JP6127078B2 - 運動状態と心理状態判定方法、装置、及びプログラム - Google Patents

運動状態と心理状態判定方法、装置、及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP6127078B2
JP6127078B2 JP2015029071A JP2015029071A JP6127078B2 JP 6127078 B2 JP6127078 B2 JP 6127078B2 JP 2015029071 A JP2015029071 A JP 2015029071A JP 2015029071 A JP2015029071 A JP 2015029071A JP 6127078 B2 JP6127078 B2 JP 6127078B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
state
exercise
subject
psychological state
primary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015029071A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016150118A (ja
Inventor
聡貴 木村
聡貴 木村
井尻 哲也
哲也 井尻
岳美 持田
岳美 持田
牧夫 柏野
牧夫 柏野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2015029071A priority Critical patent/JP6127078B2/ja
Publication of JP2016150118A publication Critical patent/JP2016150118A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6127078B2 publication Critical patent/JP6127078B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)

Description

この発明は、運動状態と心理状態を判定する技術に関する。
野球におけるピッチング、バッティングやゴルフにおけるスイング、パッティング等のスポーツの基本動作を適切に習得する上で、行為者が自身の身体動作を客観的に把握することは極めて重要である。行為者が鏡に映った自身の姿を見ながら動作を行うことや、行為者の動作を映像に記録しそれを行為者自身が観察して動作の問題点を発見することは、動作の改善に有効なアプローチである。しかし、身体動作の観察で得られる情報は身体部位の力学的運動状態のみであり、動作を生み出す筋の活動状態を直接把握することはできない。
これに対して、筋電位信号により筋の活動状態を取得し、その情報を身体部位の映像に重畳して提示する技術がある(例えば、非特許文献1参照。)。しかし、映像を見ながら動作を行うことはタスクを著しく阻害する場合がある。
一方、音響信号を聞きながら身体動作を行うことは容易であり、聴覚情報は視覚情報に比べて身体動作を行いながら同時に取得するのに適している。聴覚情報を利用して筋力発揮状態をタスク遂行中にリアルタイムで把握することができれば、行為者自身が力を発揮したタイミングや強さの確認が容易になり、身体動作における問題点の発見が促進される。そのため、筋の活動状態の変動を音響信号の特徴変化に反映させ、聴覚情報として行為者にリアルタイム提示する技術が提案されている(例えば、非特許文献2参照。)。
同様に、運動のポイントとなる「ばらつき」や「リズム」などを映像や音で可視化・可聴化し、運動のコツを掴みやすくるす手法が提案されている(例えば、非特許文献3参照。)。
運動のコツを掴むことができたとしても、それだけでは不十分で、普段通りのパフォーマンス又はより高いパフォーマンスを発揮するためには、より良い心理状態を保つことも重要である。極度の力みや緊張はパフォーマンスを低下させることが知られている。(例えば、非特許文献4)
また、緊張/リラックス状態を定量化する手法が知られており、例えば、心拍数変動の低周波数成分(LF: 0.05-0.15 Hz)と高周波数成分(HF: 0.15-0.4 Hz)を算出して、HFはリラックス度、LF/HFは緊張度、として評価する(非特許文献5)。
五十嵐直人,鈴木健嗣,河本浩明,山海嘉之,「下肢運動状態を提示する着用型発光センサスーツ」,情報処理学会インタラクション2011 松原正樹,寺澤洋子,門根秀樹,鈴木健嗣,牧野昭二,「身体動作 の連動性理解にむけた筋活動可聴化」,日本音響学会秋季研究発表会講演論文集,P.919-922,2012 http://www.kecl.ntt.co.jp/openhouse/2014/exhibition/25/index.html Psychophysiology, 47 (2010), 1109-1118. Wiley Periodicals, Inc. 「Psychological, muscular and kinematic factors mediate performance under pressure」 http://www.frontiersin.org September 2014|Volume5|Article1040| 1-19 「Ahealthy heart is not a metronome: an integrative review of the heart’s anatomy and heart rate variability」
上記のように、運動のポイントとなる「ばらつき」や「リズム」などを映像や音で可視化・可聴化する手法が提案されているが、「正しい運動」や「目標とする運動」が不明確なため、仮に「ばらつき」が少なくなり、「リズム」が一定になったとしても、それが運動の上達に繋がるとは言えない。
つまり、現在の運動を可視化・可聴化するだけでは、運動の行為者は現在の運動が「正しい運動」や「目標とする運動」から近いのか、外れているのか分からないし、現在の運動を変化させた結果、その変化させた運動が「正しい運動」や「目標とする運動」に近づいたのか、外れたのかも分からない。
野球の投手の運動を例に挙げると、初動は「正しい運動」に近いが、途中から「正しい運動」から外れて、後半に「正しい」運動に戻っているかもしれない。しかしながら、このような判断がつかないため、現在の運動を可視化・可聴化するだけでは不十分であり、改善が望まれている。
また、どのような心理状態が好ましいのか、その判断は難しく、現在の心理状態が好ましい状態なのか、そうでないのかを判断する仕組みが望まれている。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、基準となる運動状態と心理状態(正しい運動状態とより良い心理状態)に対する現在の運動と心理状態(判定対象の運動状態と心理状態)を出力する運動状態と心理状態判定方法、装置、及びプログラムを提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、実施形態に係る運動状態と心理状態判定方法は、所定運動中の一次被検者から取得された一次生体情報に少なくとも基づき前記一次被検者の運動状態と心理状態を判定または記憶し、所定運動中の二次被検者から取得された二次生体情報に少なくとも基づき前記二次被検者の運動状態と心理状態を判定し、前記一次被検者の運動状態と心理状態と前記二次被検者の運動状態と心理状態を比較し比較結果を出力する。
(2)さらに、上記(1)に記載の運動状態と心理状態判定方法において、前記一次生体情報は少なくとも筋電位データと心電位データを含み、前記二次生体情報も少なくとも筋電位データと心電位データを含む。
(3)さらに、上記(1)乃至(2)の何れかに記載の運動状態と心理状態判定方法において、前記一次被検者の運動状態と心理状態は、複数人の前記一次被検者からの一次生体情報に基づき判定するまたは判定されたものである。
(4)さらに、上記(1)乃至(3)の何れかに記載の運動状態と心理状態判定方法において、前記一次被検者の運動状態と心理状態は、複数回の所定運動中の前記一次被検者からの一次生体情報に基づき判定するまたは判定されたものである。
(5)さらに、上記(1)乃至(4)の何れかに記載の運動状態と心理状態判定方法において、前記二次被検者の運動状態と心理状態は、複数回の所定運動中の前記二次被検者からの二次生体情報に基づき判定するものである。
(6)さらに、上記(1)、(2)、(4)乃至(5)の何れかに記載の運動状態と心理状態判定方法において、前記一次被検者と前記二次被検者とは、同一の被験者である。
(7)さらに、上記(3)乃至(6)の何れかに記載の運動状態と心理状態判定方法において、前記一次被検者の運動状態と心理状態は、前記一次生体情報の統計に基づき判定するまたは判定されたものである。
(8)さらに、上記(3)乃至(7)の何れかに記載の運動状態と心理状態判定方法において、前記二次被検者の運動状態と心理状態は、前記二次生体情報の統計に基づき判定するものである。
(9)さらに、上記(2)、(4)乃至(6)の何れかに記載の運動状態と心理状態判定方法において、前記一次被検者の筋電位データは、当該被検者の複数箇所からの筋電位データであり、前記二次被検者の筋電位データは、前記二次被検者の複数箇所からの筋電位データである。
(10)さらに、上記(9)に記載の運動状態と心理状態判定方法において、前記一次被検者の運動状態は、前記一次生体情報の複数箇所からの筋電位データの統計に基づき判定するまたは判定され、前記二次被検者の運動状態は、前記二次生体情報の複数箇所からの筋電位データの統計に基づき判定するものである。
(11)さらに、上記(9)に記載の運動状態と心理状態判定方法において、前記一次被検者の心理状態は、第1の状況における所定運動中の前記一次被検者から取得された前記一次生体情報に基づき判定するまたは判定されたものであり、前記二次被検者の心理状態は、第2の状況における所定運動中の前記二次被検者から取得された前記二次生体情報に基づき前記二次被検者の心理状態を判定するものである。
(12)さらに、上記(9)に記載の運動状態と心理状態判定方法において、前記一次被検者の第1の心理状態は、第1の時刻における所定運動中の前記一次被検者から取得された前記一次生体情報に基づき判定するまたは判定されたものであり、前記二次被検者の第2の心理状態は、第2の時刻における所定運動中の前記二次被検者から取得された前記二次生体情報に基づき判定するものであり、前記第1の心理状態と前記第2の心理状態とを比較し、前記二次被検者の心理状態の変化を判定する。
(13)実施形態に係る運動状態と心理状態判定装置は、上記(1)乃至(12)の何れか一つに記載の運動状態と心理状態判定方法と同様に判定及び比較を実行する。
(14)実施形態に係る運動状態と心理状態判定プログラムは、上記(1)乃至(12)の何れか一つに記載の運動状態と心理状態判定方法と同様に判定及び比較をコンピュータに実行させる。
すなわちこの発明によれば、基準となる運動状態と心理状態(正しい運動状態とより良い心理状態)に対する現在の運動と心理状態(判定対象の運動状態と心理状態)を出力する運動状態と心理状態判定方法、装置、及びプログラム提供することができる。
上記(1)の運動状態と心理状態判定方法によれば、所定運動中の一次被検者(例えば上級者やプロ(基準となる選手))から取得された一次生体情報に少なくとも基づく運動状態と心理状態(一次指標)と、実質的に同一の所定運動中の二次被検者(例えば上達志望者(未熟練者)、上級者)から取得された二次生体情報に少なくとも基づく運動状態と心理状態(二次指標)との比較結果(正しい運動との差分)から、一次被検者に対する二次被検者の運動状態と心理状態(良し悪し)を判定することができる。なお、一次生体情報と二次生体情報は同一被検者からの情報であってもよく、例えば被検者の過去の情報(例えば、調子が良いときの情報)を一次生体情報としてもよい。
上記(2)の運動状態と心理状態判定方法によれば、前記一次生体情報及び前記二次生体情報は少なくとも筋電位データと心電位データを含むので、所定運動中の上級者やプロ(基準となる選手)の筋の活動レベルに基づく運動状態と心理状態と、実質的に同一の所定運動中の上達志望者の筋の活動レベルに基づく運動状態と心理状態との比較結果(正しい運動との差分)から、上級者やプロの運動状態に対する上達志望者の運動状態と心理状態(良し悪し)を判定することができる。
上記(3)の運動状態と心理状態判定方法によれば、所定運動中の100人の上級者やプロ(基準となる選手)の一次生体情報に基づく運動状態と心理状態と、実質的に同一の所定運動中の上達志望者の二次生体情報に基づく運動状態と心理状態との比較結果(正しい運動との差分)から、上級者やプロの運動状態に対する上達志望者の運動状態と心理状態(良し悪し)を判定することができる。
上記(4)の運動状態と心理状態判定方法によれば、100回の所定運動中の上級者やプロ(基準となる選手)の一次生体情報に基づく運動状態と心理状態と、実質的に同一の所定運動中の上達志望者の二次生体情報に基づく運動状態と心理状態との比較結果(正しい運動との差分)から、上級者やプロの運動状態に対する上達志望者の運動状態と心理状態(良し悪し)を判定することができる。
上記(5)の運動状態と心理状態判定方法によれば、実質的に同一の100回の所定運動中の上達志望者の二次生体情報に基づく運動状態と心理状態から、上級者やプロの運動状態に対する上達志望者の運動状態と心理状態(良し悪し)を判定することができる。
上記(6)の運動状態と心理状態判定方法によれば、一次被検者と二次被検者とを同一の被検者として運動状態(良し悪し)を判定することができる。
上記(7)の運動状態と心理状態判定方法によれば、一次生体情報の統計に基づく運動状態と心理状態(球速が速い、コントロールが良いときのデータ)と、二次生体情報に基づく運動状態と心理状態との比較結果(正しい運動との差分)から、上級者やプロの運動状態と心理状態に対する上達志望者の運動状態と心理状態(良し悪し)を判定することができる。
上記(8)の運動状態と心理状態判定方法によれば、二次生体情報の統計に基づく運動状態と心理状態から、上級者やプロの運動状態と心理状態に対する上達志望者の運動状態と心理状態(良し悪し)を判定することができる。
上記(9)の運動状態と心理状態判定方法によれば、所定運動中の上級者やプロ(基準となる選手)の複数箇所の筋の活動レベルに基づく運動状態と、実質的に同一の所定運動中の上達志望者の複数箇所の筋の活動レベルに基づく運動状態との比較結果(正しい運動との差分)から、上級者やプロの運動状態に対する上達志望者の運動状態(良し悪し)を判定することができる。
上記(10)の運動状態と心理状態判定方法によれば、所定運動中の上級者やプロ(基準となる選手)の複数箇所からの筋電位データの統計に基づく運動状態と、実質的に同一の所定運動中の上達志望者の複数箇所からの筋電位データの統計に基づく運動状態との比較結果(正しい運動との差分)から、上級者やプロの運動状態に対する上達志望者の運動状態(良し悪し)を判定することができる。
上記(11)の運動状態と心理状態判定方法によれば、第1の状況における所定運動中の上級者やプロ(基準となる選手)の心理状態と、第2の状況における所定運動中の上達志望者の心理状態との比較結果から、上級者やプロの心理状態に対する上達志望者の心理状態(良し悪し)を判定することができる。
上記(12)の運動状態と心理状態判定方法によれば、第1の時刻における所定運動中の上級者やプロ(基準となる選手)の心理状態と、第2の時刻における所定運動中の上達志望者の心理状態との比較結果から、上級者やプロの心理状態に対する上達志望者の心理状態(良し悪し)を判定することができる。
上記(13)の運動状態と心理状態判定装置によれば、上記(1)乃至(12)の何れか一つに記載の運動状態と心理状態判定方法と実質的に同様の効果が得られる。
上記(14)の運動状態と心理状態判定プログラムによれば、上記(1)乃至(12)の何れか一つに記載の運動状態と心理状態判定方法と実質的に同様の効果が得られる。
運動上達のためのフィードバックシステムの一例を示す図である。 センシング部の一例を示す図である。 状態判定部の一例を示す図である。 運動状態と心理状態判定装置による運動状態の判定処理の一例を示すフローチャートである。 運動状態と心理状態判定装置による心理状態の判定処理の一例を示すフローチャートである。 運動状態と心理状態判定装置での心電位データによる筋電位データへの影響の判定処理の一例を示すフローチャートである。 筋電位信号等の取得例を説明するためのブロック図。 筋電位信号等の提示方法の例を説明するための流れ図。 筋電位電極Aと加速度センサBの装着部位の例を示す図。
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
図1は、運動上達のためのフィードバックシステム100の一例を示す図である。図1に示すように、フィードバックシステムは、運動状態と心理状態判定装置130及びフィードバック装置140を備える。運動状態と心理状態判定装置130は、センシング部131、状態判定部132を備える。
本実施形態では、フィードバックシステム100を構成する運動状態と心理状態判定装置130による運動中の運動状態と心理状態の判定を中心に説明する。また、運動の例として、野球の投球動作を取り上げて説明する。なお、本実施形態で説明するフィードバックシステムは、運動上達や高いパフォーマンスの発揮のためだけに限定されるものではなく、リハビリテーション、技能伝承等に利用することもできる。
センシング部131は、一次被検者及び二次被検者に取り付けられる複数の筋電位センサー110と少なくとも一つの心電位センサー120からの信号をセンシングする。また、センシング部131は、胸部から取得される信号をセンシングしてもよいし、胸部から得られる信号に代えて手首から得られる信号をセンシングしてもよいし、胸部から得られる信号と手首から得られる信号とをセンシングし両者のセンシング結果からどちらか一方のセンシング結果を利用するようにしてもよい。複数の筋電位センサー110と心電位センサー120は、電極等で構成され、各筋電位センサー110は筋の活動レベルに応じた筋電位信号(生体情報)を出力し、各心電位センサー120は心電信号(生体情報)を出力する。例えば、複数の筋電位センサー110と心電位センサー120はウェアに取付けられたウェアラブルセンサであって、各筋電位センサー110は一次被検者及び二次被検者の体の複数箇所(腕、足、胸等)に対応するようにウェアに取付けられ、心電位センサー120は一次被検者及び二次被検者の体の胸等に対応するようにウェアに取付けられている。これにより、複数の筋電位センサー110と心電位センサー120は一次被検者及び二次被検者の体の複数箇所からのの筋の活動レベルに応じた筋電位信号と心電位信号(一次被検者からの一次生体情報及び二次被検者からの二次生体情報)を出力することができ、例えば、投球動作開始前から投球動作終了までの一定期間(即ち所定運動中)にわたる筋電位信号と心電位信号を出力することができる。また、複数の筋電位センサー110をリストバンド、グローブ等に取り付け、リストバンド、グローブ等の装着位置に応じた筋の活動レベルに応じた筋電位信号を取得するようにしてもよい。また、心電位センサー120をリストバンド、ヘアバンド等に取り付け、リストバンド、ヘアバンド等の装着位置から心電位信号を取得するようにしてもよい。なお、一次生体情報は、上記した心電位信号だけに限定されるものではなく、心電位信号、脈波、呼吸、発汗、脳波、眼球運動、及び瞳孔径のうちの少なくとも一つを一次生体情報とすることができる。
複数の筋電位センサー110と心電位センサー120からの複数の筋電位信号と心電位信号はセンシング部131に入力される。図2に示すように、センシング部131は、信号増幅器131a等を備え、センシング部131は、信号増幅器131aにより増幅された複数の筋電位信号と心電位信号をセンシングし、例えば、投球動作開始前から投球動作終了までの一定期間にわたる筋電位データと心電位データを取得する。
例えば、一次被検者に複数の筋電位センサー110と心電位センサー120を取り付け(一次被検者が複数の筋電位センサー110と心電位センサー120が取り付けられたウェアを着用し)、センシング部131が一定期間にわたる筋電位データと心電位データ(一次生体情報)を取得する。同様に、二次被検者に複数の筋電位センサー110と心電位センサー120を取り付け(二次被検者が複数の筋電位センサー110と心電位センサー120が取り付けられたウェアを着用し)、センシング部131が一定期間にわたる筋電位データと心電位データ(二次生体情報)を取得する。なお、一次被検者と二次被検者が同一のウェアを着用してもよいし、一次被検者と二次被検者の体格が異なる場合には異なるウェアを着用してもよいが、この場合、各ウェアにおける複数の筋電位センサー110と心電位センサー120の取り付け位置は実質的に対応する同一の位置となる。
例えば、一次被検者とは、上級者又はプロの投手等であり、二次被検者とは、野球の投球技術を上達したい者(上達志望者)である。上級者又はプロの投手1人からの筋電位データと心電位データを取得し一次被検者からの筋電位データと心電位データとしてもよいし、上級者又はプロの投手100人からの筋電位データと心電位データを取得し一次被検者からの筋電位データと心電位データとしてもよい。例えば、統計的に上級者又はプロの投手100人からの筋電位データと心電位データを処理し理想の筋電位データと心電位データを算出し、算出された筋電位データと心電位データを一次被検者からの筋電位データと心電位データとしてもよい。
また、同一人物の100回の投球動作中の筋電位データと心電位データを取得し一次被検者からの筋電位データと心電位データとしてもよい。例えば、上級者又はプロの投手1人の100回の投球動作からの筋電位データと心電位データを取得し一次被検者からの筋電位データと心電位データとしてもよいし、一次被検者と二次被検者とを同一人物(上達志望者)とし、上達志望者の100回の投球動作(例えば練習中の投球動作)からの筋電位データと心電位データを取得し二次被検者からの筋電位データと心電位データとし、上達志望者の1回の投球動作(例えば試合本番の投球動作)からの筋電位データと心電位データを取得し二次被検者からの筋電位データと心電位データとしてもよい。この場合、例えば、上達志望者が好調時に一次被検者となり、好調時以外(不調時)に二次被検者となる方法が考えられる。また、統計的に100回の投球動作からの筋電位データと心電位データを処理し理想の筋電位データと心電位データを算出し、算出された筋電位データと心電位データを一次被検者からの筋電位データと心電位データとしてもよい。
図3に示すように、状態判定部132は、判定器132a、運動状態と心理状態記憶部132b、切り替え器132c、比較器132dを備える。例えば、判定器132aは、一次被検者からの筋電位データと心電位データに基づき一次被検者の運動状態と心理状態を判定し、切り替え器132cは、オペレータからの入力(一次被検者からの情報入力指示)に基づき、一次被検者の運動状態と心理状態を運動状態と心理状態記憶部132bへ送り、運動状態と心理状態記憶部132bは一次被検者の運動状態と心理状態を基準運動状態と基準心理状態として記憶する。また、判定器132aは、二次被検者からの筋電位データと心電位データに基づき二次被検者の運動状態と心理状態を判定し、切り替え器132cは、オペレータからの入力(二次被検者からの情報入力指示)に基づき、二次被検者の運動状態と心理状態を比較器132dへ送る。比較器132dは、一次被検者の運動状態と心理状態と二次被検者の運動状態と心理状態とを比較し、比較結果(差異)を出力する。例えば、一次被検者の運動状態と心理状態に対する二次被検者の運動状態と心理状態(運動状態と心理状態の良し悪し)を出力する。なお、比較結果は、一次被検者と二次被検者の筋電位データと心電位データを含んでもよい。
以下、図4A及び図4Bを参照して、運動状態の判定処理と心理状態の判定処理について分けて説明するが、これら判定処理は独立した処理であってもよいし、一方の判定結果を他方の判定結果に反映させるような関連した処理であってもよい。
図4Aは、運動状態と心理状態判定装置130による運動状態の判定処理の一例を示すフローチャートである。
例えば、事前に、センシング部131は、一次被検者から一次生体情報(筋電位データ)を取得し(ST11A)、判定器132aは、一次被検者の一次生体情報から運動状態を判定し(ST12A)、運動状態と心理状態記憶部132bは、一次被検者の運動状態を記憶する(ST13A)。例えば、一人の一次被検者からの一次生体情報に基づく運動状態を記憶してもよいし、複数人の一次被検者からの一次生体情報を統計的に分析し一人分の運動状態として記憶してもよいし、複数人の一次被検者からの一次生体情報に基づく複数人分の運動状態として記憶してもよい。
続いて、センシング部131は、二次被検者から二次生体情報(筋電位データ)を取得し(ST14A)、判定器132aは、二次被検者の二次生体情報から運動状態を判定し(ST15A)、比較器132dは、一次被検者からの運動状態と二次被検者からの運動状態とを比較し(ST16A)、比較結果を出力する(ST17A)。例えば、一次被検者の運動状態の変化特性と二次被検者の運動状態の変化特性に基づき、一次被検者の運動状態と二次被検者の運動状態とを対応付けて、差分を検出する。差分の検出方法については各種方法を適用することができる。比較器132dは、一次被検者の運動状態に対する二次被検者の運動状態(運動状態の良し悪し、筋肉の使い方の良し悪し)を出力する。例えば、投球動作中の一次被検者からの筋電位データと実質的に同一の投球動作中の二次被検者からの筋電位データは、特定の動作タイミングで類似の特徴量を含む。「特定の動作タイミング」とは、一連の動作イベントからなる動作(例えば、投球動作)における特定の動作イベント(例えば、足挙げやボールリリースなど)のタイミング(時間または時間区間)を意味する。時系列の一次被検者の筋電位データと時系列の二次被検者の筋電位データから特定の動作タイミングで得られた特徴量を抽出し、一次被検者の筋電位データと二次被検者の筋電位データから抽出された特徴量に基づき、一次被検者の筋電位データと二次被検者の筋電位データを対応付けて、筋電位データの比較、筋電位データの差分検出が可能となる。
例えば、一人分の一次被検者の運動状態と二次被検者の運動状態とを比較し、一人の一次被検者の運動状態に対する二次被検者の運動状態(筋肉の使い方等)の良し悪しを比較結果として出力することができる。また、複数人分の一次被検者の運動状態と二次被検者の運動状態とを比較し、各一次被検者の運動状態に対する二次被検者の運動状態(筋肉の使い方等)の良し悪しを出力することもできる。
本実施形態では、運動状態と心理状態記憶部132bが、基準(正解)となる運動状態を保持するケースについて説明したが、基準となる運動状態をサーバ等から受信し、受信した運動状態を用いるようにしてもよい。
図4Bは、運動状態と心理状態判定装置130による心理状態の判定処理の一例を示すフローチャートである。
例えば、事前に、センシング部131は、一次被検者から一次生体情報(心電位データ)を取得し(ST11B)、判定器132aは、一次被検者の一次生体情報から心理状態を判定し(ST12B)、運動状態と心理状態記憶部132bは、一次被検者の心理状態を記憶する(ST13B)。例えば、一人の一次被検者からの一次生体情報に基づく心理状態を記憶してもよいし、複数人の一次被検者からの一次生体情報を統計的に分析し一人分の心理状態として記憶してもよいし、複数人の一次被検者からの一次生体情報に基づく複数人分の心理状態として記憶してもよい。
続いて、センシング部131は、二次被検者から二次生体情報(心電位データ)を取得し(ST14B)、判定器132aは、二次被検者の二次生体情報から心理状態を判定し(ST15B)、比較器132dは、一次被検者からの心理状態と二次被検者からの心理状態とを比較し(ST16B)、比較結果を出力する(ST17B)。例えば、一次被検者の心理状態の変化特性と二次被検者の心理状態の変化特性に基づき、差分を検出する。差分の検出方法については各種方法を適用することができる。比較器132dは、一次被検者の心理状態に対する二次被検者の心理状態(心理状態の良し悪し)を出力する。
例えば、一人分の一次被検者の心理状態と二次被検者の心理状態とを比較し、一人の一次被検者の心理状態に対する二次被検者の心理状態の良し悪しを比較結果として出力することができる。また、複数人分の一次被検者の心理状態と二次被検者の心理状態とを比較し、各一次被検者の心理状態に対する二次被検者の心理状態の良し悪しを出力することもできる。
また、試合本番中の第1の時刻(5回の守備)における所定運動中の二次被検者から取得された心電位データに基づき二次被検者の第1の心理状態を判定し、試合本番中の第2の時刻(7回の守備)における所定運動中の二次被検者から取得された心電位データに基づき二次被検者の第2の心理状態を判定し、第1の心理状態と第2の心理状態を比較し、比較結果として、時間経過(例えば疲労)による二次被検者の心理状態の変化を出力することもできる。
本実施形態では、運動状態と心理状態記憶部132bが、基準(正解)となる心理状態を保持するケースについて説明したが、基準となる心理状態をサーバ等から受信し、受信した心理状態を用いるようにしてもよい。
次に、筋電位データ(運動状態)と心電位データ(心理状態)との関係性を利用した判定処理の一例について説明する。過度の緊張はスムーズな運動を阻害することが知られている。例えば、運動状態と心理状態判定装置130は、心理状態が運動状態に悪影響を及ぼしているか否かを判定することができる。
図4Cは、運動状態と心理状態判定装置での心電位データによる筋電位データへの影響の判定処理の一例を示すフローチャートである。
状態判定部132は、一次被検者の筋電位データ(運動状態)と心電位データ(心理状態)の関係(例えば理想的な関係)を分析する(ST11C)。同様に、状態判定部132は、二次被検者の筋電位データ(運動状態)と心電位データ(心理状態)の関係(例えば理想的ではない関係)を分析する(ST12C)。
状態判定部132は、一次被検者の筋電位データ(運動状態)と心電位データ(心理状態)の関係と、二次被検者の筋電位データ(運動状態)と心電位データ(心理状態)の関係を比較し(ST13C)、二次被検者の心電位データ(心理状態)による筋電位データ(運動状態)への影響を判定する(ST14C)。例えば、緊張により運動が乱れているなどを判定することができる。
また、統計的に、心電位データの変化に応じた筋電位データの変化を捉えることにより、心電位データが筋電位データに影響を及ぼしたことを判定することができる。また、このときの心電位データと筋電位データの関係から、心電位データが筋電位データに影響を及ぼしている状態を検出(判定)することもでき、その結果を出力することもできる。
例えば、投手Aの練習中の筋電位データと心電位データ(一次被検者の筋電位データと心電位データに相当)を蓄積し、状態判定部132は、蓄積した投手Aの練習中の筋電位データ(運動状態)と心電位データ(心理状態)と、投手Aの試合中の筋電位データ(運動状態)と心電位データ(運動状態)(二次被検者の筋電位データと心電位データに相当)とを比較する。つまり、同一人物の過去に蓄積された筋電位データと心電位データ(運動状態と心理状態)と、現在の筋電位データと心電位データ(運動状態と心理状態)を比較する。過去(練習中)の運動状態(及び心理状態)に対して現在(試合中)の運動状態(及び心理状態)が悪い場合、心理状態が影響し運動状態が悪くなっていると判定する。即ち、同一人物の運動状態が極端に悪化していることから、その原因は心理状態にあると判定している。また、過去と現在の時間差が小さい場合に限り、その原因は心理状態にあると判定してもよい。
なお、上記説明では、筋電位データと心電位データをセンシングするケースについて説明したが、心電位データのセンシングは必須ではない。例えば、状態判定部132が、筋電位データに基づく運動状態の判定結果から心理状態を判定するようにしてもよい。例えば、統計的に、運動状態の判定結果から心理状態を判定することができる。また、練習時の運動状態と試合時の運動状態とを比較して比較結果から心理状態の変化を判定することもできる。さらに、運動状態の変化から心理状態の変化を判定することもできる。例えば、試合前半等(第1の時間)の運動状態と試合後半等(第2の時間)の運動状態の変化から心理状態の変化を判定することができる。
以下、センシング部131と状態判定部132についてまとめる。ここでは、心理状態のセンシングと判定と比較だけでなく、運動状態のセンシングと判定と比較についても説明する。
1.センシング部131
センシング部131は、一人ないし複数の対象から生体情報(運動信号及び心理信号)を計測する。生体情報をどのような手段で取得するかは問わない。
<運動信号のセンシング>
センシング部131は、一つないし複数の筋から、筋電位信号(生体電極)を計測する。さらに、センシング部131は、一箇所ないし複数の部位の加速度信号(加速度センサ)や圧力信号(圧力センサ)、関節角度信号(曲げセンサ)を計測することもできる。
<心理信号のセンシング>
センシング部131は、例えば心理状態を判定するために、自律神経活動を計測することもできる。例えば、センシング部131は、心電位信号(生体電極)や脈波(光センサ)を計測する。これにより、自律神経活動(興奮/リラックス)を検出できる。
また、センシング部131は、その他の生理反応を計測することもできる。例えば、センシング部131は、呼吸や発汗、脳波、眼球運動、瞳孔径を計測する。これにより、情動(興奮/リラックス)や感情(サプライズや選好)、注意、意図などを検出できる。
野球の装備で考えられる計測対象として、ヘルメット、帽子(脳波)、サングラス(眼球運動(注視方向、マイクロサッケード)、瞳孔径)、手袋(発汗、脈波、圧、加速度)、アンダーウェア(筋電、心電、呼吸、加速度)、シューズ(発汗、脈波、圧、加速度)がある。
2.状態判定部132
<(運動)判定器132a>
判定器132aは、計測された筋電位データなどから、下記のような運動状態を判定する。
判定器132aは、運動パターン(コツや力み)を判定する。例えば、判定器132aは、ある動き(加速度や関節角度の変化)に対する筋活動パターンや筋活動の相互タイミングなどを判定する。
判定器132aは、姿勢パターン(バランス)を判定する。例えば、判定器132aは、足底圧力の変化に対する筋の組み合わせの活動状態や活動タイミングなどを判定する。例えば、判定器132aは、スキーのときの足底の圧力変化と筋の使い方などを判定する。
判定器132aは、筋疲労度を判定する。例えば、判定器132aは、一つないし複数の筋電位信号を周波数解析することで判定(疲労すると、筋活動のパワーが低周波帯域にシフトする)する。例えば、この判定結果は、選手の交代時の判断に用いることができる。
<(運動)比較器132d>
比較器132dは、運動状態の変化や良し悪しを判定するため、一人ないし複数の一次被検者から得られた情報と二次被検者から得られた情報とを比較する。
比較器132dは、特定の対象である一次被検者の運動状態と二次被検者の運動状態とを比較する。事前に、判定器132aが、特定の上級者や一流選手など(手本)の一次被検者の運動状態を判定し、比較器132dは、一次被検者の運動状態と二次被検者の運動状態とを比較する。
また、比較器132dは、ある集団の一次被検者から得られた運動状態と二次被検者から得られた運動状態を比較する。例えば、事前に、判定器132aが、ある集団の一次被検者から得られる運動状態(平均パターン、データマイニングで特徴づけられたパターンなど)を判定し、比較器132dは、一次被検者の運動状態と二次被検者の運動状態とを比較する。
また、比較器132dは、自分(二次被検者)を一次被検者とし、一次被検者の運動状態と二次被検者の運動状態とを比較する。比較器132dは、普段(練習等で100球投げたときの平均値)の運動状態と現在(試合等の本番)の運動状態とを比較する。
また、比較器132dが、パートナー間の運動状態の関係を比較(判定)するようにしてもよい。例えば、判定器132aが、投手と打者の運動状態(例えば力み度)を判定し、比較器132dは、投手と打者の運動状態を比較する。比較結果を駆け引きの様子や相性の判断に用いることができる。
<(心理状態)判定器132a>
判定器132aは、心電位信号や脈波から得られる心拍数や血流の変動(ゆらぎ)を周波数解析することで自律神経状態(交感神経と副交感神経の活動のバランス=緊張/リラックス)を判定できる(例えば、非特許文献5)。緊張/リラックス状態を定量化する手法として、例えば、心拍数変動の低周波数成分(LF: 0.05-0.15 Hz)と高周波数成分(HF: 0.15-0.4 Hz)を算出して、HFはリラックス度、LF/HFは緊張度、として評価することができます。
他に、判定器132aは、呼吸や発汗、脳波、眼球運動、瞳孔径などから、情動(興奮/リラックス)や感 情(サプライズや選好)、注意、意図などの状態も判定できる
<(心理状態)比較器132d>
比較器132dは、心理状態の変化や良し悪しを判定するため、一人ないし複数の一次被検者から得られた情報と二次被検者から得られた情報とを比較する。
比較器132dは、ある集団の一次被検者から得られた自律神経状態と二次被検者から得られた自律神経状態を比較する。例えば、事前に、判定器132aが、ある集団の一次被検者から得られる自律神経状態(平均値、データマイニングで特徴づけられた値など)を判定し、比較器132dは、一次被検者の自律神経状態と二次被検者の自律神経状態とを比較する。
また、比較器132dは、自分(二次被検者)を一次被検者とし、一次被検者の自律神経状態と二次被検者の自律神経状態とを比較する。比較器132dは、第1の状況での(普段、例えば練習中)自律神経状態と第2の状況での(現在、例えば試合等の本番中)自律神経状態とを比較する。
また、比較器132dは、パートナー間の心理状態の関係を比較(判定)する。例えば、判定器132aが、投手と打者の心理状態を判定し、比較器132dは、投手と打者の心理状態を比較する。比較結果を駆け引きの様子や相性の判断に用いることができる。
<(運動状態と心理状態)比較器132d>
比較器132dは、運動状態や自律神経状態を組み合わせることで、「自律神経状態と運動状態の関係性」を比較(判定)する。例えば、緊張すると、運動が乱れるなどの関係がわかる。
続いて、運動状態と自律神経の状態の判定について詳しく説明する。
事例1として、実戦におけるプロの投手の総合的な状態モニタリングについて説明する。
1.投手Aが上下半身両方に、筋電位センサー110(ウェアラブルセンサー)を搭載したコンプレッションインナーウェア(例えばHitoe(登録商標))を着用する。上半身に心電位センサー120(ウェアラブルセンサー)を搭載したコンプレッションインナーウェア(例えばHitoe(登録商標))を着用する。上半身用のウェアには筋電位を計測するために、例えば、着用者の腕、肩、胸囲、腰に対応する複数箇所に筋電位センサー110が配置されている。また、上半身用のウェアには心電位を計測するために、例えば、着用者の心臓周囲に対応する複数箇所(例えば3箇所)に心電位センサー120が配置されている。下半身用のウェアには、下半身の疲労度を測定するために、着用者の臀部(下肢のその他の筋でもよい)の筋電位を計測するために、着用者の臀部に対応する複数箇所に筋電位センサー110が配置されている。
2.状態判定部132は、上半身及び下半身の筋電位を周波数解析し、筋の疲労度合いを推定することができる。一方で、状態判定部132は、心電位に基づく心拍変動の解析から、投手の交感神経と副交感神経の活動バランスを推定することができる。
3.筋電位センサー110、心電位センサー120、及びセンシング部131は、普段の練習および試合から投手Aの筋電位および心電位を継続的に測定し、以下に列挙するような様々な状況におけるデータを長期的に取り貯める。
3.1 ブルペンで打者が立っていない非実戦的な状況
3.2 打者と対戦する状況(練習)
3.3 打者と対戦する状況(試合)
以上の状況から取得した以下のようなデータを、生体状態推定器として機能する状態判定部132に投入する。状態判定部132は、「3.1」、「3.2」、及び「3.3」を入力として直近の将来の投球パフォーマンスを推定するためのモデルを逐次更新する。
3.4.1 筋電位から推定される客観的筋疲労度
3.4.2 全身の筋活動パターンから推定される運動連鎖の効率
3.4.3 心拍変動から推定される自律神経活動バランス
3.4.4 投球速度、コントロールのばらつき等のパフォーマンス指標
<ユーザー使用例1:実戦場面を想定>
上記3.4.1〜3.4.4の情報は、二次被検者(データを測定されている本人)、および周囲の人間が常時モニターできる状態にある。つまり、フィードバック装置140が、上記3.4.1〜3.4.4の情報を出力する。
4.試合前半:投手Aは、試合開始直後(立ち上がり)のパフォーマンスが不安定であることが課題の一つである。長期的なデータ計測から、心電位から推定されるメンタルの状態が過緊張状態に陥ることが、頻繁に生じることがわかっている。さらに、過緊張状態と投球パフォーマンスの低下に相関があることもわかっている。そのため、試合中にそのような状況に陥った場合、投手コーチが「間を取る」などの対応をすることによって、投手Aが大きくパフォーマンスを乱すことは少なくなった。
5.試合中盤:疲労が増大していることが、モニターしている筋電位データから推測されるが、筋活動から推測される筋状態は良い状態を保っていると推測される場合(例えば疲労の蓄積は小さいと推測される場合)、首脳陣は続投させることを決断する。
6.試合後半:筋疲労、メンタル面双方において、状態の劣化が推定され、全身の筋活動パターンにも疲労時特有のパターンが見られた場合、打者に打ち込まれる前に、投手Aを降板させることを決断する。
7.上記のような使用により、より良いタイミングでの選手交代が可能となるだけでなく、無理をさせる機会が減ることによるケガのリスク減少も期待できる。
<ユーザー使用例2:試合で生じた課題を練習で克服する>
8.投手Aには、試合で普段の練習通りのパフォーマンスを発揮できないという課題がある((メンタルが影響しているのかもしれないが)フィジカルに原因があるのではないかと周囲の人間は推測している)。
9.上記課題を克服するために、前項3.1〜3.3各々の投球時の、全身の筋活動パターン、自律神経活動バランスおよび投球パフォーマンス指標を比較する。
10.その結果、投手Aはブルペンでの投球時のみ非常にリラックスした状態で投球をしており、打者との対戦シーン、特に試合での対戦シーンにおいて、メンタル面での変動が大きいことが判明する。さらには、メンタル面の変動を生じさせる試合状況もピックアップできる。
11.投手Aは「10.」のフィードバックを受けて、当該試合状況下における対応(状況の整理、気持ちの持ち方等)を指導者と議論する。さらに、練習において、当該状況を再現した実戦練習を行うことで、試合時のパフォーマンスの不安定さを改善することが期待できる。
事例2として、オーバートレーニング予防としての心拍変動解析について説明する。
12.若手野球選手A(投手)は、シーズン中に、多くの試合と並行して、高強度なトレーニングを行わなくてはならない。疲労が蓄積した状態で試合に望むと、パフォーマンスを発揮できないだけでなく、ケガのリスクを増大させることにもつながる。そのため、当日の選手のコンディションをモニタリングすることで、流動的にその日の登板可否を判断する仕組みが有用となる。
13.起床時の心電位から得られる心拍変動データからオーバートレーニング症候群を検知する。
若手野球選手Aは起床時から日常的に心電位及び筋電位を計測することで、心拍変動および筋電位データを継続的に取り貯めている。オーバートレーニングに陥った選手には、起床時の心拍数増大や心拍変動の減少が見られることが報告されている。また、筋電位から推定される筋疲労度合いと、心拍変動から推定される疲労度には関連があることも報告されている。これらと本人の主観的な疲労度と合わせて、コンディショニングコーチは投手Aの登板可否を当日の朝に判断する。
同時に、同様の測定において最もコンディションが良いと推定される投手Bを若手野球選手Aの代わりに登板させることを決定する。
以下、図5〜図7を参照し、一次被検者及び二次被検者からの筋電位信号及び加速度信号の取得の一例について説明する。これまでの説明では、身体情報の一例として筋電位信号を中心に説明したが、身体情報は筋電位信号だけに限らず、加速度信号を含むようにしてもよい。ここでは、筋電位信号及び加速度信号を含む身体情報の提示例(身体情報提示装置の例)について説明する。図1に示す運動上達のためのフィードバックシステムは、ここで説明する身体情報提示装置を含むように構成してもよい。なお、図5に示す筋電位電極Aは、図1に示す筋電位センサー110に対応するものである。
図5に示すように、身体情報提示装置は、筋電位信号記憶部1、筋電位信号生成部2、筋電位信号記憶部3、加速度電気信号記憶部4、加速度信号生成部5、加速度信号記憶部6、変調部10を例えば備えている。変調部10は、変調信号生成部7及び波信号変調部8を例えば備えている。身体状態提示方法は、身体情報提示装置が、図6のステップS1からステップS5の処理を行うことにより実現される。
所望の運動タスクにおける身体動作の中で主要な役割を果たす筋に筋電位電極Aが装着され、その筋が作用する身体部位に加速度センサBが装着されるとする。図5では、上腕に筋電位電極Aが装着され、手に加速度センサBが装着されている。
図7に、いくつかの基本的な運動タスクに関して、タスクごとに適した筋電位電極Aと加速度センサBの装着部位の例を示す。運動タスクが手首の屈曲である場合には、筋電位電極Aは手根屈筋に装着され、加速度センサBは手の甲に装着される。運動タスクが手首の伸展である場合には、筋電位電極Aは手根伸筋に装着され、加速センサBは手の甲に装着される。運動タスクが前腕の回外である場合には、筋電位電極Aは回外筋に装着され、加速度センサBは手の甲又は手首に装着される。運動タスクが前腕の回内である場合には、筋電位電極Aは回内筋に装着され、加速度センサBは手の甲又は手首に装着される。運動タスクが足の底屈である場合には、筋電位電極Aは腓腹筋又はヒラメ筋に装着され、加速度センサBは足の甲に装着される。運動タスクが足の背屈である場合には、筋電位電極Aは前脛骨筋に装着され、足の甲に装着される。
筋電位電極Aから取得される電気信号である筋電位信号x(t)は、所定の標本周期Tで標本化され、筋電位信号記憶部1に記憶される。筋電位信号記憶部1には、最新のN個の筋電位信号の標本値が記憶される。最新のN個の筋電位信号の標本値系列をx (n)(0≦n<N)と表記する。筋電位信号x(t)から新しいM個の標本値が生成される毎に、例えば以下のように最新のN個の筋電位信号の標本値系列x (n)(0≦n<N)は更新される。ただしM<Nとする。
Figure 0006127078
筋電位信号生成部2は、測定の対象となる筋の活動レベルを表す信号である筋電位信号PA を生成する(ステップS1)。生成された筋電位信号は、筋電位信号記憶部3に記憶される。
筋電位信号生成部2は、例えば、M個の新しい筋電位信号の標本値が得られる毎に、筋電位信号記憶部1から読み込んだ最新のN個の筋電位信号の標本値系列x (n)(0≦n<N)を用いて、筋電位信号の振幅を計算する。この筋電位信号の振幅が、測定の対象となる筋の活動レベルを表す信号である筋電位信号PA の一例である。このため、筋電位信号の振幅についてもPA と表記する。
筋電位信号の振幅PA は、式(1)により定義される筋電位信号の絶対値の加算平均である平均絶対振幅であってもよいし、式(2)により定義される筋電位信号の絶対値の最大値である最大絶対振幅であってもよいし、式(3)により定義される筋電位信号の相乗平均である平均二乗振幅であってもよい。
Figure 0006127078
筋電位信号記憶部3には、最新のM個の筋電位信号PA が記憶される。筋電位信号記憶部3に記憶される最新のM個の筋電位信号をPA(m)(0≦m<M)と表記する。新しい筋電位信号PA が生成される毎に、例えば以下のように最新のM個の筋電位信号PA(m)(0≦m<M)は更新される。
Figure 0006127078
加速度センサBから取得される電気信号である加速度電気信号x(t)は、所定の標本周期Tで標本化され、加速度電気信号記憶部4に記憶される。加速度電気信号記憶部4には、最新のN個の加速度電気信号の標本値が記憶される。最新のN個の加速度電気信号の標本値系列をx (n)(0≦n<N)と表記する。筋電位信号x(t)から新しいM個の標本値が生成される毎に、例えば以下のように最新のN個の筋電位信号の標本値系列はx (n)(0≦n<N)更新される。ただし M < N とする。
Figure 0006127078
加速度信号生成部5は、測定の対象となる筋が作用する身体部位の運動力学的状態を表す信号である加速度信号を生成する(ステップS2)。生成された加速度信号は、加速度信号記憶部6に記憶される。
加速度信号生成部5は、例えば、M個の新しい加速度電気信号の標本値が得られる毎に、加速度電気信号記憶部4から読み込んだ最新のN個の加速度電気信号の標本値系列x (n)(0≦n<N)を用いて、加速度信号の振幅を計算する。この加速度信号の振幅が、測定の対象となる筋が作用する身体部位の運動力学的状態を表す信号である加速度信号PB の一例である。このため、加速度信号の振幅についてもPB と表記する。
加速度信号の振幅PB は、式(4)により定義される加速度電気信号の絶対値の加算平均である平均絶対振幅であってもよいし、式(5)により定義される加速度電気信号の絶対値の最大値である最大絶対振幅であってもよいし、式(6)により定義される加速度電気信号の相乗平均である平均二乗振幅であってもよい。
Figure 0006127078
筋電位信号記憶部3には、最新のM個の筋電位信号PBが記憶される。筋電位信号記憶部3に記憶される最新のM個の筋電位信号をPB(m)(0≦m<M)と表記する。新しい筋電位信号PB が生成される毎に、例えば以下のように最新のM個の筋電位信号PB(m)(0≦m<M)は更新される。
Figure 0006127078
変調部10は、筋電位信号と加速度信号との関係に基づいて所定の波信号を変調する(ステップS5)。変調部10の処理は、変調信号生成部7によるステップS3の処理及び波信号変調部8によるステップS4の処理により実現される。以下、これらの処理について説明する。
変調信号生成部7は、筋電位信号を加速度信号で変調した変調信号を生成する(ステップS3)。生成された変調信号は、波信号変調部8に出力される。
変調信号生成部7は、例えば、筋電位信号記憶部3から読み込んだ最新のM個の筋電位信号PA(m)(0≦m<M)及び加速度信号記憶部6から読み込んだ最新のM個の加速度信号PB(m)(0≦m<M)を用いて、以下の式により定義される変調信号PC を生成する。M,Mは1以上の整数である。M,Mは特に1であってもよい。PA(m)repは筋電位信号PA(m)(0≦m<M)の代表値であり、PB(m)repは加速度信号PB(m)(0≦m<M)の代表値である。
Figure 0006127078
上記の式では、PA(m)repをM個の筋電位信号PA(m)(0≦m<M)の加算平均としているが、PA(m)repはM個の筋電位信号PA(m)(0≦m<M)を代表する値であれば他の値であってもよい。例えば、PA(m)repは、M個の筋電位信号PA(m)(0≦m<M)の相乗平均であってもよいし、M個の筋電位信号 PA(m)(0≦m<M)の最大値であってもよい。
同様に、上記の式では、PB(m)repをM個の加速度信号PB(m)(0≦m<M)の加算平均としているが、PB(m)repはM個の加速度信号PB(m)(0≦m<M)を代表する値であれば他の値であってもよい。例えば、PB(m)repは、M個の加速度信号PB(m)(0≦m<M)の相乗平均であってもよいし、M個の加速度信号PB(m)(0≦m<M)の最大値であってもよい。
関数fは、(1)PA(m)rep,PB(m)repのそれぞれについて単調非減少である関数f1であってもよいし、(2)PA(m)repについて単調非減少であるがPB(m)repについて単調非増加である関数f2であってもよい。(1)の場合のことを方法(1)と呼び、(2)の場合のことを方法(2)と呼ぶ。方法(1)及び方法(2)のそれぞれのメリットについては後述する。以下に、関数f1,f2を例示する。
Figure 0006127078
なお、上記に例示した関数f2を関数fとして用いるときには、PB(m)rep=0の場合にはPC =0とする。これにより、分母が0となることに起因してPC の値が定まらないという不具合を回避することができる。
このように、変調信号生成部7は、例えば所定の関数fに筋電位信号の代表値及び加速度信号の代表値を入力したときの出力値を計算することにより変調信号を生成する。
波信号変調部8は、変調信号PC に基づいて所定の波信号を変調する(ステップS4)。変調された波信号は、行為者及び観察者に提示される。波信号変調部8は、所定の音源信号g(t)を変調する音源信号変調部であってもよいし、所定の光信号を変調する光信号変調部であってもよいし、所定の色信号を変調する色信号変調部であってもよい。いわゆるヒートマップ(振幅変調)やスペクトログラム(周波数変調)などで可視化してもよい。
波信号変調部8が音源信号変調部である場合には、波信号変調部8は、音源信号g(t)を変調信号PC に基づいて例えば振幅変調又は周波数変調することにより音響信号s(t)を生成する。
振幅変調は、例えば以下の式により行われる。Dは変調効果の度合いを決定するための所定のゲインである。振幅変調を行う場合には、音源信号g(t)はどのような信号であってもよい。
Figure 0006127078
これに対して、周波数変調は、例えば以下の式により行われる。Gkは第k次高調波の振 幅を意味する。Dは変調効果の度合いを決定するための所定のゲインである。
Figure 0006127078
周波数変調を行う場合には、音源信号g(t)は例えば以下の式により定義される、所定の基本周波数f及びその整数倍周波数の複合正弦波とする。
Figure 0006127078
波信号変調部8が光信号変調部である場合には、波信号変調部8は、所定の号を変調信号PC に基づいて振幅変調又は周波数変調する。
振幅変調が行われる場合には、波信号変調部8は、所定の輝度の光信号の輝度を変調信号PC に基づいて変調する。これにより、LED又はディスプレイ等に表示された光の明るさを変化させることができる。
周波数変調が行われる場合には、波信号変調部8は、所定の周波数の光信号の周波数を変調信号に基づいて変調する。これにより、LED又はディスプレイ等に表示された光の色を変化させることができる。
波信号変調部8が音源信号変調部である場合において、方法(1)を用いる場合には、筋力発揮に伴って身体部位の運動が変化している時間区間でのみ音響信号が変化し、運動変化を伴わない筋力発揮状態は音響信号の変化に反映されない。したがって、方法(1)は、タスクにおいて最も重要な単位動作に直接関わる筋活動が、どのようなタイミングでどのくらいの強さで生じたかを把握するのに有効である。
一方、波信号変調部8が音源信号変調部である場合において、方法(2)を用いる場合には、方法2は運動変化を伴わない筋力発揮状態が音響信号変化に反映され、運動が変化している時間区間では音響信号は変化しない。したがって、方法(2)は、最小限の筋活動で滑らかな連続動作を行うべきタスクにおいて、余分な「力み」状態が生じているかどうかを把握するのに有効である。
また波信号変調部8は、身体情報を行為者及び観察者に視覚的情報として提示するものであってもよい。なお、この場合には、波信号変調部8は、運動タスクにおいて重要な動作に直接関わる筋活動のみを反映した視覚情報変化(方法(1)を用いる場合)と、運動タスクにおいて不要な力み状態のみを反映した視覚情報変化(方法(2)を用いる場合)のいずれかを選択的に、行為者や観察者に提示してもよい。
筋活動レベルを直接視覚的情報に反映させると、一連の身体動作中に筋が不要な力み状態にある場合にも、的確に筋力が発揮されている場合にも提示情報が変化してしまうため、運動が高速かつ複雑になるほど提示される視覚的情報の変動が多くなり、各筋がどのようなタイミングでどの程度活動したかの把握が困難になる可能性がある。上記のように選択的に視覚情報を提示することにより、この困難性を回避することができる。
特に難易度の高いタスクを習得するには、過剰な力み状態をできるだけ少なくすることと、的確なタイミングと強さで筋力を発揮することが同時に要求される。このような身体状態提示装置及び方法を用いると、所望のタスクにおける身体動作の中での筋力発揮状態を、行為者自身がタスクを行いながらリアルタイムかつ的確に把握できる。
[変形例等]
筋電位で観測される筋活動の開始時刻から、その活動による身体部位の力学的運動の開始時刻までの間には、約100ミリ秒未満程度の時間遅延(電気力学的遅延)が存在する。したがって、筋電位信号PA(m)と加速度信号PB(m)との間には、この電気力学的遅延に相当する時間ずれが含まれる。したがって、この電気力学的遅延に相当する時間の分だけPA(m)repと加速度信号PA(m)repとの一方をずらしてPC を計算してもよい。
例えば、電気力学的遅延に相当する時間の分だけ遅らせたPA(m)repPA(m)rep+Δとして、以下の式により定義される変調信号PC を計算する。PA(m)rep+Δは、具体的には、電気力学的遅延をΔ’とするとPA(m)repの時刻から離散時間Δ’/MTだけ遅れた時刻におけるPA(m)repのことである。
Figure 0006127078
また、電気時力学的遅延に相当する時間の分だけ早めたPB(m)repPB(m)rep-Δとして、以下の式により定義される変調信号PC を計算してもよい。PB(m)rep-Δは、具体的には、電気力学的遅延をΔ’とするとPB(m)repの時刻から離散時間Δ’/MTだけ早めた時刻に おけるPB(m)repのことである。
Figure 0006127078
上記の実施形態では、波信号変調部8が音源信号変調部である場合において、一つの筋電位電極と一つの加速度センサからの信号を用いて1種類の音源を制御している。これに対して、所望のタスクにおいて重要な筋が複数部位に存在する場合には、それら複数の筋それぞれに電極を一つずつ装着し、それぞれの筋が作用する身体部位に加速度センサを一つずつ装着し、各筋電位信号及び加速度信号により制御する音源を一つずつ割り当ててもよい。ただし個々の音源は互いに聴覚的に識別可能な異なる種類の音源とする。また、複数の筋のうち、作用する身体部位が共通の筋に関しては、加速度センサを共有する構成としてもよい。また、複数の筋と複数の加速度の組み合わせにより制御する音源を一つ割り当てる構成としてもよい。
身体部位の運動力学的状態を取得する手段として、加速度センサBを用いる以外に、ジャイロセンサ、傾斜計、地磁気計などを用いることもできる。または、ビデオカメラなど映像をリアルタイムで取得する装置と、取得した映像から身体のある特定部位の空間位置を推定する画像処理演算装置とを用いて、所望の身体部位の変位、速度及び加速度などの情報を取得してもよい。
身体状態提示装置は、図5に破線で示す差分分散変調信号生成部9を備えていてもよい。
差分分散変調信号生成部9は、例えば、比較の対象となる変調信号^PC の時系列データを有しているとする。比較の対象となる変調信号^PC は、所定の運動タスクについての模範となる運動に基づいて予め生成されたものである。差分分散変調信号生成部9は、変調信号生成部7が生成したPC と^PC との差分ΔPC を計算し、計算された差分ΔPC を波信号変調部8に出力する。波信号変調部8は差分ΔPC に基づいて上記と同様にして所定の波信号を変調する。このように、比較の対象となる変調信号^PC との差分ΔPC に基づく身体状態の提示を行うことにより、行為者は、模範的な運動と自分の運動との差分、言い換えれば自分の運動が模範的な運動にどのくらい近づいているのかを効果的に知覚することができる。
また、差分分散変調信号生成部9は、変調信号生成部7がこれまでに生成した変調信号PC を記憶しておき、新たな変調信号PC が生成される毎に変調信号PC の分散σPC を計算し、計算された分散σPC を波信号変調部8に出力してもよい。波信号変調部8は分散σPC に基づいて上記と同様にして所定の波信号を変調する。このように、分散σPC に基づく身体状態の提示を行うことにより、行為者は、自分の運動がどの程度再現できているのか、言い換えれば自分の運動のブレの大きさを効果的に知覚することができる。
装置及び方法において説明した処理は、記載の順にしたがって時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。
なお、上記した判定及び比較等の処理の手順はソフトウェアによって実行することが可能である。このため、上記処理の手順を実行するプログラムをダウンロードしこのプログラムを通常のコンピュータやスマートフォンなどのモバイル端末にインストールして実行するだけで、上記処理を容易に実現することができる。或いは、上記処理の手順を実行するプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等を通じてこのプログラムを汎用のコンピュータやスマートフォンなどのモバイル端末にインストールして実行するだけで、上記処理を容易に実現することができる。
例えば、運動状態と心理状態判定装置130は、上記プログラムをダウンロードし、ダウンロードしたプログラムを記憶し、プログラムのインストールを完了することができる。また、運動状態と心理状態判定装置130は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体から上記プログラムを読み取り、読み取ったプログラムを記憶し、プログラムのインストールを完了することができる。これにより、運動状態と心理状態判定装置130は、インストールされた上記プログラムに基づき、上記処理を容易に実現することができる。
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、ネットワークサーバ等で複数の一次被検者からの生体情報を収集し、複数の一次被検者からの生体情報を分析し、基準となる運動状態を生成し、配信するようにしてもよい。運動状態と心理状態判定装置130は、配信される基準となる運動状態を受信し、受信した運動状態と二次被検者の運動状態とを比較し、二次被検者の運動状態を判定することができる。
その他にも、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
100…運動上達のためのフィードバックシステム
110…筋電位センサー
120…心電位センサー
130…運動状態と心理状態判定装置
131…センシング部
132…状態判定部
140…フィードバック装置
132a…判定器
132b…運動状態と心理状態記憶部
132c…切り替え器
132d…比較器

Claims (9)

  1. 所定運動中の一次被検者から取得された少なくとも筋電位データと心電位データを含む一次生体情報に少なくとも基づき前記一次被検者の運動状態と心理状態を判定又は記憶し、前記所定運動中の二次被検者から取得された少なくとも筋電位データと心電位データを含む二次生体情報に基づき前記二次被検者の運動状態と心理状態を判定し、
    前記一次被検者の運動状態と心理状態と前記二次被検者の運動状態と心理状態とを比較し比較結果を出力する運動状態と心理状態判定方法であって、
    前記一次被検者と前記二次被検者とは、同一の被検者であり、
    前記一次被検者の第1の心理状態は、試合中の第1の時間における前記所定運動中の前記一次被検者から取得された前記一次生体情報に含まれる心電位データに基づき判定するまたは判定されたものであり、前記二次被検者の第2の心理状態は、前記試合中の第2の時間における前記所定運動中の前記二次被検者から取得された前記二次生体情報に含まれる心電位データに基づき判定するものであり、前記第1の心理状態と前記第2の心理状態とを比較し、前記二次被検者の心理状態の変化を判定し、
    また、前記第1の時間及び前記第2の時間よりも前に蓄積した前記一次被検者から取得された前記一次生体情報に含まれる筋電位データと心電位データの関係と、前記試合中の前記二次被検者から取得された前記二次生体情報に含まれる筋電位データと心電位データの関係を比較し、前記試合中の前記二次被検者の心電位データによる筋電位データへの影響を判定し、
    さらに、前記第1及び第2の時間の筋電位データの差に基づき運動状態の変化の原因を判定する運動状態と心理状態判定方法。
  2. 前記一次被検者の運動状態と心理状態は、複数回の前記所定運動中の前記一次被検者からの一次生体情報に基づき判定するまたは判定されたものである請求項に記載の運動状態と心理状態判定方法。
  3. 前記二次被検者の運動状態と心理状態は、複数回の前記所定運動中の前記二次被検者からの二次生体情報に基づき判定するものである請求項1又は2に記載の運動状態と心理状態判定方法。
  4. 前記一次被検者の運動状態と心理状態は、前記一次生体情報の統計に基づき判定するまたは判定されたものである請求項又はに記載の運動状態と心理状態判定方法。
  5. 前記二次被検者の運動状態と心理状態は、前記二次生体情報の統計に基づき判定するものである請求項乃至の何れかに記載の運動状態と心理状態判定方法。
  6. 前記一次被検者の筋電位データは、当該被検者の複数箇所からの筋電位データであり、前記二次被検者の筋電位データは、前記二次被検者の前記複数箇所からの筋電位データである請求項乃至の何れかに記載の運動状態と心理状態判定方法。
  7. 前記一次被検者の運動状態は、前記一次生体情報の前記複数箇所からの筋電位データの統計に基づき判定するまたは判定され、前記二次被検者の運動状態は、前記二次生体情報の前記複数箇所からの筋電位データの統計に基づき判定するものである請求項に記載の運動状態と心理状態判定方法。
  8. 請求項1乃至の何れか一つに記載の判定及び比較を実行する運動状態と心理状態判定装置。
  9. 請求項1乃至の何れか一つに記載の判定及び比較をコンピュータに実行させるための運動状態と心理状態判定プログラム。
JP2015029071A 2015-02-17 2015-02-17 運動状態と心理状態判定方法、装置、及びプログラム Active JP6127078B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015029071A JP6127078B2 (ja) 2015-02-17 2015-02-17 運動状態と心理状態判定方法、装置、及びプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015029071A JP6127078B2 (ja) 2015-02-17 2015-02-17 運動状態と心理状態判定方法、装置、及びプログラム

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016203754A Division JP6435302B2 (ja) 2016-10-17 2016-10-17 運動状態と心理状態判定方法、装置、及びプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016150118A JP2016150118A (ja) 2016-08-22
JP6127078B2 true JP6127078B2 (ja) 2017-05-10

Family

ID=56694991

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015029071A Active JP6127078B2 (ja) 2015-02-17 2015-02-17 運動状態と心理状態判定方法、装置、及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6127078B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101907598B1 (ko) 2016-10-18 2018-10-12 경북대학교 산학협력단 인공지능 모델을 통해 사용자의 감정과 행동을 심리 처방하는 웨어러블 장치를 이용한 전자장치, 방법 및 시스템

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0832261B2 (ja) * 1988-06-10 1996-03-29 三菱電機株式会社 精神緊張度モニター
JPH0546587A (ja) * 1991-08-20 1993-02-26 Nec Corp 仮想環境データ提示装置
US5826578A (en) * 1994-05-26 1998-10-27 Curchod; Donald B. Motion measurement apparatus
JP2000356942A (ja) * 1999-06-15 2000-12-26 Nec Corp 動作教示装置、動作教示方法及び動作教示プログラムを記録した記録媒体
CA2450784A1 (en) * 2001-06-19 2002-12-27 Digital Sports Media Physiological monitoring and system
JP2004192632A (ja) * 2002-11-26 2004-07-08 Seiko Instruments Inc 競技観覧システム
JP6004160B2 (ja) * 2012-04-16 2016-10-05 セイコーエプソン株式会社 情報処理装置、運動支援情報提供システム、運動支援情報提供方法、運動支援情報提供プログラム及び記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016150118A (ja) 2016-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20190154723A1 (en) Motion sensor and analysis
US10467926B2 (en) Conformal sensor systems for sensing and analysis
US10089763B2 (en) Systems and methods for real-time data quantification, acquisition, analysis and feedback
JP5432989B2 (ja) 被験者における望ましい状態を求める方法
CN110337265A (zh) 用于改善外周神经功能的方法和装置
WO2018214530A1 (zh) 运动员竞技状态评估方法及系统
CA2914494A1 (en) Motion sensor and analysis
KR20120000564A (ko) 적응적 수행 트레이너
JP6307457B2 (ja) 運動状態のフィードバック方法、システム、及びプログラム
Miura et al. Relationship between muscle cocontraction and proficiency in whole-body sensorimotor synchronization: a comparison study of street dancers and nondancers
JP6330009B2 (ja) 運動状態と心理状態とのフィードバック方法、システム、及びプログラム
Brody et al. The effect of a psyching strategy on neuromuscular activation and force production in strength-trained men
JP2016150119A (ja) 運動状態判定方法、装置、及びプログラム
Izzo et al. The global symmetry index, symmetry index, quality index and kinematics of the gait cycle with the synchronized contribution of the latest generation magneticinertial and electromyographic technology. Practical surveys and planning hypotheses for the revision of gesture
JP6435302B2 (ja) 運動状態と心理状態判定方法、装置、及びプログラム
CN204839492U (zh) 血压管理装置
JP6127078B2 (ja) 運動状態と心理状態判定方法、装置、及びプログラム
CN114173643A (zh) 便携式脱水监视系统
JP2018000537A (ja) 運動支援装置および運動支援方法
JP6431785B2 (ja) 心理状態のフィードバック方法、システム、及びプログラム
Ahmad et al. Development of wearable electromyogram for the physical fatigue detection during aerobic activity
JP6093787B2 (ja) 運動状態と心理状態とのフィードバック方法、システム、及びプログラム
Moatamed et al. Sport analytics platform for athletic readiness assessment
JP2016150117A (ja) 心理状態判定方法、装置、及びプログラム
JP6186736B2 (ja) 競技練習支援装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160816

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170316

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170404

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170410

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6127078

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150