする判定装置。
  2. 前記第1の値は、前記基地局装置が前記第1の通信装置から受信した信号の強度を示す値もしくはその強度を示す値の平均値または前記第1の通信装置が前記基地局装置から受信した信号の強度を示す値もしくはその強度を示す値の平均値であり、前記第2の値は、前記基地局装置が前記第2の通信装置から受信した信号の強度を示す値もしくはその強度を示す値の平均値または前記第2の通信装置が前記基地局装置から受信した信号の強度を示す値もしくはその強度を示す値の平均値である、
    ことを特徴とする請求項に記載の判定装置。
  3. 前記第1の値は、前記基地局装置と前記第1の通信装置との間の伝搬損失を示す値またはその伝搬損失を示す値の平均値であり、前記第2の値は、前記基地局装置と前記第2の通信装置との間の伝搬損失を示す値またはその伝搬損失を示す値の平均値である、
    ことを特徴とする請求項に記載の判定装置。
  4. 前記判定手段は、前記絶対値から前記所定値を減じた値の分布に基づく仮説検定により、前記高さの差を判定する、
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の判定装置。
  5. 前記判定手段は、前記絶対値が、前記所定値を超えるか否かによって、前記高さの差を判定する、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の判定装置。
  6. 前記基地局装置であって、請求項1からのいずれか1項に記載の判定装置を有することを特徴とする基地局装置。
  7. 複数のアンテナと、
    前記高さの差が所定の大きさ以上である場合、前記第1の通信装置との間の通信と前記第2の通信装置との通信とを、前記複数のアンテナを用いて同時に行う通信手段と、
    をさらに有することを特徴とする請求項に記載の基地局装置。
  8. 前記第1の通信装置と前記第2の通信装置とに対して、所定の周波数において所定の電力で信号を送信することを指示する指示手段をさらに有する、
    ことを特徴とする請求項又はに記載の基地局装置。
  9. 第1の通信装置の位置と第2の通信装置の位置との高さの差を判定する判定装置の判定方法であって、
    取得手段が、基地局装置が前記第1の通信装置から受信した信号に関する又は前記第1の通信装置が前記基地局装置から受信した信号に関する、第1の値の情報と、前記基地局装置が前記第2の通信装置から受信した信号に関する又は前記第2の通信装置が前記基地局装置から受信した信号に関する、第2の値の情報とを取得する取得工程と、
    判定手段が、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との距離が、水平方向において所定の距離以内である場合に、前記第1の値と前記第2の値との差の絶対値と、前記第1の通信装置の位置と前記第2の通信装置の位置との高さの差に応じて定まる所定値とに基づいて、前記高さの差を判定する判定工程と、
    を有することを特徴とする判定方法。
  10. 第1の通信装置の位置と第2の通信装置の位置との高さの差を判定する判定装置が有するコンピュータに、
    基地局装置が前記第1の通信装置から受信した信号に関する又は前記第1の通信装置が前記基地局装置から受信した信号に関する、第1の値の情報と、前記基地局装置が前記第2の通信装置から受信した信号に関する又は前記第2の通信装置が前記基地局装置から受信した信号に関する、第2の値の情報とを取得する取得工程と、
    前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との距離が、水平方向において所定の距離以内である場合に、前記第1の値と前記第2の値との差の絶対値と、前記第1の通信装置の位置と前記第2の通信装置の位置との高さの差に応じて定まる所定値とに基づいて、前記高さの差を判定する判定工程と、
    を実行させるためのプログラム。
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