以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。なお、以下では、パチンコ遊技機1を、単に、遊技機1という場合がある。
[パチンコ遊技機1の概略構成]
以下、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1の概略構成について説明する。なお、図1は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の一例を示す概略正面図である。図2は、遊技機1に設けられた表示器4の一例を示す拡大図である。図3は、遊技機1の部分平面図である。
図1において、遊技機1は、例えば遊技者の操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたパチンコ遊技機である。この遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材5とを備えている。枠部材5は、軸支側に設けられた蝶番を中心に、遊技機1の主部に対して開閉可能に構成されている。そして、枠部材5の前面側となる所定位置(例えば、軸支側とは反対側となる端部)には錠部43が設けられており、錠部43を開錠することによって枠部材5を開くことが可能となる。
遊技盤2は、その前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域20が形成されている。遊技領域20には、下方(発射装置211;図4参照)から発射された遊技球が遊技盤2の主面に沿って上昇して遊技領域20の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材(図示せず)と、上昇した遊技球を遊技領域20の右側に案内する案内部材(図示せず)とが備えられている。
また、遊技盤2には、遊技者により視認され易い位置に、各種演出のための画像を表示する画像表示部6が配設されている。画像表示部6は、遊技者による遊技の進行に応じて、例えば、装飾図柄を表示することによって特別図柄抽選(大当り抽選)の結果を遊技者に報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現等による予告演出を表示したり、特別図柄抽選が保留されている回数を示す保留画像を表示したりする。なお、画像表示部6は、液晶表示装置やEL(Electro Luminescence:電界発光)表示装置等によって構成されるが、他の任意の表示装置を利用してもよい。さらに、遊技盤2の前面には、各種の演出に用いられる可動役物7および盤ランプ8が設けられている。可動役物7は、遊技盤2に対して可動に構成され、遊技の進行に応じて又は遊技者の操作に応じて、所定の動作を行うことによって演出を行う。また、盤ランプ8は、遊技の進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。
遊技領域20には、遊技球の落下方向を変化させる遊技くぎ及び風車(共に図示せず)等が配設されている。また、遊技領域20には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。なお、図1においては、入賞や抽選に関する種々の役物の一例として、第1始動口21、第2始動口22、ゲート25、大入賞口23、および普通入賞口24が遊技盤2に配設されている。さらに、遊技領域20には、遊技領域20に打ち出された遊技球のうち何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球を、遊技領域20の外に排出する排出口26が配設されている。
第1始動口21および第2始動口22は、それぞれ遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当り抽選)が始動する。第1始動口21は、予め定められた特別電動役物(大入賞口23)および/または予め定められた特別図柄表示器(後述する第1特別図柄表示器4a)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。また、第2始動口22は、上記特別電動役物および/または予め定められた特別図柄表示器(後述する第2特別図柄表示器4b)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。ゲート25を遊技球が通過すると普通図柄抽選(下記の電動チューリップ27の開閉抽選)が始動する。なお、普通入賞口24に遊技球が入賞しても抽選は始動しない。
第2始動口22は、第1始動口21の下部に設けられ、普通電動役物の一例として、遊技球の入口近傍に電動チューリップ27を備えている。電動チューリップ27は、チューリップの花を模した一対の羽根部を有しており、後述する電動チューリップ開閉部112(例えば、電動ソレノイド)の駆動によって当該一対の羽根部が左右に開閉する。電動チューリップ27は、一対の羽根部が閉じていると、第2始動口22の入口へ案内される開口幅が極めて狭いため、遊技球が第2始動口22へ入らない閉状態となる。一方、電動チューリップ27は、一対の羽根部が左右に開くと、第2始動口22の入口へ案内される開口幅が拡大するため、遊技球が第2始動口22へ入り易い開状態となる。そして、電動チューリップ27は、ゲート25を遊技球が通過して普通図柄抽選に当選すると、一対の羽根部が規定時間(例えば、0.10秒間)開き、規定回数(例えば、1回)だけ開閉する。
大入賞口23は、第2始動口22の下側中央に位置し、特別図柄抽選の結果に応じて開放する。大入賞口23は、通常は閉状態であり遊技球が入ることがない状態となっているが、特別図柄抽選の結果に応じて遊技盤2の主面から突出傾斜して開状態となって遊技球が入り易い状態となる。例えば、大入賞口23は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態となるラウンドを、所定回数(例えば、16回)だけ繰り返す。
また、遊技盤2の右下には、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果や保留数に関する表示を行う表示器4が配設されている。表示器4の詳細については後述する。
ここで、賞球の払い出しについて説明する。第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、および普通入賞口24に遊技球が入る(入賞する)と、遊技球が入賞した場所に応じて、1つの遊技球当たり規定個数の賞球が払い出される。例えば、第1始動口21および第2始動口22に遊技球が1個入賞すると3個の賞球、大入賞口23に遊技球が1個入賞すると13個の賞球、普通入賞口24に遊技球が1個入賞すると10個の賞球がそれぞれ払い出される。なお、ゲート25を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは無い。
遊技機1の前面となる枠部材5には、ハンドル31、レバー32、停止ボタン33、取り出しボタン34、スピーカ35、枠ランプ36、演出ボタン37、演出キー38、および皿39等が設けられている。
遊技者がハンドル31に触れてレバー32を時計回りに回転させる操作を行うと、その操作角度に応じた打球力にて所定の時間間隔(例えば、1分間に100個)で、発射装置211(図4参照)が遊技球を電動発射する。皿39(図3参照)は、遊技機1の前方に突出して設けられ、発射装置211に供給される遊技球を一時的に溜めておく。また、皿39には、上述した賞球が払い出される。そして、皿39に溜められた遊技球は、遊技者のレバー32による操作と連動したタイミングで、供給装置(図示せず)によって1つずつ発射装置211に供給される。
停止ボタン33は、ハンドル31の下部側面に設けられ、ハンドル31に遊技者が触れてレバー32を時計回りに回転させている状態であっても、遊技者に押下されることによって遊技球の発射を一時的に停止させる。取り出しボタン34は、皿39が設けられた位置近傍の前面に設けられ、遊技者に押下されることによって皿39に溜まっている遊技球を箱(図示せず)に落下させる。
スピーカ35および枠ランプ36は、それぞれ遊技機1の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりする。スピーカ35は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。また、枠ランプ36は、点灯/点滅によるパターンや発光色の違い等によって光による各種の演出を行う。
次に、図2を参照して、遊技機1に設けられる表示器4について説明する。図2において、表示器4は、第1特別図柄表示器4a、第2特別図柄表示器4b、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、普通図柄表示器4e、普通図柄保留表示器4f、および遊技状態表示器4gを備えている。
第1特別図柄表示器4aは、第1始動口21に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第1特別図柄表示器4aは、7セグ表示装置で構成され、第1始動口21に遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。また、第2特別図柄表示器4bは、第2始動口22に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第2特別図柄表示器4bも同様に、7セグ表示装置で構成され、第2始動口22に遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。普通図柄表示器4eは、ゲート25を遊技球が通過することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、普通図柄表示器4eは、LED表示装置で構成され、遊技球がゲート25を通過した場合、普通図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。
第1特別図柄保留表示器4cは、第1始動口21に遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。第2特別図柄保留表示器4dは、第2始動口22に遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。普通図柄保留表示器4fは、普通図柄抽選を保留している回数を表示する。例えば、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、および普通図柄保留表示器4fは、それぞれ列設されたLED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留回数が表示される。
遊技状態表示器4gは、遊技機1の電源投入時点における遊技状態(時短状態等)を表示する。
次に、図3を参照して、遊技機1に設けられる入力装置について説明する。図3において、遊技機1には、入力装置の一例として、演出ボタン37および演出キー38が設けられている。
演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者が演出に対する入力を行うために設けられている。演出ボタン37は、遊技機1の前方に突出した皿39の上面脇部に設けられる。演出キー38は、中央キーと略十字に配列された4つの方向キーとを有し、演出ボタン37に隣接して皿39の上面脇部に設けられる。演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者に押下されることによって所定の演出が行われる。例えば、遊技者は、所定のタイミングで演出ボタン37を押下することによって所定の演出を楽しむことができる。また、遊技者は、演出キー38の4つの方向キーを操作することにより、画像表示部6に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶこと等が可能である。また、遊技者は、演出キー38の中央キーを操作することにより、選んだ画像を情報として入力することが可能である。
また、遊技機1の背面側には、払出用の遊技球を溜めておく球タンクや遊技球を皿39に払い出す払出装置(払出駆動部311)が設けられ、各種の基板等が取り付けられている。例えば、遊技盤2の後面には、メイン基板およびサブ基板等が配設されている。具体的には、メイン基板には、内部抽選および当選の判定等を行うメイン制御部100(図4参照)が構成されたメイン制御基板が配設されている。サブ基板には、遊技球を遊技領域20の上部へ発射する発射装置211を制御する発射制御部200(図4参照)が構成された発射制御基板、賞球の払出を制御する払出制御部300が構成された払出制御基板、演出を統括的に制御する演出制御部400が構成された演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像音響制御部500が構成された画像制御基板、および各種のランプ(枠ランプ36、盤ランプ8)や可動役物7による演出を制御するランプ制御部600が構成されたランプ制御基板等が配設されている。また、遊技盤2の後面には、遊技機1の電源オン/オフを切り替えるとともに、遊技機1に供給された24V(ボルト)の交流電力を各種電圧の直流電力に変換して、それぞれの電圧の直流電力を上述した各種の基板等に出力するスイッチング電源が配設されている。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
次に、図4を参照して、遊技機1における動作制御や信号処理を行う制御装置について説明する。なお、図4は、遊技機1に設けられた制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4において、遊技機1の制御装置は、メイン制御部100、発射制御部200、払出制御部300、演出制御部400、画像音響制御部500、およびランプ制御部600等を備えている。
メイン制御部100は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)101、ROM(Read Only Memory)102、およびRAM(Random Access Memory)103を備えている。CPU101は、内部抽選および当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM102には、CPU101により実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。RAM103は、CPU101の作業用メモリ等として用いられる。以下、メイン制御部100の主な機能について説明する。
メイン制御部100は、第1始動口21または第2始動口22に遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当り抽選)を行い、特別図柄抽選で当選したか否かを示す判定結果データを演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、電動チューリップ27の羽根部が開状態となる開時間や羽根部が開閉する回数、さらには羽根部が開閉する開閉時間間隔を制御する。また、メイン制御部100は、遊技球が第1始動口21へ入賞したときの特別図柄抽選の実行保留回数、遊技球が第2始動口22へ入賞したときの特別図柄抽選の実行保留回数、および遊技球がゲート25を通過したときの普通図柄抽選の実行保留回数をそれぞれ管理し、これらの保留回数に関連するデータを演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口23の開閉動作を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで、大入賞口23が突出傾斜して開状態となるラウンドを所定回数(例えば、16回)だけ繰り返すように制御する。また、メイン制御部100は、大入賞口23が開閉する開閉時間間隔を制御する。
メイン制御部100は、遊技の進行に応じて遊技状態を変化させ、又、遊技の進行に応じて、特別図柄抽選の当選確率、特別図柄抽選の実行間隔(特別図柄が表示器4に変動表示されて停止表示される時間と言ってもよい)、電動チューリップ27の開閉動作等を変化させる。
メイン制御部100は、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、および普通入賞口24に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように払出制御部300に対して指示する。なお、メイン制御部100は、ゲート25を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しを払出制御部300に指示しない。払出制御部300がメイン制御部100の指示に応じて賞球の払い出しを行った場合、払出制御部300から払い出した賞球の個数に関する情報がメイン制御部100へ送られる。そして、メイン制御部100は、払出制御部300から取得した情報に基づいて、払い出した賞球の個数を管理する。
上述した機能を実現するために、メイン制御部100には、第1始動口スイッチ111a、第2始動口スイッチ111b、電動チューリップ開閉部112、ゲートスイッチ113、大入賞口スイッチ114、大入賞口開閉部115、普通入賞口スイッチ116、表示器4(第1特別図柄表示器4a、第2特別図柄表示器4b、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、普通図柄表示器4e、普通図柄保留表示器4f、および遊技状態表示器4g)が接続されている。
第1始動口スイッチ111aは、第1始動口21へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。第2始動口スイッチ111bは、第2始動口22へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。電動チューリップ開閉部112は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、電動チューリップ27の一対の羽根部を開閉する。ゲートスイッチ113は、ゲート25を遊技球が通過したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口スイッチ114は、大入賞口23へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口開閉部115は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、大入賞口23を開閉する。普通入賞口スイッチ116は、普通入賞口24へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。
[本実施形態のスイッチ処理について]
以下では、本実施形態のスイッチ処理(遊技球通過判定処理)について、具体的に説明する。なお、この遊技球通過判定処理は、上記した第1始動口21、第2始動口22、ゲート25、大入賞口23等に遊技球が入球(又は通過)したことを判定する場合に限らず、例えば、払い出した賞球(賞球数)を払出制御部300が判定(カウント)する場合等にも実行される。
図5は、上記した第1始動口21等への遊技球入賞(通過)を検出するための第1始動口スイッチ111a等として設置される近接スイッチの出力信号の例、および、この出力信号を通過判定閾値(5V)を用いてONレベルとOFFレベルとに2値化した2値化信号の例について説明するための図である。なお、近接スイッチは、一例として、長方形のプレートに遊技球が通過する円形の貫通孔を有しており、この貫通孔を遊技球が通過する際の磁束の変化に対応した電圧の出力信号を出力する直流2線式電子スイッチである。図5の点線で示すように、近接スイッチの出力信号の電圧レベルは、遊技球が貫通孔の中心に近づくにつれて降下していき、遊技球が貫通孔の中心に達する辺りで最小(極小)となり、遊技球が貫通孔の中心を通り過ぎて離れるにつれて上昇していく。また、図5に示すように、近接スイッチの出力信号は、コンパレータ(図示なし)によって、電圧レベルが通過判定閾値(5V)よりも大きいときには2値化信号のOFFレベルに変換され、電圧レベルが通過判定閾値(5V)以下のときには2値化信号のONレベルに変換される。なお、図5の例では、判定に用いる通過判定閾値を1つの通過判定閾値(5V)として説明したが、例えば、OFFレベルからONレベルに切り替わる際には第1の通過判定閾値(5V)を用いる一方で、ONレベルからOFFレベルに切り替わる際には第2の通過判定閾値(6V)を用いる構成としてもよい。これにより、ノイズの影響等で通過判定閾値を跨いで近接スイッチの出力信号が上下することによって2値化信号が不適切にON/OFF間で行き来することを防止できる。
そして、図10を用いて後述するメイン制御部100により4ミリ秒(4ms)間隔で実行されるタイマ割り込み処理における各処理の一部として、図5に示す2値化信号を4ミリ秒間隔でON/OFF判定することによって、遊技球の通過判定を行う。以下、具体的に説明する。
図5に示すように、2値化信号に対して、ONレベルであるのかOFFレベルであるのかが4ミリ秒間隔で判定(ON/OFF判定)される。図5では、自然数nを用いて、ON/OFF判定の順番を表している。また、図5では、n−2回目からn回目のON/OFF判定によってOFFレベルと判定され、その後、n+1回目のON/OFF判定によってONレベルと判定されている。ここで、本実施形態では、ONレベルと判定された場合には、このONレベルと判定したON/OFF判定の処理において、4ミリ秒間隔よりも短い所定の微小時間(例えば4マイクロ秒)が経過したタイミングで2回目のON/OFF判定を実行する。図5では、n+1回目のタイマ割り込み処理におけるON/OFF判定で2回ともONレベルと判定されている。その後、n+2回目からn+4回目のON/OFF判定によってOFFレベルと判定されている。なお、2値化信号のONレベルの期間(ON期間という)が図5の場合よりも長く(つまり、遊技球が図5の場合よりも遅い速度で通過して)例えばn+2回目のON/OFF判定もON期間に実行される場合には、n+2回目のON/OFF判定においても2回の判定を実行する。
本実施形態では、図5に示すように、n回目のON/OFF判定によってOFFレベルと判定されて、n+1回目のON/OFF判定によって2回ONレベルと判定されると、近接スイッチの貫通孔を遊技球が1つ通過したと判定する。なお、これらのON/OFF判定は、例えば第1始動口スイッチ111aとして設置された近接スイッチに対しては、メイン制御部100(より正確にはCPU101)が実行し、例えば払出制御部300に接続された遊技球の払い出し数を検出するための近接スイッチに対しては、払出制御部300(より正確にはCPU301)が実行する(図4参照)。
ここで、図5に示すn+1回目のON/OFF判定における上記した所定の微小時間(例えば4マイクロ秒)は、遊技球通過判定の演算処理を実行するためのソフトウエアのプログラミング内容によって予め設定される。つまり、上記した所定の微小時間は、このプログラミング内容によって任意な時間に設定できる可変時間である。遊技機1には微細周期のノイズ(例えば3〜15マイクロ秒周期のノイズ)が発生する場合があり、このノイズの周期は、遊技機の機種に或る程度依存している。例えば、或る機種の遊技機には5マイクロ秒周期のノイズが発生し易く、或る機種の遊技機には9マイクロ秒周期のノイズが発生し易い。そこで、本実施形態では、上記した所定の微小時間をプログラミング内容によって任意な時間に設定できる構成とすることによって、微細周期のノイズによる誤判定を有効に回避することができる。なお、上記した所定の微小時間を設けるための演算処理は、遊技進行には関係しない処理であって時間を稼ぐためだけの処理である。例えば、1マイクロ秒の時間を要する処理を4回繰り返すことによって、上記した所定の微小時間として4マイクロ秒をソフト的に設けることができる。
ところで、近年の遊技機では、演算処理内容の増大により演算処理の負荷が増大したために、以前の遊技機では2ミリ秒であったタイマ割り込み処理の実行間隔は4ミリ秒に延長され、このため、図5を用いて説明したように、近接スイッチを用いたON/OFF判定も2ミリ秒間隔から延長されて4ミリ秒間隔で実行される。
ここで、以前の遊技機は、n回目のON/OFF判定でOFFレベルと判定してn+1回目のON/OFF判定でONレベルと判定してn+2回目のON/OFF判定でONレベルと判定したことをもって1つの遊技球が通過したと判定していた(以下、「以前の判定方法」という)。つまり、3回のタイマ割り込み処理による3回のON/OFF判定によって遊技球通過を判定していた。なお、このようにn+1回目およびn+2回目でONレベルと判定するのは、ノイズにより偶然ONレベルと1回判定されたことによって遊技球が通過したと誤判定することを回避するためである。しかしながら、ON/OFF判定の間隔が4ミリ秒間隔に延長された近年の遊技機においては、上記した以前の判定方法では、速い速度で通過する遊技球の通過を判定することはできない。例えば、図5に示すような2値化信号のONレベルの期間(ON期間)が非常に短くなる(例えば7ミリ秒前後)ほど、速い速度で通過する遊技球の通過を判定することは困難となってしまう。そこで、本実施形態では、図5を用いて説明した判定方法により、1つの遊技球が通過したと判定する。このことから、本実施形態によれば、2回のタイマ割り込み処理によるON/OFF判定によって、ノイズによる誤判定を防止しつつ確実に遊技球通過を判定することができる。
ところで、遊技機1には、遊技機1への電源供給が遮断されたことを検知するための電源監視回路、近接スイッチの配線が断線したことを検知するための断線検知回路、および近接スイッチの配線が短絡(ショート)したことを検知するための短絡検知回路等の異常検知回路(何れも図示なし)が設けられている。これらの異常検知回路は、異常発生を判定するための閾値(異常判定レベル)を、図5に示した通過判定閾値(5V)よりも高い電圧レベルに設けることによって、断線、電源遮断、又は短絡により近接スイッチの出力信号の電圧が低下した場合に、この出力信号の電圧が通過判定閾値まで降下する前に異常を判定して、遊技球が通過したと誤判定することを防止している。このように、通過判定閾値よりも高い電圧レベルに異常判定レベルを設けているため、通過判定閾値を高い値(例えば10V)にすることによってON期間を長く取ることは困難である(図5参照)。この結果として、遊技機1において、出力信号のON期間を長く取って、上記した以前の判定方法を用いて遊技球通過を判定することは、現実的ではない。
なお、以上に説明したスイッチ処理において、ON判定されたタイマ割り込み処理の後に実行されるON判定されるタイマ割り込み処理においては、2回目のON/OFF判定は行わない構成としてもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、2値化信号がONからOFFに切り替わるところを検出して遊技球の通過を判定する構成としてもよい。つまり、図5において、n+1回目のタイマ割り込み処理で2回ON判定してn+2回目のタイマ割り込み処理でOFF判定したことを持って1つの遊技球が通過したと判定してもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、1回のタイマ割り込み処理(ON検出)において、3回以上ON/OFF判定を行ってもよいし、又、1回のタイマ割り込み処理(OFF検出)において、2回以上ON/OFF判定を行ってもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、近接スイッチの出力信号(アナログ信号)を2値化信号(デジタル信号)に変換することなく遊技球通過判定を行う構成としてもよい。つまり、近接スイッチの出力信号(アナログ信号)に対して通過判定閾値(5V)以下か否かを判定することによって、遊技球通過判定を行ってもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、近接スイッチの出力信号は、遊技球非検出時には低電圧レベルであり遊技球検出時に高電圧レベルになる出力信号であり、この出力信号を反転させる信号反転手段によりこの出力信号を反転させて図5の点線で示すような信号に変換する構成としてもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、近接スイッチ自身がアナログ信号を2値化信号に変換して出力する構成を備えて、近接スイッチから2値化信号が出力される構成としてもよい。
以上で、本実施形態のスイッチ処理(遊技球通過判定処理)についての説明を終了し、説明は図4に戻る。
また、メイン制御部100は、第1始動口21への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(以下、第1特別図柄抽選という場合がある)の結果を、第1特別図柄表示器4aに表示する。メイン制御部100は、第2始動口22への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(以下、第2特別図柄抽選という場合がある)の結果を、第2特別図柄表示器4bに表示する。メイン制御部100は、第1特別図柄抽選を保留している保留回数を、第1特別図柄保留表示器4cに表示する。メイン制御部100は、第2特別図柄抽選を保留している保留回数を、第2特別図柄保留表示器4dに表示する。メイン制御部100は、ゲート25への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選の結果を、普通図柄表示器4eに表示する。メイン制御部100は、普通図柄抽選を保留している保留回数を、普通図柄保留表示器4fに表示する。また、メイン制御部100は、遊技機1の電源投入時にその時点の遊技状態を遊技状態表示器4gに表示する。
発射制御部200は、CPU201、ROM202、およびRAM203を備えている。CPU201は、発射装置211に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM202は、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM203は、CPU201の作業用メモリ等として用いられる。
レバー32は、その位置が中立位置にある場合、信号を出力せずに発射停止状態となる。そして、レバー32は、遊技者によって時計回りに回転操作されると、その回転角度に応じた信号を打球発射指令信号として発射制御部200に出力する。発射制御部200は、打球発射指令信号に基づいて、発射装置211の発射動作を制御する。例えば、発射制御部200は、レバー32の回転角度が増すほど、遊技球が発射される速度が速くなるように、発射装置211の動作を制御する。発射制御部200は、停止ボタン33が押下された信号が出力された場合、発射装置211が遊技球を発射する動作を停止させる。
払出制御部300は、CPU301、ROM302、およびRAM303を備えている。CPU301は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。ROM302は、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM303は、CPU301の作業用メモリ等として用いられる。
払出制御部300は、メイン制御部100から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。具体的には、払出制御部300は、メイン制御部100から、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部311を制御する。ここで、払出駆動部311は、遊技球の貯留部(球タンク)から遊技球を送り出す駆動モータ等で構成される。
演出制御部400は、CPU401、ROM402、RAM403、およびRTC(リアルタイムクロック)404を備えている。また、演出制御部400には、遊技者によって操作される演出キー38が接続され、演出制御部400は、遊技者による演出キー38の操作に応じて演出キー38から出力される操作データを取得する。また、演出制御部400は、ランプ制御部600を介して演出ボタン37から出力される操作データを取得する。CPU401は、演出を制御する際の演算処理を行う。ROM402は、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM403は、CPU401の作業用メモリ等として用いられる。RTC404は、現時点の日時を計測する。
演出制御部400は、メイン制御部100から送られる特別図柄抽選結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。また、演出制御部400は、遊技者によって演出ボタン37または演出キー38が押下操作された場合、当該操作入力や検出結果に応じて演出内容を設定する場合もある。
画像音響制御部500は、CPU501、ROM502、およびRAM503を備えている。CPU501は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行う。ROM502は、CPU501にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM503は、CPU501の作業用メモリ等として用いられる。
画像音響制御部500は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、画像表示部6に表示する画像およびスピーカ35から出力する音響を制御する。具体的には、画像音響制御部500のROM502には、特別図柄抽選結果を報知等するための装飾図柄画像、予告演出や先読み予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等の画像、特別図柄抽選が保留されていることを示す保留画像、および各種背景画像等を、画像表示部6に表示するための画像データが記憶されている。また、画像音響制御部500のROM502には、画像表示部6に表示される画像と同期させて、または表示される画像とは独立に、スピーカ35から出力させる楽曲や音声等の各種音響データが記憶されている。画像音響制御部500のCPU501は、ROM502に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU501は、読み出した画像データを用いて、背景画像表示、装飾図柄画像表示、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理を行って、演出制御部400から送られたコマンドに対応した各種演出表示を行う。そして、CPU501は、画像処理された画像データが示す画像を画像表示部6に表示する。また、CPU501は、読み出した音響データを用いて音声処理を行い、音声処理された音響データが示す音響をスピーカ35から出力する。
ランプ制御部600は、CPU601、ROM602、およびRAM603を備えている。CPU601は、盤ランプ8や枠ランプ36の発光、および可動役物7の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM602は、CPU601にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM603は、CPU601の作業用メモリ等として用いられる。
ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、可動役物7の動作を制御する。具体的には、ランプ制御部600のROM602には、演出制御部400により設定される演出内容に応じた盤ランプ8や枠ランプ36での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した発光パターンデータに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36の発光を制御する。また、ROM602には、演出制御部400により設定される演出内容に応じた可動役物7の動作パターンデータが記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した動作パターンデータに基づいて、可動役物7の動作を制御する。
また、ランプ制御部600には、遊技者によって操作される演出ボタン37が接続され、ランプ制御部600は、遊技者による演出ボタン37の操作に応じて演出ボタン37から出力される操作データを取得して、当該操作データを演出制御部400に伝達する。
なお、演出制御部400は、ランプ制御部600から伝達される演出ボタン37の操作データ、および演出キー38から出力された操作データに基づいて、画像音響制御部500に対して、演出ボタン37および演出キー38の操作状態を通知する。ここで、演出ボタン37および演出キー38の操作状態とは、操作が行われているか否かや、どのような操作が行われているか(例えば、演出ボタン37の長押しや、演出キー38左方向キーの押下)等を含む情報である。したがって、例えば演出ボタン37が遊技者によって操作された場合、ランプ制御部600によって検出された演出ボタン37の操作状態が、演出制御部400を介して画像音響制御部500に伝達される。このため、画像音響制御部500は、演出制御部400から伝達される演出ボタン37の操作状態に基づいて、演出内容を変化させることもできる。
[本実施形態における遊技状態の概要]
次に、本実施形態における遊技機1の遊技状態について説明する。遊技機1の遊技状態としては、高確状態、低確状態、電サポ状態、非電サポ状態、時短状態、非時短状態、大当り遊技状態が少なくとも存在する。低確状態は、特別図柄抽選の当選確率が通常の低確率(例えば1/200)に設定されている遊技状態であり、高確状態は、特別図柄抽選の当選確率が、低確状態よりも高確率(例えば1/50)に設定されている遊技状態である。非電サポ状態は、普通図柄抽選の当選確率が通常の低確率(例えば1/10)であり、かつ普通図柄抽選に当選した場合であっても電動チューリップ27が短時間(例えば0.10秒間を1回)しか開放制御されない遊技状態であり、このため、第2始動口22に遊技球が入球し難い遊技状態である。電サポ状態は、普通図柄抽選の当選確率が非電サポ状態よりも高確率(例えば10/10)であり、かつ普通図柄抽選に当選した場合に電動チューリップ27が長時間(例えば2.00秒間を3回)開放されるように制御される遊技状態であり、このため、電動チューリップ27が頻繁に長時間開放されて第2始動口22に遊技球が頻繁に入球(入賞)し易くなる遊技状態である。非時短状態とは、特別図柄抽選の実行時間が通常の所定時間である遊技状態であり、時短状態とは、特別図柄抽選の実行時間が、非時短状態よりも短縮される遊技状態である。大当り遊技状態とは、特別図柄抽選に当選して(大当りして)大入賞口23が開放される大当り遊技が実行されている遊技状態である。なお、本実施形態においては、電サポ状態と時短状態とは同時に制御されるものとするが、この遊技状態においては、第2始動口22へ遊技球が入賞し易くなることにより遊技球が殆ど減ることなく、かつ短時間で多数の特別図柄抽選を実行できることとなる。また、以下では、低確状態かつ非電サポ状態かつ非時短状態に制御される遊技状態を通常遊技状態といい、高確状態かつ電サポ状態かつ時短状態に制御される遊技状態を確変遊技状態という。なお、本実施形態では、高確状態かつ非電サポ状態かつ非時短状態に制御される遊技状態である潜伏遊技状態は設けておらず、特別図柄抽選に当選すると、大当り遊技が終了してから、遊技状態は確変遊技状態または通常遊技状態で制御される。
[本実施形態における大当り遊技の概要]
次に、本実施形態における特別図柄抽選の大当り遊技の概要について、図6を参照して説明する。図6は、本実施形態に係る特別図柄抽選の大当り内訳の一例を説明するための図である。図6の(1)は、第1始動口21への遊技球入賞による特別図柄抽選の大当り内訳を示し、図6の(2)は、第2始動口22への遊技球入賞による特別図柄抽選の大当り内訳を示す。図6の(1)に示すように、第1始動口21への遊技球入賞による特別図柄抽選の大当り内訳は、大当りAの当選確率が70%であり、大当りBの当選確率が30%である。また、図6の(2)に示すように、第2始動口22への遊技球入賞による特別図柄抽選の大当り内訳は、大当りCの当選確率が50%であり、大当りAの当選確率が20%であり、大当りBの当選確率が30%である。以下に、図6の(3)を参照して、各大当りA〜Cに当選した場合の大当り遊技について説明する。
大当りAに当選した場合に実行される大当り遊技が開始すると、所定のオープニング時間の経過後、大入賞口23が閉状態から開状態にされて1ラウンド(以下、単に「R」と記載する場合がある)のラウンド遊技が開始される。1Rにおいて、大入賞口23に遊技球が10個入賞するか開放時間が29.5秒経過すると、大入賞口23が開状態から閉状態にされて1Rのラウンド遊技が終了される。その後、ラウンドとラウンドとの間のインターバル期間(例えば2秒間)が設けられた後に、1Rと同様に大入賞口23が開放されてから2Rのラウンド遊技が開始され、大入賞口23が閉鎖されて2Rのラウンド遊技が終了する。以後同様に、インターバル期間を挟んで大入賞口23の開閉によって計4回のラウンド遊技が実行される。そして、所定のエンディング時間が経過すると、大当り遊技が終了する。したがって、遊技者は、この大当り遊技の間に約500球の賞球総数を獲得することができる。その後、遊技状態は、大当り遊技が終了してから次回特別図柄抽選に当選するまで(より正確には、特別図柄抽選が9999回実行されるまで)の間、確変遊技状態に制御される。
大当りBに当選した場合に実行される大当り遊技が開始すると、所定のオープニング時間の経過後、インターバル期間を挟んで大入賞口23の開閉によって計4回のラウンド遊技が実行される。そして、所定のエンディング時間が経過すると、大当り遊技が終了する。したがって、遊技者は、この大当り遊技の間に約500球の賞球総数を獲得することができる。その後、遊技状態は、大当り遊技が終了してから通常遊技状態に制御される。
大当りCに当選した場合に実行される大当り遊技が開始すると、所定のオープニング時間の経過後、インターバル期間を挟んで大入賞口23の開閉によって計16回のラウンド遊技が実行される。そして、所定のエンディング時間が経過すると、大当り遊技が終了する。したがって、遊技者は、この大当り遊技の間に約2000球の賞球総数を獲得することができる。その後、遊技状態は、大当り遊技が終了してから次回特別図柄抽選に当選するまで(より正確には、特別図柄抽選が9999回実行されるまで)の間、確変遊技状態に制御される。
以上のように、本実施形態では、複数種類の大当りが用意されているが、大当りBに当選すると、大当り遊技後には、非時短状態(通常遊技状態)で遊技が制御され、つまり、遊技者にとっては好ましくない(不利な)遊技状態で遊技が制御される。このため、大当りBの大当り遊技終了後には、専用の演出(例えば、通常とは異なる専用モードの演出)を実行することによって、遊技者の興味が軽減されることを防止するものとしてもよい。また、図6の(1)、(2)からわかるように、本実施形態では、第2特別図柄抽選に当選した場合に実行されるラウンド遊技の回数(ラウンド数)の期待値は、第1特別図柄抽選に当選した場合に実行されるラウンド数の期待値よりも大きい。つまり、第2特別図柄抽選に当選した場合の利益度合は、第1特別図柄抽選に当選した場合の利益度合よりも大きい。なお、利益度合は、このようにラウンド数に依存する獲得賞球数に限られるものではなく、例えば大当り後に制御される遊技状態(大当り後に高確状態で制御される確率や時短回数等)であってもよい。
次に、パチンコ遊技機1が実行する処理フローについて説明する。
[メイン制御部100によるメイン処理]
まず、図7を参照しつつ、メイン制御部100によって実行されるメイン処理について説明する。なお、このメイン処理は、パチンコ遊技機1の電源が投入されると開始され、メイン制御部100が起動している間、継続的に実行される。
図7のステップS901において、まず、CPU101は、例えば2000ms待機して、処理はステップS902に移る。なお、図示はしていないが、演出制御部400のCPU401は、パチンコ遊技機1の電源が投入されると、待機処理を行うことなく、メイン制御部100からの信号を受信可能な状態となる。すなわち、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100のCPU101よりも先に、処理を開始できる状態となる。
ステップS902において、CPU101は、RAM103へのアクセスが可能となり、処理はステップS903に移る。
ステップS903において、CPU101は、不図示のRAMクリアスイッチが「ON」であるか否かを判定する。ステップS903での判定がYESの場合、処理はステップS904に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS907に移る。
ステップS904において、CPU101は、RAMクリアを行う。ここで、RAMクリアは、公知の技術であるため詳細な説明は省略するが、RAM103に格納されている各種情報(例えば遊技状態を示す情報)を所定の初期状態とすることである。その後、処理はステップS905に移る。
ステップS905において、CPU101は、RAMクリア時の作業領域を設定し、処理はステップS906に移る。
ステップS906において、CPU101は、周辺部の初期設定を行う。ここで、周辺部とは、演出制御部400や払出制御部300等である。周辺部の初期設定は、それぞれの制御部に対して、初期設定の実行を指示する初期設定コマンドを送信することによって行われる。その後、処理はステップS910に移る。
ステップS907において、CPU101は、バックアップフラグが「ON」であるか否かを判定する。なお、バックアップフラグとは、電源遮断時にバックアップデータの生成が正常に完了した場合、オンになるフラグであり、生成したバックアップデータに関連付けて、当該バックアップデータが有効であることを示すフラグである。ステップS907での判定がYESの場合、処理はステップS908に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS904に移る。
ステップS908において、CPU101は、チェックサムが正常であるか否かを判定する。ステップS908での判定がYESの場合、処理はステップS909に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS904に移る。
ステップS909において、CPU101は、後述する復旧処理(図9参照)を実行し、処理はステップS910に移る。
ステップS910において、CPU101は、内蔵されているCTC(タイマカウンタ)の周期(例えば4ms)を設定する。なお、CPU101は、ここで設定された周期を用いて後述するタイマ割込処理(図10参照)を実行する。その後、処理はステップS911に移る。
ステップS911において、CPU101は、後述する電源遮断監視処理(図8参照)を実行し、処理はステップS912に移る。
ステップS912において、CPU101は、タイマ割込処理の割り込みを禁止する設定を行い、処理はステップS913に移る。
ステップS913において、CPU101は、各種の初期値乱数を更新し(カウントアップし)、処理はステップS914に移る。ここで、初期値乱数とは、後述するタイマ割り込み処理(図10参照)においてカウントアップ更新される各種の乱数(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数)の開始値を決定するための乱数であり、各種の乱数に対応して複数の初期値乱数が用意されている。なお、初期値乱数は、所定のCTCの周期(4ms)ごとに発生するタイマ割込み処理(図10参照)と、その残余時間(すなわち、この所定のCTCの周期からタイマ割込み処理に要する処理時間を減じた時間)に処理されるメイン処理(図7参照)の両方でカウントアップ更新され、設定されている乱数の最大値(例えば299)に達した後は再び最小値(例えば0)に戻る。また、この残余時間は、CPU101の処理状況に応じて異なるので、ランダムな時間となっており、残余時間で更新される初期値乱数の更新回数もランダムとなる。一方、詳細は後述するが、他の各種乱数(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数)は、タイマ割込み処理(図10参照)でしか更新されないため、初期値乱数とは乱数更新処理の処理周期が相違する。このように、処理周期が相違することにより、例えば、初期値乱数と大当り乱数の乱数範囲が同じ(例えば0〜299)であったとしても、大当り乱数の開始値として取得される初期値乱数の値は毎回ランダムとなる。そのため、大当りを発生させる大当り乱数値が取得されるタイミングを予測することを困難にすることができる。
ステップS914において、CPU101は、タイマ割込処理の割り込みを許可する設定を行い、処理がステップS911に戻される。すなわち、CPU101は、ステップS911〜ステップS914の処理を繰り返し実行する。
[メイン制御部100による電源遮断監視処理]
図8は、図7のステップS911における電源遮断監視処理の詳細フローチャートである。図8のステップS9111において、CPU101は、割込処理を禁止し、処理はステップS9112に移る。
ステップS9112において、CPU101は、不図示の電源部から電源遮断信号が入力されたか否かに基づいて、パチンコ遊技機1に対する電源供給が遮断されたか否かを判定する。ステップS9112での判定がYESの場合、処理はステップS9114に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS9113に移る。
ステップS9113において、CPU101は、割込処理を許可し、電源遮断監視処理を終了する(処理は図7のステップS912に移る)。
一方、ステップS9114において、CPU101は、CPU101に対して各種情報が入出力される出力ポートをクリアし、処理はステップS9115に移る。
ステップS9115において、CPU101は、現在の遊技機1の遊技状態等に基づいて、バックアップデータをRAM103に作成後、RAM103の内容からチェックサムを作成してRAM103に格納する。なお、この処理は、メイン制御部100に供給される電源の電源遮断により電源電圧が低下し始めたことを検出してから(ステップS9112で「YES」と判定されてから)電源電圧が「0」になるまでの期間に行われる。この処理によって、電源が遮断される直前の遊技状態情報等がRAM103に記憶される。その後、処理はステップS9116に移る。
ステップS9116において、CPU101は、バックアップフラグを「ON」に設定し、処理はステップS9117に移る。
ステップS9117において、CPU101は、RAM103へのアクセスを禁止し、電源遮断監視処理を終了する(処理は図7のステップS912に移る)。
[メイン制御部100による復旧処理]
図9は、図7のステップS909における復旧処理の詳細フローチャートである。まず、図9のステップS9091において、CPU101は、復旧時におけるRAM103の作業領域を設定し、処理はステップS9092に移る。
ステップS9092において、CPU101は、RAM103の情報を参照して、電源遮断時における遊技状態や特別図柄抽選の保留数に関する情報を確認し、当該情報を含めた復旧通知コマンドを演出制御部400に対して送信する。このように、CPU101は、パチンコ遊技機1に対する電源供給が復旧したことを通知するために、電源遮断時の状態を示す復旧通知コマンドを演出制御部400へ送信する。このステップS9092の処理により、演出制御部400は、電源遮断前の遊技状態等を確認することができる。
ステップS9093において、CPU101は、周辺部の設定を行い、処理はステップS9094に移る。
ステップS9094において、CPU101は、バックアップフラグを「OFF」に設定し、復旧処理を終了する(処理は図7のステップS910に移る)。
[メイン制御部のタイマ割り込み処理]
次に、メイン制御部100において実行されるタイマ割込処理について説明する。図10は、メイン制御部100によって行われるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図10を参照して、メイン制御部100において行われるタイマ割込み処理について説明する。メイン制御部100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図10に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図10以降のフローチャートに基づいて説明するメイン制御部100で行われる処理は、ROM102に記憶されているプログラムに基づいて実行される。
まず、ステップS1において、メイン制御部100のCPU101は、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の各種の乱数の更新、および各乱数がカウントアップ更新される際の開始値となるそれぞれの初期値乱数の更新を行う乱数更新処理を実行する。ここで、大当り乱数は、特別図柄抽選の当選又は落選を判定する(つまり、特別図柄抽選を行う)ための乱数である。図柄乱数は、特別図柄抽選に当選した場合に大当りの種類を決定するための乱数である。大当り乱数及び図柄乱数は、後に説明する図14のステップS407の処理で使用される乱数である。リーチ乱数は、特別図柄抽選に落選した場合にリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定するための乱数である。ここで、特別図柄の変動時間は、この特別図柄の変動に同期して実行される報知演出(変動演出)の実行時間と等しい。リーチ乱数及び変動パターン乱数は、後に説明する図14のステップS408の処理で使用される。ステップS1の乱数更新処理において、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等は、それぞれ、1ずつ加算されて更新される。つまり、カウントアップされる。そして、ステップS2の始動口スイッチ(SW)処理やステップS3のゲートスイッチ(SW)処理において各乱数が取得されて、後述するステップS4の特別図柄処理やステップS5の普通図柄処理で使用される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタは、典型的にはループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば変動パターン乱数では299)に達した後は再び0に戻る(つまり、循環する)。また、ステップS1の乱数更新処理において、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の各カウンタは、それぞれ、ループカウンタのカウントが一巡すると、その時点での各乱数に対応する初期値乱数を取得して、当該初期値乱数の値を開始値として、新たにループカウンタのカウントを開始する。なお、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の乱数範囲は、任意に設定すればよいが、それぞれを異なる範囲に設定することで、これらの乱数の間でカウンタの値(カウント値)が同期しないように設定することが好ましい。
次に、ステップS2において、CPU101は、第1始動口スイッチ111a及び第2始動口スイッチ111bの状態を監視し、いずれかのスイッチがONとなった時点(第1始動口スイッチ111a又は第2始動口スイッチ111bから遊技球の検出信号が出力された時点)で、第1特別図柄抽選の保留数U1や第2特別図柄抽選の保留数U2に関する処理や各種乱数を取得する処理を行う始動口スイッチ処理を実行する。この始動口スイッチ処理の詳細については、図13を参照して後に詳述する。
次に、ステップS3において、CPU101は、ゲートスイッチ113の状態を監視し、ゲートスイッチ113からの出力信号に基づいて、ゲート25を遊技球が通過したと判定された時点で普通図柄抽選の保留数が上限値(例えば4)未満か否かを判断し、保留数が上限値未満であると判断した場合、後述するステップS5の普通図柄処理に使用される乱数を取得するゲートスイッチ処理を実行する。
次に、ステップS4において、CPU101は、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選を実行し、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bに特別図柄を変動表示させた後にこれらの抽選結果を示す停止図柄の表示処理や、演出制御部400へ各種コマンドを送信等するための特別図柄処理を実行する。この特別図柄処理については、図14を参照して後に詳述する。
次に、ステップS5において、CPU101は、ステップS3のゲートスイッチ処理で取得された乱数が所定の当たり乱数と一致するか否かを判定する普通図柄処理を実行する。そして、CPU101は、普通図柄表示器4eに普通図柄を変動表示させた後に判定結果を示す普通図柄を停止表示させる。具体的には、CPU101は、普通図柄を変動表示させた後に停止表示させる普通図柄変動時間を、非時短状態では10秒に設定し、時短状態では0.5秒に短縮する。また、CPU101は、普通図柄表示器4eに表示された普通図柄が所定の当たり図柄となる確率(つまり、普通図柄抽選の当選確率)を、非時短状態では低確率(1/10)に設定し、時短状態では高確率(10/10)に上昇させる。
次に、ステップS6において、CPU101は、ステップS4の特別図柄処理で特別図柄抽選に当選したと判定された場合(大当りした場合)等に、大入賞口開閉部115を制御して大入賞口23に所定の開閉動作を行わせ、また、いわゆる大当り遊技演出等に関する各種コマンドを演出制御部400に対して送信等するための大入賞口処理を実行する。この処理によって、大当り遊技(特別遊技)が進行され、遊技者は多量の賞球を獲得可能となる。この大入賞口処理については、図19及び図20を参照して後に詳述する。
次に、ステップS7において、CPU101は、ステップS5の普通図柄処理によって普通図柄表示器4eに表示された普通図柄が所定の当たり図柄である場合(つまり、普通図柄抽選に当選した場合)に、電動チューリップ27を作動させる電動チューリップ処理を実行する。その際、CPU101は、非電サポ状態では電動チューリップ27を極短期間(0.10秒間を1回)開放制御し、電サポ状態では電動チューリップ27を長期間(2.00秒間を3回)開放制御する。なお、電動チューリップ27が開放状態に制御されることによって第2始動口22に遊技球が入賞可能な状態となり、第2始動口22に遊技球が入賞することで、第2特別図柄抽選が行われることとなる。
次に、ステップS8において、CPU101は、遊技球の入賞個数の管理及び入賞に応じた賞球の払出しを制御する賞球処理を実行する。
次に、ステップS9において、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理、ステップS4の特別図柄処理、ステップS6の大入賞口処理、ステップS8の賞球処理等でRAM103にセットされた各種コマンドや演出に必要な情報を演出制御部400又は払出制御部300へ出力する出力処理を実行する。なお、CPU101は、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、普通入賞口24に遊技球が入賞する毎に、それぞれの入賞口に遊技球が入賞したことを通知するための入賞コマンドをRAM103にセットして、当該入賞コマンドを演出制御部400又は払出制御部300へ出力する。
[制御時間カウント処理について]
ここで、図10を用いて上述したタイマ割り込み処理では説明を省略したが、このタイマ割り込み処理において、CPU101は、特別図柄ゲーム側の一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測する特別図柄ゲーム側の制御時間カウント処理(「特図ゲームカウント処理」という)、および、普通図柄ゲーム側の一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測する普通図柄ゲーム側の制御時間カウント処理(「普図ゲームカウント処理」という)を実行する。特図ゲームカウント処理および普図ゲームカウント処理は、例えば、図10のステップS7の処理とステップS8の処理との間に、順番に実行される。なお、特別図柄ゲームは、始動口(21又は22)への遊技球の入賞を待機し、遊技球が入賞したことに応じて特別図柄抽選を実行してその抽選結果を報知することを繰り返し、特別図柄抽選に当選した場合には大当り遊技を実行するゲームである。また、普通図柄ゲームは、ゲート25への遊技球の通過を待機し、遊技球が通過したことに応じて普通図柄抽選を実行してその抽選結果を報知することを繰り返し、普通図柄抽選に当選した場合には電動チューリップ27の開閉制御(電チューの開放遊技)を実行するゲームである。
以下では、まず、特図ゲームカウント処理について説明する。図11は、特図ゲームカウント処理および普図ゲームカウント処理を実行する際に使用されるデータ、および、メイン制御部100のRAM103の記憶エリア(作業エリア)について説明するための図である。
図11の(1)は、特別図柄ゲーム側のカウント対象の時間を設定(特定)するためのデータ(「特図側設定データ」という)の種類を示している。特図側設定データは、特別図柄ゲームの各期間(時間)のうち何れの期間を計測しているのかを設定するためのデータである。この特別図柄ゲームの各期間(時間)には、図11の(1)に示すように、「始動口入賞待ち中」と、「特別図柄変動表示中」と、「特別図柄停止表示中」と、「オープニング表示中」と、「ラウンド中」と、「大入賞口有効期間中」と、「エンディング表示中」とが含まれる。
「始動口入賞待ち中」は、始動口入賞が有ると即時にこの始動口入賞に係る特別図柄抽選を実行して特別図柄の変動表示を開始できる状態(期間)であり、典型的には、大当り遊技中ではなく、特別図柄の変動表示中でも規定時間の停止表示中でもない状態である。「特別図柄変動表示中」は、始動口入賞に応じて特別図柄抽選を実行して表示器4に特別図柄の変動表示を実行している状態(期間)である。「特別図柄停止表示中」は、表示器4に変動表示していた特別図柄を特別図柄抽選結果を報知する表示態様で規定時間(0.5秒間)完全に停止表示している状態(期間)である。「オープニング表示中」は、特別図柄抽選に当選して画像表示部6に大当り遊技が開始したことを報知するオープニング演出を表示している状態(期間)である。「ラウンド中」は、大当り遊技において第1大入賞口23または第2大入賞口51が開放されるラウンド(ラウンド遊技)を実行している状態(期間)である。「大入賞口有効期間中」は、各ラウンドの直後に配置され、ラウンドが終了して第1大入賞口23または第2大入賞口51が閉塞されたにも関わらず遊技球の第1大入賞口23または第2大入賞口51への入賞を有効と認める期間であり、これによって、いわゆるオーバー入賞が認められることとなる。なお、ラウンド中の期間および大入賞口有効期間を除く期間においては、遊技球の第1大入賞口23または第2大入賞口51への入賞は有効と認められない。「エンディング表示中」は、画像表示部6に大当り遊技が終了することを報知するエンディング演出を表示している状態(期間)である。
図11の(1)に示すように、例えば、特図側設定データ「00H」は「始動口入賞待ち中」であることを設定するデータであり、例えば、特図側設定データ「01H」は「特別図柄変動表示中」であることを設定するデータである。なお、これらの特図側設定データは、ROM102に記憶されている。
図11の(3)は、RAM103の記憶エリア(作業エリア)の模式図である。図11の(3)に示すように、RAM103の記憶エリアには、カウント対象時間設定エリア10と、時間カウントエリア11と、単純変動表示用時間カウントエリア12とが含まれている。カウント対象時間設定エリア10は、特別図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリア10A(「エリア10A」という)と、普通図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリア10B(「エリア10B」という)とから成る。時間カウントエリア11は、特別図柄ゲーム側の時間カウントエリア11A(「エリア11A」という)と、普通図柄ゲーム側の時間カウントエリア11B(「エリア11B」という)とから成る。単純変動表示用時間カウントエリア12は、特別図柄ゲーム側の単純変動表示用時間カウントエリア12A(「エリア12A」という)と、普通図柄ゲーム側の単純変動表示用時間カウントエリア12B(「エリア12B」という)とから成る。
エリア11Aは、上記した特別図柄ゲームの各期間(「特別図柄変動表示中」等)についての時間経過を計測するためのタイマエリアであり、1つの時間データを書き込んで1つの時間経過について計測するためのタイマエリアである。エリア10Aは、図11の(1)を用いて説明した特図側設定データの何れか1つが書き込まれることによって、エリア11Aで計測する時間の種類を設定するためのエリアである。エリア12Aは、第1特別図柄表示器4a(又は第2特別図柄表示器4b)に特別図柄が7セグ表示で変動表示される際に、この7セグ表示の3つの表示態様を48ミリ秒毎に順番に切替えて循環表示させる制御を実行するにあたって、この48ミリ秒の時間経過を計測するためのタイマエリアであり、1つの時間データを書き込んで1つの時間経過について計測するためのタイマエリアである。なお、上記の7セグ表示の3つの表示態様は、例えば、数字の0を示す表示態様と、数字の7を示す表示態様と、7つのセグ全てが消灯した表示態様である。
CPU101は、エリア10Aに特図側設定データを書き込むことでエリア11Aによる計測対象の期間(時間)の種類を設定すると共に、エリア11Aに計測する時間データを書き込み、図10のタイマ割込み処理において4ミリ秒毎に実行される特図ゲームカウント処理によってエリア11Aの時間データの値を1ずつ減算することで、1つのタイマ領域(エリア11A)を順番に用いて特別図柄ゲームの各期間の経過を順番に計測する。
また、CPU101は、エリア11Aで特別図柄変動表示の時間が計測されているときには、エリア12Aに所定の時間データ(「12」)を書き込んで、図10のタイマ割込み処理において4ミリ秒毎に実行される特図ゲームカウント処理によってエリア12Aの時間データの値を1ずつ減算して0になると再び所定の時間データ(「12」)を書き込むと共に特別図柄の表示態様を切替える。これにより、第1特別図柄表示器4a(又は第2特別図柄表示器4b)に特別図柄が7セグ表示で変動表示される際に、この7セグ表示の3つの表示態様が48ミリ秒毎に順番に切替わって循環表示されることとなる。
なお、図11の(3)では、一例として、エリア10Aに「01H」が書き込まれていることによって、エリア11Aにおいて特別図柄変動表示の時間経過が計測されることを設定している。また、図11の(3)のエリア11Aには、一例として、時間を示す値「2500」が書き込まれているが、この値は図10のタイマ割り込み処理によって4ミリ秒毎に1減算されて更新されるので、この値「2500」は10.000秒を示している。また、図11の(3)のエリア12Aには、一例として、時間を示す値「12」が書き込まれているが、この値も同様に図10のタイマ割り込み処理によって4ミリ秒毎に1減算されて更新されるので、この値「12」は48ミリ秒を示している。
以上のように、本実施形態によれば、特別図柄ゲームの一連の制御時間を1つのタイマ機能(図11の(3)の11A参照)を用いて計測する。ここで、従来の遊技機においては、特別図柄ゲームを構成する各制御時間(特別図柄変動表示の制御時間、ラウンド実行の制御時間等)をそれぞれ個別のタイマ機能を用いて計測していたので、メイン制御部のRAMの記憶エリアに特別図柄ゲームを構成する制御時間毎に個別の時間カウントエリアを設けていた。一方、本実施形態では、上記のように特別図柄ゲームの一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測するので、演算負荷を効果的に低減することができる。また、本実施形態によれば、特別図柄変動表示の実行期間において特別図柄表示器4a(又は4b)に7セグ表示の3つの表示態様を48ミリ秒毎に順番に切替えて循環表示させる際の切替え時間の計測には、上記したタイマ機能(図11の(3)の11A参照)とは別のタイマ機能(図11の(3)の12A参照)を用いる。このことから、本実施形態によれば、演算処理の複雑化を効果的に抑制できる。
図12は、特別図柄変動表示の時間をエリア11Aに設定するために用いられる変動時間テーブルの概念図の一例である。この変動時間テーブルは、ROM102に記憶されており、RAM103に読み出されて使用される。図12に示すように、変動時間テーブルは、変動パターンの識別番号と、基本変動時間(秒)を示すデータと、加算変動時間(秒)を示すデータとから成る。変動パターンの識別番号は、図15〜図18を用いて後述する変動パターン決定テーブルHT1−1、HT1−2、HT2−1、およびHT2−2に含まれる変動パターンを識別するための番号である。基本変動時間は、変動パターン(つまり、特別図柄変動時間)を構成する基本の変動時間である。加算変動時間は、変動パターンを構成する加算される変動時間である。基本変動時間と加算変動時間とを加算した時間が、変動パターンである。例えば、識別番号5に対応する変動パターンは、基本変動時間90秒に加算変動時間0.06秒を加算した90.06秒であり、例えば、識別番号21に対応する変動パターンは、基本変動時間8秒である。なお、図12では変動パターンの一例を表示しているに過ぎず、全ての変動パターンを表示しているものではない。
CPU101は、図11の(3)のエリア11Aで特別図柄変動表示の時間を計測する場合には、後述する図14のステップS408の処理で決定された変動パターンに対応する時間データ(「秒」の時間を示すデータ)を、RAM103の変動時間テーブル(図12参照)から読み出して、読み出した時間データに250を乗算して4ミリ秒周期で実行される時間計測処理に適応する時間データに変換し、変換した時間データをRAM103のエリア11Aに書き込む。例えば、識別番号5に対応する変動パターン「90.06秒」を示す時間データの値をエリア11Aに設定する場合には、RAM103の変動時間テーブルから基本変動時間90秒および加算変動時間0.06秒を示す時間データを読み出して加算し、この加算した時間データに250を乗算して4ミリ秒周期の演算処理に適応する時間データ「22515」に変換し、変換した時間データ「22515」をRAM103のエリア11Aに書き込む。なお、図12の変動時間テーブルの横には、参考のために、250を乗算して4ミリ秒周期の演算処理に適応させた時間データを記載しているが、250を乗算すると自然数ではなくなるものは(括弧書きの値を参照)、四捨五入により自然数に調整して処理している。
以上のように、本実施形態によれば、ROM102に記憶されRAM103に読み出される変動時間テーブルの変動パターン(特別図柄変動時間)を示す時間データを「秒」の時間を示すデータ(つまり、除算値の時間データ;図12の基本変動時間の部分を参照)とし、特別図柄変動時間を設定する際に250を乗算して4ミリ秒周期の演算処理に適応する時間データ(つまり、乗算値の時間データ;図12の変動時間テーブルの右横の部分を参照)に変換する。このことから、本実施形態によれば、変動時間テーブルの特別図柄変動時間を示すデータを1バイト以下のデータ量に押さえられる場合がある(例えば、図12の識別番号20〜24)ので、ROM102およびRAM103の使用メモリ領域を効果的に抑制することができる。また、本実施形態によれば、例えば特別図柄変動時間90.02秒のように、除算値の時間データで示してもデータ量が1バイトを超える特別図柄変動時間については、加算変動時間の時間データ(小数点以下の時間を示す時間データ)として分割して変動時間テーブルを構成させている(図12参照)。ここで、図12では、加算変動時間の部分のテーブルにおいて、説明の便宜上、同じ時間データ値を変動パターン毎にそれぞれ記載しているが、実際にはこのテーブルにおいて同じ時間データ値は、重複して記憶されず、1つだけ記憶されている。例えば、加算変動時間の部分のテーブルにおいて、0.02秒の時間データ値は、図12では説明の便宜上3つ記載しているが、実際は1つだけ記憶されている。このことから、本実施形態によれば、ROM102およびRAM103の使用メモリ領域を効果的に抑制することができる。ここで、本実施形態では、説明の簡単のために、変動パターンを24個とした(図12参照)。しかし、実際の遊技機では、変動パターンは1000個〜10000個と膨大である。このことから、本実施形態による上記した使用メモリ領域抑制の効果は、実際の遊技機において絶大となる。
次に、普通図柄ゲーム側の一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測する普図ゲームカウント処理について、図11を用いて説明する。
図11の(2)は、普通図柄ゲーム側のカウント対象の時間を設定(特定)するためのデータ(以下、「普図側設定データ」という)の種類を示している。普図側設定データは、普通図柄ゲームの各期間(時間)のうち何れの期間を計測しているのかを設定するためのデータである。この普通図柄ゲームの各期間(時間)には、図11の(2)に示すように、「ゲート通過待ち中」と、「普通図柄変動表示中」と、「普通図柄停止表示中」と、「電チュー開閉制御中」と、「第2始動口有効期間中」とが含まれる。
「ゲート通過待ち中」は、ゲート25を遊技球が通過すると即時にこの通過に係る普通図柄抽選を実行して普通図柄の変動表示を開始できる状態(期間)であり、典型的には、電動チューリップ27の開閉制御中(電チューの開放遊技中)ではなく、後述する第2始動口有効期間中ではなく、普通図柄の変動表示中でも規定時間の停止表示中でもない状態である。「普通図柄変動表示中」は、遊技球のゲート25通過に応じて普通図柄抽選を実行して表示器4に普通図柄の変動表示を実行している状態(期間)である。「普通図柄停止表示中」は、表示器4に変動表示していた普通図柄を普通図柄抽選結果を報知する表示態様で規定時間(0.5秒間)完全に停止表示している状態(期間)である。「電チュー開閉制御中」は、普通図柄抽選に当選して電動チューリップ27の開閉制御(電チューの開放遊技)が実行されている状態(期間)である。「第2始動口有効期間中」は、電動チューリップ27の開閉制御が終了した直後の所定期間について例外的に第2始動口22への遊技球入賞を有効と認める期間である。なお、電動チューリップ27の開閉制御中は、一律に(つまり、電動チューリップ27が閉塞状態であっても)第2始動口22への遊技球入賞は有効と認められ、電動チューリップ27の開閉制御中および第2始動口有効期間を除く期間には、第2始動口22への遊技球入賞は有効と認められない。
図11の(2)に示すように、例えば普図側設定データ「00K」は「ゲート通過待ち中」であることを設定するデータである。また、普図側設定データはROM102に記憶されている。
以下、図11の(3)を参照して説明する。エリア11Bは、上記した普通図柄ゲームの各期間(「普通図柄変動表示中」等)についての時間経過を計測するためのタイマエリアであり、1つの時間データを書き込んで1つの時間経過について計測するためのタイマエリアである。エリア10Bは、図11の(2)を用いて説明した普図側設定データの何れか1つが書き込まれることによって、エリア11Bで計測する時間の種類を設定するためのエリアである。エリア12Bは、普通図柄表示器4e(図2参照)に普通図柄がマルバツで変動表示される際に、このマルバツ表示の2つの表示態様(マルのみが点灯する表示態様とバツのみが点灯する表示態様)を48ミリ秒毎に切替えて交互表示させる制御を実行するにあたって、この48ミリ秒の時間経過を計測するためのタイマエリアであり、1つの時間データを書き込んで1つの時間経過について計測するためのタイマエリアである。
CPU101は、エリア10Bに普図側設定データを書き込むことでエリア11Bによる計測対象の期間の種類を設定すると共に、エリア11Bに計測する時間データを書き込み、図10のタイマ割込み処理において4ミリ秒毎に実行される普図ゲームカウント処理によってエリア11Bの時間データの値を1ずつ減算することで、1つのタイマ領域(エリア11B)を順番に用いて普通図柄ゲームの各期間の経過を順番に計測する。
また、CPU101は、エリア11Bで普通図柄変動表示の時間が計測されているときには、エリア12Bに所定の時間データ(「12」)を書き込んで、図10のタイマ割込み処理において4ミリ秒毎に実行される普図ゲームカウント処理によってエリア12Bの時間データの値を1ずつ減算して0になると再び所定の時間データ(「12」)を書き込むと共に普通図柄の表示態様を切替える。これにより、普通図柄表示器4eに普通図柄がマルバツで変動表示される際に、このマルバツ表示の2つの表示態様が48ミリ秒毎に切替わって交互表示されることとなる。
以上のことから、本実施形態によれば、既に説明した特図ゲームカウント処理と同様の効果を、普図ゲームカウント処理においても実現できる。
なお、以上に説明した特別図柄ゲームの一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測する構成において、大当り遊技の制御において大入賞口有効期間の直後に第1大入賞口23または第2大入賞口51への入賞を有効とみなさない大入賞口休止期間を設けてもよい。
また、第1特別図柄抽選による特別図柄変動表示および特別図柄停止表示と、第2特別図柄抽選による特別図柄変動表示および特別図柄停止表示とを並行して実行可能な制御構成にして、例えば、第1特別図柄抽選による特別図柄変動表示および特別図柄停止表示の制御時間と、第1特別図柄抽選の当選による大当り遊技に関する制御時間とを、1つのタイマ機能を用いて計測し、一方で、第2特別図柄抽選による特別図柄変動表示および特別図柄停止表示の制御時間と、第2特別図柄抽選の当選による大当り遊技に関する制御時間とを、1つの他のタイマ機能を用いて計測してもよい。
また、特別図柄ゲームおよび普通図柄ゲームの一連の制御時間をそれぞれ1つのタイマ機能を用いて計測する際に、計測対象時間の経過を、「減算」処理ではなく、「加算」処理によって計測する構成としてもよい。この場合、例えば、特別図柄ゲーム側のタイマ(11A)の値が、計測対象時間(例えば、特別図柄停止表示の時間0.5秒)を示す時間データの値「125」に到達したか否かを判定する制御となる。
また、上記したように図12の加算変動時間の部分のテーブルにおいて同じ時間データ値を重複して記憶せずに1つだけ記憶することに加えて、図12の基本変動時間の部分のテーブルにおいても同じ時間データ値を重複して記憶せずに1つだけ記憶する構成にして、使用メモリ領域抑制の効果を更に高めてもよい。
また、以上に説明した方法により、演出制御部400等によって実行される各種演出の実行時間を計測してもよい。
以上で、制御時間カウント処理についての説明を終わる。
[始動口スイッチ処理]
図13は、図10のステップS2における始動口スイッチ処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図10のステップS2における始動口スイッチ処理について、図13を参照して説明する。
まず、ステップS201において、メイン制御部100のCPU101は、第1始動口スイッチ111aからの出力信号の有無に基づいて、第1始動口21に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ111aがONになったか否かを判定する。ステップS201での判定がYESの場合、処理はステップS202に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS207に移る。
ステップS202において、CPU101は、ROM102から第1特別図柄抽選の保留数の上限値Umax1(本実施形態では「4」)を読み出し、RAM103に記憶されている第1特別図柄抽選の保留数U1が上限値Umax1未満であるか否かを判定する。ステップS202での判定がYESの場合、処理はステップS203に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS207に移る。
ステップS203において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1の値を、1加算した値に更新する。また、CPU101は、第1始動口21に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドは、図10のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS204に移る。
ステップS204において、CPU101は、第1特別図柄抽選等に使用される乱数のセット(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、取得した乱数の各セット(遊技情報)を、時系列順でRAM103に格納する。なお、後述する図14のステップS406の処理によって第1特別図柄抽選の保留数U1の値が1減算される度に、RAM103に格納された上記乱数セットは、格納時期が早いものから順に1セットずつ削除される。このことから、例えば第1特別図柄抽選の保留数U1の値が「3」の場合、直近3回のステップS204の処理によって取得された直近3回の上記乱数セットが、時系列順でRAM103に格納されていることとなる。その後、処理はステップS205に移る。
ステップS205において、CPU101は、事前判定処理を行う。具体的には、CPU101は、直近のステップS204の処理で取得されてRAM103に格納された大当り乱数等の乱数セット(つまり、直近に格納された第1特別図柄抽選用の大当り乱数等の乱数セット)を読み出し、この大当り乱数等がROM102に記憶されている所定値等と一致するか否かに基づいて、この大当り乱数を用いる第1特別図柄抽選の結果が大当りであるか否かや、リーチ演出を実行するか否か等を事前判定する。つまり、先読み予告演出や保留変化予告演出を実行するために必要な判定を、後述する図14のステップS407及びS408の処理に先立って事前判定する。その後、処理はステップS206に移る。
ステップS206において、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が1増加したことを通知する第1保留数増加コマンドをRAM103にセットする。ここで、この第1保留数増加コマンドには、ステップS205の処理で行われた事前判定の結果を示す情報(以下、「事前判定情報」という)が含められている。なお、この事前判定情報を含む第1保留数増加コマンドが、図10のステップS9の出力処理によって出力されることにより、第1特別図柄抽選の保留に対する抽選結果が、第1特別図柄抽選における図柄変動が開始されるよりも前にメイン制御部100から演出制御部400に通知される。その後、処理はステップS207に移る。
ステップS207において、CPU101は、第2始動口スイッチ111bからの出力信号の有無に基づいて、第2始動口22に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ111bがONになったか否かを判定する。ステップS207での判定がYESの場合、処理はステップS208に移り、この判定がNOの場合、処理は図10のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
ステップS208において、CPU101は、ROM102から第2特別図柄抽選の保留数の上限値Umax2(本実施形態では「4」)を読み出し、RAM103に記憶されている第2特別図柄抽選の保留数U2が上限値Umax2未満であるか否かを判定する。ステップS208での判定がYESの場合、処理はステップS209に移り、この判定がNOの場合、処理は図10のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
ステップS209において、CPU101は、RAM103に格納されている保留数U2の値を、1加算した値に更新する。また、CPU101は、第2始動口22に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドは、図10のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS210に移る。
ステップS210において、CPU101は、第2特別図柄抽選等に使用される乱数のセット(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、取得した乱数の各セットを、時系列順でRAM103に格納する。なお、後述する図14のステップS404の処理によって第2特別図柄抽選の保留数U2の値が1減算される度に、RAM103に格納された上記乱数セットは、格納時期が早いものから順に1セットずつ削除される。このことから、例えば第2特別図柄抽選の保留数U2の値が「3」の場合、直近3回のステップS210の処理によって取得された直近3回の上記乱数セットが、時系列順でRAM103に格納されていることとなる。その後、処理はステップS211に移る。
ステップS211において、CPU101は、事前判定処理を行う。具体的には、CPU101は、直近のステップS210の処理で取得されてRAM103に格納された大当り乱数等の乱数セット(つまり、直近に格納された第2特別図柄抽選用の大当り乱数等の乱数セット)を読み出し、この大当り乱数等がROM102に記憶されている所定値等と一致するか否かに基づいて、この大当り乱数を用いる第2特別図柄抽選の結果が大当りであるか否かや、リーチ演出を実行するか否か等を事前判定する。つまり、先読み予告演出や保留変化予告演出を実行するために必要な判定を、後述する図14のステップS407及びS408の処理に先立って事前判定する。その後、処理はステップS212に移る。
ステップS212において、CPU101は、第2特別図柄抽選の保留数が1増加したことを通知する第2保留数増加コマンドをRAM103にセットする。ここで、この第2保留数増加コマンドには、ステップS211の処理で行われた事前判定の結果を示す情報(事前判定情報)が含められている。なお、この事前判定情報を含む第2保留数増加コマンドが、図10のステップS9の出力処理によって出力されることにより、第2特別図柄抽選の保留に対する抽選結果が、第2特別図柄抽選における図柄変動が開始されるよりも前にメイン制御部100から演出制御部400に通知される。その後、処理は図10のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
[特別図柄処理]
図14は、図10のステップS4における特別図柄処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図14を参照して、図10のステップS4における特別図柄処理について説明する。
まず、ステップS401において、メイン制御部100のCPU101は、RAM103に記憶されている情報(典型的にはフラグによる情報)に基づいて、遊技機1の現在の状態が大当り遊技中(大当り遊技状態)であるか否かを判定する。つまり、特別図柄抽選に当選した場合に実行される大当り遊技(特別遊技)の実行中であるか否かを判定する。ステップS401での判定がYESの場合、処理は図10のステップS5(普通図柄処理)に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS402に移る。
ステップS402において、CPU101は、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する。ここで、特別図柄の変動表示中とは、特別図柄が所定の変動時間(後述するステップS408の変動パターン選択処理によって選択される変動パターンにより決定される変動時間)変動表示した後に停止図柄(特別図柄抽選の判定結果を示す判定図柄)が所定の確定時間(例えば既定の0.5秒間)停止表示される全体の期間内であることを示す。したがって、言い換えると、CPU101は、特別図柄が変動されている変動時間中または判定図柄が停止されている確定時間中であるか否かを判定する。ステップS402での判定がYESの場合、処理はステップS411に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS403に移る。
ステップS403において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U2が1以上であるか否か(つまり第2特別図柄抽選が保留されているか否か)を判定する。ステップS403での判定がYESの場合、処理はステップS404に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS405に移る。
ステップS404において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U2を、1減算した値に更新する。また、その際、CPU101は、RAM103に格納されている図13のステップS210によって取得されて格納された乱数セットのうち格納時期が最も早いものを読み出してRAM103から削除する。その後、処理はステップS407に移る。
一方、ステップS405において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1が1以上であるか否か(つまり第1特別図柄抽選が保留されているか否か)を判定する。ステップS405での判定がYESの場合、処理はステップS406に移り、この判定がNOの場合、実行されるべき特別図柄抽選は無いとみなして、処理はステップS415に移る。
ステップS406において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1を、1減算した値に更新する。また、その際、CPU101は、RAM103に格納されている図13のステップS204によって取得されて格納された乱数セットのうち格納時期が最も早いものを読み出してRAM103から削除する。その後、処理はステップS407に移る。
以上のステップS403〜S406の処理によって、第2特別図柄抽選が、第1特別図柄抽選よりも優先して実行されることとなる。
ステップS407において、CPU101は、特別図柄抽選が大当りであるかハズレであるかを判定する大当り判定処理を実行する。具体的には、ステップS404の処理に続いてステップS407の処理を実行する場合、CPU101は、このステップS404の処理でRAM103から読み出した大当り乱数が、ROM102に記憶されている大当りの当選値と一致するか否かに基づいて、第2特別図柄抽選の結果が大当りであるかハズレであるかを判定する。一方、ステップS406の処理に続いてステップS407の処理を実行する場合、CPU101は、このステップS406の処理でRAM103から読み出した大当り乱数が、ROM102に記憶されている大当りの当選値と一致するか否かに基づいて、第1特別図柄抽選の結果が大当りであるかハズレであるかを判定する。そして、CPU101は、特別図柄抽選の結果がハズレと判定した場合、特別図柄抽選にハズレたことを表すハズレ図柄を、設定情報における特別図柄の停止図柄としてRAM103にセットする。一方、CPU101は、特別図柄抽選の結果が大当りであると判定した場合、この判定に使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された図柄乱数がROM102に記憶されている所定値の何れと一致するかに基づいて、今回の大当りの種類を判定する。そして、CPU101は、大当りしたこと及び大当りの種類を表す大当り図柄の情報を、設定情報における特別図柄の停止図柄の情報としてRAM103にセットする。その後、処理はステップS408に移る。
[変動パターン選択処理]
ステップS408において、CPU101は、変動パターン選択処理を実行する。具体的には、ステップS408において、CPU101は、非時短状態(本実施形態では通常遊技状態)のときには、図15及び図16に示す変動パターン決定テーブルHT1−1及びHT1−2を使用し、時短状態(本実施形態では確変遊技状態)のときには、図17及び図18に示す変動パターン決定テーブルHT2−1及びHT2−2を使用して、特別図柄抽選毎に変動パターンを決定(選択)する。ここで、この変動パターンは、表示器4に特別図柄が変動表示されてから停止表示されるまでの時間である特別図柄変動時間であり、この特別図柄変動時間は、報知演出の実行時間と同期しており報知演出の実行時間と同じ時間である。なお、以下では、変動パターン決定テーブルHT1−1、HT1−2、HT2−1およびHT2−2を、単に、HT1−1、HT1−2、HT2−1およびHT2−2いう場合がある。
まず、非時短状態(通常遊技状態)のときに、図15及び図16に示すHT1−1及びHT1−2を使用して変動パターンを選択する場合について、説明する。図15は、非時短状態(通常遊技状態)においてステップS407の処理で第1特別図柄抽選が実行された場合に、変動パターン決定に使用されるテーブルである。図16は、非時短状態(通常遊技状態)においてステップS407の処理で第2特別図柄抽選が実行された場合に、変動パターン決定に使用されるテーブルである。
[非時短状態/第1特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図15を用いて、非時短状態(通常遊技状態)においてステップS407の処理で第1特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。
ステップS408において、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理において、第1特別図柄抽選の結果が大当りであると判定した場合、変動パターン乱数に基づいて変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。具体的には、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、HT1−1の「大当り」の部分の各変動パターンに割り振られた乱数値の何れと一致するかに基づいて、変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。例えば、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数が「78」である場合、HT1−1の「大当り」の部分の変動パターン「90.03秒」に割り振られた乱数値「75〜124」に一致するので、変動パターンとして「90.03秒」を決定する。ここで、HT1−1に示すように、「大当り」の部分の変動パターン「15.01秒」、「40.01秒」、「40.02秒」、「40.03秒」、「90.01秒」、「90.02秒」、「90.03秒」、「90.04秒」及び「90.05秒」は、それぞれ、報知演出の演出パターンのタイプ「リーチ当り」、「第3SP当り」、「第2SP当り」、「第1SP当り」、「第5SPSP当り」、「第4SPSP当り」、「第3SPSP当り」、「第2SPSP当り」及び「第1SPSP当り」に対応する。また、「リーチ当り」はリーチが成立した後に大当りするタイプであり、「第1SP当り」〜「第3SP当り」は最終的にSPリーチに発展した後に大当りするタイプであり、「第1SPSP当り」〜「第5SPSP当り」は最終的にSPSPリーチに発展した後に大当りするタイプである。
なお、リーチ(リーチ演出)とは、報知演出において例えば複数の装飾図柄のうち最後に停止される装飾図柄が、特定の図柄で停止表示されると、すでに停止中の他の図柄と合わせて特定の図柄パターンに一致することで大当りとなることを期待させる演出であり、典型的には、右側と左側の装飾図柄が同じ図柄(例えば7)で停止しており、最後に停止される中央の装飾図柄が、同じ図柄(例えば7)で停止する(つまり、ゾロ目777となる)ことを期待させて変動表示される演出である。また、SPリーチとは、一般にスーパーリーチやスペシャルリーチと呼ばれ、リーチよりも大当りすることを更に期待させる演出であり、例えば主人公のキャラクタがミニゲームを行う動画像の演出である。また、SPSPリーチとは、一般にスーパースーパーリーチやスペシャルスペシャルリーチと呼ばれ、SPリーチ演出よりも大当りすることを更に期待させる演出であり、例えば主人公のキャラクタが敵のキャラクタと戦う動画像の演出である。
また、ステップS408において、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理において、第1特別図柄抽選の結果がハズレであると判定した場合、第1特別図柄抽選の保留数(U1)、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。
具体的には、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」である場合、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出されたリーチ乱数(0〜99のうちの何れか1つ)が、HT1−1の「ハズレ」の保留数「1、2」の部分のリーチ乱数値範囲「0〜69」に含まれるのかリーチ乱数値範囲「70〜99」に含まれるのかを判定する。
そして、CPU101は、この読み出されたリーチ乱数がリーチ乱数値範囲「0〜69」に含まれる場合、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、変動パターン乱数値範囲「0〜59」に含まれるのか変動パターン乱数値範囲「60〜299」に含まれるのかを判定する。そして、CPU101は、この変動パターン乱数が変動パターン乱数値範囲「0〜59」に含まれる場合には変動パターンとして「8.00秒」を決定し、この変動パターン乱数が変動パターン乱数値範囲「60〜299」に含まれる場合には変動パターンとして「13.50秒」を決定する。ここで、HT1−1に示すように、変動パターン「8.00秒」及び「13.50秒」は、何れも、報知演出の演出パターンのタイプ「即ハズレ」に対応する。なお、「即ハズレ」は、リーチの成立もなく即ハズレる演出パターンのタイプである。
一方、CPU101は、この読み出されたリーチ乱数がリーチ乱数値範囲「70〜99」に含まれる場合、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、HT1−1の上記したリーチ乱数値範囲「70〜99」の部分の各変動パターンに割り振られた変動パターン乱数値範囲の何れに含まれるかに基づいて、変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。例えば、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数が「260」である場合、変動パターン「40.05秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「256〜271」に含まれるので、変動パターンとして「40.05秒」を決定する。ここで、HT1−1に示すように、HT1−1の上記したリーチ乱数値範囲「70〜99」の部分の変動パターン「15.02秒」、「40.04秒」、「40.05秒」、「40.06秒」、「90.06秒」、「90.07秒」、「90.08秒」、「90.09秒」及び「90.10秒」は、それぞれ、報知演出の演出パターンのタイプ「リーチハズレ」、「第3SPハズレ」、「第2SPハズレ」、「第1SPハズレ」、「第5SPSPハズレ」、「第4SPSPハズレ」、「第3SPSPハズレ」、「第2SPSPハズレ」及び「第1SPSPハズレ」に対応する。また、「リーチハズレ」はリーチが成立した後にハズレるタイプであり、「第1SPハズレ」〜「第3SPハズレ」は最終的にSPリーチに発展した後にハズレるタイプであり、「第1SPSPハズレ」〜「第5SPSPハズレ」は最終的にSPSPリーチに発展した後にハズレるタイプである。
また、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「3」の場合、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合と基本的に同様にして、変動パターンを決定する。但し、第1特別図柄抽選の保留数が「3」の場合には、CPU101は、HT1−1に示すように、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合に対して、リーチ乱数値範囲「0〜69」を「0〜79」に置き換え、リーチ乱数値範囲「70〜99」を「80〜99」に置き換え、又、変動パターン「8.00秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「0〜59」を「0〜209」に置き換え、変動パターン「13.50秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「60〜299」を「210〜299」に置き換えた乱数値範囲によって、変動パターンを決定する。
また、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「4」の場合、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合と基本的に同様にして、変動パターンを決定する。但し、第1特別図柄抽選の保留数が「4」の場合には、CPU101は、HT1−1に示すように、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合に対して、リーチ乱数値範囲「0〜69」を「0〜84」に置き換え、リーチ乱数値範囲「70〜99」を「85〜99」に置き換え、又、変動パターン「8.00秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「0〜59」を「210〜269」に置き換え、変動パターン「13.50秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「60〜299」を「270〜299」に置き換え、更に、演出パターンのタイプ「即ハズレ」に対応し変動パターン乱数値範囲「0〜209」が割り振られた変動パターン「3.00秒」が加えられた内容の乱数値範囲によって、変動パターンを決定する。
以上に図15に示す変動パターン決定テーブルHT1−1を用いて説明したように、非時短状態(通常遊技状態)において第1特別図柄抽選でハズレた場合には、第1特別図柄抽選の保留数が少ないほど、リーチありの変動パターンが選択され易く、又、リーチなしの変動パターンが選択された場合には第1特別図柄抽選の保留数が少ないほど長い変動パターンが選択され易い。
[大当り信頼度]
ここで、大当り信頼度(大当り期待度)について説明する。大当り信頼度が高い演出とは、その演出が実行された場合において大当りが報知される可能性が高い演出であり、大当り信頼度が低い演出とは、その演出が実行された場合において大当りが報知される可能性が低い演出である。以下、図15に示すHT1−1を用いて具体的に説明する。HT1−1の「大当り」の部分から分かるように、大当りの場合には、「リーチ当り」、「第3SP当り」、「第2SP当り」、「第1SP当り」、「第5SPSP当り」、「第4SPSP当り」、「第3SPSP当り」、「第2SPSP当り」、「第1SPSP当り」の順で、変動パターン乱数値範囲が大きくなっている(一部同一あり)。一方で、HT1−1の「ハズレ」の部分から分かるように、ハズレの場合には、「リーチハズレ」、「第3SPハズレ」、「第2SPハズレ」、「第1SPハズレ」、「第5SPSPハズレ」、「第4SPSPハズレ」、「第3SPSPハズレ」、「第2SPSPハズレ」、「第1SPSPハズレ」の順で、変動パターン乱数値範囲が小さくなっている(一部同一あり)。以上から分かるように、大当りの場合に実行され易くハズレの場合に実行され難い演出は大当り信頼度が高い一方で、大当りの場合に実行され難くハズレの場合に実行され易い演出は大当り信頼度が低い。つまり、「リーチ演出」、「第3SPリーチ演出」、「第2SPリーチ演出」、「第1SPリーチ演出」、「第5SPSPリーチ演出」、「第4SPSPリーチ演出」、「第3SPSPリーチ演出」、「第2SPSPリーチ演出」、「第1SPSPリーチ演出」の順で大当り信頼度が高くなる。また、変動時間の長さの観点で見れば、変動時間が長いほど大当りの信頼度が高い演出が実行されることがわかる。
[非時短状態/第2特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図16を用いて、非時短状態(通常遊技状態)においてステップS407の処理で第2特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。ステップS408において、CPU101は、図15を用いて説明した変動パターン決定の処理と基本的に同様の処理を行って、変動パターンを決定する。但し、CPU101は、図15を用いて説明した変動パターン決定の処理ではHT1−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行ったのに対して、この変動パターン決定の処理では図16に示すHT1−2を用いて第2特別図柄抽選に対して処理を行う点で異なる。ここで、図16に示すHT1−2は、図15に示したHT1−1に対して、「第1特別図柄抽選の保留数」が「第2特別図柄抽選の保留数」に置き換わった点で異なるのみである。つまり、図15を用いて説明した変動パターン決定の処理では第1特別図柄抽選の保留数が考慮されたのに対して、この変動パターン決定の処理では第2特別図柄抽選の保留数が考慮される。なお、非時短状態では、第2始動口22には遊技球が入賞し難い状態であるため、第2特別図柄抽選が実行されることは稀(レア)である。このため、非時短状態において第2特別図柄抽選が実行される際には、このレア感を示唆するために、非時短状態において第1特別図柄抽選が実行される場合よりも長時間の変動パターンが選択され易いものとしてもよい。具体的には、例えば、HT1−2においては、「ハズレ」の保留数「1、2」、「3」、「4」の各部分において、リーチありと判定されるリーチ乱数値範囲が、HT1−1の該当部分よりも大きいものとすることにより、HT1−1よりもリーチが実行され易いものとして、結果的に長時間の変動パターンが選択され易いものとしてもよい。
[時短状態/第1特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図17を用いて、時短状態(確変遊技状態)においてステップS407の処理で第1特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。ステップS408において、CPU101は、図15を用いて説明した変動パターン決定の処理と基本的に同様の処理を行って、変動パターンを決定する。但し、CPU101は、図15を用いて説明した変動パターン決定の処理ではHT1−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行ったのに対して、この変動パターン決定の処理では図17に示すHT2−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行う点で異なる。ここで、図17に示すHT2−1は、図15に示したHT1−1に対して、「ハズレ」においてリーチ乱数によってリーチなしが選択された場合において、第1特別図柄抽選の保留数に関わらず一律に変動パターン「13.50秒」(即ハズレに対応)が選択される点で異なる。
[時短状態/第2特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図18を用いて、時短状態(確変遊技状態)においてステップS407の処理で第2特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。ステップS408において、CPU101は、図15を用いて説明した変動パターン決定の処理と基本的に同様の処理を行って、変動パターンを決定する。但し、CPU101は、図15を用いて説明した変動パターン決定の処理ではHT1−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行ったのに対して、この変動パターン決定の処理では図18に示すHT2−2を用いて第2特別図柄抽選に対して処理を行う点で異なる。ここで、図18に示すように、HT2−2は、図15に示したHT1−1に対して、「第1特別図柄抽選の保留数」が「第2特別図柄抽選の保留数」に置き換わっている。つまり、図15を用いて説明した変動パターン決定の処理では第1特別図柄抽選の保留数が考慮されたのに対して、この変動パターン決定の処理では第2特別図柄抽選の保留数が考慮される。また、図18に示すように、HT2−2では、「ハズレ」における第2特別図柄抽選の保留数「1」の場合においてリーチ乱数によってリーチなしが選択された場合に、一律に変動パターン「13.50秒」が決定される。また、図18に示すように、HT2−2では、「ハズレ」における第2特別図柄抽選の保留数「2〜4」の場合においてリーチ乱数によってリーチなしが選択された場合に、変動パターン乱数値範囲「0〜239」において変動パターン「2.00秒」が決定され、変動パターン乱数値範囲「240〜269」において変動パターン「4.00秒」が決定され、変動パターン乱数値範囲「270〜299」において変動パターン「10.00秒」が決定される。
ここで、ステップS403〜S406での処理で説明したように、本実施形態では、第2特別図柄抽選の保留が、第1特別図柄抽選の保留よりも優先して消化される。また、時短状態(確変遊技状態)では、図10のステップS5及びS7での処理で説明したように、電動チューリップ27が頻繁に長期間開放して第2始動口22に遊技球が頻繁に入賞するので、第2特別図柄抽選が頻繁に連続して実行される。また、ステップS407での処理で説明したように、第2始動口22への遊技球入賞による第2特別図柄抽選の方が、第1始動口21への遊技球入賞による第1特別図柄抽選よりも、抽選に当選(大当り)した場合の利益度合が大きい。このことから、逆に言えば、時短状態(確変遊技状態)において、第1特別図柄抽選が実行されると、遊技者の利益度合が小さい大当りに当選してしまう可能性が多くなってしまうと言える。本実施形態では、以上に図18のHT2−2を用いて説明したように、時短状態(確変遊技状態)においては、第2特別図柄抽選の保留数が2〜4でリーチなしの場合には短時間の変動パターン(2.00秒、4.00秒)を選択し易くして第2特別図柄抽選の保留が高速で消化されるようにしてスピード感のある遊技を実行する一方で、第2特別図柄抽選の保留数が1でリーチなしの場合には長時間の変動パターン(13.50秒)を必ず選択して遊技者に比較的不利な第1特別図柄抽選が実行され難く制御している。更に、本実施形態では、以上に図17のHT2−1を用いて説明したように、時短状態(確変遊技状態)においては、遊技者に比較的不利な第1特別図柄抽選が実行されたとしても、第1特別図柄抽選の保留数が1〜4の全てにおいて、リーチなしの場合には長時間の変動パターン(13.50秒)を必ず選択して、第2始動口22に遊技球が入賞して遊技者に比較的有利な第2特別図柄抽選が実行されるための時間を稼ぐように制御している。
以上のようにしてステップS408において決定された変動パターンの情報(つまり、報知演出の実行時間:報知演出の演出パターンのタイプの情報とも言える)は、設定情報としてRAM103にセットされる。その後、処理はステップS409に移る。
ステップS409において、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理によってセットされた設定情報、及びステップS408の変動パターン選択処理によってセットされた設定情報を含む報知演出開始コマンドを生成して、RAM103にセットする。ここで、報知演出開始コマンドは、演出制御部400に対して、画像表示部6及びスピーカ35等による報知演出の開始を指示するコマンドである。また、報知演出開始コマンドに含まれる設定情報には、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の何れが実行されたかを示す情報も含まれる。また、CPU101は、現在の遊技状態(例えば、確変遊技状態)を示す遊技状態通知コマンドをRAM103にセットする。上記した報知演出開始コマンドおよび遊技状態通知コマンドは、図10のステップS9における出力処理によって、演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS410に移る。
ステップS410において、CPU101は、ステップS409の処理でセットされた報知演出開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示を開始する。その後、処理はステップS411に移る。
ステップS411において、CPU101は、ステップS410における特別図柄の変動表示の開始時点から、ステップS408の変動パターン選択処理で設定された変動パターンが示す特別図柄変動時間が経過したか否かを判定する。ステップS411での判定がYESの場合、処理はステップS412に移り、この判定がNOの場合、処理は図10のステップS5(普通図柄処理)に移る。
ステップS412において、CPU101は、画像表示部6等による報知演出の終了を指示する報知演出停止コマンドをRAM103にセットする。その後、処理はステップS413に移る。なお、ステップS412でセットされた報知演出停止コマンドは、図10のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。
ステップS413において、CPU101は、ステップS410の処理で開始した第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示を終了する。なお、このステップS413の処理によって特別図柄の変動表示が終了されると、その後、特別図柄抽選の判定結果を表す判定図柄が規定の確定時間(例えば、0.5秒)だけ停止表示される。その後、処理はステップS414に移る。
ステップS414において、CPU101は、停止中処理を実行する。具体的には、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で大当りしたと判定した場合、RAM103に記憶されている情報(典型的にはフラグによる情報)を大当り遊技中(大当り遊技状態)であることを示すものに変更し、大当り遊技演出の開始を指示するオープニングコマンドをRAM103にセットする。なお、ステップS414における処理は、規定の確定時間(例えば0.5秒)が経過することで終了され、その後、処理は図10のステップS5(普通図柄処理)に移る。このため、次のタイマ割り込み処理によって再び図14に示す特別図柄処理が実行されるタイミングは、ステップS413の処理において特別図柄の変動表示が終了してから確定時間(0.5秒)を経過したタイミング(より厳密には、確定時間を経過して初めて到来する割り込みタイミング)となる。なお、上記したオープニングコマンドは、ステップS414の処理が開始されてから(ステップS413の処理が終了してから)、規定の確定時間(0.5秒)が経過すると、図10のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、これにより大当り遊技演出が開始される。
ステップS415おいて、CPU101は、客待ちコマンドおよび現在の遊技状態を示す遊技状態通知コマンドを、ステップ416の処理(後述)で既に送信済みであるか否かを判定する。ここで、客待ちコマンドとは、ステップS414の処理が開始されてから規定の確定時間(0.5秒)を経過した時点(言い換えると、ステップS413の処理において特別図柄の変動表示が終了してから0.5秒経過した時点)において、特別図柄抽選の保留が存在しない場合に送信されるコマンドであり、特別図柄抽選の抽選結果を報知する報知演出が実行されていない状態(いわゆる客待ち状態)になったことを通知するコマンドである。ステップS415での判定がYESの場合、処理は図10のステップS5(普通図柄処理)に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS416に移る。
ステップS416おいて、CPU101は、客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドをRAM103にセットする。この客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドは図10のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、当該客待ちコマンドに基づいて、所定の停止演出(例えば装飾図柄停止表示の演出)が開始される。なお、上記した停止演出が開始されてから所定時間(例えば90秒)が経過すると、客待ち演出が開始される。ここで、客待ち演出は、例えば、遊技機1の題材となったコンテンツ(アニメや物語等)に関する映像を画像表示部6に表示させる演出や、例えば、遊技中に実行される所定の演出(例えばリーチ演出)の一部を画像表示部6に表示させる演出である。その後、処理は図10のステップS5(普通図柄処理)に移る。
[大入賞口処理]
図19及び図20は、図10のステップS6における大入賞口処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図10のステップS6における大入賞口処理について、図19及び図20を参照して説明する。
まず、ステップS601において、メイン制御部100のCPU101は、RAM103に格納されている情報(典型的には、フラグによる情報)に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技中であるか否かを判定する。ステップS601での判定がYESの場合、処理はステップS602に移り、この判定がNOの場合、処理は図10のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS602において、CPU101は、RAM103に格納されている情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のオープニング演出中であるか否かを判定する。ステップS602での判定がYESの場合、処理はステップS603に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS609に移る。
ステップS603において、CPU101は、オープニング演出の実行時間を規定する設定オープニング時間が経過したか否かを判定する。ステップS603での判定がYESの場合、処理はステップS604に移り、この判定がNOの場合、オープニング演出は終了していないので、処理は図10のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS604において、CPU101は、大当り遊技の全ラウンド数Rmaxと大当り遊技の大入賞口23の動作パターンとを設定し、その設定情報をRAM103にセットする。具体的には、CPU101は、大当り遊技に含まれるラウンドの数量(Rmax:本実施形態では「16」)と大当り遊技中の大入賞口23の動作パターンを設定し、その設定情報をRAM103にセットする。ステップS604の処理によって、大当り遊技の全ラウンド数Rmax、大当り遊技中のラウンドとラウンドとの間のインターバル時間、大当り遊技の最後にエンディング演出を行う時間である設定エンディング時間等が設定される。その後、処理はステップS605に移る。
ステップS605において、CPU101は、RAM103に格納されている大入賞口23への遊技球の入賞数Cを「0」にリセットする。その後、処理はステップS606に移る。
ステップS606において、CPU101は、RAM103に格納されている大当り遊技のラウンド数Rを、1加算した値に更新する。その後、処理はステップS607に移る。
ステップS607において、CPU101は、大入賞口開閉部115を制御して大入賞口23の開放制御を開始する。この処理によって、大当り遊技のラウンド(ラウンド遊技)が開始されて大入賞口23の開放動作(1回の開放動作)が開始される。その後、処理はステップS608に移る。
ステップS608において、CPU101は、ラウンド開始(ラウンド遊技開始)を通知するラウンド開始通知コマンドをRAM103にセットする。このラウンド開始通知コマンドは図10のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、ラウンド演出が開始されることとなる。なお、このラウンド開始通知コマンドには、ステップS604で設定された全ラウンド数Rmaxを示す情報およびステップS606の処理により更新された現在のラウンド数Rを示す情報が含まれている。その後、処理はステップS612に移る。
ステップS609において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のインターバル中であるか否かを判定する。ステップS609での判定がYESの場合、処理はステップS610に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS611に移る。
ステップS610において、CPU101は、大当り遊技中の前回のラウンド終了時に大入賞口23が閉塞された時点から、ステップS604の処理で設定された大当り遊技中の設定インターバル時間が経過したか否かを判定する。ステップS610での判定がYESの場合、大当り遊技中の次のラウンドを開始するタイミングになっているので処理はステップS605に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS612に移る。
ステップS611において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のエンディング演出の実行中であるか否かを判定する。ステップS611での判定がYESの場合、処理は図20のステップS622に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS612に移る。
ステップS612において、CPU101は、遊技機1の状態が大当り遊技のラウンド中であると判断して、大入賞口スイッチ114からの出力信号に基づいて、大入賞口23に遊技球が入賞したか否かを判定する。ステップS612での判定がYESの場合、処理はステップS613に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS614に移る。
ステップS613において、CPU101は、大入賞口23への遊技球の入賞を検出したと判断して、RAM103に格納されている遊技球の入賞数Cを、1加算した値に更新する。ステップS613の処理が、大入賞口23に遊技球が入賞する毎に実行されることで、1つのラウンド中に大入賞口23に入賞した遊技球の総数(入賞数C)がRAM103に累積記憶されていく。また、CPU101は、大入賞口23に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドが図10のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信されることにより、演出制御部400は、1つのラウンド中に遊技球が大入賞口23に入賞する毎に、その入賞数C(つまり、1つのラウンド中の何個目の入賞であるか)が通知され、当該通知情報に基づいて、図23のステップS125の入賞処理指示が実行されることとなる。なお、大入賞口23への遊技球の入賞は、ラウンド中およびラウンド直後に設けられた大入賞口有効期間中において有効(すなわち、正常な入賞である)とみなされ、上記した入賞コマンドは、これらの有効とみなされる期間において遊技球の入賞が検出された場合に送信される。その後、処理はステップS614に移る。
ステップS614において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のラウンド演出の実行中であるか否かを判定する。ステップS614での判定がYESの場合、処理はステップS615に移り、この判定がNOの場合、処理は図10のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS615において、CPU101は、ステップS607の処理で大入賞口23の開放制御が開始された時点から規定の開放制御時間(本実施形態では29.5秒間)が経過したか否かを判定する。ステップS615での判定がYESの場合、処理はステップS617に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS616に移る。
ステップS616において、CPU101は、今回のラウンドにおける遊技球の入賞数Cが、大入賞口23が閉塞されるタイミングを規定する上限遊技球数Cmax(本実施形態では「10」)となったか否かを判定する。ステップS616での判定がYESの場合、処理はステップS617に移り、この判定がNOの場合、処理は図10のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS617において、CPU101は、大入賞口開閉部115を制御して、ステップS607で開始した大入賞口23の開放制御を終了する。このように、CPU101は、大当り遊技中の各ラウンドにおいて、大入賞口23を開放してから29.5秒が経過するまでに大入賞口スイッチ114によって検出された遊技球の総数(入賞数C)が10個(Cmax)に達したこと、又は大入賞口23を開放してから10個の遊技球が入賞することなく29.5秒が経過したことを条件として大入賞口23を閉塞する。その後、処理はステップS618に移る。
ステップS618において、CPU101は、ラウンド終了(ラウンド遊技終了)を通知するラウンド終了通知コマンドをRAM103にセットする。このラウンド開始通知コマンドは図10のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、ラウンド演出が終了されることとなる。その後、処理はステップS619に移る。
ステップS619において、CPU101は、RAM103に格納されている現在のラウンド数Rが、ステップS604の処理で設定された大当り遊技の最大ラウンド数Rmaxに達したか否かを判定する。ステップS619での判定がYESの場合、処理は図20のステップS620に移り、この判定がNOの場合、処理は図10のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
図20のステップS620において、CPU101は、RAM103に格納されているラウンド数Rを「0」にリセットする。その後、処理はステップS621に移る。
ステップS621において、CPU101は、演出制御部400に対して大当り遊技のエンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを、RAM103にセットする。この処理でセットされたエンディングコマンドは、図10のステップS9(出力処理)によって演出制御部400へ送信される。なお、このエンディングコマンドとしては、大当り図柄および大当り遊技終了後に制御される遊技状態に対応したコマンドが送信され、演出制御部400は、このエンディングコマンドに基づいて、エンディング演出終了後(大当り遊技演出終了後)の演出を制御する。具体的には、大当り後に確変遊技状態で制御される大当り(例えば、図6に示す大当りA)を示す大当り図柄に対応したエンディングコマンドである場合には、大当り遊技終了後に確変遊技状態に制御されることを示すエンディングコマンドが送信され、演出制御部400は、当該エンディングコマンドに基づいて大当り遊技演出の終了後、確変遊技状態を示す演出モードの演出を実行する。その後、処理はステップS622に移る。
ステップS622において、CPU101は、ステップS621でエンディングコマンドをRAM103にセットした時点から図19のステップS604の処理で設定された設定エンディング時間が経過したか否かを判定する。ステップS622での判定がYESの場合、処理はステップS623に移り、この判定がNOの場合、処理は図19のステップS612に移る。
ステップS623において、CPU101は、実行していた大当り遊技を終了する。具体的には、CPU101は、RAM103に格納されている大当り遊技中であることを示す設定情報(典型的には、フラグによる情報)を解除して、大当り遊技を終了する。その後、処理はステップS624に移る。
ステップS624において、CPU101は、遊技状態設定処理を実行する。具体的には、CPU101は、ステップS623で大当り遊技を終了した場合に、今回の大当りの種類(大当り図柄)に応じて遊技状態を切り替える(つまり、特別図柄抽選の当選確率設定および電動チューリップ27の開放設定を切り替える)。その後、処理は図10のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
以上で、図7〜図20を参照して説明したメイン制御部100の処理の説明は終了し、次に演出制御部400の処理について説明する。
[演出制御部によるタイマ割込み処理]
図21は、演出制御部400によって行われるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図21を参照して、演出制御部400において行われるタイマ割込み処理について説明する。演出制御部400は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図21に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図21以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御部400で行われる処理は、ROM402に記憶されているプログラムに基づいて実行される。
まず、ステップS11において、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100から図10のステップS9の出力処理により出力された各種コマンドを受信して、受信したコマンドに応じて演出内容を設定し、設定した演出内容の演出を画像音響制御部500等に実行指示するための各種コマンドをRAM403にセットするコマンド受信処理を実行する。このコマンド受信処理については、図22及び図23を参照して後に詳述する。
次に、ステップS12において、CPU401は、遊技者の操作により演出ボタン37および演出キー38から出力される操作入力信号に応じて、演出内容を設定し、設定した内容の演出を画像音響制御部500等に実行指示するための各種コマンドをRAM403にセットする演出入力制御処理を実行する。例えば、CPU401は、所定の操作入力有効期間において遊技者により演出ボタン37が操作されて操作入力信号が出力された場合、所定の演出(大当りの可能性を示唆する予告画像を表示する演出等)の実行を設定してコマンドをRAM403にセットする。
次に、ステップS13において、CPU401は、ステップS11およびステップS12の処理でRAM403にセットされた各種コマンドを画像音響制御部500等に出力する出力処理を実行する。この処理によって、ステップS11およびステップS12の処理で実行決定された各種演出が、画像音響制御部500等の実行制御により、画像表示部6、スピーカ35および盤ランプ8等で実行されることとなる。
なお、上記したタイマ割り込み処理の実行毎に、CPU401は、演出に使用する各種演出乱数を更新する乱数更新処理を行う。この乱数更新処理においても、図10のステップS1の乱数更新処理と同様に、典型的にはループカウンタが用いられ、そのカウント値(更新された乱数値)は、最大値(例えば、99)に達した後は再び0に戻る(つまり、循環する)。また、この乱数更新処理において、各演出乱数のカウンタは、それぞれ、1回循環するとランダムに初期値(循環の起点となる値)を更新する。このことによって、これらの演出乱数の間でカウンタの値(カウント値)が同期することを回避できる。
[コマンド受信処理]
図22および図23は、図21のステップS11のコマンド受信処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図22および図23を参照して、図21のステップS11のコマンド受信処理について説明する。
まず、ステップS111において、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100から保留増加コマンド(第1保留数増加コマンド又は第2保留数増加コマンド)を受信したか否かを判定する(図13のステップS206及びS212参照)。ステップS111での判定がYESの場合、処理はステップS112に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS114に移る。
ステップS112において、CPU401は、ステップS111の処理で受信した保留増加コマンドに応じて、画像音響制御部500に指示して、画像表示部6に特別図柄抽選の保留を示す保留画像の追加表示処理や、保留画像を先読み表示態様に変化させる保留画像表示処理を行う。なお、表示された保留画像は、後述するステップS115の処理に基づいて報知演出が開始される際に順番に消去される。また、この画像音響制御部500への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。また、CPU401は、第1保留数増加コマンドを受信した場合、RAM403に、第1特別図柄抽選の保留を示すデータ(保留データ)を時系列順で1つ累積記憶させ、一方、第2保留数増加コマンドを受信した場合、RAM403に、第2特別図柄抽選の保留を示すデータ(保留データ)を時系列順で1つ累積記憶させる。また、その際に、CPU401は、保留増加コマンドに含まれる事前判定情報を抽出して上記した各保留データに含めて、RAM403に記憶する。その後、処理はステップS113に移る。
ステップS113において、CPU401は、先読み予告演出設定処理を行う。具体的には、CPU401は、RAM403に記憶されている特別図柄抽選の保留数(保留データの数)が、ステップS112で追加された保留を含めて2以上である場合、直近にRAM403に記憶された(つまり、直近の保留データに含まれる)事前判定情報に基づいて、先読み予告演出を実行するか否かを抽選等によって判定する。例えば、CPU401は、事前判定情報が、「大当り」を示すものである場合、「ハズレ」かつ「リーチ演出あり」を示すもの(リーチありハズレ)である場合、または、「ハズレ」かつ「リーチ演出なし」を示すもの(リーチなしハズレ)である場合のそれぞれにおいて、先読み乱数を取得し、当該先読み乱数が所定の先読み当選値に一致した場合に、先読み予告演出を実行すると決定する。なお、この先読み当選値は、事前判定情報が「大当り」の場合と、「リーチありハズレ」の場合と、「リーチなしハズレ」の場合とで、それぞれ異なる個数が設定されるものとしてもよい。具体的には、「大当り」の場合の先読み当選値の個数は、「リーチありハズレ」の場合の先読み当選値の個数よりも多く設定することにより、「大当り」時には先読み予告演出が実行され易いものとしてもよい。そして、先読み予告演出を実行すると決定した場合、CPU401は、この事前判定情報の条件(大当りしたか否かの条件等)を満たす多数の先読み予告演出のパターンから、抽選等によって、実行する先読み予告演出の内容を設定する。つまり、先読み予告演出として、各報知演出においてどの様な予告演出を行うかを設定する。なお、先読み予告演出は、例えば複数の報知演出に亘って大当りの可能性を示唆する予告演出である。その後、処理はステップS114に移る。
ステップS114において、CPU401は、図14のステップS409でセットされた報知演出開始コマンドおよび遊技状態通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS114での判定がYESの場合、処理はステップS115に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS116に移る。
ステップS115において、CPU401は、ステップS114の処理で受信した報知演出開始コマンドに応じて、画像表示部6等による報知演出の演出内容を設定し、設定した内容の報知演出の実行を画像音響制御部500等に指示して開始させる報知演出設定処理を行う。ここで、報知演出(変動演出)は、特別図柄の変動表示に応じて画像表示部6等において実行されて特別図柄抽選の結果を示唆する演出であり、例えば、装飾図柄が変動表示され、当該変動表示された装飾図柄が停止表示されることにより特別図柄抽選の結果が報知される演出である。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。この報知演出設定処理については、図28を用いて後に詳述する。その後、処理はステップS116に移る。
ステップS116において、CPU401は、図14のステップS412の処理でセットされた報知演出停止コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS116での判定がYESの場合、処理はステップS117に移り、この判定がNOの場合、処理は図23のステップS120に移る。
ステップS117において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、ステップS115の処理で実行開始した報知演出を終了して、変動表示させていた装飾図柄を最終的に全て停止させて(確定停止表示させて)特別図柄抽選の結果を演出的に報知する。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理は図23のステップS120に移る。
図23のステップS120において、CPU401は、図14のステップS414の停止中処理でセットされたオープニングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS120での判定がYESの場合、処理はステップS121に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS122に移る。
ステップS121において、CPU401は、オープニング演出指示を行う。具体的には、CPU401は、画像音響制御部500に対して、大当り遊技演出のオープニング演出の開始を指示する。ここで、演出制御部400からの指示を受けた画像音響制御部500が実行するオープニング演出処理について、図24を参照して説明する。
[オープニング演出処理]
図24のステップS1210において、演出制御部400からの指示を受けた画像音響制御部500のCPU501は、演出制御部400を介して受信したオープニングコマンドに基づいて、大当りが通常遊技状態からの大当り(いわゆる初当り)であるか否かを判定する。ステップS1210での判定がYESの場合、処理はステップS1211に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1212に移る。
ステップS1211において、CPU501は、RAM503に記憶された履歴情報を消去する。ところで、CPU501は、例えば通常遊技状態において第1始動口21、第2始動口22、普通入賞口24等への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数、大当り遊技状態において大入賞口23等への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数、大当り回数等の履歴情報を記憶している。そして、ステップS1211の処理によって、この履歴情報が消去されるため、オープニング演出が開始されてから(すなわち、大当り遊技が開始されてから)大入賞口23等への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数が新たにカウント開始されることとなる。その後、処理はステップS1212に移る。
ステップS1212において、CPU501は、RAM503に大当り履歴を記憶する。具体的には、CPU501は、RAM503に記憶された大当り回数Wcの値に1を加算して履歴情報としてRAM503に更新する。この処理により、連続して大当りした回数Wcが履歴情報としてRAM503に記憶される。なお、この大当り回数Wcは初期値として0がセットされており、前述したステップS1211の処理によって0にリセットされるが、リセット条件としては、大当り遊技の終了後に遊技状態が通常遊技状態に制御されることを条件に0にリセットされるものとしてもよい。また、大当り履歴として、上記した大当り回数Wcに加えて、大当りの種類(図6に示す大当りA〜Cのいずれか)を示す情報がRAM503に記憶されるものとしてもよい。その後、処理はステップS1213に移る。
ステップS1213において、CPU501は、オープニング演出を開始する。ここで、オープニング演出は、大当り遊技の開始を報知する演出であり、典型的には、大入賞口23に向けて遊技球を発射するように遊技者に促す画像演出である。そして、CPU501は、オープニング演出処理を終了する。
説明は図23に戻り、ステップS122において、CPU401は、図19のステップS608の処理でセットされたラウンド開始通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS122での判定がYESの場合、処理はステップS123に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS124に移る。
ステップS123において、CPU401は、ラウンド演出開始指示を行う。具体的には、CPU401は、画像音響制御部500に対して、大当り遊技演出のラウンド演出処理の開始を指示する。ここで、演出制御部400からの指示を受けた画像音響制御部500が実行するラウンド演出処理について、図25を参照して説明する。
[ラウンド演出処理]
図25のステップS1230において、演出制御部400からの指示を受けた画像音響制御部500のCPU501は、大当り履歴としてRAM503に記憶された大当りした回数Wcを示す情報を画像表示部6に表示する。その後、処理はステップS1231に移る。
ステップS1231において、CPU501は、演出制御部400を介して受信したラウンド開始通知コマンドに含まれる現在のラウンド数Rを示す情報に基づいて、現在のラウンド数を画像表示部6に表示する。その後、処理はステップS1232に移る。
ステップS1232において、CPU501は、ラウンド演出を実行する。ここで、ラウンド演出は、大当り遊技のラウンド遊技中に実行される演出であり、例えば、遊技機のテーマに関するキャラクタの紹介画像等による演出である。そして、CPU501は、ラウンド演出処理を終了する。
説明は図23に戻り、ステップS124において、CPU401は、図19のステップS613等の処理でセットされ、図10のステップS9の出力処理によって出力された入賞コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS124での判定がYESの場合、処理はステップS125に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS126に移る。
ステップS125において、CPU401は、入賞処理指示を行う。具体的にはCPU401は、画像音響制御部500に対して、入賞処理の開始を指示する。ここで、演出制御部400からの指示を受けた画像音響制御部500が実行する入賞処理について、図26を参照して説明する。
[入賞処理]
図26のステップS1250において、演出制御部400からの指示を受けた画像音響制御部500のCPU501は、演出制御部400を介して受信した入賞コマンドに基づいて、各入賞口(第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、普通入賞口24)への遊技球の入賞数をカウントアップして、RAM503に記憶する。その後、処理はステップS1251に移る。
ステップS1251において、CPU501は、大入賞口23への遊技球入賞に基づく入賞コマンドを受信すると(すなわち、大入賞口23へ遊技球が1つ入賞すると)、大入賞口23に対応する賞球数「13」を、RAM503に記憶された賞球総数Tに加算して更新する。なお、賞球総数Tは、初期値として0がセットされており、前述したステップS1211の処理によって0にリセットされるが、リセット条件としては、大当り遊技の終了後に遊技状態が通常遊技状態に制御されることを条件に0にリセットされるものとしてもよい。このステップS1251の処理により、大当りした間に獲得された賞球総数Tが大当り履歴としてRAM503に記憶される。また、本実施形態では、賞球総数Tは、大入賞口23への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数が加算されて算出されるものとしたが、大入賞口23への遊技球入賞のみならず、他の入賞口への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数も併せて加算されるものとしてもよい。例えば、第1始動口21や第2始動口22への遊技球入賞に対応する入賞コマンドを受信すると、当該入賞に対応した賞球数を賞球総数Tに加算することにより、第1始動口21や第2始動口22への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数が併せて加算されるものとしてもよい。また、普通入賞口24への遊技球入賞に対応する入賞コマンドを受信すると、当該入賞に対応した賞球数を賞球総数Tに加算することにより、普通入賞口24への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数が併せて加算されるものとしてもよい。すなわち、賞球総数Tには、上記した第1始動口21、第2始動口22、普通入賞口24への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数のいずれが組み合わせて加算されてもよく、すべてが加算されるものとしてもよい。その後、処理はステップS1252に移る。
ステップS1252において、CPU501は、ステップS1251の処理によってRAM503に更新された賞球総数Tを示す情報を画像表示部6に表示する。これにより、画像表示部6には、ラウンド遊技中に大入賞口23に遊技球が入賞する毎に更新される賞球総数Tが表示される。そして、CPU501は、入賞処理を終了する。
説明は図23に戻り、ステップS126において、CPU401は、図19のステップS618の処理でセットされたラウンド終了通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS126での判定がYESの場合、処理はステップS127に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS128に移る。
ステップS127において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、大当り遊技演出のラウンド演出を終了する。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS128に移る。
ステップS128において、CPU401は、図20のステップS621の処理でセットされたエンディングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS128での判定がYESの場合、処理はステップS129に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS130に移る。
ステップS129において、CPU401は、エンディング演出指示を行う。具体的には、CPU401は、画像音響制御部500に対して、大当り遊技演出のエンディング演出の開始を指示する。ここで、演出制御部400からの指示を受けた画像音響制御部500が実行するエンディング演出処理について図27を参照して説明する。
[エンディング演出処理]
図27のステップS1290において、演出制御部400からの指示を受けた画像音響制御部500のCPU501は、エンディング演出を実行する。ここで、エンディング演出は、大当り遊技の終了を報知する演出であり、典型的には、遊技機1のメーカーのマークを表示させる演出である。その後、処理はステップS1291に移る。
ステップS1291において、CPU501は、エンディングコマンドに基づいて、エンディング演出後(すなわち、大当り遊技演出の終了後)に実行されるモード演出(例えば、確変遊技状態であることを示すモード演出)を、画像表示部6に表示されるエンディング演出の下層レイヤで事前に実行する。具体的には、エンディングコマンドは、大当り図柄(例えば図6に示す大当りA)に基づいて送信され、大当り遊技終了後のモード演出の情報が含まれているため(言い換えると、大当り遊技終了後の演出状態に対応したエンディングコマンドが送信されるため)、CPU501は、客待ちコマンドあるいは報知演出開始コマンドに伴って送信される遊技状態通知コマンドを受信する前に、大当り遊技終了後のモード演出を知ることができる。このため、CPU501は、客待ちコマンドあるいは報知演出開始コマンドが送信されるよりも前に、それぞれの遊技状態に対応したモード演出を事前に実行することで、エンディング演出が終了するタイミングで即座にモード演出を開始させることができる。そして、CPU501は、エンディング演出を終了する。
説明は図23に戻り、ステップS130において、CPU401は、図14のステップS416の処理でセットされた客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS130での判定がYESの場合、処理はステップS131に移り、この判定がNOの場合、コマンド受信処理を終了し、処理は図21のステップS12に移る。
ステップS131において、CPU401は、ステップS130で受信した客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドに基づいて、画像音響制御部500に指示して、客待ち処理を開始させる。そして、コマンド受信処理を終了し、処理は図21のステップS12に移る。なお、客待ち処理は、いわゆる客待ち状態になることを契機に開始される処理であり、客待ち処理の開始を指示された画像音響制御部500のCPU501は、例えば、報知演出の開始指示を受けるまで、この客待ち処理を実行し、報知演出の開始指示を受けることで、この客待ち処理を終了する。具体的には、CPU501は、客待ち処理の開始を指示されると、遊技状態に応じた所定の停止演出(例えば、装飾図柄が停止表示された演出)を画像表示部6に表示し、この停止演出を開始してから所定時間(例えば90秒)が経過したときにCPU401から他の演出の指示を受けない場合に客待ち演出を開始する。ここで、客待ち演出(デモ演出)とは、例えば、遊技機1の題材となったコンテンツ(アニメや物語等)に関する映像を画像表示部6に表示させる演出や、例えば、遊技中に実行される所定の演出(例えばリーチ演出)の一部を画像表示部6に表示させる演出であり、この客待ち演出(デモ演出)によって、遊技が中断又は終了していることが示唆されるとともに、画像表示部6に静止画像の焼き付き(ゴーストイメージ)が発生することが防止される。なお、CPU501は、ゲート25を遊技球が通過したことを示す情報や、普通入賞口に遊技球が入賞したことを示す情報を通知された場合には、客待ち処理を終了せずに継続する。
[報知演出設定処理]
次に、図28を参照して、演出制御部400による報知演出設定処理について説明する。図28は、図22のステップS115の報知演出設定処理の一例を示す詳細フローチャートである。
まず、ステップS701において、演出制御部400のCPU401は、今回実行する報知演出における演出モードを決定する。ここで、演出モードは、報知演出における演出様式であり、本実施形態では、確変遊技状態での演出モードとして、報知演出を赤色背景とする赤背景演出モードを実行し、通常遊技状態での演出モードとして、報知演出を青色背景とする青背景演出モード又は報知演出を緑色背景とする緑背景演出モードを実行する。具体的には、CPU401は、図22のステップS114で受信した遊技状態通知コマンドが確変遊技状態を示す場合には、今回実行する報知演出における演出モードを赤背景演出モードに決定する。一方、CPU401は、この遊技状態通知コマンドが通常遊技状態を示す場合には、今回実行する報知演出における演出モードを例えば抽選により青背景演出モード又は緑背景演出モードに決定する。その後、処理はステップS702に移る。
ステップS702において、CPU401は、図22のステップS114で受信した報知演出開始コマンドに含まれる設定情報に基づいて、今回の報知演出において実行する演出パターンを決定する。具体的には、図15〜図18に示したように、CPU401は、設定情報が示す変動パターン(特別図柄変動時間)が「90.05秒」の場合には第1SPSPリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(第1SPSP当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.04秒」の場合には第2SPSPリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(第2SPSP当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.03秒」の場合には第3SPSPリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(第3SPSP当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.02秒」の場合には第4SPSPリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(第4SPSP当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.01秒」の場合には第5SPSPリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(第5SPSP当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「40.03秒」の場合には第1SPリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(第1SP当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「40.02秒」の場合には第2SPリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(第2SP当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「40.01秒」の場合には第3SPリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(第3SP当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「15.01秒」の場合にはリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(リーチ当り)を決定する。またCPU401は、設定情報が示す変動パターンが「90.10秒」の場合には第1SPSPリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(第1SPSPハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.09秒」の場合には第2SPSPリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(第2SPSPハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.08秒」の場合には第3SPSPリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(第3SPSPハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.07秒」の場合には第4SPSPリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(第4SPSPハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.06秒」の場合には第5SPSPリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(第5SPSPハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「40.06秒」の場合には第1SPリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(第1SPハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「40.05秒」の場合には第2SPリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(第2SPハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「40.04秒」の場合には第3SPリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(第3SPハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「15.02秒」の場合にはリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(リーチハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「13.50秒」以下の場合にはリーチも実行せずハズレ報知する演出パターン(即ハズレ)を決定する。その後、処理はステップS703に移る。
ステップS703において、CPU401は、ステップS702で決定された演出パターンに基づく演出の詳細な内容(シナリオ)を決定する。具体的には、CPU401は、ステップS702で決定された演出パターンに基づいて最終的に実行する演出(リーチ演出や即ハズレ演出)を決定するが、その際に、装飾図柄が停止表示される際の図柄の種類(いわゆる出目)を演出乱数等に基づいて決定し、また、最終的な演出が実行されるまでのシナリオとして、どのような予告演出を構成するかを、演出乱数等に基づいて決定する。なお、予告演出とは、演出パターンに基づいて決定された最終的に実行される演出に至るまでに、あるいは当該演出中に、実行される種々の演出であり、例えば、装飾図柄が再変動表示される擬似連演出や、装飾図柄がリーチ状態となるリーチ目成立演出や、リーチ演出中に信頼度を予告するカットイン演出等が挙げられる。また、抽出された演出乱数を照会するテーブルは、ステップS702によって決定された演出パターンに応じて異なる(例えば、決定された演出パターンの信頼度が高いほど、遊技者の期待感をより高める予告演出が実行され易いテーブルが照会される)ことにより、演出パターンに応じて(つまり、変動パターンに応じて)、構成される予告演出が異なることになる。その後、処理はステップS704に移る。なお、この演出内容決定処理の詳細については、図29を参照して後述する。
ステップS704において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、ステップS703において決定された演出内容の報知演出を実行させる。その後、報知演出設定処理は終了して、処理は図22のステップS116に移る。なお、演出制御部400から報知演出の指示を受けた画像音響制御部500のCPU501は、指示された演出内容に基づいて、構成された予告演出等の実行タイミングや実行時間等のスケジュールを設定し、当該スケジュールにしたがって各予告演出等を実行する演出実行処理を行う。この画像音響制御部500による演出実行処理については、図32を参照して後述する。
[演出内容決定処理]
次に、図29を参照して、演出制御部400による演出内容決定処理について説明する。図29は、図28のステップS703の演出内容決定処理の一例を示す詳細フローチャートである。
まず、ステップS7031において、CPU401は、図28のステップS702で決定された演出パターンに基づいて、装飾図柄DI(図35の(1)に示す3つの装飾図柄DI1〜DI3参照)を停止表示(あるいは仮停止表示)させる際の図柄の種類(いわゆる出目)を決定する。ここで、図35等を参照
して、本実施形態における装飾図柄DIについて説明する。
[装飾図柄]
本実施形態において、特別図柄の変動表示が開始されると、図35の(1)に示すように、画像表示部6には3つの装飾図柄DI(DI1〜DI3)が変動表示される。具体的には、左に配された第1装飾図柄DI1と、右に配された第2装飾図柄DI2とが変動表示された後、順次仮停止表示され、最後に中央に配された第3装飾図柄DI3が仮停止表示された後に、3つの装飾図柄DI1〜DI3が完全に停止表示されることにより、特別図柄抽選が行われた判定結果が演出的に報知される。なお、仮停止とは、装飾図柄DIの変動が停止したと遊技者が認識できる態様で停止されることをいい、完全に停止しているわけではなく、例えば、上下に僅かに変動した状態で表示されることにより、特別図柄が未だ変動中であることが示される。また、図35〜図39の図面において、変動中または仮停止中の装飾図柄DIを点線で表示している。
装飾図柄DIには、いわゆる出目と呼ばれる、3つ揃う(或いは、特定のパターンに一致する)ことで大当りを報知可能な数字図柄が描かれており、最後に停止表示される第3装飾図柄DI3を除く2つの第1装飾図柄DI1と第2装飾図柄DI2の出目が揃うことでリーチ状態となり(例えば、図36の(5)参照)、3つの装飾図柄DIが停止表示されることで当落結果(大当りか否か)が確定報知される。また、本実施形態では、装飾図柄DIには、上記した大当りを報知可能な数字図柄に加えて、当該装飾図柄DIの裏面には当該装飾図柄DIが裏返ることにより表示可能な文字図柄「NEXT」が描かれている。詳細は図35等を参照して後述するが、本実施形態では、第1装飾図柄DI1と第2装飾図柄DI2が裏返ることで文字図柄「NEXT」が正対して仮停止表示されると擬似連演出が実行される(つまり、装飾図柄DIが再変動表示される)。なお、以下では、擬似連演出の契機となる、装飾図柄DIが仮停止表示した際の出目のことを擬似目ということにする。このため、本実施形態における「NEXT」図柄は、擬似目の一例であるといえる。
説明は図29に戻り、ステップS7031において、CPU401は、例えば図28のステップS702で決定された演出パターンが大当りを示す(つまり、リーチ演出を実行する)演出パターンである場合には、装飾図柄DI1〜DI3を停止表示させる際の出目(数字図柄)としてリーチ後に大当りとなる当り目を抽選によりいずれかの数字図柄(例えば左から配置順に「1」「1」「1」)に決定する。なお、これにより、装飾図柄DI1とDI2の出目が「1」で揃って仮停止表示された(リーチ状態になった)後に、最後に装飾図柄DI3が同一の出目「1」で揃って停止表示されて大当りが報知される。また、CPU401は、例えばステップS702で決定された演出パターンがリーチ演出を実行し、かつ、ハズレを示す演出パターンである場合には、装飾図柄DI1〜DI3を停止表示させる際の出目(数字図柄)としてリーチ後にハズレとなるハズレ目を抽選によりいずれかの数字図柄(例えば左から配置順に「1」「2」「1」)に決定する。なお、これにより、装飾図柄DI1とDI2の出目が「1」で揃って仮停止表示された(リーチ目が成立した)後に、最後に装飾図柄DI3がリーチ目「1」とは異なる出目「2」で停止表示されてハズレが報知される。また、CPU401は、例えばステップS702で決定された演出パターンがリーチ演出を実行しないハズレを示す演出パターンである場合には、装飾図柄DI1〜DI3を停止表示させる際の出目(数字図柄)として即ハズレとなるハズレ目を抽選によりいずれかの数字図柄(例えば左から配置順に「1」「4」「5」)に決定する。なお、これにより、装飾図柄DI1とDI2の出目が異なる出目「1」、「5」で仮停止表示された後に、最後に装飾図柄DI3が停止表示されてハズレが報知される。その後、処理はステップS7032に移る。
ステップS7032において、CPU401は、予告演出のうち擬似煽り演出を実行するか否かを決定する。具体的には、CPU401は、図28のステップS702で決定された演出パターンに応じて、例えば変動時間が13.5秒以上の演出パターンの場合に、演出乱数を用いた抽選により予告演出として擬似煽り演出を実行するか否かを決定する。なお、この際、例えば特定の演出モードの際には演出乱数の割り振り設定により擬似煽り演出を実行し易いものとしてもよい。ステップS7032での判定がYESの場合、処理はステップS7033に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS7034に移る。ここで、擬似煽り演出とは、擬似連演出が実行されるか否かを煽ってその結果(成功/失敗)を報知する演出であり、擬似連演出とは、特定の図柄(例えば図35の(5)に示す「NEXT」図柄)が仮停止表示されること、または特定の演出(例えば図37の(8)に示す回転キューブが「NEXT」と描かれた面で正対表示する演出、あるいは、図39の(3)に示す風船が割れて中から「NEXT」文字が表出する演出)が行われることを契機に、一度仮停止表示された装飾図柄DIが再び変動表示される演出であり、その再変動の回数が多いほど大当りの信頼度が高いことを示唆する演出である。なお、以下では、上記した特定の図柄の仮停止表示または特定の演出のように、装飾図柄DIの再変動表示の契機となる演出を、擬似連契機演出ということにする。したがって、擬似煽り演出は、擬似連契機演出が実行されるか否かを煽り、その結果が成功であると、装飾図柄DIが再変動表示される(いわゆる擬似連演出が実行される)ことを示唆し、その結果が失敗であると、擬似連演出が実行されないことを示唆する演出であるともいえる。以下では、装飾図柄DIの変動表示が開始されてから1回目の擬似連契機演出が行われるか否かを煽ってその結果を報知する擬似煽り演出を擬似1煽り演出といい、1回目の擬似連契機演出が行われる(擬似1煽り演出の結果が成功である)ことにより装飾図柄DIが再変動表示されてから2回目の擬似連契機演出が行われるか否かを煽ってその結果を報知する擬似煽り演出を擬似2煽り演出といい、2回目の擬似連契機演出が行われる(擬似2煽り演出の結果が成功である)ことにより装飾図柄DIが再変動表示されてから3回目の擬似連契機演出が行われるか否かを煽ってその結果を報知する擬似煽り演出を擬似3煽り演出ということにする。したがって、擬似1煽り演出で終了するよりも、擬似2煽り演出まで実行される方が大当りの信頼度が高く、擬似2煽り演出で終了するよりも擬似3煽り演出まで実行される方が大当りの信頼度が高くなる。また、本実施形態では擬似煽り演出として複数の相異なる演出を有しているが、その詳細は図30を参照して後述する。
ステップS7033において、CPU401は、図28のステップS702で決定された演出パターンに応じて、複数の擬似煽りパターンの中から1つの擬似煽りパターンを決定する。その後、処理はステップS7034に移る。ここで、擬似煽りパターンは、詳細は図30の(2)を参照して後述するが、擬似煽り演出を実行する回数(つまり、擬似1煽り演出、擬似2煽り演出、擬似3煽り演出のいずれまで実行するか)と、各擬似煽り演出の演出内容により規定される予告演出の予告パターンである。また、詳細は図30の(1)を参照して後述するが、擬似煽り演出の演出内容としては、図柄煽り擬似、SU(ステップアップ)擬似、特別擬似の3つの相異なる演出内容が用意されている。なお、擬似煽りパターンは、演出パターン(変動時間)に応じて規定された抽選テーブルに基づいて抽選されて決定されるが、この抽選テーブルの詳細については図31を参照して後述する。そして、処理はステップS7034に移る。
ステップS7034において、CPU401は、図28のステップS702で決定された演出パターンに応じて、擬似煽り演出以外の予告演出(カットイン演出等)の演出内容を決定する。その後、演出内容決定処理は終了して、処理は図28のステップS704に移る。
[擬似煽りパターン]
次に、図30を参照して、本実施形態における擬似煽りパターンについて説明する。図30の(1)は、擬似1煽り演出〜擬似3煽り演出として実行可能な擬似煽り演出の演出内容との対応関係を説明するための図であり、図30の(2)は、擬似煽りパターンとして規定される擬似煽り演出の演出内容について説明するための図である。
まず、図30の(1)を参照して、本実施形態における擬似煽り演出の演出内容について説明する。本実施形態では、擬似煽り演出の演出内容として、図柄煽り擬似、SU(ステップアップ)擬似、特別擬似の3つの相異なる演出内容が用意されている。図柄煽り擬似は、詳細は図35、図36を参照して後述するが、画像表示部6において第1装飾図柄DI1と第2装飾図柄DI2が裏返ることにより2つの「NEXT」図柄が正対して仮停止表示される擬似連契機演出が実行されるか否かを煽ってその結果を報知する演出である。SU擬似は、詳細は図37、図38を参照して後述するが、画像表示部6において回転キューブが出現して、当該回転キューブが1面ずつ回転して最終的に「NEXT」と描かれた面で正対表示する擬似連契機演出が実行されるか否かを煽ってその結果を報知する演出である。特別擬似は、詳細は図39を参照して後述するが、画像表示部6において装飾図柄DIとしてハズレ目が仮停止表示されてから「NEXT」文字が封入された風船が割れることで「NEXT」文字が出現する擬似連契機演出が実行されるか否かを煽ってその結果を報知する演出である。
図30の(1)に示すように、図柄煽り擬似およびSU擬似は、擬似1煽り演出、擬似2煽り演出、擬似3煽り演出のいずれにおいても実行可能であるが、特別擬似は、擬似1煽り演出では実行可能であるものの、擬似2煽り演出や擬似3煽り演出では実行不可能である。このように、本実施形態においては、擬似煽り演出として実行可能な演出内容は複数あるが、そのうち、擬似1煽り演出〜擬似3煽り演出のいずれの演出として実行可能であるかは、演出内容に応じて異なり、擬似1煽り演出では、全ての演出内容が実行可能である一方で、擬似2煽り演出、擬似3煽り演出では、一部の演出内容(特別擬似)が実行不可能となる。なお、本実施形態では記載していないが、擬似1煽り演出、擬似2煽り演出として実行可能であるが、擬似3煽り演出として実行不可能な演出内容をさらに有するものとしてもよい。ところで、詳細は図34を参照して後述するが、本実施形態では、擬似1煽り演出〜擬似3煽り演出の各擬似煽り演出において演出尺(演出時間)が異なり、擬似1煽り演出の演出尺が最も長く、擬似3煽り演出の演出尺が最も短い。この演出尺の違いを一つの理由として、本実施形態においては、演出尺の最も長い擬似1煽り演出としては、演出尺の制限を受け難いため全ての演出内容を実行可能とする一方、擬似1煽り演出よりも演出尺の短い擬似2煽り演出や、擬似3煽り演出では、演出尺の制限を受け易いため一部の演出内容(特別擬似)の実行を不可能としている。また、擬似1煽り演出は、遊技者に擬似連演出(つまり、装飾図柄の再変動)が実行されるか否かを初めて煽る演出であるため、1回も擬似連演出が実行されない可能性(いわゆる擬似ガセの可能性)があり、すでに擬似煽り演出が成功した後に実行される擬似2煽り演出や擬似3煽り演出に比べて、演出内容の意味合いが異なる。この演出内容の意味合いの違いを一つの理由として、擬似1煽り演出としてのみ実行可能な演出内容(特別擬似)を用意することで、擬似連演出が実行されるのではないかという遊技者の最初の期待感をより高めることにしている。また、擬似2煽り演出や擬似3煽り演出は、擬似1煽り演出が実行されて初めて実行される演出であるのに対して、擬似1煽り演出はそのような制約がないことから擬似1煽り演出が実行される機会は、擬似2煽り演出や擬似3煽り演出に比べて多くなる。このため、演出機会の違いを一つの理由として、擬似1煽り演出として実行可能な演出内容を、擬似2煽り演出や擬似3煽り演出よりも増やすことにより、様々な演出内容の擬似1煽り演出を実現し、演出機会が多くても遊技者の飽きを覚えさせないようにしている。
また、上述したように、詳細は図34を参照して後述するが、本実施形態では、擬似1煽り演出〜擬似3煽り演出の各擬似煽り演出において演出尺(演出時間)が異なり、擬似1煽り演出の演出尺が最も長く、擬似3煽り演出の演出尺が最も短い。このため、図柄煽り擬似とSU擬似は、擬似1煽り演出〜擬似3煽り演出のいずれにおいても実行可能であるが、いずれにおいて実行されるかに応じて、その演出の実行様式が異なる。具体的には、図柄煽り擬似は、擬似1煽り演出において実行される場合には長バージョンで実行され、擬似2煽り演出において実行される場合には中バージョンで実行され、擬似3煽り演出において実行される場合には短バージョンで実行される。ここで、中バージョンの演出は、長バージョンの演出の進行速度を上げることにより演出時間を短縮した演出であり、短バージョンの演出は、中バージョンの演出の進行速度をさらに上げることにより演出時間を短縮した演出である。また、SU擬似は、擬似1煽り演出においては、回転キューブが「Step1」と描かれた面から「Step2」、「Step3」と描かれた面に段階的に回転してから「NEXT」と描かれた面が正対表示されるか否かを煽る演出として実行されるが、擬似2煽り演出においては、「Step1」が割愛されて回転キューブが「Step2」と描かれた面から「Step3」と描かれた面に回転してから「NEXT」と描かれた面が正対表示されるか否かを煽る演出として実行され、擬似3煽り演出においては、「Step1」、「Step2」が割愛されて回転キューブが「Step3」と描かれた面から「NEXT」と描かれた面が正対表示されるか否かを煽る演出として実行される。このように、擬似1煽り演出〜擬似3煽り演出の各擬似煽り演出において演出尺(演出時間)が異なるため、同じ演出内容(図柄煽り擬似、SU擬似)であっても、擬似1煽り演出〜擬似3煽り演出のいずれにおいて実行されるかによって演出の実行様式が異なるものとなる。
次に、図30の(2)を参照して、擬似煽りパターンについて説明する。擬似煽りパターンは、擬似煽り演出が実行される回数に対応しており、擬似煽り演出が実行される回数が1回の擬似煽りパターンとして擬似煽りパターン1A、1B、1Cが用意されており、擬似煽り演出が実行される回数が2回の擬似煽りパターンとして擬似煽りパターン2A、2B、2C、2Dが用意されており、擬似煽り演出が実行される回数が3回の擬似煽りパターンとして擬似煽りパターン3A、3B、3C、3D、3E、3Fが用意されている。
擬似煽りパターン1Aは、擬似1煽り演出として図柄煽り擬似が実行される予告パターンであり、擬似煽りパターン1Cは、擬似1煽り演出としてSU擬似が実行される予告パターンであり、擬似煽りパターン1Cは、擬似1煽り演出として特別擬似が実行される予告パターンである。なお、これらの擬似煽りパターン1A、1B、1Cは、1回の擬似煽り演出が実行される(つまり、擬似2煽り演出が実行されない)予告パターンであるため、擬似1煽り演出の結果としては失敗となる演出が実行される(つまり、擬似連契機演出が実行されない)。
擬似煽りパターン2Aは、擬似1煽り演出として図柄煽り擬似が実行され、擬似2煽り演出として図柄煽り擬似が実行される予告パターンであり、擬似煽りパターン2Bは、擬似1煽り演出としてSU擬似が実行され、擬似2煽り演出としてSU擬似が実行される予告パターンであり、擬似煽りパターン2Cは、擬似1煽り演出として特別擬似が実行され、擬似2煽り演出として図柄煽り擬似が実行される予告パターンであり、擬似煽りパターン2Dは、擬似1煽り演出として特別擬似が実行され、擬似2煽り演出としてSU擬似が実行される予告パターンである。なお、これらの擬似煽りパターン2A、2B、2C、2Dは、2回の擬似煽り演出が実行される(つまり、擬似3煽り演出が実行されない)予告パターンであるため、擬似1煽り演出の結果としては成功となる演出が実行され(つまり、擬似2煽り演出に発展し)、擬似2煽り演出の結果としては失敗となる演出が実行される。
擬似煽りパターン3Aは、擬似1煽り演出として図柄煽り擬似が実行され、擬似2煽り演出として図柄煽り擬似が実行され、擬似3煽り演出として図柄煽り擬似が実行される予告パターンであり、擬似煽りパターン3Bは、擬似1煽り演出としてSU擬似が実行され、擬似2煽り演出としてSU擬似が実行され、擬似3煽り演出としてSU擬似が実行される予告パターンであり、擬似煽りパターン3Cは、擬似1煽り演出として図柄煽り擬似が実行され、擬似2煽り演出としてSU擬似が実行され、擬似3煽り演出としてSU擬似が実行される予告パターンであり、擬似煽りパターン3Dは、擬似1煽り演出としてSU擬似が実行され、擬似2煽り演出として図柄煽り擬似が実行され、擬似3煽り演出として図柄煽り擬似が実行される予告パターンであり、擬似煽りパターン3Eは、擬似1煽り演出として特別擬似が実行され、擬似2煽り演出として図柄煽り擬似が実行され、擬似3煽り演出として図柄煽り擬似が実行される予告パターンであり、擬似煽りパターン3Fは、擬似1煽り演出として特別擬似が実行され、擬似2煽り演出としてSU擬似が実行され、擬似3煽り演出としてSU擬似が実行される予告パターンである。なお、これらの擬似煽りパターン3A、3B、3C、3D、3E、3Fは、3回の擬似煽り演出が実行される予告パターンであるため、擬似1煽り演出および擬似2煽り演出の結果としては成功となる演出が実行され(つまり、擬似3煽り演出まで発展し)、擬似3煽り演出の結果としては失敗となる演出が実行される。
なお、図30の(2)に示す擬似煽りパターンからわかるように、特別擬似が実行される擬似煽りパターンとして、擬似煽りパターン1C、2C、2D、3E、3Fが用意されているが、いずれの擬似煽りパターンにおいても、特別擬似は擬似1煽り演出として実行されるものであり、特別擬似が擬似2煽り演出、擬似3煽り演出として実行される擬似煽りパターンは用意されていない。したがって、図30の(1)に示したように、特別擬似は擬似1煽り演出としてのみ実行され得る。
[擬似煽りパターンの抽選テーブル]
次に図31を参照して、上述した擬似煽りパターンを決定する際に参照される抽選テーブルについて説明する。
図31に示すように、擬似煽りパターンを決定する際に参照される抽選テーブルは、演出パターン(変動時間)に応じて規定されている。具体的には、まず、変動時間が13.5秒未満の演出パターンに対しては、変動時間(演出尺)が短いため擬似煽りパターンは規定されていない。
変動時間が「13.5秒」の演出パターン(即ハズレ)に対しては、擬似煽り演出が実行される回数が1回の擬似煽りパターンが規定されており、その抽選割合は、擬似煽りパターン1Bが70%であり、擬似煽りパターン1Cが30%であるが、擬似煽りパターン1Aが選択されることはない(抽選割合0%である)。つまり、変動時間が「13.5秒」の演出パターン(即ハズレ)では、リーチも行われることなく即ハズレとなるので、擬似煽りパターン1Bまたは1Cに基づいて、擬似1煽り演出の結果として失敗となる演出が実行されて、そのままハズレとなる演出が実行される。
変動時間が「約15秒(15.01秒または15.02秒)」の演出パターン(リーチ当りまたはリーチハズレ)に対しては、擬似煽り演出が実行される回数が1回の擬似煽りパターンが規定されており、その抽選割合は、擬似煽りパターン1Aが50%であり、擬似煽りパターン1Bが30%であり、擬似煽りパターン1Cが20%である。つまり、変動時間が「約15秒」の演出パターンでは、リーチが行われるので、擬似煽りパターン1A、1B、または1Cに基づいて、擬似1煽り演出の結果として失敗となる演出が実行されて、リーチが成立した後ハズレとなる演出が実行される。
変動時間が「約40秒(40.01秒〜40.06秒)」の演出パターン(SP当りまたはSPハズレ)に対しては、擬似煽り演出が実行される回数が1回〜3回の擬似煽りパターンが規定されており、その抽選割合は、擬似煽りパターン1A〜1Cがそれぞれ8%(計24%)であり、擬似煽りパターン2A〜2Dがそれぞれ16%(計64%)であり、擬似煽りパターン3A〜3Fがそれぞれ2%(計12%)である。つまり、変動時間が「約40秒」の演出パターンでは、SPリーチが行われるので、擬似煽りパターン1A〜1Cのいずれかが選択された場合には、擬似1煽り演出の結果として失敗となる演出が実行されて、リーチが成立した後SPリーチに発展する演出が実行され、擬似煽りパターン2A〜2Dのいずれかが選択された場合には、擬似1煽り演出の結果として成功となる演出が実行されて、擬似2煽り演出の結果として失敗となる演出が実行されて、リーチが成立した後SPリーチに発展する演出が実行され、擬似煽りパターン3A〜3Fのいずれかが選択された場合には、擬似1煽り演出および擬似2煽り演出の結果として成功となる演出が実行されて、擬似3煽り演出の結果として失敗となる演出が実行されて、リーチが成立した後SPリーチに発展する演出が実行される。
変動時間が「約90秒(90.01秒〜90.10秒)」の演出パターン(SPSP当りまたはSPSPハズレ)に対しては、擬似煽り演出が実行される回数が1回〜3回の擬似煽りパターンが規定されており、その抽選割合は、擬似煽りパターン1A〜1Cがそれぞれ2%(計6%)であり、擬似煽りパターン2A〜2Dがそれぞれ7%(計28%)であり、擬似煽りパターン3A〜3Fがそれぞれ11%(計66%)である。つまり、変動時間が「約90秒」の演出パターンでは、SPSPリーチが行われるので、擬似煽りパターン1A〜1Cのいずれかが選択された場合には、擬似1煽り演出の結果として失敗となる演出が実行されて、リーチが成立した後、SPSPリーチに発展する演出が実行され、擬似煽りパターン2A〜2Dのいずれかが選択された場合には、擬似1煽り演出の結果として成功となる演出が実行されて、擬似2煽り演出の結果として失敗となる演出が実行されて、リーチが成立した後、SPSPリーチに発展する演出が実行され、擬似煽りパターン3A〜3Fのいずれかが選択された場合には、擬似1煽り演出および擬似2煽り演出の結果として成功となる演出が実行されて、擬似3煽り演出の結果として失敗となる演出が実行されて、リーチが成立した後SPSPリーチに発展する演出が実行される。
なお、図31に示す擬似煽りパターンの抽選割合からわかるように、変動時間が「約40秒」の演出パターンの場合には、擬似煽りパターンとして擬似煽り演出が2回実行される擬似煽りパターン(2A〜2D)が選ばれ易いのに対して、変動時間が「約90秒」の演出パターンの場合には、擬似煽りパターンとしては擬似煽り演出が3回実行される擬似煽りパターン(3A〜3F)が選ばれ易い。このため、信頼度の高い演出パターン(つまり、変動時間の長い演出パターン)であるほど、擬似煽り演出の回数が多い(つまり、装飾図柄の再変動の回数が多い)擬似煽りパターンが決定されることがわかる。
また、図31に示す擬似煽りパターンの抽選割合からわかるように、擬似煽り演出の回数が1回の擬似煽りパターン1A〜1Cにおいて、擬似煽りパターン1B、1Cは、リーチなしの演出パターン(変動時間13.5秒)、およびリーチありの演出パターン(変動時間約15秒以上)のいずれに対しても選択され得る(抽選割合が設定されている)のに対し、擬似煽りパターン1Aは、リーチなしの演出パターン(変動時間13.5秒)に対しては選択されず(抽選割合が設定されておらず)、リーチありの演出パターン(変動時間約15秒以上)に対してのみ選択され得る。このため、擬似煽りパターン1Aに基づいて、擬似1煽り演出として図柄煽り擬似が実行されると、必ずリーチ(リーチ、SPリーチ、SPSPリーチ)が実行されることがわかる。つまり、本実施形態では、図柄煽り擬似が実行されると、その煽り結果が失敗に終わった場合(つまり、擬似連演出が実行されない場合)には必ずリーチとなることがわかる。
[画像音響制御部による演出実行処理]
次に、図32を参照して、演出制御部400によって設定された演出内容の報知演出の指示を受けた画像音響制御部500が実行する演出実行処理について説明する。図32は、画像音響制御部500によって行われる演出実行処理の一例を示すフローチャートである。画像音響制御部500は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図32に示す一連の処理を一定時間(例えば33ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図32のフローチャートに基づいて説明する画像音響制御部500で行われる処理は、ROM502に記憶されているプログラムに基づいて実行される。
まず、ステップS801において、画像音響制御部500のCPU501は、演出制御部400から報知演出を指示するコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS801での判定がYESの場合、処理はステップS802に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS803に移る。
ステップS802において、CPU501は、ステップS801で受信したコマンドにしたがって設定された演出内容に基づいて、構成された予告演出(擬似煽り演出等)の実行タイミングや実行時間等のスケジュールを設定する。その後、処理はステップS803に移る。
ステップS803において、CPU501は、ステップS802の処理によって演出がスケジュール設定されているか否かを判定する。ステップS803での判定がYESの場合、処理はステップS804に移り、この判定がNOの場合、一連の演出実行処理を終了し、所定サイクルで(33ミリ秒毎に)図32に示す一連の演出実行処理を繰り返す。
ステップS804において、CPU501は、ステップS802の処理によってスケジュール設定された装飾図柄DIの変動表示の開始タイミング(または、一度仮停止表示された装飾図柄DIの再変動表示の開始タイミング)であるか否かを判定する。ステップS804での判定がYESの場合、処理はステップS805に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS806に移る。
ステップS805において、CPU501は、装飾図柄DIの変動表示(または再変動表示)を開始する。具体的には、CPU501は、画像表示部6において、各装飾図柄DIを上下方向に高速でスクロール変動表示を行うことにより出目(数字図柄)を遷移表示させる。その後、処理はステップS806に移る。
ステップS806において、CPU501は、ステップS802の処理によってスケジュール設定された演出が、擬似煽り演出を含むものであるか否かを判定する。ステップS806での判定がYESの場合、処理はステップS807に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS817に移る。
ステップS807において、CPU501は、ステップS802の処理によってスケジュール設定された擬似煽り演出(図柄煽り擬似、SU擬似、特別擬似のいずれか)の実行タイミングであるか否かを判定する。ステップS807での判定がYESの場合、処理はステップS808に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS809に移る。
ステップS808において、CPU501は、擬似煽り演出を実行する。具体的には、CPU501は、図柄煽り擬似の場合には、画像表示部6において、高速変動表示している装飾図柄DI1とDI2とを減速表示させるとともに当該装飾図柄が裏返ることで裏に記載された「NEXT」図柄が正対表示するか否かを煽り、その結果を報知する演出を実行し(後述する図35、図36参照)、SU擬似の場合には、画像表示部6において、ステップ毎に回転キューブ(立方体)を回転させて最終的に「NEXT」と描かれた面が正対表示するか否かを煽り、その結果を報知する演出を実行し(後述する図37、図38参照)、特別擬似の場合には、画像表示部6において、「NEXT」という文字が封入された風船が割れることで当該「NEXT」文字が出現するか否かを煽り、その結果を報知する演出を実行する(後述する図39参照)。その後、処理はステップS809に移る。
ステップS809において、CPU501は、ステップS802の処理によってスケジュール設定された、図柄煽り擬似後の装飾図柄DIの仮停止タイミングであるか否かを判定する。ステップS809での判定がYESの場合、処理はステップS810に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS811に移る。
ステップS810において、CPU501は、装飾図柄DIを仮停止表示する。具体的には、図柄煽り擬似後には、煽り結果が成功の場合には擬似連演出が実行されるので擬似目(「NEXT」図柄)が仮停止表示され、煽り結果が失敗の場合には、リーチありの演出パターンが選択されているため(図31参照)、リーチとなる(リーチ目が仮停止表示される)。このため、CPU501は、リーチ目を仮停止表示する場合には、画像表示部6において第1装飾図柄DI1および第2装飾図柄DI2を同じ出目(例えば数字図柄「1」)で仮停止表示し(図36の(5)参照)、擬似目を仮停止表示する場合には、画像表示部6において第1装飾図柄DI1および第2装飾図柄DI2を同じ「NEXT」図柄で仮停止表示する(図35の(5)参照)。なお、このとき、第3装飾図柄DI3は変動表示中である。その後、処理はステップS811に移る。
ステップS811において、CPU501は、ステップS802の処理によってスケジュール設定された、SU擬似後の装飾図柄DIの仮停止タイミングであるか否かを判定する。ステップS811での判定がYESの場合、処理はステップS812に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS815に移る。
ステップS812において、CPU501は、装飾図柄DIを仮停止表示する。具体的には、SU擬似後には、装飾図柄DIは、煽り結果が成功の場合には擬似連演出が実行されるので擬似目が仮停止表示され、煽り結果が失敗の場合には、演出パターン(変動時間)に応じて、リーチなしの演出パターンの場合にはハズレ目が仮停止表示され、リーチありの演出パターンの場合にはリーチ目が仮停止表示される(図31参照)。また、SU擬似が実行されるときには、装飾図柄DIは画像表示部6において右上隅に縮小表示されている(後述する図37、図38参照)。このため、CPU501は、リーチ目を仮停止表示する場合には、画像表示部6において右上隅に縮小表示した第1装飾図柄DI1および第2装飾図柄DI2を同じ出目(例えば数字図柄「1」)で仮停止表示し、擬似目を仮停止表示する場合には、画像表示部6において右上隅に縮小表示した装飾図柄DI1〜DI3を、擬似目を表す特定の図柄パターン(例えば、「1」「2」「3」)で仮停止表示し(図37の(8)参照)、ハズレ目を仮停止表示する場合には、画像表示部6において右上隅に縮小表示した装飾図柄DI1〜DI3をばらけ目(例えば「1」「4」「9」)で仮停止表示し(図38の(8)参照)、その後拡大して画像表示部6の中央に仮停止表示する。その後、処理はステップS815に移る。
ステップS813において、CPU501は、ステップS802の処理によってスケジュール設定された、擬似煽り演出を含まない演出における装飾図柄DIの当落報知ではない仮停止タイミングであるか否かを判定する。ステップS813での判定がYESの場合、処理はステップS814に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS815に移る。
ステップS814において、CPU501は、装飾図柄DIを仮停止表示する。具体的には、擬似煽り演出を含まない演出の場合には、当落報知ではない仮停止タイミングでは、リーチ目またはチャンス目が仮停止表示されるので、CPU501は、リーチ目を仮停止表示する場合には、画像表示部6において第1装飾図柄DI1および第2装飾図柄を同じ出目(例えば数字図柄「1」)で仮停止表示し、チャンス目を仮停止表示する場合には、画像表示部6において装飾図柄DIを、チャンス目を表す特定の図柄パターン(例えば数字図柄「3」「1」「5」)で仮停止表示する。その後、処理はステップS815に移る。
ステップS815において、CPU501は、ステップS802の処理によってスケジュール設定された他の予告演出(SPリーチ演出や、SPSPリーチ演出、カットイン演出等)の開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS815での判定がYESの場合、処理はステップS816に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS817に移る。
ステップS816において、CPU501は、他の予告演出を開始する。具体的には、CPU501は、画像表示部6において、スケジュール設定された実行タイミングの予告演出(例えばカットイン演出)を実行する。その後、処理はステップS817に移る。
ステップS817において、CPU501は、ステップS802の処理によってスケジュール設定された当落報知のタイミング(つまり、大当り結果を報知する結果報知タイミング)であるか否かを判定する。ステップS817での判定がYESの場合、処理はステップS818に移り、この判定がNOの場合、一連の演出実行処理を終了し、所定サイクルで(33ミリ秒毎に)図32に示した一連の演出実行処理を繰り返す。
ステップS818において、CPU501は、少なくとも一部が変動中の装飾図柄DIを大当り図柄またはハズレ図柄で仮停止表示させることで、大当りまたはハズレを報知し、その後、演出制御部400を介して図柄確定コマンドを受信することによって、当該大当り図柄またはハズレ図柄で確定停止表示させる。具体的には、CPU501は、画像表示部6において、3つの装飾図柄DIの全てを、大当りの場合には大当り図柄として、いわゆるゾロ目(例えば出目「1」、「1」、「1」)で仮停止表示させ、ハズレの場合にはハズレ図柄として、いわゆるばらけ目(例えば出目「1」「2」「1」)で仮停止表示させ、その後、確定停止表示させる。そして、一連の演出実行処理を終了し、所定サイクルで(33ミリ秒毎に)図32に示した一連の演出実行処理を繰り返す。
[本実施形態における擬似煽り演出の一例]
次に、以上にフローチャートを用いて説明した本実施形態による特徴的動作(擬似煽り演出)の一例について、図33〜図39を用いて具体的に説明する。図33は、1回目の擬似煽り演出(擬似1煽り演出)として画像表示部6において実行される、図柄煽り擬似、SU擬似、特別擬似の各演出例を時系列に示したタイムチャートの一例であり、図34は、複数回の擬似煽り演出(擬似1煽り演出〜擬似3煽り演出)を時系列に示したタイムチャートの一例であり、図35、図36は、図柄煽り擬似の演出概要を示し、図37、図38は、SU擬似の演出概要を示し、図39は特別擬似の演出概要を示す。
ところで、図31を参照して説明したように、擬似煽り演出が実行される演出パターンの変動時間は13.5秒以上であり、変動時間が13.5秒の場合にはリーチが実行されず、変動時間が約15秒以上の場合にはリーチが実行される。このため、以下では、リーチが実行されない演出パターン(変動時間13.5秒)と、リーチが実行される演出パターン(変動時間約15秒以上)とに分けて、それぞれの演出パターンにおける擬似煽り演出について説明する。
まず、擬似煽り演出について説明する前に、比較のため、擬似煽り演出が実行されない場合の演出例について説明する。具体的には、図33の(1)を参照して、変動時間が13.5秒の演出パターン(即ハズレ)が決定されたときに擬似煽り演出が実行されない場合の演出例について説明し、図33の(2)を参照して、変動時間が約15秒以上の演出パターン(リーチあり)が決定されたときに擬似煽り演出が実行されない場合の演出例について説明する。
図33の(1)に示すように、変動時間が13.5秒の演出パターン(即ハズレ)が決定されたときに擬似煽り演出が実行されない場合には、時間t=0秒において特別図柄の変動表示が開始されると、第1装飾図柄DI1(以下、単に左図柄ということがある)、第2装飾図柄DI2(以下、単に右図柄ということがある)、および第3装飾図柄DI3(以下、単に中図柄ということがある)が高速変動表示され、時間t=7秒において左図柄が減速表示され、時間t=9秒において左図柄が仮停止表示されるとともに右図柄が減速表示され、時間t=11秒において右図柄が仮停止表示されるとともに中図柄が減速表示され、時間t=12.5秒において中図柄が仮停止表示されることで、3つの装飾図柄がハズレ目で仮停止表示され、時間t=13.5秒において3つの装飾図柄が確定停止表示され、規定の確定時間(0.5秒間)確定停止表示が継続される。
図33の(2)に示すように、変動時間が約15秒以上の演出パターン(リーチあり)が決定されたときに擬似煽り演出が実行されない場合には、時間t=0秒において特別図柄の変動表示が開始されると、左図柄、右図柄、および中図柄が高速変動表示され、時間t=7秒において左図柄が減速表示され、時間t=9秒において左図柄が仮停止表示されるとともに右図柄が減速表示され、時間t=12秒において右図柄が左図柄と同じ出目で仮停止表示されることによりリーチ状態となり、時間t=13秒において所定の演出が実行される。なお、時間t=13秒においてどのような演出が実行されるかは、演出パターンに依存し、例えば変動時間が15.02秒の演出パターン(リーチハズレ)の場合には、中図柄がリーチ目とは異なる出目で仮停止表示されるハズレ演出が実行され、変動時間が40.01秒の演出パターン(第3SP当り)の場合には、第3SPリーチが実行された後に、左図柄、右図柄、中図柄が当り目(いわゆるゾロ目)で仮停止表示される当り演出が実行される。
[図柄煽り擬似]
次に、図33の(3A)、(3B)、図35、図36を参照して、擬似1煽り演出として図柄煽り擬似が実行されるときの演出例について説明する。なお、図31を参照して前述したように、図柄煽り擬似が実行されるのは、変動時間が約15秒以の演出パターン(リーチあり)が決定されたときに限られる。図33の(3A)、図35は、図柄煽り擬似による煽り結果が成功である演出例を示し、図33の(3B)、図36は、図柄煽り擬似による煽り結果が失敗である演出例を示す。なお、図36の(1)〜(4)は、図35の(1)〜(4)と同一である。
まず、図33の(3A)、図35を参照して、図柄煽り擬似による煽り結果が成功である演出例について説明する。図33の(3A)に示すように、時間t=0秒において特別図柄の変動表示が開始されると、左図柄、右図柄、および中図柄が高速変動表示され(図35の(1)参照)、時間t=7秒において左図柄が減速表示され(図35の(2)参照)、時間t=9秒において右図柄が減速表示される(図35の(3)参照)。なお、この際、右図柄は、減速表示されている左図柄と同一の出目(例えば、数字図柄「1」)で減速表示される。そして、時間t=10秒において減速表示された右図柄および左図柄が裏返ることで、裏に描かれた「NEXT」図柄が仮停止表示されるか否かを煽る図柄煽り演出が実行される(図35の(4)参照)。そして、時間t=12秒において、右図柄及び左図柄が裏返って擬似目(「NEXT」図柄)で仮停止表示され(図35の(5)参照)、煽り結果が成功であること(つまり擬似連演出が実行されること)を報知するために、例えば擬似目が拡大されて「NEXT」文字が表示される(図35の(6)参照)。なお、この「NEXT」文字が表示されている際には、装飾図柄DIは画像表示部6において右上隅に縮小表示されて、擬似目を表す特定の図柄パターン(例えば、「1」「2」「3」)で仮停止表示される。そして、時間t=13秒において、装飾図柄DIが再変動表示される(擬似連演出が実行される;図35の(7)参照)。なお、図33の(3A)に示す演出が実行される場合には、変動時間が約40秒以上の演出パターン(リーチあり)が決定されたときに擬似煽りパターン2A、3A、3Cのいずれかが決定されていたことになる(図30の(2)、図31参照)。
次に、図33の(3B)、図36を参照して、図柄煽り擬似による煽り結果が失敗である演出例について説明する。図33の(3B)に示すように、0秒≦時間t<12秒における演出は、図33の(3A)に示す演出と同様である(図36の(1)〜(4)参照)。そして、時間t=12秒において、右図柄及び左図柄が裏返ることなく(つまり、「NEXT」図柄が正対することなく)表の図柄のまま(つまり、同一の出目(例えばリーチ目「1」)のまま)仮停止表示され(図36の(5)参照)、煽り結果が失敗であること(つまり擬似連演出が実行されずにリーチが成立したこと)を報知するために、例えば「リーチ」という文字画像や音声が出力される(図36の(6)参照)。そして、時間t=13秒において、所定の演出が実行される。なお、時間t=13秒においてどのような演出が実行されるかは、図33の(2)を参照して前述したように、演出パターンに依存し、例えば、SPリーチ演出が実行され(図36の(7)参照)、あるいは、中図柄としてハズレ目が仮停止表示される。なお、図33の(3B)に示す演出が実行される場合には、変動時間が約15秒以上の演出パターン(リーチあり)が決定されたときに擬似煽りパターン1Aが決定されていたことになる(図30の(2)、図31参照)。
[SU擬似]
次に、図33の(4A)、(4B)、(4C)、図37、図38を参照して、擬似1煽り演出としてSU擬似が実行されるときの演出例について説明する。なお、図31を参照して前述したように、SU擬似は、変動時間が約15秒以上の演出パターン(リーチあり)が決定されたとき、および変動時間が13.5秒の演出パターン(即ハズレ)が決定されたときに実行され得る。図33の(4A)、(4B)は変動時間が約15秒以上の演出パターン(リーチあり)が決定されたときにSU擬似が実行される演出例を示し、図33の(4C)は、変動時間が13.5秒の演出パターン(即ハズレ)が決定されたときにSU擬似が実行される演出例を示す。また、図33の(4A)、図37は、SU擬似による煽り結果が成功である演出例を示し、図33の(4B)、(4C)、図38は、SU擬似による煽り結果が失敗である演出例を示す。なお、図38の(1)〜(7)は、図37の(1)〜(7)と同一である。
まず、図33の(4A)、図37を参照して、SU擬似による煽り結果が成功である演出例について説明する。図33の(4A)に示すように、時間t=0秒において特別図柄の変動表示が開始されると、左図柄、右図柄、および中図柄が高速変動表示され(図37の(1)参照)、「Step1」と描かれた面が正対表示された回転キューブが出現する(図37の(2)参照)。なお、この際、装飾図柄DIは、回転キューブの視認性を確保するために、例えば画像表示部6の右上隅に縮小表示される(図37の(2)参照)。そして、縮小表示された装飾図柄DIは高速変動表示したまま、回転キューブの面が1つ回転することにより「Step1」と描かれた面から「Step2」と描かれた面に回転するか否かを煽るSU煽り演出が実行され(図37の(3)参照)、時間t=7秒において「Step2」と描かれた面が正対表示される(図37の(4)参照)。そして、縮小表示された装飾図柄DIは高速変動表示したまま、回転キューブの面が1つさらに回転することにより「Step2」と描かれた面から「Step3」と描かれた面に回転するか否かを煽るSU煽り演出が実行され(図37の(5)参照)、時間t=10.5秒において「Step3」と描かれた面が正対表示される(図37の(6)参照)。そして、縮小表示された装飾図柄DIは高速変動表示したまま、回転キューブの面が1つさらに回転することにより「Step3」と描かれた面から「NEXT」と描かれた面に回転するか否かを煽るSU煽り演出が実行され(図37の(7)参照)、時間t=12秒において「NEXT」と描かれた面が正対表示されることで、煽り結果が成功であること(つまり擬似連演出が実行されること)が報知される(図37の(8)参照)。なお、このとき、画像表示部6の右上隅に縮小表示された装飾図柄DIは、擬似目を表す特定の図柄パターン(例えば、「1」「2」「3」)で仮停止表示される(図37の(8)参照)。そして、時間t=13秒において、装飾図柄DIが再変動表示される(擬似連演出が実行される)。なお、図33の(4A)に示す演出が実行される場合には、変動時間が約40秒以上の演出パターン(リーチあり)が決定されたときに擬似煽りパターン2B、3B、3Dのいずれかが決定されていたことになる(図30の(2)、図31参照)。
次に、図33の(4B)または(4C)、図38を参照して、SU煽り擬似による煽り結果が失敗である演出例について説明する。図33の(4B)または(4C)に示すように、0秒≦時間t<12秒における演出は、図33の(4A)に示す演出と同様である(図38の(1)〜(7)参照)。そして、時間t=12秒において、「NEXT」と描かれた面が正対表示されず、「Step3」と描かれた面の正対表示が維持されて、例えば「残念」という文字が表示されることで、煽り結果が失敗であること(つまり擬似連演出が実行されないこと)が報知される(図38の(8)参照)。なお、このとき、画像表示部6の右上隅に縮小表示された装飾図柄DIは、所定の出目で仮停止表示される。なお、時間t=12秒においてどのような出目が仮停止表示されるかは、演出パターンに依存し、図33の(4B)に示すように、変動時間が約15秒以上の演出パターン(リーチあり)が決定されているときには、リーチ目が仮停止表示され、図33の(4C)に示すように、変動時間が13.5秒の演出パターン(即ハズレ)が決定されているときには、ハズレ目が仮停止表示される(図38の(8)参照)。なお、図33の(4B)に示すように、リーチ目が仮停止表示された場合には、時間t=13秒において、所定の演出が実行される。なお、時間t=13秒においてどのような演出が実行されるかは、図33の(2)を参照して前述したように、演出パターンに依存し、例えば、SPリーチ演出が実行され、あるいは、中図柄としてハズレ目が仮停止表示される。また、図33の(4C)に示すように、ハズレ目が仮停止表示された場合には、縮小表示された装飾図柄(ハズレ目)が通常表示に戻り、時間t=13.5秒において3つの装飾図柄が確定停止表示され、規定の確定時間(0.5秒間)確定停止表示が継続される。なお、図33の(4B)に示す演出が実行される場合には、変動時間が約15秒以上の演出パターン(リーチあり)が決定されたときに擬似煽りパターン1Bが決定されていたことになり、図33の(4C)に示す演出が実行される場合には、変動時間が13.5秒の演出パターン(リーチなし)が決定されたときに擬似煽りパターン1Bが決定されていたことになる(図30の(2)、図31参照)。
なお、上記では、SU煽り擬似による煽り結果が失敗である演出例として、回転キューブが「Step3」と描かれた面から「NEXT」と描かれた面に回転するか否かを煽るSU煽り演出の結果として失敗に終わる演出例について記載したが、これに限られるものではない。具体的には、演出パターンの演出尺(変動時間)に応じて、例えば、回転キューブが「Step1」と描かれた面から「Step2」と描かれた面に回転するか否かを煽るSU煽り演出の結果として失敗に終わる(つまり、「Step2」と描かれた面にすら回転しないことにより「NEXT」と描かれた面に回転することがない)ことで、擬似連演出が実行されないことが報知されてもよい。
[特別擬似]
次に、図33の(5A)、(5B)、(5C)、図39を参照して、擬似1煽り演出として特別擬似が実行されるときの演出例について説明する。なお、図31を参照して前述したように、特別擬似は、変動時間が約15秒以上の演出パターン(リーチあり)が決定されたとき、および変動時間が13.5秒の演出パターン(即ハズレ)が決定されたときに実行され得る。図33の(5A)、(5B)は変動時間が約15秒以上の演出パターン(リーチあり)が決定されたときに特別擬似が実行される演出例を示し、図33の(5C)は、変動時間が13.5秒の演出パターン(即ハズレ)が決定されたときに特別擬似が実行される演出例を示す。また、図33の(5A)、図39の(4)は、特別擬似による煽り結果が成功である演出例を示し、図33の(5B)、(5C)、図39の(5)は、特別擬似による煽り結果が失敗である演出例を示す。
まず、図33の(5A)、図39を参照して、特別擬似による煽り結果が成功である演出例について説明する。図33の(5A)に示すように、時間t=0秒において特別図柄の変動表示が開始されると、左図柄、右図柄、および中図柄が高速変動表示され(図39の(1)参照)、時間t=7秒において左図柄が減速表示され、時間t=9秒において左図柄が仮停止表示されるとともに右図柄が減速表示され、時間t=10秒において右図柄が仮停止表示されるとともに中図柄が減速表示され、時間t=11秒において中図柄が仮停止表示されることで、3つの装飾図柄が所定の出目(ハズレ目またはリーチ目)で仮停止表示される(図39の(2)参照)。そして、時間t=12秒において画像表示部6上に「NEXT」文字が封入された風船が出現する(下から上に飛行する)特別擬似予告演出が実行され(図39の(3)参照)、この風船が割れて「NEXT」文字が出現することで特別擬似予告の結果(煽り結果)が成功であること(つまり擬似連演出が実行されること)が報知される(図39の(4)参照)。なお、この「NEXT」文字が表示されている際には、装飾図柄DIは画像表示部6において右上隅に縮小表示されて、擬似目を表す特定の図柄パターン(例えば、「1」「2」「3」)で仮停止表示される。そして、時間t=13秒において、装飾図柄DIが再変動表示される(擬似連演出が実行される)。なお、時間t=11秒において装飾図柄がハズレ目またはリーチ目で仮停止表示されることにより、擬似連演出が実行されない(後述の図33の(5B)、(5C)参照)と落胆する遊技者に対して意外感を与えることができる。なお、図33の(5A)に示す演出が実行される場合には、変動時間が約40秒以上の演出パターン(リーチあり)が決定されたときに擬似煽りパターン2C、2D、3E、3Fのいずれかが決定されていたことになる(図30の(2)、図31参照)。
次に、図33の(5B)または(5C)、図39を参照して、特別擬似による煽り結果が失敗である演出例について説明する。図33の(5B)または(5C)に示すように、0秒≦時間t<12秒における演出は、図33の(5A)に示す演出と同様である(図39の(1)、(2)参照)。そして、時間t=12秒において画像表示部6上に「NEXT」文字が封入された風船が出現する(下から上に飛行する)特別擬似予告演出が実行され(図39の(3)参照)、この風船が割れずにそのまま上に消失することで特別擬似予告の結果(煽り結果)が失敗であること(つまり擬似連演出が実行されないこと)が報知される(図39の(5)参照)。なお、時間t=11秒において3つの装飾図柄は所定の出目(ハズレ目またはリーチ目)で仮停止表示されるが、いずれが停止表示されるかは、演出パターンに依存し、図33の(5B)に示すように、変動時間が約15秒以上の演出パターン(リーチあり)が決定されているときには、リーチ目が仮停止表示され、図33の(5C)に示すように、変動時間が13.5秒の演出パターン(即ハズレ)が決定されているときには、ハズレ目が仮停止表示される(図39の(2)参照)。そして、リーチ目が仮停止表示されて特別擬似予告の結果(煽り結果)が失敗である場合には、図33の(5B)に示すように、時間t=13秒において、所定の演出が実行される。なお、時間t=13秒においてどのような演出が実行されるかは、図33の(2)を参照して前述したように、演出パターンに依存し、例えば、SPリーチ演出が実行され、あるいは、中図柄としてハズレ目が仮停止表示される。また、ハズレ目が仮停止表示されて特別擬似予告の結果(煽り結果)が失敗である場合には、図33の(5C)に示すように、仮停止表示された装飾図柄(ハズレ目)が、時間t=13.5秒において確定停止表示され、規定の確定時間(0.5秒間)確定停止表示が継続される。なお、図33の(5B)に示す演出が実行される場合には、変動時間が約15秒以上の演出パターン(リーチあり)が決定されたときに擬似煽りパターン1Cが決定されていたことになり、図33の(5C)に示す演出が実行される場合には、変動時間が13.5秒の演出パターン(リーチなし)が決定されたときに擬似煽りパターン1Cが決定されていたことになる(図30の(2)、図31参照)。
[複数回の擬似煽り演出の一例]
次に、図34を参照して、1回の特別図柄の変動表示(1変動)において、複数回の擬似煽り演出が実行される演出例について説明する。一例として、図34の(1)は、図30の(2)に示す擬似煽りパターン2A(擬似煽り演出の回数2回)に基づく擬似煽り演出の演出例を示し、図34の(2)は、図30の(2)に示す擬似煽りパターン3A(擬似煽り演出の回数3回)に基づく擬似煽り演出の演出例を示し、図34の(3)は、図30の(2)に示す擬似煽りパターン3B(擬似煽り演出の回数3回)に基づく擬似煽り演出の演出例を示す。
まず、図34の(1)を参照して、擬似煽り演出の回数が2回の擬似煽りパターン2Aに基づく擬似煽り演出について説明する。なお、図31を参照して前述したように、擬似煽りパターン2Aに基づく擬似煽り演出が実行されるのは、変動時間が約40秒以上の演出パターン(リーチあり)が決定されたときである。
図34の(1)に示すように、時間t=0秒において装飾図柄DIの変動表示が開始されてから、その後、1回目の擬似煽り演出として図柄煽り擬似が実行され、時間t=13秒において図柄煽り擬似が終了し、図柄煽り擬似の煽り結果が成功であること(擬似連演出が実行されること)が報知される。なお、この1回目の擬似煽り演出(図柄煽り擬似)の演出例は、図33の(3A)を参照して説明した演出例と同様であるため、その説明を省略する。つまり、装飾図柄DIの変動表示が開始されてから1回目の図柄煽り擬似が終了するまでの演出尺は13秒である。一方、時間t=13秒において装飾図柄DIが再変動表示されると、2回目の擬似煽り演出として再び図柄煽り擬似が実行され、時間t=23秒において図柄煽り擬似が終了し、図柄煽り擬似の煽り結果が失敗であること(擬似連演出が実行されないこと)が報知される。なお、演出パターンとしてリーチありの演出パターンが決定されていることから、図柄煽り擬似の煽り結果が失敗である場合には、リーチ目が成立する。つまり、装飾図柄DIの変動表示(正確には再変動表示)が開始されてから2回目の図柄煽り擬似が終了するまでの演出尺は10秒である。すなわち、装飾図柄DIの変動表示(再変動表示)が開始されてから擬似煽り演出(図柄煽り擬似)が終了するまでの演出尺は、1回目の擬似煽り演出が実行されるときよりも2回目の擬似煽り演出が実行されるときのほうが短くなっている。このため、同じ図柄煽り擬似であっても、2回目の擬似煽り演出として実行されるときには、1回目の擬似煽り演出として実行される場合よりも、例えば演出の進行速度を上げることにより演出時間を短縮して実行されることになる。
次に、図34の(2)を参照して、擬似煽り演出の回数が3回の擬似煽りパターン3Aに基づく擬似煽り演出について説明する。なお、図31を参照して前述したように、擬似煽りパターン3Aに基づく擬似煽り演出が実行されるのは、変動時間が約40秒以上の演出パターン(リーチあり)が決定されたときに限られる。
図34の(2)に示すように、図34の(1)と同様、装飾図柄DIの変動表示が開始されてから1回目の図柄煽り擬似が終了するまでの演出尺は13秒であり、装飾図柄DIの再変動表示が開始されてから2回目の図柄煽り擬似が終了するまでの演出尺は10秒である。なお、図34の(2)では、3回目の図柄煽り擬似が実行されるので、t=23秒において2回目の図柄煽り擬似が終了し、図柄煽り擬似の煽り結果が成功であること(擬似連演出が実行されること)が報知される。そして、t=23秒において装飾図柄DIが再変動表示されると、3回目の擬似煽り演出として再び図柄煽り擬似が実行され、時間t=30秒において図柄煽り擬似が終了し、図柄煽り擬似の煽り結果が失敗であること(擬似連演出が実行されないこと)が報知される。なお、演出パターンとしてリーチありの演出パターンが決定されていることから、図柄煽り擬似の煽り結果が失敗である場合には、リーチ目が成立する。つまり、装飾図柄DIの変動表示(正確には再変動表示)が開始されてから3回目の図柄煽り擬似が終了するまでの演出尺は7秒である。すなわち、装飾図柄DIの変動表示(再変動表示)が開始されてから擬似煽り演出(図柄煽り擬似)が終了するまでの演出尺は、2回目の擬似煽り演出が実行されるときよりも3回目の擬似煽り演出が実行されるときのほうが更に短くなっている。つまり、擬似煽り演出の実行回数が増えるほど、装飾図柄DIの変動表示(再変動表示)が開始されてから当該擬似煽り演出が終了するまでの演出尺が短くなる。このため、同じ図柄煽り擬似であっても、3回目の擬似煽り演出として実行されるときには、2回目の擬似煽り演出として実行される場合よりも、例えば演出の進行速度を上げることにより演出時間を短縮して実行されることになる。
次に、図34の(3)を参照して、擬似煽り演出の回数が3回の擬似煽りパターン3Bに基づく擬似煽り演出について説明する。なお、図31を参照して前述したように、擬似煽りパターン3Bに基づく擬似煽り演出が実行されるのは、変動時間が約40秒以上の演出パターン(リーチあり)が決定されたときである。
図34の(3)に示すように、時間t=0秒において装飾図柄DIの変動表示が開始されてから、その後、1回目の擬似煽り演出としてSU擬似が実行され、時間t=13秒においてSU擬似が終了し、SU擬似の煽り結果が成功であること(擬似連演出が実行されること)が報知され、時間t=13秒において装飾図柄DIが再変動表示されると、2回目の擬似煽り演出として再びSU擬似が実行され、時間t=23秒においてSU擬似が終了し、SU擬似の煽り結果が成功であること(擬似連演出が実行されること)が報知され、時間t=23秒において装飾図柄DIが再変動表示されると、3回目の擬似煽り演出として再びSU擬似が実行され、時間t=30秒においてSU擬似が終了し、SU擬似の煽り結果が失敗であること(擬似連演出が実行されないこと)が報知される。なお、演出パターンとしてリーチありの演出パターンが決定されていることから、SU擬似の煽り結果が失敗である場合には、リーチ目が成立する。このように、擬似煽りパターン3Bに基づく擬似煽り演出は、擬似煽りパターン3Aに基づく擬似煽り演出と同様に、装飾図柄DIの変動表示(再変動表示)が開始されてから擬似煽り演出(SU擬似)が終了するまでの演出尺は、1回目の擬似煽り演出が実行されるときの演出尺が13秒であり、2回目の擬似煽り演出が実行されるときの演出尺が10秒であり、3回目の擬似煽り演出が実行されるときの演出尺が7秒であり、擬似煽り演出の実行回数が増えるほど、装飾図柄DIの変動表示(再変動表示)が開始されてから当該擬似煽り演出が終了するまでの演出尺が短くなる。このため、同じSU擬似であっても、2回目の擬似煽り演出として実行されるときには、1回目の擬似煽り演出として実行されるときの演出の一部を割愛して実行される。具体的には、2回目の擬似煽り演出として実行される場合には、回転キューブの面が1つ回転することにより「Step1」と描かれた面から「Step2」と描かれた面に回転するか否かを煽るSU煽り演出が割愛され、初めから「Step2」と描かれた面が正対表示された回転キューブが出現する(つまり、図38の(4)から演出が開始される)。同様に、3回目の擬似煽り演出として実行されるときには、2回目の擬似煽り演出として実行されるときの演出の一部を割愛して実行される。具体的には、3回目の擬似煽り演出として実行される場合には、回転キューブの面が1つ回転することにより「Step2」と描かれた面から「Step3」と描かれた面に回転するか否かを煽るSU煽り演出が割愛され、初めから「Step3」と描かれた面が正対表示された回転キューブが出現する(つまり、図38の(6)から演出が開始される)。このように、同じSU擬似であっても、擬似煽り演出の実行回数が増えるほど、演出の一部を割愛することにより演出時間を短縮して実行されることになる。
なお、図34を参照して上記したように、本実施形態において、擬似煽り演出の実行回数が増えるほど(つまり、擬似連演出(装飾図柄の再変動)の回数が増えるほど)、装飾図柄DIの変動表示(再変動表示)が開始されてから当該擬似煽り演出が終了するまでの演出尺が短くなるのは以下の理由による。つまり、1回目の擬似煽り演出(擬似1煽り演出)は、遊技者に擬似連演出が実行されるか否かを初めて煽る演出であるため、そもそも擬似煽り演出が実行されるか否かをわかり難くする方が遊技の興趣性が向上する。ここで、本実施形態では、擬似煽り演出が実行されるのは、変動時間が13.5秒以上の演出パターンが決定されたときである(図31参照)。このため、装飾図柄DIの変動表示が開始されてから擬似1煽り演出が終了するまでの演出は、変動時間が13.5秒以上の演出パターンが決定されたときに擬似煽り演出が実行されない場合の演出(つまり、図33の(1)、(2)に示す演出例)に類似することが好ましい。具体的には、擬似1煽り演出として図柄煽り擬似が実行される場合を例に挙げると、図33の(1)、(2)と、図33の(3A)、(3B)を比較するとわかるように、装飾図柄DIが変動表示されてから時間t=9秒経過するまでの演出は、擬似1煽り演出が実行されない場合と同じである。また、擬似1煽り演出として特別擬似が実行される場合を例に挙げると、図33の(1)、(2)と、図33の(5A)、(5B)、(5C)を比較するとわかるように、装飾図柄DIが変動表示されてから時間t=10秒経過するまでの演出は、擬似1煽り演出が実行されない場合と同じである。このように、本実施形態では、擬似1煽り演出では、擬似煽り演出が実行されない場合の演出にできるだけ類似するように、装飾図柄DIの変動表示が開始されてから当該擬似1煽り演出が終了するまでの演出尺を相対的に長く設けることにしている。一方、擬似2煽り演出や、擬似3煽り演出は、少なくとも1回擬似煽り演出が成功した後に実行される演出であることから、再度擬似煽り演出が実行されることは比較的容易に想起されるため、装飾図柄DIが再変動表示されてから擬似2煽り演出や擬似3煽り演出が終了するまでの演出尺を相対的に長く設けることの意義はなく、演出尺を長くするとかえって間延びした演出となってしまうおそれがある。このため、本実施形態では、装飾図柄DIが変動表示されてから擬似1煽り演出が終了するまでの演出尺は相対的に長くすることで、そもそも擬似煽り演出が実行されるか否かをわかり難くするとともに、擬似煽り演出が実行されることが想起され易い擬似2煽り演出、擬似3煽り演出に進むほど、飾図柄DIが再変動表示されてから当該擬似煽り演出が終了するまでの演出尺を相対的に短くすることで、間延びした演出となることを防止することにしている。なお、SU擬似が擬似1煽り演出として実行される場合には、擬似煽り演出が実行されない場合の演出例と同様の演出ではない(図33の(4A)等参照)が、他の擬似煽り演出に準ずる形で、擬似煽り演出の実行回数が増えるほど、装飾図柄DIの変動表示(再変動表示)が開始されてから当該擬似煽り演出が終了するまでの演出尺が短くなるように設定されている。
以上のように、本実施形態では、装飾図柄DIの変動表示が開始されてから初めての擬似煽り演出(擬似1煽り演出)が終了するまでの演出尺を相対的に長く設定し、擬似煽り演出の実行回数が増えるほど、装飾図柄DIの再変動表示が開始されてから当該擬似煽り演出が終了するまでの演出尺が短くなるように設定している。このことにより、初めは擬似煽り演出が実行されるか否かをわかり難くできるとともに、1度擬似煽り演出が実行された後には、実行されることが容易に想起される後続の擬似煽り演出(擬似2煽り演出、擬似3煽り演出)を、間延びすることのない演出とすることができる。このため、本実施形態の擬似煽り演出(ひいては擬似連演出)によれば、遊技者の興味を惹き、かつ、飽きを覚えさせない演出を実現することができる。また、このように、擬似煽り演出の実行回数が増えるほど、装飾図柄DIの再変動表示が開始されてから当該擬似煽り演出が終了するまでの演出尺が短くなるので、同じ演出内容であっても擬似煽り演出の実行回数に応じて演出尺の調整が必要となる。このため、本実施形態では第1の実行様式として、擬似煽り演出の実行回数が増えるほど、演出の進行速度を上げることにより演出時間を短縮し(図30の(1)に示す図柄煽り擬似の長バージョン、中バージョン、短バージョン)、第2の実行様式として、擬似煽り演出の実行回数が増えるほど、演出の一部を割愛することにより演出時間を短縮している(図30の(1)に示すSU擬似のStep1の割愛、Step1、2の割愛)。なお、演出の一部を割愛する方法としては、どのような方法であってもよいが、本実施形態では、Step単位で割愛することで違和感のない演出を実現することにしている。
また、本実施形態によれば、擬似煽り演出として実行可能な演出内容は複数(図柄煽り擬似、SU擬似、特別擬似)あるが、そのうち、擬似1煽り演出〜擬似3煽り演出のいずれの演出として実行可能であるかは、演出内容に応じて異なり(図30の(1)参照)、このため、演出内容毎に、演出の意味合いを異ならせることが可能となる。具体的には、特別擬似は、擬似1煽り演出としてのみ実行されることから、擬似煽り演出がそもそも実行されるか否かを示唆する演出としてのみ機能し、SU擬似や、図柄煽り擬似は、擬似連演出が継続されるか否かを示唆する演出としても機能する。また、演出機会の多い擬似1煽り演出として実行可能な演出内容を、擬似2煽り演出や擬似3煽り演出として実行可能な演出内容に比べて多くする(図30の(1)参照)ことで、擬似煽り演出に対して遊技者が飽きを覚えることを防止することが可能となる。このため、本実施形態の擬似煽り演出(ひいては擬似連演出)によれば、遊技者の興味を惹き、かつ、飽きを覚えさせない演出を実現することができる。
また、本実施形態によれば、擬似煽り演出として複数の演出内容が用意されているが、図柄煽り擬似が実行されるのは、変動時間が約15秒以上の演出パターン(リーチあり)が決定されたときに限られる(図31参照)。このため、擬似煽り演出として図柄煽り擬似が実行されると、この煽り結果が成功であれば擬似連演出(装飾図柄DIの再変動表示)が実行されるが、この煽り結果が失敗であっても少なくともリーチ状態が成立する(図33の(3A)、(3B)参照)。なお、擬似煽り演出として、その他の演出内容であるSU擬似や、特別擬似が実行される場合には、煽り結果が失敗である場合には必ずしもリーチ状態は成立しない(図33の(4C)、(5C)参照)。このため、本実施形態では、図柄煽り擬似は、他の演出内容の擬似煽り演出とは異なり、実行されるとリーチ状態の成立、または擬似連演出の実行が保証されるため、遊技者にとって望ましい(遊技者にとって有利な)特別な演出であるといえる。このように、本実施形態では、擬似煽り演出として、複数の相異なる演出内容の演出を有し、その中に、実行されるとリーチまたは擬似連演出の実行を保証する特別な演出(図柄煽り擬似)を有するので、擬似煽り演出として、この特別な図柄煽り擬似が実行されることを遊技者に期待させることができる。このため、本実施形態の擬似煽り演出(ひいては擬似連演出)によれば、遊技者の興味を惹き、かつ、飽きを覚えさせない演出を実現することができる。
以上のことから、本実施形態によれば、遊技者の新たな興味を惹き起こすことができる新規な遊技機を提供することができる。
[擬似煽り演出の変形例]
なお、上記した実施形態では、擬似連演出が実行されるか否かを煽ってその結果を報知する擬似煽り演出について説明したが、この擬似煽り演出は、擬似連演出が実行されるか否かではなく、大当りの信頼度を示唆する示唆演出であってもよいし、擬似連演出が実行されるか否かを煽る演出であると同時に大当りの信頼度を示唆する示唆演出であってもよい。以下に、図40を参照して、擬似煽り演出の変形例の一例として、大当りの信頼度を示唆する示唆演出として機能する擬似煽り演出であるSU予告について説明する。
SU予告は、段階的に発展可能なステップが進むほど(ステップ数が増えるほど)大当りの信頼度が高いことを示す予告演出であり、本変形例ではSU予告のステップとして、ステップ1〜ステップ3までが用意されている。そして、このSU予告が最終的に何段階目(ステップ1〜ステップ3のいずれ)まで発展するか(すなわち、最終ステップ数)が、演出パターン(変動時間)に応じて決定される。具体的には、図40の(1)に示すように、大当りの信頼度の高い(変動時間の長い)演出パターンが選択されるほど、最終的にステップ数が大きいステップまで発展するSU予告が選択され易い。したがって、ステップ数が大きいステップまで発展するほど(最終ステップ数が大きいほど)信頼度が高いことが示唆される。なお、前述したように、擬似煽り演出が何回実行されるかも演出パターン(変動時間)に応じて決定され、具体的には、図40の(2)に示すように、大当りの信頼度の高い(変動時間の長い)演出パターンが選択されるほど、擬似煽り演出が実行される回数が多くなる。
このようにして、擬似煽り演出の実行回数と、SU予告として最終的に発展する最終ステップ数とが、演出パターンに応じて決定されるが、擬似煽り演出の実行回数に応じて、擬似煽り演出のそれぞれ(擬似1煽り演出〜擬似3煽り演出のいずれか)においてどの段階(ステップ)までSU予告演出を実行するかが決定される。具体的に、図40の(3)を参照して、SU予告の最終ステップとしてステップ3が決定され、擬似煽り回数として3回が決定された場合の決定方法について説明する。図40の(3)に示すように、最後の擬似3煽り演出においては、最終ステップであるステップ3まで発展するSU予告が実行されることが決定される。次に、擬似2煽り演出においては、擬似3煽り演出において発展することが決定されたステップ以下のステップ数(すなわち、ステップ1、ステップ2、またはステップ3)まで発展することが抽選で決定され、例えば、ステップ2まで発展することが決定されると、擬似1煽り演出においては、擬似2煽り演出において発展することが決定されたステップ以下のステップ数(すなわち、ステップ1またはステップ2)まで発展することが抽選で決定され、例えばステップ1が決定される。このように、図40の(3)に例示するように、複数回の擬似煽り演出が実行される場合には、最後の擬似煽り演出においてSU予告の最終ステップまで発展することが決定され、その他の擬似煽り演出においては、次に実行される擬似煽り演出において発展することが決定されたステップ数以下のステップまで発展することが決定される。このことにより、擬似煽り演出の実行回数が増えることによって発展段階(ステップ数)が減少することがない(いわゆる成り下がりがない)SU予告を実現することができる。
上記のようにして、各擬似煽り演出においてSU予告の発展段階(ステップ数)が決定され、当該発展段階まで発展するSU予告が実行されるが、上記した実施形態において前述したように、擬似1煽り演出〜擬似3煽り演出の各擬似煽り演出において演出尺(演出時間)が異なり、擬似1煽り演出の演出尺が最も長く、擬似3煽り演出の演出尺が最も短い。このため、SU予告は、いずれにおいて実行されるかに応じて、その演出の実行様式が異なる。具体的には、図40の(4)に示すように、SU予告は、擬似1煽り演出において実行される場合には長バージョンで実行され、擬似2煽り演出において実行される場合には長バージョンの実行時間を短縮した中バージョンで実行され、擬似3煽り演出において実行される場合には中バージョンの実行時間を更に短縮した短バージョンで実行される。あるいは、SU予告は、擬似煽り演出の実行回数が増えるほど、演出の一部を割愛することにより演出時間が短縮して実行されるものとしてもよい。具体的には、擬似3煽り演出においてステップ3まで発展するSU予告が実行される場合には、途中のステップであるステップ1、ステップ2を割愛して最後のステップのみを実行するものとしてもよいし、同様に、擬似2煽り演出においてステップ3まで発展するSU予告が実行される場合には、ステップ1のみを割愛して、ステップ2、3を実行するものとしてもよい。このように、擬似1煽り演出〜擬似3煽り演出の各擬似煽り演出において演出尺(演出時間)が異なるため、同じ演出内容のSU予告であっても、擬似1煽り演出〜擬似3煽り演出のいずれにおいて実行されるかによって演出の実行様式が異なるものとなる。
なお、SU予告の演出内容はどのようなものであってもよく、例えば、図38を参照して前述したような回転キューブが回転することによってステップアップするものであってもよい。なお、この場合において、擬似連演出が実行される際には、ステップアップが終了した時点(決定された発展段階まで発展した時点)で、擬似連契機演出として例えば「NEXT」文字が出現する演出が実行される等とすればよい。また、図38を参照して前述したような回転キューブにおいて、特定のステップ数が描かれた面が正対するまで発展(回転)させることにより、当該特定のステップ数により大当りの信頼度を示唆し、かつ、特定のステップ数まで発展させた後に「NEXT」文字が描かれた面が正対表示されるか否かを煽ることにより、擬似連演出が実行されるか否かを煽るものとしてもよい。このようにすると、擬似煽り演出を、擬似連演出が実行されるか否かを煽る演出であると同時に大当りの信頼度を示唆する示唆演出として機能させることもできる。
[その他の変形例]
なお、上記した実施形態では、擬似煽り演出の演出内容(図柄煽り擬似、SU擬似、特別擬似)にかかわらず、装飾図柄DIが変動表示(再変動表示)されてから擬似煽り演出が終了するまでの演出尺は同じであるとしたが、これに限られるものではない。つまり、擬似煽り演出の実行回数が増えるほど、装飾図柄DIの変動表示(再変動表示)が開始されてから当該擬似煽り演出が終了するまでの演出尺が短くなるものであれば、演出内容に応じて当該演出尺が異なるものであってもよい。
なお、上記した実施形態では、擬似煽り演出の煽り結果は、予め設定されたタイミングで報知される(実行される)ものとしたが、遊技者に対して、演出ボタン37の操作を規定時間内に行うことを促して、当該操作がなされたタイミングで煽り結果が報知されるものとしてもよい。このようにすると、遊技者に対して積極的に遊技に参加している感覚を与えることができるので、遊技の興趣性をより向上させることができる。なお、規定時間内に演出ボタン37の操作がなされなかった場合には規定時間経過とともに煽り結果が報知されるものとすればよい。
また、上記した実施形態では、擬似煽り演出の実行回数が2回以上実行されるのは、変動時間が約40秒以上の演出パターン(リーチあり)であるものとしているため、擬似2煽り演出、擬似3煽り演出の煽り結果が失敗である(つまり、擬似連演出が実行されない)場合には、リーチ状態が成立して、その後SPリーチ演出等が実行されるものとした。しかし、このようにリーチ状態が成立した後であっても、さらに擬似連演出が実行され得るものとしてもよい。例えば、擬似煽り演出の煽り結果が失敗に終わり、リーチ状態が成立してSPリーチ演出を実行中に、突如擬似連契機演出(例えば「NEXT」文字の出現)が実行されて、擬似連演出が実行されるものとしてもよい。また、擬似2煽り演出、擬似3煽り演出の煽り結果が失敗である場合には、リーチ状態が成立することを契機に後続のリーチ演出(例えばSPリーチ)に発展するものとしたが、リーチ状態が成立することに代え、いわゆるチャンス目が成立する(3つの装飾図柄DIがチャンス目を表す特定の図柄パターン(例えば「3」「1」「5」)で仮停止表示される)ことを契機に後続のチャンス目発展演出に発展するものとしてもよい。
また、上記した実施形態では、演出制御部400が、報知演出開始コマンドに応じて演出パターンを決定し、演出パターンに基づいて各種予告演出の内容等を決定することで演出内容を設定し、当該演出内容を指示するコマンドを画像音響制御部500に送信し、画像音響制御部500が、当該コマンドにしたがって、各種演出等の実行タイミングや実行時間等の実行スケジュールを設定して演出を実行するものとした。しかし、演出制御部400と画像音響制御部500の処理分担は、これに限られるものではなく、例えば、演出制御部400は、報知演出開始コマンドに応じて演出パターンのみを決定し、画像音響制御部500は、演出制御部400から送信される演出パターンに基づいて各種予告演出等を決定し、さらに、これらの実行スケジュールを決定して演出を実行するものとしてもよい。また、表示制御を行うためのCPUとして単一のCPUを用いる場合には、上記した全ての処理を同一のCPUが行うものとしてもよい。
また、上記した実施形態では、特別図柄抽選に当選(大当り)した場合には、所定の割合(例えば70%)で、次回大当りするまで(正確には特別図柄の変動表示が9999回に達するまで)確変遊技状態に設定されるゲーム構成(いわゆるループ機)を一例に挙げて説明した。しかし、これには限られず、例えば特別図柄抽選に当選(大当り)した場合には、100%の割合で、その後に特別図柄の変動表示が所定の回転数(例えば80回)実行されるまで確変遊技状態に設定されるゲーム構成(いわゆるST機)であってもよい。
また、上記した実施形態では、パチンコ遊技機を一例に挙げて本発明の説明を行った。しかし、本発明は、パチンコ遊技機に限られず、例えば、適用可能な範囲において、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ)に適用されてもよい。この場合、スロットマシンにメダルが投入された状態でレバーがオン操作されることによって、当たりを判定するための遊技情報(乱数;判定情報)が取得されることとなる(つまり、遊技情報が取得されるための条件が成立することとなる)。また、この場合、上記した実施形態での「報知演出」は、スロットマシンにおけるレバーのオン操作によってリールが変動してから停止するまでの演出に対応することとなる。
また、以上に本実施形態の特徴やその変形例の特徴等について説明したが、これらの特徴を適切に組み合わせてもよいことは言うまでもない。
また、上述したパチンコ遊技機1に設けられている各構成要素の形状、数、および設置位置等は、単なる一例に過ぎず他の形状、数、および設置位置であっても、本発明の範囲を逸脱しなければ本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述した処理で用いられている数値等は、単なる一例に過ぎず他の数値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
以上、本発明を実施形態を用いて詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義も含めて)が優先する。