JP6153378B2 - 熱可塑性エラストマー不織布 - Google Patents

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Description

本発明は、オストミーパック、防音室、アパート等建設物の壁面、天井、床面材として有用な、伸縮性、吸音性、制振性に優れる不織布に関する。
吸音性、制振性が要求される材料としては、主として、弾性体が用いられ、特許第2534378号公報には、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAと共役二重結合を有するモノマーからなる重合体ブロックBとよりなるブロック共重合体の繊維からなる伸縮性不織布が提案されているが、実使用環境下における吸音性能、制振性能は不十分であった。
特許第2534378号公報
本発明は、実使用環境下において、伸縮性、吸音性、制振性に優れた熱可塑性エラストマー不織布を提供することである。
本発明者等は鋭意検討した結果、特定の化学構造を有する熱可塑性エラストマーを含んだ繊維からなる不織布が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明はビニル芳香族モノマーからなる重合体ブロック(A)と、共役二重結合を有するモノマーからなる重合体ブロック(B)とを含有するブロック共重合体またはその水素添加物であり、−30℃〜30℃間に少なくとも1つの動的粘弾性測定における損失正接(tanδ)のピークを有する熱可塑性エラストマーからなる不織布であり、好ましくは、熱可塑性エラストマーが、ビニル芳香族モノマーからなる重合体ブロック(A)と、3,4−結合及び1,2−結合が合わせて40モル%以上である、共役二重結合を有するモノマーからなる重合体ブロック(B)を有するブロック共重合体またはその水素添加物である上記の不織布である。
また本発明は、好ましくは熱可塑性エラストマーが、前記共重合体10〜90重量%に対し、ビニル芳香族モノマーからなる重合体ブロック(A)と、3,4−結合及び1,2−結合が合わせて40モル%未満である、共役二重結合を有するモノマーからなる重合体ブロック(C)を有するブロック共重合体またはその水素添加物を90〜10重量%混合してなる上記の不織布である。
さらに本発明は、好ましくは前記不織布が平均繊維径3〜30μmであり、メルトブロー法またはスパンボンド法により製造される上記の不織布および上記の不織布からなる吸音シートである。
そして本発明は上記の不織布と少なくとも1種類以上の織物、フィルム、金属、成型体等が積層されてなる積層体および、その積層体からなる吸音材である。
本発明により得られた熱可塑性エラストマー不織布は伸縮性、吸音性、制振性に優れ、オストミーパック、防音室、アパート等建設物の壁面、天井、床面材として有用である。
以下、本発明について詳細に説明する。
(ビニル芳香族モノマーからなる重合体ブロック(A))
ビニル芳香族モノマーからなる重合体ブロック(A)を構成するビニル芳香族モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレンなどが挙げられる。ビニル芳香族モノマーからなる重合体ブロック(A)は、これらのビニル芳香族モノマー1種のみに由来する構造単位からなっていてもよいし、2種以上に由来する構造単位からなっていても良い。中でも、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレンが好ましい。
(共役二重結合を有するモノマーからなる重合体ブロック(B))
共役二重結合を有するモノマーからなる重合体ブロック(B)を構成する共役二重結合を有するモノマーとしては、例えば、ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。中でも、ブタジエン、イソプレンが好ましい。共役二重結合を有するモノマーからなる重合体ブロック(B)は、これらの共役二重結合を有するモノマー1種のみに由来する構造単位からなっていてもよいし、2種以上に由来する構造単位からなっていても良い。中でも、イソプレンまたはブタジエンに由来する構造単位、またはブタジエンおよびイソプレンに由来する構造単位からなっていることが好ましい。
共役二重結合を有するモノマーからなる重合体ブロック(B)を構成する共役二重結合の結合形態について、イソプレンの場合には、1,2−結合、3,4−結合、1,4−結合をとることができ、ブタジエンの場合には、1,2−結合、3,4−結合をとることができるが、1,2−結合および3,4−結合が合わせて40モル%以上であることが好ましく、更に好ましくは55%以上である。なお、NMRスペクトルを測定し、4.2ppm〜5.0ppmの3,4−結合、1,2−結合のピーク積分値と5.0〜5.45ppmの1,4−結合のピーク積分値の比から、3,4−結合、1,2−結合の含有量を算出した。
ビニル芳香族モノマーからなる重合体ブロック(A)と、共役二重結合を有するモノマーからなる重合体ブロック(B)とを含有するブロック共重合体における重合体ブロック(A)と共役二重結合を有するモノマーからなる重合体ブロック(B)との結合形態は特に制限されず、直鎖状、分岐状、放射状、またはこれらの2つ以上が組み合わさった結合形態のいずれであっても良いが、直鎖状の結合形態であることが好ましく、トリブロック共重合体がより好ましく、(A)−(B)−(A)で表されるトリブロック共重合体であることが更に好ましい。
前記ブロック共重合体は、耐熱性、耐候性を向上させる観点から、共役二重結合を有するモノマーからなる重合体ブロック(B)の不飽和二重結合の一部または全部が水素添加されていることが好ましい。その際の重合体ブロック(B)の水素添加率は、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは85%以上である。
前記ブロック共重合体におけるビニル芳香族モノマーからなる重合体ブロック(A)の含有量は、柔軟性、力学特性の観点から、ブロック共重合体全体に対して、好ましくは5〜75質量%、より好ましくは8〜60質量%、さらに好ましくは10〜40質量%である。
前記ブロック共重合体の動的粘弾性測定における損失正接(tanδ)は−30℃〜30℃間に少なくとも1つのピークを有することが好ましく、その範囲は、より好ましくは−25℃〜25℃、更に好ましくは−20℃〜20℃である。−30℃未満では、実使用環境下において、十分な吸音性能、制振性能が得られず、30℃を超えると、紡糸性の観点から好ましくない。
また、繊維化における曳糸性を向上させるために、前記ブロック共重合体10〜90重量%に対し、ビニル芳香族モノマーからなる重合体ブロック(A)と、3,4−結合及び1,2−結合が合わせて40モル%未満である、共役二重結合を有するモノマーからなる重合体ブロック(C)を有するブロック共重合体またはその水素添加物を90〜10重量%混合しても構わない。より好ましくは、前記ブロック共重合体15〜85重量%に対し、ビニル芳香族モノマーからなる重合体ブロック(A)と、3,4−結合及び1,2−結合が合わせて40モル%未満である、共役二重結合を有するモノマーからなる重合体ブロック(C)を有するブロック共重合体またはその水素添加物を85〜15重量%、更に好ましくは前記ブロック共重合体20〜80重量%に対し、ビニル芳香族モノマーからなる重合体ブロック(A)と、3,4−結合及び1,2−結合が合わせて40モル%未満である、共役二重結合を有するモノマーからなる重合体ブロック(C)を有するブロック共重合体またはその水素添加物を80〜20重量%である。
不織布を構成する繊維の繊維径は3〜30μmが好ましく、5〜20μmがより好ましく、7〜15μmが更に好ましい。3μm未満の場合、紡糸中に糸切れが起こる等、量産安定性に欠け、30μmを超えると得られる不織布の緻密性、強度が不足する。
本発明の熱可塑性エラストマーからなる不織布の目付は、5〜1000g/mが好ましく、10〜500g/mがより好ましい。5g/m未満の場合、強度が低く、吸音性が不十分になる可能性があり、1000g/mを超えるとコストが高くなる。
本発明の熱可塑性エラストマーからなる不織布の厚みは、0.01〜1.0mmが好ましく、0.05〜0.8mmがより好ましい。0.01mm未満の場合、吸音性が不十分になる可能性があり、1.0mmを超えると柔軟性が低く、取り扱いが困難になる可能性がある。
本発明の熱可塑性エラストマーからなる不織布の通気性は、1〜500cc/cm/secが好ましく、5〜300cc/cm/secがより好ましい。1cc/cm/sec未満の場合、フィルム状となり柔軟性が低下する可能性があり、500cc/cm/secを超えると吸音性が低下する可能性がある。
不織布の製法は特に制限はないが、緻密性、強度等の品質面、コスト面からメルトブロー法またはスパンボンド法が好ましく、細繊維化、薄膜化、緻密化等の観点から、メルトブロー法がより好ましい。
本発明の熱可塑性エラストマーからなる不織布の坪量については、厳密な制限はなく、要求性能に応じて適宜坪量を決定することが可能である。
また、得られた不織布からなる吸音シートとすることも出来る。
また、得られた不織布を少なくとも1種類以上の織物、フィルム、金属、成型体等と積層することも出来る。
また、上記積層体からなる吸音材とすることも出来る。
以下に実施例により詳細に説明するが、本発明は実施例により何等限定されるものではない。なお本発明における不織布の物性は以下の方法により測定されたものを意味する。
[平均繊維径(μm)]
不織布中の任意の点に対し、走査型電子顕微鏡にて、1000倍で拡大撮影し、100本の繊維径を測定した値の平均値を平均繊維径とした。
[目付(g/m2)]
JIS L 1906に準じ、接着シート幅1mあたりから、縦20cm×横20cmの試料片を3枚採取し、各試料片の質量を電子天秤にて測定し、3点の平均値を試験片面積400cm2で除して、単位面積当たりの質量を算出し、目付とした。
[厚さ(mm)]
JIS L 1906に準じ、目付け測定と同試料片を用い、各試料片において、φ16mm、荷重20gf/cm2のデジタル測厚計((株)東洋精器製作所製:B1型)で各5箇所測定し、15点の平均値を厚さとした。
[通気度(cc/cm/sec)]
JIS L 1096の6.27.1(A法:フラジール法)に準じ、目付け測定と同試料片を用い、各試料片おいて、通気度測定器(TEXTEST製(スイス):FX3300)を使用し、測定面積38cm2、測定圧力125Paの条件で測定し、3点の平均値を通気度とした。
[タテ方向伸度(%)、ヨコ方向伸度(%)]
JIS L 1906に準じ、島津製作所製オートグラフにて、タテ方向、ヨコ方向、各3点の破断伸度を測定し、その平均値を、それぞれ、タテ方向伸度、横方向伸度とした。
[tanδピーク温度(℃)、tanδピーク値]
不織布を熱プレス成形にてシート状に加工し、レオバイブロン(オリエンテック社製)により昇温速度3℃/min、周波数11Hzで粘弾性スペクトルを測定することにより、ピーク温度とピーク温度における値を求めた。
[透過損失(dB)]
不織布を、厚さ10μmのポリエチレンフィルムにニチバン製アクリル系粘着材両面テープで接着積層し、吸音性能の指標として、音響特性装置(ブリュエルケアー製4206S型)にて、環境温度20℃で500〜6400Hzまでの音響透過損失を測定した。入射音に対して透過音が10分の1のときは透過損失は10dB、100分の1のときは20dBとなり、値が大きいほど吸音性能に優れる。本発明では、6300Hzでの透過損失を吸音性能として規定した。
[熱可塑性エラストマー(1)の製造方法]
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン64L、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10質量%シクロヘキサン溶液)0.20Lを仕込み、有機ルイス塩基としてテトラヒドロフラン0.3L(開始剤中のリチウム原子に対して、量論比で15倍相当)を仕込んだ。50℃に昇温した後、スチレン2.3Lを加えて3時間重合させ、引き続いてイソプレン23Lを加えて4時間重合を行い、さらにスチレン2.3Lを加えて3時間重合を行った。得られた反応液をメタノール80Lに注ぎ、析出した固体を濾別して50℃で20時間乾燥することにより、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体を得た。
続いて、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体10kgをシクロヘキサン200Lに溶解し、水素添加触媒としてパラジウムカーボン(パラジウム担持量:5質量%)を該共重合体に対して5質量%添加し、水素圧力2MPa、150℃の条件で10時間反応を行った。放冷、放圧後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、濾液を濃縮し、さらに真空乾燥することにより、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体の水添物(以下、熱可塑性エラストマー(1)と称する)を得た。得られた熱可塑性エラストマー(1)の重量平均分子量は107,000、スチレン含有量は21質量%、水素添加率は85%、分子量分布は1.04、ポリイソプレンブロックに含まれる1,2−結合および3,4−結合量の合計量は60モル%であった。
[熱可塑性エラストマー(2)の製造方法]
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン86L、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10質量%シクロヘキサン溶液)0.22Lを仕込み、有機ルイス塩基としてエチレングリコールジメチルエーテル0.02L(開始剤中のリチウム原子に対して、量論比で0.7倍相当)を仕込んだ。50℃に昇温した後、スチレン2.3Lを加えて3時間重合させ、引き続いてブタジエン25.5Lを加えて4時間重合を行い、さらにスチレン2.3Lを加えて3時間重合を行った。得られた反応液をメタノール80Lに注ぎ、析出した固体を濾別して50℃で20時間乾燥することにより、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体を得た。
続いて、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体10kgをシクロヘキサン200Lに溶解し、水素添加触媒としてパラジウムカーボン(パラジウム担持量:5質量%)を該共重合体に対して5質量%添加し、水素圧力2MPa、150℃の条件で10時間反応を行った。放冷、放圧後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、濾液を濃縮し、さらに真空乾燥することにより、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体の水添物(以下、熱可塑性エラストマー(2)と称する)を得た。得られた熱可塑性エラストマー(2)の重量平均分子量は126,000、スチレン含有量は21質量%、水素添加率は95%、分子量分布は1.11、ポリブタジエンブロックに含まれる1,2−結合量は78モル%であった。
[熱可塑性エラストマー(3)の製造方法]
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン80L、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10質量%シクロヘキサン溶液)0.40Lを仕込み、有機ルイス塩基としてテトラヒドロフラン0.6L(開始剤中のリチウム原子に対して、量論比で15倍相当)を仕込んだ。50℃に昇温した後、スチレン4.2Lを加えて3時間重合させ、引き続いてイソプレン28Lを加えて4時間重合を行い、さらにスチレン4.2Lを加えて3時間重合を行った。得られた反応液をメタノール80Lに注ぎ、析出した固体を濾別して50℃で20時間乾燥することにより、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体を得た。
続いて、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体20kgをシクロヘキサン200Lに溶解し、水素添加触媒としてパラジウムカーボン(パラジウム担持量:5質量%)を該共重合体に対して5質量%添加し、水素圧力2MPa、150℃の条件で10時間反応を行った。放冷、放圧後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、濾液を濃縮し、さらに真空乾燥することにより、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体の水添物(以下、熱可塑性エラストマー(3)と称する)を得た。得られた熱可塑性エラストマー(3)の重量平均分子量は72,800、スチレン含有量は30質量%、水素添加率は90%、分子量分布は1.04、ポリイソプレンブロックに含まれる1,2−結合および3,4−結合量の合計量は60モル%であった。
[熱可塑性エラストマー(4)の製造方法]
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン69L、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10質量%シクロヘキサン溶液)0.48Lを仕込み、50℃に昇温した後、スチレン3.3Lを加えて3時間重合させ、引き続いてイソプレン21Lを加えて4時間重合を行い、さらにスチレン3.3Lを加えて3時間重合を行った。得られた反応液をメタノール80Lに注ぎ、析出した固体を濾別して50℃で20時間乾燥することにより、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体を得た。
続いて、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体10kgをシクロヘキサン200Lに溶解し、水素添加触媒としてパラジウムカーボン(パラジウム担持量:5質量%)を該共重合体に対して5質量%添加し、水素圧力2MPa、150℃の条件で10時間反応を行った。放冷、放圧後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、濾液を濃縮し、さらに真空乾燥することにより、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体の水添物(以下、熱可塑性エラストマー(4)と称する)を得た。得られた熱可塑性エラストマー(4)の重量平均分子量は54,500、スチレン含有量は30質量%、水素添加率は97%、分子量分布は1.04、ポリイソプレンブロックに含まれる1,2−結合および3,4−結合量の合計量は5モル%であった。
[実施例1]
熱可塑性エラストマー(1)100重量部を単軸押し出し機により押し出し、ノズル孔径0.3mmφ、幅1mあたり孔数1300(ノズル孔同士の間隔0.77mm)のノズルを有するメルトブローン不織布製造装置に供給し、単孔吐出量0.3g/分、樹脂温度300℃、熱風温度310℃、ノズル幅1mあたり11Nmで吹き付けて、平均繊維径10.6μm、目付40g/mの不織布を得た。得られた不織布のtanδのピーク温度は、−2℃、ピーク値は1.21であった。得られた不織布を厚さ10μmのポリエチレンフィルムにニチバン製アクリル系粘着材両面テープで接着積層し、透過損失を測定した結果、図2に示すごとく500〜6400Hzで高い吸音性を示し、6300Hz時の透過損失は29dBと高い値を示した。
[実施例2]
熱可塑性エラストマー(1)90重量部に、熱可塑性エラストマー(4)10重量部を混合した後、単軸押し出し機により押し出し、ノズル孔径0.3mmφ、幅1mあたり孔数1300(ノズル孔同士の間隔0.77mm)のノズルを有するメルトブローン不織布製造装置に供給し、単孔吐出量0.3g/分、樹脂温度300℃、熱風温度310℃、11Nm/ノズル幅1mあたりで吹き付けて、平均繊維径10.1μm、目付40g/mの不織布を得た。得られた不織布のtanδのピーク温度は、−47℃と−2℃で、それぞれのピーク値は0.21/0.95であった。得られた不織布を厚さ10μmのポリエチレンフィルムにニチバン製アクリル系粘着材両面テープで接着積層し、透過損失を測定した結果、図2に示すごとく500〜6400Hzで高い吸音性を示し、6300Hz時の透過損失は29dBと高い値を示した。
[実施例3]
熱可塑性エラストマー(1)30重量部に、熱可塑性エラストマー(4)70重量部を混合した後、単軸押し出し機により押し出し、ノズル孔径0.3mmφ、幅1mあたり孔数1300(ノズル孔同士の間隔0.77mm)のノズルを有するメルトブローン不織布製造装置に供給し、単孔吐出量0.3g/分、樹脂温度300℃、熱風温度310℃、11Nm/ノズル幅1mあたりで吹き付けて、平均繊維径9.2μm、目付40g/mの不織布を得た。得られた不織布のtanδのピーク温度は、−47℃と−2℃で、それぞれのピーク値は0.32/0.35であった。得られた不織布を厚さ10μmのポリエチレンフィルムにニチバン製アクリル系粘着材両面テープで接着積層し、透過損失を測定した結果、図2に示すごとく500〜6400Hzで高い吸音性を示し、6300Hz時の透過損失は28dBと高い値を示した。
[実施例4]
熱可塑性エラストマー(1)10重量部に、熱可塑性エラストマー(4)90重量部を混合した後、単軸押し出し機により押し出し、ノズル孔径0.3mmφ、幅1mあたり孔数1300(ノズル孔同士の間隔0.77mm)のノズルを有するメルトブローン不織布製造装置に供給し、単孔吐出量0.3g/分、樹脂温度300℃、熱風温度310℃、11Nm/ノズル幅1mあたりで吹き付けて、平均繊維径8.9μm、目付40g/mの不織布を得た。得られた不織布のtanδのピーク温度は、−47℃と−2℃で、それぞれのピーク値は0.80/0.28であった。得られた不織布を厚さ10μmのポリエチレンフィルムにニチバン製アクリル系粘着材両面テープで接着積層し、透過損失を測定した結果、図2に示すごとく500〜6400Hzで高い吸音性を示し、6300Hz時の透過損失は27dBと高い値を示した。
[実施例5]
熱可塑性エラストマー(2)50重量部に、熱可塑性エラストマー(4)50重量部を混合した後、単軸押し出し機により押し出し、ノズル孔径0.3mmφ、幅1mあたり孔数1300(ノズル孔同士の間隔0.77mm)のノズルを有するメルトブローン不織布製造装置に供給し、単孔吐出量0.3g/分、樹脂温度310℃、熱風温度320℃、1 1Nm/ノズル幅1mあたりで吹き付けて、平均繊維径9.6μm、目付40g/mの不織布を得た。得られた不織布のtanδのピーク温度は、−47℃と−17℃で、それぞれのピーク値は0.17/0.79であった。得られた不織布を厚さ10μmのポリエチレンフィルムにニチバン製アクリル系粘着材両面テープで接着積層し、透過損失を測定した結果、図2に示すごとく500〜6400Hzで高い吸音性を示し、6300Hz時の透過損失は29dBと高い値を示した。
[実施例6]
熱可塑性エラストマー(3)50重量部に、熱可塑性エラストマー(4)50重量部を混合した後、単軸押し出し機により押し出し、ノズル孔径0.3mmφ、幅1mあたり孔数1300(ノズル孔同士の間隔0.77mm)のノズルを有するメルトブローン不織布製造装置に供給し、単孔吐出量0.5g/分、樹脂温度300℃、熱風温度310℃、11Nm/ノズル幅1mあたりで吹き付けて、平均繊維径8.1μm、目付40g/mの不織布を得た。得られた不織布のtanδのピーク温度は、−47℃と−5℃で、それぞれのピーク値は0.17/0.72であった。得られた不織布を厚さ10μmのポリエチレンフィルムにニチバン製アクリル系粘着材両面テープで接着積層し、透過損失を測定した結果、図2に示すごとく500〜6400Hzで高い吸音性を示し、6300Hz時の透過損失は28dBと高い値を示した。
[比較例1]
ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー製:J108M、MFR45)を単軸押し出し機により押し出し、ノズル孔径0.3mmφ、幅1mあたり孔数1300(ノズル孔同士の間隔0.77mm)のノズルを有するメルトブローン不織布製造装置に供給し、単孔吐出量0.1g/分、樹脂温度300℃、熱風温度310℃、8Nm/ノズル幅1mあたりで吹き付けて、平均繊維径4.5μm、目付40g/mの不織布を得た。得られた不織布のタテ方向の伸度は40%、ヨコ方向の伸度は60%と伸縮性の小さいものであった。
[比較例2]
熱可塑性エラストマー(4)を単軸押し出し機により押し出し、ノズル孔径0.3mmφ、幅1mあたり孔数1300(ノズル孔同士の間隔0.77mm)のノズルを有するメルトブローン不織布製造装置に供給し、単孔吐出量0.4g/分、樹脂温度300℃、熱風温度310℃、8Nm/ノズル幅1mあたりで吹き付けて、平均繊維径9.7μm、目付40g/mの不織布を得た。得られた不織布のtanδのピーク温度は、−47℃、ピーク値は1.25であった。得られた不織布を厚さ10μmのポリエチレンフィルムにニチバン製アクリル系粘着材両面テープで接着積層し、透過損失を測定した結果、図2に示すごとく500〜6400Hzでの吸音性は低く、6300Hz時の透過損失は23dBと低い値を示した。
本発明の不織布は伸縮性、吸音性、制振性に優れ、オストミーパック、防音室、アパート等建設物の壁面、天井、床面材として有用である。
本発明の不織布の粘弾性スペクトル 本発明の不織布の透過損失
Figure 0006153378

Claims (8)

  1. ビニル芳香族モノマーからなる重合体ブロック(A)と、共役二重結合を有するモノマーからなる重合体ブロック(B)とを含有するブロック共重合体またはその水素添加物であり、−0℃〜0℃間に少なくとも1つの動的粘弾性測定における損失正接(tanδ)のピークを有する熱可塑性エラストマーからなるメルトブロー不織布。
  2. 不織布の厚みが0.01〜1.0mmである、請求項1記載のメルトブロー不織布。
  3. 熱可塑性エラストマーが、ビニル芳香族モノマーからなる重合体ブロック(A)と、3,4−結合及び1,2−結合が合わせて40モル%以上である、共役二重結合を有するモノマーからなる重合体ブロック(B)を有するブロック共重合体またはその水素添加物である請求項1または2記載のメルトブロー不織布
  4. 熱可塑性エラストマーが、前記共重合体10〜90重量%に対し、ビニル芳香族モノマーからなる重合体ブロック(A)と、3,4−結合及び1,2−結合が合わせて40モル%未満である、共役二重結合を有するモノマーからなる重合体ブロック(C)を有するブロック共重合体またはその水素添加物を90〜10重量%混合してなる請求項1〜3のいずれかに記載のメルトブロー不織布。
  5. 平均繊維径が3〜30μmである請求項1〜のいずれかに記載のメルトブロー不織布。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のメルトブロー不織布からなる吸音シート。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載のメルトブロー不織布と少なくとも1種類以上の織物、フィルム、金属、成型体等が積層されてなる積層体。
  8. 請求項7記載の積層体からなる吸音材。
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