以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
[パチンコ遊技機1の概略構成例]
まず、図1及び図2を参照しつつ、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。ここで、図1は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。図2は、パチンコ遊技機1の一部を示す概略平面図である。パチンコ遊技機1は、本実施形態では、1種2種混合タイプと呼ばれるパチンコ遊技機である。図1に示されるように、パチンコ遊技機1は、入賞や判定に関する役物等が設けられた遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持しており、このガラス板と遊技盤2とによって、遊技球が流下可能な遊技領域10が形成されている。
遊技者がハンドル20を握ってレバー21を時計方向に回転させると、皿28に溜められた遊技球が発射装置(不図示)へと案内され、ハンドル20の回転角度に応じた打球力で遊技領域10へと発射される。この遊技領域10には、不図示の遊技クギや風車等が設けられており、発射された遊技球は、遊技領域10における上部位置へと案内され、遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2に沿って落下する。なお、遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン22を操作することによって一時的に停止される。
上皿28は、発射装置へ供給される遊技球及び賞球を溜めるものである。この上皿28の下方には、賞球を溜める下皿29が設けられている。この下皿29と近接配置された取り出しボタン23を遊技者が操作すると、下皿29の下面の一部が開口されて、下皿29に溜まった遊技球が下皿29の下方に配置された不図示の箱に落下する。
遊技者がハンドル20を小さい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印31に例示されるように遊技領域10における左側領域を流下する。一方、遊技者がハンドル20を大きい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印32に例示されるように遊技領域10における右側領域を流下する。
左打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動口11、第2始動口12、2つの普通入賞口14、及び電動チューリップ17が設けられている。また、右打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、上記第2始動口12、大入賞口13、2つの普通入賞口14、ゲート16、上記電動チューリップ17、及び羽根部材90が設けられている。
遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技盤2に沿って流下する過程で、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口13、及び普通入賞口14のいずれかに入球して入賞し得る。これにより、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が上皿28又は下皿29に払い出される。なお、入賞しなかった遊技球は、排出口18を介して遊技領域10から排出される。
第1の入賞領域としての第1始動口11は、常時開放されている始動口であり、第2の入賞領域としての第2始動口12は、普通電動役物としての電動チューリップ17が作動しているときだけ開放される始動口である。パチンコ遊技機1では、遊技球が第1始動口11を通過して入賞した場合、又は遊技球が第2始動口12を通過して入賞した場合、遊技者にとって有利な特別遊技(大当たり遊技)を実行するか否かが判定され、その判定結果が後述する表示器4(図3参照)に表示される。
なお、以下の説明では、第1始動口11への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第1特別図柄判定」と呼び、第2始動口12への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第2特別図柄判定」と呼び、これらの判定を総称して「特別図柄判定」と呼ぶものとする。
大入賞口13は、特別図柄判定の結果に応じて開放される特別入賞領域である。この大入賞口13の開口部には、大入賞口13を開閉するプレートが設けられている。大入賞口13は、通常はこのプレートによって閉塞されている。これに対して、特別図柄判定の結果が大当たりであることを示す所定の大当たり図柄が表示器4に停止表示された場合、すなわち1種大当たりが発生した場合、上記プレートを作動させて大入賞口13を開放する特別遊技が実行される。このため、遊技者は、特別遊技中に右打ちを行うことで、特別遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。なお、第2特別図柄判定の結果が小当たりであることを示す所定の小当たり図柄が表示器4に停止表示されると、後述する羽根部材90を作動させて特定入賞口19(図4参照)を開放する小当たり遊技が実行される。この小当たり遊技中には、V入賞口92(図4参照)が一時的に開放され、この間にV入賞口92に遊技球が入賞することで2種大当たりが発生する。大入賞口13は、このように2種大当たりが発生した場合にも開放される。
電動チューリップ17は、第2始動口12に近接配置されており、一対の羽根部材を有している。この電動チューリップ17は、一対の羽根部材が第2始動口12を閉塞する閉姿勢(図1参照)と、第2始動口12を開放する開姿勢(不図示)とに姿勢変化可能に構成されている。
第2始動口12は、図1に示されるように、通常は電動チューリップ17によって閉塞されている。これに対して、遊技球がゲート16を通過すると、賞球の払い出しは行われないものの、第2始動口12を開放するか否かが判定される。ここで、第2始動口12を開放すると判定された場合、電動チューリップ17の一対の羽根部材が規定時間開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、第2始動口12は、電動チューリップ17が作動していないときには遊技球が入賞し難い状態であるのに対して、電動チューリップ17が作動することによって遊技球が入賞し易い状態となる。なお、以下の説明では、ゲート16への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「普通図柄判定」と呼ぶものとする。
普通入賞口14は、第1始動口11と同様に常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数の賞球が払い出される入賞口である。なお、第1始動口11等とは異なり、普通入賞口14に遊技球が入賞しても判定が行われることはない。
後述するメイン液晶表示装置5の前面側には、特別図柄判定の結果に応じて一時的に開放される特定領域9が設けられている。この特定領域9については、図4に基づいて後に詳述する。
[パチンコ遊技機1の操作手段の構成例]
図2に例示されるように、枠部材3には、遊技者が操作する操作手段として、演出ボタン26及び演出キー27が設けられている。演出ボタン26は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押ボタンである。演出ボタン26は、その上面が枠部材3の上面と略同じ高さにある通常位置と、その上面が枠部材3の上面に対して所定の高さ(例えば10センチ)だけ上方に突出した突出位置との間でその高さを変更することが可能に構成されている。なお、演出ボタン26は、通常位置と突出位置との間におけるどの高さにあっても押下が可能である。演出キー27は、遊技者が選択操作を行うためのいわゆる十字キーであり、上を指示するための上キーと、下を指示するための下キーと、左を指示するための左キーと、右を指示するための右キーとから構成されている。パチンコ遊技機1では、演出ボタン26又は演出キー27の操作に応じた演出が行われる場合がある。また、演出ボタン26や演出キー27は、各種の設定操作にも使用される。
[表示器4の構成例]
図3は、図1における表示器4の拡大図である。表示器4は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものであり、図3に示されるように、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、遊技状態表示器47等を有して構成されている。
第1特別図柄表示器41は、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。この第1特別図柄表示器41には、第1特別図柄判定の結果が大当たり(1種大当たり)であることを示す大当たり図柄、又は第1特別図柄判定の結果がハズレであることを示すハズレ図柄が停止表示される。
第2特別図柄表示器42は、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。この第2特別図柄表示器42には、第2特別図柄判定の結果が大当たり(1種大当たり)であることを示す大当たり図柄、第2特別図柄判定の結果が小当たりであることを示す小当たり図柄、又は第2特別図柄判定の結果がハズレであることを示すハズレ図柄が停止表示される。
ところで、特別図柄判定に係る図柄の変動表示中や特別遊技中に第1始動口11に新たに遊技球が入賞した場合、この入賞を契機とする第1特別図柄判定及び図柄の変動表示を即座に実行することができない。そこで、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、第1始動口11に遊技球が入賞しても即座に第1特別図柄判定を実行できない場合に、第1特別図柄判定の権利が保留されるように構成されている。第1特別図柄保留表示器43は、このようにして保留された第1特別図柄判定の保留数を表示する。
なお、パチンコ遊技機1では、第2始動口12に遊技球が入賞しても第2特別図柄判定及び図柄の変動表示を即座に実行できない場合、すなわち特別図柄判定に係る図柄の変動表示中や特別遊技中に第2始動口12に新たに遊技球が入賞した場合には、第2特別図柄判定は実行されず、また、第2特別図柄判定の権利が保留されることもない。このため、表示器4には、第2特別図柄判定の保留数を表示する表示器は設けられていない。
普通図柄表示器45は、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。なお、例えば普通図柄表示器45における図柄の変動表示中など、遊技球がゲート16を通過しても普通図柄判定及び普通図柄判定に係る図柄の変動表示を即座に実行できない場合には、普通図柄判定の権利が保留される。普通図柄保留表示器46は、このようにして保留された普通図柄判定の保留数を表示する。遊技状態表示器47は、パチンコ遊技機1の電源投入時点における遊技状態を表示する。パチンコ遊技機1の遊技状態については、図5に基づいて後に詳述する。
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に表示される図柄を「特別図柄」と呼び、普通図柄表示器45に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。
[特定領域9の構成例]
図4は、特定領域9の内部構造を示す模式図である。図4における鉛直方向34及び幅方向35は、図1における鉛直方向34及び幅方向35と対応している。特定領域9は、小当たりが発生することによって遊技球が進入可能に開放される領域であり、その入口である特定入賞口19には、特定入賞口19を開閉する羽根部材90が設けられている。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄判定の結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄が判定図柄として停止表示されると、1種大当たりとなって第1特別遊技が実行される。
本実施形態では、第1特別遊技として、長当たり遊技と短当たり遊技の2種類の特別遊技が設けられている。
長当たり遊技は、所定条件(例えば大入賞口13への9個の遊技球の入賞、又は大入賞口13が開放されてから29秒が経過)を満たすまで大入賞口13を開放した状態を維持した後に大入賞口13を閉塞する長開放ラウンド遊技を規定回数実行するものである。本実施形態では、1種大当たりに対する長当たり遊技として、長開放ラウンド遊技が4回実行される4R長当たり遊技と、長開放ラウンド遊技が7回実行される7R長当たり遊技との2種類の長当たり遊技が設けられている。なお、長開放ラウンド遊技は、大入賞口13を複数の遊技球が入球可能に長開放するものであれば、本実施形態で例示した開放パターンとは異なる開放パターンで大入賞口13を開閉するものであってもよい。
短当たり遊技は、大入賞口13を開放してから所定時間(例えば0.2秒)が経過するまで大入賞口13を開放した状態を維持した後に大入賞口13を閉塞する短開放ラウンド遊技を規定回数(例えば15回)実行する15R短当たり遊技である。なお、規定回数は、複数であれば15回に限定されるものではない。また、短開放ラウンド遊技は、大入賞口13を遊技球が入球困難に短開放するものであれば、本実施形態で例示した開放パターンとは異なる開放パターンで大入賞口13を開閉するものであってもよい。
一方、第2特別図柄表示器42に第2特別図柄判定の結果が「小当たり」であることを示す小当たり図柄が判定図柄として停止表示されると、羽根部材90を作動させて特定領域9を開放する小当たり遊技が実行される。この小当たり遊技では、特定領域9を開放してから所定時間(例えば3.2秒)が経過するまで特定領域9を開放した状態を維持した後に特定領域9を閉塞する羽根部材90の動作が規定回数(例えば1回)実行される。このように、小当たりが発生することで、特定領域9への遊技球の進入が可能になる。
図4に示されるように、特定領域9には、案内部材91、V入賞口92、ハズレ入賞口93、及びスライド部材94が設けられている。案内部材91は、特定入賞口19から特定領域9に進入した遊技球をV入賞口92又はハズレ入賞口93へと案内するものである。V入賞口92又はハズレ入賞口93に遊技球が入賞した場合、所定数の賞球が払い出される。ハズレ入賞口93が常時開放されているのに対して、V入賞口92は、通常はスライド部材94によって閉塞されており、特定入賞口19が開放された後の所定期間だけ開放される。具体的には、本実施形態では、特定入賞口19が開放されてから例えば0.5秒後にスライド部材94がスライドしてV入賞口92が開放され、V入賞口92の開放から0.2秒が経過するとスライド部材94が図3に示される元の位置に戻ってV入賞口92が閉塞される。
そして、このV入賞口92の開放期間にV入賞口92に遊技球が入賞(V入賞)することで2種大当たりが発生し、既に行われた小当たり遊技を含む第2特別遊技が実行される。すなわち、2種大当たりが発生した場合、小当たり遊技に続いて長当たり遊技が実行される。具体的には、特定領域9を3.2秒間だけ開放する小当たり遊技に続いて、大入賞口13を長開放する3回の長開放ラウンド遊技からなる長当たり遊技、又は大入賞口13を長開放する14回の長開放ラウンド遊技からなる長当たり遊技が実行される。すなわち、1回の小当たり遊技と3回の長開放ラウンド遊技とを含む計4Rの特別遊技、又は1回の小当たり遊技と14回の長開放ラウンド遊技とを含む計15Rの特別遊技が実行される。
このように、1種大当たりによる特別遊技では大入賞口13のみを開放するラウンド遊技から構成される第1特別遊技が実行されるのに対して、2種大当たりによる特別遊技では特定領域9を開放する小当たり遊技と大入賞口13を開放するラウンド遊技とから構成される第2特別遊技が実行される。なお、V入賞口92の開放期間中に遊技球がV入賞口92に入賞しなかった場合、小当たり遊技に続いて大入賞口13が開放されることはないため、第2特別遊技は小当たり遊技のみの1Rで終了することになる。
なお、本実施形態では、V入賞口92がスライド部材94によって開閉される場合について説明するが、パチンコ遊技機1の奥行方向を軸方向として回動する羽根部材によってV入賞口92を開閉するようにしてもよい。また、1回の小当たり遊技中の羽根部材90の動作パターン(特定入賞口19を開放する時間及び回数)等も適宜変更可能である。
[遊技状態の変化の説明]
次に、図5を参照しつつ、パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。ここで、図5は、大当たりと遊技状態について説明するための説明図である。図5に示されるように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、「通常遊技状態」又は「時短遊技状態」にて遊技が制御される。
「通常遊技状態」は、いわゆる電チューサポート機能が付与されない通常の遊技状態である。「通常遊技状態」は、具体的には、第2始動口12を開放すると普通図柄判定において判定される割合が相対的に低い割合(例えば1/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に長い時間(例えば25秒)に設定され、且つ第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が相対的に短い時間(例えば0.1秒×1回)に設定される遊技状態である。
「時短遊技状態」は、電チューサポート機能が付与される遊技状態である。「時短遊技状態」は、具体的には、第2始動口12を開放すると普通図柄判定において判定される割合が相対的に高い割合(例えば12/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば2秒)に設定され、且つ第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が相対的に長い時間(例えば0.3秒×5回)に設定される遊技状態である。すなわち、「時短遊技状態」は、通常遊技状態に比べて、第2始動口12が開放状態に制御され易い遊技状態である。
遊技盤2の盤面構成上、遊技領域10の左側領域に打ち出された遊技球は第1始動口11に入賞可能であるのに対して、遊技領域10の右側領域に打ち出された遊技球が第1始動口11に入賞することはない。また、「通常遊技状態」のときには第2始動口12は開放状態になり難い。このため、「通常遊技状態」のときに右打ちを行うメリットはない。このように、「通常遊技状態」は、遊技球を遊技領域10の左側領域に打ち出した方が右側領域に打ち出すよりも大当たりを引き当て易い左側有利状態であるため、遊技者は、メイン液晶表示装置5に表示されるメッセージやスピーカ24から出力される音声ガイダンスに従って左打ちを行うことになる。
「通常遊技状態」のときに遊技者が左打ちを行って遊技領域10の左側領域に打ち出された遊技球が第1始動口11に入賞すると、第1特別図柄判定が行われ、第1特別図柄表示器41に特別図柄が変動表示された後にその第1特別図柄判定の結果を示す判定図柄が停止表示される。ここで、第1特別図柄判定によって1種大当たりと判定された場合には第1特別図柄表示器41にその旨を示す大当たり図柄が停止表示され、大入賞口13を開放する第1特別遊技が実行される。そして、この第1特別遊技開始時に第1特別図柄表示器41に停止表示されていた大当たり図柄の種類に応じて、第1特別遊技終了時に遊技状態が設定される。本実施形態では、図5に例示されるように、第1特別遊技終了後に50%の割合で「通常遊技状態」が継続される一方で、残りの50%については「通常遊技状態」から「時短遊技状態」へと遊技状態が変化する。
本実施形態では、第1特別遊技終了後に通常遊技状態にて遊技が制御されることになる時短無し当たりとして、図5に例示されるように、7回の長開放ラウンド遊技が行われた後に通常遊技状態となる時短無し7R当たりが設けられており、1種大当たりの50%がこの時短無し7R当たりとなる。また、第1特別遊技終了後に時短遊技状態にて遊技が制御されることになる時短付き当たりとして、4回の長開放ラウンド遊技が行われた後に時短遊技状態となる時短付き4R当たり、15回の短開放ラウンド遊技が行われた後に時短遊技状態となる突然時短当たりの2種類が設けられており、1種大当たりの50%がこれら2種類の時短付き当たりのいずれかとなる。
遊技状態が「時短遊技状態」に移行すると、「通常遊技状態」のときに比べて第2始動口12が開放状態になり易くなる。その上、第2始動口12に遊技球が入賞することを条件として実行される第2特別図柄判定の結果の大半が小当たりとなるため、2種大当たりが発生し易い。このように、「時短遊技状態」は、遊技球を遊技領域10の右側領域に打ち出した方が左側領域に打ち出すよりも大当たりを引き当て易い右側有利状態であるため、遊技者は、メイン液晶表示装置5に表示されるメッセージやスピーカ24から出力される音声ガイダンスに従って右打ちを行うことになる。
「時短遊技状態」のときに遊技者が右打ちを行って遊技領域10の右側領域に打ち出された遊技球がゲート16を通過すると、普通図柄判定が行われる。「時短遊技状態」のときに普通図柄判定が行われて第2始動口12を開放すると判定された場合、第2始動口12の開放時間が「通常遊技状態」のときに比べて長いので、遊技領域10の右側領域に打ち出された遊技球は、第2始動口12に容易に入賞する。
「時短遊技状態」において、特別図柄が変動表示されておらず、且つ特別遊技中でないときに第2始動口12に遊技球が入賞すると、第2特別図柄判定が行われ、第2特別図柄表示器42に特別図柄が変動表示された後にその第2特別図柄判定の結果を示す判定図柄が停止表示される。ここで、第2特別図柄判定によって小当たりと判定された場合には第2特別図柄表示器42にその旨を示す小当たり図柄が停止表示され、特定領域9及びV入賞口92を一時的に開放する小当たり遊技が実行され、この小当たり遊技中に遊技球がV入賞口92に入賞することで2種大当たりとなって、当該小当たり遊技を含む第2特別遊技が実行される。そして、この小当たり遊技のときに第2特別図柄表示器42に停止表示されていた小当たり図柄の種類に応じて、第2特別遊技終了時に遊技状態が設定される。本実施形態では、図5に例示されるように、第2特別遊技終了後に70%の割合で「時短遊技状態」が継続される一方で、残りの30%については「時短遊技状態」から「通常遊技状態」に戻されることになる。
本実施形態では、第2特別遊技終了後に通常遊技状態にて遊技が制御されることになる時短無し当たりとして、図5に例示されるように、1回の小当たり遊技と3回の長開放ラウンド遊技とが行われた後に通常遊技状態となる時短無し4R当たりが設けられており、2種大当たりの30%がこの時短無し4R当たりとなる。また、第2特別遊技終了後に時短遊技状態にて遊技が制御されることになる時短付き当たりとして、1回の小当たり遊技と14回の長開放ラウンド遊技とが行われた後に時短遊技状態となる時短付き15R当たり、1回の小当たり遊技と3回の長開放ラウンド遊技とが行われた後に時短遊技状態となる時短付き4R当たりの2種類が設けられており、2種大当たりの70%がこれら2種類の時短付き当たりのいずれかとなる。
なお、詳細な説明は省略するが、「時短遊技状態」において100回の第2特別図柄判定(又は第1特別図柄判定)が行われても大当たりが発生しなかった場合にも、遊技状態が「時短遊技状態」から「通常遊技状態」に戻されることになる。
[パチンコ遊技機1の演出手段の構成例]
図1に示されるように、遊技盤2又は枠部材3には、各種の演出を行うものとして、メイン液晶表示装置5、サブ液晶表示装置6、回転ライト装置8、スピーカ24、盤ランプ25、枠ランプ37(図57参照)等が設けられている。なお、枠ランプ37は枠部材3に内蔵されているため、図1には表れていない。
メイン液晶表示装置5(以下、「メイン液晶5」と略称する。)は、演出画像を表示する画像表示装置であり、遊技者によって視認され易い位置に設けられている。メイン液晶5には、例えば、特別図柄判定の結果を報知する装飾図柄、予告演出などを行うキャラクタやアイテム、第1特別図柄判定が保留されていることを示す保留表示画像(以下「保留アイコン」という。)等の各種表示オブジェクトを含む演出画像が表示される。なお、第1特別図柄判定に係る保留アイコンは、大当たりに対する信頼度が相対的に高い可能性があることを示唆することを目的として、通常とは異なる表示態様(例えば通常とは色が異なる)で表示される場合がある。
サブ液晶表示装置6(以下、「サブ液晶6」と略称する。)は、演出画像を表示する画像表示装置であり、メイン液晶5の下方に設けられている。サブ液晶6としては、メイン液晶5に比べて表示画面が小さいものが用いられる。なお、第1特別図柄判定に係る保留アイコンは、メイン液晶5に代えて、一時的にサブ液晶6に表示される場合もある。
なお、本実施形態では、メイン液晶5及びサブ液晶6が共に液晶表示装置によって構成されている場合について説明するが、これらの両方又はどちらか一方が例えばEL表示装置等の他の画像表示装置によって構成されてもよい。
スピーカ24は、メイン液晶5又はサブ液晶6で行われる表示演出と同期するように楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行う。盤ランプ25及び枠ランプ37は、点灯又は点滅のパターンの変更、発光色の変更等の光による各種の演出を行う。
[回転ライト装置8の概略構成]
図6は、回転ライト装置8の概略構成について説明するための説明図である。図6に例示されるように、回転ライト装置8は、正面視で横方向よりも縦方向に長い矩形形状に形成されると共に、内側に開口部を有する回転体80を備えている(図6(B)参照)。この回転体80の第1支持部81及び第2支持部82の外側には、多数のカラーLED811,821がこれらの支持部81,82の長手方向(図6における上下方向)に並べて設けられている(図6(A)及び(C)参照)。また、回転体80の基端部83の下側には、回転軸84が固定されている。この回転軸84は、例えばステッピングモータから構成される回転ライトモータ85(図57参照)と駆動伝達可能に連結されており、回転ライトモータ85の駆動力が不図示の駆動伝達機構を介して回転軸84に伝達されることによって、支持部81,82の長手方向を軸方向として回転体80が回転する。
回転ライト装置8は、第1支持部81の外側がパチンコ遊技機1の正面側を向いた姿勢(図6(A)参照)を維持した状態でカラーLED811を所定の発光パターンで発光させることによって、光による演出を行う。また、回転ライト装置8は、回転体80を回転させながらカラーLED811,821を所定の発光パターンで発光させることによって、いわゆるスイングライドのように、カラーLED811,821の軌跡を含む領域に文字を浮かび上がらせることが可能である。なお、回転ライト装置8は、第2支持部82の外側がパチンコ遊技機1の正面側を向いた姿勢(図6(C)参照)を維持した状態でカラーLED821を所定の発光パターンで発光させることによって、光による演出を行うことも可能である。
図7は、回転ライト装置8によるライト演出の概要を説明する説明図である。図7(A)は、回転ライト装置8によるライト演出によって「S」、「U」、「R」の3文字が浮かび上がった状態が例示されている。図7(B)は、回転ライト装置8によるライト演出によって「S」、「U」、「R」、「P」、「R」、「I」、「S」、「E」の8文字が浮かび上がった状態が例示されている。図7(A)及び図7(B)に例示されるように、本実施形態においては、回転体80を回転させながらカラーLED811,821を所定の発光パターンで発光させることによって、ローマ字が1文字ずつ段階的に増えて行って、最終的に「SURPRISE」(サプライズ)の文字が完成するというライト演出が行われる。このライト演出は、後述する公演開始予告演出および公演演出(図13参照)に伴って実行される。
[変動演出]
パチンコ遊技機1では、例えば第1始動口11に遊技球が入賞すると、大当たり遊技を実行するか否かを判定する第1特別図柄判定が行われる。そして、第1特別図柄表示器41において、特別図柄が変動表示された後に特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示される。これに対して、メイン液晶5では、特別図柄が変動表示されるのに伴って装飾図柄を変動表示させる変動演出が行われ(図1参照)、判定図柄が停止表示されるのに伴って、装飾図柄が特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示される。
このような装飾図柄を用いた変動演出中においては、いわゆるリーチ演出の他に、例えばステップアップ演出や擬似連続予告演出といった各種の予告演出が行われる。
[保留アイコンの表示について]
ところで、上記のように第1特別図柄判定に係る特別図柄の変動表示中や大当たり遊技中においては、第1始動口11に新たに遊技球が入賞したとしても、この入賞を契機とする第1特別図柄判定と特別図柄の変動表示とを直ちに実行することはできない。このため、パチンコ遊技機1では、第1始動口11に遊技球が入賞しても第1特別図柄判定や特別図柄の変動表示を直ちに実行できない場合には、所定数を超えない範囲で第1特別図柄判定が保留されて、その保留数が第1特別図柄保留表示器43に表示される。
一方、メイン液晶5には、第1特別図柄判定が保留されていることを示唆する保留アイコンを表示する保留アイコン表示領域が設けられており、保留アイコン表示領域には、第1特別図柄保留表示器43が示す保留数と同数の保留アイコンが表示される。
なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、大当たりに対する遊技者の期待感を高めることを目的として、保留アイコン表示領域に保留アイコンが新たに表示される際にその保留アイコンを通常とは異なる表示態様で表示させたり、或いは、保留アイコン表示領域に表示されている保留アイコンの表示態様を遊技の進行に伴って変化させたりする、いわゆる保留先読み演出が行われる場合がある。
これに対して、後述するRTC演出が行われる際には、メイン液晶5がそのRTC演出に使用されることとなるため、RTC演出中(例えば図13に示される公演開始予告演出の実行期間中や公演演出の実行期間中)においては、保留アイコンがメイン液晶5ではなくサブ液晶6に表示される。その際、保留アイコンは、メイン液晶5に表示されるときに比べて小さく表示される。このため、保留アイコンがサブ液晶6に表示されることとなるRTC演出中においては、上述した保留先読み演出は行われない。
[遊技システムの構成例]
以下、図8を参照しつつ、遊技システムの構成について説明する。ここで、図8は、インターネットを介した携帯通信端末300とサーバ500との遊技システムの構成例を示すシステム構成図である。
パチンコ遊技機1で遊技を行っている遊技者が所持する携帯通信端末300は、インターネットを介して、パチンコ遊技機1で行われた遊技の遊技履歴を記憶するサーバ500にアクセス可能である。ここで、「遊技履歴」は、特別図柄判定の判定結果、特別図柄の変動回数、大当たり回数、遊技状態が変更されることなく大当たりが連続して行われた回数(連チャン回数)、パチンコ遊技機1における遊技によって溜まったポイント等の様々な遊技に関する履歴を示すものであるが、ポイントを含んでいれば必ずしもこれらすべての情報を含んでいる必要はなく、一部の情報のみを含むものであってもよい。
なお、詳細な説明は省略するが、パチンコ遊技機1は、例えば、図柄の変動回数が所定回数に達する毎にポイントが付与されるように構成されている。また、パチンコ遊技機1は、例えば、2変動連続でリーチが発生するといった、パチンコ遊技機1において行われる演出が所定の条件を満たしたことに応じて、ポイントが付与される。
パチンコ遊技機1に対して遊技者によって所定の遊技開始操作が行われると、そのパチンコ遊技機1において遊技の履歴を示す遊技履歴情報の蓄積が開始される。そして、パチンコ遊技機1に対して遊技者によって所定の遊技終了操作が行われると、遊技開始操作が行われてから遊技終了操作が行われるまでの間に蓄積された遊技履歴情報とサーバ500にアクセスするためのアドレス(いわゆるホームページのアドレス)とに基づいてQRコード(登録商標)が生成され、生成されたQRコードがメイン液晶5に表示される。
携帯通信端末300は、例えばQRコードを読み取り可能なカメラ付き携帯電話やスマートフォンであり、メイン液晶5に表示されたQRコードを読み取り、サーバ500にアクセスする。
これに対して、サーバ500は、携帯通信端末300からのアクセスがあると、携帯通信端末300から遊技履歴情報を取得してその遊技履歴情報を記憶することになる。より詳細には、サーバ500は、携帯通信端末300の端末固有情報(例えば、携帯電話等であればユーザーID、以下「UID」という)を携帯通信端末300から受信し、端末固有情報毎に登録処理又は認証処理を行い、認証処理に成功すると、携帯通信端末300から受信した遊技履歴情報を記憶する。これらの処理の概念については、図9の遊技システムのシーケンスに基づいて後述する。
なお、サーバ500は、遊技者の遊技履歴情報を携帯通信端末300の画面に表示させるためのWEBサーバ501と、遊技者の登録処理及び認証処理を行うアプリケーションサーバ502と、遊技者の遊技履歴情報を記憶するデータベースサーバ503とから構成されている。なお、本実施形態ではサーバ500を3つのサーバから構成しているが、サーバ500を1つのサーバで構成したり、サーバ500に他の機能を有するサーバを含ませたりしてもよい。
なお、詳細な説明は省略するが、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、遊技者が獲得したポイントに応じた遊技特典が付与される場合がある。ここで、遊技特典としては、例えば、サブ液晶6に表示される背景画像を遊技者が任意に変更することが可能になるという特典や、遊技者が所定の楽曲を選択してその楽曲を再生させることが可能になるという特典が例として挙げられる。なお、この遊技特典には、大当たり遊技の実行(賞球としての遊技球の獲得)も含まれる。
[遊技システムにおけるシーケンス]
次に、図9を参照しつつ、図8で説明した遊技システムにおけるシーケンスについて説明する。ここで、図9は、遊技システムのシーケンスを示す図である。なお、図9において、左列は遊技者の行為又は遊技者が所持する携帯通信端末300が実行する処理を例示し、中央列はパチンコ遊技機1が実行する処理を例示し、右列はサーバ500が実行する処理を例示している。
携帯通信端末300を所持する遊技者は、パチンコ遊技機1における遊技を開始するに際して、演出ボタン26や演出キー27を用いて所定の遊技開始操作を行う。
所定の遊技開始操作が行われると、パチンコ遊技機1は、パチンコ遊技機1内に記憶している遊技履歴情報をクリアし(ステップS401)、第1QRコードを生成してメイン液晶5に表示する(ステップS402)。そして、遊技履歴情報の蓄積を許可する。
これに対して、遊技者は、メイン液晶5に表示された第1QRコードを携帯通信端末300で読み取り、サーバ500にアクセスする。
サーバ500は、携帯通信端末300からのアクセスがあると、アクセスしてきた携帯通信端末300の端末固有情報(UID)、第1QRコードに含まれたパチンコ遊技機1の識別コード(QR識別カウンタ)を携帯通信端末300から取得し、取得した端末固有情報及び識別コードを登録するQR登録処理を行う(ステップS501)。そして、QR登録処理の結果を携帯通信端末300に表示させるための表示処理を実行する(ステップS502)。具体的には、QR登録処理における登録に成功すると成功した旨を報知する成功画像データを携帯通信端末300に送信し、QR登録処理における登録に失敗すると失敗した旨を報知する失敗画像データを携帯通信端末300に送信する。
遊技者は、携帯通信端末300に成功画像データが表示されたことを確認してから、ハンドル20を回転させて遊技を開始する。これに対して、パチンコ遊技機1は、特別図柄判定、特別図柄の変動表示、大当たり遊技、各種演出などの遊技処理を行う(ステップS403)。パチンコ遊技機1は、遊技開始操作が行われてから遊技終了操作が行われるまでの間、上記ステップS403の遊技処理に応じた遊技履歴情報を蓄積していく(ステップS404)。なお、詳細な説明は省略するが、本実施形態では、後述する画像音響制御基板140が備える制御用RAM143(図57参照)に遊技履歴情報が蓄積される。
遊技者は、遊技をやめるに際して、パチンコ遊技機1に対して演出ボタン26や演出キー27を用いて所定の遊技終了操作を行う。
遊技者による遊技終了操作が行われると、パチンコ遊技機1は、制御用RAM143に記憶されている遊技履歴情報をコード化した第2QRコードを生成し、生成した第2QRコードをメイン液晶5に表示させる(ステップS405)。
メイン液晶5に第2QRコードが表示されると、遊技者は、携帯通信端末300を用いてその第2QRコードを読み取り、サーバ500に再びアクセスする。
サーバ500は、携帯通信端末300から再びアクセスがあると、アクセスしてきた携帯通信端末300からその端末固有情報、第2QRコードに含まれたパチンコ遊技機1の識別コードを新たに取得し、取得した端末固有情報及び識別コードが上記ステップS501の処理で登録された端末固有情報及びパチンコ遊技機1の識別コードに対応するものであるか否かを認証する(ステップS503)。そして、この認証処理における認証に成功すると、第2QRコードに含まれていた遊技履歴情報をデータベースサーバ503に蓄積する(ステップS504)。ここで、認証処理における認証に成功したときには、遊技者の遊技履歴情報を携帯通信端末300に表示させるために、遊技履歴情報に基づいて生成した遊技履歴画像データを携帯通信端末300に送信する(ステップS505)。一方、認証処理における認証に失敗したときには、認証に失敗した旨を携帯通信端末300に表示させるためのエラー画像データを携帯通信端末300に送信する。
また、遊技者は、これまでの遊技履歴情報を確認したいときには、サーバ500に直接アクセスする。
サーバ500は、携帯通信端末300からのアクセスがあると、アクセスしてきた携帯通信端末300の端末固有情報を取得し、取得した端末固有情報がデータベースに登録されているか否かの認証を行う(ステップS506)。そして、既にデータベースに登録されている端末固有情報である場合には、その端末固有情報に対応する遊技履歴情報を表示するための遊技履歴画像データを携帯通信端末300に送信する(ステップS507)。
ここまで、遊技システムにおけるシーケンスの一例について説明したが、遊技システムにおけるシーケンスはここで説明したものに限定されるものではなく、遊技履歴情報をサーバ500に適切に蓄積することができれば、他のシーケンスで遊技履歴情報を蓄積するようにしてもよい。
[島構成]
図10は、複数台のパチンコ遊技機1が設置された遊技システムの模式図である。図10に例示されるように、いわゆるパチンコホールには、上述したパチンコ遊技機1が複数台(例えば20台)並べて設置されることによって1つの島が構成される。この島に設置された各パチンコ遊技機1は、共通の島電源ラインを介して島電源供給装置600と電気的に接続される。このため、各パチンコ遊技機1の個別電源スイッチを「ON」にした状態で島電源供給装置600の電源を投入することで、1つの島に設置された複数台のパチンコ遊技機1を一斉に起動させることができる。後に詳述するが、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、このような起動方法を利用して、同じ島に設置された全てのパチンコ遊技機1において一斉に同じ演出を開始したり、或いは、同じ演出を順番に開始したりすることを可能にする構成を備えている。
なお、以下の説明においては、パチンコ遊技機1A、パチンコ遊技機1B、パチンコ遊技機1C、パチンコ遊技機1D、パチンコ遊技機1E、パチンコ遊技機1F、パチンコ遊技機1G、及びパチンコ遊技機1Hの計8台のパチンコ遊技機1を用いて行われる演出について説明する。
また、パチンコ遊技機1では、上記の起動方法を利用して、パチンコ遊技機1の電源投入からの経過時間が所定の時間条件を満たしたことに応じて各種の演出が行われるが、以下の説明では、これらの演出を総称して「RTC演出」と呼ぶものとする。
[RTC演出の流れ]
図11は、RTC演出の流れを例示する説明図である。図12は、公演演出、ゲーム演出、及び投下演出の実行開始タイミングについて説明するための説明図である。
パチンコ遊技機1では、パチンコ遊技機1の電源が投入されてからの経過時間をカウントする経過時間カウント処理が行われる(図89参照)。パチンコ遊技機1では、この経過時間カウント処理によって得られた電源投入からの経過時間が所定の時間条件を満たすと、RTC演出が行われる。本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、大別すると、公演演出、ゲーム演出、及び投下演出の3種類のRTC演出が実行される。
公演演出(本実施形態では新曲のムービー再生)は、パチンコ遊技機1において、未公開コンテンツとしての新曲を発表する演出であって、電源投入からの経過時間がM時間(Mは自然数)となる毎に開始される。このため、島電源供給装置600を用いて1つの島に設置された複数台のパチンコ遊技機1を一斉に起動させることで、これらのパチンコ遊技機1(例えばパチンコ遊技機1A〜1H)において公演演出を同時に開始させることが可能である。なお、本実施形態においては、公演演出に使用される楽曲として新曲A〜新曲Lの12曲が用意されており、同一新曲の公演演出が複数台のパチンコ遊技機1において同時に開始される。この公演演出については、図13〜図19に基づいて後に詳述する。
ゲーム演出は、パチンコ遊技機1において、通常の遊技とは異なるゲームを行う演出であって、電源投入からの経過時間がM時間(Mは自然数)30分となる毎に開始される。このため、島電源供給装置600を用いて1つの島に設置された複数台のパチンコ遊技機1を一斉に起動させることで、これらのパチンコ遊技機1(例えばパチンコ遊技機1A〜1H)においてゲーム演出を同時に開始させることが可能である。なお、本実施形態においては、ゲーム演出として、ビンゴゲーム、クイズゲーム、障害物競走、及び輪投げゲームの4種類が用意されており、同一ゲームのゲーム演出が複数台のパチンコ遊技機1において同時に開始される。このゲーム演出については、図41〜図56に基づいて後に詳述する。
図11に示されるように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、電源投入から30分を経過する毎に、公演演出とゲーム演出とが交互に開始されるが、公演演出は、上記のように、新曲を発表する演出であるため、ゲーム演出に比べると演出効果が高い。このため、公演演出よりも先にゲーム演出を行うのではなく、先ずは公演演出を行ってからゲーム演出を行うのが好ましい。そこで、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、電源投入から1時間後に1回目の公演演出が行われた後に、公演演出とゲーム演出とを交互に行うこととしている(図11参照)。このため、電源投入から30分が経過したタイミングでは、公演演出が未だ行われていないため、ゲーム演出は行われない。
投下演出は、上述したポイントを投下してそのポイントを付与する演出である。この投下演出は、例えば図10に示されるパチンコ遊技機1A〜1Hに関して、所定の基準位置に設置されているパチンコ遊技機1Aでは、所定の時間条件が満たされて基準タイミングになると直ちに開始される。これに対して、パチンコ遊技機1B〜1Hは、基準位置とは異なる位置に設置されており、それぞれ、そのことを示す情報(後述する設置位置情報)が設定されている。このため、パチンコ遊技機1B〜1Hにおいては、基準タイミングになっても投下演出は直ちに開始されず、基準タイミングから設置位置に応じた時間だけ遅延したタイミングで投下演出が開始される。このため、以下の説明では、まず、基準位置に設置されているパチンコ遊技機1Aにおける投下演出の開始タイミングについて説明する。
パチンコ遊技機1Aにおいては、図11及び図12に示されるように、電源投入からの経過時間がN時間15分(Nは整数)となる毎に投下演出が開始される。また、パチンコ遊技機1Aにおいては、電源投入からの経過時間がN時間45分(Nは整数)となる毎に投下演出が開始される。更に、パチンコ遊技機1Aにおいては、上述したゲーム演出が終了すると投下演出が開始される。このように、投下演出はゲーム演出に続いて行われるが、電源投入から30分が経過したタイミングでは上述したようにゲーム演出が行われない。このため、電源投入から30分が経過したタイミングではゲーム演出および投下演出のうちの投下演出のみが行われる。
なお、この投下演出は、上述したように、パチンコ遊技機1の設置位置に応じて、その演出開始タイミングが異なる演出である。本実施形態では、パチンコ遊技機1B〜1Hにおける投下演出の開始タイミングが、パチンコ遊技機1Aにおける投下演出の開始タイミング(基準タイミング)に対して遅延した時間に設定されている。具体的には、図35に例示されるように、パチンコ遊技機1Bにおける投下演出の開始タイミングが基準タイミングに対して0.5秒遅延した時間に設定され、パチンコ遊技機1Cにおける投下演出の開始タイミングが基準タイミングに対して1秒遅延した時間に設定され、パチンコ遊技機1Dにおける投下演出の開始タイミングが基準タイミングに対して1.5秒遅延した時間に設定され、パチンコ遊技機1Eにおける投下演出の開始タイミングが基準タイミングに対して2秒遅延した時間に設定され、パチンコ遊技機1Fにおける投下演出の開始タイミングが基準タイミングに対して2.5秒遅延した時間に設定され、パチンコ遊技機1Gにおける投下演出の開始タイミングが基準タイミングに対して3秒遅延した時間に設定され、パチンコ遊技機1Hにおける投下演出の開始タイミングが基準タイミングに対して3.5秒遅延した時間に設定されている。パチンコ遊技機1Aにおける投下演出が開始されてから0.5秒が経過する毎に、パチンコ遊技機1B〜1Hにおける投下演出がパチンコ遊技機1Aから近いものから順に開始されていくことになる。
このため、島電源供給装置600を用いて1つの島に設置された複数台のパチンコ遊技機1を一斉に起動させることで、投下演出が、パチンコ遊技機1A、パチンコ遊技機1B、パチンコ遊技機1C、パチンコ遊技機1D、パチンコ遊技機1E、パチンコ遊技機1F、パチンコ遊技機1G、パチンコ遊技機1Hの順で、0.5秒間隔で開始されることになる。
このように、投下演出は、各パチンコ遊技機1の設置位置に応じて、その演出開始タイミングが遅延され得る演出である。この投下演出については、図34〜図40に基づいて後に詳述する。
[公演系列演出の概要]
以下、図13〜図15を参照しつつ、公演演出を含む公演系列演出について説明する。ここで、図13は、公演系列演出の構成例を説明するための説明図である。図14は、公演系列演出の流れを示す説明図である。図15は、公演系列演出の実行に伴う表示態様の変化について説明するための説明図である。
上述したように、公演演出の開始タイミングは、パチンコ遊技機1の電源投入からの経過時間がM時間(Mは自然数)となったタイミングに固定されているが、この公演演出に先立って、音声演出、練習風景演出、公演開始予告演出が行われる。また、公演演出が終了すると、次公演予告演出および公演終了演出が行われる。公演系列演出を構成するこれらの部分演出は、後述する設置位置情報に基づかない演出である。
音声演出は、公演演出が開始される前に、公演演出を盛り上げるための演出音をスピーカ24から出力する演出である。この音声演出は、具体的には、例えば公演演出で再生される新曲を歌うメンバーのうちの1人が観客に向かって呼びかける音声をスピーカ24から出力する演出である。
練習風景演出は、公演演出が開始される前に、音声演出の次に行われる演出である。練習風景演出は、本実施形態では、音声演出に連続するように行われる。この練習風景演出は、具体的には、例えば公演演出で再生される新曲を歌うメンバーがその新曲を完成させるための練習を行っている風景を表現した演出であって、主にメイン液晶5及びスピーカ24を用いて行われる。
公演開始予告演出は、公演演出が開始される前に、練習風景演出の次に行われる演出である。公演開始予告演出は、本実施形態では、練習風景演出に連続するように行われる。この公演開始予告演出は、具体的には、例えば間もなく開始される公演演出の開始に対して遊技者の期待感を高めるための演出であって、主にメイン液晶5及びスピーカ24を用いて行われる。
次公演予告演出は、公演演出の後に行われる演出であって、本実施形態では、公演演出に連続するように行われる。この次公演予告演出は、具体的には、例えば公演演出において再生される次の新曲を遊技者に報知するための演出であって、主にメイン液晶5及びスピーカ24を用いて行われる。
公演終了演出は、次公演予告演出の後に行われる演出であって、本実施形態では、次公演予告演出に連続するように行われる。この公演終了演出は、具体的には、公演演出に使用された新曲を歌うメンバーが、その新曲を用いた公演演出を振り返っている様子を表す演出であって、主にサブ液晶6及びスピーカ24を用いて行われる。
[通常演出について]
例えば「通常遊技状態」のときに第1始動口11に遊技球が入賞して第1特別図柄判定が行われた場合、メイン液晶5には、第1特別図柄表示器41に特別図柄が変動表示されるのに伴って装飾図柄が変動表示される(図15(A)参照)。その際、図には示されていないが、メイン液晶5及びサブ液晶6の両方或いはいずれか一方を用いて、各種の予告演出(例えばステップアップ演出)が行われると共に、スピーカ24から所定の変動音が出力される。その後、メイン液晶5には、第1特別図柄表示器41に大当たり判定の結果を示す特別図柄が停止表示されるのに伴い、装飾図柄が停止表示されることになる。
このように、通常時は、遊技球を用いた遊技に伴って、メイン液晶5、サブ液晶6、スピーカ24等を用いた通常演出が行われる。ここで、通常演出は、上述した特別図柄の変動表示に伴う変動演出や、大当たり遊技に伴う演出等を含むものである。なお、これらの通常演出は、設置位置情報に基づかない演出である。
[公演系列演出の流れ]
音声演出の開始タイミングになると、図14に例示されるように、音声演出の演出音をスピーカ24から出力する処理が開始される。音声演出が終了すると、練習風景演出の演出画像をメイン液晶5に表示させると共にその練習風景演出の演出音をスピーカ24から出力する処理が開始される。
練習風景演出の開始タイミングにおいて、遊技が進行していない場合、すなわちメイン液晶5において例えば装飾図柄が変動表示されていない場合、メイン液晶5に練習風景演出の演出画像を直ちに全画面表示しても特に支障はない。これは、練習風景演出の開始タイミングにおいて大当たり遊技が進行していない場合についても同様である。
このため、練習風景演出の開始タイミングにおいて遊技が進行していない場合には、その開始タイミングにおいて、練習風景演出の演出画像の全画面表示が開始される(図15(C)参照)。これに伴い、メイン液晶5に大きく表示されていた装飾図柄が例えば画面左下隅に小さく表示されると共に、サブ液晶6を用いたスロット演出が行われるようになる。このスロット演出は、例えば、所定のボーナス図柄が3つ揃うことによって大当たりを示唆したり、所定のリプレイ図柄が3つ揃うことによって擬似連続予告演出の発生を示唆したりする演出である。
一方、練習風景演出の開始タイミングにおいてメイン液晶5で装飾図柄が変動表示されている場合、この開始タイミングでメイン液晶5における練習風景演出の演出画像の全画面表示を開始してしまうと、装飾図柄の表示態様がその変動中に変更されてしまうこととなり、遊技に支障をきたすおそれがある。
このため、練習風景演出の開始タイミングにおいてメイン液晶5において装飾図柄が変動表示されている場合には、練習風景演出の演出画像をメイン液晶5に縮小して表示させることとしている(図15(B)参照)。そして、この装飾図柄の変動表示が終了した後(例えば次変動開始時)に、練習風景演出の演出画像の表示を、メイン液晶5における縮小表示から全画面表示に切り替えることとしている(図15(B)及び(C)参照)。
なお、本実施形態においては、練習風景演出については、その後の公演演出に使用される新曲が変わると、これに応じて演出内容が変化するが、演出実行時間は20秒に固定されている(図21参照)。
練習風景演出が終了すると、公演開始予告演出の演出画像をメイン液晶5に全画面表示させると共にその公演開始予告演出の演出音をスピーカ24から出力する処理が開始される。なお、メイン液晶5は、公演開始予告演出においても引き続き使用されるため、例えば装飾図柄の変動表示に伴い、サブ液晶6においてスロット演出が行われる。
なお、本実施形態では、練習風景演出の演出実行時間が20秒と比較的短い時間に設定されている。このため、練習風景演出の開始タイミングにおいてメイン液晶5において装飾図柄が変動表示されている場合に、その変動表示が練習風景演出の終了タイミングになっても終了しないといった状況が発生し得る。すなわち、公演開始予告演出中まで、上記装飾図柄の変動表示が継続し得る。このような場合には、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、練習風景演出の実行中は常に、その演出画像がメイン液晶5に縮小して表示される。そして、公演開始予告演出の開始タイミングになると、メイン液晶5におけるその演出画像の縮小表示が開始される。そして、装飾図柄の変動表示が終了した後(例えば次変動開始時)に、公演開始予告演出の演出画像表示が、メイン液晶5における縮小表示から全画面表示に切り替えられる。
また、仮に、公演演出の開始タイミングとなっても装飾図柄の変動表示が終了しない場合には、公演開始予告演出の実行中は常に、その演出画像がメイン液晶5に縮小して表示される。そして、公演演出の開始タイミングになると、メイン液晶5におけるその演出画像の縮小表示が開始される。そして、装飾図柄の変動表示が終了した後(例えば次変動開始時)に、公演演出の演出画像表示が、メイン液晶5における縮小表示から全画面表示に切り替えられる。
なお、本実施形態においては、公演開始予告演出に使用される演出データは、1つである。このため、公演開始予告演出は、公演演出で再生される新曲が変化してもその演出内容が変化することはなく、また、演出実行時間も90秒に固定されている(図13及び図22参照)。
パチンコ遊技機1の電源投入からの経過時間がM時間(Mは自然数)となる例えば10秒前になると、公演演出が開始されるまでの残り時間をカウントダウンする演出表示が、公演開始予告演出の一部としてメイン液晶5において行われる。
このカウントダウン演出が終了して電源投入からの経過時間がM時間になると、メイン液晶5、スピーカ24等を用いた公演演出が開始される。この公演演出に使用される新曲としては、新曲A〜新曲Lの12曲が用意されているが、これらの新曲は、その再生時間が互いに異なっている。このため、公演演出で再生される新曲が変化することによって、公演演出の実行時間が変化することになる(図23参照)。
公演演出が終了すると、メイン液晶5、スピーカ24等を用いた次公演予告演出が開始される。これにより、例えば、今回の公演演出で再生された新曲が新曲Aである場合、次の新曲が新曲Bであると共にその新曲Bが初めて公開されるまでの残りの日数等が告知されることになる。
なお、この次公演予告演出は、公演演出に使用される次の新曲に関する告知を行うものであるため、その演出データが公演演出に使用される新曲の数だけ用意されているが、その演出実行時間は15秒に固定されている(図24参照)。
次公演予告演出が終了すると、サブ液晶6、スピーカ24等を用いた公演終了演出が開始される。後に詳述するが、この公演終了演出は、公演演出が行われる毎にその演出内容および演出実行時間の両方が変化する(図25参照)。
なお、次公演予告演出が行われている間は、特別図柄の変動表示に伴ってサブ液晶6においてスロット演出が行われている。このため、次公演予告演出が終了して直ちにサブ液晶6を用いた公演終了演出を開始してしまうと、サブ液晶6で行われているスロット演出が中断されることとなり、通常演出に支障をきたすおそれがある。
このため、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、公演終了演出の開始タイミングで通常演出が実行されているときには、実行中の通常演出が終了するまでの間、公演終了演出をサブ液晶6ではなくメイン液晶5で行うこととしている。具体的には、公演終了演出の開始タイミングにおいては、メイン液晶5において次公演予告演出の演出画像が全画面表示されているので、この演出画像に対して公演終了演出の演出画像を縮小して重畳表示させる形で公演終了演出を開始させる。そして、実行中の装飾図柄の変動表示およびスロット演出が終了すると、メイン液晶5における公演終了演出の演出画像の縮小表示を、サブ液晶6における公演終了演出の演出画像の全画面表示へと切り替え、これに伴い、メイン液晶5に装飾図柄を大きく表示した状態で行う変動演出を再開すると共に、保留アイコンをサブ液晶6に小さく表示する状態から、保留アイコンをメイン液晶5に大きめに表示する状態に戻す。
[全曲開放前における公演演出の詳細]
以下、図16を参照しつつ、全曲開放前の公演演出の詳細について説明する。ここで、図16は、パチンコ遊技機1で行われる公演演出の流れについて説明するための説明図である。なお、最後に公開される新曲Lの公演演出を1週間継続した後の状態が「全曲開放後」であり、上記の「全曲開放前」とは、この状態に移行する前を指す。
図16には、図11に示した各種RTC演出のうち、公演演出のみのスケジュールが例示されている。なお、図16においては、公演演出と共に公演系列演出を構成する音声演出、練習風景演出、公演開始予告演出、次公演予告演出、及び公演終了演出の図示が省略されている。また、図16に示されている時間は、それぞれの日において午前9時30分にパチンコ遊技機1の電源が投入されたと仮定した場合の各公演演出の開始時間を示したものである。
例えば、2014年5月10日(土)において午前9時30分にパチンコ遊技機1の電源が投入されると、電源投入から1時間が経過した10時30分に、新曲Aを再生する最初の公演演出が開始される(図16(A)参照)。その後、11時30分、12時30分、13時30分と1時間が経過する毎に、同じ新曲Aの公演演出が開始される。このような新曲Aを再生する公演演出は、本実施形態においては、2014年5月10日(土)〜同年の5月23日(金)までの2週間継続される。
このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、1時間間隔で公演演出が行われ、新曲Aについては、これが2週間継続される。このため、遊技者は、上記の2週間に亘って、新曲Aを再生する公演演出を楽しむことができる。
次に、2014年5月24日(土)においては、電源投入から1時間が経過した10時30分において、新曲Bを再生する最初の公演演出が開始される(図16(B)参照)。その後、11時30分、12時30分、13時30分と1時間が経過する毎に、同じ新曲Bの公演演出が開始される。このような新曲Bを再生する公演演出は、本実施形態においては、2014年5月24日(土)〜同年の5月30日(金)までの1週間継続される。
以降、電源投入から1時間が経過する毎に新曲の公演演出を行う処理が、新曲Bの公演演出と同様に、新曲毎に1週間ずつ行われる。すなわち、図16(A)に示されるように2014年5月10日(土)にパチンコ遊技機1がホールに導入されたと仮定した場合、この日を基準として第1週目と第2週目は新曲Aを用いる公演演出が行われ、第3週目は新曲Bを用いる公演演出が行われ、第4週目は新曲Cを用いる公演演出が行われ、第5週目は新曲Dを用いる公演演出が行われ、第6週目は新曲Eを用いる公演演出が行われ、第7週目は新曲Fを用いる公演演出が行われ、第8週目は新曲Gを用いる公演演出が行われ、第9週目は新曲Hを用いる公演演出が行われ、第10週目は新曲Iを用いる公演演出が行われ、第11週目は新曲Jを用いる公演演出が行われ、第12週目は新曲Kを用いる公演演出が行われ、第13週目は新曲Lを用いる公演演出が行われる。
このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、約13週間に亘って、全12曲の新曲が1曲ずつ開放されていく。
ところで、公演演出に使用される楽曲を固定にした場合、公演演出が繰り返されることによって遊技者が公演演出に飽きてしまい、その結果、公演演出の興趣性が低下するおそれがある。このような問題は、同一楽曲を用いる公演演出が例えば2週間を超えるような長期に亘って行われる場合にも同様に生じ得る。
これに対して、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、新曲Aの公演演出を除き、1週間毎に公演演出に使用される新曲が切り替えられていくため、遊技者は、公演演出に飽きることなく公演演出を楽しむことができ、公演演出の興趣性が低下するのを効果的に抑制することが可能である。
[新曲の公開管理について]
図17は、後述する画像音響制御基板140の制御用ROM144(図58参照)に記憶されている公開管理テーブルについて説明するための説明図である。本実施形態におけるパチンコ遊技機1においては、上述した13週間において、この公開管理テーブルを参照して、公演演出に使用される新曲の種類が決定される。
図17に例示されるように公開管理テーブルには、新曲の種類を示す新曲種別と、公演演出の実行を許可する日時とが、新曲毎に対応付けられて新曲毎に対応付けられて記憶されている。
例えば新曲Aについては、現在日時が2014年5月10日の午前7時00分に、新曲A用の公演演出データを使用する公演演出の実行が許可される状態に移行することが規定されている。言い換えれば、現在日時が2014年5月10日の午前7時00分を過ぎていなければ、公演演出の実行自体が許可されない。
また、例えば新曲Bについては、現在日時が2014年5月24日の午前7時00分に、新曲B用の公演演出データを使用する公演演出の実行が許可される状態に移行することが規定されている。このため、現在日時が2014年5月24日の午前7時00分になると、新曲A用の公演演出データを使用する公演演出の実行が許可される状態から、新曲B用の公演演出データを使用する公演演出の実行が許可される状態へと状態移行することになる。
また、例えば新曲Cについては、現在日時が2014年5月31日の午前7時00分に、新曲C用の公演演出データを使用する公演演出の実行が許可される状態に移行することが規定されている。このため、現在日時が2014年5月31日の午前7時00分になると、新曲B用の公演演出データを使用する公演演出の実行が許可される状態から、新曲C用の公演演出データを使用する公演演出の実行が許可される状態へと状態移行することになる。このことは、新曲D以降についても同様である。
パチンコ遊技機1では、具体的には以下のような処理が行われる。すなわち、電源投入からの経過時間がM時間(Mは自然数)になると、RTC134(図57参照)から現在日時を示す情報が取得され、この情報が示す現在日時が、どの新曲の許可状態に該当するかが特定される。例えば、RTC134が示す現在日時が2014年5月12日の午前10時30分である場合、その日時は新曲Aの初回発表許可日時よりも後であって新曲Bの初回発表許可日によりも前であるため、新曲Aの許可状態に該当すると特定される。また、例えば、RTC134が示す現在日時が2014年7月23日の午後3時30分である場合、その日時は新曲Jの初回発表許可日時よりも後であって新曲Kの初回発表許可日によりも前であるため、新曲Jの許可状態に該当すると特定される。このようにしてどの新曲の許可状態に該当するかが特定されると、特定された新曲用の公演演出データを用いて公演演出が行われる。
[新曲の開放に伴う通常演出の変化について]
本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、各新曲の初回の公演演出が行われたことを契機として通常演出の演出態様が変化する場合があるという特徴を有している。
例えば新曲Aの初回の公演演出(図16に示される例では、2014年5/10(土)の午前10時30分に開始される公演演出)が行われると、各演出の演出内容が以下のように変化する。すなわち、図17に例示されるように、例えば特別図柄の変動表示中にメイン液晶5に表示される背景画像として、新曲Aの初回公演演出が行われるまではデフォルトの背景画像しか出現しなかったのが、新曲Aの初回公演演出が行われた後は、新曲Aに関する背景画像データを用いて作成された新曲A背景画像が出現するようになる。これは、新曲B以降の新曲についても同様である。より詳しくは、以下通りである。
すなわち、パチンコ遊技機1には、公演演出が1回も行われていない状態でメイン液晶5に表示される背景画像として、第1デフォルト背景画像及び第2デフォルト背景画像の2種類の背景画像が予め記憶されている。本実施形態においては、2014年5月10日(土)において最初の公演演出が行われる前、すなわち、2014年5月10日(土)における午前10時30分より前の時間、或いは、2014年5月10日以前の日においてメイン液晶5に背景画像を表示する必要がある場合には、第1デフォルト背景画像及び第2デフォルト背景画像のいずれか一方がメイン液晶5に表示される。
これに対して、2014年5月10日(土)における新曲Aの最初の公演演出が行われると、第1デフォルト背景画像及び第2デフォルト背景画像の2つの背景画像のいずれかしか使用できなかったのが、公演演出で再生される新曲A用の公演演出データ(例えばムービーデータ)を構成する画像データに基づいて予め作成された新曲A背景画像が新たに使用可能となる。
この新曲A背景画像は、新曲Aの公演演出が行われる2週間は、第1デフォルト背景画像及び第2デフォルト背景画像よりも選択率が高く設定されるため、第1デフォルト背景画像及び第2デフォルト背景画像よりも高い割合でメイン液晶5に表示されることになる。
このように、新曲の初回の公演演出が行われたことに応じて、その新曲に関連する背景画像が表示され得るようになるため、公演演出が通常演出に影響を与えたかのような感覚を遊技者に与えることができ、その結果、通常演出の興趣性を向上させることが可能である。このことは、以下に説明する長当たり遊技のオープニング演出、長当たり遊技のエンディング演出等についても同様である。
また、長当たり遊技のオープニングにおいて、新曲Aの初回の公演演出が行われるまではデフォルトのオープニング演出が行われていたのが、新曲Aの初回の公演演出が行われてから新曲Bの初回の公演演出が行われるまでは、新曲Aに関する画像データや音響データを用いたオープニング演出が行われる。これは、長当たり遊技のエンディング演出についても同様である。このように、長当たり遊技におけるオープニング演出及びエンディング演出は、次に公開される新曲の初回公演演出が行われるまでは、現在の公演演出に使用されている新曲に基づくものに固定される。すなわち、例えば新曲Cの初回の公演演出が行われてから新曲Dの初回の公演演出が行われるまでの間は、新曲C仕様のオープニング演出及びエンディング演出が行われる。
また、例えば15Rの長当たり遊技において再生される楽曲の楽曲選択では、新曲Aの初回の公演演出が行われるまでは公演演出には使用されないデフォルトの楽曲しか選択できなかったのが、新曲Aの初回公演演出が行われた後は、新曲Aを選択可能になる。これは、新曲B以降の新曲についても同様であり、初回公演演出が行われる毎に、楽曲選択において遊技者が選択可能な新曲が増えて行くことになる。このため、例えば新曲Bの初回の公演演出が行われてから1週間は選択可能な楽曲がデフォルトの楽曲、新曲A、及び新曲Bの3曲だけであったのが、新曲Lの初回の公演演出が行われた後は、デフォルトの楽曲、及び新曲A〜新曲Lの全ての新曲を含む13曲の楽曲を選択可能になる。
なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、各新曲の初回公演演出が行われたか否かに関わらず、長当たり遊技中等に遊技者が選択可能な楽曲の種類がポイントの増加に伴って増えるように構成されている。ここで増える楽曲は、公演演出に使用される新曲A〜新曲Lとは異なる楽曲である。このように、ポイントの増加に伴って遊技者が選択可能な楽曲が増えていくため、実際には、遊技者が獲得した合計ポイントに応じて、14曲以上の楽曲を選択することが可能である。
ここまで初回の公演演出を契機として演出がどのように変化するかについて簡単に説明したが、これらの演出の変化は、本実施形態では、ディスプレイリストを作成するために使用するディスプレイリスト作成テーブル(図85参照)を切り替えることによって実現される。
なお、本実施形態では、公演演出に使用される新曲が12曲存在するが、他の実施形態においては、新曲の曲数は「12」以外であってもよい。また、新曲Aの公演演出が行われる期間が2週間であると共に、新曲B〜新曲Lの公演演出が行われる期間が1週間である場合について説明するが、これらの期間は本実施形態で例示した期間に限定されるものではなく、他の期間であってもよい。
また、本実施形態では、初回発表許可時刻が全ての新曲に対して午前7時に設定されているが、他の実施形態においては、初回発表許可時刻は7時以外の時間であってもよい。また、本実施形態では、初回発表許可時刻が全ての新曲に対して同じ時間に設定されているが、他の実施形態においては、新曲毎に異なる初回発表許可時刻を予め設定しておくようにしてもよい。
また、本実施形態では、新曲の発表順も新曲A〜新曲Lの順に新曲が発表されていくが、他の実施形態においては、公開管理テーブルに例示されている発表順以外の発表順で各新曲を発表していくようにしてもよい。
また、本実施形態では、パチンコ遊技機1の導入初日から公演演出が行われる場合を例に説明するが、他の実施形態においては、導入から所定の期間(例えば1週間)は、電源投入からの経過時間がM時間になったとしても公演演出を開始しないといった構成を採用してもよい。
また、他の実施形態においては、各新曲をランダムに発表していくようにしてもよい。ただし、このような構成を採用した場合、複数台のパチンコ遊技機1において同時に公演演出を開始することは可能であるものの、公演演出で再生される新曲が互いに異なることとなり、その結果、複数台のパチンコ遊技機1において一斉に行われる公演演出の興趣性を著しく低下させるおそれがある。このため、本実施形態で説明したように、予め設定されたスケジュールに従って各新曲が順に公開されていくようにするのが好ましい。
[全曲開放後における公演演出の詳細]
以下、図18及び図19を参照しつつ、全曲開放後の公演演出の詳細について説明する。ここで、図18は、全ての新曲が発表された全曲開放後に行われる公演演出の流れについて説明するための説明図である。図19は、発表順管理テーブルについて説明するための説明図である。
図18には、図16と同様に、図11に示した各種RTC演出のうちの公演演出のみのスケジュールが例示されている。なお、図18においては、公演演出と共に公演系列演出を構成する音声演出、練習風景演出、公演開始予告演出、次公演予告演出、及び公演終了演出の図示が省略されている。また、図18に示されている時間は、それぞれの日において午前9時30分にパチンコ遊技機1の電源が投入されたと仮定した場合の各公演演出の開始時間を示したものである。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、最後に公開される新曲Lの公演演出が2014年8月2日から1週間に亘って行われた後は、全曲開放状態となる。すなわち、全曲開放状態に移行する前は公演演出に使用される新曲が1週間毎に更新されていたのが(新曲Aについては2週間)、全曲開放状態に移行すると、公演演出で再生される新曲が1時間毎に更新されるようになる。このため、全曲開放状態となる前には13週間(=2週間+1週間×11曲)かけて行われた新曲A〜新曲Lの公演演出が、1日のうちに行われるようになる。
例えば、図18(A)に例示されるように、全曲開放状態に移行した後の初日に該当する2014年8月9日(土)においては、パチンコ遊技機1の電源投入から1時間が経過した10時30分において新曲Aの公演演出が開始され、電源投入から2時間が経過した11時30分において新曲Bの公演演出が開始され、電源投入から3時間が経過した12時30分において新曲Cの公演演出が開始されるというように、公演演出が行われる毎に、公演演出に使用される新曲が変化していく。これは、2014年8月10日(日)以降についても同様である。
[全曲開放後の公演演出の変化について]
図19に例示されている発表順管理テーブルは、全曲開放状態における公演演出に使用される新曲の種別を管理するためのテーブルであって、制御用ROM144に予め記憶されている。発表順管理テーブルでは、図19に例示されるように、全曲開放状態の初日である8/9(土)以降のそれぞれの日付に関して、パチンコ遊技機1の電源投入からの経過時間と、公演演出に使用される新曲の種別とが対応付けられている。なお、本実施形態では、発表順管理テーブルが、パチンコ遊技機1の電源が午前9時30分頃に投入されることを想定して構成されている場合を例に説明する。
例えば、8/9(土)において午前9時30分にパチンコ遊技機1の電源が投入されると、1時間後の10時30分に新曲Aの公演演出が開始され、2時間後の11時30分に新曲Bの公演演出が開始され、3時間後の12時30分に新曲Cの公演演出が開始され、4時間後の13時30分に新曲Dの公演演出が開始される。そして、11時間後の20時30分に新曲Kの公演演出が開始され、12時間後の21時30分に新曲Lの公演演出が開始され、13時間経過後の22時30分には、新曲Aの2回目の公演演出が開始される。
全曲開放状態における公演演出の決定に関して、パチンコ遊技機1において行われる処理は以下の通りである。すなわち、電源投入からの経過時間と、RTC134が示す現在の日付とに対応する新曲の種別を発表順管理テーブルから読み出すことによって、公演演出に使用される新曲の種別が決定される。例えば、RTC134が示す現在の日付が8/11であり、電源投入からの経過時間が5時間である場合、発表順管理テーブルから「新曲G」が読み出される。また、RTC134が示す現在の日付が8/17であり、電源投入からの経過時間が8時間である場合、発表順管理テーブルから「新曲D」が読み出される。
ところで、8/10以降について、8/9(土)と同じスケジュールで公演演出を行う構成を採用することを考えた場合、遊技者がどの日に遊技を行ったとしても、ホールが開店してから閉店まで遊技を続けていれば、全ての新曲の公演演出を楽しむことができる。
しかしながら、遊技者の中には、特定の時間帯(例えば18時以降)にしか遊技できない人もおり、これに対して上記の構成を採用してしまうと、たとえ毎日遊技を続けたとしても、全ての新曲の公演演出を楽しむことができないという問題が生じてしまう。例えば、8/9(土)に関して、遊技者が18時頃から遊技を開始すると、新曲I〜L、Aの公演演出は楽しむことができるが、新曲B〜Hの公演演出を楽しむことはできない。これに対して、翌日以降も公演演出における新曲の再生スケジュールが同じであれば、新曲B〜Hの公演演出を楽しむことはできないという状況が変わらない。
このため、本実施形態では、図19に例示されるように、公演演出に使用される新曲の曲順を、1日毎に1曲ずつ規則的にシフトさせていくように新曲の曲順が予め規定されている。その結果、図18(A)〜(E)に示されるように、パチンコ遊技機1の電源投入後に最初に行われる公演演出に使用される新曲が、新曲A、新曲B、新曲C、新曲D、新曲Eと変化していくことになる。
このため、例えば、8/9(土)には正午前後でしか楽しむことができなかった新曲B〜Dの公演演出が、3日後の8/12(火)には18時以降に行われるようになる(図19参照)。上述したように特定の時間帯にしか遊技できない遊技者であっても、ある程度継続してホールに通い続けることにより、全ての新曲の公演演出を楽しむことが可能になる。
なお、本実施形態においては、全曲開放状態において、発表順管理テーブルを参照して公演演出に使用される新曲の種別を決定する場合について説明するが、他の実施形態においては、ランダム抽選により、公演演出に使用される新曲の種別を決定するようにしてもよい。ただし、このような構成を採用した場合、複数台のパチンコ遊技機1において同時に公演演出を開始することは可能であるものの、公演演出で再生される新曲が互いに異なることとなり、その結果、複数台のパチンコ遊技機1において一斉に行われる公演演出の興趣性を著しく低下させるおそれがある。このため、本実施形態で説明したように、予め設定されたスケジュールに従って各新曲が順に公開されていくようにするのが好ましい。
予め設定されたスケジュールに従って各新曲を公開するという構成は、発表順管理テーブルを用いることなく実現することも可能である。具体的には、例えば、ある日の電源投入後の最初の公演演出に使用された新曲を特定可能な情報をFeRAM1451に記憶しておき、その翌日の電源投入後の最初の公演演出においては、FeRAM1451に記憶されている情報が示す新曲の次の新曲を選択してその再生を開始する。例えば、ある日において、新曲A、新曲B、新曲C、新曲D、・・・の順で公演演出が行われた場合には新曲Aを示す情報をFeRAM1451に記憶しておき、翌日においては、その情報が示す新曲Aの次の新曲Bから公演演出をスタートさせることで、新曲の再生順を容易にずらすことが可能である。
[音声演出の詳細]
以下、図20を参照しつつ、公演系列演出において最初に行われる音声演出(図13参照)について説明する。ここで、図20は、演出音データ選択テーブルについて説明するための説明図である。
図には示されていないが、画像音響制御基板140の制御用ROM144(図58参照)には、全曲開放前演出音データ選択テーブル(図20(A)参照)と、全曲開放後演出音データ選択テーブル(図20(B)参照)とが予め記憶されている。
(全曲開放前演出音データ選択テーブル)
全曲開放前演出音データ選択テーブルは、上述した全曲開放前の状態において、音声演出に使用する演出音データを決定するために参照されるテーブルであって、音声演出が実行される演出実行日と、音響用ROM146(図58参照)に記憶されている演出音データの種別と、演出音データの再生に要する再生時間とを対応付けたものである。
図には示されていないが、音響用ROM146には、全曲開放前に行われる音声演出に使用する演出音データとして、新曲Aに対しては、14種類の演出音データが記憶されており、新曲B〜新曲Lに対しては、それぞれ7種類の演出音データが記憶されている。
パチンコ遊技機1では、全曲開放前の状態、すなわち、2014年5月10日(土)から2014年8月8日(金)までにおいて、全曲開放前演出音データ選択テーブル(図20(A)参照)を参照して、音声演出に使用する演出音データが決定される。
上述したように、2014年5月10日(土)から同年の5月23日(金)までの2週間は、新曲Aの公演演出が行われる(図16参照)。これに対して、音響用ROM146には、新曲Aに対して14種類の演出音データが予め記憶されており、全曲開放前演出音データ選択テーブルにおいては、2014年5月10日に対して新曲A用第1演出音データが対応付けられ、2014年5月11日に対して新曲A用第2演出音データが対応付けられ、2014年5月12日に対して新曲A用第3演出音データが対応付けられ、2014年5月23日に対して新曲A用第14演出音データが対応付けられている。
このため、新曲Aの公演演出が行われる上記の2週間においては、公演演出に使用される公演演出データが変化しないのに対して、音声演出に使用される演出音データは毎日変化する。すなわち、音声演出の演出態様は、図20(A)の表記から明らかなように、1日間隔で変化する。
上述したように、2014年5月24日(土)から同年の5月30日(金)までの1週間は、新曲Bの公演演出が行われる(図16参照)。これに対して、音響用ROM146には、新曲Bに対して7種類の演出音データが予め記憶されており、2014年5月24日に対して新曲B用第1演出音データが対応付けられ、2014年5月25日に対して新曲B用第2演出音データが対応付けられ、2014年5月26日に対して新曲B用第3演出音データが対応付けられ、2014年5月30日に対して新曲B用第7演出音データが対応付けられている。
このため、新曲Bの公演演出が行われる上記の1週間においては、公演演出に使用される公演演出データが変化しないのに対して、音声演出に使用される演出音データは毎日変化する。このことは、新曲C〜新曲Lの演出音データについても同様である。
ところで、上述したように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1においては、公演演出の開始タイミングは、電源投入からの経過時間がM時間(Mは自然数)となるタイミングに固定されている(図12参照)。また、公演演出の直前に行われる公演開始予告演出の演出実行時間は、90秒に固定されている(図13及び図22参照)。また、公演開始予告演出の直前に行われる練習風景演出の演出実行時間は、20秒に固定されている(図13及び図21参照)。そして、本実施形態においては、音声演出、練習風景演出、公演開始予告演出、及び公演演出が連続して実行される。このため、音声演出の終了タイミングは、公演演出の開始タイミングを基準として、110秒(=20秒+90秒)前のタイミングに固定されている。
その一方で、図20(A)の表記から明らかなように、毎日変更される91種類(=14種類+7種類×11曲)の演出音データは、再生時間が互いに異なっている。例えば、新曲A用の演出音データは、再生時間が83秒、56秒、67秒、・・・と日によって変化する。
このように、音声演出の終了タイミングが公演演出の開始タイミングに対して110秒前に固定されていると共に、各演出音データの再生時間が互いに異なり、更に、音声演出に使用される演出音データが毎日切り替えられる。このため、公演系列演出全体で考えた場合に、公演演出の開始タイミングを基準にして、公演系列演出の開始タイミングが毎日変化することになる。このため、公演系列演出全体の演出実行時間も、毎日変化することになる。
(全曲開放後演出音データ選択テーブル)
全曲開放後演出音データ選択テーブルは、上述した全曲開放後の状態(全曲開放状態)において、音声演出に使用する演出音データを決定するために参照されるテーブルであって、公演演出に使用される新曲A〜新曲Lの楽曲種別と、音響用ROM146(図58参照)に記憶されている演出音データの種別と、演出音データの再生に要する再生時間とを対応付けたものである。
図には示されていないが、音響用ROM146には、全曲開放後に行われる音声演出に使用する演出音データとして、新曲A〜新曲Lに対して、それぞれ4種類の演出音データが記憶されている(図20(B)参照)。図20(A)に例示されている再生時間と、図20(B)に例示されている再生時間との比較からも明らかなように、音響用ROM146には、全曲開放後に使用する演出音データが、全曲開放前に使用する演出音データとは別に記憶されている。
上述したように、パチンコ遊技機1では、全曲開放状態になると、電源投入タイミングを基準として、例えば、1時間後に新曲Aの公演演出が開始され、2時間後に新曲Bの公演演出が開始され、3時間後に新曲Cの公演演出が開始され、4時間後に新曲Dの公演演出が開始されるというように、公演演出に使用される新曲が1時間毎に変化する。
このため、これと対応するように、上記の順で公演演出が実行される場合、新曲Aの公演演出に先立って新曲Aの音声演出が行われ、新曲Bの公演演出に先立って新曲Bの音声演出が行われ、新曲Cの公演演出に先立って新曲Cの音声演出が行われ、新曲Dの公演演出に先立って新曲Dの音声演出が行われる。具体的には、例えば、新曲Aの公演演出に先立って新曲A用第1演出音データが再生され、新曲Bの公演演出に先立って新曲B用第1演出音データが再生され、新曲Cの公演演出に先立って新曲C用第1演出音データが再生され、新曲Dの公演演出に先立って新曲D用第1演出音データが再生される。
このように、全曲開放後においては、音声演出の演出態様が約1時間間隔で変化する。
ところで、音声演出の終了タイミングが公演演出の開始タイミングを基準として、110秒前のタイミングに固定されているのは、全曲開放前に限らず、全曲開放後も同様である。これは、後述する練習風景演出データの再生時間と、公演開始予告演出データの再生時間とが、それぞれ、全曲開放の前後で変化しないためである(図21及び図22参照)。
これに対して、全曲開放状態においては、上述したように、新曲Aの公演演出が開始されてから1時間が経過したタイミングで、新曲Bの公演演出が開始される。そして、これに対応するように、新曲Aの公演が開始される前には、再生時間が72秒である全曲開放後新曲A用第1演出音データが再生され、新曲Bの公演が開始される前には、再生時間が63秒である全曲開放後新曲B用第1演出音データが再生される。
したがって、全曲開放前には公演系列演出の開始タイミングが毎日変化するのに対して、全曲開放後においては、公演系列演出の開始タイミングが、公演演出に使用される新曲が1時間毎に変化するのに伴って変化することになる。このように、全曲開放前の状態から全曲開放後の状態へと状態移行するのに伴い、公演演出の開始タイミングを基準とする公演系列演出の開始タイミングを変更するスパンが大幅に短縮されることになる。また、全曲開放後においては、公演演出が1時間毎に開始されるのに伴って、公演系列演出全体の演出実行時間(開始から終了までの時間)も併せて変化することになる。
なお、全曲開放状態においては、同一の新曲の公演演出が行われる毎に、演出音データの切り替えが行われる。例えば新曲Aに係る音声演出を例に説明すると、全曲開放後新曲A用第1演出音データを再生する音声演出が行われてから新曲Aの公演演出が行われると、次は、全曲開放後新曲A用第2演出音データを再生する音声演出が行われてから新曲Aの公演演出が行われ、その次は、全曲開放後新曲A用第3演出音データを再生する音声演出が行われてから新曲Aの公演演出が行われるというように、同一新曲の公演演出が行われる毎に、演出音データの切り替えが行われる。
このような演出音データの切り替えは、パチンコ遊技機1に対して島電源供給装置600から電力が供給されていなくても情報を保持可能な記憶手段(例えばFeRAM1451:図58参照)に前回の音声演出に使用された演出音データの種類を特定可能な情報を保持しておき、その情報に基づいて、次の音声演出に使用する演出音データの種類を決定するようにすることで実現可能である。
なお、本実施形態では、同一新曲の音声演出に関して、全曲開放前と全曲開放後とにおいて、互いに異なる演出音データが使用されるが、他の実施形態においては、同じ演出音データを使用するようにしてもよい。
[練習風景演出の詳細]
以下、図21を参照しつつ、公演系列演出において2番目に行われる練習風景演出(図13参照)について説明する。ここで、図21は、練習風景演出データ選択テーブルについて説明するための説明図である。
図には示されていないが、CGROM148及び音響用ROM146(図58参照)には、新曲A用練習風景演出データ、新曲B用練習風景演出データ、新曲C用練習風景演出データ、新曲D用練習風景演出データ、・・・というように、新曲A〜新曲Lの新曲毎の練習風景演出データが各新曲に対して1つずつ記憶されている(図21参照)。
また、制御用ROM144には、練習風景演出データ選択テーブルが予め記憶されている。この練習風景演出データ選択テーブルは、全曲開放前と全曲開放後との両方において参照されるテーブルであって、図21に例示されるように、新曲A〜新曲Lの楽曲種別と、CGROM148及び音響用ROM146に記憶されている練習風景演出データの種別と、練習風景演出データの再生に要する再生時間とを対応付けたものである。
パチンコ遊技機1では、全曲開放前であるか否かに関わらず、公演演出に使用される新曲に対応する練習風景演出データが選択される。具体的には、電源投入からの経過時間がM時間となる前に、そのM時間となったタイミングで開始される公演演出に使用される新曲の種別が、公開管理テーブル(又は発表順管理テーブル)を参照して特定される。そして、特定された新曲に対応する練習風景演出データの種別を練習風景演出データ選択テーブルから読み出すことによって、今回の練習風景演出に使用する練習風景演出データを決定する。
例えば、電源投入からの経過時間が1時間となったタイミングで新曲Bの公演演出が行われると特定した場合、新曲Bに対応する演出データの種別として、「新曲B用練習風景演出データ」が練習風景演出データ選択テーブルから読み出される。また、例えば電源投入からの経過時間が2時間となったタイミングで新曲Cの公演演出が行われると特定した場合、新曲Cに対応する演出データの種別として、「新曲C用練習風景演出データ」が練習風景演出データ選択テーブルから読み出される。
ところで、本実施形態では、新曲毎に1種類ずつ用意されている練習風景演出データについては、演出内容は新曲の種類に応じて異なるものとなっているが、再生時間については、20秒に固定されている(図21参照)。このため、どの新曲に関する練習風景演出を行うか、全曲開放前であるか否かに関わらず、練習風景演出の演出実行時間は不変である。
一方、練習風景演出の演出内容については、以下のように変化する。すなわち、全曲開放前においては、新曲Aの公演演出が行われる最初の2週間は、練習風景演出の演出内容が新曲A専用のものに固定される。そして、新曲B以降の新曲の公演演出については1週間毎に新曲が切り替えられるため、練習風景演出の演出内容も1週間毎に変化することになる。
また、全曲開放後においては、電源投入からの経過時間がM時間となる毎に、公演演出の新曲が切り替えられる。このため、練習風景演出の演出内容についても、公演演出が1時間毎に開始されるのに伴って変化することになる。
[公演開始予告演出の詳細]
以下、図22を参照しつつ、公演系列演出において3番目に行われる公演開始予告演出(図13参照)について説明する。ここで、図22は、公演開始予告演出データ選択テーブルについて説明するための説明図である。
図には示されていないが、CGROM148及び音響用ROM146(図58参照)には、新曲の種類に関わらず使用される、1種類の公演開始予告演出データが記憶されている。
また、制御用ROM144には、公演開始予告演出データ選択テーブルが予め記憶されている。この公演開始予告演出データ選択テーブルは、全曲開放前と全曲開放後との両方において参照されるテーブルであって、図22に例示されるように、公演開始予告演出データの種別と、公演開始予告演出データの再生に要する再生時間とが対応付けられたものである。
図22の表記から明らかなように、公演開始予告演出に使用される公演開始予告演出データは1つであり、その再生時間は90秒である。このため、公演開始予告演出に関しては、演出実行時間および演出内容の両方が不変である。
[公演演出データ選択テーブルについて]
以下、図23を参照しつつ、公演系列演出において4番目に行われる公演演出に使用される公演演出データについて説明する。ここで、図23は、公演演出データ選択テーブルについて説明するための説明図である。
図には示されていないが、CGROM148及び音響用ROM146(図58参照)には、公演演出に使用される公演演出データが、新曲A〜新曲Lのそれぞれについて1つずつ記憶されている。
また、制御用ROM144には、公演演出データ選択テーブルが予め記憶されている。この公演演出データ選択テーブルは、全曲開放前と全曲開放後との両方において参照されるテーブルであって、図23に例示されるように、新曲A〜新曲Lの楽曲種別と、公演演出データの種別と、公演演出データの再生に要する再生時間とが対応付けられたものである。
パチンコ遊技機1においては、公演演出を開始するに際して、公開管理テーブル(図17参照)又は発表順管理テーブル(図19参照)を参照して、公演演出に使用される新曲の種別が決定される。このように、新曲の種別が決定されると、その新曲種別に対応する公演演出データ種別が公演演出データ選択テーブルから読み出されて、今回の公演演出に使用される公演演出データが選択されることになる。
ところで、本実施形態では、新曲毎の公演演出データは、演出内容が互いに異なるものとなっている。このため、全曲開放前の状態においては、最初の2週間は公演演出の演出内容が新曲Aのものに固定され、新曲B以降の公演演出に関しては、演出内容が1週間毎に変化することになる。また、全曲開放後の状態においては、公演演出が行われる毎に、公演演出で再生される新曲の種類が変化するため、演出内容が1時間毎に変化することになる。
また、図23の表記から明らかなように、各公演演出データは、再生時間が互いに異なるものとなっている。このため、公演系列演出全体として見た場合に、公演演出の演出内容と同様に、全曲開放前は、最初の2週間は除いて1週間毎に公演系列演出の演出実行時間(開始から終了までの時間)が変化し、全曲開放後は、1時間毎に公演系列演出の演出実行時間が変化する。
[次公演予告演出の詳細]
次に、図24を参照しつつ、公演系列演出において5番目に行われる次公演予告演出(図13参照)について説明する。ここで、図24は、次公演予告演出データ選択テーブルについて説明するための説明図である。
図には示されていないが、CGROM148及び音響用ROM146(図58参照)には、次公演予告演出に使用される次公演予告演出データが、新曲A〜新曲Lのそれぞれについて1つずつ記憶されている。
また、制御用ROM144には、次公演予告演出データ選択テーブルが予め記憶されている。この次公演予告演出データ選択テーブルは、全曲開放前と全曲開放後との両方において参照されるテーブルであって、図24に例示されるように、新曲A〜新曲Lの楽曲種別と、次公演予告演出データの種別と、次公演予告演出データの再生に要する再生時間とが対応付けられたものである。
パチンコ遊技機1においては、公演演出の終了に際して、その公演演出で再生された新曲の次の新曲が特定される。例えば、新曲Aの公演演出が終了した際には、次の新曲として新曲Bが特定され、新曲Jの公演演出が終了した際には次の新曲として新曲Kが特定される。このように、次の新曲が特定されると、その新曲の種別に対応する次公演予告演出データの種別が次公演予告演出データ選択テーブルから読み出されて、今回の次公演予告演出に使用される次公演予告演出データが選択されることになる。
ところで、本実施形態では、新曲毎の次公演予告演出データは、演出内容が互いに異なるものとなっている。全曲開放前の状態においては、新曲Aの公演演出が行われる最初の2週間は次公演予告演出の演出内容が新曲Bのものに固定され、新曲B以降の公演演出に対しては、次公演予告演出の演出内容が1週間毎に変化することになる。また、全曲開放後の状態においては、公演演出が行われる毎に、次の公演演出で再生される新曲の種類が変化するため、次公演予告演出の演出内容も1時間毎に変化することになる。
その一方で、図24の表記から明らかなように、次公演予告演出データの再生時間は、全て15秒に固定されている。このため、次公演予告演出の演出実行時間は不変である。
[公演終了演出の詳細]
次に、図25〜図29を参照しつつ、公演系列演出において6番目(最後)に行われる公演終了演出(図13参照)について説明する。図25は、公演終了演出データについて説明するための説明図である。図26は、新曲A用ループグループについて説明するための説明図である。図27は、全曲開放前の新曲Aの公演終了演出のスケジュールについて説明するための説明図である。図28は、全曲開放前の新曲Bの公演終了演出スケジュールテーブルについて説明するための説明図である。図29は、全曲開放後の公演終了演出スケジュールテーブルについて説明するための説明図である。
[全曲開放前の新曲Aの公演終了演出]
CGROM148及び音響用ROM146(図58参照)には、図25に示されるように、新曲Aに対応する新曲A用第1公演終了演出データ〜新曲A用第12公演終了演出データの12種類の公演終了演出データが記憶され、新曲Bに対応する新曲B用第1公演終了演出データ〜新曲B用第6公演終了演出データの6種類の公演終了演出データが記憶されている。また、新曲C〜新曲Lに関しては、新曲Bと同様に、それぞれ6種類の公演終了演出データがCGROM148及び音響用ROM146に記憶されている。
新曲Aの公演演出に続く次公演予告演出が終了すると、新曲Aに対応する公演終了演出を開始するために、新曲A用の上記12種類の公演終了演出データのいずれかの再生が開始される。また、新曲Bの公演演出に続く次公演予告演出が終了すると、新曲Bに対応する公演終了演出を開始するために、新曲B用の上記6種類の公演終了演出データのいずれかの再生が開始される。これは、新曲C〜新曲Lの公演終了演出についても同様である。
制御用ROM144には、新曲A用ループグループテーブルが記憶されている(図26参照)。ここで、ループグループとは、新曲A用第1公演終了演出データ〜新曲A用第12公演終了演出データの12種類の公演終了演出データのうちの一部の公演終了演出データの組み合わせを示すものである。図26に例示されるように、新曲A用ループグループテーブルでは、ループグループの種別を示すグループ種別と、ループグループを構成する公演終了演出データの組み合わせを示すグループ構成とが対応付けられて記憶されている。
例えば、図26に例示されるように、例えば第1グループは、新曲A用第1公演終了演出データ、新曲A用第2公演終了演出データ、新曲A用第3公演終了演出データ、新曲A用第4公演終了演出データ、新曲A用第5公演終了演出データ、新曲A用第6公演終了演出データから構成される。また、例えば第3グループは、新曲A用第3公演終了演出データ、新曲A用第4公演終了演出データ、新曲A用第5公演終了演出データ、新曲A用第6公演終了演出データ、新曲A用第7公演終了演出データ、新曲A用第8公演終了演出データから構成される。
例えば新曲Aの初めての公演演出が行われる2014年5月10日(土)においては、公演終了演出が行われる毎に、第1グループを構成する公演終了演出データを切り替えて使用することにより、公演終了演出の演出態様(演出内容および演出実行時間)が変更される。具体的には、図27に例示されるように、電源投入からの経過時間が1時間となったタイミングで開始される新曲Aの公演演出が終了して次公演予告演出を挟んで公演終了演出を行う場合には、第1グループを構成する新曲A用第1公演終了演出データが再生される。次に、電源投入からの経過時間が2時間となったタイミングで開始される新曲Aの公演演出が終了して次公演予告演出を挟んで公演終了演出を行う場合には、第1グループを構成する新曲A用第2公演終了演出データが再生される。そして、電源投入からの経過時間が3時間となったタイミングで開始される新曲Aの公演演出が終了して次公演予告演出を挟んで公演終了演出を行う場合には、第1グループを構成する新曲A用第3公演終了演出データが再生される。
このように、新曲Aの公演演出が初めて行われる1日目においては、第1、第2、第3、第4、第5、第6の順で、公演終了演出に使用される公演終了演出データが切り替えられていく。そして、この第1グループを構成する公演終了演出データの使用が一巡すると、再び第1、第2、第3、第4、第5、第6の順で公演終了演出データの切り替えが行われることになる。このため、1日目においては、新曲A用の第1〜第6の公演終了演出データは使用されるものの、新曲A用の第7〜第12の公演終了演出データは使用されない。
ループグループに基づく公演終了演出データの切り替えは2日目以降も同様に行われるが、日によって、異なるループグループの公演終了演出データが使用される。例えば2日目の2014年5月11日(日)には、第2グループを構成する公演終了演出データが使用される。具体的には、第7、第8、第9、第10、第11、第12の順で、公演終了演出に使用される公演終了演出データが切り替えられていく。そして、この第2グループを構成する公演終了演出データの使用が一巡すると、再び第7、第8、第9、第10、第11、第12の順で公演終了演出データの切り替えが行われることになる(図26及び図27参照)。
なお、図25に示されるように、各新曲の公演終了演出データは、公演終了演出データの再生に要する時間が互いに異なっている。また、同じ新曲Aの公演終了演出データであっても、演出内容は互いに異なるものとなっている。このため、上記のようなループグループに基づく公演終了演出データの切り替えを行うことによって、1時間毎に開始される新曲Aの公演演出が行われる毎に、新曲Aの公演終了演出の演出内容、及び演出実行時間の両方を変化させることが可能である。
また、図27に例示されるように、公演演出が開始される際の電源投入からの経過時間が同じであっても、日によって異なる公演終了演出データを使用して公演終了演出が行われる。例えば、電源投入から3時間が経過したタイミングで開始される新曲Aの公演演出に対応する公演終了演出を例に説明すると、1日目(5/10)には第3公演終了演出データが使用され、2日目(5/11)には第9公演終了演出データが使用され、3日目(5/12)には第5公演終了演出データが使用されるというように、異なる公演終了演出データが使用される。
したがって、ある特定の時間帯にしか遊技できない遊技者であっても、様々な新曲Aの公演終了演出を楽しむことができる。
ところで、1日目から14日目までは公演演出に使用される新曲が新曲Aに固定されるため、公演演出が繰り返されることによって、公演系列演出の興趣性が低下していくおそれがある。
これに対して、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、全曲開放前の状態において、音声演出の演出内容および演出実行時間が毎日変化し、公演終了演出の演出内容および演出実行時間が新曲Aの公演演出が行われる毎に変化する。このため、新曲Aの公演演出が繰り返されることによる演出効果の低下を効果的に抑制することが可能である。
[全曲開放前の新曲Bの公演終了演出]
制御用ROM144には、全曲開放前の新曲Bの公演終了演出を管理するための新曲B用公演終了演出スケジュールテーブルが記憶されている(図28参照)。この新曲B用公演終了演出スケジュールテーブルでは、全曲開放前において新曲Bの公演終了演出が実行される実行日と、新曲Bの公演終了演出が開始される際の電源投入からの経過時間とが対応付けられている。
パチンコ遊技機1では、全曲開放前における新曲Bの公演終了演出の開始時において、例えば以下のような処理が行われる。すなわち、まず、RTC134からの情報に基づいて現在の日付が特定される。また、新曲Bの公演終了演出に先立って行われた同じ新曲Bの公演演出が開始された際の電源投入からの経過時間が特定される。そして、新曲B用公演終了演出スケジュールテーブルを参照して、特定された現在の日付と、新曲Bの公演演出の電源投入からの経過時間とに対応する新曲B用公演終了データの種別が読み出される。
例えば、新曲Bの最初の公演演出が行われる1日目(5/24)において、電源投入から3時間が経過したタイミングで新曲Bの公演演出が行われた場合、その公演演出の終了後に次公演予告演出を挟んで実行される公演終了演出に使用される公演終了演出データの種別として、第3公演終了演出データを示す情報が読み出される。また、例えば、3日目(5/26)において、電源投入から9時間が経過したタイミングで新曲Bの公演演出が行われた場合、その公演演出の終了後に次公演予告演出を挟んで実行される公演終了演出に使用される公演終了演出データの種別として、第5公演終了演出データを示す情報が読み出される。
このように、新曲Bに関しても、公演終了演出が行われる毎に、公演終了演出に使用される公演終了演出データが切り替えられるので、新曲Bの公演演出が繰り返されることによる公演系列演出の演出効果の低下を効果的に抑制することが可能である。
なお、図には示されていないが、新曲Cから新曲Lについても、新曲Bと同様の公演終了演出スケジュールテーブルが設けられており、新曲Bと同様に、公演演出が行われる毎に、対応する公演終了演出の演出内容が変化する。このため、新曲C以降の公演終了演出に関しても、公演系列演出の演出効果の低下を抑制する効果が期待できる。
[全曲開放後の新曲A〜新曲Lの公演終了演出]
制御用ROM144には、全曲開放後の各公演演出に対応する公演終了演出を管理するための公演終了演出スケジュールテーブルが記憶されている(図29参照)。この公演終了演出スケジュールテーブルでは、全曲開放後において新曲A〜新曲Lの公演終了演出が実行される実行日と、公演演出が開始される際の電源投入からの経過時間と、新曲A〜新曲Lの各新曲の公演終了演出データの種別を示す情報とが対応付けられている。
図29に例示されるように、例えば、全曲開放状態の初日である1日目(8/9)においては、電源投入から1時間が経過したタイミングで開始される新曲Aの公演演出に対応する公演終了演出データとして、新曲A用第1公演終了演出データが選択される。また、同じ日の電源投入から6時間が経過したタイミングで開始される新曲Fの公演演出に対応する公演終了演出データとして、新曲F用第1公演終了演出データが選択される。このことは、2日目以降も同様である。
また、図29に例示されるように、例えば新曲Cに関しては、1日目(8/9)から3日目(8/10)にかけて、新曲Cの公演終了演出に使用される公演終了演出データが、新曲C用第1公演終了演出データ、新曲C用第2公演終了演出データ、新曲C用第3公演終了演出データと変化していく。すなわち、実行日が変わることで、同じ新曲の公演終了演出であっても、演出内容および演出実行時間が異なることになる。
なお、全曲開放後における公演終了演出の公演終了演出データの選択方法は、参照されるテーブルが異なる点を除いて、全曲開放前の新曲Bの公演終了演出の公演終了演出データの選択方法と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
また、本実施形態では、基本的に、練習風景演出、公演開始予告演出、公演演出、及び次公演予告演出にはメイン液晶5が使用され、最後の公演終了演出には、サブ液晶6が使用される(図14参照)。すなわち、次公演予告演出が終了してから公演終了演出が開始されるのに伴って、公演系列演出に使用される画像表示手段がメイン液晶5からサブ液晶6へと切り替えられることになる。すなわち、公演系列演出に使用される演出実行手段が、公演系列演出の途中で変化することになる。これにより、公演系列演出に大きな変化をもたらすことができ、その結果、公演系列演出の興趣性を効果的に向上させることができる。
ところで、本実施形態においては、練習風景演出、公演開始予告演出、公演演出、及び次公演予告演出を行うために、メイン液晶5が連続して使用され、この期間は、メイン液晶5を変動演出などの通常演出に使用することができないという問題点がある。これに対して、公演終了演出に関してもメイン液晶5を使用することとした場合、上記の期間が更に長くなることとなり、問題がより大きくなるおそれがある。
これに対して、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、公演終了演出にはサブ液晶6が使用されるため、公演終了演出の開始に伴い、メイン液晶5を使用する通常演出を再開することが可能であり、その結果、メイン液晶5を通常演出に使用できない期間が更に長くなってしまうといった問題が生じるのを効果的に抑制することが可能である。
[ライト演出の詳細]
次に、図30〜図32を参照しつつ、回転ライト装置8を用いて行われるライト演出について説明する。ここで、図30は、ライト演出中に行われる結果判断処理について説明するための説明図である。図31は、回転ライト装置8の動作によって浮かび上がる文字とその文字色との変化の一例について説明するための説明図である。図32は、回転ライト装置8の動作によって浮かび上がる文字とその文字色との変化の他の一例について説明するための説明図である。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、公演開始予告演出の実行期間と、公演演出の実行期間とに亘って、図7に基づいて概要を説明したライト演出が行われる。このライト演出は、具体的には、メイン液晶5の左右両側の回転ライト装置8において、カラーLED811,821(図6参照)を所定の発光パターンで発光させながら、回転体80を所定の回転パターンで回転させて行われる演出である。
図30(A)に例示されるように、本実施形態におけるライト演出は、煽り段階、第1段階、第2段階、第3段階、第4段階、第5段階、第6段階、第7段階、及び第8段階の9つの段階から構成されている。
ここで、煽り段階は、公演演出に対する遊技者の期待感を高めることを目的として、回転ライト装置8を用いた煽り演出動作を行う段階である。この煽り段階における回転ライト装置8の煽り演出動作は、本実施形態では、公演開始予告演出の実行期間において行われる。
ライト演出における第1段階〜第8段階の演出は、回転ライト装置8の動作によって浮かび上がる文字を1文字ずつ増やしながら、その文字色を段階的に変化させていく演出であるが、その演出には、複数の演出パターンが存在する。
(結果判断処理)
ライト演出中においては、各段階の演出を開始する際に結果判断処理が実行される。この結果判断処理は、当該結果判断処理と、保留結果判断処理とを含むものである。ここで、当該結果判断処理は、具体的には、第1特別図柄判定に係る図柄の変動表示中である場合に、その図柄の変動表示が終了する際に大当たり図柄が停止表示されることになるか否かを判断する処理である。言い換えれば、いわゆる当該変動が大当たりとなるか否かをその変動が終了する前(変動中)に判断する処理である。
一方の保留結果判断処理は、第1特別図柄判定が保留されている場合に、その保留の中に大当たりと判定されることになるものが存在するか否か、大当たりと判定されることになるものが存在しないものの大当たりに対する信頼度が相対的に高い保留が存在するか否かを判断する処理である。
なお、当該結果判断処理は、段階の演出が開始される際に第1特別図柄判定に係る図柄が変動表示されていない場合には行われない。また、保留結果判断処理は、段階の演出が開始される際に第1特別図柄判定の保留が存在しない場合には行われない。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、ライト演出の各段階の演出を開始する際に、上記の当該結果判断処理と保留結果判断処理との両方又はいずれか一方が行われ、その処理の結果に基づいて、ライト演出中の演出態様(本実施形態では回転ライト装置8の発光パターン)が制御される。
(大当たりがない場合)
第1段階〜第8段階に関して、段階の演出を開始する際に行われた結果判断処理の結果、いずれの段階でも大当たりの存在を確認できなかった場合、以下のような演出態様でライト演出が実行される。すなわち、図30(A)及び図31に示されるように、第1段階の演出では白色の「S」の1文字が浮かび上がり、第2段階の演出では青色の「SU」の2文字が浮かび上がり、第3段階の演出では黄色の「SUR」の3文字が浮かび上がり、第4段階の演出では橙色の「SURP」の4文字が浮かび上がり、第5段階の演出では緑色の「SURPR」の5文字が浮かび上がり、第6段階の演出では紫色の「SURPRI」の6文字が浮かび上がり、第7段階の演出では赤色の「SURPRIS」の7文字が浮かび上がり、第8段階の演出では赤色の「SURPRIS」の7文字が浮かび上がるように、ライト演出の演出態様が変化していく。
このように、いずれの段階でも大当たりの存在を確認できなかった場合、最終的に「SURPRISE」の文字が完成せず、また、文字色も赤色までしか発展しない。以下、ライト演出のこのようなパターンを「基本パターン」と呼ぶものとする。
(第8段階で大当たりの存在を確認できた場合)
第1段階〜第7段階のそれぞれの段階の演出を開始する際に行われた結果判断処理の結果が、いずれも大当たりが存在しないというものである場合、第1段階〜第7段階までの演出は、図30(A)と図30(B)との比較から明らかなように、基本パターンでの第1〜第7段階までの演出と同様に行われる(図31及び図32(A)参照)。そして、第8段階の演出を開始する際に行われた結果判断処理の結果、「大当たり」の存在を確認できた場合、第8段階においては、基本パターンの第8段階における演出とは異なる演出態様で演出が行われる。具体的には、図30(B)及び図32(A)に示されるように、虹色の「SURPRISE」の8文字が浮かび上がる演出が行われる。
(第5段階で大当たりの存在を確認できた場合)
第1段階〜第4段階のそれぞれの段階の演出を開始する際に行われた結果判断処理の結果が、いずれも大当たりが存在しないというものである場合、第1段階〜第4段階までの演出は、図30(A)と図30(C)との比較から明らかなように、基本パターンでの第1〜第4段階までの演出と同様に行われる(図31及び図32(B)参照)。そして、第5段階の演出を開始する際に行われた結果判断処理の結果、「大当たり」の存在を確認できた場合、第5段階においては、基本パターンの第5段階における演出とは異なる演出態様で演出が行われる。具体的には、図30(C)及び図32(B)に示されるように、虹色の「SURPRISE」の8文字が浮かび上がる演出が行われる。
なお、図30(C)及び図32(B)においてライト演出が第5段階で終了しているのは、回転ライト装置8が大当たり演出に使用されるためであるが、他の実施形態においては、大当たり遊技が開始されたとしてもその演出に回転ライト装置8を使用せずに、この第5段階の演出を公演演出が終了するまで(例えば基本パターンの第8段階の演出が終了するタイミングまで)継続させるようにしてもよい。
このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、ライト演出中に段階が発展していっても大当たりの存在を確認できない場合には、基本パターンでの演出が行われる。これに対して、いずれかの段階の演出を開始する際に大当たりの存在を確認できた場合には、虹色の「SURPRISE」の8文字が浮かび上がるという基本パターンとは異なる変則パターンの演出態様でライト演出が行われる。このように、回転ライト装置8によって行われるライト演出は、RTC演出中(ここでは公演演出中)において、大当たりの存在を示唆する示唆演出としての機能を有している。なお、大当たりの存在を確認できた場合には変則パターンの演出態様でのライト演出が必ず行われる訳ではなく、変則パターンの演出態様でのライト演出を行うか否かを、乱数を用いた演出抽選により決定するようにしてもよい。具体的な方法としては、大当たりの存在を確認できた場合に、演出態様を基本パターンから変則パターンに切り替えるか否かを決定するための第1抽選を行い、変則パターンに切り替えると決定された場合に、どの段階から変則パターンに切り替えるかの第2抽選を行うことが一例として挙げられる。
なお、このライト演出は、上述した起動方法を利用して、複数のパチンコ遊技機1において同時に開始させることが可能である。例えば、パチンコ遊技機1A〜1H(図10参照)において、いずれのパチンコ遊技機1でもライト演出中に大当たりの存在が確認されなかった場合、全てのパチンコ遊技機1A〜1Hにおいて、基本パターンのライト演出が同期するように行われる。このため、ライト演出を伴う公演開始予告演出および公演演出の演出効果を効果的に高めることが可能である。
一方、パチンコ遊技機1A〜1Hにおいて、いずれかのパチンコ遊技機1でライト演出中に大当たりの存在が確認された場合、そのパチンコ遊技機1だけ、他のパチンコ遊技機1とは異なる演出態様でライト演出が行われることになる。本実施形態においては、回転ライト装置8が虹色で発光するのに伴い、枠部材3に内蔵された枠ランプ37も虹色で発光すると共に、通常位置にある演出ボタン26が、同時に或いは少し遅れて、突出位置に移動するように飛び出す。これに対して、遊技者が演出ボタン26を押下すると、例えば不図示の演出役物が所定の動作を行うことによって、大当たりの存在が示唆される。このため、大当たりが控えているパチンコ遊技機1を際立たせることができ、且つ大当たりが存在するパチンコ遊技機1で遊技を行っている遊技者が大当たりの存在を明確に認識することができて、高い演出効果を得ることが可能である。
なお、本実施形態では、遊技者に大当たりの存在を明確に認識させるための入力手段として、通常位置と突出位置とに状態変化可能な演出ボタン26を用いることとしているが、入力手段は他のものであってもよい。例えば、入力手段として一部或いは全部が枠部材3に対して回転可能に構成された演出ボタンを設けて、回転ライト装置8が虹色で発光するのに伴って、その演出ボタンの一部或いは全部を回転させ、これに対して遊技者が演出ボタンを押下すると演出役物が所定の動作を行うといった制御を行うようにしてもよい。また、例えば、遊技盤2に対してかざされた遊技者の手を検知可能な光センサを設け、回転ライト装置8が虹色で発光するのに伴って遊技者に手をかざすことを促す演出表示を行い、これに対して上記光センサによって遊技者の手が検知された場合に、演出役物に所定の動作を行わせるといった制御を行うことも考えられる。このように、変則パターンでのライト演出に伴って使用される入力手段は、遊技者が何らかの動作を行ったことを示す情報を入力可能なものであれば、どのようなものであっても構わない。
ところで、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、公演開始予告演出と公演演出の実行期間においては、これらの演出にメイン液晶5が使用されるため、上記の実行期間においては、第1特別図柄判定に係る保留アイコンは、メイン液晶5ではなくサブ液晶6に小さく表示され、その結果、保留アイコンを用いた保留先読み演出は行われなくなる。すなわち、公演開始予告演出や公演演出の実行によって、保留アイコンを用いた保留先読み演出の実行が抑制されることになる。
これに対して、本実施形態のパチンコ遊技機1では、上述した結果判断処理の結果に基づいてライト演出の演出態様が変更される場合がある。すなわち、公演演出の実行期間においては、保留先読みの結果に基づく演出に使用される演出実行手段が、メイン液晶5から回転ライト装置8に変更される。このため、保留アイコンを用いた保留先読み演出に変わる先読み演出を行うことが可能であり、また、公演演出の実行期間外にメイン液晶5に表示される保留アイコンに比べて視認性が高い回転ライト装置8を用いて先読み演出が行われるため、先読み演出の演出効果を効果的に高めることが可能である。
なお、ここまで、上述した結果判断処理の結果として大当たりの存在が確認された場合にのみ、ライト演出の演出態様を基本パターンとは異なるパターンに変化させる場合について説明したが、保留結果判断処理の結果、最終的にはハズレが報知されるものの大当たりに対する信頼度が相対的に高い第1特別図柄判定が保留されているという判断結果が得られた場合にも、ライト演出の演出態様が基本パターンとは異なるパターンに制御される場合がある。
図には示されていないが、例えば、図31に示される第3段階の演出を開始する際に高信頼度の保留が存在するという保留結果判断処理の結果が得られた場合、第3段階の演出において、例えば基本パターンにおける第5段階の演出と同様の演出が行われる。すなわち、第3段階において、基本パターンにおける第3段階の演出と第4段階の演出を飛ばして、基本パターンにおける第5段階の演出が行われる。より詳細に説明すると、第3段階では、本来であれば黄色の「SUR」の3文字が浮かび上がる演出が行われるところ、これに代えて、緑色の「SURPR」5文字が浮かび上がる演出が行われる。
このように、高信頼度の保留が存在する場合には、基本パターンとは異なるパターンでライト演出が行われる。これに対して、隣接する他のパチンコ遊技機1においては、基本的には基本パターンのライト演出が行われているため、高信頼度の保留が存在するパチンコ遊技機1だけ、他のパチンコ遊技機1と異なる演出態様でライト演出が行われることとなる。
このため、遊技者は、自分が遊技しているパチンコ遊技機1におけるライト演出の演出態様が他のパチンコ遊技機1におけるライト演出の演出態様とは異なることに基づいて、自分が遊技しているパチンコ遊技機1において大当たりが控えている可能性があることを容易に認識することができる。
なお、ここでは、高信頼度の保留の存在が確認できた段階において、基本パターンにおけるそれよりも後の段階の演出を行う段階飛ばしを行う場合について説明した。これに対して、高信頼度の保留の存在が確認できた段階において、その段階の演出で浮かび上がる文字の数は変更せずに、その文字色のみをより上位のものに変更するようにしてもよい。
また、本実施形態においては、大当たりの存在を確認できたら、その段階の演出から演出態様を変化させることとしているが、他の実施形態においては、大当たりの存在を確認できた段階よりも後の段階から、ライト演出の演出態様を変化させるようにしてもよい。また、高信頼度の保留の存在を確認できた場合に、これと同様の制御を行うようにしてもよい。
また、本実施形態で説明するライト演出の演出態様は単なる一例であって、ライト演出の演出態様(回転パターン、浮かび上がる文字、発光色など)は他の演出態様であってもよいことは言うまでもない。
[設置位置情報について]
本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、設置位置情報を設定することが可能であり、設置位置情報に基づく演出(本実施形態ではRTC演出)を実行可能に構成されている。ここで、設置位置情報とは、ホールにおいてパチンコ遊技機1が設置される位置を示す情報である。より詳細には、例えばパチンコ遊技機1Aや他のパチンコ遊技機1を設置可能な位置を基準位置(図10参照)とした場合に、その基準位置に対して各パチンコ遊技機1が設置される相対的な位置を示す情報である。
後に詳述するが、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、設置位置情報に基づいて、所定の基準タイミングに対して、演出の開始を遅延させることが可能に構成されている。この演出としては、例えば後述する「投下演出」が一例として挙げられる。
また、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、設置位置情報に基づいて、演出の一部を変化させることが可能に構成されている。この演出としては、例えば後述する「障害物競走」が一例として挙げられる。
また、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、設置位置情報に基づいて、演出に使用される演出データの再生開始ポイントを変化させることが可能に構成されている。この演出としては、例えば後述する「輪投げゲーム」が一例として挙げられる。
[設置位置情報の設定方法]
次に、図33を参照しつつ、設置位置情報の設定方法について説明する。ここで、図33は、設置位置情報の設定について説明するための画面図である。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、RAMクリアスイッチ104(図57参照)を有している。このRAMクリアスイッチ104は、メインRAM103(図57参照)に記憶されている情報の消去を指示するためのスイッチであって、図57に示されるように、遊技の進行を制御する遊技制御基板100に直接搭載されている。
パチンコ遊技機1では、RAMクリアスイッチ104を押したままパチンコ遊技機1の個別電源スイッチを「ON」にすると、RAMクリアの準備状態であることを示す電源復旧画面(設定画面の一例)がメイン液晶5に表示される(図33(A)参照)。この電源復旧画面は、図33(A)に示されるように、「RAMクリア準備中」との文言、パチンコ遊技機1の初期設定を行う場合には演出ボタン26を押下すればよいことを示すメッセージ、もう一度RAMクリアスイッチ104を押すことを促すメッセージ等を含むものである。
これに対して、電源復旧画面が表示された状態でRAMクリアスイッチが押下されると、パチンコ遊技機1の内部で初期設定等が行われて、メイン液晶5の画面が、電源復旧画面から不図示の通常画面へと移行することになる。
なお、電源復旧画面が表示された状態で、RAMクリアスイッチ104が押下されず、また、演出ボタン26も押下されない場合、電源復旧画面の表示が維持される。すなわち、RAMクリアスイッチ104と演出ボタン26とがどちらも押下されない場合には、1時間でも2時間でも、電源復旧画面の表示が継続されることになる。
一方、図33(A)に例示される電源復旧画面が表示された状態で演出ボタン26が押下された場合、メイン液晶5に設置位置設定画面が表示される(図33(B)参照)。この設置位置設定画面は、1列に並べられたパチンコ遊技機1の台数と、所定の基準位置に対するパチンコ遊技機1が設置されている設置位置とを設定するための設定画面である。
図33(B)に例示されるように、設置位置設定画面には、黒塗りの右向き三角で示される第1カーソルが表示されており、演出キー27の上キー(又は下キー)を押下することによって、この第1カーソルが上方向(又は下方向)に移動する。これにより、1列に並べられたパチンコ遊技機1の台数を選択可能な状態(図33(B)に例示される状態)と、パチンコ遊技機1の設置位置を選択可能な状態(図33(C)に例示される状態)と、決定ボタンを選択可能な状態と、戻るボタンを選択可能な状態とを切り替えることが可能である。
図33(B)に示されるように、第1カーソルが上側に位置している状態、すなわち、1列に並べられたパチンコ遊技機1の台数を設定可能な状態では、演出キー27の左キーを押下することによって台数を減らすことができ、逆に、演出キー27の右キーを押下することによって台数を増やすことが可能である。本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、1列に並べられたパチンコ遊技機1の台数として選択可能な上限台数は、「8」に設定されている。
また、図33(C)に示されるように、第1カーソルが下側に位置している状態では、1列に並べられた台数のパチンコ遊技機1のうち、このパチンコ遊技機1が左から何番目に位置するかを選択することが可能である。具体的には、演出キー27の左キーを押下することによって左から何番目に位置するかを示す数値を減少させることができ、逆に、演出キー27の右キーを押下することによって左から何番目に位置するかを示す数値を増加させることができる。
なお、設置位置設定画面には、パチンコ遊技機1を模した画像を横方向に複数並べた演出画像が表示されると共に、この演出画像の下に、左右方向に移動可能な第2カーソル(上向きの白抜き三角:図33(C)参照)が表示されている。この第2カーソルは、このパチンコ遊技機1が左から何番目に位置するかを示す数値を増加又は減少させることによって、上記の演出画像に対して左右に移動する。
上記のように、本実施形態では、1列に並べられたパチンコ遊技機1の台数として選択可能な上限台数は、「8」に設定されているため、左から何台目かを示す数値の上限値も「8」である。
例えば、パチンコ遊技機1B(図10参照)において設置位置の設定を行う場合、図33(C)に例示されるように、1列に並べられた台数を「8」に選択し、左から何番目に位置するかを示す数値を「2」に選択した状態で、演出キー27の下キーを押下する。これにより、第1カーソルが表示されなくなると共に、決定ボタンがハイライト表示される。これに対して、決定ボタンの選択を指示するために演出ボタン26を押下すると、1列に8台のパチンコ遊技機1A〜1Hが設置されており、これらのパチンコ遊技機1のうちの左から2番目に位置するパチンコ遊技機1であることを示す設置位置情報が記憶されることになる。
また、例えばパチンコ遊技機1Fにおいて設置位置を設定する場合、1列に並べられた台数を「8」に選択し、左から何番目に位置するかを示す数値を「6」に選択した状態で決定ボタンの選択操作を行うようにすればよい。また、例えばパチンコ遊技機1Aにおいて設置位置を設定する場合、1列に並べられた台数を「8」に選択し、左から何番目に位置するかを示す数値を「1」に選択した状態で決定ボタンの選択操作を行うようにすればよい。
このように、1列に並べられた台数と、左から何番目に位置するかを示す数値とは、設置位置設定画面に対する設定操作が行われたパチンコ遊技機1の設置位置情報として、そのパチンコ遊技機1の記憶手段に記憶される。
なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、設置位置情報を記憶する記憶手段にFeRAM1451(図58参照)が使用される。このため、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されない状態になったとしても、設置位置情報を保持することが可能である。
このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、所定の操作に基づいて、FeRAM1451に記憶される設置位置情報を設定することが可能である。
なお、設置位置情報の設定には、枠部材3を開放した状態でなければ操作することができないRAMクリアスイッチ104を用いて設置位置設定画面を表示させる必要がある。このため、基本的には、遊技者が設置位置情報の設定を行うことはできない。したがって、遊技者が設置位置情報を任意に変更して、その結果、設置位置情報に基づく演出が適切に行われなくなってしまうのを容易に防止することが可能である。
これに対して、設置位置情報を遊技者が任意に変更しても支障がない演出が存在する場合には、その演出に関しては、設置位置情報を遊技者が任意に設定することが可能な構成を採用してもよい。すなわち、基本的に遊技者が操作することができないパチンコ遊技機1の個別電源スイッチやRAMクリアスイッチ104を用いることなく、演出ボタン26や演出キー27の操作によって設置位置情報を設定することが可能な構成を採用してもよい。
なお、本実施形態では、設置位置情報が、横一列に並べられた8台のパチンコ遊技機1A〜1Hのうちの一番左側に位置するパチンコ遊技機1Aが設置されている位置を基準位置とした場合の設置位置を示す情報である場合について説明するが、基準位置は他の位置であってもよい。すなわち、基準位置は、パチンコ遊技機1A〜1Hのうちの一番右側に位置するパチンコ遊技機1Hが設置されている位置であってもよい。また、基準位置は、パチンコ遊技機1A〜1Hのうちの真ん中付近に位置するパチンコ遊技機1D(又はパチンコ遊技機1E)が設置されている位置であってもよい。
[投下演出の詳細]
次に、図34〜図39を参照しつつ、投下演出について説明する。ここで、図34は、投下演出の流れについて説明するための画面図である。図35は、設置位置情報と基準タイミングに対する遅延時間との対応関係を例示する説明図である。図36は、横一列に設置された複数台のパチンコ遊技機1において設置位置順に開始される投下演出の態様を例示する第1の画面図である。図37は、横一列に設置された複数台のパチンコ遊技機1において設置位置順に開始される投下演出の態様を例示する第2の画面図である。図38は、横一列に設置された複数台のパチンコ遊技機1において設置位置順に開始される投下演出の態様を例示する第3の画面図である。図39は、横一列に設置された複数台のパチンコ遊技機1において設置位置順に開始される投下演出の態様を例示する第4の画面図である。
投下演出は、上述したポイントを投下してそのポイントを付与する演出である。本実施形態においては、投下演出は以下のような態様で行われる。すなわち、投下演出の開始タイミングになると、まず、メイン液晶5の画面左上に、いわゆるUFOを模した3つのキャラクタのうちの1つ目のキャラクタが出現する(図34(A)参照)。これら3つのキャラクタは、互いに連結した状態で、メイン液晶5の画面上を右方向へと移動する。このため、時間の経過に伴い、3つ全てのキャラクタがメイン液晶5に出現した状態となり(図34(B)及び(C)参照)、最終的には、メイン液晶5の画面から消えて行く(図34(D)参照)。
このような3つのキャラクタが移動する過程において、これら3つのキャラクタからメイン液晶5の画面における幅方向の中央まで移動したタイミングで、遊技者が遊技特典を得るために必要なポイントを示す数値を含んだハートマークの画像(以下「ハート画像」と呼ぶ。)が投下される(図34(C)参照)。このハート画像は、時間の経過に伴って落下していく。
なお、図には示されていないが、メイン液晶5には、遊技者が獲得したポイントの合計値を示すポイント情報が表示されており、上記のハート画像が下まで落下すると、ポイント情報が示す合計値に対してハート画像が示すポイントが加算されて、ポイント情報を更新する処理が行われる。そして、そのポイント情報が所定の条件を満たす毎に、遊技者に対して付与される遊技特典が追加されていく。例えば、ポイント情報が示すポイントが200ポイントに達すると第1の楽曲を選択して再生させることが可能になり、ポイント情報が示すポイントが400ポイントに達すると第2の楽曲を選択して再生させることが可能になる。
また、本実施形態においては、上記3つのキャラクタがメイン液晶5の画面に出現してから消えるまでの時間は、約0.5秒に設定されている。
この投下演出は、所定の時間条件と、FeRAM1451に記憶されている設置位置情報とに応じた開始タイミングで開始される演出である。ここで、所定の時間条件とは、図12に示されるように、パチンコ遊技機1の電源投入からの経過時間が30分であること、電源投入からの経過時間がN時間(Nは整数)15分であること、電源投入からの経過時間がN時間(Nは整数)45分であること、及びゲーム演出終了タイミングになったことのいずれかである。
パチンコ遊技機1では、そのパチンコ遊技機1が所定の基準位置に設置されていることを示す設置位置情報がFeRAM1451に記憶されている場合、上記3つの時間条件のいずれかを満たしたタイミングで投下演出が開始されることになる。ここで、「所定の基準位置に設置されていることを示す設置位置情報」とは、図33(B)、(C)に例示される設置位置設定画面において、左から何番目に位置するかを示す数値として「1」が選択された状態で決定操作が行われたことに応じてFeRAM1451に記憶された設置位置情報である。
これに対して、パチンコ遊技機1が所定の基準位置とは異なる位置に設置されていることを示す設置位置情報がFeRAM1451に記憶されている場合、上記3つの時間条件のいずれかを満たしたタイミング(以下「基準タイミング」と呼ぶ。)では投下演出は開始されず、この基準タイミングに対して、設置位置情報に応じた時間だけ遅延した開始タイミングで投下演出が開始される。
以下、図35に基づいて、パチンコ遊技機1A〜1Hにおける投下演出の開始タイミングについて説明する。なお、以下の説明においては、各パチンコ遊技機1A〜1Hのいずれの遊技機においても1列に並べられた台数が「8」に設定され、パチンコ遊技機1Aにおいては左から何番目に位置するかを示す数値が「1」に設定され、パチンコ遊技機1Bにおいては左から何番目に位置するかを示す数値が「2」に設定され、パチンコ遊技機1Cにおいては左から何番目に位置するかを示す数値が「3」に設定され、パチンコ遊技機1Dにおいては左から何番目に位置するかを示す数値が「4」に設定され、パチンコ遊技機1Eにおいては左から何番目に位置するかを示す数値が「5」に設定され、パチンコ遊技機1Fにおいては左から何番目に位置するかを示す数値が「6」に設定され、パチンコ遊技機1Gにおいては左から何番目に位置するかを示す数値が「7」に設定され、パチンコ遊技機1Hにおいては左から何番目に位置するかを示す数値が「8」に設定されているものとする。すなわち、各パチンコ遊技機1A〜1Hにおいて設置位置情報が適切に設定されていることを前提として説明を行う。
各パチンコ遊技機1の制御用ROM144(図58参照)には、図35に示されるように、基準位置に対して左から何番目に位置するかを示す数値と、基準タイミングに対する投下演出の開始タイミングの遅延時間とが対応付けられた遅延時間テーブルが記憶されている。各パチンコ遊技機1においては、FeRAM1451に記憶されている設置位置情報が示す設置位置に対応する遅延時間をこの遅延時間テーブルから読み出すことによって、投下演出の開始タイミングが決定される。
パチンコ遊技機1Aにおいては、パチンコ遊技機1Aが所定の基準位置(図10においては島の一番左側の位置)に設置されていることを示す設置位置情報がFeRAM1451に記憶されている。このため、基準タイミングに対する投下演出の開始タイミングの遅延時間は0秒であり、パチンコ遊技機1Aにおいては、基準タイミングで投下演出が開始される。すなわち、パチンコ遊技機1Aの電源投入からの経過時間が30分となったタイミング、N時間(Nは整数)15分となったタイミング、経過時間がN時間(Nは整数)45分となったタイミング、又はゲーム演出の終了タイミングで投下演出が開始される。
すなわち、本実施形態においては、投下演出に関する基準タイミングが3種類存在し、これら3種類の基準タイミングのうちのいずれかの基準タイミングになると、パチンコ遊技機1Aにおける投下演出が開始されることになる。
なお、ここでの電源投入とは、パチンコ遊技機1Aの個別電源スイッチが「ON」になったタイミングではなく、各パチンコ遊技機1A〜1Hのそれぞれの個別電源スイッチを「ON」にした状態で島電源供給装置600の電源を投入したタイミングである。これは、以下に説明する他のパチンコ遊技機1B〜1Hについても同様である。
パチンコ遊技機1Bにおいては、パチンコ遊技機1Aが設置されている基準位置を基準としてパチンコ遊技機1Bが左から2番目の位置に設置されていることを示す設置位置情報がFeRAM1451に記憶されており、基準タイミングに対する投下演出の開始タイミングの遅延時間は、0.5秒である(図35参照)。このため、パチンコ遊技機1Bでは、基準タイミングに対して0.5秒が経過したタイミングで、投下演出が開始される。すなわち、パチンコ遊技機1Bの電源投入からの経過時間がN時間(Nは整数)15分になると、その0.5秒後に投下演出が開始される。また、経過時間がN時間(Nは整数)45分になると、その0.5秒後に投下演出が開始される。また、ゲーム終了演出が終了すると、その終了タイミングの0.5秒後に投下演出が開始される。
パチンコ遊技機1Cにおいては、パチンコ遊技機1Aが設置されている基準位置を基準としてパチンコ遊技機1Cが左から3番目の位置に設置されていることを示す設置位置情報がFeRAM1451に記憶されており、基準タイミングに対する投下演出の開始タイミングの遅延時間は、1.0秒である(図35参照)。このため、パチンコ遊技機1Cでは、基準タイミングに対して1.0秒が経過したタイミングで、投下演出が開始される。すなわち、パチンコ遊技機1Cの電源投入からの経過時間がN時間(Nは整数)15分になると、その1.0秒後に投下演出が開始される。また、経過時間がN時間(Nは整数)45分になると、その1.0秒後に投下演出が開始される。また、ゲーム終了演出が終了すると、その終了タイミングの1.0秒後に投下演出が開始される。
なお、パチンコ遊技機1D〜1Hにおいては、基準タイミングに対する投下演出の開始タイミングが、それぞれ1.5秒、2.0秒、2.5秒、3.0秒、3.5秒と互いに異なる点を除いて、パチンコ遊技機1B,1Cと同様に、基準タイミングに対して遅延した開始タイミングで開始される。このため、パチンコ遊技機1D〜1Hで行われる投下演出の開始タイミングに関する説明は省略する。
[投下演出の流れ]
まず、基準タイミングになると、パチンコ遊技機1Aにおける投下演出が開始される(図36(A)参照)。具体的には、図36(A)に例示されるように、3つのキャラクタのうちの1つ目のキャラクタがメイン液晶5の画面左上に出現する。この1つ目のキャラクタは、時間の経過に伴って右側に移動して行き、それに連れて、2つ目のキャラクタ、3つ目のキャラクタが順に出現することになる(図34(A)及び(B)参照)。
パチンコ遊技機1Aにおける投下演出の開始(=基準タイミング)から約0.25秒が経過すると、パチンコ遊技機1Aのメイン液晶5の画面に表示されている3つのキャラクタが、その画面における幅方向の中央に到達する(図36(B)参照)。これに伴い、パチンコ遊技機1Aで遊技を行う遊技者に対してポイントを付与するためのハート画像の落下(以下「ポイント投下」ともいう。)が開始される。なお、図36(B)には、パチンコ遊技機1のメイン液晶5において、遊技者に対して「3」ポイントを付与するためのハート画像の落下が開始される。この遊技者に付与するポイントの決定方法については、図40に基づいて後に詳述する。
図36(C)には、基準タイミングから0.4秒が経過したときの状態が例示されている。このように、基準タイミングから0.4秒が経過すると、パチンコ遊技機1Aのメイン液晶5において、3つのキャラクタのうちの最後に出現した1つのキャラクタのみが表示された状態となり、また、ハート画像がメイン液晶5の上下方向における画面中央よりも若干下の位置まで降下した状態となる。
なお、図36(C)の表記から明らかなように、投下演出の開始タイミングが基準タイミングに対して0.5秒遅延するパチンコ遊技機1Bにおいては、未だ投下演出は開始されていない。これは、開始タイミングが基準タイミングに対して1.0秒遅延するパチンコ遊技機1Cや、他のパチンコ遊技機1D〜1Hについても同様である。
基準タイミングから0.5秒が経過すると、パチンコ遊技機1Bのメイン液晶5における投下演出が開始される(図36(D)参照)。このとき、パチンコ遊技機1Aのメイン液晶5においては、ハート画像が画面の下端部まで落下した状態となり、その直後に、ハート画像が画面から消去されるのに伴い、パチンコ遊技機1Aのメイン液晶5に表示されている不図示のポイント情報が更新される。
基準タイミングでパチンコ遊技機1Aにおいて投下演出が開始されてから0.75秒が経過すると、パチンコ遊技機1Bのメイン液晶5の画面に表示されている3つのキャラクタが、その画面における幅方向の中央に到達する(図37(A)参照)。これに伴い、パチンコ遊技機1Bのメイン液晶5において、ポイント投下が開始される。図37(A)には、遊技者に対して30ポイントを付与するためのハート画像が投下され始める様子が示されている。このパチンコ遊技機1Bのメイン液晶5で行われるポイント投下は、ポイント投下が開始されるタイミングや、遊技者に対して付与されるポイントが異なる(同じ場合もある。)点を除いて、パチンコ遊技機1Aのメイン液晶5で行われる投下演出と同様に行われる。
図37(B)には、基準タイミングから0.9秒が経過したときの状態が例示されている。このように、基準タイミングから0.9秒が経過すると、パチンコ遊技機1Bのメイン液晶5において、3つのキャラクタのうちの最後に出現した1つのキャラクタのみが表示された状態となり、また、ハート画像がメイン液晶5の上下方向における画面中央よりも若干下の位置まで降下した状態となる。
なお、図37(B)の表記から明らかなように、投下演出の開始タイミングが基準タイミングに対して1.0秒遅延するパチンコ遊技機1Cにおいては、未だ投下演出は開始されていない。これは、開始タイミングが基準タイミングに対して1.5秒遅延するパチンコ遊技機1Dや、他のパチンコ遊技機1E〜1Hについても同様である。
基準タイミングから1.0秒が経過すると、パチンコ遊技機1Cのメイン液晶5における投下演出が開始される(図37(C)参照)。このとき、パチンコ遊技機1Bのメイン液晶5においては、ハート画像が画面の下端部まで落下した状態となり、その直後に、ハート画像が画面から消去されるのに伴い、パチンコ遊技機1Bのメイン液晶5に表示されている不図示のポイント情報が更新される。
基準タイミングでパチンコ遊技機1Aにおいて投下演出が開始されてから1.25秒が経過すると、パチンコ遊技機1Cのメイン液晶5の画面に表示されている3つのキャラクタが、その画面における幅方向の中央に到達する(図37(D)参照)。これに伴い、パチンコ遊技機1Cのメイン液晶5において、ポイント投下が開始される。図37(D)には、遊技者に対して48ポイントを付与するためのハート画像が投下され始める様子が示されている。このパチンコ遊技機1Cのメイン液晶5で行われるポイント投下は、ポイント投下が開始されるタイミングや、遊技者に対して付与されるポイントが異なる(同じ場合もある。)点を除いて、パチンコ遊技機1Aのメイン液晶5で行われる投下演出と同様に行われる。
なお、本実施形態においては、各パチンコ遊技機1A〜1Hのそれぞれにおいて、投下演出が開始される際に、上述したライト演出において行われるのと同様の結果判断処理が行われる。この結果判断処理は、当該結果判断処理と、保留結果判断処理とを含むものである。
ここで、当該結果判断処理は、具体的には、投下演出の開始時に第1特別図柄判定に係る図柄の変動表示中である場合に、その図柄の変動表示が終了する際に大当たり図柄が停止表示されることになるか否かを判断する処理である。言い換えれば、いわゆる当該変動が大当たりとなるか否かをその変動が終了する前(変動中)に判断する処理である。
一方の保留結果判断処理は、投下演出の開始時に第1特別図柄判定が保留されている場合に、その保留の中に大当たりと判定されることになるものが存在するか否か、大当たりとなるものが存在しないものの例えばSPリーチ演出やSPSPリーチ演出が行われた後にハズレが報知される高信頼度ハズレの保留が存在するか否かを判断する処理である。
なお、当該結果判断処理は、投下演出の開始時に第1特別図柄判定に係る図柄が変動表示されていない場合には行われない。また、保留結果判断処理は、投下演出の開始時に第1特別図柄判定の保留が存在しない場合には行われない。
各パチンコ遊技機1A〜1Hでは、それぞれの投下演出の開始時に、上記の当該結果判断処理と保留結果判断処理との両方又はいずれか一方が行われ、その処理の結果に基づいて、ポイント投下により遊技者に付与されるポイントが決定される。
このように、結果判断処理の結果に基づいてポイントが決定されるため、隣接する他のパチンコ遊技機1で行われるのと同じ投下演出が行われるものの、実際に投下されるポイントは、他のパチンコ遊技機1において投下されるポイントと異なるポイントとなる場合がある。つまり、他のパチンコ遊技機1で行われる投下演出と比較した場合に、投下演出の一部が異なる投下演出が行われる。
なお、パチンコ遊技機1Cにおいては、投下演出の開始時に保留されている第1特別図柄判定の中に大当たりであると判定される可能性が相対的に高いものが存在するので、「48」ポイントを付与するための投下演出が行われる(図37(D)、図38(A)、及び図38(B)参照)。
図38(A)には、基準タイミングから1.4秒が経過したときの状態が例示されている。このように、基準タイミングから1.4秒が経過すると、パチンコ遊技機1Cのメイン液晶5において、3つのキャラクタのうちの最後に出現した1つのキャラクタのみが表示された状態となり、また、ハート画像がメイン液晶5の上下方向における画面中央よりも若干下の位置まで降下した状態となる。
なお、図38(A)の表記から明らかなように、投下演出の開始タイミングが基準タイミングに対して1.5秒遅延するパチンコ遊技機1Dにおいては、未だ投下演出は開始されていない。これは、開始タイミングが基準タイミングに対して2.0秒遅延するパチンコ遊技機1Eや、他のパチンコ遊技機1F,1Hについても同様である。
基準タイミングから1.5秒が経過すると、パチンコ遊技機1Dのメイン液晶5における投下演出が開始される(図38(B)参照)。このとき、パチンコ遊技機1Cのメイン液晶5においては、ハート画像が画面の下端部まで落下した状態となり、その直後に、ハート画像が画面から消去されるのに伴い、パチンコ遊技機1Cのメイン液晶5に表示されている不図示のポイント情報が更新される。
基準タイミングでパチンコ遊技機1Aにおいて投下演出が開始されてから1.75秒が経過すると、パチンコ遊技機1Dのメイン液晶5の画面に表示されている3つのキャラクタが、その画面における幅方向の中央に到達する(図38(C)参照)。これに伴い、パチンコ遊技機1Dのメイン液晶5において、ポイント投下が開始される。図38(C)には、遊技者に対して10ポイントを付与するためのハート画像が投下され始める様子が示されている。このパチンコ遊技機1Dのメイン液晶5で行われるポイント投下は、ポイント投下が開始されるタイミングや、遊技者に対して付与されるポイントが異なる(同じ場合もある。)点を除いて、パチンコ遊技機1A等のメイン液晶5で行われる投下演出と同様に行われる。
なお、パチンコ遊技機1Dにおいても、投下演出の開始時に先読み演出が行われるが、ここでは大当たりに対する信頼度が相対的に高い第1特別図柄判定の保留が存在しないため、10ポイントという低めのポイントを付与するためのポイント投下が行われる(図38(C)参照)。
図38(D)には、基準タイミングから1.9秒が経過したときの状態が例示されている。このように、基準タイミングから1.9秒が経過すると、パチンコ遊技機1Dのメイン液晶5において、3つのキャラクタのうちの最後に出現した1つのキャラクタのみが表示された状態となり、また、ハート画像がメイン液晶5の上下方向における画面中央よりも若干下の位置まで降下した状態となる。
なお、図38(D)の表記から明らかなように、投下演出の開始タイミングが基準タイミングに対して2.0秒遅延するパチンコ遊技機1Eにおいては、未だ投下演出は開始されていない。これは、開始タイミングが基準タイミングに対して2.5秒遅延するパチンコ遊技機1Fや、他のパチンコ遊技機1G〜1Hについても同様である。
基準タイミングから2.0秒が経過すると、パチンコ遊技機1Eのメイン液晶5における投下演出が開始される(図39(A)参照)。このとき、パチンコ遊技機1Dのメイン液晶5においては、ハート画像が画面の下端部まで落下した状態となり、その直後に、ハート画像が画面から消去されるのに伴い、パチンコ遊技機1Dのメイン液晶5に表示されている不図示のポイント情報が更新される。
基準タイミングでパチンコ遊技機1Aにおいて投下演出が開始されてから2.25秒が経過すると、パチンコ遊技機1Eのメイン液晶5の画面に表示されている3つのキャラクタが、その画面における幅方向の中央に到達する(図39(B)参照)。これに伴い、パチンコ遊技機1Eのメイン液晶5において、ポイント投下が開始される。図39(B)には、遊技者に対して480ポイントを付与するためのハート画像が投下され始める様子が示されている。このパチンコ遊技機1Eのメイン液晶5で行われるポイント投下は、ポイント投下が開始されるタイミングや、遊技者に対して付与されるポイントが異なる(同じ場合もある。)点を除いて、パチンコ遊技機1A等のメイン液晶5で行われる投下演出と同様に行われる。
なお、パチンコ遊技機1Eにおいても、投下演出の開始時に先読み演出が行われるが、第1特別図柄判定が消化された場合に大当たりと判定されることになる第1特別図柄判定の保留が存在するため、480ポイントという高ポイントを付与するためのポイント投下が行われる(図39(C)参照)。この480ポイントという高ポイントは、投下演出の開始時に行われる結果判断処理によって大当たりの存在を確認できた場合にしか付与されないポイントである。このため、480ポイントがポイント投下された場合には、投下演出の終了後に、大当たりが報知されることになる。
基準タイミングから2.5秒が経過すると、パチンコ遊技機1Eのメイン液晶5においては、ハート画像が画面の下端部まで落下した状態となり、その直後に、ハート画像が画面から消去されるのに伴い、パチンコ遊技機1Eのメイン液晶5に表示されている不図示のポイント情報が更新される。なお、図39には表れていないが、基準タイミングから2.5秒が経過すると、パチンコ遊技機1Fにおける投下演出が開始される。
なお、図36〜図39においては、説明の便宜上、パチンコ遊技機1A〜1Hの8台のパチンコ遊技機1のうちのパチンコ遊技機1A〜1Eの5台のパチンコ遊技機1で行われる投下演出しか図示されていないが、パチンコ遊技機1F以降についても、同様に投下演出が行われていくことになる。
[経過時間のカウントについて]
ところで、パチンコ遊技機1の電源投入からの経過時間を示す経過時間情報を制御用RAM145(図58参照)などの揮発性メモリに記憶し、更に、このパチンコ遊技機1の電力供給が遮断された場合に経過時間情報のバックアップを行わないような構成を採用した場合、電力供給が遮断されたことで経過時間情報が失われてしまい、投下演出に限らず、各種のRTC演出を適切な開始タイミングで開始させることができなくなってしまうという問題がある。
そこで、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、電力供給が行われなくても各種の情報を保持可能なFeRAM1451に経過時間情報を保持することとしている。
ただし、FeRAM1451に経過時間情報を記憶させる構成を採用したとしても、電力供給が遮断されている間は経過時間のカウントを行うことができないため、結局は各種のRTC演出を適切な開始タイミングで開始させることができないという問題が残る。
そこで、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、FeRAM1451に経過時間情報を保持するという構成に加えて、電断から電源復旧にかけて以下のような処理を行うことで、電断が原因でRTC演出を適切な開始タイミングで開始させることができなくなるといった問題が生じるのを抑制することとしている。
すなわち、パチンコ遊技機1では、島電源供給装置600からの電力供給が遮断される際に、RTC134(図57参照)から現在の日付及び時刻を示す情報(以下「RTC」情報という。)が取得されて、そのRTC情報が第1時間情報としてFeRAM1451に格納される。その後、島電源供給装置600からの電力供給が再開され始めたタイミングで再びRTC134からRTC情報が取得されて、そのRTC情報が第2時間情報としてFeRAM1451に格納される。このように、パチンコ遊技機1では、電断の前後で2つの時間情報が取得されるが、第2時間情報が示す日時と第1時間情報が示す日時との差分を求めることによって、電力供給が遮断されていた時間(電断時間)を特定することが可能である。
ここで、上記差分を示す差分情報が得られると、その差分情報が示す時間が、所定時間(例えば5分)以上であるか否かが判断される。ここで、差分情報が示す時間が所定時間未満であると判断された場合には、FeRAM1451に記憶されている経過時間情報が、差分情報が示す時間を加算した時間情報に更新される。その結果、FeRAM1451に記憶されている経過時間情報が示す経過時間が、上述した島電源供給装置600により一括で電源投入する起動方法で起動した他のパチンコ遊技機1のFeRAM1451に記憶されている経過時間情報が示す経過時間と一致することとなり、電源復旧タイミングで経過時間のカウントを再開することにより、RTC演出を適切な開始タイミングで開始させることができなくなるのを防止することが可能である。
なお、差分情報が示す時間が所定時間未満であると判断された場合、例えば、電力供給が遮断されて翌日に改めて電源が投入されるような場合には、電源投入時にFeRAM1451の経過時間情報がリセットされて、経過時間のカウントが「0」から開始されることになる。
ところで、このような方法で電源復旧の直後に経過時間のカウントを適切な時間から再開できるような構成においては、遊技者が遊技を行っているときや客待ち状態のときにメイン液晶5に表示される通常画面が表示されていないときにRTC演出の開始タイミングとなった場合に、そのRTC演出を開始させることも可能である。すなわち、電源復旧画面(図33(A)参照)や設置位置設定画面(図33(B)及び(C)参照)などの設定画面が表示されているときにRTC演出の開始タイミングとなった場合に、そのRTC演出を開始させることも可能である。
しかしながら、このような構成では、以下のような問題が生じてしまう。すなわち、例えば、設定画面の表示中においては、通常画面の表示中ではないため遊技者が獲得したポイントの合計を示すポイント情報がメイン液晶5に表示されておらず、ポイント情報を更新可能な状態ではない。このため、設定画面の表示中に投下演出が行われてしまうと、適切な処理が行えない可能性がある。また、設定画面の表示中に複数の部分演出から構成される一連の公演系列演出が行われてしまうと、例えば設定画面が表示されなくなったり、或いは、設定画面の一部又は全部が公演系列演出の演出画像に隠されてしまったりするため、設定画面に対する操作を適切に行うことができなくなるおそれがある。これは、設定画面の表示中に後述するゲーム演出の開始タイミングとなった場合にも同様である。
そこで、本実施形態におけるパチンコ遊技機1においては、設定画面の表示中(割込み処理の実行が可能ではない状態)にRTC演出の開始時間となった場合には、例外的に、RTC演出を開始させないこととしている。
なお、RTC134は、島電源供給装置600から電力が供給されていないときに不図示の内蔵電池から供給される電力によって情報を保持可能な記憶領域を有している。このため、他の実施形態においては、FeRAM1451に代えて、このRTC134の記憶領域に設置位置情報を記憶するようにしてもよい。
[ポイント決定方法]
次に、図40を参照しつつ、投下演出において投下されるポイントの決定方法について説明する。ここで、図40は、投下演出の実行によって付与される遊技ポイントを決定するための投下ポイント決定テーブルについて説明するための説明図である。
図40に例示されるように、各パチンコ遊技機1の制御用ROM144(図58参照)には、投下演出によって投下されるポイントを決定する際に参照されるテーブルとして、大当たり用ポイント決定テーブルと、高信頼度ハズレ用ポイント決定テーブルと、低信頼度ハズレ用ポイント決定テーブルと、客待ち用ポイント決定テーブルとが記憶されている。
これらのポイント決定テーブルにて選択され得るポイントは、本実施形態では、1ポイント、3ポイント、5ポイント、10ポイント、20ポイント、30ポイント、48ポイント、480ポイントの8種類である。ただし、上記4つのポイント選択テーブルの全てにおいて、これら8種類のポイントのいずれもが選択され得る訳ではなく、参照された際に、これら8種類のポイントの一部のポイントしか選択されないポイント選択テーブルもある。
上述したように、各パチンコ遊技機1においては、投下演出の開始時に、当該結果判断処理と保留結果判断処理との両方或いはいずれか一方が行われる。ここで、当該結果判断処理は、当該変動(現在行われている変動)が大当たりとなるか否かを判断する処理である。また、保留結果判断処理は、第1特別図柄判定に係る保留の中に、大当たりと判定されることになる保留、又は高信頼度ハズレの保留が存在するか否かを判断する処理である。
これに対して、大当たり用ポイント決定テーブルは、当該結果判断処理が行われて当該変動が大当たりとなると判断された場合と、保留結果判断処理が行われて大当たりと判定されることになる保留が存在すると判断された場合とのいずれかの場合に参照されるテーブルである。この大当たり用ポイント決定テーブルは、演出乱数とポイント数とが対応付けられたテーブルとして構成されており、このポイント決定テーブルが参照されてポイントが選択される場合、20ポイント、30ポイント、48ポイント、480ポイントの順で、選択割合が高くなっていく。すなわち、480ポイントに対して最も多くの演出乱数が割り当てられており、20ポイントに対して割り当てられている演出乱数の数が最も少ないといった構成となっている。このため、大当たり用ポイント決定テーブルが参照された場合、480ポイントが最も選択され易く、次に選択され易いのは48ポイントであり、20ポイントは選択され難い。なお、本実施形態では、大当たり用ポイント決定テーブルは、1ポイント、3ポイント、5ポイント、10ポイントといった低ポイントは選択されないように構成されている。
高信頼度ハズレ用ポイント決定テーブルは、当該結果判断処理の結果が当該変動でハズレが報知されることになり、且つ保留結果判断処理の結果として高信頼度ハズレの保留が存在すると判断された場合に参照されるポイント決定テーブルである。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1特別図柄判定が保留されると、第1特別図柄判定に係る高信頼度ハズレの保留に関して、その第1特別図柄判定の判定結果が大当たりとなるか否かと、その第1特別図柄判定に係る特別図柄の変動パターンとを事前に判定する事前判定処理が行われる(図66参照)。そして、その第1特別図柄判定の判定結果がハズレであるものの、特別図柄の変動パターンとしてその変動時間が相対的に長いものが選択される可能性が高いという事前判定結果が存在することを投下演出の開始時に特定できた場合に、高信頼度ハズレ用ポイント決定テーブルを参照して、遊技者に付与するポイントが選択される。
この高信頼度ハズレ用ポイント決定テーブルは、特別図柄の変動パターン(変動時間)と、演出乱数と、ポイント数とが対応付けられて構成されている。この高信頼度ハズレ用ポイント決定テーブルは、保留されている第1特別図柄判定が消化された場合にハズレが報知されることになるものの、遊技者に大当たりを期待させる高信頼度のリーチ演出(例えばSPリーチ演出やSPSPリーチ演出)が行われる可能性が高い場合に、投下演出に際して遊技者に付与するポイントを決定するために参照されるポイント選択テーブルである。このため、高信頼度ハズレ用ポイント決定テーブルは、それぞれの変動パターンに対して、20ポイント、30ポイント、48ポイントといった比較的高いポイント数に対して演出乱数が割り当てられている。そして、変動時間が長い変動パターンほど48ポイントという高ポイントが選択され易く(乱数値の割り当てが多く)、逆に、変動時間が短い変動パターンほど20ポイントが選択され易くなっている。
なお、高信頼度ハズレ用ポイント決定テーブルは、高信頼度のハズレに対してポイントを付与するものであるため、1ポイント、3ポイント、5ポイント、10ポイントといった低いポイント数に対しては演出乱数が割り当てられていない。また、480ポイントは当該結果判断処理または保留結果判断処理の結果として大当たりの存在が確認できた場合にしか選択されることがないポイントであるため、480ポイントに対しても演出乱数が割り当てられていない。
低信頼度ハズレ用ポイント決定テーブルは、当該結果判断処理の結果が当該変動でハズレが報知されることになり、且つ保留結果判断処理の結果として低信頼度ハズレの保留しか存在しないと判断された場合に参照されるポイント決定テーブルである。
第1特別図柄判定の判定結果がハズレであり、特別図柄の変動パターンとしてその変動時間が相対的に短いものが選択される可能性が高いという事前判定結果しか存在しないことが投下演出の開始時に特定できた場合に、低信頼度ハズレ用ポイント決定テーブルを参照して、遊技者に付与するポイントが選択される。
この低信頼度ハズレ用ポイント決定テーブルは、特別図柄の変動パターン(変動時間)と、演出乱数と、ポイント数とが対応付けられて構成されている。この低信頼度ハズレ用ポイント決定テーブルは、保留されている第1特別図柄判定が消化された場合にハズレが報知されることになり、且つ、遊技者に大当たりを期待させるような高信頼度のリーチ演出も行われない可能性が高い場合に、投下演出に際して遊技者に付与するポイントを決定するために参照されるポイント選択テーブルである。このため、低信頼度ハズレ用ポイント決定テーブルでは、それぞれの変動パターンに対して、1ポイント、3ポイント、5ポイント、10ポイントといった比較的低いポイント数に対して演出乱数が割り当てられている。なお、変動時間が長い変動パターンほど10ポイントや5ポイントといった高ポイントが選択され易く、逆に、変動時間が短い変動パターンほど1ポイントや3ポイントといった低ポイントが選択され易くなっている。
客待ち用ポイント決定テーブルは、投下演出の開始時に客待ち状態である場合に、投下するポイントを決定するために参照されるテーブルである。ここで、客待ち状態とは、特別図柄が変動表示されていないと共に第1特別図柄判定が保留されておらず、また、大当たり遊技中でもない状態をいう。この客待ち状態は、遊技者による遊技が行われていない状態である。このため、このような状態において高ポイントのハート画像が投下される投下演出を行うのは好ましくない。このため、客待ち用ポイント決定テーブルでは、1ポイント、3ポイント、5ポイントの3種類のポイント数に対してのみ、演出乱数が割り当てられている。
客待ち状態のときに投下演出の開始タイミングを迎えた場合、特別図柄は変動表示されておらず、第1特別図柄判定が保留されていないため、考慮すべき事前判定結果も存在しない。このような客待ち状態においては、投下演出の開始時に演出乱数が取得され、この演出乱数に対応するポイント数として、1ポイント、3ポイント、5ポイントのいずれかが客待ち用ポイント決定テーブルから読み出されて、投下すべきポイント数が決定される。
ここまでの説明から明らかなように、投下演出が行われると、変動回数が所定回数に達したとか、遊技中に特定の演出が発生したといった通常のポイント獲得条件を満たしていなくても、遊技者がポイントを獲得可能である。そして、このポイントの増加に応じて、遊技者に遊技特典が付与されることになる。このため、投下演出は、遊技者に遊技特典を提供するための演出と言える。
[設置位置情報の誤設定について]
ここまで、設置位置情報に基づく投下演出について説明したが、この設置位置情報が誤って設定された状態で投下演出が行われた場合、以下のような問題が生じるおそれがある。
例えば、パチンコ遊技機1D(図10参照)において、左から1番目の位置(=基準位置)に設置されていることを示す設置位置情報が設定された状態で投下演出が行われることとなった場合、基準位置に対応する遅延時間は「0秒」であるため、基準タイミングで投下演出が開始されることになる。すなわち、基準タイミングにおいて、パチンコ遊技機1Aとパチンコ遊技機1Dとにおいて同時に投下演出が開始され、その後に遅れて、パチンコ遊技機1B、パチンコ遊技機1C、パチンコ遊技機1Eといった順で投下演出が開始されることになる。
このように、パチンコ遊技機1の実際の設置位置とは異なる位置を示す設置位置情報が設定されてしまった場合、設置位置情報に基づく投下演出を適切に行うことができなくなってしまう。このことは、投下演出に限らず、設置位置情報に基づく他の演出(例えば後述する障害物競走や輪投げゲームなど:図44参照)についても同様である。このため、それぞれのパチンコ遊技機1において、実際の設置位置を示す設置位置情報を適切に設定しておくのが好ましい。
[ゲーム系列演出の詳細]
次に、図41〜図44を参照しつつ、パチンコ遊技機1の電源投入からM時間(Mは自然数)30分が経過したタイミングで開始されるゲーム系列演出について説明する。ここで、図41は、ゲーム系列演出について説明するための説明図である。図42は、ゲーム開催順パターンテーブルについて説明するための説明図である。図43は、パターン番号選択テーブルについて説明するための説明図である。図44は、各ゲーム演出の特徴について説明するための説明図である。
上述したように、ゲーム演出の開始時間は、パチンコ遊技機1の電源投入からの経過時間がM時間(Mは自然数)30分となったタイミングに固定されている(図12参照)。これに対して、このゲーム演出に先立って、開催告知およびゲーム説明+カウントダウンが行われる。
開催告知は、ゲーム演出の開催を告知する演出であり、例えばメイン液晶5およびスピーカ24を用いて行われる。詳細な説明は省略するが、この開催告知では、ゲーム演出で行われるゲームの種類が報知される。
ゲーム説明+カウントダウンは、ゲーム演出で行われるゲームに関する説明と、ゲーム演出が開始されるまでの残り時間とを報知する演出であって、例えばメイン液晶5およびスピーカ24を用いて行われる。
例えば、開催告知の演出実行時間は、その後に行われるゲームの種類に関わらず30秒に固定され、ゲーム説明+カウントダウンの演出実行時間は、その後に行われるゲームの種類に関わらず60秒に固定されており、ゲーム演出開始タイミングの90秒前になると開催告知が開始され、ゲーム演出開始タイミングの60秒前になるとゲーム説明+カウントダウンが行われる。
なお、開催告知はゲーム演出で行われるゲームの種類を報知し、ゲーム説明はゲームに関するルールの説明等を行うものである。これに対して、ゲーム演出で行われるゲームの種類は、本実施形態では、ビンゴゲーム、クイズゲーム、障害物競走、及び輪投げゲームの4種類存在し、ゲーム演出開始タイミングを迎える毎に、ゲームの種類が変更される。このため、ゲーム演出に先立って行われる開催告知やゲーム説明に関しては、ゲーム演出開始タイミングになると開始されるゲーム演出のゲームの種類に応じて、その演出内容が適宜切り替えられる。
また、ゲーム演出に関しては、ゲームと、そのゲームの結果報知とから構成されている(図41参照)。これらのゲームおよび結果報知は、いずれもメイン液晶5およびスピーカ24を用いて行われる。ゲームは、上記4種類のゲームを行うものであり、結果報知は、今回行われたゲームの結果を報知するものである。例えば、今回のゲームでビンゴゲームが行われた場合、最終的にビンゴになったか否かを示す情報が結果報知で報知されることになる。
このように、ゲーム演出が行われると、次回のゲームの種類を予告する次ゲーム予告が行われる。例えば、ビンゴゲームのゲーム演出が終了した後の次のゲーム開始タイミングでは輪投げゲームが行われる場合、そのゲーム演出に続く次ゲーム予告において、輪投げゲームの開催を予告する次ゲーム予告が行われる。この次ゲーム予告は、ゲーム演出と同様に、メイン液晶5およびスピーカ24を用いて行われる。
画像音響制御基板140の制御用ROM144(図58参照)には、ゲーム開催順パターンテーブルが記憶されている(図42参照)。図42に例示されるように、このゲーム開催順パターンテーブルは、4種類のゲームの開催順を識別するためのパターン番号と、1回目〜4回目のゲーム演出のそれぞれのゲームの内容とが対応付けられたものである。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、電源投入からの経過時間が1時間30分、2時間30分、3時間30分、4時間30分とゲーム演出開始タイミングになる毎に、ゲームの内容を変更しながらゲーム演出が行われていく。これに対して、日によって1つのパターン番号が選択されて、そのパターン番号に対応するゲーム開催順で、ゲーム演出のゲームの内容が変更されていく。
例えば、パターン番号「3」(図42参照)が選択されている日においては、電源投入から1時間30分が経過した1回目のゲーム演出開始タイミングではビンゴゲームが開始され、2時間30分が経過した2回目のゲーム演出開始タイミングでは障害物競走が開始され、3時間30分が経過した3回目のゲーム演出開始タイミングでは輪投げゲームが開始され、4時間30分が経過した4回目のゲーム演出開始タイミングではクイズゲームが開始される。
このように、その日に対して選択されているパターン番号に対応するゲーム開催順にて、1時間おきにゲーム演出がそのゲーム内容を切り替えながら開始されていく。
なお、5回目以降は、1回目〜4回目のゲーム内容がループするように、ゲーム内容が選択される。例えば、上記のパターン番号「3」が選択されている日において、4時間30分が経過した4回目のゲーム演出開始タイミングでクイズゲームが開始されると、5時間30分が経過した5回目のゲーム演出開始タイミングでは、パターン番号「3」の1回目に対応するビンゴゲームが開始される。その後は、2回目、3回目、4回目と同様に、障害物競走、輪投げゲーム、クイズゲームと、ゲームの内容が適宜切り替えられていく。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1においては、日によって、どのパターン番号を選択するかが予め定められている。
制御用ROM144(図58参照)には、パターン番号選択テーブルが記憶されている(図43参照)。図43に例示されるように、パターン番号選択テーブルは、ゲーム演出が実行される実行日と、上述したパターン番号とが対応付けられている。
パチンコ遊技機1においては、所定のタイミングで、パターン番号選択テーブルを参照して選択されたパターン番号が制御用RAM145にセットされる。例えば、新曲の初回の公演演出が開催される5/10を基準として、3日目(5/12)には、パターン番号選択テーブルからパターン番号「3」が読み出されて、制御用RAM145にセットされる。これにより、5/12にゲーム演出開始タイミングを迎える毎に、図42に表記から明らかなように、ビンゴゲーム、障害物競走、輪投げゲーム、クイズゲーム、ビンゴゲーム、障害物競走、輪投げゲーム、クイズゲームの順でゲームの種類が切り替えられていく。
また、例えば6日目である5/15においては、パターン番号「5」が制御用RAM145にセットされる。このため、輪投げゲーム、障害物競走、クイズゲーム、ビンゴゲームの順でゲームの種類が切り替えられていく。
次に、複数の実行日において、1回目のゲーム演出のゲームの内容がどのように変化していくかについて説明する。例えば1日目の5/10にはパターン番号「1」に対応する開催順でゲームの種類が切り替わるため、1回目のゲームは障害物競走であり、2回目のゲームはビンゴゲームである。2日目の5/11にはパターン番号「7」に対応する開催順でゲームの種類が切り替わるため、1回目のゲームはクイズゲームであり、2回目のゲームは輪投げゲームである。3日目の5/12にはパターン番号「3」に対応する開催順でゲームの種類が切り替わるため、1回目のゲームはビンゴゲームであり、2回目のゲームは障害物競走である。
すなわち、1日目から3日目にかけて、それぞれの日の1回目のゲームの種類が、障害物競走、クイズゲーム、ビンゴゲームと変化していく。また、1日目から3日目にかけて、それぞれの日の2回目のゲームの種類が、ビンゴゲーム、輪投げゲーム、障害物競走と変化していく。
このように、ゲーム開催順パターンテーブルと、パターン番号選択テーブルとに基づいてゲームの種類を制御することによって、電源投入を基準とするゲーム演出開始タイミングが同じであっても、異なるゲームが行われることになる。このため、遊技者が特定の時間帯の短い期間でしか遊技を行えないことが原因で、4種類のゲームのうちの一部のゲームしか楽しめないといった問題が生じるのを効果的に抑制することが可能である。
[各ゲームについて]
図44は、4種類のゲームのそれぞれに関して、FeRAM1451に記憶されている設置位置情報の使用の有無と、ゲームの特徴とを表した説明図である。以下、図44を参照しつつ、ビンゴゲーム、クイズゲーム、障害物競走、輪投げゲームの4種類のゲームについて説明する。
<ビンゴゲーム>
ビンゴゲーム(図45及び図46参照)は、設置位置情報に基づかない演出であって、大当たりが有る場合にビンゴ成立となるような演出制御が行われる。具体的には、ビンゴゲームの開始タイミングにおいて、以下のような処理が行われる。
すなわち、特別図柄の変動表示中である場合には、その図柄変動の結果として大当たり図柄が停止表示されることになるか否かを判断する当該結果判断処理が行われる。また、ビンゴゲームの開始タイミングにおいて、第1特別図柄判定に係る保留が存在する場合には、消化された場合に大当たりとなる保留が含まれているか否かを判断する保留結果判断処理が行われる。次に、これらの当該結果判断処理の結果と保留結果判断処理の結果とに基づいて、大当たりが存在するか否かが判断される。そして、大当たりが存在する場合には、最終的にビンゴ成立となるビンゴカードが選択される。一方、大当たりが存在しない場合には、ビンゴ不成立となる複数種のビンゴカードのいずれかが演出抽選によりランダムに選択される。
このように、ビンゴゲームは、いわゆる先読み演出としての機能を有しているため、遊技者は、ビンゴゲームの結果としてビンゴが成立するか否かに基づいて、大当たりが存在するか否かを従来にない形で把握することが可能である。
図45は、ビンゴゲーム表示画面の一例を示す画面図である。図45に例示されるように、メイン液晶5の画面には、ビンゴカードと、既出の抽選玉と、今回の抽選玉と、抽選の残り回数と、キャラクタとが表示される。
今回の抽選玉は、数字が書かれたボールであり、今回の抽選で選ばれた抽選玉である。既出の抽選玉は、既に行われた抽選で選ばれた抽選玉である。本実施形態におけるビンゴゲームでは、抽選玉を選ぶ抽選が8回行われる。図45には、「49」、「2」、「31」、「19」、「17」の5つの既出の抽選玉が表示されており、既に5回の抽選が行われた状態であることが例示されている。また、「27」の番号を含む今回の抽選玉は、その数字が何であるかを分かり易く報知するために、既出の抽選玉に比べて大きく表示される。このように、全8回の抽選に対して、5回の抽選が行われた後に6回目の抽選が行われている状態であるため、抽選の残り回数が「2」となっている。
ビンゴカードは、縦方向に5マス、横方向に5マス、計25個のマス目が書かれたカードであって、各マス目には、互いに異なる番号が表記されている。なお、中央のマス目は最初から有効なフリースポットとして扱われる。このビンゴカードにおいては、既出の抽選玉または今回の抽選玉と同じ数字を含むマス目が、有効マス目として他のマス目に対して強調表示される。そして、有効マス目が縦、横、斜めのいずれかに1列揃うとビンゴ成立となる(図46(C)における右側の図を参照)。
なお、ビンゴゲームにおいてどの抽選玉がどのような順番で選ばれるかというビンゴゲームのシナリオは、ビンゴゲームの開始タイミングにおいて予め設定されている。
図46は、横一列に設置された複数台のパチンコ遊技機1においてビンゴゲームが同時に行われる様子を例示する画面図である。図46には、6回目の抽選から8回目の抽選が行われるまでの様子が示されている。
本実施形態においては、上述した起動方法により、例えばパチンコ遊技機1A〜1Hが同時に起動する。このため、これらのパチンコ遊技機1A〜1Hにおいては、ビンゴゲームが同時に開始されることになる。これにより、パチンコ遊技機1A〜1Hにおいて同一のビンゴゲームが同時進行していくことになる(図46(A)〜(C)参照)。このことは、他のゲームについても同様である。
図46には、パチンコ遊技機1A〜1Hにおいて、6回目の抽選で「27」の抽選玉が同時に選択され(図46(A)参照)、7回目の抽選で「8」の抽選玉が同時に選択され(図46(B)参照)、8回目の抽選で「30」の抽選玉が同時に選択される様子が図示されている(図46(C)参照)。なお、図46においては、説明の便宜上、パチンコ遊技機1D〜1Hで行われるビンゴゲームの図示が省略されている。
なお、詳細な説明は省略するが、ビンゴゲームに関して、8回の抽選で選択される抽選玉の組み合わせが異なる複数のシナリオが用意されており、ビンゴゲームが行われる毎にそのシナリオが変更されるように、各パチンコ遊技機1A〜1Hの制御用ROM144(図58参照)には、そのシナリオ変更に必要な制御データが記憶されている。
これにより、パチンコ遊技機1A〜1Hにおいて同日シナリオのビンゴゲームを同時に開催することができる。また、ビンゴゲームのシナリオが固定されていることによって、遊技者がどの数字の抽選玉が選択されるかを容易に推測できてしまうといった問題が生じるのを効果的に抑制することが可能である。
なお、このことは、ビンゴゲームに限らず、後に説明するクイズゲーム、障害物競走、輪投げゲームについても同様である。すなわち、クイズゲームに関してはクイズゲームが行われる毎に問題が変更され、障害物競走に関しては障害物競走が行われる毎に1位になるキャラクタが変更され、輪投げゲームに関しては輪投げゲームが行われる毎に的の種類が変更される。
<クイズゲーム>
図44に示されるように、クイズゲーム(図47及び図48参照)は、設置位置情報に基づかない演出である。また、クイズゲームは、1回のクイズゲームで複数問(本実施形態では5問)出題されるように構成されており、クイズに正解するとポイントが付与される。その際、大当たりが有る場合には、クイズゲームにて遊技者が獲得したポイントの合計が480ポイントを超える場合が発生するような演出制御が行われる。
図47は、クイズゲームの流れを例示する画面図である。図47(A)に示されるように、パチンコ遊技機1のメイン液晶5には、クイズの問題と、その問題に対する回答の選択肢と、演出キー27の上キー又は下キーの操作による回答の選択を促す演出キー画像と、演出キー27を用いた選択肢の切り替えが可能な有効期間の残り時間を示すゲージ画像と、今回のクイズゲームで遊技者が獲得した合計ポイント数とが表示される。
これに対して、有効期間の残り時間が「0」になると、演出キー画像およびゲージ画像が消去され、今回の問題に対する遊技者の回答に関して、結果発表が行われる(図47(B)参照)。具体的には、遊技者の回答が正解であるか否かを示す文言として「正解」(又は「不正解」)が表示されると共に正解(不正解)の場合には選択肢に「○」(又は「×」)が表示される。
そして、遊技者の回答が正解であった場合、その正解に対して遊技者に付与されるポイントが決定され、そのポイントが画面右側に表示される(図47(C)参照)。図47(C)には、正解に対して200ポイントが付与される様子が示されている。なお、図には示されていないが、図47に例示される獲得ポイント表示が行われると、合計ポイント数に対して今回の正解に対して付与されたポイントを加算して合計ポイント数の表示を更新する処理が行われる。
なお、遊技者に付与するポイントを決定する処理は、遊技者がクイズに正解する毎に行われる。例えば遊技者が5問に対して全問正解した場合、ポイント決定処理が5回行われて、その5つのポイントの合計ポイントが遊技者に対して付与されることになる。具体的には、以下のような処理が行われる。
すなわち、遊技者がクイズの問題に正解する毎に、投下演出やビンゴゲームの開始時に行われるのと同様に、当該結果判断処理と保留結果判断処理とが行われる。そして、当該結果判断処理および保留結果判断処理の両方或いはいずれか一方が行われた結果として大当たりの存在が確認された場合、正解に対して高ポイントが付与され易くなるようにポイントが決定される。このため、大当たりが存在する場合には、クイズゲーム終了時、或いはクイズゲームの途中で、遊技者が獲得した合計ポイントが480ポイント以上となり易い。
なお、当該結果判断処理および保留結果判断処理の両方或いはいずれか一方が行われた結果として大当たりの存在が確認されなかった場合、正解に対して低ポイントが付与され易くなるようにポイントが決定される。ここで、1回のクイズゲームにおいて行われた当該結果判断処理および保留結果判断処理の結果がいずれも大当たりが存在しないことを示すものである場合、最終的に遊技者に対して付与される合計ポイントが必ず480ポイント未満となるようにポイントが決定される。すなわち、1回のクイズゲームで遊技者が獲得したポイントが480ポイント以上となるのは、遊技者が各問題に正解した場合に大当たりの存在を確認できた場合のみである。
図48は、横一列に設置された複数台のパチンコ遊技機1においてクイズゲームが同時に行われる様子を例示する画面図である。このクイズゲームに関しても、ビンゴゲームと同様、パチンコ遊技機1A〜1Hにおいて同時に開始される。図48には、パチンコ遊技機1A〜1Hにおいて、第5問が同時に出題され(図48(A)参照)、回答の有効期間の終了時期において結果判定が同時に行われ(図48(B)参照)、その後、正解が発生したパチンコ遊技機1においてのみ獲得ポイントが表示される。
なお、図48(C)に例示される画面では、第5問目の正解に対して480ポイントが付与される様子が示されているが、これは、パチンコ遊技機1Aで遊技を行っている遊技者が第5問に対して回答した際に行われた結果判断処理(当該結果判断処理と保留結果判断処理)の結果、大当たりの存在が確認されたためである。
このため、遊技者は、クイズで獲得したポイントが480ポイント以上となるか否かに基づいて、大当たりが存在するか否かを容易に把握することが可能である。すなわち、遊技者は、クイズゲームというゲームを楽しみつつ、大当たりが存在するか否かを容易に把握することができる。
なお、クイズの回答が不正解となった場合には、たとえ大当たりが存在する場合であっても、ポイントは付与されない。すなわち、遊技者に対して付与されるポイントは、大当たりが存在するか否かと、遊技者による選択操作とに依存する。
また、詳細な説明は省略するが、大当たりが存在する場合には、クイズゲームの途中で獲得ポイントが480ポイント以上となることもある。すなわち、例えば第3問目に正解した時点で合計ポイントが480ポイント以上となる場合もある。また、大当たりが存在している状態で遊技者が適切に回答した場合であっても、獲得ポイントが480ポイントに到達しない場合もある。
<障害物競走>
障害物競走は、複数のキャラクタ(本実施形態では8人のキャラクタ)が障害物競走を行って1位を目指すゲームである。この障害物競走は、ビンゴゲームやクイズゲームとは異なり、遊技者による操作とは無関係に、設置位置情報に基づいて行われる(図44参照)。この障害物競走に関しては、基本的には、設置位置情報に基づいて、遊技者が応援するキャラクタ(以下「応援キャラ」ともいう。)が自動的に選択され、選択されたキャラクタに対して、そのキャラクタを遊技者が容易に識別できるようにマーカが付与される(例えば図49(B)参照)。そして、大当たりが存在する場合には、マーカが付与された応援キャラが最終的に1位となる。
図49は、障害物競走の流れを例示する画面図である。障害物競走においては、まず、応援キャラが自動的に選択されて、その選択結果がメイン液晶5に表示される(図49(A)参照)。このようにして応援キャラに関する情報が表示された後、応援キャラにマーカが付与された状態で、障害物競走の演出表示が行われる(図49(B)参照)。そして、障害物競走の結果を報知する演出表示が行われる(図49(C)参照)。この図49(C)には、遊技者の応援キャラが1位になる様子が図示されている。
各パチンコ遊技機1においては、障害物競走の開始タイミングになると、FeRAM1451に記憶されている設置位置情報と、大当たりが存在するか否かとに基づいて、遊技者が応援するキャラクタが自動的に選択される。具体的には以下のような処理が行われる。
すなわち、障害物競走の開始タイミングにおいて、上述した当該結果判断処理と保留結果判断処理とが行われて、大当たりが存在するか否かが判断される。ここで、大当たりが存在すると判断された場合、設置位置情報とは無関係に、今回の障害物競走で1位となるキャラクタが選択される(図49(A)参照)。すなわち、障害物競走の開始タイミングにおいて、障害物競走の結果としてどのキャラクタが1位になるかが予め決められており、そのキャラクタが遊技者の応援キャラとして自動的に選択される。
この場合、障害物競走の終了時に応援キャラが1位になり、これにより、遊技者は、自分が遊技を行っているパチンコ遊技機1において大当たりが発生することを認識することが可能である。
一方、障害物競走の開始タイミングにおいて、大当たりが存在しないと判断された場合、設置位置情報に基づいて、応援キャラが選択される。具体的には、各パチンコ遊技機1の制御用ROM144(図58参照)には、設置位置情報が示す設置位置と、今回の障害物競走において2位以下になるキャラクタの識別情報とを対応付けた応援キャラ決定テーブルが記憶されている。大当たりが存在しない場合、FeRAM1451に記憶されている設置位置情報に基づいて設置位置が特定され、この設置位置に対応するキャラクタの識別情報を応援キャラ決定テーブルから読み出すことによって、応援キャラが選択される。
なお、詳細な説明は省略するが、応援キャラ決定テーブルは、パチンコ遊技機1A〜1Hのうち、大当たりが存在しないパチンコ遊技機1において、基本的には互いに異なるキャラクタが応援キャラに選択されることとなるように構成されている。例えば、応援キャラ決定テーブルは、複数の設置位置に対して、同じキャラクタが割り当てられることがないように構成されている。このため、大当たりが存在しない各パチンコ遊技機1においては、互いに異なる応援キャラをそれぞれの遊技者が応援することとなる。
このように、障害物競走の演出を実現するための演出画像は、設置位置情報に基づいて、その演出画像の少なくとも一部(ここではマーカの位置)を変更可能に構成されている。
図50は、横一列に設置された複数台のパチンコ遊技機1において障害物競走が同時に行われる様子を例示する画面図である。この障害物競走に関しても、ビンゴゲームやクイズゲームと同様、パチンコ遊技機1A〜1Hにおいて同時に開始される。図50には、パチンコ遊技機1A〜1Hにおいて、応援メンバーが同時に決定され(図50(A)参照)、マーカの位置が異なる状態で同じ障害物競走の演出表示が同意に行われ(図50(B)参照)、更に、いずれかのキャラクタが1位になるゴールシーンの演出表示が行われる(図50(C)参照)。
図50に示される例では、パチンコ遊技機1Aにおける応援キャラであるキャラクタ「Z」が最終的に1位となっているが、これは、パチンコ遊技機1Aにおいて、障害物競走の開始タイミングで大当たりの存在を確認できているためである。
このため、遊技者は、自身が遊技しているパチンコ遊技機1における応援キャラが1位になるか否かに基づいて、大当たりが存在するか否かを容易に把握することが可能である。すなわち、遊技者は、応援キャラが障害物競走で1位になるのを応援しながら障害物競走を楽しみつつ、大当たりが存在するか否かを容易に把握することができる。
図51は、応援キャラの決定方法について説明するための説明図である。図51には、図50で例示したキャラクタZが最終的に1位になる障害物競走に対する、設置位置と、大当たりの有無と、応援メンバーとの対応関係が例示されている。
図51(A)から明らかなように、障害物競走の開始タイミング(電源投入からM時間(Mは自然数)30分が経過したタイミング)でパチンコ遊技機1A〜1Hのいずれにも大当たりが存在しない場合、各パチンコ遊技機1の設置位置情報が示す設置位置に応じた応援キャラが選択される。
一方、図51(B)から明らかなように、障害物競走の開始タイミング(電源投入からM時間(Mは自然数)30分が経過したタイミング)でパチンコ遊技機1A〜1Hのうちのパチンコ遊技機1Aにおいて大当たりが存在する場合、パチンコ遊技機1Aのみ、設置位置情報が示す設置位置とは無関係に、今回の障害物競走で1位となるキャラクタが応援キャラとして選択される。
なお、他の実施形態においては、応援キャラ決定テーブルにおいて、複数の設置位置に対して同じキャラクタを割り当てるようにしてもよい。例えば、障害物競走に参加するキャラクタの人数を8人に固定しておき、そのうちの2位以下となる7人のキャラクタを、各パチンコ遊技機1A〜1Hの設置位置と対応付けておくようにしてもよい。この場合、8台のパチンコ遊技機1に対してキャラクタが7人であるため、7人のうちの1人のキャラクタが、2つの設置位置に対して割り当てられることになる。ただし、この場合、隣接する複数のパチンコ遊技機1において同じキャラクタが応援キャラとして選択されるのを抑制するために、隣接していない複数のパチンコ遊技機1において応援キャラが同じになるように、設置位置とキャラクタの種別とを対応付けておくのが好ましい。具体的には、設置位置「1」に対してキャラクタRを対応付けておくと共に、設置位置「4」に対して同じキャラクタRを対応付けておくことが考えられる。このような構成を採用するのは、設置位置「1」に対応するパチンコ遊技機1Aと、設置位置「4」に対応するパチンコ遊技機1Hとは互いの設置位置が離れており、それぞれのパチンコ遊技機1で遊技を行う遊技者が、同じ応援キャラが選択されていることを認識し難いためである。
また、制御用ROM144には、障害物競走が行われる毎に各キャラクタの順位が変化するように(特に1位になるキャラクタが毎回変化するように)、レースのシナリオを示す情報が複数記憶されており、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、障害物競走を行う毎にこのシナリオを切り替えながら、障害物競走の演出が行われる。例えば、1位になるキャラクタが全て異なる8つのシナリオとその使用順とを示す情報を制御用ROM144に予め記憶しておき、障害物競走を行った場合に、その障害物競走で使用したシナリオを示す情報をFeRAM1451に格納し、障害物競走を行う際に、FeRAM1451に記憶されている情報が示すシナリオの次のシナリオを制御用ROM144から読み出してシナリオを切り替えるといった制御が考えられる。
これにより、遊技者が1位になるキャラクタを容易に推測できてしまい、その結果、自身が遊技するパチンコ遊技機1に大当たりが存在するか否かを障害物競走のレース開始前に容易に把握できてしまうといった問題が生じるのを効果的に抑制することが可能である。
<輪投げゲーム>
図52は、輪投げゲーム表示画面の一例を示す画面図である。輪投げゲームは、各パチンコ遊技機1で遊技を行う遊技者が演出キー27の下キーを押下することによって輪を投げ、メイン液晶5の画面上を左から右へ流れて行く的に対する輪投げの結果に応じたポイントを遊技者に付与する演出である(図52参照)。
この輪投げゲームは、パチンコ遊技機1Aのメイン液晶5、パチンコ遊技機1Bのメイン液晶5、パチンコ遊技機1Cのメイン液晶5、パチンコ遊技機1Dのメイン液晶5、パチンコ遊技機1Eのメイン液晶5、パチンコ遊技機1Fのメイン液晶5、パチンコ遊技機1Gのメイン液晶5、パチンコ遊技機1Hのメイン液晶5の順で、同じ的が流れて行くような演出表示が行われるという特徴を有している。図44に示されるように、輪投げゲームでは、この特徴を生み出すために、FeRAM1451に記憶されている設置位置情報が使用される。すなわち、輪投げゲームは、設置位置情報に基づく演出である。
輪投げゲームには、設置位置情報が使用されるということに加えて、以下のような特徴がある。すなわち、図44に示されるように、輪投げゲームは、輪投げゲーム中に大当たりの存在を確認できた場合には、輪投げの成功に応じて遊技者に付与されるポイントの合計が480ポイント以上になり易いという特徴がある。これは、合計ポイントが480ポイント以上になったことで、遊技者に対して大当たりの存在を示唆するためである。
図52に例示されるように、輪投げゲーム中においては、今回の輪投げゲームが終了するまでの残り時間(図52中の27秒)と、複数の的が画面左から画面右へと流れて行くステージと、今回の輪投げゲームで遊技者が獲得したポイントの合計を示す合計ポイント(図52中の80PT)と、演出キー27の下キーの押下を遊技者に促す演出キー画像と、480ポイント以上獲得すると良いことが発生する可能性があることを示唆するメッセージとがメイン液晶5に表示される。
これに対して、遊技者は、残り時間が「0」になるまでの間、演出キー27の下キーを押下して輪を投げる輪投げを楽しむことができ、また、輪投げの成功に応じて付与されたポイントを獲得することができる。
図53は、CGROM148(図58参照)に記憶されている輪投げ用演出データについて説明するための説明図である。この輪投げ用演出データは、所定の時間長を有する演出データ(例えば動画像データ)である。図53に示されている輪投げ用演出データにおいて、左端は輪投げ用演出データの先頭を意味し、右端は輪投げ用演出データの後尾を意味している。
本実施形態においては、この輪投げ用演出データは、その演出データを全て再生するのに24秒を要するように構成されている。例えば、輪投げ用演出データの先頭に相当する第1再生開始ポイントからこの輪投げ用演出データを再生した場合、メイン液晶5に以下のような流れで的が出現する。
すなわち、輪投げ用演出データを第1再生開始ポイントから再生すると、図53に示されるように、再生開始タイミングにおいて画面左側に「的1」が出現し(図55(A)の左図参照)、再生開始タイミングから1秒が経過すると画面左側に「的2」が出現し(図55(B)の左図参照)、再生開始タイミングから2秒が経過すると画面左側に「的3」が出現し(図55(C)の左図参照)、再生開始タイミングから3秒が経過すると画面左側に「的4」が出現し(図56(A)の左図参照)、再生開始タイミングから4秒が経過すると画面左側に「的5」が出現し(図56(B)の左図参照)、再生開始タイミングから5秒が経過すると画面左側に「的6」が出現する(図56(C)の左図参照)というように、「的1」〜「的24」が順にメイン液晶5の画面左側に出現する。
これに対して、輪投げ用演出データを第2再生開始ポイントから再生すると、図53に示されるように、再生開始タイミングにおいて画面左側に「的22」が出現し(図55(A)の中図参照)、再生開始タイミングから1秒が経過すると画面左側に「的23」が出現し(図55(B)の中図参照)、再生開始タイミングから2秒が経過すると画面左側に「的24」が出現し(図55(C)の中図参照)、再生開始タイミングから3秒が経過すると画面左側に「的1」が出現し(図56(A)の中図参照)、再生開始タイミングから4秒が経過すると画面左側に「的2」が出現し(図56(B)の中図参照)、再生開始タイミングから5秒が経過すると画面左側に「的3」が出現する(図56(C)の左図参照)というように、「的22」〜「的24」、「的1」〜「的21」が順にメイン液晶5の画面左側に出現する。
ここで、輪投げ演出の開始タイミングにおいて、例えば、パチンコ遊技機1Aにおいて輪投げ用演出データの第1再生開始ポイントからの再生を開始すると共に、パチンコ遊技機1Bにおいて輪投げ用演出データの第2再生開始ポイントからの再生を開始した場合、これら2台のパチンコ遊技機1のメイン液晶5における的の動きは、以下のようになる。
すなわち、輪投げ演出の開始タイミングから2秒が経過したタイミングにおいては、パチンコ遊技機1Aのメイン液晶5においては、開始タイミングにおいて画面左端に表示され始めた「的1」が、画面右端まで移動している(図55(C)の左図参照)。これに対して、輪投げ演出の開始タイミングから3秒が経過したタイミングにおいては、パチンコ遊技機1Aのメイン液晶5からは「的1」が消去されており、これに対して、パチンコ遊技機1Bのメイン液晶5においては、「的1」が画面左端に出現する(図56(A)の中図参照)。
このように、同一の輪投げ用演出データの再生開始ポイントを設置位置に応じてずらした状態で同時に再生を開始すると、複数台のパチンコ遊技機1のメイン液晶5に亘って「的1」が移動していっているように見える。このことは、他の「的2」〜「的24」についても同様である。
なお、ここでは、「的1」のみの動きを取り上げて「的1」の移動について説明したが、パチンコ遊技機1A〜1Hの各メイン液晶5には、概ね等間隔で配置された「的1」〜「的24」を含む横長の1つの映像を8等分したかのような映像がそれぞれ表示され、まるで時間の経過に伴ってこれらの映像が右隣のパチンコ遊技機1へと流れて行っているかのように見えるように、各パチンコ遊技機1A〜1Hにおける演出データの再生が行われる。このため、どの再生開始ポイントから再生を開始したとしても、各メイン液晶5には、大抵は3つの的が表示される(図55(A)参照)。
図54は、再生開始ポイント選択テーブルについて説明するための説明図である。各パチンコ遊技機1(1A〜1H)の制御用ROM144(図58参照)には、再生開始ポイント選択テーブルが記憶されている(図54参照)。図54に例示されるように、再生開始ポイント選択テーブルは、設置位置情報が示す設置位置と、輪投げ用演出データにおける再生開始ポイントとを対応付けたものである。
パチンコ遊技機1A〜1Hにおいては、上述した起動方法を利用して、輪投げゲームが同時に開始される。その際、各パチンコ遊技機1A〜1Hにおいては、以下のような処理が行われる。
すなわち、パチンコ遊技機1Aにおいては、ゲーム演出の開始タイミングにおいて、再生開始ポイント選択テーブルが参照され、設置位置情報が示す設置位置「1」に対応する再生開始ポイントとして第1再生開始ポイントが選択され、第1再生開始ポイントから再生が開始される。
また、パチンコ遊技機1Bにおいては、ゲーム演出の開始タイミングにおいて、再生開始ポイント選択テーブルが参照され、設置位置情報が示す設置位置「2」に対応する再生開始ポイントとして第2再生開始ポイントが選択され、第2再生開始ポイントから再生が開始される。
また、パチンコ遊技機1Cにおいては、ゲーム演出の開始タイミングにおいて、再生開始ポイント選択テーブルが参照され、設置位置情報が示す設置位置「3」に対応する再生開始ポイントとして第3再生開始ポイントが選択され、第3再生開始ポイントから再生が開始される。
その他、パチンコ遊技機1D〜1Hにおいても同様に再生開始ポイントが選択されて、それぞれ、第4再生開始ポイント、第5再生開始ポイント、第6再生開始ポイント、第7再生開始ポイント、第8再生開始ポイントから再生が開始される。
このように、パチンコ遊技機1A〜1Hにおいて、それぞれの設置位置情報が示す設置位置に応じた再生開始ポイントが選択されて、選択された再生開始ポイントから輪投げ用演出データの再生が開始される。
図55は、横一列に設置された複数台のパチンコ遊技機1A〜1Hにおいて輪投げゲームが同時に行われる様子を例示する第1の画面図である。図56は、横一列に設置された複数台のパチンコ遊技機1A〜1Hにおいて輪投げゲームが同時に行われる様子を例示する第2の画面図である。
これらの図55及び図56には、パチンコ遊技機1A〜1Hにおいて、それぞれのFeRAM1451に記憶されている設置位置情報が示す設置位置に対応する再生開始ポイントから輪投げ用演出データの再生を同時に開始した場合に、各パチンコ遊技機1A〜1Hにおける演出表示が1秒毎にどのように変化していくかを例示したものである。なお、これらの図においては、説明の便宜上、パチンコ遊技機1D〜1Hにおける輪投げゲームの演出表示の図示が省略されている。
パチンコ遊技機1A〜1Cに着目すると、パチンコ遊技機1A〜1Hにおいて輪投げ用演出データの再生が同時に開始されるに際して、パチンコ遊技機1Aでは第1再生開始ポイントから演出データの再生が開始され、パチンコ遊技機1Bでは第2再生開始ポイントから演出データの再生が開始され、パチンコ遊技機1Cでは第3再生開始ポイントから演出データの再生が開始される。このため、図55(A)に例示されるように、パチンコ遊技機1Aのメイン液晶5には「的23」、「的24」、及び「的1」が表示され、パチンコ遊技機1Bのメイン液晶5には「的20」、「的21」、及び「的22」が表示され、パチンコ遊技機1Cのメイン液晶5には「的17」、「的18」、及び「的19」が表示された状態から、各パチンコ遊技機1A〜1Hにおける輪投げ用演出データの再生が開始される。
例えば「的1」の動きに着目すると、以下のような動きとなる。すなわち、「的1」は、パチンコ遊技機1のメイン液晶5において、再生開始タイミングで画面左端に表示され(図55(A)の左図参照)、1秒後にはその画面中央まで移動し(図55(B)の左図参照)、2秒後にはその画面右端まで移動する(図55(C)の左図参照)。これに対して、パチンコ遊技機1Bおよびパチンコ遊技機1Cにおいては、それぞれ、第2再生開始ポイント、第3再生開始ポイントから輪投げ用演出データの再生が開始されるため、再生開始タイミングから2秒が経過したタイミングでは、「的1」は未だ表示されていない。
これに対して、再生開始タイミングから3秒が経過すると、パチンコ遊技機1Aのメイン液晶5からは「的1」が消去され(図55(C)の左図、及び図56(A)の左図参照)、パチンコ遊技機1Bのメイン液晶5における画面左端に「的1」が出現する(図55(C)の中図、及び図56(A)の中図参照)。このため、パチンコ遊技機1Aのメイン液晶5とパチンコ遊技機1Bのメイン液晶5との両方を見た場合に、あたかも前者のメイン液晶5から後者のメイン液晶5へと「的1」が移動したかのように見える。
その後、「的1」は、再生開始タイミングから4秒が経過すると、パチンコ遊技機1Bのメイン液晶5における画面中央まで移動し(図56(B)の中図参照)、再生開始タイミングから5秒が経過すると、パチンコ遊技機1Bのメイン液晶5における画面右端まで移動する(図56(C)の中図参照)。そして、図には示されていないが、再生開始タイミングから6秒が経過すると、「的1」は、パチンコ遊技機1Bのメイン液晶5からは消え、パチンコ遊技機1Cのメイン液晶5における画面左端に表示される。
「的1」は、このようにその表示位置が変化していくが、「的2」〜「的24」についても、同様の動きを見せる。このため、まるでパチンコ遊技機1A〜1Hのメイン液晶5を1つの画面として、その画面内を各的が移動していっているように見せることができ、各パチンコ遊技機1で同時に開始される輪投げゲームの相乗効果によって、極めて演出効果が高い演出を行うことが可能である。
以下、上述したような公演系列演出、投下演出、及びゲーム系列演出の実行を実現するためのパチンコ遊技機1の内部構成やパチンコ遊技機1で行われる処理について、詳細に説明する。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
遊技盤2の裏面側には、賞球として払い出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。図57に例示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、判定の実行や演出制御基板130へのコマンド送信処理等を制御する遊技制御基板100、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて演出を統括的に制御する演出制御基板130、画像や音による演出を制御する画像音響制御基板140、各種のランプや回転ライト装置8による演出を制御するランプ制御基板150等から構成されている。本実施形態では、遊技制御基板100が遊技の進行を制御する遊技制御部として機能し、演出制御基板130、画像音響制御基板140、及びランプ制御基板150が演出を制御する演出制御部として機能する。
[遊技制御基板100の構成]
遊技制御基板100は、メインCPU101、メインROM102、メインRAM103、及びRAMクリアスイッチ104を備えている。メインCPU101は、メインROM102に記憶されたプログラム等に基づいて、判定や払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。メインRAM103は、メインCPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。RAMクリアスイッチ104は、メインRAM103に記憶されているデータのクリアを指示するためのスイッチであって、遊技制御基板100に直接搭載されている。
遊技制御基板100には、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、電動チューリップ開閉部113、ゲートスイッチ114、大入賞口スイッチ115、大入賞口制御部116、普通入賞口スイッチ117、特定入賞口スイッチ118、特定領域開閉部119、V入賞口スイッチ120、ハズレ入賞口スイッチ121、V入賞口開閉部122、及び表示器4を構成する各表示器41〜43,45〜47が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口11に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2始動口スイッチ112は、第2始動口12に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。電動チューリップ開閉部113は、遊技制御基板100からの制御信号に応じて、電動チューリップ17の一対の羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2始動口12を開閉する。ゲートスイッチ114は、遊技球がゲート16を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。大入賞口スイッチ115は、大入賞口13に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。大入賞口制御部116は、遊技制御基板100からの制御信号に応じて、大入賞口13を閉塞するプレートに駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、大入賞口13を開閉する。普通入賞口スイッチ117は、遊技球が普通入賞口14に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
特定入賞口スイッチ118は、遊技球が特定入賞口19に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。特定領域開閉部119は、遊技制御基板100からの制御信号に応じて、羽根部材90に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、特定入賞口19を開閉する。V入賞口スイッチ120は、遊技球がV入賞口92に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。ハズレ入賞口スイッチ121は、遊技球がハズレ入賞口93に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。V入賞口開閉部122は、スライド部材94に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、V入賞口92を開閉する。
遊技制御基板100のメインCPU101は、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、大入賞口スイッチ115、普通入賞口スイッチ117、V入賞口スイッチ120、又はハズレ入賞口スイッチ121からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御基板(不図示)に指示し、払出制御基板からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。
この払出制御基板は、遊技盤2の裏面側に設けられている球タンクから皿28へ賞球を送り出す駆動モータ等を有して構成されている。
メインCPU101は、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。また、メインCPU101は、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。そして、大当たりであると判定した場合には、大入賞口制御部116を介して大入賞口13を開閉する。
また、メインCPU101は、第2特別図柄判定の結果が小当たりであると判定した場合には、特定領域開閉部119を介して羽根部材90を作動させることで特定入賞口19を開閉すると共に、V入賞口開閉部122を介してスライド部材94を作動させることでV入賞口92を開閉する。そして、スライド部材94の作動中にV入賞口92に遊技球が入賞した場合、大当たりであると判定した場合と同様に、大入賞口制御部116を介して大入賞口13を開閉する。
また、メインCPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、第2始動口12を開放すると判定した場合、電動チューリップ開閉部113を介して電動チューリップ17を作動させることによって、第2始動口12を一時的に開放する。
また、メインCPU101は、表示器4を構成する各表示器41〜43,45〜47に対して、図2に基づいて上述した処理を実行させる。
[演出制御基板130の構成]
演出制御基板130は、サブCPU131、サブROM132、サブRAM133、及びRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。サブCPU131は、サブROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。サブRAM133は、サブCPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
RTC134は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。パチンコ遊技機1は、島電源供給装置600からパチンコ遊技機1が備える電源基板へと電力が供給されることによって起動する。RTC134は、島電源供給装置600から電源基板に電力が供給されているときには、電源基板から供給される電力によって計時動作を行う。一方、島電源供給装置600から電源基板に電力が供給されていないときには、RTC134は、パチンコ遊技機1に内蔵されている不図示の内蔵電池から供給される電力によって計時動作を行う。このため、RTC134は、電源基板から電力が供給されないときにも計時動作を行うことができる。なお、内蔵電池の寿命は約3年であるが、電源基板に電力が供給されているときには、内蔵電池を使用せずに電源基板から供給される電力によって計時動作が行われるため、内蔵電池の寿命を約3年よりも延ばすことが可能である。また、電源基板から電力が供給されているときの方がRTC134の計時動作が安定するため、計時動作の誤差がより少なくなるといった効果が期待できる。
後に詳述するが、画像音響制御基板140の統括CPU141(図58参照)は、このRTC134からRTC情報を取得して、上述した各種RTC演出を制御する。
演出制御基板130のサブCPU131は、遊技制御基板100から送信される特別図柄判定や普通図柄判定、特別遊技等に関する遊技情報に基づいて、通常演出の演出内容を設定する。その際、演出ボタン26又は演出キー27からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。また、サブCPU131は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。なお、上述した各種RTC演出の演出内容の設定は、本実施形態では、演出制御基板130ではなく画像音響制御基板140において行われる。
[ランプ制御基板150の構成]
ランプ制御基板150は、ランプCPU151、ランプROM152、及びランプRAM153を備えている。ランプCPU151は、ランプROM152に記憶されたプログラムに基づいて、枠ランプ37や回転ライト装置8などの動作を制御する際の演算処理を行う。ランプRAM153は、ランプCPU151が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
ランプROM152には、発光パターンデータ及び動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、枠ランプ37や盤ランプ25が備える発光素子、回転ライト装置8のカラーLED811,821(図6(A)及び(C)参照)などのそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、回転体80(図6参照)の動作パターンを示すデータである。
ランプCPU151は、ランプROM152に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをランプRAM153に読み出して、枠ランプ37や盤ランプ25の発光素子、回転ライト装置8のカラーLED811,821の発光を制御する。また、ランプCPU151は、ランプROM152に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する動作パターンデータをランプRAM153に読み出して、回転ライト装置8の回転体80を動作させる回転ライトモータ85の駆動を制御する。
[画像音響制御基板140の構成]
図58は、画像音響制御基板140の構成例を示すブロック図である。画像音響制御基板140は、メイン液晶5及びサブ液晶6の画像表示制御と、スピーカ24からの音声出力制御とを行うものである。この画像音響制御基板140は、統括CPU141、VDP(Video Display Processor)142、音響DSP(Digital Signal Processor)143、制御用ROM144、制御用RAM145、音響用ROM146、SDRAM147、VRAM149、及びFeRAM(Ferroelectric RAM)1451を備えている。
統括CPU141は、制御用ROM144に記憶されているプログラムや各種テーブル、演出制御基板130から受信したコマンド、RTC134から取得したRTC情報、FeRAM1451に記憶されている設置位置情報などに基づいて、VDP142に対して、CGROM148に記憶されている画像データをメイン液晶5又はサブ液晶6に表示させる指示を行う。この指示は、主にディスプレイリストの出力によって行われる。
ここで、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されており、描画する画像の種類、画像を描画する位置(座標)、表示の優先順位、表示倍率、回転角、透過率等の各種パラメータを含むものである。このディスプレイリストを作成する処理については、後に詳述する。
FeRAM1451は、電源基板を介して島電源供給装置600からの電力供給が行われていなくても情報を保持可能な不揮発性メモリである。このFeRAM1451には、上述した設置位置情報の他に、各種RTC演出の演出内容を適切に切り替えるために必要な情報等が記憶されている。具体的には、例えば、全曲開放後に行われる新曲A〜新曲Lのそれぞれの音声演出に関して、第1演出音データ〜第4演出音データの切り替えを適切に行うために、前回の音声演出に使用された演出音データを特定可能な情報が記憶される。この情報を参照することによって、演出音データの切り替えを適切に行うことが可能である。
また、FeRAM1451には、例えばビンゴゲームのシナリオをビンゴゲームが行われる毎に切り替える場合に、前回のビンゴゲームのシナリオを特定可能な情報が記憶される。ビンゴゲームのシナリオを設定する際にこの情報を参照することによって、ビンゴゲームのシナリオを適切に変化させることができ、例えば同じシナリオのビンゴゲームが2回続けて行われるといった問題が生じるのを抑制することが可能である。
また、FeRAM1451には、クイズゲームに関しては前回のクイズゲームで出題された問題の組み合わせを特定可能な情報が記憶される。クイズゲームの問題の組み合わせを決定する際にこの情報を参照することによって、クイズゲームの問題の組み合わせを適切に変化させることができ、例えば今回のクイズゲームにおいて前回のクイズゲームと同じ問題が出題されるといった問題が生じるのを抑制することが可能である。
また、FeRAM1451には、障害物競走に関しては、今回の障害物競走で使用されたシナリオを示す情報が記憶される。これに対して、制御用ROM144には、障害物競走に参加する各キャラクタの最終順位の組み合わせが異なる複数のレースシナリオとその選択順を示すシナリオ情報が記憶されている。障害物競走を開始するに際して、FeRAM1451に記憶されている情報に基づいて、前回の障害物競走に使用されたシナリオが特定され、この特定結果に基づいて制御用ROM144に記憶されているシナリオ情報が参照されることで、前回とは異なるレースシナリオが選択される。これにより、1位になるキャラクタが毎回変化することになる。
また、制御用ROM144には、設置位置情報が示す設置位置と、今回の障害物競走において2位以下になるキャラクタの識別情報とを対応付けた応援キャラ決定テーブルが、レースシナリオ毎に記憶されている。このレースシナリオ毎の応援キャラ決定テーブルは、レースシナリオが切り替えられると、それに応じて応援キャラが変化するように構成されている。例えば、第1のレースシナリオに対応する応援キャラ決定テーブルでは、設置位置「1」に対して応援キャラYが対応付けられており、第2のレースシナリオに対応する応援キャラ決定テーブルでは、設置位置「1」に対して応援キャラSが対応付けられている。このため、設置位置「1」に設置されているパチンコ遊技機1では、レースシナリオが第1のレースシナリオから第2のレースシナリオへと切り替えられると、これに伴い、応援キャラがキャラYからキャラSに変化する。このように、レースシナリオが切り替えられる毎に応援キャラが変化することは、他のパチンコ遊技機1B〜1Hにおいても同様である。
また、FeRAM1451には、統括CPU141によってカウントされたパチンコ遊技機1の電源投入からの経過時間を示す経過時間情報が記憶される。このように、FeRAM1451に経過時間情報を記憶させることにより、電力供給が遮断されたことによって経過時間情報が失われるのを防止することができる。
また、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、電力供給が遮断される際にFeRAM1451に上記第1時間情報が記憶され、電力供給が再開され始めたタイミングでFeRAM1451に上記第2時間情報が記憶される。また、これら2つの時間情報が示す時間の差分を算出することによって、電力供給が遮断されていた時間(電断時間)が特定される。そして、電断時間が所定時間(本実施形態では5分)未満である場合には、FeRAM1451に記憶されている経過時間情報が、電断時間を加算した情報に更新され、その更新後の経過時間情報に対して経過時間のカウントが再開される。このため、近接する他のパチンコ遊技機1との間で経過時間情報が示す経過時間にズレが生じ、その結果としてRTC演出が同期しなくなるといった問題が生じるのを効果的に抑制することが可能である。
統括CPU141は、音響DSP143に対しても、音響用ROM146に記憶されている音響データをスピーカ24から出力させる指示を行う。この音響データには、通常演出に使用される音響データの他に、各種のRTC演出に使用される音声データが含まれる。
制御用ROM144は、マスクROMで構成されており、統括CPU141の制御プログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、各種テーブル(図85参照)等が記憶されている。
制御用RAM145は、統括CPU141が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
CGROM148は、通常演出、公演系列演出、投下演出、ゲーム系列演出などを実行するために必要な演出データ(画像データ)を記憶するものである。このCGROM148は、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば32×32ピクセル)における画素情報の集まりからなるスプライトデータ(1枚の画像データ)、複数の画像データの集まりからなるムービーデータ等を圧縮して記憶している。なお、画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。また、CGROM148は、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータ等を圧縮せずに記憶している。
このCGROM148には、各種RTCを行うためのムービーデータ等が個別に記憶されている。
VDP142は、統括CPU141によって作成されたディスプレイリストに基づいてどのRTC演出の実行が指示されたかを特定し、特定したRTC演出用のムービーデータをCGROM148から読み出して再生する処理等を行う。これにより、例えば公演演出が実現される。
また、CGROM148には、通常演出の画像を生成するために使用されるスプライトデータとして、通常演出データ及び特別演出データを記憶している。通常演出データは、公演演出が行われたか否かに関わらず使用可能なデフォルトデータであり、第1デフォルト背景画像や第2デフォルト背景画像の画像データがこれに該当する。これに対して、特別演出データは、初回の公演演出行われることではじめて使用可能になるスプライトデータ(例えば新曲A背景画像や新曲B背景画像の画像データ)であり、それぞれの新曲に対して個別に記憶されている。この特別演出データは、公演演出用ムービーデータを構成する画像データを編集する形で予め生成されたものである。すなわち、新曲Aの公演演出用ムービーデータを構成する画像データを編集して予め生成された新曲A対応の特別演出データ、新曲Bの公演演出用ムービーデータを構成する画像データを編集して予め生成された新曲B対応の特別演出データなど、それぞれの新曲に対応する特別演出データがCGROM148に記憶されている。
なお、本実施形態では、新たに使用可能となった特別演出データを用いた通常演出の出現率をできるだけ高くするために、使用可能な特別演出データが増える毎に通常演出データを用いた通常演出の出現率を徐々に低下させていき、通常演出データを用いた通常演出の出現率が最終的にゼロとなるように、新曲の初回公演演出が行われる毎にディスプレイリスト作成テーブルを切り替える特別選択が実行される。この特別選択については、後に詳述する。
VDP142は、統括CPU141によって作成されたディスプレイリストに基づいて通常演出データ又は特別演出データをCGROM148から読み出して、通常演出を行うための描画処理を実行する。初回公演演出が1度も行われていないときには、特別演出データが読み出されることはないため、通常演出データを用いた描画処理が行われて、例えばデフォルトの背景画像がメイン液晶5に表示される。これに対して、例えば新曲Aの初回公演演出が行われると、新曲Aに対する特別演出データが読み出されるようになり、この特別演出データを用いた描画処理が行われて、例えば新曲Aの背景画像がメイン液晶5に表示されるようになる。このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、新曲の初回公演演出の実行を契機として、当該新曲の特別演出データの使用制限が解除されることになる。
なお、CGROM148に記憶される画像データの一部のみを圧縮しておくようにしてもよい。また、ムービーデータの圧縮方法としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
VRAM149は、画像データを高速に書き込んだり読み出したりすることができるSRAMで構成されており、ディスプレイリスト記憶領域1491、展開記憶領域1492、全画面用フレームバッファ1493、縮小画像用フレームバッファ1494、メイン液晶用フレームバッファ1495、サブ液晶用フレームバッファ1496を有して構成されている。
ディスプレイリスト記憶領域1491は、統括CPU141から出力されたディスプレイリストを一時的に記憶するものである。展開記憶領域1492は、CGROM148から読み出された後に伸長された画像データを記憶するものである。全画面用フレームバッファ1493は、メイン液晶5に全画面表示される画像(例えば図15(A)参照)を描画するための描画用フレームバッファである。縮小画像用フレームバッファ1494は、メイン液晶5に縮小表示される画像(例えば図15(B)参照)を描画するための描画用フレームバッファである。メイン液晶用フレームバッファ1495は、全画面用フレームバッファ1493(及び縮小画像用フレームバッファ1494)から転送される画像データを一時的に記憶する表示用フレームバッファである。サブ液晶用フレームバッファ1496は、サブ液晶6に表示される画像データ(例えばスロット画像:図15(C)参照)を描画して表示するための描画と表示に兼用されるフレームバッファである。
VDP142は、CGROM148に圧縮された状態で記憶されている画像データを伸長して、伸長した画像データを展開記憶領域1492に格納する。また、VDP142は、ディスプレイリスト記憶領域1491に記憶されたディスプレイリストに基づいて、全画面用フレームバッファ1493、縮小画像用フレームバッファ1494、又はサブ液晶用フレームバッファ1496を用いて描画処理を行う。また、VDP142は、VRAM149内の表示用フレームバッファ(メイン液晶用フレームバッファ1495又はサブ液晶用フレームバッファ1496)に記憶された画像データから画像の色を示す映像信号としてのRGB信号を生成し、生成したRGB信号をメイン液晶5とサブ液晶6に出力する。
音響DSP143には、楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データ(RTC演出に関する音響データを含む)を記憶する音響用ROM146と、音響DSP143によるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAM147が接続されている。音響DSP143は、統括CPU141からの指示に対応する音響データを音響用ROM146からSDRAM147に読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データをスピーカ24に出力させる。
なお、本実施形態では、VDP142が描画管理を担い、音響DSP143がサウンド管理を担う場合について説明したが、他の実施形態では、VDP142が描画管理とサウンド管理との両方を担うような構成を採用してもよい。この場合、音響DSP143を別途設ける必要はない。
[遊技制御基板100によるメイン処理]
次に、図59を参照しつつ、遊技制御基板100において実行されるメイン処理について説明する。なお、このメイン処理は、パチンコ遊技機1の電源が投入されると開始され、遊技制御基板100が起動している間、継続的に実行される。
図59に例示されるように、メインCPU101は、まず1000ms待機し(ステップS901)、その後、メインRAM103へのアクセスを許可する(ステップS902)。そして、メインCPU101は、RAMクリアスイッチ104が「ON」であるか否かを判断する(ステップS903)。
メインCPU101は、RAMクリアスイッチ104が「ON」であると判断した場合(ステップS903:YES)、例えば演出制御基板130を介して所定の電源復旧画面表示コマンドを画像音響制御基板140へ送信することによって、画像音響制御基板140に対して、電源復旧画面(図33(A)参照)の表示を指示する(ステップS904)。そして、メインCPU101は、電源復旧画面の表示中にRAMクリアスイッチ104が「ON」になったか否かを判断する(ステップS905)。ここで、RAMクリアスイッチ104が「ON」になっていないと判断された場合(ステップS905:NO)、ステップS905に処理が戻される。すなわち、RAMクリアスイッチ104が「ON」になるまで電源復旧画面が表示された状態が維持される。
一方、メインCPU101は、電源復旧画面の表示中にRAMクリアスイッチ104が「ON」になったと判断した場合(ステップS905:YES)、RAMクリアを行う(ステップS906)。ここで、RAMクリアは公知の技術であるためその詳細な説明は省略するが、メインRAM103に格納されている各種情報(例えば遊技状態を示す情報)を所定の初期状態とする処理である。
なお、図33に基づいて上述したように、メイン液晶5に電源復旧画面が表示された状態で演出ボタン26が押下された場合には、電源復旧画面(図33(A)参照)が設置位置設定画面(図33(B)参照)に切り替えられる。
メインCPU101は、RAMクリアに続き、RAMクリア時の作業領域を設定し(ステップS907)、周辺部の初期設定を行う(ステップS908)。ここで、周辺部とは、演出制御基板130や画像音響制御基板140、不図示の払出制御基板等である。周辺部の初期設定は、それぞれの制御基板に対して、初期設定の実行を指示するコマンドを送信することによって行われる。
一方、メインCPU101は、RAMクリアスイッチ104が「ON」ではないと判断した場合(ステップS903:NO)、バックアップフラグが「ON」であるか否かを判定する(ステップS909)。ここで、バックアップフラグが「ON」であると判定した場合(ステップS909:YES)、チェックサムが正常であるか否かを判定する(ステップS910)。
メインCPU101は、チェックサムが正常であると判定した場合(ステップS910:YES)、図61に基づいて後述する復旧処理を実行する(ステップS911)。なお、バックアップフラグが「ON」ではないと判定された場合(ステップS909:NO)、又はチェックサムが正常ではないと判定された場合(ステップS910:NO)、上述したステップS904に処理が進められる。
メインCPU101は、ステップS908の処理を実行した場合、又はステップS911の処理を実行した場合、内蔵されているCTC(タイマカウンタ)の周期を例えば4msに設定する(ステップS913)。なお、メインCPU101は、ここで設定されたCTC周期を用いて後述するタイマ割込み処理(図62参照)を実行する。また、メインCPU101は、ステップS913でCTC周期を設定すると、電源遮断を監視する電源遮断監視処理を実行する(ステップS914)。この電源遮断監視処理については、図60に基づいて後に詳述する。
メインCPU101は、ステップS914の処理に続いて、変動パターン乱数を更新し(ステップS915)、タイマ割込み処理の割込みを禁止する設定を行う(ステップS916)。そして、メインCPU101は、初期値乱数を更新し(ステップS917)、タイマ割込み処理の割込みを許可する設定を行う(ステップS918)。メインCPU101は、このようなステップS914〜ステップS918の一連の処理を繰り返し実行する。
[遊技制御部100による電源遮断監視処理]
図60は、図59のステップS914における電源遮断監視処理の詳細フローチャートである。図60に例示されるように、メインCPU101は、ステップS913又はステップS918の処理に続いて、割込処理を禁止し(ステップS9141)、不図示の電源部から電源遮断信号が入力されたか否かに基づいて、パチンコ遊技機1に対する電力供給が遮断されるか否かを判定する(ステップS9142)。ここで、メインCPU101は、電力供給が遮断されないと判定した場合(ステップS9142:NO)、割込み処理を許可する(ステップS9143)。
メインCPU101は、電力供給が遮断されると判定した場合(ステップS9142:YES)、メインCPU101に対して各種情報が入力される出力ポートをクリアし(ステップS9144)、この電断時におけるメインRAM103の内容からチェックサムを作成してメインRAM103に格納する(ステップS9145)。そして、バックアップフラグを「ON」に設定し(ステップS9146)、メインRAM103へのアクセスを禁止する(ステップS9147)。
このように、ステップS9143又はステップS9147の処理が実行されると、一連の電源遮断監視処理が終了して、上述したステップS915に処理が進められる。なお、ステップS9144〜ステップS9147の処理は、遊技制御基板100に供給される電源の電源断開始により電源電圧が低下し始めたことを検知してから(ステップS9142で「YES」と判定してから)電源電圧が「0」になるまでの期間に行われる。
[遊技制御部100による復旧処理]
図61は、図59のステップS911における復旧処理の詳細フローチャートである。図61に例示されるように、メインCPU101は、上記ステップS910で「YES」と判定した場合、電源復旧時におけるメインRAM103の作業領域を設定する(ステップS9111)。次に、メインCPU101は、メインRAM103に格納されている情報を参照して、電力供給が遮断された時に大当たり遊技中であったか否かを判定する(ステップS9112)。ここで、大当たり遊技中であったと判定した場合(ステップS9112:YES)、電断発生直前の大当たり状態に復旧する(ステップS9113)。
メインCPU101は、電力供給が遮断された時に大当たり中ではなかったと判定した場合(ステップS9112:NO)、電力供給が遮断された時に時短中(時短遊技状態)であったか否かを判定する(ステップS9114)。ここで、時短中であったと判定した場合(ステップS9114:YES)、電断発生直前の時短状態に復旧する(ステップS9115)。
メインCPU101は、電力供給が遮断された時に時短中ではなかったと判定した場合(ステップS9114:NO)、電断発生直前の通常状態(通常遊技状態)に復旧する(ステップS9116)。
ステップS9113、ステップS9115、又はステップS9116の処理に続いて、メインCPU101は、周辺部(不図示の払出制御部や画像音響制御基板140、ランプ制御部150)の設定を行い(ステップS9117)、バックアップフラグを「OFF」に設定する(ステップS9118)。そして、このステップS9118の処理が実行されると、上述したステップS913に処理が進められる。
[遊技制御基板100によるタイマ割込み処理]
次に、図62を参照しつつ、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図62は、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御基板100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図62に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図62以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御基板100の処理は、メインROM102に記憶されているプログラムに基づいてメインCPU101が発行する命令に従って行われる。
まず、メインCPU101は、大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、小当たり用図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS1)。
ここで、大当たり乱数は、大当たり、小当たり、又はハズレを決定するための乱数である。大当たり用図柄乱数は、大当たりであると判定された場合に、大当たりの種類を決定するための乱数である。小当たり用図柄乱数は、小当たり遊技中にV入賞口92に遊技球が入賞した場合に発生する2種大当たりの種類を決定するための乱数である。リーチ乱数は、ハズレであると判定された場合に、リーチ有りの演出を行うか或いはリーチ無しの演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の変動パターンを決定するための乱数である。普通図柄乱数は、第2始動口12を開放するか否かを決定するための乱数である。大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、小当たり用図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数は、このステップS1の処理が行われる毎に「1」加算される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタとしてはループカウンタが使用されており、各乱数は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻る。
ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、各スイッチからの検知信号が入力された場合に、スイッチ処理を実行する(ステップS2)。このスイッチ処理については、図64に基づいて後に詳述する。
ステップS2の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄判定を実行し、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の結果を示す判定図柄を停止表示させる処理等を含む特別図柄処理を実行する(ステップS3)。この特別図柄処理については、図69に基づいて後に詳述する。
ステップS3の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を含む普通図柄処理を実行する(ステップS4)。この普通図柄処理については、図72に基づいて後に詳述する。
ステップS4の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を行った結果、第2始動口12を開放すると判定した場合に、電動チューリップ開閉部113を介して電動チューリップ17を作動させる電動チューリップ処理を実行する(ステップS5)。この電動チューリップ処理については、図73に基づいて後に詳述する。
ステップS5の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS3の特別図柄処理において小当たりであると判定した場合に、特定領域開閉部119を介して羽根部材90を作動させると共に、V入賞口開閉部122を介してスライド部材94を作動させる特定領域開放制御処理を実行する(ステップS6)。この特定領域開放制御処理については、図74及び図75に基づいて後に詳述する。
ステップS6の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS3において大当たりであると判定した場合、又は小当たり遊技中にV入賞口92に遊技球が入賞した場合に、大入賞口制御部116を制御して大入賞口13を開放する大入賞口開放制御処理を実行する(ステップS7)。この大入賞口開放制御処理については、図76〜図80に基づいて後に詳述する。
ステップS7の処理に続いて、メインCPU101は、遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS8)。
ステップS8の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS8以前の処理ステップにおいてメインRAM103にセット(格納)された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報を演出制御基板130に送信する送信処理を実行する(ステップS9)。このステップS9の処理が実行されることにより、特別図柄判定や特別遊技に関する遊技情報が演出制御基板130に送信されることになる。この遊技情報は、具体的には、後述する変動開始コマンド、図柄確定コマンド、オープニングコマンド、ラウンド開始コマンド、エンディングコマンド等である。
[メインRAM103の構成例]
図63は、遊技制御基板100のメインRAM103の構成例を示すブロック図である。図63(A)に例示されるように、メインRAM103には、判定用記憶領域1030、第1保留記憶領域1031、第2保留記憶領域1032、第3保留記憶領域1033、及び第4保留記憶領域1034が設けられている。
判定用記憶領域1030は、特別図柄判定が実際に実行されるときにその特別図柄判定に使用される各種情報が記憶される記憶領域である。第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034は、第1特別図柄判定に係る各種情報が記憶される記憶領域である。
図24(B)に例示されるように、保留記憶領域1031〜1034は、それぞれ、メインCPU101によって取得された、大当たり乱数を記憶する領域、大当たり用図柄乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、変動パターン乱数を記憶する領域、及び事前判定情報を記憶する領域を含んでいる。
事前判定情報は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて、後述する事前判定処理(図66参照)によって得られる情報である。事前判定情報は、具体的には、第1特別図柄判定の判定結果が大当たりであるか否かを示す情報、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを示す情報、特別図柄の変動パターンを示す情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等を含んでいる。事前判定情報は、事前判定処理に使用された大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数と同じ保留記憶領域内に格納される。
図63(B)に基づいて説明した5つの情報は、第1始動口11に遊技球が入賞する毎に第1保留記憶領域1031から順に第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれかに格納される。例えば第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれにも情報が記憶されていない状態で第1特別図柄判定に係る5つの情報が新たに取得された場合、この5つの情報は、第1保留記憶領域1031に格納される。また、例えば第1保留記憶領域1031及び第2保留記憶領域1032のそれぞれに5つの情報が記憶された状態で第1特別図柄判定に係る5つの情報が新たに取得された場合、この5つの情報は、第3保留記憶領域1033に格納される。
保留されている第1特別図柄判定が消化される場合、その第1特別図柄判定の実行に際に、第1保留記憶領域1031に記憶されている情報が判定用記憶領域1030にシフトされる。第2保留記憶領域1032以降の保留記憶領域に記憶されている情報が第1保留記憶領域1031側にシフトされる。例えば第1保留記憶領域1031〜第3保留記憶領域1033のそれぞれに情報が記憶された状態で第1保留記憶領域1031に記憶されている情報が判定用記憶領域1030にシフトされると、第2保留記憶領域1032に記憶されている情報が第1保留記憶領域1031にシフトされると共に、第3保留記憶領域1033に記憶されている情報が第2保留記憶領域1032にシフトされる。
ところで、特別図柄が変動表示されているときや大当たり遊技中に第1始動口11に遊技球が入賞して各種乱数が取得されたとしても、特別図柄判定や特別図柄の変動表示を直ちに行うことはできない。
このため、メインCPU101は、このような状況下で各種乱数が取得された場合には、上述したように、取得された各種乱数等を第1特別図柄判定の権利として保留記憶領域1031〜1034に格納することとしている。その一方で、特別図柄が変動表示されておらず、第1特別図柄判定が保留されておらず、また、大当たり遊技中でもない場合には、メインCPU101は、始動口入賞を契機として取得した各種乱数等を判定用記憶領域1030に直接格納することとしている。具体的には、メインCPU101は、遊技球が第1始動口11に入賞した際に取得した各種乱数を、保留記憶領域1031〜1034ではなく、判定用記憶領域1030に格納する。
なお、上述したように第2特別図柄判定が保留されることはないため、第2特別図柄判定に係る保留記憶領域は設けられていない。このため、第2特別図柄判定を直ちに実行可能な状況で第2始動口12に遊技球が入賞すると、その入賞に応じて取得された各種乱数は、判定用記憶領域1030に格納される。
[遊技制御基板100によるスイッチ処理]
図64は、図62のステップS2におけるスイッチ処理の詳細フローチャートである。ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、図64に例示されるように、第1始動口スイッチ111からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力された時点の値を取得する第1始動口スイッチ処理を実行する(ステップS21)。この第1始動口スイッチ処理については、図65に基づいて後に詳述する。
次に、メインCPU101は、第2始動口スイッチ112からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、小当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力された時点の値を取得する第2始動口スイッチ処理を実行する(ステップS22)。この第2始動口スイッチ処理については、図67に基づいて後に詳述する。
そして、メインCPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される普通図柄乱数について、ゲートスイッチ114からの検知信号が入力された時点の値を取得するゲートスイッチ処理を実行する(ステップS23)。このゲートスイッチ処理については、図68に基づいて後に詳述する。
[遊技制御基板100による第1始動口スイッチ処理]
図65は、図64のステップS21における第1始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図65に例示されるように、メインCPU101は、ステップS1の乱数更新処理に続いて、第1始動口スイッチ111からの検知信号(第1始動口スイッチ111が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否かを判定する(ステップS211)。ここで、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定した場合(ステップS211:YES)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、予めメインROM102に記憶されている第1特別図柄判定の最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS212)。
メインCPU101は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS212:YES)、保留数U1の値を「1」加算した値に更新する(ステップS213)。そして、第1特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得し、これらの乱数を対応付けてメインRAM103の所定領域に格納する(ステップS214〜S217)。
メインCPU101は、このようにして4つの乱数を格納すると、事前判定処理を実行する。具体的には、後述する大当たり判定処理(図70参照)や変動パターン選択処理に先立って、ステップS214〜S217の処理によってメインRAM103に格納された情報に基づいて、大当たりとなるか否かを事前判定すると共に、第1特別図柄判定が実行される際に実際に選択される特別図柄の変動パターンを取得する事前判定を実行する。この事前判定処理については、図66に基づいて後に詳述する。
続いて、メインCPU101は、第1特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであって、ステップS218の処理で得られた事前判定情報を含む保留コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS219)。この保留コマンドは、ステップS9の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、第1特別図柄判定の結果が大当たり又はハズレのいずれかとなり、第1特別図柄判定においては、小当たり遊技を発生させる小当たりと判定されないように構成されている。このため、第1始動口スイッチ処理には、2種大当たりの種類を決定するための小当たり用図柄乱数を取得するステップが含まれていない。
[遊技制御基板100による事前判定処理]
以下、図66を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される事前判定処理について説明する。ここで、図66は、図65のステップS218における事前判定処理の詳細フローチャートである。
メインCPU101は、図65のステップS217の処理に続いて、メインROM102に記憶されている大当たり乱数テーブルを読み出してメインRAM103にセットして、大当たり判定処理を行う(ステップS2181)。具体的には、ステップS214の処理で取得した大当たり乱数が、大当たり乱数テーブルに格納されている当選値のいずれかと一致するか否かに基づいて、当該変動開始時に大当たりと判定されることになるか否かを判定する。
このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、当該変動開始時に行われる大当たり判定に先立って、この大当たり判定の判定結果が大当たりとなるか否かが事前判定される。
次に、メインCPU101は、ステップS2181の判定結果が当該変動開始時に大当たりと判定されることを示す情報であるか否かを判断し(ステップS2182)、大当たりと判定されることを示す情報であると判断した場合(ステップS2182:YES)、大当たり用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2183)。
一方、メインCPU101は、大当たりと判定されることを示す情報ではないと判断した場合(ステップS2182:NO)、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する(ステップS2184)。具体的には、ステップS2181の大当たり判定処理に使用された大当たり乱数と一緒に取得されたリーチ乱数(ステップS216の処理で取得されたリーチ乱数)が、メインROM102に記憶されているリーチ乱数の当選値と一致するか否かに基づいて、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する。
メインCPU101は、リーチ演出が行われると判定した場合(ステップS2184:YES)、リーチ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2185)。
ところで、第1特別図柄判定の判定結果がハズレであり、且つ当該変動中にリーチ演出が行われない場合、当該変動開始時における第1特別図柄判定の保留数に基づいて特別図柄の変動パターンが決定される。そして、保留されている第1特別図柄判定が消化される前と後とでは第1特別図柄判定の保留数が相異なる場合がある。このため、第1特別図柄判定が消化される前に取得した特別図柄の変動パターンが、その第1特別図柄判定が実際に消化される際に選択される特別図柄の変動パターンとは異なる場合がある。すなわち、当該変動中にリーチ演出が行われない第1特別図柄判定の権利に対しては、その第1特別図柄判定に先立って正確な特別図柄の変動パターンを取得することは困難である。
したがって、リーチ演出が行われないと判定された場合には(ステップS2184:NO)、後述するステップS2187に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり用変動パターンテーブル又はリーチ用変動パターンテーブルをセットすると、変動パターン乱数判定処理を行う(ステップS2186)。具体的には、ステップS2181の処理で使用された大当たり乱数と一緒に第1始動口入賞時に取得された変動パターン乱数が、メインRAM103にセットされている変動パターンテーブルに規定されている乱数値のうちのどの乱数値と一致するかに基づいて、当該変動開始時に行われる第1特別図柄判定で選択されることになる特別図柄の変動パターンを特定する。
メインCPU101は、ステップS2186の処理を実行した場合、又はリーチ演出が行われないと判定した場合(ステップS2184:NO)、事前判定情報を生成して第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれかに格納する(ステップS21987)。具体的には、一連の処理としてステップS2181の大当たり判定処理とステップS2186の変動パターン乱数判定処理との両方を行っている場合には、これらの判定処理の結果を示す情報等を、これらの処理に使用した大当たり乱数及び図柄乱数が記憶されているのと同じ保留記憶領域内に事前判定情報として格納する。また、ステップS2181の大当たり判定処理を行った後にステップS2186の変動パターン乱数判定処理を行っていない場合には、大当たり判定処理の結果を示す情報等を、大当たり判定処理に使用した大当たり乱数が記憶されているのと同じ保留記憶領域内に事前判定情報として格納する。
このように、メインCPU101は、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として取得されて第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれかに記憶された大当たり乱数等の取得情報に基づいて、この取得情報に基づく大当たり判定処理や変動パターン選択処理が行われるのに先立って、特別図柄の変動パターン(すなわち変動時間)を取得する。
[遊技制御基板100による第2始動口スイッチ処理]
図67は、図64のステップS22における第2始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図67に例示されるように、メインCPU101は、ステップS21の第1始動口スイッチ処理に続いて、第2始動口スイッチ112からの検知信号(第2始動口スイッチ112が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第2始動口スイッチ112が「ON」になったか否かを判定する(ステップS221)。
メインCPU101は、第2始動口スイッチ112が「ON」になったと判定した場合(ステップS221:YES)、例えば、メインRAM103に記憶されている長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグ、又は小当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、特別遊技中であるか否かを判定する(ステップS222)。
ここで、長当たり遊技フラグは、大入賞口13を長開放する複数の長開放ラウンド遊技からなる長当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、長当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、長当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。短当たり遊技フラグは、大入賞口13を短開放する複数の短開放ラウンド遊技からなる短当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、短当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、短当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。小当たり遊技フラグは、特定入賞口19を開放する小当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、小当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、小当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。
メインCPU101は、特別遊技中ではないと判定した場合(ステップS222:NO)、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42における特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS223)。ここで、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS223:NO)、第2特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、小当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得し、これらの乱数を対応付けてメインRAM103の所定領域に格納する(ステップS224〜S228)。
このように、特別遊技中ではなく特別図柄の変動表示中でもないときに第2始動口12に遊技球が入賞した場合には、メインCPU101は、第2特別図柄判定に使用する各種乱数を、メインRAM103の判定用記憶領域1030に直接格納する。この判定用記憶領域1030は、特別図柄判定が実際に実行されるときにその特別図柄判定に使用される各種乱数が記憶される記憶領域である。なお、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には、メインCPU101は、第1特別図柄判定に使用する各種乱数をメインRAM103の保留記憶領域1031〜1034のいずれかに格納し、実際に第1特別図柄判定を行って特別図柄の変動表示を開始させるときに、保留記憶領域1031に記憶されている各種乱数を判定用記憶領域1030にシフトさせる。
以上説明したように、本実施形態では、特別図柄の変動表示中や特別遊技中に第2始動口12に遊技球が入賞したためにその入賞に対応する第2特別図柄判定に係る特別図柄の変動表示を直ちに開始できない場合には、第2始動口12への遊技球の入賞に基づく第2特別図柄判定は行われない。一方、第1始動口11に遊技球が入賞したときにその入賞に対応する第1特別図柄判定に係る特別図柄の変動表示を直ちに開始できない場合であっても、第1特別図柄判定の権利は、4つを上限として保留される。
[遊技制御基板100によるゲートスイッチ処理]
図68は、図64のステップS23におけるゲートスイッチ処理の詳細フローチャートである。図68に例示されるように、メインCPU101は、ステップS22の第2始動口スイッチ処理に続いて、ゲートスイッチ114からの検知信号(ゲートスイッチ114が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、ゲートスイッチ114が「ON」になったか否かを判定する(ステップS231)。
メインCPU101は、ゲートスイッチ114が「ON」になったと判定した場合(ステップS231:YES)、メインRAM103に記憶されている普通図柄判定の保留数Tが、メインROM102に予め記憶されている普通図柄判定の最大保留数Tmax(例えば「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS232)。
メインCPU101は、保留数Tが最大保留数Tmax未満であると判定した場合(ステップS232:YES)、保留数Tを「1」加算した値に更新し(ステップS233)、この処理によって保留された普通図柄判定に使用される普通図柄乱数を取得して、メインRAM103に格納する(ステップS234)。
[遊技制御基板100による特別図柄処理]
次に、図69を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、図69は、図62のステップS3における特別図柄処理の詳細フローチャートである。図69に例示されるように、遊技制御基板100のメインCPU101は、メインRAM103に記憶されている長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグ、又は小当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、特別遊技中であるか否かを判定する(ステップS301)。ここで、特別遊技中であると判定された場合(ステップS301:YES)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、特別遊技中ではないと判定した場合(ステップS301:NO)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS302)。ここで、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS302:NO)、第2始動口入賞に係る各種乱数がメインRAM103の判定用記憶領域に記憶されているか否かを判定する(ステップS303)。具体的には、遊技球が第2始動口12に入賞したことに応じて取得された各種乱数が判定用記憶領域に直接記憶されると共に、第2始動口入賞に係る各種乱数が記憶されたことを示すフラグが判定用記憶領域に記憶されるので、判定用記憶領域に各種乱数が記憶された際にこのフラグが記憶されているか否かに基づいて、判定用記憶領域に記憶された各種乱数が第2始動口入賞に係るものであるか或いは第1始動口入賞に係るものであるかを判定する。ここで、第2始動口入賞に係る乱数が記憶されていると判定された場合(ステップS303:YES)、後述するステップS307に処理が進められる。
メインCPU101は、第2始動口入賞に係る乱数が判定用記憶領域に記憶されていないと判定した場合(ステップS303:NO)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS304)。ここで、保留数U1が「1」以上であると判定した場合(ステップS304:YES)、保留数U1を「1」減算した値に更新する(ステップS305)。そして、メインRAM103の記憶領域に対するシフト処理を実行する(ステップS306)。具体的には、メインRAM103の保留記憶領域に記憶されている第1特別図柄判定に係る大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数について、保留記憶領域に最初に格納されたもの(最も古いもの)を判定用記憶領域1030にシフトさせ、残りのものを判定用記憶領域側にシフトさせる。
メインCPU101は、ステップS306の処理を実行した場合、又は第2始動口入賞に係る乱数が判定用記憶領域1030に記憶されていると判定した場合(ステップS303:YES)、判定用記憶領域1030に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定処理を実行する(ステップS307)。この大当たり判定処理が実行されることによって、大当たり、小当たり、及びハズレのいずれであるかが判定され、その判定結果を示す判定図柄の設定情報がメインRAM103にセットされる。そして、大当たり(1種大当たり)であると判定された場合には大当たりの種類が決定され、小当たりであると判定された場合には小当たり遊技中にV入賞口92に遊技球が入賞したことを契機として発生する2種大当たりの種類が決定される。この大当たり判定処理については、図70に基づいて後に詳述する。
ステップS307の処理に続いて、メインCPU101は、変動パターン選択処理を実行する(ステップS308)。具体的には、メインROM102に予め記憶されている変動パターンテーブルを参照して、ステップS307における大当たり判定の判定結果、メインRAM103にセットされた判定図柄の種類、現在の遊技状態、第1特別図柄判定の保留数U1、上記ステップS307の処理で使用した大当たり乱数と一緒に判定用記憶領域1030に記憶されているリーチ乱数及び変動パターン乱数に基づいて、特別図柄の変動パターンを選択する。このステップS308の処理が行われることによって、リーチ有り演出を行うか、或いはリーチ無し演出を行うかも併せて決定される。
ステップS308の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS307の処理で設定した図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す情報、ステップS308の処理で設定した変動パターンの設定情報、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらの演出を行うかを示す情報、パチンコ遊技機1の遊技状態に関する情報等を含む変動開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS309)。この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の開始を指示するコマンドであって、ステップS9の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
これに対して、演出制御基板130は、遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の結果を特定し、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判定し、特別図柄が変動表示される変動時間を取得し、パチンコ遊技機1の遊技状態を特定する。そして、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42における特別図柄の変動表示に伴って、メイン液晶5にどのような演出画像を表示するか、スピーカ24からどのような音を出力するか、枠ランプ37をどのような発光パターンで発光させるか否か等を決定し、決定した内容の演出を画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に実行させる。
ステップS309の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS309の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始する(ステップS310)。なお、この特別図柄の変動表示は、判定用記憶領域に第1特別図柄判定に係る乱数が記憶されている状態でステップS307〜ステップS309の処理が行われた場合には第1特別図柄表示器41を用いて行われ、第2特別図柄判定に係る乱数が記憶されている状態でステップS307〜ステップS309の処理が行われた場合には第2特別図柄表示器42を用いて行われる。
ステップS310に続いて、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている客待ちフラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS311)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機1が客待ち状態であるか否かを示すフラグであり、第1特別図柄判定の権利が保留されておらず且つ第1特別図柄判定又は第2特別図柄判定に係る特別図柄の変動表示が行われなくなったタイミングで「ON」に設定され、特別図柄の変動表示が再び開始されるときに「OFF」に設定される。
メインCPU101は、客待ちフラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS311:YES)、客待ちフラグを「OFF」に設定する(ステップS312)。そして、ステップS312の処理を実行した場合、又は客待ちフラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS311:NO)、変動時間の計測を開始する(ステップS313)。
メインCPU101は、ステップS313の処理を実行した場合、又は特別図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS302:YES)、ステップS313における変動時間の計測開始から、ステップS308の処理によって選択された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS315)。ここで、変動時間が経過していないと判定された場合(ステップS315:NO)、一連の特別図柄処理が終了してステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS315:YES)、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示されることを通知する図柄確定コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS316)。この図柄確定コマンドは、ステップS9における送信処理によって演出制御基板130に送信される。これにより、メイン液晶5に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。
ステップS316の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS310の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了する(ステップS317)。その際、ステップS307の処理で設定した判定図柄(大当たり図柄、小当たり図柄、又はハズレ図柄)を、特別図柄を変動表示していた特別図柄表示器に停止表示させる。
ステップS318の処理に続いて、メインCPU101は、上記ステップS313の処理で計測を開始した変動時間をリセットし(ステップS318)、大当たりである場合に第1特別遊技を開始させ、小当たりである場合に小当たり遊技を開始させる処理等を含む停止中処理を実行する(ステップS319)。この停止中処理については、図71に基づいて後に詳述する。
一方、メインCPU101は、第1特別図柄判定の保留数U1が「1」以上ではないと判定した場合(ステップS304:NO)、客待ちフラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS321)。ここで、客待ちフラグが「ON」に設定されていると判定された場合(ステップS321:YES)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、客待ちフラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS321:NO)、パチンコ遊技機1が客待ち状態になったことを通知する客待ちコマンドをメインRAM103にセットし(ステップS322)、客待ちフラグを「ON」に設定する(ステップS323)。この客待ちコマンドは、ステップS9の送信処理によって演出制御基板130に送信される。その結果、客待ちコマンドが送信されてから所定時間(本実施形態では30秒)が経過すると、客待ち演出が開始される。
[遊技制御基板100による大当たり判定処理]
図70は、図69のステップS307における大当たり判定処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、判定用記憶領域に第2特別図柄判定に係る乱数がフラグと共に記憶されていると判定した場合(ステップS303:YES)、又はステップS306の処理を実行した場合、図70に例示されるように、大当たり判定を実行する(ステップS3071)。ここで、第2始動口入賞に係る大当たり判定を実行する場合にはメインROM102に予め記憶されている第2始動口入賞用大当たり判定テーブルを参照し、第1始動口入賞に係る大当たり判定を実行する場合にはメインROM102に予め記憶されている第1始動口入賞用大当たり判定テーブルを参照する。
第2始動口入賞用大当たり判定テーブルには、判定結果と乱数値とが対応付けられて記憶されている。具体的には、大当たりに対する乱数値と、小当たりに対する乱数値と、ハズレに対する乱数値とが記憶されている。メインCPU101は、第2始動口入賞に係る大当たり判定を実行する場合、判定用記憶領域に記憶されている大当たり乱数が、第2始動口入賞用大当たり判定テーブルに規定されているどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たり(1種大当たり)であるか、小当たりであるか、又はハズレであるかを判定する。
第1始動口入賞用大当たり判定テーブルには、判定結果と乱数値とが対応付けられて記憶されている。具体的には、大当たりに対する乱数値とハズレに対する乱数値とが記憶されている。メインCPU101は、第1始動口入賞に係る大当たり判定を実行する場合、判定用記憶領域に記憶されている大当たり乱数が、第1始動口入賞用大当たり判定テーブルに規定されているどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たり(1種大当たり)であるか、又はハズレであるかを判定する。
このように、メインCPU101は、第1特別図柄判定又は第2特別図柄判定に係る各種乱数が判定用記憶領域に記憶されるといった始動条件が成立すると、判定用記憶領域に記憶されている各種乱数に基づいて、第1特別遊技を行うか否かを判定する。
メインCPU101は、ステップS3071の判定結果に基づいて、1種大当たりであるか否かを判定する(ステップS3072)。ここで、1種大当たりであると判定した場合(ステップS3072:YES)、メインROM102に予め記憶されている大当たり時の図柄決定テーブルを参照して大当たりの種類を決定する(ステップS3073)。
大当たり時の図柄決定テーブルには、当たりの種類と乱数値とが対応付けられて記憶されている。メインCPU101は、大当たり乱数と一緒に判定用記憶領域に記憶されている大当たり用図柄乱数が、大当たり時の図柄決定テーブルに規定されているどの乱数値と一致するかに基づいて、1種大当たりの種類を決定する。第1特別図柄判定における1種大当たりの種類としては、「時短無し7R当たり」、「時短付き4R当たり」、「突然時短当たり」が例として挙げられ、第2特別図柄判定における1種大当たりの種類としては、「時短無し4R当たり」、「時短付き15R当たり」、「時短付き4R当たり」が例として挙げられる(図4参照)。
メインCPU101は、ステップS3073で決定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄を設定情報としてメインRAM103にセットする(ステップS3074)。これにより、上記ステップS317の処理の際にここでセットされた大当たり図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に判定図柄として停止表示されて、第1特別遊技が実行されることになる。
一方、メインCPU101は、特別図柄判定の結果が1種大当たりではないと判定した場合(ステップS3072:NO)、判定用記憶領域に第2特別図柄判定に係るフラグが記憶されているか否かに基づいて、この特別図柄判定が第1始動口入賞に係る第1特別図柄判定であるか否かを判断する(ステップS3075)。ここで、第1特別図柄判定であると判断した場合(ステップS3075:YES)、第1特別図柄判定の判定結果が大当たりでない場合にはハズレであるので、ハズレ図柄を設定情報としてメインRAM103にセットする(ステップS3076)。これにより、上記ステップS317の処理の際にここでセットされたハズレ図柄が第1特別図柄表示器41に判定図柄として停止表示されることになる。
第2特別図柄判定の判定結果が大当たりではない場合、その判定結果は、小当たり又はハズレとなる。これに対して、メインCPU101は、第1特別図柄判定ではないと判定した場合(ステップS3075:NO)、すなわち今回の特別図柄判定が第2特別図柄判定である場合、ステップS3071における大当たり判定の結果が小当たりであるか否かを判定する(ステップS3077)。具体的には、判定用記憶領域に記憶されている大当たり乱数が、第2始動口入賞用大当たり判定テーブルに規定されている小当たりに対応する乱数値と一致するか否かに基づいて、第2特別図柄判定の判定結果が小当たりであるかハズレであるかを判定する。
メインCPU101は、第2特別図柄判定の結果が小当たりではないと判定した場合(ステップS3077:NO)、上記ステップS3076の処理を実行する。この場合、上記ステップS317の処理の際にここでセットされたハズレ図柄が第2特別図柄表示器42に判定図柄として停止表示されることになる。
一方、メインCPU101は、第2特別図柄判定の結果が小当たりであると判定した場合(ステップS3077:YES)、メインROM102に予め記憶されている小当たり時の図柄決定テーブルを参照して小当たりの種類を決定する(ステップS3078)。具体的には、判定用記憶領域に記憶されている小当たり用図柄乱数が、小当たり時の図柄決定テーブルに規定されているどの乱数値と一致するかに基づいて、小当たりの種類を決定する。そして、決定した小当たり図柄を設定情報としてメインRAM103にセットする(ステップS3079)。これにより、上記ステップS317の処理の際にここでセットされた小当たり図柄が第2特別図柄表示器42に判定図柄として停止表示されることになる。
このようにして小当たり図柄が第2特別図柄表示器42に停止表示されると、上述した小当たり遊技が開始される。そして、小当たり遊技中にV入賞口92に遊技球が入賞すると2種大当たりとなり、小当たり遊技を1ラウンド目とする第2特別遊技が行われることになる。なお、2種大当たりの種類は、第2特別図柄表示器42に停止表示された小当たり図柄に基づいて決定される。このため、小当たりの種類を決定する処理は、2種大当たりの種類を決定する処理と捉えることができる。2種大当たりの種類としては、「時短付き15R当たり」、「時短付き4R当たり」、「時短無し4R当たり」が例として挙げられる(図4参照)。
[遊技制御基板100による停止中処理]
図71は、図69のステップS319における停止中処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、上記ステップS318の処理によって変動時間をリセットした後、図71に例示されるように、上記ステップS3071の大当たり判定の結果に基づいて、1種大当たりであるか否かを判定する(ステップS3191)。ここで、1種大当たりであると判定した場合(ステップS3191:YES)、1種大当たりに対して実行される第1特別遊技が、長当たり遊技であるか短当たり遊技であるかを判定する(ステップS3192)。具体的には、上記ステップS3074の処理でメインRAM103にセットされた大当たり図柄を設定情報に基づいて、長当たり遊技が行われるか短当たり遊技が行われるかを判定する。なお、本実施形態では、「突然時短当たり」のときにのみ短当たり遊技が行われ、これ以外の1種大当たりに対しては長当たり遊技が行われる。
メインCPU101は、長当たり遊技であると判定した場合には(ステップS3192:YES)、長当たり遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS3193)、長当たり遊技ではないと判定した場合には(ステップS3192:NO)、短当たり遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS3194)。
ステップS3193の処理又はステップS3194の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3195)。この時短遊技フラグは、パチンコ遊技機1の遊技状態が時短遊技状態であるか否かを示すフラグであり、通常遊技状態から時短遊技状態に移行する際に「ON」に設定され、時短遊技状態から通常遊技状態に戻される際に「OFF」に設定される。ここで、時短遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3195:YES)、時短遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3196)。
一方、メインCPU101は、1種大当たりではないと判定した場合(ステップS3191:NO)、時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3197)。ここで、時短遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3197:YES)、メインRAM103に記憶されている時短遊技残余回数Wを「1」減算した値に更新する(ステップS3198)。この時短遊技残余回数Wは、時短遊技状態で第2特別図柄判定(又は第1特別図柄判定)が実行される残り回数を示すものであり、時短遊技残余回数Wが「0」になると、遊技状態が時短遊技状態から通常遊技状態に戻されることになる。
ステップS3198に続いて、メインCPU101は、時短遊技残余回数Wが「0」であるか否かを判定する(ステップS3199)。ここで、時短遊技残余回数Wが「0」であると判定した場合(ステップS3199:YES)、時短遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3200)。これにより、遊技状態が時短遊技状態から通常遊技状態に戻されることになる。
メインCPU101は、ステップS3200の処理を実行した場合、時短遊技フラグが「ON」ではないと判定した場合(ステップS3197:NO)、又は時短遊技残余回数Wが「0」ではないと判定した場合(ステップS3199:NO)、上記ステップS3077の処理と同様に、小当たりであるか否かを判定する(ステップS3201)。そして、小当たりであると判定した場合(ステップS3201:YES)、小当たり遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS3202)。
メインCPU101は、ステップS3196の処理を実行した場合、時短遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS3195:NO)、又はステップS3202の処理を実行した場合、メインRAM103にオープニングコマンドをセットする(ステップS3203)。ここで、オープニングとは、長当たり遊技或いは短当たり遊技が開始されてから最初に大入賞口13が開放され始めるまでの期間、又は小当たり遊技が開始されてから最初に特定入賞口19が開放され始めるまでの期間のことをいう。これに対して、オープニングコマンドは、これらのオープニングが開始されることを通知するためのコマンドであり、ステップS9の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
[遊技制御基板100による普通図柄処理]
図72は、図62のステップS4における普通図柄処理の詳細フローチャートである。図72に例示されるように、メインCPU101は、ステップS3の特別図柄処理に続いて、メインRAM103に記憶されている補助遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS401)。この補助遊技フラグは、電動チューリップ17が規定時間だけ開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作を規定回数行う補助遊技中であるか否かを示すフラグであり、補助遊技中は「ON」に設定され、補助遊技中でないときは「OFF」に設定される。
ステップS401において、補助遊技フラグが「ON」に設定されていると判定された場合(ステップS401:YES)、ステップS5の電動チューリップ処理に処理が進められる。
メインCPU101は、補助遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS401:NO)、普通図柄表示器45における普通図柄の変動表示中であるか否かを判定し(ステップS402)、普通図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS402:NO)、普通図柄判定の保留数Tが「1」以上であるか否かを判定する(ステップS403)。ここで、保留数Tが「1」以上ではないと判定された場合(ステップS403:NO)、ステップS5の電動チューリップ処理に処理が進められる。
メインCPU101は、保留数Tが「1」以上であると判定した場合(ステップS403:YES)、保留数Tを「1」減算した値に更新し(ステップS404)、当たり乱数判定処理を実行する(ステップS405)。具体的には、上記ステップS234(図68参照)に処理によってメインRAM103に記憶された普通図柄乱数の中で最も古い普通図柄乱数が、予めメインROM102に記憶されている普通図柄判定に係る当選値のいずれかと一致するか否かに基づいて、普通図柄判定の判定結果が当たりであるか否かを判定する。
ステップS405の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS405の判定結果に基づいて、普通図柄判定の判定結果が当たりであるか否かを判断し(ステップS406)、当たりであると判断した場合(ステップS406:YES)、普通図柄表示器45に判定図柄として停止表示させる当たり図柄をメインRAM103にセットする(ステップS407)。逆に、普通図柄判定の判定結果が当たりではないと判断した場合(ステップS406:NO)、ハズレ図柄をメインRAM103にセットする(ステップS408)。
ステップS407又はステップS408の処理に続いて、メインCPU101は、時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、パチンコ遊技機1の現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する(ステップS409)。そして、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判定した場合(ステップS409:YES)、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させる普通図柄変動時間を例えば25秒にセットする(ステップS410)。一方、現在の遊技状態が通常遊技状態ではないと判定した場合(ステップS409:NO)、普通図柄変動時間を例えば2秒にセットする(ステップS411)。このようにしてステップS410又はステップS411の処理によってセットされた普通図柄変動時間は、メインRAM103に一時的に記憶される。
ステップS410又はステップS411の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄表示器45による普通図柄の変動表示を開始させ(ステップS412)、その変動表示開始からの経過時間の計測を開始する(ステップS413)。
一方、メインCPU101は、普通図柄表示器45による普通図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS402:YES)、普通図柄の変動表示を終了させるか否かを判定する(ステップS415)。具体的には、ステップS413の処理によって計測を開始した経過時間が、ステップS410又はステップS411でセットした普通図柄変動時間に達したか否かに基づいて、普通図柄の変動表示を終了させるか否かを判定する。ここで、普通図柄の変動表示を終了させないと判定された場合(ステップS415:NO)、ステップS5の電動チューリップ処理に処理が進められる。
メインCPU101は、普通図柄の変動表示を終了させると判定した場合(ステップS415:YES)、普通図柄表示器45における普通図柄の変動表示を終了させて、ステップS407の処理でメインRAM103にセットされた当たり図柄又はステップS408の処理でメインRAM103にセットされたハズレ図柄を停止表示させる(ステップS416)。そして、ステップS413の処理で計測を開始した経過時間をリセットする(ステップS417)。そして、上記ステップS406の処理と同様に、普通図柄判定の判定結果が当たりであるか否かを判定する(ステップS418)。ここで、普通図柄判定の判定結果が当たりであると判定した場合(ステップS418:YES)、補助遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS419)。このようにして補助遊技フラグが「ON」に設定されることにより、電動チューリップ17を作動させる補助遊技が開始されることになる。
[遊技制御基板100による電動チューリップ処理]
図73は、図62のステップS5における電動チューリップ処理の詳細フローチャートである。ステップS4の普通図柄処理に続いて、メインCPU101は、図73に例示されるように、補助遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS501)。ここで、補助遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定された場合(ステップS501:NO)、ステップS6の特定領域開放制御処理に処理が進められる。
メインCPU101は、補助遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS501:YES)、電動チューリップ17が動作中であるか否かを判定する(ステップS502)。そして電動チューリップ17が動作中ではないと判定した場合(ステップS502:NO)、ステップS406の処理と同様に、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する(ステップS503)。ここで、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判定した場合(ステップS503:YES)、電動チューリップ17の動作パターンとして、第2始動口12を0.1秒間開放する動作を1回行う動作パターンをメインRAM103にセットする(ステップS504)。逆に、現在の遊技状態が通常遊技状態ではないと判定した場合(ステップS503:NO)、すなわち時短遊技状態である場合、電動チューリップ17の動作パターンとして、第2始動口12を0.3秒間開放する動作を5回行う動作パターンをメインRAM103にセットする(ステップS505)。
メインCPU101は、ステップS504又はステップS505で動作パターンをセットした後、セットした動作パターンでの電動チューリップ17の動作を電動チューリップ開閉部113に開始させる(ステップS506)。
メインCPU101は、ステップS506の処理を実行した場合、又は電動チューリップ17の動作中であると判定した場合(ステップS502:YES)、ステップS506の処理で開始された電動チューリップ17の動作が完了したか否かを判定する(ステップS507)。ここで、電動チューリップ17の動作が完了したと判定した場合(ステップS507:YES)、補助遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS508)。これにより、補助遊技が終了される。
[遊技制御基板100による特定領域開閉制御処理]
第2特別図柄判定の結果が小当たりである場合、ステップS6の特定領域開放制御処理によって小当たり遊技が実行される。以下、図74及び図75を参照しつつ、遊技制御基板100において実行される特定領域開放制御処理について説明する。ここで、図74及び図75は、図62のステップS6における特定領域開放制御処理の詳細フローチャートである。
ステップS5の電動チューリップ処理に続いて、メインCPU101は、図74及び図75に例示されるように、小当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS601)。ここで、小当たり遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定された場合(ステップS601:NO)、ステップS7の大入賞口開放制御処理に処理が進められる。
メインCPU101は、小当たり遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS601:YES)、例えば上記ステップS3203の処理において小当たり遊技に係るオープニングコマンドをセットしてからの経過時間が予め設定されたオープニング時間に達したか否かに基づいて、小当たり遊技のオープニング中であるか否かを判定する(ステップS602)。ここで、オープニング中であると判定した場合(ステップS602:YES)、上記オープニング時間が経過したか否かを判定する(ステップS603)。ここで、オープニング時間が経過していないと判定された場合(ステップS603:NO)、ステップS7の大入賞口開放制御処理に処理が進められる。
メインCPU101は、オープニング時間が経過したと判定した場合(ステップS603:YES)、メインRAM103に記憶されている特定入賞口19への遊技球の入賞数Xをリセットし(ステップS604)、特定領域開閉部119による特定入賞口19の開放制御を開始し(ステップS605)、この開放制御が開始されてからの経過時間の計測を開始する(ステップS606)。このステップS605の処理が行われることによって、羽根部材90が特定入賞口19を3.2秒間開放してから閉塞する動作が1回行われることになる。
一方、メインCPU101は、小当たり遊技におけるオープニング中ではないと判定した場合(ステップS602:NO)、例えば小当たり遊技開始からの経過時間に基づいて、小当たり遊技のエンディング中であるか否かを判定する(ステップS608)。ここで、小当たり遊技におけるエンディング中ではないと判定した場合(ステップS608:NO)、特定入賞口スイッチ118からの検知信号の入力の有無に基づいて、特定入賞口スイッチ118が「ON」になったか否かを判定する(ステップS609)。ここで、特定入賞口スイッチ118が「ON」になったと判定した場合(ステップS609:YES)、特定入賞口19に1個の遊技球が入賞したと判断して、遊技球の入賞数Xを「1」加算した値に更新する(ステップS610)。
メインCPU101は、ステップS610の処理を実行した場合、特定入賞口スイッチ118が「ON」ではないと判定した場合(ステップS609:NO)、又はステップS606の処理を実行した場合、ステップS606の処理で計測を開始した経過時間が予め設定された設定時間(例えば0.5秒)と一致するか否かを判定する(ステップS611)。ここで、設定時間に達したと判定した場合(ステップS611:YES)、V入賞口開閉部122にスライド部材94を作動させてV入賞口92を開放する処理を開始させる(ステップS612)。これにより、上述した2種大当たりが発生可能となる。
メインCPU101は、ステップS612の処理を実行した場合、又は経過時間が設定時間と一致しないと判定した場合(ステップS611:NO)、V入賞口スイッチ120からの検知信号の入力の有無に基づいて、V入賞口スイッチ120が「ON」になったか否かを判定する(ステップS613)。ここで、V入賞口スイッチ120が「ON」になったと判定した場合(ステップS613:YES)、メインRAM103に記憶されているV入賞フラグを「ON」に設定する(ステップS614)。このV入賞フラグは、小当たり遊技中にV入賞口92に遊技球が入賞して2種大当たりが発生したか否かを示すフラグであり、V入賞口92に遊技球が入賞していない状態では「OFF」に設定されており、V入賞口92に遊技球が入賞すると「ON」に設定される。
メインCPU101は、ステップS614の処理を実行した場合、又はV入賞口スイッチ120が「ON」になっていないと判定した場合(ステップS613:NO)、V入賞口92の閉塞タイミングであるか否かを判定する(ステップS615)。具体的には、V入賞口92が開放されてから所定時間(本実施形態では0.2秒)が経過したか否かを判定する。ここで、閉塞タイミングであると判定した場合(ステップS615:YES)、V入賞口開閉部122にV入賞口92を閉塞させる(ステップS616)。
メインCPU101は、ステップS616の処理を実行した場合、又はV入賞口92の閉塞タイミングではないと判定した場合(ステップS615:NO)、ステップS606の処理によって計測を開始した経過時間に基づいて、羽根部材90の規定開放動作(本実施形態では、特定入賞口19を3.2秒間開放する1回の動作)が終了したか否かを判定する(ステップS618)。
メインCPU101は、規定開放動作が終了していないと判定した場合(ステップS618:NO)、今回の小当たり遊技における特定入賞口19への遊技球の入賞数Xが、予めメインROM102に記憶されている特定入賞口19の閉塞タイミングを規定する遊技球数Xmax(例えば「6」)と一致するか否かを判定する(ステップS619)。ここで、入賞数Xが遊技球数Xmaxと一致しないと判定された場合(ステップS619:NO)、ステップS7の大入賞口開放制御処理に処理が進められる。
一方、メインCPU101は、入賞数Xが遊技球数Xmaxと一致すると判定した場合(ステップS619:YES)、又は規定開放動作が終了したと判定した場合(ステップS618:YES)、ステップS605の処理で開始した特定入賞口19の開放制御を終了させ(ステップS620)、ステップS606の処理で計測を開始した経過時間をリセットし(ステップS621)、エンディング時間の計測を開始する(ステップS622)。ここで、エンディングは、特定入賞口19の開放が終了してから小当たり遊技が終了するまでの期間をいう。
メインCPU101は、上記ステップS608においてエンディング中であると判定した場合(ステップS608:YES)、図75に例示されるように、ステップS622の処理で計測を開始したエンディング時間が予め設定された小当たり遊技に係るエンディング時間に達したか否かに基づいて、エンディング時間が経過したか否かを判定する(ステップS625)。ここで、エンディング時間が経過していないと判定された場合(ステップS625:NO)、ステップS7の大入賞口開放制御処理に処理が進められる。
メインCPU101は、予め設定されたエンディング時間が経過したと判定した場合(ステップS625:YES)、小当たり遊技を終了させるために小当たり遊技フラグを「OFF」に設定し(ステップS626)、V入賞フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS627)。ここで、V入賞フラグが「ON」に設定されていないと判定された場合(ステップS627:NO)、小当たり遊技中にV入賞口92に遊技球が入賞しなかったと判断されて、ステップS7の大入賞口開放制御処理に処理が進められる。この場合、特別遊技が小当たり遊技のみで終了することになる。
一方、メインCPU101は、V入賞フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS627:YES)、V入賞フラグを「OFF」に設定し(ステップS628)、小当たり遊技に続いて長開放ラウンド遊技を開始させるために長当たり遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS629)、時短遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS630)。
[遊技制御基板100による大入賞口開放制御処理]
以下、図76を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される大入賞口開放制御処理について説明する。ここで、図76は、図62のステップS7における大入賞口開放制御処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、ステップS6の特定領域開放制御処理に続いて、図76に例示されるように、長当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS71)。ここで、長当たり遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS71:YES)、長当たり遊技制御処理を実行する(ステップS72)。この長当たり遊技制御処理については、図78に基づいて後に詳述する。
メインCPU101は、長当たり遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS71:NO)、短当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS75)。ここで、短当たり遊技フラグが「ON」であると判定した場合(ステップS75:YES)、短当たり遊技制御処理を実行する(ステップS76)。この短当たり遊技制御処理については、図79に基づいて後に詳述する。
このステップS76の処理が実行された場合、ステップS72の処理が実行された場合、又は短当たり遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定された場合(ステップS75:NO)、ステップS8の賞球処理に処理が進められる。
[大入賞口13の開放パターンと特別遊技中の演出の概要]
次に、図77を参照しつつ、大入賞口13の開放パターンと特別遊技中の演出について説明する。
図77(A)は、「時短無し4R当たり」又は「時短付き4R当たり」に対して4R長当たり遊技が行われる際の大入賞口13の開放パターンと4R長当たり遊技中の演出との関係を示す図である。1種大当たりの長当たり遊技に係るオープニングコマンドが演出制御基板130に送信されると、図77(A)に例示されるように、オープニング演出が開始される。そして、大入賞口13を最長で29秒間長開放する長開放ラウンド遊技が所定のインターバル時間を挟んで繰り返し実行されるのに伴って、長開放ラウンド遊技が開始される毎にラウンド中演出が実行される。このラウンド中演出には、例えば、時短遊技状態から通常遊技状態に戻されるまでに特別遊技が継続して行われた継続回数を表示する演出や、現在のラウンド数を報知する演出が含まれる。そして、全ての長開放ラウンド遊技が終了してエンディングコマンドが演出制御基板130に送信されると、所定のエンディング時間が経過するまでの間、エンディング演出が実行される。
図77(B)は、「突然時短当たり」に対して15R短当たり遊技が行われる際の大入賞口13の開放パターンと15R短当たり遊技中の演出との関係を示す図である。1種大当たりの短当たり遊技に係るオープニングコマンドが演出制御基板130に送信されると、短当たり演出が開始される。この場合、大入賞口13を0.2秒間開放する短開放ラウンド遊技が所定の時間間隔(例えば1秒間隔)で15回実行されるが、短当たり遊技に要する時間が相対的に短いため、全ての短開放ラウンド遊技が終了してエンディングコマンドが送信されて所定のエンディング時間が経過するまで、一連の上記短当たり演出が実行される。
図77(C)は、「時短付き15R当たり」に対して15R長当たり遊技が行われる際の大入賞口13の開放パターンと15R長当たり遊技中の演出との関係を示す図である。小当たり遊技中にV入賞口92に遊技球が入賞すると、2ラウンド目からは、大入賞口13を長開放する長開放ラウンド遊技が所定のインターバル時間を挟んで繰り返し実行される。この15R長当たり遊技中には、図77(A)に基づいて説明したラウンド中演出の他に、楽曲演出が行われる。具体的には、2ラウンド目(小当たり遊技終了後の最初の長開放ラウンド遊技中)において、メイン液晶5に不図示の楽曲選択画面が表示される。そして、3ラウンド目が開始されるまでに遊技者が演出キー27を用いて選択した楽曲が、3ラウンド目以降のラウンド中に継続して再生される。すなわち、遊技者が選択した楽曲がスピーカ24から出力されると共に、その楽曲の映像がメイン液晶5において再生される。このようにして遊技者が選択した楽曲再生は、15R長当たり遊技が終了して時短遊技状態で遊技が制御されるときにも行われる場合がある。
本実施形態においては、このように長当たり遊技の2ラウンド目に楽曲選択が行われる場合について説明するが、長当たり遊技中であればいつでも楽曲選択が行えるような構成を採用してもよいし、或いは、時短遊技状態で遊技が制御されているときに楽曲選択が行えるような構成を採用してもよい。また、短当たり遊技中に楽曲選択が行えるような構成を採用してもよい。
なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、初回新曲発表が行われる毎に遊技者が選択可能な楽曲が増えて行くといった特徴も有している。具体的には、新曲Aの初回公演演出が行われる前の15R長当たり遊技中には、デフォルトの楽曲のみを選択可能な楽曲選択画面が表示される。これに対して、新曲Aの初回公演演出が行われた後の15R長当たり遊技中には、デフォルトの楽曲又は新曲Aを選択可能な楽曲選択画面が表示されるようになる。そして、新曲Bの初回公演演出が行われると、デフォルトの楽曲、新曲A、又は新曲Bを選択可能な楽曲選択画面が表示されるようになる。なお、遊技者が楽曲を選択したにも拘わらず、公演演出が開始されてしまったために選択された楽曲を直ちに再生できない場合や、楽曲の再生が中断されてしまった場合には、公演演出が終了した後に、選択された楽曲が最初から再生される。
[遊技制御基板100による長当たり遊技制御処理]
図78は、図76のステップS72における長当たり遊技制御処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、長当たり遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS71:YES)、図78に例示されるように、例えばステップS3203の処理によって長当たり遊技に係るオープニングコマンドをセットしてからの経過時間が所定のオープニング時間に達したか否かに基づいて、長当たり遊技のオープニング中であるか否かを判定する(ステップS721)。ここで、オープニング中であると判定した場合(ステップS721:YES)、同じく経過時間が所定のオープニング時間に達したか否かに基づいて、オープニング時間が経過したか否かを判定する(ステップS722)。ここで、オープニング時間が経過していないと判定された場合(ステップS722:NO)、ステップS8の賞球処理に処理が進められる。
メインCPU101は、オープニング時間が経過したと判定した場合(ステップS722:YES)、特別遊技のラウンド数Rmax、大入賞口制御部116の動作パターン等を決定して、これらの情報をメインRAM103に格納する(ステップS723)。このステップS723の処理が実行されることによって、ラウンドと次のラウンドとの間のインターバル時間、最終ラウンド終了後のエンディング時間等の長当たり遊技に関する各種時間も併せて設定される。
ステップS723の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている大入賞口13への遊技球の入賞数Yをリセットし(ステップS724)、同じくメインRAM103に記憶されている長当たり遊技中のラウンド数Rを「1」加算した値に更新する(ステップS725)。このラウンド数Rは、長当たり遊技開始前は「0」に設定されており、ステップS725の処理が行われる毎に「1」加算される。
ステップS725の処理に続いて、メインCPU101は、大入賞口制御部116による大入賞口13の開放制御を開始し(ステップS726)、この開放制御が開始されてからの経過時間である開放時間の計測を開始する(ステップS727)。そして、長開放ラウンド遊技が開始されたことを通知するラウンド開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS728)。
メインCPU101は、長当たり遊技におけるオープニング中ではないと判定した場合(ステップS721:NO)、例えばメインRAM103に記憶されている現在の状態が長当たり遊技におけるどの時点であるかを示す情報に基づいて、最終ラウンド終了直後のエンディング中であるか否かを判定する(ステップS729)。ここで、エンディング中であると判定された場合(ステップS729:YES)、後述するステップS744に処理が進められる。
メインCPU101は、長当たり遊技におけるエンディング中ではないと判定した場合(ステップS729:NO)、例えばメインRAM103に記憶されている現在の状態が長当たり遊技におけるどの時点であるかを示す情報に基づいて、インターバル中(ラウンドと次のラウンドとの間)であるか否かを判定する(ステップS730)。ここで、インターバル中であると判定した場合(ステップS730:YES)、前回のラウンド終了時に大入賞口13が閉塞してから、ステップS723の処理によって設定されたインターバル時間が経過したか否かを判定する(ステップS731)。ここで、インターバル時間が経過したと判定された場合(ステップS731:YES)、次のラウンドを開始するタイミングになっているため、上記ステップS724に処理が進められる。逆に、インターバル時間が経過していないと判定された場合(ステップS731:NO)、ステップS8の賞球処理に処理が進められる。
一方、メインCPU101は、インターバル中ではないと判定した場合(ステップS730:NO)、ラウンド中であると判断して、大入賞口スイッチ115からの検知信号の入力の有無に基づいて、大入賞口スイッチ115が「ON」になったか否かを判定する(ステップS733)。ここで、大入賞口スイッチ115が「ON」になったと判定した場合(ステップS733:YES)、大入賞口13に1個の遊技球が入賞したと判断して、遊技球の入賞数Yを「1」加算した値に更新する(ステップS734)。
メインCPU101は、ステップS728の処理を実行した場合、ステップS734の処理を実行した場合、又は大入賞口スイッチ115が「ON」ではないと判定した場合(ステップS733:NO)、大入賞口13の開放開始から規定開放時間が経過したか否かを判定する(ステップS735)。具体的には、上記ステップS727の処理によって計測が開始された開放時間が、予めメインROM102に記憶されている規定開放時間(本実施形態では29秒)に達したか否かを判定する。
メインCPU101は、規定開放時間が経過していないと判定した場合(ステップS735:NO)、メインRAM103に記憶されている今回のラウンドにおける遊技球の入賞数Yが、予めメインROM102に記憶されている大入賞口13の閉塞タイミングを規定する遊技球数Ymax(例えば「9」)と一致するか否かを判定する(ステップS736)。ここで、入賞数Yが遊技球数Ymaxと一致しないと判定された場合(ステップS736:NO)、ステップS8の賞球処理に処理が進められる。
一方、メインCPU101は、入賞数Yが遊技球数Ymaxと一致すると判定した場合(ステップS736:YES)、又は規定開放時間が経過したと判定した場合(ステップS735:YES)、大入賞口制御部116に大入賞口13の開放制御を終了させる(ステップS737)。
ステップS737の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている長当たり遊技の現在のラウンド数Rが、上記ステップS723の処理によって設定されたラウンド数Rmaxと一致するか否かを判定する(ステップS738)。ここで、ラウンド数Rがラウンド数Rmaxと一致しないと判定した場合(ステップS738:NO)、次のラウンドの開始タイミングを制御するために、大入賞口13が閉塞されてからの経過時間であるインターバル時間の計測を開始する(ステップS739)。このステップS739の処理によって計測が開始されたインターバル時間は、上記ステップS731の処理に使用される。
一方、メインCPU101は、ラウンド数Rがラウンド数Rmaxと一致すると判定した場合(ステップS738:YES)、エンディング時間の計測を開始し(ステップS740)、メインRAM103に記憶されているラウンド数Rをリセットし(ステップS741)、エンディングコマンドをメインRAM103にセットする(ステップS742)。このエンディングコマンドは、大入賞口13の最後の開放が終了したことを通知するコマンドであり、ステップS9の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
メインCPU101は、ステップS742の処理を実行した場合、又はエンディング中であると判定した場合(ステップS729:YES)、設定エンディング時間が経過したか否かを判定する(ステップS744)。具体的には、上記ステップS740の処理によって計測を開始したエンディング時間が、上記ステップS723の処理によって設定された設定エンディング時間に達したか否かを判定する。ここで、エンディング時間が経過していないと判定された場合(ステップS744:NO)、ステップS8の賞球処理に処理が進められる。
メインCPU101は、設定エンディング時間が経過したと判定した場合(ステップS744:YES)、長当たり遊技終了後のパチンコ遊技機1の遊技状態を設定する遊技状態設定処理を実行する(ステップS745)。そして、長当たり遊技を終了させるために、長当たり遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS746)。なお、遊技状態設定処理については、図80に基づいて後に詳述する。
[遊技制御基板100による短当たり遊技制御処理]
図79は、図76のステップS76における短当たり遊技制御処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、短当たり遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS75:YES)、図79に例示されるように、例えばステップS3203の処理によって短当たり遊技に係るオープニングコマンドをセットしてからの経過時間が所定のオープニング時間に達したか否かに基づいて、短当たり遊技のオープニング中であるか否かを判定する(ステップS761)。ここで、オープニング中であると判定した場合(ステップS761:YES)、同じく経過時間が所定のオープニング時間に達したか否かに基づいて、オープニング時間が経過したか否かを判定する(ステップS762)。ここで、オープニング時間が経過していないと判定された場合(ステップS762:NO)、ステップS8の賞球処理に処理が進められる。
メインCPU101は、オープニング時間が経過したと判定した場合(ステップS762:YES)、特別遊技のラウンド数Rmax、大入賞口制御部116の動作パターン等を決定して、これらの情報をメインRAM103に格納する(ステップS763)。このステップS723の処理が実行されることによって、ラウンドと次のラウンドとの間のインターバル時間、最終ラウンド終了後のエンディング時間等の短当たり遊技に関する各種時間も併せて設定される。
ステップS763の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている短当たり遊技中のラウンド数Rを「1」加算した値に更新する(ステップS764)。このラウンド数Rは、長当たり遊技が行われる場合と同様に、短当たり遊技開始前は「0」に設定されており、ステップS764の処理が行われる毎に「1」加算される。
ステップS764の処理に続いて、メインCPU101は、大入賞口制御部116による大入賞口13の開放制御を開始し(ステップS765)、この開放制御が開始されてからの経過時間である開放時間の計測を開始する(ステップS766)。
メインCPU101は、短当たり遊技におけるオープニング中ではないと判定した場合(ステップS761:NO)、例えばメインRAM103に記憶されている現在の状態が短当たり遊技におけるどの時点であるかを示す情報に基づいて、最終ラウンド終了直後のエンディング中であるか否かを判定する(ステップS767)。メインCPU101は、短当たり遊技におけるエンディング中ではないと判定した場合(ステップS767:NO)、例えばメインRAM103に記憶されている現在の状態が短当たり遊技におけるどの時点であるかを示す情報に基づいて、インターバル中であるか否かを判定する(ステップS768)。ここで、インターバル中であると判定した場合(ステップS768:YES)、前回のラウンド終了時に大入賞口13が閉塞してから、ステップS763の処理によって設定されたインターバル時間が経過したか否かを判定する(ステップS769)。ここで、インターバル時間が経過したと判定された場合(ステップS769:YES)、次のラウンドを開始するタイミングになっているため、上記ステップS764に処理が進められる。逆に、インターバル時間が経過していないと判定された場合(ステップS769:NO)、ステップS8の賞球処理に処理が進められる。
一方、メインCPU101は、インターバル中ではないと判定した場合(ステップS768:NO)、大入賞口13の開放開始から規定開放時間が経過したか否かを判定する(ステップS771)。具体的には、上記ステップS766の処理によって計測が開始された開放時間が、予めメインROM102に記憶されている規定開放時間(本実施形態では0.2秒)に達したか否かを判定する。ここで、規定開放時間が経過していないと判定された場合(ステップS771:NO)、ステップS8の賞球処理に処理が進められる。
メインCPU101は、規定開放時間が経過したと判定した場合(ステップS771:YES)、大入賞口制御部116に大入賞口13の開放制御を終了させる(ステップS772)。
ステップS772の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている短当たり遊技の現在のラウンド数Rが、上記ステップS763の処理によって設定されたラウンド数Rmaxと一致するか否かを判定する(ステップS773)。ここで、ラウンド数Rがラウンド数Rmaxと一致しないと判定した場合(ステップS773:NO)、次のラウンドの開始タイミングを制御するために、大入賞口13が閉塞されてからの経過時間であるインターバル時間の計測を開始する(ステップS774)。このステップS774の処理によって計測が開始されたインターバル時間は、上記ステップS769の処理に使用される。
一方、メインCPU101は、ラウンド数Rがラウンド数Rmaxと一致すると判定した場合(ステップS773:YES)、エンディング時間の計測を開始し(ステップS775)、メインRAM103に記憶されているラウンド数Rをリセットし(ステップS776)、エンディングコマンドをメインRAM103にセットする(ステップS777)。このエンディングコマンドは、長当たり遊技に係るエンディングコマンドと同様に、ステップS9の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
メインCPU101は、ステップS777の処理を実行した場合、又はエンディング中であると判定した場合(ステップS767:YES)、設定エンディング時間が経過したか否かを判定する(ステップS779)。具体的には、上記ステップS775の処理によって計測を開始したエンディング時間が、上記ステップS763の処理によって設定された設定エンディング時間に達したか否かを判定する。ここで、エンディング時間が経過していないと判定された場合(ステップS779:NO)、ステップS8の賞球処理に処理が進められる。
メインCPU101は、設定エンディング時間が経過したと判定した場合(ステップS779:YES)、短当たり遊技終了後のパチンコ遊技機1の遊技状態を設定する遊技状態設定処理を実行する(ステップS780)。そして、短当たり遊技を終了させるために、短当たり遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS781)。
[遊技制御基板100による遊技状態設定処理]
図80は、図78のステップS745と図79のステップS780における遊技状態設定処理の詳細フローチャートである。この遊技状態設定処理は、長当たり遊技又は短当たり遊技が終了した後のパチンコ遊技機1の遊技状態を通常遊技状態又は時短遊技状態に設定するための処理である。
まず、メインCPU101は、例えば長当たり遊技フラグ及び短当たり遊技フラグのいずれが「ON」に設定されているかに基づいて、今回行われた特別遊技が長当たり遊技であるか否かを判定する(ステップS7451)。ここで、長当たり遊技ではないと判定した場合(ステップS7451:NO)、すなわち短当たり遊技フラグが「ON」に設定されている場合、ステップS7452に処理が進められる。
本実施形態では、第1特別図柄判定の結果が突然時短当たりとなった場合にのみ短当たり遊技が行われるので、短当たり遊技が行われた後に、必ず時短が付与される。このため、メインCPU101は、ステップS7452において、時短遊技フラグを「ON」に設定する。そして、時短遊技残余回数Wを「100」に設定する(ステップS7453)。
一方、メインCPU101は、長当たり遊技であると判定した場合(ステップS7451:YES)、今回の長当たり遊技が小当たり遊技に続く長当たり遊技であるか否かを判定する(ステップS7454)。本実施形態では、小当たり遊技に続いて長当たり遊技が行われる場合、すなわち2種大当たりの場合、ステップS629(図75参照)の処理によって長当たり遊技フラグが「ON」に設定される。これに対して、小当たり遊技が行われずに長当たり遊技のみが行われる場合、すなわち1種大当たりの場合、ステップS3193(図71参照)の処理によって長当たり遊技フラグが「ON」に設定される。このため、どちらの処理ステップによって長当たり遊技フラグが「ON」に設定されたかに基づいて、今回の長当たり遊技が小当たり遊技に続く長当たり遊技であるか否かを判定することができる。
メインCPU101は、小当たり遊技に続く長当たり遊技ではないと判定した場合(ステップS7454:NO)、長当たり遊技開始時に第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示された大当たり図柄に基づいて、長当たり遊技終了後の時短の有無を判定する(ステップS7455)。逆に、小当たり遊技に続く長当たり遊技であると判定した場合(ステップS7454:YES)、小当たり遊技開始時に第2特別図柄表示器42に停止表示された小当たり図柄に基づいて、長当たり遊技終了後の時短の有無を判定する(ステップS7456)。
そして、メインCPU101は、ステップS7455又はステップS7456の判定結果が時短ありであるか否かを判定し(ステップS7457)、時短ありと判定した場合には(ステップS7457:YES)、上記ステップS7452及びステップS7453の処理を実行する。これにより、長当たり遊技が終了してから100回の特別図柄判定が実行されるまでの間、第2始動口12が開放され易い時短遊技状態で遊技が制御されることになる。これに対して、時短なしと判定された場合(ステップS7457:NO)、ステップS7452及びステップS7453の処理が行われないので、長当たり遊技が終了した後は、第2始動口12が開放され難い通常遊技状態で遊技が制御されることになる。
この一連の遊技状態設定処理が終了すると、長当たり遊技終了時である場合にはステップS746(図78参照)に処理が進められ、短当たり遊技終了時である場合にはステップS781(図79参照)に処理が進められる。
[演出制御基板130によるタイマ割込み処理]
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、演出制御基板130のサブCPU131は、後述するタイマ割込み処理を行う周期であるCTC周期を設定する。そして、サブCPU131は、演出内容を決定するために用いられる演出乱数等を更新する乱数更新処理をCTC周期よりも短い所定周期で繰り返す。すなわち、サブCPU131は、パチンコ遊技機1が起動している間、所定周期で乱数更新処理を繰り返しつつ、CTC周期でタイマ割込み処理を繰り返す。
以下、図81を参照しつつ、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図81は、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。サブCPU131は、遊技制御基板100で行われるタイマ割込み処理と同様に、図81に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図81以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御基板130で行われる処理は、サブROM132に記憶されているプログラムに基づいてサブCPU131が発行する命令に従って行われる。
サブCPU131は、まず、遊技制御基板100から遊技情報としてのコマンドを受信した場合に、コマンド受信処理を実行する(ステップS10)。このコマンド受信処理の詳細については、図82〜図84に基づいて後に詳述する。
ステップS10の処理に続いて、サブCPU131は、コマンド送信処理を実行する(ステップS12)。具体的には、ステップS10の処理によってサブRAM133にセットされたコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。このコマンド送信処理が行われることによって、画像表示や音声出力等による演出の実行が画像音響制御基板140に対して指示され、各種ランプの点灯等による演出の実行がランプ制御基板150に対して指示される。
そして、サブCPU131は、サブCPU131は、データ転送処理を実行する(ステップS12)。具体的には、画像音響制御に関するデータが画像音響制御部140から送信されるので、そのデータをランプ制御部150に転送する。これにより、メイン液晶5、サブ液晶6、及びスピーカ24で行われている演出と同期するように、盤ランプ25、枠ランプ37、回転ライト装置8等の演出媒体による演出がランプ制御部150によって制御される。
[演出制御基板130によるコマンド受信処理]
以下、図82〜図84を参照しつつ、演出制御基板130において実行されるコマンド受信処理について説明する。ここで、図82〜図84は、図81のステップS10におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。
サブCPU131は、遊技制御基板100から送信された保留コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS101)。ここで、保留コマンドを受信したと判定した場合(ステップS101:YES)、サブRAM133に記憶されている第1特別図柄判定の保留数を「1」加算した値に更新する(ステップS102)。そして、受信した保留コマンドに含まれている事前判定情報をサブRAM133に格納し(ステップS103)、その事前判定情報に基づいて、第1特別図柄判定に係る保留アイコンを通常の保留アイコンとは異なる表示態様で表示させる、いわゆる保留先読み演出を実行するか否かを判断する(ステップS104)。具体的には、例えば、変動パターン毎に、先読み演出を実行することに関して異なる数の先読み演出実行乱数が割り当てられたテーブルがサブROM132に記憶されており、サブCPU131は、乱数更新処理が行われる毎に適宜更新される先読み演出実行乱数に関して、保留コマンドを受信したときの値を取得する。そして、取得した先読み演出実行乱数が、受信した保留コマンドに含まれている事前判定情報が示す変動パターンに対して上記テーブルで割り当てられている乱数値のいずれかと一致するか否かに基づいて、先読み演出を実行するか否かを判断する。
サブCPU131は、保留先読み演出を実行しないと判断した場合(ステップS104:NO)、通常の表示態様の保留アイコンの表示を指示する通常保留表示コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS105)。逆に、保留先読み演出を実行すると判断した場合(ステップS104:YES)、通常の表示態様とは異なる表示態様の保留アイコンの表示を指示する特別保留表示コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS106)。これらの保留表示コマンドは、ステップS11のコマンド送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。
サブCPU131は、ステップS105の処理を実行した場合、ステップS106の処理を実行した場合、又は保留コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS101:NO)、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS108)。ここで、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS108:YES)、その変動開始コマンドを解析する(ステップS109)。
この変動開始コマンドには、上述したように、大当たり判定処理の判定結果を示す判定図柄の設定情報、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらの演出を行うかを示す設定情報、変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等が含まれている。したがって、変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の結果を特定し、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判断し、特別図柄が変動表示される変動時間を特定し、パチンコ遊技機1の遊技状態を特定することが可能である。
変動開始コマンドを解析すると、サブCPU131は、その解析結果に基づいて、変動演出パターン設定処理を実行する(ステップS110)。この変動演出パターン設定処理が実行されることによって、装飾図柄の変動態様、リーチ演出の有無、リーチ成立のタイミング、リーチ図柄を構成する装飾図柄の種類、リーチ演出の内容、停止表示される装飾図柄の種類等が決定される。
続いて、サブCPU131は、ステップS110の処理で設定した変動演出パターンで装飾図柄が変動表示されているときに実行する各種予告演出の内容を設定する予告演出パターン設定処理を実行する(ステップS111)。詳細な説明は省略するが、このステップS111の処理が実行されることにより、例えば、キャラクタがセリフを発するセリフ予告演出、演出画像の表示が段階的に発展していくステップアップ予告演出等の各種予告演出を実行するか否かが決定される。また、これらの予告演出を実行する場合には、その演出態様が併せて決定される。例えばセリフ予告演出を実行すると決定された場合、セリフ予告演出に登場させるキャラクタの種類、そのキャラクタが発するセリフの内容や文字色等が決定される。
次に、サブCPU131は、ステップS110の処理で設定した変動演出パターンでの変動演出の開始、及びステップS111の処理で設定した予告演出パターンでの予告演出の開始を指示する変動演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS112)。
この変動演出開始コマンドは、ステップS110の処理によって設定された変動演出パターンを示す情報と、ステップS111の処理によって設定された予告演出パターンを示す情報とを含むものであり、ステップS11のコマンド送信処理によって画像音響制御部140及びランプ制御部150に送信される。これにより、演出制御部130において演出パターンが決定された変動演出及び予告演出が、画像音響制御部140及びランプ制御部150によって実現されることになる。
これに対して、上述した公演演出において再生される新曲(楽曲)の種類、公演演出が行われる時間、各種のRTC演出中のメイン液晶5の画面構成などは、上記遊技情報とは無関係に、画像音響制御基板140において設定され、これらのRTC演出の実行が画像音響制御基板140によって制御される。
ステップS112に続いて、サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている第1特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する(ステップS113)。
サブCPU131は、ステップS113の処理を実行した場合、又は変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS108:NO)、遊技制御基板100から図柄確定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS114)。ここで、図柄確定コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS114:NO)、ステップS116に処理が進められる。
サブCPU131は、図柄確定コマンドを受信したと判定した場合(ステップS114:YES)、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の終了を指示する変動演出終了コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS115)。
この変動演出終了コマンドは、ステップS11のコマンド送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、上記ステップS112の処理に応じて開始された変動演出が終了して、特別図柄判定の結果を示す装飾図柄がメイン液晶5に停止表示されることになる。
サブCPU131は、ステップS115の処理を実行した場合、又は図柄確定コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS114:NO)、ランプ制御基板150から操作コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS116)。ここで、操作コマンドは、演出ボタン26又は演出キー27が操作されたことを通知するコマンドである。
サブCPU131は、操作コマンドを受信したと判定した場合(ステップS116:YES)、演出ボタン26又は演出キー27が操作されたことを通知する操作通知コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS117)。この操作通知コマンドは、ステップS11の処理によって画像音響制御基板140に送信される。
サブCPU131は、ステップS117の処理を実行した場合、又は操作コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS116:NO)、図83に例示されるように、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS121)。
サブCPU131は、オープニングコマンドを受信したと判定した場合(ステップS121:YES)、オープニングコマンドを解析する(ステップS122)。具体的には、オープニングコマンドに含まれている情報に基づいて、今回行われるオープニングが長当たり遊技に係るものであるか或いは短当たり遊技に係るものであるかを判別する処理等を行う。
サブCPU131は、ステップS122の解析結果に基づいて、今回のオープニングが長当たり遊技に係るものであるか否かを判定する(ステップS123)。ここで、長当たり遊技(図77(A)及び(C)参照)に係るものであると判定した場合(ステップS123:YES)、オープニング中に行うオープニング演出の演出パターンを選択し(ステップS124)、選択した演出パターンのオープニング演出の実行を指示するオープニング演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS125)。
このオープニング演出開始コマンドは、ステップS11のコマンド送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、長当たり遊技が開始されることを報知する演出や右打ちを促す演出などを含むオープニング演出が行われることになる。
なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、このオープニング演出として、公演演出において発表された最新曲を利用した演出が行われる。具体的には、例えば新曲Aの公演演出は既に行われているものの新曲Bの公演演出は未だ行われていない場合、公演演出で再生された新曲Aの映像の一部を用いたオープニング演出が行われる。また、例えば新曲Dの公演演出は既に行われているものの新曲Eの公演演出は未だ行われていない場合、公演演出で再生された新曲Dの映像の一部を用いたオープニング演出が行われる。
このように、通常演出とは無関係に行われた公演演出において再生された新曲の映像に基づいてオープニング演出が構成されるので、遊技者は、初回新曲発表が行われる毎にオープニング演出の内容が変化していくのを見て楽しむことができる。このようなオープニング演出の変化を実現するために画像音響制御基板140で行われる処理については後に詳述する。
サブCPU131は、今回のオープニングが長当たり遊技に係るものではないと判定した場合(ステップS123:NO)、すなわち短当たり遊技(図77(B)参照)に係るものである場合、短当たり遊技のオープニングからエンディング終了までの間に行われる短当たり演出の演出パターンを選択し(ステップS126)、選択した演出パターンの短当たり演出の実行を指示する短当たり演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS127)。
この短当たり演出開始コマンドは、ステップS11のコマンド送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信されて、右打ちを促す演出などを含む短当たり演出が行われることになる。
なお、短当たり演出についても、長当たり遊技のオープニング演出と同様に、初回公演演出が行われる毎に最新曲に対応する映像を利用するように演出切り替えが行われるが、これを実現するために画像音響制御基板140で行われる処理についても後に詳述する。
サブCPU131は、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS121:NO)、ステップS125の処理を実行した場合、又はステップS127の処理を実行した場合、長開放ラウンド遊技の開始時に遊技制御基板100から送信されるラウンド開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS129)。
サブCPU131は、ラウンド開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS129:YES)、受信したラウンド開始コマンドを解析し(ステップS130)、その解析結果に基づいて、今回の長開放ラウンド遊技が15R長当たり遊技における最初の長開放ラウンド遊技(図77(C)における2R)であるか否かを判定する(ステップS131)。
サブCPU131は、最初の長開放ラウンド遊技であると判定した場合(ステップS131:YES)、画像音響制御基板140に対して楽曲選択画面の表示を指示する楽曲選択画面表示コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS132)。ここで、楽曲選択画面は、長当たり遊技の3R目の開始からエンディング演出が開始されるまでの間に再生される楽曲を選択可能に表示する画面であり、遊技者が演出キー27を操作することによって、所望の新曲を選択することができる。楽曲選択画面表示コマンドは、ステップS13のコマンド送信処理によって画像音響制御基板140に送信され、これにより、メイン液晶5に楽曲選択画面が表示されることになる。
サブCPU131は、ステップS132の処理を実行した場合、又は最初の長開放ラウンド遊技ではないと判定した場合(ステップS131:NO)、今回受信したラウンド開始コマンドが、次の長開放ラウンド遊技(図77(C)における3R)の開始を通知するものであるか否かを判定する(ステップS133)。ここで、ラウンド開始コマンドが次の長開放ラウンド遊技の開始を通知するものであると判定した場合(ステップS133:YES)、最初の長開放ラウンド遊技中に遊技者が演出キー27を操作して選択した楽曲の再生開始を指示するための楽曲再生コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS134)。
この楽曲再生コマンドは、ステップS11のコマンド送信処理によって画像音響制御基板140に送信される。これにより、遊技者が選択した楽曲が15R長当たり遊技の3ラウンド目から再生されることになる。
サブCPU131は、ステップS134の処理を実行した場合、又は次の長開放ラウンド遊技ではないと判定した場合(ステップS133:NO)、特別遊技の継続回数(連チャン回数)や今回受信したラウンド開始コマンドに対応するラウンド数を判断してラウンド中の演出パターンを選択し(ステップS135)、選択した演出パターンのラウンド中演出の実行を画像音響制御基板140に指示するラウンド中演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS136)。これにより、メイン液晶5に表示されている現在のラウンド数を示す表示などが更新されることになる。
サブCPU131は、ラウンド開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS129:NO)、又はステップS136の処理を実行した場合、図84に例示されるように、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS138)。ここで、エンディングコマンドを受信したと判定した場合(ステップS138:YES)、受信したエンディングコマンドを解析し(ステップS139)、エンディングが長当たり遊技の終了に係るものであるか否かを判定する(ステップS140)。ここで、長当たり遊技に係るものであると判定した場合(ステップS140:YES)、エンディング演出の演出パターンを選択し(ステップS141)、選択した演出パターンのエンディング演出の実行を指示するためのエンディング演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS142)。
このエンディング演出開始コマンドは、ステップS11のコマンド送信処理によって画像音響制御基板140に送信される。これにより、後に詳述するが、オープニング演出で使用された楽曲と同じ楽曲の映像を用いたエンディング演出が行われることになる。
一方、サブCPU131は、エンディングが長当たり遊技に係るものではないと判定した場合(ステップS140:NO)、すなわち短当たり遊技に係るエンディングである場合、上記ステップS127(図83参照)の処理に応じて開始された短当たり演出の終了を指示する短当たり演出終了コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS143)。
この短当たり演出終了コマンドは、ステップS11のコマンド送信処理によって画像音響制御基板140に送信される。これにより、エンディング時間が経過してから短当たり演出が終了することになる。
サブCPU131は、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS138:NO)、ステップS142の処理を実行した場合、又はステップS143の処理を実行した場合、遊技制御基板100から客待ちコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS144)。ここで、客待ちコマンドを受信したと判定した場合(ステップS144:YES)、客待ちコマンドを受信してからの経過時間の計測を開始し(ステップS145)、サブRAM133に記憶されている計測フラグを「ON」に設定する(ステップS146)。この計測フラグは、客待ちコマンドを受信してからの経過時間の計測中であるか否かを示すフラグである。
サブCPU131は、客待ちコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS144:NO)、計測フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS147)。ここで、計測フラグが「ON」に設定されていないと判定された場合(ステップS147:NO)、一連のコマンド受信処理が終了して、ステップS11に処理が進められる。
サブCPU131は、計測フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS147:YES)、又はステップS146の処理を実行した場合、客待ち演出の開始タイミングを規定する客待ち判定時間が経過したか否かを判定する(ステップS148)。具体的には、ステップS145の処理で計測を開始した経過時間が、サブROM132に記憶されている客待ち判定時間(例えば30秒)に達したか否かを判定する。ここで、客待ち判定時間が経過していないと判定された場合(ステップS148:NO)、ステップS11に処理が進められる。
サブCPU131は、客待ち判定時間が経過したと判定した場合(ステップS148:YES)、計測フラグを「OFF」に設定し(ステップS149)、経過時間をリセットし(ステップS150)、客待ち演出の開始を指示する客待ち演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS151)。
この客待ち演出開始コマンドは、ステップS11のコマンド送信処理によって画像音響制御基板140に送信される。これにより、客待ち演出が開始されることになる。
客待ち演出としては、例えば、メニューの中から遊技者が所望の操作項目を選択するためのメニュー画面を表示するメニュー画面表示や、機種の特徴などを紹介する紹介ムービーを再生するムービー再生などが挙げられる。
なお、客待ち演出は、客待ちコマンドの受信から所定時間が経過すると、メニュー画面の表示のみを行うものであってもよい。また、客待ちコマンドの受信から所定時間が経過すると、紹介ムービーの再生のみを行うものであってもよい。また、客待ちコマンドの受信から所定時間が経過すると、紹介ムービーの再生とメニュー画面の表示とを交互に繰り返すものであってもよい。この場合、紹介ムービーの再生とメニュー画面の表示とは、どちらが先に行われても構わない。
[制御用ROM144の構成例]
図85は、制御用ROM144の構成例を示すブロック図である。制御用ROM144には、図85に例示されるように、統括CPU141によって実行されるプログラムの他に、公開管理テーブル、発表順管理テーブル、ディスプレイリスト作成テーブル等が記憶されている。
公開管理テーブルは、新曲の初回の公演演出の実行を許可する状態に移行させる日付及び時刻を新曲毎に規定したテーブルである。この公開管理テーブルについては、図17に基づいて上述した通りである。
発表順管理テーブルは、1週間ずつ(新曲Aについては2週間)行われる全ての新曲の公演演出が完了した後に、1時間毎に曲を切り替えながら公演演出を行うために参照されるテーブルである。この発表順管理テーブルについては、図19に基づいて上述した通りである。
ディスプレイリスト作成テーブルは、メイン液晶5やサブ液晶6に実行させる演出の演出パターンを決定する処理に使用される演出パターンテーブルである。ここでの演出パターンを決定する処理とは、演出制御基板130において設定された演出内容の演出を実行するに際して、実際にどのような画像データを使用してその演出を実現するか等を決定する処理である。
ディスプレイリスト作成テーブルは、ディスプレイリスト記憶領域1491に格納されるディスプレイリストを作成するために使用されるテーブルであり、主に、メイン液晶5とサブ液晶6とを用いて行われる通常演出を制御するために参照される。このディスプレイリスト作成テーブルは、本実施形態では、デフォルトテーブル、新曲Aメインテーブル、新曲Bメインテーブル、新曲Cメインテーブル、新曲Dメインテーブル、新曲Eメインテーブル、新曲Fメインテーブル、新曲Gメインテーブル、新曲Hメインテーブル、新曲Iメインテーブル、新曲Jメインテーブル、新曲Kメインテーブル、新曲Lメインテーブル、及びスロット演出用テーブルから構成されている。
デフォルトテーブルは、新曲Aの初回公演演出が行われる前に使用されるテーブルである。新曲Aメインテーブルは、新曲Aの初回公演演出が行われてから新曲Bの初回公演演出が行われるまで使用されるテーブルである。新曲Bメインテーブルは、新曲Bの初回公演演出が行われてから新曲Cの初回公演演出が行われるまで使用されるテーブルである。新曲Cメインテーブルは、新曲Cの初回公演演出が行われてから新曲Dの初回公演演出が行われるまで使用されるテーブルである。新曲Eメインテーブルは、新曲Eの初回公演演出が行われてから新曲Fの初回公演演出が行われるまで使用されるテーブルである。新曲Fメインテーブルは、新曲Fの初回公演演出が行われてから新曲Gの初回公演演出が行われるまで使用されるテーブルである。新曲Gメインテーブルは、新曲Gの初回公演演出が行われてから新曲Hの初回公演演出が行われるまで使用されるテーブルである。新曲Hメインテーブルは、新曲Hの初回公演演出が行われてから新曲Iの初回公演演出が行われるまで使用されるテーブルである。新曲Iメインテーブルは、新曲Iの初回公演演出が行われてから新曲Jの初回公演演出が行われるまで使用されるテーブルである。新曲Jメインテーブルは、新曲Jの初回公演演出が行われてから新曲Kの初回公演演出が行われるまで使用されるテーブルである。新曲Kメインテーブルは、新曲Kの初回公演演出が行われてから新曲Lの初回公演演出が行われるまで使用されるテーブルである。新曲Lメインテーブルは、新曲Lの初回公演演出が行われてから全曲開放状態となるまでの1週間使用されるテーブルである。このように、新曲Aメインテーブル〜新曲Lメインテーブルは、それぞれ、予め規定された1週間使用されるテーブルである。なお、全曲開放状態においては、これらのディスプレイリスト作成テーブルを1時間毎に切り替えながら通常演出が行われる。
スロット演出用テーブルは、通常演出(ここでは変動演出)に関して、サブ液晶6を用いたスロット演出を行う際に使用されるテーブルである。すなわち、スロット演出用テーブルは、メイン液晶5において各種のRTC演出が行われているときにサブ液晶6を用いて通常演出を行う場合に使用されるテーブルである。
統括CPU141は、全曲開放状態となる前は、通常演出に関して、公開管理テーブル及びディスプレイリスト作成テーブルを構成する14個のテーブルのいずれかを使用してディスプレイリストを作成する。そして、全曲開放状態においては、発表順管理テーブル及び14個のテーブルのいずれかを使用してディスプレイリストを作成する。このようなディスプレイリストの作成方法については、後に詳述する。
なお、制御用ROM144には、これらのテーブルの他に、全曲開放前演出音データ選択テーブル(図20(A)参照)、全曲開放後演出音データ選択テーブル(図20(B)参照)、練習風景演出データ選択テーブル(図21参照)、公演開始予告演出データ選択テーブル(図22参照)、公演演出データ選択テーブル(図23参照)、次公演予告演出データ選択テーブル(図24参照)、新曲A用ループグループテーブル(図26参照)、全曲開放前用公演終了演出スケジュールテーブル(図28参照)、全曲開放後用公演終了演出スケジュールテーブル(図29参照)、遅延時間テーブル(図35参照)、ゲーム開催順パターンテーブル(図42参照)、パターン番号選択テーブル(図43参照)、再生開始ポイント選択テーブル(図54参照)等が記憶されているが、図85においては、これらのテーブルの図示が省略されている。
[画像音響制御基板140によるメイン処理]
次に、図86を参照しつつ、画像音響制御基板140において実行されるメイン処理について説明する。なお、このメイン処理は、パチンコ遊技機1の電源が投入されると開始され、画像音響制御基板140が起動している間、継続的に実行される。また、図には示されていないが、画像音響制御基板140の統括CPU141は、このメイン処理においてCTC周期を設定し、メイン処理を繰り返しつつ、CTC周期で後述するタイマ割込み処理(図106参照)を繰り返す。
図86に例示されるように、統括CPU141は、画像音響制御基板140の初期設定を行うための初期設定処理を実行する(ステップS2000)。この初期設定処理については、図87に基づいて後に詳述する。
ステップS2000における初期設定処理に続いて、統括CPU141は、一部のRTC演出に使用される設置位置情報を設定するための設置位置情報設定処理を実行する(ステップS2100)。この設置位置情報設定処理については、図88に基づいて後に詳述する。
ステップS2100における設置位置情報設定処理に続いて、統括CPU141は、パチンコ遊技機1の電源投入からの経過時間をカウントする経過時間カウント処理を実行する(ステップS2200)。この経過時間カウント処理については、図89に基づいて後に詳述する。
ステップS2200における経過時間カウント処理に続いて、統括CPU141は、投下演出(図34参照)の実行を制御するための投下演出制御処理を実行する(ステップS2300)。この投下演出制御処理については、図90に基づいて後に詳述する。
ステップS2300における投下演出制御処理に続いて、統括CPU141は、ゲーム系列演出(図41参照)の実行を制御するためのゲーム系列演出制御処理を実行する(ステップS2400)。このゲーム系列演出制御処理については、図91に基づいて後に詳述する。
ステップ2400におけるゲーム系列演出制御処理に続いて、統括CPU141は、公演系列演出(図13参照)の実行を制御するための公演系列演出制御処理を実行する(ステップS2500)。この公演系列演出制御処理については、図96に基づいて後に詳述する。
ステップS2500における公演系列演出制御処理に続いて、統括CPU141は、特定の条件下でRTC演出の実行を禁止するためのRTC演出禁止制御処理を実行する(ステップS2700)。このRTC演出禁止制御処理については、図103に基づいて後に詳述する。
ステップS2700におけるRTC演出禁止制御処理に続いて、統括CPU141は、ステップS2300〜ステップS2700の処理で制御用RAM145にセットされた設定情報に基づいてディスプレイリストを作成し、作成したディスプレイリストをディスプレイリスト記憶領域1491にセットする画像出力制御処理を実行する(ステップS2800)。この画像出力制御処理については、図104に基づいて後に詳述する。
ステップS2800における画像出力制御処理に続いて、統括CPU141は、メイン液晶5及びサブ液晶6の両方或いはいずれか一方を用いて行われる表示演出と同期するようにスピーカ24から楽曲や音声などを出力させるための演出音出力制御処理を実行する(ステップS2900)。この演出音出力制御処理については、図105に基づいて後に詳述する。
[画像音響制御基板140による初期設定処理]
次に、図87を参照しつつ、画像音響制御基板140において実行される初期設定処理について説明する。ここで、図87は、図86のステップS2000における初期設定処理の詳細フローチャートである。
統括CPU141は、図87に例示されるように、まず、現在の状態が初期設定済みの状態であるか否かを判断する(ステップS2001)。ここで、初期設定済みの状態であると判断された場合(ステップS2001:YES)、ステップS2100に処理が進められる。
統括CPU141は、初期設定済みではないと判断した場合(ステップS2001:NO)、初期設定の実行が指示されたか否かを判断する(ステップS2002)。具体的には、ステップS908(図59参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された初期設定の実行を指示するコマンドを、演出制御基板130を介して受信したか否かに基づいて、初期設定の実行が指示されたか否かを判断する。ここで、初期設定の実行が指示されていないと判断された場合(ステップS2002:NO)、ステップS2004に処理が進められる。
統括CPU141は、初期設定の実行が指示されたと判断した場合(ステップS2002:YES)、所定の初期設定を開始する(ステップS2003)。
統括CPU141は、ステップS2003の処理を実行した場合、又は初期設定の実行が指示されていないと判断した場合(ステップS2002:NO)、初期設定中であるか否かを判断する(ステップS2004)。ここで、初期設定中ではないと判断された場合(ステップS2004:NO)、ステップS2100に処理が進められる。
統括CPU141は、初期設定中であると判断した場合(ステップS2004:YES)、実行中の初期設定が完了したか否かを判断する(ステップS2005)。ここで、初期設定が完了していないと判断された場合(ステップS2005:NO)、ステップS2100に処理が進められる。
これに対して、統括CPU141は、初期設定が完了したと判断した場合(ステップS2005:YES)、割込み処理を許可する(ステップS2006)。その結果、図106に基づいて後述する割込み処理の実行が可能となる。
なお、ここまでの説明から明らかなように、画像音響制御基板140の初期設定が完了していない状態でもステップS2200以降のステップに処理が進められるので、割込み処理が許可されていない状態であっても、電源投入からの経過時間をカウントする処理を行ったり、各種RTC演出を実行したりすることが可能である。
ただし、本実施形態におけるパチンコ遊技機1においては、後述するステップS2700におけるRTC演出禁止制御処理(図103参照)によって、電源復旧画面(図33(A)参照)や設置位置設定画面(図33(B)及び(C)参照)が表示されているときには、RTC演出の実行が禁止される。
[画像音響制御基板140による設置位置情報設定処理]
次に、図88を参照しつつ、画像音響制御基板140において実行される設置位置情報設定処理について説明する。ここで、図88は、図86のステップS2100における設置位置情報設定処理の詳細フローチャートである。
ステップS2000の処理に続いて、統括CPU141は、図88に例示されるように、電源復旧画面の表示指示があったか否かを判定する(ステップS2101)。具体的には、ステップS904(図59参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された電源復旧画面表示コマンドを、演出制御基板130を介して受信したか否かを判断する(ステップS2101)。ここで、電源復旧画面の表示指示があったと判断した場合(ステップS2101:YES)、メイン液晶5に電源復旧画面を表示させるための設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS2102)。この設定情報に基づいて後述するステップS2800の画像出力制御処理が実行されることによって、メイン液晶5に電源復旧画面(図33(A)参照)が表示される。
統括CPU141は、ステップS2102の処理を実行した場合、又は電源復旧画面の表示指示がないと判断した場合(ステップS2101:NO)、電源復旧画面の表示中であるか否かを判断する(ステップS2103)。具体的には、例えば、メイン液晶5に電源復旧画面を表示させるためのディスプレイリストをディスプレイリスト記憶領域1491(図58参照)にセットした後、メイン液晶5に他の画像を表示するためのディスプレイリストをディスプレイリスト記憶領域1491にセットする前の状態であるか否かに基づいて、電源復旧画面の表示中であるか否かを判断する。ここで、電源復旧画面の表示中であると判断した場合(ステップS2103:YES)、ステップS117(図82参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された演出ボタン26が操作されたことを通知する操作通知コマンドを受信したか否かを判断する。
統括CPU141は、演出ボタン26が操作されたことを通知する操作通知コマンドを受信したと判断した場合(ステップS2104:YES)、メイン液晶5に設置位置設定画面を表示させるための設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS2105)。この設定情報に基づいて後述するステップS2800の画像出力制御処理が実行されることによって、メイン液晶5に設置位置設定画面(図33(B)参照)が表示される。
統括CPU141は、ステップS2105の処理を実行した場合、電源復旧画面の表示中ではないと判断した場合(ステップS2103:NO)、又は演出ボタン26の操作を通知する操作通知コマンドを受信していないと判断した場合(ステップS2104:NO)、設置位置設定画面の表示中であるか否かを判断する。具体的には、例えば、メイン液晶5に設置位置設定画面を表示させるためのディスプレイリストをディスプレイリスト記憶領域1491にセットした後、メイン液晶5に他の画像を表示するためのディスプレイリストをディスプレイリスト記憶領域1491にセットする前の状態であるか否かに基づいて、設置位置設定画面の表示中であるか否かを判断する。
統括CPU141は、設置位置設定画面の表示中であると判断した場合(ステップS2106:YES)、ステップS2104の処理と同様に、演出ボタン26又は演出キー27の操作を通知する操作通知コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS2107)。
統括CPU141は、操作通知コマンドを受信したと判断した場合(ステップS2107:YES)、その操作通知コマンドに対応する操作が、演出ボタン26の操作による設置位置の決定操作であるか否かを判断する(ステップS2108)。具体的には、設置位置設定画面に含まれる決定ボタン(図33(B)参照)がハイライト表示された状態で演出ボタン26が操作されたか否かを判断する。
統括CPU141は、設置位置の決定操作ではないと判断した場合(ステップS2108:NO)、設置位置設定画面の表示を更新するための設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS2109)。具体的には、例えば図33(C)に示される上向きの白抜き三角で示される第2カーソルを右側に移動させるための操作であった場合、第2カーソルを右側に移動させると共に、パチンコ遊技機1が左から何番目に位置するかを示す数値を「1」増加させるための設定情報をセットする。
一方、統括CPU141は、設置位置の決定操作であると判断した場合(ステップS2108:YES)、設置位置情報をFeRAM1451にセットする(ステップS2110)。具体的には、設置位置の決定操作が行われた際に設置位置設定画面に表示されている、1列に並べられた台数を示す数値と、左から何番目に位置するかを示す数値とを、設置位置情報としてFeRAM1451に格納する。そして、設置位置設定画面を電源復旧画面に戻すための設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS2111)。
このステップS2111の処理が行われた場合、ステップS2109の処理が行われた場合、設置位置設定画面の表示中ではないと判断された場合(ステップS2106:NO)、又は操作通知コマンドを受信していないと判断された場合(ステップS2107:NO)、ステップS2200の経過時間カウント処理に処理が進められる。
このように、統括CPU141は、所定の操作に基づいて、FeRAM1451に記憶される設置位置情報を設定する。
[画像音響制御基板140による経過時間カウント処理]
次に、図89を参照しつつ、画像音響制御基板140において実行される経過時間カウント処理について説明する。ここで、図89は、図86のステップS2200における経過時間カウント処理の詳細フローチャートである。
ステップS2100の処理に続いて、統括CPU141は、図89に例示されるように、例えば画像音響制御基板140に対する電力供給が開始されたか否かを判断する(ステップS2201)。ここで、電力供給が開始されていない(電力供給の開始タイミングではない)と判断された場合(ステップS2201:NO)、ステップS2300の投下演出制御処理に処理が進められる。
統括CPU141は、電力供給が開始されたと判断した場合(ステップS2201:YES)、電断時間を算出する(ステップS2202)。具体的には、例えば、統括CPU141は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が遮断される際にRTC134からRTC情報(現在日時を示す情報)を取得して、そのRTC情報を第1時間情報としてFeRAM1451に格納する。その後、統括CPU141は、ステップS2201で「YES」と判断した場合、再びRTC134からRTC情報を取得して、そのRTC情報を第2時間情報としてFeRAM1451に格納する。そして、第2時間情報が示す日時から第1時間情報が示す日時を減算することによって、電断時間を算出する。
次に、統括CPU141は、算出した電断時間が所定時間(本実施形態では5分)以上であるか否かを判断する(ステップS2203)。ここで、電断時間が所定時間以上であると判断した場合(ステップS2203:YES)、FeRAM1451に記憶されている経過時間情報を「0」にリセットし(ステップS2204)、経過時間のカウントを開始する(ステップS2205)。すなわち、経過時間のカウントを「0」から改めて開始する。
一方、統括CPU141は、算出した電断時間が所定時間ではないと判断した場合(ステップS2203:NO)、例えばRAMクリア等のために一時的に電力供給が遮断されて短時間で電力供給が再開されたような場合、経過時間のカウントを再開する(ステップS2206)。すなわち、FeRAM1451に記憶されている経過時間情報が示す時間から、経過時間のカウントを再開する。
このステップS2206の処理が行われた場合、ステップS2205の処理が行われた場合、電力供給が開始されていないと判断された場合(ステップS2201:NO)、ステップS2300の投下演出制御処理に処理が進められる。
[画像音響制御基板140による投下演出制御処理]
次に、図90を参照しつつ、画像音響制御基板140において実行される投下演出制御処理について説明する。ここで、図90は、図86のステップS2300における投下演出制御処理の詳細フローチャートである。
ステップS2200の処理に続いて、統括CPU141は、図90に例示されるように、基準位置に設置されたパチンコ遊技機1において投下演出が開始されるタイミングである基準タイミングであるか否かを判定する(ステップS2301)。具体的には、FeRAM1451に記憶されている経過時間情報が示す時間が、図12に例示される電源投入から30分が経過した時間、電源投入からN時間(Nは整数)15分が経過した時間、電源投入からN時間45分が経過した時間のいずれかの時間と一致するか否かに基づいて、基準タイミングであるか否かを判定する。ここで、基準タイミングであると判定された場合(ステップS2301:YES)、後述するステップS2303に処理が進められる。
一方、統括CPU141は、基準タイミングではないと判定した場合(ステップS2301:NO)、ゲーム演出終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS2302)。具体的には、例えば、ディスプレイリスト記憶領域1491に対してゲーム演出に係るディスプレイリストをセットした後、そのディスプレイリストに基づくVDP142の描画処理が完了したタイミングであるか否かに基づいて、ゲーム演出終了タイミングであるか否かを判定する。ここで、ゲーム演出終了タイミングではないと判定された場合(ステップS2302:NO)、後述するステップS2315に処理が進められる。
統括CPU141は、ゲーム演出終了タイミングであると判定した場合(ステップS2302:YES)、又は基準タイミングであると判定した場合(ステップS2301:YES)、パチンコ遊技機1(自機)の設置位置が基準位置であるか否かを判断する(ステップS2303)。具体的には、FeRAM1451に記憶されている設置位置情報を参照して、自機の設置位置が基準位置であるか否かを判断する。例えば、左から1番目であることを示す設置位置情報が記憶されている場合には、自機が基準位置に設置されていると判断することができる。一方、左から2番目〜8番目のいずれかであることを示す設置位置情報が記憶されている場合には、自機が基準位置に設置されていない、つまり、基準位置以外の位置に設置されていると判断することができる。
統括CPU141は、自機の設置位置が基準位置であると判断した場合(ステップS2303:YES)、投下演出の開始タイミングを基準タイミング又はゲーム終了タイミングに設定する(ステップS2304)。
統括CPU141は、ステップS2301で基準タイミングであると判定すると共に、ステップS2303で自機の設置位置が基準位置であると判定したことに応じてステップS2304の処理を実行する場合、投下演出の開始タイミングが基準タイミングであることを示す設定情報を制御用RAM145にセットする。この場合、電源投入から30分が経過したタイミング、電源投入からN時間(Nは整数)15分が経過したタイミング、電源投入からN時間45分が経過したタイミングのいずれかのタイミングで投下演出が開始されることになる。すなわち、本実施形態においては、基準位置に設置されていることを示す設置位置情報が記憶されているパチンコ遊技機1Aにおいて、このようにして投下演出の開始タイミングが基準タイミングに設定される。
また、統括CPU141は、ステップS2302でゲーム終了タイミングであると判定すると共に、ステップS2303で自機の設置位置が基準位置であると判定したことに応じてステップS2304の処理を実行する場合、投下演出の開始タイミングがゲーム終了タイミングであることを示す設定情報を制御用RAM145にセットする。この場合、ゲーム演出が終了するタイミングで投下演出が直ちに開始されることになる。すなわち、本実施形態においては、基準位置に設置されていることを示す設置位置情報が記憶されているパチンコ遊技機1Aにおいて、このようにして投下演出の開始タイミングがゲーム演出終了タイミングに設定される。
なお、他の実施形態では、電源投入からM時間(Mは自然数)30分が経過したタイミングも投下演出の基準タイミングとしてもよい。この場合、投下演出の基準タイミングが、ゲーム演出の開始タイミングと一致することとなる。このような場合には、投下演出よりもゲーム演出を優先させるべく、投下演出の開始タイミングを、基準タイミングに対して、ゲーム演出の演出実行時間だけ遅らせた時間に設定するようにすればよい。
一方、統括CPU141は、自機の設置位置が基準位置ではないと判断した場合(ステップS2303:NO)、投下演出の開始タイミングを、基準タイミング又はゲーム終了タイミングに対して設置位置情報に応じた時間だけ遅延した時間に設定する(ステップS2305)。
統括CPU141は、ステップS2301で基準タイミングであると判定すると共に、ステップS2303で自機の設置位置が基準位置ではないと判定したことに応じてステップS2305の処理を実行する場合、まず、自機における投下演出の開始時間の基準タイミングに対する遅延時間を特定する。具体的には、FeRAM1451に記憶されている設置位置情報が示す設置位置に対応する遅延時間を、制御用ROM145に記憶されている遅延時間テーブル(図35参照)から読み出すことによって、遅延時間を読み出す。例えば、パチンコ遊技機1Cの場合、基準位置に対して左から3番目の位置に設置されていることを示す設置位置情報が記憶されているため、遅延時間が1.0秒であると特定される。そして、統括CPU141は、基準タイミングから特定した遅延時間が経過したタイミングを投下演出の開始タイミングに設定して、その設定情報を制御用RAM145にセットする。この場合、電源投入から30分+遅延時間が経過したタイミング、電源投入からN時間(Nは整数)15分+遅延時間が経過したタイミング、電源投入からN時間45分+遅延時間が経過したタイミングのいずれかのタイミングで投下演出が開始されることになる。すなわち、本実施形態においては、基準位置とは異なる位置に設置されていることを示す設置位置情報が記憶されているパチンコ遊技機1B〜1Hにおいて、このようにして投下演出の開始タイミングが基準タイミングに対して遅延した時間に設定される。
また、統括CPU141は、ステップS2302でゲーム終了タイミングであると判定すると共に、ステップS2303で自機の設置位置が基準位置ではないと判定したことに応じてステップS2305の処理を実行する場合、上述したように、自機の制御用ROM144に記憶されている遅延時間テーブルと、同じく自機のFeRAM1451に記憶されている設置位置情報とに基づいて、自機における投下演出の開始時間のゲーム終了タイミングに対する遅延時間を特定する。そして、統括CPU141は、ゲーム終了タイミングから特定した遅延時間が経過したタイミングを投下演出の開始タイミングに設定して、その設定情報を制御用RAM145にセットする。この場合、ゲーム終了タイミングから遅延時間だけ遅延したタイミングで投下演出が開始されることになる。すなわち、本実施形態においては、基準位置とは異なる位置に設置されていることを示す設置位置情報が記憶されているパチンコ遊技機1B〜1Hにおいて、このようにして投下演出の開始タイミングがゲーム終了タイミングに対して遅延した時間に設定される。なお、ゲーム終了タイミングは、パチンコ遊技機1A〜1Hにおいて共通である。このため、まずパチンコ遊技機1Aにおいてゲーム終了タイミングで投下演出が開始された後に、他のパチンコ遊技機1B〜1Hにおいて、遅れて投下演出が開始されることになる。
統括CPU141は、ステップS2304の処理を実行した場合、ステップS2305の処理を実行した場合、又はゲーム演出終了タイミングではないと判定した場合(ステップS2302:NO)、投下演出の開始タイミングが設定されているか否かを判断する(ステップS2307)。具体的には、ステップS2304又はステップS2305の処理によって設定された投下演出の開始タイミングを示す情報が制御用RAM145に格納されているか否かに基づいて、投下演出の開始タイミングが設定されているか否かを判断する。ここで、投下演出の開始タイミングが設定されていないと判断された場合(ステップS2307:NO)、後述するステップS2318に処理が進められる。
統括CPU141は、投下演出の開始タイミングが設定されていると判断した場合(ステップS2307:YES)、投下演出の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS2308)。具体的には、制御用RAM145に記憶されている投下演出の開始タイミングを示す設定情報と、FeRAM1451に記憶されている経過時間情報とに基づいて、投下演出の開始タイミングであるか否かを判定する。ここで、投下演出の開始タイミングではないと判定された場合(ステップS2308:NO)、ステップS2318に処理が進められる。
統括CPU141は、投下演出の開始タイミングであると判定した場合(ステップS2308:YES)、現在の状態が客待ち状態であるか否かを判断する(ステップS2309)。具体的には、例えば、ステップS151の処理に応じて演出制御基板130から送信された客待ち演出開始コマンドを受信した後に、演出制御基板130から他のコマンドを受信する前の状態であるか否かに基づいて、客待ち状態であるか否かを判断する。なお、ここでの客待ち状態とは、ステップS322(図69参照)の処理に応じて遊技制御基板100から客待ちコマンドが送信されてから、ステップS148(図84参照)の処理でサブCPU131によって客待ち判定時間(例えば30秒)が経過したと判定された後の状態であって、いわゆる客待ち演出が行われている状態を指す。
統括CPU141は、客待ち状態であると判断した場合(ステップS2309:YES)、すなわち客待ち演出が行われている場合、客待ち用ポイント決定テーブル(図40参照)を制御用ROM144から読み出して制御用RAM145にセットする(ステップS2310)。
演出制御基板130から送信される第1特別図柄判定に係る変動演出開始コマンドには、その第1特別図柄判定の結果を示す情報が含まれている。このため、統括CPU141は、演出制御基板130から受信した変動演出開始コマンドに基づいて、第1特別図柄判定に係る図柄の変動表示中である場合に、その図柄の変動表示が終了する際に大当たり図柄が停止表示されることになるか否かを判断する当該結果判断処理を実行可能である。
また、演出制御基板130から送信される保留表示コマンドには、第1特別図柄判定に係る事前判定情報が含まれている。このため、統括CPU141は、演出制御基板130から受信した保留表示コマンドに基づいて、第1特別図柄判定が保留されている場合に、その保留の中に大当たりと判定されることになるものが存在するか否か、大当たりとなるものが存在しないものの例えばSPリーチ演出やSPSPリーチ演出が行われた後にハズレが報知される高信頼度ハズレの保留が存在するか否かを判断する保留結果判断処理を実行可能である。
統括CPU141は、客待ち状態ではないと判断した場合(ステップS2309:NO)、演出制御基板130から受信した変動演出開始コマンドと、保留表示コマンドとに基づいて、結果判断処理(当該結果判断処理と保留結果判断処理)を実行する。そして、統括CPU141は、これら2つの結果判断処理の結果に基づいて、以下のようにポイント決定テーブルをセットする。
すなわち、統括CPU141は、客待ち状態ではないと判断した場合(ステップS2309:NO)、結果判断処理の結果に基づいて、大当たりが有るか否かを判断する(ステップS2311)。ここで、大当たりが有ると判断した場合(ステップS2311:YES)、大当たり用ポイント決定テーブル(図40参照)を制御用ROM144から読み出して制御用RAM145にセットする(ステップS2312)。
一方、統括CPU141は、大当たりが無いと判断した場合(ステップS2311:NO)、結果判断処理の結果に基づいて、第1特別図柄判定の保留の中に、高信頼度ハズレの保留があるか否かを判断する(ステップS2313)。ここで、高信頼度のハズレが有ると判断した場合(ステップS2313:YES)、高信頼度ハズレ用ポイント決定テーブル(図40参照)を制御用ROM144から読み出して制御用RAM145にセットする(ステップS2314)。逆に、高信頼度のハズレが無いと判断した場合(ステップS2313:NO)、低信頼度ハズレ用ポイント決定テーブル(図40参照)を制御用ROM144から読み出して制御用RAM145にセットする(ステップS2315)。
統括CPU141は、ステップS2310の処理、ステップS2312の処理、ステップS2314の処理、又はステップS2315の処理によって制御用RAM145にセットしたポイント決定テーブルを参照して、投下演出により投下する投下ポイントを決定する(ステップS2316)。
本実施形態におけるポイント投下演出は、第1特別図柄判定の判定結果に基づいて、その演出態様が設定される。具体的には、大当たり遊技を実行すると判定されたことを示す判定結果(事前判定の結果を含む)が得られている場合には、大当たり用ポイント決定テーブルを参照して投下ポイントが決定される。この大当たり用ポイント決定テーブルを参照した場合、投下ポイントが480ポイントに決定され易いが、480ポイント未満のポイントに決定される場合もある。このため、投下演出の演出態様は、大当たりの存在を示唆する480ポイントのハート画像を投下するという演出態様、又は、大当たりの存在を示唆しない480ポイント未満のハート画像を投下するという演出態様に制御される。
一方、大当たり遊技を実行しないと判定されたことを示す判定結果(事前判定の結果を含む)が得られている場合には、投下ポイントの決定に際してハズレ用ポイント決定テーブルが参照される。このため、投下演出の演出態様は、大当たりの存在を示唆しない480ポイント未満のハート画像を投下するという演出態様に制御され、480ポイントのハート画像を投下するという演出態様に制御されることはない。
このように、投下演出によって480ポイント未満のポイントが投下された場合には、そのポイントに応じた遊技特典(例えば楽曲の選択が可能になる)が遊技者に付与される。これに対して、投下演出によって480ポイントが投下された場合には、そのポイントに応じた遊技特典(例えば楽曲の選択が可能になる)に加えて、大当たり遊技による遊技球の獲得という別の遊技特典が付与されることになる。
すなわち、投下演出の演出態様が480ポイント未満のポイントを投下するという演出態様に設定されるよりも、投下演出の演出態様が480ポイントを投下するという演出態様に設定された方が、遊技者に対してより大きい遊技特典が付与されることになる。
なお、投下ポイントを決定する処理は、図40に基づいて上述した通りであるため、ここでの詳細な説明は省略する。
統括CPU141は、投下ポイントを決定すると、決定した投下ポイントを示す情報などを含む投下演出に関する設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS2317)。この設定情報に基づいて後述するステップS2800の画像出力制御処理が実行されることによって、メイン液晶5を用いた投下演出が開始されることになる。
統括CPU141は、ステップS2317の処理を実行した場合、投下演出の開始タイミングが設定されていないと判定された場合(ステップS2307:NO)、又は投下演出の開始タイミングではないと判定された場合(ステップS2308:NO)、投下演出が終了されるか否かを判定する(ステップS2318)。具体的には、例えば、ステップS2317の処理を実行してから投下演出の実行に要する時間が経過したか否かに基づいて、投下演出が終了されるか否かを判定する。
統括CPU141は、投下演出が終了されると判定した場合(ステップS2318:YES)、ステップS2316の処理で決定した投下ポイントを加算した情報となるようにポイントを更新するためのポイント情報更新処理を実行する(ステップS2319)。具体的には、ステップS2317の処理でセットした設定情報に含まれている投下ポイントが加算された値となるように、制御用RAM125に記憶されているポイント情報を更新する。そして、メイン液晶5に表示されているポイント情報が、ステップS2317の処理でセットした設定情報に含まれている投下ポイントが加算された値となるようにポイント情報の表示を更新するためのポイント情報更新処理を実行する。
なお、このようにして投下演出が終了すると、制御用RAM145に記憶されている投下演出に関する設定情報が破棄される。
ステップS2319の処理が実行された場合、又は投下演出の終了ではないと判定された場合(ステップS2318:NO)、ステップS2400に処理が進められる。
このように、各パチンコ遊技機1(1A〜1H)は、設置位置情報に基づく演出(ここでは投下演出)を実行可能に構成されており、統括CPU141は、電源投入からの経過時間によって特定される基準タイミングと、FeRAM1451に記憶されている設置位置情報とに基づいて開始タイミングを設定し、その開始タイミングになったと判定した場合に、投下演出を開始させる。
なお、本実施形態では、投下演出の基準タイミングが、公演演出の開始タイミングおよびゲーム演出の開始タイミングと重ならないように、投下演出の基準タイミングが、電源投入を基準として、30分後、N時間(Nは整数)15分後、N時間45分後、ゲーム演出終了タイミングに設定されている場合について説明した。これに対して、他の実施形態においては、電源投入から15×M分(Mは整数)経過後のタイミングを投下演出の基準タイミングとしてもよい。すなわち、電源投入から15分が経過する毎に投下演出の基準タイミングが到来するようにしてもよい。
ただし、このような構成を採用した場合、投下演出の基準タイミングが、公演演出の開始タイミングと重なり、また、ゲーム演出の開始タイミングとも重なることとなる。これに対しては、以下のような制御を行うことが考えられる。すなわち、公演演出に関しては、公演演出に続いて次公演予告演出や公演終了演出といった一連の演出が行われるため、公演演出の開始から公演終了演出の終了までに長い時間を要する。このため、例えば、公演終了演出が終了してから投下演出を行うような構成を採用してしまうと、その投下演出が終了してから次の投下演出が行われるまでの時間間隔がかなり短くなってしまうという問題がある。このため、投下演出の基準タイミングが公演演出の開始タイミングと重なった場合には、投下演出よりも公演演出を優先させるべく、公演を行わないといった制御を行うことが考えられる。
一方、ゲーム演出に要する時間は、公演演出の開始から公演終了演出が終了までの時間に比べると短い。このため、投下演出の基準タイミングがゲーム演出の開始タイミングと重なる場合には、投下演出の基準タイミングをそのゲーム演出の実行時間と同じ時間だけ後ろにずらすことによって、投下演出の基準タイミングを遅延させるといった制御を行うことが考えられる。
[画像音響制御基板140によるゲーム系列演出制御処理]
次に、図91を参照しつつ、画像音響制御基板140において実行されるゲーム系列演出制御処理について説明する。ここで、図91は、図86のステップS2400におけるゲーム系列演出制御処理の詳細フローチャートである。
ステップS2300の処理に続いて、統括CPU141は、図91に例示されるように、ゲーム演出に関する開催告知の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS2401)。本実施形態では、ゲーム演出の種類に関わらず、開催告知の演出実行時間が30秒に固定されており、ゲーム説明+カウントダウンの演出実行時間が60秒に固定されている。また、ゲーム演出は、電源投入からの経過時間がM時間(Mは自然数)30分となったタイミングで開始される。このため、開催告知は、電源投入からの経過時間がM時間(Mは自然数)30分−90秒(=30秒+60秒)となったタイミングで開始される。このため、統括CPU141は、FeRAM1451に記憶されている経過時間情報が示す経過時間が、M時間(Mは自然数)30分−90秒であるか否かに基づいて、開催告知の開始タイミングであるか否かを判定する。
統括CPU141は、開催告知の開始タイミングであると判定した場合(ステップS2401:YES)、今回の開催告知の90秒後に開始されるゲームの種類を特定する(ステップS2402)。具体的には、統括CPU141は、まず、RTC134からRTC情報を取得し、現在の日付を特定する。次に、制御用ROM144に記憶されているパターン番号選択テーブル(図43参照)から、現在の日付に対応するパターン番号を読み出す。そして、統括CPU141は、今回のゲーム演出が本日何回目のゲームであるかを判断し、その判断結果と、読み出したパターン番号と、制御用ROM144に記憶されているゲーム開催順パターンテーブルとに基づいて、今回のゲームの種類を特定する。
例えば、現在の日付が5/13である場合、パターン番号選択テーブルから読み出されるパターン番号は「6」である。このパターン番号「6」が選択される日は、図42の表記から明らかなように、輪投げゲーム、ビンゴゲーム、障害物競走、クイズゲーム、輪投げゲーム、ビンゴゲーム、障害物競走、クイズゲーム、・・・の順でゲームの種類を切り替えることとなっている。このため、今回のゲームが6回目のゲームである場合には、今回はビンゴゲームが開催されると特定することができる。
統括CPU141は、ゲームの種類を特定すると、特定したゲームの種類を示す情報を含む開催告知の設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS2403)。この設定情報に基づいてステップS2800の画像出力制御処理が実行されることによって、メイン液晶5を用いた開催告知が開始されることになる。
統括CPU141は、ステップS2403の処理を実行した場合、又は開催告知の開始タイミングではないと判定した場合(ステップS2401:NO)、開催告知の終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS2404)。具体的には、例えば、開催告知の開始からの経過時間が60秒であるか否かに基づいて、開催告知の終了タイミングであるか否かを判定する。
統括CPU141は、開催告知の終了タイミングであると判定した場合(ステップS2404:YES)、ゲーム説明とカウントダウンの設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS2405)。具体的には、ステップS2402の処理で特定されたゲームの種類と同じ種類のゲームに関するゲーム説明と、ゲーム演出が開始されるまでの残り時間のカウントダウンとを行うための設定情報を制御用RAM145に格納する。
統括CPU141は、ステップS2405の処理を実行した場合、開催告知の終了タイミングではないと判定した場合(ステップS2404:NO)、FeRAM1451に記憶されている経過時間情報に基づいて、電源投入からの経過時間がM時間(Mは自然数)30分であるか否かを判定する(ステップS2406)。ここで、電源投入からの経過時間がM時間30分ではないと判定された場合(ステップS2406:NO)、ステップS2500に処理が進められる。
統括CPU141は、電源投入からの経過時間がM時間30分であると判定した場合(ステップS2406:YES)、例えば、ステップS2402の特定結果に基づいて、今回開催するゲームがビンゴゲームであるか否かを判断する(ステップS2407)。ここで、ビンゴゲームであると判断した場合(ステップS2407:YES)、ビンゴゲームを開始するためのビンゴゲーム開始処理を実行する(ステップS2410)。このビンゴゲーム開始処理については、図92に基づいて後に詳述する。
統括CPU141は、今回開催するゲームがビンゴゲームではないと判断した場合(ステップS2407:NO)、今回開催するゲームがクイズゲームであるか否かを判断する(ステップS2421)。ここで、クイズゲームであると判断した場合(ステップS2421:YES)、クイズゲームを開始するためのクイズゲーム開始処理を実行する(ステップS2430)。このクイズゲーム開始処理については、図93に基づいて後に詳述する。
統括CPU141は、今回開催するゲームがクイズゲームではないと判断した場合(ステップS2421:NO)、今回開催するゲームが障害物競走であるか否かを判断する(ステップS2441)。ここで、障害物競走であると判断した場合(ステップS2441:YES)、障害物競走を開始するための障害物競走開始処理を実行する(ステップS2450)。この障害物競走開始処理については、図94に基づいて後に詳述する。
統括CPU141は、今回開催するゲームが障害物競走ではないと判断した場合(ステップS2441:NO)、輪投げゲームを開始するための輪投げゲーム開始処理を実行する(ステップS2460)。この輪投げゲーム開始処理については、図95に基づいて後に詳述する。
ここまでの説明から明らかなように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、電源投入からの経過時間がM時間30になるという所定の時間条件が満たされると、ゲームの種類に関わらず、ゲーム演出が開始される。
統括CPU141は、電源投入からの経過時間がM時間30分ではないと判定した場合(ステップS2406:NO)、ステップS2410の処理を実行した場合、ステップS2430の処理を実行した場合、ステップS2450の処理を実行した場合、又はステップS2460の処理を実行した場合、次ゲーム予告の設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS2471)。具体的には、まず、RTC134からRTC情報を取得して、現在の日付を特定する。次に、現在の日付に対応するパターン番号をパターン番号選択テーブル(図43参照)から読み出し、ゲーム開催順パターンテーブル(図42参照)からそのパターン番号に対応するゲームの開催順を示す情報を読み出して、次回のゲームの種類を特定する。そして、特定したゲームの種類を示す情報を含む次ゲーム予告の設定情報を制御用RAM145にセットする。この設定情報に基づいてステップS2800の画像出力制御処理が実行されることによって、メイン液晶5を用いた次ゲーム予告が開始されることになる。
ここまでの説明から明らかなように、本実施形態においては、パチンコ遊技機1A〜1Hでは、所定の時間条件(電源投入からM時間30分経過)が満たされたタイミングで、4種類のゲーム演出のうちのいずれかのゲームが同時に開始され、ゲーム演出が行われる毎にゲームの種類が切り替わって行く。
[ビンゴゲーム開始処理]
図92は、図91のステップS2410におけるビンゴゲーム開始処理の詳細フローチャートである。統括CPU141は、今回開催するゲームがビンゴゲームであると判断した場合(ステップS2407:YES)、図92に例示されるように、まず、今回のビンゴゲームのシナリオを選択する(ステップS2411)。ビンゴゲームに関しては、8回の抽選で選択される抽選玉の組み合わせが異なる複数のシナリオが用意されており、ビンゴゲームが行われる毎にそのシナリオを変更するための制御データ(例えばテーブル)が制御用ROM144に記憶されている。これに対して、統括CPU141は、例えば前回のビンゴゲームで使用したシナリオを示す情報をFeRAM1451に保持しておき、その情報と上記制御データとに基づいて、今回のビンゴゲームのシナリオを選択する。
なお、各パチンコ遊技機1の制御用ROM144には、ビンゴゲームのシナリオを適切に切り替えるための同一の制御データ(例えばテーブル)が記憶されており、パチンコ遊技機1A〜1Hにおいては、ビンゴゲームを同時に開始するに際して、同じシナリオが選択されるようになっている。
次に、統括CPU141は、投下演出の開始時に行われる結果判断処理と同様に、今回のビンゴゲームの開始に際して結果判断処理を実行し、その結果に基づいて、今回のビンゴカードを選択する。すなわち、統括CPU141は、ビンゴのシナリオを選択すると、2つの結果判断処理の結果に基づいて、大当たりが有るか否かを判断する(ステップS2412)。ここで、大当たりが有ると判断した場合(ステップS2412:YES)、ステップS2411の処理で選択したシナリオに対して最終的にビンゴ成立となるビンゴカードを選択する(ステップS2413)。逆に、大当たりが無いと判断した場合(ステップS2412:NO)、最終的にビンゴ不成立となるビンゴカードをランダムに選択する(ステップS2414)。
なお、他の実施形態においては、大当たりがない場合に、結果判断処理の結果に基づいて、ビンゴ不成立のビンゴカードを選択するようにしてもよい。例えば、保留結果判断処理の結果が、高信頼度ハズレの保留が存在することを示す結果である場合には、最終的にはビンゴが成立しないものの、抽選玉と数字が一致して有効になる有効マス目が相対的に多くなるようなビンゴカードを選択し、逆に、高信頼度ハズレの保留が存在しないことを示す結果である場合には、最終的にはビンゴが成立せず、抽選玉と数字が一致して有効になる有効マス目が相対的に少なくなるようなビンゴカードを選択することが考えられる。
このような構成を採用することにより、有効マス目の数に基づいて、遊技者が大当たりに対する信頼度を容易に把握することが可能である。
統括CPU141は、ステップS2413の処理を実行した場合、又はステップS2414の処理を実行した場合、ビンゴゲームの設定情報をセットする(ステップS2415)。具体的には、ステップS2411の処理で選択したビンゴのシナリオと、ステップS2413又はステップS2414の処理で選択したビンゴカードの種類とを示す情報を含むビンゴゲームの設定情報を制御用RAM145にセットする。この設定情報に基づいてステップS2800の画像出力制御処理が実行されることによって、メイン液晶5を用いたビンゴゲームが開始されることになる。
このように、各パチンコ遊技機1(1A〜1H)は、設置位置情報に基づかない演出(ここではビンゴゲーム)を実行可能である。
[クイズゲーム開始処理]
図93は、図91のステップS2430におけるクイズゲーム開始処理の詳細フローチャートである。統括CPU141は、今回開催するゲームがクイズゲームであると判断した場合(ステップS2421:YES)、図93に例示されるように、先ず、クイズ問題のシナリオを選択する(ステップS2431)。すなわち、前回のクイズゲームで出題された問題と、今回のクイズゲームで出題される問題とが同じにならないように、また、同じ日に同じ問題が出題されないように、クイズ問題のシナリオを選択する。なお、このクイズ問題のシナリオ選択は、ビンゴのシナリオ選択(図92のステップS2411)と同様に行われるため、ここでの詳細な説明は省略する。
なお、各パチンコ遊技機1の制御用ROM144には、クイズ問題のシナリオを適切に切り替えるための同一の制御データ(例えばテーブル)が記憶されており、パチンコ遊技機1A〜1Hにおいては、クイズゲームを同時に開始するに際して、同じシナリオが選択されるようになっている。
次に、統括CPU141は、クイズゲーム中に出題された問題に対して遊技者が正解した場合に、その正解に対して遊技者に付与するポイントを決定するためのポイント決定テーブルをセットするための処理を行う。すなわち、統括CPU141は、クイズ問題のシナリオを選択すると、ステップS2412の処理と同様に、大当たりが有るか否かを判断する(ステップS2432)。ここで、大当たりが有ると判断した場合(ステップS2432:YES)、クイズゲームに関する大当たり用のポイント決定テーブルを制御用ROM144から読み出して制御用RAM145にセットする(ステップS2433)。逆に、大当たりが無いと判断した場合(ステップS2432:NO)、クイズゲームに関するハズレ用のポイント決定テーブルを制御用ROM144から読み出して制御用RAM145にセットする(ステップS2434)。
そして、統括CPU141は、クイズゲームの設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS2435)。具体的には、ステップS2431の処理で選択したシナリオを示す情報と、セットしたポイント選択テーブルを示す情報とを含むクイズゲームの設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS2435)。この設定情報に基づいてステップS2800の画像出力制御処理が実行されることによって、メイン液晶5を用いたクイズゲームが開始されることになる。
なお、詳細な説明は省略するが、クイズゲーム中においては、遊技者がクイズに正解する毎に、その正解に対して付与するポイントを決定するポイント決定処理が行われる。具体的には、制御用RAM145にセットされている大当たり用のポイント決定テーブル又はハズレ用のポイント決定テーブルを参照してポイントを決定する。その際、大当たり用のポイント決定テーブルがセットされている場合には、ポイントが高ポイントに決定され易く且つ低ポイントに決定され難い。そして、最終的な合計ポイントが480ポイント以上となり易い。また、ハズレ用のポイント決定テーブルがセットされている場合には、ポイントが低ポイントに決定され易く且つ高ポイントに決定され難い。そして、最終的な合計ポイントが480ポイントを超えないように各正解に対するポイントが決定される。
なお、ここでは、クイズゲームの開始時に大当たり用のポイント決定テーブル又はハズレ用のポイント決定テーブルのいずれかをセットし、クイズゲーム中においては、そのポイント決定テーブルを参照してポイントを決定する場合について説明したが、クイズゲームの途中でポイント決定テーブルの切り替えを行うようにしてもよい。例えば、クイズゲームの途中で、ハズレ用のポイント決定テーブルがセットされた状態で、大当たりと判定されることになる第1特別図柄判定の権利が保留された場合には、そのポイント決定テーブルを大当たり用のポイント決定テーブルに切り替えるようにしてもよい。
また、ここでは、ハズレ用のポイント決定テーブルが1つである場合について説明したが、ハズレ用のポイント決定テーブルが複数用意されていてもよい。例えば、高信頼度ハズレの保留が存在する場合には、高信頼度ハズレ用のポイント決定テーブルをセットし、低信頼度ハズレの保留しか存在しない場合には、低信頼度ハズレ用のポイント決定テーブルをセットすることが一例として挙げられる。
このように、各パチンコ遊技機1(1A〜1H)は、設置位置情報に基づかない演出(ここではクイズゲーム)を実行可能である。
なお、クイズゲームは、遊技者が問題に正解しなければポイントが付与されず、逆に正解すればポイントが付与されるというように、ポイントを付与するか否かが遊技者による操作に依存する技術介入型の演出である。このため、クイズゲームは、遊技者による操作に応じて、その演出内容(ポイント数や回答結果に関する表示等)が変化することになる。
[障害物競走開始処理]
図94は、図91のステップS2450における障害物競走開始処理の詳細フローチャートである。統括CPU141は、今回開催するゲームが障害物競走であると判断した場合(ステップS2441:YES)、図94に例示されるように、まず、障害物競走のシナリオを選択する(ステップS2451)。すなわち、前回の障害物競走で1位になったキャラクタと、今回の障害物競走で1位になるキャラとが同じに、また、同じ日に同じキャラクタが2回以上1位にならないように、障害物競走のシナリオを選択する。なお、障害物競走のシナリオ選択は、ビンゴのシナリオ選択(図92のステップS2411)と同様に行われるため、ここでの詳細な説明は省略する。
なお、各パチンコ遊技機1の制御用ROM144には、障害物競走のシナリオを適切に切り替えるための同一の制御データ(例えばテーブル)が記憶されており、パチンコ遊技機1A〜1Hにおいては、障害物競走を同時に開始するに際して、同じシナリオが選択されるようになっている。
次に、統括CPU141は、投下演出の開始時に行われる結果判断処理と同様に、今回の障害物競走の開始に際して結果判断処理を実行し、その結果に基づいて、大当たりが有るか否かを判断する(ステップS2452)。ここで、大当たりが有ると判断した場合(ステップS2452:YES)、ステップS2451の選択結果に基づいて、今回の障害物競走で1位になるキャラクタを応援キャラに自動的に決定する(ステップS2453)。すなわち、大当たりが有る場合には、設置位置情報とは無関係に、今回の障害物競走で1位となるキャラクタを応援キャラに選択する。
一方、統括CPU141は、大当たりが無いと判断した場合(ステップS2452:NO)、FeRAM1451に記憶されている設置位置情報に基づいて、応援キャラを自動的に決定する(ステップS2454)。具体的には、具体的には、設置位置情報が示す設置位置と、今回の障害物競走において2位以下になるキャラクタの識別情報とを対応付けた応援キャラ決定テーブルが制御用ROM144に記憶されており、大当たりがない場合、統括CPU141は、設置位置情報が示す設置位置に対応する応援キャラを応援キャラ決定テーブルから読み出すことによって、2位以下となるキャラクタを応援キャラに決定する。
そして、統括CPU141は、ステップS2453の処理を実行した場合、又はステップS2454の処理を実行した場合、障害物競走の設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS2455)。具体的には、ステップS2451の処理で選択したシナリオを示す情報と、ステップS2453の処理又はステップS2454の処理で決定した応援キャラを示す情報とを含む障害物競走の設定情報を制御用RAM145にセットする。この設定情報に基づいてステップS2800の画像出力制御処理が実行されることによって、メイン液晶5を用いた障害物競走が開始されることになる。
このように、各パチンコ遊技機1(1A〜1H)は、大当たりが有るか否かに応じて、設置位置情報に基づかない障害物競走の演出と、設置位置情報に基づく演出との両方を実行可能である。すなわち、ゲーム演出のうちの障害物競走に関しては、同じ演出であっても、大当たりの有無に応じて、設置位置情報に基づく場合と設置位置情報に基づかない場合とがあるという特徴がある。
また、障害物競走の演出は、設置位置情報に基づいて応援キャラ(ポインタの位置)を変更可能であるが、障害物競走の開始時に大当たりが存在する場合には、設置位置情報に基づいて公演キャラが変更される場合とは異なる変更が行われる。すなわち、設置位置情報に基づいて選択される応援キャラとは異なる応援キャラが選択される。
なお、本実施形態においては、障害物競走の開始時に決定した応援キャラを最後まで応援する(応援キャラを途中で変更しない)という構成を採用している。このため、障害物競走に関しては、ビンゴゲームと同様、結果判断処理がゲーム開始時にのみ行われる。すなわち、ゲーム中においては、結果判断処理は行われない。これに対して、他の実施形態においては、障害物競走の途中で、例えば変動演出開始コマンド又は保留表示コマンドを受信したタイミングで結果判断処理を実行し、大当たりの存在が確認できた場合に、応援キャラを1位になるキャラクタに途中で変更するような構成を採用してもよい。
[輪投げゲーム開始処理]
図95は、図91のステップS2460における輪投げゲーム開始処理の詳細フローチャートである。統括CPU141は、今回開催するゲームが障害物競走ではないと判断した場合(ステップS2441:NO)、図95に例示されるように、設置位置情報に基づいて、再生開始ポイントを選択する(ステップS2461)。具体的には、制御用ROM144に再生開始ポイント選択テーブル(図54参照)が記憶されており、統括CPU141は、FeRAM1451に記憶されている設置位置情報が示す設置位置に対応する再生開始ポイントを再生開始ポイント選択テーブルから読み出すことによって、輪投げ用演出データにおける再生開始ポイントを選択する。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、電源投入からの経過時間がM時間30分になるという時間条件が満たされると、設置位置情報に関わらず、輪投げ用演出データの再生が開始されるが、その輪投げ用演出データの再生開始ポイントは、設置位置情報に依存する。これについては、図53及び図54に基づいて上述した通りである。
次に、統括CPU141は、遊技者が輪投げゲーム中の輪投げに成功した場合に、その成功に対して遊技者に付与するポイントを決定するためのポイント決定テーブルをセットするための処理を行う。すなわち、統括CPU141は、再生開始ポイントを選択すると、ステップS2412の処理と同様に、大当たりが有るか否かを判断する(ステップS2462)。ここで、大当たりが有ると判断した場合(ステップS2462:YES)、輪投げゲームに関する大当たり用のポイント決定テーブルを制御用ROM144から読み出して制御用RAM145にセットする(ステップS2463)。逆に、大当たりが無いと判断した場合(ステップS2462:NO)、輪投げゲームに関するハズレ用のポイント決定テーブルを制御用ROM144から読み出して制御用RAM145にセットする(ステップS2464)。
そして、統括CPU141は、輪投げゲームの設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS2465)。具体的には、ステップS2461の処理で選択した再生開始ポイントを示す情報と、ステップS2463又はステップS2464の処理でセットしたポイント決定テーブルを示す情報とを含む輪投げゲームの設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS2465)。この設定情報に基づいてステップS2800の画像出力制御処理が実行されることによって、メイン液晶5を用いた輪投げゲームが開始されることになる。
なお、この設定情報には、輪投げ用演出データ(図53参照)における再生開始ポイントを示す情報が含まれており、各パチンコ遊技機1においては、それぞれ、設置位置情報に応じた異なる再生開始ポイントから、同一の輪投げ用演出データの再生が同時に開始されることになる。
なお、詳細な説明は省略するが、輪投げゲーム中においては、遊技者が輪投げに成功する毎に、その成功に対して付与するポイントを決定するポイント決定処理が行われる。具体的には、制御用RAM145にセットされている大当たり用のポイント決定テーブル又はハズレ用のポイント決定テーブルを参照してポイントを決定する。その際、大当たり用のポイント決定テーブルがセットされている場合には、ポイントが高ポイントに決定され易く且つ低ポイントに決定され難い。そして、最終的な合計ポイントが480ポイント以上となり易い。また、ハズレ用のポイント決定テーブルがセットされている場合には、ポイントが低ポイントに決定され易く且つ高ポイントに決定され難い。そして、最終的な合計ポイントが480ポイントを超えないように各成功に対するポイントが決定される。
なお、ここでは、輪投げゲームの開始時に大当たり用のポイント決定テーブル又はハズレ用のポイント決定テーブルのいずれかをセットし、輪投げゲーム中においては、そのポイント決定テーブルを参照してポイントを決定する場合について説明したが、輪投げゲームの途中でポイント決定テーブルの切り替えを行うようにしてもよい。例えば、輪投げゲームの途中で、ハズレ用のポイント決定テーブルがセットされた状態で、大当たりと判定されることになる第1特別図柄判定の権利が保留された場合には、そのポイント決定テーブルを大当たり用のポイント決定テーブルに切り替えるようにしてもよい。
また、ここでは、ハズレ用のポイント決定テーブルが1つである場合について説明したが、ハズレ用のポイント決定テーブルが複数用意されていてもよい。例えば、高信頼度ハズレの保留が存在する場合には、高信頼度ハズレ用のポイント決定テーブルをセットし、低信頼度ハズレの保留しか存在しない場合には、低信頼度ハズレ用のポイント決定テーブルをセットすることが一例として挙げられる。
このように、各パチンコ遊技機1(1A〜1H)は、設置位置情報に基づく演出(ここでは輪投げゲーム)を実行可能である。
なお、輪投げゲームは、遊技者が輪投げに成功しなければポイントが付与されず、逆に輪投げに成功すればポイントが付与されるというように、ポイントを付与するか否かが遊技者による操作に依存する技術介入型の演出である。このため、輪投げゲームは、遊技者による操作に応じて、その演出内容(獲得ポイント数や輪の動き等)が変化することになる。
[画像音響制御基板140による公演系列演出制御処理]
以下、図96を参照しつつ、画像音響制御基板140において実行される公演系列演出制御処理について説明する。ここで、図96は、図86のステップS2500における公演系列演出制御処理の詳細フローチャートである。
統括CPU141は、ステップS2400の処理イン続いて、図96に例示されるように、音声演出の実行を制御する音声演出制御処理を実行し(ステップS2510)、練習風景演出の実行を制御する練習風景演出制御処理を実行し(ステップS2530)、公演開始予告演出の実行を制御する公演開始予告演出制御処理を実行し(ステップS2550)、公演演出の実行を制御する公演演出制御処理を実行し(ステップS2570)、次公演予告演出の実行を制御する次公演予告演出制御処理を実行し(ステップS2590)、公演終了演出の実行を制御する公演終了演出制御処理を実行する(ステップS2610)。
[音声演出制御処理]
図97は、図96のステップS2510における音声演出制御処理の詳細フローチャートである。図20の表記から明らかなように、音声演出に使用される演出音データは互いに再生時間が異なるため、音声演出の演出実行時間は、可変である。これに対して、練習風景演出については、公演演出に使用される新曲の種類に応じて演出内容が変化するものの、演出実行時間は20秒に固定されている(図21参照)。このように、音声演出についてはどの演出音データを使用するかによって演出実行時間が変化するため、公演演出の開始タイミングの何分何秒前に音声演出を開始するかを、音声演出の開始に先立って、使用する演出音データの種類に基づいて、予め設定しておく必要がある。このため、各パチンコ遊技機1では、音声演出の開始に先立って、以下のような処理が行われる。
すなわち、統括CPU141は、音声演出の開始タイミングを示す設定情報が制御用RAM145に記憶されているか否かに基づいて、音声演出の開始タイミングが設定済みであるか否かを判断する(ステップS2511)。ここで、音声演出の開始タイミングが設定済みであると判断された場合(ステップS2511:YES)、後述するステップS2526に処理が進められる。
一方、統括CPU141は、音声演出の開始タイミングが設定済みではないと判断した場合(ステップS2511:NO)、まず、RTC134からRTC情報を取得して、そのRTC情報に基づいて、現在日時を特定する(ステップS2512)。
次に、統括CPU141は、FeRAM1451に記憶されている経過時間情報に基づいて、次の公演演出の開始タイミングを特定する(ステップS2513)。本実施形態においては、公演演出は、電源投入からの経過時間がM時間(Mは自然数)になると開始される(図12参照)。これに対して、例えば、経過時間情報が示す経過時間が38分であった場合、次の公演演出の開始タイミングは、電源投入から1時間後のタイミングであると特定する。また、例えば、経過時間情報が示す経過時間が3時間49分であった場合、次の公演演出の開始タイミングは、電源投入から4時間後のタイミングであると特定する。
続いて、統括CPU141は、ステップS2512の処理で特定した現在日時が、全曲開放状態に移行する日時よりも後の日時であるか否かに基づいて、現在の状態が全曲開放状態であるか否かを判断する(ステップS2514)。
統括CPU141は、全曲開放状態ではないと判断した場合(ステップS2514:NO)、制御用ROM144から公開管理テーブル(図17参照)を読み出して制御用RAM145にセットする(ステップS2515)。そして、統括CPU141は、次の公演演出に使用される新曲を特定する(ステップS2516)。具体的には、ステップS2512の処理で特定した日時と、公開管理テーブルに規定されている各新曲の初回発表許可日時とに基づいて、初回発表許可日時を経過している新曲の中で最新の新曲を特定する。例えば、現在の日時が2014年6月10日の午前11時20分である場合、初回発表許可日時を経過しているのは、新曲A〜Dであり、この場合、新曲Dが次の公演演出に使用される新曲として特定される。
続いて、統括CPU141は、制御用ROM144から全曲開放前演出音データ選択テーブル(図20(A)参照)を読み出して制御用RAM145にセットする(ステップS2517)。そして、統括CPU141は、ステップS2516の処理で特定した新曲と、ステップS2512の処理で特定された現在日時のうちの日付とに対応する演出音データ種別を全曲開放前演出音データ選択テーブルから読み出すことによって、1の演出音データを選択する(ステップS2518)。例えば、特定した新曲が新曲Cであり、現在の日付が2014年6月1日である場合、新曲C用第2演出音データが選択される。
一方、統括CPU141は、全曲開放状態であると判断した場合(ステップS2514:YES)、制御用ROM144から発表順管理テーブル(図19参照)を読み出して制御用RAM145にセットする(ステップS2520)。そして、統括CPU141は、次の公演演出に使用される新曲を特定する(ステップS2521)。具体的には、ステップS2512の処理で特定した現在日時のうちの日付と、ステップS2513の処理で特定された次の公演演出の開始タイミング(電源投入から何時間後に次の公演演出が開始されるか)とに対応する新曲の種別を発表順管理テーブルから読み出すことによって、次の公演演出に使用される新曲を特定する。
続いて、統括CPU141は、制御用ROM144から全曲開放後演出音データ選択テーブル(図20(B)参照)を読み出して制御用RAM145にセットする(ステップS2522)。そして、統括CPU141は、ステップS2521の処理で特定した新曲に関して、前回の音声演出で使用された演出音データを示す情報をFeRAM1451に予め記憶しておき、その次の演出音データを選択する(ステップS2523)。例えば、今回の公演演出に使用される新曲が新曲Bであり、前回の音声演出では全曲開放後新曲B用第4演出音データ(図20(B)参照)が使用されたことを示す情報がFeRAM1451に記憶されている場合、演出音データとして、全曲開放後新曲B用第1演出音データを選択する。
次に、統括CPU141は、ステップS2518又はステップS2523の処理で選択した演出音データに対応する再生時間を特定する(ステップS2525)。具体的には、ステップS2518の処理を実行して演出音データを選択した場合、その演出音データに対応する再生時間を全曲開放前演出音データ選択テーブルから読み出すことによって、その演出音データの再生時間を特定する。また、ステップS2523の処理を実行して演出音データを選択した場合、その演出音データに対応する再生時間を全曲開放後演出音データ選択テーブルから読み出すことによって、その演出音データの再生時間を特定する。
続いて、統括CPU141は、音声演出開始タイミングを特定する(ステップS2526)。音声演出に関しては、公演演出の開始タイミングを基準として、音声演出の演出実行時間(可変)と、練習風景演出の演出実行時間(本実施形態では20秒に固定)と、公演開始予告演出の演出実行時間(本実施形態では90秒に固定)とを足し合わせた時間だけ前のタイミングでその音声演出を開始する必要がある。このため、統括CPU141は、ステップS2526において、まず、これら3つの演出実行時間を加算する。すなわち、ステップS2525の処理で特定した再生時間と、20秒と、90秒とを足し合わせて、3つの演出の合計演出実行時間を算出する。続いて、ステップS2513の処理で特定した次の公演演出の開始タイミングに対して、この合計演出実行時間だけ前の時間を、音声演出の開始タイミングに決定する。そして、ステップS2518又はステップS2523の処理で選択した演出音データを示す演出音データ情報と、ステップS2526の処理で決定した音声演出開始タイミングを示す音声演出開始タイミング情報とを制御用RAM145にセットする(ステップS2527)。
統括CPU141は、ステップS2527の処理を実行した場合、又は音声演出開始タイミングが設定済みであると判断した場合(ステップS2511:YES)、音声演出開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS2528)。具体的には、ステップS2527の処理によってセットされた音声演出開始タイミング情報が制御用RAM145に記憶されており、その情報が示す時間になったか否かに基づいて、音声演出開始タイミングであるか否かを判定する。ここで、音声演出開始タイミングであると判定した場合(ステップS2528:YES)、音声演出の設定情報をセットする(ステップS2529)。具体的には、ステップS2527の処理でセットされた演出音データ情報を含む音声演出の設定情報を制御用RAM145にセットする。この設定情報に基づいてステップS2900(図86参照)の演出音出力制御処理が実行されることによって、スピーカ24を用いた音声演出が開始されることになる。
なお、本実施形態では、練習風景演出の演出実行時間が20秒に固定されていると共に、公演開始予告演出の演出実行時間が90秒に固定されているのに対して、音声演出についてはその演出実行時間が可変である。このため、音声演出に使用される演出音データが切り替えられることによって、公演系列演出の開始時間が変化することになる。
[練習風景演出制御処理]
図98は、図96のステップS2530における練習風景演出制御処理の詳細フローチャートである。ステップS2510の処理に続いて、統括CPU141は、図98に例示されるように、練習風景演出の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS2531)。本実施形態では、練習風景演出の演出実行時間が20秒に固定されており、且つ公演開始予告演出の演出実行時間が90秒に固定されている。このため、統括CPU141は、FeRAM1451に記憶されている経過時間情報が示す電源投入からの経過時間が、公演演出の開始タイミング(M時間(Mは自然数)が経過したタイミング)に対して110秒前の時間と一致するか否かに基づいて、練習風景演出の開始タイミングであるか否かを判定する。ここで、練習風景演出の開始タイミングではないと判定された場合(ステップS2531:NO)、後述するステップS2550に処理が進められる。
一方、統括CPU141は、練習風景演出の開始タイミングであると判定した場合(ステップS2531:YES)、ステップS2512(図97参照)の処理と同様に現在日時を特定し(ステップS2532)、ステップS2513(図97参照)の処理と同様に次の公演演出の開始タイミングを特定する(ステップS2533)。そして、ステップS2514(図97参照)の処理と同様に、現在の状態が全曲開放状態であるか否かを判断し(ステップS2534)、全曲開放状態ではないと判断した場合には(ステップS2534:NO)、公開管理テーブルを制御用RAM145にセットし(ステップS2535)、全曲開放状態であると判断した場合には(ステップS2534:YES)、発表順管理テーブルを制御用RAM145にセットする(ステップS2536)。
次に、統括CPU141は、今回の練習風景演出に対応する公演演出に使用される新曲を特定する(ステップS2537)。このステップS2537の処理は、図97のステップS2516やステップS2521の処理と同様に行われるため、ここでの説明は省略する。
統括CPU141は、今回の公演演出に使用される新曲を特定すると、制御用ROM144から練習風景演出データ選択テーブル(図21参照)を読み出して制御用RAM145にセットする(ステップS2538)。続いて、ステップS2537の処理で特定した新曲に対応する練習風景演出データを練習風景演出データ選択テーブルから読み出すことによって、1の練習風景演出データを選択する(ステップS2539)。そして、その選択結果を示す情報などを含む練習風景演出の設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS2540)。この設定情報に基づいてステップS2800の画像出力制御処理が実行されることによって、メイン液晶5を用いた練習風景演出が開始されることになる。
[公演開始予告演出制御処理]
図99は、図96のステップS2550における公演開始予告演出制御処理の詳細フローチャートである。ステップS2530の処理に続いて、統括CPU141は、図99に例示されるように、公演開始予告演出の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS2551)。具体的には、公演開始予告演出の開始タイミングは、公演演出の開始タイミング(電源投入からM時間が経過したタイミング)に対して90秒前の時間に固定されているので、統括CPU141は、FeRAM1451に記憶されている経過時間情報が示す経過時間が、電源投入からM時間−90秒の時間と一致するか否かに基づいて、公演開始予告演出の開始タイミングであるか否かを判定する。ここで、公演開始予告演出の開始タイミングではないと判定された場合(ステップS2551:NO)、後述するステップS2570に処理が進められる。
統括CPU141は、公演開始予告演出の開始タイミングであると判定した場合(ステップS2551:YES)、制御用ROM144から公演開始予告演出データ選択テーブル(図22参照)を読み出して制御用RAM145にセットし(ステップS2552)、その公演開始予告演出データ選択テーブルから公演開始予告演出データを読み出すことによって、1の公演開始予告演出データを選択する(ステップS2553)。そして、その選択結果を示す情報を含む公演開始予告演出の設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS2554)。この設定情報に基づいてステップS2800の画像出力制御処理が実行されることによって、メイン液晶5を用いた公演開始予告演出が開始されることになる。
[公演演出制御処理]
図100は、図96のステップS2570における公演演出制御処理の詳細フローチャートである。ステップS2550の処理に続いて、統括CPU141は、図100に例示されるように、公演演出の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS2571)。具体的には、FeRAM1451に記憶されている経過時間情報を参照し、電源投入からの経過時間がM時間(Mは自然数)であるか否かに基づいて、公演演出の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS2571)。ここで、公演演出の開始タイミングではないと判定された場合(ステップS2571:NO)、後述するステップS2590に処理が進められる。
一方、統括CPU141は、公演演出の開始タイミングであると判定した場合(ステップS2571:YES)、ステップS2514(図97参照)の処理と同様に、全曲開放状態であるか否かを判断し(ステップS2572)、全曲開放状態ではないと判断した場合には(ステップS2572:NO)、公開管理テーブルを制御用RAM145にセットし(ステップS2573)、全曲開放状態であると判断した場合には(ステップS2572:YES)、発表順管理テーブルを制御用RAM145にセットする(ステップS2574)。
次に、統括CPU141は、今回の公演演出に使用される新曲を特定する(ステップS2575)。このステップS2575の処理は、図97のステップS2516やステップS2521の処理と同様に行われるため、ここでの説明は省略する。
続いて、統括CPU141は、制御用ROM144に記憶されている公演演出データ選択テーブル(図23参照)を読み出して制御用RAM145にセットし(ステップS2576)、ステップS2575の処理で特定した公演曲に対応する公演演出データを公演演出データ選択テーブルから読み出すことによって、公演演出に使用する1の公演演出データを選択する(ステップS2577)。
そして、統括CPU141は、ステップS2577の選択結果などを含む公演演出の設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS2578)。この設定情報に基づいてステップS2800の画像出力制御処理が実行されることによって、メイン液晶5を用いた公演演出が開始されることになる。
最後に、統括CPU141は、次公演予告演出の開始タイミングを設定する(ステップS2579)。この次公演予告演出は、今回の公演演出に続けて行われるが、公演演出の実行時間が、公演演出に使用される新曲によって変化するので、使用される新曲によって、公演演出の開始タイミングに対する次公演予告演出の開始タイミングが変化することになる。このため、統括CPU141は、ステップS2579において、公演演出の開始タイミングである現時点を基準として、ステップS2577の処理で選択した公演演出データの再生時間だけ経過した後のタイミングを次公演予告演出の開始タイミングに設定して、その設定情報を制御用RAM145にセットする。
例えば、新曲B用公演演出データが選択された場合、この演出データの再生に要する再生時間は5分12秒である(図23参照)。このため、現時点から5分12秒が経過したタイミングが、次公演予告演出の開始タイミングに設定される。また、新曲H用公演演出データが選択された場合、この演出データの再生に要する再生時間は4分42秒である(図23参照)。このため、現時点から4分42秒が経過したタイミングが、次公演予告演出の開始タイミングに設定される。
このように、統括CPU141は、電源投入からの経過時間がM時間(Mは自然数)になるという時間条件に応じた公演演出の開始タイミングになったか否かを判定し、公演演出の開始タイミングになったと判定した場合に、メイン液晶5に公演演出を開始させる。
なお、新曲Bの初回発表許可日になる前は、電源投入からの経過時間がM時間(Mは自然数)になると新曲Aの公演演出を実行し、新曲Bの初回発表許可日になった後は、電源投入からの経過時間がM時間(Mは自然数)になると新曲Bの公演演出を実行する。このことは、他の新曲についても同様である。
[次公演予告演出制御処理]
図101は、図96のステップS2590における次公演予告演出制御処理の詳細フローチャートである。ステップS2570の処理に続いて、統括CPU141は、次公演予告演出の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS2591)。具体的には、ステップS2579の処理に応じて次公演予告演出の開始タイミングを示す情報が制御用RAM145にセットされており、FeRAM1451に記憶されている経過時間情報が示す時間が、この開始タイミングを示す情報に対応する時間と一致するか否かに基づいて、次公演予告演出の開始タイミングであるか否かを判定する。ここで、次公演予告演出の開始タイミングではないと判定された場合(ステップS2591:NO)、後述するステップS2610に処理が進められる。
統括CPU141は、次公演予告演出の開始タイミングであると判定した場合(ステップS2591:YES)、次の新曲を特定する(ステップS2592)。具体的には、今回の公演演出で使用された新曲を特定して、その新曲の次の新曲を特定する。
次に、統括CPU141は、制御用ROM144から次公演予告演出データ選択テーブル(図24参照)を読み出して制御用RAM145にセットし(ステップS2593)、ステップS2592の処理で特定した次の新曲に対応する次公演予告演出データ種別を次公演予告演出データ選択テーブルから読み出すことによって、1の次公演予告演出データを選択する(ステップS2594)。
続いて、統括CPU141は、図97のステップS2514の処理と同様に、全曲開放状態であるか否かを判断する(ステップS2595)。ここで、全曲開放状態であると判断された場合(ステップS2595:YES)、後述するステップS2598に処理が進められる。
統括CPU141は、全曲開放状態ではないと判定した場合(ステップS2595:NO)、発表順管理テーブルを制御用RAM145にセットし(ステップS2596)、この発表順管理テーブルと、RTC134が示す現在の日付とに基づいて、次の新曲の初回公演が行われるまでの日数を特定する(ステップS2597)。
統括CPU141は、ステップS2597の処理を実行した場合、全曲開放状態であると判断した場合(ステップS2595:YES)、ステップS2594の選択結果とステップS2597の処理で特定した日数との両方又は結果情報のみを含む次公演予告演出の設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS2598)。この設定情報に基づいてステップS2800の画像出力制御処理が実行されることによって、メイン液晶5を用いた次公演予告演出が開始されることになる。
なお、ステップS2595で「YES」と判断された場合には、次の新曲の公演が1時間後に行われることになるため、次の新曲の曲名と共に、1時間後に次の新曲の公演演出が開始されることを報知する次公演予告演出が実行される。その一方で、ステップS2595で「NO」と判断された場合には、次の新曲の曲名に加えて、ステップS2597の処理で特定された次の新曲の初回公演までの日数が報知される。
[公演終了演出制御処理]
図102は、図96のステップS2610における公演終了演出制御処理の詳細フローチャートである。ステップS2590の処理に続いて、統括CPU141は、図102に例示されるように、次公演予告演出の終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS2611)。ここで、次公演予告演出の終了タイミングではないと判定された場合(ステップS2611:NO)、ステップS2700(図86参照)に処理が進められる。
ところで、本実施形態においては、複数の部分演出で構成される公演系列演出のうち、練習風景演出、公演開始予告演出、公演演出、及び次公演予告演出にはメイン液晶5が使用され、最後の公演終了演出にはサブ液晶6が使用される。これに対して、メイン液晶5が上記4つのRTC演出に使用されている間は、サブ液晶6を用いたスロット演出によって通常演出が行われる。このため、公演終了演出を開始する際に、通常演出に関して、サブ液晶6を用いたスロット演出を行っている状態から、メイン液晶5を用いた通常の演出態様で通常演出を行っている状態に戻す必要がある。
しかしながら、次公演予告演出が終了したタイミングでサブ液晶6においてスロット演出が実行されている場合、サブ液晶6における公演終了演出を直ちに開始してしまうと、スロット演出が中断されることとなり、その結果、通常演出の興趣性を低下させるおそれがある。このため、本実施形態においては、公演終了演出の開始タイミングにおいては、メイン液晶5に全画面表示されている次公演予告演出の演出画像に対して公演終了演出の演出画像を縮小して重畳表示させる形で公演終了演出を開始させる。そして、実行中の装飾図柄の変動表示およびスロット演出が終了すると、メイン液晶5における公演終了演出の演出画像の縮小表示を、サブ液晶6における公演終了演出の演出画像の全画面表示へと切り替え、これに伴い、メイン液晶5に装飾図柄を大きく表示した状態で行う変動演出を再開する。
これにより、RTC演出に使用する画像表示手段の切り替えに伴って通常演出の興趣性が低下するのを効果的に抑制することが可能である。
これに対して、他の実施形態では、以下のような制御を行うようにしてもよい。すなわち、次公演予告演出の終了タイミングにおいてサブ液晶6を用いた通常演出の実行中である場合には、その通常演出が終了した後の通常演出の切替タイミングにおいて、公演終了演出を開始させると共に、通常演出に使用する表示手段をサブ液晶6からメイン液晶5に戻すこととしている。
図102の説明に戻ると、統括CPU141は、次公演予告演出の終了タイミングであると判定した場合(ステップS2611:YES)、ステップS2514(図97参照)の処理と同様に、全曲開放状態であるか否かを判断する(ステップS2613)。
統括CPU141は、全曲開放状態であると判断した場合(ステップS2613:YES)、制御用ROM144から全曲開放後公演終了演出スケジュールテーブル(図29参照)を読み出して制御用RAM145にセットする(ステップS2614)。次に、RTC134からRTC情報を取得し、そのRTC情報に基づいて、今回の公演の実行日を特定する(ステップS2615)。また、FeRAM1451に記憶されている経過時間情報に基づいて、今回の公演系列演出において公演演出が開始された際の電源投入からの経過時間を特定する(ステップS2617)。例えば、経過時間情報が示す電源投入からの経過時間が3時間7分30秒である場合、公演演出が開始された際の電源投入からの経過時間は3時間と特定される。また、例えば、経過時間情報が示す電源投入からの経過時間が7時間6分57秒である場合、公演演出が開始された際の電源投入からの経過時間は7時間と特定される。
ステップS2616の処理に続いて、統括CPU141は、ステップS2615の処理で特定した実行日と、ステップS2616の処理で特定した電源投入からの経過時間とに対応する公演終了演出データの種別を示す情報を全曲開放後公演終了演出スケジュールテーブルから読み出すことによって、1の公演終了演出データを選択する(ステップS2617)。そして、この選択結果を示す設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS2618)。この設定情報に基づいてステップS2800の画像出力制御処理が実行されることによって、サブ液晶6を用いた公演終了演出が開始されることになる。
一方、統括CPU141は、全曲開放状態ではないと判断した場合(ステップS2613:NO)、RTC134からRTC情報を取得してそのRTC情報に基づいて現在の日付を特定し、その日付が、新曲Bの初回発表許可日時(図17参照)の日よりも前の日であるか否かに基づいて、新曲Aのみが公開されている状態であるか否かを判断する(ステップS2619)。
統括CPU141は、新曲Aのみが公開された状態ではないと判断した場合(ステップS2619:NO)、今回の公演系列演出における公演演出に使用された新曲(公演曲)を特定する(ステップS2620)。具体的には、例えば、公演演出が終了する際に、その公演演出に使用された新曲を示す情報を制御用RAM145に格納しておき、この情報に基づいて、今回の公演演出に使用された新曲を特定する。
次に、統括CPU141は、制御用ROM144から全曲開放前公演終了演出スケジュールテーブルを読み出して制御用RAM145にセットする(ステップS2621)。そして、今回の公演曲に対応する公演終了演出データを選択する(ステップS2622)。
一方、統括CPU141は、新曲Aのみが公開された状態であると判断した場合(ステップS2619:YES)、実行日に対応するループグループを特定する(ステップS2623)。具体的には、公演終了演出が実行される実行日と、第1グループから第6グループのいずれかのグループのループグループ種別とが対応付けられたテーブルが制御用ROM144に記憶されており、統括CPU141は、RTC134から取得したRTC情報が示す現在の日付に対応するループグループ種別をこのテーブルから読み出すことによって、実行日に対応するループグループを特定する。
次に、統括CPU141は、前回使用した新曲A用の公演終了データを特定する(ステップS2624)。具体的には、新曲Aの公演終了演出が終了する際に、その公演終了演出に使用された公演終了演出データを示す情報を制御用RAM145に記憶しておき、その情報に基づいて、前回使用した新曲A用の公演終了演出データを特定する(ステップS2624)。
続いて、統括CPU141は、今回使用する新曲A用公演終了演出データを選択する(ステップS2625)。具体的には、ステップS2623の処理で特定したループグループのグループ構成を新曲A用ループグループテーブル(図26参照)から読み出し、このグループ構成を参照して、ステップS2624の処理で特定した新曲A用公演終了演出データの次の公演終了演出データを選択する。
統括CPU141は、ステップS2622の処理を実行した場合、ステップS2625の処理を実行した場合、ステップS2622又はステップS2625の処理の選択結果を示す情報を含む公演終了演出の設定情報を制御用RAM145にセットする。この設定情報に基づいてステップS2800の画像出力制御処理が実行されることによって、サブ液晶6を用いた公演終了演出が開始されることになる。
[画像音響制御基板140によるRTC演出禁止制御処理]
次に、図103を参照しつつ、画像音響制御基板140において実行されるRTC演出禁止制御処理について説明する。ここで、図103は、図86のステップS2700におけるRTC演出禁止制御処理の詳細フローチャートである。
ステップS2500の処理に続いて、統括CPU141は、図103に例示されるように、まず、RTC演出の設定情報が制御用RAM145にセットされたか否かを判断する(ステップS2701)。すなわち、ステップS2317(図90参照)の処理、ステップS2403(図91参照)の処理、ステップS2405(図91参照)の処理、ステップS2471(図91参照)の処理、ステップS2415(図92参照)の処理、ステップS2435(図93参照)の処理、ステップS2455の処理(図94参照)、ステップS2465(図95参照)の処理、ステップS2529(図97参照)の処理、ステップS2540(図98参照)の処理、ステップS2554(図99参照)の処理、ステップS2578,S2579(図100参照)の処理、ステップS2598(図101参照)の処理、ステップS2618(図102参照)、又はステップS2626(図102参照)のいずれかの処理を実行したか否かを判断する。ここで、RTC演出の設定情報がセットされていないと判断された場合(ステップS2701:NO)、後述するステップS2800に処理が進められる。
一方、統括CPU141は、RTC演出の設定情報がセットされていると判断した場合(ステップS2701:YES)、所定の設定画面(本実施形態では、電源復旧画面又は設置位置設定画面:図33参照)の表示中であるか否かを判断する(ステップS2702)。ここで、所定の設定画面の表示中ではないと判断された場合(ステップS2702:NO)、ステップS2800に処理が進められる。
統括CPU141は、所定の設定画面の表示中であると判断した場合(ステップS2702:YES)、制御用RAM145にセットされているRTC演出に係る設定情報を破棄する(ステップS2703)。
このステップS2703の処理が行われることによって、電源復旧画面や設置位置設定画面が表示されているときにRTC演出が開始されてしまうのを効果的に抑制することが可能である。
このように、設定画面が表示されているときにRTC演出の開始に関する所定の時間条件が満たされた場合には、RTC演出が実行されることなく設定画面が表示される。一方、設定画面が表示されていないときにRTC演出の開始に関する所定の時間条件が満たされた場合には、RTC演出が実行される。
なお、他の実施形態においては、設定画面の表示中においては、図86のステップS2300、ステップS2400、及びステップS2500の処理を行わないようにしてもよい。この場合、図103のステップS2701の処理は不要である。
[画像音響制御基板140による画像出力制御処理]
次に、図104を参照しつつ、画像音響制御基板140において実行される画像出力制御処理について説明する。ここで、図104は、図86のステップS2800における画像出力制御処理の詳細フローチャートである。
ステップS2700のRTC演出禁止制御処理に続いて、統括CPU141は、図104に例示されるように、制御用RAM145にメイン液晶5に関する設定情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS2801)。本実施形態では、通常演出(変動演出又は当たり演出)、投下演出、練習風景演出、公演開始予告演出、公演演出、次公演予告演出、4種類のゲーム演出、設定画面(電源復旧画面や設置位置設定画面)の表示がメイン液晶5を用いて行われるので、このステップS2801において、これらに関する設定情報が少なくとも1つ制御用RAM145に記憶されているか否かを判定する。
統括CPU141は、メイン液晶5に関する設定情報が記憶されていると判定した場合(ステップS2801:YES)、記憶されている設定情報に基づいて、どのような画面構成を構築すべきかを判断し、その判断結果に基づいてメイン液晶用のディスプレイリストを作成する(ステップS2802)。そして、作成したディスプレイリストをディスプレイリスト記憶領域1491にセットする(ステップS2803)。
統括CPU141は、ステップS2803の処理を実行した場合、又はメイン液晶5に関する設定情報が記憶されていないと判定した場合(ステップS2801:NO)、制御用RAM145にサブ液晶に関する設定情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS2804)。本実施形態では、スロット演出や公演終了演出がメイン液晶5を用いて行われるので、このステップS2804において、これらに関する設定情報が少なくとも1つ制御用RAM145に記憶されれいるか否かを判定する。
統括CPU141は、サブ液晶6に関する設定情報が記憶されていると判定した場合(ステップS2804:YES)、サブ液晶用のディスプレイリストを作成し(ステップS2805)、作成したディスプレイリストをディスプレイリスト記憶領域1491にセットする(ステップS2806)。このステップS2806の処理が実行された場合、又はサブ液晶6に関する設定情報が記憶されていないと判定された場合(ステップS2804:NO)、ステップS2900の演出音出力制御処理に処理が進められる。
[画像音響制御基板140による演出音出力制御処理]
次に、図105を参照しつつ、画像音響制御基板140において実行される演出音出力制御処理について説明する。ここで、図105は、図86のステップS2900における演出音出力制御処理の詳細フローチャートである。
ステップS2800の画像出力制御処理に続いて、統括CPU141は、スピーカ24から出力される音を画像出力制御処理に応じてメイン液晶5(又はサブ液晶6)によって実行される表示演出と同期させるために、先ずは以下の処理を実行する。
すなわち、統括CPU141は、通常演出の開始指示を含むディスプレイリストをディスプレイリスト記憶領域1491にセットしたか否かに基づいて、通常演出に係る通常演出画像の表示を開始させたか否かを判定する(ステップS2901)。統括CPU141は、通常演出画像の表示を開始させたと判定した場合(ステップS2901:YES)、通常演出画像に対応する演出音の出力開始を指示する制御信号を音響DSP143に出力することによって、通常演出画像に関する演出音の出力を開始させる(ステップS2902)。
統括CPU141は、ステップS2902の処理を実行した場合、又は通常演出画像の表示を開始させていないと判定した場合(ステップS2901:NO)、RTC演出(音声演出を除く)の開始指示を含むディスプレイリストをディスプレイリスト記憶領域1491にセットしたか否かに基づいて、RTC演出に係るRTC演出画像の表示を開始させたか否かを判定する(ステップS2903)。統括CPU141は、RTC演出画像の表示を開始させたと判定した場合(ステップS2903:YES)、RTC演出画像に対応する演出音の出力開始を指示する制御信号を音響DSP143に出力することによって、RTC演出画像に関する演出音の出力を開始させる(ステップS2904)。
統括CPU141は、ステップS2904の処理を実行した場合、又はRTC演出画像の表示を開始させていないと判定した場合(ステップS2903:NO)、制御用RAM145に音声演出の設定情報をセットしたか否かを判断する(ステップS2905)。すなわち、ステップS2529(図97参照)の処理によって音声演出の設定情報を制御用RAM145に格納したか否かを判断する。ここで、音声演出の設定情報をセットしたと判断した場合(ステップS2905:YES)、音声演出に関する演出音の出力開始を指示する制御信号を音響DSP143に出力することによって、音声演出音の出力を開始させる(ステップS2906)。
統括CPU141は、ステップS2906の処理を実行した場合、又は音声演出の設定情報をセットしていないと判定した場合(ステップS2905:NO)、通常演出中にRTC演出が開始されるか否かを判定する(ステップS2907)。具体的には、制御用RAM145にRTC演出に関する設定情報をセットした場合に、制御用RAM145に記憶されている通常演出に関する設定情報と、RTC演出に関する設定情報とを比較して、通常演出の実行中(例えば図柄変動中やラウンド遊技中)にRTC演出が開始されるか否かを判定する。
統括CPU141は、通常演出中にRTC演出が開始されると判定した場合(ステップS2907:YES)、例えば、通常演出音の出力レベルの低下を指示する制御信号を音響DSP143に出力して、通常演出音の出力レベルを下げる(ステップS2908)。
統括CPU141は、ステップS2908の処理を実行した場合、又は通常演出中にRTC演出が開始されないと判定した場合(ステップS2907:NO)、例えば、制御用RAM145に記憶されている通常演出に関する設定情報に基づいて、通常演出音の出力レベル低下中にリーチ演出に発展したか否か(リーチ発展タイミングであるか否か)を判断する(ステップS2909)。ここで、通常演出音の出力レベル低下中にリーチ演出に発展したと判断した場合(ステップS2909:YES)、通常演出音の出力レベルの低下解除を指示する制御信号を音響DSP143に出力して、通常演出音の出力レベルを元に戻す(ステップS2910)。
統括CPU141は、ステップS2910の処理を実行した場合、又は通常演出音の出力レベル低下中にリーチ演出に発展していないと判断した場合(ステップS2909:NO)、例えば、VDP142に客待ち演出に係る描画処理の実行を指示した後に演出制御基板130からコマンドを受信する前の状態であるか否かに基づいて、現在の状態が客待ち演出実行期間であるか否かを判断する(ステップS2911)。ここで、客待ち演出実行期間は、ステップS322(図69参照)の処理に応じて遊技制御基板100から客待ちコマンドが送信されてから客待ち判定時間(図84のステップS148参照:例えば30秒)が経過したタイミングを開始時期とする期間であり、この開始時期にステップS151(図84参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された客待ち演出開始コマンドに応じて客待ち演出が実行される期間である。このため、客待ち演出実行期間の終了時期は、例えば、客待ち演出が実行されている状態で、遊技制御基板100から変動開始コマンドが送信され、これに応じて変動演出が開始されるタイミングである。
統括CPU141は、客待ち演出実行期間であると判断した場合(ステップS2911:YES)、RTC演出音の出力中であるか否かを判断する(ステップS2912)。具体的には、例えば、音響DSP143に指示したRTC演出音の出力が完了したか否かに基づいて、RTC演出音の出力中であるか否かを判断する。ここで、RTC演出音の出力中であると判断した場合(ステップS2912:YES)、RTC演出音の出力レベルを40%に設定する(ステップS2913)。具体的には、RTC演出音の出力レベルを40%に抑制することを指示する制御信号を音響DSP143に出力する。
RTC演出の実行中に演出制御基板130から客待ち演出開始コマンドが送信された場合には、客待ち演出実行期間の開始時期において、客待ち演出が開始されることなくRTC演出が継続されると共に、そのRTC演出に係る演出音の出力レベルが40%に下げられる。
また、客待ち演出の実行中にRTC演出の開始タイミングとなった場合には、その開始タイミングにおいて、客待ち演出が中断され、RTC演出音の出力レベルを40%に設定した状態でRTC演出が開始される。そして、このRTC演出が終了して30秒が経過すると、客待ち演出が再開されることになる。
なお、RTC演出が、スピーカ24のみを用いて行われる音声演出の場合、客待ち演出中に音声演出を開始するに際して、客待ち演出を直ちに中断する必要性は低い。このため、このような場合には、演出音の出力を伴わない客待ち演出と、スピーカ24のみを用いる音声演出とを同時に実行し、音声演出に続いて実行される練習風景演出の開始に伴って、客待ち演出を中断させるようにしてもよい。
[画像音響制御基板140によるタイマ割込み処理]
次に、図106を参照しつつ、画像音響制御基板140において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図106は、画像音響制御基板140において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。画像音響制御基板140は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図106に例示されている一連の処理を一定時間(例えば33ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
まず、統括CPU141は、演出制御基板130から送信されたコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3001)。ここで、演出制御基板130からのコマンドを受信していないと判定された場合(ステップS3001:NO)、後述するステップS3071に処理が進められる。
統括CPU141は、演出制御基板130からのコマンドを受信したと判定した場合(ステップS3001:YES)、そのコマンドが客待ち演出開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS3002)。ここで、客待ち演出開始コマンドであると判定した場合(ステップS3002:YES)、所定の客待ち演出画像の表示を開始させるための設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS3003)。ただし、画像音響制御基板140が客待ち演出開始コマンドを受信したタイミングでRTC演出が実行されている場合には、統括CPU141は、RTC演出が終了してから客待ち演出に係る設定情報をセットする。
なお、本実施形態では、所定の客待ち演出を実行する場合について説明したが、長当たり遊技のオープニング演出やエンディング演出と同様に、新曲の初回公演演出が行われる毎に、客待ち演出に使用される映像を最新曲に基づくものに適宜変更していくようにしたり、客待ち演出中に最新曲をスピーカ24から出力したりするようにしてもよい。これにより、遊技者が遊技を開始する前に、どの新曲まで新曲発表が行われたかを把握したり、次に発表される新曲を予測したりすることが可能になる。
統括CPU141は、演出制御基板130からのコマンドが客待ちコマンドではないと判定した場合(ステップS3002:NO)、そのコマンドが保留表示コマンドであるか否かを判定する(ステップS3004)。ここで、受信したコマンドが保留表示コマンドであると判定した場合(ステップS3004:YES)、保留アイコン表示処理を実行する(ステップS3010)。この保留アイコン表示処理については、図107に基づいて後に詳述する。
統括CPU141は、演出制御基板130から受信したコマンドが保留コマンドではないと判定した場合(ステップS3004:NO)、そのコマンドが変動演出開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS3021)。ここで、演出制御基板130からのコマンドが変動演出開始コマンドであると判定した場合(ステップS3021:YES)、変動演出開始処理を実行する(ステップS3030)。この変動演出開始処理については、図108に基づいて後に詳述する。
統括CPU141は、演出制御基板130から受信したコマンドが変動演出開始コマンドではないと判定した場合(ステップS3021:NO)、そのコマンドが変動演出終了コマンドであるか否かを判定する(ステップS3041)。ここで、受信したコマンドが変動演出終了コマンドであると判定した場合(ステップS3041:YES)、メイン液晶5又はサブ液晶6で行われている変動演出を終了させる変動演出終了処理を実行する(ステップS3042)。この変動演出終了処理が実行されることにより、メイン液晶5に表示されている装飾図柄が特別図柄判定の判定結果を示す表示態様で停止表示されることになる。
統括CPU141は、演出制御基板130から受信したコマンドが変動演出終了コマンドではないと判定した場合(ステップS3041:NO)、そのコマンドがオープニング演出開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS3043)。ここで、演出制御基板130から受信したコマンドがオープニング演出開始コマンドであると判定した場合(ステップS3043:YES)、オープニング演出を開始させるためのオープニング演出開始処理を実行する(ステップS3050)。このオープニング演出開始処理については、図119に基づいて後に詳述する。
統括CPU141は、演出制御基板130から受信したコマンドがオープニング演出開始コマンドではないと判定した場合(ステップS3043:NO)、そのコマンドがラウンド中演出開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS3061)。ここで、演出制御基板130から受信したコマンドがラウンド中演出開始コマンドであると判定した場合(ステップS3061:YES)、ラウンド遊技の開始に伴ってラウンド中演出を開始させるためのラウンド中演出開始処理を実行する(ステップS3062)。具体的には、ラウンド中演出開始コマンドを開始させるための設定情報を制御用RAM145にセットする。
統括CPU141は、演出制御基板130から受信したコマンドがラウンド中演出開始コマンドではないと判定した場合(ステップS3061:NO)、そのコマンドが楽曲選択画面表示コマンドであるか否かを判定する(ステップS3063)。ここで、演出制御基板130からのコマンドが楽曲選択画面表示コマンドであると判定した場合(ステップS3063:YES)、楽曲選択画面の表示を開始させるための楽曲選択画面表示開始処理を実行する(ステップS3064)。具体的には、楽曲選択画面の表示を開始させるための設定情報を制御用RAM145にセットする。
統括CPU141は、演出制御基板130から受信したコマンドが楽曲選択画面表示コマンドではないと判定した場合(ステップS3063:NO)、そのコマンドが楽曲再生コマンドであるか否かを判定する(ステップS3065)。ここで、演出制御基板130から受信したコマンドが楽曲再生コマンドであると判定した場合(ステップS3065:YES)、遊技者が選択した楽曲の再生を開始させるための設定情報を制御用RAM145にセットする選択楽曲再生開始処理を実行する(ステップS3066)。
統括CPU141は、演出制御基板130から受信したコマンドが楽曲再生コマンドではないと判定した場合(ステップS3065:NO)、そのコマンドがエンディング演出開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS3067)。ここで、演出制御基板130から受信したコマンドがエンディング演出開始コマンドであると判定した場合(ステップS3067:YES)、エンディング演出を開始させるための設定情報を制御用RAM145にセットするエンディング演出開始処理を実行する(ステップS3068)。
統括CPU141は、演出制御基板130から受信したコマンドがエンディング演出開始コマンドではないと判定した場合(ステップS3067:NO)、そのコマンドが短当たり演出開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS3069)。ここで、演出制御基板130から受信したコマンドが短当たり演出開始コマンドであると判定した場合(ステップS3069:YES)、短当たり遊技に伴う短当たり演出を開始させるための短当たり演出開始処理を実行する(ステップS3070)。この短当たり演出開始処理については、図120に基づいて後に詳述する。
統括CPU141は、図106に例示される各処理を実行した場合に、データ送信制御処理を実行する(ステップS3071)。具体的には、画像音響制御基板140において行われる画像音響制御に関するデータを演出制御基板130に送信する。これに対して、演出制御基板130は、画像音響制御基板140から受信したデータをランプ制御基板150に転送する(図81のステップS12)。これにより、メイン液晶5、サブ液晶6、及びスピーカ24によって行われている演出と同期するように、盤ランプ25、枠ランプ37、回転ライト装置8などを制御することが可能である。
このように、画像音響制御基板140においては、演出制御基板130から受信したコマンドに応じて各種の設定情報をセットする処理が行われる。そして、これらの設定情報に基づいてステップS2800の画像出力制御処理が実行されることによって、演出制御基板130からのコマンドに応じた演出表示が実現されることになる。
[保留アイコン表示処理]
図107は、図106のステップS3010における保留アイコン表示処理の詳細フローチャートである。統括CPU141は、演出制御基板130から受信したコマンドが保留表示コマンドであると判定した場合(ステップS3004:YES)、図107に例示されるように、RTC演出の実行中であるか否かを判断する(ステップS3011)。具体的には、VDP142によってメイン液晶5にRTC演出画像(例えば公演演出の演出画像)を表示するための描画処理が行われているか否かに基づいて、RTC演出の実行中であるか否かを判定する。ここで、RTC演出の実行中であると判定した場合(ステップS3011:YES)、保留アイコンをサブ液晶6に表示するための設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS3012)。この設定情報に基づいて上述したステップS2800の画像出力制御処理が実行されることにより、保留アイコンがサブ液晶6に小さく表示される。
なお、このように保留アイコンがサブ液晶6に表示されているときには、保留アイコンを用いる保留先読み演出は行われない。
統括CPU141は、RTC演出の実行中ではないと判定した場合(ステップS3011:NO)、演出制御基板130から受信した保留表示コマンドが通常保留表示コマンドであるか否かを判定する(ステップS3013)。すなわち、受信した保留表示コマンドが、ステップS105(図82参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された通常保留表示コマンドであるか、或いは、ステップS106(図82参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された特別保留表示コマンドであるかを判別する。
統括CPU141は、演出制御基板130から受信した保留表示コマンドが通常保留表示コマンドであると判定した場合(ステップS3013:YES)、新たな通常保留アイコンをメイン液晶5に表示させるための設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS3014)。逆に、演出制御基板130から受信した保留表示コマンドが通常保留表示コマンドではないと判定した場合(ステップS3013:NO)、新たな特別保留アイコンをメイン液晶5に表示させるための設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS3015)。この特別保留アイコンは、通常保留アイコンとは表示態様が異なる保留アイコンであって、例えば、通常保留アイコンとは色が異なる保留アイコンである。具体的には、通常保留アイコンが白色の保留アイコンであるのに対して、特別保留アイコンとしては、大当たりに対する信頼度が低いものから順に並べると、青色、黄色、緑色、赤色、虹色といった白色とは異なる色の保留アイコンが例として挙げられる。なお、虹色は、第1特別図柄判定の判定結果が大当たりである場合にのみ選択され得る色である。赤色や緑色は、第1特別図柄判定の判定結果が大当たりである場合や、ハズレであるものの第1特別図柄判定に係る特別図柄の変動時間が相対的に長い時間である場合に選択され易い色である。また、青色や黄色は、第1特別図柄判定の判定結果がハズレである場合や、ハズレであって第1特別図柄判定に係る特別図柄の変動時間が相対的に短い時間である場合に選択され易い色である。
RTC演出の実行中ではないときには、メイン液晶5に通常保留アイコン又は特別保留アイコンが相対的に大きく表示される。その際、特別保留アイコンが表示されることによって、大当たりに対する信頼度を示唆する第1の示唆演出が行われる。一方、RTC演出の実行中であるときには、演出制御基板130からのコマンドが通常保留アイコン表示コマンドであるか否かに関わらず、サブ液晶6に保留アイコンが相対的に小さく表示される。この場合は、上記第1の示唆演出は行われず、これに代えて、回転ライト装置8を用いて大当たりの存在を示唆する第2の示唆演出が行われる。
[変動演出開始処理]
図108は、図106のステップS3030における変動演出開始処理の詳細フローチャートである。統括CPU141は、演出制御基板130から受信したコマンドが変動演出開始コマンドであると判定した場合(ステップS3021:YES)、図108に例示されるように、新曲A〜新曲Lがいずれも発表されていない未発表状態であるか否かを判定する(ステップS3031)。具体的には、RTC134からRTC情報を取得し、そのRTC情報が示す現在日時が、公開管理テーブル(図17参照)に規定されている新曲Aの初回発表許可日時よりも前であるか否かに基づいて、未発表状態であるか否かを判定する。
統括CPU141は、未発表状態であると判定した場合(ステップS3031:YES)、ディスプレイリスト作成テーブルとして、デフォルトテーブル(図85参照)を制御用RAM145にセットする(ステップS3032)。
一方、統括CPU141は、現在の状態が未発表状態ではないと判定した場合(ステップS3031:NO)、例えばVDP142によるRTC演出画像の描画処理中であるか否かに基づいて、メイン液晶5がRTC演出によって使用中であるか否かを判断する(ステップS3033)。ここで、メイン液晶5がRTC演出に使用されていると判断した場合(ステップS3033:YES)、ディスプレイリスト作成テーブルとして、スロット演出用テーブル(図85参照)を制御用RAM145にセットする(ステップS3034)。
統括CPU141は、メイン液晶5がRTC演出に使用されていないと判断した場合(ステップS3033:NO)、前回の公演演出に使用された新曲を特定する(ステップS3035)。例えば、公演演出に使用された新曲を示す新曲情報をFeRAM1451に保持しておき、公演演出が行われる毎にその新曲情報を更新するようにすれば、前回の公演演出に使用された新曲を容易に特定することが可能である。
ステップS3035の処理に続いて、統括CPU141は、特定した新曲に対応するメインテーブルを制御用RAM145にセットする(ステップS3036)。具体的には、図85に例示されるように、本実施形態では制御用ROM144に新曲Aメインテーブル〜新曲Lメインテーブルの12個のメインテーブルが記憶されているので、これら12個のメインテーブルの中から、ステップS3035の処理で特定した新曲のメインテーブルを選択して制御用RAM145にセットする。
統括CPU141は、ステップS3032の処理を実行した場合、ステップS3034の処理を実行した場合、又はステップS3036の処理を実行した場合、選択用乱数を取得する(ステップS3037)。具体的には、図には示されていないが、画像音響制御基板140においては割込み処理が行われるよりも短い所定周期で行われるメイン処理において、選択用乱数等を更新する乱数更新処理が行われており、統括CPU141は、選択用乱数について、演出制御基板130からの変動演出開始コマンドを受信した時点の値を取得する。
そして、統括CPU141は、取得した選択用乱数とセットしたディスプレイリスト作成テーブルとに基づいて、通常演出における表示内容を決定する(ステップS3038)。ディスプレイリスト作成テーブルにおいては、特別図柄の変動パターンと、通常演出の複数の演出パターンとが対応付けられている。そして、通常演出の複数の演出パターンのそれぞれに関して、通常演出を構成する各演出(装飾図柄演出、背景画像演出、キャラクタ演出など)の画像を生成する際に素材として使用する画像データの種別と、選択用乱数とが対応付けられている。統括CPU141は、まず、変動演出開始コマンドを解析して今回の通常演出の演出パターンを特定する。そして、特定した演出パターンに対して、ステップS3037の処理で取得した選択用乱数に対応する画像データの種別を特定することによって、通常演出に使用する画像データの種別を決定する。この画像データの種別としては、デフォルト、新曲A、新曲B、新曲C、新曲D、新曲E、新曲F、新曲G、新曲H、新曲I、新曲J、新曲K、新曲Lが挙げられる。例えば、背景画像演出の画像データの種別としてデフォルトが選択された場合、デフォルトの画像データを使用して生成されたデフォルト背景画像がメイン液晶5に表示され、新曲Aが選択された場合、新曲Aの画像データを使用して生成された新曲A背景画像がメイン液晶5に表示される。
統括CPU141は、ステップS3038の処理で決定した表示内容の通常演出画像の表示を開始するための設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS3039)。ステップS2800の画像出力制御処理において、この設定情報に基づいて生成されたディスプレイリストがディスプレイリスト記憶領域1491にセットされることにより、メイン液晶5を用いた通常演出が開始される。
このように、統括CPU141は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42によって特別図柄が変動表示されているときに、メイン液晶5に通常演出を実行させる。その際、メイン液晶5によってどの新曲の公演演出が実行されたか否かを判定し、その判定結果に基づいてディスプレイリスト作成テーブルを選択する。
ここで、各ディスプレイリスト作成テーブルと公演演出を契機とする通常演出中の背景画像の変化について説明する。なお、ここでは公演演出を契機とする背景画像の変化を例に通常演出の変化を説明するが、メイン液晶5の表示画面に表示されるキャラクタやスピーカ24から出力されるBGMなども公演演出を契機として変化していく。
図109は、デフォルトテーブルの概略図である。図109に例示されるように、デフォルトテーブルでは、背景画像を生成するための画像データの種別として、第1デフォルト背景及び第2デフォルト背景の2種類が規定されている。例えば選択用乱数が取り得る値が100個である場合、デフォルトテーブルでは、これら2種類の背景に対して、それぞれ50個の相異なる選択用乱数が割り当てられる。このため、上記ステップS3038においては、それぞれ50%の割合で選択される。このデフォルトテーブルは、パチンコ遊技機1がパチンコホールに導入されてから新曲Aの初回の公演演出が行われるまで使用され、その後は、全曲開放状態においても使用されることはない。
図110は、新曲Aメインテーブルの概略図である。図110に例示されるように、新曲Aメインテーブルでは、背景画像を生成するための画像データの種別として、第1デフォルト背景、第2デフォルト背景、及び新曲A背景の3種類が規定されている。例えば選択用乱数が取り得る値が100個である場合、新曲Aメインテーブルでは、第1デフォルト背景に対しては25個の選択用乱数が割り当てられ、第2デフォルト背景に対しては同じく25個の選択用乱数が割り当てられ、新曲A背景に対しては50個の選択用乱数が割り当てられる。このため、上記ステップS3038においては、50%の割合で新曲A背景が選択され、25%の割合で第2デフォルト背景が選択され、残り25%の割合で第1デフォルト背景が選択される。
この新曲Aメインテーブルは、全曲開放状態に移行する前は、新曲Aの初回公演演出が開始されてから新曲Bの初回公演演出が開始されるまでの2週間使用される。新曲Aの初回公演演出が行われると2週間は新曲Aの背景画像が50%と最も出現し易くなるので、遊技者は、新曲Aの公演演出が行われた後も新曲Aの演出を楽しむことができ、また、新曲Aの初回以降の公演演出をより楽しむことができる。
なお、新曲Aメインテーブルは、新曲A背景が新たに選択可能になっている点でデフォルトテーブルと異なる。ここで、例えば第1デフォルト背景、第2デフォルト背景、及び新曲A背景の選択率を同じに設定してしまうと、新曲Aに基づく通常演出の出現率が低くなってしまう。その結果、遊技者が新曲Aに基づく通常演出を楽しめる機会が減ると共に、新曲Aの初回公演演出によって通常演出が切り替わった(新曲Aに関する演出が新たに加わった)ということを明確に認識できなくなってしまう可能性がある。そこで、本実施形態では、デフォルトテーブルに比べて第1デフォルト背景及び第2デフォルト背景の選択率を低くすることによって、新曲A背景の選択率を高くしている。
ここまでの説明から明らかなように、統括CPU141は、新曲Aの初回公演演出が行われるまではデフォルトテーブルを選択して、CGROM148に記憶されている通常演出データを使用する演出を通常演出としてメイン液晶5に実行させる。一方、新曲Aの初回公演演出が行われた後は、第1デフォルト背景及び第2デフォルト背景の選択率がデフォルトテーブルに比べて低く設定されると共に、その代わりに、新曲A背景の選択率が最も高く設定された新曲Aメインテーブルを選択する。これにより、CGROM148に記憶されている特別演出データ(ここでは新曲Aの画像データ)を使用する演出を通常演出としてメイン液晶5に実行させる。
図111は、新曲Bメインテーブルの概略図である。図111に例示されるように、新曲Bメインテーブルでは、背景画像を生成するための画像データの種別として、第2デフォルト背景、新曲A背景、及び新曲B背景の3種類が規定されている。例えば選択用乱数が取り得る値が100個である場合、新曲Bメインテーブルでは、第2デフォルト背景に対しては15個の選択用乱数が割り当てられ、新曲A背景に対しては35個の選択用乱数が割り当てられ、新曲B背景に対しては50個の選択用乱数が割り当てられる。このため、上記ステップS3038においては、50%の割合で新曲B背景が選択され、35%の割合で新曲A背景が選択され、残り15%の割合で第2デフォルト背景が選択される。
この新曲Bメインテーブルは、全曲開放状態に移行する前は、新曲Bの初回公演演出が開始されてから新曲Cの初回公演演出が開始されるまでの1週間使用される。新曲Bの初回公演演出が行われると新曲Bの背景画像が50%と最も出現し易いので、遊技者は、新曲Bの公演演出が行われた後も新曲Bの演出を楽しむことができ、また、全曲開放状態に移行する前は、新曲Bの初回以降の公演演出をより楽しむことができる。
なお、新曲Bメインテーブルは、新曲Bが新たに選択可能になっている点と、第1デフォルト背景が除外されている点で新曲Aメインテーブルと異なる。ここで、仮に第1デフォルト背景を除外しなかった場合、選択可能な背景が第1デフォルト背景、第2デフォルト背景、新曲A背景、及び新曲B背景の4種類となり、最も多く出現させたい新曲B背景の選択率をあまり高く設定できないという問題が生じてしまう。また、新曲B背景の選択率を更に高くしようとした場合、デフォルト背景だけでなく新曲A背景の選択率も低くせざるを得ないという問題が生じてしまう。そこで、本実施形態では、新曲Aメインテーブルには含まれていた第1デフォルト背景を除外する(選択率を「0」にする)と共に第2デフォルト背景の選択率を低くすることによって、新曲B背景の選択率を高くすると共に、新曲A背景の選択率が必要以上に低くなってしまうのを抑制している。
図112は、新曲Cメインテーブルの概略図である。図112に例示されるように、新曲Cメインテーブルでは、背景画像を生成するための画像データの種別として、新曲A背景、新曲B背景、及び新曲C背景の3種類が規定されている。例えば選択用乱数が取り得る値が100個である場合、新曲Cメインテーブルでは、新曲A背景に対しては20個の選択用乱数が割り当てられ、新曲B背景に対しては30個の選択用乱数が割り当てられ、新曲C背景に対しては50個の選択用乱数が割り当てられる。このため、上記ステップS3038においては、50%の割合で新曲C背景が選択され、30%の割合で新曲B背景が選択され、残り20%の割合で新曲A背景が選択される。
この新曲Cメインテーブルは、全曲開放状態に移行する前は、新曲Cの初回公演演出が開始されてから新曲Dの初回公演演出が開始されるまでの1週間使用される。新曲Cの初回公演演出が行われると新曲Cの背景画像が50%と最も出現し易いので、遊技者は、新曲Cの公演演出が行われた後も新曲Cの演出を楽しむことができ、また、全曲開放状態に移行する前は、新曲Cの初回以降の公演演出をより楽しむことができる。
なお、新曲Cメインテーブルは、新曲Cが新たに選択可能になっている点と、第2デフォルト背景が除外されている点で新曲Bメインテーブルと異なる。すなわち、新曲C背景画像の出現率を最も高くすると共に新曲A及び新曲Bの出現率もできるだけ高く設定するために、第2デフォルト背景を除外している。すなわち、この新曲Cメインテーブルが使用されるようになった段階で、CGROM148に記憶されている通常演出データは使用されなくなり、特別演出データのみが使用されるようになる。
図113は、新曲Dメインテーブルの概略図である。図113に例示されるように、新曲Dメインテーブルでは、背景画像を生成するための画像データの種別として、新曲A背景、新曲B背景、新曲C背景、及び新曲D背景の4種類が規定されている。例えば選択用乱数が取り得る値が100個である場合、新曲Dメインテーブルでは、新曲A背景に対しては10個の選択用乱数が割り当てられ、新曲B背景に対しては20個の選択用乱数が割り当てられ、新曲C背景に対しては30個の選択用乱数が割り当てられ、新曲D背景に対しては40個の選択用乱数が割り当てられている。このため、上記ステップS3038においては、40%の割合で新曲D背景が選択され、30%の割合で新曲C背景が選択され、20%の割合で新曲B背景が選択され、残り10%の割合で新曲A背景が選択される。
この新曲Dメインテーブルは、全曲開放状態に移行する前は、新曲Dの初回公演演出が開始されてから新曲Eの初回公演演出が開始されるまでの1週間使用される。新曲Dの初回公演演出が行われると新曲Cの背景画像が40%と最も出現し易いので、遊技者は、新曲Dの公演演出が行われた後も新曲Dの演出を楽しむことができ、また、全曲開放状態に移行する前は、新曲Dの初回以降の公演演出をより楽しむことができる。
なお、新曲Dメインテーブルは、新曲Dが新たに選択可能になっている点で新曲Cメインテーブルと異なる。また、選択率で比較すると、どちらのメインテーブルも第1デフォルト背景と第2デフォルト背景の選択率が0%に設定されているので、新曲Dメインテーブルでは、デフォルト背景の出現率を低下させるといった方法ではなく、先に公開された新曲(ここでは新曲A〜C)の選択率を低下させることによって、新曲Dの選択率を最も高い値に設定するようにしている。これは、新曲Eメインテーブル以降のテーブルについても同様である。
図114は、新曲Eメインテーブルの概略図である。図114に例示されるように、新曲Eメインテーブルでは、背景画像を生成するための画像データの種別として、新曲A背景、新曲B背景、新曲C背景、新曲D背景、及び新曲E背景の5種類が規定されている。例えば選択用乱数が取り得る値が100個である場合、新曲Eメインテーブルでは、新曲A背景に対しては5個の選択用乱数が割り当てられ、新曲B背景に対しては10個の選択用乱数が割り当てられ、新曲C背景に対しては20個の選択用乱数が割り当てられ、新曲D背景に対しては25個の選択用乱数が割り当てられ、新曲E背景に対しては40個の選択用乱数が割り当てられている。このため、上記ステップS3038においては、40%の割合で新曲E背景が選択され、25%の割合で新曲D背景が選択され、20%の割合で新曲C背景が選択され、10%の割合で新曲B背景が選択され、残り5%の割合で新曲A背景が選択される。
図115は、新曲Lメインテーブルの概略図である。図115に例示されるように、新曲Lメインテーブルでは、新曲A背景〜新曲L背景の12種類が規定されており、他のメインテーブルと同様に、最新曲の選択率が最も高くなるように選択用乱数が割り当てられている(図115に示される例では20%)。この新曲Lメインテーブルでは、公演演出に使用される全ての新曲の背景画像が規定されているので、新曲Lの初回の公演演出が行われてから1週間が経過するまでは(全曲開放状態となるまでは)、遊技者は、新曲Lを使用する通常演出を中心に、全ての新曲の通常演出を楽しむことができる。
図116は、背景画像の描画に使用される画像データの変化について説明するための説明図である。図117は、各種背景画像の出現率の変化について説明するための説明図である。図116及び図117において、「◎」は最も出現し易い背景を示し、「○」は出現率が最も高い訳ではないものの出現する可能性がある背景を示し、「×」は出現する可能性がない背景を示している。
パチンコ遊技機1が図16に例示される5/10(土)を初日として公演Aの初回公演演出が行われるまでの間は、通常演出に関して、上述したデフォルトテーブル(図109参照)を用いてディスプレイリストが作成される。すなわち、5/10における午前7時よりも以前(例えば前日や前々日)に通常演出が行われる場合には、デフォルトテーブルを用いてディスプレイリストが作成される。このため、新曲Aの初回公演が行われる前の通常演出において出現する背景画像は、第1デフォルト背景又は第2デフォルト背景である。導入1,2週目は、上述した新曲Aメインテーブル(図110参照)を用いてディスプレイリストが作成される。このため、導入1,2週目の通常演出においては、新曲A背景が最も出現し易く、第2デフォルト背景が次に出現し易く、第1デフォルト背景が最も出現し難い。
導入3週目は、新曲Bメインテーブル(図111参照)を用いてディスプレイリストが作成される。このため、導入3週目の通常演出においては、新曲B背景が最も高い出現率で新たに出現するようになると共に、第1デフォルト背景が出現しなくなる。また、導入4週目は、新曲Cメインテーブル(図112参照)を用いてディスプレイリストが作成される。このため、導入4週目の通常演出においては、新曲C背景が最も高い出現率で新たに出現するようになると共に、第2デフォルト背景も出現しなくなる。その後、1週間が経過する毎に新たな新曲の背景画像が追加されていって背景画像の種類が最終的には12種類となるので、通常演出のバリエーションが増大していくことになる。
ここまで、全曲開放状態となる前の通常演出における背景画像について説明したが、全曲開放状態になると、電源投入を基準として1時間毎に行われる公演演出の新曲の種類が、公演演出が行われる毎に変更されるようになる(図19参照)。このため、全曲開放状態となる前は1週間毎にディスプレイリスト作成テーブルの選択切替が行われていたのが、全曲開放状態になると、ディスプレイリスト作成テーブルの選択切替が1時間毎に行われるようになる。
ところで、全曲開放状態となる前において最後の方の公演演出に使用される新曲に対応するメインテーブル(例えば新曲Lメインテーブルや新曲Kメインテーブル)では、初期の公演演出に使用される新曲に対応するメインテーブル(新曲Aメインテーブルや新曲B面にテーブル)に比べて、初期の新曲の背景画像の出現率が極めて低くなっている(例えば図110及び図115参照)。このため、例えば新曲Lの初回公演演出が行われてからの1週間は、新曲Aや新曲Bの背景画像は極めて出現し難く、これらの背景画像を見ることができない遊技者が出てくることも考えられる。
これに対して、全曲開放状態においては、ディスプレイリスト作成テーブルの選択切替が1時間毎に行われるようになる。このため、例えば新曲Aメインテーブルや新曲Bメインテーブルが使用されるようになる。その結果、1日のうちの1時間だけという期限付きではあるものの、あまり目にすることができなくなっていた背景画像を楽しむことができるようになる。
[ディスプレイリスト作成テーブルに関する変形例]
図118は、オールモードテーブルの概略図である。上述した例では、新曲の初回公演演出が行われると、通常演出においてその新曲に基づく演出を新たに出現させるために、使用するディスプレイリスト作成テーブルを切り替える特別選択を全曲開放状態においても同様に実行する場合について説明した。これに対して、他の実施形態として、全曲開放状態においては常に、図118に例示されるように全ての新曲の演出パターンの選択率が等しく設定されたオールモードテーブルを使用してディスプレイリストを作成するようにしてもよい。これにより、各新曲に基づく通常演出をバランスよく出現させることが可能になる。
[オープニング演出開始処理]
図119は、図106のステップS3050におけるオープニング演出開始処理の詳細フローチャートである。統括CPU141は、演出制御基板130から受信したコマンドがオープニング演出開始コマンドであると判定した場合(ステップS3043:YES)、図119に例示されるように、ステップS3031(図108参照)の処理と同様に、公演演出が一度も行われていない未発表状態であるか否かを判定する(ステップS3051)。
統括CPU141は、未発表状態であると判定した場合(ステップS3051:YES)、新曲A〜新曲Lのいずれの新曲にも基づかないデフォルトのオープニング演出画像を選択し(ステップS3052)、逆に、未発表状態ではないと判定した場合(ステップS3051:NO)、最後の公演演出に使用された新曲に基づくオープニング演出画像を選択する(ステップS3053)。
そして、統括CPU141は、ステップS3052又はステップS3053の処理で選択したオープニング演出画像を表示するオープニング演出を行うための設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS3054)。
統括CPU141は、新曲A〜新曲Lのそれぞれに対応する12種類のオープニング演出画像のいずれかを選択してメイン液晶5に表示させる場合に、新曲Bの初回発表許可日時よりも前であれば、新曲A用のオープニング演出画像を表示させるオープニング演出を行い、新曲Bの初回発表許可日時よりも後であれば、新曲B用のオープニング演出画像を表示させるオープニング演出を行う。これは、他の新曲に関しても同様である。
[短当たり演出開始処理]
図120は、図106のステップS3070における短当たり演出開始処理の詳細フローチャートである。統括CPU141は、演出制御基板130から受信したコマンドが短当たり演出開始コマンドであると判定した場合(ステップS3069:YES)、図120に例示されるように、ステップS3031(図108参照)の処理と同様に、公演演出が一度も行われていない未発表状態であるか否かを判定する(ステップS3071)。
統括CPU141は、未発表状態であると判定した場合(ステップS3071:YES)、新曲A〜新曲Lのいずれの新曲にも基づかないデフォルトのオープニング演出画像を選択し(ステップS3072)、逆に、未発表状態ではないと判定した場合(ステップS3071:NO)、最後の公演演出に使用された新曲に基づくオープニング演出画像を選択する(ステップS3073)。
そして、統括CPU141は、ステップS3072又はステップS3073の処理で選択したオープニング演出画像を表示する短当たり演出を行うための設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS3074)。
[ランプ制御基板150によるライト演出制御処理]
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、公演開始予告演出が開始されてから公演演出が終了するまでの期間(図13参照)において、図30〜図32に基づいて上述したライト演出が行われる。
以下、図121を参照しつつ、このライト演出を実現するためにランプ制御基板150において実行されるライト演出制御処理について説明する。ここで、図121は、ランプ制御基板150において実行されるライト演出制御処理の一例を示すフローチャートである。
図121に例示されるように、ランプ制御基板150におけるランプCPU151は、例えば、ステップS12(図81参照)のデータ転送処理によって演出制御基板130から転送される画像音響制御に関するデータに基づいて、公演開始予告演出の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS4000)。ここで、公演開始予告演出の開始タイミングではないと判定された場合(ステップS4001:NO)、後述するステップS4008に処理が進められる。
ランプCPU151は、公演開始予告演出の開始タイミングであると判定した場合(ステップS4001:YES)、この公演開始予告演出に続いて行われる公演演出で再生される今回の公演曲を特定する(ステップS4002)。具体的には、例えば、演出制御基板130から転送される画像音響制御に関するデータに基づいて、今回の公演曲を特定する。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、再生時間や演出内容が互いに異なる新曲A〜新曲Lの12曲の公演曲が容易されている。これに対して、ランプ制御基板150のランプROM152には、回転ライト装置8の回転体80(図6参照)の動作パターンを示す動作パターンデータと、回転ライト装置8のカラーLED811,821(図6(A)及び(C)参照)の発光パターンを示す発光パターンデータとが、これらの新曲A〜新曲Lのそれぞれについて個別に記憶されている。
ランプCPU151は、ステップS4002の処理で今回の公演曲を特定すると、その公演曲に対応するカラーLED811,821の発光パターンデータをランプRMO152から読み出してランプRAM153にセットすることによってカラーLED811,821の発光パターンを設定する(ステップS4003)。そして、その設定に基づくカラーLED811,821の発光制御を開始する(ステップS4004)。
また、ランプCPU151は、ステップS4004の処理に続いて、ステップS4002の処理で特定した今回の公演曲に対応する回転体80の動作パターンデータをランプROM152から読み出してランプRAM153にセットすることによって、回転体80の動作パターンを設定する(ステップS4005)。そして、その設定に基づく回転体80の動作制御(回転ライトモータ85の駆動制御)を開始する(ステップS4006)。
ランプCPU151は、このようにしてステップS4004及びステップS4006の処理を実行することによって、上述した基本パターンのライト演出(図30(A)及び図31参照)を回転ライト装置8に開始させる。なお、この基本パターンは、新曲A〜新曲Lのそれぞれについて存在する。
ランプCPU151は、ステップS4006の処理を実行した場合、又は公演開始予告演出の開始タイミングではないと判定した場合(ステップS4001:NO)、ライト演出中であるか否かを判定する(ステップS4008)。具体的には、例えば、ステップS4004の処理で開始した発光制御、及びステップS4006の処理で開始した動作制御が完了したか否かに基づいて、ライト演出中であるか否かを判定する。ここで、ライト演出中ではないと判定された場合(ステップS4008:NO)、一連のライト演出制御処理が終了してステップS4001に処理が戻される。
ランプCPU151は、ライト演出中であると判定した場合(ステップS4008:YES)、段階発展タイミングであるか否かを判定する(ステップS4009)。本実施形態におけるライト演出は、図31に基づいて上述したように、第1段階〜第8段階まで発展するように構成されており、次の段階に発展する段階発展タイミングが予め定められており、その段階発展タイミングを示す情報がランプROM152に記憶されている。これに対して、ランプCPU151は、ステップS4009において、ステップS4004及びステップS4006の処理によってライト演出を開始させてからの経過時間と、ランプROM152に記憶されている段階発展タイミングを示す情報とに基づいて、段階発展タイミングであるか否かを判定する。
ランプCPU151は、段階発展タイミングであると判定した場合(ステップS4009:YES)、大当たりがあるか否かを判断する(ステップS4010)。具体的には、演出制御基板130から受信する変動演出開始コマンド、及び保留表示コマンドに基づいて、上述した結果判断処理を実行して、大当たりが有るか否かを判断する。
ランプCPU151は、大当たりが有ると判断した場合(ステップS4010:YES)、回転ライト装置8の発光パターン及び動作パターンの両方或いはいずれか一方を途中で変更するパターン変更処理を実行する(ステップS4011)。
本実施形態においては、公演演出の実行期間外においては、メイン液晶5に保留アイコンを通常の表示態様とは異なる表示態様で表示させることによって大当たりの可能性があることを示唆する保留先読み演出が行われる。
これに対して、公演演出の実行期間中においては、保留アイコンがサブ液晶6に小さく表示されるために上記の保留先読み演出を実行することができず、これに代えて、大当たりの可能性があることを示唆する演出が回転ライト装置8を用いて行われる。
[本実施形態の作用効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、設置位置情報に基づかない演出(例えば、通常演出や公演系列演出、一部のゲーム演出)と、設置位置情報に基づく演出(投下演出、一部のゲーム演出)とを実行可能であるため、興趣性が高い演出を実行することが可能である。
また、本実施形態によれば、パチンコ遊技機1の設置位置情報に応じた開始タイミングで演出が開始される場合がある(例えば投下演出)。このため、他のパチンコ遊技機1と同一の演出を実行するような場合に、その演出の開始タイミングをずらすことができ、興趣性が高い演出を実行することが可能である。
また、本実施形態によれば、設置位置情報に基づく演出(例えば投下演出)の演出態様が、特別遊技を実行するか否かの判定結果に基づいて設定されるため、その判定結果を示唆可能な興趣性が高い演出を実行することができる。
また、本実施形態によれば、設置位置情報によって演出データにおける再生開始ポイントが変化するため、従来にない興趣性の高い演出を実行することが可能である。また、同一の演出データに対して、設置位置情報に応じた再生開始ポイントからの再生が開始されるため、再生開始ポイントを異ならせた複数の演出データを記憶しておく必要がなく、演出データの記憶容量の増大を効果的に抑制することが可能である。
また、本実施形態によれば、第1特別図柄判定の判定結果(事前判定結果を含む)に基づく演出の演出態様が、公演演出の実行期間内には、第1の演出態様(例えば保留アイコンを用いる保留先読み演出)から第2の演出態様(回転ライト装置8によるライト演出)に変化する場合がある。このため、公演演出の演出効果が高まって、興趣性の高い演出を行うことが可能である。
また、本実施形態によれば、所定の演出(例えば障害物競走)の一部(ポインタの位置)が設置位置情報に基づいて変化する場合がある。このため、興趣性の高い演出を行うことが可能である。
また、本実施形態によれば、音声演出の演出態様と、公演演出の演出態様とが、異なるタイミングでそれぞれ変化する。このため、これらの演出の演出態様が固定されている場合に比べて、興趣性の高い演出を実行することが可能である。
また、本実施形態によれば、公演系列演出を構成する複数の部分演出のうち、音声演出、公演演出、公演終了演出の演出実行時間が変化する。このため、これらの部分演出の演出実行時間が固定されている場合に比べて、興趣性が高い公演系列演出を実行することができる。
また、本実施形態によれば、例えば練習風景演出は、演出実行時間が固定されたまま、所定の時間条件を満たすと演出内容が変化する。このため、演出実行時間と演出内容が同時に変化する従来の演出に比べて興趣性が高い演出を実行することが可能である。
また、本実施形態によれば、最初の公演演出が行われた後にゲーム演出の実行が可能になるため、公演演出よりも先にゲーム演出が行われてしまうのを効果的に抑制することが可能である。
また、本実施形態によれば、1時間間隔で実行される公演演出と、15分間隔で実行される投下演出とを実行可能であるので、演出の種類に関わらず時間間隔が固定されている場合に比べて、興趣性が高い演出を実行することができる。
また、本実施形態によれば、音声演出の実行時間が変化するため、公演演出の開始タイミングを基準として、公演系列演出の開始時間が変化することになる。このため、公演系列演出の開始タイミングを遊技者が容易に特定することができなくなり、その結果、公演系列演出の興趣性が低下するのを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態によれば、音声演出、公演演出、公演終了演出の演出実行時間が変化するため、公演系列演出の実行時間を遊技者が容易に特定することができなくなり、実行時間を容易に特定できてしまうことが原因で演出の興趣性が低下するのを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態によれば、公演開始予告演出の演出態様が不変である一方、その前後に行われる音声演出、練習風景演出、公演演出などの演出態様が変更可能である。このため、これらの演出の演出態様が全て固定されていることが原因で演出の興趣性が低下するのを効果的に抑制することが可能である。
また、本実施形態によれば、設定画面の表示中ではないことを条件としてRTC演出が実行されるので、設定画面の表示に支障をきたすことなくRTC演出を実行することができるという利点がある。
また、本実施形態によれば、例えば、新曲Bの初回発表許可日時を過ぎていなければ、この許可日時を過ぎた後に選択される新曲Bの公演演出と関連した新曲B用のオープニング演出が実行されることがない。このため、新曲Bの公演演出が実行される前に新曲B用のオープニング演出が実行されてしまい、その結果、新曲Bの公演演出の内容を遊技者が事前に認識できてしまうのを効果的に抑制することができる。
[公演系列演出の変形例]
図122は、公演系列演出の変形例について説明するための説明図である。本実施形態では、電源投入からの経過時間が音声演出の開始タイミングに対応する時間になると公演系列演出が開始されるが、この公演系列演出は、音声演出、練習風景演出、公演開始予告演出、公演演出、次公演予告演出、及び公演終了演出の6つの部分演出から構成されている。このように6つの部分演出から構成される公演系列演出に関して、練習風景演出(第1部分演出)、公演開始予告演出(第2部分演出)、及び公演演出(第3部分演出)に着目すると、練習風景演出および公演演出に関しては、演出態様が変更可能に構成されているという特徴がある(図122(A)参照)。具体的には、練習風景演出は、演出実行時間が固定されているもののその演出内容が変更可能であり(図21参照)、公演演出は、演出実行時間および演出内容の両方が変更可能である(図23参照)。その一方で、公演開始予告演出に関しては、演出実行時間と演出内容の両方が不変であるという特徴がある(図22参照)。
これに対して、他の実施形態においては、以下のような構成を採用してもよい。すなわち、上記6つの部分演出のうちの、公演開始予告演出(第1部分演出)、公演演出(第2部分演出)、及び次公演予告演出(第3部分演出)に着目すると、公演開始予告演出に関しては、上記の通りその演出態様が不変に構成されている。また、公演演出に関しては、上記の通りその演出態様が可変に構成されている。これに対して、次公演予告演出については、本実施形態においては演出態様が可変(演出実行時間が固定であるのに対して、演出内容が変化する)であったが、他の実施形態においては、演出態様を不変にしてもよい(図122(B)参照)。例えば、次の公演曲の種類を示唆せず、単に「1時間後に公演が始まるよ」といったメッセージを表示するような1種類の次公演予告演出データを使用することによって、次公演予告演出の演出態様を固定にすることができる。
このように、他の実施形態においては、例えば電源投入からの経過時間が所定の時間条件を満たすと、第1部分演出、第2部分演出、及び第3部分演出の順で実行される特定演出を実行可能な構成において、第1部分演出および第3部分演出の演出態様を不変にする(演出実行時間と演出内容の両方を固定にする)一方、第2部分演出の演出態様(演出実行時間および演出内容の両方或いはいずれか一方)を変更可能な構成を採用してもよい。
[その他の変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下の形態であってもよい。すなわち、上記実施形態では、パチンコ遊技機1の電源投入時を基準とする経過時間に基づいて各種RTC演出の開始タイミングを制御する場合について説明したが、他の実施形態においては、電源投入からの経過時間に代えて、RTC134が示す現在日時が所定の時間条件を満たしたことを条件としてRTC演出を実行するようにしてもよい。ただし、この構成では、隣接する他のパチンコ遊技機1との間でRTC134が示す現在日時にズレが生じることが原因で、複数のパチンコ遊技機1において一斉に開始されるRTC演出のタイミングにズレが生じるおそれがある。このため、上記実施形態で説明したように、電源投入からの経過時間に基づいて、RTC演出の実行を制御するのが好ましい。
また、他の実施形態においては、電源投入からの経過時間が15分、30分、45分、60分、75分、90分、・・・というように、電源投入を基準として15分が経過する毎に上述した投下演出を開始させる構成を採用してもよい。ただし、この場合、公演演出の実行中に投下演出の開始時間を迎えることになるが、これら2つの演出を比較した場合、投下演出よりも1時間に1回しか行われない公演演出の方が優先度は高い。このため、公演演出の実行中に投下演出の開始時間となった場合には、投下演出を実行させることなく公演演出を継続させるのが好ましい。
また、上記の構成を採用すると、ゲーム演出の実行中に投下演出の開始時間を迎えることになる。この場合、投下演出の開始タイミングを遅らせて、ゲーム演出が終了してから投下演出を実行させるようにすればよい。
また、上記実施形態では、本発明が1種2種混合タイプのパチンコ遊技機に適用された場合を例に説明したが、本発明は、例えば、1種タイプのパチンコ遊技機や回胴式遊技機等の他の遊技機にも適用可能である。
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成や各部材の動作態様は単なる一例に過ぎず、他の構成や動作態様であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。また、上記実施形態で例示した画面図等も単なる一例であって、他の表示態様の画面であってもよい。
また、他の実施形態として、画像音響制御基板140において実行される処理の一部を演出制御基板130に実行させてもよい。また、演出制御基板130及び画像音響制御基板140を一体に構成して、演出制御基板130において実行される処理と画像音響制御基板150において実行される処理とを1つの制御基板に実行させるようにしてもよい。