JP6145397B2 - 軽油組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、バイオマスを原料とする軽油組成物に関する。
従来、植物資源を含む生物由来の資源(いわゆる、バイオマス)をガソリン、灯油、及び軽油の原料として活用することが進められている。特に、植物資源由来のバイオマス燃料は、植物が成長過程において光合成により大気中から取り込んだ二酸化炭素の炭素原子から変換された有機化合物であるため、植物資源由来のバイオマス燃料を燃焼して排出される二酸化炭素は、大気中の二酸化炭素総量の増加に繋がらない。このように、植物資源由来のバイオマス燃料は、カーボンニュートラルの観点から有益である。
バイオマス燃料の一例である脂肪酸メチルエステル油(Fatty Acid Methyl Ester:以下FAMEとする)FAMEは、グリセリンと脂肪酸とがエステル結合したトリグリセリド構造を有する動植物油脂と、メタノールとをアルカリ雰囲気下でエステル交換反応して得られる。
しかし、FAMEには、実用上の問題点が指摘されている。例えば、FAMEは、二重結合を有する。二重結合は、酸化安定性と低温流動性に影響する。二重結合の量が多いと酸化安定性が低下し、二重結合の量が少ないと低温流動性が悪化する。このため、酸化安定性と低温流動性とを両立するように、二重結合量を調整することは難しい。
また、FAMEは、一般的なディーゼル燃料よりも重質な成分が多いため、燃え切り性が悪く、燃費の悪化や燃焼時の未燃炭化水素の排出を増加させる懸念があった。更にまた、FAMEは、含酸素化合物であるため、燃焼機関に用いられる金属やゴムなどの部材を劣化させたり、燃焼時にアルデヒド類の排出を増加させたりする懸念があった。
バイオマス燃料としては、FAMEのほかに、トリグリセリド構造を有する動植物油脂を、脱酸素処理、異性化処理、及び水素化処理して得られる水素化処理軽油(HBD:Hydro−generated Biodiesel)が提案されている。
HBDもまた、いくつかの問題点が指摘されている。例えば、HBDは、一般的なディーゼル燃料よりも密度が小さいため、燃費が悪く、潤滑性も劣る。また、低温における流動性を確保するために、異性化処理などが必要になることから、ライフサイクル全体でみたとき、完全なカーボンニュートラルを達成することが難しい。
このように、FAME、HBDなどのバイオマス燃料の普及には、問題点が多い。しかし、バイオマス燃料を現行の燃料油の原料として使用できる比率が高まれば、二酸化炭素排出量の削減には、一層有益である。そこで、近年では、上述した問題点の一部の改良が進められている(特許文献1〜5参照)。
ところが、現行の燃料油に求められる低温性能を有しつつ、高発熱量を満足するバイオマス燃料を得るには、依然として課題が多く残されており、更なる改良が望まれている。
特開2007−153928号公報 特開2007−308565号公報 特開2007−308566号公報 特開2007−308567号公報 特開2009−161669号公報
本発明は、低温性能を有しつつ、高発熱量が得られる軽油組成物の提供を目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定の化合物を有するバイオマスから抽出された油分を水素化処理して得られる燃料油基材を含む軽油組成物は、低温性能を有しつつ、高発熱量を有することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1]炭素数15のアルキル基が結合したモノアルキルベンゼン化合物(A成分)及び炭素数15のアルキル基が結合したモノアルキルシクロヘキサン化合物(B成分)を含む燃料油基材と、脱硫灯油と、脱硫軽油とを含有する軽油組成物であって、前記燃料油基材が軽油組成物基準で1容量%以上15容量%以下含まれており、前記脱硫灯油が軽油組成物基準で55容量%以上74容量%以下含まれており、前記脱硫軽油が軽油組成物基準で25容量%以上44容量%以下含まれており、炭素数15のアルキル基が結合したモノアルキルベンゼン化合物(A成分)が軽油組成物基準で1質量%以上8質量%以下含まれ、炭素数15のアルキル基が結合したモノアルキルシクロヘキサン化合物(B成分)が軽油組成物基準で1質量%以上8質量%以下含まれ、該軽油組成物の密度が0.80g/cm3以上0.88g/cm3以下であり、沸点範囲が140℃以上400℃以下であり、90%留出温度が330℃以下であり、硫黄分が10質量ppm以下であり、30℃における動粘度が1.7mm2/s以上であり、セタン指数が45以上であり、引火点が45℃以上であり、流動点が−30℃以下であり、目詰まり点が−19℃以下である軽油組成物、
[2]前記A成分と前記B成分とがそれぞれ該燃料油組成物基準で2質量%以上5質量%以下含まれる上記[1]に記載の軽油組成物、
[3]さらに、流動性向上剤が前記軽油組成物基準で70質量ppm以上含まれる上記[1]又は[2]に記載の軽油組成物、
[4]前記流動性向上剤がエチレンビニル共重合体である上記[3]に記載の軽油組成物、
[5]燃料油基材がカシューナッツ由来の成分である上記[1]〜[4]のいずれかに記載の軽油組成物、
を提供する。
本発明によれば、低温性能を有しつつ、高発熱量が得られる軽油組成物を提供することができる。
[軽油組成物]
本発明の実施形態に係る軽油組成物は、炭素数15のアルキル基が結合したモノアルキルベンゼン化合物(A成分)及び炭素数15のアルキル基が結合したモノアルキルシクロヘキサン化合物(B成分)を含む燃料油基材と、脱硫灯油と、脱硫軽油とを含有する軽油組成物であって、前記燃料油基材が燃料油組成物基準で1容量%以上15容量%以下含まれており、前記脱硫灯油が燃料油組成物基準で55容量%以上74容量%以下含まれており、前記脱硫軽油が燃料油組成物基準で25質量%以上44容量%以下含まれており、炭素数15のアルキル基が結合したモノアルキルベンゼン化合物(A成分)が燃料油組成物基準で1質量%以上8質量%以下含まれ、炭素数15のアルキル基が結合したモノアルキルシクロヘキサン化合物(B成分)が燃料油組成物基準で1質量%以上8質量%以下含まれ、該燃料油組成物の密度が0.80g/cm3以上0.88g/cm3以下であり、沸点範囲が140℃以上400℃以下であり、90%留出温度が330℃以下であり、硫黄分が10質量ppm以下であり、30℃における動粘度が1.7mm2/s以上であり、セタン指数が45以上であり、引火点が45℃以上であり、流動点が−30℃以下であり、目詰まり点が−19℃以下である。
本実施形態に係る軽油組成物は、後述する燃料油基材と、石油系留分として脱硫灯油及び脱硫軽油を含有する。燃料油基材は、軽油組成物基準で1容量%以上15容量%以下含まれる。
燃料油基材の含有量が、軽油組成物基準で1容量%未満であると、十分な発熱量が得られず、15容量%を超えると低温流動性が悪化する。この観点から、燃料油基材の含有量は、好ましくは、2容量%以上14容量%以下であり、より好ましくは、5容量%以上13容量%以下である。
脱硫灯油は、軽油組成物基準で55容量%以上74容量%以下含まれる。脱硫灯油の含有量が、軽油組成物基準で55容量%未満であると、低流動性が悪化し、74容量%を超えると十分な発熱量が得られない。この観点から、脱硫灯油の含有量は、好ましくは、56容量%以上72容量%以下であり、より好ましくは、58容量%以上70容量%以下である。
また、脱硫軽油は、軽油組成物基準で25容量%以上44容量%以下含まれる。脱硫軽油の含有量が、軽油組成物基準で25容量%未満であると、十分な発熱量が得られず、44容量%を超えると低温流動性が悪化する。この観点から、脱硫軽油の含有量は、好ましくは、26容量%以上40容量%以下であり、より好ましくは、27容量%以上35容量%以下である。
本実施形態に係る軽油組成物には、上記燃料油基材としてカシューナッツ由来の成分を用いることができる。
本実施形態に係る軽油組成物には、上記燃料油基材及び石油留分のほか、残部には、他の石油系留分、軽油組成物に適用可能な流動性向上剤などの添加剤が含まれていてもよい。
流動性向上剤は、前記軽油組成物基準で70質量ppm以上含まれることが好ましい。流動性向上剤が70質量ppm以上含まれると、目詰まり点と流動点が向上する。この観点から、流動性向上剤の含有量は、より好ましくは、85質量ppm以上であり、さらに好ましくは、100質量ppm以上である。目詰まり点と流動点の向上効果が頭打ちになることから、流動性向上剤の含有量の上限値は、通常、500質量ppmである。
流動性向上剤としては、アルケニルコハク酸アミド化合物、ポリアクキルメタクリレート、ポリアルキシレン脂肪酸エステル、エチレンビニル共重合体等が挙げられる。なかでも、目詰まり点と流動点の良好な向上効果が得られる観点から、エチレンビニル共重合体が好ましい。
本実施形態に係る軽油組成物の15℃における密度は、0.80g/cm3以上0.88g/cm3以下である。15℃における密度が上記範囲であると、発熱量を高めることができ、燃焼性を良好にできるため、燃費を良好に保つことができる。
沸点範囲は、140℃以上400℃以下である。軽油組成物の90%留出温度は、330℃以下である。硫黄分は、10質量ppm以下である。また、30℃における動粘度は、1.7mm2/s以上である。潤滑性を維持するとともに、適正噴霧を確保できる観点から、30℃における動粘度は、1.8mm2/s以上であることが好ましく、上記効果が頭打ちになることから、上限値は5.1mm2/s以下である。
また、軽油組成物のセタン指数は、45以上である。引火点は、45℃以上である。また、流動点は、−30℃以下であり、目詰まり点が−19℃以下である。
なお、本実施形態では、15℃における密度は、JIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定される密度である。
90%留出温度は、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法(常圧法)」により測定される値である。
30℃における動粘度は、JIS K 2283「原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法」により測定される値である。
引火点は、JIS K 2265の3「引火点の求め方−第3部:ペンスキーマルテン密閉法」により測定される値である。
流動点及び曇り点は、JIS K 2269「原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法」により測定される値である。
目詰まり点は、JIS K 2288「石油製品−軽油−目詰まり点試験方法」により測定される値である。
セタン価及びセタン指数は、JIS K 2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」により測定及び算出される値である。
発熱量は、JIS K 2279「原油及び石油製品―発熱量試験方法及び計算による推定方法」の推定式(箇条番号6.3e)1)によって測定及び算出される値である。
硫黄分は、JIS K 2541−6「原油及び石油製品−硫黄分試験方法 第6部:紫外蛍光法」により測定される値である。
[燃料油基材]
燃料油基材は、炭素数15のアルキル基が結合したモノアルキルベンゼン化合物(A成分)及び炭素数15のアルキル基が結合したモノアルキルシクロヘキサン化合物(B成分)を含む。
燃料油基材において、A成分及びB成分の合計が燃料油基材の全質量に対して40質量%以上含まれることが好ましい。燃料油基材には、A成分及びB成分の残部として、A成分及びB成分以外の成分が含まれる。
燃料油基材にA成分及びB成分が40質量%含まれると、十分な発熱量が得られる密度が得られる。また、上記観点から、A成分及びB成分は、燃料油基材の全質量に対して50〜70質量%であることが好ましい。
また、燃料油基材には、A成分及びB成分の両方が含まれ、燃料油基材の全質量に対してA成分が20〜35質量%含まれることが好ましい。A成分含有量が35質量%より多く含まれると、排ガス中の全炭化水素、一酸化炭素が増加し、環境性能が悪化する。また、A成分含有量が20質量%より少なくなると、密度及び発熱量が低くなり燃費向上効果が不十分になる。
なお、燃料油基材におけるA成分及びB成分をはじめとする各成分は、GC−MS分析装置により同定することができる。また、燃料油基材におけるA成分及びB成分は、GC−FID装置により定量できる。
燃料油基材の15℃における密度は、0.820〜0.880g/cm3であることが好ましい。より好ましくは、0.840〜0.870g/cm3であり、更に好ましくは、0.850〜0.865g/cm3である。15℃における密度が上記範囲であると、発熱量を高めることができ、燃焼性を良好にできるため、燃費を良好に保つことができる。
また、燃料油基材の30℃における動粘度は、2.7〜12.0mm2/sであることが好ましく、より好ましくは、5.0〜10.0mm2/sである。30℃における動粘度が上記範囲であると、潤滑性を維持できるとともに、適正噴霧を確保できる。
炭素数15のアルキル基が結合したモノアルキルベンゼン化合物(A成分)は、軽油組成物基準で、1質量%以上8質量%以下含まれる。また、炭素数15のアルキル基が結合したモノアルキルシクロヘキサン化合物(B成分)は、軽油組成物基準で1質量%以上8質量%以下含まれる。
A成分及びB成分の含量が上記範囲であれば、ポンプなどに使用されるゴムの収縮を抑えることができる。また、良好な発熱量が得られる。上記観点から、A成分とB成分は、それぞれ該軽油組成物基準で2質量%以上5質量%以下含まれることが好ましく、より好ましくは、3質量%以上4質量%以下である。
<燃料油基材の製造方法>
本発明の燃料油基材は、カシューナッツ殻から抽出された油分を水素化処理触媒によって水素化処理することにより製造することができる。
カシューナッツ殻から抽出された油分のなかでも、アナカルド酸、カルドール、及びカルダノールから選ばれる少なくとも1つの化合物が含まれることが好ましい。
なかでも、事前に熱処理を施すことにより、アナカルド酸を分解することが好ましく、油分全質量に対して、アナカルド酸0〜10.0質量%、カルドール0〜25.0質量%、及びカルダノール65.0〜100質量%が含まれることが好ましい。
また、カシューナッツ殻から抽出された油分に限らず、炭素数15以上のアルキル基が結合したアルキルベンゼン化合物、あるいは炭素数15以上のアルキル基が結合したフェノール化合物を40質量%以上含むバイオマスであれば本発明の燃料油基材を得るのに有利である。
(水素化処理触媒)
水素化処理触媒を構成する担体を構成する混合物としては、アルミナを含有する多孔質無機酸化物が使用できる。
水素化処理触媒を構成する活性成分としては、周期表第6族の金属元素から選ばれた少なくとも1種、周期表第9族の金属元素から選ばれた少なくとも1種、及び第10族の金属元素から選ばれた少なくとも1種のうちから選ばれた活性金属が挙げられる。
周期表第6族の活性成分としては、好ましくは、モリブデン、タングステンである。これら活性成分を担体上に担持するモリブデン化合物としては、三酸化モリブデン、モリブデン酸アンモニウム等が好ましく、タングステン化合物としては、三酸化タングステン、タングステン酸アンモニウム等が好ましい。
周期表第9族及び10族の活性成分としては、コバルト、ニッケルである。これら活性成分を担体上に担持する有効なコバルト化合物としては、炭酸コバルト、塩基性炭酸コバルト、硝酸コバルト等が好ましく、ニッケル化合物としては、炭酸ニッケル、塩基性炭酸ニッケル、硝酸ニッケル等が好ましい。第9族と第10族の金属元素の担持量は、酸化物換算で該水素化処理触媒の全質量比で2〜5%であることが好ましい。上述した活性成分のなかでは、ニッケルとモリブデンとを組み合わせたニッケルモリブデン系触媒が好ましい。また、上述の水素化処理触媒を、水素雰囲気下で、300〜400℃で、1〜36時間、水素還元処理して使用することが好ましい。
(水素化処理条件)
上述した水素化処理触媒を用いて、原料油を水素化処理する際の反応条件としては、処理温度:300〜390℃、原料油流量(LHSV):0.5〜2.0h-1、水素/原料油比:500〜2400NL/kLとすることが好ましい。水素化処理条件における原料油流量、あるいは水素/原料油比を変更することにより、A成分とB成分の比率を変更できる。
次に、実施例及び比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[評価方法]
各燃料油基材、石油留分、及び軽油組成物の性状は、次の方法により評価した。
<A成分及びB成分の同定及び定量>
A成分及びB成分は、7890A GC System(Agilent Technologies)を用い、下記条件にて同定(GC−MS)及び定量(GC−FID)を行った。
カラム:VF−5ms(Agilent Technologies)GC−MS測定
注入口温度:300℃
オーブン温度:300℃(40℃から6℃/minで昇温)
キャリアガス:He
注入量:0.1μl
<15℃における密度>
15℃における密度は、JIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定される密度である。
<蒸留>
蒸留は、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法(常圧法)」により測定した値である。
<30℃における動粘度>
30℃における動粘度は、JIS K 2283「原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法」により測定した値である。
<引火点>
引火点は、JIS K 2265の3「引火点の求め方−第3部:ペンスキーマルテン密閉法」により測定した値である。
<流動点及び曇り点>
流動点及び曇り点は、JIS K 2269「原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法」により測定した値である。
<目詰まり点>
目詰まり点は、JIS K 2288「石油製品−軽油−目詰まり点試験方法」により測定した値である。
<セタン価及びセタン指数>
セタン価及びセタン指数は、JIS K 2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」により測定及び算出される値である。
<発熱量>
発熱量は、JIS K 2279「原油及び石油製品−発熱量試験方法及び計算による推定方法」の推定式(箇条番号6.3e)1)によって測定及び算出される値である。発熱量が37200J/L以上のものを合格とし、37200J/L未満のものを不合格とした。
<硫黄分>
硫黄分は、JIS K 2541−6「原油及び石油製品−硫黄分試験方法 第6部:紫外蛍光法」により測定される値である。
[燃料油基材の製造]
<製造例1>
高圧固定床流通式のベンチスケール反応器(全長500mm)の中央部分に5ccの水素化処理触媒を充填し、入口側と出口側とを石英ウールで挟み、触媒が充填された部分以外をセラミックボールで満たし、開口端に石英ウールを配置し、反応管を形成した。
原料油としてカシューナッツ殻から抽出された油分(カシュー株式会社製、商品名「CX−1000」)を用いた。水素化処理触媒として、特開2004−16975号公報の実施例2記載のNiMo系触媒を16〜32メッシュに整粒し、水素雰囲気中にて、360℃、24時間の水素還元処理を施したものを用いた。水素化処理の反応条件は、下記のとおりとした。
処理温度:370℃
原料油流量(LHSV):1.0h-1
水素/原料油比:2200NL/kL
得られた燃料油基材(カシューナット油)の性状を第2表に示す。
<比較製造例1>
第1表に示す性状を有する植物油脂とメタノールとを反応させて植物油脂メチルエステル化物を得た。ここではアルカリ触媒(ナトリウムメチラート)の存在下で70℃、1時間程度の撹拌を行い、アルキルアルコールと直接反応させてエステル化合物を得るエステル交換反応を用いた。得られた燃料油基材(FAME)の性状を第2表に示す。
Figure 0006145397
Figure 0006145397
[軽油組成物の調製]
第1表に示す性状の石油系成分と、製造例1により製造された燃料油基材とを混合し、実施例1〜2及び比較例1〜5の軽油組成物を製造し、上述の評価方法により評価した。
[評価結果]
実施例1〜2及び比較例1〜5の軽油組成物の特性を、上述した評価方法により評価した。結果を、第3表に示す。
Figure 0006145397
カシューナット油を混合した実施例1,2の燃料油組成物によれば、カシューナット油を含まない燃料油組成物よりも発熱量が高くなることがわかった。

Claims (5)

  1. 炭素数15のアルキル基が結合したモノアルキルベンゼン化合物(A成分)及び炭素数15のアルキル基が結合したモノアルキルシクロヘキサン化合物(B成分)を含む燃料油基材と、脱硫灯油と、脱硫軽油とを含有する軽油組成物であって、
    前記燃料油基材が軽油組成物基準で1容量%以上15容量%以下含まれており、前記脱硫灯油が軽油組成物基準で55容量%以上74容量%以下含まれており、前記脱硫軽油が軽油組成物基準で25容量%以上44容量%以下含まれており、
    炭素数15のアルキル基が結合したモノアルキルベンゼン化合物(A成分)が軽油組成物基準で1質量%以上8質量%以下含まれ、
    炭素数15のアルキル基が結合したモノアルキルシクロヘキサン化合物(B成分)が軽油組成物基準で1質量%以上8質量%以下含まれ、
    該軽油組成物の密度が0.80g/cm3以上0.88g/cm3以下であり、沸点範囲が140℃以上400℃以下であり、90%留出温度が330℃以下であり、硫黄分が10質量ppm以下であり、30℃における動粘度が1.7mm2/s以上であり、セタン指数が45以上であり、引火点が45℃以上であり、流動点が−30℃以下であり、目詰まり点が−19℃以下である軽油組成物。
  2. 前記A成分と前記B成分とがそれぞれ該燃料油組成物基準で2質量%以上5質量%以下含まれる請求項1に記載の軽油組成物。
  3. さらに、流動性向上剤が前記軽油組成物基準で70質量ppm以上含まれる請求項1又は2に記載の軽油組成物。
  4. 前記流動性向上剤がエチレンビニル共重合体である請求項3に記載の軽油組成物。
  5. 燃料油基材がカシューナッツ由来の成分である請求項1〜4のいずれかに記載の軽油組成物。
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