JP6132630B2 - 油水混合物から油を分離するための油水分離装置および該装置を含む油水混合物から油を分離するための油水分離システム - Google Patents

油水混合物から油を分離するための油水分離装置および該装置を含む油水混合物から油を分離するための油水分離システム Download PDF

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Description

本発明は、油水混合物から油を分離するための油水分離装置および該装置を含む油水混合物から油を分離するための油水分離システムに関する。さらに詳しくは、油水混合物から油を吸収することにより油を分離することが可能な油水分離剤を用いた油水分離装置および油水分離システムに関する。
油と水は通常混じり合うことはないが、超音波やせん断力を受けると、水または油の一方が、微細な液滴となって、他方の水相または油相の中に分散し、乳化状(エマルション)をなす。このようなエマルション中の油は、水と分離させることが極めて難しい。このことにより、油と水とのエマルションを含む油水混合物における油水分離処理は難しく、廃液の処理や油の再利用などで多くの問題が潜在的に存在する。
このような油と水とのエマルションを含む油水混合物から油と水とを分離する方法としては、気化温度の差、比重の差、微生物の利用、化学処理、電器の利用、界面の性質の違いを利用した吸着剤によるもの、などが知られている(例えば、特許文献1〜6)。しかしながら、このような方法による油の分離方法は、大規模な設備が必要であることや、処理能力が低く、処理に時間がかかるなどの問題がある。従って、環境に与える負荷も大きくなり、また、コストの面で企業等に負担を強いてきた。例えば、海洋や河川の汚染水における油水分離処理を行う場合、汚染水中に含まれる油と水とのエマルションを含む油水混合物を短時間で大量に処理する技術が無かったため、油以外の水等も油水混合物のまま持ち帰る事が必要であった。
したがって、上記問題点に鑑み、以下ようなの課題のうち、少なくとも一つ、もっとも好ましくは、それら全ての課題を解決できる油水分離装置(方法)の提供が望まれていた。
・油と水を含むその他のものとを完全に、実質的に、あるいは、著しく、分離することができる油水分離装置(方法)を提供すること。
・油水分離の作業が簡単であり、できるだけ短時間で処理を終えることができる油水分離装置(方法)を提供すること
・作業の簡易化と短時間処理により低コスト化を実現できる油水分離装置(方法)を提供すること
・海洋や河川の汚染水における油水分離等、一度に大量の油水混合物の油水分離処理を行うことができる油部分離装置(方法)を提供すること
そのような試みとして、本件出願人は、実用新案登録出願を出願している(実用新案登録出願番号2013−152号)。なお、本出願時において、当該出願は、未だ公開されていない。
特開第2010−064033号公報 特開第2002−188198号公報 特開第2005−058912号公報 特開第2004−261725号公報 特開第2004−097988号公報 特開平第05−138135号公報
前記先願未公開出願においては、
油水混合物から油を分離するための油水分離装置であって、
前記装置は、
(A)油水混合物を注入するための注入部、
(B)前記注入部より注入された前記油水混合物から、加圧状態下において、所定量の油を吸収することにより油を分離する油水分離剤を含む油水分離部、および、
(C)前記油水分離部において所定量の油が分離された後の水を回収するための回収部を備える
ことを特徴とする装置、
が開示されている。
しかしながら、前記先願未公開出願の油水分離装置においては、油水混合物を前記注入部より注入するのを終えた(停止した)場合において、それまで圧力を受けていた油水分離剤は、それ自身がもっている弾力性により、復元しようとする力が働くため、油水分離剤が膨張するときに、驚くことに、水をも吸収することが判明した。その結果、油水分離剤は、その後、使用される場合に、油の吸収能力が著しく低下することが判明した。なお、この課題自体、当業者にほとんど認識されていない。なぜなら、油水分離剤は通常、撥水性が高いため、水を吸収することは、ほとんど想定されていないからである。本件発明者は、全く新しい発想から、作業後の油水分離部と油水分離剤を検討し、本件課題を解決するに至ったのである。
なお、通常、油水分離装置は、時折、作業スケジュールの都合上、あるいは、点検のため、あるいは、場所を変えるため、一旦、停止して使用されることが想定される。例えば、(1)午前に運転し、一度停止した後、午後から運転すること、(2)一日中運転し、一度停止した後、翌日運転すること、(3)場合によっては、例えば、九州で用いた装置を本州で用いること、(4)場合によっては、例えば、海洋の望まない流出された油による汚染が広範にわたるときには、頻繁に、場所を変えながら用いること、も想定され得る。
そして、一度停止したからといって、直ちに新しいものと取り換えるのは現実的ではない。これは、単なるエコロジーの観点からも、いうまでもないことである。しかし、そもそも、油水分離剤が、なるべく経済的かつ効果的に、(必要に応じて、繰り返し)使用されるべきなのは、重要な技術上の意義がある。例えば、タンカーから海洋に流出した大量の油(波によって、海水と混じり合い、分離が困難なエマルジョン状態になることが多い)を回収する場合に、油を吸収するのに使用された油水分離剤の容積の総計が少なければ少ないほど、その後の廃棄物処理にかかわる公益的な負担が小さくて済む。
したがって、油水分離剤が、なるべく経済的かつ効果的に、(必要に応じて、繰り返し)使用されるべきことについては、高度の要請がある。
上記課題を解決するために、本発明者らは、鋭意検討の結果、前記油水分離部内へと圧縮された空気を導入することにより、油水分離剤が吸収した水を再放出させることができることを見出した。
すなわち、本発明は、一実施態様において、油水混合物から油を分離するための油水分離装置であって、
(A)前記油水混合物を注入するための注入部、
(B)前記注入部より注入された油水混合物から、加圧状態下において、所定量の油を吸収することにより油を分離する油水分離剤を含む油水分離部、および、
(C)前記油水分離部において所定量の油が分離された後の水を回収するための回収部を備え、当該装置はさらに
(D)前記油水分離部内へと圧縮された空気を導入するための空気圧導入部、および、
(E)空気圧導入部を通じて導入された圧縮された空気が、前記注入部から、流出することを防止するための空気流出防止装置、
を備え、
ここで、前記注入部からの前記油水混合物の注入を停止し、さらに、前記空気流出防止装置により空気の流出を防止できる状態にした後に、前記空気圧導入部から前記油水分離部内へと圧縮された空気を導入することにより、油水分離剤が吸収した水を再放出させ、前記回収部より当該再放出された水を回収する、
ることを特徴とする装置を提供する。
また、本発明の油水分離装置は、その一実施の形態において、
前記油水混合物が油水から実質的になるエマルションを含むことを特徴とする。
また、本発明の油水分離装置は、その一実施の形態において、
前記加圧状態が、0.08MPA〜0.12MPAの加圧状態であることを特徴とする。
また、本発明の油水分離装置は、その一実施の形態において、
前記加圧状態が、前記油水分離剤を、非加圧状態の油水分離剤と比べて35%〜50%の体積とする加圧状態であることを特徴とする。
なお、以上述べた本発明の一又は複数の特徴を、任意に組み合わせたものも、本発明の油水分離装置であることはいうまでもない。
また、本発明の別の態様によれば、油水混合物から油を分離するための油水分離システムであって、前記油水分離システムは、上記の油水分離装置、および、一次処理装置を備え、
前記一次処理装置は、前記油水分離装置による油水混合物からの油の分離をより効果的にするために、前記油水分離装置による油水混合物からの油の分離に先だって、油水混合物中のサイズの大きな油粒子を油水分離剤によって処理するための装置であることを特徴とする、油水分離システムを提供する。
また、本発明の油水分離システムは、その一実施の形態において、
上記の油水分離装置および一次処理装置に加えて、さらに、スクリュープレス装置を備え、
前記スクリュープレス装置は、前記油水分離装置または前記一次処理装置において油水混合物からの油の分離に供された油水分離剤をプレスすることにより、油を回収し、また、当該油水分離剤を油の分離に再び利用できるものとするための装置であることを特徴とする。
また、本発明の別の態様によれば、本発明は、油水混合物から油を分離するための油水分離システムであって、前記油水分離システムは、上記の油水分離装置、および、スクリュープレス装置を備え、
前記スクリュープレス装置は、前記油水分離装置において油水混合物からの油の分離に供された油水分離剤をプレスすることにより、油を回収し、また、当該油水分離剤を油の分離に再び利用できるものとするための装置であることを特徴とする。
また、本発明の別の態様によれば、本発明は、油水混合物から油を効率的に分離するための方法であって、
(1)油水混合物を、油水分離剤を含む油水分離部に注入し、加圧状態下において、前記油水分離剤に油を吸収させることにより前記油水混合物から油を分離し、水を回収するステップ、および、
(2)前記油水混合物の注入を停止した後に、油水分離部内へと圧縮された空気を導入することにより、油水分離剤が吸収した水を再放出させ、当該再放出された水を回収するステップ
を備えることを特徴とする。
本発明の発明によれば、油水混合物中より油を吸収することができる油水分離剤を加圧状態下において使用し、油水混合物より油の分離を行うため、油水混合物中のエマルションに含まれる油滴であっても効率的に分離することができる。
また、本発明によれば、加圧状態下にある油水分離剤に対して、油水混合物を通すだけの処理で済むため、複雑な施設や作業を必要とせず、低コストで油水分離作業を行うことができる。
また、本発明によれば、油水混合物中に含まれるエマルション化した油滴の分離を大量かつ短時間で処理することができる。したがって、油水混合物を含む海洋や河川の汚染水の処理等を、現地で行うことを可能とする。
さらに、本発明によれば、油水混合物の注入の停止時において、油水分離剤が膨張するときに油水分離剤が吸収する水を効率的に除去し、油水分離剤を経済的かつ効果的に用いることが可能となる。
なお、本発明の油水分離システムは、その一実施の態様において、一次処理装置を有する。一次処理装置は、例えば、エマルション化していない油(例えば、サイズの大きな油粒子)を予め一次処理装置において分離することができる。これにより、さらに効率よく油水分離装置においてエマルション化した油滴の分離を行うことができる。すなわち、大量の油水混合物をさらに短時間で処理することが可能となる。また、大量の油水混合物を短時間で処理することが可能であるため、環境への負荷を抑えることができる。
また、本発明の油水分離システムは、その一実施の態様において、油水分離剤に含まれる油を回収可能なスクリュープレス装置を備えている。スクリュープレス装置は、油水分離装置および/または一次処理装置において油水混合物より油を分離する処理に供した油水分離剤から油を回収することができる。これにより油水分離剤を何度も再利用することを可能とする。また、油水分離処理にかかるコストをさらに抑えることができる。
さらに、本発明の油水分離装置により回収された油は、化学反応を用いないことにより、油自体の再生利用にも有効である。
図1は、本発明の一実施の形態における、油水分離装置を側面から見た際の断面を模式的に示した図である。 図2は、本発明の一実施の形態における、一次処理装置の模式図を示す。図2Aは一次処理装置の平面図を示し、図2Bは一次処理装置の正面図を示す。また、図2Cは、本発明に係る一次処理装置の一実施の形態において使用される、網かごの正面図を示す 図3は、本発明に係るスクリュープレスであって、一実施の形態における、スクリュープレス装置を側面から見た際の断面を模式的に示した図である。 図4は、本発明に係る油水分離システムの一実施の形態であって、一次処理装置と、2台の油水分離装置とを含む油水分離システムを模式的に示す図である。図4に示すシステムは、油水混合物を供給する油水混合物供給用タンクより一次処理装置へ油水混合物が注入される。一次処理装置で油水分離の処理が行われた油水混合物は、連結用タンク内へ回収され、ポンプにより油水分離装置へ注入される。また、このシステムは、油水分離装置を2台連結しているので、1台目の油水分離装置より回収された油水混合物は、2台目の油水分離装置において再び油水分離の処理が行われるようになっている。
本発明に係る油水分離装置は、(A)油水混合物を注入するための注入部と、(B)注入部より注入された前記油水混合物から油を分離するための油水分離部と、(C)油水分離部において油が分離された後の水(なお、この「水」には、油が、些少ながら混合することはあり得るが、実質的には油が含まれていない、または、もともとの油水混合物と比べ、油の量は著しく低減している。)を回収するための回収部とを備え、当該装置はさらに、(D)前記油水分離部内へと圧縮された空気を導入するための空気圧導入部、および、(E)空気圧導入部を通じて導入された圧縮された空気が、前記注入部から、流出することを防止するための空気流出防止装置、を備え、ここで、前記注入部からの前記油水混合物の注入を停止し、さらに、前記空気流出防止装置により空気の流出を防止できる状態にした後に、前記空気圧導入部から前記油水分離部内へと圧縮された空気を導入することにより、油水分離剤が吸収した水を再放出させ、前記回収部より当該再放出された水(なお、この「水」には、油が、些少ながら混合することはあり得るが、実質的には油が含まれていない、または、もともとの油水混合物と比べ、油の量は著しく低減している。)を回収する、ことを特徴とする。
ここで、図1に油水分離装置10の一実施の形態を詳細に示す。
図1に示す油水分離装置10は、油水混合物を注入する注入部1と、油水混合物が流入するタンク槽であって、フィルターにより分断されたタンク槽の上側であるタンク上槽と、フィルターにより分断されたタンク槽の下側の槽であって、油水分離剤2が充填されている油水分離部2と、油水分離剤により所定量の油が分離された水(なお、この「水」には、油が、些少ながら混合することはあり得るが、実質的には油が含まれていない、または、もともとの油水混合物と比べ、油の量は著しく低減している。)を回収する回収部3とを有する。また、図1に示す油水分離装置10は、さらに、前記油水分離部内へと圧縮された空気を導入するための空気圧導入部51を有し、また、空気圧導入部を通じて導入された圧縮された空気が、前記注入部から、流出することを防止するための空気流出防止装置52(例えば、バルブ)を有する。
本明細書において、「油水混合物」とは、油と水とが共存している混合物をいい、油以外の他の成分を含むものも、油水混合物に含まれる。油水混合物中に含まれる油と水とは、分離して共存している状態であってもよく、油と水とがエマルションを形成(油水エマルション)していてもよい。また、油水混合物には、油と水とが分離した状態をその一部に含んでもよいし、油と水とのエマルションをその一部に含んでもよい。本発明の油水分離装置(方法)は、とりわけ、油水エマルションから、油を分離することができる点において優れる。油水エマルションから、油を効果的に分離するこのような装置は全く知られていない。
なお、油水混合物が油と水とのエマルションを含む場合、該エマルションは、油と水とから実質的になるエマルションであることが好ましい。ここで、「油と水とから実質的になるエマルション」とは、エマルション中に油および水に加え、他の成分が含まれていることを制限しないが、エマルション中に95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上、99.9%以上で油と水とを含むことを言う。また、油水混合物に含まれる油と水とのエマルションは、水中油型(O/W)のエマルションであっても、油中水型(O/W)のエマルションであってもよい。また、エマルションを構成する油と水との割合も特に制限されない。
本発明に適用される「油水混合物」には、以下に限定されないが、例えば、油流出事故により汚染した海洋や河川由来の汚染水、工場からの廃液、レストランや食品工場等より排出される植物油や動物油等を挙げることができ、ありとあらゆる油と水とが共存している混合物が含まれる。
油水分離装置10における注入部1は、油水混合物を注入可能な構造を有しており、油水混合物を油水分離装置内へ注入できる限りにおいて、その構造は限定されない。注入部1の油水分離装置10における設置は、油水分離装置10の内壁と離れた箇所に油水混合物が注入されるように設置されていればよく、例えば、注入部1は、油水分離装置10の上部に設置することができる。この場合、特に、油水分離装置10上部の中央に位置することが好ましい。これは、注入部1が油水分離装置10の内壁に近い位置にあると、油水混合物が内壁を沿って伝わるため油水分離剤との接触が無い箇所が生じやすくなり、油の分離効率を落としてしまうためである。油水混合物が通る注入部1の内径等は、本発明に適用する油水混合物やその注入量に応じて適宜設計することができる。注入部1は、外部から油水混合物を油水分離装置内へ運ぶホースと接続可能であることが好ましく、例えば、ホースカップリングの構造を有する。
注入部1へ油水混合物を注入する手段は特に制限されないが、ポンプを利用して油水混合物を注入することが好ましい。なお、使用するポンプは、好ましい揚程能力や好ましい油水混合物の注入量を考慮し、当業者が適宜選択することができる。
注入部1より注入された油水混合物は、タンク上槽内へ流入する。
油水分離装置のタンク内の空間は、フィルターにより、タンク上槽と油水分離部2とに分けられている。タンク上槽内へ流入した油水混合物は、フィルターを通過し、油水分離剤が充填された油水分離部2へと流入する。
ここで、フィルター上には、油水混合物を油水分離部2内へ通過させるが、油水分離剤が通らない大きさの目開き(穴)が存在している。フィルター上の目開きの大きさは、使用する油水分離剤によって、適宜設定することができる。例えば、油水分離剤として、国際環境開発株式会社が提供する油水分離剤(AZパウダー)を使用する場合には、目開きを0.2mm以下とすることが好ましい。
油水混合物は、油水分離剤が充填されている油水分離部2において、油水分離剤と接触する。これにより、油水混合物より油が油水分離剤へ吸収され、油が分離する。ここで、油水分離剤が充填されている油水分離部2内の空隙率が低いため、油水分離部2内は、流入した油水混合物により加圧状態となる。特に、油水分離剤として、国際環境開発株式会社が提供する油水分離剤(AZパウダー)のような空隙率の低い油水分離剤を使用する場合には、油水分離剤自体の空隙率の低さも加わり、油水分離部2内は、加圧状態になりやすい。加圧状態下にある油水分離剤は、その圧力によって油水分離剤同士の密度が高くなり、油水分離剤が有する微細孔がさらに細かなものとなる。このようにして形成された加圧状態下における油水分離剤の微細孔は、特に水中油型のエマルション中の油滴を吸着する最適な状態となる。
ここで、加圧状態は、使用する油水分離剤により適宜設定することができるが、例えば、国際環境開発株式会社が提供する油水分離剤(AZパウダー)を使用する場合には、0.08MPAから0.12MPAであることが好ましい。このような加圧状態を油水混合物の水圧により実現させる場合には、当業者は、油水分離装置の構造および大きさを考慮して好ましい揚程能力および注入量を有するポンプを適宜選択し達成することができる。
また、加圧状態は、油水分離剤が、非加圧状態の油水分離剤と比べて35%〜50%の体積となる加圧状態であることが好ましく、40%〜45%の体積となる加圧状態であることがより好ましい。
なお、上述するような、油水分離剤が油水混合物より油を分離する際に、油水分離剤が加圧状態となる空間を設計できる限りにおいて、タンク内の構造は限定されない。したがって、例えば、タンク上槽をなくすこともできるし(注入部の部分とフィルターを一体化する等)、または、油水分離部の下にフィルターを設置して、タンク下槽を形成させることもできる。
また、加圧状態は、油水混合物流入による水圧に限定されず、機械的圧力等、当業者に周知の方法で加圧させたものも本発明に含まれる。例えば、油水分離部2の構造における、ねじ等の締付けにより油水分離部2内へ圧力を加える方法、油水分離部2に重しを乗せて油水分離部2内へ圧力をかける方法、空圧を油水分離部2内へかける方法等により、油水分離剤に圧力を加えることも可能である。
本発明に使用できる油水分離剤としては、油を物理的に吸収可能な微細孔を有する粒子やパウダーである。また、油水分離剤としては、弾性を有することが望ましい。望ましい弾性や微細孔については、これを指標として、当業者が実験をすることにより、適宜決定することができる。本発明に使用できる油水分離剤としては、現在のところ、国際環境開発株式会社より入手可能な油水分離剤(AZパウダー)を用いることが好ましい。なお、本発明に用いる油水分離剤としては、なるべく水を吸収しないことが望ましいといえるが、本発明においては、所定の空気圧を導入することにより、油水分離剤が吸収した水を再放出させることができるため、本質的な問題とはならない。なお、空気圧の程度は、油水分離剤が吸収した水を再放出させる程度の空気圧であればよい。後述する、スクリュープレス装置を用いて、油水分離剤をプレスすることにより、油水分離剤から油を回収することもできるが、油水分離剤が吸収した水を再放出させる程度の空気圧を導入しても、油水分離剤が吸収した油まで再放出されることは、実質的にはない。なお、このような観点から再度検討したところ、国際環境開発株式会社より入手可能な油水分離剤(AZパウダー)は、水を多少吸収したが、所定の空気圧を導入することにより、水を再放出したが、油は再放出しなかっったため、現在のところ、優れた油水分離剤といえよう。他の油水分離剤としては、カクイ株式会社より入手可能な弾性を有するオイルキャッチャー製品が挙げられる。
また、油水分離部2内の内壁は、パウダーよりも摩擦係数が低く、内壁とパウダーとの間が最も密度が低くなりやすい。このため、油水混合物は、この密度の低い箇所を通り、いわゆる水道を形成し、油水分離剤に触れない箇所が生じてしまう。このような現象を抑えるために、油水分離部2の内壁は、その表面積を減らすことが好ましく、例えば、内壁の形状は円形とすることが好ましい。
油水分離部2において、油水分離剤と接触した油水混合物は、油水分離剤によって所定量の油が吸収され、所定量の油が分離された水(なお、この「水」には、油が、些少ながら混合することはあり得るが、実質的には油が含まれていない、または、もともとの油水混合物と比べ、油の量は著しく低減している。)を得ることができる。
このように、所定量の油が分離された水は、油水分離部内にある回収口3より回収される。
なお、回収口3は、油水分離剤が通らない大きさの目開きを複数有しているため、基本的に、油水分離剤が回収されあてしまうことはない。なお、回収口3の目開きの大きさは、フィルターと同じとしてもよく、異なっていても良い。また、回収口3は、油水分離装置2の内壁より離した場所に油水分離部2内へ挿入された形状で設置することが好ましく、さらに目開きの部分は、油水分離部の底辺より離れた場所に空いていることが好ましい。これは、内壁を伝わり、油水分離剤とほとんど接触していない油水混合物が直接回収されないようにするためである。
このようにして、本発明に係る油水分離装置10は、油水混合物より所定量の油を分離させることができる。なお、油水混合物中に含まれる油の量が多い場合には、油水分離装置10を複数台、連続して連結させ、繰り返し、油水混合物中の油を分離させることができる。複数台の油水分離装置を連結させて使用する際には、最初に使用する油水分離装置10の回収口3と次に使用する油水分離装置10の注入部1とを、ホース等で連結させてやればよい。
また、本発明に係る油水分離装置10は、前記油水分離部内へと圧縮された空気を導入するための空気圧導入部51を有する。空気圧導入部51は、例えば、コンプレッサーに接続されており、前記油水分離部内へと圧縮された空気を導入することができる。圧縮された空気としては、例えば、0.1〜0.2MPA程度が好ましいといえるが、用いる系によって、適宜決定することができる。
また、本発明に係る油水分離装置10は、空気圧導入部を通じて導入された圧縮された空気が、前記注入部から、流出することを防止するための空気流出防止装置を有する。そのような空気流出防止装置としては、最も簡単には、前記注入部(付近)に設けられた開閉可能なバルブが挙げられる。
具体的には、前記注入部からの前記油水混合物の注入を停止し、さらに、前記空気流出防止装置により空気の流出を防止できる状態にした後(例えば、前記空気流出防止装置が開閉可能なバルブの場合には、バルブを閉じた後)、前記空気圧導入部から前記油水分離部内へと圧縮された空気を導入することにより、油水分離剤が吸収した水を再放出させ、前記回収部より当該再放出された水を回収することができる。
なお、油水混合物を前記油水分離部内に注入する場合には、前記油水分離部内部の圧力は一定に保たれる傾向にあるが、これは油水混合物が液体であり、前記油水分離部内が油水分離剤で充填されており、また、油水分離装置が回収部を除いて密閉されているからである。一方、前記空気圧導入部から前記油水分離部内へと圧縮された空気を導入する場合には、前記油水分離部内部の圧力は、比較的に言えば速やかに緩和されていく。これは、圧縮された空気といえども気体であるため、液体よりも容易に油水分離剤における空隙を通して、回収部へと空気が流れるためである。
また、本発明によれば、油水混合物から油を分離するための油水分離システムであって、上記の油水分離装置10と一次処理装置20とを備えるシステムを提供する。
一次処理装置20は、油水分離装置10における油水混合物からの油の分離をより効果的にするために、油水分離装置10による油水混合物からの油の分離に先だって、油水混合物中のサイズの大きな油粒子を一次処理油水分離剤によって処理するための装置である。
ここで、図2は、一次処理装置20の一実施の形態を詳細に示す。
図2に示す一次処理装置20は、上部が開放された一次処理タンク内に、油水分離剤を含む一次処理油水分離部21と、一次処理油水分離部21を一次処理タンクに固定するための固定具と、油水分離剤により油が分離された油水混合物を回収する一次処理回収口とを備える。
一次処理タンク20は、上部が開放されているため、一度に大量の油水混合物を、一次処理タンク内に設置された一次処理油水分離部21へ注入することができる。
一次処理油水分離部21は、その構造の中に一次処理油水分離剤を含み、一次処理油水分離部21に注入された油水混合物中の油を分離できる構造になっている。また、一次処理油水分離部21は、油水分離剤を通さないが、油水分離剤により油が分離された油水混合物を通す構造を有している。このような一次処理油水分離部は、以下に限定されないが、例えば、網かご等の形状を有している。網かごの大きさは、下記に示すスクリュープレス内へ一度に投入できる量の油水分離剤を含む大きさとすることが好ましい。また、一人の作業員が、持ち運べる大きさとすることが好ましい。網かごの大きさを上記のようにすることで、作業の効率を高めることができ、好ましい。例えば、適切な大きさの網かごを複数個、同時に一次処理タンク内に設置して、油水分離部21とすることもできる。
一次処理油水分離部21は、固定具により一次処理タンクに固定される。油水混合物は、直接、一次処理油水分離部21内へ注入できる。そして、一次処理油水分離部21内へ注入された油水混合物は、一次処理油水分離剤と接触し、油が分離される。このとき、一次処理装置としては、油水混合物中に含まれるサイズの大きな油粒子を主に分離することを目的として使用することができる。なお、サイズの大きな油粒子の油が取り除かれることにより、油水分離装置におけるエマルション中の油滴の分離効率が大幅に向上するため、好ましい。なお、本明細書において、「サイズの大きな油粒子」とは、油水混合物に含まれる油であって、水に対して乳化(エマルション化)していない油をいう。したがって、本明細書において、「サイズの大きな油粒子」には、例えば、油水混合物中に含まれる油中水型エマルションを形成している油相や、油水混合物中に含まれる水と分離して存在する油等も含まれる。なお、一次処理装置において、分離される油は、サイズの大きな油粒子に制限されず、エマルション中の油滴を分離するものであってもよい。
一次処理油水分離剤としては、上述する油水分離装置で用いられる油水分離剤と同様のものを用いてもよいし、異なるものを用いても良い。とりわけ、国際環境開発株式会社が提供する油水分離剤(AZパウダー)を使用することが好ましい。
一次処理油水分離部21において油が分離され、一次処理タンク内へ流出した油水混合物は、一次処理回収口より回収される。
なお、一次処理回収口は、油水分離装置の注入部1とホース等により連結させることができる。または、連結用タンク42等の一次的に一次処理装置より回収した油水混合物を溜めておくタンクへ油水混合物を回収し、そこからポンプ43を使用して油水分離装置10の注入部1へ油水混合物を注入することもできる。
また、本発明によれば、油水混合物から油を分離するための油水分離システムであって、
上述する油水分離装置に加え、スクリュープレス装置30を備えるシステムを提供する。
スクリュープレス装置30は、油水分離装置10において油水混合物からの油の分離に供された油水分離剤をプレスすることにより、油を回収し、また、当該油水分離剤を油の分離に再び利用できるものとするための装置である。
スクリュープレス装置30において、油を吸収している油水分離剤に対するプレスは、20%程度の液体を油水分離剤内に残す程度にプレスすることが好ましい。このようにプレスすることで、油水分離剤自体の構造を破壊しないため、再利用できる回数を増やすことができる。また、スクリュープレスの構造は、上記のようなプレスを可能にするものであれば、特に制限されない。
そして、上記のような圧力で油水分離剤をプレスし、油を回収することで、油水分離剤を少なくとも20回程度再利用することが可能となる。これにより、油水分離処理に必要なコストをさらに抑える事が可能となる。
なお、スクリュープレス装置により再利用可能な状態とされる油水分離剤は、一次処理装置20において使用した一次処理油水分離剤であってもよい。
また、以下の態様に限定されないが、油水分離剤の効率的な再利用の観点からは、油水分離装置で使用した油水分離剤を一次処理装置において使用し、一次処理装置において使用した油水分離剤をスクリュープレスにより再度使用可能な状態へ戻し、再度、油水分離装置で使用するように、循環させる態様が好ましい。
本発明に係る油水分離装置および/または一次処理装置を用いて油水混合物より油を分離させた場合、油水混合物中の油は、対象となる油の排出基準以下とすることができ、より好ましくは、回収される油水混合物は、油を実質的に含まないか、あるいは、油を全く含まない。
油水混合物中の油の濃度は、当業者に周知の方法により測定することができ、例えば、ノルマルヘキサン抽出物質の測定により行うことができる。
異なる定義が無い限り、ここに用いられるすべての用語(技術用語及び科学用語を含む。)は、本発明が属する技術の当業者によって広く理解されるのと同じ意味を有する。ここに用いられる用語は、異なる定義が明示されていない限り、本明細書及び関連技術分野における意味と整合的な意味を有するものとして解釈されるべきであり、理想化され、又は、過度に形式的な意味において解釈されるべきではない。
本発明の実施態様は模式図を参照しつつ説明される場合があるが、模式図である場合、説明を明確にするために、誇張されて表現されている場合がある。
本明細書において、例えば、「1〜10%」と表現されている場合、当業者は、当該表現が、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10%を個別具体的に指すことを理解する。
本明細書において、数値範囲等を示すのに用いられるあらゆる数値は、特に明示がない限り、用語「約」の意味を包含するものとして解釈される。例えば、「10倍」とは、特に明示がない限り、「約10倍」を意味するものと理解される。
本明細書中に引用される文献は、それらのすべての開示が、本明細書中に援用されているとみなされるべきであって、当業者は、本明細書の文脈に従って、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、それらの先行技術文献における関連する開示内容を、本明細書の一部として援用して理解する。
以下において、本発明を、実施例を参照してより詳細に説明する。しかしながら、本発明はいろいろな態様により具現化することができ、ここに記載される実施例に限定されるものとして解釈されてはならない。
以下、図面を用いて実施例を詳細に説明する。
(実施例1.油水分離装置による油水混合物からの油の分離)
図1は本実施例に用いた油水分離装置の構造を側面から見た際の断面を模式的に示す図である。
まず、油水分離剤として国際環境開発社製の油水分離剤(AZパウダー)を用いた。油水分離剤を油水分離部内に充填させ、油水分離装置10を準備した。なお、油水分離装置10内部の上側には、フィルター(メッシュ張り、目開き0.1mm)を設置した。また、油水分離装置は、全体容量が30Lのものを用いた。なお、油水分離剤は、規格量で50L程度のものを、油水分離装置の全体容量30Lのうち、24L程度に収まるように、詰め込んで充填した。また、対象とする油水混合物として、A重油由来の油水混合物を用いた。
なお、油水混合物中の油分をノルマルヘキサン抽出物質により測定したところ、18.4ppmであった。なお、これより以下に記載する重油の濃度測定も、同様にして行った。
具体的には、下記のとおり、A重油由来の油水混合物より油を分離した。
注入部1より、A重油由来の油水混合物を連続注入した。
このとき、油水混合物は、2インチ水中ポンプを用いて、0.1MPAの水圧で、注入部1へ注入させた。
フィルターを通過した油水混合物は、油水分離剤が充填された油水分離部2の中に均一に流入した。
油水分離剤が充填される油水分離部2内へ流入した油水混合物は、油水分離剤と接触することで、油水混合物中の油が油水分離剤中へ吸収された。これにより、所定量の油が分離した油水混合物のみが回収口3より回収された。
回収口3より回収された油水混合物中のA重油の濃度は、わずか2.9ppmであった。
また、油水混合物を連続注入することにより、所定量の油が分離された油水混合物を1時間で3600L回収することができた。
さらに、注入部1からの前記油水混合物の注入を停止し、さらに、空気流出防止装置52により空気の流出を防止できる状態にした後、前記空気圧導入部から前記油水分離部内へと圧縮された空気を導入した。導入した圧縮空気の空気圧は、0.2MPA程度であった(なお、0.1MPAでも同等の実験を行ったが、本条件下では、0.2MPAの方がより多くの水を回収することができた。なお、本条件下では、0.2MPA以上の空気圧を用いても、結果に変わりが無かった。もっとも、採用する空気圧や空気量は、当業者が、系に応じて、適宜決定すればよい。
その結果、24L程度の油水分離剤から、油水分離剤が吸収した水を再放出させ、当該再放出された水(8L)を回収することができた。この水には、科学的な厳密性において、油が全く含まれていないとはいえないであろうが、油が含まれているときに生じる濁りもなく透明であり、油の臭いもなく、油膜も見られなかった。
そして、水を再放出させた後の油水分離剤は、その後、繰り返し使用することができ、また、水を再放出させずに、繰り返し使用する場合と比べ、油を吸収する能力が高く維持されていた。
(実施例2.一次処理装置を用いた油水混合物からの油の分離)
油水混合物に大きな油粒子が含まれる場合には、一次処理装置20を用いて、油と水とのおおまかな分離を予め行うことが好ましい。
図2は、本実施例で用いた網かご式一次処理装置20(すなわち、一次処理油水分離部として網かごを用いた一次処理装置)の模式図(平面図、正面図、および右側面図)および網かご式一次処理装置20に用いた網かご21の正面図を示す。
一次処理油水分離部21である網かご(大きさ:30cm×30cm×80cm)内に、油水分離剤を1kg充填させる。
油水分離剤を充填した網かごを8つ、網かご式一次処理装置20の本体であるタンク(容量1000L)の内部に設置する。網かごの設置には、アルミ枠の固定具を用いる。このようにして、網かご式一次処理装置20を準備する。また、対象とする油水混合物として、例えば、A重油由来の油水混合物を用いる。
A重油由来の油水混合物を、水中ポンプを用いて、網かご内へ連続注入する。
油水分離剤が充填される網かご内へ流入した油水混合物は、油水分離剤と接触することで、油水混合物中の油が油水分離剤中へ吸収される。これにより、所定量の油が分離した油水混合物のみが網かごより排出され、最終的に、網かご式一次処理装置20の一次処理回収口より回収される。
一次処理回収口より回収された油水分鉱物中のA重油の濃度は、大きく減少する。
また、油水混合物を網かご式一次処理装置20に連続注入することにより、所定量の油が分離した油水混合物を、油水混合物の流入量に等しい、毎分200Lの量で回収することができる。
なお、網かご式一次処理装置20の一次回収口より回収された油水混合物(エマルションを含む)は、そのまま実施例1の油水混合物と同様にして油水分離装置内へ注入させることができる。
(実施例3.スクリュープレス装置による油水分離剤からの油性成分の分離)
実施例2で用いた油水分離剤を回収し、スクリュープレス装置によりプレスすることで、油水分離剤を再利用できる状態へ戻すことができる。
より具体的には、図3に示すスクリュープレスを用い、スクリュープレスの投与口へ油を吸着した油水分離剤を、例えば、10L、6kg投与する。
投与口より投与された油水分離剤は、スクリューにより、ドラム内へ押し出される。このとき、スクリューによる圧力により、油水分離剤中より油が放出される。また、このとき油水分離剤には、油水分離剤が有する弾性や復元力をなくさない程度の強すぎない圧力をかける。これにより、油水分離剤に過度の損傷を与えないようにすることができる。
油性成分を放出した油水分離剤は、油水分離剤用の排出口より、回収できる。回収される油水分離剤は、主に油を放出したことにより、重量が減少する。油水分離剤用の排出口より回収された油水分離剤は、わずかな油しか含んでおらず、再利用できる状態にある。
また、ドラム内で油水分離剤より放出された油は、ドラム内の下部に設置された油回収用の回収口より回収できる。
実際に、実施例2の装置から油水分離剤を取り出し、スクリュープレス装置によって油水分離剤からの油を分離させたところ、6kgの油水分離剤から、2Lの油を回収することができた。また、スクリュープレス後の油水分離剤の重量は6kgから3kgへの減少していた。
1 注入部
2 油水分離部
3 回収口
10 油水分離装置
20 一次処理装置
21 一次処理油水分離部
30 スクリュープレス装置
41 油水混合物供給用タンク
42 連結用タンク
43 ポンプ
51 空気圧導入部
52 空気流出防止装置

Claims (6)

  1. 油水混合物から油を分離するための油水分離装置であって、
    前記装置は、
    (A)油水混合物を注入するための注入部、
    (B)前記注入部より注入された前記油水混合物から、加圧状態下において、所定量の油を吸収することにより油を分離する油水分離剤を含む油水分離部(ここで、前記加圧状態は、前記油水分離剤を、非加圧状態と比べて35%〜50%の体積とする加圧状態である)、および、
    (C)前記油水分離部において所定量の油が分離された後の水を回収するための回収部を備え、当該装置はさらに
    (D)前記油水分離部内へと圧縮された空気を導入するための空気圧導入部、および、
    (E)空気圧導入部を通じて導入された圧縮された空気が、前記注入部から、流出することを防止するための空気流出防止装置、
    を備え、
    ここで、前記注入部からの前記油水混合物の注入を停止し、さらに、前記空気流出防止装置により空気の流出を防止できる状態にした後に、前記空気圧導入部から前記油水分離部内へと圧縮された空気を導入することにより、油水分離剤が吸収した水を再放出させ、前記回収部より当該再放出された水を回収する、
    ことを特徴とする装置。
  2. 請求項に記載の油水分離装置であって、
    前記油水混合物が油水から実質的になるエマルションを含む
    ことを特徴とする装置。
  3. 請求項またはのいずれか一項に記載の油水分離装置であって、
    前記加圧状態が、0.08MPA〜0.12MPAの加圧状態である
    ことを特徴とする装置。
  4. 油水混合物から油を分離するための油水分離システムであって、
    前記油水分離システムは、
    請求項に記載の油水分離装置、および、
    一次処理装置
    を備え、
    前記一次処理装置は、前記油水分離装置による油水混合物からの油の分離をより効果的にするために、前記油水分離装置による油水混合物からの油の分離に先だって、油水混合物中のサイズの大きな油粒子を油水分離剤によって処理するための装置である
    ことを特徴とする、油水分離システム。
  5. 油水混合物から油を分離するための油水分離システムであって、
    前記油水分離システムは、
    請求項に記載の油水分離装置、および、
    スクリュープレス装置
    を備え、
    前記スクリュープレス装置は、前記油水分離装置において油水混合物からの油の分離に供された油水分離剤をプレスすることにより、油を回収し、また、当該油水分離剤を油の分離に再び利用できるものとするための装置である
    ことを特徴とする、油水分離システム。
  6. 請求項に記載の油水分離システムであって、
    前記油水分離システムは、さらに、スクリュープレス装置を備え、
    前記スクリュープレス装置は、前記油水分離装置または前記一次処理装置おいて油水混合物からの油の分離に供された油水分離剤をプレスすることにより、油を回収し、また、当該油水分離剤を油の分離に再び利用できるものとするための装置である
    ことを特徴とする、油水分離システム。
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