以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよい。特に、所定の遊技を実行可能であり、変動表示を行なう遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
[第1実施形態]
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿および下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120およびスティックコントローラ122の取付位置を、上皿および下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
なお、本実施形態では、遊技者が操作可能な操作手段の一例として、プッシュボタン120と、トリガボタン121を有するスティックコントローラ122とを設けた例を示した。しかし、これに限らず、操作手段としては、プッシュボタン120とスティックコントローラ122とのいずれか1つのみを設けてもよい。また、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置9の右方には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。本実施形態では、特別図柄の変動表示に関し、第1特別図柄による第1実行条件と、第2特別図柄による第2実行条件との両方が成立しているときには、第2特別図柄の変動表示の開始条件が、第1特別図柄の変動表示の開始条件よりも優先的に成立し、第1特別図柄の変動表示が優先的に実行される。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等のあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球発射装置により発射された遊技球を検出する発射球センサ81が、打球レールと遊技領域7との境界部分に設けてある。そのため、打球発射装置から発射され、遊技領域7に入った遊技球の数をカウントすることができる。なお、発射球センサ81は、打球レールと遊技領域7との境界部分に設けられる場合に限定されるものではなく、打球発射装置の近傍に設けてもよい。だたし、打球発射装置の近傍に発射球センサ81を設ける場合、発射球センサ81でカウントした発射球数からファール球の数を減算する。ファール球は、発射球センサ81で検知しても、発射球センサ81とは別のファール球センサで検知してもよい。発射球センサ81でファール球を検知する場合、発射球センサ81は、発射球とファール球とで移動する方向が違うことより、発射球とファール球とを見分けて検知する。
遊技領域7を下りてくる遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示が開始可能となる第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示が開始可能となる第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当り表示結果として大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが形成される。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。図2に示すように、この実施形態では、ラウンド数が異なる大当り遊技状態として、15ラウンドの大当り遊技状態と2ラウンドの大当り遊技状態との複数種類の大当り遊技状態が設けられている。
具体的に、15ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数があらかじめ定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
また、2ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば0.5秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数があらかじめ定められた上限値となる2ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
このように、2ラウンドの大当りは、大入賞口の開放回数が15ラウンドよりも少ない回数(この実施形態では2回)まで許容されるが、大入賞口の開放時間が短い(たとえば、0.5秒間)大当り種類(種別)である。また、本実施形態の場合は、2ラウンドの大当りとして、大入賞口の開放時間が極めて短く(0.5秒間)、実質的に大入賞口に入賞することが不可能であり、実質的に賞球(入賞に対して払出される景品球)が得られない当りが設けられている。
なお、2ラウンドの大当りとしては、実質的に賞球が得られない当りのみを設けてもよく、賞球を得ることができる当りのみを設けてもよく、実質的に賞球が得られない当りと賞球を得ることができる当りとの両方を設けてもよい。
「大当り」のうち、15ラウンドまたは2ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。本実施形態では、15ラウンドの確変大当りを「確変大当り」と呼び、2ラウンドの確変大当りを後述するような理由で「突確大当り」と呼ぶ。また、本実施形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
この実施形態においては、高確変状態に制御されたときに、時短状態および高ベース状態に制御されるが、時短状態および高ベース状態は、制御の開始条件および終了条件が同じであるので、時短状態および高ベースに制御されている状態を、時短状態という用語で代表して示す場合があり、高ベース状態という用語で代表して示す場合がある。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。また、2ラウンドの大当りとしては、突然確変大当り(以下、突確大当りという略称で呼ぶ)が設けられている。
通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、非時短状態、および、低ベース状態(低確低ベース状態)に制御される大当りである。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
突確大当りは、2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
突確大当りは、ラウンド数が少なく(2回)、大入賞口の開放時間が極めて短い態様(0.5秒間開放)で大入賞口が開放されることにより、大当り遊技状態の終了後に確変状態となったことを報知する場合に、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せることが可能なものであり、「突然確変大当り」と呼ばれる。また、「突然確変大当り」は、「突確」という略称で呼ばれる場合もある。突確大当りは、大当り遊技状態において、0.5秒間の開放が2回しか行なわれないため、実質的に第入賞口への入賞が得られず賞球が得られない当りである。また、突確大当りの代わりに、実質的に賞球が得られる開放パターンで大入賞口が開放される2ラウンドの確変大当りを設けてもよい。
なお、大当りの他に、突確大当りと同様の開放回数および開放時間による開放パターンで大入賞口を開放する小当りを設けてもよい。小当りとなったときには、小当り遊技状態終了後に、大当り確率とベースとがともに、小当り遊技状態の開始前に対して変更されないようにする。このような小当りを設ければ、突確大当りと小当りとのそれぞれの当り遊技状態の終了後に確変状態となっているか否かを報知しないときには、開放パターンを見て突確大当りと小当りとのいずれが実行されたことが遊技者に認識されてしまったときでも、同じ開放パターンとなる当りが2種類あるので、確変状態となっているか否かが遊技者にとって把握しにくいものとなるため、実際には確変状態となっていないときでも遊技者の確変状態に対する期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板97を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート(図示せず)を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。さらに、演出制御用CPU101は、発射球センサ81が発射球を検出したことを示す情報信号としての発射球検出信号を、入力ポートを介して入力する。そして、演出制御用CPU101は、入力した発射球検出信号に基づいて発射した遊技球数をカウントする。なお、発射球センサ81は、演出制御用CPU101に接続され、入力ポートを介して発射球検出信号を直接入力する構成に限定されるものではなく、遊技制御用マイクロコンピュータ560に接続される構成でもよい。発射球センサ81が遊技制御用マイクロコンピュータ560に接続される場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560入力した発射球検出信号に基づいて発射した遊技球数をカウントし、カウントした発射球数を演出制御用CPU101に送信する。
図4は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、確変大当り、および、突確大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、確変大当り、および、突確大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
この実施形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする特別図柄の保留記憶数(第1特別図柄と第2特別図柄との合算保留記憶数)が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御が実行される。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでもノーマルリーチのような変動時間が短いリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。「突確大当り」に対応した判定値は、第2特別図柄の大当り図柄の「5」に対応した判定値としても設定されている。
このような大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとでは、高確率状態となる大当りに決定される割合が同じであるが、第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、大当り遊技状態におけるラウンド数が多い大当り(15ラウンドの大当り)が選択される割合が高く、また、大当り遊技状態における実質的な入賞可能数が多い大当り(15ラウンドの大当り)が選択される割合が高い。したがって、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、大当りとなったときに、大入賞口への入賞に関して遊技者にとって有利度合いが高い(たとえば、実質的に入賞可能なラウンド数が多い、実質的な入賞可能数が多い等)有利状態としての大当り遊技状態に制御される。
なお、この実施形態では、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルにおいて、突確大当りが選択されない例を示した。しかし、これに限らず、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルにおいては、突確大当りが選択可能であるが、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも突確大当りの選択割合が高くなるようにデータを設定してもよい。
次に、図6および図7を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6および図7は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、変動パターンテーブルとして、(a)に通常はずれ時判定テーブル、(b)に時短はずれ時判定テーブルが示されている。図7には、変動パターンテーブルとして、(a)に通常大当り時判定テーブル、(b)に確変大当り時判定テーブル、(c)に突確大当り時判定テーブルが示されている。図6(a),(b)および図7(a)〜(c)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6および図7に示す判定テーブルのそれぞれは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示している。また、図6および図7の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。また、図7(c)のテーブルでの「特殊」は、変動表示中にリーチ図柄の組合せを表示せずに突確大当り図柄の組合せとしてのチャンス目を表示する特殊な変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。
「はずれ」は、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。「通常大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。「確変大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。「突確大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「突確大当り」の表示結果となる変動パターンである。各変動パターンについては、変動時間が括弧書きで示されている。
これらの情報に基づいて、たとえば、「変動パターン」の欄に示された「スーパーリーチA はずれ」という変動パターンは、「はずれ表示結果となるスーパーリーチAの変動パターン」であることが示される。
図6および図7のテーブルで「ランダム2個数」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2個数」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図6(a)を例にとれば、「通常」、「リーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の251個の数値のうちの80個の数値に割振られた「リーチ」の判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「リーチ」とすることが決定される。
また、図6および図7のテーブルで「ランダム3個数」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3個数」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図6(a)を例にとれば、「リーチ」の種別に属する変動パターンは、「ノーマルリーチ はずれ」、「スーパーリーチA はずれ」、「スーパーリーチB はずれ」、および、「スーパーリーチC はずれ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、「リーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3の値に応じて、「ノーマルリーチ はずれ」、「スーパーリーチA はずれ」、「スーパーリーチB はずれ」、および、「スーパーリーチC はずれ」のうちから変動パターンが選択決定される。
ここで、スーパーリーチA〜Cのそれぞれは、リーチ状態に関連する演出態様および変動時間が異なるリーチ変動パターンである。
変動パターンの変動時間の長短の関係は、通常変動<ノーマルリーチ<スーパーリーチA<スーパーリーチB<スーパーリーチCというような関係となるように設定されている。したがって、リーチ状態とならない通常変動は、リーチ状態となる変動パターンと比べて変動時間が短く設定されている。また、リーチ状態となる変動パターンのうち、ノーマルリーチは、スーパーリーチの変動パターンと比べて変動時間が短く設定されている。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(a)の通常はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(b)の時短はずれ時判定テーブルを選択する。
第1特別図柄については、非時短状態において変動表示結果がはずれとなるときには、第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数に応じて、通常はずれ時判定テーブルが選択される。
第2特別図柄については、非時短状態において変動表示結果がはずれとなるときには、第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数に応じて、通常はずれ時判定テーブルが選択される。
また、第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。
第1特別図柄について変動表示結果が通常大当りとなるときには、図7(a)の通常大当り時判定テーブルを選択する。第2特別図柄について変動表示結果が通常大当りとなるときには、図7(a)の通常大当り時判定テーブルを選択する。
第1特別図柄について変動表示結果が確変大当りとなるときには、図7(b)の確変大当り時判定テーブルを選択する。第2特別図柄について変動表示結果が通常大当りとなるときには、図7(b)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図7(b)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図7(a)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチのリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が突確大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、図7(c)の突確大当り時判定テーブルを選択する。
また、はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、スーパーリーチの選択割合が、スーパーリーチA>スーパーリーチB>スーパーリーチCとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図7(a)および図7(b)の判定テーブルでは、スーパーリーチの選択割合が、スーパーリーチA<スーパーリーチB<スーパーリーチCとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、スーパーリーチの選択割合が異なるので、スーパーリーチの種類により、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
また、確変大当りとなるときに選択される図7(b)の判定テーブルでは、通常大当りとなるときに選択される図7(a)の判定テーブルと比べて、スーパーリーチの選択割合が異なる(たとえば、スーパーリーチCの選択割合が高い)ので、スーパーリーチの種類により、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図8においては、演出制御コマンドについて具体的なコマンドデータと、コマンドの名称およびコマンドの指定内容との関係が示されている。演出制御コマンドの遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図8に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図8のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6および図7に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C04(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンド95XX(H)は、始動入賞が生じたときの入賞時判定結果の内容を示すコマンド(入賞時判定結果指定コマンド)であり、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の等の所定種類の判定結果を示すものである。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560があらかじめ定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図9は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図9に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、および、大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図10は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定および変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図11は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。CPU56は、第1始動口スイッチ13aがオンしたか否かを確認する(S211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S213)。
ここで、遊技制御用マイクロコンピュータ560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶情報)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。図12は、遊技制御用マイクロコンピュータ560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶情報)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。
図12に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560側において、第1保留記憶手段としての第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶手段としての第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)等のデータが記憶される。
このような第1保留記憶バッファにおいては、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データが記憶される。第2保留記憶バッファにおいては、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データに対応する判定結果保留記憶データが記憶される。
次に、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S214)。具体的に、S214の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が保存(格納)される。以下の保留記憶に関する説明に関しては、このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。
次いで、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S216)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S28)において演出制御コマンドを送信する。
S211で第1始動口スイッチがオン状態でないと判定された場合、S212で第1保留記憶数が上限値に達していると判定された場合、または、S216で第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なった後に、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(S221)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S222)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S223)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S224)。
次いで、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行ない(S226)処理を終了する。
図13は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合(S51:N)には、客待ちデモ指定コマンドを送信してデモ表示設定済みを示すデモ表示フラグがセットされているか否かを確認する(S51a)。デモ表示フラグがセットされていないとき(S51a:N)、CPU56は、デモ表示設定(S51b)を行ない、演出制御コマンド制御処理(S28)で客待ちデモ指定コマンドを送信する。つまり、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがないとき、変動表示の終了後にデモ表示が実行されるように、客待ちデモ指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する。演出制御用CPU101は、変動表示の終了後、直ちにデモ表示を開始することで、図柄の変動表示が行なわれない表示画面が遊技をしている遊技者にとって面白味のないものとなることを防止している。のみならず、演出制御用CPU101は、デモ画面の表示中に後述する発射球数(遊技領域に打出された球数)に応じた演出を行なうことができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、CPU56は、デモ表示設定(S51b)を行なった後、デモ表示フラグをセットする(S51c)。一方、デモ表示フラグがセットされているとき(S51a:Y)、S51bおよびS51cの処理をスキップする。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、第2保留記憶バッファの方に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。つまり、第2特別図柄の変動表示を開始するための第2の開始条件は、第1特別図柄の変動表示を開始するための第1の開始条件よりも優先的に成立する。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
RAM55に形成され合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S57)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、CPU56は、保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信後、デモ表示フラグをリセットする(S60)。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214や始動口スイッチ通過処理のS224で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61:Y)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、その後、所定回数(100回)の変動表示が行なわれたという条件と、次回の大当りが決定されたという条件といずれか早い方の条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61:N)、後述するS75に進む。
S61において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別をRAM55に設定した大当り種別バッファに記憶する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。大当り種別が「突確大当り」の場合には、大当り種別データとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「通常大当り」に決定されたときには「3」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別が「突確大当り」に決定した場合には「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図14は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。つまり、CPU56は、変動表示を特定の態様とするか否かを変動表示の開始前である変動パターン設定処理(S301)において決定する。ここで、特定の態様とは、変動結果である停止の態様や、変動表示の結果として大当りとなる組合せ、確変となる組合せ、出球が多く得られる当りとなる組合せなどを導出する状態、リーチ演出や擬似連などの変動パターンである変動表示に行なわれる態様を含んでいる。
変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合は、大当りとすることが決定されているときであり、CPU56は、S74で記憶された大当り種別情報に応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、図7に示す、通常大当り時判定テーブル、確変大当り時判定テーブル、および突確大当り時判定テーブルのうちいずれかを選択する。
S91で大当りフラグがセットされているときは、S74で記憶された大当り種別データに基づいて、大当りが突確大当りであるか否かを確認する(S92)。突確大当りであるときは、図7(c)の突確大当り時判定テーブルを選択し(S96)、S114に進む。突確大当りでないときは、S74で記憶された大当り種別データに基づいて、大当りが通常大当りであるか否かを確認する(S94)。通常大当りであるときは、図7(a)の通常大当り時判定テーブルを選択し(S98)、S114に進む。一方、S94で通常大当りでないとき、すなわち、消去法的に確変大当りであるときは、図7(b)の確変大当り時判定テーブルを選択し(S95)、S114に進む。
また、S91で大当りフラグがセットされていないとき、すなわち、はずれのときは、時短フラグがセットされているか否かを確認する(S100)。時短フラグがセットされていないときは、図6(a)の通常はずれ時判定テーブルを選択し(S103)、S114に進む。
また、S100で時短フラグがセットされているときは、図6(b)の時短はずれ時判定テーブルを選択し(S105)、S114に進む。
これにより、変動表示を行なう前には、遊技状態に応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、前述したような判定テーブルの選択条件に基づいて、図6および図7に示される判定テーブルのうちいずれかが変動パターンテーブルとして選択される。
次いで、S114において、CPU56は、今回の変動表示に対応する保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読出し、S95,S96,S98,S103またはS105の処理で選択した判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブル部のデータを参照することによって、ランダム2の値に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S114)。
次いで、CPU56は、今回の変動表示に対応する保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読出し、S95,S96,S98,S103またはS105の処理で選択した判定テーブルにおいて、変動パターン判定テーブル部におけるS114で決定した変動パターン種別に対応するデータを参照し、ランダム3の値に応じて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S115)。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S116)。
また、特別図柄の変動を開始する(S117)。たとえば、S32の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットすることにより、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて、前述のように変動表示を開始させる。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示を開始させる。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S118)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S119)。
前述した表示結果指定コマンド送信処理(S302)においては、CPU56が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて、表示結果を指定する表示結果1指定〜表示結果4指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図8参照)を送信する制御を行なう。
また、前述した特別図柄変動中処理(S303)においては、CPU56は、変動時間タイマを1減算し、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新し、特別図柄停止処理に進む。
図15は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。
特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動表示を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する図柄確定指定コマンドをセットする(S132)。これにより、図柄確定指定コマンドが図9のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S139に移行する(S133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグのうちセットされているフラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に、決定された当りの種別に応じて、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンド、または、大当り開始3指定コマンドのいずれかのコマンド(大当り開始指定コマンド)をセットする(S135)。
これにより、セットされた大当り開始指定コマンドが図6のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突確大当りである場合には大当り開始3指定コマンドを送信する。大当りの種別がいずれの種別に該当するかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、大入賞口制御タイマに、大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S136)。以降、大入賞口開放前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放されてラウンドが開始される。
また、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、前述したROM54に記憶されている開放パターンデータを参照し、開放回数(たとえば、15回または2回)、開放時間(たとえば、29秒または0.5秒)、ラウンド間のインターバル時間(たとえば、5秒または0.5秒)等の開放態様を示すデータを所定の記憶領域にセットする(S137)。このようなデータのうち、開放回数のデータは、開放回数を計数するための開放回数カウンタにセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S138)。
また、前述のS133で大当りフラグがセットされていない場合に、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグ、または確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否か確認する(S139)。S139でどちらのフラグもセットされていないときは、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S152)、処理を終了する。
一方、S139でいずれかのフラグがセットされているときに、CPU56は、確変状態および時短状態となる大当り遊技状態(確変大当り、突確大当り)の終了後の特別図柄の変動表示回数を計数する変動回数カウンタの値を−1する(S140)。変動回数カウンタは、後述するように、確変大当りおよび突確大当りのそれぞれの大当り遊技状態の終了時の大当り終了処理(S307)において、確変状態および時短状態の継続回数(100回)に対応する値にセットされ、変動表示が実行されるごとにS140で減算更新される。
確変状態および時短状態となり、高ベース状態となる大当りの大当り遊技状態終了後の時短状態および高ベース状態は、変動表示が100回実行されるまでと、次の大当りが発生するまでとのいずれかの条件が成立するまで継続させる必要がある。これにより、大当り遊技状態終了後の変動表示回数が変動回数カウンタを用いて確認される。
なお、本実施形態では、1つの変動回数カウンタを用いて、確変状態、時短状態、および、高ベース状態の継続期間(変動表示100回実行する期間)の管理を行なう例を示した。しかし、これに限らず、確変状態、時短状態、および、高ベース状態の継続期間の管理について、別個の変動回数カウンタを用いて行なうようにしてもよい。
そして、変動回数カウンタの値が0であるか否かを確認すること(S144)で、時短状態および高ベース状態における100回の変動表示のうちの100回目の変動表示の終了時であるか否かを認識する。変動回数カウンタの値が0であるときには、確変状態、時短状態、および、低ベース状態を終了させる必要がある。まず、確変フラグをリセットし(S145)、時短フラグをリセットする(S146)。これにより、遊技状態が、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)から、非確変状態、非時短状態、および、低ベース状態に移行する。そして、このような状態(低確低ベース状態)に移行したことに応じて、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する通常状態指定コマンドをセットし(S147)、S152に進む。これにより、通常状態指定コマンドが図9のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。その後、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新(S152)し、処理を終了する。
変動表示の結果、大当りとなるときには、大入賞口開放前処理(S305)、大入賞口開放中処理(S306)、および、大当り終了処理(S307)が実行されることにより、大当り遊技状態に制御される。
図16は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了処理が実行される前にセットされた大入賞口制御タイマの値を1減算する(S150)。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了時間が経過したか否か確認する(S151)。経過していなければ処理を終了する。一方、経過していれば、大当りフラグをリセットする(S152)。
次に、終了する大当りの種別が、確変大当りまたは突確大当りに該当するか否か確認する(S153)。S153においては、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて、大当りの種別が確認される。終了する大当りの種別が確変大当りまたは突確大当りでないときは、消去法的に通常大当りであり、大当り遊技状態の終了後に低確率状態および低ベース状態にするために、確変フラグおよび時短フラグはセットせず、S159に進む。一方、終了する大当りの種別が確変大当りまたは突確大当りであるときは、高確率状態および高ベース状態にするために、確変フラグをセットし(S154)、時短フラグをセット(S155)する。そして、前述のような確変状態および時短状態の管理、高ベース状態終了直前の変動パターン選択の管理等をするために、変動回数カウンタに「100(回)」をセットする(S156)。なお、確変状態、時短状態、および、高ベース状態の継続期間の管理について、別個の変動回数カウンタを用いて行なうようにする場合、それぞれのカウンタに所定の回数をセットすればよい。
そして、大当り遊技状態終了後の遊技状態を特定するために、確変状態指定コマンドを送信する(S157)とともに、時短状態指定コマンドを送信するための制御を行ない(S158)、S159に進む。S159では、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値に更新し(S159)、処理を終了する。
次に、普通図柄の表示結果を決定するために用いる普通図柄表示結果決定テーブルについて説明する。図17は、普通図柄表示結果決定テーブルを示す説明図である。普通図柄表示結果決定テーブルは、ROM54に記憶されている。
普通図柄表示結果決定テーブルにおいては、普通図柄当り判定用のランダム4(1〜201)の値(決定値)と、普通図柄の表示結果と、普通図柄の変動時間と、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間および開放回数との関係が、低ベース状態と、高ベース状態とに分けて示されている。
通常遊技状態のような低ベース状態において、決定値が1〜20のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果を当りとし、変動時間が10秒間に設定されるとともに、開放時間が0.3秒間で1回開放することに設定される。一方、低ベース状態のときにおいて、決定値が21〜201のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果をはずれとし、変動時間が10秒間に設定される。
また、確変大当りおよび突確大当りの大当り遊技状態終了後のような高ベース状態のときにおいて、決定値が1〜180のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果を当りとし、変動時間が1秒間に設定されるとともに、開放時間が1.5秒間で3回開放することに設定される。一方、高ベース状態のときにおいて、決定値が181〜201のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果をはずれとし、変動時間が1秒間に設定される。
このように、普通図柄の制御に関し、高ベース状態のときには、低ベース状態と比べて、決定値が当りとなる割合が高くなるように設定され、変動時間が短くなるように設定され、さらに、開放時間および開放回数が増加するように設定される。なお、なお、普通図柄表示結果決定テーブルは例示であり、変動時間、開放時間および開放回数の全てが制御される必要はなく、変動時間、開放時間および開放回数のうち少なくともいずれかを制御する構成であってもよい。
図18は、図9のS27において実行される普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、ゲート32に設けられたゲートスイッチ32aからの検出信号がオン状態であるか否かをチェックすることにより、ゲート32を通過した遊技球が検出されたか否かの判定を行なう(S501)。S501により遊技球がゲート32を通過してゲートスイッチ32aからの検出信号が所定期間オン状態となった場合に、遊技球のゲート通過(通過球)の検出があったものと判断して、普図ゲート通過時処理を実行する(S502)。
S502において実行される普図ゲート通過時処理の一例として、以下のような処理が実行される。まず、RAM55の所定領域に設けられた普図保留記憶部に記憶されている普図保留記憶データの個数である普図保留記憶数が、所定の上限値(たとえば「4」)となっているか否かを判定する。普図保留記憶部は、ゲートスイッチ32aにより遊技球のゲート通過が検出されたときに抽出した普通図柄の表示結果決定用のランダム4の数値データを普図保留記憶データとして、最大限4つ保留記憶するデータ記憶領域を有する。この普図保留記憶部は、前述した第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファと同様に、普図保留記憶データを格納された順番を特定可能な状態で保存していき、順番にしたがって変動表示に使用された普図保留記憶データを消去し、残りの普図保留記憶データについてデータ記憶領域を1つずつシフトしていく構成となっている。
S502において、普図保留記憶数が上限値未満であるときには、CPU56が、ランダム4を示す数値データを抽出する。そして、抽出したランダム4の数値データを普図保留記憶データとして、普図保留記憶部でデータが記憶されずに空いているデータ記憶領域のうち先頭順番の領域にセットする。一方、普図保留記憶部において、普図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の遊技球の検出は無効として、ランダム4の数値データの新たな抽出および記憶は行なわない。
普図ゲート通過時処理を実行した後、および、S501でゲートスイッチ32aからの検出信号がオフ状態であると判定された後には、普通図柄プロセスフラグの値に応じて、以下のようなS510〜S514の各処理を実行する。
S510の普通図柄通常処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「0」のときに実行さる。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部に格納された普図保留記憶データの有無等に基づいて、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示を開始するか否かの判定が行なわれる。このとき、たとえば普図保留記憶部に格納された普図保留記憶データがある場合には、普通図柄プロセスフラグの値を「1」に更新する。
S511の普通図柄判定処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。この普通図柄判定処理では、標準時短フラグまたは超時短フラグがセットされているか否かに基づいて、高ベース状態であるか否かを認識し、普図保留記憶部の先頭順番に格納された普図保留記憶データ(普通図柄の表示結果決定用のランダム4を示す数値データ)に基づき、図17に示す普通図柄表示結果決定テーブルを参照して、普通図柄の変動表示における表示結果を、「当り」とするか「はずれ」とするかの決定等が行なわれる。
前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、標準時短状態および超時短状態を含む時短状態に対応した高ベース状態である場合に、低ベース状態である場合よりも普通図柄の表示結果を「当り」とする決定がなされる割合が高くなるように、ランダム4と比較される決定値が割振られている。これにより、高ベース状態では、S511の普通図柄判定処理において、通常遊技状態と比べて普通図柄の表示結果が「当り」と判定されやすくなることで、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14が開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。
また、普通図柄判定処理では、普通図柄表示結果決定テーブルを用いて、普通図柄の変動時間も決定される。前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、高ベース状態である場合に、低ベース状態である場合よりも普通図柄の変動時間が短くなるように設定されている。これにより、高ベース状態では、S511の普通図柄判定処理において、時短フラグがセットされているときに高ベース状態であると認識し、低ベース状態と比べて普通図柄の変動時間が短くなるように変動時間が決定される。高ベース状態では、普通図柄の変動表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「当り」の変動表示結果が導出表示される間隔も短くなり、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14が開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。
さらに、普通図柄判定処理では、普通図柄表示結果決定テーブルを用いて、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間および開放回数も決定される。前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、時短フラグがセットされているときに高ベース状態であると認識し、高ベース状態である場合に、低ベース状態である場合よりも、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が多くなるように設定されている。したがって、高ベース状態である場合に、低ベース状態である場合よりも、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が多くなるような制御が行なわれる。これにより、高ベース状態では、開放時間が長くなり、かつ、開放回数が多くなることで、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)が開放状態となる時間および回数が増加し、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。
普通図柄判定処理では、このような各種判定がされた後、普通図柄プロセスフラグの値を「2」に更新する。
S512の普通図柄変動処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示において普通図柄を変動させるための設定が行なわれる。こうした設定に基づいて変動表示する普通図柄は、S513の普通図柄停止処理が実行されることにより、その変動表示が停止して普通図柄の表示結果となる普通図柄の表示結果が表示される。普通図柄変動処理では、普通図柄が変動表示を開始してからの経過時間が計測される。このときには、計測された経過時間が、普通図柄判定処理で決定された変動時間に達したか否かの判定が行なわれる。そして、決定された変動時間に達したときには、普通図柄プロセスフラグの値を「3」に更新する。
S513の普通図柄停止処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示を停止して表示結果を導出表示させるための設定が行なわれる。なお、普通図柄の表示結果を導出表示させるための設定は、S512の普通図柄変動処理において、計測された経過時間が決定された変動時間に達したときに、普通図柄プロセスフラグの値を「3」に更新する以前に行なわれるようにしてもよい。また、普通図柄停止処理では、普通図柄判定処理で決定された普通図柄の表示結果が「当り」である場合に、普通図柄判定処理で決定された開放時間および開放回数で可変入賞球装置15を開閉するようにソレノイド16を駆動する作動パターンの設定を行なってから、普通図柄プロセスフラグの値が「4」に更新される。一方、普通図柄判定処理で決定された普通図柄の表示結果が「はずれ」である場合には、普通図柄プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に更新する。
S514の普通電動役物作動処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普通図柄の変動表示における表示結果が「当り」となったことに対応して、可変入賞球装置15において可動片を開放状態に動作させることにより、第2始動入賞口14を閉状態から開状態に変化させる制御が行なわれる。たとえば、普通電動役物作動処理では、S513の普通図柄停止処理においてセットされた作動パターンの設定に応じて、ソレノイド16を駆動するための駆動制御信号を生成することにより、可変入賞球装置15を、普通図柄判定処理で決定された開放時間および開放回数で開状態とする制御を行なう。これにより、図17に示すような遊技状態および表示結果に応じた動作パターンで可変入賞球装置15が開閉動作させられることとなる。そして、作動パターンの設定に応じたソレノイド16の駆動が終了すると、普通図柄プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に更新する。大当り終了処理(S307)において、確変大当りの終了時には、確変フラグおよび時短フラグがセットされ、通常大当りの終了時には、時短フラグがセットされる。これにより、確変大当りの終了後には、確変状態および時短状態に制御され、通常大当りの終了後には、時短状態に制御される。
確変大当りの大当り遊技状態終了後の確変状態および時短状態は、変動表示が100回実行されるまでと、次の大当りが発生するまでとのいずれかの条件が成立するまで継続させる必要がある。このような変動表示回数は、大当り終了処理(S307)において、変動回数を計数するカウンタをセットし、その後に変動表示が実行されるごとに特別図柄停止処理で減算更新することにより管理され、変動回数カウンタがカウントアップしたことに基づいて、確変状態フラグおよび時短フラグがリセットされることにより、確変状態および時短状態(高ベース状態)を終了させる制御が行なわれる。
次に、演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図19は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出図柄の大当り図柄決定用乱数および各種演出内容の選択決定用乱数等の各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。また、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。その後、S702に移行する。
図20〜図23は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読出す(S612)。なお、読出したら読出ポインタの値を2加算(+2)しておく(S613)。2加算(+2)するのは2バイト(1コマンド)ずつ読出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S616)。その後、演出制御用CPU101は、演出表示装置9にあらかじめ決められている客待ちデモ画面を表示していることを示すデモ画面表示フラグをリセットする(S616A)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(S617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果4指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(S618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(S620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(コマンドA001〜A003(H))であれば(S621)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(S622)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(S625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(S627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S628)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(S631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行なう(S632)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(S633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行ない(S634)、停電復旧フラグをセットする(S635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンド(コマンドA301〜A303(H))であれば(S641)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットして(S642)、処理を終了する。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(S655)、演出制御用CPU101は、受信した第1始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(S656)。ただし、最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に既に始動入賞指定コマンドや合算保留記憶数指定コマンドが格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で第1始動入賞指定コマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンドを取りこぼしてしまったことを意味する。その場合には、演出制御用CPU101は、受信した第1始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(S657)、演出制御用CPU101は、受信した第2始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(S658)。ただし、最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に既に始動入賞指定コマンドや合算保留記憶数指定コマンドが格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で第2始動入賞指定コマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンドを取りこぼしてしまったことを意味する。その場合には、演出制御用CPU101は、受信した第2始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数指定コマンドであれば(S659)、演出制御用CPU101は、受信した第1保留記憶数指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンド、および始動入賞指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(S660)。ただし、最新の図柄指定コマンドや始動入賞指定コマンドが格納されている格納領域に既に第1保留記憶数指定コマンドが格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で第1保留記憶数指定コマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンド、および始動入賞指定コマンドを全て取りこぼしてしまったことを意味する。その場合には、演出制御用CPU101は、受信した第1保留記憶数指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数指定コマンドであれば(S661)、演出制御用CPU101は、受信した第2保留記憶数指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンド、および始動入賞指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(S662)。ただし、最新の図柄指定コマンドや始動入賞指定コマンドが格納されている格納領域に既に第2保留記憶数指定コマンドが格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で第2保留記憶数指定コマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンド、および始動入賞指定コマンドを全て取りこぼしてしまったことを意味する。その場合には、演出制御用CPU101は、受信した第2保留記憶数指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(S663)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9にあらかじめ決められている客待ちデモ画面を表示する制御を行なう(S664)。なお、客待ちデモ指定コマンドを受信したことにもとづいて直ちに客待ちデモ画面を表示するのではなく、客待ちデモ指定コマンドを受信した後、所定期間(例えば、10秒)を経過してから客待ちデモ画面の表示を開始するようにしてもよい。その後、演出制御用CPU101は、演出表示装置9にあらかじめ決められている客待ちデモ画面を表示していることを示すデモ画面表示フラグをセットする(S664A)。
受信した演出制御コマンドが通常状態指定コマンドであれば(S666)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する画面を通常状態に応じた画面とする(S667)。また、演出制御用CPU101は、遊技状態が高確率状態であることを示す確変状態フラグや、遊技状態が時短状態であることを示す時短状態フラグがセットされていれば、当該フラグをリセットする(S668)。
また、受信した演出制御コマンドが時短状態指定コマンドであれば(S669)、演出表示装置9に表示する画面を時短状態に応じた画面とする(S670)。また、演出制御用CPU101は、時短状態フラグをセットする(S671)。さらに、受信した演出制御コマンドが確変状態指定コマンドであれば(S672)、演出表示装置9に表示する画面を確変状態に応じた画面とする(S673)。また、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをセットする(S674)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(S678)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをセットする(S679)。また、演出制御用CPU101は、受信した大入賞口開放中指定コマンドを、RAMに形成されている大入賞口開放中指定コマンド格納領域に格納する(S680)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中指定コマンド格納領域に格納された大入賞口開放中指定コマンドを確認することによって、大当り遊技中の何ラウンド目であるかを認識することができる。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(S681)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをセットする(S682)。また、演出制御用CPU101は、受信した大入賞口開放後指定コマンドを、RAMに形成されている大入賞口開放後指定コマンド格納領域に格納する(S683)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(S684)。そして、S611に移行する。
図24は、図19に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、発射球検知処理(S800A)を行なった後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図25は、発射球検知処理(S800A)を説明するためのフローチャートである。本実施形態に係る遊技機では、変動表示が行なわれていないときに、発射球に応じて変化するデモ演出を行なう。そのため、発射球検知処理では、図1および図3に示した発射球センサ81からの発射球検出信号を用いてデモ演出中の発射球数をカウントする処理について説明する。まず、演出制御用CPU101は、デモ画面表示フラグがセットされているか否かを確認する(S8001)。デモ画面表示フラグがセットされていれば(S8001:Y)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9にあらかじめ決められている客待ちデモ画面が表示されているため、発射球検知処理を行なう。デモ画面表示フラグがセットされていなければ(S8001:N)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9にあらかじめ決められている客待ちデモ画面が表示されていないので、発射球検知処理をスキップする。
デモ画面表示フラグがセットされていれば(S8001:Y)、演出制御用CPU101は、さらに発射球検知フラグがセットされているか否かを確認する(S8002)。発射球検知フラグは、発射球検知処理が行なわれていることを示すフラグであり、当該発射球検知フラグがセットされていれば(S8002:Y)、演出制御用CPU101は、発射球数のカウント処理を行なう(S8003)。具体的に、発射球数のカウント処理(S8003)では、演出制御用CPU101に設けた発射球カウンタに、発射球センサ81からの発射球検出信号がOFF状態からON状態に立上る変化に応じてカウントを+1ずつ加算する処理を行なう。なお、発射球カウンタは、発射球検知フラグがセットされてから、次の発射球検知フラグがセットされるまでに発射された遊技球数をカウントする。
当該発射球検知フラグがセットされていなければ(S8002:N)、演出制御用CPU101は、発射球数のカウント処理(S8003)を行なうための準備を行なう。具体的に、演出制御用CPU101は、発射球検知フラグをセット(S8004)し、発射球カウンタをリセット(S8005)し、デモ演出中に発射された遊技球数に応じて変化する演出表示としてデモ画面にゲージ(図33に示すゲージ331を参照)を表示する(S8006)。
デモ画面に表示するゲージは、デモ演出中に発射された遊技球数に応じてゲージの充填数(充填数3でフルゲージとなる)が変化する。そのため、演出制御用CPU101は、発射球カウンタが15球以上かつ30球未満であるか否か(S8007)、30球以上かつ45球未満であるか否か(S8010)、45球以上であるか否か(S8013)を確認する。発射球カウンタが15球以上かつ30球未満であるとき(S8007:Y)、演出制御用CPU101は、ゲージ充填数1フラグをセット(S8008)し、デモ画面に表示したゲージの1つを充填したゲージ充填数1の表示を行なう(S8009)。なお、前述の発射球数の判断基準は例示であり、15球、30球および45球以外の球数であってもよい。また、後述するように発射球数の代えてアウト球数を用いてゲージの充填数を変化させる場合でも、アウト球数の判断基準は、15球、30球および45球以外の球数であってもよい。
発射球カウンタが30球以上かつ45球未満であるとき(S8010:Y)、演出制御用CPU101は、ゲージ充填数1フラグのリセットおよびゲージ充填数2フラグのセット(S8011)を行ない、デモ画面に表示したゲージの2つを充填したゲージ充填数2の表示を行なう(S8012)。
発射球カウンタが45球以上であるとき(S8013:Y)、演出制御用CPU101は、ゲージ充填数2フラグのリセットおよびゲージ充填数3フラグのセット(S8011)を行ない、デモ画面に表示したゲージの3つを充填したゲージ充填数3の表示を行なう(S8012)。なお、発射球カウンタが15球以下のとき(S8007:NかつS8010:NかつS8013:N)、演出制御用CPU101は、ゲージ充填数1フラグ〜ゲージ充填数3フラグのいずれもセットせず、充填数が0(ゼロ)のゲージを表示する。
図26は、図24に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド(始動入賞指定コマンドなど)受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば(S811でY)、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(S812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に更新する(S813)。なお、前述したように、この実施形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行なわれる(S44参照)のであるが、図26に示すように、この実施形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
図27は、図24に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、まず、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(S8101)。次いで、演出制御用CPU101は、S8101で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S8102)。すなわち、演出制御用CPU101によってS8102の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中に演出表示装置9において予告演出を実行するか否かを決定したり予告演出の演出態様を設定したりする予告演出設定処理を実行する(S8103)。なお、本実施形態では、大当り予告の予告演出を設定する例を示すが、これに限定されず、リーチ予告やステップアップ予告の予告演出を設定する場合であってもよい。また、本実施形態では、変動表示中以外にも、大当り中の演出、大当り後の高ベース(高確率)中の演出、および当該変動表示以降の演出モード(たとえば、背景など)を変えてもよい。
ここで、本実施形態では、予告演出が実行されるとき(たとえば、スーパーリーチAが発生するとき)に、デモ演出中(変動表示の開始前)に実行していた演出(ゲージの充填数)に基づいて、複数種類の予告演出のうちから当該変動表示で実行する予告演出を選択する。たとえば、デモ演出中に表示していたゲージの充填数が増えるほど、大当りとなる期待値の高い予告演出を選択しやすくする。そのため、本実施形態では、デモ演出中であってもゲージの充填数を増やせば、予告演出が行なわれやすくなることで遊技の興趣を向上させることができる。
図28は、図27に示された演出図柄変動開始処理における予告演出設定処理(S8103)を示すフローチャートである。まず、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンドは大当り指定のコマンドであるか否かを確認する(S8171)。つまり、演出制御用CPU101は、現在実行している変動表示が大当りか否かを確認する。演出制御用CPU101は、変動表示が大当りであれば、図29(a)〜(c)に示す大当り時ゲージ充填数1テーブル〜大当り時ゲージ充填数3テーブルのいずれかを用いて予告演出を選択し、変動表示がはずれであれば、図29(d)〜(f)に示すはずれ時ゲージ充填数1テーブル〜はずれ時ゲージ充填数3テーブルのいずれかを利用して予告演出を選択する。
具体的に、表示結果指定コマンドが大当り指定のコマンドであるとき(S8171:Y)、演出制御用CPU101は、ゲージ充填数1フラグがセットされているか否かを確認(S8172A)し、ゲージ充填数1フラグがセットされていれば(S8172A:Y)、図29(a)に示す大当り時ゲージ充填数1テーブルを用いて予告演出を選択する(S8173A)。ここで、図29は、予告演出設定処理(S8103)に用いるテーブル、および当該テーブルに用いる乱数を示す図である。図29(a)に示す大当り時ゲージ充填数1テーブルでは、ランダム6の抽出値が「0」〜「9」の値であれば桜色キャラクタが登場する予告演出が選択され、「10」〜「29」の値であれば赤色キャラクタが登場する予告演出が選択され、「30」〜「89」の値であれば白色キャラクタが登場する予告演出が選択され、「90」〜「99」の値であればキャラクタなしの予告演出が選択される。なお、ランダム6は、図29(h)に示すように予告演出選択用に用いられる乱数であり、「0」〜「99」の値である。
ゲージ充填数1フラグがセットされていなければ(S8172A:N)、演出制御用CPU101は、ゲージ充填数2フラグがセットされているか否かを確認(S8174A)し、ゲージ充填数2フラグがセットされていれば(S8174A:Y)、図29(b)に示す大当り時ゲージ充填数2テーブルを用いて予告演出を選択する(S8175A)。ゲージ充填数2フラグがセットされていなければ(S8174A:N)、演出制御用CPU101は、ゲージ充填数3フラグがセットされているか否かを確認(S8176A)し、ゲージ充填数3フラグがセットされていれば(S8176A:Y)、図29(c)に示す大当り時ゲージ充填数3テーブルを用いて予告演出を選択する(S8177A)。なお、ゲージ充填数1フラグ〜ゲージ充填数3フラグのいずれもセットされていなければ(S8172A:NかつS8174A:NかつS8176A:N)、演出制御用CPU101は、図29(g)に示すゲージ充填数0テーブルを用いて予告演出を選択する(S8178)。
一方、表示結果指定コマンドが大当り指定のコマンドでないとき(S8171:N)、演出制御用CPU101は、ゲージ充填数1フラグがセットされているか否かを確認(S8172B)し、ゲージ充填数1フラグがセットされていれば(S8172B:Y)、図29(d)に示すはずれ時ゲージ充填数1テーブルを用いて予告演出を選択する(S8173B)。
ゲージ充填数1フラグがセットされていなければ(S8172B:N)、演出制御用CPU101は、ゲージ充填数2フラグがセットされているか否かを確認(S8174B)し、ゲージ充填数2フラグがセットされていれば(S8174B:Y)、図29(e)に示すはずれ時ゲージ充填数2テーブルを用いて予告演出を選択する(S8175B)。ゲージ充填数2フラグがセットされていなければ(S8174B:N)、演出制御用CPU101は、ゲージ充填数3フラグがセットされているか否かを確認(S8176B)し、ゲージ充填数3フラグがセットされていれば(S8176B:Y)、図29(f)に示すはずれ時ゲージ充填数3テーブルを用いて予告演出を選択する(S8177B)。なお、ゲージ充填数1フラグ〜ゲージ充填数3フラグのいずれもセットされていなければ(S8172B:NかつS8174B:NかつS8176B:N)、演出制御用CPU101は、図29(g)に示すゲージ充填数0テーブルを用いて予告演出を選択する(S8178)。
図29(a)〜(c)に示す大当り時ゲージ充填数1テーブル〜大当り時ゲージ充填数3テーブル、および図29(d)〜(f)に示すはずれ時ゲージ充填数1テーブル〜はずれ時ゲージ充填数3テーブルから分かるように、ゲージ充填数が増えるにつれ、白色キャラクタ、赤色キャラクタ、桜色キャラクタの順で登場する確率が増える。また、図29(a)〜(c)に示す大当り時ゲージ充填数1テーブル〜大当り時ゲージ充填数3テーブルと、図29(d)〜(f)に示すはずれ時ゲージ充填数1テーブル〜はずれ時ゲージ充填数3テーブルとを比べると、白色キャラクタ、赤色キャラクタ、桜色キャラクタの順ではずれ時に登場する確率が減る。つまり、予告演出に桜色キャラクタが登場したとき、大当りとなる期待値が高く、次に赤色キャラクタ、白色キャラクタの順の期待値となっている。なお、図29で示したテーブルでは、大当り時・はずれ時、ゲージ充填数0〜3のいずれであっても桜色のキャラクタが表示される例を示したが、たとえば、大当り時のみ、またはゲージ充填数3のみに桜色のキャラクタが表示されるようなテーブルであってもよい。また、図29で示したテーブルでは、ゲージ充填数0のとき、大当り時とはずれ時とが共通のテーブルで表わされているが、ゲージ充填数0のときも、大当り時とはずれ時とで別々のテーブルで表わしてもよい。さらに、図29で示したテーブルでは、ゲージ充填数0のときも、ゲージ充填数1〜3と同じ予告演出が行なわれている(ただし、キャラクタの登場する確率が異なる)が、ゲージ充填数0のとき、ゲージ充填数1〜3と異なる予告演出(たとえば、ゲージ充填数1〜3ときに登場するキャラクタとは別のキャラクタが登場)を選択するようなテーブルでもよい。また、本実施形態では、図29で示したテーブルのように、ゲージ充填数が増えるにつれ、白色キャラクタ、赤色キャラクタ、桜色キャラクタの順で登場する確率が増えるのではなく、ゲージ充填数1のとき白色キャラクタ、ゲージ充填数2のとき赤色キャラクタ、ゲージ充填数3のとき桜色キャラクタが必ず登場する予告演出でもよい。
図28に戻って、予告演出設定処理(S8103)で予告演出を選択した後、演出制御用CPU101は、ゲージ充填数1フラグ〜ゲージ充填数3フラグ、および発射球検知フラグをリセットする(S8179)。
予告演出設定処理(S8103)の終了後、図27に戻って、演出制御用CPU101は、変動パターンおよび各予告演出を実行する場合には、その変動パターンおよび各予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(S8104)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S8105)。
図30は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータにしたがって演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。
図30に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、演出制御用CPU101は、変動パターンおよび各予告演出を実行することうぃ決定した場合に、S8018において変動パターンおよび各予告演出に対応したプロセステーブルを選択する。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S8106)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板97に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S8107)。次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域(格納領域1)に格納されている始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンド)を削除し、始動入賞時コマンド格納領域の内容をシフトする(S8108)。
次いで、演出制御用CPU101は、格納領域1に格納されている始動入賞時のコマンドに対応する保留記憶表示(変動表示対象の保留記憶)を削除し、始動入賞時コマンド格納領域の内容をシフトしたことに伴い、保留記憶表示を1つシフトする(S8109)。その後、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S8110)。
図31は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S8101)、変動時間タイマの値を1減算する(S8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(S8103)、プロセスデータの切替を行なう。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(S8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(S8105)。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S8111)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S8112)。
図32は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(S8301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、S8305に移行する。この実施形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、S8304で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。したがって、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、S8302の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、S8305に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行なう(S8302)。S8302の処理で大当り図柄を表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(S8303でN)、演出制御用CPU101は、S8311に移行する。
S8302の処理で大当り図柄を停止表示した場合には(S8303でY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットする(S8304)。そして、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S8305)。大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(S8306)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(S8307)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S8308)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材)の制御を実行する(S8309)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S8310)。
大当りとしないことに決定されている場合には(S8303でN)、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S8311)。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、受信した変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させる。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。また、演出図柄の停止図柄は、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか、大当りとなるかの判別、および、大当りとなるときの大当り種別の判別を行なうことに基づいて決定する。
15R大当りとなるときには、左,中,右の演出図柄が同じ図柄に揃ったぞろ目の大当り図柄の組合せを大当り表示結果として決定する。大当り図柄の組合せは、たとえば、通常大当りとなるときには、たとえば、「4」というような偶数のぞろ目を大当り図柄の組合せとして決定する。また、確変大当りとなるときには、たとえば、「7」というような奇数のぞろ目を大当り図柄の組合せとして決定する。なお、通常大当りとなるときには複数種類の偶数図柄のぞろ目の組合せのうちいずれかをランダムに大当り表示結果として選択決定し、確変大当りとなるときには複数種類の奇数図柄のぞろ目の組合せのうちいずれかをランダムに大当り表示結果として決定してもよい。このように、偶数のぞろ目と、奇数のぞろ目との表示結果で通常大当りと、確変大当りとを区別することにより、確変大当りであるかどうかを区別しやすいようにすることができる。また、通常大当りとなるときには奇数図柄の組合せを大当り表示結果として選択決定し、確変大当りとなるときには偶数図柄の組合せを大当り表示結果として決定してもよい。また、突確大当りとなるときには、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなるチャンス目を、大当り図柄の組合せとして決定する。
一方、はずれとなるときには、ぞろ目とならない左,中,右の演出図柄の組合せをはずれ表示結果としてランダムに決定する。ただし、はずれとなるときにおいて、変動パターンコマンドがリーチとなることを指定するコマンドであるときには、変動表示中において左,右の図柄が同じ図柄に揃ったリーチ図柄を形成することが可能なはずれ表示結果を決定し、変動パターンコマンドがリーチとならない(通常変動となる)ことを指定するコマンドであるときには、変動表示中において左,右の図柄が同じ図柄に揃ったリーチ図柄を形成しないようなはずれ表示結果を決定する。
なお、変動パターンコマンドにより、変動パターンに加えて、大当りとするか否か、および、大当りの種別を特定可能とする場合には、変動パターンコマンドにより特定される大当りとするか否かの情報、および、大当りの種別の情報に基づいて、演出図柄の停止図柄の組合せを決定するようにしてもよい。
また、変動パターンコマンドにおいてノーマルリーチが指定されたときには、各ノーマルリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。さらに、変動パターンコマンドにおいてスーパーリーチが指定されたときには、各スーパーリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、確変状態指定コマンドに基づいて確変状態であることを認識でき、時短状態指定コマンドに基づいて時短状態であることを認識できるので、演出表示装置9等の演出装置により、確変状態および時短状態に応じて特有の演出を行なうことができる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる通常状態指定コマンド、時短状態指定コマンド、確変状態指定コマンド等に基づいて、遊技状態がどのような状態にあるかを特定するデータを記憶し、その記憶データに基づいて、遊技状態を常に認識する。そして、このように認識している遊技状態と、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる変動パターンコマンドとに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、現在の遊技状態に応じた演出態様で演出図柄の変動表示を実行させることが可能である。
前述した実施形態では、変動表示が行なわれていないときに、発射球に応じて変化するデモ演出を行ない、当該デモ演出に基づいて、複数種類の予告演出のうちから当該変動表示で実行する予告演出を選択する。図33は、デモ演出の演出表示および対応する変動表示での予告演出を説明するための図である。
演出制御用CPU101は、前回の変動表示が行なわれ(図33(a))、停止図柄表示された後(図33(b))、客待ちデモ指定コマンドを受信すると、図33(c)に示すようにデモ画面330を演出表示装置9に表示する。演出制御用CPU101は、デモ画面330を表示するとともに、図25に示すS8006の処理でゲージ331を演出表示装置9に表示する。
演出制御用CPU101は、デモ画面330が表示されると、その表示の開始以降に発射された遊技球数をカウントし、図25に示すS8007、S8010およびS8013の処理に基づき、発射球数に応じてゲージ331を充填する表示する。具体的に、演出制御用CPU101は、発射球カウンタが15球以上かつ30球未満であるとき(S8007:Y)、図33(d1)に示すようにゲージ331の1つを充填したゲージ充填数1の表示(充填部分を斜線で表示)を行なう。そして、演出制御用CPU101は、ゲージ充填数1フラグがセットされているとき、図33(d2)に示すように白色キャラクタ333が登場する予告演出が選択される確率が高い。
また、演出制御用CPU101は、発射球カウンタが30球以上かつ45球未満であるとき(S8010:Y)、図33(e1)に示すようにゲージ331の2つを充填したゲージ充填数2の表示(充填部分を斜線で表示)を行なう。そして、演出制御用CPU101は、ゲージ充填数2フラグがセットされているとき、図33(e2)に示すように赤色キャラクタ334が登場する予告演出が選択される確率が高い。さらに、演出制御用CPU101は、発射球カウンタが45球以上であるとき(S8013:Y)、図33(f1)に示すようにゲージ331の3つを充填したゲージ充填数3の表示(充填部分を斜線で表示)を行なう。そして、演出制御用CPU101は、ゲージ充填数3フラグがセットされているとき、図33(f2)に示すように桜色キャラクタ335が登場する予告演出が選択される確率が高い。
このように、本実施形態では、変動表示の終了後、次の変動表示を開始させるための保留記憶が存在しない場合には、直ちにデモ表示を開始することで、図柄の変動表示が行なわれない表示画面が遊技者にとって面白味のないものとなることを防止している。加えて、デモ演出中であっても、遊技者が発射した遊技球数によってゲージの充填数を増やすことで、白色キャラクタ333、赤色キャラクタ334および桜色キャラクタ335が登場する予告演出が行なわれ遊技の興趣を向上させることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。第1実施形態においては、変動表示が行なわれていないとき(たとえばデモ表示中)による発射球数の変化に応じて、予告演出を選択する構成を説明したが、第2実施形態においては、変動表示が行なわれていないときによる演出に応じて、当該演出と関連した特別予告演出を選択する構成を説明する。ここで、特別予告演出とは、変動表示が行なわれていないときの演出と何らかの関連性を持たせた演出であって、関連性として、たとえば同じキャラクタが登場する、ストーリー性が同じ、同色で統一された演出などがある。
なお、第2実施形態において、第1実施形態と同じ構成やフローチャートなどについては説明を繰返さず、異なる構成やフローチャートなどについてのみ説明する。まず、図34は、第2実施形態における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、デモ演出設定処理(S800B)を行なった後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
図35は、デモ演出設定処理(S800B)を説明するためのフローチャート、およびデモ演出設定処理(S800B)に用いるテーブルを示す図である。なお、図35(a)は、デモ演出設定処理(S800B)のフローチャート、図35(b)は、デモ演出決定テーブル、図35(c)は、デモ演出決定テーブルに用いる乱数をそれぞれ示している。本実施形態に係る遊技機では、変動表示が行なわれていないときに、特定のキャラクタが登場するデモ演出を行なうか否かを設定する。具体的に、デモ演出設定処理(S800B)では、図38(c)に示すキャラクタAが登場するデモ演出、図38(d)に示すキャラクタBが登場するデモ演出、キャラクタが登場しないデモ演出のいずれかが選択される。なお、本実施形態では、デモ画面にキャラクタAまたはキャラクタBが登場するが、さらに複数のキャラクタが登場してもよい。さらに、デモ画面にキャラクタが登場するのではなく、異なる背景のデモ画面を選択してもよい。
まず、演出制御用CPU101は、デモ画面表示フラグがセットされているか否かを確認する(S8001)。デモ画面表示フラグがセットされていれば(S8001:Y)、演出制御用CPU101は、デモ演出設定処理が既に行なわれているか否かを確認するために、デモ演出設定フラグがセットされているか否かを確認する(S8020)。デモ演出設定フラグがセットされていれば(S8020:Y)、演出制御用CPU101は、デモ演出設定処理が既に行なわれているので当該処理をスキップする。一方、デモ演出設定フラグがセットされていなければ(S8020:N)、演出制御用CPU101は、デモ演出設定フラグをセットする(S8021)。
次に、演出制御用CPU101は、図35(b)に示すデモ演出決定テーブルを参照してデモ画面に表示する演出を決定する(S8022)。図35(b)に示すデモ演出決定テーブルでは、ランダム7の抽出値が「0」〜「19」の値であればキャラクタAについて説明する画面が表示されるデモ演出が決定され、「20」〜「39」の値であればキャラクタBについて説明する画面が表示されるデモ演出が決定され、「40」〜「99」の値であればキャラクタについての説明がないデモ演出が決定される。なお、ランダム7は、図35(c)に示すようにデモ演出決定用に用いられる乱数であり、「0」〜「99」の値である。演出制御用CPU101は、S8022の処理でキャラクタAが出現するデモ演出に決定したか否かを確認する(S8023)。キャラクタAが出現するデモ演出に決定した場合(S8023:Y)、演出制御用CPU101は、キャラクタAフラグをセットする(S8024)。キャラクタAが出現するデモ演出に決定しない場合(S8023:N)、演出制御用CPU101は、キャラクタAフラグをセットする処理(S8024)をスキップする。ここで、デモ演出で行なうキャラクタについての説明は、後述するように所定のタイミング(キャラクタAであればリーチ前)でキャラクタが出現すれば大当りになる期待度が高い(熱い)状態であることの説明、所定の予告演出にキャラクタが出現すれば大当りになる期待度が高い(熱い)状態であることの説明、または大当りになる期待度にかかわらずキャラクタの性格やストーリーなどの説明等がある。
次に、演出制御用CPU101は、客待ちデモ指定コマンドを受信すると、S8022の処理で決定したデモ演出を表示する(S8025)。ここで、キャラクタAについて説明する画面が表示されるデモ演出とは、たとえば図38(b)に示すように「キャラクタAが出現するとチャンス」の画面381のことである。
また、本実施形態では、予告演出において、キャラクタAがリーチ前に出現すると大当りになる期待値が高く、キャラクタBがリーチ後に出現すると大当りになる期待値が高くなる前提がある場合に、デモ演出においてキャラクタAについて説明する画面が表示されるデモ演出が実行されると、同じキャラクタであるキャラクタAがリーチ前に出現する予告演出(特別予告演出)が選択されやすくなる構成である。当該構成について具体的に、図を用いて説明する。
図36は、第2実施形態における予告演出設定処理(S8103)を示すフローチャートである。まず、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンドは大当り指定のコマンドであるか否かを確認する(S8181)。つまり、演出制御用CPU101は、現在実行している変動表示が大当りか否かを確認する。表示結果指定コマンドが大当り指定のコマンドであるとき(S8181:Y)、演出制御用CPU101は、キャラクタAフラグがセットされているか否かを確認(S8182)し、キャラクタAフラグがセットされていれば(S8182:Y)、図37(a)に示す大当り時第1キャラクタテーブルを用いて予告演出を選択する(S8183)。
ここで、図37は、第2実施形態における予告演出設定処理(S8103)に用いるテーブル、および当該テーブルに用いる乱数を示す図である。図37(a)に示す大当り時第1キャラクタテーブルでは、ランダム6の抽出値が「0」〜「69」の値であればリーチ前にキャラクタAを出現する予告演出が選択され、「70」〜「89」の値であればリーチ後にキャラクタBが出現する予告演出が選択され、「90」〜「99」の値であればキャラクタが出現しない予告演出が選択される。なお、ランダム6は、図37(d)に示すように予告演出選択用に用いられる乱数であり、「0」〜「99」の値である。
キャラクタAフラグがセットされていなければ(S8182:N)、演出制御用CPU101は、図37(b)に示す大当り時第2キャラクタテーブルを用いて予告演出を選択する(S8184)。図37(b)に示す大当り時第2キャラクタテーブルでは、ランダム6の抽出値が「0」〜「9」の値であればリーチ前にキャラクタAを出現する予告演出が選択され、「10」〜「79」の値であればリーチ後にキャラクタBが出現する予告演出が選択され、「80」〜「99」の値であればキャラクタが出現しない予告演出が選択される。
また、表示結果指定コマンドが大当り指定のコマンドでないとき(S8181:N)、演出制御用CPU101は、図37(c)に示すはずれ時キャラクタテーブルを用いて予告演出を選択する(S8185)。図37(c)に示すはずれ時キャラクタテーブルでは、ランダム6の抽出値が「0」〜「4」の値であればリーチ前にキャラクタAを出現する予告演出が選択され、「5」〜「9」の値であればリーチ後にキャラクタBが出現する予告演出が選択され、「10」〜「99」の値であればキャラクタが出現しない予告演出が選択される。
図37(a)に示す大当り時第1キャラクタテーブルと、図37(b)に示す大当り時第2キャラクタテーブルとを比べると、大当り時第1キャラクタテーブルの方がリーチ前にキャラクタAが出現する予告演出を選択する確率が高く、大当り時第2キャラクタテーブルの方がリーチ後にキャラクタBが出現する予告演出を選択する確率が高い。つまり、演出制御用CPU101は、キャラクタAが出現するデモ演出を行なった場合(キャラクタAフラグセット時)、リーチ前にキャラクタAが出現する予告演出を選択する確率が高く、キャラクタBが出現するデモ演出を行なった場合(キャラクタAフラグ未セット時)、リーチ後にキャラクタBが出現する予告演出を選択する確率が高くなる。また、図37(a),(b)に示す大当り時第1,第2キャラクタテーブルと、図37(c)に示すはずれ時キャラクタテーブルとを比べると、キャラクタAまたはキャラクタBが出現する予告演出を選択する確率は、大当り時に比べてはずれ時の方が低いので、予告演出にキャラクタAまたはキャラクタBが出現した場合、変動表示が大当りとなる期待度が高くなる。なお、図37(c)に示したはずれ時キャラクタテーブルでは、キャラクタAフラグのセットの有無にかかわらず共通のデーブルであるが、キャラクタAフラグセット時にリーチ前にキャラクタAが出現しやすく、キャラクタAフラグ未セット時にリーチ前にキャラクタAが出現しにくいテーブルと、キャラクタBフラグセット時にリーチ後にキャラクタBが出現しやすく、キャラクタBフラグ未セット時にリーチ後にキャラクタBが出現しにくいテーブルとに分け、キャラクタAフラグまたはキャラクタBフラグによって予告演出を選択するようにしてもよい。なお、キャラクタBフラグは、キャラクタBが出現するデモ演出を行なった場合にセットされるフラグである。
図38は、キャラクタAが出現するデモ演出および当該デモ演出に対応する変動表示での予告演出を説明するための図である。演出制御用CPU101は、客待ちデモ指定コマンドを受信すると、図38(a)に示すように客待ちデモ画面380を表示する。さらに、演出制御用CPU101は、S8022の処理で決定したキャラクタAについて説明する画面381を客待ちデモ画面380に表示する(図38(b))。
演出制御用CPU101は、図38(b)に示すようにキャラクタAが出現するデモ演出を行なった場合、図38(c)に示すようにリーチ前にキャラクタAが出現する予告演出を高い確率で選択する。一方、演出制御用CPU101は、図38(b)に示すようにキャラクタAが出現するデモ演出を行なった場合でも、図38(d)に示すようにリーチ後にキャラクタBが出現する予告演出を選択する場合がある。なお、演出制御用CPU101が、図38(d)に示すようにリーチ後にキャラクタBが出現する予告演出を選択する確率は、図38(c)に示すようにリーチ前にキャラクタAが出現する予告演出を選択する確率に比べて低い。
以上のように、本実施形態では、変動表示が行なわれていないときによる演出(キャラクタAについて説明するデモ演出)に応じて、当該演出と関連した特別予告演出(リーチ前にキャラクタAが出現する予告演出)を選択することで、変動表示が行なわれていないデモ画面との関係で期待度の高い予告演出が表示され、デモ画面においても遊技の興趣を向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板97およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(2) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板97やランプドライバ基板35等、または音声出力基板97に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板97、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板97、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板97、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(3) 上記実施の形態においては、変動表示において実行する演出として、擬似連の演出を実行するようにしてもよい。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
(4) 上記実施の形態においては、変動表示において実行する演出として、滑り演出を実行するようにしてもよい。滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
(5) 上記実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(6) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、次のように遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。具体的に、上記の実施の形態の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払出され、遊技者が払出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行なわれる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報により特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打込んで遊技者が遊技を行なう遊技機にも本発明を適用することができる。すなわち、始動領域を遊技媒体(遊技球)が通過した後に、変動表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示する変動表示装置を備え、該変動表示装置に特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれ、遊技球の打込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用することができる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読出しを行なう遊技用記録媒体処理手段とを備えていてもよい。
(7) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラムおよびデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、あらかじめコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(8) 前述の実施形態では、大当り種別として、15ラウンドの通常大当りと15ラウンドの確変大当りと2ラウンドの確変大当りを設けた例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り、5ラウンドの大当り、および、2ラウンドの大当りを設ける場合のように、3種類以上のラウンド数の大当り種別を設けてもよい。その場合には、たとえば、大当りの種別を、賞球が得られやすい大当り種別グループ(たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り)と、賞球が得られにくい大当り種別グループ(たとえば、5ラウンドの大当り、2ラウンドの大当り)とに分類し、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、賞球が得られやすい大当り種別グループの大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。
(9) 前述の実施形態では、CPU56が、デモ表示設定(S51b)において、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがないとき客待ちデモ指定コマンドを演出制御用CPU101に送信し、変動表示の終了後にデモ表示を直ちに実行する例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、CPU56が、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがないとき、所定時間待って客待ちデモ指定コマンドを演出制御用CPU101に送信してもよい。図39は、変形例における特別図柄通常処理を示すフローチャートである。なお、図39に示す特別図柄通常処理は、図13に示すフローチャートと同じ処理については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合(S51:N)には、CPU56は、デモ用タイマを1加算(+1)する(S51A)。
次に、CPU56は、デモ用タイマが所定のタイマ設定値であるか否か確認する(S51B)。デモ用タイマが所定のタイマ設定値になると、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがなくなったときから、所定時間(たとえば10秒)経過したことが分かる。そのため、デモ用タイマが所定のタイマ設定値になるとき(S51B:Y)、CPU56は、客待ちデモ指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する(S51C)。CPU56は、客待ちデモ指定コマンドを演出制御用CPU101に送信後、デモ用タイマをリセットする(S51D)。
デモ用タイマが所定のタイマ設定値でないとき(S51B:N)、CPU56は、S51CおよびS51Dの処理をスキップする。また、CPU56は、大当りのとき、特別図柄の停止図柄を設定(S75)した後に、デモ用タイマをリセットする(S75A)。
変動表示の終了後、所定時間経過するのを待ってデモ表示を実行する手段として、図39に示したように、CPU56が、所定時間待って客待ちデモ指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、演出制御用CPU101は、客待ちデモ指定コマンドを受信したことにもとづいて直ちに客待ちデモ画面を表示するのではなく、客待ちデモ指定コマンドを受信した後、所定期間(例えば、10秒)を経過してから客待ちデモ画面の表示を開始するようにしてもよい。
(10) 前述の実施形態では、発射球数を検知する手段として、発射した遊技球を発射球センサ81で検知して、発射球数を演出制御用CPU101でカウントする例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、アウト口26を通過した遊技球数を演出制御用CPU101でカウントして発射球数を検知しても、打球発射装置の駆動時間から発射球数を検知してもよい。
(11) 前述の第1実施形態では、変動表示が行なわれていないとき(たとえば、デモ演出中)の発射球数に応じてデモ演出を変化させる例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、変動表示が行なわれていないときのアウト球数に応じてデモ演出を変化させる、または変動表示が行なわれていないときの経過時間に応じてデモ演出を変化させてもよい。さらに、発射球数が所定球数になると抽選を行ない、当該抽選に当選すると図33に示すゲージ331の充填数を増やしても良い。また、変動表示が行なわれていないときに成立する所定条件として、前述した変動表示が行なわれていないときの発射球数や、変動表示が行なわれていないときのアウト球数に限定されず、アウト球や球貸しの有無、変動表示が行なわれていないときの経過時間などでもよい。
(12) 前述の第1実施形態では、変動表示が行なわれていないとき(たとえば、デモ演出中)に表示したゲージ331(図33)の充填数に応じて、演出制御用CPU101が、図29に示したテーブルを用いて予告演出を選択する例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、デモ演出中にゲージ331の充填数が「3」に満たない場合、変動表示を経て次のデモ演出にゲージ331の充填数持ち越し、ゲージ331の充填数が「3」になった時点で、演出制御用CPU101が、図29に示したテーブルを用いて予告演出を選択してもよい。
(13) 前述の第1実施形態では、変動表示が行なわれていないとき(たとえば、デモ演出中)に表示したゲージ331(図33)の充填数に応じて、演出制御用CPU101が、図29(a)〜(c)に示す大当り時ゲージ充填数1テーブル〜大当り時ゲージ充填数3テーブル、または図29(d)〜(f)に示すはずれ時ゲージ充填数1テーブル〜はずれ時ゲージ充填数3テーブルを用いて予告演出を選択する例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、演出制御用CPU101は、大当り時またははずれ時の少なくとも一方において、ゲージ充填数に関わらず1つのテーブルから予告演出を選択してもよい。
(14) パチンコ遊技機1は、変動表示が行なわれていないとき(たとえば、デモ演出中)に、ミッションクリア条件を満たしたときには、ミッションをクリアした旨を遊技者に報知する機能を備えてもよい。この場合、デモ画面として、ミッション達成条件を表示した後にミッション達成に至るまでの途中経過を表示するようにしてもよい。ミッションクリア条件は、たとえば、発射球数が所定球数に達したこと、アウト球数が所定球数発生したことなどである。さらに、ミッションクリア条件を満たした場合には、遊技者に遊技に直接関係がない特典としてコインが付与される場合がある。
付与されるコインとして、その価値の大きさが異なる金コインと銀コインと銅コインとが用意されている。ここで付与されるコインは、スロットマシンから払い出されるコインのように実際にパチンコ遊技機から遊技者の手に払い出される類のものではなく、データとして遊技者に付与されるものである。なお、コインではなく所定の画像や音楽(たとえば、携帯端末の待受け画面、着信音や、携帯端末の画面で動くキャラクタなどのデジタルコンテンツ)を遊技メーカが運営するWEBサイトから取得するための2次元コードや、URLなどであってもよい。
ミッションクリア条件をクリアすると、コインを付与するか否かの抽選がパチンコ遊技機で行なわれる。当選すると、コインが付与される旨がそのコインの種類とともにパチンコ遊技機の画面上に表示される。コインは、たとえば、携帯連動モードに対応して遊技機メーカーが開設しているサイト上に掲載されたコンテンツの入手に使用可能とされている。あるいは、コインは、そのようなサイト上で提供される各種のゲームに使用可能とされている。たとえば、遊技者は、コンテンツとして遊技用のキャラクタを選択したり、あるいはキャラクタを着飾る衣装を入手したりすることによって、パチンコ遊技機1で遊技するときに、選択したキャラクタあるいは入手した衣装で着飾ったキャラクタをパチンコ遊技機1の画面上に登場させることが可能となる。
(15) 前述の第2実施形態では、キャラクタAがリーチ前に、キャラクタBがリーチ後にそれぞれ出現する予告演出が行なわれる例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、キャラクタAがリーチ後に、キャラクタBがリーチ前にそれぞれ出現する予告演出が行なわれてもよい。ただし、キャラクタAがリーチ後に、キャラクタBがリーチ前にそれぞれ出現する予告演出は、偽物の予告演出であり、キャラクタAがリーチ前に、キャラクタBがリーチ後にそれぞれ出現する予告演出に比べて大当りの期待値が低い。
(16) 前述の第1実施形態では、変動表示が行なわれていないとき(たとえば、デモ演出中)に表示したゲージ331(図33)の充填数が、発射球カウントの球数により変化する予告演出の例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、発射球カウントの球数が所定球数になるとキャラクタが出現する予告演出、発射球カウントの球数が所定球数になると背景が変化する予告演出、または発射球カウントの球数が所定球数になるとステップアップ予告演出を行ない、変動表示が始まる前にステップ1の態様(たとえばキャラクタを1人出現させる態様)、変動表示が始まった後にステップ2の態様(たとえばキャラクタを2人出現させる態様)を行なう予告演出でもよい。なお、ステップアップ予告演出は、発射球カウントの球数に応じて、複数のステップの態様が変化する構成でもよい。また、ステップアップ予告演出では、発射球カウントの球数に応じてステップ1の態様が行なわれたときにのみ、ステップ2の態様が行なわれる構成が望ましい。さらに、ステップアップ予告演出では、ステップ1の態様が行なわれると、変動表示が始まった後にステップ2の態様の予告演出が優先され、他の予告演出(たとえば、他のステップアップ予告演出、リーチ予告演出、または大当り予告演出など)の実行が制限されることが望ましい。
(17) 前述の第1実施形態で説明したゲージ331(図33)は、デモ演出が開始されると直ちに表示される構成に限定されるものではく、変動表示が行なわれていないときで、かつ発射球の検出(またはアウト球の検出)が行なわれていないときは非表示にしてもよい。つまり、変動表示が行なわれていないときで、かつ発射球の検出が行なわれていないときは、デモ演出として、たとえば遊技機メーカのロゴを表示したり、キャラクタを説明する動画を表示したりしておき、発射球の検出が行なわれると、デモ演出にゲージ331を表示するようにしてもよい。
(18) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。