JP6139637B2 - 二重螺旋ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、螺旋状に設置されたチューブやスクリュウを回転させることによって液体を移送させるアルキメデスポンプに係り、特に、液体の流路の外側若しくは内側に気体の流路が形成された二重螺旋ポンプに関する。
河川や用水路から水を汲み上げる手段としては、水車や動力付きポンプが知られている。しかし、水車は大きさによって揚程が決まるため、設置場所に対する制約が多い。一方、動力付きポンプは製造コストやランニングコストが高い。これに対し、アルキメデスポンプは、設置場所の制約が少なく、製造コストやランニングコストも安い。そのため、近年では、アルキメデスポンプが水車や動力付きポンプに代わる揚水装置として特に注目され始めている。そして、アルキメデスポンプについては、これまで様々な改良が重ねられており、既に多くの発明や考案が開示されている。
例えば、特許文献1には、「大揚水量スクリューポンプ」という名称で、下水や雨水を排出するために用いられるスクリューポンプに関する発明が開示されている。
特許文献1に開示された発明は、両端にそれぞれ開放口を有する導水管の外面と内面にそれぞれスクリューが設けられた構造となっている。
このような構造によれば、導水管の回転に伴って、導水管の下端付近の水が、導水管の外面に設けられたスクリューによって汲み上げられるとともに、下端部の開放口から導水管の内部へ流入した水が導水管の内面に設けられたスクリューによって汲み上げられるという作用を有する。したがって、導水管の内面にスクリューが設けられていない従来のポンプに比べて、単位時間あたりの揚水量を増加させることができる。
また、特許文献2には、「二重アルキメデスポンプ」という名称で、水路の傾斜部を利用して揚水を行うアルキメデスポンプに関する発明が開示されている。
特許文献2に開示された発明は、水路の傾斜部に配設され、中空円筒状の外側軸に螺旋状のランナが設けられた外側アルキメデスポンプと、この外側軸の内部に挿通される内側軸に螺旋状のランナが設けられた内側アルキメデスポンプと、両アルキメデスポンプの駆動源と、この駆動源と両アルキメデスポンプとの間に介在され、各アルキメデスポンプをそれぞれ単独に駆動可能とする交換手段と、を備えたことを特徴としている。
このような構造によれば、2つのアルキメデスポンプを駆動させることで、水路に対する設置面積を増大させることなく、揚水量を増加させることができる。また、交換手段によって2つのアルキメデスポンプのいずれか一方を選択的に駆動させることで、揚水量を容易に増減させることができる。
特開昭49−118011号公報 特開昭57−88277号公報
アルキメデスポンプは原理的に螺旋1ピッチの内で重力による水と空気の置換作用により上方へ揚水する仕組みであり、吸水口の全てを水中に埋没させた場合、外部からの空気は吐出口を通してポンプ内に取り込まれることになる。そのため、回転数が上昇するに従って徐々に上述の水と空気の置換が間に合わなくなる、あるいは、揚水に係る流路が長い場合には、吐出口からの空気の流入が吸水口まで到達しなくなるなどの不具合が生じ、その結果、揚水量が減少する。そして、最悪の場合には揚水が不可能となってしまう。
このような事態を回避するために、上述の従来技術である特許文献1や特許文献2に記載された発明においては、螺旋が1回転する間に導水管や外側軸の下端の開放口が少なくとも1回は水面よりも上に出るように設置する必要があることに加え、水位が変化する場所では使用できないという課題があった。また、特許文献1及び特許文献2に開示された発明は、いずれも水路の傾斜面を利用する構造となっているため、設置場所が限定されるという課題があった。
本発明はこのような従来の事情に対処してなされたものであり、設置場所に対する制約が少ない二重螺旋ポンプを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明である二重螺旋ポンプは、螺旋状をなす第1の流路と、この第1の流路に対して同一の中心軸を有し逆向きの螺旋を描くように形成される第2の流路と、この第2の流路とともに第1の流路を保持する保持手段と、中心軸を回動軸として第1の流路及び第2の流路を回動可能に、この保持手段を支持する支持手段と、を備え、第1の流路及び第2の流路は、吸入口と吐出口を有する第1の筒体及び第2の筒体によってそれぞれ形成されることを特徴とするものである。
なお、本発明において、「同一の中心軸を有する」とは、第1の流路と第2の流路において「螺旋の中心軸が一致する」場合のみならず、「螺旋の中心軸が略一致する」場合も含んだ状態を表している。
上記構造の二重螺旋ポンプにおいては、第1の筒体及び第2の筒体によって水や空気の流路となる第1の流路及び第2の流路がそれぞれ形成されるため、水路内に設けられた傾斜面を流路の一部として利用する構造とは異なり、設置場所が限定されないという作用を有する。また、第1の流路と第2の流路のうち一方によって揚水機能が発揮されると同時に、他方によってエアレーション機能が発揮されるという作用を有する。
また、第2の発明は、第1の発明において、第2の流路は、吐出口から吐出された流体を第1の流路内へ供給可能に設置されることを特徴とするものである。
上記構造の二重螺旋ポンプにおいては、第1の筒体の吸入口が流水路内等の水中に配置されるとともに、第1の筒体の吐出口及び第2の筒体の吸入口が水面よりも上方に配置され、かつ、螺旋の中心軸が鉛直方向と所定の傾斜角をなすように支持手段が地面等に固定された状態で保持手段を所定の方向へ回動させた場合、第1の流路によって流水路中の水が汲み上げられると同時に、第2の流路から第1の流路内へ空気が供給されるという作用を有する。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明において、第1の筒体及び第2の筒体が、水密性及び気密性を有するチューブであることを特徴とするものである。
このような構造の二重螺旋ポンプにおいては、チューブによって水や空気の流路が形成されるため、水路内に設けられた傾斜面を流路の一部として利用する構造とは異なり、設置場所が限定されないという第1の発明の作用が確実に発揮される。
第4の発明は、第2の発明において、第1の筒体及び第2の筒体はいずれも円筒軸が回動軸に一致するように設置される円筒体であり、第1の筒体は、上端と下端にそれぞれ第1の流路の吐出口と吸入口を有するとともに、下端近傍の側面に第2の流路の吐出口が設けられ、第2の筒体は、上端に第2の流路の吸入口を有し、第1の筒体は吸入口の近傍に開口部が設けられるとともに、内部を螺旋状に仕切って第1の流路を形成する第1の羽根板を備え、第2の筒体は、第1の筒体の下部が内挿されるとともに、第1の筒体との間を螺旋状に仕切って第2の流路を形成する第2の羽根板を備え、この第2の羽根板は、第1の羽根板と連動して回動可能に設置されることを特徴とするものである。
なお、本発明において、第1の筒体及び第2の筒体において「円筒軸が回動軸に一致する」とは、「円筒軸が回動軸と完全に一致する」場合のみならず、「円筒軸が回動軸と略一致する」場合も含んだ状態を表している。
このような構造の二重螺旋ポンプにおいては、第1の羽根板及び第2の羽根板によって内部が螺旋状に仕切られる第1の筒体及び第2の筒体が水や空気の流路を形成するため、水路内に設けられた傾斜面を流路の一部として利用する構造とは異なり、設置場所が限定されないという第1の発明の作用が確実に発揮される。
第1の発明によれば、設置場所に対する制約が少ないため、汎用性に優れるという効果を奏する。また、例えば、湖沼等に設置した場合、水底付近の水を汲み上げて循環させつつ、水底へ空気を供給することで、効率良く水質を改善することができる。
第2の発明では、第2の流路から第1の流路内へ空気が供給されるため、第1の筒体の下端が全て水中に埋没するような状態で設置された場合でも回動速度の上昇に伴って揚水量が減少するおそれがない。したがって、第2の発明によれば、第1の発明の効果に加え、第1の筒体が1回転する間にその下端が水面よりも上に出るような状態で設置する必要がなく、また、水位が変化する場所であっても設置することができるという効果を奏する。
第3の発明によれば、設置場所に対する制約が少ないため、汎用性に優れるという第1の発明の効果が確実に発揮される。
第4の発明によれば、設置場所に対する制約が少ないため、汎用性に優れるという第1の発明の効果がより一層発揮される。
(a)は本発明の実施の形態に係る二重螺旋ポンプの実施例1の側面図であり、(b)はその下端部分を拡大して示した斜視図であり、(c)は端部接続具の斜視図である。 図1(a)におけるA−A線矢視断面図である。 図1(a)におけるB−B線矢視断面図である。 図1(a)におけるC−C線矢視断面図である。 図1(a)におけるD−D線矢視断面図である。 (a)は保持具によって棒状体が保持された状態を示す保持手段の平面図であり、(b)は同図(a)におけるE−E線矢視断面図である。 (a)はギヤの平面図であり、(b)は環状円板にギヤが接合された状態を示す環状円板とギヤの断面図である。 実施例1の二重螺旋ポンプの設置例を示した模式図である。 (a)は本発明の実施の形態に係る二重螺旋ポンプの実施例2の設置例を示した模式図であり、(b)はその二重螺旋ポンプの下端部分を拡大して示した斜視図である。 (a)は本発明の実施の形態に係る二重螺旋ポンプの実施例3の設置例を示した模式図であり、(b)及び(c)はそれぞれ同図(a)におけるF方向矢視図及びG方向矢視図の一部を拡大して示したものである。 (a)は図10(a)に示した二重螺旋ポンプの下部の縦断面の拡大図であり、(b)は同図(a)におけるH−H線矢視断面の拡大図である。 (a)は本発明の実施の形態に係る二重螺旋ポンプの実施例4の設置例を示した模式図であり、(b)及び(c)はそれぞれ同図(a)におけるI方向矢視図及びJ方向矢視図の一部を拡大して示したものである。 (a)は図12(a)に示した二重螺旋ポンプの下部の縦断面の拡大図であり、(b)は同図(a)におけるK−K線矢視断面の拡大図である。
本発明の二重螺旋ポンプの構造について図1乃至図13を参照しながら具体的に説明する。なお、図1乃至図8は実施例1に対応し、図9は実施例2に対応し、図10及び図11は実施例3に対応し、図12及び図13は実施例4に対応している。
図1(a)は本実施例の二重螺旋ポンプ1aの側面図であり、図1(b)は二重螺旋ポンプ1aの下端部分を拡大して示した斜視図であり、図1(c)は端部接続具39の斜視図である。ただし、図1(b)ではフレーム6及び固定具25の他、チューブ5が外側に設置されていない部分におけるチューブ4について、それらの図示を省略している。
図1(a)及び図1(b)に示すように、二重螺旋ポンプ1aは、所定の間隔をあけて同心状に配置される複数の環状円板2と、その平面部と直交するように配置されて各環状円板2を互いに連結する複数の棒状体3と、螺旋状に巻回されて液体の流路を形成する合成樹脂製のチューブ4と、このチューブ4と中心軸が同一であって螺旋の向きが逆になるようにチューブ4の外側に巻回されて気体の流路を形成するチューブ5と、所定の間隔をあけて平行に配置される一対の支持板7,8及び接続部材14を有する固定具25を備えている。
また、チューブ4,5は水密性及び気密性を有しており、下端が差込口39a,39bにそれぞれ差し込まれるようにして端部接続具39に接続されている。なお、差込口39bは、両端に差込口39aと取込口39cを有する半円状の管路の途中に設けられている。すなわち、端部接続具39は、チューブ5の下端をチューブ4の下端近傍に接続することで、チューブ5によって移送されてきた流体をチューブ4の内部へ送り込むという機能を有している。
棒状体3はチューブ4を囲繞するように環状円板2の円周方向に対して略等間隔に配置されており、環状円板2とともに円筒状のフレーム6を形成している。また、チューブ4,5は、螺旋の中心軸がフレーム6の円筒軸と略平行をなすように、環状円板2の内側と外側にそれぞれ設置されている。すなわち、フレーム6は螺旋形状を保ったままチューブ4を保持するという機能を有している。なお、フレーム6は固定具25によって、円筒軸を中心として回動可能に支持されている。また、フレーム6の一端を構成する環状円板2には端部接続具39がネジ止めされている。
チューブ4,5は自重によって下方へ移動しないように、少なくともその一部が固定手段(図示せず)によってフレーム6に固定されている。なお、チューブ4がビニル製やゴム製である場合、弾性変形した状態で環状円板2の内側に設置されると、螺旋の内径が大きくなる方向へ変形しようとするため、チューブ4の外周面は環状円板2の内周面に押しつけられ、両者の間に摩擦力が発生する。そして、この摩擦力によってチューブ4の下方への移動が拘束される場合には、上述の固定手段を設けない構造とすることもできる。
本実施例では、軽量化のため、棒状体3を両端に雌ネジ部が形成された中空構造としている。そして、棒状体3は、雌ネジ部に螺合するように形成されて環状円板2の平面部に設けられた貫通孔に挿通される雄ネジ部材を介して、環状円板2を間に挟んだ状態で他の棒状体3と連結される構造となっている。
なお、このような構造に限らず、例えば、棒状体3を両端にそれぞれ雄ネジ部と雌ネジ部を有する中実構造とすることもできる。この場合、2本の棒状体3,3は、環状円板2の平面部に設けられた貫通孔に挿通させた一方の雄ネジ部に他方の雌ネジ部を螺合させることにより、環状円板2を間に挟んで互いに連結された状態となる。ただし、棒状体3を中実構造とする場合には、直径を細くするなどして、軽量化することが望ましい。
図2及び図3はそれぞれ図1(a)におけるA−A線矢視断面図及びB−B線矢視断面図である。そして、図4及び図5はそれぞれ図1(a)におけるC−C線矢視断面図及びD−D線矢視断面図である。
図2乃至図5に示すように、固定具25を構成する一対の支持板7,8は、フレーム6を挿通可能な円形の開口部7a,8aをそれぞれ有しており、開口部7a,8aの中心が同一直線上に位置するように所定の間隔をあけて平行に配置されている(図1(a)参照)。また、固定具25は、支持板7,8を連結する連結板9a〜9c及び棒状体10と、支持板7,8の開口部7a,8aに対して同心状に配置される環状円板11,12及びギヤ13を備えており、連結板9aには接続部材14(図1(a)参照)が取り付けられている。
棒状体10は、両端にそれぞれ雄ネジ部が形成されており、この雄ネジ部を支持板7,8に設けられたネジ孔18の雌ネジ部に螺合させることによって支持板7,8に連結される構造となっている。
支持板7,8は、開口部7a,8aが設けられ平面視して略円形をなす部分と、この部分から側方へ突出するように形成され連結板9a〜9cの端部がそれぞれ接合される取付部分7d,8dからなる。また、棒状体10は、支持板7,8と直交するように開口部7a,8aの周りに配置されており、その両端は支持板7,8の内面7b,8bにそれぞれ固定されている。
また、支持板7,8の内面7b,8bには、その平面部と直交し、開口部7a,8aに対して同心状に、かつ、その円周方向に対して略等間隔に配置された回動軸15aを中心として回動する3つのベアリング15が取り付けられており、3つのベアリング15は環状円板11,12の外周面に対して、それぞれ当接した状態で回動可能に支持板7,8に設置されている。すなわち、環状円板11,12は、これら3つのベアリング15によって回動可能に保持されている。
一方、支持板7,8の外面7c,8cには、開口部7a,8aに対して同心状に、かつ、その円周方向に対して略等間隔に配置され回動軸15aと直交する回動軸16aを中心として回動する3つのベアリング16が環状円板11,12の平面に当接した状態で回動可能に設置されている。なお、ベアリング16の回動軸16aを保持する軸固定具17は支持板7,8にネジ止めされている。
図6(a)は保持具19によって棒状体3が保持された状態を示す保持手段の平面図であり、図6(b)は図6(a)におけるE−E線矢視断面図である。なお、図6(a)では棒状体について断面図を示し、図6(b)では支持板7とベアリング15,16と回動軸15a,16aと軸固定具17を破線で示している。
図6(a)及び図6(b)に示すように、環状円板11,12は、環状円板2(図1参照)の外径よりも大きな内径を有する開口部11a,12aが設けられており、その内周面には開口部11a,12aに挿通された棒状体3の外周を囲むように保持する保持具19が設置されている。すなわち、環状円板11,12と19は、フレーム6(図1参照)とともにチューブ4,5を保持する保持手段を構成し、固定具25は螺旋の中心軸を回動軸としてチューブ4,5を回動可能に、上記保持手段を支持する支持手段を構成している。
また、棒状体3の外周面と保持具19の内周面は密着しており、両者の間に発生する摩擦力によって、保持具19及び環状円板11,12からなる保持手段に対して棒状体3はスライド不能に固定されている。そして、環状円板11,12は支持板7,8の外面7c,8c側への移動がベアリング16によって制限されている。すなわち、棒状体3は長手方向へ移動しないように保持手段によって保持され、保持手段は棒状体3の長手方向へ移動しないように支持手段によって支持されている。
なお、棒状体3の外周面と保持具19の内周面の間に発生する摩擦力の大きさは、棒状体3の外径に対する保持具19の内径を変更したり、弾性材からなるスペーサを棒状体3と保持具19の間に設置したりすることによって容易に調節することができる。また、上述の摩擦力を調節する代わりに、支持板7,8の内面7b,8b側への環状円板11,12の移動を制限する部材を棒状体3に取り付けても良い。あるいは、支持板7,8の内面7b,8b側にベアリング16を設けても良い。
図7(a)はギヤの平面図であり、図7(b)は図6(b)に相当する図であって環状円板にギヤが接合された状態を示している。なお、図7(b)では支持板8とベアリング15,16と回動軸15a,16aと軸固定具17を破線で示している。
図7(a)及び図7(b)に示すように、環状円板12の片面には、開口部12aと内径が等しい開口部13aを有するギヤ13が同心状に配置され、ネジ孔20を利用してネジ止めされている。これにより、ギヤ13は環状円板12と一体的に回動可能となっている。
支持板8の取付部分8dには開口部8eが設けられており、この開口部8eを通して駆動軸21aを内面8b側に突出させた状態でモータ21が取付板22によって支持板8の取付部分8dにネジ孔22aを利用してネジ止めされている。なお、モータ21は、駆動軸21aが回動軸15aと平行をなし、かつ、駆動軸21aに取り付けられたスプロケット23がギヤ13と同一平面内で回動可能となっている。また、スプロケット23とギヤ13にはローラーチェーン24が巻回されている。
したがって、モータ21を駆動させると、その駆動力がスプロケット23とローラーチェーン24を介してギヤ13から環状円板12に、さらに棒状体3へと伝達されるため、フレーム6が円筒軸を中心として回動する。
図8は二重螺旋ポンプ1aの設置例を示した模式図である。
図8は、チューブ4の下端が水面28よりも下方に配置されるとともに、チューブ4,5の上端の開口部4a,5aが水面28よりも上方に配置され、かつ、円筒軸が鉛直方向と所定の傾斜角をなすとともにフレーム6の下端6aが流水路内に設置されるように、地面26に固設された架台27に対し固定具25を介して二重螺旋ポンプ1aが固定された状態を示している。
この状態で、モータ21(図5参照)を稼働し、フレーム6を矢印Xで示す方向へ回動させると、チューブ4,5が螺旋の中心軸を回動軸としてフレーム6とともに回動する。これにより、流水路中の水は取込口39cから端部接続具39を介してチューブ4の内部へ取り込まれた後、チューブ4の回動に伴って一段ずつ上方へ向かって移送され、最終的に上端から吐出される。このとき、チューブ4の下端の開口部(図示せず)と上端の開口部4aはそれぞれ水の吸入口及び吐出口として機能する。
一方、二重螺旋ポンプ1aの周囲の空気はチューブ5の回動に伴って上端の開口部5aから内部へ取り込まれた後、チューブ5の回動に伴って一段ずつ下方へ向かって移送され、最終的に下端から端部接続具39を通してチューブ4の内部へ送り込まれる。このとき、チューブ5の上端の開口部5aと下端の開口部(図示せず)はそれぞれ空気の吸入口及び吐出口として機能する。
このように、二重螺旋ポンプ1aは、チューブ4,5によって水の流路と空気の流路が形成されるため、特許文献1や特許文献2に開示された従来技術とは異なり、水路に傾斜面が形成されていない場所に対しても設置することが可能である。また、二重螺旋ポンプ1aにおいては、チューブ4が流水路中の水を汲み上げると同時に、チューブ5によってチューブ4の内部へ空気が供給されるため、チューブ4の下端が全て水中に埋没するような状態で設置された場合でも揚水量が減少するおそれがない。したがって、チューブ4が1回転する間に下端が水面よりも上に出るような状態で設置する必要がなく、また、水位が変化する場所であっても設置することが可能である。すなわち、二重螺旋ポンプ1aは設置場所に対する制約が少ないという優れた効果を有している。
既に述べたように、二重螺旋ポンプ1aでは、フレーム6が環状円板2と棒状体3という軽量で簡単な形状の2種類の部品からなる。そして、チューブ4,5も合成樹脂製であり、軽いため、二重螺旋ポンプ1aを架台27に固定する際に、固定具25をフレーム6の中央付近に取り付けた場合でもフレーム6の姿勢が不安定な状態になり難い。すなわち、フレーム6の端部を支持しなくとも所望の角度で傾斜させたフレーム6とチューブ4,5を安定した状態で設置することができる。したがって、従来技術において想定される場合よりも長いフレーム6とチューブ4,5を使用することができる。
さらに、二重螺旋ポンプ1aでは、チューブ4,5を回動させるための機構をフレーム6の上端や下端に設ける必要がない。そのため、例えば、チューブ4を長くする必要がある場合や、障害物があってチューブ4,5を回動させる機構を水中やチューブ4の上方に設置できない場合であっても本発明の二重螺旋ポンプ1aであれば、設置が可能である。
そして、二重螺旋ポンプ1aは、フレーム6の組み立てや分解が容易であり、特に、分解すれば、嵩張らないため、持ち運び易く、保管する際にも広いスペースを必要としない。すなわち、二重螺旋ポンプ1aは、組み立てや分解あるいは持ち運びが容易なため、設置や撤去をする際の作業性が良い。また、部品点数が少なく、個々の部品も簡単な形状をしているため、安価に製造することが可能である。
さらに、棒状体3として、長さの異なる数種類のものを予め用意しておき、それらの中から用途に応じて適当な長さのものを選択し、適宜組み合わせることによれば、容易にフレーム6を所望の長さに調節することができる。
また、あるフレーム6の端部に位置する環状円板2の平面部に、別のフレーム6の端部に位置する環状円板2の平面部を当接させ、これら2枚の環状円板2を互いにネジやボルト等を用いて固定すると、2つのフレーム6が連結される。すなわち、フレーム6を簡単に継ぎ足して長くすることができる。
このように、本発明の二重螺旋ポンプ1aでは、長さの異なる棒状体3を使用して所望の長さのフレーム6を組み立てたり、既に組み立てられている幾つかのフレーム6を現場で継ぎ足してフレーム6の全長を調節したりできるため、設置場所に対する制約が少ないうえ、設置の際の作業性も良い。
なお、本実施例では、チューブ4,5を合成樹脂製としているが、チューブ4,5は少なくとも水密性及び気密性を有するとともに、螺旋状に成形できる部材であれば良いため、例えば、これらを金属製とすることもできる。また、フレーム6は金属製でも合成樹脂製でも良いが、チューブ4,5だけでなくフレーム6も合成樹脂製にすれば、支持手段に加わる負荷が軽減されるため、固定具25をフレーム6の端部以外の箇所に取り付けた場合でもフレーム6をより一層安定した状態で設置することができる。
さらに、フレーム6の中央付近に加え、フレーム6の少なくともいずれか一方の端部を支持する構造とすることもできる。本実施例では、固定具25が支持板7,8及び環状円板11,12を備えているが、上述の構造にすれば、支持板7と環状円板11を省略してもフレーム6を安定した状態で支持することが可能である。なお、フレーム6があまり長くない場合や支持板8と環状円板12と保持具19が十分厚い場合にも、支持板7と環状円板11を省略することができる。逆に、フレーム6が長い場合には、複数の固定具5によってフレーム6を支持する構造としても良い。この場合、支持板や環状円板の数は2枚よりも多くなるが、本発明における支持板や環状円板の数は本実施例に示した2枚に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
本実施例では、保持具19が棒状体3に取り付けられる構造となっているが、保持具19の代わりに環状円板2を挟持する機構を環状円板11,12に設けることにより固定具25が環状円板2に取り付けられる構造としても良い。ただし、本実施例に示した構造であれば、保持具19を棒状体3の長手方向の任意の箇所に対して取り付けることができるため、フレーム6に対する固定具25の取り付け箇所についての制約が極めて少ないというメリットがある。そして、保持具19は棒状体3に取り付けた後でもスライドさせるようにして、棒状体3の長手方向に対する位置を変更することができる。すなわち、保持具19によって棒状体3を保持する構造であれば、固定具25のフレーム6に対する取り付け箇所をいつでも容易に調整できるため、設置する際の作業性が良い。
このように、フレーム6の保持手段は本実施例に示した構造に限定されるものではなく、適宜変更可能である。また、環状円板11,12を支持板7,8に設置されたベアリング15,16によってフレーム6の円筒軸を中心として回動可能に支持するという支持手段や、保持手段を回動させる機構も本実施例に示した構造に限定されない。例えば、ベアリング16を支持板7,8の内面7b,8b側に設けた構造としても良い。また、ギヤ13やローラーチェーン24を設置せずに、ベアリング15,16の回動軸15a,16aに対してモータ21の駆動力を直接伝達させる構造とすることもできる。なお、本実施例に示した構造とした場合、保持手段を回動可能に支持する機構や保持手段を回動させて円筒軸を中心としてフレーム6を回動させる機構を安価に実現することができる。
図9(a)は実施例2の二重螺旋ポンプ1bの設置例を示した模式図であり、図9(b)は二重螺旋ポンプ1bの下端部分を拡大して示した斜視図である。なお、図9(b)では支持具30の他、チューブ5が外側に設置されていない部分におけるチューブ4について、それらの図示を省略している。また、図1乃至図8に示した構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図9(a)及び図9(b)に示すように、本実施例の二重螺旋ポンプ1bは、実施例1の二重螺旋ポンプ1aにおいて、フレーム6と固定具25の代わりに、円筒状若しくは円柱状をなす軸部材29と、この軸部材29の両端をそれぞれ回動可能に支持する支持具30を備えた構造となっている。そして、軸部材29の外周にはチューブ4が螺旋状に巻回されるとともに、このチューブ4の外側には、チューブ5がチューブ4に対して逆向きの螺旋を描くように巻回されており、軸部材29の中心軸がチューブ4,5の螺旋の中心軸となっている。
なお、チューブ4と軸部材29及びチューブ4とチューブ5は接着剤等を用いて互いに接合されている。
すなわち、軸部材29はチューブ4,5を保持する保持手段を構成し、支持具30は螺旋の中心軸を回動軸としてチューブ4,5を回動可能に、上記保持手段を支持する支持手段を構成している。
なお、本実施例では、チューブ4,5と軸部材29が接着剤等を介して接合されているが、このような構造に限定されるものではなく、例えば、固定具(図示せず)によってチューブ4が軸部材29に固定されるとともにチューブ5がチューブ4に固定された構造であっても良い。
図9(a)は、チューブ4の下端が水面28よりも下方に配置されるとともに、チューブ4,5の上端の開口部4a,5aが水面28よりも上方に配置され、かつ、軸部材29の中心軸が鉛直方向と所定の傾斜角をなすとともに軸部材29の下端29aが流水路内に設置されるように、地面26に固設された架台27に対し支持具30を介して二重螺旋ポンプ1bが固定された状態を示している。
この状態で、図示しない駆動手段によって、軸部材29を矢印Xで示す方向へ回動させると、チューブ4,5が軸部材29とともに螺旋の中心軸を回動軸として回動する。その結果、流水路中の水は取込口39cから端部接続具39を介してチューブ4の内部へ取り込まれた後、チューブ4の回動に伴って一段ずつ上方へ向かって移送され、最終的に上端から吐出される。このとき、チューブ4の下端の開口部(図示せず)と上端の開口部4aはそれぞれ水の吸入口及び吐出口として機能する。
一方、チューブ5の回動に伴って二重螺旋ポンプ1bの周囲の空気は上端の開口部5aから内部へ取り込まれた後、チューブ5の回動に伴って一段ずつ下方へ向かって移送され、最終的に下端から端部接続具39を通してチューブ4の内部へ送り込まれる。このとき、チューブ5の上端の開口部5aと下端の開口部(図示せず)はそれぞれ空気の吸入口及び吐出口として機能する。
このような構造の二重螺旋ポンプ1bにおいては、二重螺旋ポンプ1aと同様に、チューブ4,5によって水の流路と空気の流路が形成されるため、水路に傾斜面が形成されていない場所に対しても設置することが可能である。さらに、二重螺旋ポンプ1bは、チューブ4が流水路中の水を汲み上げると同時に、チューブ5によってチューブ4の内部へ空気が供給され、チューブ4の下端が全て水中に埋没するような状態で設置された場合でも揚水量が減少するおそれがないため、チューブ4が1回転する間に下端が水面よりも上に出るような状態で設置する必要がなく、また、水位が変化する場所であっても設置することが可能である。すなわち、二重螺旋ポンプ1bは設置場所に対する制約が少ないという効果を有している。
なお、二重螺旋ポンプ1bは実施例1の二重螺旋ポンプ1aに比べて保持手段が簡単な構造であるため、安価に製造することが可能である。ただし、支持具30によって軸部材29の両端を保持する必要があるため、チューブ4が長い場合には支持具30が大掛かりな構造となってしまうというデメリットもある。
本実施例では、螺旋の中心軸に沿ったチューブ5の長さは、チューブ4よりも短くなっているが、このような構造に限定されるものではない。すなわち、螺旋の中心軸に沿ったチューブ5の長さは、二重螺旋ポンプ1bを設置する場所や用途に応じて適宜変更可能である。
また、実施例1又は実施例2において、端部接続具39を用いずに、チューブ5の下端をチューブ4の下端に近接するように配置することで、チューブ5の下端から吐出される空気の一部をチューブ4に供給する構造とすることもできる。この場合、チューブ5からチューブ4に供給されなかった残りの空気により、エアレーションの効果が期待できる。
さらに、実施例1又は実施例2において、チューブ5によって移送された空気をチューブ4に供給することなく、全て水中に吐出させる構造とすることもできる。この場合、チューブ4による揚水機能とチューブ5によるエアレーション機能が同時に発揮される。したがって、例えば、湖沼等に設置した場合、水底付近の水を汲み上げて湖沼内で循環させながら、水底付近へ空気を供給することで、効率良く水質を改善することができる。
なお、このとき、チューブ4の上端をチューブ5の上端近傍に接続し、チューブ4によって汲み上げられた水をチューブ5の内部へ供給する構造とすることもできる。このような構造によれば、チューブ4から供給された水の圧力がチューブ5によるエアレーション機能を高めるように作用する。その結果、チューブ5を用いて、より深い場所まで空気を移送することが可能となる。
また、チューブ5の螺旋の中心軸に沿った長さは、本実施例に示したものに限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、チューブ5は当該長さをチューブ4と同程度にしても良い。さらに、チューブ4,5を本実施例で示した場合とは逆方向へ回動させることにより、チューブ5によって水を汲み上げ、チューブ4からチューブ5へ空気を供給するようにしても良い。
図10(a)は実施例3の二重螺旋ポンプ1cの設置例を示した模式図であり、図10(b)及び図10(c)はそれぞれ図10(a)におけるF方向矢視図及びG方向矢視図の一部を拡大して示したものである。また、図11(a)は図10(a)に示した二重螺旋ポンプ1cの下部の縦断面の拡大図であり、図11(b)は図11(a)におけるH−H線矢視断面の拡大図である。
なお、図11(a)では円筒体34,35のみを断面表示としている。また、図1乃至図8に示した構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図10及び図11に示すように、本実施例の二重螺旋ポンプ1cは、円筒状若しくは円柱状をなす軸部材31と、この軸部材31の外周面に固設される羽根板32と、この羽根板32が軸部材31とともに内蔵される円筒体34と、この円筒外34の外周面に固設される羽根板33と、この羽根板33が内蔵されるとともに円筒体34の少なくとも一部が内挿される円筒体35と、軸部材31及び円筒体35の端部をそれぞれ回動可能に支持する支持具36を備えた構造となっている。なお、円筒体34は、両端に開口部34b,34a(図10(a)及び図11(a)参照)がそれぞれ設けられるとともに、下端近傍の側面に開口部34c(図11(a)参照)が設けられている。
また、軸部材31は、その中心軸が円筒体34の円筒軸に一致するように設置されており、羽根板32は上記円筒軸を中心軸として螺旋を描くように設けられている。すなわち、円筒体34の内部は螺旋状の流路が形成されるように羽根板32によって仕切られている。
円筒体35は、一端に円筒体34を内挿するための挿通穴35a(図11(a)参照)が設けられ、軸部材31の一端を保持するための凹部35b(図11(a)参照)が他端の内面に設けられるとともに、両端にそれぞれ開口部35c,35d(図10(a)及び図11(a)参照)が設けられている。また、羽根板33は円筒体34の円筒軸を中心軸として羽根板32に対して逆向きの螺旋を描くように設けられている。すなわち、円筒体34の外周面と円筒体35の内周面の間は、螺旋状の流路が形成されるように羽根板33によって仕切られている。
なお、円筒体34の端部は円筒体35の内面によって閉塞されておらず、円筒体35の内部の液体は円筒体34の端部から流入可能となっている。また、羽根板32と円筒体34の内周面の間と、羽根板33と円筒体35の内周面の間と、円筒体34の外周面と円筒体35の挿通穴35aの内周面の間は、いずれも隙間なく接合されており、それぞれ水密性及び機密性が保たれている。
すなわち、二重螺旋ポンプ1cでは、軸部材31が羽根板32,33と円筒体34,35によって形成される2つの流路を保持する保持手段を構成し、支持具36が、螺旋の中心軸を回動軸として2つの流路を回動可能に、上記保持手段を支持する支持手段を構成している。
図10(a)は、円筒体34の開口部34a及び円筒体35の開口部35cが水面28よりも下方に配置されるとともに、円筒体34の開口部34b及び円筒体35の開口部35dが水面28よりも上方に配置され、かつ、軸部材31の中心軸が鉛直方向と所定の傾斜角をなすように、地面26に固設された架台27に対し支持具36を介して二重螺旋ポンプ1cが固定された状態を示している。
この状態で、図示しない駆動手段によって、軸部材31を矢印Xで示す方向へ回動させると、羽根板32,33及び円筒体34,35が軸部材31とともに螺旋の中心軸を回動軸として回動する。その結果、流水路中の水は開口部35cから円筒体35の内部に取り込まれ、さらに、開口部34aから円筒体34の内部へ取り込まれた後、羽根板32と円筒体34の回動に伴って一段ずつ上方へ向かって移送され、最終的に円筒体34の開口部34bから吐出される。このとき、円筒体34の開口部34a,34bはそれぞれ水の吸入口及び吐出口として機能する。
一方、羽根板33と円筒体35の回動に伴って二重螺旋ポンプ1cの周囲の空気は開口部35dから円筒体35の内部に取り込まれた後、羽根板33と円筒体35の回動に伴って一段ずつ下方へ向かって移送され、最終的に開口部34cから円筒体34の内部へ送り込まれる。このとき、円筒体35の開口部35d及び円筒体34の開口部34cはそれぞれ空気の吸入口及び吐出口として機能する。
このような構造の二重螺旋ポンプ1cにおいては、羽根板32,33によって内部が螺旋状に仕切られる円筒体34,35が水や空気の流路を形成するため、水路内に設けられた傾斜面を流路の一部として利用する構造とは異なり、設置場所が限定されないという作用を有する。さらに、二重螺旋ポンプ1cは、羽根板32と円筒体34が流水路中の水を汲み上げると同時に、羽根板33と円筒体35によって円筒体34の内部へ空気が供給され、円筒体34の開口部34a及び円筒体35の開口部35cが全て水中に埋没するような状態で設置された場合でも揚水量が減少するおそれがない。そのため、円筒体34,35が1回転する間に開口部34a及び開口部35cが水面よりも上に出るような状態で設置する必要がなく、また、水位が変化する場所であっても設置することが可能である。したがって、二重螺旋ポンプ1cは設置場所に対する制約が少ないという効果を有している。
なお、本実施例では、軸部材31の外周面に羽根板32が固設されているが、このような構造とする代わりに、軸部材31を設けずに羽根板32のみで円筒体34の内部を仕切るとともに、支持具36によって円筒体34,35の両端を回動可能に保持する構造とすることもできる。このような構造であっても本実施例で示した場合と同様の作用及び効果が発揮される。
図12(a)は実施例4の二重螺旋ポンプ1dの設置例を示した模式図であり、図12(b)及び図12(c)はそれぞれ図12(a)におけるI方向矢視図及びJ方向矢視図の一部を拡大して示したものである。また、図13(a)は図12(a)に示した二重螺旋ポンプ1dの下部の縦断面の拡大図であり、図13(b)は図13(a)におけるK−K線矢視断面の拡大図である。
なお、図13(a)では円筒体34,35と軸部材37のみを断面表示としている。また、図1乃至図11に示した構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図12及び図13に示すように、本実施例の二重螺旋ポンプ1dは、実施例3の二重螺旋ポンプ1cにおいて、円筒体34に対して円筒状の軸部材37が水密性と気密性を保った状態で回動可能に外挿され、この軸部材37の外周面に羽根板33が固設されるとともに、軸部材37と軸部材31が連結部材38によって連結され、羽根板32,33が円筒体34,35の内周面に対して水密性と気密性を維持した状態で軸部材31の中心軸を回動軸として回動可能に設置され、軸部材31の端部が円筒体35の凹部35bによって回動可能に保持されたことを特徴とする。
また、軸部材37には回動した際に円筒体34の開口部34cに対して連通可能に開口部37aが設けられており、支持具40は円筒体34,35を回動不能に支持するとともに、軸部材31を回動可能に支持する構造となっている。
すなわち、二重螺旋ポンプ1dでは、軸部材31,37が羽根板32,33と円筒体34,35によって形成される2つの流路を保持する保持手段を構成し、支持具36が、螺旋の中心軸を回動軸として2つの流路を回動可能に、上記保持手段を支持する支持手段を構成している。
図12(a)は、円筒体34の開口部34a及び円筒体35の開口部35cが水面28よりも下方に配置されるとともに、円筒体34の開口部34b及び円筒体35の開口部35dが水面28よりも上方に配置され、かつ、軸部材31の中心軸が鉛直方向と所定の傾斜角をなすように、地面26に固設された架台27に対し支持具40を介して二重螺旋ポンプ1dが固定された状態を示している。
この状態で、図示しない駆動手段によって、軸部材31を矢印Xで示す方向へ回動させると、羽根板33は羽根板32に連動して軸部材37とともに螺旋の中心軸を回動軸として回動する。その結果、流水路中の水は開口部35cから円筒体35の内部に取り込まれ、さらに、開口部34aから円筒体34の内部へ取り込まれた後、羽根板32の回動に伴って一段ずつ上方へ向かって移送され、最終的に円筒体34の開口部34bから吐出される。このとき、円筒体34の開口部34a,34bはそれぞれ水の吸入口及び吐出口として機能する。
一方、羽根板33と軸部材37の回動に伴って二重螺旋ポンプ1dの周囲の空気は開口部35dから円筒体35の内部に取り込まれた後、一段ずつ下方へ向かって移送され、最終的に開口部37aから開口部34cを経て円筒体34の内部へ送り込まれる。このとき、円筒体35の開口部35d及び軸部材37の開口部37aはそれぞれ空気の吸入口及び吐出口として機能する。
このような構造の二重螺旋ポンプ1dにおいては、羽根板32,33によって内部が螺旋状に仕切られる円筒体34,35が水や空気の流路を形成する。したがって、水路内に設けられた傾斜面を流路の一部として利用する構造とは異なり、設置場所が限定されないという作用を有する。
また、二重螺旋ポンプ1dは、羽根板32が流水路中の水を汲み上げると同時に、羽根板33によって円筒体34の内部へ空気が供給され、円筒体34の開口部34a及び円筒体35の開口部35cが全て水中に埋没するような状態で設置された場合でも揚水量が減少するおそれがないという作用を有する。したがって、二重螺旋ポンプ1dは、円筒体34,35が1回転する間に開口部34a及び開口部35cが水面よりも上に出るような状態で設置されなくとも良い。また、水位が変化する場所であっても設置できるというメリットもある。すなわち、二重螺旋ポンプ1dは実施例3の二重螺旋ポンプ1cと同様、設置場所に対する制約が少ないという効果を有している。
なお、実施例3又は実施例4において、円筒体35によって移送された空気を円筒体34に供給することなく、全て水中に吐出させる構造とすることもできる。この場合、円筒体34による揚水機能と円筒体35によるエアレーション機能が同時に発揮される。したがって、例えば、このような構造の二重螺旋ポンプを湖沼等に設置した場合、水底付近の水を汲み上げて循環させつつ、水底へ空気を供給することで、効率良く水質を改善することができる。
また、円筒体34の長さは、本実施例に示したものに限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、円筒体35の長さを円筒体34と同程度にしても良い。さらに、円筒体34,35を本実施例で示した場合とは逆方向へ回動させることにより、円筒体35によって水を汲み上げ、円筒体34から円筒体35へ空気を供給するようにしても良い。
本発明の請求項1乃至請求項4に記載された発明は、流水路等から水をくみ上げる場合や水中に空気を送り込む場合に利用可能である。
1a〜1d…二重螺旋ポンプ 2…環状円板 3…棒状体 4,5…チューブ 4a,5a…開口部 6…フレーム 6a…下端 7,8…支持板 7a,8a…開口部 7b,8b…内面 7c,8c…外面 7d,8d…取付部分 8e…開口部 9a〜9c…連結板 10…棒状体 11,12…環状円板 11a,12a…開口部 13…ギヤ 13a…開口部 14…接続部材 15…ベアリング 15a…回動軸 16…ベアリング 16a…回動軸 17…軸固定具 18…ネジ孔 19…保持具 20…ネジ孔 21…モータ 21a…駆動軸 22…取付板 22a…ネジ孔 23…スプロケット 24…ローラーチェーン 25…固定具 26…地面 27…架台 28…水面 29…軸部材 29a…下端 30…支持具 31…軸部材 32,33…羽根板 34…円筒体 34a,34b…開口部 34c…開口部 35…円筒体 35a…挿通穴 35b…凹部 35c,35d…開口部 36…支持具 37…軸部材 37a…開口部 38…連結部材 39…端部接続具 39a,39b…差込口 39c…取込口 40…支持具

Claims (4)

  1. 螺旋状をなす第1の流路と、
    この第1の流路に対して同一の中心軸を有し逆向きの螺旋を描くように形成される第2の流路と、
    この第2の流路とともに前記第1の流路を保持する保持手段と、
    前記中心軸を回動軸として前記第1の流路及び前記第2の流路を回動可能に、この保持手段を支持する支持手段と、を備え、
    前記第1の流路及び前記第2の流路は、吸入口と吐出口を有する第1の筒体及び第2の筒体によってそれぞれ形成されることを特徴とする二重螺旋ポンプ。
  2. 前記第2の流路は、前記吐出口から吐出された流体を前記第1の流路内へ供給可能に設置されることを特徴とする請求項1に記載の二重螺旋ポンプ。
  3. 前記第1の筒体及び前記第2の筒体が、水密性及び気密性を有するチューブであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の二重螺旋ポンプ。
  4. 前記第1の筒体及び前記第2の筒体はいずれも円筒軸が前記回動軸に一致するように設置される円筒体であり、前記第1の筒体は、上端と下端にそれぞれ前記第1の流路の前記吐出口と前記吸入口を有するとともに、下端近傍の側面に前記第2の流路の前記吐出口が設けられ、前記第2の筒体は、上端に前記第2の流路の前記吸入口を有し、
    前記第1の筒体は、前記吸入口の近傍に開口部が設けられるとともに、内部を螺旋状に仕切って前記第1の流路を形成する第1の羽根板を備え、
    前記第2の筒体は、前記第1の筒体の下部が内挿されるとともに、前記第1の筒体との間を螺旋状に仕切って前記第2の流路を形成する第2の羽根板を備え、
    この第2の羽根板は、前記第1の羽根板と連動して回動可能に設置されることを特徴とする請求項2に記載の二重螺旋ポンプ。
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