JP6155251B2 - 核酸の検出方法、そのキット及びその使用 - Google Patents

核酸の検出方法、そのキット及びその使用 Download PDF

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Description

本発明は、核酸の検出方法、当該方法を適用する核酸の検出のためのキット、検査及び検疫のためのキットの使用に関する。
分子診断は現代の生物学的分析における最先端技術であり、特定の核酸配列の検出は生物学的分析の重要な部分である。従来の分子同定方法、例えば蛍光定量的PCR(非特許文献1)、RFLP(制限断片長多型、非特許文献2)、遺伝子チップ及び配列決定は、複雑であり、大きく高価な設備及び長時間を要する。これらは、炭疽菌等の、ある病原性微生物(生物学的兵器)を迅速に検出することができない。従って、医療現場で用いるための、代替的、簡便、安価、効率的、設備がいらない分析手段の開発は、非常に重要な実際的意義を有する。金ナノ粒子(AuNP)は、直径1〜100nmを有するコロイド状生体分子マーカーであり、光学、電子、及びイメージングにおいて広く使用され、良好な安定性、低サイズ効果、表面効果、量子効果、光学効果、独自の生物学的親和性の利点がある(非特許文献3)。AuNPは、高い透過係数を有し、13nmの直径を有する粒子は、約520nmの波長でシャープな吸収ピークを有する。その自己集合した凝集物は、吸収ピークを有意に変更することができ、表面プラズモン共鳴(SPR)は、色変化をもたらすことができる。一方で、AuNPは、広範囲の生物学的親和性を有し、DNA分子と結合し、自己集合プロセスに関与し、最終的にはAuNP溶液(又はコロイド状金溶液)の物性、例えば色及び吸光度に影響を及ぼす。Mirkinは、初めてAuNPを生物学的検出に適用し、AuNP−DNA粒子の自己集合凝集及びDNAの特異的ハイブリダイゼーションにより生じるコロイド状溶液の色変化を見出した(非特許文献4)。AuNPは、検出プローブを形成するチオール変性短鎖DNAと結合することができ、相補的で同一長のDNAが溶液中に存在する場合、秩序的かつ可逆的な凝集反応が生じ、メッシュ状に2次元、3次元凝集構造を形成し、ルビーレッド〜紫紺の色変化が生じる(非特許文献5)。このAuNPの裸眼で見える効果は、生体検出における迅速、容易な方法の前兆となる。
ssDNA(一本鎖DNA)及びdsDNA(二本鎖DNA)は、AuNPの吸着が異なり、前者はAuNPの負に帯電した表面に対して電解質塩イオンの凝集効果がない安定な状態で吸着し(非特許文献6)、こうしてLiはAuNP凝集反応に基づく核酸ハイブリダイゼーション比色分析検出を設計した。従来のPCRは、二本鎖産物を得る不整脈の標的遺伝子に対して行われる。次に、コロイド状金溶液及びプローブを添加し、変性アニーリングの後、コロイド状金溶液が、特定の標的核酸が増幅される場合にルビーレッドから紫紺になり、特定の標的核酸が増幅されない場合にルビーレッドのままとなる(非特許文献7)。この核酸検出の新規概念は、AuNP及びプローブの共有修飾を必要としない非架橋様式である。しかしながら、実際の操作において、プローブとPCR産物の比は、制御することは容易ではなく、数多くのプレテスト又は精製及び未知の濃度の分析物の定量的測定を要するため、本方法を適用することができない。
最近、AuNPのSPR効果とPCRの組み合わせにより、ナノPCR検出方法が生み出されている。Caiは従来のプライマーに取って代わるオリゴヌクレオチドプローブが結合したAuNPを使用し、PCRを用いてHIV gp140のエキソン配列を増幅し、裸眼による比色分析検出を行う。これは、迅速かつ容易であるが(非特許文献8)、色変化は有意ではなく、適用が限定される。
上記により、明らかな色変化を用いた単純かつ容易な核酸検出方法が求められている。
Qi Y.Appl Environ Microbiol,2001,67(8):3720−3727 S.R. Klee.J.Applied Microbiology.2006,100,1364−5072 HorisbergerM.Scanning Electron Microscopy II,1981:9−31 Mirkin C A.Nature,1996,382(6592):607−609 Elghanian R.Science,1997,277(22):1078−1081 Li H.PNAS,2004,101(39):14036−14039 Li H.J.,Am. Chem. Soc.,216:10958−10961,2004 Miao Cai.Nano Res.2010,3:557−563
本発明は、先行技術の欠点を克服する目的で、有意な色変化を用いた単純、迅速、裸眼で見える核酸の検出方法、前記方法に依存したキット、検査及び検疫における前記方法及び前記キットの適用を提供するものである。
本発明の発明者らは、核酸検出方法における現在利用可能なAuNPのわずかな色変化は、主にプローブと検出される核酸との間での不十分な結合のためであり、プローブとAuNPによるSPR効果が低くなることを見出した。多くの方法は、結合を強めるために使用することができるが、方法自体の複雑性、ましてや各測定時の検出システムの模索及び最適化のために許容されるのはわずかである。
本発明の発明者らは、従来のPCRの代わりに非対称PCRを用いて、ssDNAが多い分析物の核酸を得て、プローブと分析物の核酸との間でのハイブリダイゼーションの効率を増大させることができ、プローブとAuNPによるSPR効果及び色変化をさらに高めることができることを見出した。
本発明は、PCRバッファ溶液中の非対称PCR反応条件下で、一対のプライマー、DNAポリメラーゼ、デオキシヌクレオチドアデニン三リン酸、デオキシヌクレオチドグアニン三リン酸、デオキシヌクレオチドシトシン三リン酸、及びデオキシヌクレオチドチミジン三リン酸を分析物の核酸と接触させる工程、接触後の産物をプローブ含有溶液と混合する工程、並びに生成した混合物の色又は色変化の観察によって分析物の核酸が標的核酸を含む否かを判定する工程を含む、核酸の検出方法を提供する。
本発明はまた、(1)標的核酸を増幅し得る一対のプライマーであって、非対称PCR反応の要件を満たすモル比を有する上流プライマーと下流プライマーを含み、一対のプライマーが混合物の形態で独立して保存又は保管される一対のプライマー、(2)前記一対のプライマーから独立して保存されるプローブ含有溶液またはその混合物を含む、上記核酸検出方法のためのキットを提供する。
さらに、本発明はまた、検査及び免疫のための上記方法またはキットの使用を含む。
本発明の要旨は、以下の通りである:
[1] PCRバッファ溶液中の非対称PCR反応条件下で、一対のプライマー、DNAポリメラーゼ、デオキシヌクレオチドアデニン三リン酸、デオキシヌクレオチドグアニン三リン酸、デオキシヌクレオチドシトシン三リン酸、及びデオキシヌクレオチドチミジン三リン酸を分析物の核酸と接触させる工程、
接触後の産物をプローブ含有溶液と混合する工程、並びに
色変化の観察によって分析物の核酸が標的核酸を含むかどうかを判定する工程を含む、核酸の検出方法。
[2] 非対称PCR反応条件において、プレ変性温度が90〜98℃、変性温度が90〜98℃、アニーリング温度が40〜60℃、伸長温度が70〜75℃、サイクル数が10より多く、標的核酸を増幅し得る前記一対のプライマーが律速プライマー及び非律速プライマーを含み、律速プライマーと非律速プライマーのモル比が1:5〜240である前記方法。
[3] サイクル数が30〜40であり、律速プライマーと非律速プライマーとのモル比が1:10〜100である前記方法。
[4] PCRバッファ溶液の添加量が接触後の産物溶液の5〜50%であり、PCRバッファ溶液のpHが8.5〜9.5であり、分析物の核酸の添加量が0.001〜1000nMであり、添加されるDNAポリメラーゼが0.01〜0.2U/μLであり、デオキシヌクレオチドアデニン三リン酸、デオキシヌクレオチドグアニン三リン酸、デオキシヌクレオチドシトシン三リン酸、及びデオキシヌクレオチドチミジン三リン酸の添加量がそれぞれ50〜500μMであり、プライマーの添加量が0.1〜5μMである前記方法。
[5] 分析物の核酸の添加量が接触後の産物溶液量に対して1〜300nMであり、添加されるDNAポリメラーゼが0.01〜0.1U/μLであり、デオキシヌクレオチドアデニン三リン酸、デオキシヌクレオチドグアニン三リン酸、デオキシヌクレオチドシトシン三リン酸、及びデオキシヌクレオチドチミジン三リン酸の添加量がそれぞれ100〜300μMであり、プライマーの添加量が0.3〜3μMである前記方法。
[6] 無機塩MX(MはNa及び/又はK、XはCl、Br、及びIの1つ以上である)の存在下で、接触後の産物とプローブ含有溶液とを混合し、MXの添加により0.5〜1.5MのMX濃度となる前記方法。
[7] 接触後の産物とプローブ含有溶液との混合が10℃以上の温度で1〜60分である前記方法。
[8] プローブ含有溶液中のプローブ濃度が500〜1500nMである前記方法。
[9] プローブ含有溶液中の前記プローブが複数の複合物を含み、各複合物が1つのナノ粒子及び1つ以上のオリゴヌクレオチドにより形成され、各オリゴヌクレオチドが標的核酸の1つの鎖の一部に少なくとも部分的に相補的である前記方法。
[10] プローブ含有溶液中の前記プローブが2つの複合物を含み、各複合物が1つのナノ粒子及び1つのオリゴヌクレオチドにより形成され、2つのナノ粒子が同一であり、2つのオリゴヌクレオチドが異なり、2つの複合物のモル比が1:0.8〜1.2である前記方法。
[11] 前記オリゴヌクレオチドが10〜50ヌクレオチド長である前記方法。
[12] 前記複合物中のナノ粒子が5〜100nmの直径を有する前記方法。
[13] 前記複合物中のナノ粒子がAuNPである前記方法。
[14] 標的核酸が炭疽菌(Bacillus anthracis)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、ペスト菌(Yersinia pestis)、野兎病菌(Bacillus tularense)、チフス菌(Salmonella typhi)、ブルセラ種(Brucella species)、天然痘ウイルス(variola virus)、黄熱ウイルス(yellow fever virus)、東部ウマ脳炎ウイルス(Eastern equine encephalitis virus)、西部ウマ脳炎ウイルス(Western equine encephalitis virus)、発疹熱群リケッチア(typhus group rickettsiae)、ボツリヌス毒素(botulinum toxin)、鳥類病クラミディア(ornithosis Chlamydia)、ボツリヌス毒素(botulinum toxin)、ブドウ球菌腸毒素(staphylococcal enterotoxin)、コクシジオイデス イミティス(Coccidioides immitis)、ヒストプラスマ カプスラーツム(Histoplasma capsulatum)の少なくとも1つのゲノムの少なくとも一部である前記方法。
[15] 標的核酸配列が炭疽菌(Bacillus anthracis)のゲノムDNAであり、律速プライマー配列が配列番号1であり、非律速プライマー配列が配列番号2であり、律速プライマーと非律速プライマーのモル比が1:10〜100であり、プローブが金ナノ粒子とオリゴヌクレオチドにより形成される2つの複合物からなり、第一複合物がAuNPと配列番号3で示されるオリゴヌクレオチドにより形成され、第二複合物がAuNPと配列番号4で示されるオリゴヌクレオチドにより形成され、第一複合物と第二複合物のモル比が1:0.8〜1.2である前記方法。
[16] 検出方法が、裸眼による比色分析により行われる前記方法。
[17] (1)標的核酸を増幅し得る一対のプライマーであって、律速プライマーと非律速プライマーを含み、律速プライマーと非律速プライマーのモル比が非対称PCR反応の要件を満たし、独立して又は混合して保存される一対のプライマー、
(2)前記一対のプライマーから独立して保存されるプローブ含有溶液又はその混合物を含む、前記記載の方法を適用する核酸検出のためのキット。
[18] 律速プライマーと非律速プライマーのモル比が1:5〜240である前記キット。
[19] PCRバッファ溶液、DNAポリメラーゼ、デオキシヌクレオチドアデニン三リン酸、デオキシヌクレオチドグアニン三リン酸、デオキシヌクレオチドシトシン三リン酸、及びデオキシヌクレオチドチミジン三リン酸の1つ以上をさらに含み、DNAポリメラーゼが独立して保存され、残りが独立して又は1つ以上の成分を含む混合物で保存される前記キット。
[20] 検査及び検疫のための、前記方法又は前記キットの使用。
本発明の方法を用いて炭疽菌のゲノムDNA断片を検出する場合、以下の通りに行う:第一に、非対称PCRを行う鋳型として分析物の核酸を使用し、非対称PCR産物と炭疽菌のゲノムの特異的DNA断片を含むプローブハイブリダイゼーション溶液とを混合し、色が2分以内に有意に変化するが、断片が存在しない場合には色変化は生じない。
本発明によれば、迅速かつ容易であり、感度が高くかつ特異的であり、設備がいらず、裸眼で見える核酸検出方法が提供される。当該方法の高感度及び単純な性質を示す事例は、0.01ngの鋳型核酸を用いる50μLの非対称PCR反応について、5μLの非対称PCR産物を取り出し、1.5μMのプローブ濃度での10μLのプローブ溶液と混合する条件で、有意な色変化を生じることができるというものである。前記方法はまた、マウスβアクチン及びコレラ菌のDNA断片の検出に適用することができ、当該方法のある程度の普遍性を示す。
図1は、本発明の一態様で使用されるAuNP粒子のTEM図である。 図2は、本発明の一態様における非対称PCR産物のアガロースゲル電気泳動の図である。 図3は、本発明の一態様における非対称PCR産物とプローブ溶液の混合後の色変化である。 図4は、本発明の一態様における感度評価の結果である。 図5は、本発明の一態様における特異性評価の結果である。 図6は、本発明の別態様における非対称PCR産物とプローブ溶液の混合後の色変化である。 図7は、本発明のさらなる態様における非対称PCR産物とプローブ溶液の混合後の色変化である。
本発明は、PCRバッファ溶液中の非対称PCR反応条件下で、一対のプライマー、DNAポリメラーゼ、デオキシヌクレオチドアデニン三リン酸、デオキシヌクレオチドグアニン三リン酸、デオキシヌクレオチドシトシン三リン酸、及びデオキシヌクレオチドチミジン三リン酸を分析物の核酸と接触させる工程、接触後の産物をプローブ含有溶液と混合する工程、並びに生成した混合物の色又は色変化の観察によって分析物の核酸が標的核酸を含むかどうかを判定する工程を含む、核酸の検出方法を提供する。
前記分析物の核酸は、任意の核酸試料、例えば標本から抽出された核酸試料;PCR増幅から得られた核酸試料;又は人工的に合成されて得られた核酸試料であってもよい。
本発明によれば、前記非対称PCRは当該技術分野で周知の方法であり、PCR増幅において等量でない一対のプライマーを用いて多量の一本鎖DNAを作製する。一対のプライマーは、非律速プライマー(non−limiting primer)及び律速プライマー(limiting primer)を含む。PCR反応の早期段階は、二本鎖DNAを主に作製し、律速プライマー(低濃度プライマー)が枯渇した後、非律速プライマー(高濃度プライマー)によるPCRで多量のssDNAが作製される。非対称PCRの重要な点は、律速プライマーの絶対量を制御することである。本発明は、標的核酸を増幅し得る非律速プライマー及び律速プライマーの従来の概念に従うものである。
本発明によれば、非対称PCRの反応条件は、当該技術分野で従来の条件であるが、分析物の核酸に依存して変化する。標的核酸の存在は、検出時の問題となり、非対称PCRが生じるかもしれないし、生じないかもしれない。同一の非対称PCRは、分析物の核酸が標的核酸を含むかどうかに関わらずに行われるべきである。従って、添加成分及び反応条件が非対称PCRの要件に従っているとしても、全システムが非対称PCR又は従来のPCRの反応プロセスを行うとしても、非対称PCR又は従来のPCRの実施は、必ずしも増幅を達成できるとは限らないことに留意すべきである。
本発明によれば、非対称PCR反応条件としては、以下のものが挙げられる:プレ変性温度は90〜98℃であってもよく、変性温度は90〜98℃であってもよく、アニーリング温度は40〜60℃であってもよく、伸長温度は70〜75℃であってもよく、サイクル数は好ましくは10より多く、より好ましくは30〜40であり;律速プライマーと非律速プライマーのモル比は、非対称PCR要件を満たす場合にのみ、標的核酸に依存して変化し、好ましくは1:5〜240、より好ましくは1:10〜100である。律速プライマーと非律速プライマーの特異的配列は、広く受け入れられている方法を用いて選択することができ、標的核酸は、Primer Premier, Oligo又はDNAMAN等のバイオロジーソフトウェアを用いて設計され、最適化することができる。
本発明によれば、非対称PCR反応で添加される成分は、現在利用可能なものと同一であってもよく、PCRバッファ溶液はDNAポリメラーゼ反応で使用されるものに対応する。一般に、PCRバッファ溶液は、市販製品の寄贈品として供給され、PCRバッファ溶液に添加する量は寄贈品バッファの濃度に依存する。通常、バッファ溶液の添加量は、接触後の産物量の5〜50%である。例えば、寄贈品PCRバッファが2×PCRバッファ溶液である場合、添加量は接触後の産物溶液の50%である。PCRバッファ溶液のpHは、好ましくは8.5〜9.5であり、より好ましくは8.5〜8.8である。分析物の核酸の添加量は、続くプローブ溶液との混合について十分な量であり、有意に色変化する場合にのみ、0.001〜1000nMの比較的広い範囲内で変化する。本発明によれば、分析物の核酸は短い合成断片、PCR増幅産物、又は長いゲノムDNAであってもよい。分析物の核酸が短い合成断片又はPCR増幅産物である場合、分析物の核酸の最終濃度は好ましくは0.01〜10nMである。分析物の核酸がゲノムDNAである場合、分析物の核酸の最終濃度は好ましくは10〜300nMであり、さらに好ましくは0.01〜300nMである。質量で計る場合、50μlの非対称PCR反応システムとすれば、添加される分析物の核酸は、好ましくは10pg〜1μg、より好ましくは0.1ng〜100ngである。添加されるDNAポリメラーゼの種類及び量は、現在利用可能な方法と同一であってもよく、すなわち0.01〜0.2U/μL、好ましくは0.02〜0.03U/μLの最終濃度であってもよい。本発明により使用されるPromega PCR Master mix(2×)増幅システムは、0.025U/μLのポリメラーゼ最終濃度を有する。通常、デオキシヌクレオチドアデニン三リン酸、デオキシヌクレオチドグアニン三リン酸、デオキシヌクレオチドシトシン三リン酸及びデオキシヌクレオチドチミジン三リン酸(すなわち,4×dNTP)の添加量は、従来の範囲、例えば50〜500μM、より好ましくは100〜300μMであり、本発明において、dNTPの最終濃度は200μMである。上記条件のもと、標的核酸のためのプライマーの全量は、本発明において好ましくは0.1〜10μM、より好ましくは0.3〜3μMである。
本発明によれば、接触後の産物とプローブ溶液との混合は、好ましくは無機塩MX(MはNa及び/又はKであり、XはCl、Br又はIの1つ以上であり、MXは好ましくはNaCl)の存在下で行う。好ましくは、添加される無機塩MXは、0.5〜1M、最も好ましくは0.8〜1MのMX最終濃度を達成することができる。本発明の発明者らは、NaClの上記濃度範囲により、検出システムが非常に有意な色変化を示すことができることを見出した。本発明によれば、MXの全濃度を算出する場合、PCRバッファ溶液中のMXの存在をバッファ中のMXに含入することが必要である。しかしながら、特に非対称PCR産物の一部のみを取り出してプローブ溶液と混合する場合、PCRバッファ溶液中のMXは、非常に低い。この様に、PCRバッファ中のMXは無視することができる。本明細書に含まれるMXは、主に混合を行う場合に添加されるか又はMXは前もってプローブ溶液と混合することができる。
本発明によれば、接触後の産物及びプローブ溶液の混合条件は、厳密ではなく、非常に低い温度は、ハイブリダイゼーションをもたらさず、ブラウン分子運動を有意に低下することがあるため、温度は、10℃未満であるべきではない。温度の上限は、ハイブリダイズする配列のTm値より低く、一般に、混合温度は、15〜55℃であってもよく、好ましくは20〜50℃、最も好ましくは室温、すなわち22〜25℃である。接触後の産物とプローブ溶液の混合時間は、1〜60分であってもよく、好ましくは3〜10分である。当該技術分野の技術者は、混合時間は色変化を生じる最短時間であり、長い時間はより有意な色変化を生じる場合があることを知っている。
本発明によれば、混合物量として、プローブ溶液中のプローブ濃度は、好ましくは500〜1500nM、より好ましくは600〜1000nMであり、長期保存のため、高い濃度、すなわち2〜4μMがストック溶液において推奨される。
本発明によれば、プローブ溶液中のプローブ分子は、複数の複合物を含んでいてもよく、それぞれが1種のナノ粒子及び1つ以上のオリゴヌクレオチドにより形成される。オリゴヌクレオチドの少なくとも一部は、標的核酸の1つの鎖の一部に相補的であってもよい。好ましくは、2つのオリゴヌクレオチドの少なくとも一部は、標的核酸の同一鎖の一部に相補的であり、オリゴヌクレオチドは標的核酸の一部に完全に相補的であってもよい。又はオリゴヌクレオチドの一部は標的核酸の一部に相補的であり、他の部分は相補的ではない。例えば、オリゴヌクレオチドがナノ粒子に近づく部分は、標的核酸に相補的ではなく、粒子から離れた部分が相補的であり、相補性の程度は、ハイブリッドの安定性に基づく。本発明の本質は、プローブと標的核酸との結合能を改善することによって、プローブ上で金ナノ粒子のSPR効果を高めることである。従って、ナノ粒子部分から離れた相補物はプローブと標的核酸との結合能を高め、非相補物はオリゴヌクレオチドの立体障害又は剛性により粒子のSPR効果の低減を回避する。本発明の指針をもとに、当該技術分野の技術者は、本発明を十分に実現するプローブ/オリゴヌクレオチド配列及び結合方法を調節又は改変することができる。これらは本発明の範囲内としてみなされるべきである。
複合物は、ナノ粒子とオリゴヌクレオチドの結合により生じる産物である。結合の概念は、当該技術分野で周知であり、すなわち2つの化学部分(又はユニット)が結合して1分子を生成する有機反応であり、結合方法は、当該技術分野で周知なものであってもよく、例えばナノ粒子がAuNPである場合、オリゴヌクレオチドの5’末端はメルカプトで変性することができ(5’末端塩基上のC6)、AuNPと接触して安定なAu−S結合を形成することができる。5’末端メルカプト変性は、当該分野で従来の合成方法、例えばDNA合成器を用いた固相合成により達成することができ、又は市販品として得ることもできる。
本発明によれば、プローブ分子は、2つの複合物又は複数の複合物であってもよい。1つの複合物は、1つのナノ粒子と1つのオリゴヌクレオチドを含んでいてもよい。あるいは1つの複合物は、1つのナノ粒子と複数のオリゴヌクレオチドを含んでいてもよく、好ましくはプローブ含有溶液中の前記プローブは2つの複合物を含み、各複合物は、1つのナノ粒子と1つのオリゴヌクレオチドにより形成される。1:0.8〜1.2のモル比を有する2つの複合物は、同一のナノ粒子と異なるオリゴヌクレオチドを有する。同一プロセス及び同一供給量により、同一濃度の2つの複合物とする。この様に、実際の適用において、同量の2つの複合物の混合によりモル比が上記要件を満たすことになる。正確なモル比は、260nm又は520nmでの吸光度を測定することにより得ることができる。本発明は、吸光度を測定することにより1:1での上記要件を満たす。
本発明によれば、オリゴヌクレオチドの長さは、特に限定されないが、好ましくは10〜50ヌクレオチド、より好ましくは15〜25ヌクレオチドであり、最適結合効率を達成することができる。オリゴヌクレオチドプローブの設計の原理として、オリゴヌクレオチドの3’末端は、自己相補又はヘアピン構造形成の可能性がない複数のC又はGを含まない。
本発明によれば及び上記条件を基に、複合物中のナノ粒子の直径は特に限定されないが、好ましくは5〜100nm、より好ましくは10〜20nmである。
本発明の本質によれば、任意のナノ粒子が空間距離の変化により色変化を生じることができる場合のみ、任意のナノ粒子が本発明に適用される。現在、好ましく選択される粒子は、AuNPであり、より好ましくは、単純かつ安定な調製、直径の違いがほとんどない、均一な形態、良好な安定性;520nmでのシャープかつ狭い吸収ピーク、ピークシフトの場合SPR効果による有意かつ裸眼で見える色変化の点で、約13nmの直径を有する。しかし、本発明は、このナノ粒子に限定されない。
本発明によれば、標的核酸は、任意の生物学的種の核酸又は核酸の部分であってもよい。核酸の特徴的配列部分の検出は、有害なウイルス及び細菌の検査及び検疫において、分析物の核酸の所有主を同定するのに役立ち、標的核酸は炭疽菌(Bacillus anthracis),コレラ菌(Vibrio cholerae),ペスト菌(Yersinia pestis),野兎病菌(Bacillus tularense),チフス菌(Salmonella typhi),ブルセラ種(Brucella species),天然痘ウイルス(variola virus),黄熱ウイルス(yellow fever virus),東部ウマ脳炎ウイルス(Eastern equine encephalitis virus),西部ウマ脳炎ウイルス(Western equine encephalitis virus),発疹熱群リケッチア(typhus group rickettsiae),ボツリヌス毒素(botulinum toxin),鳥類病クラミディア(ornithosis Chlamydia),ボツリヌス毒素(botulinum toxin),ブドウ球菌腸毒素(staphylococcal enterotoxin),コクシジオイデスイミティス(Coccidioides immitis),ヒストプラスマ カプスラーツム(Histoplasma capsulatum)の少なくともゲノムの少なくとも一部であってもよい。好ましくは、標的核酸は、炭疽菌又はコレラ菌のゲノムの少なくとも一部である。本発明の本質によれば、本発明の標的核酸は、上記に加えて多くの種に適用される。システムの可能性を証明するため、本発明の発明者は、ハウスキーピング遺伝子研究が新規システムの調査で広く受け入れられているモデルであり、その結果が他の遺伝子に対して正当であるため、対象としてマウスβアクチンのハウスキーピング遺伝子を選択した。また、有害なウイルス又は細菌の存在又は非存在を知らずに多くのプローブの同時添加により陽性結果が生じる場合に存在を確認できると考えられる。
例えば、標的核酸配列は、炭疽菌のゲノムDNA(又は配列断片)であってもよく、律速プライマー配列は配列番号1であってもよく、非律速プライマー配列は配列番号2であってもよく、律速プライマーと非律速プライマーのモル比は1:10〜100であり、好ましくはモル比は増幅標的配列に依存して変化し、特異的標的配列のために、より好ましくはモル比は、従来の試験方法により得ることができる。プローブは、金ナノ粒子及びオリゴヌクレオチドにより形成される2つの複合物からなり、第一複合物は、AuNPと配列番号3で示されるオリゴヌクレオチドにより形成され、第二複合物は、AuNPと配列番号4で示されるオリゴヌクレオチドにより形成され、第一複合物と第二複合物のモル比は、1:0.8〜1.2、より好ましくは1:1である。
本発明によれば、検出方法は、分光測光及び/又は視覚比色分析であってもよく、好ましくはさらなる設備なしで容易かつ迅速な視覚比色分析である。標的核酸に結合しない複合物は、524nmで最大吸収ピークを有する。複合物が標的核酸に結合する場合、赤方偏移が、7nmより大きい場合に視覚で見え、SPR効果により生じる。本発明の赤方偏移は、マウスβアクチンに関し575nmであり、炭疽菌のゲノムDNAに関し537nmであり、両方が視覚で容易に見える。通常、低濃度の単分散AuNPによりAuNPの凝集が吸収ピークの強度を減少させるため、有意な色変化は2〜10分以内に生じ、一晩より長いと、紫紺から透明に溶液の色が変化する。この時に、上清の最大吸収ピーク波長は経時変化し、検出できなくなるまで最大吸収ピーク強度はさらに減少する。
結合の早期段階で、赤−青変化は、裸眼で見ることができ、長時間に渡って透明に変化する溶液を裸眼で見ることができ、すなわち分析物の核酸が十分で検出可能な量の標的核酸を含む限り、本発明の検出方法は明白な視覚結果を提供できることが分かる。
本発明はまた、(1)標的核酸を増幅し得る一対のプライマーであって、律速プライマーと非律速プライマーを含み、律速プライマーと非律速プライマーのモル比が非対称PCR反応の要件を満たし、具体的に律速プライマーと非律速プライマーのモル比は1:5〜240、より好ましくは1:10〜100であり、独立して保存される又は混合物の形態で保管され、好ましくは混合物の形態で保管される一対のプライマー、(2)前記一対のプライマーから独立して保存されるプローブ含有溶液又はその混合物を含む、核酸を検出するための上記方法を使用するキットを提供する。
キットの各成分量は、実際の適用に応じて調節可能である。
本発明によれば、キットは、当該分野での容易な入手可能性及び細心な保存要件のため、必ずしもDNAポリメラーゼ、PCRバッファ溶液及び4×dNTPを含む必要はない。キットに存在してもよい成分は、PCRバッファ溶液、DNAポリメラーゼ、デオキシヌクレオチドアデニン三リン酸、デオキシヌクレオチドグアニン三リン酸、デオキシヌクレオチドシトシン三リン酸、及びデオキシヌクレオチドチミジン三リン酸の1つ以上を含み、DNAポリメラーゼは、独立して保存され、好ましくは別の低温雰囲気で保存される;残りは独立して保存されるか又は1つ以上の成分を含む混合物で保存される。上記成分の相対量及び濃度は、先の記載と同一であってもよい。
本発明に記載される方法及びキットは、検査及び検疫に使用することができ、特に鉄道の駅、空港、税関等の迅速な検出を要する場所で使用することができる。
以下の態様は、本発明の詳細な情報を示す。本発明の方法は、広く適用可能であり、マウスβ−アクチン遺伝子、そのNCBI Genbank番号は、NM_007393.2;配列番号5:5’−CTTCTCTTTGATGTCACGCATATGGAATCCTGTGGCATC−3’として示されるマウスβ−アクチン遺伝子の一部;炭疽菌のゲノムDNAの特異的配列断片、そのNCBI Genbank番号は、AF_360750.1;コレラ菌CTX−A遺伝子、そのNCBI Genbank番号は、EU_546136.1等のいくつかの代表的な標的核酸を検出する。炭疽菌及びコレラ菌のゲノムDNAは、Academy of Military Medical Sciencesによって贈与された。
装置、試薬及び条件としては以下のものが挙げられる:TECNAI G2 F30 TEM;トレース紫外可視蛍光分光光度計e−SPECT;オリゴヌクレオチド配列(従来物及び5’スルフヒドリル修飾物を含む)はInvitrogenにより合成される;Nap−5精製カラムはGEから購入される; Promega DNA ポリメラーゼ;Promega polymerase Promega PCR Mix(2×)により供給されるPCRバッファ;非対称PCR及び従来のPCRにおけるマウスβ−アクチン遺伝子配列及びその断片のクローニング条件:94℃、2分;94℃、20秒;55℃、20秒;70℃、20秒、32サイクル、70℃、3分;非対称PCRにおける炭疽菌の炭疽病配列断片のクローニング条件:94℃、3分;94℃、30秒;40℃、30秒;72℃、30秒;40サイクル、72℃、5分;非対称PCRにおけるコレラ菌CTX−Aのクローニング条件:94℃、3分;94℃、25秒;60℃、20秒;72℃、25秒;40サイクル;72℃、5分;Promega 全RNA抽出キットを用いて、マウス肝臓からマウス全RNAを分離し、逆転写によりcDNAを得る。本発明に含まれる従来の化学試薬は、分析グレードであり、ナノグレード水は、Millipore Corporation,USAのMilli−Q純水システムにより処理される。他の操作は、試薬の説明書及び“Molecular Cloning”(第3版)に従う。
調製例1
本調製は、およそ13nmの粒子直径を有するAuNPの合成に関するものである。
AuNPは、古典的な塩化金酸−クエン酸ナトリウム還元方法を用いて調製される。全てのガラス容器を王水に浸し、ナノスケール水で洗浄し、乾燥させる。50mLの三角フラスコにおいて、40mLのナノスケール水及び0.4mLの1g/mL HAuCl(塩化金酸)を添加する。マグネットスターラーを用いて激しく攪拌し、沸騰するまで加熱する。次に1.2mLの1g/mLのクエン酸ナトリウムを一度に全てを迅速に添加し、溶液を淡黄色から暗赤色に次第に変化させ、15分間加熱し続け、次に加熱を停止し、攪拌を続けて室温まで冷却させる。溶液を密閉し、遮光して4℃で保存し、紫外可視分光光度計を使用し、520nmの最大吸収ピークを測定する。濃度は3nMである。銅メッシュ上に10μLの分析物を落とし、真空下で乾ききり、TEMを行う。結果を図1に示す。AuNPの直径は、およそ13nmであり、丸く、均一であり、良好な単分散である。
調製例2
マウスβ−アクチンのcDNA配列により、適切なハイブリッド部位を選択し、律速プライマーP1、非律速プライマーP2、後の分子ハイブリダイゼーションのOligo1及びOligo2オリゴヌクレオチドを設計する。配列は以下の通りである:
P1:5’−GATGCCACAGGATTCCATA−3’(配列番号:6);
P2:5’−CTTCTCTTTGATGTCACGCA−3’(配列番号:7);
Oligo1:5’−TGCGTGACATCAAAGAGAAG−3’(配列番号:8);
Oligo2:5’−GATGCCACAGGATTCCATA−3’(配列番号:9);
結合のための、Oligo1及びOligo2の5’末端のC6は、メルカプト修飾される。本発明の実施例に使用されるオリゴヌクレオチドプローブが市販されていることは言及されるべき事である。
調製例3
本調製例は、プローブを含む液体の調製に関するものである。
80μLのジスルフィド溶解物(170mMリン酸バッファ、pH8.0)中に5ODメルカプト変性オリゴヌクレオチド乾燥粉末を溶解し、完全な溶液とした後、オリゴヌクレオチドの溶液を得る。4つのチューブに溶液を分け、それぞれは20μLを含む。ジスルフィド溶解物にDTT(ジチオスレイトール)を溶解し、新たに調製された0.1M DTT溶液を得る。80μLのDTT溶液を20μLのオリゴヌクレオチド溶液に添加し、100μLのDNA DTT還元溶液を得る。これをアルミホイルで包み、室温で1時間置き、30分ごとに5秒間ボルテックスを行う。同時に、少なくとも10mLの上記ナノグレード水で、Nap−5カラムを予め洗浄する。100μLのDNA DTT還元溶液をNap−5精製カラムに供給し、400μLのMilli−Q水を添加してカラムを洗浄し、最終的に500μLのMilli−Q水を添加して、溶出し、メルカプト基含有オリゴヌクレオチド分析物を得る。1.5mlの遠心チューブに分析物を回収し、紫外可視分光光度計を使用し、OD260の定量的測定を行う。9000×g、4℃で、15分間遠心し、17nMまでAuNPを濃縮し、Au−NPS=200:1のモル比でメルカプト基含有オリゴヌクレオチドと混合する。混合物をアルミホイルで包み、室温で16時間又は37℃で8時間、低速で水平に震とうする。リン酸バッファ溶液を0.1MのNaCl濃度及び10mMのリン酸濃度(pH=7.0)に調節し、連続する結合のために室温で40時間インキュベートする。得られた複合物を14000rpmで25〜40分間遠心分離し、上清を除去し、0.1M NaCl、10mM リン酸(pH=7.0)を含むリン酸バッファで懸濁し、3回遠心分離し、洗浄し、沈殿し、十分に未結合ssDNAを除去する。最終的に、0.3MのNaCl、0.01%アジ化ナトリウム、10mMリン酸(pH=7.0)のリン酸バッファ溶液中に複合物を溶解し、4℃の暗所で保存する。正常機能のAuNPの色は、凝集せずにルビーレッドであり、修飾前と同じである。
上記方法により、それぞれOligo1及びOligo2とAuNPとの複合物に対応するプローブ1及びプローブ2を含む液体を調製する(即ち、メルカプト変性オリゴヌクレオチド粉末は、それぞれOligo1及びOligo2である)、参照としてプローブを含有する液体量を考慮すると、プローブ1及びプローブ2は1.5μMの濃度を有する。
実施例1
非対称PCRを行い、50μLの非対称PCR反応システムを確立し、添加される物質を表1に示す。
鋳型は、マウスcDNA又は配列番号5のDNA等のマウスcDNAの断片であり得る。本実施例に使用される鋳型は、配列番号5に示されるDNA配列であり、市販されている。
実施例2
非対称PCRを行い、添加される物質を表2に示す。
本実施例に使用される鋳型は、配列番号5に示されるDNA配列である。
実施例3
非対称PCRを行い、添加される物質を表3に示す。
本実施例に使用される鋳型は、マウスcDNAである。
比較例1
非対称PCRを行い、添加される物質を表4に示す。
非対称PCRシステムには、ネガティブ対照として作用する鋳型を添加しない。
比較例2
従来のPCRを行い、添加される物質を表5に示す。
鋳型は配列番号5のDNA配列である。
比較例3
非対称PCRを行い、添加される物質を表6に示す。
鋳型は配列番号5のDNA配列である。
実施例4〜5
添加されるP1の最終濃度が、それぞれ0.0025μM及び0.006μMであることを除き、実施例1に記載される方法に従って非対称PCR反応を行う。
実施例6〜10
添加される鋳型の最終濃度が、それぞれ2ng/μL、0.2ng/μL、0.02ng/μL、0.002ng/μL、0.0002ng/μLであることを除いて、実施例1に記載される方法に従って、非対称PCR反応を行う。
試験例1
実施例1〜5の産物及び比較例1〜3の産物から各5μLを取り、アガロースゲル電気泳動を行い、結果を図2に示す。レーンMは、マーカーであり、下部から上部のバンドは、それぞれ50bp、100bp、150bp、200bp、300bp、400bp及び500bpを表示する。レーン1〜5は、実施例1〜5の産物であり、レーン6は、鋳型なしのネガティブ対照、即ち比較例1の産物であり、レーン7は従来PCRの対照、即ち比較例2の産物であり、レーン8は、律速プライマーとしてP1及び非律速プライマーとしてP2を用いる対照、即ち比較例3の非対称PCR産物である。
試験例2
実施例3の産物及び比較例1〜3の産物から各5μLを取り、プローブを含む調製例3から10μLを取り、室温(25℃)で2分間4μLの4M NaClと混合し、観察し、写真を撮る。結果を図3に示す。チューブ1〜4はそれぞれ実施例3と比較例1〜3に対応する。産物の吸収ピーク波長及び吸光度を測定する。実施例3及び比較例1〜3の産物の吸収ピーク波長及び吸光度はそれぞれ(575nm,1.52)、(524nm,0.74)、(524nm,0.69)、(524nm,0.79)である。
試験例3
実施例6〜10の産物及び比較例1の産物から各5μLを取り、プローブを含む調製例3から10μLを取り、室温(25℃)で10分間4μLの4M NaCl溶液と混合し、観察し、写真を撮る。結果を図4に示す。チューブ1〜6は、それぞれ実施例6〜10及び比較例1に対応する。産物の吸収ピーク波長及び吸光度を測定する。実施例6〜10の産物の吸収ピーク波長及び吸光度は(575nm,1.63)、(575nm,1.51)、(575nm,1.39)、(575nm,1.26)、(575nm,0.92)である。
試験例4
実施例1〜2の産物並びに比較例1及び3の産物から各5μLを取り、プローブを含む調製例3から10μLを取り、室温(25℃)で2分間4μLの4M NaClと混合し、観察し、写真を撮る。結果を図5に示す。チューブ1〜3は、それぞれ実施例1並びに比較例1及び3に対応する。産物の吸収ピーク波長及び吸光度を測定する。実施例1〜2及び4〜5の産物の吸収ピーク波長及び吸光度は、(575nm,1.59)、(575nm,1.56)、(575nm,1.43)及び(575nm,1.40)である。
調製例4
炭疽菌のゲノムDNA配列断片により、適切なハイブリダイゼーション部位を選択し、律速プライマーP3、非律速プライマーP4、後の分子ハイブリダイゼーションのためのOligo3及びOligo4オリゴヌクレオチドを設計する。配列は以下の通りである:
P3:5’−CGTAACAAGAGGAAAGAGCA−3’(配列番号:1);
P4:5’−CTGCTACTATTGTAGGAGGA−3’(配列番号:2);
Oligo3:5’−TCCTCCATCTAGGACAGCT−3’(配列番号:3);
Oligo4:5’−AATTCGATTGCGATAGGAGT−3’(配列番号:4)
調製例5
プローブ3及びプローブ4を含む溶液を、調製例3に記載の方法に従って調製する。プローブ3及びプローブ4は、それぞれOligo3及びOligo4の複合物である。プローブを含む液体量に対して、上記プローブ3及びプローブ4の濃度は同様に1.9μMである。
実施例11
非対称PCRを行い、50μLの非対称PCR反応システムを確立し、添加される物質を表7に示す。
鋳型は、炭疽菌のゲノムDNA、又は炭疽菌の遺伝子配列の特別な部分であってもよい。実施例の鋳型は、炭疽菌のゲノムDNAである。
実施例12〜15
非対称PCRを行い、50μLの非対称PCR反応システムを確立し、添加される物質を表8に示す。
鋳型は炭疽菌のゲノムDNAである。
試験例5
実施例11〜15の産物及び比較例1の産物から各5μLを取り、プローブを含む調製例5から10μLを取り、室温(25℃)で2分間4μLの4M NaClと混合し、観察し、写真を撮る。結果を図6に示す。チューブ1及び2はそれぞれ、実施例11及び比較例1に対応する。産物の吸収ピーク波長及び吸光度を測定する。実施例11〜15の産物の吸収ピーク波長及び吸光度は、(537nm,2.97)、(537nm,3.27)、(537nm,2.91)、(537nm,2.79)及び(537nm,2.53)である。
調製例6
炭疽菌のゲノムDNA配列断片により、適切なハイブリダイゼーション部位を選択し、非律速プライマーP5、律速プライマーP6、後の分子ハイブリダイゼーションのためのOligo5及びOligo6オリゴヌクレオチドを設計する。配列は以下の通りである:
P5:5’−TGGTGCTCTTTCCTCTTG−3’(配列番号:10);
P6:5’−GTCCGAATGCGATTGATT−3’(配列番号:11);
Oligo5:5’−GGAAGGCGCTTTATGACCAA−3’(配列番号:12);
Oligo6:5’−AATTAAAGAGCGCCTTTGGA−3’(配列番号:13).
調製例7
プローブ5及びプローブ6を含む溶液を、調製例3に記載の方法に従って調製する。プローブ5及びプローブ6は、それぞれOligo5及びOligo6の複合物である。プローブを含有する液体量に対して、上記プローブ3及びプローブ4の濃度は、同様に1.2μMである。
実施例16
非対称PCRを行い、50μLの非対称PCRシステムを確立し、添加される物質を表9に示す。
鋳型は炭疽菌のゲノムDNAである。
実施例17〜20
非対称PCRを行い、添加される物質を表10に示す。
前記鋳型は、炭疽菌のゲノムDNAである。
試験例6
実施例16〜20の産物から各5μLを取り、プローブを含む調製例7から10μLを取り、室温(25℃)で2分間4μLの4M NaClと混合する。産物の吸収ピーク波長及び吸光度を測定する。実施例16〜20の産物の吸収ピーク波長及び吸光度は、(537nm,2.92)、(537nm,3.11)、(537nm,2.83)、(537nm,2.66)及び(537nm,2.51)である。
調製例8
コレラ菌CTX−A遺伝子配列により、適切なハイブリダイゼーション部位を選択し、非律速プライマーP7、律速プライマーP8、後の分子ハイブリダイゼーションのためのOligo7及びOligo8オリゴヌクレオチドを設計する。配列は以下の通りである:
P7:5’−TCAAACTAATTGAGGTGGAAACATATCC−3’(配列番号:14);
P8:5’−ATGCCAAGAGGACAGAGTGAGT−3’(配列番号:15);
Oligo7:5’−GGAACTCAGACGGGATTTGT−3’(配列番号:16);
Oligo8:5’−CCTTTATGATCATGCAAGA−3’(配列番号:17).
調製例9
プローブ7及びプローブ8を含む溶液を、調製例3に記載の方法に従って調製する。プローブ7及びプローブ8は、それぞれOligo7及びOligo8の複合物である。プローブを含有する液体量に対して、上記プローブ7及びプローブ8の濃度は、同様に1μMである。
実施例21
非対称PCRを行い、添加される物質を表11に示す。
鋳型は、コレラ菌のゲノムDNA又はコレラ菌のCTX−AのDNA断片であってもよい。実施例の鋳型は、コレラ菌のゲノムDNAである。
実施例22〜25
非対称PCRを行い、添加される物質を表12に示す。
鋳型は、コレラ菌のゲノムDNAである。
試験例7
実施例21〜25の産物から各5μLを取り、プローブを含む調製例7から10μLを取り、室温(25℃)で2分間4μLの4M NaClと混合し、観察し、写真を撮る。結果を図7に示す。チューブ1及び2は、それぞれ実施例21及び比較例1に対応する。産物の吸収ピーク波長及び吸光度を測定する。実施例21〜25の産物の吸収ピーク波長及び吸光度は(537nm,2.77)、(537nm,2.91)、(537nm,2.76)、(537nm,2.33)及び(537nm,2.18)である。
図1は、調製例1により得られ、均一で良好な単分散性を有するAuNPを示す。
図2は、実施例1〜5が非特異的なバンドがなく、マーカーと比較して正しい位置で、所定量のssDNAを含む非対称PCR産物を得ることができることを示す。比較例1のネガティブ対照において、即ちレーン6は、いかなるバンドも示さない。従来のPCRにおいて、即ちレーン7は非常に明白なバンドが現れ、実施例1〜5のものと進み方が遅い。相補的な一本鎖を得る比較例3において、即ち、レーン8は、実施例1〜5と同一の位置で明らかなバンドが見える。これらは、本発明の方法によりもたらされる良好な特異性及び安定性を示す。
図3は、実施例3の産物の試験に関するものであり、チューブ1に示されるように2分以内に有意な色変化を示す。575nmでの紫外可視分光光度計により、1.52の強度を有する吸収ピークが見出される。一方で、比較例1〜3に対応するチューブ2〜4は、色変化を示さない。これらは、実際の状況と完全に一致し、即ち実施例3の産物は、色変化を示し得る標的核酸を本当に含み、一方で、比較例1〜3は、(二重鎖又はアンチセンス標的核酸を含み得る)標的核酸を含まず、色変化を示すことができない。これらは、本発明の方法は非常に信頼性が高いことを示す。一方で、電気泳動結果により、実施例3(即ちレーン3、図2)の標的核酸の含有量は、比較例1(レーン1)及び比較例2(即ちレーン2)と比較して高くないが、実施例3はそれでも検出において有意な色変化を示し、本発明の方法の高い感度を示す。
図4は、鋳型の10倍連続希釈後の非対称PCRから得られた鋳型感度の試験結果を示す。実施例6〜10の産物と、プローブ含有溶液との混合は、2〜5分以内に有意な色変化並びに0.92〜1.63の強度を有する575nmでの吸収ピークを示し、一方で比較例1の対照チューブ6は、一晩後でも有意な色変化を示さない。上記は、本発明の核酸検出方法が迅速であり、感度が高く、信頼性が高いことを示す。
図5は、鋳型のない比較例1ではなく、又は標的核酸の相補的配列を得る比較例3ではなく、実施例1の標的核酸含有産物だけが色変化を示す点で特異性を示し、本発明の方法によりもたらされる高い特異性を示す。
図6は、炭疽菌のゲノムDNAの配列断片に対する試験例5の結果を示し、全ての非対称PCR産物は、鋳型濃度に関らず、有意に陽性結果を示す。これにより、本発明の方法が炭疽菌のゲノムDNAの配列断片を検出するための非常に良好な感度及び安定性を有することが明らかにされる。
試験例6は、炭疽菌のゲノムDNAの別の配列断片に対するものである。同様に、全ての非対称PCR産物は、鋳型濃度に関らず、2.51〜3.11の強度を有する537nmでの有意な陽性結果を示す。これは、本発明が広く応用できることを示す。
図7は、コレラ菌CTX−A遺伝子のDNA配列断片に対する試験例7の結果を示し、全ての非対称PCR産物は、鋳型濃度に関らず、2.18〜2.91の吸収ピーク強度を有する537nmでの有意な陽性結果、裸眼で見えることを示す。これは、さらに本発明の方法は、迅速であり、感度が高く、信頼性が高く、広く応用できることを示す。

Claims (6)

  1. PCRバッファ溶液中の非対称PCR反応条件下で、一対のプライマー、DNAポリメラーゼ、デオキシヌクレオチドアデニン三リン酸、デオキシヌクレオチドグアニン三リン酸、デオキシヌクレオチドシトシン三リン酸、及びデオキシヌクレオチドチミジン三リン酸を分析物の核酸と接触させる工程、
    接触後の産物をプローブ含有溶液と混合する工程、並びに
    色変化の観察によって分析物の核酸が標的核酸を含むかどうかを判定する工程を含み、検出方法が裸眼による比色分析により行われ、
    標的核酸が炭疽菌(Bacillus anthracis)のゲノムDNAの少なくとも一部であり、
    標的核酸を増幅し得る前記一対のプライマーが律速プライマー及び非律速プライマーを含み、律速プライマー配列が配列番号1であり、非律速プライマー配列が配列番号2であり、律速プライマーと非律速プライマーのモル比が1:10〜100であり、
    プローブ含有溶液中のプローブが金ナノ粒子とオリゴヌクレオチドにより形成される2つの複合物からなり、第一複合物がAuNPと配列番号3で示されるオリゴヌクレオチドにより形成されるものであり、第二複合物がAuNPと配列番号4により示されるオリゴヌクレオチドにより形成されるものであり、第一複合物と第二複合物のモル比が1:0.8〜1.2であり、複合物中の2つのナノ粒子が同一であり、ナノ粒子が5〜100nmの直径を有し、
    PCRバッファ溶液の添加量が接触後の産物溶液の5〜50%であり、PCRバッファ溶液のpHが8.5〜9.5であり、分析物の核酸の添加量が0.001〜1000nMであり、添加されるDNAポリメラーゼが0.01〜0.2U/μLであり、デオキシヌクレオチドアデニン三リン酸、デオキシヌクレオチドグアニン三リン酸、デオキシヌクレオチドシトシン三リン酸、及びデオキシヌクレオチドチミジン三リン酸の添加量がそれぞれ50〜500μMであり、プライマーの添加量が0.1〜5μMであり、
    プローブ含有溶液中のプローブ濃度が500〜1500nMであり、
    接触後の産物とプローブ含有溶液の混合が22〜25℃で3〜10分間であり、
    無機塩MX(MはNa及び/又はK、XはCl、Br、及びIの1つ以上である)の存在下で、接触後の産物とプローブ含有溶液とを混合し、MX濃度が0.5〜1.5Mである核酸の検出方法。
  2. 非対称PCR反応条件において、プレ変性温度が90〜98℃、変性温度が90〜98℃、アニーリング温度が40〜60℃、伸長温度が70〜75℃、サイクル数が10より多い請求項1に記載の方法。
  3. サイクル数が30〜40である請求項2に記載の方法。
  4. 分析物の核酸の添加量が接触後の産物溶液量に対して1〜300nMであり、添加されるDNAポリメラーゼが0.01〜0.1U/μLであり、デオキシヌクレオチドアデニン三リン酸、デオキシヌクレオチドグアニン三リン酸、デオキシヌクレオチドシトシン三リン酸、及びデオキシヌクレオチドチミジン三リン酸の添加量がそれぞれ100〜300μMであり、プライマーの添加量が0.3〜3μMである請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. (1)標的核酸を増幅し得る一対のプライマーであって、律速プライマーと非律速プライマーを含み、律速プライマーと非律速プライマーのモル比が非対称PCR反応の要件を満たし、独立して又は混合して保存される一対のプライマー、
    (2)前記一対のプライマーから独立して保存されるプローブ含有溶液又はその混合物を含み、
    標的核酸が炭疽菌(Bacillus anthracis)のゲノムDNAの少なくとも一部であり、
    前記律速プライマー配列が配列番号1であり、前記非律速プライマー配列が配列番号2であり、律速プライマーと非律速プライマーのモル比が1:10〜100であり、
    プローブ含有溶液中のプローブが金ナノ粒子とオリゴヌクレオチドにより形成される2つの複合物からなり、第一複合物がAuNPと配列番号3で示されるオリゴヌクレオチドにより形成されるものであり、第二複合物がAuNPと配列番号4により示されるオリゴヌクレオチドにより形成されるものであり、第一複合物と第二複合物のモル比が1:0.8〜1.2であり、複合物中の2つのナノ粒子が同一であり、ナノ粒子が5〜100nmの直径を有する、請求項1〜のいずれかに記載の方法を適用する核酸検出のためのキット。
  6. PCRバッファ溶液、DNAポリメラーゼ、デオキシヌクレオチドアデニン三リン酸、デオキシヌクレオチドグアニン三リン酸、デオキシヌクレオチドシトシン三リン酸、及びデオキシヌクレオチドチミジン三リン酸の1つ以上をさらに含み、DNAポリメラーゼが独立して保存され、残りが独立して又は1つ以上の成分を含む混合物で保存される請求項に記載のキット。
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