以下、添付図面に従って本発明に係る撮像装置の実施形態の一例について説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る撮像装置100の外観の一例を示す斜視図であり、図2は、図1に示す撮像装置100の背面図である。
撮像装置100は、レンズ交換式カメラである。撮像装置100は、撮像装置本体200と、撮像装置本体200に交換可能に装着される交換レンズ300と、を含み、レフレックスミラーが省略されたデジタルカメラである。交換レンズ300は、手動操作により光軸方向に移動可能なフォーカスレンズ302を有する撮影レンズ16(図3参照)を含む。また、撮像装置本体200には、ハイブリッドファインダー(登録商標)220が設けられている。ここで言うハイブリッドファインダー220とは、例えば光学ビューファインダー(以下、「OVF」という)及び電子ビューファインダー(以下、「EVF」という)が選択的に使用されるファインダーを指す。
交換レンズ300は、撮像装置本体200に対して交換可能に装着される。また、交換レンズ300の鏡筒には、マニュアルフォーカスモード時に使用されるフォーカスリング301が設けられている。フォーカスリング301の手動による回転操作に伴ってフォーカスレンズ302は、光軸方向に移動し、被写体距離に応じた合焦位置で後述の撮像素子20(図3参照)に被写体光が結像される。
撮像装置本体200の前面には、ハイブリッドファインダー220に含まれるOVFのファインダー窓241が設けられている。また、撮像装置本体200の前面には、ファインダー切替えレバー(ファインダー切替え部)214が設けられている。ファインダー切替えレバー214を矢印SW方向に回動させると、OVFで視認可能な光学像とEVFで視認可能な電子像(ライブビュー画像)との間で切り換わるようになっている(後述)。なお、OVFの光軸L2は、交換レンズ300の光軸L1とは異なる光軸である。また、撮像装置本体200の上面には、主としてレリーズボタン211及び撮影モードや再生モード等の設定用のダイヤル212が設けられている。
撮影準備指示部及び撮影指示部としてのレリーズボタン211は、撮影準備指示状態と撮影指示状態との2段階の押圧操作が検出可能に構成されている。撮影準備指示状態とは、例えば待機位置から中間位置(半押し位置)まで押下される状態を指し、撮影指示状態とは、中間位置を超えた最終押下位置(全押し位置)まで押下される状態を指す。なお、以下では、「待機位置から半押し位置まで押下される状態」を「半押し状態」といい、「待機位置から全押し位置まで押下される状態」を「全押し状態」という。
本第1実施形態に係る撮像装置100では、動作モードとして撮影モードと再生モードとがユーザの指示に応じて選択的に設定される。撮影モードでは、マニュアルフォーカスモードとオートフォーカスモードとがユーザの指示に応じて選択的に設定される。オートフォーカスモードでは、レリーズボタン211を半押し状態にすることにより撮影条件の調整が行われ、その後、引き続き全押し状態にすると露光(撮影)が行われる。つまり、レリーズボタン211を半押し状態にすることによりAE(Automatic Exposure)機能が働いて露出状態が設定された後、AF(Auto-Focus)機能が働いて合焦制御され、レリーズボタン211を全押し状態にすると撮影が行われる。
図2に示す撮像装置本体200の背面には、タッチパネル・ディスプレイ213、十字キー222、MENU/OKキー224、BACK/DISPボタン225、及びOVFのファインダー接眼部242が設けられている。
タッチパネル・ディスプレイ213は、液晶ディスプレイ(以下、「第1ディスプレイ」という)215及びタッチパネル216を備えている。
第1ディスプレイ215は、画像及び文字情報等を表示する。第1ディスプレイ215は、撮影モード時に連続フレームで撮影されて得られた連続フレーム画像の一例であるライブビュー画像(スルー画像)の表示に用いられる。また、第1ディスプレイ215は、静止画撮影の指示が与えられた場合に単一フレームで撮影されて得られた単一フレーム画像の一例である静止画像の表示にも用いられる。更に、第1ディスプレイ215は、再生モード時の再生画像の表示やメニュー画面等の表示にも用いられる。
タッチパネル216は、透過型のタッチパネルであり、第1ディスプレイ215の表示領域の表面に重ねられている。タッチパネル216は、指示体(例えば、指又はスタイラスペン)による接触を検知する。タッチパネル216は、検知結果(タッチパネル216に対する指示体による接触の有無)を示す検知結果情報を所定周期(例えば100ミリ秒)で所定の出力先(例えば、後述のCPU12(図3参照))に出力する。検知結果情報は、タッチパネル216が指示体による接触を検知した場合、タッチパネル216上の指示体による接触位置を特定可能な二次元座標(以下、「座標」という)を含み、タッチパネル216が指示体による接触を検知していない場合、座標を含まない。
十字キー222は、1つ又は複数のメニューの選択、ズームやコマ送り等の各種の指令信号を出力するマルチファンクションのキーとして機能する。MENU/OKキー224は、第1ディスプレイ215の画面上に1つ又は複数のメニューを表示させる指令を行うためのメニューボタンとしての機能と、選択内容の確定及び実行などを指令するOKボタンとしての機能とを兼備した操作キーである。BACK/DISPボタン225は、選択項目など所望の対象の消去や指定内容の取消し、あるいは1つ前の操作状態に戻すときなどに使用される。
図3は、第1実施形態に係る撮像装置100のハードウェア構成の一例を示す電気系ブロック図である。
撮像装置100は、撮像装置本体200に備えられたマウント256と、マウント256に対応する交換レンズ300側のマウント346と、を含む。交換レンズ300は、マウント256にマウント346が結合されることにより撮像装置本体200に交換可能に装着される。
交換レンズ300は、スライド機構303及びモータ304を含む。スライド機構303は、フォーカスリング301の操作が行われることでフォーカスレンズ302を光軸L1に沿って移動させる。スライド機構303には光軸L1に沿ってスライド可能にフォーカスレンズ302が取り付けられている。また、スライド機構303にはモータ304が接続されており、スライド機構303は、モータ304の動力を受けてフォーカスレンズ302を光軸L1に沿ってスライドさせる。
モータ304は、マウント256,346を介して撮像装置本体200に接続されており、撮像装置本体200からの命令に従って駆動が制御される。なお、本第1実施形態では、モータ304の一例として、ステッピングモータを適用している。従って、モータ304は、撮像装置本体200からの命令によりパルス電力に同期して動作する。また、図3に示す例では、モータ304が交換レンズ300に設けられている例が示されているが、これに限らず、モータ304は撮像装置本体200に設けられていてもよい。
撮像装置100は、撮影した静止画像や動画像を記録するデジタルカメラであり、カメラ全体の動作は、CPU(central processing unit:中央処理装置)12によって制御されている。撮像装置100は、操作部14、インタフェース部24、一次記憶部25、二次記憶部26、スピーカ35、接眼検出部37、及び外部インタフェース(I/F)39を含む。また、撮像装置100は、本発明に係る生成部の一例である画像処理部28を含む。
CPU12、操作部14、インタフェース部24、一次記憶部25、二次記憶部26、画像処理部28、スピーカ35、表示制御部36、接眼検出部37、外部I/F39、及びタッチパネル216は、バス40を介して相互に接続されている。
一次記憶部25とは、揮発性のメモリを意味し、例えばRAM(Random Access Memory)を指す。二次記憶部26とは、不揮発性のメモリを意味し、例えばフラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)を指す。
なお、本第1実施形態に係る撮像装置100では、オートフォーカスモード時に、CPU12が、撮像によって得られた画像のコントラスト値が最大となるようにモータ304を駆動制御することによって合焦制御を行う。また、オートフォーカスモード時に、CPU12は、撮像によって得られた画像の明るさを示す物理量であるAE情報を算出する。CPU12は、レリーズボタン211が半押し状態とされたときには、AE情報により示される画像の明るさに応じたシャッタスピード及びF値を導出する。そして、導出したシャッタスピード及びF値となるように関係各部を制御することによって露出状態の設定を行う。
操作部14は、撮像装置100に対して各種指示を与える際にユーザによって操作されるユーザインタフェースである。操作部14は、レリーズボタン211、撮影モード等を選択するダイヤル212、ファインダー切替えレバー214、十字キー222、MENU/OKキー224及びBACK/DISPボタン225を含む。操作部14によって受け付けられた各種指示は操作信号としてCPU12に出力され、CPU12は、操作部14から入力された操作信号に応じた処理を実行する。
撮像装置本体200は、位置検出部23を含む。位置検出部23は、CPU12に接続されている。位置検出部23は、マウント256,346を介してフォーカスリング301に接続されており、フォーカスリング301の回転角度を検出し、検出結果である回転角度を示す回転角度情報をCPU12に出力する。CPU12は、位置検出部23から入力された回転角度情報に応じた処理を実行する。
撮影モードが設定されると、被写体を示す画像光は、手動操作により移動可能なフォーカスレンズ302を含む撮影レンズ16及びシャッタ18を介してカラーの撮像素子(一例としてCMOSセンサ)20の受光面に結像される。撮像素子20に蓄積された信号電荷は、デバイス制御部22の制御に基づいて信号電荷(電圧)に応じたデジタル信号として順次読み出される。撮像素子20は、いわゆる電子シャッタ機能を有しており、電子シャッタ機能を働かせることで、デバイス制御部22の制御に基づいたタイミングによって各フォトセンサの電荷蓄積時間(シャッタスピード)を制御する。なお、本第1実施形態に係る撮像素子20は、CMOS型のイメージセンサであるが、これに限らず、CCDイメージセンサでもよい。
本第1実施形態に係る撮像素子20について更に詳細に説明する。図4は、本第1実施形態に係る撮像素子20の構成の一例を示す概略図である。本第1実施形態の撮像素子20は、一例として図4に示すように、制御部50と、画素アレイ52と、走査回路54と、信号処理部56と、を備えている。また、撮像素子20は、マイクロレンズ19(図6参照)及びカラーフィルタ21(図9参照)を備えている。
図5は、本第1実施形態に係る画素アレイ52における画素10の配列の一例を示す概略図である。図5に示した一例のように、画素アレイ52は、画素10が二次元状に配列されている。なお、図5に示す例では、撮像素子20の画素数の一例として“4896×3265”画素を採用している。
画素アレイ52を構成する画素10について詳細に説明する。図6は、1つの画素10の構成の一例を示した概略図である。図6に示すように、画素10は、フォトセンサの一例であるフォトダイオードPDR及びフォトダイオードPDLを備えている。また、画素10には、マイクロレンズ19が設けられており、マイクロレンズ19を透過した光は、
フォトダイオードPDL,PDRにより光電変換される。フォトダイオードPDLは、図7に一例として示すように、受光面における行方向の右半分(受光面から被写体を臨む場合の右側(換言すると、被写体から受光面を臨む場合の左側))に設けられている。また、フォトダイオードPDLは、図7に一例として示すように、受光面における行方向の左半分(受光面から被写体を臨む場合の左側(換言すると、被写体から受光面を臨む場合の右側))に設けられている。
撮影レンズ16の射出瞳を通過する光束は、左領域通過光及び右領域通過光に大別される。左領域通過光とは、撮影レンズ16の射出瞳を通過する光束のうちの左半分の光束を指し、右領域通過光とは、撮影レンズ16の射出瞳を通過する光束のうちの右半分の光束を指す。撮影レンズ16の射出瞳を通過する光束は、瞳分割部として機能するマイクロレンズ19により左右に分割され、フォトダイオードPDLが左領域通過光を受光し、フォトダイオードPDRが右領域通過光を受光する。この結果、左領域通過光に対応する被写体像及び右領域通過光に対応する被写体像は、視差が異なる視差画像(後述する左眼画像及び右眼画像)として取得される。
また、図8は、1つの画素10の電気的構成の一例を示した概略図である。図8に一例として示したように、画素10は、読み出し電極70L,70R、フローティングディフュージョン(FD)72、及び読み出しスイッチ74を備える。
読み出し電極70Lは、左位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Lに接続されており、左位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Lを流れる左選択信号に基づいて、フォトダイオードPDLで発生した信号電荷を収集して読み出すゲート電極として機能を有する。
また、読み出し電極70Rは、右位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Rに接続されており、右位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Rを流れる右選択信号に基づいて、フォトダイオードPDRで発生した信号電荷を収集して読み出すゲート電極として機能を有する。
FD72には、読み出し電極70L,70Rにより読み出された信号電荷が転送され、転送された信号電荷を一時的に蓄積する機能を有する。読み出しスイッチ74は、読み出し行選択線Readに接続されており、読み出し行選択線Readを流れる読み出し信号に基づいて、オン/オフが制御される。また、読み出しスイッチ74は、FD72に接続されており、オン状態になると、FD72に蓄積された信号電荷を読み出して当該信号電荷に応じたデジタル信号である電気信号(画像信号)を、読み出し信号線58に出力する。読み出し電極70L、70R、FD72、及び読み出しスイッチ74が本発明の出力部として機能する。
また、FD72は、リセット行選択線Resetに接続されており、リセット行選択線Resetを流れるリセット信号に基づいて、FD72に残存する信号電荷が排出(リセット)される。本第1実施形態では、FD72の信号電荷のリセット先の一例として、グランドや、所定の排出先(例えば、所定の信号線等)等が挙げられる。
左位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_L、右位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_R、リセット行選択線Reset、及び読み出し行選択線Readは、画素アレイ52の画素10の行毎に行方向に沿って設けられている。本第1実施形態では、図4に示したように走査回路54が、左位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_L、右位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_R、リセット行選択線Reset、及び読み出し行選択線Readを介して各画素
10に接続されている。走査回路54は、制御部50の制御に応じたレベルの、左選択信号、右選択信号、読み出し信号、及びリセット信号をそれぞれ左位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_L、右位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_R、リセット行選択線Reset、及び読み出し行選択線Readに印加することにより、画素10からの電気信号の読み出しを制御する。
一方、読み出し信号線58は、画素アレイ52の画素10の列毎に列方向に沿って設けられている。本第1実施形態では、図5に示したように、信号処理部56が読み出し信号線58を介して各画素10に接続されている。読み出し信号線58を介して各画素10から信号処理部56に出力された電気信号は、フレーム毎に、インタフェース部24を介して一次記憶部25に一時記憶(上書き保存)される。
制御部50は、デバイス制御部22の制御に基づいて撮像素子20全体を制御する機能を有している。すなわち、制御部50は、走査回路54及び信号処理部56を制御することにより、画素10からの信号電荷の読み出しを制御する機能を有している。デバイス制御部22及び制御部50が、本発明の制御部として機能する。
本第1実施形態の撮像素子20において、画素10から信号電荷を読み出す方法は、以下に説明する3通りの読み出し方法が挙げられる。
第1の読み出し方法は、フォトダイオードPDLで発生した信号電荷を読み出す方法である。左位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Lにオンに対応するレベルの左選択信号を印加し、また、右位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Rにオフに対応するレベルの右選択信号を印加して、読み出し電極70Lから信号電荷をFD72へ転送する。また、読み出し行選択線Readにオン信号である読み出し信号を印加して、読み出しスイッチ74をオン状態にしてFD72から読み出し信号線58へ電気信号を出力する。このようにしてフォトダイオードPDLで発生した信号電荷に応じた電気信号が読み出し信号線58に出力される。以下ではフォトダイオードPDLで発生した信号電荷に応じて出力された電気信号に基づくRAW画像を「左眼画像」と称する。なお、本第1実施形態の撮像素子20ではこのように読み出す際は、フォトダイオードPDRで発生した信号電荷は、読み出し信号線58に出力されず、リセット行選択線Resetを流れるリセット信号に応じた所定のタイミングで、FD72を介してリセットされる。従って、第1の読み出し方法によれば、画素10は、左眼画像を生成するための位相差画素(以下、「左位相差画素」という)として機能する。
なお、以下では、左選択信号、右選択信号、読み出し信号、及びリセット信号のオンに対応するレベルの信号を「オン信号」と称する。また、左選択信号、右選択信号、読み出し信号、及びリセット信号のオフに対応するレベルの信号を「オフ信号」と称する。
第2の読み出し方法は、フォトダイオードPDRで発生した信号電荷を読み出す方法である。右位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Rにオン信号を印加し、また、左位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Lにオフ信号を印加して、読み出し電極70Rから信号電荷をFD72へ転送する。また、読み出し行選択線Readにオン信号を印加して、読み出しスイッチ74をオン状態にしてFD72から読み出し信号線58へ電気信号を出力する。このようにしてフォトダイオードPDRで発生した信号電荷に応じた電気信号が読み出し信号線58に出力される。以下ではフォトダイオードPDRで発生した信号電荷に応じて出力された電気信号に基づくRAW画像を「右眼画像」と称する。なお、本第1実施形態の撮像素子20ではこのように読み出す際は、フォトダイオードPDLで発生した信号電荷は、読み出し信号線58に出力されず、リセット行選択線Resetを流れるリセット信号に応じた所定のタイミングで、FD72を介してリセットされる。従って、第2の読み出し方法によれば、画素10は、右眼画像を生成するための位相差画素(以下、「右位相差画素」という)として機能する。フォトダイオードPDL及びPDRの各々で発生した信号電荷に応じた電気信号は、本発明に係る第1画像信号及び第2画像信号の一例である。
第3の読み出し方法は、フォトダイオードPDL,PDRで発生した信号電荷を読み出す方法である。左位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_L、及び右位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Rにオン信号を印加して、読み出し電極70L,70R各々から信号電荷をFD72へ転送する。FD72には、読み出し電極70L,70Rから転送された信号電荷が加算された状態で蓄積される。また、読み出し行選択線Readにオン信号を印加して、読み出しスイッチ74をオン状態にしてFD72から読み出し信号線58へ電気信号を出力する。このようにしてフォトダイオードPDL,PDRの各々で発生した信号電荷が加算された信号電荷に応じた電気信号が読み出し信号線58に出力される。以下ではフォトダイオードPDL,PDRの各々で発生した信号電荷が加算された信号電荷に応じて出力された電気信号に基づくRAW画像を「通常画像」と称する。従って、第3の読み出し方法によれば、画素10は、位相差画素以外の画素(以下、「通常画素」という)として機能する。フォトダイオードPDL,PDRの各々で発生した信号電荷が加算された信号電荷に応じて出力された電気信号は、本発明に係る第3画像信号の一例である。
なお、以下では、同一の撮影タイミングで得られた左眼画像、右眼画像、及び通常画像を区別して説明する必要がない場合、「フレーム」と称する。また、右位相差画素と左位相差画素とを区別して説明する必要がない場合は「位相差画素」と称する。同様に、以下では、左眼画像及び右眼画像を区別して説明する必要がない場合、「位相差画像」と称する。
撮像素子20は、一例として図9に示すカラーフィルタ21を備えている。カラーフィルタ21は、輝度信号を得るために最も寄与するG(緑)に対応するGフィルタG、R(赤)に対応するRフィルタR及びB(青)に対応するBフィルタを含む。撮像素子20の各画素10には、カラーフィルタ21に含まれる“R”、“G”及び“B”の何れかのフィルタが割り当てられている。
カラーフィルタ21は、図5に示した画素アレイ52の各画素10に対してGフィルタ、Rフィルタ及びBフィルタが行方向(水平方向)及び列方向(垂直方向)の各々に所定の周期性で配置されている。具体的には、カラーフィルタ21は、GフィルタがRフィルタやBフィルタの2倍使われているベイヤ配列と呼ばれる色と配置になっている。そのため、撮像装置100は、R,G,B信号の同時化(補間)処理等を行う際に、繰り返しパターンに従って処理を行うことが可能となる。なお、同時化処理とは、単板式のカラー撮像素子のカラーフィルタ配列に対応したモザイク画像から画素毎に全ての色情報を算出する処理である。例えば、RGB3色のカラーフィルタからなる撮像素子の場合、同時化処理とは、RGBからなるモザイク画像から画素毎にRGB全ての色情報を算出する処理を意味する。
図3に戻って、撮像素子20は、左位相差画素から左眼画像(画素値を示すデジタル信号)を出力し、右位相差画素から右眼画像(画素値を示すデジタル信号)を出力する。また、撮像素子20は、通常画素から通常画像(画素値を示すデジタル信号)を出力する。なお、通常画素から出力される通常画像は有彩色画像であり、例えば、通常画素の配列と同じカラー配列のカラー画像である。撮像素子20から出力されたフレームは、インタフェース部24を介して一次記憶部25のRAW画像記憶領域(図示省略)に一時記憶(上書き保存)される。
画像処理部28は、一次記憶部25に記憶されているフレームに対して各種の画像処理を施す。画像処理部28は、画像処理に係る複数の機能の回路を1つにまとめた集積回路であるASIC(Application Specific Integrated Circuit)により実現される。但し、ハードウェア構成はこれに限定されるものではなく、例えばプログラマブルロジックデバイスであってもよいし、CPU、ROM及びRAMを含むコンピュータなどの他のハードウェア構成であってもよい。
エンコーダ34は、入力された信号を別の形式の信号に変換して出力する。ハイブリッドファインダー220は、電子像を表示する液晶ディスプレイ(以下、「第2ディスプレイ」という)247を有する。
表示制御部36は、第1ディスプレイ215及び第2ディスプレイ247に接続されている。表示制御部36は、CPU12からの指示に従って、第1ディスプレイ215及び第2ディスプレイ247を選択的に制御することで第1ディスプレイ215及び第2ディスプレイ247に対して画像を選択的に表示させる。なお、以下では、第1ディスプレイ215及び第2ディスプレイ247を区別して説明する必要がない場合は「表示装置」と称する。
なお、本第1実施形態に係る撮像装置100は、ダイヤル212(フォーカスモード切替え部)によりマニュアルフォーカスモードとオートフォーカスモードとを切り替え可能に構成されている。何れかのフォーカスモードが選択されると、表示制御部36は、スプリットイメージが合成されたライブビュー画像を表示装置に表示させる。また、ダイヤル212によりオートフォーカスモードが選択されると、CPU12は、位相差検出部及び自動焦点調整部として動作する。位相差検出部は、第1の画素群から出力された第1の画像と第2の画素群から出力された第2の画像との位相差を検出する。自動焦点調整部は、検出された位相差に基づいてフォーカスレンズ302のデフォーカス量をゼロにするように、デバイス制御部22からマウント256,346を介してモータ304を制御し、フォーカスレンズ302を合焦位置に移動させる。なお、上記の「デフォーカス量」とは、例えば第1の画像及び第2の画像の位相ずれ量を指す。
接眼検出部37は、ユーザ(例えば撮影者)がファインダー接眼部242を覗き込んだことを検出し、検出結果をCPU12に出力する。従って、CPU12は、接眼検出部37での検出結果に基づいてファインダー接眼部242が使用されているか否かを把握することができる。
外部I/F39は、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの通信網に接続され、通信網を介して、外部装置(例えばプリンタ)とCPU12との間の各種情報の送受信を司る。従って、撮像装置100は、外部装置としてプリンタが接続されている場合、撮影した静止画像をプリンタに出力して印刷させることができる。また、撮像装置100は、外部装置としてディスプレイが接続されている場合は、撮影した静止画像やライブビュー画像をディスプレイに出力して表示させることができる。
図10は、第1実施形態に係る撮像装置100の要部機能の一例を示す機能ブロック図である。なお、図3に示すブロック図と共通する部分には同一の符号が付されている。
通常処理部30及びスプリットイメージ処理部32は、それぞれWBゲイン部、ガンマ補正部及び同時化処理部を有し(図示省略)、一次記憶部25に一時記憶された元のデジタル信号(RAW画像)に対して各処理部で順次信号処理を行う。すなわち、WBゲイン部は、R,G,B信号のゲインを調整することによりホワイトバランス(WB)を実行する。ガンマ補正部は、WBゲイン部でWBが実行された各R,G,B信号をガンマ補正する。同時化処理部は、撮像素子20のカラーフィルタの配列に対応した色補間処理を行い、同時化したR,G,B信号を生成する。なお、通常処理部30及びスプリットイメージ処理部32は、撮像素子20により1画面分のRAW画像が取得される毎に、そのRAW画像に対して並列に画像処理を行う。
通常処理部30は、インタフェース部24からR,G,BのRAW画像が入力され、ライブビュー画像を表示させる場合、通常画素として機能する画素10を、位相差画素として機能する画素10のうちの同色の周辺画素(例えば隣接するG画素)により補間することで、有彩色の通常画像を生成する。
また、通常処理部30は、生成した記録用の通常画像の画像データをエンコーダ34に出力する。通常処理部30により処理されたR,G,B信号は、エンコーダ34により記録用の信号に変換(エンコーディング)され、記録部41に記録される。また、通常処理部30により処理された表示用の通常画像は、表示制御部36に出力される。なお、以下では、説明の便宜上、上記の「記録用の通常画像」及び「表示用の通常画像」を区別して説明する必要がない場合は「記録用の」との文言及び「表示用の」との文言を省略して「通常画像」と称する。表示用の通常画像は、本発明に係る第2表示用画像の一例である。
一方、スプリットイメージ処理部32は、一次記憶部25に一旦記憶されたRAW画像から位相差画素として機能する画素10の位相差画像を抽出し、有彩色のスプリットイメージを生成する。
スプリットイメージは、一例として図11に示すように、表示用左眼画像と表示用右眼画像とを所定方向(ここでは一例として視差発生方向と直交する方向)に隣接させて配置した画像である。表示用左眼画像とは、左眼画像を所定方向に4分割して得た4つの分割画像のうちの一部の分割画像(図11に示す例では、正面視上から1番目及び3番目の分割画像)を指す。表示用右眼画像とは、右眼画像を所定方向に4分割して得た4つの分割画像から表示用左眼画像に対応する分割領域と隣接する分割領域について抽出した分割画像(図11に示す例では、正面視上から2番目及び4番目の分割画像)を指す。スプリットイメージは、本発明に係る第1表示用画像の一例である。
一例として図12に示すように、スプリットイメージは、表示装置の画面中央部の矩形枠内に表示され、スプリットイメージの外周領域に通常画像が表示される。図12に示す例では、表示用右眼画像と表示用左眼画像とが所定方向に交互に2つずつ配置されたスプリットイメージが示されている。スプリットイメージに含まれる表示用左眼画像及び表示用右眼画像は、合焦状態に応じて視差発生方向にずれる。また、図11に示す例では、人物の周辺領域(例えば、木)に対してピントが合っていて人物に対してピントがあっていない状態が示されている。なお、以下では、説明の便宜上、表示用左眼画像及び表示用右眼画像を区別して説明する必要がない場合、「表示用視差画像」と称する。
なお、本第1実施形態では、通常画像の一部の画像に代えて、スプリットイメージを嵌め込むことにより通常画像にスプリットイメージを合成するようにしているが、これに限らず、例えば、通常画像の上にスプリットイメージを重畳させる合成方法であってもよい。また、スプリットイメージを重畳する際に、スプリットイメージが重畳される通常画像の一部の画像とスプリットイメージとの透過率を適宜調整して重畳させる合成方法であってもよい。これにより、連続的に撮影している被写体像を示すライブビュー画像が表示装置の画面上に表示されるが、表示されるライブビュー画像は、通常画像の表示領域内にスプリットイメージが表示された画像となる。
一例として図10に示すように、ハイブリッドファインダー220は、OVF240及びEVF248を含む。OVF240は、対物レンズ244と接眼レンズ246とを有する逆ガリレオ式ファインダーであり、EVF248は、第2ディスプレイ247、プリズム245及び接眼レンズ246を有する。
また、対物レンズ244の前方には、液晶シャッタ243が配設されており、液晶シャッタ243は、EVF248を使用する際に、対物レンズ244に光学像が入射しないように遮光する。
プリズム245は、第2ディスプレイ247に表示される電子像又は各種の情報を反射させて接眼レンズ246に導き、かつ、光学像と第2ディスプレイ247に表示される情報(電子像、各種の情報)とを合成する。
ここで、ファインダー切替えレバー214を図1に示す矢印SW方向に回動させると、回動させる毎にOVF240により光学像を視認することができるOVFモードと、EVF248により電子像を視認することができるEVFモードとが交互に切り替えられる。
表示制御部36は、OVFモードの場合、液晶シャッタ243が非遮光状態になるように制御し、接眼部から光学像が視認できるようにする。また、第2ディスプレイ247には、スプリットイメージのみを表示させる。これにより、光学像の一部にスプリットイメージが重畳されたファインダー像を表示させることができる。
また、表示制御部36は、EVFモードの場合、液晶シャッタ243が遮光状態になるように制御し、接眼部から第2ディスプレイ247に表示される電子像のみが視認できるようにする。なお、第2ディスプレイ247には、第1ディスプレイ215に出力されるスプリットイメージが合成された画像データと同等の画像データが入力される。これにより、第2ディスプレイ247は、第1ディスプレイ215と同様に通常画像の一部にスプリットイメージが合成された電子像を表示することができる。
次に、本第1実施形態に係る撮像装置100の作用について説明する。図13を参照して、撮像装置100で実行される画像処理について説明する。なお、図13に示す画像処理は、撮像素子20の各画素から信号電荷(電気信号)を読み出す信号読出処理と、読み出された電気信号に基づいて通常画像及びスプリットイメージを生成する画像生成処理とを含む。図13に示す画像処理は、マニュアルフォーカスモード時に行われ、信号読出処理は、デバイス制御部22及びデバイス制御部22の制御に基づいて制御部50によって行われる。画像生成処理は、画像処理部28によって行われる。
図13に示す画像処理では、まず、ステップ400で、デバイス制御部22は、ライブビュー画像を表示するか否か判定する。本第1実施形態では、一例としてフォーカス調節後の撮影処理、及びユーザによりライブビュー画像の非表示の指示または設定が成されている場合は、否定されてステップ402へ移行する。
ステップ402では、全画素10を通常画素として画像信号を読み出す。本ステップにおいてデバイス制御部22は、全画素10を通常画素として画像信号を読み出すための制御信号を制御部50に出力する。制御部50は、全画素10の読み出し電極70L,70Rをオンにするよう左位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_L、及び右位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Rに、走査回路54を介して順次、左選択信号、及び右選択信号を出力する。また、制御部50は、全画素10の読み出しスイッチ74をオン状態にするよう読み出し行選択線Readに、走査回路54を介して順次、読み出し信号を出力する。当該左選択信号、右選択信号、及び読み出し信号により、画素行毎に順次、各画素10のフォトダイオードPDL,PDRで発生した信号電荷がFD72に転送され、FD72から読み出し信号線58に出力される。
次のステップ404では、画像処理部28は、通常処理部30により読み出した信号電荷に基づいて通常画像を生成して表示制御部36及びエンコーダ34のうち予め定められた少なくとも一方に出力した後、本画像処理を終了する。
一方、ステップ400で、ライブビュー画像の表示の指示または設定が成されている場合は、肯定されてステップ406へ移行する。また、デバイス制御部22は、ライブビュー画像の表示に用いる、スプリットイメージ及び通常画像を生成するための画像信号を読み出すための制御信号を制御部50に出力する。
ステップ406では、制御部50は、3n−2(nは1以上の自然数)行目の画素10による第1の画素群のフォトダイオードPDLで発生した信号電荷に応じた電気信号(画像信号)を読み出す。また、制御部50は、3n行目の画素10による第2の画素群のフォトダイオードPDRで発生した信号電荷に応じた電気信号(画像信号)を読み出す。また、制御部50は、3n−1行目の画素10による第3の画素群のフォトダイオードPDL,PDRで発生した信号電荷に応じた電気信号(画像信号)を読み出す。
本第1実施形態の撮像素子20では、左位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_L、右位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_R、読み出し行選択線Read、及びリセット行選択線Resetが画素10の行毎に設けられているため、制御部50は、画素行単位で第1の画素群、第2の画素群、及び第3の画素群のいずれかを選択する。
本第1実施形態では、制御部50は、一例として左位相差画素として機能させる画素10を第1の画素群として選択する。図14には、本第1実施形態に係る撮像装置100に含まれる撮像素子20における位相差画素及び通常画素として機能させる画素10の配置、及び各画素10に割り当てられたカラーフィルタの配置例を示す模式図を示す。本第1実施形態では、一例として、図14に示すように3n−2(1,4,7,10・・・)行目の画素10を第1の画素群として選択する。なお、図14、及び以下の説明に用いられる図15〜17では、説明の便宜上、各画素10のフォトダイオードPDL,PDRに各画素10に対応するカラーフィルタ21の色を表すハッチングを施して図示している。また、左位相差画素として機能する画素10は、フォトダイオードPDLのみにカラーフィルタ21の色を表すハッチングを施し、右位相差画素として機能する画素10は、フォトダイオードPDRのみにカラーフィルタ21の色を表すハッチングを施して図示している。
具体的に制御部50は、3n−2(1,4,7,10・・・)行目の左位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Lに走査回路54を介して順次、オン信号を出力してフォトダイオードPDLで発生した信号電荷を読み出し電極70LからFD72に転送する。この際、制御部50は、3n−2行目の右位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Rに走査回路54を介して順次、オフ信号を出力するため、フォトダイオードPDRで発生した信号電荷は読み出されない。また、制御部50は、3n−2行目の読み出し行選択線Readに走査回路54を介して順次、オン信号を出力して読み出しスイッチ74をオン状態にするため、FD72から読み出された信号電荷に応じた電気信号が読み出し信号線58に出力される。図15は、制御部50により第1の画素群として選択された画素10を抽出して図示している。図15に示すように第1の画素群として選択された画素10に対応するカラーフィルタは、カラーフィルタ21と同様に、ベイヤ配列となっている。
また、制御部50は、右位相差画素として機能させる画素10を第2の画素群として選択する。本第1実施形態では、一例として、図14に示すように3n(3,6,9,12・・・)行目の画素10を第2の画素群として選択する。
具体的に制御部50は、3n(3,6,9,12・・・)行目の右位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Rに走査回路54を介して順次、オン信号を出力してフォトダイオードPDRで発生した信号電荷を読み出し電極70RからFD72に転送する。この際、制御部50は、3n行目の左位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Lに走査回路54を介して順次、オフ信号を出力するため、フォトダイオードPDLで発生した信号電荷は読み出されない。また、制御部50は、3n行目の読み出し行選択線Readに走査回路54を介して順次、オン信号を出力して読み出しスイッチ74をオン状態にするため、FD72から読み出された信号電荷に応じた電気信号が読み出し信号線58に出力される。図16は、制御部50により第2の画素群として選択された画素10を抽出して図示している。図16に示すように第1の画素群として選択された画素10に対応するカラーフィルタは、カラーフィルタ21と同様に、ベイヤ配列となっている。
また、制御部50は、通常画素として機能させる複数の画素10を第3の画素群として選択する。本第1実施形態では、一例として、図14に示すように3n−1(2,5,8,11・・・)行目の画素10を第3の画素群として選択する。
具体的に制御部50は、3n−1(2,5,8,11・・・)行目の左位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_L、及び右位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Rに走査回路54を介して順次、オン信号を出力してフォトダイオードPDL、PDRで発生した信号電荷を読み出し電極70L,70RからFD72に転送する。また、制御部50は、3n−1行目の読み出し行選択線Readに走査回路54を介して順次、オン信号を出力して読み出しスイッチ74をオン状態にするため、FD72から読み出された信号電荷に応じた電気信号が読み出し信号線58に出力される。図17は、制御部50により第3の画素群として選択された画素10を抽出して図示している。図17に示すように第1の画素群として選択された画素10に対応するカラーフィルタは、カラーフィルタ21と同様に、ベイヤ配列となっている。
次のステップ408では、画像処理部28は、第1の画素群及び第2の画素群から読み出した画像信号に基づいて左眼画像及び右眼画像を生成して一次記憶部25の視差画像記憶領域(図示省略)に記憶(上書き保存)する。
次のステップ410では、画像処理部28は、スプリットイメージ処理部32により左眼画像及び右眼画像に基づいてスプリットイメージを生成する。また、画像処理部28は、通常処理部30により第3の画素群から読み出した画像信号に基づいて通常画像を生成する。そして、生成したスプリットイメージ及び通常画像を表示制御部36に出力した後、本画像処理を終了する。表示制御部36は、スプリットイメージ及び通常画像が入力されると、表示装置に対して通常画像を動画像として連続して表示させ、且つ、通常画像の表示領域内にスプリットイメージを動画像として連続して表示させる制御を行う。これに応じた、表示装置は、一例として、図12に示すように、ライブビュー画像を表示する。
以上説明したように、本第1実施形態の撮像装置100では、撮像素子20の各画素10は、フォトダイオードPDL、PDRを備えている。また、撮像素子20は、ベイヤ配列されたカラーフィルタ21を備えている。制御部50は、3n−2(n=1以上の自然数)行目の画素10を第1の画素群として選択し、3n行目の画素10を第2の画素群として選択し、3n−1行目の画素10を第3の画素群として選択する。第1の画素群の画素10は、左位相差画素として機能し、デバイス制御部22及び制御部50の制御に基づいて、フォトダイオードPDLで発生した信号電荷が、読み出し電極70L、FD72、及び読み出しスイッチ74を介して読み出し信号線58に電気信号(画像信号)として読み出される。第2の画素群の画素10は、右位相差画素として機能し、デバイス制御部2
2及び制御部50の制御に基づいて、フォトダイオードPDRで発生した信号電荷が、読み出し電極70R、FD72、及び読み出しスイッチ74を介して読み出し信号線58に電気信号(画像信号)として読み出される。第3の画素群の画素10は、通常画素として機能し、デバイス制御部22及び制御部50の制御に基づいて、フォトダイオードPDL,PDRで発生した信号電荷が加算されて、読み出し電極70L,70R、FD72、及び読み出しスイッチ74を介して読み出し信号線58に電気信号(画像信号)として読み出される。画像処理部28は、第1の画素群及び第2の画素群から読み出した画像信号に基づいて左眼画像及び右眼画像を生成し、さらに左眼画像及び右眼画像に基づいてスプリットイメージを生成する。これにより、本第1実施形態の撮像装置100は、撮像素子20をフォトダイオードPDL,PDRの両方から独立して同時に信号電荷を読み出せるよう構成した場合に比べ、全画素が位相差画素であっても、スプリットイメージを簡易な構成で確保することができる。
また、撮像装置100では、ベイヤ配列されたカラーフィルタ21を備えているため、位相差画素及び通常画素のそれぞれに対応するカラーフィルタをベイヤ配列とすることができる。さらに本第1実施形態では、制御部50が、1行単位で画素10を選択しており、3n−2(n=1以上の自然数)行目の画素10を第1の画素群として選択し、3n行目の画素10を第2の画素群として選択し、3n−1行目の画素10を第3の画素群として選択するため、簡易な構成で、位相差画素に対応するカラーフィルタ及び通常画素に対応するカラーフィルタをベイヤ配列とすることができる。
なお、上記第1実施形態では、制御部50が、3n−2行目の画素10を第1の画素群として選択し、3n行目の画素10を第2の画素群として選択し、3n−1行目の画素10を第3の画素群として選択しているがこれに限定されるものではない。例えば、制御部50は、3n行目の画素10を第1の画素群として選択し、3n−2行目の画素10を第2の画素群として選択し、3n−1行目の画素10を第3の画素群として選択してもよい。画素群毎に画素10を抽出した場合に、対応するカラーフィルタの配列がベイヤ配列となれば特に限定されるものではない。
また、上記第1実施形態で説明した画像処理の流れ(図13参照)はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。また、上記第1実施形態で説明した画像処理に含まれる各処理は、プログラムを実行することにより、コンピュータを利用してソフトウェア構成により実現されてもよいし、ハードウェア構成とソフトウェア構成の組み合わせによって実現してもよい。また、上記第1実施形態で説明した画像出力処理に含まれる各処理は、ASICやプログラマブルロジックデバイス等のハードウェア構成で実現されてもよいし、ハードウェア構成とソフトウェア構成の組み合わせによって実現してもよい。
また、上記第1実施形態で説明した画像処理を、コンピュータによりプログラムを実行することにより実現する場合は、プログラムを所定の記憶領域(例えば二次記憶部26)に予め記憶しておけばよい。なお、必ずしも最初から二次記憶部26に記憶させておく必要はない。例えば、コンピュータに接続されて使用されるSSD(Solid State Drive)、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの任意の可搬型の記憶媒体に先ずはプログラムを記憶させておいてもよい。そして、コンピュータがこれらの可搬型の記憶媒体からプログラムを取得して実行するようにしてもよい。また、インターネットやLAN(Local Area Network)などを介してコンピュータに接続される他のコンピュータまたはサーバ装置などにプログラムを記憶させておき、コンピュータがこれらからプログラムを取得して実行するようにしてもよい。
また、上記第1実施形態で説明した画像処理に含まれる各処理をソフトウェア構成により実現するには、例えば、CPU12が画像出力処理プログラムを実行することにより撮像装置100で画像処理が行われるようにすればよい。ここで、画像処理プログラムとは、例えば、図13に示した画像処理の各ステップを有するプログラムを指す。画像処理プログラムは二次記憶部26に記憶されていればよく、CPU12は、二次記憶部26から画像処理プログラムを読み出して一次記憶部25に展開し、図13に示した画像処理の各ステップの処理を順に実行すればよい。この場合、CPU12は、本発明の制御部の一例として機能する。
また、上記第1実施形態で説明した撮像装置100は、被写界深度を確認する機能(被写界深度確認機能)を有していてもよい。この場合、例えば撮像装置100は被写界深度確認キーを有する。被写界深度確認キーは、ハードキーであってもよいし、ソフトキーであってもよい。ハードキーによる指示の場合は、例えばモーメンタリ動作型のスイッチ(非保持型スイッチ)を適用することが好ましい。ここで言うモーメンタリ動作型のスイッチとは、例えば所定位置に押し込まれている間だけ撮像装置100における特定の動作状態を維持するスイッチを指す。ここで、被写界深度確認キーは、押下されると絞り値が変更される。また、被写界深度確認キーに対する押下が継続して行われている間(所定位置に押し込まれている間)、絞り値は限界値に達するまで変化し続ける。このように、被写界深度確認キーの押下中は、絞り値が変化するため、スプリットイメージを得るために必要な位相差が得られない場合がある。そこで、スプリットイメージが表示されている状態で、被写界深度確認キーが押下された場合、押下中はスプリットイメージから通常のライブビュー表示に変更するようにしてもよい。また、押下状態が解除された際に再度スプリットイメージを表示させるように画面の切り替えをCPU12が行うようにしてもよい。なお、ここでは、被写界深度確認キーの一例としてモーメンタリ動作型のスイッチを適用した場合を例示したが、これに限らず、オルタネイト動作型のスイッチ(保持型スイッチ)を適用してもよい。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、全画素列の画素10から信号電荷を読み出す場合を例示したが、本第2実施形態では、所定の画素列の画素10から信号電荷を読み出す場合について説明する。なお、本第2実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成要素については、同一の符号を付し、説明を省略する。
本第2実施形態に係る撮像装置100Aは、上記第1実施形態に係る撮像装置100と比べ、制御部50により第1、第2、及び第3の画素群として選択される画素10が異なる。図18には、本第2実施形態において撮像装置100Aに含まれる撮像素子20における位相差画素及び通常画素として機能させる画素10の配置、及び各画素10に割り当てられたカラーフィルタ21の配置例を示す模式図を示す。
図18に示したように、本第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、制御部50は、3n−2行目の画素10を第1の画素群として選択し、3n行目の画素10を第2の画素群として選択し、3n−1行目の画素10を第3の画素群として選択する。さらに本第2実施形態における制御部50は、3m−2(m=1以上の自然数)列目の画素列の画素10を第1、第2、及び第3の画素群の画素10として選択する。
すなわち、制御部50は、3n−2行目かつ3m−2列目の画素10を左眼位相差画素として機能する第1の画素群として選択し、3n行目かつ3m−2列目の画素10を右眼位相差画素として機能する第2の画素群として選択し、3n−1行目かつ3m−2列目の画素10を通常画素として機能する第3の画素群として選択する。
制御部50により、画素列単位で間引いて選択された第1、第2、及び第3の画素群の各画素10から信号電荷を読み出す際は、間引いた画素列をとばし読みするようにするとよい。この場合、第1、第2、及び第3の画素群のいずれにも選択されなかった画素10に蓄積された信号電荷は、一括リセットするようにすればよい。なお、間引いた画素列をとばし読みせずに、画素列毎に順次、信号電荷を読み出し、信号処理部56で、第1、第2、及び第3の画素群のいずれにも選択されなかった画素列に対応する読み出し信号線58の電気信号を読み捨てるようにしてもよい。しかしながら、間引いた画素列をとばし読みすることにより、信号電荷を読み出す画素列を1/3にすることができるため、読み出し速度を向上させることができ、また、消費電力を抑制することができるため好ましい。以上説明したように、本第2実施形態の制御部50は、画素10を画素列単位で1/3に間引いて選択する。 このように第1、第2、及び第3の画素群を選択することにより、水平方向(行方向)と垂直方向(列方向)との画素密度(各画素群として選択された画素10の密度)を等しくすることができる。そのため、スプリットイメージ及び通常画像の画質を向上させることができる。
なお、上記第2実施形態では、制御部50が、3m−2列目の画素列の画素10を第1、第2、及び第3の画素群の画素10として選択しているがこれに限定されるものではない。例えば、制御部50は、3m列目や3m−1列目の画素10を第1、第2、及び第3の画素群の画素10として選択してもよい。
[第3実施形態]
上記第1実施形態では、全画素列の画素10から信号電荷を読み出す場合を例示したが、本第3実施形態では、所定の画素列の画素10から信号電荷を読み出す場合について説明する。なお、本第3実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成要素については、同一の符号を付し、説明を省略する。
本第3実施形態に係る撮像装置100Bは、上記第1実施形態に係る撮像装置100と比べ、制御部50により第1、第2、及び第3の画素群として選択される画素10が異なる。図19には、本第3実施形態において撮像装置100Bに含まれる撮像素子20における位相差画素及び通常画素として機能させる画素10の配置、及び各画素10に割り当てられたカラーフィルタ21の配置例を示す模式図を示す。
図19に示したように、本第3実施形態では、上記第1実施形態と同様に、制御部50は、3n−2行目の画素10を第1の画素群として選択し、3n行目の画素10を第2の画素群として選択し、3n−1行目の画素10を第3の画素群として選択する。さらに本第3実施形態における制御部50は、3m−2(m=1以上の自然数)列目及び3m列目の画素列の画素10を第1、第2、及び第3の画素群の画素10として選択する。また、制御部50は、同じ行の3m−2列目の画素10と3m列目の画素10とを1単位とした画素単位で信号電荷をまとめて読み出す。図19に示した例では、1列目及び3列目の画素10、4列目及び6列目の画素10、7列目及び9列目の画素10、10列目及び12列目の画素10、13列目及び15列目の画素10、及び16列目及び18列目の画素10から信号電荷をまとめて読み出す。まとめて読み出された信号電荷は、単位毎に、信号処理部56で加算される。このように本第3実施形態では、異なる画素列の画素10から信号電荷をまとめて読み出すが、まとめられる画素10同士は、対応するカラーフィルタ21の色が同一であるため、問題は生じない。
なお、このように2画素分の信号電荷をまとめて読み出して、加算しているため、画素単位毎の画素値は、加算値となる。右眼画像、左眼画像、及び通常画像の生成には、加算値である画素値をそのまま用いてもよいし、平均値を用いてもよい。
このように本第3実施形態の制御部50は、3n−2行目の3m−2列目及び3m列目の画素10を1単位として左眼位相差画素として機能する第1の画素群として選択し、3n行目の3m−2列目及び3m列目の画素10を1単位として右眼位相差画素として機能する第2の画素群として選択し、3n−1行目の3m−2列目及び3m列目の画素10を1単位として通常画素として機能する第3の画素群として選択する。
制御部50により、画素列単位で間引いて選択された第1、第2、及び第3の画素群の各画素10から信号電荷を読み出す際は、間引いた画素列をとばし読みするようにするとよい。この場合、第1、第2、及び第3の画素群のいずれにも選択されなかった画素10に蓄積された信号電荷は、一括リセットするようにすればよい。なお、間引いた画素列をとばし読みせずに、画素列毎に順次、信号電荷を読み出し、信号処理部56で、第1、第2、及び第3の画素群のいずれにも選択されなかった画素列に対応する読み出し信号線58の電気信号を読み捨てるようにしてもよい。また、3m−2列目及び3m列目の画素10から同じタイミングで信号電荷を読み出すことが好ましいが、画素列毎に順次、読み出すようにしてもよい。なお、間引いた画素列をとばし読みし、また、3m−2列目及び3m列目の画素10から同じタイミングで信号電荷を読み出すことにより、信号電荷を読み出す画素列を1/3にすることができるため、読み出し速度を向上させることができ、また、消費電力を抑制することができるため好ましい。
以上説明したように、本第3実施形態の制御部50は、画素10を画素列単位で2/3に間引いて選択する。このように第1、第2、及び第3の画素群を選択することにより、水平方向(行方向)と垂直方向(列方向)との画素密度(各画素群として選択された画素10の密度)を等しくすることができる。そのため、スプリットイメージ及び通常画像の画質を向上させることができる。
さらに、本第3実施形態では、単位毎の信号電荷量が多くなるため、SN比を向上させることができる。
なお、上記第3実施形態では、制御部50が、3m−2列目及び3m列目の画素10を1単位として選択しているがこれに限定されるものではない。例えば、制御部50は、3m−1列目及び3m+1列目の画素10を1単位として選択するようにしてもよい。1単位としてまとめる画素10に対応するカラーフィルタ21の色が同一であればよい。
[第4実施形態]
上記第1実施形態では、全画素10の露光時間を同じとした場合を例示したが、本第4実施形態では、位相差画素と通常画素とで露光時間が異なる場合について説明する。なお、本第4実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成要素については、同一の符号を付し、説明を省略する。
本第4実施形態に係る撮像装置100Cは、上記第1実施形態に係る撮像装置100と比べ、制御部50による画素10の露光時間の制御が異なっている。本第4実施形態では、制御部50の制御により、位相差画素の露光時間が通常画素の露光時間よりも長い。
撮像素子20は、垂直同期信号(図20参照)及び水平同期信号(図示省略)に基づいて電荷蓄積時間(シャッタスピード)を制御する。制御部50は、走査回路54に垂直同期信号を出力する。また、制御部50は、信号処理部56に水平同期信号を出力する。
図20には、本第4実施形態における画素10の露光時間の一例を示すタイムチャートを示す。なお、本第4実施形態では、露光時間の一例として画素10に信号電荷が蓄積される電荷蓄積時間を用いているが、これに限定されるものではない。例えば、画素10に光が照射される時間(画像光が受光面に結像される時間)を露光時間としてもよい。
図20に示した例では、図の上側が画素アレイ52における画素列の1行目に対応している。撮像素子20では、1行目の画素列から順次、信号電荷の読み出しが行われる。また、図20に示した例では、タイミングt0〜t3までの期間が、1フレーム(1フレーム目)に対応する。
タイミングt1では、制御部50により位相差画素(第1及び第2の画素群の画素)の信号電荷がリセットされ、位相差画素のフォトダイオードPDL,PDRに蓄積された信号電荷が放出される。より具体的には、信号電荷の放出に時間を要するため、制御部50は、位相差画素に接続されたリセット行選択線Reset、位相差画素の左位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_L、及び右位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Rに、タイミングt1まで予め定められたリセット時間の間、オン信号を出力する。また、制御部50は、リセットを行っている間は、読み出し行選択線Readにオフ信号を出力し、読み出しスイッチ74をオフ状態にする。
制御部50は、タイミングt1でリセットを完了して、位相差画素に接続されたリセット行選択線Reset、左位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_L、及び右位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Rに、オフ信号を出力する。当該動作により、位相差画素では、タイミングt1からフォトダイオードPDL,PDRで信号電荷の蓄積が開始される。
タイミングt1の後のタイミングt2では、制御部50により通常画素(第3の画素群の画素)の信号電荷がリセットされ、通常画素のフォトダイオードPDL,PDRに蓄積された信号電荷が放出される。より具体的には、信号電荷の放出に時間を要するため、制御部50は、通常画素に接続されたリセット行選択線Reset、左位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_L、及び右位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Rに、タイミングt2まで予め定められたリセット時間の間、オン信号を出力する。また、制御部50は、リセットを行っている間は、通常画素に接続された読み出し行選択線Readにオフ信号を出力し、読み出しスイッチ74をオフ状態にする。
制御部50は、タイミングt2でリセットを完了して、通常画素に接続されたリセット行選択線Reset、左位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_L、及び右位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Rに、オフ信号を出力する。当該動作により、通常差画素では、タイミングt2からフォトダイオードPDL,PDRで信号電荷の蓄積が開始される。
タイミングt3では、制御部50は、信号電荷の蓄積を終了し、位相差画素及び通常画素から信号電荷を読み出す。すなわち、制御部50は、タイミングt3で全画素10から信号電荷を読み出す。より具体的には、制御部50は、左位相差画素の画素行に対して、読み出し行選択線Read及び左位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Lに、オン信号を出力する。また、制御部50は、右位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Rに、オフ信号を出力する。当該動作により、左位相差画素(第1の画素群の画素)のフォトダイオードPDLに蓄積された信号電荷が読み出される。
また、制御部50は、右位相差画素の画素行に対して、読み出し行選択線Read及び右位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Rに、オン信号を出力する。また、制御部50は、左位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Lに、オフ信号を出力する。当該動作により、右位相差画素(第2の画素群の画素)のフォトダイオードPDRに蓄積された信号電荷が読み出される。
また、制御部50は、通常画素の画素行に対して、読み出し行選択線Read、左位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_L、及び右位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Rに、オン信号を出力する。当該動作により、通常画素(第3の画素群の画素)のフォトダイオードPDL,PDRに蓄積された信号電荷が読み出される。
図20に示したように、位相差画素の露光時間TLRは、タイミングt1〜t3となり、通常画素の露光時間TNは、タイミングt2〜t3となる。従って、位相差画素露光時間TLRは、通常画素の露光時間TNよりも長くなる。
以上説明したように、本第4実施形態では、制御部50は、位相差画素の露光時間TLRを通常画素の露光時間TNよりも長くする。位相差画素では、フォトダイオードPDL,PDRのいずれか一方の信号電荷が読み出され、通常画素では、フォトダイオードPDL,PDR両方の信号電荷が読み出される。位相差画素の方が通常画素よりもフォトダイオードの面積が小さいため、信号電荷の量が少なくなり、感度が低くなる。しかしながら、本第4実施形態の制御部50は、位相差画素の露光時間TLRを通常画素の露光時間TNよりも長くするため、位相差画素の露光時間TLRを長くして露出状態を長期間とすることができ、位相差画素の画素値の輝度を向上させることができる。
なお、どの程度、位相差画の素露光時間TLRを通常画素の露光時間TNよりも長くするかは、フォトダイオードPDL,PDRの面積や感度等の特性に応じて定めることが好ましい。例えば、上記各実施形態において例示(図5、6等参照)したように、フォトダイオードPDL,PDRの面積や感度等が等しい場合は、位相差画素では、通常画素に比べて感度が約半分になる。従って、このような場合は、図21のタイミングチャートに例示したように、位相差画素の露光時間TLRを、通常画素の露光時間TNの倍とすることが好ましい。位相差画素の露光時間TLRを、通常画素の露光時間TNの倍とすることにより、位相画素の画素値の輝度と、通常画素の画素値の輝度とを等しくすることができる。
[第5実施形態]
上記第1実施形態では、全画素10の露光時間を同じとした場合を例示したが、本第5実施形態では、位相差画素と通常画素とで露光時間が異なる場合について説明する。また、上記第1実施形態では、制御部50が第1、第2、及び第3の画素群として選択する画素行が固定されている場合を例示したが、本第5実施形態では、制御部50が第1及び第2の画素群として選択する画素行がフレーム毎に入れ替わる場合について説明する。なお、本第5実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成要素については、同一の符号を付し、説明を省略する。
本第5実施形態に係る撮像装置100Dは、上記第1実施形態に係る撮像装置100と比べ、制御部50による画素10の露光時間の制御が異なっている。本第5実施形態では、制御部50の制御により、位相差画素の露光時間が通常画素の露光時間よりも長い。なお、本第5実施形態の撮像装置100Dの撮像素子20(画素10)における露光時間及び電荷蓄積時間を制御する基本動作は、上記第4実施形態と同様の動作を含むため、同様の動作については、詳細な説明を省略する。
図22〜24には、本第5実施形態における画素10の露光時間の一例を示すタイムチャートを示す。図22は、3n−2行目の画素行について抽出した露光時間の一例を示すタイムチャートである。図23は、3n−1行目の画素行について抽出した露光時間の一例を示すタイムチャートである。図24は、3n行目の画素行について抽出した露光時間の一例を示すタイムチャートである。
また、図25〜28には、本第5実施形態における画素10から信号電荷を読み出す読み出し動作を説明するための模式図を示す。本第5実施形態の撮像素子20では、各画素10のFD72から電気信号が出力される読み出し信号線を画素列毎に、2本(読み出し信号線58A,58B)備えている。図25〜28に例示したように、電気信号は、画素列毎に交互に、読み出し信号線58A,58Bに出力される。また、電気信号は、画素行毎に交互に、読み出し信号線58A,58Bに出力される。なお、図25〜28では、ハッチングが施されているフォトダイオードPDL,PDRは信号電荷が蓄積されている状態を示しており、ハッチングが施されていないフォトダイオードPDL,PDRは信号電荷が蓄積されていない(リセットまたは読み出された)状態を示している。
1フレーム目では、制御部50は、第1の画素群として3n−2行目の画素10を選択し、第2の画素群として3n行目の画素10を選択し、第3の画素群として3n−1行目の画素10を選択する。また、次のフレームでは、第1の画素群として3n行目の画素10を選択し、第2の画素群として3n−2行目の画素10を選択し、第3の画素群として3n−1行目の画素10を選択する。さらに次のフレームでは、第1の画素群として3n−2行目の画素10を選択し、第2の画素群として3n行目の画素10を選択し、第3の画素群として3n−1行目の画素10を選択する。このように制御部50は、第1の画素群及び第2の画素群として3n−2行目の画素と3n行目の画素とをフレーム毎に交互に選択する。
まず、1フレーム目の動作について説明する。1フレーム目の動作は、タイミングt0、t2、t4で行われる。本第5実施形態の撮像素子20の制御部50は、タイミングt0から1フレーム目における制御を行う。撮像素子20の1フレーム目に対応する期間は、タイミングt1〜t4である。従って、本第5実施形態の撮像素子20では、前フレームから電荷蓄積動作を開始する。
タイミングt0で制御部50は、3n−2行目の画素10を左位相差画素として機能する第1の画素群として選択し、第1の画素群として選択した左位相差画素のフォトダイオードPDLに蓄積された信号電荷をリセットする。より具体的には、制御部50は、3n−2行目の画素10に接続されたリセット行選択線Reset、及び左位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Lに、タイミングt0まで予め定められたリセット時間の間、オン信号を出力する。また、制御部50は、リセットを行っている間は、3n−2行目の画素10に接続された左位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_R、及び読み出し行選択線Readにオフ信号を出力する。当該動作により、3n−2行目の画素10では、図25に示したように、フォトダイオードPDLの信号電荷は、リセットされ、フォトダイオードPDRの信号電荷は蓄積された状態となる。
また、制御部50は、3n行目の画素10を右位相差画素として機能する第2の画素群として選択し、第2の画素群として選択した右位相差画素のフォトダイオードPDRに蓄積された信号電荷をリセットする。より具体的には、制御部50は、3n行目の画素10に接続されたリセット行選択線Reset、及び右位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Rに、タイミングt0まで予め定められたリセット時間の間、オン信号を出力する。また、制御部50は、リセットを行っている間は、3n行目の画素10に接続された右位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_L、及び読み出し行選択線Readにオフ信号を出力する。当該動作により、3n行目の画素10では、図25に示したように、フォトダイオードPDRの信号電荷は、リセットされ、フォトダイオードPDLの信号電荷は蓄積された状態となる。また、タイミングt0で位相差画素のリセットが完了すると、左位相差画素のフォトダイオードPDL、及び右位相差画素のフォトダイオードPDRで信号電荷の蓄積が開始される。
次に、タイミングt2では、制御部50は、3n−2行目及び3n−1行目の画素10に対しては制御を行わない。
制御部50は、3n−1行目の画素10を通常画素として機能する第3の画素群として選択し、第3の画素群として選択した通常画素のフォトダイオードPDL,PDRに蓄積された信号電荷をリセットする。より具体的には、制御部50は、3n−1行目の画素10に接続されたリセット行選択線Reset、左位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_L、及び右位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Rに、タイミングt0まで予め定められたリセット時間の間、オン信号を出力する。また、制御部50は、リセットを行っている間は、3n行目の画素10に接続された読み出し行選択線Readにオフ信号を出力する。当該動作により、3n−1行目の画素10では、図25に示したように、フォトダイオードPDL,PDRの信号電荷がリセットされた状態となる。また、タイミングt2で通常画素のリセットが完了すると、通常画素のフォトダイオードPDL,PDRで信号電荷の蓄積が開始される。
次に、タイミングt4では、位相差画素及び通常画素の信号電荷を画素10から読み出す。図27に例示したように制御部50は、3n−2行目の画素10のフォトダイオードPDL、3n−1行目の画素10のフォトダイオードPDL,PDR、及び3n行目の画素10のフォトダイオードPDRから信号電荷を読み出す。より具体的には、制御部50は、3n−2行目の画素10に接続された読み出し行選択線Read、及び左相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Lに、オン信号を出力する。また、制御部50は、3n−2行目の画素10に接続された右位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_R、及びリセット行選択線Resetにオフ信号を出力する。当該動作により、3n−2行目の画素10では、図27に示したように、フォトダイオードPDLの信号電荷が読み出し信号線58Aまたは読み出し信号線58Bに出力され、フォトダイオードPDRの信号電荷は蓄積されたままの状態となる。
また、制御部50は、3n行目の画素10に接続された読み出し行選択線Read、及び右相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Rに、オン信号を出力する。また、制御部50は、3n行目の画素10に接続された左位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_L、及びリセット行選択線Resetにオフ信号を出力する。当該動作により、3n行目の画素10では、図27に示したように、フォトダイオードPDRの信号電荷が読み出し信号線58Aまたは読み出し信号線58Bに出力され、フォトダイオードPDLの信号電荷は蓄積されたままの状態となる。
また、制御部50は、3n−1行目の画素10に接続された読み出し行選択線Read、左相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_L、及び位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Rに、オン信号を出力する。また、制御部50は、3n−1行目の画素10に接続されたリセット行選択線Resetにオフ信号を出力する。当該動作により、3n−1行目の画素10では、図27に示したように、フォトダイオードPDL,PDRの信号電荷が読み出し信号線58Aまたは読み出し信号線58Bに出力される。
図22〜24に示したように、左位相差画素の露光時間TL及び右位相差画素の露光時間TRは、タイミングt0〜t4となり、2つのフレームにわたって(またがって)露光が行われる、本第5実施形態の撮像素子20では、左位相差画素の露光時間TL及び右位相差画素の露光時間TRは、1フレームに対応する期間よりも長くなる。一方、通常画素の露光時間TNは、タイミングt2〜t4となる。従って、位相差画素の露光時間TL及び右位相差画素の露光時間TRは、通常画素の露光時間TNよりも長くなる。
次に、次フレーム目(2フレーム目)の動作について説明する。2フレーム目の動作は、タイミングt3、t5、t7で行われる。本第5実施形態の撮像素子20の制御部50は、タイミングt3から2フレーム目における制御を行う。撮像素子20の2フレーム目に対応する期間は、タイミングt4〜t7である。従って、本第5実施形態の撮像素子20では、前フレームから電荷蓄積動作を開始する。
タイミングt3で制御部50は、3n−2行目10の画素10を右位相差画素として機能する第2の画素群として選択する。制御部50は、第2の画素群として選択した右位相差画素のフォトダイオードPDRに蓄積された信号電荷をリセットする。より具体的には、制御部50は、3n−2行目の画素10に接続されたリセット行選択線Reset、及び右位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Rに、タイミングt3まで予め定められたリセット時間の間、オン信号を出力する。また、制御部50は、リセットを行っている間は、3n−2行目の画素10に接続された左位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_L、及び読み出し行選択線Readにオフ信号を出力する。当該動作により、3n−2行目の画素10では、図26に示したように、フォトダイオードPDRの信号電荷は、リセットされ、フォトダイオードPDLの信号電荷は蓄積された状態となる。
また、制御部50は、3n行目の画素10を左位相差画素として機能する第1の画素群として選択する。制御部50は、第1の画素群として選択した左位相差画素のフォトダイオードPDLに蓄積された信号電荷をリセットする。より具体的には、制御部50は、3n行目の画素10に接続されたリセット行選択線Reset、及び左相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Lに、タイミングt3まで予め定められたリセット時間の間、オン信号を出力する。また、制御部50は、リセットを行っている間は、3n行目の画素10に接続された右位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_R、及び読み出し行選択線Readにオフ信号を出力する。当該動作により、3n行目の画素10では、図26に示したように、フォトダイオードPDLの信号電荷は、リセットされ、フォトダイオードPDRの信号電荷は蓄積された状態となる。
本第5実施形態の撮像素子20では、図22〜24に例示したように、タイミングt3〜t4の期間は、全画素10のフォトダイオードPDL,PDRに電荷が蓄積された状態になる。
次に、タイミングt5では、制御部50は、タイミングt2と同様の動作を行い、3n−1行目の通常画素のリセットを行う。
次に、タイミングt7では、位相差画素及び通常画素の信号電荷を画素10から読み出す。図28に例示したように制御部50は、3n−2行目の画素のフォトダイオードPDR、3n−1行目の画素10のフォトダイオードPDL,PDR、及び3n行目の画素10のフォトダイオードPDLから信号電荷を読み出す。より具体的には、制御部50は、3n行目の画素10に接続された読み出し行選択線Read、及び左相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Lに、オン信号を出力する。また、制御部50は、3n行目の画素10に接続された右位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_R、及びリセット行選択線Resetにオフ信号を出力する。当該動作により、3n行目の画素10では、図28に示したように、フォトダイオードPDLの信号電荷が読み出し信号線58Aまたは読み出し信号線58Bに出力され、フォトダイオードPDRの信号電荷は蓄積されたままの状態となる。
また、制御部50は、3n−2行目の画素10に接続された読み出し行選択線Read、及び右相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Rに、オン信号を出力する。また、制御部50は、3n−2行目の画素10に接続された左位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_L、及びリセット行選択線Resetにオフ信号を出力する。当該動作により、3n−2行目の画素10では、図28に示したように、フォトダイオードPDRの信号電荷が読み出し信号線58Aまたは読み出し信号線58Bに出力され、フォトダイオードPDLの信号電荷は蓄積されたままの状態となる。
また、制御部50は、3n−1行目の画素10に接続された読み出し行選択線Read、左相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_L、及び位相差画素フォトダイオード読み出し選択線TGsel_Rに、オン信号を出力する。また、制御部50は、3n−1行目の画素10に接続されたリセット行選択線Resetにオフ信号を出力する。当該動作により、3n−1行目の画素10では、図28に示したように、フォトダイオードPDL,PDRの信号電荷が読み出し信号線58Aまたは読み出し信号線58Bに出力される。
図22〜24に示したように、2フレーム目における左位相差画素の露光時間TL及び右位相差画素の露光時間TRは、タイミングt3〜t7となり、2つのフレームにわたって(またがって)露光が行われる、本第5実施形態の撮像素子20では、左位相差画素の露光時間TL及び右位相差画素の露光時間TRは、1フレームに対応する期間よりも長くなる。一方、通常画素の露光時間TNは、タイミングt5〜t7となる。従って、位相差画素の露光時間TL及び右位相差画素の露光時間TRは、通常画素の露光時間TNよりも長くなる。
以上説明したように、本第5実施形態の撮像装置100では、制御部50は、第1及び第3の画素群として3n−2行目の画素10と3n行目の画素10とをフレーム毎に交互に、選択する。同一行の画素10をフレーム毎に、左位相差画素及び右位相差画素として交互に機能させることができるため、位相差画素では、2つのフレームにわたって(またがって)露光させることができる。従って、位相差画素の露光時間をより長くすることができるため、位相差画素の画素値の輝度をより向上させることができる。
[第6実施形態]
本第6実施形態では、減光特性の補正を行う撮像装置について説明する。なお、本第5実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成要素については、同一の符号を付し、説明を省略する。
撮像装置100Eでは、一例として図29に示すように、被写体が撮影される場合に撮影レンズ16を通過した左領域通過光は、マイクロレンズ19を通過し、画素10のフォトダイオードPDLに入射する。しかし、左領域通過光は、画素10のフォトダイオードPDRに入射しない。一方、撮影レンズ16を通過した右領域通過光は、マイクロレンズ19を通過し、画素10のフォトダイオードPDRに入射する。しかし、右領域通過光は、画素10のフォトダイオードPDLに入射しない。このように画素10のフォトダイオードが左右別個に設けられている上、左領域通過光及び右領域通過光の各々の中心が、撮影レンズ16の光軸から偏倚しているため、各画素10では、瞳分割方向の画素位置に応じて減光特性が線形的に変化する。減光特性の変化は、左眼画像及び右眼画像における出力の変化となって現れる。すなわち、仮に撮影レンズ16に対して正面から光量が均一な光が入射された場合に得られる左眼画像及び右眼画像の左右方向(瞳分割方向に相当する方向)の出力は画素位置に応じて略線形的に変化することとなる。例えば、図30に示すように、左眼画像は、右方向の画素位置ほど出力が小さくなり、右眼画像は、左方向の画素位置ほど出力が小さくなる。左眼画像及び右眼画像の各出力の左右の相反する方向への略線形的な変化は、スプリットイメージの画質に対しても影響を及ぼす。
そこで、本第6実施形態に係る撮像装置100Eでは、画像処理部28が、一例として図31に示すように、補正部28Aを含み、位相差画像の減光特性を補正する。補正部28Aは、フレームを取得し、位相差画像の位相差画素の画素値と通常画像の通常画素の画素値とを比較した比較結果に基づいて、位相差画素の減光特性を補正する。補正部28Aによって導出される比較結果は、演算式を用いて導出してもよいし、テーブルを用いて導出してもよい。なお、本第6実施形態の補正部28Aは、一例として、通常画素の画素値に対する左位相差画素の画素値の比率を、通常画素と左位相差画素との比として算出し、算出した比を左位相差画素のゲインとして用いることにより減光特性を補正する。また、本第6実施形態の補正部28Aは、一例として、通常画素の画素値に対する右位相差画素の画素値の比率を、通常画素と右位相差画素との比として算出し、算出した比を右位相差画素のゲインとして用いることにより減光特性を補正する。
本第6実施形態において、減光特性とは、例えば、撮影レンズ16における一対の領域を通過する光束の中心が、レンズ光軸から偏倚していることにより、右眼画像及び左眼画像に現れる瞳分割方向における各方向に線形的な減光特性を指す。また、減光特性の補正とは、一例として図34に示すように、表示用左眼画像及び表示用右眼画像に現れる減光特性を補正するための補正を指す。
以下、本第6実施形態に係る撮像装置100Eの作用として、画像処理部28によって行われる画像処理について説明する。上記のように、本第6実施形態に係る撮像装置100Eは、上記第1実施形態に係る撮像装置100と比べ、実行される画像処理が異なっている。本第6実施形態に係る撮像装置100Eで実行される画像処理は、減光特性を補正する補正処理を含んでいる。
図32には、本第6実施形態に係る画像処理の流れの一例であるフローチャートを示す。ステップ400〜408の各処理は、上記第1実施形態における画像処理と同様の処理であるため、詳細な説明は省略する。
本第6実施形態に係る画像処理では、ライブビュー画像を表示する場合は、ステップ406の処理により、制御部50は、3n−2(nは1以上の自然数)行目の画素10による第1の画素群のフォトダイオードPDLで発生した信号電荷に応じた電気信号を読み出す。また、制御部50は、3n行目の画素10による第2の画素群のフォトダイオードPDRで発生した信号電荷に応じた電気信号を読み出す。また、制御部50は、3n−1行目の画素10による第3の画素群のフォトダイオードPDL,PDRで発生した信号電荷に応じた電気信号を読み出す。
また、次のステップ408の処理により、画像処理部28は、第1の画素群及び第2の画素群から読み出した画像信号に基づいて左眼画像及び右眼画像を生成して一次記憶部25の視差画像記憶領域(図示省略)に記憶(上書き保存)する。本第6実施形態の画像処理では、ステップ408の後、ステップ412へ移行する。
ステップ412で、画像処理部28は、第3の画素群から読み出した画像信号に基づいて通常画像を生成して一次記憶部25の視差画像記憶領域(図示省略)に記憶(上書き保存)する。
次のステップ414で、画像処理部28の補正部28Aは、補正処理を実行する。図33には、補正部28Aにより実行される補正処理の流れの一例であるフローチャートを示す。
ステップ450で、補正部28Aは、一次記憶部25の視差画像記憶領域からフレームを取得する。
次のステップ452で、補正部28Aは、注目領域を設定する。本第6実施形態の補正部28Aでは、位相差画像及び通常画像を複数の注目領域に分割し、分割した注目領域毎に、減光特性の補正を行う。本ステップ452では、分割された複数の注目領域の中から減光特性の補正を行う一つの注目領域を設定する。注目領域の大きさ及び数等は、撮像装置100Eの処理速度や特性等に応じて予め定めておけばよい。
次のステップ454で、補正部28Aは、通常画素と左位相差画素との比を算出する。本第6実施形態の補正部28Aは、左位相差画素に隣接する通常画素を用いて減光特性を補正する。本ステップ454で、補正部28Aは、注目領域から選択した1つの左位相差画素と行方向に隣接する通常画素を用いて減光特性を補正する。例えば、図14に示した一例では、5行3列目の通常画素と4行3列目の左位相差画素との比を算出する。なお、制御部50は、画素行毎に第1,第2,及び第3の画素群を選択するため、左位相差画素と隣接する通常画素は、列方向に隣接する。
次のステップ456で、補正部28Aは、注目領域内の全左位相差画素について比を算出したか否か判定する。未だ上記ステップ454により比を算出していない左位相差画素が注目領域内に残っている場合は、否定判定となりステップ458へ移行する。ステップ458では、次の左位相差画素を選択した後、ステップ454に戻り、ステップ454及びステップ456の処理を繰り返す。
一方、ステップ456において、注目領域内の全左位相差画素について上記ステップ454により比を算出した場合は、肯定判定となりステップ460へ移行する。
ステップ460で、補正部28Aは、算出した比を平均化して、平均値を算出する。次のステップ462で、補正部28Aは、上記ステップ460で算出した平均値に基づいて、注目領域内の左位相差画素の画素値を補正する。本第6実施形態の補正部28Aでは、注目領域内の各左位相差画素の画素値に上記ステップ460で算出した平均値をゲインとして掛けることにより補正を行う。当該補正により、注目領域内の左位相差画素の減光特性が補正される(所謂シェーディング補正が行われる)。減光特性が補正された左位相差画素の画素値は、一次記憶部25の視差画像記憶領域(図示省略)に一時記憶(上書き保存)される。
ステップ454〜462の各処理により、注目領域内の左位相差画素に対して減光特性の補正が行われると、次に、注目領域内の右相差画素に対して減光特性の補正を同様に行う。
次のステップ464でで、補正部28Aは、通常画素と右位相差画素との比を算出する。本第6実施形態の補正部28Aは、右位相差画素に隣接する通常画素を用いて減光特性を補正する。本ステップ464で、補正部28Aは、注目領域から選択した1つの右位相差画素と行方向に隣接する通常画素を用いて減光特性を補正する。例えば、図14に示した一例では、2行3列目の通常画素と3行3列目の右位相差画素との比を算出する。なお、制御部50は、画素行毎に第1,第2,及び第3の画素群を選択するため、右位相差画素と隣接する通常画素は、列方向に隣接する。
次のステップ466で、補正部28Aは、注目領域内の全右位相差画素について比を算出したか否か判定する。未だ上記ステップ464により比を算出していない右位相差画素
が注目領域内に残っている場合は、否定判定となりステップ468へ移行する。ステップ468では、次の右位相差画素を選択した後、ステップ464に戻り、ステップ464及びステップ466の処理を繰り返す。
一方、ステップ466において、注目領域内の全左位相差画素について上記ステップ464により比を算出した場合は、肯定判定となりステップ470へ移行する。
ステップ470で、補正部28Aは、算出した比を平均化して、平均値を算出する。次のステップ472で、補正部28Aは、上記ステップ470で算出した平均値に基づいて、注目領域内の右位相差画素の画素値を補正する。本第6実施形態の補正部28Aでは、注目領域内の各右位相差画素の画素値に上記ステップ460で算出した平均値をゲインとして掛けることにより補正を行う。当該補正により、注目領域内の右位相差画素の減光特性が補正される(所謂シェーディング補正が行われる)。減光特性が補正された右位相差画素の画素値は、一次記憶部25の視差画像記憶領域(図示省略)に一時記憶(上書き保存)される。
次のステップ474で、補正部28Aは、全注目領域について上記ステップ452〜472の各処理を終了したか否か判定する。未だ上記ステップ452〜472の各処理を終了していない注目領域が残っている場合は、ステップ452に戻り、ステップ452〜472の各処理を繰り返す。一方、全注目領域についてステップ452〜472の各処理を終了している場合は、全位相差画素について減光特性の補正が終了したため、本補正処理を終了して、画像処理のステップ416へ移行する。
ステップ416で、画像処理部28は、スプリットイメージ処理部32により左眼画像及び右眼画像に基づいてスプリットイメージを生成する。上記補正処理により、一次記憶部25の視差画像記憶領域に減光特性が補正された状態の右眼画像及び左眼画像が記憶されているため、スプリットイメージ処理部32は、一次記憶部25の視差画像記憶領域に記憶されている右眼画像及び左眼画像に基づいてスプリットイメージを生成する。
次のステップ418で、画像処理部28は、上記ステップ416で生成したスプリットイメージと、上記ステップ412において生成して一次記憶部25の視差画像記憶領域(図示省略)に記憶(上書き保存)しておいた通常画像と、を表示制御部36に出力した後、本画像処理を終了する。表示制御部36は、スプリットイメージ及び通常画像が入力されると、表示装置に対して通常画像を動画像として連続して表示させ、且つ、通常画像の表示領域内にスプリットイメージを動画像として連続して表示させる制御を行う。これに応じた、表示装置は、一例として、図12に示すように、ライブビュー画像を表示する。
このように、撮影者は、表示装置に表示されるスプリットイメージにより合焦状態を確認することができる。また、マニュアルフォーカスモード時には、フォーカスリング301を操作することによりピントのずれ量(デフォーカス量)をゼロにすることができる。
また、補正部28Aによりスプリットイメージの減光特性が補正された場合、一例として図34に示すように、位相差画素の各々の瞳分割方向の画素の線形的な感度変化に起因する表示用視差画像の線形的な輝度変化が軽減される。
以上説明したように、撮像装置100Eでは、画像処理部28が補正部28Aを含んでいる。補正部28Aが通常画素の画素値と位相差画素の画素値との比を算出し、算出した比をゲインとして用いて各位相差画素値の画素値を補正するため、減光特性が補正されたスプリットイメージを含むライブビュー画像を表示装置に表示させることができる。
また、本第6実施形態の補正部28Aは、位相差画素に隣接する通常画素を用いて減光特性の補正を行うため、離れて位置する通常画素を用いる場合に比べて、補正の精度を向上させることができる。
なお、本第6実施形態の補正部28Aでは、通常画素の画素値に対する位相差画素の画素値の比率を用いて位相差画素の減光特性の補正を行っていたが、これに限定されるものではない。例えば、補正部28Aは、通常画素の画素値と位相差画素の画素値との差を用いて位相差画素の減光特性の補正を行ってもよい。なお、本第6実施形態のように、通常画素の画素値に対する位相差画素の画素値の比率を用いる方が、差を用いる場合に比べて、減光特性の補正を適切に行うことができるため、好ましい。
[第7実施形態]
上記各実施形態では、撮像装置100,100A,100B,100C,100D,100Eを例示したが、撮像装置100,100A,100B,100C,100D,100Eの変形例である携帯端末装置としては、例えばカメラ機能を有する携帯電話機やスマートフォンなどが挙げられる。この他にも、PDA(Personal Digital Assistants)や携帯型ゲーム機などが挙げられる。本第7実施形態では、スマートフォンを例に挙げ、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
図35は、スマートフォン500の外観の一例を示す斜視図である。図35に示すスマートフォン500は、平板状の筐体502を有し、筐体502の一方の面に表示部としての表示パネル521と、入力部としての操作パネル522とが一体となった表示入力部520を備えている。また、筐体502は、スピーカ531と、マイクロホン532と、操作部540と、カメラ部541とを備えている。なお、筐体502の構成はこれに限定されず、例えば、表示部と入力部とが独立した構成を採用したり、折り畳み構造やスライド構造を有する構成を採用したりすることもできる。
図36は、図35に示すスマートフォン500の構成の一例を示すブロック図である。図36に示すように、スマートフォン500の主たる構成要素として、無線通信部510と、表示入力部520と、通信部530と、操作部540と、カメラ部541と、記憶部550と、外部入出力部560と、を備える。また、スマートフォン500の主たる構成要素として、GPS(Global Positioning System)受信部570と、モーションセンサ部580と、電源部590と、主制御部501と、を備える。また、スマートフォン500の主たる機能として、基地局装置BSと移動通信網NWとを介した移動無線通信を行う無線通信機能を備える。
無線通信部510は、主制御部501の指示に従って、移動通信網NWに収容された基地局装置BSに対して無線通信を行うものである。この無線通信を使用して、音声データ、画像データ等の各種ファイルデータ、電子メールデータなどの送受信や、Webデータやストリーミングデータなどの受信を行う。
表示入力部520は、いわゆるタッチパネルであって、表示パネル521と、操作パネル522とを備える。そのため、表示入力部520は、主制御部501の制御により、画像(静止画像および動画像)や文字情報などを表示して視覚的にユーザに情報を伝達し、かつ、表示した情報に対するユーザ操作を検出する。なお、生成された3Dを鑑賞する場合には、表示パネル521は、3D表示パネルであることが好ましい。
表示パネル521は、LCD、OELD(Organic Electro-Luminescence Display)などを表示デバイスとして用いたものである。操作パネル522は、表示パネル521の表示面上に表示される画像を視認可能に載置され、ユーザの指や尖筆によって操作される一又は複数の座標を検出するデバイスである。係るデバイスをユーザの指や尖筆によって操作すると、操作に起因して発生する検出信号を主制御部501に出力する。次いで、主制御部501は、受信した検出信号に基づいて、表示パネル521上の操作位置(座標)を検出する。
図36に示すように、スマートフォン500の表示パネル521と操作パネル522とは一体となって表示入力部520を構成しているが、操作パネル522が表示パネル521を完全に覆うような配置となっている。この配置を採用した場合、操作パネル522は、表示パネル521外の領域についても、ユーザ操作を検出する機能を備えてもよい。換言すると、操作パネル522は、表示パネル521に重なる重畳部分についての検出領域(以下、表示領域と称する)と、それ以外の表示パネル521に重ならない外縁部分についての検出領域(以下、非表示領域と称する)とを備えていてもよい。
なお、表示領域の大きさと表示パネル521の大きさとを完全に一致させても良いが、両者を必ずしも一致させる必要は無い。また、操作パネル522が、外縁部分と、それ以外の内側部分の2つの感応領域を備えていてもよい。更に、外縁部分の幅は、筐体502の大きさなどに応じて適宜設計されるものである。更にまた、操作パネル522で採用される位置検出方式としては、マトリクススイッチ方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式などが挙げられ、いずれの方式を採用することもできる。
通信部530は、スピーカ531やマイクロホン532を備える。通信部530は、マイクロホン532を通じて入力されたユーザの音声を主制御部501にて処理可能な音声データに変換して主制御部501に出力する。また、通信部530は、無線通信部510あるいは外部入出力部560により受信された音声データを復号してスピーカ531から出力する。また、図36に示すように、例えば、スピーカ531を表示入力部520が設けられた面と同じ面に搭載し、マイクロホン532を筐体502の正面下部に搭載することができる。
操作部540は、キースイッチなどを用いたハードウェアキーであって、ユーザからの指示を受け付けるものである。例えば、図35に示すように、操作部540は、スマートフォン500の筐体502の正面下部に搭載され、指などで押下されるとオンとなり、指を離すとバネなどの復元力によってオフ状態となる押しボタン式のスイッチである。
記憶部550は、主制御部501の制御プログラムや制御データ、アプリケーションソフトウェア、通信相手の名称や電話番号などを対応づけたアドレスデータ、送受信した電子メールのデータを記憶する。また、記憶部550は、WebブラウジングによりダウンロードしたWebデータや、ダウンロードしたコンテンツデータを記憶する。また、記憶部550は、ストリーミングデータなどを一時的に記憶する。また、記憶部550は、スマートフォン内蔵の内部記憶部551と着脱自在な外部メモリスロットを有する外部記憶部552を有する。なお、記憶部550を構成するそれぞれの内部記憶部551と外部記憶部552は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)などの格納媒体を用いて実現される。格納媒体としては、この他にも、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、MicroSD(登録商標)メモリ等)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)が例示できる。
外部入出力部560は、スマートフォン500に連結される全ての外部機器とのインタフェースの役割を果たすものであり、他の外部機器に通信等又はネットワークにより直接的又は間接的に接続するためのものである。他の外部機器に通信等としては、例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)、IEEE1394などが挙げられる。ネットワークとしては、例えば、インターネット、無線LAN、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(Infrared Data Association:IrDA(登録商標))が挙げられる。また、ネットワークの他の例としては、UWB(Ultra Wideband(登録商標))、ジグビー(ZigBee(登録商標))などが挙げられる。
スマートフォン500に連結される外部機器としては、例えば、有/無線ヘッドセット、有/無線外部充電器、有/無線データポート、カードソケットを介して接続されるメモリカード(Memory card)が挙げられる。外部機器の他の例としては、SIM(Subscriber Identity Module Card)/UIM(User Identity Module Card)カード、オーディオ・ビデオI/O(Input/Output)端子を介して接続される外部オーディオ・ビデオ機器が挙げられる。外部オーディオ・ビデオ機器の他にも、無線接続される外部オーディオ・ビデオ機器が挙げられる。また、外部オーディオ・ビデオ機器に代えて、例えば有/無線接続されるスマートフォン、有/無線接続されるパーソナルコンピュータ、有/無線接続されるPDA、有/無線接続されるパーソナルコンピュータ、イヤホンなども適用可能である。
外部入出力部560は、このような外部機器から伝送を受けたデータをスマートフォン500の内部の各構成要素に伝達することや、スマートフォン500の内部のデータが外部機器に伝送されるようにすることができる。
GPS受信部570は、主制御部501の指示にしたがって、GPS衛星ST1〜STnから送信されるGPS信号を受信し、受信した複数のGPS信号に基づく測位演算処理を実行し、当該スマートフォン500の緯度、経度、高度からなる位置を検出する。GPS受信部570は、無線通信部510や外部入出力部560(例えば、無線LAN)から位置情報を取得できる時には、その位置情報を用いて位置を検出することもできる。
モーションセンサ部580は、例えば、3軸の加速度センサなどを備え、主制御部501の指示にしたがって、スマートフォン500の物理的な動きを検出する。スマートフォン500の物理的な動きを検出することにより、スマートフォン500の動く方向や加速度が検出される。この検出結果は、主制御部501に出力されるものである。
電源部590は、主制御部501の指示にしたがって、スマートフォン500の各部に、バッテリ(図示省略)に蓄えられる電力を供給するものである。
主制御部501は、マイクロプロセッサを備え、記憶部550が記憶する制御プログラムや制御データにしたがって動作し、スマートフォン500の各部を統括して制御するものである。また、主制御部501は、無線通信部510を通じて、音声通信やデータ通信を行うために、通信系の各部を制御する移動通信制御機能と、アプリケーション処理機能を備える。
アプリケーション処理機能は、記憶部550が記憶するアプリケーションソフトウェアにしたがって主制御部501が動作することにより実現するものである。アプリケーション処理機能としては、例えば、外部入出力部560を制御して対向機器とデータ通信を行う赤外線通信機能や、電子メールの送受信を行う電子メール機能、Webページを閲覧するWebブラウジング機能などがある。
また、主制御部501は、受信データやダウンロードしたストリーミングデータなどの画像データ(静止画像や動画像のデータ)に基づいて、映像を表示入力部520に表示する等の画像処理機能を備える。画像処理機能とは、主制御部501が、上記画像データを復号し、この復号結果に画像処理を施して、画像を表示入力部520に表示する機能のことをいう。
更に、主制御部501は、表示パネル521に対する表示制御と、操作部540、操作パネル522を通じたユーザ操作を検出する操作検出制御とを実行する。
表示制御の実行により、主制御部501は、アプリケーションソフトウェアを起動するためのアイコンや、スクロールバーなどのソフトキーを表示したり、あるいは電子メールを作成したりするためのウィンドウを表示する。なお、スクロールバーとは、表示パネル521の表示領域に収まりきれない大きな画像などについて、画像の表示部分を移動する指示を受け付けるためのソフトキーのことをいう。
また、操作検出制御の実行により、主制御部501は、操作部540を通じたユーザ操作を検出したり、操作パネル522を通じて、上記アイコンに対する操作や、上記ウィンドウの入力欄に対する文字列の入力を受け付けたりする。また、操作検出制御の実行により、主制御部501は、スクロールバーを通じた表示画像のスクロール要求を受け付ける。
更に、操作検出制御の実行により主制御部501は、操作パネル522に対する操作位置が、表示パネル521に重なる重畳部分(表示領域)か、それ以外の表示パネル521に重ならない外縁部分(非表示領域)かを判定する。そして、この判定結果を受けて、操作パネル522の感応領域や、ソフトキーの表示位置を制御するタッチパネル制御機能を備える。
また、主制御部501は、操作パネル522に対するジェスチャ操作を検出し、検出したジェスチャ操作に応じて、予め設定された機能を実行することもできる。ジェスチャ操作とは、従来の単純なタッチ操作ではなく、指などによって軌跡を描いたり、複数の位置を同時に指定したり、あるいはこれらを組み合わせて、複数の位置から少なくとも1つについて軌跡を描く操作を意味する。
カメラ部541は、CMOSやCCDなどの撮像素子を用いて撮影するデジタルカメラであり、図1等に示す撮像装置100と同様の機能を備えている。
また、カメラ部541は、マニュアルフォーカスモードとオートフォーカスモードとを切り替え可能である。マニュアルフォーカスモードが選択されると、操作部540又は表示入力部520に表示されるフォーカス用のアイコンボタン等を操作することにより、カメラ部541の撮影レンズのピント合わせを行うことができる。また、マニュアルフォーカスモード時には、スプリットイメージが合成されたライブビュー画像を表示パネル521に表示させ、これによりマニュアルフォーカス時の合焦状態を確認できるようにしている。なお、図10に示すハイブリッドファインダー220をスマートフォン500に設けるようにしてもよい。
また、カメラ部541は、主制御部501の制御により、撮影によって得た画像データを例えばJPEG(Joint Photographic coding Experts Group)などの圧縮した画像データに変換する。そして、変換して得た画像データを記憶部550に記録したり、外部入出力部560や無線通信部510を通じて出力することができる。図36に示すにスマートフォン500において、カメラ部541は表示入力部520と同じ面に搭載されているが、カメラ部541の搭載位置はこれに限らず、表示入力部520の背面に搭載されてもよいし、あるいは、複数のカメラ部541が搭載されてもよい。なお、複数のカメラ部541が搭載されている場合には、撮影に供するカメラ部541を切り替えて単独にて撮影したり、あるいは、複数のカメラ部541を同時に使用して撮影したりすることもできる。
また、カメラ部541はスマートフォン500の各種機能に利用することができる。例えば、表示パネル521にカメラ部541で取得した画像を表示することや、操作パネル522の操作入力のひとつとして、カメラ部541の画像を利用することができる。また、GPS受信部570が位置を検出する際に、カメラ部541からの画像を参照して位置を検出することもできる。更には、カメラ部541からの画像を参照して、3軸の加速度センサを用いずに、或いは、3軸の加速度センサと併用して、スマートフォン500のカメラ部541の光軸方向を判断することや、現在の使用環境を判断することもできる。勿論、カメラ部541からの画像をアプリケーションソフトウェア内で利用することもできる。
その他、静止画又は動画の画像データに各種情報を付加して記憶部550に記録したり、外部入出力部560や無線通信部510を通じて出力したりすることもできる。ここで言う「各種情報」としては、例えば、静止画又は動画の画像データにGPS受信部570により取得した位置情報、マイクロホン532により取得した音声情報(主制御部等により、音声テキスト変換を行ってテキスト情報となっていてもよい)が挙げられる。この他にも、モーションセンサ部580により取得した姿勢情報等などであってもよい。
なお、上記各実施形態では、上下方向に2分割されたスプリットイメージを例示したが、これに限らず、左右方向又は斜め方向に複数分割された画像をスプリットイメージとして適用してもよい。
例えば、図37に示すスプリットイメージ66aは、行方向に平行な複数の分割線63aにより奇数ラインと偶数ラインとに分割されている。このスプリットイメージ66aでは、第1の画素群から出力された出力信号に基づいて生成されたライン状(一例として短冊状)の位相差画像66Laが奇数ライン(偶数ラインでも可)に表示される。また、第2の画素群から出力された出力信号に基づき生成されたライン状(一例として短冊状)の位相差画像66Raが偶数ラインに表示される。
また、図38に示すスプリットイメージ66bは、行方向に傾き角を有する分割線63b(例えば、スプリットイメージ66bの対角線)により2分割されている。このスプリットイメージ66bでは、第1の画素群から出力された出力信号に基づき生成された位相差画像66Lbが一方の領域に表示される。また、第2の画素群から出力された出力信号に基づき生成された位相差画像66Rbが他方の領域に表示される。
また、図39A及び図39Bに示すスプリットイメージ66cは、行方向及び列方向にそれぞれ平行な格子状の分割線63cにより分割されている。スプリットイメージ66cでは、第1の画素群から出力された出力信号に基づき生成された位相差画像66Lcがチェッカーパターン状に並べられて表示される。また、第2の画素群から出力された出力信号に基づき生成された位相差画像66Rcがチェッカーパターン状に並べられて表示される。
また、スプリットイメージに限らず、2つの位相差画像から他の合焦確認画像を生成し、合焦確認画像を表示するようにしてもよい。例えば、2つの位相差画像を重畳して合成表示し、ピントがずれている場合は2重像として表示され、ピントが合った状態ではクリアに画像が表示されるようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、第1〜第3の画像が画像処理部28に入力された場合に通常画像とスプリットイメージとの双方を表示装置の同画面に同時に表示する態様を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、表示制御部36が、表示装置に対する通常画像の動画像としての連続した表示を抑止し、かつ、表示装置に対してスプリットイメージを動画像として連続して表示させる制御を行うようにしてもよい。ここで言う「通常画像の表示を抑止する」とは、例えば表示装置に対して通常画像を表示させないことを指す。具体的には、通常画像を生成するものの表示装置に通常画像を出力しないことで表示装置に対して通常画像を表示させないことや通常画像を生成しないことで表示装置に対して通常画像を表示させないことを指す。表示装置の画面全体を利用してスプリットイメージを表示させてもよいし、一例として図12に示すスプリットイメージの表示領域の全体を利用してスプリットイメージを表示させてもよい。なお、「スプリットイメージ」としては、特定の撮像素子を使用する場合において、位相差画素群から出力された画像(例えば第1の画素群から出力された第1の画像及び第2の画素群から出力された第2の画像)に基づくスプリットイメージが例示できる。「特定の撮像素子を使用する場合」としては、例えば位相差画素群(例えば第1の画素群及び第2の画素群)のみからなる撮像素子を使用する場合が挙げられる。この他にも、通常画素に対して所定の割合で位相差画素(例えば第1の画素群及び第2の画素群)が配置された撮像素子を使用する場合が例示できる。
また、通常画像の表示を抑止してスプリットイメージを表示させるための条件としては、様々な条件が考えられる。例えば、スプリットイメージの表示が指示されている状態で通常画像の表示指示が解除された場合に表示制御部36が表示装置に対して通常画像を表示させずにスプリットイメージを表示させる制御を行うようにしてもよい。また、例えば、撮影者がハイブリッドファインダーを覗きこんだ場合に表示制御部36が表示装置に対して通常画像を表示させずにスプリットイメージを表示させる制御を行うようにしてもよい。また、例えば、レリーズボタン211が半押し状態にされた場合に表示制御部36が表示装置に対して通常画像を表示させずにスプリットイメージを表示させる制御を行うようにしてもよい。また、例えば、レリーズボタン211に対して押圧操作が行われていない場合に表示制御部36が表示装置に対して通常画像を表示させずにスプリットイメージを表示させる制御を行うようにしてもよい。また、例えば、被写体の顔を検出する顔検出機能を働かせた場合に表示制御部36が表示装置に対して通常画像を表示させずにスプリットイメージを表示させる制御を行うようにしてもよい。なお、ここでは、表示制御部36が通常画像の表示を抑止する変形例を挙げたが、これに限らず、例えば、表示制御部36は、通常画像に全画面のスプリットイメージを上書き表示するように制御を行ってもよい。