JP6155120B2 - Casters and wheelchairs - Google Patents
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Description
本発明は、キャスタの構造に関する。 The present invention relates to a caster structure.
台車や車椅子など、人や物を載せて運搬する構造体(動力機構のあるなしを問わない)には、移動および方向転換を行うためにキャスタが設けられることが多い。この際、移動経路に段差がある場合、車輪の大きさに対して段差の高さが一定以上になると、段差を乗り越えることが困難となること知られている。特許文献1には、段差の乗り越え能力を向上させるべく、主輪の両側に補助輪を設けたキャスタが開示されている。 Casters are often provided for moving and changing the direction of structures (whether with or without a power mechanism) that carry people and objects such as trolleys and wheelchairs. At this time, when there is a step in the movement route, it is known that it is difficult to get over the step if the height of the step becomes a certain level or more with respect to the size of the wheel. Patent Document 1 discloses a caster in which auxiliary wheels are provided on both sides of a main wheel in order to improve a step-over ability.
特許文献1に記載の発明においては、前提として、段差に対して正面から進入する場合のみが想定されている。しかし、実際に台車や車椅子等を使用する際は、移動空間の制約などによって、必ずしも正面から段差に進入できるとは限らない。あるいは、操作ミスによって意図せず段差に対して斜めに進入してしまう場合もある。段差に対して斜めから進入すると、同じ高さの段差であっても正面から進入するよりもキャスタが乗り越えくいという知見を発明者は得た。また、このような状況で無理やり段差を乗り越えようとすると、台車や車椅子等の姿勢が不安定になる虞もある。 In the invention described in Patent Document 1, as a premise, only the case of entering from the front with respect to the step is assumed. However, when actually using a cart or a wheelchair, it is not always possible to enter the step from the front due to restrictions on the moving space. Alternatively, there is a case where the operator enters the step step obliquely due to an operation mistake. The inventor has obtained the knowledge that, when entering from an angle with respect to the step, the caster is more difficult to get over than entering from the front even if the step is the same height. Also, if you attempt to get over the step in such a situation, the posture of the carriage, wheelchair, etc. may become unstable.
上記の状況を、図17を用いて具体的に説明する。図17は、従来の単輪キャスタが、所定以上の高さの段差に対して斜めに進入した際の挙動を上方から見た模式図である。図17(a)は、キャスタ600の進行方向Kと、段差の縁段差Sとのなす角度がθとなるように、キャスタ600が取り付けられた構造体が段差に進入した様子を上方(鉛直方向)からみた図である。なお、キャスタ600の車輪以外の要素は捨象してある。キャスタの車輪の回転軸をOz、キャスタ600の旋回軸をCzとする。
まず、同図(b)において、キャスタ600が段差Sに接触する。キャスタ600に対して段差の高さが所定以上ある場合は、キャスタ600は段差Sを乗り越えることができない。具体的には、正面から進入する場合は、乗り越え可能な高さは車輪の半径の60%程度であるが、進入角度が鋭角になるに従って、乗り越え可能な高さは低くなり、進入角が30度で車輪の半径の40%程度となる。従って、正面から進入した場合に乗り越えることができた段差であっても、斜めからは乗り越えることができない場合がある。
The above situation will be specifically described with reference to FIG. FIG. 17 is a schematic view of the behavior of a conventional single-wheel caster when viewed obliquely from the upper side with respect to a level difference of a predetermined height or more. FIG. 17A shows the state in which the structure to which the
First, the
段差Sからの受ける力によって、旋回軸Cを中心としてキャスタ600に走行面(地面)に垂直な方向を中心とした回転力(旋回力)が生じ、同図(c)に示すようにキャスタ600はその場での回転(旋回)を始める。旋回運動に対する地面から受ける摩擦抵抗は、段差を乗り越えようとする摩擦抵抗よりも小さいので、旋回運動は止まらず同図(d)〜(h)のように、キャスタ600の向きが段差Sとが平行になるまでキャスタ600は回転する。この状態になると、キャスタ600が段差Sを乗り越えようとする力が働かず、乗り越えの失敗が確定する。
Due to the force received from the step S, a rotational force (turning force) about the direction perpendicular to the running surface (ground) is generated on the
本発明は、段差に対して斜めから進入する場合のキャスタの乗り越え能力を向上させることを目的とする。 It is an object of the present invention to improve the caster's ability to climb over when entering the step at an angle.
本発明は、一の態様において、フレームと、前記フレームに設けられ、前記フレームを、取付け軸を中心として旋回することができるように構造体に接続する取付け部と、前記フレームに取付けられる第1の車輪と、前記フレームに取付けられ、前記第1の車輪の両側にそれぞれ配置され、前記第1の車輪よりも小さな2つの第2の車輪と、を備え、前記第1の車輪と前記第2の車輪との間の間隔をd、前記第1の車輪の旋回半径をφとすると、d<φを満たし、前記第1の車輪の半径をR、αを定数(0<α<90°)とすると、d<φcosαおよび2R−φ<d*tanαを満たす、キャスタを提供する。 In one aspect, the present invention provides a frame, a mounting portion that is provided on the frame and that connects the frame to a structure so that the frame can be pivoted about a mounting shaft, and a first that is mounted on the frame. And two second wheels that are attached to the frame and are arranged on both sides of the first wheel and are smaller than the first wheel, respectively, and the first wheel and the second wheel When the distance between the wheel d, the turning radius of the first wheel and phi, d <meets the phi, the first radius of the wheel R, alpha constant (0 <α <90 ° ) , A caster that satisfies d <φcosα and 2R−φ <d * tanα is provided.
本発明に係る構造を有するキャスタは、斜めからの進入に対して高い段差乗り越え能力を有する。 The caster having the structure according to the present invention has a high step-over ability with respect to an approach from an oblique direction.
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例について説明する。
図1は、キャスタ100が取付けられた車椅子10の外観図。車椅子10は、座面11、背もたれ12、足置き13、肘掛14、操作部15、キャスタ100、後輪200を有する電動車椅子である。車椅子10は、加えて、操作部15の操作内容に応じて、後輪200の回転および後輪200の向き(すなわち車椅子10の向き)の変更を行うための、駆動するモータ、バッテリ、シャフト等を含む駆動機構(図示せず)を有する。キャスタ100は前輪として機能する。キャスタ100は支柱190に取付けられる。
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings.
FIG. 1 is an external view of a
図2〜6を用いて、キャスタ100の詳細な構造を説明する。
図2はキャスタ100の外観を表す。Zは鉛直方向、X,Y面はZに垂直な面(地面)である。通常、障害物のない理想的な平坦な面を車椅子10が+X方向に走行する場合、キャスタ100の向きは+X方向となる。
キャスタ100は、大別すると、フレーム110、接続部120、主輪130、補助輪140からなる。接続部120は、取付け部材124、ダンパ123、ナット122を有し、ナット122を介してフレーム110に取付けられる。ダンパ123は、ゴムなどの弾性素材やバネを含む弾性体であり、走行面の凹凸等により、キャスタ100に対して鉛直から受けたZ方向からの力(衝撃や荷重)を、変形することによって吸収する。ナット122は、接続部120とフレーム110とを回動可能に連結するヒンジ機構(図示せず)の構成物品である。ダンパ123の変形に伴って、フレーム110は回転軸C4を中心に接続部120に対して回動する。なお、ダンパ123やヒンジ機構は省略してもよい。この場合、接続部120とフレーム110とは、互いの相対的位置が固定された状態で接続される。
The detailed structure of the
FIG. 2 shows the appearance of the
The
接続部120には取付け部材124が取り付けられる。取付け部材124は、丸棒状であり、その表面には支柱190にはめ込むためのネジが切られている。なお、取付け部材124を支柱190に固定する方法として、ネジ以外の周知の接続機構を採用しても良い。取付け部材124の中心が、旋回軸C3であり、キャスタ100は、車椅子10に取り付けられた状態で旋回軸C3を中心として360°回転(旋回)することができる。
An
フレーム110は、一対の金属部材等からなるプレート状の部材である。フレーム110は、主輪130および2つの補助輪140を固定する。フレーム110には、軽量化のため孔111が開けられている。また、フレーム110は主輪130を取り付けるための3つの取付け用孔112が設けられる。使用する孔の位置を選択することで、フレーム110に対する主輪130および補助輪140の位置を変えることができる。なお、孔を複数設ける替わりに、ボルトの軸が通るスリットを設け、固定位置を調整可能にしてもよい。図2では、主輪130はナット115を用いて一番低い位置に固定されている例を示している。
The
主輪130は、平板等やスポーク等の中心構造とその外側に設けられたゴム等の柔軟素材を有し、ナット115を介してフレーム110に回転軸C1を中心に回転可能に固定される。なお、主輪130の構造はこれに限られず、回転軸C1を中心に回転する車輪としての機能を有していればよい。
補助輪140は、主輪130の両側に1つづつ設けられ、ボルト144を介してフレーム110に、回転軸C2を中心に回転可能に固定される。この例では、車輪の径は補助輪140よりも主輪130のほうが大きい。補助輪140は、構造や素材については、主輪130と同じである必要はない。要するに、補助輪140は回転軸C2を中心に回転する車輪としての機能を有していればよい。
なお、主輪130および補助輪140の太さについては、図2〜5に示す例は一例にすぎない。
The
One
In addition, about the thickness of the
図3〜5を用いて、主輪130および補助輪140の位置関係(回転軸、中心軸、旋回軸との関係)を説明する。図3はキャスタ100の側面図である。同図に示すように、旋回軸C3は、必ずしも回転軸C2と一致する必要はないが、一致していてもよい。補助輪140は、主輪130よりも鉛直上方側にある。すなわち、車椅子10の通常の走行時(平地を走行するとき)においては主輪130が地面と接触し、補助輪140は走行面とは接触しない。これにより、キャスタ100の転がり抵抗を少なくすることができる。
The positional relationship between the
図4はキャスタ100の正面図、図5はキャスタ100の平面図である。ZY面内において、中心軸Q1は旋回軸C3に一致する。中心軸Q1は、中心軸Q2,中心軸Q3に平行である。旋回軸C3から中心軸Q1、中心軸Q2までの距離は等しい。回転軸C1と回転軸C2は平行である。回転軸C1と回転軸C2とは必ずしも一致する必要はないが、一致していてもよい。中心軸Q1と回転軸C1は直交する。
ことができる。
4 is a front view of the
be able to.
図6は、主輪130および補助輪140を取り外した状態のフレーム110および接続部120の構造を示す。フレーム110には、補助輪140を取り付けるための取付け用孔113が3つ設けられている。これにより、補助輪140のフレーム110に対する位置を調整することができるようになっている。なお、孔の数は図で示された例に限定されない。要するに、好ましい態様において、フレーム110には、前記第1の車輪の取付け位置を決定するための孔、および前記第2の車輪の取付け位置を決定するための孔の少なくとも一方が複数個設けられる。
FIG. 6 shows the structure of the
図7を用いて、主輪130と補助輪140の位置関係をより詳細に説明する。同図においては、主輪130および補助輪140の配置に関係する主要な点や軸を描写し、それ以外の要素については適宜捨象している。
図7(a)は、旋回軸C3に垂直な平面(XY面)内における、主輪130と補助輪140との配置関係を説明するために、キャスタ100を上方から見た模式図である。旋回中心P、半径φで描かれる円は主輪130の旋回の軌跡(旋回円という)である。主輪130と各補助輪140との間隔をd、旋回中心Pから補助輪140の先端までの距離をL1、線分E1E2と線分EPとがなす各をβとする。また、段差Sに対するキャスタ100の進入角を進入角αとする。このとき、少なくとも以下の条件を満たす。
d<φ・・・(1)
これは、少なくとも補助輪140の一部が、旋回円内に位置することに同義である。本実施例においては、dをφに依存させることを特徴とする。補助輪140が旋回円内の外に出るようにdを大きく設定すると、斜め進入時に、一方の補助輪140が段差Sに接触してキャスタ100が旋回運動を始め、これによって他方の補助輪140が段差Sと接触にした際に、2つの補助輪140によって段差Sを乗り越えるための力が効率的に発生しない。
The positional relationship between the
FIG. 7A is a schematic view of the
d <φ (1)
This is synonymous with at least a part of the
好ましい態様において、上記条件に加え、以下の条件を満たす。
2R−φ<d*tanβ (0°<β<90°)・・・(2)および
d<φcosβ・・・(3)
これらは、進入角α=βの場合、キャスタ100が段差Sに進入する際に、最初に一方の補助輪140(同図では左側の補助輪140)が段差Sに接触し、この接触を契機にキャスタ100は旋回運動を開始した場合に、この間主輪130が段差Sと接触することなく、他方の補助輪140が段差に接触するという条件と同義である。
In a preferred embodiment, in addition to the above conditions, the following conditions are satisfied.
2R−φ <d * tanβ (0 ° <β <90 °) (2) and d <φcosβ (3)
In the case of the approach angle α = β, when the
好ましい態様において、上記条件に加え、以下の条件を満たす。
20°≦β≦30°・・・(4)
発明者は、実験の結果、段差乗り越え能力はβ(換言すると間隔d)に依存し、β(d)が上記範囲にある場合に乗り越え能力が最も高くなることを発見した。
In a preferred embodiment, in addition to the above conditions, the following conditions are satisfied.
20 ° ≦ β ≦ 30 ° (4)
As a result of experiments, the inventor has found that the step overcoming ability depends on β (in other words, the distance d), and that the overcoming ability is highest when β (d) is in the above range.
βが上記(4)以外の範囲であって、以下の条件を満たす場合にも、乗り越え能力の向上が相当程度認められた。
15°≦β≦45°・・・(5)
また、βが上記(5)以外の範囲であって、以下の条件を満たす場合であっても、乗り越え能力の向上はある程度認められた。
10°≦β≦60°・・・(6)
なお、βを大きくしすぎる(すなわちdを小さくしすぎる)と、キャスタ100において旋回運動から段差Sを乗り越えるための運動にうまく移行できなくなることが同実験によって発見された。なお、βを小さくすることはキャスタ100全体のサイズが大きくなることを意味するので、コンパクト性と段差乗り越え性能とを両立させる条件として、例えばβ=30°は好適である。
Even when β is in a range other than the above (4) and satisfies the following conditions, a considerable improvement in overcoming ability was recognized.
15 ° ≦ β ≦ 45 ° (5)
Further, even when β is in a range other than the above (5) and satisfies the following conditions, an improvement in the overcoming ability was recognized to some extent.
10 ° ≦ β ≦ 60 ° (6)
It was found by the same experiment that if β is made too large (that is, d is made too small), the
図7(b)は、キャスタ100を横方向から見た模式図である。以下、回転軸に垂直な面(ZX面)内における主輪130と補助輪140との位置関係を説明する。主輪130の半径(回転半径)をR、補助輪140の回転半径をr、主輪130と補助輪140の回転中心の距離をL2とする。また、ZX面内において、2つの円が交わる点の下方側の点をTxとする。
このとき、以下の条件が満たされる。
r>R/3・・・(7)
L2>R−r・・・(8)
式(8)は、補助輪140の少なくとも一部が旋回円の外側にある(つまり、補助輪140が主輪130よりも先に段差Sに接触する可能性が存在する)ための条件である。
FIG. 7B is a schematic view of the
At this time, the following conditions are satisfied.
r> R / 3 (7)
L2> Rr (8)
Formula (8) is a condition for at least a part of the
式(7)は、GからTxまでの高さがRの40%とすると、Txから0.6*rだけ高い位置が、Gから0.6*Rだけ高い位置よりも上方に位置するという条件(0.4R+0.6r>0.6R)から導き出されるものである。ここで、0.4、0.6という数字は、一般的に、正面から進入する場合(進入角90°)に乗り越えることができる段差の高さは車輪の半径の60%程度であること、進入角が30°の場合は、乗り越えることができる段差の高さは車輪の半径の40%程度となることを考慮したものである。 In Expression (7), if the height from G to Tx is 40% of R, the position higher by 0.6 * r from Tx is located higher than the position higher by 0.6 * R from G. This is derived from the condition (0.4R + 0.6r> 0.6R). Here, the numbers 0.4 and 0.6 generally indicate that the height of the step that can be overcome when entering from the front (approach angle 90 °) is about 60% of the radius of the wheel, When the approach angle is 30 °, the height of the step that can be overcome is considered to be about 40% of the radius of the wheel.
つまり、同図のように、高さHを有する段差Sの場合、正面から進入すると、まず2つの補助輪140が段差Sに接触し、このとき補助輪140が乗り越える実質的な段差の高さは0.6rよりも小さくなっているので、補助輪140は段差Sを乗り越えることができる。補助輪140が段差Sを乗り越えきると、次は主輪130が段差Sと接触する。このとき主輪130が乗り越えるべき段差の実質的な高さは0.4R(<0.6R)となっているから、主輪130は段差Sを乗り越えることができる。この結果、キャスタ100が全体として段差Sを乗り越える。
一方、正面から進入する場合において、段差Sが0.4Rよりも低い場合は、主輪130のみがRと接触する。0.4R<0.6Rなので、問題なく補助輪140は段差Sを乗り越えることができる。また、同じ高さの段差の場合で、30°程度の斜めから進入したとしても、上述の通り、補助輪140は段差Sを乗り越えることができる。
That is, as shown in the figure, in the case of the step S having a height H, when entering from the front, the two
On the other hand, when entering from the front, if the step S is lower than 0.4R, only the
以下、図8〜16を用いて、段差高Hが0.4R以上の場合において、進入角αでキャスタ100が段差Sに進入した場合のキャスタ100の挙動について説明する。上述の通り、この条件では、従来のキャスタ(例えば図7に示すキャスタ100から補助輪140が取り付けられていない状態のキャスタ)では、旋回運動が始まってしまい、進入角度によらず乗り越えることができない。これに対し、キャスタ100であれば、斜め進入であっても乗り越えることができる。以下詳細に説明する。
Hereinafter, the behavior of the
図8〜11は、上記段差高の条件の場合に、図7に示すキャスタ100が斜めから進入し、そのまま段差を乗り越えることができず、旋回運動を開始してから乗り越え運動を始めるまでを時系列的に示したものである。以下の例では、便宜上、進入角α=β=30°とする。
まず、図8の通り段差SのW1において、一方の補助輪140の先端が接触する。すると、補助輪140は段差Sの縁から受ける力により回転力が発生し、段差Sを乗り越えようとする力が働く。同時に、補助輪140は段差Sの縁から受ける力によって旋回運動を始める。ここでは、段差Sはそのまま乗り越えられるほど低くないので、図9および図10に示すように、キャスタ100はW1を支点として旋回運動を開始する。
FIGS. 8 to 11 show that the
First, as shown in FIG. 8, the tip of one
そして、図11に示すように、他方の補助輪140がW2において接触する。このとき、段差Sに対してキャスタ100は正対する。このとき、補助輪140に作用する旋回力よりも回転力(段差を乗り越える力)が高くなる。この結果、キャスタ100の旋回運動は終了し、2つの補助輪140は段差Sとの摩擦力により回転して段差Sの縁を登り始める。こうして、キャスタ100は旋回運動から段差Sの乗り越え運動に移行する。
なお、仮に、旋回軸に対する両補助輪140の先端W1、W2までの距離が小さすぎる(補助輪140と主輪との間隔が小さすぎる;βが大きすぎる)と、キャスタ100が段差Sに正対した際に旋回力を十分に打ち消すことができずに、今度はW2を支点する旋回運動が始まってしまい、乗り越えに失敗する確率が高くなる。
And as shown in FIG. 11, the other
If the distance to the tips W1 and W2 of the
図12〜16は、キャスタ100が段差Sに対して正面を向いてから、高さHの段差S乗り越えを完了するまでを時系列で示した図である。主輪130がGと外周上の点Tgにおいて接触し、補助輪140の外周上における段差Sの縁と接触する点を接触点T0で表す。補助輪140は接触点T0における摩擦力によって回転力が生じ、補助輪140が回転することで段差Sを乗り越えが始まる。すると、主輪130(つまりキャスタ100全体)はGから浮き、補助輪140の外周上の接触点は図13に示すようにT1に移行する。補助輪140の更なる回転に伴って、補助輪140の外周上の接触点は図14に示すようにTxに移行する。この状態で、補助輪140については段差Sの乗り越えが完了したことになる。
12 to 16 are diagrams showing the time series from the time when the
この後、段差Sの縁と接触するのは主輪130となる。すなわち、主輪130は段差Sの縁から受ける摩擦力によって回転することで、主輪130による乗り越えが開始する。具体的には、段差Sとの主輪130の外周上の接触点は、図15に示すようにTxからT1に移行する。さらに、図16に示すように、主輪130の回転に伴って、主輪130の外周上の接触点はT3に移行する。結果、主輪130についての段差Sの乗り越えが完了し、キャスタ100全体として段差Sの乗り越えが完了する。
Thereafter, the
このように本実施例によれば、主輪130の旋回半径および旋回中心に応じた位置に補助輪140を設けたことにより、従来よりも高い段差であって且つ斜めから進入した場合であっても、乗り越えることができる。
なお、進入角として30°を例示したのは、実際上、30度よりも鋭角に段差に進入することは考えにくいことを考慮したためである。上述したキャスタ100の構造は、当然、他の進入角で進入した場合にも、従来よりも高い段差の乗り超え能力を発揮する。また、「段差」とは、走行面に対して垂直な面を有する障害物のみを意味するものではない。要するに、「段差」とは、2つの滑らかな走行面の間に存在する高さのギャップである。
As described above, according to the present embodiment, the
The reason why the angle of entry is 30 ° is that it is difficult to actually enter the step at an acute angle of more than 30 degrees. Of course, the structure of the
<変形例>
上記実施例を適宜変形することができる。以下、変形を行う際の観点について例示する。
車椅子10は4輪である必要はない。例えば、キャスタ100は補助輪140を1個のみ前輪として用いた3輪の車椅子であってもよい。あるいは、2つの後輪200とその前後に計2つずつ計4つの補助輪140とを設けた6輪の車椅子であってもよい。また、車椅子10は電動式である必要はない。
キャスタ100を取り付ける対象は、車椅子以外にも、例えば荷物を運ぶための一般的な台車であってもよい。要するに、物体を載せて方向を変えながら移動することができるものであり、その用途は限定されない。
<Modification>
The above embodiment can be modified as appropriate. Hereinafter, the viewpoint when performing the modification will be exemplified.
The
The subject to which the
10・・・車椅子、11・・・座面、13・・・足置き、12・・・背もたれ、14・・・肘掛、15・・・操作部、100・・・キャスタ、200・・・後輪、190・・・支柱、110・・・フレーム、111・・・孔、112・・・取付け用孔、113・・・取付け用孔、190・・・支柱、140・・・主輪、130・・・補助輪、C1、C2・・・回転軸、123・・・ダンパ、120・・・取付け部、124・・・取付け部材、122・・・ナット、115・・・ナット、144・・・ボルト、141・・・ナット、C3・・・旋回軸、C4・・・回転軸、S・・・段差、α・・・進入角、φ・・・旋回半径、H・・・段差高、T0・・・接触点、R、r・・・回転半径、P・・・旋回中心、Q1、Q、Q3・・・中心軸
DESCRIPTION OF
Claims (6)
前記フレームに設けられ、前記フレームを、取付け軸を中心として旋回することができるように構造体に接続する取付け部と、
前記フレームに取付けられる第1の車輪と、
前記フレームに取付けられ、前記第1の車輪の両側にそれぞれ配置され、前記第1の車輪よりも小さな2つの第2の車輪と、
を備え、
前記第1の車輪と前記第2の車輪との間の間隔をd、前記第1の車輪の旋回半径をφとすると、以下の式
d<φ・・・(1)
を満たし、
前記第1の車輪の半径をR、αを定数(0<α<90°)とすると、
以下の式
d<φcosα・・・(2)
2R−φ<d*tanα・・・(3)
を満たす、
キャスタ。 Frame,
An attachment portion provided on the frame and connected to the structure so that the frame can be pivoted about an attachment axis;
A first wheel attached to the frame;
Two second wheels attached to the frame and disposed on opposite sides of the first wheel, respectively, smaller than the first wheel;
With
When the distance between the first wheel and the second wheel is d and the turning radius of the first wheel is φ, the following formula d <φ (1)
Meet the,
When the radius of the first wheel is R and α is a constant (0 <α <90 °),
The following formula
d <φcosα (2)
2R-φ <d * tanα (3)
Meet,
Casters.
d/L1=cosα (20°≦α≦30°)・・・(4)
を満たす
ことを特徴とする請求項1記載のキャスタ。 Assuming that the distance from the turning center to the tip in the traveling direction of each second wheel in a plane perpendicular to the mounting shaft is L1, the following equation
d / L1 = cos α (20 ° ≦ α ≦ 30 °) (4)
The caster according to claim 1, wherein:
d/L1=cosα (15°≦α≦45°)・・・(5)
を満たすことを特徴とする請求項1記載のキャスタ。 If the distance from the turning center to the tip in the traveling direction of each second wheel is L1 in the plane of the mounting axis, the following formula
d / L1 = cos α (15 ° ≦ α ≦ 45 °) (5)
The caster according to claim 1, wherein:
r>R/3・・・(6)
L2>R−r・・・(7)
を満たす
ことを特徴とする請求項1記載のキャスタ。 The radius of the second wheel is r, and the distance between the rotation center of the first wheel and the rotation center of the second wheel in a plane perpendicular to the rotation axis of the first wheel is L2. Then, the following formula r> R / 3 (6)
L2> R−r (7)
The caster according to claim 1, wherein:
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載のキャスタ。 The frame is provided with a plurality of holes for determining the mounting position of the first wheel and at least one of the holes for determining the mounting position of the second wheel. The caster according to any one of claims 1 to 4 .
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