JP6123664B2 - 衛生用薄葉紙の製造方法及び薬液の再利用装置 - Google Patents

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Description

本発明は,薬液を含有する衛生用薄葉紙の製造方法と,この製造方法で用いられる薬液の再利用装置に関するものである。具体的に説明すると,本発明は,衛生用薄葉紙を製造する際に用いられた薬液の余剰分を回収し,その余剰分の中から紙粉を取り除いて,紙粉が除去された薬液を衛生用薄葉紙の製造に再利用するための技術に関する。
従来から,例えば保湿ティッシュペーパのような,保湿剤や柔軟剤等の薬液を含浸させた衛生用薄葉紙が知られている。このような衛生用薄葉紙を製造するためには,薄葉紙の原紙に対して薬液を塗布する必要がある。ここで,原紙に対して薬液を塗布する方法としては,一般的に,浸漬や,ローラ転写,スプレー塗布,フレキソ印刷方式,グラビア印刷方式といった手法が用いられる。これらの一般的な塗布方法はいずれも,原紙に接触する薬液の全量が原紙に含浸するものではなく,原紙が漬けられる浸漬槽や,スプレー噴射の受け皿,原紙に接触するローラなどに,原紙に含浸しきらなかった余剰分が残ることとなる。
また,薄葉紙の原紙に塗布される薬液としては,柔軟剤やグリセリンを主原料とする保湿剤が知られているが,これらの薬液はいずれも高価である。また,薬液を大量に廃棄すると,環境に悪影響を及ぼす恐れがある。このような観点から,薄葉紙の原紙に対する塗布に利用された薬液のうち,原紙に含浸しきらなかった余剰分については,出来るだけ効率的に回収して,衛生用薄葉紙の製造に再利用することが一般的である。このように,薬液を含有する衛生用薄葉紙の製造過程においては,原料となる薬液を循環して再利用している。
ただし,薬液の循環利用にあたっては,原紙に接触した薬液の余剰分に,原紙から離脱した紙粉が含有されることとなる。すなわち,薬液を原紙に塗布する際に,原紙が高速で走行することによって飛散した紙粉が余剰分に混入したり,あるいはローラで薬液を塗布する際にその表面張力によって原紙から離脱した紙粉がローラに逆転移したりして,薬液の余剰分に紙粉が混入することとなる。このため,紙粉が混入した薬液の余剰分の回収を継続すると,紙粉の含有量の増加に伴って徐々に薬液の粘度が高まることとなり,薬液を原紙に塗布量が増加したり,原紙に対する薬液の塗布量にばらつきが発生したりするという問題があった。また,薬液の塗布にローラを利用するフレキソ印刷方式やグラビア印刷方式では,薬液の余剰分に含まれる紙粉がローラ表面に目詰まりを引き起こし,原紙に対して薬液が均一に塗布されることを妨げるという問題もあった。
このため,従来から,薬液を含有する衛生用薄葉紙の製造工程において,循環利用される薬液に混入した紙粉を効率的に除去する方法や装置が提案されている(例えば,特許文献1,特許文献2,特許文献3)。
例えば,特許文献1には,薬液含有ティシュペーパーの製造ラインにおいて,回収した薬液を遠心沈降装置において紙粉分と薬液分とに固液分離し,薬液分については薬液塗布装置に対して供給するように構成された紙粉除去装置が開示されている。この特許文献1の紙粉除去装置では,薬液の余剰分に含まれる紙粉分を除去する手段として,遠心沈降装置が用いられている。遠心沈降装置は,遠心力場における粒子などの分離対象物の沈降を利用して,薬液分と紙粉分とを分離する装置である。特許文献1では薬液はグリセリン等の比重や粘性の高い液体成分を多く含むのに対し,紙粉は微小で軽量であることから,遠心沈降装置を利用することで,固液の重力差が少ない条件であっても効率良く分離することができるとされている。
特開2011−251217号公報 特開2011−194170号公報 特開2012−011187号公報
ところで,特許文献1〜3に開示された従来の装置は,薬液を貯留しておくためのサービスタンクから塗布装置に対して薬液を供給する。また,従来の装置では,塗布装置において利用された薬液のうち,衛生用薄葉紙の原紙に含浸しきらなかった余剰分を,再度,前記のサービスタンクに回収する。そして,サービスタンク内に貯留されている薬液を遠心沈降装置に供給し,この遠心沈降装置において紙粉を除去することとしている。
しかしながら,従来の装置のように,塗布装置に対して供給する薬液を貯留しておくためのサービスタンクに,塗布装置で一度利用された薬液の余剰分を回収することとすると,このサービスタンク内に貯留されている薬液には,常に紙粉が混入されている状態となる。このため,従来の装置では,サービスタンクから塗布装置に対して,常に紙粉の混入した薬液が供給されるという問題があった。つまり,塗布装置に対して紙粉の混入した薬液が供給されると,衛生用薄葉紙原紙から離脱した紙粉によって,その薬液内の紙粉の含有量がさらに高まり,紙粉の含有量の増加に伴って徐々に薬液の粘度が高まるという問題が発生する。このような問題を軽減するために,特許文献1に記載の発明では,遠心沈降装置という高性能な分離装置を用いているが,問題の根本的な解決にはなっていない。
また,遠心沈降装置は,遠心力場における粒子などの分離対象物の沈降を利用するため,例えば遠心力場における液体の圧力を推進力として利用する遠心濾過・遠心脱水装置と比較して,個液の重力差が少ない条件であっても分離できるというメリットがある。しかし,遠心沈降装置による紙粉の除去は,分離対象物の沈降を利用するものであるため,遠心濾過・遠心脱水装置などと比較して時間が掛かるという不具合がある。ここで,従来の装置のように,サービスタンクから塗布装置に薬液を供給する構造であるにもかかわらず,このサービスタンク内の紙粉の除去に時間が掛かることとなると,サービスタンクから塗布装置に対する薬液の供給を一旦停止させて,サービスタンク内の紙粉除去作業を優先して行う必要が生じる。その結果,薬液を含有した衛生用薄葉紙の製造工程と,薬液の余剰分に混入した紙粉の除去工程とを同時に連続して継続することが困難になり,衛生用薄葉紙の製造効率の低下を招く恐れがあった。
このため,現在では,塗布装置に供給する薬液を貯留したサービスタンクに紙粉が混入する事態を防止しつつ,紙粉除去を効率的に行うことで,原紙に薬液を塗布する工程と薬液に混入した紙粉を除去する工程を同時かつ連続的に実行可能な技術が求められている。
そこで,本発明の発明者は,従来発明の問題点を解決する手段について鋭意検討した結果,塗布装置に供給する薬液を貯留したサービスタンクとは別に,この塗布装置から回収した薬液の余剰分を貯留するためのバッファタンクを設けるという知見を得た。これにより,バッファタンク内には紙粉が混入した薬液が貯留されることとなるものの,サービスタンク内に紙粉が混入することを回避できる。そして,バッファタンク内に貯留されている薬液の余剰分を紙粉除去の対象とすることで,効率的に,紙粉除去作業を行うことができる。つまり,塗布装置にはサービスタンクから適切に薬液が供給されるため,塗布装置を利用して原紙に薬液を効率的に塗布し続けることが可能となる。従って,サービスタンクに紙粉が混入する事態を防止しつつ,原紙に薬液を塗布する工程を継続して実行することが可能となる。
具体的に説明すると,本発明は以下の工程・構成を有する。
本発明の第1の側面は,薬液を含有する衛生用薄葉紙を製造する方法に関する。
本発明の製造方法は,
サービスタンク11に貯留されている薬液を塗布装置12に供給する工程と,
塗布装置12によって,衛生用薄葉紙の原紙に対して薬液を塗布する工程と,
塗布装置12に供給された薬液の余剰分をバッファタンク13に回収する工程と,
バッファタンク13に回収した薬液の余剰分を,分離装置14によって,薬液分と紙粉分とに分離する工程と,
分離装置14によって分離した薬液分を,塗布装置12又は他の塗布装置に供給する工程と,を含む。
上記のように,薬液を循環利用して薄葉紙を製造するにあたり,塗布装置12に供給する薬液を貯留したサービスタンク11とは別に,薬液の余剰分を回収するためのバッファタンク13を設けることで,サービスタンク11に紙粉が混入することを防止できる。これにより,塗布装置12において薬液内の紙粉含有量が増加することがなくなるため,薬液の粘度を常に適切な範囲に維持できる。また,サービスタンク11内の紙粉を除去する必要がなくなるため,サービスタンク11から塗布装置12に対して滞りなく薬液を供給することができる。従って,塗布装置12を連続的に稼働させて,薬液を含有する衛生用薄葉紙を効率的に製造することが可能となる。また,バッファタンク13内の回収された紙粉を含有する薬液については,分離装置14を利用して定期的に紙粉を除去することが可能となる。このため,衛生用薄葉紙の製造を停止させることなく,分離装置14を稼働させて紙粉を除去できる。また,分離装置14によって紙粉分が除去された薬液については,元のサービスタンク11に供給することとしてもよいし,別のタンクに供給することとしてもよい。さらに,バッファタンク13内に回収される薬液の余剰分については,紙粉の濃度が高くなっている。従って,バッファタンク13内の薬液については,遠心沈降装置のような高性能の分離装置を利用しなくても,遠心濾過・遠心脱水装置などを利用して簡単に除去できる。さらに,遠心濾過・遠心脱水装置を利用することで,高速に紙粉を除去することができようになるため,衛生用薄葉紙の製造効率がさらに向上する。
本発明の製造方法は,バッファタンク13内に回収された薬液の余剰分が所定量以上となったときに,当該余剰分を分離装置14に供給する工程を,さらに含むことが好ましい。
上記工程のように,バッファタンク13内の薬液の貯留量が一定値以上となったときに,分離装置14に薬液を供給することで,効率的に薬液内の紙粉を除去できる。例えば,従来の装置のように,サービスタンク内の薬液の余剰分を回収する構成の場合,サービスタンクの貯留量に応じて分離装置を稼働させることは難しかった。これに対し,本発明の好ましい形態によれば,バッファタンク13内の貯留量を測定することで,分離装置14を適切なタイミングで稼働させることができるため,例えば分離装置14の消費電力を抑えることが可能となる。
本発明の第2の側面は,上記第1の側面に係る製造方法において好適に利用することのできる薬液の再利用装置に関する。
本発明の再利用装置は,
薬液を貯留するサービスタンク11と,
サービスタンク11内の薬液を,衛生用薄葉紙の原紙に塗布する塗布装置12と,
塗布装置12に供給された薬液の余剰分を回収して貯留するためのバッファタンク13と,
バッファタンク13内の薬液の余剰分を,薬液分と紙粉分とに分離する分離装置14と,を含み,
分離装置14によって分離した薬液分を,塗布装置12又は他の塗布装置に供給するように構成されている。
本発明の再利用装置において,バッファタンク13は,センサ13aを有することが好ましい。そして,本発明の再利用装置は,センサ13aが,バッファタンク13内の貯留量が所定値以上となったことを検知したときに,当該バッファタンク13内の薬液の余剰分を,分離装置14に供給するように構成されていることが好ましい。
上述したとおり,本発明によれば,塗布装置に供給する薬液を貯留したサービスタンクに紙粉が混入する事態を防止することができる。また,本発明によれば,紙粉除去を効率的に行うことで,原紙に薬液を塗布する工程と薬液に混入した紙粉を除去する工程を同時かつ連続的に実行可能な技術を提供することができる。
図1は,薬液を含有する衛生用薄葉紙の製造過程を概念的に示したブロック図である。 図2は,図1に示したコーティングパートを具体的に示している。すなわち,図2は,コーティングパートで利用される再利用装置の構成を概念的に示したブロック図である。
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
図1は,一実施形態に係る衛生用薄葉紙の製造方法を概念的に示している。本発明の製造方法は,薬液を含有する衛生用薄葉紙を製造する方法である。薬液を含有する衛生用薄葉紙とは,例えば,公知の保湿タイプ(ローションタイプ)のティッシュペーパや,トイレットペーパ,キッチンペーパを挙げることができる。その他,本発明は,薬液が含浸したウェットティッシュや,手拭き用ペーパなどを製造するものであってもよい。
図1に示されるように,衛生用薄葉紙の製造方法では,まず,原反ロール1から,衛生用薄葉紙の原紙が繰り出される。図1に示された実施形態において,原反ロール1は,3つ用意されている。このため,図1に示された実施形態では,3プライの衛生用薄葉紙を製造することができる。ただし,本発明は,3プライの衛生用薄葉紙を製造するものに限られず,例えば1プライや2プライの衛生用薄葉紙を製造するものであってもよい。
図1に示さるように,原反ロール1から繰り出された原紙は,それぞれ,ダンサー2によって張力と供給スピードが調節される。その後,3本の原紙は互いに重ね合わされる。なお,本願明細書において,原紙が複数重ね合わされた積層体を,「ウェブ」ともいう。
その後,ウェブは,キャレンダ3に導入される。キャレンダ3は,対向配置された一対のキャレンダローラを有している。ウェブは,一対のキャレンダローラの間で加熱及び加圧によって引き延ばされて,平坦にされる。
その後,ウェブは,プリンタ4に導入されて,適宜所定の印刷が施される。なお,プリンタ4による印刷処理は,省略することができる。
その後,ウェブは,コーティングパート10に導入されて,薬液が塗布される。コーティングパート10においてウェブに塗付する薬液としては,適宜公知のものを利用すればよい。例えば,薬液としては,ポリオールと,機能性薬品と,水分とを含むものを用いることができる。ポリオールとしては,例えば,グリセリン,ジグリセリン,プロピレングリコール,ポリエチレングリコール,及びその誘導体等の多価アルコールを挙げることができる。また,機能性薬品としては,例えば,柔軟剤,ビタミン剤,界面活性剤,無機・有機の微粒子粉体,油性成分,乳化剤,消泡剤,防黴剤,及び消臭剤を挙げることができる。薬液の成分は,例えば,ポリオール70〜90%,水分1〜15%,機能性薬品を0.01〜22%とすればよい。
なお,本発明において,コーティングパート10では,薬液の循環が行われる。コーティングパートの具体的な構成については,後ほどより詳しく説明する。
図1に示されるように,コーティングパート10において薬液が塗布されたウェブは,スリッタ5に導入される。スリッタ5は,ウェブを,その進行方向(長尺方向)に沿って複数に分断する。これにより,スリッタ5を経たウェブは,所定の幅に裁断されたこととなる。
その後,スリッタ5で裁断されたウェブは,ワインダ6によって巻き取られる。ワインダ6で巻き取ったウェブについては,所定時間を放置して薬液が含浸するようにしてもよいし,その他の加工機へと運び出し,その他の加工機においてティッシュペーパやトイレペーパなどの衛生用薄葉紙に加工することとしてもよい。
ここで,図2は,図1に示したコーティングパート10の構成をより具体的に示している。図2に示された実施形態において,コーティングパート10は,基本的に,サービスタンク11と,塗布装置12と,バッファタンク13と,分離装置14と,これらの要素を繋ぐポンプ配管P4〜P7を有している。また,図2に示されるように,コーティングパート10は,さらに,ストレージタンク15と,プレサービスタンク16と,ポンプ配管P1〜P3を備えるものであってもよい。なお,コーティングパートは,制御装置(図示省略)によって,薬液の供給と循環が適切に制御されている。
まず,ストレージタンク15は,最初に薬液を貯留するための大型のタンクである。他の製造過程で製造した薬液又は業者から仕入れた薬液は,まずストレージタンク15に貯留される。ストレージタンク15内の薬液は,適宜,第1ポンプ配管P1を通じて,プレサービスタンク16へと供給される。
プレサービスタンク16は,薬液を加熱するために設けられたタンクである。プレサービスタンク16は,その内部に貯留された薬液を循環させるための第2ポンプ配管P2を備える。第2ポンプ配管P2は,加熱装置(図示省略)を有しており,その内部を導入された薬液を加熱することが可能となっている。プレサービスタンク16内の薬液は,適宜,第3ポンプ配管P3を通じて,サービスタンク11へと供給される。
サービスタンク11は,塗布装置12に供給する薬液を貯留するためのタンクである。図2に示されるように,サービスタンク11は,保温装置11aを有する。保温装置11aは,プレサービスタンク16において加熱された薬液が冷めないように,サービスタンク11内の薬液を一定に保っている。サービスタンク11内の薬液の温度は,例えば,22度〜40度とすればよい。サービスタンク11内の薬液は,適宜,第4ポンプ配管P4を通じて,塗布装置12へと供給される。
塗布装置12は,衛生用薄葉紙の原紙(ウェブ)に対して,薬液を塗布するための装置である。塗布装置12は,例えば,浸漬式,ローラ転写方式,スプレー塗布方式,フレキソ印刷方式,グラビア印刷方式などの公知の手法によって,原紙に対して薬液を塗布するように構成されていればよい。
図2に示された実施形態において,塗布装置12は,フレキソコータ印刷方式によって原紙に薬液を塗布するための構成を有している。フレキソコータ印刷方式の塗布装置12は,ドクターチャンバ12aと,アニックスローラ12bと,バッキングローラ12cと,を備えている。ドクターチャンバ12aは,サービスタンク11から薬液の供給を受けて,薬液を一時的に貯留する。アニックスローラ12bは,回転可能なドラム型のローラであり,外周面の一部がドクターチャンバ12aに浸かっている。これにより,アニックスローラ12bには,ドクターチャンバ12a内の薬液が受け渡される。バッキングローラ12cは,回転可能なドラム型のローラであり,アニックスローラ12bと対向するように配置されている。アニックスローラ12bの外周面とバッキングローラ12cの外周面の間には,衛生用薄葉紙の原紙(ウェブ)が導入される。アニックスローラ12bとバッキングローラ12cの間で原紙が挟み込みながら押圧されることで,アニックスローラ12bの外周面に付着している薬液が,原紙の表面に転写される。このようにして,フレキソコータ印刷方式の塗布装置12は,原紙に対し薬液を塗布する。
ただし,アニックスローラ12bの表面に付着されている薬液は,その全量が原紙に含浸するものではない。このため,アニックスローラ12bの表面に付着している薬液のうち原紙に浸透しきらなかった余剰分が,再び,ドクターチャンバ12a内に戻される。ここで,アニックスローラ12bが原紙の表面に接したときに,原紙から離脱した紙粉が薬液の余剰分に混じり合う。このように,薬液の余剰分がドクターチャンバ12a内に戻ることで,このドクターチャンバ12aに一次貯留されている薬液にも,原紙から離脱した紙粉が混入することとなる。従って,このドクターチャンバ12aに混入した紙粉を除去する必要が生じる。そこで,コーティングパート10は,ドクターチャンバ12a内の薬液に混入した紙粉を除去し,薬液分のみを再利用するための循環機構が備えられている。
続いて,この薬液の循環機構について具体的に説明する。
図2に示されるように,ドクターチャンバ12aには,第5ポンプ配管P5が接続されている。第5ポンプ配管P5は,ドクターチャンバ12a内の薬液の余剰分を,常時又は所定のタイミングで,バッファタンク13に供給する。バッファタンク13は,第5ポンプ配管P5を通じて回収された薬液の余剰分を,一時的に貯留するためのタンクである。ドクターチャンバ12a内の薬液には紙粉が混入しているため,結果として,バッファタンク13内に貯留される薬液にも紙粉が混入していることとなる。
図2に示されるように,バッファタンク13は,センサ13aを備える。センサ13aは,バッファタンク13内の薬液の貯留量が一定に達したことを検知するためのセンサである。例えば,センサ13aは,バッファタンク13内の薬液の貯留量を測定するものであってもよいし,バッファタンク13内の水位が一定値以上まで上昇したときに通電するようなものであってもよい。センサ13aには,適宜公知のものを用いることができる。センサ13aが一定値以上の貯留量を検出すると,制御装置(図示省略)は,第6ポンプ配管P6を通じて,バッファタンク13内の薬液を分離装置14に供給する。つまり,バッファタンク13と分離装置14は,第6ポンプ配管P6によって接続されている。
分離装置14は,薬液内に含まれる薬液分と紙粉分を分離するための装置である。分離措置14としては,例えば,公知の遠心濾過装置や,遠心脱水装置,遠心沈降装置などを用いることができる。遠心濾過装置と遠心脱水装置は,遠心力場における液体の圧力を推進力として利用して,薬液分と紙粉分とを分離する装置である。また,遠心沈降装置は,遠心力場における粒子などの分離対象物の沈降を利用して,薬液分と紙粉分を分離する装置である。ここで,遠心沈降装置は,薬液内に含まれる紙粉の濃度が少ない場合であっても,精度良く薬液分と紙粉分とに分離することができるというメリットがある。このため,例えば,ドクターチャンバ12a内の薬液の余剰分をサービスタンク11に回収し,サービスタンク11内で交じり合って紙粉分の濃度が低くなった薬液について紙粉を除去する場合には,遠心沈降装置を用いることが好ましいといえる。ただし,遠心沈降装置は,遠心濾過装置や遠心脱水装置と比較し,紙粉分の分離に時間が掛かるというデメリットがある。ここで,本発明では,ドクターチャンバ12a内の薬液の余剰分をバッファタンク13内に回収する。このため,バッファタンク13内には,基本的に,ドクターチャンバ12a内の薬液の余剰分が,他の薬液などに交じることなくそのまま回収されている。従って,バッファタンク13内に回収された薬液は,その中に含有されている紙粉の濃度が比較的高くなっている。このような場合に,バッファタンク13内の薬液から紙粉を除去するために,遠心沈降装置を用いる必要性は低い。そこで,本発明では,紙粉を除去するスピードが早い遠心濾過装置や遠心脱水装置を,分離装置14として用いることが好ましい。本発明は,薬液の余剰分の回収にバッファタンク13を用いることとしているため,遠心沈降装置のような高性能の分離装置を利用しなくても,遠心濾過装置や遠心脱水装置といった比較的コストの易い分離装置を利用して,十分効果的に紙粉を除去できる。
分離装置14は,薬液内の紙粉分と薬液分を分離すると,紙粉分については廃棄物として処理する。他方,本実施形態において,分離装置14は,紙粉分を除去した薬液分を,第7ポンプ配管P7を介して,サービスタンク11に供給する。このようにして,サービスタンク11には,紙粉が除去された薬液が帰還することとなる。これにより,原則として,サービスタンク11に,紙粉が混入することを防止できる。本発明では,サービスタンク11内に紙粉が混入することがないため,サービスタンク11内に貯留されている薬液の粘度が増加するという事態を防止することができる。なお,図2に示した実施形態では,循環機構を利用して,サービスタンク11から供給された薬液を,そのサービスタンク11に戻すこととしている。ただし,本発明はこの実施形態に限定されない。例えば,サービスタンク11から供給された薬液を,紙粉を除去した後に,別のタンク(図示省略)に供給することとしてもよい。
図2において,ドット模様の薬液は,紙粉が混入した(又は紙粉が混入する可能性のある)薬液を示している。他方,斜線模様の薬液は,原則として紙粉が混入していない(又は理論上紙粉が困窮する可能性のない)薬液を示している。図2に示されるように,本発明では,紙粉が混入した薬液(ドット模様)と紙粉が混入していない薬液(斜線模様)が完全に分離されている。特に,本発明では,サービスタンク11内の薬液が,紙粉が混入していない薬液(斜線模様)となっている。このように,本発明では,バッファタンク13を設けることで,サービスタンク11に紙粉が混入することを防ぎ,塗布装置12に対して紙粉が混入した薬液が供給される事態を防止している。さらに,バッファタンク13内に貯留される薬液について紙粉の除去を行うことで,サービスタンク11内に貯留される薬液については紙粉の除去を行う必要がなくなる。これにより,サービスタンク11から塗布装置12に対して滞りなく薬液を供給できるようになることから,塗布装置12を利用して,効率的に,薬液が含浸した衛生用薄葉紙を製造することが可能となる。
以上,本願明細書では,本発明の内容を表現するために,図面を参照しながら本発明の実施形態の説明を行った。ただし,本発明は,上記実施形態に限定されるものではなく,本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
本発明は,薬液を含有する衛生用薄葉紙の製造方法と,この製造方法で用いられる薬液の再利用装置に関するものである。従って,本発明は,保湿タイプのティッシュペーパ及びトイレットペーパなどの家庭紙の製造業において好適に利用し得る。
1…原反ロール 2…ダンサー 3…キャレンダ
4…プリンタ 5…スリッタ 6…ワインダ
10…コーティングパート 11…サービスタンク 12…塗布装置
12a…ドクターチャンバ 12b…アニックスローラ 12c…バッキングローラ
13…バッファタンク 13a…センサ 14…分離装置
15…ストレージタンク 16…プレサービスタンク
P1〜P7…第1〜第7ポンプ配管

Claims (4)

  1. 薬液を含有する衛生用薄葉紙を製造する方法であって,
    サービスタンク(11)に貯留されている薬液を塗布装置(12)に供給する工程と,
    前記塗布装置(12)によって,衛生用薄葉紙の原紙に対して薬液を塗布する工程と,
    前記塗布装置(12)に供給された前記薬液の余剰分をバッファタンク(13)に回収する工程と,
    前記バッファタンク(13)に回収した前記余剰分を,分離装置(14)によって,薬液分と紙粉分とに分離する工程と,
    前記分離装置(14)によって分離した前記薬液分を,前記サービスタンク(11)又は別のタンクに供給する工程と,を含む,
    製造方法。
  2. 前記バッファタンク(13)内に回収された前記余剰分が所定量以上となったときに,当該余剰分を前記分離装置(14)に供給する工程を,さらに含む
    請求項1に記載の製造方法。
  3. 薬液を貯留するサービスタンク(11)と,
    前記サービスタンク(11)内の薬液を,衛生用薄葉紙の原紙に塗布する塗布装置(12)と,
    前記塗布装置(12)に供給された前記薬液の余剰分を回収して貯留するためのバッファタンク(13)と,
    前記バッファタンク(13)内の前記余剰分を,薬液分と紙粉分とに分離する分離装置(14)と,を含み,
    前記分離装置(14)によって分離した前記薬液分を,前記サービスタンク(11)又は別のタンクに供給するように構成されている
    薬液の再利用装置。
  4. 前記バッファタンク(13)は,センサ(13a)を有し,
    前記センサ(13a)が,前記バッファタンク(13)内の貯留量が所定値以上となったことを検知したときに,当該バッファタンク(13)内の前記余剰分を,前記分離装置(14)に供給するように構成されている
    請求項3に記載の再利用装置。
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