以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。例えば、画像表示装置5の表示領域には、予め用意された演出画像として、飾り図柄や、飾り図柄とは異なる人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示すキャラクタ画像、キャラクタ画像とは異なる動画像、背景画像といった、各種の画像を表示することができる。
画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)で構成される。また、こうした8種類の飾り図柄の他に、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hでは、例えば複数の表示部位において、非表示(透過色)と所定色表示(例えば青色表示や赤色表示など)とで変化させることなどにより、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを区別して特定可能に表示できればよい。なお、合計保留記憶数のみを特定可能に表示してもよい。また、特図保留記憶数を示す数字を表示してもよい。始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20は、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を可変表示する。複数種類の普通図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。なお、普通図柄表示器20は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等を普通図柄として可変表示するものに限定されず、例えば「○」と「×」とを示す装飾ランプ(又はLED)を交互に点灯させることや、「左」、「中」、「右」といった複数の装飾ランプ(又はLED)を所定順序で点灯させることにより、普通図柄を可変表示するものであってもよい。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。なお、下皿におけるスティックコントローラ31Aの取付位置は、下皿の中央部分に限定されず、左右のいずれかに寄せた位置であってもよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。図1に示す構成例では、スティックコントローラ31Aとプッシュボタン31Bの取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、スティックコントローラ31A及びプッシュボタン31Bの取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、スティックコントローラ31Aとプッシュボタン31Bの取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定期間(例えば29秒間や0.5秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」や「2」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
ラウンドの実行回数が「15」となる15R大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。この実施の形態において、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄は、いずれも15R大当り図柄となり、特図ゲームにおける確定特別図柄として導出表示されたときには、15R大当り状態に制御される。
大当り図柄のうちで「3」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき15R大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。こうした「3」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に時短状態に制御される大当り図柄は、非確変大当り図柄(「通常大当り図柄」ともいう)と称される。また、大当り図柄のうち非確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「非確変大当り」(「通常大当り」ともいう)と称される。
大当り図柄のうちで「5」または「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける特別図柄として停止表示されたことに基づき15R大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮される時間短縮制御とともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率状態)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続すればよい。確変状態における時短制御は、時短状態の場合と同様に、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、終了してもよい。あるいは、確変状態における時短制御は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続してもよい。
一例として、「5」または「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変状態となって確変制御と時短制御がともに開始され、可変表示結果が「大当り」となることなく特図ゲームの実行回数が所定回数に達したときには、時短制御を終了させる。その一方で、確変制御は、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続させる。
確変制御とともに時短制御が行われる確変状態は、高確高ベース状態とも称される。また、確変制御のみが行われて時短制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。さらに、確変制御が行われずに時短制御のみが行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御と時短制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。このように、確変状態のうちには、確変制御とともに時短制御が行われる高確高ベース状態の他に、確変制御のみが行われて時短制御が行われない高確低ベース状態が含まれていてもよい。
「5」の数字を示す特別図柄は、第1確変大当り図柄と称される。また、大当り図柄のうち第1確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「第1確変大当り」と称される。「7」の数字を示す特別図柄は、第2確変大当り図柄と称される。また、大当り図柄のうち第2確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「第2確変大当り」と称される。なお、非確変大当り図柄「3」や第1確変大当り図柄「5」、および第2確変大当り図柄「7」は、一例であり、各大当り図柄はこれらに限定されない。例えば、遊技者に大当り図柄であることや、大当り種別を認識されないようにするために、大当り図柄を数字とせずに予め定められた記号(例えば「コ」など)にしてもよい。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかに制御されている期間と同一であればよい。時短制御と高開放制御は、それらの開始と終了が同時に(連動して)行われる一方で、確変制御の開始と終了は、時短制御や高開放制御の開始や終了と必ずしも連動するものでなくてもよい。時短制御と高開放制御がともに行われている遊技状態を、高ベース状態ともいい、高ベース状態であることを高ベース中であるともいう。高開放制御が行われる確変状態や時短状態は、「有利遊技状態」ともいう。
パチンコ遊技機1では、可変表示結果が「大当り」となったことに基づき、大当り遊技状態に制御されてラウンドが実行され、開放状態となった大入賞口に遊技球を入賞させて遊技者が多数の賞球を容易に得られるという、遊技者にとって有利な遊技価値が付与される。また、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態になりやすくなるという、遊技者にとって有利な遊技価値が付与される。その他にも、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「2」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となることや、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることといった、様々な遊技価値が付与されることがある。こうした所定の遊技価値が付与されるか否かは、例えば特図ゲームにおける可変表示結果となる確定大当り図柄といった、所定図柄の表示結果に応じて定められるものであればよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の可変表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方(可変表示の開始条件)が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。
「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、例えば予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する飾り図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示される。その後に、擬似連変動(再可変表示)が行われる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。これにより、発展チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止表示されたときには、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する期待感が高められる。また、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、連続予告演出と、ステップアップ予告演出とが、含まれていればよい。連続予告演出は、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する連続演出である。ステップアップ予告演出は、可変表示の開始条件が1回成立したことに基づく飾り図柄の可変表示中に、演出態様が所定の順番に従って複数段階に変化可能(ステップアップ可能)なステップアップ演出である。なお、ステップアップ予告演出では、最初に出現した演出態様が次の段階に変化することなく、予告演出の実行を終了させることがあるようにしてもよい。
なお、予告演出は、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、予告するものに限定されない。すなわち、予告演出は、大当り遊技状態に制御されることとは異なる所定の遊技価値(例えば確変状態に制御されること)が付与される可能性があることを予告するものであってもよい。
連続予告演出が実行される複数回の可変表示のうちで最終の可変表示は、連続予告演出により可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる可変表示であり、連続予告演出による予告対象となる可変表示ともいう。連続予告演出が実行される場合には、予告対象となる可変表示が開始されるより前に、特図ゲームの保留記憶情報などに基づいて可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告するための演出動作が開始される。
ステップアップ予告演出は、1回の始動入賞(第1始動入賞口又は第2始動入賞口を1個の遊技球が通過したこと)に対応して実行される特別図柄や飾り図柄の可変表示中に実行される予告演出の一種であり、特に予告の態様(表示、音、ランプ、可動物等)が複数段階に変化(ステップアップ)することが可能な予告演出である。一例として、飾り図柄の可変表示中に画像表示装置5の表示領域にて、予め用意された複数種類の演出画像を所定の順番に従って切り替えて表示させる演出表示により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)すればよい。他の一例として、飾り図柄の可変表示中に遊技領域の内部又は外部に設けられた演出用模型を所定の順番に従って複数種類の動作態様で動作させる演出動作により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)すればよい。
一般的に、ステップアップ予告演出において演出態様が変化する回数(ステップ数)が多い場合には、ステップ数が少ない場合よりも信頼度(可変表示結果が「大当り」となる可能性など)が高くなる。また、ステップアップ予告演出におけるステップ数、あるいは、各ステップにおける演出態様に応じて、「第1確変大当り」や「第2確変大当り」となる確率、特定のリーチ演出が実行される確率などを異ならせてもよい。さらに変化する回数(ステップ数)によって予告する対象も変化するものでもよい。例えば第2ステップまで行くと「リーチ確定」、第3ステップまで行くと「スーパーリーチ確定」、第4ステップまで行くと「大当り確定」となるようなものでもよい。
ステップアップ予告演出における演出態様の変化(ステップアップ)としては、異なるキャラクタ画像が順番に表示されるものであってもよいし、1つのキャラクタにおける形状や色等が変化することでステップアップするようなものであってもよい。すなわち、遊技者からみて予告する手段(表示、音、ランプ、可動物等)の状態が段階的に変化したと認識可能なものであればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
なお、飾り図柄の可変表示態様は、飾り図柄の可変表示が開始されてから表示結果となる確定飾り図柄が停止表示(導出)されるまでの期間において飾り図柄が可変表示されるときの表示態様であり、様々な共通点や相違点に着目して分類することができる。例えば、大当り組合せの確定飾り図柄となるか否かに対応した「大当り」や「ハズレ」、あるいは飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるか否かに対応した「非リーチ」や「リーチ」といった、概略の分類をすることもできれば、変動パターンに応じた「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出の有無、あるいはリーチ演出の具体的な内容に対応した「ノーマルリーチ」や「スーパーリーチα」や「スーパーリーチβ」といった、詳細な分類をすることもできる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄のうち非確変大当り図柄である「3」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の非確変大当り組合せ(「通常大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が非確変大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、非確変大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変大当り」の可変表示態様と称され、大当り種別が「非確変」であるともいう。こうして「非確変大当り」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、大当り遊技状態に制御され、その大当り遊技状態が終了すると、時短状態に制御される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄のうち第1確変大当り図柄である「5」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。また、この場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として第1確変大当り図柄が停止表示される場合に、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せとなる飾り図柄が一旦表示されて、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、その後の大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出が実行されたりして、確変状態に制御されることが報知される。こうした飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」で「再抽選・昇格あり」となる場合に対応した「第1確変大当り」の可変表示態様と称され、大当り種別が「第1確変」であるともいう。再抽選演出や大当り中昇格演出のように、確変状態に制御されるか否かを報知するために実行される演出は、確変昇格演出ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄のうち第2確変大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。こうした飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」で「直当り」となる場合に対応した「第2確変大当り」の可変表示態様と称され、大当り種別が「第2確変」であるともいう。
なお、「直当り」とは、可変表示時間が経過したときに、飾り図柄の可変表示結果として確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることによって、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御されることを直ちに(大当り遊技状態の開始前に)認識可能とするものである。これに対して、再抽選演出や大当り中昇格演出が実行される場合には、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せの飾り図柄が一旦表示されることによって、確変状態に制御されることを一旦は認識困難または認識不能とし、再抽選演出(例えば飾り図柄の再変動)が実行されて確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることによって確変状態に制御されることが報知されたり、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出を実行することによって確変状態に制御されることが報知される。また、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」である場合には、可変表示時間の経過時に、飾り図柄の可変表示結果として非確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示され、「第1確変」の場合と同様に大当り遊技状態中に大当り中昇格演出が実行される場合がある。さらに、飾り図柄の可変表示中にも、「第1確変」の場合と同様に再抽選演出が実行される場合がある。ただし、「非確変」の場合には、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、大当り遊技状態中に大当り中昇格演出が実行されても、確変状態に制御されることは報知されない。
確変状態や時短状態では、例えば「確変中」や「時短中」といった確変状態や時短状態であることを報知する演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、画像表示装置5の表示領域における背景画像や飾り図柄の表示態様を通常の演出モードにおける表示態様とは異なるものとすることなどにより、確変状態や時短状態であることを遊技者が認識できる演出モードとなるようにしてもよい。あるいは、確変状態では、例えば通常状態と同様の演出モードとなることにより、確変状態であることを遊技者が認識不可能あるいは認識困難になることがあってもよい(いわゆる潜伏確変)。
次に、パチンコ遊技機1の内部構成を説明する。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。主基板11には、例えば中継基板15に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から中継基板15を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、中継基板15から主基板11への信号の入力を阻止する。したがって、演出制御基板12や中継基板15の側から主基板11の側に信号が伝わる余地はない。
中継基板15には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から中継基板15への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。この実施の形態では、中継基板15において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を防止することができる。
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図3(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別(飾り図柄の可変表示態様)を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果に対応して「非確変大当り」を通知する第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第1確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果に対応して「第1確変大当り(再抽選・昇格あり)」を通知する第3可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第2確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果に対応して「第2確変大当り(直当り)」を通知する第4可変表示結果通知コマンドである。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する大当り終了指定コマンドである。
大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。なお、大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。
大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば15R大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。なお、大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となっている期間であるか、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかにかかわりなく、大当り遊技状態の開始時点から、あるいは、飾り図柄の可変表示開始時点から、大当り遊技状態の終了時点まで、継続的な演出動作が実行されるようにしてもよい。あるいは、大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となっている期間であるか、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかに応じて、異なる演出動作が実行されるようにしてもよい。
コマンドB1XXHは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB2XXHは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第1始動入賞時に、所定の数値データを用いた判定結果を通知する演出制御コマンドとしても用いられる。また、第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第2始動入賞時に、所定の数値データを用いた判定結果を通知する演出制御コマンドとしても用いられる。こうした始動入賞の発生時に抽出された数値データを、当該始動入賞に基づく特図ゲームが開始される以前に読み出し、これを用いた判定処理などを実行することは、「先読み」とも称される。
例えば、第1始動入賞時や第2始動入賞時には、特図表示結果を含む可変表示結果を「大当り」とするか否かを決定するために用いられる表示結果決定用数値(例えば特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データ)が抽出される。そして、この表示結果決定用数値を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かを判定する。また、第1始動入賞時や第2始動入賞時には、飾り図柄などの変動パターンを決定するために用いられる変動パターン決定用数値(例えば変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データ)が抽出される。そして、この変動パターン決定用数値を用いて、複数種類の変動パターンのうちいずれに決定されるかを判定する。なお、このときに判定される変動パターンは、可変表示が開始されるときに決定される個別の変動パターンと厳密に一致するものでなくてもよく、例えば特図保留記憶数が所定数以上であるときにスーパーリーチを伴う変動パターンとなるか否かに応じて、特定リーチに決定されるか否かが判定されればよい。
図3(C)は、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容を例示している。図3(C)に示す第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドのうち、コマンドB100HやコマンドB200Hは、可変表示結果が「ハズレ」となり大当り遊技状態には制御されない判定結果と、変動パターンがスーパーリーチを伴う特定の変動パターンに決定されるか否かが確定しない判定結果とを示す「スーパーリーチ判定なし」を通知する。コマンドB101HやコマンドB201Hは、可変表示結果が「ハズレ」となり大当り遊技状態には制御されない判定結果と、変動パターンがスーパーリーチを伴う特定の変動パターンに決定されることが確定した判定結果とを示す「スーパーリーチ判定あり」を通知する。コマンドB102HやコマンドB202Hは、可変表示結果が「大当り」に決定されて大当り遊技状態に制御される判定結果を示す「大当り判定」を通知する。
コマンドC0XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドである。保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したときに、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかが送信されたことに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、乱数回路104やI/O105は、外付けであってもよい。
主基板11では、例えば図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵または外付けされた乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図11に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。一例として、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数回路104によりCPU103とは独立して更新され、それ以外の乱数値MR2〜MR5を示す数値データは、CPU103がランダムカウンタを用いてソフトウェアにより更新されればよい。また、乱数回路104により更新された数値データの全部又は一部を用いて、スクランブル処理や演算処理といった所定の処理を実行することにより、乱数値MR1〜MR5の一部または全部を示す数値データが更新されるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、乱数回路104が更新する数値データの初期値を設定する機能を有していてもよい。例えば、ROM101等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ100のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ100の各製品毎に異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路104が更新する数値データの初期値として設定する。このような処理を行うことにより、乱数回路104が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「第1確変」、「第2確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR4は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。すなわち、普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普図ゲームにおける可変表示結果に基づき普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しがたい状態(通常開放状態)から遊技球が通過(進入)しやすい状態(拡大開放状態)へと変化させるか否かなどの決定を行うために用いられる。
図5は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチαまたはスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。
図6は、この実施の形態における変動パターン種別を示している。図5に示す各変動パターンは、図6に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。すなわち、各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作の態様などに基づいて分類(グループ化)された単一または複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチ(スーパーリーチαまたはスーパーリーチβ)を伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。また、スーパーリーチを伴う変動パターンについては、リーチ演出の内容(例えばスーパーリーチαであるかスーパーリーチβであるか)に応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。その他の変動パターンについても、所定の可変表示演出が実行されるか否かなどに応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。他の一例として、複数の変動パターンを飾り図柄の可変表示時間などに応じて、分類(グループ化)してもよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。
図6に示すように、各変動パターン種別には、可変表示態様や可変表示の内容に応じて、1つまたは複数の変動パターンが分類される。図5に示す変動パターンの具体的な分類については、例えば図10に示すような変動パターン決定テーブル133の設定から、特定することができる。すなわち、変動パターン決定テーブル133において、各変動パターン種別に応じて決定値が割り当てられた変動パターンは、その変動パターン種別に含まれるように分類されている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図7は、ROM101に記憶される特図表示結果決定テーブル130の構成例を示している。特図表示結果決定テーブル130は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立したときや、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立したときに、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
特図表示結果決定テーブル130では、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態であるか確変状態であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果のいずれかに割り当てられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブル130におけるテーブルデータを参照して特図表示結果が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、特図表示結果に対する決定値の割当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。
特図表示結果決定テーブル130では、遊技状態が通常状態や時短状態であるか確変状態であるかに応じて、特図表示結果を「大当り」とする決定結果に対する決定値の割当てが異なっている。より具体的には、遊技状態が確変状態である場合に、通常状態や時短状態である場合よりも多くの決定値が特図表示結果を「大当り」とする決定結果に割り当てられている。CPU103は、遊技状態が通常状態や時短状態であるか確変状態であるかに応じて、特図表示結果決定テーブル130を構成するテーブルデータから、特図表示結果を決定するために用いる決定用データとなるテーブルデータを、特図表示結果決定用テーブルデータとして選択すればよい。
遊技状態が通常状態、時短状態、確変状態のいずれであるかは、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグや確変フラグの状態(オフ/オン)を確認することにより特定できればよい。時短フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態や時短状態といった特別遊技状態であるときに、時短制御や高開放制御が行われることに対応してオン状態にセットされる一方、時短制御や高開放制御が終了することに対応してクリアされてオフ状態となる。確変フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、確変制御が行われることに対応してオン状態にセットされる一方、確変制御が終了することに対応してクリアされてオフ状態となる。
特図表示結果決定テーブル130では、個々の決定値が各決定結果に割り当てられるようにテーブルデータが設定され、CPU103が乱数値MR1と決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値が割り当てられた特図表示結果に決定できればよい。あるいは、特図表示結果決定テーブル130では、各決定結果に割り当てられた決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示すテーブルデータが設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定結果に割り当てられた決定値の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が含まれる決定値範囲に対応する特図表示結果に決定できるようにしてもよい。特図表示結果決定テーブル130以外に各種設けられた決定テーブルも、同様に設定されたものであればよい。
図8は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御することが決定(事前決定)されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、可変表示態様を「非確変」や「第1確変」や「第2確変」といった複数種類の大当り種別のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
大当り種別決定テーブル131では、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「第1確変」や「第2確変」などの大当り種別に割り当てられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通の大当り種別決定テーブル131におけるテーブルデータを参照して大当り種別が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、大当り種別に対する決定値の割当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。
大当り種別決定テーブル131において、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御するか否かの決定結果に対応した決定用データとなっている。例えば、「非確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御しないとの決定結果に対応する一方で、「第1確変」や「第2確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御するとの決定結果を示している。大当り種別決定テーブル131は、遊技制御バッファ155に設けられた大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)を、決定された大当り種別に対応する値(例えば「0」〜「2」のいずれか)に設定するためのテーブルデータ(設定用データ)を含んでいてもよい。また、大当り種別決定テーブル131において、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、例えば大当り遊技状態において実行可能なラウンドの上限回数や、時短状態において実行可能な特図ゲームの上限回数といった、可変表示結果が「大当り」となることなどに基づいて所定の遊技価値を付与するか否かの決定結果に対応した決定用データを含んでいてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドの実行態様(実行回数や大入賞口の開放時間など)と、確変状態に制御するか否かのうち、いずれか一方または両方が特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて決定されるようにしてもよい。例えば、特図表示結果決定テーブル130では、「大当り」の特図表示結果となる場合に、「非確変大当り」とするか「確変大当り」とするかの決定結果に対して、決定値が割り当てられていてもよい。あるいは、特図表示結果決定テーブル130では、「大当り」の特図表示結果となる場合に、複数種類の大当り種別に対して決定値が割り当てられており、乱数値MR1のみを用いて大当り種別を決定できるようにしてもよい。
図9は、ROM101に記憶される変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン種別決定テーブルとして、図9(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル132Aと、図9(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bと、図9(C)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cとが、予め用意されている。
大当り変動パターン種別決定テーブル132Aは、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別の決定結果が「非確変」、「第1確変」、「第2確変」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3のいずれかに割り当てられている。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」である場合と「第1確変」または「第2確変」のいずれかである場合とでは、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3に対する決定値の割当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
ここで、複数種類の変動パターン種別ごとに、異なる変動パターンを含ませることや、同一の変動パターンに決定する割合を異ならせることができる。そして、大当り種別に応じた変動パターン種別の決定割合の相違により、各変動パターンの決定割合も大当り種別に応じて異ならせることができる。例えば、大当り遊技状態の終了後に確変制御が行われる確変状態とするか否かの決定結果に応じて、各変動パターンの決定割合を異ならせることができる。より具体的には、確変状態とする旨の決定がなされたときには、その決定がなされなかったときよりも高い割合で、変動パターン種別CA3−3に含まれる変動パターンに決定することができる。一方、確変状態としない旨の決定がなされたときには、その決定がなされたときよりも高い割合で、変動パターン種別CA3−1またはCA3−2に含まれる変動パターンに決定することができる。こうして、複数種類の変動パターンのうち、いずれの変動パターンとなるかに応じて、大当り種別が複数種別のいずれとなるかの期待度を異ならせることができる。例えば、複数種類の変動パターン種別のうち、いずれに含まれる変動パターンであるかに応じて、大当り遊技状態の終了後に確変状態となる可能性を異ならせることができる。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bと、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ここで、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bは、例えば遊技状態が通常状態であるときに使用テーブルとして選択される。これに対して、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cは、例えば遊技状態が確変状態や時短状態であるときに、時短制御が行われていることに対応する使用テーブルとして選択される。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bとハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cとでは、互いに各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bとハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cとでは、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
図10は、ROM101に記憶される変動パターン決定テーブル133の構成例を示している。変動パターン決定テーブル133は、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。変動パターン決定テーブル133では、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、単一または複数の変動パターンに割り当てられている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図11に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図11に示す遊技制御用データ保持エリア150は、特図保留記憶部151Aと、普図保留記憶部151Bと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生することにより第1始動条件は成立したが第1開始条件は成立していない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データや、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生することにより第2始動条件は成立したが第2開始条件は成立していない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口や第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)による第1始動条件や第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限記憶数に達するまで記憶する。特図保留記憶部151Aにおける保留データは、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が「4」に達したときと、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数の両方が「4」となり合計保留記憶数が「8」に達したときに、上限記憶数となる。
また、この実施の形態では、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データも保留データに含まれ、保留番号と対応付けて特図保留記憶部151Aに記憶される。一例として、特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞に対応して「1」を示す始動口データ、あるいは第2始動入賞口への入賞に対応して「2」を示す始動口データが、各遊技球の入賞順に従った保留番号と対応付けて記憶される。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留データ(第1保留データ)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動条件の成立に基づく保留データ(第2保留データ)とを、別個の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、始動口データを各遊技球の入賞順に従った保留番号と対応付けて記憶する始動口データ記憶部を設けて、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。あるいは、第2特別図柄表示装置4Bにおける特図ゲームが第1特別図柄表示装置4Aにおける特図ゲームよりも優先して実行される場合には、有効な第2保留データが記憶されていれば、その第2保留データに対応する特図ゲームを実行し、有効な第2保留データが記憶されていない場合にのみ、第1保留データに対応する特図ゲームを実行すればよい。この場合には、始動口データ記憶部が設けられなくてもよい。
普図保留記憶部151Bは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Bは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの一部または全部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。あるいは、演出制御用CPU120は演出制御用マイクロコンピュータに内蔵される一方で、ROM121やRAM122の少なくともいずれか一方は、演出制御用マイクロコンピュータに外付けされてもよい。乱数回路124も、演出制御用マイクロコンピュータに内蔵又は外付けされるものであればよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出における演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。この実施の形態では、各種演出制御パターンのうちに、ミッション報知演出やミッション達成時演出、ミッション失敗時演出などを実行するための演出制御パターンが含まれるように、予め複数パターンが用意されていればよい。
図12(A)は、各々の演出制御パターンの構成例を示している。図12(A)に示す構成例において、演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切替タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の画面上における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。
操作検出制御データには、例えばスティックコントローラ31Aの操作桿に対する傾倒操作とトリガボタンに対する指示操作とを有効に検出する操作有効期間、あるいはプッシュボタン31Bに対する指示操作を有効に検出する操作有効期間や、各々の操作を有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を指定するデータといった、遊技者の操作行為に応じた演出動作態様を示すデータが含まれている。
なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば演出用模型が備える可動部材における動作態様を示す演出用可動部材制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
図12(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を示している。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。図12(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU120は、例えば予告演出といった所定演出の実行を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。
その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図13に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図13に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドやコントローラセンサユニット35Aまたはプッシュセンサ35Bから伝送された操作検出信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどに供給する。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図14のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図14に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図15は、特別図柄プロセス処理として、図14に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
図16は、始動入賞判定処理として、図15のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS208)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値とともに保留データとして、特図保留記憶部151Aにおける空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。
ステップS210にて保留データを記憶した後には、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS211)。続いて、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS212)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図14に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS212の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS213)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS213;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS213;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、始動入賞判定処理を終了する。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合には、2ミリ秒内で実行される処理によって、双方のスイッチが有効な遊技球の始動入賞を検出したことに基づく処理が実行される。すなわち、ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオンであるときには、ステップS202、S203の処理を実行してから、ステップS207〜S212の処理を実行した後、ステップS213にて始動口バッファ値が「1」であることに対応して、ステップS214の処理を実行してから、ステップS204の処理に進む。そして、ステップS204にて第2始動口スイッチ22Bがオンであるときには、ステップS205〜S212の処理を実行した後、ステップS213にて始動口バッファ値が「2」であることに対応して、ステップS215の処理を実行してから、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図17は、入賞時乱数値判定処理として、図16のステップS211にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図15のステップS110、図19)において、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図15のステップS111、図20)において、飾り図柄の可変表示態様を抽象的に分類した変動パターン種別の決定や、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS211の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄を導出表示すると決定される乱数値MR1であるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が所定表示態様となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、連続予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図17に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
ステップS401の処理に続いて、特図表示結果決定テーブル130を構成するテーブルデータから、現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルデータを選択する(ステップS402)。その後、図16のステップS209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS403)。大当り判定範囲には、ステップS402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
ステップS403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS403;Yes)、大当り始動判定に対応して、始動口バッファ値に応じた大当り判定時の入賞指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS404)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、「大当り判定」を示す第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB102Hの送信設定を行う。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、「大当り判定」を示す第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB202Hの送信設定を行う。
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS403;No)、所定のスーパーリーチ判定範囲を設定する(ステップS405)。スーパーリーチ判定範囲は、現在の遊技状態に応じて、合計保留記憶数にかかわらずスーパーリーチを伴う変動パターンに決定することができる乱数値MR3の範囲として、予め定められていればよい。その後、図16のステップS209にて抽出された変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データと、ステップS405にて設定したスーパーリーチ判定範囲を比較することにより(ステップS406)、少なくともスーパーリーチを伴う変動パターンとなるか否かを判定する(ステップS407)。このとき、乱数値MR3がスーパーリーチ判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR3を含む保留データに基づきスーパーリーチを伴う特定の変動パターン(特定演出態様)に決定されると判定(スーパー始動判定)できる。
ステップS407にてスーパーリーチとなる旨の判定がなされたときには(ステップS407;Yes)、始動口バッファ値に応じたスーパーリーチ判定時の入賞指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS408)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、「スーパーリーチ判定あり」を示す第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB101Hの送信設定を行う。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、「スーパーリーチ判定あり」を示す第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB201Hの送信設定を行う。
ステップS407にてスーパーリーチとなる旨の判定がなされなかったときには(ステップS407;No)、始動口バッファ値に応じたスーパーリーチ判定なし時の入賞指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS409)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、「スーパーリーチ判定なし」を示す第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB100Hの送信設定を行う。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、「スーパーリーチ判定なし」を示す第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB200Hの送信設定を行う。
パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態である通常時には、図9(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bの設定により、図18(A)に示すように、合計保留記憶数にかかわらず、乱数値MR3が「230」〜「251」の範囲内であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチαまたはスーパーリーチβ)を伴う変動パターンに決定されることが確定する。ここで、始動入賞時における合計保留記憶数は、実際に可変表示が開始されるときの合計保留記憶数と一致するとはかぎらず、通常は、始動入賞後に合計保留記憶数の増減が生じる。そのため、始動入賞時の判定結果と可変表示開始時における変動パターン種別の決定とで、合計保留記憶数に応じて選択されるテーブルデータが一致しない場合があり、始動入賞時に前もって特定の変動パターンに決定されるか否かを判定して予測することは一般に難しい。これに対して、図9(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bでは、変動パターン種別CA2−3に対して、合計保留記憶数にかかわらず同一の決定値として、「230」〜「251」の範囲の値が割り当てられている。したがって、合計保留記憶数にかかわらず、乱数値MR3が「230」〜「251」の範囲であれば、少なくともスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されると判定することができる。
他方、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態または時短状態であり時短制御が行われる時短制御中には、図9(C)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cの設定により、図18(B)に示すように、合計保留記憶数にかかわらず、乱数値MR3が「242」〜「251」の範囲内であれば、少なくともスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されることが確定する。ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cの設定では、合計保留記憶数に応じて、変動パターン種別CA2−3に対応する決定値の割当てが異なっている。もっとも、乱数値MR3が「242」〜「251」の範囲内であれば、合計保留記憶数にかかわらず、変動パターン種別CA2−3に決定されることが確定する。したがって、合計保留記憶数にかかわらず、乱数値MR3が「242」〜「251」の範囲であれば、少なくともスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されると判定することができる。
そこで、ステップS401にて特定された遊技状態が通常状態であるときには、ステップS405にて「230」〜「251」の範囲をスーパーリーチ判定範囲に設定すればよい。一方、ステップS401にて特定された遊技状態が確変状態または時短状態であるときには、ステップS405にて「242」〜「251」の範囲をスーパーリーチ判定範囲に設定すればよい。
図15のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特図保留記憶部151Aに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に対応して、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかに関わりなく、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「第1確変」、「第2確変」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、15R大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図19は、特別図柄通常処理として、図15のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、合計保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている合計保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて合計保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」と対応付けて記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データ、及び始動口データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「8」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3などを示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。そして、ステップS232にて読み出した保留データに含まれる始動口データから特定される始動口が、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかを判定する(ステップS234)。このとき、ステップS232にて読み出した始動口データが「1」を示す場合には第1始動入賞口であると判定する一方、始動口データが「2」を示す場合には第2始動入賞口であると判定すればよい。
ステップS234にて第1始動入賞口であると判定されたときには(ステップS234;「1」)、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新する(ステップS235)。このときには、変動特図指定バッファの値を「1」に更新する(ステップS236)。ステップS234にて第2始動入賞口であると判定されたときには(ステップS234;「2」)、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新する(ステップS237)。このときには、変動特図指定バッファの値を「2」に更新する(ステップS238)。
ステップS236、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、特図表示結果決定テーブル130を選択してセットする(ステップS239)。CPU103は、こうしてセットされた特図表示結果決定テーブル130を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが、「大当り」または「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。このときには、ステップS240にて決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。ステップS240にて特図表示結果を決定することにより、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄を導出表示するか否かが、可変表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。
ステップS241にて「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データが、「非確変」、「第1確変」、「第2確変」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(ステップS244)。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「第1確変」であれば「1」とし、「第2確変」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合や(ステップS241;No)、ステップS245の処理を実行した後には、大当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS246)。一例として、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS241にて特図表示結果を「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に対応して、「3」の数字を示す特別図柄を確定特別図柄に設定する。大当り種別を「第1確変」とする決定結果に対応して、「5」の数字を示す特別図柄を確定特別図柄に設定する。大当り種別を「第2確変」とする決定結果に対応して、「7」の数字を示す特別図柄を確定特別図柄に設定する。
ステップS246にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS231にて合計保留記憶数が「0」である場合には(ステップS230;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図20は、変動パターン設定処理として、図15のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;Yes)、変動パターン種別を複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを選択してセットする(ステップS262)。また、例えば遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、大当り種別が「非確変」、「第1確変」、「第2確変」のいずれであるかを特定する(ステップS263)。
ステップS261にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS261;No)、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグがオンであるか否かを判定することなどにより、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短制御中であるか否かを判定する(ステップS264)。そして、時短制御中ではないときには(ステップS264;No)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bを選択してセットする(ステップS265)。ステップS264にて時短制御中である場合には(ステップS264;Yes)、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cを選択し、変動パターン種別を決定するための使用テーブルにセットする(ステップS266)。なお、ステップS265、S266の処理のいずれかを実行したときには、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値を読み取ることなどにより、合計保留記憶数を特定するとよい。
ステップS263、S265、S266の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン種別決定テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS267)。ここで、ステップS267の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン種別決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定することができる。
大当りフラグがオンであるときには、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを構成するテーブルデータのうちから、ステップS263の処理により特定された大当り種別に対応するテーブルデータを選択し、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターン種別を決定できればよい。こうして、CPU103は、特図表示結果を「大当り」にする決定結果に対応して予め複数用意された変動パターン種別のうちから、いずれかの変動パターン種別に決定できればよい。
大当りフラグがオフであるときには、ステップS265にて選択したハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132B、またはステップS266にて選択したハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cのうちから、可変表示の開始時における合計保留記憶数に対応するテーブルデータを選択し、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターン種別を決定できればよい。こうして、CPU103は、特図表示結果を「ハズレ」にする決定結果に対応して予め複数用意された変動パターン種別のうちから、いずれかの変動パターン種別に決定できればよい。このときには、ステップS267の処理にて変動パターン種別を決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とするか「リーチ」とするかが決定される。すなわち、ステップS267の処理には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
ステップS267にて変動パターン種別を決定した後には、変動パターン決定テーブル133を選択し、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS268)。続いて、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データに基づき、ステップS268にてセットした変動パターン決定テーブル133を参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS269)。変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データは、ステップS269の処理が実行されるときに乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタなどから抽出されてもよいし、第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出された始動入賞時に抽出されたものを、乱数値MR1〜MR3とともに、特図保留記憶部151Aにおける保留データとして記憶しておいてもよい。
ステップS269の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。また、ステップS269の処理では、ステップS267における変動パターン種別の決定結果にかかわらず、変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。
ステップS269にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS270)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。ステップS270の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS271)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。これに対して、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS271の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS272)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS273)、変動パターン設定処理を終了する。
ステップS272でのコマンド送信設定に基づいて、変動パターン設定処理が終了してから図14に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。
図21は、特別図柄停止処理として、図15のステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた特図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。ここで、特図確定表示中フラグは、特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が停止表示(導出)されたことに対応して、後述するステップS295の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS291にて特図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS291;No)、確定特別図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS292)。このときには、図柄確定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS293)。また、特図確定表示時間として予め定められた一定時間(例えば1000ミリ秒)を設定する(ステップS294)。例えば、ステップS294の処理では、特図確定表示時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部153に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。そして、特図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS295)、特別図柄停止処理を終了する。こうして、ステップS292の処理により確定特別図柄が導出表示された後に、ステップS294にて設定された特図確定表示時間が経過するまでは、タイマ割込みの発生に応じた特別図柄プロセス処理にて特別図柄停止処理が実行されるごとに、ステップS291にて特図確定表示中フラグがオンであると判定されることになる。
ステップS291にて特図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS291;Yes)、特図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS296)。例えば、ステップS296の処理では、ステップS294の処理によりタイマ初期値が設定された遊技制御プロセスタイマの格納値である遊技制御プロセスタイマ値を読み取り、そのタイマ値が「0」となったか否かに応じて、特図確定表示時間が経過したか否かを判定すればよい。なお、遊技制御プロセスタイマ値は、そのタイマ値が「0」以外の値であれば、タイマ割込みの発生に基づき遊技制御用タイマ割込み処理が実行されるごとに、1減算されるように更新すればよい。ステップS296にて特図確定表示時間が経過していなければ(ステップS296;No)、特別図柄停止処理を終了することで、特図確定表示時間が経過するまで待機する。
ステップS296にて特図確定表示時間が経過したときには(ステップS296;Yes)、特図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS297)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS298)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS298;Yes)、大当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS299)。また、大当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS300)。例えば、ステップS300の処理では、大当り種別バッファ値に応じた大当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された大当り開始指定コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。
ステップS300の処理に続いて、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS301)。また、確変状態や時短状態を終了するための設定を行う(ステップS302)。例えば、ステップS302の処理として、遊技制御フラグ設定部152などに設けられた確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、遊技制御カウンタ設定部154などに設けられた時短回数カウンタをクリアする処理などが実行されればよい。その後、特図プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS303)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS298にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS298;No)、時短状態における時短制御や高開放制御を終了させるか否かの判定を行う(ステップS304)。一例として、ステップS304の処理では、時短回数カウンタの格納値である時短回数カウント値が「0」以外であるときに、そのカウント値を1減算するように更新して、減算後のカウント値が「0」となったか否かを判定する。そして、時短回数カウント値が「0」となったときには、時短状態を終了させると判断して、時短フラグをクリアすることにより、時短状態における時短制御や高開放制御を終了させる。なお、時短フラグがオンであるとともに確変フラグがオンとなっている確変状態については、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続して時短制御や高開放制御が行われるようにすればよい。あるいは、確変状態でも時短制御を終了するか否かの判定を行い、終了するとの判定結果に基づき時短制御を終了するようにしてもよい。また、時短回数カウント値を更新(1減算)するタイミングは、特図ゲームの終了に対応して特別図柄終了処理が実行されるタイミングに限定されず、例えば図19に示すステップS231にて合計保留記憶数が「0」以外であると判定されたことに基づいて特図ゲームの実行が開始されるタイミングであってもよい。
ステップS304の処理に続いて、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行ってもよい(ステップS305)。これにより、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態から通常状態となったことなどを、演出制御基板12の側に対して通知することができる。なお、時短状態などが終了したときのみ遊技状態指定コマンドを送信するようにして、その他の場合にはステップS305の処理により遊技状態指定コマンドが送信されなくてもよい。また、演出制御基板12の側で時短状態における可変表示の実行回数をカウントすることなどにより、主基板11の側とは独立して時短状態が終了するか否かを特定できるようにしてもよい。この場合にも、ステップS305の処理により遊技状態指定コマンドが送信されなくてもよい。その後、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS306)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS304の処理では、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタから、確変制御終了判定用の乱数値を示す数値データを抽出し、予めROM101などに格納された確変制御終了判定テーブルを参照すること、あるいは、確変制御中における特図ゲームの実行回数が所定の確変終了判定値に達したことなどにより、確変制御を終了するか否かの判定を行うようにしてもよい。これに対して、ステップS304の処理では、確変制御を終了するための処理を実行せず、次に可変表示結果が「大当り」となるまで確変制御を継続させるようにしてもよい。あるいは、確変制御終了判定用の乱数値を示す数値データに基づき確変制御を終了するか否かを判定する処理は、例えば図19に示すステップS231にて合計保留記憶数が「0」以外であることに基づき可変表示の開始条件が成立してから、ステップS240にて特図表示結果を決定(事前決定)する以前に、実行されるようにしてもよい。
図22は、大当り終了処理として、図15のステップS117にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS321)。一例として、図15に示すステップS116の大当り開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS321の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS321;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS321;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して(ステップS322)、大当り種別が「非確変」、「第1確変」、「第2確変」のいずれであったかを特定する。このときには、特定された大当り種別が「非確変」であるか否かを判定する(ステップS323)。
ステップS323にて大当り種別が「非確変」であると判定された場合には(ステップS323;Yes)、遊技状態を時短状態とする制御を開始するための設定を行う(ステップS324)。例えば、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグをオン状態にセットするとともに、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(例えば「100」)を、遊技制御カウンタ設定部154などに設けられた時短回数カウンタに設定する。その一方で、大当り種別が「第1確変」または「第2確変」と判定された場合には(ステップS323;No)、遊技状態を確変状態とする制御を開始するための設定を行う(ステップS325)。例えば、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152などに設けられた確変フラグと時短フラグをともにオン状態にセットする。
なお、大当り種別が「第1確変」と判定された場合と、大当り種別が「第2確変」と判定された場合とで、種類が異なる確変状態へと制御するための設定を行うようにしてもよい。一例として、大当り種別が「第2確変」と判定された場合には、確変フラグと時短フラグをともにオン状態にセットして、時短回数カウント値の初期値設定は行わず、次に特図表示結果が「大当り」となるまで、確変制御と時短制御の双方が継続して行われるように設定する。これに対して、大当り種別が「第1確変」と判定された場合には、確変フラグと時短フラグをともにオン状態にセットして、時短状態に制御される場合と同様に時短回数カウント値の初期値設定を行い、確変制御は次に特図表示結果が「大当り」となるまで継続して行われる一方、時短制御は特図ゲームの実行回数が所定回数(例えば「100」)に達するまで継続するように設定してもよい。あるいは、時短制御を終了するとともに、確変制御も終了するようにしてもよい。
ステップS324、S325の処理のいずれかを実行した後には、大当り終了指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS326)。なお、大当り終了指定コマンドを送信するタイミングは、大当り終了時演出待ち時間が経過した以後でなくてもよく、例えば図15に示すステップS116の大当り開放後処理で特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときなどに、大当り終了指定コマンドを送信するための設定が行われてもよい。
ステップS326の処理に続いて、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行ってもよい(ステップS327)。これにより、パチンコ遊技機1において大当り遊技状態が終了した後の遊技状態を、演出制御基板12の側に対して通知することができる。ステップS327の処理を実行した後には、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS328)、大当り終了処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図26のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図23に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び演出用点灯役物90や装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型が備える可動部材の駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図24は、コマンド解析処理として、図23のステップS74にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介した主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS151)。このとき、受信コマンドがなければ(ステップS151;No)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS151にて受信コマンドがある場合には(ステップS151;Yes)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS152)。そして、第1始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS152;Yes)、第1始動入賞時に対応した表示更新の設定を行う(ステップS153)。例えば、ステップS153の処理において、画像表示装置5の画面上に設けられた始動入賞記憶表示エリア5Hで非表示(透過表示)となっている表示部位のうちの1つを、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出による第1始動条件の成立に応じて、青色表示に変化させるための表示設定などが行われればよい。
ステップS152にて受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS152;No)、その受信コマンドは第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS154)。そして、受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS154;Yes)、第2始動入賞時に対応した表示更新の設定を行う(ステップS155)。例えば、ステップS155の処理において、画像表示装置5の画面上に設けられた始動入賞記憶表示エリア5Hで非表示(透過表示)となっている表示部位のうちの1つを、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出による第2始動条件の成立に応じて、赤色表示に変化させるための表示設定などが行われればよい。
ステップS153、S155の処理のいずれかを実行したときには、始動入賞時設定処理を実行してから(ステップS156)、ステップS151の処理に戻る。ステップS154にて受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS154;No)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(ステップS157)、ステップS151の処理に戻る。
図25は、始動入賞時設定処理として、図24のステップS156にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す始動入賞時設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた連続予告判定バッファの格納値である連続予告判定バッファ値が「0」であるか否かを判定する(ステップS421)。ここで、連続予告判定バッファには、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドにより「スーパーリーチ判定あり」や「大当り判定」が通知されたときに、始動入賞後の合計保留記憶数が設定され、連続予告演出の実行が開始されなければ、そのバッファ値が「0」になるまで、特図ゲームの実行開始に対応して飾り図柄の可変表示が開始されるごとに1減算されるように更新される。
したがって、連続予告判定バッファ値が「0」以外であるときには、保留データのうちに、可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)されたもの、あるいは変動パターンがスーパーリーチを伴う特定の変動パターンに決定されると判定(スーパー始動判定)されたものが含まれている。ステップS421にて連続予告判定バッファ値が「0」以外であるときには(ステップS421;No)、先に発生した始動入賞に基づく保留データの中に大当り始動判定やスーパー始動判定がなされたものがあることから、始動入賞時設定処理を終了する。
ステップS421にて連続予告判定バッファ値が「0」であるときには(ステップS421;Yes)、例えば第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、「大当り判定」の通知があるか否かを判定する(ステップS422)。このとき、「大当り判定」の通知があれば(ステップS422;Yes)、例えば演出制御フラグ設定部191に設けられた大当り始動判定フラグをオン状態にセットする(ステップS423)。一方、ステップS422にて「大当り判定」の通知がないときには(ステップS422;No)、「スーパーリーチ判定あり」の通知があるか否かを判定する(ステップS424)。
ステップS424にて「スーパーリーチ判定あり」の通知がないときには(ステップS424;No)、始動入賞時設定処理を終了する。一方、ステップS424にて「スーパーリーチ判定あり」の通知があるときには(ステップS424;Yes)、例えば演出制御フラグ設定部191に設けられたスーパー始動判定フラグをオン状態にセットする(ステップS425)。
ステップS423、S425の処理のいずれかを実行した後には、連続予告判定バッファ値として、始動入賞後の合計保留記憶数をセットしてから(ステップS426)、始動入賞時設定処理を終了する。ここで、この実施の形態では、第1特図を用いた特図ゲームと第2特図を用いた特図ゲームとが、始動入賞の発生順序に従って実行されることから、ステップS426の処理では合計保留記憶数を連続予告判定バッファ値にセットすることで、大当り始動判定やスーパー始動判定がなされた保留データに基づく可変表示が実行される以前に実行される可変表示回数を特定することができる。合計保留記憶数は、例えば主基板11から伝送された保留記憶数通知コマンドのEXTデータを読み取ることなどにより、特定できればよい。
図26は、演出制御プロセス処理として、図23のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部191に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S176の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドといった変動開始コマンドを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の可変表示停止処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。可変表示停止処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果などに基づいて、大当り遊技状態が開始されるか否かを判定する処理を含んでいる。そして、可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態が開始される場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、可変表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されない場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS174の大当り表示処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り表示処理は、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したことなどに基づいて、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出(ファンファーレ演出)を実行するための処理を含んでいる。そして、大当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS176の大当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図27は、可変表示開始設定処理として、図26のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS631)。このとき、特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされれば(ステップS631;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS632)。
ステップS632にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS632;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS633)。一例として、ステップS633の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS632にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS632;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS634)。一例として、ステップS634の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS631にて特図表示結果が「ハズレ」ではなく「大当り」であると判定されたときには(ステップS631;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS635)。一例として、ステップS635の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「第1確変」、「第2確変」のいずれであるかなどに応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われるようにしてもよい。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。また、大当り種別が「第1確変」である場合には、複数種類の通常図柄または確変図柄のうちからいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せまたは確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。このとき、非確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において確変状態に制御される旨の報知が行われず、大当り遊技状態に対応して実行される大当り中昇格演出などにより確変状態に制御される旨が報知されればよい。他方、確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において確変状態に制御される旨の報知が行われる。大当り種別が「第2確変」である場合には、複数種類の確変図柄のうちいずれか1つの飾り図柄を選択して、確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。
ステップS633、S634、S635の処理のいずれかを実行した後には、連続予告設定処理(ステップS636)と、ステップアップ予告設定処理(ステップS637)とを、順次に実行する。続いて、その他の可変表示中における演出の実行設定を行う(ステップS638)。その後、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS639)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、例えばステップS636の連続予告設定処理で連続予告演出を実行するための設定がなされた場合や、ステップS637のステップアップ予告設定処理でステップアップ予告演出を実行するための設定がなされた場合には、それらの設定に対応した予告演出制御パターンが選択されてもよい。
ステップS639の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS640)。そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS641)。このときには、例えばステップS639にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS642)、可変表示開始設定処理を終了する。
図28は、連続予告設定処理として、図27のステップS636にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す連続予告設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、連続予告実行フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS701)。ここで、連続予告実行フラグは、例えば演出制御フラグ設定部191に設けられ、連続予告演出の実行を開始する旨の決定がなされたときにオン状態にセットされる。一方、連続予告演出を実行する複数回の可変表示のうちで最終の可変表示が開始されることなどに対応して、連続予告実行フラグがクリアされてオフ状態となればよい。
ステップS701にて連続予告実行フラグがオフであるときには(ステップS701;No)、大当り始動判定フラグとスーパー始動判定フラグのいずれかがオンであるか否かを判定する(ステップS702)。大当り始動判定フラグおよびスーパー始動判定フラグがいずれもオフであるときには(ステップS702;No)、特図保留記憶数(例えば合計保留記憶数)が予め定められた連続予告可能範囲の範囲内であるか否かを判定する(ステップS703)。
ステップS702にて大当り始動判定フラグおよびスーパー始動判定フラグがいずれもオフであるときには、特図保留記憶部151Aに記憶されている保留データのうちに、大当り始動判定がなされたものがなく、かつ、スーパー始動判定がなされたものもないと判断される。この場合には、始動入賞時の判定で可変表示結果が「大当り」となる旨の判定がなされた保留データと、特定の変動パターンとなる旨の判定がなされた保留データとがいずれも記憶されていない場合に応じた割合で、連続予告演出の実行を開始するか否かを決定できればよい。
ただし、開始条件が1回成立したことに基づく可変表示中に連続予告演出を実行するだけで、次回以降の可変表示中に連続予告演出が実行されないのでは、連続予告演出としての演出効果を十分に発揮することが困難になる。また、連続予告演出の実行が開始されてから、その連続予告演出による予告対象となる可変表示が実行されるまでに、余りに多くの可変表示が実行されてしまうと、演出に間延びが生じて演出効果が低下するおそれや、可変表示結果が「大当り」になる期待感が過度に高められてしまうおそれなどが生じる。そこで、一例として、ステップS703の処理では、合計保留記憶数が「1」〜「3」のいずれかであれば、連続予告可能範囲の範囲内であると判定すればよい。なお、ステップS703の処理が実行される時点では、今回の可変表示について開始条件の成立に対応して合計保留記憶数が1減算されている。そのため、合計保留記憶数が「1」〜「3」のいずれかであれば、2回〜4回の可変表示にわたり連続予告演出を実行することができる。あるいは、ステップS703の処理にて合計保留記憶数が「1」以上であれば連続予告可能範囲の範囲内であると判定し、連続予告演出が実行される可変表示回数を設定する際に、所定の上限回数以下の可変表示回数が設定されるようにしてもよい。ステップS703にて特図保留記憶数が連続予告可能範囲の範囲内ではないときには(ステップS703;No)、連続予告設定処理を終了する。
ステップS702にて大当り始動判定フラグまたはスーパー始動判定フラグのいずれかがオンであるときには(ステップS702;Yes)、連続予告判定バッファ値が予め定められた連続予告可能範囲の範囲内であるか否かを判定する(ステップS704)。一例として、ステップS704の処理では、連続予告判定バッファ値が「2」〜「4」のいずれかであれば、連続予告可能範囲の範囲内であると判定すればよい。なお、連続予告判定バッファ値は、今回の可変表示について開始条件の成立に対応して直ちに1減算されるものではなく、後述するステップS712の処理が実行されたときに1減算される。そのため、ステップS704の処理で連続予告判定バッファ値が「2」〜「4」のいずれかであれば、2回目〜4回目の可変表示を連続予告演出の予告対象とすることができる。
ステップS703にて連続予告可能範囲の範囲内であるときや(ステップS703;Yes)、ステップS704にて連続予告可能範囲の範囲内であるときには(ステップS704;Yes)、連続予告演出を実行するか否かという連続予告の有無と、実行する場合における連続予告演出の種別(連続予告種別)とを決定する(ステップS705)。一例として、ステップS705の処理では、連続予告の有無と種別とを決定するための使用テーブルとして、予め用意された連続予告種別決定テーブルを選択してセットする。連続予告種別決定テーブルでは、大当り始動判定フラグやスーパー始動判定フラグの状態(オフ/オン)に応じて、連続予告種別決定用の乱数値と比較される決定値が、連続予告演出を実行するか否かの決定結果や、実行する場合における連続予告種別などに、割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した連続予告種別決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、連続予告種別決定テーブルを参照することにより、連続予告の有無と連続予告種別とを決定すればよい。
ステップS705の処理による決定に続いて、その決定結果が連続予告演出を実行しない「連続予告なし」であるか否かを判定する(ステップS706)。このとき、「連続予告なし」以外であれば(ステップS706;No)、例えば演出制御カウンタ設定部193などに設けられた連続予告残回数カウンタのカウント初期値をセットすることにより、連続予告演出が実行される可変表示の残り回数を示す連続予告残回数を設定する(ステップS707)。
一例として、ステップS703の処理で特図保留記憶数が連続予告可能範囲の範囲内であると判定されたときには、特図保留記憶数が「1」以上になっており、今回開始される可変表示も含めると、2回以上の可変表示において連続予告演出を実行することができる状態になっている。また、この実施の形態では、2回〜4回の可変表示にわたり連続予告演出が実行可能となる。そこで、ステップS705の処理では、特図保留記憶数(例えば合計保留記憶数)を越えない範囲で、「1」〜「3」のいずれかの値を、次回以降の可変表示において連続予告演出が実行される連続予告残回数として設定すればよい。
他の一例として、ステップS704の処理で連続予告判定バッファ値が連続予告可能範囲の範囲内であると判定されたときには、連続予告判定バッファ値が「2」〜「4」のいずれかとなっており、今回開始される可変表示も含めて2回〜4回の可変表示にわたり連続予告演出が実行可能となる。そこで、ステップS705の処理では、連続予告判定バッファ値を1減算した「1」〜「3」のいずれかの値を、次回以降の可変表示において連続予告演出が実行される連続予告残回数として設定すればよい。
ステップS707の処理を実行した後には、連続予告演出を実行するための予告パターンである連続予告パターンを決定する(ステップS708)。例えば、ステップS708の処理では、乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した連続予告パターン決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、予め用意された連続予告パターン決定テーブルを参照することにより、連続予告種別に含まれる複数種類の予告パターンのいずれかを使用パターンとして決定できればよい。連続予告パターン決定テーブルでは、連続予告残回数あるいは連続予告実行回数や、大当り始動判定フラグおよびスーパー始動判定フラグの状態(オフ/オン)に応じて、連続予告パターン決定用の乱数値と比較される決定値が、各連続予告種別に含まれる複数種類の予告パターンに割り当てられていればよい。なお、連続予告実行回数は、今回開始される可変表示も含めて連続予告演出が実行される可変表示の回数を示し、連続予告残回数より1多い回数であればよい。ステップS708の処理により決定された予告パターンを特定可能に示すデータが、RAM122の所定領域(例えば連続予告パターンバッファなど)に記憶されればよい。ステップS708にて予告パターンを決定した後には、連続予告実行フラグをオン状態にセットする(ステップS709)。また、連続予告判定バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化する(ステップS710)。
ステップS706にて「連続予告なし」であれば(ステップS706;Yes)、連続予告判定バッファ値が「0」であるか否かを判定する(ステップS711)。このとき、連続予告判定バッファ値が「0」であれば(ステップS711;Yes)、連続予告設定処理を終了する。
ステップS704にて連続予告判定バッファ値が連続予告可能範囲の範囲内ではないときや(ステップS704;No)、ステップS711にて連続予告判定バッファ値が「0」以外であるときには(ステップS711;No)、そのバッファ値を1減算するように更新する(ステップS712)。そして、更新後の連続予告判定バッファ値が「0」となったか否かを判定する(ステップS713)。ステップS713にて連続予告判定バッファ値が「0」以外であるときには(ステップS713;No)、連続予告設定処理を終了する。ステップS713にて連続予告判定バッファ値が「0」であるときや(ステップS713;Yes)、ステップS710の処理を実行した後には、大当り始動判定フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS714)。また、スーパー始動判定フラグをクリアしてオフ状態としてから(ステップS715)、連続予告設定処理を終了する。
ステップS701にて連続予告実行フラグがオンであるときには(ステップS701;Yes)、今回開始される可変表示中に連続予告演出を実行するための設定を行ってから(ステップS716)、連続予告設定処理を終了する。一例として、ステップS716の処理では、連続予告残回数カウント値を1減算するように更新する。また、例えば連続予告パターンバッファの記憶データなどから使用パターンとなる連続予告演出用の予告パターンを特定する。こうして、連続予告演出の残り実行回数に応じた演出内容(連続予告演出内容)を確定し、使用する予告演出制御パターンなどを決定可能にすればよい。
図29は、ステップアップ予告設定処理として、図27のステップS637にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図29に示すステップアップ予告設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、連続予告実行フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS721)。このとき、連続予告実行フラグがオンであれば(ステップS721Yes)、ステップアップ予告演出を実行するための設定を行うことなくステップアップ予告設定処理を終了する。これにより、連続予告演出とステップアップ予告演出とが重複して実行されてしまうことを防止できる。なお、連続予告演出の実行が開始された後、予告対象となる可変表示が開始される以前であっても、ステップアップ予告演出を実行できるようにしてもよい。この場合、ステップアップ予告演出を実行する旨の決定結果に基づいて、連続予告演出の実行を中断するようにしてもよい。
ステップS721にて連続予告実行フラグがオフであるときには(ステップS721;No)、例えば可変表示結果が「大当り」になるか否かや、スーパーリーチを伴う特定の変動パターンであるか否かといった、今回開始される可変表示に対応した可変表示内容を特定する(ステップS722)。こうした可変表示内容は、例えば可変表示結果通知コマンドのEXTデータや、変動パターン指定コマンドのEXTデータを読み取ることにより特定できればよい。
ステップS722の処理に続いて、ステップアップ予告演出を実行するか否かというステップアップ予告の有無と、実行する場合におけるステップアップ予告演出の種別(ステップアップ予告種別)とを決定する(ステップS723)。一例として、ステップS723の処理では、ステップアップ予告の有無と種別とを決定するための使用テーブルとして、予め用意されたステップアップ予告種別決定テーブルを選択してセットする。ステップアップ予告種別決定テーブルでは、可変表示内容に応じて、ステップアップ予告種別決定用の乱数値と比較される決定値が、ステップアップ予告演出を実行するか否かの決定結果や、実行する場合におけるステップアップ予告種別などに、割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出したステップアップ予告種別決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、ステップアップ予告種別決定テーブルを参照することにより、ステップアップ予告の有無とステップアップ予告種別とを決定すればよい。
ステップS723の処理による決定に基づいて、ステップアップ予告演出を実行しない「ステップアップ予告なし」であるか否かを判定する(ステップS724)。このとき、「ステップアップ予告なし」であれば(ステップS724;Yes)、ステップアップ予告設定処理を終了する。一方、「ステップアップ予告なし」以外であれば(ステップS724;No)、ステップアップ予告演出を実行するための予告パターンであるステップアップ予告パターンを決定してから(ステップS725)、ステップアップ予告設定処理を終了する。例えば、ステップS725の処理では、乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出したステップアップ予告パターン決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、予め用意されたステップアップ予告パターン決定テーブルを参照することにより、ステップアップ予告種別に含まれる複数種類の予告パターンのいずれかを使用パターンとして決定できればよい。ステップアップ予告パターン決定テーブルでは、可変表示内容などに応じて、ステップアップ予告パターン決定用の乱数値と比較される決定値が、各ステップアップ予告種別に含まれる複数種類の予告パターンに割り当てられていればよい。
図29に示すステップアップ予告設定処理では、ステップS721にて連続予告実行フラグがオンであれば、常にステップS723やステップS725の処理を実行しないようにして、連続予告演出の実行中にはステップアップ予告演出が実行されないように規制(制限または禁止)している。これに対して、実行されている連続予告演出の種類によっては、その実行中にステップアップ予告演出を実行できるようにしてもよい。一例として、保留表示予告といった所定の連続予告演出が実行されているときには、ステップS722以降の処理を実行して、ステップアップ予告演出の有無や予告パターンを決定するようにしてもよい。保留表示予告は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位での表示態様を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、複数回の可変表示にわたり可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する。このように、ステップアップ予告演出と重複して実行しても演出の混乱といった不都合が生じない所定の連続予告演出については、その実行中にステップアップ予告演出を実行できるようにしてもよい。
図30は、可変表示中演出処理として、図26のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS661)。一例として、ステップS661の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS661にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS661;No)、連続予告演出やステップアップ予告演出などの予告演出を実行するための予告実行期間であるか否かを判定する(ステップS662)。予告実行期間は、例えば連続予告演出やステップアップ予告演出などの予告演出を実行するために選択された予告演出制御パターンなどにより、予め定められていればよい。
ステップS662にて予告実行期間であるときには(ステップS662;Yes)、予告演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS663)。一例として、ステップS663の処理では、予告演出制御パターンから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)に応じて、演出画像の表示や効果音の出力、ランプの点灯、演出用の可動部材の動作などのうち、一部または全部を含めた所定の演出動作を行うために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。
ステップS662にて予告実行期間ではないときや(ステップS662;No)、ステップS663の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応した特図変動時演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他の演出動作制御を行ってから(ステップS664)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS661にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS661;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS665)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS665;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS665にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS665;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS666)。また、大当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS667)。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示停止処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS668)、可変表示中演出処理を終了する。
以下、パチンコ遊技機1における具体的な制御の一例について説明する。パチンコ遊技機1では、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されたときや、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されたときに、図16のステップS209にて抽出された乱数値MR1〜MR3を示す数値データに基づき、ステップS211にて入賞時乱数値判定処理が実行される。
入賞時乱数値判定処理では、図17のステップS403にて特図表示結果決定用の乱数値MR1が大当り判定範囲内である旨の判定がなされたときに(ステップS403;Yes)、ステップS404での送信設定に基づき、「大当り判定」を通知する第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。また、図17のステップS407にて変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいてスーパーリーチを伴う特定の変動パターンに決定される旨の判定がなされたときに(ステップS407;Yes)、ステップS408での送信設定に基づき、「スーパーリーチ判定あり」を通知する第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ステップS407にてスーパーリーチを伴う特定の変動パターンに決定される旨の判定がなされなかったときには(ステップS407;No)、ステップS409での送信設定に基づき、「スーパーリーチ判定なし」を通知する第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンドが伝送される。
演出制御基板12の側では、例えば演出制御用CPU120が図24のステップS152にて第1始動口入賞指定コマンドを受信したとの判定結果またはステップS154にて第2始動口入賞指定コマンドを受信したとの判定結果に基づいて、ステップS156の始動入賞時設定処理が実行される。
始動入賞時設定処理では、図25のステップS422にて「大当り判定」の通知ありと判定したときに(ステップS422;Yes)、ステップS423にて大当り始動判定フラグをオン状態にセットする。一方、ステップS424にて「スーパーリーチ判定あり」が通知されたと判定したときには(ステップS424;Yes)、ステップS425にてスーパー始動判定フラグをオン状態にセットする。こうして大当り始動判定フラグやスーパー始動判定フラグをオン状態にセットしたときには、ステップS426にて連続予告判定バッファ値の設定が行われる。このような連続予告判定バッファ値の設定が行われることにより、乱数値MR1が大当り判定範囲内であるときに可変表示結果が「大当り」となる保留データの記憶位置(保留番号)や、乱数値MR3に基づいてスーパーリーチを伴う特定の変動パターンとなる保留データの記憶位置(保留番号)を特定することができる。また、大当り始動判定フラグがオンとなることにより、特図保留記憶部151Aに記憶されている保留データの中に、特図表示結果決定用の乱数値MR1が大当り判定範囲内となって可変表示結果が「大当り」に決定される保留データがあることが示される。スーパー始動判定フラグがオンとなることにより、特図保留記憶部151Aに記憶されている保留データの中に、演出態様としてスーパーリーチを伴うリーチ演出が実行されるといった特定の変動パターンによる特定演出態様に決定される保留データがあることが示される。
なお、連続予告判定バッファ値の設定により可変表示結果が「大当り」となる保留データや特定の変動パターンとなる保留データの記憶位置(保留番号)を特定するものに限定されない。例えば、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドのEXTデータを、特図保留記憶部151Aと同様の保留番号と対応付けてRAM122の所定領域に記憶しておき、飾り図柄の可変表示が開始されるときなどに、この所定領域における記憶データを読み取ることにより、これらの記憶位置(保留番号)を特定できるようにしてもよい。
その後、図28のステップS702にて大当り始動判定フラグまたはスーパー始動判定フラグがオンであると判定されたときに(ステップS702;Yes)、連続予告判定バッファ値が連続予告可能範囲内であれば(ステップS704;Yes)、ステップS705にて連続予告の有無や種別が決定される。一方、ステップS702にて大当り始動判定フラグおよびスーパー始動判定フラグがいずれもオフであると判定されたときに(ステップS702;No)、特図保留記憶数が連続予告可能範囲内であれば(ステップS703;Yes)、ステップS705にて連続予告の有無や種別が決定される。また、連続予告演出が実行されていないときには、図29のステップS721にて連続予告実行フラグがオフであると判定されたことに基づいて(ステップS721;No)、ステップS723にてステップアップ予告の有無や種別が決定される。
ステップS705の処理では、例えば図31(A)に示すように、大当り始動判定フラグやスーパー始動判定フラグの状態に応じた決定割合で、連続予告の有無や種別が決定される。また、ステップS723の処理では、例えば図31(B)に示すように、可変表示内容に応じた決定割合で、ステップアップ予告の有無や種別が決定される。
ここで、連続予告種別は、連続予告演出における演出内容(演出態様)の一部または全部に基づいて、複数の予告パターンを分類(グループ化)するように構成されたものであればよい。パチンコ遊技機1において連続予告演出を実行するために予め用意された複数の予告パターン(連続予告パターン)は、少なくとも1つの連続予告種別に含まれている。一例として、複数の予告パターンは、画像表示装置5の表示領域に所定のキャラクタ画像を表示する演出を含むか否か、遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体を所定態様で点灯させる演出を含むか否か、演出用模型が備える可動部材を所定態様で動作させる演出を含むか否かなどに応じて、複数の連続予告種別のいずれかに分類されればよい。ステップアップ予告種別は、連続予告種別と同様に、ステップアップ予告演出における演出内容(演出態様)の一部または全部に基づいて、複数の予告パターンを分類(グループ化)するように構成されたものであればよい。この実施例では、複数の連続予告種別として、連続予告RCA〜RCCという3つの種別が予め用意されている。また、複数のステップアップ予告種別として、ステップアップ予告SCA〜SCCという3つの種別が予め用意されている。
ステップS705の処理にて連続予告RCA〜RCCのいずれかに決定された場合には(ステップS706;No)、ステップS708にて連続予告パターンが決定される。一例として、ステップS705の処理により連続予告RCAに決定されたときには、連続予告実行回数(または連続予告残回数)や大当り始動判定フラグおよびスーパー始動判定フラグの状態に応じて、図32(A)〜(C)に示すような決定割合で、連続予告パターンとなる予告パターンの決定が行われる。
図33(A)は、連続予告RCAの連続予告種別に含まれる複数の予告パターンRPA2−1〜RPA2−3、RPA3−1〜RPA3−3、RPA4−1〜RPA4−3による連続予告演出における演出内容(演出態様)の一例を示している。ステップS705の処理により連続予告RCBや連続予告RCCに決定された場合にも、同様にしてステップS708の処理により連続予告パターンとなる予告パターンの決定が行われればよい。図33(B)は、連続予告RCBの連続予告種別に含まれる複数の予告パターンRPB2−1〜RPB2−3、RPB3−1〜RPB3−3、RPB4−1〜RPB4−3による連続予告演出における演出内容(演出態様)の一例を示している。図33(C)は、連続予告RCCの連続予告種別に含まれる複数の予告パターンRPC2−1〜RPC2−3、RPC3−1〜RPC3−3、RPC4−1〜RPC4−3による連続予告演出における演出内容(演出態様)の一例を示している。
ステップS723の処理にてステップアップ予告SCA〜SCCのいずれかに決定された場合には(ステップS724;No)、ステップS725にてステップアップ予告パターンが決定される。一例として、ステップS723の処理によりステップアップ予告SCAに決定されたときには、所定の決定割合で複数の予告パターンSPA1〜SPA4のいずれかに決定される。ステップS723の処理によりステップアップ予告SCBに決定されたときには、所定の決定割合で複数の予告パターンSPB1〜SPB4のいずれかに決定される。ステップS723の処理によりステップアップ予告SCCに決定されたときには、所定の決定割合で複数の予告パターンSPC1〜SPC4のいずれかに決定される。ここでは、ステップアップ予告演出を実行するために予め用意された複数の予告パターンSPA1〜SPA4、SPB1〜SPB4、SPC1〜SPC4のうち、予告パターンSPA1〜SPA4がステップアップ予告SCAに含まれるように分類され、予告パターンSPB1〜SPB4がステップアップ予告SCBに含まれるように分類され、予告パターンSPC1〜SPC4がステップアップ予告SCCに含まれるように分類されている。
図34は、ステップアップ予告SCA〜SCCの各ステップアップ予告種別に分類される複数の予告パターンSPA1〜SPA4、SPB1〜SPB4、SPC1〜SPC4によるステップアップ予告演出における演出内容(演出態様)の具体例を示している。
ステップS725にてステップアップ予告パターンを決定するときには、可変表示結果が「大当り」となる場合に「大当り」とならない場合よりも高い割合で、演出内容(演出態様)が変化する段階数が多くなる予告パターンに決定されればよい。すなわち、ステップアップ予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる場合に「大当り」とならない場合よりも高い割合で、予め定められた段階まで演出内容(演出態様)が変化する予告演出であればよい。
なお、ステップアップ予告演出は、可変表示結果が「大当り」となるか否かに応じた割合で所定段階まで演出内容(演出態様)が変化するものに限定されず、例えばスーパーリーチを伴う特定の変動パターンにより特定演出態様となるか否かに応じた割合や、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御されることとは異なる各種の遊技価値が付与されるか否かに応じた割合で、所定段階まで演出内容(演出態様)が変化するものであってもよい。
また、連続予告演出は、予告対象となる可変表示より1回前に実行される可変表示まで、複数回の可変表示にわたり実行可能とし、予告対象となる可変表示では、ステップアップ予告演出を実行できるようにしてもよい。この場合、連続予告演出の実行結果として、例えば連続予告パターンを特定可能なデータをRAM122の所定領域に記憶しておき、連続予告演出による予告対象となった可変表示が開始されるときに、その所定領域から読み出したデータから特定される連続予告パターンに基づいて、図29に示すステップS725の処理などにより、ステップアップ予告演出を実行するためのステップアップ予告パターンとなる予告パターンが決定されてもよい。
図33(A)や図34に示すように、連続予告RCAの連続予告種別に含まれるように分類された予告パターンによる連続予告演出と、ステップアップ予告SCAのステップアップ予告種別に含まれるように分類された予告パターンによるステップアップ予告演出とでは、例えば画像表示装置5の表示領域に同一のキャラクタ画像を表示する演出が含まれるといった、共通の演出内容(演出態様)となる部分(演出A1)を有している。図33(B)や図34に示すように、連続予告RCBの連続予告種別に含まれるように分類された予告パターンによる連続予告演出と、ステップアップ予告SCBのステップアップ予告種別に含まれるように分類された予告パターンによるステップアップ予告演出とについても、共通の演出内容(演出態様)となる部分(演出B1)を有している。図33(C)や図34に示すように、連続予告RCCの連続予告種別に含まれるように分類された予告パターンによる連続予告演出と、ステップアップ予告SCCのステップアップ予告種別に含まれるように分類された予告パターンによるステップアップ予告演出とについても、共通の演出内容(演出態様)となる部分(演出C1+C2)を有している。なお、図33(A)〜(C)や図34において、「+」の記号は、演出内容(演出態様)が段階的に変化することを示している。一例として、「A1+A2+A3+A4」は、予告演出の実行が開始された後に、演出A1→演出A2→演出A3→演出A4の順で、第1段階の演出A1から第4段階の演出A4まで演出内容(演出態様)が変化することを示している。
図35は、連続予告RCAの連続予告種別に含まれるように分類された予告パターンによる連続予告演出と、ステップアップ予告SCAのステップアップ予告種別に含まれるように分類された予告パターンによるステップアップ予告演出とにおいて、各種演出の実行タイミングを示すタイミング図である。図35に示すように、連続予告演出とステップアップ予告演出とで共通する演出A1は、予告パターンにかかわらず、共通のタイミングT10にて実行が開始される。そして、連続予告演出やステップアップ予告演出において演出A1のみが行われる場合には、タイミングT13まで演出A1が継続して実行される。一方、ステップアップ予告演出において演出A1から演出A2へと演出内容(演出態様)が変化する場合には、タイミングT13よりも早いタイミングT11にて、演出A1から演出A2へと切り替えられる。したがって、連続予告演出やステップアップ予告演出が開始されるときには、例えば飾り図柄の可変表示における変動速度が高速変動に達したタイミングといった、共通のタイミングT10にていずれかの予告演出を開始させ、少なくともタイミングT11に達するまでの所定期間では、例えば演出A1といった、共通の演出が実行される。
こうして連続予告演出とステップアップ予告演出とで共通する演出A1が実行された後、ステップアップ予告演出では予告パターンSPA2〜SPA4のいずれかにより、タイミングT11にて次段階の演出となる演出A2の実行が開始されることがある。一方、連続予告演出では予告パターンRPA2−2や予告パターンRPA2−3により、予告実行回数が1回目であるときに、タイミングT11とは異なるタイミングT14(予告パターンRPA2−2の場合)やタイミングT12(予告パターンRPA2−3の場合)にて次段階の演出となる演出α2の実行が開始されることがある。演出A2と演出α2とでは、例えば画像表示装置5の表示領域に別個のキャラクタ画像を表示する演出が含まれるといった、互いに異なる演出内容(演出態様)となる部分を有している。
このような予告パターンに応じた演出内容(演出態様)や各演出の実行タイミングは、予告パターンの決定結果に基づいて図27のステップS639にて決定される予告演出制御パターンにより予め定められていればよい。図30に示すステップS662、S663では、ステップS639にて決定された予告演出制御パターンに基づいて予告実行期間における演出動作制御が行われることにより、連続予告演出やステップアップ予告演出に含まれる各演出を実行できればよい。
図35に示す実行例では、演出A1のみが実行される場合と、演出A1の実行後に演出α2が実行される場合とで、演出A1が実行される期間(タイミングT10〜T13の期間)が同一となっている。また、演出α2は、演出A1の実行が終了した後、所定期間(タイミングT13〜T14の期間)のインターバルをおいてから実行が開始される。これにより、演出A1の実行後に演出α2が実行される場合には、演出A1の実行が終了したときに、一旦は演出A1のみで予告演出が終了したとの印象を遊技者に与え、その後に演出α2が実行されることで、連続予告演出であることを遊技者に認識させて、連続予告演出の意外性や期待感といった演出効果を高めることができる。また、タイミングT13にて演出A1の実行が終了した場合でも、その後に演出α2が実行される連続予告演出である期待感を持続させることができる。
あるいは、連続予告演出において演出A1が実行された後に演出α2が実行されるタイミングT12は、ステップアップ予告演出において演出A1から演出A2に変化するタイミングT11よりも遅くなっている。これにより、演出A1の実行がタイミングT11を経過しても継続することで、一旦はステップアップ予告演出において演出A2に変化することはないとの印象を遊技者に与え、その後に演出α2が実行されることで、連続予告演出であることを遊技者に認識させて、連続予告演出の意外性や期待感といった演出効果を高めることができる。また、タイミングT11を経過しても演出A1の実行が継続する場合でも、その後にタイミングT12にて演出α2が実行される連続予告演出である期待感を持続させることができる。
図33(A)に示すように、連続予告演出における演出α2〜α4は、先の可変表示において演出A1が実行されてその可変表示が終了した後、次回以降の可変表示中にて実行されることがある。この場合、次回以降の可変表示中に演出α2〜α4の実行が開始されるタイミングT11は、先の可変表示において演出A1の実行が開始されたタイミングT10よりも遅くなるように異ならせている。これにより、先の可変表示において演出A1が実行されて可変表示が終了した後、次回以降の可変表示中に演出A1が開始されないことで、一旦は予告演出が連続することはないとの印象を遊技者に与え、その後に演出α2〜α4のいずれかが実行されることで、連続予告演出であることを遊技者に認識させて、連続予告演出の意外性や期待感といった演出効果を高めることができる。
なお、先の可変表示において演出A1が実行されて可変表示が終了した後、次回以降の可変表示中に演出α2〜α4のいずれかが演出A1と同一のタイミングT10にて開始されてもよい。この場合でも、先の可変表示において演出A1が実行されて可変表示が終了することで、一旦はステップアップ予告演出において演出A2に変化することがなかったとの印象を遊技者に与え、その後に演出α2などが実行されることで、連続予告演出であることを遊技者に認識させて、連続予告演出の意外性や期待感といった演出効果を高めることができる。また、先の可変表示において演出A1のみが実行された場合でも、その後に次回以降の可変表示中にて演出α2などが実行される連続予告演出である期待感を持続させることができる。
図36は、連続予告RCCの連続予告種別に含まれるように分類された予告パターンによる連続予告演出と、ステップアップ予告SCCのステップアップ予告種別に含まれるように分類された予告パターンによるステップアップ予告演出とにおいて、各種演出の実行タイミングを示すタイミング図である。図36に示すように、連続予告演出とステップアップ予告演出とで共通する演出C1と演出C2とのうち、演出C1は予告パターンにかかわらず共通のタイミングT20にて実行が開始され、演出C2は予告パターンにかかわらず共通のタイミングT21にて実行が開始される。そして、連続予告演出やステップアップ予告演出において演出C1が演出C2に変化してから予告演出が終了する場合には、タイミングT23まで演出C2が継続して実行される。一方、ステップアップ予告演出において演出C2が演出C3に変化する場合には、タイミングT23よりも早いタイミングT22にて、演出C2から演出C3へと切り替えられる。したがって、連続予告演出やステップアップ予告演出が開始されるときには、例えば飾り図柄の可変表示における変動速度が高速変動に達したタイミングといった、共通のタイミングT20にていずれかの予告演出を開始させ、少なくともタイミングT22に達するまでの所定期間では、例えば演出C1と演出C2といった、共通の演出が実行される。
こうして連続予告演出とステップアップ予告演出とで2段階に変化する共通の演出C1+C2が実行された後、ステップアップ予告演出では予告パターンSPC2、SPC3のいずれかにより、タイミングT22にて次段階の演出となる演出C3の実行が開始されることがある。一方、連続予告演出では、例えば予告パターンRPC2−2により予告実行回数が1回目であるときや、予告パターンRPC3−2により予告実行回数が2回目であるときなどに、タイミングT22とは異なるタイミングT24にて次段階の演出となる演出γ3の実行が開始されることがある。演出C3と演出γ3とでは、互いに異なる演出内容(演出態様)となる部分を有している。
図36に示す実行例では、演出C1+C2が実行されて予告演出が終了する場合と、演出C1+C2の実行後に演出γ3が実行される場合とで、演出C1+C2が実行される期間(タイミングT20〜T23の期間)が同一となっている。また、演出γ3は、演出C1+C2の実行が終了した後、所定期間(タイミングT23〜T24の期間)のインターバルをおいてから実行が開始される。これにより、演出C1+C2の実行後に演出γ3が実行される場合には、演出C1+C2の実行が終了したときに、一旦は予告演出が終了したとの印象を遊技者に与え、その後に演出γ3が実行されることで、連続予告演出であることを遊技者に認識させて、連続予告演出の意外性や期待感といった遊技効果を高めることができる。また、タイミングT23にて演出C1+C2の実行が終了した場合でも、その後に演出γ3が実行される連続予告演出である期待感を持続させることができる。
あるいは、連続予告演出において演出C1+C2が実行された後に演出γ3が実行されるタイミングを、ステップアップ予告演出において演出C2から演出C3に変化するタイミングT22よりも遅い任意のタイミングとしてもよい。これにより、演出C2の実行がタイミングT22を経過しても継続することで、一旦はステップアップ予告演出において演出C3に変化することはないとの印象を遊技者に与え、その後に演出γ3が実行されることで、連続予告演出であることを遊技者に認識させて、連続予告演出の意外性や期待感といった演出効果を高めることができる。また、タイミングT22を経過しても演出C2の実行が継続する場合でも、その後に演出γ3が実行される連続予告演出である期待感を持続させることができる。
図33(C)に示すように、連続予告演出における演出γ3や演出γ4は、先の可変表示において演出C1+C2が実行されてその可変表示が終了した後、次回以降の可変表示中にて実行されることがある。この場合、次回以降の可変表示中に演出γ3や演出γ4の実行が開始されるタイミングT21は、先の可変表示において演出C1の実行が開始されたタイミングT20よりも遅くなるように異ならせている。これにより、先の可変表示において演出C1+C2が実行されて可変表示が終了した後、次回以降の可変表示中に演出C1が開始されないことで、一旦は予告演出が連続することはないとの印象を遊技者に与え、その後に演出γ3や演出γ4が実行されることで、連続予告演出であることを遊技者に認識させて、連続予告演出の意外性や期待感といった演出効果を高めることができる。
なお、先の可変表示において演出C1+C2が実行されて可変表示が終了した後、次回以降の可変表示中に演出γ3や演出γ4が演出C1と同一のタイミングT20にて開始されてもよい。この場合でも、先の可変表示において演出C1+C2が実行されて可変表示が終了することで、一旦はステップアップ予告演出において演出C3に変化することがなかったとの印象を遊技者に与え、その後に演出γ3などが実行されることで、連続予告演出であることを遊技者に認識させて、連続予告演出の意外性や期待感といった演出効果を高めることができる。また、先の可変表示において演出C1+C2が実行されて可変表示が終了した場合でも、その後に次回以降の可変表示中にて演出γ3などが実行される連続予告演出である期待感を持続させることができる。
図31(A)および(B)に示す連続予告種別やステップアップ予告種別の決定割合により、それぞれの連続予告種別やステップアップ予告種別に含まれる予告パターンによる連続予告演出やステップアップ予告演出が実行された場合に、可変表示結果が「大当り」となる可能性としての大当り信頼度が、SI0〜SI3のいずれかとなる。ここでは、SI0<SI1<SI2<SI3の順に、大当り信頼度を異ならせるように設定されている。
例えば、連続予告種別決定テーブルのデータは、大当り始動判定フラグがオンであるときに、オフであるときと比べて、連続予告RCAに決定される割合が高く、連続予告RCBに決定される割合が低くなるように決定値が割り当てられている。一方、ステップアップ予告種別決定テーブルのデータは、大当り始動判定フラグがオンであるときに、オフであるときと比べて、ステップアップ予告SCBに決定される割合が高く、ステップアップ予告SCAに決定される割合が低くなるように決定値が割り当てられている。また、連続予告種別決定テーブルのデータは、大当り始動判定フラグおよびスーパー始動判定フラグがいずれもオフであるときに、連続予告RCAに決定される割合よりも、連続予告RCBに決定される割合が高くなるように決定値が割り当てられている。他方、ステップアップ予告種別決定テーブルのデータは、大当り始動判定フラグおよびスーパー始動判定フラグがいずれもオフであるときに、ステップアップ予告SCBに決定される割合よりも、ステップアップ予告SCAに決定される割合が高くなるように決定値が割り当てられている。
こうした決定テーブルのデータ設定により、連続予告演出とステップアップ予告演出とで共通する演出として、演出A1と演出B1のいずれが実行されたかに応じて異なる割合で、連続予告演出とステップアップ予告演出のいずれかを実行することができる。一例として、各回の特図ゲームで可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率(大当り確率)やスーパーリーチを伴う変動パターンとなる確率が十分に低い場合には、連続予告演出やステップアップ予告演出を実行するために決定される予告演出種別の平均的な割合が、大当り始動判定フラグおよびスーパー始動判定フラグがいずれもオフである場合の決定割合に近くなる。そうすると、図31(A)および(B)に示す決定例において、連続予告種別を決定する場合には、連続予告RCBに決定されやすく、ステップアップ予告種別を決定する場合には、ステップアップ予告SCAに決定されやすくなる。したがって、共通の演出として演出A1が実行されたときには、演出B1が実行されたときよりもステップアップ予告演出が実行される可能性が高められる。一方、共通の演出として演出B1が実行されたときには、演出A1が実行されたときよりも連続予告演出が実行される可能性が高められる。
また、連続予告種別が連続予告RCAに決定されたことに基づいて、連続予告演出において演出A1が実行された場合の大当り信頼度SI2は、ステップアップ予告種別がステップアップ予告SCAに決定されたことに基づいて、ステップアップ予告演出において演出A1が実行された場合の大当り信頼度SI1よりも高くなる。一方、ステップアップ予告種別がステップアップ予告SCBに決定されたことに基づいて、ステップアップ予告演出において演出B1が実行された場合の大当り信頼度SI2は、連続予告種別が連続予告RCBに決定されたことに基づいて、連続予告演出において演出B1が実行された場合の大当り信頼度SI1よりも高くなる。こうして、連続予告演出とステップアップ予告演出とで共通する演出として演出A1や演出B1を実行可能な場合に、連続予告演出において演出A1が実行された場合には、ステップアップ予告演出において演出A1が実行された場合よりも可変表示結果が「大当り」となる可能性が高められる。一方、ステップアップ予告演出において演出B1が実行された場合には、連続予告演出において演出B1が実行された場合よりも可変表示結果が「大当り」となる可能性が高められる。また、可変表示結果が「大当り」となる場合には「大当り」とならない場合よりも高い割合で、連続予告演出において演出A1が実行される一方、ステップアップ予告演出において演出B1が実行される。
さらに、連続予告種別が連続予告RCCに決定されたことに基づいて、連続予告演出において演出C1+C2が実行された場合の大当り信頼度SI3は、連続予告種別が連続予告RCA、RCBのいずれかに決定されたことに基づいて、連続予告演出において演出A1または演出B1が実行された場合の大当り信頼度SI2、SI1よりも高くなる。こうして、連続予告演出とステップアップ予告演出とで共通する演出として、演出内容(演出態様)が変化する段階数が少ない演出A1や演出B1と(段階数が「1」)、演出内容(演出態様)が変化する段階数が多い演出C1+C2と(段階数が「2」)を実行可能な場合に、連続予告演出において演出C1+C2が実行された場合には、連続予告演出において演出A1や演出B1が実行された場合よりも可変表示結果が「大当り」となる可能性が高められる。
一方、ステップアップ予告種別がステップアップ予告SCCに決定されたことに基づいて、ステップアップ予告演出において演出C1+C2が実行された場合の大当り信頼度SI0は、ステップアップ予告種別がステップアップ予告SCA、SCBのいずれかに決定されたことに基づいて、ステップアップ予告演出において演出A1または演出B1が実行された場合の大当り信頼度SI1、SI2よりも低くなる。こうして、連続予告演出とステップアップ予告演出とで共通する演出として、演出内容(演出態様)が変化する段階数が少ない演出A1や演出B1と(段階数が「1」)、演出内容(演出態様)が変化する段階数が多い演出C1+C2と(段階数が「2」)を実行可能な場合に、ステップアップ予告演出において演出A1または演出B1が実行された場合には、ステップアップ予告演出において演出C1+C2が実行された場合よりも可変表示結果が「大当り」となる可能性が高められる。
あるいは、連続予告種別が連続予告RCCに決定されたことに基づいて、連続予告演出において演出C1+C2が実行された場合の大当り信頼度SI3は、ステップアップ予告種別がステップアップ予告SCCに決定されたことに基づいて、ステップアップ予告演出において演出C1+C2が実行された場合の大当り信頼度SI0よりも高くなる。こうして、連続予告演出とステップアップ予告演出とで共通する演出として、演出内容(演出態様)が変化する段階数が少ない演出A1や演出B1と(段階数が「1」)、演出内容(演出態様)が変化する段階数が多い演出C1+C2と(段階数が「2」)を実行可能な場合に、連続予告演出において演出C1+C2が実行された場合には、ステップアップ予告演出において演出C1+C2が実行された場合よりも可変表示結果が「大当り」となる可能性が高められる。
なお、連続予告演出であるかステップアップ予告演出であるかにかかわらず、例えば演出A1が実行された場合の大当り信頼度は、演出B1が実行された場合の大当り信頼度よりも高くなるようにしてもよい。すなわち、連続予告演出とステップアップ予告演出とで共通する演出として互いに演出内容(演出内容)が異なる演出A1と演出B1のいずれかを実行可能な場合に、連続予告演出またはステップアップ予告演出において演出A1が実行された場合には、演出B1が実行された場合よりも可変表示結果が「大当り」となる可能性が高められるようにしてもよい。
また、ステップアップ予告種別がステップアップ予告SCCに決定されたことに基づいて、ステップアップ予告演出において演出C1+C2が実行された場合の大当り信頼度は、ステップアップ予告種別がステップアップ予告SCA、SCBのいずれかに決定されたことに基づいて、ステップアップ予告演出において演出A1または演出B1が実行された場合の大当り信頼度よりも高くなるようにしてもよい。すなわち、連続予告演出とステップアップ予告演出とで共通する演出として、演出内容(演出態様)が変化する段階数が少ない演出A1や演出B1と(段階数が「1」)、演出内容(演出態様)が変化する段階数が多い演出C1+C2と(段階数が「2」)を実行可能な場合に、ステップアップ予告演出において演出C1+C2が実行された場合には、ステップアップ予告演出において演出A1または演出B1が実行された場合よりも可変表示結果が「大当り」となる可能性が高められるようにしてもよい。さらに、連続予告演出であるかステップアップ予告演出であるかにかかわらず、演出内容(演出態様)が変化する段階数が多い共通演出としての演出C1+C2が実行された場合には、演出内容(演出態様)が変化する段階数が少ない共通演出としての演出A1または演出B1が実行された場合よりも可変表示結果が「大当り」となる可能性が高められるようにしてもよい。
共通の演出として演出A1が実行されたときには、演出B1が実行されたときよりもステップアップ予告演出が実行される可能性が高められる一方で、共通の演出として演出B1が実行されたときには、演出A1が実行されたときよりも連続予告演出が実行される可能性が高められるのに対し、ステップアップ予告演出において演出A1が実行された場合には、連続予告演出において演出A1が実行された場合よりも可変表示結果が「大当り」となる可能性が高められ、連続予告演出において演出B1が実行された場合には、ステップアップ予告演出において演出B1が実行された場合よりも可変表示結果が「大当り」となる可能性が高められてもよい。すなわち、共通の演出となる複数の演出A1や演出B1のうち、一方の演出が実行されたときに実行されやすいステップアップ予告演出と連続予告演出の一方が実行された場合には、その演出が実行されたときに実行されにくいステップアップ予告演出と連続予告演出の他方が実行された場合よりも可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなるようにしてもよい。
連続予告演出において任意の演出が実行された場合の大当り信頼度を、ステップアップ予告演出において同一の演出が実行された場合の大当り信頼度よりも高くなるようにしてもよい。例えば、連続予告演出とステップアップ予告演出とで共通する演出として互いに演出内容(演出内容)が異なる演出A1と演出B1のいずれかを実行可能な場合に、連続予告演出において演出A1または演出B1が実行された場合には、ステップアップ予告演出において演出A1または演出B1が実行された場合よりも可変表示結果が「大当り」となる可能性が高められるようにしてもよい。そして、連続予告演出において演出α2などの次段階の演出が実行されるタイミングを、ステップアップ予告演出において演出A2などの次段階の演出が実行されるタイミングよりも遅くなるように設定する。これにより、連続予告演出とステップアップ予告演出とで共通する演出A1または演出B1が実行された後、連続予告演出に固有の演出α2などが実行されたときに可変表示結果が「大当り」となる期待感を飛躍的に向上させることができる。さらに、演出A1または演出B1が実行された後に、連続予告演出において固有の演出α2などが実行される期待感を持続させることができる。
図28に示すステップS705にて連続予告種別が連続予告RCA〜RCCのいずれかに決定される割合は、大当り始動判定フラグやスーパー始動判定フラグがオンである場合に、大当り始動判定フラグおよびスーパー始動判定フラグがいずれもオフである場合よりも高くなる。また、図29に示すステップS723にてステップアップ予告種別がステップアップ予告SCA〜SCCのいずれかに決定される割合は、大当り始動判定フラグやスーパー始動判定フラグがオンである場合に、大当り始動判定フラグおよびスーパー始動判定フラグがいずれもオフである場合よりも高くなる。したがって、連続予告演出とステップアップ予告演出とで共通する演出A1や演出B1、演出C1+C2が実行された後、たとえ次段階の演出が実行されずに予告演出が終了した場合であっても、こうした予告演出が実行されない場合よりも可変表示結果が「大当り」となる期待感を高めることができる。
なお、それぞれの連続予告種別やステップアップ予告種別に含まれる予告パターンによる連続予告演出やステップアップ予告演出が実行された場合に、演出内容(演出態様)などに基づいて可変表示結果が「大当り」となる可能性としての大当り信頼度が認識できるものに限定されず、各種の遊技価値が付与される可能性が認識できるものであってもよい。また、スーパー始動判定フラグがオンであるか否かに応じた連続予告種別やステップアップ予告種別の決定割合により、各予告パターンによる連続予告演出やステップアップ予告演出が実行された場合に、演出内容(演出態様)などに基づいてスーパーリーチを伴う特定の変動パターンにより特定演出態様となる可能性を認識することができる。スーパーリーチを伴う特定の変動パターンにより特定演出態様となる場合に限定されず、ノーマルリーチを含めた任意のリーチ演出を伴う変動パターンにより特定演出態様となるものとしてもよい。リーチ演出に限定されず、例えば「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出を実行する変動パターンにより特定演出態様となるものとしてもよい。
図37は、図29に示すステップS725にて予告パターンSPA1に決定された場合のステップアップ予告演出と、図28に示すステップS708にて予告パターンRPA2−1に決定された場合の連続予告演出とにおける演出動作例を示している。予告パターンSPA1によりステップアップ予告演出が実行される場合には、例えば図37(A1)に示すように飾り図柄の可変表示が開始されてから、連続予告演出と共通するタイミングT10にて開始される共通演出となる演出A1として、図37(B1)に示すような所定のキャラクタ画像をカットイン表示する演出が行われる。その後、例えば図37(C1)に示すように飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出されて可変表示が終了する。
一方、予告パターンRPA2−1により連続予告演出が実行される場合には、例えば図37(A2)に示すように飾り図柄の可変表示が開始されてから、図37(B1)と同様に、演出A1として図37(B2)に示すようなキャラクタ画像をカットイン表示する演出が行われる。その後、図37(C1)と同様に、図37(C2)に示すような確定飾り図柄が導出されて可変表示が終了する。そして、次回の可変表示において飾り図柄の可変表示が開始されてから、次段階の演出である演出α2として、図37(D2)に示すような所定のキャラクタ画像により「チャンス!!」のメッセージを報知する演出が行われる。
図38は、図29に示すステップS725にて予告パターンSPA2に決定された場合のステップアップ予告演出と、図28に示すステップS708にて予告パターンRPA2−2に決定された場合の連続予告演出とにおける演出動作例を示している。なお、連続予告演出については、予告実行回数が「1」である場合の演出動作例のみを示している。
予告パターンSPA2によりステップアップ予告演出が実行される場合には、例えば図38(A1)に示すように飾り図柄の可変表示が開始されてから、連続予告演出と共通するタイミングT10にて開始される共通演出となる演出A1として、図38(B1)に示すような所定のキャラクタ画像をカットイン表示する演出が行われる。続いて、タイミングT11にて開始される次段階の演出となる演出A2として、図38(C1)に示すような演出A1とは異なるキャラクタ画像をカットイン表示する演出が行われる。その後、例えば図38(D1)に示すように「左」の飾り図柄表示エリア5Lにて飾り図柄が停止表示されるなどして、可変表示が進行すればよい。
一方、予告パターンRPA2−2により連続予告演出が実行される場合には、例えば図38(A2)に示すように飾り図柄の可変表示が開始されてから、図38(B1)と同様に、演出A1として図38(B2)に示すようなキャラクタ画像をカットイン表示する演出が行われる。その後、一旦は演出A1を終了させて、飾り図柄の可変表示が進行すればよい。そして、タイミングT14にて開始される次段階の演出となる演出α2として、図38(D2)に示すようなキャラクタ画像により「チャンス!!」のメッセージを報知する演出が行われる。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口などを遊技球が通過(進入)したにもかかわらず未だ開始されていない特図ゲームの保留データを、第1及び第2特図保留記憶数がそれぞれ「4」以下の範囲内で特図保留記憶部151Aに記憶することができる。そして、例えばCPU103が図19に示すステップS240の処理を実行することなどにより、特図保留記憶部151Aから読み出した保留データに含まれる乱数値MR1などを用いて、可変表示結果を「大当り」とするか否かを決定する。この決定前に、例えば演出制御用CPU120が図27に示すステップS636にて図28に示すような連続予告設定処理を実行した後に、図30に示すステップS663の処理を実行することなどにより、特図保留記憶部151Aに記憶される保留データの中に、可変表示結果が「大当り」に決定される保留データがある旨を予告する連続予告演出を、複数回の可変表示にわたり実行する。また、例えば演出制御用CPU120が図27に示すステップS637にて図29に示すようなステップアップ予告設定処理を実行した後に、図30に示すステップS663の処理を実行することにより、可変表示結果を「大当り」とするか否かの決定結果に基づいて、演出内容(演出態様)を1段階から複数段階まで段階的に変化させ、可変表示結果が「大当り」となる場合には「大当り」とならない場合よりも高い割合で予め定められた段階まで演出内容(演出態様)が変化するステップアップ予告を実行する。連続予告演出とステップアップ予告演出とでは、例えばタイミングT10やタイミングT20といった、飾り図柄の可変表示中における共通のタイミングにて予告演出が開始され、例えば少なくともタイミングT11やタイミングT22に達するまでの所定期間にて、演出A1や演出B1あるいは演出C1+C2といった共通演出を実行した後に、例えば連続予告演出における演出α2〜演出α4、演出β2〜演出β4、演出γ3、演出γ4や、ステップアップ予告演出における演出A2〜演出A4、演出B2〜演出B4、演出C3、演出C4といった、連続予告演出とステップアップ予告演出に応じて演出内容(演出態様)が異なる次段階演出に変化させる。ステップアップ予告演出では、共通演出が実行された後に、例えばタイミングT11やタイミングT21といった所定の第1タイミングにて次段階演出の実行が開始される。一方、連続予告演出では、共通演出が実行された後に、例えばタイミングT14やタイミングT24、あるいは次回以降の可変表示中におけるタイミングT11やタイミングT21といった、第1タイミングとは異なる第2タイミングにて次段階演出の実行が開始される。
これにより、連続予告演出やステップアップ予告演出において共通演出が実行された後、第1タイミングまたは第2タイミングのうち一方のタイミングで次段階演出の実行が開始されなくても、そのタイミングよりも遅い他方のタイミングで次段階演出が実行されることへの期待感を持続させて、遊技興趣を向上させることができる。
例えばタイミングT14やタイミングT24、あるいは次回以降の可変表示中におけるタイミングT11やタイミングT21といった、連続予告演出において次段階演出の実行が開始されるタイミングは、例えば今回の可変表示中におけるタイミングT11やタイミングT21といった、ステップアップ予告演出において次段階演出の実行が開始されるタイミングよりも遅くなればよい。これにより、ステップアップ予告演出における演出内容(演出態様)が次の段階に変化することなく終了したものと認識した遊技者に、連続予告演出における次段階演出が実行されることへの期待感を持続させ、また、連続予告演出の意外性を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
連続予告演出とステップアップ予告演出とでは、例えば演出A1や演出B1といった、共通演出として複数種類の演出のいずれかを実行可能である。そして、例えば図28に示すステップS705にて図31(A)に示すような割合で連続予告種別を決定することや、図29に示すステップS723にて図31(B)に示すような割合でステップアップ予告種別を決定することで、演出A1が実行された場合にはステップアップ予告演出となりやすく、演出B1が実行された場合には連続予告演出となりやすくなる。こうして、共通演出として実行された演出の種類に応じて、連続予告演出とステップアップ予告演出のいずれかが実行される割合を異ならせることにより、遊技興趣を向上させることができる。
また、図31(A)および(B)に示すような決定割合により、連続予告種別が連続予告RCAに決定されたことに基づいて連続予告演出において演出A1が実行された場合には、ステップアップ予告種別がステップアップ予告SCAに決定されたことに基づいてステップアップ予告演出において演出A1が実行された場合よりも可変表示結果が「大当り」となる可能性としての大当り信頼度が高くなる。一方、ステップアップ予告種別がステップアップ予告SCBに決定されたことに基づいてステップアップ予告演出において演出B1が実行された場合には、連続予告種別が連続予告RCBに決定されたことに基づいて連続予告演出において演出B1が実行された場合よりも可変表示結果が「大当り」となる可能性としての大当り信頼度が高くなる。こうして、共通演出における演出内容(演出態様)に応じて、連続予告演出が実行された場合とステップアップ予告演出が実行された場合とで可変表示結果が「大当り」となる期待感を異ならせ、遊技興趣を向上させることができる。
連続予告演出とステップアップ予告演出とでは、例えば演出A1や演出B1といった、演出内容(演出態様)が変化する段階数が少ない共通演出と、例えば演出C1+C2といった、演出内容(演出態様)が変化する段階数が多い共通演出のいずれかを実行可能である。そして、連続予告演出における共通演出として段階数が多い共通演出としての演出C1+C2が実行された場合には、段階数が少ない共通演出としての演出A1や演出B1が実行された場合よりも可変表示結果が「大当り」となる可能性としての大当り信頼度が高くなる。こうして、共通演出において演出内容(演出態様)が数多く変化したときに可変表示結果が「大当り」となる期待感を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。より具体的には、連続予告演出とステップアップ予告演出とで共通の演出として、演出態様(演出内容)が変化する段階数が同一の演出A1や演出B1だけを実行可能とし、その段階数が異なる演出C1+C2を実行する連続予告種別(連続予告RCC)やステップアップ予告種別(ステップアップ予告SCC)を備えない構成であってもよいし、演出態様(演出内容)が変化する段階数が少ない演出A1と段階数が多い演出C1+C2を実行可能とし、演出A1と段階数が同一の演出B1を実行する連続予告種別(連続予告RCB)やステップアップ予告種別(ステップアップ予告SCB)を備えない構成であってもよい。
また、上記実施の形態では、図28のステップS705にて図31(A)に示すような決定割合で連続予告の有無や連続予告種別が決定されるものとして説明した。そのため、大当り始動判定フラグがオンである場合のように、保留データの中に可変表示結果が「大当り」となるものがある場合でも、「連続予告なし」に決定されて連続予告演出が実行されない場合があった。また、スーパー始動判定フラグがオンである場合や、大当り始動判定フラグとスーパー始動判定フラグの両方がともにオフである場合のように、保留データの中に可変表示結果が「大当り」となるものがない場合でも、連続予告RCA〜RCCのうちいずれかの連続予告種別に決定されて連続予告演出が実行される場合があった。これに対して、ステップS705の処理では、大当り始動判定フラグがオンである場合にのみ、連続予告RCA〜RCCのうちいずれかの連続予告種別に決定され、スーパー始動判定フラグがオンである場合や、大当り始動判定フラグとスーパー始動判定フラグの両方がともにオフである場合には、「連続予告なし」に決定されるようにしてもよい。この場合には、連続予告演出が実行されることにより、保留データの中に可変表示結果が「大当り」となるものがある旨を確定的に予告(予め報知)することができる。すなわち、連続予告演出は、保留データの中に可変表示結果が「大当り」となるものがある可能性を予告する予告演出であってもよいし、保留データの中に可変表示結果が「大当り」となるものがある旨を確定的に予告する予告演出であってもよい。
上記実施の形態では、連続予告演出とステップアップ予告演出とで共通の演出として、演出A1や演出B1あるいは演出C1+C2を実行した後に、連続予告演出であるかステップアップ予告演出であるかに応じて演出内容(演出態様)が異なる次段階演出の実行が開始されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば飾り図柄の可変表示中に所定段階まで変化するステップアップ予告演出が行われて可変表示が終了した後、次回以降の可変表示中に所定段階以降の段階に対応する演出が連続予告演出として実行されるようにしてもよい。
一例として、ステップアップ予告演出の実行結果として、例えばステップアップ予告パターンを特定可能なデータをRAM122の所定領域に記憶しておき、図28に示すステップS705にて連続予告種別が連続予告RCA〜RCCのいずれかに決定されたときには、その所定領域から読み出したデータから特定されるステップアップ予告パターンに基づいて、ステップS708の処理などにより、所定段階以降の演出を連続予告演出として実行するための連続予告パターンとなる予告パターンが決定されればよい。
これにより、ステップアップ予告演出において所定段階まで変化する演出が実行された後、さらに演出が変化することなく可変表示が終了しても、次回以降の可変表示中に所定段階以降の演出が実行されることへの期待感を持続させて、遊技興趣を向上させることができる。また、連続予告演出の意外性や期待感といった演出効果を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、連続予告演出において次段階演出の実行が開始されるタイミングを、ステップアップ予告演出において次段階演出の実行が開始されるタイミングよりも遅くするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、連続予告演出において次段階演出の実行が開始されるタイミングを、ステップアップ予告演出において次段階演出の実行が開始されるタイミングよりも早くするように異ならせてもよい。これにより、連続予告演出における演出内容(演出態様)が次の段階に変化することなく終了したものと認識した遊技者に、ステップアップ予告演出における次段階演出が実行されることへの期待感を持続させ、また、ステップアップ予告演出の意外性を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bを備えたパチンコ遊技機1について説明したが、1つの特別図柄表示装置が設けられたパチンコ遊技機にも本発明を適用することができる。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。