JP6143215B2 - 高脂肪食への嗜好性を軽減させるための医薬組成物、飲食品組成物または飲食品添加剤 - Google Patents

高脂肪食への嗜好性を軽減させるための医薬組成物、飲食品組成物または飲食品添加剤 Download PDF

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本発明は、高脂肪食への嗜好性を軽減させるための医薬組成物、飲食品組成物または飲食品添加剤に関するものである。
近年、世界中で肥満症が急増しており、その予防と克服が社会的、医療経済的に強く求められている。病態や発症機序の解明も進みつつあり、多くの治療薬が開発されてきたが、副作用や不十分な臨床効果などの問題を抱え、未だ広く普及するに至っていない。
このような背景を踏まえ、安全性の高い天然食品由来で有効な抗肥満作用を発揮する物質の探索が求められている。本発明者らは、玄米摂取により、被検体の高脂肪食への嗜好性を軽減させることを明らかにしてきた(非特許文献1〜3)。しかしながら、玄米由来成分中の、被検体の高脂肪食への嗜好性を軽減させる分子実体は知られていなかった。
玄米由来成分の1つであるγ−オリザノールには、抗肥満効果や、抗糖尿病効果が知られている(特許文献1および2)。しかし、高脂肪食への嗜好性に対する影響については、今日まで何らの知見も得られていなかった。
特開2010−227034号公報 特開2008−063293号公報
小塚智沙代 琉球大学第二回医学研究科合同リサーチカンファレンス 2011 <URL:http://www.med.u−ryukyu.ac.jp/event/2563.html> 小塚智沙代 第49回日本糖尿病学会地方会 10081 2011 <URL:http://www.congre.co.jp/jdsk2011/html/endai/img/10051_10100.pdf> 小塚智沙代 日本臨床栄養研究会 2011 <URL:http://www.dietitian.or.jp/conference/calendar/2011/cal111217.htm>
本発明は、高脂肪食への嗜好性を軽減させるための医薬組成物、飲食品組成物または飲食品添加剤を提供する。
本発明者は、4−フェニル酪酸またはγ−オリザノールが、高脂肪食への嗜好性を軽減させることを、初めて見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1] 4−フェニル酪酸またはγ−オリザノールを含む、高脂肪食への嗜好性を軽減させるための医薬組成物、飲食品組成物または飲食品添加剤、
に関する。
本発明の、4−フェニル酪酸またはγ−オリザノールを含む医薬組成物、飲食品組成物または飲食品添加剤により、高脂肪食への嗜好性を軽減させ、無意識のうちに低脂肪食をたべるようになり、肥満防止その他成人病防止にも大いに効果がある。
4−フェニル酪酸で処置されたマウスの高脂肪食への嗜好性。値(%)は平均値±標準誤差。○:対照、●:4−フェニル酪酸、アスタリスク:P<0.05。 γ−オリザノールで処置されたマウスの高脂肪食への嗜好性。値(%)は平均値±標準誤差。○:対照、●:γ−オリザノール、平均値±標準誤差、アスタリスク:P<0.05。
定義
本明細書において使用する「γ−オリザノール」という用語は、米ぬか油、米胚芽油等に特有の生理活性物質であり、フェルラ酸に数種類のトリペルテンアルコールがエステル結合した物質の混合物の総称を指す。
本明細書において使用する「高脂肪食」という用語は、脂肪分の割合がカロリー比率で通常食よりも高い、任意の食餌を指す。本明細書において使用する通常食の脂肪分は、10〜15%の範囲である。従って、高脂肪食においては脂肪分の割合は15%よりも多く、好ましくは30〜70%の範囲であり、肥満者の食生活の実態を考慮すると、40〜50%がより好ましい範囲である。
本明細書において使用する「高脂肪食への嗜好性」という用語は、任意の複数の食餌を同時に与えた際に、一週間当たりの摂食量全体に対する、高脂肪食の摂食量の割合を示す。本明細書において、高脂肪食への嗜好性を、以下の式によって定義する:
高脂肪食への嗜好性(%)=[(高脂肪食の摂食量(g/week))/((通常食の摂食量(g/week))+(高脂肪食の摂食量(g/week)))]×100。
即ち、この値が50より高ければ高脂肪食を通常食よりも多く摂取していることを示し、50より低ければ通常食の摂取が多いということを定量的に示すことが出来る。
本明細書において使用する「軽減させる」という用語は、任意の介入が、高脂肪食への嗜好性を、介入しない場合に比べて有意差をもって低下させることを指す。本明細書においては、Studentのt検定により有意水準P<0.05で有意差がある場合に、該介入が、高脂肪食への嗜好性を軽減させるという。
本発明に係る組成物は、食品として、特に高脂肪食への嗜好性の軽減の目的で健康食品、機能性食品、健康補助食品、特定保健用食品として使用することができる。これら食品は、例えばお茶、ジュースといった飲料水;ゼリー、あめ、チョコレート、チューインガムなどの形態であってもよい。また、本発明に係る食品は、栄養補助食品(サプリメント)として、液剤、粉剤、粒剤、カプセル剤、錠剤の形で製造されてもよい。
さらに本発明の飲食品組成物には、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、通常用いるところの各種成分を配合することができる。例えば賦形剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、食品添加物、調味料等の成分を配合することができる。
また、本発明に係る組成物は、医薬として、例えば、高脂肪食への嗜好性の治療または予防に使用することができる。これら医薬品は、例えば錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬もしくは軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳濁剤又は懸濁剤の形態で経口的に投与することができるが、例えば座剤の形態で直腸的に;例えば軟膏、クリーム剤、ゲル剤又は液剤の形態で局部的又は経皮的に;例えば注射用液剤として非経口的に投与することもできる。
さらに本発明の医薬組成物には、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、通常用いるところの各種担体を配合することができる。例えば賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤、着色剤、可塑剤等の担体を配合することができる。
医薬として、本発明に係る組成物の投与量は、特に制限されないが、投与経路、剤型、患者の年齢、体重および症状に応じて適宜選択することができる。例えば、経口投与の場合には、成人1日当り有効成分量として1mg〜100gの投与が望ましい。また、投与期間は、年齢、症状に応じて任意に定めることができる。
以下、実施例によって、本発明の組成物を更に詳細に説明するが、本発明はその趣旨と適用範囲に逸脱しない限りこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
4−PBAによる高脂肪食嗜好性の軽減
材料および方法
動物は8週齢の雄性C57BL/6Jマウス(日本チャールズ・リバー株式会社、神奈川)を使用した。1ケージあたり2匹のマウスを飼育し、1つの条件に対し3ケージ用いた。4−フェニル酪酸(4−PBA)(和光純薬工業株式会社、大阪)を、等モル量の水酸化ナトリウムで溶解してpH7.4に調整後、PBSで希釈し、g体重あたり120μgで1日1回8週間連日腹腔内投与した。高脂肪食への嗜好性は、通常食(脂肪分10%、D12450B、Research Diet、New Brunswick, NJ, USA)と高脂肪食(脂肪分45%、D12451、Research Diet、New Brunswick, NJ, USA)を同時に給餌することによりマウスが両者を自由に選択できる条件下で飼育し、1ケージあたりの通常食と高脂肪食それぞれの摂食量を1週間毎に測定して、週ごとに評価した。
結果
結果を図1に示す。投与後2週目、3週目、4週目において、対照群では高脂肪食への嗜好性がそれぞれ、99.6%、99.5%、99.4%であったのに対し、4−PBA投与群ではそれぞれ98.9%、98.4%、98.3%であった。これは、4−PBAが、対照群に比べて2.6倍〜3.4倍、高脂肪食への嗜好性を明らかに軽減させることを意味する。
[実施例2]
γ−オリザノールによる高脂肪食嗜好性の軽減
材料および方法
動物は8週齢の雄性C57BL/6Jマウス((日本チャールズ・リバー株式会社、神奈川)を使用した。1ケージあたり2匹のマウスを飼育し、1つの条件に対し3ケージ用いた。γ−オリザノール(和光純薬工業株式会社、大阪)を、0.5%メチルセルロース溶液(133-14255、和光純薬工業株式会社、大阪)に懸濁し、ゾンデを用いてg体重あたり80μgで1日1回8週間連日経口投与した。高脂肪食への嗜好性は、通常食(脂肪分10%、D12450B、Research Diet、New Brunswick, NJ, USA)と高脂肪食(脂肪分45%、D12451、Research Diet、New Brunswick, NJ, USA)を同時に給餌することによりマウスが両者を自由に選択できる条件下で飼育し、1ケージあたりの通常食と高脂肪食それぞれの摂食量を1週間毎に測定して、週ごとに評価した。
結果
結果を図2に示す。投与後5週目、6週目、7週目において、対照群では高脂肪食への嗜好性がそれぞれ、98.5%、98.5%、98.3%であったのに対し、γ−オリザノール投与群ではそれぞれ97.8%、97.6%、97.5%であった。これは、γ−オリザノールが、対照群に比べて1.4倍〜1.5倍、高脂肪食への嗜好性を明らかに軽減させることを意味する。
本発明の、4−フェニル酪酸またはγ−オリザノールを含む医薬組成物、飲食品組成物または飲食品添加剤は、上記で述べたように、高脂肪食への嗜好性を軽減させるのに有用である。総摂取カロリーに占める脂肪分の割合が急速に増加している現代日本人における実態からみて本発明は、学術的にも有用である。

Claims (2)

  1. γ−オリザノールを有効成分として含む、高脂肪食への嗜好性を軽減させるための医薬組成物。
  2. γ−オリザノールを有効成分として含む、高脂肪食嗜好性軽減剤。
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