JP6146122B2 - 塩、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 - Google Patents

塩、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6146122B2
JP6146122B2 JP2013103781A JP2013103781A JP6146122B2 JP 6146122 B2 JP6146122 B2 JP 6146122B2 JP 2013103781 A JP2013103781 A JP 2013103781A JP 2013103781 A JP2013103781 A JP 2013103781A JP 6146122 B2 JP6146122 B2 JP 6146122B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
carbon atoms
hydrocarbon group
monomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013103781A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013256496A (ja
Inventor
坂本 宏
宏 坂本
崇志 平岡
崇志 平岡
市川 幸司
幸司 市川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2013103781A priority Critical patent/JP6146122B2/ja
Publication of JP2013256496A publication Critical patent/JP2013256496A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6146122B2 publication Critical patent/JP6146122B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、レジスト組成物及び該レジスト組成物に含有される新規な塩に関する。
例えば、特許文献1には、酸発生剤用の塩として、下記式で表される塩を酸発生剤として含有するレジスト組成物が記載されている。
Figure 0006146122
特開2007−161707号公報
従来から知られる上記レジスト組成物では、レジストパターン製造時のラインエッジラフネス(LER)が必ずしも十分ではない場合があった。
本発明は、以下の発明を含む。
〔1〕 式(I)で表される塩。
Figure 0006146122
[式(I)中、
1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
1は、炭素数1〜17の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよく、該飽和炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
環Wは、環状炭酸エステル構造の環を表す。
は、有機カチオンを表す。]
〔2〕 Lが、式(b1−1)又は式(b1−6)で表される基である〔1〕記載の塩。
Figure 0006146122
[式(b1−1)中、Lb2は、単結合又は炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。*は、環Wとの結合手を表す。]
Figure 0006146122
[式(b1−6)中、Lb11及びLb12は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1〜11の2価の飽和炭化水素基を表す。
b13は、炭素数1〜12の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb11、Lb12及びLb13の合計炭素数の上限は12である。
*は、環Wとの結合手を表す。]
〔3〕 Zが、アリールスルホニウムカチオンである〔1〕又は〔2〕記載の塩。
〔4〕 〔1〕〜〔3〕のいずれか一つ記載の塩と、酸不安定基を有する構造単位を含む樹脂とを含有するレジスト組成物。
〔5〕(1)〔4〕記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程
を含むレジストパターンの製造方法。
本発明のレジスト組成物は、優れたラインエッジラフネス(LER)で、レジストパターンを製造できる。
また、本明細書において「(メタ)アクリル系モノマー」とは、「CH2=CH−CO−」又は「CH2=C(CH3)−CO−」の構造を有するモノマーの少なくとも1種を意味する。同様に「(メタ)アクリレート」及び「(メタ)アクリル酸」とは、それぞれ「アクリレート及びメタクリレートの少なくとも1種」及び「アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種」を意味する。
<式(I)で表される塩>
本発明の塩は、式(I)で表される塩(以下、場合により「塩(I)」という。)である。
Figure 0006146122
[式(I)中、
1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
1は、炭素数1〜17の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよく、該飽和炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
環Wは、環状炭酸エステル構造の環を表す。
は、有機カチオンを表す。]
なお、以下の説明において、式(I)で表される塩に含まれるアニオンを「スルホン酸アニオン」という場合がある。
環Wの環状炭酸エステル構造の環は、環を構成する原子として−O−CO−O−を有する環を意味する。該環は、単環式でも多環式でもよく、炭酸エステル結合の酸素原子以外のヘテロ原子を環を構成する原子としてさらに有していてもよい。
前記環状炭酸エステル構造の環の炭素数は、好ましくは2〜18、より好ましくは3〜12である。また、前記環状炭酸エステル構造中、−O−CO−O−が含まれる環は、好ましくは4員環〜12員環、より好ましくは5員環〜8員環、さらに好ましくは5員環である。
前記環状炭酸エステル構造の環としては、例えば、式(x1)〜式(x15)で表される環が挙げられ、中でも、式(x1)又は式(x2)で表される環が好ましく、式(x1)で表される環がより好ましい。*は結合手を表す。
Figure 0006146122
前記環状炭酸エステル構造の環は、置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のヒドロキシ基を有する脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
置換基を有する環状炭酸エステル構造の環としては、例えば、以下の環が挙げられる。
Figure 0006146122
及びQのペルフルオロアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基及びペルフルオロヘキシル基等が挙げられる。
及びQは、好ましくは、それぞれ独立に、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、より好ましくは、フッ素原子である。
の2価の飽和炭化水素基は、直鎖状アルカンジイル基、分岐状アルカンジイル基、単環式又は多環式の脂環式飽和炭化水素基が挙げられ、これらの基のうち2種以上を組み合わせたものでもよい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、ヘキサデカン−1,16−ジイル基、ヘプタデカン−1,17−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基及びプロパン−2,2−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;
1−メチルブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基;
シクロブタン−1,3−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基等のシクロアルカンジイル基である単環式の2価の脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルナン−1,4−ジイル基、ノルボルナン−2,5−ジイル基、アダマンタン−1,5−ジイル基、アダマンタン−2,6−ジイル基等の多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基等が挙げられる。
により表される、メチレン基が酸素原子又はカルボニル基に置き換わった飽和炭化水素基としては、例えば、式(b1−1)〜式(b1−7)のいずれかで表される基が挙げられる。なお、下記式は、その左右を式(I)に合わせて記載しており、それぞれ*で表される2つの結合手のうち、左側の結合手はC(Q1)(Q2)と結合し、右側の結合手は環Wと結合している。以下に示す式(b1−1)〜式(b1−7)の具体例も同様である。
Figure 0006146122
式(b1−1)〜式(b1−7)中、
b2は、単結合又は炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。
b3は、単結合又は炭素数1〜12の2価の飽和炭化水素基を表す。
b4は、炭素数1〜13の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb3及びLb4の合計炭素数の上限は13である。
b5は、単結合又は炭素数1〜14の2価の飽和炭化水素基を表す。
b6は、炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb5及びLb6の合計炭素数の上限は15である。
b7は、単結合又は炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。
b8は、炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb7及びLb8の合計炭素数の上限は16である。
b9は、単結合又は炭素数1〜13の2価の飽和炭化水素基を表す。
b10は、炭素数1〜14の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb9及びLb10の合計炭素数の上限は14である。
b11及びLb12は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1〜11の2価の飽和炭化水素基を表す。
b13は、炭素数1〜12の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb11、Lb12及びLb13の合計炭素数の上限は12である。
b14及びLb15は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1〜13の2価の飽和炭化水素基を表す。
b16は、炭素数1〜14の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb14、Lb15及びLb16の合計炭素数の上限は14である。
式(b1−1)で表される基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 0006146122
式(b1−2)で表される基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 0006146122
式(b1−3)で表される基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 0006146122
式(b1−4)で表される基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 0006146122
式(b1−5)で表される基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 0006146122
式(b1−6)で表される基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 0006146122
式(b1−7)で表される基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 0006146122
中でも、Lは、好ましくは式(b1−1)〜式(b1−4)及び式(b1−6)のいずれかで表される基であり、より好ましくは式(b1−1)〜式(b1−3)及び式(b1−6)のいずれかで表される基であり、さらに好ましくは式(b1−1)又は式(b1−6)で表される基である。
式(b1−1)において、Lb2は、炭素数1〜6の飽和炭化水素基が好ましく、メチレン基がより好ましい。
式(b1−6)において、Lb11は、炭素数1〜6の飽和炭化水素基が好ましく、メチレン基がより好ましい。Lb12は、単結合が好ましい。Lb13は、炭素数1〜12の飽和炭化水素基が好ましい。
特に、Lは、−CO−O−CH−*(*は、環Wとの結合手を表す。)又は式(b1−6−1)で表される基(*は、環Wとの結合手を表す。)が好ましい。
Figure 0006146122
さらに、Lの2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子が、フッ素原子又はヒドロキシ基で置換された基としては、例えば、以下に示す2価の基等が挙げられる。
Figure 0006146122
Figure 0006146122
スルホン酸アニオンとしては、式(IA)で表されるアニオンが好ましく、式(IB)又は式(IC)で表されるアニオンがより好ましい。
Figure 0006146122
[式(IA)中、
1、Q2及びL1は、上記と同じ意味を表す。]
Figure 0006146122
[式(IB)中、
1、Q2及びLb2は、上記と同じ意味を表す。]
Figure 0006146122
[式(IA)中、
1、Q2、Lb11、Lb12及びLb13は、上記と同じ意味を表す。]
スルホン酸アニオンとしては、例えば、以下のアニオンが挙げられる。
Figure 0006146122
+で表される有機カチオンとしては、例えば、有機スルホニウムカチオン、有機ヨードニウムカチオン、有機アンモニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカチオン及び有機ホスホニウムカチオン等の有機オニウムカチオンが挙げられる。これらの中でも、有機スルホニウムカチオン及び有機ヨードニウムカチオンが好ましく、アリールスルホニウムカチオンがより好ましい。
さらに好ましくは、Z+は、以下の式(b2−1)〜式(b2−4)のいずれかで表される有機カチオン(以下、場合により、各式の番号に応じて、「カチオン(b2−1)」等という。〕が挙げられる。
Figure 0006146122
式(b2−1)〜式(b2−4)において、
b4〜Rb6は、それぞれ独立に、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜36の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜36の芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又は炭素数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよい。また、Rb4とRb5とは一緒になってそれらが結合する硫黄原子とともに環を形成してもよい。
b7及びRb8は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
m2及びn2は、それぞれ独立に0〜5の整数を表す。m2が2以上のとき、複数のRb7は互いに同一でも異なってもよく、n2が2以上のとき、複数のRb8は互いに同一でも異なってもよい。
b9及びRb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜36の脂環式炭化水素基を表す。
b9とRb10とは、一緒になってそれらが結合する硫黄原子とともに3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)を形成してもよく、該環に含まれる−CH−は、−O−、−S−又は−CO−に置き換わってもよい。
b11は、水素原子、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜36の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜36の芳香族炭化水素基を表す。
b12は、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜36の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜36の芳香族炭化水素基を表し、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基で置換されていてもよい。
b11とRb12とは、一緒になってそれらが結合する−CH−CO−とともに3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)を形成してもよく、該環に含まれる−CH−は、−O−、−S−又は−CO−に置き換わってもよい。
b13〜Rb18は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
b11は、酸素原子又は硫黄原子を表す。
o2、p2、s2、及びt2は、それぞれ独立に、0〜5の整数を表す。
q2及びr2は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上のとき、複数のRb13は互いに同一でも異なってもよく、p2が2以上のとき、複数のRb14は互いに同一でも異なってもよく、s2が2以上のとき、複数のRb17は互いに同一でも異なってもよく、u2が2以上のとき、複数のRb18は互いに同一でも異なってもよく、q2が2以上のとき、複数のRb15は互いに同一でも異なってもよく、r2が2以上のとき、複数のRb16は互いに同一でも異なってもよい。
脂肪族炭化水素基は、飽和又は不飽和のいずれでもよいが、脂肪族飽和炭化水素基が好ましく、例えばアルキル基が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2−エチルヘキシル基が挙げられる。特に、Rb9〜Rb12のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜12である。
水素原子が脂環式炭化水素基で置換された脂肪族炭化水素基としては、例えば、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基は、単環式又は多環式のいずれでもよく、飽和又は不飽和のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基等が挙げられる。*は結合手を表す。
Figure 0006146122
特に、Rb9〜Rb11の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数4〜12である。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオトキシ基、n−ヘキシルオトキシ基、ヘプチルオトキシ基、オクチルオトキシ基、2−エチルヘキシルオトキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が挙げられる。
アルキルカルボニルオキシ基としては、例えば、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、ペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基及び2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基;トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、4−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−シクロへキシルフェニル基、4−アダマンチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル基等の水素原子が脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基で置換されたフェニル基;ビフェニリル基及びナフチル基等が挙げられる。
水素原子がアルコキシ基で置換された芳香族炭化水素基としては、例えば、p−メトキシフェニル基等が挙げられる。
水素原子が脂環式炭化水素基で置換された脂肪族炭化水素基は、例えば、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、メチルノルボルニル基、イソボルニル基及び2−アルキルアダマンタン−2−イル基等が挙げられる。
水素原子がアルキル基で置換された脂環式炭化水素基は、例えば、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基等が挙げられる。
水素原子が芳香族炭化水素基で置換された脂肪族炭化水素基は、例えばアラルキル基であり、具体的には、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、トリチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
b4とRb5とが一緒になって形成する環としては、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよく、イオウ原子を1以上含むものであれば、さらに、1以上のイオウ原子及び/又は1以上の酸素原子を含んでいてもよい。該環としては、炭素数3〜18の環が好ましく、炭素数4〜13の環がより好ましい。
b9とRb10とが結合する硫黄原子とともに形成する環としては例えば、チオラン−1−イウム環(テトラヒドロチオフェニウム環)、チアン−1−イウム環及び1,4−オキサチアン−4−イウム環等が挙げられる。
b11とRb12とが結合する−CH−CO−とともに形成する環としては例えば、オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環及びオキソアダマンタン環等が挙げられる。
中でも、カチオン(b2−1)、カチオン(b2−2)及びカチオン(b2−3)が好ましく、カチオン(b2−1)がより好ましい。
カチオン(b2−1)〜カチオン(b2−4)としては、例えば、特開2010−204646号公報に記載されたカチオンが挙げられる。
また、カチオン(b2−2)としては、例えば、以下のカチオンが挙げられる。
Figure 0006146122
カチオン(b2−3)としては、例えば、以下のカチオンが挙げられる。
Figure 0006146122
カチオン(b2−1)は、式(b2−1−1)で表される有機カチオン〔以下、「カチオン(b2−1−1)」という場合がある。〕が好ましく、トリフェニルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2=w2=x2=0である。)又はトリトリルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2=w2=x2=1であり、Rb19、Rb20及びRb21がいずれもメチル基である。)がより好ましい。
Figure 0006146122
式(b2−1−1)中、
b19、Rb20及びRb21は、それぞれ独立に、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。また、Rb19〜Rb21から選ばれる2つが一緒になってそれらが結合する硫黄原子とともに環を形成してもよい。
v2、w2及びx2は、それぞれ独立に0〜5の整数(好ましくは0又は1)を表す。
v2が2以上のとき、複数のRb19は互いに同一でも異なってもよく、w2が2以上のとき、複数のRb20は互いに同一でも異なってもよく、x2が2以上のとき、複数のRb21は互いに同一でも異なってもよい。
b19〜Rb21のハロゲン原子は、好ましくはフッ素原子である。
b19〜Rb21の脂肪族炭化水素基は、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数1〜12の脂肪族飽和炭化水素基がより好ましい。
b19〜Rb21の脂環式炭化水素基は、炭素数4〜18の脂環式炭化水素基が好ましい。
v2、w2及びx2は、好ましくは、それぞれ独立に0又は1ある。
b19〜Rb21は、好ましくは、それぞれ独立に、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数1〜12のアルコキシ基である。
カチオン(b2−1−1)としては、例えば、以下のカチオンが挙げられる。
Figure 0006146122
Figure 0006146122
Figure 0006146122
Figure 0006146122
Figure 0006146122

塩(I)は、上述のスルホン酸アニオン及び上述の有機カチオンの組合せである。これらは任意に組み合わせることができる。塩(I)の具体例を表1に示す。なお、表1において、式(I−1)で表される塩等を、その式番号に応じて、「(I−1)」等と表し、式(Ia1−1−1)で表される有機カチオン等を、その式番号に応じて、「(Ia1−1−1)」等と表す。表2及び表3も同様に表す。
Figure 0006146122
Figure 0006146122
Figure 0006146122
さらに好ましい塩(I)としては、以下の塩が挙げられる。
Figure 0006146122
Figure 0006146122
が−CO−O−CH−*(*は、Xとの結合の手を表す。)である場合の塩(I)である式(I1)で表される塩は、例えば、式(I1−a)で表される化合物と、式(I1−b)で表される化合物とを、溶媒中で反応させることにより製造することができる。
Figure 0006146122
(式中、全ての符号は、それぞれ前記と同じ意味を表す。)
この反応の溶媒としては、アセトニトリル等が挙げられる。
式(I1−a)で表される化合物は、式(I1−c)で表される化合物と、式(I1−d)で表される化合物とを、溶媒中で反応させることにより得ることができる。
Figure 0006146122
(式中、全ての符号は、それぞれ前記と同じ意味を表す。)
この反応の溶媒としては、アセトニトリル等が挙げられる。式(I1−c)で表される化合物は、例えば、特開2008−127367号公報に記載された方法で製造することができる。
が式(b1−6−1)で表される基である場合の塩(I)である式(I2)で表される塩は、例えば、式(I2−a)で表される化合物と、式(I1−b)で表される化合物とを、溶媒中で反応させることにより製造することができる。
Figure 0006146122
(式中、全ての符号は、それぞれ前記と同じ意味を表す。)
この反応の溶媒としては、アセトニトリル等が挙げられる。式(I2−a)で表される化合物は、例えば、特開2012−72109号公報に記載された方法で製造することができる。
<レジスト組成物>
本発明のレジスト組成物は、塩(I)と、酸不安定基を有する構造単位を含む樹脂(以下、場合により「樹脂(A)」という。)とを含有する。
本発明のレジスト組成物は、さらに、溶剤(D)を含有していることが好ましい。
本発明のレジスト組成物は、さらに、塩基性化合物(C)を含有していることが好ましい。
<酸発生剤>
本発明のレジスト組成物は、塩(I)を酸発生剤として含有し、塩(I)以外の酸発生剤(以下、場合により「酸発生剤(B)」という。)をさらに含有していてもよい。
酸発生剤(B)としては、公知の酸発生剤が利用でき、イオン性酸発生剤でも、非イオン性発生剤でもよいが、イオン性酸発生剤が好ましい。該イオン性酸発生剤としては、例えば、塩(I)を構成する有機カチオンと塩(I)を構成するスルホン酸アニオン以外のアニオンとの組み合わせからなるイオン性酸発生剤、塩(I)を構成するスルホン酸アニオンと塩(I)を構成する有機カチオン以外のカチオンとの組み合わせからなるイオン性酸発生剤、公知のカチオンと公知のアニオンのとの組み合わせからなるイオン性酸発生剤が挙げられる。
酸発生剤(B)としては、例えば、式(B1−1)〜式(B1−20)のいずれかで表される塩が挙げられる。中でもアリールスルホニウムカチオンを含むものが好ましく、式(B1−1)、式(B1−2)、式(B1−3)、式(B1−6)、式(B1−7)、式(B1−11)、式(B1−12)、式(B1−13)、式(B1−14)、式(B1−18)、式(B1−19)又は式(B1−20)のいずれかで表される塩がより好ましい。
Figure 0006146122
Figure 0006146122
Figure 0006146122
Figure 0006146122
<樹脂(A)>
樹脂(A)は、酸不安定基を有する構造単位(以下「構造単位(a1)」という場合がある)を有する。構造単位(a1)は、酸不安定基を有するモノマー(以下「モノマー(a1)」という場合がある)から導かれる。
<酸不安定基>
「酸不安定基」とは、脱離基を有し、酸との接触により脱離基が脱離して、親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する基を意味する。酸不安定基としては、例えば、式(1)で表される基、式(2)で表される基等が挙げられる。
Figure 0006146122
[式(1)中、Ra1、Ra2及びRa3は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基又はこれらを組合わせた基を表すか、Ra1及びRa2は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成する。*は結合手を表す。]
Figure 0006146122
[式(2)中、Ra1'及びRa2'は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Ra3'は、炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、Ra2'及びRa3'は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成し、該炭化水素基及び該2価の炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−S−で置き換わってもよい。]
a1、Ra2及びRa3で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
a1、Ra2及びRa3で表される脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、下記の基(*は結合手を表す。)等が挙げられる。Ra1、Ra2及びRa3で表される脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜16である。
Figure 0006146122
アルキル基と脂環式炭化水素基とを組合わせた基としては、例えば、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、メチルノルボルニル基等が挙げられる。
a1及びRa2が互いに結合して2価の炭化水素基を形成する場合の−C(Ra1)(Ra2)(Ra3)としては、例えば、下記の基が挙げられる。2価の炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜12である。各式中、Ra3は上記と同じ意味であり、*は−O−との結合手を表す。
Figure 0006146122
式(1)で表される基としては、例えば、1,1−ジアルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1〜Ra3がアルキル基である基、好ましくはtert−ブトキシカルボニル基)、2−アルキルアダマンタン−2−イルオキシカルボニル基(式(1)中、Ra1、Ra2及び炭素原子がアダマンチル基を形成し、Ra3がアルキル基である基)及び1−(アダマンタン−1−イル)−1−アルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1及びRa2がアルキル基であり、Ra3がアダマンチル基である基)等が挙げられる。
a1' 、Ra2'及びRa3' で表される炭化水素基としては、例えば、アルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。
アルキル基及び脂環式炭化水素基は、上記と同様のものが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
a2'及びRa3'が互いに結合して形成する2価の炭化水素基としては、例えば、Ra1'〜Ra3'の炭化水素基から水素原子を1個取り去った基が挙げられる。
式(2)においては、Ra1'及びRa2'のうち、少なくとも1つは水素原子であることが好ましい。
式(2)で表される基の具体例としては、例えば、以下の基が挙げられる。*は結合手を表す。
Figure 0006146122
モノマー(a1)は、好ましくは、酸不安定基とエチレン性不飽和結合とを有するモノマー、より好ましくは酸不安定基を有する(メタ)アクリル系モノマーである。
酸不安定基を有する(メタ)アクリル系モノマーのうち、好ましくは、炭素数5〜20の脂環式炭化水素基を有するものが挙げられる。脂環式炭化水素基のような嵩高い構造を有するモノマー(a1)に由来する構造単位を有する樹脂(A)をレジスト組成物に使用すれば、レジストパターンの解像度を向上させることができる。
式(1)で表される基を有する(メタ)アクリル系モノマーに由来する構造単位として、好ましくは式(a1−1)で表される構造単位又は式(a1−2)で表される構造単位が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。本明細書では、式(a1−1)で表される構造単位及び式(a1−2)で表される構造単位を、それぞれ構造単位(a1−1)及び構造単位(a1−2)と、構造単位(a1−1)を誘導するモノマー及び構造単位(a1−2)を誘導するモノマーを、それぞれモノマー(a1−1)及びモノマー(a1−2)という場合がある。
Figure 0006146122
[式(a1−1)及び式(a1−2)中、
a1及びLa2は、それぞれ独立に、−O−又は−O−(CH2k1−CO−O−を表し、k1は1〜7の整数を表し、*は−CO−との結合手を表す。
a4及びRa5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
a6及びRa7は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又はこれらを組合わせた基を表す。
m1は0〜14の整数を表す。
n1は0〜10の整数を表す。
n1’は0〜3の整数を表す。]
a1及びLa2は、好ましくは、−O−又は−O−(CH2k1−CO−O−であり、より好ましくは−O−である。k1は、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1である。
a4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
a6及びRa7のアルキル基、脂環式炭化水素基及びこれらを組合わせた基としては、式(1)のRa1〜Ra3で挙げた基と同様の基が挙げられる。
a6及びRa7のアルキル基は、好ましくは炭素数6以下である。
a6及びRa7の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数8以下、より好ましくは6以下である。
m1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1’は好ましくは0又は1である。
モノマー(a1−1)としては、特開2010−204646号公報に記載されたモノマーが挙げられる。中でも、式(a1−1−1)〜式(a1−1−8)のいずれかで表されるモノマーが好ましく、式(a1−1−1)〜式(a1−1−4)のいずれかで表されるモノマーがより好ましい。
Figure 0006146122
モノマー(a1−2)としては、例えば、1−エチルシクロペンタン−1−イル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロヘキサン−1−イル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロヘプタン−1−イル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロペンタン−1−イル(メタ)アクリレート、1−イソプロピルシクロペンタン−1−イル(メタ)アクリレート等が挙げられる。式(a1−2−1)〜式(a1−2−12)で表されるモノマーが好ましく、式(a1−2−3)〜式(a1−2−4)又は式(a1−2−9)〜式(a1−2−10)で表されるモノマーがより好ましく、式(a1−2−3)又は式(a1−2−9)で表されるモノマーがさらに好ましい。
Figure 0006146122

Figure 0006146122
樹脂(A)が構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を含む場合、これらの合計含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、通常10〜95モル%であり、好ましくは15〜90モル%であり、より好ましくは20〜85モル%である。
モノマー(a1)としては、例えば、式(2)で表される基を有する(メタ)アクリル系モノマーである式(a1−5)で表されるモノマー(以下「モノマー(a1−5)」という場合がある)を用いてもよい。
Figure 0006146122
式(a1−5)中、
31は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
a1は、単結合又は*−[CH2k1−CO−La4−を表す。ここで、k1は1〜4の整数を表す。*は、La1との結合手を表す。
a1、La2、La3及びLa4は、それぞれ独立に、−O−又は−S−を表す。
s1は、1〜3の整数を表す。
s1’は、0〜3の整数を表す。
式(a1−5)においては、R31は、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基が好ましい。
a1は、−O−が好ましい。
a2及びLa3は、一方が−O−、他方が−S−が好ましい。
s1は、1が好ましい。
s1’は、0〜2の整数が好ましい。
a1は、単結合又は*−CH−CO−O−が好ましい。
モノマー(a1−5)としては、以下のモノマーが挙げられる。
Figure 0006146122
樹脂(A)が、モノマー(a1−5)に由来する構造単位を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、1〜50モル%が好ましく、3〜45モル%がより好ましく、5〜40モル%がさらに好ましい。
樹脂(A)は構造単位(a1)として、構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を含むことが好ましく、構造単位(a1−1)を含むことがより好ましい。
〈酸不安定基を有さない構造単位〉
樹脂(A)は、酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(s)」という場合がある)を有していてもよい。構造単位(s)は、酸不安定基を有さないモノマー(以下「モノマー(s)」という場合がある)から導かれる。
モノマー(s)としては、好ましくは、ヒドロキシ基又はラクトン環を有するモノマーが挙げられる。ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(以下「モノマー(a2)」という場合がある)に由来する構造単位及び/又はラクトン環を含有する酸安定モノマー(以下「モノマー(a3)」という場合がある)に由来する構造単位を有する樹脂をレジスト組成物の調製に使用すれば、レジストパターンの解像度及び基板との密着性を向上させることができる。
〈モノマー(a2)〉
レジスト組成物をKrFエキシマレーザ露光(248nm)、電子線又はEUV(超紫外光)等の高エネルギー線露光に用いる場合、モノマー(a2)としては、フェノール性ヒドロキシ基を有するモノマー(a2)が好ましい。ArFエキシマレーザ露光(193nm)等を用いる場合、モノマー(a2)としては、アルコール性ヒドロキシ基を有するモノマー(a2)が好ましく、式(a2−1)で表されるモノマー(以下「モノマー(a2−1)」という場合がある)がより好ましい。モノマー(a2)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 0006146122
式(a2−1)中、
a3は、−O−又は−O−(CH2k2−CO−O−を表し、
k2は1〜7の整数を表す。*は−CO−との結合手を表す。
a14は、水素原子又はメチル基を表す。
a15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10の整数を表す。
式(a2−1)では、La3は、好ましくは、−O−、−O−(CH2f1−CO−O−であり(前記f1は、1〜4の整数である)、より好ましくは−O−である。
a14は、好ましくはメチル基である。
a15は、好ましくは水素原子である。
a16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
モノマー(a2−1)としては、例えば、特開2010−204646号公報に記載されたモノマーが挙げられる。式(a2−1−1)〜式(a2−1−6)のいずれかで表されるモノマーが好ましく、式(a2−1−1)〜式(a2−1−4)のいずれかで表されるモノマーがより好ましく、式(a2−1−1)又は式(a2−1−3)で表されるモノマーがさらに好ましい。
Figure 0006146122
樹脂(A)が式(a2)で表されるモノマーに由来する構造単位を含む場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、通常3〜45モル%であり、好ましくは1〜40モル%であり、より好ましくは1〜35モル%であり、さらに好ましくは2〜20モル%である。
〈モノマー(a3)〉
モノマー(a3)が有するラクトン環は、例えば、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環、δ−バレロラクトン環のような単環でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。これらラクトン環の中で、好ましくは、γ−ブチロラクトン環、又は、γ−ブチロラクトン環構造を含む橋かけ環が挙げられる。
モノマー(a3)は、好ましくは、式(a3−1)、式(a3−2)又は式(a3−3)で表されるモノマーである。これらの1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 0006146122
式(a3−1)、式(a3−2)及び式(a3−3)中、
a4、La5及びLa6は、それぞれ独立に、−O−又は−O−(CH2k3−CO−O−を表す。
k3は1〜7の整数を表す。*は−CO−との結合手を表す。
a18、Ra19及びRa20は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
a21は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
p1は0〜5の整数を表す。
a22及びRa23は、それぞれ独立に、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
q1及びr1は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。p1が2以上のとき、複数のRa21は同一又は相異なり、q1が2以上のとき、複数のRa22は同一又は相異なり、r1が2以上のとき、複数のRa23は、同一又は相異なる。
a21、Ra22及びRa23のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基等が挙げられる。
式(a3−1)、式(a3−2)及び式(a3−3)では、La4、La5及びLa6は、それぞれ独立に、−O−又は−O−(CH2k3−CO−O−であることが好ましく、より好ましくは−O−である。k3は、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1である。
a18、Ra19、Ra20及びRa21は、好ましくはメチル基である。
a22及びRa23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
p1、q1及びr1は、それぞれ独立に、好ましくは0〜2、より好ましくは0又は1である。
モノマー(a3)としては、例えば、特開2010−204646号公報に記載されたモノマーが挙げられる。式(a3−1−1)〜式(a3−1−4)、式(a3−2−1)〜式(a3−2−4)及び式(a3−3−1)〜式(a3−3−4)のいずれかで表されるモノマーが好ましく、式(a3−1−1)〜式(a3−1−2)及び式(a3−2−3)〜式(a3−2−4)のいずれかで表されるモノマーがより好ましく、式(a3−1−1)又は式(a3−2−3)で表されるモノマーがさらに好ましい。
Figure 0006146122
Figure 0006146122
樹脂(A)がモノマー(a3)に由来する構造単位を含む場合、その合計含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、通常5〜70モル%であり、好ましくは10〜65モル%であり、より好ましくは10〜60モル%である。
また、モノマー(a3−1)に由来する構造単位、モノマー(a3−2)に由来する構造単位及びモノマー(a3−3)に由来する構造単位の含有量は、それぞれ、樹脂(A)の全構造単位に対して、5〜60モル%が好ましく、5〜50モル%がより好ましく、10〜50モル%がさらに好ましい。
<その他の構造単位(s)>
構造単位(s)としては、モノマー(a2)に由来する構造単位及びモノマー(a3)に由来する構造単位以外にハロゲン原子を有する構造単位(以下「構造単位(a4)」という場合がある。)が挙げられる。
構造単位(a4)としては、例えば、式(a4−1)で表される構造単位が挙げられる。
Figure 0006146122
[式(a4−1)中、
a41は、炭素数1〜12の1価の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
a41は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルカンジイル基又は式(a−g1)
Figure 0006146122
〔式(a−g1)中、
sは0又は1を表す。
a42及びAa44は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基を表す。
a43は、置換基を有していてもよい炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又は単結合を表す。
a41及びXa42は、それぞれ独立に、−O−、−CO−、−CO−O−又は−O−CO−を表す。
ただし、Aa42、Aa43、Aa44、Xa41及びXa42の炭素数の合計は6以下である。〕
で表される基を表す。
a42は、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。
ただし、Aa41及びRa42のうち少なくとも一方は、ハロゲン原子を有する基である。]
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、好ましくはフッ素原子である。
脂肪族炭化水素基は、炭素炭素不飽和結合を有していてもよいが、脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。該脂肪族飽和炭化水素基としては、アルキル基(当該アルキル基は直鎖でも分岐していてもよい)及び脂環式炭化水素基、並びに、アルキル基及び脂環式炭化水素基を組み合わせた脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
a41の炭化水素基としては、鎖式及び環式の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、並びに、これらが組合わせられた基が挙げられる。鎖式の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、ペンタデシル基、ヘキシルデシル基、ヘプタデシル基及びオクタデシル基等が挙げられる。環式の脂肪族炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合手を表す。)等が挙げられる。
Figure 0006146122
芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニリル基、フェナントリル基及びフルオレニル基等が挙げられる。
a42の炭化水素基としては、鎖式及び環式の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、並びに、これらが組合わせられた基が挙げられ、鎖式及び環式の脂肪族炭化水素基並びにこれらが組合わせられた基が好ましく、炭素炭素不飽和結合を有していてもよいが、鎖式及び環式の脂肪族飽和炭化水素基並びにこれらが組合わせられた基がより好ましい。具体的には、Ra41と同様の基が挙げられる。
a42は、脂肪族炭化水素基が好ましく、ハロゲン原子及び/又は式(a−g3)で表される基を有する脂肪族炭化水素基がより好ましい。
Figure 0006146122

[式(a−g3)中、
a43は、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
a45は、少なくとも1つのハロゲン原子を有する炭素数3〜17の脂肪族炭化水素基を表す。]
a42が、式(a−g3)で表される基を有する脂肪族炭化水素基である場合、式(a−g3)で表される基に含まれる炭素数を含めて、脂肪族炭化水素基の総炭素数は、15以下が好ましく、12以下がより好ましい。式(a−g3)で表される基を置換基として有する場合、その数は1個が好ましい。
式(a−g2)で表される基を有する脂肪族炭化水素は、さらに好ましくは式(a−g2)で表される基である。
Figure 0006146122
[式(a−g2)中、
a46は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数3〜17の脂肪族炭化水素基を表す。
a44は、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
a47は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数3〜17の脂肪族炭化水素基を表す。
ただし、Aa46、Aa47及びXa44の炭素数の合計は18以下であり、Aa46及びAa47のうち、少なくとも一方は、少なくとも1つのハロゲン原子を有する。]
a42がハロゲン原子を有する脂肪族炭化水素基である場合、好ましくはフッ素原子を有する脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはペルフルオロアルキル基又はペルフルオロシクロアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数が1〜6のペルフルオロアルキル基であり、特に好ましくは炭素数1〜3のペルフルオロアルキル基である。ペルフルオロアルキル基としては、例えば、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロヘプチル基及びペルフルオロオクチル基等が挙げられる。ペルフルオロシクロアルキル基としては、例えば、ペルフルオロシクロヘキシル基等が挙げられる。
a46の脂肪族炭化水素基の炭素数は1〜6が好ましく、1〜3がより好ましい。
a47の脂肪族炭化水素基の炭素数は4〜15が好ましく、5〜12がより好ましく、Aa47は、シクロヘキシル基又はアダマンチル基がさらに好ましい。
a46及びAa47の組み合わせのうち、より好ましいものを、*−Aa46−Xa44−Aa47で表される部分構造(*はカルボニル基との結合手である)で表すと、以下の構造が挙げられる。
Figure 0006146122
a41のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;1−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、1−メチルブタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
a41のアルカンジイル基における置換基としては、ヒドロキシ基及び炭素数1〜6のアルコキシ基等が挙げられる。
a41は、好ましくは炭素数1〜4のアルカンジイル基であり、より好ましくは炭素数2〜4のアルカンジイル基であり、さらに好ましくはエチレン基である。
a41の式(a−g1)で表される基(以下「基(a−g1)」という場合がある。)は、Aa44が−O−CO−Ra42と結合する。
基(a−g1)におけるAa42、Aa43及びAa44の脂肪族炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、1−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基等が挙げられる。これらの置換基としては、ヒドロキシ基及び炭素数1〜6のアルコキシ基等が挙げられる。
a42が酸素原子である基(a−g1)としては、例えば、以下の基等が挙げられる。以下の例示において、それぞれ*で表される2つの結合手のうち、右側の*が−O−CO−Ra42との結合手である。
Figure 0006146122
a42がカルボニル基である基(a−g1)としては、例えば、以下の基等が挙げられる。
Figure 0006146122
a42がカルボニルオキシ基である基(a−g1)としては、例えば、以下の基等が挙げられる。
Figure 0006146122
a42がオキシカルボニル基である基(a−g1)としては、例えば、以下の基等が挙げられる。
Figure 0006146122
式(a4−1)で表される構造単位としては、式(a4−2)又は式(a4−3)で表される構造単位が好ましい。
Figure 0006146122
[式(a4−2)中、
f1は、水素原子又はメチル基を表す。
f1は、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
f2は、フッ素原子を有する炭素数1〜10の炭化水素基を表す。]
f1のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;1−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、1−メチルブタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
f2の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基を包含し、脂肪族炭化水素基は、鎖式、環式及びこれらの組み合わせを含む。脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭化水素基が好ましい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2−エチルヘキシル基が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基及びイソボルニル基が挙げられる。
f2のフッ素原子を有する炭化水素基としては、フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有する脂環式炭化水素基等が挙げられる。
具体的には、フッ素原子を有するアルキル基としては、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペルフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロプロピル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、ペルフルオロエチルメチル基、1−(トリフルオロメチル)−1,2,2,2−テトラフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、1,1,2,2−テトラフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基、ペルフルオロブチル基、1,1−ビス(トリフルオロ)メチル−2,2,2−トリフルオロエチル基、2−(ペルフルオロプロピル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロペンチル基、ペルフルオロペンチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロペンチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、ペルフルオロペンチル基、2−(ペルフルオロブチル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロヘキシル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフルオロヘキシル基、ペルフルオロペンチルメチル基及びペルフルオロヘキシル基等のフッ化アルキル基が挙げられる。
フッ素原子を有する脂環式炭化水素基としては、ペルフルオロシクロヘキシル基、ペルフルオロアダマンチル基等のフッ化シクロアルキル基が挙げられる。
式(a4−2)においては、炭素数2〜4のアルカンジイル基が好ましく、Af1としては、エチレン基がより好ましい。
f2としては、炭素数1〜6のフッ化アルキル基が好ましい。
Figure 0006146122
[式(a4−3)中、
f11は、水素原子又はメチル基を表す。
f11は、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
f13は、フッ素原子を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表す。
f12は、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
f14は、フッ素原子を有していてもよい炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表す。 ただし、Af13及びAf14の少なくとも1つは、フッ素原子を有する脂肪族炭化水素基を表す。]
f11のアルカンジイル基としては、Af1のアルカンジイル基と同様の基が挙げられる。
f13の脂肪族炭化水素基としては、鎖式及び環式のいずれか、並びに、これらが組み合わせられた2価の脂肪族炭化水素基が包含される。この脂肪族炭化水素は、炭素−炭素不飽和結合を有していてもよいが、好ましくは飽和の脂肪族炭化水素基である。
f13のフッ素原子を有していてもよい脂肪族炭化水素基としては、好ましくはフッ素原子を有していてもよい脂肪族飽和炭化水素基であり、より好ましくはペルフルオロアルカンジイル基である。
フッ素原子を有していてもよい2価の鎖式の脂肪族炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロパンジイル基、ブタンジイル基及びペンタンジイル基等のアルカンジイル基;ジフルオロメチレン基、ペルフルオロエチレン基、ペルフルオロプロパンジイル基、ペルフルオロブタンジイル基及びペルフルオロペンタンジイル基等のペルフルオロアルカンジイル基等が挙げられる。
フッ素原子を有していてもよい2価の環式の脂肪族炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂肪族炭化水素基としては、シクロヘキサンジイル基及びペルフルオロシクロヘキサンジイル基等が挙げられる。多環式の2価の脂肪族炭化水素基としては、アダマンタンジイル基、ノルボルナンジイル基、ペルフルオロアダマンタンジイル基等が挙げられる。
f14の脂肪族炭化水素基としては、鎖式及び環式のいずれか、並びに、これらが組み合わせられた脂肪族炭化水素基が包含される。この脂肪族炭化水素は、炭素−炭素不飽和結合を有していてもよいが、好ましくは飽和の脂肪族炭化水素基である。
f14のフッ素原子を有していてもよい脂肪族炭化水素基としては、好ましくはフッ素原子を有していてもよい脂肪族飽和炭化水素基である。
フッ素原子を有していてもよい鎖式の脂肪族炭化水素基としては、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、ペルフルオロエチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、エチル基、ペルフルオロプロピル基、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロピル基、プロピル基、ペルフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基、ブチル基、ペルフルオロペンチル基、1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロペンチル基及びペンチル基、ヘキシル基、ペルフルオロヘキシル基、ヘプチル基、ペルフルオロヘプチル基、オクチル基及びペルフルオロオクチル基等が挙げられる。
等が挙げられる。
フッ素原子を有していてもよい環式の脂肪族炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂肪族炭化水素基を含む基としては、シクロプロピルメチル基、シクロプロピル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ペルフルオロシクロヘキシル基が挙げられる。多環式の脂肪族炭化水素基を含む基としては、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、ノルボルニル基、ノルボルニルメチル基、ペルフルオロアダマンチル基、ペルフルオロアダマンチルメチル基等が挙げられる。
式(a4−3)においては、Af11としては、エチレン基が好ましい。
f13の脂肪族炭化水素基は、炭素数1〜6が好ましく、2〜3がさらに好ましい。
f14の脂肪族炭化水素基は、炭素数3〜12が好ましく、3〜10がさらに好ましい。なかでも、Af14は、好ましくは炭素数3〜12の脂環式炭化水素基を含む基であり、より好ましくは、シクロプロピルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基及びアダマンチル基である。
式(a4−2)で表される構造単位を誘導するモノマーとしては、例えば、式(a4−1−1)〜式(a4−1−22)でそれぞれ表されるモノマーが挙げられる。
Figure 0006146122
Figure 0006146122
式(a4−3)で表される構造単位を誘導するモノマーとしては、例えば、式(a4−1’−1)〜式(a4−1’−22)でそれぞれ表されるモノマーが挙げられる。
Figure 0006146122
Figure 0006146122
構造単位(a4)としては、式(a4−4)で表される構造単位も挙げられる。
Figure 0006146122
[式(a4−4)中、
f21は、水素原子又はメチル基を表す。
f21は、−(CHj1−、−(CHj2−O−(CHj3−又は−(CHj4−CO−O−(CHj5−を表す。
j1〜j5は、それぞれ独立に、1〜6の整数を表す。
f22は、フッ素原子を有する炭素数1〜10の炭化水素基を表す。]
f22のフッ素原子を有する炭化水素基としては、式(a4−2)におけるRf2の炭化水素基と同じものが挙げられる。Rf22は、フッ素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基又はフッ素原子を有する炭素数1〜10の脂環式炭化水素基が好ましく、フッ素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、フッ素原子を有する炭素数1〜6のアルキル基がさらに好ましい。
式(a4−4)では、Af21としては、−(CHj1−が好ましく、エチレン基又はメチレン基がより好ましく、メチレン基がさらに好ましい。
式(a4−4)で表される構造単位を誘導するモノマーとしては、例えば、以下のモノマーが挙げられる。
Figure 0006146122
Figure 0006146122
樹脂(A)が、構造単位(a4)を有する場合、その含有割合は、樹脂(A)の全構造単位に対して、1〜20モル%が好ましく、2〜15モル%がより好ましく、3〜10モル%がさらに好ましい。
樹脂(A)は、上述の構造単位以外の構造単位を有していてもよく、かかる構造単位としては、当技術分野で周知の構造単位を挙げられる。
<樹脂(A)の製造方法>
樹脂(A)は、モノマー(a1)及び必要に応じて用いられるモノマー(s)を公知の重合法(例えばラジカル重合法)で重合させることにより製造できる。樹脂(A)が有する各構造単位の含有率は、共重合に用いるモノマーの使用量で調整できる。
樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは、2,500以上(より好ましくは3,000以上)、50,000以下(より好ましくは30,000以下)である。なお、ここでいう重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析により、標準ポリスチレン基準の換算値として求められるものである。この分析の詳細な分析条件は、本願の実施例に記載する。
<樹脂(A)以外の樹脂>
本発明のレジスト組成物は、樹脂(A)以外の樹脂を含んでもよい。このような樹脂としては、構造単位(s)のみからなる樹脂が挙げられる。
中でも、樹脂(A)以外の樹脂としては、構造単位(a4)を有する樹脂(以下「樹脂(X)」という場合がある。)が好ましい。樹脂(X)において、構造単位(a4)の含有割合は、樹脂(X)の全構造単位に対して、80モル%以上が好ましく、85モル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ましい。
樹脂(X)がさらに有していてもよい構造単位としては、例えば、モノマー(a2)に由来する構造単位、モノマー(a3)に由来する構造単位及びその他の公知のモノマーに由来する構造単位が挙げられる。
樹脂(X)の重量平均分子量は、好ましくは、8,000以上(より好ましくは10,000以上)、80,000以下(より好ましくは60,000以下)である。かかる樹脂(X)の重量平均分子量の測定手段は、樹脂(A)の場合と同様である。
レジスト組成物が樹脂(X)を含む場合、その含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは1〜60質量部であり、より好ましくは3〜50質量部であり、さらに好ましくは5〜40質量部であり、特に好ましくは7〜30質量部である。
レジスト組成物における樹脂の含有率は、レジスト組成物の固形分に対して、80質量%以上99質量%以下が好ましい。本明細書において、「レジスト組成物の固形分」とは、レジスト組成物の総量から、後述する溶剤(D)を除いた成分の合計を意味する。レジスト組成物の固形分及びこれに対する樹脂の含有率は、例えば、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定することができる。
〈溶剤(D)〉
溶剤(D)の含有率は、例えばレジスト組成物中90質量%以上、好ましくは92質量%以上、より好ましくは94質量%以上であり、例えば99.9質量%以下、好ましくは99質量%以下である。溶剤(D)の含有率は、例えば液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定できる。
溶剤(D)としては、例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチルのようなエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノンのようなケトン類;γ−ブチロラクトンのような環状エステル類;等を挙げることができる。溶剤(D)は、1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
〈塩基性化合物(C)〉
塩基性化合物(C)は、好ましくは塩基性の含窒素有機化合物であり、例えばアミン及びアンモニウム塩が挙げられる。アミンとしては、脂肪族アミン及び芳香族アミンが挙げられる。脂肪族アミンとしては、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンが挙げられる。塩基性化合物(C)として、好ましくは、式(C1)〜式(C8)及び式(C1−1)のいずれかで表される化合物が挙げられ、より好ましくは式(C1−1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006146122
[式(C1)中、Rc1、Rc2及びRc3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、アミノ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。]
Figure 0006146122
[式(C1−1)中、Rc2及びRc3は、上記と同じ意味を表す。
c4は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。
m3は0〜3の整数を表し、m3が2以上のとき、複数のRc4は同一又は相異なる。]
Figure 0006146122
[式(C2)、式(C3)及び式(C4)中、Rc5、Rc6、Rc7及びRc8は、それぞれ独立に、Rc1と同じ意味を表す。
c9は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基又は炭素数2〜6のアルカノイル基を表す。
n3は0〜8の整数を表し、n3が2以上のとき、複数のRc9は同一又は相異なる。]
Figure 0006146122
[式(C5)及び式(C6)中、Rc10、Rc11、Rc12、Rc13及びRc16は、それぞれ独立に、Rc1と同じ意味を表す。
c14、Rc15及びRc17は、それぞれ独立に、Rc4と同じ意味を表す。
o3及びp3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、o3が2以上であるとき、複数のRc14は同一又は相異なり、p3が2以上であるとき、複数のRc15は、同一又は相異なる。
c1は、炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
Figure 0006146122
[式(C7)及び式(C8)中、Rc18、Rc19及びRc20は、それぞれ独立に、Rc4と同じ意味を表す。
q3、r3及びs3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、q3が2以上であるとき、複数のRc18は同一又は相異なり、r3が2以上であるとき、複数のRc19は同一又は相異なり、及びs3が2以上であるとき、複数のRc20は同一又は相異なる。
c2は、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
式(C1)〜式(C8)及び式(C1−1)においては、アルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、アルコキシ基、アルカンジイル基は、上述したものと同様のものが挙げられる。
アルカノイル基としては、アセチル基、2−メチルアセチル基、2,2−ジメチルアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ペンタノイル基、2,2−ジメチルプロピオニル基等が挙げられる。
式(C1)で表される化合物としては、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、アニリン、ジイソプロピルアニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン等が挙げられ、好ましくはジイソプロピルアニリンが挙げられ、特に好ましくは2,6−ジイソプロピルアニリンが挙げられる。
式(C2)で表される化合物としては、ピペラジン等が挙げられる。
式(C3)で表される化合物としては、モルホリン等が挙げられる。
式(C4)で表される化合物としては、ピペリジン及び特開平11−52575号公報に記載されているピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物等が挙げられる。
式(C5)で表される化合物としては、2,2’−メチレンビスアニリン等が挙げられる。
式(C6)で表される化合物としては、イミダゾール、4−メチルイミダゾール等が挙げられる。
式(C7)で表される化合物としては、ピリジン、4−メチルピリジン等が挙げられる。
式(C8)で表される化合物としては、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン、2,2’−ジピコリルアミン、ビピリジン等が挙げられる。
アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムサリチラート及びコリン等が挙げられる。
塩基性化合物(C)の含有率は、レジスト組成物の固形分中、好ましくは、0.01〜5質量%程度であり、より好ましく0.01〜3質量%程度であり、特に好ましく0.01〜1質量%程度である。
〈その他の成分〉
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、上述の成分以外の成分(以下「その他の成分(F)」という場合がある。)を含有していてもよい。その他の成分(F)に特に限定はなく、レジスト分野で公知の添加剤、例えば、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤、染料等を利用できる。
〈レジスト組成物の調製〉
本発明のレジスト組成物は、樹脂及び塩(I)、並びに、必要に応じて用いられる溶剤(D)、酸発生剤(B)、塩基性化合物(C)及びその他の成分(F)を混合することにより調製することができる。混合順は任意であり、特に限定されるものではない。混合する際の温度は、10〜40℃の範囲から、樹脂等の種類や樹脂等の溶剤(D)に対する溶解度等に応じて適切な温度範囲を選ぶことができる。混合時間は、混合温度に応じて、0.5〜24時間の中から適切な時間を選ぶことができる。なお、混合手段も特に制限はなく、攪拌混合等を用いることができる。
各成分を混合した後は、孔径0.003〜0.2μm程度のフィルターを用いてろ過することが好ましい。
〈レジストパターンの製造方法〉
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)本発明のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含む。
レジスト組成物を基板上に塗布するには、スピンコーター等、通常、用いられる装置によって行うことができる。基板としては、シリコンウェハ等の無機基板が挙げられる。レジスト組成物を塗布する前に、基板を洗浄したり、反射防止膜等が形成されていてもよい。
塗布後の組成物を乾燥することにより、溶剤を除去し、組成物層を形成する。乾燥は、例えば、ホットプレート等の加熱装置を用いて溶剤を蒸発させること(いわゆるプリベーク)により行うか、あるいは減圧装置を用いて行う。加熱温度は、例えば、50〜200℃が好ましく、加熱時間は、例えば、10〜180秒間が好ましい。また、減圧乾燥する際の圧力は、1〜1.0×10Pa程度が好ましい。
得られた組成物層に、通常、露光機を用いて露光する。露光機は、液浸露光機であってもよい。この際、通常、求められるパターンに相当するマスクを介して露光が行われる。露光光源としては、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、F2エキシマレーザ(波長157nm)のような紫外域のレーザ光を放射するもの、固体レーザ光源(YAG又は半導体レーザ等)からのレーザ光を波長変換して遠紫外域または真空紫外域の高調波レーザ光を放射するもの、電子線や、超紫外光(EUV)を照射するもの等、種々のものを用いることができる。
露光後の組成物層を、樹脂(A)の脱保護反応を促進するために加熱処理(いわゆるポストエキスポジャーベーク)を行う。加熱温度は、通常50〜200℃程度、好ましくは70〜150℃程度である。
加熱後の組成物層を、通常、現像装置を用いて、現像液を利用して現像する。現像方法としては、ディップ法、パドル法、スプレー法、ダイナミックディスペンス法等が挙げられる。現像温度は、5〜60℃が好ましく、現像時間は、5〜300秒間が好ましい。
本発明のレジスト組成物からポジ型レジストパターンを製造する場合は、現像液としてアルカリ現像液を用いる。アルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液であればよい。例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。アルカリ現像液には、界面活性剤が含まれていてもよい。
現像後レジストパターンを超純水で洗浄し、次いで、基板及びパターン上に残った水を除去することが好ましい。
本発明のレジスト組成物からネガ型レジストパターンを製造する場合は、現像液として有機溶剤を含む現像液(以下「有機系現像液」という場合がある)を用いる。
有機系現像液に含まれる有機溶剤としては、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン等のケトン溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル溶剤;酢酸ブチル等のエステル溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル溶剤;N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド溶剤;アニソール等の芳香族炭化水素溶剤等が挙げられる。
有機系現像液中、有機溶剤の含有率は、90質量%以上100質量%以下が好ましく、95質量%以上100質量%以下がより好ましく、実質的に有機溶剤のみであることがさらに好ましい。
中でも、有機系現像液としては、酢酸ブチル及び/又は2−ヘプタノンを含む現像液が好ましい。有機系現像液中、酢酸ブチル及び2−ヘプタノンの合計含有率は、50質量%以上100質量%以下が好ましく、90質量%以上100質量%以下がより好ましく、実質的に酢酸ブチル及び/又は2−ヘプタノンのみであることがさらに好ましい。
有機系現像液には、界面活性剤が含まれていてもよい。また、有機系現像液には、微量の水分が含まれていてもよい。
現像の際、有機系現像液とは異なる種類の溶剤に置換することにより、現像を停止してもよい。
現像後のレジストパターンをリンス液で洗浄することが好ましい。リンス液としては、レジストパターンを溶解しないものであれば特に制限はなく、一般的な有機溶剤を含む溶液を使用することができ、好ましくはアルコール溶剤又はエステル溶剤である。
洗浄後は、基板及びパターン上に残ったリンス液を除去することが好ましい。
〈用途〉
本発明のレジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)露光用のレジスト組成物又はEUV露光用のレジスト組成物、特に液浸露光用のレジスト組成物として好適であり、半導体の微細加工に有用である。
実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。例中、含有量ないし使用量を表す「%」及び「部」は、特記しないかぎり質量基準である。
化合物の構造は、MASS(LC:Agilent製1100型、MASS:Agilent製LC/MSD型又はLC/MSD TOF型)で確認した。
樹脂(A)の組成比(樹脂(A)製造に用いた各モノマーに由来する構造単位の、樹脂(A)に対する共重合比)は、重合終了後の反応液における未反応モノマー量を、液体クロマトグラフィーを用いて測定し、得られた結果から重合で消費されたモノマー量を求めることにより算出した。
重量平均分子量は、下記条件で、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めた値である。
装置:HLC−8120GPC型(東ソー社製)
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3+guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
実施例1[式(I−1)で表される塩の合成]
Figure 0006146122
式(I−1−a)で表される塩3.49部及びアセトニトリル17.50部を、反応器に仕込み、23℃で30分間攪拌した。その後、式(I−1−b)で表される化合物1.52部を添加し、70℃程度まで昇温した後、同温度で2時間攪拌し、式(I−1−c)で表される化合物を含む溶液を得た。得られた式(I−1−c)で表される化合物を含む溶液に、50℃で、式(I−1−d)で表される化合物0.94部を添加し、さらに、60℃で4時間攪拌した後、得られた反応物を濃縮した。得られた濃縮物に、クロロホルム40部及び2%シュウ酸水20部を加え、23℃で30分間攪拌した。その後、静置し、分液して有機層を得た。得られた有機層に、イオン交換水20部を加え、23℃で30分間攪拌した。その後、静置し、分液して有機層を得た。この水洗操作をさらに5回繰り返した。水洗後の有機層に活性炭0.50部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、ろ過した。ろ液を濃縮し、得られた濃縮物に、酢酸エチル20部を加えて攪拌した。得られた上澄液を除去し、上澄液除去後の残渣をさらに濃縮した。得られた濃縮物に、tert−ブチルメチルエーテル20部を加えて攪拌した。得られた上澄液を除去し、上澄液除去後の残渣をさらに濃縮した。得られた濃縮物をアセトニトリルに溶解した後、濃縮することにより、式(I−1)で表される塩3.34部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 263.1
MASS(ESI(−)Spectrum):M 275.0
実施例2[式(I−2)で表される塩の合成]
Figure 0006146122
特開2006−257078号公報に記載された方法によって得られた式(I−2−a)で表される塩6.03部及びアセトニトリル30.00部を仕込み、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物に、式(I−1−b)で表される化合物1.70部を添加し、60℃で1時間攪拌した。得られた反応溶液をろ過した後、回収されたろ液を濃縮した。得られた濃縮物に、クロロホルム30部及びイオン交換水15部を加え、23℃で30分間攪拌した。その後、静置し、分液して有機層を得た。得られた有機層に、イオン交換水15部を加え、23℃で30分間攪拌した。この水洗の操作をさらに3回行った。得られた有機層に活性炭1.00部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、ろ過した。ろ液を濃縮し、得られた濃縮物に、tert−ブチルメチルエーテル100部を加えて攪拌した後、ろ過することにより、式(I−2−b)で表される塩6.12部を得た。
Figure 0006146122
式(I−2−b)で表される塩6.97部及びアセトニトリル30部を、反応器に仕込み、23℃で30分間攪拌した。その後、式(I−1−d)で表される化合物1.18部を添加し、60℃で12時間攪拌した後、得られた反応物を濃縮した。得られた濃縮物に、クロロホルム60部及び2%シュウ酸水30部を加え、23℃で30分間攪拌した。その後、静置し、分液して有機層を得た。得られた有機層に、イオン交換水30部を加え、23℃で30分間攪拌した。その後、静置し、分液して有機層を得た。この水洗操作をさらに5回繰り返した。水洗後の有機層に活性炭0.82部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、ろ過した。ろ液を濃縮し、得られた濃縮物に、酢酸エチル30部を加えて攪拌した。得られた上澄液を除去し、上澄液除去後の残渣をさらに濃縮した。得られた濃縮物に、tert−ブチルメチルエーテル20部を加えて攪拌した。得られた上澄液を除去し、上澄液除去後の残渣をさらに濃縮した。得られた濃縮物をアセトニトリルに溶解した後、濃縮することにより、式(I−2)で表される塩6.92部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 263.1
MASS(ESI(−)Spectrum):M 483.1
実施例3[式(I−42)で表される塩の合成]
Figure 0006146122
特開2008−209917号公報に記載された方法によって得られた式(I−42−b)で表される化合物30.00部、式(I−42−a)で表される塩35.50部、クロロホルム100部及びイオン交換水50部を仕込み、23℃で15時間攪拌した。得られた反応液のクロロホルム層を分液して取り出した。得られたクロロホルム層をイオン交換水で5回洗浄した。得られたクロロホルム層を濃縮し、得られた残渣に、tert−ブチルメチルエーテル100部を加えて23℃で30分間攪拌し、ろ過することにより、式(I−42−c)で表される塩48.57部を得た。

Figure 0006146122
式(I−42−c)で表される塩14.66部及びアセトニトリル60部を仕込み、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物に式(I−1−b)で表される化合物3.40部を添加し、60℃で1時間攪拌した。得られた反応溶液をろ過した後、回収されたろ液を濃縮した。得られた濃縮物に、クロロホルム30部及びイオン交換水15部を加え、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物を分液して有機層を得た。得られた有機層に、イオン交換水15部を加え、23℃で30分間攪拌した。この水洗の操作をさらに3回行った。得られた有機層に活性炭1.00部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、ろ過した。ろ液を濃縮し、得られた濃縮物に、tert−ブチルメチルエーテル200部を加えて攪拌した後、ろ過することにより、式(I−42−d)で表される塩16.24部を得た。
Figure 0006146122
式(I−2−b)で表される塩8.27部及びアセトニトリル30部を、反応器に仕込み、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物に、式(I−1−d)で表される化合物1.18部を添加し、60℃で12時間攪拌した後、得られた反応物を濃縮した。得られた濃縮物に、クロロホルム60部及び2%シュウ酸水30部を加え、23℃で30分間攪拌した。得られた反応混合物を分液して有機層を得た。得られた有機層に、イオン交換水30部を加え、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物を分液して有機層を得た。この水洗操作をさらに5回繰り返した。水洗後の有機層に活性炭0.82部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、ろ過した。ろ液を濃縮し、得られた濃縮物に、酢酸エチル30部を加えて攪拌した。得られた上澄液を除去し、上澄液除去後の残渣をさらに濃縮した。得られた濃縮物に、tert−ブチルメチルエーテル20部を加えて攪拌した。得られた上澄液を除去し、上澄液除去後の残渣をさらに濃縮した。得られた濃縮物をアセトニトリルに溶解した後、濃縮することにより、式(I−42−e)で表される塩8.22部を得た。
Figure 0006146122
式(I−42−e)で表される塩2.39部、式(I−42−f)で表される化合物0.28部及びモノクロロベンゼン250部を仕込み、23℃で30分間攪拌した。得られた混合液に、二安息香酸銅(II)0.02部を添加し、さらに、100℃で1時間攪拌した。得られた反応溶液を濃縮した。得られた残渣に、クロロホルム20部及びイオン交換水5部を加えて23℃で30分間攪拌し、分液して有機層を取り出した。回収された有機層にイオン交換水5部を加えて23℃で30分間攪拌し、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮した。得られた濃縮物に、tert−ブチルメチルエーテル10部を加えて攪拌した。得られた上澄液を除去し、上澄液除去後の残渣をさらに濃縮した。得られた濃縮物をアセトニトリルに溶解した後、濃縮することにより、式(I−42)で表される塩1.16部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 237.1
MASS(ESI(−)Spectrum):M 483.1
合成例1:式(B1−5)で表される塩の合成
Figure 0006146122

式(B1−5−a)で表される塩50.49部及びクロロホルム252.44部を反応器に仕込み、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物に、式(B1−5−b)で表される化合物16.27部を滴下し、23℃で1時間攪拌することにより、式(B1−5−c)で表される塩を含む溶液を得た。得られた式(B1−5−c)で表される塩を含む溶液に、式(B1−5−d)で表される塩48.80部及びイオン交換水84.15部を添加し、23℃で12時間攪拌した。得られた反応液のクロロホルム層を分液して取り出し、該クロロホルム層をイオン交換水で5回洗浄した。得られたクロロホルム層に、活性炭3.88部を添加攪拌した後、ろ過した。回収されたろ液を濃縮し、得られた残渣に、アセトニトリル125.87部を添加攪拌後、濃縮した。得られた残渣に、アセトニトリル20.62部及びtert−ブチルメチルエーテル309.30部を加えて23℃で30分間攪拌した後、上澄み液を除去した後、濃縮した。得られた残渣に、n−ヘプタン200部を添加、23℃で30分間攪拌した後、ろ過することにより、式(B1−5)で表される塩61.54部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 375.2
MASS(ESI(−)Spectrum):M 339.1
樹脂(A)の合成
樹脂(A)の合成に使用した化合物を下記に示す。
Figure 0006146122
以下、これらの化合物をその式番号に応じて、「モノマー(a1−1−2)」等という。
合成例2〔樹脂A1の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−9)、モノマー(a2−1−3)、モノマー(a3−2−1)及びモノマー(a3−1−1)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−9):モノマー(a2−1−3):モノマー(a3−2−1)):モノマー(a3−1−1)〕が、45:14:2.5:22:16.5となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.95mol%及び2.85mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて得られる溶解液をメタノール溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.9×10の樹脂A1を収率73%で得た。この樹脂A1は、以下の構造単位を有するものである。
Figure 0006146122
合成例3〔樹脂A2の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−5−1)、モノマー(a2−1−3)、モノマー(a3−2−1)及びモノマー(a3−1−1)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−5−1):モノマー(a2−1−3):モノマー(a3−2−1)):モノマー(a3−1−1)〕が、45:14:2.5:22:16.5となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.95mol%及び2.85mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて得られる溶解液をメタノール溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.6×10の樹脂A2を収率68%で得た。この樹脂A2は、以下の構造単位を有するものである。
Figure 0006146122
合成例4:〔樹脂A3の合成〕
モノマー(1−1−2)、モノマー(a2−1−1)及びモノマー(a3−1−1)を、そのモル比〔モノマー(1−1−2):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−1−1)〕が、50:25:25となるように混合し、さらに、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1mol%と3mol%との割合で添加し、これを80℃で約8時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒(質量比メタノール:水=4:1)に注いで、樹脂を沈殿させた。この樹脂をろ過・回収した。再度、得られた樹脂を、ジオキサンに溶解させ、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、沈殿した樹脂をろ過・回収するという操作を3回行うことにより再沈殿精製し、重量平均分子量が約9.2×10である樹脂A3を収率60%で得た。この樹脂A3は、以下の各モノマーから導かれる構造単位を有するものである。
Figure 0006146122
合成例5〔樹脂A4の合成〕
モノマー(a1−1−2)、モノマー(a1−2−3)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−2−3)及びモノマー(a3−1−1)を、そのモル比〔モノマー(a1−1−2):モノマー(a1−2−3):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−2−3):モノマー(a3−1−1)〕が、30:14:6:20:30となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.2×10の共重合体A4を収率78%で得た。この樹脂A4は、以下の構造単位を有するものである。
Figure 0006146122
合成例6〔樹脂A5の合成〕
モノマー(a1−1−2)、モノマー(a1−5−1)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−2−3)及びモノマー(a3−1−1)を、そのモル比〔モノマー(a1−1−2):モノマー(a1−5−1):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−2−3):モノマー(a3−1−1)〕が、30:14:6:20:30となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.2×10の共重合体A5を収率78%で得た。この樹脂A5は、以下の構造単位を有するものである。
Figure 0006146122
合成例7〔樹脂X1の合成〕
モノマーとして、モノマー(a4−1−7)を用い、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.7mol%及び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。
かくして得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量1.8×10の樹脂X1を収率77%で得た。この樹脂X1は、以下の構造単位を有するものである。
Figure 0006146122
<レジスト組成物の調製>
表4に示す各成分と下記の溶剤とを混合して溶解させ、さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト組成物を調製した。
Figure 0006146122
<樹脂>
A1:樹脂A1
A2:樹脂A2
A3:樹脂A3
A4:樹脂A4
A5:樹脂A5
X1:樹脂X1
<酸発生剤>
I−1:式(I−1)で表される塩
I−2:式(I−2)で表される塩
B1−3:特開2010−152341号公報の実施例に従って合成
Figure 0006146122
B1−5:
Figure 0006146122

Z1:特開2007−161707号公報の実施例に従って合成
Figure 0006146122
<塩基性化合物:クエンチャー>
C1:2,6−ジイソプロピルアニリン(東京化成工業(株)製)
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 265部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20部
2−ヘプタノン 20部
γ−ブチロラクトン 3.5部
実施例4〜16及び比較例1
<ポジ型レジストパターンの製造>
12インチのシリコン製ウェハ上に、有機反射防止膜用組成物[ARC−29;日産化学(株)製]を塗布して、205℃、60秒の条件でベークすることによって、厚さ78nmの有機反射防止膜を形成した。
有機反射防止膜の上に、上記のレジスト組成物を乾燥(プリベーク)後の膜厚が85nmとなるようにスピンコートした。
得られたシリコンウェハを、ダイレクトホットプレート上にて、表4の「PB」欄に記載された温度で60秒間プリベークして、シリコンウェハ上に組成物層を形成した。このようにして形成された組成物層に、液浸露光用ArFエキシマレーザステッパー[XT:1900Gi;ASML社製、NA=1.35、3/4Annular X−Y偏光]で、ラインアンドスペースパターン(ピッチ100nm/ライン幅50nm)を形成するためのマスクを用いて、露光量を段階的に変化させて露光した。なお、液浸媒体としては超純水を使用した。
露光後、ホットプレート上にて、表4の「PEB」欄に記載された温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行い、さらに2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行い、レジストパターンを得た。
得られたレジストパターンにおいて、ラインパターンの幅が50nmとなる露光量を実効感度とした。
<ラインエッジラフネス評価(LER)>
得られたレジストパターンについて、壁面の凹凸の振れ幅を走査型電子顕微鏡で観察測定した。この振れ幅が、
4nm以下であるものを○、
4nmを超えるものを×とした。結果を表5に示す。括弧内の数値は、振れ幅(nm)を示す。
Figure 0006146122
実施例17〜31及び比較例2
<ネガ型レジストパターンの製造>
12インチのシリコンウェハ上に、有機反射防止膜用組成物[ARC−29;日産化学(株)製]を塗布して、205℃、60秒の条件でベークすることによって、厚さ78nmの有機反射防止膜を形成した。次いで、前記の有機反射防止膜の上に、上記のレジスト組成物を乾燥(プリベーク)後の組成物層の膜厚が100nmとなるようにスピンコートした。塗布後、このシリコンウェハをダイレクトホットプレート上にて、表4の「PB」欄に記載された温度で60秒間プリベークして、シリコンウェハ上に組成物層を形成した。
このようにして形成された組成物層に、液浸露光用ArFエキシマレーザステッパー[XT:1900Gi;ASML社製、NA=1.35、Annular σout=0.85 σin=0.65 XY−pol.照明]で、トレンチパターン(ピッチ120nm/トレンチ幅40nm)を形成するためのマスクを用いて、露光量を段階的に変化させて露光した。なお、液浸媒体としては超純水を使用した。
露光後、ホットプレート上にて、表4の「PEB」欄に記載された温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行った。次いで、このシリコンウェハ上の組成物層を、現像液として酢酸ブチル(東京化成工業(株)製)を用いて、23℃で20秒間ダイナミックディスペンス法によって現像を行うことにより、ネガ型レジストパターンを製造した。
得られたレジストパターンにおいて、トレンチパターンの幅が40nmとなる露光量を実効感度とした。
<ラインエッジラフネス評価(LER)>
得られたレジストパターンについて、壁面の凹凸の振れ幅を走査型電子顕微鏡で観察測定した。この振れ幅が、
4nm以下であるものを○、
4nmを超えるものを×とした。結果を表6に示す。括弧内の数値は、振れ幅(nm)を示す。
Figure 0006146122
本発明の塩によれば、該塩を含むレジスト組成物から、優れたラインエッジラフネス(LER)でレジストパターンを製造することができため、半導体の微細加工に有用である。

Claims (5)

  1. 式(I)で表される塩。
    Figure 0006146122
    [式(I)中、
    1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
    1は、式(b1−1)〜式(b1−7)で表されるいずれかの基を表す。
    Figure 0006146122
    式(b1−1)〜式(b1−7)中、
    b2は、単結合又は炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。
    b3は、単結合又は炭素数1〜12の2価の飽和炭化水素基を表す。
    b4は、炭素数1〜13の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb3及びLb4の合計炭素数の上限は13である。
    b5は、単結合又は炭素数1〜14の2価の飽和炭化水素基を表す。
    b6は、炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb5及びLb6の合計炭素数の上限は15である。
    b7は、単結合又は炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。
    b8は、炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb7及びLb8の合計炭素数の上限は16である。
    b9は、単結合又は炭素数1〜13の2価の飽和炭化水素基を表す。
    b10は、炭素数1〜14の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb9及びLb10の合計炭素数の上限は14である。
    b11及びLb12は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1〜11の2価の飽和炭化水素基を表す。
    b13は、炭素数1〜12の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb11、Lb12及びLb13の合計炭素数の上限は12である。
    b14及びLb15は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1〜13の2価の飽和炭化水素基を表す。
    b16は、炭素数1〜14の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb14、Lb15及びLb16の合計炭素数の上限は14である。
    *は結合手を表し、左側の結合手はC(Q1)(Q2)と結合し、右側の結合手は環W1と結合する。
    環W 1 は、環状炭酸エステル構造の環を表す。
    +は、有機カチオンを表す。]
  2. 1が、式(b1−1)又は式(b1−6)で表される基である請求項1記載の塩。
    Figure 0006146122
    [式(b1−1)中、Lb2は、単結合又は炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。*は、環W1との結合手を表す。]
    Figure 0006146122
    [式(b1−6)中、Lb11及びLb12は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1〜11の2価の飽和炭化水素基を表す。
    b13は、炭素数1〜12の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb11、Lb12及びLb13の合計炭素数の上限は12である。
    *は、環W1との結合手を表す。]
  3. +が、アリールスルホニウムカチオンである請求項1又は2記載の塩。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項記載の塩と、酸不安定基を有する構造単位を含む樹脂とを含有するレジスト組成物。
  5. (1)請求項4記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
    (2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
    (3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
    (4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
    (5)加熱後の組成物層を現像する工程
    を含むレジストパターンの製造方法。
JP2013103781A 2012-05-18 2013-05-16 塩、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 Active JP6146122B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013103781A JP6146122B2 (ja) 2012-05-18 2013-05-16 塩、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012114140 2012-05-18
JP2012114140 2012-05-18
JP2013103781A JP6146122B2 (ja) 2012-05-18 2013-05-16 塩、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013256496A JP2013256496A (ja) 2013-12-26
JP6146122B2 true JP6146122B2 (ja) 2017-06-14

Family

ID=49953250

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013103781A Active JP6146122B2 (ja) 2012-05-18 2013-05-16 塩、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6146122B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014215548A (ja) * 2013-04-26 2014-11-17 富士フイルム株式会社 パターン形成方法、それに用いられる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、及び、レジスト膜、並びに、これらを用いる電子デバイス及びその製造方法
JP6201564B2 (ja) * 2013-09-24 2017-09-27 住友化学株式会社 塩、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
JP7155800B2 (ja) * 2017-10-16 2022-10-19 住友化学株式会社 塩、酸発生剤、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5266688B2 (ja) * 2006-08-18 2013-08-21 住友化学株式会社 化学増幅型レジスト組成物の酸発生剤用の塩
JP5598275B2 (ja) * 2009-11-18 2014-10-01 住友化学株式会社 酸発生剤用の塩及びレジスト組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013256496A (ja) 2013-12-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6159617B2 (ja) 塩、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
JP6276967B2 (ja) レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
JP6276966B2 (ja) レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
JP6157315B2 (ja) レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
JP6232838B2 (ja) レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
JP6119487B2 (ja) レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
JP6146122B2 (ja) 塩、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
JP6292817B2 (ja) レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
JP6232837B2 (ja) レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
JP6324024B2 (ja) レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
JP6274755B2 (ja) レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
JP6224986B2 (ja) レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
JP6149511B2 (ja) レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
JP6261947B2 (ja) レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
JP6276965B2 (ja) レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
JP6246491B2 (ja) レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
JP6213016B2 (ja) レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
JP6177597B2 (ja) 塩、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
JP6181985B2 (ja) レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
JP5921980B2 (ja) 塩、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
JP6261948B2 (ja) レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
JP6246553B2 (ja) レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
JP6088368B2 (ja) レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
JP6280699B2 (ja) レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
JP2014112209A (ja) レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160405

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170330

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170418

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170330

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170501

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6146122

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350