以下に図面を参照して、本発明にかかる管理プログラム、管理装置および管理方法の実施の形態を詳細に説明する。
(管理方法の一実施例)
図1は、実施の形態にかかる管理方法の一実施例を示す説明図である。図1において、管理装置101は、システムのテンプレートTを管理するコンピュータである。テンプレートTは、システムのシステム構成を定義する情報である。テンプレートTには、例えば、システムに含まれる情報処理装置のディスクイメージの組み合わせや、システムのネットワーク構成などが定義される。
また、情報処理装置は、システムを実現するためのOS(Operating System)がインストールされたコンピュータである。情報処理装置は、物理マシンであってもよく、また、物理マシン上で動作する仮想マシンであってもよい。仮想マシンとは、コンピュータのハードウェア資源を分割して構築される実行環境で動作する仮想的なコンピュータである。
また、情報処理装置のディスクイメージは、情報処理装置のシステム環境がバックアップされたディスク装置全体をファイル化したイメージファイルである。情報処理装置のディスクイメージには、例えば、情報処理装置に導入されるOS、アプリケーションなどのソフトウェア資源の情報や、情報処理装置のCPU(Central Processing Unit)性能、I/O(Input/Output)性能などのハードウェア資源の情報が含まれる。
以下の説明では、システムに含まれる情報処理装置を「仮想マシンVM」と表記し、情報処理装置のディスクイメージを「イメージIM」と表記し、テンプレートTを用いて構築されるシステムを「システムS」と表記する場合がある。
テンプレートTは、例えば、仮想マシンVMのイメージIMをもとに作成される。テンプレートTによれば、テンプレートT内のイメージIMをクローニングすることにより、各システムSで独立した仮想マシンVMを作成することができる。
ここで、イメージIMは、仮想マシンVMに導入されるソフトウェアのアップデートや、システムSの利用環境の変化に伴って更新される。また、イメージIMの更新は、セキュリティやシステム障害などの観点から、そのイメージIMを含むテンプレートTに反映する必要がある。
ところが、テンプレートTへの反映作業を人手で行う場合、管理対象のテンプレートTの数が増えるにつれて、反映作業にかかる負荷が増大するとともに反映漏れの可能性が高くなる。このため、イメージIMが更新された際に、そのイメージIMを含むテンプレートTへの反映を自動化することが考えられる。
また、テンプレートTは、イメージIMの更新に問題があった場合にロールバックが必要になることなどから、更新前後のテンプレートTの差分などを履歴情報として保存しておくことが求められる。このため、テンプレートTに含まれるイメージIMに更新が発生するたびに、テンプレートTの差分を保存していくことが考えられる。
ところが、イメージIMに更新が発生するたびに、テンプレートTの差分を保存していくと、管理対象のテンプレートTが膨大な数になってしまう。例えば、テンプレートTを用いてシステムSの配備やロールバックを行う際に、管理者が、保存された膨大な数のテンプレートTの中から、使用するテンプレートTを選択することになり、テンプレートTの管理や利用の煩雑化を招いてしまう。
また、イメージIMの更新の段階で、仮想マシンVMに導入されるソフトウェアのバージョンに差異が生じて、実際の配備に使用するには適切でないテンプレートTが保存される場合がある。例えば、複数のイメージIM間のパッチに依存関係がある場合、一部のイメージIMのみが更新された状態ではテンプレートTを利用できない。
ところが、管理者は、逐次自動更新されるテンプレートTをどのバージョンで配備してよいのか、すなわち、どのイメージIMが更新された段階で配備すればよいのか判断することが難しい。この結果、テンプレートTに含まれるイメージIMの更新が未完了の状態でシステムSが配備され、システムSに問題が発生する場合がある。例えば、システムS内の仮想マシンVM間で通信を行う場合に、仮想マシンVM間でソフトウェアのバージョンの差異があると、何らかの不具合が発生する場合がある。
一方、テンプレートTに含まれるイメージIMの更新が未完了の状態でシステムSを配備する場合もある。一例としては、ソフトウェア開発における結合テストにおいて、ソフトウェアのバージョンが異なるサーバ(仮想マシンVM)を用意する場合がある。すなわち、テンプレートTの中には、システムSのテスト配備を行う管理者にとっては必要なものであるが、テンプレートTを用いてシステムSを配備する利用者にとっては正常に利用できないものが含まれる場合がある。
これらのことから、テンプレートTの差分を保存するときには、そのテンプレートTの利用状況や、テンプレートTの更新状態から、テンプレートTを保存すべきか否かを適切に選択する必要がある。また、テンプレートTの更新状態に応じて、テンプレートTの参照、利用を制御する必要がある。
そこで、本実施の形態では、管理装置101は、イメージIMの更新に応じて、システムSのテンプレートTを更新し、システムSの配備に利用された際に、テンプレートTの更新状態に応じた参照権限を付与してテンプレートTを保存する。これにより、配備実績のあるテンプレートTを、配備可否を判別できる状態で蓄積する。以下、管理装置101の管理処理例について説明する。
(1)管理装置101は、仮想マシンVMのイメージIMの更新処理に応じて、第1の記憶部110に記憶された、更新処理が行われた仮想マシンVMを含むシステムSのテンプレートTを更新する。ここで、テンプレートTには、テンプレートTの版数(バージョン)と、システムSに含まれる仮想マシンVMのイメージIMの版数との対応関係が示されている。
図1の例では、仮想マシンVMのイメージIMは、イメージ管理システム130で管理されている。また、イメージ管理システム130において、イメージIMの更新処理が行われると、イメージIMの更新通知が管理装置101に送信される。
管理装置101は、イメージ管理システム130からイメージIMの更新通知を受け付けると、更新処理が行われた仮想マシンVMを含むシステムSのテンプレートTを更新する。具体的には、例えば、管理装置101は、第1の記憶部110に記憶されたテンプレートT内の更新されたイメージIMの版数を更新する。
(2)管理装置101は、第1の記憶部110に記憶されたテンプレートTを用いたシステムSの配備要求を受け付けたことに応じて、当該配備要求を受け付けた際のテンプレートTの更新状態に基づいて、テンプレートTの参照権限を決定する。ここで、テンプレートTの参照権限とは、テンプレートTを参照することができる権限、すなわち、テンプレートTをシステムSの配備に利用することができる権限である。
また、システムSの配備要求には、例えば、システムSを利用する利用者からの配備要求と、システムSのテスト配備を行う管理者からの配備要求とがある。システムSの配備要求は、例えば、管理者端末(例えば、図2に示す管理者端末201)を用いた管理者の操作入力により行われる。
図1の例では、システムSの配備要求を受け付けた場合、例えば、システム管理システム140において、テンプレートTを用いてシステムSが配備される。なお、イメージ管理システム130およびシステム管理システム140は、管理装置101上で動作するシステムであってもよく、管理装置101とは異なるコンピュータ上で動作するシステムであってもよい。
具体的には、例えば、管理装置101は、システムSに含まれる仮想マシンVMのイメージIMのうち依存関係のある複数のイメージIMの版数に基づいて、テンプレートTの参照権限を決定する。ここで、依存関係のあるイメージIMとは、イメージIM間に版数に差異があると、それらのイメージIMを含むテンプレートTが実際の配備に使用するのに適切ではないものとなるイメージIMである。
より具体的には、例えば、管理装置101は、依存関係のある複数のイメージIMの版数がすべて同一の場合、テンプレートTの参照権限を、利用者のテンプレートTへの参照を許可する参照権限に決定する。一方、依存関係のある複数のイメージIMのうちの少なくともいずれかのイメージIMの版数が異なる場合、テンプレートTの参照権限を、利用者のテンプレートTへの参照を許可しない参照権限に決定する。
(3)管理装置101は、決定したテンプレートTの参照権限と対応付けて、第1の記憶部110に記憶された、システムSの配備要求を受け付けた際のテンプレートTを保存する。具体的には、例えば、管理装置101は、決定したテンプレートTの参照権限と対応付けて、システムSの配備要求を受け付けた際のテンプレートTを第2の記憶部120に保存することにしてもよい。
また、管理装置101は、システムSの配備要求を受け付けた際のテンプレートTを履歴情報として第1の記憶部110に保存するとともに、当該テンプレートTと対応付けて、当該テンプレートTの参照権限を第2の記憶部120に保存することにしてもよい。この場合、管理装置101は、版数を更新したテンプレートTを第1の記憶部110に登録する。
そして、管理装置101は、イメージIMの更新が行われた場合に更新対象となるテンプレートTを、第1の記憶部110に記憶されたテンプレートTのうちの最新版のテンプレートTに設定する。これにより、以降において、第1の記憶部110に記憶されている最新版のテンプレートTが、更新対象(編集中)のテンプレートTとなる。
このように、管理装置101によれば、イメージIMの更新に応じて、システムSのテンプレートTを更新し、システムSの配備にテンプレートTが利用された際に、テンプレートTの更新状態に応じた参照権限を付与してテンプレートTを保存することができる。これにより、配備実績のあるテンプレートTを、配備可否を判別できる状態で蓄積することができる。
また、イメージIMに更新が発生するたびに配備実績のないテンプレートTが差分として蓄積されるのを防ぐことができ、管理対象となるテンプレートTの数が増大するのを抑制して、テンプレートTの管理や利用の簡単化を図ることができる。また、テンプレートTに付与された参照権限をもとにテンプレートTの配備可否を可視化することができるため、イメージIMの更新が未完了の状態でシステムSが配備されることを回避して、システムSに問題が発生することを防ぐことができる。
(管理システム200のシステム構成例)
つぎに、実施の形態にかかる管理システム200のシステム構成例について説明する。
図2は、管理システム200のシステム構成例を示す説明図である。図2において、管理システム200は、管理装置101と、管理者端末201と、を含む。管理システム200において、管理装置101と管理者端末201は、有線または無線のネットワーク210を介して接続される。ネットワーク210は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどである。
ここで、管理装置101は、システムSのテンプレートTを管理する機能を有する。また、管理装置101は、管理者端末201からのテンプレートTの更新状態を表す更新状態画面の表示要求に応じて、更新状態画面の画面情報を管理者端末201に送信する機能を有する。また、管理装置101は、管理者端末201からのシステムSの配備要求に応じて、テンプレートTを用いてシステムSを配備する機能を有する。
管理者端末201は、管理システム200の管理者が使用するコンピュータである。管理者は、例えば、管理者端末201を用いて、テンプレートTの更新状態を表す更新状態画面の表示要求を管理装置101に行うことができる。また、管理装置101は、管理装置101から更新状態画面の画面情報を受信して表示することができる。管理者は、管理者端末201を用いて、更新状態画面を閲覧しながら、テンプレートTの更新状態を判断して、テンプレートTを用いたシステムSの配備要求を行うことができる。
(管理装置101のハードウェア構成例)
図3は、管理装置101のハードウェア構成例を示すブロック図である。図3において、管理装置101は、CPU301と、メモリ302と、I/F(Interface)303と、磁気ディスクドライブ304と、磁気ディスク305と、を有する。また、各構成部は、バス300によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU301は、管理装置101の全体の制御を司る。メモリ302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。
I/F303は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して他のコンピュータ(例えば、図2に示した管理者端末201)に接続される。そして、I/F303は、ネットワーク210と内部のインターフェースを司り、他のコンピュータからのデータの入出力を制御する。I/F303には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
磁気ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがって磁気ディスク305に対するデータのリード/ライトを制御する。磁気ディスク305は、磁気ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記憶する。
なお、管理装置101は、上述した構成部のほか、例えば、SSD(Solid State Drive)、キーボード、マウス、ディスプレイなどを有することにしてもよい。また、図2に示した管理者端末201についても、上述した管理装置101と同様のハードウェア構成例により実現することができる。
(各種テーブル400,500,600,700,800,900の記憶内容)
つぎに、管理装置101が用いる各種テーブル400,500,600,700,800,900の記憶内容について説明する。各種テーブル400,500,600,700,800,900は、例えば、図3に示した管理装置101のメモリ302や磁気ディスク305などの記憶装置に記憶される。
<テンプレート情報テーブル400の記憶内容>
図4は、テンプレート情報テーブル400の記憶内容の一例を示す説明図である。図4において、テンプレート情報テーブル400は、テンプレートIDとテンプレート名のフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、テンプレート情報(例えば、テンプレート情報400−1〜400−3)をレコードとして記憶する。
ここで、テンプレートIDは、テンプレートTを識別する識別子である。テンプレート名は、テンプレートTの名称である。例えば、テンプレート情報400−1は、テンプレートT1のテンプレート名「サービス管理システム」を示す。
<テンプレートバージョン情報テーブル500の記憶内容>
図5は、テンプレートバージョン情報テーブル500の記憶内容の一例を示す説明図である。図5において、テンプレートバージョン情報テーブル500は、テンプレートID、テンプレートバージョンおよび公開状態のフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、テンプレートバージョン情報(例えば、テンプレートバージョン情報500−1〜500−5)をレコードとして記憶する。
ここで、テンプレートIDは、テンプレートTを識別する識別子である。テンプレートバージョンは、テンプレートTのバージョン(版数)である。公開状態は、テンプレートTの参照権限を表す。ここでは、公開状態「true」は、利用者のテンプレートTへの参照を許可する参照権限を表す。公開状態「false」は、利用者のテンプレートTへの参照を許可しない参照権限を表す。
例えば、テンプレートバージョン情報500−1は、テンプレートT1のテンプレートバージョン「1.0」および公開状態「true」を示しており、テンプレートバージョン「1.0」のテンプレートT1への利用者の参照が許可されていることを示す。
<イメージ情報テーブル600の記憶内容>
図6は、イメージ情報テーブル600の記憶内容の一例を示す説明図である。図6において、イメージ情報テーブル600は、イメージID、イメージバージョンおよびOS名のフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、イメージ情報(例えば、イメージ情報600−1〜600−7)をレコードとして記憶する。
ここで、イメージIDは、イメージIMを識別する識別子である。イメージバージョンは、イメージIMのバージョン(版数)である。OS名は、イメージIMを用いて作成される仮想マシンVMに導入されるOSの名称である。例えば、イメージ情報600−1は、イメージIM1のイメージバージョン「1.0」およびOS名「Operation System A」を示す。
<イメージ・テンプレート情報テーブル700の記憶内容>
図7は、イメージ・テンプレート情報テーブル700の記憶内容の一例を示す説明図である。図7において、イメージ・テンプレート情報テーブル700は、テンプレートID、テンプレートバージョン、イメージ連番、イメージIDおよびイメージバージョンのフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、イメージ・テンプレート情報(例えば、イメージ・テンプレート情報700−1〜700−18)がレコードとして記憶される。
ここで、テンプレートIDは、テンプレートTを識別する識別子である。テンプレートバージョンは、テンプレートTのバージョン(版数)である。イメージ連番は、テンプレートT内におけるイメージIMを識別する識別子である。イメージIDは、イメージIMを識別する識別子である。イメージバージョンは、イメージIMのバージョン(版数)である。
例えば、イメージ・テンプレート情報700−1は、テンプレートバージョン「1.0」のテンプレートT1に含まれるイメージIM1を示している。また、イメージ・テンプレート情報700−1は、イメージIM1のイメージ連番「0」およびイメージバージョン「1.0」を示している。
テンプレートバージョン「1.0」のテンプレートT1は、例えば、イメージ・テンプレート情報700−1,700−2を含む情報である。なお、図示は省略するが、各テンプレートTを用いて配備されるシステムSのネットワーク構成を定義する情報は、例えば、各テンプレートTのイメージ・テンプレート情報と対応付けて、メモリ302や磁気ディスク305などの記憶装置に記憶される。
<イメージ・依存グループ情報テーブル800の記憶内容>
図8は、イメージ・依存グループ情報テーブル800の記憶内容の一例を示す説明図である。図8において、イメージ・依存グループ情報テーブル800は、テンプレートID、テンプレートバージョン、イメージ連番、依存グループIDおよびグループ内バージョンのフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、イメージ・依存グループ情報(例えば、イメージ・依存グループ情報800−1〜800−12)がレコードとして記憶される。
ここで、テンプレートIDは、テンプレートTを識別する識別子である。テンプレートバージョンは、テンプレートTのバージョン(版数)である。イメージ連番は、テンプレートT内におけるイメージIMの番号である。依存グループIDは、依存関係のある複数のイメージIMが属するグループGを識別する識別子である。グループ内バージョンは、グループGに属するイメージIMの依存関係に紐付いた更新についてのバージョン(版数)である。
例えば、イメージ・依存グループ情報800−1は、テンプレートバージョン「4.0」のテンプレートT2のグループG1に属するイメージ連番「0」のイメージIM(イメージIM1)のグループ内バージョン「1.0」を示す。
<システム情報テーブル900の記憶内容>
図9は、システム情報テーブル900の記憶内容の一例を示す説明図である。図9において、システム情報テーブル900は、システムID、システム名、テンプレートIDおよびテンプレートバージョンのフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、システム情報(例えば、システム情報900−1〜900−4)をレコードとして記憶する。
ここで、システムIDは、システムSを識別する識別子である。システム名は、システムSの名称である。テンプレートIDは、システムSの配備に用いられたテンプレートTを識別する識別子である。テンプレートバージョンは、システムSの配備に用いられたテンプレートTのバージョン(版数)である。
例えば、システム情報900−1は、システムS1のシステム名「システムA」、システムS1の配備に用いられたテンプレートTのテンプレートID「T1」およびテンプレートバージョン「1.0」を示している。
(管理装置101の機能的構成例)
図10は、管理装置101の機能的構成例を示すブロック図である。図10において、管理装置101は、受付部1001と、更新部1002と、決定部1003と、保存部1004と、作成部1005と、出力部1006と、削除部1007と、を含む構成である。受付部1001〜削除部1007は制御部となる機能であり、具体的には、例えば、図3に示したメモリ302、磁気ディスク305などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、I/F303により、その機能を実現する。また、各機能部の処理結果は、例えば、メモリ302、磁気ディスク305などの記憶装置に記憶される。
受付部1001は、管理システム200の管理者の操作入力を受け付ける機能を有する。具体的には、例えば、受付部1001は、管理者端末201から管理者の操作入力を受け付けることにしてもよく、また、管理装置101の不図示のキーボードやマウスを用いた管理者の操作入力を受け付けることにしてもよい。
より具体的には、例えば、受付部1001は、イメージIMの更新通知を受け付ける。ここで、イメージIMの更新通知とは、仮想マシンVMのイメージIMの更新処理が行われたことを示す情報である。イメージIMの更新通知には、例えば、更新処理が行われたイメージIMのイメージID、更新後のイメージバージョンおよびOS名などが含まれている。
また、イメージIMの更新通知には、イメージIMに対する更新が依存関係に紐付いたものであるか否かを示す情報が含まれていてもよい。なお、依存関係に紐付く更新とは、テンプレートT内の更新が行われたイメージIMと依存関係にある他のイメージIMに影響を与える更新である。
また、例えば、受付部1001は、テンプレートTの更新状態の表示要求を受け付ける。ここで、テンプレートTの更新状態の表示要求とは、テンプレートTの更新状態の表示を要求する情報である。テンプレートTの更新状態の表示要求には、例えば、表示対象となるテンプレートTのテンプレートID、テンプレート名、テンプレートバージョンなどが含まれている。
また、例えば、受付部1001は、システムSの配備要求を受け付ける。ここで、システムSの配備要求とは、テンプレートTを用いたシステムSの配備を要求する情報である。システムSの配備要求には、システムSを利用する利用者からの配備要求と、システムSのテスト配備を行う管理者からの配備要求とがある。システムSの配備要求には、システムSの配備に用いるテンプレートTのテンプレートID、テンプレート名、テンプレートバージョンなどが含まれている。
また、例えば、受付部1001は、システムSの更新通知を受け付ける。ここで、システムSの更新通知とは、配備中のシステムSの更新処理が行われたことを示す情報である。システムSの更新通知には、例えば、更新処理が行われたシステムSのシステムID、システム名、更新後のシステムSに用いられたテンプレートTのテンプレートID、テンプレートバージョンなどが含まれている。
更新部1002は、仮想マシンVMのイメージIMの更新処理に応じて、更新処理が行われた仮想マシンVMを含むシステムSのテンプレートTを更新する機能を有する。具体的には、例えば、更新部1002は、イメージIMの更新通知が受け付けられた場合、更新されたイメージIMを含むテンプレートTを更新する。
以下の説明では、更新処理が行われた仮想マシンVMのイメージIMを「更新イメージIM」と表記する場合がある。
より具体的には、例えば、更新部1002は、図7に示したイメージ・テンプレート情報テーブル700内の最新版のテンプレートTに含まれる更新イメージIMのイメージバージョンを更新(インクリメント)する。また、例えば、更新部1002は、図8に示したイメージ・依存グループ情報テーブル800内の最新版のテンプレートTに含まれる更新イメージIMのグループ内バージョンを更新(インクリメント)する。
すなわち、更新部1002は、各テーブル700,800内の最新版のテンプレートTを編集用のテンプレートTとして、更新イメージIMのイメージバージョン、グループ内バージョンをそれぞれ更新する。なお、更新部1002の具体的な処理内容については、図15を用いて後述する。
ただし、更新部1002は、更新イメージIMに対する更新が依存関係に紐付く更新ではない場合、テンプレートTの更新は行わない。すなわち、更新イメージIMに対する更新が依存関係に紐付く更新ではない場合は、各テーブル700,800の更新は行われない。イメージIMに対する更新が依存関係に紐付いたものであるか否かは、例えば、イメージIMの更新通知から特定することができる。
決定部1003は、テンプレートTを用いたシステムSの配備要求を受け付けたことに応じて、配備要求を受け付けた際のテンプレートTの更新状態に基づいて、テンプレートTの参照権限を決定する機能を有する。具体的には、例えば、決定部1003は、イメージ・依存グループ情報テーブル800を参照して、システムSの配備要求を受け付けたテンプレートTの依存グループGに属するイメージIM間でグループ内バージョンがすべて同一か否かを判断する。
ここで、グループ内バージョンがすべて同一の場合、決定部1003は、テンプレートTの参照権限を、利用者のテンプレートTへの参照を許可する参照権限に決定する。一方、グループ内バージョンのいずれかが異なる場合、決定部1003は、テンプレートTの参照権限を、利用者のテンプレートTへの参照を許可しない参照権限に決定する。
保存部1004は、決定されたテンプレートTの参照権限と対応付けて、システムSの配備要求を受け付けた際のテンプレートTを保存する機能を有する。具体的には、例えば、保存部1004は、図5に示したテンプレートバージョン情報テーブル500内の最新版のテンプレートTの公開状態を変更する。ただし、このテンプレートTは、システムSの配備要求を受け付けたテンプレートTである。
より具体的には、例えば、保存部1004は、利用者のテンプレートTへの参照を許可する参照権限が決定された場合、テンプレートTの公開状態を「true」に設定する。一方、利用者のテンプレートTへの参照を許可しない参照権限が決定された場合、保存部1004は、テンプレートTの公開状態を「false」に設定する。
この際、保存部1004は、テンプレートバージョン情報テーブル500内の最新版のテンプレートTのテンプレートバージョン情報を履歴情報として保存する。さらに、保存部1004は、テンプレートTのテンプレートバージョンを更新(インクリメント)した新たなテンプレートバージョン情報を編集用情報として登録する。
また、保存部1004は、イメージ・テンプレート情報テーブル700内の最新版のテンプレートTのイメージ・テンプレート情報を履歴情報として保存する。ただし、このテンプレートTは、システムSの配備要求を受け付けたテンプレートTである。そして、保存部1004は、テンプレートTのテンプレートバージョンを更新(インクリメント)した新たなイメージ・テンプレート情報を編集用情報として登録する。
また、保存部1004は、イメージ・依存グループ情報テーブル800内の最新版のテンプレートTのイメージ・依存グループ情報を履歴情報として保存する。ただし、このテンプレートTは、システムSの配備要求を受け付けたテンプレートTである。そして、保存部1004は、テンプレートTのテンプレートバージョンを更新(インクリメント)した新たなイメージ・依存グループ情報を編集用情報として登録する。なお、保存部1004の具体的な処理内容については、図19〜図24を用いて後述する。
作成部1005は、テンプレートTの更新状態を表す更新状態画面の画面情報を作成する機能を有する。具体的には、例えば、作成部1005は、イメージ・依存グループ情報テーブル800を参照して、テンプレートTの依存グループGに属する複数のイメージIMのグループ内バージョンに基づいて、テンプレートTの更新状態を表す更新状態画面の画面情報を作成する。
出力部1006は、作成されたテンプレートTの更新状態を表す更新状態画面の画面情報を出力する機能を有する。出力部1006の出力形式としては、例えば、ディスプレイ(不図示)への表示、プリンタ(不図示)への印刷出力、I/F303による他のコンピュータへの送信がある。
具体的には、例えば、出力部1006は、管理者端末201からテンプレートTの更新状態の表示要求が受け付けられたことに応じて、テンプレートTの更新状態を表す更新状態画面の画面情報を管理者端末201に送信する。この結果、管理者端末201のディスプレイ(不図示)に更新状態画面が表示される。なお、更新状態画面の画面例については、図16および図17を用いて後述する。
削除部1007は、イメージ・テンプレート情報テーブル700内のテンプレートTのうち、配備中のシステムSの配備に用いられたテンプレートTの直前に登録されたテンプレートTよりも前に登録されたテンプレートTを削除する機能を有する。ここで、削除候補となるテンプレートTのテンプレートバージョンを「x」とする。
この場合、削除部1007は、例えば、システムSの更新通知が受け付けられたことに応じて、図9に示したシステム情報テーブル900を参照して、テンプレートバージョンが「x+1」以前のテンプレートTを用いて配備されたシステムSがあるか否かを判断する。
ここで、テンプレートバージョンが「x+1」以前のテンプレートTを用いて配備されたシステムSがない場合、削除部1007は、テンプレートバージョンが「x」のテンプレートTを削除する。すなわち、削除部1007は、配備中のシステムSの配備に用いられたテンプレートTの2世代以前のテンプレートTは、ロールバック等に用いられる可能性が低いため削除する。
一方、テンプレートバージョンが「x+1」以前のテンプレートTを用いて配備されたシステムSがある場合、削除部1007は、テンプレートバージョンが「x」のテンプレートTがロールバック等に用いられる可能性があるため削除しない。なお、削除部1007の具体的な処理内容については、図26〜図28を用いて後述する。
(各種テーブル400,500,600,700,800,900の更新例)
つぎに、管理装置101が用いる各種テーブル400,500,600,700,800,900の更新例について説明する。
<テンプレート作成時の各種テーブル400,500,700の更新例>
まず、仮想マシンVMのイメージIMからテンプレートTが新規作成された場合の各種テーブル400,500,700の更新例について説明する。ここでは、管理者の操作入力により、テンプレート名「サービス管理システム」のテンプレートT1が新規作成された場合を想定する。
なお、管理者は、管理者端末201から管理装置101にアクセスして各種操作入力を行ってもよく、また、管理装置101の不図示のキーボードやマウスを用いて各種操作入力を行ってもよい。また、以下の説明では、テンプレートバージョン「x」のテンプレートTを「テンプレートT(ver.x)」と表記する場合がある。
図11は、テンプレート作成時の各種テーブル400,500,700の更新例を示す説明図である。図11に示すように、テンプレート名「サービス管理システム」のテンプレートT1が新規作成された場合、管理者の操作入力により、テンプレート情報テーブル400にテンプレート情報400−1をレコードとして記憶する。
また、管理者の操作入力により、テンプレートバージョン情報テーブル500にテンプレートバージョン情報500−1をレコードとして記憶する。また、管理者の操作入力により、イメージ・テンプレート情報テーブル700にイメージ・テンプレート情報700−1〜700−3をレコードとして記憶する。
<依存関係設定時のイメージ・依存グループ情報テーブル800の更新例>
つぎに、テンプレートT1(ver.1.0)内のイメージIM間の依存関係が設定された場合のイメージ・依存グループ情報テーブル800の更新例について説明する。
図12は、イメージ・依存グループ情報テーブル800の更新例を示す説明図である。図12に示すように、テンプレートT1(ver.1.0)内のイメージIM間に依存関係が存在する場合には、管理者の操作入力により、イメージ・依存グループ情報テーブル800にイメージ・依存グループ情報1200−1,1200−2をレコードとして記憶する。
イメージ・依存グループ情報1200−1,1200−2は、テンプレートT1(ver.1.0)内のイメージIM1,IM2が依存グループG1に属しており、イメージIM1,IM2間に依存関係が存在することを示す。
<履歴保存時の各種テーブル500,700,800の更新例>
つぎに、テンプレートT1(ver.1.0)を履歴に保存する場合の各種テーブル500,700,800の更新例について説明する。
図13は、履歴保存時の各種テーブル500,700,800の更新例を示す説明図である。図13に示すように、テンプレートT1(ver.1.0)を履歴に保存する場合、管理者の操作入力により、テンプレートバージョン情報テーブル500のテンプレートバージョン情報500−1を履歴情報として保存し、テンプレートバージョン情報500−2を編集用情報として記憶する。
また、管理者の操作入力により、イメージ・テンプレート情報テーブル700のイメージ・テンプレート情報700−1〜700−3を履歴情報として保存し、イメージ・テンプレート情報700−4〜700−6を編集用情報として記憶する。また、管理者の操作入力により、イメージ・依存グループ情報テーブル800のイメージ・依存グループ情報1200−1,1200−2を履歴情報として保存し、イメージ・依存グループ情報1200−3,1200−4を編集用情報として記憶する。
<イメージ更新時の各種テーブル600,700,800の更新例>
つぎに、仮想マシンVM1のイメージIM1が更新された場合の各種テーブル600,700,800の更新例について説明する。以下の説明では、イメージバージョン「y」のイメージIMを「イメージIM(ver.y)」と表記する場合がある。
図14は、イメージ更新時のイメージ情報テーブル600の更新例を示す説明図である。図14において、イメージ情報テーブル600にイメージ情報1400−1〜1400−3がレコードとして記憶されている。ここで、イメージIM1(ver.1.0)が更新された場合、管理者の操作入力により、イメージ情報テーブル600にイメージ情報1400−4をレコードとして記憶する。イメージ情報1400−4は、イメージIM1のイメージバージョン「2.0」およびOS名「Operation System Xα」を示す。
図15は、イメージ更新時の各種テーブル700,800の更新例を示す説明図である。図15に示すように、イメージIM1(ver.1.0)が更新された場合、更新部1002は、イメージ・テンプレート情報テーブル700内のイメージ・テンプレート情報700−4(編集用情報)のイメージバージョンを「2.0」に変更する。また、更新部1002は、イメージ・依存グループ情報テーブル800内のイメージ・依存グループ情報1200−3のグループ内バージョンを「2.0」に変更する。
(更新状態画面の画面例)
つぎに、イメージ更新時のテンプレートTの更新状態を表す更新状態画面の画面例について説明する。この更新状態画面は、例えば、管理者端末201のディスプレイ(不図示)に表示される。
図16は、更新状態画面の画面例を示す説明図(その1)である。図16において、更新状態画面1600は、テンプレートT1(ver.2.0)の更新状態を表す画面である。更新状態画面1600は、図16に示すイメージ・依存グループ情報テーブル800内のイメージ・依存グループ情報1200−3,1200−4に基づく画面例である。
具体的には、更新状態画面1600には、テンプレートT1(ver.2.0)に含まれるイメージIM1,IM2,IM3が表示されている。符号1601〜1603は、テンプレートT1(ver.2.0)内のイメージ連番である。また、イメージIM1には、更新されたことを示すアイコン1610が表示されている。また、依存グループG1に属するイメージIM1,IM2間でグループ内バージョンが異なるため、依存グループG1に配備NGであることを示すアイコン1620が表示されている。
更新状態画面1600によれば、例えば、管理者は、依存関係のあるイメージIM1,IM2間でイメージバージョンに差異があることを判断することができ、テンプレートT1(ver.2.0)への参照を利用者に許可しないようにすることができる。
つぎに、仮想マシンVM2のイメージIM2が更新された場合のテンプレートT1(ver.2.0)の更新状態を表す更新状態画面の画面例について説明する。
図17は、更新状態画面の画面例を示す説明図(その2)である。図17において、更新状態画面1700は、テンプレートT1(ver.2.0)の更新状態を表す画面である。更新状態画面1700は、図17に示すイメージ・依存グループ情報テーブル800内のイメージ・依存グループ情報1200−3,1200−4に基づく画面例である。
具体的には、更新状態画面1700には、テンプレートT1(ver.2.0)に含まれるイメージIM1,IM2,IM3が表示されている。更新状態画面1700では、イメージIM2が更新された結果、図16に示したアイコン1610,1620が非表示となっている。また、依存グループG1に属するイメージIM1,IM2間でグループ内バージョンが同一となったため、依存グループG1に配備OKであることを示すアイコン1710が表示されている。
更新状態画面1700によれば、例えば、管理者は、依存関係のあるイメージIM1,IM2間でイメージバージョンが同一であることを判断することができ、テンプレートT1(ver.2.0)への参照を利用者に許可することができる。
(システム配備時の各種テーブル500,700,800,900の更新例)
つぎに、テンプレートTを用いてシステムSを配備した場合の各種テーブル500,700,800,900の更新例について説明する。まず、テンプレートT内に配備NGの依存グループGが存在しない状態でシステムSを配備した場合を例に挙げて説明する。
図18は、システム配備時のシステム情報テーブル900の更新例を示す説明図である。図18に示すように、テンプレートT1(ver.2.0)を用いてシステムS1が配備された場合、管理装置101により、システム情報テーブル900にシステム情報1800−1をレコードとして記憶する。
図19は、システム配備時のテンプレートバージョン情報テーブル500の更新例を示す説明図(その1)である。図19において、テンプレートバージョン情報テーブル500にテンプレートバージョン情報500−1,500−2がレコードとして記憶されている。
ここで、テンプレートT1(ver.2.0)を用いてシステムS1が配備された場合、保存部1004は、テンプレートバージョン情報テーブル500内のテンプレートバージョン情報500−2(編集用情報)の公開状態を「true」に変更する。そして、保存部1004は、テンプレートバージョン情報500−2を履歴情報に設定する。
また、保存部1004は、テンプレートバージョン情報テーブル500にテンプレートバージョン情報500−3を編集用情報として記憶する。テンプレートバージョン情報500−3は、テンプレートT1のテンプレートバージョン「3.0」および公開状態「false」を示す。
図20は、システム配備時のイメージ・テンプレート情報テーブル700の更新例を示す説明図(その1)である。図20において、イメージ・テンプレート情報テーブル700にイメージ・テンプレート情報700−1〜700−6がレコードとして記憶されている。
ここで、テンプレートT1(ver.2.0)を用いてシステムS1が配備された場合、保存部1004は、イメージ・テンプレート情報テーブル700内のイメージ・テンプレート情報700−4〜700−6を履歴情報に設定する。
また、保存部1004は、イメージ・テンプレート情報テーブル700にイメージ・テンプレート情報700−7〜700−9を編集用情報として記憶する。イメージ・テンプレート情報700−7〜700−9は、テンプレートT1(ver.3.0)を示す。
図21は、システム配備時のイメージ・依存グループ情報テーブル800の更新例を示す説明図(その1)である。図21において、イメージ・依存グループ情報テーブル800にイメージ・依存グループ情報1200−1〜1200−4がレコードとして記憶されている。
ここで、テンプレートT1(ver.2.0)を用いてシステムS1が配備された場合、保存部1004は、イメージ・依存グループ情報テーブル800内のイメージ・依存グループ情報1200−3,1200−4を履歴情報に設定する。
また、保存部1004は、イメージ・依存グループ情報テーブル800にイメージ・依存グループ情報1200−5,1200−6を編集用情報として記憶する。イメージ・依存グループ情報1200−5,1200−6は、テンプレートT1(ver.3.0)内の依存グループG1に属するイメージIM1,IM2のグループ内バージョンを示す。
つぎに、テンプレートT内に配備NGの依存グループGが存在する状態でシステムSを配備した場合を例に挙げて説明する。
図22は、システム配備時のテンプレートバージョン情報テーブル500の更新例を示す説明図(その2)である。図22において、テンプレートバージョン情報テーブル500にテンプレートバージョン情報500−1,500−2がレコードとして記憶されている。
ここで、テンプレートT1(ver.2.0)を用いてシステムS1が配備された場合、保存部1004は、テンプレートバージョン情報テーブル500内のテンプレートバージョン情報500−2を履歴情報に設定する。また、保存部1004は、テンプレートバージョン情報テーブル500にテンプレートバージョン情報500−3を編集用情報として記憶する。
図23は、システム配備時のイメージ・テンプレート情報テーブル700の更新例を示す説明図(その2)である。図23において、イメージ・テンプレート情報テーブル700にイメージ・テンプレート情報700−1〜700−6がレコードとして記憶されている。
ここで、テンプレートT1(ver.2.0)を用いてシステムS1が配備された場合、保存部1004は、イメージ・テンプレート情報テーブル700内のイメージ・テンプレート情報700−4〜700−6を履歴情報に設定する。また、保存部1004は、イメージ・テンプレート情報テーブル700にイメージ・テンプレート情報700−7〜700−9を編集用情報として記憶する。
図24は、システム配備時のイメージ・依存グループ情報テーブル800の更新例を示す説明図(その2)である。図24において、イメージ・依存グループ情報テーブル800にイメージ・依存グループ情報1200−1〜1200−4がレコードとして記憶されている。
ここで、テンプレートT1(ver.2.0)を用いてシステムS1が配備された場合、保存部1004は、イメージ・依存グループ情報テーブル800内のイメージ・依存グループ情報1200−3,1200−4を履歴情報に設定する。また、保存部1004は、イメージ・依存グループ情報テーブル800にイメージ・依存グループ情報1200−5,1200−6を編集用情報として記憶する。
(システム更新時の各種テーブルの更新例)
つぎに、テンプレートT1(ver.2.0)を用いて配備された配備中のシステムS1が更新された場合の各種テーブルの更新例について説明する。ただし、システムS1以外に、テンプレートバージョン「2.0」以前のテンプレートT1を用いて配備された配備中のシステムSが存在しない場合を想定する。
図25は、システム更新時のシステム情報テーブル900の更新例を示す説明図である。ここでは、テンプレートT1(ver.2.0)を用いて配備されたシステムS1に、テンプレートT1(ver.2.0)とテンプレートT1(ver.3.0)との差分、例えば、イメージIMへのパッチ適用などの差分が取り込まれた場合を想定する。この場合、管理装置101は、システム情報テーブル900内のシステム情報1800−1のテンプレートバージョンを「3.0」に変更する。
図26は、システム更新時のテンプレートバージョン情報テーブル500の更新例を示す説明図である。ここで、テンプレートT1(ver.2.0)を用いて配備された配備中のシステムS1が更新された場合、削除部1007は、テンプレートバージョン情報テーブル500内のテンプレートバージョン情報500−1(履歴情報)を削除する。
図27は、システム更新時のイメージ・テンプレート情報テーブル700の更新例を示す説明図である。ここで、テンプレートT1(ver.2.0)を用いて配備された配備中のシステムS1が更新された場合、削除部1007は、イメージ・テンプレート情報テーブル700内のイメージ・テンプレート情報700−1〜700−3(履歴情報)を削除する。
図28は、システム更新時のイメージ・依存グループ情報テーブル800の更新例を示す説明図である。ここで、テンプレートT1(ver.2.0)を用いて配備された配備中のシステムS1が更新された場合、削除部1007は、イメージ・依存グループ情報テーブル800内のイメージ・依存グループ情報1200−1,1200−2(履歴情報)を削除する。
このように、配備中のシステムS1の配備に用いられたテンプレートT1(ver.3.0)の2世代以前のテンプレートT1(ver.1.0)は、ロールバック等に用いられる可能性が低いため削除される。これにより、テンプレートTのバージョンアップに伴って増大する管理装置101のメモリ使用量を抑制することができる。
(管理システム200の動作例)
つぎに、仮想マシンVMのイメージIMが更新された場合の管理システム200の動作例について説明する。
図29は、管理システム200の動作例を示すシーケンス図である。図29において、まず、管理者は、仮想マシンVMのイメージIMを更新する(ステップS2901)。つぎに、管理装置101は、イメージIMの更新をテンプレートTに反映する(ステップS2902)。
そして、管理装置101は、テンプレートTを更新した結果をディスプレイに描画する(ステップS2903)。つぎに、管理者は、テンプレートTを更新した結果を参照して、テンプレートTを用いたシステムSの配備を行う(ステップS2904)。そして、管理装置101は、システムSの配備に用いたテンプレートTの履歴を保存する(ステップS2905)。
(管理システム200の操作/処理手順)
以下、図30〜図32を用いて、管理システム200の具体的な操作/処理手順について説明する。まず、テンプレートTを新規作成する場合の管理者の操作手順について説明する。
<管理者の操作手順>
図30は、テンプレートTを新規作成する場合の管理者の操作手順の一例を示すフローチャートである。図30のフローチャートにおいて、まず、管理者は、イメージ情報テーブル600を参照して、仮想マシンVMのイメージIMからテンプレートTを作成する(ステップS3001)。具体的には、例えば、図11に示したように、各種テーブル400,500,700の記憶内容が更新される。
つぎに、管理者は、作成したテンプレートT内のイメージIM間の依存関係を設定する(ステップS3002)。具体的には、例えば、図12に示したように、イメージ・依存グループ情報テーブル800の記憶内容が更新される。
そして、管理者は、作成したテンプレートTを履歴に保存して(ステップS3003)、本フローチャートによる一連の操作を終了する。具体的には、例えば、図13に示したように、各種テーブル500,700,800の記憶内容が更新される。これにより、新しいテンプレートTを新規登録することができる。
<管理装置101の管理処理手順>
つぎに、管理者の操作入力により仮想マシンVMのイメージIMが更新された場合の管理装置101の管理処理手順について説明する。
図31は、管理装置101の管理処理手順の一例を示すフローチャートである。図31のフローチャートにおいて、まず、管理装置101は、仮想マシンVMのイメージIMが更新されたか否かを判断する(ステップS3101)。ここで、管理装置101は、イメージIMが更新されるのを待つ(ステップS3101:No)。
そして、イメージIMが更新された場合(ステップS3101:Yes)、管理装置101は、イメージ・テンプレート情報テーブル700に記憶された最新版(編集用情報)のテンプレートT内の更新イメージIMのイメージバージョンを更新する(ステップS3102)。
つぎに、管理装置101は、イメージ・依存グループ情報テーブル800を参照して、更新イメージIMが依存グループGに属しているか否かを判断する(ステップS3103)。ここで、更新イメージIMが依存グループGに属していない場合(ステップS3103:No)、管理装置101は、ステップS3108に移行する。
一方、更新イメージIMが依存グループGに属している場合(ステップS3103:Yes)、管理装置101は、更新イメージIMに対する更新が依存関係に紐付いた更新であるか否かを判断する(ステップS3104)。ここで、依存関係に紐付いた更新ではない場合(ステップS3104:No)、管理装置101は、ステップS3108に移行する。
一方、依存関係に紐付いた更新である場合(ステップS3104:Yes)、管理装置101は、イメージ・依存グループ情報テーブル800に記憶された最新版(編集用情報)のテンプレートT内の更新イメージIMのグループ内バージョンを更新する(ステップS3105)。
つぎに、管理装置101は、イメージ・依存グループ情報テーブル800を参照して、更新イメージIMが属する依存グループGにバージョン違いがあるか否かを判断する(ステップS3106)。
ここで、依存グループGにバージョン違いがない場合(ステップS3106:No)、管理装置101は、テンプレートTの更新状態を表す更新状態画面の依存グループG内のイメージIMのNewアイコンを非表示にし、依存グループGの配備OKアイコンを表示する(ステップS3107)。
なお、Newアイコンは、例えば、図16に示したアイコン1610であり、配備OKアイコンは、図17に示したアイコン1710である。
つぎに、管理装置101は、イメージ・依存グループ情報テーブル800を参照して、テンプレートT内に配備NGの依存グループGが存在するか否かを判断する(ステップS3108)。なお、配備NGの依存グループGとは、依存グループGにバージョン違いがある依存グループGである。
ここで、配備NGの依存グループGが存在する場合(ステップS3108:Yes)、管理装置101は、ステップS3112に移行する。一方、配備NGの依存グループGが存在しない場合(ステップS3108:No)、管理装置101は、テンプレートTを用いてシステムSを配備する配備要求を受け付けたか否かを判断する(ステップS3109)。
ここで、システムSを配備する配備要求を受け付けた場合(ステップS3109:Yes)、管理装置101は、最新版のテンプレートTを公開状態で履歴に保存して(ステップS3110)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。具体的には、例えば、図19〜図21に示したように、各種テーブル500,700,800の記憶内容が更新される。
一方、システムSを配備する配備要求を受け付けていない場合(ステップS3109:No)、管理装置101は、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
また、ステップS3106において、依存グループGにバージョン違いがある場合(ステップS3106:Yes)、管理装置101は、テンプレートTの更新状態を表す更新状態画面の依存グループG内の更新イメージIMのNewアイコンを表示にし、依存グループGの配備NGアイコンを表示する(ステップS3111)。
つぎに、管理装置101は、テンプレートTを用いてシステムSをテスト配備する配備要求を受け付けたか否かを判断する(ステップS3112)。
ここで、システムSをテスト配備する配備要求を受け付けた場合(ステップS3112:Yes)、管理装置101は、最新版のテンプレートTを非公開状態で履歴に保存して(ステップS3113)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。具体的には、例えば、図22〜図24に示したように、各種テーブル500,700,800の記憶内容が更新される。
一方、システムSをテスト配備する配備要求を受け付けていない場合(ステップS3112:No)、管理装置101は、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
これにより、イメージIMの更新に応じて、システムSのテンプレートTを更新し、システムSの配備にテンプレートTが利用された際に、テンプレートTの更新状態に応じた参照権限を付与してテンプレートTを保存することができる。
<管理装置101の削除処理手順>
つぎに、配備中のシステムSが更新された場合の管理装置101の削除処理手順について説明する。
図32は、管理装置101の削除処理手順の一例を示すフローチャートである。図32のフローチャートにおいて、まず、管理装置101は、配備中のシステムSが更新されたか否かを判断する(ステップS3201)。ここで、管理装置101は、配備中のシステムSが更新されるのを待つ(ステップS3201:No)。
そして、配備中のシステムSが更新された場合(ステップS3201:Yes)、管理装置101は、ver.(x+1)以前のテンプレートTを利用しているシステムSがあるか否かを判断する(ステップS3202)。ここで、ver.(x+1)以前のテンプレートTを利用しているシステムSがある場合(ステップS3202:Yes)、管理装置101は、ステップS3201に戻る。
一方、ver.(x+1)以前のテンプレートTを利用しているシステムSがない場合(ステップS3202:No)、管理装置101は、テンプレートバージョン情報テーブル500を参照して、ver.xのテンプレートTが存在するか否かを判断する(ステップS3203)。ここで、ver.xのテンプレートTが存在しない場合(ステップS3203:No)、管理装置101は、ステップS3201に戻る。
一方、ver.xのテンプレートTが存在する場合(ステップS3203:Yes)、管理装置101は、ver.xのテンプレートTを削除して(ステップS3204)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。具体的には、例えば、図26〜図28に示したように、各種テーブル500,700,800の記憶内容が更新される。
これにより、配備中のシステムSの配備に用いられたテンプレートTの2世代以前のテンプレートTを削除することができる。
以上説明したように、実施の形態にかかる管理装置101によれば、仮想マシンVMのイメージIMの更新処理に応じて、更新処理が行われた仮想マシンVMを含むシステムSのテンプレートTを更新することができる。これにより、イメージIMが更新された際のテンプレートTへの反映を自動化することができ、テンプレートTへの反映作業にかかる作業負荷を削減することができるとともに反映漏れを防ぐことができる。
また、管理装置101によれば、テンプレートTを用いたシステムSの配備要求を受け付けたことに応じて、配備要求を受け付けた際のテンプレートTの更新状態に基づいて、テンプレートTの参照権限を決定することができる。そして、管理装置101によれば、決定したテンプレートTの参照権限と対応付けて、システムSの配備要求を受け付けた際のテンプレートTを保存することができる。
これにより、配備に利用されるシステムSのテンプレートTを、テンプレートTの更新状態に応じた参照権限を付与して選択的に保存することができる。具体的には、システムSの配備要求に応じて、配備要求を受け付けた際のテンプレートTを保存することができる。これにより、配備実績のないテンプレートTが蓄積されていくことを防いで、メモリ使用量の増大を抑制することができる。
また、管理装置101によれば、配備要求を受け付けた際のテンプレートTに含まれる依存関係のある複数のイメージIMのイメージバージョンに基づいて、テンプレートTの参照権限を決定することができる。これにより、システムSを配備した場合に何らかの問題が発生する可能性が高いテンプレートTを判別することができる。
また、管理装置101によれば、テンプレートTに含まれる依存関係のある複数のイメージIMのイメージバージョンに基づいて、テンプレートTの更新状態を表す更新状態画面の画面情報を作成することができる。そして、管理装置101によれば、更新状態画面の表示要求を受け付けたことに応じて、作成した更新状態画面の画面情報を出力することができる。
これにより、テンプレートT内の依存関係のあるイメージIM間の差分を可視化することができる。管理者は、更新状態画面を確認することにより、テンプレートTを用いてシステムSを配備可能か、あるいは、テスト配備のタイミングを容易に判断することができる。
また、管理装置101によれば、配備中のシステムSの配備に用いられたテンプレートTの2世代以前のテンプレートTを削除することができる。これにより、ロールバック等に用いられる可能性が低いテンプレートTを削除することができ、テンプレートTのバージョンアップに伴って増大するメモリ使用量を抑制することができる。
これらのことから、管理装置101によれば、配備実績のあるテンプレートTを、配備可否を判別できる状態で蓄積することができ、配備実績のない不要な途中生成物が蓄積されるのを防いで、テンプレートTの管理や利用の簡単化を図ることができる。
なお、本実施の形態で説明した管理方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本管理プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、本管理プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)コンピュータに、
情報処理装置のディスクイメージの更新処理に応じて、記憶部に記憶された、前記更新処理が行われた情報処理装置を含むシステムのシステム構成を定義するテンプレートを更新し、
前記記憶部に記憶された前記テンプレートを用いた前記システムの配備要求を受け付けたことに応じて、前記配備要求を受け付けた際の前記テンプレートの更新状態に基づき決定される参照権限と対応付けて、当該テンプレートを保存する、
処理を実行させることを特徴とする管理プログラム。
(付記2)前記テンプレートには、前記テンプレートの版数と、前記システムに含まれる情報処理装置のディスクイメージの版数との対応関係が示されており、
前記更新する処理は、
前記記憶部に記憶された前記テンプレート内の前記更新処理が行われた情報処理装置のディスクイメージの版数を更新し、
前記保存する処理は、
前記システムに含まれる情報処理装置のディスクイメージのうち依存関係のある複数のディスクイメージの版数に基づき決定される参照権限と対応付けて、前記配備要求を受け付けた際の前記テンプレートを保存することを特徴とする付記1に記載の管理プログラム。
(付記3)前記コンピュータに、
前記配備要求を受け付けた際の前記テンプレートを前記参照権限と対応付けて保存した場合、版数を更新した当該テンプレートを前記記憶部に登録し、
前記更新処理が行われた場合に更新対象となる前記テンプレートを、前記記憶部に記憶された前記テンプレートのうちの最新版の前記テンプレートに設定する、
処理を実行させることを特徴とする付記2に記載の管理プログラム。
(付記4)前記コンピュータに、
前記記憶部に記憶された前記テンプレートのうち、配備中の前記システムの配備に用いられた前記テンプレートの直前に登録された前記テンプレートよりも前に登録された前記テンプレートを削除する、
処理を実行させることを特徴とする付記3に記載の管理プログラム。
(付記5)前記コンピュータに、
前記システムに含まれる情報処理装置のディスクイメージのうち依存関係のある複数のディスクイメージの版数に基づいて、前記テンプレートの更新状態を表す更新状態画面の画面情報を作成し、
前記更新状態画面の表示要求を受け付けたことに応じて、作成した前記更新状態画面の画面情報を出力する、
処理を実行させることを特徴とする付記2〜4のいずれか一つに記載の管理プログラム。
(付記6)情報処理装置のディスクイメージの更新処理に応じて、記憶部に記憶された、前記更新処理が行われた情報処理装置を含むシステムのシステム構成を定義するテンプレートを更新し、前記記憶部に記憶された前記テンプレートを用いた前記システムの配備要求を受け付けたことに応じて、前記配備要求を受け付けた際の前記テンプレートの更新状態に基づき決定される参照権限と対応付けて、当該テンプレートを保存する制御部、
を有することを特徴とする管理装置。
(付記7)コンピュータが、
情報処理装置のディスクイメージの更新処理に応じて、記憶部に記憶された、前記更新処理が行われた情報処理装置を含むシステムのシステム構成を定義するテンプレートを更新し、
前記記憶部に記憶された前記テンプレートを用いた前記システムの配備要求を受け付けたことに応じて、前記配備要求を受け付けた際の前記テンプレートの更新状態に基づき決定される参照権限と対応付けて、当該テンプレートを保存する、
処理を実行することを特徴とする管理方法。
(付記8)コンピュータに、
情報処理装置のディスクイメージの更新処理に応じて、記憶部に記憶された、前記更新処理が行われた情報処理装置を含むシステムのシステム構成を定義するテンプレートを更新し、
前記記憶部に記憶された前記テンプレートを用いた前記システムの配備要求を受け付けたことに応じて、前記配備要求を受け付けた際の前記テンプレートの更新状態に基づき決定される参照権限と対応付けて、当該テンプレートを保存する、
処理を実行させる管理プログラムを記録したことを特徴とする前記コンピュータに読み取り可能な記録媒体。