JP6132589B2 - 粒子、及び、それを有する光イメージング用造影剤 - Google Patents

粒子、及び、それを有する光イメージング用造影剤 Download PDF

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Description

本発明は粒子、及び、それを有する光イメージング用造影剤に関するものである。
生体内部の情報を可視化する装置の1つとして、光音響トモグラフィー(Photoacoustic tomography、以下PATと略すことがある)装置が知られている。PAT装置を用いる測定においては、被測定体に光を照射したときに被測定体内部で光を吸収した物質(光吸収体)が発する光音響信号の強度と発生時刻を測定することにより、被測定体内部の物質分布を演算して層画像を得ることができる。
ここで、光吸収体としては、生体内で光を吸収して音響波を発するものを好適に用いることができる。例えば人体内の血管や悪性腫瘍などを光吸収体とすることが可能である。その他にも、近赤外波長領域の光を吸収する色素などを体内に投与し、造影剤として利用することもできる。近赤外波長領域の光は、人体に照射した際の影響が少なくかつ生体への透過性が高いため、この光を吸収する色素はPAT装置における造影剤や、蛍光装置における造影剤として好適に用いることができる。
これら近赤外波長領域の光を吸収する色素は、測定部位に集積させることを目的として、しばしば粒子中に内包されて造影剤として使用される。Journal of Photochemistry and Photobiology B:Biology,74(2004)29−38(以下、非特許文献1と略す)には、ポリビニルアルコール(PVA)を界面活性剤にしてエマルジョン溶媒拡散法によって得たインドシアニングリーン(Indocyanine Green、以下ICGと略すことがある)を含有する、乳酸とグリコール酸の共重合体(poly(lactide−co−glycolide、以下PLGAと略すことがある)粒子が開示されている。
色素を粒子中に内包した造影剤の場合、PAT装置での測定では、前記造影剤内の色素は高密度に内包されていることが望ましい。これは粒子中に内包されている色素が多いほど、単位粒子あたりのモル吸光係数が大きく、光音響信号が大きいからである。
Journal of Photochemistry and Photobiology B:Biology,74(2004)29−38
非特許文献1に開示されたICGを含有する粒子は、血清中において、色素が粒子内から漏出すると考えられる。これは、ICGが親水性の構造と疎水性の構造との両方を有するため、界面活性機能を持つことが原因であると考えられる。つまり、非特許文献1のICGを含有する粒子のICGは、疎水性である粒子のコア部分よりも粒子表面に多く存在しており、血清と混合させることで粒子表面に存在していたICGが血清中のタンパク質と相互作用し、粒子外へ漏出してしまうと考えられる。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、粒子に内包された色素の漏出を抑制することのできる粒子を提供することを目的とする。
本発明に係る粒子は、乳酸とグリコール酸の共重合体と、シリコンナフタロシアニンまたはその誘導体から選ばれる少なくとも1つの化合物とを有する粒子であって、粒径が10nm以上1000nm未満であることを特徴とする。
本発明に係る粒子によれば、疎水性の色素であるシリコンナフタロシアニンまたはその誘導体を用いるため、該色素の粒子外への漏出が少ない。また、粒子の構成成分としてPLGAを用いるため、腫瘍への集積性が高い。
本発明の実施形態に係る粒子の構造の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る粒子の構造の他の例を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る粒子を製造する工程の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る粒子を製造する工程の他の例を示す図である。 本発明の実施例に係る粒子の色素残存率を示したグラフである。 本発明の実施例に係る粒子の投与量あたりの血液中の存在量の割合および腫瘍への集積量の割合を示したグラフである。 本発明の実施例に係る粒子をマウスに投与して光音響イメージング及び蛍光イメージングを行った結果を示す。 本発明の実施例に係る粒子において、平均粒子径の違いによる腫瘍集積量を比較したグラフである。 本発明の実施例に係る粒子(PNP10)をマウスに投与して光音響イメージングを行った結果を示す。
以下、本発明の実施形態について説明するが本発明はこれらに限られない。
本実施形態に係る粒子は、乳酸とグリコール酸の共重合体(PLGA)と、シリコンナフタロシアニンまたはその誘導体から選ばれる少なくとも1つの化合物とを有する粒子であって、粒径が10nm以上1000nm未満であることを特徴とする。
本発明に係る粒子は、疎水性であるPLGAと、疎水性のナフタロシアニン骨格を有するシリコンナフタロシアニンまたはその誘導体とを有するため、親水性の構造を有するICGを用いる場合に比べて、粒子外への漏出が少ない。したがって、本実施形態に係る粒子は、粒子あたりのモル吸光係数が大きいため、大きな光音響信号を与える造影剤として好適である。また、後述するように、粒子の構成成分としてPLGAを用いることで、腫瘍への集積性を上げることができる。
なお、本実施形態に係る粒子は、シリコンナフタロシアニンまたはその誘導体を1種類有していてもよいし、複数種類有していてもよい。
また、本実施形態おける粒子は標的部位に特異的に結合する捕捉分子を有していてもよい。
(粒子の一例)
本実施形態に係る粒子の一例について、図1を用いて説明する。本実施形態に係る粒子101は、シリコンナフタロシアニンまたはその誘導体102と、PLGA103とを有する。また、粒子表面に界面活性剤104を有する。界面活性剤104を用いることで、粒子101が水中で凝集しにくくなる。
(粒子の他の例)
本実施形態に係る粒子の他の例は図2のように、シリコンナフタロシアニンまたはその誘導体202と、PLGA203とを有する粒子201である。また、粒子201の表面に第一の界面活性剤204及び第二の界面活性剤205を有する。第一の界面活性剤204を用いることで、粒子201が水中で凝集しにくくなる。また、第二の界面活性剤205として末端にアミノ基やマレイミド基などの官能基を有する化合物を用いることで、粒子201の表面にアミド結合やマレイミド基とチオール基のカップリング反応による結合を介して抗体などのタンパク質を結合させることができる。
(粒径)
本実施形態に係る粒子の粒径は、10nm以上1000nm未満である。本実施形態に係る粒子の粒径が1000nm未満の場合、EPR(Enhanced Permeability and Retention)効果により、生体内の正常部位に比べて腫瘍部位により多くの粒子を集積させることができる。集積した粒子を、蛍光や光音響といった各種画像形成モダリティを用いて検出することによって、腫瘍部位を特異的にイメージングすることができる。また、粒子の粒径は500nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることが好ましい。本実施形態に係る粒子の粒径が200nm以下であると、粒子が血中のマクロファージに取り込まれにくく、血中滞留性が高くなると考えられるからである。
本実施形態において粒子の粒径は例えば、動的光散乱解析装置(DLS−8000、大塚電子社製)を用いて、動的光散乱(Dynamic Light Scattering,DLS)法によって流体力学的直径を測定することで求めることができる。
(シリコンナフタロシアニンまたはその誘導体)
本実施形態にシリコンナフタロシアニンまたはその誘導体とは、例えば化学式3で示される化合物である。
例えば、下記の化学式1で示されるSilicon 2,3−naphthalocyanine bis(trihexylsilyloxide)(以下、化合物1と略すことがある)、または下記の化学式2で示されるSilicon 2,3−naphthalocyaninedihydroxide、またはSilicon2,3−naphthalocyaninedioctyloxide、またはSilicon 2,3−naphthalocyanine dichloride、またはBis(di−isobutyl octadecylsiloxy) silicon 2,3−naphthalocyanine(isoBOSINC)等を使用することができる。特に化学式1で示されるSilicon 2,3−naphthalocyanine bis(trihexylsilyloxide)が好ましい。

(化学式3)
(化学式3において、R201乃至R224はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アセトキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換または無置換の炭素数1乃至18のアルキル基、置換または無置換の芳香族基から選択される。前記炭化水素基、及び前記芳香族基の置換基はハロゲン原子、アセトキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜18のアルキル基のいずれかである。
また、R101、R102はそれぞれ独立に、−OH、−OR11、−OCOR12、−OSi(−R13)(−R14)(−R15)、ハロゲン原子、アセトキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換または無置換の炭素数1乃至18のアルキル基、置換または無置換の芳香族基から選択される。前記炭化水素基、及び前記芳香族基の置換基はハロゲン原子、アセトキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜18のアルキル基のいずれかである。
また、R11乃至R15はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アセトキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換または無置換の炭素数1乃至18のアルキル基、置換または無置換の芳香族基から選択される。前記炭化水素基、及び前記芳香族基の置換基はハロゲン原子、アセトキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜18のアルキル基のいずれかである。)
本実施形態におけるシリコンナフタロシアニンまたはその誘導体は、生体透過性の優れた600nmから900nmの近赤外波長領域の光に対して吸収を持つことが好ましい。これは、生体に投与された本実施形態に係る粒子の位置を、蛍光イメージングや光音響イメージング装置で検出するときに、これらの装置で用いる光の波長として、生体に照射したときに安全で、かつ、生体に対して比較的高い透過性をもつ近赤外波長領域の波長を選択できるからである。
(乳酸とグリコール酸の共重合体(PLGA))
本実施形態に係る粒子で用いる乳酸とグリコール酸の共重合体(PLGA)は、粒子形状を形成するコアとなる高分子材料である。PLGAは加水分解を受けやすい性質から、不要となった際に生体内に蓄積しにくく、対外へ排出される効果が期待される。また、本実施形態におけるPLGAの平均分子量は2000以上1000000以下であることが好ましく、10000以上600000以下であることがさらに好ましく、15000以上25000以下であること特に好ましい。最も好ましくは、平均分子量20000のPLGAである。更に、PLGAの乳酸とグリコール酸との共重合比は、25:75から75:25の範囲内であることが好ましい。例えば、乳酸:グリコール酸の共重合比が25:75、50:50、または75:25のPLGAを挙げることができる。最も好ましくは、乳酸:グリコール酸の共重合比が50:50のPLGAである。本実施形態におけるPLGAを構成する乳酸は、D−体、L−体、ラセミ体のいずれのものも使用することができる。
(界面活性剤)
本実施形態における界面活性剤(図1の界面活性剤104、図2の第一の界面活性剤204、第二の界面活性剤205)としては、特に限定されず、後述するように粒子を調製する過程で、エマルジョンを形成することができればいかなるものでもよい。例えば、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、高分子界面活性剤又はリン脂質等を使用することができる。これらの界面活性剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記の非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン系脂肪酸エステル(例、化学式4で示される化合物)、Brij(登録商標)35、Brij(登録商標)58、Brij(登録商標)76、Brij(登録商標)98、Triton(登録商標) X−100、Triton(登録商標) X−114、Triton(登録商標) X−305、Triton(登録商標) N−101、Nonidet(登録商標) P−40、IGEPAL(登録商標) CO530、IGEPAL(登録商標) CO630、IGEPAL(登録商標) CO720並びにIGEPAL(登録商標) CO730等を挙げることができる。

(化学式4)
化学式4において、R21乃至R24はそれぞれ独立に、−H、−OCR’から選択される。前記R’は炭素数1乃至18の、飽和または不飽和アルキル基である。また、化学式4において、w、x、y、zは、wとxとyとzの総和が10乃至30の整数となる範囲で任意の値をとりうる。化学式4の一例として、wとxとyとzの総和が10乃至30の整数となる範囲において、w、x、y、zがそれぞれ独立に1乃至10の整数である場合が挙げられる。
化学式4で示されるポリオキシエチレンソルビタン系脂肪酸エステルとしては、Tween(登録商標)20、Tween(登録商標)40、Tween(登録商標)60、Tween(登録商標)80及びTween(登録商標)85等を挙げることができる。
また、上記のアニオン性界面活性剤としては、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホネート、デシルベンゼンスルホネート、ウンデシルベンゼンスルホネート、トリデシルベンゼンスルホネート、ノニルベンゼンスルホネート並びにこれらのナトリウム、カリウム及びアンモニウム塩等を挙げることができる。
また、上記のカチオン性界面活性剤としては、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、塩化ヘキサデシルピリジニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム及び塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム等を挙げることができる。
また、上記の高分子界面活性剤としては、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール及びゼラチン等を挙げることができる。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの市販品としては、プルロニックF68(BASF社製)、プルロニックF127(BASF社製)などが挙げられる。
また、上記のリン脂質としては、水酸基、メトキシ基、アミノ基、カルボキシル基、N−ヒドロキシスクシンイミド基又はマレイミド基のいずれかの官能基を有するホスファチジル系リン脂質であることが好ましい。また、界面活性剤に使用するリン脂質はPEG(Polyethylene glycol)鎖を含むものであってもよい。
官能基が水酸基、メトキシ基、アミノ基、N−ヒドロキシスクシンイミド基、マレイミド基でありPEG鎖を含むような界面活性剤に使用するリン脂質としては、例えば、化学式5で示される1,2−Distearoyl−sn−glycero−3−phosphoethanolamine−N−[poly(ethylene glycol)](DSPE−PEG−OH)、化学式6で示されるPoly(oxy−1,2−ethanediyl),α−[7−hydroxy−7−oxido−13−oxo−10−[(1−oxooctadecyl)oxy]−6,8,12−trioxa−3−aza−7−phosphatriacont−1−yl]−ω−methoxy−(DSPE−PEG−OMe)、化学式7で示されるN−(aminopropyl polyethyleneglycol)−carbamyl distearoylphosphatidyl−ethanolamine(DSPE−PEG−NH2)、化学式8で示される3−(N−succinimidyloxyglutaryl)aminopropyl polyethyleneglycol−carbamyl distearoylphosphatidyl−ethanolamine(DSPE−PEG−NHS)、化学式9で示されるN−(3−maleimide−1−oxopropyl)aminopropyl polyethyleneglycol−carbamyl distearoylphosphatidyl−ethanolamine(DSPE−PEG−MAL)等のリン脂質を挙げることができる。なお、化学式5乃至9で示される化合物において、nは5以上500以下の整数である。
(捕捉分子)
本実施形態における捕捉分子とは、腫瘍などの標的部位に特異的に結合する物質、標的部位の周辺に存在する物質に特異的に結合する物質などであり、生体分子や医薬品等の化学物質などから任意に選択することができる。具体的には、抗体、抗体フラグメント、酵素、生物活性ペプチド、グリコペプチド、糖鎖、脂質、分子認識化合物などが挙げられる。抗体は一本鎖抗体であることが好ましい。一本鎖抗体の具体例として、下記配列番号2で表わされる配列を有するものが挙げられる。これらの物質は単独で用いることもできるし、あるいは複数を組み合わせて用いることもできる。捕捉分子が化学結合された本実施形態に係る粒子を用いることで、標的部位の特異的な検出、標的物質の動態、局在、薬効、代謝等の追跡を行うことができる。
(光イメージング用造影剤)
本実施形態に係る光イメージング用造影剤は、本実施形態に係る粒子と、この粒子が分散された分散媒とを有する。また、本実施形態に係る光イメージング用造影剤は、必要に応じて本実施形態に係る粒子の他に薬理上許容できる添加物を有していても良い。
ここで分散媒は、本実施形態に係る粒子を分散させるための液状の物質であり、例えば生理食塩水、注射用蒸留水などが挙げられる。本実施形態に係る光イメージング用造影剤は、上記本実施形態に係る粒子をこの分散媒に予め分散させておいてもよいし、本実施形態に係る粒子と分散媒とをキットにしておき、生体内に投与する前に粒子を分散媒に分散させて使用してもよい。
本実施形態において光イメージングとは、光を照射することで、イメージング(画像化)することを意味する。すなわち、本実施形態に係る光イメージング用造影剤のシリコンナフタロシアニンまたはその誘導体に光が照射されることで、音響波や蛍光などを発する。発せられた音響波を検出することで光音響イメージングをすることができ、発せられた蛍光を検出することで蛍光イメージングをすることができる。なお、光音響イメージングは、光音響トモグラフィー(断層撮影法)を含む概念である。本実施形態に係る粒子は光音響イメージング用造影剤として用いることが好ましい。
本実施形態に係る光イメージング用造影剤は、EPR(Enhanced Permeability and Retention)効果を利用することで、生体内に投与したときに、生体内の正常部位に比べて腫瘍部位により多く集積させることができる。その結果、粒子を生体内に投与した後、生体に光を照射して、生体からの音響波や蛍光を検出するときに、腫瘍部位から発せられる音響波や蛍光を正常部位から発せられる音響波や蛍光よりも大きくすることができる。従って、本実施形態に係る粒子は腫瘍部位を特異的に検出する光イメージング用造影剤として用いることができる。
(粒子の製造方法)
本実施形態における粒子を得る方法としては、限定されるものではないが、例えばナノエマルジョン法を挙げることができる。ナノエマルション法による粒子の製造方法について、図3を用いて説明する。図3は図1で示す粒子101をナノエマルジョン法により製造する工程の一例示したものである。具体的には、以下の(A)から(C)の工程により粒子101の水分散液を得ることができる。
(A)シリコンナフタロシアニンまたはその誘導体102、及びPLGA103を有機溶媒に溶解させて得られる第一液体105を、界面活性剤104を溶解させた水溶液である第二液体106に加えて混合液を得る工程。
(B)(A)で得た混合液を乳化することにより水中油(以下、O/Wと略すことがある)型のエマルジョン107を得る工程。
(C)(B)で得たエマルジョン107の分散質から第一液体105に含まれる有機溶媒を留去する工程。
なお、(A)から(C)以外の工程を有していてもよい。
次に、図2で示すように、二種類の界面活性剤を用いた粒子201を製造する工程の一例を図4に示す。具体的には、以下の(D)から(F)の工程により粒子201の水分散液を得ることができる。なお、三種類以上の界面活性剤を用いた粒子も、同様の工程によって製造することができる。
(D)シリコンナフタロシアニンまたはその誘導体202、及びPLGA203を有機溶媒に溶解させて得られる第一液体206を、第一の界面活性剤204と第二の界面活性剤205とを溶解させた水溶液である第二液体207に加えて混合液を得る工程。
(E)(D)で得た混合液を乳化することによりO/W型のエマルジョン208を得る工程。
(F)(E)で得たエマルジョン208の分散質から第一液体206に含まれる有機溶媒を留去する工程。
(第一液体)
上記ナノエマルジョン法で用いる第一液体の溶媒として使用する有機溶媒としては、水への溶解性がないか又は溶解性が小さく、且つ、シリコンナフタロシアニンまたはその誘導体及びPLGAを溶解することができるものであればいかなる有機溶媒をも使用することが可能である。ただし、揮発性の有機溶媒であることが好ましい。
このような有機溶媒としては、限定されるものではないが、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、クロロホルム、クロロエタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、エーテル類(エチルエーテル、イソブチルエーテル等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、及び芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン等)等を用いることができる。これらの有機溶媒は単独で用いても良いし、あるいは2種類以上を適宜の割合で混合して用いることもできる。
また、第一液体におけるシリコンナフタロシアニンまたはその誘導体の濃度は、0.0005〜100mg/mlとすることが好ましい。
また、第一液体におけるPLGAの濃度は、0.05以上100mg/ml以下とすることが好ましい。
また、第一液体におけるシリコンナフタロシアニンまたはその誘導体とPLGAとの重量比は、1:1以上1:100以下の範囲であることが好ましい。
(第二液体)
上記ナノエマルジョン法に用いる第二液体は、界面活性剤104または、第一の界面活性剤204及び第二の界面活性剤205を溶解した水溶液である。第二液体に界面活性剤104または、第一の界面活性剤204及び第二の界面活性剤205をあらかじめ含ませておくと、第一液体と混合した際にエマルジョンを安定化させることができる。但し、本実施形態においては第一液体と第二液体とを混合した分散液に界面活性剤104または、第一の界面活性剤204及び第二の界面活性剤205を含ませることができればよく、界面活性剤104または、第一の界面活性剤204及び第二の界面活性剤205は必ずしも第二液体に予め溶解されている必要はない。
また、第二液体に含まれる界面活性剤104または、第一の界面活性剤204及び第二の界面活性剤205)の好ましい濃度は、用いる界面活性剤の種類及び第一液体との混合比にもよる。例えば、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤又は高分子界面活性剤を用いたときは、第二液体中の濃度を0.1mg/ml〜100mg/mlとすることが好ましい。また、例えば、PEG鎖を含むリン脂質を界面活性剤として用いたときは、第二液体中の濃度を0.001mg/ml〜100mg/mlとすることが好ましい。
また、第一の界面活性剤204として非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤又は高分子界面活性剤を、第二の界面活性剤205としてPEG鎖を含むリン脂質を用いた場合の第一の界面活性剤204と第二の界面活性剤205との構成比は、モル比で100:1以上1:1以下の範囲が好ましい。第二の界面活性剤205の構成比が1:1以下である場合、粒子を形成しやすいため好ましい。一方、界面活性剤205の構成比が100:1以上である場合、捕捉分子を固定化する場合、固定化できる捕捉分子の個数が多いため好ましい。
(エマルジョン)
上記ナノエマルジョン法におけるエマルジョンは、本発明の目的を達成可能であればいかなる物性のエマルジョンでもよいが、1ピークの粒径分布を有し、且つ、平均粒径が1000nm以下のエマルジョンであることが好ましい。
このようなエマルジョンは、例えば、断続振とう法、プロペラ型攪拌機及びタービン型攪拌機等のミキサーを利用する攪拌法、並びにコロイドミル法、ホモジナイザー法及び超音波照射法等の従来公知の乳化手法によって調製することが可能である。これらの方法は単独で用いてもよいし、あるいは2種以上の方法を組み合わせて用いることも可能である。また、エマルジョンは1段階の乳化によって調製しても良いし、多段階の乳化によって調製しても良い。但し、乳化手法は、本発明の目的を達成できる範囲においてこれらの手法に限定されるものではない。
エマルジョンは、第二液体に第一液体を加えて得られる混合液から調製されるO/W型のエマルジョンである。ここで、第一液体と第二液体の混合とは、第一液体と第二液体とを空間的に隔離せずに互いに接触して存在させることを意味し、必ずしも互いに混和することを要さない。
混合液における第一液体と第二液体との割合は、O/W型のエマルジョンを形成することができれば特に限定されることはないが、好ましくは、第一液体と第二液体との重量比が、1:2以上1:1000以下となる範囲で混合することが好ましい。
(留去)
上記ナノエマルジョン法における留去とは、エマルジョンの分散質から第一液体に含まれる有機溶媒を除去する操作である。即ち、シリコンナフタロシアニンまたはその誘導体、PLGA、有機溶媒から構成された分散質から有機溶媒を除去することである。
留去は、従来知られる何れの方法でも実施可能であるが、加熱によって除去する方法、あるいはエバポレーター等の減圧装置を利用した方法を挙げることができる。加熱による除去の場合の加熱温度は、O/W型のエマルジョンを維持できれば特に限定されないが、好ましい温度は0℃以上80℃以下の範囲である。但し、留去は、本発明の目的を達成できる範囲において上記手法に限定されない。
(捕捉分子の固定化)
本実施形態における粒子に捕捉分子を固定化する方法としては、用いる捕捉分子の種類にもよるが、いかなる公知の方法をも使用することができる。例えば、第一の界面活性剤204又は第二の界面活性剤205が有する官能基と捕捉分子の官能基とを反応させて化学結合する方法等を使用することができる。
例えば、第一の界面活性剤204又は第二の界面活性剤205がN−ヒドロキシスクシンイミド基を有するホスファチジル系リン脂質である場合、アミノ基を有する捕捉分子と反応させて、粒子に捕捉分子を固定化することができる。捕捉分子の固定化後、界面活性剤の未反応のN−ヒドロキシスクシンイミド基は、グリシン、エタノールアミン、又は末端にアミノ基を有するオリゴエチレングリコール若しくはポリエチレングリコール等と反応させて失活させることが好ましい。
また、第一の界面活性剤204又は第二の界面活性剤205がマレイミド基を有するホスファチジル系リン脂質である場合、チオール基を有する捕捉分子と反応させて、粒子に捕捉分子を固定化することができる。捕捉分子の固定化後、界面活性剤の未反応のマレイミド基は、L−システイン、メルカプトエタノール、又は末端にチオール基を有するオリゴエチレングリコール若しくはポリエチレングリコール等と反応させて失活させることが好ましい。
また、第一の界面活性剤204又は第二の界面活性剤205がアミノ基を有するホスファチジル系リン脂質である場合、グルタルアルデヒドを用いて捕捉分子のアミノ基と反応させ、粒子に捕捉分子を固定化することができる。捕捉分子の固定化後、エタノールアミン、又は末端にアミノ基を有するオリゴエチレングリコール若しくはポリエチレングリコール等を反応させて未反応のアミノ基の活性をブロックすることが好ましい。あるいは、界面活性剤のアミノ基をN−ヒドロキシスクシンイミド基やマレイミド基に置換して、捕捉分子を固定化しても良い。
(造影方法)
生体内に投与された本実施形態に係る粒子を、光音響イメージング装置を用いて検出する方法について説明する。本実施形態に係る粒子を検出する方法は以下の工程を有する。但し、本実施形態に係る造影方法は、以下に示す工程以外の工程を含んでいても良い。
(a)本実施形態に係る粒子を生体内に投与する工程。
(b)生体に光を照射し、生体内に存在する本実施形態に係る粒子から発せられる音響波を検出する工程。
上記(a)の工程において本実施形態に係る粒子を生体内に投与する方法は特に限定されず、経口投与や注射等の方法によることができる。
また、上記(b)の工程において、生体に照射する光を発生させる装置、本実施形態に係る粒子から発せられる音響波を検出する装置は特に限定されない。光を発生される装置としては例えば、チタンサファイアレーザー(LT−2211−PC、Lotis社製)など用いることができる。また、音響波を検出する装置としては特に限定されないが、超音波探触子などを用いることができる。上記(b)の工程において生体に照射する光としては、生体に照射したときに安全で、かつ高い生体透過性を示す600nmから900nmの近赤外波長であることが好ましい。また、光を発生させる装置、音響波を検出する装置は特に制限されず種々のものを用いることが可能である。
本実施形態に係る粒子を用いた造影方法は、上記(a)、(b)の工程を経ることで腫瘍などの部位を造影することができる。
次に、生体内に投与された本実施形態に係る粒子を、蛍光イメージング装置を用いて検出する方法について説明する。本実施形態に係る粒子を検出する方法は以下の工程を有する。
(c)本実施形態に係る粒子を生体内に投与する工程。
(d)生体に光を照射し、生体内に存在する本実施形態に係る粒子から発せられる蛍光を検出する工程。
上記(c)の工程において、本実施形態に係る粒子を生体内に投与する方法は特に限定されず、経口投与や注射等の方法によることができる。
また、上記(d)の工程において、生体に照射する光を発生させる装置、本実施形態に係る粒子から発せられる蛍光を検出する装置は特に限定されない。
更に、捕捉分子を有する粒子を生体中で用いた場合、捕捉分子を適宜選択することによって、種々の標的部位を特異的に検出することができる。例えば、捕捉分子として腫瘍に特異的に結合する物質を採用すれば、腫瘍の特異的検出が可能となる。また捕捉分子として、特定の疾病部位の周辺に多く存在するタンパク質や酵素などの生体物質に特異的に結合する物質を用いれば、その疾病を特異的に検出することが可能である。また、本実施形態に係る粒子は、捕捉分子を持たない場合でも、EPR効果によって腫瘍を検出することができる。
以下、実施例で本発明の粒子を作製する際に用いる具体的な試薬や反応条件等を挙げているが、これらの試薬や反応条件等は、変更が可能であり、それらの変更は本発明の範囲に包摂されるものとする。したがって以下の実施例は、本発明の理解を助けることが目的であり、本発明の範囲を何ら制限するものではない。
(粒子のモル吸光係数の測定方法)
以下の実施例において、粒子のモル吸光係数は以下のように測定する。まず、粒子の濃度cを求める。粒子の濃度は、ある体積の粒子溶液を凍結乾燥させることにより、粒子の重量を求め、これと粒子の平均分子量と乾燥前の溶液体積とから算出できる。続いて既知濃度の粒子溶液を幅lの吸光セルに添加する。このセルに600nm乃至1300nmの範囲から選択される少なくとも1つの波長の光を照射して、該波長における吸光度Aを求める。以下の実施例において、吸光度を測定する装置としては、UV/VIS Spectrometer Lambda Bio 40(PERKIN ELMER社製)を用いたが、一般的な紫外可視分光光度計であればいずれのものでも用いることができる。例えば、Gene Quant 1300(PERKIN ELMER社製)、RAMBDA 25(PERKIN ELMER社製)を用いることができる。
吸光度Aが1より大きい場合は、粒子溶液を適宜希釈する。最後に、ランバート・ベールの式に上記のA、c、lを代入することで、モル吸光係数εを求めることができる。lを一定とした場合、好ましくは、数種類の濃度の粒子溶液を用いて、cに対するAの直線性を確認する。
(色素漏出率評価方法)
本実施形態に係る色素漏出率評価方法は、以下の各実施例で得た粒子と血清とを混合し加温し、粒子と血清の混合物を遠心分離し、遠心分離前後の混合物の上清を回収し吸光度を測定する方法である。
色素漏出率評価方法は具体的には以下の通りである。すなわち、初めに以下の各実施例で得られた粒子と血清を体積比1:9となるように混合し、37℃で24時間静置する。前記血清としてウシ胎児由来血清を用いたが、マウス由来血清などを用いることができる。
次に、前記の24時間静置後の粒子と血清の混合物を80000rpm(288000×g)で、25℃で17分間遠心分離する。遠心分離装置として、himac CS150GXL(日立工機社製)を用いた。
次に回収作業を行った。具体的には、遠心分離後の前記混合物から、沈殿を分散させないようにゆっくりと200μl分の上清を回収し、96ウェルプレートへ移した。更に遠心分離前の前記混合物からも200μl分の溶液を回収し、96ウェルプレートの前記上清とは別のウェルへ移した。前記回収作業を終えた96ウェルプレート中の試料の吸光度を測定し、遠心分離前の溶液の吸光度に対する遠心分離後の上清の吸光度として粒子からの色素漏出率を算出した。更に、100%から前記色素漏出率を差し引くことによって粒子中の色素残存率を算出することができる。吸光度測定装置としては、VARIO SKAN(Thermo ELECTRON社製)を用いた。なお、96ウェルプレートではなくキュベットを用いて吸光度を測定することもできる。キュベット式の吸光度測定装置としては、Gene Quant 1300(GEヘルスケア社製)を用いたが、UV/VIS Spectrometer Lambda Bio 40(PERKIN ELMER社製)を用いることもできる。
(光音響信号強度の測定方法)
音響波の測定、具体的には光音響信号強度の測定は、パルスレーザー光をPBS中に分散したサンプルに照射し、サンプルから発生した光音響信号の強度を圧電素子を用いて検出し、高速プリアンプで増幅後、デジタルオシロスコープで取得した。具体的な条件は以下の通りである。光源として、チタンサファイアレーザー(LT−2211−PC、Lotis社製)を用いた。波長は700〜1000nmで可変であり、測定時はサンプルの吸収極大値付近の波長を選択した。エネルギー密度はおよそ10から20mJ/cm、パルス幅は約20ナノ秒、パルス繰返し周波数は10Hzの条件とした。光音響信号を検出する圧電素子には、エレメント径1.27cm、中心帯域1MHzの非収束型超音波トランスデューサー(V303、Panametrics−NDT製)。測定容器としては、ポリスチレン製キュベットで、光路長0.1cm、サンプル容量は約200μLであった。水を満たしたガラス容器に前記の測定容器と圧電素子とを浸け、その間隔を2.5cmとした。光音響信号強度を増幅する高速プリアンプは増幅度+30dBの超音波プリアンプ(Model 5682、オリンパス製)を用いた。増幅された信号をデジタルオシロスコープ(DPO4104、テクトロニクス製)に入力した。前記ガラス容器の外からパルスレーザー光を前記ポリスチレン製キュベットに照射した。この際に生じる散乱光の一部をフォトダイオードで検出し、デジタルオシロスコープにトリガー信号として入力した。デジタルオシロスコープを32回平均表示モードとし、レーザーパルス照射32回平均の光音響信号強度の測定を行った。小動物へ投与したサンプルの生体内からの光音響信号の測定においても基本的に上記システムを用いた。小動物の測定の場合には、上記システムに加えて小動物の位置を保持するための加温式稼働ステージと、撮像位置を撮影するためのCCDカメラを設置した。
(実施例1、化合物1を有する粒子(粒子1))
(粒子1(PNP1)の調製)
上記の化合物1(0.88mg、シグマアルドリッチジャパン社製)およびPLGA(5mg、乳酸:グリコール酸の組成比50:50、平均分子量20000、和光純薬工業社製)をクロロホルム1.6mLに溶解し、色素クロロホルム溶液1を調製した。
次に、Tween20(180mg、東京化成社製)を溶解した水溶液(20mL)を室温で20分以上撹拌した後、前記色素クロロホルム溶液1を滴下混合し、この混合溶液を30分間撹拌した。その後、超音波分散機で90秒間処理することによってO/W型のエマルジョンを調製した。
次に前記エマルジョンを加温状態(40℃)で撹拌し、分散質からクロロホルムを除去した後、限外ろ過または遠心分離操作することにより過剰の界面活性剤を取り除くことによって、粒子表面がTween20で保護され、且つPLGA中に化合物1を含む粒子1の水分散液を得た。以後、この粒子1をPNP1と呼ぶ。
(PNP1の物性評価)
動的光散乱解析装置(大塚電子社製、DLS−8000)で分析したところ、PNP1の平均粒径は125.8nm(キュムラント解析値)であった。また、PNP1のモル吸光係数は8.1×10−1cm−1であり、光音響信号強度は2.3×1011 V J−1−1だった。
PNP1について前述の色素漏出試験を実施したところ、粒子中の色素残存率は96%であった。
(実施例2、化合物1を含有する粒子(粒子2))
(粒子2(PNP2)の調製)
Tween20の量を180mgから90mgへ変更した他は、前述したPNP1を調製した方法と同様の方法で粒子2(以下、PNP2と呼ぶ)を作製した。
(PNP2の物性評価)
動的光散乱解析装置で分析したところ、PNP2の平均粒径は173.7nm(キュムラント解析値)であった。また、PNP2のモル吸光係数は5.6×1010−1cm−1であり、光音響信号強度は1.7×1012 V J−1−1だった。PNP2について前述の色素漏出試験を実施したところ、粒子中の色素残存率は98%であった。
(実施例3、化合物1を含有する粒子(粒子3))
(粒子3(PNP3)の調製)
Tween20の量を180mgから360mgへ変更した他は、前述したPNP1を調製した方法と同様の方法で粒子3(以下、PNP3と略す)を作製した。
(PNP3の物性評価)
動的光散乱解析装置で分析したところ、PNP3の平均粒径は143.4nm(キュムラント解析値)であった。また、PNP3のモル吸光係数は2.8×1010−1cm−1であり、光音響信号強度は8.8×1011 V J−1−1だった。PNP3について前述の色素漏出試験を実施したところ、粒子中の色素残存率は99%以上であった。
(実施例4、化合物1を含有する粒子(粒子4))
(粒子4(PNP4)の調製)
化合物1の量を0.88mgから4.4mgへ変更し、且つTween20の量を180mgから90mgへ変更した他は、前述したPNP1を調製した方法と同様の方法で粒子4(以下、PNP4と略す)を作製した。
(PNP4の物性評価)
動的光散乱解析装置で分析したところ、PNP4の平均粒径は180.4nm(キュムラント解析値)であった。また、PNP4のモル吸光係数は7.7×1010−1cm−1であり、光音響信号強度は2.4×1012 V J−1−1だった。PNP4について前述の色素漏出試験を実施したところ、粒子中の色素残存率は99%であった。
(実施例5、化合物1を含有する粒子(粒子5))
(粒子5(PNP5)の合成)
化合物1の量を0.88mgから4.4mgへ変更した他は、前述したPNP1を調製した方法と同様の方法で粒子5(以下、PNP5と略す)を調製した。
(PNP5の物性評価)
動的光散乱解析装置で分析したところ、PNP5の平均粒径は162.1nm(キュムラント解析値)であった。また、PNP5のモル吸光係数は9.9×1010−1cm−1であり、光音響信号強度は3.0×1012 V J−1−1だった。PNP5について前述の色素漏出試験を実施したところ、粒子中の色素残存率は99%以上であった。
(実施例6、化合物1を含有する粒子(粒子6))
(粒子6(PNP6)の合成)
化合物1の量を0.88mgから4.4mgへ変更し、且つTween20の量を180mgから360mgへ変更した他は、前述したPNP1を調製した方法と同様の方法で粒子6(以下、PNP6と略す)を調製した。
(PNP6の物性評価)
動的光散乱解析装置で分析したところ、PNP6の平均粒径は127.5nm(キュムラント解析値)であった。また、PNP6のモル吸光係数は5.2×1010−1cm−1であり、光音響信号強度は1.6×1012 V J−1−1だった。PNP6について前述の色素漏出試験を実施したところ、粒子中の色素残存率は99%以上であった。
(実施例7、化合物1を含有する粒子(粒子7))
(粒子7(PNP7)の合成)
化合物1の量を0.88mgから17.6mgへ変更し、且つTween20の量を180mgから90mgへ変更した他は、前述したPNP1を調製した方法と同様の方法で粒子7(以下、PNP7と略す)を作製した。
(PNP7の物性評価)
動的光散乱解析装置で分析したところ、PNP7の平均粒径は137.6nm(キュムラント解析値)であった。また、PNP7のモル吸光係数は3.4×1010−1cm−1であり、光音響信号強度は1.2×1012 V J−1−1だった。PNP7について前述の色素漏出試験を実施したところ、粒子中の色素残存率は99%以上であった。
(実施例8、化合物1を含有する粒子(粒子8))
(色素含有ポリマーナノ粒子8(PNP8)の合成)
化合物1の量を0.88mgから17.6mgへ変更した他は、前述したPNP1を調製した方法と同様の方法で粒子8(以下、PNP8と略す)を作製した。
(PNP8の物性評価)
動的光散乱解析装置で分析したところ、PNP8の平均粒径は116.7nm(キュムラント解析値)であった。また、PNP8のモル吸光係数は1.0×1011−1cm−1であり、光音響信号強度は3.1×1012 V J−1−1だった。PNP8について前述の色素漏出試験を実施したところ、粒子中の色素残存率は99%以上であった。
(実施例9、化合物1を含有する粒子(粒子9))
(粒子9(PNP9)の合成)
化合物1の量を0.88mgから17.6mgへ変更し、且つTween20の量を180mgから360mgへ変更した他は、前述したPNP1を調製した方法と同様の方法で粒子9(以下、PNP9と略す)を調製した。
(PNP9の物性評価)
動的光散乱解析装置で分析したところ、PNP9の平均粒径は114.4nm(キュムラント解析値)であった。また、PNP9のモル吸光係数は6.0×1010−1cm−1であり、光音響信号強度は1.5×1012 V J−1−1だった。PNP9について前述の色素漏出試験を実施したところ、粒子中の色素残存率は99%以上であった。
(実施例10、化合物1を含有する粒子(粒子10))
(粒子10(PNP10)の合成)
上記の化合物1(4.4mg、シグマアルドリッチジャパン社製)およびPLGA(5mg、乳酸:グリコール酸の組成比50:50、平均分子量20000、和光純薬工業社製)をクロロホルム1.6mLに溶解し、色素クロロホルム溶液2を調製した。
次に、Tween20(180mg、東京化成社製)および化学式7で示されるリン脂質であるSUNBRIGHT(登録商標)DSPE−020PA(22mg、日油社製、以下DAと略すことがある)を溶解した水溶液(20mL)を室温で20分以上撹拌した後、前記色素クロロホルム溶液2を滴下混合し、この混合溶液を30分間撹拌した。その後、超音波分散機で90秒間処理することによってO/W型のエマルジョンを調製した。
次に前記エマルジョンを加温状態(40℃)で撹拌し、分散質からクロロホルムを除去した後、限外ろ過または遠心分離操作することにより過剰の界面活性剤を取り除くことによって、粒子表面がTween20およびリン脂質で保護され、且つPLGA中に前記化合物1を含む粒子10の水分散液を得た。以後、この粒子10をPNP10と略す。
(PNP10の物性評価)
動的光散乱解析装置で分析したところ、PNP10の平均粒径は168.5nm(キュムラント解析値)であった。また、PNP10のモル吸光係数は5.7×1010−1cm−1であり、光音響信号強度は2.0×1012 V J−−1−1だった。PNP10について前述の色素漏出試験を実施したところ、粒子中の色素残存率は99%であった。
(実施例11、化合物1を含有する粒子(粒子11))
(粒子11(PNP11)の合成)
DAの量を22mgから11mgへ変更した他は、前述したPNP10と同様の方法で粒子11(以下、PNP11と略す)を調製した。
(PNP11の物性評価)
動的光散乱解析装置で分析したところ、PNP11の平均粒径は169.1nm(キュムラント解析値)であった。また、PNP11のモル吸光係数は7.8×1010−1cm−1であり、光音響信号強度は2.5×1012 V J−1−1だった。PNP11について前述の色素漏出試験を実施したところ、粒子中の色素残存率は99%以上であった。
(実施例12、化合物1を含有する粒子(粒子12))
(粒子12(PNP12)の合成)
上記の化合物1(4.4mg、シグマアルドリッチジャパン社製)および、PLGA(5mg、乳酸:グリコール酸の組成比50:50、平均分子量20000、和光純薬工業社製)をクロロホルム1.6mLに溶解し、色素クロロホルム溶液2を調製した。
次に、Tween20(180mg、東京化成社製)、および化学式6で示されるリン脂質であるSUNBRIGHT(登録商標)DSPE−020−CN(20mg、日油社製、以下DOと略すことがある)、およびDA(2mg、日油社製)を溶解した水溶液(20mL)を室温で20分以上撹拌した後、前記色素クロロホルム溶液2を滴下混合し、この混合溶液を30分間撹拌した。その後、超音波分散機で90秒間処理することによってO/W型のエマルジョンを調製した。
次に前記エマルジョンを加温状態(40℃)で撹拌し、分散質からクロロホルムを除去した後、限外ろ過または遠心分離操作することにより過剰の界面活性剤を取り除くことによって、粒子表面がTween20およびリン脂質で保護され、且つPLGA中に前記化合物1を含む粒子12の水分散液を得た。以後、この粒子12をPNP12と略す。
(PNP12の物性評価)
動的光散乱解析装置で分析したところ、PNP12の平均粒径は97.8nm(キュムラント解析値)であった。また、PNP12のモル吸光係数は2.0×1010−1cm−1であり、光音響信号強度は6.1×1011 V J−1−1だった。PNP12について前述の色素漏出試験を実施したところ、粒子中の色素残存率は80%であった。
(実施例13、化合物1を含有する粒子(粒子13))
(粒子13(PNP13)の合成)
化合物1の量を4.4mgから8.8mgへ変更した他は、前述したPNP12と同様の方法で粒子13(以下、PNP13と略す)を調製した。
(PNP13の物性評価)
動的光散乱解析装置で分析したところ、PNP13の平均粒径は74.2nm(キュムラント解析値)であった。また、PNP13のモル吸光係数は1.2×1010−1cm−1であり、光音響信号強度は8.0×1011 V J−−1−1だった。PNP13について前述の色素漏出試験を実施したところ、粒子中の色素残存率は85%であった。
(実施例14、化合物1を含有する粒子(粒子14))
(粒子14(PNP14)の合成)
化合物1の量を4.4mgから17.6mgへ変更した他は、前述したPNP12と同様の方法で粒子14(以下、PNP14と略す)を作製した。
(PNP14の物性評価)
動的光散乱解析装置で分析したところ、PNP14の平均粒径は87.8nm(キュムラント解析値)であった。また、PNP14のモル吸光係数は2.7×1010−1cm−1であり、光音響信号強度は1.1×1012 V J−1−1だった。PNP14について前述の色素漏出試験を実施したところ、粒子中の色素残存率は91%であった。
(実施例15、化合物1を含有する粒子(粒子15))
(色素含有ポリマーナノ粒子15(PNP15)の合成)
上記の化合物1(4.4mg、シグマアルドリッチジャパン社製)および、PLGA(5mg、乳酸:グリコール酸の組成比50:50、平均分子量20000、和光純薬工業社製)をクロロホルム1.6mLに溶解し、色素クロロホルム溶液2を調製した。
次に、Tween20(180mg、東京化成社製)、およびDO(18mg、日油社製)、およびDA(4mg、日油社製)を溶解した水溶液(20mL)を室温で20分以上撹拌した後、前記色素クロロホルム溶液2を滴下混合し、この混合溶液を30分間撹拌した。その後、超音波分散機で90秒間処理することによってO/W型のエマルジョンを調製した。
次に前記エマルジョンを加温状態(40℃)で撹拌し、分散質からクロロホルムを除去した後、限外ろ過または遠心分離操作することにより過剰の界面活性剤を取り除くことによって、粒子表面がTween20およびリン脂質で保護され、且つPLGA中に前記化合物1を含む粒子15の水分散液を得た。以後、この粒子15をPNP15と略す。
(PNP15の物性評価)
動的光散乱解析装置で分析したところ、PNP15の平均粒径は80.3nm(キュムラント解析値)であった。また、PNP15のモル吸光係数は1.0×1010−1cm−1であり、光音響信号強度は5.8×1011 V J−1−1だった。PNP15について前述の色素漏出試験を実施したところ、粒子中の色素残存率は74%であった。
(実施例16、化合物1を含有する粒子(粒子16))
(粒子16(PNP16)の合成)
化合物1の量を4.4mgから8.8mgへ変更した他は、前述したPNP15と同様の方法で粒子16(以下、PNP16と略す)を調製した。
(PNP16の物性評価)
動的光散乱解析装置で分析したところ、PNP16の平均粒径は94.6nm(キュムラント解析値)であった。また、PNP16のモル吸光係数は2.1×1010−1cm−1であり、光音響信号強度は7.5×1011 V J−1−1だった。PNP16について前述の色素漏出試験を実施したところ、粒子中の色素残存率は89%であった。
(実施例17、化合物1を含有する粒子(粒子17))
(粒子17(PNP17)の合成)
化合物1の量を4.4mgから17.6mgへ変更した他は、前述したPNP15と同様の方法で粒子17(以下、PNP17と略す)を作製した。
(PNP17の物性評価)
動的光散乱解析装置で分析したところ、PNP17の平均粒径は92.9nm(キュムラント解析値)であった。また、PNP17のモル吸光係数は2.7×1010−1cm−1であり、光音響信号強度は9.7×1011 V J−−1−1だった。PNP17について前述の色素漏出試験を実施したところ、粒子中の色素残存率は93%であった。
(実施例18、化合物1を含有する粒子(粒子18))
(色素含有ポリマーナノ粒子18(PNP18)の合成)
上記の化合物1(4.4mg、シグマアルドリッチジャパン社製)および、PLGA(5mg、乳酸:グリコール酸の組成比50:50、平均分子量20000、和光純薬工業社製)をクロロホルム1.6mLに溶解し、色素クロロホルム溶液2を調製した。
次に、Tween20(180mg、東京化成社製)、およびDO(11mg、日油社製)、およびDA(11mg、日油社製)を溶解した水溶液(20mL)を室温で20分以上撹拌した後、前記色素クロロホルム溶液2を滴下混合し、この混合溶液を30分間撹拌した。その後、超音波分散機で90秒間処理することによってO/W型のエマルジョンを調製した。
次に前記エマルジョンを加温状態(40℃)で撹拌し、分散質からクロロホルムを除去した後、限外ろ過または遠心分離操作することにより過剰の界面活性剤を取り除くことによって、粒子表面がTween20およびリン脂質で保護され、且つPLGA中に前記化合物1を含む粒子18の水分散液を得た。以後、この粒子18をPNP18と略す。
(PNP18の物性評価)
動的光散乱解析装置で分析したところ、PNP18の平均粒径は97.1nm(キュムラント解析値)であった。また、PNP18のモル吸光係数は1.5×1010−1cm−1であり、光音響信号強度は5.1×1011 V J−1−1だった。PNP18について前述の色素漏出試験を実施したところ、粒子中の色素残存率は86%であった。
(実施例19、化合物1を含有する粒子(粒子19))
(粒子19(PNP19)の合成)
化合物1の量を4.4mgから8.8mgへ変更した他は、前述したPNP18と同様の方法で粒子19(以下、PNP19と略す)を作製した。
(PNP19の物性評価)
動的光散乱解析装置で分析したところ、PNP19の平均粒径は98.3nm(キュムラント解析値)であった。また、PNP19のモル吸光係数は2.2×1010−1cm−1であり、光音響信号強度は9.6×1011 V J−1−1だった。PNP19について前述の色素漏出試験を実施したところ、粒子中の色素残存率は89%であった。
(実施例20、化合物1を含有する粒子(粒子20))
(粒子20(PNP20)の合成)
化合物1の量を4.4mgから17.6mgへ変更した他は、前述したPNP18と同様の方法で粒子20(以下、PNP20と略す)を作製した。
(PNP20の物性評価)
動的光散乱解析装置で分析したところ、PNP20の平均粒径は105nm(キュムラント解析値)であった。また、PNP20のモル吸光係数は3.8×1010−1cm−1であり、光音響信号強度は1.1×1011 V J−1−1だった。PNP20について前述の色素漏出試験を実施したところ、粒子中の色素残存率は93%であった。
(実施例21、化合物2を有する粒子(粒子21))
(粒子21(PNP21)の調製)
化合物2(4.4mg、シグマアルドリッチジャパン社製)および、PLGA(20mg、乳酸:グリコール酸の組成比50:50、平均分子量20000、和光純薬工業社製)をクロロホルム1.6mLに溶解し、色素クロロホルム溶液3を調製した。
次に、Tween20(60mg、東京化成社製)、およびDO(7.3mg、日油社製)を溶解した水溶液(20mL)を室温で20分以上撹拌した後、前記色素クロロホルム溶液3を滴下混合し、この混合溶液を30分間撹拌した。その後、超音波分散機で90秒間処理することによってO/W型のエマルジョンを調製した。
次に前記エマルジョンを加温状態(40℃)で撹拌し、分散質からクロロホルムを除去した後、限外ろ過または遠心分離操作することにより過剰の界面活性剤を取り除くことによって、粒子表面がTween20およびリン脂質で保護され、且つPLGA中に化合物2を含む粒子21の水分散液を得た。以後、この粒子21をPNP21と呼ぶ。
(PNP21の物性評価)
動的光散乱解析装置で分析したところ、PNP21の平均粒径は161.4nm(キュムラント解析値)であった。また、PNP21のモル吸光係数は6.7×10−1cm−1であり、光音響信号強度は2.2×1010 V J−1−1だった。PNP21について前述の色素漏出試験を実施したところ、粒子中の色素残存率は97%であった。
(実施例22)(組成の異なるPLGA、またはポリ乳酸、またはポリスチレンを使用したPNPの比較)
(粒子22(PNP22)の調製)
前述の化合物1(4.4mg、シグマアルドリッチジャパン社製)および、PLGA(5mg、乳酸:グリコール酸の組成比50:50、平均分子量20000、和光純薬工業社製)をクロロホルム1.6mLに溶解し、色素クロロホルム溶液2を調製した。
次に、Tween20(180mg、東京化成社製)を室温で20分以上撹拌した後、前記色素クロロホルム溶液2を滴下混合し、この混合溶液を30分間撹拌した。その後、超音波分散機で90秒間処理することによってO/W型のエマルジョンを調製した。
次に前記エマルジョンを加温状態(40℃)で撹拌し、分散質からクロロホルムを除去した後、Amicon Ultra遠心フィルターユニットを用いた限外ろ過操作した。ろ液中の化合物1に由来する770nm付近の吸光度が0.1以下になるまで遠心操作することにより過剰の界面活性剤を取り除いた。以上の操作を経て粒子表面がTween20で保護され、且つPLGA中に前記化合物1を含む粒子22の水分散液を得た。以後、この粒子22をPNP22と略す。
(PNP22の物性評価)
動的光散乱解析装置で分析したところ、PNP22の平均粒径は106.9nm(キュムラント解析値)であった。また、PNP22のモル吸光係数は1.98×10−1cm−1であった。PNP22について前述の色素漏出試験を実施したところ、粒子中の色素残存率は69%であった。実施例5にて記載のPNP5と仕込み条件は同じだが、平均粒径や粒子中の色素残存率が異なる結果となった。これは、PNP5は遠心精製(20000×g)であるのに対してPNP22は限外ろ過精製であり、過剰の界面活性剤の除去が不十分であったためであると考えられる。
(組成の異なるPLGA、またはポリ乳酸、またはポリスチレンを使用したPNPの調製)
PNP22のPLGAのかわりに、以下の表1に示すポリマーを用いてPNPを調製した。ここで、PLAは、ポリ乳酸を、PSは、ポリスチレンをそれぞれ表す。ポリマーを変更した他は、前述したPNP22を調製した方法と同様の方法でおこなった。それぞれ粒子23〜29あるいはPNP23〜29と示す。
(PNP23〜29の物性評価)
動的光散乱解析装置で分析したところ、PNP23〜29の平均粒径は100nm程度(キュムラント解析値)であった。また、PNP23〜29のモル吸光係数は8×10〜2×10−1cm−1程度であった。PNP23〜29について前述の色素漏出試験を実施したところ、粒子中の色素残存率は40〜60%程度であった。
次に、PNP22とPNP23〜29の色素漏出性について比較した。PNP22の色素残存率を1として、PNP23〜29の色素残存率を相対値で表し、グラフにした(図5)。その結果、PNP22が最も色素残存率が高いことが確認された。図5より、粒子に内包された色素の漏出を抑制するためには、ポリマーの平均分子量は20000程度が好ましく、同程度の分子量であれば、乳酸:グリコール酸の組成比が50:50であるPLGAが最も好ましいことが示唆された。
(比較例1、色素としてICGを使用したPNPとの比較)
(粒子(ICG−PNP)の調製)
インドシアニングリーン(以下、ICGと略す。4.4mg、(財)日本公定書協会製)をメタノール1mLに溶解し、PLGA(20mg、乳酸:グリコール酸の組成比50:50、平均分子量20000、和光純薬工業社製)を溶解したクロロホルム1mLと混和し、ICGメタノールクロロホルム溶液を調製した。
次に、Tween20(60mg、東京化成社製)およびDO(7.3mg、日油社製)を溶解した水溶液(20mL)を室温で20分以上撹拌した後、前記ICGメタノールクロロホルム溶液を滴下混合し、この混合溶液を30分間撹拌した。その後、超音波分散機で90秒間処理することによってO/W型のエマルジョンを調製した。
次に前記エマルジョンを加温状態(40℃)で撹拌し、分散質からクロロホルムを除去した後、限外ろ過または遠心分離操作することにより過剰の界面活性剤を取り除くことによって、粒子表面がTween20およびDOで保護され、且つPMMA1中にICGを含む粒子の水分散液を得た。以後、この粒子をICG−PNPと略す。
(ICG−PNPの物性評価)
動的光散乱解析装置で分析したところ、ICG−PNPの平均粒径は83.4nm(キュムラント解析値)であった。また、ICG−PNPのモル吸光係数は2.8×10−1cm−1であり、光音響信号強度は6.8×1010 V J−1−1だった。ICG−PNPについて前述の色素漏出試験を実施したところ、粒子中の色素残存率は12%であった。
(比較例2、PMMAを使用したPNPとの比較)
(粒子(PNP−PMMA1)の調製)
前述の化合物1(0.88mg、シグマアルドリッチジャパン社製)および、Poly(methyl methacrylate−co−methacrylic acid)(以下、PMMA1と略す。5mg、methyl methacrylate:methacrylic acid=1:0.016、平均分子量15000、シグマアルドリッチ社製)をクロロホルム1.6mLに溶解し、色素クロロホルム溶液4を調製した。
次に、Tween20(180mg、東京化成社製)水溶液を室温で20分以上撹拌した後、前記色素クロロホルム溶液4を滴下混合し、この混合溶液を30分間撹拌した。その後、超音波分散機で90秒間処理することによってO/W型のエマルジョンを調製した。
次に前記エマルジョンを加温状態(40℃)で撹拌し、分散質からクロロホルムを除去した後、限外ろ過または遠心分離操作することにより過剰の界面活性剤を取り除くことによって、粒子表面がTween20で保護され、且つPMMA1中に前記化合物1を含む粒子の水分散液を得た。以後、この粒子をPNP−PMMA1と略す。
(粒子(PNP−PMMA2および3)の調製)
PNP−PMMA1と同じ方法で、以下の表2に示すポリマーを使用してPNPを作製した。ここで、表2中ではPoly(methyl methacrylate−co−butyl methacrylate)(methyl methacrylate:butyl methacrylate=85:15、平均分子量75000、シグマアルドリッチ社製)をPMMA2、Poly(methyl methacrylate), isotactic(>80%isotactic、シグマアルドリッチ社製)を、PMMA3と略して表記した。PMMA2を使用したPNPをPNP−PMMA2、PMMA3を使用したPNPをPNP−PMMA3とそれぞれ呼ぶ。
(粒子(PNP−PMMA4、5、6)の調製)
PNP−PMMA1から3と同様の方法で、Tween20水溶液にDA(11mg、日油社製)を溶解した水溶液(20mL)を用いてPNP−PMMA4から6を作製した。
(粒子(PNP−PMMA1〜6)の物性評価)
動的光散乱解析装置で分析したところ、PNP−PMMA1〜6の平均粒径は120〜130nm(キュムラント解析値)であった。前述の色素漏出試験を実施したところ、粒子中の色素残存率はPNP−PMMA1が最も高く96%であったが、ポリマーとしてPLGAを使用して作製したPNP1よりも4%程度低い値となった。更に、リン脂質としてDAを添加したPNP−PMMA4〜6では、ポリマーとしてPLGAを使用して作製したPNPよりも50%程度色素残存率が低いことがわかった。以上より、PLGAをポリマーとして使用することで色素残存率がもっとも高いPNPを作製できることがわかった。
(比較例3、Nc−PNPとの比較)
2,3−Naphthalocyanine(4.4mg、シグマアルドリッチジャパン社製)および、PLGA(20mg、乳酸:グリコール酸の組成比50:50、平均分子量20000、和光純薬工業社製)をクロロホルム1.6mLに溶解し、2,3−Naphthalocyanineクロロホルム溶液を調製した。
次に、Tween20(60mg、東京化成社製)、およびDO(7.3mg、日油社製)を溶解した水溶液(20mL)を室温で20分以上撹拌した後、前記2,3−Naphthalocyanineクロロホルム溶液を滴下混合し、この混合溶液を30分間撹拌した。その後、超音波分散機で90秒間処理することによってO/W型のエマルジョンを調製した。
次に前記エマルジョンを加温状態(40℃)で撹拌し、分散質からクロロホルムを除去した後、限外ろ過または遠心分離操作することにより過剰の界面活性剤を取り除くことによって、粒子表面がTween20およびリン脂質で保護され、且つPLGA中に2,3−Naphthalocyanineを含む粒子の水分散液を得た。以後、この粒子をNc−PNPと呼ぶ。
(Nc−PNPの物性評価)
動的光散乱解析装置で分析したところ、PNP21の平均粒径は162.6nm(キュムラント解析値)であった。また、Nc−PNPのモル吸光係数は6.7×10−1cm−1であった。Nc−PNPについて前述の色素漏出試験を実施したところ、粒子中の色素残存率は93%であった。一方で、2,3−Naphthalocyanineの代わりに化合物1を用いて、Nc−PNPと同じ方法で作製した粒子では、平均粒径が166.3nm(キュムラント解析値)、モル吸光係数は1.6×1011−1cm−1であり、粒子中の色素残存率は92%であった。両粒子間において、色素残存率に大きな差はないものの、モル吸光係数には150倍の差があった。これは粒子中に内包された色素量の差であり、実際に化合物1を用いた粒子では系に投入したうち84%が粒子に存在するのに対し、
Nc−PNPでは、11%存在するのみであった。このことから、粒子中の色素残存率を高め、且つ高いモル吸光係数を持つ粒子を作製するためには、中心金属としてSiを有し、好ましくは中心金属のSiにアルキル鎖のような嵩高い分子が結合しているナフタロシアニン色素を使用することが有効であると考えられる。
(実施例23)(粒子10(PNP10)を使用した腫瘍イメージング)
腫瘍イメージングにおいては、雌の非近交系BALB/c Slc−nu/nuマウス(購入時6週齢)(日本エスエルシー株式会社)を用いた。マウスに担癌させる前の1週間、標準的な食餌、寝床を用い、自由に食餌および飲料水を摂取できる環境下でマウスを順応させた。イメージング実験の約2週間前に2×10個のN87ヒト胃癌細胞(ATCC#CRL−5822)を、マウスの左肩に皮下注射した。実験時までに、腫瘍は全て定着しており、マウスの体重は17〜22gであった。担癌させたマウスにPNP10のPBS溶液を、200μL(粒子として13nmol)を静脈注射した。
比較例の一つ目として実施例10において、PLGA(5mg)をポリスチレン(polystyrene、以下、PSと略すことがある)(5mg、平均分子量20000、東京化成社製)へ変更した他は同様の方法で、粒子の水分散液を得た。以後、この粒子をPNP−PSと略す。次に比較例の二つ目として、化合物1をFBSへ分散させた水溶液を作製した。以後、この水溶液をDyeと略す。前述の通り作製した担癌マウスの尾部にPNP−PSのPBS溶液または、Dyeを、200μL(粒子として13nmol、Dyeは色素量として13nmol)を静脈注射した。
上記のPNP10、PNP−PS、またはDyeを投与した担癌マウスは、投与後いかなる視覚的問題も無いことから、全注射が良好に耐容されたと判断した。PNP10、PNP−PS、またはDyeを投与したマウスの全身蛍光像を、IVIS(XENOGEN社 登録商標) Imaging System 200 Series(XENOGEN社)を用いて、投与24時間後に測定した。更に、同時撮影したCCDカメラの画像より腫瘍部位の範囲を選択し、該範囲における蛍光強度を算出した。
続いて、上記全身蛍光像を測定したそれぞれのマウスから24時間後に血液を採取した。血液採取方法は以下の通りである。PNP10、PNP−PS、またはDyeを投与した尾静脈とは異なるもう一方の尾静脈をナイフで傷付けて、出てきた血液をヘマトクリット管で回収した。採血したヘマトクリット管をIVIS(XENOGEN社 登録商標) Imaging System 200 Series (XENOGEN社)装置内に置き、蛍光像を測定した。IVIS(XENOGEN社 登録商標) Imaging System 200 Series (XENOGEN社)に搭載されているLiving Image (XENOGEN社登録商標) 2.3 ソフトウェアを使用して、均等な面積の観測範囲(ROI;Region Of Interest)を設定し、それぞれのヘマトクリット管の蛍光値を算出した。一方で、既知濃度のPNP10、PNP−PS、またはDyeをマウス血液で種々の濃度に希釈してヘマトクリット管で採取し、このヘマトクリット管をIVIS(XENOGEN社 登録商標) Imaging System 200Series (XENOGEN社)装置内に置き、蛍光像を測定した。前述の方法と同じようにLiving Image (XENOGEN社登録商標) 2.3 ソフトウェアを使用して、均等な面積の観測範囲(ROI;Region Of Interest)を設定し、それぞれのヘマトクリット管の蛍光値を算出した。算出した蛍光値とPNP10、PNP−PS、またはDyeの濃度から関係式を導出した。この関係式と、マウス尾静脈から採血したヘマトクリット管の蛍光値から、マウス血液中に存在するPNP10、PNP−PS、またはDyeの量を算出した。算出されたそれぞれの血液中の存在量を全投与量で除することで、投与量あたりの血液中の存在量の割合(%ID)を算出した。
算出された結果を図6(a)に示した。Dyeは、0.5%ID、PNP−PSは、7.9%ID、PNP10は12.6%IDであり、DyeおよびPNP−PSに比較して、PNP10は24時間後の血液中の存在割合が高い値となった。
続いて、腫瘍組織の重さで規格化した場合の全投与量に対する腫瘍への集積量の割合(%ID/g)を算出した。初めに、既知濃度のPNP10またはPNP−PSをFBSで種々の濃度に希釈して50μlをマウス皮下へ投与し、該投与部位の蛍光強度を前記IVIS(XENOGEN社 登録商標)Imaging System 200 Series(XENOGEN社)にて測定した。ここで、前述の50μlという投与量は、N87腫瘍の平均サイズ(50mg)と同体積であることから決定した。次に前述の測定から得られるマウス皮下からの蛍光強度と、マウス皮下へ投与したPNP10、PNP−PS、またはDyeの濃度から関係式を導出した。この関係式と、腫瘍部位の範囲の蛍光強度から腫瘍へ集積したPNP10、PNP−PS、またはDyeの集積量の割合を算出した。ここで、蛍光強度の測定には、皮下投与も腫瘍部位も同一の大きさのROIを使用した。
算出された結果を図6(b)に示す。Dyeは、4.8%ID/g、PNP−PSは、17.7%ID/g、PNP10は41.6%ID/gであり、DyeおよびPNP−PSに比較して、PNP10は24時間後の腫瘍への集積量の割合が高い値となった。
PNP10を投与した別の担癌マウスについて、光音響イメージングをおこなった。結果を図7に示す。CCDカメラにて確認された癌腫瘍の位置(b)から高い光音響信号が得られた(a)。同一の担癌マウスを蛍光イメージング(c)を観察したところ、高シグナル位置が一致しており、投与したPNP10が腫瘍へ集積し蛍光と光音響信号を発生せしめていることが確認された。
(実施例24)(粒径の異なるPNPの物性評価)
実施例5にて記載の方法にてPNP5を調製した。精製方法は、遠心精製(20000×g、45分間)で実施した。遠心精製の上清を回収し、72100×g、15分間の条件でさらに遠心し、沈殿した画分を回収し、PBSへ再分散させた。以降、この再分散溶液中に含まれる粒子をPNP5’と略す。
PNP5’について動的光散乱解析装置で分析したところ、平均粒径は49.3nm(キュムラント解析値)であった。また、モル吸光係数は3.1×10−1cm−1であった。PNP5’について前述の色素漏出試験を実施したところ、粒子中の色素残存率は55%であった。ここで、PNP5’の色素残存率が低いのは、粒径が小さいため遠心分離時の遠心力(28800×g)では十分に沈殿せずに上清に残存してしまうためである。
(粒径の異なるPNPの腫瘍集積性評価)
実施例23と同じ方法で担癌マウスを作製し、PNP5、またはPNP5’のPBS溶液を、200μl(粒子として13nmol)を静脈注射した。上記のPNP5、PNP5’を投与した担癌マウスは、投与後いかなる視覚的問題も無いことから、全注射が良好に耐容されたと判断した。投与24時間後にマウスを炭酸ガスで安楽死させた後、癌組織を摘出した。癌組織をプラスチックチューブに移し、癌組織の重量に対し1.25倍量の1%Triton−X100水溶液を添加し、ホモジネートした。次いで、癌組織重量の20.25倍量のテトラヒドロフラン(THF)を加えた。IVIS(登録商標)Imaging System 200 Series(XENOGEN社)を用いて、プラスチックチューブの状態で、ホモジネート溶液の蛍光強度を測定することで癌組織中の色素量を定量した。その結果を図8にまとめた。PNP5および、PNP5’の投与量に対する癌組織への移行率は、それぞれ0.11%(癌組織1gあたり)、0.29%であった。したがって、平均粒径49.3nm(キュムラント解析値)のPNP5’は、平均粒径162.1nm(キュムラント解析値)のPNP5に比べて腫瘍集積量が多いことがわかった。
(実施例25、リンパ節集積率の評価)
実施例10で作製したPNP10をマウスの足底皮下に投与し、投与後24時間後に摘出し、ホモジネート後有機溶媒で抽出して膝下リンパ節への集積率を測定した。投与量は色素量で13nmolとした。比較例としてICG水溶液も同様に投与測定した。表3に結果を示した。ICGに比較してPNP10ではリンパ節への集積率が約80倍増加した。この結果より、本発明の粒子はリンパ節の造影用として機能できることが分かった。
(リンパ節の光音響イメージング)
PNP10をマウスの足底皮下に投与し、投与後24時間後に膝下リンパ節の光音響イメージングを行った。その結果を図9に示す。図9の(b)で確認されるリンパ節付近から強い光音響信号がかんさつされた(図9(a))。比較例として未投与のリンパ節からは、蛍光信号は確認されなかった。この結果より、本発明の粒子はリンパ節造影用の光音響用造影剤として機能できることが分かった。
(実施例26、捕捉分子を有するPNP)
(一本鎖抗体hu4D5−8scFvの調製)
HER2へ結合するIgGの可変領域の遺伝子配列(hu4D5−8)を基に、一本鎖抗体(scFv)をコードする遺伝子hu4D5−8scFvを作製した。まずhu4D5−8のVL、VH遺伝子をペプチド(GGGGS)をコードするcDNAで連結したcDNAを作製した。5’末端には制限酵素NcoI を、3’末端には制限酵素NotIの認識サイトを導入した。以下に塩基配列を示す。
配列番号1:
5’-CCATGGATATCCAGATGACCCAGTCCCCGAGCTCCCTGTCCGCCTCTGTGGGCGATAGGGTCACCATCACCTGCCGTGCCAGTCAGGATGTGAATACTGCTGTAGCCTGGTATCAACAGAAACCAGGAAAAGCTCCGAAACTACTGATTTACTCGGCATCCTTCCTCTACTCTGGAGTCCCTTCTCGCTTCTCTGGATCCAGATCTGGGACGGATTTCACTCTGACCATCAGCAGTCTGCAGCCGGAAGACTTCGCAACTTATTACTGTCAGCAACATTATACTACTCCTCCCACGTTCGGACAGGGTACCAAGGTGGAGATCAAAGGCGGTGGTGGCAGCGGTGGCGGTGGCAGCGGCGGTGGCGGTAGCGAGGTTCAGCTGGTGGAGTCTGGCGGTGGCCTGGTGCAGCCAGGGGGCTCACTCCGTTTGTCCTGTGCAGCTTCTGGCTTCAACATTAAAGACACCTATATACACTGGGTGCGTCAGGCCCCGGGTAAGGGCCTGGAATGGGTTGCAAGGATTTATCCTACGAATGGTTATACTAGATATGCCGATAGCGTCAAGGGCCGTTTCACTATAAGCGCAGACACATCCAAAAACACAGCCTACCTGCAGATGAACAGCCTGCGTGCTGAGGACACTGCCGTCTATTATTGTTCTAGATGGGGAGGGGACGGCTTCTATGCTATGGACTACTGGGGTCAAGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCGGCGGCCGC-3’
(制限酵素の認識サイトを下線で示す。)
上記遺伝子断片hu4D5−8scFvをプラスミドpET−22b(+)(Novagen社)のT7/lacプロモーターの下流に挿入した。具体的には、制限酵素NcoIとNotIで消化処理したpET−22b(+)に、上記のcDNAをライゲーションする。
この発現プラスミドを大腸菌(Escherichia coli BL21(DE3))に形質転換し、発現用菌株を得た。得られた菌株をLB−Amp培地4mlで一晩前培養後、全量を250mlの2xYT培地に転嫁し、28℃、120rpmで8時間振とう培養した。その後、終濃度1mMでIPTG(Isopropyl−β−D(−)−thiogalactopyranoside)を添加し、28℃で一晩培養した。培養した大腸菌を8000xg、30分、4℃で遠心分離し、その上清の培養液を回収した。得られた培養液の60%重量の硫酸アンモニウムを添加し、塩析によりタンパク質を沈殿させた。塩析操作した溶液を一晩4℃で静置後、8000xg、30分、4℃で遠心分離することで沈殿物を回収した。得られた沈殿物を20mM Tris・HCl/500mM NaClバッファーに溶解し、1Lの同バッファーへ透析した。透析後のタンパク質溶液を、His・Bind(登録商標)Resin(Novagen社)を充てんしたカラムへ添加し、Niイオンを介した金属キレートアフィニティークロマトグラフィーによって精製した。精製したhu4D5−8scFvは、還元SDS−PAGEによりシングルバンドを示し分子量は約28kDaであることを確認した。以下に調製された抗体のアミノ酸配列を示す。以後、hu4D5−8scFvをscFvと略す。
配列番号2:
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDVNTAVAWYQQKPGKAPKLLIYSASFLYSGVPSRFSGSRSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQHYTTPPTFGQGTKVEIKGGGGSGGGGSGGGGSEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFNIKDTYIHWVRQAPGKGLEWVARIYPTNGYTRYADSVKGRFTISADTSKNTAYLQMNSLRAEDTAVYYCSRWGGDGFYAMDYWGQGTLVTVSSAAALEHHHHHHGGC
(PNP10へのscFvの修飾)
前述の通り調製したscFvを5mM EDTAを含むリン酸バッファー(2.68mM KCl/137mM NaCl/1.47mM KHPO/1mM NaHPO/5mM EDTA、pH7.4)にバッファー置換後、10倍モル量のトリ(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP)によって、25℃で約2時間、還元処理した。
実施例10で作製したPNP10の表面に存在する1級アミノ基を介して、scFvの修飾を行った。まず、succinimidyl−[(N−maleimidopropionamido)−diethyleneglycol] ester (SM(PEG)、サーモサイエンティフィック社) 0.1mg(233nmol)を、PNP10の水分散液(PNP濃度:4.8×1012個/ml)の2.9mlに溶解した。次に、0.33mlのほう酸バッファー(pH8.5)を加えた。この粒子懸濁液を室温で2時間撹拌した後、PD−10脱塩カラム(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)を用いて、マレイミド基を導入したPNP10(以下、マレイミド化PNP10と略す)と未反応のSM(PEG)を、水を展開溶媒として分離し、マレイミド化PNP10の水溶液およそ6mlを得た。この水溶液に1Mの2−[4−(2−Hydroxyethyl)−1−piperazinyl]ethanesulfonic acid(HEPES)溶液を120μl加えることで、マレイミド化PNP10のHEPES溶液を得た。
前記還元処理したscFvを、前記マレイミド化PNP10のHEPES溶液に添加し、4℃で15時間以上反応させた。仕込みの反応モル比(scFv/マレイミド化PNP10)は、720で行った。ここで「仕込み」とは反応系に加えられた、という意味であり、「仕込みの反応モル比」とは、反応系に加えられたscFvとマレイミド化PNP10のモル濃度比のことをいう。反応後、この溶液に、末端チオール基を有するポリエチレングリコール(分子量1000、PLS−606、Creative PEGWorks社製)16.8nmolを加え、室温で30分撹拌した。次いで、この溶液をフィルターろ過(ポアサイズ1.2μm)した後、100kDaのポアサイズのアミコンウルトラ−4(日本ミリポア社)を用いた限外ろ過によりマレイミド化PNP10へ結合しなかったscFvを除去して、scFvが修飾されたPNP10を得た。以後、得られたこの粒子をscFv− PNP10と略す。
(scFv−PNP10の物性評価)
BCA(bicinchoninic acid、ビシンコニン酸)法を用いて、PNP10へのscFvの修飾量を算出した結果、粒子あたりに280個のscFvが修飾されていることがわかった。動的光散乱解析装置で分析したところ、scFv−PNP10の平均粒径は約400nm(キュムラント解析値)であった。
(scFv−PNP10の細胞結合能評価)
培養細胞に対するscFv−PNP10の結合能評価を行った。前日にHER2陽性細胞(N87細胞)またはHER2陰性細胞(SUIT2細胞)を48ウェルプレートに播種した(4×10 cells/well)。翌日、培地を除去し、増殖培地200μlを入れた後、scFv−PNP10を種々の濃度で100μl添加した(PNP濃度として、0.57、1.1、2.3、4.6、9.1pM)。4℃で3時間、静置した。その後、scFv−PNP10を含む培地を除去し、PBS 1mlで2回、洗浄した。PBSを除去した後、細胞を溶解させるため、Triton X−100(polyoxyethylene−p−isooctylphenol)の1%水溶液を1ウェルにつき300μl加えた。37℃で1時間以上インキュベートした。このTriton溶液をマイクロチューブに移したのち、これにTHF 200ulを添加して溶液中の色素量を蛍光測定により求めた。蛍光測定は、励起波長は730nm、蛍光波長は820nmとした。蛍光強度値とインキュベートしたscFv−PNP10濃度より、スキャッチャードプロットを作成し、N87細胞に対するscFv−PNP10の見かけの平衡解離定数(K)を求めた結果、0.35nMであった。一方、SUIT−2細胞への結合は弱く、その結果、蛍光強度値が小さかったため、スキャッチャードプロットからKは求められなかった。以上の結果より、scFv−PNP10は、HER2を認識してHER2陽性細胞に対して選択的に結合することが確認された。

Claims (14)

  1. 乳酸とグリコール酸の共重合体と、シリコンナフタロシアニンとを有する粒子であって、粒径が10nm以上1000nm未満であることを特徴とする粒子。
  2. 前記シリコンナフタロシアニンが、下記化学式3で表されることを特徴とする請求項1に記載の粒子。

    (化学式3)
    (化学式3において、R201乃至R224はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アセトキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換または無置換の炭素数1乃至18のアルキル基、置換または無置換の芳香族基から選択される。前記アルキル基、及び前記芳香族基の置換基はハロゲン原子、アセトキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜18のアルキル基のいずれかである。
    また、R101、R102はそれぞれ独立に、−OH、−OR11、−OCOR12、−OSi(−R13)(−R14)(−R15)、ハロゲン原子、アセトキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換または無置換の炭素数1乃至18のアルキル基、置換または無置換の芳香族基から選択される。前記アルキル基、及び前記芳香族基の置換基はハロゲン原子、アセトキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜18のアルキル基のいずれかである。
    また、R11乃至R15はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アセトキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換または無置換の炭素数1乃至18のアルキル基、置換または無置換の芳香族基から選択される。前記アルキル基、及び前記芳香族基の置換基はハロゲン原子、アセトキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜18のアルキル基のいずれかである。)
  3. 前記シリコンナフタロシアニンが化学式1で示される化合物、化学式2で示される化合物、シリコン2,3−ナフタロシアニンジオクチルオキシド(Silicon 2,3−naphthalocyanine dioctyloxide)、シリコン2,3−ナフタロシアニンジクロライド(Silicon 2,3−naphthalocyanine dichloride)、ビス(ジイソブチルオクタデシルシロキシ)シリコン2,3−ナフタロシアニン(Bis(di−isobutyl octadecylsiloxy)silicon 2,3−naphthalocyanine(isoBOSINC))のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載の粒子。

  4. 前記共重合体の平均分子量が15000以上25000以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の粒子。
  5. 前記共重合体における乳酸とグリコール酸との共重合比が25:75から75:25の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の粒子。
  6. 前記共重合体における乳酸とグリコール酸との共重合比が50:50であることを特徴とする請求項5に記載の粒子。
  7. 前記粒子の表面に1種類または2種類以上の界面活性剤を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の粒子。
  8. 前記界面活性剤がポリオキシエチレンソルビタン系脂肪酸エステルとリン脂質のうち少なくともいずれか一方から選択された界面活性剤であることを特徴とする請求項7に記載の粒子。
  9. 前記ポリオキシエチレンソルビタン系脂肪酸エステルが下記化学式4で表されることを特徴とする請求項8に記載の粒子。

    (化学式4)
    化学式4において、R21乃至R24はそれぞれ独立に、−H、−OCR’から選択される。前記R’は炭素数1乃至18の、飽和または不飽和アルキル基である。wとxとyとzの総和が10乃至30の整数である。
  10. 前記粒子は、標的部位に特異的に結合する捕捉分子を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の粒子。
  11. 前記捕捉分子が一本鎖抗体であることを特徴とする請求項10に記載の粒子。
  12. 前記一本鎖抗体が配列番号2で表される配列を有することを特徴とする請求項11に記載の粒子。
  13. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の粒子と、前記粒子が分散された分散媒とを有することを特徴とする光イメージング用造影剤。
  14. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の粒子と、前記粒子が分散された分散媒とを有することを特徴とする光音響イメージング用造影剤。
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