JP6137602B2 - ノイズ対策フィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、半導体電力変換装置の動作により発生する放射性ノイズの低減に有効なノイズ対策フィルタに関するものである。
半導体電力変換装置等のパワーエレクトロニクス機器の動作によって発生する伝導性/放射性ノイズは、周辺の電子機器、電気機器を誤動作させる要因となっている。特に、近年ではパワーエレクトロニクス技術が家電製品を含む各種の製品分野に適用されてきており、伝導性/放射性ノイズの影響は無視できないものとなっている。
この種の伝導性/放射性ノイズは、国内ではVCCI(情報処理装置等電波障害自主規制協議会)、国際的にはCISPR(国際無線障害特別委員会)等により限度値が設けられており、規制の対象となっている。一般的な半導体電力変換装置の場合、伝導性ノイズは150[kHz]〜30[MHz]、放射性ノイズは30[MHz]〜1[GHz](最高4[GHz])という広範囲の周波数帯域にわたって複数の規制値が設けられており、半導体電力変換装置はその使用環境に応じてこれらの規制値を満足するように開発されている。
一方、太陽光発電システムに用いられるパワーコンディショナーや電気自動車用急速充電器のように直流入力または直流出力を有する半導体電力変換装置において、これらの装置の直流側から発生するノイズについては2012年9月現在で定められておらず、実質的にメーカーの自主規制に委ねられているのが実情である。
しかしながら、電磁ノイズ障害の顕在化に伴い、太陽光発電システムや急速充電器は家庭で使用される機器に分類され、将来的に非常に厳しい規格(CISPRクラスB相当)が課される動きがあることから、直流入力または直流出力の電力変換装置を対象とした低ノイズ化技術の提供が望まれている。
太陽光発電システムや急速充電器は何れも家庭内に準じた場所に設置される装置であるが、特に、急速充電器は太陽光発電システムに比べて1台当たりの電力が大きい。例えば、太陽光発電システムの出力は平均で4[kW](非特許文献1参照)であるのに対し、急速充電器の出力は25[kW]〜50[kW]であり(非特許文献2参照)、急速充電器ではユーザーが充電用ケーブルを引き回すことから、より厳しい条件でのノイズ低減が求められている。
ここで、図12は、電気自動車用の急速充電システムを示す構成図である。図示するように、急速充電器10は、整流回路11、平滑コンデンサ12及びバッテリーチャージャー(DC/DCコンバータ)13を金属製筐体14に収納して構成されている。整流回路11は外部の商用電源20の三相交流電圧を整流して直流電圧に変換し、平滑コンデンサ12により平滑してバッテリーチャージャー13に供給する。バッテリーチャージャー13は入力された直流電圧を所定の大きさに変換し、充電用ケーブル30を介して電気自動車EVのバッテリーに供給する。
このとき、バッテリーチャージャー13は、バッテリーの充電量に応じて、定電流充電、定電圧充電、過充電保護等を行うように内部のパワー半導体素子を制御するものであり、バッテリーチャージャー13がDC/DC変換を行って充電する際には、急速充電器10から大きな電磁ノイズが発生する。例えば、整流回路11から商用電源20側には伝導性ノイズが発生すると共に、バッテリーチャージャー13と電気自動車EVとの間の充電用ケーブル30からは放射性ノイズが発生する。これらのノイズは、商用電源20から給電されている他の機器41や、急速充電器10に近接している他の機器42に電磁障害を及ぼし、誤動作させる等の原因となる。
商用電源20側のノイズ対策は、通常の電気機器と同様に行えば良く、例えば、EMIフィルタを追加することによって伝導性ノイズの抑制が可能である。
これに対し、直流出力側のノイズ対策、特に放射性ノイズの対策は困難である。一般に、放射性ノイズを抑制するにはシールドケーブルを使用することがよく知られている。しかし、シールドケーブルによる電磁ノイズの抑制効果は金属網組線などによって構成されるシールド部(以下、単にシールド部という)の接地方法に依存しており、接地方法によっては放射性ノイズを十分に低減できない場合がある。
例えば、非特許文献3に記載されているように、シールド部を両端接地すると顕著なノイズ低減効果が得られるのに対し、シールド部を片端接地した場合には、それほど大きなノイズ低減効果は得られない。これは、片端接地の場合、シールド部の長手方向に沿って電位が不安定になることにより、シールド部自体からノイズが放射されるためである。
急速充電器の場合、電気自動車はタイヤによって地面から絶縁されているので、例えば充電用ケーブル30をシールドしてバッテリーチャージャー13側を接地したとしても常に片端接地状態になり、十分なノイズ低減効果を得ることができない。
このため、放射性ノイズ対策としては、クランプフィルタ(例えば、TDK株式会社製のZCATシリーズ等のNi−Zn系フェライトコア)を用いることが考えられる。しかし、クランプフィルタは、後付けで必要な個数だけ組み合わせられる利点があるものの、フィルタ部の大型化や製品コストの上昇を招き、製品競争力を阻害する要因となる。
これらの点を踏まえたうえで、電気自動車用急速充電器の放射性ノイズの低減に有効な技術が、非特許文献4,5(同一技術に関する論文)に記載されている。
以下に、これらの文献に開示されたノイズ低減方法の要旨を説明する。
(a)電源ラインの全体をシールドするのではなく、電源ラインの一部をシールドする。
図13は、非特許文献4,5に記載されている放射性ノイズ対策を施したシミュレーションモデルである。図13において、43は電源ボックス、44,45はノイズ対策用のコア(クランプフィルタ)、46はシールドケーブル、47は前記コア44,45及びシールドケーブル46によって等価的に構成されるLCフィルタ、48は電源ライン、49は終端ボックス、50は金属板を示す。
図12の急速充電システムを図13の構成に置き換えて考えると、急速充電器10(電源ボックス43)と電気自動車EV(終端ボックス49)とを繋ぐ充電用ケーブル30(電源ライン48)の一部をシールド部(シールドケーブル46)によって覆い、シールド部からのノイズの放射を防止するために、その両端を急速充電器10の筐体14(金属板50)に接続して接地することに相当する。
(b)シールドケーブルのシールド部と電源ラインとの間の浮遊容量と、ノイズ対策用のコアのインダクタンスと、によってノイズ対策フィルタとしてのLCフィルタを構成する。
図13に示すように、シールドケーブル46の両端にノイズ対策用のコア44,45を配置し、シールドケーブル46のシールド部と電源ライン48との間の浮遊容量と、コア44,45のインダクタンスとにより、LCフィルタ47(ローパスフィルタ)を構成する。放射性ノイズの規制対象周波数帯域は30[MHz]以上であるため、上記LCフィルタ47の共振周波数は、例えば12.6[MHz](15[MHz]付近)に設定される。
(c)コアと並列に抵抗を挿入し、共振によるノイズの増大を抑制する。
図13に示したコア44,45には、図14(a)及びそのコモンモード等価回路の図14(b)に示すように、コア44,45を貫通して抵抗51を短絡する巻線をそれぞれ追加する。上記の抵抗51は、電源ライン48を流れるノーマルモードの電流(電気自動車EVに対する充電電流)には影響を与えず、コモンモードのノイズ電流にのみ作用する。抵抗51の抵抗値をR、コア44,45のインダクタンスをLとすると、ノイズの周波数が抵抗及びコアからなる並列回路のカットオフ角周波数ω(=RL)以下の範囲では並列回路がインダクタンスとして作用し、ω以上の範囲では並列回路が抵抗として作用する。
ここで、コア44,45に並列に接続される抵抗51の機能はそれぞれ異なっており、急速充電器10(電源ボックス43)側のコア44に並列に接続される抵抗は、前記LCフィルタの共振によるノイズの増大を防止するため、カットオフ角周波数ωc1が10[MHz]付近になるように抵抗値が設定される。これに対し、電気自動車EV(終端ボックス49)側のコア45に並列に接続される抵抗は、定在波が発生する充電用ケーブル30(電源ライン48)の1/4波長の共振によるノイズの増大を防止するカットオフ角周波数ωc2となるように抵抗値が設定される。
上述した(a),(b),(c)の対策を講じたモデルによれば、充電用ケーブル30からの放射性ノイズは、図15のシミュレーション結果におけるnの特性になる。この特性nと、コア(クランプフィルタ)のみを使用したモデルの特性nとを比べると、図15(a)の垂直偏波,(b)の水平偏波ともに、特性nは特性nに比べて共振の尖鋭度が低下し、すべての周波数領域において20〜70[dB]程度のノイズ抑制効果が得られている。なお、図15におけるnは、コア及び抵抗によるノイズ対策を行わないモデルの特性である。
住宅用太陽光発電システムカタログ,シャープ株式会社,2012年7月 電気自動車用急速充電器カタログ,富士電機株式会社,2012年4月 福田隼,小笠原悟司,高久拓,「パワーエレクトロニクス機器の放射性EMIに対する基礎検討」,平成21年電気学会産業応用部門大会,1−02−2 福田隼,小笠原悟司,竹本真紹,「インバータの放射ノイズを抑制する出力フィルタの基礎検討」,平成21年度電気・情報関係学会北海道支部連合大会,0060 Fukuda J., Ogasawara S., Takemoto M.,"A basic study on inverter output filter for radiative noise suppression", IPEC 2010, pp. 2872-2876
非特許文献4,5に記載された放射性ノイズ対策は、簡単な基礎検討(シミュレーション)に基づいて考察されている。この従来技術は、電気自動車用の急速充電器に適用した場合に有効と思われるが、実際の製品に適用するためには、コストや製造面に関して、以下のような問題がある。
(1)急速充電器の筐体内部にシールドケーブルを配置する必要がある。
図16は、電気自動車用急速充電器10の一例を示す外観図である。同図において、筐体14の左側面から充電用ケーブル30が延びており、この充電用ケーブル30が図13における電源ライン48に相当する。よって、シールドケーブル46は筐体14の内部に配置され、その両端が筐体14に接続(接地)されることになる。しかし、筐体14の内部に配置されたシールドケーブル46には、バッテリーチャージャー13等の動作によりノイズが重畳しやすくなる。また、コア44,45及びシールドケーブル46等の部品を筐体14内部の狭いスペースに効率よく配置し、更に接地用の配線作業を行うのは容易ではなく、余裕を持たせて筺体14を大きくすると、コストの上昇や急速充電器10の設置スペースが増大する等の問題がある。
なお、コア45を筐体14の外部に配置することも考えられるが、急速充電器10は通常、屋外に設置されることや、ユーザーがコア45に接触する可能性があるため特性の維持、管理が難しいこと等を考慮すると、好ましくない。
(2)ノイズ対策用のコアが複数個、必要となる。
ノイズ対策用のコアはよく用いられているが、一般的に高価であるため、コスト競争力を阻害する大きな要因となる。また、主に放射性ノイズ対策に用いられるNi−Zn系フェライトコアは初期透磁率がMn−Zn系のコアやファインメット等に比べて低いため、1個だけでは放射性ノイズを十分に低減することができない。従って、図13に示したようにコアを複数個設ける必要があり、これが急速充電器10のコストを上昇させる原因となっていた。
そこで、本発明の解決課題は、単一のコアを用いて放射性ノイズを抑制し、低コスト化を可能にしたノイズ対策フィルタを実現することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、半導体電力変換装置に接続される電力ケーブルが中心部を貫通するコアと、
前記電力ケーブルの周囲と前記コアの表面とを絶縁材料を介して包囲し、前記半導体電力変換装置の金属製筺体に前記電力ケーブルの片端側で電気的に接続されるシールド部と、を備え、
前記コアのインダクタンスと、前記電力ケーブルと前記シールド部との間の浮遊容量と、によってLCフィルタを構成し、前記LCフィルタの共振周波数を、ノイズの低減したい最低周波数に対してほぼ33.3〜83.3[%]の範囲の値となるように設定し 前記シールド部の、前記電力ケーブルの軸方向に沿った長さが、ノイズの低減したい最高周波数に対応する波長の1/8以下であることを特徴とする
求項2に係る発明は、請求項1に記載したノイズ対策フィルタにおいて、 前記電力ケーブルが、直流電力を供給するためのケーブルであることを特徴とする
本発明によれば、単一のコアとシールド部及び電力ケーブルによってLCフィルタを構成することにより、放射性ノイズの低減効果に優れ、かつ、小型で低コストのノイズ対策フィルタを実現することができる。
図13におけるLCフィルタに相当する部分の詳細な等価回路図である。 図1を簡略化したT型等価回路図である。 図2のT型等価回路から変換したπ型等価回路図である。 ノイズ対策フィルタの一例を示す説明図である。 図4の詳細な等価回路図である。 図5のコモンモード等価回路図である。 ノイズ対策フィルタの他の例を示す説明図である。 本発明の参考形態に係るノイズ対策フィルタの構成図である。 本発明の第実施形態に係るノイズ対策フィルタの等価回路図である。 本発明の第実施形態が適用される急速充電器の正面図である。 図10に示した急速充電器の主要部の説明図である。 電気自動車用の急速充電システムを示す構成図である。 非特許文献4,5に記載されている放射性ノイズ対策を施したシミュレーションモデルの説明図である。 ノイズ対策用のコア及び並列抵抗の説明図である。 従来技術による放射性ノイズ低減作用のシミュレーション結果を示す図である。 電気自動車用急速充電器の一例を示す外観図である。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。なお、ここでは本発明に係るノイズ対策フィルタを電気自動車用の急速充電器に適用した場合について説明するが、本発明は、太陽光発電システムにおけるパワーコンディショナー等、各種の電力変換装置における放射性ノイズ対策に適用可能である。
まず、本発明の参考形態は、ノイズ対策用のコアを1個だけ使用して放射性ノイズを抑制するようにしたものである。
図1は、図13におけるLCフィルタ47に相当する部分の詳細な等価回路を示している。図1において、コア44,45に直列に接続されるシールドケーブル46は、正負(P,N)2本の電力ケーブル46a,46bとシールド部53とを備えている。このシールドケーブル46は、電力ケーブル46a,46b自体の配線インダクタンス52と、シールド部53と電力ケーブル46a,46bとの間に形成される浮遊容量54とを有しており、分布定数回路によって示される。この回路では、配線インダクタンス52によりシールド部53の両端で電圧差が生じるため、シールド部53の両端は接地線55を介して急速充電器10の金属製筺体14に接続(接地)される。
ここで、分布定数回路の1次共振周波数以下を考慮すると、図1の等価回路は、図2に示すように、コア44−浮遊容量54−コア45からなるLCL(インダクタンス−コンデンサ−インダクタンス)構造のT型等価回路として簡略化することができる。なお、図2はコモンモード成分のみに着目した等価回路(コモンモード等価回路)である。
そこで、本発明の参考形態では、図2のT型等価回路を、図3に示すように浮遊容量54−コア56−浮遊容量54からなるCLC(コンデンサ−インダクタンス−コンデンサ)構造のπ型等価回路に変換することで、1個のコア56を用いたノイズ対策フィルタを実現し、コストの低減を可能にした。
シールドケーブルとコアとを組み合わせた一般的なノイズ対策としては、図4に示すように、シールドケーブル46の全体(正負の電力ケーブル及びシールド部)をコア56に貫通させ、シールド部の両端を接地する方法があり、この場合の詳細な等価回路は図5のようになる。また、図6は、図5のコモンモード等価回路である。
図6のコモンモード等価回路により確認すると、図3に示したπ型等価回路とは異なり、所望のノイズ低減効果を得ることができない。この場合、図3に示したπ型等価回路を実現するには図7に示すような構成が考えられるが、シールドケーブルを二つ(46A,46B)に分割しなければならないことから、コアを2個使用する以上に構造が複雑になり、製品への適用は困難である。
そこで、本発明の参考形態では、図8に示す構成により、図3に示したπ型等価回路を実現することとした。
図8において、コア(トロイダルコア)56の中心部には、ケーブルシース57を介して、正負の電力ケーブル46a,46bが貫通している。また、コア56及びケーブルシース57の表面を覆うようにシールド部53が設けられており、シールド部53の軸方向両端部(バッテリーチャージャー13側及び電気自動車EV側の端部)は、接地線55を介してそれぞれ金属製筐体14に接続されている。
なお、コア56とシールド部53との接触面は、ビニールテープ等の絶縁材料58によって絶縁されている。
ノイズ対策フィルタを図8のように構成することにより、単一のコア56を用いて図3のπ型等価回路に示すようなLCフィルタを実現することができる。また、図8の構成によれば、コア56の周囲を覆うようにシールド部53が配置されるので、通常のシールド部よりも図3の浮遊容量54が大きくなる。よって、浮遊容量54とコア56のインダクタンスとによってLCフィルタの共振周波数を所定値に設定する場合、同一の共振周波数に対して、通常のシールド部を用いる場合よりもインダクタンス(すなわちコア56の大きさ)を小さくすることができ、ノイズ対策フィルタの小型化に寄与することができる。
なお、一般的な放射性ノイズの規制対象周波数の下限値である30[MHz]を考慮した場合、LCフィルタの共振周波数は、例えば10[MHz]〜25[MHz](15[MHz]付近)に設定すること、言い換えれば、低減したいノイズの最低周波数の33.3[%]〜83.3[%]の範囲に設定することが望ましい。
また、図8に示した構成では、図14に示した抵抗51をコア56に追加することが難しいが、この抵抗51は、LCフィルタの共振点におけるピークを抑制してノイズの増大を防止する機能を有しており、本発明に必要不可欠な構成要素ではなく、必要に応じて補助的に使用されるものであるため、特に問題にはならない。
以上のように、本発明の参考形態によれば、Ni−Zn系フェライトコア等の比較的高価なノイズ対策用のコアの使用個数を最小限にしながら放射性ノイズを抑制することができ、ノイズ対策フィルタを低コストにて提供することが可能になる。
次に、本発明の第実施形態を説明する。
前述した参考形態では、依然としてシールド部53の軸方向両端部を金属製筺体14にそれぞれ接続しなければならない。このため、シールドケーブルやLCフィルタを筺体14の外部に設置する構造にはなじまず、これらを筺体14の内部に収納する構造を採らざるを得ない。その場合には、前述したように、バッテリーチャージャー13等の動作によってシールドケーブルにノイズが重畳しやすくなり、また、シールドケーブルの配置スペースが必要になって筺体14の大型化を招く等の問題がある。
そこで、第実施形態では、シールド部53を1ヶ所にて金属製筺体14に接続する片端接地のLCフィルタを実現し、また、両端接地が必要でなくなる条件を明確にしてフィルタの設計条件を絞り込むこととした。
シールド部53を両端接地する理由は、シールド部からのノイズの放射を低減するためである。そして、シールド部からのノイズは、シールド部の軸方向長さが1/4波長の整数倍となる周波数で定在波となり、大きな放射性ノイズとなる。つまり、目標となる周波数においてシールド部の軸方向長さを1/4波長以下にしなければならない。波長短縮も考慮すると、シールド部の軸方向長さを目標となる周波数に対応する波長のほぼ1/8以下にすれば、シールド部から大きな放射性ノイズは発生しない。ここで、波長は周波数が高いほど短くなることから、低減したいノイズの周波数範囲において最も高い周波数に合わせて、シールド部からの再放射が生じないようにシールド部の軸方向長さ等を設定すれば、シールド部を両端接地する必要はなくなる。
次に、急速充電器が発生する放射性ノイズについて考察する。急速充電器は、数[kHz]〜十数[kHz]の周波数にてパワー半導体素子がスイッチングすることにより、所望の電圧・電流を出力する半導体電力変換装置である。このような電力変換装置の場合、放射性ノイズが顕著に大きくなるスイッチング周波数は100[MHz]以下である場合が多い。
そこで、100[MHz]以下の放射性ノイズに的を絞り、条件を限定する。100[MHz]のノイズ波の1波長は3×10[m]/(100×10)=3[m]であるから、1/4波長は750[mm]であり、波長短縮も考慮して、シールド部の長さをその1/2の375[mm]以下にすることで、シールド部を片端接地した場合でも100[MHz]以下の放射性ノイズをシールド部から放射させずに抑制することができる。
そして、一般的な放射性ノイズの規制対象周波数の下限値である30[MHz]を考慮すると、軸方向長さが375[mm]以下のシールド部53とケーブル46a,46bとの間の浮遊容量と、コア56のインダクタンスとによる共振周波数が、例えば10[MHz]〜25[MHz](15[MHz]付近)となるように、言い換えれば、低減したいノイズの最低周波数の33.3[%]〜83.3[%]の範囲になるように設定することにより、30[MHz]以上の放射性ノイズを効果的に低減することができる。
なお、前述した非特許文献4,5にはLCフィルタの共振周波数しか規定されておらず、コアによるインダクタンス及び浮遊容量の組み合わせは無数にあるため、これらを一意に決定することはできない。しかし、本実施形態のように、シールド部53の軸方向長さを、低減したいノイズの最高周波数に対応する波長の1/8以下に設定することにより、設計方針を明確にすることができる。
以上のように、本実施形態によれば、コアを単一にすると共にシールド部を片端接地にすることにより、コストの削減を図り、また、構造上、部品配値上の制約を小さくして製品への適用が容易になる等の利点がある。
次いで、本発明の第実施形態を説明する。
この実施形態は、第実施形態のようにシールド部の軸方向長さを限定してシールド部を片端接地する方法を応用したものであり、例えば、図13に示した従来のLCフィルタ47の構成を簡略化することによって実現可能である。
図9は、第実施形態に係るノイズ対策フィルタの詳細な等価回路を示している。
同図において、シールド部53の軸方向長さ53Lを前述した如く375[mm]以下とし、シールド部53のバッテリーチャージャー13側のみで接地線55により片端接地する。なお、コア56もバッテリーチャージャー13側のみに1個配置されている。そして、コア56のインダクタンスは、シールド部53と電力ケーブル46a,46bとの間の浮遊容量54と、コア56のインダクタンスとによる共振周波数が、例えば10[MHz]〜25[MHz](15[MHz]付近)となるように、すなわち、低減したいノイズの最低周波数である30[MHz]の33.3[%]〜83.3[%]の範囲になるように設定する。
つまり、図9の等価回路は、コア56のインダクタンスと浮遊容量54とからなるL型等価回路を構成している。この第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、コア56には電力ケーブル46a,46bのみを貫通させてシールド部53は貫通させず、シールド部53がコア56及び電力ケーブル46a,46bを絶縁しつつ覆うように構成する。
また、前述した図14のようにコア56と並列に接続される抵抗51を追加する場合には、図13におけるコア45に抵抗を追加する場合と同様の条件に従って抵抗を選定すれば良い。これは、放射性ノイズの規制の対象となる周波数領域(30[MHz]以上)での対策を優先するためである。
そして、1/4波長共振となる周波数は、シールド部53と電力ケーブル46a,46bとを加えた長さから導出した値に基づいて決定する。これは、シールド部53をバッテリーチャージャー13側の片端接地としたことによってシールド部53の電位が不安定になり、電力ケーブル46a,46bと同様にノイズ放射源となるためである。ここで、充電用ケーブル30の長さは装置に応じて一意に決まることから、カットオフ角周波数ωを容易に設定することができる。
なお、図9に示したように、シールド部53のバッテリーチャージャー13側の一端を接地する片端接地の場合、シールド部53は通常、筐体14の内部に配置されることになる。この場合、シールド部53からの再放射は外側の筐体14によりシールドされるので、シールド部53からの再放射は外部に悪影響を及ぼさないという利点がある。
図10は、本発明の第実施形態が適用される急速充電器の正面図、図11(a),(b)は図10における主要部の斜視図である。
これらの図に示すように、充電用ケーブル30の取り出し部60に蛇腹状のアルミダクト61を追加することにより、前述したシールド部53と同様な機能を持たせることができる。アルミダクト61を筐体14に低抵抗にて接続しておくことにより、図9に示したような片端接地を充電用ケーブル30側で実現することができる。
この場合、筐体14の内部にコア56を1個配置することは比較的容易であり、筐体14内部のコア56にはユーザーが接触できず、また、コア56をメーカーが管理することが可能であるため、性能の確保も容易である。
なお、上記実施形態では、主に充電用ケーブル30からの放射性ノイズを対象としたノイズ対策フィルタについて説明したが、本発明は、充電用ケーブル30のように直流電力を供給する電力ケーブルばかりでなく、交流電力を供給する電力ケーブルからの放射性ノイズに対しても有効である。
10:急速充電器
11:整流回路
12:平滑コンデンサ
13:バッテリーチャージャー
14:金属製筐体
20:商用電源
30:充電用ケーブル
41,42:他の機器
43:電源ボックス
44,45:コア
46:シールドケーブル
46a,46b:電力ケーブル
47:LCフィルタ
48:電源ライン
49:終端ボックス
50:金属板
51:抵抗
52:配線インダクタンス
53:シールド部
54:浮遊容量
55:接地線
56:コア
57:ケーブルシース
58:絶縁材料
60:取り出し部
61:アルミダクト
EV:電気自動車

Claims (2)

  1. 半導体電力変換装置に接続される電力ケーブルが中心部を貫通するコアと、
    前記電力ケーブルの周囲と前記コアの表面とを絶縁材料を介して包囲し、前記半導体電力変換装置の金属製筺体に前記電力ケーブルの片端側で電気的に接続されるシールド部と、を備え、
    前記コアのインダクタンスと、前記電力ケーブルと前記シールド部との間の浮遊容量と、によってLCフィルタを構成し、前記LCフィルタの共振周波数を、ノイズの低減したい最低周波数に対してほぼ33.3〜83.3[%]の範囲の値となるように設定し 前記シールド部の、前記電力ケーブルの軸方向に沿った長さが、ノイズの低減したい最高周波数に対応する波長の1/8以下であることを特徴とするノイズ対策フィルタ。
  2. 請求項1に記載したノイズ対策フィルタにおいて、
    前記電力ケーブルが、直流電力を供給するためのケーブルであることを特徴とするノイズ対策フィルタ。
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